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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】長時間作用型PTH化合物治療
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/00 20060101AFI20240925BHJP
   A61P 5/18 20060101ALI20240925BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20240925BHJP
   A61K 47/54 20170101ALI20240925BHJP
   A61K 47/60 20170101ALI20240925BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20240925BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20240925BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20240925BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20240925BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20240925BHJP
   A61K 38/29 20060101ALI20240925BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240925BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240925BHJP
   C07K 14/635 20060101ALN20240925BHJP
【FI】
A61K45/00 ZNA
A61P5/18
A61P19/08
A61K47/54
A61K47/60
A61K9/08
A61K47/12
A61K47/26
A61K47/10
A61K47/02
A61K38/29
A61P29/00
A61P43/00 105
C07K14/635
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518140
(86)(22)【出願日】2022-09-21
(85)【翻訳文提出日】2024-05-16
(86)【国際出願番号】 EP2022076188
(87)【国際公開番号】W WO2023046732
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】21198228.5
(32)【優先日】2021-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】22193085.2
(32)【優先日】2022-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 「Ascendis Pharma A/S Announces Mean Bone Mineral Density(BMD)Data from Phase 2 PaTH Forward Trial Demonstrating Continued Normalization and Stabilization of BMD Z-scores Between 26 and 58 Weeks」 ウェブサイトの掲載日:2021年9月22日 掲載アドレス:https://investors.ascendispharma.com/news-releases/news-release-details/ascendis-pharma-announces-mean-bone-mineral-density-bmd-data(PDF Version: https://investors.ascendispharma.com/node/10631/pdf)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
2.BRIJ
3.IGEPAL
(71)【出願人】
【識別番号】518310145
【氏名又は名称】アセンディス ファーマ ボーン ディジージズ エー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スプローエ,ケネット
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA12
4C076BB11
4C076CC09
4C076CC30
4C076DD30
4C076DD37
4C076DD38
4C076DD41
4C076DD42
4C076EE23
4C076EE59
4C076FF31
4C084AA02
4C084AA17
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA19
4C084BA23
4C084DB32
4C084MA17
4C084MA66
4C084NA14
4C084ZA961
4C084ZB111
4C084ZB211
4C084ZC061
4C084ZC541
4H045BA10
4H045BA56
4H045DA30
4H045EA20
4H045FA51
(57)【要約】
本発明は、増加したBMDを有する患者における骨密度(BMD)の低下において使用するための長時間作用型PTH化合物、及びこのような長時間作用型PTH化合物及び他の関連の態様の特定の投与レジメンに関する。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
増加したBMDを有する患者における骨密度(BMD)の低下において使用するための長時間作用型PTH化合物。
【請求項2】
BMDの低下が、少なくとも0.1のZスコアの低下である、請求項1に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
【請求項3】
BMDの低下が、海綿骨におけるBMDの低下である、請求項1又は2に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
【請求項4】
BMDの低下が、腰椎L1~L4、大腿骨頸部及び股関節からなる群から選択される少なくとも1つの領域中で測定される、請求項1~3のいずれか1項に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
【請求項5】
橈骨遠位端1/3においてBMDの低下が観察されない、請求項1~4のいずれか1項に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
【請求項6】
BMDの低下が、0未満のZスコアをもたらさない、請求項1~5のいずれか1項に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
【請求項7】
BMDの低下が、長時間作用型PTH化合物の長期使用による年齢及び性別に応じた基準に傾く骨代謝マーカーの初期増加に関連する、請求項1~6のいずれか1項に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
【請求項8】
増加したBMDを有する患者が、副甲状腺機能低下症;SAPHO症候群;慢性感染性骨髄炎;骨の結節性硬化症;フッ素症;腎性骨異栄養症;先端巨大症;C型肝炎関連骨硬化症;骨髄線維症;肥満細胞症;低下した骨吸収の先天的状態、例えば大理石骨病、濃化異骨症、骨斑紋症及びメロレオストーシス;増加した骨形成の先天的状態、例えば、硬結性骨化症、ファン・ブッヘム病(van Buchem’s disease)、LRP5 HBM、LRP4 HBM、頭蓋骨幹端異形成症;並びに阻害された形成及び吸収の状態、例えば、カムラチ・エンゲルマン病及びゴーサル症候群(Ghosal syndrome)からなる群から選択される疾患を有する患者である、請求項1~7のいずれか1項に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
【請求項9】
増加したBMDを有する患者が、副甲状腺機能低下症を有する患者である、請求項1~8のいずれか1項に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
【請求項10】
患者が、副甲状腺機能低下症を5年未満有していた、請求項9に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
【請求項11】
患者が、副甲状腺機能低下症を5~10年間有していた、請求項9に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
【請求項12】
患者が、副甲状腺機能低下症を10年超有していた、請求項9に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
【請求項13】
増加したBMDを有する患者が、大理石骨病を有する患者である、請求項1~8のいずれか1項に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
【請求項14】
副甲状腺機能低下症を治療する方法において使用するための長時間作用型PTH化合物であって、該長時間作用型PTH化合物が、長時間作用型PTH化合物の用量を治療経過中に増加させる投与レジメンにおいて投与され、このような投与レジメンが、以下のステップ:
(i) 患者に投与される長時間作用型PTH化合物の用量を、上記患者において正常な血清カルシウムレベルをもたらすようにタイトレーションし、第1期間中にこのような用量で患者を維持するステップ;
(ii) 第1期間の直後の第2期間中に、長時間作用型PTH化合物の用量を少なくとも1.1倍増加させるステップ;及び
(iii) 場合により、第3期間又はさらなる後続期間中に、長時間作用型PTH化合物の用量を少なくとも1.1倍増加させるステップ
を含む、前記長時間作用型PTH化合物。
【請求項15】
第1期間が少なくとも5ヶ月間である、請求項14に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
【請求項16】
第2期間が少なくとも1ヶ月間である、請求項14又は15に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
【請求項17】
式(Ia)若しくは(Ib)の化合物:
【化1】
(式中、
各-Dは、個々に、PTH部分であり;
各-L1-は、個々に、-Dに共有結合的に且つ可逆的に結合しているリンカー部分であり;
各-L2-は、個々に、化学的単結合(single chemical bond)又はスペーサー部分であり;
各-Zは、個々に、担体部分、例えば脂肪酸誘導体又はポリマーであり;
xは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24及び25からなる群から選択される整数であり;
yは、2、3、4及び5からなる群から選択される整数である)
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1~16のいずれか1項に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
【請求項18】
長時間作用型PTH化合物が、式(Ia)の化合物である、請求項17に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
【請求項19】
長時間作用型PTH化合物が、x=1を有する式(Ia)の化合物である、請求項17又は18に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
【請求項20】
長時間作用型PTH化合物が、式(IIf-i):
【化2】
(式中、
印の付いていない破線は、アミド結合を介した-Dの窒素への結合を示し;
アスタリスクが付いている破線は、以下の部分:
【化3】
[式中、
m及びpは、独立して、400~500の整数である]
への結合を示す)
を有する、請求項17~19のいずれか1項に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
【請求項21】
印の付いていない破線が、配列番号51のPTH部分のN末端アミンへの結合を示す、請求項20に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
【請求項22】
長時間作用型PTH化合物が、1つ以上の長時間作用型PTH化合物と少なくとも1つの賦形剤とを含む医薬組成物の形態で患者に投与される、請求項1~21のいずれか1項に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
【請求項23】
長時間作用型PTH化合物が、患者に1日1回投与される、請求項1~22のいずれか1項に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
【請求項24】
長時間作用型PTH化合物が、患者に1週間に1回投与される、請求項1~22のいずれか1項に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
【請求項25】
式(IIf-ii)の化合物:
【化4】
(式中、
印の付いていない破線は、配列番号51のPTH部分のN末端アミンへの結合を示し;
アスタリスクが付いている破線は、以下の部分:
【化5】
[式中、
m及びpは、独立して、400~500の整数である]
への結合を示す)
を含む医薬組成物であって、1mlの該医薬組成物が、3456μgの式(IIf-ii)の長時間作用型PTH化合物、1.18mgコハク酸、41.7mgマンニトール、2.5mgメタクレゾール、0.13mg水酸化ナトリウム及び注射用水を含む、前記医薬組成物。
【請求項26】
3.7~4.3のpHを有する、請求項25に記載の医薬組成物。
【請求項27】
患者における副甲状腺機能低下症の治療において使用するための、式(IIf-ii)の化合物
【化6】
(式中、
印の付いていない破線は、配列番号51のPTH部分のN末端アミンへの結合を示し;
アスタリスクが付いている破線は、以下の部分:
【化7】
[式中、
m及びpは、独立して、400~500の整数である]
への結合を示す)、
又は式(IIf-ii)の化合物を含む医薬組成物であって、前記治療が、
a) 式(IIf-ii)の化合物の第1用量が患者に投与される前2週間以内に患者の血清25(OH)ビタミンDが正常範囲内であり、且つ治療の開始時に血清カルシウムが≧7.8mg/dLであることを確認するステップ;
b) 式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されるときに患者が活性ビタミンDを服用している場合:
b-i) 血清カルシウムが≧8.3mg/dLである場合は、式(IIf-ii)の化合物の第1用量が投与されるのと同日に、同じ用量のカルシウムサプリメントを維持し、活性ビタミンDを中止するステップ;若しくは
b-ii) 血清カルシウムが<8.3mg/dLである場合は、式(IIf-ii)の化合物の第1用量が投与されるのと同日に活性ビタミンDの用量を≧50%低下させ、同じ用量のカルシウムサプリメントを維持するステップ;又は
式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されるときに患者が活性ビタミンDを服用していない場合:
b-iii) 式(IIf-ii)の化合物の第1用量が投与されるのと同日に、カルシウムサプリメントを少なくとも1500mg低減するステップ;及び
c) カルシウムサプリメントが必要栄養量を満たすことが示される場合は、場合により食事性カルシウムサプリメントを≦600mg/日の用量で継続するステップ
により開始される、前記化合物又は医薬組成物。
【請求項28】
治療が、以下のステップ:
d) 式(IIf-ii)の化合物の形態で18μg PTH(1-34)/日の開始用量を投与し、その後同じ用量を連日投与するステップ;
e) 式(IIf-ii)の化合物の第1投与の7~14日以内に血清カルシウムを測定するステップ;及び
f) 式(IIf-ii)の化合物、活性ビタミンD及び/又はカルシウムサプリメントの用量を調整するステップ
をさらに含む、請求項27に記載の使用のための化合物又は医薬組成物。
【請求項29】
ステップf)の用量調整が以下のとおりに行われる、請求項28に記載の使用のための化合物又は医薬組成物:
f-i) 血清カルシウムが<8.3mg/dLである場合:
- 式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-ii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過した場合は、同じカルシウムサプリメント用量及び活性ビタミンD用量を継続し、式(IIf-ii)の化合物の用量を3μg増加させる;若しくは
- 式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-ii)の化合物の用量が変更されてからから7日未満が経過した場合は、医師の臨床的判断に基づいてカルシウムサプリメント及び/又は活性ビタミンDを前の用量に対して増加させ、同じ用量の式(IIf-ii)の化合物を継続する;
f-ii) 血清カルシウムが8.3~10.6mg/dLである場合:
- 式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-ii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過し、且つ患者が依然として活性ビタミンDを服用している場合は、活性ビタミンDを中止し、式(IIf-ii)の化合物の用量を3μg増加させる;
- 式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-ii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過し、且つ患者がもはや活性ビタミンDを服用していないが、カルシウムサプリメントは服用しており、該カルシウムサプリメントが≧1500mg/日である場合は、前記カルシウムサプリメントを≧1500mg低減し、式(IIf-ii)の化合物の用量を3μg増加させる;
- 式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-ii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過し、且つ患者がもはや活性ビタミンDを服用していないが、カルシウムサプリメントは服用しており、該カルシウムサプリメントが1500mg/日未満である場合は、カルシウムサプリメントを中止し、式(IIf-ii)の化合物の用量を3μg増加させる;
- 式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-ii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過し、且つ患者がもはや活性ビタミンDを服用しておらず、もはやカルシウムサプリメントも服用していない場合は、同じ用量の式(IIf-ii)の化合物を継続する;若しくは
- 式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-ii)の化合物の用量が変更されてから7日未満が経過した場合は、同じ用量の式(IIf-ii)の化合物、同じ用量のカルシウムサプリメント及び活性ビタミンDを継続する;
f-iii) 血清カルシウムが10.7~11.9mg/dLである場合:
- 患者が依然として活性ビタミンDを服用している場合は、活性ビタミンDを中止し、同じ用量の式(IIf-ii)の化合物及びカルシウムサプリメントを継続する;
- 患者が活性ビタミンDを服用していないが、カルシウムサプリメントを≧1500mg/日の用量で服用する場合は、カルシウムサプリメントを≧1500mg低減し、同じ用量の式(IIf-ii)の化合物を継続する;
- 患者が活性ビタミンDを服用していないが、カルシウムサプリメントは服用し、このカルシウムサプリメントが1日当たり1500mg未満である場合は、カルシウムサプリメントを中止し、同じ用量の式(IIf-ii)の化合物を継続する;若しくは
- 患者が活性ビタミンDを服用しておらず、且つカルシウムサプリメントを服用しない場合は、式(IIf-ii)の化合物の用量を3μg低減する;又は
f-iv) 血清カルシウムが≧12mg/dLである場合:
- 式(IIf-ii)の化合物を2~3日間控え、血清カルシウムについて再検査し、
- その後の血清カルシウムが<12mg/dLである場合は、得られた最も最近の血清カルシウム値を使用して、ステップf-i)~f-iii)に記載されるとおり、式(IIf-ii)の化合物、活性ビタミンD及びカルシウムサプリメントのタイトレーションを再開する;
- 血清カルシウムが≧12mg/dLのままである場合は、式(IIf-ii)の化合物をさらに2~3日間控え、血清カルシウムについて再検査し、前のステップに記載されるとおりに進める。
【請求項30】
治療が、以下のステップ:
g) 1日維持用量の投与;及び
h) 標準治療ごとに血清カルシウムを測定するステップ
をさらに含む、請求項27~29のいずれか1項に記載の使用のための化合物又は医薬組成物。
【請求項31】
式(IIf-iii)の化合物:
【化8】
(式中、
印の付いていない破線は、配列番号51のPTH部分のN末端アミンへの結合を示し;
アスタリスクが付いている破線は、以下の部分:
【化9】
[式中、
m及びpは、独立して、約450~500である]
への結合を示す)
を含む医薬組成物であって、1mlの該医薬組成物が、3456μgの式(IIf-iii)の長時間作用型PTH化合物、1.18mgコハク酸、41.7mgマンニトール、2.5mgメタクレゾール、0.13mg水酸化ナトリウム及び注射用水を含む、前記医薬組成物。
【請求項32】
3.7~4.3のpHを有する、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項33】
患者における副甲状腺機能低下症の治療において使用するための、式(IIf-iii)の化合物
【化10】
(式中、
印の付いていない破線は、配列番号51のPTH部分のN末端アミンへの結合を示し;
アスタリスクが付いている破線は、以下の部分:
【化11】
[式中、
m及びpは、独立して、約450~500である]
への結合を示す)
又は式(IIf-iii)の化合物を含む医薬組成物であって、前記治療が、
a) 式(IIf-iii)の化合物の第1用量が患者に投与される前2週間以内に患者の血清25(OH)ビタミンDが正常範囲内であり、且つ治療の開始時に血清カルシウムが≧7.8mg/dLであることを確認するステップ;
b) 式(IIf-iii)の化合物による治療が開始されるときに患者が活性ビタミンDを服用している場合:
b-i) 血清カルシウムが≧8.3mg/dLである場合は、式(IIf-iii)の化合物の第1用量が投与されるのと同日に、同じ用量のカルシウムサプリメントを維持し、活性ビタミンDを中止するステップ;若しくは
b-ii) 血清カルシウムが<8.3mg/dLである場合は、式(IIf-iii)の化合物の第1用量が投与されるのと同日に、活性ビタミンDの用量を≧50%低下させ、同じ用量のカルシウムサプリメントを維持するステップ;又は
式(IIf-iii)の化合物による治療が開始されるときに患者が活性ビタミンDを服用していない場合:
b-iii) 式(IIf-iii)の化合物の第1用量が投与されるのと同日に、カルシウムサプリメントを少なくとも1500mg低減するステップ;及び
c) カルシウムサプリメントが必要栄養量を満たすことが示される場合は、場合により、食事性カルシウムサプリメントを≦600mg/日の用量で継続するステップ
により開始される、前記化合物又は医薬組成物。
【請求項34】
治療が、以下のステップ:
d) 式(IIf-iii)の化合物の形態で18μg PTH(1-34)/日の開始用量を投与し、その後同じ用量を連日投与するステップ;
e) 式(IIf-iii)の化合物の第1投与の7~14日以内に血清カルシウムを測定するステップ;及び
f) 式(IIf-iii)の化合物、活性ビタミンD及び/又はカルシウムサプリメントの用量を調整するステップ
をさらに含む、請求項33に記載の使用のための化合物又は医薬組成物。
【請求項35】
ステップf)の用量調整が以下のとおりに行われる、請求項34に記載の使用のための化合物又は医薬組成物:
f-i) 血清カルシウムが<8.3mg/dLである場合:
- 式(IIf-iii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-iii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過した場合は、同じカルシウムサプリメント用量及び活性ビタミンD用量を継続し、式(IIf-iii)の化合物の用量を3μg増加させる;若しくは
- 式(IIf-iii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-iii)の化合物の用量が変更されてからから7日未満が経過した場合は、医師の臨床的判断に基づいてカルシウムサプリメント及び/又は活性ビタミンDを前の用量に対して増加させ、同じ用量の式(IIf-iii)の化合物を継続する;
f-ii) 血清カルシウムが8.3~10.6mg/dLである場合:
- 式(IIf-iii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-iii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過し、且つ患者が依然として活性ビタミンDを服用している場合は、活性ビタミンDを中止し、式(IIf-iii)の化合物の用量を3μg増加させる;
- 式(IIf-iii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-iii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過し、且つ患者がもはや活性ビタミンDを服用していないが、カルシウムサプリメントは服用しており、該カルシウムサプリメントが≧1500mg/日である場合は、前記カルシウムサプリメントを≧1500mg低減し、式(IIf-iii)の化合物の用量を3μg増加させる;
- 式(IIf-iii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-iii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過し、且つ患者がもはや活性ビタミンDを服用していないが、カルシウムサプリメントは服用しており、該カルシウムサプリメントが1500mg/日未満である場合は、カルシウムサプリメントを中止し、式(IIf-iii)の化合物の用量を3μg増加させる;
- 式(IIf-iii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-iii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過し、且つ患者がもはや活性ビタミンDを服用しておらず、もはやカルシウムサプリメントも服用していない場合は、同じ用量の式(IIf-iii)の化合物を継続する;若しくは
- 式(IIf-iii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-iii)の化合物の用量が変更されてから7日未満が経過した場合は、同じ用量の式(IIf-iii)の化合物、同じ用量のカルシウムサプリメント及び活性ビタミンDを継続する;
f-iii) 血清カルシウムが10.7~11.9mg/dLである場合:
- 患者が依然として活性ビタミンDを服用している場合は、活性ビタミンDを中止し、同じ用量の式(IIf-iii)の化合物及びカルシウムサプリメントを継続する;
- 患者が活性ビタミンDを服用していないが、カルシウムサプリメントを≧1500mg/日の用量で服用する場合は、カルシウムサプリメントを≧1500mg低減し、同じ用量の式(IIf-iii)の化合物を継続する;
- 患者が活性ビタミンDを服用していないが、カルシウムサプリメントは服用し、このカルシウムサプリメントが1日当たり1500mg未満である場合は、カルシウムサプリメントを中止し、同じ用量の式(IIf-iii)の化合物を継続する;若しくは
- 患者が活性ビタミンDを服用しておらず、且つカルシウムサプリメントを服用しない場合は、式(IIf-iii)の化合物の用量を3μg低減する;又は
f-iv) 血清カルシウムが≧12mg/dLである場合:
- 式(IIf-iii)の化合物を2~3日間控え、血清カルシウムについて再検査し、
- その後の血清カルシウムが<12mg/dLである場合は、得られた最も最近の血清カルシウム値を使用して、ステップf-i)~f-iii)に記載されるとおり、式(IIf-iii)の化合物、活性ビタミンD及びカルシウムサプリメントのタイトレーションを再開する;
- 血清カルシウムが≧12mg/dLのままである場合は、式(IIf-iii)の化合物をさらに2~3日間控え、血清カルシウムについて再検査し、前のステップに記載されるとおりに進める。
【請求項36】
治療が、以下のステップ:
g) 1日維持用量の投与;及び
h) 標準治療ごとに血清カルシウムを測定するステップ
をさらに含む、請求項33~35のいずれか1項に記載の使用のための化合物又は医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、増加したBMDを有する患者における骨密度(BMD)の低下において使用するための長時間作用型PTH化合物、及びこのような長時間作用型PTH化合物の特定の投与レジメンに関する。
【背景技術】
【0002】
日常的な二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)走査における高骨密度(BMD)の所見は少なくなく、変性疾患を最も一般的に反映する。BMD測定は、骨粗鬆症リスク及び骨折リスクの評価において重要な役割を果たす。診療において、BMDは、最も一般的にはDXAを用いて測定される。その後、BMDを年齢、民族性及び性別特異的参照集団に対して比較して、Tスコア及びZスコアをコンピューターで計算する(これらのスコアはそれぞれ、測定されたBMDが、若年成人集団の平均BMDから異なる標準偏差の数(Tスコア)又は年齢一致集団(age-matched population)の平均BMDから異なる標準偏差の数(Zスコア)である)。DXAは、最も一般的な形態の骨疾患である骨粗鬆症を同定するための有用な診断ツールであるだけでなく、BMD Zスコア>0である、平均より高いBMDを有する個体を同定するために使用することもできる。
【0003】
PTHペプチドによる連日注射は、低BMDの疾患、とりわけ骨粗鬆症を治療するために広く使用されている。間欠注射として投与される場合、PTHは、ヒトにおける皮質骨成長及び海綿骨成長を強力に刺激する。骨粗鬆症について認可されているだけでなく、PTHは、副甲状腺機能低下症を治療するためにも有用である。実際、PTH(1-84)の連日注射は、副甲状腺機能低下症を有する患者における低カルシウム血症を抑制するためのカルシウム及びビタミンDの補助剤として認可されている。この療法は、血清カルシウムの制御において有効である一方、BMDの変化が観察される。副甲状腺機能低下症を有する患者は、不十分なPTHレベルの結果としての骨代謝の低下により高BMDを有することが多く、高BMDの重症度は、疾患の期間と相関する傾向がある。PTH(1-84)による療法の後、既に高いBMDが、多くの骨格部位においてさらに増加する。例えば、腰椎BMDは、24ヶ月間で3.2%増加した(P=0.01)。6年目には、2年目と比較してさらなる有意な増加が存在した(P=0.003)。6年目までに、ベースラインからの平均ゲインは3.8%であった(P=0.004)。大腿骨頸部BMDは、3年目に2.6%増加したが(P=0.04)、6年目にはベースラインと異ならなかった。股関節BMDは3年間で増加し(ベースラインから2.1%、P=0.04)、6年目を通して安定したままであった(ベースラインから2.4%、ベースラインからP=0.02)。対照的に、皮質骨喪失が観察され、3年目には橈骨遠位端1/3においてBMDが減少し(P=0.04 vsベースライン時)、その後、6年目にはTスコア-0.28までさらに減少し、研究結果においては平均喪失が4.4%であった(P=0.0001 vsベースライン時)。(J Clin Endocrinol Metab 101:2742-2750, 2016)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】J Clin Endocrinol Metab 101:2742-2750, 2016
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、BMDを正常化することが可能な、BMDの変化に関連する骨の疾患の有効な治療が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様において、本発明は、増加したBMDを有する患者における骨密度(BMD)の低下において使用するための長時間作用型PTH化合物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
驚くべきことに、長時間作用型PTH化合物の連日注射は骨代謝マーカーの初期増加をもたらし、これらは長期治療により正常化したことが見出された。骨マーカーの変化は、26週間での海綿部位(trabecular site)におけるBMDの初期減少を伴い、その後安定化し、58週目には正常範囲内のままであった。骨代謝マーカーの変化は、治療に応答して観察された。26週目までに、同化マーカーP1NP及び吸収マーカーCTxの両方についての平均値は、それぞれ正常範囲内で増加したか、又は正常範囲のすぐ上まで増加した。長期治療により、P1NPレベル及びCTxレベルは両方とも正常範囲内に降下し、骨代謝の正常化を反映していた。これは、BMD Zスコアの安定化を伴った。骨形成マーカーP1NP及び骨吸収マーカーCTxは、ベースライン時の正常下限から増加し、治療の初期の週にピークとなり、110週目を通して年齢及び性別について一致させた基準(norms)に向かって徐々に低下する傾向があった。
【0008】
BMDが正常化し、骨格から放出されるカルシウムが少なくなるため、投与される長時間作用型PTH化合物が正常な血清カルシウムレベルを維持する疾患については、骨から放出されるカルシウムの低下を補うために、用量を上方にタイトレーションする(titrated upwards)ことが必要となる可能性がある。
【0009】
長時間作用型PTH化合物の連日注射による治療は、副甲状腺機能低下症を有する成人において、骨リモデリングの初期増加、及び過度に高密度の骨格からのカルシウムの動員の傾向を示した。全ての関心領域(腰椎L1-L4、大腿骨頸部、股関節及び橈骨遠位端1/3)について、平均BMD Zスコアはゼロ超のままであった。軸性部位(axial site)においては、より長期間の副甲状腺機能低下症を有する参加者は、より高いベースラインZスコア、及び110週目を通したZスコアにおけるより大きな数値低下を有していた。
【0010】
副甲状腺機能低下症を有する患者は、海綿骨において異常に上昇したBMDを有し、これらの患者がより長く疾患を有するほどBMDの増加はより重症になるが、皮質骨は影響を受けているようには見えない。長時間作用型PTH化合物の投与は、BMDが異常であった部位、すなわち海綿骨においてのみBMDを修正し、一度BMDが年齢及び性別に応じた基準に近づくと、BMDは安定する。
【0011】
本発明では、以下のような意味を有する用語が使用される。
【0012】
本明細書において使用される用語「増加したBMD」又は「増加した骨密度」は、0超のZスコア、例えば、少なくとも0.8、少なくとも1、少なくとも1.2又は、少なくとも1.5であるZスコアを指す。上記のZスコアは、性別、民族性及び年齢を一致させた健康な集団についての平均超又は平均未満の標準偏差の数であり、以下の式から計算される:
[(測定されたBMD - 年齢を一致させた集団平均BMD)/年齢を一致させた集団SD]、
式中、BMDは、二重エネルギーX線吸収測定法(「DXA」又は「DEXA」と略される)により測定される。
【0013】
血清カルシウム(sCa)レベルに関して本明細書において使用される用語「正常レベル内」及び「正常範囲内」は、正常下限値及び正常上限値により与えられる範囲として提供される、所与の種、性別及び年齢の対象に通常見られるカルシウムレベルを指す。ヒトの場合、正常レベルは、特定の実施形態では、8.5mg/dLより高い(アルブミン補正された)血清カルシウムレベルに対応する。ヒトの場合、正常上限値は、10.5mg/dLである。
【0014】
本明細書において使用される用語「8.5mg/dLより高い血清カルシウム」及び「正常上限値は、10.5mg/dLである」は、アルブミン補正カルシウム濃度を指す。カルシウムレベルに関して本明細書において使用される用語「アルブミン補正(された)」は、測定血清カルシウムレベルが、アルブミンに結合しているカルシウムについて以下の式に従って補正されていることを意味する:
アルブミン補正血清カルシウム(mg/dL) = 測定総Ca (mg/dL) + 0.8 (4.0 - 血清アルブミン[g/dL])。
【0015】
本明細書において使用される用語「PTH」は、血清カルシウム及び腎臓リン排泄を上昇させ、血清リン及び腎臓カルシウム排泄を低下させることを特徴とする、好ましくは哺乳動物種由来の、より好ましくはヒト及び哺乳動物種由来の、より好ましくはヒト及びマウス種由来の全てのPTHポリペプチド、さらにそれらのバリアント、アナログ、オルソログ、ホモログ、並びにそれらの誘導体及び断片も指す。用語「PTH」は、共通のPTH/PTHrP1受容体と結合し、それを活性化する、全てのPTHrPポリペプチド、例えば、配列番号121のポリペプチドも指す。好ましくは、用語「PTH」は、配列番号51のPTHポリペプチド、並びに本質的に同じ生物活性を示す、すなわち、血清カルシウム及び腎臓リン排泄を上昇させ、血清リン及び腎臓カルシウム排泄を低下させる、そのバリアント、ホモログ及び誘導体を指す。
【0016】
特定の実施形態において、用語「PTH」は、以下のポリペプチド配列を指す:
配列番号1 (PTH 1-84)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVNVLTKAKSQ
配列番号2 (PTH 1-83)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVNVLTKAKS
配列番号3 (PTH 1-82)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVNVLTKAK
配列番号4 (PTH 1-81)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVNVLTKA
配列番号5 (PTH 1-80)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVNVLTK
配列番号6 (PTH 1-79)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVNVLT
配列番号7 (PTH 1-78)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVNVL
配列番号8 (PTH 1-77)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVNV
配列番号9 (PTH 1-76)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVN
配列番号10 (PTH 1-75)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADV
配列番号11 (PTH 1-74)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKAD
配列番号12 (PTH 1-73)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKA
配列番号13 (PTH 1-72)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADK
配列番号14 (PTH 1-71)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEAD
配列番号15 (PTH 1-70)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEA
配列番号16 (PTH 1-69)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGE
配列番号17 (PTH 1-68)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLG
配列番号18 (PTH 1-67)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSL
配列番号19 (PTH 1-66)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKS
配列番号20 (PTH 1-65)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEK
配列番号21 (PTH 1-64)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHE
配列番号22 (PTH 1-63)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESH
配列番号23 (PTH 1-62)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVES
配列番号24 (PTH 1-61)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVE
配列番号25 (PTH 1-60)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLV
配列番号26 (PTH 1-59)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVL
配列番号27 (PTH 1-58)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNV
配列番号28 (PTH 1-57)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDN
配列番号29 (PTH 1-56)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKED
配列番号30 (PTH 1-55)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKE
配列番号31 (PTH 1-54)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKK
配列番号32 (PTH 1-53)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRK
配列番号33 (PTH 1-52)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPR
配列番号34 (PTH 1-51)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRP
配列番号35 (PTH 1-50)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQR
配列番号36 (PTH 1-49)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQ
配列番号37 (PTH 1-48)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGS
配列番号38 (PTH 1-47)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAG
配列番号39 (PTH 1-46)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDA
配列番号40 (PTH 1-45)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRD
配列番号41 (PTH 1-44)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPR
配列番号42 (PTH 1-43)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAP
配列番号43 (PTH 1-42)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLA
配列番号44 (PTH 1-41)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPL
配列番号45 (PTH 1-40)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAP
配列番号46 (PTH 1-39)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGA
配列番号47 (PTH 1-38)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALG
配列番号48 (PTH 1-37)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVAL
配列番号49 (PTH 1-36)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVA
配列番号50 (PTH 1-35)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFV
配列番号51 (PTH 1-34)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNF
配列番号52 (PTH 1-33)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHN
配列番号53 (PTH 1-32)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVH
配列番号54 (PTH 1-31)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDV
配列番号55 (PTH 1-30)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQD
配列番号56 (PTH 1-29)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQ
配列番号57 (PTH 1-28)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKL
配列番号58 (PTH 1-27)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKK
配列番号59 (PTH 1-26)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRK
配列番号60 (PTH 1-25)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLR
配列番号61(アミド化PTH 1-84)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVNVLTKAKSQ;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号62 (アミド化PTH 1-83)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVNVLTKAKS;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号63 (アミド化PTH 1-82)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVNVLTKAK;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号64 (アミド化PTH 1-81)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVNVLTKA;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号65 (アミド化PTH 1-80)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVNVLTK;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号66 (アミド化PTH 1-79)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVNVLT;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号67 (アミド化PTH 1-78)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVNVL;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号68 (アミド化PTH 1-77)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVNV;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号69 (アミド化PTH 1-76)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADVN;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号70 (アミド化PTH 1-75)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKADV;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号71 (アミド化PTH 1-74)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKAD;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号72 (アミド化PTH 1-73)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADKA;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号73 (アミド化PTH 1-72)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEADK;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号74 (アミド化PTH 1-71)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEAD;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号75 (アミド化PTH 1-70)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGEA;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号76 (アミド化PTH 1-69)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLGE;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号77 (アミド化PTH 1-68)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSLG;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号78 (アミド化PTH 1-67)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKSL;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号79 (アミド化PTH 1-66)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEKS;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号80 (アミド化PTH 1-65)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHEK;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号81 (アミド化PTH 1-64)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESHE;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号82 (アミド化PTH 1-63)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVESH;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号83 (アミド化PTH 1-62)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVES;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号84 (アミド化PTH 1-61)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLVE;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号85 (アミド化PTH 1-60)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVLV;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号86 (アミド化PTH 1-59)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNVL;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号87 (アミド化PTH 1-58)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDNV;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号88 (アミド化PTH 1-57)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKEDN;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号89 (アミド化PTH 1-56)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKED;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号90 (アミド化PTH 1-55)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKKE;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号91 (アミド化PTH 1-54)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRKK;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号92 (アミド化PTH 1-53)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPRK;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号93 (アミド化PTH 1-52)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRPR;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号94 (アミド化PTH 1-51)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQRP;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号95 (アミド化PTH 1-50)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQR;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号96 (アミド化PTH 1-49)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGSQ;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号97 (アミド化PTH 1-48)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAGS;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号98 (アミド化PTH 1-47)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDAG;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号99 (アミド化PTH 1-46)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRDA;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号100 (アミド化PTH 1-45)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPRD;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号101 (アミド化PTH 1-44)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAPR;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号102 (アミド化PTH 1-43)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLAP;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号103 (アミド化PTH 1-42)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPLA;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号104 (アミド化PTH 1-41)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAPL;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号105 (アミド化PTH 1-40)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGAP;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号106 (アミド化PTH 1-39)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALGA;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号107 (アミド化PTH 1-38)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVALG;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号108 (アミド化PTH 1-37)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVAL;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号109 (アミド化PTH 1-36)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFVA;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号110 (アミド化PTH 1-35)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNFV;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号111 (アミド化PTH 1-34)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHNF;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号112 (アミド化PTH 1-33)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHN;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号113 (アミド化PTH 1-32)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVH;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号114 (アミド化PTH 1-31)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDV;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号115 (アミド化PTH 1-30)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQD;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号116 (アミド化PTH 1-29)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQ;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号117 (アミド化PTH 1-28)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKL;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号118 (アミド化PTH 1-27)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKK;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号119 (アミド化PTH 1-26)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRK;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号120 (アミド化PTH 1-25)
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLR;(この配列中のC末端はアミド化されている)
配列番号121 (PTHrP)
AVSEHQLLHDKGKSIQDLRRRFFLHHLIAEIHTAEIRATSEVSPNSKPSPNTKNHPVRFGSDDEGRYLTQETNKVETYKEQPLKTPGKKKKGKPGKRKEQEKKKRRTRSAWLDSGVTGSGLEGDHLSDTSTTSLELDSRRH
及び、それらと少なくとも90%、例えば少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%の相同性を有する配列。
【0017】
用語「PTH分子」及び「PTH部分」は、上記の配列を有するが、例えばデプシペプチドのような、アミド結合と非アミド結合、例えばエステル結合の両方を含む骨格を有する、ポリ(アミノ酸)コンジュゲートも含む。デプシペプチドは、骨格がアミド(ペプチド)結合とエステル結合の両方を含む、アミノ酸残基の鎖である。したがって、本明細書において使用される用語「側鎖」は、例えばタンパク質及びペプチドにおいてアミノ酸部分がアミン結合を介して結合している場合、アミノ酸部分のアルファ-炭素に結合している部分を指すか、又は例えばデプシペプチドの場合のようなポリ(アミノ酸)コンジュゲートの骨格に結合している任意の炭素原子含有部分を指す。特定の実施形態において、用語「PTH」は、アミド(ペプチド)結合によって形成される骨格を有する配列を指す。
【0018】
本明細書において使用される用語「長時間作用型PTH化合物」は、PD応答、例えば血清カルシウムレベルの増加を、投与後少なくとも24時間維持することができるPTH分子又はPTH部分を含む化合物を指す。
【0019】
本明細書において使用される用語「徐放性PTH化合物」は、少なくとも1つのPTH分子又はPTH部分を含み、そこから上記少なくとも1つのPTH分子又はPTH部分が少なくとも12時間の放出半減期で放出される、任意の化合物、コンジュゲート、結晶又は混合物を指す。
【0020】
本明細書において使用される用語「放出半減期」及び「半減期」は、生理学的条件下(すなわち、水性緩衝液、pH7.4、37℃)で徐放性PTH化合物の全てのPTH分子又はPTH部分それぞれの半分が放出されるまでに必要な時間を指す。
【0021】
本明細書において使用される用語「ペプチド」は、ペプチド(アミド)結合によって結合されている、少なくとも2個の及び50個以下のアミノ酸モノマー部分の鎖を指し、このアミノ酸モノマー部分は「アミノ酸残基」とも呼ばれ得る。アミノ酸モノマーは、タンパク質構成アミノ酸及び非タンパク質構成アミノ酸からなる群から選択され得、D-又はL-アミノ酸であり得る。用語「ペプチド」は、ペプチド模倣物、例えば、ペプトイド、ベータ-ペプチド、環状ペプチド及びデプシペプチドも含み、50個以下のモノマー部分を有するそのようなペプチド模倣物鎖を包含する。本明細書において使用される用語「タンパク質」は、好ましくは、12000以下のアミノ酸モノマー、例えば、10000以下のアミノ酸モノマー部分、8000以下のアミノ酸モノマー部分、5000以下のアミノ酸モノマー部分、又は2000以下のアミノ酸モノマー部分がペプチド結合によって結合されている、ペプチド結合によって結合されている50個超のアミノ酸モノマー部分の鎖を指し、このアミノ酸モノマー部分は「アミノ酸残基」とも呼ばれ得る。簡素化のため、PTH部分及びPTH分子は、一般的に、本明細書中で「ポリペプチド」と呼ばれる。
【0022】
本明細書において使用される用語「生理学的条件」は、37℃、pH7.4の水性緩衝液を指す。
【0023】
本明細書において使用される用語「医薬組成物」は、1つ以上の活性成分、例えば少なくとも1つの長時間作用型PTH化合物などと、1つ以上の賦形剤とを含む組成物、並びに前記組成物の成分のいずれか2つ以上についての組合せ、複合体化若しくは凝集から、又は上記成分の1つ以上の解離から、又は上記成分の1つ以上についての他のタイプの反応若しくは相互作用から、直接又は間接的に生じる任意の生成物を指す。したがって、本発明の使用のための医薬組成物は、1種以上の長時間作用型PTH化合物と薬学的に許容される賦形剤とを混合することによって製造される任意の組成物を包含する。
【0024】
本明細書において使用される用語「賦形剤」は、治療剤、例えば、薬物又はプロドラッグを投与するために用いられる希釈剤、アジュバント又はビヒクルを指す。このような医薬賦形剤は、滅菌液、例えば、水及び油(石油、動物由来、植物由来又は合成由来の油など、例えば、限定するものではないが、ピーナッツ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油などが挙げられる)であり得る。水は、医薬組成物が経口投与される場合の賦形剤の一例である。生理食塩水及びデキストロース水溶液は、医薬組成物が静脈内投与される場合の賦形剤の例である。生理食塩水溶液、並びにデキストロース水溶液及びグリセロール溶液は、特定の実施形態では注射用溶液のための液体賦形剤として用いられる。好適な医薬賦形剤としては、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、マンニトール、トレハロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、白亜、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどが挙げられる。医薬組成物は、必要に応じて、少量の湿潤剤若しくは乳化剤、pH緩衝剤、例えば、酢酸塩、コハク酸塩、トリス、炭酸塩、リン酸塩、HEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)、MES(2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸)なども含み得るか、又は界面活性剤、例えば、Tween、ポロキサマー、ポロキサミン、CHAPS、Igepal、又はアミノ酸、例えば、グリシン、リシン若しくはヒスチジンなどを含み得る。これらの医薬組成物は、溶液剤、懸濁剤、エマルション、錠剤、丸剤、カプセル剤、粉末剤、徐放製剤などの形態をとり得る。上記医薬組成物は、伝統的な結合剤及び賦形剤、例えばトリグリセリドと共に坐剤として製剤化され得る。経口製剤は、標準的な賦形剤、例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウム等を含み得る。このような組成物は、患者に対する適切な投与のための形態を提供するために好適な量の賦形剤と共に、治療上有効量の薬物又は生物学的に活性な部分を含有するであろう。製剤は、投与方法に適したものであるべきである。
【0025】
本明細書において使用される用語「液体組成物」は、水溶性の長時間作用型PTH化合物と1つ以上の溶媒、例えば水を含む混合物を指す。
【0026】
用語「懸濁組成物」は、少なくとも1つの非水溶性長時間作用型PTH化合物と1つ以上の溶媒、例えば水を含む混合物に関する。
【0027】
本明細書において使用される用語「乾燥組成物」は、医薬組成物が乾燥形態で提供されることを意味する。好適な乾燥方法は、噴霧乾燥、及び凍結乾燥、すなわちフリーズドライである。このような乾燥組成物は、カール・フィッシャーにより決定して、最大10%、例えば、5%未満又は2%未満の残留水分量を有する。特定の実施形態において、このような乾燥医薬組成物は、凍結乾燥によって乾燥される。
【0028】
本明細書において使用される用語「薬物」は、疾患の治療、治癒、予防若しくは診断において使用されるか、又はそうでなければ身体的若しくは精神的幸福を高めるために使用される物質、例えばPTHを指す。薬物が別の部分にコンジュゲートされる場合、その薬物に由来する、結果として得られる生成物の部分は「薬物部分」と呼ばれる。
【0029】
本明細書において使用される用語「プロドラッグ」は、薬物部分が、可逆的結合により生物学的に活性な部分にコンジュゲートする「可逆的プロドラッグリンカー部分」又は「可逆的リンカー部分」とも呼ばれる可逆的なリンカー部分を介して、可逆的に且つ共有結合的に特殊な保護基に結合している共有結合性コンジュゲートを指し、ここで上記特殊な保護基は、親分子における望ましくない特性を変化させるか又は除去する。これは、薬物における望ましい特性の増強及び望ましくない特性の抑制も含む。特殊な非毒性保護基は「担体」と呼ばれる。プロドラッグは、可逆的に且つ共有結合的に結合している薬物部分を、その対応する薬物の形態で放出する。言い換えると、プロドラッグは、可逆的リンカー部分を介して担体部分に共有結合的に且つ可逆的にコンジュゲートされている薬物部分を含むコンジュゲートであり、この担体の可逆的リンカー部分に対する共有結合的且つ可逆的なコンジュゲーションは、直接的であるか又はスペーサーを介している。このようなコンジュゲートは、以前にコンジュゲートされた薬物部分を、遊離未修飾薬物の形態で放出する。
【0030】
「生分解性結合」又は「可逆的結合」は、1時間~3ヶ月の半減期を有する、特定の実施形態では1時間~2ヶ月、特定の実施形態では1時間~1ヶ月、特定の実施形態では1時間~3週間、特定の実施形態では1時間~2週間、特定の実施形態では12時間~2週間、特定の実施形態では12時間~1週間の半減期を有する、酵素の不存在下で、生理学的条件下(pH7.4の水性緩衝液、37℃)に、加水分解的に分解可能な、すなわち切断可能な結合である。したがって、安定した結合は、生理学的条件下(pH7.4の水性緩衝液、37℃)で3ヶ月超の半減期を有する結合である。
【0031】
本明細書において使用される用語「痕跡を残さないプロドラッグリンカー」又は「痕跡を残さないリンカー」は、切断されると薬物をその遊離形態で放出する可逆的プロドラッグリンカー、すなわち、薬物部分と担体を可逆的に且つ共有結合的に結合するリンカー部分を意味する。本明細書において使用される用語「遊離形態」の薬物は、その未修飾の薬理学的に活性な形態の薬物を意味する。
【0032】
本明細書において使用される用語「試薬」は、少なくとも1つの官能基を別の化合物又は薬物の官能基との反応のために含む化合物を意味する。官能基(例えば、一級アミン若しくは二級アミン又はヒドロキシル官能基)を含む薬物も試薬であることが理解される。
【0033】
本明細書において使用される用語「部分」は、対応する試薬と比較して1個以上の原子(1つ又は複数)を欠如している、分子の一部を意味する。例えば、式「H-X-H」の試薬が別の試薬と反応し、反応生成物の一部となる場合、その反応生成物の対応する部分は構造「H-X-」又は「-X-」を有するが、各「-」は、別の部分への結合を示す。したがって、薬物部分は、プロドラッグから薬物として放出される。
【0034】
原子団が少なくとも1つの他の部分に結合しているか又は、1つの部分に割り込んでいる原子団の化学構造が提供されている場合、別段に明確に記載されない限り、前記化学構造は、少なくとも1つのさらなる部分、又は割り込まれた部分にいずれの配向で結合していてもよいことが理解される。例えば、部分「-C(O)N(R1)-」は、「-C(O)N(R1)-」として、又は「-N(R1)C(O)-」として、2つの部分に結合していてもよく、又は、1つの部分に割り込んでいてもよい。同様に、部分
【0035】
【化1】
は、
【0036】
【化2】
として、又は
【0037】
【化3】
として、2つの部分に結合していてもよく、又は、1つの部分に割り込むこともできる。
【0038】
本明細書において使用される用語「官能基」は、他の原子団と反応することができる原子団を意味する。官能基としては、限定するものではないが、以下の基などが挙げられる:カルボン酸、一級又は二級アミン、マレイミド、チオール、スルホン酸、カーボネート、カルバメート、ヒドロキシル、アルデヒド、ケトン、ヒドラジン、イソシアネート、イソチオシアネート、リン酸、ホスホン酸、ハロアセチル、ハロゲン化アルキル、アクリロイル、フッ化アリール、ヒドロキシルアミン、ジスルフィド、スルホンアミド、スルホン酸、ビニルスルホン、ビニルケトン、ジアゾアルカン、オキシラン及びアジリジン。
【0039】
長時間作用型PTH化合物が1つ以上の酸性基又は塩基性基を含む場合、本発明は、それらの対応する薬学的に又は毒物学的に許容される塩、特にそれらの薬学的に利用可能な塩も含む。したがって、酸性基を含む長時間作用型PTH化合物を、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩として、本発明に従って使用することができる。このような塩のより詳細な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、又はアンモニア若しくは有機アミン(例えば、エチルアミン、エタノールアミン、トリエタノールアミンなど)若しくはアミノ酸との塩が挙げられる。1つ以上の塩基性基、すなわちプロトン化され得る基を含む長時間作用型PTH化合物が存在する可能性があり、そのような長時間作用型PTH化合物を、無機酸又は有機酸とのそれらの付加塩の形態で、本発明に従って使用することができる。好適な酸の例としては、塩化水素、臭化水素、リン酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、シュウ酸、酢酸、酒石酸、乳酸、サリチル酸、安息香酸、ギ酸、プロピオン酸、ピバル酸、ジエチル酢酸、マロン酸、コハク酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、スルファミン酸、フェニルプロピオン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、イソニコチン酸、クエン酸、アジピン酸、及び当業者に公知の他の酸などが挙げられる。正電荷アンモニウム基及びその塩の適切な対イオンをもたらすアミン基のアルキル化のような、塩基性基をカチオンに変換するためのさらなる方法は、当業者には公知である。長時間作用型PTH化合物が酸性基と塩基性基を同時に含む場合、本発明は、上記の塩形態に加えて、分子内塩又はベタイン(双性イオン)も含む。それぞれの塩は、例えば、これらの化合物を溶媒若しくは分散液中で有機酸若しくは無機酸若しくは塩基と接触させることによるか、又は他の塩とのアニオン交換若しくはカチオン交換によるような、当業者に公知の慣用の方法によって得ることができる。本発明は、生理学的適合性が低いため、直接的には医薬品における使用に適さないが、例えば、化学反応のための中間体として又は薬学的に許容される塩の製造のための中間体として使用し得る、上記化合物の全ての塩も含む。
【0040】
用語「薬学的に許容される」は、患者に投与された場合に害を及ぼさない物質を意味し、特定の実施形態では、規制機関、例えば、EMA(欧州)及び/又はFDA(米国)及び/又は任意の他の国家の規制機関により、動物における使用について、特にヒトにおける使用について認可されているものを意味する。
【0041】
本明細書において使用される数値と組み合わせた用語「約」は、その数値そのものに加えて、前記数値のプラス/マイナス10%以下の範囲、特定の実施形態では前記数値のプラス/マイナス8%以下の範囲、特定の実施形態では前記数値のプラス/マイナス5%以下の範囲、及び特定の実施形態では前記数値のプラス/マイナス2%以下の範囲を示すために使用される。例えば、「約200」という句は、200+/-10%の範囲、すなわち180~220の範囲を意味するために使用され、特定の実施形態では200+/-8%の範囲、すなわち184~216の範囲、特定の実施形態では200+/-5%の範囲、すなわち190~210の範囲、特定の実施形態では200+/-2%の範囲、すなわち196~204の範囲を意味するために使用される。「約20%」として示される百分率は、「20%+/-10%」、すなわち10~30%の範囲であることを意味するものではなく、「約20%」は、18~22%、すなわち、20である数値のプラス/マイナス10%の範囲であることを意味することが理解される。
【0042】
本明細書において使用される用語「ポリマー」は、直鎖状、環状、分岐状、架橋型若しくはデンドリマー状の化学結合又はそれらの組み合わせにより結合している反復構造単位、すなわちモノマーを含む分子であって、合成起源であっても、生物学的起源であってもよく、又は両方の組合せであってもよい分子を意味する。ポリマーは、例えば1つ以上の官能基などの、1つ以上の他の化学基及び/又は部分も含み得ることが理解される。特定の実施形態では、可溶性ポリマーは、少なくとも0.5kDaの分子量、例えば、少なくとも1kDaの分子量、少なくとも2kDaの分子量、少なくとも3kDaの分子量、又は少なくとも5kDaの分子量を有する。ポリマーが可溶性である場合、特定の実施形態では、上記ポリマーは、最大1000kDa、例えば最大750kDa、例えば最大500kDa、例えば最大300kDa、例えば最大200kDa、例えば最大100kDaの分子量を有する。非水溶性ポリマー、例えばヒドロゲルについては、有意な分子量範囲が提供され得ないことが理解される。ペプチド又はタンパク質も、各アミノ酸の側鎖が異なり得るとしても、アミノ酸が反復構造単位であるポリマーであることが理解される。
【0043】
本明細書において使用される用語「高分子の」は、1つ以上のポリマー又はポリマー部分を含む試薬又は部分を意味する。高分子試薬又は部分は、場合により、1つ以上の他の部分(1つ又は複数)も含み得、これは特定の実施形態において、以下のものカらなる群から選択される:
- C1-50アルキル、C2-50アルケニル、C2-50アルキニル、C3-10シクロアルキル、3~10員のヘテロシクリル、8~11員のヘテロビシクリル、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル及びテトラリニル、並びに
- 以下のものを含む群から選択される結合
【0044】
【化4】
(式中、
破線は、部分又は試薬の残部への結合を示し、
-R及び-Raは、互いに独立して、-H、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル及び3,3-ジメチルプロピルからなる群から選択される)。
【0045】
当業者は、重合反応から得られる重合生成物が、全て同じ分子量を有するとは限らず、むしろ分子量分布を示すことを理解する。このため、本明細書において使用される分子量範囲、分子量、ポリマー中のモノマー数の範囲、及びポリマー中のモノマー数は、数平均分子量及び数平均モノマーを指し、すなわち、ポリマー又はポリマー部分の分子量の算術平均、及びポリマー又はポリマー部分のモノマー数の算術平均を指す。
【0046】
したがって、「x」個のモノマー単位を含む高分子部分において、「x」として示される任意の整数は、このためモノマーの算術平均数に相当する。「x」として示される整数の任意の範囲も、モノマーの算術平均数が存在する整数範囲を提供する。「約x」として示される「x」の整数は、モノマーの算術平均数が、x+/-10%、特定の実施形態ではx+/-8%、特定の実施形態ではx+/-5%、特定の実施形態ではx+/-2%の整数の範囲内に存在することを意味する。
【0047】
本明細書において使用される用語「数平均分子量」は、個々のポリマーの分子量の通常の算術平均を意味する。
【0048】
長時間作用型PTH化合物に関して本明細書において使用される用語「水溶性」は、長時間作用型PTH化合物の少なくとも1gが20℃の1リットルの水に溶解し、均一な溶液を形成し得ることを意味する。したがって、長時間作用型PTH化合物に関する用語「非水溶性」は、均一な溶液を形成するために、20℃の1リットルの水に、1g未満の長時間作用型PTH化合物しか溶解し得ないことを意味する。
【0049】
部分又は試薬に関して本明細書において使用される用語「PEG系」は、前記部分、又は試薬がPEGを含むことを意味する。特定の実施形態において、PEG系部分、又は試薬は、少なくとも10%(w/w)のPEG、例えば少なくとも20%(w/w)のPEG、例えば少なくとも30%(w/w)のPEG、例えば少なくとも40%(w/w)のPEG、例えば少なくとも50%(w/w)、例えば少なくとも60(w/w)のPEG、例えば少なくとも70%(w/w)のPEG、例えば少なくとも80%(w/w)のPEG、例えば、少なくとも95%などの、少なくとも90%(w/w)のPEGを含む。PEG系の部分又は試薬の残りの重量百分率は、特定の実施形態において以下の部分及び結合から選択される他の部分である:
- C1-50アルキル、C2-50アルケニル、C2-50アルキニル、C3-10シクロアルキル、3~10員のヘテロシクリル、8~11員のヘテロビシクリル、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル及びテトラリニル、並びに
- 以下のものを含む群から選択される結合
【0050】
【化5】
(式中、
破線は、部分又は試薬の残部への結合を示し、
-R及び-Raは、互いに独立して、-H、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル及び3,3-ジメチルプロピルからなる群から選択される)。
【0051】
本明細書において使用される用語「置換されている」は、分子又は部分の1個以上の-H原子(1つ又は複数)が異なる原子又は原子団により置換されていることを意味し、これらは「置換基」と呼ばれる。
【0052】
特定の実施形態において、1つ以上のさらなる任意選択の置換基は、互いに独立して、ハロゲン、-CN、-COORx1、-ORx1、-C(O)Rx1、-C(O)N(Rx1Rx1a)、-S(O)2N(Rx1Rx1a)、-S(O)N(Rx1Rx1a)、-S(O)2Rx1、-S(O)Rx1、-N(Rx1)S(O)2N(Rx1aRx1b)、-SRx1、-N(Rx1Rx1a)、-NO2、-OC(O)Rx1、-N(Rx1)C(O)Rx1a、-N(Rx1)S(O)2Rx1a、-N(Rx1)S(O)Rx1a、-N(Rx1)C(O)ORx1a、-N(Rx1)C(O)N(Rx1aRx1b)、-OC(O)N(Rx1Rx1a)、-T0、C1-50アルキル、C2-50アルケニル及びC2-50アルキニルからなる群から選択され、ここで、-T0、C1-50アルキル、C2-50アルケニル及びC2-50アルキニルは、同じ又は異なる1つ以上の-Rx2で場合により置換されており、C1-50アルキル、C2-50アルケニル及びC2-50アルキニルには、-T0-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Rx3)-、-S(O)2N(Rx3)-、-S(O)N(Rx3)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(Rx3)S(O)2N(Rx3a)-、-S-、-N(Rx3)-、-OC(ORx3)(Rx3a)-、-N(Rx3)C(O)N(Rx3a)-、及び-OC(O)N(Rx3)-からなる群から選択される1つ以上の基が場合により割り込んでおり、
-Rx1、-Rx1a、-Rx1bは、互いに独立して、-H、-T0、C1-50アルキル、C2-50アルケニル及びC2-50アルキニルからなる群から選択され、ここで-T0、C1-50アルキル、C2-50アルケニル及びC2-50アルキニルは、同じ又は異なる1つ以上の-Rx2で場合により置換されており、C1-50アルキル、C2-50アルケニル及びC2-50アルキニルには、-T0-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Rx3)-、-S(O)2N(Rx3)-、-S(O)N(Rx3)-;-S(O)2-、-S(O)-、-N(Rx3)S(O)2N(Rx3a)-、-S-、-N(Rx3)-、-OC(ORx3)(Rx3a)-、-N(Rx3)C(O)N(Rx3a)-、及び-OC(O)N(Rx3)-からなる群から選択される1つ以上の基が場合により割り込んでおり、
各T0は、独立して、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員のヘテロシクリル、及び8~11員のヘテロビシクリルからなる群から選択され、各T0は、独立して、同じ又は異なる1つ以上の-Rx2で場合により置換されており、
各-Rx2は、独立して、ハロゲン、-CN、オキソ(=O)、-COORx4、-ORx4、-C(O)Rx4、-C(O)N(Rx4Rx4a)、-S(O)2N(Rx4Rx4a)、-S(O)N(Rx4Rx4a)、-S(O)2Rx4、-S(O)Rx4、-N(Rx4)S(O)2N(Rx4aRx4b)、-SRx4、-N(Rx4Rx4a)、-NO2、-OC(O)Rx4、-N(Rx4)C(O)Rx4a、-N(Rx4)S(O)2Rx4a、-N(Rx4)S(O)Rx4a、-N(Rx4)C(O)ORx4a、-N(Rx4)C(O)N(Rx4aRx4b)、-OC(O)N(Rx4Rx4a)、及びC1-6アルキルからなる群から選択され、C1-6アルキルは、同じ又は異なる1つ以上のハロゲンで場合により置換されており、
各-Rx3、-Rx3a、-Rx4、-Rx4a、-Rx4bは、独立して、-H及びC1-6アルキルからなる群から選択され、ここでC1-6アルキルは、同じ又は異なる1つ以上のハロゲンで場合により置換されている。
【0053】
特定の実施形態において、1つ以上のさらなる任意選択の置換基は、互いに独立して、ハロゲン、-CN、-COORx1、-ORx1、-C(O)Rx1、-C(O)N(Rx1Rx1a)、-S(O)2N(Rx1Rx1a)、-S(O)N(Rx1Rx1a)、-S(O)2Rx1、-S(O)Rx1、-N(Rx1)S(O)2N(Rx1aRx1b)、-SRx1、-N(Rx1Rx1a)、-NO2、-OC(O)Rx1、-N(Rx1)C(O)Rx1a、-N(Rx1)S(O)2Rx1a、-N(Rx1)S(O)Rx1a、-N(Rx1)C(O)ORx1a、-N(Rx1)C(O)N(Rx1aRx1b)、-OC(O)N(Rx1Rx1a)、-T0、C1-10アルキル、C2-10アルケニル及びC2-10アルキニルからなる群から選択され、ここで-T0、C1-10アルキル、C2-10アルケニル及びC2-10アルキニルは、同じ又は異なる1つ以上の-Rx2で場合により置換されており、C1-10アルキル、C2-10アルケニル及びC2-10アルキニルには、-T0-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Rx3)-、-S(O)2N(Rx3)-、-S(O)N(Rx3)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(Rx3)S(O)2N(Rx3a)-、-S-、-N(Rx3)-、-OC(ORx3)(Rx3a)-、-N(Rx3)C(O)N(Rx3a)-、及び-OC(O)N(Rx3)-からなる群から選択される1つ以上の基が場合により割り込んでおり、
各-Rx1、-Rx1a、-Rx1b、-Rx3、-Rx3aは、独立して、-H、ハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニル及びC2-6アルキニルからなる群から選択され、
各T0は、独立して、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員のヘテロシクリル、及び8~11員のヘテロビシクリルからなる群から選択され、ここで各T0は、独立して、同じ又は異なる1つ以上の-Rx2で場合により置換されており、
