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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】セルフチューニング型変流器
(51)【国際特許分類】
   G01R 19/00 20060101AFI20240925BHJP
   G01R 35/00 20060101ALI20240925BHJP
   G01R 21/133 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
G01R19/00 N
G01R35/00 E
G01R21/133 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517438
(86)(22)【出願日】2022-09-20
(85)【翻訳文提出日】2024-04-23
(86)【国際出願番号】 US2022044147
(87)【国際公開番号】W WO2023044164
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】63/261,401
(32)【優先日】2021-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519461738
【氏名又は名称】ヴティリティー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】VUTILITY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100213333
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿山 昌代
(72)【発明者】
【氏名】マイケル エム オースティン
(72)【発明者】
【氏名】コーディ シュック ブラウン
【テーマコード(参考)】
2G035
【Fターム(参考)】
2G035AA04
2G035AB02
2G035AC02
2G035AD19
2G035AD26
2G035AD28
2G035AD65
(57)【要約】
電気使用量モニタは、電気回路に電気使用量モニタを取り付けて、電気回路の電気使用量をモニタリングする結合部品と、電気使用量モニタによって捕捉されたアナログ電流読み取り値をデジタル値に変換するように構成されたアナログデジタル変換器(ADC)と、ADCに動作可能に結合されたプロセッサと、プロセッサに動作可能に結合され、プロセッサによって実行されると、プロセッサに動作を実行させる命令を含む非一時的なコンピュータ可読媒体と、を含むことができる。動作には、デジタル値の標準偏差を決定することと、標準偏差に基づいて、ADCの利得を調整することと、デジタル値を含む信号をサーバに送信することと、が含まれ得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気使用量モニタであって、
電気回路に前記電気使用量モニタを取り付けて、前記電気回路の電気使用量をモニタリングする結合部品と、
前記電気使用量モニタによって捕捉された読み取り値をデジタル値に変換するように構成されたアナログデジタル変換器(ADC)と、
ネットワーク通信インタフェースと、
前記ADCに動作可能に結合されたプロセッサと、
前記プロセッサに動作可能に結合され、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
前記デジタル値の標準偏差を決定させ、
前記標準偏差に基づいて、前記ADCの利得を調整させ、
前記通信インタフェースによって、前記デジタル値を含む信号を送信させる
命令を含む、非一時的なコンピュータ可読媒体と、
を含む、電気使用量モニタ。
【請求項2】
前記ADCの前記利得を調整することに、前記利得を前記標準偏差の倍数に比例するように調整することを含む、請求項1に記載の電気使用量モニタ。
【請求項3】
前記ADCの前記利得を調整することに、前記デジタル値の平均に基づいて前記利得を調整することを含む、請求項1に記載の電気使用量モニタ。
【請求項4】
前記信号は、前記ADCの前記調整された利得を含む、請求項3に記載の電気使用量モニタ。
【請求項5】
前記命令は、更に、前記利得を調整する前に、前記プロセッサに、前記調整された利得の肯定応答を受信させる、請求項4に記載の電気使用量モニタ。
【請求項6】
前記信号は、前記デジタル値に関連付けられたADCバケットを含む、請求項5に記載の電気使用量モニタ。
【請求項7】
前記命令は、更に、前記プロセッサに、
前記デジタル値の新しい標準偏差を決定させ、
前記新しい標準偏差に基づいて、前記ADCの前記調整された利得を更新させる、
請求項1に記載の電気使用量モニタ。
【請求項8】
プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
電気使用量モニタによって捕捉された読み取り値の標準偏差を決定させ、
前記読み取り値の前記標準偏差に基づいて、アナログデジタル変換器(ADC)の利得を調整させ、
前記ADCによって生成されたデジタル値を含む信号を送信させる
命令を含む、非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記デジタル値に前記読み取り値のデジタル変換を含む、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項9】
前記ADCの前記利得を調整することに、前記デジタル値の前記標準偏差の倍数に比例するように前記利得を調整することを含む、請求項8に記載の媒体。
【請求項10】
前記ADCの前記利得を調整することに、前記デジタル値の平均に基づいて前記利得を調整することを含む、請求項8に記載の媒体。
【請求項11】
前記信号は、前記ADCの前記調整された利得を含む、請求項10に記載の媒体。
【請求項12】
前記命令は、更に、前記利得を調整する前に、前記プロセッサに、前記調整された利得の肯定応答を受信させる、請求項11に記載の媒体。
【請求項13】
前記信号は、前記デジタル値に関連付けられたADCバケットを含む、請求項12に記載の媒体。
