(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】サービスプロバイダによって所有されるデータ接続を経由してファックス送信を配信および受信するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
H04L 51/56 20220101AFI20240925BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240925BHJP
H04M 3/00 20240101ALI20240925BHJP
【FI】
H04L51/56
H04N1/00 J
H04N1/00 127A
H04M3/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516485
(86)(22)【出願日】2022-09-09
(85)【翻訳文提出日】2024-04-03
(86)【国際出願番号】 US2022043148
(87)【国際公開番号】W WO2023039217
(87)【国際公開日】2023-03-16
(32)【優先日】2021-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522322549
【氏名又は名称】コンセンサス・クラウド・ソリューションズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】トスカーノ,フランシス
【テーマコード(参考)】
5K201
【Fターム(参考)】
5K201BB04
5K201CA04
5K201CB05
5K201CB06
5K201CD09
5K201DA09
5K201EA01
5K201EA05
5K201EC06
5K201ED03
(57)【要約】
サービスプロバイダによって所有されるデータ接続を経由して、ファックス送信を配信および受信するための方法およびシステムが説明される。1つの実施形態では、ファックスサーバは、電話サービスプロバイダが、回線交換ネットワークを介して、ソースデバイスから、サービスプロバイダのファックス電話番号への着信呼出信号を受信することに応答して、電話サービスプロバイダからシグナリングプロトコル招待を受信する。サーバは、シグナリングプロトコルに基づいて、電話サービスプロバイダとのデータ接続を確立することによって、この招待に応答し、データ接続は、サービスプロバイダによって所有される。サーバは、ソースデバイスが着信ファックスメッセージを送信すると、ファックスフォーマットであり、電話サービスプロバイダによってルーティングされる着信ファックスメッセージを受信する。サーバは、ファックスメッセージを、宛先アドレスへ送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファックスサービスプロバイダのファックスサーバによって実行される方法であって、前記ファックスサーバは、ファックスプロセシングソフトウェアを実行し、前記方法は、
電話サービスプロバイダが、回線交換ネットワークを介して、ソースデバイスから、クラウドベースのサービスプロバイダのファックス電話番号への着信呼出信号を受信することに応答して、前記電話サービスプロバイダからシグナリングプロトコル招待を受信することと、
前記シグナリングプロトコルに基づいて、データネットワークを介して、前記電話サービスプロバイダとのデータ接続を確立することによって、前記シグナリングプロトコル招待に応答することであって、前記データ接続は、前記クラウドベースのサービスプロバイダによって所有される、応答することと、
前記ソースデバイスが、前記回線交換ネットワークを介して、前記着信呼出信号を経由して着信ファックスメッセージを送信すると、ファックスフォーマットであり、前記電話サービスプロバイダによってルーティングされる前記着信ファックスメッセージを、前記データ接続を通じて受信することと、
前記データネットワークを介して、前記着信ファックスメッセージを宛先アドレスへ送信することとを備える、方法。
【請求項2】
前記ファックス電話番号に基づいて、前記着信ファックスメッセージが送信される前記宛先アドレスを決定することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記データ接続は、第1のデータ接続であり、前記宛先アドレスは、インターネットプロトコル(IP)アドレスまたはドメイン名であり、前記着信ファックスメッセージを送信することは、
前記データネットワークを介して、前記IPアドレスまたは前記ドメイン名を使用して、宛先デバイスとの第2のデータ接続を確立することと、
前記着信ファックスメッセージを、前記第2のデータ接続を経由して送信することとを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記着信ファックスメッセージは、暗号化プロトコルにしたがって送信され、前記暗号化プロトコルは、セキュアソケットレイヤ(SSL)プロトコルまたはトランスポートレイヤセキュリティ(TLS)プロトコルのうちの1つを備える、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記データ接続は、前記クラウドベースのサービスプロバイダによって前記電話サービスプロバイダから購入されたセッション開始プロトコル(SIP)トランクの一部である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記シグナリングプロトコルは、H.323プロトコル、メディアゲートウェイ制御プロトコル(MGCP)、およびセッション開始プロトコル(SIP)のうちの1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記着信ファックスメッセージは、T.38プロトコルにしたがって送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ファックスシステムであって、
プロセッサと、
非一時的な機械可読記憶媒体と、を備え、
該非一時的な機械可読記憶媒体は、
前記プロセッサによって実行されると、前記ファックスシステムに対して、
電話サービスプロバイダが、回線交換ネットワークを介して、ソースデバイスから、クラウドベースのサービスプロバイダのファックス電話番号への着信呼出信号を受信したことに応答して、前記電話サービスプロバイダからシグナリングプロトコル招待を受信することと、
前記シグナリングプロトコルに基づいて、データネットワークを介して、前記電話サービスプロバイダとのデータ接続を確立することによって、前記シグナリングプロトコル招待に対して応答することであって、前記データ接続は、前記クラウドベースのサービスプロバイダによって所有される、応答することと、
前記ソースデバイスが、前記回線交換ネットワークを介して、前記着信呼出信号を経由して着信ファックスメッセージを送信すると、ファックスフォーマットであり、前記電話サービスプロバイダによってルーティングされる前記着信ファックスメッセージを、前記データ接続を通じて受信することと、
前記着信ファックスメッセージを、前記データネットワークを介して、宛先アドレスへ送信することと
を実行させる命令が格納される、ファックスシステム。
【請求項9】
前記非一時的な機械可読記憶媒体は、
前記ファックス電話番号に基づいて、前記着信ファックスメッセージが送信される前記宛先アドレスを決定するためのさらなる命令を有する、請求項8に記載のファックスシステム。
【請求項10】
前記データ接続は、第1のデータ接続であり、前記宛先アドレスは、インターネットプロトコル(IP)アドレスまたはドメイン名であり、前記着信ファックスメッセージを送信するための命令は、
前記データネットワークを介して、前記IPアドレスまたは前記ドメイン名を使用して、宛先デバイスとの第2のデータ接続を確立することと、
前記着信ファックスメッセージを、前記第2のデータ接続を経由して送信することとのための命令を備える、請求項8に記載のファックスシステム。
【請求項11】
前記着信ファックスメッセージは、暗号化プロトコルにしたがって送信され、前記暗号化プロトコルは、セキュアソケットレイヤ(SSL)プロトコルまたはトランスポートレイヤセキュリティ(TLS)プロトコルのうちの1つを備える、請求項10に記載のファックスシステム。
【請求項12】
前記データ接続は、前記クラウドベースのサービスプロバイダによって前記電話サービスプロバイダから購入されたセッション開始プロトコル(SIP)トランクの一部である、請求項8に記載のファックスシステム。
【請求項13】
前記シグナリングプロトコルは、H.323プロトコル、メディアゲートウェイ制御プロトコル(MGCP)、およびセッション開始プロトコル(SIP)のうちの1つである、請求項8に記載のファックスシステム。
【請求項14】
前記着信ファックスメッセージは、T.38プロトコルにしたがって送信される、請求項8に記載のファックスシステム。
【請求項15】
ファックスサービスプロバイダのファックスサーバによって実行される方法であって、前記ファックスサーバは、ファックスプロセシングソフトウェアを実行し、前記方法は、
データネットワークを介して、クラウドベースのサービスプロバイダから、宛先デバイスのファックス電話番号へ送信されるファックス送信を受信することと、
前記ファックス送信をファックスフォーマットに変換することと、
前記データネットワークを介して、前記ファックス電話番号を使用して、前記クラウドベースのサービスプロバイダによって所有されるセッション開始プロトコル(SIP)トランクを経由して前記宛先デバイスとのデータ接続を確立することと、
前記データ接続を経由して、前記ファックス送信を、前記ファックスフォーマットで、前記宛先デバイスの前記ファックス電話番号へ送信することとを備える、方法。
【請求項16】
前記データ接続は、第1のデータ接続であり、前記ファックス送信を受信することは、
前記データネットワークを介して、前記クラウドベースのサービスプロバイダによって所有されるソースデバイスとの第2のデータ接続を確立することと、
前記第2のデータ接続を経由して前記ファックス送信を受信することとを備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第2のデータ接続は、仮想パーソナルネットワーク(VPN)接続であり、