各-Rx2は、独立して、ハロゲン、-CN、オキソ(=O)、-COORx4、-ORx4、-C(O)Rx4、-C(O)N(Rx4Rx4a)、-S(O)2N(Rx4Rx4a)、-S(O)N(Rx4Rx4a)、-S(O)2Rx4、-S(O)Rx4、-N(Rx4)S(O)2N(Rx4aRx4b)、-SRx4、-N(Rx4Rx4a)、-NO2、-OC(O)Rx4、-N(Rx4)C(O)Rx4a、-N(Rx4)S(O)2Rx4a、-N(Rx4)S(O)Rx4a、-N(Rx4)C(O)ORx4a、-N(Rx4)C(O)N(Rx4aRx4b)、-OC(O)N(Rx4Rx4a)、及びC1-6アルキルからなる群から選択され、C1-6アルキルは、同じ又は異なる1つ以上のハロゲンで場合により置換されており、
各-Rx4、-Rx4a、-Rx4bは、独立して、-H、ハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニル及びC2-6アルキニルからなる群から選択される。
【0054】
特定の実施形態において、1つ以上のさらなる任意選択の置換基は、互いに独立して、ハロゲン、-CN、-COORx1、-ORx1、-C(O)Rx1、-C(O)N(Rx1Rx1a)、-S(O)2N(Rx1Rx1a)、-S(O)N(Rx1Rx1a)、-S(O)2Rx1、-S(O)Rx1、-N(Rx1)S(O)2N(Rx1aRx1b)、-SRx1、-N(Rx1Rx1a)、-NO2、-OC(O)Rx1、-N(Rx1)C(O)Rx1a、-N(Rx1)S(O)2Rx1a、-N(Rx1)S(O)Rx1a、-N(Rx1)C(O)ORx1a、-N(Rx1)C(O)N(Rx1aRx1b)、-OC(O)N(Rx1Rx1a)、-T0、C1-6アルキル、C2-6アルケニル及びC2-6アルキニルからなる群から選択され、ここで-T0、C1-6アルキル、C2-6アルケニル及びC2-6アルキニルは、同じ又は異なる1つ以上の-Rx2で場合により置換されており、C1-6アルキル、C2-6アルケニル及びC2-6アルキニルには、-T0-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Rx3)-、-S(O)2N(Rx3)-、-S(O)N(Rx3)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(Rx3)S(O)2N(Rx3a)-、-S-、-N(Rx3)-、-OC(ORx3)(Rx3a)-、-N(Rx3)C(O)N(Rx3a)-、及び-OC(O)N(Rx3)-からなる群から選択される1つ以上の基が場合により割り込んでおり、
各-Rx1、-Rx1a、-Rx1b、-Rx2、-Rx3、-Rx3aは、独立して、-H、ハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニル及びC2-6アルキニルからなる群から選択され、
各T0は、独立して、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員のヘテロシクリル、及び8~11員のヘテロビシクリルからなる群から選択され、ここで各T0は、独立して、同じ又は異なる1つ以上の-Rx2で場合により置換されている。
【0055】
特定の実施形態において、場合により置換されている分子の最大6個の-H原子は、置換基により独立して置換されており、例えば、5個の-H原子が置換基により独立して置換されており、4個の-H原子が置換基により独立して置換されており、3個の-H原子が置換基により独立して置換されており、2個の-H原子が置換基により独立して置換されており、又は1個の-H原子が置換基により置換されている。
【0056】
用語「割り込んでいる」は、部分が、2個の炭素原子間に挿入されている、又は挿入が上記部分の末端の一方にある場合、炭素又はヘテロ原子と水素原子の間、特定の実施形態では、炭素と水素原子の間に挿入されていることを意味する。
【0057】
本明細書において使用される用語「C1-4アルキル」は、単独で又は組合せで、1~4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル部分を意味する。分子の末端に存在する場合、直鎖又は分岐C1-4アルキルの例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル及びtert-ブチルである。分子の2つの部分がC1-4アルキルによって結合されている場合、このようなC1-4アルキル基の例は、-CH2-、-CH2-CH2-、-CH(CH3)-、-CH2-CH2-CH2-、-CH(C2H5)-、-C(CH3)2-である。C1-4アルキル炭素の各水素は、上記に定義される置換基で場合により置換されていてもよい。場合により、C1-4アルキルには、以下に定義される1つ以上の部分が割り込んでいてもよい。
【0058】
本明細書において使用される用語「C1-6アルキル」は、単独で又は組合せで、1~6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル部分を意味する。分子の末端に存在する場合、直鎖及び分岐C1-6アルキル基の例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル及び3,3-ジメチルプロピルである。分子の2つの部分がC1-6アルキル基によって結合されている場合、このようなC1-6アルキル基の例は、-CH2-、-CH2-CH2-、-CH(CH3)-、-CH2-CH2-CH2-、-CH(C2H5)-及び-C(CH3)2-である。C1-6炭素の各水素原子は、上記に定義される置換基で場合により置換されていてもよい。場合により、C1-6アルキルには、以下に定義される1つ以上の部分が割り込んでいてもよい。
【0059】
したがって、「C1-10アルキル」、「C1-20アルキル」又は「C1-50アルキル」は、それぞれ、1~10、1~20、又は、1~50個の炭素原子を有するアルキル鎖を意味し、C1-10、C1-20又はC1-50炭素の各水素原子は、上記に定義される置換基で場合により置換されていてもよい。場合により、C1-10又はC1-50アルキルには、以下に定義される1つ以上の部分が割り込んでいてもよい。
【0060】
本明細書において使用される用語「C2-6アルケニル」は、単独で又は組合せで、2~6個の炭素原子を有する、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む直鎖又は分岐炭化水素部分を意味する。分子の末端に存在する場合、例は、-CH=CH2、-CH=CH-CH3、-CH2-CH=CH2、-CH=CHCH2-CH3及び-CH=CH-CH=CH2である。分子の2つの部分がC2-6アルケニル基によって結合されている場合、このようなC2-6アルケニルの例は、-CH=CH-である。C2-6アルケニル部分の各水素原子は、上記に定義される置換基で場合により置換されていてもよい。場合により、C2-6アルケニルには、以下に定義される1つ以上の部分が割り込んでいてもよい。
【0061】
したがって、用語「C2-10アルケニル」、「C2-20アルケニル」又は「C2-50アルケニル」は、単独で又は組合せで、2~10、2~20、又は、2~50個の炭素原子を有する、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む直鎖又は分岐炭化水素部分を意味する。C2-10アルケニル、C2-20アルケニル又はC2-50アルケニル基の各水素原子は、上記に定義される置換基で場合により置換されていてもよい。場合により、C2-10アルケニル、C2-20アルケニル又はC2-50アルケニルには、以下に定義される1つ以上の部分が割り込んでいてもよい。
【0062】
本明細書において使用される用語「C2-6アルキニル」は、単独で又は組合せで、2~6個の炭素原子を有する、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含む直鎖又は分岐炭化水素部分を意味する。分子の末端に存在する場合、例は、-C≡CH、-CH2-C≡CH、CH2-CH2-C≡CH及びCH2-C≡C-CH3である。分子の2つの部分がアルキニル基によって結合されている場合、例は、-C≡C-である。C2-6アルキニル基の各水素原子は、上記に定義される置換基で場合により置換されていてもよい。場合により、1つ以上の二重結合(1つ又は複数)が存在してもよい。場合により、C2-6アルキニルには、以下に定義される1つ以上の部分が割り込んでいてもよい。
【0063】
したがって、本明細書において使用される用語「C2-10アルキニル」、「C2-20アルキニル」及び「C2-50アルキニル」は、単独で又は組み合わせで、それぞれ2~10、2~20、又は、2~50個の炭素原子を有する、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含む、直鎖又は分岐炭化水素部分を意味する。C2-10アルキニル、C2-20アルキニル又はC2-50アルキニル基の各水素原子は、上記に定義される置換基で場合により置換されていてもよい。場合により、1つ以上の二重結合(1つ又は複数)が存在してもよい。場合により、C2-10アルキニル、C2-20アルキニル又はC2-50アルキニルには、以下に定義される1つ以上の部分が割り込んでいてもよい。
【0064】
上記のとおり、C1-4アルキル、C1-6アルキル、C1-10アルキル、C1-20アルキル、C1-50アルキル、C2-6アルケニル、C2-10アルケニル、C2-20アルケニル、C2-50アルケニル、C2-6アルキニル、C2-10アルキニル、C2-20アルケニル又はC2-50アルキニルには、1つ以上の部分が場合により割り込んでいてもよく、この1つ以上の部分は、特定の実施形態では、
【0065】
【化6】
(式中、
破線は、部分又は試薬の残部への結合を示し、
-R及び-Raは、互いに独立して、-H、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル及び3,3-ジメチルプロピルからなる群から選択される)
からなる群から選択される。
【0066】
本明細書において使用される用語「C3-10シクロアルキル」は、飽和であっても不飽和であってもよい、3~10個の炭素原子を有する環状アルキル鎖、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル又はシクロデシルを意味する。C3-10シクロアルキル炭素の各水素原子は、上記に定義される置換基で置換されていてもよい。用語「C3-10シクロアルキル」は、ノルボルナン又はノルボルネンのような架橋二環も含む。
【0067】
用語「8~30員のカルボポリシクリル」又は「8~30員の炭素多環(carbopolycycle)」は、2つの隣接する環が少なくとも1個の環原子を共有し、最大数までの二重結合を含み得る、8~30個の環原子を有する2以上の環の環状部分(完全飽和、部分飽和、又は不飽和の芳香族環又は非芳香族環)を意味する。特定の実施形態において、8~30員のカルボポリシクリルは、2、3、4又は5環の、特定の実施形態では2、3又は4環の環状部分を意味する。
【0068】
本明細書において使用される用語「3~10員のヘテロシクリル」又は「3~10員の複素環」は、3、4、5、6、7、8、9又は10個の環原子を有し、最大数までの二重結合を含み得る環(完全飽和、部分飽和、又は不飽和の芳香族環又は非芳香族環)であって、少なくとも1個の環原子、最大4個までの環原子が、硫黄(-S(O)-、-S(O)2-を含む)、酸素、及び窒素(=N(O)-を含む)からなる群から選択されるヘテロ原子で置換されており、環が炭素原子又は窒素原子を介して分子の残部に結合している、上記環を意味する。3~10員の複素環の例としては、限定するものではないが、アジリジン、オキシラン、チイラン、アジリン、オキシレン、チイレン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、フラン、チオフェン、ピロール、ピロリン、イミダゾール、イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、オキサゾール、オキサゾリン、イソオキサゾール、イソオキサゾリン、チアゾール、チアゾリン、イソチアゾール、イソチアゾリン、チアジアゾール、チアジアゾリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、チアゾリジン、イソチアゾリジン、チアジアゾリジン、スルホラン、ピラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、イミダゾリジン、ピリジン、ピリダジン、ピラジン、ピリミジン、ピペラジン、ピペリジン、モルホリン、テトラゾール、トリアゾール、トリアゾリジン、テトラゾリジン、ジアゼパン、アゼピン及びホモピペラジンなどが挙げられる。3~10員のヘテロシクリル又は、3~10員の複素環式基の各水素原子は、以下に定義される置換基で置換されていてもよい。
【0069】
本明細書において使用される用語「8~11員のヘテロビシクリル」又は「8~11員の複素二環」は、少なくとも1個の環原子が両方の環により共有されており、最大数までの二重結合を含有し得る、8~11個の環原子を有する2環の複素環式部分(完全飽和、部分飽和、又は不飽和の芳香族環又は非芳香族環)であって、少なくとも1個の環原子、最大6個までの環原子が、硫黄(-S(O)-、-S(O)2-を含む)、酸素、及び窒素(=N(O)-を含む)からなる群から選択されるヘテロ原子で置換されており、上記環が、炭素原子又は窒素原子を介して分子の残部に結合している、上記2環の複素環式部分を意味する。8~11員の複素二環の例は、インドール、インドリン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾイミダゾリン、キノリン、キナゾリン、ジヒドロキナゾリン、キノリン、ジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、デカヒドロキノリン、イソキノリン、デカヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、ジヒドロイソキノリン、ベンザゼピン、プリン及びプテリジンである。用語8~11員の複素二環は、1,4-ジオキサ-8-アザスピロ[4.5]デカンのような2環のスピロ構造、又は8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンのような架橋複素環も含む。8~11員のヘテロビシクリル又は8~11員の複素二環炭素の各水素原子は、以下に定義される置換基で置換されていてもよい。
【0070】
同様に、用語「8~30員ヘテロポリシクリル」又は「8~30員の複素多環(heteropolycycle)」は、2つの隣接する環が、少なくとも1個の環原子を共有しており、最大数までの二重結合を含み得る、8~30個の環原子を有する2超の環、特定の実施形態では、3、4又は5個の環の複素環式部分(完全飽和、部分飽和、又は不飽和の芳香族又は非芳香族環)であって、少なくとも1個の環原子、最大10個までの環原子が、硫黄(-S(O)-、-S(O)2-を含む)、酸素、及び窒素(=N(O)-を含む)の群から選択されるヘテロ原子で置換されており、上記環が、炭素原子又は窒素原子を介して分子の残部に結合している、上記複素環式部分を意味する。
【0071】
構造:
【0072】
【化7】
の部分に関して、「ペアRx/Ryは、それらが結合している原子と一緒になって、C3-10シクロアルキル又は3~10員のヘテロシクリルを形成する」という句は、Rx及びRyが、下記構造を形成することを意味することが理解される:
【0073】
【化8】
(式中、Rは、C3-10シクロアルキル又は3~10員のヘテロシクリルである)。
【0074】
構造:
【0075】
【化9】
の部分に関して、「ペアRx/Ryは、それらが結合している原子と一緒になって、環Aを形成し」という句は、Rx及びRyが、下記の構造を形成することを意味することも理解される:
【0076】
【化10】
【0077】
本明細書において使用される「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを意味する。特定の実施形態において、ハロゲンはフルオロ又はクロロである。
【0078】
一般に、用語「含む(comprise)」又は「含む(comprising)」は、「からなる(consist of)」又は「からなる(consisting of)」も包含する。
【0079】
特定の実施形態において、BMDは、長時間作用型PTH化合物の投与の開始の58週間以内に低下する。
【0080】
特定の実施形態において、第1態様の使用は、BMDをモニタリングし、これによりBMDが低下したことを決定することを含む。特定の実施形態において、このようなモニタリングは、患者においてDXAスキャンを行い、このようなDXAスキャンの結果から、BMDが低下したことを決定することを含む。
【0081】
特定の実施形態において、BMDは、長時間作用型PTH化合物の投与の開始の58週間以内に低下する。
【0082】
特定の実施形態において、第1態様の使用は、副甲状腺機能低下症を有する患者の集団において行われ、ここで上記集団は、長時間作用型PTH化合物を受けていない対照集団と比較して、BMDの統計的に有意な改善を示す。特定の実施形態において、対照集団は、性別、民族性及び年齢を一致させた健康な集団である。特定の実施形態では、長時間作用型PTH化合物の投与の開始から58週間までに、統計的に有意な改善が検出される。
【0083】
特定の実施形態において、第1態様の使用のための長時間作用型PTH化合物は、以下のステップ (a) 特定の期間にわたり、前記患者に長時間作用型PTH化合物の薬学的有効用量を投与するステップ、(b) BMDを測定するステップ、及び場合により(c) BMDに応じて用量を調整するステップを含む治療において投与される。ステップ(b)及び(c)は、反復してもよい。
【0084】
特定の実施形態では、ステップ(a)において長時間作用型PTH化合物が患者に投与される期間は、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも6週間、少なくとも8週間又は少なくとも10週間である。
【0085】
特定の実施形態において、ステップ(b)におけるBMDは、DXAにより測定される。
【0086】
特定の実施形態において、BMDの低下が観察されないか又はBMDの不十分な低下が観察される場合、ステップ(c)における用量の調整は、例えば、1.1倍、1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍、1.9倍又は、2倍の用量増加である。ステップ(b)がBMDの適切な低下率を示す場合、用量調整は必要とされない。
【0087】
第1態様の増加したBMDを有する患者が副甲状腺機能低下症を有する患者である場合、ステップ(a)における長時間作用型PTH化合物の有効用量は、患者において正常範囲内の血清カルシウムレベルをもたらす用量である。特定の実施形態において、ステップ(a)についての開始用量は、3~5nmol PTH/日又は4~5nmol PTH/日である。特定の実施形態において、開始用量は4.4±0.3nmol PTH/日である。特定の実施形態において、開始用量は4.4±0.2nmol PTH/日である。特定の実施形態において、開始用量は4.4±0.1nmol PTH/日である。
【0088】
特定の実施形態では、長時間作用型PTH化合物は、特定の実施形態において、副甲状腺機能低下症を有する患者に、以下のステップ:
(i) 患者に投与される長時間作用型PTH化合物の用量を、上記患者において正常な血清カルシウムレベルをもたらすようにタイトレーションし(titrating)、第1期間中にこのような用量で患者を維持するステップ;
(ii) 第1期間の直後の第2期間中に、長時間作用型PTH化合物の用量を少なくとも1.1倍増加させるステップ;及び
(iii) 場合により、第3期間又はさらなる後続期間中に、長時間作用型PTH化合物の用量を少なくとも1.1倍増加させるステップ
を含む投与レジメンにおいて投与され得る。
【0089】
第3期間又はさらなる後続期間のそれぞれについて、長時間作用型PTH化合物の用量は、その直前の期間に投与される用量と比較して、少なくとも1.1倍増加されることが理解される。
【0090】
特定の実施形態において、第1態様の第1期間は、少なくとも2週間である。特定の実施形態において、第1態様の第1期間は、少なくとも1ヶ月間である。特定の実施形態において、第1態様の第1期間は、少なくとも2ヶ月間である。特定の実施形態において、第1態様の第1期間は、少なくとも3ヶ月間である。特定の実施形態において、第1態様の第1期間は、少なくとも4ヶ月間である。特定の実施形態において、第1態様の第1期間は、少なくとも5ヶ月間である。特定の実施形態において、第1態様の第1期間は、少なくとも6ヶ月間である。特定の実施形態において、第1態様の第1期間は、少なくとも7ヶ月間である。特定の実施形態において、第1態様の第1期間は、少なくとも8ヶ月間である。
【0091】
特定の実施形態において、第1態様の第2期間は、少なくとも2週間である。特定の実施形態において、第1態様の第2期間は、少なくとも1ヶ月間である。特定の実施形態において、第1態様の第2期間は、少なくとも2ヶ月間である。特定の実施形態において、第1態様の第2期間は、少なくとも3ヶ月間である。特定の実施形態において、第1態様の第2期間は、少なくとも4ヶ月間である。
【0092】
特定の実施形態において、第1態様のステップ(ii)における倍数は、少なくとも1.2である。特定の実施形態において、第1態様のステップ(ii)における倍数は、少なくとも1.3である。特定の実施形態において、第1態様のステップ(ii)における倍数は、少なくとも1.4である。特定の実施形態において、第1態様のステップ(ii)における倍数は、少なくとも1.5である。
【0093】
特定の実施形態において、第1態様のステップ(iii)における倍数は、少なくとも1.2である。特定の実施形態において、第1態様のステップ(iii)における倍数は、少なくとも1.4である。特定の実施形態において、第1態様のステップ(iii)における倍数は、少なくとも1.3である。特定の実施形態において、第1態様のステップ(iii)における倍数は、少なくとも1.4である。
【0094】
特定の実施形態において、患者に投与される用量は、患者の身体活動の増加により、治療経過中に増加される。
【0095】
第2態様において、本発明は、増加したBMDを有する対象において骨密度を低下させる方法であって、前記患者に長時間作用型PTH化合物の薬学的有効用量を投与するステップを含む、上記方法に関する。用語「対象」及び「患者」は、互換的に使用され得ることが理解される。
【0096】
特定の実施形態において、第2態様の方法は、BMDをモニタリングし、これによりBMDが低下したことを決定するステップをさらに含む。特定の実施形態において、このようなモニタリングは、患者においてDXAスキャンを行い、このようなDXAスキャンの結果からBMDが低下したことを決定するステップを含む。
【0097】
特定の実施形態において、BMDは、長時間作用型PTH化合物の投与の開始の58週間以内に低下する。
【0098】
特定の実施形態において、第3態様の方法は、副甲状腺機能低下症を有する患者の集団で行われ、ここで上記集団は、長時間作用型PTH化合物を受けていない対照集団と比較して、BMDの統計的に有意な改善を示す。特定の実施形態において、対照集団は、性別、人種及び年齢を一致させた健康な集団である。特定の実施形態では、長時間作用型PTH化合物の投与の開始から58週間までに、統計的に有意な改善が検出される。
【0099】
特定の実施形態において、第2態様の方法は、(a) 特定の期間にわたり前記患者に薬学的有効用量の長時間作用型PTH化合物を投与するステップ、(b) BMDを測定するステップ、及び場合により(c) BMDに応じて用量を調整するステップを含む。ステップ(b)及び(c)は、反復してもよい。
【0100】
特定の実施形態では、ステップ(a)における長時間作用型PTH化合物が患者に投与される期間は、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも6週間、少なくとも8週間、又は少なくとも10週間である。
【0101】
特定の実施形態において、ステップ(b)におけるBMDは、DXAにより測定される。
【0102】
特定の実施形態において、BMDの低下が観察されないか又はBMDの不十分な低下が観察される場合、ステップ(c)における用量の調整は、例えば、1.1倍、1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍、1.9倍又は2倍の用量の増加である。ステップ(b)がBMDの適切な低下率を示す場合、用量調整は必要とされない。
【0103】
第2態様の増加したBMDを有する患者が、副甲状腺機能低下症を有する患者である場合、ステップ(a)における長時間作用型PTH化合物の有効用量は、患者において正常範囲内の血清カルシウムレベルをもたらす用量である。特定の実施形態において、ステップ(a)についての開始用量は、3~5nmol PTH/日又は4~5nmol PTH/日である。特定の実施形態において、開始用量は、4.4±0.3nmol PTH/日である。特定の実施形態において、開始用量は、4.4±0.2nmol PTH/日である。特定の実施形態において、開始用量は、4.4±0.1nmol PTH/日である。
【0104】
第2態様の増加したBMDを有する患者が、副甲状腺機能低下症を有する患者である場合、上記方法は、特定の実施形態において、以下のステップ:
(i) 患者に投与される長時間作用型PTH化合物の用量を、上記患者において正常な血清カルシウムレベルをもたらすようにタイトレーションし、第1期間中にこのような用量で患者を維持するステップ;
(ii) 第1期間の直後の第2期間中に、長時間作用型PTH化合物の用量を少なくとも1.1倍増加させるステップ;及び
(iii) 場合により、第3期間又はさらなる後続期間中に、長時間作用型PTH化合物の用量を少なくとも1.1倍増加させるステップ
を含み得る。
【0105】
第3期間又はさらなる後続期間のそれぞれについて、長時間作用型PTH化合物の用量は、その直前の期間に投与される用量と比較して、少なくとも1.1倍増加されることが理解される。
【0106】
特定の実施形態において、第2態様の第1期間は、少なくとも2週間である。特定の実施形態において、第2態様の第1期間は、少なくとも1ヶ月間である。特定の実施形態において、第2態様の第1期間は、少なくとも2ヶ月間である。特定の実施形態において、第2態様の第1期間は、少なくとも3ヶ月間である。特定の実施形態において、第2態様の第1期間は、少なくとも4ヶ月間である。特定の実施形態において、第2態様の第1期間は、少なくとも5ヶ月間である。特定の実施形態において、第1第2(the first second)の第1期間は、少なくとも6ヶ月間である。特定の実施形態において、第2態様の第1期間は、少なくとも7ヶ月間である。特定の実施形態において、第2態様の第1期間は、少なくとも8ヶ月間である。
【0107】
特定の実施形態において、第2態様の第2期間は、少なくとも2週間である。特定の実施形態において、第2態様の第2期間は、少なくとも1ヶ月間である。特定の実施形態において、第2態様の第2期間は、少なくとも2ヶ月間である。特定の実施形態において、第2態様の第2期間は、少なくとも3ヶ月間である。特定の実施形態において、第2態様の第2期間は、少なくとも4ヶ月間である。
【0108】
特定の実施形態において、第2態様のステップ(ii)における倍数は、少なくとも1.2である。特定の実施形態において、第2態様のステップ(ii)における倍数は、少なくとも1.3である。特定の実施形態において、第2態様のステップ(ii)における倍数は、少なくとも1.4である。特定の実施形態において、第2態様のステップ(ii)における倍数は、少なくとも1.5である。
【0109】
特定の実施形態において、第2態様のステップ(iii)における倍数は、少なくとも1.2である。特定の実施形態において、第2態様のステップ(iii)における倍数は、少なくとも1.4である。特定の実施形態において、第2態様のステップ(iii)における倍数は、少なくとも1.3である。特定の実施形態において、第1態様のステップ(iii)における倍数は、少なくとも1.4である。
【0110】
特定の実施形態において、患者に投与される用量は、患者の身体活動の増加により、治療経過中に増加される。
【0111】
第3態様において、本発明は、患者に長時間作用型PTH化合物を投与するステップを含む、増加したBMDを有する患者においてBMDを低下させる方法に関し、ここで長時間作用型PTH化合物は、患者のBMDを低下させる。
【0112】
特定の実施形態において、上記方法は、BMDをモニタリングし、これによりBMDが低下したことを決定するステップをさらに含む。特定の実施形態において、このようなモニタリングは、患者においてDXAスキャンを行い、このようなDXAスキャンの結果からBMDが低下したことを決定するステップを含む。
【0113】
特定の実施形態において、BMDは、長時間作用型PTH化合物の投与の開始の58週間以内に低下する。
【0114】
特定の実施形態において、上記方法は、副甲状腺機能低下症を有する患者の集団で行われ、ここで上記集団は、長時間作用型PTH化合物を受けていない対照集団と比較して、BMDの統計的に有意な改善を示す。特定の実施形態において、対照集団は、性別、民族性及び年齢を一致させた健康な集団である。特定の実施形態では、長時間作用型PTH化合物の投与の開始から58週間までに、統計的に有意な改善が検出される。
【0115】
特定の実施形態では、第3態様の方法における長時間作用型PTH化合物は、(a) 特定の期間にわたり、前記患者に薬学的有効用量の長時間作用型PTH化合物を投与するステップ、(b) BMDを測定するステップ、及び場合により(c) BMDに応じて用量を調整するステップを含む治療において投与される。ステップ(b)及び(c)は、反復してもよい。
【0116】
特定の実施形態では、ステップ(a)において長時間作用型PTH化合物が患者に投与される期間は、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも6週間、少なくとも8週間、又は少なくとも10週間である。
【0117】
特定の実施形態において、ステップ(b)におけるBMDは、DXAにより測定される。
【0118】
特定の実施形態において、BMDの低下が観察されないか又はBMDの不十分な低下が観察される場合、ステップ(c)における用量の調整は、例えば、1.1倍、1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍、1.9倍、又は2倍の用量の増加である。ステップ(b)がBMDの適切な低下率を示す場合、用量調整は必要とされない。
【0119】
第3態様の増加したBMDを有する患者が、副甲状腺機能低下症を有する患者である場合、ステップ(a)における長時間作用型PTH化合物の有効用量は、患者において正常範囲内の血清カルシウムレベルをもたらす用量である。特定の実施形態において、ステップ(a)についての開始用量は、3~5nmol PTH/日又は4~5nmol PTH/日である。特定の実施形態において、開始用量は4.4±0.3nmol PTH/日である。特定の実施形態において、開始用量は4.4±0.2nmol PTH/日である。特定の実施形態において、開始用量は4.4±0.1nmol PTH/日である。
【0120】
第3態様の増加したBMDを有する患者が、副甲状腺機能低下症を有する患者である場合、上記方法は、特定の実施形態において、以下のステップ:
(i) 患者に投与される長時間作用型PTH化合物の用量を、上記患者において正常な血清カルシウムレベルをもたらすようにタイトレーションし、第1期間中にこのような用量で患者を維持するステップ;
(ii) 第1期間の直後の第2期間中に、長時間作用型PTH化合物の用量を少なくとも1.1倍増加させるステップ;及び
(iii) 場合により、第3期間又はさらなる後続期間中に、長時間作用型PTH化合物の用量を少なくとも1.1倍増加させるステップ
を含み得る。
【0121】
第3期間又はさらなる後続期間のそれぞれについて、長時間作用型PTH化合物の用量は、その直前の期間に投与される用量と比較して、少なくとも1.1倍増加されることが理解される。
【0122】
特定の実施形態において、第3態様の第1期間は、少なくとも2週間である。特定の実施形態において、第3態様の第1期間は、少なくとも1ヶ月間である。特定の実施形態において、第3態様の第1期間は、少なくとも2ヶ月間である。特定の実施形態において、第3態様の第1期間は、少なくとも3ヶ月間である。特定の実施形態において、第3態様の第1期間は、少なくとも4ヶ月間である。特定の実施形態において、第3態様の第1期間は、少なくとも5ヶ月間である。特定の実施形態において、第3態様の第1期間は、少なくとも6ヶ月間である。特定の実施形態において、第3態様の第1期間は、少なくとも7ヶ月間である。特定の実施形態において、第3態様の第1期間は、少なくとも8ヶ月間である。
【0123】
特定の実施形態において、第3態様の第2期間は、少なくとも2週間である。特定の実施形態において、第3態様の第2期間は、少なくとも1ヶ月間である。特定の実施形態において、第3態様の第2期間は、少なくとも2ヶ月間である。特定の実施形態において、第3態様の第2期間は、少なくとも3ヶ月間である。特定の実施形態において、第3態様の第2期間は、少なくとも4ヶ月間である。
【0124】
特定の実施形態において、第3態様のステップ(ii)における倍数は、少なくとも1.2である。特定の実施形態において、第3態様のステップ(ii)における倍数は、少なくとも1.3である。特定の実施形態において、第3態様のステップ(ii)における倍数は、少なくとも1.4である。特定の実施形態において、第3態様のステップ(ii)における倍数は、少なくとも1.5である。
【0125】
特定の実施形態において、第3態様のステップ(iii)における倍数は、少なくとも1.2である。特定の実施形態において、第3態様のステップ(iii)における倍数は、少なくとも1.4である。特定の実施形態において、第3態様のステップ(iii)における倍数は、少なくとも1.3である。特定の実施形態において、第3態様のステップ(iii)における倍数は、少なくとも1.4である。
【0126】
特定の実施形態において、患者に投与される用量は、患者の身体活動の増加により、治療経過中に増加される。
【0127】
特定の実施形態では、第1態様~第3態様における増加したBMDを有する患者は、副甲状腺機能低下症;SAPHO(滑膜炎、ざ瘡、膿疱症;骨化過剰症;骨炎)症候群;慢性感染性骨髄炎;骨の結節性硬化症;フッ素症;腎性骨異栄養症;先端巨大症;C型肝炎関連骨硬化症;骨髄線維症;肥満細胞症;低下した骨吸収の先天的状態、例えば、大理石骨病、濃化異骨症、骨斑紋症及びメロレオストーシス;増加した骨形成の先天的状態、例えば硬結性骨化症、ファン・ブッヘム病(van Buchem’s disease)、LRP5 HBM、LRP4 HBM、頭蓋骨幹端異形成症;並びに阻害された形成及び吸収の状態、例えばカムラチ・エンゲルマン病及びゴーサル症候群(Ghosal syndrome)からなる群から選択される疾患を有する患者である。
【0128】
特定の実施形態において、第1態様~第3態様において増加したBMDを有する患者は、副甲状腺機能低下症に罹患している。特定の実施形態において、第1態様~第3態様において増加したBMDを有する患者は、大理石骨病に罹患している。
【0129】
第4態様において、本発明は、副甲状腺機能低下症を有する患者のBMDを低下させるための方法であって、上記患者に長時間作用型PTH化合物のレジームを投与するステップ;BMDが改善したか否かをモニタリングするステップ;並びにBMDの改善の存在及び程度に応じてレジームを調整するステップを含む、上記方法に関する。特定の実施形態において、上記調整は、長時間作用型PTH化合物の用量の変更である。特定の実施形態において、このようなモニタリングは、患者においてDXAスキャンを行い、このようなDXAスキャンの結果からBMDが低下したことを決定するステップを含む。
【0130】
特定の実施形態において、BMDは、長時間作用型PTH化合物の投与の開始の58週間以内に低下する。
【0131】
特定の実施形態において、第4態様の方法は、副甲状腺機能低下症を有する患者の集団で行われ、ここで上記集団は、長時間作用型PTH化合物を受けていない対照集団と比較して、BMDの統計的に有意な改善を示す。特定の実施形態において、対照集団は、性別、民族性及び年齢について一致した健康な集団である。特定の実施形態では、長時間作用型PTH化合物の投与の開始から58週間までに、統計的に有意な改善が検出される。
【0132】
特定の実施形態において、第1態様~第4態様におけるBMDの低下は、少なくとも0.1のZスコアの低下である。特定の実施形態において、第1態様~第4態様におけるBMDの低下は、少なくとも0.2のZスコアの低下である。特定の実施形態において、第1態様~第4態様におけるBMDの低下は、少なくとも0.3のZスコアの低下である。特定の実施形態において、第1態様~第4態様におけるBMDの低下は、少なくとも0.4のZスコアの低下である。特定の実施形態において、第1態様~第4態様におけるBMDの低下は、少なくとも0.5のZスコアの低下である。特定の実施形態において、第1態様~第4態様におけるBMDの低下は、少なくとも0.6のZスコアの低下である。特定の実施形態において、第1態様~第4態様におけるBMDの低下は、少なくとも0.7のZスコアの低下である。特定の実施形態において、第1態様~第4態様におけるBMDの低下は、少なくとも0.8のZスコアの低下である。特定の実施形態において、BMDの低下は、0未満のZスコアをもたらさない。特定の実施形態において、BMDの低下は、治療の開始の58週間後に達成される。特定の実施形態において、より長い期間の副甲状腺機能低下症を有する患者は、特に軸性部位(axial site)において、より短期間の副甲状腺機能低下症を有する患者と比較してより大きなZスコアにおける数値の減少を有し、例えば、10年超の副甲状腺機能低下症の期間を有する患者は、5年未満の副甲状腺機能低下症の期間を有する患者と比較して、Zスコアにおいて少なくとも1.5倍高い減少又は少なくとも2倍高い減少を有する。
【0133】
特定の実施形態において、第1態様~第4態様におけるBMDの低下は、海綿骨におけるBMDの低下である。全ての海綿骨においてBMDを測定することは実現不可能であり得ることが理解され、このため特定の実施形態では、BMDの低下は、腰椎L1~L4、大腿骨頸部及び股関節において測定される。特定の実施形態において、BMDの低下は、腰椎L1~L4、大腿骨頸部及び股関節からなる群から選択される少なくとも1つの領域において測定される。特定の実施形態において、BMDの低下は、腰椎L1~L4、大腿骨頸部及び股関節からなる群から選択される少なくとも1つの領域におけるBMDの低下である。増加したBMDを有する患者が、皮質骨においてこのようなBMDを有する場合、BMDの低下は、皮質骨の低下でもあり得る。特定の実施形態では、橈骨遠位端1/3においてBMDの低下は観察されない。
【0134】
特定の実施形態において、BMDの低下は忍容性が高い。「忍容性が高い」という句は、重篤な治療関連TEAEが生じないことを意味する。「TEAE」という略語は、「治療出現有害事象」を表し、医学的処置の前には存在していなかった望ましくない事象、又はこの事象が既に存在していて治療後に強度若しくは頻度のいずれかが悪化した、望ましくない事象を指す。「治療関連TEAE」という用語は、特定の治療と疑わしい因果関係を有するTEAEを指す。「重篤な治療関連TEAE」は、死亡、入院若しくは既存の入院の延長、持続性の若しくは顕著な身体障害/無能力又は先天性異常若しくは先天性欠損症をもたらす治療関連TEAEである。
【0135】
第5態様において、本発明は、副甲状腺機能低下症を治療する方法において使用するための長時間作用型PTH化合物であって、上記長時間作用型PTH化合物が、長時間作用型PTH化合物の用量を治療経過中に増加させる投与レジメンにおいて投与され、このような投与レジメンが、以下のステップ:
(i) 患者に投与される長時間作用型PTH化合物の用量を、上記患者において正常な血清カルシウムレベルをもたらすようにタイトレーションし、第1期間中にこのような用量で患者を維持するステップ;
(ii) 第1期間の直後の第2期間中に、長時間作用型PTH化合物の用量を少なくとも1.1倍増加させるステップ;及び
(iii) 場合により、第3期間又はさらなる後続期間中に、長時間作用型PTH化合物の用量を少なくとも1.1倍増加させるステップ
を含む、上記長時間作用型PTH化合物に関する。
【0136】
第6態様において、本発明は、副甲状腺機能低下症を治療する方法であって、長時間作用型PTH化合物の用量を治療経過中に増加させる投与レジメンにおいて副甲状腺機能低下症に罹患している患者に少なくとも1つの長時間作用型PTH化合物を投与するステップを含み、ここでかかる投与レジメンが、以下のステップ:
(i) 患者に投与される長時間作用型PTH化合物の用量を、上記患者において正常な血清カルシウムレベルをもたらすようにタイトレーションし、第1期間中にこのような用量で患者を維持するステップ;
(ii) 第1期間の直後の第2期間中に、長時間作用型PTH化合物の用量を少なくとも1.1倍増加させるステップ;及び
(iii) 場合により、第3期間又はさらなる後続期間中に、長時間作用型PTH化合物の用量を少なくとも1.1倍増加させるステップ
を含む、上記方法に関する。
【0137】
驚くべきことに、副甲状腺機能低下症を有する患者は、正常な血清カルシウムレベルを維持するために、長時間作用型PTH化合物の用量を増加させることを必要とすることが見出された。
【0138】
特定の実施形態において、第5態様及び第6態様の第1期間は、少なくとも1ヶ月間である。特定の実施形態において、第5態様及び第6態様の第1期間は、少なくとも2ヶ月間である。特定の実施形態において、第5態様及び第6態様の第1期間は、少なくとも3ヶ月間である。特定の実施形態において、第5態様及び第6態様の第1期間は、少なくとも4ヶ月間である。特定の実施形態において、第5態様及び第6態様の第1期間は、少なくとも5ヶ月間である。特定の実施形態において、第5態様及び第6態様の第1期間は、少なくとも6ヶ月間である。特定の実施形態において、第5態様及び第6態様の第1期間は、少なくとも7ヶ月間である。特定の実施形態において、第5態様及び第6態様の第1期間は、少なくとも8ヶ月間である。
【0139】
特定の実施形態において、第5態様及び第6態様の第2期間は、少なくとも1ヶ月間である。特定の実施形態において、第5態様及び第6態様の第2期間は、少なくとも2ヶ月間である。特定の実施形態において、第5態様及び第6態様の第2期間は、少なくとも3ヶ月間である。特定の実施形態において、第5態様及び第6態様の第2期間は、少なくとも4ヶ月間である。
【0140】
特定の実施形態において、第5態様及び第6態様のステップ(ii)における倍数は、少なくとも1.2である。特定の実施形態において、第5態様及び第6態様のステップ(ii)における倍数は、少なくとも1.3である。
【0141】
特定の実施形態において、第5態様及び第6態様のステップ(iii)における倍数は、少なくとも1.2である。特定の実施形態において、第5態様及び第6態様のステップ(iii)における倍数は、少なくとも1.3である。
【0142】
以下の段落は、本発明の全ての態様に関する。
【0143】
特定の実施形態において、患者は、副甲状腺機能低下症を5年未満有していた副甲状腺機能低下症患者である。特定の実施形態において、患者は、副甲状腺機能低下症を5~10年間有していた副甲状腺機能低下症患者である。特定の実施形態において、患者は、副甲状腺機能低下症を10年超有していた副甲状腺機能低下症患者である。
【0144】
特定の実施形態では、長時間作用型PTH化合物は、1日1回投与される。特定の実施形態では、長時間作用型PTH化合物は、1週間に1回投与される。
【0145】
特定の実施形態では、長時間作用型PTH化合物は、注射により投与される。特定の実施形態では、長時間作用型PTH化合物は、皮下注射により投与される。特定の実施形態では、長時間作用型PTH化合物は、皮下注射により1日1回投与される。特定の実施形態では、長時間作用型PTH化合物は、皮下注射により1週間に1回投与される。
【0146】
長時間作用型PTH化合物の投与は、増加したBMDを有する患者において骨代謝の正常化をもたらす。特定の実施形態において、BMDの低下は、長時間作用型PTH化合物の長期使用による年齢及び性別に応じた基準(norms)に傾く骨代謝マーカーの初期増加に関連する。特定の実施形態において、用語「長期使用」は、少なくとも58週間の使用を指す。特定の実施形態において、このような骨代謝マーカーは、P1NP及び/又はCTxである。特定の実施形態では、長時間作用型PTH化合物の投与は、58週目までに骨代謝マーカーの正常化をもたらす。特定の実施形態において、同化マーカーP1NP及び吸収マーカーCTxの両方についての平均値は、治療の58週間後に年齢及び性別に応じた基準以内であり、骨代謝の正常化を反映している。
【0147】
増加したBMDを有する患者の治療は、BMD Zスコアの安定化をもたらす。
【0148】
特定の実施形態では、長時間作用型PTH化合物は、徐放性PTH化合物である。
【0149】
特定の実施形態では、長時間作用型PTH化合物は、式(Ia)若しくは(Ib)の化合物
【0150】
【化11】

(式中、
各-Dは、個々に、PTH部分であり、
各-L1-は、個々に、-Dに共有結合的に且つ可逆的に結合しているリンカー部分であり、
各-L2-は、個々に、化学的単結合(single chemical bond)又はスペーサー部分であり、
各-Zは、個々に、担体部分、例えば脂肪酸誘導体又はポリマーであり、
xは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24及び25からなる群から選択される整数であり、
yは、2、3、4及び5からなる群から選択される整数である)
又はその薬学的に許容される塩である。
【0151】
式(Ia)及び(Ib)の化合物は、徐放性PTH化合物である。
【0152】
