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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】接着剤分注制御
(51)【国際特許分類】
   B05C 11/10 20060101AFI20240925BHJP
   B05C 11/00 20060101ALI20240925BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20240925BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
B05C11/10
B05C11/00
B05C5/00 101
B05D3/00 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516580
(86)(22)【出願日】2021-09-15
(85)【翻訳文提出日】2024-03-14
(86)【国際出願番号】 CN2021118439
(87)【国際公開番号】W WO2023039738
(87)【国際公開日】2023-03-23
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】マ,ジュンイ
(72)【発明者】
【氏名】シャン,シー
(72)【発明者】
【氏名】リ,ユントン
(72)【発明者】
【氏名】ウー,キンロン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ゼンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ヨウシェン
【テーマコード(参考)】
4D075
4F041
4F042
【Fターム(参考)】
4D075AC06
4D075AC88
4D075AC91
4D075AC93
4D075EA05
4D075EA27
4D075EA35
4D075EB22
4D075EB33
4D075EB38
4D075EB43
4F041AA01
4F041AB01
4F041BA05
4F041BA22
4F041BA35
4F041BA38
4F041BA47
4F042AA01
4F042AB01
4F042BA03
4F042BA04
4F042BA08
4F042BA12
4F042BA19
4F042CA01
4F042CA08
4F042CB02
4F042CB08
4F042DH09
(57)【要約】
液体を分注するための装置、システム、及び方法が記載される。装置及びシステムは、基材表面上の開始点から基材表面上の終了点まで、ある分注速度で分注動作において液体を分注することができる。測定デバイスは、基材表面上に分注された液体によって形成される形状の幾何学的パラメータを検出することができる。制御回路は、検出された形状の幾何学的パラメータに基づいて、分注動作の前に分注装置が開始点に接近する接近速度、及び分注動作の後に分注装置が終了点から離れる退出速度のうちの少なくとも1つを制御することができる。アルゴリズムは、遠隔又はローカルのソフトウェア及び制御システム上で、又はエッジコンピューティングシステム若しくはモノのインターネット(IoT)システムの一部として動作することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を分注するための装置であって、
基材表面上の開始点から前記基材表面上の終了点まで、ある分注速度で分注動作において液体を分注するように構成された分注装置と、
前記基材表面上に分注された前記液体によって形成される形状の幾何学的パラメータを検出するように構成された測定デバイスと、
前記測定デバイスに結合され、検出された前記形状の前記幾何学的パラメータに基づいて、前記分注動作の前に前記分注装置が前記開始点に接近する接近速度、及び前記分注動作の後に前記分注装置が前記終了点から離れる退出速度のうちの少なくとも1つを制御するように構成された制御回路と、
を備える、装置。
【請求項2】
前記分注動作が、液体を分注することを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記制御回路が、前記液体を分注している間に前記分注装置が前記基材表面上を移動する分注速度を制御するように更に構成されている、請求項1~2の1つ又は複数に記載の装置。
【請求項4】
前記制御回路が、
前記幾何学的パラメータに基づいて、前記接近速度又は前記退出速度を調整する、
ように更に構成されている、請求項1~3の1つ又は複数に記載の装置。
【請求項5】
前記測定デバイスが、分注された液体のビードの形状を検出するための3次元スキャナを含む、請求項1~4の1つ又は複数に記載の装置。
【請求項6】
前記制御回路が、学習アルゴリズムに従って前記接近速度又は分注速度を調整するように更に構成されている、請求項1~5の1つ又は複数に記載の装置。
【請求項7】
前記幾何学的パラメータが、分注された液体のビードのビード高さ、分注された液体のビードのビード幅、及び前記分注された液体のビードのビード断面積のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~6の1つ又は複数に記載の装置。
【請求項8】
前記制御回路が、
【数1】
に従って接近速度vapprnewを制御するように構成されており、式中、kは、分注装置サイクル時間に基づいて変化する速度乗数であり、Wは、前記分注された液体のビードの最大ヘッド幅であり、Wは、前記分注された液体のビードの平均中間幅である、請求項1~7の1つ又は複数に記載の装置。
【請求項9】
前記制御回路が、
【数2】
に従って接近速度vapprnewを制御するように構成されており、式中、kは、分注装置サイクル時間に基づいて変化する速度乗数であり、Wは、前記分注された液体のビードの最大ヘッド幅であり、Wは、前記分注された液体のビードの平均中間幅であり、Hは、前記分注された液体のビードの最大ヘッド高さであり、Hは、前記分注された液体のビードの平均中間高さである、請求項1~8の1つ又は複数に記載の装置。
【請求項10】
前記制御回路が、
【数3】
に従って退出速度vexitrnewを制御するように構成されており、式中、kは、分注装置サイクル時間に基づいて変化する速度乗数であり、Wは、前記分注された液体のビードの最大エンド幅であり、Wは、前記分注された液体のビードの平均中間幅である、請求項1~9の1つ又は複数に記載の装置。
【請求項11】
前記制御回路が、
【数4】
に従って退出速度vexitnewを制御するように構成されており、式中、kは、分注装置サイクル時間に基づいて変化する速度乗数であり、Wは、前記分注された液体のビードの最大エンド幅であり、Wは、前記分注された液体のビードの平均中間幅であり、Hは、前記分注された液体のビードの最大エンド高さであり、Hは、前記分注された液体のビードの平均中間高さである、請求項1~7の1つ又は複数に記載の装置。
【請求項12】
前記制御回路が、弁遅延値に従って分注オン時間を調整するように更に構成されている、請求項1~11の1つ又は複数に記載の装置。
【請求項13】
分注装置構成、液体特性、及び基材寸法のうちの1つ以上に関連するデータを記憶するように構成されたメモリを更に備える、請求項1~12の1つ又は複数に記載の装置。
【請求項14】
前記分注装置構成が、ポンプ設定、弁設定、パイプ設定、及びノズル設定のうちの1つ以上を含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記制御回路が、
前記メモリから前記データを取得し、
前記データに基づいて分注装置動作を制御する、
ように更に構成されている、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記制御回路が、環境要因及び液体特性のうちの1つ以上に基づいて制御を調整するように更に構成されている、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
液体を分注するための方法であって、
基材表面上の開始点から前記基材表面上の終了点まで、ある分注速度で分注装置から液体を分注することと、
前記基材表面上に分注された前記液体によって形成される形状の幾何学的パラメータを検出することと、
検出された前記形状の前記幾何学的パラメータに基づいて、分注動作の前に前記分注装置が前記開始点に接近する接近速度、及び前記分注動作の後に前記分注装置が前記終了点から離れる退出速度のうちの少なくとも1つを制御することと、
を含む、方法。
【請求項18】
前記分注動作が、液体を分注することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
液体を分注している間に前記分注装置が前記基材表面上を移動する分注速度を制御することを更に含む、請求項17~18の1つ又は複数に記載の方法。
【請求項20】
前記幾何学的パラメータに基づいて、前記接近速度又は前記退出速度を調整することを更に含む、請求項17~19の1つ又は複数に記載の方法。
【請求項21】
3次元スキャナを動作させて、分注された液体のビードの形状を検出することを更に含む、請求項17~20の1つ又は複数に記載の方法。
【請求項22】
学習アルゴリズムに従って前記接近速度又は前記退出速度を調整することを更に含む、請求項17~21の1つ又は複数に記載の方法。
【請求項23】
前記幾何学的パラメータが、分注された液体のビードのビード高さ、前記分注された液体のビードのビード幅、及び前記分注された液体のビードのビード断面積のうちの少なくとも1つを含む、請求項17~22の1つ又は複数に記載の方法。
【請求項24】
【数5】
に従って接近速度vapprnewを制御することを更に含み、式中、kは、分注装置サイクル時間に基づいて変化する速度乗数であり、Wは、前記分注された液体のビードの最大ヘッド幅であり、Wは、前記分注された液体のビードの平均中間幅である、請求項17~23の1つ又は複数に記載の方法。
【請求項25】
【数6】
に従って接近速度vapprnewを制御することを更に含み、式中、kは、分注装置サイクル時間に基づいて変化する速度乗数であり、Wは、前記分注された液体のビードの最大ヘッド幅であり、Wは、前記分注された液体のビードの平均中間幅であり、Hは、前記分注された液体のビードの最大ヘッド高さであり、Hは、前記分注された液体のビードの平均中間高さである、請求項17~24の1つ又は複数に記載の方法。
【請求項26】
【数7】
に従って退出速度vexitrnewを制御することを更に含み、式中、kは、分注装置サイクル時間に基づいて変化する速度乗数であり、Wは、前記分注された液体のビードの最大エンド幅であり、Wは、前記分注された液体のビードの平均中間幅である、請求項17~25の1つ又は複数に記載の方法。
【請求項27】
【数8】
に従って退出速度vexitnewを制御することを更に含み、式中、kは、分注装置サイクル時間に基づいて変化する速度乗数であり、Wは、前記分注された液体のビードの最大エンド幅であり、Wは、前記分注された液体のビードの平均中間幅であり、Hは、前記分注された液体のビードの最大エンド高さであり、Hは、前記分注された液体のビードの平均中間高さである、請求項17~26の1つ又は複数に記載の方法。
【請求項28】
弁遅延値に従って分注「オン」時間を調整することを更に含む、請求項17~27の1つ又は複数に記載の方法。
【請求項29】
分注装置構成、液体特性、及び基材寸法のうちの1つ以上に関連するデータを、メモリデバイスに記憶することを更に含む、請求項17~28の1つ又は複数に記載の方法。
【請求項30】
前記分注装置構成が、ポンプ設定、弁設定、パイプ設定、及びノズル設定のうちの1つ以上を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記メモリデバイスから前記データを取得することと、
前記データに基づいて分注装置動作を制御することと、
を更に含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
環境要因及び液体特性のうちの1つ以上に基づいて制御を調整することを更に含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
動作を記憶するためのコンピュータ可読媒体であって、制御回路上で実行されると、前記制御回路に、
基材表面上の開始点から前記基材表面上の終了点まで、ある分注速度で液体を分注することと、
前記基材表面上に分注された前記液体によって形成される形状の幾何学的パラメータを検出することと、
検出された前記形状の前記幾何学的パラメータに基づいて、分注動作の前に分注装置が前記開始点に接近する接近速度、及び前記分注動作の後に前記分注装置が前記終了点から離れる退出速度のうちの少なくとも1つを制御することと、
を含む動作を実行させる、コンピュータ可読媒体。
【請求項34】
前記分注動作が、液体を分注することを含む、請求項33に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項35】
前記動作が、前記分注装置が液体を分注している間に前記基材上を移動する分注速度を制御することを更に含む、請求項33~34の1つ又は複数に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項36】
前記動作が、前記幾何学的パラメータに基づいて前記分注パラメータを調整することを更に含む、請求項33~35の1つ又は複数に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項37】
前記動作が、3次元スキャナを動作させて、分注された液体のビードの形状を検出することを更に含む、請求項33~36の1つ又は複数に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項38】
前記動作が、学習アルゴリズムに従って前記接近速度又は前記退出速度を調整することを更に含む、請求項33~37の1つ又は複数に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項39】
前記幾何学的パラメータが、分注された液体のビードのビード高さ、前記分注された液体のビードのビード幅、及び前記分注された液体のビードのビード断面積のうちの少なくとも1つを含む、請求項33~38の1つ又は複数に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項40】
前記動作が、
【数9】
に従って接近速度vapprnewを制御することを更に含み、式中、kは、分注装置サイクル時間に基づいて変化する速度乗数であり、Wは、前記分注された液体のビードの最大ヘッド幅であり、Wは、前記分注された液体のビードの平均中間幅である、請求項33~39の1つ又は複数に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項41】
前記動作が、
【数10】
に従って接近速度vapprnewを制御することを更に含み、式中、kは、分注装置サイクル時間に基づいて変化する速度乗数であり、Wは、前記分注された液体のビードの最大ヘッド幅であり、Wは、前記分注された液体のビードの平均中間幅であり、Hは、前記分注された液体のビードの最大ヘッド高さであり、Hは、前記分注された液体のビードの平均中間高さである、請求項39に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項42】
前記動作が、
【数11】
に従って退出速度vexitrnewを制御することを更に含み、式中、kは、分注装置サイクル時間に基づいて変化する速度乗数であり、Wは、前記分注された液体のビードの最大エンド幅であり、Wは、前記分注された液体のビードの平均中間幅である、請求項39~41の1つ又は複数に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項43】
前記動作が、
【数12】