前記ファックス送信は、暗号化プロトコルにしたがって受信され、前記暗号化プロトコルは、セキュアソケットレイヤ(SSL)プロトコルまたはトランスポートレイヤセキュリティ(TLS)プロトコルのうちの1つを備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記クラウドベースのサービスプロバイダによって所有される電話サービスプロバイダアカウントのための認証情報を受信することをさらに備え、前記データ接続を確立することは、1)ファックス電話番号と、2)前記ファックスサービスプロバイダが、前記クラウドベースのサービスプロバイダのSIPトランクを経由して前記ファックス送信を送信することを許可するための前記認証情報とを含む、シグナリングプロトコル招待を、前記データネットワークを介して、前記電話サービスプロバイダへ送信することを備える、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記ファックス送信は、第1のファックス送信であり、前記ファックス電話番号は、第1のファックス電話番号であり、前記データ接続は、第1のデータ接続であり、前記SIPトランクは、第1のSIPトランクであり、前記宛先デバイスは、第1の宛先デバイスであり、前記方法はさらに、
前記データネットワークを介して、第2の宛先デバイスの第2のファックス電話番号へ送信される第2のファックス送信を受信することと、
前記第2のファックス送信が、前記第1のデータ接続を経由して送信されるか否かを判定することと、
前記第2のファックス送信が、前記第1のデータ接続を経由して送信されないと判定することに応答して、前記データネットワークを介して、第2のデータ接続を経由して、第2のSIPトランクを使用して、前記第2のファックス電話番号へ送信することとを備える、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記第2のファックス送信を送信するための電話サービスプロバイダアカウントの認証情報を受信し、前記第2のファックス送信が前記第1のデータ接続を経由して送信されるか否かを判定することは、前記認証情報が、前記クラウドベースのサービスプロバイダによって所有されるアカウントに関連付けられているか否かを判定することを備える、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記クラウドベースのサービスプロバイダは、第1のクラウドベースのサービスプロバイダであり、前記第2のファックス送信は、第2のクラウドベースのサービスプロバイダから受信され、前記方法はさらに、少なくとも一定期間、前記第2のデータ接続を経由してのみ送信するために、前記第2のクラウドベースのサービスプロバイダから受信される将来のすべてのファックス送信をルーティングすることを備える、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本願は、2021年9月13日に出願された米国仮特許出願第17/473,854号の利益を主張し、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
分野
本開示の実施形態は、(たとえば、クラウドベースの)サービスプロバイダによって所有されるデータ接続を経由して、ファックス送信を配信および受信するファックスシステムに関する。他の実施形態も説明される。
【背景技術】
【0003】
インターネットを使用するメッセージ受渡しサービスの普及にも関わらず、ファックスメッセージングは、世界中の個人間でのセキュアなメッセージ受渡しのための重要な手段であり続けている。従来のファックスメッセージングサービスは、ファックス送信を受信するために、専用のファックス機と専用のファックス番号との両方が必要である。最新のファックスメッセージングサービスは、専用のファックス機の必要性がなくなり、インターネットを利用して、これらサービスの加入者が、ファックスメッセージを送信および受信する柔軟性が向上した。たとえば、最新のファックスメッセージングサービスの加入者には、直接内線ダイヤル(DID)電話番号が割り当てられ、加入者は、加入者にファックスメッセージを送りたい他の人にこの電話番号を配信する。DID電話番号は、実質的には加入者の個別のファックス番号である。着信ファックス送信が、特定のDID電話番号で受信されると、ファックスメッセージングサービスは、インターネットなどのデータネットワークを介した送信に適したフォーマットで、ファックス送信からファックスメッセージを生成し、そのファックスメッセージを加入者へ(たとえば、加入者の電子メールアドレスへ)送る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
公衆交換電話網(PSTN)などの音声およびデータ通信システムは、現在、通常伝送される音声トラフィックに加えて、ファクシミリ(「ファックス」)機によって送信される画像およびテキストデータを転送するために使用されている。たとえば、ファックス機は、物理的な文書をデータに変換し、このデータは、その後、PSTNを介して専用のファックス電話番号へ送信される。このデータは通常、受信者による使用のために、宛先のファックス機またはコンピュータで、画像およびテキストを印刷または記憶するために受信される。電話およびファックスサービスを設定する場合、コンシューマおよび電話会社(すなわち電話サービスプロバイダ)は、特定の期間(たとえば、1か月)にわたって1つまたは複数の専用の音声およびファックス回線(または番号)で使用できる利用可能な、すなわち「無料」の分の数を指定する契約を結ぶことができる。しかしながら、これら同じカスタマは、インターネットによって着信ファックス、複数のファックスを受信するために、より最新のファックスサービスに切り替えることを希望する場合がある。この場合、着信ファックス送信(またはファックスメッセージ)は、ファックスサービスプロバイダによってデータ(たとえば、コンピュータ)ネットワークによって1人または複数人の受信者に転送(または、ルーティング)され、したがって、PSTNを介した専用ファックス電話番号へのファックス送信を回避する。最新のファックス方法を利用すると、従来の方式よりも信頼性が高く、ファックス送信の送信先となる専用のファックス電話番号が不要になるため、コスト効率も高くなる。
【0005】
しかしながら、場合によっては、カスタマは、従来のファックス送信から、より最新のファックスサービスに、迅速かつ容易に移行できないことがある。たとえば、カスタマと電話会社との間の電話契約は、(たとえば、PSTNを介して)ファックス送信をルーティングするための電話会社の電気通信サービスの使用に関する長期契約(たとえば、数年)である場合がある。したがって、ユーザが、電話会社との契約上の義務を維持できるようにしながら、ユーザ(たとえば、クラウドベースのサービスプロバイダ)に電子ファックスサービスを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、(クラウドベースの)サービスプロバイダ(たとえば、電話会社と電気通信サービスを維持する契約上の義務を負っている、ファックスサービスの加入者またはユーザ)によって所有されるデータ接続を経由して、ファックス送信を配信(またはルーティング)および受信するための方法およびシステムを対象とする。具体的には、ファックスサービスプロバイダのファックスサーバ(たとえば、そこで実行しているファックスプロセシングソフトウェア)は、サービスプロバイダが、回線交換ネットワーク(たとえば、PSTN)を介して、サービスプロバイダのファックス電話番号への着信呼出信号を受信することに応答して、電話サービスプロバイダ(または電話会社)からシグナリングプロトコル招待を受信し得る。サーバは、電話サービスプロバイダとのシグナリングプロトコルに基づいて、データ接続を、データネットワークを介して確立することによって、この招待に応答することができ、データ接続は、クラウドベースのサービスプロバイダによって所有される。たとえば、データ接続は、電話会社とのクラウドベースのサービスプロバイダによって所有される(たとえば、そのカスタマアカウントの一部である)セッション開始プロトコル(SIP)トランクによって行われる場合がある。ファックスサーバは、ソースデバイスが、PSTNを介して、着信呼出信号を経由して着信ファックスメッセージを送信すると、ファックスフォーマットであり、電話サービスプロバイダによってルーティングされる着信ファックスメッセージを、データ接続を通じて受信することができる。1つの実施形態では、ファックスメッセージを受信するために、クラウドベースのサービスプロバイダは、ファックス電話番号を、ファックスサーバに関連付けられた特定の場所(たとえば、ファックスサーバのインターネットプロトコル(IP)アドレス)にリダイレクトする(または終端させる)ように、電話会社に指示することができる。ファックスサーバは、データ接続を介して、ファックスメッセージを宛先アドレス(たとえば、IPアドレスまたはドメイン名)へ送信できる。その結果、ユーザが、電話会社に対する契約上の義務を維持しながら、従来、ソースデバイスによってPSTNを経由してユーザへ送信されていたファックスメッセージは、メッセージを電子的に送信するために、ファックスサーバにリダイレクトされ得る。
【0007】
別の実施形態では、ファックスサーバは、クラウドベースのサービスプロバイダによって所有されるSIPトランクを経由して、ファックス送信を送信することもできる。たとえば、サーバは、データネットワークを介して、クラウドベースのサービスプロバイダから、宛先デバイスのファックス電話番号に(たとえば、PSTNを使用して)送信されるファックス送信を受信する。サーバは、ファックス送信をファックスフォーマット(たとえば、タグ付き画像ファイルフォーマット(TIFF)など)に変換する。サーバは、データネットワークを介して、ファックス電話番号を使用して、クラウドベースのサービスプロバイダのSIPトランクを経由して、宛先デバイスとのデータ接続を確立し、ファックス送信を、宛先デバイスへ送信する。特に、ファックスサーバは、クラウドベースのサービスプロバイダ(たとえば、その契約上の義務の一部)によって所有される電話サービスプロバイダアカウントの認証情報(たとえば、ユーザ名およびパスワード)を受信することができる。この場合、データ接続を確立するときに、ファックスサーバは、1)ファックス電話番号と、2)ファックスサービスプロバイダに対して、クラウドベースのサービスプロバイダのSIPトランクを経由してファックス送信を送信することを許可(または認証)するための認証情報とを含むシグナリングプロトコル招待を、電話サービスプロバイダへ送信することができる。したがって、ファックスサーバは、クラウドベースのサービスプロバイダによって所有されるSIPトランクによってファックス送信を受信するとともに、SIPトランクによるデータ接続を経由して、ファックス送信を送信することもできる。
【発明の効果】
【0008】
