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特表2024-535894電池の筐体、電池、電気装置、電池を製造する方法及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】電池の筐体、電池、電気装置、電池を製造する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/204 20210101AFI20240925BHJP
   H01M 10/653 20140101ALI20240925BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20240925BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240925BHJP
   H01M 50/271 20210101ALI20240925BHJP
   H01M 50/289 20210101ALI20240925BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20240925BHJP
   H01M 50/224 20210101ALI20240925BHJP
【FI】
H01M50/204 401H
H01M10/653
H01M10/6556
H01M10/613
H01M50/271 B
H01M50/289 101
H01M50/291
H01M50/224
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518174
(86)(22)【出願日】2023-01-05
(85)【翻訳文提出日】2024-03-21
(86)【国際出願番号】 CN2023070776
(87)【国際公開番号】W WO2023134548
(87)【国際公開日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】202210038840.1
(32)【優先日】2022-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】王良詣
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031CC01
5H031EE01
5H031HH08
5H031KK08
5H040AA28
5H040AS04
5H040AS07
5H040AT01
5H040AT02
5H040AT04
5H040AY05
5H040AY10
5H040CC05
5H040CC20
5H040JJ03
5H040LL01
5H040NN01
(57)【要約】
電池の筐体、電池、電気装置、電池を製造する方法及び装置を提供し、当該筐体及びこれを用いた電池は、優れた性能を有する。電池の筐体(100)は、流体を収容して電池の温度を調整するための熱管理部品(110)であって、熱管理部品(110)の第1の辺(1101)の端部領域には熱管理部品(110)の第1の辺(1101)と平行な第1の方向(x)に沿って外側に凸となる凸部(111)が設けられており、凸部(111)が熱管理部品(110)の第1の辺(1102)と共同で凹部(112)を形成する熱管理部品(110)と、前記凹部(112)内に収容され、かつ前記第1の辺(1102)及び前記凸部(111)に接続されている接続板(120)と、を含む。当該技術案によって、電池の筐体には熱管理部品が含まれており、熱管理部品と筐体の統合を実現し、当該熱管理部品によって筐体内部の電気部品の熱管理を実現すると共に、筐体の内部空間を節約して電池のエネルギー密度を高めることができる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池の筐体(100)であって、
流体を収容して前記電池の温度を調整するための熱管理部品(110)であって、前記熱管理部品(110)の第1の辺(1101)の端部領域には前記熱管理部品(110)の第1の辺(1101)と平行な第1の方向(x)に沿って外側に凸となる凸部(111)が設けられており、前記凸部(111)が前記熱管理部品(110)の第1の辺(1102)と凹部(112)を形成する熱管理部品(110)と、
前記凹部(112)内に収容され、かつ前記第1の辺(1102)及び前記凸部(111)に接続されている接続板(120)と、
を含む、電池の筐体(100)。
【請求項2】
前記接続板(120)は、攪拌摩擦接合プロセスによって前記第1の辺(1102)と前記凸部(111)に溶接されている、請求項1に記載の筐体(100)。
【請求項3】
前記熱管理部品(110)には流路キャビティ(1104)が設けられており、前記流路キャビティ(1104)のキャビティ壁の厚さは1.5mm以下である、請求項1又は2に記載の筐体(100)。
【請求項4】
前記接続板(120)には取付ビーム(121)が設けられており、前記取付ビーム(121)は、前記第1の辺(1102)と平行な第2の方向(y)に沿って延出しており、かつ前記電池における部品を取り付けるために用いられる、請求項1~3のいずれか1項に記載の筐体(100)。
【請求項5】
前記取付ビーム(121)と前記接続板(120)が一体的に統合した構造である、請求項4に記載の筐体(100)。
【請求項6】
前記筐体(100)は、前記凸部(111)に設けられ、前記取付ビーム(121)に当接する取付ブロック(122)をさらに含み、前記取付ブロック(122)と前記取付ビーム(121)が互いに協力し、かつ前記電池における部品を取り付けるために用いられる、請求項4又は5に記載の筐体(100)。
【請求項7】
前記取付ブロック(122)は、アーク溶接プロセスによって前記凸部(111)に溶接されている、請求項6に記載の筐体(100)。
【請求項8】
前記凸部(111)内には水口キャビティ(1103)が設けられており、前記水口キャビティ(1103)の前記取付ブロック(122)に対向するキャビティ壁の厚さが2mm以上である、請求項7に記載の筐体(100)。
【請求項9】
前記熱管理部品(110)は、互いに平行な2つの前記第1の辺(1101)を含み、2つの前記第1の辺(1101)の同側に位置する端部領域には、前記第1の方向(x)に沿って外側に凸となる前記凸部(111)がそれぞれ設けられており、
前記第1の辺(1102)は、前記凹部(112)を形成するように2つの前記凸部(111)に接続されている、請求項1~8のいずれか1項に記載の筐体(100)。
【請求項10】
2つの前記第1の辺(1101)の各前記第1の辺(1101)の両側に位置する端部領域には、前記第1の方向(x)に沿って外側に凸となる前記凸部(111)がそれぞれ設けられており、
前記熱管理部品(110)は、互いに平行な2つの前記第1の辺(1102)を含み、各前記第1の辺(1102)は、それぞれ1つの前記凹部(112)を形成するように2つの前記凸部(111)に接続されている、請求項9に記載の筐体(100)。
【請求項11】
前記熱管理部品(110)は、互いに溶接されている少なくとも2つの部分を含み、前記の少なくとも2つの部分の間の溶接シームは、前記第1の辺(1101)に平行し、かつ前記第1の辺(1102)に垂直する、請求項1~10のいずれか1項に記載の筐体(100)。
【請求項12】
前記熱管理部品(110)の第1の辺(1101)及び前記凸部(111)には、前記第1の方向(x)に沿って延出する支持ビーム(130)が設けられている、請求項1~11のいずれか1項に記載の筐体(100)。
【請求項13】
前記支持ビーム(130)と前記熱管理部品(110)が一体的に統合した構造である、請求項12に記載の筐体(100)。
【請求項14】
前記熱管理部品(110)と前記接続板(120)が前記筐体(100)の底板を形成するように互いに接続されている、請求項1~13のいずれか1項に記載の筐体(100)。
【請求項15】
前記熱管理部品(110)と前記接続板(120)の材料は、アルミニウムである、請求項1~14のいずれか1項に記載の筐体(100)。
【請求項16】
電池セル(20)と、及び、
前記電池セル(20)を収容するための請求項1~15のいずれか1項に記載の筐体(100)と、
を含む、電池(10)。
【請求項17】
電気装置であって、
電気装置に電気エネルギーを提供するための請求項16に記載の電池(10)を含む、電気装置。
【請求項18】
電池セル(20)を提供すること、
筐体(100)を提供すること、及び、
前記電池セル(20)を前記筐体(100)に収容すること、
を含む、電池を製造する方法であって、
前記筐体(100)は、
流体を収容して前記電池の温度を調整するための熱管理部品(110)であって、前記熱管理部品(110)の第1の辺(1101)の端部領域には前記熱管理部品(110)の第1の辺(1101)と平行な第1の方向(x)に沿って外側に凸となる凸部(111)が設けられており、前記凸部(111)が前記熱管理部品(110)の第1の辺(1102)と共同で凹部(112)を形成する熱管理部品(110)と、
前記凹部(112)内に収容され、かつ前記第1の辺(1102)及び前記凸部(111)に接続されている接続板(120)と、
を含む、
電池を製造する方法。
【請求項19】
電池セル(20)と筐体(100)を提供するための提供モジュールと、
前記電池セル(20)を前記筐体(100)内に収容するための取付モジュールと、
を含む、電池を製造する装置であって、
前記筐体(100)は、
流体を収容して前記電池の温度を調整するための熱管理部品(110)であって、前記熱管理部品(110)の第1の辺(1101)の端部領域には前記熱管理部品(110)の第1の辺(1101)と平行な第1の方向(x)に沿って外側に凸となる凸部(111)が設けられており、前記凸部(111)が前記熱管理部品(110)の第1の辺(1102)と共同で凹部(112)を形成する熱管理部品(110)と、
前記凹部(112)内に収容され、かつ前記第1の辺(1102)及び前記凸部(111)に接続されている接続板(120)と、
を含む、電池を製造する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2022年1月13日に出願された発明の名称が「電池の筐体、電池、電気装置、電池を製造する方法及び装置」である中国特許出願第202210038840.1号の優先権を主張するものであり、当該出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願実施例は、電池分野に関し、より具体的に、電池の筐体、電池、電気装置、電池を製造する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
