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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】高炉プラントの運転方法
(51)【国際特許分類】
   C21B 5/00 20060101AFI20240925BHJP
   C21B 7/00 20060101ALI20240925BHJP
   F27B 1/08 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
C21B5/00 321
C21B7/00 312
C21B5/00 318
C21B5/00 319
F27B1/08 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024518631
(86)(22)【出願日】2022-09-26
(85)【翻訳文提出日】2024-05-16
(86)【国際出願番号】 EP2022076722
(87)【国際公開番号】W WO2023052308
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】LU500699
(32)【優先日】2021-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】LU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500173376
【氏名又は名称】ポール ヴルス エス.エイ.
【氏名又は名称原語表記】PAUL WURTH S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
(74)【代理人】
【識別番号】100099472
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 猛
(74)【代理人】
【識別番号】100150773
【弁理士】
【氏名又は名称】加治 信貴
(72)【発明者】
【氏名】キンゼル、クラウス ペーター
(72)【発明者】
【氏名】カス、ジル
(72)【発明者】
【氏名】ミュンツァー、ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】ウァレリウス、ミリアム
(72)【発明者】
【氏名】ディドゥロン、フェルナンド
【テーマコード(参考)】
4K012
4K015
4K045
【Fターム(参考)】
4K012BE01
4K012BE03
4K012BE05
4K012BE09
4K012BF01
4K012BF05
4K015AE05
4K045AA01
4K045AA02
4K045BA02
(57)【要約】
シャフト炉とアンモニア改質プラントとを含むシャフト炉プラントの運転方法が提示されている。この方法は、(a.)アンモニア改質プラントにアンモニア流を供給する;(b.)還元ガス流を製造するため、アンモニア改質プラントで前記アンモニア流を分解する;(c.)金属酸化物含有投入物、例えば、酸化鉄含有投入物及び還元ガス流をシャフト炉に供給する;及び(d.)金属酸化物含有投入物及び還元ガス流との反応によりシャフト炉内で金属酸化物を還元する、各ステップを含み、還元ガスは、15%未満のアンモニア、好ましくは10%未満のアンモニアを含む。また、本発明は、このような方法を実施するように構成されたシャフト炉プラントに関する。
【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフト炉(12)及びアンモニア改質プラント(14)を含むシャフト炉プラント(10)の運転方法であって、
a.アンモニア改質プラント(14)にアンモニア流(22)を供給する;
b.還元ガス(20)を製造するため、アンモニア改質プラント(14)で前記アンモニア流(22)を分解する;
c.酸化鉄含有投入物(16)及び還元ガス(20)をシャフト炉(12)に供給する;
d.酸化鉄含有投入物(16)及び還元ガス(20)との反応によりシャフト炉(12)内で酸化鉄を還元する、各ステップを含み、
還元ガス(20)は、15%未満のアンモニア、好ましくは10%未満のアンモニアを含む、方法。
【請求項2】
ステップb)での分解は触媒的に行われる、請求項1に記載された方法。
【請求項3】
シャフト炉(12、112)からトップガス流(32)を回収し、かつ前記トップガス流をアンモニア改質プラント(14)のバーナー(40)で燃焼させるステップをさらに含む、請求項1又は2に記載された方法。
【請求項4】
他の還元及び/又は浸炭剤及び/又は燃料、ならびに還元ガス又はそれらの混合物をシャフト炉に供給するステップをさらに含む、請求項1から3のいずれか1項に記載された方法。
【請求項5】
鉄鋼プラントガス、アンモニア自体及び/又はバイオガス、バイオマス又はそれらの混合物などのバイオ燃料が、アンモニア改質プラント(14)のバーナー(40)で使用される、請求項1から4のいずれか1項に記載された方法。
【請求項6】
アンモニアを常温まで加熱、及び/又は蒸発させるためのエネルギーは、空調及び/又は冷却水の冷却など、鉄鋼プラントにおける冷却の必要を賄うために使用される、請求項1から5のいずれか1項に記載された方法。
【請求項7】
シャフト炉は、シャフトを含み、かつ還元ガス(20)の供給がシャフト炉(12)のシャフトを介して直接行われる、請求項1から6のいずれか1項に記載された方法。
【請求項8】
シャフト炉(12)は、直接還元反応器である、請求項1から7のいずれか1項に記載された方法。
【請求項9】
シャフト炉(12)は、高炉(112)である、請求項1から7のいずれか1項に記載された方法。
【請求項10】
補助燃料、還元及び/又は浸炭剤(30)は、還元ガス(20)に加えてシャフト炉(12、112)に供給される、請求項1から9のいずれか1項に記載された方法。
【請求項11】
補助燃料(30)は、羽口レベルの処で高炉に供給される、微粉炭、天然ガス、コークス炉ガス、バイオガス、合成ガス、アンモニア、分解されたアンモニア、水素及び/又はその混合物である、両請求項9及び10に記載された方法。
【請求項12】
合成ガス流は、還元ガス(20)に加えて、シャフト炉(12)に供給され、かつ鉄製品も合成ガス流及び酸化鉄含有投入物(16)の反応によって製造される、請求項1から11のいずれか1項に記載された方法。
【請求項13】
合成ガス流が産業ガス及び燃料ガスを改質することによって製造される、請求項12に記載された方法。
【請求項14】
ホットブリケットアイアン(HBI)(116)及び/又はスクラップが、酸化鉄含有投入物(16)の一部として高炉(112)に供給される、請求項13に記載された方法。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項に記載された方法を実施するよう構成されたシャフト炉プラント(10)であって、
シャフト炉(12);及び
ガス入口はアンモニア源(24)及び/又は熱交換器と流体接続され、かつガス出口はシャフト炉(12)と流体接続されている、ガス入口及びガス出口を備えたアンモニア改質プラント(14)、を含むシャフト炉プラント。
