(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】体液中の分析物濃度の試料をその場で測定及び収集するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G01N 33/52 20060101AFI20240925BHJP
G01N 33/493 20060101ALI20240925BHJP
G01N 33/48 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
G01N33/52 A
G01N33/493 B
G01N33/48 S
G01N33/493 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516914
(86)(22)【出願日】2021-09-20
(85)【翻訳文提出日】2024-05-07
(86)【国際出願番号】 US2021071511
(87)【国際公開番号】W WO2023043478
(87)【国際公開日】2023-03-23
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524288931
【氏名又は名称】ジョンソン アンド ジョンソン コンシューマー インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】パウネスキュー・アレクサンドル
【テーマコード(参考)】
2G045
【Fターム(参考)】
2G045AA16
2G045BB31
2G045CA02
2G045CA11
2G045DA28
2G045DA31
2G045DA36
2G045DA42
2G045DA53
2G045DB05
2G045FB11
2G045JA07
(57)【要約】
システム及び関連する方法は、耐久性構成要素と、少なくとも1つの比色分析物感知要素を備えるインジケータゾーンを含むインジケータ構成要素と、少なくとも1つの水分センサと、流体収集リザーバと、を含む。耐久性構成要素は、少なくとも1つの分光光度計、コンピューティングシステム、及びコンピューティングシステムと少なくとも1つの外部デバイスとの間の電子通信のための手段を収容する。インジケータ構成要素は、少なくとも1つの比色分析物感知要素と、インジケータゾーンと流体連通する流体輸送層と、を含み、耐久性構成要素へ取り付けられるように配列及び構成されている。加えて、水分センサは、少なくとも1つの分析物の濃度を測定する際に所定の遅延を開始するために水分の存在を通信するように配列及び構成されている。流体収集リザーバは、臨床分析のために、所定の破断点において、インジケータ構成要素及び耐久性構成要素のうちの少なくとも1つから解放可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体液中の分析物濃度を測定するためのシステムであって、
a)少なくとも1つの窓を有する筐体を備える耐久性構成要素であって、
i)前記窓に隣接し、かつ前記窓と光学的に通信する少なくとも1つの分光光度計と、
ii)少なくとも1つのプロセッサ及びデータ記憶装置を有するコンピューティングシステムと、
iii)前記コンピューティングシステムと少なくとも1つの外部デバイスとの間の電子通信のための手段と、を収容する、耐久性構成要素と、
b)少なくとも1つの比色分析物感知要素を備えるインジケータゾーンと、前記インジケータゾーンと流体連通している流体輸送層と、を備えるインジケータ構成要素と、
c)前記インジケータゾーンに隣接する少なくとも1つの水分センサと、
d)流体不透過性壁、及び前記流体輸送層と流体連通しているポートを有する流体収集リザーバであって、所定の破断点において前記インジケータ構成要素及び前記耐久性構成要素のうちの少なくとも1つから解放可能である、流体収集リザーバと、を含み、
I)前記インジケータ構成要素は、前記インジケータゾーンが前記少なくとも1つの窓及び前記少なくとも1つの分光光度計に隣接し、かつそれらと光学通信して配置されている間は、前記耐久性構成要素へ取り付けられるように配列及び構成され、
II)前記コンピューティングシステムが、前記水分センサ及び前記少なくとも1つの分光光度計に動作可能に接続され、
III)前記水分センサが、前記比色分析物感知要素内の水分の存在を前記コンピューティングシステムに通信するように配列及び構成され、
IV)前記少なくとも1つの比色分析物感知要素の各々が、分光光度計と関連付けられ、
V)前記流体収集リザーバが、前記体液をそこに引き込むための流体輸送勾配を提供するように配列及び構成され、前記インジケータ構成要素から取り外されると密閉可能である、システム。
【請求項2】
前記インジケータ構成要素が、少なくとも2つの比色分析物感知要素であって、前記少なくとも2つの比色感知要素の各々が、他の比色感知要素から隔離されている、少なくとも2つの比色分析物感知要素を備え、前記インジケータゾーンを取り囲む流体不透過性エンベロープを更に備え、前記流体不透過性エンベロープが、前記少なくとも2つの比色感知要素の各々を収容するように配列又は構成された個別のポケットを有し、各ポケットが、前記流体輸送層と流体連通する独自の開口を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記インジケータ構成要素が、
i)上部プレートと、
ii)第1の可撓性ウェブ層と、
iii)前記第1の可撓性ウェブ層に隣接する流体輸送層と、
iv)前記流体輸送層に隣接する前記インジケータゾーンを取り囲む流体不透過性エンベロープと、
v)前記流体不透過性エンベロープに隣接する第2の可撓性ウェブ層と、
vi)前記第2の可撓性ウェブ層上に配置された取付手段と、
vii)保持プレートと、を更に備え、
VI)前記第1の可撓性ウェブ層、前記流体輸送層、前記流体不透過性エンベロープ、及び前記第2の可撓性ウェブ層が、順番に積み重ねられ、前記上部プレートと前記保持プレートとの間に固着され、
VII)前記インジケータゾーンが、少なくとも2つの比色分析物感知要素を備え、
VIII)前記流体不透過性エンベロープが、前記少なくとも2つの比色分析物感知要素の各々を収容するように配列又は構成された個別のポケットを有し、各ポケットが、前記流体輸送層と流体連通する独自の開口を有し、
IX)前記流体輸送層が、前記流体不透過性エンベロープ内の開口間の流体輸送を阻止するように配列及び構成されており、
X)前記流体収集リザーバが、前記保持プレートに解放可能に取り付けられている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記流体収集リザーバが、前記流体不透過性壁によって収容された吸収性構造体を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記インジケータ構成要素が、前記耐久性構成要素に解放可能に取り付けられている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
おむつの中へ配置されるように配列及び構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムを備える、ハンドヘルドデバイス。
【請求項8】
請求項1に記載のシステム及び追加のインジケータ構成要素を備えるキットであって、各インジケータ構成要素及び追加のインジケータ構成要素が、各々、個々のパッケージ内に封入されている、キット。
【請求項9】
体液中の分析物濃度を測定する方法であって、
a)体液を収集し、少なくとも1つの比色分析物感知要素、並びに流体不透過性壁及びポートを有する少なくとも1つの流体収集リザーバに輸送することと、
b)前記少なくとも1つの比色分析物感知要素と接触している体液の存在を検出することと、
c)前記比色分析物感知要素と接触している体液の前記存在を検出した後の所定の期間後に、少なくとも1つの分光光度計を用いて前記少なくとも1つの比色分析物感知要素に関する光学データを収集することと、
d)少なくとも1つのプロセッサ及びデータ記憶装置を有するコンピューティングシステムに前記光学データを通信することと、
e)前記光学データを分析して、前記体液中の少なくとも1つの分析物濃度を決定することと、
f)実験室分析のための実験室への密閉された流体収集リザーバの輸送のために前記流体収集リザーバを密閉することと、を含む、方法。
【請求項10】
前記体液が、尿である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記分析物が、グルコース、ケトン、ビリルビン、血液、タンパク質、ウロビリノーゲン、亜硝酸塩、白血球、及び/又はクレアチニン、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
g)前記少なくとも1つの分析物について前記体液を分析するように前記実験室に指示し、ステップe)及び前記実験室分析からの前記少なくとも1つの分析物の前記濃度を比較するステップを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
x)複数のバイオマーカーを含むパネルを分析するように前記実験室に指示するステップを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
複数のバイオマーカーを含む前記パネルが、前記少なくとも1つの分析物を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
体液中の分析物濃度を測定する方法であって、
a)少なくとも1つの窓を有する筐体を備える耐久性構成要素を取得することであって、前記耐久性構成要素が、
i)前記窓に隣接し、かつ前記窓と光学的に通信する少なくとも1つの分光光度計と、
ii)少なくとも1つのプロセッサ及びデータ記憶装置を有するコンピューティングシステムと、
iii)前記コンピューティングシステムと少なくとも1つの外部デバイスとの間の電子通信のための手段と、
iv)少なくとも1つの水分センサと、を収容する、取得することと、
b)個々のパッケージからインジケータ構成要素を取り出すことであって、前記インジケータ構成要素が、(i)少なくとも1つの比色分析物感知要素を備えるインジケータゾーンと、(ii)前記インジケータゾーンと流体連通する流体輸送層と、(iii)流体不透過性壁、及び前記流体輸送層と流体連通するポートを有する流体収集リザーバと、を備え、前記流体収集リザーバが、所定の破断点で前記インジケータ構成要素から解放可能である、取り出すことと、
c)前記インジケータ構成要素を前記耐久性構成要素に結合することであって、
I)前記インジケータゾーンが、前記少なくとも1つの窓及び前記少なくとも1つの分光光度計に隣接し、かつそれらと光学通信して配置され、
II)前記コンピューティングシステムが、前記水分センサ及び前記少なくとも1つの分光光度計に動作可能に接続され、
III)前記水分センサが、前記インジケータゾーンに隣接して配置され、
IV)前記少なくとも1つの比色分析物感知要素の各々が、分光光度計と関連付けられ、
