(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】高周波波長掃引光源及び蛍光体を使用する色制御
(51)【国際特許分類】
H05B 45/20 20200101AFI20240925BHJP
F21V 9/38 20180101ALI20240925BHJP
H05B 47/155 20200101ALI20240925BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240925BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20240925BHJP
【FI】
H05B45/20
F21V9/38
H05B47/155
F21Y115:10
F21Y115:30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516692
(86)(22)【出願日】2022-09-12
(85)【翻訳文提出日】2024-03-14
(86)【国際出願番号】 EP2022075291
(87)【国際公開番号】W WO2023041486
(87)【国際公開日】2023-03-23
(32)【優先日】2021-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ボムメル ティース
(72)【発明者】
【氏名】ヒクメット リファット アタ ムスターファ
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA05
3K273PA07
3K273PA10
3K273QA07
3K273RA05
3K273TA15
3K273TA29
3K273TA33
3K273TA37
3K273UA02
3K273UA22
3K273VA08
(57)【要約】
本発明は、とりわけ、第1光生成デバイス110と、第2光生成デバイス120と、ルミネッセンス材料200とを有する光生成システム1000であって、(A)前記第1光生成デバイス110が、第1デバイス光111を生成するよう構成され、前記第2光生成デバイス120が、第2デバイス光121を生成するよう構成され、前記第1デバイス光111と、前記第2デバイス光121とが、異なるスペクトルパワー分布を持ち、(B)前記ルミネッセンス材料200が、前記第1デバイス光111及び前記第2デバイス光121のうちの1つ以上の少なくとも一部をルミネッセンス材料光201に変換するよう構成され、(C)前記第1光生成デバイス110が、前記光生成システム1000の動作モードにおいて、少なくとも40Hzの変化周波数で、少なくとも10nmの波長差を持つ少なくとも2つの重心波長λ1c,1、λ1c,2の間で変化する第1デバイス光111を生成するよう構成される波長可変光生成デバイスを有し、(D)前記光生成システム1000が、前記光生成システム1000の前記動作モードにおいて、前記ルミネッセンス材料光201、並びに前記第1デバイス光111及び前記第2デバイス光121を含む白色システム光1001を生成するよう構成される光生成システム1000を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光生成デバイスと、第2光生成デバイスと、ルミネッセンス材料とを有する光生成システムであって、
前記第1光生成デバイスが、第1デバイス光を生成するよう構成され、前記第2光生成デバイスが、第2デバイス光を生成するよう構成され、前記第1デバイス光と、前記第2デバイス光とが、異なるスペクトルパワー分布を持ち、
前記ルミネッセンス材料が、前記第1デバイス光及び前記第2デバイス光のうちの1つ以上の少なくとも一部をルミネッセンス材料光に変換するよう構成され、
前記第1光生成デバイスが、前記光生成システムの動作モードにおいて、少なくとも50Hzの変化周波数で、少なくとも10nmの波長差を持つ少なくとも2つの重心波長の間で変化する第1デバイス光を生成するよう構成される波長可変光生成デバイスを有し、
前記光生成システムが、前記光生成システムの前記動作モードにおいて、前記ルミネッセンス材料光、前記第1デバイス光及び前記第2デバイス光を含む白色システム光を生成するよう構成される光生成システム。
【請求項2】
前記第1光生成デバイスが、垂直共振器面発光レーザ及びスーパールミネッセントダイオードのうちの1つ以上を有する請求項1に記載の光生成システム。
【請求項3】
前記第1光生成デバイスが、(a)前記光生成システムの動作モードにおいて、少なくとも60Hzの変化周波数で、少なくとも20nmの波長差を持つ少なくとも2つの重心波長の間で変化する第1光源光を生成するよう構成される波長可変第1光源と、(b)前記波長可変第1光源の下流に構成され、前記少なくとも2つの重心波長の間で変化する前記第1光源光の少なくとも一部を、前記少なくとも2つの重心波長の間で変化する前記第1デバイス光に変換するよう構成されるアップコンバータ材料とを有する請求項1乃至2のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項4】
前記アップコンバータ材料が、アップコンバータ・ルミネッセンス材料及び周波数2倍化材料のうちの1つ以上を有する請求項3に記載の光生成システム。
【請求項5】
前記ルミネッセンス材料が、A
3B
5O
12:Ceタイプのルミネッセンス材料を含み、Aが、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上を含み、Bが、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を含む請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項6】
セラミック体を有し、前記セラミック体が、前記ルミネッセンス材料を有する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項7】
前記第2光生成デバイスが、ダイオードレーザ及びスーパールミネッセントダイオードのうちの1つ以上を有する請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項8】
前記第2光生成デバイスが、前記光生成システムの動作モードにおいて、少なくとも50Hzの変化周波数で、少なくとも10nmの波長差を持つ少なくとも2つの重心波長の間で変化する第2デバイス光を生成するよう構成される波長可変光生成デバイスを有する請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項9】
前記第1光生成デバイスが、青色波長範囲内に重心波長を持つ第1デバイス光を生成するよう構成され、前記第2光生成デバイスが、赤色波長範囲内に重心波長を持つ第2デバイス光を生成するよう構成される、又は
前記第1光生成デバイスが、赤色波長範囲内に重心波長を持つ第1デバイス光を生成するよう構成され、前記第2光生成デバイスが、青色波長範囲内に重心波長を持つ第2デバイス光を生成するよう構成される請求項1乃至8のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項10】
前記第1光生成デバイス及び前記第2光生成デバイスを個別に制御することによって、ユーザインターフェースの入力信号、センサ信号、及びタイマのうちの1つ以上に依存して、前記システム光を制御するよう構成される制御システムを更に有する請求項1乃至9のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項11】
前記制御システムが、パルス幅変調によって前記第1光生成デバイスを制御するよう構成され、前記制御システムが、前記動作モードにおいて、前記第1デバイス光のデューティサイクルを制御することによって、前記システム光のスペクトルパワー分布を制御するよう構成される請求項10に記載の光生成システム。
【請求項12】
前記波長可変光生成デバイスが、前記動作モードにおいて、各々が少なくとも50Hzのパルス周波数を持つ、前記重心波長を持つ第1デバイス光の第1パルスと、前記重心波長を持つ第1デバイス光の第2パルスとを生成するよう構成され、前記動作モードにおいて、前記システム光の前記スペクトルパワー分布を制御することが、前記第1パルスのデューティサイクル及び前記第2パルスのデューティサイクルを個別に制御することを含む請求項11に記載の光生成システム。
【請求項13】
前記ルミネッセンス材料が、A
3B
5O
12:Ceタイプのルミネッセンス材料を含み、Aが、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上を含み、Bが、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を含み、前記光生成システムが、セラミック体を有し、前記セラミック体が、前記ルミネッセンス材料を有し、前記第2光生成デバイスが、ダイオードレーザ及びスーパールミネッセントダイオードのうちの1つ以上を有し、前記第1光生成デバイスが、青色波長範囲内に重心波長を持つ第1デバイス光を生成するよう構成され、前記第2光生成デバイスが、赤色波長範囲内に重心波長を持つ第2デバイス光を生成するよう構成される請求項1乃至12のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項14】
前記制御システムが、前記光生成システムの動作モードにおいて、2700乃至6500Kの相関色温度範囲内で、少なくとも80の演色評価数を持つ前記システム光を制御するよう構成される請求項1乃至13のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項15】
ランプ、照明器具、プロジェクタデバイス、消毒デバイス、及び光無線通信デバイスのグループから選択される光生成デバイスであって、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の光生成システムを有する光生成デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光生成システムに関する。本発明は、更に、このような光生成システムを有する光生成デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
垂直キャビティレーザを含むデバイスは、当技術分野においては知られている。例えば、WO2004/107512は、a)基板と、b)基板に垂直なレーザ光の白色ビームを発するために基板に形成される1つ以上の個別にアドレス指定可能なレーザ光ピクセルとを有する白色光レーザ集積構造であって、1つ以上の個別にアドレス指定可能なレーザ光ピクセルの各々が、1つ以上の有機発光ダイオード(OLED)と、1つ以上のOLEDによって光学的にポンピングされるよう配設される複数の有機垂直キャビティレーザとを含み、複数の有機垂直キャビティレーザが、 異なる色の光を発し、1つ以上の個別にアドレス指定可能なレーザ発光ピクセルが、異なる色の光が組み合わされるときに実質的に白色の光を発する白色光レーザ集積構造について記載している。複数の有機垂直キャビティレーザは、2つの異なる色の光を発する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
白色LED光源は、例えば約300lm/mm2までの強度を与えることができるが、静的蛍光体変換レーザ白色光源は、約20.000lm/mm2までの強度さえ与えることができる。Ceドープガーネット(例えば、YAG、LuAG)は、ガーネット母材が非常に高い化学的安定性を有するので、青色レーザ光でポンピングするために使用されることができる最も適切なルミネッセンス変換器であり得る。更に、(例えば、0.5%未満の)低いCe濃度では、温度消光は、約200℃超でしか生じない可能性がある。更に、Ceからの発光は、非常に速い減衰時間を持ち、故に、光飽和の発生が本質的に防止されることができる。例えば反射モード動作と仮定すると、青色レーザ光が、蛍光体に入射する可能性がある。これは、実施形態においては、変換光の発光をもたらす、青色光のほぼ完全な変換を実現する可能性がある。相対的に高い安定性及び熱伝導率を備えるガーネット蛍光体の使用が提案されるのは、この理由のためである。しかしながら、他の蛍光体も適用され得る。極めて高い出力密度が使用される場合、熱管理は依然として課題であり得る。
【0004】
高輝度光源は、投影、ステージ照明、スポット照明、自動車用照明などの用途において使用されることができる。この目的のために、レーザがレーザ光を供給し、例えば(遠隔)蛍光体がレーザ光を変換光に変換するレーザ・蛍光体技術が使用され得る。前記蛍光体は、実施形態においては、熱管理の改善のために、従って、より高い輝度のために、ヒートシンク上に配設されてもよく、又はヒートシンクに挿入されてもよい。
【0005】
このような(レーザ)光源に関連し得る問題のうちの1つは、(セラミック)蛍光体の熱管理である。このようなレーザ光源に関連する他の問題は、コンパクトな高出力デバイスを作成したいという要望であり得る。更に、波長調整可能である光源を提供することは望ましいと思われる。しかしながら、一般に、レーザベースの光源は波長調整可能ではない。
【0006】
従って、代替光生成システムを提供することが、本発明の或る態様であり、前記代替光生成システムは、好ましくは、更に、上記の不利な点のうちの1つ以上を少なくとも部分的に取り除く。本発明は、従来技術の不利な点のうちの少なくとも1つを解消若しくは改善すること、又は有用な代替手段を提供することを目的とし得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
或る態様においては、本発明は、第1光生成デバイスと、第2光生成デバイスと、ルミネッセンス材料とを有する光生成システム(「システム」)を提供する。特には、前記第1光生成デバイスは、第1デバイス光を生成するよう構成され得る。更に、特には、前記第2光生成デバイスは、第2デバイス光を生成するよう構成され得る。更に、特には、(前記システムの動作モードにおいて)、前記第1デバイス光と、前記第2デバイス光とが、異なるスペクトルパワー分布を持つ。更に、特には、前記ルミネッセンス材料は、(a)前記第1デバイス光及び(b)前記第2デバイス光のうちの1つ以上の少なくとも一部をルミネッセンス材料光に変換するよう構成され得る。特には、前記第1光生成デバイスは、波長可変光生成デバイスを含み得る。前記波長可変光生成デバイスは、前記光生成システムの動作モードにおいて、(前記第1光の)少なくとも2つの重心波長(λ1c,1、λ1c,2)の間で変化する第1デバイス光を生成するよう構成され得る。特には、前記2つの重心波長は、少なくとも20nmなどの、少なくとも10nmの波長差を持ち得る。更に、前記波長可変光生成デバイスは、前記光生成システムの動作モードにおいて、少なくとも40Hzの、特に少なくとも50Hzの変化周波数で、少なくとも2つの重心波長(λ1c,1、λ1c,2)の間で変化する第1デバイス光を生成するよう構成され得る。更に、前記光生成システムは、前記光生成システムの前記動作モードにおいて、前記ルミネッセンス材料光、並びに前記第1デバイス光及び前記第2デバイス光のうちの少なくとも1つを含む白色システム光を生成するよう構成され得る。特には、実施形態において、本発明は、第1光生成デバイスと、第2光生成デバイスと、ルミネッセンス材料とを有する光生成システムであって、(A)前記第1光生成デバイスが、第1デバイス光を生成するよう構成され、前記第2光生成デバイスが、第2デバイス光を生成するよう構成され、前記第1デバイス光と、前記第2デバイス光とが、異なるスペクトルパワー分布を持ち、(B)前記ルミネッセンス材料が、前記第1デバイス光及び前記第2デバイス光のうちの1つ以上の少なくとも一部をルミネッセンス材料光に変換するよう構成され、(C)前記第1光生成デバイスが、前記光生成システムの動作モードにおいて、少なくとも40Hzの変化周波数で、少なくとも10nmの波長差を持つ少なくとも2つの重心波長(λ1c,1、λ1c,2)の間で変化する第1デバイス光を生成するよう構成される波長可変光生成デバイスを有し、(D)前記光生成システムが、前記光生成システムの前記動作モードにおいて、前記ルミネッセンス材料光、並びに前記第1デバイス光及び前記第2デバイス光(のうちの少なくとも1つ)を含む白色システム光を生成するよう構成される光生成システムを提供する。
