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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】車両タイヤディテーリングマット
(51)【国際特許分類】
   B60S 3/04 20060101AFI20240925BHJP
   B60T 3/00 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
B60S3/04
B60T3/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516410
(86)(22)【出願日】2022-05-11
(85)【翻訳文提出日】2024-05-07
(86)【国際出願番号】 EP2022062834
(87)【国際公開番号】W WO2023041206
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】2113139.6
(32)【優先日】2021-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524095133
【氏名又は名称】バトラー,マイケル
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】バトラー,マイケル
【テーマコード(参考)】
3D026
【Fターム(参考)】
3D026AA29
3D026AA62
(57)【要約】
車両タイヤディテーリングマットアセンブリを形成するように構成された車両タイヤディテーリングマットキット。キットは第1のタイヤディテーリングマットのペアを含む。各第1のタイヤディテーリングマットは、表面に形成された複数の隆線を有するマットベースを含み、隆線は、排出開口の方へ方向付けられたチャネル又は溝を形成する。各第1のタイヤディテーリングマットは、平面状ベースの一端において表面上に位置決めされた車輪止めも含む。キットは第2のタイヤディテーリングマットのペアを含む。各第2のタイヤディテーリングマットは、表面に形成された2つの排出開口及び複数の隆線を有するマットベースを含む。隆線は、2つの排出開口のうち少なくとも1つの方へ方向付けられたチャネル又は溝を形成する。第2のタイヤディテーリングマットの隆線は、第2のタイヤディテーリングマットの表面が、第1のタイヤディテーリングマットの表面上に提供された隆線に接触して配置された場合に、各マットの隆線が相互の横に沿うように表面上で構成されている。第2のタイヤディテーリングマットの開口のうち1つは、第1のタイヤディテーリングマットの開口と位置合わせされるように構成され、第2のタイヤディテーリングマットの開口のうち他の1つは、第1のタイヤディテーリングマットの車輪止めがマットを貫通することを可能とする。第1及び第2のタイヤディテーリングマットは、各第1のディテーリングマットの車輪止めの各1つを反対方向で第2のタイヤマットの開口及び他の第1のタイヤマットの開口に貫通させることによって組み立てられるよう構成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マットベースであって、前記ベースの表面に形成された複数の隆線を有し、前記隆線は排出開口の方へ方向付けられたチャネル又は溝を形成する、マットベースと、
前記マットベースの一端において表面上に位置決めされた車輪止めと、
を備える、第1のタイヤディテーリングマット。
【請求項2】
使用時、前記マットベースは地面に置かれ、前記複数の隆線は車両に取り付けられたタイヤを前記地面から離して支持するように構成されている、請求項1に記載の第1のタイヤディテーリングマット。
【請求項3】
前記排出開口は、前記車輪止めとは反対側の前記平面状ベースの端部に位置付けられ、車輪止めと同様の寸法を有する車輪止めが貫通することを可能とするように構成され、
前記車輪止めは、少なくとも1つの他の第1のタイヤディテーリングマットを貫通するような寸法を有する、請求項1又は2に記載の第1のタイヤディテーリングマット。
【請求項4】
前記マットベース及び車輪止めを支持する車輪止めサポートを更に備える、請求項1から3のいずれかに記載の第1のタイヤディテーリングマット。
【請求項5】
前記車輪止めサポートは、前記車輪止めが上に提供されている前記マットベース上の隆起領域又はプラットフォームである、請求項4に記載の第1のタイヤディテーリングマット。
【請求項6】
前記車輪止めサポートは、前記マットベース上で車輪止めを取り囲む環状部である、請求項1から5のいずれかに記載の第1のタイヤディテーリングマット。
【請求項7】
前記隆線は、前記マットベースの前記車輪止め端部から前記排出開口の方へ前記マットベース上で長手方向に延出するように配置されている、請求項1から6のいずれかに記載の第1のタイヤディテーリングマット。
【請求項8】
前記タイヤディテーリングマットは、弾性材料又はゴムマットを含む、請求項1から7のいずれかに記載の第1のタイヤディテーリングマット。
【請求項9】
前記タイヤディテーリングマットは、弾性ゴム材料から作製された成形ユニボディマットである、請求項8に記載の第1のタイヤディテーリングマット。
【請求項10】
前記弾性ゴム材料は、高密度ポリエチレンHDPE、低密度ポリエチレン、又はポリ塩化ビニルPVCのうち少なくとも1つを含む、請求項9に記載の第1のタイヤディテーリングマット。
【請求項11】
マットベースであって、前記マットベースの表面に形成された2つの排出開口及び複数の隆線を有する、マットベースを備える第2のタイヤディテーリングマットであって、
前記隆線は、前記2つの排出開口のうち少なくとも1つの方へ方向付けられたチャネル又は溝を形成し、
前記第2のタイヤディテーリングマットの前記隆線は、表面が、請求項1から10のいずれか一項に記載の第1のタイヤディテーリングマットの表面上に提供された隆線に接触して配置された場合に、隆線を受容して隆線の横に沿うように表面上で構成され、
前記2つの開口のうち1つは、前記第1のタイヤディテーリングマットの開口と位置合わせされるように構成され、
前記開口のうち他の1つは、前記第1のタイヤディテーリングマットの車輪止めが前記マットベースを貫通することを可能とする、第2のタイヤディテーリングマット。
【請求項12】
車両タイヤディテーリングマットアセンブリを形成するように構成された車両タイヤディテーリングマットキットであって、
請求項1から10のいずれか一項に記載の第1のタイヤディテーリングマットのペアと、
請求項11に記載の第2のタイヤディテーリングマットのペアと、を備え、
前記第1及び第2のタイヤディテーリングマットは、各第1のディテーリングマットの前記車輪止めの各1つを反対方向で前記第2のタイヤマットの前記開口及び前記他の第1のタイヤマットの前記開口に貫通させることによって組み立てられるよう構成されている、車両タイヤディテーリングマット。
【請求項13】
前記車両タイヤディテーリングマットアセンブリは、第1及び第2のタイヤディテーリングマットのペアを2つ含み、
各ペアは、各隆線が提供されている表面が相互に向かい合っている第1及び第2のタイヤディテーリングマットを含み、
各ペアの前記車輪止めは、次いで第1及び第2のタイヤディテーリングマットの他のペアの前記位置合わせされた開口に貫通させる、請求項12に記載の車両タイヤディテーリングマット。
【請求項14】
前記第1及び第2のタイヤは、弾性ゴム材料から形成され、
前記車両タイヤディテーリングマットアセンブリにおける前記第1のタイヤディテーリングマットの前記車輪止め及び前記車輪止めが貫通する開口の前記寸法は、前記車輪止めが前記開口内で横方向に圧縮されるように構成されている、請求項12又は13に記載の車両タイヤディテーリングマット。
【請求項15】
請求項12から14のいずれか一項に記載の車両タイヤディテーリングキットを用いて車両上のタイヤをディテーリングする方法であって、
請求項1から10のいずれか一項に記載の第1のタイヤディテーリングマットを前記車両のフロントタイヤに隣接して配置することと、
請求項11に記載の第2のタイヤディテーリングマットを前記車両の各リアタイヤに隣接して配置することと、