省エネルギーと排出ガス削減は自動車産業の持続可能な発展の鍵である。このような場合、電気自動車は省エネルギーと環境保護という利点により、自動車産業の持続可能な発展の重要な部分となっている。電気自動車にとって、電池技術は、その発展にかかわる重要な要素の1つである。
【0004】
一部の電池技術において、電池は、少なくとも1つの電池セルからなり、電気自動車における複数の電池セルの取付安定性を確保するために、電池は、当該の少なくとも1つの電池セルを収容するための筐体をさらに含む。電池の一部として、当該筐体の性能も、電池の全体的な性能に影響を与える。
【0005】
したがって、筐体及びこれを用いた電池の性能を如何に向上させるかは、電池技術の中で最も解決すべき技術的課題である。
【発明の概要】
【0006】
本願は、電池の筐体、電池、電気装置、電池を製造する方法及び装置を提供し、当該筐体及びこれを用いた電池は、優れた性能を有する。
【0007】
第1の方面では、流体を収容して電池の温度を調整するための熱管理部品であって、熱管理部品の第1の辺の端部領域には熱管理部品の第1の辺と平行な第1の方向に沿って外側に凸となる凸部が設けられており、凸部が熱管理部品の第2の辺と凹部を形成する熱管理部品と、凹部内に収容され、かつ第2の辺と凸部に接続されている接続板とを含む電池の筐体を提供する。
【0008】
本願実施例の技術案によれば、熱管理部品と筐体とを統合するために、電池の筐体内には熱管理部品が含まれており、当該熱管理部品によって筐体内部の電気部品の熱管理を実現すると共に、筐体の内部空間を節約して電池のエネルギー密度を高める。これに加えて、当該熱管理部品の第1の辺は、当該第1の辺と平行な第1の方向に沿って凸となって凸部を形成し、かつ当該凸部は、熱管理部品の第2の辺と凹部を形成する。当該凹部は、接続板を収容するために用いられ、かつ接続板と熱管理部品との接続を実現するために、当該接続板は、凸部及び第2の辺に互いに接続されていてもよい。溶接プロセスで接続板と熱管理部品との間の接続を実現する場合、前述した熱管理部品の設計によって、当該接続板と熱管理部品との間の溶接口が熱管理部品の第1の辺に位置することがなく、当該熱管理部品の第1の辺は、他の構成部品との相互接続を実現でき、かつ筐体の封止性に影響を与える切り欠きを導入しないため、アーク溶接等の余分な工程で当該切り欠きを塞ぐ必要がない。したがって、本願実施例の技術案によれば、切り欠きを塞ぐためのアーク溶接による筐体の変形や筐体重量の増加等の問題を避けることができ、本願実施例に提供される筐体は、比較的に高い信頼性を有し、比較的に小さい重量及び比較的に高いエネルギー密度を有することができる。
【0009】
いくつかの可能な実施形態において、接続板は、撹拌摩擦接合プロセスによって第2の辺と凸部に溶接されている。
【0010】
撹拌摩擦接合(FSW)プロセスは、溶接シームの長い溶接を容易に実現でき、かつ溶接信頼性が比較的に高い。したがって、当該実施形態の技術案において、FSWプロセスは、接続板と熱管理部品との間の確実な接続を好適に実現することができる。また、FSWプロセスは、入熱が小さく、かつ熱影響領域が比較的に小さいため、接続板と熱管理部品の変形も相対的に小さく、両者の間の溶接歩留まりが高く、筐体の使用信頼性の向上及び製造コストの低減に有利である。また、熱管理部品にとって、FSWプロセスによる変形が小さいため、当該熱管理部品内の流路キャビティに対するFSWプロセスの影響も小さく、当該FSWプロセスは、流路キャビティの溶接溶け込みを起こすことがなく、筐体の製造歩留まり及び使用信頼性をさらに確保する。
【0011】
いくつかの可能な実施形態において、熱管理部品には流路キャビティが設けられており、当該流路キャビティのキャビティ壁の厚さは、1.5mm以下である。
【0012】
当該実施形態の技術案によれば、熱管理部品における流路キャビティを薄肉に設計し、つまり、流路キャビティのキャビティ壁の厚さを1.5mm以下に設計することで、熱管理部品の全体の質量を低減し、電気装置への筐体の取り付きが容易になり、電池のエネルギー密度をさらに向上させることができる。
【0013】
いくつかの可能な実施形態において、接続板には取付ビームが設けられており、取付ビームは、第2の辺に平行する第2の方向へ延出し、かつ電池における部品を取り付けるために用いられる。
【0014】
当該実施形態の技術案によれば、電池における関連部品の取り付き、例えば、電池セル及び筐体の他の部分の取り付きを実現するために、接続板には取付ビームが設けられており、当該関連部品の取付安定性を確保すると共に、当該関連部品の取り付き過程が熱管理部品に影響を与えないことを確保することができるため、当該熱管理部品は、筐体における電池セルに対して良好な熱管理機能を果たすことができる。
【0015】
いくつかの可能な実施形態において、取付ビームと接続板は、一体的に統合した構造である。
【0016】
当該実施形態の技術案によれば、取付ビームと接続板を一体的に統合した構造に設けることで、取付ビームと接続板との接続強度を高め、さらに電池における関連部品の取付安定性を向上させ、電池の使用信頼性を向上させることができる。
【0017】
いくつかの可能な実施形態において、筐体は、凸部に設けられている取付ブロックをさらに含み、かつ、取付ブロックは、取付ビームに当接し、取付ブロックと取付ビームは、互いに協力し、かつ電池における部品を取り付けるために用いられる。
【0018】
当該実施形態の技術案によれば、筐体における凸部に対応する箇所には取付ブロックが設けられており、当該取付ブロックは取付ビームに当接し、これにより、凸部と筐体の他の部分との間の切り欠きを塞いて筐体の気密性を確保できる一方、取付ビームと共同で電池における部品を取り付けるために用いられ、電池における関連部品の筐体への取付安定性をより向上させる。
【0019】
いくつかの可能な実施形態において、取付ブロックは、アーク溶接プロセスで凸部に溶接される。
【0020】
当該実施形態の技術案によれば、アーク溶接プロセスは、作業が柔軟で適応性が高く、当該小型な取付ブロックの溶接に好適に適応でき、凸部上での当該取付ブロックの良好な溶接効果を実現でき、凸部上での取付ブロックの接続強度を高める。
【0021】
いくつかの可能な実施形態において、凸部には水口キャビティが設けられており、水口キャビティの取付ブロックに対向するキャビティ壁は、厚さが2mm以上である。
【0022】
取付ブロックがアーク溶接プロセスで凸部に溶接される過程において、アーク溶接の温度が比較的に高いため、アーク溶接プロセスによる凸部への影響を軽減するために、特にアーク溶接プロセスによる凸部における水口キャビティへの影響を軽減するために、当該実施形態の技術案によれば、水口キャビティの取付ブロックに対向するキャビティ壁の厚さは、大きく設計され、つまり、2mm以上に設計され、これにより、水口キャビティの溶接溶け込みを起こせず、当該水口キャビティから流路キャビティへの流体の流入を円滑に行うことを確保し、熱管理部品の熱管理機能を確保することができる。
【0023】
いくつかの可能な実施形態において、熱管理部品は、互いに平行な2つの第1の辺を含み、2つの第1の辺の同側に位置する端部領域には第1の方向に沿って外側に凸となる凸部がそれぞれ設けられており、第2の辺は、2つの凸部に凹部を形成するように接続されている。
【0024】
当該実施形態の技術案によれば、接続板と熱管理部品との間の溶接口は、熱管理部品の2つの第1の辺に位置することがなく、当該熱管理部品の2つの第1の辺は、いずれも他の構成部品との相互接続を実現でき、筐体の構造信頼性を確保し、かつ筐体の封止性に影響を与える切り欠きを導入しない。当該技術案によれば、筐体の使用信頼性をさらに向上させることができる。
【0025】
いくつかの可能な実施形態において、2つの第1の辺の各第1の辺の両側に位置する端部領域には第1の方向に沿って外側に凸となる凸部がそれぞれ設けられており、熱管理部品は、互いに平行な2つの第2の辺を含み、各第2の辺は、それぞれ1つの凹部を形成するように2つの凸部に接続されている。
【0026】
当該実施形態の技術案によれば、熱管理部品の2つの第2の辺は、2つの接続板を収容するためのそれぞれの凹部を形成してもよく、当該2つの接続板と熱管理部品との相互溶接は、いずれも溶接切り欠きを導入せず、筐体の気密性を確保できる。一方、当該2つ接続板上の取付ビームにより電池における関連部品の取り付きを実現し、電池における関連部品の取付安定性をより向上させることができる。
【0027】
いくつかの可能な実施形態において、熱管理部品は、互いに溶接されている少なくとも2つの部分を含み、少なくとも2つ部分の間の溶接シームは、第1の辺に平行し、かつ第2の辺に垂直する。
【0028】
当該実施形態の技術案によれば、熱管理部品の面積が比較的に大きい場合、各部分の製造歩留まりを確保し、さらに熱管理部品の全体の性能を確保するために、熱管理部品を複数の部分に分けて別々に製造してもよい。一方、熱管理部品には、「I」字型の溶接シームが形成されてもよく、これにより、筐体の溶接シーム強度を強化し、さらに筐体の全体強度を向上させることができる。
【0029】
いくつかの可能な実施形態において、熱管理部品の第1の辺及び凸部には、第1の方向に沿って延出する支持ビームが設けられている。
【0030】
当該実施形態の技術案によれば、熱管理部品の第1の辺及び凸部には、第1の方向に沿って延出する支持ビームが設けられており、当該支持ビームは、第1の方向に筐体全体を支持し、かつ筐体全体の剛性と強度を向上させ、筐体の使用信頼性を確保することができる。
【0031】
いくつかの可能な実施形態において、支持ビームと熱管理部品は、一体的に統合した構造である。
【0032】
当該実施形態の技術案によれば、支持ビームと熱管理部品を一体的に統合した構造に設計するで、熱管理部品上での支持ビームの接続強度を高め、筐体整体の剛性と強度をさらに向上させて筐体の使用信頼性をさらに確保する。
【0033】
いくつかの可能な実施形態において、熱管理部品と接続板は、筐体の底板を形成するように互いに接続している。
【0034】
当該実施形態の技術案によれば、電池が使用状態にあるとき、底板及び当該底板上の熱管理部品は、筐体の重力方向に向ける側に位置し、良好な熱管理効果を実現するために、当該熱管理部品を比較的に大きい面積に設計してもよく、一方、電池におけるある電池セルが作動し、その内部の高温排出物が熱管理部品に損傷を与えたとしても、熱管理部品から漏れた流体は、他の電池セルに影響を与えず、他の電池セルの正常な動作を確保する。
【0035】
いくつかの可能な実施形態において、熱管理部品と接続板の材料は、アルミニウムである。
【0036】