特定の実施形態において、式(Ib)のyは2である。特定の実施形態において、式(Ib)のyは3である。特定の実施形態において、式(Ib)のyは4である。特定の実施形態において、式(Ib)のyは5である。特定の実施形態において、式(Ib)のyは6である。特定の実施形態において、式(Ib)のyは7である。特定の実施形態において、式(Ib)のyは8である。特定の実施形態において、式(Ib)のyは9である。特定の実施形態において、式(Ib)のyは10である。特定の実施形態において、式(Ib)のyは11である。特定の実施形態において、式(Ib)のyは12である。特定の実施形態において、式(Ib)のyは13である。特定の実施形態において、式(Ib)のyは14である。特定の実施形態において、式(Ib)のyは15である。特定の実施形態において、式(Ib)のyは16である。特定の実施形態において、式(Ib)のyは17である。特定の実施形態において、式(Ib)のyは18である。特定の実施形態において、式(Ib)のyは19である。特定の実施形態において、式(Ib)のyは20である。
【0153】
特定の実施形態では、長時間作用型PTH化合物は、式(Ia)の化合物である。特定の実施形態では、長時間作用型PTH化合物は、x=1を有する式(Ia)の化合物である。
【0154】
-D、-L1-、-L2-及びZについての具体的な実施形態は、本明細書中の他の箇所に記載されるとおりである。
【0155】
特定の実施形態では、長時間作用型PTH化合物は、1つ以上の部分-L2-L1-Dがコンジュゲートされている担体部分Z’を含むコンジュゲート又はその薬学的に許容される塩であり、ここで各-L2-は、個々に、化学結合又はスペーサー部分であり、各-L1-は、個々に、-Dが可逆的に且つ共有結合的にコンジュゲートされているリンカー部分であり、各-Dは、個々に、PTH部分であり、Z’はヒドロゲルである。このような長時間作用型PTH化合物は、徐放性PTH化合物である。-D、-L1-、-L2-及びZ’についての具体的な実施形態は、本明細書中の他の箇所に記載されるとおりである。
【0156】
特定の実施形態において、-Dは、C末端切断型PTH、例えばヒト由来のC末端切断型PTH、例えば、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58、配列番号59、配列番号60、配列番号61、配列番号62、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91、配列番号92、配列番号93、配列番号94、配列番号95、配列番号96、配列番号97、配列番号98、配列番号99、配列番号100、配列番号101、配列番号102、配列番号103、配列番号104、配列番号105、配列番号106、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号110、配列番号111、配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号117、配列番号118、配列番号119、配列番号120及び配列番号121、並びにこれらと少なくとも90%の相同性を有する配列からなる群から選択されるC末端切断型PTHである。
【0157】
特定の実施形態において、-Dは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58、配列番号59、配列番号60、配列番号61、配列番号62、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91、配列番号92、配列番号93、配列番号94、配列番号95、配列番号96、配列番号97、配列番号98、配列番号99、配列番号100、配列番号101、配列番号102、配列番号103、配列番号104、配列番号105、配列番号106、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号110、配列番号111、配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号117、配列番号118、配列番号119、配列番号120及び配列番号121からなる群から選択される。
【0158】
特定の実施形態において、-Dは、配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58、配列番号59、配列番号60、配列番号96、配列番号97、配列番号98、配列番号99、配列番号100、配列番号101、配列番号102、配列番号103、配列番号104、配列番号105、配列番号106、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号110、配列番号111、配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号117、配列番号118、配列番号119、配列番号120、並びにこれらと少なくとも90%の相同性を有する配列からなる群から選択される。
【0159】
特定の実施形態において、-Dは、配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58、配列番号59、配列番号60、配列番号96、配列番号97、配列番号98、配列番号99、配列番号100、配列番号101、配列番号102、配列番号103、配列番号104、配列番号105、配列番号106、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号110、配列番号111、配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号117、配列番号118、配列番号119 及び配列番号120からなる群から選択される。
【0160】
特定の実施形態において、-Dは、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号110、配列番号111、配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号115;並びにこれらと少なくとも90%の相同性を有する配列からなる群から選択される。
【0161】
特定の実施形態において、-Dは、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号110、配列番号111、配列番号112、配列番号113、配列番号114及び配列番号115からなる群から選択される。
【0162】
特定の実施形態において、-Dは、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号110、配列番号111、配列番号112;並びにこれらと少なくとも90%の相同性を有する配列からなる群から選択される。
【0163】
特定の実施形態において、-Dは、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号110、配列番号111及び配列番号112からなる群から選択される。
【0164】
特定の実施形態において、-Dは、配列番号50を有する。特定の実施形態において、-Dは、配列番号52を有する。特定の実施形態において、-Dは、配列番号110を有する。特定の実施形態において、-Dは、配列番号111を有する。特定の実施形態において、-Dは、配列番号112を有する。
【0165】
特定の実施形態において、-Dは、配列番号51を有する。
【0166】
特定の実施形態において、-Dは、配列番号122の配列である:
AVAEIQLMHQRAKWIQDARR RAFLHKLIAEIHTAEI
【0167】
部分-L1-は、-Dのアミノ酸残基の側鎖の官能基にコンジュゲートしているか、-DのN末端アミン官能基に若しくはC末端カルボキシル官能基にコンジュゲートしているか、又は-Dの骨格ポリペプチド鎖中の窒素原子にコンジュゲートしている。N末端又はC末端いずれかへの結合は、対応するアミン官能基若しくはカルボキシル官能基それぞれを介して直接的に結合し得るか、又は間接的に結合し得、この場合、スペーサー部分が先ずアミン官能基若しくはカルボキシル官能基にコンジュゲートし、それにスペーサー部分-L1-がコンジュゲートする。
【0168】
特定の実施形態において、-L1-がコンジュゲートしているPTHのアミノ酸残基は、カルボン酸、一級アミン、二級アミン、マレイミド、チオール、スルホン酸、カーボネート、カルバメート、ヒドロキシル、アルデヒド、ケトン、ヒドラジン、イソシアネート、イソチオシアネート、リン酸、ホスホン酸、ハロアセチル、ハロゲン化アルキル、アクリロイル、フッ化アリール、ヒドロキシルアミン、スルフェート、ジスルフィド、ビニルスルホン、ビニルケトン、ジアゾアルカン、オキシラン、グアニジン及びアジリジンからなる群から選択される官能基を含む。特定の実施形態において、-L1-がコンジュゲートしているPTHのアミノ酸残基は、ヒドロキシル、一級アミン、二級アミン及びグアニジンからなる群から選択される官能基を含む。特定の実施形態において、-L1-がコンジュゲートしているPTHのアミノ酸残基は、一級又は二級アミン官能基を含む。特定の実施形態において、-L1-がコンジュゲートしているPTHのアミノ酸残基は、一級アミン官能基を含む。
【0169】
部分-L1-が、PTHのアミノ酸残基の側鎖の官能基にコンジュゲートしている場合、前記アミノ酸残基は、タンパク質構成アミノ酸残基及び非タンパク質構成アミノ酸残基からなる群から選択される。特定の実施形態において、-L1-は、PTHのタンパク質構成アミノ酸残基の側鎖の官能基にコンジュゲートしている。特定の実施形態において、-L1-は、PTHの非タンパク質構成アミノ酸残基の側鎖の官能基にコンジュゲートしている。
【0170】
特定の実施形態において、-L1-は、PTHのタンパク質構成アミノ酸残基の側鎖の官能基にコンジュゲートしている。特定の実施形態において、前記タンパク質構成アミノ酸は、ヒスチジン、リシン、トリプトファン、セリン、トレオニン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸及びアルギニンからなる群から選択される。特定の実施形態において、前記タンパク質構成アミノ酸は、リシン、アスパラギン酸、アルギニン及びセリンからなる群から選択される。特定の実施形態において、前記タンパク質構成アミノ酸は、リシン、アルギニン及びセリンからなる群から選択される。特定の実施形態において、-L1-は、PTHのヒスチジンの側鎖の官能基にコンジュゲートしている。特定の実施形態において、-L1-は、PTHのリシンの側鎖の官能基にコンジュゲートしている。特定の実施形態において、-L1-は、PTHのトリプトファンの側鎖の官能基にコンジュゲートしている。特定の実施形態において、-L1-は、PTHのセリンの側鎖の官能基にコンジュゲートしている。特定の実施形態において、-L1-は、PTHのトレオニンの側鎖の官能基にコンジュゲートしている。特定の実施形態において、-L1-は、PTHのチロシンの側鎖の官能基にコンジュゲートしている。特定の実施形態において、-L1-は、PTHのアスパラギン酸の側鎖の官能基にコンジュゲートしている。特定の実施形態において、-L1-は、PTHのグルタミン酸の側鎖の官能基にコンジュゲートしている。特定の実施形態において、-L1-は、PTHのアルギニンの側鎖の官能基にコンジュゲートしている。全てのPTH部分がこれらのアミノ酸残基の全てを含み得るとは限らないことが理解される。
【0171】
特定の実施形態において、-L1-は、PTHのN末端アミン官能基に、対応するアミン官能基によって直接的にコンジュゲートしているか、又は間接的にコンジュゲートしており、この場合、スペーサー部分が先ずアミン官能基にコンジュゲートし、その官能基にスペーサー部分-L1-がコンジュゲートしている。特定の実施形態において、-L1-は、PTHのN末端アミン官能基に直接的にコンジュゲートしている。特定の実施形態において、-L1-は、PTHのC末端官能基に、対応するカルボキシル官能基によって直接的にコンジュゲートしているか、又は間接的にコンジュゲートしており、この場合、スペーサー部分が先ずカルボキシル官能基にコンジュゲートし、その官能基にスペーサー部分-L1-がコンジュゲートしている。特定の実施形態において、-L1-は、PTHのN末端アミン官能基に直接的にコンジュゲートしている。
【0172】
部分-L1-は、可逆的であることを条件として、任意のタイプの結合により-Dに結合され得る。特定の実施形態において、-L1-は、アミド、エステル、カルバメート、アセタール、アミナール、イミン、オキシム、ヒドラゾン、ジスルフィド及びアシルグアニジンからなる群から選択される結合により-Dに結合している。特定の実施形態において、-L1-は、アミド、エステル、カルバメート及びアシルグアニジンからなる群から選択される結合により-Dに結合している。これらの結合の一部は、それ自体は可逆的でないこと、しかし、本発明では-L1-に含まれる隣接基がこれらの結合を可逆的にさせることが理解される。特定の実施形態において、-L1-は、エステル結合によって-Dに結合している。特定の実施形態において、-L1-は、カルバメート結合によって-Dに結合している。特定の実施形態において、-L1-は、アシルグアニジンによって-Dに結合している。特定の実施形態において、-L1-は、アミド結合によって-Dに結合している。
【0173】
部分-L1-は、薬物、すなわちPTHがその遊離形態で放出される可逆的プロドラッグリンカーであり、すなわち、痕跡を残さないプロドラッグリンカーである。好適なプロドラッグリンカー、例えば、WO 2005/099768 A2、WO 2006/136586 A2、WO 2011/089216 A1及びWO 2013/024053 A1に開示されている可逆的プロドラッグリンカー部分などは、当技術分野において公知であり、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0174】
特定の実施形態において、-L1-は、WO 2011/012722 A1、WO 2011/089214 A1、WO 2011/089215 A1、WO 2013/024052 A1及びWO 2013/160340 A1に記載されているような可逆的プロドラッグリンカーであり、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0175】
特定の実施形態において、-L1-は、WO 2009/095479 A2に開示されている。したがって、特定の実施形態において、部分-L1-は、式(II):
【0176】
【化12】
(式中、
破線は、-Dの窒素、ヒドロキシル又はチオールへの結合を示し、
-Xは、-C(R4R4a)-、-N(R4)-、-O-、-C(R4R4a)-C(R5R5a)-、-C(R5R5a)-C(R4R4a)-、-C(R4R4a)-N(R6)-、-N(R6)-C(R4R4a)-、-C(R4R4a)-O-、-O-C(R4R4a)-、及び-C(R7R7a)-からなる群から選択され、
X1は、C及びS(O)からなる群から選択され、
-X2-は、-C(R8R8a)-及び-C(R8R8a)-C(R9R9a)-からなる群から選択され、
=X3は、=O、=S、及び=N-CNからなる群から選択され、
-R1、-R1a、-R2、-R2a、-R4、-R4a、-R5、-R5a、-R6、-R8、-R8a、-R9及び-R9aは、独立して、-H及びC1-6アルキルからなる群から選択され、
-R3及び-R3aは、独立して、-H及びC1-6アルキルからなる群から選択され、但し、-R3、-R3aの一方又は両方が-H以外である場合、それらは、それらが結合しているNに、SP3混成炭素原子によって結合し、
-R7は、-N(R10R10a)及び-NR10-(C=O)-R11からなる群から選択され、
-R7a、-R10、-R10a及び-R11は、互いに独立して、-H及びC1-6アルキルからなる群から選択され、
場合により、ペア-R1a/-R4a、-R1a/-R5a、-R1a/-R7a、-R4a/-R5a及び-R8a/-R9aのうちの1つ以上は、化学結合を形成し、
場合により、ペア-R1/-R1a、-R2/-R2a、-R4/-R4a、-R5/-R5a、-R8/-R8a及び-R9/-R9aのうちの1つ以上は、それらが結合している原子と一緒になって、C3-10シクロアルキル又は、3~10員のヘテロシクリルを形成し、
場合により、ペア-R1/-R4、-R1/-R5、-R1/-R6、-R1/-R7a、-R4/-R5、-R4/-R6、-R8/-R9及び-R2/-R3のうちの1つ以上は、それらが結合している原子と一緒になって、環Aを形成し、
場合により、R3/R3aは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3~10員の複素環を形成し、
Aは、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員のヘテロシクリル及び8~11員のヘテロビシクリルからなる群から選択される)
を有し、
ここで-L1-は、少なくとも1つの-L2-Z又は-L2-Z’で置換されており、-L1-は、場合によりさらに置換されており、但し、式(II)中のアスタリスクが付いている水素は、-L2-Z又は-L2-Z’又は置換基により置換されない。
【0177】
特定の実施形態において、式(II)の-L1-は、1つの部分-L2-Z又は-L2-Z’で置換されている。
【0178】
特定の実施形態において、式(II)の-L1-は、さらに置換されていない。
【0179】
式(II)の-R3/-R3aが、それらが結合している窒素原子と一緒になって3~10員の複素環を形成する場合、窒素に直接結合している原子がSP3混成炭素原子である、このような3~10員の複素環のみが形成され得ることが理解される。言い換えると、-R3/-R3aにより、それらが結合している窒素原子と一緒になって形成されるこのような3~10員の複素環は、以下の構造を有する:
【0180】
【化13】
(式中、
破線は、-L1-の残部への結合を示し、
環は、少なくとも1個の窒素を含む3~10個の原子を含み、
R#及びR##は、sp3混成炭素原子を表す)。
【0181】
上記3~10員の複素環は、さらに置換され得ることも理解される。
【0182】
式(II)の-R3/-R3aにより、それらが結合している窒素原子と一緒になって形成される好適な3~10員の複素環の例示的実施形態は、下記のものである:
【0183】
【化14】
(式中、
破線は、分子の残部への結合を示し、
-Rは、-H及びC1-6アルキルからなる群から選択される)。
【0184】
式(II)の-L1-は、場合によりさらに置換されていてもよい。一般的に、切断の原則に影響を与えない限り、任意の置換基を使用することが可能であり、すなわち、式(II)中のアスタリスクが付いている水素は置換されず、式(II)の部分
【0185】
【化15】
の窒素は、一級、二級又は三級アミンの一部のままであり、すなわち、-R3及び-R3aは、互いに独立して-Hであるか、又はsp3混成炭素原子を介して-N<に結合している。
【0186】
一実施形態において、式(II)の-R1又は-R1aは、-L2-Z又は-L2-Z’で置換されている。別の実施形態において、式(II)の-R2又は-R2aは、-L2-Z又は-L2-Z’で置換されている。別の実施形態において、式(II)の-R3又は-R3aは、-L2-Z又は-L2-Z’で置換されている。別の実施形態において、式(II)の-R4は、-L2-Z又は-L2-Z’で置換されている。別の実施形態において、式(II)の-R5又は-R5aは、-L2-Z又は-L2-Z’で置換されている。別の実施形態において、式(II)の-R6は、-L2-Z又は-L2-Z’で置換されている。別の実施形態において、式(II)の-R7又は-R7aは、-L2-Z又は-L2-Z’で置換されている。別の実施形態において、式(II)の-R8又は-R8aは、-L2-Z又は-L2-Z’で置換されている。別の実施形態において、式(II)の-R9又は-R9aは、-L2-Z又は-L2-Z’で置換されている。別の実施形態において、-R10は、-L2-Z又は-L2-Z’で置換されている。別の実施形態において、-R11は、-L2-Z又は-L2-Z’で置換されている。特定の実施形態において、式(II)の-R3は、-L2-Z又は-L2-Z’で置換されている。
【0187】
特定の実施形態において、式(II)の-X-は、-C(R4R4a)-、-N(R4)-及び-C(R7R7a)-からなる群から選択される。特定の実施形態において、式(II)の-X-は、-C(R4R4a)-である。特定の実施形態において、式(II)の-X-は、-C(R7R7a)-である。
【0188】
特定の実施形態において、式(II)の-R7は、-NR10-(C=O)-R11である。
【0189】
特定の実施形態において、式(II)の-R7aは、-H、メチル及びエチルから選択される。特定の実施形態において、式(II)の-R7aは、-Hである。
【0190】
特定の実施形態において、-R10は、-H、メチル及びエチルから選択される。特定の実施形態において、-R10はメチルである。
【0191】
特定の実施形態において、-R11は、-H、メチル及びエチルから選択される。特定の実施形態において、-R11は、-Hである。特定の実施形態において、-R11は、-L2-Z又は-L2-Z’で置換されている。
【0192】
特定の実施形態において、式(II)の-X-は、-N(R4)-である。
【0193】
特定の実施形態において、-R4は、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、-R4は、-Hである。
【0194】
特定の実施形態において、式(II)のX1は、Cである。
【0195】
特定の実施形態において、式(II)の=X3は、=Oである。
【0196】
特定の実施形態において、式(II)の-X2-は、-C(R8R8a)-である。
【0197】
特定の実施形態において、式(II)の-R8及び-R8aは、独立して、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(II)の-R8及び-R8aの少なくとも一方は、-Hである。特定の実施形態では、式(II)の-R8と-R8aの両方が-Hである。
【0198】
特定の実施形態において、式(II)の-R1及び-R1aは、独立して、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。
【0199】
特定の実施形態において、式(II)の-R1及び-R1aの少なくとも一方は、-Hである。特定の実施形態において、式(II)の-R1及び-R1aは、-Hである。
【0200】
特定の実施形態において、式(II)の-R1及び-R1aの少なくとも一方はメチルである。特定の実施形態では、式(II)の-R1と-R1aの両方がメチルである。
【0201】
特定の実施形態において、式(II)の-R2及び-R2aは、独立して、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(II)の-R2及び-R2aの少なくとも一方は、-Hである。特定の実施形態では、式(II)の-R2と-R2aの両方がHである。
【0202】
特定の実施形態において、式(II)の-R3及び-R3aは、独立して、-H、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群から選択される。
【0203】
特定の実施形態において、式(II)の-R3及び-R3aの少なくとも一方はメチルである。特定の実施形態において、式(II)の-R3はメチルであり、式(II)の-R3aは-Hである。
【0204】
特定の実施形態において、式(II)の-R3及び-R3aは、両方とも-Hである。
【0205】
特定の実施形態において、-Dは、アミド結合を形成することによって窒素により-L1-に結合している。
【0206】
特定の実施形態において、部分-L1-は、式(IIa-i):
【0207】
【化16】
(式中、
破線は、アミド結合を介した-Dの窒素への結合を示し、
-R1、-R1a、-R2、-R2a、-R3、-R3a、-R7、-R7a及び-X2-は、式(II)において定義されたとおりに使用される)
を有し、
-L1-は、少なくとも1つの-L2-Z又は-L2-Z’で置換されており、-L1-は、場合によりさらに置換されており、但し式(IIa-i)中のアスタリスクが付いている水素は、-L2-Z若しくは-L2-Z’又は置換基によって置換されていない。
【0208】
式(IIa-i)の-R3、-R3aの一方又は両方が-H以外である場合、それらは、それらが結合しているNに、sp3混成炭素原子を介して結合していることが理解される。
【0209】
特定の実施形態において、式(IIa-i)の-L1-は、1つの部分-L2-Z又は-L2-Z’で置換されている。
【0210】
特定の実施形態において、式(IIa-i)の部分-L1-は、さらに置換されていない。
【0211】
特定の実施形態において、式(IIa-i)の-R1及び-R1aは、独立して、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIa-i)の-R1及び-R1aの少なくとも一方は、-Hである。特定の実施形態では、式(IIa-i)の-R1と-R1aの両方が-Hである。
【0212】
特定の実施形態において、式(IIa-i)の-R7は、-NR10-(C=O)-R11である。
【0213】
特定の実施形態において、式(II-i)の-R7aは、-H、メチル及びエチルから選択される。特定の実施形態において、式(II-i)の-R7aは、-Hである。
【0214】
特定の実施形態において、式(IIa-i)の-R10は、-H、メチル及びエチルから選択される。特定の実施形態において、式(IIa-i)の-R10は、メチルである。
【0215】
特定の実施形態において、式(IIa-i)の-R11は、-H、メチル及びエチルから選択される。特定の実施形態において、式(IIa-i)の-R11は、-Hである。
【0216】
特定の実施形態において、式(IIa-i)の-R11は、-L2-Z又は-L2-Z’で置換されている。
【0217】
特定の実施形態において、式(IIa-i)の-X2-は、-C(R8R8a)-である。
【0218】
特定の実施形態において、式(IIa-i)の-R8及び-R8aは、独立して、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIa-i)の-R8及び-R8aの少なくとも一方は、-Hである。特定の実施形態では、式(IIa-i)の-R8と-R8aの両方が-Hである。
【0219】
特定の実施形態において、式(IIa-i)のR2及び-R2aは、独立して、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIa-i)の-R2及び-R2aの少なくとも一方は、-Hである。特定の実施形態では、式(IIa-i)の-R2と-R2aの両方がHである。
【0220】
特定の実施形態において、式(IIa-i)の-R3及び-R3aは、独立して、-H、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIa-i)の-R3及び-R3aの少なくとも一方は、メチルである。
【0221】
特定の実施形態において、式(IIa-i)の-R3は-Hであり、式(IIa-i)の-R3aはメチルである。
【0222】
特定の実施形態において、部分-L1-は、式(IIa-ii):
【0223】
【化17】
(式中、
破線は、アミド結合を介した-Dの窒素への結合を示し、
-R2、-R2a、-R10、-R11及び-X2-は、式(II)において定義されたとおりに使用される)
を有し、
-L1-は、少なくとも1つの-L2-Z又は-L2-Z’で置換されており、-L1-は、場合によりさらに置換されており、但し式(IIa-ii)中のアスタリスクが付いている水素は、-L2-Z若しくは-L2-Z’又は置換基によって置換されていない。
【0224】
式(IIa-ii)の-R3、-R3aの一方又は両方が、-H以外である場合、それらは、それらが結合しているNに、sp3混成炭素原子を介して結合していることが理解される。
【0225】
特定の実施形態において、式(IIa-ii)の-L1-は、1つの部分-L2-Z又は-L2-Z’で置換されている。
【0226】
特定の実施形態において、式(IIa-ii)の部分-L1-は、さらに置換されていない。
【0227】
特定の実施形態において、式(IIa-ii)の-X2-は、-C(R8R8a)-である。
【0228】
特定の実施形態において、式(IIa-ii)の-R8及び-R8aは、独立して、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIa-ii)の-R8及び-R8aの少なくとも一方は、-Hである。特定の実施形態では、式(IIa-ii)の-R8と-R8aの両方が-Hである。
【0229】
特定の実施形態において、式(IIa-ii)の-R3及び-R3aは、独立して、-H、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIa-ii)の-R3及び-R3aの少なくとも一方は、メチルである。
【0230】
特定の実施形態において、式(IIa-ii)の-R3は、-Hであり、式(IIa-ii)の-R3aは、メチルである。
【0231】
特定の実施形態において、式(IIa-ii)の-R10は、-H、メチル及びエチルから選択される。特定の実施形態において、式(IIa-ii)の-R10は、メチルである。
【0232】
特定の実施形態において、式(IIa-ii)の-R11は、-H、メチル及びエチルから選択される。特定の実施形態において、式(IIa-ii)の-R11は、-Hである。
【0233】
特定の実施形態において、式(IIa-ii)の-R11は、-L2-Z又は-L2-Z’で置換されている。
【0234】
特定の実施形態において、部分-L1-は、式(IIa-ii'):
【0235】
【化18】
(式中、
破線は、アミド結合を介した-Dの窒素への結合を示し、
アスタリスクが付いている破線は、-L2-への結合を示し、
-R3、-R3a、-R10及び-X2-は、式(II)において定義されたとおりに使用される)
を有し、
-L1-は、場合によりさらに置換されており、但し式(IIa-ii')中のアスタリスクが付いている水素は、置換基によって置換されていない。
【0236】
式(IIa-ii')の-R3、-R3aの一方又は両方が-H以外である場合、それらは、それが結合しているNに、sp3混成炭素原子を介して結合していることが理解される。
【0237】
特定の実施形態において、式(IIa-ii')の-X2-は、-C(R8R8a)-である。
【0238】
特定の実施形態において、式(IIa-ii')の-R8及び-R8aは、独立して、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIa-ii')の-R8及び-R8aの少なくとも一方は、-Hである。特定の実施形態では、式(IIa-ii')の-R8と-R8aの両方が-Hである。
【0239】
特定の実施形態において、式(IIa-ii')の-R3及び-R3aは、独立して、-H、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIa-ii')の-R3及び-R3aの少なくとも一方は、メチルである。
【0240】
特定の実施形態において、式(IIa-ii’)の-R3は、-Hであり、式(IIa-ii’)の-R3aは、メチルである。
【0241】
特定の実施形態において、式(IIa-ii')の-R10は、-H、メチル及びエチルから選択される。特定の実施形態において、式(IIa-ii')の-R10は、メチルである。
【0242】
特定の実施形態において、部分-L1-は、式(IIa-iii):
【0243】
【化19】
(式中、破線は、アミド結合を介した窒素への結合を示す)
を有し、
-L1-は、-L2-Z又は-L2-Z’で置換されており、-L1-は、場合によりさらに置換されており、但し式(IIa-iii)中のアスタリスクが付いている水素は、-L2-Z若しくは-L2-Z’又は置換基によって置換されていない。
【0244】
式(IIa-iii)の-R3、-R3aの一方又は両方が-H以外である場合、それらは、それらが結合しているNに、sp3混成炭素原子を介して結合していることが理解される。
【0245】
特定の実施形態において、式(IIa-iii)の部分-L1-は、さらに置換されていない。
【0246】
特定の実施形態において、部分-L1-は、式(IIa-iii'):
【0247】
【化20】
(式中、
破線は、アミド結合を介した-Dの窒素への結合を示し、
アスタリスクが付いている破線は、-L2-への結合を示し、
-R2、-R2a、-R3、-R3a及び-X2-は、式(II)において定義されたとおりに使用される)
を有し、
-L1-は、場合によりさらに置換されており、但し式(IIa-iii')中のアスタリスクが付いている水素は、置換基によって置換されていない。
【0248】
式(IIa-iii’)の-R3、-R3aの一方又は両方が-H以外である場合、それらは、それらが結合しているNに、sp3混成炭素原子を介して結合していることが理解される。
【0249】
特定の実施形態において、式(IIa-iii’)の部分-L1-は、さらに置換されていない。
【0250】
特定の実施形態において、部分-L1-は、式(IIb-i):
【0251】
【化21】
(式中、
破線は、アミド結合を介した-Dの窒素への結合を示し、
-R1、-R1a、-R2、-R2a、-R3、-R3a、-R4及び-X2-は、式(II)において定義されたとおりに使用される)
を有し、
-L1-は、少なくとも1つの-L2-Z又は-L2-Z’で置換されており、-L1-は、場合によりさらに置換されており、但し式(IIb-i)中のアスタリスクが付いている水素は、-L2-Z若しくは-L2-Z’又は置換基によって置換されていない。
【0252】
式(IIb-i)の-R3、-R3aの一方又は両方が-H以外である場合、それらは、それらが結合しているNに、sp3混成炭素原子を介して結合していることが理解される。
【0253】
特定の実施形態において、式(IIb-i)の-L1-は、1つの部分-L2-Z又は-L2-Z’で置換されている。
【0254】
特定の実施形態において、式(IIb-i)の部分-L1-は、さらに置換されていない。
【0255】
特定の実施形態において、式(IIb-i)の-R1及び-R1aは、独立して、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIb-i)の-R1及び-R1aの少なくとも一方は、メチルである。特定の実施形態では、式(IIb-i)の-R1と-R1aの両方がメチルである。
【0256】
特定の実施形態において、式(IIb-i)の-R4は、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIb-i)の-R4は、-Hである。
【0257】
特定の実施形態において、式(IIb-i)の-X2-は、-C(R8R8a)-である。
【0258】
特定の実施形態において、式(IIb-i)の-R8及び-R8aは、独立して、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIb-i)の-R8及び-R8aの少なくとも一方は、-Hである。特定の実施形態では、式(IIb-i)の-R8と-R8aの両方が-Hである。
【0259】
特定の実施形態において、式(IIb-i)の-R2及び-R2aは、独立して、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIb-i)の-R2及び-R2aの少なくとも一方は、-Hである。特定の実施形態では、式(IIb-i)の-R2と-R2aの両方がHである。
【0260】
特定の実施形態において、式(IIb-i)の-R3及び-R3aは、独立して、-H、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIb-i)の-R3及び-R3aの少なくとも一方は、-Hである。特定の実施形態では、式(IIb-i)の-R3と-R3aの両方が-Hである。
【0261】
特定の実施形態において、部分-L1-は、式(IIb-ii):
【0262】
【化22】
(式中、
破線は、アミド結合を介した-Dの窒素への結合を示し、
-R2、-R2a、-R3、-R3a及び-X2-は、式(II)において定義されたとおりに使用される)
を有し、
-L1-は、少なくとも1つの-L2-Z又は-L2-Z’で置換されており、-L1-は、場合によりさらに置換されており、但し式(IIb-ii)中のアスタリスクが付いている水素は、-L2-Z若しくは-L2-Z’又は置換基によって置換されていない。
【0263】
式(IIb-ii)の-R3、-R3aの一方又は両方が-H以外である場合、それらは、それらが結合しているNに、sp3混成炭素原子を介して結合していることが理解される。
【0264】
特定の実施形態において、式(IIb-ii)の-L1-は、1つの部分-L2-Z又は-L2-Z’で置換されている。
【0265】
特定の実施形態において、式(IIb-ii)の部分-L1-は、さらに置換されていない。
【0266】
特定の実施形態において、式(IIb-ii)の-X2-は、-C(R8R8a)-である。
【0267】
特定の実施形態において、式(IIb-ii)の-R8及び-R8aは、独立して、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIb-ii)の-R8及び-R8aの少なくとも一方は、-Hである。特定の実施形態では、式(IIb-ii)の-R8と-R8aの両方が-Hである。
【0268】
特定の実施形態において、式(IIb-ii)の-R2及び-R2aは、独立して、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIb-ii)の-R2及び-R2aの少なくとも一方は、-Hである。特定の実施形態では、式(IIb-ii)の-R2と-R2aの両方がHである。
【0269】
特定の実施形態において、式(IIb-ii)の-R3及び-R3aは、独立して、-H、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIb-ii)の-R3及び-R3aの少なくとも一方は、-Hである。特定の実施形態では、式(IIb-ii)の-R3と-R3aの両方が-Hである。
【0270】
特定の実施形態において、部分-L1-は、式(IIb-ii’):
【0271】
【化23】
(式中、
破線は、アミド結合を介した-Dの窒素への結合を示し、
アスタリスクが付いている破線は、-L2-への結合を示し、
-R2、-R2a、-R3a及び-X2-は、式(II)において定義されたとおりに使用される)
を有し、
-L1-は、場合によりさらに置換されており、但し式(IIb-ii’)中のアスタリスクが付いている水素は、置換基によって置換されていない。
【0272】
式(IIb-ii’)の-R3aが-H以外である場合、それは、それが結合しているNに、sp3混成炭素原子を介して結合していることが理解される。
【0273】
特定の実施形態において、式(IIb-ii’)の部分-L1-は、さらに置換されていない。
【0274】
特定の実施形態において、式(IIb-ii’)の-X2-は、-C(R8R8a)-である。
【0275】
特定の実施形態において、式(IIb-ii’)の-R8及び-R8aは、独立して、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIb-ii’)の-R8及び-R8aの少なくとも一方は、-Hである。特定の実施形態では、式(IIb-ii’)の-R8と-R8aの両方が-Hである。
【0276】
特定の実施形態において、式(IIb-ii’)の-R2及び-R2aは、独立して、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIb-ii’)の-R2及び-R2aの少なくとも一方は、-Hである。特定の実施形態では、式(IIb-ii’)の-R2と-R2aの両方がHである。
【0277】
特定の実施形態において、式(IIb-ii’)の-R3aは、-H、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群から選択される。一実施形態において、式(IIb-ii’)の-R3aは、-Hである。
【0278】
特定の実施形態において、部分-L1-は、式(IIb-iii):
【0279】
【化24】
(式中、
破線は、アミド結合を介した-Dの窒素への結合を示す)
を有し、
-L1-は、少なくとも1つの-L2-Z又は-L2-Z’で置換されており、-L1-は、場合によりさらに置換されており、但し式(IIb-iii)中のアスタリスクが付いている水素は、-L2-Z若しくは-L2-Z’又は置換基によって置換されていない。
【0280】
式(IIb-iii)の-R3、-R3aの一方又は両方が-H以外である場合、それらは、それらが結合しているNに、sp3混成炭素原子を介して結合していることが理解される。
【0281】
特定の実施形態において、式(IIb-iii)の-L1-は、1つの部分-L2-Z又は-L2-Z’で置換されている。
【0282】
特定の実施形態において、式(IIb-iii)の部分-L1-は、さらに置換されていない。
【0283】
特定の実施形態において、部分-L1-は、式(IIb-iii’):
【0284】
【化25】
(式中、
破線は、アミド結合を介した-Dの窒素への結合を示し、
アスタリスクが付いている破線は、-L2-への結合を示す)
を有し、
-L1-は、場合によりさらに置換されており、但し式(IIb-iii’)中のアスタリスクが付いている水素は、置換基によって置換されていない。
【0285】
式(IIb-iii’)中のアスタリスクが付いている破線に隣接する窒素が、sp3混成炭素原子を介して-L2-に結合していることが理解される。
【0286】
特定の実施形態において、式(IIb-iii’)の部分-L1-は、さらに置換されていない。
【0287】
特定の実施形態において、-L1-は、WO2016/020373A1に開示されている。したがって、特定の実施形態において、部分-L1-は、式(III):
【0288】
【化26】
(式中、
破線は、アミド結合又はエステル結合をそれぞれ介した、-Dの一級若しくは二級アミン又はヒドロキシルへの結合を示し、
-R1、-R1a、-R2、-R2a、-R3及び-R3aは、互いに独立して、-H、-C(R8R8aR8b)、-C(=O)R8、-C≡N、-C(=NR8)R8a、-CR8(=CR8aR8b)、-C≡CR8及び-Tからなる群から選択され、
-R4、-R5及び-R5aは、互いに独立して、-H、-C(R9R9aR9b)及び-Tからなる群から選択され、
a1及びa2は、互いに独立して、0又は1であり、
各-R6、-R6a、-R7、-R7a、-R8、-R8a、-R8b、-R9、-R9a、-R9bは、互いに独立して、-H、ハロゲン、-CN、-COOR10、-OR10、-C(O)R10、-C(O)N(R10R10a)、-S(O)2N(R10R10a)、-S(O)N(R10R10a)、-S(O)2R10、-S(O)R10、-N(R10)S(O)2N(R10aR10b)、-SR10、-N(R10R10a)、-NO2、-OC(O)R10、-N(R10)C(O)R10a、-N(R10)S(O)2R10a、-N(R10)S(O)R10a、-N(R10)C(O)OR10a、-N(R10)C(O)N(R10aR10b)、-OC(O)N(R10R10a)、-T、C1-20アルキル、C2-20アルケニル及びC2-20アルキニルからなる群から選択され;ここで-T、C1-20アルキル、C2-20アルケニル及びC2-20アルキニルは、同じ又は異なる1つ以上の-R11で場合により置換されており、C1-20アルキル、C2-20アルケニル及びC2-20アルキニルには、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R12)-、-S(O)2N(R12)-、-S(O)N(R12)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(R12)S(O)2N(R12a)-、-S-、-N(R12)-、-OC(OR12)(R12a)-、-N(R12)C(O)N(R12a)-、及び-OC(O)N(R12)-からなる群から選択される1つ以上の基が場合により割り込んでおり、
各-R10、-R10a、及び-R10bは、独立して、-H、-T、C1-20アルキル、C2-20アルケニル及びC2-20アルキニルからなる群から選択され;ここで-T、C1-20アルキル、C2-20アルケニル及びC2-20アルキニルは、同じ又は異なる1つ以上の-R11で場合により置換されており、C1-20アルキル、C2-20アルケニル及びC2-20アルキニルには、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R12)-、-S(O)2N(R12)-、-S(O)N(R12)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(R12)S(O)2N(R12a)-、-S-、-N(R12)-、-OC(OR12)(R12a)-、-N(R12)C(O)N(R12a)-、及び-OC(O)N(R12)-からなる群から選択される1つ以上の基が場合により割り込んでおり、
各Tは、互いに独立して、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員のヘテロシクリル、及び8~11員のヘテロビシクリルからなる群から選択され、各Tは、独立して、同じ又は異なる1つ以上の-R11で場合により置換されており、
各-R11は、互いに独立して、ハロゲン、-CN、オキソ(=O)、-COOR13、-OR13、-C(O)R13、-C(O)N(R13R13a)、-S(O)2N(R13R13a)、-S(O)N(R13R13a)、-S(O)2R13、-S(O)R13、-N(R13)S(O)2N(R13aR13b)、-SR13、-N(R13R13a)、-NO2、-OC(O)R13、-N(R13)C(O)R13a、-N(R13)S(O)2R13a、-N(R13)S(O)R13a、-N(R13)C(O)OR13a、-N(R13)C(O)N(R13aR13b)、-OC(O)N(R13R13a)、及びC1-6アルキルから選択され、ここでC1-6アルキルは、同じ又は異なる1つ以上のハロゲンで場合により置換されており、