【請求項16】
シャフト炉の頂部が、アンモニア改質プラント(14)のバーナー(40)と流体接続されている、請求項15に記載されたシャフト炉プラント(10)。
【請求項17】
シャフト炉(12)は直接還元反応器である、請求項15又は16に記載されたシャフト炉プラント(10)。
【請求項18】
シャフト炉(12)は高炉(112)である、請求項15又は16に記載されたシャフト炉プラント(10)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してシャフト炉プラントの運転方法、並びにこのようなシャフト炉設備に関する。特に、本発明は、高炉プラント又は直接還元反応器(direct reduction reactor)を含むプラントの運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パリ協定の存在及び排出量に対する行動の必要性がほぼ世界的なコンセンサスとなっていることから、各産業部門がエネルギー効率の向上とCO排出量の低減に向けた解決策の開発を進めることが不可欠である。
【0003】
これに関連して、鉄冶金分野の関係者は、高炉製鉄ルートの環境フットプリント(footprint)を低減するための新しい手法(approaches)を開発して来た。実際、スクラップ溶解や電気炉内での直接還元などの代替方法があるにもかかわらず、高炉(BF)は今日でも最も広く使用されている鉄鋼製造用プロセスを代表しており、かつ世界的なCO排出量の低減に寄与するために、長年にわたり高炉からのCO排出量を低減する努力が払われて来た。
【0004】
コークスは、高炉製鉄における主要なエネルギー入力である。COの観点から、かつ多くの場合経済的観点からも、これはあまり好ましくないエネルギー源である。
【0005】
主にコークス使用量を低減するために、高炉から高炉トップガスを回収し、それを処理して還元可能性(reduction potential)を向上させ、かつ高炉に注入して還元プロセスを支援する戦略が策定された。これを行うための1つの方法は、圧力スイング吸着(PSA)又は真空圧力スイング吸着(VPSA)によって高炉ガス中のCO含有量を減らすことである。PSA/VPSA設備は、COとHに富む第1ガス流と、COとHOに富む第2ガス流を製造する。第1ガス流は還元ガスとして使用し、高炉中に帰還される。PSA/VPSA設備は、高炉ガス中のCO含有量を約40mol-%から約5mol-%に低減することができるが、取得、維持、運用に非常に費用が掛かり、さらに多くのスペースが必要である。
【0006】
CO排出量低減の観点で、高炉自体の運転のための炭素質燃料の使用量低減にもかなりの労力が払われている。コークスを、主に羽口レベルの処で注入される他のエネルギー源で代替することが今日では広く採用されている。コスト上の理由から、主に微粉炭が注入される。追加的又は代替的には、炭化水素、気体水素H、又はそれらの混合物の形体で水素含有量を増やした燃料が、主に天然ガスの価格が低い国で使用されている。水素及び炭化水素は発熱量に富むために、補助燃料として高炉の羽口に注入できる可能性を秘めている。
【0007】
これらの補助燃料は、高炉製鋼からのCO排出量にプラスの影響を与える、しかしプロセス上の理由によりその利用は制限されており、かつ今日では極めて多くの場合、既にこれらの限界に達している。実際、水素の関与が高ければ高いほど、一般的に高炉運転のCO低減可能性は高くなる。しかし、大量の微粉炭(PCI)とともに、羽口から低温(cold)のH及び/又は炭化水素を注入すると、RAFT(レースウェイ断熱火炎温度)が大幅に低下する。RAFTを上げるには、より高い酸素富化が必要であるが、それはトップガス温度によって制限される。したがって、羽口から高炉に注入できる低温H及び/又は炭化水素は比較的少量でしかなく、この技術によるCO節約の可能性は限定的である。
【0008】
さらに、国によっては、鉄鋼プラントのニーズを満たすのに十分なグリーンエネルギーを利用することができない。また、水素の製造及び/又は輸入は非常に高コストで困難で、特定のインフラが必要でもある。したがって、シャフト炉、特に高炉に水素富化ガスを供給する代替的方法が依然として必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、シャフト炉の運転から生じるCO排出量を低減し、かつ上述の問題を少なくとも部分的に克服する、シャフト炉プラントの運転方法並びに対応するシャフト炉プラントを提供することである。
【0010】
この目的は、請求項1に記載された方法及び請求項15に記載されたシャフト炉プラントにより達成される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は、第1の態様において、シャフト炉及びアンモニア改質プラントを含むシャフト炉プラントの運転方法を提案するものであり、その方法は、
a.アンモニア改質プラントにアンモニア流を供給する;
b.還元ガスを製造するため、アンモニア改質プラントで前記アンモニア流を分解(クラッキング(Cracking))する;
c.金属酸化物含有投入物(metal oxide containing charge)をシャフト炉に供給する;
d.金属酸化物投入物と還元ガスとの反応によりシャフト炉内で金属酸化物を還元する、各ステップを含んでいる。
【0012】
本発明によれば、還元ガスは、15mol-%未満のアンモニア、好ましくは10mol-%未満のアンモニアを含む。この方法は、対応する金属酸化物含有投入物から鉛又は銅などの他の金属を製造することに適用できるが、シャフト炉は、好ましくは、例えば銑鉄、スラグ、直接還元鉄(スポンジ鉄)、ホットブリケットアイアン(HBI)などの鉄を(酸化鉄含有投入物(iron oxide containing charge)から)製造するために使用される。
【0013】
本方法は、シャフト炉が直接還元反応器(direct reduction reactor)又は高炉のいずれかである好ましい実施形態に特に適合される。しかしながら、この方法は、任意の種類のシャフト炉を含むシャフト炉プラントを運転するために実施することができる。
【0014】
本開示の文脈(context)において、還元ガスとは、酸化中に金属/酸化鉄含有投入物を還元し、それによって金属/鉄を製造することができるガスをいう。本文では、アンモニア分解はアンモニア改質と呼び得、還元ガスは分解されたアンモニアとも呼び、未反応アンモニアは未分解アンモニア又は未改質アンモニアと呼び得る。
【0015】
本開示の文脈において、酸化鉄含有投入物とは、水酸化鉄(iron hydroxides)、酸化鉄-水酸化物、鉄(II)又は鉄(III)の酸化物などの酸化鉄及び/又は鉄(II)及び鉄(III)の混合酸化物を含む材料を指す。酸化鉄含有投入物は、金属鉄を経済的に抽出できる鉄鉱石を指し得る。このような鉄鉱石は、通常、マグネタイト(Fe、72.4wt.-%Fe)、赤鉄鉱(Fe、69.9wt.-%Fe)、針鉄鉱(FeO(OH)、62.9wt.-%Fe)、褐鉄鉱(FeO(OH)・n(HO)、55wt.-%Fe)又は菱鉄鉱(FeCO、48.2wt.-%Fe)の形体で酸化鉄に富んでいる。酸化鉄含有投入物は、直接還元鉄(スポンジ鉄(DRI))、ホットブリケットアイアン(HBI)、スクラップ又はそれらの混合物も含み得る。
