(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】抗CD40抗体及びその用途
(51)【国際特許分類】
C07K 16/28 20060101AFI20240925BHJP
C12N 15/13 20060101ALI20240925BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20240925BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20240925BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20240925BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20240925BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20240925BHJP
C07K 19/00 20060101ALI20240925BHJP
C07K 16/46 20060101ALI20240925BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20240925BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20240925BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240925BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20240925BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20240925BHJP
A61P 19/08 20060101ALI20240925BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20240925BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20240925BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20240925BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20240925BHJP
A61P 1/02 20060101ALI20240925BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20240925BHJP
A61P 5/00 20060101ALI20240925BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20240925BHJP
A61P 5/16 20060101ALI20240925BHJP
A61P 5/14 20060101ALI20240925BHJP
A61P 7/06 20060101ALI20240925BHJP
A61P 7/00 20060101ALI20240925BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240925BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240925BHJP
A61P 21/04 20060101ALI20240925BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20240925BHJP
A61P 27/04 20060101ALI20240925BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20240925BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
C07K16/28 ZNA
C12N15/13
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C07K19/00
C07K16/46
A61K39/395 N
A61P37/02
A61P29/00
A61P37/08
A61P37/06
A61P19/08
A61P19/02
A61P11/06
A61P9/10 101
A61P9/10
A61P1/16
A61P1/02
A61P3/10
A61P5/00
A61P13/12
A61P5/16
A61P5/14
A61P7/06
A61P7/00
A61P17/00
A61P25/00
A61P21/04
A61P17/06
A61P27/04
A61P9/00
A61P1/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516611
(86)(22)【出願日】2022-09-23
(85)【翻訳文提出日】2024-05-13
(86)【国際出願番号】 CN2022120689
(87)【国際公開番号】W WO2023046037
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】202111123163.5
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】516089784
【氏名又は名称】チア タイ ティエンチン ファーマシューティカル グループ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Chia Tai Tianqing Pharmaceutical Group Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.369 Yuzhou South Rd.,Lianyungang,Jiangsu 222062 China
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【氏名又は名称】今下 勝博
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100160495
【氏名又は名称】畑 雅明
(74)【代理人】
【識別番号】100173716
【氏名又は名称】田中 真理
(72)【発明者】
【氏名】ルー、ゼンゼン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ユジエ
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン、ゼンピン
(72)【発明者】
【氏名】シュ、ホンジアン
(72)【発明者】
【氏名】ザオ、ウェイ
【テーマコード(参考)】
4B065
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA01X
4B065AA01Y
4B065AA57X
4B065AA57Y
4B065AA72X
4B065AA72Y
4B065AA83X
4B065AA83Y
4B065AA90X
4B065AA90Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA44
4B065CA46
4C085AA14
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4C085BB31
4C085DD62
4C085EE01
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA09
4H045BA41
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA20
4H045EA50
4H045FA74
(57)【要約】
抗CD40抗体、例えば、CD40と特異的に結合するマウス、ヒト、キメラ又はヒト化抗体又はその抗原結合断片、及びその用途を提供し、また、前記抗体及びその抗原結合断片をコードする核酸分子、及び前記抗体又はその抗原結合断片を発現するための発現ベクター及び宿主細胞を提供する。さらに、前記抗体及びその抗原結合断片の作製方法、及び免疫疾患の治療と予防を含む使用方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単離された抗CD40抗体又はその抗原結合断片であって、
(i)重鎖CDR1と、重鎖CDR2と、重鎖CDR3とを含み、ただし、
(1)重鎖CDR1は配列番号9における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号9における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号9における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(2)重鎖CDR1は配列番号10における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号10における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号10における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(3)重鎖CDR1は配列番号11における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号11における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号11における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(4)重鎖CDR1は配列番号12における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号12における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号12における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(5)重鎖CDR1は配列番号13における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号13における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号13における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(6)重鎖CDR1は配列番号22における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号22における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号22における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(7)重鎖CDR1は配列番号30における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号30における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号30における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(8)重鎖CDR1は配列番号38における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号38における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号38における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(9)重鎖CDR1は配列番号44における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号44における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号44における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、若しくは
(10)重鎖CDR1は配列番号52における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号52における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号52における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、及び/又は
(ii)軽鎖CDR1と、軽鎖CDR2と、軽鎖CDR3とを含み、ただし、
(1)軽鎖CDR1は配列番号14における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号14における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号14における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(2)軽鎖CDR1は配列番号15における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号15における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号15における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(3)軽鎖CDR1は配列番号16における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号16における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号16における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(4)軽鎖CDR1は配列番号17における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号17における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号17における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(5)軽鎖CDR1は配列番号23における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号23における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号23における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(6)軽鎖CDR1は配列番号31における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号31における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号31における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(7)軽鎖CDR1は配列番号39における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号39における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号39における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(8)軽鎖CDR1は配列番号45における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号45における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号45における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、若しくは
(9)軽鎖CDR1は配列番号53における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号53における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号53における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含む、前記抗体又はその抗原結合断片。
【請求項2】
(i)重鎖CDR1と、重鎖CDR2と、重鎖CDR3とを含み、ただし、
(1)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3は、それぞれ、配列番号1、2、5で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号1、2、5で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(2)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3は、それぞれ、配列番号1、3、5で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号1、3、5で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(3)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3は、それぞれ、配列番号1、4、5で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号1、4、5で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(4)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3は、それぞれ、配列番号18、19、20で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号18、19、20で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(5)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3は、それぞれ、配列番号24、25、26で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号24、25、26で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(6)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3は、それぞれ、配列番号32、33、34で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号32、33、34で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(7)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3は、それぞれ、配列番号40、41、42で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号40、41、42で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、若しくは
(8)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3は、それぞれ、配列番号46、47、48で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号46、47、48で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、及び/又は
(ii)軽鎖CDR1と、軽鎖CDR2と、軽鎖CDR3とを含み、ただし、
(1)軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号6、7、8で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号6、7、8で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(2)軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号21、7、8で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号21、7、8で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(3)軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号27、28、29で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号27、28、29で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(4)軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号35、36、37で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号35、36、37で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(5)軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号43、36、37で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号43、36、37で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、若しくは
(6)軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号49、50、51で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号49、50、51で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項3】
重鎖CDR1と、重鎖CDR2と、重鎖CDR3と、軽鎖CDR1と、軽鎖CDR2と、軽鎖CDR3とを含み、ただし、
(1)重鎖CDR1は配列番号9における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号9における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号9における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号14における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号14における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号14における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(2)重鎖CDR1は配列番号10における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号10における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号10における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号15における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号15における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号15における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(3)重鎖CDR1は配列番号11における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号11における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号11における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号15における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号15における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号15における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(4)重鎖CDR1は配列番号10における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号10における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号10における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号16における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号16における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号16における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(5)重鎖CDR1は配列番号11における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号11における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号11における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号16における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号16における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号16における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(6)重鎖CDR1は配列番号10における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号10における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号10における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号17における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号17における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号17における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(7)重鎖CDR1は配列番号12における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号12における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号12における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号17における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号17における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号17における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(8)重鎖CDR1は配列番号13における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号13における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号13における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号17における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号17における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号17における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(9)重鎖CDR1は配列番号22における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号22における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号22における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号23における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号23における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号23における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(10)重鎖CDR1は配列番号30における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号30における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号30における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号31における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号31における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号31における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(11)重鎖CDR1は配列番号38における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号38における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号38における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号39における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号39における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号39における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(12)重鎖CDR1は配列番号44における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号44における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号44における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号45における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号45における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号45における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、又は
(13)重鎖CDR1は配列番号52における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号52における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号52における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号53における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号53における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号53における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項4】
重鎖CDR1と、重鎖CDR2と、重鎖CDR3と、軽鎖CDR1と、軽鎖CDR2と、軽鎖CDR3とを含み、ただし、
(1)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号1、2、5、6、7、8で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号1、2、5、6、7、8で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(2)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号1、3、5、6、7、8で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号1、3、5、6、7、8で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(3)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号1、4、5、6、7、8で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号1、4、5、6、7、8で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(4)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号18、19、20、21、7、8で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号18、19、20、21、7、8で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(5)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号24、25、26、27、28、29で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号24、25、26、27、28、29で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(6)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号32、33、34、35、36、37で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号32、33、34、35、36、37で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(7)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号40、41、42、43、36、37で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号40、41、42、43、36、37で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、又は