に従って退出速度vexitnewを制御することを更に含み、式中、kは、分注装置サイクル時間に基づいて変化する速度乗数であり、Wは、前記分注された液体のビードの最大エンド幅であり、Wは、前記分注された液体のビードの平均中間幅であり、Hは、前記分注された液体のビードの最大エンド高さであり、Hは、前記分注された液体のビードの平均中間高さである、請求項39~42の1つ又は複数に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項44】
前記動作が、弁遅延値に従って分注オン時間を調整することを更に含む、請求項39~43の1つ又は複数に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項45】
前記動作が、分注装置構成、液体特性、及び基材寸法のうちの1つ以上に関連するデータを、メモリデバイスに記憶することを更に含む、請求項33~44の1つ又は複数に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項46】
前記分注装置構成が、ポンプ設定、弁設定、パイプ設定、及びノズル設定のうちの1つ以上を含む、請求項45に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項47】
前記動作が、
前記メモリデバイスから前記データを取得することと、
前記データに基づいて分注装置動作を制御することと、
を更に含む、請求項45に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項48】
前記動作が、環境要因及び液体特性のうちの1つ以上に基づいて制御を調整することを更に含む、請求項47に記載のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
接着剤を分注するためのシステムは、典型的には入口又は接着剤を保持する内部領域と、ある表面に接着剤が分注される出口又は先端とを含む。接着剤分注の流量及びタイミングは、分注される接着剤ビードのサイズ及び位置を制御することによって、下流の製造プロセスのニーズを満たすように制御することができる。しかしながら、ビードのサイズ及び位置を能動的に制御するシステムは、特に高い外観基準を満たさなければならない使用事例では、ほとんどのユーザにとって過度に複雑で高価であり得る。したがって、分注パラメータを、外観の基準を満たしながら、費用対効果の高い方法で、より正確に制御するための一般的なニーズが存在している。
【発明の概要】
【0002】
本開示は、基材表面上の開始点から終了点まで、ある分注速度で分注動作において液体を分注するように構成された分注装置を備える装置を提供する。装置は、基材表面上に分注された液体の幾何学的パラメータを検出するように構成された測定デバイスを更に備える。装置は、検出された形状の幾何学的パラメータに基づいて、分注動作の前に分注装置が開始点に接近する接近速度、及び分注動作の後に分注装置が終了点から離れる退出速度のうちの少なくとも1つを制御するように構成された制御回路を更に備える。
【0003】
本開示は、液体を分注するための方法を更に提供する。本方法は、基材表面上の開始点から基材表面上の終了点まで、ある分注速度で分注装置から液体を分注することを含むことができる。本方法は、基材表面上に分注された液体によって形成される形状の幾何学的パラメータを検出することを更に含むことができる。本方法は、検出された形状の幾何学的パラメータに基づいて、分注動作の前に分注装置が開始点に接近する接近速度、及び分注動作の後に分注装置が終了点から離れる退出速度のうちの少なくとも1つを制御することを更に含むことができる。
【0004】
本開示は、動作を記憶するためのコンピュータ可読媒体であって、制御回路上で実行されると、制御回路に、基材表面上の開始点から基材表面上の終了点まで、ある分注速度で液体を分注することを含む動作を実行させる、コンピュータ可読媒体を更に提供する。動作は、基材表面上に分注された液体によって形成される形状の幾何学的パラメータを検出することを更に含むことができる。動作は、検出された形状の幾何学的パラメータに基づいて、分注動作の前に分注装置が開始点に接近する接近速度、及び分注動作の後に分注装置が終了点から離れる退出速度のうちの少なくとも1つを制御することを更に含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】一実施形態例を実施できる接着剤分注装置のブロック図である。
図2】接着剤又は他の液体を分注するための分注プロセスのパラメータを示す。
図3】いくつかの実施形態による、液体分注プロセスのパラメータを制御するためのシステムを示す。
図4A】いくつかの実施形態による、基材上に液体ビードを分注した後の、液体ビードに関連する幅幾何学的パラメータを示す。
図4B】いくつかの実施形態による、基材上に液体ビードを分注した後の、液体ビードに関連する高さ幾何学的パラメータを示す。
図5】いくつかの実施形態による、液体を分注するための方法のフローチャートである。
図6A】いくつかの実施形態による、ビード形状ロボット制御のためのワークフローのフローチャートである。
図6B】実施形態による、方法及び装置を使用して実現することができる速度構成の改善を示す。
図6C】実施形態による、方法及び装置を使用して実現することができる形状の改善を示す。
図7】いくつかの実施形態による、コンピューティングノードを示す。
図8】いくつかの実施形態による、エッジコンピューティングノードの更なる詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
接着剤塗布機器アイテムは、タイプ、動作モード及び価格において様々である。利用可能な機器は、それぞれ数ドルのブラシ、接着剤塗布ガン、及び接着テープ分注装置から始まり、数百ドルの半自動化装置、次いで数千ドルのロボット機器まである。いくつかの顧客用途において、接着剤のビードは、外観基準及び他の基準を満たすために、高レベルの精度で均一に分注されるべきである。しかしながら、接着剤の粘性特性の大きな変動性を考慮すると、精度を達成することは困難であり得る。接着剤の自動分注は、塗布方法及びプロセスの多様性によって更に複雑になる。
【0007】
図1は、いくつかの実施形態による、接着剤分注装置100のブロック図である。接着剤分注装置は、駆動力104を使用して、液体接着剤の供給源102から分注構成要素106に液体接着剤を送達して、分注構成要素106を使用してオンデマンドで液体接着剤を分注できるように構成される。操作者は、分注構成要素106と併せて様々な設定又はパラメータを使用して、弁108の開閉、又はポンプ速度を制御し、例えば、所望の流量で接着剤を分注することができる。これらの設定又はパラメータは、流体力学、流動学、メカトロニクス制御、及びロボットの動きを含む、いくつかの要因に応じて変動する可能性があり、接着剤ビードが最終的に基材110上に分注されると、接着剤ビードの形状を最終的に決定する。
【0008】
自動化液体接着剤分注は、製品に応じて複雑な経路形状を必要とする場合がある。特に角などの領域では、これらのプロセスを最適化することは困難であり得る。更に、結果として生じる接着剤ビード形状を測定することは、複雑な経路では困難である。この問題を以下にて図2に示す。
【0009】
図2は、接着剤又は他の液体を分注するための分注プロセス200のパラメータを示す。x軸は、分注が終了及び開始することができる基材に沿った位置を示す。y軸は、接着剤分注ツールが接着剤分注を開始又は終了する際にどのように加速又は減速し得るかを示す目的で、分注ツール(例えば、分注装置100(図1))のツール中心点(Tool Center Point、TCP)の速度を示す。曲線201は、TCP速度を変化させながら基材に沿ってどのように分注を進めるこができるかを示す。
【0010】
いくつかの従来の解決策では、分注パラメータを制御して、基材の表面に沿って分注される接着剤の幅、高さ、及び断面積を動的に制御することができる。例えば、分注装置弁108(図1)は、点202で開いて接着剤を分注するように制御することができる。しかしながら、ポンプ特性又は他の要因に応じて遅延が生じる可能性があり、実際の液体が分注される前に時間遅延204が生じる。これにより、接着剤が特定の点で過剰に分注される可能性があり、これは、基材、接着剤、又は分注動作の他の態様の外観の品質を低下させる可能性がある。
【0011】
同様に、点206で接着剤の分注を終了することが望ましい場合があるが、分注が終了する前に制御時間遅延208が生じる可能性がある。TCP速度は、これらの遅延のうちのいくつかを低減若しくは排除するように、又はこれらの遅延の影響を低減するように制御することができる。しかしながら、値108が制御回路コマンドに応答するための時間遅延が、依然として存在し得る。
【0012】
実施形態による装置及び方法は、接着剤分注経路のより正確な測定及び表現を提供して、接着剤分注の改善された外観及び精度を提供する。
【0013】
接着剤分注の装置及びアルゴリズム
これら及び他の複雑さを考慮するために、様々な実施形態による装置及びアルゴリズムは、基材上に分注されるときに液体によって生成される形状の幾何学的パラメータに基づいて、より正確な液体分注制御を提供する。
【0014】
再び図2を参照すると、TCPの少なくとも3つの関連する速度値を制御及び測定することで、美的基準及び他の基準を満たすように、液体接着剤の連続ストリームを基材上に提供することができる。第1に、接近速度210は、点202で分注信号が提供される前の動きを表す。点202の一定距離前の点212では、液体が基材に塗布されると予想される所定時間前に分注動作を開始することができるように、分注信号を分注装置に送信することができる。点212から点202まで、TCP速度は接近速度210に等しい。
【0015】
分注速度214は、接近速度210と異なっていても、又は同じ(若しくはほぼ同じ)であってもよく、制御回路が液体塗布及びビード形成動作を終了又は停止するための信号を提供する点206の手前で、液体塗布及びビード形成プロセスの実際の速度を決定する。
【0016】
退出速度216は、分注装置が点206、又は分注動作の終了点から離れるときのTCPの速度を定義する。点218は、液体がTCPを出て基材上に液体ビードを形成するのを終了する点である。点218は、弁108及び他の分注装置構成要素の時間遅延のために、少なくともある程度、点206の後に生じ得る。要約すると、信号のオン/オフと分注弁108のオン又はオフとの間に時間遅延が存在し得ることを考慮すると、いくらかのドリフト距離(B~Go及びGf~C)が、開放/閉鎖点と、液体接着剤が基材110に塗布される点又は液体接着剤が基材110に塗布されるのを終了する点との間に生じ得る。これらの時間ドリフトは、以下の図4A及び図4Bに関して記載するビード形状に従って、塗布された接着剤内に点を形成させる可能性がある。
【0017】
図3は、いくつかの実施形態による、液体分注プロセスのパラメータを制御するためのシステム300を示す。設定入力302は、ポンプ設定、弁設定、パイプ及びノズル設定、温度などの環境パラメータ、並びに粘度、ロット番号、化学特性、製造業者情報などの接着剤特性を含むことができる。
【0018】
入力は、制御回路304に提供され得る。制御回路304は、例えば分注装置100の構成要素の、ロボットの動きを制御するための制御信号を提供することができる。これらの又は他の制御信号は、分注速度、分注装置オン時間、分注装置オフ時間、基材110上の分注装置のオリフィスの高さ、基材110の表面張力、及び他のパラメータなどのうちの1つ以上を制御することができる。制御回路304はまた、本明細書で更に記載するアルゴリズムに従って後続の動作のためのパラメータを調整するために、機械学習アルゴリズムを実装することができる。
【0019】
液体が基材110に分注された後、3次元スキャナを含むことができる測定デバイス306は、基材110を検査して、基材110に分注された分注液体ビードの形状データ308を提供することができる。形状及びその他の情報は、制御回路304によって分注装置100にリンクされ、後続の分注動作をリアルタイムで制御することができる。幾何学的パラメータは、例えば、ビードの幅、ビードの高さ、及びビードの体積を含むことができる。代表的な幾何学的パラメータは、図4A及び図4Bに関して更に記載される。
【0020】
図4Aは、基材上に液体ビード400を分注した後の液体ビード400に関連する幅幾何学的パラメータを示す。分注ガンは、点401で「オン」にされ、開始又は有効にされ、点402で「オフ」にされ、終了又は無効にされ得る。ヘッド幅404及びヘッド高さ406を有する液体ヘッドが存在し得る。液体ヘッドは、他の条件の中でも、点401から、分注が物理的に始まるヘッドドリフト点410までの、遅延又はドリフト408を表すことができる。
【0021】
図4Bを参照すると、液体ビード400は、ビード幅414及びビード高さ416を有してビード長さ412に沿って分注され得る。エンド幅418及びエンド高さ420を有する液体エンドは、点402から好ましい時間よりも長い間、又は点402からエンドドリフト点424までのエンドドリフト距離422の間で分注される液体を表すものとして存在し得る。
【0022】
処理回路、例えば、制御回路304又は別のコンピューティングシステムは、図4A及び図4Bに関して図示される実際の及び予期されるビード幾何学的パラメータを、上記の図3に関して定義されるパラメータの値に相関させるマップ又はモデルを生成することができる。以下でより詳細に記載するモデルは、図3を参照して記載する様々な条件下にて様々な分注速度で液体接着剤を分注することによって、生成することができる。これらのモデル又は他の相関関係を使用して、分注速度、分注位置、及び他の変数を制御して、液体分注動作の美的基準、品質基準、及び精度基準を満たすか又は超える分注動作で、液体接着剤を提供することができる。
【0023】
速度vは、流量が一定である場合、以下の関係(1)~(3)に従う分注されたビードの幅、高さ、及び断面積との関係を有する。
【0024】
w∝v-2 (関係式1)
h∝v-2 (関係式2)
S∝v-1 (関係式3)
式中、w、h、Sは、それぞれビード幅、ビード高さ及びビード断面積である。
【0025】
次に、幅パラメータは、1.)W-ビードの平均中間幅(例えば、ビード幅414)、2.)W-最大ヘッド幅(例えば、ヘッド幅404)、及び、3.)W-最大エンド幅(例えば、エンド幅418)に従って与えられる。高さパラメータは、1.)H-平均中間高さ(例えば、ビード高さ416)、2.)H-最大ヘッド高さ(例えば、ヘッド高さ406)、及び3.)H-最大エンド高さ(例えば、エンド高さ420(図4B)に従って与えられる。
【0026】
go及びDgf(例えば、それぞれ、ドリフト408及びドリフト422)は、制御回路304によって設定又は信号伝達される制御パラメータであり、分注装置100のガンのシフト距離をプログラムして、ヘッド及びエンドでの接着剤分注を補償するためにオン及びオフする。コントローラは、以下の式に従って、Dgo及びDgfを決定することができる。
【0027】
第1に、ドリフトヘッド距離Drh及びドリフトエンド距離Dreを、以下の式(1)及び(2)に従って与える。
【数1】
式中、
【数2】
は、Pos(PMaxHead)-Pos(PGunOn)の単位ベクトルであり、
【数3】
は、Pos(PMaxEnd)-Pos(PGunOff)の単位ベクトルであり、
【数4】
は、点PMaxHead又はPMaxEndにおける動きベクトルであり、ここでPMaxHead及びPMaxEndは、式(3)及び(4)によって与えられる。
MaxHead=(P最大ヘッド幅+P最大ヘッド高さ)/2 (3)
MaxEnd=(P最大エンド幅+P最大エンド高さ)/2 (4)
式中、ヘッド幅及びヘッド高さは、図4A及び図4Bに見られるように、それぞれパラメータ404及び406によって与えられ、エンド幅及びエンド高さは、図4A及び図4Bの、それぞれパラメータ418及び420によって与えられる。
【0028】
