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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】相対的適応符号化
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20240925BHJP
   G01R 11/00 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
H02J13/00 301A
G01R11/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517441
(86)(22)【出願日】2022-09-19
(85)【翻訳文提出日】2024-05-14
(86)【国際出願番号】 US2022044033
(87)【国際公開番号】W WO2023044133
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】63/261,401
(32)【優先日】2021-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519461738
【氏名又は名称】ヴティリティー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】VUTILITY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100213333
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿山 昌代
(72)【発明者】
【氏名】マイケル エム オースティン
(72)【発明者】
【氏名】コーディ シュック ブラウン
【テーマコード(参考)】
5G064
【Fターム(参考)】
5G064AA01
5G064AA04
5G064AB05
5G064AC09
5G064CB08
(57)【要約】
電気使用量モニタは、電気使用量モニタを結合して電気回路をモニタリングする結合部品と、電気回路の電気使用量を測定するメータと、メータから電気使用量測定値を受信して、電気使用量測定値に基づいて測定値送信を生成するエンコーダと、エンコーダから測定値送信を受信し、通信ネットワーク上の宛先に通信するために測定値送信を通信ネットワークに送信するように構成された通信インタフェースと、を含むことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気使用量モニタであって、
前記電気使用量モニタをモニタリングする電気回路に取り付ける結合部品と、
前記電気回路の電気使用量をモニタリングする測定装置と、
前記測定装置から電気使用量測定値を受信して、前記電気使用量測定値に基づいて測定値送信を生成するエンコーダであって、前記測定値送信は前記電気使用量測定値を含む測定値の範囲を表すビット配列を含み、前記測定値の範囲は複数の測定値の範囲のうちの1つであり、前記複数の測定値の範囲はプライムバンドおよび複数のエクスカーションバンドを含み、前記プライムバンドは第1の精度を有する前記複数の測定値の範囲の第1のサブセットを含み、かつ予測される電気使用量測定値を含み、前記複数のエクスカーションバンドの各エクスカーションバンドは、前記第1の精度よりも低い精度を有する前記複数の測定値の範囲のサブセットを含む、エンコーダと、
前記エンコーダから前記測定値送信を受信し、通信ネットワーク上の宛先に通信するために、前記測定値送信を前記通信ネットワークに送信するように構成された通信インタフェースと、
を備える、電気使用量モニタ。
【請求項2】
各エクスカーションバンドは前記プライムバンドよりも広く、各エクスカーションバンドが前記プライムバンドよりも広範囲の測定値の範囲を表す、請求項1に記載の電気使用量モニタ。
【請求項3】
前記宛先は、前記通信ネットワークを介して前記通信インタフェースから受信した前記ビット配列から、前記エンコーダによって割り当てられた測定値アナログの前記測定値の範囲を識別するように構成された復号化コンポーネントを含む、請求項1に記載の電気使用量モニタ。
【請求項4】
前記電気使用量は、電圧、アンペア数、抵抗、および力率のうちの少なくとも1つで測定される、請求項1に記載の電気使用量モニタ。
【請求項5】
電気使用量の前記予測される電気使用量測定値は、前記電気回路の材料特性に基づく計算である、請求項1に記載の電気使用量モニタ。
【請求項6】
電気使用量の前記予測される電気使用量測定値は、前記電気回路における電気使用量の測定値の繰り返しに基づく計算である、請求項1に記載の電気使用量モニタ。
【請求項7】
前記測定値送信は、前記通信ネットワークの通信プロトコルの制限内のビット数を含む、請求項1に記載の電気使用量モニタ。
【請求項8】
電気使用量モニタであって、
通信ネットワークインタフェースと、
1つ以上のプロセッサであって、
測定値の範囲内の電気使用量測定値を決定し、前記測定値の範囲は符号化テーブル内の複数の測定値の範囲のうちの1つであり、前記複数の測定値の範囲はプライムバンドおよび複数のエクスカーションバンドを含み、前記プライムバンドは、第1の精度を有する前記複数の測定値の範囲の第1のサブセットを含み、かつ予測される電気使用量測定値を含み、前記複数のエクスカーションバンドの各エクスカーションバンドは、前記第1の精度より低い精度を有する前記複数の測定値の範囲のサブセットを含み、
前記電気使用量測定値を前記予測される電気使用量測定値と比較し、
前記電気使用量測定値が前記予測される電気使用量測定値と異なることに基づいて、前記電気使用量測定値に等しい新しい予測される電気使用量測定値を設定し、
前記通信インタフェースによって、前記新しい予測される電気使用量測定値をサーバに送信し、
前記新しい予測される電気使用量測定値で前記符号化テーブルを更新する、
1つ以上のプロセッサと、
を含む、電気使用量モニタ。
【請求項9】
前記1つ以上のプロセッサは、前記予測される電気使用量測定値から標準偏差の数を計算することによって、前記電気使用量測定値を前記予測される電気使用量測定値と比較する、請求項8に記載の電気使用量モニタ。
【請求項10】
前記1つ以上のプロセッサは、前記プライムバンドが前記新しい予測される電気使用量測定値を中心とするように、前記新しい予測される電気使用量測定値で符号化テーブルを更新するように更に構成されている、請求項8に記載の電気使用量モニタ。
【請求項11】
前記複数の範囲が更新されるとき、前記プライムバンドと前記エクスカーションバンドとの間の相対関係が保持されるように、前記符号化テーブルが更新される、請求項10に記載の電気使用量モニタ。
【請求項12】
前記符号化テーブル内の前記複数の範囲は通常の分布を表しており、前記通常の分布の中心は前記予測される電気使用量測定値であり、前記複数の測定値の範囲を更新することは、前記中心が前記新しい予測される電気使用量測定値になるように前記通常の分布をシフトすることを含む、請求項11に記載の電気使用量モニタ。
【請求項13】
前記1つ以上のプロセッサが、
後続の電気使用量測定値を決定し、
前記後続の電気使用量測定値を前記新しい予測される電気使用量測定値と比較し、
前記後続の電気使用量測定値が前記新しい予測される電気使用量測定値と異なることに基づいて、前記新しい予測される電気使用量測定値を更新し、
前記更新された新しい予測される電気使用量測定値で前記符号化テーブルを更新する
ように更に構成されている、請求項8に記載の電気使用量モニタ。
【請求項14】
前記後続の電気使用量測定値が前記更新された新しい予測される電気使用量測定値の所定の閾値内になるまで、前記1つ以上のプロセッサが更に後続の電気使用量測定値を取得し、前記更新された新しい予測される電気使用量測定値で前記符号化テーブルを更新するように更に構成されている、請求項13に記載の電気使用量モニタ。
【請求項15】
プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
サーバにて、電気使用量モニタからの測定値送信を受信させ、
前記サーバによって、前記測定値送信を復号化させて、複数の位置を含むルックアップテーブル内の位置を決定させることであって、各位置は電気使用量の測定値の範囲に関連付けられており、
