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特表2024-535939肝臓指向性カプシドタンパク質及びアルファ-ガラクトシダーゼを含むAAV粒子並びにファブリー病を治療するためのそれらの使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】肝臓指向性カプシドタンパク質及びアルファ-ガラクトシダーゼを含むAAV粒子並びにファブリー病を治療するためのそれらの使用
(51)【国際特許分類】
   C12N 7/01 20060101AFI20240925BHJP
   C12N 15/864 20060101ALI20240925BHJP
   C12N 15/56 20060101ALI20240925BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240925BHJP
   A61K 35/76 20150101ALI20240925BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20240925BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240925BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
C12N7/01 ZNA
C12N15/864 100Z
C12N15/56
C12N5/10
A61K35/76
A61K48/00
A61P43/00 105
A61P43/00 111
A61P3/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537301
(86)(22)【出願日】2022-08-25
(85)【翻訳文提出日】2024-04-05
(86)【国際出願番号】 US2022075474
(87)【国際公開番号】W WO2023028566
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】63/237,122
(32)【優先日】2021-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PLURONIC
(71)【出願人】
【識別番号】524071012
【氏名又は名称】ケンブリッジ ファーマシューティカルズ,インコーポレーテッド
(71)【出願人】
【識別番号】521058818
【氏名又は名称】ロジックバイオ セラピューティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジュー,ユンシアン
(72)【発明者】
【氏名】ペチャン,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】バンガ,アナンニャ
(72)【発明者】
【氏名】ゴルド ヴィロスラダ,スサナ
【テーマコード(参考)】
4B065
4C084
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
4B065AA90Y
4B065AA95X
4B065AB01
4B065BA01
4B065CA31
4B065CA44
4C084AA13
4C084NA14
4C084ZB211
4C084ZC211
4C084ZC411
4C087AA01
4C087AA02
4C087AA03
4C087BC83
4C087CA08
4C087CA12
4C087NA14
4C087ZB21
4C087ZC21
4C087ZC41
(57)【要約】
本開示は、GALタンパク質を送達するための、肝臓指向性カプシドタンパク質、例えば、sL65カプシドタンパク質を含む、単離された、例えば、組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)粒子を含む組成物を提供する。本開示はまた、肝臓指向性カプシドタンパク質、例えば、sL65カプシドタンパク質をコードする第1の核酸と、GALタンパク質をコードする導入遺伝子を含む第2の核酸とを含む組成物を提供する。本開示はまた、単離された、例えば、組換えAAV粒子を作製するための方法、及び外因性GALタンパク質を対象に送達するための方法、及び/又はGAL関連疾患若しくは障害、例えば、リソソーム蓄積障害、例えば、ファブリー病を有する対象を治療するための方法を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号45のアミノ酸配列又はそれと少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含むAAVカプシドタンパク質と、α-ガラクトシダーゼ(GAL)タンパク質をコードする導入遺伝子を含む核酸とを含む、単離された組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子。
【請求項2】
前記カプシドタンパク質をコードする前記核酸が、配列番号46のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項3】
前記コードされたGALタンパク質が、配列番号1のアミノ酸配列、又はそれと少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む、請求項1又は2に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項4】
前記GALタンパク質をコードする前記導入遺伝子が、配列番号2のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項5】
前記GALタンパク質をコードする前記導入遺伝子がコドン最適化されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項6】
前記GALタンパク質をコードする前記導入遺伝子が、配列番号3~5のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含む、請求項5に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項7】
前記GALタンパク質をコードする前記導入遺伝子が、シグナル配列を更にコードする、請求項1~6のいずれか一項に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項8】
前記コードされたシグナル配列が、配列番号6のアミノ酸配列、又はそれと少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含む、請求項7に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項9】
前記コードされたシグナル配列が、配列番号7のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる、請求項7又は8に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項10】
前記コードされたシグナル配列が、コドン最適化核酸によってコードされる、請求項7又は8に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項11】
前記コドン最適化核酸が、配列番号8~10のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含む、請求項10に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項12】
前記コードされたシグナル配列が、配列番号11のアミノ酸配列、又はそれと少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含む、請求項7に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項13】
前記コードされたシグナル配列が、配列番号12のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる、請求項7又は12に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項14】
前記コードされたシグナル配列が、コドン最適化核酸によってコードされる、請求項7又は12に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項15】
前記コドン最適化核酸が、配列番号13~14のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含む、請求項14に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項16】
前記GALタンパク質をコードする前記導入遺伝子が、5’から3’の順に、
(i)配列番号7~10のいずれか1つのヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号2~5のいずれか1つのヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、又は
(ii)配列番号12~14のいずれか1つのヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号2~5のいずれか1つのヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列
を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項17】
前記GALタンパク質をコードする前記導入遺伝子が、5’から3’の順に、
(i)配列番号7のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号2のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(ii)配列番号8のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号3のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(iii)配列番号9のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号4のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(iv)配列番号10のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号5のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(v)配列番号12のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号2のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(vi)配列番号13のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号3のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(vii)配列番号13のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号4のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、又は
(viii)配列番号14のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号5のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列
を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項18】
前記GALタンパク質をコードする前記導入遺伝子が、5’から3’の順に、
(i)配列番号6のアミノ酸配列又はそれと少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含むシグナル配列、及び配列番号1のアミノ酸配列又はそれと少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含むGALタンパク質、又は
(ii)配列番号11のアミノ酸配列又はそれと少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含むシグナル配列、及び配列番号1のアミノ酸配列又はそれと少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含むGALタンパク質
をコードする、請求項1~17のいずれか一項に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項19】
前記GALタンパク質をコードする導入遺伝子を含む核酸に作動可能に連結されたプロモーターを更に含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項20】
前記プロモーターが、組織特異的プロモーター又は遍在性プロモーターを含む、請求項19に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項21】
前記プロモーターが、
(i)A1ATプロモーター、EF-1αプロモーター、ニワトリβ-アクチン(CBA)プロモーター及び/又はその誘導体CAG、CMV前初期エンハンサ及び/又はプロモーター、βグルクロニダーゼ(GUSB)プロモーター、ユビキチンC(UBC)プロモーター、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)、血小板由来増殖因子(PDGF)プロモーター、血小板由来増殖因子B鎖(PDGF-β)プロモーター、細胞間接着分子2(ICAM-2)プロモーター、シナプシン(Syn)プロモーター、メチル-CpG結合タンパク質2(MeCP2)プロモーター、Ca2+/カルモジュリン依存性タンパク質キナーゼII(CaMKII)プロモーター、代謝型グルタミン酸受容体2(mGluR2)プロモーター、神経フィラメント軽鎖(NFL)又は重鎖(NFH)プロモーター、β-グロビンミニ遺伝子nβ2プロモーター、プレプロエンケファリン(PPE)プロモーター、エンケファリン(Enk)及び興奮性アミノ酸輸送体2(EAAT2)、グリア線維酸性タンパク質(GFAP)プロモーター、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)プロモーター、心血管プロモーター)、肝臓プロモーター、骨格筋プロモーター又はその断片、例えば、切断物若しくは機能的バリアント;及び/又は
(ii)配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列
を含む、請求項19又は20に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項22】
逆位末端配列(ITR)配列を更に含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項23】
前記ITR配列が、前記GALタンパク質をコードする前記導入遺伝子を含む前記核酸に対して5’に位置する、請求項22に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項24】
前記ITR配列が、前記GALタンパク質をコードする前記導入遺伝子を含む前記核酸に対して3’に位置する、請求項22に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項25】
前記GALタンパク質をコードする前記導入遺伝子を含む前記核酸に対して5’側に位置するITR配列及び前記GALタンパク質をコードする前記導入遺伝子を含む前記核酸に対して3’側に位置するITR配列を含む、請求項22記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項26】
前記ITR配列が、配列番号17及び/又は18のヌクレオチド配列、あるいはそれらと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む、請求項22~25のいずれか一項に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項27】
エンハンサを更に含む、請求項1~26のいずれか一項に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項28】
前記エンハンサが、配列番号19のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む、請求項27に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項29】
イントロン領域を更に含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項30】
前記イントロン領域が、配列番号21のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む、請求項29に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項31】
Kozak配列を更に含む、請求項1~30のいずれか一項に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項32】
前記Kozak配列が、配列番号22のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む、請求項31に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項33】
ポリアデニル化(ポリA)シグナル領域を更に含む、請求項1~32のいずれか一項に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項34】
前記ポリAシグナル領域が、配列番号23のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む、請求項33に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項35】
前記ポリAシグナル領域が、配列番号24のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む、請求項33に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項36】
ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)配列を更に含む、請求項1~35のいずれか一項に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項37】
前記WPRE配列が、配列番号25のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む、請求項36に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項38】
前記WPRE配列が、配列番号26のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む、請求項36に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項39】
5’から3’の順に、5’ITR配列、エンハンサ、プロモーター配列、Kozak配列、シグナル配列をコードするヌクレオチド配列、GALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、ポリAシグナル領域、及び3’ITR配列を含む、請求項1~38のいずれか一項に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項40】
5’から3’の順に、5’ITR配列、エンハンサ、プロモーター配列、Kozak配列、シグナル配列をコードするヌクレオチド配列、GALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、WPRE配列、ポリAシグナル領域、及び3’ITR配列を含む、請求項1~39のいずれか一項に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項41】
5’から3’の順に、
(i)配列番号17のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む5’ITR配列領域、
(ii)配列番号19のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むApo E/C-Iエンハンサ、
(iii)配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むA1ATプロモーター、
(iv)配列番号21のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むイントロン、
(v)配列番号22のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むKozak配列、
(vi)配列番号7のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、
(vii)配列番号2のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(viii)配列番号23のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むポリアデニル化配列、及び
(ix)配列番号18のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む3’ITR配列領域
を含む、請求項1~40のいずれか一項に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項42】
5’から3’の順に、
(i)配列番号17のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む5’ITR配列領域、
(ii)配列番号19のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むApo E/C-Iエンハンサ、
(iii)配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むA1ATプロモーター、
(iv)配列番号21のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むイントロン、
(v)配列番号22のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むKozak配列、
(vi)配列番号8のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、
(vii)配列番号3のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(viii)配列番号23のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むポリアデニル化配列、及び
(ix)配列番号18のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む3’ITR配列領域
を含む、請求項1~40のいずれか一項に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項43】
5’から3’の順に、
(i)配列番号17のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む5’ITR配列領域、
(ii)配列番号19のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むApo E/C-Iエンハンサ、
(iii)配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むA1ATプロモーター、
(iv)配列番号21のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むイントロン、
(v)配列番号22のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むKozak配列、
(vi)配列番号9のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、
(vii)配列番号4のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(viii)配列番号23のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むポリアデニル化配列、及び
(ix)配列番号18のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む3’ITR配列領域
を含む、請求項1~40のいずれか一項に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項44】
5’から3’の順に、
(i)配列番号17のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む5’ITR配列領域、
(ii)配列番号19のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むApo E/C-Iエンハンサ、
(iii)配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むA1ATプロモーター、
(iv)配列番号21のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むイントロン、
(v)配列番号22のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むKozak配列、
(vi)配列番号10のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、
(vii)配列番号5のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(viii)配列番号23のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むポリアデニル化配列、及び
(ix)配列番号18のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む3’ITR配列領域
を含む、請求項1~40のいずれか一項に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項45】
5’から3’の順に、
(i)配列番号17のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む5’ITR配列領域、
(ii)配列番号19のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むApo E/C-Iエンハンサ、
(iii)配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むA1ATプロモーター、
(iv)配列番号21のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むイントロン、
(v)配列番号22のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むKozak配列、
(vi)配列番号12のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、
(vii)配列番号2のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(viii)配列番号23のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むポリアデニル化配列、及び
(ix)配列番号18のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む3’ITR配列領域
を含む、請求項1~40のいずれか一項に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項46】
5’から3’の順に、
(i)配列番号17のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む5’ITR配列領域、
(ii)配列番号19のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むApo E/C-Iエンハンサ、
(iii)配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むA1ATプロモーター、
(iv)配列番号21のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むイントロン、
(v)配列番号22のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むKozak配列、
(vi)配列番号13のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、
(vii)配列番号3のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(viii)配列番号23のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むポリアデニル化配列、及び
(ix)配列番号18のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む3’ITR配列領域
を含む、請求項1~40のいずれか一項に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項47】
5’から3’の順に、
(i)配列番号17のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む5’ITR配列領域、
(ii)配列番号19のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むApo E/C-Iエンハンサ、
(iii)配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むA1ATプロモーター、
(iv)配列番号21のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むイントロン、
(v)配列番号22のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むKozak配列、
(vi)配列番号13のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、
(vii)配列番号4のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(viii)配列番号23のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むポリアデニル化配列、及び
(ix)配列番号18のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む3’ITR配列領域
を含む、請求項1~40のいずれか一項に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項48】
5’から3’の順に、
(i)配列番号17のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む5’ITR配列領域、
(ii)配列番号19のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むApo E/C-Iエンハンサ、
(iii)配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むA1ATプロモーター、
(iv)配列番号21のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むイントロン、
(v)配列番号22のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むKozak配列、
(vi)配列番号14のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、
(vii)配列番号5のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(viii)配列番号23のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むポリアデニル化配列、及び
(ix)配列番号18のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む3’ITR配列領域
を含む、請求項1~40のいずれか一項に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項49】
5’から3’の順に、
(i)配列番号17のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む5’ITR配列領域、
(ii)配列番号19のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むApo E/C-Iエンハンサ、
(iii)配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むA1ATプロモーター、
(iv)配列番号21のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むイントロン、
(v)配列番号22のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むKozak配列、
(vi)配列番号14のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、
(vii)配列番号5のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(viii)配列番号25のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むWPRE配列、
(ix)配列番号23のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むポリアデニル化配列、及び
(x)配列番号18のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む3’ITR配列領域
を含む、請求項1~40のいずれか一項に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項50】
5’から3’の順に、
(i)配列番号17のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む5’ITR配列領域、
(ii)配列番号19のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むApo E/C-Iエンハンサ、
(iii)配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むA1ATプロモーター、
(iv)配列番号21のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むイントロン、
(v)配列番号22のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むKozak配列、
(vi)配列番号14のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、
(vii)配列番号5のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(viii)配列番号25のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むWPRE配列、
(ix)配列番号24のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むポリアデニル化配列、及び
(x)配列番号18のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む3’ITR配列領域
を含む、請求項1~40のいずれか一項に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項51】
5’から3’の順に、
(i)配列番号17のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む5’ITR配列領域、
(ii)配列番号19のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むApo E/C-Iエンハンサ、
(iii)配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むA1ATプロモーター、
(iv)配列番号21のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むイントロン、
(v)配列番号22のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むKozak配列、
(vi)配列番号14のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、
(vii)配列番号5のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(viii)配列番号26のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むWPRE配列、
(ix)配列番号24のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むポリアデニル化配列、及び
(x)配列番号18のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む3’ITR配列領域
を含む、請求項1~40のいずれか一項に記載の単離されたrAAV粒子。
【請求項52】
配列番号45のアミノ酸配列又はそれと少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含むAAVカプシドタンパク質をコードする第1の核酸と、α-グルコシダーゼ(GAL)タンパク質をコードする導入遺伝子を含む第2の核酸とを含む組成物。
【請求項53】
前記カプシドタンパク質をコードする前記第1の核酸が、配列番号46のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含む、請求項52に記載の組成物。
【請求項54】
前記コードされたGALタンパク質が、配列番号1のアミノ酸配列、又はそれと少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む、請求項52又は53に記載の組成物。
【請求項55】
前記GALタンパク質をコードする前記導入遺伝子が、配列番号2のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含む、請求項52~54のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項56】
前記GALタンパク質をコードする前記導入遺伝子がコドン最適化されている、請求項52~54のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項57】
前記GALタンパク質をコードする前記導入遺伝子が、配列番号3~5のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含む、請求項56に記載の組成物。
【請求項58】
前記GALタンパク質をコードする導入遺伝子がシグナル配列を更にコードする、請求項52~57のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項59】
前記コードされたシグナル配列が、配列番号6のアミノ酸配列、又はそれと少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含む、請求項58に記載の組成物。
【請求項60】
前記コードされたシグナル配列が、配列番号7のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる、請求項58又は59に記載の組成物。
【請求項61】
前記コードされたシグナル配列がコドン最適化核酸によってコードされる、請求項58又は59に記載の組成物。
【請求項62】
前記コドン最適化核酸が、配列番号8~10のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含む、請求項61に記載の組成物。
【請求項63】
前記コードされたシグナル配列が、配列番号11のアミノ酸配列、又はそれと少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含む、請求項58に記載の組成物。
【請求項64】
前記コードされたシグナル配列が、配列番号12のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる、請求項58又は63に記載の組成物。
【請求項65】
前記コードされたシグナル配列がコドン最適化核酸によってコードされる、請求項58又は63に記載の組成物。
【請求項66】
前記コドン最適化核酸が、配列番号13~14のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含む、請求項65に記載の組成物。
【請求項67】
前記GALタンパク質をコードする前記導入遺伝子が、5’から3’の順に、
(i)配列番号7~10のいずれか1つのヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号2~5のいずれか1つのヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、又は
(ii)配列番号12~14のいずれか1つのヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号2~5のいずれか1つのヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列
を含む、請求項52~66のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項68】
前記GALタンパク質をコードする前記導入遺伝子が、5’から3’の順に、