V)前記流体収集リザーバが、前記体液をそこに引き込むための流体輸送勾配を提供するように配列及び構成され、前記インジケータ構成要素から取り外されると密閉可能である、結合することと、
d)組み立てられたデバイスを前記体液の供給源と接触して配置することと、
e)前記体液を収集し、前記少なくとも1つの比色分析物感知要素及び前記流体収集リザーバに輸送することと、
f)前記少なくとも1つの比色分析物感知要素と接触している前記体液の存在を検出することと、
g)前記比色分析物感知要素と接触している体液の前記存在を検出した後の所定の期間後に、少なくとも1つの分光光度計を用いて前記少なくとも1つの比色分析物感知要素に関する光学データを収集することと、
h)少なくとも1つのプロセッサ及びデータ記憶装置を有するコンピューティングシステムに前記光学データを通信することと、
i)前記光学データを分析して、前記体液中の少なくとも1つの分析物濃度を決定することと、
j)前記インジケータ構成要素から前記流体収集リザーバを取り出すことと、
k)実験室分析のための実験室への密閉された流体収集リザーバの輸送のために前記流体収集リザーバポートを密閉することと、を含む、方法。
【請求項16】
ステップ(d)が、前記組み立てられたデバイスを、おむつの身体に面する表面に取り付けることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ステップ(d)が、前記組み立てられたデバイスを、前記体液と接触させることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
l)前記少なくとも1つの分析物について前記体液を分析するように前記実験室に指示し、ステップi)及び前記実験室分析からの前記少なくとも1つの分析物の前記濃度を比較するステップを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
x)複数のバイオマーカーを含むパネルを分析するように前記実験室に指示するステップを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
複数のバイオマーカーを含む前記パネルが、前記少なくとも1つの分析物を含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体液中の分析物の濃度の変化をその場で測定し、同時に後の分析のために試料を収集するシステムに関する。より具体的には、本発明は、経時的に尿中の分析物の濃度を測定するために使用されるシステム、及びこれらの分析物を測定し、人体における早発型疾患状態を検出するための方法に関する。これらのシステムは、その場分析を確認するため、かつ/又は臨床研究を容易にするために、その後の分析のために体液を同時に収集するためのリザーバを有する。
【背景技術】
【0002】
尿又は汗などの体液中に見出される分析物は、局所及び/又は全身の健康問題を発生させる証拠を潜在的に保有する。医療施設内及び外部の人々が、経時的に体液中の分析物の濃度の変化を追跡及び分析するための要望がある。
【0003】
現在、人々及び医師は、全身性代謝の問題を診断するために可視症状に依拠している。これは、多くの場合、これらの体液中の様々な分析物の存在又は濃度を決定するために、尿分析又は血液検査を行うように医師を促す。したがって、今日の実践では、尿分析などの検査が、疾患の初期識別としてではなく、症状ベースの診断を確認するために、最も頻繁に使用される。糖尿病性ケトアシドーシスのようないくつかの状態は、個人の状態が医師の緊急診察をすでに正当化し得る場合にのみ、可視症状を示す。尿路感染症のような他の状態は、可視症状を示さず、腎瘢痕化をもたらす場合があり、それは、何年も経つまで健康問題に現れない場合がある。
【0004】
尿含有量中の分析物濃度を非侵襲的に測定することも、特定の地域で一般的な問題を迅速に識別するための疫学研究に理想的に適している。しかしながら、試料収集の困難が、この分野内の研究の加速を妨げる。
【0005】
おむつなどの、センサを備えたほとんどの吸収性物品は、濡れのみを検出することができる埋め込みセンサを有し、それらのうちのいくつかは、バイオマーカーの存在を定性的に評価することができる。多くの場合、それらは、その情報を受信システムに伝送する。次いで、受信システムは、介護者に1回限りの事象を警告する。これらの湿潤性検出システムは、診断を実施しない。
【0006】
一例として、米国特許第10462750(B2)号は、標的バイオマーカーの存在を報告するおむつを開示することを主張している。残念なことに、バイオマーカーの定性的報告は、そのバイオマーカーの濃度を決定することができない(臨床研究及び診断における顕著な値の測定)。
【0007】
いくつかの既存の診断システムは、尿試料に浸漬されている尿検査ストリップに依拠し、撮像デバイス又は携帯電話によって手動で、又は自動的に読み取られる。他の診断システムは、吸収性物品の外面に搭載された尿検査ストリップに依拠し、湿潤されると、撮像デバイス又は携帯電話によって手動で、又は自動的に読み取られる。いずれの場合も、現在の読み取り値からのデータは、過去及び将来の読み取り値の両方のものと比較されることができる。
【0008】
いずれかの手法では、尿検査ストリップの読み取りは、ストリップが尿で湿潤した後の時点で実施される。検査ストリップで使用される化学物質の多くは、曝露の時間、温度、湿潤度などに敏感である。したがって、正確かつ再現可能な読み取り値は、取得することが困難である。これらのシステムはまた、決定された読み取り値を、実験室手順によって決定された分析物読み取り値で確証する能力を欠いている。精度及び再現性は、経時的な分析物濃度の変化を追跡するために重要である。
【0009】
要約すると、体液中に見出される分析物は、局所及び/又は全身の健康問題を発生させることの証拠となり得る。経時的に尿などの体液中の分析物の濃度の変化を追跡及び分析するための要望がある。しかしながら、データが有益であるために、読み取り値は正確かつ再現可能でなければならない。
【0010】
上記の検査ストリップ及びキットを使用する体液のその場分析に加えて、臨床研究及び臨床分析は、分子バイオマーカーのより広いパネルをスクリーニングすることができる専門の実験室におけるその後の分析のための体液試料の収集を採用する。残念ながら、同じ体液の実験室分析及び正確なその場分析のための試料の同時収集は、可能ではない。したがって、その場試験システムの精度の決定は、2つのデータ群-一方は臨床データ、他方はその場データの比較を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、必要とされているのは、正確で即時のその場体液分析を提供することができ、分子バイオマーカーのより広いパネルのその後の分析のために同じ体液の同時収集を可能にすることができる、システムである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は、臨床試験のために十分に正確である、在宅介護者による使用のための体液の正確なその場分析を送達することができる使いやすいデバイスと、そのようなその場分析のより詳細な洞察のためにパネルの確認又はパネルのサイズを拡張するための同時試料収集とを組み合わせるシステムを発明した。
【0013】
本システムは、耐久性構成要素と、少なくとも1つの比色分析物感知要素を備えるインジケータゾーンを含むインジケータ構成要素と、少なくとも1つの水分センサと、流体収集リザーバと、を含む。耐久性構成要素は、少なくとも1つの窓を有する筐体を有し、窓に隣接し、かつ窓と光学的に通信する少なくとも1つの分光光度計と、少なくとも1つのプロセッサ及びデータ記憶装置を有するコンピューティングシステムと、コンピューティングシステムと少なくとも1つの外部デバイスとの間の電子通信のための手段と、を収容する。インジケータ構成要素は、少なくとも1つの比色分析物感知要素、及びインジケータゾーンと流体連通する流体輸送層を含み、インジケータゾーンが少なくとも1つの窓及び少なくとも1つの分光光度計に隣接し、かつそれらと光学通信して配置されている間は、耐久性構成要素へ取り付けられるように配列及び構成され、コンピューティングシステムは、水分センサ及び少なくとも1つの分光光度計に動作可能に接続されている。加えて、水分センサは、比色分析物感知要素内の水分の存在をコンピューティングシステムに通信するように配列及び構成され、少なくとも1つの比色分析物感知要素の各々は、分光光度計と関連付けられている。流体収集リザーバは、流体不透過性壁と、流体輸送層と流体連通しているポートと、を有し、所定の破断点でインジケータ構成要素及び耐久性構成要素のうちの少なくとも1つから解放可能である。
【0014】
体液中の分析物濃度を測定する新規で有用な方法は、体液を収集し、少なくとも1つの比色分析物感知要素及び少なくとも1つの流体収集リザーバに輸送するステップを含み、比色分析物感知要素は、少なくとも1つの比色分析物感知要素と接触している体液の存在を検出する。追加のステップは、比色分析物感知要素と接触している体液の存在を検出した後の所定の期間後に、少なくとも1つの分光光度計を用いて少なくとも1つの比色分析物感知要素に関する光学データを収集することと、少なくとも1つのプロセッサ及びデータ記憶装置を有するコンピューティングシステムに光学データを通信することと、光学データを分析して、体液中の少なくとも1つの分析物濃度を決定することと、を含む。加えて、本方法は、少なくとも1つの分析物濃度の実験室分析のための実験室への密閉された流体収集リザーバの輸送のために流体収集リザーバを密閉するステップを含む。
【0015】
体液中の分析物濃度を測定する別の新規かつ有用な方法。本方法は、耐久性構成要素を得るステップと、個々のパッケージからインジケータ構成要素を取り出すステップと、インジケータ構成要素を耐久性構成要素に結合するステップと、を含む。インジケータ構成要素は、輸送層と、少なくとも1つの比色分析物感知要素を備えるインジケータゾーンと、流体不透過性壁、及び流体輸送層と流体連通するポートを有する流体収集リザーバと、を含む。流体収集リザーバは、所定の破断点でインジケータ構成要素から解放可能である。耐久性構成要素は、少なくとも1つの窓を有する筐体を有し、窓に隣接し、かつ窓と光学的に通信する少なくとも1つの分光光度計と、少なくとも1つのプロセッサ及びデータ記憶装置を有するコンピューティングシステムと、コンピューティングシステムと少なくとも1つの外部デバイスとの間の電子通信のための手段と、少なくとも1つの水分センサと、を収容する。インジケータゾーンは、少なくとも1つの窓及び少なくとも1つの分光光度計に隣接し、かつそれらと光学通信して配置され、コンピューティングシステムは、水分センサ及び少なくとも1つの分光光度計に動作可能に接続されている。水分センサは、インジケータゾーンに隣接して配置され、少なくとも1つの比色分析物感知要素の各々は、分光光度計と関連付けられている。本方法はまた、組み立てられたデバイスを体液の供給源と接触して配置するステップと、体液を収集して、少なくとも1つの比色分析物感知要素に輸送するステップと、少なくとも1つの比色分析物感知要素と接触している体液の存在を検出するステップと、を含む。本方法は更に、比色分析物感知要素と接触している体液の存在を検出した後の所定の期間後に、少なくとも1つの分光光度計を用いて少なくとも1つの比色分析物感知要素に関する光学データを収集するステップと、少なくとも1つのプロセッサ及びデータ記憶装置を有するコンピューティングシステムに光学データを通信するステップと、光学データを分析して、体液中の少なくとも1つの分析物濃度を決定するステップと、を含む。本方法はまた、流体収集リザーバをインジケータ構成要素から取り出すステップと、流体収集リザーバポートを密閉して、少なくとも1つの分析物濃度の実験室分析のための実験室への密閉された流体収集リザーバの輸送のために流体収集リザーバを密閉するステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の分析物濃度を測定するための、かつ試料収集のためのシステムの底面斜視図である。
