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特表2024-535923バッテリモジュール、バッテリパック、自動車、およびバッテリモジュールの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】バッテリモジュール、バッテリパック、自動車、およびバッテリモジュールの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/211 20210101AFI20240925BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20240925BHJP
   H01M 50/276 20210101ALI20240925BHJP
【FI】
H01M50/211
H01M50/249
H01M50/276
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519097
(86)(22)【出願日】2022-08-30
(85)【翻訳文提出日】2024-03-27
(86)【国際出願番号】 KR2022012984
(87)【国際公開番号】W WO2023054914
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0128158
(32)【優先日】2021-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】チャン・キュ・イ
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA03
5H040AS07
5H040AT04
5H040AY08
5H040LL01
(57)【要約】
本開示の一実施形態によるバッテリモジュールは、少なくとも一つのバッテリセルと、モジュールハウジングとを含むことができる。前記モジュールハウジングは、前記少なくとも一つのバッテリセルを収容する収容空間が形成されるように、本体部および前記本体部の両端それぞれから少なくとも一方向に延びた第1延長部を備えた第1フレームと、前記本体部と対向して前記収容空間をカバーするカバー部および前記カバー部の両端それぞれから少なくとも一方向に延び、前記第1延長部それぞれと対面するように位置した第2延長部を備えた第2フレームと、前記第1フレームの前記第1延長部の延長方向の末端から離れる方向に離隔して前記第1延長部に結合する第1部分および前記第2延長部と結合する第2部分を含む結合プレートとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのバッテリセルと、
モジュールハウジングとを含み、
前記モジュールハウジングは、
少なくとも一つの前記バッテリセルを収容する収容空間が形成されるように、本体部および前記本体部の両端それぞれから少なくとも一方向に延びた第1延長部を備えた第1フレームと、
前記本体部と対向して前記収容空間をカバーするカバー部および前記カバー部の両端それぞれから少なくとも一方向に延び、前記第1延長部それぞれと対面するように位置された第2延長部を備えた第2フレームと、
前記第1フレームの前記第1延長部の延長方向の末端から離れる方向に離隔され、前記第1延長部に結合する第1部分および前記第2延長部と結合する第2部分を含む結合プレートとを含む、バッテリモジュール。
【請求項2】
前記第1部分と前記第2部分は、互いに異なる平面に配置され、
前記結合プレートの前記第1部分は、前記第1延長部の外側面と接するように配置され、
前記第2延長部の内側面は、前記第1延長部の外側面と対面し、且つ前記第1部分より前記カバー部に近い位置に配置され、
前記第2延長部の延長方向の末端部は、前記結合プレートの前記第2部分と結合する、請求項1に記載のバッテリモジュール。
【請求項3】
前記第1部分と前記第2部分は、互いに異なる平面に配置され、
前記結合プレートの前記第1部分は、前記第1フレームの前記第1延長部の内側面と接するように配置され、
前記第2延長部の外側面は、前記第1延長部の内側面と対面し、且つ前記第1部分より前記カバー部に近い位置に配置され、
前記第2延長部の延長方向の末端部は、前記結合プレートの前記第2部分と結合する、請求項1に記載のバッテリモジュール。
【請求項4】
前記第1部分は、前記結合プレートの板状の広い面でありかつ前記第1延長部と接し、前記第2部分は、前記第2延長部の末端に対向して接する、請求項1に記載のバッテリモジュール。
【請求項5】
前記第2フレームの前記第2延長部には、
前記延長方向の末端から前記延長方向の反対方向に窪んだ形態を有する結合溝が形成され、
前記結合プレートは、
前記第2部分に、前記結合溝に挿入されるように前記結合プレートの端部から突出した突出挿入部を含む、請求項1に記載のバッテリモジュール。
【請求項6】
前記突出挿入部は、前記結合溝の内側面を加圧するように、前記突出挿入部の端部から突出したくさび状突起を含む、請求項5に記載のバッテリモジュール。
【請求項7】
前記結合プレートの前記第2部分と結合する前記第2延長部の一部分には、第1傾斜面が形成され、
前記第2延長部と結合する前記結合プレートの前記第2部分には、前記第1傾斜面と平行な第2傾斜面が形成される、請求項1に記載のバッテリモジュール。
【請求項8】
前記第1傾斜面は、前記第1傾斜面の高さが、前記バッテリモジュールの内側方向に連続して低くなる形態を有し、
前記第2傾斜面は、前記第2傾斜面の高さが、前記バッテリモジュールの外側方向に連続して高くなる形態を有する、請求項7に記載のバッテリモジュール。
【請求項9】
前記第1部分は、前記結合プレートの板状の広い面であり、前記第2部分は、前記第2延長部の末端に対向して接し、
前記結合プレートは、
前記第2延長部を包囲するように前記第2部分から延びて形成されるストッパをさらに含む、請求項1に記載のバッテリモジュール。
【請求項10】
前記結合プレートは、
前記第1延長部および第2延長部と平行な方向に細長形状となるように形成される、請求項1に記載のバッテリモジュール。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のバッテリモジュールを少なくとも一つ含む、バッテリパック。
【請求項12】
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のバッテリモジュールを少なくとも一つ含む、自動車。
【請求項13】
請求項1に記載のバッテリモジュールの製造方法であって、
少なくとも一つのバッテリセルを準備するステップと、
少なくとも一つの前記バッテリセルを収容する収容空間を有して本体部および前記本体部の両端それぞれから少なくとも一方向に延びた第1延長部が備えられた第1フレームを準備するステップと、
前記第1フレームの収容空間に少なくとも一つの前記バッテリセルを搭載するステップと、
前記本体部と対向して前記収容空間をカバーするカバー部および前記カバー部の両端それぞれから少なくとも一方向に延び、前記第1延長部それぞれと対面するように構成された第2延長部を備えた第2フレームを準備するステップと、