前記フロントタイヤが前記第1のタイヤディテーリングマット上で前記第1のタイヤディテーリングマットの前記車輪止めに隣接して配置されると共に、前記車両の前記リアタイヤが前記第2のタイヤディテーリングマット上に位置決めされるまで、前記車両を前記第1のタイヤディテーリングマット上へ前方又は後方に移動させることと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、車両タイヤディテーリングマット、車両タイヤディテーリングマットアセンブリのための車両タイヤディテーリングマットキット、及び、車両タイヤディテーリングマットを用いて車両タイヤセットを細部までクリーニングする方法、及び任意の関連する態様に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 地面上で、特に、例えば土もしくは砂利、又は同様の粗い物質の地面上で車両をクリーニングする場合、地面が近いために、車両タイヤの細部クリーニングを適切に実行することが難しいことがある。これは、特に、ホース又は高圧洗浄機によって提供されるような方向性のある噴流水を用いてクリーニングを行う場合に当てはまり得る。地面に最も近い地点のタイヤをクリーニングする場合に地面からきれいな水の飛び散り又はしぶきが存在すると、水と時間が無駄になる。このような飛び散り又はしぶきは多くの場合、地面からの土又は砂粒で汚れているので、この汚れた水が車両のタイヤ及び/又は車台に飛び散った場合、通常はホース又は高圧洗浄機によって更に慎重に再スプレーすることにより、これを除去しなければならない。これは、クリーニングプロセスを繰り返すので水が無駄になり、また、地面で跳ね返されたしぶき又は飛び散りが砂、砂粒、又は小さい石を含む場合、これによって車両のタイヤ又は車台の一部を損傷する恐れがある。従って、私道等に置かれた車両にディテーリングとも呼ばれる高レベルのクリーニングを実行しようとする場合、きれいなスプレー水が車両タイヤの周りの地面から跳ね返るたびに、大量の水が無駄になる可能性がある。
【0003】
[0003] 図1は、車両10をクリーニングする際のフロントタイヤ又はリアタイヤ12a、12bのクリーニング又はディテーリングが、地面14からの飛び散りによってどのように水と時間の浪費を招き得るかを概略的に示す。図1では、タイヤ12a、12bが地面14と直接接触している領域16a、16b内のタイヤの底部に、例えばホースからの水が噴流として誘導される(図1で矢印18、22により示されている)。噴流18、22が地面14に当たると、汚れた水が跳ね上がって飛び散り20a~20eを形成する。図示のように、飛び散り20a~20eが発生して地面14からの土及び/又は瓦礫を含む場合、タイヤ12a、12bのクリーニングを長引かせる領域16a、16b内のきれいな噴流水18、20からの飛び散りが存在しないことを保証するのは極めて難しい。
【0004】
[0004] 開示されている技術は、例えばタールマック、ブロック舗装、圧縮土、もしくは砂利面等の地面上、又は、飛び散りを汚染する可能性のある土及び瓦礫を含む内面上の車両タイヤに、ディテーリングとしても知られる細部クリーニングを実行する場合に、当技術分野で知られている問題の発生を防止又は軽減しようとするものである。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 開示されている技術は、タイヤ掃除マットとも呼ぶことができるタイヤクリーニング又はディテーリングマットに関する。このマットを用いると、そうでなければ屋外の地面上でクリーニングする場合にタイヤと車両に汚れた飛び散りがかかる恐れのある地面上で車両タイヤの底部をより良くクリーニングすることができる。地面の例は、圧縮土、草、砂利、又は、粗い砂もしくは砂粒等が埋め込まれたブロック舗装タイプの私道を含み得る。このような地面は一般に、商業クリーニングの現場よりはむしろ国内住宅地で見られる。このような地面がホースからの噴水流等で乱された場合、地面からの土及び他の汚染物質を含む飛び散りが生成され得る。これは特に、例えば地面から10cm未満のタイヤ及び/又はタイヤリムの部分のような、地面に極めて近いタイヤ及び/又はタイヤリムの部分をクリーニングする場合に発生する可能性が高く、また、特に、地面と接触しているタイヤ領域の周りの地面から5cm以下しかない部分をクリーニングしようとする場合、また、そのような地面から2cm以下の部分をクリーニングする場合は更に、発生する可能性が高い。
【0006】
[0006] 不注意による飛び散りの可能性を下げるようにマットの表面から水を除去することが、リブ及び排出開口の構成を用いて実行され得る。これにより、車両はリブの上に載り、水は適切に排出される。マットの持ち運びを容易にし、コンパクトな収納を可能とするため、マットは、2輪車用の2つのマットから成るセットとして、又は4輪車用の4つのマットから成るセットとして、かみ合うように設計されている。また、適切な係合機構が用いられるならば、2つのマットから成るセットの各々を別の2つのマットから成るセットと係合させることができる。いくつかの実施形態において、この係合機構は、各部分の一方のマット上に提供された車輪止めを別のマットの開口に貫通させることを含む。
【0007】
[0007] 開示されている技術の1つの態様は、マットベースを含む第1のタイヤディテーリングマットに関する。マットベースは、表面に形成された複数の隆線を有する。隆線は、排出開口の方へ方向付けられたチャネル又は溝を形成する。第1のタイヤディテーリングマットは、ベースの一端において表面上に位置決めされた車輪止めも含む。
【0008】
[0008] いくつかの実施形態において、マットベースは平面状マットベースである。実質的に平面状のマットベースの利点は、2つ以上のマットの群を相互に積層する場合にぴったり合わせられる/より良く合わせられることである。しかしながら、いくつかの実施形態では、マットベースは非平面状構成を有してもよい。この場合も、マットを2つから成る群として積層してから別の2つから成るグループ内に積層するか、又は、4つから成るグループに積層し、1つの人形を別の人形内に収めてそれらを積層するいわゆるロシア人形構成と同様に、1つのマットを別のマット内に積層することができる。
【0009】
[0009] 本明細書では、第1のタイヤマットをフロントタイヤマットとも呼ぶことができる。しかしながら実際には、前方向又は逆方向とすることができる適切な方向に車輪がマット上で駆動されるならば、第1及び第2のタイヤをフロントタイヤ又はリアタイヤマットとして交換可能に用いることができる。従って、第1及びフロントマットという用語は、単に第2又はリアタイヤマット構成から第1又はフロントマット構成を区別するために用いられる用語と解釈するべきである。
【0010】
[00010] いくつかの実施形態では、使用時、マットベースは地面に置かれ、複数の隆線44は車両を地面から離して支持するように構成されている。
【0011】
[00011] いくつかの実施形態において、排出開口は、車輪止めとは反対側の平面状ベースの端部に位置付けられ、車輪止めと同様の寸法を有する車輪止めが貫通することを可能とするように構成されている。車輪止めは、少なくとも1つの他の第1のタイヤディテーリングマットを貫通するような寸法を有する。
【0012】
[00012] いくつかの実施形態において、第1のタイヤマットは、マットベース及び車輪止めを支持する車輪止めサポートを更に含む。
【0013】
[00013] いくつかの実施形態において、車輪止めサポートは、車輪止めが上に提供されているマットベース上の隆起領域又はプラットフォームである。
【0014】
[00014] いくつかの実施形態において、車輪止めサポートは、マットベース上で車輪止めを取り囲む環状部である。
【0015】
[00015] いくつかの実施形態において、隆線は、マットベースの車輪止め端部から排出開口の方へマットベース上で長手方向に延出するように配置されている。
【0016】
[00016] いくつかの実施形態において、溝は隆線に対して直角に提供することができる。
【0017】
[00017] 隆線は、いくつかの実施形態では一体的な構造であり、他の実施形態では複数の突起の構成であり得る。
【0018】
[00018] いくつかの実施形態において、隆線の高さは均一でない。各隆線の高さは均一でない場合があり、例えば、1つ以上の隆線は、1列以上の玉(bobble)又は別のタイプの突起によって形成され得る。いくつかの実施形態において、各列の玉又は突起の底部を、マットベース表面から隆起させて、排出の誘導を促進することができる。突起で形成された隆線を用いることにより、ベースマットの重量を軽減すること及び/又は各ベースマットを成形する場合に使用する材料を減少させながら、依然として、ベースマットの上に駐車された車両を支持するのに充分な強度と弾性を有するベースマットを生成することが可能となり得る。
