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特表2024-535815心電図に基づいて左室収縮機能障害を診断する方法、プログラム及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】心電図に基づいて左室収縮機能障害を診断する方法、プログラム及び装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/00 20060101AFI20240925BHJP
   A61B 5/352 20210101ALI20240925BHJP
   A61B 5/358 20210101ALI20240925BHJP
   A61B 5/36 20210101ALI20240925BHJP
   A61B 5/366 20210101ALI20240925BHJP
【FI】
A61B10/00 K
A61B5/352
A61B5/358
A61B5/36
A61B5/366
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516403
(86)(22)【出願日】2022-09-23
(85)【翻訳文提出日】2024-03-13
(86)【国際出願番号】 KR2022014267
(87)【国際公開番号】W WO2023063619
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】10-2021-0134573
(32)【優先日】2021-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0118528
(32)【優先日】2022-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
(71)【出願人】
【識別番号】523010225
【氏名又は名称】メディカル・エーアイ・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Medical AI Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】163, Yangjaecheon-ro Gangnam-gu Seoul 06302 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】クォン・ジュン・ミョン
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127GG01
4C127GG02
4C127GG13
4C127GG16
(57)【要約】
本開示の一実施例によってコンピューティング装置によって実行される、少なくとも一つのプロセッサを含むコンピューティング装置によって実行される、心電図に基づいて左室収縮機能障害を診断する方法であって、心電図データを獲得する段階と、事前に学習された神経回路網モデルを使用して、前記心電図データに基づいて前記心電図データの測定対象に対する左室収縮機能障害の発病確率を推定する段階と、を含み、前記神経回路網モデルは、左室収縮機能障害と心電図特性の変化との間の相関関係に基づいて学習されたものである方法を提供しようとする。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのプロセッサを含むコンピューティング装置によって実行される、心電図に基づいて左室収縮機能障害を診断する方法であって、
心電図データを獲得する段階と、
事前に学習された神経回路網モデルを使用して、前記心電図データに基づいて前記心電図データの測定対象に対する左室収縮機能障害の発病確率を推定する段階と、を含み、
前記神経回路網モデルは、左室収縮機能障害と心電図特性の変化との間の相関関係に基づいて学習されたものである、方法。
【請求項2】
前記神経回路網モデルは、複数のサブモジュールを含むレジデュアルブロック(Residual blocks)を含み、
前記神経回路網モデルは、前記心電図データを受けて周産期心筋症の発病確率を出力する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記サブモジュールは、複数の畳込み神経回路網(CNN)、バッチ正規化(Batch normalization)、及びReLU活性化関数(ReLU activation function)レイヤーを含み、ドロップアウト(Dropout)レイヤーをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
第1サブモジュールは、入力を最後のレルで活性化関数レイヤーに直接入力するマックスプーリング(Max pooling)レイヤーをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記神経回路網モデルは、補助情報が入力される全結合(Fooly connected)レイヤーをさらに含み、
前記全結合レイヤーの出力と前記レジデュアルブロックの出力とが、周産期心筋症の発病確率を導出するために、一つに連結(Concatenation)される、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記神経回路網モデルに入力される心電図データは、ダウンサンプリング及びノイズ適用増強の前処理されて前記レジデュアルブロックに入力される、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