【0008】
このようなシステムでは、限られた数の光源で相対的に大きな色域及び/又は相対的に大きなCCT調整可能性を提供することが可能である。更に、このようなシステムでは、(実質的に黒体軌跡に沿って)制御可能なCCTを持つ白色光を供給することが可能であり得る。更に、限られた数の光源で、相対的に高いCRIが提供され得る。更に、相対的に強い光が前記システムで供給され得る。
【0009】
上記のように、前記光生成システムは、特には、第1光生成デバイスと、第2光生成デバイスと、ルミネッセンス材料とを含み得る。
【0010】
特には、前記第1光生成デバイスは、第1デバイス光を生成するよう構成される。更に、特には、前記第2光生成デバイスは、第2デバイス光を生成するよう構成される。特には、前記システムの動作モードにおいて、前記第1デバイス光と、前記第2デバイス光とが、異なるスペクトルパワー分布を持つ。
【0011】
前記第1光生成デバイスは、1つ以上の(第1)光源、より特には1つ以上の(第1)固体光源を含み得る。更に、前記第1光生成デバイスは、光学系を有してもよい。前記1つ以上の光源から脱出する、光、即ち、(前記1つ以上の第1光源からの)第1光源光は、実施形態においては、前記光学系を介してビーム成形されてもよい。第1デバイス光は、特には、前記第1光源光を含み得る。より特には、前記第1デバイス光は、前記1つ以上の第1光源の前記(第1光源)光から成り得る。
【0012】
前記第2光生成デバイスは、1つ以上の(第2)光源、より特には1つ以上の(第2)固体光源を含み得る。更に、前記第2光生成デバイスは、光学系を有してもよい。前記1つ以上の光源から脱出する、光、即ち、(前記1つ以上の第2光源からの)第2光源光は、実施形態においては、前記光学系を介してビーム成形されてもよい。第2デバイス光は、特には、前記第2光源光を含み得る。より特には、前記第2デバイス光は、前記1つ以上の第2光源の前記(第2光源)光から成り得る。
【0013】
以下では、前記第1光生成デバイス(の前記光源)及び前記第2光生成デバイス(の前記光源)に適用され得る、光源に関する幾つかの一般的な態様について説明する。
【0014】
「光源」という用語は、原則として、当技術分野において知られている任意の光源に関し得る。それは、従来の(タングステン)電球、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、蛍光灯、LED(発光ダイオード)であってもよい。
【0015】
特定の実施形態においては、前記光源は、(LED又はレーザダイオード(若しくは「ダイオードレーザ」)などの)固体LED光源を有する。
【0016】
「光源」という用語は、2乃至200個の(固体)LED光源などの複数の光源に関することもある。従って、LEDという用語は、複数のLEDを指すこともある。更に、「光源」という用語は、実施形態においては、所謂チップオンボード(COB)光源を指すこともある。「COB」という用語は、特に、包まれてもおらず、接続されてもおらず、PCBのような基板上に直接取り付けられている半導体チップの形態のLEDチップを指す。従って、複数の発光半導体光源が同じ基板に構成されてもよい。実施形態においては、COBは、単一の照明モジュールとして一緒に構成されるマルチLEDチップである。
【0017】
前記光源は、光脱出面(light escape surface)を有する。電球又は蛍光灯のような従来の光源に関しては、前記光脱出面は、ガラス又は石英のエンベロープの外面であり得る。LEDの場合は、前記光脱出面は、例えば前記LEDダイであり得る、又は前記LEDダイに樹脂が塗布される場合、前記樹脂の外面であり得る。原理上、前記光脱出面は、ファイバの終端である可能性もある。脱出面という用語は、特に、前記光源の、光が実際に前記光源から出る又は脱出する部分に関する。前記光源は、光ビームを供給するよう構成される。(従って)前記光源の光出射面からこの光ビームが脱出する。
【0018】
同様に、光生成デバイスは、端部窓(end window)などの光脱出面を含み得る。更に、同様に、光生成システムは、端部窓などの光脱出面を含み得る。
【0019】
「光源」という用語は、発光ダイオード(LED)、共振空洞発光ダイオード(RCLED)、垂直キャビティレーザダイオード(VCSEL)、端面発光レーザなどのような半導体発光デバイスを指し得る。「光源」という用語は、パッシブマトリクス(PMOLED)又はアクティブマトリクス(AMOLED)などの有機発光ダイオード(OLED)を指すこともある。特定の実施形態においては、前記光源は、(LED又はレーザダイオードなどの)固体光源を有する。実施形態においては、前記光源は、LED(発光ダイオード)を有する。「光源」又は「固体光源」という用語は、スーパールミネッセントダイオード(superluminescent diode)(SLED)を指すこともある。
【0020】
LEDという用語は、複数のLEDを指すこともある。更に、「光源」という用語は、実施形態においては、所謂チップオンボード(COB)光源を指すこともある。「COB」という用語は、特に、包まれてもおらず、接続されてもおらず、PCBのような基板上に直接取り付けられている半導体チップの形態のLEDチップを指す。従って、複数の半導体光源が同じ基板に構成されてもよい。実施形態においては、COBは、単一の照明モジュールとして一緒に構成されるマルチLEDチップである。
【0021】
「光源」という用語は、2乃至2000個の固体光源などの複数の(本質的に同一の(又は異なる))光源に関することもある。実施形態においては、前記光源は、LEDなどの単一の固体光源の下流に、又は複数の固体光源の下流に(即ち、例えば複数のLEDによって共有される)、1つ以上のマイクロ光学要素(マイクロレンズのアレイ)を有してもよい。実施形態においては、前記光源は、オンチップ光学系を備えるLEDを有してもよい。実施形態においては、前記光源は、(実施形態においては、オンチップビームステアリングを提供する)(光学系を備える又は備えない)ピクセル化された単一のLEDを有する。
【0022】
実施形態においては、例えば、青色LEDのような青色光源、又は緑色LEDのような緑色光源、及び赤色LEDのような赤色光源などの、前記光源は、その自体として使用される一次放射線を供給するよう構成されてもよい。ルミネッセンス材料(「蛍光体」)を含まないことがある、このようなLEDは、ダイレクトカラーLED(direct color LED)と示されることがある。
【0023】
しかしながら、他の実施形態においては、前記光源は、一次放射線を供給するよう構成されてもよく、前記一次放射線の一部は、二次放射線に変換される。二次放射線は、ルミネッセンス材料による変換に基づき得る。それ故、前記二次放射線は、ルミネッセンス材料放射線と示されることもある。前記ルミネッセンス材料は、実施形態においては、ルミネッセンス材料を含むルミネッセンス材料層又はドームを備えるLEDなどの、前記光源によって含まれてもよい。このようなLEDは、蛍光体変換LED又はPC LED(phosphor converted LED)と示されることがある。他の実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、前記LEDのダイと物理的に接触していないルミネッセンス材料層を備えるLEDのように、前記光源から幾らかの距離を置いて(「遠隔」に)構成されてもよい。従って、特定の実施形態においては、前記光源は、動作中、少なくとも、380乃至470nmの範囲から選択される波長において光を発する光源であり得る。しかしながら、他の波長も可能であり得る。この光は、部分的に、前記ルミネッセンス材料によって使用され得る。
【0024】
実施形態においては、前記光生成デバイスは、ルミネッセンス材料を有してもよい。実施形態においては、前記光生成デバイスは、PC LEDを有してもよい。他の実施形態においては、前記光生成デバイスは、直射LED(direct LED)(即ち、蛍光体なし)を有してもよい。実施形態においては、前記光生成デバイスは、レーザダイオードのような、レーザデバイスを有してもよい。実施形態においては、前記光生成デバイスは、スーパールミネッセントダイオードを有してもよい。従って、特定の実施形態においては、前記光源は、レーザダイオード及びスーパールミネッセントダイオードのグループから選択されてもよい。他の実施形態においては、前記光源は、LEDを有してもよい。
【0025】
前記光源は、特に、光軸(O)、(ビーム形状、)及びスペクトルパワー分布を有する光源光を生成するよう構成され得る。前記光源光は、実施形態においては、レーザについて知られているような帯域幅を有する、1つ以上の帯域を有し得る。
【0026】
「光源」という用語は、(従って、)例えば固体光源のような光生成要素それ自体を指すことがあり、又は例えば、固体光源などの前記光生成要素、並びにルミネッセンス材料を含む要素、及びレンズ、コリメータのような(他の)光学系のうちの1つ以上のパッケージを指すことがある。光変換要素(「変換要素」又は「変換器」)は、ルミネッセンス材料を含む要素を有してもよい。例えば、青色LEDのような固体光源それ自体は、光源である。青色LEDと光変換要素との組み合わせなどの、(光生成要素のような)固体光源と、前記固体光源に光学的に結合される光変換要素との組み合わせは、光源であることもある(が、光生成デバイスと示されることもある)。従って、白色LEDは、光源である(が、例えば(白色)光生成デバイスと示されることもある)。
【0027】
「光源」という用語は、本明細書においては、LED又はレーザダイオード又はスーパールミネッセントダイオードなどの固体光源を含む光源を指すこともある。
【0028】
「光源」という用語は、(従って、)実施形態においては、ルミネッセンス変換材料と組み合わせた光源などの、光の変換に(も)基づいている光源を指すこともある。従って、「光源」という用語は、LEDと、前記LEDの放射線の少なくとも一部を変換するよう構成されるルミネッセンス材料の組み合わせ、又は(ダイオード)レーザと、前記(ダイオード)レーザの放射線の少なくとも一部を変換するよう構成されるルミネッセンス材料の組み合わせを指すこともある。
【0029】
実施形態においては、「光源」という用語は、LEDのような光源と、前記光源によって生成される光のスペクトルパワー分布を変化させ得る光学フィルタとの組み合わせを指すこともある。特に、「光生成デバイス」は、光源、並びに光学フィルタ及び/又はビーム成形要素などのような更なる光学的構成要素を扱うために使用されることがある。
【0030】
「異なる光源」又は「複数の異なる光源」という語句、及び同様の語句は、実施形態においては、少なくとも2つの異なるビン(bin)から選択される複数の固体光源を指し得る。同様に、「同一の光源」又は「複数の同じ光源」という語句、及び同様の語句は、実施形態においては、同じビンから選択される複数の固体光源を指し得る。
【0031】
「固体光源」又は「固体材料光源」という用語、及び同様の用語は、特に、発光ダイオード(LED)、ダイオードレーザ、又はスーパールミネッセントダイオードなどの半導体光源を指し得る。
【0032】
「レーザ光源」という用語は、特にレーザを指す。このようなレーザは、特に、UV、可視、又は赤外において1つ以上の波長を有する、特に、300乃至1500nmなどの、200乃至2000nmのスペクトル波長範囲から選択される波長を有するレーザ光源光を生成するよう構成され得る。「レーザ」という用語は、特に、電磁放射線の誘導放出に基づく光増幅のプロセスを通して光を発するデバイスを指す。
【0033】
特に、実施形態においては、「レーザ」という用語は、固体レーザを指し得る。特定の実施形態においては、「レーザ」若しくは「レーザ光源」という用語、又は同様の用語は、レーザダイオード(又はダイオードレーザ)を指す。
【0034】
従って、実施形態においては、前記光源は、レーザ光源を有する。実施形態においては、「レーザ」又は「固体レーザ」又は「固体材料レーザ」という用語は、セリウムドープリチウムストロンチウム(又はカルシウム)フッ化アルミニウム(Ce:LiSAF、Ce:LiCAF)、クロムドープクリソベリル(アレキサンドライト)レーザ、クロムZnSe(Cr:ZnSe)レーザ、二価サマリウムドープフッ化カルシウム(Sm:CaF2)レーザ、Er:YAGレーザ、エルビウムドープ及びエルビウムイッテルビウムコドープガラスレーザ、F-センターレーザ、ホルミウム(Ho:YAG)レーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、ネオジウムドープイットリウムカルシウムオキソボレートNd:YCa4O(BO3)3又はNd:YCOB、ネオジウムドープオルトバナジウム酸イットリウム(Nd:YVO4)レーザ、ネオジウムガラス(Nd:ガラス)レーザ、ネオジウムYLF(Nd:YLF)固体レーザ、プロメチウム147ドープリン酸ガラス(147Pm3+:ガラス)固体レーザ、ルビーレーザ(Al2O3:Cr3+)、ツリウムYAG(Tm:YAG)レーザ、チタンサファイア(Ti:サファイア;Al2O3:Ti3+)レーザ、三価ウランドープフッ化カルシウム(U:CaF2)固体レーザ、イッテルビウムドープガラスレーザ(ロッド、プレート/チップ及びファイバ)、イッテルビウムYAG(Yb:YAG)レーザ、Yb2O3(ガラス又はセラミックス)レーザなどのうちの1つ以上を指し得る。
【0035】
例えば、第2及び第3高調波生成の実施形態を含めると、前記光源は、F中心レーザ(F center laser)、オルトバナジウム酸イットリウム(Nd:YVO4)レーザ、プロメチウム147ドープリン酸ガラス(147Pm3+:ガラス)、及びチタンサファイア(Ti:サファイア;Al2O3:Ti3+)レーザのうちの1つ以上を含み得る。例えば、第2及び第3高調波生成を考慮すると、このような光源は、青色光を生成するために使用され得る。
【0036】
実施形態においては、「レーザ」又は「固体レーザ」又は「固体材料レーザ」という用語は、GaN、InGaN、AlGaInP、AlGaAs、InGaAsP、鉛塩、垂直共振器面発光レーザ(vertical cavity surface emitting laser)(VCSEL)、量子カスケードレーザ、ハイブリッドシリコンレーザなどの半導体レーザダイオードのうちの1つ以上を指し得る。
【0037】
レーザは、より短い(レーザ)波長に達するために、アップコンバータ(upconverter)と組み合わされてもよい。例えば、何らかの(三価)希土類イオンで、アップコンバージョン(upconversion)が達成され得る、又は非線形結晶で、アップコンバージョンが達成され得る。他の例においては、色素レーザなどのレーザは、より長い(レーザ)波長に達するために、ダウンコンバータ(downconverter)と組み合わされ得る。
【0038】
以下から導き出され得るように、「レーザ光源」という用語は、複数の(異なる又は同一の)レーザ光源を指すこともある。特定の実施形態においては、「レーザ光源」という用語は、複数のN個の(同一の)レーザ光源を指し得る。実施形態においては、N=2以上である。特定の実施形態においては、Nは、特に少なくとも8などの、少なくとも5であり得る。このやり方においては、より高い輝度が得られ得る。実施形態においては、レーザ光源は、レーザバンク(laser bank)内に配設されてもよい(上記も参照)。前記レーザバンクは、実施形態においては、ヒートシンク、及び/又は光学系、例えば、レーザ光をコリメートするためのレンズを含んでもよい。
【0039】
前記レーザ光源は、レーザ光源光(又は「レーザ光」)を生成するよう構成される。前記光源光は、本質的に、前記レーザ光源光から成っていてもよい。前記光源光は、2つ以上の(異なる又は同一の)レーザ光源のレーザ光源光を有することもある。例えば、2つ以上の(異なる又は同一の)レーザ光源の前記レーザ光源光を有する単一の光ビームを供給するために、前記2つ以上の(異なる又は同一の)レーザ光源の前記レーザ光源光が、光ガイドに結合されてもよい。従って、特定の実施形態においては、前記光源光は、特に、コリメート光源光である。更に他の実施形態においては、前記光源光は、特に、(コリメート)レーザ光源光である。
【0040】
