(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】バッテリーパック、及びこれを含むエネルギー貯蔵システム
(51)【国際特許分類】
H01M 50/204 20210101AFI20240925BHJP
H01M 50/284 20210101ALI20240925BHJP
H01M 50/298 20210101ALI20240925BHJP
H01M 50/271 20210101ALI20240925BHJP
【FI】
H01M50/204 401F
H01M50/284
H01M50/298
H01M50/204 101
H01M50/271 S
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516951
(86)(22)【出願日】2022-12-13
(85)【翻訳文提出日】2024-03-15
(86)【国際出願番号】 KR2022020281
(87)【国際公開番号】W WO2023128401
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0188507
(32)【優先日】2021-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ヨン-ウォン・ユン
(72)【発明者】
【氏名】キ-ヨン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン-キュ・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジョン-オ・ムン
(72)【発明者】
【氏名】ギ-ドン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ジョン-キュ・アン
(72)【発明者】
【氏名】ソン-ジュ・イ
(72)【発明者】
【氏名】ジェ-キ・イ
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA03
5H040AS01
5H040AT06
5H040AY04
5H040DD07
5H040NN03
(57)【要約】
本発明の一実施形態によるバッテリーパックは、1つ以上のバッテリーセルを備えるバッテリーモジュールと、バッテリーモジュールと接続され、バッテリーモジュールを管理するように構成された制御モジュールと、消火剤を収容し、バッテリーモジュール及び前記制御モジュールの少なくとも一方に結合された消火タンクと、消火タンクの一側に取り付けられ、バッテリーモジュールと制御モジュールとの電気的接続をガイドするように構成されたサイドカバーと、を含むことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーパックにおいて、
1つ以上のバッテリーセルを備えるバッテリーモジュールと、
前記バッテリーモジュールと接続され、前記バッテリーモジュールを管理するように構成された制御モジュールと、
消火剤を収容し、前記バッテリーモジュール及び前記制御モジュールの少なくとも一方に結合された消火タンクと、
前記消火タンクの一側に取り付けられ、前記バッテリーモジュールと前記制御モジュールとの電気的接続をガイドするように構成されたサイドカバーと、を含むことを特徴とする、バッテリーパック。
【請求項2】
前記消火タンクは、
前記バッテリーモジュールと前記制御モジュールとの間を電気的に接続させる接続部材を備え、
前記サイドカバーは、
前記接続部材の取り付けをガイドするように、前記接続部材の取り付け時に前記消火タンクの少なくとも一側を露出させるように設けられることを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項3】
前記サイドカバーは、
前記消火タンクの一側に分離可能に取り付けられていることを特徴とする、請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項4】
前記サイドカバーは、
前記消火タンクの一側に回動可能に取り付けられていることを特徴とする、請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項5】
前記サイドカバーは、
前記消火タンクの一側を外部に露出させるように少なくとも部分的にスライド可能に取り付けられていることを特徴とする、請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項6】
前記消火タンクの一側には、
前記接続部材を収容し、前記消火タンクの高さ方向に沿って所定深さに設けられる接続部材収容部を備えていることを特徴とする、請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項7】
前記消火タンクの一側を封止するために前記消火タンクの一側と前記サイドカバーとの間に配置されるシール部材を含むことを特徴とする、請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項8】
前記サイドカバーは、
前記消火タンクの左右側面のうちの一方の側に取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項9】
前記接続部材の上端と下端には、
前記バッテリーモジュールと前記制御モジュールとの接続のためのタンクコネクターが備えられていることを特徴とする、請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のバッテリーパックを含むことを特徴とする、エネルギー貯蔵システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーパック、及びこれを含むエネルギー貯蔵システムに関し、より詳しくは、設置作業における利便性が向上したバッテリーパック、及びこれを含むエネルギー貯蔵システムに関する。
【0002】
本出願は、2021年12月27日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0188507号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
現在商用化されている二次電池としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあり、これらのうちでもリチウム二次電池は、ニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果がほとんどないため充放電が自由であり、自己放電率が非常に低く、エネルギー密度が高いという利点から脚光を浴びている。
【0004】
このようなリチウム二次電池は、主にリチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として用いる。リチウム二次電池は、このような正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板がセパレーターを挟んで配置された電極組立体と、電極組立体を電解液とともに封止して収納する外装材、すなわち電池ケースとを備える。
【0005】
一般に、リチウム二次電池は、外装材の形状によって、電極組立体が金属缶に組み込まれている缶型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに組み込まれているパウチ型二次電池とに分類される。
【0006】
このような二次電池は、携帯型電子機器のような小型装置だけでなく、電気自動車やエネルギー貯蔵システム(Energy Storage System;ESS)のような中大型装置にも広く用いられており、その利用の程度が急速に高まっている。さらに、最近では、住宅やビルなどの建物で用いるための電力を貯蔵及び供給するために、住宅用のエネルギー貯蔵システムが広く用いられている。また、このような住宅用のエネルギー貯蔵システムの重要な構成は、バッテリーパックと言える。
【0007】
このような住宅用のESSなどに用いられるバッテリーパックを含む様々なバッテリーパックには、容量及び/又は出力を高めるために、複数のバッテリーセル(二次電池)が含まれる。特に、バッテリーパックのエネルギー密度を高めるために、複数のバッテリーセルは非常に狭い空間に密集した状態で配置される場合が多い。