【
図2】
図1の分析物濃度を測定するための、かつ試料収集のためのシステムの上面斜視図である。
【
図3】
図1のシステムのインジケータ及び試料収集構成要素の側面図である。
【
図4】
図1~
図3のシステムのインジケータ及び試料収集構成要素の分解上面斜視図である。
【
図5】
図4のインジケータ及び試料収集構成要素の比色分析物感知要素をカプセル化する流体不透過性エンベロープの上面斜視図である。
【
図6】
図4のインジケータ及び試料収集構成要素の比色分析物感知要素をカプセル化する流体不透過性エンベロープの上面図である。
【
図7】
図4の部分的に組み立てられたインジケータ及び試料収集構成要素の上面図である。
【
図8】
図4の部分的に組み立てられたインジケータ及び試料収集構成要素の底面図である。
【
図9】
図1及び
図2のシステムの耐久性構成要素の上面斜視図である。
【
図12】
図3のインジケータ構成要素の部分底面斜視図である。
【
図13】水分前部(moisture front)が要素を横断する際の吸収性物品内の分析物濃度を測定するためのシステムのインジケータ構成要素の水分センサ要素の上面図である。
【
図14】水分前部が分析物濃度を測定するためのシステムのインジケータ構成要素の水分センサ要素を横断する際の静電容量対時間プロットである。
【
図15】本発明の体液中の分析物濃度を測定するための、かつ試料収集のためのシステムの上面斜視図である。
【
図16】
図15のシステムのインジケータ構成要素及び試料収集の上面斜視図である。
【
図17】
図15のインジケータ構成要素及び試料収集システムの部分分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、経時的に尿などの体液中の分析物の監視を許可する、体液中のそのような分析物の濃度をその場で測定するための吸収性物品で使用するためのシステム、及び経時的に体液中の分析物の濃度を測定するために本システムを使用するための方法、並びに人体における早発型疾患状態を検出するために経時的にこれらの分析物測定値を使用する方法に関する。これらのシステムは、体液を同時に収集して、その場分析を確認するためのリザーバを含む。
【0018】
別段の規定がない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学用語は、ここに記載された主題が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されている意味と同一の意味を有する。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、参照することによりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0019】
本明細書及び特許請求の範囲において使用される場合、用語「パネル」又は「検査パネル」及びそれらの変形は、疾患の診断及び治療における補助を使用した医学的検査又は分析の所定の群に関する。
【0020】
本発明は、吸収性物品内の分析物濃度の監視を可能にするシステム及び方法に関する。本システム及び方法はまた、代謝系の問題を発生させる証拠であり得る、経時的な複数のデータ点の収集による健康状態の変化の統計分析及び決定も可能にする。病歴及び家族歴などの他のデータ、並びに年齢、温度、及び/又は他の現在のマーカーなどの現在の変数が、傾向及び統計分析を補足するために使用され得る。
【0021】
体液の試料を収集し、かつ体液中の分析物濃度を測定するための装置又はシステムは、吸収性物品と関連付けられてもよい。システムは、インジケータ構成要素及び耐久性構成要素を有する。インジケータ構成要素は、任意選択的な可撓性ウェブ内に配置され得る比色分析物感知要素を有するインジケータゾーンと、流体輸送層と、任意選択的な第1の可撓性ウェブと、任意選択的な上部プレートと、保持プレートであり得る結合器と、接着剤層と、流体収集リザーバと、を含む。インジケータ構成要素は、好ましくは使い捨てである。
【0022】
比色分析物感知要素は、穿孔を有し、第2の可撓性ウェブの開口内に配置されている。比色分析物感知要素は、システムの着用者によって生成された試料中の事前選択された分析物の存在の視覚的指標を生成するように設計された試薬含浸マトリックスであり得る。システムによって測定された事前選択された分析物は、とりわけ、グルコース、ケトン、ビリルビン、血液、pH、タンパク質、ウロビリノーゲン、亜硝酸塩、白血球、及び/又はクレアチニンであり得る。
【0023】
例えば、吸収性物品は、おむつであり得、検査される流体は、尿であり得、分析物濃度を測定するための装置又はシステムによって測定された事前選択された分析物は、グルコースであり得る。糖尿、すなわち、尿中のグルコースは、尿中の正常よりも高いレベルの糖の存在であり、個人の腎臓に関する合併症又は糖尿病に起因し得る。尿中のグルコースの最も一般的な原因のうちのいくつかには、真性糖尿病、甲状腺機能亢進症、良性糖尿、肝硬変、又は高糖質の食事が含まれる。好ましいバイオマーカーを熱量測定によって読み取り可能な結果に変換することができるバイオセンサは、尿中に存在する炎症性バイオマーカーの存在を決定するために、ゲノミクス、トランスクリプトミック、メタボロミクス、及びプロテオミクスでも使用され得、本発明のシステムにおいて使用され得る。
【0024】
上述したように、第2の可撓性ウェブの開口部内に配置された比色分析物感知要素は、流体輸送層と流体連通している。流体輸送層は、次に、第1の可撓性ウェブと流体連通している。第2の可撓性ウェブは、第1の側面を有し、ポリエチレンフォームなどの非吸収性材料で作製されている。流体輸送層は、第1の側面及び穿孔を有し、毛細管作用を介して流体を拡散及び輸送することに効果的である、布又は紙などの吸い上げ材料から作製されている。第1の可撓性ウェブは、第1の側面及び穿孔を有し、ポリエチレンメッシュなどの非吸収性開口フィルムから作製されている。
【0025】
第2の可撓性ウェブ、流体輸送層、及び第1の可撓性ウェブは、比色分析物感知要素への流体の輸送を補助するように設計されている。使用時に、吸収性物品からの流体は、最初に第1の可撓性ウェブの第1の側面に接触する。第1の可撓性ウェブが非吸収性開口フィルムであるため、流体は、第1の可撓性ウェブを通過し、流体輸送層の第1の側面に接触する。次いで、流体は、流体輸送層全体に透過する。流体は、第2の可撓性ウェブの第1の側面に接触するであろう。しかし、第2の可撓性ウェブが非吸収性材料で作製されているため、輸送層内の流体は、第2の可撓性ウェブに浸透しない。最後に、輸送層内の流体は、比色分析物感知要素と接触する。
【0026】
第2の可撓性ウェブ内に配置された感知要素、流体輸送層、及び第1の可撓性ウェブは、積み重ねられ、上部プレート及び保持プレートによって一緒に保持される。保持プレートは、ピンを有する。ピンは、比色分析物感知要素の穿孔、流体輸送層の穿孔、及び第1の可撓性ウェブの穿孔を順次通過する。図示されていないが、上部プレートは、ピンが配置される止まり穴を有する。上部プレートの止まり穴とピンとの間の摩擦嵌合は、インジケータ構成要素の構成要素をともに保持する。代替アセンブリが、スナップ嵌合、超音波溶接、熱溶接、他の機械的締結具、及び同等物などの他の相互作用によってともに保持され得る。
【0027】
上部プレート及び保持プレートは、インジケータゾーンへの所定の流体輸送能力を伴うインジケータ構成要素層を収容するための所定の間隔を提供するように配列及び構成されている。これは、以下により詳細に記載される、インジケータゾーンへの体液のより制御された送達、及びインジケータゾーンに到達する体液と比色測定との間の関連タイミングを提供する。
【0028】
上部プレートは、第1の可撓性ウェブの第1の側面に面する側面上にチャネルを有し得る。チャネルは、吸収性物品から第1の可撓性ウェブの第1の側面に流体を方向付けることに役立ち得る。
【0029】
耐久性構成要素は、窓を備えた筐体を有する。筐体内には分光光度計が配置されている。分光光度計の構成要素は、光源と、光検出器と、を含む。分光光度計は、筐体内の窓に隣接し、窓と光学通信している。これは、分光光度計が、インジケータ構成要素の比色分析物感知要素と光学通信することを可能にする。
【0030】
分光光度計は、少なくとも2つ以上の光源及び少なくとも2つの光検出器、例えば、少なくとも4つ以上の光源及び少なくとも4つ以上の光検出器を含み得る。
【0031】
筐体上の窓を囲む雄コネクタ突出部は、耐久性構成要素がインジケータ構成要素に解放可能に取り付けられることを可能にする。吸収性物品内の分析物濃度を測定するためのシステムの耐久性構成要素は、雄コネクタ突出部の上面上に配置された伝導性ストリップを有し、伝導性ストリップは、比色分析物感知要素内の水分の存在を、耐久性構成要素内に配置されたコンピューティングシステムに通信するように配列及び構成された水分センサとして機能する。
【0032】
光源及び光検出器は、吸収性物品内の分析物濃度を測定するためのシステムの筐体内に直線的に配列され、均等に離間してもよく、典型的にはプリント回路基板(printed circuit board、PCB)上に位置する。PCBは、導電性トラック、パッド、及び非導電性基板上に積層された銅シートからエッチングされた他の特徴を使用して、電子部品を機械的に支持し、かつ電気的に接続する。構成要素(例えば、コンデンサ、抵抗器、コントローラ、電源、光源、検出器)は、一般に、PCB上にはんだ付けされている。PCBは、支持ブラケットによって耐久性構成要素の筐体内に支持することができるか、又は筐体の内面に直接取り付け得る。
【0033】
PCBは、1つ以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピューティングシステム、並びに分析の結果を、吸収性物品内の分析物濃度を測定するためのシステムの外部にあるデータ処理システムに送信するための電子通信のための手段を有する。使用され得るデータ処理システムは、サーバコンピュータ、クライアントコンピュータ、及び携帯電話などのハンドヘルドデバイスを含む、少なくとも1つの外部デバイスを含む。
【0034】