【0019】
[00019] いくつかの実施形態において、タイヤディテーリングマットは弾性材料又はゴムマットを含む。
【0020】
[00020] いくつかの実施形態において、タイヤディテーリングマットは弾性ゴム材料から作製された成形ユニボディマットである。
【0021】
[00021] いくつかの実施形態において、弾性ゴム材料は、低密度ポリエチレンLDPE、高密度ポリエチレンHDPEのうち少なくとも1つを含む。
【0022】
[00022] いくつかの実施形態において、マットベースは、例えばポリプロピレンのような材料から一体的に成形される。
【0023】
[00023] いくつかの実施形態において、マットベースの下面及び/又はマットベースの車輪止め部分の下面は、マットベースの成形に使用される材料の量を低減するため、少なくとも部分的に中空である。いくつかの実施形態では、マット及び/又は車輪止めの下方の中空エリアに、隆線状支持背骨及び/又は支持リブの形態で成形材料の支持要素を設けて、駐車した車両の重量を支持すること、及び、車両をマット上へ駆動した際に発生する横方向の力を適切に処理してマットベースがつぶれたり折れ曲がったりしないようにすることを保証できる。いくつかの実施形態では、背骨及び/又はリブを格子状に直角に配置することができ、又は他の実施形態では、ダイヤモンド格子のような別の構成を形成することができる。
【0024】
[00024] 有利には、マットベース内に背骨及びリブのような構造的支持要素を提供することによって、中実マットが必要とするよりもマット成形時に使用する材料が減少し、マットの重量が低減する。
【0025】
[00025] 開示されている技術の別の態様は、マットベースを含む第2のタイヤディテーリングマットに関する。マットベースは、表面に形成された2つの排出開口及び複数の隆線を有する。隆線は、2つの排出開口のうち少なくとも1つの方へ方向付けられたチャネル又は溝を形成する。第2のタイヤディテーリングマットの隆線は、表面が、第1の態様又はその開示されている実施形態のいずれかの適切な1つに従った第1のタイヤディテーリングマットの表面上に提供された隆線に接触して配置された場合に、隆線を受容して隆線の横に沿うように表面上で構成されている。2つの開口のうち1つは、第1のタイヤディテーリングマットの開口と位置合わせされるように構成され、開口のうち他の1つは、第1のタイヤディテーリングマットの車輪止めがマットベースを貫通することを可能とする。
【0026】
[00026] 開示されている技術の別の態様は、車両タイヤディテーリングマットアセンブリを形成するように構成された車両タイヤディテーリングマットキットに関する。キットは、第1のタイヤディテーリングマットのペアを含む。各第1のタイヤディテーリングマットはマットベースを含み、マットベースは表面に形成された複数の隆線を有し、隆線は、排出開口の方へ方向付けられたチャネル又は溝を形成する。第1のタイヤディテーリングマットは、平面状ベースの一端において表面上に位置決めされた車輪止めも含む。キットは、第2のタイヤディテーリングマットのペアも含む。各第2のタイヤディテーリングマットはマットベースを含み、マットベースは表面に形成された2つの排出開口及び複数の隆線を有する。隆線は、2つの排出開口のうち少なくとも1つの方へ方向付けられたチャネル又は溝を形成する。第2のタイヤディテーリングマットの隆線は、第2のタイヤディテーリングマットの表面が、第1のタイヤディテーリングマットの表面上に提供された隆線に対して接触して配置された場合に、各マットの隆線が相互に横に沿うように表面上で構成されている。第2のタイヤディテーリングマットの2つの開口のうち1つは、第1のタイヤディテーリングマットの開口と位置合わせされるように構成され、第2のタイヤディテーリングマットの開口のうち他の1つは、第1のタイヤディテーリングマットの車輪止めがマットを貫通することを可能とする。第1及び第2のタイヤディテーリングマットは、各第1のディテーリングマットの車輪止めの各1つを反対方向で第2のタイヤマットの開口及び他の第1のタイヤマットの開口に貫通させることによって組み立てられるよう構成されている。
【0027】
[00027] 開示されている技術の別の態様は、車両タイヤディテーリングマットアセンブリを形成するように構成された車両タイヤディテーリングマットキットに関する。キットは、第1の態様の開示されている実施形態のいずれかに従った第1のタイヤディテーリングマットのペアと、第2の態様の開示されている実施形態のいずれかに従った第2のタイヤディテーリングマットのペアと、を含む。第1及び第2のタイヤディテーリングマットは、各第1のディテーリングマットの車輪止めの各1つを反対方向で第2のタイヤマットの開口及び他の第1のタイヤマットの開口に貫通させることによって組み立てられるよう構成されている。
【0028】
[00028] いくつかの実施形態において、車両タイヤディテーリングマットアセンブリは第1及び第2のタイヤディテーリングマットのペアを2つ含み、各ペアは、各隆線が提供されている表面が相互に向かい合っている第1及び第2のタイヤディテーリングマットを含み、各ペアの車輪止めは次いで他のペアの第1及び第2のタイヤディテーリングマットの位置合わせされた開口に貫通させる。
【0029】
[00029] いくつかの実施形態において、第1及び第2のタイヤは弾性ゴム材料から形成され、車両タイヤディテーリングマットアセンブリにおける第1のタイヤディテーリングマットの車輪止め及び車輪止めが貫通する開口の寸法は、車輪止めが開口内で横方向に圧縮されるように構成されている。
【0030】
[00030] 開示されている技術の別の態様は、第3の態様に従った、車両タイヤディテーリングキットを用いて車両上のタイヤをディテーリングする方法に関する。この方法は、第1の態様に従った第1のタイヤディテーリングマットを車両のフロントタイヤに隣接して配置することと、第2の態様に従った第2のタイヤディテーリングマットを車両の各リアタイヤに隣接して配置することと、フロントタイヤが第1のタイヤディテーリングマット上で第1のタイヤディテーリングマットの車輪止めに隣接して配置されると共に、車両のリアタイヤが第2のタイヤディテーリングマット上に位置決めされるまで、車両を第1のタイヤディテーリングマット上へ前方又は後方に移動させることと、を含む。
【0031】
[00031] いくつかの実施形態において、隆線はマットベースからの1つ以上の突起によって形成され得る。言い換えると、いくつかの実施形態において隆線は中実のリブ状構造であり、いくつかの実施形態では隆線は直線状であるが、他の実施形態では隆線要素間に中断又はギャップを有し得る。
【0032】
[00032] いくつかの実施形態において、タイヤディテーリングマットは、複数の隆線を有する代わりに又はそれらに加えて、ベースの表面に形成された複数の突起を有するマットベースを含み得る。突起は、マットの表面上で、少なくとも1つの排出開口の方へ方向付けられた1つ以上のチャネル又は溝を形成するように配置されている。
【0033】
[00033] 突起は、少なくとも1つの排出開口の少なくとも1つの方へ、例えば水又は洗浄液と混合した水のような液体を誘導する構成に配置されたリブ又は隆線を形成するか又は含むことができる。マットの寸法は、車両タイヤがマット上へ駆動されて突起上に載ることができるように適切に構成されている。異なるタイプのタイヤ及び異なる車両重量に対しては、異なるサイズのマット及び異なる材料を使用することができる。
【0034】
[00034] 有利には、車両を地面からマット上へ持ち上げることにより、土、砂粒、又は砂利の地面に載っている車両をクリーニングする場合に発生し得る飛び散りの量を低減できる。そのような状況では、ホース、棒、又は高圧洗浄機からの水又は水と洗浄液の混合物によって、車両が置かれている地面から、土、砂粒、もしくは砂利で汚れた水、又は他の汚染物質が飛び散る可能性がある。車両の各タイヤの下に1つずつ置いたマットのセット上へ車両を移動させることにより、そうでなければ地面と接触するタイヤの底部のエリアでも、車両タイヤを極めて細かくクリーニング又は掃除することができる。これは、環境にとって良いことである車両クリーニングの節水効果の上昇、及び、車両のディテーリング又は掃除を行っているユーザにとっての時間効率の上昇を意味する。車両は、乗用車、トラック、もしくは移動住宅等の陸上車両、又は飛行機又はトレーラー、又はタイヤのディテーリングが必要となる任意のものであり得る。
【0035】