ビード400(図4B)に沿って一貫した断面積Sを提供するために、例えば、過剰な液体の分注を避けるために、分注速度Vdisp(例えば、要素214(図2)で図示)又はVdispの初期値に関するアルゴリズムを、分注装置100が始点に近づく接近速度Vappr(要素210(図2)で図示)、及び分注装置100が終点から出る速度Vexit(要素216(図2)で図示)に対して、決定することができる。初期値として、例えば、Vdisp、Vappr、及びVexitを、互いに等しく設定することができるか、又は他の所定の異なる値若しくは同じ値に設定することができる。試行分注動作を行うことができ、分注動作の品質及び美観を決定するために、上述したものと同様又は同一の幾何学的値を測定することができる。例えば、制御回路304は、式(1)及び(2)を実行することができる。W(ビードの平均中間幅(例えば、ビード幅414))、W(最大ヘッド幅(例えば、ヘッド幅404))及びW(最大エンド幅(例えば、エンド幅418))などの幅及び高さのパラメータは、例えば、3次元スキャナ又は光学測定ツールなどの他のツールによって測定され得る。加えて、高さパラメータH(平均中間高さ(例えば、ビード高さ416))、H(最大ヘッド高さ(例えば、ヘッド高さ406))、及びH(最大エンド高さ(例えば、エンド高さ420(図4B))もまた、3次元スキャナ又は光学測定ツールなどの他のツールによって測定され得る。
【0029】
次いで、制御回路304は、式(5)~(7)を実行して、それぞれ新しい接近速度Vapprnew及び退出速度Vexitnew、並びに後続の試行液体分注動作又は他の液体分注動作で使用するための分注速度Vdispを決定することができる。
【数5】
式中、kは、実際のサイクル時間と必要なサイクル時間に関連する速度乗数であり、サイクル時間は、分注装置100に制御信号が供給される時間と、分注装置100が液体を供給し始める時間との間の時間量に関連する。
【0030】
本明細書で先に述べたように、弁108(図1)は、制御信号に関連する遅延、弁の物理的パラメータ、並びに他の遅延及び条件に関連付けることもできる。したがって、弁遅延補正値Dgonew及びDgfnewは、美観及び品質を考慮してビード400(図4B)を所望の位置にシフトさせるために、式(8)及び(9)に従って計算することができる。
gonew=Dgo-Drh (8)
gfnew=Dgf-Dre (9)
式中、Dgo及びDgfは、それぞれ点401及び点402(図4A)に従って視覚化することができ、Drh及びDreは、それぞれ式(1)及び(2)に従って与えられる。上記の式及び測定に基づくアクションは、均一性測定が満たされるか、又はそれを超えるまで、繰り返すことができる。例えば、図4Aを参照すると、幅要素404及び418は、要素414の閾値内、例えば、要素414の約10%内、又は要素414の約5%内にもたらされるべきである。高さ要素406及び420は、同様に、要素416の閾値内、例えば、要素416の約10%内、又は要素416の約5%内にもたらされるべきである。
【0031】
サイクル時間は、速度乗数kに基づいて調整することもできる。所望のサイクル時間Trcが実際のサイクル時間Tacよりも小さい場合、速度乗数は、式(10)に従って調整することができる。
k=Tac/Trc (10)
【0032】
方法例
図5は、いくつかの実施形態による、接着剤分注装置圧力を予測するための方法500のフローチャートである。方法500の動作は、例えば、式(1)~(10)を実行することができ、関係(R1)~(R3)を分析することができる制御回路304(図3)によって、実行することができる。他の動作は、走査ツール又は他の測定デバイス、例えば、3次元スキャナ306(図3)が提供されることがある。例において、式(1)~(10)は、機械学習(Machine Learning、ML)を使用して、かつ、他の入力の中でもとりわけ、センサによって自動的に生成されて提供される入力又はユーザによる入力に基づいて、部分的又は完全に実行させることができる。例えば、MLアルゴリズムは、式(1)~(9)の将来の実行の結果を予測するか、又は式(1)~(9)を分析するための入力を予測して、環境条件と、異なる分注装置設定が改善されたビード形状をもたらす統計的可能性とを関連付けることができる。これらの学習された分注装置設定は、後続の分注動作のために使用することができる。
【0033】
方法500は、制御回路304が分注装置100を制御して、基材110表面の開始点から基材110表面の終了点まで、分注速度で液体を分注する、動作502から開始することができる。
【0034】
方法500は、測定デバイス306が、基材表面上に分注液体によって形成される形状の幾何学的パラメータを検出する、動作504に続くことができる。形状は、例えば、図4A及び図4Bに示す形状と同様とすることができる。
【0035】
方法500は、制御回路304が、検出された形状の幾何学的パラメータに基づいて、分注動作の前に分注装置100が開始点に接近する接近速度vapprnew、及び分注動作の後に分注装置100が終了点から離れる退出速度vexitnewのうちの少なくとも1つを制御する、動作506に続くことができる。分注動作は、例えば、液体を分注することを含むことができる。
【0036】
方法500は、液体を分注している間に分注装置が基材の上を移動する分注速度Vdispを制御することを更に含むことができる。更なる動作は、例えば、機械学習並びに他の予測及び調節方法論及び学習アルゴリズムを使用して、幾何学的パラメータに基づいて、分注パラメータを調整することを含むことができる。いくつかの実施形態では、3次元スキャナ(例えば、測定デバイス306)を動作させて、分注された液体のビードの形状を検出することができる。図4A及び図4Bを参照すると、幾何学的パラメータは、分注された液体のビードのビード高さ416、分注された液体のビードのビード幅414、及び分注された液体のビードのビード断面積S(関係3)のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、方法は、
【数6】
に従って接近速度vapprnewを制御することを含むことができ、式中、kは、分注装置サイクル時間に基づいて変化する速度乗数であり、Wは、分注された液体のビードの最大ヘッド幅であり、Wは、分注された液体のビードの平均中間幅である。ビード高さ測定値が利用可能である場合、方法は、
【数7】
に従って接近速度vapprnewを制御することを含むことができ、式中、kは、分注装置サイクル時間に基づいて変化する速度乗数であり、Wは、分注された液体のビードの最大ヘッド幅であり、Wは、分注された液体のビードの平均中間幅であり、Hは、分注された液体のビードの最大ヘッド高さであり、Hは、分注された液体のビードの平均中間高さである。
【0038】
いくつかの実施形態では、方法500は、
【数8】
に従って退出速度vexitrnewを制御することを含むことができ、式中、kは、分注装置サイクル時間に基づいて変化する速度乗数であり、Wは、分注された液体のビードの最大エンド幅であり、Wは、分注された液体のビードの平均中間幅である。高さ測定値が利用可能であるとき、方法500は、
【数9】
に従って退出速度vexitnewを制御することを含むことができ、式中、kは、分注装置サイクル時間に基づいて変化する速度乗数であり、Wは、分注された液体のビードの最大エンド幅であり、Wは、分注された液体のビードの平均中間幅であり、Hは、分注された液体のビードの最大エンド高さであり、Hは、分注された液体のビードの平均中間高さである。
【0039】
方法500は、弁遅延値に従って分注「オン」時間を調整することを更に含むことができる。方法500は、分注装置構成、液体特性、及び基材寸法のうちの1つ以上に関連するデータを記憶することを更に含むことができる。分注装置構成は、ポンプ設定、弁設定、パイプ設定、及びノズル設定のうちの1つ以上を含むことができる。方法500は、制御回路304がメモリからデータを取得し、メモリから取得されたデータに基づいて分注動作を制御することを更に含むことができる。方法500は、環境要因及び液体特性のうちの1つ以上に基づいて制御を調整することを更に含むことができる。
【0040】
図6Aは、いくつかの実施形態による、ビード形状ロボット制御のためのワークフロー510のフローチャートである。方法500の動作は、例えば、式(1)~(10)を実行することができ、関係(R1)~(R3)を分析することができる制御回路304(図3)によって実行することができる。動作512において、幅及び高さに関連するパラメータなどの様々なパラメータの値を、例えば0又は何らかの履歴的に関連する値に初期化することができる。動作514において、制御回路304は、データファイルから測定値を読み取るかどうかを決定することができる。制御回路304がデータファイルから読み取ることを決定する場合、動作516において、制御回路304は、様々なパラメータを読み取り動作516においてデータファイルを形成し、動作518において様々なユーザインタフェース要素にパラメータを提供する。さもなければ、制御回路304は、動作520において、測定値、例えば手動測定値を取得し、動作518においてそれらをデータ入力522としてユーザインタフェースに提供する。
【0041】
動作524において、制御回路304は、明らかに誤った値(例えば、幅若しくは高さとして入力された負の数、又は物理的に可能な所与の製造制約よりもはるかに大きい若しくは小さい数)について検証を行うことができる。動作524において明らかに誤ったデータが検出された場合、制御回路は、動作526においてエラーメッセージを生成し、動作528においてデータの再入力を要求することができ、その時点で、動作は動作514において再開する。さもなければ、動作530において、上記の図5に従って最適化プロセスが実行される。結果は、動作532において、例えばデータファイル又はユーザインタフェースにエクスポートすることができる。いくつかの実施例では、図6B及び図6Cにおいて以下に示すように、動作534においてチャートを描画することができる。動作536において、制御回路304は、後続の液体分注動作を試験して、ブロック538において形状を検証することができる。ワークフロー510の更なる最適化又は実行が必要とされる場合、制御回路304は、動作514において動作を再開することができる。さもなければ、動作は終了される。
【0042】
図6Bは、実施形態による方法及び装置を使用して実現することができる速度構成の改善を示す。グラフ540は、利用可能な液体分注システムにおける分注装置速度対位置を示し、グラフ542は、様々な実施形態による装置、システム、及び方法を使用した分注装置速度対位置を示す。なお、「ジッタ」が低減され、これによって基材上により美的に心地良い分注を提供することができることに留意されたい。
【0043】
図6Cは、実施形態による方法及び装置を使用して実現することができる形状の改善を示す。グラフ544は、利用可能な液体分注システムにおける形状を示し、グラフ546は、様々な実施形態による装置、システム、及び方法を使用した分注装置速度対位置を示す。曲線548は体積を示し、曲線550は幅を示し、曲線552は利用可能なシステムを使用した、分注されたビードの高さ対位置を示す。曲線554は体積を示し、曲線556は幅を示し、曲線558は、いくつかの実施形態による装置及び方法を使用した、分注されたビードの高さ対位置を示す。曲線554、556、及び558は、曲線548、550、及び552よりも平坦であり、改善された形状及びより一貫したビード分注を示す。
【0044】
コンピュータ装置
システム、方法、及び装置は、本明細書で後に詳細に記載するように、プロセッサを使用して、ファームウェア若しくはソフトウェア内に、操作者プロセスに対して遠隔若しくはローカルに、又はクラウド若しくはエッジコンピューティングデバイス内に、実施形態を実装することができる。いくつかの異なるデバイスにわたって機械学習及び制御動作を分配して、接着剤分注デバイス自体の中で全体的又は部分的に実施することができる。例えば、いくつかの識別プロセスを接着剤分注装置100(図1)によって行うことができ、そこからの入力をローカル又は遠隔のデバイスに提供して、分注装置設定に関する予測を定式化することができる。したがって、接着剤分注装置100の装置及び回路、制御回路304(図3)、並びに他の構成要素は、例えば、エッジコンピューティングノードなどのコンピューティングシステムで実行するか、又は部分的に実行することができる。図7は、いくつかの実施形態によるエッジコンピューティングノードを示す。
【0045】
図8に示す簡略化された例では、エッジ計算ノード700(例えば装置)は、計算エンジン(本明細書では「計算回路」とも呼ばれる)702、入出力(I/O)サブシステム708、データ記憶デバイス710、通信回路サブシステム712、及び任意選択で1つ以上の周辺デバイス714を含む。他の実施例では、それぞれの計算デバイスは、コンピュータにおいて典型的に見られるような他の又は追加の構成要素(例えば、ディスプレイ、周辺デバイスなど)を含んでもよい。更に、いくつかの実施例では、構成要素の例のうちの1つ以上は別の構成要素に組み込まれてもよく、さもなければ別の構成要素の一部を形成してもよい。
【0046】
計算ノード700は、様々な計算機能を行うことの可能な、任意の種類のエンジン、デバイス、又はデバイスの集合として具現化されてもよい。いくつかの実施例では、計算ノード700は、集積回路、埋め込みシステム、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、システムオンチップ(SOC)などの集積システム若しくはデバイスなどの単一のデバイスとして具現化されてもよい。説明的な例では、計算ノード700は、プロセッサ704及びメモリ706を含んで、又はそれらとして具現化される。プロセッサ704は、本明細書に記載の機能を行う(例えば、アプリケーションを実行する)ことが可能な任意の種類のプロセッサとして具現化されてもよい。例えば、プロセッサ704は、マルチコアプロセッサ(単数又は複数)、マイクロコントローラなどのプロセッサ若しくは処理/制御回路として具現化されてもよい。いくつかの実施例では、プロセッサ704は、FPGA、特定用途向け集積回路(ASIC)、再構成可能なハードウェア若しくはハードウェア回路、又は本明細書に記載の機能を容易に行えるようにする他の専用ハードウェアとして具現化されるか、それらを含むか、又はそれらに連結されてもよい。
【0047】
メモリ706は、本明細書に記載の機能を行うことが可能な、任意の種類の揮発性(例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)など)又は不揮発性メモリ又はデータ記憶装置として具現化されてもよい。揮発性メモリは、媒体によって記憶されたデータの状態を維持するために電力を必要とする記憶媒体であり得る。揮発性メモリの非限定的な例は、DRAM又はスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)などの様々な種類のランダムアクセスメモリ(RAM)を含み得る。メモリモジュールにおいて使用され得るDRAMの1つの特定の種類は、シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)である。
【0048】
一実施例では、メモリデバイスは、NAND又はNOR技術に基づくものなどのブロックアドレス指定可能メモリデバイスである。いくつかの実施例では、メモリ706の全部又は一部はプロセッサ704に統合されてもよい。メモリ706は、1つ以上のアプリケーションなどの動作中に使用されるデータ、そのアプリケーションによって操作されるデータ、ライブラリ、及びドライバなどの、様々なソフトウェア及びデータを記憶してもよい。
【0049】