複数の結合プレートを前記第1フレームの前記第1延長部の延長方向の末端から離れる方向に離隔するように前記第1延長部の外面に結合するステップであって、前記結合プレートは、前記第1延長部の外側に結合する板状の広い面である第1部分および前記第2延長部の末端に結合する第2部分を含む、ステップと、
前記第2延長部に前記第2部分を結合するステップとを含む、バッテリモジュールの製造方法。
【請求項14】
前記第1部分と前記第1延長部の外側は溶接により結合し、
前記第2部分と前記第2延長部の末端は溶接により結合し、
前記結合プレート、前記第1延長部、および前記第2延長部のうち少なくとも二つは同じ素材である、請求項13に記載のバッテリモジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年9月28日付けの韓国特許出願第10-2021-0128158号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本開示は、バッテリモジュール、バッテリパック、自動車、およびバッテリモジュールの製造方法に関し、より詳細には、モジュールハウジングの製造コストを低減し、耐久性を向上させたバッテリモジュール、前記バッテリモジュールを含むバッテリパック、自動車、およびバッテリモジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、商用化した二次電池としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがある。リチウム二次電池は、ニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果がほとんど起こらず、充電および放電が自由である。また、リチウム二次電池は、自己放電率が非常に低く、エネルギー密度が高い利点から脚光を浴びている。
【0004】
リチウム二次電池は、主に、リチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として使用する。リチウム二次電池は、正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板および負極板がセパレータを挟んで配置された電極組立体、および電極組立体を電解液とともに密封収納する外装材を備える。
【0005】
一般的に、リチウム二次電池は、外装材の種類に応じて、缶型二次電池とパウチ型二次電池とに分けられる。缶型二次電池は、電極組立体が金属缶に組み込まれている。パウチ型二次電池は、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに組み込まれている。
【0006】
最近、携帯型電子機器のような小型装置だけでなく、自動車や電力貯蔵装置のような中大型装置にも二次電池が広く用いられている。このような中大型装置には、少なくとも一つのバッテリモジュールが搭載されることができた。このような、バッテリモジュールの容量および出力を高めるために、多数のバッテリセルがモジュールハウジングの内部に収容されることができる。このような中大型装置には、例えば、積層が容易なパウチ型二次バッテリセルが多く用いられる。ここで、パウチ型(Pouch Type)バッテリセルは、形が一定ではない軟性のポリマー材質で製造されたパウチに電極組立体を収容した二次電池を意味する。
【0007】
図1は、従来技術のバッテリモジュールのモジュールハウジングの様子を概略的に示す斜視図である。
【0008】
従来技術のモジュールハウジング20は、内部に複数のバッテリセル(図示せず)を収容することができる収容空間を有することができる。このようなモジュールハウジング20は、上部カバー21および下部フレーム22が互いに結合して製造されることができる。ここで、上部カバー21の左右方向(X軸方向)の両端部それぞれと前記下部フレーム22の上部断面それぞれが角部分Dで互いに結合することができる。このような結合構造を有するモジュールハウジング20は、バッテリモジュールの充放電時に、モジュールハウジング20の内部に収容されたバッテリセルのスウェリング(体積膨張)現象が発生した場合、バッテリセルのスウェリングによる加圧力によって上部カバー21と下部フレーム22の結合部位であるモジュールハウジング20の角部分Dに応力が集中しやすい問題があった。そのため、従来技術のバッテリモジュールは、上部カバー21と下部フレーム22の結合部位である角部分Dが簡単に破損するかまたは分離する問題が発生していた。
【0009】
さらに、従来技術のバッテリモジュールにおいて、上部カバー21と下部フレーム22の結合力を増大させるために、下部フレーム22の厚さを過剰に増加させる場合、下部フレーム22の材料コストを増加させ、バッテリモジュールの重量が増加させる問題があった。特に、電気自動車のように、バッテリモジュールが多数搭載される場合、車両の軽量化のために、バッテリモジュールの重量は増加してはならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国特許出願公開第10-2019-0127056号公報
【特許文献2】特開2015-111493号公報
【特許文献3】韓国特許出願公開第10-2017-0030954号公報
【特許文献4】韓国特許出願公開第10-2019-0138072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本開示は、モジュールハウジングの製造コストを低減し、耐久性を向上させたバッテリモジュール、バッテリパック、自動車、およびバッテリモジュールの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の一形態によると、バッテリモジュールは、少なくとも一つのバッテリセルと、モジュールハウジングとを含む。前記モジュールハウジングは、前記少なくとも一つのバッテリセルを収容する収容空間が形成されるように、本体部および前記本体部の両端それぞれから少なくとも一方向に延びた第1延長部を備えた第1フレームと、前記本体部と対向して前記収容空間をカバーするカバー部および前記カバー部の両端それぞれから少なくとも一方向に延び、前記第1延長部それぞれと対面するように位置された第2延長部を備えた第2フレームと、前記第1フレームの前記第1延長部の延長方向の末端から離れる方向に離隔し、前記第1延長部に結合する第1部分および前記第2延長部と結合する第2部分を含む結合プレートとを含む。
【0013】
一実施形態において、前記第1部分と前記第2部分は、互いに異なる平面に配置される。前記結合プレートの前記第1部分は、前記第1延長部の外側面に配置され、前記第2延長部の内側面は、前記第1延長部の外側面と対面し、且つ前記第1部分より前記カバー部に近い位置に配置され、前記第2延長部の延長方向の末端部は、前記結合プレートの前記第2部分と結合することができる。
【0014】