左室収縮機能障害と心電図特性の変化との間の相関関係は、PRセグメント、QRSセグメント、病理学的Q波、不良なR進行、ST減少、T波逆位、心房早期拍動及び心室早期拍動の領域のうちの少なくとも一つを含む心電図特性に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
コンピュータ可読の保存媒体に保存されたコンピュータプログラム(program)であって、
前記コンピュータプログラムは、一つ以上のプロセッサ(processor)によって実行される場合、心電図に基づいて行う左室収縮機能障害診断のための動作を実行させ、
前記動作は、
心電図データを獲得する動作と、
事前に学習された神経回路網モデルを使用して、前記心電図データに基づいて前記心電図データの測定対象に対する左室収縮機能障害の発病確率を推定する動作と、を含み、
前記神経回路網モデルは、左室収縮機能障害と心電図特性の変化との間の相関関係に基づいて学習されたものである、コンピュータプログラム。
【請求項9】
心電図に基づいて行う左室収縮機能障害診断のためのコンピューティング装置であって、
少なくとも一つのコア(core)を含むプロセッサ(processor)と、
前記プロセッサで実行可能なプログラムコード(code)を含むメモリ(memory)と、
を含み、
前記プロセッサは、前記プログラムコードの実行によって、心電図データを獲得し、事前に学習された神経回路網モデルを使用して、前記心電図データに基づいて前記心電図データの測定対象に対する左室収縮機能障害の発病確率を推定し、
前記神経回路網モデルは、左室収縮機能障害と心電図特性の変化との間の相関関係に基づいて学習されたものである、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の内容は左室収縮機能障害診断方法に関し、具体的には心電図に基づいて、神経回路網モデルを用いて左室収縮機能障害を診断する方法に関する。
【0002】
【背景技術】
【0003】
心電図(ECG:electrocardiogram)は、心臓で発生する電気的信号を測定し、心臓から電極までの伝導系の異常有無を確認して疾患有無を判別することができる信号である。
【0004】
心電図の発生原因である心臓拍動は、右心房(right atrium)に位置する洞結節(sinus node)から始まったインパルスがまず右心房及び左心房(left atrium)を脱分極(deploarization)させながら房室結節(atrioventricular node)でしばらく遅滞した後、心室を活性化させる。
【0005】
中隔(septum)が最も早く壁が薄い右心室は、壁が厚い左心室よりも先に活性化する。プルキンエ線維(purkinje fiber)まで伝達された脱分極波は心筋で波面(wavefront)のように、心内膜から心外膜に伝播されながら心室収縮を引き起こす。正常に電気的刺激が心臓を介して伝導されるので、心臓は分当たり約60~100回収縮する。各収縮は1回心拍数で示す。
【0006】
このような心電図は、両部位の間の電位差を記録する双極誘導(bipolar lead)、及び電極を付着させた部位の電位を記録する単極誘導(unipolar lead)によって検出することができる。心電図を測定する方法としては、双極誘導である標準肢誘導(standard limb lead)、単極誘導である単極肢誘導(unipolar limb lead)、単極誘導である前胸部誘導(precordial lead)などがある。
【0007】
心臓の電気的活性段階は、大別して、心房脱分極、心室脱分極、及び心室再分極の時期に区分され、このような各段階は、図1に示すように、P、Q、R、S、T波といういくつかの波形として反映される。
【0008】
このような波は、標準形態を有するとき、心臓の電気的活性が正常であると見なすことができる。標準形態であるかを把握するためには、各波が維持される時間、各波同士の間隔(interval)、各波の振幅、尖度などの特徴が正常範囲にあるかを検査しなければならない。
【0009】
このような心電図は高価の測定装備で測定され、患者の健康状態を測定するための補助道具として使用される。一般的に、心電図測定装備は測定結果のみを表示するだけで、診断は完全に医師の役割であった。
【0010】
現在、医師に対する依存度を低めるために、心電図に基づいて人工知能を用いて迅速で正確に疾患を診断する研究が継続的に行われている。また、ウェアラブル、ライフスタイル心電図測定機器の発達に伴って、心電図に基づいて心臓疾患だけではなく他の様々な疾患を診断及びモニタリングすることができる可能性が高くなっている。
【0011】
特に、周産期心筋症(PPCM)によって代表される心血管疾患による産婦死亡の深刻性が高くなっている。既存の基準によれば、周産期心筋症は妊娠の最後の月又は分娩後5ヶ月以内に心不全として診断される。また、心エコー検査によって患者の左心室駆出機能(LVEF)を確認して、45%以下の場合に診断される。周産期心筋症は、特に韓国で発病率が高いと報告され、その深刻性にもかかわらず、周産期心筋症に対する認識が低く、正常妊娠と心不全との間の徴候及び症状の類似性によって診断の困難がある実情である。
【0012】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本開示は前述した背景技術に対応して案出されたものであり、本開示の一実施例による心電図に基づいて左室収縮機能障害を診断する方法は、神経回路網モデルを使用して、心電図データに基づいて心電図データの測定対象に対する左室収縮機能障害の発病確率を推定することを目的とする。