[00035] 突起は、マットベース上に溝又はチャネルを形成するようにマットベースの表面上に配置することができ、また、マットベースにおける1つ以上の追加の溝が、マットベースの1つ以上の端部において少なくとも1つの排出開口内で開口するチャネルを形成してもよい。車輪止めは、マットベースの一端で表面上に位置決めすることができ、開口は、マットベースの別の端部に位置決めされる。開口の寸法は、マットベース上に提供された車輪止めを実質的に同じ寸法の別のマットベースに貫通させた場合に、別のマット上に提供された同じサイズと形状の車輪止めが開口を貫通できるように構成されている。例えばいくつかの実施形態において、タイヤディテーリングマットは、ペアとして構成されているタイヤディテーリングマットのペアの一方とすることができ、マットペアのいずれかのマットの突起が設けられた表面が、マットペアの他方のマットの突起を有する表面に押し付けられた場合、一方のマットの車輪止めが他方のマットの少なくとも1つの排出開口を貫通するようになっている。いくつかの実施形態では、ペア内の各マットは車輪止めを有することができるが、ペア内の少なくとも1つのマットは車輪止めを有すると共に他方のマットは少なくとも2つの開口を含む。そのうち1つを車輪止めが貫通し、他の開口は、車輪止めを有するマットの端部に対するマットの他の端部の開口を位置合わせするように構成されている。
【0036】
[00036] 2つ以上のマットペアをマットのセットとして構成することができる。各ペアの1つのマットは、そのペア内の他のマットの開口を貫通できる車輪止めを有する。この他のマットは、車輪止めが貫通できる2つの開口を有する。一度、位置合わせされたマットのペアの1つの開口を車輪止めが貫通したら、そのペア内の双方のマットの開口は位置合わせされる。1つの端部に突出した車輪止めを有し、別の端部に位置合わせされた開口のペアを有する、位置合わせされたマットのペアを2つ位置合わせすることにより、各マットペアの突出した車輪止めを、他方のマットペアの位置合わせされた開口に貫通させて、突出した車輪止めの各々が3つの他のマットの位置合わせされた開口を貫通できるようにする。いくつかの実施形態において、マットは弾性材料から形成され、車輪止め及び位置合わせされた開口の寸法は、開口が曲がって車輪止めを貫通させ、次いで車輪止めに対して充分な摩擦力で車輪止めの表面と係合して、車輪止めが解放するのを防止できるようになっている。このように、車輪止め及び開口は、マットペア又は(4つの)マットの2つのペアを保持するための固定機構を形成する。各ペアは、車輪止めを備えて構成されたマットと、2つの車輪止めサイズの開口を備えて構成されたマットと、を含み、ペア内の1つのマットの車輪止めが他のマットの開口を貫通した場合に、車輪止めを備えるマットの開口が車輪止めを備えないマットの他の開口と位置合わせされるようになっている。いくつかの実施形態において、車輪止めがマットの開口を貫通する際に車輪止めによって加えられる圧縮力は、ペアの2つのマットを係合するために充分な摩擦を生成する。
【0037】
[00037] また、上述したように、車輪止めを有するマットを本明細書ではフロントタイヤマットと呼び、別のタイヤマットの車輪止めが貫通できるサイズの少なくとも2つの開口を有するが車輪止めを持たないマットを、本明細書ではリアタイヤマットと呼ぶことができる。「フロント」及び「リア」という用語は単に区別するための標識と見なすべきであり、実際のマットの向きは、ユーザに依存し、また、どのようにマット上に車を駆動するか、及び、フロント又はリアのどちらに車輪止めを有するのが好適であるかに依存する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
[00038] 開示されている技術の種々の例示的な実施形態は、単なる例示であって限定を意図していない添付図面を参照して記載される。
【0039】
図1】[00039] 車両をクリーニングする際のタイヤディテーリングが、地面からの飛び散りによってどのように水と時間の浪費を招き得るかを概略的に示す。
図2】[00040] 開示されている技術の一実施形態に従った車両タイヤディテーリングマットが、車両をクリーニングするのに要する水と時間の量をどのように低減し得るかを概略的に示す。
図3A】[00041] 開示されている技術の一実施形態に従った第1の又はフロントタイヤディテーリングマットの斜視図を概略的に示す。
図3B】[00042] 図3A及び図4AのA-A’に沿った第1の又はフロントタイヤディテーリングマットの側断面図を概略的に示す。
図3C】[00043] 図3AのB-B’に沿ったフロントタイヤディテーリングマットの側断面図を概略的に示す。
図3D】[00044] 図3AのC-C’に沿ったフロントタイヤディテーリングマットの側断面図を概略的に示す。
図3E】[00045] 図3A及び図4AのD-D’に沿ったフロントタイヤディテーリングマットの側断面図を概略的に示す。
図4A】[00046] 開示されている技術の別の実施形態に従った、車輪止めサポートプラットフォーム又は領域を有する第1の又はフロントタイヤディテーリングマットの斜視図を概略的に示す。
図4B】[00047] 図4AのC-C’に沿ったフロントタイヤディテーリングマットの側断面図を概略的に示す。
図4C】[00048] 図4AのB-B’に沿ったフロントタイヤディテーリングマットの側断面図を概略的に示す。
図4D】[00049] 車輪止めサポート環状部を有する、図4Aに従ったフロントタイヤマットの一実施形態の側断面図を概略的に示す。
図5A】[00050] 開示されている技術の一実施形態に従った第2の又はリアタイヤディテーリングマットの斜視図を概略的に示す。
図5B】[00051] 図5AのA-A’に沿ったリアタイヤディテーリングマットの側断面図を概略的に示す。
図5C】[00052] 図5AのB-B’に沿ったリアタイヤディテーリングマットの側断面図を概略的に示す。
図5D】[00053] 図5AのC-C’に沿ったリアタイヤディテーリングマットの側断面図を概略的に示す。
図6A-D】[00054] 開示されている技術の一実施形態に従ったタイヤディテーリングマットのセットのタイヤ対向面の平面図を示す。
図7A-D】[00055] 図6A-Dに示されているタイヤディテーリングマットのセットの地面対向面の平面図を示す。
図8A-C】[00056] 開示されている技術に従った第1の又はフロントタイヤディテーリングマットの実施形態における隆線の配置例を示す。
図8D-E】[00057] 開示されている技術に従った第2の又はリアタイヤディテーリングマットの実施形態における隆線の配置例を示す。
図9A-D】[00058] 開示されている技術に従った第1の又は第2のタイヤディテーリングマットの様々な実施形態において提供される隆線の断面の例を示す。
図10】[00059] タイヤディテーリングマットのセットをタイヤディテーリングマットアセンブリに積層するためどのように配置するかを概略的に示す。
図11】[00060] 開示されている技術の一実施形態に従って、係合した第1の又は第2のタイヤディテーリングマットの2つのペアをタイヤディテーリングマットアセンブリに積層するためどのように共に移動させるかを概略的に示す。
図12A】[00061] 開示されている技術の一実施形態に従って、タイヤディテーリングマットアセンブリに積層した第1の又は第2のタイヤディテーリングマットの2つのペアを概略的に示す。
図12B】[00062] 図12Aのタイヤディテーリングマットアセンブリの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
[00063] 以下の図面の説明は、開示されている技術の例示的な実施形態のみに言及する。以下の記載において、本発明の種々の例示的な実施形態を開示するため、種々の具体的な詳細事項を述べる。しかしながら、開示されている技術は、本発明のいくつかの実施形態において以下に列挙されている特定の構造的な又はプロセスの詳細事項のいくつかの一部又は全てなしで実施され得ることは、当業者には明らかであろう。開示されている技術の詳細な例の一部又は全てにおいて、特徴及びプロセスステップの存在が本発明の分野の当業者に明らかである場合、明確さ及び簡潔さのため、そのような特徴及び/又はプロセスのステップは詳述されない場合がある。異なる実施形態において同じ特徴を示す参照番号は番号を維持する。
【0041】