上記の概要は、本開示のすべての態様を網羅的に含んでいない。本開示は、上記で要約された様々な態様のすべての適切な組合せから実施できるすべてのシステムおよび方法、ならびに以下の「発明を実施するための形態」にて開示され、特に出願とともに提出された特許請求の範囲で示されたすべてのシステムおよび方法を含むことが企図される。そのような組合せは、上記の概要には特に記載されていない特定の利点を有する。
【0009】
本開示の実施形態は、添付図面の図において、限定的ではなく、一例として例示されており、同一の参照符号は、同様の要素を示している。本開示における開示の「ある」または「1つの」実施形態への言及は、必ずしも同じ実施形態を称する訳ではなく、それらは少なくとも1つを意味することに留意されたい。また、所与の図は、本開示の複数の実施形態の特徴を例示するために使用することができ、図中のすべての要素が、与えられた実施形態に必要であるとは限らない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、いくつかの実施形態による、サービスプロバイダのセッション開始プロトコル(SIP)トランクを経由してファックス送信を送信するためのファックスシステム1を例示するブロック図である。
【
図2】
図2は、いくつかの実施形態による、ユーザのSIPトランクを経由してファックス送信を受信するためのファックスシステムを例示するブロック図である。
【
図3】
図3は、いくつかの実施形態による、ファックスサービスプロバイダサーバを例示するブロック図である。
【
図4】
図4は、いくつかの実施形態による、ファックス送信の処理に関連付けられた監査データを含むデータ構造を例示する図である。
【
図5】
図5は、ユーザによって所有されるSIPトランクを経由して宛先デバイスにファックス送信を送信するプロセスの1つの実施形態のフローチャートである。
【
図6】
図6は、ユーザによって所有されるSIPトランクを経由して、ソースデバイスからファックス送信を受信するプロセスの1つの実施形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、添付図面を参照して本開示のいくつかの実施形態について説明する。ここで説明される実施形態の態様が明示的に定義されていない場合は常に、本開示の範囲は、単に例示目的のために意図された、図示された部分のみに限定されない。また、多くの詳細が記載されているが、本開示のいくつかの実施形態は、これら詳細なしで実施され得ることが理解される。他の例では、この説明を明瞭に理解するため、周知の回路、構造、および技法は詳細に図示されていない。
【0012】
本明細書における「1つの実施形態」または「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることが可能であることを意味するが、すべての実施形態が、必ずしも特定の特徴、構造、または特性を含む必要はない。さらに、そのような表現は、必ずしも、同じ実施形態を称する必要はない。
【0013】
図1は、いくつかの実施形態による、ユーザ(またはクラウドベースのサービスプロバイダ)のセッション開始プロトコル(SIP)トランクを経由してファックス送信を送信するためのファックスシステム1を例示するブロック図である。具体的には、この図は、クラウドベースのサービスプロバイダのファックス送信(たとえば、プロバイダによって送信されたファックス送信)が、クラウドベースのサービスプロバイダのSIPトランク8を経由して、ファックスサービスプロバイダサーバ6によって宛先デバイスに転送(またはルーティング)されるシステムアーキテクチャを図示している。
【0014】
ファックスシステム1は、クラウドベースのサービスプロバイダ(以下、「サービスプロバイダ」と称され得る)ソースデバイス2、ファックスサービスプロバイダサーバ(以下、「ファックスサーバ」と称され得る)6、音声/データ(たとえば、コンピュータ)ネットワーク(たとえば、インターネット)5、電話サービスプロバイダサーバ(以下、「電話サーバ」と称され得る)3、公衆交換電話網(PSTN)4、および宛先デバイス7を含む。1つの実施形態では、システムは、1つまたは複数のソースデバイスおよび/または1つまたは複数の宛先デバイスを有するなど、より多くの、またはより少ない要素(またはデバイス)を含み得る。
【0015】
1つの実施形態では、音声/データネットワーク5は、ルータ、アクセスポイント、1つまたは複数のサーバなど、1つまたは複数のデバイスがファックス送信を(たとえば、電子メッセージとして)送信および受信できるようにするインフラストラクチャを含むことができる。いくつかの実施形態では、ネットワークは、1つまたは複数のセルタワーを含むこともでき、そのすべては、モバイルデバイス(たとえば、4Gロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク)のデータ送信(および/または音声呼出)をサポートする通信ネットワークの一部であり得る。いくつかの実施形態では、PSTN4は、電話および/またはファックス機が互いに通信できるようにするために、1人または複数人の電話オペレータによって操作され得る回線交換(電話)ネットワークの組合せ(たとえば、回線交換(電話)ネットワークを有する組合せ)であってもよい。
【0016】
電話サーバ3は、ファックス送信をファックスサーバから宛先デバイスにルーティングするために、ファックスサーバ6を、デバイス7などの1つまたは複数の宛先デバイスに通信可能に結合するように構成される。1つの態様では、サーバ3は、インターネット電話サービスプロバイダ(ITSP)などのボイスオーバインターネットプロトコル(VoIP)サービスを提供し得る、電話サービスプロバイダ(または電話会社)によって(所有および)運営され得る。具体的には、サーバ3は、H.323プロトコル、メディアゲートウェイ制御プロトコル(MGCP)、またはSIPなどの任意のタイプのシグナリング(たとえば、VoIP)プロトコルを使用して、ファックスサーバ6、1つまたは複数の宛先デバイス(たとえば、デバイス7)、および/または、
図2におけるソースデバイス20のような1つまたは複数のソースデバイスの間に電気通信(たとえば、VoIP)接続を確立するように構成される。
【0017】
1つの実施形態では、電話サーバ3は、クラウドベースのサービスプロバイダのSIPトランク8を利用するように構成されたSIPトランクゲートウェイであり得(または、含み得)、これによって、ファックスサーバ6と宛先デバイスとの間で(たとえば、PSTN4によって)データを交換するために、ゲートウェイとサーバ6との間のデータ接続が確立される。特に、ゲートウェイは、SIPトランク8を経由してファックスサービスプロバイダサーバ6からデジタルデータを受信し、そのデータをアナログ信号に変換し、この信号は、PSTN4によって宛先デバイス7へ送信される。ここでは、SIPトランクを使用するファックスサーバについてさらに説明される。
【0018】
1つの実施形態では、SIPトランク8は、(たとえば、ソースデバイス2の)クラウドベースのサービスプロバイダによって「所有」され得る。特に、クラウドベースのサービスプロバイダは、電話プロバイダからトランクを購入している場合があり、この場合、トランクは、サービスプロバイダの電話アカウント(または、電話サービスプロバイダとの契約)の一部である。このようにして、電話プロバイダは、クラウドベースのサービスプロバイダに、SIPトランク8を経由して、データを送信および受信するための、(たとえば、電話プロバイダによって他のカスタマを許可または認証しない)単独アクセスを提供することができる。したがって、サービスプロバイダは、VoIPサービスを利用するために、月額料金を支払う(または課金する)場合がある。
【0019】
ここで説明されるように、ファックスサービスプロバイダは、データネットワークおよびPSTNを介してファックス送信を送信(および/または受信)するために、プロバイダのSIPトランク8を使用することを、クラウドベースのサービスプロバイダによって許可され得る。具体的には、クラウドベースのサービスプロバイダは、ファックスサーバから発信されるVoIPセッション(または呼出)が、データを送信するためにサービスプロバイダのSIPトランク8を使用することを電話プロバイダと指定することができる。たとえば、サービスプロバイダは、ファックスサーバに関連付けられた認証情報(たとえば、IPアドレスまたはドメイン名)を、(たとえば、電話プロバイダとの認証情報をサービスプロバイダの電話アカウントに追加することによって)電話プロバイダに提供することができる。VoIPセッション要求(たとえば、シグナリングプロトコル招待)を受信すると、電話サーバは、その招待がサービスプロバイダに関連付けられた認証情報を含むか否かを判定することができる。認証情報を含むと判定した場合、電話サーバは、サービスプロバイダのSIPトランク8を使用するVoIPセッションを確立するためのシグナリングプロトコルプロセスを続行できる。サービスプロバイダは、VoIPセッションが、ファックスサーバ6によって開始され得ることを指定することに加えて(またはその代わりに)、VoIPセッションの終端(またはエンド)ポイントとして、(たとえば、音声(またはVoIP)呼出を発信したソースデバイスへ、SIPトランクを経由して接続するデバイスである)ファックスサーバを指定することができる。その場合、サービスプロバイダは、認証情報を電話プロバイダに提供して、その認証情報を、サービスプロバイダに関連付けられた(たとえば、プロバイダのSIPトランクに関連付けられた)1つまたは複数の電話(たとえば、ファックス電話)番号に関連付けることができ、呼出が、これら番号のうちの1つの番号で(たとえば、ファックス機などの任意のソースデバイスによって)受信されると、ファックスサーバ6は、呼出のデータを受信するための、呼出の終端点となる。1つの実施形態では、サービスプロバイダは、プロバイダのアカウントにおいて(たとえば、選択内で)、どの電話番号がファックスサーバで終端するのかを指定することができる。ここでは、これら動作についてさらに説明される。
【0020】
1つの実施形態では、認証情報は、ファックスサーバ6がサービスプロバイダのSIPトランクを経由して宛先デバイスとのデータ接続を確立できるようにするための、他の認証情報を含むことができる。たとえば、認証情報は、サービスプロバイダ(たとえば、その電話アカウント)に関連付けられたユーザ名およびパスワードを含むことができる。したがって、シグナリングプロトコルプロセスを開始するとき、ファックスサーバは、これら認証情報を(たとえば、シグナリングプロトコル招待で)電話サーバへ送信することができ、電話サーバは、サービスプロバイダのトランク8へのアクセスを許可するためにファックスサーバ6の識別情報を検証する。