計算回路702はI/Oサブシステム708を介して計算ノード700の他の構成要素に通信可能に連結されており、このI/Oサブシステムは、計算回路702との(例えば、プロセッサ704又はメインメモリ706との)、及び計算回路702の他の構成要素との入出力動作を容易にするための回路又は構成要素として具現化されてもよい。例えば、I/Oサブシステム708は、メモリコントローラハブ、入出力制御ハブ、統合センサハブ、ファームウェアデバイス、通信リンク(例えば、ポイントツーポイントリンク、バスリンク、ワイヤ、ケーブル、ライトガイド、プリント回路基板トレースなど)、又は入出力動作を容易にするための他の構成要素及びサブシステムとして具現化されてもよく、さもなければこれらを含んでもよい。いくつかの実施例では、I/Oサブシステム708は、システムオンチップ(SoC)の一部を形成してもよく、プロセッサ704、メモリ706、及び計算回路702の他の構成要素のうちの1つ以上と共に、計算回路702に組み込まれてもよい。I/Oサブシステム708は、例えば測定デバイス306などの図3の他の構成要素から入力データ707を受け取り、図3の他の構成要素に予測及び制御709を提供することができる。
【0050】
1つ以上の例示的なデータ記憶デバイス710は、例えば、メモリデバイス及び回路、メモリカード、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブなどのデータ記憶デバイスなど、データの短期又は長期記憶のために構成された任意の種類のデバイスとして具現化されてもよい。個々のデータ記憶デバイス710は、データ記憶デバイス710のためのデータ及びファームウェアコードを記憶するシステムパーティションを含んでもよい。個々のデータ記憶デバイス710はまた、例えば計算ノード700の種類に応じて、オペレーティングシステムのためのデータファイル及び実行可能ファイルを記憶する1つ以上のオペレーティングシステムパーティションを含んでもよい。
【0051】
通信回路712は、計算回路702と別の計算デバイス(例えば、実施するエッジコンピューティングシステムのエッジゲートウェイ)との間のネットワークを介した通信を可能にすることのできる任意の通信回路、デバイス、又はそれらの集合として具現化されてもよい。通信回路712は、任意の1つ以上の通信技術(例えば、有線又は無線通信)及び関連するプロトコル(例えば、3GPP 4G又は5G規格などのセルラーネットワーキングプロトコル、IEEE 802.11/Wi-Fi(登録商標)などの無線ローカルエリアネットワークプロトコル、無線ワイドエリアネットワークプロトコル、イーサネット(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth Low Energy、IEEE 802.15.4又はZigBee(登録商標)などのIoTプロトコル、低電力ワイドエリアネットワーク(LPWAN)、超広帯域又は低電力ワイドエリア(LPWA)プロトコルなど)を使用して、このような通信を行うように構成されてもよい。
【0052】
例示的な通信回路712は、ネットワークインタフェースコントローラ(NIC)720を含む。NIC720は、別の計算デバイス(例えば、エッジゲートウェイノード)と接続するために計算ノード700によって使用され得る1つ以上のアドインボード、ドーターカード、ネットワークインタフェースカード、コントローラチップ、チップセットなどのデバイスとして具現化されてもよい。いくつかの実施例では、NIC720は、1つ以上のプロセッサを含むシステムオンチップ(SoC)の一部として具現化されてもよく、又は1つ以上のプロセッサもまた含むマルチチップパッケージ上に含まれてもよい。いくつかの実施例では、NIC720は、どちらもNIC720に対してローカルであるローカルプロセッサ(図示せず)又はローカルメモリ(図示せず)を含んでもよい。そのような実施例では、NIC720のローカルプロセッサは、本明細書に記載の計算回路702の機能のうち1つ以上を行うことが可能であってもよい。加えて又はあるいは、そのような実施例では、NIC720のローカルメモリは、クライアント計算ノードの1つ以上の構成要素にボードレベル、ソケットレベル、チップレベルなどのレベルで統合されてもよい。
【0053】
更に、いくつかの実施例では、それぞれの計算ノード700は、1つ以上の周辺デバイス714を含んでもよい。そのような周辺デバイス714は、計算ノード700の特定の種類に応じて、音声入力デバイス、ディスプレイ、他の入出力デバイス、インタフェースデバイスなどの周辺デバイスなど、計算デバイス又はサーバに見られる任意の種類の周辺デバイスを含んでもよい。更なる実施例では、計算ノード700は、エッジコンピューティングシステム又は同様の形態のアプライアンス、コンピュータ、サブシステム、回路、若しくは他の構成要素内のそれぞれのエッジ計算ノード(クライアント、ゲートウェイ、又はアグリゲーションノードのいずれか)によって具現化されてもよい。
【0054】
より詳細な実施例において、図8は、本明細書に記載の技術(例えば、動作、プロセス、方法、及び方法論)を実施するためにエッジコンピューティングノード750内に存在してもよい構成要素の例のブロック図を示す。このエッジコンピューティングノード750は、ノード700がコンピューティングデバイスとして、又はコンピューティングデバイスの一部として(例えば、コンピュータ、モバイルデバイス、サーバ、スマートセンサ、制御システムなどとして)実施されたときの、それぞれの構成要素のより詳細な様相を提供する。エッジコンピューティングノード750は、本明細書で言及されるハードウェア又は論理構成要素の任意の組み合わせを含むことができ、エッジ通信ネットワーク又はそのようなネットワークの組み合わせと共に使用可能な任意のデバイスを含むことも、それと連結することもできる。構成要素は、エッジコンピューティングノード750に採用された集積回路(IC)、それらの一部、独立した電子デバイス、若しくは他のモジュール、命令セット、プログラマブルロジック若しくはアルゴリズム、ハードウェア、ハードウェアアクセラレータ、ソフトウェア、ファームウェア、若しくはそれらの組み合わせとして、又はより大きいシステムのシャーシ内に他の方法で組み込まれた構成要素として実施されてもよい。
【0055】
エッジコンピューティングノード750はプロセッサ752の形態をした処理回路を含んでもよく、そのプロセッサは、マイクロプロセッサ、マルチコアプロセッサ、マルチスレッドプロセッサ、超低電圧プロセッサ、埋め込みプロセッサ、又は他の知られている処理要素であってもよい。プロセッサ752は、プロセッサ752及び他の構成要素が単一の集積回路又は単一のパッケージに形成された、システムオンチップ(SoC)の一部であってもよい。プロセッサ752及び付随する回路は、単一ソケットフォームファクタ、複数ソケットフォームファクタ、又は多様な他の形式で提供されてもよく、それらには、限定されたハードウェア構成又は図8に示す全ての要素よりも含まれる要素が少ない構成も含まれる。
【0056】
プロセッサ752は、相互接続756(例えば、バス)を介してシステムメモリ754と通信してもよい。任意の数のメモリデバイスが、所与の量のシステムメモリを提供するために使用されてもよい。実施例として、メモリ754は、Joint Electron Devices Engineering Council(JEDEC)設計に従うランダムアクセスメモリ(RAM)であってもよい。様々な実装形態では、個々のメモリデバイスは、シングルダイパッケージ(SDP)、デュアルダイパッケージ(DDP)、又はクアッドダイパッケージ(Q17P)など、任意の数の異なるパッケージ種類であってもよい。これらのデバイスは、いくつかの実施例では、薄型ソリューションを提供するためにマザーボード上に直接はんだ付けされ得るが、他の実施例では、デバイスは、所与のコネクタによってマザーボードに連結する1つ以上のメモリモジュールとして構成される。他の種類のメモリモジュール、例えばマイクロDIMM又はミニDIMMを含むがこれらに限定されない異なる種類のデュアルインラインメモリモジュール(DIMM)など、他のメモリ実装形態がいくつでも使用されてもよい。
【0057】
データ、アプリケーション、オペレーティングシステムなどの情報の永続的な記憶を提供するために、更にまた、記憶装置758が相互接続756を介してプロセッサ752に連結されてもよい。一実施例では、記憶装置758は、ソリッドステートディスクドライブ(SSDD)を介して実装されてもよい。記憶装置758のために使用され得る他のデバイスには、セキュアデジタル(SD)カード、マイクロSDカード、エクストリームデジタル(XD)ピクチャカードなどのフラッシュメモリカード、及びユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブが含まれる。
【0058】
構成要素は、相互接続756を介して通信してもよい。相互接続756は任意の数の技術を含んでもよく、それらには、業界標準アーキテクチャ(ISA)、拡張ISA(EISA)、周辺機器相互接続(PCI)、拡張周辺機器相互接続(PCIx)、PCIエクスプレス(PCIe)、又は任意の数の他の技術も含まれる。相互接続756は、例えばSoCベースのシステムで使用される、独自に開発されたバスであってもよい。とりわけ、集積回路間(I2C)インタフェース、シリアルペリフェラルインタフェース(SPI)インタフェース、ポイントツーポイントインタフェース、独自開発バス、及び電力バスなど、他のバスシステムが含まれてもよい。
【0059】
相互接続756は、接続されたエッジデバイス762と通信するために、プロセッサ752をトランシーバ766に連結してもよい。接続されたエッジデバイス762は、図8に示す他の要素若しくは他の要素の一部、又は、操作者によってテープ自動化システムに対してリモート若しくはローカルのいずれかで使用される製造システムの他の要素を含むことができる。トランシーバ766は、とりわけ、Bluetooth(登録商標)Special Interest Groupによって定義されるようなBluetooth(登録商標)低エネルギー(BLE)規格、又はZigBee(登録商標)規格を使用して、IEEE 802.15.4規格下で2.4ギガヘルツ(GHz)伝送などの周波数及びプロトコルをいくつでも使用してもよい。接続されるエッジデバイス762への接続のために、特定の無線プロトコルのために構成された数の無線機がいくつでも使用されてもよい。例えば、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)ユニットが、米国電気電子技術者協会(IEEE)802.11規格に従ってWi-Fi(登録商標)通信を実行するために使用されてもよい。加えて、例えば、セルラー又は他の無線広域プロトコルに従う無線広域通信は、無線広域ネットワーク(WWAN)ユニットを介して行われてもよい。
【0060】
無線ネットワークトランシーバ766(又は複数のトランシーバ)は、異なる範囲における通信のために複数の規格又は無線を使用して通信してもよい。例えば、エッジコンピューティングノード750は、電力を節約するために、Bluetooth Low Energy(BLE)に基づくローカルトランシーバ又は別の低電力無線を使用して、例えば約10メートル以内の、近くにあるデバイスと通信してもよい。例えば、約50メートル以内の、より遠くに接続されたエッジデバイス762は、ZigBee(登録商標)又は他の中間電力無線機を介して到達され得る。両方の通信技術は、異なる電力レベルで単一の無線を介して行われてもよく、又は別個のトランシーバ、例えば、BLEを使用するローカルトランシーバ及びZigBee(登録商標)を使用する別個のメッシュトランシーバを介して行われてもよい。
【0061】
ローカル又は広域ネットワークプロトコルを介してエッジクラウド795内のデバイス又はサービスと通信するために、無線ネットワークトランシーバ766(例えば、無線トランシーバ)が含まれてもよい。無線ネットワークトランシーバ766は、とりわけ、IEEE802.15.4又はIEEE802.15.4g規格に従う低電力広域(LPWA)トランシーバであってもよい。エッジコンピューティングノード750は、Semtech and the LoRa Allianceによって開発されたLoRaWAN(商標)(Long Range Wide Area Network、長距離広域ネットワーク)を使用して広域にわたって通信してもよい。本明細書に記載の技術はこれらの技術に限定されず、Sigfoxなどの長距離低帯域幅通信及び他の技術を実施する任意の数の他のクラウドトランシーバと共に使用されてもよい。更に、IEEE802.15.4e仕様に記載されているタイムスロットチャネルホッピングなどの他の通信技術が使用されてもよい。
【0062】
本明細書に記載するように、無線ネットワークトランシーバ766について言及したシステムに加えて、他の無線通信及びプロトコルがいくつでも使用されてもよい。例えば、トランシーバ766は、高速通信を実施するためにスペクトル拡散(SPA/SAS)通信を使用するセルラートランシーバを含んでもよい。更に、中速通信及びネットワーク通信の提供のためのWi-Fi(登録商標)ネットワークなど、他のプロトコルがいくつでも使用されてもよい。トランシーバ766は、ロングタームエボリューション(LTE)及び第5世代(5G)通信システムなどの3GPP(第3世代パートナーシッププロジェクト)仕様と互換性のある無線機をいくつでも含んでもよい。エッジクラウド795のノード、又は接続されたエッジデバイス762(例えば、メッシュ内で動作する)などの他のデバイスに有線通信を提供するために、ネットワークインタフェースコントローラ(NIC)768が含まれてもよい。有線通信は、イーサネット接続を提供してもよく、又は、とりわけ、コントローラエリアネットワーク(CAN)、ローカル相互接続ネットワーク(LIN)、DeviceNet、ControlNet、Data Highway+、PROFIBUS、又はPROFINETなどの他の種類のネットワークに基づいてもよい。第2のネットワークへの接続を可能にするために追加のNIC768が含まれてもよく、例えば、イーサネットを介してクラウドへの通信を提供する第1のNIC768、別の種類のネットワークを介して他のデバイスへの通信を提供する第2のNIC768などである。超広帯域センサ及びエミッタを使用して、定義されたエミッタビーコンに対するテープの正確な位置決め、並びにデータ転送などの通信を容易にすることができる。
【0063】
デバイスから別の構成要素又はネットワークへの適用可能な通信の多様性を考慮すれば、デバイスが使用する適用可能な通信回路には、構成要素764、766、768、又は770のうちのいずれか1つ以上が含まれるか、それらによって具現化されてもよい。したがって、様々な実施例では、通信する(例えば、受信する、送信するなど)ための適用可能な手段は、そのような通信回路によって具現化されてもよい。
【0064】
エッジコンピューティングノード750は加速回路764を含むか、それに連結されていてもよく、加速回路は、1つ以上の人工知能(AI)アクセラレータ、ニューラルコンピュートスティック、ニューロモルフィックハードウェア、FPGA、一揃いのGPU、一揃いのデータ処理ユニット(DPU)若しくはインフラストラクチャ処理ユニット(IPU)、1つ以上のSoC、1つ以上のCPU、1つ以上のデジタル信号プロセッサ、専用ASIC、又は、1つ以上の特殊タスクを達成するように設計された他の形態の特殊プロセッサ若しくは回路によって具現化されてもよい。これらのタスクは、AI処理(機械学習、トレーニング、推論、及び分類動作を含む)、視覚データ処理、ネットワークデータ処理、オブジェクト検出、ルール分析などを含んでもよい。
【0065】
相互接続756は、追加のデバイス又はサブシステムを接続するために使用されるセンサハブ又は外部インタフェース770にプロセッサ752を連結してもよい。デバイスはセンサ772を含んでもよく、このセンサは、加速度計、レベルセンサ、流量センサ、光学光センサ、カメラセンサ、温度センサ若しくはゲージ、グローバルナビゲーションシステム(例えば、GPS)センサ、圧力センサ、気圧センサなど、又はテープ若しくは他の接着剤、プライマー、基材などの状態を検出するための任意のセンサでもよい。これらのセンサは、コンピューティングデバイスに直接接続されてもよいし、又は様々な製造モジュールの一部としてリモートに配置されてもよい。エッジコンピューティングノード750を、電源スイッチ、弁アクチュエータ、可聴音発生器、視覚警告デバイスなどのアクチュエータ774に接続するために、ハブ又はインタフェース770が更に使用されてもよい。これらのアクチュエータは、コンピューティングデバイスに直接接続されてもよいし、又は様々な製造モジュールの一部としてリモートに配置されてもよい。