前記レーザ光源光は、実施形態においては、レーザについて知られているような帯域幅を有する、1つ以上の帯域を有し得る。特定の実施形態においては、前記帯域は、10nm以下などの、室温(RT)において20nm未満の範囲内の半値全幅(full width half maximum)(FWHM)を有するものなどの、相対的にシャープな(sharp)線であってもよい。従って、前記光源光は、1つ以上の(狭)帯域を含み得るスペクトルパワー分布(波長の関数としての、エネルギ尺度における強度)を有する。
【0041】
(光源光の)ビームは、(レーザ)光源光の、集束又はコリメートビームであってもよい。「集束」という用語は、特に、小さいスポットに収束していることを指し得る。この小さいスポットは、個別の変換器領域(discrete converter region)にあってもよく、又は前記個別の変換器領域の(わずかに)上流若しくは前記個別の変換器領域の(わずかに)下流にあってもよい。特に、集束及び/又はコリメーションは、(側面における)前記個別の変換器領域における前記ビームの(前記光軸に対して垂直な)断面形状が、(前記光源光が前記個別の変換器領域を照射する場所での)前記個別の変換器領域の(前記光軸に対して垂直な)断面形状よりも、本質的に大きくはないようなものであり得る。集束は、(集束)レンズのような1つ以上の光学系で実行され得る。特に、前記レーザ光源光を集束させるために、2つのレンズが適用されてもよい。コリメーションは、レンズ及び/又は放物面鏡などの、コリメーション要素のような1つ以上の(他の)光学系で実行され得る。実施形態においては、(レーザ)光源光のビームは、実施形態において、≦2°(FWHM)、より特に≦1°(FWHM)、最も特に≦0.5°(FWHM)のような、相対的に高度なコリメートをされてもよい。従って、≦2°(FWHM)は、(高度に)コリメートされた光源光とみなされ得る。(高度な)コリメーションを提供するために、光学系が使用されてもよい(上記も参照)。
【0042】
「固体材料レーザ」という用語、及び同様の用語は、遷移金属イオン及び/又はランタニドイオンのようなイオンをドープした結晶体又はガラス体をベースとしたもののような固体レーザ、ファイバレーザ、フォトニック結晶レーザ、例えば垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)のような半導体レーザなどを指すことがある。
【0043】
「固体光源」という用語、及び同様の用語は、特に、発光ダイオード(LED)、ダイオードレーザ、又はスーパールミネッセントダイオードなどの半導体光源を指し得る。
【0044】
スーパールミネッセントダイオードは、当技術分野においては知られている。スーパールミネッセントダイオードは、レーザダイオード並みの明るさを持ちながら、LEDのように広域スペクトルの低コヒーレンス光を発することができる可能性がある半導体デバイスと示され得る。
【0045】
US2020192017は、例えば、「現在の技術では、単一のSLEDは、十分なスペクトル平坦性及び十分な出力で、800乃至900nmの波長範囲において、例えば最大で50乃至70nmの帯域幅にわたって発光することが可能である」ことを示している。ディスプレイ用途のために使用される可視範囲、即ち、450乃至650nmの波長範囲においては、単一のSLEDは、現在の技術では、最大で10乃至30nmの帯域幅にわたって発光することが可能である。これらの発光帯域幅は、赤色(640nm)、緑色(520nm)及び青色(450nm)、即ち、RGBの発光を必要とするディスプレイ又はプロジェクタ用途のためには小さすぎる。更に、スーパールミネッセントダイオードは、とりわけ、著者が、Szymon Stanczyk、Anna Kafar、Dario Schiavon、Stephen Najda、Thomas Slight、Piotr Perlinであり、書籍編集者が、Fabrizio Roccaforte、Mike Leszczynskiである、2020年8月3日に初めて出版された「Edge Emitting Laser Diodes and Superluminescent Diodes」 https://doi.org/10.1002/9783527825264.ch9の第9.3章 superluminescent diodesに記載されている。この書籍、特に第9.3章は、参照により本明細書に盛り込まれる。前記書籍においては、とりわけ、スーパールミネッセントダイオード(SLD)は、レーザダイオードの特徴と発光ダイオードの特徴とを兼ね備える放射体(emitter)であることが示されている。SLD放射体は誘導放出を利用する。このことは、これらのデバイスがレーザダイオードの電流密度と同様の電流密度で動作することを意味する。LDとSLDとの主な違いは、後者の場合には、デバイス導波路が、定在波の形成及びレーザ発振を防止する特別なやり方で設計されることがあることである。それでも、導波路の存在は、光の高い空間コヒーレンスを持つ高品質の光ビームの放射を保証するが、前記光は、同時に、低い時間コヒーレンスを特徴とする。現在、窒化物SLDの最も成功した設計は、曲がった、湾曲した、又は傾斜した導波路形状(waveguide geometry)、及び傾斜したファセット形状(facet geometry)である一方で、全ての場合において、
図9.10において示されているように、前記導波路の前端部が、デバイスファセットと傾斜して接する。傾斜した前記導波路は、前記ファセットから前記導波路への光を、デバイスチップの損失の多い非ポンピング領域(unpumped area)へと外部に向けることによって、前記光の反射を抑制する。従って、SLDは、特に、自然放出光がデバイスの活性領域における誘導放出によって増幅される半導体光源であり得る。このような発光は、「スーパールミネッセンス」と呼ばれる。スーパールミネッセントダイオードは、レーザダイオードの高い出力及び輝度と、従来の発光ダイオードの低いコヒーレンスを兼ね備える。光源の低い(時間的)コヒーレンスには、スペックルが、大幅に低減される又は見えないという利点があり、発光のスペクトル分布は、レーザダイオードに比べてはるかに広く、このことは、照明用途により適している可能性がある。特には、電流を変化させることによって、前記スーパールミネッセントダイオードのスペクトルパワー分布は変化し得る。このやり方においては、前記スペクトルパワー分布が制御されることができる(例えば、Abdullah A. Alatawiらによる、Optics Express Vol. 26, Issue 20, pp. 26355-26364, https://doi.org/10.1364/OE.26.026355も参照されたい)。
【0046】
垂直共振器面発光レーザ、即ち、VCSELは、当技術分野においては知られており、特に、ウェハから個々のチップを切り出すことによって形成される表面から放射する端面発光半導体レーザ(面内レーザ)とは対照的に、上面から垂直なレーザビーム放射を備える半導体レーザダイオードの一種であり得る。当技術分野においては知られているように、VCSELは、放射波長が調整可能であり得る。例えば、Dupontらによる、Applied Physics Letters 98(16):161105 - 161105-3, DOI:10.1063/1.3569591、又はWendi Changらによる、 Applied Physics Letters 105(7):073303, DOI:10.1063/1.4893758、又はThor Ansbaekによる、IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics 19(4):1702306-1702306, DOI:10.1109/JSTQE.2013.2257164、又はC.J. Chang-Hasnainによる、IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics ( Volume: 6, Issue: 6, Nov.-Dec. 2000), DOI:10.1109/2944.902146、参照により本明細書に盛り込まれる全ての文献が、放射波長調整可能VCSELについて記載している。特に、電圧を変化させることによって、前記VCSELのスペクトルパワー分布は変化し得る。
【0047】
前記光生成デバイスは、各サブセットは、本質的に同じスペクトルパワー分布を有する光源光を生成するよう構成される1つ以上の光源を含むが、異なるサブセットの光源は、異なるスペクトル分布を有する光源光を生成するよう構成される、光源の2つ以上のサブセットなどの、複数の異なる光源を有してもよい。このような実施形態においては、前記制御システムは、前記複数の光源を制御するよう構成され得る。特定の実施形態においては、前記制御システムは、光源のサブセットを個別に制御し得る(更に下記も参照)。
【0048】
以下では、前記ルミネッセンス材料に関する幾つかの実施形態について説明して、その後、(それぞれ)前記第1光生成デバイス及び前記第2光生成デバイスに関する幾つかの実施形態に戻る。
【0049】
上記のように、前記システムは、ルミネッセンス材料も含み得る。
【0050】
「ルミネッセンス材料」という用語は、特に、第1放射線、特にUV放射線及び青色放射線のうちの1つ以上を、第2放射線に変換することができる材料を指す。一般に、前記第1放射線と前記第2放射線とは、異なるスペクトルパワー分布を有する。従って、「ルミネッセンス材料」という用語の代わりに、「ルミネッセンス変換器」又は「変換器」という用語が適用されることもある。一般に、前記第2放射線は、前記第1放射線よりも大きい波長の所にスペクトルパワー分布を有し、これは、所謂ダウンコンバージョンの場合である。しかしながら、特定の実施形態においては、前記第2放射線は、前記第1放射線よりも小さい波長の所に強度を持つスペクトルパワー分布を有し、これは、所謂アップコンバージョンの場合である。
【0051】
実施形態においては、前記「ルミネッセンス材料」は、特に、放射線を、例えば可視光及び/又は赤外光に変換することができる材料を指す場合がある。例えば、実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、UV放射線及び青色放射線のうちの1つ以上を、可視光に変換することができる場合がある。前記ルミネッセンス材料は、特定の実施形態においては、放射線を赤外放射線(IR)に変換する場合もある。従って、前記ルミネッセンス材料は、放射線で励起されると、放射線を放出する。一般に、前記ルミネッセンス材料は、ダウンコンバータであり、即ち、より小さい波長の放射線が、より大きい波長(λex<λem)を持つ放射線に変換されるが、特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、アップコンバータ・ルミネッセンス材料を有する場合があり、即ち、より大きい波長の放射線が、より小さい波長(λex>λem)を持つ放射線に変換される。
【0052】
実施形態においては、「ルミネッセンス」という用語は、リン光を指すことがある。実施形態においては、「ルミネッセンス」という用語は、蛍光を指すこともある。「ルミネッセンス」という用語の代わりに、「発光」という用語が適用されることもある。従って、「第1放射線」及び「第2放射線」という用語は、それぞれ、励起放射線及び発光(放射線)を指すことがある。同様に、「ルミネッセンス材料」という用語は、実施形態においては、リン光及び/又は蛍光を指すことがある。
【0053】
「ルミネッセンス材料」という用語は、複数の異なるルミネッセンス材料を指すこともある。可能なルミネッセンス材料の例を以下に示す。従って、「ルミネッセンス材料」という用語は、特定の実施形態においては、ルミネッセンス材料組成物を指すこともある。
【0054】
実施形態においては、ルミネッセンス材料は、それぞれ、特に三価セリウム又は二価ユーロピウムをドープした、ガーネット及び窒化物から選択される。「窒化物」という用語は、酸窒化物又はニトリドシリケートなどを指すこともある。
【0055】
特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、A3B5O12:Ceタイプのルミネッセンス材料を含み、Aは、実施形態においては、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上、特に、Y、Gd、Tb及びLuのうちの(少なくとも)1つ以上を含み、Bは、実施形態においては、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を含む。特に、Aは、特にY及びLuのうちの1つ以上のような、Y、Gd及びLuのうちの1つ以上を含み得る。特に、Bは、Al及びGaのうちの1つ以上、より特に、本質的にAlだけのような、少なくともAlを含み得る。従って、特に適切なルミネッセンス材料は、セリウムを含むガーネット材料である。ガーネットの実施形態は、特に、A3B5O12ガーネットを含み、Aは、少なくともイットリウム又はルテチウムを含み、Bは、少なくともアルミニウムを含む。このようなガーネットは、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、又はセリウムとプラセオジムとの組み合わせをドープしている可能性があるが、特にCeをドープしている可能性がある。特に、Bは、アルミニウム(Al)を含むが、Bは、ガリウム(Ga)及び/又はスカンジウム(Sc)及び/又はインジウム(In)も、部分的に、特に最大でAlの約20%、より特に最大でAlの約10%含んでもよい(即ち、Bイオンは、本質的に、90モル%以上のAlと、10モル%以下のGa、Sc及びInのうちの1つ以上とから成る)。Bは、特に、最大で約10%のガリウムを含んでもよい。別の変形例においては、B及びOは、少なくとも部分的にSi及びNに置き換えられてもよい。元素Aは、特に、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、及びルテチウム(Lu)から成るグループから選択され得る。更に、Gd及び/又はTbは、特に、Aの約20%の量までしか存在しない。特定の実施形態においては、ガーネットルミネッセンス材料は、(Y1-xLux)3B5O12:Ceを含み、xは、0以上且つ1以下である。「:Ce」という用語は、ルミネッセンス材料中の金属イオンの一部(即ち、ガーネットにおいては、「A」イオンの一部)が、Ceに置き換えられることを示している。例えば、(Y1-xLux)3Al5O12:Ceの場合には、Y及び/又はLuの一部が、Ceに置き換えられる。このことは、当業者には知られている。Ceは、Aを、一般に10%以下置き換え、一般に、Ce濃度は、(Aに対して)0.1乃至4%、特に0.1乃至2%の範囲内である。1%のCe及び10%のYと仮定すると、完全に正しい式は、(Y0.1Lu0.89Ce0.01)3Al5O12となり得る。ガーネットにおけるCeは、当業者には知られているように、実質的に三価状態にある、又は三価状態にしかない。
【0056】
実施形態においては、ルミネッセンス材料は、(従って)A3B5O12を含み、特定の実施形態においては、B-Oの最大10%が、Si-Nによって置き換えられ得る。
【0057】
特定の実施形態においては、ルミネッセンス材料は、(Yx1-x2-x3A'x2Cex3)3(Aly1-y2B'y2)5O12を含み、x1+x2+x3=1であり、x3>0であり、0<x2+x3≦0.2であり、y1+y2=1であり、0≦y2≦0.2であり、A'は、ランタニドから成るグループから選択される1つ以上の元素を含み、B'は、Ga、In及びScから成るグループから選択される1つ以上の元素を含む。実施形態においては、x3は、0.001乃至0.1の範囲から選択される。本発明においては、特に、x1>0.2などの、少なくとも0.8のような、x1>0である。Yを備えるガーネットは、適切なスペクトルパワー分布を提供し得る。
【0058】