(8)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号46、47、48、49、50、51で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号46、47、48、49、50、51で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項5】
(i)重鎖可変領域を含み、前記重鎖可変領域は、9、10、11、12、13、22、30、38、44若しくは52で示されるアミノ酸配列、又は配列番号9、10、11、12、13、22、30、38、44若しくは52で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、及び/又は
(ii)軽鎖可変領域を含み、前記軽鎖可変領域は配列番号14、15、16、17、23、31、39、45若しくは53で示されるアミノ酸配列、又は配列番号14、15、16、17、23、31、39、45若しくは53で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項6】
重鎖可変領域と、軽鎖可変領域とを含み、ただし、
(1)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号9、14で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号9、14で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(2)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号10、15で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号10、15で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(3)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号11、15で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号11、15で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(4)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号10、16で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号10、16で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(5)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号11、16で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号11、16で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(6)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号10、17で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号10、17で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(7)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号12、17で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号12、17で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(8)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号13、17で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号13、17で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(9)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号22、23で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号22、23で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(10)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号30、31で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号30、31で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(11)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号38、39で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号38、39で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(12)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号44、45で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号44、45で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、又は
(13)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号52、53で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号52、53で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項7】
重鎖定常領域と、軽鎖定常領域とをさらに含み、前記重鎖定常領域は、配列番号54、55若しくは56で示されるアミノ酸配列又は配列番号54、55若しくは56で示されるアミノ酸配列と比べて1個、2個、3個、4個若しくは5個のアミノ酸の置換、欠失及び付加を有するアミノ酸配列を含み、前記軽鎖定常領域は、配列番号57で示されるアミノ酸配列又は配列番号57で示されるアミノ酸配列と比べて1個、2個、3個、4個若しくは5個のアミノ酸の置換、欠失及び付加を有するアミノ酸配列を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項8】
(a)ヒトCD40と結合し、(b)サルCD40と結合し、(c)CD40とCD40Lの相互作用を遮断し、及び/又は(d)CD40活性を阻害する、請求項1~7のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項9】
キメラ又はヒト化されたものであり、
任意に、前記抗体又はその抗原結合断片が、IgG1、IgG2又はIgG4アイソタイプであり、
任意に、前記抗体又はその抗原結合断片が、モノクローナル抗体、単特異性抗体、二重特異性抗体、三重特異性抗体、多重特異性抗体、Fab断片、F(ab’)
2断片、Fd断片、Fv断片、dAb断片、単離されたCDR領域、単鎖Fv分子又はそれらの組み合わせから選ばれる、請求項1~8のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片をコードする、単離された核酸分子。
【請求項11】
請求項10に記載の核酸分子を含む、発現ベクター。
【請求項12】
請求項10に記載の核酸分子又は請求項11に記載の発現ベクターを含む、宿主細胞。
【請求項13】
請求項1~9のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片を含む、組換えポリペプチド又は融合タンパク質。
【請求項14】
請求項1~9のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片と、1種又は複数種の薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項15】
必要とする被験者で免疫疾患を治療又は予防する方法であって、前記被験者に治療有効量の請求項1~9のいずれか一項に記載の抗体若しくはその抗原結合断片、又は請求項14に記載の医薬組成物を投与することを含み、
任意に、前記免疫疾患は、炎症性疾患、アレルギー反応、自己免疫疾患又は移植関連疾患を含み、ただしそれらに限定されず、
任意に、前記免疫疾患は、アレルギー反応、アジソン病、強直性脊椎炎、脊椎関節炎、喘息、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈性心疾患、自己免疫性肝炎、自己免疫性耳下腺炎、I型糖尿病、精巣上体炎、腎炎、ライター症候群、甲状腺炎、グレーブス病、ギラン・バレー症候群、橋本病、溶血性貧血、特発性血小板減少症、全身性エリテマトーデス、亜急性皮膚エリテマトーデス、多発性硬化症、重症筋無力症、乾癬、強皮症、関節炎、サルコイドーシス、シェーグレン症候群、ドライアイ、化膿性汗腺炎、移植関連疾患、血管炎及び/又は炎症性腸疾患を含み、ただしそれらに限定されず、
任意に、治療有効量の第2治療剤を投与することをさらに含み、
任意に、前記第2治療剤は、非ステロイド性抗炎症薬、サリチル酸塩、ヒドロキシクロロキン、スルファサラジン、コルチコステロイド、細胞傷害性薬物、又は免疫抑制薬及び/若しくは抗体を含む、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バイオテクノロジーの分野に属し、具体的には、CD40と特異的に結合する抗体及びその抗原結合断片に関し、また、そのような抗体及び抗原結合断片の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
CD40は、I型膜貫通糖タンパク質であり、腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーのメンバーである。CD40は、抗原提示細胞(樹状細胞、B細胞、マクロファージを含む)に構成的に発現され、非造血細胞、例えば、上皮細胞、内皮細胞、平滑筋細胞、線維芽細胞、ケラチノサイトなどにも少量に発現される。また、CD40は、様々な腫瘍細胞、例えば、Bリンパ腫細胞にも発現される。CD40の主なリガンドであるCD40L(CD154)はII型膜貫通糖タンパク質であり、CD40Lは、主に活性化CD4+Tリンパ球、活性化B細胞、メモリーT細胞、活性化NK細胞及び活性化血小板の中で発現される。
【0003】
CD40/CD40Lシグナル伝達経路は、体の体液性免疫応答及び細胞性免疫応答に関与し、B細胞の活性化、増殖及び分化、抗体の産生、抗体のクラススイッチなどのT細胞依存性抗体免疫応答及び炎症反応で重要な調節的役割を果たす。自己免疫疾患患者の組織及び器官で自己抗原に対する多数のT細胞及びB細胞が浸潤され、且つ、CD40及び/又はCD40Lの持続的な高発現として示されるということが研究で明らかになった。原発性シェーグレン症候群患者のIHC染色結果が、CD40は唾液腺上皮細胞に豊富に存在し、且つ、血清中の抗SSAなどの自己抗体と共に増加するということを示した。また、炎症性腸疾患におけるCD40/CD40Lシグナル伝達経路の重要な役割は、既にマウスなどの動物モデルで確認されている。
【0004】
したがって、CD40と特異的に結合しCD40/CD40Lシグナル伝達経路を阻害する抗体は、免疫疾患、例えば、炎症性疾患及び自己免疫疾患の治療に潜在的な臨床的価値がある。例えば、ノバルティス(Novartis)社によって開発された抗CD40抗体イスカリマブ(Iscalimab、CFZ533)は、現在、CD40媒介性免疫疾患の治療の臨床試験に用いられており、結果は、イスカリマブ(Iscalimab)を10mg/kgの静脈内注射用量で原発性シェーグレン症候群患者に投与した場合に(組入れ条件は、血清自己抗体陽性である)、62%(13/21)の患者がESSDAI疾患活動性スコアは5分未満であり、治療効果はプラセボ群の36%(4/11)より顕著に優れているということを示した。現在、世界で膨大な数の免疫疾患患者がいるため、より良い薬剤特性を有するより多くの抗CD40抗体を開発することが急務となっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様で、本開示は、CD40と結合する単離された抗体又はその抗原結合断片を提供する。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、ネズミ抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体又はヒト抗体である。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、モノクローナル抗体、単特異性抗体、二重特異性抗体、三重特異性抗体、多重特異性抗体、Fab断片、F(ab’)2断片、Fd断片、Fv断片、dAb、単離されたCDR、単鎖Fv分子、組換えポリペプチド、融合タンパク質、二重特異性分子又はそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、本開示の抗体又はその抗原結合断片はヒトCD40と結合する。また、いくつかの実施形態では、本開示の抗体又はその抗原結合断片はCD40(例えば、ヒトCD40、カニクイザル(cynomolgous)CD40)と結合する。いくつかの実施形態では、本開示の抗体又はその抗原結合断片はCD40とCD40Lの相互作用を遮断する。いくつかの実施形態では、本開示の抗体又はその抗原結合断片はCD40活性を阻害する。
【0006】
いくつかの実施形態では、本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片は、重鎖CDR1(HCDR1)と、重鎖CDR2(HCDR2)と、重鎖CDR3(HCDR3)とを含み、ただし、(1)重鎖CDR1は配列番号9における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号9における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号9における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、(2)重鎖CDR1は配列番号10における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号10における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号10における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、(3)重鎖CDR1は配列番号11における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号11における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号11における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、(4)重鎖CDR1は配列番号12における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号12における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号12における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、(5)重鎖CDR1は配列番号13における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号13における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号13における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、(6)重鎖CDR1は配列番号22における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号22における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号22における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、(7)重鎖CDR1は配列番号30における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号30における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号30における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、(8)重鎖CDR1は配列番号38における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号38における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号38における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、(9)重鎖CDR1は配列番号44における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号44における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号44における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、又は(10)重鎖CDR1は配列番号52における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号52における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号52における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片は、重鎖CDR1と、重鎖CDR2と、重鎖CDR3とを含み、ただし、(1)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3は、それぞれ、配列番号1、2、5で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号1、2、5で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、(2)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3は、それぞれ、配列番号1、3、5で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号1、3、5で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、(3)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3は、それぞれ、配列番号1、4、5で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号1、4、5で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、(4)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3は、それぞれ、配列番号18、19、20で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号18、19、20で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、(5)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3は、それぞれ、配列番号24、25、26で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号24、25、26で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、(6)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3は、それぞれ、配列番号32、33、34で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号32、33、34で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、(7)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3は、それぞれ、配列番号40、41、42で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号40、41、42で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、又は(8)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3は、それぞれ、配列番号46、47、48で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号46、47、48で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0008】
一実施形態では、本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片は、軽鎖CDR1(LCDR1)と、軽鎖CDR2(LCDR2)と、軽鎖CDR3(LCDR3)とを含み、ただし、(1)軽鎖CDR1は配列番号14における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号14における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号14における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、(2)軽鎖CDR1は配列番号15における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号15における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号15における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、(3)軽鎖CDR1は配列番号16における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号16における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号16における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、(4)軽鎖CDR1は配列番号17における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号17における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号17における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、(5)軽鎖CDR1は配列番号23における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号23における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号23における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、(6)軽鎖CDR1は配列番号31における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号31における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号31における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、(7)軽鎖CDR1は配列番号39における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号39における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号39における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、(8)軽鎖CDR1は配列番号45における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号45における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号45における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、又は(9)軽鎖CDR1は配列番号53における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号53における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号53における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片は、軽鎖CDR1と、軽鎖CDR2と、軽鎖CDR3とを含み、ただし、(1)軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号6、7、8で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号6、7、8で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、(2)軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号21、7、8で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号21、7、8で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、(3)軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号27、28、29で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号27、28、29で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、(4)軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号35、36、37で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号35、36、37で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、(5)軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号43、36、37で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号43、36、37で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、又は(6)軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号49、50、51で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号49、50、51で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片は、重鎖CDR1と、重鎖CDR2と、重鎖CDR3と、軽鎖CDR1と、軽鎖CDR2と、軽鎖CDR3とを含み、ただし、(1)重鎖CDR1は配列番号9における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号9における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号9における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号14における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号14における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号14における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、(2)重鎖CDR1は配列番号10における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号10における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号10における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号15における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号15における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号15における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、(3)重鎖CDR1は配列番号11における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号11における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号11における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号15における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号15における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号15における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、(4)重鎖CDR1は配列番号10における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号10における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号10における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号16における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号16における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号16における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、(5)重鎖CDR1は配列番号11における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号11における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号11における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号16における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号16における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号16における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、(6)重鎖CDR1は配列番号10における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号10における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号10における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号17における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号17における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号17における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、(7)重鎖CDR1は配列番号12における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号12における