前記サーバによって、前記ルックアップテーブル内の位置に基づいて、前記電気使用量モニタによって測定された電気使用量測定値に対応する電気使用量の測定値の範囲を決定させ、
前記サーバにて、前記電気使用量モニタからの新しい予測される電気使用量測定値を受信させ、
前記サーバによって、前記ルックアップテーブルの位置に関連付けられた前記測定値の範囲が前記新しい予測される電気使用量測定値を中心とするように、前記ルックアップテーブルを更新させる
命令を含む、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記ルックアップテーブル内の前記電気使用量の測定値の範囲は、プライムバンドおよび複数のエクスカーションバンドを含み、前記プライムバンドは、第1の精度を有する前記複数の測定値の範囲の第1のサブセットを含み、かつ予測される電気使用量測定値を含み、前記複数のエクスカーションバンドの各エクスカーションバンドは、前記第1の精度よりも低い精度を有する前記複数の測定値の範囲のサブセットを含む、請求項15に記載の媒体。
【請求項17】
前記プライムバンドが前記新しい予測される電気使用量測定値を中心とするように、前記プロセッサに前記ルックアップテーブルを前記新しい予測される電気使用量測定値で更新させる命令を更に含む、請求項16に記載の媒体。
【請求項18】
前記プライムバンドと前記エクスカーションバンドとの間の相対関係が保持されるように、前記プロセッサに前記ルックアップテーブルを更新させる命令を更に含む、請求項17に記載の媒体。
【請求項19】
前記ルックアップテーブル内の前記電気使用量の測定値の範囲は通常の分布を表し、前記通常の分布の中心は前記予測される電気使用量測定値であり、前記複数の測定値の範囲を更新することは、前記中心が前記新しい予測される電気使用量測定値となるように前記通常の分布をシフトすることを含む、請求項18に記載の媒体。
【請求項20】
前記プロセッサに、
前記サーバにて、後続の電気使用量測定値を受信させ、
前記サーバによって、前記後続の電気使用量測定値を前記新しい予測される電気使用量測定値と比較させ、
前記後続の電気使用量測定値が前記新しい予測される電気使用量測定値の所定の閾値内にあることに基づいて、前記新しい予測される電気使用量測定値を保持するよう、前記電気使用量モニタにメッセージを送信させる
命令を更に含む、請求項17に記載の媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連技術の相互参照)
本出願は、2021年9月20日に出願された「RELATIVE ADAPTIVE DECODING OR SELF-TUNING CURRENT TRANSFORMER」と題する米国仮出願第63/261401号に対する優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、導体の電気的測定値変数を感知し、それらの変数を測定および報告する方法および装置に関し、より具体的には、セルフチューニングして測定報告の分解能を向上させるモニタリング方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
電気使用量をモニタリングすることにより、重要な資産の管理、不必要なエネルギーまたは機器の損失の軽減、および全体効率の向上(資金の節約や貴重な資源の節約)に役立つエネルギー消費に関するより良い情報を提供することができる。電気をモニタリングすることにより、所与の電気システムの様々な部分(例えば、集合住宅の個々のユニット)によるエネルギー消費の理解および洞察を容易にすることもできる。電気使用量のモニタリングを通じて得られる強化された情報により、意思決定力が向上し得る。より良い情報は、意思決定力を改善させることもできる。
【0004】
センサ読み取り値(例えば、モニタリング情報、測定情報)を無線でおよび/またはインターネット等の通信ネットワークを介して通信する電気モニタリング装置は、利用可能な情報を大幅に向上させることができる。モノのインターネット(IoT)の普及により、モニタリング情報を無線で通信する、こうした電気モニタリング装置の可能性が開かれた。
【0005】
電気測定値を送信するために、電気モニタリング装置は、アナログデジタル変換器(ADC)を利用して、アナログ読み取り値をデジタル値に変換することができる。ADCは、様々な回路技術のうちの1つ以上を利用して変換機能を実施することができる。技術の1つに、ルックアップテーブル(LUT)が挙げられる。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、精度が保持されるようにモニタリングデータ(例えば、測定値データ)を表すおよび/または送信するための装置、方法、および技術に関する。具体的には、本開示は、モニタリングデータを無線送信する等、モニタリングデータを送信するための相対的適応復号化スキームに関する。
【0007】
追加の態様および利点は、添付の図面を参照して進める、以下の好ましい実施形態の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】1つ以上の実施形態による、電気モニタリングを含む電気システムを示す図である。
図2図2Aは、1つ以上の実施形態による、通常の分布パターンを示す図である。図2Bは、1つ以上の実施形態による、左すそが長い分布パターンを示す図である。図2Cは、1つ以上の実施形態による、右すそが長い分布パターンを示す図である。
図3】既存の電気モニタリングシステムに典型的なバイトマップの図である。
図4】1つ以上の実施形態による、相対的適応復号化(および符号化)を実装する電気モニタリングシステムのバイトマップの図である。
図5】1つ以上の実施形態による、電気モニタリングおよびデータ送信が行われ得る環境の概略図である。
図6】1つ以上の実施形態による、電気使用量モニタの概略図である。
図7】1つ以上の実施形態による、サーバの概略図である。
図8】1つ以上の実施形態による、適応符号化の動作を示すフローチャートである。
図9】1つ以上の実施形態による、適応復号化の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
アクティブ電気モニタリングでは、「収益グレード(レベニューグレード)」である(例えば、ANSI標準等の標準に準拠しているか、または電気使用量に対する課金を可能にするのに十分な精度である)ためには、エラーが2%未満である必要がある。このレベルでの報告精度には、通常、(KWまたはKWhについて)小数点以下の複数桁で表される数値による高精度データが必要である。本開示による装置および/または本開示の実施形態による方法を実施する装置は、アンペア時データをナノアンペア時およびミリアンペア時で測定することで、非常に高い精度(例えば、ミリアンペア時に使用されるビット数がそれぞれ64ビットおよび42ビット)を達成することができる。
【0010】
しかしながら、この高精度データを無線プロトコルで送信することは、大きな挑戦となり得る。高精度データ送信は、多くのプロトコルのIoT帯域幅制限と直接競合する(例えば、LoRaWANはパケット全体を11バイト未満に制限する可能性があり、SigFox IoTは12バイトに制限され、かつ1日あたり100回の送信しか許可しない)。この重要なデータをIoTプロトコルの小さな帯域幅で転送しながら、電気モニタリングの「収益グレード」精度要件を達成するには、新しいアプローチおよび技術が必要である。
【0011】
本発明は、精度を保持しながら、モニタリングデータ(例えば、測定値データ)を小さなパケットで表現および/または送信する装置、方法、および技術に関する。開示された実施形態は、重要な精度を失うことなく、データを表現および/または送信する。具体的には、本発明は、相対的適応復号化(および符号化)スキームに関する。
【0012】