【0066】
いくつかの任意選択の例では、様々な入出力(I/O)デバイスがエッジコンピューティングノード750内に存在するか、それに接続されていてもよい。例えばセンサ読み取り値又はアクチュエータ位置などの情報を示すために、ディスプレイ又は他の出力デバイス784が含まれてもよい。入力を受容するために、タッチスクリーン又はキーパッドなどの入力デバイス886786が含まれてもよい。出力デバイス784は、バイナリ状態インジケータ(例えば、発光ダイオード(LED))及び複数文字の視覚的出力などの単純な視覚出力、又は表示画面(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)画面)などのより複雑な出力を含めて、任意の数の形態の音声又は視覚ディスプレイを含んでもよく、文字、グラフィックス、マルチメディアオブジェクトなどの出力は、エッジコンピューティングノード750の動作から生成されるか作出される。ディスプレイ又はコンソールハードウェアは、本システムの文脈では、エッジコンピューティングシステムの出力を提供して入力を受け取るため、エッジコンピューティングシステムの構成要素又はサービスを管理するため、エッジコンピューティング構成要素又はサービスの状態を識別するため、あるいは、他の任意の他の数の管理又はアドミニストレーション機能又はサービスユースケースを遂行するためにも使用されてもよい。これらの様々な入出力デバイスは、コンピューティングデバイスに直接接続されてもよいし、又は様々な製造モジュールの一部としてリモートに配置されてもよい。実施例において、複数のデバイスに同時に通知を提供することができ、例えば、ユーザは、例示したシステムにおいて図示の個々のモジュール上で通知を見ることができる。通知は、同時、又はほぼ同時に近接性などの基準に基づいて、ユーザのスマートフォン又はタブレット若しくはコンピュータなどの他のデバイスに、あるいはスタンドアロンデバイス又はユーザのパーソナル機器とは別個のデバイスに提供することができる。
【0067】
バッテリ776でエッジコンピューティングノード750に電力供給してもよいが、エッジコンピューティングノード750が固定位置に装備される例では、電力系統に連結された電源を有してもよく、あるいは、バッテリをバックアップとして、又は一時的能力のために使用してもよい。バッテリ776は、リチウムイオンバッテリ、又は亜鉛空気バッテリ、アルミニウム空気バッテリ、リチウム空気バッテリなどの金属空気バッテリであってもよい。
【0068】
バッテリ776が含まれる場合、その充電状態(SoCh)を追跡するために、バッテリモニタ/充電器778がエッジコンピューティングノード750に含まれてもよい。バッテリモニタ/充電器778は、バッテリ776の他のパラメータを監視してバッテリ776の健康状態(SoH)及び機能状態(SoF)などの故障予測を提供するために使用されてもよい。バッテリモニタ/充電器778は、プロセッサ752に相互接続756を介してバッテリ776に関する情報を伝達してもよい。バッテリモニタ/充電器778はまた、プロセッサ752がバッテリ776の電圧又はバッテリ776からの電流を直接監視することを可能にするアナログデジタル(ADC)変換器を含んでもよい。
【0069】
バッテリ776を充電するために、電力ブロック780、又は電力系統に連結された他の電源が、バッテリモニタ/充電器778に連結されてもよい。いくつかの例では、電力ブロック780を無線電力受信機と置き換えて、例えばエッジコンピューティングノード750内のループアンテナを通して、無線で電力を得てもよい。特定の充電回路は、バッテリ776のサイズ、したがって必要とされる電流に基づいて選択されてもよい。
【0070】
記憶装置758には、本明細書に記載の技法を実施するためのソフトウェアコマンド、ファームウェアコマンド、又はハードウェアコマンドの形態の命令782が含まれ得る。そのような命令782はメモリ754及び記憶装置758に含まれるコードブロックとして示されているが、いずれのコードブロックも、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)に組み込まれた、ハードワイヤード回路で置き換えられてもよいと理解され得る。
【0071】
一実施例では、メモリ754、記憶装置758、又はプロセッサ752を介して提供される命令782は、エッジコンピューティングノード750内で電子動作を行うようにプロセッサ752に指示するコードを含む、非一時的機械可読媒体760として具現化されてもよい。プロセッサ752は、相互接続756を介して非一時的機械可読媒体760にアクセスしてもよい。例えば、非一時的機械可読媒体760は、記憶装置758について記載したデバイスによって具現化されてもよく、又は、特定の記憶装置ユニットを含んでもよく、それらは光ディスク、フラッシュドライブなど、又は任意の数の他のハードウェアデバイスでもよい。非一時的機械可読媒体760は、例えば、上記で示した動作及び機能のフローチャート及びブロック図に関して記載したように、アクションの特定のシーケンス又はフローを行うようにプロセッサ752に指示する命令を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「機械可読媒体」及び「コンピュータ可読媒体」という用語は互換可能である。
【0072】
また、特定の実施例では、プロセッサ752上の命令782は(別個に、又は機械可読媒体760の命令782と組み合わせて)、信頼できる実行環境(trusted execution environment、TEE)890の実行又は動作を構成してもよい。一実施例では、TEE890は、命令の安全な実行及びデータへの安全なアクセスのためにプロセッサ752にアクセス可能な保護領域として動作する。
【0073】
更なる実施例では、機械可読媒体はまた、本開示の方法のうちのいずれか1つ以上を機械に実行させる、機械による実行のための命令を記憶、符号化、若しくは保持することが可能である任意の有形媒体、又はこのような命令によって使用される若しくはこのような命令に関連付けられたデータ構造を記憶、符号化、若しくは保持することが可能である任意の有形媒体を含む。したがって、「機械可読媒体」は、ソリッドステートメモリ、並びに光学媒体及び磁気媒体を含み得るが、これらに限定されない。機械可読媒体の具体的な例としては、例として、半導体メモリデバイス(例えば、電気的にプログラム可能な読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EEPROM))、及びフラッシュメモリデバイス、内部ハードディスク及びリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、並びにCD-ROM及びDVD-ROMディスクを含むが、これらに限定されない不揮発性メモリが挙げられる。機械可読媒体によって具現化される命令は、いくつかの転送プロトコル(例えば、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP))のうちのいずれか1つを使用するネットワークインタフェースデバイスを介して、伝送媒体を使用する通信ネットワーク上で更に送信又は受信されてもよい。
【0074】
機械可読媒体は、非一時的フォーマットでデータをホストすることが可能な記憶デバイス又は他の装置によって提供されてもよい。一実施例では、機械可読媒体上に記憶されるか又は他の方法で提供される情報は、命令自体、又は命令が導出され得るフォーマットなどの命令を表し得る。命令が導出され得るこのフォーマットは、ソースコード、符号化された命令(例えば、圧縮又は暗号化された形式)、パッケージ化された命令(例えば、複数のパッケージに分割された)などを含んでもよい。機械可読媒体内の命令を表す情報は、処理回路によって命令に加工されて、本明細書に記載の動作のいずれかを実施してもよい。例えば、情報から命令を導出すること(例えば、処理回路による処理)は、(例えば、ソースコード、オブジェクトコードなどから)情報をコンパイルすること、解釈すること、ロードすること、編成すること(例えば、動的に又は静的にリンクすること)、符号化すること、復号化すること、暗号化すること、暗号化解除すること、パッケージ化すること、パッケージ解除すること、又は別様に操作して命令にすることを含んでもよい。
【0075】
一実施例では、命令の導出は、機械可読媒体によって提供される何らかの中間フォーマット又は前処理されたフォーマットから命令を作成するための(例えば、処理回路による)情報のアセンブリ、コンパイル、又は解釈を含み得る。情報は、複数の部分で提供される場合、命令を作成するために組み合わされ、アンパックされ、修正されてもよい。例えば、情報は、1つ又はいくつかのリモートサーバ上の複数の圧縮されたソースコードパッケージ(又はオブジェクトコード、又はバイナリ実行可能コードなど)内にあってもよい。ソースコードパッケージは、ネットワークを介して転送されるときに暗号化され、必要に応じて復号化され、圧縮解除され、アセンブルされ(例えば、リンクされ)、ローカルマシンにおいて(例えば、ライブラリ、スタンドアロン実行可能ファイルなどに)コンパイル又は解釈され、ローカルマシンによって実行されてもよい。
【0076】
接着剤
一般に構造用接着剤は、一液型接着剤と二液型接着剤との2つの広いカテゴリーに分類され得る。一液型接着剤では、最終的に硬化した接着剤を得るために必要な全ての材料を単一の組成物が含む。このような接着剤は典型的には、接着される基材に塗布され、接着剤を硬化させるために高温(例えば、50℃を超える温度)に曝露される。対照的に、二液型接着剤は2つの成分を含む。第1の成分は典型的には「主剤成分」と呼ばれ、硬化性樹脂を含む。第2の成分は「促進剤成分」と呼ばれ、硬化剤(単数又は複数)及び触媒を含む。様々な他の添加剤が、一方又は両方の成分に含まれてもよい。
【0077】
本明細書で使用される他の接着剤としては、ホットメルト接着剤、例えば一液湿気硬化型ホットメルト接着剤を挙げることができる。この製品群は、従来の熱可塑性POホットメルトと比較して非常に高い耐熱性を特徴とする。いくつかの例では、化学架橋プロセスのためのイソシアネートを含有するポリウレタン(PUR)ホットメルトが使用される。他の例では、反応性成分としてシランを使用するポリオレフィン(POR)ホットメルトが本明細書で使用される。二液型接着剤は、反応性成分を分離することによって保管安定性を得る、100%固体系である。それらの成分は「樹脂」と「硬化剤」として別々の容器で供給される。接着剤の所望の硬化特性及び物理的特性を得るために、樹脂と硬化剤の所定の比率を維持することが重要である。2つの成分は、塗布の少し前にはじめて混合されて接着剤を形成し、室温で硬化が起こる。典型的には反応が2つの成分を混合するとすぐに始まるので、混合された接着剤の粘度は、接着剤を基材に塗布できなくなるまで、又は基材の「ぬれ」が減少したために接着強度が低下するまで、時間と共に増加する。多様な硬化速度の配合が利用可能であるため、混合後の可使時間(working time、worklife)及び接着後の強度立ち上がり速度として様々なものが得られる。配合に応じて、接着後数分から数週間で最終強度に達する。接着剤は、接着剤が可溶性でなくなる点に至るまで硬化が進行する前に、混合及び塗布の装置から取り除かれなければならない。二液型接着剤は、可使時間に応じて、コテ、ビード若しくはリボン、スプレー、又はローラによって塗布することができる。組み立て対象物は通常、更なる処理が可能になる十分な強度が得られるまで固定される。より速い硬化速度(強度の立ち上がり)が望まれる場合、熱を使用して硬化を加速することができる。これは、接着後に部品をより迅速に処理する必要がある場合、又は追加の可使時間は必要だが、遅い強度立ち上がり速度は受容されない場合に特に有用である。典型的には、二液型接着剤は硬化すると、良好な耐熱性及び耐薬品性を有して強靭かつ剛性である。
【0078】
少量塗布のために二液型接着剤を手作業で混合して塗布することができる。ただし、この場合、適切な硬化及び性能を保証するには、成分の適切な比率及び十分な混合を保証するためには少なからず注意が必要になる。通常、手で混合する場合でも、少なからぬ量が無駄になる。その結果、接着剤供給業者は、成分が保管のために分離された状態を維持することができ、かつ、例えば並列シリンジ、同心カートリッジなどの混合された接着剤を分注するための手段を提供する包装法を開発してきた。パッケージは典型的にはアプリケータハンドル内に挿入され、使い捨て混合ノズルを通して接着剤が分注される。パッケージの設計によって成分の適切な比率が維持され、混合ノズルの使用によって適切な混合が保証される。接着剤は、使用と使用の間の時間が接着剤の可使時間を超えない限り、これらのパッケージから複数回分注することができる。可使時間を超えた場合、新しい混合ノズルを使用しなければならない。大量に塗布する場合は、クォート容器からドラム缶までにわたる範囲の容器に梱包された接着剤を計量、混合、分注するために、計量混合装置が利用可能である。
【0079】
二液型接着剤は、樹脂及び硬化剤成分からなり、2つの成分が混合されると硬化する。二液型接着剤は、2つの成分が互いに分離していれば、保管時には安定した状態を維持する。二液型接着剤は、典型的には、特定の配合の接着剤から所望の特性を得るように設定された比率で分注されるべく設計されており、一般的な比率には、10:1、1:1、2:1などがある。2成分間の反応は通常、混合されるとすぐに始まり、可使でなくなるまで粘度が増加する。これは、上述したように、可使時間、オープンタイム、及びポットライフと記述することができる。硬化してからは、二液型接着剤は強靭かつ剛性で、良好な耐熱性及び耐薬品性を有する。
【0080】
エポキシ接着剤
本明細書で先に記載したように、実施形態例のエポキシ接着剤は、一液型接着剤及び二液型接着剤を含むことができる。一液型エポキシ接着剤は樹脂を含むことができる。二液型エポキシも、同系統の一液型と同様にエポキシ樹脂から調合される。二液型エポキシは、構造用適用例において広く使用されており、例えば、金属、プラスチック、繊維強化プラスチック(FRP)、ガラス及びいくつかのゴムを含む多くの材料を接着するために使用されている。それらは一般に速く硬化し、比較的堅い接着を提供する。一部の組成物はしばしば脆性であるが、強靱化剤及びエラストマーを利用して、この傾向を低減することができる。
【0081】
二液型構造用エポキシ接着剤は、樹脂(パートA又はパート1)及び硬化剤(パートB又はパート2)から構成される。促進剤又は化学触媒によって、樹脂と硬化剤との間の反応を加速させることができる。
【0082】
二液型エポキシは室温で硬化できるので、これを使用する場合には必ずしも熱は必要ない。二液型エポキシは一般に、硬化剤に応じて、混合後5分~8時間の間のどこかで実用強度に達する。化学触媒又は熱を適用して、樹脂と硬化剤との間の反応を加速させることができる。
【0083】
全てのエポキシの基本である樹脂は、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(DGEBA)である。ビスフェノールAは、適切な条件下でフェノールをアセトンと反応させることによって製造される。「A」はアセトンを表し、「フェニル」はフェノール基を意味し、「ビス」は2を意味する。したがって、ビスフェノールAは、2つのフェノールを1つのアセトンと化学的に結合させることから作られる生成物である。未反応のアセトン及びフェノールをビスフェノールAから抜き出し、次いでこれをエピクロロヒドリンと呼ばれる物質と反応させる。この反応により、2つの(「ジ」)グリシジル基がビスフェノールA分子の末端に付着する。得られた生成物は、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、すなわち基本のエポキシ樹脂である。硬化剤上でアミン水素原子と反応して硬化エポキシ樹脂を生成するのは、これらのグリシジル基である。変性されていない液状エポキシ樹脂は非常に粘稠であり、非常に濃厚な接着剤として使用する以外はほとんどの用途には適当でない。