【0021】
図示されるように、宛先デバイス7は、PSTN4を経由して電話サービスプロバイダサーバ3に結合されたファックス機である。1つの実施形態では、宛先デバイスは、PSTNを経由してファックス送信を受信できる任意の電子デバイスとすることができる。ここでは、PSTNを経由したファックス送信の受信についてさらに説明される。
【0022】
1つの実施形態では、クラウドベースのサービスプロバイダソースデバイス2(たとえば、クラウドベースのサービスプロバイダによって所有および/または運営される電子デバイス)は、ファックス送信をサーバに送るために、コンピュータネットワーク5を経由してサーバ6に(たとえば、通信可能に)結合される。図示されるように、ソースデバイスは、デスクトップコンピュータである。別の実施形態では、ソースデバイスは、コンピュータネットワークを介してファックスサービスプロバイダサーバ6にファックス送信を(たとえば、電子メッセージとして)送信できる任意のタイプのデバイス(たとえば、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバなど)であってもよい。特に、ソースデバイスは、デバイスによって実行されると、ファックスファイル(またはファックスメッセージ)を含む電子メッセージとしてファックス送信を送るように構成されたファックスソフトウェアを含むことができる。具体的には、ソフトウェアは、文書が送信されるファックスサービスプロバイダサーバのアドレスを(たとえば、デスクトップに結合された表示画面に表示されるグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を経由して)受信するように構成され得る。デスクトップは、ネットワーク5を経由してサーバとの接続を確立し、文書をサーバへ送信することができる。ここでは、ファックスメッセージのサーバへの送信についてさらに説明される。
【0023】
別の実施形態では、ソースデバイスは、ネットワーク5のワイヤレスネットワーク(たとえば、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN))に接続するように構成されたポータブルデバイス(たとえば、タブレットコンピュータ)であってもよく、ポータブルデバイスは、接続された場合、ファックスサービスプロバイダサーバ6と通信する(たとえば、ファックスサービスプロバイダサーバ6へファックス送信を送信する)ように構成され得る。別の実施形態では、ここで説明されたように、ソースデバイスは、ファックスデータを、ファックスサービスプロバイダサーバへ送信するために、データネットワークの通信ネットワーク(たとえば、LTEネットワーク)に接続するように構成されたモバイルデバイス(たとえば、スマートフォン)であってもよい。
【0024】
1つの実施形態では、ソースデバイスは、ここで説明されたように、サーバが、ファックスファイルを、1つまたは複数の宛先アドレスに配信するために、ファックスファイル(メッセージ)を含む電子メッセージとして、ファックス送信をサーバ6へ送信することができる。特に、電子メッセージは、ファックスファイルを含む任意のタイプのフォーマットの任意のタイプのメッセージであり得る。たとえば、電子メッセージは、ソースデバイスが、データネットワーク5を介して、ファックスサーバに関連付けられた電子メールアドレスへ送信する電子メール(たとえば、簡易メール転送プロトコル(SMTP)メッセージであってもよい。具体的には、電子メールは、電子メールの添付ファイルとしてファックスファイル(たとえば、1つまたは複数の電子文書)を含む場合や、多目的インターネットメール拡張機能(MIME)プロトコルにしたがってフォーマットされ得る電子メールの本文にある場合がある。
【0025】
別の例として、ソースデバイスは、ファックスサーバとの通信データリンクまたはデータ接続を(たとえば、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)を経由して)を確立することができ、電子メッセージを、リンクを介して送信することができる。特に、ソースデバイスは、コンピュータネットワークを介して、およびAPIを経由して、サーバのアドレス、たとえばインターネットプロトコル(IP)アドレスまたはドメイン名を使用して、データ接続を確立することができる。確立されると、ソースデバイスは、データ接続を介してファックス送信(または、より具体的にはファックスファイル)を含む電子メッセージを(たとえば、IPパケットなどの1つまたは複数のデータパケットとして)送信することができる。別の実施形態では、ソースデバイスは、ファックスサービスプロバイダサーバ6によって(またはファックスサービスプロバイダサーバ6上で)ホストされるウェブサイトを経由して接続を確立することができる。この場合、サーバのアドレスは、サーバに関連付けられたドメイン名を示すUniform Resource Locator(URL)とすることができる。ソースデバイスは、ハイパテキスト転送プロトコル(HTTP)、ファイル転送プロトコル(FTP)などの任意のデータ転送(アプリケーション)プロトコルにしたがって、(たとえば、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IPなどの任意の通信プロトコルを使用して)URLへのデータ接続を確立することができる。別の実施形態では、ソースデバイスは、デバイスのプロトコルスタックにおける任意の(たとえば、アプリケーションレイヤ)プロトコルを使用して、サーバとの接続を確立し、データを送信することができる。いくつかの実施形態では、ソースデバイスは、電子メッセージをサーバへ送信するための任意の方法を使用することができる。
【0026】
別の実施形態では、電子メッセージは、セキュアな通信データ接続を経由して、ファックスサービスプロバイダサーバ6へ送信され得る。具体的には、ソースデバイスは、サーバのアドレス(たとえば、IPアドレス)にしたがって、セキュアソケットレイヤ(SSL)、トランスポートレイヤセキュリティ(TLS)などの暗号化プロトコルを使用して、コンピュータネットワークを介して、ファックスサーバとのデータ接続を確立できる。たとえば、ファックスサーバによってホストされるウェブサイトにアクセスするために、宛先デバイスは、TLSまたはSSLを介したアプリケーションレイヤプロトコルHTTP(たとえば、HTTPS)を使用する場合がある。セキュアな通信データ接続が確立されると、ソースデバイスは、暗号化プロトコルにしたがって、データ(たとえば、電子メッセージ)をサーバに(暗号化して)送信する。いくつかの実施形態では、ソースデバイスは、サーバとのセキュアな通信トンネルを確立することができる。たとえば、ソースデバイスは、ファックスサーバのIPアドレスまたはドメイン名を使用して、ファックスサーバとの仮想パーソナルネットワーク(VPN)接続を確立することができる。確立されると、ソースデバイスは、VPN接続を経由して電子メッセージを送信できる。たとえば、ソースデバイスは、VPNサーバとの通信データ接続を確立することができ、これによって(たとえば、VPN接続が確立され)、ソースデバイスは(たとえば、HTTPSなどの任意の通信プロトコルを使用して)サーバと通信することができる。別の例として、セキュアな通信トンネルが確立されると、ソースデバイスは、ここで説明されるように、ファックスメッセージが添付された電子メール(SMTPメッセージ)を送信することができる。いくつかの実施形態では、ファックスサーバ6は、ソースデバイスとの(たとえば、セキュアな)接続を確立することができる。別の実施形態では、1つまたは複数の電子メッセージが、1つの接続を経由して送信され得る。たとえば、接続が確立されると、同じ接続を、デバイスとサーバとの間のデータ交換のために使用できる。
【0027】
1つの実施形態では、ファックスメッセージは、ソースデバイスによって、ポータブル文書フォーマット(PDF)のような任意のフォーマットで、またはタグ付き画像ファイルフォーマット(TIFF)のようなファックスファイルフォーマット(たとえば、PSTNを介してファックス送信が送られるフォーマット)で、サーバ6へ送信され得る。別の実施形態では、ファックスメッセージは、テキストおよび/または画像を含む文書であってもよい。いくつかの実施形態では、ファックスメッセージは、検索可能なPDFなどの検索可能な電子文書であってもよい。別の実施形態では、ファックスメッセージは、ユーザがメッセージにおけるデータ(たとえば、テキスト、画像など)を検索、追加、削除、および/または編集できるようにする1つまたは複数のアプリケーションによって実行可能なフォーマットであってもよい。たとえば、メッセージは、ワードプロセシングソフトウェアアプリケーションによって実行可能なワードプロセシングフォーマット、スプレッドシートソフトウェアアプリケーションによって実行可能なスプレッドシートフォーマット、プレゼンテーションアプリケーションによって実行可能なプレゼンテーションフォーマットであってもよい。別の実施形態では、ファックスファイルは、編集可能および/または検索可能な任意のファイルフォーマットであってもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、電子メッセージは、その中に含まれるファックスファイルに関する情報を含むことができる。たとえば、メッセージは、そのメッセージに含まれるファックスファイルが、ファックスサービスプロバイダサーバ6によって送信されるファックス電話番号などのアウトバウンド(受信者または宛先)アドレスを含むことができる。電子メールの例に戻ると、ソースデバイスによって電子メッセージが送信される電子メールアドレスは、ファックス電話番号を含む場合がある。たとえば、サービスプロバイダが、電子メッセージのファックスファイルを、ファックスサーバによって(たとえばPSTNを介して)配信されることを希望するファックス電話番号は、電子メールアドレスのユーザ名とすることができ、電子メールアドレスのドメイン名は、ファックスサービスプロバイダに関連付けられ得る。別の実施形態では、ファックス電話番号は、電子メールの本文または件名に含まれていてもよい。別の実施形態では、ファックス電話番号は、電子メッセージを送信するために使用される1つまたは複数のIPデータパケットの1つまたは複数のヘッダに、メタデータとして含まれるような電子メッセージの一部であってもよい。別の実施形態では、ファックス電話番号は、ファックスファイルを含む電子メッセージとは別に送信されてもよい(たとえば、ファックス電話番号は、電子メッセージがソースデバイスによって送信される前または後に、1つまたは複数のデータパケットで送信されてもよい)。
【0029】