各-R12、-R12a、-R13、-R13a、及び-R13bは、独立して、-H及びC1-6アルキルからなる群から選択され、ここでC1-6アルキルは、同じ又は異なる1つ以上のハロゲンで場合により置換されており、
場合により、ペア-R1/-R1a、-R2/-R2a、-R3/-R3a、-R6/-R6a、及び-R7/-R7aのうちの1つ以上は、それらが結合している原子と一緒になって、C3-10シクロアルキル又は3~10員のヘテロシクリルを形成し、
場合により、ペア-R1/-R2、-R1/-R3、-R1/-R4、-R1/-R5、-R1/-R6、-R1/-R7、-R2/-R3、-R2/-R4、-R2/-R5、-R2/-R6、-R2/-R7、-R3/-R4、-R3/-R5、-R3/-R6、-R3/-R7、-R4/-R5、-R4/-R6、-R4/-R7、-R5/-R6、-R5/-R7、及び-R6/-R7のうちの1つ以上は、それらが結合している原子と一緒になって、環Aを形成し、
Aは、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員のヘテロシクリル、及び8~11員のヘテロビシクリルからなる群から選択される)
を有し、
-L1-は、少なくとも1つの-L2-Z又は-L2-Z'で置換されており、-L1-は、場合によりさらに置換されている。
【0289】
式(III)の-L1-の任意選択のさらなる置換基は、特定の実施形態において、上記のとおりである。
【0290】
特定の実施形態において、式(III)の-L1-は、1つの部分-L2-Z又は-L2-Z’で置換されている。
【0291】
特定の実施形態において、式(III)の-L1-は、さらに置換されていない。
【0292】
特定の実施形態において、-L1-は、欧州特許第1536334号B1、WO2009/009712A1、WO2008/034122A1、WO2009/143412A2、WO2011/082368A2、及び米国特許第8,618,124号B2に開示されているとおりであり、これらはその全体が参照により本明細書中に組み込まれる。
【0293】
特定の実施形態において、-L1-は、米国特許第8,946,405号B2及び米国特許第8,754,190号B2に開示されており、これらの文献はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。したがって、特定の実施形態において、-L1-は、式(IV):
【0294】
【化27】
(式中、
破線は、-Dへの結合を示し、ここで結合は、-OH、-SH及び-NH2からなる群から選択される-Dの官能基を介したものであり、
mは、0又は1であり、
-R1及び-R2の少なくとも一方又は両方は、互いに独立して、-CN、-NO2、場合により置換されているアリール、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、-C(O)R3、-S(O)R3、-S(O)2R3、及び-SR4からなる群から選択され、
-R1及び-R2の一方及び一方のみは、-H、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアリールアルキル、及び場合により置換されているヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、
-R3は、-H、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアリール、場合により置換されているアリールアルキル、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されているヘテロアリールアルキル、-OR9及び-N(R9)2からなる群から選択され、
-R4は、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアリール、場合により置換されているアリールアルキル、場合により置換されているヘテロアリール、及び場合により置換されているヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、
各-R5は、独立して、-H、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルケニルアルキル、場合により置換されているアルキニルアルキル、場合により置換されているアリール、場合により置換されているアリールアルキル、場合により置換されているヘテロアリール、及び場合により置換されているヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、
-R9は、-H及び場合により置換されているアルキルからなる群から選択され、
-Y-は、存在せず、及び-X-は、-O-若しくは-S-であり、又は
-Y-は、-N(Q)CH2-であり、-X-は、-O-であり、
Qは、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアリール、場合により置換されているアリールアルキル、場合により置換されているヘテロアリール、及び場合により置換されているヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、
場合により、-R1とR2は一緒になって3~8員の環を形成してもよく、
場合により、両方の-R9は、それらが結合している窒素と一緒になって複素環式環を形成する)
を有し、
ここで-L1-は、少なくとも1つの-L2-Z又は-L2-Z’で置換されており、-L1-は、場合によりさらに置換されている。
【0295】
専ら式(IV)との関連で使用される用語は、以下の意味を有する:
【0296】
本明細書において使用される用語「アルキル」は、1~8炭素、又は一部の実施形態では1~6個又は1~4個の炭素原子の直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基を含む。
【0297】
用語「アルコキシ」は、酸素に結合しているアルキル基、例えばメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、シクロプロポキシ、シクロブトキシ及び類似のものなどを包含する。
【0298】
用語「アルケニル」は、炭素-炭素二重結合を有する非芳香族不飽和炭化水素を包含する。
【0299】
用語「アルキニル」は、炭素-炭素三重結合を有する非芳香族不飽和炭化水素を包含する。
【0300】
用語「アリール」は、6~18炭素、例えば6~10炭素の芳香族炭化水素基、例えば、フェニル、ナフチル及びアントラセニルなどの基を包含する。用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1個のN、O、又はS原子を含む3~15炭素、例えば少なくとも1個のN、O、又はS原子を含む3~7炭素を含む芳香族環を包含し、例えば、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、キノリル、インドリル、インデニルなどの基及び類似のものが挙げられる
【0301】
一部の例では、アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリール部分は、アルキレン結合を介して分子の残部にカップリングされていてもよい。これらの状況下では、置換基はアルケニルアルキル、アルキニルアルキル、アリールアルキル又はヘテロアリールアルキルと呼ばれ、アルキレン部分が、アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリール部分と、上記アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリールがカップリングされている分子との間にあることを示している。
【0302】
用語「ハロゲン」は、ブロモ、フルオロ、クロロ及びヨードを包含する。
【0303】
用語「複素環式環」は、3~7個の炭素原子と少なくとも1個のN、O又はS原子を含む、4~8員の芳香族環又は非芳香族環を指す。例は、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジン及びテトラヒドロフラニル、並びに、上記の用語「ヘテロアリール」について提供される例示的な基である。
【0304】
環系が場合により置換されている場合、好適な置換基は、アルキル、アルケニル、アルキニル又はさらなる環からなる群から選択され、それぞれ場合によりさらに置換されている。上記のものを含む任意の基上の任意選択の置換基としては、ハロ、ニトロ、シアノ、-OR、-SR、-NR2、-OCOR、-NRCOR、-COOR、-CONR2、-SOR、-SO2R、-SONR2、-SO2NR2などが挙げられ、ここで各Rは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはヘテロアリールであるか、又は2つのR基は、それらが結合している原子と一緒になって環を形成する。
【0305】
特定の実施形態において、式(IV)の-L1-は、1つの部分-L2-Z又は-L2-Z’で置換されている。
【0306】
特定の実施形態において、式(IV)の-L1-は、さらに置換されていない。
【0307】
特定の実施形態において、-L1-は、WO2013/036857A1に開示されているとおりであり、この文献はその全体が参照により本明細書中に組み込まれる。したがって、特定の実施形態において、-L1-は、式(V):
【0308】
【化28】
(式中、
破線は、-Dのアミン官能基を介した-Dへの結合を示し、
-R1は、場合により置換されているC1-C6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル、場合により置換されているアリール、場合により置換されているヘテロアリール、アルコキシ、及び-NR5 2からなる群から選択され、
-R2は、-H、場合により置換されているC1-C6アルキル、場合により置換されているアリール、及び場合により置換されているヘテロアリールからなる群から選択され、
-R3は、-H、場合により置換されているC1-C6アルキル、場合により置換されているアリール、及び場合により置換されているヘテロアリールからなる群から選択され、
-R4は、-H、場合により置換されているC1-C6アルキル、場合により置換されているアリール、及び場合により置換されているヘテロアリールからなる群から選択され、
各-R5は、互いに独立して、-H、場合により置換されているC1-C6アルキル、場合により置換されているアリール、及び場合により置換されているヘテロアリールからなる群から選択され、又は一緒になる場合、2つの-R5がシクロアルキル若しくはシクロヘテロアルキルになり得る)
を有し、
ここで-L1-は、少なくとも1つの-L2-Z又は-L2-Z’で置換されており、-L1-は場合によりさらに置換されている。
【0309】
専ら式(V)との関連で使用される用語は、以下の意味を有する:
【0310】
「アルキル」、「アルケニル」及び「アルキニル」は、1~8炭素又は1~6炭素又は1~4炭素の直鎖状、分岐状又は環状の炭化水素基を包含し、ここでアルキルは飽和炭化水素であり、アルケニルは1つ以上の炭素-炭素二重結合を含み、アルキニルは1つ以上の炭素-炭素三重結合を含む。別段に特定されない限り、これらは1~6個のCを含有する。
【0311】
「アリール」は、6~18炭素、例えば6~10炭素の芳香族炭化水素基を包含し、例えば、フェニル、ナフチル及びアントラセンなどの基が挙げられる。「ヘテロアリール」は、少なくとも1個のN、O、又はS原子を含有する3~15炭素、例えば少なくとも1個のN、O、又はS原子を含有する3~7炭素を含む芳香族環を包含し、例えば、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、キノリル、インドリル、インデニルなどの基及び類似のものが挙げられる。
【0312】
用語「置換されている」は、1個以上の水素原子の代わりに1つ以上の置換基を含む、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリール基を意味する。置換基は、一般的に、ハロゲン(F、Cl、Br及びIを含む)、低級アルキル(直鎖状低級アルキル、分岐低級アルキル及び環状低級アルキルを含む)、低級ハロアルキル(フルオロアルキル、クロロアルキル、ブロモアルキル及びヨードアルキルを含む)、OH、低級アルコキシ(直鎖状低級アルコキシ、分岐低級アルコキシ及び環状低級アルコキシを含む)、SH、低級アルキルチオ(直鎖状低級アルキルチオ、分岐低級アルキルチオ及び環状低級アルキルチオを含む)、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シリル(アルキルシリル、アルコキシシリル及びアリールシリルを含む)、ニトロ、シアノ、カルボニル、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸アミド、アミノカルボニル、アミノアシル、カルバメート、尿素、チオカルバメート、チオ尿素、ケトン(ketne)、スルホン、スルホンアミド、アリール(フェニル、ナフチル及びアントラセニルを含む)、ヘテロアリール(5員のヘテロアリール、例えばピロール、イミダゾール、フラン、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、オキサジアゾール及びテトラゾールなど、6員のヘテロアリール、例えばピリジン、ピリミジン、ピラジンなど、並びに縮合ヘテロアリール、例えばベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾール、ベンズイミダゾール、インドール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソオキサゾール及びベンゾイソチアゾールなどを含む)から選択され得る。
【0313】
特定の実施形態において、式(V)の-L1-は、1つの部分-L2-Z又は-L2-Z’で置換されている。
【0314】
特定の実施形態において、式(V)の-L1-は、さらに置換されていない。
【0315】
特定の実施形態において、-L1-は、米国特許第7,585,837号B2に開示されているとおりであり、この文献はその全体が参照により本明細書中に組み込まれる。したがって、特定の実施形態において、-L1-は、式(VI):
【0316】
【化29】
(式中、
破線は、-Dのアミン官能基を介した-Dへの結合を示し、
R1及びR2は、独立して、水素、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アリール、アルカリル、アラルキル、ハロゲン、ニトロ、-SO3H、-SO2NHR5、アミノ、アンモニウム、カルボキシル、PO3H2及びOPO3H2からなる群から選択され、
R3、R4及びR5は、独立して、水素、アルキル及びアリールからなる群から選択される)
を有し、
ここで-L1-は、少なくとも1つの-L2-Z又は-L2-Z’で置換されており、-L1-は場合によりさらに置換されている。
【0317】
式(VI)についての好適な置換基は、アルキル(例えば、C1-6アルキル)、アルケニル(例えば、C2-6アルケニル)、アルキニル(例えば、C2-6アルキニル)、アリール(例えば、フェニル)、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、ヘテロアリール(例えば、芳香族の4~7員の複素環)又はハロゲン部分である。
【0318】
専ら式(VI)との関連で使用される用語は、以下の意味を有する:
【0319】
用語「アルキル」、「アルコキシ」、「アルコキシアルキル」、「アリール」、「アルカリル」及び「アラルキル」は、1~8個、好ましくは1~4個の炭素原子のアルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル及びブチル、並びに6~10個の炭素原子のアリール基、例えば、フェニル及びナフチルを意味する。用語「ハロゲン」は、ブロモ、フルオロ、クロロ及びヨードを包含する。
【0320】
特定の実施形態において、式(VI)の-L1-は、1つの部分-L2-Z又は-L2-Z’で置換されている。
【0321】
特定の実施形態において、式(VI)の-L1-は、さらに置換されていない。
【0322】
-L1-についてのさらなる好ましい実施形態は、WO2002/089789A1に開示されており、この文献はその全体が参照により本明細書中に組み込まれる。したがって、好ましい部分-L1-は、式(VII):
【0323】
【化30】
(式中、
破線は、-Dのアミン官能基を介した-Dへの結合を示し、
L1は、二官能性結合基であり、
Y1及びY2は、独立して、O、S又はNR7であり、
R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、独立して、水素、C1-6アルキル、C3-12分岐アルキル、C3-8シクロアルキル、C1-6置換アルキル、C3-8置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、C1-6ヘテロアルキル、置換C1-6ヘテロアルキル、C1-6アルコキシ、フェノキシ及びC1-6ヘテロアルコキシからなる群から選択され、
Arは、式(VII)に含まれる場合、多置換芳香族炭化水素又は多置換複素環式基を形成する部分であり、
Xは、化学結合、又は標的細胞に能動輸送される部分、疎水性部分、又はこれらの組合せであり、
yは、0又は1である)
を有し、
ここで-L1-は、少なくとも1つの-L2-Z又は-L2-Z’で置換されており、-L1-は場合によりさらに置換されている。
【0324】
専ら式(VII)との関連で使用される用語は、以下の意味を有する:
【0325】
用語「アルキル」は、例えば、直鎖、分岐、置換C1-12アルキル、例えばアルコキシ、C3-8シクロアルキル又は置換シクロアルキル等などを包含すると理解されるものとする。
【0326】
用語「置換されている」は、官能基又は化合物中に含有される1個以上の原子に1個以上の異なる原子を付加するか、又は官能基又は化合物中に含有される1個以上の原子を、1個以上の異なる原子で置き換えることを包含すると理解されるものとする。
【0327】
置換アルキルは、カルボキシアルキル、アミノアルキル、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル及びメルカプトアルキルを包含し;置換シクロアルキルは、4-クロロシクロヘキシルなどの部分を包含し;アリールは、ナフチルなどの部分を包含し;置換アリールは、3-ブロモ-フェニルなどの部分を包含し;アラルキルは、トルイルなどの部分を包含し;ヘテロアルキルは、エチルチオフェンなどの部分を包含し;置換ヘテロアルキルは、3-メトキシチオフェン(3-methoxythiophone)などの部分を包含し;アルコキシは、メトキシなどの部分を包含し;フェノキシは、3-ニトロフェノキシなどの部分を包含する。ハロ-は、フルオロ、クロロ、ヨード及びブロモを包含すると解されるものとする。
【0328】
特定の実施形態において、式(VII)の-L1-は、1つの部分-L2-Z又は-L2-Z’で置換されている。
【0329】
特定の実施形態において、式(VII)の-L1-は、さらに置換されていない。
【0330】
特定の実施形態において、-L1-は、式(VIII)のサブ構造
【0331】
【化31】
(式中、
アスタリスクが付いている破線は、アミド結合を介した-Dの窒素への結合を示し、
印の付いていない破線は、-L1-の残部への結合を示す)
を含み、
ここで-L1-は、少なくとも1つの-L2-Z又は-L2-Z’で置換されており、-L1-は場合によりさらに置換されている。
【0332】
特定の実施形態において、式(VIII)の-L1-は、1つの部分-L2-Z又は-L2-Z’で置換されている。
【0333】
特定の実施形態において、式(VIII)の-L1-は、さらに置換されていない。
【0334】
特定の実施形態において、-L1-は、式(IX)のサブ構造
【0335】
【化32】
(式中、
アスタリスクが付いている破線は、カルバメート結合を介した-Dの窒素への結合を示し、
印の付いていない破線は、-L1-の残部への結合を示す)
を含み、
ここで-L1-は、少なくとも1つの-L2-Z又は-L2-Z'で置換されており、-L1-は場合によりさらに置換されている。
【0336】
特定の実施形態において、式(IX)の-L1-は、1つの部分-L2-Z又は-L2-Z’で置換されている。
【0337】
特定の実施形態において、式(IX)の-L1-は、さらに置換されていない。
【0338】
特定の実施形態において、-L1-は、WO2020/206358 A1に開示されている構造を有する。したがって、特定の実施形態において、部分-L1-は、式(X):
【0339】
【化33】
(式中、
印の付いていない破線は、-Dへの結合を示し、
アスタリスクが付いている破線は、-L2-Z又は-L2-Z’への結合を示し、
nは、0、1、2、3、4、5及び6からなる群から選択される整数であり、
-R1及び-R2は、独立して、電子求引基、アルキル、又は-Hであり、-R1又は-R2の少なくとも一方は、電子求引基であり、
各-R4は、独立してC1-C3アルキルであるか、又は2つの-R4は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、3~6員の環を形成し、
-Y-は、-Dが、アミンを介して結合している薬物部分である場合、存在せず、又は-Y-は、-Dが、フェノール、アルコール、チオール、チオフェノール、イミダゾール若しくは非塩基性アミンを介して結合している薬物部分である場合、-N(R6)CH2-であり;ここで-R6は、場合により置換されているC1-C6アルキル、場合により置換されているアリール、又は場合により置換されているヘテロアリールである)
を有する。
【0340】
特定の実施形態において、式(X)のnは、1、2、3、4、5及び6から選択される整数である。特定の実施形態において、式(X)のnは、1、2及び3から選択される整数である。特定の実施形態において、式(X)のnは、0、1、2及び3からの整数である。特定の実施形態において、式(X)のnは、1である。特定の実施形態において、式(X)のnは、2である。特定の実施形態において、式(X)のnは、3である。
【0341】
特定の実施形態において、式(X)の-R1及び-R2の電子求引基は、-CN、-NO2、場合により置換されているアリール、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、-COR3、-SOR3、又は-SO2R3からなる群から選択され、ここで-R3は、-H、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアリール、場合により置換されているアリールアルキル、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されているヘテロアリールアルキル、-OR8若しくは-NR8 2(ここで、各-R8は、独立して、-H若しくは場合により置換されているアルキルであるか、又は両方の-R8基は、それらが結合している窒素と一緒になって複素環式環を形成する)、又は-SR9(ここで-R9は、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアリール、場合により置換されているアリールアルキル、場合により置換されているヘテロアリール、又は場合により置換されているヘテロアリールアルキルである)である。
【0342】
特定の実施形態において、式(X)の-R1及び-R2の電子吸引基は、-CNである。特定の実施形態において、式(X)の-R1及び-R2の電子求引基は、-NO2である。特定の実施形態において、式(X)の-R1及び-R2の電子吸引基は、6~10個の炭素を含む、場合により置換されているアリールである。特定の実施形態において、式(X)の-R1及び-R2の電子吸引基は、場合により置換されているフェニル、ナフチル又はアントラセニルである。特定の実施形態において、式(X)の-R1及び-R2の電子吸引基は、3~7個の炭素を含み、少なくとも1個のN、O又はS原子を含む、場合により置換されているヘテロアリールである。特定の実施形態において、式(X)の-R1及び-R2の電子吸引基は、場合により置換されているピロリル、ピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、キノリル、インドリル又はインデニルである。特定の実施形態において、式(X)の-R1及び-R2の電子吸引基は、2~20個の炭素原子を含有する、場合により置換されているアルケニルである。特定の実施形態において、式(X)の-R1及び-R2の電子吸引基は、2~20個の炭素原子を含む、場合により置換されているアルキニルである。特定の実施形態において、式(X)の-R1及び-R2の電子吸引基は、-COR3、-SOR3、又は-SO2R3であり、ここで-R3は、-H、1~20個の炭素原子を含む場合により置換されているアルキルであるか、場合により置換されているアリール、場合により置換されているアリールアルキル、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されているヘテロアリールアルキル、-OR8又は-NR8 2であり、各-R8は、独立して、-H若しくは1~20個の炭素原子を含む場合により置換されているアルキルであるか、又は両方の-R8基は、それらが結合している窒素と一緒になって複素環式環を形成する。特定の実施形態において、式(X)の-R1及び-R2の電子吸引基は-SR9であり、ここで-R9は、1~20個の炭素原子を含む場合により置換されているアルキルであるか、場合により置換されているアリール、場合により置換されているアリールアルキル、場合により置換されているヘテロアリール、又は場合により置換されているヘテロアリールアルキルである。
【0343】
特定の実施形態において、式(X)の-R1又は-R2の少なくとも一方は、-CN、-SOR3又は-SO2R3である。特定の実施形態において、式(X)の-R1及び-R2の少なくとも一方は、-CN又は-SO2R3である。特定の実施形態において、式(X)の-R1及び-R2の少なくとも一方は、-CN又は-SO2R3であり、-R3は、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアリール、又は-NR8 2である。特定の実施形態において、式(X)の-R1及び-R2の少なくとも一方は、-CN、-SO2N(CH3)2、-SO2CH3、-SO2で置換されているフェニル、-SO2及び-Clで置換されているフェニル、-SO2N(CH2CH2)2O、-SO2CH(CH3)2、-SO2N(CH3)(CH2CH3)、又は-SO2N(CH2CH2OCH3)2である。
【0344】
特定の実施形態において、式(X)の各-R4は、独立して、C1-C3アルキルである。特定の実施形態において、両方の-R4はメチルである。
【0345】
特定の実施形態において、式(X)の-Y-は存在しない。特定の実施形態において、式(X)の-Y-は、-N(R6)CH2-である。
【0346】
特定の実施形態において、-L1-は、式中のnが1であり、-R1が-CNであり、-R2が-Hであり、-R4が-CH3である、式(X)を有する。特定の実施形態において、-L1-は、式中のnが1であり、-R1が-SO2N(CH3)2であり、-R2が-Hであり、-R4が-CH3である、式(X)を有する。特定の実施形態において、-L1-は、式中のnが1であり、-R1がSO2CH3であり、-R2が-Hであり、-R4が-CH3である、式(X)を有する。特定の実施形態において、-L1-は、式中のnが1であり、-R1が-SO2N(CH2CH2)2CHCH3であり、-R2が-Hであり、-R4が-CH3である、式(X)を有する。特定の実施形態において、-L1-は、式中のnが1であり、-R1が、-SO2で置換されているフェニルであり、-R2が-Hであり、-R4が-CH3である、式(X)を有する。特定の実施形態において、-L1-は、式中のnが1であり、-R1が、-SO2及び-Clで置換されているフェニルであり、-R2が-Hであり、-R4が-CH3である、式(X)を有する。特定の実施形態において、-L1-は、式中のnが1であり、-R1が-SO2N(CH2CH2)2Oであり、-R2が-Hであり、-R4が-CH3である、式(X)を有する。特定の実施形態において、-L1-は、式中のnが1であり、-R1が-SO2CH(CH3)2であり、-R2が-Hであり、-R4が-CH3である、式(X)を有する。特定の実施形態において、-L1-は、式中のnが1であり、-R1が-SO2N(CH3)(CH2CH3)であり、-R2が-Hであり、-R4が-CH3である、式(X)を有する。特定の実施形態において、-L1-は、式中のnが1であり、-R1が-SO2N(CH2CH2OCH3)2であり、-R2が-Hであり、-R4が-CH3である、式(X)を有する。特定の実施形態において、-L1-は、式中のnが1であり、-R1が、-SO2及び-CH3で置換されているフェニルであり、-R2が-Hであり、-R4が-CH3である、式(X)を有する。
【0347】
特定の実施形態において、-L1-は、式中のnが2であり、-R1が-CNであり、-R2が-Hであり、-R4が-CH3である、式(X)を有する。特定の実施形態において、-L1-は、式中のnが2であり、-R1が-SO2N(CH3)2であり、-R2が-Hであり、-R4が-CH3である、式(X)を有する。特定の実施形態において、-L1-は、式中のnが2であり、-R1がSO2CH3であり、-R2が-Hであり、-R4が-CH3である、式(X)を有する。特定の実施形態において、-L1-は、式中のnが2であり、-R1が-SO2N(CH2CH2)2CHCH3であり、-R2が-Hであり、-R4が-CH3である、式(X)を有する。特定の実施形態において、-L1-は、式中のnが2であり、-R1が、-SO2で置換されているフェニルであり、-R2が-Hであり、-R4が-CH3である、式(X)を有する。特定の実施形態において、-L1-は、式中のnが2であり、-R1が、-SO2及び-Clで置換されているフェニルであり、-R2が-Hであり、-R4が-CH3である、式(X)を有する。特定の実施形態において、-L1-は、式中のnが2であり、-R1が-SO2N(CH2CH2)2Oであり、-R2が-Hであり、-R4が-CH3である、式(X)を有する。特定の実施形態において、-L1-は、式中のnが2であり、-R1が-SO2CH(CH3)2であり、-R2が-Hであり、-R4が-CH3である、式(X)を有する。特定の実施形態において、-L1-は、式中のnが2であり、-R1が-SO2N(CH3)(CH2CH3)であり、-R2が-Hであり、-R4が-CH3である、式(X)を有する。特定の実施形態において、-L1-は、式中のnが2であり、-R1が-SO2N(CH2CH2OCH3)2であり、-R2が-Hであり、-R4が-CH3である、式(X)を有する。特定の実施形態において、-L1-は、式中のnが2であり、-R1が、-SO2及び-CH3で置換されているフェニルであり、-R2が-Hであり、-R4が-CH3である、式(X)を有する。
【0348】
特定の実施形態において、-L1-は、式中のnが3であり、-R1が-CNであり、-R2が-Hであり、-R4が-CH3である、式(X)を有する。特定の実施形態において、-L1-は、式中のnが3であり、-R1が-SO2N(CH3)2であり、-R2が-Hであり、-R4が-CH3である、式(X)を有する。特定の実施形態において、-L1-は、式中のnが3であり、-R1がSO2CH3であり、-R2が-Hであり、-R4が-CH3である、式(X)を有する。特定の実施形態において、-L1-は、式中のnが3であり、-R1が-SO2N(CH2CH2)2CHCH3であり、-R2が-Hであり、-R4が-CH3である、式(X)を有する。特定の実施形態において、-L1-は、式中のnが3であり、-R1が、-SO2で置換されているフェニルであり、-R2が-Hであり、-R4が-CH3である、式(X)を有する。特定の実施形態において、-L1-は、式中のnが3であり、-R1が、-SO2及び-Clで置換されているフェニルであり、-R2が-Hであり、-R4が-CH3である、式(X)を有する。特定の実施形態において、-L1-は、式中のnが3であり、-R1が-SO2N(CH2CH2)2Oであり、-R2が-Hであり、-R4が-CH3である、式(X)を有する。特定の実施形態において、-L1-は、式中のnが3であり、-R1が-SO2CH(CH3)2であり、-R2が-Hであり、-R4が-CH3である、式(X)を有する。特定の実施形態において、-L1-は、式中のnが3であり、-R1が-SO2N(CH3)(CH2CH3)であり、-R2が-Hであり、-R4が-CH3である、式(X)を有する。特定の実施形態において、-L1-は、式中のnが3であり、-R1が-SO2N(CH2CH2OCH3)2であり、-R2が-Hであり、-R4が-CH3である、式(X)を有する。特定の実施形態において、-L1-は、式中のnが3であり、-R1が、-SO2及び-CH3で置換されているフェニルであり、-R2が-Hであり、-R4が-CH3である、式(X)を有する。
【0349】
専ら式(X)との関連で使用される用語は、以下の意味を有する:
【0350】
用語「アルキル」は、1~20個、1~12個、1~8個、1~6個、又は1~4個の炭素原子の直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基を指す。特定の実施形態において、アルキルは、直鎖状又は分岐状である。直鎖又は分岐アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、及びn-デシルなどが挙げられる。特定の実施形態において、アルキルは環状である。環状アルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンタジエニル、及びシクロへキシルが挙げられる。
【0351】
用語「アルコキシ」は、酸素に結合しているアルキル基、例えばメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、シクロプロポキシ、及びシクロブトキシなどを指す。
【0352】
用語「アルケニル」は、炭素-炭素二重結合及び2~20個、2~12個、2~8個、2~6個、又は2~4個の炭素原子を有する非芳香族不飽和炭化水素を指す。
【0353】
用語「アルキニル」は、炭素-炭素三重結合及び2~20個、2~12個、2~8個、2~6個、又は2~4個の炭素原子を有する非芳香族不飽和炭化水素を指す。
【0354】
用語「アリール」は、6~18炭素、好ましくは6~10炭素の芳香族炭化水素基、例えば、フェニル、ナフチル及びアントラセニルなどを指す。用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1個のN、O又はS原子を含む3~15炭素、好ましくは少なくとも1個のN、O又はS原子を含む3~7炭素を含む芳香族環を指し、例えば、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、キノリル、インドリル、及びインデニルなどの基が挙げられる。
【0355】
特定の実施形態において、アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリール部分は、アルキル結合により分子の残部にカップリングされ得る。これらの状況下では、置換基は、アルケニルアルキル、アルキニルアルキル、アリールアルキル又はヘテロアリールアルキルと呼ばれ、アルキレン部分が、アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリール部分と、上記アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリールがカップリングされている分子との間にあることを示している。
【0356】
用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、ブロモ、フルオロ、クロロ及びヨードを指す。
【0357】
用語「複素環式環」又は「ヘテロシクリル」は、少なくとも1個のN、O又はS原子を含む3~15員の芳香族又は非芳香族環を指す。例としては、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジン及びテトラヒドロフラニル、並びに上記の用語「ヘテロアリール」について提供される例示的な基などが挙げられる。特定の実施形態において、複素環式環又はヘテロシクリルは、非芳香族である。特定の実施形態において、複素環式環又はヘテロシクリルは芳香族である。
【0358】
用語「場合により置換されている」は、基が、非置換であってもよく、又は同じであっても異なっていてもよい1つ以上(例えば、1、2、3、4若しくは5つ)の置換基により置換されていてもよいことを指す。置換基の例としては、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、-CN、-ORaa、-SRaa、-NRaaRbb、-NO2、-C=NH(ORaa)、-C(O)Raa、-OC(O)Raa、-C(O)ORaa、-C(O)NRaaRbb、-OC(O)NRaaRbb、-NRaaC(O)Rbb、-NRaaC(O)ORbb、-S(O)Raa、-S(O)2Raa、-NRaaS(O)Rbb、-C(O)NRaaS(O)Rbb、-NRaaS(O)2Rbb、-C(O)NRaaS(O)2Rbb、-S(O)NRaaRbb、-S(O)2NRaaRbb、-P(O)(ORaa)(ORbb)、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、又はアリールなどが挙げられ、ここでアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、及びアリールは、各々独立して、-Rccによって場合により置換されており、-Raa及び-Rbbは、各々独立して、-H、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、若しくはアリールであるか、又は-Raa及び-Rbbは、それらが結合している窒素原子と一緒になってヘテロシクリルを形成し、このヘテロシクリルは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ若しくは-CNによって場合により置換されており、ここで各-Rccは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール、-CN、又は-NO2である。
【0359】
特定の実施形態において、-L2-は、化学結合である。特定の実施形態において、-L2-は、スペーサー部分、例えば、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Ry1)-、-S(O)2N(Ry1)-、-S(O)N(Ry1)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(Ry1)S(O)2N(Ry1a)-、-S-、-N(Ry1)-、-OC(ORy1)(Ry1a)-、-N(Ry1)C(O)N(Ry1a)-、-OC(O)N(Ry1)-、C1-50アルキル、C2-50アルケニル及びC2-50アルキニルからなる群から選択されるスペーサー部分であり、ここで-T-、C1-50アルキル、C2-50アルケニル及びC2-50アルキニルは、同じ又は異なる1つ以上の-Ry2で場合により置換されており、C1-50アルキル、C2-50アルケニル及びC2-50アルキニルには、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Ry3)-、-S(O)2N(Ry3)-、-S(O)N(Ry3)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(Ry3)S(O)2N(Ry3a)-、-S-、-N(Ry3)-、-OC(ORy3)(Ry3a)-、-N(Ry3)C(O)N(Ry3a)-、及び-OC(O)N(Ry3)-からなる群から選択される1つ以上の基が場合により割り込んでおり、
-Ry1及び-Ry1aは、互いに独立して、-H、-T、C1-50アルキル、C2-50アルケニル及びC2-50アルキニルからなる群から選択され、-T、C1-50アルキル、C2-50アルケニル及びC2-50アルキニルは、同じ又は異なる1つ以上の-Ry2で場合により置換されており、C1-50アルキル、C2-50アルケニル及びC2-50アルキニルには、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Ry4)-、-S(O)2N(Ry4)-、-S(O)N(Ry4)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(Ry4)S(O)2N(Ry4a)-、-S-、-N(Ry4)-、-OC(ORy4)(Ry4a)-、-N(Ry4)C(O)N(Ry4a)-、及び-OC(O)N(Ry4)-からなる群から選択される1つ以上の基が場合により割り込んでおり、
各Tは、独立して、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員のヘテロシクリル、8~11員のヘテロビシクリル、8~30員のカルボポリシクリル、及び8~30員のヘテロポリシクリルからなる群から選択され、ここで各Tは、独立して、同じ又は異なる1つ以上の-Ry2で場合により置換されており、
各-Ry2は、独立して、ハロゲン、-CN、オキソ(=O)、-COORy5、-ORy5、-C(O)Ry5、-C(O)N(Ry5Ry5a)、-S(O)2N(Ry5Ry5a)、-S(O)N(Ry5Ry5a)、-S(O)2Ry5、-S(O)Ry5、-N(Ry5)S(O)2N(Ry5aRy5b)、-SRy5、-N(Ry5Ry5a)、-NO2、-OC(O)Ry5、-N(Ry5)C(O)Ry5a、-N(Ry5)S(O)2Ry5a、-N(Ry5)S(O)Ry5a、-N(Ry5)C(O)ORy5a、-N(Ry5)C(O)N(Ry5aRy5b)、-OC(O)N(Ry5Ry5a)、及びC1-6アルキルからなる群から選択され、ここでC1-6アルキルは、同じ又は異なる1つ以上のハロゲンで場合により置換されており、
各-Ry3、-Ry3a、-Ry4、-Ry4a、-Ry5、-Ry5a及び-Ry5bは、独立して、-H及びC1-6アルキルからなる群から選択され、ここでC1-6アルキルは、同じ又は異なる1つ以上のハロゲンで場合により置換されている。
【0360】
特定の実施形態において、-L2-は、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Ry1)-、-S(O)2N(Ry1)-、-S(O)N(Ry1)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(Ry1)S(O)2N(Ry1a)-、-S-、-N(Ry1)-、-OC(ORy1)(Ry1a)-、-N(Ry1)C(O)N(Ry1a)-、-OC(O)N(Ry1)-、C1-50アルキル、C2-50アルケニル及びC2-50アルキニルから選択され、ここで-T-、C1-20アルキル、C2-20アルケニル及びC2-20アルキニルは、同じ又は異なる1つ以上の-Ry2で場合により置換されており、C1-20アルキル、C2-20アルケニル及びC2-20アルキニルには、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Ry3)-、-S(O)2N(Ry3)-、-S(O)N(Ry3)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(Ry3)S(O)2N(Ry3a)-、-S-、-N(Ry3)-、-OC(ORy3)(Ry3a)-、-N(Ry3)C(O)N(Ry3a)-、及び-OC(O)N(Ry3)-からなる群から選択される1つ以上の基が場合により割り込んでおり、
-Ry1及び-Ry1aは、互いに独立して、-H、-T、C1-10アルキル、C2-10アルケニル及びC2-10アルキニルからなる群から選択され、ここで-T、C1-10アルキル、C2-10アルケニル及びC2-10アルキニルは、同じ又は異なる1つ以上の-Ry2で場合により置換されており、C1-10アルキル、C2-10アルケニル及びC2-10アルキニルには、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Ry4)-、-S(O)2N(Ry4)-、-S(O)N(Ry4)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(Ry4)S(O)2N(Ry4a)-、-S-、-N(Ry4)-、-OC(ORy4)(Ry4a)-、-N(Ry4)C(O)N(Ry4a)-、及び-OC(O)N(Ry4)-からなる群から選択される1つ以上の基が場合により割り込んでおり、
各Tは、独立して、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員のヘテロシクリル、8~11員のヘテロビシクリル、8~30員のカルボポリシクリル、及び8~30員のヘテロポリシクリルからなる群から選択され、ここで各Tは、独立して、同じ又は異なる1つ以上の-Ry2で場合により置換されており、
-Ry2は、ハロゲン、-CN、オキソ(=O)、-COORy5、-ORy5、-C(O)Ry5、-C(O)N(Ry5Ry5a)、-S(O)2N(Ry5Ry5a)、-S(O)N(Ry5Ry5a)、-S(O)2Ry5、-S(O)Ry5、-N(Ry5)S(O)2N(Ry5aRy5b)、-SRy5、-N(Ry5Ry5a)、-NO2、-OC(O)Ry5、-N(Ry5)C(O)Ry5a、-N(Ry5)S(O)2Ry5a、-N(Ry5)S(O)Ry5a、-N(Ry5)C(O)ORy5a、-N(Ry5)C(O)N(Ry5aRy5b)、-OC(O)N(Ry5Ry5a)、及びC1-6アルキルからなる群から選択され、ここでC1-6アルキルは、同じ又は異なる1つ以上のハロゲンで場合により置換されており、
各-Ry3、-Ry3a、-Ry4、-Ry4a、-Ry5、-Ry5a及び、-Ry5bは、互いに独立して、-H及びC1-6アルキルからなる群から選択され、ここでC1-6アルキルは、同じ又は異なる1つ以上のハロゲンで場合により置換されている。
【0361】