本発明の実施形態による相対的適応復号化(RAD)スキームは、ベースライン(例えば、通常の分布上のグローバル最大値、ヒストグラム上のピークの最頻出回答)または標準値(例えば、50または60Hz周波数標準、または米国の電圧標準等)からの偏差を正確に表すことができる。値の精度は重要であり、測定される値の確率は、通常の分布等の確率分布に基づいて決定することができる。ベースラインに最も近い値(例えば、確率分布におけるグローバル最大値)は、この中心点の近くで最も高い解像度を適用することができる。偏差の値が中心点またはベースラインに非常に近い場合、精度が非常に高くなり、それ故、これらの高確率回答に対してより多くの帯域幅(従って、より高い解像度)が確保される。しかしながら、ベースラインから離れるほど、同じ高解像度精度を持つ可能性はより「頻繁」ではなくなり、かつ統計的により重要ではなくなる(または、統計的に不正確性はめったに発生しないため、時間の経過とともに報告精度を満たさなくなるリスクがより低くなる)。測定値またはモニタリング値がベースラインに近い場合、RADは非常に高精度の値を提供する。値がベースラインから遠い場合、精度はより重要ではなくなり、より広い範囲に対応できるように(かつ帯域幅の消費がより少なくなるように)精度を調整することができる。
【0013】
図1は、1つ以上の実施形態による、電気モニタリングを含む電気システム100を示す。電気システム100は、配電網10を含むまたは配電網10を伴うことができる。ステーション12(例えば、変電所)は、1つ以上の主電源11にて配電網11に相互接続されている。ステーション12は、サービスライン14、16、18を介して、産業消費者30、商業または高密度住宅の消費者32、および/または住宅消費者34等の1以上の消費者(例えば、顧客)に公共電気サービスを提供する(引込線22を介して住宅消費者34に供給するために、変圧器20を介在させて、サービスライン18上の電圧を降圧させてもよい。)
【0014】
電気モニタリング装置110a、110b、110c、110d、110e、110f、110g、110h、110k(総称して、電気モニタリング装置110a~k)は、システム10全体にわたって様々な地点に配置されて、システム10の様々な地点で電気をモニタリングすることができる。図1に僅かに拡大して示されるように、電気モニタリング装置110cは、結合部(例えば、モニタリング対象のサービスライン16mに結合する分割コア変流器)、プロセッサ120、メモリ125、不揮発性メモリ130、通信プロセッサ135(例えば、通信ネットワークインタフェース、無線通信ネットワーク送信機/送受信機)、および収集されたエネルギーを貯蔵し、貯蔵されたエネルギーを放出して、プロセッサ120、通信プロセッサ135、および/またはモニタリング装置110cの他のコンポーネントに給電するエネルギー貯蔵装置を含むことができる。電気モニタリング装置110a~kは、無線通信ネットワーク(例えば、WiFi、LoRaWAN、SigFox IoT)、クラウドコンピューティングネットワークまたはシステム、および/またはインターネット等の電子通信ネットワーク50と通信することができる。サーバシステム142も通信ネットワーク50と通信してもよい。
【0015】
電気モニタリング装置110a~kは、サーバシステム142により受信可能な通信ネットワークへのデータ送信または通信150a、150b、150c、150d、150e、150f、150g、150h、150k、150m(総称して、通信150a~m)を提供することができる。データには測定値データが含まれ得る。通信150a~mには、測定値データの精度を維持しながらパケットサイズをより小さくできるRADスキームの実施形態が含まれ得る。上で触れたように、RADスキームの実施形態を使用して、ベースライン値または標準値(例えば、50Hzまたは60Hzの周波数標準、または米国の電圧標準等)からの偏差+および-パーセンテージの形式でデータを提供することができる。偏差が元のベースライン値に非常に近い場合、値の精度は重要になる。しかしながら、ベースラインから離れるほど、値の精度はそれほど重要ではなくなる(または、統計的に不正確性はめったに発生しないため、時間の経過とともに報告精度を満たさなくなるリスクがより低くなる)。測定値またはモニタリング値がベースラインに近い場合、RADは非常に高精度の値を提供する。値がベースラインから遠い場合、精度はそれほど重要ではなくなり、より広い範囲に対応できるように(かつ帯域幅の消費がより少なくなるように)精度を調整することができる。
【0016】
(履歴の観点から)ヒストグラムの動きを使用して、統計的に有意な値のサンプリングにわたる各値の頻度カウントのベル曲線のように見える値を統計的に予測することができる。ヒストグラムを使用して、間隔スケールで測定された特定のデータポイントの頻度を要約することができる。ヒストグラムは、指定された値の範囲内(「ビン」または「スロット」と呼ばれる)に含まれるデータポイントの量または頻度を表示することで、数値データの視覚的な解釈を提供することができる。縦棒グラフとは異なり、ヒストグラムは棒の間に隙間がないことを除いて、ヒストグラムは縦棒グラフに似ている。値の頻度の分布は、図2A図2C3に示す例のように、様々な「パターン」で発生し得る。
【0017】
図2Aは、通常の分布(正規分布)パターン200aを示す。通常の分布は対称的に見え、平均の一方の側のポイントは、平均のもう一方の側と同程度に発生する可能性がある。このタイプの分布により、標準的なユーティリティ住宅用120V ACライン電圧で、ベースライン120V AC値の高い側(右側)と低い側(左側)との両方で「同程度の頻度の」電圧変動が発生する。従って、ルックアップテーブルの中心は、ヒストグラム(または確率分布)の中心点になり、最高の解像度は、規制の最高の「ターゲット電圧」値に最も近い場所で生じる。
【0018】
図2Bは、左すそが長い分布パターン200bを示している。左すそが長い分布は、負の歪度を持つ分布とも呼ばれる。即ち、スケールの頂部で最も多くのデータ値が発生し、スケールの左側(下方)に行くほど値が少なくなる。左すそが長い分布は、通常、データの上端境界がヒストグラムの右側にある場合に発生する。例えば、力率の場合のように、100%等の境界が挙げられる。回路の効率が100%を超えることは不可能であるため、最高値は100%であり、「1」で表される。しかしながら、これが最高値ではあるものの、効率的に配線および設計された回路で最も頻繁に発生する値ではない可能性があり、何故なら、「完璧」に到達するのは困難であり、例えば、0.98~0.99が、電気回路が「統計的に」達成し得る完璧に最も近い値であり得る。次に頻度の高い範囲は、0.97~0.979であり、その次に0.96~0.969であり得る。全ての値は、最高の効率から徐々に減少するが、効率値が「最高値」から離れるほど、それらが生じる頻度は低くなる。従って、本開示の実施形態は、精度を損なうことなく(かつ帯域幅を維持しながら)ルックアップテーブルに表される「ビン」または「スロット範囲」を広げることができる。
【0019】
図2Cは、右すそが長い分布パターン200cを示している。右すそが長い分布は、左すそが長い分布の反対で、スケールの底部で最も多くのデータ値が発生し、スケールの右側(上方)に行くほど値が少なくなる。右すそが長い分布は、通常、データの下端境界がヒストグラムの左側にある場合に発生する。
【0020】
ほとんどの人が、少なくとも1種類のベル曲線ヒストグラム、例えば、A、B、C、D、Fの「成績評価スケール」についてよく知っている。教師が「スケールで成績評価している」と報告した場合、私たちは、教師が私たちのほとんどが「並」であるという仮定のルールを適用していることを(生徒の最も頻繁な成績の集団がスケールの中央に収まることを)学んでいる。教師は、ほとんどの生徒がC+を取得する統計曲線によって反映された、様々な生徒に対して不十分な指導を強制している可能性がある。しかしながら、この曲線は、クラスが非常に優秀な人々で「詰め込まれている」「優等生クラス」に在籍している場合には崩れ、即ち、実際の曲線は、(大多数がおそらく「A+」を取得すべきである)左側に歪んでいる。
【0021】