[00064] 図2は、開示されている技術の一実施形態に従った車両タイヤディテーリングマット30、36が、地面14上に位置決めされた車両10をクリーニングするのに要する水と時間の量をどのように低減し得るかを概略的に示す。図2において、フロントとも呼ばれる第1のタイヤディテーリングマット30は、車両10のフロントタイヤ12aの下に提供されて、これが無ければフロントタイヤ12aが地面14に接触する領域16a内で地面14からフロントタイヤ12aを持ち上げている。また、図2には、第2の又はリアタイヤディテーリングマット36も示されている。第2の又はリアタイヤディテーリングマット36は、リアタイヤ12bの下に提供されて、これが無ければリアタイヤ12bが地面14に接触する領域16b内で地面14からリアタイヤ12bを持ち上げている。
【0042】
[00065] フロントタイヤディテーリングマットに対するいかなる言及も、第1のタイヤディテーリングマットに対する言及としても解釈するべきである。第1のタイヤディテーリングマットは、いくつかの実施形態では、文脈上明らかにこれを妨げる場合を除いて、リアタイヤディテーリングマットとして用いられるフロントタイヤディテーリングマットを表すことがあり、その逆も同様である。
【0043】
[00066] 第1及び第2のタイヤディテーリングマット30、36を用いるため、それらを車両10のタイヤ12a、12bに隣接して配置し、車両を前方又は後方に移動させることで車両が第1及び第2のタイヤディテーリングマット30、36の上に移動してタイヤ12a、12bが地面14から持ち上げられるようにする。図2は側面図を概略的に示し、必須ではないが通常は、車両10の向こう側に、タイヤ12c、12d(図には示されていない)を持ち上げるための対応する第1及び第2のタイヤマット30、36が提供されることは認められよう。図2では車両10の向こう側は見えないが、そのような向こう側の第1及び第2のマットは、図12A及び図12Bに示すようなアセンブリ80を形成し得る4輪車のための4つの車両タイヤディテーリングマットから成るセットの一部を形成する(図12A及び図12Bは後に詳述する)。一実施形態では、双方の第1の又はフロントタイヤディテーリングマット30を例えばフロントタイヤ12a、12cの前方又は後方の地面上に配置し、双方の第2の又はリアタイヤディテーリングマット36を車両のリアタイヤ12b、12dの前方又は後方の地面上に配置し、次いで、タイヤがタイヤディテーリングマット上に載るまで車両10を前方向又は逆方向にゆっくり移動させることによって、マットを使用する。第1のタイヤディテーリングマット30には、第1のタイヤディテーリングマット30のそれ以上の移動に抵抗する車輪止め32が一端に提供されている。これにより、マット30、36上で車両が正しく位置決めされた時について車両運転者に何らかのフィードバックが与えられる。
【0044】
[00067] 通常の使用時、第1のタイヤディテーリングマット30の各々は車輪止め32によって位置決めされてフロントタイヤ12aの前方への移動を防止することが予想されるが、車輪止めが車両の後方への移動を防止するように第1のタイヤディテーリングマット30を提供すること、及び/又は、第1のタイヤディテーリングマット30をリアタイヤ12bに対して位置決めして、例えば車両10がマット上で後方に(又は前方に)移動した場合にリアタイヤが第1のタイヤディテーリングマット30の車輪止め32に当接するように第1のタイヤディテーリングマット30を提供することも可能である。
【0045】
[00068] 以降、フロントタイヤディテーリングマット30に対する言及は第1のタイヤディテーリングマット30に対する言及としても見なすべきであり、また、リアタイヤディテーリングマット36に対する言及は第2のタイヤディテーリングマット36に対する言及としても見なすべきである。
【0046】
[00069] 図2で示されているように、フロントタイヤディテーリングマット30は、複数の隆線40a、40b、40c、40d、40e、40f(後で詳述する)の上に載っている車両タイヤの前方の車輪止め32と、車両タイヤの後方の開口34と、が設けられている。リアタイヤディテーリングマット36は、車輪止めを持たず、複数の隆線62(図2では番号が付けられていない)を含み、2つの開口を有する。2つの開口は図2において、車両タイヤ12bの後方の開口38a及び車両タイヤ12bの前方にある開口38bとして示されている。車タイヤ12a、12bが車タイヤディテーリングマット30、36上に載っている領域の方へ向かう噴流18又は22の形態で水が送出された場合、この噴流水は、地面からの飛び散りを招くのではなく、各車両タイヤディテーリングマット30、36上の隆線によって開口34、38a、38bの方へ流れ、そこで水の飛び散りを生じることなく排出される。これにより、飛び散りが発生する可能性のあるエリアが限定され、場合によっては完全に排除され得る。これは、マットの寸法と開口の位置に応じて、きれいな噴流水が開口を通過するような角度を付けることが極めて難しい場合があるからである。
【0047】
[00070] 飛び散りの量を限定することによって、汚れた及び/又は他の汚染された飛び散った水が車両の車台及び/又はタイヤに到達し、結果として追加の汚れた堆積物又は汚染堆積物が発生し、噴流18、22等又は堆積物を落とす他の何らかの手段を用いて除去することを必要とする可能性が低くなる。従って、車両タイヤディテーリングマットを用いると水を節約することができる。また、これにより、いくつかの状況で損傷を防止又は軽減する可能性がある。例えば、ホース又は高圧洗浄機を用いて砂利道の上で車両タイヤをクリーニングする場合、飛び散りに砂利が含まれることがあり、これが車両に衝突すると、車両タイヤの表面仕上げ、タイヤリム又は合金、及び/又は車両車台に損傷を与える恐れがある。
【0048】
[00071] 図3Aは、開示されている技術の一実施形態に従ったフロントタイヤディテーリングマット30の斜視図を概略的に示す。図3Aにおいて、フロントタイヤディテーリングマット30は、壁52(図3Aでは壁52a、52b、及び52cが示され、52dは見えない)と、マット30が使用されている場合の地面対向面51と、反対側のタイヤ対向面48と、を有するベース50を備える。フロントタイヤディテーリングマット30は、側壁46及び表面48を含む車輪止め32を備える。図2を参照のこと。タイヤディテーリングマット30上に車両を位置決めする場合、車両タイヤは、車両タイヤがマット30上で飛び散りを減らすための最適位置にくる駆動用のガイドとしての車輪止め32に当接するよう位置決めされる。このように、タイヤディテーリングマット30はタイヤ位置決めマットとして機能する。また、表面48には複数の隆線40も提供され、車両がマット30上のディテーリング位置にある場合はこれらの隆線の上にタイヤが載る。図3Aで示されているように、図3Aでは40a、40b、40c、40d、40e、40fと番号が付けられている6つのタイヤ持ち上げ隆線40が、側壁54の高さだけ表面48から隆起している。マットが使用時に車両の下に位置決めされ、これが無ければ地面14上に車両タイヤが位置決めされる下部領域16aでホスト噴流18、22が用いられている場合、マット30の遠位端の壁42を有する開口34は排水路として機能する。図3Aから図3Fで概略的に例示されている実施形態で示すように、タイヤ持ち上げ隆線40a~40fは、車両マットに沿って長手方向に配置されている。タイヤ持ち上げ隆線40a~40fは、図示のように、噴流18からの水がマット表面42に衝突したか又はタイヤ12aから跳ね返された場合、この水の一部を、これを排出できる開口34内へ誘導するチャネル又は溝を提供する。これによりマット30は、砂利道のような透水性表面上に位置決めされた場合に極めて有用となる。砂利によって、開口34内に流入する水は飛び散りを更に低減するように排出され得るからである。
【0049】
[00072] 図3Bは、図3A(及び図4A(以下を参照のこと))のA-A’に沿ったフロントタイヤディテーリングマット30の側断面図を概略的に示し、図3Aに示されている構成のタイヤ持ち上げ隆線40a~40fの横方向プロファイルを示す。図示のように、タイヤ持ち上げ隆線40a~40fはベース50全体を通して実質的に同じ高さと均一な幅を有し得るが、図9Aから図9Dに示されているような開示されている技術の他の実施形態では、概略的に示す。
【0050】
