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▶ ヒューズ・アセット・グループ・ピーティーワイ・リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】連結器
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/40 20060101AFI20240925BHJP
【FI】
E02F3/40 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516834
(86)(22)【出願日】2022-09-15
(85)【翻訳文提出日】2024-05-01
(86)【国際出願番号】 IB2022058682
(87)【国際公開番号】W WO2023042100
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】2021902983
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521234618
【氏名又は名称】ヒューズ・アセット・グループ・ピーティーワイ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HUGHES ASSET GROUP PTY LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ヒューズ,ノエル・ロバート
【テーマコード(参考)】
2D012
【Fターム(参考)】
2D012HA03
(57)【要約】
第1及び第2の平行ピンを有する用具を車両又は機械のアームに連結するための連結器。上記連結器は、車両又は機械のアームに取り付けるための本体、上記第1用具ピンを受け入れるための本体に固定された前部第1ジョー、上記第2用具ピンを受け入れるために第1ジョーとは反対側を向いた可動後部第2ジョー、上記第2ジョーを上記第1ジョーに近づけたり遠ざけたりするためのアクチュエータ、及びロック用部材を備えている。上記第1ジョーは、それぞれのピンのための座部の前方に明確なリップを有する。上記ロック用部材は、ロック用部材の一部分が第1ジョーの開口部内に突出するロック位置と、ロック解除後退位置との間で、第1ジョーのリップの前方に位置する旋回軸の周りで旋回可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の間隔を空けた平行なピンを有する用具を車両又は機械のアームに連結するための連結器であって、
前記車両又は機械のアームに取り付けるための本体;
前記本体に対して固定された前部第1ジョー;ここで、前記前部第1ジョーは、前記第1用具ピンを受け入れるための開口部及び第1座部を画定し、且つ前記第1座部の前方に明確なリップを有し、前記リップは一般的に前記本体に向かう方向に突き出ている、
前記第1ジョーの前記リップの前方に位置する旋回軸の周りで前記第1ジョーに対して旋回可能なロック用部材;ここで、前記ロック用部材は、前記ロック用部材の一部分が前記第1ジョーの前記開口部内に突出するロック位置と前記ロック用部材が前記第1ジョーの前記開口部から実質的に又は完全に引き抜かれているロック解除位置との間で旋回する、
前記第1ジョーの反対側を向いた可動後部第2ジョー;ここで、前記可動後部第2ジョーは、開口部及び前記第2用具ピンを受け入れるための第2座部を画定し、前記第2ジョーは、前記ジョー開口部と前記第2座部の後部とに隣接する拡張面を有する、及び
移動軸に沿って前記第2ジョーを前記第1ジョーの方向へ近づけ及び遠ざけるように選択的に移動可能とするアクチュエータ;
を備え、
前記リップを含んでいる前記第1ジョーは、前記第1ピンの前記第1ジョーの前記座部への、前記移動軸に平行でない進入方向を画定する、
前記連結器。
【請求項2】
前記可動第2ジョーは、前記第1ジョーから離れるように付勢されている、請求項1に記載の連結器。
【請求項3】
前記アクチュエータは油圧シリンダであり、付勢用部材が前記シリンダを伸長位置の方向へ付勢するように配置されている、請求項2に記載の連結器。
【請求項4】
前記付勢用部材はダイスプリングを含む、請求項3に記載の連結器。
【請求項5】
前記第1ジョーの前記リップは、前記移動軸に対して約25度~約35度の角度で配向された後面を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の連結器。
【請求項6】
前記第1ジョーの前記リップは、前記第1ジョーの上に前記第2ジョーを有する前記連結器の垂直姿勢において、前記連結器に確保された用具からの重量による力が、前記リップによって少なくとも部分的に支持されるような形状である、請求項1~5のいずれか一項に記載の連結器。
【請求項7】
前記第1ジョーと用具ピンとの係合には、前記第1ジョーの前記リップとの衝突を回避するために、前記第1ジョー又は前記用具ピンの動きの方向の変化が必要である、請求項1~6のいずれか一項に記載の連結器。
【請求項8】
前記ロック用部材は、前記第1ジョーの上方に前記第2ジョーが有り且つ前記ロック用部材がロック位置にある前記連結器の垂直姿勢において、前記連結器に保持された用具からの重量による力が、前記ロック用部材によって少なくとも部分的に支持されるような形状である、請求項1~7のいずれか一項に記載の連結器。
【請求項9】
前記第1ジョーの上方に前記第2ジョーが有り且つ前記ロック用部材がロック位置にある前記連結器の垂直姿勢において、前記第1用具を支持するために前記ロック用部材によって提供される反力ベクトルが、前記ロック用部材の旋回軸を通して延びている、請求項8に記載の連結器。
【請求項10】
前記第1ジョーの上方に前記第2ジョーが有り且つ前記ロック用部材がロック位置にある前記連結器の垂直姿勢において、前記連結器に保持された用具からの少なくとも主要な重量による力が、前記ロック用部材及び前記第1ジョーの前記リップによって支持されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の連結器。
【請求項11】
前記ロック用部材は、前記第1用具ピンと接触点で接触するためのロック面を含み、前記接触点は、前記ピンの中心及び前記ロック用部材の旋回軸と実質的に同一直線上にある、請求項1~10のいずれか一項に記載の連結器。
【請求項12】
前記接触点での前記ロック面は、前記ピンの中心と前記ロック用部材の旋回軸との間を走行する軸に対して実質的に垂直である、請求項11に記載の連結器。
【請求項13】
前記ロック面は実質的に平坦である、請求項12に記載の連結器。
【請求項14】
前記ロック用部材は、前記ロック位置の方向へ付勢されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の連結器。
【請求項15】
前記ロック用部材を前記ロック位置の方向へ付勢するように配置された板バネを備える、請求項14に記載の連結器。
【請求項16】
前記板バネの第1端部が前記本体に固定され、前記板バネの第2端部が前記ロック用部材に固定され、前記板バネは、前記ロック用部材ピンに隣接する屈曲中間部分を含む、請求項15に記載の連結器。
【請求項17】