ヒストグラムパターンは、ライン電圧変動と力率変動との両方の発生方法と整合させることができるため、本開示の実施形態は、報告精度(それが重要である場合)を維持し、より少ないビット(またはより低い帯域幅)を使用して、「統計的に可能性のある」VARIANCE%値の最高パーセンテージを表すように独自のプロセスを採用することができる。更に、開示された実施形態は、発生する可能性が低い「電圧」値に対して「帯域幅を無駄に」(または解像度を無駄に)するのではなく、代わりに、それらをデータポイントとしての基本参照値から離れたより広い%変動範囲に変換することができる。%変動頻度をサンプリング全体にわたって使用することができ、最も存在する可能性の高いデータポイントと高解像度の「ビン」を一致させることができる。換言すると、本開示の実施形態は、存在する可能性が低い値に対して貴重なルックアップテーブルスロットを無駄にせず、変動範囲は、最も低い頻度の回答(例えば、値)で広がる。これは、シリアル通信および/または無線通信を介して値を送信する場合に特に重要である。値がベースラインから大きく歪んでいる場合、精度はそれほど重要ではないが、値が歪んだ原因は依然として顧客が解決する必要がある。
【0022】
(基準値または目標値から外れた極端な値の場合、データから得られる洞察は常に同じである可能性が高いことに留意されたい。即ち、「緊急に修正する必要がある。」顧客は、80V ACレポートを30V ACレポートと区別して扱うことはなく、即ち、何かが壊れており、修正が必要である。)
【0023】
本開示は、高い精度を維持しつつ、元の値のサイズ(ビット数/バイト数)を縮小する技術を含む装置および方法の実施形態を対象としている。例えば、パーセンテージ(1%~100%)は、通常、float型(4バイト)またはdouble型(8バイト)に格納される。これにより、値に多くの粒度が与えられる(通常、それぞれ、1.2E-38~3.4E+38および2.3E-308~1.7E+308)。
【0024】
パーセンテージ数値は、0~255までのルックアップテーブル内の位置を識別する単一バイト(符号なしchar)に「ビン化」または格納することもでき、各ビン位置は特定のパーセンテージ値RANGEを表す。
【0025】
図3は、既存の電気モニタリングシステムに典型的なバイトマップ300である。バイトマップ300は、バイトマップ300内の位置を表す数値305を含むことができる。いくつかの実施形態では、バイトマップ300は数値305を省略する。バイトマップ300は、ビット値310および測定値アナログバケット320を含むことができる。ビット値310は、パケットで送信される実際のビットであり得る。ビット値310の各個別バイトは、測定値アナログバケット320のうちの測定値アナログバケットに関連付けられ得る。測定値アナログバケット320は、バイトマップ300で定義された任意の値であることができる。ビット値310は、任意に定義された値を有する測定値アナログバケット320に関連付けられ得る。
【0026】
測定値アナログバケット320は、ターゲット322を含むことができる。ターゲット322は、ターゲットが数値305の値128に関連付けられるように、バイトマップ300の中央に配置することができる。ターゲット322は、予測される測定値であることができる。例えば、バイトマップ300は、予測される電圧が120ボルトの住宅用途で電圧を測定するために使用することができ、バイトマップ300は120ボルトのターゲット322を有することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に示すように、測定値アナログバケット320は、ターゲット322が0であり、測定値アナログバケット320がターゲット322からの偏差であるように、ターゲット322に対する相対として表される。他の実施形態では、測定値アナログバケット320は、120ボルト、121ボルト等の実際の測定値である。測定値アナログバケット320は、ターゲットより下の第1の偏差セル323、ターゲットより上の第1の偏差セル324、ターゲットより下の最後の偏差セル343、ターゲットより上の最後の偏差セル344、およびヌル値321を含むことができる。ヌル値321は、バイトマップ300のヘッダーであることができる。ターゲットより下の第1の偏差セル323は、ターゲット322より下の値を表すことができる。ターゲットより下の第1の偏差セル323は、ターゲット322より1つの偏差、または増分下であることができ、この場合、全ての測定値アナログバケット320は、偏差に応じて間隔をあけた値を有する。例えば、ターゲットより下の第1の偏差セル323は、ターゲット322より1kV低く、測定値アナログバケット320は全て1kV間隔をあけることができる。偏差は、所定の任意の数値であることができる。ターゲットより下の最後の偏差セル343は、バイトマップ300に含まれる最低値であり得る。ターゲットより下の最後の偏差セル343は、測定値アナログバケット320および偏差の数によって定義され得る。例えば、ターゲット322が255の数値を有するバイトマップ300の値128に関連付けられ、偏差が1kVである場合、ターゲットより下の最後の偏差セル343は、ターゲット322より127kV低い値を表し得る。同様に、ターゲットより上の最後の偏差セル344は、バイトマップ300に含まれる最高値であり得る。ターゲットより上の最後の偏差セル344は、測定値アナログバケット320および偏差の数によって定義することができる。例えば、ターゲット322が255の数値を有するバイトマップ300の値128に関連付けられ、偏差が1kVである場合、ターゲットより上の最後の偏差セル344は、ターゲット322より127kV上の値を表し得る。いくつかの実施形態では、測定値アナログバケット320は値の範囲を表し得る。測定値アナログバケット320の各バケットは、後続の測定値との間の値が含まれ得る。例えば、ターゲットより下の第1の偏差セル323は、全ての値をターゲット322より1kV低く、またはターゲット322より1kV下からターゲット322までの全ての値を表すことができる。
【0027】
明らかに、このアプローチは精度がはるかに低く、特定の小数値を用いることなく範囲を表しているため、これらのデータ値をfloatまたはdoubleと同じ解像度で表すことはできない。
【0028】
本発明による適応符号化および復号化は、予測される目標値に基づいてバイトマップのバケットのサイズを適応させることにより、粗い測定値の問題を解決することができる。
【0029】
図4は、1つ以上の実施形態による、相対的適応復号化(および符号化)を実装する電気モニタリングシステムのバイトマップ400である。バイトマップ400は、本明細書で説明される適応型スケールを採用したルックアップテーブルに類似しているか、またはその一例である。バイトマップ400は、バイトマップ400内の位置を表す数値405を含むことができる。いくつかの実施形態では、バイトマップ400は数値405を省略する。バイトマップ400は、ビット値410および測定値アナログバケット420を含むことができる。ビット値410は、パケットで送信される実際のビットであり得る。ビット値410の各個別バイトは、測定値アナログバケット420のうちの測定値アナログバケットに関連付けられ得る。測定値アナログバケット420は、バイトマップ400で定義される任意の値であり得る。ビット値410は、任意に定義された値を有する測定値アナログバケット420に関連付けられ得る。
【0030】
測定値アナログバケット420は、ターゲット422を含むことができる。ターゲット422は、ターゲットが数値405の値128に関連付けられるように、バイトマップ400の中央に配置され得る。ターゲット422は、予測される測定値であることができる。例えば、バイトマップ400は、予測される電圧が120ボルトの住宅用途で電圧を測定するために使用することができ、バイトマップ400は、120ボルトのターゲット422を有することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に示すように、測定値アナログバケット420は、ターゲット422に関連付けられるバケットが0またはターゲット422の.01V以内の全ての値であり、測定値アナログバケット420がターゲット422からの偏差であるように、ターゲット422に対する相対として表される。他の実施形態では、測定値アナログバケット420は、120ボルト、121ボルト等の実際の測定値である。測定値アナログバケット420は、ターゲットより下の第1の偏差セル423、ターゲットより上の第1の偏差セル424、ターゲットより下の最後の偏差セル443、ターゲットより上の最後の偏差セル444、およびヌル値421を含むことができる。ヌル値421は、バイトマップ400のヘッダーであることができる。