[00073] 図3Cは、図3AのB-B’に沿ったフロントタイヤディテーリングマット30の側断面図を概略的に示す。図示のように、車ディテーリングマットベース50上に車輪止め32が搭載されている。車輪止め側壁46の高さは、マット30を用いてディテーリングされる車両タイヤの直径等のサイズによって決定され得る。マットベース50の厚さ、言い換えるとベース50の側壁52a、52b、52c、52dの高さは、部分的には、マットを構成する材料によって決定される。マットは、車両隆線50の重量によって加わる圧縮(これは次いでマットベース50を圧縮する)を支持するのに充分な構造的強さを有することが必要であり、更に、車両が車輪止め32に当接するまでマット上の所定位置へ移動する際に車両10のタイヤ12a、12bによって加わる横方向移動に対してチャックを保持することが必要である。また、マットベース50の地面対向面51が載っている地面14の性質も、ベース50の厚さとこれを構成する材料に影響を及ぼし得る。
【0051】
[00074] フロントタイヤマット30は、部分的に又は全体的にもっと大きいか又はもっと厚いベース50を有し得る。言い換えると、いくつかの実施形態では、ベース壁高さ52a、52b、52c、52dのうち2つ以上は、リアタイヤマット30のベース70の2つ以上の壁高さ71a、71b、71c、71dより大きくてもよい。フロント及びリアタイヤマットが相互に係合するよう積層される実施形態では、フロント及びリアタイヤマットのベースプロファイルはその係合を支持するため充分に相補的でなければならない。これについては以下で詳述する。
【0052】
[00075] ベース表面48上に車輪止め32が位置決めされているエリアでマットベースを厚くすることにより、マット上で駆動されているタイヤ12aに車輪止め32がぶつかる際、マットベース50は、そのエリアで厚くない場合に比べて損傷する可能性が低くなるか又は劣化速度が遅くなり得る。また、これにより、車輪止め32が成形マットベース50と一体的に形成されているいくつかの実施形態では、ベース50における車輪止め32dの固着強度が増大し得る。図3Fに示されると共に後述されるようないくつかの実施形態では、車輪止め32を取り囲む領域でこれを支持するようにフロントタイヤベース50上に支持環状部60を提供してもよい。車輪止め32の領域でのみマット50の厚さを増すことによって、他の領域でマットベースの厚さを増す実施形態に比べ、マットの重量と材料の量を低減することができる。
【0053】
[00076] いくつかの実施形態では、フロント及び/又はリアタイヤディテーリングマット30、36の壁のうち1つは、この壁と反対側の壁よりも厚い。壁は端壁とすることができ、例えばフロントタイヤマットにおいて、車輪止め32が位置決めされているベース50の端部の側壁52bは、いくつかの実施形態では、ベースの反対側の側壁52aよりも高くすることができる。これにより、フロントタイヤマット30の後部開口34内への水の流入を容易にすることができる。いくつかの実施形態では、使用中の車のラインと平行に延出する側壁の1つは、そのような側壁の他の1つよりも厚くすることができる。例えば、車の向こう側に位置決めされた側壁は、車のオフ側の側壁よりも低くして、流入するきれいな水噴霧から水が流れ出すのを容易にすることができる。図3Aに示されているフロントタイヤマット30は実質的に平面状のタイヤ対向面48を有するが、いくつかの実施形態では、タイヤ対向面48を非平面状として、表面48上に隆線40a~40fを提供して水を開口内へ流入させるのを促進することができる。例えばベース50は、車輪止め32を有する端部において他よりも厚い側壁52を有し、表面を遠端の開口34の方へ向かって長手方向に内側に湾曲させて、タイヤから水を流出させることができる。いくつかの実施形態では、隆線40a~40fの代わりに又はそれらに加えて、開口34内への水の流入を促進するチャネルを提供する溝を表面48に設けてもよい。
【0054】
[00077] 図3Dは、図3AのC-C’に沿ったフロントタイヤディテーリングマット30の側断面を概略的に示し、ベース50の一端における開口34の側壁42及びマット30の他端に位置する車輪止め32を示す。車輪止め32と開口34との間に、隆線40cが示されている。隆線40cは、マットベース50に搭載するか又はこれと一体的に形成することができ、ベース50の地面対向面52の反対側にあるベース50のタイヤ対向面48上に位置している。
【0055】
[00078] 図3Eは、図3A(及び図4A(以下を参照のこと))のD-D’に沿ったフロントタイヤディテーリングマット30の側断面図を概略的に示し、これは、地面対向面52とは反対側のマット30のタイヤ対向面48上にどのように隆線40fが位置決めされているかを示す。
【0056】
[00079] 図4Aは、開示されている別の実施形態に従ったフロントタイヤディテーリングマット30の斜視図を概略的に示す。この実施形態では、車輪止め32を取り囲む領域でフロントタイヤベース50上に車輪止めサポート又は環状部60が提供されて、マット30上で車輪止め32に対して車両10を位置決めする際に車輪止め32を支持するようになっている。図3Aから図3Eにも図示されている要素は、それらの図で用いた番号を維持する。
【0057】
[00080] 図4Aに示されているように、車輪止めサポート60は、車輪止め32を取り囲む領域でマットベース50の追加の厚さプラットフォーム又はエリアとして提供され、車輪止め32はこの厚さプラットフォーム又はエリア上に載っている。しかしながら、いくつかの実施形態では、以下で説明する図4Dに示されているように、車輪止め32はマットベース50と接触した状態を保ち、環状部の形態の車輪止めサポート60によって取り囲むことができる。
【0058】
[00081] 図4B及び図4Cは、それぞれ、図4AのC-C’及びB-B’に沿ったフロントタイヤディテーリングマットの側断面図を概略的に示す。図4Bは、車輪止めサポートプラットフォーム60の表面54上に載っている車輪止め32を示し、プラットフォーム60は、マットベース50の表面48の上に位置している。図4Cは、図4AのB-B’に沿ったフロントタイヤディテーリングマットの側断面図を概略的に示す。車輪止めは、マットベース50上のプラットフォーム又はマットベース50を厚くした領域の形態をとり、これは、図4Dに示されている車輪止めサポート60の環状部の形態とは対照的とすることができる。図4Dは、マットベース表面48に接触する車輪止めの領域を取り囲んで支持する環状部の形態の車輪止めサポート60を有する、図4Aに従ったフロントタイヤマットの一実施形態の側断面図を概略的に示す。いくつかの実施形態では、車輪止めサポートプラットフォーム又は環状部は、ベースマット50及び車輪止め32と一体的に形成され、例えばそれらと共に成形することができる。
【0059】
[00082] 図5Aは、開示されている技術の一実施形態に従ったリアタイヤディテーリングマット36の斜視図を概略的に示す。リアタイヤディテーリングマット36は、フロントタイヤディテーリングマット30と同様の特徴を含み、側壁64aを有する後部開口38aを備えるが、車輪止め32の代わりに側壁64bを有する追加の開口38bを有する。マットの使用時にリアタイヤマットベース70のタイヤ対向面71となるマットベース30の一方側に、複数の隆線62a~62eが設けられている。タイヤ対向面71は、リアタイヤマット36の地面対向面70の反対側である。各リアタイヤディテーリングマット36の寸法、並びに、タイヤ対向面71上の隆線62a~62e及び開口38a、38bの位置及び寸法は、フロントタイヤマットの寸法、並びに、フロントタイヤマット30の隆線44a~44f、車輪止め32、及び後部開口34の寸法及び位置と一致するように決定されるので、フロントタイヤマット30及びリアタイヤマット36を、それらのタイヤ対向面48及び71が相互に向かい合った状態で位置決めし、次いで、同様にタイヤ対向面48及び71が相互に向かい合った状態で位置決めされた別のペアのフロントタイヤマット30及びリアタイヤマット36と積層することができる。突出している車輪止め32は、それぞれ、他のペアの係合したフロント及びリアタイヤマット30、36の位置合わせされた開口34、38を貫通するように位置決めされる。これは、以下で詳述される図10図11図12A、及び図12Bに概略的に示されている。
【0060】
[00083] 図5Bは、図5AのA-A’に沿ったリアタイヤディテーリングマットの側断面図を概略的に示す。図5Bで示されているように、隆線62a~62eは全て同じ高さ及び断面プロファイルを有するが、他の実施形態では、これらの隆線は異なる高さ及び断面プロファイルを有し得る。例えば、図9Aから図9Bを参照のこと。
【0061】