【請求項14】
前記命令は、更に、前記プロセッサに、
前記デジタル値の新しい標準偏差を決定させ、
前記新しい標準偏差に基づいて、前記ADCの前記調整された利得を更新させる、
請求項8に記載の媒体。
【請求項15】
電気使用量モニタリングシステムであって、
ネットワークを介して電気使用量モニタと通信するネットワーク通信インタフェースと、
前記ネットワーク通信インタフェースによって、前記電気使用量モニタによって捕捉された読み取り値のデジタル変換を含むデジタル値を含む信号を前記電気使用量モニタから受信し、前記読み取り値を前記電気使用量モニタのアナログデジタル変換器(ADC)によって前記デジタル値に変換し、
前記電気使用量モニタから前記ADCの利得を受信し、
前記デジタル値の標準偏差に基づいて、前記電気使用量モニタに信号を送信して、前記ADCの前記利得を調整する
1つ以上のプロセッサと、
を含む、システム。
【請求項16】
前記ADCの前記利得を調整することに、前記デジタル値の前記標準偏差の倍数に比例するように前記利得を調整することを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記ADCの前記利得を調整することに、前記デジタル値の平均に基づいて、前記利得を調整することを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記1つ以上のプロセッサが、前記電気使用量モニタから、前記調整された利得の肯定応答を受信する、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記デジタル値は、電気測定値に関連するADCバケットを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記1つ以上のプロセッサが、前記調整された利得を使用して、前記デジタル値をデコードする、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記1つ以上のプロセッサが、前記デジタル値の新しい標準偏差を決定し、前記新しい標準偏差に基づいて、前記ADCの前記調整された利得を更新する、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連技術の相互参照)
本出願は、2021年9月20日に出願された「RELATIVE ADAPTIVE DECODING OR SELF-TUNING CURRENT TRANSFORMER」と題する米国仮出願第63/261401号に対する優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、導体の電気的特性を測定し、それらの測定値を報告する方法および装置に関し、より具体的には、セルフチューニングして測定報告の分解能を向上させるモニタリング方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
電気使用量をモニタリングすることにより、重要な資産の管理、不必要なエネルギーまたは機器の損失の軽減、および全体効率の向上(資金の節約や貴重な資源の節約)に役立つエネルギー消費に関するより良い情報を提供することができる。電気をモニタリングすることにより、所与の電気システムの様々な部分(例えば、集合住宅の個々のユニット)によるエネルギー消費の理解および洞察を容易にすることもできる。電気使用量のモニタリングを通じて得られる強化された情報により、意思決定力が向上し得る。より良い情報は、意思決定力を改善させることもできる。
【0004】
モニタリング情報(測定情報)を無線でおよび/またはインターネット等の通信ネットワークを介して通信する電気モニタリング装置は、利用可能な情報を大幅に向上させることができる。モノのインターネット(IoT)の普及には、モニタリング情報を無線で通信する、こうした電気モニタリング装置の普及が含まれる。
【0005】
電気測定値を送信するために、電気モニタリング装置は、アナログデジタル変換器(ADC)を利用して、アナログ読み取り値をデジタル値に変換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】1つ以上の実施形態による、電気モニタリングを含む電気システムの図である。
図2】一実施形態による、分割コア変流器のハウジングの分解図である。
図3】一実施形態による、セルフチューニング型電流モニタリング装置のアナログデジタル変換器(ADC)に関連付けられた、例示的なルックアップテーブル(LUT)である。
図4】一実施形態による、セルフチューニング型電流モニタリング装置のアナログデジタル変換器(ADC)に関連付けられた、別の例示的なLUTである。
図5】一実施形態による、セルフチューニング型電流モニタリング装置のアナログデジタル変換器(ADC)に関連付けられた、更に別の例示的なLUTである。
図6】平均電流読み取り値を中心とし、セルフチューニング型電流モニタリング装置のADCに関連付けられた、例示的なLUTである。
図7】平均電流読み取り値を中心とし、セルフチューニング型電流モニタリング装置のADCに関連付けられた、別の例示的なLUTである。
図8】一実施形態による、電気使用量モニタのアナログデジタル変換器(ADC)の利得を調整するプロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
アクティブな電気モニタリングは、「収益グレード(レベニューグレード)」であるためには、エラーが2%未満である必要がある。このレベルでの報告精度には、通常、(KWまたはKWhについて)小数点以下の複数桁で表される数値による高精度のデータが必要である。本開示による装置および/または本開示の実施形態による方法を実施する装置は、広範囲の電流値にわたってナノアンペア時およびミリアンペア時でアンペア時データを測定することができる。例えば、電気モニタリング装置は、0~4000アンペアの電流を測定できる。しかしながら、このような広範囲の電流値をカバーすると、測定が粗くなる結果となり得る。
【0008】
本開示は、電気モニタリング装置を自動的にチューニングして、細かい粒度で正確な電流測定を提供し、広範囲の電流値にわたってそれを実施する装置、方法、および技術に関する。