【0008】
従来のバッテリーパックの場合、特に住宅用のバッテリーパックの場合、一般に、バッテリーモジュールと、バッテリーモジュールを管理するための制御モジュールとを備えており、バッテリーモジュールと制御モジュールとの電気的接続のためのケーブルなどの設置作業が相対的に困難又は不便であるという問題がある。
【0009】
したがって、バッテリーパックにおいて、バッテリーモジュールと制御モジュールとの電気的接続を行う際に設置作業における利便性を高めることができる方法の模索が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の目的は、バッテリーモジュールと制御モジュールとの電気的接続のための設置作業における利便性を高めることができるバッテリーパック、及びこれを含むエネルギー貯蔵システムを提供することである。
【0011】
ただし、本発明が解決しようとする技術的課題は上記課題に限定されず、言及されていない他の課題は、以下に記載された発明の説明から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を解決するため、本発明は、バッテリーパックであって、1つ以上のバッテリーセルを備えるバッテリーモジュールと、前記バッテリーモジュールと接続され、前記バッテリーモジュールを管理するように構成された制御モジュールと、消火剤を収容し、前記バッテリーモジュール及び前記制御モジュールの少なくとも一方に結合された消火タンクと、前記消火タンクの一側に取り付けられ、前記バッテリーモジュールと前記制御モジュールとの電気的接続をガイドするように構成されたサイドカバーをと、含むことを特徴とするバッテリーパックを提供する。
【0013】
また、好ましくは、前記消火タンクは、前記バッテリーモジュールと前記制御モジュールとの間を電気的に接続させる接続部材を備え、前記サイドカバーは、前記接続部材の取り付けをガイドするように、前記接続部材の取り付け時に前記消火タンクの少なくとも一側を露出するように設けられ得る。
【0014】
また、好ましくは、前記サイドカバーは、前記消火タンクの一側に分離可能に取り付けられ得る。
【0015】
また、好ましくは、前記サイドカバーは、前記消火タンクの一側に回動可能に取り付けられ得る。
【0016】
また、好ましくは、前記サイドカバーは、前記消火タンクの一側を外部に露出させるように少なくとも部分的にスライド可能に取り付けられ得る。
【0017】
また、好ましくは、前記消火タンクの一側には、前記接続部材を収容し、前記消火タンクの高さ方向に沿って所定深さに設けられる接続部材収容部が備えられ得る。
【0018】
また、好ましくは、前記バッテリーパックは、前記消火タンクの一側を封止するために、前記消火タンクの一側と前記サイドカバーとの間に配置されるシール部材を含むことができる。
【0019】
また、好ましくは、前記サイドカバーは、前記消火タンクの左右側面のうちの一方の側に取り付けられ得る。
【0020】
また、好ましくは、前記接続部材の上端と下端には、前記バッテリーモジュールと前記制御モジュールとの接続のためのタンクコネクターが備えられ得る。
【0021】
また、本発明は、エネルギー貯蔵システムであって、上述した実施形態によるバッテリーパックを含むことを特徴とするエネルギー貯蔵システムを提供する。
【発明の効果】
【0022】
以上のような様々な実施形態によって、バッテリーモジュールと制御モジュールとの電気的接続のための設置作業における利便性を高めることができるバッテリーパック、及びこれを含むエネルギー貯蔵システムを提供することができる。
【0023】
さらに、本発明の様々な実施形態によって、他の様々な追加の効果を達成することができる。このような本発明の様々な効果については、各実施形態で詳しく説明するか、当業者が容易に理解できる効果についてはその説明を省略する。
【0024】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態によるバッテリーパックの構成を概略的に示す斜視図である。
【
図2】
図1のバッテリーパックでサイドカバーが分離された形態を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるバッテリーパックの分解斜視図である。
【
図4】
図3の消火タンクが組み立てられる構成を概略的に示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態による制御モジュールの下部斜視図である。
【
図6】
図2のサイドカバーの分離した形態を他の側面から見た形態で概略的に示す図である。
【
図7】本発明の他の実施形態によるサイドカバーを説明するための図である。
【
図8】本発明のまた他の実施形態によるサイドカバーを説明するための図である。
【
図9】本発明のまた他の実施形態によるサイドカバーを説明するための図である。
【
図10】本発明の他の実施形態によるバッテリーパックの構成を説明するための図である。
【
図11】本発明の一実施形態による消火タンクに対して上部及び下部から見た形態を概略的に示す斜視図である。
【
図12】本発明の一実施形態による消火タンクに対して上部及び下部から見た形態を概略的に示す斜視図である。
【
図13】本発明の一実施形態によるバッテリーパックの一部構成を概略的に示す断面図である。
【
図14】本発明の一実施形態によるバッテリーパックの一部断面の構成を正面から見た形態に拡大して示す図である。
【
図15】本発明の一実施形態によるバッテリーパックの一部断面の構成を上部から見た形態で示す図である。
【
図16】本発明の一実施形態によるバッテリーパックの一部断面の構成を側面から見た形態で概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲において使用される用語や単語は通常的及び辞書的な意味に限定して解釈されるものではなく、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応じた意味及び概念で解釈されるものである。
【0027】
したがって、本明細書に記載された実施形態に示された構成は、本発明の最も望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを表すものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解されたい。
【0028】
一方、本明細書では上下左右前後などの方向を示す用語を使用するが、これらの用語は説明の便宜上のものであり、対象となる物体の位置や観察者の位置などによって変わり得ることは本発明の当業者に自明である。
【0029】
図1は、本発明の一実施形態によるバッテリーパックの構成を概略的に示す斜視図であり、
図2は、
図1のバッテリーパックでサイドカバーが分離された形態を示す図である。
【0030】
図1及び
図2を参照すると、バッテリーパックは、バッテリーモジュール100、制御モジュール200、消火タンク300、及びサイドカバー400を含むことができる。
【0031】
前記バッテリーモジュール100は、1つ以上のバッテリーセルを備えることができる。ここで、それぞれのバッテリーセルは、二次電池を意味し得る。二次電池は、電極組立体、電解質及び電池ケースを備えることができる。さらに、バッテリーモジュール100に備えられたバッテリーセルは、パウチ型二次電池であり得る。ただし、二次電池の他の形態、例えば円筒型電池や角型電池を本発明のバッテリーモジュール100に採用することもできる。
【0032】
また、前記バッテリーモジュール100は、バッテリーセルを収納するためのモジュールケースを備えることができる。特に、モジュールケースは、内部に空の空間を備え、このような空の空間に複数のバッテリーセルを収容することができる。例えば、モジュールケースは、
図1に示されたように、略直方体状に形成され、地面に垂直な上下方向(Z軸方向)に立設された形態で構成され得る。
【0033】