前記ロック用部材は、カム面を含み、前記可動ジョーは可動部材上に設けられ、前記可動ジョーが前記第1ジョーの方向へ移動するときに、前記可動部材は、前記カム面と係合し且つそれによって前記ロック用部材をそのロック位置から引き込めるように構成されている。請求項1~16のいずれか一項に記載の連結器。
【請求項18】
前記第2ジョーの延長面は、前記アクチュエータの故障の結果、前記第2ジョーが前記第1ジョーの方向へわずかに移動する場合に、前記延長面が、前記第2ピンを前記第2ジョー内に保持することによって、前記連結器に取り付けられた用具の回転を防止するように構成されている、請求項1~17のいずれか一項に記載の連結器。
【請求項19】
前記第2ジョーの前記延長面は、実質的に平坦であり、及び/又は、前記移動軸に対して実質的に平行である、請求項1~18のいずれか一項に記載の連結器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、掘削機、採掘機、又は他の土木移動機械若しくは車両のアームに作業用具を連結するための連結器に関する。特に、この連結器は、油圧障害の場合又は連結過程中の用具の連結が不完全であることによる連結分離を防止するための安全機能を備えた油圧連結器である。
【背景技術】
【0002】
連結器(一般に「カプラー」、「ヒッチ」とも呼ばれる)は、用具(例えば、掘削バケット、又はその他の土木作業用具)を、機械(例えば、掘削機、採掘機、又はバックホー)のアームに取り外し可能に接続するために用いられる。これら連結器は、通常はアームの自由端に搭載され、且つ土木作業用具をアームに接続するためにこの作業用具に通常設けられている一対の平行ピンと係合するように構成されている。
【0003】
現代の連結器は、油圧アクチュエータを用いて操作される。これにより、車両のオペレータは、1つの用具を連結器から解放し別の用具のピンを係合する場合に、掘削機アームの端部から複数の用具を迅速かつ遠隔で交換することができる。使用中、用具は油圧下の連結器によってしっかりと保持される。しかし、油圧損失による故障、又は両方のピンの正しい係合に失敗した場合、用具が緩んだりアームから脱落したりする危険がある。用具が緩んだり落下したりすると、安全上の危険があり、重傷を負う可能性がある。
【0004】
油圧故障のリスクを軽減するために、油圧連結器は、油圧の喪失を起こす油圧故障の場合に、用具のピンの1つ又は両方が連結器と係合したままになるように、通常1つ以上の安全ロック機能を備えている。既存の連結器の一部では、バネ仕掛ラッチが、連結器ジョーの少なくとも1つに安全ラッチとして用いられている。しかし、これらのバネ仕掛安全ラッチは、特定の荷重条件下で故障する可能性がある。そのような状態の1つは、油圧の喪失があるときで、用具のピンが垂直に並ぶように、連結器が垂直又は垂直に近い向きにあるか、又はそのような方向に移動する場合である。この垂直方向において、油圧の故障は、重力下でのピン及び上側ジョーのわずかの落下を引き起こし、用具からの垂直荷重と用具の荷重のほぼ全てがバネ仕掛ラッチに伝達される。このラッチへの力の伝達は、その荷重の大きさを支えるほど十分な堅牢性を持たないラッチに損傷又は故障を引き起こす可能性があり、それによって用具が連結器から外れ危険になるリスクがある。
【0005】
危険な状況は、オペレータが連結器を用具のピンに正しく連結していないことに気付かない場合にも発生しうる。連結器を用具と連結する過程は、通常、連結器の前部固定ジョーを用具の第1ピンに係合させる(前部安全ラッチを係合することを含む)こと、その後掘削機のアームの下で用具をひねり、連結器の後部ジョーを第2ピンと係合させるように移動させることが含まれる。しかし、オペレータは、後部ジョーと第2ピンとの係合を見ることができないことがしばしばあり、後部ジョーが第2ピンと正しく係合していなくても気付かない可能性がある。従って、オペレータは、用具が部分的にしか係合されていない状態で、掘削機のアームと取り付けられた連結器を動かそうとする危険性がある。
【0006】
この状態で掘削機のアームが動かされると、連結器が上昇するにつれ、用具は、第1ピンの周りで揺れ動き且つ第1ピンから吊り下げられる可能性がある。揺れ動く用具の勢いは、第1ピンを前部ラッチに強く押し付ける可能性があり、この場合も用具の荷重の大部分をラッチが担うことになる。更に、用具が第1ピンの周りを旋回するときに、ラッチと接触している回転ピンがラッチにトルクを加え、ラッチを旋回させて係合を解除するという出来事があった。このことは、第1ピンがジョーから引き離され、用具の危険な落下を引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の欠点の1つ又はそれ以上に対処すること、及び/又は、少なくとも有用な代替手段を公に提供することが、本発明の少なくとも好ましい実施形態の目的である。
【0008】
本明細書において、特許明細書、他の外部文書、又は他の情報源が参照されている場合、これは一般に、本発明の特徴を議論するための文脈を提供することを目的としている。特に明記されていない限り、そのような外部文書又は情報源への参照は、いかなる法域においても、そのような文書又は情報源が先行技術であるか、又は当該技術分野における共通一般知識の一部を形成することを認めるものとして解釈されるべきではない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の態様において、本発明は広く、第1及び第2の間隔を空けた平行なピンを有する用具を車両又は機械のアームに連結するための連結器に関する。上記連結器は、上記車両又は機械のアームに取り付けるための本体、上記本体に対して固定された前部第1ジョー、旋回可能なロック用部材、可動後部第2ジョー、及びアクチュエータを備えている。上記前部第1ジョーは、上記第1用具ピンを受け入れるための開口部及び第1座部を画定し、上記第1座部の前方に明確なリップ、ここで上記リップはほぼ本体に向かう方向に突き出ている、を備える。上記ロック用部材は、上記第1ジョーの上記リップの前方に位置する旋回軸の周りで上記第1ジョーに対して旋回可能である。上記ロック用部材は、上記ロック用部材の一部分が上記第1ジョーの上記開口部内に突出するロック位置と、上記ロック用部材が上記第1ジョーの上記開口部から実質的に又は完全に引き抜かれているロック解除位置との間で旋回する。上記可動後部第2ジョーは、上記第1ジョーとは反対側を向いており、第2用具ピンを受け入れるための開口部及び第2座部を画定している。上記第2ジョーは、上記ジョー開口部に隣接し且つ上記第2座部の後方に拡張面を備えている。上記アクチュエータは、上記第2ジョーを上記移動軸に沿って上記第1ジョーの方向へ近づけ及び遠ざけるように選択的に動かすように動作可能である。上記リップを含む上記第1ジョーは、上記移動軸に平行ではない、上記第1ジョーの上記座部への上記第1ピンの進入方向を画定する。
【0010】
一実施形態において、上記第2ジョーは、上記第2ジョーが上記第1ジョーに対して遠位にある伸長位置と、上記第2ジョーが上記第1ジョーに対して近位にある収縮位置との間で移動可能である。
【0011】
一実施形態において、上記可動第2ジョーは、上記第1ジョーから離れた位置に付勢されている。
【0012】
一実施形態において、上記アクチュエータは油圧シリンダであり、上記シリンダを伸長位置の方向へ付勢するように付勢部材が配置される。上記付勢部材は、例えば上記シリンダのロッド内に配置されたダイスプリングを備えることができる。代わりに、上記付勢部材は外部圧縮バネを備えていてもよい。