【0031】
ターゲットより下の第1の偏差セル423は、ターゲット422より下の値を表すことができる。ターゲットより下の第1の偏差セル423は、ターゲット422より1つの偏差下であり得る。第1の偏差は、第1の精度レベルを表す所定の数値であることができる。例えば、第1の偏差は、第1の偏差を使用する測定値アナログバケット420の連続するバケットが.02V離れた値を表すように、.02Vであることができる。いくつかの実施形態では、連続する各バケットは異なる偏差を使用する。例えば、ターゲット422からの連続する各バケットは、ターゲット422に近いほどより正確な測定値が表され、ターゲット422から遠いほどより正確でない測定値が表されるように、より大きな偏差を使用することができる。いくつかの実施形態では、ターゲットより上の第1の偏差セル424は、ターゲット422より.01V~.02V上の値を表すことができる。ターゲットより上の第2の偏差セル426は、ターゲットより.02V~.05V上の値を表すことができる。ターゲット422に近いほどより精度の高い測定値を使用し、ターゲット422から遠いほど精度の低い測定値を使用することにより、適応型スケールが提供され、測定の精度がターゲット422の周囲の正確な値を測定するように調整される。ターゲット422を新しいターゲットに変更することによって、スケールが調整されて、新しいターゲットの周囲の精度が提供される。バイトマップ400等の相対バイトマップを使用することにより、バイトマップ400を更新することなく、測定の精度を調整することができる。ターゲット422が更新される限り、同じバイトマップ400を使用して、ターゲット422に相対する値を符号化および復号化することができる。
【0032】
値が「適応型」スケールで要素を表すように変更された場合、ルックアップテーブルを使用して最も重要な(最も頻繁に繰り返される)値を定義することができる。このスケールは、エッジインテリジェントデバイス(データのコーディングおよびビットパッキング)により、その「ルックアップテーブル割り当て」とバックエンドデータベース(データの暗号解除、アンパック、および復号化を行う)との整合性が取れている限り、適応可能である。
【0033】
同じ差異の割合の例を使用すると、表1に示すように、1バイト内で、保存/送信にこれ以上ビットを使用することなく、より細分化することができる。
【0034】
【表1】
【0035】
適応型復号化プロセスにより、値に0.5パーセントの精度を追加することができる。しかしながら、未使用の値が未だに55個ある。
【0036】
相対的適応復号化(RAD)
【0037】
値をベースラインまたは標準と比較する場合、ルックアップテーブルを変更して精度を更に高めることができる。これは、予測される標準値またはベースライン値があることを意味している。値は、「通常」、そのベースラインの一定のパーセンテージ以内である。ベースライン値との比較は、ベースラインから離れるほど精度の重要性が低くなる、即ち、その時点では、おおよそどの程度悪いのかを(顧客が修正する必要があることを)知るだけでよい、電気特性測定に特に有用である。
【0038】
ベースラインと比較するこのアプローチは、RADスキームにつながる。値が基準値または目標値に近い場合、RADスキームの値が極めて正確になるようにルックアップテーブルを設計することができる。値がベースラインから遠い場合、精度の重要性が低くなる可能性があり、その場合、その代わりに、ルックアップテーブルの値は、解像度が広くなる(精度が低くなる)。
【0039】
例:電圧測定
【0040】
ほとんどの場合、電圧を測定する場合、値が予測される電圧に近い場合(例えば、ベースラインに近い場合)に精度が最も重要になる。例えば、米国の住宅の電力線は、多くの他のデータポイントの中でも、電圧およびアンペア(電流)を有する。電圧標準は120ボルトである。米国全体の平均は、約110V~120Vの間である(例えば、120ボルト+-6%)。
【0041】
この既知の平均を使用して、表2に示すように、ルックアップテーブルを合理化して精度を更に高めることができる。
【0042】
【表2】
【0043】
利用可能な全てのビン・スロットを使用することによって、ベースライン(100%)に近づくほど、極めて高い精度を提供することができる。
【0044】
力率(P.F.)値が70%を下回ることは非常にまれである故に、可能であれば、低い値の一部を削除し(例えば、低い値を表すビン・スロット範囲の一部を広げ)、表3に示すように、値がベースラインに近づくにつれて精度を更に向上させることができる。
【0045】
【表3】
【0046】
別の代替として、使用するビット数を減らすこともできる。1バイト(8ビット)の代わりに5ビットを使用することができ、これにより、表4に示すように、32個の可能なビン・スロットが得られる。
【0047】
120Vの標準を使用したいくつかの例:117Vの電圧は120Vの97.5%である故、ビン・スロットは21(97%)になる。118.5V(98.75%)の電圧では、ビン・スロットは23(98.5%)になる。112V(93%)の電圧では、ビン・スロットは17(93%)になる。
【0048】
【表4】
【0049】
設置時に測定された基準値を使用すると、設置プロセスで電圧測定を行い、それを代わりに初期の中心点またはベースラインとして使用することによって、精度を更に向上させることができる。
【0050】
符号化された電圧中心点測定値は、上述したように、11バイトのパケット等の小さなパケットでサーバに送信することができる。
【0051】
図5は、1つ以上の実施形態が行われるか、または他の方法で実施される環境500を示している。環境500は、電気使用量モニタ510、ネットワーク520、およびサーバ530を含むことができる。電気使用量モニタ510は、電圧、力率、および皮相電力をモニタリングする装置であることができる。電気モニタ510は、ネットワーク520を介して、サーバ530に電圧、力率、および皮相電力を通信することができる。ネットワークは、本明細書で説明するように、LoRaWANまたはSigFox等のIoTネットワーク等、任意のネットワークであり得る。電気使用量モニタ510およびサーバ530は、一致するルックアップテーブルを有することができる。ネットワーク520を介した通信は、本明細書で説明するように、制限されてもよい。電気使用量モニタ510およびサーバ530は、小さなパケットを使用して通信することができる。データは、ルックアップテーブルまたは他の方法を使用して圧縮され、電気使用量モニタ510とサーバ530との間で送信される。例えば、電気使用量モニタ510は、電圧測定値をルックアップテーブルの位置として符号化し、ルックアップテーブルの位置を含むパケットを、ネットワーク520を介してサーバ530に送信することができる。サーバ530は、ルックアップテーブルの位置を受信し、一致するルックアップテーブルを使用してルックアップテーブルの位置を復号化し、電圧測定値を決定することができる。
【0052】
図6は、1つ以上の実施形態による、電気使用量モニタ610のブロック図を示す。電気使用量モニタ610は、結合部品611、メータ612、メモリ613、通信インタフェース614、エンコーダ615、およびプロセッサ616を含むことができる。電気使用量モニタ610は、図5の電気使用量モニタ510の一例であることができる。結合部品611は、電気使用量モニタ610を電線に結合し、それにより、電気使用量モニタ610がメータ612を使用して電線の電圧、力率、および皮相電力を測定できるようにする。メモリ613は、電気測定値および過去の電気使用量測定値を格納することができる。メモリ613は、電気測定値を符号化するために使用されるルックアップテーブルを格納することができる。メモリ613は、サーバに送信される符号化された電気測定値を含むパケットを生成するための命令を格納することができる。通信インタフェース614は、サーバからパケットを送受信するように構成することができる。通信インタフェースは、LoRaWANまたはSigFox等のネットワークを介してサーバと無線通信するように構成することができる。エンコーダ615は、ルックアップテーブルを使用して、メータ612によって捕捉された電気測定値をパケットに符号化するように構成することができる。プロセッサ616は、メモリ613と通信し、通信インタフェース614およびエンコーダ615を制御するように構成することができる。いくつかの実施形態では、エンコーダ615は、メモリ613に格納され、プロセッサ616によって実行されるプログラムである。