【0014】
ただし、本開示で解決しようとする課題は以上で言及した課題に限定されず、言及しなかった他の課題は下の記載から明らかに理解可能であろう。
【0015】
【課題を解決するための手段】
【0016】
前述したような課題を実現するための本開示の一実施例によって、少なくとも一つのプロセッサを含むコンピューティング装置によって実行される、心電図に基づいて左室収縮機能障害を診断する方法であって、心電図データを獲得する段階と、事前に学習された神経回路網モデルを使用して、前記心電図データに基づいて前記心電図データの測定対象に対する左室収縮機能障害の発病確率を推定する段階と、を含み、前記神経回路網モデルは、左室収縮機能障害と心電図特性の変化との間の相関関係に基づいて学習されたものである方法を提供しようとする。
【0017】
代案として、前記神経回路網モデルは、複数のサブモジュールを含むレジデュアルブロック(Residual blocks)を含み、前記神経回路網モデルは、前記心電図データを受けて周産期心筋症の発病確率を出力する方法を提供しようとする。
【0018】
代案として、前記サブモジュールは、複数の畳込み神経回路網(CNN)、バッチ正規化(Batch normalization)、及びReLU活性化関数(ReLU activation function)レイヤーを含み、ドロップアウト(Dropout)レイヤーをさらに含む方法を提供しようとする。
【0019】
代案として、第1サブモジュールは、入力を最後のレルで活性化関数レイヤーに直接入力するマックスプーリング(Max pooling)レイヤーをさらに含む方法を提供しようとする。
【0020】
代案として、前記神経回路網モデルは、補助情報が入力される全結合(Fooly connected)レイヤーをさらに含み、前記全結合レイヤーの出力と前記レジデュアルブロックの出力とが、周産期心筋症の発病確率を導出するために、一つに連結(Concatenation)される方法を提供しようとする。
【0021】
代案として、前記神経回路網モデルに入力される心電図データは、ダウンサンプリング及びノイズ適用増強の前処理されて前記レジデュアルブロックに入力される方法を提供しようとする。
【0022】
代案として、左室収縮機能障害と心電図特性の変化との間の相関関係は、PRセグメント、QRSセグメント、病理学的Q波、不良なR進行、ST減少、T波逆位、心房早期拍動及び心室早期拍動の領域のうちの少なくとも一つを含む心電図特性に基づく方法を提供しようとする。
【0023】
本開示の他の実施例によって、コンピュータ可読の保存媒体に保存されたコンピュータプログラム(program)であって、前記コンピュータプログラムは、一つ以上のプロセッサ(processor)によって実行される場合、心電図に基づいて行う左室収縮機能障害診断のための動作を実行させ、前記動作は、心電図データを獲得する動作と、事前に学習された神経回路網モデルを使用して、前記心電図データに基づいて前記心電図データの測定対象に対する左室収縮機能障害の発病確率を推定する動作と、を含み、前記神経回路網モデルは、左室収縮機能障害と心電図特性の変化との間の相関関係に基づいて学習されたものである、コンピュータプログラムを提供しようとする。
【0024】
本開示のさらに他の実施例によって、心電図に基づいて行う左室収縮機能障害診断のためのコンピューティング装置であって、少なくとも一つのコア(core)を含むプロセッサ(processor)と、前記プロセッサで実行可能なプログラムコード(code)を含むメモリ(memory)と、を含み、前記プロセッサは、前記プログラムコードの実行によって、心電図データを獲得し、事前に学習された神経回路網モデルを使用して、前記心電図データに基づいて前記心電図データの測定対象に対する左室収縮機能障害の発病確率を推定し、前記神経回路網モデルは、左室収縮機能障害と心電図特性の変化との間の相関関係に基づいて学習されたものである装置を提供しようとする。
【発明の効果】
【0025】
本開示の一実施例による心電図に基づいて左室収縮機能障害を診断する方法は、神経回路網モデルを使用して、心電図データに基づいて心電図データの測定対象に対する左室収縮機能障害の発病確率を推定する方法を提供する効果がある。
【0026】
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本開示による心電図信号を示す図である。
【0028】
図2】本開示の一実施例によるコンピューティング装置のブロック図である。
【0029】
図3】本開示の一実施例によって心電図に基づいて左室収縮機能障害を診断する方法を示すフローチャートである。
【0030】
図4】本開示の一実施例による神経回路網モデルの構造を示す図である。
【0031】
図5】本開示の一実施例による神経回路網モデルの検証研究過程を示す図である。
【0032】
図6】本開示の一実施例による神経回路網モデルの外部検証テスト過程を示す図である。
【0033】
図7】本開示の一実施例による神経回路網モデルの内部検証テスト結果を示す図である。
【0034】
図8】本開示の一実施例による神経回路網モデルの外部検証テスト結果を示す図である。
【0035】
図9】本開示の一実施例による神経回路網モデルの学習結果を視覚化したものを示す図である。
図10】本開示の一実施例による神経回路網モデルの学習結果を視覚化したものを示す図である。