当該実施形態の技術案によれば、アルミニウム押出プロセスによる接続板上の取付ビームの形成、及び熱管理部品上の支持ビームの形成を容易にし、取付ビーム及び支持ビームの接続板及び熱管理部品上での接続強度を向上させる一方、当該アルミニウム材料は、軽量で、熱伝導性が良く、加工が容易で、耐食性に優れ、かつ、良好な強度を有するなどの利点があるため、アルミニウム材料を利用して製造して形成された熱管理部品は、強度及び熱伝導性能等の要件を満たすことができ、かつ、筐体の一部として筐体に統合されるのにも適している。
【0037】
第2の方面では、電池セル及び電池セルを収容するための第1の方面又は第1の方面のいずれの可能な実施形態に係る筐体を含む電池を提供する。
【0038】
第3の方面では、電気装置であって、電気装置に電気エネルギーを提供するための第2の方面に係る電池を含む電気装置を提供する。
【0039】
第4の方面では、電池セルを提供すること、筐体を提供すること、及び、電池セルを筐体に収容することを含む電池を製造する方法であって、筐体は、流体を収容して電池セルの温度を調整するための熱管理部品であって、熱管理部品の第1の辺の端部領域には熱管理部品の第1の辺と平行な第1の方向に沿って外側に凸となる凸部が設けられており、凸部が熱管理部品の第2の辺と共同で凹部を形成する熱管理部品と、凹部に収容され、かつ第2の辺と凸部に接続されている接続板とを含む、電池を製造する方法を提供する。
【0040】
第5の方面では、電池セルと筐体を提供するための提供モジュール、及び、電池セルを筐体に収容するための取付モジュールを含む、電池を製造する装置でああって、筐体は、流体を収容して電池の温度を調整するための熱管理部品であって、熱管理部品の第1の辺の端部領域には熱管理部品の第1の辺と平行な第1の方向に沿って外側に凸となる凸部が設けられており、凸部が熱管理部品の第2の辺と共同で凹部を形成する熱管理部品と、凹部内に収容され、かつ第2の辺と凸部に接続されている接続板とを含む電池を製造する装置を提供する。
【0041】
本願実施例の技術案によれば、熱管理部品と筐体の統合を実現するために、電池の筐体は、熱管理部品を含み、当該熱管理部品によって筐体内部の電気部品の熱管理を実現すると共に、筐体の内部空間を節約して電池のエネルギー密度を高める。これに加えて、当該熱管理部品の第1の辺は、当該第1の辺と平行な第1の方向に沿って凸となり、凸部を形成し、かつ当該凸部は、熱管理部品の第2の辺と凹部を形成する。当該凹部は、接続板を収容するために用いられ、かつ、接続板と熱管理部品との間の接続を実現するために、当該接続板は、凸部及び第2の辺に互いに接続されてもよい。溶接プロセスによって接続板と熱管理部品との間の接続を実現する場合、前述した熱管理部品の設計により、当該接続板と熱管理部品との間の溶接口は、熱管理部品の第1の辺に位置することがなく、当該熱管理部品の第1の辺は、他の構造部材との相互接続を実現でき、筐体の封止性に影響を与える切り欠きを導入せず、アーク溶接等の余分な工程で当該切り欠きを塞ぐ処理が不要である。したがって、本願実施例に提供される筐体は、比較的に高い信頼性、比較的に小さい重量及び比較的に高いエネルギー密度を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
本願実施例の技術案をより明確に説明するため、以下、本願実施例に使用される図面を簡単に紹介し、以下に説明する図面は、本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者によって、創造的な努力を払わずに図面に従って他の図面を取得することもできることは、自明である。
【0043】
図1】本願の一実施例に開示される1種の車両の構造概略図である。
図2】本願の一実施例に開示される1種の電池の構造概略図である。
図3】本願の一実施例に開示される1種の電池セルの構造概略図である。
図4】本願の一実施例に開示される1種の電池の筐体の構造概略図である。
図5】本願の別の一実施例に開示される1種の電池の筐体の構造概略図である。
図6】本願の別の一実施例に開示される1種の電池の筐体の構造概略図である。
図7図6のA-A’方向の概略的な局所断面図である。
図8】本願の別の一実施例に開示される1種の電池の筐体の構造概略図である。
図9】本願の別の一実施例に開示される1種の電池の筐体の構造概略図である。
図10】本願の別の一実施例に開示される1種の電池の筐体の構造概略図である。
図11】本願の一実施例に開示される1種の接続板の概略的構造図である。
図12】本願の一実施例に開示される2種の熱管理部品の構造概略図である。
図13】本願の別の一実施例に開示される1種の電池の筐体の構造概略図である。
図14】本願の別の一実施例に開示される1種の電池の筐体の構造概略図である。
図15】本願の一実施例に開示される電池を製造する方法のフローチャートの概略図である。
図16】本願の一実施例に開示される電池を製造する装置の概略的ブロック図である。
【0044】
図面において、図面は、実際の縮尺で描かれていない。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、図面及び実施例を参照しながら本願の実施形態を詳細に説明する。以下の実施例の詳細な説明及び図面は、本願の原理を例示的に説明することだけに用いられるものであり、本願の範囲を制限するものではなく、つまり、本願は、説明される実施例に限られない。
【0046】
なお、本願の説明において、別段の定めがない限り、「複数」という用語は2つ以上を意味し、用語の「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」などが示す向きや位置関係は、単に本願の説明を容易にし、簡略化するためであり、示される装置や素子が特定の向きを有する必要があり、特定の向きで構成されて動作しなければならないことを示すかまたは暗示するものではないため、本願を限定するものとして解釈してはならない。また、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、説明だけに使用され、相対的な重要性を示したり暗示したりするものとして理解されるべきではない。「垂直」は、厳密な意味での垂直ではなく、誤差の許容範囲内での垂直を意味する。「平行」とは厳密な意味での平行ではなく、誤差の許容範囲内での平行を意味する。
【0047】
以下の説明に出ている方位詞は、いずれも図に示す方向であり、本願の具体的な構造を限定するものではない。なお、本願の説明において、特に明記・限定しない限り、技術用語の「取付」、「つながる」、「接続」、は、広義に理解されるべきである。例えば、固定接続、着脱可能な接続、または一体的に接続されてもよく、直接つながっても中間媒体を介した間接つながってもよい。当業者からすれば、具体的な状況に応じて本願の実施例に記載のこれらの用語の具体的な意味を理解できる。
【0048】
本願の「および/または」という用語は、関連する対象の関連関係を説明するものに過ぎず、3つの関係があり得ることを意味する。例えば、「Aおよび/またはB」は、単にA、AとBの両方、単にBという3つの場合があり得る。また、本文中の「/」は、一般的に前後の関連対象が「または」という関係を有すると示す。
【0049】
特に定義しない限り、本願で使用される全ての技術用語および科学用語は、本願に係る当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有し、本明細書で使用される用語は、具体的な実施例を説明するためだけであり、本願を限定することを意図するものではなく、本願の明細書、特許請求の範囲および上記図面の簡単な説明における「含む」や「有する」という用語、並びにそれらのいかなる変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図するものである。本願の明細書、請求の範囲又は前記の図面における「第1」、「第2」などの技術用語は、異なる対象を区別するためにのみ使用されており、特定の順序や主従関係を説明するものではない。
【0050】
本明細書で言う「実施例」は、実施例に記載の特定の特徴、構造または特性を組み合わせたものが本願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。本明細書の各箇所に現れるこの用語は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と互いに排他的で独立または代替の実施例を意味するものでもない。当業者であれば、本明細書に記載の実施例を他の実施例と組み合わせることができることを明示的にも暗黙的にも理解するであろう。
【0051】
本願において、電池とは、電気エネルギーを提供するための1つ又は複数の電池セルを含む物理モジュールを意味する。例えば、本願に言及される電池は、電池モジュール又は電池パック等を含んでもよい。電池は、通常、1つ又は複数の電池セルをパッケージングするための筐体を含む。筐体は、液体や他の異物による電池セルの充放電への影響を防止できる。
【0052】
任意に、電池セルは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池等を含んでもよく、本願実施例ではこれに対する限定がない。電池セルは、円筒体、扁平体、直方体または他の形状などであってもよく、本願実施例は、これを限定するものではない。電池セルは、通常、パッケージングの形態に応じて筒形電池セル、角形電池セル及びソフトパック電池セルの3種類に分類されるが、本願実施例は、これを限定するものではない。
【0053】
電池セルは、正極シート、負極シート及びセパレーターからなる電極アセンブリと電解液を含む。電池セルは、主に正極シートと負極シートの間での金属イオンの移動によって作動する。正極シートは、正極集電体と正極活物質層を含み、正極活物質層は、正極集電体の表面に塗布され、正極活物質層が塗布されていない集電体は、正極活物質層が塗布されている集電体から突出しており、正極活物質層が塗布されていない集電体は、正極タブとされる。リチウムイオン電池を例として、正極集電体の材料は、アルミニウムであってもよく、正極活物質は、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元系リチウム又はマンガン酸リチウム等であってもよい。負極シートは、負極集電体と負極活物質層を含み、負極活物質層は、負極集電体の表面に塗布されており、負極活物質層が塗布されていない集電体は、負極活物質層が塗布されている集電体から突出しており、負極活物質層が塗布されていない集電体は、負極タブとされる。負極集電体の材料は、銅であってもよく、負極活物質は、カーボンやシリコンなどであってもよい。溶断することなく大電流が通れるように、正極タブは複数個で積層してなり、負極タブは複数個で積層してなる。セパレーターの材質は、ポリプロピレン(Polypropylene、PP)またはポリエチレン(Polyethylene、PE)などであってもよい。また、電極アセンブリは巻回型構造でも積層型構造でもよく、本願の実施例は、これを限定するものではない。