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号12における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号17における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号17における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号17における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、(8)重鎖CDR1は配列番号13における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号13における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号13における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号17における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号17における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号17における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、(9)重鎖CDR1は配列番号22における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号22における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号22における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号23における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号23における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号23における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、(10)重鎖CDR1は配列番号30における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号30における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号30における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号31における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号31における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号31における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、(11)重鎖CDR1は配列番号38における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号38における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号38における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号39における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号39における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号39における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、(12)重鎖CDR1は配列番号44における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号44における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号44における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号45における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号45における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号45における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、又は(13)重鎖CDR1は配列番号52における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号52における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号52における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号53における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号53における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号53における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片は、重鎖CDR1と、重鎖CDR2と、重鎖CDR3と、軽鎖CDR1と、軽鎖CDR2と、軽鎖CDR3とを含み、ただし、(1)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号1、2、5、6、7、8で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号1、2、5、6、7、8で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、(2)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号1、3、5、6、7、8で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号1、3、5、6、7、8で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、(3)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号1、4、5、6、7、8で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号1、4、5、6、7、8で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、(4)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号18、19、20、21、7、8で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号18、19、20、21、7、8で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、(5)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号24、25、26、27、28、29で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号24、25、26、27、28、29で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、(6)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号32、33、34、35、36、37で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号32、33、34、35、36、37で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、(7)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号40、41、42、43、36、37で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号40、41、42、43、36、37で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、又は(8)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号46、47、48、49、50、51で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号46、47、48、49、50、51で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片は、重鎖可変領域を含み、前記重鎖可変領域は、配列番号9、10、11、12、13、22、30、38、44若しくは52で示されるアミノ酸配列、又は配列番号9、10、11、12、13、22、30、38、44若しくは52で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片は、軽鎖可変領域を含み、前記軽鎖可変領域は、配列番号14、15、16、17、23、31、39、45若しくは53で示されるアミノ酸配列、又は配列番号14、15、16、17、23、31、39、45若しくは53で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片は、重鎖可変領域と、軽鎖可変領域とを含み、ただし、(1)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号9、14で示されるアミノ酸配列又は配列番号9、14で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、(2)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号10、15で示されるアミノ酸配列又は配列番号10、15で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、(3)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号11、15で示されるアミノ酸配列又は配列番号11、15で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、(4)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号10、16で示されるアミノ酸配列又は配列番号10、16で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、(5)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号11、16で示されるアミノ酸配列又は配列番号11、16で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、(6)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号10、17で示されるアミノ酸配列又は配列番号10、17で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、(7)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号12、17で示されるアミノ酸配列又は配列番号12、17で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、(8)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号13、17で示されるアミノ酸配列又は配列番号13、17で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、(9)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号22、23で示されるアミノ酸配列又は配列番号22、23で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、(10)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号30、31で示されるアミノ酸配列又は配列番号30、31で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、(11)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号38、39で示されるアミノ酸配列又は配列番号38、39で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、(12)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号44、45で示されるアミノ酸配列又は配列番号44、45で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、又は(13)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号52、53で示されるアミノ酸配列又は配列番号52、53で示されるアミノ酸配列と少なくとも、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片は、重鎖と、軽鎖とを含み、前記重鎖は、重鎖可変領域と、重鎖定常領域とを含み、前記軽鎖は、軽鎖可変領域と、軽鎖定常領域とを含み、ただし、重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、上記の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域のアミノ酸配列を含み、重鎖定常領域は、ヒトIgG1、IgG2又はIgG4の定常領域を含み、好ましくはIgG1及びIgG4の定常領域であり、軽鎖定常領域は、ヒトκ定常領域又はヒトλ定常領域を含む。いくつかの具体的な実施形態では、前記重鎖定常領域は、配列番号54、55若しくは56で示されるアミノ酸配列又は配列番号54、55若しくは56で示されるアミノ酸配列と比べて1個、2個、3個、4個若しくは5個のアミノ酸の置換、欠失及び付加を有するアミノ酸配列を含み、前記軽鎖定常領域は、配列番号57で示されるアミノ酸配列又は配列番号57で示されるアミノ酸配列と比べて1個、2個、3個、4個若しくは5個のアミノ酸の置換、欠失及び付加を有するアミノ酸配列を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片は、重鎖と、軽鎖とを含み、ただし、(1)重鎖は配列番号9及び54で示されるアミノ酸配列を含み、そして軽鎖は配列番号14及び57で示されるアミノ酸配列を含み、(2)重鎖は配列番号10及び54で示されるアミノ酸配列を含み、そして軽鎖は配列番号15及び57で示されるアミノ酸配列を含み、(3)重鎖は配列番号11及び54で示されるアミノ酸配列を含み、そして軽鎖は配列番号15及び57で示されるアミノ酸配列を含み、(4)重鎖は配列番号10及び54で示されるアミノ酸配列を含み、そして軽鎖は配列番号16及び57で示されるアミノ酸配列を含み、(5)重鎖は配列番号11及び54で示されるアミノ酸配列を含み、そして軽鎖は配列番号16及び57で示されるアミノ酸配列を含み、(6)重鎖は配列番号10及び54で示されるアミノ酸配列を含み、そして軽鎖は配列番号17及び57で示されるアミノ酸配列を含み、(7)重鎖は配列番号12及び54で示されるアミノ酸配列を含み、そして軽鎖は配列番号17及び57で示されるアミノ酸配列を含み、(8)重鎖は配列番号13及び54で示されるアミノ酸配列を含み、そして軽鎖は配列番号17及び57で示されるアミノ酸配列を含み、(9)重鎖は配列番号22及び54で示されるアミノ酸配列を含み、そして軽鎖は配列番号23及び57で示されるアミノ酸配列を含み、(10)重鎖は配列番号30及び54で示されるアミノ酸配列を含み、そして軽鎖は配列番号31及び57で示されるアミノ酸配列を含み、(11)重鎖は配列番号38及び54で示されるアミノ酸配列を含み、そして軽鎖は配列番号39及び57で示されるアミノ酸配列を含み、(12)重鎖は配列番号44及び54で示されるアミノ酸配列を含み、そして軽鎖は配列番号45及び57で示されるアミノ酸配列を含み、又は(13)重鎖は配列番号52及び54で示されるアミノ酸配列を含み、そして軽鎖は配列番号53及び57で示されるアミノ酸配列を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片は、2つの重鎖(H)と、2つの軽鎖(L)とを含み、又は2つの重鎖と、2つの軽鎖とからなり、重鎖と軽鎖はジスルフィド結合によって互いに接続され、ただし各重鎖は上記の重鎖可変領域(VH)と、重鎖定常領域とを含み、ただし重鎖可変領域(VH)はフレームワーク領域(FR)と、上記の重鎖相補性決定領域(HCDR)とを含み、各軽鎖は上記の軽鎖可変領域(VL)と、軽鎖定常領域とを含み、ただし軽鎖可変領域(VL)はFRと、上記の軽鎖相補性決定領域(LCDR)とを含み、ただし重鎖可変領域のC末端は重鎖定常領域のN末端に接続され、軽鎖可変領域のC末端は軽鎖定常領域のN末端に接続される。本開示の抗体は、例えば、IgG1、IgG2又はIgG4アイソタイプの全長抗体であってもよい。また、いくつかの実施形態では、本開示の抗体は、単鎖抗体(scFv)、又は抗体断片、例えば、Fab、F(ab’)2断片、Fd断片、Fv断片、dAb又は単離されたCDRであってもよい。
【0018】
一態様で、本開示は、CD40と結合する単離された抗体又はその抗原結合断片を提供し、前記抗体又はその抗原結合断片はハイブリドーマによって産生され、前記ハイブリドーマは本明細書でA01、A02、A03、B01、B02及びB03と呼ばれるハイブリドーマからなる群から選ばれる。したがって、本開示は、さらに、ハイブリドーマA01、A02、A03、B01、B02、B03及び本明細書に開示されている抗体を産生するハイブリドーマのいずれかによって産生される抗体又はその抗原結合断片を含む。
【0019】
一態様で、本開示は、本開示の例示的な抗CD40抗体又はその抗原結合断片のいずれかとCD40上の同じエピトープと結合する抗体又はその抗原結合断片を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本開示の例示的な抗CD40抗体又はその抗原結合断片のいずれかと競合的にCD40と結合する抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0020】
別の態様で、本開示は、また、1種又は複数種の本開示の抗CD40抗体又はその抗原結合断片と、少なくとも1種の他の機能性断片とを含む組換えポリペプチド又は融合タンパク質を提供し、前記他の機能性断片は、別のペプチド、タンパク質、サイトカイン又は受容体リガンドを含み、ただしそれらに限定されない。これらの組換えポリペプチド又は融合タンパク質は、遺伝子組み換え、化学的方法などで作製されてもよい。本開示では、用語「融合タンパク質」とは、一般的に、2つ又はそれ以上の同じ又は異なるポリペプチド配列が接続して得られた新しいポリペプチド配列を指し、特に、組換えで得た、天然には接続していない1つ又は複数の同じ又は異なるポリペプチド配列を含むポリペプチド配列を指す。
【0021】
別の態様で、本開示は、また、1種又は複数種の本開示の抗CD40抗体又はその抗原結合断片と、本開示の抗体又は抗原結合断片の特異性と異なる少なくともいくつかの他の機能部分(例えば、別の抗体又はその抗原結合断片)とを含む、二重特異性分子を提供し、前記二重特異性分子は少なくとも2つの異なる結合部位又は標的と結合することができる。本明細書で使用される「二重特異性分子」は、2種(即ち、二重特異性分子)、3種(即ち、三重特異性分子)、4種(即ち、四重特異性分子)又はそれ以上の特異性を有する分子をカバーしている。これらの二重特異性分子は遺伝子組み換え、化学的方法などで作製されてもよい。
【0022】
別の態様で、本開示は、また、本開示の抗CD40抗体又はその抗原結合部分を含み、ただし本開示の抗CD40抗体又はその抗原結合部分が治療剤(例えば、細胞傷害性薬物又は造影剤など)に接続された免疫複合体、例えば、抗体-薬物複合体(ADC)を提供する。本開示の抗CD40抗体又はその抗原結合部分はキメラ抗原受容体(CAR)の一部であってもよい。本開示は、また、前記キメラ抗原受容体を含む免疫細胞、例えば、T細胞(即ち、CAR-T細胞)を提供する。また、本開示は、遺伝子ベクターを提供し、前記遺伝子ベクターは、本開示の抗CD40抗体又はその抗原結合部分をコードする遺伝子を含み、且つ、前記遺伝子を哺乳動物細胞(好ましくはヒト細胞)に入れて、その中で発現させることができる。これらの遺伝子ベクターは、ネイキッドプラスミドベクター、酵母ベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、レトロウイルスベクター、ポックスウイルスベクター、ラブドウイルスベクター又はバキュロウイルスベクターを含み、ただしそれらに限定されない。DNAをこれらの遺伝子ベクターに挿入するための技術は当業者に熟知されている。
【0023】
別の態様で、本開示は、また、本開示の抗CD40抗体又はその抗原結合断片と、1種又は複数種の薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。また、いくつかの実施形態では、本開示は、また、本開示の組換えポリペプチド、融合タンパク質、二重特異性分子、免疫複合体、キメラ抗原受容体又は遺伝子ベクターと、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。
【0024】
別の態様で、本開示は、また、本開示の抗CD40抗体又はその抗原結合断片をコードする単離された核酸を提供する。本開示は、また、前記核酸を含む発現ベクター、及び、前記発現ベクターを含む宿主細胞を提供する。
【0025】
別の態様で、本開示は、また、(i)宿主細胞において抗CD40抗体又はその抗原結合断片を発現するステップと、(ii)宿主細胞又はその細胞培養物から抗CD40抗体又はその抗原結合断片を単離するステップとを含む、抗CD40抗体又はその抗原結合断片の作製方法を提供する。
【0026】
他の態様で、本開示は、被験者で免疫疾患を治療又は予防するための方法を提供し、前記方法は、被験者に治療有効量の本開示の抗CD40抗体若しくはその抗原結合部分、コードする核酸、医薬組成物、組換えポリペプチド、融合タンパク質、二重特異性分子、免疫複合体、キメラ抗原受容体又は遺伝子ベクターを投与することを含む。いくつかの実施形態では、被験者はヒトである。
【0027】
いくつかの実施形態では、前記免疫疾患は、炎症性疾患、アレルギー反応、自己免疫疾患又は移植関連疾患を含み、ただしそれらに限定されない。いくつかの具体的な実施形態では、前記免疫疾患は、アレルギー反応、アジソン病(Addison’s disease)、強直性脊椎炎、脊椎関節炎、喘息、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈性心疾患、自己免疫性肝炎、自己免疫性耳下腺炎、I型糖尿病、精巣上体炎、腎炎、ライター症候群、甲状腺炎、グレーブス病(Graves’ disease)、ギラン・バレー症候群(GBS)、橋本病、溶血性貧血、特発性血小板減少症、全身性エリテマトーデス、亜急性皮膚エリテマトーデス、多発性硬化症、重症筋無力症、乾癬、強皮症、関節炎、サルコイドーシス、シェーグレン症候群、ドライアイ、化膿性汗腺炎、移植関連疾患、血管炎及び/又は炎症性腸疾患を含み、ただしそれらに限定されない。
【0028】
いくつかの実施形態では、前記方法はさらに第2治療剤を投与することを含み、前記第2治療剤は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、サリチル酸塩、ヒドロキシクロロキン、スルファサラジン、コルチコステロイド、細胞傷害性薬物、又は免疫抑制薬及び/若しくは抗体を含む。
【0029】
下記の具体的な記述及び実施例から、当該開示の内容及び他の特徴と利点が一層明瞭になるだろうが、具体的な記述及び実施例を限定的なものと捉えるべきではない。本開示で引用される全ての文献、Genbankの記録、特許及び開示済みの特許出願の内容は、引用の方式で本明細書に明確に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1A】
図1Aは、精製されたマウス抗CD40抗体のCD40Lタンパク質に対する293T-hCD40-NFκB細胞の結合を遮断する活性を示す。
【
図1B】
図1Bは、精製されたマウス抗CD40抗体のCD40Lタンパク質に対する293T-hCD40-NFκB細胞の結合を遮断する活性を示す。
【
図2】
図2は、CD40L及びIL-4によって誘導されたRamos細胞のアポトーシスに対する精製されたマウス抗CD40抗体の阻害活性を示す。
【
図3】
図3は、CHO-K1-hCD40細胞に対するキメラ抗CD40抗体のChi-A01、Chi-A02及びChi-A03の結合活性を示す。
【
図4】
図4は、Ramos細胞のアポトーシスに対するキメラ抗CD40抗体のChi-A01、Chi-A02、Chi-A03、Chi-B01、Chi-B02及びChi-B03の作動活性を示し、Ramos細胞のアポトーシスに対するCP-870893の作動活性は陽性対照として示される。
【
図5】
図5は、293T-hCD40-NFκB細胞に対するヒト化抗CD40抗体のhzA01-3.1、hzA01-3.3及びhzA01-3.4の結合活性を示す。
【
図6】
図6は、ヒト化抗CD40抗体のhzA01-1.1、hzA01-2.1、hzA01-3.1、hzA01-3.3及びhzA01-3.4のCHO-K1-hCD40L細胞に対する293T-hCD40-NFκB細胞の結合を遮断する活性を示す。
【
図7】
図7は、CD40L及びIL-4によって誘導されたRamos細胞のアポトーシスに対するヒト化抗CD40抗体のhzA01-1.1、hzA01-2.1、hzA01-3.1、hzA01-3.3及びhzA01-3.4の阻害活性を示す。
【
図8】
図8は、Ramos細胞のアポトーシスに対するヒト化抗CD40抗体のhzA01-1.1、hzA01-2.1、hzA01-3.1、hzA01-3.3及びhzA01-3.4の作動活性を示し、Ramos細胞のアポトーシスに対するCP-870893の作動活性は陽性対照として示される。
【
図9】
図9は、CD40Lによって誘導されたヒト末梢血Bリンパ球共刺激分子CD86の発現に対するヒト化抗CD40抗体のhzA01-3.1、hzA01-3.3及びhzA01-3.4の阻害活性を示す。
【
図10】
図10は、CD40L及びIL-4によって誘導されたヒト末梢血Bリンパ球の増殖に対するヒト化抗CD40抗体のhzA01-3.1、hzA01-3.3及びhzA01-3.4の阻害活性を示す。
【
図11】
図11は、ヒト化抗CD40抗体のhzA01-3.1、hzA01-3.3及びhzA01-3.4のヒト末梢血Bリンパ球の増殖を誘導する作動活性を示し、CP-870893のヒト末梢血Bリンパ球の増殖を誘導する作動活性は陽性対照として示される。
【
図12】
図12は、MLR反応でヒト化抗CD40抗体hzA01-3.3に応答するIFNγの放出量を示し、ただし、抗CD40抗体及びIgG4アイソタイプ対照抗体を加えなかったmDC及びDC(分化培養はしていない)群は、陰性対照として示される。
【
図13】
図13は、imDC細胞の成熟に対するヒト化抗CD40抗体hzA01-3.3の作動活性を示し、imDC細胞の成熟に対するCP-870893の作動活性は陽性対照として示される。
【
図14】
図14は、ヒト化抗CD40抗体hzA01-3.3によって媒介されるADCC効果を示し、リツキシマブ(Rituximab)によって媒介されるADCC活性は陽性対照として示される。
【
図15】
図15は、ヒト化抗CD40抗体hzA01-3.3によって媒介されるCDC効果を示し、リツキシマブ(Rituximab)によって媒介されるCDC活性は陽性対照として示される。
【
図16A】
図16Aは、ヒト化抗CD40抗体hzA01-3.3治療後のNDGマウスの血清中のヒト抗マウスIgM抗体の濃度を示す。
【
図16B】
図16Bは、ヒト化抗CD40抗体hzA01-3.3治療後のNDGマウスの血清中のヒト抗マウスIgG抗体の濃度を示す。
【
図17A】
図17Aは、ヒト化抗CD40抗体hzA01-3.3治療後のマウスの脾臓内に浸潤されたヒトCD4
+T細胞の含有量を示し、ただし、t検定によってIgG4アイソタイプ対照群と比較し、*はP≦0.05を表し、**はP<0.01を表し、***はP<0.001を表す。
【
図17B】
図17Bは、ヒト化抗CD40抗体hzA01-3.3治療後のマウスの脾臓内に浸潤されたヒトCD19
+B細胞の含有量を示し、ただし、t検定によってIgG4アイソタイプ対照群と比較し、*はP≦0.05を表し、**はP<0.01を表し、***はP<0.001を表す。
【
図18】
図18は、シェーグレン症候群モデルのマウスの体重に対するヒト化抗CD40抗体hzA01-3.3の影響を示す。
【
図19】
図19は、シェーグレン症候群モデルのマウスの唾液流量率に対するヒト化抗CD40抗体hzA01-3.3の影響を示す。
【
図20A】
図20Aは、ヒト化抗CD40抗体hzA01-3.3治療後のシェーグレン症候群モデルのマウスの顎下腺指数を示し、ただし、t検定を利用し(ブランク対照群とモデル群を比較し、hzA01-3.3投与群とモデル群を比較し)、*はP≦0.05を表し、**はP<0.01を表し、***はP<0.001を表す。
【
図20B】
図20Bは、ヒト化抗CD40抗体hzA01-3.3治療後のシェーグレン症候群モデルのマウスの顎下腺中のIL-6の含有量を示し、ただし、t検定を利用し(ブランク対照群とモデル群を比較し、hzA01-3.3投与群とモデル群を比較し)、*はP≦0.05を表し、**はP<0.01を表し、***はP<0.001を表す。
【
図20C】
図20Cは、ヒト化抗CD40抗体hzA01-3.3治療後のシェーグレン症候群モデルのマウスの顎下腺の病理学的スコアを示し、ただし、t検定を利用し(ブランク対照群とモデル群を比較し、hzA01-3.3投与群とモデル群を比較し)、*はP≦0.05を表し、**はP<0.01を表し、***はP<0.001を表す。
【
図21A】
図21Aは、ヒト化抗CD40抗体hzA01-3.3治療後のシェーグレン症候群モデルのマウスの血液中のCD3
+T細胞の生細胞のCD45
+生細胞に占めるパーセンテージを示す。
【
図21B】
図21Bは、ヒト化抗CD40抗体hzA01-3.3治療後のシェーグレン症候群モデルのマウスの血液中のCD4
+T細胞の生細胞のCD45
+生細胞に占めるパーセンテージを示す。
【
図21C】
図21Cは、ヒト化抗CD40抗体hzA01-3.3治療後のシェーグレン症候群モデルのマウスの血液中のCD8
+T細胞の生細胞のCD45
+生細胞に占めるパーセンテージを示す。
【
図21D】
図21Dは、ヒト化抗CD40抗体hzA01-3.3治療後のシェーグレン症候群モデルのマウスの血液中のCD19
+B細胞の生細胞のCD45
+生細胞に占めるパーセンテージを示す。
【
図21E】
図21Eは、ヒト化抗CD40抗体hzA01-3.3治療後のシェーグレン症候群モデルのマウスの脾臓中のCD3
+T細胞の生細胞のCD45
+生細胞に占めるパーセンテージを示す。
【
図21F】
図21Fは、ヒト化抗CD40抗体hzA01-3.3治療後のシェーグレン症候群モデルのマウスの脾臓中のCD4
+T細胞の生細胞のCD45
+生細胞に占めるパーセンテージを示す。
【
図21G】
図21Gは、ヒト化抗CD40抗体hzA01-3.3治療後のシェーグレン症候群モデルのマウスの脾臓中のCD8
+T細胞の生細胞のCD45
+生細胞に占めるパーセンテージを示す。
【
図21H】
図21Hは、ヒト化抗CD40抗体hzA01-3.3治療後のシェーグレン症候群モデルのマウスの脾臓中のCD19
+B細胞の生細胞のCD45
+生細胞に占めるパーセンテージを示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(発明の詳細な説明)
本明細書で使用される用語は、具体的な実施例を記述するためのものに過ぎず、限定をするためではないということが理解されたい。特に定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語の意味は、本開示の属する分野の当業者が理解している一般的な意味と同じである。
【0032】
用語「CD40」には、CD40バリアント、ホモログ、オルソログ、パラログが含まれる。例えば、いくつかの実施例では、ヒトCD40タンパク質に特異的な抗体は場合によって別の種(例えば、サル)のCD40タンパク質と交差反応を起こすことができる。また、いくつかの実施形態では、ヒトCD40タンパク質に特異的な抗体は完全にヒトCD40タンパク質に特異的であり、他の種又は他のタイプのタンパク質と交差反応を起こさず、又は他の種の全体ではなくいくつかの他の種のCD40タンパク質だけと交差反応を起こす。
【0033】
CD40は、知られているもので、且つ、B細胞表面抗原CD40、Bp50、CD40L受容体、CDW40、MGC9013、p50及び腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーのメンバー5(TNFRSF5)と呼ばれてもよい。「ヒトCD40」と「hCD40」は本明細書で入れ替えてもよく、ヒトCD40アミノ酸配列を有するタンパク質を指し、例えば、配列番号62で示されるアミノ酸配列を含むCD40タンパク質である。用語「サルCD40」と「cynoCD40」などは本明細書で入れ替えてもよく、サルCD40アミノ酸配列を有するタンパク質を指し、例えば、配列番号63で示されるアミノ酸配列を含むCD40タンパク質である。
【0034】