【0013】
代替の実施形態において、上記アクチュエータは、機械的ネジ及びネジ機構を備えていてもよい。
【0014】
上記第1ジョーの突出リップは、上記移動軸に対して約20度~約40度、好ましくは約25度~約35度、最も好ましくは約30度の角度で配向された後面を備えうる。
【0015】
一実施形態において、上記第1ジョーの上記リップは、上記第1ジョーの上方に上記第2ジョーが存在する上記連結器の垂直姿勢において、上記連結器に固定された用具からの重量による力がリップによって少なくとも部分的に支持されるように形作られる。
【0016】
一実施形態において、上記第1ジョーと上記用具ピンとの係合は、上記第1ジョーの上記リップとの衝突を回避するために、上記第1ジョー又は上記用具ピンの上記移動の方向を変える必要がある。上記移動の少なくとも一部分の間、上記第1ジョーと上記用具ピンとの係合は、移動ベクトルが上記可動部材の上記移動軸に垂直である成分を含むように、上記第1ジョー又は上記用具ピンが移動することを必要としうる。
【0017】
一実施形態において、上記ロック用部材は、上記第2ジョーが上記第1ジョーの上方にあり且つ上記ロック用部材がロック位置にある上記連結器の垂直姿勢において、上記連結器に保持された用具からの重量による力が上記ロック用部材によって少なくとも部分的に支持されるように形作られている。上記第2ジョーが上記第1ジョーの上方にあり且つ上記ロック用部材がロック位置にある上記連結器の垂直姿勢において、上記第1用具を支持するように上記ロック用部材によって提供される反力ベクトルは、上記ロック用部材旋回軸を通って延在しうる。
【0018】
一実施形態において、上記第2ジョーが上記第1ジョーの上方にあり且つ上記ロック用部材がロック位置にある上記連結器の垂直姿勢において、上記連結器に保持された用具からの重量による力の少なくとも大部分が上記ロック用部材及び第1ジョーの上記リップによって支持される。例えば、上記ロック用部材及び上記リップは、共に、上記用具の荷重の重量による力の実質的に全てを支持しうる。代替の実施形態において、上記ロック用部材及び上記リップは、共に、上記用具荷重の重量による力の大部分、例えば上記用具荷重の重量による力の約70%を超えて支持することができる。上記ロック用部材及び上記リップによって支持される荷重は、上記ロック用部材と上記リップとの間で均等に又は不均等に配分されうる。例えば、上記リップは約50%を支持することができ、上記ロック用部材は約50%を支持することができる。代わりに、負荷比率は、30~70、40~60、60~40、70~30、又は別の任意のそのような分布に分散されてもよい。
【0019】
一実施形態において、上記ロック用部材は、上記第1用具ピンと接触点で接触するためのロック面を備え、上記接触点は、上記ピンの中心及び上記ロック用部材の旋回軸と実質的に同一直線上にある。
【0020】
上記接触点における上記ロック面は、上記ピンの中心と上記ロック用部材の旋回軸との間を走行する軸に対して実質的に垂直である。
【0021】
一実施形態において、上記ロック面は実質的に平坦である。
【0022】
一実施形態において、上記ロック用部材は上記ロック位置の方向へ付勢されている。板ばねが、設けられ、且つ上記ロック用部材をロック位置の方向へ付勢するように配置されうる。例えば、上記板バネの第1端部は上記本体に固定され、上記板バネの第2端部は上記ロック用部材に固定され、上記板バネは上記ロック用部材ピンに隣接する屈曲中間部分を備える。代わりに、ねじりバネ又はコイルバネが、上記ロック用部材を上記ロック位置の方向へ付勢するように備えられてもよい。
【0023】
一実施形態において、上記ロック用部材は、カム面を備える。 上記可動ジョーは可動部材上に設けられ、上記可動部材は上記カム面と係合し、且つそれによって、上記可動ジョーが上記第1ジョーに向かって移動するときに、上記ロック用部材をそのロック位置から引き込ませるように構成されている。
【0024】
一実施形態において、上記第2ジョーの延長面は、上記アクチュエータの故障の結果、上記第2ジョーが上記第1ジョーの方向へわずかに移動する場合に、前記延長面が、上記第2ピンを上記第2ジョー内に保持することによって、上記連結器に取り付けられた用具の回転を防止するように構成されている。
【0025】
一実施形態において、上記第2ジョーの上記延長面は、実質的に平坦であり、及び/又は、上記移動軸に対して実質的に平行である。
【0026】
本発明はまた、本出願の明細書において個別に又は集合的に参照又は指示される部品、要素、及び特徴、並びに前記部品、要素、又は特徴の任意の2以上の任意の又は全ての組み合わせから成る、と広く言われうる。特定の完全体(それは、本発明に関連する技術分野において既知の等価物を有している)が本明細書で言及される場合、そのような既知の等価物は、あたかも個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれているとみなされる。
【0027】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される「含む」という用語は、「少なくとも一部からなる」を意味する。「含む」という用語を含む本明細書及び特許請求の範囲の記載を解釈する場合、この用語で始まる特徴以外の他の特徴も存在する可能性がある。「含む」や「含まれる」などの関連用語も同様に解釈されるべきである。
【0028】
本明細書に開示される数値の範囲(例えば、1~10)への言及は、その範囲内のすべての有理数、及びその範囲内の任意の有理数の範囲(例えば、1~6、1.5~5.5、及び 3.1~10)への言及も組み込むことが意図されている。従って、本明細書に明示的に開示される全ての範囲の全ての部分範囲が、これにより明示的に開示される。
【0029】
本明細書で使用される場合、名詞は、その個数が指定されていない場合は、文脈により、単数、及び/又は、複数を意味する。本明細書で使用される「及び/又は」という用語は、「及び」又は「又は」、又は文脈が許す場合には両方を意味する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
次に本発明は、単なる例として且つ以下の添付図面を参照して説明される。
図1】第1の例示的な実施形態による、連結器の前部下側の斜視図である。
図2図1の連結器の後部下側の斜視図である。
図3図1及び図2の連結器の側面図であり、連結器はロック構成にあり、一対の用具ピンと係合している。
図4図1図3の連結器の側面の斜視図であり、可動部材、アクチュエータ、及び前部ロック用部材を明らかにするための隠された固定ジョー構成要素を有する。
図5A図4の図に対応する側面図であり、第2ジョーが用具ピンと係合する位置にある。
図5B図4の図に対応する側面図であり、第2ジョーが第1用具ピンを解放する位置にある。
図6図1図5Bの連結器のその中央面を通して得られた側面の断面図である。
図7図1~6の連結器の分解斜視図である。
図8図8のA~Eは、掘削機のアームの端部に取り付けられた連結器を掘削機バケットの平行ピンに連結するステップを示す側面図である。図8Aは、ロック解除構成にあり、用具に連結する準備ができている連結器を示す。図8Bは、ピンの最初の1つを受け入れる連結器を示す。図8Cは、第2ピンを受け入れる準備ができた、第2ピンを中心に旋回して位置合わせされた連結器を示す。図8Dは、第1ピンを第1ジョーにロックするように開発された前部ロック用部材を示し、第2ピンの方向へ移動する第2ジョーを有している。図8Eは、第2ピンと係合し、且つ両方のピンが連結器にロックされているようなロック構成にある連結器を示し、連結されたバケットを持ち上げる掘削機のアームを備えている。