【0016】
本開示の文脈において、改質プラントは、アンモニア改質プラント(アンモニア分解プラントとも呼ぶ)であり、以下の反応に従ってアンモニアを改質(即ち、分解(crack))するように構成された少なくとも1つの改質器(reformer)を含む:
2NH→N+3H
換言すれば、改質プラントはアンモニアが分解される処である。
【0017】
実施形態では、他の還元剤及び/又は浸炭剤(carburization agents)及び/又は燃料及び還元ガス又はそれらの混合物がシャフト炉に供給される。
【0018】
本開示の文脈において、かつシャフト炉が高炉である場合には、典型的な還元剤及び浸炭剤は、微粉炭、天然ガス、コークス炉ガス、バイオガス、合成ガス、木炭…等の高炉の羽口の処で注入される材料、及び鉄含有材料と共に高炉の頂部に投入される(charges)コークスである。
【0019】
本開示の文脈において、かつ直接還元炉の場合、典型的な還元剤及び浸炭剤は、天然ガス及び合成ガス(主にCO、H及び少量のCH、N、HO、CO…を含む天然ガスのような炭化水素含有ガス、の改質から製造されるガス)である。
【0020】
実施形態において、アンモニア改質プラントは、互いに直列又は並列に配置された複数の改質器を含み得るか、又は、アンモニア改質プラントは、互いに並列に配置された、少なくとも2連の改質器を形成するように配置された複数の改質器を含み得る。アンモニア改質プラントが複数の改質器を含む実施形態では、改質器は互いに同一又は異なっていることがあり得る。アンモニア改質プラントでの改質器の正確な数、タイプ及び配置は、製造される還元ガスの要件(例えば、温度、アンモニアの残留量等)を満たすために、製造される還元ガスのシャフト炉へのその後の供給に応じて有利に適合し得る。
【0021】
別の態様では、本発明はまた、
シャフト炉;及び
ガス入口がアンモニア源及び/又は熱交換器と流体接続され、ガス出口がシャフト炉と流体接続されている、ガス入口及びガス出口を備えたアンモニア改質プラント、を含むシャフト炉プラントをも提案する。
【0022】
シャフト炉プラントは、有利にも、以下でより詳細に説明するように、第1の態様による方法を実施することによって運転し得るよう構成されている。
【0023】
かくして、本開示は、低減したコークス及び/又は他の炭素源で、小さいCO排出量で、既存のインフラを最適に使用してシャフト炉の運転を可能にする、統合された方法(integrated method)及び対応するプラントを提案する。
【0024】
本方法は、既存のインフラの大部分を維持しつつCO排出量を低減することを目的として、鉄鋼業界かつより具体的にはシャフト炉の要件に理想的に適用される、新規で容易かつ経済的なエネルギーキャリアとしてのアンモニアの使用を提案する。
【0025】
実際、本発明者は、この運転方法(operating method)が各国のCOリーンエネルギー(lean energy)戦略に非常によく適合することを見出した。アンモニアの輸送は、液化天然ガス(LNG)又は液化石油ガス(LPG)の輸送専用の設備と非常によく似た設備で実現でき、アンモニアの液化温度は常圧で-33℃であるため、既存のインフラでも比較的簡単に適応できる。かくして、これは一般的なLPG及び/又はLNG設備と互換性がある。
【0026】
鉄鋼プラントのCO排出量を低減するために、アンモニアは、熱風炉(hot stove)プラント、再加熱炉(reheating furnaces)…及び火力発電所のバーナーのようなバーナーで、追加の燃料ガスとして直接使用し得る。アンモニアをバーナーで直接使用する場合、窒素に富むアンモニア燃料の燃焼に関連するNOx排出の問題に直面する。このような問題は、上述のように、分解された高温のアンモニアを還元剤として(即ち、還元ガスとして)シャフト炉に供給するときは回避される。シャフト炉を離れる残りの当該還元ガスは、出ていくトップガスに成分H、HO及びNを添加する。HOが凝縮されると、出ていくトップガスは、NとHだけが豊富になり、その燃焼中のNOx形成への影響は最小限に抑えられる。また、出ていくトップガスは、より高い効率に繋がる低位発熱量(lower calorific value)の増大、したがって、シャフト炉から出ていくトップガスを使用する下流炉や火力発電所のエネルギー消費量の低減をもたらすとのプラスの効果もある。
【0027】
したがって、この提案に係る方法の主な利点は、CO排出量をさらに低減するために、鉄鋼プラント、特にシャフト炉でのアンモニアの利用効率を向上させる仕方を同定したことである。
【0028】
別の利点は、改質(即ち、分解)プロセスにより、アンモニアから水素(H)含有量の高い合成ガスの製造を高効率でなし得るということである。
【0029】
また、アンモニアの分解は高吸熱反応であり、実行には多大なエネルギー(即ち、約2.5MJ/NmのNH)を要する。したがって、シャフト炉への高温の未分解アンモニアの注入は、熱的にみて低温N及び低温Hの注入に比類し得るものであり、したがって、注入箇所の温度を強力に低下させ、それによって還元ガスと酸化鉄含有投入物との反応を遅くする。未分解アンモニアの注入による冷却の影響を補うためには、より多くのコークスを投入する必要があり、それによってCO排出量低減の可能性に悪影響が出る。したがって、シャフト炉外でアンモニアを分解することで、シャフト炉の運転中の余分な炭素含有還元剤の消費が防止され、シャフト炉プラントのCO排出量を大幅に低減することができる。
【0030】
さらに、アンモニアの分解はシャフト炉外で行うため、その反応をより適切に監視及び制御することができ、それによって作業者はシャフト炉に供給される還元ガスの組成(つまり、HとNの量、及び可能性としては未反応の残留NHの量)を常に知ることができ、結果として、鉄製造のより良い制御に繋がる。
【0031】
実施形態では、アンモニア改質プラントにおけるアンモニア転換は経時的に一定であり、それによって、シャフト炉に供給される還元ガスが同じ還元可能性を呈することが保証され、したがって、シャフト炉に注入される還元ガスの安定した品質及び特性が保証される。
【0032】
代替的には、還元ガスの還元可能性やその他の特性(温度、圧力など)は、シャフト炉の要件の変化に合わせて動的に適応される。このような調整は、酸化鉄含有投入物の供給が経時的に一定でない場合、及び/又は製造中にシャフト炉を停止せずに、製造される鉄の品質を適応させる必要がある場合に特に重要である。
【0033】
本開示による運転方法及びシャフト炉設置の主な利点及び効果は、以下のように要約することができる。
-既存のインフラの再利用;
-アンモニアは水素よりも体積ベースでエネルギー密度が高いため、水素輸送と比較した場合のコスト効率の高い輸送;
-シャフト炉運転におけるアンモニア利用の効率向上。
【0034】
シャフト炉を運転するための本方法、並びに本開示のシャフト炉プラントのこれら及びさらなる利点について、以下でさらに詳述する。
【0035】
上述のように、アンモニアの分解は、以下の反応式に従って行われる:2NH→N+3H