別の実施形態では、メッセージは、ファックスファイルが送信されるべき場所を示す他の情報を含むことができる。たとえば、この情報は、サービスプロバイダがファックスファイルの送信を希望する受信者(または受信者の電子デバイス)の連絡先情報を含むことができる。この場合、ファックスサービスプロバイダサーバ6は、その情報を使用して、ユーザに関連付けられたファックス電話番号を判定することができる。具体的には、ファックスサーバは、サービスプロバイダが、メッセージの連絡先情報に関連付けられたアウトバウンドアドレス(たとえば、ファックス電話番号)を特定するための連絡先情報(たとえば、連絡先のリスト)を含むデータ構造(たとえば、
図3に図示される加入者データ15など)へのテーブルルックアップを実行することができる。ここでは、加入者データについてさらに説明される。
【0030】
ファックスサービスプロバイダサーバ6は、ここで説明されるように、1つまたは複数のファックスサービスプロバイダ動作を実行するように構成された(たとえば、クラウドコンピューティングシステムの一部としての)スタンドアロンのサーバコンピュータまたはサーバコンピュータのクラスタであってもよい。1つの実施形態では、ファックスサーバは、たとえば、この図に図示されるように、宛先デバイスとのデータ接続を確立することによって、1つまたは複数のサービスプロバイダソースデバイスから、1つまたは複数の宛先デバイスへ着信ファックス送信を配信するように構成される。具体的には、ファックスサーバ6は、ファックスサーバによるファックス送信の転送先となるファックス電話番号などの追加情報とともに、ソースデバイス2から着信ファックス送信を受信することができる。ファックスサーバは、ファックスを送信するために、電話サーバ3によって(たとえば、サービスプロバイダのSIPトランク8を使用して)宛先デバイス7とのVoIPセッションをセットアップすることができる。たとえば、ファックスサーバは、電話サーバへのファックスサーバの認証情報と、ファックスサーバがファックスを送信しようとしている宛先デバイス7の(たとえばファックス)電話番号のような他の情報とを含むシグナリングプロトコル招待を、(たとえば、H.323、MGCP、およびSIPのような任意のシグナリングプロトコルを使用して)送信することができる。認証情報を検証する(たとえば、ユーザ名およびパスワードを検証する)と、電話サーバは、PSTN4を経由して着信呼出信号(たとえば、着信呼出発鳴アラート)を宛先デバイス7へ送信することによって、VoIPセッションの確立を継続することができる。宛先デバイスから応答信号を受信すると、電話サーバは、確認メッセージをファックスサーバ6へ送信することができ、その時点で、データ接続(たとえば、リアルタイムトランスポーテーションプロトコル(RTP)接続)が、SIPトランク8を経由して、電話サーバとファックスサーバとの間で確立される。確立されると、ファックスサーバ6は、ファックスを、デジタルデータとして(たとえば、T.38プロトコルなどの任意のファックスプロトコルを使用して、またはそれにしたがって)電話サーバへ送信し、電話サーバは、このデータをアナログ信号に変換する。具体的には、電話サーバは、デュアルトーン多重周波数(DTMF)シグナリングを利用する場合があり、このシグナリングでは、ファックスデータが、音声周波数トーン(たとえば、グループ3プロトコルによるファックストーン)の形式で、PSTNによって宛先デバイスへ送信される。ファックスデータが送信されると、ファックスサーバはVoIPセッションを終了することができる。
【0031】
図2は、いくつかの実施形態による、ユーザのSIPトランクを経由してファックス送信を受信するためのファックスシステム1を例示するブロック図である。特に、この図は、クラウドベースのサービスプロバイダ宛てのファックス送信(たとえば、1つまたは複数のソースデバイスから、サービスプロバイダによって所有される1つまたは複数のファックス電話番号へ送信されるファックス送信)が、電話サーバによってファックスサーバへルーティングされるシステムアーキテクチャを図示しており、ファックスサーバは、受信したファックス送信を、サービスプロバイダの宛先デバイス2(たとえば、デスクトップコンピュータ、サーバなど)へ配信する。ここで説明されるように、ファックスサーバ6は、クラウドベースのサービスプロバイダによって、1つまたは複数のファックス電話番号の終端ポイントとして指定され得る。
【0032】
この図は、
図1に図示される要素の少なくともいくつかを含む。それに加えて、この図は、ファックス機として例示されるソースデバイス20を図示している。1つの実施形態では、このデバイスは、PSTN4を介して発呼通話を行うこと、および/または、着信(たとえば、ファックス)呼出を受信することができる任意の電子デバイスであってもよい。たとえば、ファックス機20は、国際電気通信連合電気通信標準化部門(ITU-T)によって規定された(たとえば、ITU-T勧告T.30およびT.4において規定されているような)グループ3プロトコルなどのファックスプロトコルを使用して、PSTN4によってファックス送信を送ることができる。ユーザは、たとえば紙文書をファックス機に置き、受信者の電話番号をファックス機に入力することによって、ファックス機を操作して受信者にファックス送信を送ることができる。ファックス機は、紙文書をスキャンし、文書の内容を電子ファックスフォーマットに変換する。あるいは、ファックス機は、電子文書を、電子ファックスフォーマットに変換することもできる。ファックス機は、デュアルトーン多重周波数(DTMF)信号を利用することによって発呼を行う。呼出に応答すると、ファックス機は、ここで説明されるように、文書の内容を、可聴周波数トーンの形式で、PSTNによって送信する。
【0033】
また、クラウドベースのサービスプロバイダ宛先デバイス21も例示されており、これは、データネットワークを経由してファックスサーバ6と通信可能に結合されたサーバとして図示される。1つの実施形態では、宛先デバイスは、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォンなど、データネットワークを介して着信ファックス送信を(たとえば、デジタルデータとして)受信するように構成された任意の電子デバイスであってよい。
【0034】
ここで説明されるように、この図は、ファックスサーバが、クラウドベースのサービスプロバイダのSIPトランク8を経由して着信ファックス送信を受信し、その着信ファックスを、(たとえば、デバイスの少なくとも一部が、クラウドベースのサービスプロバイダに関連付けられ得るか、負っている)1つまたは複数の宛先デバイスに配信することを図示している。具体的には、ソースデバイス20は、クラウドベースのサービスプロバイダに関連付けられたファックス電話番号をダイヤルすることによってファックス送信を開始することができる。1つの実施形態では、ファックス電話番号は、ここで説明されるように、電話会社とのサービスプロバイダ契約の一部として、電話プロバイダによって提供される番号であってもよい。ダイヤルされると、ソースデバイスは、着信呼出信号を、PSTN4によって、電話サーバ3へ送る。この信号を受信すると、サーバは、(たとえば、ここで説明されるように、電話プロバイダとのサービスプロバイダのアカウント内の選択に基づいて)着信呼出がVoIP通話として、SIPトランクを経由してファックスサーバ6にルーティングされることを決定する。これに応答して、電話サーバは、ここで説明されるように、ファックスサーバとのデータ接続を確立することができる。たとえば、電話サーバ3は、シグナリングプロトコル招待を、ファックスサーバへ送信することができる。ファックスサーバは、シグナリングプロトコルに基づいて、ネットワーク5を介して、電話サービスプロバイダサーバとのデータ接続を確立することによって、この招待に応答することができ、データ接続(または、むしろデータ接続が確立されるSIPトランク)は、クラウドベースのサービスプロバイダによって所有される。確立されると、電話サーバ3は、着信ファックスの送信を開始するために、ソースデバイス20にメッセージを送信することができる。これに応答して、ソースデバイス20は、ファックスの送信を(たとえば、ここで説明されるように、トーンとして)開始する。電話サーバは、ソースデバイスからの着信ファックスを、SIPトランク8によって、ファックスサーバにルーティングする。1つの実施形態では、着信ファックスをルーティングするために、電話サーバは、着信ファックス信号を(たとえば、T.38プロトコルにしたがって)デジタルデータに変換することができ、その後、デジタルデータは、1つまたは複数のデータパケットとしてファックスサーバへ送信される。ファックスが送信されると、電話サーバは、ソースデバイス20を用いた呼出を終了し、ファックスサーバ6とのデータ接続を切断することができる。
【0035】
1つの実施形態では、ファックスサーバ6は、受信した着信ファックスを、1つまたは複数の宛先デバイスへルーティングする。具体的には、ファックスサーバは、受信したファックス送信が送られる1つまたは複数の宛先アドレス(たとえば、IPアドレス)を決定することができる。たとえば、ファックスサーバは、サービスプロバイダに関連付けられた(たとえば、
図3に図示されるような)加入者データを調べて、受信したファックス送信が転送される宛先アドレスを決定することができる。ここでは、受信したファックス送信を転送する方法を決定するために、加入者データを使用することについてさらに説明される。宛先アドレスが決定されると、ファックスサーバは、受信したファックス送信を宛先アドレスに(たとえば、データネットワークを介して)送信する。1つの実施形態では、ファックスサーバは、ここで説明される1つまたは複数の方法などの任意の方法を使用して、ファックス送信を、宛先デバイス21に電子的に送信することができる。たとえば、ファックスサーバは、宛先アドレスが電子メールアドレスであると判定すると、ファックス送信を含む電子メッセージを、電子メールとして送信することができる。
【0036】
ファックスサーバは、データネットワークを介して宛先デバイスと通信可能に結合されるように例示されているが、1つの実施形態では、PSTN4を経由してデバイスに結合されてもよい。この場合、ファックスサーバは、受信したファックスを、ファックス電話番号である宛先アドレスに転送するときに、このファックスを、PSTNを介して、アナログ信号としてファックス番号へ送信することがある。たとえば、ファックスサーバは、PSTNを経由してファックスを送信するためのダイヤルアップモデルを含む場合がある。具体的には、ファックスサーバは、受信したファックスを、(まだそのフォーマットになっていない場合)ファックスファイルフォーマットに変換し、ダイヤルアップモデルを使用して、PSTNを経由して、宛先デバイスとのダイヤルアップ接続を確立するために発呼を行うように構成できるソフトウェア(たとえば、