一実施形態において、前記第1部分と前記第2部分は、互いに異なる平面に配置される。前記結合プレートの前記第1部分は、前記第1フレームの前記第1延長部の内側面に配置され、前記第2延長部の外側面は、前記第1延長部の内側面と対面し、且つ前記第1部分より前記カバー部に近い位置に配置され、前記第2延長部の延長方向の末端部は、前記結合プレートの前記第2部分と結合することができる。
【0015】
一実施形態において、前記第1部分は、前記結合プレートの板状の広い面で前記第1延長部と接し、前記第2部分は、前記第2延長部の末端に対向して接することができる。
【0016】
一実施形態において、前記第2フレームの前記第2延長部には、前記延長方向の末端から前記延長方向の反対方向に窪んだ形態を有する結合溝が形成され、前記結合プレートは、前記第2部分に、前記結合溝に挿入されるように前記結合プレートの端部から突出した突出挿入部を含むことができる。
【0017】
他の一実施形態において、前記突出挿入部は、前記結合溝の内側面を加圧するように、前記突出挿入部の端部から突出したくさび状突起を含むことができる。
【0018】
さらに他の一実施形態において、前記結合プレートの前記第2部分と結合する前記第2延長部の一部分には、第1傾斜面が形成され、前記第2延長部と結合する前記結合プレートの前記第2部分には、前記第1傾斜面と平行な第2傾斜面が形成されることができる。
【0019】
さらに他の一実施形態において、前記第1傾斜面は、前記傾斜面の高さが、前記バッテリモジュールの内側方向に連続して低くなる形態を有し、前記第2傾斜面は、前記傾斜面の高さが、前記バッテリモジュールの外側方向に連続して高くなる形態を有することができる。
【0020】
本開示のさらに他の一形態によると、前記第1部分は、前記結合プレートの板状の広い面であり、前記第2部分は、前記第2延長部の末端に対向して接し、前記結合プレートは、前記第2延長部を包囲するように前記第2部分から延びて形成されるストッパをさらに含むことができる。
【0021】
前記結合プレートは、前記第1延長部および第2延長部と平行な方向に長く形成されることができる。
【0022】
一方、本開示の一形態によると、バッテリパックは、前記バッテリモジュールを少なくとも一つ含む。
【0023】
一方、本開示の一形態によると、自動車は、前記バッテリモジュールを少なくとも一つ含む。
【0024】
一方、本開示の一形態によると、バッテリモジュールの製造方法は、少なくとも一つのバッテリセルを準備するステップと、前記少なくとも一つのバッテリセルを収容する収容空間を有して本体部および前記本体部の両端それぞれから少なくとも一方向に延びた第1延長部が備えられた第1フレームを準備するステップと、前記第1フレームの収容空間に前記少なくとも一つのバッテリセルを搭載するステップと、前記本体部と対向して前記収容空間をカバーするカバー部および前記カバー部の両端それぞれから少なくとも一方向に延び、前記第1延長部それぞれと対面するように構成された第2延長部を備えた第2フレームを準備するステップと、複数の結合プレートを前記第1フレームの前記第1延長部の延長方向の末端から離れる方向に離隔するように前記第1延長部の外面に結合するステップ-前記結合プレートは、前記第1延長部の外側に結合する板状の広い面である第1部分および前記第2延長部の末端に結合する第2部分を含む-と、前記第2延長部に前記第2部分を結合するステップとを含む。
【0025】
一実施形態において、前記第1部分と前記第1延長部の外側は溶接により結合し、前記第2部分と前記第2延長部の末端は溶接により結合し、前記結合プレート、前記第1延長部、および前記第2延長部のうち少なくとも二つは同じ素材であることができる。
【発明の効果】
【0026】
本開示のバッテリモジュールは、第1フレームの第1延長部および第2フレームの第2延長部それぞれに結合するように構成された結合プレートを含むことにより、図1の従来技術のバッテリモジュールのモジュールハウジングのように、上部カバーと下部フレームが直接結合する構造と比較して、モジュールハウジングの第1フレームまたは第2フレームの結合面積を増加させるために第1フレームまたは第2フレームの厚さを増加させる必要がなく、製造コストを低減することができ、バッテリモジュールの軽量化を図ることができる。
【0027】
さらに、本開示のバッテリモジュールは、第1フレームの第1延長部の延長方向の末端から離れる方向に離隔した結合プレートを備えることにより、図1の従来技術のモジュールハウジングの上部カバーと下部フレームそれぞれの端部(角部分)が互いに結合する構造と比較して、モジュールハウジングの内部に収容されたバッテリセルのスウェリング(体積膨張)現象が発生しても、スウェリングによる加圧力によって結合プレートと第2フレームの第2延長部との間の破損もしくは分離の現象を相対的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】従来技術のバッテリモジュールのモジュールハウジングの様子を概略的に示す斜視図である。
図2】本開示の一実施形態によるバッテリモジュールの様子を概略的に示す斜視図である。
図3】本開示の一実施形態によるバッテリモジュールの様子を概略的に示す分離斜視図である。
図4】本開示の一実施形態によるバッテリモジュールのモジュールハウジングの一部様子を概略的に示す部分正面図である。
図5】本開示の他の一実施形態によるバッテリモジュールの様子を概略的に示す斜視図である。
図6】本開示の他の一実施形態によるバッテリモジュールのモジュールハウジングの一部様子を概略的に示す部分正面図である。
図7】本開示の一実施形態によるバッテリモジュールの第2フレームの一部様子を概略的に示す部分斜視図である。
図8】本開示の一実施形態によるバッテリモジュールの第1フレームおよび結合プレートの様子を概略的に示す斜視図である。
図9】本開示の一実施形態によるバッテリモジュールの第1フレームおよび結合プレートの一部様子を概略的に示す部分斜視図である。
図10】本開示の他の一実施形態によるバッテリモジュールの第2フレームおよび結合プレートの一部様子を概略的に示す部分側面図である。
図11】本開示の他の一実施形態によるバッテリモジュールのモジュールハウジングの一部様子を概略的に示す部分正面図である。
図12】本開示のさらに他の一実施形態によるバッテリモジュールのモジュールハウジングの一部様子を概略的に示す部分正面図である。
図13】本開示の一実施形態によるバッテリパックの様子を概略的に示す斜視図である。
図14】本開示の一実施形態による自動車の様子を概略的に示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して、本開示について詳細に説明する。本開示を説明するに際し、関連する公知の機能あるいは構成に関する具体的な説明が本開示の要旨を不明瞭にし得ると判断した場合、それに関する詳細な説明は省略する。さらに、下記の実施形態は、様々な他の形態に変形されることができ、本開示の技術的思想の範囲が下記実施形態に限定されるものではない。かえって、これらの実施形態は、本開示をより充実且つ完全にし、当業者に本開示の技術的思想を完全に伝達するために提供されるものである。
【0030】