特定の実施形態において、-L2-は、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Ry1)-、-S(O)2N(Ry1)-、-S(O)N(Ry1)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(Ry1)S(O)2N(Ry1a)-、-S-、-N(Ry1)-、-OC(ORy1)(Ry1a)-、-N(Ry1)C(O)N(Ry1a)-、-OC(O)N(Ry1)-、C1-50アルキル、C2-50アルケニル及びC2-50アルキニルからなる群から選択され、ここで、-T-、C1-50アルキル、C2-50アルケニル及びC2-50アルキニルは、同じ又は異なる1つ以上の-Ry2で場合により置換されており、C1-50アルキル、C2-50アルケニル及びC2-50アルキニルには、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Ry3)-、-S(O)2N(Ry3)-、-S(O)N(Ry3)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(Ry3)S(O)2N(Ry3a)-、-S-、-N(Ry3)-、-OC(ORy3)(Ry3a)-、-N(Ry3)C(O)N(Ry3a)-、及び-OC(O)N(Ry3)-からなる群から選択される1つ以上の基が場合により割り込んでおり、
-Ry1及び-Ry1aは、独立して、-H、-T、C1-10アルキル、C2-10アルケニル及びC2-10アルキニルからなる群から選択され、
各Tは、独立して、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員のヘテロシクリル、8~11員のヘテロビシクリル、8~30員のカルボポリシクリル、及び8~30員のヘテロポリシクリルからなる群から選択され、
各-Ry2は、独立して、ハロゲン及びC1-6アルキルからなる群から選択され、
各-Ry3、-Ry3a、-Ry4、-Ry4a、-Ry5、-Ry5a及び-Ry5bは、互いに独立して、-H及びC1-6アルキルからなる群から選択され、ここでC1-6アルキルは、同じ又は異なる1つ以上のハロゲンで場合により置換されている。
【0362】
特定の実施形態において、-L2-は、-O-、-T-及び-C(O)N(Ry1)-から独立して選択される1つ以上の基が場合により割り込んでいるC1-20アルキル鎖であり、このC1-20アルキル鎖は、-OH、-T及び-C(O)N(Ry6Ry6a)から独立して選択される1つ以上の基で場合により置換されており、ここで-Ry1、-Ry6、-Ry6aは、独立して、H及びC1-4アルキルからなる群から選択され、Tは、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員のヘテロシクリル、8~11員のヘテロビシクリル、8~30員のカルボポリシクリル、及び8~30員のヘテロポリシクリルからなる群から選択される。
【0363】
特定の実施形態において、-L2-は、14g/mol~750g/molの範囲内の分子量を有する。
【0364】
特定の実施形態において、-L2-は、以下のものから選択される部分を含む:
【0365】
【化34】
(式中、
破線は、-L2-、-L1-、-Z及び/又はZ'の残部への結合をそれぞれ示し、
-R及び-Raは、互いに独立して、-H、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシルからなる群から選択される)。
【0366】
特定の実施形態において、-L2-は、1~20原子の鎖長を有する。
【0367】
部分-L2-に関して本明細書において使用される用語「鎖長」は、-L1-と-Z間の最短連結部に存在する-L2-の原子数を指す。
【0368】
特定の実施形態において、-L2-は、式(i)
【0369】
【化35】
(式中、
アスタリスクが付いている破線は、-L1-への結合を示し、
印の付いていない破線は、-Z又は-Z'への結合を示し、
nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17及び18からなる群から選択される)
を有し、
ここで式(i)の部分は、場合によりさらに置換されている。
【0370】
特定の実施形態において、式(i)のnは、3、4、5、6、7、8及び9からなる群から選択される。特定の実施形態において、式(i)のnは、4、5、6又は7である。特定の実施形態において、式(i)のnは、4である。特定の実施形態において、式(i)のnは、5である。特定の実施形態において、式(i)のnは、6である。
【0371】
特定の実施形態において、部分-L1-L2-は、以下のものからなる群から選択される:
【0372】
【化36】
(式中、
印の付いていない破線は、アミド結合を形成することによる、PTH部分である-Dの窒素への結合を示し、
アスタリスクが付いている破線は、-Z又はZ’への結合を示す)。
【0373】
特定の実施形態において、部分-L1-L2-は、式(IIca-ii)を有する。特定の実施形態において、部分-L1-L2-は、式(IIcb-iii)を有する。
【0374】
特定の実施形態において、部分-L1-L2-は、以下のものからなる群から選択される:
【0375】
【化37】
(式中、
印の付いていない破線は、アミド結合を形成することによる、PTH部分である-Dの窒素への結合を示し、
アスタリスクが付いている破線は、-Z又はZ’への結合を示す)。
【0376】
担体-Zは、C8-24アルキル、又はポリマーを含む。特定の実施形態において、-Zは、ポリマー、例えば、2-メタクリロイル-オキシエチルホスホリルコリン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(アクリレート)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(アルキルオキシ)ポリマー、ポリ(アミド)、ポリ(アミドアミン)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(酸無水物)、ポリ(アスパルトアミド)、ポリ(酪酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(カーボネート)、ポリ(シアノアクリレート)、ポリ(ジメチルアクリルアミド)、ポリ(エステル)、ポリ(エチレン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチルホスフェート)、ポリ(エチルオキサゾリン)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート)、ポリ(ヒドロキシエチル-オキサゾリン)、ポリ(ヒドロキシメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルオキサゾリン)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(乳酸)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)、ポリ(メタクリルアミド)、ポリ(メタクリレート)、ポリ(メチルオキサゾリン)、ポリ(オルガノホスファゼン)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(オキサゾリン)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(シロキサン)、ポリ(ウレタン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリ(ビニルピロリドン)、シリコーン、セルロース、カルボメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キチン、キトサン、デキストラン、デキストリン、ゼラチン、ヒアルロン酸及び誘導体、官能化ヒアルロン酸、マンナン、ペクチン、ラムノガラクツロナン、デンプン、ヒドロキシアルキルデンプン、ヒドロキシエチルデンプン及び他の炭水化物系ポリマー、キシラン、並びにこれらのコポリマーからなる群から選択されるポリマーを含む。特定の実施形態において、-Zは、ポリ(エチレングリコール)(PEG)を含む。
【0377】
特定の実施形態において、-Zは、5~200kDaの分子量を有する。特定の実施形態において、-Zは、8~100kDa、例えば10~80kDa、例えば12~60kDa、又は15~40kDaの分子量を有する。特定の実施形態において、-Zは、約20kDaの分子量を有する。特定の実施形態において、-Zは、約40kDaの分子量を有する。
【0378】
特定の実施形態において、-ZはPEGを含み、5~200kDaの分子量を有する。特定の実施形態において、-ZはPEGを含み、8~100kDa、例えば10~80kDa、例えば12~60kDa、又は15~40kDaの分子量を有する。特定の実施形態において、-ZはPEGを含み、約20kDaの分子量を有する。特定の実施形態において、-ZはPEGを含み、約40kDaの分子量を有する。
【0379】
特定の実施形態において、-Zは、タンパク質、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2012/0035101号A1に記載されているような絨毛性ゴナドトロピンのカルボキシル末端ポリペプチド;アルブミン;参照により本明細書に組み込まれるWO 2011123813 A2に記載されているようなXTEN配列;参照により本明細書に組み込まれるWO 2011/144756 A1に記載されているようなプロリン/アラニンランダムコイル配列;参照により本明細書に組み込まれるWO 2008/155134 A1及びWO 2013/024049 A1に記載されているようなプロリン/アラニン/セリンランダムコイル配列、並びにFc融合タンパク質からなる群から選択されるタンパク質を含む。特定の実施形態において、-Zは、ポリサルコシンである。特定の実施形態において、-Zは、ポリ(N-メチルグリシン)を含む。特定の実施形態において、-Zは、ランダムコイルタンパク質部分を含む。
【0380】
特定の実施形態では、-Zは、脂肪酸誘導体、例えば、参照により本明細書に組み込まれるWO 2005/027978 A2及びWO 2014/060512 A1に開示されているような誘導体を含む。
【0381】
特定の実施形態において、-Zは、ヒアルロン酸系ポリマーである。
【0382】
特定の実施形態において、-Zは、参照により本明細書に組み込まれるWO 2012/02047 A1に開示されているような担体である。
【0383】
特定の実施形態において、-Zは、参照により本明細書に組み込まれるWO 2013/024048 A1に開示されているような担体である。
【0384】
特定の実施形態において、-Zは、PEG系ポリマー、例えば、直鎖状、分岐状又はマルチアームPEG系ポリマーである。
【0385】
特定の実施形態において、-Zは、直鎖状PEG系ポリマーである。
【0386】
特定の実施形態において、-Zは、マルチアームPEG系ポリマーである。特定の実施形態において、-Zは、少なくとも4本のPEG系アームを有するマルチアームPEG系ポリマーである。
【0387】
特定の実施形態において、このようなマルチアームPEG系ポリマー-Zは、多数の部分-L2-L1-Dに結合しており、ここで各部分-L2-L1-Dは、特定の実施形態ではアームの末端に結合している。特定の実施形態において、このようなマルチアームPEG系ポリマー-Zは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15又は16つの部分-L2-L1-Dに結合している。特定の実施形態において、このようなマルチアームPEG系ポリマー-Zは、2、3、4、6又は8つの部分-L2-L1-Dに結合している。特定の実施形態において、このようなマルチアームPEG系ポリマー-Zは、2、4又は6つの部分-L2-L1-Dに結合している。特定の実施形態では、このようなマルチアームPEG系ポリマー-Zは、4又は6つの部分-L2-L1-Dに結合している。特定の実施形態では、このようなマルチアームPEG系ポリマー-Zは、4つの部分-L2-L1-Dに結合している。
【0388】
特定の実施形態において、-Zは、分岐PEG系ポリマーである。特定の実施形態において、-Zは、1、2、3、4、5又は6つの分岐点を有する分岐PEG系ポリマーである。特定の実施形態において、-Zは、1、2又は3つの分岐点を有する分岐PEG系ポリマーである。特定の実施形態において、-Zは、1つの分岐点を有する分岐PEG系ポリマーである。特定の実施形態において、-Zは、2つの分岐点を有する分岐PEG系ポリマーである。特定の実施形態において、-Zは、3つの分岐点を有する分岐PEG系ポリマーである。
【0389】
特定の実施形態において、分岐点は、-N<、-CH<及び>C<からなる群から選択することができる。
【0390】
特定の実施形態において、-Zは、1つの分岐点と5~200kDaの分子量を有する分岐PEG系ポリマーである。特定の実施形態において、-Zは、1つの分岐点と8~100kDaの分子量を有する分岐PEG系ポリマーである。特定の実施形態において、-Zは、1つの分岐点と10~80kDaの分子量を有する分岐PEG系ポリマーである。特定の実施形態において、-Zは、1つの分岐点と12~60kDaの分子量を有する分岐PEG系ポリマーである。特定の実施形態において、-Zは、1つの分岐点と15~40kDaの分子量を有する分岐PEG系ポリマーである。特定の実施形態において、-Zは、1つの分岐点と約20kDaの分子量を有する分岐PEG系ポリマーである。特定の実施形態において、-Zは、1つの分岐点と約40kDaの分子量を有する分岐PEG系ポリマーである。
【0391】
特定の実施形態において、-Zは、1つの分岐点(この分岐点は-CH<である)、及び約40kDaの分子量を有する分岐PEG系ポリマーである。
【0392】
特定の実施形態において、-Z又はZ’は、下記の部分を含む:
【0393】
【化38】
【0394】
特定の実施形態において、-Z又はZ’は、アミド結合を含む。
【0395】
特定の実施形態において、-Zは、下記の式(a)の部分を含む:
【0396】
【化39】
(式中、
破線は、-L2-への又は-Zの残部への結合を示し、
BPaは、-N<、-CR<及び>C<からなる群から選択される分岐点であり、
-Rは、-H及びC1-6アルキルからなる群から選択され、
aは、BPaが-N<又は-CR<である場合0であり、nは、BPaが>C<である場合1であり、
-Sa-、-Sa'-、-Sa''-及び-Sa'''-は、互いに独立して、化学結合であるか、又はC1-50アルキル、C2-50アルケニル及びC2-50アルキニルからなる群から選択され、ここでC1-50アルキル、C2-50アルケニル及びC2-50アルキニルは、同じ又は異なる1つ以上の-R1で場合により置換されており、C1-50アルキル、C2-50アルケニル及びC2-50アルキニルには、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R2)-、-S(O)2N(R2)-、-S(O)N(R2)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(R2)S(O)2N(R2a)-、-S-、-N(R2)-、-OC(OR2)(R2a)-、-N(R2)C(O)N(R2a)-、及び-OC(O)N(R2)-からなる群から選択される1つ以上の基が場合により割り込んでおり、
各-T-は、独立して、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員のヘテロシクリル、8~11員のヘテロビシクリル、8~30員のカルボポリシクリル、及び8~30員のヘテロポリシクリルからなる群から選択され、ここで各-T-は、独立して、同じ又は異なる1つ以上の-R1で場合により置換されており、
各-R1は、独立して、ハロゲン、-CN、オキソ(=O)、-COOR3、-OR3、-C(O)R3、-C(O)N(R3R3a)、-S(O)2N(R3R3a)、-S(O)N(R3R3a)、-S(O)2R3、-S(O)R3、-N(R3)S(O)2N(R3aR3b)、-SR3、-N(R3R3a)、-NO2、-OC(O)R3、-N(R3)C(O)R3a、-N(R3)S(O)2R3a、-N(R3)S(O)R3a、-N(R3)C(O)OR3a、-N(R3)C(O)N(R3aR3b)、-OC(O)N(R3R3a)、及びC1-6アルキルからなる群から選択され、ここでC1-6アルキルは、同じ又は異なる1つ以上のハロゲンで場合により置換されており、
各-R2、-R2a、-R3、-R3a及び-R3bは、独立して、-H及びC1-6アルキルからなる群から選択され、ここでC1-6アルキルは、同じ又は異なる1つ以上のハロゲンで場合により置換されており、
-Pa'、-Pa''及び-Pa'''は、独立して、ポリマー部分である)。
【0397】
特定の実施形態において、式(a)のBPaは、-N<である。特定の実施形態において、式(a)のBPaは、>C<である。特定の実施形態において、式(a)のBPaは、-CR<である。特定の実施形態において、-Rは、-Hである。したがって、式(a)のaは、0である。
【0398】
特定の実施形態において、式(a)の-Sa-は、化学結合である。特定の実施形態において、式(a)の-Sa-は、C1-10アルキル、C2-10アルケニル及びC2-10アルキニルからなる群から選択され、C1-10アルキル、C2-10アルケニル及びC2-10アルキニルには、場合により、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R4)-、-S(O)2N(R4)-、-S(O)N(R4)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(R4)S(O)2N(R4a)-、-S-、-N(R4)-、-OC(OR4)(R4a)-、-N(R4)C(O)N(R4a)-、及び-OC(O)N(R4)-からなる群から選択される1つ以上の化学基が割り込んでおり、ここで、-T-は、3~10員のヘテロシクリルであり、-R4及び-R4aは、独立して、-H、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(a)の-Sa-は、C1-10アルキルからなる群から選択され、これには、-T-、-C(O)N(R4)-及び-O-からなる群から選択される1つ以上の化学基が割り込んでいる。
【0399】
特定の実施形態において、式(a)の-Sa'-は、化学結合である。特定の実施形態において、式(a)の-Sa'-は、C1-10アルキル、C2-10アルケニル及びC2-10アルキニルからなる群から選択され、C1-10アルキル、C2-10アルケニル及びC2-10アルキニルには、場合により、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R4)-、-S(O)2N(R4)-、-S(O)N(R4)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(R4)S(O)2N(R4a)-、-S-、-N(R4)-、-OC(OR4)(R4a)-、-N(R4)C(O)N(R4a)-、及び-OC(O)N(R4)-からなる群から選択される1つ以上の化学基が割り込んでおり、ここで、-R4及び-R4aは、独立して、-H、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(a)の-Sa'-は、メチル、エチル、プロピル、ブチルからなる群から選択され、これらには、場合により、-O-、-C(O)-及び-C(O)N(R4)-からなる群から選択される1つ以上の化学基が割り込んでいる。
【0400】
特定の実施形態において、式(a)の-Sa''-は、化学結合である。特定の実施形態において、式(a)の-Sa''-は、C1-10アルキル、C2-10アルケニル及びC2-10アルキニルからなる群から選択され、C1-10アルキル、C2-10アルケニル及びC2-10アルキニルには、場合により、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R4)-、-S(O)2N(R4)-、-S(O)N(R4)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(R4)S(O)2N(R4a)-、-S-、-N(R4)-、-OC(OR4)(R4a)-、-N(R4)C(O)N(R4a)-、及び-OC(O)N(R4)-からなる群から選択される1つ以上の化学基が割り込んでおり、ここで、-R4及び-R4aは、独立して、-H、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(a)の-Sa''-は、メチル、エチル、プロピル、ブチルからなる群から選択され、これらには、-O-、-C(O)-及び-C(O)N(R4)-からなる群から選択される1つ以上の化学基が場合により割り込んでいる。
【0401】
特定の実施形態において、式(a)の-Sa'''-は、化学結合である。特定の実施形態において、式(a)の-Sa'''-は、C1-10アルキル、C2-10アルケニル及びC2-10アルキニルからなる群から選択され、このC1-10アルキル、C2-10アルケニル及びC2-10アルキニルには、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R4)-、-S(O)2N(R4)-、-S(O)N(R4)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(R4)S(O)2N(R4a)-、-S-、-N(R4)-、-OC(OR4)(R4a)-、-N(R4)C(O)N(R4a)-、及び-OC(O)N(R4)-からなる群から選択される1つ以上の化学基が場合により割り込んでおり、ここで-R4及び-R4aは、独立して、-H、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(a)の-Sa'''-は、メチル、エチル、プロピル、ブチルからなる群から選択され、これらには、場合により、-O-、-C(O)-及び-C(O)N(R4)-からなる群から選択される1つ以上の化学基が割り込んでいる。
【0402】
特定の実施形態において、式(a)の-Pa'、-Pa''及び-Pa'''は、独立して、2-メタクリロイル-オキシエチルホスホリルコリン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(アクリレート)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(アルキルオキシ)ポリマー、ポリ(アミド)、ポリ(アミドアミン)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(酸無水物)、ポリ(アスパルトアミド)、ポリ(酪酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(カーボネート)、ポリ(シアノアクリレート)、ポリ(ジメチルアクリルアミド)、ポリ(エステル)、ポリ(エチレン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチルホスフェート)、ポリ(エチルオキサゾリン)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート)、ポリ(ヒドロキシエチル-オキサゾリン)、ポリ(ヒドロキシメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルオキサゾリン)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(乳酸)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)、ポリ(メタクリルアミド)、ポリ(メタクリレート)、ポリ(メチルオキサゾリン)、ポリ(オルガノホスファゼン)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(オキサゾリン)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(シロキサン)、ポリ(ウレタン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリ(ビニルピロリドン)、シリコーン、セルロース、カルボメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キチン、キトサン、デキストラン、デキストリン、ゼラチン、ヒアルロン酸及び誘導体、官能化ヒアルロン酸、マンナン、ペクチン、ラムノガラクツロナン、デンプン、ヒドロキシアルキルデンプン、ヒドロキシエチルデンプン及び他の炭水化物系ポリマー、キシラン、並びにこれらのコポリマーからなる群から選択されるポリマーを含む。
【0403】
特定の実施形態において、式(a)の-Pa'、-Pa''及び-Pa'''は、独立して、PEG系部分を含む。特定の実施形態において、式(a)の-Pa'、-Pa''及び-Pa'''は、独立して、少なくとも20%PEG、例えば少なくとも30%、例えば少なくとも40%PEG、例えば少なくとも50%PEG、例えば少なくとも60%PEG、例えば少なくとも70%PEG、例えば少なくとも80%PEG、又は少なくとも90%PEGを含む、PEG系部分を含む。
【0404】
特定の実施形態において、式(a)の-Pa'、-Pa''及び-Pa'''は、独立して、5kDa~50kDa、例えば5kDa~40kDa、例えば7.5kDa~35kDa、例えば7.5~30kDa、又は例えば10~30kDaの分子量を有する。特定の実施形態において、式(a)の-Pa'、-Pa''及び-Pa'''は、約5kDaの分子量を有する。特定の実施形態において、式(a)の-Pa'、-Pa''及び-Pa'''は、約7.5kDaの分子量を有する。特定の実施形態において、式(a)の-Pa'、-Pa''及び-Pa'''は、約10kDaの分子量を有する。特定の実施形態において、式(a)の-Pa'、-Pa''及び-Pa'''は、約12.5kDaの分子量を有する。特定の実施形態において、式(a)の-Pa'、-Pa''及び-Pa'''は、約15kDaの分子量を有する。特定の実施形態において、式(a)の-Pa'、-Pa''及び-Pa'''は、約20kDaの分子量を有する。
【0405】
特定の実施形態において、-Zは、式(a)の1つの部分を含む。特定の実施形態において、-Zは、式(a)の2つの部分を含む。特定の実施形態において、-Zは、式(a)の3つの部分を含む。特定の実施形態において、-Zは、式(a)の部分である。
【0406】
特定の実施形態において、-Zは、下記の式(b)の部分を含む:
【0407】
【化40】
(式中、
破線は、-L2-への又は-Zの残部への結合を示し、
m及びpは、互いに独立して、150~1000の整数、例えば150~500の整数、例えば200~500の整数、又は例えば400~500の整数である)。
【0408】
特定の実施形態において、式(b)のm及びpは、同じ整数である。特定の実施形態において、式(b)のm及びpは、約450である。
【0409】
特定の実施形態において、-Zは、式(b)の部分である。
【0410】
特定の実施形態において、長時間作用型PTH化合物は、式(IIe-i):
【0411】
【化41】
(式中、
印の付いていない破線は、アミド結合を介した-Dの窒素への結合を示し;
アスタリスクが付いている破線は、以下の部分:
【0412】
【化42】
[式中、
m及びpは、独立して、400~500の整数である]
への結合を示す)
を有する。
【0413】
特定の実施形態において、-Dは、-DのN末端アミン官能基を介して式(IIe-i)の化合物に結合している。
【0414】
特定の実施形態において、長時間作用型PTH化合物は式(IIe-i)を有し、ここで印の付いていない破線は、配列番号51のPTH部分のN末端アミンへの結合を示す。
【0415】
特定の実施形態において、長時間作用型PTH化合物は式(IIe-i)を有し、ここで印の付いていない破線は、配列番号51のPTH部分のN末端アミンへの結合を示し、またここでm及びpは約450である。
【0416】
別の好ましい実施形態では、長時間作用型PTH化合物は、式(IIf-i)のPTHプロドラッグ:
【0417】
【化43】
(式中、
印の付いていない破線は、アミド結合を介した-Dの窒素への結合を示し;
アスタリスクが付いている破線は、以下の部分:
【0418】
【化44】
[式中、
m及びpは、独立して、400~500の整数である]
への結合を示す)
である。
【0419】
特定の実施形態において、-Dは、PTH部分のN末端アミン官能基を介して式(IIf-i)の化合物に結合している。
【0420】
特定の実施形態では、長時間作用型PTH化合物は式(IIf-i)を有し、ここで印の付いていない破線は、配列番号51のPTH部分のN末端アミンへの結合を示す。
【0421】
特定の実施形態では、長時間作用型PTH化合物は式(IIf-i)を有し、ここで印の付いていない破線は、配列番号51のPTH部分のN末端アミンへの結合を示し、m及びpは両方とも約450である。
【0422】
特定の実施形態では、長時間作用型PTH化合物は、式(IIf-ii):
【0423】
【化45】
(式中、
印の付いていない破線は、配列番号51のPTH部分のN末端アミンへの結合を示し;
アスタリスクが付いている破線は、以下の部分:
【0424】
【化46】
[式中、
m及びpは、独立して、400~500の整数である]
への結合を示す)
を有する。
【0425】
特定の実施形態において、式(IIf-ii)のm及びpは、約450である。
【0426】
特定の実施形態では、長時間作用型PTH化合物は、式(IIf-iii):
【0427】
【化47】
(式中、
印の付いていない破線は、配列番号51のPTH部分のN末端アミンへの結合を示し;
アスタリスクが付いている破線は、以下の部分:
【0428】
【化48】
[式中、
m及びpは、独立して、約400~500である]
への結合を示す)
を有する。
【0429】
特定の実施形態では、長時間作用型PTHは、配列番号122のポリペプチドである。
【0430】
特定の実施形態では、長時間作用型PTH化合物は、k(γE-(ミニPEG)2-γE-COC16H32CO2H)(N-Me)GSVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHK(γE-(ミニPEG)2-γE-COC16H32CO2H)-OHであり、WO2021/242756の配列番号87に対応し、ここで
kは、d-Lysであり;
γEは、ガンマ、グルタミン酸のl-異性体であり;
ミニPEGは、COCH2OCH2CH2OCH2CH2NHであり;
COC16H32Hは、C18二酸であり;
(N-Me)Gはサルコシンであり;
SVSEIQLMHNLGKHLNSMERVEWLRKKLQDVHKは、PTH(1-32)、すなわち本明細書中の配列番号53、+ K33であり;
Kは、l-Lysであり;
-OHは、C末端アミノ酸が末端カルボン酸を有することを示す。
【0431】
特定の実施形態では、長時間作用型PTH化合物は、本明細書中に記載される1つ以上の長時間作用型PTH化合物と少なくとも1つの賦形剤とを含む医薬組成物の形態で患者に投与される。
【0432】
特定の実施形態において、このような医薬品は、pH3~pH8のpHを有する。特定の実施形態において、このような医薬組成物は、pH4~pH6のpHを有する。特定の実施形態において、このような医薬組成物は、pH4~pH5のpHを有する。
【0433】
特定の実施形態において、このような医薬組成物は、液体製剤又は懸濁製剤である。医薬組成物は、長時間作用型PTH化合物が非水溶性である場合には懸濁製剤であることが理解される。
【0434】
特定の実施形態において、医薬組成物は乾燥製剤である。
【0435】
このような液体、懸濁、又は乾燥医薬組成物は、少なくとも1つの賦形剤を含む。非経口製剤に使用される賦形剤は、例えば、緩衝剤、等張性調節剤、保存剤、安定剤、吸収抑制剤、酸化防御剤、増粘剤/粘度増加剤、又は他の助剤として分類され得る。しかし、一部の例では、1つの賦形剤が二重機能又は三重機能を有し得る。特定の実施形態において、少なくとも1つの賦形剤は、以下のものからなる群から選択される:
(i) 緩衝剤:pHを所望の範囲内で維持するための生理学的に忍容される緩衝剤、例えば、リン酸ナトリウム、重炭酸塩、コハク酸塩、ヒスチジン、クエン酸塩及び酢酸塩、硫酸塩、硝酸塩、塩化物、ピルビン酸塩;制酸剤、例えばMg(OH)2又はZnCO3も使用し得る;
(ii) 等張性調節剤:注射デポーにおける浸透圧差に起因する細胞損傷から生じ得る疼痛を最小限にするためのもの;グリセリン及び塩化ナトリウムが例である。有効濃度は、血清について285~315mOsmol/kgの想定重量モル浸透圧濃度を使用した浸透圧測定により決定することができる;
(iii) 保存剤及び/又は抗菌剤:多用量非経口製剤(multidose parenteral formulation)は、注射の際に患者が感染するリスクを最小限にするために十分な濃度の保存剤の添加を必要とし、対応する規制要件は確立されている。典型的な保存剤としては、m-クレゾール、フェノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、クロロブタノール、ベンジルアルコール、硝酸フェニル水銀、チメロサール(thimerosol)、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、安息香酸、クロロクレゾール及び塩化ベンザルコニウムなどが挙げられる;
(iv) 安定剤:安定化は、タンパク質安定化力の強化により、変性状態の不安定化により、又はタンパク質への賦形剤の直接結合によって達成される;安定剤は、アミノ酸、例えば、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グリシン、ヒスチジン、リシン、プロリン;糖、例えば、グルコース、スクロース、トレハロース;ポリオール、例えば、グリセロール、マンニトール、ソルビトール;塩、例えば、リン酸カリウム、硫酸ナトリウム;キレート剤、例えば、EDTA、六リン酸;配位子、例えば、二価金属イオン(亜鉛、カルシウム等);他の塩又は有機分子、例えば、フェノール系誘導体であり得、さらに、オリゴマー又はポリマー、例えば、シクロデキストリン、デキストラン、デンドリマー、PEG若しくはPVP又はプロタミン若しくはHSAも使用し得る;
(v) 吸収抑制剤:主としてイオン性若しくは非イオン性界面活性剤又は他のタンパク質若しくは可溶性ポリマー、例えば、ポロキサマー(Pluronic F-68)、PEGドデシルエーテル(Brij 35)、ポリソルベート20及び80、デキストラン、ポリエチレングリコール、PEG-ポリヒスチジン、BSA及びHSA並びにゼラチンが、製剤容器の内面を被覆し又は該内面に競合的に吸着させるために使用され;選択される賦形剤の濃度及びタイプは、回避すべき作用によって決まるが、典型的には、CMC値の直ぐ上で界面活性剤の単層が界面に形成される;
(vi) 酸化防御剤:酸化防止剤、例えば、アスコルビン酸、エクトイン、メチオニン、グルタチオン、モノチオグリセロール、モリン、ポリエチレンイミン(PEI)、没食子酸プロピル及びビタミンE;キレート剤、例えば、クエン酸、EDTA、六リン酸及びチオグリコール酸も使用し得る;
(vii) 増粘剤又は粘度増加剤:懸濁剤の場合、バイアル及びシリンジ中で粒子の沈降を遅延させるものであり、粒子の混合及び再懸濁を促進するため、並びに懸濁剤をより注射しやすく(すなわち、シリンジプランジャーに対し低圧力)するために使用される。好適な増粘剤又は粘度増加剤は、例えば、カルボマー増粘剤、例えば、Carbopol 940、Carbopol Ultrez 10;セルロース誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース、HPMC)又はジエチルアミノエチルセルロース(DEAE若しくはDEAE-C);コロイド状ケイ酸マグネシウム(Veegum)又はケイ酸ナトリウム;ヒドロキシアパタイトゲル;リン酸三カルシウムゲル;キサンタン;カラギーナン、例えば、Satia gum UTC 30;脂肪族ポリ(ヒドロキシ酸)、例えば、ポリ(D,L-又はL-乳酸)(PLA)及びポリ(グリコール酸)(PGA)並びにこれらのコポリマー(PLGA)、D,L-ラクチドとグリコリドとカプロラクトンのターポリマー;ポロキサマー;ポリ(オキシエチレン)-ポリ(オキシプロピレン)-ポリ(オキシエチレン)のトリブロック(例えば、Pluronic(登録商標))を構成するための親水性ポリ(オキシエチレン)ブロック及び疎水性ポリ(オキシプロピレン)ブロック;ポリエーテルエステルコポリマー、例えば、ポリエチレングリコールテレフタレート/ポリブチレンテレフタレートコポリマー;ショ糖酢酸イソ酪酸エステル(SAIB);デキストラン又はその誘導体;デキストランとPEGの組合せ;ポリジメチルシロキサン;コラーゲン;キトサン;ポリビニルアルコール(PVA)及び誘導体;ポリアルキルイミド;ポリ(アクリルアミド-co-ジアリルジメチルアンモニウム(DADMA));ポリビニルピロリドン(PVP);グリコサミノグリカン(GAG)、例えば、デルマタン硫酸、コンドロイチン硫酸、ケラタン硫酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸、ヒアルロナン;疎水性Aブロック、例えばポリラクチド(PLA)又はポリ(ラクチド-co-グリコリド)(PLGA)と、親水性Bブロック、例えばポリエチレングリコール(PEG)又はポリビニルピロリドンとで構成されるABAトリブロック又はABブロックコポリマーであり;このようなブロックコポリマー並びに上述のポロキサマーは、逆熱ゲル化挙動(投与を容易にするように室温では流動状態、注射後の体温におけるゾル-ゲル転移温度より高い温度ではゲル状態)を示し得る;
(viii) 展着剤又は拡散剤:間質腔内の細胞外マトリックスの成分(例えば、限定するものではないが、結合組織の細胞間空間において見いだされる多糖であるヒアルロン酸)の加水分解により結合組織の透過性を調節する;展着剤、例えば、限定するものではないが、ヒアルロニダーゼは、細胞外マトリックスの粘度を一時的に減少させ、注射された薬物の拡散を促進する;及び
(ix) 他の助剤:例えば、湿潤剤、粘度調節剤、抗生物質、ヒアルロニダーゼ;ヒアルロン酸及び水酸化ナトリウムなどの酸及び塩基は、製造中のpH調整に必要な助剤である。
【0436】
特定の実施形態において、1mlの医薬組成物は、3456μgの式(IIf-ii)の長時間作用型PTH化合物(300μgのPTH(1-34)に対応)、1.18mgコハク酸、41.7mgマンニトール、2.5mgメタクレゾール、0.13mg水酸化ナトリウム及び注射用水を含む。特定の実施形態において、医薬組成物は、3.7~4.3のpHを有する。
【0437】
特定の実施形態において、1mlの医薬組成物は、3456μgの式(IIf-iii)の長時間作用型PTH化合物(300μgのPTH(1-34)に対応)、1.18mgコハク酸、41.7mgマンニトール、2.5mgメタクレゾール、0.13mg水酸化ナトリウム及び注射用水を含む。特定の実施形態において、医薬組成物は、3.7~4.3のpHを有する。
【0438】
特定の実施形態において、医薬組成物の提示(presentation)の数は2~8であり、各提示は、異なる用量の長時間作用型PTH化合物を含む。特定の実施形態において、医薬組成物の提示の数は2~6であり、各提示は、異なる用量の長時間作用型PTH化合物を含む。特定の実施形態において、医薬組成物の提示の数は2~4であり、各提示は、異なる用量の長時間作用型PTH化合物を含む。特定の実施形態において、医薬組成物は、3つの提示で提供され、各提示は、異なる用量の長時間作用型PTH化合物を含む。特定の実施形態において、各提示はプレフィルドペンである。
【0439】
特定の実施形態において、医薬組成物は3つの提示で提供され、ここで第1提示は、168μg PTH(1-34)/0.56mLを含むプレフィルドペンであり、第2提示は、294μg PTH(1-34)/0.98mLを含むプレフィルドペンであり、第3提示は、420μg PTH(1-34)/1.4mlを含むプレフィルドペンである。特定の実施形態において、第1提示は、168μg PTH(1-34)/0.56mLを含むプレフィルドペンであり、第2提示は、294μg PTH(1-34)/0.98mLを含むプレフィルドペンであり、第3提示は、420μg PTH(1-34)/1.4mlを含むプレフィルドペンであり、ここでPTH(1-34)は、式(IIf-ii)の長時間作用型PTH化合物の形態で提供される。
【0440】
特定の実施形態において、医薬組成物は3つの提示で提供され、ここで第1提示は、168μg PTH(1-34)/0.56mLを含むプレフィルドペンであり、第2提示は、294μg PTH(1-34)/0.98mLを含むプレフィルドペンであり、第3提示は、420μg PTH(1-34)/1.4mlを含むプレフィルドペンである。特定の実施形態において、第1提示は、168μg PTH(1-34)/0.56mLを含むプレフィルドペンであり、第2提示は、294μg PTH(1-34)/0.98mLを含むプレフィルドペンであり、第3提示は、420μg PTH(1-34)/1.4mlを含むプレフィルドペンであり、ここでPTH(1-34)は、式(IIf-iii)の長時間作用型PTH化合物の形態で提供される。
【0441】
特定の実施形態において、第1提示は、6、9又は12μg PTH(1-34)/日の用量を投与するために使用され、第2提示は、15、18又は21μg PTH(1-34)/日の用量を投与するために使用され、第3提示は、24、27又は30μg PTH(1-34)/日の用量を投与するために使用される。
【0442】
30μg PTH(1-34)/日超~60μg PTH(1-34)/日以下の用量は、2回の連続投与として投与することができる。例えば、33μg PTH(1-34)/日の用量は、15μg PTH(1-34)/日の用量+18μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;36μg PTH(1-34)/日の用量は、18μg PTH(1-34)/日の用量+18μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;39μg PTH(1-34)/日の用量は、18μg PTH(1-34)/日の用量+21μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;42μg PTH(1-34)/日の用量は、21μg PTH(1-34)/日の用量+21μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;45μg PTH(1-34)/日の用量は、21μg PTH(1-34)/日の用量+24μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;48μg PTH(1-34)/日の用量は、24μg PTH(1-34)/日の用量+24μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;51μg PTH(1-34)/日の用量は、24μg PTH(1-34)/日の用量+27μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;54μg PTH(1-34)/日の用量は、27μg PTH(1-34)/日の用量+27μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;57μg PTH(1-34)/日の用量は、27μg PTH(1-34)/日の用量+30μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;60μg PTH(1-34)/日の用量は、30μg PTH(1-34)/日の用量+30μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよい。
【0443】
医薬組成物は、局所投与、腸内投与又は非経口投与を介するような様々な様式で、又は外用法、注射法若しくは点滴法、例えば、関節内、関節周囲、皮内、皮下、筋肉内、静脈内、骨内、腹腔内、髄腔内、関節内、眼窩内、硝子体内、鼓室内、膀胱内、心臓内、経気管、表皮下、被膜下、くも膜下、脊髄内、心室内、胸骨内の注射及び点滴、脳組織若しくは脳液への本発明等の送達を可能とする埋め込みデバイス(例えば、オンマヤリザーバー(Ommaya Reservoir))を介した脳への直接送達、直接脳室内の注射若しくは点滴、脳若しくは脳関連領域への注射若しくは点滴、脈絡膜下腔への注射、眼窩後方注射及び点眼などにより、患者に投与することができる。特定の実施形態において、医薬組成物は、皮下注射を介して投与される。
【0444】
注射、例えば皮下注射は、特定の実施形態において、シリンジ及び針により、又はペン型注射器により行われる。特定の実施形態において、注射、例えば皮下注射はペン型注射器により行われる。
【0445】
特定の実施形態では、長時間作用型PTH化合物、その薬学的に許容される塩又は医薬組成物は、患者に1日1回投与される。特定の実施形態では、長時間作用型PTH化合物、その薬学的に許容される塩又は医薬組成物は、2日毎に患者に投与される。特定の実施形態では、長時間作用型PTH化合物、その薬学的に許容される塩又は医薬組成物は、3日毎に患者に投与される。特定の実施形態では、長時間作用型PTH化合物、その薬学的に許容される塩又は医薬組成物は、4日毎に患者に投与される。特定の実施形態では、長時間作用型PTH化合物、その薬学的に許容される塩又は医薬組成物は、5日毎に患者に投与される。特定の実施形態では、長時間作用型PTH化合物、その薬学的に許容される塩又は医薬組成物は、6日毎に患者に投与される。特定の実施形態では、長時間作用型PTH化合物、その薬学的に許容される塩又は医薬組成物は、患者に1週間に1回投与される。
【0446】
第7態様において、本発明は、式(IIf-ii)の化合物を含む医薬組成物に関し、ここで1mlの上記医薬組成物は、3456μgの式(IIf-ii)の長時間作用型PTH化合物(300μgのPTH(1-34)に対応)、1.18mgコハク酸、41.7mgマンニトール、2.5mgメタクレゾール、0.13mg水酸化ナトリウム及び注射用水を含む。特定の実施形態において、医薬組成物は、3.7~4.3のpHを有する。