【0054】
電池技術の発展は、例えば、エネルギー密度、サイクル寿命、放電容量、充放電レートなどの性能パラメータ、さらに電池の安全性など、さまざまな設計要素を同時に考慮する必要がある。
【0055】
電池にとって、主な安全リスクは、充放電過程にあり、電池の安全性能を向上させるために、電池セルには、通常、圧力開放手段が設けられている。圧力開放手段とは、電池セルの内圧や温度が所定の閾値に達したときに作動して内圧や温度を開放する素子又は部品である。当該所定の閾値は、設計ニーズに応じて調整することができる。前記の所定の閾値は、電池セルにおける正極シート、負極シート、電解液及びセパレーターのうちの1種又は複数種の材料によって決められる。圧力開放手段は、例えば、感圧性又は感温性の素子又は部品を採用しでもよく、即ち、電池セルの内圧や温度が所定の閾値に達した時、圧力開放手段は動作して内圧や温度を放出するための通路を形成する。
【0056】
本願に言及される「作動」とは、圧力開放手段が動作して電池セルの内圧や温度を開放することを意味する。圧力開放手段による動作は、圧力開放手段の少なくとも一部が破断、引き裂かれ又は溶融されたなどの場合を含み得るが、これを限定するものではない。圧力開放手段が作動した後、電池セル内部の高温高圧物質は、排出物として圧力開放手段から外部に排出される。このように、圧力または温度が制御可能な状況で、電池セルの圧力を開放することにより、潜在しているより深刻な事故を回避することができる。
【0057】
本願に言及される電池セルからの排出物は、電解液、溶解または分解された正極・負極シート、セパレーターの破片、反応による高温高圧ガス、火炎などを含むが、これらに限定されない。
【0058】
電池セル上の圧力開放手段は、電池の安全性に重要な影響を与える。例えば、電池セルが短絡や過充電等の現象を発生する時、電池セルの内部で熱暴走が発生して圧力や温度が急激に上昇する可能性がある。このような場合、圧力開放手段が作動することで内圧及び温度を外に放出して電池セルの爆炸や発火を防ぐことができる。
【0059】
電池の安全性を確保するために、電池セルに圧力開放手段を設けることに加えて、電池セルを収容するための筐体には熱管理部品がさらに設けられてもよく、当該熱管理部品は、流体を収容して複数の電池セルの温度を調整することに用いられる。ここで、流体は、液体又はガスであってもよく、温度の調整とは、複数の電池セルを加熱又は冷却することを意味する。電池セルを冷却又は降温する場合、当該熱管理部品は、冷却流体を収容して複数の電池セルの温度を低下させるために用いられ、この場合、熱管理部品は、冷却部品、冷却システム又は冷却板等と称されてもよく、収容される流体は、冷却媒体又は冷却流体と称されてもよく、より具体的に、冷却液又は冷却ガスと称されてもよい。また、熱管理部品は、複数の電池セルを昇温するために加熱することに用いられ、本願実施例は、これに対する限定がない。任意に、より良好な温度調整効果を得るために、前記流体は、循環的に流れていってもよい。任意に、流体は、水、水とエチレングリコールの混合液又は空気等であってもよい。
【0060】
いくつかの関連技術において、電池のエネルギー密度を高め、電池の筐体内の空間を節約するために、熱管理部品と電池の筐体を一体的に統合し、言い換えると、電池の筐体は、電池セルを収容するために用いられる他、熱管理部品としても機能して当該筐体内の電池セルの温度を調整する。
【0061】
例えば、いくつかの実施形態において、熱管理部品は、周囲にそれぞれ4つのフレームが設けられた水冷板構造であってもよく、溶接プロセスで当該の4つのフレームを、電池の筐体の一部を形成するように水冷板に囲んで溶接してもよい。具体的に、当該の4つのフレームは、前、後、左、右の4つのフレームを含み、そのうち、前フレームと後フレームの長さは、水冷板の短辺の長さと同一であってもよく、左フレームと右フレームの長さは、水冷板の長辺の長さ、前フレームの幅さ及び后フレームの幅さの合計と同一であってもよい。溶接過程において、まず、前フレームと後フレームをそれぞれ水冷板の2つの短辺に溶接し、そして左フレームと右フレームをそれぞれ水冷板の2つの長辺及び前後のフレームに溶接する。当該溶接の過程中、前後のフレームと水冷板の四隅との間は、溶接切り欠きを形成するため、筐体の気密性を確保するために、アーク溶接(TIG溶接とも称される)プロセスを採用して当該切り欠きを塞ぐ必要がある。当該実施形態において、アーク溶接は、アークのエネルギーが高く、筐体の変形を招きやすく、かつ、溶接によって水冷板を溶け込むリスクがあり、筐体の信頼性及び水冷板の水冷効果に影響を与えると共に、過剰なアーク溶接も筐体の重量増加を招き、電池のエネルギー密度に影響する。
【0062】
これに鑑みて、本願は、熱管理部品と筐体との統合を実現するための熱管理部品を含む電池の筐体を提供する。これに加えて、当該熱管理部品の第1の辺は、外側に凸となって凸部を形成し、当該凸部が熱管理部品の第2の辺と共同で凹部を形成し、当該凹部は、接続板を収容するために用いられ、かつ当該接続板は、凸部に互いに接続されて接続板と熱管理部品との間の接続を実現できる。溶接プロセスによって接続板と熱管理部品との間の接続を実現する場合、前記の熱管理部品の設計により、当該接続板と熱管理部品との間的溶接口は、熱管理部品の第1の辺に位置することがなく、当該熱管理部品の第1の辺は、他の構造部材との相互接続を実現できるが、筐体の封止性に影響を与える切り欠きを導入せず、アーク溶接等の余分な工程で当該切り欠きを塞ぐ処理が不要である。したがって、本願実施例に提供される筐体は、比較的に高い信頼性、比較的に小さい重量及び比較的に高いエネルギー密度を有することができる。
【0063】
本願実施例に説明される技術案は、電池を使用する様々な装置、例えば、電気自動車、電動工具、電気自動車、船舶、及び、例えば、飛行機、ロケット、スペースシャトル及び宇宙船等を含む宇宙機に適用できる。
【0064】
理解されるように、本願実施例に記述される技術案は、上記の装置に適用可能であるだけでなく、電池を使用するすべての装置にも適用可能であり、説明を簡潔にするために、以下の実施例はすべて電気自動車を例として説明する。
【0065】
例えば、図1に示すように、本願の一実施例の1種の車両1の構造概略図であり、車両1は、ガソリン自動車、天然ガス自動車または新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純粋な電気自動車、ハイブリッド自動車またはレンジエクステンダー電気自動車などであってもよい。車両1の内部にはモータ11、コントローラ12及び電池10が設けられてもよく、コントローラ12は、電池10のモータ11への給電を制御するために用いられる。例えば、車両1の底部または頭部または後部に電池10を設けてもよい。電池10は、車両1への給電に用いられもよく、例えば、電池10は、車両1の動作電源として車両1の電気系統、例えば、車両1の始動時、ナビゲーション時、走行時の作業用電力に用いられる。本願の別の一実施例において、電池10は、車両1の動作電源だけではなく、車両1の駆動用電源としても機能し、ガソリンや天然ガスの代替又は部分的な代替として車両1に駆動力を提供することが可能である。
【0066】
さまざまな電力ニーズを満たすために、電池は、複数の電池セルを含んでもよく、そのうち、複数の電池セル同士は、直列接続または並列接続または直並列接続であってもよく、直並列接続とは、直列接続と並列接続の混合を意味する。電池は、電池パックとも称される。任意に、まず、複数の電池セルを直列接続または並列接続または直並列接続して電池モジュールを構成してから、複数の電池モジュールをさらに直列接続または並列接続または直並列接続して電池を構成してもよい。つまり、複数の電池セルは、直接電池を構成してもよく、まず電池モジュールを構成し、そして電池モジュールから電池を構成してもよい。
【0067】
例えば、図2に示すように、本願の一実施例の1種の電池10の構造概略図であり、電池10は、複数の電池セル20を含んでもよい。電池10は、筐体100(カバー体とも称される)をさらに含んでもよく、筐体100内部は、中空構造であり、複数の電池セル20は、筐体100内に収容されている。図2に示すように、筐体100は、それぞれ第1の部分101、第2の部分102と称される2つの部分を含み、第1の部分101と第2の部分102は、係合されていってもよい。第1の部分101と第2の部分102の形状は、複数の電池セル20を組み合わせてなる形状によって決められることができ、第1の部分101と第2の部分102は、いずれも1つの開口を有してもよい。例えば、第1の部分101と第2の部分102は、いずれも中空の直方体で、かつそれぞれの1つの面だけが開口面であり、第1の部分101の開口と第2の部分102の開口が対向するように設けられ、かつ第1の部分101と第2の部分102が互いに係合して密閉したキャビティを有する筐体100を形成してもよい。複数の電池セル20を互いに並列接続または直列接続又は直並列接続した後第1の部分101と第2の部分102が係合して形成された筐体100内に放置する。
【0068】
任意に、電池10は、他の構造をさらに含んでもよく、ここでは詳しく説明しない。例えば、当該電池10は、複数の電池セル20同士の電気接続、例えば、直列接続または並列接続または直並列接続を実現するためのバス部品をさらに含んでもよい。具体的に、バス部品は、電池セル20の電極端子を接続することによって電池セル20同士の電気接続を実現できる。さらに、バス部品は、溶接によって電池セル20の電極端子に固定することができる。複数の電池セル20の電気エネルギーは、導電手段によってケースを貫通してさらに引き出されてもよい。任意に、導電手段は、バス部品に属することもできる。
【0069】
さまざまな電力ニーズに応じて、電池セル20の数は、任意の数に設定することができる。複数の電池セル20は、より大きい容量又は電力を実現するために、直列接続、並列接続又は直並列接続の形態で接続されてもよい。各電池10に含まれる電池セル20の数が多い場合があるため、取り付けを容易にするために、電池セル20をグループ化して配置することができ、各グループの電池セル20は電池モジュールを構成する。電池モジュールに含まれている電池セル20の数は、限られず、必要に応じて設定できる。
【0070】
図3は、本願の一実施例の電池セル20の構造概略図を示す。
【0071】