光源、及び分光光度計の光検出器構成要素は、PCBの表面上に配置されている。それらは、パネル又はシールドによって周囲光から遮蔽され得る。光検出器を光源から光学的に分離するために、PCBの表面にスカートを取り付け得る。したがって、動作時に、光源から発する光は、比色分析物感知要素から反射することなく、光検出器に衝突することはできない。
【0035】
代替的に、動作時に、光源から発する光が、比色分析物感知要素から反射することなく、光検出器に衝突することができないように、レンズが光源を覆って配置され得る。ポッティング材料もまた、光源からの光を比色分析物感知要素に集束させるために使用され得る。
【0036】
光源は、電流がそれを通して流れるときに発光する半導体光源である、発光ダイオード(light-emitting diode、LED)であり得る。LEDは、より低いエネルギー消費、より長い寿命、改善された物理的堅牢性、より小さいサイズ、及びより速い切り替えを含む、白熱光源よりも多くの利点を有する。光源は、RGB LEDであり得る。赤色、緑色、及び青色源を混合することは、色の適切な混成を伴う白色光を生成することができる。加えて、RGB LEDから発する色は、データが狭い波長領域内で取得されることを可能にする、単色であり得る。
【0037】
光検出器は、フォトセンサとも呼ばれる。光検出器は、光又は他の電磁放射線のセンサである。光検出器は、光量子を電流に変換するp-n接合部を有する。吸収された光子は、空乏領域に電子・正孔対を形成する。ある特定の光検出器は、受光された白色光の量を測定することができる。
【0038】
他の光検出器は、特に、赤色、緑色、及び青色光を測定し、狭い波長領域でデータを得ることを可能にする。赤色、緑色、及び青色光を採用するシステムでは、光源は、狭い赤色、緑色、及び青色波長の光を放射し得る。放出された光波は、比色分析物感知要素から反射する。光検出器は、反射光を測定する。赤色光、緑色光、及び青色光を順次放出することによって、3つのデータ点のほぼ同時収集を可能にする。代替的に、放出された赤色光、緑色光、及び青色光の順序は、変化し得る。
【0039】
分光光度計の構成要素は、保護材料でコーティングされ得る。保護材料は、比色分析物感知要素からの水分が、分光光度計の構成要素に接触し、潜在的にそれらを損傷しないようにする。
【0040】
インジケータ構成要素は、耐久性構成要素へ解放可能に取り付けられるように配列及び構成されている。組み立てられると、比色分析物感知要素は、窓、及び分光光度計の要素に隣接し、かつそれらと光学通信して配置されている。
【0041】
伝導性ストリップは、吸収性物品中の分析物濃度を測定するためのシステムの筐体の雄コネクタ突出部の上面に配置されている。伝導性ストリップは、システム内の水分センサとして作用し、比色分析物感知要素内の水分の存在を、耐久性構成要素内に配置されたコンピューティングシステムに通信するように配列及び構成されている。ひいては、耐久性構成要素内に配置されたコンピューティングシステムは、水分センサ及び分光光度計の構成要素に動作可能に接続されている。水分センサにおける伝導性ストリップの機能については後述する。
【0042】
上記に記載される水分感知システムは、分光光度計が、ストリップが水分で湿潤した後の時点で比色分析物感知要素から反射される放出された光波の読み取りを実施することを可能にする。これは、検査ストリップで使用される化学物質が、時間、温度、及び湿潤度に敏感であるという問題を解決し、正確かつ再現可能な読み取り値が取得されることを可能にする。
【0043】
光検出器の周りに間隔を置いて離間された4つの狭ビームLEDを使用する。したがって、湿潤の開始は、伝導性ストリップによるインピーダンスの変化によって検出することができ、例えば、4つの狭ビームLEDを光検出器の周りに離間させることができる。比色分析物感知要素の十分な飽和の開始の正確性は、狭ビームLEDの各々を順次アクティブ化し、光検出器によって検出された光を比較することによって、改善することができる。異なる狭ビームLEDの結果として、光検出器によって返されたデータ間に有意差がある場合、比色分析物感知要素は、信頼できる分析のために十分に飽和していない場合がある。したがって、システムは、比色分析物感知要素との体液接触に続く所定の期間後に、(1)伝導性ストリップによるインピーダンスの変化、並びに(2)比色分析物感知要素の実質的に均一な湿潤性を示す異なる狭ビームLEDの結果として、光検出器によって返された比較的一貫したデータによって決定される、比色分析物感知要素に関する光学データを収集することを開始し得る。
【0044】
上記の記載は、インジケータ構成要素及び耐久性構成要素を有する吸収性物品内の分析物濃度を測定するためのシステムを指すが、場合によっては、耐久性構成要素は、吸収性物品内の分析物濃度を測定するためのキットを作成するために複数のインジケータ構成要素と組み合わせられ得ることが想定される。キットは、少なくとも1つ、好ましくは1つ以上の個々にパッケージ化されたインジケータ構成要素を有する。これは、キットが、吸収性物品内の分析物濃度を毎日、若しくは毎週、若しくは毎月、又は1日、若しくは1週間、若しくは1か月に1回以上測定することを可能にする。このように使用されるとき、システムは、数日、数週間、数か月、又は数年にさえもわたって測定された分析物濃度の変化を追跡するために使用される。
【0045】
分析物濃度を測定するためのシステムで使用するための使い捨て吸収性物品には、おむつ(乳幼児用おむつ、トレーニングパンツ、及び成人用失禁製品を含む)及びパッド(女性用生理用ナプキン及びパンティライナー並びに看護パッドを含む)などの吸収性衛生物品が含まれる。
【0046】
例えば、分析物濃度を測定するためのシステムで使用するための吸収性物品は、おむつであり、分析物濃度は、尿中で測定される。インジケータ構成要素は、接着剤層などの取付手段を有する。接着剤層は、システムのインジケータ構成要素をおむつの流体輸送層に取り付けるか、又は結合するために使用される。システムは、おむつの身体に面する表面に取り付けられ得る。限定されないが、クリップ、クランプ、フックアンドループシステム、及びバンドなどの機械的締結具、磁気(静電気を含む)、摩擦、並びに同等物を含む、他の取付手段が、容易に明らかになるであろう。インジケータ構成要素は、おむつへ解放可能に取り付けられるように配列及び構成され得る。
【0047】
上述したように、吸収性物品中の分析物濃度を測定するためのシステムは、比色分析物感知要素を使用して、システムの着用者によって新たに生成された試料中の事前選択された分析物の存在の視覚的指標を生成する。システムはまた、後の分析のために流体を収集するための手段を有する。インジケータ構成要素の保持プレートは、リザーバコネクタによってそれに取り付けられた流体収集リザーバを有する。流体収集リザーバは、尿などの体液を収集するために、スポンジなどの吸収性材料を備えてもよい。COPAN Diagnostics(Murrieta,CA)によって商標登録されているUNISPONGEなどの、硼酸及びギ酸ナトリウム(尿保存剤)を含浸させたスポンジを使用し得る。他の尿吸収性材料としては、天然若しくは合成材料の織布若しくは不織布繊維、又は吸収性ゲルが挙げられる。BASF(Ludwigshafen,DE)からのHYSORB SAPなどの超吸収性ポリマー(Superabsorbent polymer、SAP)。
【0048】
流体収集リザーバによって収集された流体は、比色分析物感知要素によって決定された濃度を「ゴールドスタンダード」検査方法によって決定された濃度と比較して、その場分析を確認するために、確認のために包括的試験場所に送られ得る。検査はまた、そのようなその場分析のより詳細な洞察のために、すなわち、比色分析物感知要素によって測定されない他の分析物に対して、拡張されたパネル上で実行され、ユーザ健康のより包括的な判定を提供し得る。
【0049】
流体収集リザーバは、体液を受け入れるための密閉可能な容器本体と、体液がリザーバに入るポートと、を含む。容器本体は、液体不透過性の壁を有し、エラストマープラスチックなどの剛性又は半剛性材料で作製されている。ポートは、体液がリザーバに入ることを可能にする一方向弁を有し得る。
【0050】
流体収集リザーバは、流体輸送層と流体連通しており、上述のスポンジ、織布、不織布、又は吸収性ゲルなどの吸収性材料を収容し得る。流体収集リザーバ内に収容された吸収性材料は、流体輸送層から体液を引き抜くことができる。流体輸送層からリザーバへの体液の引き抜きは、体液の試料をリザーバ内に引き抜くための毛管勾配によって達成され得る。
【0051】
流体収集リザーバは、所定の破断点でインジケータ構成要素から取り外し可能である。リザーバは、インジケータ構成要素から分離したときに蓋をすることができるように密閉可能である。流体容器リザーバの密閉は、容器を閉鎖及び密閉するためのフリップトップ、スナップトップ、又はスクリュートップを含み得る。
【0052】
流体収集リザーバは、耐久性構成要素上のリザーバ回収器の開口部内に配置され得る。耐久性構成要素が保持プレートから取り外されるとき、リザーバ回収器は、流体収集リザーバを保持プレートから取り外し得る。ツイストオフ特徴は、保持プレートからの流体収集リザーバの取り出しを補助するために含まれ得る。
【0053】
本開示の主題は、ここで、添付の図面及び実施例を参照して、以下でより完全に説明される。しかしながら、本開示の主題は、異なる形態で具体化されることができ、本明細書に記載されるいずれの具体的実施形態にも限定されるものとして解釈されるべきではなく、本明細書に記載される特徴と一致する最も広い範囲を与えられるものである。むしろ、本開示が徹底的かつ完全となり、本発明の範囲を本発明が属する技術分野の当業者に完全に伝えるように、任意の具体的実施形態が提供される。当業者であれば、本明細書の記載に基づいて本発明を最大限利用できると考えられる。
【0054】
吸収性物品内の分析物濃度を測定するためのシステムは、複数の比色分析物感知要素を有し得る。
図1及び
図2は、本発明の吸収性物品内の分析物濃度を測定するためのシステムを示す。システム100は、インジケータ構成要素120及び耐久性構成要素200を有する。
図1及び
図2は、それぞれ、完全に組み立てられたときのシステム100の上面及び底面斜視図である。
【0055】
インジケータ構成要素120は、
図3では側面図で、
図4では分解図で示される。インジケータ構成要素120は、一対の比色分析物感知要素、すなわち、第1の比色分析物感知要素130a及び第2の比色分析物感知要素130bを有する、インジケータゾーン121を含む。第1の比色分析物感知要素130aは、第1の側面132a及び第2の側面134a、並びに穿孔136aを有する。第2の比色分析物感知要素130bは、第1の側面132b及び第2の側面134b、並びに穿孔136bを有する。
【0056】
比色分析物感知要素130a、130bは、システム100の着用者によって生成された試料中の事前選択された分析物の存在の視覚的指標を生成するように設計された試薬含浸マトリックスであり得る。視覚的指標を生成することによって分析物を検出する化学構造及び方法は、当該技術分野で周知である。システム100によって測定された事前選択された分析物は、とりわけ、グルコース、ケトン、ビリルビン、血液、pH、タンパク質、ウロビリノーゲン、亜硝酸塩、白血球、及び/又はクレアチニンであり得る。