本開示に記載の技術を特定の実施形態に対して限定するものではなく、本開示の実施形態の様々な変更(modifications)、均等物(equivalents)、および/または代替物(alternatives)を含むものと理解すべきである。
【0031】
図面の説明と関連して、類似の構成要素に対しては類似の参照符号が使用されることができる。
【0032】
本開示において、「有する」、「有することができる」、「含む」または「含むことができる」などの表現は、当該特徴(例:数値、機能、動作、または部品などの構成要素)の存在を示し、さらなる特徴の存在を排除しない。
【0033】
本開示において、「AまたはB」、「Aまたは/およびBのうち少なくとも一つ」または「Aまたは/およびBのうち一つまたはそれ以上」などの表現は、ともに並べられた項目のすべての可能な組み合わせを含むことができる。例えば、「AまたはB」、「AおよびBのうち少なくとも一つ」または「AまたはBのうち少なくとも一つ」は、(1)少なくとも一つのAを含む場合、(2)少なくとも一つのBを含む場合、または(3)少なくとも一つのAおよび少なくとも一つのBの両方を含む場合をすべて指すことができる。
【0034】
図2は、本開示の一実施形態によるバッテリモジュール100の様子を概略的に示す斜視図である。図3は、本開示の一実施形態によるバッテリモジュール100の様子を概略的に示す分離斜視図である。また、図4は、本開示の一実施形態によるバッテリモジュール100のモジュールハウジング120の一部様子を概略的に示す部分正面図である。参考までに、図2に示されているX軸の方向は右方であり、Y軸方向は後方であり、Z軸方向は上方である。
【0035】
図2図4を参照すると、本開示の一実施形態によるバッテリモジュール100は、少なくとも一つのバッテリセル110、およびモジュールハウジング120を含む。
【0036】
具体的には、バッテリセル110は、例えば、軟性の材質で製造されたパウチ型ケースを備えた二次電池であることができる。しかし、必ずしもこのような種類の電池に限定されるものではなく、バッテリセル110は、角型電池または円筒型電池であることができる。パウチ型ケースは、少なくとも一つのラミネートシートを備えることができる。ラミネートシートは、薄い金属フィルム(例えば、Alフィルム)が耐水性のある高分子フィルム(ナイロン)と熱接着高分子フィルム(例:Casted Polypropylene)との間にラミネートされた構造を有することができる。ラミネートシートの構造と各層を構成する物質については、本開示が属する技術分野において周知のものであるため、詳細な説明は省略する。
【0037】
また、バッテリセル110は、正極活物質が塗布された正極板、負極活物質が塗布された負極板、および正極板と負極板との間に介在されるセパレータが積層された形態に組み立てられた電極組立体、および電極組立体を電解液とともに密封収納する電池ケース(パウチ型ケース)を備える。
【0038】
さらに、バッテリセル110は、例えば、前端および後端のそれぞれに電極リード111が備えられることができる。電極リード111は、電気極性に応じて正極リードと負極リードとに分けられる。
【0039】
また、モジュールハウジング120は、複数のバッテリセル110を内部に収容するように収容空間が形成されることができる。モジュールハウジング120は、第1フレーム121、第2フレーム122、および結合プレート123を備えることができる。第1フレーム121は、本体部121a、および第1延長部121bを備えることができる。本体部121aには、例えば、上部に複数のバッテリセル110が搭載されることができる。本体部121aは、複数のバッテリセル110を上部方向に支持するように、水平方向(X軸方向およびY軸方向)に広く延びたプレート形状を有することができる。第1延長部121bのそれぞれは、本体部121aの両端それぞれから少なくとも一方向に延びた形態を有することができる。例えば、図3のように、第1延長部121bそれぞれは、本体部121aの左側端および右側端それぞれから上部方向(例えば、Z軸方向)に延びた形態を有することができる。第1フレーム121は、金属素材で形成されることができる。第1フレーム121は、例えば、熱伝導性に優れたアルミニウム合金、またはステンレス鋼を含むことができる。
【0040】
第2フレーム122は、カバー部122a、および第2延長部122bを備えることができる。さらに具体的には、カバー部122aは、本体部121aと上下方向(例えば、Z軸方向)に対向するように位置することができる。すなわち、カバー部122aは、本体部121aと所定の距離離隔することができる。モジュールハウジング120は、カバー部122aと本体部121aとの間に少なくとも一つのバッテリセル110が収容されることができる収容空間を含むことができる。第2延長部122bのそれぞれは、カバー部122aの両端それぞれから少なくとも一方向、例えば、Z方向に延びた形態を有することができる。第2延長部122bは、第1延長部121bそれぞれと対面するように位置することができる。例えば、第2延長部122bは、第1延長部121bの外面に密着するように位置することができる。第2フレーム122は、例えば、熱伝導性に優れたアルミニウム合金、またはステンレス鋼を備えることができる。
【0041】
また、複数の結合プレート123は、それぞれが第1フレーム121の第1延長部121bの延長方向(Z軸方向)の末端部Eから離れる方向に離隔することができる。例えば、図4のように、結合プレート123は、第1フレーム121の第1延長部121bの上端(Z軸方向)から下部方向に所定の距離離隔することができる。例えば、結合プレート123は、前記第1延長部121bに結合する第1部分を含む。結合プレート123の前記第1部分は、第1フレーム121の第1延長部121bの外面に結合することができる。例えば、図3のように、結合プレート123の左側面または右側面の少なくとも一部(第1部分)が第1フレーム121の第1延長部121bの外面と結合することができる。例えば、結合プレート123は、前記第1延長部121bの外側面(X軸の負の方向または正の方向の外面)と接合されることができる。前記接合方式は、溶接であることができる。結合プレート123は、第2延長部122bと結合する第2部分を含む。前記第2部分は、第2延長部122bの末端に対向して接することができる。例えば、前記結合プレート123の上端面は、前記第2フレーム122の第2延長部122bの下端部と結合することができる。
【0042】
結合プレート123は、第1延長部121bおよび第2延長部122bと平行な方向に長く形成されることができる。
【0043】
したがって、本開示のこのような構成によると、本開示のバッテリモジュール100は、第1フレーム121の第1延長部121bおよび第2フレーム122の第2延長部122bそれぞれに結合するように構成された結合プレート123を含むことにより、図1の従来技術のバッテリモジュールのモジュールハウジング20のように、上部カバー21と下部フレーム22が直接結合する構造と比較して、モジュールハウジング120の第1フレーム121または第2フレーム122の結合面積を増加させるために、第1フレーム121または第2フレーム122の厚さを増加させる必要がなく、製造コストを低減することができ、バッテリモジュール100の軽量化を図ることができる。