【0084】
室温で硬化するエポキシ樹脂のための硬化剤(curing agent又はhardener)を製造するために使用される化学原料は、最も一般的にはポリアミンである。それらは、2つ以上のアミン基を含有する有機分子である。アミン基は、それらが有機分子に結合していることを除いて、構造的にはアンモニアと大きな違いはない。アンモニアと同様に、アミンは強アルカリ性である。この類似性の理由から、エポキシ樹脂硬化剤はアンモニア様の臭気を有することが多く、容器を開けた直後の容器内の空隙において最も顕著である。エポキシ硬化剤は「パートB」と一般的に呼ばれる。
【0085】
反応性アミン基は、窒素に結合した1個又は2個の水素原子を有する窒素原子である。これらの水素原子は、エポキシ上でグリシジル基からの酸素原子と反応して、硬化樹脂、すなわち高度に架橋した熱硬化性プラスチックを形成する。硬化したエポキシは熱によって軟化するが、溶融はしない。3次元構造により、硬化樹脂に優れた物理的特性が得られる。
【0086】
アミン水素に対するグリシジル酸素の比率によって、関与する様々な分子量及び密度を考慮して、硬化剤に対する樹脂の最終的な比率が決定される。適切な比率では、「完全に架橋された」熱硬化性プラスチックが生成される。推奨比を変えると、どちらが過剰であるかに応じて、未反応の酸素原子又は水素原子のいずれかが残る。得られる硬化樹脂は完全には架橋されていないので、強度が低くなる。過剰なパートBは、硬化したエポキシにおいて感湿性の増加をもたらすので、一般には回避すべきである。
【0087】
アミン硬化剤は「触媒」ではない。触媒は反応を促進するが、化学的に最終生成物の一部にはならない。アミン硬化剤はエポキシ樹脂と嵌合し、硬化した系の最終的な特性に大きく寄与する。エポキシ系の硬化時間は、アミン水素原子の反応性に依存する。結合した有機分子は化学反応に直接関与しないが、アミン水素原子がいかに容易に窒素を離れてグリシジル酸素原子と反応するかに影響を与える。したがって、硬化時間は、硬化剤に使用される特定のアミンの速度論によって設定される。所与の任意のエポキシ系の硬化時間も、促進剤を、その促進剤を受容できる系に添加することによって、又は樹脂/硬化剤混合物の温度及び質量を変化させることによってのみ変更することができる。添加する硬化剤を増やしても「諸事を高速化する」ことはなく、添加する硬化剤を減らしても「諸事を低速化する」ことはない。
【0088】
エポキシ硬化反応は発熱性である。エポキシ樹脂が硬化する速度は、硬化温度に依存する。温かいほど速くなる。硬化速度は、温度が18°F(10℃)変化する毎に約半分又は2倍に変動する。例えば、エポキシ系が不粘着性になるのに70°F(約21.1℃)で3時間かかる場合、88°F(約31.1℃)では1.5時間で不粘着性になり、52°F(約11.1℃)では6時間で不粘着性になる。反応速度に関係する事項はどれも、この一般則に従う。ポットライフ及び可使時間は、混合された樹脂及び硬化剤の初期温度に大きく影響される。例えば暑い日には、可使時間を延長するために、2つの材料を混合前に冷却することができる。
【0089】
樹脂のゲルタイムは、緻密な容量に保持された所与の質量塊が固化するのにかかる時間である。ゲルタイムはその質量塊の初期温度に依存し、上記の規則に従う。合わせて100グラム(約3液量オンス)のシルバーチップラミネーティングエポキシ(Silver Tip Laminating Epoxy)とファストハードナー(Fast Hardener)は(説明的な例として)、77°F(約25℃)で開始すると25分で固化し、60°F(約15.6℃)ではゲルタイムは約50分である。同じ質量を77°F(約25℃)で4平方フィートに広げた場合、ゲルタイムは3時間を少し超えるであろう。硬化時間は、温度感受性であることに加えて、表面積/質量感受性である。
【0090】
反応が進行するにつれて、熱が発せられる。発生した熱が(薄膜で起こるように)直ちに周囲に放散される場合、硬化樹脂の温度は上昇せず、反応速度は一様なペースで進行する。樹脂が収容されている場合(混合ポット中のように)、発熱反応は混合物の温度を上昇させ、反応を加速させる。
【0091】
エポキシ配合物の可使時間(Working time/Work Life(WL))は、ポットの形状では、ゲルタイムの約75%である。可使時間は、表面積を増加させること、より小さい質量で作業すること、又は混合前に樹脂及び硬化剤を冷却することによって、延長することができる。ポット内に残った材料は、重合により絶対粘度が増加するが(例えば、75°F、すなわち約23.9℃で測定)、最初は加熱により見かけ粘度が減少する。ゲルタイムの75%の時点までポット内に残った材料は非常に薄いように見えることがある(加熱に起因して)が、室温まで冷却されると非常に濃くなる。経験を積んだ使用者は、ほぼ直ちに塗布する予定のバッチを混合するか、又は、表面積を増加させて反応を遅くするかのどちらかである。
【0092】
エポキシの硬化速度は温度に依存するが、硬化のメカニズムは温度に依存しない。反応は液体状態で最も素早く進行する。硬化が進行するにつれて、系は液体から、粘着性で粘性の軟質ゲルに変化する。ゲル化後、硬度が増加するにつれて反応速度が遅くなる。化学反応は、固体状態の方が進行が遅い。系は柔らかい粘着性ゲルから硬くなっていき、その粘着性をゆっくりと失う。系は不粘着性になり、時間の経過につれて、硬く、強くなり続ける。
【0093】
常温では、系は24時間後に最終強度の約60~80%に達する。次いで、硬化は、次の数週間にわたってゆっくりと進行し、最終的に、温度の有意な上昇なしでは更なる硬化が起こらない点に達する。ただし、ほとんどの目的では、室温で硬化した系は、77°F(約25℃)で72時間後に完全に硬化したと考えることができる。例えば、Phase Twoエポキシのような高弾性の系は、完全硬化に達するには高温で後硬化させる必要がある。
【0094】
通常は、使用する特定の系でそれができるならば、手作業の塗布にとって実用的な速さの硬化時間で作業する方が効率的である。これにより、ユーザは、エポキシが硬化するのを待つ時間を無駄にせず、次の段階に進むことができる。粘着時間が短く硬化の早いフィルムは、ハエの足跡、虫などの空中浮遊汚染物質を拾う機会が少ない。
【0095】
エポキシ樹脂組成物は一般に、エポキシ樹脂を含む第1の液体部分と、硬化剤を含む第2の液体部分とを含む。第1の部分及び第2の部分は大気温度で液体であるが、液体部分は、液体内に溶解又は分散した固体成分を含むことができる。
【0096】
二液型組成物の第1液は、少なくとも1種のエポキシ樹脂を含む。エポキシ樹脂は、典型的には少なくとも2つのエポキシ基を含有する、低分子量モノマー又は高分子量ポリマーである。エポキシ基は、3個の環原子を有する環状エーテルであり、グリシジル基又はオキシラン基と呼ばれることもある。エポキシ樹脂は、典型的には大気温度で液体である。
【0097】
様々なエポキシ樹脂が知られており、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂、シクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、フェノールとフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、キサンテン型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、ゴム変性エポキシ樹脂、リン系エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0098】
また、種々のエポキシ含有材料のブレンドを利用することもできる。好適なブレンドは、低分子量エポキシド(例えば、200g/モル未満の重量平均分子量を有するもの)、中間分子量エポキシド(例えば、約200~1000g/モルの重量平均分子量を有するもの)、及び高分子量エポキシド(例えば、約1000g/モルを超える重量平均分子量を有するもの)などのエポキシ含有化合物の2つ以上の重量平均分子量分布を含むことができる。あるいは、又は加えて、エポキシ樹脂は、異なる化学的性質(脂肪族及び芳香族など)又は異なる官能性(極性及び無極性など)を有するエポキシ含有材料のブレンドを含むことができる。
【0099】
一実施形態では、二液型組成物の第1液は、少なくとも1種のビスフェノール(例えば、A)エポキシ樹脂を含む。ビスフェノール(例えば、A)エポキシ樹脂は、エピクロロヒドリンをビスフェノールAと反応させてビスフェノールAのジグリシジルエーテルを形成することで形成される。このクラスの最も単純な樹脂は、2モルのエピクロロヒドリンを1モルのビスフェノールAと反応させてビスフェノールAジグリシジルエーテル(一般的にDGEBA又はBADGEと略される)を形成することで形成される。DGEBA樹脂は、大気温度では無色から淡黄色の透明な液体で、典型的には25℃で5~15Pa・sの範囲の粘度を有する。純粋なDGEBAは大気温度で保管すると結晶性固体を形成する傾向が強いため、工業グレードのものは通常、いくらか分子量のばらつきがある。ビスフェノールFなどの他のビスフェノールを用いても、同じ反応を行わせることができる。使用するエポキシ樹脂の選択は、意図される最終用途に依存する。接着線においてより大きな延性が必要とされる場合には、可撓化された骨格を有するエポキシドが、望ましい場合がある。ビスフェノールAジグリシジルエーテル及びビスフェノールFジグリシジルエーテルなどの材料では望ましい構造用接着剤特性が得られ、これらの材料は硬化によってそれを達成する。一方、これらのエポキシの水素添加されたものは、油性表面を有する基材との適合性の点で有用であり得る。
【0100】
芳香族エポキシ樹脂はまた、ビフェニルジオール及びトリフェニルジオール並びにトリオールなどの芳香族アルコールとエピクロロヒドリンとの反応によって調製することもできる。このような芳香族ビフェニルエポキシ樹脂及び芳香族トリフェニルエポキシ樹脂は、ビスフェノールエポキシ樹脂ではない。
【0101】
2つの主要なタイプの脂肪族エポキシ樹脂、すなわち、グリシジルエポキシ樹脂及び脂環式エポキシドがある。グリシジルエポキシ樹脂は、典型的には、エピクロロヒドリンを脂肪族アルコール又はポリオールと反応させてグリシジルエーテルを得るか、又は脂肪族カルボン酸と反応させてグリシジルエステルを得ることによって形成される。得られた樹脂は、単官能性(例えば、ドデカノールグリシジルエーテル)、二官能性(ヘキサヒドロフタル酸のジグリシジルエステル)、又はより高い官能性(例えば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル)であり得る。脂環式エポキシドは、オキシラン環が縮合している分子中に1つ以上の脂環式環を含有する(例えば、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)。それらはシクロオレフィンと過酸、例えば過酢酸との反応により形成される。これらの脂肪族エポキシ樹脂は、典型的には大気温度で低粘度(10~200mPa・s)を示し、反応性希釈剤として使用されることが多い。そのようなものとして、それらは他のエポキシ樹脂の粘度を改変(低減)するために使用される。このことから、「変性エポキシ樹脂」という用語は、粘度を低下させる反応性希釈剤を含有するエポキシ樹脂を示すことになっている。いくつかの実施形態では、樹脂組成物は更に反応性希釈剤を含んでもよい。反応性希釈剤の例としては、1,4-ブタンジオールのジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテル、レゾルシノールのジグリシジルエーテル、p-tert-ブチルフェニルグリシジルエーテル、クレシルグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールのジグリシジルエーテル、トリメチロールエタンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、トリグリシジルp-アミノフェノール、N,N’-ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’-テトラグリシジルメタ-キシリレンジアミン、及び植物油のポリグリシジルエーテルが挙げられる。樹脂組成物は、少なくとも1、2、3、4、又は5重量%、典型的には15又は20重量%以下の、このような反応性希釈剤を含んでもよい。
【0102】
いくつかの実施形態では、樹脂組成物は、(例えば、ビスフェノールA)エポキシ樹脂を、窒化ホウ素粒子とセルロースナノ結晶との混合物を含む全樹脂組成物の少なくとも約50重量%の量で含む。いくつかの実施形態では、(例えば、ビスフェノールA)エポキシ樹脂の量は、全樹脂組成物の95、90、80、85、80、75、70、又は65重量%を超えない。
【0103】
エポキシは、典型的には、化学量論的な量、又はほぼ化学量論的な量の硬化剤を使って硬化される。二液型エポキシ組成物の場合、第2液は、本明細書において硬化剤とも呼ばれる硬化剤を含む。エポキシ樹脂を硬化させるときに使用する共反応物(硬化剤)の量を計算するために、当量又はエポキシド価が使用される。エポキシド価は、1kgの樹脂中のエポキシド当量の数(eq/kg)であり、当量は、1モル当量のエポキシドを含有する樹脂のグラム単位の重量(g/mol)である。当量(g/mol)=1000/エポキシド価(eq/kg)である。
【0104】
エポキシ樹脂の一般的な部類の硬化剤としては、アミン、アミド、尿素、イミダゾール、及びチオールが挙げられる。典型的な実施形態では、硬化剤は、反応性-NH基又は反応性-NR基を含み、ここで、R及びRは、独立してH又はC~Cアルキルであり、最も典型的にはH又はメチルである。
【0105】
硬化剤は、典型的には大気温度においてエポキシ基との反応性が高い。このような硬化剤は、典型的には大気温度で液体である。ただし、第1の硬化剤は、大気温度以下の活性化温度を有するという条件で、固体であってもよい。
【0106】
一部類の硬化剤は、一級、二級、及び三級ポリアミンである。ポリアミン硬化剤は、直鎖、分枝鎖、又は環状であってもよい。いくつかの好ましい実施形態において、ポリアミン架橋剤は脂肪族である。あるいは、芳香族ポリアミンを利用することができる。
【0107】
有用なポリアミンは、一般式R-(NRのポリアミンであり、式中、R及びRは、独立してH又はアルキルであり、Rは、多価のアルキレン又はアリーレンであり、xは、少なくとも2である。R及びRのアルキル基は、典型的にはC~C18アルキルであり、より典型的にはC~Cアルキルであり、最も典型的にはメチルである。R及びRを組み合わせて、環状アミンを形成し得る。いくつかの実施形態において、xは2(すなわち、ジアミン)である。他の実施形態において、xは3(すなわち、トリアミン)である。更に他の実施形態において、xは4である。
【0108】
例としては、ヘキサメチレンジアミン、1,10-ジアミノデカン、1,12-ジアミノドデカン、2-(4-アミノフェニル)エチルアミン、イソホロンジアミン、4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、及び1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンが挙げられる。6員環ジアミンの例としては、例えば、ピペラジン及び1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(「DABCO」)が挙げられる。
【0109】