【0057】
比色分析物感知要素130a、130bは、システム100の着用者によって生成された試料中の同じ事前選択された分析物の存在の視覚的指標を生成するように設計され得る。この場合、比色分析物感知要素130a、130bは、分析を確認するように作用する。比色分析物感知要素130a、130bはまた、システム100の着用者によって生成された試料中の異なる事前選択された分析物の存在の視覚的指標を生成するように設計され得る。
【0058】
再度、吸収性物品は、おむつであり得、検査される流体は、尿であり、システム100によって測定された事前選択された分析物は、グルコースである。糖尿、すなわち、尿中のグルコースは、尿中の正常よりも高いレベルの糖の存在であり、個人の腎臓に関する合併症又は糖尿病に起因し得る。
【0059】
システム100によって測定される事前選択された分析物はまた、ケトンであり得る。体内の細胞が十分なグルコースを得ない場合、身体は、代わりにエネルギーのために脂肪を燃焼する。これは、血液及び尿に現れ得るケトンを産生する。尿中の高いケトンレベルは、昏睡又は死亡にさえもつながり得る合併症である、糖尿病性ケトアシドーシス(diabetic ketoacidosis、DKA)を示し得る。
【0060】
尿中のグルコースの最も一般的な原因のうちのいくつかには、真性糖尿病、甲状腺機能亢進症、良性糖尿、肝硬変、又は高糖質の食事が含まれる。好ましいバイオマーカーを、熱量測定によって読み取り可能な結果に変換することができるバイオセンサは、尿中に存在する炎症性バイオマーカーの存在を決定するために、ゲノミクス、トランスクリプトミック、メタボロミクス、及びプロテオミクスでも使用され得、本発明のシステムにおいて使用され得る。
【0061】
インジケータ構成要素120の他の構成要素は、任意選択的な上部プレート170と、任意選択的な第1の可撓性ウェブ160と、流体輸送層150と、第2の可撓性ウェブ140と、接着剤層190と、ここでは保持プレートとして示される結合器180と、を含む。
【0062】
比色分析物感知要素130a、130bは、第1のカプセル化層310と第2のカプセル化層330との間にカプセル化されて、流体不透過性エンベロープ331を形成する。第1のカプセル化層310は、第1の側面312及び第2の側面314、並びに穿孔316及び開口318を有する。第2のカプセル化層330は、第1の側面332及び第2の側面334、並びに穿孔336及び開口338を有する。
【0063】
図5は、システム100のインジケータ構成要素120の比色分析物感知要素130a、130bをカプセル化する流体不透過性エンベロープ331の上面斜視図である。
図6は、
図5の比色分析物感知要素をカプセル化する流体不透過性エンベロープ331の上面図を示す。図は、実線で、第2のカプセル化層330の第1の側面332、穿孔336、及び開口338を示す。破線で、図は、比色分析物感知要素130a、130b、それらの第1の側面132a、132b、及び穿孔136a、136b、並びに第1のカプセル化層310の開口318を示す。比色分析物感知要素130a、130bを示す破線はまた、第1のカプセル化層310及び第2のカプセル化層330が、それらの表面が接触する場所でともに密閉されるときに形成される、個別のポケット333(
図6に示される2つのうちの1つ)の輪郭も描く。
【0064】
組み立てられると、第2のカプセル化層330の第1の穿孔336は、比色分析物感知要素130a、130bの穿孔136a、136b、並びに第1のカプセル化層310の穿孔316(図示せず)と整列している。加えて、第2のカプセル化層330の開口338は、第1のカプセル化層310の開口318と整列している。
【0065】
システム100のインジケータ構成要素120の比色分析物感知要素130a、130bをカプセル化する流体不透過性エンベロープ331は、流体輸送層150上に配置されている。システム100のこの部分的に組み立てられたインジケータ構成要素は、
図7では上面図で、
図8では底面図で示される。
図7は、実線で、流体輸送層150の第1の側面152、第1の穿孔156、及び第2の穿孔158を示す。破線では、図は、比色分析物感知要素130a、130b、それらの第1の側面132a、132b、及び穿孔136a、136b、並びに第1のカプセル化層310の開口318、及び第2のカプセル化層330の第1の側面332及び開口338を示す。
【0066】
図8は、実線で、流体輸送層150の第2の側面154、並びに第1のカプセル化層310の第2の側面314、穿孔316、及び開口318を示す。破線では、図は、比色分析物感知要素130a、130b、それらの第2の側面134a、134b、及び穿孔136a、136b、並びに流体輸送層150の第2の穿孔158を示す。
【0067】
第2の可撓性ウェブ140は、第1の側面142、第2の側面144、及び開口部146を有し、ポリエチレンフォームなどの非吸収性材料で作製されている。比色分析物感知要素130a、130bをカプセル化する流体不透過性エンベロープ331は、具体的には、第2の可撓性ウェブ140の開口部146内で、第2の可撓性ウェブ140上に配置され、流体輸送層150と流体連通している。流体輸送層150は、ひいては、第1の可撓性ウェブ160と流体連通している。第1の可撓性ウェブ160は、第1の側面162及び穿孔166を有し、ポリエチレンメッシュなどの非吸収性開口フィルムから作製されている。
【0068】
第2の可撓性ウェブ140、流体輸送層150、及び第1の可撓性ウェブ160は、比色分析物感知要素130a、130bへの体液の輸送を制御するように、かつ異なる比色分析物感知要素間の流体の交差汚染を制限するように設計されている。使用時に、吸収性物品からの流体は、最初に第1の可撓性ウェブ160の第1の側面162に接触する。第1の可撓性ウェブ160が非吸収性開口フィルムであるため、流体は、第1の可撓性ウェブ160を通過し、流体輸送層150の第1の側面152に接触する。次いで、流体は、流体輸送層150の全体を通して透過する。流体は、第2の可撓性ウェブ140の第1の側面142に接触するであろう。しかし、第2の可撓性ウェブ140が非吸収性材料から作製されるため、流体輸送層150内の流体は、第2の可撓性ウェブ140に浸透しない。最後に、輸送層150内の流体は、第2のカプセル化層330の開口338を通過し、比色分析物感知要素130a、130bに接触する。2つの比色分析物感知要素間の交差汚染は、排除されるか、又は第2の穿孔158によって提供される流体輸送層150内の毛管現象における間隙によって画定される流体障壁を用いて、少なくとも顕著ではなく、検出可能ではないものにされる。
【0069】
比色分析物感知要素130a、130b、第1のカプセル化層310、第2のカプセル化層330、第2の可撓性ウェブ140、流体輸送層150、及び第1の可撓性ウェブ160は、
図4に示されるように積み重ねられ、上部プレート170及び保持プレート180によってともに保持される。上部プレート170は、ピン178を有する。ピン178は、第1の可撓性ウェブ160の穿孔166、流体輸送層150の第1の穿孔156、第1のカプセル化層310の穿孔316、比色分析物感知要素130a、130bの穿孔136a、136b、第2のカプセル化層330の第1の穿孔336、第2の可撓性ウェブ140の開口部146を順次通過し、最終的には、保持プレート180の止まり穴186内に配置されている。上部プレートピン178と止まり穴186との間の摩擦嵌合は、インジケータ構成要素120の構成要素をともに保持する。代替アセンブリが、スナップ嵌合、超音波溶接、熱溶接、他の機械的締結具、及び同等物などの他の相互作用によってともに保持され得る。
【0070】
上部プレート170は、第1の可撓性ウェブ160の第1の側面162に面する側面上に1つ以上のチャネルを有し得る。チャネルは、吸収性物品から第1の可撓性ウェブ160の第1の側面162に流体を方向付けることに役立ち得る。
【0071】
インジケータ構成要素120は、接着剤層190などの取付手段を有し得る。接着剤層190は、第1の側面192及び第2の側面194を有し、システム100のインジケータ構成要素120をおむつなどの吸収性物品の流体輸送層に取り付けるか、又は結合するために使用される。
【0072】
システムの耐久性構成要素200は、
図9では上面斜視図で、
図10では上面図で示される。耐久性構成要素200は、一対の窓、すなわち、第1の窓204a及び第2の窓204bを有する筐体202を有する。耐久性構成要素200は、平坦な上面206も有する。一対の分光光度計は、筐体202内に配置されている。第1の分光光度計は、第1の窓204aに隣接し、かつそれと光学通信している。第1の分光光度計の構成要素は、光源222aと、光検出器224aと、を含む。第1の分光光度計は、比色分析物感知要素130aと光学通信している。第2の分光光度計は、第2の窓204bに隣接し、かつそれと光学通信している。第2の分光光度計の構成要素は、光源222bと、光検出器224bと、を含む。第2の分光光度計は、比色分析物感知要素130bと光学通信している。耐久性構成要素200は、2つの分光光度計とともに示されているが、追加の分光光度計が、pH、温度などの追加の分析物又は体液状態の測定のために含まれ得る。インジケータ-ゾーン121は、比色分析物感知要素130aが光源222aに曝露される、インジケータ構成要素120の面積である。
【0073】
図示されていないが、耐久性構成要素200はまた、1つ以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピューティングシステムを伴うプリント回路基板(PCB)、並びに分析の結果を、システム100の外部にあるデータ処理システムに送信するための電子通信のための手段も有する。使用され得るデータ処理システムは、サーバコンピュータ、クライアントコンピュータ、及び携帯電話などのハンドヘルドデバイスを含む、少なくとも1つの外部デバイスを含む。
【0074】
図9及び
図10に示されるように、第1及び第2の分光光度計は、4つの光源222a、222bを含み得、各分光光度計は、1つの光検出器224a、224bを有する。各分光光度計は、それと関連付けられた少なくとも1つの光源222a、222bを有し得る。各分光光度計は、少なくとも6つ以上の光源222a、222bを含み得る。前述のように、光源222a、222bは、発光ダイオード(LED)、より具体的には、RGB LEDであり得る。光源222a、222bは、赤色光、緑色光、及び青色光を順次放出し、3つのデータ点のほぼ同時収集を可能にし得るか、又は放出された赤色光、緑色光、及び青色光の順序は、変化し得る。
【0075】
分光計内の光検出器224a、224bは、以前に考察されたように、赤色、緑色、及び青色光を具体的に測定し、データが、狭い波長領域内で取得されることを可能にし得る。光源222aから放出される光波は、比色分析物感知要素130aから反射し、反射光は、光検出器224aによる分量である。光源222bから放出される光波は、比色分析物感知要素130bから反射し、反射光は、光検出器224bによる分量である。分光光度計の構成要素は、保護材料でコーティングされ得る。保護材料は、比色分析物感知要素130a、130bからの水分が、分光光度計の構成要素に接触し、潜在的にそれらを損傷しないようにする。