前記制御モジュール200は、バッテリーパックの全般的な動作を制御することができる。特に、前記制御モジュール200は、バッテリーモジュール100と電気的に接続することができる。また、制御モジュール200は、バッテリーモジュール100を管理するように構成され得る。
【0034】
特に、前記制御モジュール200は、バッテリーモジュール100の充電動作及び放電動作を制御するように構成され得る。また、制御モジュール200は、バッテリーモジュール100やそれに含まれたバッテリーセル、又はその周辺環境に対して、各種電気的、物理的、化学的特性などを測定、演算、受信及び制御するように構成され得る。例えば、制御モジュール200は、バッテリーセルやバッテリーモジュール100の電圧、電流、温度、SOC(State Of Charge)、SOH(State Of Health)、内部抵抗などを測定、演算、及び制御することができる。
【0035】
前記制御モジュール200は、このようなバッテリーモジュール100の管理のために、バッテリーモジュール100から動作電源を供給され得る。また、制御モジュール200は、バッテリーモジュール100又は外部の他の装置と有線又は無線通信網を介して各種のデータを授受することができる。
【0036】
前記制御モジュール200は、BMS(Battery Management System)、リレー、電流センサーなど様々な電装部品を備えることができる。また、制御モジュール200は、このような電装部品を収納するための制御ハウジングを備えることができる。
【0037】
また、前記制御モジュール200は、パック端子を備えることができる。このようなパック端子は、バッテリーパックと外部の充電装置又は放電装置と接続されるように構成され得る。例えば、パック端子は、商用電源又は負荷と接続されるためのコンセントやプラグ、コネクターなどを備えることができる。この場合、制御モジュール200は、バッテリーモジュール100と充電電源及び放電電源を授受するための電源経路を備えることができる。このような電源経路は、パック端子とバッテリーモジュール100との間で充放電電源を授受する経路として機能することができる。
【0038】
前記消火タンク300は、消火剤を収容することができる。ここで、消火剤としては、火災を抑制又は鎮圧するか、温度を下げることができる様々な物質を採用することができる。また、消火タンク300は、このような消火剤を内部空間に含むためのタンクハウジングを備えることができる。
【0039】
前記消火タンク300は、バッテリーモジュール100及び制御モジュール200のうち少なくとも一方に結合することができる。例えば、前記消火タンク300は、バッテリーモジュール100と結合することができる。また、消火タンク300は、制御モジュール200と結合することができる。本実施形態において、消火タンク300は、バッテリーモジュール100と制御モジュール200との間に配置され、バッテリーモジュール100及び制御モジュール200のそれぞれに結合することができる。
【0040】
特に、前記消火タンク300は、脱着可能なように構成され得る。例えば、前記消火タンク300のタンクハウジングは、バッテリーモジュール100のモジュールケースに対して装着及び分離可能なように構成され得る。また、前記消火タンク300のタンクハウジングは、制御モジュール200の制御ハウジングに対して装着及び分離可能なように構成され得る。
【0041】
前記サイドカバー400は、消火タンク300の一側に取り付けられ得る。このようなサイドカバー400は、バッテリーモジュール100と制御モジュール200との電気的接続をガイドするように構成され得る。
【0042】
制御モジュール200は、バッテリーモジュール100の管理のためにバッテリーモジュール10との電気的接続を要する。サイドカバー400は、バッテリーモジュール100と制御モジュール200との間に備えられる消火タンク300の一側でこのような電気的接続をガイドすることができる。
【0043】
本実施形態においては、前記サイドカバー400を介して、バッテリーモジュール100と制御モジュール200との間の消火タンク300の一側でこのような電気的接続をガイドするところ、電気的接続などのためのさらなる空間を確保することなく、バッテリーパックの設置作業時に電気的接続をさらに簡便に行うことができる。
【0044】
以下、このような前記サイドカバー400による電気的接続のためのガイド構造をより具体的に検討する。
【0045】
図3は、本発明の一実施形態によるバッテリーパックの分解斜視図であり、
図4は、
図3の消火タンクが組み立てられる構成を概略的に示す図であり、
図5は、本発明の一実施形態による制御モジュールの下部斜視図であり、
図6は、
図2のサイドカバーの分離した形態を他の側面から見た形態で概略的に示す図である。
【0046】
図3から
図6、上記の
図1及び
図2を参照すると、前記消火タンク300は、前記バッテリーモジュール100と前記制御モジュール200との間を電気的に接続させる接続部材330を備えることができる。ここで、前記サイドカバー400は、前記接続部材330の取り付けをガイドするように、前記接続部材330の取り付け時に前記消火タンク300の少なくとも一側を露出させるように設けられ得る。
【0047】
これによって、作業者などは、前記接続部材330の取り付け時に、消火タンク300の露出した一側で接続部材330をバッテリーモジュール100と制御モジュール200にさらに簡便に接続することができる。
【0048】
また、作業者などは、このような接続部材330の接続時に、消火タンク300の露出した一側で目視でこれをさらに確実に確認できるので、接続部材330の連結精度を高めるとともに誤った組立の発生可能性を最小化することができる。
【0049】
具体的に、前記サイドカバー400は、前記消火タンク300の一側に分離可能に取り付けられ得る。このような分離可能な取り付けは、締結部材Sによるボルト締め結合によって行うことができる。
【0050】
前記作業者などは、前記消火タンク300の一側で前記サイドカバー400を少なくとも1つの締結部材Sにより結合でき、接続部材330の接続や点検などの必要に応じて締結部材Sの結合を解除することで、サイドカバー400を消火タンク300の一側から分離することができる。
【0051】
前記締結部材Sの結合及び解除作業は、消火タンク300の一側で行われるので、バッテリーモジュール100や制御モジュール200の分離や解体などの作業を行うことなく、サイドカバー400のみ分離するだけで接続部材330の取り付けをガイドすることができる。
【0052】
したがって、本実施形態においては、前記消火タンク300の一側に分離可能に取り付けられる前記サイドカバー400により、電気的接続のための設置作業における利便性をさらに高めることができる。
【0053】
このような前記サイドカバー400は、前記消火タンク300の左右側面のうちの一方の側に取り付けられ得る。すなわち、前記サイドカバー400は、消火タンク300の側面の一側に設けられるところ、装着時におけるバッテリーパックの前方側での露出を最小化し、サイドカバー400による審美感の低下などを最小化することができ、設置作業空間を側面に誘導し、バッテリーパック前方における空間活用性を高めることができる。
【0054】
以下、本発明のバッテリーパックのその他構成に対して検討する。
【0055】
まず、本発明の実施形態によって、バッテリーモジュール100と制御モジュール200が含まれたバッテリーパックに対して、消火タンク300が取り付けられることで、安全性が大幅に向上することができる。特に、バッテリーパックに異常状況が発生した場合、例えばバッテリーモジュール100の内部で熱暴走状況が発生するか、バッテリーモジュール100又は制御モジュール200で火災が発生した場合、消火剤により火災の発生を抑制するか、又は発生した火災を鎮圧することができる。また、バッテリーモジュール100や制御モジュール200の温度を下げて熱暴走状況や過熱状況を遮断することができる。したがって、バッテリーパックの火災や過熱状況など異常状況に対し、バッテリーパック外部の他の部分に火災などの危険性が高まることを防止することができる。
【0056】
前記消火タンク300は、バッテリーモジュール100と制御モジュール200との間に取り付けられ得る。特に、バッテリーモジュール100は、制御モジュール200の下部に位置し得る。この場合、消火タンク300は、バッテリーモジュール100の上部及び制御モジュール200の下部に位置し得る。
