(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】能動インターポーザ付きのボンデッド構造体
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20240925BHJP
H01L 25/07 20060101ALI20240925BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
H01L23/12 Q
H01L25/08 H
H01L23/12 N
H01L27/04 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518339
(86)(22)【出願日】2022-09-22
(85)【翻訳文提出日】2024-04-19
(86)【国際出願番号】 US2022076881
(87)【国際公開番号】W WO2023049812
(87)【国際公開日】2023-03-30
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518065991
【氏名又は名称】アデイア セミコンダクター ボンディング テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】ハーバ ベルガセム
(72)【発明者】
【氏名】ミルカリミ ローラ ウィルズ
【テーマコード(参考)】
5F038
【Fターム(参考)】
5F038BE07
5F038CD15
5F038EZ20
(57)【要約】
ボンデッド構造体が開示される。ボンデッド構造体は、第1の接触パッドを有する第1の半導体素子を含むのがよい。インターポーザがこのインターポーザの第1の面上の第2の接触パッドならびに第1の面と反対側のインターポーザの第2の面上の第3の接触パッド及び第4の接触パッドを有するのがよく、第2の接触パッドは、第1の接触パッドにボンディングされ、ボンデッド構造体は、第3の接触パッドにボンディングされた第5の接触パッド及び第4の接触パッドにボンディングされた第6の接触パッドを有する第2の半導体素子をさらに含むのがよい。スイッチング回路が第2の接触パッドと第3の接触パッドの第1の電気的接続と、第2の接触パッドと第4の接触パッドの第2の電気的接続を切り換えるよう構成されているのがよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボンデッド構造体であって、
第1の接触パッドを備えた第1の半導体素子を有し、
インターポーザを有し、前記インターポーザは、前記インターポーザの第1の面上に位置する第2の接触パッド及び前記第1の面と反対側の前記インターポーザの第2の面上に位置する第4の接触パッドを有し、前記第2の接触パッドは、前記第1の接触パッドにボンディングされ、
前記第3の接触パッドにボンディングされた第5の接触パッド及び前記第4の接触パッドにボンディングされた第6の接触パッドを備える第2の半導体素子を有し、
第2の接触パッドと第3の接触パッドの第1の電気的接続状態と、第2の接触パッドと第4の接触パッドの第2の電気的接続状態を切り換えるよう構成されたスイッチング回路を有する、ボンデッド構造体。
【請求項2】
前記スイッチング回路は、前記インターポーザ内に設けられている、請求項1記載のボンデッド構造体。
【請求項3】
前記スイッチング回路は、前記第1の半導体素子及び前記第2の半導体素子のうちの少なくとも一方内に設けられている、請求項1記載のボンデッド構造体。
【請求項4】
前記第2の接触パッドと前記第3の接触パッドは、互いに横方向にオフセットしている、請求項1~3のうちいずれか一に記載のボンデッド構造体。
【請求項5】
前記第1の半導体素子は、前記第1の接触パッドを含む第1の複数の接触パッドを備え、前記第2の半導体素子は、前記第5の接触パッド及び前記第6の接触パッドを含む第2の複数の接触パッドを備え、前記第1の複数の接触パッドは、第1のピッチを有し、前記第1のピッチは、前記第2の複数の接触パッドの第2のピッチに一致している、請求項1~3のうちいずれか一に記載のボンデッド構造体。
【請求項6】
前記第1の半導体素子は、前記第1の接触パッドを含む第1の複数の接触パッドを備え、前記第2の半導体素子は、前記第5の接触パッド及び前記第6の接触パッドを含む第2の複数の接触パッドを備え、前記第1の複数の接触パッドは、第1のピッチを有し、前記第1のピッチは、前記第2の複数の接触パッドの第2のピッチとは異なっている、請求項1~3のうちいずれか一に記載のボンデッド構造体。
【請求項7】
前記インターポーザは、前記第2の面上に位置する第3の複数の接触パッドを備え、前記第3の複数の接触パッドは、各々が前記スイッチング回路経由で前記第1の面上の前記第2の接触パッドに接続可能な1組の接触パッドを含み、前記接触パッド組は、前記第3の接触パッド、前記第4の接触パッド、及び1つ以上の追加の接触パッドを含む、請求項1~3のうちいずれか一に記載のボンデッド構造体。
【請求項8】
前記1組の接触パッドは、100μm
2以下のエリア内に設けられている、請求項7記載のボンデッド構造体。
【請求項9】
前記1組の接触パッドは、10μm
2以下のエリア内に設けられている、請求項8記載のボンデッド構造体。
【請求項10】
前記1組の接触パッドは、1μm
2以下のエリア内に設けられている、請求項8記載のボンデッド構造体。
【請求項11】
前記第1の半導体素子と前記第2の半導体素子との間のボンディングオフセットを算定するよう構成された試験回路をさらに有する、請求項1~3のうちいずれか一に記載のボンデッド構造体。
【請求項12】
前記試験回路は、前記ボンディングオフセットを表す信号を前記スイッチング回路に送るよう構成されている、請求項11記載のボンデッド構造体。
【請求項13】
前記スイッチング回路は、少なくとも1つには前記算定したボンディングオフセットに基づいて、前記第1の電気的接続状態又は第2の電気的接続状態を生じさせるようプログラムされている、請求項11記載のボンデッド構造体。
【請求項14】
前記試験回路は、前記第1の半導体素子内に設けられた複数の試験パッド、前記インターポーザ内に設けられていて前記第1の複数の試験パッドにボンディングされた複数のビア、及び前記第2の半導体素子内に設けられていて前記複数のビアのうちの第1のビアにボンディングされたプローブパッドを有する、請求項11記載のボンデッド構造体。
【請求項15】
前記複数の試験パッドは、試験パッドの2次元アレイを含み、前記複数のビアは、ビアの2次元アレイを含む、請求項14記載のボンデッド構造体。
【請求項16】
前記試験回路は、前記プローブパッドに接続された基準パッドをさらに有し、前記スイッチング回路に送られる前記信号は、少なくとも1つには前記プローブパッドと前記基準パッドとの間における前記信号の連続性の判定に基づいている、請求項12記載のボンデッド構造体。
【請求項17】
前記第2の接触パッドは、介在する接着剤なしで前記第1の接触パッドに直接ボンディングされ、前記第5の接触パッドは、介在する接着剤なしで前記第3の接触パッドに直接ボンディングされている、請求項1~3のうちいずれか一に記載のボンデッド構造体。
【請求項18】
前記第1の半導体素子は、前記第1の接触パッドが少なくとも部分的に埋め込まれた第1の非導電フィールド領域を有し、前記インターポーザの前記第1の面は、前記第2の接触パッドが少なくとも部分的に埋め込まれた第2の非導電フィールド領域を有し、前記第1の非導電フィールド領域と前記第2の導電フィールド領域は、介在する接着剤なしで互いに直接ボンディングされている、請求項17記載のボンデッド構造体。
【請求項19】
前記インターポーザの前記第2の面は、前記第2の接触パッド及び前記第3の接触パッドが少なくとも部分的に埋め込まれた第3の非導電フィールド領域を有し、前記第2の半導体素子は、前記第5の接触パッド及び前記第6の接触パッドが少なくとも部分的に埋め込まれた第4の非導電フィールド領域を有し、前記第3の非導電フィールド領域と前記第4の導電フィールド領域は、介在する接着剤なしで互いに直接ボンディングされている、請求項18記載のボンデッド構造体。
【請求項20】
前記スイッチング回路は、マルチビット型スイッチマルチプレクサを含む、請求項1~3のうちいずれか一に記載のボンデッド構造体。
【請求項21】
前記スイッチング回路は、前記インターポーザの前記第1の面上に位置していて前記第2の接触パッドを含む複数の接触パッドを、前記インターポーザの前記第2の面上に位置する前記第3の接触パッドに電気的に接続することができる複数のスイッチを有する、請求項1~3のうちいずれか一に記載のボンデッド構造体。
【請求項22】
前記第1の接触パッドの直径は、前記第2の接触パッドの直径とは異なっている、請求項1~3のうちいずれか一に記載のボンデッド構造体。
【請求項23】
前記第1の接触パッドの前記直径は、前記第2の接触パッドの前記直径よりも小さく、前記ボンデッド構造体は、前記第1の半導体素子内に設けられた複数の接触パッドをさらに有し、前記複数の接触パッドは、前記第1の接触パッド及び少なくとも1つの追加の接触パッドを含み、前記複数の接触パッドは、前記第2の接触パッドにボンディングされている、請求項22記載のボンデッド構造体。
【請求項24】
前記第1の接触パッドの前記直径は、前記第2の接触パッドの前記直径よりも大きく、前記ボンデッド構造体は、前記インターポーザの前記第1の面上に位置する複数の接触パッドをさらに有し、前記複数の接触パッドは、前記第2の接触パッド及び少なくとも1つの追加の接触パッドを含み、前記複数の接触パッドは、前記第2の接触パッドにボンディングされている、請求項22記載のボンデッド構造体。