【0076】
図9及び
図10はまた、筐体202上に配置されたコネクタ210も示す。コネクタ210は、クリップ212を耐久性構成要素200の筐体202に保持するために付勢される、標準ばね荷重クリップ212を含む。
図4に示されるように、保持プレート180は、その上に配置された受容要素184を有する。耐久性構成要素200を保持プレート180に解放可能に取り付けるために、クリップ212が、受容要素184に締結されている。この手段によって、耐久性構成要素200は、インジケータ構成要素120に解放可能に取り付けられている。限定されないが、クリップ、クランプ、フックアンドループシステム、ねじ山付き開口、バイオネット結合具、ストラップ、ベルト、及びバンドなどの機械的締結具、磁気(静電気を含む)、摩擦、並びに同等物を含む、他の取付手段が、容易に明らかになるであろう。
【0077】
図9及び
図10はまた、耐久性構成要素200の筐体202上に配置されたリザーバ回収器250も示す。リザーバ回収器250は、後述するように、保持プレート180から流体収集リザーバ185を回収するために使用される開口部252を有する。
【0078】
図10はまた、耐久性構成要素200の上面206上に配置された伝導性ストリップ208a、208b、208c、及び208dも示す。伝導性ストリップ208a、208b、208c、及び208dは、比色分析物感知要素130a、130b内の水分の存在を、耐久性構成要素200内に配置されたコンピューティングシステムに通信するように配列及び構成された水分センサとして作用する。
図10に示されるように、伝導性ストリップ208a及び208bは、第1の窓204a及び比色分析物感知要素130aと関連付けられている。伝導性ストリップ208c及び208dは、第2の窓204b及び比色分析物感知要素130bと関連付けられている。耐久性構成要素200内に配置されたコンピューティングシステムは、水分センサ、及び分光光度計の構成要素に動作可能に接続されている。
【0079】
伝導性ストリップ208a及び208bは、比色分析物感知要素130aに隣接している。水分が比色分析物感知要素130aに衝突するとき、伝導性ストリップ208a及び208bの部分にも接触するであろう。伝導性ストリップ208c及び208dは、比色分析物感知要素130bに隣接している。水分が比色分析物感知要素130bに衝突するとき、伝導性ストリップ208c及び208dの部分にも接触するであろう。
【0080】
図13及び
図14は、システム100内の水分センサ内の伝導性ストリップ208a及び208bの機能を説明する。伝導性ストリップ208c及び208dも同様に機能する。
図13は、ストリップを横断した水分前部の進行中のいくつかの時点における伝導性ストリップ208a及び208bの上面図である。前部の進行は、A-A、B-B、C-C、及びD-Dとして示される。時点A-Aでは、水分前部は、伝導性ストリップ208a及び208bを部分的に横断して進行している。ストリップ208a及び208bを横断した更なる進行は、時点B-B及びC-Cとして示され、一方D-Dは、水分前部がストリップ208a及び208bを完全に横断した時点を示す。
【0081】
静電容量が上記で考察されているが、抵抗などの他の電気的特性もまた、水分前部がストリップ208a及び208bを横断して進行するにつれて変化するであろう。
【0082】
図14は、水分前部がストリップを横断して進行する際のストリップ208a及び208bの間の電気的特性の変化の例を示す。この図は、水分前部がストリップ208a及び208bを横断する際の静電容量対時間プロットを示す。
図14上の線Aは、水分前部が伝導性ストリップ208a及び208bを部分的に横断して進行した、時点A-Aに対応する。静電容量は、時点B-B及びC-Cがストリップ208a及び208bを横断した更なる進行を示すにつれて、線B、次いで、線Cまで増加することが示される。最後に、水分前部がストリップ208a及び208bを完全に横断した、時点D-Dに対応するレベルに静電容量が示される、線D。点D-Dでは、比色分析物感知要素130は、水分で完全に飽和している。
【0083】
上述したように、吸収性物品中の分析物濃度を測定するためのシステム100は、比色分析物感知要素130a、130bを使用して、システム100の着用者によって新たに生成された試料中の事前選択された分析物の存在の視覚的指標を生成する。システム100はまた、後の分析のために流体を収集するための手段も有する。保持プレート180は、リザーバコネクタ183によって保持プレート180に取り付けられた流体収集リザーバ185を有する。流体収集リザーバ185は、尿などの体液を収集するために、スポンジなどの吸収性材料を備えてもよい。流体収集リザーバ185によって収集された流体は、比色分析物感知要素130a、130bによって決定された濃度を、「ゴールドスタンダード」検査方法によって決定された濃度と比較するために、包括的な試験場所に送られ得る。検査はまた、比色分析物感知要素130a、130bによって測定されない他の分析物に対して実行されて、ユーザ健康のより包括的な判定を提供し得る。
【0084】
図11及び
図12は、耐久性構成要素200と流体収集リザーバ185との間の接続を示す。上述のように、流体収集リザーバ185は、リザーバコネクタ183によって保持プレート180に取り付けられている。
図11は、システム100の部分側面図であり、一方
図12は、インジケータ構成要素120の部分上面斜視図である。
図11は、リザーバ回収器250の開口部252内に配置された流体収集リザーバ185を示す。耐久性構成要素200が保持プレート180から取り外されると、リザーバ回収器250は、流体収集リザーバ185を保持プレート180から取り外す。
【0085】
図12は、リザーバコネクタ183によって保持プレート180に取り付けられた流体収集リザーバ185を有する保持プレート180を示す。流体収集リザーバ185は、保持プレート180の底側182からのその取り出しを補助するためのツイストオフ特徴188を有し得る。
【0086】
体液中の分析物濃度を測定するためのシステムは、吸収性物品で使用され得るか、又は吸収性物品の外側の体液によって直接接触され得る。例えば、システムは、検体容器内に収集された体液に接触することができるか、又は流体が人体から排出されるにつれて尿などの体液と接触し得る。
図15~
図17は、本発明の体液中の分析物濃度を測定するためのシステムを示す。システム500は、インジケータ構成要素520及び耐久性構成要素600を有する。
図15は、完全に組み立てられたときのシステム500の上面斜視図である。
図16は、システム500のインジケータ構成要素520の上面斜視図である。
図17は、インジケータ構成要素520が分解図で示される、システム500の部分分解図である。
【0087】
図17では、インジケータ構成要素520は、一対の比色分析物感知要素、すなわち、第1の比色分析物感知要素530a及び第2の比色分析物感知要素530bを有することが示される、インジケータゾーン521を含む。第1の比色分析物感知要素530aは、第1の側面532a及び穿孔536aを有する。第2の比色分析物感知要素530bは、第1の側面532b及び穿孔536bを有する。
【0088】
以前に考察されたように、比色分析物感知要素530a、530bは、システム500のユーザによって生成された試料中の事前選択された分析物の存在の視覚的指標を生成するように設計された試薬含浸マトリックスであり得る。システム500によって測定された事前選択された分析物は、とりわけ、グルコース、ケトン、ビリルビン、血液、pH、タンパク質、ウロビリノーゲン、亜硝酸塩、白血球、及び/又はクレアチニンであり得る。
【0089】
再度、比色分析物感知要素530a、530bは、システム500のユーザによって生成された試料中の同じ事前選択された分析物の存在を示すように設計され得る。この場合、比色分析物感知要素530a、530bは、分析を確認するように作用する。比色分析物感知要素530a、530bはまた、システム500のユーザによって生成された試料中の異なる事前選択された分析物の存在の視覚的指標を生成するように設計され得る。
【0090】
再度、検査される流体は、尿であり得、システム500によって測定された事前選択された分析物は、グルコース、1つ以上のケトン、又はそれらの組み合わせである。尿中の正常よりも高いレベルのグルコース及び/又はケトンの存在は、ユーザの腎臓に関する合併症、又は真性糖尿病、甲状腺機能亢進症、良性糖尿病、肝硬変、若しくは高糖質の食事などの他の状態に起因し得る。
【0091】
加えて、好ましいバイオマーカーを熱量測定によって読み取り可能な結果に変換することができる適切なバイオセンサを選択することが、尿又は他の体液中に存在する炎症性バイオマーカーの存在を決定するために、ゲノミクス、トランスクリプトミック、メタボロミクス、及びプロテオミクスでも使用され得る。
【0092】
インジケータ構成要素520の他の構成要素は、上部プレート570、第1の可撓性ウェブ560、流体輸送層550、第1のカプセル化層710、第2のカプセル化層730、及びここでは保持プレートとして示される結合器580を含む。
【0093】
比色分析物感知要素530a、530bは、第1のカプセル化層710と第2のカプセル化層730との間にカプセル化されて、流体不透過性エンベロープ731を形成する。第1のカプセル化層710は、第1の側面712、穿孔716、及び開口718を有する。第2のカプセル化層730は、第1の側面732、穿孔736、及び開口738を有する。
【0094】
インジケータ構成要素520に組み立てられると、第1のカプセル化層710の穿孔716は、比色分析物感知要素530a、530bの穿孔536a、536b、及び第2のカプセル化層730の穿孔736と整列している。加えて、第1のカプセル化層710の開口718は、第2のカプセル化層730の開口738と整列している。
【0095】
図17はまた、流体輸送層550及び第1の可撓性ウェブ560も示す。インジケータ構成要素520に組み立てられると、流体輸送層550は、システム500のインジケータ構成要素520のカプセル化された比色分析物感知要素530a、530b上に配置されている。流体輸送層550は、第1の側面552、第1の穿孔556、及び第2の穿孔558を有する。第1の可撓性ウェブ560は、流体輸送層550上に配置され、第1の側面562及び穿孔566を有し、ポリエチレンメッシュなどの非吸収性開口フィルムから作製されている。
【0096】
インジケータ構成要素520に組み立てられると、流体不透過性エンベロープ731にカプセル化される、比色分析物感知要素230a、230bは、流体輸送層550と流体連通している。流体輸送層550は、ひいては、第1の可撓性ウェブ560と流体連通している。
【0097】