【0009】
図1は、1つ以上の実施形態による、電気モニタリングを含む電気システム100を示す。電気システム100は、配電網10を含むまたは配電網10を伴うことができる。ステーション12(例えば、変電所)は、1つ以上の主電源11にて配電網10に相互接続されている。ステーション12は、サービスライン14、16、18を介して、産業消費者30、商業または高密度住宅の消費者32、および/または住宅消費者34等の1以上の消費者(例えば、顧客)に公共電気サービスを提供する(引込線22を介して住宅消費者34に供給するために、変圧器20を介在させて、サービスライン18上の電圧を降圧させてもよい。)
【0010】
電気モニタリング装置110a、110b、110c、110d、110e、110f、110g、110h、110k(総称して、電気モニタリング装置110a~k)は、システム10全体にわたって様々な地点に配置されて、システム10の様々な地点で電気をモニタリングすることができる。図1に僅かに拡大して示されるように、電気モニタリング装置110cは、結合部112(例えば、モニタリング対象のサービスライン16mに結合する分割コア変流器)、プロセッサ120、メモリ125、不揮発性メモリ130、通信プロセッサ135(例えば、通信ネットワークインタフェース、アナログデジタル変換器(ADC)140、無線通信ネットワーク送信機/送受信機)、および収集されたエネルギーを貯蔵し、貯蔵されたエネルギーを放出して、プロセッサ120、通信プロセッサ135、および/またはモニタリング装置110cの他のコンポーネントに給電するエネルギー貯蔵装置を含むことができる。ADC140は、可変利得を有してもよい。プロセッサ120は、ADC140の利得を調整するように構成され得る。電気モニタリング装置110a~kは、無線通信ネットワーク(例えば、WiFi、LoRaWAN、SigFox IoT)、クラウドコンピューティングネットワークまたはシステム、および/またはインターネット等の電子通信ネットワーク50と通信することができる。サーバシステム142も通信ネットワーク50と通信してもよい。
【0011】
電気モニタリング装置110a~kは、サーバシステム142が受信可能なデータ送信または通信150a、150b、150c、150d、150e、150f、150g、150h、150k、150m(総称して、通信150a~m)を通信ネットワークに提供することができる。データは、測定データを含むことができる。装置110a~kは、セルフチューニング型電流モニタリング装置を含むことができる。各セルフチューニング型電流モニタリング装置は、本明細書で説明するように、電流測定値に基づいてADCの利得を調整することができる。
【0012】
図2は、一実施形態による、分割コア変流器のハウジング200の分解図である。分割コア変流器は、電流モニタリング装置の一例である。ハウジング200は、互いに分離して示される第1のハウジング部分210および第2のハウジング部分220を含む。各ハウジング部分210、220は、分割コア変流器のコア半体250a、250bをそれぞれ収容するように構成される。ハウジング部分210、220およびそれぞれのコア半体250a、250bは、モニタリング対象のエネルギー源を包囲する、取り囲む、その周囲にクリップされる、またはクランプあるいはインタフェースされるように構成される。変流器は、モニタリング対象のエネルギー源内の変動する電流の流れから変動する磁場を伝導することができる。変流器内の変動する磁場は、ワイヤ内に起電力を伝導して電気エネルギーを生成することができる。ワイヤは、通常、コア半体250a、250bのうちの一方の周りに巻き付けられる。ワイヤ内の電流のサンプルまたは測定値から、モニタリング対象のエネルギー源内の変動する電流の流れの測定値を推測または決定することができる。ハウジング200は、電流モニタリング装置の処理回路および送信回路を収容することもできる。処理回路は、分割コア変流器からサンプル(測定値)を収集するように動作することができ、また、モニタリング対象のエネルギー源の一次電流を決定することもできる。送信回路は、モニタリング対象のエネルギー源の測定値を含むデータを送信することができる。
【0013】
理解され得るように、分割コア変流器は、電流モニタリング装置の一種である。他のタイプのモニタリング装置が利用されてもよく、および/または開示されたチューニング装置および方法の実施形態を実施してもよい。これらの他のタイプのモニタリング装置には、電圧モニタリング装置や、電気の特性をモニタリングおよび/または測定する他の装置が含まれ得る。
【0014】
図3は、セルフチューニング型電流モニタリング装置のアナログデジタル変換器(ADC)に関連付けられた、例示的なルックアップテーブル(LUT)300である。電流モニタリング装置は、図2の分割コア変流器または図1の装置110a~kのうちの1つであることができる。電流モニタリング装置は、モニタリング対象の導体の電流のアナログ読み取り値を出力することができる。ADCは、アナログ電流読み取り値をデジタル値に変換することができ、デジタル値はADCのバケットまたはスロットを表す。LUT300は、ADCのバケットと電流測定値との間の関連性を説明することができる。いくつかの実施形態では、LUT300は、ADCのメモリに格納することができ、ADC出力は、測定値350またはLUT300に基づくものであり得る。他の実施形態では、LUT300は、電流モニタリング装置のメモリに格納することができる。ADC出力は、LUT300のバケット310(またはスロット)のセットからのバケットの指定を含むことができ、(例えば、電流モニタリング装置または宛先/受信システムによって)LUT300を使用して、ADCによる指定されたバケット310出力をLUTの対応する測定値350に変換することができる。LUT300は、バケット310(またはスロット)および測定値350を含むことができる。バケット310は、測定値350に対応するデジタル値を表すことができる。各バケットは、値の範囲を表すことができる。例えば、0~1.212アンペアの間の全てのアナログ電流読み取り値を第1のバケット311によって表すことができる。一例では、電流モニタリング装置は、2.21592アンペアのアナログ電流読み取り値を出力する。ADCは、2.21592アンペアの読み取り値1を受信し、バケット310の第2のバケット312に対応するデジタル値である2を出力する。LUT300は、第2のバケット312が2.424アンペアの第2の測定値352に関連付けられていることを示し得る。従って、この例では、電流モニタリング装置からの2.21592アンペアの読み取り値は、ADCおよびLUT300によって、2.424アンペアの第2の測定値352に変換される。