【請求項25】
ボンデッド構造体であって、
第1の半導体素子を有し、
インターポーザを有し、前記インターポーザは、前記インターポーザの第1の面上に位置する第1の複数の接触パッド及び前記インターポーザの第2の面上に位置する第2の複数の接触パッドを有し、前記インターポーザの前記第1の面は、前記第1の半導体素子にボンディングされ、前記第1の複数の接触パッドは、前記第1の半導体素子に電気的に接続され、
前記インターポーザの前記第2の面にボンディングされた第2の半導体素子を有し、前記第2の複数の接触パッドは、前記第2の半導体素子に電気的に接続され、
前記第1の複数の接触パッドのうちの各接触パッドと前記第2の複数の接触パッドのうちの1つの組をなすの多数の接触パッドとの電気的接続状態を切り換えるよう構成されたスイッチング回路を有する、ボンデッド構造体。
【請求項26】
前記スイッチング回路は、前記第2の複数の接触パッドのうちの各接触パッドと前記第1の複数の接触パッドのうちの第2の組をなす多数の接触パッドとの電気的接続状態を切り換えるよう構成されている、請求項25記載のボンデッド構造体。
【請求項27】
前記スイッチング回路は、前記インターポーザ内に設けられている、請求項25又は26記載のボンデッド構造体。
【請求項28】
前記スイッチング回路は、前記第1の半導体素子及び前記第2の半導体素子のうちの少なくとも一方内に設けられている、請求項25又は26記載のボンデッド構造体。
【請求項29】
前記第1の半導体素子は、介在する接着剤なしで前記第1の複数の接触パッドに直接ボンディングされた第3の複数の接触パッドを有し、前記第2の半導体素子は、介在する接着剤なしで前記第2の複数の接触パッドに直接ボンディングされた第4の複数の接触パッドを有する、請求項25又は26に記載のボンデッド構造体。
【請求項30】
前記第1の半導体素子は、前記第3の接触パッドが少なくとも部分的に設けられた第1の非導電フィールド領域を有し、前記インターポーザの前記第1の面は、前記第1の複数の接触パッドが少なくとも部分的に設けられた第2の非導電フィールド領域を有し、前記第1の非導電フィールド領域と前記第2の非導電フィールド領域は、接着剤なしで直接ボンディングされている、請求項29記載のボンデッド構造体。
【請求項31】
前記インターポーザの前記第2の面は、前記第2の複数の接触パッドが少なくとも部分的に設けられた第3の非導電フィールド領域を有し、前記第2の半導体素子は、前記第4の接触パッドが少なくとも部分的に設けられた第4の非導電フィールド領域を有し、前記第3の非導電フィールド領域と前記第4の非導電フィールド領域は、接着剤なしで直接ボンディングされている、請求項30記載のボンデッド構造体。
【請求項32】
前記第1の複数の接触パッドのうちの第1の接触パッドが前記第3の複数の接触パッドのうちの第2の接触パッドに直接ボンディングされ、前記第1の接触パッドの直径は、前記第2の接触パッドの直径とは異なっている、請求項29記載のボンデッド構造体。
【請求項33】
前記第1の接触パッドの直径は、前記第2の接触パッドの直径よりも小さく、前記第2の接触パッドは、前記第1の接触パッド及び少なくとも1つの追加の接触パッドに直接ボンディングされている、請求項32記載のボンデッド構造体。
【請求項34】
前記第1の接触パッドの前記直径は、前記第2の接触パッドの前記直径よりも大きく、前記第1の接触パッドは、前記第2の接触パッド及び少なくとも1つの追加の接触パッドに直接ボンディングされている、請求項32記載のボンデッド構造体。
【請求項35】
前記第1の複数の接触パッドは、前記第2の複数の接触パッドのピッチに一致したピッチを有する、請求項25又は26に記載のボンデッド構造体。
【請求項36】
前記第1の複数の接触パッドは、前記第2の複数の接触パッドのピッチとは異なるピッチを有する、請求項25又は26に記載のボンデッド構造体。
【請求項37】
前記組をなす接触パッドは、100μm
2以下のエリア内に設けられている、請求項25又は26に記載のボンデッド構造体。
【請求項38】
前記組をなす接触パッドは、10μm
2以下のエリア内に設けられている、請求項37記載のボンデッド構造体。
【請求項39】
前記組をなす接触パッドは、1μm
2以下のエリア内に設けられている、請求項37記載のボンデッド構造体。
【請求項40】
前記第1の半導体素子と前記第2の半導体素子との間のボンディングオフセットを算定し、そして前記ボンディングオフセットを表す信号を前記スイッチング回路に送るよう構成された試験回路をさらに有する、請求項25又は26に記載のボンデッド構造体。
【請求項41】
前記試験回路は、前記第1の半導体素子内に設けられた複数の試験パッド、前記インターポーザ内に設けられていて前記第1の複数の試験パッドにボンディングされた複数のビア、及び前記第2の半導体素子内に設けられていて前記複数のビアのうちの第1のビアにボンディングされたプローブパッドを有する、請求項40記載のボンデッド構造体。
【請求項42】
前記複数の試験パッドは、試験パッドの2次元アレイを含み、前記複数のビアは、ビアの2次元アレイを含む、請求項41記載のボンデッド構造体。
【請求項43】
前記スイッチング回路は、マルチビット型スイッチマルチプレクサを含む、請求項25又は26に記載のボンデッド構造体。
【請求項44】
インターポーザであって、
前記インターポーザの第1の面上に位置する第1の接触パッドと、
前記第1の面と反対側の前記インターポーザの第2の面上に位置する第2の接触パッド及び第3の接触パッドと、
第1の接触パッドと第2の接触パッドの第1の電気的接続状態と、第3の接触パッドと第4の接触パッドの第2の電気的接続状態を切り換えるよう構成されたスイッチング回路とを有する、インターポーザ。
【請求項45】
前記インターポーザは、前記第2の面上に位置する複数の接触パッドを有し、前記複数の試験パッドは、各々が前記スイッチング回路経由で前記第1の面上の前記第2の接触パッドに接続可能な1組の接触パッドを含み、前記接触パッド組は、前記第2の接触パッド、前記第3の接触パッド、及び1つ以上の追加の接触パッドを含む、請求項44記載のインターポーザ。
【請求項46】
前記組をなす接触パッドは、100μm
2以下のエリア内に設けられている、請求項45記載のインターポーザ。
【請求項47】
前記組をなす接触パッドは、10μm
2以下のエリア内に設けられている、請求項46記載のインターポーザ。
【請求項48】
前記組をなす接触パッドは、1μm
2以下のエリア内に設けられている、請求項46記載のインターポーザ。
【請求項49】
前記インターポーザと前記インターポーザがボンディングされるべき1つ以上の半導体素子との間のボンディングオフセットを算定する試験回路をさらに有し、前記試験回路は、前記ボンディングオフセットを表す信号を前記スイッチング回路に送るよう構成されている、請求項44~48のうちいずれか一に記載のインターポーザ。
【請求項50】
前記試験回路は、前記インターポーザに設けられていて、前記1つ以上の半導体素子の試験パッドに対応関係をなしてボンディングされるよう構成された複数のビアを有する、請求項49記載のインターポーザ。
【請求項51】
前記複数のビアは、2次元アレイをなすビアを含む、請求項50記載のインターポーザ。
【請求項52】
前記スイッチング回路は、マルチビット型スイッチマルチプレクサを含む、請求項44~48のうちいずれか一に記載のインターポーザ。
【請求項53】
ボンデッド構造体を作製する方法であって、
第1の半導体素子の第1の接触パッドをインターポーザの第1の面上に位置する第2の接触パッドにボンディングするステップと、
前記インターポーザの第2の面上に位置する第3及び第4の接触パッドを第2の半導体素子の第5及び第6の接触パッドにそれぞれボンディングするステップと、
第2の接触パッドと第3の接触パッドの第1の電気的接続状態と、第2の接触パッドと第4の接触パッドの第2の電気的接続状態を切り換えるステップとを含む、方法。
【請求項54】
前記第1の半導体素子は、前記第1の接触パッドを含む第1の複数の接触パッドを備え、前記第2の半導体素子は、前記第5の接触パッド及び前記第6の接触パッドを含む第2の複数の接触パッドを備え、前記インターポーザは、前記第2の面上に位置する第3の複数の接触パッドを備え、前記第3の複数の接触パッドは、各々が前記スイッチング回路経由で前記第1の面上の前記第2の接触パッドに接続可能な1組の接触パッドを含み、前記接触パッド組は、前記第3の接触パッド、前記第4の接触パッド、及び1つ以上の追加の接触パッドを含む、請求項53記載の方法。
【請求項55】
位置合わせ不良許容誤差エリアを有するツールを用いて前記第2の半導体素子を前記インターポーザにボンディングするステップをさらに含み、前記接触パッド組は、前記位置合わせ不良許容誤差エリア以下のパッドエリア内に設けられている、請求項54記載の方法。
【請求項56】
前記第1の複数の接触パッド前記第2の接触パッドにボンディングする前記ステップは、前記第1の接触パッドを介在する接着剤なしで前記第2の接触パッドに直接ボンディングするステップを含む、請求項53~55のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項57】
前記第3及び前記第4の接触パッドを介在する接着剤なしで前記第5及び前記第6の接触パッドにそれぞれ直接ボンディングするステップを含む、請求項56記載の方法。