本明細書で使用される用語「抗体」とは、少なくとも1つの抗原(例えば、CD40)結合ドメインを有する結合タンパク質を指す。本開示の抗体又はその抗原結合断片は、抗体全体又はそのいずれかの断片であってもよく、モノクローナル抗体又はその断片及び抗体バリアント又はその断片を含む。抗体又はその抗原結合断片の例は、単特異性、二重特異性、三重特異性又は多重特異性の抗体、Fab断片、F(ab’)2断片、Fv断片、単離されたCDR領域、単鎖Fv(scFv)及び当分野で知られている他の抗体断片のいずれかを含む。本明細書に開示されている抗CD40抗体又はその抗原結合断片は、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4アイソタイプであってもよい。用語「アイソタイプ」とは、重鎖定常領域遺伝子によってコードされる抗体のクラスを指す。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されている抗CD40抗体又はその抗原結合断片は、IgG1及びIgG4アイソタイプである。本開示の抗CD40抗体又はその抗原結合断片は、マウス、ラット、ウサギ、霊長類動物、ラマ、ヒトを含み、ただしそれらに限定されないいずれかの種から誘導されてもよい。本開示の抗CD40抗体又はその抗原結合断片は、ネズミ抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体又はヒト抗体であってもよい。特に説明がない限り、本開示の「抗体」には全長抗体及びそのいずれかの抗原結合部分(即ち、「抗原結合断片」)又は単鎖が含まれる。一般的に、全長抗体は2つの重(H)鎖及び2つの軽(L)鎖を含む糖タンパク質であり、ただし重鎖と軽鎖はジスルフィド結合によって接続される。各重鎖は重鎖可変領域(VH)と重鎖定常領域とからなる。重鎖定常領域は3つのドメイン、即ちCH1と、CH2と、CH3とからなる。各軽鎖は軽鎖可変領域(VL)と軽鎖定常領域とからなる。軽鎖定常領域は1つのドメインCLからなる。VH及びVL領域はさらに超可変領域(即ち、相補性決定領域(CDR))及び配列が保存的なフレームワーク領域(FR)に分けられてもよい。各VH及びVLは、アミノ末端からカルボキシ末端までFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4の順に配置される、3つのCDRと4つのFRとからなる。抗体の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含む。抗体の定常領域は、免疫グロブリンと宿主組織又は因子の結合を媒介することができ、前記宿主組織又は因子は、様々な免疫系細胞(例えば、エフェクター細胞)、補体の古典的経路の最初の成分(C1q)を含む。また、当業者が知っているように、特殊な「全長抗体」、例えば、ナノボディは、重(H)鎖だけを有し、軽(L)鎖を持たない。
【0035】
抗体の「抗原結合断片」又は「抗体結合部分」とは、抗原(例えば、CD40タンパク質)と特異的に結合する機能が保持されている抗体の1つ又は複数の断片を指す。抗体の抗原結合機能は、全長抗体の断片で実施できるということが確認されている。用語抗体の「抗原結合部分/断片」のカバーしている例には、(i)VL、VH、CL及びCH1ドメインからなる一価断片であるFab断片、(ii)ヒンジ領域でジスルフィド架橋によって接続された2つのFab断片を含む二価断片であるF(ab’)2断片、(iii)VH及びCH1ドメインからなるFd断片、(iv)抗体シングルアームのVL及びVHドメインからなるFv断片、(v)VHドメインからなるdAb断片(Ward et al.,Nature.341:544-546(1989)を参照する)、(vi)単離された相補性決定領域(CDR)、そして(vii)1つの可変ドメイン及び2つの定常ドメインを含む重鎖可変領域であるナノボディが含まれる。また、Fv断片の2つのドメインVL及びVHは異なる遺伝子によってコードされるが、組換えの方法でリンカーによってVHとVLを単一タンパク質鎖として接続させてもよく、そのうちVLとVHがマッチして形成された一価分子は単鎖Fv(scFv)と呼ばれ、Bird et al.,Science.242:423-426(1988)、Huston et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.85:5879-5883(1988)を参照し、これらの単鎖抗体も用語抗原結合部分/断片によってカバーされている。また、当該抗原結合部分/断片を含む組換えポリペプチド、融合タンパク質及び二重特異性分子も、用語抗原結合部分/断片によってカバーされている。これらの抗体断片は、当業者の知っている通常の技術で得ることができ、且つ、断片に対して全長抗体と同じ方法で機能のスクリーニングを行うことができる。
【0036】
「マウス抗体」又は「ネズミ抗体」とは、可変領域でフレームワーク領域及びCDR領域がいずれもマウス生殖系列免疫グロブリン配列に由来する抗体を指す。また、抗体が定常領域を含む場合に、定常領域もマウス生殖系列免疫グロブリン配列に由来する。本開示のマウス抗体は、マウス生殖系列免疫グロブリン配列によってコードされないアミノ酸残基(例えば、インビトロのランダム変異又は点変異又はインビボの体細胞変異によって導入された変異)を含んでもよく、ただし「マウス抗体」は、マウスフレームワーク配列に他の哺乳動物に由来する生殖系列CDR配列が挿入された抗体を含まない。
【0037】
「キメラ抗体」とは、非ヒト由来の遺伝物質とヒト由来の遺伝物質を組み合わせてできた抗体を指す。又は、より概略的に言えば、キメラ抗体とは、1つの種に由来する遺伝物質及び別の種に由来する遺伝物質を有する抗体を指す。例えば、軽鎖及び重鎖の可変領域はいずれも1つの動物種(例えば、マウス、ラットなど)の抗体の可変領域に由来してもよく、定常部分は別の種(例えば、ヒト)に由来する抗体配列と相同であってもよい。例えば、キメラ抗体を得るために、非ヒトB細胞又はハイブリドーマ細胞を利用して可変領域を産生させてもよいが、それと組み合わせる定常領域はヒトに由来する。本開示では、キメラ抗体は「Chi」とも表記される。
【0038】
「ヒト化抗体」は、非ヒト抗体から誘導された相補性決定領域(CDR)、ヒト抗体から誘導されたフレームワーク領域及び定常領域を含有する抗体である。例えば、本明細書によって提供されるCD40と結合するヒト化抗体は、1種又は複数種のネズミ抗体から誘導されたCDR及びヒトフレームワーク領域、ヒト定常領域を含んでもよい。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書によって提供されるヒト化抗体は前記抗体のCDRから誘導されたネズミ抗体とCD40上の同じエピトープと結合する。本明細書は例示的なヒト化抗体を提供する。本明細書によって提供される重鎖CDR及び軽鎖CDRを含む他のCD40と結合するヒト化抗体又はそのバリアントはヒトフレームワーク配列のいずれかを使用して産生してもよく、且つそれも本開示に含まれる。いくつかの実施形態では、本開示での使用に適するフレームワーク配列は、本明細書によって提供されるフレームワーク配列と構造的に類似するそれらのフレームワーク配列を含む。フレームワーク領域で他の修飾を行って本明細書によって提供される抗体の特性を変更してもよい。このような他のフレームワーク修飾は、化学修飾、免疫原性を低下させ若しくはT細胞エピトープを除去する点変異、又は元の生殖系列配列中の残基への復帰変異を含んでもよい。いくつかの実施形態では、このような修飾は、生殖系列配列に対する復帰変異など、本明細書の例示的な変異に対応するそれらの修飾を含む。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書によって提供されるヒト化抗体のVH及び/又はVLのヒトフレームワーク領域で1つ又は複数のアミノ酸が親ネズミ抗体の対応するアミノ酸に復帰変異される。本開示では、ヒト化抗体は「hz」とも表記される。
【0039】
用語「Fcドメイン」又は「Fc領域」とは、Kabat番号付けシステムによって定義されるCH2及びCH3定常ドメインを含む抗体配列を指す。Fc領域はヒトIgGに由来してもよい。例えば、Fc領域は、ヒトIgG1又はヒトIgG4のFc領域に由来してもよい。
【0040】
本明細書で「誘導された」と記載される場合は、参照抗体又はタンパク質と結合する他の分子若しくはポリペプチドに対して使用するものであれば、参照抗体又は他の結合タンパク質と、同じエピトープと特異的に結合することができる分子又はポリペプチドを意味する。
【0041】
「単離された」とはすでに自然環境から単離されている目的化合物(例えば、抗体、抗原結合断片又は核酸)を指す。
【0042】
「抗原と特異的に結合する抗体」及び「抗原に特異的な抗体」は、本明細書で用語「抗原に対して特異的に結合する抗体」と入れ替えて使用されてもよい。「ヒトCD40と特異的に結合する」抗体とは、ヒトCD40(他の非ヒト種のCD40でもよい)と結合するが非CD40と実質的に結合しない抗体を指す。好ましくは、抗体はヒトCD40と「高い親和性」で結合し、即ち、KDは、5.0×10-8M又はそれ以下、1.0×10-8M又はそれ以下であり、好ましくは、5.0×10-9M又はそれ以下であり、より好ましくは、1.0×10-9M又はそれ以下である。
【0043】
用語タンパク質又は細胞と「実質的に結合しない」とは、タンパク質若しくは細胞と結合せず、又はそれと高い親和性で結合しないことを指し、即ち、タンパク質又は細胞と結合するKDは、1.0×10-6M又はそれ以上であり、好ましくは、1.0×10-5M又はそれ以上、1.0×10-4M又はそれ以上であり、より好ましくは、1.0×10-3M又はそれ以上、1.0×10-2M又はそれ以上である。
【0044】
用語「高い親和性」は、IgGに対していう場合に、抗原と結合するKDは、5.0×10-8M又はそれ以下、1.0×10-8M又はそれ以下であり、好ましくは、5.0×10-9M又はそれ以下であり、より好ましくは、1.0×10-9M又はそれ以下であることを指す。しかし他の抗体アイソタイプの場合は、「高い親和性」で結合することは、異なることである可能性がある。例えば、IgMアイソタイプの場合に「高い親和性」で結合することとは、抗原と結合するKDは、1.0×10-6M又はそれ以下であり、好ましくは、1.0×10-7M又はそれ以下であり、より好ましくは、1.0×10-8M又はそれ以下であることを指す。
【0045】
「同一性」とは、2つ若しくはそれ以上の核酸配列の間又は2つ若しくはそれ以上のポリペプチド配列の間の類似性を指す。本開示の配列同一性は、少なくとも、85%、90%又は95%であり、好ましくは、少なくとも95%である。非限定的な実施例は、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%を含む。2つの配列の間の配列比較及び同一性パーセンテージの測定は、アメリカ国立生物工学情報センター(National Center For Biotechnology Institute)のウェブサイト上のBLASTN/BLASTPアルゴリズムのデフォルト設定で行ってもよい。
【0046】
「競合的に結合する」抗体は、他の抗体を部分的に又は完全に遮断して標的と結合する抗体である。2種の抗体は互いに標的と競合的に結合するかどうかは、即ち、1つの抗体が別の抗体を遮断して標的と結合するかどうか且つその程度はどのくらいかということであり、当分野で知られている競合実験、例えば、固相法による直接的又は間接的放射免疫測定(RIA)、固相法による直接的又は間接的酵素免疫測定法(EIA)、サンドイッチ法による競合測定などを利用して決定してもよい。いくつかの実施形態では、抗体は別の抗体と競合的に標的と結合し、且つ標的に対する別の抗体の結合を少なくとも、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%遮断する。
【0047】
2種の又はそれ以上の抗体が「同じエピトープと結合する」ことは、所定の方法で測定されたように、抗体がアミノ酸残基の同じセクションと結合することを意味する。抗体が本明細書に記載の抗体と「CD40上の同じエピトープ」と結合するかどうかを決定するための技術は、例えば、エピトープマッピング法を含み、例えば、抗原-抗体複合体の結晶のX線分析、水素重水素交換質量分析法(HDX-MS)である。
【0048】
用語「EC50」は、半数有効濃度とも呼ばれ、特定の曝露時間後、50%の最大効果に達することができる抗体濃度を指す。用語「IC50」は、半数阻害濃度とも呼ばれ、抗体が存在しない場合に対して、特異的な生物学的又は生化学的機能を50%阻害する抗体濃度を指す。EC50及びIC50の両者はいずれもELISA又はFACS解析又は当分野で知られている他の方法のいずれかで計測することができる。
【0049】
「KD」とは平衡解離定数を指し、KdとKaの比(即ち、Kd/Ka)として取得され、且つモル濃度(M)で表される。抗体のKD値は当分野で充分に確立されている方法で測定することができる。抗体のKDを測定するための好ましい方法は表面プラズモン共鳴技術であり、好ましくは、バイオセンサーシステム、例えば、BIACORE(登録商標)表面プラズモン共鳴システムを利用して分析する。
【0050】
「架橋」とは、抗CD40抗体のFcγR(例えば、シス又はトランスのFcγRIIb)によって誘導された細胞のCD40に結合される高次多量体化により、CD40の作動活性が誘導されることを指す。
【0051】
「患者」又は「被験者」は、ヒト又は非ヒト動物のいずれかを含む。用語「非ヒト動物」は、全ての脊椎動物、例えば、哺乳動物及び非哺乳動物を含み、好ましくは、哺乳動物、例えば、非ヒト霊長類動物、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマである。
【0052】
「有効用量」又は「有効量」とは、所望の効果を実現し又は少なくとも部分的に実現するために十分な量を指す。薬物又は治療剤の治療「有効量」又は「有効用量」とは、単独で又は別の治療剤と組み合わせて使用される場合に、疾患又は病状の関連症状を防止又は改善するのに十分な量、好ましくは疾患の症状の重症度の低下、無症状期間の頻度及び持続時間の増加を引き起こし、又は疾患によって引き起こされる損傷若しくは機能障害を防止する量を指す。治療有効量は、治療される疾患に関係しており、ただし当業者は、実際の有効量を容易に決定することができる。
【0053】
特に断りがない限り、本開示で「約」とは、所定の具体的な数値範囲±5%の範囲内で変動すること、好ましくは、±2%の範囲内で変動すること、より好ましくは、±1%の範囲内で変動することを指す。例えば、pHが約5.5であることは、pHは5.5±5%であること、好ましくは、pHは5.5±2%であること、より好ましくは、pHは5.5±1%であることを表す。特に説明がない限り、単数形で使用する場合に、複数形が含まれる。
【0054】
特に説明がない限り、用語「1つ」又は「1種」は、「少なくとも1つ」又は「少なくとも1種」を意味し、用語「少なくとも1つ」の意味は、「1つ又は複数」の意味と同じであり、「及び/又は」は、「及び」又は「又は」の意味で使用される。
【0055】
特に断りがない限り、本明細書に記載のパーセンテージ範囲、比率範囲又は整数範囲のいずれにも、列挙された範囲内の整数の値のいずれもが含まれるように理解されるべきである。
【0056】
本明細書では、文脈で規定がない限り、用語「含み」、「含む」及び「含有」は、前記ステップ又は要素又は一連のステップ若しくは要素を含むが、他のステップ又は要素又は一連のステップ若しくは要素のいずれも除外されないことを表すように理解される。「……からなる」は、語句「……からなる」の後の内容を含み、且つそれらに限られることを表す。したがって、語句「……からなる」は、挙げられた要素は必要又は必須であり、且つ他の要素が存在しないことを表す。「実質的に……からなる」は、この語句の後に挙げた要素のいずれかを含み、且つ挙げられた要素の、本開示で詳細に記述した活性又は作用を妨げず又はそれに寄与する他の要素に限られるということを表す。したがって、語句「実質的に……からなる」は、挙げられた要素は必要又は必須であるが、他の要素は任意であり、且つ、挙げられた要素の活性又は作用に影響を与えるかどうかによってそれが存在してもよいし又は存在しなくてもよいということを表す。
【0057】
以下、本開示の複数の態様をより具体的に記述する。
【0058】
本開示の例示的な抗体又はその抗原結合断片の重鎖可変領域、軽鎖可変領域及びCDRのアミノ酸配列ID(配列番号)は次の表1に提供される。いくつかの抗体は同じCDRを有し、いくつかの抗体は同じVH又はVLを有する。抗体の重鎖定常領域は、ヒトIgG1、IgG2又はIgG4の定常領域であってもよく、好ましくは、IgG1及びIgG4の定常領域であり、例えば、配列番号54、55若しくは56で示されるアミノ酸配列又は配列番号54、55若しくは56で示されるアミノ酸配列と比べて1個、2個、3個、4個若しくは5個のアミノ酸の置換、欠失及び付加を有するアミノ酸配列を含む。抗体の軽鎖定常領域は、ヒトκ定常領域又はヒトλ定常領域であってもよく、例えば、配列番号57で示されるアミノ酸配列又は配列番号57で示されるアミノ酸配列と比べて1個、2個、3個、4個若しくは5個のアミノ酸の置換、欠失及び付加を有するアミノ酸配列を含む。これらの抗体は、マウスIgG1又はIgG4重鎖定常領域及び/又はマウスκ定常領域又はλ定常領域を含んでもよい。
【表1】
【0059】
抗体可変領域のアミノ酸配列により、当業者は、通常の方法でどちらの残基が特定のCDRを構成するかを決定することができる。当業者の周知のように、様々な方法で抗体のCDRを定義することができ、例えば、Kabat、Chothia、IMGT、AbM若しくはContactなどの番号付けシステム/方法で定義し、又はKabat、Chothia、IMGT、AbM、Contactなどの番号付けシステム/方法のうちの2つ若しくはそれ以上の組み合わせで定義し(例えば、HCDR1はAbMで定義し、HCDR2はKabat又はAbMで定義し、HCDR3はIMGT又はKabatで定義し、そしてLCDR1~3はKabatで定義する)、また、Kabat及びChothiaを含むCombined番号付けシステムで定義してもよく、そのうちCombined番号付けシステムは、Kabat及びChothia定義の範囲を合わせることで、より大きな範囲が得られるものである(例えば、Kabatによって定義されたHCDR1がH31~H35であり、Chothiaによって定義されたHCDR1がH26~H32である場合に、Combinedによって定義されたHCDR1はH26~H35である)。番号付けシステムによって、CDRの正確な番号及び配置は異なる。当業者が理解できることだろうが、特に規定がない限り、用語所定の抗体又はその領域(例えば、可変領域)の「CDR」又は「相補性決定領域」は、知られている方法のいずれかで確定した相補性決定領域をカバーしているものと理解すべきである。
【0060】
本開示で保護を主張するCDRは、表1及び表10で示される配列に基づくが、他のCDR定義のルールに対応するアミノ酸配列も、本開示の保護範囲に入る。例えば、Kabat定義のルールでCDRを定義する場合に、マウス、キメラ及びヒト化A01のHCDR1のアミノ酸配列はTSGVH(配列番号79)であり、マウス、キメラA01及びhzA01-3.4のHCDR2のアミノ酸配列はVIWAGGDTNYNSALMS(配列番号2)であり、hzA01-1.1、hzA01-2.1及びhzA01-3.1のHCDR2のアミノ酸配列はVIWAGGDTNYNPSLKS(配列番号80)であり、hzA01-1.2及びhzA01-2.2のHCDR2のアミノ酸配列はVIWAGGDTNYADSVKG(配列番号81)であり、hzA01-3.3のHCDR2のアミノ酸配列はVIWAGGDTNYNSALKS(配列番号4)であり、マウス、キメラ及びヒト化A01のHCDR3のアミノ酸配列はHGHFDV(配列番号82)であり、マウス、キメラ及びヒト化A01のLCDR1のアミノ酸配列はRSSQSLVHSSGNTYLQ(配列番号6)であり、マウス、キメラ及びヒト化A01のLCDR2のアミノ酸配列はKVSNRFS(配列番号7)であり、マウス、キメラ及びヒト化A01のLCDR3のアミノ酸配列はSQTTHVPWT(配列番号8)である。
【0061】
ヒトCD40と結合する他の抗CD40抗体のVH及び/又はVL配列(又はCDR配列)は、本開示の抗CD40抗体又はその抗原結合部分のVH及び/又はVL配列(又はCDR配列)と「ミックス・アンド・マッチ」することができる。好ましくは、VH及びVL鎖(又はそのCDR)がミックス・アンド・マッチする場合に、特定のVH/VL対におけるVH配列は構造的に類似するVH配列によって置換されてもよい。同様に、好ましくは、特定のVH/VL対におけるVL配列が構造的に類似するVL配列に置換される。
【0062】
したがって、一実施形態では、本開示の抗体又はその抗原結合断片は、
(a)表1及び表10に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、
(b)表1及び表10に記載のアミノ酸配列、又は別の抗CD40抗体のVLを含む軽鎖可変領域とを含み、ただし、当該抗体又はその抗原結合部分はヒトCD40と特異的に結合する。
【0063】
別の実施形態では、本開示の抗体又はその抗原結合断片は、
(a)表1及び表10に記載のHCDR1、HCDR2及びHCDR3と、
(b)表1及び表10に記載のLCDR1、LCDR2及びLCDR3、又は別の抗CD40抗体の軽鎖可変領域CDRとを含み、ただし、当該抗体又はその抗原結合部分はヒトCD40と特異的に結合する。
【0064】
別の実施形態では、本開示の抗体又はその抗原結合断片は、表1及び表10に記載のHCDR2と、他の抗CD40抗体のCDR、例えば、他の抗CD40抗体のHCDR1及び/又はHCDR3、及び/又は他の抗CD40抗体のLCDR1、LCDR2及び/又はLCDR3とを含む。
【0065】
また、当分野で周知のように、CDR3ドメインはCDR1及び/又はCDR2ドメインから独立しており、同じ抗原に対する抗体の結合特異性を単独で決定することができ、また、当該CDR3配列から同じ結合特異性を有する複数種の抗体を産生できることが予測できる。
【0066】
別の実施形態では、本開示の抗体又はその抗原結合断片は、表1及び表10に記載のHCDR2と、表1及び表10に記載のHCDR3及び/若しくは表1に記載のLCDR3、又は別の抗CD40抗体のHCDR3及び/若しくはLCDR3とを含み、ただし、当該抗体又はその抗原結合部分はヒトCD40と特異的に結合する。好ましくは、これらの抗体は、本開示の抗CD40抗体と、(a)競合的にCD40と結合し、(b)機能特徴が保持され、(c)同じエピトープと結合し、及び/又は(d)類似する結合親和性を有する。別の実施形態では、本開示の抗体又はその抗原結合部分は、表1及び表10に記載のLCDR2、又は別の抗CD40抗体のLCDR2をさらに含み、ただし、当該抗体又はその抗原結合部分はヒトCD40と特異的に結合する。別の実施形態では、本開示の抗体又はその抗原結合部分は表1及び表10に記載のHCDR1及び/若しくは表1及び表10に記載のLCDR1、又は別の抗CD40抗体のHCDR1及び/若しくはLCDR1をさらに含み、ただし、当該抗体又はその抗原結合部分はヒトCD40と特異的に結合する。
【0067】
別の実施形態では、本開示の抗体又はその抗原結合部分の重鎖可変領域及び/又は軽鎖可変領域又はCDR1、CDR2及びCDR3配列は、1つ又は複数の保存的な修飾を含んでもよい。当分野で理解できることだろうが、いくつかの保存的な配列修飾があっても抗原結合特異性は消えない。
【0068】
したがって、一実施形態では、本開示の抗体又はその抗原結合部分は、重鎖可変領域及び/又は軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、CDR1、CDR2、CDR3を含み、ただし、
(a)HCDR1配列は、表1及び表10に記載の配列、及び/若しくはその保存的な修飾を含み、及び/又は
(b)HCDR2配列は、表1及び表10に記載の配列、及び/若しくはその保存的な修飾を含み、及び/又は
(c)HCDR3配列は、表1及び表10に記載の配列、及び/若しくはその保存的な修飾を含み、及び/又は
(d)LCDR1及び/又はLCDR2及び/又はLCDR3配列は、表1及び表10に記載の配列、及び/又はその保存的な修飾を含み、且つ
(e)抗体又はその抗原結合部分は、ヒトCD40と特異的に結合する。
【0069】
本明細書で使用される用語「保存的な配列修飾」とは、抗体の結合特性を顕著に影響又は変更しないアミノ酸修飾を指す。このような保存的な修飾は、アミノ酸の置換、付加及び欠失を含む。当分野で知られている標準的な技術、例えば、点変異、PCRによって媒介される変異で本開示の抗体に修飾を導入することができる。保存的なアミノ酸置換とは、アミノ酸残基が、類似する構造又は化学的特性(例えば、類似する側鎖)を有するアミノ酸残基によって置換されるものを指す。類似する側鎖を有するアミノ酸残基ファミリーは、当分野で知られている。これらのアミノ酸残基ファミリーは、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非電荷極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン、トリプトファン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン)、β分岐側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)及び芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を有するアミノ酸を含む。したがって、本開示の抗CD40抗体又はその抗原結合部分のCDR領域で1つ又は複数のアミノ酸残基は、同じ側鎖ファミリーの他のアミノ酸残基によって置換されてもよく、且つ得られた抗体に対して、本明細書に記載の機能アッセイでその機能をテストすることができる。
【0070】
本開示の抗体又はその抗原結合断片は、可変領域(CDR領域及び/若しくはフレームワーク領域を含む)の修飾を含み、又は、本開示の抗体若しくはその抗原結合部分は、さらに、Fc修飾、例えば、抗体のエフェクター機能を変更するものを含んでもよい。したがって、本開示の一実施形態によって提供される単離された抗CD40モノクローナル抗体又はその抗原結合断片は、重鎖可変領域及び/又は軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域は、本開示の上記の配列のHCDR1、HCDR2及びHCDR3を含み、軽鎖可変領域は、本開示の上記の配列のLCDR1、LCDR2及びLCDR3を含み、しかも本開示の上記の配列のフレームワーク配列と異なるフレームワークを含む。このようなフレームワーク配列は、生殖系列抗体遺伝子配列を含む公開DNAデータベース又は公開参照文献から得ることができる。このようなフレームワーク配列は、本開示の抗CD40抗体で使用されるフレームワーク配列と構造的に類似するものであることが好ましい。CDR1、CDR2及びCDR3配列を当該フレームワーク配列の生殖系列免疫グロブリン遺伝子と同じ配列を有するフレームワーク領域に移植してもよいし、又はCDR配列を生殖系列配列と比べて1つ又は複数の変異を有するフレームワーク領域に移植してもよい。例えば、場合によっては、フレームワーク領域における残基に対する変異は、抗体の抗原結合能力を維持又は増強することができると役立てるものである(例えば、米国特許第5,530,101号、第5,585,089号、第5,693,762号、第6,180,370号を参照する)。
【0071】
別のタイプの可変領域修飾は、CDR1、CDR2及び/又はCDR3領域内のアミノ酸残基を変異させることにより、目的抗体の1種又は複数種の特性(例えば、親和性、物理化学的性質)を改善することである。点変異又はPCRによって媒介される変異で変異を導入することができ、当分野で知られているインビトロ又はインビボ測定で抗体結合又は他の機能特性に対する変異の影響を評価することができる。アミノ酸の置換、付加又は欠失であってもよく、好ましくは、置換である。また、一般的に、各CDR領域内の1個、2個、3個、4個又は5個以下の残基を変更する。
【0072】
一実施形態では、本開示によって提供される抗体又はその抗原結合断片は、重鎖可変領域と、軽鎖可変領域とを含み、前記重鎖可変領域及び軽鎖可変領域は、(a)本開示の配列、又は1個、2個、3個、4個若しくは5個のアミノ酸の置換、欠失若しくは付加を有するアミノ酸配列を含むHCDR1領域と、(b)本開示の配列、又は1個、2個、3個、4個若しくは5個のアミノ酸の置換、欠失若しくは付加を有するアミノ酸配列を含むHCDR2領域と、(c)本開示の配列、又は1個、2個、3個、4個若しくは5個のアミノ酸の置換、欠失若しくは付加を有するアミノ酸配列を含むHCDR3領域と、(d)本開示の配列、又は1個、2個、3個、4個若しくは5個のアミノ酸の置換、欠失若しくは付加を有するアミノ酸配列を含むLCDR1領域と、(e)本開示の配列、又は1個、2個、3個、4個若しくは5個のアミノ酸の置換、欠失若しくは付加を有するアミノ酸配列を含むLCDR2領域と、(f)本開示の配列、又は1個、2個、3個、4個若しくは5個のアミノ酸の置換、欠失若しくは付加を有するアミノ酸配列を含むLCDR3領域とを含む。
【0073】
本開示の抗体又はその抗原結合断片は、抗体の特性を改善するVH及び/又はVLのフレームワーク領域修飾を含む。一般的に、このようなフレームワーク領域修飾は、抗体の免疫原性を低下させることができる。例えば、1つ又は複数のフレームワーク残基を対応する生殖系列配列に「復帰変異」させる。これらの残基は、抗体フレームワーク配列を、抗体の由来となる生殖系列配列と比較して認識することができる。
【0074】
別のタイプのフレームワーク修飾は、T細胞エピトープを除去することによって、抗体が引き起こし得る免疫原性を減少させるための、フレームワーク領域、又は1つ若しくは複数のCDR領域の1つ若しくは複数の残基に対する変異を含む。当該方法は、「脱免疫化」とも呼ばれ、米国特許開示第20030153043号で詳細に記述されている。
【0075】
また、本開示の抗体又はその抗原結合断片は、Fc修飾を含み、Fc修飾は、アミノ酸の挿入、欠失又は置換であってもよく、一般的に、抗体の1種又は複数種の機能特性、例えば、血中濃度半減期、補体結合、Fc受容体結合及び/又は抗原依存性細胞傷害性を変更する。
【0076】
また、本開示の抗体又はその抗原結合断片に対して、化学修飾(例えば、1つ又は複数の化学官能基の接続)、又は、抗体の1種若しくは複数種の機能特性を変更するためのそのグリコシル化を変更する修飾を行ってもよい。他の実施形態では、ペグ化(例えば、抗体又はその断片をポリエチレングリコール(PEG)と反応させること)によって、Fc領域を修飾する。
【0077】
別の実施形態では、本開示の抗体又はその抗原結合断片のグリコシル化を変更する。このようなグリコシル化修飾は、例えば、抗体配列中の1つ又は複数のグリコシル化部位を変更することによって実現できる。例えば、1つ又は複数のアミノ酸を置き換えて、1つ又は複数の可変領域のフレームワーク領域のグリコシル化部位を消去することにより、当該部位のグリコシル化を消去することができる。このような脱グリコシル化は、抗原に対する抗体の親和性を増加させることができる。例えば、米国特許第5,714,350号、第6,350,861号を参照する。
【0078】
本開示によって提供される抗体又はその抗原結合断片は、CD40と結合することによって、CD40活性を阻害する。「CD40活性」は、B細胞の活性化、例えば、B細胞の増殖、抗体の産生、抗体アイソタイプのクラススイッチ又は形質細胞への分化;T細胞の活性化、例えば、T細胞の増殖又はサイトカイン分泌;樹状細胞の活性化、例えば、樹状細胞の増殖、分化及び成熟;マクロファージの活性化を含み、ただしそれらに限定されない。他の分子との相互作用によってCD40活性を阻害してもよい。また、「CD40活性」は、腫瘍細胞の成長及び/又は増殖の阻害、腫瘍細胞のアポトーシスの誘導などをさらに含む。
【0079】
一実施形態では、本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片はCD40と結合し、これによってB細胞の活性化は阻害される。一実施形態では、本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片はCD40と結合し、これによってB細胞の増殖は阻害される。
【0080】
一実施形態では、本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片はCD40と結合し、これによってT細胞の活性化は阻害される。一実施形態では、本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片はCD40と結合し、これによってT細胞の増殖及び/又はサイトカインの産生は阻害される。一実施形態では、本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片はCD40と結合し、これによってIL-2、IFNγ、TNF、IL-1、IL-4、IL-5、IL-6、IL-12、IL-13、IL-17及びGM-CSFからなる群から選ばれる1種又は複数種のサイトカインの産生は阻害される。一実施形態では、本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片はCD40と結合し、これによってサイトカインIFNγの産生は阻害される。一実施形態では、本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片はCD40と結合し、これによってサイトカインIL-6の産生は阻害される。
【0081】
したがって、一態様で、本開示は、T細胞及び抗原提示細胞を本開示の抗CD40抗体又はその抗原結合断片と接触させることを含む、免疫応答の調節方法を提供する。一実施形態では、混合リンパ球反応(MLR)において、本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片の免疫応答に対する調節を計測することができる。一実施形態では、本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片はMLRでリンパ球のサイトカインの産生を阻害する。別の実施形態では、本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片はMLRでサイトカインIFNγの産生を阻害する。
【0082】
一実施形態では、本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片はCD40と結合し、これによって樹状細胞の活性化は阻害される。一実施形態では、本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片はCD40と結合し、これによって樹状細胞の分化及び成熟は阻害される。
【0083】
一実施形態では、本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片はCD40と結合し、これによって腫瘍細胞のアポトーシスは阻害される。一実施形態では、本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片はCD40と結合し、これによってRamos細胞のアポトーシスは阻害される。
【0084】
本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片はCD40と結合する時に明らかな作動活性がない。一実施形態では、本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片は腫瘍細胞のアポトーシスに明らかな作動活性がない。一実施形態では、本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片はRamos細胞のアポトーシスに明らかな作動活性がない。一実施形態では、本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片はB細胞の活性化に明らかな作動活性がない。一実施形態では、本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片はB細胞の増殖に明らかな作動活性がない。一実施形態では、本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片は樹状細胞の活性化に明らかな作動活性がない。一実施形態では、本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片は樹状細胞の分化及び成熟に明らかな作動活性がない。「明らかな作動活性のない」物質には、試験で検出された作動活性は天然物又は陰性対照によって誘導された作動活性の約25%以下であり、好ましくは、約20%以下、約15%以下、約10%以下、約5%以下、約1%以下、約0.5%以下若しくは約0.1%以下であり、又は試験で検出された作動活性は陽性対照によって誘導された作動活性より少なくとも、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%又は100%低いことが示される。一実施形態では、CD40と結合しない非特異的な免疫グロブリン、例えば、IgG4アイソタイプ対照抗体を陰性対照とする。一実施形態では、作動性抗CD40抗体、例えば、CP-870893を陽性対照とする。
