(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】高電流密度電気機械
(51)【国際特許分類】
H02K 9/18 20060101AFI20240925BHJP
【FI】
H02K9/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518863
(86)(22)【出願日】2021-09-28
(85)【翻訳文提出日】2024-05-14
(86)【国際出願番号】 US2021052431
(87)【国際公開番号】W WO2023055343
(87)【国際公開日】2023-04-06
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】599078705
【氏名又は名称】シーメンス エナジー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003317
【氏名又は名称】弁理士法人山口・竹本知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】ウオーレン,ボビー エー.
(72)【発明者】
【氏名】リコ,ラウール リカルド
(72)【発明者】
【氏名】ローリー,クリストファー
【テーマコード(参考)】
5H609
【Fターム(参考)】
5H609BB03
5H609PP02
5H609PP06
5H609PP07
5H609PP09
5H609QQ02
5H609QQ03
5H609QQ09
5H609QQ12
5H609QQ13
5H609RR36
5H609RR37
5H609RR42
5H609RR43
5H609RR51
(57)【要約】
電気機械は、固定子ボアと固定子巻線を有する固定子を含み、固定子巻線は、電流を受け取り、1MWから50MWの間の電力を有する電流を生成するように配置され、固定子は、5A/mm2以上の固定子電流密度を有するし、ロータは、少なくとも部分的に固定子ボア内に配置され、ロータ巻線を有し、ロータの電流密度は5A/mm2以上であって、高圧冷却システムは、固定子とロータを能動的に冷却するように作動可能であり、ロータ巻線と固定子巻線は、電流の受信に応じて、接続された装置を駆動するためにロータの回転を生成することと、接続された装置によって駆動されるロータの回転に応じて電流を生成することのいずれかに相互作用する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機械であって、
固定子ボアおよび固定子巻線を含む固定子であって、前記固定子巻線は、電流を受け取り、1MWから50MWの間の電力を有する電流を生成するように配置され、前記固定子は、5A/mm
2より大きい固定子電流密度を有する固定子、
固定子ボア内に少なくとも部分的に配置され、ロータ巻線を有するロータであって、ロータは5A/mm
2より大きいロータ電流密度を有するロータ、および、
前記固定子と前記ロータを能動的に冷却するように動作可能な高圧冷却システムであって、前記ロータ巻線および前記固定子巻線は、前記電流の受信に応答して接続された装置を駆動するためにロータの回転を生成することと、接続された装置によって駆動されるロータの回転に応じて電流を生成すること、のいずれかに相互作用する高圧冷却システム、
を含むことを特徴とする電気機械。
【請求項2】
ロータ電流密度と固定子電流密度はそれぞれ6~10A/mm
2であることを特徴とする請求項1に記載の電気機械。
【請求項3】
前記固定子を囲む固定子ハウジングをさらに備え、前記固定子ハウジングは第1の軸受と第2の軸受を含み、前記ロータは前記第1の軸受と前記第2の軸受によって回転可能に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の電気機械。
【請求項4】
前記ロータ巻線に励磁電流を供給するように動作可能な励磁システムをさらに備え、前記励磁システムは、前記ロータによって回転するように支持され、前記第1の軸受と前記第2の軸受との間に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の電気機械。
【請求項5】
固定子ハウジング内に低圧空気流を含み、励磁システムおよび固定子を少なくとも部分的に冷却するように動作可能な低圧冷却回路をさらに備える、請求項4に記載の電気機械。
【請求項6】
前記低圧冷却回路は、前記ロータに結合され、前記低圧空気流を生成するように動作可能なファンを含む、請求項5記載の電気機械。
【請求項7】
高圧冷却システムは、高圧流体の第1の流れで固定子巻線を冷却するように動作可能な第1の冷却回路と、高圧流体の第2の流れでロータ巻線を冷却するように動作可能な第2の冷却回路とを含み、第2の冷却回路は第1の冷却回路とは別個である、請求項1に記載の電気機械。
【請求項8】
前記第1の冷却回路は、高圧流体の前記第1の流れおよび高圧流体の前記第2の流れを冷却するように動作可能な第1の熱交換器を含む、請求項7に記載の電気機械。
【請求項9】
前記第1の冷却回路は、高圧流体の前記第1の流れの圧力を増加させるように動作可能な第1のロータ取付けポンプと、高圧流体の前記第2の流れの圧力を増加させるように動作可能な第2のロータ取付けポンプとを含む、請求項7に記載の電気機械。
【請求項10】
前記第2の冷却回路は、前記高圧流体の第2の流れの圧力を増加させるように動作可能な第1のロータ取付けポンプと、前記ロータから分離され、前記高圧流体の第1の流れの圧力を増加させるように動作可能な外部ポンプとを含む、請求項7に記載の電気機械。
【請求項11】
前記第1の冷却回路は、前記ロータからそれぞれ分離された第1の外部ポンプおよび第2の外部ポンプを含み、第1の外部ポンプは、第1の高圧流体の流れの圧力を増加させるように動作可能であり、前記第2の外部ポンプは、第2の高圧流体の流れの圧力を増加させるように動作可能である、請求項7に記載の電気機械。
【請求項12】
前記第1の冷却回路および前記第2の冷却回路の各々は閉ループであり、第1の高圧流体の流れおよび第2の高圧流体の流れは空気を含む、請求項7に記載の電気機械。
【請求項13】
電気機械であって、
固定子ボアと固定子巻線を含む固定子、
前記固定子ボア内に少なくとも部分的に配置され、ロータ巻線を有するロータ、
高圧流体の第1の流れで前記固定子巻線を冷却するように動作可能な第1の冷却回路、および、
高圧流体の第2の流れで前記ロータ巻線を冷却するように動作可能な第2の冷却回路、
を有し、前記第1の冷却回路と前記第2の冷却回路は閉じたシステムを構成する、
ことを特徴とする電気機械。
【請求項14】
前記固定子巻線は、電流を受け、1MWから50MWの間の電力を有する電流を生成するように配置され、前記ロータは5A/mm
2より大きいロータ電流密度を定義し、前記固定子は5A/mm
2より大きい固定子電流密度を定義する、請求項13に記載の電気機械。
【請求項15】
前記ロータ電流密度と前記固定子電流密度はそれぞれ6A/mm
2から10A/mm
2の間である、請求項14に記載の電気機械。
【請求項16】
前記固定子を囲む固定子ハウジングをさらに含み、前記固定子ハウジングは第1の軸受と第2の軸受を含み、前記ロータは第1の軸受と第2の軸受によって回転可能に支持されている、請求項13に記載の電気機械。
【請求項17】
前記固定子ハウジング内に低圧空気流を含み、励磁システムおよび前記固定子を少なくとも部分的に冷却するように動作可能な低圧冷却回路をさらに備える、請求項16に記載の電気機械。
【請求項18】
前記低圧冷却回路は、前記ロータに結合され、前記低圧空気流を生成するように動作可能なファンを含む、請求項17に記載の電気機械。
【請求項19】
高圧流体の前記第1の流れおよび高圧流体の前記第2の流れを冷却するように動作可能な第1の熱交換器と、低圧流体の流れを冷却するように動作可能な第2の熱交換器とをさらに含む、請求項17に記載の電気機械。
【請求項20】
第1の冷却回路は、高圧流体の第1の流れの圧力を増加させるように動作可能な第1のロータ取付けポンプと、高圧流体の第2の流れの圧力を増加させるように動作可能な第2のロータ取付けポンプとを含むことを特徴とする、請求項13に記載の電気機械。
【請求項21】
前記第1の冷却回路は、前記高圧流体の第2の流れの圧力を増加させるように動作可能な第1のロータ取付けポンプと、前記ロータから分離され、前記高圧流体の第1の流れの圧力を増加させるように動作可能な外部ポンプとを含む、請求項13に記載の電気機械。
【請求項22】
前記第1の冷却回路および前記第2の冷却回路のそれぞれが閉ループであり、前記高圧流体の第1の流れおよび前記高圧流体の第2の流れが空気を含む、請求項13に記載の電気機械。
【請求項23】
電気機械であって、
固定子ボアと固定子巻線を含む固定子と、
前記固定子を囲むように配置され、第1の軸受を支持する第1の壁と第2の軸受を支持する第2の壁とを含む固定子ハウジング、
前記固定子ボア内に少なくとも部分的に配置されロータ巻線を有するロータであって、前記第1の軸受と前記第2の軸受によって回転可能に支持された前記ロータ、
前記ロータに結合され、前記第1の軸受と前記第2の軸受の間の前記固定子ハウジング内に配置された励磁システムであって、前記ロータ巻線に励磁電流を供給するように動作可能な前記励磁システム、および
前記固定子巻線と前記ロータ巻線の一方を冷却するために高圧流体の第1の流れを供給するように作動可能な高圧冷却システム、
を含むことを特徴とする電気機械。
【請求項24】
前記固定子巻線は、電流を受け、1MWから50MWの間の電力を有する電流を生成するように配置され、ロータは、5A/mm
2より大きいロータ電流密度を定義し、固定子は、5A/mm
2より大きい固定子電流密度を定義する、請求項23に記載の電気機械。
【請求項25】
ロータ電流密度と固定子電流密度は、それぞれ6~10A/mm
2であることを特徴とする、請求子24に記載の電気機械。
【請求項26】
固定子ハウジング内に低圧空気流を含み、励磁システムおよび固定子を少なくとも部分的に冷却するように動作可能な低圧冷却回路をさらに含む、請求項23に記載の電気機械。
【請求項27】
高圧冷却システムは、高圧流体の第1の流れを冷却するように動作可能な第1の熱交換器と、空気の低圧の流れを冷却するように動作可能な第2の熱交換器とを含む、請求項26に記載の電気機械。
【請求項28】
高圧冷却システムは、高圧流体の第1の流れで固定子巻線を冷却するように動作可能な第1の冷却回路と、高圧流体の第2の流れでロータ巻線を冷却するように動作可能な第2の冷却回路とを含み、第2の冷却回路は第1の冷却回路とは別個である、請求項23に記載の電気機械。
【請求項29】