【0036】
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下では、添付図面を参照して本開示の技術分野で通常の知識を有する者(以下、当業者という)が容易に実施することができるように本開示の実施例を詳細に説明する。本開示で提示する実施例は当業者が本開示の内容を用いるか又は実施することができるように提供する。よって、本開示の実施例に対する多様な変形は当業者に明らかであろう。すなわち、本開示は様々な相異なる形態に具現可能であり、以下の実施例に限定されない。
本開示の明細書全般にわたって同一又は類似の図面符号は同一又は類似の構成要素を指す。また、本開示を明確に説明するために、本開示についての説明に関係ない部分の図面符号は図面から省略することができる。
【0038】
本開示で使用する「又は」という用語は排他的「又は」ではなく、内包的「又は」を意味しようとする。すなわち、本開示で、他に特定しないか又は文脈上でその意味が明確ではない場合、「xはa又はbを用いる」は自然的な内包的置換のうちの一つを意味するものと理解しなければならない。例えば、本開示で、他に特定しないか又は文脈上でその意味が明確ではない場合、「xはa又はbを用いる」はxがaを用いるか、xがbを用いるか、又はxがa及びbの両者を用いる場合のうちのいずれか一つと解釈することができる。
【0039】
本開示で使用する「及び/又は」という用語は、列挙する関連の概念のうちの一つ以上の概念の可能なすべての組合せを示しながら含むものと理解しなければならない。
【0040】
本開示で使用する「含む」及び/又は「含んでいる」という用語は、特定の特徴及び/又は構成要素が存在することを意味するものと理解しなければならない。ただし、「含む」及び/又は「含む」という用語は、一つ以上の他の特徴、他の構成要素及び/又はこれらの組合せの存在又は追加を排除しないものと理解しなければならない。
【0041】
本開示で、他に特定しないか又は単数の形態を示すものとして、文脈上明確ではない場合、単数は一般的に「一つ又はそれ以上」を含むことができるものと解釈しなければならない。
【0042】
本開示で使用する「第n(nは自然数)」という用語は、本開示の構成要素を機能的観点、構造的観点、又は説明の便宜性などの所定の基準によって互いに区別するために使用する表現と理解することができる。例えば、本開示で、互いに異なる機能的役割を行う構成要素は第1構成要素又は第2構成要素に区別することができる。ただし、本開示の技術的思想内で実質的に同一であるが、説明の便宜のために区分しなければならない構成要素も第1構成要素又は第2構成要素に区別することもできる。
【0043】
本開示で使用する「獲得」という用語は、外部装置又はシステムに対して有無線通信ネットワークを介してデータを受信することだけでなく、オンデバイス(on-device)形態としてデータを生成することを意味するものと理解することができる。
【0044】
一方、本開示で使用する用語「モジュール(module)」、又は「部(unit)」は、コンピュータ関連エンティティー(entity)、ファームウエア(firmware)、ソフトウェア(software)又はその一部、ハードウェア(hardware)又はその一部、ソフトウェア及びハードウェアの組合せなどのようにコンピューティング資源を処理する独立的な機能単位を示す用語と理解することができる。ここで、「モジュール」、又は「部」は単一の要素で構成された単位であることもあり、複数の要素の組合せ又は集合と表現される単位であることもある。例えば、協議の概念として「モジュール」、又は「部」はコンピューティング装置のハードウェア要素又はその集合、ソフトウェアの特定の機能を果たす応用プログラム、ソフトウェアの実行によって具現される処理過程(procedure)、又はプログラムの実行のための命令語の集合などを示すことができる。また、広義の概念として「モジュール」、又は「部」はシステムを構成するコンピューティング装置自体、又はコンピューティング装置で実行されるアプリケーションなどを示すことがある。ただし、上述した概念は一例示に過ぎないので、「モジュール」、又は「部」の概念は本開示の内容に基づいて当業者が理解可能な範疇内で多様に定義可能である。
【0045】
本開示で使用する「モデル(model)」という用語は、特定の問題を解決するために、数学的概念及び言語を使用して具現するシステム、特定の問題を解決するためのソフトウェア単位の集合、又は特定の問題を解決するための処理過程に対する抽象画模型と理解することができる。例えば、神経回路網(neural network)「モデル」は学習によって問題解決能力を有する神経回路網として具現されるシステム全般を示すことができる。ここで、神経回路網は、ノード(node)又はニューロン(neuron)を連結するパラメーター(parameter)を学習によって最適化して問題解決能力を有することができる。神経回路網「モデル」は単一の神経回路網を含むこともでき、複数の神経回路網が組み合わせられた神経回路網集合を含むこともできる。
【0046】
本開示で使用する「データ」は「映像」、信号などを含むことができる。本開示で使用する「映像」という用語は、離散的イメージ要素で構成された多次元データを示し得る。言い換えれば、「映像」はヒトの目で見られる対象のデジタル表現物を示す用語と理解することができる。例えば、「映像」は2次元イメージにおいてピクセルに相当する要素で構成された多次元データを示し得る。「映像」は3次元イメージにおいてボクセルに相当する要素で構成された多次元データを示し得る。