【0015】
バケット310は、第1のバケット311、第2のバケット312、第3のバケット313、第4のバケット314、第5のバケット315、および第6のバケット316を含むことができる。バケット310は、最後のバケット330までの連続したバケットを含むことができる。いくつかの実施形態では、バケット310は、図示したように、3300個のバケットを含むことができる。他の実施形態では、バケット310は、任意の数のバケットを含むことができる。更に他の実施形態では、バケット310は、ADCの容量に等しい数のバケットを含むことができる。
【0016】
バケット310の各バケットは、測定値350の測定値に関連付けることができる。測定値350は、ADCの利得に基づいて、バケット310に関連付けることができる。例えば、バケット310は、利得乗数に基づいて、測定値350に関連付けることができる。一例では、利得乗数は1.212であり、連続する各バケットは、前のバケットよりも1.212アンペア高い測定値に関連付けられる。利得は、測定値350の範囲によって決定することができる。最後の測定値370は、測定値350の範囲の上限を表し得る。測定値350は、後続の測定値との間の差が、測定値350の範囲をバケット310のバケット数で割った値に等しくなるように、等間隔にすることができる。例えば、測定値350の範囲が4000アンペアであり、バケットの数が3300である場合、後続の測定値との間の間隔は、4000アンペア/3300、または1.212アンペアに相当する。測定値350の範囲は、電流モニタリング装置の予想される用途に基づいて設定することができる。例えば、電流モニタリング装置が定格容量4000アンペアの導体の電流を測定するために使用されることが予想される場合、範囲は4000アンペアであり得る。
【0017】
測定値350は、異なる測定値350がバケット310に関連付けられるように、変更可能であってもよい。例えば、ADCの利得は、異なる測定値350がバケット310に関連付けられるように調整されてもよい。
【0018】
図4は、セルフチューニング型電流モニタリング装置のアナログデジタル変換器(ADC)に関連付けられた例示的なLUT400である。電流モニタリング装置は、図2の分割コア変流器または図1の装置110a~kのうちの1つであることができる。いくつかの実施形態では、LUT400は、利得を調整した、図3のLUT300であってもよい。電流モニタリング装置は、モニタリング対象の導体の電流のアナログ読み取り値を出力することができる。ADCは、アナログ電流読み取り値をデジタル値に変換することができ、デジタル値はADCのバケットまたはスロットを表す。LUT400は、ADCのバケットと電流測定値との間の関連性を説明することができる。いくつかの実施形態では、LUT400は、ADCのメモリに格納されてもよく、ADC出力は、測定値450であるか、またはLUT400に基づくものであることができる。他の実施形態では、LUT400は、電流モニタリング装置のメモリに格納されてもよい。ADC出力はバケット410を含むことができ、電流モニタリング装置によってLUT400を使用して、バケット410を測定値450に変換することができる。LUT400はバケット410および測定値450を含むことができる。バケット410は、測定値450に対応するデジタル値を表すことができる。各バケットは、値の範囲を表すことができる。例えば、0アンペア~1.212アンペアの間の全てのアナログ電流読み取り値を第1のバケット411によって表すことができる。
【0019】
バケット410は、第1のバケット411、第2のバケット412、第3のバケット413、第4のバケット414、第5のバケット415、および第6のバケット416を含むことができる。バケット410は、最後のバケット430までの連続したバケットを含むことができる。いくつかの実施形態では、バケット410は、図示のように、3300のバケットを含むことができる。他の実施形態では、バケット410は、任意の数のバケットを含むことができる。更に他の実施形態では、バケット410は、ADCの容量に等しい数のバケットを含むことができる。
【0020】
バケット410の各バケットは、測定値450の測定値に関連付けることができる。測定値450は、ADCの利得に基づいて、バケット410に関連付けることができる。例えば、バケット410は、利得乗数に基づいて、測定値450に関連付けることができる。一例では、利得乗数は0.030であり、連続する各バケットは、前のバケットよりも0.030アンペア高い測定値に関連付けることができる。利得は、測定値450の範囲によって決定することができる。最後の測定値470は、測定値450の範囲の上限を表し得る。測定値450は、後続の測定値との間の差が測定値450の範囲をバケット410のバケットの数で割った値に等しくなるように、等間隔にすることができる。例えば、測定値450の範囲が100アンペアであり、バケットの数が3300である場合、後続の測定値との間の間隔は、100アンペア/3300、または0.030アンペアに相当する。測定値450の範囲は、電流モニタリング装置の予想される用途に基づいて設定することができる。例えば、電流モニタリング装置が100アンペアの定格容量を有する導体の電流を測定するために使用されることが予想される場合、範囲は100アンペアであることができる。
【0021】
測定値450は、異なる測定値450がバケット410に関連付けられるように、変更可能であってもよい。例えば、ADCの利得は、異なる測定値450がバケット410に関連付けられるように調整されてもよい。上述したように、LUT400は、利得を調整した、図3のLUT300であってもよい。いくつかの実施形態では、電流モニタリング装置は、ADCの利得を調整することによってセルフチューニングすることができる。いくつかの実施形態では、電流モニタリング装置は、数式1を使用して新しい測定値450を計算するためにADCの利得を調整することができ、ここで、Mnewは新しい測定値であり、Gadjustedは調整された利得であり、Mは測定値450である。