図9A】第1ピンを第1ジョーにロックするために配置された前部ロック用部材を示す側面の断面図であり、第2ジョーは、位置のずれた状態にある第2ピンの方向へ移動され且つそのピンとの係合を妨げられている状態にある。
図9B図9Aに示された状態から連結器が移動したときの、用具の移動の第1段階を示す。
図9C図9Bに示された状態から連結器が更に移動したときの、用具の移動の第2段階を示す。
図9D図9Cに示された状態から連結器が更に移動したときの、用具の移動の次の段階を示す。
図10A】垂直姿勢での、用具に連結された連結器を示す側面図であり、反力を図示している。
図10B】油圧故障後の垂直姿勢での、用具に連結された連結器を示す側面図であり、反力を図示している。
図11A-E】図11A~11Eは、代替の実施形態の連結器の前部ジョー及びロック用部材の側断面詳細図であり、図11Aは、第1ジョーに着座したピンと、そのピンをそのジョーの内側及び外側へ移動させるための移動経路を示す。図11Bは、図11Aと同様であるが、ロック用部材を示している。図11Cは、移動してロック用部材と接触する第1ピンを示す。11Dは、後退位置に移動するロック用部材を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1図10Bは、本発明の1実施形態による例示的な連結器(カプラー)1を示す。連結器1は、第1及び第2の間隔を空けて配置された平行ピン2a、2bを有する用具を車両又は機械のアームに連結するのに適している。横方向に平行なピン2a、2bは、用具(例えば、掘削バケット、リッピングアタッチメント、ふるいバケット、クランプ、ワイドバケット、油圧ハンマー、スクリューオーガーなど)の車両又は他の機械のアーム/ブームへの取り付けを支援するために、用具の標準機能として一般的に提供される。
【0032】
「F」とマークされた矢印が、連結器1の前方向を示すために必要に応じて図中に挿入されている。図示の実施形態における連結器1の前部Fは、用具の前部(掘削バケットの開放側)に対応する側である。連結器1の絶対的な向きは、それが取り付けられているアームが動くにつれて、使用中に変化する。従って、前方、後方、左側、及び右側(又は類似のもの)という用語は、必ずしも所定の図に示されている向きを参照するのではなく、連結器の前方向Fを参照していると解釈されるべきである。これら用語の使用は、説明を容易にするためのものであり、これに限定することを意図したものではない。
【0033】
連結器1は、本体3と、本体3に対して固定された第1ジョー5と、本体3に対して移動可能な可動の第2ジョー7と、第2ジョー7を選択的に近づけたり遠ざけたりするように動作可能なアクチュエータ9を有する。本体3は、例えば取り付け機構を介して車両又は機械のアームに取り付けられるように構成されている。連結器1は、第1及び第2ピンの各中心が仮想ピン軸VPAと一致する位置において、第1ピン2aを第1ジョー5内に、第2の平行なピン2bを第2ジョー7内に保持するように構成されている(図3及び6を参照)。
【0034】
図示の実施形態において、本体3は、アームの端部又はアームからのリンクをプレート4間に受け入れるための、間隔を空けた2つの平行なプレート4を備えている。プレート4は、連結器本体3をアーム又はアームリンクにボルトで固定するための取付用開口部6を含むが、別の取付け方法も可能である。持ち上げラグ8(図2)は、好ましくは連結器本体3の後部に設けられ、例えばラグ8の開口部を通して配置されたチェーンを用いて、作業現場での様々なアイテムの持ち上げを容易にする。
【0035】
第1ジョー5はフック形状であり、連結器1の前部Fへの開口11を画定する。第1ジョー5の内面は、第1用具ピン2aを受け入れるための座部13を提供する。第1及び第2用具ピン2a、2bは実質的に円筒形であり、従って、用具ピン2aのための座部13を提供する第1ジョー5の表面は、ピン2aの曲率に実質的に対応する曲率を有する凹面である。
【0036】
図示の実施形態において、第1ジョー5は、連結器1の本体3に相対的に固定されるか、又は一体化された2つの離間した側板15から形成された2つの平行なフックによって提供される。ウェブ16は、剛性を与えるために2つの側板15のフック間を架橋している。いくつかの実施形態において、ウェブ16は、第1ジョー5に剛性を与えるだけでなく、用具ピン2aのための座部の少なくとも一部を形成してもよい。
【0037】
図3を参照すると、第1ジョー5は、ピン座部13の前方に盛り上がった明確なリップ17を含む。リップ17は、第1ジョー5の開口部11内へ上方に突出し、リップ17に隣接する開口部のサイズを縮小し且つ座部13を形成するリップ17の窪み後部を画定する。図示の実施形態において、リップ17は、それ自体の周りで湾曲する第1ジョーフックの部分、これは(図3を参照して)、第1ピン2aの垂直中心線VCaよりも前方のフックの部分であって、着座面と連続し且つリップ17と座部13との間に滑らかな移行部を形成しているリップ17の後面を伴うもの、によって形成される。リップ17の後面は、湾曲していても、実質的に直線であってもよい。例えば、いくつかの実施形態においては、リップ17は、別個部品、及び/又は、急峻な突起であってもよい。リップ17は、好ましくは、2つの側板15の間で連結器1の幅に渡って延在し、リップの一部分はウェブ16によって形成されるが、代わりにリップは、各ジョー側板15によってのみ提供されてもよい。
【0038】
明確なリップは、ピン軸VPAに向かう方向に座部13の最下点からリップ17の先端部まで測定された高さLHを有し、これは連結器が取り付けられるピン2aの直径の少なくとも8%であり、ここでは連結器は(座部13の曲率半径の約20%)で使用するように構成されている。より好ましくは、リップ17は、ピン2aの直径の約10%~約25%(座部13の曲率半径の約20%~約50%)の高さを有する。図示の実施形態において、リップ17は、ピン2aの直径の約12.5%(座部13の曲率半径の約25%)の高さLHを有する。
【0039】
図示の実施形態において、リップ17の先端部は、ピンが前部ジョーに着座したときに、座部13の前方、第1ピン2aの最前点のわずかに後方の点に位置する。例えば、リップ17の先端部は、第1ピン2aの最前点から、ピン直径の約10%未満だけ後方の距離である。代替の実施形態及び図11A、11B、若しくは11Cに示すように、リップ17の先端部は、第1ピン2aの最前点よりわずかに前方にあってもよい。例えば、リップ17の先端は、ピン2aの最前点よりもピン直径の約10%未満の距離だけ前方にあってもよい。
【0040】
リップ17は、開口部11を通過して座部13上の完全に着座した位置に出入りする途中で、用具ピン2aが連結器1に対して非直線的な出入り経路を通過する必要があることは明らかである。リップ17を通過する用具ピン2aの移動(又は用具ピン2aを通過するリップ17の移動)の方向は、第2ジョーの移動方向(移動軸MA)である仮想ピン軸と平行ではない。即ち、用具ピン2aの移動方向は、連結器1の前後方向に垂直な方向の動きの成分を有する。用具ピン2aが第1ジョーと係合又は係合解除するように移動すること(又は第1ジョー5が用具ピンと係合又は係合解除するように移動すること)は、移動軸MAに平行な純粋に「前方」又は「後方」移動によっては不可能である。