【0047】
本開示で使用する「ブロック(block)」という用語は、種類、機能などのような多様な基準によって区分された構成の集合と理解することができる。よって、一つの「ブロック」に分類される構成は基準によって多様に変更可能である。例えば、神経回路網「ブロック」は少なくとも一つの神経回路網を含む神経回路網集合と理解することができる。ここで、神経回路網「ブロック」に含まれた神経回路網は特定の演算を同等に実行するものと仮定することができる。
【0048】
前述した用語の説明は本開示の理解を手伝うためのものである。したがって、前述した用語を本開示の内容を限定する事項として明示的に記載しない場合、本開示の内容を技術的思想を限定する意味として使用するものではではないことに気を付けなければならない。
【0049】
図2は本開示の一実施例によるコンピューティング装置のブロック構成図である。
【0050】
本開示の一実施例によるコンピューティング装置100はデータの総合的な処理及び演算を行うハードウェア装置又はハードウェア装置の一部でもあり、通信ネットワークを介して連結されるソフトウェアに基づくコンピューティング環境でもあり得る。例えば、コンピューティング装置100は集約的データ処理の機能を行い、資源を共有する主体であるサーバーでもあり、サーバーとの相互作用によって資源を共有するクライアント(client)でもあり得る。また、コンピューティング装置100は、複数のサーバー及びクライアントが互いに作用してデータを総合的に処理するクラウドシステム(cloud system)でもあり得る。上述した記載はコンピューティング装置100の種類に関連した一例示に過ぎないので、コンピューティング装置100の種類は本開示の内容に基づいて当業者が理解可能な範疇内で多様に構成可能である。
【0051】
図2を参照すると、本開示の一実施例によるコンピューティング装置100はプロセッサ(processor)110と、メモリ(memory)120と、ネットワーク部(network unit)130と、を含むことができる。ただし、図2は一例示に過ぎないので、コンピューティング装置100は、コンピュータ環境を具現するための他の構成を含むことができる。また、前記開示した構成のうちの一部のみをコンピューティング装置100に含むこともできる。
【0052】
本開示の一実施例によるプロセッサ110はコンピューティング演算を実行するためのハードウェア及び/又はソフトウェアを含む構成単位と理解することができる。例えば、プロセッサ110は、コンピュータプログラムを読み取って機械学習のためのデータ処理を実行することができる。プロセッサ110は、機械学習のための入力データの処理、機械学習のための特徴抽出、逆伝搬(backpropagation)に基づく誤差計算などのような演算過程を処理することができる。このようなデータ処理を実行するためのプロセッサ110は、中央処理装置(CPU:central processing unit)、汎用グラフィック処理装置(GPGPU:general purpose graphics processing unit)、テンソル処理装置(TPU:tensor processing unit)、特定用途向け集積回路(ASICc:application specific integrated circuit)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field programmable gate array)などを含むことができる。上述したプロセッサ110の種類は一例示に過ぎないので、プロセッサ110の種類は本開示の内容に基づいて当業者が理解可能な範疇内で多様に構成可能である。
【0053】
プロセッサ110は、医療データに基づいて左室収縮機能障害を診断する神経回路網モデルを学習させることができる。例えば、プロセッサ110は、心電図データとともに、性別、年齢、体重、身長などの情報を含む生物学的データに基づいて左室収縮機能障害有無、進行程度などを推定するように神経回路網モデルを学習させることができる。具体的には、プロセッサ110は、心電図データ及び各種の生物学的データを神経回路網モデルに入力して、神経回路網モデルが左室収縮機能障害による心電図の変化を感知するように、神経回路網モデルを学習させることができる。ここで、神経回路網モデルは、左室収縮機能障害と心電図変化との相関関係に基づいて学習を行うことができる。左室収縮機能障害と心電図変化との相関関係は、心臓機能の変化と心電図信号の形態変化との間の関連性についての情報と理解することができる。プロセッサ110は、神経回路網モデルの学習過程で神経回路網モデルに含まれた少なくとも一つの神経回路網ブロックを表現する演算を実行することができる。
【0054】
プロセッサ110は、上述した学習過程によって生成された神経回路網モデルを用いて、医療データに基づいて左室収縮機能障害の発病有無を推定することができる。プロセッサ110は、上述した過程によって学習された神経回路網モデルに心電図データ、及び性別、年齢、体重、身長などの情報を含む生物学的データを入力することにより、ヒトの左室収縮機能障害の発病確率を推定した結果を示す推論データを生成することができる。例えば、プロセッサ110は、学習の完了した神経回路網モデルに心電図データを入力して、左室収縮機能障害の発病有無、進行程度などを予測することができる。プロセッサ110は、このような左室収縮機能障害を診断する神経回路網モデルを介して、ヒトが解釈しにくい微妙な心電図変化を効果的に把握して左室収縮機能障害の発病を正確に予測することができる。