【0044】
さらに、本開示のバッテリモジュール100は、第1フレーム121の第1延長部121bの延長方向の末端から離れる方向に離隔した結合プレート123を備えることにより、図1の従来技術のモジュールハウジング20の上部カバー21と下部フレーム22それぞれの端部が互いに結合する構造と比較して、モジュールハウジング20の内部に収容されたバッテリセル110のスウェリング(体積膨張)現象が発生しても、スウェリングによる加圧力が角に集中しても、角部分が破損する現象を相対的に低減することができる。
【0045】
すなわち、本開示のバッテリモジュール100は、図1の従来技術のバッテリモジュールのモジュールハウジング20とは異なり、第1フレーム121および第2フレーム122それぞれの端部が直接結合せず、第2フレーム122の第2延長部122bが第1フレーム121の第1延長部121bの延長方向の末端から離れる方向に離隔した結合プレート123により結合したことから、第1延長部121bがバッテリセル110のスウェリング現象によって加圧されて外側方向(X軸の方向)にずれる変位が発生しても、第2延長部122bと結合した結合プレート123の端部の変位が、第1延長部121bの延長方向の端部の変位より少なくて、バッテリセル110のスウェリング現象によるモジュールハウジング120の結合部位(例えば、図1の角D)の破損および分離が発生することを低減することができる。したがって、本開示のバッテリモジュール100は、モジュールハウジング120の構成の結合部位の機械的剛性を高めて耐久性を増大させることができる。
【0046】
一方、また図2および図3を参照すると、本開示のバッテリモジュール100の結合プレート123の第1部分は、第1フレーム121の第1延長部121bの外側面と接するように配置されることができる。例えば、図3のように、結合プレート123のうち一つの第1部分は、第1フレーム121の左側に位置した第1延長部121bの左側の外面に結合することができ、残りの結合プレート123は、第1フレーム121の右側に位置した第1延長部121bの右側の外面に結合することができる。例えば、結合プレート123は、板状であり、第1部分は、結合プレートの板状の広い面であることができる。
【0047】
また、第2フレーム122の第2延長部122bの内側面は、第1フレーム121の第1延長部121bの外側面と対面することができる。例えば、図3のように、第2延長部122bの内側面は、第1フレーム121の左側に位置した第1延長部121bの左側外面と対面することができ、残りの第2延長部122bは、第1フレーム121の右側に位置した第1延長部121bの右側外面と対面することができる。第2延長部122bの内側面は、前記第1部分よりカバー部121aに近い位置に配置されることができる。
【0048】
第2フレーム122の第2延長部122bそれぞれの延長方向の末端部Sは、結合プレート123の前記第2部分と結合することができる。例えば、図2および図4のように、第2フレーム122の第2延長部122bのうち、相対的に左側に位置した一つは、カバー部122aから延びた方向の末端部(下面)が結合プレート123の上端(第2部分)と結合することができる。相対的に右側に位置した残りの第2延長部122bは、カバー部122aから延びた方向の末端部が結合プレート123の上端(第2部分)と結合することができる。ここで、結合方式は、溶接を用いることができる。例えば、溶接は、レーザ溶接であることができる。
【0049】
また、前記結合プレート123の前記第1部分と前記第2部分は、互いに異なる平面に配置されることができる。
【0050】
本開示のこのような構成によると、本開示のバッテリモジュール100の結合プレート123の前記第1部分が、第1フレーム121の第1延長部121bの外側面に配置されることにより、第2延長部122bと結合プレート123との結合過程で発生し得るモジュールハウジング120の内部に収容されたバッテリセル110の損傷を防止することができる。すなわち、本開示のバッテリモジュール100において、結合プレート123の第1部分が前記第1フレーム121の第1延長部121bの外側に位置することから、第2延長部122bと結合プレート123との溶接過程中に発生した溶接熱によってモジュールハウジング120に収容されたバッテリセル110を昇温させるか、高温の溶接破片がバッテリセル110に移動してバッテリセル110のケースを損傷させることを防止することができる。これにより、本開示のバッテリモジュール100の構造によると、第2延長部122bと結合プレート123との結合過程中に発生し得るバッテリセル110の損傷による不良率を低減することができる。
【0051】
図5は、本開示の他の一実施形態によるバッテリモジュール100の様子を概略的に示す斜視図である。また、図6は、本開示の他の一実施形態によるバッテリモジュール100のモジュールハウジング120の一部様子を概略的に示す部分正面図である。
【0052】
図5および図6を参照すると、本開示の他の一実施形態によるバッテリモジュール100の結合プレート123の第1部分は、第1フレーム121の第1延長部121bの内側面と接するように配置されることができる。前記結合プレート123の前記第1部分と前記第2部分は、互いに異なる平面に配置されることができる。例えば、図6のように、結合プレート123のうち一つの外側面は、第1フレーム121の左側に位置した第1延長部121bの内側面に結合することができる。また、相対的に右側に位置した残りの結合プレート123の外側面は、第1フレーム121の右側に位置した第2延長部122bの内側面に結合することができる。
【0053】
また、第2フレーム122の第2延長部122bのそれぞれは、第1フレーム121の第1延長部121bの内側面と対面していることができる。例えば、図6のように、第2延長部122bのうち、一つの外側面は、第1フレーム121の左側に位置した第1延長部121bの内側面と対面することができる。相対的に右側に位置した残りの第2延長部122bは、第1フレーム121の右側に位置した第1延長部121bの内側面と対面することができる。第2延長部122bの前記外側面は、結合プレート123の前記第1部分よりカバー部121aに近い位置に配置されることができる。
【0054】
さらに、第2フレーム122の第2延長部122bの延長方向の末端部は、結合プレート123と結合することができる。例えば、図6のように、第2フレーム122の第2延長部122bのうち、相対的に左側に位置した一つは、カバー部122aから延びた方向の末端部が結合プレート123の上端と結合することができる。相対的に右側に位置した残りの第2延長部122bは、カバー部122aから延びた方向の末端部が結合プレート123の上端と結合することができる。ここで、結合方式は、溶接を用いることができる。例えば、溶接は、レーザ溶接であることができる。
【0055】