【0053】
図7は、1つ以上の実施形態による、サーバ730を示す。サーバ730は、デコーダ731、メモリ732、通信インタフェース733、およびプロセッサ734を含むことができる。サーバ730は、図5のサーバ510の一例であり得る。デコーダ731は、電気使用量測定値を符号化するために使用される電気使用量モニタルックアップテーブルと一致するルックアップテーブルを使用して、電気使用量モニタから受信したパケットを復号化するように構成することができる。メモリ732は、電気使用量モニタからのパケットを復号化する命令を含むことができる。通信インタフェース733は、ネットワークを介して、電気使用量モニタからパケットを送受信するように構成することができる。プロセッサ734は、メモリ732に結合されてもよく、デコーダ731および通信インタフェース733を制御するように構成することができる。いくつかの実施形態では、デコーダ731は、メモリ732に格納され、プロセッサ734によって実行されるプログラムである。
【0054】
図8は、1つ以上の実施形態による、適応符号化のための操作を示すフローチャート800を示す。操作には、追加のステップまたはより少ないステップが含まれ得る。更に、操作は、図示されているのとは異なる順序であってもよい。
【0055】
電気使用量モニタは、測定値の範囲内の電気使用量測定値を決定し810、測定値の範囲は、測定値の通常の分布の一部である。
【0056】
電気使用量モニタは、電気使用量測定値のローリング平均を予測される電気使用量測定値と比較することができる820。ローリング平均は、分、時間、日、月、または年等の任意の時間の長さのウィンドウに基づいて決定することができる。一例では、電気使用量ローリング平均は、電圧の通常の分布から115ボルトとなり、予測される電気使用量測定値の118ボルトから統計的に有意な値となる。いくつかの実施形態では、電気測定値を予測される電気使用量測定値と比較することは、予測される電気使用量測定値から標準偏差の数を計算することを含む。他の実施形態では、電気測定値を予測される電気使用量測定値と比較することは、ローリングパーセンテージ変動を計算することを含む。
【0057】
電気使用量モニタは、電気使用量測定値が予測される電気使用量測定値と異なることに基づいて、電気使用量ローリング平均に等しい新しい予測される電気使用量測定値を設定する830。いくつかの実施形態では、電気使用量測定値が予測される電気使用量測定値と異なることは、電気使用量測定値のローリング平均が予測される電気使用量測定値からの標準偏差の数であることを含む。他の実施形態では、電気使用量測定値が予測される電気使用量測定値と異なることは、電気使用量測定値のローリング平均が予測される電気使用量測定値からの所定のパーセント変動(例えば、2σ)であることを含む。更に他の実施形態では、電気使用量測定値が予測される電気使用量測定値と異なることは、電気使用量測定値のローリング平均が予測される電気使用量測定値からの所定の数のルックアップテーブルバケットであることを含む。
【0058】
電気使用量モニタは、新しい予測される電気使用量測定値をサーバに送信し840、モニタは、新しい予測される電気使用量がルックアップテーブルのための測定値送信の復号化に使用されるという確認応答をサーバから受信することができる。
【0059】
電気使用量モニタは、新しい予測される電気使用量測定値で符号化テーブルを更新する850。いくつかの実施形態では、符号化テーブルは、複数の範囲が更新されたときにプライムバンドとエクスカーションバンドとの間の相対関係が維持されるように更新される。例えば、プライムバンドは、通常の分布の平均より1標準偏差上および1標準偏差下の値を含むことができ、符号化テーブルを更新することは、通常の分布の平均をシフトしつつ通常の分布を維持することを意味する。
【0060】
電気使用量モニタは、正しいか、または適切な予測される電気使用量測定値が見つかるまで、プロセス800を繰り返すことができる。例えば、電気使用量モニタは、後続の電気使用量測定値を決定し、後続の電気使用量測定値を予測される電気使用量測定値と比較し、後続の電気使用量測定値に等しい更新された新しい予測される電気使用量測定値を設定し、更新された新しい予測される電気使用量測定値をサーバに送信し、新しい電気使用量測定値が新しい電気使用量測定値の所定の閾値内になるまで、更新された新しい予測される電気使用量測定値で符号化テーブルを更新するというプロセスを繰り返すことができる。例えば、予測される電気使用量測定値が119.98~120ボルトであるが、電気使用量測定値が240ボルトである場合、240ボルトが120ボルトから2標準偏差以上離れるほど120ボルトから離れているため、240ボルトを含むビンは、200~250ボルトをカバーするようにサイズ決めされ得る。200~250ボルトの新しい予測される電気使用量測定値で符号化テーブルを更新することにより、分布の新しい中心が224.98~225ボルトになり得る。後続の240ボルトの測定値により分布の中心が再びシフトするが、電気使用量測定値は前回のシフトほど平均から離れていないため、前回のシフトよりも小さなステップサイズでシフトする。電気使用量測定値が予測される電気使用量の閾値の所定の閾値(例えば、0.5ボルト)内になるまで、これらのシフトの繰り返しで符号化テーブルを更新することができる。
【0061】
図9は、1つ以上の実施形態による、適応復号化の操作を示すフローチャート900を示す。操作には、追加のステップまたはより少ないステップを含めることができる。更に、操作は、図示されているのとは異なる順序であってもよい。
【0062】
サーバは、電気使用量モニタから測定値送信を受信することができる910。
【0063】
サーバは、測定値送信を復号化して、複数の位置を含むルックアップテーブル内の位置を決定することができ920、各位置は、電気使用量の測定値の範囲に関連付けられている。いくつかの実施形態では、ルックアップテーブル内の電気使用量の測定値の範囲は、プライムバンドおよび複数のエクスカーションバンドを含み、プライムバンドは、第1の精度を有する複数の測定値の範囲の第1のサブセットを含み、かつ予測される電気使用量測定値を含み、複数のエクスカーションバンドの各エクスカーションバンドは、第1の精度よりも低い精度を有する複数の測定値の範囲のサブセットを含む。例えば、ルックアップテーブル内の電気使用量の測定値の範囲は、通常の分布に従い、通常の分布の中心にある予測される電気使用量測定値に近い測定値は、予測される電気使用量測定値から遠い測定値よりも精度が高く、予測される電気測定値に近い値により多くの位置が割り当てられる。ルックアップテーブルは、電気使用量モニタでの符号化およびサーバでの復号化によって電気使用量測定値が正常に送信されるように、電気使用量モニタのルックアップテーブルと一致していてもよい。
【0064】
サーバは、ルックアップテーブルの位置に基づいて、電気使用量モニタによって測定された電気使用量測定値に対応する電気使用量の測定値の範囲を決定することができる930。
【0065】
サーバは、電気使用量モニタから新しい予測される電気使用量測定値を受信することができる940。
【0066】
サーバは、ルックアップテーブルの位置に関連付けられる測定値の範囲が新しい予測される電気使用量測定値を中心とするように、ルックアップテーブルを更新することができる950。いくつかの実施形態では、測定値の範囲を新しい予測される電気使用量測定値の中心にすることは、プライムバンドを新しい予測される電気使用量測定値の中心にすることを含む。いくつかの実施形態では、ルックアップテーブルは、プライムバンドとエクスカーションバンドとの間の相対関係が保持されるように更新される。例えば、プライムバンドおよびエクスカーションバンドは通常の分布を表し、通常の分布の中心は予測される電気使用量測定値であり、複数の測定値の範囲を更新することは、中心が新しい予測される電気使用量測定値となるように通常の分布をシフトすることを含む。フローチャート900の操作は、図8に関連して説明したように、後続の電気測定値が新しい予測される電気使用量測定値の所定の閾値内になるまで繰り返され得る。いくつかの実施形態では、サーバは、新しい予測される電気使用量測定値を保持するよう、電気使用量モニタにメッセージを送信することができる。