【0055】
上述した例示の他にも、医療データの種類及び神経回路網モデルの出力は本開示の内容に基づいて当業者の理解可能な範疇内で多様に構成可能である。
【0056】
本開示の一実施例によるメモリ120はコンピューティング装置100で処理されるデータを保存して管理するためのハードウェア及び/又はソフトウェアを含む構成単位と理解することができる。すなわち、メモリ120は、プロセッサ110が生成するか又は決定した任意の形態のデータ及びネットワーク部130が受信した任意の形態のデータを保存することができる。例えば、メモリ120は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ、RAM(random access memory)、SRAM(static random access memory)、ROM(read-only memory)、EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)、PROM(programmable read-only memory)、磁気メモリ、磁気ディスク、及び光ディスクのうちの少なくとも一つのタイプの保存媒体を含むことができる。また、メモリ120は、データを所定の体制で統制して管理するデータベース(database)システムを含むこともできる。上述したメモリ120の種類は一例示に過ぎないので、メモリ120の種類は本開示の内容に基づいて当業者が理解可能な範疇内で多様に構成可能である。
【0057】
メモリ120は、プロセッサ110が演算を実行するのに必要なデータ、データの組合せ、及びプロセッサ110で実行可能なプログラムコード(code)などを構造化及び組職化して管理することができる。例えば、メモリ120は、後述するネットワーク部130を介して受信した医療データを保存することができる。メモリ120は、神経回路網モデルが医療データを受けて学習を実行するように動作させるプログラムコード、神経回路網モデルが医療データを受け、コンピューティング装置100の使用目的に応じて推論を行うように動作させるプログラムコード、及びプログラムコードが実行されることによって生成された加工データなどを保存することができる。
【0058】
本開示の一実施例によるネットワーク部130は任意の形態の公知の有無線通信システムを介してデータを送受信する構成単位と理解することができる。例えば、ネットワーク部130は、ローカルエリアネットワーク(LAN:local area network)、広帯域符号分割多重接続(WCDMA:wideband code division multiple access)、LTE(long term evolution)、ワイブロ(WiBro:wireless broadband internet)、5世代移動通信(5G)、超広帯域無線通信(ultrawide-band)、シグビー(ZigBee(登録商標))、無線周波数(RF:radio frequency)通信、無線LAN(wireless LAN)、ワイファイ(wireless fidelity)、近距離無線通信(NFC:near field communication)、又はブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))などのような有無線通信システムを使用してデータ送受信を行うことができる。上述した通信システムは一例示に過ぎないので、ネットワーク部130のデータ送受信のための有無線通信システムは上述した例示の他に多様に適用可能である。
【0059】
ネットワーク部130は、任意のシステム又は任意のクライアントなどとの有無線通信を介して、プロセッサ110が演算を実行するのに必要なデータを受信することができる。また、ネットワーク部130は、任意のシステム又は任意のクライアントなどとの有無線通信を介して、プロセッサ110の演算によって生成されたデータを送信することができる。例えば、ネットワーク部130は、病院環境内のデータベース、医療データの標準化などの作業を行うクラウドサーバー、又はコンピューティング装置などとの通信を介して医療データを受信することができる。ネットワーク部130は、前述したデータベース、サーバー、又はコンピューティング装置などとの通信を介して、神経回路網モデルの出力データ、及びプロセッサ110の演算過程で導出される中間データ、加工データなどを送信することができる。
【0060】
図3は本開示の一実施例によって、心電図に基づいて甲状腺機能障害を診断する方法を示すフローチャートである。
【0061】
図3を参照すると、少なくとも一つのプロセッサを含むコンピューティング装置によって実行される、心電図に基づいて左室収縮機能障害を診断する方法であって、まず心電図データを獲得する段階(S100)を実行することができる。
【0062】
心電図データは、心電図測定機器によって測定されたものを直接的に獲得するか、又は心電図測定機器からネットワーク通信を介して獲得することができる。
【0063】
その後、事前に学習された神経回路網モデルを使用して、心電図データに基づいて心電図データの測定対象に対する左室収縮機能障害の発病確率を推定する段階(S110)を実行することができる。
【0064】
また、前記推定段階(S110)は、神経回路網モデルに心電図データとともに年齢、性別、体重及び身長のうちの少なくとも一つを含む生物学的データを入力して、心電図データの測定対象に対する左室収縮機能障害の発病確率を推定する段階を含むことができる。