アンモニアの分解(即ち、改質)には高い活性化エネルギーが必要なため、触媒の使用が有用である。高温、即ち、約700℃~1000℃のような、シャフト炉での注入に必要な通常の温度では、アンモニア分解(即ち、クラッキング又は改質)は触媒を使用しないで行うこともできる。しかしながら、アンモニアの非触媒改質では、アンモニア改質プラントの少なくとも1つの改質器内でのアンモニアの滞留時間を長くする必要があり、したがってより大きな改質器が必要になり得る。
【0036】
かくして、アンモニアの改質(即ち、分解)は、触媒的又は非触媒的に行うことができる。
【0037】
さらに、触媒を用いることで、アンモニアの分解(即ち、改質やクラッキング)に要する吸熱(endothermal heat)を低温で供給することができる。分解(即ち、改質)には、アンモニアを常温から約1000℃に加熱するのに必要なエネルギーと同様な、非常に高いエネルギーが必要なため、このことは一層重要である。したがって、改質ステップを、比較的低い温度、即ち約900℃未満、又はたとえ約700℃未満であっても、実行するということは、プロセスの熱効率を高める上で役立つ。したがって、実施形態では、アンモニア改質プラントにおける、還元ガス流を製造するためのアンモニアの分解が触媒的に有利に行われる。
【0038】
現在、アンモニア分解(即ち、アンモニア改質)のための触媒の開発が依然として進行中である。本方法では、例えばニッケル系触媒や、高温、即ち約1000℃までの温度で作用する任意の触媒など、あらゆる種類の触媒を使用することができる。しかしながら、アンモニアの高い転換率(conversion rates)が得られる、想定される熱力学的温度(thermodynamic temperature)である、約500℃の近くで働く触媒を使って、改質器内で有利に使用して熱効率を高めることができる。
【0039】
改質プロセス中のアンモニア転換は、還元ガス中の水素Hの濃度が高ければ高いほど、残留アンモニアNHの濃度が低くなることを意味するため、有利には、アンモニア転換を可能な限り高くすることが必要である。アンモニアの分解は吸熱性であるため、このことは特に重要である、それはシャフト炉内の雰囲気を冷却し、かつそのため、シャフト炉のプロセスに悪影響を及ぼす。実際、アンモニアを10mol%含む還元ガスは、このアンモニアを断熱的に転換するとき、その温度を約40℃だけ低下させる。
【0040】
驚くべきことに、本発明者らは、結果として生じる還元ガスは、それをシャフト炉に注入するために、通常800℃超の高温である必要があるため、本方法でシャフト炉プラントを運転する場合には、還元ガス中のアンモニア残留量は問題にならず、或いは、アンモニア改質(即ち、分解)を低温で行う必要もないことを見出した。
【0041】
上述のように、還元ガスは、アンモニア、即ち、未分解の(又は未改質の)アンモニアを含み得る。還元ガスは、シャフト炉の要件に応じて、15mol-%未満のアンモニア、10mol-%未満のアンモニア、又は5mol-%未満ですらあるアンモニアなど、さまざまなレベルの残留アンモニアを含み得る。アンモニア改質プロセスは完全である必要がないため、そのことはシャフト炉でのCO排出量を低減するためのアンモニアの効率的な利用についてのコスパの良い成果(easy quick win)である。
【0042】
改質プロセスの温度、即ちアンモニアの分解が行われる温度は、好ましくは、還元ガスがシャフト炉に供給される温度に実質的に対応し得る。
【0043】
改質プロセスの圧力、即ち分解が行われる圧力は、好ましくは、ダクト及び改質器における圧力損失によって追加される高炉のシャフトレベルの処の圧力に対応している。改質プラントの入口の通常の圧力レベルは、約15barg未満、より具体的には12barg未満であろう。
【0044】
有利にも、アンモニア改質プラントは、アンモニア貯蔵庫から少なくとも1つの改質器に提供されるアンモニア流の加熱、及び場合によっては蒸発から生じる冷却エネルギーを鉄鋼プラント内の消費者に供給するように配置された、室内空調、冷却水冷却等のような熱交換器を含み得る。
【0045】
代替的及び/又は追加的に、アンモニアは、アンモニア改質器に由来する煙道ガス及び/又は特に燃焼目的で使用される燃料ガスの燃焼に由来する煙道ガスによって、改質器に入る前に熱交換器で加熱される。
【0046】
熱交換器は、チューブバンドルタイプ、プレート式熱交換器…など、種々のタイプであり得る。
【0047】
好ましい実施形態において、本方法は、シャフト炉からトップガス流を回収し、かつアンモニア改質プラントのバーナーでトップガス流を燃焼させるステップをさらに含む。本文において、トップガスとは、シャフト炉が高炉である実施形態における例えば高炉ガスのような、シャフト炉の頂部から出るガスを指し、かつシャフト炉ガスとも称し得る。代替的又は追加的に、鉄鋼プラントガス、アンモニア自体及び/又はバイオガス、バイオマス…等のバイオ燃料又はこれらの混合物は、アンモニア改質プラントのバーナーで用い得る。
【0048】
上述のように、アンモニアの加熱と分解(即ち、改質)では多くのエネルギーを使用する。アンモニアを気体から約25℃~950℃に加熱し、かつ水素Hと窒素Nに改質(即ち、分解)するには、約4,5MJ/NmのアンモニアNHが必要である。このエネルギーは、有利にも、アンモニア改質プラントのバーナーでシャフト炉からのトップガスを燃焼させることによって供給することができ、冶金上の理由で、シャフト炉ガスのエネルギーをエネルギー効率の低い電気エネルギー製造に使用する代わりに、シャフト炉に直接リサイクルすることを可能にする。改質プラントのバーナーでの炭素質燃料ガスのさらなる燃焼は必要でないため、シャフト炉プラントの運転方法により、さらなるCO排出量低減を達成し得る。代替的又は追加的に、鉄鋼プラントガス、アンモニア自体及び/又はバイオガス、バイオマス…などのバイオ燃料又はこれらの混合物は、アンモニア改質プラントのバーナーで用いられる。
【0049】
好ましい実施形態によれば、還元ガスの供給は、シャフト炉のシャフトを介して直接行われる。シャフト炉が直接還元反応器(direct reduction reactor)である実施形態では、このことは、還元ガスが、好ましくは、反応器のスロートでも冷却帯でもなく、還元帯に注入されることを意味している。シャフト炉が高炉である実施形態では、これは、還元ガスをシャフトレベル、即ち熱風レベルより上方、好ましくは融着帯(cohesive zone)より上の酸化第一鉄のガス固体還元帯(gas solid reduction zone)内に注入できることを意味している。製造された還元ガスを高炉のシャフトレベルの処で注入することで、コークス率(coke rate)、即ち製造された銑鉄のトン当たりコークス及び/又は他の炭素源を大幅に低減できる。
【0050】