第1の冷却回路は、高圧流体の第1の流れの圧力を増加させるように動作可能な第1のロータ取付けポンプと、高圧流体の第2の流れの圧力を増加させるように動作可能な第2のロータ取付けポンプとを含む、請求項28に記載の電気機械。
【請求項30】
前記第1の冷却回路は、前記高圧流体の第2の流れの圧力を増加させるように動作可能な第1のロータ取付けポンプと、前記ロータから分離され、前記高圧流体の第1の流れの圧力を増加させるように動作可能な外部ポンプとを含む、請求項28に記載の電気機械。
【請求項31】
前記第1の冷却回路および前記第2の冷却回路の各々が閉ループであり、前記高圧流体の第1の流れおよび前記高圧流体の第2の流れが空気を含む、請求項28に記載の電気機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
電気機械は、用途に応じてジェネレータ、モータ、またはその両方として使用される。大規模な産業用および船舶用の電気機械は、多くの場合、同期式のジェネレータ及び/又は船舶推進駆動モータのようなモータとして使用される。したがって、これらの電気機械は、多数の異なる速度および様々な負荷で動作する。
【背景技術】
【0002】
一態様では、電気機械は、固定子ボアと固定子巻線とを有する固定子を含む。固定子巻線は、電流を受け、1MWから50MWの間の電力を有する電流を生成するように配置される。固定子は、5A/mm2以上の固定子電流密度を有する。ロータは、少なくとも部分的に固定子ボア内に配置され、ロータ巻線を有する。ロータの電流密度は5A/mm2以上である。高圧冷却システムは、固定子とロータを能動的に冷却するように動作可能である。ロータ巻線と固定子巻線は、ロータの回転の生成の一つに相互作用して、電流の受信に応答して、接続された装置を駆動し、接続された装置によって駆動されるロータの回転に応答して電流を生成する。
【0003】
別の構成では、電気機械は、固定子ボアおよび固定子巻線を有する固定子と、固定子ボア内に少なくとも部分的に配置され、ロータ巻線を有するロータと、高圧流体の第1の流れで固定子巻線を冷却するように動作可能な第1の冷却回路とを含む。第2の冷却回路は、高圧流体の第2の流れでロータ巻線を冷却するように動作可能であり、第1の冷却回路及び第2の冷却回路は、閉鎖系を規定する。
【0004】
別の構造では、電気機械は、固定子ボア及び固定子巻線を有する固定子を含む。固定子ハウジングは、固定子を包囲するように配置され、第1の軸受を支持する第1の壁と、第2の軸受を支持する第2の壁とを含む。ロータは、少なくとも部分的に固定子ボア内に配置され、ロータ巻線を有する。ロータは、第1の軸受及び第2の軸受によって回転可能に支持されている。励振システムが、ロータに結合され、固定子ハウジング内に第1の軸受と第2の軸受との間に配置される。励磁システムは、ロータ巻線に励磁電流を供給するように動作可能である。高圧冷却システムは、固定子巻線及びロータ巻線の一方を冷却するために高圧流体の第1の流れを機供給するように動作可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、本明細書に記載され又は以下の図面に図示された構造の詳細及び構成要素の配置に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施または実施することが可能である。また、本明細書で使用される言い回しや用語は、説明のためのものであり、限定的なものとみなされるべきではないことを理解されたい。
【0006】
次に、システムおよび方法に関連する様々な技術を、図面を参照して説明するが、ここで、同様の参照数字は、全体を通して同様の要素を表す。後述する図面、および本特許文献において本開示の原理を説明するために使用される様々な実施形態は、例示のためのものであり、本開示の範囲を限定するように解釈されるべきではない。当業者であれば、本開示の原理は、任意の適切に配置された装置において実施され得ることを理解するであろう。特定のシステム要素によって実行されるものとして説明されている機能は、複数の要素によって実行されてもよいことを理解されたい。同様に、例えば、ある要素が、複数の要素によって実行されると説明されている機能を実行するように構成されていてもよい。本出願の多数の革新的な教示を、例示的な非限定的実施形態を参照して説明する。
【0007】
また、本明細書で使用される語句は、いくつかの例で明示的に限定されない限り、広く解釈されるべきであることを理解されたい。例えば、用語「含む(including)」、「有する(having)」、および「からなる(comprising)」、ならびにそれらの派生語は、限定なしに包含することを意味する。単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈上明らかにそうでないことが示されない限り、複数形も含むことを意図している。さらに、本明細書で使用される「および/または」という用語は、関連する列挙された項目の1つ以上のあらゆる可能な組み合わせを指し、包含する。「または」という用語は、文脈上そうでないことが明確に示されない限り、包括的であり、「および/または」を意味する。さらに、複数の実施形態または構造が本明細書に記載され得るが、1つの実施形態に関して記載される任意の特徴、方法、ステップ、構成要素などは、反対の特定の記載がない限り、他の実施形態にも等しく適用される。
【0008】
また、本明細書において、「第1の」、「第2の」、「第3の」等の用語は、様々な要素、情報、機能、又は行為を指すために使用されることがあるが、これらの要素、情報、機能、又は行為は、これらの用語によって限定されるべきではない。むしろ、これらの数字の形容詞は、異なる要素、情報、機能、または行為を互いに区別するために使用される。例えば、第1の要素、情報、機能、または行為は、第2の要素、情報、機能、または行為と呼ぶことができ、同様に、第2の要素、情報、機能、または行為は、本開示の範囲から逸脱することなく、第1の要素、情報、機能、または行為と呼ぶことができる。
【0009】
さらに、「隣接する」という用語は、文脈上明らかにそうでないことが示されない限り、要素がさらなる要素に比較的近接しているが接触していないこと、または要素がさらなる部分に接触していることを意味する場合がある。さらに、「に基づく」という表現は、明示的に別段の記載がない限り、「少なくとも部分的に~に基づく」という意味を意図している。「約」または「実質的に」などの用語は、その寸法に関する通常の業界製造公差内にある値のばらつきをカバーすることを意図している。業界標準がない場合は、以下のばらつきがある。
【0010】
特定の要素や行為に関する議論を容易に識別するために、参照番号の最上位桁または数字は、その要素が最初に登場する図番号を指す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、発電機の中心線、回転軸、または長手軸に沿って撮影した発電機の断面図である。
【
図2】
図2は、
図1のジェネレータに使用するのに適したロータの透視図である。
【
図3】
図3は、
図1の発電機に使用するのに適した固定子の一部を示す透視図である。
【
図4】
図4は、
図1のジェネレータに使用するのに適したロータの透視図である。
【
図5】
図5は、
図1の発電機に使用するのに適した加圧ロータ冷却システムを含むロータの透視断面図である。
【
図6】
図6は、
図5のロータのロータスロットの一部の軸方向端面図である。
【
図8】
図8は、第1のリングシール領域を示す、
図5のロータのスロットの軸方向端部の一部の透視部分破断斜視図である。
【
図9】
図9は、
図5のロータのスロットの別の軸方向端部の一部の透視部分破断図であり、別の第1のリングシール領域を示している。
【
図10】
図10は、
図5のロータのスロットの別の軸方向端部の一部の透視部分破断図であり、別の第1のリングシール領域を示している。
【
図11】
図11は、
図5のロータのスロットの別の軸方向端部の一部の透視部分破断図であり、別の第1のリングシール領域を示している。
【
図12】
図12は、ジェネレータ、モータ、またはその両方として作動可能な電気機械の断面図である。
【
図13】
図13は、固定子巻線を含む固定子コアの透視図である。
【
図14】
図14は、固定子巻線の一部を含む
図13の固定子コアの固定子スロットの断面図である。
【
図15】
図15は、固定子冷却剤回路の接続を示す、
図13の固定コアの一部の拡大透視図である。
【
図16】
図16は、
図15の固定子冷却回路の一部を含む固定子ハウジングの一部破断斜視図である。
【
図17】
図17は、ロータおよび/または固定子の高圧冷却システムを示す
図13の電気機械の断面図である。
【
図19】
図19は、電気機械の冷却に使用するポンプ配置の断面図である。
【
図20】
図20は、電気機械の冷却に使用する別のポンプ配置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に示されるように、ジェネレータ100は、固定子300と、固定子300内で回転するように支持されたロータ200とを含む。固定子300は、固定子コア104を取り囲み、実質的に包囲する固定子ハウジング102を含む。固定子コア104は、多くの場合、長手方向に(回転軸に沿って)積層された多数の積層116で構成されている。各積層116は、カットアウトを含むか、さもなければ、ロータ200を受容する大きさのボア118を含むロータ本体120の所望の特徴を規定する形状である。
【0013】
一部の構造では、固定子300を冷却し、固定子300の効率と電流密度を向上させるために、固定子冷却システム106が設けられている。一部の構造では、固定子冷却剤として冷却ガスが採用される。しかし、固定子300は、必要に応じて水冷などの液体冷却を含むことができる。
【0014】
ロータ200は、ロータ本体120、ロータシャフト122、及びロータシャフト122に結合された2つの保持リング114を含む。多くの実施例では、ロータ本体120はロータシャフト122の一部と見なされる。図示のロータシャフト122は、ロータ200の両端に配置された軸受110によって回転可能に支持されている。タービンカップリング108は、ロータ200の一端に配置され、ロータ200をタービン(例えば、燃焼タービン、蒸気タービン、水力タービン、風力タービンなど)に、またはジェネレータとして運転する場合に他の原動機に接続することを容易にする。タービンカップリング108は、モータとして運転される場合、プロペラ、コンプレッサ、ギアボックスなどの動力出力装置に接続することもできる。ロータ200の反対側の端部には、励磁システムまたは他の回転機器への接続を可能にする励磁システムカップリング112を含めることができる。
【0015】