図3に説明されるような、サービスプロバイダソフトウェアプログラム13)を含むことができる。ファックスサーバは、確立されると、ここで説明されるように、ファックスを送信することができる。
【0037】
図3は、いくつかの実施形態による、ファックスサービスプロバイダサーバ6を例示するブロック図を図示する。1つの実施形態では、ファックスサーバは、1つまたは複数のファックスサービスプロバイダによって運営され、1つまたは複数の宛先デバイス宛てのファックス送信を処理することができる。特に、ファックスサーバは、1つまたは複数のファックスサービスの加入者によって送信される送信、および/または、加入者へ送信される送信をルーティングすることによって、ファックス送信を処理することができる。たとえば、(たとえば、SIPトランク8およびソースデバイス2を所有する)クラウドベースのサービスプロバイダは、1つまたは複数のサービスの加入者であってもよい。1つの実施形態では、ファックスサービス(より具体的にはファックスサービスプロバイダ)は、各加入者に異なる直接内線ダイヤル(DID)電話番号(たとえば、ファックス電話番号)を割り当てる。加入者は、加入者にファックスメッセージを(着信ファックス送信として)送りたい他の人にDID番号を配信できる)。DID番号は、実質的には加入者の個別のファックス番号である。送信側が、(たとえば、ここで説明されるようにPSTNを介して)加入者のDID番号にファックス送信を送ると、サーバは、ファックス送信を受信し、ファックス送信からファックスメッセージを生成する(または、ファックス送信内のメッセージ内容をデコードする)。生成されたファックスメッセージは、電子(たとえば、宛先)デバイスにおける加入者による閲覧が可能なフォーマット、たとえば、PDF、TIFFなどであってもよく、(たとえば、閲覧のために)加入者に利用可能とされる。この場合、加入者のDID番号を経由して受信または送信されるファックス送信を配信するのではなく(または、それに加えて)、加入者が、(たとえば、サーバ3の)電話サービスプロバイダから受信(または購入)したファックス電話番号を使用して、ファックス送信を配信することができる。ここで説明されるように、これにより、ファックスサービスプロバイダは、加入者のために電子ファックスサービスを提供することができる一方、加入者は、電話サービスプロバイダ(またはITSP)との(たとえば、電話サービスプロバイダによって提供される電話サービスを使用して)契約上の義務を果たし続けることができる。ここでは、これら動作ついて詳細に説明される。
【0038】
ファックスサーバ6は、通信インターフェース10、1つまたは複数のプロセッサ11、および非一時的な機械可読記憶媒体(またはメモリ)12を含む。メモリの例は、読取専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、CD-ROM、DVD、磁気テープ、光データ記憶デバイス、フラッシュメモリデバイス、および相変化メモリを含むことができる。サーバ6内に含まれるように例示されているが、コンポーネントのうちの1つまたは複数は、(たとえば、ネットワーク5を経由して)サーバ6と通信可能に結合される別個のデータ記憶デバイスであるメモリ12など、別個の電子デバイスの一部であってもよい。図示されるように、メモリは、ファックスサービスプロバイダソフトウェアプログラム(またはファックスソフトウェア)13、加入者データ15、および監査データ30を記憶している。1つの実施形態では、ファックスソフトウェアは、ここで説明されるように、着信ファックス送信を処理(たとえば、受信および配信)するための動作のうちの1つまたは複数を実行するように構成される。
【0039】
通信インターフェース10は、
図1および
図2に説明されるように、ファックスサーバ6が、ネットワーク5およびPSTN4などの、1つまたは複数のネットワークを介して、着信ファックス送信を(たとえば、ソースデバイス2から)受信するため、および/または、ファックス送信を(たとえば、宛先デバイス7に)送信(または配信)するためのインターフェースを提供する。たとえば、通信インターフェースは、着信ファックスメッセージを受信するために、ソースデバイス2とのデータ接続(たとえば、VPN接続など)を確立することができる。
【0040】
加入者データ15は、1つまたは複数のファックスサービスの加入者の情報を含むことができる。具体的には、データは、加入者の名前や、(宛先/ソースデバイスに関連付けられ得る)加入者の個人電話番号などの加入者(たとえば、識別)情報を有する(たとえば、ルックアップ)テーブルと、加入者に関連付けられた1つまたは複数のファックス電話番号(たとえば、1つまたは複数の電話サービスプロバイダによって割り当てられたファックス電話番号)と、(たとえば、ファックスサービスプロバイダによって)割り当てられた加入者のDID電話番号とを含むデータ構造の形式であってよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、加入者のデータは、特定の加入者のために受信される着信ファックス送信をファックスサービスプロバイダが送信する(たとえば、ルーティング、転送、または配信する)1つまたは複数の宛先アドレスを含むことができる。たとえば、宛先アドレスは、電子メールアドレス、(たとえば、音声)電話番号、ファックス電話番号、IPアドレスなどを含むことができる。1つの実施形態では、加入者データは、着信ファックス送信が、どの宛先アドレスで、ファックスサーバによって配信されることを加入者が希望しているかなど、加入者の設定または選択を含むことができる。特に、
図2に図示されるように、選択は、受信された着信ファックスが、ファックスサーバによってルーティングされる宛先アドレスを示す場合がある。たとえば、選択は、1つまたは複数の基準を示し、基準が満たされた場合に、ファックスサーバがどの宛先アドレスにファックスを配信するのかを示す。この基準は、
図2において説明されたように、ファックスを送信したソースデバイスのファックス電話番号、またはソースデバイスがファックスを送信した先のファックス電話番号などのソースデバイス情報を含む場合がある。この情報を使用して、ファックスサーバは、どの宛先アドレスがその情報に関連付けられているかを特定し、特定された宛先アドレスを使用してファックスを送信することができる。
【0042】
それに加えて、加入者データ15は、SIPトランク認証情報17を含む。たとえば、ここで説明されるように、これら認証情報は、電話サーバ3でファックスサーバを認証するための情報(たとえば、ユーザ名およびパスワードなど)を含むことができる。1つの実施形態では、ファックスサーバは、ここで説明されるように、1つまたは複数のファックスサービスの加入者である1つまたは複数のクラウドベースのサービスプロバイダからの認証情報を含むことができる。この場合、ファックスサーバは、1つまたは複数の加入者のためのファックス送信の受信および/または配信のために、1つまたは複数のSIPトランクを使用できる。
【0043】
いくつかの実施形態では、監査データ30は、ファックスサーバ6によって受信、処理、および/または送信(またはルーティング)されたファックス送信に関する情報を含むことができる。たとえば、監査データは、着信ファックス送信のタイムスタンプおよび文書情報などの情報を含む、データ構造に格納することができる。ここでは、監査データについてさらに説明される。
【0044】
プロセッサ11は、ここでは総称的に「プロセッサ」と称される1つまたは複数のデータ処理回路を含むことができる。プロセッサは、メモリ12内に(少なくとも部分的に)格納されているファックスソフトウェア13を実行して、サーバ6に関連する実施形態のうちの1つまたは複数のために、ここで説明されるファックスサービスプロバイダの動作および方法の一部またはすべてを実行することができる。特に、ファックスソフトウェアは(たとえば、プロセッサ11によって実行されるとき)、1つまたは複数のファックスサービスの加入者から受信した、および/または、加入者宛のファックス送信を処理することができる。たとえば、ファックスソフトウェアは、
図1および
図2において説明されるように、着信ファックス送信を受信し、そのファックス送信を1つまたは複数の宛先デバイスに配信するように構成することができる。ファックスソフトウェアはまた、ここで説明されるように、たとえば受信ファックスとともに受信した情報を使用して、加入者データ15から1つまたは複数の宛先アドレスを特定することによって、受信したファックスを配信する方法を決定するように構成することもできる。ここでは、ファックスソフトウェアによって実行される動作についてさらに説明される。
【0045】
図示されるように、ファックスプログラム13は、受信したファックス送信を処理するように構成された文書プロセシングコンポーネント14を含む。たとえば、受信されたファックス送信は、(たとえば、電子メール、通信データ接続などを経由した)電子メッセージであってもよく、これは、ここで説明されるように、ワードプロセシングフォーマット、スプレッドシートフォーマット、またはプレゼンテーションフォーマットなどの任意のフォーマットの(たとえば、第1の)検索可能な電子文書を含む。コンポーネントは、第1の検索可能な電子文書から、別の(たとえば、第2の)検索可能な電子文書を(たとえば、第1の文書のファイルフォーマットとは異なる別のファイルフォーマットで)生成する。たとえば、第2の検索可能な電子文書は、ワードプロセシング文書から生成された検索可能なPDF文書であってもよい。1つの実施形態では、生成された第2の検索可能な電子文書は、第1の文書のすべてのフォーマット(たとえば、フォント、フォントサイズ、フォントの色、間隔、マージン、配置など)を維持(または保持)することができる。たとえば、生成された検索可能なPDF文書は、第1の検索可能な電子文書(たとえば、ワードプロセシング文書)からの埋込みフォントを含むことができる。このコンポーネントは、第2の文書を認証するために電子署名を追加するように構成することができ、第2の文書は、宛先デバイスへ送信される。したがって、ルーティングされたファックス送信は、検索可能な文書のままであり、文書の送信を認証する電子署名を含む。これは、TIFFなどの検索不可能なファックスフォーマットで送信される従来のファックス送信とは対照的である。
【0046】
別の実施形態では、文書プロセシングコンポーネント14は、検索不可能なファックスフォーマットとして受信された着信ファックスを処理することができる。具体的には、文書プロセシングコンポーネントは、