【0085】
本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片は、良好な安全性を有する。本開示によって提供される抗CD40抗体又はその抗原結合断片は、シェーグレン症候群に良好な治療効果を有する。
【0086】
別の態様で、本開示は、1種又は複数種の本開示の抗CD40抗体又はその抗原結合断片と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。本明細書で使用される場合に、「薬学的に許容される担体」は、生理学的に適合するいずれか又は全ての溶媒、分散媒、塗料、抗菌剤、等張剤及びそれらの組み合わせを含む。適切な「薬学的に許容される担体」の選択及び使用については、Gennaro,ed.,Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Ed.(Lippincott Williams & Wilkins 2003)に教示がある。
【0087】
適切な方法又は経路のいずれかで抗体又は医薬組成物を投与することができる。投与経路は、例えば、静脈内、筋肉内、皮下、非経口、髄腔内又は表皮投与(例えば、注射又は注入)を含む。投与経路によって、酸及びそれを不活性化させ得る他の自然条件の影響を受けないよう、有効成分を材料でコーティングしてもよい。本明細書で使用される用語「非経口投与」とは、経腸及び局所投与以外の投与方式を指し、一般的に、注射を利用し、且つ、静脈内、筋肉内、動脈内、髄内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、嚢下、くも膜下、脊髄内、硬膜外及び胸骨内の注射及び注入を含み、ただしそれらに限定されない。又は、医薬組成物は、経口経路によって、例えば、局所、表皮又は粘膜経路によって投与されてもよく、例えば、鼻腔内、経口、経膣、経直腸、舌下又は局所で投与される。
【0088】
抗体の投与について、用量は、約0.0001~100mg/kgの宿主の体重の範囲内であってもよい。
【0089】
本開示の抗CD40抗体又はその抗原結合部分には、免疫疾患の診断、治療及び/又は予防に関する様々なインビトロ及びインビボでの使用がある。「治療」とは、症状、病状、経過を軽減及び/若しくは安定化させ、疾患の進行を遅延及び/若しくは阻止し、及び/又は疾患の重症度を軽減させる方法を指す。本開示の抗CD40抗体又はその抗原結合部分、コードする核酸、医薬組成物、組換えポリペプチド、融合タンパク質、二重特異性分子、免疫複合体、キメラ抗原受容体又は遺伝子ベクターは、前記被験者の免疫疾患を治療するために、ヒト被験者に投与されてもよい。
【0090】
別の態様で、本開示は、前記被験者に治療有効量の本開示の抗CD40抗体又はその抗原結合部分、コードする核酸、医薬組成物、組換えポリペプチド、融合タンパク質、二重特異性分子、免疫複合体、キメラ抗原受容体又は遺伝子ベクターを投与することを含む、被験者で免疫疾患を治療又は予防する方法を提供する。いくつかの実施形態では、前記被験者はヒトである。
【0091】
「免疫疾患」とは、個体における免疫応答の進行に関連する疾患のいずれかを指し、細胞性及び/又は体液性の免疫応答を含む。いくつかの具体的な実施形態では、前記使用及び方法において、前記免疫疾患は、炎症性疾患、アレルギー反応、自己免疫疾患又は移植関連疾患を含み、ただしそれらに限定されない。炎症性疾患とは、過剰な又は制御不能な炎症応答によって引き起こされる過剰な炎症症状、宿主の組織損傷又は機能喪失による疾患、障害又は症状のいずれかを指し、皮膚、腎臓、消化器及び呼吸器のアレルギー性炎症、乾癬、腎炎、精巣上体炎、炎症性腸疾患、喘息などを含む。自己免疫疾患とは、免疫系の過剰な活性化によって引き起こされる体が自身の組織を攻撃し及び損傷する疾患、障害又は症状のいずれかを指し、例えば、多発性硬化症、関節炎、重症筋無力症、乾癬、強皮症、自己免疫性肝炎、自己免疫性耳下腺炎、I型糖尿病などである。
【0092】
いくつかの具体的な実施形態では、前記使用及び方法において、前記免疫疾患は、アレルギー反応、アジソン病(Addison’s disease)、強直性脊椎炎、脊椎関節炎、喘息、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈性心疾患、自己免疫性肝炎、自己免疫性耳下腺炎、I型糖尿病、精巣上体炎、腎炎、ライター症候群、甲状腺炎、グレーブス病(Graves’ disease)、ギラン・バレー症候群(GBS)、橋本病、溶血性貧血、特発性血小板減少症、全身性エリテマトーデス、亜急性皮膚エリテマトーデス、多発性硬化症、重症筋無力症、乾癬、強皮症、関節炎、サルコイドーシス、シェーグレン症候群、ドライアイ、化膿性汗腺炎、移植関連疾患、血管炎及び/又は炎症性腸疾患を含み、ただしそれらに限定されない。
【0093】
いくつかの実施形態では、移植関連疾患の例は、移植片拒絶反応、移植片対宿主病(GVHD)を含み、ただしそれらに限定されない。
【0094】
いくつかの実施形態では、炎症性腸疾患の例は、クローン病、潰瘍性大腸炎を含み、ただしそれらに限定されない。
【0095】
いくつかの実施形態では、関節炎の例は、関節リウマチ、若年性関節炎、乾癬性関節炎を含み、ただしそれらに限定されない。
【0096】
いくつかの実施形態では、腎炎の例は、ループス腎炎を含み、ただしそれらに限定されない。
【0097】
いくつかの実施形態では、乾癬の例は、尋常性乾癬、膿疱性乾癬(例えば、掌蹠膿疱症、膿疱性乾癬(汎発型))、乾癬性紅皮症、乾癬性関節炎を含み、ただしそれらに限定されない。
【0098】
前記使用及び方法において、本開示の抗CD40抗体又はその抗原結合部分は、単独で投与されてもよいし、又は第2治療剤と併用して投与されてもよい。いくつかの実施形態では、前記第2治療剤は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、サリチル酸塩、ヒドロキシクロロキン、スルファサラジン、コルチコステロイド、細胞傷害性薬物、又は免疫抑制薬及び/若しくは抗体を含む。非ステロイド性抗炎症薬は、イブプロフェン、ナプロキセン、ジクロフェナク、インドメタシン、ケトロラク、メロキシカム、ピロキシカム、チアプロフェン酸、スリンダクを含み、ただしそれらに限定されない。免疫抑制薬及び/又は抗体は、シクロスポリン、タクロリムス(Tacrolimus)、ラパマイシン、ミコフェノール酸モフェチル、CTLA4-Ig融合体、抗Bリンパ球活性化抗体、抗T細胞抗体(例えば、抗CD-3)を含み、ただしそれらに限定されない。細胞傷害性薬物は、メトトレキサート、シクロホスファミドを含み、ただしそれらに限定されない。本明細書で検討される治療剤の併用は、薬学的に許容される担体中の単一の組成物として同時に投与されてもよいし、又は別々の組成物として同時に投与されてもよく、ただし各薬剤は薬学的に許容される担体に含まれる。別の実施形態では、治療剤の併用は順次投与することであってもよい。
【0099】
また、複数回の併用療法で投与し、且つ薬剤を順次投与する場合に、各時点での順次投与の順番は逆にしてもよいし又はそのままでもよく、順次投与は、同時投与又はその組み合わせのいずれかと共に行ってもよい。
【0100】
明瞭に理解されるために、例での説明及び実施例で上記の発明を詳細に記述しているが、本開示の教示によれば、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく他にも本開示にいくつかの変更及び補正を行ってもよいということが当業者に自明である。限定をするためではないが、本開示を下記の実施例でさらに説明する。また、当業者は、様々な重要でないパラメータを認識しやすいはずであり、前記パラメータを変更又は補正して実質的に類似している結果を得ることができる。
【0101】
特に断りがない限り、本開示を実施するにあたり、当分野の技術範囲内にあるタンパク質化学、生化学、組換えDNA技術及び薬理学の通常の方法を用いる。
【0102】
本開示は、また、下記のいくつかの具体的な実施形態を提供し、ただし本開示の保護範囲はそれらに限らない。
(実施形態1)単離された抗CD40抗体又はその抗原結合断片であって、
(i)重鎖CDR1と、重鎖CDR2と、重鎖CDR3とを含み、ただし、
(1)重鎖CDR1は配列番号9における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号9における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号9における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(2)重鎖CDR1は配列番号10における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号10における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号10における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(3)重鎖CDR1は配列番号11における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号11における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号11における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(4)重鎖CDR1は配列番号12における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号12における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号12における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(5)重鎖CDR1は配列番号13における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号13における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号13における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(6)重鎖CDR1は配列番号22における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号22における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号22における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(7)重鎖CDR1は配列番号30における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号30における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号30における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(8)重鎖CDR1は配列番号38における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号38における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号38における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(9)重鎖CDR1は配列番号44における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号44における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号44における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、若しくは
(10)重鎖CDR1は配列番号52における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号52における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号52における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、及び/又は
(ii)軽鎖CDR1と、軽鎖CDR2と、軽鎖CDR3とを含み、ただし、
(1)軽鎖CDR1は配列番号14における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号14における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号14における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(2)軽鎖CDR1は配列番号15における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号15における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号15における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(3)軽鎖CDR1は配列番号16における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号16における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号16における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(4)軽鎖CDR1は配列番号17における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号17における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号17における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(5)軽鎖CDR1は配列番号23における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号23における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号23における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(6)軽鎖CDR1は配列番号31における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号31における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号31における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(7)軽鎖CDR1は配列番号39における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号39における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号39における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(8)軽鎖CDR1は配列番号45における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号45における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号45における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、若しくは
(9)軽鎖CDR1は配列番号53における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号53における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号53における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含む、前記抗体又はその抗原結合断片。
【0103】
(実施形態2)前記抗体又はその抗原結合断片が、
(i)重鎖CDR1と、重鎖CDR2と、重鎖CDR3とを含み、ただし、
(1)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3は、それぞれ、配列番号1、2、5で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号1、2、5で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(2)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3は、それぞれ、配列番号1、3、5で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号1、3、5で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(3)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3は、それぞれ、配列番号1、4、5で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号1、4、5で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(4)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3は、それぞれ、配列番号18、19、20で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号18、19、20で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(5)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3は、それぞれ、配列番号24、25、26で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号24、25、26で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(6)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3は、それぞれ、配列番号32、33、34で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号32、33、34で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(7)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3は、それぞれ、配列番号40、41、42で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号40、41、42で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、若しくは
(8)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3は、それぞれ、配列番号46、47、48で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号46、47、48で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、及び/又は
(ii)軽鎖CDR1と、軽鎖CDR2と、軽鎖CDR3とを含み、ただし、
(1)軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号6、7、8で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号6、7、8で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(2)軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号21、7、8で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号21、7、8で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(3)軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号27、28、29で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号27、28、29で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(4)軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号35、36、37で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号35、36、37で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(5)軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号43、36、37で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号43、36、37で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、若しくは
(6)軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号49、50、51で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号49、50、51で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態1に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【0104】
(実施形態3)前記抗体又はその抗原結合断片が、
重鎖CDR1と、重鎖CDR2と、重鎖CDR3と、軽鎖CDR1と、軽鎖CDR2と、軽鎖CDR3とを含み、ただし、
(1)重鎖CDR1は配列番号9における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号9における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号9における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号14における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号14における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号14における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(2)重鎖CDR1は配列番号10における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号10における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号10における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号15における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号15における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号15における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(3)重鎖CDR1は配列番号11における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号11における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号11における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号15における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号15における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号15における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(4)重鎖CDR1は配列番号10における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号10における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号10における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号16における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号16における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号16における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(5)重鎖CDR1は配列番号11における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号11における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号11における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号16における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号16における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号16における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(6)重鎖CDR1は配列番号10における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号10における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号10における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号17における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号17における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号17における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(7)重鎖CDR1は配列番号12における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号12における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号12における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号17における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号17における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号17における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(8)重鎖CDR1は配列番号13における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号13における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号13における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号17における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号17における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号17における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(9)重鎖CDR1は配列番号22における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号22における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号22における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号23における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号23における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号23における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(10)重鎖CDR1は配列番号30における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号30における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号30における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号31における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号31における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号31における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(11)重鎖CDR1は配列番号38における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号38における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号38における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号39における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号39における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号39における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(12)重鎖CDR1は配列番号44における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号44における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号44における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号45における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号45における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号45における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、又は
(13)重鎖CDR1は配列番号52における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号52における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号52における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号53における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号53における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号53における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含む、実施形態1に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【0105】
(実施形態4)前記抗体又はその抗原結合断片が、
重鎖CDR1と、重鎖CDR2と、重鎖CDR3と、軽鎖CDR1と、軽鎖CDR2と、軽鎖CDR3とを含み、ただし、