【請求項58】
前記第1の半導体素子の第1の非導電フィールド領域を介在する接着剤なしで前記インターポーザの第2の非導電フィールド領域に直接ボンディングするステップをさらに含む、請求項57記載の方法。
【請求項59】
前記インターポーザの前記第2の面の第3の非導電フィールド領域を介在する接着剤なしで前記第2の半導体素子の第4の非導電フィールド領域に直接ボンディングするステップをさらに含む、請求項58記載の方法。
【請求項60】
前記スイッチング回路は、前記インターポーザ内に設けられている、請求項53~55のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項61】
前記スイッチング回路は、前記第1及び前記第2の半導体素子のうちの少なくとも一方内に設けられている、請求項53~55のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項62】
ボンデッド構造体であって、
回路素子、第1の接触パッド、及び第2の接触パッドを備えた第1の半導体素子と、
前記第1の接触パッドにボンディングされた第3の接触パッド及び前記第2の接触パッドにボンディングされた第4の接触パッドを備える第2の半導体素子と、
前記回路素子と前記第1の接触パッドの第1の電気的接続状態と、前記回路素子と前記第2の接触パッドの第2の電気的接続状態を切り換えるよう構成されたスイッチング回路と、
前記第1の半導体素子と前記第2の半導体素子との間のボンディングオフセットを算定するよう構成された試験回路とを有する、ボンデッド構造体。
【請求項63】
前記第3の接触パッドは、介在する接着剤なしで前記第1の接触パッドに直接ボンディングされ、前記第4の接触パッドは、介在する接着剤なしで前記第2の接触パッドに直接ボンディングされている、請求項62記載のボンデッド構造体。
【請求項64】
前記第1の半導体素子は、前記第1及び前記第2の接触パッドが少なくとも部分的に埋め込まれた第1の非導電フィールド領域を有し、前記第2の半導体素子は、前記第3及び前記第4の接触パッドが少なくとも部分的に埋め込まれた第2の非導電フィールド領域を有し、前記第1の非導電フィールド領域と前記第2の導電フィールド領域は、介在する接着剤なしで互いに直接ボンディングされている、請求項63記載のボンデッド構造体。
【請求項65】
前記試験回路は、ダイシングレーンに沿って設けられ、前記試験回路は、ダイシングステップによって少なくとも部分的に壊される、請求項63又は64記載のボンデッド構造体。
【請求項66】
前記スイッチング回路は、少なくとも1つには前記算定したボンディングオフセットに基づいて、前記第1の電気的接続状態又は第2の電気的接続状態を生じさせるようプログラムされている、請求項62記載のボンデッド構造体。
【請求項67】
前記試験回路は、前記ボンディングオフセットを表す信号を前記スイッチング回路に送るよう構成されている、請求項62記載のボンデッド構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術分野は、能動(アクティブ)インターポーザ付きのボンデッド構造体に関する。
【0002】
〔関連出願の引照〕
本願は、2021年9月24日に出願された米国特許仮出願第63/2483115号(発明の名称:BONDED STRUCTURE WITH ACTIVE INTERPOSER)の優先権主張出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
多層半導体素子(例えば、集積化デバイスダイ)は、種々の用途、例えば、垂直統合を利用する高バンド幅メモリ(HBM)デバイス又は他のデバイスでは、互いに上下に積み重ねられる場合がある。積層化素子は、接触パッドのアレイを通して互いに電気通信することができる。対向した半導体素子上の接触パッドが互いに位置合わせされるようにすること、及び2つの対向した半導体素子上の接触パッド相互間の電気的接続が信頼できることが重要な場合がある。
【発明の概要】
【0004】
1つの実施形態では、ボンデッド構造体は、第1の接触パッドを備えた第1の半導体素子と、インターポーザとを有するのがよく、インターポーザは、インターポーザの第1の面上に位置する第2の接触パッド及び第1の面と反対側のインターポーザの第2の面上に位置する第4の接触パッドを有し、第2の接触パッドは、第1の接触パッドにボンディングされ、ボンデッド構造体は、第3の接触パッドにボンディングされた第5の接触パッド及び第4の接触パッドにボンディングされた第6の接触パッドを備えた第2の半導体素子と、第2の接触パッドと第3の接触パッドの第1の電気的接続状態と、第2の接触パッドと第4の接触パッドの第2の電気的接続状態を切り換えるよう構成されたスイッチング回路とをさらに有するのがよい。
【0005】
幾つかの実施形態では、スイッチング回路は、インターポーザ内に設けられている。幾つかの実施形態では、スイッチング回路は、第1の半導体素子及び第2の半導体素子のうちの少なくとも一方内に設けられている。幾つかの実施形態では、第2の接触パッドと第3の接触パッドは、互いに横方向にオフセットしている。幾つかの実施形態では、第1の半導体素子は、第1の接触パッドを含む第1の複数の接触パッドを備え、第2の半導体素子は、第5の接触パッド及び第6の接触パッドを含む第2の複数の接触パッドを備え、第1の複数の接触パッドは、第1のピッチを有し、第1のピッチは、第2の複数の接触パッドの第2のピッチに一致している。幾つかの実施形態では、第1の半導体素子は、第1の接触パッドを含む第1の複数の接触パッドを備え、第2の半導体素子は、第5の接触パッド及び第6の接触パッドを含む第2の複数の接触パッドを備え、第1の複数の接触パッドは、第1のピッチを有し、第1のピッチは、第2の複数の接触パッドの第2のピッチとは異なっている。幾つかの実施形態では、インターポーザは、第2の面上に位置する第3の複数の接触パッドを備え、第3の複数の接触パッドは、各々がスイッチング回路経由で第1の面上の第2の接触パッドに接続可能な1組の接触パッドを含み、接触パッド組は、第3の接触パッド、第4の接触パッド、及び1つ以上の追加の接触パッドを含む。
【0006】
幾つかの実施形態では、1組の接触パッドは、100μm2以下のエリア内に設けられている。幾つかの実施形態では、1組の接触パッドは、10μm2以下のエリア内に設けられている。幾つかの実施形態では、1組の接触パッドは、1μm2以下のエリア内に設けられている。
【0007】
幾つかの実施形態では、ボンデッド構造体は、第1の半導体素子と第2の半導体素子との間のボンディングオフセットを算定するよう構成された試験回路を有する。幾つかの実施形態では、試験回路は、ボンディングオフセットを表す信号をスイッチング回路に送るよう構成されている。幾つかの実施形態では、スイッチング回路は、少なくとも1つには算定したボンディングオフセットに基づいて、第1の電気的接続状態又は第2の電気的接続状態を生じさせるようプログラムされている。幾つかの実施形態では、試験回路は、第1の半導体素子内に設けられた複数の試験パッド、インターポーザ内に設けられていて第1の複数の試験パッドにボンディングされた複数のビア、及び第2の半導体素子内に設けられていて複数のビアのうちの第1のビアにボンディングされたプローブパッドを有する。幾つかの実施形態では、複数の試験パッドは、試験パッドの2次元アレイを含み、複数のビアは、ビアの2次元アレイを含む。幾つかの実施形態では、試験回路は、プローブパッドに接続された基準パッドをさらに有し、スイッチング回路に送られる信号は、少なくとも1つにはプローブパッドと基準パッドとの間における信号の連続性の判定に基づいている。幾つかの実施形態では、第2の接触パッドは、介在する接着剤なしで第1の接触パッドに直接ボンディングされ、第5の接触パッドは、介在する接着剤なしで第3の接触パッドに直接ボンディングされている。
【0008】
幾つかの実施形態では、第1の半導体素子は、第1の接触パッドが少なくとも部分的に埋め込まれた第1の非導電フィールド領域を有し、インターポーザの第1の面は、第2の接触パッドが少なくとも部分的に埋め込まれた第2の非導電フィールド領域を有し、第1の非導電フィールド領域と第2の導電フィールド領域は、介在する接着剤なしで互いに直接ボンディングされている。幾つかの実施形態では、インターポーザの第2の面は、第2の接触パッド及び第3の接触パッドが少なくとも部分的に埋め込まれた第3の非導電フィールド領域を有し、第2の半導体素子は、第5の接触パッド及び第6の接触パッドが少なくとも部分的に埋め込まれた第4の非導電フィールド領域を有し、第3の非導電フィールド領域と第4の導電フィールド領域は、介在する接着剤なしで互いに直接ボンディングされている。
【0009】
幾つかの実施形態では、スイッチング回路は、マルチビット型スイッチマルチプレクサを含む。幾つかの実施形態では、スイッチング回路は、インターポーザの第1の面上に位置していて第2の接触パッドを含む複数の接触パッドを、インターポーザの第2の面上に位置する第3の接触パッドに電気的に接続することができる複数のスイッチを有する。幾つかの実施形態では、第1の接触パッドの直径は、第2の接触パッドの直径とは異なっている。幾つかの実施形態では、第1の接触パッドの直径は、第2の接触パッドの直径よりも小さく、ボンデッド構造体は、第1の半導体素子内に設けられた複数の接触パッドをさらに有し、複数の接触パッドは、第1の接触パッド及び少なくとも1つの追加の接触パッドを含み、複数の接触パッドは、第2の接触パッドにボンディングされている。幾つかの実施形態では、第1の接触パッドの直径は、第2の接触パッドの直径よりも大きく、ボンデッド構造体は、インターポーザの第1の面上に位置する複数の接触パッドをさらに有し、複数の接触パッドは、第2の接触パッド及び少なくとも1つの追加の接触パッドを含み、複数の接触パッドは、第2の接触パッドにボンディングされている。