図1に図示したジェネレータ100は同期式のジェネレータ100である。しかしながら、非同期式のジェネレータまたはモータなどは、本明細書で説明する特徴を含んでもよい。
【0016】
図2は、
図1のロータ200をより詳細に図示する。ロータ本体120は、ロータ本体120に沿って長手方向に延びる一連のロータスロット202を含む。ロータ巻線204は、ロータスロット202内に配置され、1対以上の極を画定する。図示の構造では、ロータ巻線204によって2つの極が形成されている。しかし、他の構造では、必要に応じて4極、8極、またはそれ以上の極を含むことができる。ロータ200は、磁界と呼ばれることもあるが、ロータ巻線204に所望の電圧で電流を供給して磁界を発生させる励磁システムに接続する導体206も含む。適切な励磁システムには、励磁装置(エキサイター)、集電装置、および回転変圧器が含まれるが、これらに限定されない。
【0017】
ロータ200は、ロータ200を冷却するために作動するロータ冷却システム208も含むことができる。構造によっては、ロータ200は空冷されるが、水素のような別の流体を使用する構造もある。
【0018】
図3に戻り、固定子コア104がより詳細に図示されている。固定子コア104は、ほとんどの構造において、長手方向に積層される一連の積層116から形成される。各積層116は、積層されたときに固定子コア104の所望の特徴を規定するカットアウト、開口部、または特徴を含む。各積層116は、ボア118の周囲に円周方向に等間隔に配置された多数の歯302を含む。歯302は協働して、固定子コア104の長さ方向に延びる一連のスロットを画定する。バー306はスロット内に配置され、互いに電気的に接続されて一連の固定子巻線を画定する。図示のジェネレータ100では、固定子巻線は、3つの相を規定するように配置されている。一般に、3つの相は、電気的に配置されてデルタ回路、または所望に応じてY回路を画定する。もちろん、他の構造では、単相、または必要に応じて3相より多い相(すなわち6相)を含むことができる。
【0019】
固定子冷却システム106の一部として、バー306の各々は、バー306の長さに沿った冷却剤の流れを可能にする1つ以上の冷却剤通路310を含むことができる。説明したように、固定子300を冷却するために、水のような冷却剤流体がしばしば採用される。
【0020】
図4は、保持リング114の一方が取り外された
図2のロータ200をより良く示している。ロータ200は、所定の位置に図示された単一のロータ巻線204を有する2極ロータ200である。ロータ200は、ロータシャフト122の外周を半径方向外向きに延びる複数の歯302を支持するロータシャフト122を含む。ほとんどの構造では、歯402は、歯402とロータシャフト122とが一体不可分の部品となるように、中実シャフトから機械加工される。各歯402は、隣接する歯402と協働して、その間にロータスロット202の1つを画定する。
【0021】
歯402はそれぞれ、ロータシャフト122の最大直径を規定する最も外側の表面を規定する。保持リング嵌合部404は、保持リング114の嵌合位置を提供するために、その軸方向端部近傍の歯402に機械加工されることがある。もちろん、他の構造では保持リング嵌合部404を省略することもできるし、保持リング嵌合部404の異なる配置をいくつか含むこともできる。
【0022】
ロータ巻線204は、連続的又は完全なループを画定する一連のコイルから形成される。したがって、各コイルは、第1のロータスロット202に沿って第1の軸方向に延び、第1の端部でループを作って端部ターン406を画定し、第2のロータスロット202内で第1の方向とは反対の第2の方向に第2の軸方向に延び、第2のターンを作ってループを完成させる。一連のコイルが積層され、互いに接続されることで、様々なロータ巻線204が規定され、それらが協働して所望の極が規定される。
【0023】
絶縁体408の層が、各ロータスロット202内の隣接するコイルの間に配置され、コイル間の望ましくない接続の可能性を低減するために、それらを互いに絶縁する。一つ以上のくさび410が各ロータスロット202の外径または上部に配置され、コイルと絶縁体をくさびで固定し、運転中の望ましくない動きを抑える。次に、保持リング114は、保持リング114が端部ターン406をカバーし保護する一方で端部ターン406を所定の位置に保持できるように、各保持リング114が保持リング嵌合部404の1つに係合する状態でロータシャフト122に結合される。
【0024】
図5は、
図1のジェネレータ100に使用するのに適したロータ500を示す。ロータ500は、ロータ本体120、より具体的にはロータ巻線204を冷却し、他の方法で達成され得るものよりも高い電流密度と高い電力密度の両方においてより効率的な動作を提供するために、ロータ本体120を通る加圧冷却剤、典型的には空気の循環を可能にするロータ冷却システム520を含む。
【0025】
ロータ冷却システム520は、システム内の空気(または、採用される場合には他の気体)が所望の高圧(すなわち、大気圧よりも高い)に維持されるように、静止コンプレッサ(図示せず)から圧縮空気を受け取ることができる閉鎖システムである。ロータ冷却システム520は、冷却剤ポンプ502、入口ボア504、排出環状部506、1つ以上の入口開口516、第1の冷却剤空間512、および第2の冷却剤空間508を含む。図示の構造における冷却剤ポンプ502は、ロータシャフト122と共回転するように直接接続され、ロータ冷却システム520を通して既に加圧された空気、または他の気体を循環させることができる遠心ポンプまたは他の機構を含む。あるいは、外部のポンプやコンプレッサをロータ冷却システムの静止部分に組み込んで冷却剤を循環させることもできる。冷却剤ポンプ502は、熱交換器(図示せず)で冷却される暖かい空気を排気し、閉ループ高圧のロータ冷却システム520の一部として入口ボア504に戻すように配置されるが、他の配置も可能である。
【0026】
入口ボア504は、ロータ500の全長にわたって延び、入口ボア504を密閉するために一端に配置されたプラグ518を含み、それによって高圧クーラントのその中への封じ込めを容易にする。一つ以上の入口開口516がロータシャフト122を貫通して延び、入口ボア504と第1の冷却剤空間512との間に流体接続を提供する。図示の構造では、複数の入口開口516がロータシャフト122を通って半径方向に延びている。入口開口516の数およびそれらの入口開口516の大きさは、入口ボア504と第1の冷却剤空間512との間の所望の流量を保証するように選択される。
【0027】
第1の冷却剤空間512は、1組の端部ターン406を含み、ロータシャフト122、ロータ本体120、保持リング114の1つ、及びエンドプレート514の協働によって画定される。保持リング114の第1の端部は、ロータ本体120と協働して第1のリングシール領域510を画定する。保持リング114の第2の反対側の端部は、エンドプレート514の外径に係合する。エンドプレート514の内径はロータシャフト122に係合し、第1の冷却剤空間512をシールする。エンドプレート514は単一の部品として説明されているが、複数の部品又は構成要素が協働してエンドプレート514を画定し得ることに留意すべきである。
【0028】
第1の冷却剤空間512は、第1の冷却剤空間512から第2の冷却剤空間508への高圧冷却剤の流れを促進するために、ロータスロット202に流体的に接続されている。第2の冷却剤空間508は、第1の端部ターン406に対向する第2の端部ターン406を含んでいる。第2の冷却剤空間508は、第1の冷却剤空間512と実質的に同じであり、ロータシャフト122、ロータ本体120、保持リング114の他方、及び別のエンドプレート514の協働によって画定される。第2の冷却剤空間508はロータスロット202から高圧冷却剤を集め、その流れを排出環状部506に導く。
【0029】
排出環状部506は、ロータボアと、ロータボア内に配置されロータボアの外壁から間隔を隔てた環状スリーブ522との協働によって形成される。従って、環状スリーブ522は、ロータボアを、ロータ環状スリーブ522の内側の入口ボア504と、ロータボアと環状スリーブ522との協働によって形成される排出環状部506とに分割する。
【0030】
図6は、ウェッジ410の配置をより良く示す、ロータスロット202の1つの頂部または外径部分を図示する。図示の構造では、各歯602は、ロータ200の半径方向軸線に対して斜めの角度で延びる歯フック604を画定している。
【0031】
ウェッジ410の各々は、2つのウェッジフック606及び2つのシールスロット610を含む。各ウェッジフック606は、歯フック604の1つと係合するように配置された斜めの表面を含む。シールスロット610の各々は、ロータ200の長手方向軸に実質的に平行な方向にウェッジ410に沿って延びる矩形断面の溝を含む。図示の構造は矩形のシールスロット610を含むが、所望により他の形状を採用することもできる。シールスロット610は、所望に応じて、ウェッジ押し出し成形の一部とすることもできるし、押し出し成形後にウェッジ410に機械加工することもできる。
【0032】
シール部材608(またはシール部材)がシールスロット610内に配置され、ロータスロット202を画定する歯602とロータスロット202内に配置されたウェッジ410との間に流体密シールを形成する大きさにされる。図示の構造では、シール部材608はD字形の断面を有する。もちろん、所望により他の形状(例えば、O字形断面)または他のシール部材を採用することもできる。
【0033】
図示の構造では、ウェッジ410とシール部材608は、漏れの可能性を低減するために、ロータスロット202の全長にわたって延びている。加えて、図示の構造では、ウェッジ410の各側が別々のシール部材608を支持している。しかし、他の構造では、必要であれば、連続ループの形のシール部材608を採用することもできる。
【0034】
図6の構造で使用するのに適した1つのシール部材608は、「D」字形(すなわち、D字形断面)に形成された弾力性材料を含むが、ループ状に形成されるのではなく、2つの別個の端部を有する単一部材である。さらに、いくつかの構造は、D字形断面の平坦な側に接着部分614または材料を含む。接着部分614は、シール部材608をウェッジ410に取り付けて、ウェッジ410の取り付け中にシール部材608が相対的に動いたり、不所望に伸びたりする可能性を低減する。2つの別個のシール部材608が使用され、1つがウェッジ410の両側に配置される。適切な弾力性材料には、ゴム、合成ゴム、または他の適合材料が含まれる。
【0035】
図7は、第1の冷却剤空間512に隣接して配置されたリングシール領域510をより詳細に図示している。しかしながら、図示されたリングシール領域510は、第2の冷却剤空間508に隣接して配置されることも可能であることが理解されるべきである。