図3に示すように、電池セル20は、1つ又は複数の電極アセンブリ22、ケース211及び蓋板212を含む。ケース211の壁及び蓋板212は、いずれも電池セル20の壁と称される。ケース211は、1つ又は複数の電極アセンブリ22を組み合わせてなる形状によって決められ、例えば、ケース211は、中空の直方体または立方体または円柱体であり、かつケース211の1つの面が1つ又は複数の電極アセンブリ22をケース211内に放置できるような開口を有しもよい。例えば、当ケース211が中空の直方体または立方体である場合、ケース211の1つの平面は、開口面であり、つまり、当該平面には壁体がないため、ケース211の内外は、連通している。ケース211が中空の円柱体である場合、ケース211の端面は、開口面であり、つまり、当該端面には壁体がないため、ケース211の内外は、連通している。蓋板212は、電極アセンブリ22を放置するための密閉されたキャビティ体を形成するように開口を覆い、かつケース211に接続されている。ケース211内には電解質、例えば、電解液が充填されている。
【0072】
当該電池セル20は、2つの電極端子214をさらに含んでもよく、2つの電極端子214は、蓋板212に設けられてもよい。蓋板212は、通常、平板状であり、2つの電極端子214は、蓋板212の平板面に固定されており、2つ電極端子214は、それぞれ正極端子214aと負極端子214bである。電極アセンブリ22と電極端子214との電気接続を実現するために、各電極端子214に対応して、蓋板212と電極アセンブリ22との間に位置し、集電部材23とも呼ばれる接続部材23がそれぞれ1つ設けられている。
【0073】
図3に示すように、各電極アセンブリ22は、第1のタブ221aと第2のタブ222aを有する。第1のタブ221aは、第2のタブ222aと反対な極性を有する。当該電池セル20において、実際の使用ニーズに応じて、電極アセンブリ22は、1つ又は複数に設けられてもよく、例えば、図3に示すように、電池セル20には4つの独立な電極アセンブリ22が設けられている。
【0074】
例として、電池セル20の1つの壁には圧力開放手段213が設けられてもよい。圧力開放手段213は、電池セル20の内圧や温度が閾値に逹した時に動作して内圧や温度を開放するために用いられる。
【0075】
任意に、本願の一実施例において、圧力開放手段213と電極端子214は、電池セル20の同一壁に設けられている。例えば、図3に示すように、電極端子214と圧力開放手段213は、いずれも電池セル20の頂壁、即ち蓋板212に設けられてもよい。任意に、本願の別の一実施例において、圧力開放手段213と電極端子214は、電池セル20の異なる壁に設けられている。
【0076】
任意に、電池セル20から発生するガスが多すぎてケース211の内圧が上昇して閾値に達した場合、又は、電池セル20の内部反応により発熱して電池セル20内部温度が上昇して閾値に逹した場合、圧力開放手段213は、切り込みで破断してケース211の内外が連通し、ガス圧力及び温度は、圧力開放手段213の破断により外部に放出され、さらに電池セル20の爆発を避ける。
【0077】
図4は、本願の一実施例の電池10の筐体100の構造概略図を示す。
【0078】
図4に示すように、本願実施例において、電池10の筐体100は、流体を収容して電池10の温度を調整するための熱管理部品110を含み、当該熱管理部品110の第1の辺1101の端部領域には第1の方向xに沿って外側に凸となる凸部111が設けられており、当該第1の方向xは、熱管理部品110の第1の辺1101に平行し、凸部111は、熱管理部品110の第2の辺1102と共同で凹部112を形成する。熱管理部品110の他、筐体100は、熱管理部品110の凹部112内に収容され、かつ熱管理部品110の第2の辺1102と凸部111に接続されている接続板120をさらに含む。
【0079】
具体的に、図4に示す実施例において、熱管理部品110は、板状構造であってもよく、当該板状構造は、筐体100の壁として機能して電池セル20及び電池10の他のアセンブリを収容するための規則的な収容空間を形成することに容易である。
【0080】
任意に、熱管理部品110の熱管理機能を実現するために、当該熱管理部品110の内部に流路キャビティが形成されてもよく、当該流路キャビティは、熱管理部品110の内部に分散して設けられてもよい。かつ、当該流路キャビティには筐体100中の電池セル20及び他の電気部品の熱管理を実現するための流体が収容されもよい。
【0081】
例えば、いくつかの実施形態において、当該流体は、液体であってもよい。当電池10における電池セル20が動作状態にある時、その内部の電気化学反応により、電池セル20全体の温度が高くなく、一定の安全リスクが生じると共に、電池セル20の運転性能にも影響を与える。この場合、熱管理部品110中の液体は、電池セル20を冷却して降温する役割を果たし、電池セル20の運行を確保し、かつ電池セル20の安全性を向上させる。
【0082】
当該熱管理部品110について、本願実施例において、これは、筐体100のいずれの壁の形成に用いられる。任意に、当該熱管理部品110は、筐体100のより大きい面積を有する壁の形成に用いられてもよく、これにより、筐体100内部の電気部品に対する熱管理部品110の熱管理効果を向上させる。
【0083】
熱管理部品110の他、図4に示すように、筐体100は、接続板120をさらに含み、当該接続板120と熱管理部品110の相互接続を実現し、かつ共同で筐体100の1つの壁を形成するために、両者は、面一である。
【0084】
任意に、当該接続板120には流体が収容されておらず、これにより、当該接続板120は、より高い強度と剛性を有し、筐体100全体の強度と剛性を向上させ、また、当該接続板120に対して、接続板120と熱管理部品110との間の接続を実現するための溶接等プロセスを行うことも、便利である。
【0085】
接続板120と熱管理部品110の間の接続を実現するために、図4に示すように、熱管理部品110を、非通常の四角形の板状構造に設計する。具体的に、通常な四角形の板状構造に加えて、当該熱管理部品110の第1の辺1101の端部領域には当該第1の辺1101と平行な第1の方向xに凸となる凸部111が形成されている。当該凸部111も板状構造であってもよく、熱管理部品110と面一である。
【0086】
凸部111を形成すると同時に、当該凸部111と熱管理部品110の第2の辺1102は、凹部112を形成しており、当該凹部112の形状のサイズは、接続板120の形状のサイズに適合させることができ、例えば、当該凹部112の形状サイズは、当該接続板120が凹部112内に良好に収容され、かつ熱管理部品110の凸部111及び第2の辺1102に互いに接続されるために、接続板120の形状サイズと同じであってもよい。
【0087】
本願実施例の技術案によれば、熱管理部品110と筐体100の統合を実現するために、電池10の筐体100には熱管理部品110が含まれており、当該熱管理部品110によって筐体100内部の電気部品の熱管理を実現すると共に、筐体100の内部空間を節約して電池10のエネルギー密度を高める。これに加えて、当該熱管理部品110的第1の辺1101は、当該第1の辺1101と平行な第1の方向xに凸となって凸部111を形成し、かつ当該凸部111は、熱管理部品110の第2の辺1102と共同で凹部112を形成する。当該凹部112は、接続板120に収容され、かつ当該接続板120は、凸部111及び第2の辺1102に互いに接続されて接続板120と熱管理部品110の間の接続を実現してもよい。溶接プロセスによって接続板120と熱管理部品110の間の接続を実現する場合、前述した熱管理部品110の設計により、当該接続板120と熱管理部品110との間の溶接口は、熱管理部品110の第1の辺1101に位置することがなく、当該熱管理部品110の第1の辺1101は、他の構造部材との相互接続を実現できるが、筐体100の封止性に影響を与える切り欠きを導入せず、アーク溶接等の余分な工程で当該切り欠きを塞ぐ必要がない。したがって、本願実施例の技術案によれば、切り欠きを塞ぐためのアーク溶接による筐体100の変形や筐体100の重量の増加等の問題を避けることができ、本願実施例に提供される筐体100は、比較的に高い信頼性を有し、比較的に小さい重量及び比較的に高いエネルギー密度を有することができる。
【0088】
任意に、いくつかの実施形態において、接続板120は、撹拌摩擦接合(Friction Stir Welding、FSW)プロセスによって熱管理部品110の第2の辺1102及び凸部111に溶接されてもよい。
【0089】
FSWプロセスは、溶接シームの長い溶接を容易に実現でき、かつ溶接信頼性が高い。したがって、当該実施形態の技術案において、FSWプロセスは、接続板120と熱管理部品110との間の確実な接続を好適に実現する。また、FSWプロセスは、入熱が小さく、かつ熱影響領域が比較的に小さいため、接続板120と熱管理部品110の変形も相対的に小さく、両者の間の溶接歩留まりが高く、筐体100の使用信頼性の向上及び製造コストの低減に有利である。また、熱管理部品110にとって、FSWプロセスによる変形が小さいため、FSWプロセスによる当該熱管理部品110内の流路キャビティへの影響も小さく、当該FSWプロセスは、流路キャビティの溶接溶け込みを起こすことがなく、筐体100の製造歩留まり及び使用信頼性をさらに確保する。
【0090】
接続板120がFSWプロセスで熱管理部品110に溶接されている場合、前述したように、当該FSWプロセスによる熱管理部品110への影響が小さいため、任意に、当該熱管理部品110における流路キャビティは、薄肉に設計されてもよく、例として、当該流路キャビティのキャビティ壁の厚さは、1.5mm以下であってもよい。
【0091】
当該実施形態の技術案によれば、熱管理部品110中の流路キャビティを薄肉に設計するで、熱管理部品110全体の質量を低減し、筐体100の電気装置への取り付けが便利になり、電池10のエネルギー密度もさらに高めることができる。
【0092】
図5は、本願の別の一実施例に提供される電池10の筐体100の構造概略図を示す。
【0093】
図5に示すように、本願実施例において、接続板120には取付ビーム121が設けられており、当該取付ビーム121は、熱管理部品110の第2の辺1102と平行な第2の方向yに沿って延出し、当該取付ビーム121は、電池10における部品を取り付けるために用いられる。
【0094】
任意に、本願実施例において、電池10における電池セル20は、筐体100における熱管理部品110に対応するように設けられ、熱管理部品110には流体が収容されているため、当該熱管理部品110に電池セル20又は電池セル20からなる電池モジュールを固定・取り付けるための関連固定構造を設けることは容易ではない。これに鑑みて、筐体100中の電池セル20の取付安定性を向上させるために、接続板120には、電池10における電池セル20又は電池モジュールを取り付けるための取付ビーム121が設けられている。