【0022】
new=Gadjusted*M
【0023】
いくつかの実施形態では、電流モニタリング装置は、電流モニタリング装置によって捕捉されたアナログ電流読み取り値の標準偏差に基づいて、ADCの利得を調整することができる。他の実施形態では、電流モニタリング装置は、読み取り値に対応するADCによって出力されるデジタル値の標準偏差に基づいて、ADCの利得を調整することができる。いくつかの実施形態では、電流モニタリング装置は、標準偏差の倍数に比例するようにADCの利得を調整することができる。例えば、電流モニタリング装置はアナログ電流読み取り値を検出することができ、ADCはアナログ電流読み取り値をデジタル値に変換し、デジタル値の標準偏差を決定することができる。いくつかの実施形態では、ADCは、図3のLUT300を使用してデジタル値を測定値に変換することができ、測定値の標準偏差を決定することができる。電流モニタリング装置は、標準偏差に基づいて、ADCの利得を調整することができ、それに応じて、図3のLUT300の利得を調整して、LUT400を取得することができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、電流モニタリング装置は、電流モニタリング装置によって捕捉された読み取り値の平均に基づいて、ADCの利得を調整することができる。いくつかの実施形態では、電流モニタリング装置は、捕捉された読み取り値の平均をLUT400の中心とするようにADCの利得を調整することができる。いくつかの実施形態では、電流モニタリング装置は、数式2のように、新しい測定値450を計算するためにADCの利得を調整することができ、ここで、Mnewは新しい測定値であり、Gadjustedは調整された利得であり、Mは測定値450であり、Cは定数である。
【0025】
new=Gadjusted*M+C
【0026】
いくつかの実施形態では、第1の測定値451はゼロアンペアを含むことができ、LUT400が平均を中心とし、第1の測定値451および第2の測定値452を除いて、測定値450が等間隔になるように、第2の測定値452を上方に調整することができる。他の実施形態では、LUT400が平均を中心とし、測定値450が等間隔になるように、第1の測定値451を上方に調整することができる。いくつかの実施形態では、電流モニタリング装置は、捕捉された測定値の平均および標準偏差に基づいて、ADCの利得を調整することができる。例えば、電流モニタリング装置は、平均からの複数の標準偏差をカバーするのに十分な範囲で、LUT400が平均を中心とするように、ADCの利得を調整することができる。例えば、電流モニタリング装置は、標準偏差の6倍に等しい範囲で、LUT400が50アンペアを中心とするように、ADCの利得を調整することができる。この範囲により、ADCは平均より3標準偏差高い電流値と、平均より3標準偏差低い電流値とを測定することができる。
【0027】
セルフチューニングにより、電流モニタリング装置を使用して、異なる定格容量を有する様々な異なる導体の電流を正確に測定することが可能になる。例えば、電流モニタリング装置は、4000アンペアの定格容量を有する導体とともに使用することが意図されているかもしれないが、電流モニタリング装置は、100アンペアの定格容量を有する導体に結合されて(例えば、モニタリングするために利用されて)いるかもしれない。ADCに4000アンペアの範囲を使用することにより、電流の読み取りが粗くなる結果となり得る。電流モニタリング装置は、100アンペアの定格容量を有する導体で使用するためにセルフチューニングするようADCの利得を調整することができる。調整された利得によって与えられるADCの調整された範囲は、100アンペアの定格容量を有する導体の電流の正確な測定を可能にすることができる。
【0028】
電流モニタリング装置は、図1のサーバシステム142のようなサーバに信号またはデジタル送信/通信を送信することができる。信号は、バケット410の表示を含むことができる。サーバは、LUT400を含むことができ、それにより、サーバはバケット410の表示をデコードして測定値450を決定することができる。例えば、信号は、0.121アンペアと0.152アンペアとの間の値の範囲を表す第5の測定値455に対応する第5のバケット415の表示を含むことができる。サーバは、LUT400を含むことができ、それにより、サーバが第5のバケット415の表示をデコードして、電流モニタリング装置が0.121アンペアと0.152アンペアとの間の電流を読み取ったことを判断できるようにする。信号(またはデジタル送信/通信)には、ADCの調整された利得が含まれてもよい。サーバは、サーバのLUT400が電流モニタリング装置のLUT400と一致するように、ADCの調整された利得をサーバのルックアップテーブル400に適用することができる。いくつかの実施形態では、電流モニタリング装置は、ADCの利得を調整する前に、調整された利得に対するサーバからの肯定応答を待つ。いくつかの実施形態では、サーバに送信される各信号(またはデジタル送信/通信)には、使用される利得の表示が含まれる。他の実施形態では、利得を調整してサーバに送信される各信号(またはデジタル送信/通信)には、使用される利得の表示が含まれる。
【0029】
いくつかの実施形態では、電流モニタリング装置は、読み取り値、デジタル値、または測定値の新しい標準偏差を定期的または継続的に決定することができる。電流モニタリング装置は、新しい標準偏差に基づいて、ADCの調整された利得を更新することができる。いくつかの実施形態では、電流モニタリング装置は、新しい標準偏差が標準偏差閾値の範囲外にある場合にのみ、調整された利得を更新することができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、サーバは、電流モニタリング装置に関連して説明したように、標準偏差および/または平均を決定し、それに応じて利得を調整するように構成することができる。サーバは、電流モニタリング装置に信号(またはデジタル送信/通信)を送信して、利得を調整することができる。いくつかの実施形態では、サーバは、電流モニタリング装置からの調整された利得の肯定応答を待ってもよい。