(i)配列番号7のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号2のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(ii)配列番号8のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号3のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(iii)配列番号9のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号4のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(iv)配列番号10のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号5のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(v)配列番号12のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号2のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(vi)配列番号13のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号3のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(vii)配列番号13のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号4のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、又は
(vi)配列番号14のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号5のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列
を含む、
を含む、請求項52~67のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項69】
前記GALタンパク質をコードする前記導入遺伝子が、5’から3’の順に、
(i)配列番号6のアミノ酸配列、それと少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含むシグナル配列、及び配列番号1のアミノ酸配列又はそれと少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含むGALタンパク質、又は
(ii)配列番号11のアミノ酸配列、それと少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含むシグナル配列、及び配列番号1のアミノ酸配列又はそれと少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含むGALタンパク質
をコードする、請求項52~68のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項70】
前記GALをコードする前記導入遺伝子が、配列番号3~5のいずれか1つのヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含む、α-グルコシダーゼ(GAL)タンパク質をコードする導入遺伝子を含む単離核酸。
【請求項71】
前記導入遺伝子がシグナル配列を更にコードする、請求項70に記載の核酸。
【請求項72】
前記コードされたシグナル配列が、配列番号8~10のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる、請求項71に記載の核酸。
【請求項73】
前記コードされたシグナル配列が、配列番号12~14のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる、請求項71に記載の核酸。
【請求項74】
請求項70~73のいずれか一項に記載の核酸を含む組成物。
【請求項75】
請求項1~51のいずれか一項に記載の単離されたrAAV粒子、又は請求項52~69及び74のいずれか一項に記載の組成物、又は請求項70~73のいずれか一項に記載の核酸を含む、細胞。
【請求項76】
前記細胞が、哺乳動物細胞、昆虫細胞、又は細菌細胞である、請求項75に記載の細胞。
【請求項77】
単離された組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子を作製する方法であって、
(i)α-グルコシダーゼ(GAL)タンパク質をコードする導入遺伝子を含む核酸を含む宿主細胞を提供することと、
(ii)前記導入遺伝子をAAVカプシドタンパク質に封入するのに適した条件下で前記宿主細胞をインキュベートすることであって、前記カプシドタンパク質が、配列番号45のアミノ酸配列又はそれと少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む、ことと、それによって、前記単離されたrAAV粒子を作製することと、
を含む、単離された組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子を作製する方法。
【請求項78】
単離された組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子を作製する方法であって、
(i)α-グルコシダーゼ(GAL)タンパク質をコードする導入遺伝子を含む第1の核酸を含む宿主細胞を提供することと、
(ii)AAVカプシドタンパク質をコードする第2の核酸を前記宿主細胞に導入することであって、前記カプシドタンパク質が、配列番号45のアミノ酸配列又はそれと少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む、ことと、
(iii)前記導入遺伝子を前記AAVカプシドタンパク質に封入するのに好適な条件下で前記宿主細胞をインキュベートすることと、それによって、前記単離されたrAAV粒子を作製することと、
を含む、単離された組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子を作製する方法。
【請求項79】
前記宿主細胞が哺乳動物細胞、昆虫細胞又は細菌細胞を含む、請求項76又は77に記載の方法。
【請求項80】
請求項1~51のいずれか一項に記載のrAAV粒子と、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項81】
対象に外因性GALタンパク質を送達する方法であって、有効量の請求項79に記載の医薬組成物又は請求項1~51のいずれか一項に記載の単離されたrAAV粒子を投与し、それにより前記対象に外因性GALを送達することを含む、方法。
【請求項82】
前記対象が、GAL関連疾患を有するか、有すると診断されているか、又は有する危険性がある、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記GAL関連疾患がリソソーム蓄積症である、実施形態81又は82に記載の方法。
【請求項84】
有効量の請求項80に記載の医薬組成物又は請求項1~51のいずれか一項に記載の単離されたrAAV粒子を投与し、それにより前記対象の前記GAL関連疾患を治療することを含む、GAL関連疾患を有するか又はGAL関連疾患を有すると診断された対象を治療する方法。
【請求項85】
リソソーム蓄積症を有するか又は有すると診断された対象を治療する方法であって、有効量の請求項80に記載の医薬組成物又は請求項1~51のいずれか一項に記載の単離されたrAAV粒子を投与し、それにより前記対象の前記リソソーム蓄積症を治療することを含む方法。
【請求項86】
前記GAL関連疾患又は前記リソソーム蓄積症がファブリー病である、請求項82~85のいずれか一項に記載の方法。
【請求項87】
配列番号31~41及び51~61のいずれか1つの核酸配列を含むか又はこれからなるAAVウイルスゲノムと、配列番号45のアミノ酸配列を含むカプシドタンパク質とを含む単離された組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子。
【請求項88】
配列番号31~41及び51~61のいずれか1つの核酸配列を含むか又はそれからなる単離された組換えウイルスゲノム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年8月25日に出願された米国仮出願第63/237,122号に対する優先権を主張し、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
リソソーム蓄積障害は、不完全な加水分解酵素による細胞スフィンゴ糖脂質、グリコーゲン、又はムコ多糖類の蓄積によって引き起こされる常染色体劣性疾患の群である。ファブリー病は、酵素アルファ-ガラクトシダーゼ(α-GAL)の欠損によって引き起こされるいくつかのリソソーム蓄積障害の1つである。この酵素は、グロボトリアオシルセラミド(GL-3又はGB-3としても知られる)及び関連するスフィンゴ糖脂質等の、体内でのスフィンゴ糖脂質の毎日の代謝に必要である。この脂質及び他の類似の脂質の適切な代謝が起こらない場合、GL-3は身体全体の大部分の細胞に蓄積する。結果として生じる進行性の脂質蓄積は、細胞損傷をもたらす。細胞損傷は、多くの場合比較的若年齢での腎不全、心不全及び脳卒中等の潜在的に生命を脅かす結果を含む広範囲の軽度から重度の症状を引き起こす。
【0003】
一般に、症状が最初に現れるときの人の年齢を反映する2つのタイプのファブリー病が存在する。古典的なタイプでは、症状は小児期又は10代に現れる。1つの顕著な疾患症状である手及び足の痛みを伴う灼熱感は、2歳という早期に顕著であり得る。症状は時間とともに次第に悪化する。遅発性/非定型タイプでは、30代以上になるまで症状を示さない。問題の最初の徴候は、腎不全又は心疾患であり得る。
【0004】
ファブリー病の治療は、主に、組換えGAL(例えば、Fabrazyme(登録商標)(Genzyme,Inc.)及びReplagal(登録商標)(TKT,Inc.)として市販されている製品)を用いる酵素補充療法(ERT)による。ERTは、典型的には、対応する野生型タンパク質の精製形態の静脈内、皮下若しくは筋肉内注入、又は持続放出のための生体侵食性固体形態でのタンパク質の移植を含む。ERTに伴う主な合併症の1つは、注入されたタンパク質の急速な分解による治療有効量のタンパク質の達成及び維持である。結果として、ERTは、多数の高用量注入を必要とし、結果として、費用がかかり、時間を消費する。加えて、ERT療法は、適切に折り畳まれたタンパク質の大規模生成、精製及び貯蔵の困難性、適切にグリコシル化された天然タンパク質の取得、一部の患者における抗タンパク質免疫応答の生成、並びに重要な中枢神経系関与を有する疾患に影響を及ぼすのに十分な量でタンパク質が血液脳関門を通過できないこと等、いくつかの他の警告を有する。
【0005】
したがって、GAL関連障害に罹患した患者においてファブリー病を治療し、GAL欠損を改善するための新しい療法を開発する長い間の切実な必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、患者のGAL関連疾患を治療するためのAAVベースの組成物及び方法を提供する。特に、肝臓指向性カプシドタンパク質、例えば、sL65カプシドタンパク質又はLK03カプシドタンパク質を含む組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)を利用することによって、標的タンパク質、例えば、GALの優れた高度に特異的な肝臓形質導入及び発現が達成され、したがって、本開示のrAAV粒子は、GAL関連疾患、例えば、ファブリー病を治療するための有望な遺伝子療法候補となる。
【0007】
したがって、一態様では、本開示は、配列番号45のアミノ酸配列又はそれと少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含むAAVカプシドタンパク質と、α-ガラクトシダーゼ(GAL)タンパク質をコードする導入遺伝子を含む核酸とを含む、単離された組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子を提供する。
【0008】
いくつかの実施形態では、カプシドタンパク質をコードする核酸は、配列番号46のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、コードされたGALタンパク質は、配列番号1のアミノ酸配列、又はそれと少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、配列番号2のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子はコドン最適化されている。
【0012】
いくつかの実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、配列番号3~5のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、シグナル配列を更にコードする。
【0014】
いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、配列番号6のアミノ酸配列、又はそれと少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、配列番号7のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる。
【0016】
いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、コドン最適化核酸によってコードされる。
【0017】
いくつかの実施形態では、コドン最適化核酸は、配列番号8~10のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、配列番号11のアミノ酸配列、又はそれと少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、配列番号12のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる。
【0020】
いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、コドン最適化核酸によってコードされる。
【0021】
いくつかの実施形態では、コドン最適化核酸は、配列番号13~14のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、5’から3’の順に、
(i)配列番号7~10のいずれか1つのヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号2~5のいずれか1つのヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、又は
(ii)配列番号12~14のいずれか1つのヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号2~5のいずれか1つのヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列
を含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、5’から3’の順に、
(i)配列番号7のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号2のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(ii)配列番号8のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号3のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(iii)配列番号9のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号4のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(iv)配列番号10のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号5のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(v)配列番号12のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号2のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(vi)配列番号13のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号3のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(vii)配列番号13のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号4のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、又は
(viii)配列番号14のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号5のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列
を含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、5’から3’の順に、
(i)配列番号6のアミノ酸配列又はそれと少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含むシグナル配列、及び配列番号1のアミノ酸配列又はそれと少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含むGALタンパク質、又は
(ii)配列番号11のアミノ酸配列又はそれと少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含むシグナル配列、及び配列番号1のアミノ酸配列又はそれと少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含むGALタンパク質
をコードする。
【0025】
いくつかの実施形態では、単離されたrAAV粒子は、GALタンパク質をコードする導入遺伝子を含む核酸に作動可能に連結されたプロモーターを更に含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、プロモーターは組織特異的プロモーター又は遍在性プロモーターを含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、プロモーターは、
(i)A1ATプロモーター、EF-1αプロモーター、ニワトリβ-アクチン(CBA)プロモーター及び/又はその誘導体CAG、CMV前初期エンハンサ及び/又はプロモーター、βグルクロニダーゼ(GUSB)プロモーター、ユビキチンC(UBC)プロモーター、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)、血小板由来増殖因子(PDGF)プロモーター、血小板由来増殖因子B鎖(PDGF-β)プロモーター、細胞間接着分子2(ICAM-2)プロモーター、シナプシン(Syn)プロモーター、メチル-CpG結合タンパク質2(MeCP2)プロモーター、Ca2+/カルモジュリン依存性タンパク質キナーゼII(CaMKII)プロモーター、代謝型グルタミン酸受容体2(mGluR2)プロモーター、神経フィラメント軽鎖(NFL)又は重鎖(NFH)プロモーター、β-グロビンミニ遺伝子nβ2プロモーター、プレプロエンケファリン(PPE)プロモーター、エンケファリン(Enk)及び興奮性アミノ酸輸送体2(EAAT2)、グリア線維酸性タンパク質(GFAP)プロモーター、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)プロモーター、心血管プロモーター)、肝臓プロモーター、骨格筋プロモーター又はその断片、例えば、切断物若しくは機能的バリアント;及び/又は
(ii)配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列
を含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、単離されたrAAV粒子が逆位末端配列(ITR)配列を更に含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、ITR配列は、GALタンパク質をコードする導入遺伝子を含む核酸に対して5’に配置される。
【0030】
いくつかの実施形態では、ITR配列は、GALタンパク質をコードする導入遺伝子を含む核酸に対して3’に配置される。
【0031】
いくつかの実施形態では、単離されたrAAV粒子は、GALタンパク質をコードする導入遺伝子を含む核酸に対して5’に位置するITR配列と、GALタンパク質をコードする導入遺伝子を含む核酸に対して3’に位置するITR配列とを含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、ITR配列は、配列番号17及び/又は18のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、単離されたrAAV粒子は、エンハンサを更に含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、エンハンサは、配列番号19のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、単離されたrAAV粒子がイントロン領域を更に含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、イントロン領域は、配列番号21のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、単離されたrAAV粒子がKozak配列を更に含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、Kozak配列は、配列番号22のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、単離されたrAAV粒子は、ポリアデニル化(ポリA)シグナル領域を更に含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、ポリAシグナル領域は、配列番号23のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、ポリAシグナル領域は、配列番号24のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、単離されたrAAV粒子が、ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)配列を更に含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、WPRE配列は、配列番号25のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、WPRE配列は、配列番号26のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、単離されたrAAV粒子は、5’から3’の順に、5’ITR配列、エンハンサ、プロモーター配列、Kozak配列、シグナル配列をコードするヌクレオチド配列、GALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、ポリAシグナル領域及び3’ITR配列を含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、単離されたrAAV粒子は、5’から3’の順に、5’ITR配列、エンハンサ、プロモーター配列、Kozak配列、シグナル配列をコードするヌクレオチド配列、GALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、WPRE配列、ポリAシグナル領域及び3’ITR配列を含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、単離されたrAAV粒子は、5’から3’の順に、
(i)配列番号17のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む5’ITR配列領域、
(ii)配列番号19のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むApo E/C-Iエンハンサ、
(iii)配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むA1ATプロモーター、
(iv)配列番号21のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むイントロン、
(v)配列番号22のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むKozak配列、
(vi)配列番号7のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、
(vii)配列番号2のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(viii)配列番号23のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むポリアデニル化配列、及び
(ix)配列番号18のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む3’ITR配列領域
を含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、単離されたrAAV粒子は、5’から3’の順に、
(i)配列番号17のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む5’ITR配列領域、
(ii)配列番号19のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むApo E/C-Iエンハンサ、
(iii)配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むA1ATプロモーター、
(iv)配列番号21のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むイントロン、
(v)配列番号22のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むKozak配列、
(vi)配列番号8のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、
(vii)配列番号3のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(viii)配列番号23のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むポリアデニル化配列、及び
(ix)配列番号18のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む3’ITR配列領域
を含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、単離されたrAAV粒子は、5’から3’の順に、
(i)配列番号17のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む5’ITR配列領域、
(ii)配列番号19のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むApo E/C-Iエンハンサ、
(iii)配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むA1ATプロモーター、
(iv)配列番号21のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むイントロン、
(v)配列番号22のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むKozak配列、
(vi)配列番号9のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、
(vii)配列番号4のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(viii)配列番号23のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むポリアデニル化配列、及び
(ix)配列番号18のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む3’ITR配列領域
を含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、単離されたrAAV粒子は、5’から3’の順に、
(i)配列番号17のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む5’ITR配列領域、
(ii)配列番号19のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むApo E/C-Iエンハンサ、
(iii)配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むA1ATプロモーター、
(iv)配列番号21のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むイントロン、
(v)配列番号22のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むKozak配列、
(vi)配列番号10のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、
(vii)配列番号5のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(viii)配列番号23のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むポリアデニル化配列、及び
(ix)配列番号18のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む3’ITR配列領域
を含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、単離されたrAAV粒子は、5’から3’の順に、
(i)配列番号17のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む5’ITR配列領域、
(ii)配列番号19のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むApo E/C-Iエンハンサ、
(iii)配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むA1ATプロモーター、
(iv)配列番号21のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むイントロン、
(v)配列番号22のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むKozak配列、
(vi)配列番号12のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、
(vii)配列番号2のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(viii)配列番号23のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むポリアデニル化配列、及び
(ix)配列番号18のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む3’ITR配列領域
を含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、単離されたrAAV粒子は、5’から3’の順に、
(i)配列番号17のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む5’ITR配列領域、
(ii)配列番号19のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むApo E/C-Iエンハンサ、
(iii)配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むA1ATプロモーター、
(iv)配列番号21のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むイントロン、
(v)配列番号22のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むKozak配列、
(vi)配列番号13のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、
(vii)配列番号3のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(viii)配列番号23のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むポリアデニル化配列、及び
(ix)配列番号18のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む3’ITR配列領域
を含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、単離されたrAAV粒子は、5’から3’の順に、
(i)配列番号17のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む5’ITR配列領域、
(ii)配列番号19のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むApo E/C-Iエンハンサ、
(iii)配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むA1ATプロモーター、
(iv)配列番号21のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むイントロン、
(v)配列番号22のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むKozak配列、
(vi)配列番号13のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、
(vii)配列番号4のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(viii)配列番号23のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むポリアデニル化配列、及び
(ix)配列番号18のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む3’ITR配列領域
を含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、単離されたrAAV粒子は、5’から3’の順に、
(i)配列番号17のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む5’ITR配列領域、
(ii)配列番号19のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むApo E/C-Iエンハンサ、
(iii)配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むA1ATプロモーター、
(iv)配列番号21のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むイントロン、
(v)配列番号22のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むKozak配列、
(vi)配列番号14のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、
(vii)配列番号5のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(viii)配列番号23のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むポリアデニル化配列、及び
(ix)配列番号18のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む3’ITR配列領域
を含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、単離されたrAAV粒子は、5’から3’の順に、
(i)配列番号17のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む5’ITR配列領域、
(ii)配列番号19のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むApo E/C-Iエンハンサ、
(iii)配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むA1ATプロモーター、
(iv)配列番号21のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むイントロン、
(v)配列番号22のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むKozak配列、
(vi)配列番号14のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、
(vii)配列番号5のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(viii)配列番号25のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むWPRE配列、
(ix)配列番号23のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むポリアデニル化配列、及び
(x)配列番号18のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む3’ITR配列領域
を含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、単離されたrAAV粒子は、5’から3’の順に、
(i)配列番号17のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む5’ITR配列領域、
(ii)配列番号19のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むApo E/C-Iエンハンサ、
(iii)配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むA1ATプロモーター、
(iv)配列番号21のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むイントロン、
(v)配列番号22のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むKozak配列、
(vi)配列番号14のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、
(vii)配列番号5のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(viii)配列番号25のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むWPRE配列、
(ix)配列番号24のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むポリアデニル化配列、及び
(x)配列番号18のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む3’ITR配列領域
を含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、単離されたrAAV粒子は、5’から3’の順に、
(i)配列番号17のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む5’ITR配列領域、
(ii)配列番号19のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むApo E/C-Iエンハンサ、
(iii)配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むA1ATプロモーター、
(iv)配列番号21のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むイントロン、
(v)配列番号22のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むKozak配列、
(vi)配列番号14のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、
(vii)配列番号5のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(viii)配列番号26のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むWPRE配列、
(ix)配列番号24のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むポリアデニル化配列、及び
(x)配列番号18のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む3’ITR配列領域
を含む。
【0057】
一態様では、本発明は、配列番号45のアミノ酸配列又はそれと少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含むAAVカプシドタンパク質をコードする第1の核酸と、α-グルコシダーゼ(GAL)タンパク質をコードする導入遺伝子を含む第2の核酸とを含む組成物を提供する。
【0058】
いくつかの実施形態では、カプシドタンパク質をコードする第1の核酸は、配列番号46のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、コードされたGALタンパク質は、配列番号1のアミノ酸配列、又はそれと少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、配列番号2のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子はコドン最適化されている。
【0062】
いくつかの実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、配列番号3~5のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、シグナル配列を更にコードする。
【0064】
いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、配列番号6のアミノ酸配列、又はそれと少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、配列番号7のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる。
【0066】
いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、コドン最適化核酸によってコードされる。
【0067】