【0036】
リングシール領域510は、保持リング114とロータ本体120との間に形成された2つの別個のシールを含む。シュリンクトフィットシール706は、保持リングが適切なシュリンクトフィットでその作動位置に配置されたとき、保持リング114とロータ本体120との間に形成される。リングシール702が保持リング114とロータ本体120の間に配置され、別の円周シールを形成する。リングシール702は、リングシール702もシール部材608と協働して第1の冷却剤空間512のシールを完了するように、シール部材608の位置と一致する内径を規定する。高圧クーラントによって加えられる圧力704は、第1の冷却剤空間512からの唯一の経路が、そこに含まれるロータスロット202とロータ巻線204を通ることで、完全に封じ込められる。図示の構造では、リングシール702は、O字形断面を有する連続円形シール部材である。もちろん、他の形状(例えば、D型断面)や配置を採用することもできる。典型的なリングシール702は弾力性のある材料(例えば、ゴム)から形成されるが、他の構造では、より剛性の高い材料、複合シール、バネベースのシールなどを採用することができる。このように、リングシール702は、
図7に示される配置に限定されるべきではない。
【0037】
図8は、いずれか一方又は両方の保持リング114(
図8には図示せず)と共に使用するのに適したリングシール領域510の別の配置を示す。
図8の配置は、保持リング114とロータ本体120との間、より具体的にはロータ歯402とウェッジ810との間に、
図7に関して説明したのと同じ焼きばめによるシールを少なくとも部分的に形成する。
【0038】
図8の構造は、弾力性部材802とスリーブ804との複合体であるリングシール808を含む。弾力性部材802は、O字形断面を有する中実の連続部材を含み得るか、または
図7のリングシール702に関して説明したように、他のより剛性の高い材料または複合材料から形成され得る。別の構造では、弾力性部材802は、コイル状ばね(例えば、傾斜コイルばね、らせんばねなど)によく似たコイル状材料から形成されたばね付勢シールを含む。従って、この構造では、弾力性部材802は環状断面を有する。
【0039】
スリーブ804は、弾力性部材802が配置される受容空間を画定するU字形断面を有するように形成される。スリーブ804は、作動中に弾力性部材802を覆って保護し、保持リング114がその作動位置にあるとき、ロータ本体120、ウェッジ810、および保持リング114に直接接触する。また、U字形断面の開放端は、高圧流体が配置される方向(すなわち、第1の冷却剤空間512および第2の冷却剤空間508の方向)を向くように配置されていることに留意すべきである。この配置では、スリーブ804が高圧流体にさらされると、U字形断面が拡大する傾向があり、それによってリングシール808のシール効果が高まる。
【0040】
図7の構造とは異なり、リングシール808は、シール部材608の半径方向外側に配置された内径部分を含む。シールを形成するためにシール部材608と協働するのではなく、リングシール808は、歯フック604とウェッジフック606との交差部を通過するように配置される。この位置でも、同じ効果的なシールが形成される。もちろん、リングシール808は、必要に応じて、シール部材608に接触し、
図7に関して説明したのとよく似たシールを形成するように、図示した位置よりも半径方向内側に配置することもできる。
【0041】
保持リングキー806は、ロータ本体120及びウェッジ810に形成されたスロット内に配置され、保持リング114と協働して保持リング114をその所望の作動位置に維持する。
【0042】
図9は、リングシール808の位置決めを除いて、
図8と同様の構造を示す。
図9の構造では、リングシール808の内径は、リングシール808とシール部材608とが協働して保持リング114、ロータ本体120、およびウェッジ810の間のシールの少なくとも一部を画定するように、シール部材608と一致している。
【0043】
図10は、ウェッジ410、810の代わりに、またはウェッジ410、810と共に使用するのに適したウェッジ1008の別の構造を示している。くさび1008は、くさび本体1010、くさびインサート1002、くさびキャップ1004、および1つまたは複数のくさびボルト1006を含む。ウェッジ本体1010は、ウェッジ810と類似しているが、いずれかの端部に配置された残りの構成要素がウェッジ1008を完成させ、ウェッジ1008がウェッジ810と同じ長さになるように、より短い。
図10はくさび1008の一端を示しているが、同一または類似の配置をいずれかの端部に形成することができることを理解されたい。そのため、一方の端部のみを詳細に説明する。
【0044】
くさびインサート1002は、くさび本体1010の端部に略接するように配置され、くさび本体1010の断面形状と同一または類似の断面形状を有することができる。ウェッジインサート1002は、軸方向の圧縮に応答して半径方向および円周方向に膨張する弾力性のある材料から形成される。使用される材料は、より詳細に説明されるように、所望の膨張を提供するように選択される。ウェッジキャップ1004は、ポアソン効果によりシールを形成する。しかし、幾何学的干渉に基づく別のタイプのウェッジインサートも機能する。この配置では、ウェッジインサートは、軸方向に押し込むことができる薄い外壁を有するテーパー形状を有する。この薄い外壁は、十分に適合性のある材料が使用された場合、たわみ、シールするのに十分な接触圧力を提供する。
【0045】
ウェッジキャップ1004は、ウェッジインサート1002がウェッジキャップ1004とウェッジ本体1010との間に挟まれるように、ウェッジインサート1002と接するように配置される。ウェッジキャップ1004は、ウェッジ本体1010と同一または類似の断面形状を有し、一般に類似の材料から形成される。ウェッジボルト1006は、ウェッジキャップ1004とウェッジインサート1002を貫通し、ウェッジ本体1010にねじ込み可能に係合する。ウェッジボルト1006が締め付けられると、ウェッジインサート1002は圧縮され、半径方向および円周方向に膨張または膨らむ。この膨張により、ウェッジインサート1002と隣接する部品との接触が強化され、その間に、より効果的なシールが形成される。
【0046】
図10のリングシール領域510の残りの構造は、
図8のものと同様である。リングシール808は、内径がウェッジインサート1002の外径と一致するか、またはその近傍に配置される。リングシール808の構造は、それ以外は、
図8および
図9に関して説明したものと同じである。保持リングキー806もまた、
図8および
図9に関して説明したのと同様の方法で形成され、配置される。
【0047】
ウェッジ1008は、上述したように2つのシール部材608を含む。シール部材608は、ウェッジ本体1010、ウェッジインサート1002、およびウェッジキャップ1004のそれぞれに、上述したのとほぼ同じ方法で係合することができる。さらに、リングシール808は、
図8の構造に関して説明したように、シール部材608の直径外側に配置される。
【0048】
上述した特徴は、リングシール領域510の異なる配置を定義するために互いに組み合わされ得ることに留意すべきである。従って、配置は、本明細書で提供されるいくつかの例に限定されるべきではない。
【0049】
図11は、リングシール領域510を画定するために協働する上述の異なる要素の組み合わせの一例を示す。図示された構造では、くさび1102は、くさび本体1104、くさびインサート1002、くさびキャップ1004、および1つまたは複数のくさびボルト1006を含む。ウェッジ本体1104は、ウェッジインサート1002の内径がウェッジ本体1104に隣接または接触して配置されるように、ウェッジインサート1002を受容する除去部を含む。さらに、ウェッジインサート1002の平面が、ウェッジ本体1104の平面と接している。ウェッジキャップ1004は、ウェッジキャップ1004がウェッジインサート1002に接していることを除いて、ウェッジインサート1002について説明したのと同様の方法で位置決めされる。したがって、ウェッジインサート1002は、ウェッジキャップ1004とウェッジ本体1104との間に挟まれている。
図10の構造に関して説明したように、ウェッジインサート1002およびウェッジキャップ1004は、ウェッジ本体1104と同一または類似の断面形状を有することができる。くさびボルト1006は、くさびキャップ1004とくさびインサート1002を貫通し、くさび本体1104にねじ式に係合して、くさびインサート1002を圧縮し、所望の半径方向および円周方向の膨張を引き起こす。この構造では、ウェッジインサート1002が保持リング114とウェッジ本体1104に直接接触して第1のシールを形成する。
【0050】
リングシール702が、ロータ本体120から離れた軸方向位置で、ウェッジ本体1104と保持リング114との間に配置される。図示のリングシール702は、
図7に関して説明したリングシール702と同様であり、詳細な説明は省略する。もちろん、リングシール702は、所望であれば、
図8に関して説明したリングシール808と同様または同一のリングシールで置き換えることができる。
【0051】
図7から
図10の配置と同様に、保持リングキー806はロータ本体120に近い端部に配置され、先に説明した保持リングキーとほぼ同様に動作する。最後に、
図11の配置は、リングシール領域510のシールをさらに強化するように動作する3つの異なる収縮ばめ位置1106を含む。
【0052】
図12は、固定子1202と、ロータ500と、固定子1202およびロータ500の少なくとも一部を取り囲み包囲するように配置された固定子ハウジング1204とを含む電気機械1200を示す。
図12に示される電気機械1200は、発電機、モータ、または発電機もしくはモータのいずれかとして動作可能な機械を含み得る。さらに、電気機械1200は、同期式または非同期式であり得、高速(例えば、10000RPM)、低速(例えば、100RPM)、およびその間の任意の速度で動作し得る。したがって、電気機械、発電機、およびモータという用語はすべて、本明細書に図示される構成要素に適用可能である。
【0053】
ロータ500は、
図1~
図11に関して説明したロータのうちの1つであるか、またはそれらのロータの変形を含むことができる。固定子1202は、ロータ500を受け入れる固定子ボア1220を画定する。動作中、電気機械1200は、電気を生成する(すなわち、発電機として動作する)ことができ、または電気を使用する(すなわち、モータとして動作する)ことができる。一部の電気機械1200は、特定の動作モードに必要とされ得るように、発電機またはモータのいずれかとして動作することができる。