【0010】
もう1つの実施形態では、ボンデッド構造体は、第1の半導体素子と、インターポーザとを有するのがよく、インターポーザは、インターポーザの第1の面上に位置する第1の複数の接触パッド及びインターポーザの第2の面上に位置する第2の複数の接触パッドを有し、インターポーザの第1の面は、第1の半導体素子にボンディングされ、第1の複数の接触パッドは、第1の半導体素子に電気的に接続され、ボンデッド構造体は、インターポーザの第2の面にボンディングされた第2の半導体素子をさらに有するのがよく、第2の複数の接触パッドは、第2の半導体素子に電気的に接続され、ボンデッド構造体はさらに、第1の複数の接触パッドのうちの各接触パッドと第2の複数の接触パッドのうちの1つの組をなすの多数の接触パッドとの電気的接続状態を切り換えるよう構成されたスイッチング回路をさらに有するのがよい。
【0011】
幾つかの実施形態では、スイッチング回路は、第2の複数の接触パッドのうちの各接触パッドと第1の複数の接触パッドのうちの第2の組をなす多数の接触パッドの電気的接続状態を切り換えるよう構成されている。幾つかの実施形態では、スイッチング回路は、インターポーザ内に設けられている。幾つかの実施形態では、スイッチング回路は、第1の半導体素子及び第2の半導体素子のうちの少なくとも一方内に設けられている。幾つかの実施形態では、第1の半導体素子は、介在する接着剤なしで第1の複数の接触パッドに直接ボンディングされた第3の複数の接触パッドを有し、第2の半導体素子は、介在する接着剤なしで第2の複数の接触パッドに直接ボンディングされた第4の複数の接触パッドを有する。幾つかの実施形態では、第1の半導体素子は、第3の接触パッドが少なくとも部分的に設けられた第1の非導電フィールド領域を有し、インターポーザの第1の面は、第1の複数の接触パッドが少なくとも部分的に設けられた第2の非導電フィールド領域を有し、第1の非導電フィールド領域と第2の非導電フィールド領域は、接着剤なしで直接ボンディングされている。幾つかの実施形態では、インターポーザの第2の面は、第2の複数の接触パッドが少なくとも部分的に設けられた第3の非導電フィールド領域を有し、第2の半導体素子は、第4の接触パッドが少なくとも部分的に設けられた第4の非導電フィールド領域を有し、第3の非導電フィールド領域と第4の非導電フィールド領域は、接着剤なしで直接ボンディングされている。幾つかの実施形態では、第1の複数の接触パッドのうちの第1の接触パッドが第3の複数の接触パッドのうちの第2の接触パッドに直接ボンディングされ、第1の接触パッドの直径は、第2の接触パッドの直径とは異なっている。幾つかの実施形態では、第1の接触パッドの直径は、第2の接触パッドの直径よりも小さく、第2の接触パッドは、第1の接触パッド及び少なくとも1つの追加の接触パッドに直接ボンディングされている。幾つかの実施形態では、第1の接触パッドの直径は、第2の接触パッドの直径よりも大きく、第1の接触パッドは、第2の接触パッド及び少なくとも1つの追加の接触パッドに直接ボンディングされている。幾つかの実施形態では、第1の複数の接触パッドは、第2の複数の接触パッドのピッチに一致したピッチを有する。幾つかの実施形態では、第1の複数の接触パッドは、第2の複数の接触パッドのピッチとは異なるピッチを有する。
【0012】
幾つかの実施形態では、組をなす接触パッドは、100μm2以下のエリア内に設けられている。幾つかの実施形態では、組をなす接触パッドは、10μm2以下のエリア内に設けられている。幾つかの実施形態では、組をなす接触パッドは、1μm2以下のエリア内に設けられている。
【0013】
幾つかの実施形態では、ボンデッド構造体は、第1の半導体素子と第2の半導体素子との間のボンディングオフセットを算定し、そしてボンディングオフセットを表す信号をスイッチング回路に送るよう構成された試験回路をさらに有する。幾つかの実施形態では、試験回路は、第1の半導体素子内に設けられた複数の試験パッド、インターポーザ内に設けられていて第1の複数の試験パッドにボンディングされた複数のビア、及び第2の半導体素子内に設けられていて複数のビアのうちの第1のビアにボンディングされたプローブパッドを有する。幾つかの実施形態では、複数の試験パッドは、試験パッドの2次元アレイを含み、複数のビアは、ビアの2次元アレイを含む。幾つかの実施形態では、スイッチング回路は、マルチビット型スイッチマルチプレクサを含む。
【0014】
もう1つの実施形態では、インターポーザは、インターポーザの第1の面上に位置する第1の接触パッドと、第1の面と反対側のインターポーザの第2の面上に位置する第2の接触パッド及び第3の接触パッドと、第1の接触パッドと第2の接触パッドの第1の電気的接続状態と、第3の接触パッドと第4の接触パッドの第2の電気的接続状態を切り換えるよう構成されたスイッチング回路とを有する。
【0015】
幾つかの実施形態では、インターポーザは、第2の面上に位置する複数の接触パッドを有し、複数の試験パッドは、各々がスイッチング回路経由で第1の面上の第2の接触パッドに接続可能な1組の接触パッドを含み、接触パッド組は、第2の接触パッド、第3の接触パッド、及び1つ以上の追加の接触パッドを含む。幾つかの実施形態では、組をなす接触パッドは、100μm2以下のエリア内に設けられている。幾つかの実施形態では、組をなす接触パッドは、10μm2以下のエリア内に設けられている。幾つかの実施形態では、組をなす接触パッドは、1μm2以下のエリア内に設けられている。
【0016】
幾つかの実施形態では、ボンデッド構造体は、インターポーザとインターポーザがボンディングされるべき1つ以上の半導体素子との間のボンディングオフセットを算定する試験回路を有するのがよく、試験回路は、ボンディングオフセットを表す信号をスイッチング回路に送るよう構成されている。幾つかの実施形態では、試験回路は、インターポーザに設けられていて、1つ以上の半導体素子の試験パッドに対応関係をなしてボンディングされるよう構成された複数のビアを有する。幾つかの実施形態では、複数のビアは、2次元アレイをなすビアを含む。幾つかの実施形態では、スイッチング回路は、マルチビット型スイッチマルチプレクサを含む。
【0017】
もう1つの実施形態では、ボンデッド構造体を作製する方法は、第1の半導体素子の第1の接触パッドをインターポーザの第1の面上に位置する第2の接触パッドにボンディングするステップと、インターポーザの第2の面上に位置する第3及び第4の接触パッドを第2の半導体素子の第5及び第6の接触パッドにそれぞれボンディングするステップと、第2の接触パッドと第3の接触パッドの第1の電気的接続状態と、第2の接触パッドと第4の接触パッドの第2の電気的接続状態を切り換えるステップとを含む。
【0018】
幾つかの実施形態では、第1の半導体素子は、第1の接触パッドを含む第1の複数の接触パッドを備え、第2の半導体素子は、第5の接触パッド及び第6の接触パッドを含む第2の複数の接触パッドを備え、インターポーザは、第2の面上に位置する第3の複数の接触パッドを備え、第3の複数の接触パッドは、各々がスイッチング回路経由で第1の面上の第2の接触パッドに接続可能な1組の接触パッドを含み、接触パッド組は、第3の接触パッド、第4の接触パッド、及び1つ以上の追加の接触パッドを含む。幾つかの実施形態では、本方法は、位置合わせ不良許容誤差エリアを有するツールを用いて第2の半導体素子をインターポーザにボンディングするステップをさらに含み、接触パッド組は、位置合わせ不良許容誤差エリア以下のパッドエリア内に設けられている。
【0019】
幾つかの実施形態では、第1の複数の接触パッド第2の接触パッドにボンディングするステップは、第1の接触パッドを介在する接着剤なしで第2の接触パッドに直接ボンディングするステップを含む。幾つかの実施形態では、第3及び第4の接触パッドを介在する接着剤なしで第5及び第6の接触パッドにそれぞれ直接ボンディングするステップを含む。幾つかの実施形態では、本方法は、第1の半導体素子の第1の非導電フィールド領域を介在する接着剤なしでインターポーザの第2の非導電フィールド領域に直接ボンディングするステップを含むのがよい。幾つかの実施形態では、本方法は、インターポーザの第2の面の第3の非導電フィールド領域を介在する接着剤なしで第2の半導体素子の第4の非導電フィールド領域に直接ボンディングするステップを含むのがよい。幾つかの実施形態では、スイッチング回路は、インターポーザ内に設けられている。幾つかの実施形態では、スイッチング回路は、第1及び第2の半導体素子のうちの少なくとも一方内に設けられている。
【0020】
もう1つの実施形態では、ボンデッド構造体は、回路素子、第1の接触パッド、及び第2の接触パッドを備えた第1の半導体素子と、第1の接触パッドにボンディングされた第3の接触パッド及び第2の接触パッドにボンディングされた第4の接触パッドを備える第2の半導体素子と、回路素子と第1の接触パッドの第1の電気的接続状態と、回路素子と第2の接触パッドの第2の電気的接続状態を切り換えるよう構成されたスイッチング回路と、第1の半導体素子と第2の半導体素子との間のボンディングオフセットを算定するよう構成された試験回路とを有する。
【0021】