他の有用なポリアミンとしては、少なくとも3つのアミノ基を有するポリアミンが挙げられ、3つのアミノ基は、一級、二級、又はこれらの組み合わせである。例としては、3,3’-ジアミノベンジジン、ヘキサメチレントリアミン、及びトリエチレンテトラミンが挙げられる。
【0110】
エポキシ樹脂の具体的な組成は、意図される最終用途に基づいて選択することができる。例えば、一実施形態では、樹脂組成物は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2014/0080940号明細書に記載されているように、絶縁用であってもよい。
【0111】
樹脂組成物は、任意選択として、(例えば、シラン処理されたか、処理されていない)充填剤、タレ止め添加剤、増粘/タレ止め剤、加工助剤、ワックス、及びUV安定剤を含む添加剤を更に含んでもよい。典型的な充填剤の例としては、グラスバブル、ヒュームドシリカ、マイカ、長石、及びワラストナイトが挙げられる。いくつかの実施形態では、樹脂組成物は、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、溶融シリカ、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、ダイヤモンド、及び銅などの他の熱伝導性充填剤を更に含む。
【0112】
メタクリル酸メチル(MMA)接着剤
実施形態例のメタクリル酸メチル(MMA)接着剤には、一液型及び二液型のMMA接着剤が含まれ得る。一液型MMA接着剤は樹脂を含むことができる。二液型メタクリル酸メチル(MMA)接着剤は、エポキシよりも強度の立ち上がりが速い。MMA接着剤はプラスチックの接着及び、金属のプラスチックへの接着に一般的に使用される。固体の表面材料を接合するのにも非常に有効であり、また着色することができるので、調理台の製造及び設置において広範に使用される。
【0113】
メタクリル酸メチル接着剤は、パートA(パート1)樹脂及びパートB(パート2)硬化剤から作製される構造用アクリル接着剤である。ほとんどのMMAはまた、ゴム及び追加の増強剤を含有する。MMAは室温で急速に硬化し、塗布後すぐに最大接着強度を有する。この接着剤は、せん断、剥離、及び衝撃応力に耐性がある。接着プロセスをより技術的に見ると、これらの接着剤は、発熱重合反応を生み出すことによって機能する。重合は、化学反応において複数のモノマー分子を共に反応させてポリマー鎖を形成するプロセスである。このことは、接着剤が可撓性を保ちながら強力な接着を生み出すことを意味する。これらの接着剤は、金属及びプラスチックのような異なる可撓性を有する異種材料間で接着を形成することができる。二液型エポキシのようないくつかの他の構造用接着剤とは異なり、MMAは硬化のために熱を必要としない。幅広い可使時間のいくつかのMMAが利用可能なので、特定のニーズに合わせることができる。
【0114】
MMAは、剥離強度が比較的高く、耐熱性が比較的高い。MMAでは比較的早く強度が発現するので、比較的早く部品を使用できるようになる。また、MMAに使用される複数の異なる処理条件に注目することには価値がある。例えば、MMAの2つの成分をそれぞれ接着される材料の片方ずつに別々に適用することができ、MMAは、接合部を合わせて成分を結合させるまでは、硬化を始めることはない。これは、正確な混合比に対処しなくても良好な接着が得られることを意味する。MMAは強い臭いを有する傾向があるのでMMAを塗布する際には換気を良好にしておくべきであること、及び、MMAは可燃性なので何らかの配慮が必要であることを覚えておくことは重要である。
【0115】
MMAは、5分~20分の可使時間を有するように調合されている。
【0116】
これらのアクリル構造用接着剤の全てのタイプは並外れた接着強度及び耐久性を提供し、これはエポキシ接着剤の接着強度に近いが、硬化速度がより速く、表面の前処理に対する感受性がより低く、接着できる材料のタイプがより多いという利点を有する。
【0117】
シリコーン接着剤
実施形態例のシリコーン接着剤には、一液型及び二液型のシリコーン接着剤が含まれ得る。二液型シリコーン接着剤は、一般に、接着面積が大きい場合、又は硬化を完了するのに十分な相対湿度がない場合に使用される。これらの一般的な用途は、自動車及び窓の製造における、家電製品の製造を含む電子機器用途である。
【0118】
好適なシリコーン樹脂としては、ヒドロキシル末端シリコーン、シリコーンゴム、及びフルオロ-シリコーンなどの湿気硬化性シリコーン、縮合硬化性シリコーン、及び付加硬化性シリコーンが挙げられる。シリコーン樹脂を含む好適な市販のシリコーンPSA組成物の例としては、Dow Corningの280A、282、7355、7358、7502、7657、Q2-7406、Q2-7566及びQ2-7735;General ElectricのPSA 590、PSA 600、PSA 595、PSA 610、PSA 518(中フェニル含量)、PSA 6574(高フェニル含量)、PSA 529、PSA 750-D1、PSA 825-D1、及びPSA 800-Cが挙げられる。市販されている二液型シリコーン樹脂の例としては、ダウ・ケミカル社(Dow Chemical Company)(ミシガン州ミッドランド)から「SILASTIC J」という商品名で販売されているものがある。
【0119】
感圧接着剤(PSA)としては、スチレンブロックコポリマー(スチレン-ブタジエン;スチレン-イソプレン;スチレン-エチレン/ブチレンブロックコポリマー);ニトリルゴム、合成ポリイソプレン、エチレン-プロピレンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンモノマーゴム(EPDM)、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ブチルゴム、スチレン-ブタジエンランダムコポリマー、及びこれらの組み合わせなどの、天然ゴム又は合成ゴムを挙げることができる。
【0120】
追加の感圧接着剤としては、ポリ(アルファ-オレフィン)エラストマー、ポリクロロプレンエラストマー、及びシリコーンエラストマーが挙げられる。ポリクロロプレンは難燃性に寄与し得るハロゲンを含有し、シリコーンエラストマーは熱劣化に対して耐性であるため、いくつかの実施形態ではポリクロロプレンエラストマー及びシリコーンエラストマーが好ましいことがある。
【0121】
ウレタン接着剤
実施形態で使用されるウレタン接着剤の例は、一液型ウレタン接着剤及び二液型ウレタン接着剤の両方を含むことができる。二液型ウレタン接着剤は、硬化時に広範囲の特性及び特徴を有するように調合することができる。二液型ウレタン接着剤は多くの場合、例えば、ガラスを金属に、又はアルミニウムを鋼に接着するときに使用される。
【0122】
ほとんどのポリウレタン接着剤は、ポリエステル系又はポリエーテル系のどちらかである。それらはイソシアネートプレポリマー内、及び活性水素含有硬化剤成分(ポリオール)内に存在する。それらはウレタンの複数の軟質部分を形成し、イソシアネート基は複数の硬質部分を形成する。軟質部分は通常、弾性ウレタン接着剤の大部分を構成し、したがって、その物理的特性を決定する。例えば、ポリエステル系ウレタン接着剤は、ポリエーテル系ウレタン接着剤よりも酸化安定性及び高温安定性は良好であるが、加水分解安定性及び低温可撓性は劣る。ただし、ポリエーテルは通常、ポリエステルよりも高価である。
【0123】
多くのウレタン接着剤は、2成分ウレタン接着剤として販売されている。第1の成分はジイソシアネート及び/又はイソシアネートプレポリマー(パート1)を含有し、第2の成分はポリオール(及びアミン/ヒドロキシル鎖延長剤)(パート2)からなる。硬化を加速させるために触媒が添加されることが多く、通常、触媒はスズ塩又は第三級アミンである。反応性原料は多くの場合、所望の加工特性及び/又は最終特性を達成するため、またコストを削減するために、添加剤及び可塑剤とブレンドされる。
【0124】
ポリウレタンは、任意選択として非反応性成分(単数又は複数)の存在下での、例えば1種以上のポリオール及び/又はポリアミン及び/又はアミノアルコールと、1種以上のポリイソシアネートとの反応によって調製されてもよい。風化が起こりやすい用途では、典型的には、ポリオール、ポリアミン及び/又はアミノアルコール、並びにポリイソシアネートが、芳香族基を含まないことが望ましい。
【0125】
好適なポリオールしては、例えば、DESMOPHENの商標名でPittsburgh,PennsylvaniaのBayer Corporationから市販されている材料が挙げられる。ポリオールは、ポリエステルポリオール(例えば、Desmophen 631A、650A、651A、670A、680、110、及び1150);ポリエーテルポリオール(例えば、Desmophen 550U、1600U、1900U、及び1950U);又はアクリルポリオール(例えば、Demophen A160SN、A575、及びA450BA/A)であることができる。
【0126】
適切なポリアミンとしては、例えば、例としてエチレンジアミン、1,2-ジアミノプロパン、2,5-ジアミノ-2,5-ジメチルヘキサン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、2,4-及び/又は2,6-ヘキサヒトロトルエンジアミン、並びに2,4’-ジアミノ-ジシクロヘキシルメタンなどの脂肪族ポリアミン;例として2,4-及び/又は2,6-ジアミノトルエン並びに2,4’-及び/又は4,4’-ジアミノジフェニルメタンなどの芳香族ポリアミン;例として、Huntsman Chemical(Salt Lake City,Utah)から商品名JEFFAMINEポリプロピレングリコールジアミン(例えば、Jeffamine XTJ-510)で入手可能なもの、及びNoveon Corp.(Cleveland,Ohio)から商品名Hycar ATBN(アミン末端アクリロニトリルブタジエンコポリマー)で入手可能なもの、並びに米国特許第3,436,359号(Hubinら)及び米国特許第4,833,213号(Leirら)に開示されているもの(アミン末端ポリエーテル、及びポリテトラヒドロフランジミン)などのアミン末端ポリマー;並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0127】
好適なアミノアルコールとしては、例えば、2-アミノエタノール、3-アミノプロパン-1-オール、これらのアルキル置換体、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0128】
好適なポリイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ジイソシアネート(例えば、2,6-トルエンジイソシアネート;2,5-トルエンジイソシアネート;2,4-トルエンジイソシアネート;m-フェニレンジイソシアネート;p-フェニレンジイソシアネート;メチレンビス(o-クロロフェニルジイソシアネート);メチレンジフェニレン-4,4’-ジイソシアネート;ポリカルボジイミド変性メチレンジフェニレンジイソシアネート;(4,4’-ジイソシアナト-3,3’,5,5’-テトラエチル)ジフェニルメタン;4,4’-ジイソシアナト-3,3’-ジメトキシビフェニル(o-ジアニシジンジイソシアネート);5-クロロ-2,4-トルエンジイソシアネート;及び1-クロロメチル-2,4-ジイソシアナトベンゼン)、芳香-脂肪族ジイソシアネート(例えば、m-キシリレンジイソシアネート及びテトラメチル-m-キシリレンジイソシアネート);脂肪族ジイソシアネート(例えば、1,4-ジイソシアナトブタン;1,6-ジイソシアナトヘキサン;1,12-ジイソシアナトドデカン;及び2-メチル-1,5-ジイソシアナトペンタン);脂環式ジイソシアネート(例えば、メチレンジシクロヘキシレン-4,4’-ジイソシアネート;3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート);2,2,4-トリメチルヘキシルジイソシアネート;及びシクロヘキシレン-1,4-ジイソシアネート)、2つのイソシアネート官能基によって終端されたポリマー又はオリゴマー化合物(例えば、ポリオキシアルキレン、ポリエステル、ポリブタジエニルなど)(例えば、トルエン-2,4-ジイソシアネート末端ポリプロピレンオキシドグリコールのジウレタン);Bayer Corporation(Pittsburgh,PA)から商標名MONDUR又はDESMODUR(例えば、Desmodur XP7100及びDesmodur N 3300A)で市販されているポリイソシアネート;及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0129】
いくつかの実施形態では、ポリウレタンは、少なくとも1つのポリイソシアネート及び少なくとも1つのポリオールを含む成分からなる反応生成物を含む。いくつかの実施形態では、ポリウレタンは、少なくとも1つのポリイソシアネート及び少なくとも1つのポリオールを含む成分からなる反応生成物を含む。いくつかの実施形態では、その少なくとも1つのポリイソシアネートは、脂肪族ポリイソシアネートを含む。いくつかの実施形態では、その少なくとも1つのポリオールは、脂肪族ポリオールを含む。いくつかの実施形態では、その少なくとも1つのポリオールは、ポリエステルポリオール又はポリカーボネートポリオールを含む。
【0130】
典型的には、ポリウレタン(単数又は複数)は伸長性及び/又は柔軟性がある。例えば、ポリウレタン(単数又は複数)、又はポリウレタンを含有するいずれの層も、少なくとも10、20、40、60、80、100、125、150、175、200、225、250、275、300、350、又は更には少なくとも400パーセント以上の破断点伸び率を有し得る(大気条件で)。
【0131】
ある一定の実施形態では、ポリウレタンは複数の硬質部分を有し、それらは典型的には、1種以上の任意の組み合わせのポリイソシアネートに対応する、35、40、又は45重量パーセントから、50、55、60、又は更には65重量パーセントまでの量の部分である。
【0132】
本明細書で使用される場合、重量%は、材料の総重量に基づく重量パーセントを意味する。
硬質部分の重量%=(短鎖ジオール及び多価アルコールの重量+短鎖ジ-又はポリイソシアネートの重量)/樹脂の総重量
式中、
短鎖ジオール及びポリオールは当量≦185g/eq及び官能性≧2を有し、
短鎖イソシオネートは当量≦320g/eq及び官能性≧2を有する。
【0133】
典型的には二液型ウレタンと共に1種以上の触媒が含まれる。二液型ウレタン用の触媒はよく知られており、例えば、アルミニウム系、ビスマス系、スズ系、バナジウム系、亜鉛系、スズ系、及びジルコニウム系の触媒が挙げられる。スズ系触媒は、ポリウレタンの形成中のガス放出の量を有意に低減させることが分かっている。スズ系触媒の例としては、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセチルアセトネート、ジブチルスズジメルカプチド、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジマレエート、ジブチルスズアセトニルアセトネート、及びジブチルスズオキシドなどのジブチルスズ化合物が挙げられる。存在する場合、いずれの触媒も典型的には、少なくとも200重量百万分率(ppm)、300ppm、又はそれ以上のレベルで含まれるが、これは必要条件ではない。
【0134】
更なる好適な二液型ウレタンが、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,258,918(B1)号(Hoら)及び米国特許第5,798,409号(Ho)に記載されている。
【0135】
一般に、二液型ウレタン中のポリオール、ポリアミン、及び/又はアミノアルコールに対するポリイソシアネートの量は、おおよそ化学量論的な当量で選択されるが、場合によっては、相対量を他の比率に調整することが望ましいこともある。例えば、化学量論的にわずかに過剰なポリイソシアネートは、ポリオール、ポリアミン、及び/又はアミノアルコールを確実に高度の組み込むために有用であり得るが、重合後に過剰なイソシアネート基が存在すれば、典型的には反応性水素を有する材料(例えば、外来の水分、アルコール、アミンなど)と反応する。