いくつかの実施形態では、コドン最適化核酸は、配列番号8~10のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、配列番号11のアミノ酸配列、又はそれと少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、配列番号12のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる。
【0070】
いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、コドン最適化核酸によってコードされる。
【0071】
いくつかの実施形態では、コドン最適化核酸は、配列番号13~14のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、5’から3’の順に、
(i)配列番号7~10のいずれか1つのヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号2~5のいずれか1つのヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、又は
(ii)配列番号12~14のいずれか1つのヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号2~5のいずれか1つのヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列
を含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、5’から3’の順に、
(i)配列番号7のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号2のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(ii)配列番号8のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号3のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(iii)配列番号9のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号4のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(iv)配列番号10のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号5のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(v)配列番号12のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号2のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(vi)配列番号13のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号3のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、
(vii)配列番号13のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号4のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、又は
(vi)配列番号14のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び配列番号5のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列
を含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、5’から3’の順に、
(i)配列番号6のアミノ酸配列、それと少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含むシグナル配列、及び配列番号1のアミノ酸配列又はそれと少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含むGALタンパク質、又は
(ii)配列番号11のアミノ酸配列、それと少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含むシグナル配列、及び配列番号1のアミノ酸配列又はそれと少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含むGALタンパク質
をコードする。
【0075】
一態様では、本発明は、GALをコードする導入遺伝子が、配列番号3~5のいずれか1つのヌクレオチド配列又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含む、α-グルコシダーゼ(GAL)タンパク質をコードする導入遺伝子を含む単離核酸を提供する。
【0076】
いくつかの実施形態では、導入遺伝子はシグナル配列を更にコードする。
【0077】
いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、配列番号8~10のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる。
【0078】
いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、配列番号12~14のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%同一のヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる。
【0079】
別の態様では、本発明は、本発明の核酸を含む組成物を提供する。
【0080】
一態様では、本発明は、本発明の単離されたrAAV粒子、又は本発明の組成物、又は本発明の核酸を含む細胞を提供する。
【0081】
いくつかの実施形態では、細胞は哺乳動物細胞、昆虫細胞、又は細菌細胞である。
【0082】
一態様では、本発明は、単離された組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子を作製する方法であって、(i)アルファ-グルコシダーゼ(GAL)タンパク質をコードする導入遺伝子を含む核酸を含む宿主細胞を提供することと、(ii)導入遺伝子をAAVカプシドタンパク質に封入するのに適した条件下で宿主細胞をインキュベートすることであって、カプシドタンパク質が、配列番号45のアミノ酸配列、又はそれと少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む、ことと、それによって、単離されたrAAV粒子を作製することと、
を含む、方法を提供する。
【0083】
別の態様において、本発明は、単離された組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子を作製する方法であって、(i)アルファ-グルコシダーゼ(GAL)タンパク質をコードする導入遺伝子を含む第1の核酸を含む宿主細胞を提供することと、(ii)AAVカプシドタンパク質をコードする第2の核酸を宿主細胞に導入することであって、カプシドタンパク質が、配列番号45のアミノ酸配列、又はそれと少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む、ことと、(iii)導入遺伝子をAAVカプシドタンパク質に封入するのに適した条件下で宿主細胞をインキュベートすることと、それによって、単離されたrAAV粒子を作製することと、
を含む、方法を提供する。
【0084】
いくつかの実施形態では、宿主細胞は、哺乳動物細胞、昆虫細胞又は細菌細胞を含む。
【0085】
一態様では、本発明は、本発明のrAAV粒子と、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0086】
一態様では、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物又は本発明の単離されたrAAV粒子を投与し、それにより外因性GALを対象に送達することを含む、外因性GALタンパク質を対象に送達する方法を提供する。
【0087】
いくつかの実施形態では、対象は、GAL関連疾患を有するか、有すると診断されているか、又は有するリスクがある。
【0088】
いくつかの実施形態では、GAL関連疾患はリソソーム蓄積症である。
【0089】
別の態様では、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物又は本発明の単離されたrAAV粒子を投与し、それにより対象のGAL関連疾患を治療することを含む、GAL関連疾患を有する又はGAL関連疾患を有すると診断された対象を治療する方法を提供する。
【0090】
一態様では、本発明は、有効量の本発明の医薬組成物又は本発明の単離されたrAAV粒子を投与し、それにより対象のリソソーム蓄積症を治療することを含む、リソソーム蓄積症を有する又はリソソーム蓄積症を有すると診断された対象を治療する方法を提供する。
【0091】
いくつかの実施形態では、GAL関連疾患又はリソソーム蓄積症はファブリー病である。
【0092】
一態様では、本発明は、配列番号31~41及び51~61のいずれか1つの核酸配列を含むか又はこれからなるAAVウイルスゲノムと、配列番号45のアミノ酸配列を含むカプシドタンパク質とを含む単離された組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子を提供する。
【0093】
別の態様では、本発明は、配列番号31~41及び51~61のいずれか1つの核酸配列を含むか又はそれからなる単離された組換えウイルスゲノムを提供する。
【0094】
本開示の様々な態様又は実施形態の詳細を以下に記載する。本開示の他の特徴、目的、及び利点は、説明及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。本明細書において、単数形は、文脈が他のことを明らかに示す場合を除き、複数形も含む。他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示の分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書が優先する。
【図面の簡単な説明】
【0095】
図1】ヒトαガラクトシダーゼ(GAL)タンパク質及びシグナルペプチドをコードする例示的な構築物の概略図を提供する。
図2】AAV-GLA構築物の組合せの概略図を示す。ApoE-A1AT肝臓特異的プロモーター及びbGHポリアデニル化配列の制御下にあるヒトαガラクトシダーゼ(GAL)の天然及びコドン最適化シグナルペプチド及び成熟ペプチドの様々な組合せを有するAAVゲノムが示されている。1~8=構築物#1~8;ITR=AAV2逆位末端配列;ApoE=ApoE/C-1 HCR-1エンハンサ;A1AT=A1ATプロモーター;bgi=ベータ-グロビンイントロン;bGH A+=ウシ成長ホルモンポリアデニル化配列;sp=シグナルペプチド;hGLA=天然ヒトGAL;coA-GLA=sp及びGALのコドン最適化バージョンA;coB-GLA=sp及びGALのコドン最適化バージョンB;coB-CpG-GLA=sp及びGALのCpG低下コドン最適化バージョンB;sp-IgG1=ヒトIgG1シグナルペプチドの逆翻訳配列;coC-IgG1=IgG1シグナルペプチドのコドン最適化バージョンC;sp-coC-CpG-IgG1=IgG1シグナルペプチドのCpG低下コドン最適化バージョンC。
図3】プラスミドでトランスフェクトしたHepG2細胞からトランスフェクションの72時間後に回収した上清中のGAL成熟ペプチド並びに溶解物中の前駆体及び成熟ペプチドのウェスタンブロット可視化を示す。天然GLA及びコドン最適化GLAを発現する構築物#1~8(具体的には、構築物1A~8A)。
図4】プラスミドでトランスフェクトしたHepG2細胞からトランスフェクションの72時間後に回収した上清及び溶解物中のELISAによるGAL成熟ペプチドの定量を示す。天然GLA及びコドン最適化GLAを発現する構築物#1~8(具体的には、構築物1A~8A)。
図5】プラスミドでトランスフェクトしたHepG2細胞からトランスフェクションの72時間後に回収した上清中のGALタンパク質活性の評価を示す。天然GLA及びコドン最適化GLAを発現する構築物#1~8(具体的には、構築物1A~8A)。
図6】は、ファブリー病マウス由来の血漿中のGALタンパク質活性の評価を示す。活性は、基底時点(0日目)及び注射後(7日目)に採取した試料において評価した。
図7】例示的なAAV-GLA構築物の組合せを示す。天然及びコドン最適化シグナルペプチド並びにヒトアルファガラクトシダーゼ(GAL)の成熟ペプチドの種々の組合せを有するAAVゲノムが示される。1~11=構築物#1~11;ITR=AAV2逆位末端配列;bGHポリA=ウシ成長ホルモンポリアデニル化配列;sp=シグナルペプチド;hGLA=天然ヒトGAL;coA-GLA=sp及びGALのコドン最適化バージョンA;coB-GLA=sp及びGALのコドン最適化バージョンB;coB-CpG-GLA=sp及びGALのCpG低下コドン最適化バージョンB;sp-IgG1=ヒトIgG1シグナルペプチドの逆翻訳配列;sp-IgG1co=IgG1シグナルペプチドのコドン最適化バージョンC;sp-IgG1coCpG=IgG1シグナルペプチドのCpG低下コドン最適化バージョンC;WPRE=ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント;W3SL=内部切断WPRE配列;SV40=SV40ポリA配列。
図8】プラスミドでトランスフェクトしたHepG2細胞からトランスフェクションの72時間後に回収した上清中のGAL成熟ペプチド並びに溶解物中の前駆体及び成熟ペプチドのウェスタンブロット可視化を示す。天然GLA及びコドン最適化GLAを発現する構築物#1~11(具体的には、構築物1B~11B)。
図9】プラスミドでトランスフェクトしたHepG2細胞からトランスフェクションの72時間後に回収した上清中のGALタンパク質活性の評価を示す。天然GLA及びコドン最適化GLAを発現する構築物#1~11(具体的には、構築物1B~11B)。
図10】3つの異なるMOI、すなわち、5E4、1D5及び2E5でAAV/DJにパッケージングされた選択された構築物で形質導入されたHepG2細胞から回収された上清中のGAL成熟ペプチドのウェスタンブロット可視化を示す。
図11】3つの異なるMOI、すなわち、5E4、1D5及び2E5でAAV/DJにパッケージングされた選択された構築物で形質導入されたHepG2細胞から採取された上清中のGALタンパク質活性の評価を示す。
図12】ファブリー病マウス由来の血漿試料におけるGALタンパク質活性(左)及びlyso-GB3クリアランス(右)の評価を示す。ファブリー病マウス(1群当たりn=5)に、AAV-DJ中のコドン最適化構築物(構築物2、4、6、7、8及び9)を5E11vg/kgの用量で投与した。GAL活性及びlyso-GB3レベルを、6週目に採取した試料において評価した。
図13】血漿GAL活性と血漿lyso-GB3レベルとの間の相関を示す。
図14】ファブリー病マウス由来の血漿試料におけるGALタンパク質活性の評価を示す。ファブリー病マウス(1群当たりn=4)に、AAV-DJ中のコドン最適化構築物(構築物6及び9)を1E13vg/kgの用量で投与した。GAL活性レベルを、投与前、並びに1週目、4週目及び6週目に採取した試料において評価した。
図15】PXBマウス由来の血漿試料におけるGALタンパク質活性(左)及びアルブミン(右)レベルの評価を示す。PXBマウス(1群当たりn=4)に、AAV-SL65中のコドン最適化構築物(構築物6及び9)を3E13vg/kgの用量で投与した。GAL活性及びアルブミンレベルを、投与前、2週目、及び4週目に採取した試料において評価した。
図16】アルブミン対照によって正規化された血漿GALタンパク質活性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0096】
本開示は、標的タンパク質、例えば、GALタンパク質の送達のための、肝臓指向性カプシドタンパク質、例えば、sL65カプシドタンパク質又はLK03カプシドタンパク質を含む単離、例えば、組換えウイルス粒子、例えば、アデノ随伴ウイルス(AAV)粒子を含む組成物、並びに対象において外因性GALタンパク質を送達するための方法、及び/又は本開示のAAV粒子を使用して、GAL関連疾患又は障害、例えば、リソソーム蓄積障害、例えば、ファブリー病を有する対象を治療するための方法を提供する。
【0097】
本開示はまた、AAVカプシドタンパク質、例えば、sL65カプシドタンパク質をコードする第1の核酸であって、配列番号45のアミノ酸配列、又はそれと少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む第1の核酸と、GALタンパク質をコードする導入遺伝子を含む第2の核酸とを含む組成物を提供する。
【0098】
アデノ随伴ウイルスは、一本鎖DNAウイルスゲノムを特徴とするパルボウイルス科の小さなエンベロープのない正二十面体カプシドウイルスである。パルボウイルス科ウイルスは、脊椎動物に感染するパルボウイルス亜科及び無脊椎動物に感染するデンソウイルス亜科の2つの亜科で構成されている。AAVは、ヒト、霊長類、ウシ、イヌ、ウマ及びヒツジ種を含むがこれらに限定されない脊椎動物宿主において複製することができる。パルボウイルス及びパルボウイルス科の他のメンバーは、一般に、Kenneth I.Berns,「Parvoviridae:The Viruses and Their Replication,」Chapter 69 in Fields Virology(3d Ed.1996)に記載され、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0099】
AAVは、それらの比較的単純な構造、宿主ゲノムへの組み込みなしに及び複製なしに広範囲の細胞(静止細胞及び分裂細胞を含む)に感染する能力、並びにそれらの比較的良性の免疫原性プロファイルのために生物学的ツールとして有用であることが証明されている。ウイルスのゲノムは、標的細胞、組織又は生物に送達され得る所望の核酸構築物又はペイロード、例えば、導入遺伝子、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えば、GALタンパク質が負荷されるか又は送達されるように操作された機能的組換えウイルス又はウイルス粒子の構築のための最小限の成分を含有するように改変され得る。いくつかの実施形態では、標的細胞は肝細胞である。いくつかの実施形態では、標的組織は肝組織である。
【0100】
遺伝子治療は、ファブリー病の代替アプローチを提示する。AAVは、多くの有利な特徴の結果として、遺伝子治療アプローチにおいて一般的に使用されている。理論に拘束されることを望むものではないが、いくつかの実施形態では、本明細書に記載のAAV粒子を使用して、GALタンパク質(例えば、GAL及び関連タンパク質)を投与及び/又は送達することができ、非AAV療法と比較して、持続的で高濃度を達成し、より持続的な有効性、より少ない用量治療、広範な生体内分布、及び/又はより一貫したレベルのGALタンパク質を可能にすると考えられる。
【0101】
本明細書に記載の組成物及び方法は、(i)細胞、組織(例えば、肝細胞又は肝組織)におけるGAL活性の増加、(ii)肝臓全体にわたる増加した均一な体内分布、及び/又は(iii)肝臓におけるペイロード発現、例えば、GLA mRNA発現の上昇を含む、以前の酵素置換アプローチと比較して改善された特徴を提供する。本明細書に記載の組成物及び方法は、リソソーム蓄積症、例えば、ファブリー病等のGALタンパク質及び/又はGAL活性の欠如に関連する障害の治療に使用することができる。
【0102】
I.定義
本明細書で使用される場合、以下の用語のそれぞれは、このセクションでそれに関連する意味を有する。
【0103】
冠詞「a」及び「an」は、本明細書では、冠詞の文法的目的語の1つ以上(すなわち、少なくとも1つ)を指すために使用される。例として、「1つの要素」は、1つの要素又は1つより多い要素、例えば、複数の要素を意味する。
【0104】
「含む」という用語は、「~を含むがこれに限定されない」という句を意味するために本明細書において使用され、またそれと互換的に使用される。
【0105】
「又は」という用語は、文脈が明らかにそうではないと示さない限り、「及び/又は」という用語を意味するために本明細書において使用され、またそれと互換的に使用される。
【0106】
α-ガラクトシダーゼ(GAL):本明細書で使用される場合、α-GAL、GALA、ガラクトシルガラクトシルグルコシルセラミダーゼ、ゲリビアーゼ、α-D-ガラクトシダーゼA、α-D-ガラクトシドガラクトヒドロラーゼ1、アガルシダーゼアルファ、α-gal A、及びアガルシダーゼとしても知られている「α-ガラクトシダーゼ(GAL)」という用語は、糖脂質及び糖タンパク質から末端α-ガラクトシル部分を加水分解するリソソーム酵素を指す。本明細書で使用される場合、「GAL」、「GALタンパク質」、「GAL酵素」、「α-GAL」、「α-GAL」等の用語は、GLA遺伝子のペプチド(アンサンブル遺伝子ID:ENSG 00000102393)、そのホモログ又はバリアント、及びそのオルソログ(非ヒトタンパク質及びそのホモログを含む)を含むタンパク質産物又はタンパク質産物の一部を指す。GALタンパク質は、GLA遺伝子産物の断片、誘導体、及び改変体を含む。ヒトGLAの例示的なアミノ酸及びヌクレオチド配列を表1に示す。
【0107】
アデノ随伴ウイルス(AAV):本明細書で使用される場合、「アデノ随伴ウイルス」又は「AAV」という用語は、ディペンドウイルス属のメンバー又はそのバリアント、例えば、機能的バリアントを指す。いくつかの実施形態では、AAVは野生型であるか、又は天然に存在する。いくつかの実施形態では、AAVは組換えである。
【0108】
AAV粒子:本明細書で使用される場合、「AAV粒子」は、AAVカプシド、例えば、AAVカプシドバリアント、及びポリヌクレオチド、例えば、ウイルスゲノムを含む粒子又はビリオンを指す。いくつかの実施形態では、AAV粒子のウイルスゲノムは、少なくとも1つのペイロード領域及び少なくとも1つのITRを含む。いくつかの実施形態では、AAV粒子は、ペイロードをコードする核酸、例えば、ペイロード領域を、細胞、典型的には哺乳動物、例えば、ヒト細胞に送達することができる。いくつかの実施形態では、本開示のAAV粒子は、組換え的に産生され得る。いくつかの実施形態では、AAV粒子は、血清型の組合せ(例えば、「シュードタイプ化」AAV)を含む、本明細書に記載されるか又は当技術分野で公知の任意の血清型又は様々なゲノム(例えば、一本鎖又は自己相補的)に由来し得る。いくつかの実施形態では、AAV粒子は、複製欠損及び/又は標的化され得る。いくつかの実施形態では、AAV粒子は、所望の標的組織に対する指向性を増強するために、カプシド中に存在する、例えば、挿入されたペプチド、例えば、標的化ペプチドを含み得る。本開示のAAV粒子への言及は、明示的に記載されていなくても、その医薬組成物も含むことが理解されるべきである。
【0109】
AAVベクター:本明細書で使用される場合、「AAVベクター」又は「AAV構築物」という用語は、アデノ随伴ウイルス血清型に由来するベクターを指す。「AAVベクター」は、AAVヌクレオチド配列並びに異種ヌクレオチド配列を含むベクターを指す。AAVベクターは、ウイルスを生成するためにシスで145塩基の末端反復のみを必要とする。他の全てのウイルス配列は必須ではなく、トランスで供給され得る(Muzyczka(1992)Curr.Topics Microbiol.Immunol.158:97-129)。典型的には、rAAVベクターゲノムは、ベクターによって効率的にパッケージングされ得る導入遺伝子のサイズを最大化するように、逆位末端配列(ITR)配列のみを保持する。ITRは野生型ヌクレオチド配列である必要はなく、配列が機能的レスキュー、複製及びパッケージングを提供する限り、例えば、ヌクレオチドの挿入、欠失又は置換によって改変されてもよい。
【0110】
投与すること:本明細書で使用される場合、対象に「投与すること」という用語は、対象における所望の位置への組成物の送達のための任意の好適な経路によって、対象に本開示の組成物を分配、送達、又は適用することを含む。代替的に又は組み合わせて、送達は、局所、非経口又は経口経路、脳内注射、筋肉内注射、皮下/皮内注射、静脈内注射、口腔投与、経皮送達、及び直腸、結腸、膣、鼻腔内又は気道経路による投与による。
【0111】
カプシド:本明細書で使用される場合、「カプシド」という用語は、実質的に(例えば、>50%、>60%、>70%、>80%、>90%、>95%、>99%、又は100%)タンパク質である、ウイルス粒子、例えば、AAV粒子の外部、例えば、タンパク質シェルを指す。いくつかの実施形態では、カプシドは、本明細書に記載されるAAVカプシドタンパク質、例えば、VP1、VP2、及び/又はVP3ポリペプチドを含むAAVカプシドである。AAVカプシドタンパク質は、野生型AAVカプシドタンパク質、又は本明細書において「AAVカプシドバリアント」と称される、バリアント、例えば、野生型若しくは参照カプシドタンパク質由来の構造的及び/若しくは機能的バリアントであり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のAAVカプシドバリアントは、ウイルスゲノムを封入する、例えば、カプセル化する能力を有し、かつ/又は細胞、例えば、哺乳動物細胞に侵入することができる。いくつかの実施形態では、カプシドタンパク質は、本明細書に記載されるsL65カプシドタンパク質である。
【0112】
コドン最適化:本明細書中で使用される場合、用語「コドン最適化」とは、遺伝子によってコードされるポリペプチド配列が同じままである一方で、変化したコドンがポリペプチド配列の発現のプロセスを改善するような様式で、所定の遺伝子のコドンを変化させるプロセスをいう。例えば、ポリペプチドがヒトタンパク質配列のものであり、大腸菌(E.coli)中で発現される場合、コドン最適化がDNA配列に対して行われて、ヒトコドンをE.coli中での発現により有効なコドンに変化させる場合、発現はしばしば改善される。
【0113】
接触させる:本明細書中で使用される場合、用語「接触させること」(すなわち、細胞を薬剤と接触させること)は、薬剤及び細胞を一緒にインビトロでインキュベートすること(例えば、培養中の細胞に薬剤を添加すること)、又は薬剤及び対象の細胞が接触するようにインビボで対象に薬剤を投与することを含むことが意図される。「接触させる」という用語は、対象において天然に生じ得る薬剤への細胞の曝露(すなわち、天然の生理学的プロセスの結果として生じ得る曝露)を含むことを意図しない。
【0114】
GAL関連障害:「GAL関連障害」、「GAL関連疾患」等の用語は、患者細胞におけるGALタンパク質発現の欠損又は不全をもたらす、GLAにおける遺伝性、例えば、X連鎖突然変異等のGLA遺伝子の欠損を有する疾患又は障害を指す。GAL関連障害としては、リソソーム蓄積症、例えば、ファブリー病が挙げられるが、これらに限定されない。
【0115】
ファブリー病:本明細書中で使用される場合、用語「ファブリー病」は、α-ガラクトシダーゼA欠損症、Anderson-Fabry病、びまん性体部被角血管腫、びまん性被角血管腫、及びGAL欠損症としても公知であり、リソソーム酵素であるα-ガラクトシダーゼA(GAL)の活性の非存在又は顕著な欠損に起因するグリコスフィンゴ脂質代謝のまれな遺伝障害をいう。この酵素は、グロボトリアオシルセラミド(GL-3又はGB-3としても知られる)及び関連するスフィンゴ糖脂質等の、体内でのスフィンゴ糖脂質の毎日の代謝に必要である。この脂質及び他の類似の脂質の適切な代謝が起こらない場合、GL-3は身体全体の大部分の細胞に蓄積する。結果として生じる進行性の脂質蓄積は、細胞損傷をもたらす。細胞損傷は、多くの場合比較的若年齢での腎不全、心不全及び脳卒中等の潜在的に生命を脅かす結果を含む広範囲の軽度から重度の症状を引き起こす。一般に、症状が最初に現れるときの人の年齢を反映する2つのタイプのファブリー病が存在する。古典的なタイプでは、症状は小児期又は10代に現れる。1つの顕著な疾患症状である手及び足の痛みを伴う灼熱感は、2歳という早期に顕著であり得る。症状は時間とともに次第に悪化する。遅発性/非定型タイプでは、30代以上になるまで症状を示さない。問題の最初の徴候は、腎不全又は心疾患であり得る。
【0116】
ヘルパー機能:本明細書で使用される場合、「ヘルパー機能」という用語は、本明細書で使用される場合、AAVが複製のために依存する機能(すなわち、「ヘルパー機能」)を行うポリペプチドをコードする遺伝子を指す。ヘルパー機能には、AAV遺伝子転写の活性化、ステージ特異的AAV mRNAスプライシング、AAV DNA複製、cap発現産物の合成、及びAAVカプシドアセンブリに関与する部分を含むがこれらに限定されないAAV複製に必要な機能が含まれる。ウイルスベースのアクセサリー機能は、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、バキュロウイルス、及びワクシニアウイルス等の既知のヘルパーウイルスのいずれかに由来し得る。ヘルパー機能としては、アデノウイルスE1、E2a、VA、及びE4又はヘルペスウイルスUL5、UL8、UL52、及びUL29、並びにヘルペスウイルスポリメラーゼが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、ヘルパー機能は、アデノウイルスE1を含まない。
【0117】
単離:本明細書で使用される場合、「単離された」という用語は、天然の状態から改変又は除去された、例えば、天然の状態で関連している成分の少なくとも一部から改変又は除去された物質又は実体を指す。例えば、生きている動物中に天然に存在する核酸又はペプチドは「単離」されていないが、その天然状態の共存物質から部分的又は完全に分離された同じ核酸又はペプチドは「単離」されている。単離された核酸又はタンパク質は、実質的に精製された形態で存在し得るか、又は非ネイティブ環境(例えば、宿主細胞)中に存在し得る。このようなポリヌクレオチドは、ベクターの一部であり得、そして/又はこのようなポリヌクレオチド又はポリペプチドは、組成物の一部であり得、そしてこのようなベクター又は組成物が天然に見出される環境の一部ではないという点でなお単離されている。いくつかの実施形態では、単離された核酸は組換え体であり、例えば、ベクターに組み込まれている。
【0118】
リソソーム蓄積症:本明細書で使用される場合、「リソソーム蓄積症」又は「リソソーム蓄積障害」という用語は、酵素欠損の結果としての身体細胞における様々な毒性物質の異常な蓄積を特徴とする遺伝性代謝疾患を指す。リソソーム蓄積症は、骨格、脳、皮膚、心臓、及び中枢神経系を含む身体の異なる部分に影響を及ぼす。例示的なリソソーム蓄積症としては、ファブリー病、ポンペ病、ゴーシェ病、テイ・サックス病、シスチン症、バッテン病、アスパルチルグルコサミン尿症、サンドホフ病、異染性白質ジストロフィー、ムコリビドーシス、シンドラー病、及びニーマン・ピック病が挙げられるが、これらに限定されない。いずれの場合も、リソソーム蓄積症は、先天性代謝異常症によって引き起こされ、その結果、酵素が欠損又は欠乏し、身体の様々な細胞における物質の不適切な蓄積が引き起こされる。ほとんどのリソソーム蓄積障害は、常染色体劣性様式で遺伝する。
【0119】
突然変異:本明細書で使用される場合、「突然変異」という用語は、変化及び/又は改変を指す。いくつかの実施形態では、突然変異は、タンパク質(ペプチド及びポリペプチドを含む)及び/又は核酸(ポリ核酸を含む)に対する変化及び/又は改変であり得る。いくつかの実施形態は、突然変異は、タンパク質及び/又は核酸配列に対する変化及び/又は改変を含む。このような変化及び/又は改変は、1つ以上のアミノ酸(タンパク質及び/又はペプチドの場合)及び/又はヌクレオチド(核酸及び/又はポリ核酸の場合)の付加、置換及び/又は欠失を含み得る。変異がアミノ酸及び/又はヌクレオチドの付加及び/又は置換を含む実施形態では、そのような付加及び/又は置換は、1つ以上のアミノ酸及び/又はヌクレオチド残基を含んでもよく、修飾アミノ酸及び/又はヌクレオチドを含んでもよい。1つ以上の突然変異は、例えば、核酸配列又はポリペプチド又はタンパク質配列の「変異体」、「誘導体」、又は「バリアント」をもたらし得る。
【0120】
天然に存在する:本明細書中で使用される場合、「天然に存在する」又は「野生型」は、人工的補助又はヒトの手の関与なしに天然に存在することを意味する。「天然に存在する」又は「野生型」は、生体分子、配列、又は実体の天然形態を指し得る。
【0121】
核酸:本明細書中で使用される場合、用語「核酸」、「ポリヌクレオチド」「オリゴヌクレオチド」という用語は、ポリデオキシリボヌクレオチド(2-デオキシ-D-リボースを含有する)若しくはポリリボヌクレオチド(D-リボースを含有する)、又はプリン若しくはピリミジン塩基若しくは修飾プリン若しくはピリミジン塩基のNグリコシドである任意の他のタイプのポリヌクレオチドのいずれかから構成される任意の核酸ポリマーを指す。用語「核酸」、「ポリヌクレオチド」、及び「オリゴヌクレオチド」の間に長さの区別は意図されておらず、これらの用語は互換的に使用される。これらの用語は、分子の一次構造のみを指す。したがって、これらの用語には、二本鎖及び一本鎖DNA、並びに二本鎖及び一本鎖RNAが含まれる。
【0122】
作動可能に連結された:本明細書中で使用される場合、句「作動可能に連結された」とは、2つ以上の分子、構築物、転写物、実体、部分等の間の機能的接続をいう。
【0123】
粒子:本明細書中で使用される場合、「粒子」は、少なくとも2つの成分(タンパク質カプシド及びカプシド内に封入されたポリヌクレオチド配列)から構成されるウイルスである。
【0124】
患者:本明細書で使用される場合、「患者」とは、処置を求め得るか若しくは処置を必要とし得る対象、処置を必要とする対象、処置を受けている対象、処置を受ける予定の対象、又は訓練を受けた対象(ケア中)をいう。例えば、認可された)専門家が特定の疾患又は状態のために使用することができる。
【0125】
ペイロード:本明細書で使用される場合、「ペイロード」又は「ペイロード領域」又は「導入遺伝子」は、ウイルスゲノムによってコードされるか若しくはウイルスゲノム内にある1つ以上のポリヌクレオチド若しくはポリヌクレオチド領域、又はそのようなポリヌクレオチド若しくはポリヌクレオチド領域の発現産物、例えば、導入遺伝子、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを指す。
【0126】
ペイロード構築物:本明細書で使用される場合、「ペイロード構築物」は、逆位末端配列(ITR)配列が片側又は両側に隣接しているペイロードをコードするか又は含む1つ以上のポリヌクレオチド領域である。ペイロード構築物は、ウイルスゲノムを産生するためにウイルス産生細胞において複製される鋳型である。
【0127】
ペイロード構築ベクター:本明細書で使用される場合、「ペイロード構築物ベクター」は、ペイロード構築物、並びに細菌細胞における複製及び発現のための調節領域をコードするか又は含むベクターである。ペイロード構築物ベクターはまた、ウイルス複製細胞におけるウイルス発現のための成分を含み得る。
【0128】
ペプチド:本明細書で使用される場合、「ペプチド」という用語は、約50アミノ酸長以下、例えば、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、又は50アミノ酸長であるアミノ酸の鎖を指す。
【0129】
薬学的に許容される:「薬学的に許容される」という語句は、健全な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、又はその他の問題や合併症を伴うことなくヒト及び動物の組織と接触して使用するのに適しており、合理的な利益/リスクの比に見合った化合物、材料、組成物、及び/又は剤形を指すために本明細書で使用される。
【0130】
薬学的に許容される賦形剤:本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される賦形剤」という用語は、本明細書で使用される場合、医薬組成物中に存在し、対象において実質的に非毒性かつ非炎症性である特性を有する活性薬剤(例えば、本明細書に記載されているようなもの)以外の任意の成分を指す。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される賦形剤は、活性薬剤を懸濁及び/又は溶解することができるビヒクルである。賦形剤としては、例えば、付着防止剤、抗酸化剤、結合剤、コーティング、圧縮助剤、崩壊剤、染料(着色剤)、皮膚軟化剤、乳化剤、充填剤(希釈剤)、フィルム形成剤又はコーティング、香味料、香料、流動促進剤(流動促進剤)、潤滑剤、保存剤、印刷インク、吸着剤、懸濁化剤又は分散剤、甘味料、及び水和水が挙げられ得る。賦形剤としては、ゼラチンヒドロキシトルエン(BHT)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム(二塩基性)、ステアリン酸カルシウム、クロスカルメロース、架橋ポリビニルピロリドン、クエン酸、クロスポビドン、システイン、エチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、マルチトール、マンニトール、メチオニン、メチルセルロース、メチルパラベン、微結晶性セルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポビドン、アルファ化デンプン、プロピルパラベン、パルミチン酸レチニル、シェラック、二酸化ケイ素、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クエン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ソルビトール、デンプン(トウモロコシ)、ステアリン酸、スクロース、タルク、二酸化チタン、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC、及び/又はキシリトールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0131】
医薬組成物:本明細書で使用される場合、「医薬組成物」又は薬学的に許容される組成物」という用語は、AAVポリヌクレオチド、AAVゲノム、又はAAV粒子、及び1つ以上の薬学的に許容される賦形剤、溶媒、アジュバント等を含む。
【0132】
ポリペプチド:本明細書で使用される場合、「ポリペプチド」という用語は、鎖内で一緒に結合された多数のアミノ酸残基からなる有機ポリマーを指す。単量体タンパク質分子はポリペプチドである。
【0133】
予防する:本明細書で使用される場合、「予防する」という用語は、感染、疾患、障害及び/又は状態の発症を部分的又は完全に遅延させること、特定の感染、疾患、障害、及び/又は状態の1つ以上の症状、特徴、又は臨床症状の発症を部分的又は完全に遅延させること、特定の感染症、疾患、障害、及び/又は状態の1つ以上の症状、特徴、又は発現の発症を部分的又は完全に遅延させること、感染、特定の疾患、障害、及び/若しくは状態からの進行を部分的若しくは完全に遅延させること;並びに/又は感染、疾患、障害、及び/若しくは状態に関連する病理を発症するリスクを減少させることを指す。
【0134】
プロモーター:本明細書で使用される場合、「プロモーター」という用語は、ポリメラーゼ酵素が結合して転写(DNAからRNAへ)又は逆転写(RNAからDNAへ)を開始する核酸部位を指す。
【0135】
調節配列:本明細書で使用される場合、用語「調節配列」は、プロモーター、エンハンサ及び他の発現制御エレメント(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含むことが意図される。このような調節配列は、例えば、Goeddel;Gene Expression Technology:Methods in Enzymology 185,Academic Press,San Diego,Calif.(1990)に記載されている。調節配列には、多くのタイプの宿主細胞においてヌクレオチド配列の構成的発現を指令するもの、構成的に活性であるもの、誘導性であるもの、及び特定の宿主細胞においてのみヌクレオチド配列の発現を指令するもの(例えば、組織特異的調節配列)が含まれる。本開示の発現ベクターを宿主細胞に導入し、それによって、本明細書に記載の核酸によってコードされる融合タンパク質又はその一部を含むタンパク質又はその一部を産生することができる。
【0136】
血清型:本明細書で使用される場合、「血清型」という用語は、亜種レベルでのAAVの疫学的分類を可能にする表面抗原に基づくAAVのカプシドにおける異なる変異を指す。
【0137】
シグナル配列:本明細書中で使用される場合、句「シグナル配列」は、タンパク質合成の間に小胞体へのタンパク質の輸送又は局在化を指向し得る配列をいう。
【0138】
類似性:本明細書で使用される場合、「類似性」という用語は、ポリマー分子間、例えば、ポリヌクレオチド分子間(例えば、DNA分子及び/又はRNA分子間)及び/又はポリペプチド分子間の全体的な関連性を指す。ポリマー分子の互いに対するパーセント類似性の計算は、パーセント類似性の計算が当該分野で理解されるような保存的置換を考慮に入れることを除いて、パーセント同一性の計算と同じ様式で行われ得る。
【0139】
対象:本明細書で使用される場合、「対象」又は「患者」という用語は、例えば、実験、診断、予防、及び/又は治療目的のために、本開示による組成物が投与され得る任意の生物を指す。同様に、「対象」又は「罹患体」は、特定の病気又は状態について、治療を求め得る、必要とし得る、受けている、又は受ける予定である、又は訓練を受けた専門家によるケア中である生物を指す。典型的な対象には、動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類、及びヒト等の哺乳動物)が含まれる。特定の実施形態では、対象又は患者は、GAL関連障害、例えば、リソソーム蓄積障害、例えば、ファブリー病に罹患しやすいか、又は罹患している疑いがあり得る。特定の実施形態では、対象又は患者は、ファブリー病と診断され得る。
【0140】
実質的に:本明細書中で使用される場合、用語「実質的に」は、目的の特徴又は特性の全体又はほぼ全体の範囲又は程度を示す定性的状態をいう。生物学分野の当業者であれば、生物学的及び化学的現象が、完了に至ること、及び/又は完全に進行すること、又は絶対的な結果を達成若しくは回避することは、あったとしても稀であることを理解するであろう。したがって、「実質的に」という用語は、多くの生物学的及び化学的現象に固有の完全性の潜在的な欠如を捉えるために本明細書で使用される。
【0141】
治療剤:「治療剤」という用語は、対象に投与された場合に、治療、診断、及び/若しくは予防効果を有し、並びに/又は所望の生物学的及び/若しくは薬理学的効果を誘発する任意の薬剤を指す。
【0142】
治療有効量:本明細書で使用される場合、「治療有効量」という用語は、感染、疾患、障害、及び/又は状態に罹患しているか又は罹患しやすい対象に投与された場合に、感染、疾患、障害、及び/又は状態を治療し、その症状を改善し、診断し、予防し、かつ/又はその発症を遅延させるのに十分である、送達される薬剤(例えば、核酸、薬物、治療剤、診断剤、予防剤等)の量を意味する。いくつかの実施形態では、治療有効量は、単回用量で提供される。いくつかの実施形態では、治療有効量は、複数回用量を含む投薬レジメンで投与される。当業者は、いくつかの実施形態では、単位剤形が、そのような投薬レジメンの一部として投与される場合に有効である量を含む場合、単位剤形は、治療有効量の特定の薬剤又は実体を含むと見なされ得ることを理解するであろう。
【0143】
治療する:本明細書で使用される場合、「治療する」という用語は、特定の感染、疾患、障害、及び/又は状態の1つ以上の症状又は特徴を部分的又は完全に緩和すること、寛解させること、改善すること、軽減すること、逆転させること、その発症を遅延させること、その進行を阻害すること、その重症度を低減すること、及び/又はその発生率を低減することを指す。処置は、疾患、障害、及び/若しくは状態の徴候を示さない対象、並びに/又は疾患、障害、及び/若しくは状態の初期徴候のみを示す対象に、疾患、障害、及び/若しくは状態に関連する病理を発症するリスクを減少させる目的で投与され得る。