【0095】
また、前述した電池10における電池セル20を取り付けるための取付ビーム121の他、当該接続板120には、さらに筐体100の他の部分を取り付けるための取付ビーム121が設けられてもよい。例として、本願実施例において、熱管理部品110と接続板120は、筐体100の底板を形成するために用いられ、当該底板と筐体100の上蓋を互いに接続するように取り付けることを容易にするために、当該接続板120には筐体100の上蓋を取り付けるための取付ビーム121が設けられている。
【0096】
任意に、図5に示すように、接続板120には2つの取付ビーム121が設けられており、そのうち、熱管理部品110に近い方の1つの取付ビーム121は、電池セル20又は電池モジュールを取り付けるために用いられ、熱管理部品110から離れたもう1つの取付ビーム121は、筐体100の他の部分を取り付けるために用いられてもよい。
【0097】
また、前記の2つの取付ビーム121は、いずれも熱管理部品110の第2の辺1102と平行な第2の方向yに沿って延出しているため、当該取付ビーム121の配置は、熱管理部品110の第2の辺1102に適合させることができ、かつ当該取付ビーム121は、比較的に長い延出長さを有し、電池セル20及び筐体100の他の部分の当該取付ビーム121への取付安定性を向上させる。
【0098】
以上をまとめると、本願実施例の技術案によれば、接続板120に取付ビーム121を設けることで、電池10における関連部品の取り付き、例えば、電池セル20及び筐体100の他の部分の取り付きを実現でき、当該関連部品の取付安定性を確保すると共に、熱管理部品110が当該関連部品の取付過程からの影響を受けないことも確保するため、当該熱管理部品110は、筐体100中の電池セル20に対して良好な熱管理機能を発揮できる。
【0099】
任意に、いくつかの実施形態において、前記の取付ビーム121と接続板120は、一体的に統合した構造である。
【0100】
例として、当該取付ビーム121と接続板120は、いずれも金属材料であり、両者は、一体成型プロセスによって製造して一体的に統合した構造を形成することができる。任意に、当該取付ビーム121と接続板120は、いずれもアルミニウム材料であり、当該取付ビーム121は、アルミニウム押出プロセスによって接続板120に形成し、一体的に統合した構造となる。
【0101】
当該実施形態の技術案によれば、取付ビーム121と接続板120を一体的に統合した構造に設計することで、接続板120上での取付ビーム121の接続強度を高め、電池10における関連部品の取付安定性をさらに向上させ、電池10の使用信頼性を向上させる。
【0102】
図6は、本願の別の一実施例に提供される電池10の筐体100の構造概略図を示す。
【0103】
図6に示すように、本願実施例において、筐体100は、熱管理部品110の凸部111に設けられ、かつ取付ビーム121に当接する取付ブロック122をさらに含み、当該取付ブロック122は、取付ビーム121と互いに協力し、かつ電池10における部品を取り付けるために用いられる。
【0104】
具体的に、本願実施例において、接続板120と熱管理部品110の間の良好な接続を実現するために、当該接続板120の厚さは、熱管理部品110の厚さと近く、又は同じであってもよい。当接続板120が熱管理部品110の凹部112に収容された後、当該接続板120上の取付ビーム121は、接続板120と熱管理部品110が位置する平面より高い。接続板120が取付ビーム121によって筐体100の他の部分に互いに接続された後、当該凸部111と筐体100の他の部分との間は切り欠きを形成する。
【0105】
したがって、当該切り欠きによる筐体100の気密性の問題を避けるために、当該凸部111に対応する位置には取付ビーム121に当接する取付ブロック122が設けられており、これは、凸部111と筐体100他の部分との間の切り欠きを塞ぐだけではなく、筐体100の気密性も確保し、取付ビーム121と共同で電池10における部品の取り付きに用いられて電池10における関連部品の筐体100中の取付安定性を向上させることができる。
【0106】
任意に、図6に示すように、当該取付ブロック122の第1の方向xの幅さサイズは、取付ビーム121の第1の方向xの幅さサイズと近く、又は同じであってもよい。取付ブロック122を凸部111に固定して設けた後、当該取付ブロック122は、取付ビーム121の第2の方向yに沿って凸部111に延出した延出部と見なされる。
【0107】
いくつかの実施形態において、取付ブロック122の凸部111への固定を実現するために、前記の取付ブロック122は、アーク溶接プロセスによって凸部111に溶接されてもよい。
【0108】
具体的に、当該アーク溶接プロセスは、作業が柔軟で適応性が高く、当該小型な取付ブロック122の溶接に好適に適応でき、凸部111上での当該取付ブロック122のより良好な溶接効果を実現でき、凸部111上での取付ブロック122の接続強度を高める。
【0109】
取付ブロック122が凸部111に溶接された後、図7は、図6のA-A’方向に沿った概略的な局所断面図を示す。
【0110】
図7に示すように、本願実施例において、凸部111には水口キャビティ1103が設けられており、当該水口キャビティ1103の取付ブロック122に対向するキャビティ壁は、厚肉に設計されてもよく、例として、当該水口キャビティ1103の取付ブロック122に対向するキャビティ壁の厚さは、2mm以上であってもよい。
【0111】
比較を容易にするために、図7には熱管路部品110中の流路キャビティ1104が示されており、前文の実施例の関連記述を参照すると、当該流路キャビティ1104のキャビティ壁は、薄肉に設計されてもよいため、当該流路キャビティ1104のキャビティ壁の厚さは、水口キャビティ1103の取付ブロック122に対向するキャビティ壁の厚さより小さくてもよい。
【0112】
具体的に、本願実施例において、水口キャビティ1103は、熱管理部品110の進水口キャビティ又は出水口キャビティであってもよく、熱管理部品110において、流路キャビティ1104中の流体は、当該水口キャビティ1103を通じて進入又は排出する。
【0113】
取付ブロック122をアーク溶接プロセスで凸部111に溶接する過程において、アーク溶接の温度が比較的に高いため、アーク溶接プロセスによる凸部111への影響を軽減するために、特にアーク溶接プロセスによる凸部における水口キャビティ1103への影響を軽減するために、当該水口キャビティ1103の取付ブロック122に対向するキャビティ壁の厚さは、大きく、水口キャビティ1103の溶接溶け込みを起こしないことを確保し、当該水口キャビティ1103から流路キャビティ1104への流体の流入を円滑に行うことを確保し、熱管理部品110の熱管理機能を確保することができる。
【0114】
任意に、図7を引き続き参照すると、当該水口キャビティ1103の取付ブロック122から離れたキャビティ壁は、アーク溶接プロセスからの影響が少なく、その厚さは、熱管理部品110全体の質量を低減するために、水口キャビティ1103の取付ブロック122に近いキャビティ壁の厚さより小さくてもよい。例として、図7に示す実施例において、当該水口キャビティ1103の取付ブロック122から離れたキャビティ壁の厚さは、流路キャビティ1104のキャビティ壁の厚さと近く、又は同じであり、1.5mm以下であってもよい。
【0115】
前記の図4に示す電池10の筐体100に基づき、図8は、本願の別の一実施例に提供される電池10の筐体100の構造概略図を示す。
【0116】
図8に示すように、本願実施例において、熱管理部品110は、互いに平行な2つ第1の辺1101を含み、当該の2つ第1の辺1101の同側に位置する端部領域には第1の方向xに沿って外側に凸となる凸部111が設けられており、熱管理部品110の第2の辺1102は、凹部112を形成するように当該2つ凸部111に接続されている。
【0117】
具体的に、本願実施例において、熱管理部品110は、2つの軸対称に設けられた凸部111を含む。当該の2つの凸部111は、熱管理部品110の第2の辺1102と共同で接続板120を収容するための凹部112を形成する。
【0118】
本願実施例の技術案によれば、当該接続板120と熱管理部品110の間の溶接口は、熱管理部品110の2つの第1の辺1101に位置することがなく、当該熱管理部品110の2つ第1の辺1101は、いずれも他の構造部材との相互接続を実現し、筐体100の構造信頼性を確保できるが、筐体100の封止性に影響を与える切り欠きを導入しない。当該技術案によれば、筐体100の使用信頼性をさらに向上させることができる。
【0119】
当該図8に示す実施例に加えて、図9は、本願の別の一実施例に提供される電池10の筐体100の構造概略図を示す。
【0120】
図9に示すように、本願実施例において、熱管理部品110の2つ第1の辺1101の各第1の辺1101の両側に位置する端部領域にはそれぞれ第1の方向xに沿って外側に凸となる凸部111が設けられており、熱管理部品110は、互いに平行する2つの第2の辺1102を含み、当該の2つの第2の辺1102の各第2の辺1102は、それぞれ1つの凹部112を形成するように2つ凸部111に接続されている。
【0121】
具体的に、本願実施例において、熱管理部品110の2つ第1の辺1101は、合計4つの凸部111を形成する。当該の4つの凸部111は、それぞれ熱管理部品110の2つの第2の辺1102と共同で2つの凹部112を形成し、当該の2つの凹部112の各凹部112は、1つの接続板120を収容するために用いられる。
【0122】
任意に、本願実施例において、2つの接続板120のサイズは、同じであっても異なってもよく、そのサイズは、実際に応じて設計してもよい。
【0123】
理解されるように、本願実施例において、2つの接続板120には取付ビーム121が設けられてもよい。これに加えて、4つの凸部111のそれぞれには取付ビーム121に対応する取付ブロック122が設けられてもよい。
【0124】
本願実施例の技術案によれば、熱管理部品110の2つの第2の辺1102は、それぞれ2つの接続板120を収容するための凹部112を形成してもよく、当該2つの接続板120と熱管理部品110との相互溶接は、いずれも溶接切り欠きを導入せず、筐体100の気密性を確保する。これと共に、当該の2つの接続板120上の取付ビーム121により電池10における関連部品の取付を実現し、電池10における関連部品の取付安定性をさらに向上させることができる。
【0125】
当該の図9に示す実施例に加えて、図10は、本願の別の一実施例に提供される電池10の筐体100の構造概略図を示す。