特定の実施形態においては、B-Oの最大10%が、Si-Nに置き換えられ得る。ここでは、B-OにおけるBは、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を指し(且つOは、酸素を指し)、特定の実施形態においては、B-Oは、Al-Oを指す場合がある。上記のように、特定の実施形態においては、x3は、0.001乃至0.04の範囲から選択され得る。特に、このようなルミネッセンス材料は、適切なスペクトル分布を有し(但し、下記参照)、相対的に高い効率を有し、相対的に高い熱安定性を有し、(第1光源光及び第2光源光(並びに光学フィルタ)と組み合わせて)高いCRIを可能にし得る。従って、特定の実施形態においては、Aは、Lu及びGdから成るグループから選択され得る。その代わりに、又は加えて、Bは、Gaを含み得る。従って、実施形態においては、ルミネッセンス材料は、(Yx1-x2-x3(Lu,Gd)x2Cex3)3(Aly1-y2Gay2)5O12を含み、Lu及び/又はGdが利用可能であってもよい。更により特には、x3は、0.001乃至0.1の範囲から選択され、0<x2+x3≦0.1であり、0≦y2≦0.1である。更に、特定の実施形態においては、B-Oの最大1%が、Si-Nに置き換えられ得る。ここで、百分率は、(当技術分野において知られているように)モルを指し、例えば、EP3149108も参照されたい。更に他の特定の実施形態においては、ルミネッセンス材料は、(Yx1-x3Cex3)3Al5O12を含み、x1+x3=1であり、0<x3≦0.2であり、0.001乃至0.1などである。
【0059】
特定の実施形態においては、光生成デバイスは、セリウムを含むガーネットのタイプから選択されるルミネッセンス材料しか含まないことがある。もっと他の特定の実施形態においては、光生成デバイスは、(Yx1-x2-x3A'x2Cex3)3(Aly1-y2B'y2)5O12などの、単一のタイプのルミネッセンス材料を含む。従って、特定の実施形態においては、前記光生成デバイスは、ルミネッセンス材料を有し、前記ルミネッセンス材料の少なくとも85重量%、更により特に少なくとも約90重量%、例えば更にもっとより特に少なくとも約95重量%が、(Yx1-x2-x3A'x2Cex3)3(Aly1-y2B'y2)5O12を含む。ここで、A'は、ランタニドから成るグループから選択される1つ以上の元素を含み、B'は、Ga In及びScから成るグループから選択される1つ以上の元素を含み、x1+x2+x3=1であり、x3>0であり、0<x2+x3≦0.2であり、y1+y2=1であり、0≦y2≦0.2である。特に、x3は、0.001乃至0.1の範囲から選択される。実施形態においては、x2=0であることに留意されたい。その代わりに、又は加えて、実施形態においては、y2=0である。
【0060】
特定の実施形態においては、Aは、特に、少なくともYを含んでもよく、Bは、特に、少なくともAlを含んでもよい。
【0061】
その代わりに、又は加えて、前記ルミネッセンス材料は、A3Si6N11:Ce3+タイプのルミネッセンス材料を含んでもよく、Aは、実施形態においてはLa及びYのうちの1つ以上などの、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上を含む。
【0062】
実施形態においては、ルミネッセンス材料は、その代わりに、又は加えて、M2Si5N8:Eu2+及び/又はMAlSiN3:Eu2+及び/又はCa2AlSi3O2N5:Eu2+などのうちの1つ以上を含んでもよく、Mは、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上、特に実施形態においては、少なくともSrを含む。従って、実施形態においては、ルミネッセンス材料は、(Ba,Sr,Ca)S:Eu、(Ba,Sr,Ca)AlSiN3:Eu及び(Ba,Sr,Ca)2Si5N8:Euから成るグループから選択される1つ以上の材料を含んでもよい。これらの化合物において、ユーロピウム(Eu)は、実質的に二価のものである、又は二価のものしかなく、示されている二価カチオンのうちの1つ以上を置き換える。一般に、Euは、カチオンの10%よりも多い量では存在せず、Euの存在は、特に、Euが置き換えるカチオンに対して、約0.5乃至10%の範囲内、より特に約0.5乃至5%の範囲内である。「:Eu」という用語は、金属イオンの一部が、Eu(これらの例においてはEu2+)に置き換えられることを示している。例えば、CaAlSiN3:Euにおいて2%のEuと仮定すると、正しい式は、(Ca0.98Eu0.02)AlSiN3となり得る。二価ユーロピウムは、一般に、上記の二価アルカリ土類カチオンなどの、二価カチオン、特にCa、Sr又はBaを置き換える。材料(Ba,Sr,Ca)S:Euは、MS:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、カルシウム若しくはストロンチウム、又はカルシウム及びストロンチウム、より特にカルシウムを含む。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。更に、材料(Ba,Sr,Ca)2Si5N8:Euは、M2Si5N8:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、Sr及び/又はBaを含む。更なる特定の実施形態においては、Mは、Sr及び/又はBa(Euの存在は考慮に入れていない)から成り、Ba1.5Sr0.5Si5N8:Eu(即ち、75%のBa;25%のSr)のような、特に50乃至100%、より特に50乃至90%のBa、及び50乃至0%、特に50乃至10%のSrから成る。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。同様に、材料(Ba,Sr,Ca)AlSiN3:Euは、MAlSiN3:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、カルシウム若しくはストロンチウム、又はカルシウム及びストロンチウム、より特にカルシウムを含む。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。上記のルミネッセンス材料におけるEuは、当業者には知られているように、実質的に二価状態にある、又は二価状態にしかない。
【0063】
実施形態においては、赤色ルミネッセンス材料は、(Ba,Sr,Ca)S:Eu、(Ba,Sr,Ca)AlSiN3:Eu及び(Ba,Sr,Ca)2Si5N8:Euから成るグループから選択される1つ以上の材料を含んでもよい。これらの化合物において、ユーロピウム(Eu)は、実質的に二価のものである、又は二価のものしかなく、示されている二価カチオンのうちの1つ以上を置き換える。一般に、Euは、カチオンの10%よりも多い量では存在せず、Euの存在は、特に、Euが置き換えるカチオンに対して、約0.5乃至10%の範囲内、より特に約0.5乃至5%の範囲内である。「:Eu」という用語は、金属イオンの一部が、Eu(これらの例においてはEu2+)に置き換えられることを示している。例えば、CaAlSiN3:Euにおいて2%のEuと仮定すると、正しい式は、(Ca0.98Eu0.02)AlSiN3となり得る。二価ユーロピウムは、一般に、上記の二価アルカリ土類カチオンなどの、二価カチオン、特にCa、Sr又はBaを置き換える。
【0064】
材料(Ba,Sr,Ca)S:Euは、MS:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、カルシウム若しくはストロンチウム、又はカルシウム及びストロンチウム、より特にカルシウムを含む。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。
【0065】
更に、材料(Ba,Sr,Ca)2Si5N8:Euは、M2Si5N8:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、Sr及び/又はBaを含む。更なる特定の実施形態においては、Mは、Sr及び/又はBa(Euの存在は考慮に入れていない)から成り、Ba1.5Sr0.5Si5N8:Eu(即ち、75%のBa;25%のSr)のような、特に50乃至100%、より特に50乃至90%のBa、及び50乃至0%、特に50乃至10%のSrから成る。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。
【0066】
同様に、材料(Ba,Sr,Ca)AlSiN3:Euは、MAlSiN3:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、カルシウム若しくはストロンチウム、又はカルシウム及びストロンチウム、より特にカルシウムを含む。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。
【0067】
上記のルミネッセンス材料におけるEuは、当業者には知られているように、実質的に二価状態にある、又は二価状態にしかない。
【0068】
青色ルミネッセンス材料は、YSO(Y2SiO5:Ce3+)、若しくは同様の化合物、又はBAM(BaMgAl10O17:Eu2+)、若しくは同様の化合物を含んでもよい。
【0069】
「ルミネッセンス材料」という用語は、本明細書においては、特に、無機ルミネッセンス材料に関する。
【0070】
「ルミネッセンス材料」という用語の代わりに、「蛍光体」という用語が適用されることもある。これらの用語は、当業者には知られている。
【0071】
その代わりに、又は加えて、他のルミネッセンス材料が適用されることもある。例えば、量子ドット及び/又は有機色素が、適用されてもよく、随意に、例えばPMMA又はポリシロキサンなどのようなポリマのような、透過性マトリックスに埋め込まれてもよい。
【0072】
量子ドットは、一般にわずか数ナノメートルの幅又は直径を有する半導体材料の小さい結晶である。量子ドットは、入射光によって励起されるときに、前記結晶のサイズ及び材料によって決定されている色の光を発する。従って、ドットのサイズを適合させることによって、特定の色の光が生成されることができる。可視域で発光する、最も知られている量子ドットは、硫化カドミウム(CdS)及び硫化亜鉛(ZnS)などのシェルを備えるセレン化カドミウム(CdSe)をベースにしている。リン化インジウム(InP)、並びに硫化銅インジウム(CuInS2)及び/又は硫化銀インジウム(AgInS2)などの、カドミウムを含まない量子ドットも、使用されることができる。量子ドットは非常に狭い発光帯域を示し、従って、量子ドットは飽和色を示す。更には、発光色は、量子ドットのサイズを適合させることによって、容易に調整されることができる。本発明においては、当技術分野において知られている任意のタイプの量子ドットが使用され得る。しかしながら、環境に関する安全性及び懸念の理由で、カドミウムを含まない量子ドット、又は少なくともカドミウム含有量が非常に少ない量子ドットを使用することが好ましい場合がある。
【0073】
量子ドットの代わりに、又は量子ドットに加えて、他の量子閉じ込め構造が使用されることもある。「量子閉じ込め構造」は、本願との関連においては、例えば、量子井戸、量子ドット、量子ロッド、トライポッド、テトラポッド、又はナノワイヤなどとして理解されたい。
【0074】
有機蛍光体も使用されることができる。適切な有機蛍光体材料の例は、ペリレン誘導体をベースとした有機ルミネッセンス材料、例えば、BASFによってLumogen(登録商標)という名称で販売されている化合物である。適切な化合物の例は、Lumogen(登録商標)Red F305、Lumogen(登録商標)Orange F240、Lumogen(登録商標)Yellow F083、及びLumogen(登録商標)F170を含むが、これらに限定されない。
【0075】
異なるルミネッセンス材料は、異なるスペクトルパワー分布のそれぞれのルミネッセンス材料光を有し得る。その代わりに、又は加えて、このような異なるルミネッセンス材料は、特に、異なるカラーポイント(又は主波長)を有し得る。
【0076】
上記のように、他のルミネッセンス材料も可能であり得る。従って、特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、二価ユーロピウム含有窒化物、二価ユーロピウム含有酸窒化物、二価ユーロピウム含有ケイ酸塩、セリウムを含むガーネット、及び量子構造のグループから選択される。量子構造は、例えば、量子ドット又は量子ロッド(又は他の量子型粒子)(上記参照)を含み得る。量子構造は、量子井戸も含み得る。量子構造は、フォトニック結晶も含み得る。
【0077】
上でも示したように、固体材料レーザは、レーザ光を生成するために使用される、ルミネッセンス材料を含む単結晶又はガラスなどの、ルミネッセンス材料を含み得る。上記では、固体光源、より特にレーザ光源について述べる際に、このようなレーザの幾つかの例を示している。ルミネッセンス材料に関する上記の実施形態のうちの1つ以上は、このような固体材料レーザにも適用され得る。しかしながら、前記システムの少なくとも3つの要素のうちの1つとして本明細書において記載されている前記ルミネッセンス材料は、特に、前記第1デバイス光及び前記第2デバイス光のうちの1つ以上の少なくとも一部をルミネッセンス材料光に変換するよう構成され得る。従って、このようなルミネッセンス材料は、レーザ光を変換することができ、必ずしもレーザ光も生成するように構成されなくてもよい。従って、前記ルミネッセンス材料光は、必ずしもレーザ光でなくてもよいが、本明細書においてはレーザ光も除外されない。しかしながら、特には、前記ルミネッセンス材料によって生成される前記ルミネッセンス材料光は、レーザ光ではない。より特には、前記ルミネッセンス材料は、少なくとも50nmのような、少なくとも40nmの(前記ルミネッセンス材料光の)半値全幅の発光帯域が得られるように選ばれ得る。例えば、前記ルミネッセンス材料は、少なくとも60nmの半値全幅の発光帯域が得られるように選ばれ得る。これは、例えば、(本明細書において記載されているような)ガーネットルミネッセンス材料を含む3価セリウムの場合であり得る。従って、特には、前記ルミネッセンス材料は、広帯域放射体を含み得る。前記ルミネッセンス材料は、複数の広帯域放射体を有することもある。特に、前記第1デバイス光の少なくとも一部及び/又は前記第2デバイス光の少なくとも一部を変換するために、2つ以上のルミネッセンス材料が適用される場合、前記2つ以上のルミネッセンス材料のうちの少なくとも2つは、各々が、少なくとも50nmのような、少なくとも40nmの(前記ルミネッセンス材料光の)半値全幅を持つ発光帯域を有するそれぞれのルミネッセンス材料光を供給するよう構成され得る。
【0078】
特には、前記ルミネッセンス材料光は、可視光を含み得る。「可視」、「可視光」又は「可視発光」という用語、及び同様の用語は、約380乃至780nmの範囲内に1つ以上の波長を有する光を指す。本明細書においては、「光」という用語が可視光のみを指すことが文脈から明らかな場合を除き、「光」及び「放射線」という用語は交換可能に使用される。従って、「光」及び「放射線」という用語は、UV放射線、可視光、及びIR放射線を指すことがある。特に照明アプリケーションのための、特定の実施形態においては、「光」及び「放射線」という用語は、(少なくとも)可視光を指す。
【0079】
特には、前記第1光生成デバイスは、波長可変光生成デバイスを含み得る。特定の実施形態においては、前記第1光生成デバイスは、(発光)色可変光生成デバイスを含み得る。
【0080】
例えば、実施形態においては、前記第1光生成デバイスは、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)及びスーパールミネッセントダイオードのうちの1つ以上を有する。
【0081】
従って、特には、前記第1光生成デバイスは、それぞれ異なる時点に少なくとも2つの異なるスペクトルパワー分布を有する第1デバイス光を供給し得る。従って、特には、前記第1光生成デバイスは、パルスモードで動作される。
【0082】
前記システムの動作モードの実施形態においては、前記少なくとも2つの異なるスペクトルパワー分布間の変化は、人間の目が知覚することができるよりも速い場合がある。従って、前記少なくとも2つの異なるスペクトルパワー分布間の変化は、0.02秒以内などの、更には約0.0167秒以内のような、0.025秒以内である場合がある。
【0083】
前記第1光生成デバイスは、実施形態においては、(少なくとも)2つのスペクトルパワー分布、第1重心波長λ1c,1を有するものと、第2重心波長λ1c,2を有するものとの間で掃引する(sweep)場合がある。
【0084】