【0054】
固定子ハウジング1204は、第1の軸受1206を支持する第1の壁と、第2の軸受1208を支持する第1の壁の反対側の第2の壁とを含む。図示の構造では、固定子ハウジング1204は、第1の壁と第2の壁との間に延びる2つの側壁と、側壁、第1の壁、および第2の壁によって画定される空間を覆う頂部とを含む。第1の軸受1206と第2の軸受1208は協働して、ロータ500を回転可能に完全に支持する。
【0055】
励磁装置または代替の励磁装置などの励磁システム1210は、励磁システム1210が固定子ハウジング1204内に配置されるように、第1の軸受1206と第2の軸受1208との間に配置することができる。励磁システム1210を固定子ハウジング1204内及び軸受の間に配置することにより、ロータ500を僅かに短くすることができるが、励磁システム1210をさらに保護し、さらに詳細に説明するように、励磁システム1210を固定子1202で冷却する能力も提供する。
【0056】
第1の熱交換器1212および第2の熱交換器1214は、固定子ハウジング1204の上に配置され、電気機械1200の冷却システムの一部である。第1の熱交換器1212および/または第2の熱交換器1214として使用するには、任意の数の熱交換器の配置が適している。例えば、第1の熱交換器1212および/または第2の熱交換器1214のいずれか一方または両方に対して、閉鎖空気回路空冷式(CACA)配置が、閉鎖空気回路水冷式(CACW)と同様に採用され得る。所望であれば、空気から水への冷却(CWA)配置も採用され得る。熱交換器の配置の説明では、冷却流体として空気を参照していることに留意すべきである。しかしながら、所望であれば、他の気体(例えば、水素、冷媒など)を採用することもできる。さらに、熱交換器内の冷却剤として水を記載しているものについては、所望により他の流体または他の冷却源を採用することができる。
【0057】
図13は、固定子コア1302および固定子巻線1304を含む固定子1202の一部を示す。固定子コア1302は、磁気コアを形成するためにスタック方向に積層された複数の積層体を含むことができる。テンションロッドやボルトなどの一連の構造部材が、積層体を所望の位置に保持する。積層体の各々は、固定子ボア1220および任意の固定子・スロット1402(
図14に図示)を画定する断面形状を有する。一部の構造では、積層体または固定子コア1302自体が、固定子ボア1220の中心軸に実質的に垂直な方向に固定子コア1302を通る冷却剤の流れを可能にする冷却ギャップを規定する。もちろん、他の構造では、冷却剤がボアに平行に、または他の任意の所望の方向に流れることを可能にする流路を提供することができる。
【0058】
固定子巻線1304は、様々な固定子・スロット1402内に配置され、連続的な固定子巻線1304を画定するように電気的に接続された複数の固定子・コイル1404(
図14に示す)を含む。固定子巻線1304は、三相電気機械1200のためのY回路またはデルタ回路、または任意の他の所望の配置(例えば、単相機械)に配置することができる。つまたは複数の主リード線1306は、固定子巻線1304への外部電気接続を可能にするために、固定子ハウジング1204を貫通して延びている。
【0059】
図14に目を向けると、その中に配置された固定子コイル1404をより良く説明するために、固定子・スロット1402の1つが示されている。固定子・コイル1404は、
図14に図示された配置を含め、所望の任意のパターンで配置することができる。固定子・コイル1404の各々は、断面が実質的に長方形であり、そこにコイルチャネル1406を画定する。コイルチャネル1406は、より詳細に説明するように、固定子・コイル1404を直接冷却するための冷却剤の流れを可能にする。図示された構造は、実質的に矩形の断面および実質的に矩形のコイルチャネル1406を有する固定子・コイル1404を含むが、所望により他の形状または配置を採用することもできる。
【0060】
冷却剤をコイルチャネル1406に導くために、固定子1202は、固定子1202の一端にインレット・マニホールド1502と複数の冷却剤チューブ1504とを含む。
図15に示されるように、インレット・マニホールド1502は冷たい冷却剤を冷却剤チューブ1504のそれぞれに分配し、冷却剤チューブ1504は冷却剤を様々な固定子・コイル1404に導く。冷却剤はコイルチャネル1406を通って固定子1202の反対側に流れ、そこで第2の冷却剤チューブ1504セットが冷却剤を回収し、回収のために出口マニホールド1602(
図16に示す)に導く。
【0061】
図16は、固定子コイル1404の外側の冷却剤の流路をより良く示している。
図15に関して説明したように、入口マニホールド1502は、固定子コイル1404に分配するための冷たい冷却剤を受け取る。冷却剤は固定子コイル1404を通過した後、出口マニホールド1602に集められる。出口マニホールド1602は、様々な固定子コイル1404から/への容易な回収または分配を可能にするために部分的な円弧を形成するという点で、入口マニホールド1502と類似している。もちろん、他の形状または配置を採用することもできる。
【0062】
出口マニホールド1602に溜まった後、高温の冷却剤は、1つ以上の移送パイプ1604を通って戻りフランジ1606に流れる。図示の構造では、移送パイプ1604は固定子ハウジング1204を通り、戻りフランジ1606は固定子ハウジング1204の外側に配置されている。しかし、他の配置では、戻りフランジ1606を固定子ハウジング1204の内側に配置することもできる。
【0063】
1つ以上の排気管1608は、固定子コア1302の第1の端部と第2の端部との間に延在する。各排気管1608は、固定子コア1302を直接冷却することなく、固定子コア1302の一端から固定子コア1302の他端へ冷却ガスを通過させる大きさの概ね円筒形の管である。
【0064】
図17および
図18は、高圧冷却システム1700および低圧冷却回路1800を含む電気機械1200の冷却システムを一緒に示している。高圧冷却システム1700は、固定子巻線1304及びロータ巻線204を構成する固定子コイル1404を直接冷却するように配置されている。具体的には、固定子・コイル1404を冷却するために第1の冷却回路1702が設けられ、ロータ巻線204を冷却するために第2の冷却回路1704が設けられる。先に進む前に、冷却システムに関して本明細書で使用される「高圧」という用語は、冷却流体、典型的には空気を、高圧冷却システム1700を通して所望の流量で移動させるのに十分な高圧冷却システム1700内のゲージ圧を指すことに留意されたい。ほとんどの構造では、第1の冷却回路1702と第2の冷却回路1704の所望の流量は互いに独立しており、用途に必要な冷却を達成するように選択される。第1の冷却回路1702および第2の冷却回路1704内の実際の圧力は、好ましくは、システムが加圧されるように、大気圧よりも高い(例えば、2バール~20バール)。しかしながら、ポンプアセンブリ1218、または代替の外部ポンプは、所望の流量を達成するために圧力をわずかに上昇させるように作動する。第1の冷却回路1702および第2の冷却回路1704の実際の圧力は、計器空気源、外部コンプレッサ、または高圧ガスの供給などの外部圧力源によって制御される。
【0065】
図17を参照すると、第1の冷却回路1702はポンプアセンブリ1218で始まり、そこで冷却ガス、この構造では空気の流れが第1の熱交換器1212に導かれ、そこで冷却ガスが冷却される。前述のように、第1の熱交換器1212は、空気対空気、水、または別の液体を含む多数の異なる冷却源を使用することができる。一旦冷却されると、今や冷たい冷却ガスは、第1の熱交換器1212を出て、入口マニホールド1502に流れる。入口マニホールド1502は、冷却ガスを冷却剤チューブ1504を介して固定子コイル1404に分配する。冷却ガスは固定子コイル1404の長さに沿って流れ、固定子コイル1404を冷却する。加熱された冷却ガスは、第2の冷却剤チューブ1504を経由して固定子1202の反対側の端部で固定子巻線1304から出る。高温の冷却ガスは、出口マニホールド1602に集められ、1つまたは複数の移送パイプ1604を使用して電気機械1200の反対側の端部に向けられる。移送パイプ1604は、高温の冷却ガスをポンプアセンブリ1218に戻すためにポンプアセンブリ1218に接続する戻りフランジ1606に通じている。ポンプアセンブリ1218は、より詳細に説明されるように、第1の冷却回路1702を通る所望の流量を維持するために冷却空気の圧力を増加させるように動作する。
【0066】
ロータ500を通る第2の冷却回路1704の部分は、
図1~
図11に関して詳細に説明した。第2の冷却回路1704は、ポンプアセンブリ1218から始まり、そこで高温冷却ガス、この例では空気の流れが、冷却のために第1の熱交換器1212に導かれる。図示された第1の熱交換器1212は、3つの回路を含むことができ、そのうちの1つの回路が第1の冷却回路1702用の冷却空気を含み、他の1つの回路が第2の冷却回路1704用の冷却空気を含む、他の2つの回路内の冷却空気を冷却するように動作する冷回路である。このようにして、第1の熱交換器1212は、空気を混合することなく、冷却空気の2つの別個の流れを冷却する。もちろん、他の構造では、別個の熱交換器を含むこともできるし、第1の熱交換器1212内で冷却のための流れを結合し、第1の熱交換器1212が2つの回路のみを含むように、電気機械1200に入る前に分離することもできる。
【0067】
第1の熱交換器1212を出ると、第2の冷却回路1704内の今や冷却された冷却ガスは、ロータ入口ボア504に導かれる。冷却ガスはロータ500の遠端まで流れ、ロータコア、具体的には前述のようにロータ巻線204を通って流れ、ロータ巻線204を冷却する。高温の冷却ガスはロータ巻線204を出て、環状スリーブ522によって画定された排出環状部506に入り、ポンプアセンブリ1218に戻る。ポンプアセンブリ1218は、少なくとも5A/mm2、より好ましくは6~10A/mm2の間の所望の電流密度を達成するために少なくとも部分的に選択された所望の流量で、第2の冷却回路1704を通る所望の流量を維持するために冷却空気の圧力を増加させるように動作する。
【0068】
2つの回路(すなわち、コールド回路とホット回路)のみを有する第1の熱交換器1212を含む構造では、ホット冷却ガスは単一の流れとして入り、第1の熱交換器1212内で冷却され、その後、第1の熱交換器1212から出て、第1の冷却回路1702用と第2の冷却回路1704用の2つの流れに分割される。
【0069】