したがって、本開示のこのような構成によると、本開示のバッテリモジュール100の結合プレート123が第1フレーム121の第1延長部121bの内側面に位置することにより、モジュールハウジング120の外観に突出した部分がなく、例えば、自動車の内部のバッテリモジュール100を収容する収納空間にバッテリモジュール100を収納する過程で発生し得る干渉(妨害)が減少し、作業者がバッテリモジュール100の設置もしくは取り換え作業が容易になることができる。また、前記収納空間でバッテリモジュール100が占める空間を低減することができ、同じサイズのバッテリ収納空間に搭載されるバッテリモジュール100の数を増加させることができる。
【0056】
また、図2を参照すると、本開示の一実施形態によるバッテリモジュール100は、第2フレーム122の第2延長部122bそれぞれが結合プレート123の少なくとも一側と接合されることができる。図2に図示されているように、第2延長部122bそれぞれは、第1延長部121bに結合した結合プレート123の上側と結合するように構成されることができる。しかし、必ずしもこのような結合構造に限定されるものではなく、例えば、第2延長部122bそれぞれは、結合プレート123の上側(Z軸方向)、前側(Y軸の負の方向)、および後側(Y軸の正の方向)と結合することができる。このような場合、第2延長部122bが結合プレート123の上側のみに結合した場合に比べて、より大きな結合力を有することができ、モジュールハウジング120の耐久性をより高めることができる。
【0057】
図7は、本開示の一実施形態によるバッテリモジュール100の第2フレーム122の一部様子を概略的に示す部分斜視図である。図8は、本開示の一実施形態によるバッテリモジュール100の第1フレーム121および結合プレート123の様子を概略的に示す斜視図である。また、図9は、本開示の一実施形態によるバッテリモジュール100の第1フレーム121および結合プレート123の一部様子を概略的に示す部分斜視図である。参考までに、図7は、図3のA領域を拡大した様子を示し、図9図8のB領域を拡大した様子を示す。
【0058】
また、図2とともに、図7図9を参照すると、本開示の一実施形態によるバッテリモジュール100の第2フレーム122の第2延長部122bには、少なくとも一つの結合溝Hが形成されることができる。例えば、図7に図示されているように、第2延長部122bには、所定間隔で離隔した複数個の結合溝Hが形成されることができる。例えば、3個の結合溝Hが形成されることができる。結合溝Hは、結合プレート123と溶接されないか、第2延長部122bと結合プレート123との結合力を高めるために、結合溝Hの内面と結合プレート123の一部分が互いに溶接されることができる。結合溝Hは、例えば、図7に図示されているように、側面上に四角の溝形状を有することができる。
【0059】
また、結合プレート123は、結合溝Hに挿入されるように構成された突出挿入部123aを備えることができる。例えば、図9のように、結合プレート123の上端(第2部分)に形成された突出挿入部123aを含む。突出挿入部123aは、結合プレート123の端部から突出した形態を有することができる。突出した形態は、結合溝Hと対応する形態を有することができる。すなわち、結合溝Hと突出挿入部123aが互いに噛み合って結合することができる。例えば、図9のように、結合プレート123の突出挿入部123aは、側面上に四角の突出形状を有することができる。必要に応じて、結合プレート123と第2延長部122bとの結合力を高めるために、突出挿入部123aは、結合溝Hと溶接されることができる。
【0060】
本開示のこのような構成によると、本開示の一実施形態によるバッテリモジュール100は、第2フレーム122の第2延長部122bに結合溝Hが形成され、結合プレート123に結合溝Hと結合するように構成された突出挿入部123aを備える。結合溝Hと突出挿入部123aの結合構造は、第2延長部122bが結合プレート123の上側に配置される場合、第2延長部122bの前後方向(Y軸方向)の動きを制限することができる。これにより、第2延長部122bと結合プレート123との溶接を安定的に行うことができる。本開示のバッテリモジュール100は、第2フレーム122と結合プレート123との結合力を高めることができ、モジュールハウジング120の耐久性を効果的に高めることができる。
【0061】
図10は、本開示の他の一実施形態によるバッテリモジュール100の第2フレーム122および結合プレート123の一部様子を概略的に示す部分側面図である。
【0062】
また、図2とともに、図10を参照すると、本開示の他の一実施形態によるバッテリモジュール100は、結合プレート123の突出挿入部123aにくさび状突起Pがさらに形成されている以外は、図2のバッテリモジュール100と同じ構成を有することができる。
【0063】
図10の本開示の他の一実施形態によるバッテリモジュール100は、結合溝Hの内側面を加圧するように構成されたくさび状突起Pをさらに含むことができる。くさび状突起Pは、結合プレート123の突出挿入部123aに形成され、例えば、図10のように、突出挿入部123aの前後方向(Y軸の負の方向および正の方向)の両側部に形成されることができる。くさび状突起Pは、突出挿入部123aの端部から結合溝Hに向かって突出した形態を有することができる。例えば、図10に図示されているように、結合プレート123のくさび状突起Pは、ラウンド状に前記結合溝Hの内面に向かって突出した形態を有することができる。くさび状突起Pは、突出挿入部123aの前端および後端それぞれに形成されることができる。突出挿入部123aの前端および後端のそれぞれに形成されたくさび状突起Pは、第2フレーム122の第2延長部122bに形成された結合溝Hを加圧するように、前方および後方のそれぞれに突出した形態を有することができる。突出挿入部123aは、くさび状突起Pが結合溝Hを加圧した状態で、結合溝Hと結合することができる。
【0064】
本開示のこのような構成によると、本開示のバッテリモジュール100は、結合プレート123の突出挿入部123aに形成されたくさび状突起Pを備えることにより、第2フレーム122の第2延長部122bに形成された結合溝Hと結合プレート123の突出挿入部123aとの結合力を効果的に高めることができる。これにより、本開示のバッテリモジュール100は、第2フレーム122と結合プレート123との結合力を高めることができ、モジュールハウジング120の耐久性を効果的に高めることができる。
【0065】
図11は、本開示の他の一実施形態によるバッテリモジュール100のモジュールハウジング120の一部様子を概略的に示す部分正面図である。
【0066】
また、図2および図3とともに、図11を参照すると、本開示の他の一実施形態によるバッテリモジュール100は、結合プレート123の前記第2部分と結合する第2延長部122bの一部分には、第1傾斜面K1が形成されることができる。第2フレーム122の第2延長部122bは、結合プレート123と結合する第2部分のうち少なくとも一部に第1傾斜面K1が形成されることができる。例えば、図11のように、第1傾斜面K1は、結合プレート123の上端面と結合する第2延長部122bの下端面に形成されることができる。