【0031】
図5は、セルフチューニング型電流モニタリング装置のアナログデジタル変換器(ADC)の、またはそれに関連付けられた、例示的なLUT500である。電流モニタリング装置は、図2の分割コア変流器または図1の装置110a~kのうちの1つであることができる。いくつかの実施形態では、LUT500は、利得を調整した、図3のLUT300および/または図4のLUT400であることができる。LUT500は、より広範囲の測定値550に対応するよう上方に調整された利得を有してもよい。電流モニタリング装置は、モニタリング対象の導体の電流のアナログ読み取り値を出力することができる。ADCは、アナログ電流読み取り値をデジタル値に変換することができ、デジタル値は、ADCのバケットまたはスロットを表す。LUT500は、ADCのバケットと電流測定値との間の関連性を説明することができる。いくつかの実施形態では、LUT500は、ADCのメモリに格納することができ、ADC出力は、測定値550またはLUT500に基づくものであり得る。他の実施形態では、LUT500は、電流モニタリング装置のメモリに格納することができる。ADC出力には、バケット510を含むことができ、電流モニタリング装置によってLUT500を使用して、バケット510を測定値550に変換することができる。
【0032】
図6は、平均電流読み取り値を中心とし、セルフチューニング型電流モニタリング装置のADCに関連付けられた例示的なLUT600である。電流モニタリング装置は、図2の分割コア変流器または図1の装置110a~kのうちの1つであることができる。いくつかの実施形態では、LUT600は、利得を調整した、図3のLUT600および/または図4のLUT600であることができる。電流モニタリング装置は、モニタリング対象の導体の電流のアナログ読み取り値を出力することができる。ADCは、アナログ電流読み取り値をデジタル値に変換することができ、デジタル値はADCのバケットまたはスロットを表す。LUT600は、ADCのバケットと電流測定値との間の関連性を説明することができる。LUT600は、本明細書で説明するように、平均電流測定値を中心とすることができる。LUT600は、数式2を使用して計算されるように、ADCの調整された利得に対応し得る。LUT600は、平均測定値656を中心とすることができる。平均測定値656は、特定の期間に捕捉された測定値の平均であってもよい。いくつかの実施形態では、平均測定値656は、LUT600のセンタリングの直前の日、分、時間、または他の期間に捕捉された測定値の平均である。他の実施形態では、平均測定値656は、測定値のローリング平均である。
【0033】
LUT600は、バケット610および測定値650を含むことができる。バケット610は、ADCの出力に対応することができ、測定値650は、バケット610に関連付けられたADCのアナログ電流読み取り値に対応することができる。例えば、電流モニタリング装置は、バケット610の第2のバケット612に対応する2000.010アンペアの電流を読み取ることができる。LUT600は、第2のバケット612を、2000.606アンペアの測定値650のうちの第2の測定値652に変換することができる。2000.606アンペアの第2の測定値652は、2000.000アンペアと2000.606アンペアとの間の全ての電流値を表すことができる。
【0034】
測定値650は、平均測定値656の上下に等しい数の測定値を含むことができる。測定値650は、等間隔にすることができる。LUT600の平均測定値656は、3000アンペアであり得る。いくつかの実施形態では、バケット610は、図示したように、3300のバケットを含むことができる。他の実施形態では、バケット610は、任意の数のバケットを含むことができる。更に他の実施形態では、バケット610は、ADCの容量に等しい数のバケットを含むことができる。いくつかの実施形態では、バケット610は、図示したように偶数のバケットを含むことができ、これは、測定値650が平均測定値656の周りに均等にセンタリングできないことを意味する。いくつかの実施形態では、図示するように、平均測定値656を超える追加の測定値が含まれてもよい。例えば、最大測定値670は6000アンペアとすることができ、これは平均測定値656の3000アンペアを超えており、等間隔である測定値のパターンを破っている。他の実施形態では、平均測定値656未満の追加の測定値が含まれてもよい。例えば、最小測定値は0アンペアとすることができ、これは、平均測定値656未満であり、等間隔である測定値のパターンを破っている。
【0035】
LUT600の範囲は、電流測定値の標準偏差に基づくことができる。LUT600の範囲は、標準偏差の倍数であってもよい。例えば、LUT600の範囲は、平均測定値656より2標準偏差高い測定値および平均測定値656より2標準偏差低い測定値を含む、4つの標準偏差に等しいことができる。LUT600の範囲が標準偏差の倍数に制限されるようにADCの利得を調整することにより、予想される電流測定値に対応する粒度レベルの測定値650を提供する。
【0036】
図7は、平均電流読み取り値を中心とし、セルフチューニング型電流モニタリング装置のADCに関連付けられた別の例示的なLUTである。電流モニタリング装置は、図2の分割コア変流器または図1の装置110a~kのうちの1つであることができる。いくつかの実施形態では、LUT700は、利得を調整した、図3のLUT300および/または図4のLUT400であることができる。LUT700は、本明細書で説明するように、平均電流測定値を中心とすることができる。電流モニタリング装置は、モニタリング対象の導体の電流のアナログ読み取り値を出力することができる。ADCは、アナログ電流読み取り値をデジタル値に変換することができ、デジタル値はADCのバケットまたはスロットを表す。LUT700は、ADCのバケットと電流測定値との間の関連性を説明することができる。LUT700は、数式2を使用して計算されるように、ADCの調整された利得に対応し得る。LUT700は、平均測定値756を中心とすることができる。平均測定値756は、特定の期間に捕捉された測定値の平均であり得る。いくつかの実施形態では、平均測定値756は、LUT700のセンタリングの直前の日、分、時間、または他の期間に捕捉された測定値の平均である。他の実施形態では、平均測定値756は、測定値のローリング平均である。