【0057】
本発明のこのような実施形態によると、バッテリーモジュール100と制御モジュール200が含まれたバッテリーパックにおいて、消火タンク300がバッテリーモジュール100と制御モジュール200の両方に対して隣接して配置され得る。したがって、バッテリーモジュール100と制御モジュール200で熱イベントが発生した場合、迅速かつ効果的に対応することができる。
【0058】
バッテリーモジュール100と制御モジュール200は、互いに電気的、機械的に結合されるための構成を備えることができる。
【0059】
例えば、バッテリーモジュール100は、
図4にE1で表示された部分のように、電気的接続のためのモジュールコネクターが上部に設けられ得る。また、制御モジュール200は、
図5にE2で表示された部分のように、制御コネクターが下部に設けられ得る。このとき、制御コネクターE2は、モジュールコネクターE1と直接連結可能なように構成され得る。特に、モジュールコネクターE1と制御コネクターE2は、互いに電気的に接続され、充放電電源や電気的信号(データ)などが伝送され得る。特に、バッテリーモジュール100と制御モジュール200は、それぞれ充放電電源を授受する電源用コネクターと、電気的信号を授受する通信用コネクターとをそれぞれ区分して備えることができる。
【0060】
また、バッテリーモジュール100は、
図4にC1で表示されたように、上部にモジュール締結部を形成することができる。また、制御モジュール200は、
図5にC2で表示されたように、下部に制御締結部を形成することができる。ここで、制御締結部C2とモジュール締結部C1は、互いに結合固定可能なように構成され得る。例えば、モジュール締結部C1と制御締結部C2は、ボルト結合により互いに締結されるように構成され得る。また、このようなモジュール締結部C1と制御締結部C2との間の締結及び解除により、制御締結部C2は、モジュール締結部C1に直接取付又は分離され得る。
【0061】
このように、バッテリーモジュール100と制御モジュール200は、互いに機械的及び電気的に直接結合可能なように構成され得る。特に、制御モジュール200は、バッテリーモジュール100に安着すると同時に電気的な接続がなされるプラグイン方式でバッテリーモジュール100に結合され得る。しかし、本発明の一態様によるバッテリーパックの場合、
図4に点線で表示された部分のように、消火タンク300がバッテリーモジュール100と制御モジュール200との間の空間に介在することができる。
【0062】
本発明のこのような実施形態によると、従来のバッテリーパック構造や生産ラインをできるだけ活用するとともに、消火タンク300による安全性を確保することができる。特に、本発明の一実施形態によると、バッテリーモジュール100と制御モジュール200が直接取り付けられるバッテリーパック構成に対して、消火タンク300がバッテリーモジュール100と制御モジュール200との間に介在可能なように構成され、熱イベントに対する安全性を確保することができる。
【0063】
ここで、バッテリーモジュール100と制御モジュール200との電気的接続は、上記の接続部材330により行うことができる。このような接続部材330による接続作業は、上記で検討したように、前記サイドカバー400の消火タンク300の一側からの脱着によって行うことができる。
【0064】
図7は、本発明の他の実施形態によるサイドカバーを説明するための図である。
【0065】
本実施形態によるサイドカバー402は、上述した実施形態の前記サイドカバー400と類似するため、上記の実施形態と実質的に同一又は類似の構成については重複する説明を省略し、以下では上記の実施形態との相違点を中心に検討する。
【0066】
図7を検討すると、前記サイドカバー402は、前記消火タンク300の一側に回動可能に取り付けられ得る。具体的に、サイドカバー402は、前記消火タンク300の一側にヒンジ連結され、左右方向に回動可能に取り付けられ得る。
【0067】
これによって、作業者などは、前記接続部材330の接続作業や追って点検などの管理を行う際に、前記サイドカバー402を前記消火タンク300から完全に分離することなく、前記接続部材330の装着や管理などの点検作業を行うことができる。
【0068】
本実施形態においては、前記サイドカバー402が、前記接続部材330の装着や管理などの作業時に、前記消火タンク300から完全に分離されないため、上記の作業時に、分離したサイドカバー402を別途空間などに配置させる必要がなく、作業効率をさらに向上させることができる。
【0069】
一方、前記サイドカバー402は、左右方向でなく上下方向に回動可能に取り付けられることも可能である。例として、前記サイドカバー402は、前記消火タンク300の一側下端にヒンジ連結され、上下方向に回動可能に取り付けられ得る。
【0070】
この場合、前記サイドカバー402の開放時に、前記サイドカバー402が消火タンク300の水平方向に沿って開放されたまま配置され得るため、このようなサイドカバー402の上側に必要な作業ツールなどを安着し、作業効率をさらに向上させることができる。
【0071】
図8及び
図9は、本発明のまた他の実施形態によるサイドカバーを説明するための図である。
【0072】
本実施形態によるサイドカバー405は、上述した実施形態の前記サイドカバー400と類似するため、上記の実施形態と実質的に同一又は類似の構成については重複する説明を省略し、以下では上記の実施形態との相違点を中心に検討する。
【0073】
図8及び
図9を参照すると、前記サイドカバー405は、前記消火タンク300の一側を外部に露出させるように少なくとも部分的にスライド可能に取り付けられ得る。例として、前記サイドカバー405は、前記消火タンク300の上下方向(Z軸方向)にスライドするように取り付けられ、前記接続部材330の装着や点検時に前記接続部材330の取り付けのための取付空間を露出させることができる。
【0074】
このようなスライド取り付けのために、前記消火タンク300や前記バッテリーモジュール100には、前記サイドカバー405のスライドのためのスライドレールRを設けることができる。
【0075】
本実施形態において、前記サイドカバー405がスライド動作によって、前記接続部材330の取り付けのための取付空間である消火タンク300の一側を露出させるところ、上述した実施形態のように、サイドカバー405を分離することなく上述した作業などを行うことができる。
【0076】
また、本実施形態においては、前記サイドカバー405がスライド動作によって前記消火タンク300の一側を露出又は閉鎖するところ、消火タンク300の一側を開放するときに前記サイドカバー405が前記バッテリーパックの側面で占める空間を削減でき、空間活用性をさらに高めることができる。
【0077】
図10は、本発明の他の実施形態によるバッテリーパックの構成を説明するための図である。
【0078】
図10を参照すると、バッテリーパックは、シール部材500をさらに含むことができる。
【0079】
前記シール部材500は、前記消火タンク300の一側を封止するために、前記消火タンク300の一側と前記サイドカバー400との間に配置され得る。具体的に、前記シール部材500は、サイドカバー400の内面の縁部付近に挟まれるか又は消火タンク300の縁部付近に挟まれ得る。
【0080】
このような前記シール部材500は、略正方形の形状を有するシールガスケットとして設けられ得る。シール部材500は、シール性能を確保するために、ゴムやシリコン、ウレタンのような弾性材料で構成され得る。
【0081】
本実施形態においては、このようなシール部材500によって、前記サイドカバー400の前記消火タンク300の一側に取り付ける際に、前記消火タンク300の一側の封止力を高めることができる。これによって、前記サイドカバー400の取り付け後、前記接続部材330などの電気的接続のための構成への水分や異物などが浸透することをさらに効果的に防止することができる。
【0082】
図11及び
図12は、本発明の一実施形態による消火タンク300に対して上部及び下部から見た形態を概略的に示す斜視図である。また、
図13は、本発明の一実施形態によるバッテリーパックの一部構成を概略的に示す断面図である。例えば、