【0144】
ベクター:本明細書中で使用される場合、「ベクター」は、異種分子を輸送するか、形質導入するか、又はそうでなければ異種分子のキャリアとして作用する任意の分子又は部分である。本開示のベクターは、組換え産生されてもよく、アデノ随伴ウイルス(AAV)親又は参照配列(複数可)に基づいてもよく、かつ/又はそれを含んでもよい。そのような親又は参照AAV配列は、ベクターを操作するための元の、第2の、第3の又はその後の配列として役立ち得る。非限定的な例では、そのような親又は参照AAV配列は、以下の配列のいずれか1つ以上を含み得る:野生型であり得るか又は野生型から改変され得る配列を有し、その配列がタンパク質、タンパク質ドメイン、又はGALタンパク質の1つ以上のサブユニット及びそのバリアントの全長又は部分配列をコードし得る、ポリペプチド又はマルチポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列;野生型であり得るか又は野生型から改変され得る配列を有する、GALタンパク質及びそのバリアントをコードするポリヌクレオチド;及び野生型配列から改変されていてもされていなくてもよいGALタンパク質及びそのバリアントをコードする導入遺伝子。
【0145】
ウイルス構築ベクター:本明細書中で使用される場合、「ウイルス構築ベクター」は、Repタンパク質及び/又はCapタンパク質をコードするか又は含む1つ以上のポリヌクレオチド領域を含むベクターである。ウイルス構築物ベクターはまた、ウイルス複製細胞におけるウイルス発現のための成分をコードするか又は含む1つ以上のポリヌクレオチド領域を含み得る。
【0146】
ウイルスゲノム:本明細書で使用される場合、「ウイルスゲノム」又は「ベクターゲノム」は、少なくとも1つの逆位末端配列(ITR)及び少なくとも1つのコードされたペイロードを含むポリヌクレオチドである。ウイルスゲノムは、ペイロードの少なくとも1つのコピーをコードする。
【0147】
野生型:本明細書で使用される場合、「野生型」は、生体分子、配列、又は実体の天然型である。
【0148】
本開示の方法の様々な追加の態様は、以下のサブセクションにおいて更に詳細に記載される。
【0149】
II.本開示の組成物
本開示は、タンパク質、例えば、GALタンパク質の送達のための、肝臓指向性カプシドタンパク質、例えば、sL65カプシドタンパク質又はLK03カプシドタンパク質を含む単離、例えば、組換えウイルス粒子、例えば、アデノ随伴ウイルス(AAV)粒子を含む組成物、及びGAL関連疾患又は障害、例えば、リソソーム蓄積障害、例えば、ファブリー病を有する対象を治療するための組成物の使用を提供する。
【0150】
本開示はまた、AAVカプシドタンパク質、例えば、sL65カプシドタンパク質をコードする第1の核酸であって、配列番号45のアミノ酸配列、又はそれと少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む第1の核酸と、GALタンパク質をコードする導入遺伝子を含む第2の核酸とを含む組成物を提供する。
【0151】
AAVウイルスは、パルボウイルス科のディペンドウイルス(Dependovirus)属に属し、本明細書で使用される場合、公知の100を超える血清型のAAVウイルスの任意の血清型を含む。一般に、AAVウイルスの血清型は、アミノ酸及び核酸のレベルで有意な相同性を有するゲノム配列を有し、同一の一連の遺伝子機能を提供し、物理的及び機能的用語で本質的に等価なビリオンを産生し、実質的に同一の機構を介して複製及び集合する。
【0152】
AAVゲノムは、約4.7キロベース長であり、ポジティブセンス又はネガティブセンスのいずれかであり得る一本鎖デオキシリボ核酸(ssDNA)から構成される。ゲノムは、複製を担うタンパク質(Rep)及びカプシドの構造タンパク質(Cap)をコードする2つのオープンリーディングフレーム(ORF)を含む。オープンリーディングフレームは、ウイルスゲノムの複製起点として働く2つの逆位末端配列(ITR)に隣接している。repフレームは、Repタンパク質(Rep78、Rep68、Rep52、Rep40)をコードする4つの重複遺伝子からなる。キャップフレームは、3つのカプシドタンパク質:VP1、VP2及びVP3の重複ヌクレオチド配列を含有する。Repタンパク質は複製及びパッケージングに重要であるが、カプシドタンパク質は組み立てられてAAV又はAAVカプシドのタンパク質シェルを作成する。Carter B,Adeno-associated virus and adeno-associated virus vectors for gene delivery,Lassie D,et ah,Eds.,「Gene Therapy:Therapeutic Mechanisms and Strategies」(Marcel Dekker,Inc.,New York,NY,US,2000)及びGao G,et al,J.Virol.2004;78(12):6381-6388を参照されたい。
【0153】
AAVベクターは、典型的には、細胞において増殖性感染を受けるためにコヘルパーを必要とする。このようなヘルパー機能の非存在下では、AAVビリオンは本質的に宿主細胞に侵入するが、細胞のゲノムに組み込まれない。
【0154】
AAVベクターは、いくつかの独特な特徴のため、遺伝子治療薬の送達のために調査されてきた。特徴の非限定的な例としては、(i)分裂細胞及び非分裂細胞の両方に感染する能力、(ii)ヒト細胞を含む感染性のための広い宿主範囲、(iii)野生型AAVは、いかなる疾患とも関連しておらず、感染細胞において複製することが示されていない、(iv)ベクターに対する細胞媒介性免疫応答の欠如、及び(v)宿主染色体における非組込み性であり、それによって長期の遺伝子変化の可能性を低下させること、が挙げられる。更に、AAVベクターによる感染は、細胞遺伝子発現のパターンを変化させることに対して最小限の影響しか及ぼさない(Stilwell and Samulski et al.,Biotechniques,2003,34,148、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
【0155】
典型的には、GALタンパク質送達のためのAAVベクターは、ウイルスゲノム内に機能的なRep及びCapタンパク質をコードする配列を欠くために複製欠損である組換えウイルスベクターであり得る。いくつかの場合において、欠損AAVベクターは、ほとんど又は全てのコード配列を欠き得、そして本質的に1つ又は2つのAAV ITR配列及びペイロード配列のみを含み得る。
【0156】
特定の実施形態では、単離された、例えば、組換えAAV粒子は、カプシドタンパク質、例えば、肝臓指向性カプシドタンパク質、例えば、sL65カプシドタンパク質、及びGALタンパク質をコードする導入遺伝子を含む核酸を含む。いくつかの実施形態では、導入遺伝子はシグナル配列を更にコードする。
【0157】
いくつかの実施形態では、本開示のAAV粒子は、哺乳動物細胞、昆虫細胞又は細菌細胞に導入され得る。
【0158】
AAVベクターは、送達の効率を高めるために改変され得る。本開示のそのような改変AAVベクターは、効率的にパッケージングすることができ、標的細胞を高頻度かつ最小限の毒性で首尾よく感染させるために使用することができる。
【0159】
いくつかの実施形態では、本開示のAAV粒子を使用して、特定の臓器又は組織、例えば、肝臓にGALタンパク質を送達することができる(例えば、国際特許出願第PCT/AU2021/050158号を参照されたく、その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
【0160】
本明細書で使用される場合、「AAVベクター」又は「AAV粒子」という用語は、カプシド、及びペイロードを含むウイルスゲノムを含む。本明細書で使用される場合、「ペイロード」又は「ペイロード領域」は、ウイルスゲノム又はその中にコードされる1つ以上のポリヌクレオチド若しくはポリヌクレオチド領域、又はそのようなポリヌクレオチド若しくはポリヌクレオチド領域の発現産物、例えば、導入遺伝子、ポリペプチド若しくはマルチポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えば、GALタンパク質を指す。
【0161】
本明細書に記載の組成物は、それらの機能に実質的な効果を有さない更なる保存的又は非必須アミノ酸置換を有し得ることが理解される。
【0162】
AAV血清型
本明細書で使用される場合、「AAV血清型」は、主にAAVカプシドによって定義される。本開示のAAV粒子は、任意の天然又は組換えAAV血清型を含み得るか、又はそれに由来し得る。特に、AAV粒子は、血清型を利用するか若しくはそれに基づくか、又は肝臓指向性AAVカプシド、例えば、sL65カプシドタンパク質、及びそのバリアントのアミノ酸配列を含み得る。
【0163】
sL65カプシドタンパク質を含むAAV粒子は、肝臓標的化カプシドについていくつかの必須属性を有することが実証された。特に、sL65カプシドタンパク質を含むAAV粒子は、非ヒト霊長類において優れた肝臓形質導入及び導入遺伝子発現を有する。更に、sL65カプシドタンパク質を含むAAV粒子は、標的外組織における導入遺伝子発現によって引き起こされる安全性懸念リスクを低減する高い肝臓特異的形質導入を有することが示されている。更に、sL65カプシドタンパク質を含むAAV粒子は、肝臓全体に広く均一に分布し、細胞内及び分泌タンパク質ベースの遺伝子治療の両方に望ましい。最後に、sL65カプシドタンパク質を含むAAV粒子は、スケーラブルなバイオリアクタにおいて高収率生産を達成することができ、したがって費用対効果の高い製品の製造を可能にする。
【0164】
一態様において、本開示は、カプシドタンパク質及び本明細書に記載のGALタンパク質をコードする導入遺伝子及び核酸を含む単離された、例えば、組換えAAV粒子を提供する。いくつかの実施形態では、カプシドタンパク質は、AAVカプシドタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、カプシドタンパク質は、sL65 VP1カプシドタンパク質又はその機能的バリアントを含む。
【0165】
いくつかの実施形態では、AAVカプシドは、国際特許出願第PCT/AU2021/050158号(その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載される配列、その断片又はバリアント、例えば、PCT/AU2021/050158号のAAV-C11.11(配列番号12としても知られる)を含み得る。カプシドタンパク質をコードする核酸は、国際特許出願第PCT/AU2021/050158号に記載されるヌクレオチド配列、例えば、AAV-C11.11(配列番号31としても知られる)を含む。
【0166】
いくつかの実施形態では、AAVカプシドタンパク質は、配列番号45のアミノ酸配列、その断片又はバリアントを含み得る。いくつかの実施形態では、AAVカプシドタンパク質は、配列番号46の核酸配列、その断片又はバリアントによってコードされ得る。
【0167】
いくつかの実施形態では、AAV粒子、例えば、本明細書に記載されるGALタンパク質のベクター化送達のためのAAV粒子のAAV血清型は、sL65又はそのバリアントである。いくつかの実施形態では、AAV粒子、例えば、本明細書に記載される組換えAAV粒子は、sL65カプシドタンパク質を含む。
【0168】
いくつかの実施形態では、カプシドタンパク質、例えば、sL65カプシドタンパク質は、配列番号45のアミノ酸配列又はそれと実質的に同一の(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有する)アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、カプシドタンパク質は、配列番号46のヌクレオチド配列又はそれと実質的に同一の(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、又は99%の配列同一性)を有する)ヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、カプシドタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号46のヌクレオチド配列又はそれと実質的に同一の(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、若しくは99%の配列同一性を有する)配列を含む。
【0169】
いくつかの実施形態では、カプシドタンパク質は、LK03カプシドタンパク質又はその機能的バリアントを含む。いくつかの実施形態では、AAVカプシドは、国際特許出願公開第2013029030号(その内容全体を参照により本明細書に組み込む)に記載されている配列、その断片又はバリアント、例えば、国際公開第2013029030号の配列番号31を含み得る。カプシドタンパク質をコードする核酸は、国際特許出願国際公開第2013029030号に記載されているヌクレオチド配列、例えば、配列番号4を含む。
【0170】
AAVウイルスゲノム
いくつかの態様では、本開示の組換えAAV粒子は、GALタンパク質をコードするウイルスゲノムを含む発現ベクターとして機能する。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、GALタンパク質及びシグナルペプチドをコードし得る。
【0171】
いくつかの実施形態では、組換えAAV粒子例えば、本明細書に記載されるGALタンパク質のベクター化送達のための組換えAAV粒子は、AAVウイルスゲノム、又はウイルスゲノムを含むAAVベクターを含む。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、以下のうちの1つ以上を更に含む:逆位末端配列(ITR)領域、エンハンサ(例えば、ApoE/C1エンハンサ)、プロモーター(例えば、hA1Atプロモーター)、イントロン領域(例えば、ヒトβ-グロビン短縮型イントロン)、Kozak配列、ペイロードをコードする導入遺伝子をコードする核酸(例えば、本明細書に記載されるGALタンパク質)、ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)配列、ポリAシグナル領域、又はそれらの組合せを含む。
【0172】
ウイルスゲノム成分:逆位末端配列(ITR)
いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、少なくとも1つの逆位末端配列(ITR)領域を含み得る。本開示のAAV粒子は、少なくとも1つのITR領域及びペイロード領域を有するウイルスゲノム、すなわち、タンパク質、例えば、GALタンパク質をコードする導入遺伝子を含む。ITR配列は、ペイロード領域に対して5’又は3’のいずれかに位置する。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、2つのITRを有する。これらの2つのITRは、5’及び3’末端でペイロード領域に隣接する。いくつかの実施形態では、ITRは、複製のための認識部位を含む複製起点として機能する。いくつかの実施形態では、ITRは、相補的であり、対称的に配置され得る配列領域を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるウイルスゲノムに組み込まれるITRは、天然に存在するポリヌクレオチド配列又は組換え由来のポリヌクレオチド配列から構成され得る。
【0173】
ITRは、カプシド又はその誘導体と同じ血清型に由来し得る。ITRは、カプシドとは異なる血清型のものであってもよい。いくつかの実施形態では、AAV粒子は、2つ以上のITRを有する。非限定的な例において、AAV粒子は、2つのITRを含むウイルスゲノムを有する。いくつかの実施形態では、ITRは、互いに同じ血清型である。別の実施形態では、ITRは異なる血清型のものである。非限定的な例としては、カプシドと同じ血清型を有するITRのうちの0、1つ又は両方が挙げられる。いくつかの実施形態では、AAV粒子のウイルスゲノムの両方のITRがAAV2 ITRである。
【0174】
独立して、各ITRは、約100~約150ヌクレオチド長であり得る。いくつかの実施形態では、ITRは、100~180ヌクレオチド長、例えば、約100~115、約100~120、約100~130、約100~140、約100~150、約100~160、約100~170、約100~180、約110~120、約110~130、約110~140、約110~150、約110~160、約110~170、約110~180、約120~130、約120~140、約120~150、約120~160、約120~170、約120~180、約130~140、約130~150、約130~160、約130~170、約130~180、約140~150、約140~160、約140~170、約140~180、約150~160、約150~170、約150~180、約160~170、約160~180又は約170~180ヌクレオチド長を含む。ITR長の非限定的な例は、120、130、140、141、142、145ヌクレオチド長である。
【0175】
いくつかの実施形態では、ITRは、配列番号17~18のいずれか1つのヌクレオチド配列、又は前述の配列のいずれかと実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)のヌクレオチド配列を含む。
【0176】
ウイルスゲノム成分:プロモーター及び発現エンハンサ
いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、導入遺伝子標的特異性及び発現を増強するための少なくとも1つのエレメントを含む。導入遺伝子標的特異性及び発現を増強するためのエレメントの非限定的な例としては、プロモーター、内因性miRNA、転写後調節エレメント(PRE)、ポリアデニル化(ポリA)シグナル配列、上流エンハンサ(USE)、CMVエンハンサ、及びイントロンが挙げられる。例えば、Powell et al.Viral Expression Cassette Elements to Enhance Transgene Target Specificity and Expression in Gene Therapy,2015を参照されたく、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0177】
いくつかの実施形態では、標的細胞におけるポリペプチドの発現は、種特異的、誘導性、組織特異的又は細胞周期特異的であるプロモーターを含むがこれらに限定されない特異的プロモーターによって駆動され得る(Parr et al.,Nat.Med.3:1145-9(1997);その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
【0178】
いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、導入遺伝子によってコードされるペイロード(例えば、GALタンパク質)の、例えば、標的細胞における発現に十分なプロモーターを含む。いくつかの実施形態では、プロモーターは、AAV粒子のウイルスゲノムのペイロード領域にコードされるポリペプチド(複数可)の発現を駆動する場合、効率的であると見なされる。
【0179】
いくつかの実施形態では、プロモーターは、標的とされる細胞又は組織において発現を駆動する場合に効率的であると考えられるプロモーターである。
【0180】
いくつかの実施形態では、プロモーターは、標的組織において一定期間、GALタンパク質の発現を駆動する。プロモーターによって駆動される発現は、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週、8日、9日、10日、11日、12日、13日、2週、15日、16日、17日、18日、19日、20日、3週、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日、31日、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月11ヶ月、1年、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月、21ヶ月、22ヶ月、23ヶ月、2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、9年、10年、10年超の期間であり得る。発現は、1~5時間、1~12時間、1~2日、1~5日、1~2週間、1~3週間、1~4週間、1~2ヶ月、1~4ヶ月、1~6ヶ月、2~6ヶ月、3~6ヶ月、3~9ヶ月、4~8ヶ月、6~12ヶ月、1~2年、1~5年、2~5年、3~6年、3~8年、4~8年、又は5~10年であってもよい。
【0181】
いくつかの実施形態では、プロモーターは、ポリペプチド(例えば、GALポリペプチド)の発現を、少なくとも1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、1年、2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、9年、10年、11年、12年、13年、14年、15年、16年、17年、18年、19年、20年、21年、22年、23年、24年、25年、26年、27年、28年、29年、30年、31年、32年、33年、34年、35年、36年、37年、38年、39年、40年、41年、42年、43年、44年、45年、46年、47年、48年、49年、50年、55年、60年、65年、又は65年超駆動する。
【0182】
プロモーターは、天然に存在するものであっても天然に存在しないものであってもよい。プロモーターの非限定的な例としては、ウイルスプロモーター、植物プロモーター及び哺乳動物プロモーターが挙げられる。いくつかの実施形態では、プロモーターはヒトプロモーターであってもよい。いくつかの実施形態によれば、プロモーターは、合成であり得る。
【0183】
いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、1つ以上の、例えば、複数の細胞及び/又は組織における発現をもたらすプロモーター、例えば、遍在性プロモーターを含む。いくつかの実施形態では、ほとんどの哺乳動物組織において発現を駆動又は促進するプロモーターとしては、ヒト伸長因子1α-サブユニット(EF1α)、サイトメガロウイルス(CMV)最初期エンハンサ及び/又はプロモーター、ニワトリβ-アクチン(CBA)及びその誘導体CAG、βグルクロニダーゼ(GUSB)、並びにユビキチンC(UBC)が挙げられるが、これらに限定されない。組織特異的発現エレメントは、特定の細胞型(例えば、肝臓特異的プロモーター、CNS特異的プロモーター、B細胞プロモーター、単球プロモーター、白血球プロモーター、マクロファージプロモーター、膵臓腺房細胞プロモーター、内皮細胞プロモーター、肺組織プロモーター、星状細胞プロモーター、又は種々の特異的神経系細胞型プロモーター(これらは、例えば、ニューロン、星状細胞、又は希突起膠細胞に発現を制限するために使用され得る)が挙げられるが、これらに限定されない)に発現を制限するために使用され得る。例示的なプロモーターとしては、EF-1αプロモーター、ニワトリβ-アクチン(CBA)プロモーター及び/又はその誘導体CAG、CMV前初期エンハンサ及び/又はプロモーター、βグルクロニダーゼ(GUSB)プロモーター、ユビキチンC(UBC)プロモーター、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)、血小板由来増殖因子(PDGF)プロモーター、血小板由来増殖因子B鎖(PDGF-β)プロモーター、細胞間接着分子2(ICAM-2)プロモーター、シナプシン(Syn)プロモーター、メチル-CpG結合タンパク質2(MeCP2)プロモーター、Ca2+/カルモジュリン依存性タンパク質キナーゼII(CaMKII)プロモーター、代謝型グルタミン酸受容体2(mGluR2)プロモーター、神経フィラメント軽鎖(NFL)又は重鎖(NFH)プロモーター、β-グロビンミニ遺伝子nβ2プロモーター、プレプロエンケファリン(PPE)プロモーター、エンケファリン(Enk)及び興奮性アミノ酸輸送体2(EAAT2)、グリア線維酸性タンパク質(GFAP)プロモーター、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)プロモーター、心血管プロモーター(例えば、αMHC、cTnT、及びCMV-MLC2k)、肝臓プロモーター例えば、hA1AT、TBG)、骨格筋プロモーター例えば、デスミン、MCK、C512)又はその断片例えば、切断物、若しくは機能的バリアントが挙げられるが、これらに限定されない。
【0184】
いくつかの実施形態では、プロモーターは、Yu et al.(Molecular Pain 2011,7:63),Soderblom et al.(E.Neuro 2015),Gill et al.,(Gene Therapy 2001,Vol.8,1539-1546)、及びHusain et al.(Gene Therapy 2009)に記載されているような遍在性プロモーターであり、これらはそれぞれ参照によりその全体が組み込まれる。
【0185】
いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、肝臓特異的プロモーター、例えば、肝細胞及び/又は組織においてペイロードの発現をもたらすプロモーターを含む。いくつかの実施形態では、肝臓特異的プロモーターは、ヒトα-1-アンチトリプシン(A1AT)プロモーターである。いくつかの実施形態では、プロモーターは、配列番号20のヌクレオチド配列、又は前述の配列と実質的に同一である例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%若しくは100%同一であるヌクレオチド配列を含む。
【0186】
いくつかの実施形態では、プロモーターは、1kb未満であり得る。プロモーターは、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800又は800を超えるヌクレオチドの長さを有し得る。プロモーターは、200~300、200~400、200~500、200~600、200~700、200~800、300~400、300~500、300~600、300~700、300~800、400~500、400~600、400~700、400~800、500~600、500~700、500~800、600~700、600~800、又は700~800ヌクレオチドの間の長さを有し得る。
【0187】
いくつかの実施形態では、プロモーターは、CMV及びCBA等であるがこれらに限定されない、同じ又は異なる出発プロモーター又は親プロモーターの2つ以上の成分の組合せであってもよい。各成分は、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、381、382、383、384、385、386、387、388、389、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800又は800を超えるヌクレオチドの長さを有し得る。各成分は、200~300、200~400、200~500、200~600、200~700、200~800、300~400、300~500、300~600、300~700、300~800、400~500、400~600、400~700、400~800、500~600、500~700、500~800、600~700、600~800又は700~800ヌクレオチドの間の長さを有し得る。
【0188】
いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、2つのプロモーターを含む。非限定的な例として、プロモーターは、A1ATプロモーター及びCMVプロモーターである。
【0189】
いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムはエンハンサエレメントを含む。本明細書において「エンハンサ」とも称されるエンハンサエレメントは、組織特異的エンハンサ、例えば、肝臓特異的エンハンサ、例えば、ヒトアポリポタンパク質E/C-I(ApoE/C-I)遺伝子座(又は肝臓制御領域)であり得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、エンハンサは、配列番号19のヌクレオチド配列、又は前述の配列と実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、エンハンサはCMVエンハンサである。
【0190】
いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、エンハンサ及び/又はプロモーターを含む。いくつかの実施形態では、エンハンサは、ApoE/C-Iエンハンサである。いくつかの実施形態では、プロモーターはA1ATプロモーターである。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、ApoE/C-Iエンハンサ及びヒトA1ATプロモーターを含む。
【0191】
いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、操作されたプロモーターを含む。別の実施形態では、ウイルスゲノムは、天然に発現されるタンパク質由来のプロモーターを含む。
【0192】
ウイルスゲノム成分:イントロン
いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、少なくとも1つのイントロン又はその断片若しくは誘導体を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのイントロンは、本明細書に記載のGALタンパク質の発現を増強し得る。イントロンの非限定的な例としては、ヒトβ-グロビンイントロン(例えば、476bps長の内部切断型ヒトβ-グロビンイントロン2)、MVM(67~97bps)、F.IX切断型イントロン1(300bps)、β-グロビンSD/免疫グロブリン重鎖スプライスアクセプター(250bps)、アデノウイルススプライスドナー/免疫グロブリンスプライスアクセプター(500bps)、SV40後期スプライスドナー/スプライスアクセプター(19S/16S)(180bps)、及びハイブリッドアデノウイルススプライスドナー/IgGスプライスアクセプター(230bps)が挙げられる。
【0193】
いくつかの実施形態では、イントロンは、100~500ヌクレオチド長であり得る。イントロンは、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490又は500ヌクレオチドの長さを有し得る。イントロンは、80~100、80~120、80~140、80~160、80~180、80~200、80~250、80~300、80~350、80~400、80~450、80~500、200~300、200~400、200~500、300~400、300~500又は400~500ヌクレオチドの長さを有し得る。
【0194】
いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、ヒトβグロビンイントロン又はその断片若しくはバリアントを含み得る。いくつかの実施形態では、イントロンは、1つ以上のヒトβグロビン配列(例えば、その断片/バリアントを含む)を含む。いくつかの実施形態では、プロモーターはヒトA1ATプロモーターであり得る。
【0195】
いくつかの実施形態では、イントロンは、配列番号21のヌクレオチド配列、又は前述の配列のいずれかと実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)のヌクレオチド配列を含む。
【0196】
いくつかの実施形態では、コードされたタンパク質は、限定されないが、SV40イントロン又はベータグロビンイントロン又は当技術分野で公知の他のもの等の発現ベクター中のイントロンの下流に位置し得る。更に、コードされたGALタンパク質はまた、発現ベクター中のポリアデニル化配列の上流に位置し得る。いくつかの実施形態では、コードされたタンパク質は、発現ベクター中のイントロンを含むプロモーターから(例えば、イントロンを含むプロモーターに対して3’側)の下流及び/又はポリアデニル化配列(例えば、ポリアデニル化配列に対して5’側)の上流の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、又は30、40、50、60、若しくは70を超えるヌクレオチドに位置し得る。いくつかの実施形態では、コードされたGALタンパク質は、発現ベクター中のイントロン(例えば、イントロンに対して3’)の下流及び/又はポリアデニル化配列(例えば、ポリアデニル化配列に対して5’)の上流の1~5、1~10、1~15、1~20、1~25、1~30、5~10、5~15、5~20、5~25、5~30、10~15、10~20、10~25、10~30、15~20、15~25、15~30、20~25、20~30、25~30、30~35、35~40、45~50、50~55、55~60、60~65又は65~70ヌクレオチド内に位置し得る。いくつかの実施形態では、コードされたタンパク質は、イントロン(A)から下流のヌクレオチドの最初の1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、又は25%超内に位置し得る。例えば、(イントロンに対して3’)及び/又はポリアデニル化配列の上流(例えば、ポリアデニル化配列に対して5’である)。いくつかの実施形態では、コードされるタンパク質は、発現ベクター中のイントロン(例えば、イントロンに対して3’)の下流及び/又はポリアデニル化配列(例えば、ポリアデニル化配列に対して5’)の上流の配列の最初の1~5%、1~10%、1~15%、1~20%、1~25%、5~10%、5~15%、5~20%、5~25%、10~15%、10~20%、10~25%、15~20%、15~25%、又は20~25%内に位置し得る。
【0197】
特定の実施形態では、イントロン配列は、エンハンサ配列ではない。いくつかの実施形態では、イントロン配列はプロモーター配列のサブコンポーネントではない。いくつかの実施形態では、イントロン配列はプロモーター配列のサブコンポーネントである。
【0198】
ウイルスゲノム成分:非翻訳領域(UTR)
いくつかの実施形態では、遺伝子の野生型非翻訳領域(UTR)は転写されるが、翻訳されない。一般に、5’UTRは転写開始部位で開始し、開始コドンで終了し、3’UTRは終止コドンの直後に開始し、転写のための終結シグナルまで続く。
【0199】
特定の標的器官の豊富に発現される遺伝子に典型的に見られる特徴は、安定性及びタンパク質産生を増強するためにUTRに操作され得る。非限定的な例として、肝臓で通常発現されるmRNA由来の5’UTR(例えば、アルブミン、血清アミロイドA、アポリポプロテインA/B/E、トランスフェリン、アルファフェトプロテイン、エリスロポエチン又は第VIII因子)を本開示のAAV粒子のウイルスゲノムで使用して、肝細胞株又は肝臓での発現を増強することができる。
【0200】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される導入遺伝子(例えば、GALタンパク質をコードする導入遺伝子をコードするウイルスゲノム)は、Kozak配列を含む。
【0201】
理論に束縛されることを望まないが、野生型5’非翻訳領域(UTR)は、翻訳開始において役割を果たす特徴を含む。リボソームが多くの遺伝子の翻訳を開始するプロセスに関与することが一般に知られているKozak配列は、通常、5’UTRに含まれる。Kozak配列はコンセンサスCCR(A/G)CCAUGGを有し、ここでRは開始コドン(ATG)の3塩基上流のプリン(アデニン又はグアニン)であり、これに別の「G」が続く。いくつかの実施形態では、脊椎動物mRNAにおける翻訳開始のための有利な状況は、GCCACCatgG(配列番号42)(M.Kozak,1996,Mammalian Genome 7:563)である。いくつかの実施形態では、Kozak配列は、配列番号22のヌクレオチド配列、又は前述の配列と実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)のヌクレオチド配列を含む。
【0202】
理論に拘束されることを望まないが、野生型3’UTRは、その中に埋め込まれたアデノシン及びウリジンのストレッチを有することが知られている。これらのAUに富むシグネチャーは、高い代謝回転率を有する遺伝子において特に一般的である。それらの配列特徴及び機能的特性に基づいて、AUリッチ要素(ARE)は、3つのクラス(その内容が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Chen et al,1995):クラスI ARE、例えば、限定されないが、c-Myc及びMyoDは、Uリッチ領域内にAUUUAモチーフのいくつかの分散コピーを含む。クラスII ARE(例えば、GM-CSF及びTNF-αであるが、これらに限定されない)は、2つ以上の重複するUUAUUUA(U/A)(U/A)ノナマーを有する。クラスIIIのARES(例えば、c-Jun及びミオゲニンが挙げられるが、これらに限定されない)は、あまり明確ではない。これらのUリッチ領域は、AUUUAモチーフを含まない。AREに結合するほとんどのタンパク質は、メッセンジャーを不安定化することが知られているが、ELAVファミリーのメンバー、最も顕著にはHuRは、mRNAの安定性を増加させることが実証されている。HuRは、3つのクラス全てのAREに結合する。HuR特異的結合部位を核酸分子の3’UTRに操作することは、HuR結合をもたらし、したがってメッセージの安定化インビボをもたらす。
【0203】
3’UTR AUリッチエレメント(ARE)の導入、除去又は修飾を用いて、ポリヌクレオチドの安定性を調節することができる。特定のポリヌクレオチド、例えば、ウイルスゲノムのペイロード領域を操作する場合、AREの1つ以上のコピーを導入して、ポリヌクレオチドの安定性を低下させ、それによって翻訳を削減し、得られるタンパク質の産生を減少させることができる。同様に、AREを同定し、除去又は変異させて、細胞内安定性を増加させ、したがって、得られるタンパク質の翻訳及び産生を増加させることができる。
【0204】
いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムの3’UTRは、ポリAテールの鋳型付加のためのオリゴ(dT)配列を含み得る。
【0205】
いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムの3’UTRは、ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)を含み得る。いくつかの実施形態では、WPREは、配列番号25のヌクレオチド配列、又は前述の配列と実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、WPREは、配列番号26の内部が切断されたヌクレオチド配列W3SL、又は前述の配列と実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)のヌクレオチド配列を含む。
【0206】
当技術分野で公知の任意の遺伝子由来の任意のUTRをAAV粒子のウイルスゲノムに組み込むことができる。これらのUTR又はその一部は、それらが選択された遺伝子と同じ向きに配置され得るか、又は向き若しくは位置が変更され得る。いくつかの実施形態では、AAV粒子のウイルスゲノムで使用されるUTRは、当技術分野で公知の1つ以上の他の5’UTR又は3’UTRで逆位、短縮、延長又は作製され得る。本明細書で使用される場合、UTRに関する「変更された」という用語は、UTRが参照配列に関して何らかの方法で変更されていることを意味する。例えば、3’又は5’UTRは、上記で教示されるような向き又は位置の変化によって野生型又は天然のUTRに対して変化し得るか、又は更なるヌクレオチドの包含、ヌクレオチドの欠失、ヌクレオチドの交換若しくは転位によって変化し得る。
【0207】
いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、野生型UTRのバリアントではない少なくとも1つの人工UTRを含む。
【0208】
いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、タンパク質が共通の機能、構造、特徴又は特性を共有する転写産物のファミリーから選択されたUTRを含む。
【0209】
ウイルスゲノム成分:ポリアデニル化配列
いくつかの実施形態では、本開示のウイルスゲノムは、少なくとも1つのポリアデニル化(ポリA)配列を含む。本開示のウイルスゲノムは、ペイロードコード配列の3’末端と3’UTRの5’末端との間にポリアデニル化配列を含み得る。いくつかの実施形態では、ポリAシグナル領域は、ペイロードをコードする導入遺伝子、例えば、本明細書に記載のGALタンパク質を含む核酸に対して3’に配置される。
【0210】
いくつかの実施形態では、ポリAシグナル領域は約100~600ヌクレオチド、例えば、約100~500ヌクレオチド、約100~400ヌクレオチド、約100~300ヌクレオチド、約100~200ヌクレオチド、約200~600ヌクレオチド、約200~500ヌクレオチド、約200~400ヌクレオチド、約200~300ヌクレオチド、約300~600ヌクレオチド、約300~500ヌクレオチド、約300~400ヌクレオチド、約400~600ヌクレオチド、約400~500ヌクレオチド又は約500~600ヌクレオチドの長さを含む。いくつかの実施形態では、ポリAシグナル領域は、約100~150ヌクレオチド、例えば、約127ヌクレオチドの長さを含む。いくつかの実施形態では、ポリAシグナル領域は、約450~500ヌクレオチド、例えば、約477ヌクレオチドの長さを含む。いくつかの実施形態では、ポリAシグナル領域は、約520~約560ヌクレオチド、例えば、約552ヌクレオチドの長さを含む。いくつかの実施形態では、ポリAシグナル領域は約127ヌクレオチドの長さを含む。
【0211】
いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、ウシ成長ホルモン(bGH)ポリA配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリA配列は、配列番号23のヌクレオチド配列、又は前述の配列と実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)のヌクレオチド配列を含む。
【0212】
いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムはSV40ポリA配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリA配列は、配列番号24のヌクレオチド配列、又は前述の配列と実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)のヌクレオチド配列を含む。
【0213】
ウイルスゲノム成分:フィラー配列
いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、1つ以上のフィラー配列を含む。フィラー配列は、野生型配列又は操作された配列であり得る。フィラー配列は、野生型配列のバリアントであってもよい。いくつかの実施形態では、フィラー配列は、ヒトアルブミンの誘導体である。
【0214】
いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、パッケージングに最適なサイズであるウイルスゲノムの長さを有するために、1つ以上のフィラー配列を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、ウイルスゲノムの長さを約2.3kbにするために、少なくとも1つのフィラー配列を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、ウイルスゲノムの長さを約4.6kbにするために、少なくとも1つのフィラー配列を含む。
【0215】
いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、一本鎖(ss)ウイルスゲノムを含み、独立して又は一緒に、約0.1kb~3.8kb、例えば、これらに限定されないが、0.1kb、0.2kb、0.3kb、0.4kb、0.5kb、0.6kb、0.7kb、0.8kb、0.9kb、1kb、1.1kb、1.2kb、1.3kb、1.4kb、1.5kb、1.6kb、1.7kb、1.8kb、1.9kb、2kb、2.1kb、2.2kb、2.3kb、2.4kb、2.5kb、2.6kb、2.7kb、2.8kb、2.9kb、3kb、3.1kb、3.2kb、3.3kb、3.4kb、3.5kb、3.6kb、3.7kb又は3.8kbの長さを有する1つ以上のフィラー配列を含む。いくつかの実施形態では、ベクターゲノム中の全長フィラー配列は、3.1kbである。いくつかの実施形態では、ベクターゲノム中の全長フィラー配列は、2.7kbである。いくつかの実施形態では、ベクターゲノム中の全長フィラー配列は0.8kbである。いくつかの実施形態では、ベクターゲノム中の全長フィラー配列は0.4kbである。いくつかの実施形態では、ベクターゲノム中の各フィラー配列の長さは0.8kbである。いくつかの実施形態では、ベクターゲノム中の各フィラー配列の長さは0.4kbである。
【0216】
いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、自己相補的(sc)ウイルスゲノムを含み、独立して又は一緒に、約0.1kb~1.5kb、例えば、これらに限定されないが、0.1kb、0.2kb、0.3kb、0.4kb、0.5kb、0.6kb、0.7kb、0.8kb、0.9kb、1kb、1.1kb、1.2kb、1.3kb、1.4kb又は1.5kbの長さを有する1つ以上のフィラー配列を含む。いくつかの実施形態では、ベクターゲノム中の全長フィラー配列は0.8kbである。いくつかの実施形態では、ベクターゲノム中の全長フィラー配列は0.4kbである。いくつかの実施形態では、ベクターゲノム中の各フィラー配列の長さは0.8kbである。いくつかの実施形態では、ベクターゲノム中の各フィラー配列の長さは0.4kbである。
【0217】
いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、フィラー配列の任意の部分を含む。ウイルスゲノムは、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は99%のフィラー配列を含み得る。
【0218】
いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、少なくとも1つのフィラー配列を含み、フィラー配列は、5’ITR配列の3’側に位置する。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは少なくとも1つのフィラー配列を含み、フィラー配列はプロモーター配列の5’側に位置する。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは少なくとも1つのフィラー配列を含み、フィラー配列はポリアデニル化シグナル配列の3’側に位置する。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは少なくとも1つのフィラー配列を含み、フィラー配列は3’ITR配列の5’側に位置する。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは少なくとも1つのフィラー配列を含み、フィラー配列は2つのイントロン配列の間に位置する。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは少なくとも1つのフィラー配列を含み、フィラー配列はイントロン配列内に位置する。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは2つのフィラー配列を含み、第1のフィラー配列は5’ITR配列の3’側に位置し、第2のフィラー配列はポリアデニル化シグナル配列の3’側に位置する。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは2つのフィラー配列を含み、第1のフィラー配列はプロモーター配列の5’側に位置し、第2のフィラー配列はポリアデニル化シグナル配列の3’側に位置する。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、2つのフィラー配列を含み、第1のフィラー配列は、5’ITR配列の3’側に位置し、第2のフィラー配列は、5’ITR配列の5’側に位置する。
【0219】
いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、ウイルスゲノムの1つ以上の領域の間に1つ以上のフィラー配列を含み得る。いくつかの実施形態では、フィラー領域は、ペイロード領域、逆位末端配列(ITR)、プロモーター領域、イントロン領域、エンハンサ領域、ポリアデニル化シグナル配列領域、及び/又はエクソン領域等であるがこれらに限定されない領域の前に位置し得る。いくつかの実施形態、フィラー領域は、ペイロード領域、逆位末端配列(ITR)、プロモーター領域、イントロン領域、エンハンサ領域、ポリアデニル化シグナル配列領域、及び/又はエクソン領域等であるがこれらに限定されない領域の後に位置し得る。いくつかの実施形態、フィラー領域は、ペイロード領域、逆位末端配列(ITR)、プロモーター領域、イントロン領域、エンハンサ領域、ポリアデニル化シグナル配列領域、及び/又はエクソン領域等であるがこれらに限定されない領域の前後に位置し得る。
【0220】
いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、5’ITRの後にフィラー配列を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、プロモーター領域の後にフィラー配列を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、ペイロード領域の後にフィラー配列を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、イントロン領域の後にフィラー配列を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、エンハンサ領域の後にフィラー配列を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、ポリアデニル化シグナル配列領域の後にフィラー配列を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、エクソン領域の後にフィラー配列を含む。
【0221】
いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、プロモーター領域の前にフィラー配列を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、ペイロード領域の前にフィラー配列を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、イントロン領域の前にフィラー配列を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、エンハンサ領域の前にフィラー配列を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、ポリアデニル化シグナル配列領域の前にフィラー配列を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、エクソン領域の前にフィラー配列を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、3’ITRの前にフィラー配列を含む。
【0222】
いくつかの実施形態では、フィラー配列は、5’ITR及びプロモーター領域等であるがこれらに限定されない2つの領域の間に位置し得る。いくつかの実施形態では、フィラー配列は、5’ITR及びペイロード領域等であるがこれらに限定されない2つの領域の間に位置し得る。いくつかの実施形態では、フィラー配列は、5’ITR及びイントロン領域等であるがこれらに限定されない2つの領域の間に位置し得る。いくつかの実施形態では、フィラー配列は、5’ITR及びエンハンサ領域等であるがこれらに限定されない2つの領域の間に位置し得る。いくつかの実施形態では、フィラー配列は、5’ITR及びポリアデニル化シグナル配列領域等であるがこれらに限定されない2つの領域の間に位置し得る。
【0223】
いくつかの実施形態では、フィラー配列は、2つの領域(例えば、プロモーター領域及びペイロード領域であるが、これらに限定されない)の間に位置し得る。いくつかの実施形態では、フィラー配列は、2つの領域(例えば、プロモーター領域及びイントロン領域であるが、これらに限定されない)の間に位置し得る。いくつかの実施形態では、フィラー配列は、2つの領域(例えば、プロモーター領域及びエンハンサ領域であるが、これらに限定されない)の間に位置し得る。いくつかの実施形態では、フィラー配列は、2つの領域(例えば、プロモーター領域及びポリアデニル化シグナル配列領域であるが、これらに限定されない)の間に位置し得る。いくつかの実施形態では、フィラー配列は、2つの領域(例えば、プロモーター領域及びエキソン領域であるが、これらに限定されない)の間に位置し得る。いくつかの実施形態では、フィラー配列は、2つの領域(例えば、プロモーター領域及び3’ITRが挙げられるが、これらに限定されない)の間に位置し得る。
【0224】
いくつかの実施形態では、フィラー配列は、2つの領域(例えば、ペイロード領域及びイントロン領域であるが、これらに限定されない)の間に位置し得る。いくつかの実施形態では、フィラー配列は、2つの領域(例えば、ペイロード領域及びエンハンサ領域であるが、これらに限定されない)の間に位置し得る。いくつかの実施形態では、フィラー配列は、2つの領域(例えば、ペイロード領域及びポリアデニル化シグナル配列領域であるが、これらに限定されない)の間に位置し得る。いくつかの実施形態では、フィラー配列は、2つの領域(例えば、ペイロード領域及びエキソン領域であるが、これらに限定されない)の間に位置し得る。
【0225】
ウイルスゲノム成分:ペイロード
いくつかの実施形態では、組換えAAV粒子、例えば、GALタンパク質のベクター化送達のためのAAV粒子は、ペイロードをコードするウイルスゲノムを含む。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、ペイロードをコードする導入遺伝子を含む核酸に作動可能に連結されたプロモーターを含む。いくつかの実施形態では、ペイロードは、GALタンパク質を含む。
【0226】
いくつかの実施形態では、本明細書中の開示は、遺伝子療法ベクターによって送達されるGALタンパク質の発現及び/又は活性の改善を可能にする構築物を提供する。
【0227】
いくつかの実施形態では、本開示は、遺伝子療法ベクターによって送達されるGALタンパク質の生体分布の改善を可能にする構築物を提供する。
【0228】
いくつかの実施形態では、本開示は、遺伝子療法ベクターによって送達されるGALタンパク質の細胞内分布又は輸送の改善を可能にする構築物を提供する。
【0229】
いくつかの実施形態では、本開示は、遺伝子療法ベクターによって送達されるリソソーム膜へのGALタンパク質の輸送の改善を可能にする構築物を提供する。
【0230】
いくつかの態様では、本開示は、肝臓指向性カプシドタンパク質、例えば、sL65カプシドタンパク質、及びGALタンパク質又はその機能的断片若しくはバリアントをコードする導入遺伝子を含む核酸を含む単離された組換えAAV粒子を含む組成物、並びに対象、例えば、ヒト及び/又は疾患、例えば、GAL関連疾患、例えばリソソーム蓄積症、例えばファブリー病のモデルにおいて組成物をインビトロ又はインビボ投与又は送達する方法に関する。
【0231】
本開示のAAV粒子は、少なくとも1つの「ペイロード」をコードする核酸配列を含み得る。本明細書中で使用される場合、「ペイロード」又は「ペイロード領域」とは、ウイルスゲノムによってコードされるか、若しくはウイルスゲノム内にある1つ以上のポリヌクレオチド若しくはポリヌクレオチド領域、又はこのようなポリヌクレオチド若しくはポリヌクレオチド領域の発現産物、例えば、導入遺伝子、ポリペプチド若しくはマルチポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えば、GALタンパク質又はその断片若しくはバリアントをいう。ペイロードは、ペイロードを保有するAAVビリオンで形質導入又は接触された標的細胞におけるGALタンパク質の発現(タンパク質産物の補充又は調節性核酸を用いた遺伝子置換による)に有用な、当該分野で公知の任意の核酸を含み得る。
【0232】
本明細書に記載されるようなAAVゲノムにおける使用のためのGALをコードする導入遺伝子の特定の特徴は、野生型GALコード配列及びコドン最適化GALコード構築物の使用を含む。
【0233】
いくつかの実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は野生型GALコード配列であり、野生型GALタンパク質又はその機能的バリアントをコードする。いくつかの実施形態では、機能的バリアントは、所望の治療効果を達成するために、その野生型対応物の活性の一部又は全てを保持するバリアントである。例えば、いくつかの実施形態では、機能的バリアントは、障害又は状態、例えば、GLA遺伝子産物欠損又はGAL関連障害、例えば、リソソーム蓄積障害、例えば、ファブリー病を処置するための遺伝子治療において使用されるのに有効である。他に示されない限り、本明細書に記載されるようなGALタンパク質のバリアント、例えば、本開示の構築物、ベクター、ゲノム、方法、キット、組成物等の文脈においては、機能的バリアントである。いくつかの実施形態では、GALタンパク質は、野生型GALタンパク質のアミノ酸1~429(例えば、GALタンパク質NP_000160.1)を含む。いくつかの実施形態では、GALタンパク質は野生型GALタンパク質のアミノ酸32-429を含む。いくつかの実施形態では、コードされたGALタンパク質は、ヒト、非ヒト霊長類、又は齧歯類等の任意の種に由来してもよいが、これらに限定されない。
【0234】
いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、ヒト(Homo sapiens)GALタンパク質、又はそのバリアントをコードするペイロード領域(又は導入遺伝子)を含む。
【0235】
【表1】
【0236】
いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、表1に提供されるように、ヒトGALタンパク質配列又はその断片に対して少なくとも85%、例えば、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の配列同一性を有するポリペプチドをコードする核酸配列を含む。
【0237】
いくつかの実施形態では、GALタンパク質は、カニクイザル、マカ・ファスカシクラリス(Macaca fascicularis)等の非ヒト霊長類の配列をコードするGALタンパク質に由来する。特定の実施形態は、GALタンパク質をカ・ファスカシクラリス(Macaca fascicularis)配列のヒト化バージョンとして提供する。
【0238】
いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、カニクイザル又はカニ目(ロングテール)カ・ファスカシクラリス(Macaca fascicularis)GALタンパク質、又はそのバリアントをコードするペイロード領域を含む。
【0239】
いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、アカゲザル(Macaca mulatta)GALタンパク質又はそのバリアントをコードするペイロード領域を含む。
【0240】
いくつかの実施形態では、導入遺伝子によってコードされるGALタンパク質は、上記及び表1に提供されるもののいずれかと50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。
【0241】
いくつかの実施形態では、GALタンパク質は、上記及び表1に提供されるもののいずれかと50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する核酸配列によってコードされ得る。
【0242】
本明細書に記載されるGALタンパク質ペイロードは、任意のGALタンパク質、又はGALタンパク質の任意の部分若しくは誘導体をコードすることができ、表1に提供されるGALタンパク質又はタンパク質コード配列に限定されない。
【0243】
いくつかの実施形態では、GALタンパク質又はその機能的バリアントは、配列番号1のアミノ酸配列、又は配列番号1と実質的に同一の(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)アミノ酸を含む。
【0244】
いくつかの実施形態では、GALをコードする導入遺伝子は、配列番号2のヌクレオチド配列、又は配列番号2と実質的に同一の(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)ヌクレオチド配列を含む。
【0245】
いくつかの実施形態では、同じ又は本質的に同じGALタンパク質アミノ酸配列(例えば、少なくとも約90%のアミノ酸配列同一性を有するもの)をコードするコドン最適化された及び他のバリアントも使用され得る。
【0246】
いくつかの実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、配列番号3~5に示される配列、又は前述の配列のいずれかと実質的に同一の(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)ヌクレオチド配列等のヒト細胞を含む哺乳動物細胞における発現のためにコドン最適化されている。
【0247】
ペイロード構築物は、コード核酸配列と非コード核酸配列との組合せを含み得る。
【0248】
ウイルスゲノムの任意のセグメント、断片、又は全体及びその中のペイロード領域は、コドン最適化され得る。
【0249】
いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、1つ以上のペイロードをコードする。非限定的な例として、1つ以上のペイロードをコードするウイルスゲノムを複製し、ウイルス粒子にパッケージングすることができる。1つ以上のペイロードを含むウイルス粒子で形質導入された標的細胞は、単一細胞においてペイロードのそれぞれを発現し得る。
【0250】
いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、コード又は非コードRNAをコードし得る。特定の実施形態では、アデノ随伴ウイルスベクター粒子は、Kozak配列、骨格配列、及びイントロン配列からなる群から選択される少なくとも1つのシスエレメントを更に含む。
【0251】
いくつかの実施形態では、ペイロードは、ペプチド又はタンパク質であり得るポリペプチドである。ペイロード構築物によってコードされるタンパク質は、分泌タンパク質、細胞内タンパク質、細胞外タンパク質、及び/又は膜タンパク質を含み得る。コードされたタンパク質は、構造的であっても機能的であってもよい。ウイルスゲノムによってコードされるタンパク質としては、哺乳動物タンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、AAV粒子は、GALタンパク質又はその断片若しくはバリアントをコードするウイルスゲノムを含む。本明細書に記載されるAAV粒子は、ヒト疾患、獣医学的適用、並びに種々のインビボ及びインビトロ状況の分野において有用であり得る。
【0252】
いくつかの実施形態では、ペイロードは、細胞の形質転換及び発現を評価するためのマーカータンパク質として機能するポリペプチド、融合タンパク質、所望の生物学的活性を有するポリペプチド、遺伝的欠陥を補完することができる遺伝子産物、RNA分子、転写因子、並びに調節及び/又は発現において対象となる他の遺伝子産物を含み得る。いくつかの実施形態では、ペイロードは、所望の効果又は調節機能を提供するヌクレオチド配列(例えば、トランスポゾン、転写因子)を含み得る。
【0253】
コード化されたペイロードは、遺伝子治療産物を含み得る。遺伝子治療産物は、標的細胞において発現される場合、所望の治療効果を提供する、ポリペプチド、RNA分子、又は他の遺伝子産物を含み得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、遺伝子治療産物は、非機能性遺伝子又は存在しないか、不十分な量で発現されるか、又は変異している遺伝子の代替物を含み得る。いくつかの実施形態では、遺伝子治療製品は、存在しないか、不十分な量で発現されるか、ミスフォールドしているか、速すぎる速度で分解されるか、又は変異している非機能性タンパク質若しくはポリペプチド又はタンパク質若しくはポリペプチドの代替物を含み得る。例えば、遺伝子治療製品は、GAL欠損症又はGAL関連障害を治療するためのGALタンパク質又はGALタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含み得る。
【0254】
いくつかの実施形態では、ペイロードは、メッセンジャーRNA(mRNA)をコードする。本明細書で使用される場合、「メッセンジャーRNA」(mRNA)という用語は、目的のポリペプチドをコードし、翻訳されて、コードされた目的のポリペプチドをインビトロ、インビボ、インサイチュ、又はエクスビボ産生することができる任意のポリヌクレオチドを指す。特定の実施形態は、GAL又はそのバリアントをコードするmRNAを提供する。
【0255】
mRNAの成分としては、コード領域、5’-UTR(非翻訳領域)、3’-UTR、5’-キャップ及びポリAテールが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、コードされたmRNA又はAAVゲノムの任意の部分は、コドン最適化され得る。
【0256】
いくつかの実施形態では、GAL又はそのバリアントをコードするペイロード構築物によってコードされるタンパク質又はポリペプチドは、約50~約4500アミノ酸残基長(以下、この文脈において、「長さがX個のアミノ酸」は、X個のアミノ酸残基を指す)である。いくつかの実施形態では、コードされるタンパク質又はポリペプチドは、50~2000アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、コードされるタンパク質又はポリペプチドは、50~1000アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、コードされるタンパク質又はポリペプチドは、50~1500アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、コードされるタンパク質又はポリペプチドは、50~1000アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、コードされるタンパク質又はポリペプチドは、50~800アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、コードされるタンパク質又はポリペプチドは、50~600アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、コードされるタンパク質又はポリペプチドは、50~400アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、コードされるタンパク質又はポリペプチドは、50~200アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、コードされるタンパク質又はポリペプチドは、50~100アミノ酸長である。
【0257】
ペイロードをコードするペイロード構築物は、選択マーカーを含み得るか、又はコードし得る。選択マーカーは、選択マーカーを発現してもしなくてもよい細胞集団からの宿主細胞の同定、選択及び/又は精製を可能にする、宿主細胞において発現される遺伝子配列又は遺伝子配列によってコードされるタンパク質若しくはポリペプチドを含んでもよい。いくつかの実施形態では、選択マーカーは、そうでなければ宿主細胞を死滅させるであろう選択プロセス、例えば、抗生物質による処理を生き残るための耐性を提供する。いくつかの実施形態、抗生物質選択マーカーは、ネオマイシン耐性、例えば、neo、ハイグロマイシン耐性、カナマイシン耐性、及び/又はピューロマイシン耐性を含むがこれらに限定されない1つ以上の抗生物質耐性因子を含んでもよい。
【0258】
いくつかの実施形態では、ペイロードをコードするペイロード構築物は、β-ラクタマーゼ、ルシフェラーゼ、β-ガラクトシダーゼ、又はCD4若しくは切断型神経成長因子(NGFR)等の細胞表面マーカーを含む当技術分野で理解されているような任意の他のレポーター遺伝子を含むがこれらに限定されない選択可能なマーカーを含み得る(GFPについては、国際公開第96/23810号;Heim et al.,Current Biology 2:178-182(1996);Heim et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA (1995);又はHeim et al.,Science 373:663-664(1995);β-ラクタマーゼについては、国際公開第96/30540号を参照されたい);その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
【0259】
いくつかの実施形態では、選択マーカーをコードするペイロード構築物は、蛍光タンパク質を含み得る。本明細書に記載される蛍光タンパク質は、緑色、黄色、及び/又は赤色蛍光タンパク質(GFP、YFP、及び/又はRFP)を含むがこれらに限定されない任意の蛍光マーカーを含み得る。いくつかの実施形態では、選択可能マーカーをコードするペイロード構築物は、ヒトインフルエンザ血球凝集素(HA)タグを含んでもよい。
【0260】
特定の実施形態では、標的細胞におけるペイロードの発現のための核酸は、ウイルスゲノムに組み込まれ、2つのITR配列の間に位置する。
【0261】
ペイロード成分:シグナル配列
いくつかの実施形態では、ペイロード、例えば、GALタンパク質をコードする導入遺伝子を含む核酸配列は、シグナル配列(例えば、本明細書におけるシグナル配列領域)をコードする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ペイロードをコードする導入遺伝子を含む核酸配列は、2つのシグナル配列領域を含む。いくつかの実施形態では、ペイロードをコードする導入遺伝子を含む核酸配列は、3つ以上のシグナル配列領域を含む。
【0262】
いくつかの実施形態では、シグナル配列をコードするヌクレオチド配列は、GALタンパク質をコードするヌクレオチド配列に対して5’に位置する。いくつかの実施形態では、コードされたGALタンパク質は、N末端にシグナル配列を含み、シグナル配列は、GALタンパク質の細胞プロセシング及び/又は局在化中に場合により切断される。
【0263】
いくつかの実施形態では、シグナル配列は、GALタンパク質、例えばヒトGALタンパク質の天然シグナル配列である。
【0264】
いくつかの実施形態では、ヒトGALシグナル配列は、配列番号6のアミノ酸配列、又は配列番号6と実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)のアミノ酸配列を含み得る。いくつかの実施形態では、シグナル配列は、配列番号6と比較して、少なくとも1、2、又は3つであるが、4つ以下の修飾、例えば置換を有するアミノ酸配列を含み得る。
【0265】
いくつかの実施形態では、ヒトGALシグナル配列は、配列番号7の核酸配列、又は配列番号7と実質的に同一の(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)核酸配列によってコードされ得る。
【0266】
いくつかの実施形態では、ヒトGALシグナル配列をコードする核酸はコドン最適化されている。いくつかの実施形態では、シグナル配列は、配列番号8~10のいずれか1つの核酸配列、又は配列番号8~10のいずれか1つと実質的に同一の(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)核酸配列によってコードされ得る。
【0267】
いくつかの実施形態では、シグナル配列は異種シグナル配列である。
【0268】
いくつかの実施形態では、異種シグナル配列は、ヒト又はマウスIgG1シグナル配列である。
【0269】
いくつかの実施形態では、マウスIgG1シグナル配列及びヒトIgG1シグナル配列は、配列番号11のアミノ酸配列、又は配列番号11と実質的に同一の(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)アミノ酸配列を含み得る。いくつかの実施形態では、シグナル配列は、配列番号11と比較して、少なくとも一つ、二つ、又は三つであるが、四つ以下の修飾、例えば、置換を有するアミノ酸配列を含み得る。
【0270】
いくつかの実施形態では、ヒトIgG1シグナル配列は、配列番号12の核酸配列、又は配列番号12と実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)の核酸配列によってコードされ得る。
【0271】
いくつかの実施形態では、マウスIgG1シグナル配列は、配列番号12の核酸配列、又は配列番号12と実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)の核酸配列によってコードされ得る。
【0272】
いくつかの実施形態では、IgG1シグナル配列(例えば、マウス及び/又はヒト配列)をコードする核酸は、コドン最適化されている。いくつかの実施形態では、シグナル配列は、配列番号13若しくは14の核酸配列、又は配列番号13若しくは14と実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%若しくは100%同一)の核酸配列によってコードされ得る。
【0273】
いくつかの実施形態では、異種シグナル配列は、合成IgG1シグナル配列である。
【0274】
いくつかの実施形態では、合成IgG1シグナル配列は、配列番号15のアミノ酸配列、又は配列番号15と実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)のアミノ酸配列を含み得る。いくつかの実施形態では、シグナル配列は、配列番号15と比較して、少なくとも一つ、二つ、又は三つであるが、四つ以下の修飾、例えば、置換を有するアミノ酸配列を含み得る。
【0275】
いくつかの実施形態では、合成IgG1シグナル配列は、配列番号16の核酸配列、又は配列番号16と実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)の核酸配列によってコードされ得る。
【0276】
いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列、例えば、ヒトGALシグナルペプチドは、配列番号6のアミノ酸配列又は配列番号6と実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)のアミノ酸配列を含み、コードされたGALタンパク質は、配列番号1のアミノ酸配列、又は配列番号1と実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、コードされたGALタンパク質に対してN末端に位置する。いくつかの実施形態では、ヒトGALシグナルペプチド配列を有するコードされたGALタンパク質は、配列番号27のアミノ酸配列、又は配列番号27と実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)のアミノ酸配列を含む。
【0277】
いくつかの実施形態では、ヒトGALシグナル配列をコードするヌクレオチド配列は、配列番号7~10のいずれか1つのヌクレオチド配列又は配列番号7~10のいずれか1つと実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)の核酸配列を含み、GALタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号2~5のいずれか1つのヌクレオチド配列又は配列番号2~5のいずれか1つと実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)の核酸配列を含む。
【0278】
いくつかの実施形態では、シグナル配列をコードするヌクレオチド配列は、配列番号7のヌクレオチド配列又は配列番号7と実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)の核酸配列を含み、GALタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号2のヌクレオチド配列又は配列番号2と実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)の核酸配列を含む。
【0279】
いくつかの実施形態では、シグナル配列をコードするヌクレオチド配列は、配列番号8のヌクレオチド配列又は配列番号8と実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)の核酸配列を含み、GALタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号3のヌクレオチド配列又は配列番号3と実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)の核酸配列を含む。
【0280】
いくつかの実施形態では、シグナル配列をコードするヌクレオチド配列は、配列番号9のヌクレオチド配列又は配列番号9と実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)の核酸配列を含み、GALタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号4のヌクレオチド配列又は配列番号4と実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)の核酸配列を含む。
【0281】
いくつかの実施形態では、シグナル配列をコードするヌクレオチド配列は、配列番号10のヌクレオチド配列又は配列番号10と実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)の核酸配列を含み、GALタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号5のヌクレオチド配列又は配列番号5と実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)の核酸配列を含む。
【0282】
いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列、例えば、ヒト又はマウスIgG1シグナルペプチドは、配列番号11のアミノ酸配列又は配列番号11と実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)のアミノ酸配列を含み、コードされたGALタンパク質は、配列番号1のアミノ酸配列、又は配列番号1と実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、コードされたGALタンパク質に対してN末端に位置する。いくつかの実施形態では、ヒト又はマウスIgG1シグナルペプチド配列を有するコードされたGALタンパク質は、配列番号28のアミノ酸配列、又は配列番号28と実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)のアミノ酸配列を含む。
【0283】
いくつかの実施形態では、ヒト又はマウスIgG1シグナル配列をコードするヌクレオチド配列は、配列番号12~14のいずれか1つのヌクレオチド配列又は配列番号12~14のいずれか1つと実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)の核酸配列を含み、GALタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号2~5のいずれか1つのヌクレオチド配列又は配列番号2~5のいずれか1つと実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)の核酸配列を含む。
【0284】
いくつかの実施形態では、シグナル配列をコードするヌクレオチド配列は、配列番号12のヌクレオチド配列又は配列番号12と実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)の核酸配列を含み、GALタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号2のヌクレオチド配列又は配列番号2と実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)の核酸配列を含む。
【0285】
いくつかの実施形態では、シグナル配列をコードするヌクレオチド配列は、配列番号13のヌクレオチド配列又は配列番号13と実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)の核酸配列を含み、GALタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号3のヌクレオチド配列又は配列番号3と実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)の核酸配列を含む。
【0286】
いくつかの実施形態では、シグナル配列をコードするヌクレオチド配列は、配列番号13のヌクレオチド配列又は配列番号13と実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)の核酸配列を含み、GALタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号4のヌクレオチド配列又は配列番号4と実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)の核酸配列を含む。
【0287】
いくつかの実施形態では、シグナル配列をコードするヌクレオチド配列は、配列番号14のヌクレオチド配列又は配列番号14と実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)の核酸配列を含み、GALタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号5のヌクレオチド配列又は配列番号5と実質的に同一(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%同一)の核酸配列を含む。
【0288】
例示的なペイロード:GAL
いくつかの実施形態では、本開示の単離された組換えAAV粒子は、肝臓指向性カプシドタンパク質、例えば、sL65カプシドタンパク質、及びGALタンパク質をコードする導入遺伝子を含む核酸を含む。
【0289】
一実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、5’から3’の順に、配列番号6のアミノ酸配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%若しくは99%の配列同一性を有するか、又は配列番号6に対して少なくとも1、2、若しくは3つであるが4つ以下の修飾、例えば、置換を有するアミノ酸配列を含むシグナル配列;及び配列番号1のアミノ酸配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むGALタンパク質をコードする。
【0290】
一実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、5’から3’の順に、配列番号7~10のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列;及び配列番号2~5のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0291】
一実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、5’から3’の順に、配列番号7のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列;及び配列番号2のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0292】
一実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、5’から3’の順に、配列番号8のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列;及び配列番号3のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0293】
一実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、5’から3’の順に、配列番号9のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列;及び配列番号4のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0294】
一実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、5’から3’の順に、配列番号10のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列;及び配列番号5のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0295】
一実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、5’から3’の順に、配列番号11のアミノ酸配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%若しくは99%の配列同一性を有するか、又は配列番号11に対して少なくとも1、2、若しくは3つであるが4つ以下の修飾、例えば、置換を有するアミノ酸配列を含むシグナル配列;及び配列番号1のアミノ酸配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むGALタンパク質をコードする。
【0296】
一実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、5’から3’の順に、配列番号12~14のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列;及び配列番号2~5のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0297】
一実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、5’から3’の順に、配列番号12のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列;及び配列番号2のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0298】
一実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、5’から3’の順に、配列番号13のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列;及び配列番号3のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0299】
一実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、5’から3’の順に、配列番号13のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列;及び配列番号4のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0300】