運転中、冷却ガス(空気)が第1の冷却回路1702及び/又は第2の冷却回路1704から漏れることがある。補填空気は、外部ガス貯蔵、計器空気、または清浄な冷却ガスの他の供給源を含む可能性のあるガス供給1706から供給される可能性がある。
【0070】
図18に目を向けると、低圧冷却回路1800は、固定子ハウジング1204内に配置された電気機械1200の構成部品を冷却するために、追加の冷却ガス、この例では空気を供給するように配置されている。高圧冷却システム1700は、1つまたは複数の閉じたループに複数の密閉された流路を含む閉じたシステムであるのに対し、低圧冷却回路1800は、冷却ガスが完全に閉じられていないか密閉されていない空間内で自由に流れる開いたシステムである。低圧冷却回路1800は、ファン1216がロータ500と共に回転することによって始まる。ファン1216はロータ500に固定的に取り付けられ、それと共に回転して低圧冷却空気の流れを発生させるが、用途によっては外部ファンが適切な代替手段となる。低圧冷却空気はファン1216から第2の熱交換器1214に流れ、そこで第1の熱交換器1212に関して説明したのと同様の方法で冷却される。第2の熱交換器1214は、冷却された低圧冷却空気を固定子コア1302を含む空間に排出する。低圧冷却空気の一部は、固定子コア1302を通って流れ、固定子コア1302を冷却する。この冷却空気の一部は固定子ボア1220に排出され、そこで固定子1202の各端部に向かって流れる。固定子コア1302を通過しない低圧冷却空気は、固定子ハウジング1204内の励磁システム空間1804に通じる1つまたは複数の低圧冷却ダクト1802を通って導かれる。励磁システム空間1804内の低圧冷却空気は、励磁システム1210だけでなく、励磁システム空間1804内に配置される可能性のある他の構成要素(例えば、永久磁石発電機(PMG))にも冷却を提供する。励磁システム空間1804内の低圧冷却空気は、固定子ハウジング1204内に形成された排気管1608のうちの1つまたは複数を介してファン1216に逆流する。あるいは、この低圧冷却回路は、ファンが排出する方向(すなわち、ファン方向)を反転させることによって、流れ方向を反転させることができる。
【0071】
図19は、ポンプアセンブリ1218として使用するのに適したロータ取付けポンプアセンブリ1900を示す。ロータ取付けポンプアセンブリ1900は、第1のポンプインペラー1904および第2のポンプインペラー1906を囲むポンプハウジング1902を含む。図示された第1のポンプインペラー1904および第2のポンプインペラー1906は、他のタイプのインペラも可能である閉鎖遠心インペラである。第1のポンプインペラー1904と第2のポンプインペラー1906は、ロータ500に背中合わせの配置で直接取り付けられ、これと共回りするようになっている。もちろん、必要であれば他の配置や取り付けも可能である。
【0072】
一次シール1908がポンプハウジング1902に結合され、静止しているポンプハウジング1902とロータ500との間にシールを形成する。一次シール1908は、ガスシール配置を含むが、所望のシール効率を提供するために必要に応じて、多数の異なる配置を含むことができる。多数の二次シール1910が、ポンプハウジング1902とロータ500、第1のポンプインペラー1904、および第2のポンプインペラー1906との間に配置され、所望のシールおよび独立した流路を確立する。
【0073】
図19に示されるロータ取付けポンプアセンブリ1900の配置により、ロータ500の回転は、第1のポンプインペラー1904と第2のポンプインペラー1906の両方を回転させる。第1のポンプインペラー1904は、第1の冷却回路1702から、第1の高温ガス戻り空間1912に導かれた高温冷却ガス(空気)を吸い込む。第1のポンプインペラー1904は、第1の高温ガス出口1916を介して、ロータ取付けポンプアセンブリ1900から高温冷却ガスを圧縮し、汲み上げ、または吹き出す。第1の高温ガス出口1916は、高温冷却ガスが冷却される第1の熱交換器1212に通じている。
【0074】
第2のポンプインペラー1906は、第2の冷却回路1704から、第2の高温ガス戻り空間1914に導かれた高温冷却ガス(空気)を吸い込む。第2のポンプインペラー1906は、第2の高温ガス出口1918を介してロータ取付けポンプアセンブリ1900から高温冷却ガスを圧縮、圧送、または吹き出す。第2の高温ガス出口1918は、高温冷却ガスが冷却される第1の熱交換器1212に通じている。
【0075】
図20は、ポンプアセンブリ1218の一部として使用するのにも好適な外部ポンプアセンブリ2000を示す。外部ポンプアセンブリ2000は、ロータ500の一部を取り囲むポンプハウジング1902を含む。
図19の一次シール1908と同様の一次シール1908と、
図19に関して説明したものと同様の二次シール1910とが、ロータ500と静止ポンプハウジング1902との間のシールを形成するために設けられている。ポンプハウジング1902は、第2の冷却回路1704からの高温冷却ガスを捕捉して第1の熱交換器1212に導く第2の高温ガス出口1918を画定する。
【0076】
図19に図示されているようなシャフト取付けインペラを採用するのではなく、
図20の構造は、外部ポンプ2002(コンプレッサまたはブロワと呼ばれることもある)を含む。外部ポンプ2002は、第1の熱交換器1212から冷却された冷却ガスの流れを受け取り、その冷却ガスの圧力または流量を増加させ、ロータ入口ボア504に導く。第1の冷却回路1702内の冷却ガスを圧縮または圧送するために、別の外部ポンプ2002を設けることもできる。第1の冷却回路1702は、互いに対して大きく動かない構成要素を含むので、第2の冷却回路1704で必要とされるような静止部分と回転部分との間のシールを形成する必要がないため、第1の冷却回路1702用の外部ポンプは、はるかに単純である。
【0077】
ポンプアセンブリ1218および第1の熱交換器1212の配置には、多数の可能な変形があることに留意すべきである。例えば、ロータ取付けポンプアセンブリ1900をポンプアセンブリ1218として採用することもできるし、
図20に図示した外部ポンプアセンブリ2000のような完全に外部駆動されるシステムを採用することもできる。他の構造では、第1の冷却回路1702および第2の冷却回路1704の一方はシャフト取付けポンプを含み、第1の冷却回路1702および第2の冷却回路1704の他方は外部ポンプを含む。加えて、ポンプは、構成にかかわらず、所望され得るように、それぞれの冷却回路内の異なる箇所に配置され得る。
【0078】
さらに、第1の高温ガス出口1916および第2の高温ガス出口1918は、1つまたは複数の外部ポンプ、1つまたは複数のシャフト取付けインペラ、またはそれらの組み合わせによって生成され得る単一の流れに結合され得る。
【0079】
第1の熱交換器1212は、いくつかの異なる配置を含むこともできる。
図17に示される構造では、第1の熱交換器1212は、冷たい流体のための第1の内部回路またはループと、熱い流体のための2つの別個の内部回路またはループとを含む。第1の冷却回路1702は、第1の熱交換器1212内の高温流体ループのうちの第1のものを含み、第2の冷却回路1704は、高温流体ループのうちの第2のものを含む。従って、この配置では、第1の冷却回路1702と第2の冷却回路1704の冷却流体は混合せず、共通の冷たい流体回路によって冷却される。
【0080】
別の配置では、熱交換器は、1つの低温流体ループと1つの高温流体ループとを含む。この配置では、第1の冷却回路1702と第2の冷却回路1704は、第1の熱交換器1212に入る前に単一の流れに結合する。第1の熱交換器1212を通過した後、単一の流れは再び第1の冷却回路1702と第2の冷却回路1704とに分割される。この配置では、2つの冷却回路を通る所望の流れを達成するために、制御可能な弁またはオリフィスが必要とされる場合がある。
【0081】
さらに他の構造では、各熱交換器が第1の冷却回路1702および第2の冷却回路1704の一方に関連付けられた、2つの完全に別個の熱交換器が採用され得る。ポンプおよび熱交換器の他の配置も可能である。
【0082】
図21は、電気を生成するための発電機として、またはプロペラ、圧縮機、ポンプなどの別の装置を駆動するためのモータとして作動させることができる低速電気機械2100を示す。低速電気機械2100は、高電流密度(すなわち、5A/mm
2以上、または6~10A/mm
2以上)を供給しながら、1200RPM 未満の回転数での運転に適合した数多くの機能を含む。
【0083】
低速電気機械2100は、固定子ハウジング2102、固定子2104、およびロータ2106を含む。固定子ハウジング2102は、固定子2104を収容し保護するように配置され、第1の空間2118と第2の空間2120を画定する。
【0084】
固定子ハウジング2102は、ロータ2106を回転可能に支持するように配置された第1の軸受2116と第2の軸受2108を支持する。これまで議論してきたように、ロータ2106は、発電機として運転されるときに電気を発生させるために、またはモータとして運転されるときに機械的トルクを発生させるために、固定子巻線2124と協働するロータ巻線2110を含む。励磁システム1210(例えば、励磁装置(エキサイター))は、先に説明したように、2116と2108の間の固定子ハウジング2102内に配置される。
【0085】
低速電気機械2100は、ロータ2106と固定子2104、より詳細にはロータ巻線2110と固定子ハウジング1204を冷却するために作動する冷却システムを含む。冷却システムは、ファン2112、熱交換器2114、および戻り経路2122を含む。ファン2112は、好ましくは、運転中に第2の空間2120から空気を吸い込み、その空気を熱交換器2114に排出するように、第2の空間2120に配置される。ロータ2106は低速で動作するため、ファン2112を効果的に直接駆動することはできない。ファン2112の速度および効率を高めるためにギアボックスまたは他の装置が採用される場合、ファン2112は発電機によって駆動され得る。あるいは、ファン2112を電気的に駆動することもできるし、別個のモータによって機械的に駆動することもできる。
【0086】
熱交換器2114は固定子ハウジング2102内に配置されるが、代替的に固定子ハウジング2102の外部に配置することもできる。熱交換器2114は、ファン2112からの冷却空気の流れを受け、冷却された冷却空気を、熱交換器2114からの空気を第1の空間2118に導く戻り経路2122に排出する。
【0087】