図13は、
図1のA1-A1’線に対する断面の構成を示すものである。
【0083】
まず、
図11を参照すると、前記消火タンク300は、C32で表示された部分のように、上端に制御モジュール200と結合するるためのタンク締結部を備えることができる。このようなタンク締結部C32は、消火タンク300のタンクハウジングに設けられた締結部の構成で、制御モジュール200と結合可能なように構成され得る。例えば、
図5に示されたように、制御モジュール200の下端に制御締結部C2が備えられた場合、消火タンク300の上端に形成されたタンク締結部C32は、制御締結部C2と結合可能なように構成され得る。より具体的に、上端タンク締結部C32は、制御締結部C2とボルト締め結合可能なように構成され得る。例えば、
図13にA2で表示された部分のように、上端タンク締結部C32と制御締結部C2は、互いにボルト締め結合することができる。また、このような制御締結部C2と上端タンク締結部C32との間のボルト締め結合によって、制御モジュール200と消火タンク300を互いに固定することができる。
【0084】
特に、制御モジュール200は、バッテリーモジュール100に直接安着可能なように設けられたものであり得る。この場合、制御締結部C2は、本来はバッテリーモジュール100のモジュール締結部C1に結合されるように設けられた構成であり得る。しかし、本発明によるバッテリーパックにおいて、消火タンク300に設けられたタンク締結部C32は、このような制御締結部C2を結合可能なように構成され得る。このために、タンク締結部C32は、モジュール締結部C1と同一の形状及び水平方向位置を有することができる。すなわち、上端タンク締結部C32は、制御締結部C2に対して、モジュール締結部C1に代わる互換性を有するように構成され得る。
【0085】
また、前記消火タンク300は、下端にバッテリーモジュール100と結合するためのタンク締結部を備えることもできる。例えば、
図12を参照すると、タンク締結部は、C31で表示された部分のように、消火タンク300の下端縁部に設けられ、バッテリーモジュール100と結合するように構成され得る。例えば、
図4に示されたように、バッテリーモジュール100の上端にモジュール締結部C1が形成された場合、消火タンク300の下端タンク締結部C31は、このようなモジュール締結部C1と結合可能なように構成され得る。
【0086】
より具体的に、下端タンク締結部C31は、モジュール締結部C1とボルト締め結合可能なように構成され得る。例えば、
図13にA2’で表示された部分のように、下端タンク締結部C31とモジュール締結部C1は、互いにボルト締め結合することができる。また、このようなモジュール締結部C1と下端タンク締結部C31との間のボルト締め結合によって、バッテリーモジュール100と消火タンク300を互いに固定することができる。
【0087】
さらに、バッテリーモジュール100は、制御モジュール200と直接結合可能なように構成され得る。この場合、モジュール締結部C1は、本来は制御モジュール200の制御締結部C2に結合されるように設けられた構成であり得る。しかし、本発明によるバッテリーパックにおいて、消火タンク300に設けられたタンク締結部C31は、このようなモジュール締結部C1と結合できるように、制御締結部C2と同一の形状及び水平方向位置を有することができる。すなわち、下端タンク締結部C31は、モジュール締結部C1に対して、制御締結部C2に代わる互換性を有するように構成され得る。
【0088】
本発明のこのような実施形態によると、バッテリーモジュール100と制御モジュール200とが直接結合される形態のバッテリーパックに対して、それらの間の空間に消火タンク300を組立させる構成を容易に実現することができる。特に、この場合、従来のバッテリーモジュール100や制御モジュール200の構成を変更する必要がなく、消火タンク300の互換使用が可能である。
【0089】
また、本発明の一態様によるバッテリーパックの場合、バッテリーモジュール100、消火タンク300及び制御モジュール200が上部方向に順に積層された形態で構成され、上記実施形態によると、このような積層状態を安定に維持することができる。
【0090】
一方、これに加え、安定した結合性及び組立の利便性などのために、消火タンク300は、バッテリーモジュール100及び/又は制御モジュール200と機械的に結合されるための様々な形態の締結部を備えることができる。例えば、消火タンク300は、フック結合、インサート結合、リベット留めなどの様々な方式によって、バッテリーモジュール100及び/又は制御モジュール200と機械的に結合することができる。
【0091】
前記消火タンク300は、
図13に示されたように、前記接続部材330は、バッテリーモジュール100に設けられたモジュールコネクターE1と制御モジュール200に設けられた制御コネクターE2との間に介在され、これらの間を連結させるように構成され得る。さらに、接続部材330は、モジュールコネクターE1と制御コネクターE2に両端が結合し、充放電電源及び/又は電気的信号などを伝達させることができる。
【0092】
具体的な例として、接続部材330は、電源又は電気的信号が移動できるように、一方向に長く延びるケーブルの形態で構成され得る。また、接続部材330は、ケーブルの両端にタンクコネクターが備えられ得る。例えば、接続部材330は、
図12及び
図13にE31で表示されたように、下端にタンクコネクターが備えられ得る。また、このような下端タンクコネクターE31は、バッテリーモジュール100のモジュールコネクターE1と接続することができる。また、接続部材330は、
図11及び
図13にE32で表示されたように、上端にタンクコネクターが備えられ得る。また、このような上端タンクコネクターE32は、制御モジュール200の制御コネクターE2と接続することができる。
【0093】
前記消火タンク300は、
図3、
図11及び
図13などに示されたように、内部タンク310と外部タンク320を備えることができる。ここで、内部タンク310は、内部に空の空間を備え、このような内部空間に消火剤を直接収容することができる。特に、内部タンク310は、消火剤を収容するために密閉された形態で構成され得る。例えば、内部タンク310は、通常の状態では消火液などが漏れないように、IP等級55以上の気密性能を有するように構成され得る。また、外部タンク320は、内部タンク310よりも大きく構成され、内部空間に内部タンク310を収容するように構成され得る。よって、消火タンク300は、少なくとも部分的に二重で構成されると言える。
【0094】
さらに、内部タンク310と外部タンク320との間は、少なくとも部分的に離隔して構成され得る。特に、
図13の実施形態を参照すると、内部タンク310と外部タンク320は、少なくとも部分的に左右方向に離隔して構成され得る。例えば、内部タンク310の側壁と外部タンク320の側壁との間には、A5で表示された部分のように、空の空間が形成されるように構成され得る。
【0095】
このような空の空間A5は、接続部材収容部A5として消火タンク300の一側に形成され、前記接続部材330を収容することができる。前記接続部材収容部A5は、前記消火タンク300の高さ方向(Z軸方向)に沿って所定深さに設けられ、前記接続部材330は、前記接続部材収容部A5内に配置され得る。
【0096】
この場合、消火タンク300の内部の消火剤をより安全に保持することができる。特に、消火タンク300の側面などから衝撃などが印加されても、外部タンク320と内部タンク310の二重構成と、その間に形成された空の空間によって衝撃伝達を緩和することができる。よって、衝撃や振動などによって消火タンク300、特に内部タンク310が破損しないようにすることで、消火剤が異常に漏れることを防止することができる。
【0097】
このような消火タンク300の実施形態において、接続部材330は、内部タンク310と外部タンク320との間の空間に位置し得る。例えば、
図13の実施形態において、内部タンク310の右側壁と外部タンク320の右側壁との間には空の空間が形成され得る。また、このような離隔空間は、接続部材330が位置し得る接続部材収容部となり得る。また、内部タンク310の左側壁と外部タンク320の左側壁との間にもこれと類似の形態の接続部材収容部としての空の空間が形成され、接続部材330が位置し得る。