幾つかの実施形態では、第3の接触パッドは、介在する接着剤なしで第1の接触パッドに直接ボンディングされ、第4の接触パッドは、介在する接着剤なしで第2の接触パッドに直接ボンディングされている。幾つかの実施形態では、第1の半導体素子は、第1及び第2の接触パッドが少なくとも部分的に埋め込まれた第1の非導電フィールド領域を有し、第2の半導体素子は、第3及び第4の接触パッドが少なくとも部分的に埋め込まれた第2の非導電フィールド領域を有し、第1の非導電フィールド領域と第2の導電フィールド領域は、介在する接着剤なしで互いに直接ボンディングされている。幾つかの実施形態では、試験回路は、ダイシングレーンに沿って設けられ、試験回路は、ダイシングステップによって少なくとも部分的に壊される。幾つかの実施形態では、スイッチング回路は、少なくとも1つには算定したボンディングオフセットに基づいて、第1の電気的接続状態又は第2の電気的接続状態を生じさせるようプログラムされている。幾つかの実施形態では、試験回路は、ボンディングオフセットを表す信号をスイッチング回路に送るよう構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1A】2つの素子を直接ハイブリッドボンディング前の状態で示す概略断面側面図である。
【
図1B】
図1Aに示す2つの素子を直接ハイブリッドボンディング後における状態で示す概略断面側面図である。
【
図2A】ボンディング前における第1の半導体素子、インターポーザ、及び第2の半導体素子の概略断面図である。
【
図2B】一実施形態に従って、
図2Aのコンポーネントを含むボンデッド構造体の概略断面図である。
【
図3A】一実施形態に従って、ボンディング前における第1の半導体素子、インターポーザ、及び第2の半導体素子のもう1つの実施形態を示す図である。
【
図3B】1つの実施形態に従って、
図3Aのコンポーネントを含むボンデッド構造体の概略断面図である。
【
図4A】もう1つの実施形態に従って、ボンディング前における第1の半導体素子、インターポーザ、及び第2の半導体素子の概略断面図である。
【
図4B】1つの実施形態に従って、
図4Aのコンポーネントを含むボンデッド構造体の概略断面図である。
【
図5A】第1の半導体素子と第2の半導体素子との間のボンディングオフセットを求めて、ボンディングオフセットを表す信号をスイッチング回路に送るよう構成された試験回路を含むボンデッド構造体の断面側面図である。
【
図5B】1つの実施形態に従って、
図5Aのコンポーネントを含むボンデッド構造体の概略断面平面図である。
【
図5C】2次元(2D)位置合わせ不良を許容するよう2Dアレイの状態に設けられた試験パッド及びビアを含む半導体素子の概略断面平面図である。
【
図6】配置精度を高めるよう互いに異なる直径の対向した接触パッドの概略断面平面図である。
【
図7】回路素子を有するボンデッド構造体の概略断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
概 観
相互接続密度を高めるとともに電気的能力を向上させるよう微細なピッチで配置された接触パッドを有する半導体素子を直接ボンディングする需要が高まっている。しかしながら、微細なピッチで配置された接触パッドを正確に位置合わせすることは、難題であると言え、と言うのは、ピックアンドプレース(pick-and-place)及び/又はボンディングツールが位置合わせ不良に関する許容誤差を有しているからである。ボンディングされるべきパッドのピッチが位置合わせ不良許容誤差未満であり又はこれとほぼ等しい場合、1つの素子上のパッドは、対向した素子上の不正確なパッドにボンディングされる恐れがあり、その結果、電気的性能が低下する。本明細書において開示する種々の実施形態は、パッドが互いに正確に接続されるようにするために対向したパッド相互間の電気的接続を切り換えるよう構成されたスイッチング回路を提供することによって、ボンディング中における位置合わせ不良を補償する。
【0024】
直接ボンディング法及び直接ボンデッド構造体の実施例
本明細書において開示する種々の実施形態は、2つの素子を介在する接着剤なしで互いに直接ボンディングすることができるボンデッド構造体に関する。
図1A及び
図1Bは、幾つかの実施形態に従って、介在接着剤なしで直接ボンデッド構造体を形成するプロセスを概略的に示している。
図1A及び
図1Bでは、ボンデッド構造体100は、介在接着剤なしで互いに直接ボンディングできる2つの素子102,104を有する。2つ以上の半導体素子(例えば、集積回路ダイ、ウエハなど)102,104を互いに積層し又はボンディングしてボンデッド構造体100を形成するのがよい。第1の素子102の導電特徴部106a(例えば、接触パッド、ビア(例えば、TSV)の露出端部、又は基板貫通電極)を第2の素子104の対応の導電特徴部106bに電気的に接続するのがよい。導電特徴部は、非導電ボンディング領域内に形成された金属パッドを含むのがよく、また、下に位置するメタライゼーション、例えば再配線層(redistribution layer:RDL)(表面配線と呼ばれることもある)に接続されるのがよい。任意の適当な数の素子をボンデッド構造体100内に積層することができる。例えば、第3の素子(図示せず)を第2の素子104上に積層することができ、第4の素子(図示せず)を第3の素子上に積層することができ、その他同様である。追加的に又は代替的に、1つ以上の追加の素子(図示せず)を第1の素子102に沿って互いに横方向に隣接して積層することができる。幾つかの実施形態では、横方向に積層される追加の素子は、第2の素子よりも小さいのがよい。幾つかの実施形態では、横方向に積層される追加の素子は、第2の素子の1/2であるのがよい。
【0025】
幾つかの実施形態では、素子102,104は、接着剤なしで互いに直接ボンディングされている。種々の実施形態では、非導電又は誘電材料を含む非導電フィールド領域は、第1の素子102の第1のボンディング層108aとしての役目を果たすのがよく、第1のボンディング層108aは、接着剤なしで第2の素子104の第2のボンディング層108bとしての役目を果たす非導電又は誘電材料を含む対応の非導電フィールド領域に直接ボンディングされるのがよい。非導電ボンディング層108a,108bは、デバイス部分110a,110b、例えば素子102,104の半導体(例えば、シリコン)部分のそれぞれの前面114a,114b上に設けられるのがよい。能動デバイス及び/又は回路をデバイス部分110a,110b内又は上にパターン化するとともに/あるいは違ったやり方で設けるのがよい。能動デバイス及び/又は回路は、デバイス部分110a,110bの前面114a,114bのところ又はその近くに、かつ/あるいはデバイス部分110a,110bの反対側の裏面116a,116bのところに又はその近くに設けられてもよい。非導電材料を第1の素子102の非導電ボンディング領域又はボンディング層108aという場合がある。幾つかの実施形態では、第1の素子102の非導電ボンディング層108aは、誘電体間ボンディング技術を用いて第2の素子104の対応の非導電ボンディング層108bに直接ボンディングされるのがよい。例えば、誘電体間ボンドは、少なくとも米国特許第9,564,414号明細書、同第9,391,143明細書、及び同第10,434,749号明細書に開示されている直接ボンディング技術を用いて接着剤なしで形成でき、これら米国特許を参照により引用し、あらゆる目的に関しこれらの各々の記載内容全体を本明細書の一部とする。理解されるべきこととして、種々の実施形態では、ボンディング層108a及び/又は108bは、非導電材料、例えば誘電体、例えば酸化シリコン、又はアンドープ半導体材料、例えばアンドープシリコンからなるのがよい。直接ボンディングのための適当な誘電体ボンディング表面又は材料は、無機誘電体、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、オキシ窒化シリコンを含むが、これには限定されず、あるいは、炭素、例えば炭化シリコン、オキシ炭窒化シリコン、低K(low-k )誘電体、SICOH誘電体、炭窒化シリコンもしくはダイヤモンド状炭素又はダイヤモンド表面を含む材料を含んでもよい。かかる炭素含有セラミック材料は、炭素が含まれているにもかかわらず、無機と見なされる場合がある。幾つかの実施形態では、誘電体は、ポリマー材料、例えばエポキシ、樹脂又は成形材料を含んでいない。
【0026】
種々の実施形態では、直接ハイブリッドボンドは、介在接着剤なしで形成できる。例えば、非導電ボンディング面112a,112bを高い平滑度に研磨することができる。ボンディング面112a,112bを清浄化してプラズマ及び/又はエッチング剤に当てると、表面112a,112bを活性化することができる。幾つかの実施形態では、これら表面112a,112bは、活性化後又は活性化中(例えば、プラズマ及び/又はエッチングプロセス中)、化学種で末端基化するができる。理論に束縛されるものではないが、幾つかの実施形態では、活性化プロセスは、ボンディング面のところでの化学結合を壊すために実施されるのがよく、末端基化プロセスは、直接ボンディング中におけるボンディングエネルギーを向上させる1種類以上の追加の化学種をボンディング面112a,112bのところに提供することができる。幾つかの実施形態では、活性化及び末端基化は、同一のステップで提供され、例えば、プラズマを用いて表面112a,112bを活性化して末端基化することができる。他の実施形態では、ボンディング面112a,112bを別個の処理で末端基化を行って直接ボンディングのための追加の化学種を提供することができる。種々の実施形態では、末端基化化学種は、窒素を含むのがよい。例えば、幾つかの実施形態では、ボンディング面112a,112bを窒素含有プラズマに当てるのがよい。さらに、幾つかの実施形態では、ボンディング面112a,112bをフッ素にさらすのがよい。例えば、第1の素子102と第2の素子104との間のインターフェース118のところ又はその近くに1つ又は多数のフッ素ピークが生じるのがよい。かくして、直接ボンデッド構造体100では、2つの非導電材料(例えば、ボンディング層108a,108b)相互間のボンディングインターフェース118は、ボンディングインターフェース118のところに高い窒素含有量及び/又はフッ素ピークを有する極めて滑らかなインターフェースを構成することができる。活性化及び/又は末端基化処理の追加の実施例が米国特許第9,564,414号明細書、同第9,391,143号明細書、及び同第10,434,749号明細書を通して見受けられ、これら米国特許の各々を参照により引用し、全ての目的に関してその記載内容全体を本明細書の一部とする。