代替的又は追加的に、還元ガスを高炉の羽口レベルの処で供給すること、好ましくは分解後の高温で供給することができる。羽口を介して還元ガスを注入することにより、高炉の運転に必要な酸素を増加させ、それによって一般的に補助燃料添加の可能性を減少させるが、分解されたアンモニアを含む還元ガスは、レースウェイ内の火炎温度まで加熱するためのO添加の有無、又は炉外での既に火炎温度に達するプラズマ加熱の有無にかかわらず、分解後の高温状態で羽口レベルの処で注入することができるという利点がある。したがって、分解されたアンモニアを含む還元ガスは、下部シャフトの処で(還元)ガスを注入するか否かにかかわらず、羽口レベルの処で注入することができる。さらに、分解されたアンモニアを含む還元ガスは、予め700~1000℃に直接及び/又は間接的に加熱されており、リサイクルされかつ冷却(凝縮)されたシャフト炉のトップガスがシャフトの上方レベルの処に注入されるか否かにかかわらず、羽口レベルの処で注入することができる。
【0051】
好ましい実施形態では、高炉のシャフトに注入される還元ガスに加えて、補助燃料が高炉内に供給される。補助燃料は、有利にも、微粉炭、天然ガス、コークス炉ガス及び/又は水素であり得る。シャフト炉、特に高炉のシャフトへ還元ガスを注入することで、微粉炭、天然ガス、特に水素も、又はその他の材料をより高い処にある羽口で注入することができる。実際、分解されたアンモニアを還元ガスとしてシャフトに注入(又は供給)すると、トップガスの温度が上昇し、それによって羽口レベルの処での酸素富化率をより高くすることができ、したがってPCI、NG、COG、水素などのより一層の(higher)補助燃料注入が可能になる。上述のように、分解されたアンモニア及び/又は還元ガスを含むアンモニアは、O添加の有無にかかわらず、追加のプラズマ加熱の有無にかかわらず、下部シャフトのところの還元ガスの注入の有無にかかわらず、羽口レベルの処で(補助燃料として)添加することもできる。このようにして、コークスの余分量を水素に富む補助燃料に置き換えることができ、高炉還元剤の炭素含有量をさらに低減し(つまり、必要なコークスの量を減らす)、その結果、CO排出量を低減することができる。
【0052】
実施形態によっては、合成ガス流が還元ガスに加えてシャフト炉に供給される。このような実施形態では、鉄還元は、合成ガス流と酸化鉄含有投入物間の反応によっても製造される。
【0053】
合成ガス流は、有利にも工業用ガス(例えば、シャフト炉トップガス、蒸気及び/又は塩基性精錬炉ガス等)及び燃料ガス(例えば、コークス炉ガス、天然ガス、メタン及び/又はバイオガス等)を改質することによって製造し得る。
【0054】
同一又は代替的実施形態によれば、HBI及び/又はスクラップは、酸化鉄含有投入物の一部として高炉に供給し得る。
【0055】
HBIは、輸送の容易さと高いエネルギー密度を兼ね備えているため、興味深いエネルギー輸送形態である。実際、そのコンパクトな形状によりその操作と輸送が容易になるため、既存のインフラを使用してHBIを輸送することができる。HBIは圧縮された直接還元鉄、即ち前処理された鉄鉱石であり、HBIの輸送は、未還元鉱石に結合している酸素の輸送を回避しつつ、高炉で酸化鉄含有投入物として供給される原料の輸送とエネルギーの輸送とを有利に組み合わせたものである。実際、HBIは前処理された鉄鉱石であるので、HBIは既に金属鉄の含有量が高いことから、高炉で完全に処理された鉄を得るために必要なエネルギーは少なくて済む。
【0056】
重要なCO節約を達成するために、HBIは好ましくはグリーン水素で製造される。代替的には、天然ガスから製造し、水素及び/又はDRIの製造プロセスに炭素回収(carbon capture)を適用することもできる。
【0057】
高炉に投入されたHBIは、その製造のために比較的低品位の鉱石が使用できるというさらなる利点がある。このことは、通常どおりに鉄とスラグを分離する高炉において、HBIが溶融されるという事実に依るものである。この理由で、電気アーク炉(EAF)技術による電気製鋼に必要なHBIとしてはスラグ率が高く、不純物が多い結果をもたらす低品質の原料を使用することができる。換言すれば、高炉に供給される酸化鉄含有投入物の一部として、有利にも、EAF技術に用いるには品質が不十分なHBIを使用でき、それによってシャフト炉プラントのエネルギー消費量とCO排出量をさらに低減することができる。
【0058】
また、上述のように、分解された(又は改質された)アンモニアを還元ガスとして高炉に供給することで、高炉から出るトップガスの温度を高くすることができる。このより高いトップガス温度により、本方法に依らない、即ち分解されたアンモニアを注入しないで運転する高炉と比較した場合、投入物としてより大量のHBIを使用することが可能になる。
【0059】
HBIの投入率(charging rates)が高いことで、CO排出量の大幅な低減が達成できる。CO排出量の低減は、例えばCOGなどのCOリーン補助燃料を使用しても達成できる。それでもなお、COGなどのCOリーン補助燃料をHBIと併用すると、従来の高炉運転方法ではすぐに限界に達し、一方ではHBIかつ他方ではCOリーン補助燃料の両方を使用(投入)した場合に個別に達成できるCOの総和排出量の低減には至らないであろう。実際、高炉にHBIを投入し、COリーン補助燃料を使用することの両者により、高炉のトップガス温度は低下する、したがって、両方のプロセス改善(HBIの投入とCOリーン補助燃料の使用)をそれぞれ目一杯組み合わせることは許されない。
【0060】
還元ガスのシャフト注入により、有利にもトップガス温度を上昇させ、それによってHBI投入による冷却効果とCOリーン補助燃料の使用効果をバランスさせることができる。したがって、高炉の羽口を介したCOリーンガス燃料注入と、高炉のHBI投入、アンモニア分解生成物(即ち、分解された又は改質されたアンモニア)のような高温還元ガスのシャフト注入とを組み合わせた場合に、最適なCO節約が得られる。特に好ましい実施形態では、高炉における還元ガスとしての分解された(即ち、改質された)アンモニアの供給と、例えばコークス炉ガス(COG)などの補助燃料の供給及び高炉で溶融される酸化鉄含有投入物の一部としてのHBIの供給とが組み合わされる。このような実施形態によれば、より高いトップガス温度を生成する改質アンモニアのシャフト注入により、そのより高いトップガス温度により、より高いHBI及びCOG率(rates)が得られるため、より低いCO排出量、特に約38%までのCO排出量の低減、ならびに有意な生産性の向上が認められる。
【0061】
「流体接続」という表現は、2つのデバイスが導管又はパイプによって接続され、流体、例えば気体が1つのデバイスから別のデバイスに流れることができることを意味する。この表現には、この流れを変化させるための手段、例えば、質量流量を調整するためのバルブやファン、圧力を調整するための圧縮機など、ならびにシャフト炉プラント内のシャフト炉全体の運転又は各要素の運転の適切な制御に必要又は望ましいセンサ、アクチュエータなどの制御要素が含まれる。
【0062】
本文において「改質器」とは、改質反応器(reformer reactor)又は改質容器など、改質プロセスを行うことができる容器(container,vessel)等を意味する。
【0063】
「シャフト供給」、「シャフト注入」、「シャフトに…供給」、「シャフトレベルの処で…供給」、「シャフトを介して…供給」、「シャフトレベルの処で供給される」、又は「シャフトレベルの処で注入される」とは、シャフト炉のシャフトに直接材料(ガスなど)を注入することを意味する。シャフト炉が高炉である実施形態では、このことは、高温の高炉レベルより上方、即ち朝顔の上方、好ましくは高炉内の融着帯の上方の酸化第一鉄のガス固体還元帯内に材料を注入することを意味する。