【0098】
このような実施形態によると、接続部材330が消火タンク300の内部の消火剤と直接的に接触しないこともある。よって、消火剤によって接続部材330が腐食したり、電流が漏洩したりするという問題などを防止することができる。
【0099】
前記消火タンク300は、
図1及び
図2に示されたように、バッテリーモジュール100の上部に位置し得る。また、消火タンク300から排出された消火剤は、バッテリーモジュール100側に自由落下するように構成され得る。
【0100】
すなわち、消火タンク300は、消火剤をバッテリーモジュール100側に移動させるための別途の動力源を必要とせず、迅速な消火剤の投入が可能である。例えば、
図3の実施形態を参照すると、矢印A3で表示されたように、消火剤がバッテリーモジュール100側に投入され、このような投入過程は、自由落下方式により自然に行うことができる。よって、本発明のこのような実施形態によると、熱暴走などによって温度が上昇したバッテリーセルに対して効率的な熱制御が可能となる。
【0101】
前記消火剤は、液状の物質を含むことができる。すなわち、前記消火タンク300は、液状の物質を消火剤として内部タンク310の内部空間に収容することができる。例えば、前記消火剤は、水、水と1つ以上の添加剤が混合された混合物、又はこれらを含む液体であり得る。
【0102】
液状の消火剤は、下部に位置するバッテリーモジュール100に自由落下方式によって容易に投入することができる。また、液状の消火剤は、バッテリーモジュール100の温度を下げ、火災の鎭圧に有利であり得る。また、このような構成では、消火液がバッテリーモジュール100の内部、特にモジュールの下部まで迅速かつ円滑に流入し得る。それだけでなく、液状の消火剤により、バッテリーモジュールの内部、特にイベントが発生したバッテリー内に酸素が流入することを抑制することができる。
【0103】
さらに、前記消火剤は、不凍液、塩水及び絶縁油のうちの少なくとも1つを含むことができる。すなわち、消火タンク300は、消火剤として不凍液、塩水及び/又は絶縁油を含むか、又はこのような液体物質に加えて他の物質をさらに含むことができる。
【0104】
このような実施形態によると、バッテリーパックの屋外への設置により有利であり得る。特に、住宅用ESSや産業用ESSなどに用いられるバッテリーパックの場合、屋外で用いられ得る。このとき、上記実施形態のように、消火剤として不凍液、塩水、又は絶縁油などが用いられる場合、低い温度でも凍らずに液状をそのまま維持することができる。よって、消火剤がバッテリーモジュール100に投入されなければならない状況で、凍結によって投入できないという問題を防止することができる。また、この場合、外気温に応じて体積が変化することを防止し、消火タンク300などが凍結して破裂するという問題を防止することができる。さらに、絶縁油の場合、バッテリーモジュール100に投入されても絶縁抵抗性能を有することができる。したがって、本発明のこのような実施形態の場合、住宅用のバッテリーパックや住宅用のエネルギー貯蔵システム(ESS)により有利に適用され得る。
【0105】
前記消火タンク300は、破裂部材340を備えることができる。ここで、破裂部材340は所定の条件で破裂し得る。また、破裂部材340は、破裂時に消火剤の流出が可能なように構成され得る。
【0106】
このために、破裂部材340は、消火タンク300の内部空間と連通するように構成され得る。特に、消火タンク300に内部タンク310と外部タンク320が備えられると、破裂部材340は、内部タンク310の内部空間と連通するように構成され得る。例えば、内部タンク310は、略密閉された形態に形成され、投入孔が形成され得る。また、このような投入孔に破裂部材340が挿入され投入孔を閉鎖し得る。また、破裂部材340が破裂すると、投入孔が開放され、内部タンク310に収容された消火剤が外部に流出され得る。
【0107】
前記破裂部材340は、消火タンク300の下部に位置し得る。この場合、破裂部材340が破裂すると、バッテリーモジュール100側に消火剤がより円滑に投入され得る。特に、消火剤は、自由落下方式によりバッテリーモジュール100に投入され得る。
【0108】
前記破裂部材340は、1つの消火タンク300に少なくとも1つ以上備えることができる。例えば、
図12に示されたように、破裂部材340は、1つの消火タンク300に4つ備えることができる。
【0109】
また、前記破裂部材340は、温度や圧力などの条件に応じて破損するように構成され得る。例えば、破裂部材340は、一定温度以上及び/又は一定圧力以上の条件で破裂するように構成され得る。
【0110】
特に、前記破裂部材340は、ベントガスによって破裂可能なように構成され得る。すなわち、バッテリーモジュール100で熱暴走などのイベントが発生すると、バッテリーモジュール100からベントガスが生成されて排出され得る。このとき、破裂部材340は、このようなベントガスの熱や圧力によって破裂される材料や形態などで構成され得る。
【0111】
前記破裂部材340は、ガラス球として実現され得る。例えば、消火タンク300に投入孔が形成され、ガラス球はこのような投入孔に挿入締結され得る。また、ガラス球は、ベントガスと接触すると破損し、消火タンク300の内部の消火剤が外部側、特にバッテリーモジュール100側に噴出されるようにすることができる。
【0112】
このような実施形態によると、消火タンク300が簡単に構成されるとともに、バッテリーモジュール100側に消火剤を投入させる構成をより円滑になすことができる。また、このような実施形態によると、バッテリーモジュール100から生成されたベントガスによって破裂部材340が破裂する構成をより容易に設けることができる。
【0113】
これに加え、前記破裂部材340は、熱や圧力などの条件変化に応じて破裂可能な様々な材料及び形態で実現することができる。例えば、前記破裂部材340は、ビニール材料や射出物の形態で実現することもできる。
【0114】
前記バッテリーモジュール100は、内部空間と連通するように開口部を形成することができる。例えば、
図3にO1で表示された部分のように、バッテリーモジュール100は、上端に開口部を形成することができる。また、このような開口部O1は、バッテリーセルが位置するモジュールケースの内部空間に連通することができる。
【0115】
ここで、破裂部材340は、少なくとも一部分がバッテリーモジュール100の開口部O1に挿入されるように構成され得る。例えば、
図13にA4及びA4’で表示された部分のように、破裂部材340は、開口部O1を介してバッテリーモジュール100の内部空間に挿入され得る。
【0116】
本発明のこのような実施形態によると、バッテリーモジュール100の内部空間に消火剤が流入し得る。よって、バッテリーモジュール100の内部で発生した熱イベント、例えば熱暴走やガス噴出、火災などの状況により効果的に対応することができる。さらに、バッテリーモジュール100の内部空間には、熱イベントの直接的な対象となるバッテリーセルが位置し得る。よって、上記実施形態によると、消火剤がバッテリー内に直接噴射され得る。したがって、火災などの抑制や防止により有利であり得る。
【0117】
また、本発明のこのような実施形態によると、ガラス球などの破裂部材340がベントガスにさらに迅速に反応することができる。すなわち、バッテリーモジュール100の内部空間でベントガスが発生した場合、ベントガスは開口部O1を介してバッテリーモジュール100の外部に排出され得る。言い換えると、開口部O1は、バッテリーモジュール100でベントガスの排出口の役割をする。さらに、開口部O1がバッテリーモジュール100の上部側に位置する場合、ベントガスは、上部に位置する開口部O1側に多くの量が排出され得る。
【0118】
このとき、ベントガスが排出される部分にガラス球が位置すると、ベントガス発生時にガラス球が迅速に破裂することができる。したがって、熱イベントの発生時に、消火剤のより迅速な投入が可能となり得る。また、この場合、排出されるベントガスに消火剤が直接噴射され得るので、ベントガスの温度を下げ、ベントガスに含まれた火炎やスパークなどの外部発火源の排出を抑制することができる。
【0119】