(1)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号1、2、5、6、7、8で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号1、2、5、6、7、8で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(2)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号1、3、5、6、7、8で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号1、3、5、6、7、8で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(3)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号1、4、5、6、7、8で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号1、4、5、6、7、8で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(4)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号18、19、20、21、7、8で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号18、19、20、21、7、8で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(5)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号24、25、26、27、28、29で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号24、25、26、27、28、29で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(6)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号32、33、34、35、36、37で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号32、33、34、35、36、37で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(7)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号40、41、42、43、36、37で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号40、41、42、43、36、37で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、又は
(8)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号46、47、48、49、50、51で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号46、47、48、49、50、51で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態1~3のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【0106】
(実施形態5)前記抗体又はその抗原結合断片が、
(i)重鎖可変領域を含み、前記重鎖可変領域は、9、10、11、12、13、22、30、38、44若しくは52で示されるアミノ酸配列、又は配列番号9、10、11、12、13、22、30、38、44若しくは52で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、及び/又は
(ii)軽鎖可変領域を含み、前記軽鎖可変領域は、配列番号14、15、16、17、23、31、39、45若しくは53で示されるアミノ酸配列、又は配列番号14、15、16、17、23、31、39、45若しくは53で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態1~4のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【0107】
(実施形態6)前記抗体又はその抗原結合断片が、重鎖可変領域と、軽鎖可変領域とを含み、ただし、
(1)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号9、14で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号9、14で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(2)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号10、15で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号10、15で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(3)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号11、15で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号11、15で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(4)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号10、16で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号10、16で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(5)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号11、16で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号11、16で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(6)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号10、17で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号10、17で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(7)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号12、17で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号12、17で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(8)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号13、17で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号13、17で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(9)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号22、23で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号22、23で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(10)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号30、31で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号30、31で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(11)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号38、39で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号38、39で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(12)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号44、45で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号44、45で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、又は
(13)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号52、53で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号52、53で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態1~5のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【0108】
(実施形態7)前記抗体又はその抗原結合断片が、重鎖定常領域と、軽鎖定常領域とをさらに含み、前記重鎖定常領域は、配列番号54、55若しくは56で示されるアミノ酸配列又は配列番号54、55若しくは56で示されるアミノ酸配列と比べて1個、2個、3個、4個若しくは5個のアミノ酸の置換、欠失及び付加を有するアミノ酸配列を含み、前記軽鎖定常領域は、配列番号57で示されるアミノ酸配列又は配列番号57で示されるアミノ酸配列と比べて1個、2個、3個、4個若しくは5個のアミノ酸の置換、欠失及び付加を有するアミノ酸配列を含む、実施形態1~6のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【0109】
(実施形態8)前記抗体又はその抗原結合断片が、(a)ヒトCD40と結合し、(b)サルCD40と結合し、(c)CD40とCD40Lの相互作用を遮断し、及び/又は(d)CD40活性を阻害する、実施形態1~7のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【0110】
(実施形態9)前記抗体又はその抗原結合断片が、キメラ又はヒト化されたものである、実施形態1~8のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【0111】
(実施形態10)前記抗体又はその抗原結合断片が、IgG1、IgG2又はIgG4アイソタイプである、実施形態1~9のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【0112】
(実施形態11)前記抗体又はその抗原結合断片が、モノクローナル抗体、単特異性抗体、二重特異性抗体、三重特異性抗体、多重特異性抗体、Fab断片、F(ab’)2断片、Fd断片、Fv断片、dAb断片、単離されたCDR領域、単鎖Fv分子又はそれらの組み合わせから選ばれる、実施形態1~10のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【0113】
(実施形態12)実施形態1~11のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片と同じエピトープと結合する、単離された抗体又はその抗原結合断片。
【0114】
(実施形態13)実施形態1~11のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片と競合的にCD40と結合する、単離された抗体又はその抗原結合断片。
【0115】
(実施形態14)実施形態1~11のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片をコードする、単離された核酸分子。
【0116】
(実施形態15)実施形態14に記載の核酸分子を含む、発現ベクター。
【0117】
(実施形態16)実施形態14に記載の核酸分子又は実施形態15に記載の発現ベクターを含む、宿主細胞。
【0118】
(実施形態17)実施形態1~11のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片を含む、組換えポリペプチド又は融合タンパク質。
【0119】
(実施形態18)実施形態1~11のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片を含む、二重特異性分子。
【0120】
(実施形態19)実施形態1~11のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片と、それに接続された治療剤、例えば、細胞傷害性薬物又は造影剤とを含む、免疫複合体。
【0121】
(実施形態20)実施形態1~11のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片と、1種又は複数種の薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【0122】
(実施形態21)前記被験者に治療有効量の実施形態1~11のいずれか一項に記載の抗体若しくはその抗原結合断片、又は実施形態20に記載の医薬組成物を投与することを含む、必要とする被験者で免疫疾患を治療又は予防する方法。
【0123】
(実施形態22)前記免疫疾患は、炎症性疾患、アレルギー反応、自己免疫疾患又は移植関連疾患を含み、ただしそれらに限定されない、実施形態21に記載の方法。
【0124】
(実施形態23)前記免疫疾患は、アレルギー反応、アジソン病、強直性脊椎炎、脊椎関節炎、喘息、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈性心疾患、自己免疫性肝炎、自己免疫性耳下腺炎、I型糖尿病、精巣上体炎、腎炎、ライター症候群、甲状腺炎、グレーブス病、ギラン・バレー症候群、橋本病、溶血性貧血、特発性血小板減少症、全身性エリテマトーデス、亜急性皮膚エリテマトーデス、多発性硬化症、重症筋無力症、乾癬、強皮症、関節炎、サルコイドーシス、シェーグレン症候群、ドライアイ、化膿性汗腺炎、移植関連疾患、血管炎及び/又は炎症性腸疾患を含み、ただしそれらに限定されない、実施形態21に記載の方法。
【0125】
(実施形態24)前記方法が、治療有効量の第2治療剤を投与することをさらに含む、実施形態21~23のいずれか一項に記載の方法。
【0126】
(実施形態25)前記第2治療剤は、非ステロイド性抗炎症薬、サリチル酸塩、ヒドロキシクロロキン、スルファサラジン、コルチコステロイド、細胞傷害性薬物、又は免疫抑制薬及び/若しくは抗体を含む、実施形態24に記載の方法。
【実施例】
【0127】
上記で一般的な説明及び具体的な実施形態を用いて本開示を詳細に記述しているが、本開示に対して、さらにいくつかの補正又は改良を行ってもよく、これは当業者に自明なことである。したがって、本開示の趣旨から逸脱することなく補正又は改良を行った場合に、そのいずれも本開示の保護を主張する範囲に属する。
【0128】
実施例1:マウス抗CD40モノクローナル抗体の作製
組換えタンパク質の作製:
人工遺伝子合成により、マウス抗体の重鎖Fcを含むヒトCD40組換えタンパク質(hCD40-mFc、配列番号64)及びサルCD40組換えタンパク質(cynoCD40-mFc、配列番号65)をコードするcDNAを得て、それぞれ、発現ベクターpcDNA3.1(+)にサブクローニングし、CHO細胞にトランスフェクトして一過性発現を行った。細胞培養上清を回収し、MabSelect Sure LX精製カラム(GE)を使用して組換えタンパク質hCD40-mFc及びcynoCD40-mFcを精製した。
【0129】
安定細胞株の構築:
人工遺伝子合成により、全長hCD40(配列番号62)及びcynoCD40(配列番号63)をコードするcDNAをそれぞれ得て、次に発現ベクターpcDNA3.1(+)にサブクローニングして、pcDNA3.1-hCD40及びpcDNA3.1-cynoCD40組換えプラスミドを得た。次にLipofectamin3000トランスフェクション試薬(Thermo、カタログ番号L3000015)の取扱説明書に従って、2つの組換えプラスミドをそれぞれCHO-K1細胞にトランスフェクトして、安定細胞株CHO-K1-hCD40及びCHO-K1-cynoCD40を得た。
【0130】
人工遺伝子合成により、全長hCD40L(配列番号66)及びcynoCD40L(配列番号67)をコードするcDNAをそれぞれ得て、次に発現ベクターpcDNA3.1(+)にサブクローニングして、pcDNA3.1-hCD40L及びpcDNA3.1-cynoCD40L組換えプラスミドを得た。次にLipofectamin3000トランスフェクション試薬(Thermo、カタログ番号L3000015)の取扱説明書に従って、2つの組換えプラスミドをそれぞれCHO-K1細胞にトランスフェクトして、それぞれ、安定細胞株CHO-K1-hCD40L及びCHO-K1-cynoCD40Lを得た。
【0131】
lipofectamin3000トランスフェクション試薬(Thermo、カタログ番号L3000015)の取扱説明書に従って、プラスミドpGL4.32[luc2P/NF-κB-RE/Hygro]Vector(Promega、カタログ番号E8491)をHEK293T細胞にトランスフェクトして、安定細胞株293T-NFκBを得た。次に、さらにpcDNA3.1/Zeo(+)ベクターのBamHI及びXhoI部位を全長hCD40(配列番号62)のコード配列に挿入して、組換えプラスミドpcDNA3.1/Zeo(+)-hCD40を得た。lipofectamin3000トランスフェクション試薬(Thermo、カタログ番号L3000015)の取扱説明書に従って、組換えプラスミドpcDNA3.1/Zeo(+)-hCD40を293T-NFκB細胞にトランスフェクトして、293T-hCD40-NFκB安定細胞株を得た。
【0132】
マウスの免疫:
精製された組換えタンパク質hCD40-mFc(配列番号64)を抗原として、hCD40-mFcと完全フロイントアジュバント(Sigma、カタログ番号F5881-10×10mL)を体積比1:1で充分に混合して乳化し、皮下注射でマウスを免疫化した。初回免疫の2~4週間後、hCD40-mFc又はcynoCD40-mFcとアラム(Alum)アジュバント(Thermo、カタログ番号77161)を体積比1:1の比率で充分に混合して乳化し、皮下注射と筋肉注射の交互の方式で2週間ごとに1回の追加免疫を行い、免疫は合計で6週間であった。免疫終了後、各マウスの血清を回収して抗CD40特異的抗体の血清力価を検出した。後の脾細胞融合に備えて血清力価の高いマウスを選択した。
【0133】
ハイブリドーマの作製及びスクリーニング:
融合3~4日前に、hCD40-mFcの腹腔内注射で、マウスに対する融合前の急速免疫を行った。融合の当日に、無菌状態でマウスの脾臓を摘出し、研磨して赤血球を溶解し、次に電気融合緩衝液(BTX、カタログ番号47-0001)で再懸濁させて、単細胞懸濁液を得て、細胞数2:1の比率で対数増殖期の骨髄腫細胞SP2/0と混合し、電気融合装置(BTX)を用いて細胞融合を完了した。融合後の細胞を、1×HATを含有しているハイブリドーマ培地(Gibco、カタログ番号12045-076)と均一に混合して、37℃、5%のCO2の条件で7日間培養した後にハイブリドーマ細胞を得た。マウス抗体のスクリーニングに備えて、ハイブリドーマ細胞培養上清を回収した。
【0134】
ELISA及びFACSによりhCD40結合活性を有すると検出したハイブリドーマ細胞を選択して増幅培養を行い、細胞が所定の数に達したら限界希釈法でサブクローニングを行った。次にサブクローニングされたハイブリドーマ細胞を37℃、5%のCO2で7日間インキュベートした後、マウス抗体の更なるスクリーニングに備えて、サブクローニングされたハイブリドーマ細胞培養上清を回収した。
【0135】
マウス抗体の発現及び精製:
スクリーニングされたハイブリドーマ細胞を10日間培養した後、遠心分離して細胞培養上清を回収し、次に細胞培養上清をプロテインGカラム(Genscript、カタログ番号L00209-10)にロードして、PBS緩衝液でプロテインGカラムを溶出し、さらに100mMのグリシン(pH2.8)でプロテインGカラムと結合した抗体を溶離し、直ちに1MのTris-HCで溶離液を中和した。次に、限外濾過法を用いてマウス抗体をPBS緩衝液に置換した。
【0136】
実施例2:マウス抗CD40抗体の特性評価
ELISAによる抗CD40抗体の結合活性の測定:
PBS緩衝液(pH7.4)でhCD40-Hisタンパク質(Acro、カタログ番号CD0-H5228)を0.1μg/mLの濃度に希釈して、100μL/ウェルで96ウェルプレートにコーティングし、4℃で一晩インキュベートした。PBST(0.5%のTween-20を含むPBS)で96ウェルプレートを洗浄し、次に200μL/ウェルでブロッキング溶液(1%のBSAを含むPBST)を加え、室温で2時間ブロックした。ブロッキング溶液を捨て、100μL/ウェルでハイブリドーマ細胞培養上清を加え、室温で2時間インキュベートした。PBSTで96ウェルプレートを洗浄した後、体積比1:10000で希釈したHRP結合ヤギ抗マウスIgG(H+L)抗体(Jackson Immuno、カタログ番号115-035-062)を加え、室温で1時間インキュベートした。PBSTで96ウェルプレートを洗浄した後、100μL/ウェルでTMB溶液を加え、室温で暗所5分間インキュベートして、0.5MのH2SO4で反応を停止させた。Bio-rad iMarkマイクロプレートリーダーを使用してOD450値を読み取った。
【0137】
FACSによる抗CD40抗体の結合活性の検出:
細胞濃度が5×105個/mLであるCHO-K1-hCD40細胞懸濁液を100μL/ウェルで96ウェルU底プレートに加え、次に100μL/ウェルでハイブリドーマ細胞培養上清を加え、均一に混合した後に4℃で1時間インキュベートした。2%のFBSを含むPBSで細胞を洗浄した後、体積比1:500で希釈したPE結合ヤギ抗マウスIgG(H+L)抗体(Abcam、カタログ番号ab97041)を加え、4℃で1時間インキュベートした。2%のFBSを含むPBSで細胞を洗浄し、次に細胞を2%のFBSを含むPBSに再懸濁させて、フローサイトメーター(BD AccuriC6)を使用して染色の平均蛍光強度(MFI)を検出することでCHO-K1-hCD40細胞に対する抗CD40抗体の結合を分析した。
【0138】
抗CD40抗体のCD40Lに対する293T-hCD40-NFκB細胞の結合を遮断する活性:
293T-hCD40-NFκB細胞上のhCD40がCD40Lと相互作用すると、蛍光シグナルの発現の上方制御が誘導された。具体的には、対数増殖期の293T-hCD40-NFκB細胞を、2%のFBSを含むDMEM培地に再懸濁させて、細胞濃度を5×10
5個/mLに調整し、次に10μL/ウェルで384ウェル白色プレートに加え、ハイブリドーマ細胞培養上清又は勾配希釈された精製マウス抗CD40抗体(抗体の最終濃度の範囲は0.064~5000ng/mLであり、5倍の勾配で希釈した)を加え、37℃で振盪しながら20分間インキュベートした。次に各ウェルに最終濃度が10μg/mLである10μLのヒトCD40Lタンパク質(Acro、カタログ番号CDL-H52Db)を加え、37℃で振盪しながら20分間インキュベートした後に384ウェルプレートを37℃、5%のCO
2の条件に移して静置しながら5~6時間インキュベートした。インキュベートした後にホタルルシフェラーゼキット(vazyme、カタログ番号DD1201-03)の取扱説明書に従って検出試薬を加え、マイクロプレートリーダー(Thermo Varioskan Flash)を使用して蛍光シグナルを読み取り、相対蛍光強度(RLU)でCD40Lによって媒介される293T-hCD40-NFκB細胞蛍光シグナルの上方制御に対する抗CD40抗体の遮断活性を分析し、Graphpad PrismでIC
50値を計算した。
図1A及び
図1Bに示すように、複数の精製されたマウス抗CD40抗体は、CD40Lに対する293T-hCD40-NFκB細胞の結合を遮断する活性を有する。
【0139】
Ramos細胞のアポトーシスに対する抗CD40抗体の阻害活性:
CD40/CD40Lによって媒介されるMAPK活性化経路は、腫瘍細胞の増殖を阻害し腫瘍細胞のアポトーシスを誘導する潜在的なメカニズムである。CD40を内因的に発現するヒトBリンパ腫細胞Ramos(バーキット(Burkitt)リンパ腫細胞)をモデルとして、Ramos細胞のアポトーシスに対する抗CD40抗体の阻害活性を検出した。具体的には、細胞濃度が1×10
6個/mLであるRamos細胞懸濁液を50μL/ウェルで96ウェルU底プレートに加え、勾配希釈された精製マウス抗CD40抗体(最終濃度の範囲は0.02~2000ng/mLであり、10倍の勾配で希釈した)を加え、最終濃度が2μg/mLであるヒトCD40Lタンパク質(Acro、カタログ番号CDL-H52Db)及び最終濃度が60ng/mLである組換えヒトIL-4(Acro、カタログ番号IL4-H4218)を加えた。均一に混合した後に37℃、5%のCO
2の条件で一晩インキュベートして、2%のFBSを含むPBSで細胞を洗浄し、次にPE結合マウス抗ヒトCD95抗体(Biolegend、カタログ番号305608)を加え、均一に混合した後に4℃で30分間インキュベートした。細胞を洗浄した後に2%のFBSを含むPBSで細胞を再懸濁させ、フローサイトメーター(Sartorius IQue3)を用いて蛍光シグナルを検出し、染色の平均蛍光強度(MFI)で腫瘍細胞アポトーシス分子CD95の発現状況を分析し、Graphpad PrismでIC
50値を計算した。
図2に示すように、複数の精製されたマウス抗CD40抗体は、CD40L及びIL-4によって誘導されたRamos細胞のアポトーシスを阻害する活性を有する。
【0140】
実施例3:キメラ抗CD40抗体の作製
キメラ抗体の構築:
実施例2でスクリーニングしたハイブリドーマ細胞(例えば、A01、A02、A03、B01、B02、B03など)に対して、RNA抽出キット(Takara、カタログ番号9767)の取扱説明書に従って細胞からトータルRNAを単離し、逆転写キット(Thermo、カタログ番号K1652)によって第1鎖cDNAを合成させた。第1鎖cDNAを鋳型として、それぞれ、マウスIgGプライマー及びKappaプライマーと混合し、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術を用いてクローニングし配列決定を行って、マウスIgG抗体可変領域配列を得た。
【0141】
化学合成法を用いて、マウス抗体のVH及びVLのDNA配列をそれぞれヒトIgG4(配列番号54)重鎖定常領域及びKappa軽鎖定常領域(配列番号57)のDNA配列に接続させ、次にpcDNA3.1(+)ベクターにクローニングして組換えヒト-マウスキメラ抗体を構築した。これらのキメラ抗体を、それぞれ、Chi-A01、Chi-A02、Chi-A03、Chi-B01、Chi-B02及びChi-B03と命名した。
【0142】
参照抗体の構築:
イスカリマブ(Iscalimab、CFZ533)を参照抗体として選択し、米国特許US9221913B2に記載のアミノ酸配列に基づいて、化学合成法を用いて抗体の重鎖及び軽鎖のDNA配列を得て、pcDNA3.1(+)ベクターにクローニングして参照抗体を構築し(重鎖及び軽鎖のアミノ酸配列は、本開示の配列番号58及び59を参照し、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域は下線の部分で示す)、参照抗体は、本明細書でBMとも呼ばれる(即ち、Benchmarkの略記)。
【0143】
キメラ抗体及び参照抗体の発現及び精製:
キメラ抗体及び参照抗体は、expiCHOシステム(Gibco、カタログ番号A29129)を用いてそのトランスフェクションキットの取扱説明書に従って一過性トランスフェクション発現を行い、トランスフェクトした後に細胞を37℃、8%のCO2の条件で振盪しながら6日間培養した。遠心分離して細胞培養上清を回収し、次に細胞培養上清をプロテインAカラム(G.E.Healthcare、カタログ番号17-5474)にロードして、カラム10個分のPBS緩衝液でプロテインAカラムを洗浄し、さらに酢酸緩衝液(300mMの酢酸、pH3.6)でプロテインAカラムと結合した抗体を溶離し、直ちに1MのTris-HClで溶離液を中和した。次に、限外濾過でキメラ抗体をPBS緩衝液に置換した。
【0144】
実施例4:キメラ抗CD40抗体の特性評価
FACSによる抗CD40抗体の結合活性の検出:
具体的な方法は、実施例2を参照し、いくつか変更があった。勾配希釈されたキメラ抗CD40抗体及びBM(最終濃度の範囲は0.064~5000ng/mLであり、5倍の勾配で希釈した)でハイブリドーマ細胞培養上清を置き換え、PE結合ロバ抗ヒトIgG(H+L)(Abcam、カタログ番号ab102439)でPE結合ヤギ抗マウスIgG(H+L)抗体を置き換えた。
【0145】
図3は、CHO-K1-hCD40細胞に対するキメラ抗体の結合活性を示し、そのうち、Chi-A01及びChi-A02のCHO-K1-hCD40細胞と結合するEC
50はBMと同等であった。
【0146】
Ramos細胞のアポトーシスに対する抗CD40抗体の阻害活性:
具体的な方法は、実施例2を参照し、いくつか変更があった。勾配希釈されたキメラ抗CD40抗体、BM及びIgG4アイソタイプ対照抗体(最終濃度の範囲は0.064~1000ng/mLであり、5倍の勾配で希釈した)で勾配希釈された精製マウス抗体(最終濃度の範囲は0.02~2000ng/mLであり、10倍の勾配で希釈した)を置き換えた。
【0147】
表2及び表3は、CD40L及びIL-4によって誘導されたRamos細胞のアポトーシスに対するキメラ抗体の阻害活性を示し、そのうち、Chi-A01及びChi-A02のCD40L及びIL-4によって誘導された腫瘍細胞のアポトーシスを50%阻害する濃度(IC50)は約5pMであり、BMのIC50は18.32pM(Chi-A01及びChi-A02の約3~4倍)であったことから、Chi-A01及びChi-A02のRamos細胞のアポトーシスに対する阻害活性はBMより優れていることが示された。
【0148】
式:阻害%=(CD40L及びIL-4とインキュベートした後にRamosがアポトーシスを誘導するMFI-CD40L、IL-4及び抗CD40抗体とインキュベートした後にRamosがアポトーシスを誘導するMFI)/(CD40L及びIL-4とインキュベートした後にRamosがアポトーシスを誘導するMFI-Ramosを培地だけとインキュベートした後に自然にアポトーシスするMFI)×100%で計算したところ、Chi-A01及びChi-A02の平均最大阻害率はBMと同等であることが分かった。
【表2】
【表3】
【0149】
Ramos細胞のアポトーシスに対する抗CD40抗体の作動活性:
作動性抗CD40抗体CP-870893(社内で調製したものであり、重鎖及び軽鎖の配列は本開示の配列番号60及び61を参照する)はRamos細胞と結合するとRamosのアポトーシスを誘導する刺激シグナルを生じることができるということが知られている。Ramos細胞を用いてキメラ抗CD40抗体の作動活性を検出し、具体的には、細胞濃度が5×10
5個/mLであるRamos細胞懸濁液を100μL/ウェルで96ウェルU底プレートに加え、勾配希釈された抗CD40抗体(最終濃度の範囲は0.01~10000ng/mLであり、10倍の勾配で希釈した)を加え、均一に混合した後に37℃、5%のCO
2の培養条件で一晩インキュベートした。2%のFBSを含むPBSで細胞を洗浄し、次にPE結合マウス抗ヒトCD95抗体(Biolegend、カタログ番号305608)を加え、混合した後に4℃で30分間インキュベートした。細胞を洗浄した後に2%のFBSを含むPBSで細胞を再懸濁させ、フローサイトメーター(Sartorius IQue3)を用いて蛍光シグナルを検出し、染色の平均蛍光強度(MFI)で腫瘍細胞アポトーシス分子CD95の発現状況を分析した。
図4の結果に示すように、キメラ抗体のChi-A02、Chi-B02及びChi-B03は、Ramos細胞のアポトーシスに弱い作動活性を有するが、キメラ抗体のChi-A01、Chi-A03、Chi-B01及びBMは、Ramos細胞のアポトーシスに作動活性を生じなかった。
【0150】
実施例5:ヒト化抗CD40抗体の設計及び作製
ヒト化抗体の設計:
CDR-graft法を用いて、マウス抗体A01の重鎖可変領域配列及び軽鎖可変領域配列に対してタンパク質データベースで比較分析することで、最も高い配列相同性を有するヒト生殖系列抗体配列をスクリーニングした。マウス抗体の相補性決定領域(CDR)をスクリーニングされたヒト生殖系列抗体配列のフレームワークにグラフトし、さらに、より多くの可変領域配列候補を得るためにCDR及び/又はフレームワーク中のアミノ酸残基を変異させた。
【0151】
軽鎖VLとして、ヒト生殖系列フレームワーク配列IGKV1-39*01とIGKJ1*01の組み合わせをヒト化配列の設計に用いて、軽鎖バリアントhzA01L1(配列番号15)を構築した。ヒト生殖系列フレームワーク配列IGKV3-20*01とIGKJ1*01の組み合わせをヒト化配列の設計に用いて、軽鎖バリアントhzA01L2(配列番号16)を構築した。ヒト生殖系列フレームワーク配列IGKV2-30*02とIGKJ2*02の組み合わせをヒト化配列の設計に用いて、軽鎖バリアントhzA01L3(配列番号17)を構築した。
【0152】
重鎖VHとして、ヒト生殖系列フレームワーク配列IGHV4-4*08とIGHJ3*01の組み合わせをヒト化配列の設計に用いて、重鎖バリアントhzA01H1、hzA01H3及びhzA01H4(それぞれ、配列番号10、配列番号12、配列番号13を参照する)を構築した。ヒト生殖系列フレームワーク配列IGHV3-33*01とIGHJ3*01の組み合わせをヒト化配列の設計に用いて、重鎖バリアントhzA01H2(配列番号11)を構築した。
【0153】
ヒト化抗体の構築:
化学合成法を用いて、上記のヒト化抗体のVH及びVLのDNA配列をそれぞれヒトIgG4(配列番号54)重鎖定常領域及びKappa軽鎖定常領域(配列番号57)のDNA配列に接続させ、次にpcDNA3.1(+)ベクターにクローニングして組換えヒト化抗体を構築した。表4は、ヒト化抗体のVH及びVL配列のマッチを示す。
【表4】
【0154】
ヒト化抗体の発現及び精製:
ヒト化抗体は、expiCHO発現システム(Gibco、カタログ番号A29129)を用いてそのトランスフェクションキットの取扱説明書に従って一過性トランスフェクションを行い、トランスフェクトした後に細胞を37℃、8%のCO2の条件で振盪しながら6日間培養した。遠心分離して細胞培養上清を回収し、次に細胞培養上清とプロテインA磁気ビーズ(GenScript、カタログ番号L00273)を室温で振盪しながら2時間インキュベートし、PBS溶液で洗浄した後、さらに酢酸緩衝液(300mMの酢酸、pH3.6)でプロテインA磁気ビーズと結合した抗体を溶離し、直ちに1MのTris-HClで溶離液を中和した。次に、限外濾過法を用いてヒト化抗体をPBS緩衝液に置換した。
【0155】
実施例6:ヒト化抗CD40抗体の特性評価
抗CD40抗体の親和性の測定:
ForteBio生体分子間相互作用解析装置でhCD40-Hisタンパク質(Acro、カタログ番号CD0-H5228)及びCynoCD40-Hisタンパク質(Acro、カタログ番号CD0-C52H6)に対するヒト化抗CD40抗体の親和性を検出した。最初に、AHCバイオセンサー(Fortebio、カタログ番号18-5060)を活性化させ、次にAHCバイオセンサーを最終濃度が5μg/mLである抗CD40抗体溶液に浸漬して、抗体を捕捉した。さらにAHCバイオセンサーを、勾配希釈された(最終濃度の範囲は1.56~100nMであり、2倍の勾配で希釈した)hCD40-Hisタンパク質及びCynoCD40-Hisタンパク質とそれぞれ結合させた。Fortebio生体分子間相互作用解析装置(Fortebio Octet RED96e)を用いて反応シグナルをリアルタイムに検出することによって結合及び解離曲線を得た。各サイクルの解離完了後、AHCバイオセンサーを再生させ、続いて次の捕捉を行い、サイクルを繰り返して異なる抗体のCD40に対する親和性の測定を完了した。ソフトウェアFortebio Data Analysis 11.0で1:1(Langmuir)結合モデルでデータを分析し、K
a(K
on)及びK
d(K
dis)を測定し、K
D=K
d/K
aで解離定数K
Dを計算し、より詳細な検出方法及び関連情報は、www.fortebio.comを参照する。表5の結果に示すように、ヒト又はカニクイザルCD40抗原に対するヒト化抗体のhzA01-3.1、hzA01-3.3及びhzA01-3.4の結合親和性K
Dは0.1~1nMであり、キメラChi-A01の親和性と同等であった。
【表5】
【0156】
FACSによる抗CD40抗体の結合活性の検出:
具体的な方法は、実施例2を参照し、いくつか変更があった。293T-hCD40-NFκB細胞でCHO-K1-hCD40細胞を置き換え、勾配希釈された抗CD40抗体(最終濃度の範囲は0.006~1000ng/mLであり、3倍の勾配で希釈した)でハイブリドーマ細胞培養上清を置き換え、PE結合ロバ抗ヒトIgG(H+L)抗体(Abcam、カタログ番号ab102439)でPE結合ヤギ抗マウスIgG(H+L)抗体を置き換え、フローサイトメーター(Sartorius IQue3)でフローサイトメーター(BD Accuri C6)を置き換えた。
【0157】
図5の結果に示すように、10~100ng/mLの濃度範囲内で、ヒト化抗体のhzA01-3.1、hzA01-3.3及びhzA01-3.4の293T-hCD40-NFκB細胞に対する結合が飽和に達しており、且つ飽和濃度に対応するMFI値はBMと同じレベルであった。
【0158】
抗CD40抗体のCHO-K1-hCD40L細胞とhCD40-mFc、CHO-K1-CynoCD40L細胞とcynoCD40-mFcの結合を遮断する活性:
細胞濃度が3×10
5個/mLであるCHO-K1-hCD40L細胞懸濁液及びCHO-K1-CynoCD40L細胞懸濁液をそれぞれ100μL/ウェルでそれぞれ96ウェルU底プレートに加え、これに応じて最終濃度が2μg/mLであるhCD40-mFcタンパク質(社内で調製したもの、配列番号64)又は最終濃度が2μg/mLであるcynoCD40-mFcタンパク質(社内で調製したもの、配列番号65)を加え、次に勾配希釈された抗CD40抗体(最終濃度の範囲は312.5~40000ng/mLであり、2倍の勾配で希釈した)を加え、均一に混合した後に4℃で1時間インキュベートした。2%のFBSを含むPBSで細胞を洗浄し、体積比1:500で希釈したPE結合ヤギ抗マウスIgG(H+L)抗体(Abcam、カタログ番号ab97041)を加え、4℃で30分間インキュベートした。2%のFBSを含むPBSで細胞を洗浄し、次に細胞を2%のFBSを含むPBSに再懸濁させて、フローサイトメーター(Sartorius IQue3)を使用して蛍光シグナルを検出し、染色の平均蛍光強度(MFI)で抗CD40抗体のhCD40-mFcタンパク質、CHO-K1-cynoCD40L細胞及びcynoCD40-mFcタンパク質に対するCHO-K1-hCD40L細胞の結合を遮断する活性を分析し、ソフトウェアGraphPad PrismでIC
50値を計算した。表6の結果に示すように、ヒト化抗体のhzA01-3.1及びhzA01-3.4は、細胞レベルで遮断するIC
50がBMと同等であった。
【表6】
【0159】
抗CD40抗体の293T-hCD40-NFκB細胞とCHO-K1-hCD40L細胞の結合を遮断する活性:
細胞濃度が2.5×10
5個/mLである293T-hCD40-NFκB細胞希懸濁液を20μL/ウェルで96ウェルプレートに加え、次に勾配希釈された抗CD40抗体(最終濃度の範囲は0.007~2000ng/mLであり、6倍の勾配で希釈した)を加え、同時に細胞数1:1の比率でCHO-K1-hCD40L細胞懸濁液を加え、均一に混合した後に室温で20分間インキュベートした。次に96ウェルプレートを37℃、5%のCO
2の条件に移して静置しながら5~6時間インキュベートした。インキュベートした後にホタルルシフェラーゼキット(vazyme、カタログ番号DD1201-03)の取扱説明書に従って検出試薬を加え、マイクロプレートリーダー(Thermo Varioskan Flash)を使用して細胞蛍光シグナルを検出し、相対蛍光強度(RLU)でCD40Lによって媒介される293T-hCD40-NFκB細胞蛍光シグナルの上方制御に対する抗CD40抗体の遮断活性を分析した。
図6の結果に示すように、0~2μg/mLの濃度範囲内で、ヒト化抗体のhzA01-1.1、hzA01-2.1、hzA01-3.1、hzA01-3.3及びhzA01-3.4は、いずれも顕著な遮断活性を示した。
【0160】
Ramos細胞のアポトーシスに対する抗CD40抗体の阻害活性:
具体的な方法は、実施例2を参照し、いくつか変更があった。勾配希釈された抗CD40抗体(最終濃度の範囲は0.007~2000ng/mLであり、6倍の勾配で希釈した)で勾配希釈された精製マウス抗CD40抗体(最終濃度の範囲は0.02~2000ng/mLであり、10倍の勾配で希釈した)を置き換えた。
【0161】
図7の結果に示すように、0~2μg/mLの濃度範囲内で、ヒト化抗体のhzA01-3.1、hzA01-3.3及びhzA01-3.4はいずれも持続的な阻害活性を示しており、その阻害IC
50がBMより3~4倍低かった。
【0162】
Ramos細胞のアポトーシスに対する抗CD40抗体の作動活性:
具体的な方法は、実施例4を参照し、いくつか変更があった。勾配希釈された抗CD40抗体(最終濃度の範囲は0.01~2000nMであり、5倍の勾配で希釈した)で勾配希釈された抗CD40抗体(最終濃度の範囲は0.01~10000ng/mLであり、10倍の勾配で希釈した)を置き換えた。
【0163】
図8の結果に示すように、ヒト化抗体のhzA01-1.1及びhzA01-2.1は弱い作動活性を有し、ヒト化抗体のhzA01-3.1、hzA01-3.3及びhzA01-3.4は0.01~2000nMの濃度範囲内でいずれもBMより顕著な作動活性を生じなかった。
【0164】
末梢血Bリンパ球の活性化に対する抗CD40抗体の阻害活性:
ヒト末梢血に由来するBリンパ球(PBMC-B)において発現されたCD40は、CD40Lと結合して、B細胞の活性化を誘導することにより、細胞表面の活性化シグナルの上方制御(例えば、CD86)を引き起こすことができる。ヒトBリンパ球精製キット(Stemcell、カタログ番号17954)を用いて健常者のPBMCに由来するBリンパ球を単離及び精製し、細胞濃度が1×10
6個/mLである末梢血Bリンパ球懸濁液を50μL/ウェルで96ウェルU底プレートに加え、勾配希釈された抗CD40抗体(最終濃度の範囲は0.002~2000ng/mLであり、10倍の勾配で希釈した)を加え、次に細胞数1:1の比率でCHO-K1-hCD40L細胞懸濁液を加えた。37℃、5%のCO
2の条件で一晩インキュベートした。2%のFBSを含むPBS溶液で細胞を洗浄し、次にPE結合マウス抗ヒトCD86抗体(Biolegend、カタログ番号305438)を加え、細胞と均一に混合した後に4℃で30分間インキュベートした。2%のFBSを含むPBS溶液で細胞を洗浄して再懸濁させ、フローサイトメーター(Sartorius IQue3)を用いてB細胞によって発現された共刺激分子CD86の平均蛍光強度(MFI)を検出し、Graphpad Prismで分析してIC
50値を計算した。
図9の結果に示すように、ヒト化抗体のhzA01-3.1、hzA01-3.3及びhzA01-3.4はいずれもCD40Lによって誘導されたヒト末梢血Bリンパ球CD86の発現に対する阻害活性を示しており、且つIC
50がBMより約2~4倍低かった。
【0165】
末梢血Bリンパ球の増殖に対する抗CD40抗体の阻害活性:
ヒト末梢血に由来するBリンパ球(PBMC-B)において発現されたCD40は、CD40Lとして結合、B細胞の増殖を誘導することができる。細胞濃度が1×10
6個/mLであるヒト末梢血Bリンパ球懸濁液を50μL/ウェルで96ウェルU底プレートに加え、勾配希釈された抗CD40抗体(最終濃度の範囲は0.000035~35nMであり、10倍の勾配で希釈した)を加え、最終濃度が2μg/mLであるヒトCD40Lタンパク質(Acro、カタログ番号CDL-H52Db)及び最終濃度が60ng/mLである組換えヒトIL-4タンパク質(Acro、カタログ番号IL4-H4218)を加えた。均一に混合した後に37℃、5%のCO
2の条件で5日間インキュベートした。細胞を回収して、PBS緩衝液で細胞を洗浄して再懸濁させ、次にCellTiter Gloルシフェラーゼ細胞活性検出試薬(Promega、カタログ番号G7572)を加え、蛍光マイクロプレートリーダー(Thermo Varioskan Flash)で細胞蛍光シグナルを検出し、相対蛍光強度(RLU)でヒト末梢血Bリンパ球の増殖を分析し、Graphpad PrismでIC
50値を計算した。
図10の結果に示すように、ヒト化抗体のhzA01-3.1、hzA01-3.3及びhzA01-3.4のCD40L及びIL-4によって誘導されたヒト末梢血Bリンパ球の増殖を阻害するIC
50は、BMより約3~6倍低かった。
【0166】
抗CD40抗体の末梢血Bリンパ球の増殖を誘導する活性:
細胞濃度が1×10
6個/mLである健常者の末梢血Bリンパ球懸濁液を50μL/ウェルで96ウェルU底プレートに加え、勾配希釈された抗CD40抗体(最終濃度の範囲は0.00035~350nMであり、10倍の勾配で希釈した)を加え、37℃、5%のCO
2の条件で5日間インキュベートした。細胞を回収して、PBS緩衝液で細胞を洗浄して再懸濁させ、次にCellTiter Gloルシフェラーゼ細胞活性検出試薬(Promega、カタログ番号G7572)を加え、蛍光マイクロプレートリーダー(Thermo Varioskan Flash)を用いて細胞蛍光シグナルを検出し、相対蛍光強度(RLU)で末梢血Bリンパ球の増殖を分析した。
図11の結果に示すように、ヒト化抗体hzA01-3.1は、高濃度(350nM)の場合にわずかな増殖を誘導し、ヒト化抗体のhzA01-3.3及びhzA01-3.4は0~350nMの濃度範囲内でいずれもBMより顕著な作動活性を生じなかった。
【0167】
混合リンパ球反応(MLR)に対する抗CD40抗体の阻害効果:
単球単離キット(Stemcell、カタログ番号19359)の取扱説明書に従って健常者のPBMCから単球を単離し、次に細胞濃度を1×106個/mLに調整した。DC細胞培養キット(Stemcell、カタログ番号10985)の取扱説明書に従ってDC細胞分化誘導剤を加え、37℃、5%のCO2の培養条件で5日間インキュベートし、さらにDC細胞成熟促進剤を加え、引き続き2日間培養して、単球を完全成熟したDC細胞(mDC)に分化させた。
【0168】
EasySep(商標)CD4陽性T細胞単離キット(Stemcell、カタログ番号17952)の取扱説明書に従って健常者のPBMCからCD4+T細胞を単離し、次に細胞濃度を2×106個/mLに調整した。mDC細胞を1×104個/ウェルで96ウェルU底プレートに加え、勾配希釈された抗CD40抗体又はIgG4アイソタイプ対照抗体(最終濃度の範囲は10~10000ng/mLであり、10倍の勾配で希釈した)を加え、均一に混合した後に室温で30分間インキュベートし、続いてmDCとCD4+Tの細胞数1:20の比率でCD4+T細胞懸濁液を加え、均一に混合した後に37℃、5%のCO2の条件で96時間培養し、遠心分離して培養上清を回収した。
【0169】
IFNγ検出キット(R&D、カタログ番号DY285B)の取扱説明書に従って、ELISAにより培養上清中のIFNγを検出し、マイクロプレートリーダー(Bio-rad iMark)を使用してOD450吸光度を読み取り、Graphpad Prismでの計算によりIFNγ濃度を分析した。
図12の結果に示すように、ヒト化抗体hzA01-3.3は、10~10000ng/mLの濃度範囲内で混合リンパ球反応を濃度依存的に阻害し、且つ飽和濃度(1000~10000ng/mL)におけるIFNγの放出量がBMより少なく、これは飽和濃度では混合リンパ球反応に対するhzA01-3.3の阻害能力はBMより優れていることを示した。
【0170】
樹状細胞の成熟に対する抗CD40抗体の作動活性:
単球単離キット(Stemcell、カタログ番号19359)の取扱説明書に従ってPBMCから単球を単離し、DC細胞分化誘導剤(Stemcell、カタログ番号10988)で5日間誘導培養して、成熟不完全のDC細胞(imDC)を回収し、細胞濃度を1×10
6個/mLに調整した。imDC細胞懸濁液を50μL/ウェルで96ウェルプレートに加え、次に勾配希釈された抗CD40抗体又はIgG4アイソタイプ対照抗体(最終濃度の範囲は100~10000ng/mLであり、10倍の勾配で希釈した)を加え、37℃、5%のCO
2の条件で一晩インキュベートした。細胞を回収し、2%のFBSを含むPBSで細胞を洗浄して再懸濁させ、APC結合マウス抗ヒトCD83抗体(BD、カタログ番号551073)を加え、均一に混合した後に4℃で30分間インキュベートし、2%のFBSを含むPBSで細胞を洗浄して再懸濁させ、フローサイトメーター(Sartorius IQue3)を用いて細胞蛍光シグナルを検出し、染色の平均蛍光強度(MFI)で細胞表面のCD83の発現状況を分析した。CD83の発現は成熟DC細胞の特異的なマーカーであり、
図13の結果に示すように、CP-870893は、imDC細胞の成熟を明らかに促進する効果を有するが、ヒト化抗体hzA01-3.3及びBMはいずれもimDC細胞の成熟に対して明らかな作動活性を生じなかった。
【0171】
実施例7:抗CD40抗体のFc効果
ヒトB細胞、DC細胞、PBMCなどの細胞の表面にFc受容体(FcR)が発現され、抗CD40抗体はFc末端がFcRと結合すると、抗体Fc架橋結合(Fc Crosslinking)を媒介して作動活性を生じるか、又は抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)若しくは補体依存性細胞傷害活性(CDC)を媒介してB細胞の枯渇を引き起こすことがある。
【0172】
細胞濃度が1×10
6個/mLであるRamos細胞懸濁液を50μL/ウェルで96ウェルU底プレートに加え、抗CD40抗体(最終濃度の範囲は1~10μg/mLであり、10倍の勾配で希釈した)を加え、均一に混合した後に室温で20分間インキュベートした。次に最終濃度が2μg/mLである抗ヒトIgG Fcγ抗体(Jackson Immuno、カタログ番号109-005-190)を加え、均一に混合した後に37℃、5%のCO
2の条件で一晩インキュベートした。遠心分離して細胞を回収し、2%のFBSを含むPBSで洗浄して細胞を再懸濁させ、フローサイトメーター(Sartorius IQue3)を用いて細胞蛍光シグナルを検出し、染色の平均蛍光強度(MFI)でRamos細胞上のアポトーシス分子CD95の発現状況を分析した。表7の結果に示すように、1~10μg/mLの濃度範囲内で、ヒト化抗体hzA01-3.3は、BMより顕著に高い架橋結合刺激活性を生じておらず、且つ架橋結合作動活性がCP-870893をはるかに下回った。
【表7】
【0173】
Ramos細胞を標的細胞として、Jurkat-NFAT-Luc細胞(Promega)をエフェクター細胞として、抗CD40抗体によって媒介されるADCC効果を評価した。具体的には、細胞濃度が1×10
6個/mLであるRamos細胞懸濁液を50μL/ウェルで96ウェルプレートに加え、勾配希釈された抗CD40抗体又はリツキシマブ(Rituximab)(最終濃度の範囲は0.46~1000ng/mLであり、3倍の勾配で希釈した)を加え、均一に混合した後に室温で20分間インキュベートした。次に細胞濃度が5×10
6個/mLであるJurkat-NFAT-Luc細胞懸濁液を100μL/ウェルで96ウェルプレートに加え、ただし、標的細胞数とエフェクター細胞数の比率は1:10であり、均一に混合した後に37℃で5時間インキュベートした。遠心分離して細胞を回収し、PBSで洗浄した後、Luc蛍光検出試薬(蘇州瑞安、カタログ番号RA-GL03)を加え、蛍光マイクロプレートリーダー(Thermo Varioskan Flash)を用いて細胞蛍光シグナルを検出し、相対蛍光シグナル(RLU)の値で抗CD40抗体によって媒介されるADCC効果を分析した。
図14の結果に示すように、リツキシマブ(Rituximab)は顕著なADCC効果を有するが、ヒト化抗体hzA01-3.3及びBMはいずれもADCC活性を示さなかった。
【0174】
細胞濃度が1×10
6個/mLであるRamos細胞懸濁液を50μL/ウェルで96ウェルプレートに加え、50μL/ウェルで勾配希釈された抗CD40抗体又はリツキシマブ(Rituximab)(最終濃度の範囲は2.4~40000ng/mLであり、4倍の勾配で希釈した)を加え、同時に25μL/ウェルでヒト血清補体タンパク質(Quidel、カタログ番号A112)を加え、均一に混合した後に37℃、5%のCO
2の培養条件で一晩インキュベートした。CellTiter Gloルシフェラーゼ細胞活性検出キット(Promega、カタログ番号G7572)の取扱説明書に従って検出試薬を加え、蛍光マイクロプレートリーダー(Thermo Varioskan Flash)を用いて細胞蛍光シグナルを検出し、相対蛍光シグナル(RLU)で生存細胞を分析した。結果から分かるように、リツキシマブ(Rituximab)は顕著なCDC殺傷活性を有するが、ヒト化抗体hzA01-3.3はBMと同じで、いずれもCDC殺傷効果を示しておらず(
図15)、CDC殺傷率%=(標的細胞の蛍光値-抗体群の蛍光値)÷(標的細胞の蛍光値-検出試薬で処理した標的細胞の蛍光値)×100%であった。
【0175】
実施例8:ヒト化抗CD40抗体のインビボ薬力学
健常者のPBMC細胞をNDG免疫不全マウスの体内に移植して免疫を再構築して、ヒト抗体を産生するマウスモデルを構築した。一方では、ヒトPBMCはマウス抗原に応答して、ヒト抗マウスIgG抗体及びヒト抗マウスIgM抗体を産生し、他方では、マウスの体内のヒトPBMC細胞はKLHなどの外来タンパク質の刺激を受けると抗KLH特異的抗体を産生する。ヒト抗体を産生するマウスモデルの構築方法は次のとおりであった。6~8週齢の雌のNDG免疫不全マウスを選択し(百奥賽図より購入)、0日目に、各マウスに1×107個の健常者のPBMC細胞を尾静脈注射し、0~5日目に、毎日に各マウスに10μgの組換えヒトIL-4(Acro、カタログ番号IL4-H4218)を腹腔内注射し、0日目及び7日目に、各マウスに50μgのKLHタンパク質(Sigma、カタログ番号H7017-20MG)を腹腔内注射した。表8のとおりにマウスを群分けし、0日目から、各マウスに対して週1回投与の頻度で、連続3回で抗体薬物を腹腔内注射した。
【0176】
8日目、14日目及び21日目に、各マウスの血液サンプルを採取して血清を単離した。ヒトIgG ELISA検出キット(Thermo、カタログ番号BMS2091)及びヒトIgM ELISA検出キット(Novus、カタログ番号NBP2-60477)の取扱説明書に従って、それぞれ、マウス血清中のヒト抗マウスIgG抗体及びヒト抗マウスIgM抗体の濃度を検出した。マイクロプレートリーダー(Bio-rad iMark)を使用してOD450吸光度を読み取り、Graphpad Prismでの計算により血清中のヒト抗マウスIgG抗体及びヒト抗マウスIgM抗体の濃度を分析した。また、次の方法を用いてマウス血清中の抗KLH抗体の力価を検出した。濃度が2μg/mLであるKLHタンパク質(Sigma、カタログ番号H7017-20MG)を100μL/ウェルで96ウェルプレートに加え、4℃で一晩インキュベートした。PBSTで96ウェルプレートを洗浄した後、200μL/ウェルでブロッキング溶液(1%のBSAを含むPBST)を加え、室温で2時間ブロックした。ブロッキング溶液を捨て、次に100μL/ウェルで勾配希釈されたマウス血清を加え、室温で2時間インキュベートした。PBSTで96ウェルプレートを洗浄した後、体積比1:10000で希釈したHRP結合ヤギ抗ヒトIgG(H+L)抗体(Jackson Immuno、カタログ番号109-035-088)を加え、室温で1時間インキュベートした。PBSTで96ウェルプレートを洗浄した後、100μL/ウェルでTMB溶液を加え、室温で暗所5分間インキュベートして、0.5MのH
2SO
4で反応を停止させ、Bio-rad iMarkマイクロプレートリーダーにおいて450nMの吸光度を読み取った。結果から分かるように、IgG4アイソタイプ群と比べて、ヒト化抗体hzA01-3.3はヒト抗マウスIgG抗体及びヒト抗マウスIgM抗体の産生を顕著に阻害することができ(
図16A及び
図16B)、且つhzA01-3.3治療群はKLHに対して特異的抗体を生じなかった(データは不記載)。
【0177】
22日目に、マウスを殺した後に脾臓を摘出し、重量を量って各群のマウスの脾臓係数(脾臓係数=脾臓の重量/マウスの体重×1000)を分析した。結果は表8を参照し、IgG4アイソタイプ対照群でマウスの脾臓は明らかに腫大し且つ脾臓係数は明らかに高くなったが、hzA01-3.3(0.5mg/kg)群及びhzA01-3.3(5mg/kg)群でマウスの脾臓腫大は明らかに緩和され、hzA01-3.3はマウスの脾臓係数を用量依存的に低下させ、hzA01-3.3(5mg/kg)群とBM(5mg/kg)群のマウスの脾臓係数は同等であった。
【表8】
【0178】
また、フローサイトメトリーを用いて各群のマウスの脾臓内に浸潤されたヒトTリンパ球及びBリンパ球の含有量を分析し、具体的には、マウスの脾臓を摘出して単細胞懸濁液を調製し、細胞濃度を1×10
6個/mLに調整して、100μL/ウェルで96ウェルU底プレートに加え、それぞれ、PE結合マウス抗ヒトCD4抗体(Biolegend、カタログ番号980804)、APC結合マウス抗ヒトCD19抗体(BD、カタログ番号555415)を加え、均一に混合した後に4℃で30分間インキュベートし、2%のFBSを含むPBSで洗浄して細胞を再懸濁させ、フローサイトメーター(Thermo Attune Nxt)を用いて細胞蛍光シグナルを検出し、染色細胞数のパーセンテージ(%)でマウスの脾臓内に浸潤されたヒトCD4
+T細胞及びCD19
+B細胞の含有量を分析した。結果(
図17)から分かるように、22日目に、IgG4アイソタイプ対照群でマウスの脾臓に大量のヒトCD4
+T細胞及びヒトCD19
+B細胞が浸潤されたが、hzA01-3.3(0.5mg/kg)及びhzA01-3.3(5mg/kg)群でマウスの脾臓内に浸潤されたT細胞及びB細胞はIgG4アイソタイプ群を顕著に下回り、hzA01-3.3はヒトT細胞及びB細胞の浸潤含有量を用量依存的に低下させた。
【0179】
実施例9:顎下腺タンパク質によって誘導されたhCD40/hCD40L遺伝子組み替えマウスのシェーグレン症候群モデルにおける抗CD40抗体の薬力学評価
次の方法で抗原を作製した。C57BL/6マウスを20匹(6~8週齢、雌、百奥賽図医薬科技股▼フン▲有限公司提供)を用い、顎下腺を採取して、被膜及び結合組織を単離し、4℃でPBS(Servicebio、カタログ番号G4202-500ML)を用いて洗浄した。低温環境で、機械的にホモジナイズし、その後、遠心分離して上清を取り出して、顎下腺タンパク質を得て、顎下腺タンパク質を抗原とした。
【0180】
次の方法でhCD40/hCD40Lマウスのシェーグレン症候群モデルを構築した。0日目及び7日目に、抗原と完全フロイントアジュバント(Sigma、カタログ番号F5881)を1:1(v/v)混合して顎下腺タンパク質エマルジョンを作り、hCD40/hCD40Lマウス(北京維通利華実験動物技術有限公司)の背部に2箇所皮下注射し、全量は200μLであった。14日目に、抗原と不完全フロイントアジュバント(Sigma、カタログ番号F5506)を1:1(v/v)混合して顎下腺タンパク質エマルジョンを作り、hCD40/hCD40Lマウスの背部に2箇所皮下注射し、全量は200μLであった。
【0181】
hCD40/hCD40Lマウスを初期唾液量の平均値で5群に分け、0日目から、週2回投与し、合計で10回(それぞれ、0日目に、4日目に、7日目に、11日目に、14日目に、18日目に、21日目に、25日目に、28日目に、及び32日目に)投与し、35日目に試験を終了し、期間中に2週ごとに1回重量を量った。群分け及び投与計画は表9に示すとおりであった。
【表9】
【0182】
唾液流量率の計測、顎下腺指数の計算、顎下腺IL-6の検出、血液及び脾臓のフローサイトメトリー検出及び顎下腺のHE病理染色検査でhzA01-3.3の薬力学評価を行い、具体的な方法は次のとおりであった。
-3日目に、6日目に、13日目に、19日目に、27日目に、及び34日目に、1%のペントバルビタールナトリウム溶液を用いて60mg/kgの用量でマウスを麻酔して、ピロカルピン(Aladdin、カタログ番号P129614)を1.25mg/kgで腹腔内注射し、注射後15分間内の唾液を回収して、唾液流量率=[綿球の湿重量(mg)-綿球の乾燥重量(mg)]/15分で唾液流量率を計算し、GraphPad Prismで唾液流量率データに対するT検定(T-test)分析を行った。
【0183】
35日目に、各マウスから100μLの血液サンプルを採取した。血液サンプルにPEで標識した抗マウスCD45抗体(Biolegend、カタログ番号103106)、Brilliant Violet 510(商標)で標識した抗マウスCD3抗体(Biolegend、カタログ番号100234)、FITCで標識した抗マウスCD4抗体(Biolegend、カタログ番号100510)、PE/Cyanine7で標識した抗マウスCD8a抗体(Biolegend、カタログ番号100722)及びAPCで標識した抗マウスCD19抗体(Biolegend、カタログ番号115512)を加え、4℃で暗所30分間インキュベートした。次に赤血球溶解液(Biolegend、カタログ番号420301)を加え、室温で暗所30分間溶解した。その後、PBSで洗浄して細胞を再懸濁させ、フローサイトメーターを用いて蛍光シグナルを検出した。
【0184】
35日目に、マウスの脾臓を摘出してそれを単細胞懸濁液として調製し、細胞密度を1×108個/mLに調整して、100μL取り出して赤血球溶解液(Biolegend、カタログ番号420301)を加えて暗所で30分間溶解し、PBSで洗浄した後にPEで標識した抗マウスCD45抗体(Biolegend、カタログ番号103106)、Brilliant Violet 510(商標)で標識した抗マウスCD3抗体(Biolegend、カタログ番号100234)、FITCで標識した抗マウスCD4抗体(Biolegend、カタログ番号100510)、PE/Cyanine7で標識した抗マウスCD8a抗体(Biolegend、カタログ番号100722)及びAPCで標識した抗マウスCD19抗体(Biolegend、カタログ番号115512)を加え、4℃で暗所30分間インキュベートした。その後、PBSで洗浄して細胞を再懸濁させ、フローサイトメーターを用いて蛍光シグナルを検出した。
【0185】
35日目に、マウスの顎下腺を摘出して、重量を量り、顎下腺指数=顎下腺の重量(mg)/マウスの体重(g)で顎下腺指数を計算した。顎下腺の一部を10%の中性ホルマリンで固定して、病理学的HE染色を行い、顎下腺の病理学的スコアに対して、GraphPad Prismを用いて顎下腺の病理学的スコアデータに対するT検定(T-test)分析を行った。もう一部の顎下腺を低温で機械的にホモジナイズし、低温で遠心分離して上清を取り出して、マウスIL-6ELISAキット(Abcam、カタログ番号ab222503)の取扱説明書に従って上清中のIL-6の含有量を検出した。
【0186】
体重変化の結果(
図18)は、各群の動物の体重増加はブランク対照群と同等であることを示し、hzA01-3.3は各用量でいずれも明らかな毒性又は副作用がないということを明らかにした。
【0187】
唾液流量率の結果(
図19)は、hzA01-3.3(5mg/kg)群及びhzA01-3.3(25mg/kg)群の唾液流量率がいずれも回復する傾向を見せ、モデル群と比べて、hzA01-3.3(25mg/kg)群は27日目及び34日目の唾液流量率が顕著に上昇した(P<0.05)ことを示し、hzA01-3.3はマウスの唾液流量率を改善できるということを明らかにした。
【0188】
顎下腺指数、顎下腺のIL-6含有量、及び顎下腺の病理学的スコアの結果(
図20A~
図20C)は、hzA01-3.3(1mg/kg)群、hzA01-3.3(5mg/kg)群及びhzA01-3.3(25mg/kg)群のマウスの各指標がいずれも低下する傾向を見せ、モデル群と比べて、hzA01-3.3(5mg/kg)群及びhzA01-3.3(25mg/kg)群のマウスの各指標はいずれも顕著に低下したことを示し、hzA01-3.3は顎下腺指数を改善し、顎下腺中のIL-6の分泌を阻害し顎下腺の病理学的スコアを低下させることができるということを明らかにした。
【0189】
血液及び脾臓のフローサイトメトリー検出の結果(
図21A~
図21H)は、hzA01-3.3投与群の動物の血液及び脾臓中のCD3
+T細胞、CD4
+T細胞、CD8
+T細胞及びCD19
+B細胞のパーセンテージはブランク対照群と比べていずれも顕著に変化しなかったことを示し、hzA01-3.3は上記の細胞の数の変化に特異的な効果がないということを明らかにした。hzA01-3.3は離床上、良好な安全性又は/及び良好な治療効果を示すことができることが予想される。
【0190】
本開示の配列情報を表10にまとめている。
【表10-1】
【表10-2】
【表10-3】
【表10-4】
【表10-5】
【表10-6】
【表10-7】
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】2024-05-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単離された抗CD40抗体又はその抗原結合断片であって、
(i)重鎖CDR1と、重鎖CDR2と、重鎖CDR3とを含み、ただし、
(1)重鎖CDR1は配列番号9における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号9における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号9における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(2)重鎖CDR1は配列番号10における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号10における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号10における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(3)重鎖CDR1は配列番号11における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号11における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号11における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(4)重鎖CDR1は配列番号12における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号12における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号12における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(5)重鎖CDR1は配列番号13における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号13における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号13における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(6)重鎖CDR1は配列番号22における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号22における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号22における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(7)重鎖CDR1は配列番号30における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号30における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号30における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(8)重鎖CDR1は配列番号38における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号38における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号38における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(9)重鎖CDR1は配列番号44における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号44における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号44における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、若しくは
(10)重鎖CDR1は配列番号52における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号52における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして重鎖CDR3は配列番号52における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、及び/又は
(ii)軽鎖CDR1と、軽鎖CDR2と、軽鎖CDR3とを含み、ただし、