【0037】
LUT700は、バケット710および測定値750を含むことができる。バケット710は、ADCの出力に対応することができ、測定値750は、バケット710に関連付けられたADCのアナログ電流読み取り値に対応することができる。測定値750は、平均測定値756の上下に等しい数の測定値を含むことができる。測定値750は、等間隔にすることができる。LUT700の平均測定値756は、3000アンペアであり得る。いくつかの実施形態では、バケット710は、図示したように、3300のバケットを含むことができる。他の実施形態では、バケット710は、任意の数のバケットを含むことができる。更に他の実施形態では、バケット710は、ADCの容量に等しい数のバケットを含むことができる。いくつかの実施形態では、バケット710は、図示したように、偶数のバケットを含むことができ、これは、測定値750が平均測定値756の周りに均等にセンタリングできないことを意味する。いくつかの実施形態では、平均測定値756を超える追加の測定値が含まれてもよい。他の実施形態では、図示するように、平均測定値756未満の追加の測定値が含まれてもよい。例えば、最小測定値は0アンペアとすることができ、これは平均測定値756未満であり、等間隔である測定値のパターンを破っている。
【0038】
LUT700の範囲は、電流測定値の標準偏差に基づくことができる。LUT700の範囲は、標準偏差の倍数であってもよい。例えば、LUT700の範囲は、平均測定値756より3標準偏差高い測定値および平均測定値756より3標準偏差低い測定値を含む、6つの標準偏差に等しいことができる。平均未満の第1の測定値755は、平均測定値756から利得を引いたものに等しくすることができる。平均未満の第2の測定値754は、平均測定値756から利得の2倍を引いたものに等しくすることができる。第3の測定値753は、平均測定値756から利得の1649倍を引いたものに等しくすることができる。利得を乗算する数は、本明細書で説明するように、ADCの容量に依存し得るバケット710の数に依存する。第2の測定値752は、平均測定値756から標準偏差の3倍を引いたものに等しくすることができ、これは、平均測定値756から利得の1650倍を引いたものに等しい。利得は、LUT700が平均値より上下3標準偏差の測定値を含むように調整され、それにより、第2の測定値752は、平均測定値756から標準偏差の3倍を引いたものに等しく、これは、平均測定値756から利得の1650倍を引いたものに等しく、ここではバケットの合計は3300であり、第1の測定値751はゼロに等しい。平均測定値756を超える測定値は、逆の同じパターンに従う。平均を超える第1の測定値757は、平均測定値756に利得を加えたものに等しいことができる。平均を超える第2の測定値758は、平均測定値756に利得の2倍を加えたものに等しいことができる。最大測定値769は、平均値に標準偏差の3倍を加えたものに等しいことができ、これは、平均測定値756に利得の1650倍を加えたものに等しく、ここでは、バケットの合計は3300であり、第1の測定値751は、ゼロに等しい。
【0039】
LUT700の範囲が標準偏差の倍数に制限されるようにADCの利得を調整することにより、予想される電流測定値に対応する粒度レベルの測定値750を提供する。LUT700が平均測定値756を中心とするように利得を調整することにより、測定される可能性の低い平均測定値756未満の測定値を除去することによって、測定値750をより密接した間隔にすることができる。
【0040】
図8は、電気使用量モニタのアナログデジタル変換器(ADC)の利得を調整するためのプロセス800を示すフローチャートである。プロセス800には、追加のステップ、より少ないステップ、または異なるステップが含まれてもよい。図示されたステップは、同時に実行されても、または異なる順序で実行されてもよい。プロセス800は、図1の電気モニタリング装置110のような電気使用量モニタ、図2に関連して説明した分割コア変流器、または図3図5に関連して説明したセルフチューニング型電流モニタリング装置によって実行することができる。
【0041】
電気使用量モニタのプロセッサは、電気使用量モニタによって捕捉された測定値の標準偏差を決定する810。いくつかの実施形態では、電気使用量モニタは、導体に結合されてもよく、導体の電流を測定してもよい。
【0042】
プロセッサは、測定値の標準偏差に基づいて、電気使用量モニタのアナログデジタル変換器(ADC)の利得を調整する820。いくつかの実施形態では、利得を調整することには、標準偏差の倍数に等しくなるように利得を調整することを含むことができる。いくつかの実施形態では、利得を調整することには、ADCのルックアップテーブル(LUT)が測定値の平均を中心とするように利得を調整することを含むことができる。
【0043】
プロセッサは、ADCによって生成されたデジタル値を含む信号をサーバに送信し830、ここで、デジタル値は測定値のデジタル変換を含む。いくつかの実施形態では、デジタル値は、電気値の測定値または測定範囲に関連付けられたADCのバケットである。いくつかの実施形態では、信号は、ADCの調整された利得を含む。いくつかの実施形態では、電気使用量モニタは、利得を調整する前に、サーバからの調整された利得の肯定応答を待つ。いくつかの実施形態では、サーバがADCのバケットをデコードして、測定値を取得できるように、サーバは、ADCのLUTと一致するLUTを含む。
【0044】
例示的実施形態
【0045】
本開示の実施形態のいくつかの例を以下に提供する。
【0046】