【0064】
本文では、「シャフト炉への供給」と「シャフト炉への注入」、並びに「シャフト炉へ供給される」と「シャフト炉へ注入される」又は「シャフト炉内へ注入される」は、それぞれ同義語として用いるが、これはシャフト炉への材料の注入を意味する。
【0065】
本文における「約」とは、所与の数値が、当該数値の-10%~+10%の値の範囲、好ましくは、当該数値の-5%~+5%の範囲の値の範囲をカバーすることを意味する。特に断りのない限り、元素及び分子の率に関するここでの全ての百分率は、ガス組成を除きwt%として表され、ガス組成の割合はmol%で示される。
【0066】
本開示のさらなる細部及び利点は、添付図面を参照して、いくつかの限定的ではない実施形態についての以下の詳細な説明から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0067】
本開示の好ましい実施形態を、例として、添付の図面を参照して、ここで説明する。
図1】本シャフト炉の運転方法を実施するように構成されたシャフト炉プラントの第1の変形例の実施形態の概略図である。
図2】本シャフト炉の運転方法を実施するように構成されたシャフト炉プラントの第2の変形例の実施形態の概略図である。
【好ましい実施形態の説明】
【0068】
以下では、シャフト及びシャフト炉プラントの運転方法の2つの異なる変形例が、添付図面に関連して示されている。
【0069】
図1は、第1の還元ガス流(即ち、分解されたアンモニア)を製造するため、アンモニアの改質(即ち、分解)を行うこと、及びシャフト炉のシャフトを介する還元ガスの第1流の注入を含む、シャフト炉を運転するための本方法の第1の実施形態の実施形態を示す。
【0070】
図1に模式的に示すように、シャフト炉プラント10は、シャフト炉12と、シャフト炉12と流体接続したアンモニア改質器を含む改質プラント14とを含む。シャフト炉12は、その上端において、概して酸化鉄含有投入物16を受領する。シャフト炉12の下端では、還元鉄やスラグ製品18が取り出される。
【0071】
補助燃料30は、シャフト炉12の下部に注入され得る。補助燃料は、コークス炉ガス、天然ガス、又はシャフト炉を運転するための補助燃料として一般的に使用される任意の他のガスを含み得る。
【0072】
シャフト炉12から出たシャフト炉ガス32は、その上端で回収される。回収されたシャフト炉ガス32は、通常、シャフト炉12から出ると直ぐに前処理される。シャフト炉ガス32の前処理には、最初に、その蒸気含有量を低減するための冷却、次いで洗浄、特に塵埃及び/又はHCl及び/又は金属化合物の除去が含まれる。図1の実施形態では、シャフト炉ガス32の冷却洗浄は、冷却及び洗浄ユニット34で行われる。
【0073】
冷却及び洗浄ユニット34の下流側では、シャフト炉ガス流が少なくとも2つの流れに分割される。一方の流れは、シャフト炉輸出ガス(export gas)36と呼ばれ、かつ現シャフト炉プラント10を含むプラントの別のユニットに供給され得る。他方の流れ38は、アンモニアの改質(即ち、分解)を行うのに必要なエネルギーを製造するために、アンモニア改質器14のバーナー40内で燃料ガスの一部として使用される。
【0074】
代替的又は追加的に、一部のシャフト炉ガスは、熱交換器42のような別のユニットに分岐させ、次いで、シャフト炉12内に及び/又は改質器44のバーナーに注入され得る。
【0075】
他部分のシャフト炉ガスは、導管48及び22を介してアンモニア改質器14に直接導入され得る。
【0076】
シャフト炉ガス(SFG)には、シャフト炉に入力されるエネルギーの最大約40%が含まれている。シャフト炉に基づく金属(鉄)製造によるCO排出量を低減する目的のための、重要な戦略の1つは、このSFGを可能な限り冶金目的に使用することである。したがって、還元ガスを製造するためのアンモニアの改質又は分解では、シャフト炉の金属製造からのCO排出量低減可能性を向上させるために、シャフト炉ガスを可能な限り使用すべきである。
【0077】
シャフト炉12は、シャフトレベルの処で、還元ガス20を受領する。還元ガス20は、シャフト炉12内部で酸化鉄含有投入物16と反応して、還元酸化鉄及び金属鉄を製造する。DRI18は、炉の下側から取り出される。本実施形態によれば、還元ガス20は、改質プラント14内、即ちアンモニア改質器内で製造される。還元ガス20は、分解されたアンモニア22であり、かつN及びHを含む。改質プロセスは、次の反応に従って行われる:2NH→N+3H
【0078】
これは、アンモニア改質器内の高温によって、及び/又は例えばNi系などの触媒又は1000℃までの温度又は少なくとも700℃までの温度で動作する任意の触媒などの触媒の使用によって、維持し得る。アンモニア22は、アンモニア改質器14と流体接続した貯蔵タンク24からその改質器に供給される。この特定の構成では、アンモニアは、アンモニアを常温まで加熱するために、貯蔵タンク24から熱交換器46を通過する。
【0079】
次に図2に移ると、本シャフト炉プラント10の第2の実施形態及びその運転方法が示されている。この実施形態において、シャフト炉は高炉112である。
【0080】
高炉112は、概して倉庫からコークス(図示せず)及び鉱石を受領する。鉱石は概して酸化鉄含有投入物16と呼ばれる。本実施形態によれば、HBI116も、高炉112内で溶融される酸化鉄含有投入物16の一部として、高炉112の上端へ供給し得る。
【0081】
高炉112の下端では、液状銑鉄及びスラグ(即ち、鉄製品)18が抽出される。高炉112自体の運転については周知であり、ここではこれ以上説明しない。
【0082】
高炉は、高炉112の下部、即ち羽口レベルの処で、複数のカウパーからなる熱風炉プラント28から提供される熱風26と、補助燃料30とを受領する。熱風26は、空気又は酸素富化ガスを含み得る。補助燃料30は、微粉炭、コークス炉ガス、天然ガス、水素、プラスチック廃棄物、石油、褐炭、アンモニア、分解されたアンモニア、又は高炉を運転するための補助燃料として一般的に使用されるその他の任意のガスであり得る。
【0083】
高炉112は、羽口レベルよりも上方に位置するシャフトレベルの処で還元ガス20を受領する。本実施形態によれば、還元ガス20は、改質プラント14、即ちアンモニア改質器で製造される。還元ガスは分解されたアンモニア22であり、NとHとを含む。アンモニア改質器は、少なくとも燃料ガスが供給されるバーナー40を含む。
【0084】
還元ガス20は、その高い含有量の水素を備えて、高炉112にシャフトレベルの処で注入される。
【0085】
高炉112から出た高炉ガス32は、その上端で回収される。回収された高炉ガス32は、通常、高炉112から出ると直ぐに前処理される。高炉ガス32の前処理には、最初に、その蒸気含有量を低減するための冷却、次いで洗浄、特に塵埃及び/又はHCl及び/又は金属化合物の除去が含まれる。図2の実施形態では、高炉ガスの冷却及び洗浄は、冷却及び洗浄ユニット34で行われる。代替的には、別個のユニット、冷却を行う第1のユニット、及び洗浄を行う第2のユニット(又は複数の第2のユニット)又はその逆、が使用可能である。