【0041】
ロック用部材19が、固定された第1ジョー5に設けられる。ロック用部材19は、図3、5A、及び6に示されるロック位置(ここでは、ロック用部材19の一部分が第1ジョー5の開口部内に突出している)と図5Bに示されたロック解除位置(ここては、ロック用部材19は第1ジョー5の開口部11から実質的又は完全に引き抜かれている)との間で移動可能である。第1ジョー5は、ロック位置又はロック解除位置にあるロック用部材19を用いて、用具ピン2aと係合するように移動させられうる。ロック位置においては、ロック用部材の前部の傾斜面は、当接ピン2aによって加えられる十分な力が、付勢されたロック用部材19をその後退位置に向けて押し、ピン2aが第1ジョー5に挿入されうることを意味する。しかし、ロック位置においては、第1ロック用部材19は、用具ピンが第1ジョー5から外れるのを防止する。
【0042】
ロック用部材19は、例えば、第1ジョー5又は連結器本体3に旋回可能に取付けられることによって、第1ジョー5に対して旋回可能である。図示の実施形態において、ロック用部材19の旋回軸は、第1ジョー5の2つの側板「摺動レール」15の間に延在しているピン21(これら側板15の間に着座する第1ロック用部材19を伴う)によって提供される。しかし、ロック用部材の他の構成も想定される。
【0043】
ロック用部材旋回軸21は、第1ピン座部13の前方且つリップ17の先端部の前方に置かれる。そのロック位置において、ロック用部材は、旋回軸21から座部13の方向へほぼ下方且つ後方に延在する。ロック用部材旋回軸21は、第1ジョー5の口部11のすぐ上方又は前方にあってもよい。好ましくは、ロック用部材19の位置及び形状は、ピンが第1ジョー5に着座しているときは、ロック用部材19は通常は第1ピン2aと接触しないようなものである。むしろ、連結器の通常の使用中は、ロック用部材のロック面27とピン2aとの間に空間が存在し、接触は、ロック用部材19が安全機能を実行しているとき(例えば、アクチュエータ9の故障が生じた場合)にのみ生じる。
【0044】
同様に、いくつかの実施形態において、第1ジョーのリップ17の位置及び形状は、ピンが第1ジョー5に着座しているときにリップ17が通常は第1ピン2aと接触しないようなものである。むしろ、連結器の通常の使用中は、リップ17の先端部とピン2aとの間に空間が存在し、接触は、リップ17が安全機能を実行しているとき(例えば、アクチュエータ9の故障が生じた場合)にのみ生じる。
【0045】
ロック用部材19は、そのロック位置の方向へ付勢される。即ち、いかなる外力も存在しない場合、ロック用部材はそのロック位置に存在する。付勢用部材が、ロック用部材19を付勢するために設けられる。図示の実施形態において、付勢用部材は板バネ22を備え、この板バネの第1端部は連結器本体に固定され、第2端部はロック用部材19の本体に、ジョー開口部11内に延在する上記ロック用部材の部分で固定されている。上記バネは、旋回軸21が板バネの支点として作動するように、ロック用部材旋回軸21の周りでその旋回軸の前側/下側に曲げられて延在する。単一のバネのみが図面の実施形態において示されているが、代わりに、ロック用部材を付勢する複数のバネが存在してもよい。
【0046】
板バネは、他の種類のバネに比べて砂や汚れが詰まりにくいため、連結器1が埃っぽい環境や過酷な環境で使用されるときに故障したり詰まりが発生したりする可能性が低くなる。また、板バネは、旋回軸の周りに配置された同等のサイズのねじりバネよりも大幅に大きな付勢力を提供できるため、故障の影響を受けにくい。
【0047】
ロック用部材は、ロック用部材19の回転を制限するための停止タブ25を備える。停止タブ25は、旋回軸21を挟んでロック用部材19の本体19aとは反対側に設けられている。停止タブ25は、ロック用部材19がロック位置にある場合に、ロック用部材本体に対して固定された対向面に当接するように配置されている背面を有している。図示の実施形態において、ロック用部材19の背面26は、アクチュエータ9上の平坦垂直面に当接して、ロック用部材19のロック位置を画定する。ロック位置において、停止タブ25の背面26はロック位置にあるが、これは別の実施形態において異なっていてもよい。
【0048】
ロック用部材は、ロック用部材19を移動させるための1又は複数のカム面23(図5A、5B、及び7)を備えている。例示的な実施形態において、2つのカム面23が、ロック用部材の本体に対して旋回軸21の反対側に設けられている。しかし、別の実施形態において、ロック用部材は、単一のカム面又は3つ以上のカム面を有してもよい。
【0049】
図示の実施形態において、2つのロック面が、隣接し且つ停止タブ25のいずれかの側に設けられている。上記カム面23又は各カム面23は、ロック用部材がロック位置にある場合に、ほぼ後方及び上方を向く傾斜面であることが好ましい。上記カム面23又は各カム面23は、可動ジョー7を担持する可動部材35と相互作用するように構成されている。可動部材の一部分38は、以下で更に詳しく説明するように。ロック用部材19をロック位置に出入りさせるためにそれぞれのカム面23に沿って摺動する。
【0050】
第1ロック用部材19は、ロック用部材19がロック位置にある場合に、第1ジョーのジョー開口部11内に延在するロック用部材の部分にロック面27を有する。ロック面27は、ロック用部材19がロック位置にある場合に、用具ピン2aと向かい合う。第1ピン2aが第1ジョーに着座する場合、ロック面27はピンに接触しなくてもよいが、ピンが座部から移動する場合、ピンに接触して、ピン2aが上記ジョーから出るのを防止する。
【0051】
ロック用部材19は、ロック位置において第1ジョーのピン2aに向き合うように構成されたロック面27を有する。ロック用部材19がロック位置にある場合に、ピンが第1ジョーの口部11の方向へ移動すれば、第1のピンが接触するのはこのロック面27である。ロック面27は、第1ピン2aをジョー5内に保持する。図1図10の実施形態において、ロック用部材がロック位置にあり、ピン2aに接触している場合に、ロック面27は、実質的に平坦であるか、そうでなければロックするときに用具ピン2aとの単一の接触点のみを有するような形状である。用具ピン2aと接触する場合、ロック面27は、円筒状用具ピンに接し、従って単一点CPでのみピンと接触する(図10Bを参照)。
【0052】
代替の実施形態において、ロック面27は、用具ピン2aとの接触が依然として単一点でのみ達成される仕方で、又は接触面の長さに沿ってピンと接触する方法で、代替的に形状付けられてもよい。例えば、ロック面27は凸面であってもよく、又は凹面であってもよいが、その曲率半径は用具ピンの半径より著しく大きい。代わりに、ロック面はフック形状であってもよく、用具ピン2aの曲率にぴったり一致してもよい。図11A図11Eに示される実施形態において、第1ピン102aを第1ジョー105内に保持するのを助けるために、ロック面127は片側で引っ掛けられている。
【0053】
図11A~11Eは、第1ジョー105及びロック用部材199の代替的実施形態を示す。
【0054】