例1.電気使用量モニタであって、電気回路に電気使用量モニタを取り付けて、電気回路の電気使用量をモニタリングする結合部品と、電気使用量モニタによって捕捉された読み取り値をデジタル値に変換するように構成されたアナログデジタル変換器(ADC)と、ネットワーク通信インタフェースと、ADCに動作可能に結合されたプロセッサと、プロセッサに動作可能に結合され、プロセッサによって実行されると、プロセッサに測定値の標準偏差を決定させ、標準偏差に基づいて、ADCの利得を調整させ、通信インタフェースによって、デジタル値を含む信号またはデジタル通信を(例えば、サーバに)送信させる命令を含む非一時的なコンピュータ可読媒体と、を含む、電気使用量モニタ。
【0047】
例2.ADCの利得を調整することに、利得を標準偏差の倍数に比例するように調整することを含む、例1に記載の電気使用量モニタ。
【0048】
例3.ADCの利得を調整することに、測定値の平均に基づいて利得を調整することを含む、例1に記載の電気使用量モニタ。
【0049】
例4.(例えば、サーバへの)信号は、ADCの調整された利得を含む、例3に記載の電気使用量モニタ。
【0050】
例5.命令により、更に、利得を調整する前に、プロセッサに、(例えば、サーバから)調整された利得の肯定応答を受信させる、例4に記載の電気使用量モニタ。
【0051】
例6.信号は、デジタル値に関連付けられたADCバケットを含む、例5に記載の電気使用量モニタ。
【0052】
例7.命令により、更に、プロセッサに、測定値の新しい標準偏差を決定させ、新しい標準偏差に基づいて、ADCの調整された利得を更新させる、例1に記載の電気使用量モニタ。
【0053】
例8.1つ以上のプロセッサに動作可能に結合されており、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに、電気使用量モニタによって捕捉された読み取り値の標準偏差を決定させ、読み取り値の標準偏差に基づいて、アナログデジタル変換器(ADC)の利得を調整させ、ADCによって生成されたデジタル値を含む信号またはデジタル送信を(例えば、サーバに)送信させる命令を含む、非一時的なコンピュータ可読媒体であって、デジタル値に読み取り値のデジタル変換を含む、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0054】
例9.ADCの利得を調整することに、読み取り値の標準偏差の倍数に比例するように利得を調整することを含む、例8に記載の媒体。
【0055】
例10.ADCの利得を調整することに、読み取り値の平均に基づいて利得を調整することを含む、例8に記載の媒体。
【0056】
例11.(例えば、サーバへの)信号またはデジタル送信は、ADCの調整された利得を含む、例10に記載の媒体。
【0057】
例12.命令により、更に、利得を調整する前に、プロセッサに、(例えば、サーバから)調整された利得の肯定応答を受信させる、例11に記載の媒体。
【0058】
例13.信号は、デジタル値に関連付けられたADCバケットを含む、例12に記載の媒体。
【0059】
例14.命令により、更に、プロセッサに、測定値の新しい標準偏差を決定させ、新しい標準偏差に基づいて、ADCの調整された利得を更新させる、例8に記載の媒体。
【0060】
例15.1つ以上のプロセッサを含むサーバを含み、サーバによって、電気使用量モニタから、電気使用量モニタによって捕捉された読み取り値のデジタル変換を含むデジタル値を含む信号を受信するシステムであって、読み取り値は、電気使用量モニタのアナログデジタル変換器(ADC)によってデジタル値に変換され、サーバによって、電気使用量モニタからADCの利得を受信し、読み取り値の標準偏差に基づいて、電気使用量モニタに信号を送信して、ADCの利得を調整する、システム。
【0061】
例16.ADCの利得を調整することに、読み取り値の標準偏差の倍数に比例するように利得を調整することを含む、例15に記載のシステム。
【0062】
例17.ADCの利得を調整することに、読み取り値の平均に基づいて利得を調整することを含む、例15に記載のシステム。
【0063】
例18.1つ以上のプロセッサが、電気使用量モニタから、調整された利得の肯定応答を受信する、例17に記載のシステム。
【0064】
例19.デジタル値は、電気読み取り値に関連付けられたADCバケットを含む、例15に記載のシステム。
【0065】
例20.1つ以上のプロセッサが、調整された利得を使用して、デジタル値をデコードする、例19に記載のシステム。
【0066】
例21.1つ以上のプロセッサが、読み取り値の新しい標準偏差を決定し、新しい標準偏差に基づいて、ADCの調整された利得を更新する、例15に記載のシステム。
【0067】
例22.電気使用量をモニタリングする方法であって、電気使用量モニタによって捕捉された複数の読み取り値を取得または受信することと、電気使用量モニタのアナログデジタル変換器(ADC)によって、複数の読み取り値をデジタル値に変換することと、デジタル値に基づいて、電気使用量モニタによって捕捉された複数の読み取り値の標準偏差を決定することと、標準偏差に基づいて、ADCの利得を調整することと、デジタル値を含むデジタル通信を送信することと、を含む、方法。
【0068】
例23.ADCの利得を調整することに、デジタル値の標準偏差の倍数に比例するように利得を調整することを含む、例22に記載の方法。
【0069】
例24.ADCの利得を調整することに、デジタル値の平均に基づいて利得を調整することを含む、例22に記載の方法。
【0070】
例25.デジタル通信にADCの調整された利得を含む、例24に記載の方法。
【0071】
例26.利得を調整する前に、調整された利得の肯定応答を受信することを更に含む、請求項25に記載の方法。
【0072】
例27.デジタル通信は、デジタル値に関連付けられたADCバケットを更に含む、請求項26に記載の方法。
【0073】
例28.複数の読み取り値の新しい標準偏差を決定することと、新しい標準偏差に基づいて、ADCの調整された利得を更新することと、を更に含む、請求項22に記載の方法。
【0074】
本発明の基礎となる原理から逸脱することなく、上述した実施形態の詳細に多くの変更を加え得ることは、当業者には明らかであろう。従って、本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】