【0067】
サーバは、復号化された測定値をサーバのメモリに保存することができる。復号化された測定値は、電気使用量モニタによって捕捉された測定値に対応する値であることができる。例えば、サーバは、電気使用量モニタによって測定された電圧および力率に対応する電圧値および/または力率値を保存することができる。
【0068】
一例では、電気使用量を測定する目的で、電気使用量モニタを電線に結合する。電気使用量モニタは、電気使用量を計算することができるように、電力の三相の電圧、力率、および皮相電力を測定する。電気使用量を正確に計算するには、電圧、力率、および皮相電力を一緒に測定および送信する必要がある。これら3つの値(三相全てで9つ)を別々に送信すると、これらがサーバに同時に到着しない可能性があり、電気使用量の計算にエラーが発生し得る。更に、電気使用量モニタは、11バイトの小さなパケットサイズを必要とするIoTネットワークを介してサーバと通信する。電気使用量モニタは、ルックアップテーブルを使用して、電気使用量測定値をルックアップテーブル内の位置として符号化する。ルックアップテーブルには、120ボルトに近い値のプライムバンドと、予測される電圧測定値と、120ボルトからの様々な標準偏差内の値を表すエクスカーションバンドとが含まれる。各バンドのルックアップテーブルで占められるルックアップテーブル内の位置の数は、通常の分布による、測定される各値の確率、または予測される頻度に対応し得る。従って、120ボルトから1標準偏差に対応するプライムバンドは、ルックアップテーブルの位置の68%を占めつつ、115~125ボルトをカバーする一方、120ボルトを超える2標準偏差に対応する第1のエクスカーションバンドは、ルックアップテーブルの位置の14%を占めつつ、125~130ボルトをカバーする。これにより、120ボルトに近い値の方が、120ボルトから遠い値よりも精度がより高くなる。電気使用量モニタは、電圧を測定し、その電圧をルックアップテーブルの位置として符号化し、ルックアップテーブルの位置を含むパケットをサーバに送信する。サーバは、電気使用量モニタによって使用されるルックアップテーブルと同じルックアップテーブルを使用して、ルックアップテーブル内の位置を復号化することで、電気使用量モニタによって測定される電圧を決定する。電気使用量モニタがプライムバンド外の電圧を測定すると、電気使用量モニタは、新しい電圧値をルックアップテーブル内の位置に関連付けることによってルックアップテーブルを更新する。電気使用量モニタがプライムバンド外の、114ボルトの電圧を測定した場合、ルックアップテーブルは114ボルトを中心とするように更新され、新しい予測される電気使用量測定値である約114ボルトの測定精度が向上する。新しいプライムバンドは104~119ボルトをカバーするが、プライムバンドとエクスカーションバンドとの相対的なサイズおよび位置は同じままである。ルックアップテーブルを更新する前に、電気使用量モニタは、電気使用量モニタの更新されたルックアップテーブルと一致するよう、サーバルックアップテーブルを更新するようにサーバにメッセージを送信する。電気使用量モニタは、一旦、サーバから更新されたサーバルックアップテーブルの確認応答を受信すると、電気使用量モニタはそのルックアップテーブルを更新するか、または更新を終了させる。サーバは、電気使用量モニタからメッセージを受信すると、サーバはメッセージを暗号解除し、メッセージを読み取って、予測される電気使用量測定値からの変動率に対応するルックアップテーブル内の位置を取得し、変動率および予測される電気使用量測定値から測定値を計算し、測定値をデータベースに格納する。このように、更新されたルックアップテーブルに電圧測定値を符号化することにより、サーバにてルックアップテーブルから電圧測定値を正確に復号化することができる。同じプロセスを使用して、測定値を符号化し、力率および皮相電力のルックアップテーブルを更新することができる。電気使用量モニタがサーバに送信するメッセージは、電気使用量の複数のパラメータのルックアップテーブルのルックアップテーブル位置を含むことができる。例えば、メッセージは、電力の3相の電圧および力率のルックアップテーブルのルックアップテーブル位置を含むことができる。力率や皮相電力等の様々な測定値を符号化するためのルックアップテーブルを作成するために、様々な統計分布を使用することができる。
【0069】
例示的実施形態
例1.電気使用量モニタであって、電気使用量モニタを結合して電気回路をモニタリングする結合部品と、電気回路の電気使用量を測定するメータと、メータから電気使用量測定値を受信して、電気使用量測定値に基づいて測定値送信を生成するエンコーダであって、測定値送信は、電気使用量測定値を含む測定値の範囲を表すビット配列を含み、測定値の範囲は複数の測定値の範囲のうちの1つであり、複数の測定値の範囲はプライムバンドおよび複数のエクスカーションバンドを含み、プライムバンドは第1の精度を有する複数の測定値の範囲の第1のサブセットを含み、かつ予測される電気使用量測定値を含み、複数のエクスカーションバンドの各エクスカーションバンドは、第1の精度よりも低い精度を有する複数の測定値の範囲のサブセットを含む、エンコーダと、エンコーダから測定値送信を受信し、通信ネットワーク上の宛先に通信するために、測定値送信を通信ネットワークに送信するように構成された通信インタフェースと、を含む、電気使用量モニタ。
【0070】
例2.各エクスカーションバンドがプライムバンドよりも広く、各エクスカーションバンドがプライムバンドよりも広範囲の測定値の範囲を表す、例1に記載の電気使用量モニタ。
【0071】
例3.宛先は、通信ネットワークを介して通信インタフェースから受信したビット配列から、エンコーダによって割り当てられた測定値アナログの測定値の範囲を識別するように構成された復号化コンポーネントを含む、例1に記載の電気使用量モニタ。
【0072】
例4.電気使用量は、電圧、アンペア数、抵抗、および力率のうちの少なくとも1つで測定される、例1に記載の電気使用量モニタ。
【0073】
例5.電気使用量の予測される電気使用量測定値は、電気回路の材料特性に基づく計算である、例1に記載の電気使用量モニタ。
【0074】
例6.電気使用量の予測される電気使用量測定値は、電気回路における電気使用量の測定値の繰り返しに基づく計算である、例1に記載の電気使用量モニタ。
【0075】
例7.測定値送信は、通信ネットワークの通信プロトコルの制限内のビット数を含む、例1に記載の電気使用量モニタ。
【0076】
例8.測定値の範囲内の電気使用量測定値を決定し、測定値の範囲は符号化テーブル内の複数の測定値の範囲のうちの1つであり、複数の測定値の範囲はプライムバンドおよび複数のエクスカーションバンドを含み、プライムバンドは、第1の精度を有する複数の測定値の範囲の第1のサブセットを含み、かつ予測される電気使用量測定値を含み、複数のエクスカーションバンドの各エクスカーションバンドは、第1の精度より低い精度を有する複数の測定値の範囲のサブセットを含み、電気使用量測定値を予測される電気使用量測定値と比較し、電気使用量測定値が予測される電気使用量測定値と異なることに基づいて、電気使用量測定値に等しい新しい予測される電気使用量測定値を設定し、新しい予測される電気使用量測定値をサーバに送信し、新しい予測される電気使用量測定値で符号化テーブルを更新するように構成されたプロセッサを含む、電気使用量モニタ。
【0077】
例9.電気使用量測定値を予測される電気使用量測定値と比較することは、予測される電気使用量測定値から標準偏差の数を計算することを含む、例8に記載の電気使用量モニタ。
【0078】
例10.プロセッサは、プライムバンドが新しい予測される電気使用量測定値を中心とするように、新しい予測される電気使用量測定値で符号化テーブルを更新するように更に構成されている、例8に記載の電気使用量モニタ。
【0079】