【0067】
また、第2延長部122bと結合する結合プレート123の第2部分には、第1傾斜面K1と平行な第2傾斜面K2が形成されることができる。結合プレート123の第2フレーム122の第2延長部122bと結合する端部(第2部分)のうち少なくとも一部に第2傾斜面K2が形成されることができる。例えば、図11のように、第2傾斜面K2は、第2フレーム122の第2延長部122bの下端面と結合する結合プレート123の上端面のうち少なくとも一部に第2傾斜面K2が形成されることができる。
【0068】
したがって、本開示のこのような構成によると、本開示のバッテリモジュール100は、第2フレーム122の第2延長部122bおよび結合プレート123が互いに結合するそれぞれの端部のうち少なくとも一部に第1傾斜面K1および第2傾斜面K2を形成することにより、第2フレーム122の第2延長部122bが結合プレート123間の結合面積を増加させることができる。これにより、本開示のバッテリモジュール100は、第2フレーム122と結合プレート123との結合力を高めることができ、モジュールハウジング120の耐久性を効果的に高めることができる。
【0069】
さらに具体的には、第1傾斜面K1は、傾斜面の高さが、バッテリモジュール100の内側方向に連続して低くなる形態を有することができる。例えば、図11に示されているように、第1傾斜面K1は、第1フレーム121の第1延長部121bに向かって連続して高さが低くなる形態であることができる。また、第2傾斜面K2は、傾斜面の高さが、バッテリモジュール100の外側方向(X軸の負の方向または正の方向)に連続して高くなる形態を有することができる。例えば、図11に示されているように、結合プレート123の第2傾斜面K2は、第1フレーム121の第1延長部121bに向かう方向の反対の方向に傾斜面の高さが連続して高くなる形態であることができる。ここで、第1傾斜面K1と第2傾斜面K2は、互いに平行であり、第1傾斜面K1と第2傾斜面K2は、密着して配置されることができる。また、第2延長部122bは、結合プレート123の第2傾斜面K2によって上部方向に支持されることができる。ここで、第2延長部122bは、重力によって第2傾斜面K2に沿って下降する力と第1フレーム121の第1延長部121bに向かって移動する力が発生することができる。これにより、第2延長部122bは、第1フレーム121の第1延長部121bの外面に密着配置されることができる。
【0070】
したがって、本開示のこのような構成によると、本開示のバッテリモジュール100は、第1傾斜面K1が、傾斜面の高さがバッテリモジュール100の内側方向に連続して低くなる形態を有し、第2傾斜面K2が、傾斜面の高さがバッテリモジュール100の外側方向に連続して高くなる形態を有することにより、第1傾斜面K1と第2傾斜面K2の結合構造によって、第2フレーム122の第2延長部122bが結合プレート123と対面した位置から離脱せず、安定的に位置固定されることができる。これにより、本開示のバッテリモジュール100は、第2フレーム122の第2延長部122bが結合プレート123の一側に安定的に固定され、第2フレーム122の第2延長部122bと結合プレート123との溶接などの結合工程の効率性を高めることができる。
【0071】
図12は、本開示のさらに他の一実施形態によるバッテリモジュールのモジュールハウジング120の一部様子を概略的に示す部分正面図である。
【0072】
図2とともに、図12を参照すると、本開示のさらに他の一実施形態によるバッテリモジュールは、図2のバッテリモジュール100と比較して、結合プレート123にストッパ123bがさらに備えられることができる。図12のバッテリモジュール100のその他の残りの構成は、図2のバッテリモジュール100と同一であることができる。
【0073】
本開示のさらに他の一実施形態によるバッテリモジュール100の結合プレート123は、第2フレーム122の第2延長部122bが結合プレート123と結合する位置から離脱することを止めるように構成されたストッパ123bを備えることができる。ストッパ123bは、第2延長部122bの外側を包囲するように、前記第2部分(上端)から延びて形成されることができる。また、ストッパ123bは、第2フレーム122の第2延長部122bの外側面(X軸の負の方向または正の方向)と対面するように位置することができる。例えば、図12のように、本開示のバッテリモジュール100の結合プレート123は、結合プレート123の上端部から外側方向(X軸の負の方向)に折り曲げられ、また上部方向(Z軸方向)に折り曲げられた形態を有するストッパ123bが備えられることができる。ストッパ123bは、第2フレーム122の第2延長部122bの端部を第1フレーム121の第1延長部121bに向かって支持するように構成されることができる。すなわち、第2延長部122bは、ストッパ123bと第1延長部121bとの間に介在されることができる。別に図示していないが、バッテリモジュール100の右側に位置した結合プレート123にも同じ役割のストッパ123bが備えられることができる。すなわち、右側に位置した結合プレート123は、バッテリモジュール100の右側に位置した第2フレーム122の第2延長部122bを安定的に固定するように止めるストッパ123bを備えることができる。例えば、図12のように、ストッパ123bは、結合プレート123の上端から外側方向(X軸の負の方向)に折り曲げられ、また、上部方向(Z軸方向)に折り曲げられた形態を有することができる。別に図示していないが、バッテリモジュール100の右側に位置した結合プレート123に備えられたストッパ123bは、結合プレート123の上端から外側方向(X軸の正の方向)に折り曲げられ、また上部方向(Z軸方向)に折り曲げられた形態を有することができる。
【0074】
したがって、本開示のこのような構成によると、本開示の他の一実施形態によるバッテリモジュール100の結合プレート123が第2フレーム122の第2延長部122bの外側面を包囲して対面するように一端部から突出して延びたストッパ123bを備えることにより、第2フレーム122の第2延長部122bを結合プレート123の一側に安定的に固定することができ、別の固定治具を使用することなく、第2延長部122bと結合プレート123の結合工程を迅速に行うことができ、その結合(溶接)信頼度も高めることができる。
【0075】
図13は、本開示の一実施形態によるバッテリパック200の様子を概略的に示す斜視図である。
【0076】
図2とともに、図13を参照すると、本開示は、一実施形態による前記バッテリモジュール100を少なくとも一つ含むバッテリパック200を提供する。具体的には、本開示のバッテリパック200は、バッテリモジュール100の充放電を制御するように構成されたバッテリ管理システム(BMS、Battery Management System)230を備えることができる。また、バッテリパック200は、前端に備えられた外部出力端子220を含むことができる。このようなバッテリパック200は、バスバー、パックハウジングなどは既に公知の構成として適用することができ、このような構成に関する説明は省略する。