[00084] 図5Cは、図5Aのリアタイヤディテーリングマットの、図5BにB-B’又はE-E’として示すラインのいずれかに沿った側断面図を概略的に示す。図5Bにおいて、マットは対称的であるので、B-B’又はE-E’に沿った断面図は同じ特徴を示す、すなわち、(ラインE-E’に沿った)開口64a又は(ラインB-B’に沿った)開口60bの位置を示す。しかしながら、開口64a、64bの位置は、例えば図3A及び図4Aで示されているようなフロントリアマット30の車輪止め32及び開口38の位置によって決定されるので、車輪止め32がリアタイヤマット36の開口64a、64bのいずれか1つを貫通して、そのフロントタイヤマット36の後部開口38とそのリアタイヤマット36の開口64a、64bの他の1つとを位置合わせできるようになっている。次いで、位置合わせされたフロント及びリアマットのペアを別のペアのフロント及びリアタイヤマットと積層するため、各ペアの位置合わせされたマット30、36の開口64a、64bのうち1つを通って突き出る車輪止め32を、他のペアの位置合わせされたマット30、36の位置合わせされた開口38、64a、又は64bに貫通させることができる(例えば図10及び図11を参照のこと)。これは、各マットの車輪止めが各マットペアの異なる端部で突出するように各ペアのマットを180度回転させることによって達成される。
【0062】
[00085] 図5Dは、図5AのC-C’に沿ったリアタイヤディテーリングマットの側断面図を概略的に示し、排水を行う開口がどのようにリアタイヤディテーリングマットの各端部に設けられるかを示す。
【0063】
[00086] いくつかの実施形態では、リアタイヤディテーリングマット36上に設けられた隆線62a~62eの数よりも多くの隆線44a~44fが、フロントタイヤディテーリングマット30上に設けられる。いくつかの実施形態では、フロント又はリアタイヤディテーリングマット30、36の一方又は双方に、隆線44a~44f又は62a~62eの代わりに又はこれらに加えて溝を設けてもよい。
【0064】
[00087] 上述のように、フロント及びリアタイヤディテーリングマットの寸法は、少なくとも部分的にクリーニング対象のタイヤの寸法によって決定され、また、いくつかの実施形態では、これらのマットが使用される地面の予想される特徴に基づいて変更することも可能である。細かい砂状の地面は飛び散りの中に取り込まれやすいので、より厚いベース及びより大きい隆線高さを用いればよい。
【0065】
[00088] また、フロント及びリアタイヤディテーリングマットの典型的な寸法は、クリーニング対象のタイヤを基準として決定してもよい。例えばいくつかの実施形態において、マット長は、いくつかの実施形態におけるサイドタイヤの直径を基準として決定される。例えばフロント及びリアマット30、36は、いくつかの実施形態において、タイヤの直径と少なくともほぼ同じ長さである(ラインC-C’又はD-D’に沿った)マット長Lを有し得る。マットの幅W(すなわち、切断線A-A’、B-B’、又はE-E’に沿った距離)は、タイヤ厚さの少なくとも1.5倍であり、好ましくはタイヤ厚さの2倍から2倍以上である。フロント及びリアタイヤディテーリングマットの全体的な形状は、図3Aから図5Dの実施形態に示されているような矩形である必要はないことは認められよう。いくつかの実施形態では、例えば図8Aから図8E又は図9Aから図9Dで示されているように、フロント及びリアマットは、マット上の開口34、38a、38b、及び車輪止め32を適切に位置決めすることによって積層することができる方形、楕円形、又は円形である相補的な形状を有し得る。いくつかの実施形態において、マットは平行四辺形の形態をとることができ、その場合、平行四辺形における車輪止め32及び対応する開口の構成に応じて、マットはエッジ52a、52b、及び66a、66bに沿って位置合わせされるが、エッジ52c、52d、及び66c、及び66dに沿って完全には位置合わせされず、2つのペアのマットが積層された場合に「翼」を形成することも可能である。
【0066】
[00089] 特定の実施形態において、フロントタイヤマット30は以下の寸法を有する。
a.ベース50の幅:cm/インチ 28cm/11.02インチ
b.ベース50の長さ:50cm/19.68インチ
c.ベース50の厚さ/側壁52の高さ:0.8cm/0.31インチ
d.隆線40の長さ:30cm/11.81インチ
e.隆線の高さ54:0.9cm/0.35インチ
f.車輪止め32の長さ:4cm/1.57インチ マット50のベースからの車輪止め46の高さ:0.4cm/0.15インチ
g.車輪止め32の幅:15cm/5.90インチ
h.車輪止め側壁58の高さ:0.9cm/0.35インチ
i.開口34の幅:4.8cm/1.88インチ
j.開口34の側壁42の高さ:0.8cm/0.31インチ
【0067】
[00090] リアタイヤマット36の対応する実施形態は以下の寸法を有する。
a.ベース70の幅:28cm/11.02インチ
b.ベース70の長さ:50cm/19.68インチ
c.ベース70の厚さ/側壁52の高さ:0.8cm/0.31インチ
d.隆線62の長さ:30cm/11.81インチ
e.隆線の高さ68:0.0cm/0.35インチ
f.開口38aの幅:4.9cm/1.88インチ
g.開口38aの側壁64aの高さ:0.8cm/0.31インチ
h.開口38bの幅:4.8cm/1.88インチ
i.開口38bの側壁64aの高さ:0.8cm/0.31インチ
j.開口38bの長さ:15.8cm/6.22インチ 全ての開口の長さ 15.8cm/6.22インチ
【0068】
[00091] しかしながら、明らかとなるように、これらは可能な寸法の単なる例であり、開示されている技術の実施形態のいずれに対しても限定と見なすべきではない。上記の例示的なマット寸法は、例えば直径が16~23インチで幅が5~11インチのタイヤのような、ある範囲のタイヤサイズに適合する。これらの寸法のマットによって、ある範囲のタイヤサイズを効率的にクリーニングすることができる。しかしながら、上述したように、これらは例示的な寸法であるので、いくつかの実施形態では、タイヤのサイズ、幅、及び/又は、飛び散りを制限もしくは防止するために高い水圧を用いるか否かに応じて、調整され得る。タイヤの接触面がマット表面上に配置されたリブ又は隆線の中央内に位置する限り、オーバースプレーが地面に到達する危険はないはずである。
【0069】
[00092] マットのいくつかの例示的な実施形態では、上記のマットサイズの列挙された寸法を、上記の寸法の中間域を超えるタイヤサイズに基づいて比例的に調整することができる。
【0070】
[00093] 図6Aから図6Dは、開示されている技術の一実施形態に従ったフロント及びリアタイヤディテーリングマット30、36の2つのペアから成るセットのタイヤ対向面の平面図を概略的に示す。図示のように、図6Aのフロントタイヤディテーリングマット30は、その車輪止め32が図6Bに示されているリアマット36の開口38bを通って係合され得るような向きで示されている。図6Dのフロントタイヤディテーリングマット30は、その車輪止め32が図6Cに示されているリアマット36の開口38aを通って係合され得るように、図6Aのフロントタイヤディテーリングマット30に対して180の向きで示されている。
【0071】
[00094] 図7Aから図7Dは、図6Aから図6Dに示されているフロント及びリアマットディテーリングマットの2つのペアから成るセットの地面対向面51、72の平面図を示し、各フロント及びリアマットベース50、70の後面(マットの使用時に地面に対向する)51、72の開口34、38a、38bの位置を示す。
【0072】
[00095] 図8Aから図8Cは、開示されている技術に従ったフロントタイヤディテーリングマット実施形態上の隆線の前方配置の様々な実施形態の例を示し、図8D及び図8Eは、開示されている技術に従ったリアタイヤディテーリングマット実施形態上の隆線の配置の例を示す。図8Aにおいて、フロントマット30は車輪止め端部で広がった隆線40a~40fを有し、図8Dにおいて、リアマット36上の隆線62a~62eは相補的に広がって、そのタイヤ対向面を図8Aに示されているマットのタイヤ対向面に接触させて配置できるようになっている。
【0073】
[00096] 図8B及び図8Eが示す例では、隆線44a~44f及び62a~62eは向きが異なるが、各フロント及びリアタイヤマット30、36において、フロント及びリアタイヤマット30、36のマットベース50、70の長手方向軸に対して逆の向きである。この実施形態では、車輪止め及び対応する開口は、マットベースの長手方向軸から横方向にわずかにずれている。4つのマットベースを相互に係合するため、チャック及び開口は長手方向マット軸の反対側にずれており、他のペアのフロント及びリアマットベースがタイヤ対向面51、72を相互に対向させた状態で積層されてから180回転された場合に、一方のペアの積層マットのリアマット36の後面71から突き出ている車輪止め32の部分が依然として他方のペアの積層マットと係合できるようになっている。