【0065】
【0066】
ここで、神経回路網モデルは、左室収縮機能障害と心電図特性の変化との間の相関関係に基づいて学習されたものであり得る。また、神経回路網モデルは、左室収縮機能障害と、心電図、性別、年齢、体重、身長などの特性の変化との間の相関関係に基づいて学習されたものであり得る。具体的には、神経回路網モデルは左室収縮機能障害の発病有無及び進捗度と心電図及びその他の特性の変化との間の相関関係に基づいて学習されたものであり得る。神経回路網モデルは、分娩前後の左室収縮機能障害だけでなく多様な左心室関連の障害を診断することに活用可能である。
【0067】
神経回路網モデルは、人体に連結された心電図測定機器の電極から獲得される12リードで測定された心電図に基づいて学習されたものであり得る。一例として、心電図は、10秒間の12リードで測定され、1秒当たり500個のポイントに保存され得る。追加として、神経回路網モデルは、12リード心電図のうちで6個の肢リード(limb lead)心電図及び単一リード(lead I)心電図のみを抽出した部分情報に基づいて学習され得る。
【0068】
図4を参照すると、本開示の一実施例による神経回路網モデルの構造を示す図である。
【0069】
図4を参照すると、本開示の一実施例による神経回路網モデルは、複数のレジデュアルブロック(residual blocks)で構成される神経回路網を含むことができる。レジデュアルブロックで構成される神経回路網は、心電図データを受けて分娩前後の左室収縮機能障害の発病確率を出力するためのものであり得る。
【0070】
具体的には、神経回路網モデルは、複数のサブモジュールを含むレジデュアルブロック(Residual blocks)を含むことができる。神経回路網モデルは、心電図データを受けて周産期心筋症の発病確率を出力することができる。サブモジュールは、複数の畳込み神経回路網(CNN)、バッチ正規化(Batch normalization)、及びReLU活性化関数(ReLU activation function)レイヤーを含み、ドロップアウト(Dropout)レイヤーをさらに含むことができる。
【0071】
第1サブモジュールは、入力を最後のReLU活性化関数レイヤーに直接入力するマックスプーリング(Max pooling)レイヤーを含むことができる。神経回路網モデルは、年齢、性別、身長、体重などの補助情報が入力される全結合(Fooly connected)レイヤーを含むことができる。全結合レイヤーの出力とレジデュアルブロックの出力とが、周産期心筋症の発病確率を導出するために、一つに連結(Concatenation)されることができる。
【0072】
神経回路網モデルに入力される心電図データはダウンサンプリング及びノイズ適用増強の前処理されてレジデュアルブロックに入力され得る。具体的には、心電図のサンプリング速度を500hzから250hzにダウンサンプリングし、多様なノイズを適用したデータ増強を使用した。
【0073】
神経回路網モデルは、心電図データの複数のリードのそれぞれに対応する神経回路網を含むことができる。すなわち、神経回路網モデルは、個別リードで測定された心電図がそれぞれ入力される個別神経回路網を含むことができる。
【0074】
例えば、神経回路網モデルは、12個の多重リードで測定される心電図データに基づいて学習された第1サブ神経回路網モデルを含むことができる。また、神経回路網モデルは、6個の肢(limb)リード又は6個の前胸部リードのうちの少なくとも一つに基づいて学習された第2サブ神経回路網モデルをさらに含むことができる。また、神経回路網モデルは、単一リードで測定される心電図データに基づいて学習された第3サブ神経回路網モデルをさらに含むことができる。神経回路網モデルは、リードの個数によって、第1サブ神経回路網モデル、第2サブ神経回路網モデル又は第3サブ神経回路網モデルのうちの少なくとも一つを選択的に使用することができる。よって、神経回路網モデルは、リードの個数に関係なく左室収縮機能障害の発病を効果的に予測することができる。また、12リードの心電図データが入力される場合、神経回路網モデルとしては、第1サブ神経回路網モデル、第2サブ神経回路網モデル及び第3サブ神経回路網モデルをすべて使用し、それぞれのサブモデルの出力を組み合わせて左室収縮機能障害の発病確率を出力することもできる。神経回路網モデルは、このような組合せによって左室収縮機能障害の発病予測正確度を高めることができる。
【0075】
以下では、上述した構造の神経回路網モデルの検証のために実行した統計分析方法について説明する。
【0076】
神経回路網モデルの性能は、1次及び2次テスト結果に対して95%信頼区間(95%CI)で、感度、特異度、陽性予測値(PPV)及び陰性予測値(NPV)を測定した。ユウデンJ統計を使用して、95%CIの受信者作動特性曲線下面積(AUROC)の計算及び受信者作動特性曲線(AUC)分析も実行した。スチューデントT-検定、マンホイットニーU検定(mann-whitney u-test)、カイ二乗検定(χ2 test)及びフィッシャー(fisher)の正確検定を適切に使用して変数を比較した。P値は0.05未満に設定した。
【0077】
以下では、本開示の一実施例による神経回路網モデルの検証研究について説明する。
【0078】
図5は本開示の一実施例による神経回路網モデルの内部検証テスト過程を示す図である。図6は本開示の一実施例による神経回路網モデルの外部検証テスト過程を示す図である。
【0079】
【0080】