【0126】
図10に示すように、2つの接続板120の各接続板120には、いずれも2つの取付ビーム121が設けられている。各接続板120上の熱管理部品110に近い取付ビーム121は、筐体100内部の電池セル20又は電池セル20からなる電池モジュールを取り付けるために用いられ、熱管理部品110の両端にそれぞれ電池セル20又は電池モジュールを取り付けるための取付ビーム121を設けるで、電池セル20の筐体100中の取付安定性を向上させることができる。
【0127】
類似に、各接続板120上の熱管理部品110から離れた取付ビーム121は、筐体100の他の部分を取り付けるために用いられ、同様に熱管理部品110と接続板120の全体と、筐体100の他の部分との間の接続信頼性を向上させることができる。
【0128】
引き続き図10を参照すると、接続板120に取付ビーム121が設けられていることに加え、4つの凸部111中の各凸部には、接続板120上の2つの取付ビーム121と互いに協力して電池10における関連部品の取付を実現し、かつ筐体100の封止性を確保するために、2つの取付ブロック122が設けられている。
【0129】
図11は、本願の一実施例に提供される1種の接続板120の概略的な構造図を示す。
【0130】
図11に示すように、本願実施例において、接続板120には複数の中空キャビティ構造が設けられてもよい。接続板120に中空キャビティ構造を設けることで、接続板120及びこれを搭載した筐体100の質量を低減し、電池10のエネルギー密度を高める。これに加えて、接続板120中の隣接する中空キャビティ構造同士の壁は、接続板120を支持するために用いられ、接続板120の剛性と強度を確保する。
【0131】
また、接続板120上の取付ビーム121も中空キャビティ構造を有してもよく、これにより、接続板120及びこれを搭載した筐体100の質量をさらに低減する。
【0132】
図11に示すように、取付ビーム121の第2の方向yの延出長さは、接続板120の第2の方向yの長さより若干短くでもよく、当該取付ビーム121の第2の方向yの両端は、いずれも接続板120の第2の方向yの2つの辺に達しておらず、接続板120が熱管理部品110中の凸部111に当接する時、取付ビーム121の端部と当該凸部111との間は隙間を有する。当該実施形態では、接続板120と熱管理部品110の凸部111との溶接を実現するために、FSWプロセスに必要な攪拌ヘッドは、当該隙間に設けられてもよい。
【0133】
前述した本願実施例において、熱管理部品110は、全て一体的な構造であり、任意に、他の代替的な実施形態において、熱管理部品110は、互いに溶接されている少なくとも2つの部分を含んでもよい。
【0134】
図12は、本願の一実施例に提供される2種の熱管理部品110の構造概略図を示す。
【0135】
図12に示すように、本願実施例において、熱管理部品110は、互いに溶接している少なくとも2つの部分を含み、当該の少なくとも2つの部分の間の溶接シーム1105は、第1の辺1101に平行し、かつ第2の辺1102に垂直する。
【0136】
任意に、本願実施例において、熱管理部品110の少なくとも2つの部分は、FSWプロセスによって互いに溶接されてもよく、当該FSWプロセスは、熱管理部品110に対する影響が小さく、溶接後の熱管理部品110の性能を確保できる。
【0137】
図12の(a)図に示すように、当該実施例において、熱管理部品110は、2つの部分を含み、当該の2つの部分は、溶接シーム1105に対して軸対称である。当熱管理部品110と接続板120が互いに溶接された後、熱管理部品110の第2の辺1102も溶接シームを形成する。したがって、溶接シーム1105が第2の辺1102に垂直する場合、溶接シーム1105も第2の辺1102に形成された溶接シームに垂直する。当該実施形態において、熱管理部品110は、「I」字型の溶接シームを形成してもよく、これにより、筐体100の溶接シーム強度を強化し、筐体100の全体強度をさらに向上させる。
【0138】
図12の(b)図に示すように、当該実施例において、熱管理部品110は、3つの部分を含み、当該の3つの部分は、互いに溶接された後、2本の溶接シーム1105を形成し、当該の2本の溶接シーム1105は、互いに平行し、かついずれも第2の辺1102に垂直する。当該実施形態において、熱管理部品110は、「□」字型の溶接シームを形成してもよく、これにより、筐体100の溶接シーム強度を強化し、筐体100の全体の強度をさらに向上させる。
【0139】
本願実施例の技術案によれば、熱管理部品110の面積が比較的に大きい場合、熱管理部品110を複数の部分に分けて別々に製造してもよく、これにより、各部分の製造歩留まりを確保し、ひいては熱管理部品110の全体性能を確保する。一方、熱管理部品110には、「I」字型の溶接シームが形成されてもよく、これにより、筐体100の溶接シーム強度を強化し、筐体100の全体強度をさらに向上させる。
【0140】
なお、前記の図12は、限定ではなく例だけとして、2種の熱管理部品110の構造及び溶接シーム形態を示し、熱管理部品110は、類似な形態でより多い部分に分割されてもよく、本願実施例は、熱管理部品110中の部分の数及び分割方式に対する具体的な限定がない。
【0141】
図13は、本願のもう1つの実施例に提供される電池10の筐体100の構造概略図を示す。
【0142】
図13に示すように、本願実施例において、熱管理部品110の第1の辺1101及び凸部111には、第1の方向xに沿って延出する支持ビーム130が設けられている。
【0143】
具体的に、本願実施例において、支持ビーム130は、一体的な構造であり、第1の方向xに沿って延出し、熱管理部品110の第1の辺1101及び凸部111に設けられ、かつ当該支持ビーム130の第1の方向xにおける延出長さは、第1の辺1101の長さと凸部111の第1の方向xにおける長さの合計であってもよい。当該支持ビーム130は、第1の方向xに筐体100全体を支持し、かつ筐体100全体の剛性と強度を向上させ、筐体100の使用信頼性を確保することができる。
【0144】
任意に、いくつかの実施形態において、支持ビーム130と熱管理部品110は、一体的に統合した構造である。
【0145】
例として、当該支持ビーム130と熱管理部品110は、いずれも金属材料であり、両者は、一体成型プロセスで製造することができ、これにより、一体的な構造を形成する。任意に、当該支持ビーム130と熱管理部品110は、いずれもアルミニウム材料であり、当該支持ビーム130は、アルミニウム押出プロセスによって熱管理部品110に形成されてもよく、これにより、一体的な構造を形成する。
【0146】
当該実施形態の技術案によれば、支持ビーム130と熱管理部品110を一体的な構造に設計することで、熱管理部品110上での支持ビーム130の接続強度を向上させて筐体100の全体の剛性と強度を向上させ、筐体100の使用信頼性を確保する。
【0147】
図13に示すように、任意に、当該実施形態において、熱管理部品110は、図12の(a)図に示す構成のように、互いに溶接できる2つの部分を含み得る。当該熱管理部品110は、2つの接続板120を収容するための4つの凸部111及び2つの凹部112を含む。
【0148】
具体的に、当該実施形態において、接続板120、熱管理部品110、及び取付ビーム121、取付ブロック122等の部品の関連技術案は、前記実施例の関連説明を参照され、ここでは詳しく説明しない。
【0149】
理解されるように、図13に示す実施例において、取付ブロック122が凸部111に溶接されている場合、その第2の方向yに沿った両端は、筐体100的気密性を確保するために、それぞれ支持ビーム130及び取付ビーム121に当接してもよい。
【0150】
当該図13に示す実施例に基づき、図14は、本願のもう1つの実施例に提供される電池10の筐体100の構造概略図を示す。
【0151】
図14に示すように、本願実施例において、熱管理部品110と接続板120は、互いに接続されて筐体100の底板1001を形成する。
【0152】
当該底板1001に対して、筐体100は、上蓋1002をさらに含み、当該上蓋1002は、底板1001と互いに係合して電池セル20、又は、複数の電池セル20から形成された電池モジュール201を収容するための空間を形成する。
【0153】
任意に、当該底板1001は、筐体100の比較的大きな面積を有する壁であり得、これにより、電池セル20又は電池モジュール201により安定的な支持を提供でき、かつ筐体100の電気装置中の取付安定性を向上させる。
【0154】
また、当該実施形態の技術案によれば、電池10が使用状態にあるとき、底板1001及び当該底板1001上の熱管理部品110は、筐体100の重力方向に向ける側に位置し、当該熱管理部品110は、比較的に大きい面積を有し得るため、比較的に良好な熱管理効果を実現でき、一方、電池モジュール201内のある電池セル20が作動し、その内部の高温排出物が熱管理部品110に損傷を与えたとしても、熱管理部品110から漏れた流体は、他の電池セル20に影響を与えず、他の電池セル20の正常な動作を確保する。
【0155】
任意に、前記の本願の各実施例において、熱管理部品110及び接続板120の材料は金属アルミニウムであってもよい。当該金属アルミニウム材料は、前述したように、アルミニウム押出プロセスによる接続板120上の取付ビーム121の形成、及び、熱管理部品110上の支持ビーム130の形成を容易にすることに加えて、当該アルミニウム材料は、軽量で、熱伝導性が良く、加工が容易で、耐食性に優れ、かつ、強度が優れている等の利点を有するため、アルミニウム材料を利用して製造して形成された熱管理部品110は、強度及び熱伝導性能等の両方の要件を満たすことができ、かつ筐体100の一部として筐体100に一体化されるのにも適している。
【0156】
本願の一実施例は、電池セル20及び電池セル20を収容するための前記実施例に係る筐体100を含み得る電池10をさらに提供する。
【0157】
本願の一実施例は、電気装置であって、電気装置に電気エネルギーを提供するための前記実施例における電池10を含み得る電気装置をさらに提供する。
【0158】
任意に、電気装置は、車両1、船舶又は宇宙船であってもよい。
【0159】
以上、本願実施例の電池10と電気装置を説明したが、以下は、本願実施例の電池を製造する方法及び装置を説明し、そのうち、詳しく説明されていない部分は、前記の各実施例に参照されたい。
【0160】
図15は、本願の一実施例の電池を製造する方法300の流程概略図を示す。図15に示すように、当該方法300は、下記のステップを含み得る。
【0161】
S310:電池セル20を提供する。
S320:筐体100を提供する。