【0447】
特定の実施形態において、第7態様の医薬組成物は、副甲状腺機能低下症の治療において使用するためのものである。特定の実施形態において、第7態様の医薬組成物は、皮下注射を介して投与される。特定の実施形態において、第7態様の医薬組成物は、皮下注射を介して連日投与される。
【0448】
特定の実施形態において、第7態様の医薬組成物は、3つの提示で提供され、これらのそれぞれは、例えば、プレフィルドペンであり得る。特定の実施形態において、3つの提供のうちの第1は、168μg PTH(1-34)/0.56mLを含むプレフィルドペンであり、第2提示は、294μg PTH(1-34)/0.98mLを含むプレフィルドペンであり、第3提示は、420μg PTH(1-34)/1.4mlを含むプレフィルドペンであり、ここでPTH(1-34)は、式(IIf-ii)の長時間作用型PTH化合物の形態で提供される。特定の実施形態において、第1提示は、6、9又は12μg PTH(1-34)/日の用量を投与するために使用され、第2提示は、15、18又は、21μg PTH(1-34)/日の用量を投与するために使用され、第3提示は、24、27又は、30μg PTH(1-34)/日の用量を投与するために使用される。30μg PTH(1-34)/日超~60μg PTH(1-34)/日以下の用量は、2回の連続投与として投与することができる。例えば、33μg PTH(1-34)/日の用量は、15μg PTH(1-34)/日の用量+18μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;36μg PTH(1-34)/日の用量は、18μg PTH(1-34)/日の用量+18μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;39μg PTH(1-34)/日の用量は、18μg PTH(1-34)/日の用量+21μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;42μg PTH(1-34)/日の用量は、21μg PTH(1-34)/日の用量+21μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;45μg PTH(1-34)/日の用量は、21μg PTH(1-34)/日の用量+24μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;48μg PTH(1-34)/日の用量は、24μg PTH(1-34)/日の用量+24μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;51μg PTH(1-34)/日の用量は、24μg PTH(1-34)/日の用量+27μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;54μg PTH(1-34)/日の用量は、27μg PTH(1-34)/日の用量+27μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;57μg PTH(1-34)/日の用量は、27μg PTH(1-34)/日の用量+30μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;60μg PTH(1-34)/日の用量は、30μg PTH(1-34)/日の用量+30μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよい。
【0449】
第8態様において、本発明は、式(IIf-iii)の化合物を含む医薬組成物に関し、ここで1mlの上記医薬組成物は、3456μgの式(IIf-iii)の長時間作用型PTH化合物(300μgのPTH(1-34)に対応)、1.18mgコハク酸、41.7mgマンニトール、2.5mgメタクレゾール、0.13mg水酸化ナトリウム及び注射用水を含む。特定の実施形態において、医薬組成物は、3.7~4.3のpHを有する。
【0450】
特定の実施形態において、第7態様の医薬組成物は、副甲状腺機能低下症の治療において使用するための医薬組成物である。特定の実施形態において、第7態様の医薬組成物は、皮下注射を介して投与される。特定の実施形態において、第7態様の医薬組成物は、皮下注射を介して連日投与される。
【0451】
特定の実施形態において、第7態様の医薬組成物は、3つの提示で提供され、これらのそれぞれは、例えば、プレフィルドペンであり得る。特定の実施形態において、3つの提供の第1は、168μg PTH(1-34)/0.56mLを含むプレフィルドペンであり、第2提示は、294μg PTH(1-34)/0.98mLを含むプレフィルドペンであり、第3提示は、420μg PTH(1-34)/1.4mlを含むプレフィルドペンであり、ここでPTH(1-34)は、式(IIf-iii)の長時間作用型PTH化合物の形態で提供される。特定の実施形態において、第1提示は、6、9又は12μg PTH(1-34)/日の用量を投与するために使用され、第2提示は、15、18又は21μg PTH(1-34)/日の用量を投与するために使用され、第3提示は、24、27又は30μg PTH(1-34)/日の用量を投与するために使用される。30μg PTH(1-34)/日超~60μg PTH(1-34)/日以下の用量は、2回の連続投与として投与することができる。例えば、33μg PTH(1-34)/日の用量は、15μg PTH(1-34)/日の用量+18μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;36μg PTH(1-34)/日の用量は、18μg PTH(1-34)/日の用量+18μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;39μg PTH(1-34)/日の用量は、18μg PTH(1-34)/日の用量+21μg PTH(1-34)/日の用量組み合わせとして投与してもよく;42μg PTH(1-34)/日の用量は、21μg PTH(1-34)/日の用量+21μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;45μg PTH(1-34)/日の用量は、21μg PTH(1-34)/日の用量+24μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;48μg PTH(1-34)/日の用量は、24μg PTH(1-34)/日の用量+24μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;51μg PTH(1-34)/日の用量は、24μg PTH(1-34)/日の用量+27μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;54μg PTH(1-34)/日の用量は、27μg PTH(1-34)/日の用量+27μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;57μg PTH(1-34)/日の用量は、27μg PTH(1-34)/日の用量+30μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;60μg PTH(1-34)/日の用量は、30μg PTH(1-34)/日の用量+30μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよい。
【0452】
第9態様において、本発明は、患者における副甲状腺機能低下症の治療において使用するための式(IIf-ii)の化合物又は第7態様の医薬組成物に関し、ここで上記治療は、
a) 式(IIf-ii)の化合物の第1用量が患者に投与される前2週間以内に患者の血清25(OH)ビタミンDが正常範囲内であり、且つ治療の開始時に血清カルシウムが≧7.8mg/dLであることを確認するステップ;
b) 式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されるときに患者が活性ビタミンDを服用している場合:
b-i) 血清カルシウムが≧8.3mg/dLである場合は、式(IIf-ii)の化合物の第1用量が投与されるのと同日に、同じ用量のカルシウムサプリメント(calcium supplements)を維持し、活性ビタミンDを中止するステップ;若しくは
b-ii) 血清カルシウムが<8.3mg/dLである場合は、式(IIf-ii)の化合物の第1用量が投与されるのと同日に、活性ビタミンDの用量を≧50%低下させ、同じ用量のカルシウムサプリメントを維持するステップ;又は
式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されるときに患者が活性ビタミンDを服用していない場合:
b-iii) 式(IIf-ii)の化合物の第1用量が投与されるのと同日に、カルシウムサプリメントを少なくとも1500mg低減するステップ;及び
c) カルシウムサプリメントが必要栄養量を満たすことが示される場合、場合により、食事性カルシウムサプリメントを≦600mg/日の用量で継続するステップ
により開始される。
【0453】
特定の実施形態において、血清25(OH)ビタミンDは、その濃度が20~80ng/mlである場合、正常範囲内である。
【0454】
患者が活性ビタミンDを服用していない場合であって、且つ≦1500mgカルシウム/日のカルシウムサプリメント用量が服用される場合、ステップb-iii)においてカルシウムサプリメント用量(calcium supplement doses)が完全に中止される。
【0455】
特定の実施形態において、第8態様の治療は、上記の治療の開始に加えて、以下のステップ:
d) 18μg PTH(1-34)/日の開始用量を式(IIf-ii)の化合物の形態で投与し、その後同じ用量を連日投与するステップ;
e) 式(IIf-ii)の化合物の第1投与の7~14日以内に血清カルシウムを測定するステップ;及び
f) 式(IIf-ii)の化合物、活性ビタミンD及び/又はカルシウムサプリメントの用量を調整するステップ
を含む。
【0456】
特定の実施形態において、式(IIf-ii)の化合物は、ステップd)において医薬組成物として投与され、この組成物の各mlは、3456μgの式(IIf-ii)の化合物(300μgのPTH(1-34)に対応する)、1.18mgコハク酸、41.7mgマンニトール、2.5mgメタクレゾール、0.13mg水酸化ナトリウム、及び注射用水を含む。特定の実施形態において、医薬組成物は、3.7~4.3のpHを有する。
【0457】
ステップf)における、式(IIf-ii)の化合物、活性ビタミンD及び/又はカルシウムサプリメントの用量を調整するステップは、ステップe)由来の血清カルシウムレベルに基づいて行われる。
【0458】
特定の実施形態において、ステップf)の、式(IIf-ii)の化合物、活性ビタミンD及び/又はカルシウムサプリメントの用量の調整は、以下のとおりに行われる:
f-i) 血清カルシウムが<8.3mg/dLである場合:
- 式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-ii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過した場合は、同じカルシウムサプリメント用量及び活性ビタミンD用量を継続し、式(IIf-ii)の化合物の用量を3μg増加させる;若しくは
- 式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-ii)の化合物の用量が変更されてからから7日未満が経過した場合は、医師の臨床的判断に基づいてカルシウムサプリメント及び/又は活性ビタミンDを前の用量に対して増加させ、同じ用量の式(IIf-ii)の化合物を継続する;
f-ii) 血清カルシウムが8.3~10.6mg/dLである場合:
- 式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-ii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過し、且つ患者が依然として活性ビタミンDを服用している場合は、活性ビタミンDを中止し、式(IIf-ii)の化合物の用量を3μg増加させる;
- 式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-ii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過し、且つ患者がもはや活性ビタミンDを服用していないが、カルシウムサプリメントは服用しており、上記カルシウムサプリメントが≧1500mg/日である場合は、上記カルシウムサプリメントを≧1500mg低減し、式(IIf-ii)の化合物の用量を3μg増加させる;
- 式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-ii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過し、且つ患者がもはや活性ビタミンDを服用していないが、カルシウムサプリメントは服用しており、該カルシウムサプリメントが1500mg/日未満である場合は、カルシウムサプリメントを中止し、式(IIf-ii)の化合物の用量を3μg増加させる;
- 式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-ii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過し、且つ患者がもはや活性ビタミンDを服用しておらず、もはやカルシウムサプリメントも服用していない場合は、同じ用量の式(IIf-ii)の化合物を継続する;若しくは
- 式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-ii)の化合物の用量が変更されてから7日未満が経過した場合は、同じ用量の式(IIf-ii)の化合物、同じ用量のカルシウムサプリメント及び活性ビタミンDを継続する;
f-iii) 血清カルシウムが10.7~11.9mg/dLである場合:
- 患者が依然として活性ビタミンDを服用している場合は、活性ビタミンDを中止し、同じ用量の式(IIf-ii)の化合物及びカルシウムサプリメントを継続する;
- 患者が活性ビタミンDを服用していないが、カルシウムサプリメントを≧1500mg/日の用量で服用する場合は、カルシウムサプリメントを≧1500mg低減し、同じ用量の式(IIf-ii)の化合物を継続する;
- 患者が活性ビタミンDを服用していないが、カルシウムサプリメントは服用し、このカルシウムサプリメントが1日当たり1500mg未満である場合は、カルシウムサプリメントを中止し、同じ用量の式(IIf-ii)の化合物を継続する;若しくは
- 患者が活性ビタミンDを服用しておらず、且つカルシウムサプリメントを服用しない場合は、式(IIf-ii)の化合物の用量を3μg低減する;又は
f-iv) 血清カルシウムが≧12mg/dLである場合:
- 式(IIf-ii)の化合物を2~3日間控え、血清カルシウムについて再検査し、
- その後の血清カルシウムが<12mg/dLである場合は、得られた最も最近の血清カルシウム値を使用して、ステップf-i)~f-iii)に記載される式(IIf-ii)の化合物、活性ビタミンD及びカルシウムサプリメントのタイトレーション(titration)を再開する;
- 血清カルシウムが≧12mg/dLのままである場合は、式(IIf-ii)の化合物をさらに2~3日間控え、血清カルシウムについて再検査し、前のステップに記載されるとおりに進める。
【0459】
特定の実施形態において、患者に投与される式(IIf-ii)の化合物の用量範囲は6~60μg PTH(1-34)/日であり、この用量は、168μg PTH(1-34)/0.56mL(6、9又は12μg PTH(1-34)の用量を送達する);294μg PTH(1-34)/0.98mL(15、18又は21μg PTH(1-34)の用量を送達する);及び420μg PTH(1-34)/1.4mL(24、27、又は30μg PTH(1-34)の用量を送達する)のプレフィルドペンで提供され得る。
【0460】
特定の実施形態において、式(IIf-ii)の化合物又は式(IIf-ii)の化合物を含む医薬組成物は、投与前に粒子状物質及び変色について目視で検証される。
【0461】
特定の実施形態において、式(IIf-ii)の化合物又は式(IIf-ii)の化合物を含む医薬組成物は、腹部又は大腿部の前部に連日皮下投与され、注射部位は毎日順番に変更される。>30μg PTH(1-34)/日の用量については、各注射について異なる部位を使用する2回の連続注射が必要とされる。例えば、33μg PTH(1-34)/日の用量は、15μg PTH(1-34)/日の用量+18μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;36μg PTH(1-34)/日の用量は、18μg PTH(1-34)/日の用量+18μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;39μg PTH(1-34)/日の用量は、18μg PTH(1-34)/日の用量+21μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;42μg PTH(1-34)/日の用量は、21μg PTH(1-34)/日の用量+21μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;45μg PTH(1-34)/日の用量は、21μg PTH(1-34)/日の用量+24μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;48μg PTH(1-34)/日の用量は、24μg PTH(1-34)/日の用量+24μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;51μg PTH(1-34)/日の用量は、24μg PTH(1-34)/日の用量+27μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;54μg PTH(1-34)/日の用量は、27μg PTH(1-34)/日の用量+27μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;57μg PTH(1-34)/日の用量は、27μg PTH(1-34)/日の用量+30μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;60μg PTH(1-34)/日の用量は、30μg PTH(1-34)/日の用量+30μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよい。これらの例において、PTH(1-34)は、式(IIf-ii)の化合物の形態で投与されることが理解される。
【0462】
特定の実施形態において、式(IIf-ii)の化合物、活性ビタミンD及びカルシウムサプリメントの用量調整は、同日に行われる。式(IIf-ii)の化合物、活性ビタミンD又はカルシウムサプリメントにおける用量変更後、特定の実施形態では、7~14日以内に血清カルシウムが測定され、患者を低カルシウム血症又は高カルシウム血症の臨床症状についてモニターすることが可能であり、式(IIf-ii)の化合物、活性ビタミンD及び/又はカルシウムサプリメントの用量は、上記のとおりに調整することができる。
【0463】
式(IIf-ii)の化合物の用量は、式(IIf-ii)の化合物の前の用量変更から少なくとも7日間が経過した場合、上記のとおりに3μg単位で増加させることができる。特定の実施形態において、患者に投与される式(IIf-ii)の化合物の用量は、7日毎以下の頻度で調整される。上記のとおり、式(IIf-ii)の化合物の用量は、高カルシウム血症に応じて、3日毎以下の頻度で3μg単位で低下させることができる。
【0464】
維持用量は、活性ビタミンD又は治療用量のカルシウムを必要とすることなく正常範囲内の血清カルシウムを達成する式(IIf-ii)の化合物の用量であるべきである。場合により、必要栄養量を満たすのに十分なカルシウム補給を継続することができる。維持用量が達成されると、血清カルシウムを標準治療ごとに測定することができる。
【0465】
したがって、第8態様の治療は、上記のステップa)~f)に加えて、以下のステップ:
g) 1日維持用量の投与;及び
h) 標準治療ごとに血清カルシウムを測定するステップ
を含む。
【0466】
場合により、血清カルシウムレベルが正常範囲内、例えば、8.3~10.6mg/dLの範囲内ではない場合、ステップh)の後、ステップf)~h)を反復する。
【0467】
特定の実施形態において、1日維持用量は、少なくとも1週間、例えば2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、10週間又は12週間投与される。例えば、身体活動又は食事の拡大などの因子(factor)における変化は、必要とされる1日維持用量の変更につながり得ることが理解される。
【0468】
1回用量(a dose)を12時間未満まで服用し忘れた場合、これをできるだけ早く服用することができる。1回用量を12時間超まで服用し忘れた場合、これをスキップしてよく、その後、次の用量が予定どおりに服用される。3回以上の連続用量の投与を忘れた場合、低カルシウム血症の兆候及び症状についてモニターし、血清カルシウムを測定することを検討することが推奨される。必要であれば、カルシウムサプリメント及び活性ビタミンDによる治療を再開することができる。特定の実施形態において、式(IIf-ii)の化合物の投与は、中断後できるだけ早く処方用量で再開され、この処方用量は、維持用量であってもよく、そうでなくてもよい。中断後に治療を再開する場合、血清カルシウムを測定するべきであり、式(IIf-ii)の化合物、活性ビタミンD及びカルシウムサプリメントの用量は、上記のとおりに調整することができる。
【0469】
第10態様において、本発明は、患者における副甲状腺機能低下症の治療において使用するための式(IIf-iii)の化合物又は第7態様の医薬組成物に関し、上記治療は、以下:
a) 式(IIf-iii)の化合物の第1用量が患者に投与される前2週間以内に患者の血清25(OH)ビタミンDが正常範囲内であり、且つ治療の開始時に血清カルシウムが≧7.8mg/dLであることを確認するステップ;
b) 式(IIf-iii)の化合物による治療が開始されるときに患者が活性ビタミンDを服用している場合:
b-i) 血清カルシウムが≧8.3mg/dLである場合は、式(IIf-iii)の化合物の第1用量が投与されるのと同日に、同じ用量のカルシウムサプリメントを維持し、活性ビタミンDを中止するステップ;若しくは
b-ii) 血清カルシウムが<8.3mg/dLである場合は、式(IIf-iii)の化合物の第1用量が投与されるのと同日に、活性ビタミンDの用量を≧50%低下させ、同じ用量のカルシウムサプリメントを維持するステップ;又は
式(IIf-iii)の化合物による治療が開始されるときに患者が活性ビタミンDを服用していない場合:
b-iii) 式(IIf-iii)の化合物の第1用量が投与されるのと同日に、カルシウムサプリメントを少なくとも1500mg低減するステップ;及び
c) カルシウムサプリメントが必要栄養量を満たすことが示される場合は、場合により、食事性カルシウムサプリメントを≦600mg/日の用量で継続するステップ
により開始される。
【0470】
特定の実施形態において、血清25(OH)ビタミンDは、その濃度が20~80ng/mlである場合、正常範囲内である。
【0471】
患者が活性ビタミンDを服用していない場合であって、且つ≦1500mgカルシウム/日のカルシウムサプリメント用量が服用される場合、ステップb-iii)においてカルシウムサプリメント用量が完全に中止される。
【0472】
特定の実施形態において、第8態様の治療は、上記の治療の開始に加えて、以下のステップ:
d) 式(IIf-iii)の化合物の形態で18μg PTH(1-34)/日の開始用量を投与し、その後同じ用量を連日投与するステップ;
e) 式(IIf-iii)の化合物の第1投与の7~14日以内に血清カルシウムを測定するステップ;及び
f) 式(IIf-iii)の化合物、活性ビタミンD及び/又はカルシウムサプリメントの用量を調整するステップ
を含む。
【0473】
特定の実施形態において、式(IIf-iii)の化合物は、ステップd)において医薬組成物として投与され、この組成物の各mlは、3456μgの式(IIf-iii)の化合物(300μgのPTH(1-34)に対応する)、1.18mgコハク酸、41.7mgマンニトール、2.5mgメタクレゾール、0.13mg水酸化ナトリウム、及び注射用水を含む。特定の実施形態において、医薬組成物は、3.7~4.3のpHを有する。
【0474】
ステップf)における、式(IIf-iii)の化合物、活性ビタミンD及び/又はカルシウムサプリメントの用量を調整するステップは、ステップe)由来の血清カルシウムレベルに基づいて行われる。
【0475】
特定の実施形態において、ステップf)の式(IIf-iii)の化合物、活性ビタミンD及び/又はカルシウムサプリメントの用量の調整は、以下のとおりに行われる:
f-i) 血清カルシウムが<8.3mg/dLである場合:
- 式(IIf-iii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-iii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過した場合は、同じカルシウムサプリメント用量及び活性ビタミンD用量を継続し、式(IIf-iii)の化合物の用量を3μg増加させる;若しくは
- 式(IIf-iii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-iii)の化合物の用量が変更されてから7日未満が経過した場合は、医師の臨床的判断に基づいてカルシウムサプリメント及び/又は活性ビタミンDを前の用量に対して増加させ、同じ用量の式(IIf-iii)の化合物を継続する;
f-ii) 血清カルシウムが8.3~10.6mg/dLである場合:
- 式(IIf-iii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-iii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過し、且つ患者が依然として活性ビタミンDを服用している場合は、活性ビタミンDを中止し、式(IIf-iii)の化合物の用量を3μg増加させる;
- 式(IIf-iii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-iii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過し、且つ患者がもはや活性ビタミンDを服用していないが、カルシウムサプリメントは服用しており、上記カルシウムサプリメントが≧1500mg/日である場合は、上記カルシウムサプリメントを≧1500mg低減し、式(IIf-iii)の化合物の用量を3μg増加させる;
- 式(IIf-iii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-iii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過し、且つ患者がもはや活性ビタミンDを服用していないが、カルシウムサプリメントは服用しており、上記カルシウムサプリメントが1500mg/日未満である場合は、カルシウムサプリメントを中止し、式(IIf-iii)の化合物の用量を3μg増加させる;
- 式(IIf-iii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-iii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過し、且つ患者がもはや活性ビタミンDを服用しておらず、もはやカルシウムサプリメントも服用していない場合は、同じ用量の式(IIf-iii)の化合物を継続する;若しくは
- 式(IIf-iii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-iii)の化合物の用量が変更されてから7日未満が経過した場合は、同じ用量の式(IIf-iii)の化合物、同じ用量のカルシウムサプリメント及び活性ビタミンDを継続する;
f-iii) 血清カルシウムが10.7~11.9mg/dLである場合:
- 患者が依然として活性ビタミンDを服用している場合、活性ビタミンDを中止し、同じ用量の式(IIf-iii)の化合物及びカルシウムサプリメントを継続する;
- 患者が活性ビタミンDを服用していないが、カルシウムサプリメントを≧1500mg/日の用量で服用する場合は、カルシウムサプリメントを≧1500mg低減し、同じ用量の式(IIf-iii)の化合物を継続する;
- 患者が活性ビタミンDを服用していないが、カルシウムサプリメントは服用し、このカルシウムサプリメントが1日当たり1500mg未満である場合は、カルシウムサプリメントを中止し、同じ用量の式(IIf-iii)の化合物を継続する;若しくは
- 患者が活性ビタミンDを服用しておらず、且つカルシウムサプリメントを服用しない場合は、式(IIf-iii)の化合物の用量を3μg低減する;又は
f-iv) 血清カルシウムが≧12mg/dLである場合:
- 式(IIf-iii)の化合物を2~3日間控え、血清カルシウムについて再検査し、
- その後の血清カルシウムが<12mg/dLである場合は、得られた最も最近の血清カルシウム値を使用して、ステップf-i)~f-iii)に記載されるとおり、式(IIf-iii)の化合物、活性ビタミンD及びカルシウムサプリメントのタイトレーションを再開する;
- 血清カルシウムが≧12mg/dLのままである場合は、式(IIf-iii)の化合物をさらに2~3日間控え、血清カルシウムについて再検査し、前のステップに記載されるとおりに進める。
【0476】
特定の実施形態において、患者に投与される式(IIf-iii)の化合物の用量範囲は6~60μg PTH(1-34)/日であり、この用量は、168μg PTH(1-34)/0.56mL(6、9又は12μg PTH(1-34)の用量を送達する);294μg PTH(1-34)/0.98mL(15、18又は21μg PTH(1-34)の用量を送達する);及び420μg PTH(1-34)/1.4mL(24、27、又は30μg PTH(1-34)の用量を送達する)のプレフィルドペンで提供され得る。
【0477】
特定の実施形態において、式(IIf-iii)の化合物又は式(IIf-iii)の化合物を含む医薬組成物は、投与前に粒子状物質及び変色について目視で検証される。
【0478】
特定の実施形態では、式(IIf-iii)の化合物又は式(IIf-iii)の化合物を含む医薬組成物は、腹部又は大腿部の前部に連日皮下投与され、注射部位は毎日順番に変更される。>30μg PTH(1-34)/日の用量については、各注射について異なる部位を使用する2回の連続注射が必要とされる。例えば、33μg PTH(1-34)/日の用量は、15μg PTH(1-34)/日の用量+18μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;36μg PTH(1-34)/日の用量は、18μg PTH(1-34)/日の用量+18μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;39μg PTH(1-34)/日の用量は、18μg PTH(1-34)/日の用量+21μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;42μg PTH(1-34)/日の用量は、21μg PTH(1-34)/日の用量+21μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;45μg PTH(1-34)/日の用量は、21μg PTH(1-34)/日の用量+24μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;48μg PTH(1-34)/日の用量は、24μg PTH(1-34)/日の用量+24μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;51μg PTH(1-34)/日の用量は、24μg PTH(1-34)/日の用量+27μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;54μg PTH(1-34)/日の用量は、27μg PTH(1-34)/日の用量+27μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;57μg PTH(1-34)/日の用量は、27μg PTH(1-34)/日の用量+30μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよく;60μg PTH(1-34)/日の用量は、30μg PTH(1-34)/日の用量+30μg PTH(1-34)/日の用量の組み合わせとして投与してもよい。これらの例において、PTH(1-34)は、式(IIf-iii)の化合物の形態で投与されることが理解される。
【0479】
特定の実施形態において、式(IIf-iii)の化合物、活性ビタミンD及びカルシウムサプリメントの用量調整は、同日に行われる。式(IIf-iii))の化合物、活性ビタミンD又はカルシウムサプリメントにおける用量変更後、特定の実施形態では、7~14日以内に血清カルシウムを測定し、患者を低カルシウム血症又は高カルシウム血症の臨床症状についてモニターすることが可能であり、式(IIf-iii)の化合物、活性ビタミンD及び/又はカルシウムサプリメントの用量は、上記のとおりに調整することができる。
【0480】
式(IIf-iii)の化合物の用量は、式(IIf-iii)の化合物の前の用量変更から少なくとも7日間が経過した場合、上記のとおりに3μg単位で増加させることができる。特定の実施形態において、患者に投与される式(IIf-iii)の化合物の用量は、7日毎以下の頻度で調整される。上記のとおり、式(IIf-iii)の化合物の用量は、高カルシウム血症に応じて、3日毎以下の頻度で3μg単位で低下させることができる。
【0481】
維持用量は、活性ビタミンD又は治療用量のカルシウムを必要とすることなく正常範囲内の血清カルシウムを達成する式(IIf-iii)の化合物の用量であるべきである。場合により、必要栄養量を満たすのに十分なカルシウム補給を継続することができる。維持用量が達成されると、血清カルシウムを標準治療ごとに測定することができる。
【0482】
したがって、第8態様の治療は、上記のステップa)~f)に加えて、以下のステップ:
g) 1日維持用量の投与;及び
h) 標準治療ごとに血清カルシウムを測定するステップ
を含む。
【0483】
場合により、血清カルシウムレベルが正常範囲内、例えば、8.3~10.6mg/dLの範囲内ではない場合、ステップh)の後、ステップf)~h)を反復する。
【0484】
特定の実施形態において、1日維持用量は、少なくとも1週間、例えば2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、10週間又は12週間投与される。例えば、身体活動又は食事の拡張などの因子における変化は、必要とされる1日維持用量の変更につながり得ることが理解される。
【0485】
1回用量を12時間未満まで服用し忘れた場合、これをできるだけ早く服用することができる。1回用量を12時間超まで服用し忘れた場合、これをスキップしてよく、その後、次の用量が予定どおりに服用される。3回以上の連続用量の投与を忘れた場合、低カルシウム血症の兆候及び症状についてモニターし、血清カルシウムを測定することを検討することが推奨される。必要であれば、カルシウムサプリメント及び活性ビタミンDによる治療を再開してもよい。特定の実施形態において、式(IIf-iii)の化合物の投与は、中断後できるだけ早く処方用量で再開され、この処方用量は、維持用量であってもよく、そうでなくてもよい。中断後に治療を再開する場合、血清カルシウムを測定するべきであり、式(IIf-iii)の化合物、活性ビタミンD及びカルシウムサプリメントの用量は、上記のとおりに調整することができる。
【0486】
特定の実施形態において、第9態様及び第10態様の患者は、哺乳動物である。特定の実施形態において、第9態様及び第10態様の患者は、非ヒト霊長類である。特定の実施形態において、第9態様及び第10態様の患者は、ヒト患者である。特定の実施形態において、第9態様及び第10態様の患者は、成人のヒト患者である。特定の実施形態において、第9態様及び第10態様の患者は、小児のヒト患者である。
【実施例
【0487】
材料
化合物1は、以下の構造:
【0488】
【化49】
(式中、PTH(1-34)部分は、配列番号51の配列を有し、アミド結合を形成することによりN末端アミンの窒素を介してPTH化合物の残部に結合し、各nは約450である)
を有する。「PTH(1-34)」の直ぐ左の窒素は、N末端アミンの窒素に対応することが理解される。
【0489】
化合物1は、WO 2018/060312 A1において、化合物18について記載されている方法から得ることができる。化合物1は、「TransCon PTH」としても知られている。
【0490】
実施例1
治験設計
化合物1を、非盲検継続投与(OLE)を伴う第2相、多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群、4週間臨床試験において試験した。プロトコルは、適切な施設内治験審査委員会及び独立した倫理委員会により検閲され、参加者は、開始前に署名済のインフォームドコンセントを提出した(Clinicaltrials.gov identifier: NCT04009291;EudraCT No.:2018-004815-33)。
【0491】
集団
肥満度指数17~40、且つ手術後、自己免疫、遺伝性、又は特発性の副甲状腺機能低下症を有する年齢18歳以上の男性及び非妊娠の女性の成人が登録された。副甲状腺機能低下症の診断は、少なくとも26週間の期間の不適切に低い血清PTHレベルの状況での低カルシウム血症に基づいていた。参加者は、スクリーニング前に少なくとも12週間、服用し、少なくとも30mL/分/1.73m2の推定糸球体濾過率を有することが要求された。カルシウム感受性受容体遺伝子に変異を有する個人は除外され、偽副甲状腺機能低下症、カルシウムホメオスタシス又はPTHホメオスタシスに影響を及ぼす副甲状腺機能低下症以外の疾患(例えば、副甲状腺機能亢進症、パジェット病、低マグネシウム血症、1型若しくは管理不良の2型糖尿病、クッシング症候群、又は多発性内分泌腫瘍症など)、又は他の重大な併存疾患を有する人々も同様に除外された。特定の薬剤(ループ系又はチアジド系利尿薬、リン吸着剤、ビスホスホネート、PTH様薬、又は、カルシウムサプリメント及び活性ビタミンDアナログ以外のカルシウム代謝及び骨代謝に影響を及ぼすことが知られている他の薬)を服用している個人も除外した。表1は、試験のベースライン人口統計学を示す。
【0492】
【表1】
【0493】
治験プロトコル
スクリーニング期間中且つ無作為化前に、活性ビタミンD及びカルシウム補給は、30~70ng/mLの25-ヒドロキシビタミンDレベル、正常な血清マグネシウム、及び正常範囲の下半分及びアルブミン補正された(又はイオン化された)血清カルシウム(sCa)レベルを達成するように最適化された。この治験のために、アルブミン補正sCaについての正常範囲は8.3~10.6mg/dL(2.07~2.64mmol/L)であり、イオン化sCaについての正常範囲は1.16~1.32mmol/Lであった。次いで、参加者は、15、18又は、21μgのPTH(1-34)/日で化合物1を、又はプラセボ(3つの化合物1コホートを模倣するように1:1:1の3つの群にサブランダム化された)を毎日受けるように無作為に割り当てられた。上記薬物は、31ゲージ針を有するプレフィルドペンを介して皮下(SC)注射により投与された。参加者は、4週間の盲検期間全体を通して同じ用量で維持された。sCaが所定の来院時に正常範囲内であった場合、活性ビタミンDを、中止するまで33%~50%だけ低減した(すなわち、2連日用量の2回目をスキップするか又は3連日用量の3回目をスキップすることによる)。その後、所定のプロトコルに従ってカルシウムを低減し、最終的には中止した。低カルシウム血症を示す検査成績又は臨床症状の事象においては、活性ビタミンD及び/又はカルシウムのレスキュー投与が許可された。非盲検継続投与の間、参加者は、活性ビタミンDに対する継続的な必要性に基づいて治療群に割り当てられた。もはや活性ビタミンDを必要としていない個人は、以前と同じ用量の化合物1の服用を継続した。依然として活性ビタミンDを受けている個人は、最初の4週間の期間のプロトコルによる活性ビタミンD及びカルシウムのタイトレーションと共に、15μg/日の化合物1用量の服用を開始した。追跡調査来院では、化合物1を、3μg/日で増加させたか(持続的に低カルシウム血症であった場合又はsCaが正常下限値未満であった場合)、同じ用量で維持したか、又は3μg/日で低減した(持続的に高カルシウム血症であり且つもはや活性ビタミンD又はカルシウムを服用していなかった場合)。化合物1についての延長期間中の用量は6~60μg/日であり、この期間全体を通して活性ビタミンD及び/又はカルシウムのレスキュー投与が許可された。
【0494】
骨マーカー
骨マーカーP1NP及びCTxを、J Bone Miner Res. 2019 August;34(8):1436-1445. doi:10.1002/jbmr.3715に記載されているとおりに測定した。
【0495】
骨代謝マーカーの変化は表2に示される。26週目に、同化マーカーP1NP及び吸収マーカーCTxの両方についての平均値は、正常範囲内で又は正常範囲のすぐ上までそれぞれ増加し、PTHの生理学的な骨リモデリング作用に対する曝露を反映していた。58週目では、同化骨マーカー及び異化骨マーカーのレベルは正常中間レベル(mid-normal levels)に傾いており、この傾向は110週目を通して継続した。
【0496】
【表2】
【0497】
DXAによるBMD測定
骨密度及び骨質を評価するため、脊椎、股関節、及び前腕のDXAスキャン並びに海綿骨スコア(TBS)のスコアリングを行った。TBSスコアリングは、18~20歳の対象については行われなかった。DXAイメージは、外部の業者により一元的に読まれた。可能な限り常に、治験全体を通して同じDXA装置を使用した。結果は表3に示される。
【0498】
【表3】
【0499】
*: 群A及びBは、それぞれ、中央検査室で読み取られた、26週目スキャンとマッチングベースラインスキャンの両方、及び58週目スキャンとマッチベースラインスキャンの両方を有する全ての対象を含んでいた。解剖学的読み取り値を有する各群中の対象の数は同じであったが、各群中の実際の対象は同一ではなかった。[群A中の2人の対象は群Bには存在せず、群B中の2人の対象は群Aには存在しなかった]。
【0500】
化合物1による治療のベースラインから58週間を通した平均BMD Zスコアは、BMDの正常化及び安定化への傾向を示した。
【0501】
表4は、より多くのデータ点及び110週目のデータも利用可能であった場合、試験の後半で得られた腰椎L1-L4、大腿骨頸部、股関節及び橈骨遠位端1/3のDXAスキャン結果を示す。
【0502】
【表4】
【0503】
副甲状腺機能低下症の期間ごとのBMD
また患者は、彼らの副甲状腺機能低下症の期間:10年超;5~10年間;及び5年未満持続する副甲状腺機能低下症、に基づくサブグループにも分けられた。データは表5に示される。
【0504】
予測されたとおり、副甲状腺機能低下症の期間は、より上昇したZスコアと相関しており、10年超の副甲状腺機能低下症を有する患者は、最も高いBMDを有していた。これは、主に海綿骨からなる骨(腰椎、大腿骨頸部及び股関節)において特に顕著であったが、一方、皮質部位(橈骨遠位端1/3)はそれほど影響を受けなかった。化合物1による110週間の継続的治療は、より長期間の副甲状腺機能低下症及びより高いベースラインZスコアを有する患者における、より大きなZスコアの数値低下に関連していた。より大きなZスコアの補正は最初の26週間以内に生じ、この効果は110週間にわたって安定化していた。平均Zスコアは、治療期間中に0超のままであった。
【0505】
110週間の化合物1による治療は、橈骨遠位端1/3における皮質骨については、Zスコアにおけるベースラインからの有意な変化をもたらさなかった。
【0506】
【表5】
【0507】
手短に言えば、化合物1による治療は、110週目を通して忍容性が高く、安全性シグナルは同定されなかった。
【0508】
用量調整
プールされた対象については、化合物1の平均用量は、4週目に18μg PTH(1-34)(範囲:12~21)であり、化合物1の1日用量は、OLEを通してそのレベルで安定したままであった。84週目に、対象の50%(29/58)は、最後の来院(58週目)から用量調整を必要としなかった。化合物1の用量を低減した対象はいなかった。さらに、31%(18/58)は化合物1の1回用量の増加のみを必要とし、19%(11/58)は、化合物1の1回より多くの用量の増加を必要とした。様々な時点における化合物1の平均用量は、表6に示される。
【0509】
【表6】
【0510】
OLEの間、来院3において活性ビタミンDを服用している対象については、来院4から化合物1の用量をタイトレーションした。来院3において活性ビタミンDを服用していない対象については、来院3から化合物1の用量をタイトレーションした。来院9から、全ての対象は最適用量にタイトレーションされた。
【0511】
実施例2
化合物1による副甲状腺機能低下症の治療