図11Aを参照すると、この実施形態において、リップ117の後面は実質的に直線であり、連結器の前後方向又は前後摺動レール方向に対して約30度の角度をなしている。代替の実施形態において、リップ11の後面は湾曲していてもよく、例えば凹面であってもよい。
【0055】
線TPは、第1ピン102aが第1ジョー105内に進入するためにそのジョーに対してたどる必要がある非直線移動経路を示す。明確なリップ117の前方の進入経路TPの部分は真っ直ぐである。しかし、連結器本体の縁部及びジョー105/リップ117の前部の角度を付けた導入部(例えば上向きに角度を付けられた経路)によって作られた制約内で、別の経路が可能である。
【0056】
図11A~11Eは、前部ジョー105に対して多くの位置にある第1ピン102aを示す。これらの位置は、(a)、(b)、(c)、及び(d)で示される。 図11A及び図11Bに示す位置(a)においては、前部取り付けピンは前部ジョー座部113にしっかりと着座され、装置の通常の使用中この位置に置かれる。以下により詳細に説明するように、連結器の故障又は誤った使用の場合には、図11Cの位置(c)で示されるように、前部取り付けピン102aは、ロック用部材119と接触する可能性がある。この位置においては、ロック用部材119の接触面127はピン102aに対して接しており、接触点はピン中心とロック用部材の旋回軸121とを有する直線である。これは、いかなる荷重も旋回軸ピン121のピンの中心線を介して伝達されること、そのために前部ロック用部材に誘発される曲げモーメントがほとんど又は全くないことを意味する。
【0057】
図示の実施形態において、ロック用部材119の接触面127は、小さなリップ128を備えて湾曲している。ピン102aが何らかの方法で作用してロック用部材119を後退させ始めると、ロック用部材119のリップ128は、前部ピン102を着座位置即ち図11Dに示す点(b)に向かって押し戻すように作用する。
【0058】
ロック用部材119の代替形状の接触面が想定される。例えば、平坦な面又はリップ128のない面が想定される。
【0059】
図11Eは、前部ロック用部材119が後退した後、ジョー105から引き抜かれるピン102aの動きを示す。ここで、ピン102aは、図11Eに示される位置(d)まで前進することができ、前部ロック用部材119が十分に後退すると、前部ジョー105からの用具ピン102aの抜け出しはもはや妨げられなくなる。
【0060】
図1図7を再び参照すると、可動第2ジョー7はフック状部材であり、第2用具ピン2bを受け入れるための開口部31と座部33を画定している。第2ジョー7は、連結器1の後部へ開き、即ち、第1及び第2ジョー5,7は、互いに反対方向に背を向け合っている。第2ジョー7は延長部分63を備え、この延長部分は仮想ピン軸VPA及び移動軸MAに平行な延長面を有する。延長部分63は、第2ジョー座部33の後方に位置し、延長部分の表面は、好ましくは(しかし必須ではないが)座部33の表面と連続している。延長部分の表面は、第2ピン2bが第2ジョーに着座される場合、第2ピン2bの垂直中心線VCb(図3)の中心線の後方に置かれた後端部を有する。延長部分は、使用中にアクチュエータ内の圧力喪失がある場合にもし第2ジョー7が第2ピン2bから外れたとしても、油圧故障の場合の用具の回転に抗するために、上記ピンの垂直中心線VCbが延長部分63の一点上にあるような十分な長さを有する。この機能については、以下で詳しく説明する。
【0061】
図示の実施形態において、延長面63の後端部は、第2ピン2bが第2ジョー7内に着座したときに、第2ピン2bの垂直中心線VCbよりも後方であるが、このピン2bの最後部点よりも前方に位置している。しかし代替の実施形態において、延長部分63はより長くてもよく、第2ピン2bの後方に延びてもよい。延長部材63の表面は、平坦であることが好ましいが、代替の実施形態において、いくらかの凹面を有していてもよい。
【0062】
可動の第2ジョー7は、第1ジョーの遠位端で第2ジョーとの伸長係合位置(そこでは、第1及び第2ジョー5、7が夫々の用具ピンと係合している)と、第1ジョーの近位端で第2ジョーの収縮位置との間で移動可能である。この部材は更に、固定ジョー5の口部と可動ジョー7の口部との仮想中心間の間隔が第1及び第2用具ピン2a,2bの中心間の間隔よりも大きいような、超伸長位置まで移動可能であってもよい。
【0063】
可動ジョー7は、可動部材35上に設けられ、可動ジョー7は、可動部材35に固定されるか、又は可動部材35と一体化される。可動部材35は、第2ジョー7から前方に、ジョー開口部31の反対方向に延びる2つの延長部37、及び可動部材35をアクチュエータ9に連結するための側耳部38を有する。
【0064】
可動部材35は、移動軸MAに沿って固定第1ジョー5に向かったり遠ざかる連結器本体3に対する直線運動を行うために、連結器1内に摺動可能に取り付けられている。連結器1が用具ピン2a、2bと係合するように位置合わせされる場合、第2ジョーの動きは横方向用具ピン2a、2bに対して垂直である。
【0065】
図示の実施形態において、第1ジョー側板15の対向する内面はそれぞれ、直線状案内チャネル43を備えている(図7を参照)。 これらの案内チャネル43は、可動部材上の相補的な案内機構(例えば、可動部材35の側縁45)を受け入れる。可動部材がアクチュエータ9によって前方又は後方に移動されると、可動部材35の側面45は、案内チャネル43内で前方及び後方にスライドし、可動第2ジョー7の動きを案内する。案内チャネル43は、可動部材35の移動の限界を画定するための停止部を備えることができ、あるいは、可動部材の移動は、別の制約(例えばアクチュエータ9のストローク)によって決定されてもよい。
【0066】
可動部材延長部37は、第1及び第2ジョー開口部11、31の上方に置かれるが、連結器が図1図7に示された略水平方向にあるときは、アクチュエータ9の下に置かれる。延長部37は、ロック用部材9のカム表面23と相互作用するように配置される。図5A及び5Bを参照すると、伸張した係合位置から、可動ジョー7が固定ジョー5に向かって移動すると、可動部材延長部37の丸い先端部38が移動してロック用部材19のカム面23と接触する。可動部材35の連続した前進運動は、各可動部材延長部37の平らな下面が夫々のカム面23上を摺動するようにさせ、ロック用部材19をその後退位置に向かって旋回させる。可動部材35がその最前方位置/ジョーの収縮位置に達すると、ロック用部材19は引き込められ、カム面23は、図5Bに示されるように、実質的に水平、延長部37の下面と平行、又はほぼ平行である。
【0067】
連結器が図5Bに示された収縮したロック解除構成から図5Aの伸張した係合位置に移動すると、可動部材35の後方への移動により、可動部材延長部37がロック用部材と接触しなくなるまで、各可動部材延長部37の平らな下面が夫々のカム面上を摺動して戻り、バネ22の付勢力の下でその後退位置に向けてのロック用部材19の旋回を可能にする。カム面23の傾斜は、好ましくは、ロック用部材19が、突然解放されるのではなく徐々にそのロック位置内に伸びることが可能であるようなものである。ロック用部材25の停止面は、そのような突然の解放を防止するために、ちょうど可動部材延長部37がカム面23との接触から外れるときに、連結器本体の対向面と接触するように構成されることが好ましい。
【0068】