【0077】
図14は、本開示の一実施形態による自動車300の様子を概略的に示す模式図である。
【0078】
また、図2とともに、図14を参照すると、本願は、本開示の一実施形態によるバッテリモジュール100を少なくとも一つ含む自動車300を提供する。本開示の自動車300は、バッテリモジュール100を上部に搭載するように構成された車体(シャーシ)を備えることができる。自動車300は、例えば、ハイブリッド自動車または電気自動車であることができる。
【0079】
一方、図2および図3をまた参照すると、本願は、本開示の一実施形態によるバッテリモジュール100の製造方法を提供する。図2図4をまた参照すると、バッテリモジュール100の製造方法は、少なくとも一つのバッテリセル110を準備するステップと、少なくとも一つのバッテリセル110を収容する収容空間を有して本体部121aおよび本体部121aの両端それぞれから少なくとも一方向に延びた第1延長部121bが備えられた第1フレーム121を準備するステップと、第1フレーム121の収容空間に少なくとも一つのバッテリセル110を搭載するステップと、本体部121aと対向して収容空間をカバーするカバー部122aおよびカバー部122aの両端それぞれから少なくとも一方向に延び、第1延長部121bそれぞれと対面するように構成された第2延長部122bを備えた第2フレーム122を準備するステップと、複数の結合プレート123それぞれを第1フレーム121の第1延長部121bの延長方向の末端から離れる方向に離隔するように第1延長部121bの外面に結合するステップと、第2延長部122bに前記第2部分を結合するステップとを含む。結合プレート123は、前記第1延長部121bの外側に結合する板状の広い面である第1部分および前記第2延長部122bの末端に結合する第2部分を含むことができる。前記第1部分および第2部分の結合は、溶接により行われることができる。
【0080】
したがって、本開示のこのような構成によると、本開示のバッテリモジュール100の製造方法は、第2フレーム122の第2延長部122bが第1フレーム121の第1延長部121bと結合せず、別の複数の結合プレート123と結合することにより、図1の従来技術の上部カバー21と下部フレーム22が直接結合する構造を有するモジュールハウジング20と比較して、第1フレーム121または第2フレーム122の結合面積を増加させるために、第1フレーム121または第2フレーム122の厚さを増加させる必要がない。これにより、本開示のバッテリモジュール100は、モジュールハウジング120の材料コストを低減することができ、バッテリモジュール100の軽量化を図ることができる。
【0081】
さらに、本開示のバッテリモジュール100の製造方法は、第1フレーム121の第1延長部121bの延長方向の末端から離れる方向に離隔した結合プレート123を備えることにより、結合プレート123と第2フレーム122の第2延長部122bとの結合部位がモジュールハウジング20の内部に収容されたバッテリセルのスウェリング(体積膨張)現象による加圧に対する抵抗力に優れており、図1の従来技術のモジュールハウジング20の角に形成された結合部位と比較して、結合プレート123と第2フレーム122の第2延長部122bとの破損もしくは分離の現象を相対的に低減することができる。
【0082】
また、本開示のバッテリモジュール100は、別の結合プレート123を備えることにより、図1の従来技術のバッテリモジュールのモジュールハウジング20のように、上部カバー21と下部フレーム22が直接結合する構造と比較して、モジュールハウジング120の第1フレーム121または第2フレーム122の結合面積を増加させるために、第1フレーム121または第2フレーム122の厚さを増加させる必要がなく、製造コストを低減することができ、バッテリモジュール100の軽量化を図ることができる。
【0083】
さらに、本開示のバッテリモジュール100は、結合プレート123を第1延長部121bの外側面と第2延長部122bの延長方向の末端部それぞれに溶接することができる。すなわち、結合プレート123の第1部分と第1延長部121bの外側は、互いに溶接により結合することができる。また、結合プレート123の第2部分と第2延長部122bの末端は、溶接により互いに結合することができる。例えば、結合プレート123の内側面(右側面または左側面)は、第1延長部121bの外側面(左側面または右側面)と溶接されることができる。結合プレート123の上側面は、第1延長部121bの下側面と溶接されることができる。
【0084】
さらに、結合プレート123、第1延長部121b、および第2延長部122bのうち少なくとも二つは、同じ素材を備えることができる。例えば、結合プレート123、第2延長部122b、および第2延長部122bのうち少なくとも二つは、同様に、鋼、アルミニウム合金、およびステンレス鋼のいずれか一つ以上を備えることができる。例えば、第2延長部122bおよび結合プレート123は、同様に、アルミニウム合金素材を備えることができ、第1延長部121bは、ステンレス鋼を備えることができる。
【0085】
したがって、本開示のこのような構成によると、本開示のバッテリモジュール100の製造方法は、結合プレート123、第1延長部121b、および第2延長部122bのうち少なくとも二つは同じ素材を備えることにより、構成間の同種金属の溶接が可能になることができる。特に、第1延長部121bと第2延長部122bが異種金属である場合にも、結合プレート123を第2延長部122bと同じ金属で構成することにより、結合プレート123と第2延長部122bとの結合面積が少なくても、溶接工程を同種金属の溶接で行うことができ、高い結合力を確保することができる。
【0086】
以上、実施形態が限定された図面によって説明されているものの、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、上記に基づいて様々な技術的修正および変形を適用することができる。例えば、上述の技術が上述の方法とは異なる順序で行われるか、および/または上述のシステム、構造、装置、回路などの構成要素が上述の方法とは異なる形態で結合または組み合わされるか、他の構成要素または均等物によって対置または置換されても、適切な結果が達成されることができる。
【0087】
したがって、他の実現、他の実施形態および特許請求の範囲と均等なものなども後述する請求範囲の範囲に属する。
【符号の説明】
【0088】
20 モジュールケース
21、22 上部カバー、下部フレーム
100 バッテリモジュール
110 バッテリセル
120 モジュールハウジング
121、122 第1フレーム、第2フレーム
121a、122a 本体部、カバー部
121b、122b 第1延長部、第2延長部
123 結合プレート
H 結合溝
123a 突出挿入部
P くさび状突起
K1、K2 第1傾斜面、第2傾斜面
123b ストッパ
200 バッテリパック
300 自動車
図1
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【国際調査報告】