運転中、第1の空間2118内の冷却空気は、ロータ巻線2110と固定子巻線2124を通って流れ、冷却を提供する。その後、空気はロータ巻線2110と固定子巻線2124から出て、第2の空間2120に集まる。ファン2112は、第2の空間2120から高温の冷却空気を吸引し、熱交換器2114に導くように動作する。熱交換器2114は、ファン2112によって送られた空気を冷却するように動作する冷却流体の流れを受ける。冷却流体は、外部の空気、または所望の冷却を提供するために必要とされ得る水のような別の流体であり得る。ある配置では、所望の冷却を提供するために冷凍システムが提供される。熱交換器2114によって冷却された空気は、戻り経路2122に沿って第1の空間2118に戻り、再びサイクルを開始する。
【0088】
戻り経路2122は固定子ハウジング2102の外側にあるように図示されているが、構造によっては戻り経路2122を完全にまたは部分的に固定子ハウジング2102内に配置することができることに留意すべきである。
【0089】
運転中、励磁システム1210または他のシステムは、ロータ200に所望の電圧で電流を供給する。電流はロータ巻線204を通って流れ、2極発電機/モータでは2つの磁極を確立し、より高極の発電機/モータではより多くの磁極を確立する。タービン、他の原動機、または駆動される部品(例えば、プロペラ)は、ロータ200に結合され、所望の速度でロータ200を回転させるか、またはロータ200によって駆動されるように動作する。2極ロータ200を備えた同期式の電気機械1200の場合、ロータは、60Hzの電気を発生させるために3600RPMで回転する。50Hzの電気を発生させる場合、ロータ200は3000RPMで回転する。このバリエーションには、1RPMから20,000RPMで動作する定速機や可変速機が含まれる。
【0090】
電気機械1200が発電機として動作する場合、ロータ200の回転磁界は発電機の固定子300と相互作用して、ロータ200の速度に比例する周波数で交流三相電流を誘導する。ロータ200と固定子300のそれぞれを冷却して、ロータ200と固定子300の電流密度を高めると同時に、所望の効率とメンテナンス間隔を維持することができる。
【0091】
ロータ500は、ロータ冷却システム520、1704を含み、最初にコイルまたはロータ巻線204を様々なロータスロット202に位置決めすることによって組み立てられるか、またはメンテナンス後に再組み立てされる。ロータ巻線204は、ロータスロット202を実質的に満たすように半径方向外側に延びるように積層され、ロータ500の極の1つを規定するように電気的に接続される。
【0092】
ウェッジ410、810、1008、1102は実質的に互いに同じであるため、組立体はウェッジ1102に関して説明される。しかしながら、ステップの多くが、他のウェッジ410、810、1008、1102の一部または全てに等しく適用可能であることは明らかであろう。
【0093】
シール部材608は、様々なウェッジ1102の側面に配置される(
図6参照)。説明したように、シール部材608はD形状であり、いくつかの構造では、D形状の平らな面は、シール部材608のウェッジ1102への取り付けを容易にする接着剤を含む。
【0094】
シール部材608はウェッジフック606の半径方向内側に位置し、したがってロータスロット202に組み付ける前に各ウェッジ1102に挿入される。シール部材608のこの位置は、シール部材608の1つが劣化または故障した場合に、シール部材608がロータスロット202内に収容される可能性を高める。シール部材608がロータ500の外表面から離れた位置にあることは、表面電流または他の加熱効果に起因して発生する可能性のある大きな温度変動からシール部材608を遮蔽するのにも役立つ。シール部材608はまた、ロータ巻線204をウェッジフック606から隔離するのを助け、ウェッジ中に緩む可能性のある導電性ウェッジメッキ材料がロータ巻線204から遮断され、それによってこの材料による地絡の可能性を低減する。
【0095】
次に、ウェッジ1102が様々なロータスロット202に取り付けられ、運転中にロータ巻線204を所望の位置に支持する。シール部材608は、各ウェッジ1102が取り付けられるロータスロット202を画定するロータ本体120の壁に対して圧縮され、それによって各ロータスロット202に一次シールを形成する。ウェッジフック606と各ロータスロット202の歯フック604との間の接触圧力も、ロータスロット202からの不要な漏れを抑制する二次シールとして作用する。このように、ウェッジ1102の取り付けは、ロータスロット202の半径方向外側の開口部からの漏れを抑制する軸方向に配置されたシールを提供する。しかしながら、ロータスロット202の各端部は依然としてシールされていない。
【0096】
ウェッジ1102は、他のウェッジ410、810では必要とされないかもしれない幾つかの追加組立てを必要とし、この組立ては、所望に応じて、ウェッジ1102をロータ500に取付ける前に、または後に行うことができる。ウェッジ1102の各端は、ウェッジインサート1002を受ける。次に、ウェッジキャップ1004がウェッジインサート1002のそれぞれに隣接して配置される。複数のウェッジボルト1006の各々は、ウェッジキャップ1004およびウェッジインサート1002のうちの1つを貫通し、ウェッジ本体1104にねじ可能に係合する。ウェッジボルト1006の締め付けは、ウェッジインサート1002を軸方向に圧縮し、同時にウェッジインサート1002を半径方向および円周方向に膨張させる。ウェッジインサート1002の膨張は、ウェッジ本体1104、保持リング114(装着後)またはリングシール808、およびロータ歯402の間の協働を促進し、その間のシールをさらに強化する。ウェッジボルト1006を締め付けることなく、ウェッジインサート1002とウェッジキャップ1004をウェッジ本体1104に取り付けることができることに留意すべきである。そして、ウェッジ1102がその作動位置にある後に、ウェッジボルト1006を締め付けて、ウェッジインサート1002の所望の圧縮を提供することができる。
【0097】
図10を参照すると、次にリングシール808がロータ500の両端に配置される。リングシール808は両方とも、好ましくは、ロータ500の円周の周りに延び、ウェッジ1102と同様にロータ歯602に係合する連続円形シールである。リングシール808は、ウェッジインサート1002の半径方向外側に配置され、ウェッジボルト1006の締め付けの前に配置することも、ウェッジボルト1006の締め付けの後に配置することもできる。一般に、ウェッジボルト1006の締め付けの前にリングシール808をその所望の作動位置に位置決めすることは、リングシール808がウェッジインサート1002の膨張の前にわずかに緩い適合を有するので、より容易であろう。
【0098】
図11は、リングシール702のわずかに異なる位置を図示し、また、
図8のリングシール808ではなく、
図7のリングシール702を採用していることに留意すべきである。本明細書で説明する概念は、特定の設計に必要な密封性を達成するために、異なる組み合わせで再配置して使用できることに留意することが重要である。このように、記載された密封配置は、例としてのみ考えられるべきであり、いかなる意味においても限定的であると考えられるべきではない。
【0099】
次に、
図10および
図11に示されるように、保持リング114が取り付けられる。典型的な取り付けでは、保持リング114を熱膨張させ、1つ以上の焼きばめ位置1106に所望の焼き嵌めを提供するために、取り付け前に保持リング114を加熱する。一旦取り付けられると、保持リング114はロータ本体120、ロータシャフト122、およびエンドプレート514と協働して、第1の冷却剤空間512と第2の冷却剤空間508を画定する。
【0100】
図11に示されるように、保持リング114は、各ウェッジ本体1104と協働して、シールを形成する3つの焼きばめ位置1106を画定する。さらに、リングシール702は、保持リング114およびウェッジ本体1104と協働して、一次シールを画定する。最後に、ウェッジインサート1002は、一旦拡張されると、ロータ500と保持リング114との間にさらに別のシール点を提供し、第1の冷却剤空間512と第2の冷却剤空間508からの漏れを抑制する複数の有効なシール点が存在する。
【0101】
図5を参照して、ロータ冷却システム520の動作を説明する。ロータ500の回転中、冷却剤ポンプ502、1218は排出環状部506から暖かい空気を吸い込み、その空気を外気冷却器または熱交換器1212に導く。その後、冷却された空気は、入口ボア504に沿って入口開口516まで流れ、そこで高圧空気(一般に大気圧より大きい)が第1の冷却剤空間512に入る。第1の冷却剤空間512は、高圧空気がロータスロット202に入ることができるように、ロータスロット202のそれぞれと流体連通している。高圧空気は冷却を提供するためにロータスロット202の長さを流れ、第2の冷却剤空間508に集められる。高圧空気は第2の冷却剤空間508から排出環状部506に導かれ、そこで冷却剤ポンプ502、1218に吸引され、ロータ500から排出される。上述したシールにより、第1の冷却剤空間512、第2の冷却剤空間508、およびロータスロット202からの漏れの可能性が低減される。
【0102】
提案された高電流密度電気機械は、ロータ500を圧力容器とし、各ロータスロット202、第1の冷却剤空間512、第2の冷却剤空間508を加圧する。ウェッジ410、810、1008、1102は、ロータスロット202の側壁と接触する2つの、適合する、シール部材608を含む。これらのシール部材608は、ロータスロット202の気密性を確保する。
【0103】
加圧されたロータスロット202は、摩擦損失を増加させることなく、多くの複雑な電気/流体の二重目的の接続なしに、ロータ巻線204を高圧流体で直接冷却することを可能にする。加圧流体による直接冷却により、界磁電流を増加させた機械運転が可能となり、最終的には、以前の空冷式機械よりも高い電流密度を実現することができる。
【0104】
固定子1202を冷却するために高圧冷却システム1700を低圧冷却回路1800と組み合わせて使用することにより、固定子1202をよりコンパクトにすることができ、電気機械1200の電流密度を高めることができる。具体的には、ここに例示した電気機械1200は、5A/mm2を超える電流密度で1MWから50MWの範囲で動作する電気機械をもたらし、多くの構造では6A/mm2から10A/mm2の間で動作し、一部の構造では3600RPMで少なくとも1.0kW/kgの出力密度をもたらすことができる。
【0105】
電流密度は、ロータ巻線と固定子巻線の導体の最小断面積で測定される。従って、ロータと固定子の各々は電流密度を有し、本明細書で説明するほとんどの構造では、それらの電流密度は5A/mm2より大きく、多くは6~10A/mm2の間に収まる。