図5及び図6を参照すると、8,549件の分娩事例のうちで278件の心電図-心エコー図対を検証研究データとして活用した。既存に構造的心臓病、先天性心臓病があるか又は周産期心エコー検査で新たに確認された心臓病がある7カップル(妊婦5人)は除いた。主要研究母集団として総271カップル(妊婦157人)を含んだ。
【0081】
下記の表1を参照すると、研究対象患者の平均年齢は33.4才であり、50人の患者(31.8%)が老年(>35才)であった。記録された産科的病歴がない45人の患者を除き、初産及び多産はそれぞれ48.2%及び51.8%の比で構成された。
【0082】
【表1】
【0083】
【0084】
神経回路網モデルは、52,682人の患者に対する107,288個の心電図データセットに基づいて学習された。内部検証テストは、5,848人の患者から15,445個の心電図データを使用して実行した。神経回路網モデルの学習に使用されるコホートの基本特性は下記の表2で確認することができる。
【0085】
【表2】
【0086】
図7は本開示の一実施例による神経回路網モデルの内部検証テスト結果を示す図である。
【0087】
図7を参照すると、内部検証テストで、心不全感知のための神経回路網モデルの受信者作動特性曲線下面積(以下、AUROCという)、感度、特異度、PPV、NPVを下記の表3で確認することができる。AUROCは、LVEFが45%以下の場合、0.896(95%信頼区間[CI]、0.890-0.903)、感度は0.796(95%CI、0.781-0.811)、特異度は0.841(95%CI、0.8435)、PPVは0.533(95%CI、0.518-0.548)、及びNPVは0.948(95%CI、0.944-0.952)であることを確認することができる。
【0088】
【表3】
【0089】
図8は本開示の一実施例による神経回路網モデルの外部検証テスト結果を示す図である。
【0090】
図8を参照すると、周産期心筋症基準のカットオフ値を使用し、45%以下のLVEFで周産期心筋症を感知するための神経回路網モデルのAUROCは0.877(95%CI、0.803-0.952)であった。また、下記の表4を参照すると、感度、特異度、PPV及びNPVはそれぞれ0.833(95%CI、0.700-0.967)、0.809(95%CI、0.760-0.859)、0.352(95%CI、0.2491-0.2491-0.453)及び0.975(95%CI、0.953-0.997)と測定された。
【0091】
【表4】
【0092】
図9及び図10は本開示の一実施例による神経回路網モデルの学習結果を視覚化したものを示す図である。
【0093】
図9及び図10を参照すると、神経回路網モデルが集中している心電図領域を識別するために、Grad-CAM(Gradient-weighted CAM)を適用したことを確認することができる。神経回路網モデルは、周産期心筋症の発病確率を決定するために、PRセグメント、QRSセグメント、病理学的Q波、不良なR波の進行、ST減少、T波逆位、心房早期拍動及び心室早期拍動の領域に焦点を合わせたものと把握された。
【0094】
まとめると、上述した左室収縮機能障害と心電図特性の変化との間の相関関係は、PRセグメント、QRSセグメント、病理学的Q波、不良なR進行、ST減少、T波逆位、心房早期拍動及び心室早期拍動領域のうちの少なくとも一つを含む心電図特性に基づき得る。
【0095】
以上で説明したように、本開示による左室収縮機能障害診断方法によって、周産期心筋症の発病確率を予測するために、神経回路網モデルを開発し、271件の心電図-心エコー図対を使用して神経回路網モデルを外部的に検証した。
【0096】
妊娠中には人体の血流学的及び構造的変化が発生し得る。左心室の構造的変化とともにホルモンの変化は、血漿量及び心拍出量の増加はもちろんのこと、全身血管抵抗の減少に寄与することができる。
【0097】
妊娠の特徴を考慮して、一般患者と比較した妊娠患者に対する心電図に基づく神経回路網モデルの適合性を示す研究を実行した。妊娠中にも心電図の変化があることが把握され、心拍数の増加、QRS軸の変化、非特異的STセグメントの変化、T波軸の変化などが発生することが判断された。
【0098】
本開示の一実施例による心電図に基づいて左室収縮機能障害を診断する方法は、神経回路網モデルを使用して、心電図データに基づいて心電図データの測定対象に対する左室収縮機能障害の発病確率を推定することができるようにした。
【0099】
さらに、本開示の一実施例による左室収縮機能障害診断方法は、心電図、性別、年齢、身長、体重などの情報に基づいて、神経回路網モデルを用いて左室収縮機能障害を診断することができる効果がある。
【0100】
前述した本開示の多様な実施例は追加の実施例と結合することができ、上述した詳細な説明から当業者が理解することができる範疇内で変更可能である。本開示の実施例はすべての面で例示的なものであり、限定的ではないものと理解しなければならない。例えば、単一型として説明したそれぞれの構成要素は分散して実施することもでき、同様に分散されたものとして説明した構成要素も結合した形態として実施することができる。よって、本開示の特許請求の範囲の意味、範囲及びその均等概念から導出されるすべての変更又は変形の形態を本開示の範囲に含まれるものと解釈しなければならない。
【符号の説明】
【0101】
100 :コンピューティング装置
110 :プロセッサ
120 :メモリ
130 :ネットワーク部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】