化合物1の第1用量の前2週間以内に、血清25(OH)ビタミンD(カルシフェジオール、カルシジオール、25-ヒドロキシコレカルシフェロール、25-ヒドロキシビタミンD3としても知られる)が正常範囲内であることを確認すべきである。
【0512】
化合物1による治療の開示時に、血清カルシウムが≧7.8mg/dLであることを確認すべきである。
【0513】
化合物1による治療が開始されるときに患者が活性ビタミンDを服用している場合であって、且つ:
- 血清カルシウムが≧8.3mg/dLである場合は、活性ビタミンD(カルシトリオール)を、化合物1の第1用量が投与されるのと同日に中止し、同じ用量のカルシウムサプリメントを維持する;
- 血清カルシウムが<8.3mg/dLである場合は、化合物1の第1用量が投与されるのと同日に、活性ビタミンDの用量を≧50%低下させ、同じ用量のカルシウムサプリメントを維持する。
【0514】
化合物1による治療が開始されるときに患者が活性ビタミンDを服用していない場合、化合物1の第1用量が投与されるのと同日に、カルシウムサプリメントを少なくとも1500mg低減する。≦1500mgカルシウム/日のカルシウムサプリメント用量が服用される場合、カルシウムサプリメント用量を完全に中止する。
【0515】
カルシウムサプリメントが必要栄養量を満たすことが示される場合、完全に中止するのではなく、食事性カルシウムサプリメントの≦600mg/日の用量での継続が検討され得る。
【0516】
推奨開始用量は、化合物1の形態で投与される18μg PTH(1-34)であり、その後3μg PTH(1-34)増分の用量調整を伴う。化合物1の用量範囲は6~60μg PTH(1-34)/日であり、この用量は、168μg PTH(1-34)/0.56mL(6、9又は12μg PTH(1-34)の用量を送達する);294μg PTH(1-34)/0.98mL(15、18又は21μg PTH(1-34)の用量を送達する);及び420μg PTH(1-34)/1.4mL(24、27、又は30μg PTH(1-34)の用量を送達する)のプレフィルドペンで提供される。化合物1製剤の各mlは、活性成分としての300μgのPTH(1-34)に対応する3456μgの化合物1、及び以下の不活性成分:1.18mgコハク酸、41.7mgマンニトール、2.5mgメタクレゾール、0.13mg水酸化ナトリウム、及び注射用水を含み、pH3.7~4.3である。
【0517】
化合物1は、投与前に粒子状物質及び変色について目視で検証される。
【0518】
化合物1は、腹部又は大腿部の前部に毎日皮下投与され、注射部位は毎日順番に変更される。>30μg PTH(1-34)/日の用量については、2回の連続注射が必要とされ、各注射について異なる部位を使用する。
【0519】
血清カルシウムは、化合物1の第1用量の7~14日以内に測定され、化合物1、活性ビタミンD及びカルシウムサプリメントの投与における適切な調整は以下のとおりである:
【0520】
血清カルシウムが低い(<8.3mg/dL)場合:
- 化合物1による治療が開始されてから又は化合物1の用量が変更されてから≧7日間が経過した場合は、同じカルシウムサプリメント用量及び活性ビタミンD用量を継続し、化合物1の用量を3μg増加させる;
- 化合物1による治療が開始されてから又は化合物1の用量が変更されてから7日未満が経過した場合は、医師の臨床的判断に基づいてカルシウムサプリメント及び/又は活性ビタミンDを前の用量に対して増加させ、同じ用量の化合物1を継続する;
血清カルシウムが正常(8.3~10.6mg/dL)である場合:
- 化合物1による治療が開始されてから又は化合物1の用量が変更されてから≧7日間が経過し、且つ患者が依然として活性ビタミンDを服用している場合は、活性ビタミンDを中止し、化合物1の用量を3μg増加させる;
- 化合物1による治療が開始されてから又は化合物1の用量が変更されてから≧7日間が経過し、且つ患者がもはや活性ビタミンDを服用していないが、カルシウムサプリメントは服用しており、上記カルシウムサプリメントが≧1500mg/日である場合は、上記カルシウムサプリメントを≧1500mg低減し、化合物1の用量を3μg増加させる;
- 化合物1による治療が開始されてから又は化合物1の用量が変更されてから≧7日間が経過し、且つ患者がもはや活性ビタミンDを服用していないが、カルシウムサプリメントは服用しており、上記カルシウムサプリメントが1500mg/日未満である場合は、カルシウムサプリメントを中止し、化合物1の用量を3μg増加させる;
- 化合物1による治療が開始されてから又は化合物1の用量が変更されてから≧7日間が経過し、且つ患者がもはや活性ビタミンDを服用しておらず、もはやカルシウムサプリメントも服用していない場合は、同じ用量の化合物1を継続する;
- 化合物1による治療が開始されてから又は化合物1の用量が変更されてから7日未満が経過した場合は、同じ用量の化合物1、同じ用量のカルシウムサプリメント及び活性ビタミンDを継続する;
血清カルシウムが高い(10.7~11.9mg/dL)場合:
- 患者が依然として活性ビタミンDを服用している場合は、活性ビタミンDを中止し、同じ用量の化合物1及びカルシウムサプリメントを継続する;
- 患者が活性ビタミンDを服用していないが、カルシウムサプリメントを≧1500mg/日の用量で服用する場合は、カルシウムサプリメントを≧1500mg低減し、同じ用量の化合物1を継続する;
- 患者が活性ビタミンDを服用していないが、カルシウムサプリメントは服用し、このカルシウムサプリメントが1日当たり1500mg未満である場合は、カルシウムサプリメントを中止し、同じ用量の化合物1を継続する;
- 患者が活性ビタミンDを服用しておらず、且つカルシウムサプリメントを服用しない場合は、化合物1の用量を3μg低減する;
また、血清カルシウムが極めて高い(≧12mg/dL)場合、化合物1を2~3日間控え、血清カルシウムについて再検査し、且つ:
- その後の血清カルシウムが<12mg/dLである場合は、得られた最も最近の血清カルシウム値を使用して、上記のとおり化合物1、活性ビタミンD及びカルシウムサプリメントのタイトレーションを再開する;
- 血清カルシウムが≧12mg/dLのままである場合は、化合物1をさらに2~3日間控え、血清カルシウムについて再検査し、上記のとおり進める。
【0521】
>30μg/日の用量は、表7に示されるような2投与を用いて異なる注射部位に連続して注射される2つの1回用量として投与される。
【0522】
【表7】
【0523】
化合物1、活性ビタミンD及びカルシウムサプリメントの用量調整は、同日に行うべきである。化合物1、活性ビタミンD又はカルシウムサプリメントにおける任意の用量変更後、7~14日以内に血清カルシウムを測定し、低カルシウム血症又は高カルシウム血症の臨床症状についてモニターし、上記のとおり化合物1、活性ビタミンD及び/又はカルシウムサプリメントの用量を調整する。
【0524】
化合物1の前の用量変更から少なくとも7日間が経過した場合、化合物1の用量を上記のとおりに3μg単位で増加させることができる。化合物1の用量は、7日毎を超えて頻繁に増加させてはならない。化合物1の用量は、上記のとおり高カルシウム血症に応じて、3日毎以下の頻度で3μg単位で低下させることができる。
【0525】
維持用量は、活性ビタミンD又は治療用量のカルシウムを必要とすることなく正常範囲内の血清カルシウムを達成する化合物1の用量であるべきである。場合により、必要栄養量を満たすのに十分なカルシウム補給を継続することができる。維持用量が達成されると、血清カルシウムは標準治療ごとに測定され得る。
【0526】
1回用量を12時間未満まで服用し忘れた場合、これをできるだけ早く服用してよい。1回用量を12時間超まで服用し忘れた場合、これをスキップしてよく、その後、次の用量が予定どおりに服用される。
【0527】
血清PTH変動を最小限にするため、連日投与の中断は回避すべきである。化合物1の中断又は中止は、低カルシウム血症をもたらし得る。化合物1を3回以上の連続用量について中断又は中止している患者においては、低カルシウム血症の兆候及び症状についてモニターし、血清カルシウムを測定することを検討することが推奨される。必要であれば、カルシウムサプリメント及び活性ビタミンDによる治療が再開される。中断後できるだけ早く、化合物1の投与が処方用量で再開されることが推奨される。中断後に化合物1を再開する場合、上記のとおりに血清カルシウムを測定し、化合物1、活性ビタミンD及びカルシウムサプリメントの用量を調整すべきである。
【配列表】
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【手続補正書】
【提出日】2024-05-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長時間作用型PTH化合物を含む、増加したBMDを有する患者における骨密度(BMD)の低下において使用するための組成物
【請求項2】
BMDの低下が、少なくとも0.1のZスコアの低下である、請求項1に記載の組成物
【請求項3】
BMDの低下が、海綿骨におけるBMDの低下である、請求項に記載の組成物
【請求項4】
BMDの低下が、腰椎L1~L4、大腿骨頸部及び股関節からなる群から選択される少なくとも1つの領域中で測定される、請求項に記載の組成物
【請求項5】
橈骨遠位端1/3においてBMDの低下が観察されない、請求項に記載の組成物
【請求項6】
BMDの低下が、0未満のZスコアをもたらさない、請求項に記載の組成物
【請求項7】
BMDの低下が、長時間作用型PTH化合物の長期使用による年齢及び性別に応じた基準に傾く骨代謝マーカーの初期増加に関連する、請求項に記載の組成物
【請求項8】
増加したBMDを有する患者が、副甲状腺機能低下症;SAPHO症候群;慢性感染性骨髄炎;骨の結節性硬化症;フッ素症;腎性骨異栄養症;先端巨大症;C型肝炎関連骨硬化症;骨髄線維症;肥満細胞症;低下した骨吸収の先天的状態、例えば大理石骨病、濃化異骨症、骨斑紋症及びメロレオストーシス;増加した骨形成の先天的状態、例えば、硬結性骨化症、ファン・ブッヘム病(van Buchem’s disease)、LRP5 HBM、LRP4 HBM、頭蓋骨幹端異形成症;並びに阻害された形成及び吸収の状態、例えば、カムラチ・エンゲルマン病及びゴーサル症候群(Ghosal syndrome)からなる群から選択される疾患を有する患者である、請求項に記載の組成物
【請求項9】
増加したBMDを有する患者が、副甲状腺機能低下症を有する患者である、請求項に記載の組成物
【請求項10】
患者が、副甲状腺機能低下症を5年未満有していた、請求項9に記載の組成物
【請求項11】
患者が、副甲状腺機能低下症を5~10年間有していた、請求項9に記載の組成物
【請求項12】
患者が、副甲状腺機能低下症を10年超有していた、請求項9に記載の組成物
【請求項13】
増加したBMDを有する患者が、大理石骨病を有する患者である、請求項に記載の組成物
【請求項14】
1種以上の長時間作用型PTH化合物及び1種以上の賦形剤を含む医薬組成物の形態で患者に投与される、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
1日1回患者に投与される、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
長時間作用型PTH化合物を含む、副甲状腺機能低下症を治療する方法において使用するための組成物であって、該組成物は、長時間作用型PTH化合物の用量を治療経過中に増加させる投与レジメンにおいて投与され、このような投与レジメンが、以下のステップ:
(i) 患者に投与される長時間作用型PTH化合物の用量を、上記患者において正常な血清カルシウムレベルをもたらすようにタイトレーションし、第1期間中にこのような用量で患者を維持するステップ;
(ii) 第1期間の直後の第2期間中に、長時間作用型PTH化合物の用量を少なくとも1.1倍増加させるステップ;及び
(iii) 場合により、第3期間又はさらなる後続期間中に、長時間作用型PTH化合物の用量を少なくとも1.1倍増加させるステップ
を含む、前記組成物
【請求項17】
第1期間が少なくとも5ヶ月間である、請求項16に記載の組成物
【請求項18】
第2期間が少なくとも1ヶ月間である、請求項16に記載の組成物
【請求項19】
長時間作用型PTH化合物が、式(Ia)若しくは(Ib)の化合物:
【化1】
(式中、
各-Dは、個々に、PTH部分であり;
各-L1-は、個々に、-Dに共有結合的に且つ可逆的に結合しているリンカー部分であり; 各-L2-は、個々に、化学的単結合(single chemical bond)又はスペーサー部分であり; 各-Zは、個々に、担体部分、例えば脂肪酸誘導体又はポリマーであり;
xは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24及び25からなる群から選択される整数であり;
yは、2、3、4及び5からなる群から選択される整数である)
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1~18のいずれか1項に記載の組成物
【請求項20】
長時間作用型PTH化合物が、式(Ia)の化合物である、請求項19に記載の組成物
【請求項21】
長時間作用型PTH化合物が、x=1を有する式(Ia)の化合物である、請求項19に記載の組成物
【請求項22】
長時間作用型PTH化合物が、式(IIf-i):
【化2】
(式中、
印の付いていない破線は、アミド結合を介した-Dの窒素への結合を示し;
アスタリスクが付いている破線は、以下の部分:
【化3】
[式中、
m及びpは、独立して、400~500の整数である]
への結合を示す)
を有する、請求項19に記載の組成物
【請求項23】
印の付いていない破線が、配列番号51のPTH部分のN末端アミンへの結合を示す、請求項22に記載の組成物
【請求項24】
長時間作用型PTH化合物が、1つ以上の長時間作用型PTH化合物と少なくとも1つの賦形剤とを含む医薬組成物の形態で患者に投与される、請求項19に記載の組成物
【請求項25】
長時間作用型PTH化合物が、患者に1日1回投与される、請求項19に記載の組成物
【請求項26】
長時間作用型PTH化合物が、患者に1週間に1回投与される、請求項19に記載の組成物
【請求項27】
式(IIf-ii)の化合物:
【化4】
(式中、
印の付いていない破線は、配列番号51のPTH部分のN末端アミンへの結合を示し;
アスタリスクが付いている破線は、以下の部分:
【化5】
[式中、
m及びpは、独立して、400~500の整数である]
への結合を示す)
を含む医薬組成物であって、1mlの該医薬組成物が、3456μgの式(IIf-ii)の長時間作用型PTH化合物、1.18mgコハク酸、41.7mgマンニトール、2.5mgメタクレゾール、0.13mg水酸化ナトリウム及び注射用水を含む、前記医薬組成物。
【請求項28】
3.7~4.3のpHを有する、請求項27に記載の医薬組成物。
【請求項29】
(IIf-ii)の化合物
【化6】
(式中、
印の付いていない破線は、配列番号51のPTH部分のN末端アミンへの結合を示し;
アスタリスクが付いている破線は、以下の部分:
【化7】
[式中、
m及びpは、独立して、400~500の整数である]
への結合を示す)、
を含む、患者における副甲状腺機能低下症の治療において使用するための医薬組成物であって、前記治療が、
a) 式(IIf-ii)の化合物の第1用量が患者に投与される前2週間以内に患者の血清25(OH)ビタミンDが正常範囲内であり、且つ治療の開始時に血清カルシウムが≧7.8mg/dLであることを確認するステップ;
b) 式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されるときに患者が活性ビタミンDを服用している場合:
b-i) 血清カルシウムが≧8.3mg/dLである場合は、式(IIf-ii)の化合物の第1用量が投与されるのと同日に、同じ用量のカルシウムサプリメントを維持し、活性ビタミンDを中止するステップ;若しくは
b-ii) 血清カルシウムが<8.3mg/dLである場合は、式(IIf-ii)の化合物の第1用量が投与されるのと同日に活性ビタミンDの用量を≧50%低下させ、同じ用量のカルシウムサプリメントを維持するステップ;又は
式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されるときに患者が活性ビタミンDを服用していない場合:
b-iii) 式(IIf-ii)の化合物の第1用量が投与されるのと同日に、カルシウムサプリメントを少なくとも1500mg低減するステップ;及び
c) カルシウムサプリメントが必要栄養量を満たすことが示される場合は、場合により食事性カルシウムサプリメントを≦600mg/日の用量で継続するステップ
により開始される、前記医薬組成物。
【請求項30】
治療が、以下のステップ:
d) 式(IIf-ii)の化合物の形態で18μg PTH(1-34)/日の開始用量を投与し、その後同じ用量を連日投与するステップ;
e) 式(IIf-ii)の化合物の第1投与の7~14日以内に血清カルシウムを測定するステップ;及び
f) 式(IIf-ii)の化合物、活性ビタミンD及び/又はカルシウムサプリメントの用量を調整するステップ
をさらに含む、請求項29に記載の医薬組成物。
【請求項31】
ステップf)の用量調整が以下のとおりに行われる、請求項30に記載の医薬組成物:
f-i) 血清カルシウムが<8.3mg/dLである場合:
- 式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-ii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過した場合は、同じカルシウムサプリメント用量及び活性ビタミンD用量を継続し、式(IIf-ii)の化合物の用量を3μg増加させる;若しくは
- 式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-ii)の化合物の用量が変更されてからから7日未満が経過した場合は、医師の臨床的判断に基づいてカルシウムサプリメント及び/又は活性ビタミンDを前の用量に対して増加させ、同じ用量の式(IIf-ii)の化合物を継続する;
f-ii) 血清カルシウムが8.3~10.6mg/dLである場合:
- 式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-ii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過し、且つ患者が依然として活性ビタミンDを服用している場合は、活性ビタミンDを中止し、式(IIf-ii)の化合物の用量を3μg増加させる;
- 式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-ii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過し、且つ患者がもはや活性ビタミンDを服用していないが、カルシウムサプリメントは服用しており、該カルシウムサプリメントが≧1500mg/日である場合は、前記カルシウムサプリメントを≧1500mg低減し、式(IIf-ii)の化合物の用量を3μg増加させる;
- 式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-ii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過し、且つ患者がもはや活性ビタミンDを服用していないが、カルシウムサプリメントは服用しており、該カルシウムサプリメントが1500mg/日未満である場合は、カルシウムサプリメントを中止し、式(IIf-ii)の化合物の用量を3μg増加させる;
- 式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-ii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過し、且つ患者がもはや活性ビタミンDを服用しておらず、もはやカルシウムサプリメントも服用していない場合は、同じ用量の式(IIf-ii)の化合物を継続する;若しくは
- 式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-ii)の化合物の用量が変更されてから7日未満が経過した場合は、同じ用量の式(IIf-ii)の化合物、同じ用量のカルシウムサプリメント及び活性ビタミンDを継続する;
f-iii) 血清カルシウムが10.7~11.9mg/dLである場合:
- 患者が依然として活性ビタミンDを服用している場合は、活性ビタミンDを中止し、同じ用量の式(IIf-ii)の化合物及びカルシウムサプリメントを継続する;
- 患者が活性ビタミンDを服用していないが、カルシウムサプリメントを≧1500mg/日の用量で服用する場合は、カルシウムサプリメントを≧1500mg低減し、同じ用量の式(IIf-ii)の化合物を継続する;
- 患者が活性ビタミンDを服用していないが、カルシウムサプリメントは服用し、このカルシウムサプリメントが1日当たり1500mg未満である場合は、カルシウムサプリメントを中止し、同じ用量の式(IIf-ii)の化合物を継続する;若しくは
- 患者が活性ビタミンDを服用しておらず、且つカルシウムサプリメントを服用しない場合は、式(IIf-ii)の化合物の用量を3μg低減する;又は
f-iv) 血清カルシウムが≧12mg/dLである場合:
- 式(IIf-ii)の化合物を2~3日間控え、血清カルシウムについて再検査し、
- その後の血清カルシウムが<12mg/dLである場合は、得られた最も最近の血清カルシウム値を使用して、ステップf-i)~f-iii)に記載されるとおり、式(IIf-ii)の化合物、活性ビタミンD及びカルシウムサプリメントのタイトレーションを再開する;
- 血清カルシウムが≧12mg/dLのままである場合は、式(IIf-ii)の化合物をさらに2~3日間控え、血清カルシウムについて再検査し、前のステップに記載されるとおりに進める。
【請求項32】
治療が、以下のステップ:
g) 1日維持用量の投与;及び
h) 標準治療ごとに血清カルシウムを測定するステップ
をさらに含む、請求項29~31のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0527
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0527】
血清PTH変動を最小限にするため、連日投与の中断は回避すべきである。化合物1の中断又は中止は、低カルシウム血症をもたらし得る。化合物1を3回以上の連続用量について中断又は中止している患者においては、低カルシウム血症の兆候及び症状についてモニターし、血清カルシウムを測定することを検討することが推奨される。必要であれば、カルシウムサプリメント及び活性ビタミンDによる治療が再開される。中断後できるだけ早く、化合物1の投与が処方用量で再開されることが推奨される。中断後に化合物1を再開する場合、上記のとおりに血清カルシウムを測定し、化合物1、活性ビタミンD及びカルシウムサプリメントの用量を調整すべきである。

本発明は例えば以下の実施形態を含む。
[項1]
増加したBMDを有する患者における骨密度(BMD)の低下において使用するための長時間作用型PTH化合物。
[項2]
BMDの低下が、少なくとも0.1のZスコアの低下である、項1に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
[項3]
BMDの低下が、海綿骨におけるBMDの低下である、項1又は2に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
[項4]
BMDの低下が、腰椎L1~L4、大腿骨頸部及び股関節からなる群から選択される少なくとも1つの領域中で測定される、項1~3のいずれか1項に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
[項5]
橈骨遠位端1/3においてBMDの低下が観察されない、項1~4のいずれか1項に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
[項6]
BMDの低下が、0未満のZスコアをもたらさない、項1~5のいずれか1項に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
[項7]
BMDの低下が、長時間作用型PTH化合物の長期使用による年齢及び性別に応じた基準に傾く骨代謝マーカーの初期増加に関連する、項1~6のいずれか1項に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
[項8]
増加したBMDを有する患者が、副甲状腺機能低下症;SAPHO症候群;慢性感染性骨髄炎;骨の結節性硬化症;フッ素症;腎性骨異栄養症;先端巨大症;C型肝炎関連骨硬化症;骨髄線維症;肥満細胞症;低下した骨吸収の先天的状態、例えば大理石骨病、濃化異骨症、骨斑紋症及びメロレオストーシス;増加した骨形成の先天的状態、例えば、硬結性骨化症、ファン・ブッヘム病(van Buchem’s disease)、LRP5 HBM、LRP4 HBM、頭蓋骨幹端異形成症;並びに阻害された形成及び吸収の状態、例えば、カムラチ・エンゲルマン病及びゴーサル症候群(Ghosal syndrome)からなる群から選択される疾患を有する患者である、項1~7のいずれか1項に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
[項9]
増加したBMDを有する患者が、副甲状腺機能低下症を有する患者である、項1~8のいずれか1項に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
[項10]
患者が、副甲状腺機能低下症を5年未満有していた、項9に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
[項11]
患者が、副甲状腺機能低下症を5~10年間有していた、項9に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
[項12]
患者が、副甲状腺機能低下症を10年超有していた、項9に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
[項13]
増加したBMDを有する患者が、大理石骨病を有する患者である、項1~8のいずれか1項に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
[項14]
副甲状腺機能低下症を治療する方法において使用するための長時間作用型PTH化合物であって、該長時間作用型PTH化合物が、長時間作用型PTH化合物の用量を治療経過中に増加させる投与レジメンにおいて投与され、このような投与レジメンが、以下のステップ:
(i) 患者に投与される長時間作用型PTH化合物の用量を、上記患者において正常な血清カルシウムレベルをもたらすようにタイトレーションし、第1期間中にこのような用量で患者を維持するステップ;
(ii) 第1期間の直後の第2期間中に、長時間作用型PTH化合物の用量を少なくとも1.1倍増加させるステップ;及び
(iii) 場合により、第3期間又はさらなる後続期間中に、長時間作用型PTH化合物の用量を少なくとも1.1倍増加させるステップ
を含む、前記長時間作用型PTH化合物。
[項15]
第1期間が少なくとも5ヶ月間である、項14に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
[項16]
第2期間が少なくとも1ヶ月間である、項14又は15に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
[項17]
式(Ia)若しくは(Ib)の化合物:
【化50】
(式中、
各-Dは、個々に、PTH部分であり;
各-L1-は、個々に、-Dに共有結合的に且つ可逆的に結合しているリンカー部分であり; 各-L2-は、個々に、化学的単結合(single chemical bond)又はスペーサー部分であり; 各-Zは、個々に、担体部分、例えば脂肪酸誘導体又はポリマーであり;
xは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24及び25からなる群から選択される整数であり;
yは、2、3、4及び5からなる群から選択される整数である)
又はその薬学的に許容される塩である、項1~16のいずれか1項に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
[項18]
長時間作用型PTH化合物が、式(Ia)の化合物である、項17に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
[項19]
長時間作用型PTH化合物が、x=1を有する式(Ia)の化合物である、項17又は18に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
[項20]
長時間作用型PTH化合物が、式(IIf-i):
【化51】
(式中、
印の付いていない破線は、アミド結合を介した-Dの窒素への結合を示し;
アスタリスクが付いている破線は、以下の部分:
【化52】
[式中、
m及びpは、独立して、400~500の整数である]
への結合を示す)
を有する、項17~19のいずれか1項に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
[項21]
印の付いていない破線が、配列番号51のPTH部分のN末端アミンへの結合を示す、項20に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
[項22]
長時間作用型PTH化合物が、1つ以上の長時間作用型PTH化合物と少なくとも1つの賦形剤とを含む医薬組成物の形態で患者に投与される、項1~21のいずれか1項に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
[項23]
長時間作用型PTH化合物が、患者に1日1回投与される、項1~22のいずれか1項に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
[項24]
長時間作用型PTH化合物が、患者に1週間に1回投与される、項1~22のいずれか1項に記載の使用のための長時間作用型PTH化合物。
[項25]
式(IIf-ii)の化合物:
【化53】
(式中、
印の付いていない破線は、配列番号51のPTH部分のN末端アミンへの結合を示し;
アスタリスクが付いている破線は、以下の部分:
【化54】
[式中、
m及びpは、独立して、400~500の整数である]
への結合を示す)
を含む医薬組成物であって、1mlの該医薬組成物が、3456μgの式(IIf-ii)の長時間作用型PTH化合物、1.18mgコハク酸、41.7mgマンニトール、2.5mgメタクレゾール、0.13mg水酸化ナトリウム及び注射用水を含む、前記医薬組成物。
[項26]
3.7~4.3のpHを有する、項25に記載の医薬組成物。
[項27]
患者における副甲状腺機能低下症の治療において使用するための、式(IIf-ii)の化合物
【化55】
(式中、
印の付いていない破線は、配列番号51のPTH部分のN末端アミンへの結合を示し;
アスタリスクが付いている破線は、以下の部分:
【化56】
[式中、
m及びpは、独立して、400~500の整数である]
への結合を示す)、
又は式(IIf-ii)の化合物を含む医薬組成物であって、前記治療が、
a) 式(IIf-ii)の化合物の第1用量が患者に投与される前2週間以内に患者の血清25(OH)ビタミンDが正常範囲内であり、且つ治療の開始時に血清カルシウムが≧7.8mg/dLであることを確認するステップ;
b) 式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されるときに患者が活性ビタミンDを服用している場合:
b-i) 血清カルシウムが≧8.3mg/dLである場合は、式(IIf-ii)の化合物の第1用量が投与されるのと同日に、同じ用量のカルシウムサプリメントを維持し、活性ビタミンDを中止するステップ;若しくは
b-ii) 血清カルシウムが<8.3mg/dLである場合は、式(IIf-ii)の化合物の第1用量が投与されるのと同日に活性ビタミンDの用量を≧50%低下させ、同じ用量のカルシウムサプリメントを維持するステップ;又は
式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されるときに患者が活性ビタミンDを服用していない場合:
b-iii) 式(IIf-ii)の化合物の第1用量が投与されるのと同日に、カルシウムサプリメントを少なくとも1500mg低減するステップ;及び
c) カルシウムサプリメントが必要栄養量を満たすことが示される場合は、場合により食事性カルシウムサプリメントを≦600mg/日の用量で継続するステップ
により開始される、前記化合物又は医薬組成物。
[項28]
治療が、以下のステップ:
d) 式(IIf-ii)の化合物の形態で18μg PTH(1-34)/日の開始用量を投与し、その後同じ用量を連日投与するステップ;
e) 式(IIf-ii)の化合物の第1投与の7~14日以内に血清カルシウムを測定するステップ;及び
f) 式(IIf-ii)の化合物、活性ビタミンD及び/又はカルシウムサプリメントの用量を調整するステップ
をさらに含む、項27に記載の使用のための化合物又は医薬組成物。
[項29]
ステップf)の用量調整が以下のとおりに行われる、項28に記載の使用のための化合物又は医薬組成物:
f-i) 血清カルシウムが<8.3mg/dLである場合:
- 式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-ii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過した場合は、同じカルシウムサプリメント用量及び活性ビタミンD用量を継続し、式(IIf-ii)の化合物の用量を3μg増加させる;若しくは
- 式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-ii)の化合物の用量が変更されてからから7日未満が経過した場合は、医師の臨床的判断に基づいてカルシウムサプリメント及び/又は活性ビタミンDを前の用量に対して増加させ、同じ用量の式(IIf-ii)の化合物を継続する;
f-ii) 血清カルシウムが8.3~10.6mg/dLである場合:
- 式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-ii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過し、且つ患者が依然として活性ビタミンDを服用している場合は、活性ビタミンDを中止し、式(IIf-ii)の化合物の用量を3μg増加させる;
- 式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-ii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過し、且つ患者がもはや活性ビタミンDを服用していないが、カルシウムサプリメントは服用しており、該カルシウムサプリメントが≧1500mg/日である場合は、前記カルシウムサプリメントを≧1500mg低減し、式(IIf-ii)の化合物の用量を3μg増加させる;
- 式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-ii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過し、且つ患者がもはや活性ビタミンDを服用していないが、カルシウムサプリメントは服用しており、該カルシウムサプリメントが1500mg/日未満である場合は、カルシウムサプリメントを中止し、式(IIf-ii)の化合物の用量を3μg増加させる;
- 式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-ii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過し、且つ患者がもはや活性ビタミンDを服用しておらず、もはやカルシウムサプリメントも服用していない場合は、同じ用量の式(IIf-ii)の化合物を継続する;若しくは
- 式(IIf-ii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-ii)の化合物の用量が変更されてから7日未満が経過した場合は、同じ用量の式(IIf-ii)の化合物、同じ用量のカルシウムサプリメント及び活性ビタミンDを継続する;
f-iii) 血清カルシウムが10.7~11.9mg/dLである場合:
- 患者が依然として活性ビタミンDを服用している場合は、活性ビタミンDを中止し、同じ用量の式(IIf-ii)の化合物及びカルシウムサプリメントを継続する;
- 患者が活性ビタミンDを服用していないが、カルシウムサプリメントを≧1500mg/日の用量で服用する場合は、カルシウムサプリメントを≧1500mg低減し、同じ用量の式(IIf-ii)の化合物を継続する;
- 患者が活性ビタミンDを服用していないが、カルシウムサプリメントは服用し、このカルシウムサプリメントが1日当たり1500mg未満である場合は、カルシウムサプリメントを中止し、同じ用量の式(IIf-ii)の化合物を継続する;若しくは
- 患者が活性ビタミンDを服用しておらず、且つカルシウムサプリメントを服用しない場合は、式(IIf-ii)の化合物の用量を3μg低減する;又は
f-iv) 血清カルシウムが≧12mg/dLである場合:
- 式(IIf-ii)の化合物を2~3日間控え、血清カルシウムについて再検査し、
- その後の血清カルシウムが<12mg/dLである場合は、得られた最も最近の血清カルシウム値を使用して、ステップf-i)~f-iii)に記載されるとおり、式(IIf-ii)の化合物、活性ビタミンD及びカルシウムサプリメントのタイトレーションを再開する;
- 血清カルシウムが≧12mg/dLのままである場合は、式(IIf-ii)の化合物をさらに2~3日間控え、血清カルシウムについて再検査し、前のステップに記載されるとおりに進める。
[項30]
治療が、以下のステップ:
g) 1日維持用量の投与;及び
h) 標準治療ごとに血清カルシウムを測定するステップ
をさらに含む、項27~29のいずれか1項に記載の使用のための化合物又は医薬組成物。
[項31]
式(IIf-iii)の化合物:
【化57】
(式中、
印の付いていない破線は、配列番号51のPTH部分のN末端アミンへの結合を示し;
アスタリスクが付いている破線は、以下の部分:
【化58】
[式中、
m及びpは、独立して、約450~500である]
への結合を示す)
を含む医薬組成物であって、1mlの該医薬組成物が、3456μgの式(IIf-iii)の長時間作用型PTH化合物、1.18mgコハク酸、41.7mgマンニトール、2.5mgメタクレゾール、0.13mg水酸化ナトリウム及び注射用水を含む、前記医薬組成物。
[項32]
3.7~4.3のpHを有する、項31に記載の医薬組成物。
[項33]
患者における副甲状腺機能低下症の治療において使用するための、式(IIf-iii)の化合物
【化59】
(式中、
印の付いていない破線は、配列番号51のPTH部分のN末端アミンへの結合を示し;
アスタリスクが付いている破線は、以下の部分:
【化60】
[式中、
m及びpは、独立して、約450~500である]
への結合を示す)
又は式(IIf-iii)の化合物を含む医薬組成物であって、前記治療が、
a) 式(IIf-iii)の化合物の第1用量が患者に投与される前2週間以内に患者の血清25(OH)ビタミンDが正常範囲内であり、且つ治療の開始時に血清カルシウムが≧7.8mg/dLであることを確認するステップ;
b) 式(IIf-iii)の化合物による治療が開始されるときに患者が活性ビタミンDを服用している場合:
b-i) 血清カルシウムが≧8.3mg/dLである場合は、式(IIf-iii)の化合物の第1用量が投与されるのと同日に、同じ用量のカルシウムサプリメントを維持し、活性ビタミンDを中止するステップ;若しくは
b-ii) 血清カルシウムが<8.3mg/dLである場合は、式(IIf-iii)の化合物の第1用量が投与されるのと同日に、活性ビタミンDの用量を≧50%低下させ、同じ用量のカルシウムサプリメントを維持するステップ;又は
式(IIf-iii)の化合物による治療が開始されるときに患者が活性ビタミンDを服用していない場合:
b-iii) 式(IIf-iii)の化合物の第1用量が投与されるのと同日に、カルシウムサプリメントを少なくとも1500mg低減するステップ;及び
c) カルシウムサプリメントが必要栄養量を満たすことが示される場合は、場合により、食事性カルシウムサプリメントを≦600mg/日の用量で継続するステップ
により開始される、前記化合物又は医薬組成物。
[項34]
治療が、以下のステップ:
d) 式(IIf-iii)の化合物の形態で18μg PTH(1-34)/日の開始用量を投与し、その後同じ用量を連日投与するステップ;
e) 式(IIf-iii)の化合物の第1投与の7~14日以内に血清カルシウムを測定するステップ;及び
f) 式(IIf-iii)の化合物、活性ビタミンD及び/又はカルシウムサプリメントの用量を調整するステップ
をさらに含む、項33に記載の使用のための化合物又は医薬組成物。
[項35]
ステップf)の用量調整が以下のとおりに行われる、項34に記載の使用のための化合物又は医薬組成物:
f-i) 血清カルシウムが<8.3mg/dLである場合:
- 式(IIf-iii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-iii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過した場合は、同じカルシウムサプリメント用量及び活性ビタミンD用量を継続し、式(IIf-iii)の化合物の用量を3μg増加させる;若しくは
- 式(IIf-iii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-iii)の化合物の用量が変更されてからから7日未満が経過した場合は、医師の臨床的判断に基づいてカルシウムサプリメント及び/又は活性ビタミンDを前の用量に対して増加させ、同じ用量の式(IIf-iii)の化合物を継続する;
f-ii) 血清カルシウムが8.3~10.6mg/dLである場合:
- 式(IIf-iii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-iii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過し、且つ患者が依然として活性ビタミンDを服用している場合は、活性ビタミンDを中止し、式(IIf-iii)の化合物の用量を3μg増加させる;
- 式(IIf-iii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-iii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過し、且つ患者がもはや活性ビタミンDを服用していないが、カルシウムサプリメントは服用しており、該カルシウムサプリメントが≧1500mg/日である場合は、前記カルシウムサプリメントを≧1500mg低減し、式(IIf-iii)の化合物の用量を3μg増加させる;
- 式(IIf-iii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-iii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過し、且つ患者がもはや活性ビタミンDを服用していないが、カルシウムサプリメントは服用しており、該カルシウムサプリメントが1500mg/日未満である場合は、カルシウムサプリメントを中止し、式(IIf-iii)の化合物の用量を3μg増加させる;
- 式(IIf-iii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-iii)の化合物の用量が変更されてから≧7日間が経過し、且つ患者がもはや活性ビタミンDを服用しておらず、もはやカルシウムサプリメントも服用していない場合は、同じ用量の式(IIf-iii)の化合物を継続する;若しくは
- 式(IIf-iii)の化合物による治療が開始されてから又は式(IIf-iii)の化合物の用量が変更されてから7日未満が経過した場合は、同じ用量の式(IIf-iii)の化合物、同じ用量のカルシウムサプリメント及び活性ビタミンDを継続する;
f-iii) 血清カルシウムが10.7~11.9mg/dLである場合:
- 患者が依然として活性ビタミンDを服用している場合は、活性ビタミンDを中止し、同じ用量の式(IIf-iii)の化合物及びカルシウムサプリメントを継続する;
- 患者が活性ビタミンDを服用していないが、カルシウムサプリメントを≧1500mg/日の用量で服用する場合は、カルシウムサプリメントを≧1500mg低減し、同じ用量の式(IIf-iii)の化合物を継続する;
- 患者が活性ビタミンDを服用していないが、カルシウムサプリメントは服用し、このカルシウムサプリメントが1日当たり1500mg未満である場合は、カルシウムサプリメントを中止し、同じ用量の式(IIf-iii)の化合物を継続する;若しくは
- 患者が活性ビタミンDを服用しておらず、且つカルシウムサプリメントを服用しない場合は、式(IIf-iii)の化合物の用量を3μg低減する;又は
f-iv) 血清カルシウムが≧12mg/dLである場合:
- 式(IIf-iii)の化合物を2~3日間控え、血清カルシウムについて再検査し、
- その後の血清カルシウムが<12mg/dLである場合は、得られた最も最近の血清カルシウム値を使用して、ステップf-i)~f-iii)に記載されるとおり、式(IIf-iii)の化合物、活性ビタミンD及びカルシウムサプリメントのタイトレーションを再開する;
- 血清カルシウムが≧12mg/dLのままである場合は、式(IIf-iii)の化合物をさらに2~3日間控え、血清カルシウムについて再検査し、前のステップに記載されるとおりに進める。
[項36]
治療が、以下のステップ:
g) 1日維持用量の投与;及び
h) 標準治療ごとに血清カルシウムを測定するステップ
をさらに含む、項33~35のいずれか1項に記載の使用のための化合物又は医薬組成物。
【国際調査報告】