スペクトルパワー分布は、重心波長によって特徴付けられ得る。λcとも示される「重心波長」という用語は、当技術分野において知られており、光エネルギの半分がより短い波長にあり、光エネルギの半分がより長い波長にある波長値を指し、値はナノメートル(nm)単位で示される。それは、式λc=Σλ*I(λ)/(ΣI(λ)によって表されるような、スペクトルパワー分布の積分を2等分に分ける波長であり、総和は、関心のある波長範囲にわたるものであり、I(λ)は、スペクトルエネルギ密度である(即ち、積分強度に正規化された発光帯域にわたる波長及び強度の積の積分である)。前記重心波長は、例えば、動作状態において決定されてもよい。
【0085】
従って、特には、前記第1光生成デバイスは、前記光生成システムの動作モードにおいて、少なくとも2つの重心波長(λ1c,1、λ1c,2)の間で変化する第1デバイス光を生成するよう構成される波長可変光生成デバイスを有する。従って、実質的に、動作モードにおいては、前記第1光生成デバイス(又はより正確にはそのデバイス光)は、2つの重心波長の間で掃引し得る。第1重心波長及び第2重心波長から変化させるとき、中間の重心波長が存在する場合がある。それ故、「少なくとも2つの重心波長(λ1c,1、λ1c,2)」という用語が使用される。前記少なくとも2つの重心波長(λ1c,1、λ1c,2)は、実施形態においては、外側重心波長と示されることもある。前記第1重心波長及び前記第2重心波長(λ1c,1、λ1c,2)は、少なくとも20nmなどの、少なくとも30nm又は更に実施形態においては(更に少なくとも60nm、若しくは更に少なくとも80nmのような、特定の実施形態においては少なくとも100nmなどの)少なくとも40nmのような、少なくとも10nmの差を有することがある。特定の実施形態においては、前記少なくとも2つの重心波長(λ1c,1、λ1c,2)の間の差は、少なくとも50nmであってもよい。更に、前記第1重心波長から前記第2重心波長への変化は、少なくとも50Hz、又はより特には少なくとも60Hzのような、少なくとも80Hz(及び特定の実施形態においては(更に)少なくとも100Hz)のような、少なくとも40Hzの周波数での変化であり得る。従って、実施形態においては、前記第1光生成デバイスは、前記光生成システムの動作モードにおいて、少なくとも40Hzの変化周波数で、少なくとも10nmの波長差を持つ少なくとも2つの重心波長(λ1c,1、λ1c,2)の間で変化する第1デバイス光を生成するよう構成される波長可変光生成デバイスを有する。特には、前記変化周波数は、少なくとも60Hzであり得る。
【0086】
前記ルミネッセンス材料は、前記第1デバイス光の少なくとも一部及び/又は前記第2デバイス光の少なくとも一部を変換するよう構成され得る。従って、前記ルミネッセンス材料は、前記第1光生成デバイス及び/又は前記第2光生成デバイスの下流に構成され得る。「上流」及び「下流」という用語は、光生成手段(ここでは、特に、前記光源)からの光の伝搬に対するアイテム又は特徴の配置に関し、前記光生成手段からの光ビーム内の第1位置に対して、前記光生成手段により近い前記光ビーム内の第2位置は「上流」であり、前記光生成手段からより遠く離れた前記光ビーム内の第3位置は「下流」である。特には、前記ルミネッセンス材料は、前記第1デバイス光の少なくとも一部又は前記第2デバイス光の少なくとも一部を変換するよう構成され得る。
【0087】
従って、前記ルミネッセンス材料は、前記第1デバイス光の少なくとも一部を変換するよう構成され得る。それ故、特には、前記ルミネッセンス材料、及び前記第1光生成デバイスの動作状態は、前記動作モードにおいて、前記ルミネッセンス材料が、前記第1重心波長を持つ前記第1デバイス光及び前記第2重心波長を持つ前記第1デバイス光を変換するように選択される。しかしながら、上記のように、前記ルミネッセンス材料は、前記第2デバイス光の少なくとも一部を変換するよう構成されてもよい。前記第2光生成デバイスが、前記光生成システムの動作モードにおいて、少なくとも40Hzの変化周波数で、少なくとも10nmの波長差を持つ少なくとも2つの重心波長(λ2c,1、λ2c,2)の間で変化する第2デバイス光を生成するよう構成され(下記も参照)、前記ルミネッセンス材料が、前記第2デバイス光の少なくとも一部を変換するよう構成される場合には、前記ルミネッセンス材料及び前記第2光生成デバイスは、前記動作モードにおいて、前記ルミネッセンス材料が、(前記第2デバイス光の)前記第1重心波長を持つ前記第2デバイス光及び(前記第2デバイス光の)前記第2重心波長を持つ前記第2デバイス光を変換するように選択され得る。
【0088】
前記システムは、動作モードにおいて、白色光を生成するよう構成されてもよい。前記白色光は、特には、前記ルミネッセンス材料光と、(a)前記第1デバイス光及び(b)前記第2デバイス光のうちの1つ以上とを含み得る。更により特には、前記白色光は、特に、前記ルミネッセンス材料光と、前記第1デバイス光と、前記第2デバイス光とを含み得る。更に、特定の実施形態においては、前記白色光は、本質的に、前記ルミネッセンス材料光、前記第1デバイス光及び前記第2デバイス光から成り得る。従って、実施形態においては、前記光生成システムは、前記光生成システムの前記動作モードにおいて、前記ルミネッセンス材料光、並びに前記第1デバイス光及び前記第2デバイス光のうちの少なくとも1つを含む白色システム光を生成するよう構成され得る。
【0089】
本明細書における「白色光」という用語は、当業者には知られている。前記白色光は、特に、約2000Kと20000Kとの間、特に2700K乃至20000K、全般照明の場合は特に約2700K乃至6500Kの範囲内のような、約1800Kと20000Kとの間の相関色温度(CCT)を有する光に関する。実施形態においては、バックライト用途の場合は、相関色温度(CCT)は、特に約7000乃至20000Kの範囲内であり得る。更に他に、実施形態においては、相関色温度(CCT)は、特にBBL(黒体軌跡)から約15SDCM(カラーマッチングの標準偏差)内、特にBBLから約10SDCM内、更により特にBBLから約5SDCM内である。
【0090】
本発明では、BBLの15SDCM内、より特には10SDCM内、更により特には約5SDCM内などの、実質的に黒体軌跡に沿った制御可能なCCTを持つ白色光を供給することが可能であり得る。更に、特には、CCT調整可能性は、少なくとも1500Kのような、更により特には少なくとも2000Kのような、少なくとも500K、より特には少なくとも1000Kにわたり得る。例えば、前記システム光は、約4500乃至6500Kの間で調整可能(2000Kの調整可能性)、又は約2200乃至4200Kの間で調整可能(同様に2000Kの調整可能性)、又は実施形態においては、例えば、2200乃至6500Kにわたって調整可能(4300Kの調整可能性)であり得るが、他の範囲も可能であり得る。
【0091】
更なる実施形態においては、前記システムは、更なる動作モードを有してもよく、前記システム光は、前記ルミネッセンス材料光、前記第1デバイス光及び前記第2デバイス光のうちの1つ以上を有してもよいことに留意されたい。更に、特定の実施形態においては、前記第1デバイス光及び前記第2デバイス光とは異なるスペクトルパワー分布を持つデバイス光を生成するよう構成される更なる光生成デバイスが、利用可能であり、(動作モードにおいて)それらの光で前記システム光に寄与することもある。
【0092】
特には、前記第1デバイス光と、前記第2デバイス光とが、異なるスペクトルパワー分布を持ち得る。前記第1デバイス光がどのような重心波長を有していても、前記第1デバイス光は、前記第2デバイス光と(実質的に)異なり得る。例えば、前記第1デバイス光の前記重心波長と前記第2デバイス光の前記重心波長とは、少なくとも50nmなどの、少なくとも80nmのような、少なくとも30nm異なり得る。更に、更なる特定の実施形態においては、前記第1デバイス光の前記重心波長と前記第2デバイス光の前記重心波長とは、少なくとも90nmなどの、少なくとも105nm、又は更に少なくとも約115nmのような、少なくとも60nm異なり得る。更に、実施形態においては、より大きな発光帯域によるより小さな発光帯域のスペクトル重複は、前記より小さな発光帯域の10%未満などの、20%未満であり得る。
【0093】
特定の実施形態においては、前記第1光生成デバイス及び前記第2光生成デバイスは、本質的に、前記第1デバイス光及び前記第2デバイス光の重複するスペクトルパワー分布が得られるほどまでは制御可能ではないことがある。特には、より大きな発光帯域によるより小さな発光帯域のスペクトル重複は、0.5%未満などの、1%未満であり得る。
【0094】
上記のように、前記第1光生成デバイスは、1つ以上の光源、特に固体光源を有してもよい。更に、前記第1デバイス光は、制御可能であってもよい。このことは、前記1つ以上の光源の光源光が制御可能であることを意味し得る。例えば、前記第1デバイスの前記1つ以上の光源は、上記の、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)及びスーパールミネッセントダイオードのうちの1つ以上を有してもよい。
【0095】
上記のように、実施形態においては、前記第1デバイス光は、前記1つ以上の光源の前記光源光から成り得る。しかしながら、他の実施形態も可能であり得る。例えば、前記第1デバイス光は可視範囲内にあり得るにもかかわらず、前記光源光は可視範囲内にないことが可能であり得る。あるいは、実施形態においては、前記光源光は、赤色内にあることがあり、前記第1デバイス光は、青色内にあることがある。特には、これは、アップコンバータ材料を使用する場合に達成され得る。従って、特定の実施形態においては、前記第1光生成デバイスは、(a)前記光生成システムの動作モードにおいて、特には少なくとも50Hzなどの、少なくとも40Hzの変化周波数で、少なくとも20nmの波長差を持つ少なくとも2つの重心波長(λpc,1、λpc,2)(一次重心波長)の間で変化する第1光源光を生成するよう構成される波長可変第1光源と、(b)前記波長可変第1光源の下流に構成され、前記少なくとも2つの重心波長(λpc,1、λpc,2)の間で変化する前記第1光源光の少なくとも一部を、前記少なくとも2つの重心波長(λ1c,1、λ1c,2)の間で変化する前記第1デバイス光に変換するよう構成されるアップコンバータ材料とを有する。特には、前記アップコンバータ材料は、アップコンバータ・ルミネッセンス材料及び周波数2倍化材料(frequency doubling material)のうちの1つ以上を有する。
【0096】
アップコンバージョンは、例えば、アップコンバータ・ルミネッセンス材料及び周波数2倍化変換材料に基づいていてもよい。本明細書においては、両方とも「変換材料」という総称で示される。アップコンバージョンは、例えば、BiBO(BiB3O6)、ヨウ素酸リチウムLiO3、BBO(β-BaB2O4)、KH2PO4などのような、第2高調波発生結晶のような周波数2倍化材料で行われてもよく、又は例えばYb3+-Er3+結合(couple)をベースとしたもの(例えば、現在、一般に、エネルギ移動アップコンバージョン(ETU)として知られている、「エネルギ移動による光子添加(ddition de photons par transfer d′energie)」(APTE)に基づくシステム)のような、ルミネッセンス材料に基づいて行われてもよく、又は例えばEr3+ベースのシステムで可能であり得るような、2段階吸収プロセスを介して行われてもよく、又はYb3+-Tb3+結合で可能であり得るような、協同増感(cooperative sensitization)プロセスを介して行われてもよく、又は協同発光(cooperative luminescence)プロセスによって行われてもよく、又は例えば幾つかのEu2+ベースのシステムで可能なような、2光子励起プロセスを介して行われてもよい周波数2倍化(又は波長半減(wavelength halving))であり得る。他の結合、例えばYb3+-Tm3+も可能であり得る。
【0097】
別のシステムは、参照により本明細書に盛り込まれるUS2010/0297206に記載されているような、Pr3+、及び/又はHo3+、Tb3+、Tm3+、Er3+のうちの1つ以上をベースとしたものであってもよい。
【0098】
例えば、実施形態においては、(「ホスト材料」と示されることもある)材料は、NaLnF4、LiLnF4、KLnF4、LnF3、BaLn2F8、SrLn2F8、CaLn2F8、MgLn2F8から成るグループから選択されてもよく、Lnは、(a)Pr3+、Yb3+、Ho3+、Tm3+及びEr3+のうちの1つ以上であり、より特には、Ln3+は、Gd3+、並びに(b)Pr3+、Yb3+、Ho3+、Tm3+及びEr3+のうちの1つ以上であり、前記材料は、特に、少なくとも、第1ランタニドイオン、及び前記第1ランタニドイオンとは異なる第2ランタニドイオンを有する。例えば、実施形態においては、前記材料は、NaLnF4、LiLnF4、KLnF4、LnF3、LiYF4、KYF4、BaLn2F8、SrLn2F8、CaLn2F8又はMgLn2F8から成るグループから選択されてもよく、Lnは、(a)Gd3+、Pr3+、Tm3+又はEr3+のグループから選択される第1ランタニドイオンうちの1つ以上と、(b)Pr3+、Yb3+、Ho3+、Tm3+及びEr3+のグループから選択される1つ以上の第2ランタニドイオンとを有し、前記材料は、少なくとも、第1ランタニドイオン、及び前記第1ランタニドイオンとは異なる第2ランタニドイオンを有する。特には、実施形態において、Lnは、Lu及びLaのうちの1つ以上、並びに少なくとも1つ以上の第1ランタニドイオン及び1つ以上の第2ランタニドイオンを含み得る。更に、特に実施形態においては、Lnは、少なくともGdと、随意にLu及びLaのうちの1つ以上と、少なくとも1つ以上の第2ランタニドイオンとを含み得る。
【0099】
更に、半導体ナノ粒子を使用することが可能である可能性もある。例えば、分子合成装置(molecular synthesizer)を用いたペロブスカイトCsPbBr3のナノ結晶は、440nmの励起により340乃至400nmの範囲内で発光する10%を超える変換効率が得られ得ることを示した。それは、例えば、Wieghold S及びNienhaus Lによる、Correction: Engineering 3D perovskites for photon interconversion applications. PLOS ONE 15(4): e0232196.https://doi.org/10.1371/journal.pone.0232196を参照されたい。
【0100】
他のアップコンバージョンの例は、例えば、Lu7O6F9:Pr3+若しくはY2SiO5:Pr3+のようなUV Pr3+ドープ結晶、又はNaYF4:Yb3+、Tm3+であり得る。その他の例は、参照により本明細書に盛り込まれる、CaF2シェルを備える15nm以下(sub-15 nm)のアルカリ土類希土類フッ化物UCNPs (M1-xLnxF2+x,MLnF)のNIRからUV/可視までの発光について記載している、Bright Infrared‐to‐Ultraviolet/Visible Upconversion in Small Alkaline Earth‐Based Nanoparticles with Biocompatible CaF2 Shells - Fischer - 2020 - Angewandte Chemie International Edition - Wiley Online Libraryにおいて見つけられることができる。アルカリ土類(M)は、Ca、Sr及びBa、MgSr、CaSr、CaBa、SrBa、並びにCaSrBaに及ぶ、様々なアルカリ土類ホスト材料は、Yb3+及びTm3+をドープしている。
【0101】
更に、参照により本明細書に盛り込まれる、US2010/0297206を参照されたい。アップコンバージョンについての更なる情報は、例えば、G. Blasseらによる、Luminescent Materials, Springer Verlag 1994, chapter 10.1においても見つけられることができる。従って、実施形態においては、前記第1変換材料は、アップコンバータ・ルミネッセンス材料を含み得る。その代わりに又は加えて、前記第1変換材料は、周波数2倍化(結晶)材料を含み得る。
【0102】