アクチュエータ9は、好ましくは複動油圧ラムの形態のリニアアクチュエータである。アクチュエータ9は、第1ジョー側板15の間の連結器本体3に収容されている。アクチュエータの一端は、連結器本体3に対して固定され、その他端は可動部材に固定されている。図示の実施形態において、油圧ラム9のシリンダは、ピン10を介して第1ジョー側板15に固定されている。アクチュエータ連結ピン41は、油圧アクチュエータ9の伸長又は短縮が可動部材35を本体に対して移動させるように、油圧アクチュエータのラムを左側及び右側の側耳39を貫通して可動部材35に取り付けるように延在している。
【0069】
油圧シリンダ9のラムは、例えば、バネ51(図9A図9Dに見られる)のような付勢用部材によって伸長位置に付勢される。バネ51は、油圧の損失が発生した場合でもアクチュエータ9が伸長したままであることを保証する。図示の実施形態において、バネ51は、アクチュエータの内部に設けられた圧縮ダイスプリングである。ダイスプリングは、少なくとも部分的にシリンダロッドの円筒状中空内に配置され、且つロッドとバレルとの間で作用してロッドをバレルから伸長位置に付勢するように配置される。中央スピンドルは、バネの座屈を防止するために、バネの中心に沿って軸方向に延在することが好ましい。スピンドルは、シリンダのバレルから延びることができ、且つ、バネ51の圧縮された長さとほぼ同じか、それよりわずかに短いその長さを有する。
【0070】
内部ダイスプリングは環境状態から有利的に密閉されており、動作環境からの塵やゴミがスプリングの動作や寿命に影響を与える可能性を低減する。対照的に、外部スプリングはゴミ(例えば、棒状のもの、石、ほこり)を集める傾向があり、小さなヒッチ本体内において貴重なスペースを占める。しかし、代替の実施形態において、外部圧縮バネがアクチュエータのバレル及び/又はロッドの周囲に設けられ、アクチュエータを伸長位置に付勢するように構成されてもよい。
【0071】
連結器の動作
次に、図面に示される例示的な連結器1の動作について、図8A~8E(これらは掘削機のアーム70の端部に取り付けられた連結器を示している)を参照して説明する。アーム70は、リンケージを含み、これに取付開口部6を介して連結器1が取り付けられる。上記リンケージは、油圧ラムを用いて操作され、リンケージ、ひいては連結器1を動かすことができる。
【0072】
図8A及び図8Bに示す第1のステップにおいて、連結器1は、アーム71上のバケットリンク機構を用いて移動され、必要に応じて回転され、第1ジョー5を第1用具ピン2aと位置合わせするが、第2ジョー7を第2用具ピン2bに固定しないように保持する。次に、連結器1が動かされ、第1ジョー5が第1用具ピン2aと係合され、ピン2aはジョーリップ17の後ろの着座面13上に置かれる。リップ17の前方の第1ジョー上の面取り又は角度付けられた導入面18は、ピンの直径よりも広く、ジョーに向かって徐々に狭くなる第1ジョーへの入口を作ることによって、第1ジョー5をピン2a上に案内するのに役立つ。リップ17の後方の角度を付けられた内側上面20は、ピン2aを座面13の方向へ異なる方向に案内する。
【0073】
第1用具ピン2aと第1ジョー5との間の相対運動は、係合に入るとき又は係合から離れるときに、リップ17が運動方向の変更を必要とするため、非線形である。第1用具ピン2aとリップ17の前方の第1ジョー5との間の相対運動は、直線的で移動軸MAと平行であってもよく、又は第1ジョー5の前部の面取り面18によって適応されるようにわずかな角度であってもよい。しかし、リップ17の後方(リップ17と着座面13との間)で、運動ベクトルが変化し、移動軸MAと非平行になる。図示の実施形態において、リップの後方への運動はMAに対して約30度の角度であるが、この角度は異なる実施形態において異なる場合がある。例えば、動きは、約30度から約40度の間の角度であり得、より好ましくは、約25度から約35度の間の角度でありうる。
【0074】
この第1のステップにおいては、可動部材35は(図示のような)後退位置にあり、ロック用部材19も後退している。あるいは、可動部材は、ロック用部材19がロック位置にある状態で伸長位置にあってもよい。可動部材35が伸長位置にあり、ロック用部材19がロック位置にある場合、ジョー5を第1ピン2a上に移動させることは、ロック用部材の傾斜前面を押し、付勢されたロック用部材19をロック解除位置に後退させる。
【0075】
第1ピン2aに連結する前、又は第1ピンと係合した後で且つ第2ピンと係合する前のいずれかで、第2ジョー7及び可動部材35は、第1ジョー5の方向へ後退位置(図5Bにも示す)まで移動させられうる。可動部材35が後退位置の方向へ移動すると、係合部分37の端部はカム面23上を滑動し、カム面を下方に押して第1ロック用部材19をその旋回軸21の周りで旋回させ、ロック用部材19を上方にロック解除位置まで移動させる。
【0076】
第1ピン2aが第1ジョー5に着座し、可動部材35が後退すると(図8B)、次に連結器1は、第2ジョーが依然として後退位置にある状態で、第1ジョーの側板15の下面が第2ピン2bに当接するまで、第1ピン2aの周りで、回転させられる。そして第2ジョー7は、図8Cに示すように第2ピンと一列に整列させられる。
【0077】
図8Dを参照すると、次のステップで、アクチュエータ9が伸長され、それによって第2ジョー7が第1ジョー5から離れて第2ピン2bの方に移動する。第2ジョー7が第1ジョー5から遠ざかるにつれて、可動部材の伸長部分37はロック用部材19のカム面23から滑りつつ離れ、伸長部分37がロック用部材との係合から完全に外れ且つ停止タブ25が連結器本体3の停止面26に当接する(図5A)まで、ロック用部材19が板バネ22からの付勢力の下で旋回することを可能にする。その時、付勢されたロック用部材19は、その係合位置に置かれている。
【0078】
アクチュエータ9は、第2ジョー7が第2ピン2bと係合するまで更に伸長する。連結器1は、第2ピン2bが可動第2ジョー7の着座面33に着座すると、最終的な連結構成になる。連結器1と係合された両方のピン2a及び2bによって、連結器1は、図8Eに示されるように用具を回転させ持ち上げるために、連結器1に取り付けられたアーム又はブーム70を用いて操作されうる。
【0079】
用具を連結器1から取外すためには、上述のプロセスが逆に実行される。第1のステップとして、第2可動ジョーを第2用具ピン2bとの係合から外す必要がある。これを行うには、アクチュエータ9を後退させることによって可動部材35に加えられる力は、アクチュエータ上のばね51からの付勢力に打ち勝ち、且つストロークの後半では、ロック用部材19を後退させるためにロック用部材19からの付勢力に打ち勝つのに十分でなければならない。連結解除プロセスの間、全油圧力がアクチュエータ9に対して利用可能であることが想定されている。従って、アクチュエータ9がばねの付勢力に打ち勝ち且つ第2ジョーを後退させるのに必要な力を提供することは難しくない。
【0080】
可動ジョー7が第2用具ピン2bから外されると、連結器1は、第1ピン2aの周りで回転させられ得、第2ジョー7は第2実施ピン2bから離れ、且つ連結器は第1ピン2aから取り外されうる。
【0081】
正しくない連結の下での動作
連結過程の間、第2ジョー7と第2ピン2bとの係合が用具、掘削機のアーム、又はバケットリンク機構によってしばしば隠されるので、作業者はそれを見ることができないことがある。従って、後部ジョー7が第2ピン2Aに正しく係合していなくても作業者は気付かない可能性がある。図9A~9Cは、本発明による連結器のこのシナリオを示している。