一方、バッテリーモジュール100に形成された開口部O1は、必ずしもベントガスなどを排出するための用途として設けられたものでないことがある。例えば、
図3などに示されたバッテリーモジュール100の上端に設けられた開口部O1は、バッテリーモジュール100の運搬のための用途として設けられたものであり得る。すなわち、開口部O1は、バッテリーモジュール100の運搬時に、作業者や運搬装置が指又は把持用ツールを入れて把持できる空間を提供するように構成されたものであり得る。或いは、開口部O1は、制御モジュール200又は消火タンク300が挿入されるための構成として設けられたものであり得る。
【0120】
前記消火タンク300は、ベントガスが移動可能なように構成されたベント経路を形成することができる。すなわち、バッテリーモジュール100の開口部O1からベントガスが排出される場合、このようなベントガスが特定部分に排出されるように消火タンク300の内部及び/又は外部にベント経路を形成することができる。このようなベント経路は、消火タンク300単独又は他の構成要素とともに形成され得る。これについては、
図13、
図14、及び
図15をさらに参照して説明する。
【0121】
図14は、本発明の一実施形態によるバッテリーパックの一部断面の構成を正面から見た形態に拡大して示す図である。例えば、
図14は、
図13のA4部分に対する拡大図と言える。また、
図15は、本発明の一実施形態によるバッテリーパックの一部断面の構成を上部から見た形態で示す図である。例えば、
図15は、
図1のA6-A6’線に対する断面図である。
【0122】
まず、
図14を参照すると、消火タンク300がバッテリーモジュール100の上部に取り付けられた状態で、消火タンク300とバッテリーモジュール100は、互いに部分的に離隔して構成され得る。また、このような離隔空間は、バッテリーモジュール100の開口部O1と連通してベント経路として機能することができる。例えば、
図14にA7で表示された部分のように、バッテリーモジュール100の上端と消火タンク300の下端との間には空の空間が形成され得る。また、開口部O1を介して排出されたベントガスは、矢印A8で表示されたように、このようなバッテリーモジュール100と消火タンク300との離隔空間A7を介して外部に排出され得る。すなわち、このような実施形態では、バッテリーモジュール100と消火タンク300との間の離隔空間A7がベント経路として提供され得る。また、バッテリーモジュール100と消火タンク300との間に形成されたベント経路は、バッテリーパックの外部と連結され、バッテリーパックの内部のベントガスが外部に排出され得る。
【0123】
また、ベント経路を消火タンク300の内部に形成することもできる。特に、消火タンク300に内部タンク310と外部タンク320が含まれた場合、内部タンク310と外部タンク320との間に空の空間が形成され得る。例えば、
図13にA5で表示された部分のように、内部タンク310と外部タンク320との間が離隔し、当該空間がベント経路として機能することができる。
【0124】
また、このような内部タンク310と外部タンク320との間の離隔空間A5は、バッテリーモジュール100の開口部O1と連通することができる。また、内部タンク310と外部タンク320との間に形成されたベント経路は、バッテリーパックの外部と連結され、バッテリーパックの内部のベントガスが外部に排出され得る。
【0125】
また、ベント経路は、
図14にA8で表示された部分のような消火タンク300とバッテリーモジュール100との間、及び
図13にA5で表示された部分のような外部タンク320と内部タンク310との間にともに形成され得る。また、このようなベント経路は互いに連通し、開口部O1及び外部空間に連結され得る。
【0126】
このような実施形態では、バッテリーモジュール100の内部で開口部O1に向かって排出されたベントガスは、開口部O1に位置する破裂部材340、例えばガラス球を破損し、消火剤をバッテリーモジュール100の内部に流入させることができる。また、このようなベントガスは、
図15に矢印A9及びA9’で表示されたように、消火タンク300とバッテリーモジュール100との間の空間、及び外部タンク320と内部タンク310との間に形成されたベント経路をそれぞれ経てバッテリーモジュール100外部に排出され得る。より具体的に、
図15の実施形態を参照すると、ベントガスは、消火タンク300の内部空間で左右方向(X軸方向)に移動し、また後方(+Y軸方向)に移動してバッテリーパックの外部に排出され得る。このとき、バッテリーパックにおけるベント経路の排出口は、バッテリーパックの後方に位置し得る。
【0127】
このような実施形態によると、バッテリーモジュール100に取り付けられた消火タンク300によってベントガスの排出構成が提供されることで、バッテリーモジュール100の内部のベントガスが外部に円滑に排出されるようにし、バッテリーモジュール100の内圧の増加による爆発などを防止することができる。
【0128】
また、このような実施形態によると、バッテリーモジュール100から排出されたベントガスの方向を消火タンク300によって効果的に制御することができる。特に、上記実施形態において、ベントガスは、破裂部材340側に流れるように誘導され得る。よって、ベントガスの発生時に破裂部材340を迅速に破裂させることができる。さらに、上記実施形態において、ベントガスは、
図15に示されたように、バッテリーパックの後方側に移動され得る。よって、バッテリーパックの前方側に位置する使用者や他の構成要素に対するベントガスの直接的な露出を防止することができる。
【0129】
前記バッテリーモジュール100は、バッテリーパックに2つ以上含まれ得る。このとき、消火タンク300は、2つ以上のバッテリーモジュール100のそれぞれに対して消火剤を別に投入可能なように構成され得る。これについては、
図16をさらに参照してより具体的に説明する。
【0130】
図16は、本発明の一実施形態によるバッテリーパックの一部断面の構成を側面から見た形態で概略的に示す図である。例えば、
図16は、
図1のA10-A10’線に対する断面図と言える。
【0131】
図16などを参照すると、バッテリーパックに2つ以上のバッテリーモジュール100が含まれ得る。また、消火タンク300は、2つ以上のバッテリーモジュール100に対してともに組立可能なように構成され得る。このとき、消火タンク300は、少なくとも2つの破裂部材340を備え、バッテリーモジュール100の積層方向に離隔して配置させることができる。また、複数の破裂部材340は、互いに異なるバッテリーモジュール100の開口部O1にそれぞれ挿入され得る。例えば、
図16の実施形態では、第1ガラス球G1が第1モジュールM1の開口部O1に挿入され、第2ガラス球G2が第2モジュールM2の開口部O1に挿入され得る。
【0132】
また、このような構成において、それぞれのガラス球G1、G2は、互いに異なるバッテリーモジュール100;M1、M2に対して消火剤が投入されるようにすることができる。例えば、第1モジュールM1からベントガスや火炎などが発生する場合、第1ガラス球G1が割れることで、矢印D1で表示されたように、消火タンク300の消火剤が第1モジュールM1の内部に投入され得る。他の例として、第2モジュールM2からベントガスや火炎などが発生する場合、第2ガラス球G2が割れることで、矢印D2で表示されたように、消火タンク300の消火剤が第2モジュールM2の内部に投入され得る。
【0133】
本発明のこのような実施形態によると、複数のバッテリーモジュール100が含まれたバッテリーパックにおいて、各バッテリーモジュール100に対して直接的な消火剤の投入が可能である。特に、上記実施形態によると、イベントが発生したバッテリーモジュール100に対してのみ消火剤を投入させることができる。よって、消火剤が投入されていない他のバッテリーモジュール100に対しては、動作を継続することができる。例えば、第1モジュールM1でイベントが発生した場合、第1ガラス球G1が破損し、第1モジュールM1内部にのみ消火剤を投入することができる。このとき、第2ガラス球G2は破損しないので、第2モジュールM2の内部には消火剤が投入されず、第2モジュールM2を継続して使用することができる。したがって、一部のバッテリーモジュール100で問題が発生しても、バッテリーパック全体を使用できなくなるという問題を防止することができる。