上記のように、実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、A3B5O12:Ceタイプのルミネッセンス材料を有してもよく、Aは、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上を含み、Bは、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を含む。。
【0103】
実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、単結晶、ガラス又はセラミック体に含まれてもよい。(従って、)特定の実施形態においては、前記システムは、セラミック体を有してもよく、前記セラミック体は、前記ルミネッセンス材料を有する。
【0104】
上記では、前記第1光生成デバイスについてより詳細に説明した。前記第2光生成デバイスは、特には、固体材料光源などの、固体光源を有することもある。特には、前記第2光生成デバイスは、ダイオードレーザ及びスーパールミネッセントダイオードのうちの1つ以上を含み得る。更に、実施形態においては、前記第2光生成デバイスは、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)を有する。
【0105】
従って、特定の実施形態においては、前記第2光生成デバイスは、波長可変光生成デバイスを有することもある。それ故、実施形態においては、前記第2光生成デバイスは、(発光)色可変光生成デバイスを含み得る。
【0106】
従って、特定の実施形態においては、前記第2光生成デバイスは、前記光生成システムの動作モードにおいて、特には少なくとも50Hzの、更により特には少なくとも60Hzのような、少なくとも80Hzのような、(特定の実施形態においては(更には)少なくとも100Hzの、)少なくとも40Hzの変化周波数で、少なくとも30nmなどの、更には少なくとも40nmのような、少なくとも10nmの波長差を持つ少なくとも2つの重心波長(λ2c,1、λ2c,2)の間で変化する第2デバイス光を生成するよう構成される波長可変光生成デバイスを含み得る。従って、特定の実施形態においては、前記第2光生成デバイスは、パルスモードで動作され得る。
【0107】
従って、特定の実施形態においては、前記第2光生成デバイスは、それぞれ異なる時点に少なくとも2つの異なるスペクトルパワー分布を有する第2デバイス光を供給し得る。
【0108】
上記のように、前記システムの動作モードの実施形態においては、前記少なくとも2つの異なるスペクトルパワー分布間の変化は、人間の目が知覚することができるよりも速い場合がある。従って、前記少なくとも2つの異なるスペクトルパワー分布間の変化は、0.02秒以内などの、更には約0.0167秒以内のような、0.025秒以内である場合がある。
【0109】
従って、前記第2光生成デバイスは、実施形態においては、(少なくとも)2つのスペクトルパワー分布、第1重心波長λ2c,1を有するものと、第2重心波長λ2c,2を有するものとの間で掃引する場合がある。
【0110】
更に、前記第2光生成デバイスは、アップコンバージョン材料を有することもある。従って、前記第1光生成デバイスに関して記載されている実施形態は、前記第2光生成デバイスに関しても適用され得る。しかしながら、これらのデバイスは、特には、前記第1デバイス光と、前記第2デバイス光とが、異なるスペクトルパワー分布を持つように選択される(上記も参照)。
【0111】
前記第1光生成デバイスの場合にアップコンバージョンを仮定すると、前記第1光生成デバイスは、実施形態においては、IR VCSEL又はIRスーパールミネッセントダイオードを含み得る。前記第2光生成デバイスの場合にアップコンバージョンを仮定すると、前記第2光生成デバイスは、実施形態においては、IR VCSEL又はIRスーパールミネッセントダイオードを含み得る。
【0112】
実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、緑色、黄色又はオレンジ色の、特には緑色又は黄色のカラーポイントを有するルミネッセンス材料光を生成するよう構成され得る。更に、実施形態においては、前記第1光生成デバイスは、青色光又は赤色光を生成するよう構成され得る。更に、実施形態においては、前記第2光生成デバイスは、赤色光又は青色光を生成するよう構成され得る。従って、特定の実施形態においては、(a)前記第1光生成デバイスは、青色波長範囲内に重心波長を持つ第1デバイス光を生成するよう構成され、前記第2光生成デバイスは、赤色波長範囲内に重心波長を持つ第2デバイス光を生成するよう構成されてもよく、又は(b)前記第1光生成デバイスは、赤色波長範囲内に重心波長を持つ第1デバイス光を生成するよう構成され、前記第2光生成デバイスは、青色波長範囲内に重心波長を持つ第2デバイス光を生成するよう構成されてもよい。
【0113】
「紫色光」又は「紫色発光」という用語は、特に、約380乃至440nmの範囲内に波長を有する光に関する。「青色光」又は「青色発光」という用語は、特に、(幾らか紫色及びシアンの色相を含む)約440乃至495nmの範囲内に波長を有する光に関する。「緑色光」又は「緑色発光」という用語は、特に、約495乃至570nmの範囲内に波長を有する光に関する。「黄色光」又は「黄色発光」という用語は、特に、約570至590nmの範囲内に波長を有する光に関する。「オレンジ色光」又は「オレンジ色発光」という用語は、特に、約590乃至620nmの範囲内に波長を有する光に関する。「赤色光」又は「赤色発光」という用語は、特に、約620乃至780nmの範囲内に波長を有する光に関する。「ピンク色光」又は「ピンク色発光」という用語は、青色成分と赤色成分とを有する光を指す。「シアン」という用語は、約490乃至520nmの範囲から選択される1つ以上の波長を指すことがある。「琥珀色」という用語は、約590乃至600nmなどの、約585乃至605nmの範囲から選択される1つ以上の波長を指すことがある。「波長範囲内に1つ以上の波長を持つ光」という語句、及び同様の語句は、特に、示されている前記光(又は放射線)が、示されている前記波長範囲内のこれらの1つ以上の波長において少なくとも1つ以上の強度を持つスペクトルパワー分布を有することを示し得る。例えば、青色発光固体光源は、440乃至495nmの波長範囲内の1つ以上の波長において強度を持つスペクトルパワー分布を有する。
【0114】
特定の実施形態においては、前記システムは、特には、ユーザインターフェースの入力信号、センサのセンサ信号、及びタイマのうちの1つ以上に依存して、特には、前記第1光生成デバイス及び前記第2光生成デバイスを(個別に)制御することによって、前記システム光を制御するよう構成される制御システムを更に含み得る。
【0115】
「制御する」という用語及び同様の用語は、特に、少なくとも、要素の挙動を決定すること、又は要素の動作を管理する(supervise)ことを指す。従って、本明細書においては、「制御する」という用語及び同様の用語は、例えば、測定する、表示する、作動する、開く、シフトする、温度を変更するなどのような、挙動を前記要素に課すこと(要素の挙動を決定すること又は要素の動作を管理すること)などを指すことがある。「制御する」という用語及び同様の用語は、その上、モニタすることを更に含むことがある。従って、「制御する」という用語及び同様の用語は、要素に挙動を課すことを含むことがあり、要素に挙動を課し、前記要素をモニタすることを含むこともある。前記要素の制御は、「コントローラ」と示されることもある制御システムで行われ得る。従って、前記制御システム及び前記要素は、少なくとも一時的に、又は恒久的に、機能的に結合されてもよい。前記要素が、前記制御システムを有してもよい。実施形態においては、前記制御システム及び前記要素は、物理的に結合されていなくてもよい。制御は、有線及び/又は無線制御を介して行われることができる。「制御システム」という用語は、特に機能的に結合されている、複数の異なる制御システムを指すこともあり、例えば、前記複数の異なる制御システムのうちの1つの制御システムは、マスタ制御システムであってもよく、1つ以上の他の制御システムは、スレーブ制御システムであってもよい。制御システムは、ユーザインターフェースを有してもよく、又はユーザインターフェースに機能的に結合されてもよい。
【0116】
前記制御システムはまた、遠隔制御装置からの命令を受信し、実行するよう構成されてもよい。実施形態においては、前記制御システムは、スマートフォン又はiPhone、タブレットなどのようなポータブルデバイスなどのデバイスにおけるアプリを介して制御されてもよい。従って、前記デバイスは、必ずしも前記照明システムに結合されないが、前記照明システムに(一時的に)機能的に結合されてもよい。
【0117】
従って、実施形態においては、前記制御システムは(また)、遠隔デバイスにおけるアプリによって制御されるよう構成されてもよい。このような実施形態においては、前記照明システムの前記制御システムは、スレーブ制御システムであってもよく、又はスレーブモードで制御してもよい。例えば、前記照明システムは、コード、特にそれぞれの照明システムのための固有のコードで識別可能であってもよい。前記照明システムの前記制御システムは、(固有の)コードの光学センサ(例えばQRコードリーダ)を備えるユーザインターフェースによって入力される知識に基づいて前記照明システムにアクセスする外部の制御システムによって制御されるよう構成されてもよい。前記照明システムはまた、Bluetooth、WIFI、LiFi、ZigBee、BLE若しくはWiMAX、又は別の無線技術などに基づいて、他のシステム又はデバイスと通信するための手段を有してもよい。
【0118】
前記システム、又は装置、又はデバイスは、或る「モード」又は「動作モード」又は「動作のモード」又は「動作可能モード」で動作を実行し得る。「動作モード」という用語は、「制御モード」と示されることもある。同様に、方法においては、動作、又は段階、又はステップが、或る「モード」又は「動作モード」又は「動作のモード」又は「動作可能モード」で実行され得る。これは、前記システム、又は装置、又はデバイスが、別の制御モード、又は複数の他の制御モードを提供するよう適合されることもあることを除外しない。同様に、これは、前記モードを実行する前に及び/又は前記モードを実行した後に、1つ以上の他のモードが実行され得ることを除外しない場合がある。
【0119】
しかしながら、実施形態においては、少なくとも前記制御モードを提供するよう適合される制御システムが利用可能である場合がある。他のモードが利用可能である場合には、このようなモードの選択は、特には、ユーザインターフェースを介して実行されてもよいが、センサ信号又は(時間)スキームに依存してモードを実行するような他の選択肢も可能であってもよい。前記動作モードは、実施形態においては、単一の動作モード(即ち、更なる調整可能性のない、「オン」)でしか動作することができないシステム、又は装置、又はデバイスを指すこともある。
【0120】
従って、実施形態においては、前記制御システムは、ユーザインターフェースの入力信号、(センサの)センサ信号、及びタイマのうちの1つ以上に依存して制御してもよい。「タイマ」という用語は、クロック及び/又は所定の時間スキームを指すことがある。
【0121】
前記システム光のスペクトルパワー組成を調整することが望ましい場合もある。これは、特には、前記第1光生成デバイス及び前記第2光生成デバイスを制御することによって行われ得る。特には、これは、前記第1デバイス光(及び/又は随意に、前記第2デバイス光)のデューティサイクルを制御することによって行われ得る。このやり方においては、前記第1デバイス光の(変化)周波数を本質的に同じに保つことが可能である場合があるが、前記スペクトルパワー分布は、前記第1重心波長又は前記第2重心波長のためのそれぞれのパルスのパルス時間を増加させる又は短縮することによって制御されることができる。従って、実施形態においては、前記制御システムは、パルス幅変調によって前記第1光生成デバイスを制御するよう構成されてもよく、前記制御システムは、前記動作モードにおいて、前記第1デバイス光のデューティサイクルを制御することによって、前記システム光のスペクトルパワー分布を制御するよう構成される。特には、実施形態において、前記波長可変光生成デバイスは、前記動作モードにおいて、各々が少なくとも40Hz(より特には少なくとも50Hz、更により特には少なくとも60Hz)のパルス周波数を持つ、前記重心波長(λ1c,1)を持つ第1デバイス光の第1パルスと、前記重心波長(λ1c,2)を持つ第1デバイス光の第2パルスとを生成するよう構成され、前記動作モードにおいて、前記システム光の前記スペクトルパワー分布を制御することは、前記第1パルスのデューティサイクル及び前記第2パルスのデューティサイクルを個別に制御することを含む。
【0122】
従って、実施形態においては、前記第1デバイス光の前記スペクトルパワー分布を制御し、それによって、前記システム光の前記スペクトルパワー分布を制御するよう、パルス幅変調が適用され得る。パルスの高さを制御することによるものなどの、前記第1デバイス光の前記スペクトルパワー分布を制御するための代替ソリューションも、可能であり得る。前記第2デバイス光を制御することによって前記システム光の前記スペクトルパワー分布を制御することも可能であり得ることに留意されたい。これも、特定の実施形態においては、パルス幅変調を介して行われ得るが、前記第2光生成デバイスに供給される電力を変えるなどの他のソリューションも、適用され得る。
【0123】
更に、特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、A3B5O12:Ceタイプのルミネッセンス材料を有することがあり、Aは、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上を有することがあり、Bは、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を有することがあり、前記光生成システムは、セラミック体を有することがあり、前記セラミック体は、前記ルミネッセンス材料を有することがあり、前記第2光生成デバイスは、ダイオードレーザ及びスーパールミネッセントダイオードのうちの1つ以上を有することがあり、前記第1光生成デバイスは、青色波長範囲内に重心波長を持つ第1デバイス光を生成するよう構成されることがあり、前記第2光生成デバイスが、赤色波長範囲内に重心波長を持つ第2デバイス光を生成するよう構成されることがある。
【0124】
更に、特定の実施形態においては、前記制御システムは、前記光生成システムの動作モードにおいて、2200乃至6500Kなどの、更により特には2700乃至6500Kの、2000乃至6500Kの相関色温度範囲内で前記システム光を制御するよう構成され得る。その代わりに又は加えて、前記制御システムは、前記光生成システムの動作モードにおいて、少なくとも80の演色評価数を持つ前記システム光を制御するよう構成され得る。従って、特には、前記制御システムは、前記光生成システムの動作モードにおいて、2700乃至6500Kの相関色温度範囲内で、少なくとも80の演色評価数を持つ前記システム光を制御するよう構成され得る。
【0125】
前記光生成システムは、例えば、オフィス照明システム、家庭用アプリケーションシステム、店舗照明システム、家庭用照明システム、アクセント照明システム、スポット照明システム、劇場照明システム、光ファイバアプリケーションシステム、投影システム、自己照明ディスプレイシステム(self-lit display system)、画素化ディスプレイシステム、セグメント化ディスプレイシステム、警告標識システム、医療用照明アプリケーションシステム、インジケータサインシステム、装飾照明システム、携帯用システム、自動車アプリケーション、(屋外)道路照明システム、都市照明システム、温室照明システム、園芸照明、デジタル投影、又はLCDバックライトの一部であってもよく、又はそれらにおいて利用されてもよい。前記光生成システム(又は前記照明器具)は、例えば光通信システム又は消毒システムの一部であってもよく、又はそれらにおいて利用されてもよい。
【0126】