【0027】
種々の実施形態では、第1の素子102の導電特徴部106aもまた、第2の素子104の対応の導電特徴部106bに直接ボンディングされるのがよい。例えば、ハイブリッドボンディング技術を用いると、上述したように前処理された共有直接結合状態の非導電体間(例えば、誘電体間)表面を含むボンドインターフェース118に沿って導体間直接ボンドを提供することができる。種々の実施形態では、導体間(例えば、導電特徴部106a‐導電特徴部106b間)直接ボンド及び誘電体間ハイブリッドボンドは、少なくとも米国特許第9,716,033号明細書及び同第9,852,988号明細書に開示された直接ボンディング技術を用いて形成でき、これら米国特許の各々を参照により引用し、全ての目的についてその記載内容全体を本明細書の一部とする。
【0028】
例えば、非導電(誘電)ボンディング面112a,112b(例えば、無機誘電表面を含む)を前処理して、上述のように介在接着剤なしで互いに直接ボンディングすることができる。導電接触特徴部(例えば、導電特徴部106a,106b)(これは、ボンディング層108a,108b内の非導電性の誘電フィールド領域によって少なくとも部分的に包囲されるのがよい)もまた、介在接着剤なしで互いに直接ボンディングすることができる。種々の実施形態では、導電特徴部106a,106bは、非導電フィールド領域内に少なくとも部分的に埋め込まれた別々のパッドを含むのがよい。幾つかの実施形態では、導電接触特徴部は、基板貫通ビア(TSV)の露出接触面を有するのがよい。幾つかの実施形態では、導電特徴部106a,106bをそれぞれ、誘電フィールド領域又は非導電ボンディング層108a,108bの外面(例えば、上面)の下に.凹ませるのがよく、例えば30nm未満、20nm未満、15nm未満、又は10nm未満だけ凹ませるのがよく、例えば、2nmから20nmまでの範囲又は4nm~10nmの範囲で凹ませるのがよい。種々の実施形態では、直接ボンディングに先立って、対向した素子の凹部は、対向した接触パッド相互間の全ギャップが15nm未満、又は10nm未満であるように寸法決めされるのがよい。幾つかの実施形態では、非導電ボンディング層108a,108bを室温で接着剤なしで互いに直接ボンディングするのがよく、その後、ボンデッド構造体100をアニールするのがよい。アニーリング時、導電特徴部106a,106bは、膨張して互いに接触し、それにより金属間直接ボンドを形成することができる。有益には、カリフォルニア州サンノゼ所在のアデイア(Adeia)社から商業的に入手できるダイレクトボンドインターコネクト(Direct Bond Interconnect)、すなわち、DBI(登録商標)技術の使用により、高密度の導電特徴部106a,106bを直接ボンドインターフェース118を横切って接続することができる(例えば、規則的なアレイについては小さな又は細かいピッチで)。幾つかの実施形態では、導電特徴部106a,106b、例えばボンデッド素子のうちの一方のボンディング面内に埋め込まれた導電トレースのピッチは、40ミクロン未満、10ミクロン未満であるのがよく、それどころか2ミクロン未満であってもよい。幾つかの用途に関し、導電特徴部106a,106bのピッチとボンディングパッドの寸法のうちの1つ(例えば、直径)の比は、5未満、3未満、又は場合によっては望ましくは2未満である。他の用途では、ボンデッド素子のうちの一方のボンディング面内に埋め込まれた導電トレースの幅は、0.3ミクロンから20ミクロンまでの範囲にわたるのがよく、例えば0.3ミクロンから3ミクロンまでの範囲にあるのがよい。種々の実施形態では、導電特徴部106a,106bは、銅からなるのがよいが、他の金属が適している場合がある。
【0029】
かくして、直接ボンディングプロセスでは、第1の素子102を介在接着剤なしで第2の素子104に直接ボンディングすることができる。幾つかの構成例では、第1の素子102は、単体化された素子、例えば単体化集積化デバイスダイからなるのがよい。他の構成例では、
図1A及び
図1Bに示すように、第1の素子102は、単体化されたときに複数の集積化デバイスダイを形成する複数の(例えば、数十個、数百個、又はそれ以上)のデバイス領域を含むキャリヤ又は基板(例えば、ウエハ)からなるのがよい。同様に、第2の素子104は、
図1A及び
図1Bに示すように、単体化素子、例えば単体化集積化デバイスダイからなるのがよい。他の構成例では、第2の素子104は、キャリヤ又は基板(例えば、ウエハ)からなるのがよい。したがって、本明細書において開示する実施形態は、ウエハ間ボンディングプロセス、ダイ間ボンディングプロセス、又はダイ・ウエハ間ボンディングプロセスに適用できる。ウエハ間(W2W)プロセスでは、2枚以上のウエハを互いに直接ボンディング(例えば、直接ハイブリッドボンディング)し、そして適当な単体化プロセスを用いて単体化するのがよい。単体化後、単体化構造体の側縁(例えば、2つのボンデッド素子の側縁)は、互いに実質的に同一平面上に位置するのがよく、そしてかかる側縁は、単体化プロセスを表す目印(例えば、のこぎりによる単体化プロセスが用いられた場合、のこぎりマーク)を含むのがよい。
【0030】
本明細書において説明するように、第1の素子102と第2の素子104を接着剤なしで互いに直接ボンディングすることができ、これは、被着プロセスとは異なっている。1つの用途では、ボンデッド構造体中の第1の素子102の幅は、第2の素子104の幅とほぼ同じである。幾つかの他の実施形態では、ボンデッド構造体100中の第1の素子102の幅は、第2の素子104の幅とは異なる。同様に、ボンデッド構造体中の大きい方の素子の幅又は面積は、小さい方の素子の幅又は面積よりも少なくとも10%大きいのがよい。したがって、第1及び第2の素子102,104は、非成膜素子からなってもよい。さらに、直接ボンデッド構造体100は、成膜層とは異なり、、ボンドインターフェース118に沿って、ナノスケールのボイド(ナノボイド)が存在する欠陥領域を含む場合がある。ナノボイドは、ボンディング面112a,112bの活性化(例えば、プラズマへの曝露)に起因して形成される場合がある。上述したように、ボンドインターフェース118は、活性化及び/又は最後の化学処理プロセスから生じる物質の濃縮を含む場合がある。例えば、活性化のために窒素プラズマを利用する実施形態では、窒素ピークがボンドインターフェース118のところに形成される場合がある。窒素ピークは、二次イオン質量分析計を用いて検出可能である。種々の実施形態では、例えば、窒素末端基化処理(例えば、結合層を窒素含有プラズマに当てる)により、加水分解(OH末端化)表面に代えてNH2分子を用いることができ、それにより窒素末端基化表面が生じる。活性化のために酸素プラズマを利用する実施形態では、酸素ピークがボンドインターフェース118のところに形成される場合がある。幾つかの実施形態では、ボンドインターフェース118は、オキシ窒化シリコン、オキシ炭窒化シリコン、又は炭窒化シリコン4らなるのがよい。本明細書において説明したように、直接ボンドは、共有結合を含み、この共有結合は、ファンデルワールス結合よりも強固である。ボンディング層108a,108bは、高い平滑度まで平坦化された研磨表面をさらに有するのがよい。
【0031】
種々の実施形態では、接触パッド106a,106b相互間の金属間ボンドは、銅結晶粒がボンドインターフェース118を横切って互いの中に成長するよう接合されるのがよい。幾つかの実施形態では、銅は、ボンドインターフェース118を横切る銅の拡散を向上させるために、111結晶面に沿って配向した結晶粒を有するのがよい。ボンドインターフェース118は、ボンデッド導電特徴部106a,106bの少なくとも一部分まで実質的に完全に延びるのがよく、その結果、ボンデッド導電特徴部106a,106bのところ又はその近くに非導電ボンディング層108a,108b相互間に実質的にギャップが生じないようになっている。幾つかの実施形態では、バリヤ層を導電特徴部106a,106b(例えば、銅を含むのがよい)の下に設けるのがよい。しかしながら、他の実施形態では、例えば、米国特許第11,195,748号明細書に記載されているように、導電特徴部106a,106bの下にバリヤ層がなくてもよく、この米国特許を参照により引用し、その記載内容全体を全ての目的に関して本明細書の一部とする。
【0032】