例11.複数の範囲が更新されるとき、プライムバンドとエクスカーションバンドとの間の相対関係が保持されるように、符号化テーブルが更新される、例10に記載の電気使用量モニタ。
【0080】
例12.符号化テーブル内の複数の範囲が通常の分布を表しており、通常の分布の中心は予測される電気使用量測定値であり、複数の測定値の範囲を更新することは、中心が新しい予測される電気使用量測定値になるように通常の分布をシフトすることを含む、例11に記載の電気使用量モニタ。
【0081】
例13.プロセッサは、後続の電気使用量測定値を決定し、後続の電気使用量測定値を新しい予測される電気使用量測定値と比較し、後続の電気使用量測定値が新しい予測される電気使用量測定値と異なることに基づいて、新しい予測される電気使用量測定値を更新し、更新された新しい予測される電気使用量測定値で符号化テーブルを更新するように更に構成されている、例8に記載の電気使用量モニタ。
【0082】
例14.後続の電気使用量測定値が更新された新しい予測される電気使用量測定値の所定の閾値内になるまで、プロセッサが更に後続の電気使用量測定値を取得し、更新された新しい予測される電気使用量測定値で符号化テーブルを更新するように更に構成されている、例13に記載の電気使用量モニタ。
【0083】
例15.プロセッサによって実行されると、プロセッサに、サーバにて、電気使用量モニタからの測定値送信を受信させ、サーバによって、測定値送信を復号化させて、複数の位置を含むルックアップテーブル内の位置を決定させることであって、各位置は電気使用量の測定値の範囲に関連付けられており、サーバによって、ルックアップテーブル内の位置に基づいて、電気使用量モニタによって測定された電気使用量測定値に対応する電気使用量の測定値の範囲を決定させ、サーバにて、電気使用量モニタからの新しい予測される電気使用量測定値を受信させ、サーバによって、ルックアップテーブルの位置に関連付けられた測定値の範囲が新しい予測される電気使用量測定値を中心とするように、ルックアップテーブルを更新させる命令を含む、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0084】
例16.ルックアップテーブル内の電気使用量の測定値の範囲は、プライムバンドおよび複数のエクスカーションバンドを含み、プライムバンドは、第1の精度を有する複数の測定値の範囲の第1のサブセットを含み、かつ予測される電気使用量の測定値を含み、複数のエクスカーションバンドの各エクスカーションバンドは、第1の精度よりも低い精度を有する複数の測定値の範囲のサブセットを含む、例15に記載の媒体。
【0085】
例17.プライムバンドが新しい予測される電気使用量測定値を中心とするように、プロセッサにルックアップテーブルを新しい予測される電気使用量測定値で更新させる命令を更に含む、例16に記載の媒体。
【0086】
例18.プライムバンドとエクスカーションバンドとの間の相対関係が保持されるように、プロセッサにルックアップテーブルを更新させる命令を更に含む、例17に記載の媒体。
【0087】
例19.ルックアップテーブル内の電気使用量の測定値の範囲は通常の分布を表し、通常の分布の中心は予測される電気使用量測定値であり、複数の測定値の範囲を更新することは、中心が新しい予測される電気使用量測定値となるように通常の分布をシフトすることを含む、例18に記載の媒体。
【0088】
例20.プロセッサに、サーバにて、後続の電気使用量測定値を受信させ、サーバによって、後続の電気使用量測定値を新しい予測される電気使用量測定値と比較させ、後続の電気使用量測定値が新しい予測される電気使用量測定値の所定の閾値内にあることに基づいて、新しい予測される電気使用量測定値を保持するよう、電気使用量モニタにメッセージを送信させる命令を更に含む、例17に記載の媒体。
【0089】
例21.通信インタフェースから、電気使用量測定値を含む測定値送信を受信する1つ以上のプロセッサであって、測定値送信は、電気使用量測定値を含む測定値の範囲を表すビット配列を含み、測定値の範囲は複数の測定値の範囲のうちの1つであり、複数の測定値の範囲はプライムバンドおよび複数のエクスカーションバンドを含み、プライムバンドは、第1の精度を有する複数の測定値の範囲の第1のサブセットを含み、かつ予測される電気使用量測定値を含み、複数のエクスカーションバンドの各エクスカーションバンドは、第1の精度よりも低い精度を有する複数の測定値の範囲のサブセットを含む、1つ以上のプロセッサと、エンコーダから測定値送信を受信し、通信ネットワーク上の宛先への通信のために、測定値送信を通信ネットワークに送信するように構成された通信インタフェースと、を備える、電気使用量モニタリングサーバ。
【0090】
例22.通信インタフェースを介して通信ネットワーク上で電気使用量モニタリング装置から受信した測定値送信から、測定値の範囲内の電気使用量測定値を復号化するデコーダを備え、測定値の範囲は復号化テーブル内の複数の測定値の範囲のうちの1つであり、複数の測定値の範囲はプライムバンドおよび複数のエクスカーションバンドを含み、プライムバンドは、第1の精度を有する複数の測定値の範囲の第1のサブセットを含み、かつ予測される電気使用量測定値を含み、複数のエクスカーションバンドの各エクスカーションバンドは、第1の精度より低い精度を有する複数の測定値の範囲のサブセットを含み、電気使用量測定値を予測される電気使用量測定値と比較し、電気使用量測定値が予測される電気使用量測定と異なることに基づいて、電気使用量測定値に等しい新しい予測される電気使用量測定値を設定し、通信インタフェースによって新しい予測される電気使用量測定値を電気使用量モニタリング装置に送信し、新しい予測される電気使用量測定値で復号化テーブルを更新する、電気使用量モニタリングサーバ。
【0091】
例23.電気使用量モニタを結合して電気回路をモニタリングする結合部品と、電気回路の電気使用量を測定するメータと、メータから電気使用測定値を受信して電気使用測定値に基づいて測定値送信を生成するエンコーダであって、測定値送信は、電気使用量測定値を含む測定値の範囲を表すビット配列を含み、測定値の範囲は複数の測定値の範囲のうちの1つであり、複数の測定値の範囲はプライムバンドおよび複数のエクスカーションバンドを含み、プライムバンドは、第1の精度を有する複数の測定値の範囲の第1のサブセットを含み、かつ予測される電気使用測定値を含み、複数のエクスカーションバンドの各エクスカーションバンドは、第1の精度よりも低い精度を有する複数の測定値の範囲のサブセットを含む、エンコーダと、エンコーダから測定値送信を受信し、通信ネットワーク上の宛先への通信のために通信ネットワークに測定値送信を送信するように構成された装置通信インタフェースと、を備える電気使用量モニタと、通信ネットワークを介して電気モニタリング装置から測定値送信を受信し、測定値送信から電気使用量測定値を復号化するデコーダを備える電気使用量モニタリングサーバと、を備える、電気使用量モニタリングシステム。
【0092】
例24.電気使用量モニタリングサーバは、更に、電気使用量測定値を予測される電気使用量測定値と比較し、電気使用量測定値が予測される電気使用量測定値と異なることに基づいて、電気使用量測定値に等しい新しい予測される電気使用量測定値を設定し、サーバ通信インタフェースによって、新しい予測される電気使用量測定値を電気使用量モニタリング装置に送信し、新しい予測される電気使用量測定値で復号化テーブルを更新する、1つ以上のプロセッサを備える、例23に記載の電気使用量モニタリングシステム。
【0093】
本開示の原理を様々な実施形態で示したが、特定の環境および動作要件に特に適合する、実際に使用される構造、配置、比率、要素、材料およびコンポーネントについて、本開示の原理および範囲から逸脱することなく、多くの修正を行うことができる。これらおよび他の変更または修正は、本開示の範囲内に含まれることが意図されている。
【0094】
本発明の基礎となる原理から逸脱することなく、上述した実施形態の詳細に多くの変更を加え得ることは、当業者には明らかであろう。従って、本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ決定されるべきである。
図1
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【国際調査報告】