(1)軽鎖CDR1は配列番号14における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号14における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号14における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(2)軽鎖CDR1は配列番号15における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号15における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号15における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(3)軽鎖CDR1は配列番号16における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号16における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号16における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(4)軽鎖CDR1は配列番号17における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号17における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号17における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(5)軽鎖CDR1は配列番号23における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号23における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号23における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(6)軽鎖CDR1は配列番号31における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号31における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号31における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(7)軽鎖CDR1は配列番号39における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号39における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号39における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(8)軽鎖CDR1は配列番号45における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号45における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号45における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、若しくは
(9)軽鎖CDR1は配列番号53における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号53における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号53における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含む、前記抗体又はその抗原結合断片。
【請求項2】
(i)重鎖CDR1と、重鎖CDR2と、重鎖CDR3とを含み、ただし、
(1)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3は、それぞれ、配列番号1、2、5で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号1、2、5で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(2)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3は、それぞれ、配列番号1、3、5で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号1、3、5で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(3)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3は、それぞれ、配列番号1、4、5で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号1、4、5で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(4)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3は、それぞれ、配列番号18、19、20で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号18、19、20で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(5)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3は、それぞれ、配列番号24、25、26で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号24、25、26で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(6)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3は、それぞれ、配列番号32、33、34で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号32、33、34で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(7)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3は、それぞれ、配列番号40、41、42で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号40、41、42で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、若しくは
(8)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3は、それぞれ、配列番号46、47、48で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号46、47、48で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、及び/又は
(ii)軽鎖CDR1と、軽鎖CDR2と、軽鎖CDR3とを含み、ただし、
(1)軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号6、7、8で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号6、7、8で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(2)軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号21、7、8で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号21、7、8で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(3)軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号27、28、29で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号27、28、29で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(4)軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号35、36、37で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号35、36、37で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(5)軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号43、36、37で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号43、36、37で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、若しくは
(6)軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号49、50、51で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号49、50、51で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項3】
重鎖CDR1と、重鎖CDR2と、重鎖CDR3と、軽鎖CDR1と、軽鎖CDR2と、軽鎖CDR3とを含み、ただし、
(1)重鎖CDR1は配列番号9における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号9における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号9における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号14における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号14における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号14における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(2)重鎖CDR1は配列番号10における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号10における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号10における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号15における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号15における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号15における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(3)重鎖CDR1は配列番号11における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号11における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号11における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号15における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号15における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号15における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(4)重鎖CDR1は配列番号10における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号10における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号10における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号16における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号16における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号16における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(5)重鎖CDR1は配列番号11における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号11における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号11における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号16における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号16における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号16における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(6)重鎖CDR1は配列番号10における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号10における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号10における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号17における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号17における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号17における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(7)重鎖CDR1は配列番号12における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号12における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号12における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号17における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号17における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号17における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(8)重鎖CDR1は配列番号13における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号13における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号13における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号17における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号17における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号17における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(9)重鎖CDR1は配列番号22における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号22における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号22における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号23における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号23における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号23における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(10)重鎖CDR1は配列番号30における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号30における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号30における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号31における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号31における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号31における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(11)重鎖CDR1は配列番号38における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号38における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号38における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号39における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号39における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号39における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
(12)重鎖CDR1は配列番号44における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号44における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号44における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号45における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号45における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号45における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、又は
(13)重鎖CDR1は配列番号52における重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR2は配列番号52における重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、重鎖CDR3は配列番号52における重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR1は配列番号53における軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、軽鎖CDR2は配列番号53における軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、そして軽鎖CDR3は配列番号53における軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項4】
重鎖CDR1と、重鎖CDR2と、重鎖CDR3と、軽鎖CDR1と、軽鎖CDR2と、軽鎖CDR3とを含み、ただし、
(1)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号1、2、5、6、7、8で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号1、2、5、6、7、8で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(2)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号1、3、5、6、7、8で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号1、3、5、6、7、8で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(3)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号1、4、5、6、7、8で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号1、4、5、6、7、8で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(4)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号18、19、20、21、7、8で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号18、19、20、21、7、8で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(5)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号24、25、26、27、28、29で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号24、25、26、27、28、29で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(6)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号32、33、34、35、36、37で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号32、33、34、35、36、37で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(7)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号40、41、42、43、36、37で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号40、41、42、43、36、37で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、又は
(8)重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、軽鎖CDR3は、それぞれ、配列番号46、47、48、49、50、51で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号46、47、48、49、50、51で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、
請求項1に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項5】
(i)重鎖可変領域を含み、前記重鎖可変領域は、9、10、11、12、13、22、30、38、44若しくは52で示されるアミノ酸配列、又は配列番号9、10、11、12、13、22、30、38、44若しくは52で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、及び/又は
(ii)軽鎖可変領域を含み、前記軽鎖可変領域は配列番号14、15、16、17、23、31、39、45若しくは53で示されるアミノ酸配列、又は配列番号14、15、16、17、23、31、39、45若しくは53で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、
請求項1に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項6】
重鎖可変領域と、軽鎖可変領域とを含み、ただし、
(1)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号9、14で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号9、14で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(2)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号10、15で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号10、15で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(3)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号11、15で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号11、15で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(4)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号10、16で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号10、16で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(5)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号11、16で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号11、16で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(6)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号10、17で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号10、17で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(7)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号12、17で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号12、17で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(8)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号13、17で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号13、17で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(9)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号22、23で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号22、23で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(10)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号30、31で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号30、31で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(11)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号38、39で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号38、39で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
(12)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号44、45で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号44、45で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、又は
(13)重鎖可変領域、軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号52、53で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号52、53で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含
み、
任意に、前記重鎖可変領域及び前記軽鎖可変領域は、それぞれ、配列番号12、17で示されるアミノ酸配列若しくは配列番号12、17で示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、
請求項1に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項7】
重鎖定常領域と、軽鎖定常領域とをさらに含み、前記重鎖定常領域は、配列番号54、55若しくは56で示されるアミノ酸配列又は配列番号54、55若しくは56で示されるアミノ酸配列と比べて1個、2個、3個、4個若しくは5個のアミノ酸の置換、欠失及び付加を有するアミノ酸配列を含み、前記軽鎖定常領域は、配列番号57で示されるアミノ酸配列又は配列番号57で示されるアミノ酸配列と比べて1個、2個、3個、4個若しくは5個のアミノ酸の置換、欠失及び付加を有するアミノ酸配列を含む、
請求項1に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項8】
重鎖定常領域と、軽鎖定常領域とをさらに含み、前記重鎖定常領域は、配列番号54、55若しくは56で示されるアミノ酸配列又は配列番号54、55若しくは56で示されるアミノ酸配列と比べて1個、2個、3個、4個若しくは5個のアミノ酸の置換、欠失及び付加を有するアミノ酸配列を含み、前記軽鎖定常領域は、配列番号57で示されるアミノ酸配列又は配列番号57で示されるアミノ酸配列と比べて1個、2個、3個、4個若しくは5個のアミノ酸の置換、欠失及び付加を有するアミノ酸配列を含む、請求項6に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項9】
重鎖定常領域と、軽鎖定常領域とをさらに含み、前記重鎖定常領域は、配列番号54で示されるアミノ酸配列又は配列番号54で示されるアミノ酸配列と比べて1個、2個、3個、4個若しくは5個のアミノ酸の置換、欠失及び付加を有するアミノ酸配列を含み、前記軽鎖定常領域は、配列番号57で示されるアミノ酸配列又は配列番号57で示されるアミノ酸配列と比べて1個、2個、3個、4個若しくは5個のアミノ酸の置換、欠失及び付加を有するアミノ酸配列を含む、請求項6に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項10】
(a)ヒトCD40と結合し、(b)サルCD40と結合し、(c)CD40とCD40Lの相互作用を遮断し、及び/又は(d)CD40活性を阻害する、
請求項1に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項11】
キメラ又はヒト化されたものであり、
任意に、前記抗体又はその抗原結合断片が、IgG1、IgG2又はIgG4アイソタイプであり、
任意に、前記抗体又はその抗原結合断片が、モノクローナル抗体、単特異性抗体、二重特異性抗体、三重特異性抗体、多重特異性抗体、Fab断片、F(ab’)
2断片、Fd断片、Fv断片、dAb断片、単離されたCDR領域、単鎖Fv分子又はそれらの組み合わせから選ばれる、
請求項1に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片をコードする、単離された核酸分子。
【請求項13】
請求項12に記載の核酸分子を含む、発現ベクター。
【請求項14】
請求項12に記載の核酸分子又は
請求項12に記載の核酸分子を含む発現ベクターを含む、宿主細胞。
【請求項15】
請求項1~11のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片を含む、組換えポリペプチド又は融合タンパク質。
【請求項16】
請求項1~11のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片と、1種又は複数種の薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項17】
免疫疾患
の治療又は予防
における、前記被験者に治療有効量の
請求項1~11のいずれか一項に記載の抗体若しくはその抗原結合断片、又は
前記抗体若しくはその抗原結合断片を含む医薬組成物
の使用であって、
任意に、前記免疫疾患は、炎症性疾患、アレルギー反応、自己免疫疾患又は移植関連疾患を含
み、
任意に、前記免疫疾患は、アレルギー反応、アジソン病、強直性脊椎炎、脊椎関節炎、喘息、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈性心疾患、自己免疫性肝炎、自己免疫性耳下腺炎、I型糖尿病、精巣上体炎、腎炎、ライター症候群、甲状腺炎、グレーブス病、ギラン・バレー症候群、橋本病、溶血性貧血、特発性血小板減少症、全身性エリテマトーデス、亜急性皮膚エリテマトーデス、多発性硬化症、重症筋無力症、乾癬、強皮症、関節炎、サルコイドーシス、シェーグレン症候群、ドライアイ、化膿性汗腺炎、移植関連疾患、血管炎及び/又は炎症性腸疾患を含
み、
任意に、
前記抗体若しくはその抗原結合断片、またはその医薬組成物は第2治療剤
と組み合わせて使用し、
任意に、前記第2治療剤は、非ステロイド性抗炎症薬、サリチル酸塩、ヒドロキシクロロキン、スルファサラジン、コルチコステロイド、細胞傷害性薬物、又は免疫抑制薬及び/若しくは抗体を含む、前記
使用。
【国際調査報告】