有益には、本明細書において説明するハイブリッドボンディング技術の使用により、隣り合う接触パッド106a,106bの極めて微細なピッチ、及び/又は小さなパッドサイズの実現が可能になる。例えば、種々の実施形態では、隣り合う導電特徴部106a(又は106b)相互間のピッチp(すなわち、
図1Aに示すように、縁から縁まで、又は中心から中心までの距離)は、0.5ミクロンから50ミクロンまでの範囲、0.75ミクロンから25ミクロンまでの範囲、1ミクロンから25ミクロンまでの範囲、1ミクロンから10ミクロンまでの範囲、又は1ミクロンから5ミクロンまでの範囲にあるのがよい。さらに、主要な横方向寸法(例えば、パッド直径)もまた、小さいのがよく、例えば0.25ミクロンから30ミクロン、0.25ミクロンから5ミクロンまでの範囲、又は0.5ミクロンから5ミクロンまでの範囲にある。
【0033】
ボンデッド構造体の例示の実施形態
図2Aは、ボンディング前におけるデバイス部分210a上に位置する第1のボンディング層208aを備えた第1の半導体208aを有する第1の半導体素子202、インターポーザ220、及びデバイス部分210b上に位置する第2のボンディング層208bを備えた第2の半導体素子204を示している。デバイス部分210a,210bは、1つ以上のデバイス(例えば、1つ以上の能動デバイス、例えばトランジスタ、及び/又は1つ以上の受動デバイス)がパターン付けされた半導体材料からなるのがよい。以下の図では、第1及び第2の半導体素子202,204のデバイス部分210a,210bは、説明を分かりやすくするために省いてある。能動スイッチング回路222がインターポーザ220内に設けられるのがよい。スイッチング回路222は、1つ又は多数のトランジスタが実装された能動回路を含むのがよく、そしてこのスイッチング回路は、任意適当な形式のスイッチ、例えばマルチビット型スイッチマルチプレクサ、マルチビット型バススイッチなどを有することができる。第1の半導体素子202、インターポーザ220、及び第2の半導体素子204の各々は、対応の導電接触パッド206を有するのがよく、これら導電接触パッドは、もう1つの素子への電気的接続を可能にするよう構成されている。接触パッド206は、非導電フィールド領域208(例えば、非導電ボンディング層)内に設けられた別々の導電パッドを含むのがよい。他の実施形態では、接触パッド206は、もう1つの素子に結合するよう構成された基板貫通ビア(TSV)の端を構成することができる。
図2Aでは、第1の半導体素子202、インターポーザ220aの第1の側、インターポーザ220bの第2の側、及び第2の半導体素子204上の接触パッドは、互いに合致し、例えば、ほぼ同一であるそれぞれのピッチpを有するのがよい。上述したように、ピックアンドプレース又はボンディングツールは、これら素子の位置合わせ不良許容誤差エリアにわたる最大配置誤差(maximum placement error:MPE)を有するのがよい。適当な補償を行わないで、対向した接触パッドを位置合わせするためのピックアンドプレース又はボンディングツールを用いると、結果的に、対向パッドの接続状態が不正確になる場合がある。潜在的な最大配置誤差の解決策を提供するため、潜在的な接続部207は、位置合わせ不良許容誤差エリアに沿って延びるよう設けられるのがよく、この潜在的接続部により、電気的接続及び/又は信号を適正な導電パッド相互間に形成することができる。幾つかの場合、接触パッドピッチは、ピックアンドプレース又はボンディングツールの最大配置誤差よりも小さいのがよい。
【0034】
図2Bは、第2の半導体素子204が第1の半導体素子202及びインターポーザ220から配置誤差(placement error:PE)だけオフセットしている1つの実施形態としてのボンデッド構造体200を示している。
図2Bに示すように、インターポーザ220は、インターポーザ220aの第1の面上に設けられた第1の複数の接触パッド206a及び第1の面と反対側のインターポーザ220Bの第2の面上に設けられた第2の複数の接触パッド206bを有するのがよい。インターポーザ220aの第1の面は、第1の複数の接触パッド206aが第1の半導体素子202に電気的に接続された状態で、第1の半導体素子202にボンディングされる(例えば、介在接着剤なしで直接ボンディングされる)のがよい。第2の半導体素子204は、第2の複数の接触パッド206bが第2の半導体素子204に電気的に接続された状態で、インターポーザ220bの第2の面にボンディングされる(例えば、介在接着剤なしで直接ボンディングされる)のがよい。スイッチング回路222は、第1の複数の接触パッド206aの各接触パッドと第2の複数の接触パッド206bの1つの組をなす多数パッドとの間で電気的接続を切り換えるよう構成されているのがよい。幾つかの実施形態では、スイッチングは、永続的であってもよく、すなわち非可逆的であってもよく、その結果、スイッチング回路が電気的接続状態をいったん切り換えると、接続を逆にすることができず、あるいはもう1つのパッドに切り換えることができないようになっている(例えば、スイッチは、ヒューズを有してもよく、アンチヒューズを有してもよい)。他の実施形態では、スイッチングは、可逆的であってもよく、その結果、スイッチを逆にすることができ、あるいは当初のスイッチの作製後にパッド相互間の電気的接続を変更することができるようになっている。例えば、かかる実施形態では、可逆的スイッチングは、能動回路が2つの状態又はパッド相互間で、あるいは3つ以上の状態又はパッドを切り換えることができるようにプログラム可能であるがよい。
【0035】
例えば、
図2Bに示すように、第1の半導体素子202は、第1の接触パッド206(1)を有するのがよく、インターポーザは、インターポーザ220の第1の面220a上に第2の接触パッド206(2)を有するのがよい。第2の接触パッド206(2)は、第1の接触パッド206(1)にボンディングされる(例えば、介在接着剤なしで直接ボンディングされる)のがよい。インターポーザ220は、第1の面220aと反対側のインターポーザの第2の面220b上に第3の接触パッド206(3)及び第4の接触パッド206(4)を有するのがよい。第2の半導体素子204は、第3の接触パッド206(3)にボンディングされた(例えば、介在接着剤なしで直接ボンディングされた)第5の接触パッド206(5)及び第4の接触パッド206(4)にボンディングされた(例えば、介在接着剤なしで直接ボンディングされた)第6の接触パッド206(6)を有するのがよい。スイッチング回路222は、第2、第3の接触パッド206(2),206(3)相互間の第1の電気的接続と第2、第4の接触パッド206(2),206(4)相互間の第2の電気的接触を切り換えて確立された接続状態209を提供するよう構成されているのがよい。図示のように、第2及び第4の接触パッド206(2),206(4)は、互いに横方向にオフセットしているのがよい。かくして、電気的接続及び/又は信号は、1対1の関係で接続され、その結果、電気的接続が1つの組をなす接触パッド相互間でのみ生じることができるようになっている。加うるに、電力及び/又は接地は、第1の半導体素子、第2の半導体素子、及びインターポーザをボンディングした後は再構成される必要はない。
【0036】
図2A及び
図2Bでは、第2の接触パッド206(2)は、第3及び第4のパッド206(3),206(4)を含む組をなす多数の接触パッド及び1つ以上の追加の接触パッドに接続可能であるのがよい。種々の実施形態では、第2のパッド206(2)に接続可能な組をなす多数の接触パッドは、位置合わせ不良許容誤差エリアM以下であるパッドエリア内に設けられるのがよい。種々の実施形態では、組をなす接触パッドは、100μm
2以下のパッドエリア内、25μm
2以下の接触エリア内、10μm
2以下のパッドエリア内、5μm
2以下のパッドエリア内、又は1μm
2以下のパッドエリアに設けられるのがよい。したがって、有益には、第2のパッド206(2)に接続可能な組をなす多数のパッドは、ボンディングツールの位置合わせ不良許容誤差内にあることができ、その結果、第2のパッド206(2)は、この組に属するパッドのうちの1つに(この組に属さないパッドにではなく)ボンディングされるようになっている。
【0037】
図3A及び
図3Bは、
図2A及び
図2Bの実施形態と全体としてほぼ同じ実施形態を示している。しかしながら、
図2A及び
図2Bの実施形態とは異なり、インターポーザ320は、互いに異なるピッチp
1,p
2を有する半導体素子を互いに接続するよう構成されているのがよい。例えば、第1の半導体素子302のパッドは、第2の半導体素子304のパッドよりも大きなピッチを有するのがよい。インターポーザ320aの第1の面上のパッドは、第1の半導体素子302のパッドにマッチするよう大きなピッチを有するのがよく、インターポーザ320bの第2の面上のパッドは、第2の素子のパッドとマッチするよう小さいピッチを有するのがよい。有益には、
図3A及び
図3Bの実施形態は、互いに異なるピッチを有する半導体素子302,304の接続を実現可能にする。
【0038】
図4A及び
図4Bは、
図2A~
図3Bの実施形態とほぼ同じ実施形態を示している。しかしながら、能動スイッチング回路がインターポーザ内に設けられている
図2A~
図3Bの実施形態とは異なり、能動スイッチング回路422は、第1及び第2の半導体素子402,404のうちの少なくとも一方の中に設けられるのがよい。
図4A及び
図4Bでは、例えば、スイッチング回路422は、第2の半導体素子404内に設けられるのがよい。他の実施形態では、スイッチング回路422は、追加的に又は代替的に、第1の半導体素子402内に設けられてもよい。理解されるべきこととして、