【0086】
冷却及び洗浄ユニット34の下流側では、高炉ガス流が少なくとも2つの流れに分割される。一方の流れは、高炉輸出ガス36と呼ばれ、かつ現シャフト炉プラント10を含む鉄鋼プラントの別のユニットに供給され得る。他方の流れ38は、アンモニアの改質(即ち、分解)を行うのに必要なエネルギーを製造するために、アンモニア改質器14のバーナー40内で燃料ガスの一部として使用される。
【0087】
高炉ガス(BFG)には、高炉に入力されるエネルギーの最大約40%が含まれている。高炉に基づく製鋼によるCO排出量を低減する目的のための、重要な戦略の1つは、このBFGを可能な限り冶金目的に使用することである。したがって、還元ガスを製造するためのアンモニアの改質又は分解では、高炉製鉄からのCO排出量低減可能性を向上させるために、高炉ガスを可能な限り使用すべきである。
【0088】
図2を参照して以上で説明したシャフト炉プラント10は、ここで説明する方法に従って鉄を製造するように運転することができる。表1は、高炉の伝統的な運転(classical operation)(基準ケース)と、本方法の3つの実施形態による分解されたアンモニア(即ち、第1の還元ガス流)注入による高炉の運転を比較している。
【表1】
【0089】
異なるケースでのCO排出量を計算するため、異なる入力材料について以下の排出係数が考慮された(表2)。
【表2】
【0090】
* 通常、HBIにはいくらかの炭素が含まれている(約1.5wt.-%)。この場合、カーボンフリーで製造されたグリーンHBIが使用された。
【0091】
** CO排出量は、既に溶銑(溶湯)によると考えられている。
【0092】
基準運転では、高炉は羽口でコークスと微粉炭の注入のみを使用する、これに対し、ケース1では分解されたアンモニアが高炉のシャフトレベルの処で(即ち、シャフトを介して)追加して注入される。ケース1では、400Nm/tHM(溶銑のNm/t)の分解されたアンモニアをシャフトを介して注入することで、コークス率を301(基準に対する)から220kg/tHM(ケース1に対する)へと大幅に低下可能であることが分かる。CO排出量が1973(基準に対する)から1634kg/tHM(ケース1に対する)に減少し、17%のCO排出量低減を可能にした。「/tHM」で表される率は、シャフト炉で製造される溶銑のトン(メトリックトン)当たりを指す。「Nm」は、通常の条件、即ち温度0℃(273.15K)及び絶対圧力1気圧(101.325kPa)での1立方メートルのガスの体積を示すノルマルリューベを指す。
【0093】
ケース2(表1)では、(ケース1と同様に、)分解されたアンモニアが高炉のシャフトレベルの処で注入され、コークス炉ガス(COG)が高炉の羽口を介して注入される。補助燃料(COGなど)の注入量を増やす場合、火炎温度(flame temperature)を維持するために酸素の富化(enrichment)を上げる必要がある。火炎温度は通常、PCIで2000℃以上、PCIなしで1800℃以上である。
【0094】
高炉内の酸素富化を増大することは、高炉で使用される天然のブラスト(空気)量を減らすことを意味する。その結果、高炉に入れる熱風の総量は、830(基準に対する)から412Nm/tHM(ケース2に対する)に減少する。
【0095】
表1のケース2から明らかなように、COG注入と微粉炭注入の同時注入が可能であり、約169℃の十分なトップガス温度が可能になる。COG注入により、コークス率を220kg/tHM(ケース1に対する)から202kg/tHM(ケース2に対する)にさらに低減することが可能になる。これにより、関連するCO排出量は1634kg/tHM(ケース1に対する)から1528kg/tHM(ケース2に対する)に減少し、6%の追加CO排出低減量に相当する。基準ケースに対して、ケース2ではCO排出量が23%だけ低減している。
【0096】
表1に示した最後のケース(ケース3)では、HBIは、分解されたアンモニアとCOGの注入に加えて、酸化鉄含有投入物の一部として供給される。
HBIの供給により、ケース2(202対201kg/tHM)に対して、実質的に同じコークス率を維持しながら、石炭率(即ち微粉炭注入率)を下げることができる。このコークス率は気固液反応器(gas-solid-liquid reactor)に必要な透過性を確保できるように高炉を運転できる最小コークス率と見込まれるものであってかつそれに相当している。全体的な炭素入力の低減により、CO排出量がさらに低減されていることが分かる。CO排出量はわずか1221kg/tHMで、基準ケースに対して38%のCO排出低減量に相当する。
【0097】
表1を見ると、コークスの一部を分解されたアンモニアに置き換えることで、低位発熱量のトップガスを増やし、発電所及び/又はその他の炉でのトップガス(即ち、高炉ガス)の下流利用効率を上げることが分かる。補助燃料としてのコークス炉ガス(COG)及び/又は酸化鉄含有投入物としてのHBIの注入によるコークス率のさらなる低下により、低位発熱量のトップガスをさらに増大させることができる。
【0098】
本発明は、図面及び前述の説明において例証され、詳細に説明されたが、そのような例示及び説明は例証又は例示であり限定するものではない。本発明は、開示された実施形態に限定されるものではない。開示された実施形態に対する他の変形例は、特許請求の範囲の発明を実施する当業者によって、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲を検討することで理解し、実現することができる。
【符号の説明】
【0099】
10 シャフト炉プラント
12 シャフト炉
14 アンモニア改質プラント/改質器
16 酸化鉄含有投入物
18 鉄製品
20 還元ガス
22 アンモニアNH
24 アンモニアNH貯蔵タンク
26 熱風
28 熱風炉プラント
30 補助燃料
32 高炉ガス
34 冷却及び洗浄ユニット
36 輸出ガス
38 前処理された高炉ガス
40 バーナー
42 熱交換器
44 改質器
46 熱交換器
48 導管
112 高炉
116 ホットブリケットアイアン(HBI)

図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2023-10-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフト炉(12)及びアンモニア改質プラント(14)を含むシャフト炉プラント(10)の運転方法であって、
a.アンモニア改質プラント(14)にアンモニア流(22)を供給する;
b.還元ガス(20)を製造するため、アンモニア改質プラント(14)で前記アンモニア流(22)を分解する;
c.酸化鉄含有投入物(16)及び還元ガス(20)をシャフト炉(12)に供給する;
d.酸化鉄含有投入物(16)及び還元ガス(20)との反応によりシャフト炉(12)内で酸化鉄を還元する、各ステップを含み、
還元ガス(20)は、15%未満のアンモニア、好ましくは10%未満のアンモニアを含み、かつステップb)での分解は触媒的に行われる、方法。
【請求項2】