流体輸送層550及び第1の可撓性ウェブ560は、比色分析物感知要素530a、530bへの体液の輸送を制御するように、かつ異なる比色分析物感知要素間の流体の交差汚染を制限するように設計されている。使用時に、体液は、最初に第1の可撓性ウェブ560の第1の側面562に接触する。第1の可撓性ウェブ560が非吸収性開口フィルムであるため、流体は、第1の可撓性ウェブ560を通過し、流体輸送層550の第1の側面552に接触する。次いで、流体は、流体輸送層550の全体を通して透過する。最後に、輸送層550内の流体は、第2のカプセル化層730の開口738を通過して、比色分析物感知要素530a、530bに接触する。再度、2つの比色分析物感知要素間の交差汚染は、排除されるか、又は第2の穿孔558によって提供される流体輸送層550内の毛管現象における間隙によって画定される流体障壁を用いて、少なくとも顕著ではなく、かつ検出可能ではないものにされる。
【0098】
感知要素530a、530b、第1のカプセル化層710、第2のカプセル化層730、流体輸送層550、及び第1の可撓性ウェブ560は、
図17に示されるように積み重ねられ、上部プレート570及び保持プレート580によってともに保持される。上部プレート570は、ピン578を有する。ピン578は、第1の可撓性ウェブ560の穿孔566、流体輸送層550の第1の穿孔556、第1のカプセル化層710の穿孔716、比色分析物感知要素530a、530bの穿孔536a、536b、第2のカプセル化層730の穿孔736を順次通過し、最終的には、保持プレート580の第1の側面582上の止まり穴586内に配置されている。上部プレートピン578と止まり穴586との間の摩擦嵌合は、インジケータ構成要素520の構成要素をともに保持する。代替アセンブリが、スナップ嵌合、超音波溶接、熱溶接、他の機械的締結具、及び同等物などの他の相互作用によってともに保持され得る。
【0099】
上部プレート570は、流体を第1の可撓性ウェブ560の第1の側面562に方向付けることに役立つ、開口576を有する。上部プレート570はまた、その上に配置された突起575も有する。突起575、及び保持プレート580上に配置された突起587は、インジケータ構成要素520をシステム500の耐久性構成要素600に取り付ける手段である。
【0100】
システム500はまた、後の分析のために流体を収集するための手段も有する。保持プレート580は、第1の側面572と、リザーバコネクタ590によって上部プレート570に取り付けられた流体収集リザーバ595と、を有する。流体収集リザーバ595は、尿などの体液を収集するために、スポンジなどの吸収性材料を備えてもよい。流体収集リザーバ185によって収集された流体は、比色分析物感知要素530a、530bによって決定された濃度を、「ゴールドスタンダード」検査方法によって決定された濃度と比較するために、包括的な試験場所に送られ得る。検査はまた、比色分析物感知要素530a、530bによって測定されない他の分析物に対して実行されて、ユーザ健康のより包括的な判定を提供し得る。流体収集リザーバ595は、リザーバコネクタ590をスナップ留めすることによって上部プレート570から取り外される。
【0101】
耐久性構成要素600は、
図17では上面斜視図で示される。近位端620及び遠位端630を有する耐久性構成要素600は、一対の窓、すなわち、第1の窓604a及び第2の窓604bを有する筐体602を有する。耐久性構成要素600はまた、平坦な上面606、伝導性ストリップ608a及び608b、受容要素605、突起610、アクティブ化ボタン650、並びにフィンガーグリップ660も有する。第1の窓604a及び第2の窓604bは、保持プレート580の開口585と整列する。
【0102】
図示されていないが、一対の分光光度計は、筐体602内に配置されている。第1の分光光度計は、第1の窓604aに隣接し、かつそれと光学通信しており、一方第2の分光光度計は、第2の窓604bに隣接し、それと光学通信している。第1の分光光度計は、比色分析物感知要素530aと光学通信しており、第2の分光光度計は、比色分析物感知要素530bと光学通信している。耐久性構成要素600は、2つの分光光度計とともに示されているが、追加の分光光度計が、pH、温度などの追加の分析物又は体液状態の測定のために含まれ得る。インジケータゾーン521は、比色分析物感知要素530aが光源に曝露される、インジケータ構成要素520の面積である。
【0103】
図示されていないが、耐久性構成要素600はまた、1つ以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピューティングシステムを伴うプリント回路基板(PCB)、並びに分析の結果を、システム500の外部にあるデータ処理システムに送信するための電子通信のための手段も有する。使用され得るデータ処理システムは、サーバコンピュータ、クライアントコンピュータ、及び携帯電話などのハンドヘルドデバイスを含む、少なくとも1つの外部デバイスを含む。
【0104】
本明細書の他の場所で考察されるように、分光光度計は、少なくとも1つ以上、又は2つ以上、又は4つ以上、又は6つ以上の光源と、少なくとも1つ、又は少なくとも2つ以上の光検出器と、を含み得る。また、前述のように、耐久性構成要素600内の光源は、発光ダイオード(LED)、より具体的には、RGB LEDであり得る。光源は、赤色光、緑色光、及び青色光を順次放出し、3つのデータ点のほぼ同時収集を可能にし得るか、又は放出された赤色光、緑色光、及び青色光の順序は、変化し得る。
【0105】
耐久性構成要素600内の光検出器はまた、以前に考察されたように、赤、緑、及び青色光を具体的に測定し、データが、狭い波長領域内で取得されることを可能にし得、保護材料でコーティングされて、それらの構成要素への損傷の可能性を低減し得る。
【0106】
図15は、システム500を形成するために組み立てられた、耐久性構成要素600及びインジケータ構成要素520の上面斜視図を示す。ここで、インジケータ構成要素520は、耐久性構成要素600の遠位端630上に配置されている。耐久性構成要素600の上部プレート570は、突起575を有し、保持プレート580は、突起587を有する。耐久性構成要素600は、受容要素605及び突起610を有する。インジケータ構成要素520を耐久性構成要素600に解放可能に取り付けるために、上部プレート570の突起575は、耐久性構成要素600の受容要素605内に配置されている。次いで、保持プレート580の突起587は、スナップ接続を用いて耐久性構成要素600の突起610と係合されている。
【0107】
図17は、耐久性構成要素600の上面606上に配置された、伝導性ストリップ608a及び608bを示す。伝導性ストリップ608a及び608bは、システム500の水分センサとして作用する。それらは、比色分析物感知要素530a、530b内の水分の存在を、耐久性構成要素600内に配置されたコンピューティングシステムに通信するように配列及び構成されている。示されるように、伝導性ストリップ608aは、第1の窓604a及び比色分析物感知要素530aと関連付けられている。伝導性ストリップ308bは、第2の窓604b及び比色分析物感知要素530bと関連付けられている。耐久性構成要素600内に配置されたコンピューティングシステムは、水分センサ、及び分光光度計の構成要素に動作可能に接続されている。
【0108】
水分センサとしての伝導性ストリップ608a及び608bの動作モードは、
図13及び
図14に記載されるような伝導性ストリップ208a及び208bの動作と同一である。水分前部は、伝導性ストリップ608a及び608bを部分的に、最終的には完全に横断して進行する。
【0109】
耐久性構成要素は、吸収性物品内の分析物濃度を測定するためのキットを作成するために複数のインジケータ構成要素と一致し得る。例えば、キットは、耐久性構成要素200又は600(上記に記載される)、及び複数のインジケータ構成要素120、520(同じく上記に記載される)を有し得る。保管中にインジケータ構成要素の完全性を確保するために、各そのようなインジケータ構成要素は、個々のパッケージ内に封入されている。
【0110】
本発明はまた、吸収性物品内の分析物濃度を測定する方法も含む。体液が、収集され、輸送層を介して少なくとも1つの比色分析物感知要素に輸送される。少なくとも1つの比色分析物感知要素における体液の存在は、所定の期間にわたってカウントダウンを開始する。比色分析物感知要素に関連する光学データが、所定の期間後に少なくとも1つの分光光度計によって収集される。光学データは、少なくとも1つのプロセッサ及びデータ記憶装置を有するコンピューティングシステムに通信される。光学データは、分析され、体液中の少なくとも1つの分析物濃度を決定する。
【0111】
比色分析物感知要素との体液接触に続く所定の期間は、15秒超、又は30秒超、又は60秒超、又は120秒超、又は240秒超、又は300秒超、又は360秒超、又はそれ以上であり得る。比色分析物感知要素との体液接触に続く所定の期間は、例えば、約15~約360秒、又は約30~約240秒、又は約120~約180秒、又は約240~約360秒の所定の時間範囲であり得る。
【0112】
システムによって測定された分析物は、とりわけ、グルコース、ケトン、ビリルビン、血液、pH、タンパク質、ウロビリノーゲン、亜硝酸塩、白血球、及び/又はクレアチニンであり得る。
【0113】
体液中に見出される分析物は、潜在的に、代謝系の問題を発生させる証拠を潜在的に保有する。医療施設内及び外部の人々が、経時的に体液中の分析物の濃度の変化を追跡及び分析するための要望がある。これらの変化は、将来の疾患状態のリスクを予測するために有用であり得る。したがって、本発明で考察されるシステムは、将来の疾患状態のリスクを予測するための方法を可能にする。
【0114】
上記のように、体液が、収集され、輸送層を介して少なくとも1つの比色分析物感知要素に輸送される。少なくとも1つの比色分析物感知要素における体液の存在は、所定の期間にわたってカウントダウンを開始する。比色分析物感知要素に関連する光学データが、所定の期間後に少なくとも1つの分光光度計によって収集される。光学データは、少なくとも1つのプロセッサ及びデータ記憶装置を有するコンピューティングシステムに通信される。光学データは、分析され、体液中の少なくとも1つの分析物濃度を決定する。将来の疾患状態を発症するリスクを示す少なくとも1つの分析物濃度の閾値分析物濃度が、少なくとも1つの分析物濃度に対して比較され、これは、経時的に記録されることができる。したがって、将来の疾患状態を発症するリスクは、経時的に監視され得る。
【0115】
システムは、体液中の複数の分析物濃度を決定するように、複数の光検出器124及び複数の比色分析物感知要素30で配列、構成、及びプログラムされ得る。
【0116】
体液中の分析物濃度を非侵襲的に測定することも、特定の地域で一般的な問題を迅速に識別するための疫学研究に、又は特定の人々の集団に理想的に適している。システム10からの分析物濃度測定は、広い集団にわたって長期間収集され得る。収集されたデータは、様々な分析物レベルと疾患状態との間の関係を決定するために研究されるか、又は保存されたパラメータの関数として将来の疾患状態の予測モデルを作成するために、血圧、血中酸素レベル、及び脈拍数などの他の生理学的パラメータと、若しくは年齢、性別、体重、及び国籍などの人口動態統計と組み合わせられ得る。