一実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、5’から3’の順に、配列番号14のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列;及び配列番号5のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0301】
例示的なAAVウイルスゲノム及び粒子
本開示のAAV粒子は、本明細書に記載されるように、カプシドタンパク質、例えば、肝臓指向性カプシドタンパク質、例えば、sL65カプシドタンパク質、及びAAVウイルスゲノム又はベクターを含む。
【0302】
いくつかの実施形態では、カプシドタンパク質は、配列番号45のアミノ酸配列、又はそれと実質的に同一のアミノ酸配列(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有する)を含む。いくつかの実施形態では、カプシドタンパク質は、配列番号46のヌクレオチド配列、又はそれと実質的に同一の(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%を有する)ヌクレオチド配列によってコードされる。
【0303】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のAAV粒子のウイルスゲノムは、GALタンパク質をコードする導入遺伝子に作動可能に連結されたプロモーターを含む。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノムは、逆位末端配列領域、エンハンサ、プロモーター、イントロン、Kozak配列、WPRE配列、ポリA領域、又はそれらの組合せを更に含む。
【0304】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるAAV粒子のウイルスゲノムは、例えば、表2に記載されるような、配列番号31~41及び51~61のいずれか1つのヌクレオチド配列のヌクレオチド配列、例えば、5’ITRから3’ITRのヌクレオチド配列、又は前述の配列のいずれかと実質的に同一の(例えば、少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する)ヌクレオチド配列を含む。
【0305】
【表2】
【0306】
いくつかの実施形態では、AAV粒子は、配列番号31若しくは51のヌクレオチド配列、又はそれと実質的に同一の(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%若しくは100%の配列同一性を有する)ヌクレオチド配列を含むウイルスゲノムを含む。いくつかの実施形態では、配列番号31若しくは51のヌクレオチド配列又はそれと実質的に同一のヌクレオチド配列を含むウイルスゲノムは、5’から3’の順に、配列番号17のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む5’ITR配列領域、配列番号19のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むApo E/C-Iエンハンサ、配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むA1ATプロモーター、配列番号21のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むイントロン、配列番号22のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むKozak配列、配列番号7のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも85%(例えば、少なくとも85、90、92、95、96、97、98、又は99%)同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、配列番号2のヌクレオチド配列、又は配列番号2のヌクレオチド配列と少なくとも85%(例えば、少なくとも85、90、92、95、96、97、98、又は99%)同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、配列番号23のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むポリアデニル化配列、及び配列番号18のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む3’ITR配列領域を含む。
【0307】
いくつかの実施形態では、配列番号31若しくは51のヌクレオチド配列、又はそれと実質的に同一のヌクレオチド配列(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%の配列同一性を有する)を含むウイルスゲノムは、配列番号27のアミノ酸配列、又はそれと実質的に同一のアミノ酸配列(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%の配列同一性を有する)を含むGALタンパク質をコードする。
【0308】
いくつかの実施形態では、AAV粒子は、配列番号32若しくは52のヌクレオチド配列、又はそれと実質的に同一の(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%若しくは100%の配列同一性を有する)ヌクレオチド配列を含むウイルスゲノムを含む。いくつかの実施形態では、配列番号32若しくは52のヌクレオチド配列又はそれと実質的に同一のヌクレオチド配列を含むウイルスゲノムは、5’から3’の順に、配列番号17のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む5’ITR配列領域、配列番号19のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むApo E/C-Iエンハンサ、配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むA1ATプロモーター、配列番号21のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むイントロン、配列番号22のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むKozak配列、配列番号8のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも85%(例えば、少なくとも85、90、92、95、96、97、98、又は99%)同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、配列番号3のヌクレオチド配列、又は配列番号3のヌクレオチド配列と少なくとも85%(例えば、少なくとも85、90、92、95、96、97、98、又は99%)同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、配列番号23のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むポリアデニル化配列、及び配列番号18のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む3’ITR配列領域を含む。
【0309】
いくつかの実施形態では、配列番号32若しくは52のヌクレオチド配列、又はそれと実質的に同一のヌクレオチド配列(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%の配列同一性を有する)を含むウイルスゲノムは、配列番号27のアミノ酸配列、又はそれと実質的に同一のアミノ酸配列(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%の配列同一性を有する)を含むGALタンパク質をコードする。
【0310】
いくつかの実施形態では、AAV粒子は、配列番号33若しくは53のヌクレオチド配列、又はそれと実質的に同一の(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%若しくは100%の配列同一性を有する)ヌクレオチド配列を含むウイルスゲノムを含む。いくつかの実施形態では、配列番号33若しくは53のヌクレオチド配列又はそれと実質的に同一のヌクレオチド配列を含むウイルスゲノムは、5’から3’の順に、配列番号17のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む5’ITR配列領域、配列番号19のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むApo E/C-Iエンハンサ、配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むA1ATプロモーター、配列番号21のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むイントロン、配列番号22のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むKozak配列、配列番号9のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも85%(例えば、少なくとも85、90、92、95、96、97、98、又は99%)同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、配列番号4のヌクレオチド配列、又は配列番号4のヌクレオチド配列と少なくとも85%(例えば、少なくとも85、90、92、95、96、97、98、又は99%)同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、配列番号23のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むポリアデニル化配列、及び配列番号18のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む3’ITR配列領域を含む。
【0311】
いくつかの実施形態では、配列番号33若しくは53のヌクレオチド配列、又はそれと実質的に同一のヌクレオチド配列(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%の配列同一性を有する)を含むウイルスゲノムは、配列番号27のアミノ酸配列、又はそれと実質的に同一のアミノ酸配列(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%の配列同一性を有する)を含むGALタンパク質をコードする。
【0312】
いくつかの実施形態では、AAV粒子は、配列番号34若しくは54のヌクレオチド配列、又はそれと実質的に同一の(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%若しくは100%の配列同一性を有する)ヌクレオチド配列を含むウイルスゲノムを含む。いくつかの実施形態では、配列番号34若しくは54のヌクレオチド配列又はそれと実質的に同一のヌクレオチド配列を含むウイルスゲノムは、5’から3’の順に、配列番号17のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む5’ITR配列領域、配列番号19のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むApo E/C-Iエンハンサ、配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むA1ATプロモーター、配列番号21のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むイントロン、配列番号22のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むKozak配列、配列番号10のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも85%(例えば、少なくとも85、90、92、95、96、97、98、又は99%)同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、配列番号5のヌクレオチド配列、又は配列番号5のヌクレオチド配列と少なくとも85%(例えば、少なくとも85、90、92、95、96、97、98、又は99%)同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、配列番号23のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むポリアデニル化配列、及び配列番号18のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む3’ITR配列領域を含む。
【0313】
いくつかの実施形態では、配列番号34若しくは54のヌクレオチド配列、又はそれと実質的に同一のヌクレオチド配列(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%の配列同一性を有する)を含むウイルスゲノムは、配列番号27のアミノ酸配列、又はそれと実質的に同一のアミノ酸配列(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%の配列同一性を有する)を含むGALタンパク質をコードする。
【0314】
いくつかの実施形態では、AAV粒子は、配列番号35若しくは55のヌクレオチド配列、又はそれと実質的に同一の(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%若しくは100%の配列同一性を有する)ヌクレオチド配列を含むウイルスゲノムを含む。いくつかの実施形態では、配列番号35若しくは55のヌクレオチド配列又はそれと実質的に同一のヌクレオチド配列を含むウイルスゲノムは、5’から3’の順に、配列番号17のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む5’ITR配列領域、配列番号19のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むApo E/C-Iエンハンサ、配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むA1ATプロモーター、配列番号21のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むイントロン、配列番号22のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むKozak配列、配列番号12のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも85%(例えば、少なくとも85、90、92、95、96、97、98、又は99%)同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、配列番号2のヌクレオチド配列、又は配列番号2のヌクレオチド配列と少なくとも85%(例えば、少なくとも85、90、92、95、96、97、98、又は99%)同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、配列番号23のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むポリアデニル化配列、及び配列番号18のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む3’ITR配列領域を含む。
【0315】
いくつかの実施形態では、配列番号35若しくは55のヌクレオチド配列、又はそれと実質的に同一のヌクレオチド配列(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%の配列同一性を有する)を含むウイルスゲノムは、配列番号28のアミノ酸配列、又はそれと実質的に同一のアミノ酸配列(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%の配列同一性を有する)を含むGALタンパク質をコードする。
【0316】
いくつかの実施形態では、AAV粒子は、配列番号36若しくは56のヌクレオチド配列、又はそれと実質的に同一の(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%若しくは100%の配列同一性を有する)ヌクレオチド配列を含むウイルスゲノムを含む。いくつかの実施形態では、配列番号36若しくは56のヌクレオチド配列又はそれと実質的に同一のヌクレオチド配列を含むウイルスゲノムは、5’から3’の順に、配列番号17のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む5’ITR配列領域、配列番号19のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むApo E/C-Iエンハンサ、配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むA1ATプロモーター、配列番号21のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むイントロン、配列番号22のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むKozak配列、配列番号13の塩基配列、又はそれと少なくとも85%(例えば、少なくとも85、90、92、95、96、97、98、又は99%)同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、配列番号3のヌクレオチド配列、又は配列番号3のヌクレオチド配列と少なくとも85%(例えば、少なくとも85、90、92、95、96、97、98、又は99%)同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、配列番号23のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むポリアデニル化配列、及び配列番号18のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む3’ITR配列領域を含む。
【0317】
いくつかの実施形態では、配列番号36若しくは56のヌクレオチド配列、又はそれと実質的に同一のヌクレオチド配列(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%の配列同一性を有する)を含むウイルスゲノムは、配列番号28のアミノ酸配列、又はそれと実質的に同一のアミノ酸配列(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%の配列同一性を有する)を含むGALタンパク質をコードする。
【0318】
いくつかの実施形態では、AAV粒子は、配列番号37若しくは57のヌクレオチド配列、又はそれと実質的に同一の(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%若しくは100%の配列同一性を有する)ヌクレオチド配列を含むウイルスゲノムを含む。いくつかの実施形態では、配列番号37若しくは57のヌクレオチド配列又はそれと実質的に同一のヌクレオチド配列を含むウイルスゲノムは、5’から3’の順に、配列番号17のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む5’ITR配列領域、配列番号19のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むApo E/C-Iエンハンサ、配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むA1ATプロモーター、配列番号21のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むイントロン、配列番号22のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むKozak配列、配列番号13の塩基配列、又はそれと少なくとも85%(例えば、少なくとも85、90、92、95、96、97、98、又は99%)同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、配列番号4のヌクレオチド配列、又は配列番号4のヌクレオチド配列と少なくとも85%(例えば、少なくとも85、90、92、95、96、97、98、又は99%)同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、配列番号23のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むポリアデニル化配列、及び配列番号18のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む3’ITR配列領域を含む。
【0319】
いくつかの実施形態では、配列番号37若しくは57のヌクレオチド配列、又はそれと実質的に同一のヌクレオチド配列(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%の配列同一性を有する)を含むウイルスゲノムは、配列番号28のアミノ酸配列、又はそれと実質的に同一のアミノ酸配列(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%の配列同一性を有する)を含むGALタンパク質をコードする。
【0320】
いくつかの実施形態では、AAV粒子は、配列番号38若しくは58のヌクレオチド配列、又はそれと実質的に同一の(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%若しくは100%の配列同一性を有する)ヌクレオチド配列を含むウイルスゲノムを含む。いくつかの実施形態では、配列番号38若しくは58のヌクレオチド配列又はそれと実質的に同一のヌクレオチド配列を含むウイルスゲノムは、5’から3’の順に、配列番号17のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む5’ITR配列領域、配列番号19のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むApo E/C-Iエンハンサ、配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むA1ATプロモーター、配列番号21のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むイントロン、配列番号22のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むKozak配列、配列番号14のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも85%(例えば、少なくとも85、90、92、95、96、97、98、又は99%)同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、配列番号5のヌクレオチド配列、又は配列番号5のヌクレオチド配列と少なくとも85%(例えば、少なくとも85、90、92、95、96、97、98、又は99%)同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、配列番号23のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むポリアデニル化配列、及び配列番号18のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む3’ITR配列領域を含む。
【0321】
いくつかの実施形態では、配列番号38若しくは58のヌクレオチド配列、又はそれと実質的に同一のヌクレオチド配列(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%の配列同一性を有する)を含むウイルスゲノムは、配列番号28のアミノ酸配列、又はそれと実質的に同一のアミノ酸配列(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%の配列同一性を有する)を含むGALタンパク質をコードする。
【0322】
いくつかの実施形態では、AAV粒子は、配列番号39若しくは59のヌクレオチド配列、又はそれと実質的に同一の(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%若しくは100%の配列同一性を有する)ヌクレオチド配列を含むウイルスゲノムを含む。いくつかの実施形態では、配列番号39若しくは59のヌクレオチド配列又はそれと実質的に同一のヌクレオチド配列を含むウイルスゲノムは、5’から3’の順に、配列番号17のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む5’ITR配列領域、配列番号19のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むApo E/C-Iエンハンサ、配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むA1ATプロモーター、配列番号21のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むイントロン、配列番号22のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むKozak配列、配列番号14のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも85%(例えば、少なくとも85、90、92、95、96、97、98、又は99%)同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、配列番号5のヌクレオチド配列、又は配列番号5のヌクレオチド配列と少なくとも85%(例えば、少なくとも85、90、92、95、96、97、98、又は99%)同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、配列番号25のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むWPRE配列、配列番号23のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むポリアデニル化配列、及び配列番号18のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む3’ITR配列領域を含む。
【0323】
いくつかの実施形態では、配列番号39若しくは59のヌクレオチド配列、又はそれと実質的に同一のヌクレオチド配列(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%の配列同一性を有する)を含むウイルスゲノムは、配列番号28のアミノ酸配列、又はそれと実質的に同一のアミノ酸配列(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%の配列同一性を有する)を含むGALタンパク質をコードする。
【0324】
いくつかの実施形態では、AAV粒子は、配列番号40若しくは60のヌクレオチド配列、又はそれと実質的に同一の(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%若しくは100%の配列同一性を有する)ヌクレオチド配列を含むウイルスゲノムを含む。いくつかの実施形態では、配列番号40若しくは60のヌクレオチド配列又はそれと実質的に同一のヌクレオチド配列を含むウイルスゲノムは、5’から3’の順に、配列番号17のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む5’ITR配列領域、配列番号19のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むApo E/C-Iエンハンサ、配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むA1ATプロモーター、配列番号21のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むイントロン、配列番号22のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むKozak配列、配列番号14のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも85%(例えば、少なくとも85、90、92、95、96、97、98、又は99%)同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、配列番号5のヌクレオチド配列、又は配列番号5のヌクレオチド配列と少なくとも85%(例えば、少なくとも85、90、92、95、96、97、98、又は99%)同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、配列番号25のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むWPRE配列、配列番号24のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むポリアデニル化配列、配列番号18のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む3’ITR配列領域を含む。
【0325】
いくつかの実施形態では、配列番号40若しくは60のヌクレオチド配列、又はそれと実質的に同一のヌクレオチド配列(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%の配列同一性を有する)を含むウイルスゲノムは、配列番号28のアミノ酸配列、又はそれと実質的に同一のアミノ酸配列(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%の配列同一性を有する)を含むGALタンパク質をコードする。
【0326】
いくつかの実施形態では、AAV粒子は、配列番号41若しくは61のヌクレオチド配列、又はそれと実質的に同一の(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%若しくは100%の配列同一性を有する)ヌクレオチド配列を含むウイルスゲノムを含む。いくつかの実施形態では、配列番号41若しくは61のヌクレオチド配列又はそれと実質的に同一のヌクレオチド配列を含むウイルスゲノムは、5’から3’の順に、配列番号17のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む5’ITR配列領域、配列番号19のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むApo E/C-Iエンハンサ、配列番号20のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むA1ATプロモーター、配列番号21のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むイントロン、配列番号22のヌクレオチド配列又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むKozak配列、配列番号14のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも85%(例えば、少なくとも85、90、92、95、96、97、98、又は99%)同一のヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列、配列番号5のヌクレオチド配列、又は配列番号5のヌクレオチド配列と少なくとも85%(例えば、少なくとも85、90、92、95、96、97、98、又は99%)同一のヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列、配列番号26のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むWPRE切断配列、W3SL、配列番号24のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含むポリアデニル化配列、配列番号18のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む3’ITR配列領域を含む。
【0327】
いくつかの実施形態では、配列番号41若しくは61のヌクレオチド配列、又はそれと実質的に同一のヌクレオチド配列(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%の配列同一性を有する)を含むウイルスゲノムは、配列番号28のアミノ酸配列、又はそれと実質的に同一のアミノ酸配列(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%の配列同一性を有する)を含むGALタンパク質をコードする。
【0328】
実施形態では、AAV粒子は、本明細書に記載のウイルスゲノムのいずれかの、例えば、表2に記載のヌクレオチド配列、又は前述の配列のいずれかと実質的に同一の(例えば、少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する)ヌクレオチド配列を含むAAVウイルスゲノムを含む。いくつかの実施形態では、AAV粒子は、カプシドタンパク質、例えば、構造タンパク質を更に含む。いくつかの実施形態では、カプシドタンパク質は、VP1ポリペプチド、VP2ポリペプチド及び/又はVP3ポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、VP1ポリペプチド、VP2ポリペプチド及び/又はVP3ポリペプチドは、少なくとも1つのCap遺伝子によってコードされる。いくつかの実施形態では、カプシドタンパク質はsL65カプシドタンパク質である。いくつかの実施形態では、AAV粒子は、Repタンパク質、例えば、非構造タンパク質を更に含む。いくつかの実施形態では、Repタンパク質は、Rep78タンパク質、Rep68、Rep52タンパク質、及び/又はRep40タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、Rep78タンパク質、Rep68タンパク質、Rep52タンパク質、及び/又はRep40タンパク質は、少なくとも1つのRep遺伝子によってコードされる。
【0329】
本開示は、いくつかの実施形態では、上記で同定されたウイルスゲノムのいずれかを含むベクター、細胞及び/又はAAV粒子を提供する。
【0330】
いくつかの実施形態では、AAVベクターは一本鎖ベクター(ssAAV)である。
【0331】
いくつかの実施形態では、AAVベクターは自己相補的AAVベクター(scAAV)である。例えば、米国特許第7,465,583号を参照されたい。scAAVベクターは、互いにアニーリングして二本鎖DNAを形成する両方のDNA鎖を含有する。第2鎖合成をスキップすることによって、scAAVは細胞における迅速な発現を可能にする。
【0332】
AAVベクターを作製及び/又は改変するための方法は、当該技術分野において開示されており、例えば、シュードタイプ化AAVベクター(国際公開第200028004号);WO200123001、WO2004112727、国際公開第2005005610号及び国際公開第2005072364号、これらの各々の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
【0333】
ウイルスカプシド及びウイルスゲノムをコードする核酸
本開示はまた、AAVカプシドタンパク質をコードする核酸及びGALタンパク質をコードする導入遺伝子を含む核酸を含む組成物を提供し、例えば、2つの核酸は異なるベクター上に位置し得る。いくつかの実施形態では、組成物は、AAVカプシドタンパク質、例えば、sL65カプシドタンパク質をコードする第1の核酸を含み、カプシドタンパク質は、配列番号45のアミノ酸配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%同一のアミノ酸配列を含む第1の核酸と、GALタンパク質をコードする導入遺伝子を含む第2の核酸とを含む。
【0334】
いくつかの実施形態では、カプシドタンパク質をコードする第1の核酸は、配列番号46のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも85%同一のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、コードされたGALタンパク質は、配列番号1のアミノ酸配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%同一のアミノ酸配列を含む。
【0335】
いくつかの実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、配列番号2のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%同一のヌクレオチド配列を含む。
【0336】
いくつかの実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子はコドン最適化されている。いくつかの実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子を含む第2の核酸は、配列番号3~5のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%同一のヌクレオチド配列を含む。
【0337】
いくつかの実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、シグナル配列を更にコードする。いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、ヒトGALシグナルペプチドを含む。いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、配列番号6のアミノ酸配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、配列番号6と比較して、少なくとも1、2、又は3個であるが4個以下の修飾、例えば、置換を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、配列番号7~10のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%同一のヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる。
【0338】
いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、IgG1シグナルペプチド(例えば、マウス及び/又はヒトペプチド)を含む。いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、配列番号11のアミノ酸配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、配列番号11のアミノ酸配列、又は配列番号11と比較して少なくとも1、2、若しくは3個であるが4個以下の修飾、例えば、置換を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、配列番号12~14のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%同一のヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる。
【0339】
一実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、5’から3’の順に、配列番号6のアミノ酸配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%若しくは99%の配列同一性を有するか、又は配列番号6に対して少なくとも1、2、若しくは3つであるが4つ以下の修飾、例えば、置換を有するアミノ酸配列を含むシグナル配列;及び配列番号1のアミノ酸配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むGALタンパク質をコードする。
【0340】
一実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、5’から3’の順に、配列番号7~10のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列;及び配列番号2~5のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0341】
一実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、5’から3’の順に、配列番号7のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列;及び配列番号2のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0342】
一実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、5’から3’の順に、配列番号8のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列;及び配列番号3のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0343】
一実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、5’から3’の順に、配列番号9のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列;及び配列番号4のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0344】
一つの実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、5’から3’の順に、配列番号10のヌクレオチド配列又はそれに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列;及び配列番号5のヌクレオチド配列又はそれに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0345】
一実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、5’から3’の順に、配列番号11のアミノ酸配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%若しくは99%の配列同一性を有するか、又は配列番号11に対して少なくとも1、2、若しくは3つであるが4つ以下の修飾、例えば、置換を有するアミノ酸配列を含むシグナル配列;及び配列番号1のアミノ酸配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むGALタンパク質をコードする。
【0346】
一実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、5’から3’の順に、配列番号12~14のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列;及び配列番号2~5のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0347】