【0074】
[00097] 図8Cは、例えば図4A又は図4Dに示されている実施形態のような一実施形態の平面図を示し、車輪止め32の周りに車輪止めサポート60の領域又は環状部が設けられている。車輪止めサポート60の側部58の高さが隆線40a~40f(例えば図4Bを参照のこと)又は隆線62a~62eの最大高さを超えないならば、車輪止めサポート60を設けることは、フロント及びリアタイヤディテーリングマット30、36の係合を妨げない。
【0075】
[00098] 図9Aから図9Dは、フロント又はリアタイヤディテーリングマット30、36の様々な実施形態で用いることができる隆線40、62の断面の概略的な例を示す。
【0076】
[00099] 図9Aは、フロントタイヤベース50の隆線40a~40fの上に載っている、例えば図2又は図3A又は図4Aに示されているタイヤ12aのようなフロントタイヤ12aを概略的に示す。図9Aで示されているように、各隆線の高さは等しい。リアタイヤベース70の相補的な隆線プロファイルは図示されていないが、これは図9Aに示されているものと同様である。ただし、隆線62の位置は、フロントタイヤディテーリングマット30の隆線40の各ペアの側方又は各ペアの間を通るようになっている。このように、フロント及びリアタイヤディテーリングマット30、36のペアが共に折り重ねられた場合、各マットの地面対向面は相互に向かい合う。いくつかの実施形態では、マットのペア、典型的には第1及び第2のマット、例えばフロント及びリアマットの、隆線形成された表面を相互に接触させて配置することにより、マットの隆線は相互に係合又は絡み合うことができる。
【0077】
[000100] 開示されている実施形態は一体的な隆線を示すが、いくつかの実施形態では、異なるタイプ及び向きの隆線、及び/又はマットのタイヤ対向面からの他のタイプの突起を使用できることは認められよう。例えば、他の形態の突起は、いくつかの実施形態において隆線の形態に配置することができるバンプ又はスタッドを含み得る。
【0078】
[000101] 図9Bは、フロントタイヤディテーリングマット30の隆線40a~40fについて平行四辺形の形態の異なる隆線プロファイルを示し、図9Cは、リアタイヤディテーリングマット30の隆線62a~62eの対応する隆線プロファイルを示す。この場合、隆線は硬質ゴム等のわずかに弾性の材料から形成することができ、図面では、図8Bに示されているフロントタイヤディテーリングマットの側壁54として平行四辺形が大幅に強調されている。図9Cに示されている側壁68の勾配は、タイヤ対向面48及び71を係合する場合に相互に押し付けられたフロント及びリアタイヤディテーリングマット30、36の保持を助けるため、隆線が相互に押し付けられた時に曲がれるだけの勾配のみを必要とする。
【0079】
[000102] 図9Dは、タイヤディテーリングマット30の幅方向で隆線40が異なるプロファイルを有し得る更に別の例を示す。図9Dで示されているように、隆線側壁高さ54はマットの中央に向かって低くなる。対応するリアタイヤディテーリングマットは、図9Aに示されているような隆線プロファイルを有するか、又は図9Dに示されているものと同じ隆線プロファイルを有することができる。図示のように、フロントタイヤディテーリングマット30の車輪止めがリアタイヤディテーリングマットの開口38a又は38bを貫通するようにマット30が積層された場合、リアタイヤディテーリングマット36の表面71が図示された隆線プロファイルと一致するような湾曲形状又は他の形状を有する場合を除いて、例えば図9Dに示されているような隆線40a、40f等の外側隆線のみが表面71に接触する。
【0080】
[000103] 図10は、表面51、72を相互に近付けて2つの積層ペアを形成することによってタイヤディテーリングマットアセンブリ80(図12a及び図12bを参照のこと)に積層するため、タイヤディテーリングマットの2つのペアから成るセットがどのように配置されるかを概略的に示す。各ペアは、車輪止め32を備えたフロントタイヤディテーリングマット30及びリアタイヤディテーリングマット36を含む。
【0081】
[000104] 図11は、図10を更に詳しく分解し、開示されている技術の一実施形態に従って、係合したフロント及びリアタイヤディテーリングマットの2つのペアをどのように共に移動させてタイヤディテーリングマットアセンブリに積層するかを概略的に示す。図11で示されているように、フロント及びリアタイヤマット30、36の各ペアは、それらの表面48、71が相互に向かい合うように位置決めされ、フロントマット30の車輪止め32がリアマット36の開口38a又は38bを貫通するように位置合わせされ、リアマット36の他方の開口38a又は38bはフロントマット30の開口34と位置合わせされる。次いで、図12Aで示されているように、マットの2つのペアの各々を、その車輪止めが他方のペアの位置合わせされた開口34、38a、又は34、38bを介して係合できるような向きに配置する。
【0082】
[000105] 図12Aは、開示されている技術の一実施形態に従って、タイヤディテーリングマットアセンブリ80に積層した2つのペアのフロント及びリアタイヤディテーリングマットの横からの図を概略的に示す。図12Aに示されているマット30、36は同じ隆線高さ54、68を有し、これにより、フロントタイヤディテーリングマット30の表面48はリアタイヤディテーリングマットの隆線62と接触することができ、リアタイヤディテーリングマット36の表面71はフロントタイヤディテーリングマット30の隆線44と接触することができる。フロントタイヤディテーリングマット30の各々の車輪止め32は、概略的に、他の3つのマット(2つのリアタイヤディテーリングマット36及び他方のフロントタイヤディテーリングマット30)の開口を介して係合した状態で図示されている。
【0083】
[000106] 図12Bは、図12Aのタイヤディテーリングマットアセンブリ80の斜視図を示し、また、タイヤディテーリングマットアセンブリ80の下部に示されている一端に位置決めされた一方のフロントタイヤディテーリングマットの車輪止め32が、2つの内側のリアタイヤディテーリングマット及びアセンブリ80の上部に示されている他端のフロントタイヤディテーリングマットとどのように係合したかを示す。
【0084】
[000107] いくつかの実施形態において、フロント及びリアタイヤディテーリングマット30、36はあるタイプの弾性ゴムから形成され、例えば、いくつかの実施形態では、低密度ポリエチレンLDPE、高密度ポリエチレンHDPE、ポリ塩化ビニルPVC、又は他の任意の適切な形態のポリエチレンPEから形成され得る。
【0085】
[000108] マットが弾性ゴム等の弾性材料から成形されるいくつかの実施形態では、車輪止めをわずかに圧縮させて開口34、38a、38bを貫通するようにし、少なくとも開口34の側壁42によって、また、いくつかの実施形態では開口38a、38bの側壁64a、64bによって、摩擦で所定位置に保持することにより、マット30、36はタイヤマットアセンブリ80内に保持される。これにより、積層されたフロント及びリアマットのペアをアセンブリ80内に摩擦で保持して、保管と輸送を容易にする。
【0086】
[000109] 簡潔にするため、フロントもしくはリアタイヤディテーリングマット又は個別もしくはペアの複数のフロント及びリアマットのアセンブリの可能な各実施形態の開示されている特徴の全ての代替物又は組み合わせ又は並べ替え又は均等物を述べることは不可能であるので、上述した実施形態は、特許請求される発明の好適な実施形態を単に例示するだけである。従って、以下の特許請求の範囲は、本発明の特許請求される範囲内に該当する開示されている実施形態のいずれか1つ又は組み合わせに対する全ての代替物、並べ替え、又は均等物を含むと解釈されることが意図される。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A-D】
図7A-D】
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9A
図9B
図9C
図9D
図10
図11
図12A
図12B
【国際調査報告】