図2に例示されるように、受信したファックスを処理して、検索可能な文書を生成し、その文書を1つまたは複数の宛先アドレスにルーティングできる。たとえば、コンポーネントは、受信したファックス(たとえば、文書)の自動テキスト認識のための光学文字認識(OCR)動作を実行して、OCR処理された文書(たとえば、OCR処理された検索可能なPDF文書)を生成することができる。別の実施形態では、コンポーネントは、ファックスメッセージ内に含まれる場合がある、表、図解、記号、画像などの半構造化データの対応するテキスト(たとえば、メタデータなどのデータ)を判定するために、自然言語処理(NLP)動作を実行することもできる。いくつかの実施形態では、ファックスサーバは、検索可能な電子文書を生成するために、OCR動作とNPL動作の一方または両方にしたがって、ファックスメッセージを処理することができる。1つの実施形態では、検索可能な電子文書は、検索可能なPDFなど、ユーザがそのコンテンツを検索できるように設計された任意のファイルフォーマットであってもよい。
【0047】
図4は、いくつかの実施形態による、ファックス送信の処理に関連付けられた監査データ30を含むデータ構造を例示する。具体的には、データ構造は、ファックスサーバ6への着信ファックス送信に関するデータを含むテーブルを含む。図示されるように、テーブルは、受信データ、文書プロセシングデータ、および送信データを含む。受信データは、受信した着信ファックス送信に関する情報を含み、これは、ファックス送信が受信された時刻を示す受信タイムスタンプと、送信者の電話番号または電子メールアドレスなどの送信者の(すなわちソース)情報と、着信ファックス送信の送信先となるファックス電話番号を含む受信者の情報と、ページ数、文書タイプなど、着信ファックス送信に関する情報を含む文書情報とを含む。1つの実施形態では、サーバ6は、着信ファックスを受信すると、受信データを判定し、格納することができる。
【0048】
文書プロセシングデータは、着信ファックス送信が、ファックスサーバによっていつどのように処理されるかに関する情報を含むことができる。たとえば、プロセシングデータは、文書がいつ処理されるかを示すプロセシングタイムスタンプと、文書がどのように処理されるかを示す(たとえば、第1の検索可能な電子文書が、第2の検索可能な電子文書に変換されることと、文書の変換元および変換先のフォーマットなどを示す)プロセシング情報と、(たとえば、プロセシングされた文書のページサイズが5ページから6ページに変わったことを示すなど)更新された文書情報とを含むことができる。送信データには、ファックス送信の送信(または、ルーティング)に関する情報が含まれる場合があり、これは、送信タイムスタンプと、ファックスがルーティングされた宛先アドレスとを含む場合がある。1つの実施形態では、より多くのまたはより少ない情報が、データ構造内に格納され得る。
【0049】
図5および
図6は、いくつかの実施形態による、着信ファックス送信を受信および配信するためのプロセス50,60のフローチャートである。これらプロセスは、
図1~
図4において説明されるように、ファックスシステム1のファックスサービスプロバイダサーバ6(たとえば、ファックスサービスプロバイダソフトウェアプログラム13)によって実行することができる。たとえば、サーバ6の1つまたは複数のプロセッサ11によって実行されているファックスソフトウェア13(たとえば、その文書プロセシングコンポーネント14)は、ここで説明される動作の少なくとも一部を実行することができる。
【0050】
図5は、ユーザによって所有されるSIPトランクを経由して宛先デバイスにファックス送信を送信するプロセス50の1つの実施形態のフローチャートである。具体的には、
図1において説明されるように、動作の少なくとも一部は、ファックスサーバ6によって実行されてもよい。プロセス50は、ファックスサーバが、クラウドベースのサービスプロバイダによって所有される電話サービスプロバイダアカウントの認証情報を受信することによって始まる(ブロック51)。具体的には、クラウドベースのサービスプロバイダは、ファックスサーバがプロバイダのSIPトランクにアクセスできるようにするために、プロバイダのアカウントに関連付けられたユーザ名やパスワードなどの認証情報を(たとえば、電子メッセージを経由して)送信することができる。ファックスサーバは、データネットワークを介して、クラウドベースのサービスプロバイダから、(たとえば、ファックスサーバによって)宛先デバイスのファックス電話番号へ送信されるファックス送信を受信する(ブロック52)。たとえば、ソースデバイス2は、ファックスファイルと、宛先アドレスとしてのファックス電話番号などの追加情報とを含む電子メッセージ(たとえば、電子メール)を送信することができる。ファックスサーバは、ファックス送信を、TIFFなどのファックスフォーマットに変換する(ブロック53)。たとえば、ソースデバイスによって受信されるファックスファイルは、PDFなどの任意の文書フォーマットの文書である可能性がある。しかしながら、文書は、アナログ信号として送信されるため、ファックスプログラムは、文書を、信号としてファックス送信できるフォーマットに変換する。1つの実施形態では、この動作は動作可能である。たとえば、ファックスファイルがすでにファックスフォーマットである場合、ファックスプログラムはこのステップを省略できる。
【0051】
ファックスサーバは、データネットワーク5を介して、ファックス電話番号(および受信した認証情報)を使用して、クラウドベースのサービスプロバイダによって所有されるSIPトランクを経由して、宛先デバイスとのデータ接続を確立する(ブロック54)。特に、ファックスプログラムは、1)ファックスを送信するためにファックスサーバが通信可能に結合されるファックス電話番号と、2)クラウドベースのサービスプロバイダのSIPトランクを経由してファックス送信を送信することをファックスサービスプロバイダに許可(または認証)するための認証情報とを含む、シグナリングプロトコル招待を、データネットワークを介して、電話サービスプロバイダへ送信することができる。1つの実施形態では、認証情報は、任意のメッセージを使用して、ファックスサーバから電話プロバイダへ送信され得る。たとえば、電話プロバイダは、データ接続が確立された後に、ファックスサーバを認証する場合がある。別の実施形態では、電話プロバイダは、クラウドベースのサービスプロバイダのSIPトランクを使用してファックス送信が送信されるたびに、ファックスサーバを認証しなくてもよい。たとえば、接続は、一度確立されると、一定期間開いたままにできる。その場合、ここで説明されるように、1つまたは複数の(追加の)ファックス送信が、ファックスサーバによって、1つまたは複数の宛先デバイスへ送信される(および/または、確立された接続によって受信される)。ファックスサーバは、データ接続を経由して、ファックスフォーマットのファックス送信を、宛先デバイスのファックス電話番号へ送信する(ブロック55)。ファックスは、アナログ信号(たとえば、オーディオ周波数トーン)として、SIPトランク8およびPSTN4を介して宛先デバイスへ送信され得る。
【0052】
ここで説明されるように、確立された接続は、一定期間開いたまま(すなわち、アクティブのまま)であり、将来のファックス送信が、(たとえば、少なくとも一定期間)その接続を経由してルーティングされることを可能にする。具体的には、ファックスサーバは、宛先デバイス(のたとえば電話番号)にルーティングされる別のファックス送信を受信すると、新たなファックス送信が、確立されたデータ接続を経由して送信されるか否かを判定することができる。たとえば、受信したファックス送信は、クラウドベースのサービスプロバイダ(たとえば、ファックスサービスの加入者)の認証情報を含むことができ、ファックスサーバは、その認証情報が、元の接続が確立されたサービスプロバイダ(たとえば、そのサービスプロバイダによって所有されるアカウント)に関連付けられているか否かを判定することができる。特に、ファックスサーバは、新たに受信した認証情報が、元の接続を確立するために使用された認証情報と一致するか否かを判定する場合がある。一致すると判定された場合、ファックス送信は、確立された接続を経由してルーティングされ得る。
【0053】
しかしながら、ファックス送信が、確立されたデータ接続を経由して送信されないと判定された場合(たとえば、認証情報が一致しない場合、これは、この新たなファックス送信が、確立されたデータ接続を所有するもの以外のクラウドベースのサービスプロバイダに関連付けられる可能性があることを意味し)、ファックスサーバは、別のSIPトランクを使用して、別のデータ接続を確立して、ファックス送信を送信する場合がある。たとえば、ファックスサーバは、別の(または第2の)サービスプロバイダが認証情報を有しているか否かを判定し、有していると判定した場合は、それらの認証情報を使用して、新たな接続を確立できる。その結果、ファックスサーバは、第1の(または元の)サービスプロバイダから受信した将来のすべてのファックス送信を、第1のデータ接続を経由してルーティングし、第2のサービスプロバイダから受信した将来のすべてのファックス送信を、新たな接続を経由してルーティングすることができる。これは、ファックス送信が、サービスプロバイダにしたがってルーティングされることを保証する。
【0054】
図6は、ユーザによって所有されるSIPトランクを経由して、ソースデバイスからファックス送信を受信する処理の1つの実施形態のフローチャートである。特に、
図2において説明されたように、動作の少なくとも一部は、ファックスサーバによって実行される場合がある。処理60は、電話サービスプロバイダが、回線交換ネットワーク(たとえば、PSTN4)を介して、ソースデバイスから、クラウドベースのサービスプロバイダのファックス電話番号への着信呼出信号を受信することに応答して、電話サービスプロバイダ(たとえばプロバイダサーバ3)から、シグナリングプロトコル招待を受信することによって始まる(ブロック61)。たとえば、電話サーバが、着信呼出信号を受信すると、サーバは(呼出に応答する前または後に)、呼出が、ファックスサーバに終端(またはルーティング)されることを決定することができる。1つの実施形態では、この決定は、ソースデバイスによって着信呼出が行われたファックス電話番号に基づくことができる。具体的には、電話サーバは、電話番号を所有するクライアント(たとえば、クラウドベースのサービスプロバイダ)の選択に基づいて、この決定を行うことができる。電話サーバは、決定すると、(クライアント選択から決定できる)ファックスサーバに関連付けられたアドレス(たとえば、IPアドレス、ドメイン名など)に招待を送信することができる。
【0055】