そのうち、当該筐体100は、流体を収容して電池セル20の温度を調整するための当該熱管理部品100であって、当該熱管理部品110の第1の辺1101の端部領域には熱管理部品110の第1の辺1101と平行な第1の方向xに沿って外側に凸となる凸部111が設けられており、かつ当該凸部111が熱管理部品110の第2の辺1102と共同で凹部112を形成する熱管理部品110と、凹部112に収容され、かつ第2の辺1102と凸部111に接続される接続板120とを含む。
S330:電池セル20を筐体100に収容する。
【0162】
図16は、本願の一実施例の電池を製造する装置400の概略ブロック図を示す。図16に示すように、電池を製造する装置400は、提供モジュール410と取付モジュール420を含み得る。
【0163】
具体的に、提供モジュール410は、電池セル20と筐体100を提供するために用いられる。
【0164】
そのうち、当該筐体100は、流体を収容して電池セル20の温度を調整するための熱管理部品100であって、当該熱管理部品110の第1の辺1101の端部領域には熱管理部品110的第1の辺1101に平行する第1の方向xに沿って外側に凸となる凸部111が設けられており、かつ当該凸部111と熱管理部品110の第2の辺1102が凹部112を形成する熱管理部品110と、凹部112に収容され、かつ第2の辺1102と凸部111に接続される接続板120とを含む。
【0165】
取付モジュール420は、電池セル20を筐体100に収容するために用いられる。
【0166】
好ましい実施例を参照して本願を説明してきたが、本願の範囲から逸脱することなく、様々な修正を行うことができ、その部品を等同物で置き換えることができる。特に、構造的な矛盾がない限り、各実施例で言及された各技術特徴を任意の方法で組み合わせることができる。本願は、本明細書に開示される特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲に含まれるすべての技術案を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12(a)】
図12(b)】
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2024-03-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池の筐体(100)であって、
流体を収容して前記電池の温度を調整するための熱管理部品(110)であって、前記熱管理部品(110)の第1の辺(1101)の端部領域には前記熱管理部品(110)の第1の辺(1101)と平行な第1の方向(x)に沿って外側に凸となる凸部(111)が設けられており、前記凸部(111)が前記熱管理部品(110)の第の辺(1102)と凹部(112)を形成する熱管理部品(110)と、
前記凹部(112)内に収容され、かつ前記第の辺(1102)及び前記凸部(111)に接続されている接続板(120)と、
を含む、電池の筐体(100)。
【請求項2】
前記接続板(120)は、攪拌摩擦接合プロセスによって前記第の辺(1102)と前記凸部(111)に溶接されている、請求項1に記載の筐体(100)。
【請求項3】
前記熱管理部品(110)には流路キャビティ(1104)が設けられており、前記流路キャビティ(1104)のキャビティ壁の厚さは1.5mm以下である、請求項1又は2に記載の筐体(100)。
【請求項4】
前記接続板(120)には取付ビーム(121)が設けられており、前記取付ビーム(121)は、前記第の辺(1102)と平行な第2の方向(y)に沿って延出しており、かつ前記電池における部品を取り付けるために用いられる、請求項1に記載の筐体(100)。
【請求項5】
前記取付ビーム(121)と前記接続板(120)が一体的に統合した構造である、請求項4に記載の筐体(100)。
【請求項6】
前記筐体(100)は、前記凸部(111)に設けられ、前記取付ビーム(121)に当接する取付ブロック(122)をさらに含み、前記取付ブロック(122)と前記取付ビーム(121)が互いに協力し、かつ前記電池における部品を取り付けるために用いられる、請求項4に記載の筐体(100)。
【請求項7】
前記取付ブロック(122)は、アーク溶接プロセスによって前記凸部(111)に溶接されている、請求項6に記載の筐体(100)。
【請求項8】
前記凸部(111)内には水口キャビティ(1103)が設けられており、前記水口キャビティ(1103)の前記取付ブロック(122)に対向するキャビティ壁の厚さが2mm以上である、請求項7に記載の筐体(100)。
【請求項9】
前記熱管理部品(110)は、互いに平行な2つの前記第1の辺(1101)を含み、2つの前記第1の辺(1101)の同側に位置する端部領域には、前記第1の方向(x)に沿って外側に凸となる前記凸部(111)がそれぞれ設けられており、
前記第の辺(1102)は、前記凹部(112)を形成するように2つの前記凸部(111)に接続されている、請求項1に記載の筐体(100)。
【請求項10】
2つの前記第1の辺(1101)の各前記第1の辺(1101)の両側に位置する端部領域には、前記第1の方向(x)に沿って外側に凸となる前記凸部(111)がそれぞれ設けられており、
前記熱管理部品(110)は、互いに平行な2つの前記第の辺(1102)を含み、各前記第の辺(1102)は、それぞれ1つの前記凹部(112)を形成するように2つの前記凸部(111)に接続されている、請求項9に記載の筐体(100)。
【請求項11】
前記熱管理部品(110)は、互いに溶接されている少なくとも2つの部分を含み、前記の少なくとも2つの部分の間の溶接シームは、前記第1の辺(1101)に平行し、かつ前記第の辺(1102)に垂直する、請求項1に記載の筐体(100)。
【請求項12】
前記熱管理部品(110)の第1の辺(1101)及び前記凸部(111)には、前記第1の方向(x)に沿って延出する支持ビーム(130)が設けられている、請求項1に記載の筐体(100)。
【請求項13】
前記支持ビーム(130)と前記熱管理部品(110)が一体的に統合した構造である、請求項12に記載の筐体(100)。
【請求項14】
前記熱管理部品(110)と前記接続板(120)が前記筐体(100)の底板を形成するように互いに接続されている、請求項1に記載の筐体(100)。
【請求項15】
前記熱管理部品(110)と前記接続板(120)の材料は、アルミニウムである、請求項1に記載の筐体(100)。
【請求項16】
電池セル(20)と、及び、
前記電池セル(20)を収容するための請求項1に記載の筐体(100)と、
を含む、電池(10)。
【請求項17】
電気装置であって、
電気装置に電気エネルギーを提供するための請求項16に記載の電池(10)を含む、電気装置。
【請求項18】
電池セル(20)を提供すること、
筐体(100)を提供すること、及び、
前記電池セル(20)を前記筐体(100)に収容すること、
を含む、電池を製造する方法であって、
前記筐体(100)は、
流体を収容して前記電池の温度を調整するための熱管理部品(110)であって、前記熱管理部品(110)の第1の辺(1101)の端部領域には前記熱管理部品(110)の第1の辺(1101)と平行な第1の方向(x)に沿って外側に凸となる凸部(111)が設けられており、前記凸部(111)が前記熱管理部品(110)の第の辺(1102)と共同で凹部(112)を形成する熱管理部品(110)と、
前記凹部(112)内に収容され、かつ前記第の辺(1102)及び前記凸部(111)に接続されている接続板(120)と、
を含む、
電池を製造する方法。
【請求項19】
電池セル(20)と筐体(100)を提供するための提供モジュールと、
前記電池セル(20)を前記筐体(100)内に収容するための取付モジュールと、
を含む、電池を製造する装置であって、
前記筐体(100)は、
流体を収容して前記電池の温度を調整するための熱管理部品(110)であって、前記熱管理部品(110)の第1の辺(1101)の端部領域には前記熱管理部品(110)の第1の辺(1101)と平行な第1の方向(x)に沿って外側に凸となる凸部(111)が設けられており、前記凸部(111)が前記熱管理部品(110)の第の辺(1102)と共同で凹部(112)を形成する熱管理部品(110)と、
前記凹部(112)内に収容され、かつ前記第の辺(1102)及び前記凸部(111)に接続されている接続板(120)と、
を含む、電池を製造する装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0111
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0111】
比較を容易にするために、図7には熱管理部品110中の流路キャビティ1104が示されており、前文の実施例の関連記述を参照すると、当該流路キャビティ1104のキャビティ壁は、薄肉に設計されてもよいため、当該流路キャビティ1104のキャビティ壁の厚さは、水口キャビティ1103の取付ブロック122に対向するキャビティ壁の厚さより小さくてもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0161
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0161】
S310:電池セル20を提供する。
S320:筐体100を提供する。
そのうち、当該筐体100は、流体を収容して電池セル20の温度を調整するための当該熱管理部品110であって、当該熱管理部品110の第1の辺1101の端部領域には熱管理部品110の第1の辺1101と平行な第1の方向xに沿って外側に凸となる凸部111が設けられており、かつ当該凸部111が熱管理部品110の第2の辺1102と共同で凹部112を形成する熱管理部品110と、凹部112に収容され、かつ第2の辺1102と凸部111に接続される接続板120とを含む。
S330:電池セル20を筐体100に収容する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0164
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0164】
そのうち、当該筐体100は、流体を収容して電池セル20の温度を調整するための熱管理部品110であって、当該熱管理部品110の第1の辺1101の端部領域には熱管理部品110的第1の辺1101に平行する第1の方向xに沿って外側に凸となる凸部111が設けられており、かつ当該凸部111と熱管理部品110の第2の辺1102が凹部112を形成する熱管理部品110と、凹部112に収容され、かつ第2の辺1102と凸部111に接続される接続板120とを含む。
【国際調査報告】