更に他の態様においては、本発明は、本明細書において規定されているような光生成システムを有するランプ又は照明器具も提供する。前記照明器具は、ハウジング、光学要素、ルーバーなどなどを更に含み得る。前記ランプ又は前記照明器具は、前記光生成システムを囲むハウジングを更に含み得る。前記ランプ又は前記照明器具は、前記ハウジングにおける光窓(light window)、又はハウジング開口部を有してもよく、前記システム光は、前記光窓又は前記ハウジング開口部を通して、前記ハウジングから脱出し得る。更に他の態様においては、本発明は、本明細書において規定されているような光生成システムを有する投影デバイスも提供する。特に、投影デバイス又は「プロジェクタ」又は「画像プロジェクタ」は、例えば投影スクリーンなどの表面に画像(又は動画)を投影する光学デバイスであり得る。前記投影デバイスは、本明細書において記載されているような光生成システムを1つ以上含み得る。従って、本発明は、或る態様においては、ランプ、照明器具、プロジェクタデバイス、消毒デバイス、及び光無線通信デバイスのグループから選択される光生成デバイスであって、本明細書において規定されているような光生成システムを有する光生成デバイスも提供する。前記光生成デバイスは、前記光生成システムの1つ以上の要素を、収容するよう構成されるハウジング、又は支持するよう構成される担体を有してもよい。例えば、実施形態においては、前記光生成デバイスは、前記第1光生成デバイス、前記第2光生成デバイス及び前記ルミネッセンス材料のうちの1つ以上を、収容するよう構成されるハウジング、又は支持するよう構成される担体を有してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0127】
ここで、ほんの一例として、対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略的な図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【
図1】幾つかの実施形態及び例を概略的に図示する。
【
図2】幾つかの実施形態及び例を概略的に図示する。
【
図3】幾つかの実施形態及び例を概略的に図示する。
【
図4】幾つかの実施形態及び例を概略的に図示する。
【
図5】幾つかの実施形態及び例を概略的に図示する。
【
図6】幾つかの実施形態及び例を概略的に図示する。
【
図7】幾つかの実施形態及び例を概略的に図示する。
【
図8a】幾つかの実施形態及び態様を概略的に図示する。
【
図8b】幾つかの実施形態及び態様を概略的に図示する。
【
図8c】幾つかの実施形態及び態様を概略的に図示する。
【
図8d】幾つかの実施形態及び態様を概略的に図示する。
【
図8e】幾つかの実施形態及び態様を概略的に図示する。
【
図8f】幾つかの実施形態及び態様を概略的に図示する。
【
図9a】幾つかの実施形態及び態様を概略的に図示する。
【
図9b】幾つかの実施形態及び態様を概略的に図示する。
【
図9c】幾つかの実施形態及び態様を概略的に図示する。
【0128】
概略的な図面は、必ずしも縮尺通りではない。
【発明を実施するための形態】
【0129】
波長可変VCSELは、例えば、MEMを使用して赤色乃至IRの領域内で利用可能である。このような光源は、例えば周波数2倍化によって、青色領域内の波長可変レーザを生成するために、使用されることができる。これに加えて、青色領域内で発光するVCSELが登場しており、その効率及び出力は、既に数ワット超に達している。
【0130】
以下では、このような波長可変レーザを使用してBBL調整可能白色光源がどのように製造されることができるかについて説明する。波長調整は、実施形態においては、波長可変青色レーザ、(波長可変であることもある)赤色レーザ、及び青色光を部分的に変換するためのセラミック蛍光体を使用して行われることができる。
【0131】
465nmにおいて、ピーク吸光度に近い0.42という吸光度を持つCeドープYAGセラミックについて考えてみる。Ce:YAGの吸光度曲線を波長の関数として使用すると、セラミックを通過する青色光の量と、青色光が吸収された結果としてCe:YAGによって発せられる黄色光の量とを計算することができる。
図1は、離散青色波長におけるカラーポイントを示している。
【0132】
例えば、440nmと465nmとの間で掃引し、625nmにおいて発光するレーザと組み合わせることができる光源が使用される場合には、
図2において示されている三角形内の任意のカラーポイントを生成することができる光源を作成することが可能である。その場合、BBLに沿ってCCTを変化させることが、約3000乃至7000Kの範囲内で可能であり得る。
【0133】
440nmと460nmとの間で連続的に青色レーザ光を掃引し、青色光源及び赤色光源の相対強度を調節することによって、7000Kと2700Kとの間でBBLに沿って連続的にカラーポイントを移動させることも可能であり得る。
【0134】
図3においては、465nmにおいて0.56という吸光度を持つYAGセラミックの使用が示されており、440nmと465nmとの間で掃引し、625nmにおいて発光するレーザを組み合わされる光源を使用している。
図3において示されている三角形内の任意のカラーポイントを生成することができる光源を作成することが可能になる。このことは、約4800Kと2200Kとの間で(システム光を)掃引することを可能にする。
【0135】
表1は、走査中に得られる波長におけるBBL上の白色光の特性を示している。
【表1】
【0136】
レーザ・蛍光体ベースの光源は、非常に高い強度をもたらす可能性があるため、多くの関心を集めている。レーザが蛍光体をポンピングするために使用される、自動車のヘッドライト及びプロジェクタなどの製品が、既に市場に出回っている。レーザ・蛍光体は、他の照明アプリケーションのためにも使用されることができる。しかしながら、BBL調光のためには、少なくとも赤色、緑色、青色の個別に制御可能なレーザベースの光源が必要とされる。
【0137】
本明細書においては、とりわけ、(少なくとも)高周波波長掃引レーザ及びセラミック蛍光体を使用するBBL調光が提案されている。高周波波長掃引レーザは、オレンジ色光と赤色光との間で切り替えられることができるVCSELであり得る。青色レーザ及びYAG/LuAGセラミック蛍光体タイルと組み合わせてこのような光源を使用することによって、例えばBBL調光のために、BBLをたどることができる。その代わりに、又は加えて、青色(又は緑色)波長を調節するために、青色(又は緑色)高周波波長掃引レーザが使用されてもよい。レーザの強度を制御するためにPWM(パルス幅変調)が使用され得る。
【0138】
図4は、約450nmの青色レーザ、560nmにおいてカラーポイントを持つ緑色/黄色発光材料、及び様々な波長でほぼオレンジ色/赤色で発光するVCSELで利用可能である幾つかのカラーポイントを概略的に図示している。白色光が、(実質的に黒体軌跡に沿った)制御可能なCCTを持ち得ることに留意されたい。様々な円は、(例として示されている)VCSELなどの、波長可変デバイス光の重心波長に依存して選ばれることができるカラーポイントを示している。
【0139】
本明細書においては、とりわけ、(i)色温度、(ii)CRI及び/又は(iii)R9値などの調節可能な特性を持つ光源の製造における調整可能なレーザの使用も提案されている。それは、補償される必要がある他の効果のためにも使用されることができる。とりわけ、第2高調波発生のための適切な非線形光学(NLO)結晶と組み合わせて波長可変IR垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)を使用することが提案されており、従って、調整可能な可視レーザを得ることが提案されている。
【0140】
図5は、可能な波長可変VCSELのスペクトルを概略的に図示している。
【0141】
調整可能な可視レーザ光は、例えば、カラーポイント/色温度を調節するために使用されることができる。これは、調整可能な可視レーザ光によって直接達成されることができる、又は変換率はポンプ波長に依存する蛍光体をポンピングすることによって間接的に達成されることができる。後者の構成においては、効果を高めるために色分離要素(例えば、レーザビームを分離するためのダイクロイック)が使用され得る。多くのピークが示されている。中間ピークもあり得る。
【0142】
あるいは、例えば、所与の波長におけるガーネット蛍光体からの吸光度のレベルは、温度の上昇とともに減少することが知られている。この結果、光源のカラーポイントは、光の強度の関数として変化する。温度吸光度を補償するために、従って、温度が変化する状態で蛍光体のカラーポイントを保つために、調整可能な青色レーザが使用されることができる。
【0143】
実施形態においては、1240nmから1350nmまでの波長範囲を放射する調整可能なIRレーザの周波数2倍化後には、620nmから675nmまでの範囲の波長範囲内の光を発する調整可能な赤色発光レーザが得られることができる。従って、IR範囲内で調整可能である波長可変光源で、可視範囲内で調整可能である波長可変光源も得られ得る(更に下記も参照)。
【0144】
同じやり方で、900nmから990nmまでの波長範囲内の調整可能なIR放射レーザ及び990nmから1140nmまでの波長範囲内の調整可能なIR放射レーザが、それぞれ、青色450乃至495nmにおいて発光する調整可能なレーザ及び緑色495乃至570nmにおいて発光する調整可能なレーザを製造するために使用されることができる。
【0145】
図6は、610nmにおける赤色レーザ光と組み合わせて、YAG:Ce 2%蛍光体をポンピングする440nmの青色レーザを有する光源のスペクトルを示している。例えば、CCT=3000Kにおいて、CRI=66、R9=-64、及び373lm/Wの変換効率を持つ光が得られ得る。連続増加曲線は、約3000Kにおける黒体放射体のスペクトルパワー分布を概略的に図示している(
図7も参照)。
【0146】
図7は、青色レーザ470nm及び赤色レーザ630nmで得られる、より高い光品質、即ち、同じCCT=3000Kにおいて、CRI=90及びR9=92を持つが、330lm/Wのより低い効率を持つスペクトルを示している。
【0147】
図8aを参照すると、実施形態においては、光生成システム1000は、第1光生成デバイス110と、第2光生成デバイス120と、ルミネッセンス材料200とを含み得る。
【0148】
第1光生成デバイス110は、第1デバイス光111を生成するよう構成され得る。第2光生成デバイス120は、第2デバイス光121を生成するよう構成され得る。第1デバイス光111及び第2デバイス光121は、異なるスペクトルパワー分布を持つ。
【0149】
ルミネッセンス材料200は、第1デバイス光111及び第2デバイス光121のうちの1つ以上の少なくとも一部をルミネッセンス材料光201に変換するよう構成され得る。ルミネッセンス材料200は、A3B5O12:Ce3+タイプのルミネッセンス材料を有することがある。Aは、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上を有することがあり、Bは、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を有することがある。光生成システム1000は、セラミック体210を有することがあり、セラミック体210は、ルミネッセンス材料200を有することがある。参照符号550は、例えば、コリメータ又はレンズのようなビーム成形要素を含み得る、光学系を指している。他の光学系(図示せず)も可能であり得る。特には、光学系550は、第1光生成デバイス、第2光生成デバイス及びルミネッセンス材料の下流に構成される光学系を指している。
【0150】
実施形態においては、光生成システム1000は、ユーザインターフェースの入力信号、(センサの)センサ信号、及びタイマのうちの1つ以上に依存して、第1光生成デバイス110及び第2光生成デバイス120を制御することによって、システム光1001を制御するよう構成される制御システム300を更に有してもよい。
【0151】
図8a乃至8bを参照すると、第1光生成デバイス110(
図8a参照)は、光生成システム1000の動作モードにおいて、少なくとも40Hzの変化周波数で、少なくとも10nmの(図面においてはλ
1cと示されている)波長差を持つ少なくとも2つの重心波長(λ
1c,1、λ
1c,2)の間で変化する第1デバイス光111を生成するよう構成される波長可変光生成デバイスを含み得る。変化周波数は、特には少なくとも50Hzであることがあり、更により特には少なくとも60Hzなどであることがある。(左側の)最小波長帯域が、重心波長λ
1c,1を持つことがあり、(右側の)最大波長帯域が、重心波長λ
1c,2を持つことがある。従って、これらの少なくとも2つの重心波長λ
1c,1、λ
1c,2は、外側重心波長と示されることがある。
【0152】
光生成システム1000は、光生成システム1000の動作モードにおいて、ルミネッセンス材料光201と、第1デバイス光111及び第2デバイス光121(のうちの少なくとも1つ)とを含む白色システム光1001を生成するよう構成され得る。
【0153】
光生成システム1000の特定の実施形態においては、第1光生成デバイス110は、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)及びスーパールミネッセントダイオードのうちの1つ以上を含み得る。
【0154】
図8cは、ルミネッセンス材料の吸収(透過)(左側y軸)及び発光(右側y軸)の実施形態を概略的に図示しており、ルミネッセンス材料は、制御可能な重心波長を持つ第1デバイス光(
図8b参照)の一部を変換するよう構成されている。
【0155】
図8dは、ルミネッセンス材料が第2デバイス光121の一部を変換するよう構成される実施形態を概略的に図示している。更に、概略的に図示されている実施形態は、
図8aにおいて概略的に図示されている実施形態と本質的に同じである。
【0156】
図8eは、第2光生成デバイス120が、光生成システム1000の動作モードにおいて、特には少なくとも50Hzの、少なくとも60Hzなどの、少なくとも40Hzの変化周波数で、少なくとも10nmの波長差を持つ少なくとも2つの重心波長(λ
2c,1、λ
2c,2)の間で変化する第2デバイス光121を生成するよう構成される波長可変光生成デバイスを含み得る実施形態を概略的に図示している。
【0157】
図8fは、あり得る重複(発光)帯域の態様を概略的に図示している。重複領域は、ハッチングが施されている。より小さな帯域の重複のパーセンテージは、より大きな(ここでは、より広い)帯域の重複のパーセンテージよりも大きい。本明細書においては、重複は、特には、より小さな発光帯域に対して規定され得る。より大きな発光帯域によるより小さな発光帯域のスペクトル重複は、20%未満であり得る。特に、発光帯域のスペクトルパワー(積分パワー)が、別の発光帯域のものよりも小さい場合、発光帯域は、別の発光帯域よりも小さい可能性がある。
図8fにおいては、重複は、(狭帯域発光の)約50%であり得る(広帯域発光の約10%だけが狭帯域発光と重なり得る)。
【0158】
図9a乃至9bを参照すると、実施形態Iにおいては、第1光生成デバイス110が、(a)光生成システム1000の動作モードにおいて、少なくとも50Hzの変化周波数で、少なくとも20nmの波長差を持つ少なくとも2つの重心波長(λ
pc,1、λ
pc,2)の間で変化する第1光源光11を生成するよう構成される波長可変第1光源10を含み得る。更に、(第1)アップコンバータ材料410が、波長可変第1光源10の下流に構成され、少なくとも2つの重心波長(λ
pc,1、λ
pc,2)の間で変化する第1光源光11の少なくとも一部を、少なくとも2つの重心波長(λ
1c,1、λ
1c,2)の間で変化する第1デバイス光111に変換するよう構成される。
【0159】
アップコンバータ材料410は、アップコンバータ・ルミネッセンス材料及び周波数2倍化材料のうちの1つ以上を含み得る。
【0160】
実施形態においては、第2光生成デバイス120は、ダイオードレーザ及びスーパールミネッセントダイオードのうちの1つ以上を含み得る。実施形態においては、第2光生成デバイス120は、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)を含み得る。
【0161】
従って、