ファックスサーバは、(招待に関連付けられた)シグナリングプロトコルに基づいて、データネットワーク5を介して、電話サービスプロバイダとのデータ接続を確立することによって招待に応答し、データ接続は、クラウドベースのサービスプロバイダによって所有される(ブロック62)。具体的には、データ接続は、電話プロバイダによって提供されるクラウドベースのサービスプロバイダのSIPトランクによって行われる場合がある。ファックスサーバは、ソースデバイスが、回線交換ネットワークを介して、着信呼出信号を経由して、着信ファックスメッセージを送信するときに、ファックスフォーマットであり、電話サービスプロバイダによってルーティングされる、着信ファックス送信を、データ接続を通じて受信する(ブロック63)。ここで説明されるように、データ接続が確立されると、ソースデバイスは、SIPトランクによるファックスサーバへの着信呼出信号として、可聴周波数トーンとして、ファックスメッセージを送信することができる。
【0056】
ファックスサーバは、データネットワークを介して、ファックスメッセージを宛先アドレスへ送信する(ブロック64)。たとえば、宛先アドレスが、IPアドレスまたはドメイン名である場合、ファックスサーバは、ネットワーク5を介して、IPアドレスまたはドメイン名を使用して、宛先デバイスとの別のデータ接続を確立し、確立された接続を経由してファックスメッセージを送信できる。ここでは、ファックスサーバがどのようにファックスメッセージを送信できるかに関するさらなる例が説明される。
【0057】
1つの実施形態では、ファックスサーバは、ファックスメッセージの送信先となる1つまたは複数の宛先アドレスを決定することができる。ここで説明されるように、ファックスサーバは、ソースデバイスの(ファックス)電話番号、およびソースデバイスによってファックスメッセージが送信されたファックス電話番号(たとえば、SIPトランクに関連付けられた電話番号)など、ファックスで受信した情報に基づいてこの決定を行うことができる。その場合、ファックスサーバは、その情報を使用して、加入者データ15へのテーブルルックアップを実行し、1つまたは複数の宛先アドレスが、その情報に関連付けられていることを判定することができる。
【0058】
別の実施形態では、ファックスメッセージを宛先アドレスへ送信するのではなく(またはそれに加えて)、ファックスサーバは、様々な手段によって加入者(たとえば、クラウドベースのサービスプロバイダ)がファックスメッセージを利用できるようにすることができる。1つの実施形態では、ファックスサーバは、ファックスメッセージを加入者の電子メールアドレス(たとえば、宛先アドレス)へ送信することができる。別の実施形態では、ファックスサーバは、コンピュータネットワーク5を介して加入者によってアクセスされるまで、ファックスメッセージをデータストレージ(たとえば、メモリ12)に格納することができる。たとえば、ファックスメッセージは、インターネットを介してアクセス可能なウェブサーバに格納されたままになる場合がある。別の実施形態では、ショートメッセージサービス(SMS)メッセージなどの新たなファックスメッセージが利用可能であることを示す通知が加入者へ送信される(アドレス指定される)。1つの実施形態では、通知は、新たなファックスメッセージにアクセスする方法に関する情報を含むことができる(たとえば、電子メール通知は、ファックスメッセージの格納場所へのユニフォームリソースロケータ(URL)などのリンクを含む場合がある)。別の実施形態では、通知は、任意のタイプの電子メッセージ(たとえば、SMSメッセージ、マルチメディアメッセージングサービス(MMS)メッセージなど)として、加入者に関連付けられた周知の電話番号へ送信され得る。この場合、電子メッセージは、URLのような上述された情報を含むことができる。別の実施形態では、メッセージ(たとえば、MMSメッセージ)は、生成されたファックスメッセージを添付ファイルとして含むことができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、ファックスサーバ6は、データ転送のための1つまたは複数の(たとえば、国際)規格にしたがって、着信ファックス送信を配信することができる。特に、着信ファックス送信を、医師、電子医療記録(EMR)システム(または、電子ヘルスケア記録(EHR)システム)、医療保険会社、医師、医療技術者、薬剤師などのヘルスケアサービスプロバイダ(またはシステム)に配信する場合、ファックスサーバは、ヘルスレベルセブン(HL7)規格、医療におけるデジタルイメージングおよび通信(DICOM)規格などの1つまたは複数の国際医療フォーマットメッセージング規格にしたがって、着信ファックス送信の少なくとも一部を含む電子メッセージを生成および送信することができる。たとえば、ファックスソフトウェアは、EMRサービスプロバイダ(たとえば、サーバ)にルーティングされるファックスファイル(たとえば、医療記録または患者記録)を含む着信ファックス送信を受信すると、ファックスファイルを含むHL7メッセージを生成することができる。1つの実施形態では、HL7メッセージを生成するために、ファックスサーバは、HL7メッセージの1つまたは複数のセグメントにファックスファイルを埋め込むことができる。たとえば、ファックスファイルが、医療データ(たとえば、テキスト、画像など)を含むPDFファイルである場合、ファックスソフトウェアは、そのファイル(たとえば、その医療データ)を、HL7メッセージに埋め込むことができる。1つの実施形態では、ファックスソフトウェアは、電子メッセージを生成するために、HL7メッセージに、任意のタイプのファイルフォーマットを添付する(または埋め込む)ことができる。いくつかの実施形態では、ファックスファイルとともに、ファックス電話番号などの患者情報も、メッセージに追加することができる。電子HL7メッセージが生成されると、ファックスサーバは、1つまたは複数の(TCP/IP)にしたがって、メッセージを宛先デバイス(またはアドレス)へ送信することができる。
【0060】
1つの実施形態では、ファックスサーバは、ファックスファイルをHL7メッセージとして送信することに加えて(またはその代わりに)、ファックスファイルを別の文書タイプ(またはフォーマット)に変換(または生成)することができる。特に、ファックスサーバは、ファックスファイルを、臨床文書の表現および機械処理のためのHL7規格であるHL7臨床文書アーキテクチャ(CDA)文書に変換することができる。たとえば、ファックスサーバは、PDF、TIFF、ワードプロセシングフォーマットなどの任意のファイル形式であるファックスファイルを、HL7-CDA文書の本文としてエンコードする(または埋め込む)ことができる。1つの実施形態では、ファックス電話番号などのメタデータが、HL7-CDA文書のヘッダに追加され得るため、単にファックスファイル(たとえば、ワードプロセシング文書)を送信するよりも、HL7-CDA文書を送信する方が好ましい場合がある。
【0061】
いくつかの実施形態では、ファックスサーバ6は、機密情報を保護するために、ファックスファイルを、セキュアなダイレクトメッセージとして配信(および/または受信)することができる。たとえば、ファックスサーバは、医療保険の携行性と責任に関する法律(HIPPA)に準拠したセキュアなメッセージを生成および送信できる。たとえば、ファックスサーバは、HIPAA要件にしたがってファックスファイルを暗号化し、暗号化されたファイルを、セキュアな接続を介して、(たとえば、HTTPSを経由して)宛先アドレスへ送信できる。1つの実施形態では、ファックスサーバは、セキュアなメッセージを生成するために、ファックスファイルを暗号化(および/または復号)するための任意の周知の方法を使用することができる。
【0062】
いくつかの実施形態は、処理50および/または処理60の変形を実行する。たとえば、これら処理の少なくとも一部の特定の動作は、図示され説明される正確な順序で実行されない場合がある。特定の動作は、連続する一連の動作で実行されなくてもよく、一部の動作が省略されてもよく、異なる実施形態では異なる特定の動作が実行されてもよい。たとえば、ファックスサーバは、処理の1つまたは複数のステップ中に監査動作を実行する場合がある。例として、サーバは、着信ファックスメッセージを受信すると、メッセージを受信した時刻を示す受信タイムスタンプを決定し、格納することができる。各ステップ時または各ステップ後に、サーバは、そのステップで実行された動作に関する情報を監査データ30として格納することができる。
【0063】
実施形態は、非一時的な機械可読記憶媒体が、説明された動作を実行するように1つまたは複数のデータプロセシングコンポーネント(ここでは総称的に「プロセッサ」と称される)をプログラムする命令を格納した製造物品であってもよい。たとえば、1つの実施形態では、
図5および
図6の上記で説明された処理50,60はそれぞれ非一時的な機械可読記憶媒体に格納された命令を実行するプロセッサ11によって実行され得る。非一時的な機械可読記憶媒体は、ここで説明されるように、ファックスサーバ6の一部であってもよい。他の実施形態では、これら動作の一部は、配線ロジックを含む特定のハードウェアコンポーネントによって実行される場合がある。これら動作は、プログラムされたデータプロセシングコンポーネントと、固定された配線回路コンポーネントとの任意の組合せによって実行することもできる。
【0064】
特定の実施形態が説明され、添付の図面に図示されたが、そのような実施形態は単なる例示であり、広範な開示を限定するものではなく、当業者であれば他の様々な修正を想起できるため、本開示は、図示および説明された特定の構造および配置に限定されないことを理解されたい。
【0065】
いくつかの実施形態では、本開示は、たとえば、「[要素A]および[要素B]のうちの少なくとも1つ」という文言を含むことができる。この文言は、要素のうちの1つまたは複数を称することができる。たとえば、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」は、「A」、「B」、または「AおよびB」を称する。具体的には、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」は、「Aの少なくとも1つ、およびBの少なくとも1つ」を称することも、「AまたはBの何れかの少なくとも1つ」を称することもできる。いくつかの実施形態では、本開示は、たとえば、「[要素A]、[要素B]、および/または[要素C]」という文言を含むことができる。この文言は、要素の何れか、またはそれらの任意の組合せを称することができる。たとえば、「A、B、および/またはC」は、「A」、「B」、「C」、「AおよびB」、「AおよびC」、「BおよびC」、または「A、B、およびC」を称することができる。
【国際調査報告】