図2A~
図4Bは、第1の半導体素子のパッドと第2の半導体素子パッドとの間の1対多数の接続状態を示しているが、種々の実施形態では、追加的に又は代替的に、第2の半導体素子のパッドと第1の半導体素子のパッドとの間に1対多数の関係があってもよい。
【0039】
図5A及び
図5Bは、第1の半導体素子502と第2の半導体素子504との間のボンディングオフセットを求め、そしてボンデッド構造体500のボンディングオフセットを表す信号をスイッチング回路522に送るよう構成された試験回路550を示している。試験回路550は、第1の半導体素子502内の複数の試験パッド526、インターポーザ520内に設けられていて第1の複数の試験パッド526にボンディングされた複数のビア524、及び第2の半導体素子504内に設けられていて複数のビア524のうちの第1のビアにボンディングされたプローブパッド528を有するのがよい。試験回路550は、プローブパッド528に接続された基準パッド530をさらに有する。試験回路550は、プローブパッド528と基準パッド530との間の信号の連続性をモニタしてプローブパッド528が接続される試験パッド526を特定するよう構成されているのがよい。
図5A及び
図5Bに示すように、位置合わせ不要に起因したボンディングオフセットは、少なくとも一部が、プローブパッドが結合しているのがどの試験パッドやビアであるかに基づいて求められるのがよい。
図5Aでは、例えば、プローブパッド528は、正確な位置合わせ(0)に対する1つの配置分(+1)だけオフセットした試験パッド526及びビアへのボンディングを行う。幾つかの実施形態では、試験回路550は、能動回路522に電気的に接続されるのがよく、そして信号を能動回路に送るのがよく、それにより、+1位置にある対向したパッドへの電気的接続状態を切り換えることができる。他の実施形態では、試験回路550は、能動回路522に電気的に接続されなくてもよい。これに代えて、かかる実施形態では、スイッチング回路522は、少なくとも1つには求めたボンディングオフセットに基づいて、第1の電気的接続又は第2の電気的接続を生じさせるようプログラムされていてもよい。
【0040】
図5Cに示すように、種々の実施形態では、試験パッド526及びビア524は、2D位置合わせ不良を許容するよう2次元(2D)アレイをなして設けられるのがよい。したがって、
図5Cでは、試験パッド526及びビア524は、(x,y)座標によって表示される2次元でボンドオフセットのところに設けられるのがよい。試験パッドは、第1の半導体素子の任意適当な位置に配置できる。例えば、種々の実施形態では、試験パッドをダイシングレーン内に、ウエハのエッジに沿って、又は単体化ダイのフットプリント内に設けることができる。したがって、幾つかの実施形態では、試験回路は、ダイシングプロセス中に損傷を受ける場合がある。
【0041】
図6を参照すると、幾つかの実施形態では、配置精度を向上させるため、対向した接触パッドの直径は、互いに異なるのがよい。例えば、第1の半導体素子620上のパッド606aは、インターポーザ620上のパッド606bよりも小さいのがよく、またこの逆の関係が成り立つ。大きなパッドは、対向した面上の1組のパッドに少なくとも等しく又はこれよりも大きいのがよく、それにより、小さなパッドのうちの少なくとも何割かは、大きな対向パッドに接触してこれに電気的に結合するようにすることができ、それにより配置上の利益度が高くなる。
【0042】
図7は、ボンデッド構造体700のもう1つの実施形態を示している。
図7では、ボンデッド構造体700は、回路素子703、第1の接触パッド706(1)、及び第2の接触パッド706(2)を備えた第1の半導体素子702を有する。回路素子703は、能動回路の少なくとも一部分、能動回路に接続されたトレース、又は他の信号伝送回路を有するのがよい。ボンデッド構造体700は、第1の接触パッド706(1)にボンディングされた第3の接触パッド706(3)及び第2の接触パッド706(2)にボンディングされた第4の接触パッド706(4)を備えた第2の半導体素子704を有するのがよい。幾つかの実施形態では、本明細書において説明したように、第1及び第2の半導体素子702,704は、互いに直接的にハイブリッドボンディングされるのがよい。ボンデッド構造体700は、回路素子703と第1の接触パッド706(1)との第1の電気的接続状態と回路素子703と第2の接触パッド706(2)の電気的接続状態を切り換えるよう構成されたスイッチング回路722を有するのがよい。
図5A~
図5Cに示すように、試験回路750は、第1の半導体素子702と第2の半導体素子704との間のボンディングオフセットを算定し又は求め、そしてボンディングオフセットを表す信号をスイッチング回路722に送るよう構成されているのがよい。上述したように、試験回路750は、これら素子内の任意適当な場所に配置できる。
【0043】
かくして、
図7の実施形態では、ボンデッド構造体700は、第1の半導体素子702と第2の半導体素子704との間に介在インターポーザを備えなくてもよい。それどころか、第1及び第2の半導体素子702,704は、互いに直接ボンディングされるのがよい。スイッチング回路722は、幾つかの実施形態では全体が第1の半導体素子702内に(又は、変形例では、全体が第2の半導体素子内に)設けられるのがよい。他の実施形態では、スイッチング回路722は、ボンドインターフェース全体に及ぶのがよく、その結果、スイッチング回路722の第1の部分が第1の半導体素子702内に設けられ、かつスイッチング回路722の第2の部分が第2の半導体素子704内に設けられるようになっている。
【0044】
用語法
文脈上別段の明示の必要がなければ、原文明細書及び原文特許請求の範囲全体を通じて、“comprise”(訳文では「~を有する」としている場合が多い)、“comprising”、“include”(「~を含む」)、“including”などの用語は、排他的又は網羅的な意味とは異なり、包括的な意味に、すなわち“including, but not limited to”(「~を含むが、これには限定されない」)の意味に解されるべきである。本明細書に一般的に用いられている「結合され」という用語は、互いに直接的に連結されるか、1つ以上の中間要素により互いに連結される2つ以上の要素を意味している。同様に、本明細書において一般的に用いられている「連結され」という用語は、互いに直接的に連結されるか、1つ以上の中間要素により互いに連結される2つ以上の要素を意味している。加うるに、原語出願において用いられている“herein”(訳文では「本明細書において」としている場合が多い)、“above”(「上述の」の意)、“below”(「後述の」の意)、及び同様な趣旨の用語は、本願を全体として意味しており、本願の何らかの特定の部分を意味しているわけではない。さらに、本明細書で用いられているように、第1の素子が第2の素子の「上(on)」又は「覆って(over)」位置すると説明されている場合、第1の素子は、第1の素子と第2の素子は、互いに直接的に接触するよう、第2の素子上に又はこれを覆って直接位置する場合があり、あるいは第1の素子は、1つ以上の素子が第1の素子と第2の素子の間に介在するよう、第2の素子上又はこれを覆って間接的に位置する場合がある。文脈上許容される場合には、単数形又は複数形を用いた上記の詳細な説明中の用語は、それぞれ複数又は単数を含む場合がある。2つ以上のアイテムのリストに関して「又は」という用語は、この用語についての以下の解釈、すなわち、リスト中のアイテムのうちの任意のもの、リスト中のアイテムの全て、及びリスト中のアイテムの任意の組み合わせの全てを含む。
【0045】
さらに、原文明細書で用いられている条件語、とりわけ“can”(「~のがよい」、「~でもよい」又は「~することができる」)、“could”、“might”、“may”、“e.g.”、“for example”、“such as”などは、別段の明示の指定がなければ、又は用いられている文脈内で違ったやり方で理解されない場合、一般に、ある特定の実施形態がある特定の特徴、要素、及び/又は状態を含み、他の実施形態がある特定の特徴、要素、及び/又は状態を含まないということを意味するようになっている。かくして、かかる条件語は、一般的には、特徴、要素、及び/又は状態が、1つ以上の実施形態について必要な何らかの仕方で存在することを意味するようにはなってはいない。
【0046】
ある特定の実施形態を説明したが、これら実施形態は、例示としてのみ提供されており、本発明の範囲を限定するものではない。確かに、本明細書において説明した新規な装置、方法、及びシステムは、種々の他の形態で具体化でき、さらに、本明細書において説明した方法及びシステムの形態における種々の省略、置換、及び変更は、本発明の範囲から逸脱することなく実施できる。例えば、ブロックが所与の配置で示されているが、変形実施形態は、異なるコンポーネント及び/又は回路トポロジでほぼ同じ機能を実行することができ、幾つかのブロックを削除し、動かし、追加し、分割し、組み合わせ、かつ/あるいは改造することができる。これらブロックの各々は、多種多様な仕方で具体化できる。上述の種々の実施形態の要素及び作用の任意適当な組み合わせは、別の実施形態を提供するよう組み合わせ可能である。添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲及びその均等範囲は、本発明の範囲及び精神に含まれるかかる形態又は改造を含むものである。
【国際調査報告】