図9aの実施形態IIにおいては、第2光生成デバイス120が、光生成システム1000の動作モードにおいて、少なくとも50Hzの変化周波数で、少なくとも20nmの波長差を持つ少なくとも2つの重心波長の間で変化する第2光源光21を生成するよう構成される第2光源20を有するこのような実施形態が概略的に図示されている。更に、(第2)アップコンバータ材料420が、波長可変第2光源20の下流に構成され、少なくとも2つの重心波長の間で変化する第2光源光21の少なくとも一部を、少なくとも2つの重心波長の間で変化する第2デバイス光121に変換するよう構成される。
【0162】
第1光生成デバイス110は、青色波長範囲内に重心波長を持つ第1デバイス光111を生成するよう構成されることがあり、且つ第2光生成デバイス120は、赤色波長範囲内に重心波長を持つ第2デバイス光121を生成するよう構成されることがある。その代わりに、第1光生成デバイス110は、赤色波長範囲内に重心波長を持つ第1デバイス光111を生成するよう構成されることがあり、且つ第2光生成デバイス120は、青色波長範囲内に重心波長を持つ第2デバイス光121を生成するよう構成されることがある。
【0163】
実施形態においては、第1光源10は、IRスーパールミネッセントダイオード又はIR VCSELを含み得る。
【0164】
制御システム(図示されていないが、
図8a又は8d参照)は、パルス幅変調によって第1光生成デバイス110を制御するよう構成され得る。特には、制御システムは、動作モードにおいて、第1デバイス光111のデューティサイクルを制御することによって、システム光1001のスペクトルパワー分布を制御するよう構成され得る。
【0165】
波長可変光生成デバイスは、動作モードにおいて、各々が少なくとも40Hzのパルス周波数を持つ、重心波長(λ1c,1)を持つ第1デバイス光111の第1パルスと、重心波長(λ1c,2)を持つ第1デバイス光111の第2パルスとを生成するよう構成されてもよく、動作モードにおいて、システム光1001のスペクトルパワー分布を制御することは、第1パルスのデューティサイクル及び第2パルスのデューティサイクルを個別に制御することを含み得る。
【0166】
制御システムは(また)、実施形態においては、パルス幅変調によって第2光生成デバイスを制御するよう構成され得ることに留意されたい。
【0167】
図9cを参照すると、パルス幅変調の例が概略的に図示されている。第2実施形態においてパルス幅を短くすることによって、第1タイプのパルスにおいて供給される光のシステム光への寄与が減らされている。このやり方においては、色が、例えばBBLに沿って、調整され得る。ハッチングが施されていない矩形及びハッチングが施されている矩形で示されている2つの異なるパルスは、例えばそれぞれ重心波長λ
1c,1、λ
1c,2を持つ第1デバイス光のパルスを指し得る。このやり方においては、光生成デバイスは、2つ(以上)の異なるスペクトルパワー分布の間で掃引することができ、それによって、特にPWMで、システム光のスペクトルパワー分布が制御され得る。
【0168】
制御システムは、光生成システム1000の動作モードにおいて、2700乃至6500Kの相関色温度範囲内で、少なくとも80の演色評価数を持つシステム光1001を制御するよう構成され得る。
【0169】
図10は、上記のような光生成システム1000を含む照明器具2の実施形態を概略的に図示している。参照符号301は、光生成システム1000によって含まれる又は光生成システム1000に機能的に結合される制御システム300と機能的に結合され得るユーザインターフェースを示している。
図10は、光生成システム1000を有するランプ1の実施形態も概略的に図示している。従って、
図10は、ランプ1、照明器具2、プロジェクタデバイス、消毒デバイス、及び光無線通信デバイスのグループから選択される照明デバイス1200であって、本明細書において記載されているような光生成システム1000を有する照明デバイス1200の実施形態を概略的に図示している。実施形態においては、このような照明デバイスは、ランプ1、照明器具2、プロジェクタデバイス、消毒デバイス、又は光無線通信デバイスであり得る。照明デバイス1200から脱出する照明デバイス光が、参照符号1201で示されている。照明デバイス光1201は、本質的に、システム光1001から成ってもよく、従って、特定の実施形態においては、システム光1001であってもよい。
【0170】
「複数」という用語は、2つ以上を指す。
【0171】
本明細書における「実質的に」又は「本質的に」という用語、及び同様の用語は、当業者には理解されるだろう。「実質的に」又は「本質的に」という用語は、「全体的に」、「完全に」、「全て」などを備える実施形態も含み得る。従って、実施形態においては、実質的に又は本質的にという形容詞が取り除かれることもある。適用可能な場合には、「実質的に」という用語又は「本質的に」という用語は、100%を含む、95%以上、特に99%以上、更により特に99.5%以上などの、90%以上に関することもある。
【0172】
「有する」という用語は、「有する」という用語が「から成る」を意味する実施形態も含む。
【0173】
「及び/又は」という用語は、特に、「及び/又は」の前及び後で言及されている項目のうちの1つ以上に関する。例えば、「項目1及び/又は項目2」という語句、及び同様の語句は、項目1及び項目2のうちの1つ以上に関し得る。「有する」という用語は、或る実施形態においては、「から成る」ことを指す場合があるが、別の実施形態においては、「少なくとも規定されている種を含み、随意に、1つ以上の他の種を含む」ことを指す場合もある。
【0174】
更に、明細書及び特許請求の範囲における、第1、第2、第3などの用語は、同様の要素を区別するために使用されるものであり、必ずしも、逐次的又は時間的な順序を説明するために使用されるものではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、本明細書において記載されている本発明の実施形態は、本明細書において記載又は図示されている順序以外の順序で動作が可能であることは理解されるべきである。
【0175】
本明細書においては、とりわけ、動作中の、デバイス、装置、又はシステムが記載されているかもしれない。当業者には明らかであるだろうように、本発明は、動作の方法、又は動作中の、デバイス、装置、若しくはシステムに限定されるものではない。
【0176】
上述の実施形態は、本発明を限定するものではなく、本発明を説明するものであり、当業者は、添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、多くの他の実施形態を設計することができるだろうことに留意されたい。
【0177】
特許請求の範囲において、括弧内に配置される如何なる参照符号も、請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0178】
「有する」という動詞及びその語形変化の使用は、請求項において示されている要素又はステップ以外の要素又はステップの存在を除外するものではない。文脈から明らかに別の意味が必要とされない限り、明細書及び特許請求の範囲全体を通して、「有する」などの単語は、排他的又は網羅的な意味とは対照的な、包括的な意味で、即ち、「含むが、これに限定されない」という意味で解釈されるべきである。
【0179】
要素の単数形表記は、このような要素の複数の存在を除外するものではない。
【0180】
本発明は、幾つかの別個の要素を有するハードウェアによって実施されてもよく、又は適切にプログラムされたコンピュータによって実施されてもよい。幾つかの手段を列挙している、デバイスの請求項、又は装置の請求項、又はシステムの請求項においては、これらの手段のうちの幾つかは、ハードウェアの全く同一のアイテムによって実施されてもよい。単に、或る特定の手段が、相互に異なる従属請求項において挙げられているという事実は、これらの手段の組み合わせは有利になるようには使用されることができないことを示すものではない。(従って、)更に他の態様においては、本発明は、コンピュータにおいて実行するときに、本明細書において記載されているような方法(の1つ以上の実施形態)を実現することが可能であるソフトウェアを提供する。
【0181】
本発明は、デバイス、装置、若しくはシステムを制御し得る、又は本明細書において記載されている方法若しくはプロセスを実行し得る制御システムも提供する。更に他に、本発明は、デバイス、装置、又はシステムに機能的に結合される又は含まれるコンピュータにおいて実行するときに、このようなデバイス、装置、又はシステムの1つ以上の制御可能な要素を制御するコンピュータプログラム製品も提供する。
【0182】
本発明は、更に、明細書において記載されている、及び/又は添付の図面において示されている、特徴付けている特徴のうちの1つ以上を有するデバイス、装置、又はシステムに当てはまる。本発明は、更に、明細書において記載されている、及び/又は添付の図面において示されている、特徴付けている特徴のうちの1つ以上を有する方法又はプロセスに関する。
【0183】
この特許において説明されている様々な態様は、更なる利点を提供するために組み合わされることができる。更に、当業者は、実施形態は組み合わされることができること、及び3つ以上の実施形態も組み合わされることができることを理解するだろう。更に、特徴のうちの幾つかは、1つ以上の分割出願のための基礎を形成することができる。
【0184】
特には、本発明は、波長掃引レーザと蛍光体との組み合わせ、及び第2レーザを提供し得る。実施形態においては、波長掃引レーザは、赤色レーザであり、第2レーザは、青色レーザであってもよく、別の実施形態においては、その逆であってもよい。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光生成デバイスと、第2光生成デバイスと、ルミネッセンス材料とを有する光生成システムであって、
前記第1光生成デバイスが、第1デバイス光を生成するよう構成され、前記第2光生成デバイスが、第2デバイス光を生成するよう構成され、前記第1デバイス光と、前記第2デバイス光とが、異なるスペクトルパワー分布を持ち、
前記ルミネッセンス材料が、前記第1デバイス光及び前記第2デバイス光のうちの1つ以上の少なくとも一部をルミネッセンス材料光に変換するよう構成され、
前記第1光生成デバイスが、前記光生成システムの動作モードにおいて、少なくとも50Hzの変化周波数で、少なくとも10nmの波長差を持つ少なくとも2つの重心波長の間で変化する第1デバイス光を生成するよう構成される波長可変光生成デバイスを有し、
前記光生成システムが、前記光生成システムの前記動作モードにおいて、前記ルミネッセンス材料光、前記第1デバイス光及び前記第2デバイス光を含む白色システム光を生成するよう構成される光生成システム。
【請求項2】
前記第1光生成デバイスが、垂直共振器面発光レーザ及びスーパールミネッセントダイオードのうちの1つ以上を有する請求項1に記載の光生成システム。
【請求項3】
前記第1光生成デバイスが、(a)前記光生成システムの動作モードにおいて、少なくとも60Hzの変化周波数で、少なくとも20nmの波長差を持つ少なくとも2つの重心波長の間で変化する第1光源光を生成するよう構成される波長可変第1光源と、(b)前記波長可変第1光源の下流に構成され、前記少なくとも2つの重心波長の間で変化する前記第1光源光の少なくとも一部を、前記少なくとも2つの重心波長の間で変化する前記第1デバイス光に変換するよう構成されるアップコンバータ材料とを有する
請求項1に記載の光生成システム。
【請求項4】
前記アップコンバータ材料が、アップコンバータ・ルミネッセンス材料及び周波数2倍化材料のうちの1つ以上を有する請求項3に記載の光生成システム。
【請求項5】
前記ルミネッセンス材料が、A
3B
5O
12:Ceタイプのルミネッセンス材料を含み、Aが、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上を含み、Bが、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を含む請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項6】
セラミック体を有し、前記セラミック体が、前記ルミネッセンス材料を有する請求項1乃至
4のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項7】
前記第2光生成デバイスが、ダイオードレーザ及びスーパールミネッセントダイオードのうちの1つ以上を有する請求項1乃至
4のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項8】
前記第2光生成デバイスが、前記光生成システムの動作モードにおいて、少なくとも50Hzの変化周波数で、少なくとも10nmの波長差を持つ少なくとも2つの重心波長の間で変化する第2デバイス光を生成するよう構成される波長可変光生成デバイスを有する請求項1乃至
4のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項9】
前記第1光生成デバイスが、青色波長範囲内に重心波長を持つ第1デバイス光を生成するよう構成され、前記第2光生成デバイスが、赤色波長範囲内に重心波長を持つ第2デバイス光を生成するよう構成される、又は
前記第1光生成デバイスが、赤色波長範囲内に重心波長を持つ第1デバイス光を生成するよう構成され、前記第2光生成デバイスが、青色波長範囲内に重心波長を持つ第2デバイス光を生成するよう構成される請求項1乃至
4のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項10】
前記第1光生成デバイス及び前記第2光生成デバイスを個別に制御することによって、ユーザインターフェースの入力信号、センサ信号、及びタイマのうちの1つ以上に依存して、前記システム光を制御するよう構成される制御システムを更に有する請求項1乃至
4のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項11】
前記制御システムが、パルス幅変調によって前記第1光生成デバイスを制御するよう構成され、前記制御システムが、前記動作モードにおいて、前記第1デバイス光のデューティサイクルを制御することによって、前記システム光のスペクトルパワー分布を制御するよう構成される請求項10に記載の光生成システム。
【請求項12】
前記波長可変光生成デバイスが、前記動作モードにおいて、各々が少なくとも50Hzのパルス周波数を持つ、前記重心波長を持つ第1デバイス光の第1パルスと、前記重心波長を持つ第1デバイス光の第2パルスとを生成するよう構成され、前記動作モードにおいて、前記システム光の前記スペクトルパワー分布を制御することが、前記第1パルスのデューティサイクル及び前記第2パルスのデューティサイクルを個別に制御することを含む請求項11に記載の光生成システム。
【請求項13】
前記ルミネッセンス材料が、A
3B
5O
12:Ceタイプのルミネッセンス材料を含み、Aが、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上を含み、Bが、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を含み、前記光生成システムが、セラミック体を有し、前記セラミック体が、前記ルミネッセンス材料を有し、前記第2光生成デバイスが、ダイオードレーザ及びスーパールミネッセントダイオードのうちの1つ以上を有し、前記第1光生成デバイスが、青色波長範囲内に重心波長を持つ第1デバイス光を生成するよう構成され、前記第2光生成デバイスが、赤色波長範囲内に重心波長を持つ第2デバイス光を生成するよう構成される請求項1乃至
4のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項14】
前記制御システムが、前記光生成システムの動作モードにおいて、2700乃至6500Kの相関色温度範囲内で、少なくとも80の演色評価数を持つ前記システム光を制御するよう構成される請求項1乃至
4のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項15】
ランプ、照明器具、プロジェクタデバイス、消毒デバイス、及び光無線通信デバイスのグループから選択される光生成デバイスであって、請求項1乃至
4のいずれか一項に記載の光生成システムを有する光生成デバイス。
【国際調査報告】