【0136】
本明細書に引用した特許、特許文献、及び刊行物の全開示は、それぞれが個別に組み込まれたかのごとく、それらの全体が参照により組み込まれる。記載されている本明細書と、参照により本明細書に組み込まれるいずれかの文書の開示との間に、何らかの矛盾又は不一致が存在する限りにおいて、記載されている本明細書を優先するものとする。当業者には、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することのない、本開示に対する様々な改変及び変更が明らかとなるであろう。本開示は、本明細書に記載した実施形態例及び実施例によって不当に制限されることは意図せず、そのような実施例及び実施形態は、以下のような本明細書に記載の特許請求の範囲によってのみ限定されることを意図した本開示の範囲内の例示としてのみ提示される。
【0137】
例示的実施形態
本開示の実施形態は、特許請求の範囲において定義されている。しかしながら、以下に、非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供する。これらの実施例の任意の1つ以上の特徴は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、又は態様の任意の1つ以上の特徴と組み合わせることができる。
【0138】
実施形態1は、液体を分注するための装置であって、基材表面上の開始点から基材表面上の終了点まで、ある分注速度で分注動作において液体を分注するように構成された分注装置を備える、装置である。本装置は、基材表面上に分注された液体によって形成される形状の幾何学的パラメータを検出するように構成された測定デバイスを更に備える。本装置は、測定デバイスに結合され、検出された形状の幾何学的パラメータに基づいて、分注動作の前に分注装置が開始点に接近する接近速度、及び分注動作の後に分注装置が終了点から離れる退出速度のうちの少なくとも1つを制御するように構成された制御回路を更に備える。
【0139】
実施形態2は、分注動作が、液体を分注することを含む、実施形態1に記載の装置である。
【0140】
実施形態3は、制御回路が、液体を分注している間に分注装置が基材表面上を移動する分注速度を制御するように更に構成されている、実施形態1~実施形態2の1つ又は複数に記載の装置である。
【0141】
実施形態4は、制御回路が、幾何学的パラメータに基づいて、接近速度又は退出速度を調整する、ように更に構成されている、実施形態1~実施形態3の1つ又は複数に記載の装置である。
【0142】
実施形態5は、測定デバイスが、分注された液体のビードの形状を検出するための3次元スキャナを含む、実施形態1~実施形態4の1つ又は複数に記載の装置である。
【0143】
実施形態6は、制御回路が、学習アルゴリズムに従って接近速度又は分注速度を調整するように更に構成されている、実施形態1~実施形態5の1つ又は複数に記載の装置である。
【0144】
実施形態7は、幾何学的パラメータが、分注された液体のビードのビード高さ、分注された液体のビードのビード幅、及び分注された液体のビードのビード断面積のうちの少なくとも1つを含む、実施形態1~実施形態6の1つ又は複数に記載の装置である。
【0145】
実施形態8は、制御回路が、
【数10】
に従って接近速度vapprnewを制御するように構成されており、式中、kは、分注装置サイクル時間に基づいて変化する速度乗数であり、Wは、分注された液体のビードの最大ヘッド幅であり、Wは、分注された液体のビードの平均中間幅である、実施形態1~実施形態7の1つ又は複数に記載の装置である。
【0146】
実施形態9は、制御回路が、
【数11】
に従って接近速度vapprnewを制御するように構成されており、式中、kは、分注装置サイクル時間に基づいて変化する速度乗数であり、Wは、分注された液体のビードの最大ヘッド幅であり、Wは、分注された液体のビードの平均中間幅であり、Hは、分注された液体のビードの最大ヘッド高さであり、Hは、分注された液体のビードの平均中間高さである、実施形態1~実施形態8の1つ又は複数に記載の装置である。
【0147】
実施形態10は、制御回路が、
【数12】
に従って退出速度vexitrnewを制御するように構成されており、式中、kは、分注装置サイクル時間に基づいて変化する速度乗数であり、Wは、分注された液体のビードの最大エンド幅であり、Wは、分注された液体のビードの平均中間幅である、実施形態1~実施形態9の1つ又は複数に記載の装置である。
【0148】
実施形態11は、制御回路が、
【数13】
に従って退出速度vexitnewを制御するように構成されており、式中、kは、分注装置サイクル時間に基づいて変化する速度乗数であり、Wは、分注された液体のビードの最大エンド幅であり、Wは、分注された液体のビードの平均中間幅であり、Hは、分注された液体のビードの最大エンド高さであり、Hは、分注された液体のビードの平均中間高さである、実施形態1~実施形態10の1つ又は複数に記載の装置である。
【0149】
実施形態12は、制御回路が、弁遅延値に従って分注オン時間を調整するように更に構成されている、実施形態1~実施形態11の1つ又は複数に記載の装置である。
【0150】
実施形態13は、分注装置構成、液体特性、及び基材寸法のうちの1つ以上に関連するデータを記憶するように構成されたメモリを更に備える、実施形態1~実施形態12の1つ又は複数に記載の装置である。
【0151】
実施形態14は、分注装置構成が、ポンプ設定、弁設定、パイプ設定、及びノズル設定のうちの1つ以上を含む、実施形態13に記載の装置である。
【0152】
実施形態15は、制御回路が、メモリからデータを取得し、データに基づいて分注装置動作を制御する、ように更に構成されている、実施形態13に記載の装置である。
【0153】
実施形態16は、制御回路が、環境要因及び液体特性のうちの1つ以上に基づいて制御を調整するように更に構成されている、実施形態15に記載の装置である。
【0154】
実施形態17は、液体を分注するための方法であって、基材表面上の開始点から基材表面上の終了点まで、ある分注速度で分注装置から液体を分注することと、基材表面上に分注された液体によって形成される形状の幾何学的パラメータを検出することと、検出された形状の幾何学的パラメータに基づいて、分注動作の前に分注装置が開始点に接近する接近速度、及び分注動作の後に分注装置が終了点から離れる退出速度のうちの少なくとも1つを制御することと、を含む、方法である。
【0155】
実施形態18は、分注動作が、液体を分注することを含む、実施形態17に記載の方法である。
【0156】
実施形態19は、液体を分注している間に分注装置が基材表面上を移動する分注速度を制御することを更に含む、実施形態17~実施形態18の1つ又は複数に記載の方法である。
【0157】
実施形態20は、幾何学的パラメータに基づいて、接近速度又は退出速度を調整することを更に含む、実施形態17~実施形態19の1つ又は複数に記載の方法である。
【0158】
実施形態21は、3次元スキャナを動作させて、分注された液体のビードの形状を検出することを更に含む、実施形態17~実施形態20の1つ又は複数に記載の方法である。
【0159】
実施形態22は、学習アルゴリズムに従って接近速度又は退出速度を調整することを更に含む、実施形態17~実施形態21の1つ又は複数に記載の方法である。
【0160】
実施形態23は、幾何学的パラメータが、分注された液体のビードのビード高さ、分注された液体のビードのビード幅、及び分注された液体のビードのビード断面積のうちの少なくとも1つを含む、実施形態17~実施形態22の1つ又は複数に記載の方法である。
【0161】
実施形態24は、
【数14】
に従って接近速度vapprnewを制御することを更に含み、式中、kは、分注装置サイクル時間に基づいて変化する速度乗数であり、Wは、分注された液体のビードの最大ヘッド幅であり、Wは、分注された液体のビードの平均中間幅である、実施形態17~実施形態23の1つ又は複数に記載の方法である。
【0162】
実施形態25は、
【数15】
に従って接近速度vapprnewを制御することを更に含み、式中、kは、分注装置サイクル時間に基づいて変化する速度乗数であり、Wは、分注された液体のビードの最大ヘッド幅であり、Wは、分注された液体のビードの平均中間幅であり、Hは、分注された液体のビードの最大ヘッド高さであり、Hは、分注された液体のビードの平均中間高さである、実施形態17~実施形態24の1つ又は複数に記載の方法である。
【0163】
実施形態26は、
【数16】
に従って退出速度vexitrnewを制御することを更に含み、式中、kは、分注装置サイクル時間に基づいて変化する速度乗数であり、Wは、分注された液体のビードの最大エンド幅であり、Wは、分注された液体のビードの平均中間幅である、実施形態17~実施形態25の1つ又は複数に記載の方法である。
【0164】
実施形態27は、
【数17】
に従って退出速度vexitnewを制御することを更に含み、式中、kは、分注装置サイクル時間に基づいて変化する速度乗数であり、Wは、分注された液体のビードの最大エンド幅であり、Wは、分注された液体のビードの平均中間幅であり、Hは、分注された液体のビードの最大エンド高さであり、Hは、分注された液体のビードの平均中間高さである、実施形態17~実施形態26の1つ又は複数に記載の方法である。
【0165】
実施形態28は、弁遅延値に従って分注「オン」時間を調整することを更に含む、実施形態17~実施形態27の1つ又は複数に記載の方法である。
【0166】
実施形態29は、分注装置構成、液体特性、及び基材寸法のうちの1つ以上に関連するデータを、メモリデバイスに記憶することを更に含む、実施形態17~実施形態28の1つ又は複数に記載の方法である。
【0167】
実施形態30は、分注装置構成が、ポンプ設定、弁設定、パイプ設定、及びノズル設定のうちの1つ以上を含む、実施形態29に記載の方法である。
【0168】
実施形態31は、メモリデバイスからデータを取得することと、データに基づいて分注装置動作を制御することと、を更に含む、実施形態29に記載の方法である。
【0169】
実施形態32は、環境要因及び液体特性のうちの1つ以上に基づいて制御を調整することを更に含む、実施形態31に記載の方法である。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-09-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を分注するための装置であって、
基材表面上の開始点から前記基材表面上の終了点まで、ある分注速度で分注動作において液体を分注するように構成された分注装置と、
前記基材表面上に分注された前記液体によって形成される形状の幾何学的パラメータを検出するように構成された測定デバイスと、
前記測定デバイスに結合され、検出された前記形状の前記幾何学的パラメータに基づいて、前記分注動作の前に前記分注装置が前記開始点に接近する接近速度、及び前記分注動作の後に前記分注装置が前記終了点から離れる退出速度のうちの少なくとも1つを制御するように構成された制御回路と、
を備え、任意で、前記分注動作が、液体を分注することを含む、装置
【請求項2】
前記制御回路が、前記液体を分注している間に前記分注装置が前記基材表面上を移動する分注速度を制御するように更に構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記制御回路が、
前記幾何学的パラメータに基づいて、前記接近速度又は前記退出速度を調整する、
ように更に構成されている、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記測定デバイスが、分注された液体のビードの形状を検出するための3次元スキャナを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記制御回路が、学習アルゴリズムに従って前記接近速度又は分注速度を調整するように更に構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記幾何学的パラメータが、分注された液体のビードのビード高さ、分注された液体のビードのビード幅、及び前記分注された液体のビードのビード断面積のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記制御回路が、
【数1】
に従って接近速度vapprnewを制御するように構成されており、式中、kは、分注装置サイクル時間に基づいて変化する速度乗数であり、Wは、前記分注された液体のビードの最大ヘッド幅であり、Wは、前記分注された液体のビードの平均中間幅である、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記制御回路が、
【数2】
に従って接近速度vapprnewを制御するように構成されており、式中、kは、分注装置サイクル時間に基づいて変化する速度乗数であり、Wは、前記分注された液体のビードの最大ヘッド幅であり、Wは、前記分注された液体のビードの平均中間幅であり、Hは、前記分注された液体のビードの最大ヘッド高さであり、Hは、前記分注された液体のビードの平均中間高さである、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記制御回路が、
【数3】
に従って退出速度vexitrnewを制御するように構成されており、式中、kは、分注装置サイクル時間に基づいて変化する速度乗数であり、Wは、前記分注された液体のビードの最大エンド幅であり、Wは、前記分注された液体のビードの平均中間幅である、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記制御回路が、
【数4】
に従って退出速度vexitnewを制御するように構成されており、式中、kは、分注装置サイクル時間に基づいて変化する速度乗数であり、Wは、前記分注された液体のビードの最大エンド幅であり、Wは、前記分注された液体のビードの平均中間幅であり、Hは、前記分注された液体のビードの最大エンド高さであり、Hは、前記分注された液体のビードの平均中間高さである、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記制御回路が、弁遅延値に従って分注オン時間を調整するように更に構成されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
分注装置構成、液体特性、及び基材寸法のうちの1つ以上に関連するデータを記憶するように構成されたメモリを更に備え、任意で、前記分注装置構成が、ポンプ設定、弁設定、パイプ設定、及びノズル設定のうちの1つ以上を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置
【請求項13】
前記制御回路が、
前記メモリから前記データを取得し、
前記データに基づいて分注装置動作を制御し、
任意で、環境要因及び液体特性のうちの1つ以上に基づいて制御を調整する、
ように更に構成されている、請求項11に記載の装置
【請求項14】
液体を分注するための方法であって、
基材表面上の開始点から前記基材表面上の終了点まで、ある分注速度で分注装置から液体を分注することと、
前記基材表面上に分注された前記液体によって形成される形状の幾何学的パラメータを検出することと、
検出された前記形状の前記幾何学的パラメータに基づいて、分注動作の前に前記分注装置が前記開始点に接近する接近速度、及び前記分注動作の後に前記分注装置が前記終了点から離れる退出速度のうちの少なくとも1つを制御することと、
を含む、方法
【請求項15】
動作を記憶するためのコンピュータ可読媒体であって、制御回路上で実行されると、前記制御回路に、請求項14に記載の各動作を実行させる、コンピュータ可読媒体
【国際調査報告】