【0117】
前述の方法は、おむつ若しくはパッドなどの吸収性物品内に、又はそれと併せて展開されたシステムを採用し得るか、又は吸収性物品を使用することなく体液に直接接触することを採用し得る。例えば、システム500は、おむつの身体に面する表面に取り付けられ得る。
図15~
図17のシステム500は、体液と直接接触され得る。それは、耐久性構成要素600の近位端620上のフィンガーグリップ660によってシステム500を把持することによって、検体容器内に最初に収集される体液に浸漬され得る。システム500は、検体容器の中に遠位端630を入れる前又は後に、耐久性構成要素600の近位端620上のユーザ関与アクティブ化ボタン650によって通電され得る。代替的に、システム500のインジケータ構成要素は、流体が人体から排出されるにつれて尿などの体液の流れに入れられ得る。これらの使用では、耐久性構成要素600は、ハンドヘルド分析器である。
【0118】
上記の明細書、実施形態、及び実施例は、本明細書に開示された発明の完全かつ非限定的な理解を助けるために提示されている。本発明の多くの変形形態及び実施形態が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく可能となるため、本発明は、以下に添付する特許請求の範囲に含まれるものである。
【0119】
〔実施の態様〕
(1) 体液中の分析物濃度を測定するためのシステムであって、
a)少なくとも1つの窓を有する筐体を備える耐久性構成要素であって、
i)前記窓に隣接し、かつ前記窓と光学的に通信する少なくとも1つの分光光度計と、
ii)少なくとも1つのプロセッサ及びデータ記憶装置を有するコンピューティングシステムと、
iii)前記コンピューティングシステムと少なくとも1つの外部デバイスとの間の電子通信のための手段と、を収容する、耐久性構成要素と、
b)少なくとも1つの比色分析物感知要素を備えるインジケータゾーンと、前記インジケータゾーンと流体連通している流体輸送層と、を備えるインジケータ構成要素と、
c)前記インジケータゾーンに隣接する少なくとも1つの水分センサと、
d)流体不透過性壁、及び前記流体輸送層と流体連通しているポートを有する流体収集リザーバであって、所定の破断点において前記インジケータ構成要素及び前記耐久性構成要素のうちの少なくとも1つから解放可能である、流体収集リザーバと、を含み、
I)前記インジケータ構成要素は、前記インジケータゾーンが前記少なくとも1つの窓及び前記少なくとも1つの分光光度計に隣接し、かつそれらと光学通信して配置されている間は、前記耐久性構成要素へ取り付けられるように配列及び構成され、
II)前記コンピューティングシステムが、前記水分センサ及び前記少なくとも1つの分光光度計に動作可能に接続され、
III)前記水分センサが、前記比色分析物感知要素内の水分の存在を前記コンピューティングシステムに通信するように配列及び構成され、
IV)前記少なくとも1つの比色分析物感知要素の各々が、分光光度計と関連付けられ、
V)前記流体収集リザーバが、前記体液をそこに引き込むための流体輸送勾配を提供するように配列及び構成され、前記インジケータ構成要素から取り外されると密閉可能である、システム。
(2) 前記インジケータ構成要素が、少なくとも2つの比色分析物感知要素であって、前記少なくとも2つの比色感知要素の各々が、他の比色感知要素から隔離されている、少なくとも2つの比色分析物感知要素を備え、前記インジケータゾーンを取り囲む流体不透過性エンベロープを更に備え、前記流体不透過性エンベロープが、前記少なくとも2つの比色感知要素の各々を収容するように配列又は構成された個別のポケットを有し、各ポケットが、前記流体輸送層と流体連通する独自の開口を有する、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記インジケータ構成要素が、
i)上部プレートと、
ii)第1の可撓性ウェブ層と、
iii)前記第1の可撓性ウェブ層に隣接する流体輸送層と、
iv)前記流体輸送層に隣接する前記インジケータゾーンを取り囲む流体不透過性エンベロープと、
v)前記流体不透過性エンベロープに隣接する第2の可撓性ウェブ層と、
vi)前記第2の可撓性ウェブ層上に配置された取付手段と、
vii)保持プレートと、を更に備え、
VI)前記第1の可撓性ウェブ層、前記流体輸送層、前記流体不透過性エンベロープ、及び前記第2の可撓性ウェブ層が、順番に積み重ねられ、前記上部プレートと前記保持プレートとの間に固着され、
VII)前記インジケータゾーンが、少なくとも2つの比色分析物感知要素を備え、
VIII)前記流体不透過性エンベロープが、前記少なくとも2つの比色分析物感知要素の各々を収容するように配列又は構成された個別のポケットを有し、各ポケットが、前記流体輸送層と流体連通する独自の開口を有し、
IX)前記流体輸送層が、前記流体不透過性エンベロープ内の開口間の流体輸送を阻止するように配列及び構成されており、
X)前記流体収集リザーバが、前記保持プレートに解放可能に取り付けられている、実施態様1に記載のシステム。
(4) 前記流体収集リザーバが、前記流体不透過性壁によって収容された吸収性構造体を更に含む、実施態様1に記載のシステム。
(5) 前記インジケータ構成要素が、前記耐久性構成要素に解放可能に取り付けられている、実施態様1に記載のシステム。
【0120】
(6) おむつの中へ配置されるように配列及び構成された、実施態様1に記載のシステム。
(7) 実施態様1に記載のシステムを備える、ハンドヘルドデバイス。
(8) 実施態様1に記載のシステム及び追加のインジケータ構成要素を備えるキットであって、各インジケータ構成要素及び追加のインジケータ構成要素が、各々、個々のパッケージ内に封入されている、キット。
(9) 体液中の分析物濃度を測定する方法であって、
a)体液を収集し、少なくとも1つの比色分析物感知要素、並びに流体不透過性壁及びポートを有する少なくとも1つの流体収集リザーバに輸送することと、
b)前記少なくとも1つの比色分析物感知要素と接触している体液の存在を検出することと、
c)前記比色分析物感知要素と接触している体液の前記存在を検出した後の所定の期間後に、少なくとも1つの分光光度計を用いて前記少なくとも1つの比色分析物感知要素に関する光学データを収集することと、
d)少なくとも1つのプロセッサ及びデータ記憶装置を有するコンピューティングシステムに前記光学データを通信することと、
e)前記光学データを分析して、前記体液中の少なくとも1つの分析物濃度を決定することと、
f)実験室分析のための実験室への密閉された流体収集リザーバの輸送のために前記流体収集リザーバを密閉することと、を含む、方法。
(10) 前記体液が、尿である、実施態様9に記載の方法。
【0121】
(11) 前記分析物が、グルコース、ケトン、ビリルビン、血液、タンパク質、ウロビリノーゲン、亜硝酸塩、白血球、及び/又はクレアチニン、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施態様10に記載の方法。
(12) g)前記少なくとも1つの分析物について前記体液を分析するように前記実験室に指示し、ステップe)及び前記実験室分析からの前記少なくとも1つの分析物の前記濃度を比較するステップを更に含む、実施態様9に記載の方法。
(13) x)複数のバイオマーカーを含むパネルを分析するように前記実験室に指示するステップを更に含む、実施態様9に記載の方法。
(14) 複数のバイオマーカーを含む前記パネルが、前記少なくとも1つの分析物を含む、実施態様13に記載の方法。
(15) 体液中の分析物濃度を測定する方法であって、
a)少なくとも1つの窓を有する筐体を備える耐久性構成要素を取得することであって、前記耐久性構成要素が、
i)前記窓に隣接し、かつ前記窓と光学的に通信する少なくとも1つの分光光度計と、
ii)少なくとも1つのプロセッサ及びデータ記憶装置を有するコンピューティングシステムと、
iii)前記コンピューティングシステムと少なくとも1つの外部デバイスとの間の電子通信のための手段と、
iv)少なくとも1つの水分センサと、を収容する、取得することと、
b)個々のパッケージからインジケータ構成要素を取り出すことであって、前記インジケータ構成要素が、(i)少なくとも1つの比色分析物感知要素を備えるインジケータゾーンと、(ii)前記インジケータゾーンと流体連通する流体輸送層と、(iii)流体不透過性壁、及び前記流体輸送層と流体連通するポートを有する流体収集リザーバと、を備え、前記流体収集リザーバが、所定の破断点で前記インジケータ構成要素から解放可能である、取り出すことと、
c)前記インジケータ構成要素を前記耐久性構成要素に結合することであって、
I)前記インジケータゾーンが、前記少なくとも1つの窓及び前記少なくとも1つの分光光度計に隣接し、かつそれらと光学通信して配置され、
II)前記コンピューティングシステムが、前記水分センサ及び前記少なくとも1つの分光光度計に動作可能に接続され、
III)前記水分センサが、前記インジケータゾーンに隣接して配置され、
IV)前記少なくとも1つの比色分析物感知要素の各々が、分光光度計と関連付けられ、
V)前記流体収集リザーバが、前記体液をそこに引き込むための流体輸送勾配を提供するように配列及び構成され、前記インジケータ構成要素から取り外されると密閉可能である、結合することと、
d)組み立てられたデバイスを前記体液の供給源と接触して配置することと、
e)前記体液を収集し、前記少なくとも1つの比色分析物感知要素及び前記流体収集リザーバに輸送することと、
f)前記少なくとも1つの比色分析物感知要素と接触している前記体液の存在を検出することと、
g)前記比色分析物感知要素と接触している体液の前記存在を検出した後の所定の期間後に、少なくとも1つの分光光度計を用いて前記少なくとも1つの比色分析物感知要素に関する光学データを収集することと、
h)少なくとも1つのプロセッサ及びデータ記憶装置を有するコンピューティングシステムに前記光学データを通信することと、
i)前記光学データを分析して、前記体液中の少なくとも1つの分析物濃度を決定することと、
j)前記インジケータ構成要素から前記流体収集リザーバを取り出すことと、
k)実験室分析のための実験室への密閉された流体収集リザーバの輸送のために前記流体収集リザーバポートを密閉することと、を含む、方法。
【0122】
(16) ステップ(d)が、前記組み立てられたデバイスを、おむつの身体に面する表面に取り付けることを含む、実施態様15に記載の方法。
(17) ステップ(d)が、前記組み立てられたデバイスを、前記体液と接触させることを含む、実施態様15に記載の方法。
(18) l)前記少なくとも1つの分析物について前記体液を分析するように前記実験室に指示し、ステップi)及び前記実験室分析からの前記少なくとも1つの分析物の前記濃度を比較するステップを更に含む、実施態様15に記載の方法。
(19) x)複数のバイオマーカーを含むパネルを分析するように前記実験室に指示するステップを更に含む、実施態様15に記載の方法。
(20) 複数のバイオマーカーを含む前記パネルが、前記少なくとも1つの分析物を含む、実施態様19に記載の方法。
【国際調査報告】