【0082】
図9Aは、図8Dに示される状態と同様の用具の前部ピン2Aに連結され且つロックされた連結器の前部ジョーを示す。しかし、後部ジョーは、後部ピンと正確に位置合わせされておらず、従って可動ジョー7のピン方向への移動は、ジョー7の先端部がピン2bに当接すると停止される。この時点でオペレータは、第2ピン2bが第2ジョーに着座していると誤って考え、そして連結器を持ち上げる場合、図9Dに示されるように用具が第1ピンから吊り下がるまで、図9B図9Dに示されるように用具は第2ピン2aの周りで揺れる可能性がある。
【0083】
この吊り下げ位置において、第1ジョー上のリップ17は、第1ピン2aを、第1ジョーに着座させるよう維持し且つ好ましくは前部ロック用部材19と接触しないよう維持するのに役立つ。従って、用具が連結器にぶら下がっているけれども、用具は、連結器に第1ピンで取り付けられたままであり、連結器から落下しない。対照的に、従来技術のシステムにおける同じシナリオでは、第1ピン2aはロック用部材と接触し、揺れ動く用具の運動量からの力が、ロック用部材に伝達される。用具がピン2aの周りで揺動すると、用具の回転からの回転力が、ロック用部材旋回軸の周りのトルクとして、そのような従来技術の連結器上のロック用部材へ伝達される。この伝達されたトルクの方向は、ロック用部材を後退させるように作用する方向であり、そのため、力が十分に大きい場合、従来技術の連結器のロック用部材19は、そのようなシナリオにおいては後退させられ、第1ピンが第1ジョーから抜け出るにまかせ、それによって用具を連結器から完全に切り離す。
【0084】
全ての連結器は、作業者のミスの影響を受けるが、本発明の特徴は、それらが連携して、この種の作業者のミスによる用具の完全な分離による悪い結果のリスクを低減する。
【0085】
油圧故障時の動作
本連結器の様々な特徴は、アクチュエータ9における油圧の損失などの連結器の故障があった場合に、第1及び第2用具ピン2a、2bが、連結器1との係合から外れるのを防止するために連携して動作する。
【0086】
最悪の故障シナリオの1つは、図10Aに示されるように、連結器が直立姿勢で、用具ピン2a、2bが垂直に並んでいるときに発生する。このシナリオにおいて、アクチュエータ9に対して完全な油圧喪失があったとしても、両方の用具ピン2a、2bは連結器に連結されたままとなる。
【0087】
図10Bは、油圧喪失の場合の連結器1の挙動を示す。この垂直姿勢において、第2ジョー7は、もはや用具の垂直方向の重量に抗することができず、実質的に全ての垂直荷重が第1ピン2aを介して伝達され、この第1ピン2aは、その着座位置から脱落するが、第1ジョー5からの脱落は、そのロック位置に留まっているロック用部材19によって防止される。第1ロック用部材19とリップ17とによって形成される第1ジョー開口部11の狭窄部は、第1用具ピン2aが第1ジョー5から抜け出るのを阻止し、用具と連結器との相対的動きを制限する。
【0088】
可動部材35及び第2ジョー7(及び潜在的にアクチュエータロッド及び他の接続された構成要素)の自重は、連結器本体3に対して可動部材35を下方に押し下げるように作用し、第2ピン2bを第2ジョーから脱着させる。しかし、アクチュエータバネ51は、延長部37がロック用部材19と相互作用する可能性のある点まで可動部材が落下するのを防止する。
【0089】
第2用具ピン2bが着座していない状態では、重量による力は可動ジョー7を介して伝達されず、用具73からの重量による力は第1用具ピン2aの周りに回転的に作用する。第2ジョーの延長部分63(これは移動軸MAに平行である)は、回転力に対する反作用面を提供する。反力RF1、RF2が移動軸MAに対して主として垂直である(即ち、図示のシナリオでは水平である)ので、これらの反力は移動軸MAに沿った可動部材35の移動を引き起こさず、その代わりに連結器本体3に伝達される。図示の実施形態において、反力は可動部材35上の案内部45を介して連結器本体に伝達される。
【0090】
リップ17及びロック用部材19は、協働して、用具の実質的に全てではないにしろ、少なくとも大部分の重量による力を支える。図10Bは、リップ及びロック用部材19を通して作用する反力RF3、RF4を示す。これらの反力は、第1ピンの半径方向であり、このピンの中心点を通って延び、夫々の接触点での表面に対して垂直である。ロック用部材19によって与えられる反力は、好ましくは、ロック用部材の旋回点21(又はその旋回点21に非常に近い点)を介して作用する。このことは、反力がロック用部材19に大きなねじり力を及ぼすことを防止すること、特に反力RF4がロック用部材19をその後退位置の方向へ旋回させる傾向にはないことを保証することである。
【0091】
従って、アクチュエータのバネ51、第2ジョー延長部63、及び前部ロック用部材7は全て一緒に作用して、油圧故障の場合に、用具の全ての潜在的に可能な姿勢に対して、両方のピン2a、2bが連結器1内に確実に保持されるようにする。
【0092】
本発明に関係する当業者であれば、本発明の構成における多くの変更、及び大きく異なる実施形態、及び応用は、添付の特許請求の範囲で定義された本発明の範囲から逸脱することなく、自ずと明らかであろう。例えば、例示的な実施形態において、第1ジョー5が前部ジョーとして説明されているが、第1ジョー5が後部ジョーであってもよく、第2ジョー7が第1ジョーの前にあってもよいことは明らかである。図示された実施形態の代替の実施形態において、第2ロック用部材が、第2ジョー7の開口部31を選択的に締め付けるように、可動第2ジョーに設けられうる。
【0093】
いくつかの実施形態において、連結された用具へ油圧力を供給することが望ましい場合がある。用具への油圧力の供給は、手動で接続される別個のホース接続を介して行うこともできるが、より好ましくは、業界で入手可能な多くの迅速接続油圧連結器(これは連結器1に組み込まれうる)があり、用具を機械的に連結する場合に、油圧連結が生じることを可能にする。
【0094】
連結器1の構成要素は、当業者には明らかであるような任意の適切な材料を含むことができる。例えば、主要構成部品(例えば、ハウジング本体3、ジョー板15、可動部材35、ロック用部材19)は、鋼を含むことが好ましい。これら構成部品は、機械加工若しくは鋳造、又はその両者の混合で作成されうる。しかし、いくつかの又は全ての構成部品が、代替材料(例えば、代替金属、又は複合材料)を含んでもよいことが想定されている。同様に、油圧アクチュエータ装置は、任意の適切な材料を含むことができ、圧力ホースと結合するように適合される。
【0095】
本発明はまた、本出願の明細書において個別に又は集合的に参照され又は指示された部品、要素、及び特徴、並びに上記部品、要素、又は特徴の任意の2以上の任意又は全ての組み合わせからなる、と広義に言われうる。本発明が関連する技術分野において既知の等価物を有する特定の完全体が本明細書で言及されている場合、そのような既知の等価物は、あたかも個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれるものとみなされる。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
【国際調査報告】