シャフト炉(12、112)からトップガス流(32)を回収し、かつ前記トップガス流をアンモニア改質プラント(14)のバーナー(40)で燃焼させるステップをさらに含む、請求項1に記載された方法。
【請求項3】
他の還元及び/又は浸炭剤及び/又は燃料、ならびに還元ガス又はそれらの混合物をシャフト炉に供給するステップをさらに含む、請求項1又は2に記載された方法。
【請求項4】
鉄鋼プラントガス、アンモニア自体及び/又はバイオガス、バイオマス又はそれらの混合物などのバイオ燃料が、アンモニア改質プラント(14)のバーナー(40)で使用される、請求項1から3のいずれか1項に記載された方法。
【請求項5】
アンモニアを常温まで加熱、及び/又は蒸発させるためのエネルギーは、空調及び/又は冷却水の冷却など、鉄鋼プラントにおける冷却の必要を賄うために使用される、請求項1から4のいずれか1項に記載された方法。
【請求項6】
シャフト炉は、シャフトを含み、かつ還元ガス(20)の供給がシャフト炉(12)のシャフトを介して直接行われる、請求項1から5のいずれか1項に記載された方法。
【請求項7】
シャフト炉(12)は、直接還元反応器である、請求項1から6のいずれか1項に記載された方法。
【請求項8】
シャフト炉(12)は、高炉(112)である、請求項1から6のいずれか1項に記載された方法。
【請求項9】
補助燃料、還元及び/又は浸炭剤(30)は、還元ガス(20)に加えてシャフト炉(12、112)に供給される、請求項1から8のいずれか1項に記載された方法。
【請求項10】
補助燃料(30)は、羽口レベルの処で高炉に供給される、微粉炭、天然ガス、コークス炉ガス、バイオガス、合成ガス、アンモニア、分解されたアンモニア、水素及び/又はその混合物である、両請求項8及び9に記載された方法。
【請求項11】
合成ガス流は、還元ガス(20)に加えて、シャフト炉(12)に供給され、かつ鉄製品も合成ガス流及び酸化鉄含有投入物(16)の反応によって製造される、請求項1から10のいずれか1項に記載された方法。
【請求項12】
合成ガス流が産業ガス及び燃料ガスを改質することによって製造される、請求項11に記載された方法。
【請求項13】
ホットブリケットアイアン(HBI)(116)及び/又はスクラップが、酸化鉄含有投入物(16)の一部として高炉(112)に供給される、請求項12に記載された方法。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項に記載された方法を実施するよう構成されたシャフト炉プラント(10)であって、
シャフト炉(12);及び
ガス入口はアンモニア源(24)及び/又は熱交換器と流体接続され、かつガス出口はシャフト炉(12)と流体接続されている、ガス入口、触媒、及びガス出口を備えたアンモニア改質プラント(14)、を含むシャフト炉プラント。
【請求項15】
シャフト炉の頂部が、アンモニア改質プラント(14)のバーナー(40)と流体接続されている、請求項14に記載されたシャフト炉プラント(10)。
【請求項16】
シャフト炉(12)は直接還元反応器である、請求項14又は15に記載されたシャフト炉プラント(10)。
【請求項17】
シャフト炉(12)は高炉(112)である、請求項14又は15に記載されたシャフト炉プラント(10)。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-29
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、概してシャフト炉プラントの運転方法、並びにこのようなシャフト炉設備に関する。特に、本発明は、高炉プラントの運転方法に関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高炉(12、112)及びアンモニア改質プラント(14)を含む高炉プラント(10)の運転方法であって、
a.アンモニア改質プラント(14)にアンモニア流(22)を供給する;
b.還元ガス(20)を製造するため、アンモニア改質プラント(14)で前記アンモニア流(22)を分解する;
c.酸化鉄含有投入物(16)及び還元ガス(20)を高炉(12、112)に供給する;
d.酸化鉄含有投入物(16)及び還元ガス(20)との反応により高炉(12、112)内で酸化鉄を還元する、各ステップを含み、
還元ガス(20)は、15%未満のアンモニア、好ましくは10%未満のアンモニアを含む、方法。
【請求項2】
ステップb)での分解は触媒的に行われる、請求項1に記載された方法。
【請求項3】
高炉(12、112)からトップガス流(32)を回収し、かつ前記トップガス流をアンモニア改質プラント(14)のバーナー(40)で燃焼させるステップをさらに含む、請求項1又は2に記載された方法。
【請求項4】
他の還元及び/又は浸炭剤及び/又は燃料、ならびに還元ガス又はそれらの混合物を高炉に供給するステップをさらに含む、請求項1から3のいずれか1項に記載された方法。
【請求項5】
鉄鋼プラントガス、アンモニア自体及び/又はバイオガス、バイオマス又はそれらの混合物などのバイオ燃料が、アンモニア改質プラント(14)のバーナー(40)で使用される、請求項1からのいずれか1項に記載された方法。
【請求項6】
アンモニアを常温まで加熱、及び/又は蒸発させるためのエネルギーは、空調及び/又は冷却水の冷却など、鉄鋼プラントにおける冷却の必要を賄うために使用される、請求項1からのいずれか1項に記載された方法。
【請求項7】
高炉は、シャフトを含み、かつ還元ガス(20)の供給が高炉(12、112)のシャフトを介して直接行われる、請求項1からのいずれか1項に記載された方法。
【請求項8】
補助燃料、還元及び/又は浸炭剤(30)は、還元ガス(20)に加えて高炉(12、112)に供給される、請求項1からのいずれか1項に記載された方法。
【請求項9】
補助燃料(30)は、羽口レベルの処で高炉に供給される、微粉炭、天然ガス、コークス炉ガス、バイオガス、合成ガス、アンモニア、分解されたアンモニア、水素及び/又はその混合物である、請求項8に記載された方法。
【請求項10】
合成ガス流は、還元ガス(20)に加えて、高炉(12、112)に供給され、かつ鉄製品も合成ガス流及び酸化鉄含有投入物(16)の反応によって製造される、請求項1からのいずれか1項に記載された方法。
【請求項11】
合成ガス流が産業ガス及び燃料ガスを改質することによって製造される、請求項10に記載された方法。
【請求項12】
ホットブリケットアイアン(HBI)(116)及び/又はスクラップが、酸化鉄含有投入物(16)の一部として高炉(112)に供給される、請求項11に記載された方法。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載された方法を実施するよう構成された高炉プラント(10)であって、
高炉(12、112);及び
ガス入口はアンモニア源(24)及び/又は熱交換器と流体接続され、かつガス出口は高炉(12、112)と流体接続されている、ガス入口及びガス出口を備えたアンモニア改質プラント(14)、を含む高炉プラント。
【請求項14】
高炉の頂部が、アンモニア改質プラント(14)のバーナー(40)と流体接続されている、請求項13に記載された高炉プラント(10)。
【国際調査報告】