【0106】
さらに、励磁システム1210を第1の軸受1206と第2の軸受1208との間に配置することにより、励磁システム1210の冷却を強化するとともに、ロータ500を短くすることができる。また、第1の軸受1206と第2の軸受1208との間に励磁システム1210を配置することにより、ポンプアセンブリ1218を第1の軸受1206により近い位置に配置することができる。この位置決めは、ポンプアセンブリ1218の振動および振れを低減し、ひいてはポンプハウジング1902とロータ500との間のより効果的な密封を可能にする。
【0107】
本開示の例示的な実施形態を詳細に説明したが、当業者であれば、本明細書に開示された様々な変更、置換、変形、および改良が、最も広い形態における本開示の精神および範囲から逸脱することなく行われ得ることを理解するであろう。加えて、1つの実施形態に関して記載される任意の特徴は、本明細書に記載される他の実施形態にも同様に適用可能である。
【0108】
本願明細書のいずれの記載も、特定の要素、ステップ、行為、または機能が、請求の範囲に含まれなければならない必須要素であることを暗示するものとして読まれるべきではない:特許主題の範囲は、許容される請求の範囲によってのみ定義される。さらに、これらのクレームは、「means for」という正確な語句の後に分詞が続かない限り、means plus functionのクレーム構造を呼び起こすことを意図していない。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機械であって、
固定子ボアおよび固定子巻線を含む固定子であって、前記固定子巻線は、電流を受け取り、1MWから50MWの間の電力を有する電流を生成するように配置され、前記固定子は、5A/mm
2より大きい固定子電流密度を有する固定子、
固定子ボア内に少なくとも部分的に配置され、ロータ巻線を有するロータであって、
前記ロータは5A/mm
2より大きいロータ電流密度を有するロータ、および、
前記固定子と前記ロータを能動的に冷却するように動作可能な高圧冷却システムであって、前記ロータ巻線および前記固定子巻線は、前記電流の受信に応答して接続された装置を駆動するために
前記ロータの回転を生成することと、接続された装置によって駆動される
前記ロータの回転に応じて
前記電流を生成すること、のいずれかに相互作用する高圧冷却システム、
を含むことを特徴とする電気機械。
【請求項2】
前記ロータ電流密度と
前記固定子電流密度はそれぞれ6~10A/mm
2であることを特徴とする請求項1に記載の電気機械。
【請求項3】
前記固定子を囲む固定子ハウジングをさらに備え、前記固定子ハウジングは第1の軸受と第2の軸受を含み、前記ロータは前記第1の軸受と前記第2の軸受によって回転可能に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の電気機械。
【請求項4】
前記ロータ巻線に励磁電流を供給するように動作可能な励磁システムをさらに備え、前記励磁システムは、前記ロータによって回転するように支持され、前記第1の軸受と前記第2の軸受との間に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の電気機械。
【請求項5】
固定子ハウジング内に低圧空気流を含み、
前記励磁システムおよび
前記固定子を少なくとも部分的に冷却するように動作可能な低圧冷却回路をさらに備える、請求項4に記載の電気機械。
【請求項6】
前記低圧冷却回路は、前記ロータに結合され、前記低圧空気流を生成するように動作可能なファンを含む、請求項5記載の電気機械。
【請求項7】
前記高圧冷却システムは、高圧流体の第1の流れで
前記固定子巻線を冷却するように動作可能な第1の冷却回路と、高圧流体の第2の流れで
前記ロータ巻線を冷却するように動作可能な第2の冷却回路とを含み、
前記第2の冷却回路は
前記第1の冷却回路とは別個である、請求項1に記載の電気機械。
【請求項8】
前記第1の冷却回路は、高圧流体の前記第1の流れおよび高圧流体の前記第2の流れを冷却するように動作可能な第1の熱交換器を含む、請求項7に記載の電気機械。
【請求項9】
前記第1の冷却回路は、高圧流体の前記第1の流れの圧力を増加させるように動作可能な第1のロータ取付けポンプと、高圧流体の前記第2の流れの圧力を増加させるように動作可能な第2のロータ取付けポンプとを含む、請求項7に記載の電気機械。
【請求項10】
前記第2の冷却回路は、高圧流体の前記第2の流れの圧力を増加させるように動作可能な第1のロータ取付けポンプと、前記ロータから分離され、高圧流体の前記第1の流れの圧力を増加させるように動作可能な外部ポンプとを含む、請求項7に記載の電気機械。
【請求項11】
前記第1の冷却回路は、前記ロータからそれぞれ分離された第1の外部ポンプおよび第2の外部ポンプを含み、
前記第1の外部ポンプは、第1の高圧流体の流れの圧力を増加させるように動作可能であり、前記第2の外部ポンプは、第2の高圧流体の流れの圧力を増加させるように動作可能である、請求項7に記載の電気機械。
【請求項12】
前記第1の冷却回路および前記第2の冷却回路の各々は閉ループであり、第1の高圧流体の流れおよび第2の高圧流体の流れは空気を含む、請求項7に記載の電気機械。
【請求項13】
電気機械であって、
固定子ボアと固定子巻線を含む固定子、
前記固定子ボア内に少なくとも部分的に配置され、ロータ巻線を有するロータ、
高圧流体の第1の流れで前記固定子巻線を冷却するように動作可能な第1の冷却回路、および、
高圧流体の第2の流れで前記ロータ巻線を冷却するように動作可能な第2の冷却回路、
を有し、前記第1の冷却回路と前記第2の冷却回路は閉じたシステムを構成する、
ことを特徴とする電気機械。
【請求項14】
前記固定子巻線は、電流を受け、1MWから50MWの間の電力を有する電流を生成するように配置され、前記ロータは5A/mm
2より大きいロータ電流密度を定義し、前記固定子は5A/mm
2より大きい固定子電流密度を定義する、請求項13に記載の電気機械。
【請求項15】
前記ロータ電流密度と前記固定子電流密度はそれぞれ6A/mm
2から10A/mm
2の間である、請求項14に記載の電気機械。
【請求項16】
前記固定子を囲む固定子ハウジングをさらに含み、前記固定子ハウジングは第1の軸受と第2の軸受を含み、前記ロータは
前記第1の軸受と
前記第2の軸受によって回転可能に支持されている、請求項13に記載の電気機械。
【請求項17】
前記固定子ハウジング内に低圧空気流を含み、励磁システムおよび前記固定子を少なくとも部分的に冷却するように動作可能な低圧冷却回路をさらに備える、請求項16に記載の電気機械。
【請求項18】
前記低圧冷却回路は、前記ロータに結合され、前記低圧空気流を生成するように動作可能なファンを含む、請求項17に記載の電気機械。
【請求項19】
高圧流体の前記第1の流れおよび高圧流体の前記第2の流れを冷却するように動作可能な第1の熱交換器と、低圧流体の流れを冷却するように動作可能な第2の熱交換器とをさらに含む、請求項17に記載の電気機械。
【請求項20】
前記第1の冷却回路は、高圧流体の
前記第1の流れの圧力を増加させるように動作可能な第1のロータ取付けポンプと、高圧流体の
前記第2の流れの圧力を増加させるように動作可能な第2のロータ取付けポンプとを含むことを特徴とする、請求項13に記載の電気機械。
【請求項21】
前記第1の冷却回路は
、高圧流体の
前記第2の流れの圧力を増加させるように動作可能な第1のロータ取付けポンプと、前記ロータから分離され
、高圧流体の
前記第1の流れの圧力を増加させるように動作可能な外部ポンプとを含む、請求項13に記載の電気機械。
【請求項22】
前記第1の冷却回路および前記第2の冷却回路のそれぞれが閉ループであり、高圧流体の
前記第1の流れおよび高圧流体の
前記第2の流れが空気を含む、請求項13に記載の電気機械。
【請求項23】
電気機械であって、
固定子ボアと固定子巻線を含む固定子と、
前記固定子を囲むように配置され、第1の軸受を支持する第1の壁と第2の軸受を支持する第2の壁とを含む固定子ハウジング、
前記固定子ボア内に少なくとも部分的に配置されロータ巻線を有するロータであって、前記第1の軸受と前記第2の軸受によって回転可能に支持された前記ロータ、
前記ロータに結合され、前記第1の軸受と前記第2の軸受の間の前記固定子ハウジング内に配置された励磁システムであって、前記ロータ巻線に励磁電流を供給するように動作可能な前記励磁システム、および
前記固定子巻線と前記ロータ巻線の一方を冷却するために高圧流体の第1の流れを供給するように作動可能な高圧冷却システム、
を含むことを特徴とする電気機械。
【請求項24】
前記固定子巻線は、電流を受け、1MWから50MWの間の電力を有する電流を生成するように配置され、
前記ロータは、5A/mm
2より大き
いロータ電流密度を定義し、前記固定子は、5A/mm
2より大きい固定子電流密度を定義する、請求項23に記載の電気機械。
【請求項25】
前記ロータ電流密度と
前記固定子電流密度は、それぞれ6~10A/mm
2であることを特徴とする、請求
項24に記載の電気機械。
【請求項26】
固定子ハウジング内に低圧空気流を含み、
前記励磁システムおよび
前記固定子を少なくとも部分的に冷却するように動作可能な低圧冷却回路をさらに含む、請求項23に記載の電気機械。
【請求項27】
前記高圧冷却システムは、高圧流体の
前記第1の流れを冷却するように動作可能な第1の熱交換器と、空気の低圧の流れを冷却するように動作可能な第2の熱交換器とを含む、請求項26に記載の電気機械。
【請求項28】
前記高圧冷却システムは、高圧流体の
前記第1の流れで
前記固定子巻線を冷却するように動作可能な第1の冷却回路と、高圧流体の第2の流れで
前記ロータ巻線を冷却するように動作可能な第2の冷却回路とを含み、
前記第2の冷却回路は
前記第1の冷却回路とは別個である、請求項23に記載の電気機械。
【請求項29】
前記第1の冷却回路は、高圧流体の
前記第1の流れの圧力を増加させるように動作可能な第1のロータ取付けポンプと、高圧流体の
前記第2の流れの圧力を増加させるように動作可能な第2のロータ取付けポンプとを含む、請求項28に記載の電気機械。
【請求項30】
前記第1の冷却回路は
、高圧流体の
前記第2の流れの圧力を増加させるように動作可能な第1のロータ取付けポンプと、前記ロータから分離され
、高圧流体の
前記第1の流れの圧力を増加させるように動作可能な外部ポンプとを含む、請求項28に記載の電気機械。
【請求項31】
前記第1の冷却回路および前記第2の冷却回路の各々が閉ループであり
、高圧流体の
前記第1の流れおよ
び高圧流体の
前記第2の流れが空気を含む、請求項28に記載の電気機械。
【国際調査報告】