一実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、5’から3’の順に、配列番号12のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列;及び配列番号2のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0348】
一実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、5’から3’の順に、配列番号13のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列;及び配列番号3のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0349】
一実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、5’から3’の順に、配列番号13のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列;及び配列番号4のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0350】
一実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、5’から3’の順に、配列番号14のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むシグナル配列をコードするヌクレオチド配列;及び配列番号5のヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むGALタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0351】
いくつかの実施形態では、第1の核酸及び/又は第2の核酸は、以下:逆位末端配列(ITR)領域、プロモーター、エンハンサ、イントロン領域、Kozak配列、WPRE配列、ポリAシグナル領域、又はそれらの組合せの1つ以上を更に含み得る。
【0352】
いくつかの実施形態では、導入遺伝子を含む第2の核酸は、少なくとも1つのITR配列を更に含む。ITR配列は、導入遺伝子に対して5’又は3’のいずれかの放出性に位置する。いくつかの実施形態では、導入遺伝子を含む第2の核酸は、2つのITRを含む。これらの2つのITRは、5’末端及び3’末端において導入遺伝子に隣接している。
【0353】
いくつかの実施形態では、導入遺伝子を含む第2の核酸は、プロモーター配列及び/又はエンハンサを更に含む。いくつかの実施形態では、プロモーターは、1つ以上の、例えば、複数の細胞及び/又は組織における発現をもたらす遍在性プロモーターである。いくつかの実施形態では、プロモーターは、組織特異的プロモーター、例えば、特定の細胞型に発現を制限するプロモーター、例えば、肝臓特異的プロモーターである。いくつかの実施形態では、プロモーター及び/又はエンハンサは、本明細書に記載されるように、導入遺伝子の5’に配置される。いくつかの実施形態では、プロモーター及び/又はエンハンサは、本明細書に記載されるように導入遺伝子の5’に配置され、少なくとも1つのITR配列はプロモーター及び/又はエンハンサの5’に配置される。
【0354】
いくつかの実施形態では、導入遺伝子を含む第2の核酸は、少なくとも1つのイントロン又はその断片若しくは誘導体を更に含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのイントロンは、導入遺伝子の発現を増強し得る。いくつかの実施形態では、イントロンは、ベータグロビンイントロン又はその断片若しくはバリアントを含む。
【0355】
いくつかの実施形態では、導入遺伝子を含む第2の核酸は、Kozak配列及び/又はWPRE配列を更に含む。いくつかの実施形態では、Kozak配列は、本明細書に記載されるように、導入遺伝子に対して5’に配置される。いくつかの実施形態では、WPRE配列は、本明細書に記載されるように、導入遺伝子に対して3’に配置される。
【0356】
いくつかの実施形態では、導入遺伝子を含む第2の核酸は、少なくとも1つのポリアデニル化(ポリA)配列を更に含む。いくつかの実施形態では、ポリA配列は、本明細書に記載されるように、導入遺伝子に対して3’に配置される。いくつかの実施形態では、ポリA配列は、本明細書中に記載されるように、導入遺伝子に対して3’に位置し、少なくとも1つのITR配列は、ポリA配列に対して3’に位置する。
【0357】
いくつかの実施形態では、第2の核酸は、5’から3’に、ITR配列、エンハンサ、プロモーター配列、イントロン、Kozak配列、本明細書に記載の任意の導入遺伝子、ポリA配列、及び第2のITR配列を含む。
【0358】
いくつかの実施形態では、第2の核酸は、5’から3’に、ITR配列、エンハンサ、プロモーター配列、イントロン、Kozak配列、本明細書に記載の任意の導入遺伝子、WPRE配列、ポリA配列、及び第2のITR配列を含む。
【0359】
いくつかの実施形態では、第1の核酸及び第2の核酸は、単一のベクターに一緒に含まれ、ベクターは組成物に含まれる。いくつかの実施形態では、第1の核酸及び第2の核酸は異なるベクターに含まれ、両方のベクターは組成物に含まれる。
【0360】
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載の単離されたrAAV粒子を含む1つ以上の細胞(例えば、複数のセル)を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載の核酸組成物を含む1つ以上の細胞(例えば、複数のセル)を提供する。
【0361】
本開示は更に、α-グルコシダーゼ(GAL)タンパク質をコードする導入遺伝子を含む核酸、例えば、単離された核酸を提供し、ここで、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、配列番号3~5のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%同一のヌクレオチド配列を含む。本開示はまた、α-グルコシダーゼ(GAL)タンパク質をコードする導入遺伝子を含む核酸(例えば、単離された核酸)を含む組成物を提供し、ここで、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、配列番号3~5のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%同一のヌクレオチド配列を含む。
【0362】
いくつかの実施形態では、GALタンパク質をコードする導入遺伝子は、シグナル配列を更にコードする。いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、ヒトGALシグナルペプチドを含む。いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、配列番号6のアミノ酸配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、配列番号6と比較して、少なくとも1、2、又は3個であるが4個以下の修飾、例えば、置換を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、配列番号7~10のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%同一のヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる。
【0363】
いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、ヒトIgG1シグナルペプチドを含む。いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、配列番号11のアミノ酸配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、配列番号11と比較して、少なくとも1、2、又は3個であるが4個以下の修飾、例えば、置換を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、配列番号12~14のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%同一のヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる。
【0364】
本開示はまた、シグナル配列をコードする導入遺伝子を含む核酸を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、ヒトGALシグナルペプチドを含む。いくつかの実施形態では、コードされるシグナル配列は、配列番号6のアミノ酸配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%同一のアミノ酸配列、又は配列番号6と比較して少なくとも1、2、若しくは3であるが4以下の修飾、例えば、置換を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、配列番号8~10のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%同一のヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる。
【0365】
本開示はまた、シグナル配列をコードする導入遺伝子を含む核酸を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、ヒトIgG1シグナルペプチドを含む。いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、配列番号11のアミノ酸配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、配列番号11と比較して、少なくとも1、2、又は3個であるが4個以下の修飾、例えば、置換を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、コードされたシグナル配列は、配列番号12~14のいずれか1つのヌクレオチド配列、又はそれと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは99%同一のヌクレオチド配列を含む核酸によってコードされる。
【0366】
本開示は更に、いくつかの実施形態では、配列番号31~41及び51~61のいずれか1つの核酸配列を含むか又はこれからなる、単離された、例えば、組換えウイルスゲノム(例えば、AAVウイルスゲノム)を提供する。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノム(例えば、AAVウイルスゲノム)は、配列番号31の核酸配列を含むか又はこれからなる。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノム(例えば、AAVウイルスゲノム)は、配列番号32の核酸配列を含むか又はこれからなる。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノム(例えば、AAVウイルスゲノム)は、配列番号33の核酸配列を含むか又はこれからなる。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノム(例えば、AAVウイルスゲノム)は、配列番号34の核酸配列を含むか又はこれからなる。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノム(例えば、AAVウイルスゲノム)は、配列番号35の核酸配列を含むか又はこれからなる。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノム(例えば、AAVウイルスゲノム)は、配列番号36の核酸配列を含むか又はこれからなる。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノム(例えば、AAVウイルスゲノム)は、配列番号37の核酸配列を含むか又はこれからなる。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノム(例えば、AAVウイルスゲノム)は、配列番号38の核酸配列を含むか又はこれからなる。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノム(例えば、AAVウイルスゲノム)は、配列番号39の核酸配列を含むか又はこれからなる。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノム(例えば、AAVウイルスゲノム)は、配列番号40の核酸配列を含むか又はこれからなる。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノム(例えば、AAVウイルスゲノム)は、配列番号41の核酸配列を含むか又はこれからなる。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノム(例えば、AAVウイルスゲノム)は、配列番号51の核酸配列を含むか又はこれからなる。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノム(例えば、AAVウイルスゲノム)は、配列番号52の核酸配列を含むか又はこれからなる。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノム(例えば、AAVウイルスゲノム)は、配列番号53の核酸配列を含むか又はこれからなる。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノム(例えば、AAVウイルスゲノム)は、配列番号54の核酸配列を含むか又はこれからなる。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノム(例えば、AAVウイルスゲノム)は、配列番号55の核酸配列を含むか又はこれからなる。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノム(例えば、AAVウイルスゲノム)は、配列番号56の核酸配列を含むか又はこれからなる。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノム(例えば、AAVウイルスゲノム)は、配列番号57の核酸配列を含むか又はこれからなる。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノム(例えば、AAVウイルスゲノム)は、配列番号58の核酸配列を含むか又はこれからなる。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノム(例えば、AAVウイルスゲノム)は、配列番号59の核酸配列を含むか又はこれからなる。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノム(例えば、AAVウイルスゲノム)は、配列番号60の核酸配列を含むか又はこれからなる。いくつかの実施形態では、ウイルスゲノム(例えば、AAVウイルスゲノム)は、配列番号61の核酸配列を含むか又はこれからなる。本開示は更に、前述のウイルスゲノムのいずれかを含む組成物を提供する。本開示は更に、前述のウイルスゲノムのいずれかを含む細胞、例えば、細菌、哺乳動物又は昆虫細胞を提供する。
【0367】
III.ウイルス産生
一般的ウイルス産生プロセス
AAV、例えば、rAAVを産生するための細胞は、いくつかの実施形態では、哺乳動物細胞(HEK293細胞等)及び/又は昆虫細胞(Sf9細胞等)を含み得る。
【0368】
様々な実施形態では、AAV産生は、標的細胞と接触してペイロード、例えば、ペイロード分子をコードするヌクレオチドを含む組換えウイルス構築物を送達することができるAAV粒子及びベクターを産生するプロセス及び方法を含む。特定の実施形態では、ウイルスベクターは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)ベクター等のアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターである。特定の実施形態では、AAV粒子は、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子等のアデノ随伴ウイルス(AAV)粒子である。
【0369】
いくつかの実施形態では、本開示のウイルスゲノムを含むベクターが本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、本開示のウイルスゲノムを含む細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、細菌細胞、哺乳動物細胞(例えば、HEK293細胞)、又は昆虫細胞(例えば、Sf9細胞)である。
【0370】
いくつかの実施形態では、本開示の組換えAAV粒子を作製する方法であって、(i)本明細書に記載のウイルスゲノム、例えば、GALタンパク質をコードする導入遺伝子を含む核酸を含む宿主細胞を提供すること、及びウイルスゲノムをカプシドタンパク質、例えば、本明細書に記載のカプシドタンパク質(例えば、sL65カプシドタンパク質又はその機能的バリアント)に封入するのに適した条件下で宿主細胞をインキュベートし、それにより組換えAAV粒子を作製することを含む方法が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、本方法は、工程(i)の前に、ウイルスゲノムを含む第1の核酸を細胞に導入することを含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、カプシドタンパク質をコードする第2の核酸を含む。いくつかの実施形態では、第2の核酸は、第1の核酸分子の前、第1の核酸分子と同時に、又は第1の核酸分子の後に宿主細胞に導入される。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、細菌細胞、哺乳動物細胞(例えば、HEK293細胞)又は昆虫細胞(例えば、Sf9細胞)である。
【0371】
様々な実施形態では、(a)ウイルス産生細胞を、少なくとも1つのAAVカプシドタンパク質をコードする1つ以上のウイルス発現構築物、及びペイロード分子をコードする1つ以上のペイロード構築物と接触させることであって、ペイロード構築物は、導入遺伝子、タンパク質をコードするポリヌクレオチド、及び調節核酸から選択することができる、ことと、(b)少なくとも1つのAAV粒子又はベクターが産生されるような条件下でウイルス産生細胞を培養することと、(c)産生流からAAV粒子又はベクターを単離することと、よってAAV粒子又はベクターを産生する方法が本明細書で提供される。
【0372】
これらの方法では、ウイルス発現構築物は、少なくとも1つの構造タンパク質及び/又は少なくとも1つの非構造タンパク質をコードし得る。構造タンパク質は、天然又は野生型カプシドタンパク質VP1、VP2及び/又はVP3のいずれか、又はそれらのキメラタンパク質を含み得る。いくつかの実施形態では、VP1カプシドタンパク質は、sL65 VP1カプシドタンパク質であり得る。非構造タンパク質は、天然又は野生型のRep78、Rep68、Rep52及び/又はRep40タンパク質のいずれか又はそのキメラタンパク質を含み得る。
【0373】
特定の実施形態では、接触は、一過性トランスフェクション、ウイルス形質導入、及び/又はエレクトロポレーションを介して行われる。
【0374】
特定の実施形態では、ウイルス産生細胞は、哺乳動物細胞及び昆虫細胞から選択される。特定の実施形態では、昆虫細胞は、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)昆虫細胞を含む。特定の実施形態では、昆虫細胞は、Sf9昆虫細胞を含む。特定の実施形態では、昆虫細胞は、Sf21昆虫細胞を含む。
【0375】
本開示のペイロード構築物ベクターは、様々な実施形態では、少なくとも1つの逆位末端配列(ITR)を含み得、哺乳動物DNAを含み得る。
【0376】
本明細書に記載の方法に従って産生されたAAV粒子及びウイルスベクターも提供される。
【0377】
様々な実施形態では、本開示のAAV粒子は、1つ以上の許容される賦形剤を含む医薬組成物として製剤化されてもよい。
【0378】
特定の実施形態では、AAV粒子又はウイルスベクターは、本明細書に記載の方法によって産生され得る。
【0379】
特定の実施形態では、AAV粒子は、ウイルス産生細胞(例えば、昆虫細胞又は哺乳動物細胞)を、少なくとも1つのカプシドタンパク質及び少なくとも1つのペイロード構築物ベクターをコードする少なくとも1つのウイルス発現構築物と接触させることによって産生され得る。ウイルス産生細胞は、一過性トランスフェクション、ウイルス形質導入、及び/又はエレクトロポレーションによって接触させることができる。ペイロード構築物ベクターは、限定されないが、導入遺伝子、タンパク質をコードするポリヌクレオチド、及び調節核酸等のペイロード分子をコードするペイロード構築物を含み得る。ウイルス産生細胞は、少なくとも1つのAAV粒子又はベクターが産生、単離(例えば、温度誘導溶解、機械的溶解及び/又は化学的溶解を使用する)及び/又は精製(例えば、濾過、クロマトグラフィー、及び/又は免疫親和性精製を使用すること)されるような条件下で培養することができる。非限定的な例として、ペイロード構築物ベクターは哺乳動物DNAを含み得る。
【0380】
特定の実施形態では、AAV粒子は、本明細書に記載の方法を使用して昆虫細胞(例えば、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)(Sf9)細胞)中で産生される。非限定的な例として、バキュロウイルス形質導入を含み得るウイルス形質導入を使用して、昆虫細胞を接触させる。
【0381】
特定の実施形態では、AAV粒子は、本明細書に記載の方法を使用して哺乳動物細胞(例えば、HEK293細胞)で産生される。非限定的な例として、マルチプラスミド一過性トランスフェクション(三重プラスミド一過性トランスフェクション等)を含み得るウイルス形質導入を使用して哺乳動物細胞を接触させる。
【0382】
特定の実施形態では、本明細書に記載のAAV粒子産生方法は、ウイルス産生細胞において10超、10超、10超、10超、又は10超のAAV粒子を産生する。
【0383】
特定の実施形態では、本開示のプロセスは、少なくとも1つのウイルス発現構築物及び少なくとも1つのペイロード構築物を含むウイルス産生系を使用する、ウイルス産生細胞におけるウイルス粒子の産生を含む。少なくとも1つのウイルス発現構築物及び少なくとも1つのペイロード構築物は、ウイルス産生細胞に同時トランスフェクト(例えば、二重トランスフェクション、三重トランスフェクション)することができる。トランスフェクションは、当業者に公知であり、日常的に実施される標準的な分子生物学技術を用いて完了される。ウイルス産生細胞は、ペイロード構築物を複製するRepタンパク質及び複製されたペイロード構築物を封入するカプシドを形成するように集合するCapタンパク質を含む、AAV粒子を産生するために必要なタンパク質及び他の生体材料の発現に必要な細胞機構を提供する。得られたAAV粒子は、ウイルス産生細胞から抽出され、投与のための薬学的調製物に加工される。
【0384】
様々な実施形態では、一旦投与されると、本明細書に開示されるAAV粒子は、理論に束縛されるものではないが、標的細胞と接触し、例えばエンドソーム内の細胞に侵入し得る。AAV粒子例えばは、エンドソームから放出され、続いて標的細胞の核と接触してペイロード構築物を送達し得る。ペイロード構築物、例えば組換えウイルス構築物は、ペイロード構築物によってコードされるペイロード分子が発現され得る標的細胞の核に送達され得る。
【0385】
特定の実施形態では、ウイルス粒子の産生のためのプロセスは、1つ以上のバキュロウイルス(例えば、ウイルス発現構築物及びペイロード構築物ベクターでトランスフェクトされたバキュロウイルス発現ベクター(BEV)又はバキュロウイルス感染昆虫細胞(BIIC))を含むウイルス産生細胞の種培養物を利用する。特定の実施形態では、種培養物を採取し、一定分量に分割し、凍結し、後の時点で使用して、産生細胞のナイーブ集団の感染を開始することができる。
【0386】
いくつかの実施形態では、AAV粒子の大規模生産はバイオリアクタを利用する。理論に束縛されるものではないが、バイオリアクタの使用は、質量、温度、混合条件(インペラRPM又は波動振動)、CO濃度、O濃度、ガススパージ速度及び体積、ガスオーバーレイ速度及び体積、pH、生細胞密度(VCD)、細胞生存率、細胞直径、及び/又は光学密度(OD)等、ウイルス産生細胞の増殖及び活性を支援する変数の正確な測定及び/又は制御を可能にし得る。特定の実施形態では、バイオリアクタは、実験的に決定された時点で培養物全体が採取され、AAV粒子が精製されるバッチ産生のために使用される。いくつかの実施形態では、バイオリアクタは、培養物の一部がAAV粒子の精製のために実験的に決定された時点で採取され、バイオリアクタ内の残りの培養物が追加の増殖培地成分でリフレッシュされる連続生産に使用される。
【0387】
様々な実施形態では、AAVウイルス粒子は、細胞溶解、清澄化、滅菌及び精製を含むプロセスでウイルス産生細胞から抽出することができる。細胞溶解は、ウイルス産生細胞の構造を破壊し、それによってAAV粒子を放出する任意のプロセスを含む。特定の実施形態では、細胞溶解は、熱衝撃、化学的又は機械的溶解方法を含み得る。清澄化は、溶解された細胞、培地成分及びAAV粒子の混合物の全体的な精製を含み得る。特定の実施形態では、清澄化には、遠心分離及び/又は濾過(深さ端部、接線流、及び/又は中空糸濾過が含まれるが、これらに限定されない)が含まれる。
【0388】
様々な実施形態では、ウイルス産生の最終結果は、2つの成分:(1)ペイロード構築物(例えば、組換えAAVベクターゲノム構築物)及び(2)ウイルスカプシドを含むAAV粒子の精製された集合体である。
【0389】
特定の実施形態では、本開示のウイルス産生システム又はプロセスは、ウイルス産生細胞(VPC)及びプラスミド構築物を使用してバキュロウイルス感染昆虫細胞(BIIC)を産生する工程を含む。細胞バンク(CB)からのウイルス産生細胞(VPCs)を解凍及び増殖させて、目標作業体積及びVPC濃度を提供する。結果として得られるVPCのプールは、Rep/Cap VPCプールとPayload VPCプールとに分割される。1つ以上のRep/Capプラスミド構築物(ウイルス発現構築物)をRep/Cap Bacmidポリヌクレオチドにプロセシングし、Rep/Cap VPCプールにトランスフェクトする。1つ以上のPayloadプラスミド構築物(ペイロード構築物)をPayload Bacmidポリヌクレオチドにプロセシングし、Payload VPCプールにトランスフェクトする。2つのVPCプールをインキュベートして、P1 Rep/Capバキュロウイルス発現ベクター(BEV)及びP1ペイロードBEVを産生する。2つのBEVプールをプラークのコレクションに拡大し、単一のプラークをクローナルプラーク(CP)精製(単一プラーク拡大とも呼ばれる)のために選択する。このプロセスは、単一のCP精製工程を含むことができ、又は連続して若しくは他の処理工程のいずれかによって分離された複数のCP精製工程を含むことができる。1つ以上のCP精製工程は、CP Rep/Cap BEVプール及びCP Payload BEVプールを提供する。次いで、2つのBEVプールを保存し、将来の製造工程に使用することができ、あるいはRep/Cap BIICプール及びPayload BIICプールを製造するためにそれらをVPCにトランスフェクトすることができる。
【0390】
特定の実施形態では、本開示のウイルス産生システム又はプロセスは、ウイルス産生細胞(VPC)及びバキュロウイルス感染昆虫細胞(BIIC)を使用してAAV粒子を産生する工程を含む。細胞バンク(CB)からのウイルス産生細胞(VPCs)を解凍及び増殖させて、目標作業体積及びVPC濃度を提供する。ウイルス産生細胞の作業体積は、産生バイオリアクタに播種され、BIIC感染の目標VPC濃度で200~2000 Lの作業体積まで更に拡大することができる。次いで、産生バイオリアクタ内のVPCの作業量は、Rep/Cap BIIC及びPayload BIICと、標的VPC:BIIC比及び標的BIIC:BIIC比で共インフェクションされる。VCD感染もBEVを利用することができる。同時感染されたVPCは、AAV粒子及びVPCのバルク収集物を産生するために、産生バイオリアクタ中でインキュベート及び増殖される。
【0391】
ウイルス発現構築物
様々な実施形態では、本開示のウイルス産生系は、ウイルス産生細胞にトランスフェクト/形質導入することができる1つ以上のウイルス発現構築物を含む。特定の実施形態では、本開示のウイルス発現構築物又はペイロード構築物は、バキュロウイルスプラスミド又は組換えバキュロウイルスゲノムとしても知られるバクミドであり得る。特定の実施形態では、ウイルス発現は、ウイルス産生細胞における発現のためのタンパク質コードヌクレオチド配列及び少なくとも1つの発現制御配列を含む。特定の実施形態では、ウイルス発現は、ウイルス産生細胞における発現のための少なくとも1つの発現制御配列に作動可能に連結されたタンパク質コードヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、ウイルス発現構築物は、1つ以上のプロモーターの制御下にあるパルボウイルス遺伝子を含む。パルボウイルス遺伝子は、Rep52、Rep40、Rep68、又はRep78タンパク質をコードするRep遺伝子等の非構造AAV複製タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含むことができる。パルボウイルス遺伝子は、VP1、VP2及びVP3タンパク質をコードするCap遺伝子等の構造的AAVタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み得る。いくつかの実施形態では、VP1タンパク質は、sL65 VP1タンパク質である。
【0392】
本開示のウイルス発現構築物は、核酸による細胞の形質転換、トランスフェクション、又は形質導入を容易にする、生物学的又は化学的な任意の化合物又は製剤を含み得る。例示的な生物学的ウイルス発現構築物には、プラスミド、線状核酸分子、及びバキュロウイルスを含む組換えウイルスが含まれる。例示的な化学ベクターには、脂質複合体が含まれる。ウイルス発現構築物は、本開示に従ってウイルス複製細胞に核酸配列を組み込むために使用される。(O’Reilly,David R.,Lois K.Miller,and Verne A.Luckow.Baculovirus expression vectors:a laboratory manual.Oxford University Press,1994.);Maniatis et al.,eds.分子クローニング。CSH Laboratory,NY,N.Y.(1982);and,Philiport and Scluber,eds.Liposomes as tools in Basic Research and Industry.CRC Press,Ann Arbor,Mich.(1995)を参照されたく、これらの各々の内容は、ウイルス発現構築物及びその使用に関連して、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0393】
特定の実施形態では、ウイルス発現構築物は、非構造AAV複製タンパク質、構造AAVカプシドタンパク質、又はそれらの組合せをコードする1つ以上のヌクレオチド配列を含むAAV発現構築物である。
【0394】
特定の実施形態では、本開示のウイルス発現構築物はプラスミドベクターであり得る。特定の実施形態では、本開示のウイルス発現構築物は、バキュロウイルス構築物であり得る。
【0395】
本開示は、AAV粒子又はウイルスベクターを産生するために使用されるウイルス発現構築物の数によって限定されない。特定の実施形態では、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、又はそれ以上のウイルス発現構築物を使用して、本開示によるウイルス産生細胞においてAAV粒子を産生することができる。本開示の特定の実施形態では、ウイルス発現構築物は、昆虫細胞におけるAAV粒子の産生のために使用され得る。特定の実施形態では、例えば、感染性又は特異性の増加等のウイルス粒子の属性を改善するため、又は産生収率を高めるために、カプシド及び/又はrep遺伝子の野生型AAV配列に改変を行うことができる。
【0396】
特定の実施形態では、ウイルス発現構築物は、開始コドン領域を含むヌクレオチド配列、例えば、1つ以上の開始コドン領域を含むAAVカプシドタンパク質をコードする配列を含み得る。特定の実施形態では、開始コドン領域は、発現制御配列内にあり得る。開始コドンは、ATG又は非ATGコドン(すなわち、AAV VP1カプシドタンパク質の開始コドンが非ATGである準最適な開始コドン)であり得る。
【0397】
特定の実施形態では、AAV産生に使用されるウイルス発現構築物は、AAV VP1カプシドタンパク質の開始コドンが非ATG、すなわち準最適な開始コドンであるAAVカプシドタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み得、これにより、産生系におけるウイルスカプシドタンパク質の改変された比の発現が可能になり、宿主細胞の感染性が改善される。非限定的な例において、ウイルス構築物ベクターは、AAV VP1、VP2及びVP3カプシドタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む核酸構築物を含有し得、AAV VP1カプシドタンパク質の翻訳のための開始コドンは、米国特許第8,163,543号に記載されるように、CTG、TTG又はGTGであり、その内容は、AAVカプシドタンパク質及びその産生に関連してその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0398】
特定の実施形態では、本開示のウイルス発現構築物は、昆虫細胞における発現のためのパルボウイルスrepタンパク質をコードするプラスミドベクター又はバキュロウイルス構築物であり得る。特定の実施形態では、単一のコード配列が、Rep78タンパク質及びRep52タンパク質のために使用され、ここで、Rep78タンパク質の翻訳のための開始コドンは、ACG、TTG、CTG及びGTGからなる群から選択される、昆虫細胞における発現時に部分的なエキソンスキッピングをもたらす準最適な開始コドンであり、その内容は、例えば、高いベクター収量を促進し得るRep52と比較して、Rep78のより少ない発現を促進するために、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,512,981号に記載される。
【0399】
特定の実施形態では、VPコード領域が、特定のAAV血清型の1つ以上のAAVカプシドタンパク質をコードする。VPコード領域に対するAAV血清型は、同じであっても異なっていてもよい。特定の実施形態では、VPコード領域は、コドン最適化され得る。特定の実施形態では、VPコード領域又はヌクレオチド配列は、哺乳動物細胞のためにコドン最適化され得る。特定の実施形態では、VPコード領域又はヌクレオチド配列は、昆虫細胞のためにコドン最適化され得る。特定の実施形態では、VPコード領域又はヌクレオチド配列は、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)細胞のためにコドン最適化され得る。特定の実施形態では、VPコード領域又はヌクレオチド配列は、Sf9細胞株又はSf21細胞株に対してコドン最適化され得る。
【0400】
特定の実施形態では、1つ以上のVPカプシドタンパク質をコードするヌクレオチド配列を、100%未満の参照ヌクレオチド配列とのヌクレオチド相同性を有するようにコドン最適化することができる。特定の実施形態では、コドン最適化VPヌクレオチド配列と参照VPヌクレオチド配列との間のヌクレオチド相同性は、100%未満、99%未満、98%未満、97%未満、96%未満、95%未満、94%未満、93%未満、92%未満、91%未満、90%未満、89%未満、88%未満、87%未満、86%未満、85%未満、84%未満、83%未満、82%未満、81%未満、80%未満、78%未満、76%未満、74%未満、72%未満、70%未満、68%未満、66%未満、64%未満、62%未満、60%未満、55%未満、50%未満、及び40%未満である。
【0401】
特定の実施形態では、本開示のウイルス発現構築物又はペイロード構築物は、バキュロウイルスプラスミド又は組換えバキュロウイルスゲノムとしても知られるバクミドであり得る。特定の実施形態では、本開示のウイルス発現構築物又はペイロード構築物(例えば、バクミド)は、当業者に公知であり実施される標準的な分子生物学技術によって、相同組換え(トランスポゾンドナー/アクセプター系)によってバクミドに組み込まれたポリヌクレオチドを含み得る。
【0402】
特定の実施形態では、バクミドに組み込まれたポリヌクレオチド(すなわち、ポリヌクレオチドインサート)は、タンパク質コードヌクレオチド配列に作動可能に連結された発現制御配列を含み得る。特定の実施形態では、バクミドに組み込まれたポリヌクレオチドは、p10又はpolh等のプロモーターを含み、構造AAVカプシドタンパク質(例えば、VP1、VP2、VP3又はそれらの組合せ)をコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結された発現制御配列を含み得る。いくつかの実施形態では、VP1タンパク質は、sL65 VP1カプシドタンパク質である。特定の実施形態では、バクミドに組み込まれたポリヌクレオチドは、p10又はpolh等のプロモーターを含み、非構造AAVカプシドタンパク質(例えば、Rep78、Rep52、又はそれらの組合せ)をコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結された発現制御配列を含み得る。
【0403】
本開示の方法は、特異的発現制御配列の使用によって限定されない。しかしながら、VP生成物の特定の化学量論が達成される場合(VP1、VP2及びVP3についてそれぞれ1:1:10に近い)、また、Rep52又はRep40のレベル(p19 Repとも呼ばれる)がRep78又はRep68のレベル(p5 Repとも呼ばれる)よりも有意に高い場合、産生細胞(昆虫細胞等)におけるAAVの改善された収率が得られ得る。特定の実施形態では、p5/p19比は、0.6超未満、0.4未満、又は0.3未満であるが、常に少なくとも0.03である。これらの比は、タンパク質のレベルで測定することができ、又は特異的mRNAの相対レベルから関連付けることができる。
【0404】
特定の実施形態では、AAV粒子は、ウイルス産生細胞(哺乳動物細胞又は昆虫細胞等)で産生され、3つ全てのVPタンパク質は、(約)1:1:10(VP1:VP2:VP3);2:2:10(VP1:VP2:VP3);2:0:10(VP1:VP2:VP3);1~2:0~2:10(VP1:VP2:VP3);1~2:1~2:10(VP1:VP2:VP3);2~3:0~3:10(VP1:VP2:VP3);2~3:2~3:10(VP1:VP2:VP3);3:3:10(VP1:VP2:VP3);3~5:0~5:10(VP1:VP2:VP3);又は3~5:3~5:10(VP1:VP2:VP3)の化学的量論近接で発現される。
【0405】
特定の実施形態では、発現制御領域は、約又は正確に1:0:10約又は正確に1:1:10;約又は正確に2:1:10;約又は正確に2:1:10;約又は正確に2:2:10;約又は正確に3:0:10;約又は正確に3:1:10;約又は正確に3:2:10;約又は正確に3:3:10;約又は正確に4:0:10;約又は正確に4:1:10;約又は正確に4:2:10;約又は正確に4:3:10;約又は正確に4:4:10;約又は正確に5:5:10;約又は正確に1~2:0~2:10;約又は正確に1~2:1~2:10;約又は正確に1~3:0~3:10;約又は正確に1~3:1~3:10;約又は正確に1~4:0~4:10;約又は正確に1~4:1~4:10;約又は正確に1~5:1~5:10;約又は正確に2~3:0~3:10;約又は正確に2~3:2~3:10;約又は正確に2~4:2~4:10;約又は正確に2~5:2~5:10;約又は正確に3~4:3~4:10;約又は正確に3~5:3~5:10;及び約又は正確に4~5:4~5:10からなる群から選択されるVP1:VP2:VP3比を産生するように操作される。
【0406】
本開示の特定の実施形態では、Rep52又はRep78は、バキュロウイルス由来多面体プロモーター(polh)から転写される。Rep52又はRep78は、より弱いプロモーターから転写することもでき、例えば、Δie-1プロモーターであるie-1プロモーターの欠失変異体は、そのie-1プロモーターの転写活性の約20%を有する。Δie-1プロモーターと実質的に相同なプロモーターを使用してもよい。プロモーターに関して、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%又はそれ以上の相同性は、実質的に相同なプロモーターであると考えられる。
【0407】
哺乳動物細胞
本明細書に開示される本開示のウイルス産生は、ペイロード分子をコードするヌクレオチドを含むペイロード構築物、例えば、組換えAAV粒子又はウイルス構築物を送達するために標的細胞と接触するAAV粒子又はウイルスベクターを産生するためのプロセス及び方法を記載する。ウイルス産生細胞は、原核(例えば、細菌)細胞を含む任意の生物、並びに昆虫細胞、酵母細胞及び哺乳動物細胞を含む真核細胞から選択され得る。
【0408】
特定の実施形態では、本開示のAAV粒子は、哺乳動物細胞を含むウイルス産生細胞で産生され得る。ウイルス産生細胞は、哺乳動物由来の、A549、WEH1、3T3、10T1/2、BHK、MDCK、COS1、COS7、BSC1、BSC40、BMT10、VERO、W138、HeLa、HEK293、HEK293T(293T)、Saos、C2C12、L細胞、HT1080、Huh7、HepG2、C127、3T3、CHO、HeLa細胞、KB細胞、BHK及び初代線維芽細胞、肝細胞、並びに筋芽細胞等の哺乳動物細胞を含み得る。ウイルス産生細胞には、ヒト、サル、マウス、ラット、ウサギ、及びハムスターを含むがこれらに限定されない任意の哺乳動物種、又は線維芽細胞、肝細胞、腫瘍細胞、細胞株形質転換細胞等を含むがこれらに限定されない細胞型に由来する細胞が含まれ得る。
【0409】
組換えAAV粒子の産生のために一般的に使用されるAAVウイルス産生細胞としては、米国特許第6,156,303号、同第5,387,484号、同第5,741,683号、同第5,691,176号、同第6,428,988号及び同第5,688,676号に記載されるような他の哺乳動物細胞株が挙げられるが、これらに限定されない。米国特許出願第2002/0081721号、並びに国際特許公開第00/47757号、同第00/24916号、及び同第96/17947号(これらのそれぞれの内容は、本開示と矛盾しない限り、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。特定の実施形態では、AAVウイルス産生細胞は、複製欠損ヘルパーウイルス例えば、HEK293細胞又は他のEαトランス相補細胞から欠失した機能を提供するトランス相補パッケージング細胞株である。
【0410】
特定の実施形態では、パッケージング細胞株293-10-3(ATCC受託番号PTA-2361)は、米国特許第6281010号(その内容は、293-10-3パッケージング細胞株及びその使用に関連して、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように、AAV粒子を産生するために使用され得る。
【0411】
本開示の特定の実施形態では、ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)プロモーターの制御下でアデノウイルスE1a及びアデノウイルスE1bをコードするE1欠失アデノウイルスベクターをトランス相補するためのHeLa細胞株等の細胞株は、米国特許第6365394号に記載されているようにAAV粒子産生に使用することができ、その内容は、HeLa細胞株及びその使用に記載されるように、AAV粒子産生のために使用され得る。