【0134】
一方、
図16では、1つのバッテリーモジュール100に1つの破裂部材340が挿入されたように示されているが、1つのバッテリーモジュール100に2つ以上の破裂部材340を挿入することもできる。例えば、
図12などに示されたように、消火タンク300は、前後方向及び左右方向にそれぞれ2つ以上の破裂部材340を備えることができる。この場合、1つのバッテリーモジュール100に対して、左右方向に配置された2つの破裂部材340をともに挿入することができる。
【0135】
バッテリーパックに複数のバッテリーモジュール100が含まれた実施形態において、各バッテリーモジュール100の間には、ベント経路が分離されるように構成され得る。例えば、
図16にW1で表示された部分のように、第1モジュールM1と第2モジュールM2との間には突出部を形成することができる。このような突出部は、バッテリーモジュール100の上端で上部方向に凸状に設けられ、消火タンク300の下端に接触することができる。
【0136】
この場合、突出部は、ベントガスなどが他のバッテリーモジュール100の方に流れることを防止することができる。例えば、第1モジュールM1からベントガスが開口部O1を介して噴出された場合、ベントガスは、第1モジュールM1の上部と消火タンク300の下部との間に形成されたベント経路に沿って、
図15に示されたように、左右方向(X軸方向)に流れることがある。しかし、第1モジュールM1から排出されたベントガスは、第1モジュールM1と第2モジュールM2との間に形成された突出部W1によって、第2モジュールM2側に移動しないこともある。すなわち、第1モジュールM1と第2モジュールM2との間に形成された突出部W1は、これらの間でベントガスの移動を遮断する隔壁として機能することができる。特に、このような中央突出部W1は、シール性能を確保するために、ゴムやシリコン、ウレタンのような弾性材料で構成され得る。
【0137】
このような突出部W1は、水平方向のうち、バッテリーモジュール100の積層方向と直交する方向(X軸方向)に長く延びるように形成され得る。例えば、
図15に示された図において、隔壁としての突出部は、W2で表示された部分のように、第1モジュールM1と第2モジュールM2との間に位置し、左右方向(X軸方向)に長く延長形成され得る。
【0138】
本発明のこのような実施形態によると、ベントガスのベント方向の制御をより確実に行うことができる。さらに、この場合、一部のバッテリーモジュール100から排出されたベントガスが他のバッテリーモジュール100に流入することを遮断し、モジュール間の熱暴走の伝播などが発生するという問題を防止することができる。また、上記実施形態によると、他のバッテリーモジュール100から排出されたベントガスなどによって破裂部材340が破損し、正常なバッテリーモジュール100の内部に消火剤が投入されるという問題を防止することができる。
【0139】
また、複数のバッテリーモジュール100は、その外部側にも隔壁が形成され得る。例えば、
図16にW3で表示された部分のように、前方側に位置する第1モジュールM1の前方側の上端縁部にも消火タンク200と接触してベント経路を密閉する隔壁構成として、突出部(前方突出部)を備えることができる。また、
図16にW3’で表示された部分のように、後方側に位置する第2モジュールM2の後方側の上端縁部にも消火タンク200と接触してベント経路を密閉する隔壁構成として、突出部(後方突出部)を備えることができる。また、このような前方及び後方突出部W3、W3は、シール性能を確保するために、ゴムやシリコン、ウレタンのような弾性材料で構成され得る。
【0140】
本発明のこのような実施形態によると、バッテリーモジュール100と消火タンク300との間に形成されたベント経路の密閉力を確保して、ベントガスを意図した方向にのみ排出することができる。例えば、このような隔壁構成によると、ベントガスが
図15に矢印A9及びA9’で表示された方向にのみ移動し、他の方向、例えばバッテリーパックの前方側に移動することを防止することができる。
【0141】
前記消火タンク300は、バッテリーモジュール100と結合する縁部にバッテリーモジュール100側に突出するように構成されたカバー部をさらに含むことができる。例えば、
図12及び
図16の実施図面を参照すると、A11で表示された部分のように、消火タンク300の縁部のうちの少なくとも一部の下端には、バッテリーモジュール100の上端よりさらに下部方向に延びるカバー部を形成することができる。また、このようなカバー部は、消火タンク300がバッテリーモジュール100に取り付けられた場合、バッテリーモジュール100の外側を取り囲む形態で構成され得る。
【0142】
本発明のこのような実施形態によると、消火タンク300とバッテリーモジュール100との間の結合性がさらに向上することができる。また、このような実施形態によると、消火タンク300から消火剤が噴射される場合、バッテリーモジュール100の内部に消火剤が良好に投入される一方、バッテリーパックの外部に消火剤が漏出されることを抑制することができる。
【0143】
また、上記実施形態によると、意図しない方向にベントガスが漏れることを防止することができる。例えば、カバー部は、消火タンク300の下部縁部のうち、前方、左側及び右側の3つの角部分に形成され得る。この場合、消火タンク300とバッテリーモジュール100との間に流入したベントガスが、バッテリーパックの後方側に流出するように誘導され、前方側や左側及び右側方向に漏れることを防止することができる。
【0144】
本発明によるバッテリーパックは、消火タンク300やバッテリーモジュール100、制御モジュール200などが住宅やビルのような建物の壁体などと結合固定可能なように構成され得る。例えば、消火タンク300は、後面部に固定孔が形成され、このような固定孔を介して消火タンク300が壁体に固定されるように構成され得る。或いは、本発明によるバッテリーパックは、壁体などと結合するように構成された固定ユニットをさらに含むことができる。このような固定ユニットは、消火タンク300やバッテリーモジュール100などの構成要素と締結され、バッテリーパックを壁体に固定させることができる。
【0145】
本発明によるエネルギー貯蔵システムは、上述した本発明によるバッテリーパックを1つ以上含む。また、本発明によるエネルギー貯蔵システムは、このようなバッテリーパック以外に、エネルギー貯蔵システムに含まれる一般的な構成要素をさらに含むことができる。特に、本発明によるエネルギー貯蔵システムは、住宅やビルなどでエネルギーを貯蔵するために用いる、住宅用(建物用)のエネルギー貯蔵システムであり得る。
【0146】
以上のような様々な実施形態によって、バッテリーモジュール100と制御モジュール200との電気的接続のための設置作業における利便性を高めることができるバッテリーパック、及びこれを含むエネルギー貯蔵システムを提供することができる。
【0147】
以上のように、本発明を限定された実施形態及び図面によって説明したが、本発明はこれによって限定されず、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって、本発明の技術思想と以下に記載される特許請求の範囲の均等範囲内で様々な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0148】
10、100 バッテリーモジュール
200、300 消火タンク
200 制御モジュール
310 内部タンク
320 外部タンク
330 接続部材
340 破裂部材
400、402、405 サイドカバー
500 シール部材
A3、A8、A9、D1、D2 矢印
A5、A7 離隔空間
C1 モジュール締結部
C2 制御締結部
C31 下端タンク締結部
C32 上端タンク締結部
E1 モジュールコネクター
E2 制御コネクター
E31 下端タンクコネクター
E32 上端タンクコネクター
ESS エネルギー貯蔵システム
G1 第1ガラス球
G2 第2ガラス球
M1 第1モジュール
M2 第2モジュール
O1 開口部
R スライドレール
S 締結部材
W1 中央突出部
W3 後方突出部
【国際調査報告】