【0412】
特定の実施形態では、AAV粒子は、マルチプラスミド一過性トランスフェクション法(例えば、トリプルプラスミド一過性トランスフェクション)を使用して哺乳動物細胞において産生される。特定の実施形態では、マルチプラスミド一過性トランスフェクション方法は、以下の3つの異なる構築物:(i)ペイロード構築物、(ii)Rep/Cap構築物(パルボウイルスRep及びパルボウイルスCap)、及び(iii)ヘルパー構築物のトランスフェクションを含む。特定の実施形態では、AAV粒子産生の3つの構成要素の三重トランスフェクション法を利用して、形質導入効率、標的組織(向性)評価、及び安定性を含むアッセイのための小ロットのウイルスを産生することができる。特定の実施形態では、AAV粒子産生の3成分のトリプルトランスフェクション法を利用して、臨床用途又は商業用途のための大量の材料を産生することができる。
【0413】
製剤化されるAAV粒子は、トリプルトランスフェクション若しくはバキュロウイルス媒介ウイルス産生、又は当技術分野で公知の任意の他の方法によって産生され得る。当技術分野で公知の任意の適切な許容セル又はパッケージングセルを使用して、ベクターを作製することができる。特定の実施形態では、複製欠損ヘルパーウイルス、例えば、293細胞又は他のE1aトランス相補性細胞から欠失された機能を提供するトランス相補性パッケージング細胞株が使用される。
【0414】
遺伝子カセットは、パルボウイルス(例えば、AAV)cap遺伝子及びrep遺伝子の一部又は全部を含み得る。特定の実施形態では、キャップ及びrep機能の一部又は全部は、カプシド及び/又はRepタンパク質をコードするパッケージングベクターを細胞に導入することによってトランスで提供される。特定の実施形態では、遺伝子カセットはカプシド又はRepタンパク質をコードしない。あるいは、cap及び/又はrep遺伝子を発現するように安定に形質転換されたパッケージング細胞株が使用される。
【0415】
組換えAAVウイルス粒子は、特定の実施形態では、米国特許出願公開第2016/0032254号に記載されている手順に従って培養上清から産生及び精製され、その内容は、組換えAAVウイルス粒子の産生及び処理に関連してその全体が参照により組み込まれる。産生はまた、293T細胞を使用する方法、トリプルトランスフェクション又は任意の適切な産生方法を含む当技術分野で公知の方法を含み得る。
【0416】
特定の実施形態では、哺乳動物ウイルス産生細胞(例えば、293T細胞)は、接着/接着状態(例えば、リン酸カルシウムを用いて)又は懸濁状態(例えば、ポリエチレンイミン(PEI)を用いて)であり得る。哺乳動物ウイルス産生細胞に、AAVの産生に必要なプラスミド(すなわち、AAV rep/cap構築物、アデノウイルスヘルパー構築物、及び/又はITR隣接ペイロード構築物)をトランスフェクトする。特定の実施形態では、トランスフェクションプロセスは、任意の培地交換(例えば、接着形態の細胞の培地交換、懸濁形態の細胞の培地交換なし、所望であれば懸濁形態の細胞の培地交換)を含み得る。特定の実施形態では、トランスフェクションプロセスは、DMEM又はF17等のトランスフェクション媒体を含むことができる。特定の実施形態では、トランスフェクション培地は血清を含むことができ、又は無血清(例えば、リン酸カルシウム及び血清と接着状態にある細胞、PEI及び血清なしの懸濁状態にある細胞)であり得る。
【0417】
その後、細胞を掻き取ること(接着形態)及び/又はペレット化すること(懸濁形態及び掻き取られた接着形態)によって回収し、レセプタクルに移すことができる。回収工程は、産生された細胞の完全な回収のために必要に応じて繰り返すことができる。次に、細胞溶解は、連続凍結融解サイクル(-80C~37C)、化学的溶解(洗剤トリトンの添加等)、機械的溶解によって、又は細胞培養物を約0%の生存率に達した後に分解させることによって達成することができる。細胞残屑を遠心分離及び/又は深層濾過によって除去する。試料を、DNA qPCR又はddPCRによるDNase耐性ゲノム滴定によってAAV粒子について定量する。
【0418】
AAV粒子力価は、ゲノムコピー数(1ミリリットル当たりのゲノム粒子)に従って測定される。ゲノム粒子濃度は、以前に報告されたようなベクターDNAのDNA qPCRに基づく(Clark et al.(1999)Hum.Gene Ther.,10:1031-1039;Veldwijk et al.(2002)Mol.Ther.,6:272-278を参照されたい。これらの文献の内容は、粒子濃度の測定に関連して参照によりその全体がそれぞれ組み込まれる)。
【0419】
昆虫細胞
本開示のウイルス産生は、ペイロード分子をコードするヌクレオチドを含むペイロード構築物、例えば組換えウイルス構築物を送達するために標的細胞と接触するAAV粒子又はウイルスベクターを産生するプロセス及び方法を含む。特定の実施形態では、本開示のAAV粒子又はウイルスベクターは、昆虫細胞を含むウイルス産生細胞で産生され得る。
【0420】
培養中の昆虫細胞の増殖条件、及び培養中の昆虫細胞における異種産物の産生は、当技術分野で周知である(米国特許第6,204,059号を参照されたく、その内容は、ウイルス産生における昆虫細胞の増殖及び使用に関するものとしてその全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
【0421】
パルボウイルスの複製を可能にし、培養中に維持することができる任意の昆虫細胞を、本開示に従って使用することができる。組換えAAV粒子の産生に一般的に使用されるAAVウイルス産生細胞としては、Sf9細胞株若しくはSf21細胞株を含むがこれらに限定されないスポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)細胞、ショウジョウバエ(Drosophila)細胞株、又はヒトスジシマカ(Aedes albopictus)由来細胞株等の蚊細胞株が挙げられるがこれらに限定されない。異種タンパク質の発現のための昆虫細胞の使用は、ベクター例えば、昆虫細胞適合性ベクター等の核酸をそのような細胞に導入する方法、及びそのような細胞を培養物中で維持する方法と同様に、十分に文書化されている。例えば、Methods in Molecular Biology,ed.Richard,Humana Press,NJ(1995);O’Reilly et al.,Baculovirus Expression Vectors,A Laboratory Manual,Oxford Univ.Press(1994);Samulski et al.,J.Vir.63:3822-8(1989);Kajigaya et al.,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 88:4646-50(1991);Ruffing et al.,J.Vir.66:6922-30(1992);Kimbauer et al.,Vir.219:37-44(1996);Zhao et al.,Vir.272:382-93(2000);及びSamulski et al.、米国特許第6,204,059号を参照されたく、これらのそれぞれの内容は、ウイルス産生における昆虫細胞の使用に関連するものとして、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0422】
いくつかの実施形態では、AAV粒子は、国際公開第2015/191508号(その内容は、本開示と矛盾しない限り、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている方法を使用して作製される。
【0423】
特定の実施形態では、バキュロウイルス系(例えば、Luckow et al.,Bio/Technology 6:47(1988)に記載されているように)と組み合わせた昆虫宿主細胞系を使用してもよい。特定の実施形態では、キメラペプチドを調製するための発現系は、Trichoplusia ni、Tn 5B1-4昆虫細胞/バキュロウイルス系であり、これは、米国特許第6660521号に記載されているように、高レベルのタンパク質のために使用することができ、その内容は、ウイルス粒子の産生に関して、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0424】
昆虫細胞の増殖、培養、トランスフェクション、感染及び貯蔵は、Hyclone(商標)SFX-Insect(商標)Cell Culture Media、Expression System ESF AF(商標)Insect Cell Culture Medium、ThermoFisher Sf-900II(商標)培地、ThermoFisher Sf-900III(商標)培地、又はThermoFisher Grace’s Insect Mediaを含む、当該分野で公知の任意の細胞培養培地、細胞トランスフェクション培地又は貯蔵培地中で行われ得る。本開示の昆虫細胞混合物は、塩、酸、塩基、緩衝剤、界面活性剤(Poloxamer 188/Pluronic F-68等)、及び他の公知の培養培地要素を含む(がこれらに限定されない)、本開示に記載される製剤添加剤又は要素のいずれかを含むこともできる。製剤添加剤は、徐々に、又は「スパイク」(短時間で大量に組み込む)として組み込むことができる。
【0425】
バキュロウイルス産生系
特定の実施形態では、本開示のプロセスは、ウイルス発現構築物及びペイロード構築物ベクターを使用するバキュロウイルス系におけるAAV粒子又はウイルスベクターの産生を含むことができる。特定の実施形態では、バキュロウイルス系は、バキュロウイルス発現ベクター(BEV)及び/又はバキュロウイルス感染昆虫細胞(BIIC)を含む。特定の実施形態では、本開示のウイルス発現構築物又はペイロード構築物は、バキュロウイルスプラスミド又は組換えバキュロウイルスゲノムとしても知られるバクミドであり得る。特定の実施形態では、本開示のウイルス発現構築物又はペイロード構築物は、当業者に公知であり実施される標準的な分子生物学技術によって、相同組換え(トランスポゾンドナー/アクセプターシステム)によってバクミドに組み込まれるポリヌクレオチドであり得る。別個のウイルス複製細胞集団のトランスフェクションは、バキュロウイルス(BEV)の2つ以上の群(例えば、2、3)、ウイルス発現構築物を含むことができる1つ以上の群(発現BEV)、及びペイロード構築物を含むことができる1つ以上の群(ペイロードBEV)を産生する。バキュロウイルスは、AAV粒子又はウイルスベクターの産生のためにウイルス産生細胞を感染させるために使用され得る。
【0426】
特定の実施形態では、このプロセスは、ウイルス発現構築物及びペイロード構築物の両方を含む単一のバキュロウイルス(BEV)群を産生するための単一のウイルス複製細胞集団のトランスフェクションを含む。これらのバキュロウイルスは、AAV粒子又はウイルスベクターの産生のためにウイルス産生細胞に感染させるために使用され得る。
【0427】
特定の実施形態では、BEVは、Promega FuGENE(登録商標)HD、WFI水、又はThermoFisher Cellfectin(登録商標)II試薬等のBacmidトランスフェクション剤を使用して製造される。特定の実施形態では、BEVは、昆虫細胞等のウイルス産生細胞で産生及び増殖される。
【0428】
特定の実施形態では、本方法は、バキュロウイルス感染昆虫細胞(BIIC)を含む1つ以上のBEVを含むウイルス産生細胞の種培養物を利用する。種BIICは、ウイルス発現構築物を含む発現BEV、及びペイロード構築物を含むペイロードBEVでトランスフェクト/形質導入/感染されている。特定の実施形態では、種培養物を収穫し、一定分量に分割し、凍結し、その後、産生細胞のナイーブ集団のトランスフェクション/形質導入/感染を開始するために使用することができる。特定の実施形態では、種BIICのバンクは、-80°C又はLN2蒸気中で保存される。
【0429】
バキュロウイルスは、バキュロウイルスの機能及び複製に不可欠ないくつかの必須タンパク質、例えば、複製タンパク質、エンベロープタンパク質及びカプシドタンパク質から作製される。したがって、バキュロウイルスゲノムは、必須タンパク質をコードするいくつかの必須遺伝子ヌクレオチド配列を含む。非限定的な例として、ゲノムは、バキュロウイルス構築物の必須タンパク質をコードする必須遺伝子ヌクレオチド配列を含む必須遺伝子領域を含み得る。必須タンパク質は、GP64バキュロウイルスエンベロープタンパク質、VP39バキュロウイルスカプシドタンパク質、又はバキュロウイルス構築物のための他の同様の必須タンパク質を含み得る。
【0430】
限定されないが、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)(Sf9)細胞を含む昆虫細胞においてAAV粒子を産生するためのバキュロウイルス発現ベクター(BEV)は、高力価のウイルスベクター産物を提供する。ウイルス発現構築物及びペイロード構築物をコードする組換えバキュロウイルスは、ウイルスベクター複製細胞の増殖感染を開始させる。一次感染から放出された感染性バキュロウイルス粒子は、培養物中の更なる細胞に二次感染し、初期感染多重度の関数である感染サイクル数で細胞培養集団全体に指数関数的に感染する(see Urabe,M.et al.J Virol.2006 Feb;80(4):1874-85を参照されたく、その内容は、BEV及びウイルス粒子の産生及び使用に関連してその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0431】
昆虫細胞系におけるバキュロウイルスを用いたAAV粒子の産生は、公知のバキュロウイルスの遺伝的及び物理的不安定性に対処し得る。
【0432】
特定の実施形態では、本開示の産生システムは、力価のない感染細胞の保存及びスケールアップシステムを利用することによって、複数回の継代にわたるバキュロウイルスの不安定性に対処する。ウイルス産生細胞の小規模の種培養物を、AAV粒子の構造及び/又は非構造成分をコードするウイルス発現構築物でトランスフェクトする。バキュロウイルス感染ウイルス産生細胞を一定分量に採取し、液体窒素中で凍結保存することができ、一定分量は、大規模ウイルス産生細胞培養物の感染のための生存率及び感染力を保持する。Wasilko DJ et al.Protein Expr Purif.2009 Jun;65(2):122-32、その内容は、BEV及びウイルス粒子の産生及び使用に関連してその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0433】
遺伝的に安定なバキュロウイルスを使用して、無脊椎動物細胞においてAAV粒子を産生するための成分の1つ以上の供給源を産生することができる。特定の実施形態では、欠陥バキュロウイルス発現ベクターは、昆虫細胞内でエピソーム的に維持され得る。そのような実施形態では、対応するバクミドベクターは、限定されないが、プロモーター、エンハンサ、及び/又は細胞周期調節複製エレメントを含む複製制御エレメントで操作される。
【0434】
特定の実施形態では、バキュロウイルス感染を許容する安定なウイルス産生細胞は、AAVゲノム全体、Rep及びCap遺伝子、Rep遺伝子、Cap遺伝子、別個の転写カセットとしての各Repタンパク質、別個の転写カセットとしての各VPタンパク質、AAP(アセンブリ活性化タンパク質)、又は天然若しくは非天然プロモーターを有するバキュロウイルスヘルパー遺伝子の少なくとも1つを含むがこれらに限定されない、AAV複製及びベクター産生に必要な要素の少なくとも1つの安定な統合コピーで操作される。
【0435】
いくつかの実施形態では、本開示のAAV粒子は、昆虫細胞(例えば、Sf9細胞)中で産生され得る。
【0436】
いくつかの実施形態では、本開示のAAV粒子は、トリプルトランスフェクションを使用して産生され得る。
【0437】
いくつかの実施形態では、本開示のAAV粒子は、哺乳動物細胞で産生され得る。
【0438】
いくつかの実施形態では、本開示のAAV粒子は、哺乳動物細胞におけるトリプルトランスフェクションによって産生され得る。
【0439】
いくつかの実施形態では、本開示のAAV粒子は、HEK293細胞におけるトリプルトランスフェクションによって産生され得る。
【0440】
本明細書に記載されるように、肝臓指向性カプシドタンパク質例えば、sL65カプシドタンパク質を含み、GALタンパク質をコードするAAV粒子は、ヒトの病気の分野、獣医学的用途、並びに様々なインビボ及びインビトロ環境において有用であり得る。本開示のAAV粒子は、GAL関連疾患及び/又は障害、例えばリソソーム蓄積症、例えばファブリー病の処置、予防、緩和又は改善のための医薬の分野において有用であり得る。いくつかの実施形態では、本開示のAAV粒子は、GAL関連障害、例えば、リソソーム蓄積症、例えば、ファブリー病の予防及び/又は処置のために使用される。
【0441】
IV.医薬組成物
本開示は更に、ヒト対象を含む哺乳動物対象におけるGAL-関連障害及びGALタンパク質の機能又は発現の欠損に関連する障害を治療する方法であって、肝臓指向性カプシドタンパク質、例えば、sL65カプシドタンパク質を含むウイルス粒子、及びGALタンパク質をコードする導入遺伝子を含む核酸、又はその医薬組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。
【0442】
本明細書で使用される場合、「組成物」という用語は、AAV粒子及び少なくとも1つの賦形剤を含む。本明細書で使用される場合、「医薬組成物」という用語は、AAV粒子及び1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む。
【0443】
本明細書で提供される医薬組成物、例えば、送達されるGALタンパク質をコードするペイロードを含むAAVの説明は、主にヒトへの投与に適した医薬組成物を対象としているが、そのような組成物は一般に、任意の他の動物、例えば、非ヒト動物、例えば、非ヒト哺乳動物への投与に適していることが当業者によって理解されるであろう。組成物を様々な動物への投与に適したものにするためのヒトへの投与に適した医薬組成物の改変は十分に理解されており、当業者の獣医学薬理学者は、もしあれば単なる通常の実験でそのような改変を設計及び/又は実施することができる。医薬組成物の投与が企図される対象には、ヒト及び/又は他の霊長類;ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ネコ、イヌ、マウス及び/又はラット等の商業的に関連する哺乳動物を含む哺乳動物;及び/又は鳥、例えば、家禽、ニワトリ、アヒル、ガチョウ及び/又はシチメンチョウ等の商業的に関連する鳥が含まれるが、これらに限定されない。
【0444】
いくつかの実施形態では、組成物は、ヒト、ヒト患者又は対象に投与される。
【0445】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のAAV粒子製剤は、少なくとも1つのペイロードをコードする核酸を含み得る。いくつかの実施形態では、製剤は、1、2、3、4、又は5個のペイロードをコードする核酸を含み得る。いくつかの実施形態では、製剤は、限定されないが、ヒトタンパク質、獣医学的タンパク質、細菌タンパク質、生物学的タンパク質、抗体、免疫原性タンパク質、治療用ペプチド及びタンパク質、分泌タンパク質、原形質膜タンパク質、細胞質タンパク質、細胞内膜骨格タンパク質、細胞結合タンパク質、核タンパク質、ヒト疾患に関連するタンパク質、及び/又は非ヒト疾患に関連するタンパク質等のカテゴリーから選択されるタンパク質をコードする核酸を含み得る。いくつかの実施形態では製剤は、タンパク質をコードする少なくとも3つのペイロード構築物を含有する。特定の実施形態は、ペイロードの少なくとも1つがGALタンパク質又はそのバリアントであることを規定する。
【0446】
本開示による医薬組成物は、バルクで、単一単位用量として、及び/又は複数の単一単位用量として、調製、包装、及び/又は販売され得る。本明細書で使用される場合、「単位用量」は、所定量の活性成分を含む医薬組成物の個別の量を指す。活性成分の量は、一般に、対象に投与される活性成分の投薬量及び/又はこのような投薬量の都合のよい画分(例えば、このような投薬量の半分又は3分の1)に等しい。
【0447】
本開示の一態様では、本開示のAAV粒子は、薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物の形態であり得る。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」は、本開示の単離されたポリペプチドが安定なままであり、生物学的に利用可能である医薬品の投与に従来使用可能な任意の実質的に無毒性の担体を指す。薬学的に許容され得る担体は、それを処置される哺乳動物への投与に適したものにするのに十分に高い純度及び十分に低い毒性のものでなければならない。更に、活性薬剤の安定性及びバイオアベイラビリティを維持すべきである。薬学的に許容され得る担体は、液体又は固体であり得、所与の組成物の活性剤及び他の成分と組み合わせたときに所望の嵩、稠度等を提供するように、計画された投与様式を念頭に置いて選択される。適切な薬学的に許容される担体としては、生理学的に適合性である任意の及び全ての溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤等が挙げられる。薬学的に許容される担体には、滅菌水溶液又は分散液、及び滅菌注射用溶液又は分散液の即時調製のための滅菌粉末も含まれる。薬学的に活性な物質に対するそのような媒質及び薬剤の使用は、当該技術分野において周知である。任意の従来の培地又は薬剤が遺伝子治療ベクターと適合しない場合を除いて、本開示の医薬組成物におけるその使用が企図される。補助活性化合物も組成物に組み込むことができる。
【0448】
本開示の医薬組成物は、獣医学目的の動物(例えば、家畜(ウシ、ブタ、イヌ、マウス、ラット)及び他の非ヒト哺乳動物対象並びにヒト対象への送達のために製剤化され得る。
【0449】
一実施形態では、本開示の医薬組成物は、注射可能な組成物の形態である。組成物は、注射剤として、液体溶液又は懸濁液のいずれかとして調製することができる。製剤は乳化されていてもよい。適切な賦形剤は、例えば、水、生理食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノール、リン酸緩衝生理食塩水等、及びそれらの組合せである。更に、所望であれば、調製物は、湿潤剤又は乳化剤、pH緩衝剤、アジュバント、界面活性剤又は免疫賦活剤等の少量の補助物質を含有してもよい。
【0450】
滅菌注射液は、必要に応じて、上に列挙した成分の1つ又は組合せを含む適切な溶媒中に必要量の本開示の組成物を組み込み、続いて濾過滅菌することによって調製することができる。一般に、分散液は、活性化合物を、塩基性分散媒体及び上に列挙したものからの必要な他の成分を含有する滅菌ビヒクルに組み込むことによって調製される。滅菌注射液の調製のための滅菌粉末の場合、好ましい調製方法には、真空乾燥及び凍結乾燥が含まれ、これにより、有効成分及び任意の追加の所望の成分の粉末が、予め滅菌濾過されたその溶液から得られる。
【0451】
本明細書に記載の核酸分子の毒性及び治療有効性は、例えば、ED50(集団の50%において治療的に有効な用量)を決定するために、細胞培養又は実験動物における標準的な薬学的手順によって決定することができる。細胞培養アッセイ及び/又は動物研究から得られたデータを、ヒトにおける使用のための投薬量の範囲を定式化する際に使用することができる。用量は、典型的には、毒性がほとんど又は全くないED50を含む濃度の範囲内にある。投与量は、使用される剤形及び利用される投与経路に応じて、この範囲内で変動し得る。本開示の方法で使用される任意の化合物について、治療有効用量は、細胞培養アッセイから最初に推定することができる。
【0452】
V.製剤
本明細書に記載のAAV医薬組成物の製剤は、薬理学の分野で公知の又は今後開発される任意の方法によって調製することができる。一般に、そのような調製方法は、活性成分を賦形剤及び/又は1つ若しくは複数の他の補助成分と会合させ、次いで、必要及び/又は望ましい場合、製品を所望の単回又は複数回投与単位に分割、成形及び/又は包装する工程を含む。
【0453】
本開示による医薬組成物中の活性成分、薬学的に許容される賦形剤、及び/又は任意の追加の成分の相対量は、治療される対象の同一性、サイズ、及び/又は状態に応じて、更に組成物が投与される経路に応じて変化する。
【0454】
例えば、組成物は、0.1%~99%(w/w)の活性成分を含み得る。例として、組成物は、0.1%~100%、例えば0.5%~50%、1~30%、5~80%、又は少なくとも80%(w/w)の活性成分を含み得る。
【0455】
本開示のAAV粒子は、(1)安定性を高めるために、(2)細胞トランスフェクション又は形質導入を増加させるために、(3)持続放出又は遅延放出を可能にするために、(4)体内分布を変化させる(例えば、ウイルス粒子を特定の組織又は細胞型に標的化する)ために、(5)コードされたタンパク質の翻訳をインビボで増加させるために、(6)コードされたタンパク質の放出プロファイルをインビボで変化させるために、及び/又は(7)ペイロードの調節可能な発現を可能にするために、1つ以上の賦形剤を使用して製剤化することができる。
【0456】
本開示の製剤は、生理食塩水、リピドイド、リポソーム、脂質ナノ粒子、ポリマー、リポプレックス、コアシェルナノ粒子、ペプチド、タンパク質、ウイルスベクターでトランスフェクトされた細胞(例えば、対象への移植のために)、ナノ粒子模倣物及びそれらの組合せを含み得るが、これらに限定されない。更に、本開示のウイルスベクターは、自己集合型核酸ナノ粒子を使用して製剤化され得る。
【0457】
いくつかの実施形態では、GALタンパク質をコードするウイルスベクターは、バリシティ及び/又は重量オスモル濃度を最適化するように製剤化され得る。いくつかの実施形態では、製剤のバリシティ及び/又は重量オスモル濃度は、肝臓における最適な薬物分布を確実にするために最適化され得る。
【0458】
本開示の製剤は、それぞれが一緒になってAAV粒子の安定性を増加させ、ウイルス粒子による細胞トランスフェクション又は形質導入を増加させ、ウイルス粒子コードタンパク質の発現を増加させ、及び/又はAAV粒子コードタンパク質の放出プロファイルを変更する量の1つ以上の賦形剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される賦形剤は、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%純粋であり得る。いくつかの実施形態では、賦形剤は、ヒト及び獣医学的使用のための使用が承認されている。いくつかの実施形態では、賦形剤は、米国食品医薬品局によって承認され得る。いくつかの実施形態では、賦形剤は医薬品グレードのものであり得る。いくつかの実施形態では、賦形剤は、米国薬局方(USP)、欧州薬局方(EP)、英国薬局方及び/又は国際薬局方の基準を満たし得る。
【0459】
本明細書で使用される賦形剤には、所望の特定の剤形に適した、ありとあらゆる溶媒、分散媒体、希釈剤、又は他の液体ビヒクル、分散又は懸濁助剤、界面活性剤、等張剤、増粘剤又は乳化剤、防腐剤等が含まれるが、これらに限定されない。医薬組成物を製剤化するための様々な賦形剤及び組成物を調製するための技術は当技術分野で公知である(Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st Edition,A.R.Gennaro,Lippincott,Williams & Wilkins,Baltimore,MD,2006;その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)。従来の賦形剤媒体の使用は、任意の従来の賦形剤媒体が、任意の望ましくない生物学的効果を生じさせること、又はそうでなければ医薬組成物の任意の他の成分と有害な様式で相互作用すること等によって、物質又はその誘導体と不適合であり得る限りを除いて、本開示の範囲内で企図され得る。
【0460】
いくつかの実施形態では、AAV製剤は、不活性成分である少なくとも1つの賦形剤を含み得る。本明細書で使用される場合、「不活性成分」という用語は、製剤に含まれる医薬組成物の活性に寄与しない1つ以上の薬剤を指す。いくつかの実施形態では、本開示の製剤に使用され得る不活性成分の全部、なし、又は一部は、米国食品医薬品局(FDA)によって承認され得る。
【0461】
本明細書に開示されるAAV粒子の製剤は、カチオン又はアニオンを含み得る。いくつかの実施形態では、製剤は、限定されないが、Zn2+、Ca2+、Cu2+、Mg、又はそれらの組合せ等の金属カチオンを含む。いくつかの実施形態では製剤は、金属カチオンと錯体を形成したポリマー又はポリヌクレオチドを含んでもよい(例えば、米国特許第6,265,389号及び同第6,555,525号を参照されたく、これらのそれぞれの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
【0462】
VI.本開示の方法
本開示はまた、本開示の組成物の使用方法であって、一般に、本開示のAAV粒子又はAAV粒子を含む医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0463】
一態様では、本開示は、外因性GALタンパク質を対象に送達する方法を提供する。この方法は一般に、有効量のAAVウイルス粒子又は本開示のAAV粒子を含む医薬組成物を投与し、それによって外因性GALを対象に送達することを含む。
【0464】
本開示は更に、リソソーム蓄積症(例えば、ファブリー病)を有する又は有すると診断された対象を治療する方法を提供する。方法は、有効量のAAVウイルス粒子又は本開示のAAV粒子を含む医薬組成物を投与し、それにより対象のリソソーム蓄積症を治療することを含む。
【0465】
本開示はまた、GAL関連疾患(例えば、ファブリー病)を有するか又は有すると診断された対象を治療する方法を提供する。方法は、有効量のAAVウイルス粒子又は本開示のAAV粒子を含む医薬組成物を投与し、それにより対象のGAL関連疾患を治療することを含む。
【0466】
本開示はまた、ファブリー病を有するか又は有すると診断された対象を治療する方法を提供する。方法は、有効量のAAVウイルス粒子又は本開示のAAV粒子を含む医薬組成物を投与し、それにより対象のファブリー病を治療することを含む。
【0467】
いくつかの実施形態では、本開示のAAV粒子は、GALタンパク質又はそのバリアントを含む治療用産物である機能性ペイロードの送達を通して、それを必要とする対象における遺伝子産物のレベル又は機能を調節することができる。機能的ペイロードは、それを必要とする対象における遺伝子産物(例えば、タンパク質の非存在又は欠損)の異常なレベル及び/又は機能に起因する症状を軽減又は軽減し得る。
【0468】
いくつかの実施形態では、AAV粒子の送達は、対象のGALのレベルによって測定される場合、GAL関連障害、例えばリソソーム蓄積症、例えばファブリー病の進行を停止又は遅延させることができる。GALのレベルは、当技術分野で公知の任意の方法を使用して、例えば、血液中のGALのレベルを測定することによって測定することができる。ファブリー病の男性は、通常、酵素アッセイ試験によって診断することができる。古典的ファブリー病を有する男性は、本質的にGAL酵素を有しない(正常の1%未満)。非古典的ファブリー遺伝子変異を有する雄は、いくらかの酵素を有するが、依然として非常に低い。対照的に、雌はほぼ正常なレベルの酵素を有し得るので、酵素アッセイは診断に十分ではなく、したがってDNA配列分析を行わなければならない。
【0469】
特定の実施形態では、AAV粒子の送達は、例えば、特に手及び足のしびれ、刺痛、灼熱感又は他の異常な感覚(先端感覚異常)、疼痛発作/発作、発熱、身体の痛み又は不快感、激しい身体活動に対する不耐性、頻繁な及び/又は慢性疲労、高温及び低温不耐性、発汗の減少又は欠如、下肢、足首及び足の腫れ(浮腫)、角膜又は水晶体混濁(角膜及び時には眼のレンズの線条又は渦巻状の不透明な又は白いパターン(渦巻き状角膜及びファブリー病白内障)、小さな、時にはクラスター化した、わずかに隆起した赤色又は赤紫色の皮膚病変(被角血管腫)、胃腸の問題、例えば、頻繁な軽度から重度の下痢及び/又は便秘、鼓腸、胃痛又は腸痛及び痙攣、早期満腹、食物不耐性、及び体重増加困難、しばしば喘鳴によって証明される閉塞性又は収縮性肺疾患、慢性咳、息切れ又は努力呼吸(呼吸困難)、再発性気管支炎及び疲労(しばしば閉塞性肺疾患と診断される)、耳鳴り(耳鳴症)、並びに進行性又は突然の難聴、脱力感、意識もうろう感、めまい、めまい症(回転性めまい)及び神経学的損傷及び他の脳血管疾患の影響による頭痛、多くの他のファブリー病症状、一過性虚血発作(TIA)、脳卒中、腎機能障害及びしばしば糖尿病を伴わない腎不全、タンパク質尿及び微量アルブミン尿、腎臓透析及び移植、不整脈等の心臓合併症(心房細動を含む心拍数又は律動の異常)を引き起こす又は悪化させる末梢神経障害(末梢神経系の損傷);左室肥大(LVH)、並びに心臓弁の機能不全、心臓発作及び心不全を含むGAL関連障害(例えば、ファブリー病)の1つ以上の症状を改善し得る。これらの症状のいずれかの改善は、当技術分野で公知の標準的な方法及び技術に従って容易に評価することができる。ファブリー病の処置の有効性を決定するために、上に列挙していない他の症状もモニターすることができる。
【0470】
特定の実施形態では、処置を必要とする対象は、古典的なファブリー病型を有する対象である。他の実施形態では、治療を必要とする対象は、遅発性又は非定型ファブリー病型を有する対象である。特定の実施形態では、本開示は、AAV粒子又は本開示のAAV粒子を含む医薬組成物を投与することによって、必要とする前述の対象のいずれかにおいて、骨格筋、心筋及び/又は肝臓等におけるスフィンゴ糖脂質蓄積を減少させる方法を提供する。
【0471】
一般に、目的の細胞のウイルス感染のための方法は当技術分野で公知である。ウイルスは、目的の細胞と接触して配置され得るか、あるいは、GAL関連障害、例えば、リソソーム蓄積症、例えば、ファブリー病に罹患している対象に注射され得る。
【0472】
本開示の組成物を治療目的で対象に導入する際の指針は、当技術分野で公知であり、米国特許第5,631,236号、第5,688,773号、第5,691,177号、第5,670,488号、第5,529,774号、第5,601,818号、及びPCT公開番号国際公開第95/06486号(その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる)において得ることができる。
【0473】
本開示のAAV粒子は、治療上有効な転帰をもたらす任意の経路によって投与され得る。これらには、経腸(腸内)、胃腸管、硬膜外(硬膜内に)、経口(口を介して)、経皮、硬膜外、脳内(大脳内)、脳室内(脳室に)、頭蓋内(頭蓋骨内)、皮膚皮内(皮膚への適用)、皮内(皮膚自体に)、皮下(皮膚下)、経鼻投与(鼻を介して)、静脈内(静脈に)、静脈内ボーラス、静脈内点滴、動脈内(動脈内に)、筋肉内(筋肉に)、心臓内(心臓に)、骨内注入(骨髄に)、実質内(の物質に)、髄腔内(脊髄管内)、腹腔内(腹膜内への注入又は注射)、小胞内注入、硝子体内、(眼を介して)、空洞内(病変腔内)腔内(陰茎の基部内)、膣内投与、子宮内、羊膜外投与、経皮(全身分布のための無傷の皮膚を介した拡散)、経粘膜(粘膜を介した拡散)、経膣、吹送(鼻吸引)、舌下、口唇下、浣腸、点眼剤(結膜上)、点耳、耳介(耳内又は耳経由)、頬側(頬に向けられる)、結膜、皮膚、歯科(1つ以上の歯に向けられる)、電気浸透、頸管内、内腔内、気管内、体外、血液透析、浸潤、間質、腹腔内、羊膜内、関節内、胆管内、気管内、嚢内、軟骨内(軟骨内に)、尾内(馬尾内)、大槽内(小脳延髄腔内)、角膜内(角膜内)、歯質内、冠動脈内(冠動脈内)、海綿体内(陰茎の海綿体の拡張可能な空間内)、椎間板内(椎間板に)、管内(腺管内)、十二指腸内(十二指腸に)、硬膜内(硬膜内又は硬膜下)、表皮内(表皮に)、食道内(食道に)、胃内(胃に)、歯肉内(歯肉に)、回腸内(小腸遠位部内)、病巣内(限局性病変内又はそれに直接導入)、管腔内(管腔管内)、リンパ管内(リンパ内)、髄内(骨の骨髄腔内)、髄膜内(髄膜に)、眼内(眼に)、卵巣内(卵巣に)、心膜内(心膜に)、胸膜内(胸膜に)、前立腺内(前立腺に)、肺内(肺又はその気管支内)、鼻腔内(鼻又は眼窩周囲洞内)、脊髄内(脊柱内)、滑膜内(関節の滑膜腔内)、腱内(腱に)、精巣内(精巣に)、髄腔内(脳脊髄軸の任意のレベルでの髄腔液内)、胸部内(胸郭内)、管状内(器官の細管内)、腫瘍内(腫瘍に)、鼓膜内(耳介内)、血管内((1つ以上の)血管内)、脳室内(脳室に)、イオン導入(可溶性塩のイオンが身体の組織内に移動する電流による)、洗浄(開口創傷又は体腔を入浴又は洗浄するため)、喉頭(喉頭の直上)、経鼻胃部(鼻及び胃の中)、閉塞包帯法(局所経路投与であって、その後、その領域を閉塞する包帯によって覆われる局所経路投与)、眼(外眼)、中咽頭(口及び咽頭に直接)、非経口、経皮、関節周囲、硬膜外、神経周囲、歯周、直腸、呼吸器(局所的又は全身的効果のために経口的又は経鼻的に吸入することによる気道内)、球後(橋の後ろ又は眼球の後ろ)、軟組織、くも膜下、結膜下、粘膜下、軟膜下、局所的、経胎盤(胎盤を通る又は横切る)、経気管(気管の壁を通る)、経鼓室(鼓室を横切る又は通る)、尿管(尿管へ)、尿道(尿道へ)、膣、尾ブロック、診断、神経ブロック、胆汁灌流、心臓灌流、光フェレーシス又は脊髄が挙げられるがこれらに限定されない。
【0474】
いくつかの実施形態では、AAV粒子は全身送達によって送達され得る。いくつかの実施形態では、全身送達は血管内投与によるものであり得る。いくつかの実施形態では、全身送達は静脈内(IV)投与によるものであり得る。
【0475】
障害の処置及び/又は予防のための本開示の方法の適用は、障害を治癒させ、障害に関連する少なくとも1つの症状を長期若しくは短期のいずれかで、又は単に対象に対する一時的な有益な効果を減少させることができる。
【0476】
したがって、本明細書で使用される場合、「処置する」、「処置」及び「処置すること」という用語は、GAL関連疾患、例えば、リソソーム蓄積症(例えば、ファブリー病)に罹患しているか、又はそのような状態若しくはそのような状態の少なくとも1つの症状を治癒、治癒、緩和、緩和、変更、矯正、改善若しくは影響する目的でそのような状態にかかりやすい対象への、本明細書に記載される組成物の適用又は投与を含む。本明細書で使用される場合、状態の再発が減少、減速、遅延又は予防される場合、状態はまた「治療される」。
【0477】
「予防的」又は「治療的」治療という用語は、対象組成物の1つ以上の対象への投与を指す。望ましくない状態(例えば、宿主動物の疾患又は他の望ましくない状態)の臨床症状発現前に投与される場合、治療は予防的であり、すなわち、宿主を望ましくない状態の発症から保護するが、望ましくない状態の症状発現後に投与される場合、治療は治療的である(すなわち、それは、そこからの既存の望ましくない状態又は副作用を減少、改善又は維持することを意図している)。
【0478】
本明細書で使用される「治療有効量」は、GAL関連疾患、例えば、リソソーム蓄積症(例えば、ファブリー病)を治療するために患者に投与された場合、(例えば、既存の疾患又は疾患の1つ以上の症状を減少、改善又は維持することによって)疾患の治療を行うのに十分な本開示の組成物の量を含むことを意図する。「治療有効量」は、組成物、組成物がどのように投与されるか、疾患及びその重症度並びに病歴、年齢、体重、家族歴、遺伝的構成、疾患発現によって媒介される病理学的過程の病期、もしあれば先行する又は付随する治療の種類、及び治療される患者の他の個々の特徴に応じて異なり得る。
【0479】
本明細書で使用される「予防有効量」は、例えば、GAL関連疾患、例えば、リソソーム蓄積症(例えば、ファブリー病)の症状をまだ経験していないか又は示していないが、疾患にかかりやすい可能性がある対象に投与された場合、疾患又は疾患の1つ若しくは複数の症状を予防又は改善するのに十分な組成物の量を含むことを意図している。疾患を改善することには、疾患の経過を遅らせること、又は後に発症する疾患の重症度を低下させることが含まれる。「予防有効量」は、組成物、組成物がどのように投与されるか、疾患のリスクの程度、並びに治療される患者の病歴、年齢、体重、家族歴、遺伝的構成、先行する又は付随する治療の種類、存在する場合、及び他の個々の特徴に応じて異なり得る。
【0480】
「治療有効量」又は「予防有効量」はまた、任意の治療に適用可能な合理的な利益/リスク比で何らかの所望の局所的又は全身的効果を生じる組成物の量を含む。本開示の方法で使用される組成物は、そのような治療に適用可能な合理的な利益/リスク比をもたらすのに十分な量で投与され得る。
【0481】
本明細書に記載される組成物は、所望の効果を達成するために必要に応じて投与され得、限定されないが、対象の状態の重症度、年齢及び病歴並びに組成物の性質、例えば、遺伝子の同一性又は影響を受けた生化学的経路を含む様々な因子に依存する。
【0482】
本開示の医薬組成物は、単回用量で投与されてもよく、又は本開示の特定の実施形態では、治療効果を達成するために複数回用量(例えば、2回、3回、4回又はそれ以上の投与)が使用されてもよい。複数回投与が使用される場合、本明細書に記載されるもの等の分割投与レジメンが使用され得る。本明細書で使用される場合、「分割用量」は、単一単位用量又は総1日用量を2つ以上の用量、例えば、単一単位用量の2回以上の投与に分割することである。本明細書で使用される場合、「単回単位用量」は、1回用量/1回/単一経路/単一接触点、すなわち単回投与事象で投与される任意の治療用組成物の用量である。いくつかの実施形態では、単一単位用量は、個別剤形(例えば、錠剤、カプセル、パッチ、充填シリンジ、バイアル等)として提供される。本明細書で使用される場合、「1日の総用量」は、24時間以内に与えられる又は処方される量である。それは、単回単位用量として投与され得る。ウイルス粒子は、緩衝液のみで、又は本明細書に記載の製剤で製剤化され得る。
【0483】
治療的又は予防的レジメンは、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23又は24週間の期間をカバーし得るか、又は対象に慢性的に投与され得る。
【0484】
一般に、本開示の核酸分子及び/又はベクターは、所望の効果を誘発する、例えば、GAL発現及び/又は活性を増加させるための治療有効量で提供される。投与されるウイルス粒子の量は、治療の数及び量の両方に応じて、対象の臨床状態、年齢、以前の治療、一般的な健康状態及び/又は年齢、存在する他の疾患、及び障害の重症度等の要因にも依存する。投与するのに必要な有効成分の正確な量は、遺伝子治療医の判断に依存し、個々の患者に固有である。更に、本開示の治療有効量の核酸分子及び/又はベクターによる対象の治療は、単一の治療を含むことができ、又は好ましくは、一連の治療を含むことができる。治療に使用される有効投与量は、特定の治療の経過にわたって増加又は減少し得ることも理解されよう。投与量の変化は、本明細書に記載の診断アッセイの結果から生じ得る。医薬組成物は、投与説明書と共に容器、パック、又はディスペンサーに含めることができる。
【0485】
いくつかの実施形態では、本開示のウイルス粒子(又は本開示の医薬組成物)の治療有効量又は予防有効量は、約1×10、約1.5×10、約2×10、約2.5×10、約3×10、約3.5×10、約4×10、約4.5×10、約5×10、約5.5×10、約6×10、約6.5×10、約7×10、約7.5×10、約8×10、約8.5×10、約9×10、約9.5×10、約1×10、約1.5×10、約2×10、約2.5×10、約3×10、約3.5×10、約4×10、約4.5×10、約5×10、約5.5×10、約6×10、約6.5×10、約7×10、約7.5×10、約8×10、約8.5×10、約9×10、約9.5×10、約1×10、約1.5×10、約2×10、約2.5×10、約3×10、約3.5×10、約4×10、約4.5×10、約5×10、約5.5×10、約6×10、約6.5×10、約7×10、約7.5×10、約8×10、約8.5×10、約9×10、約9.5×10、約1×10、約1.5×10、約2×10、約2.5×10、約3×10、約3.5×10、約4×10、約4.5×10、約5×10、約5.5×10、約6×10、約6.5×10、約7×10、約7.5×10、約8×10、約8.5×10、約9×10、約9.5×10、約1×10、約1.5×10、約2×10、約2.5×109、約3×10、約3.5×10、約4×10、約4.5×10、約5×10、約5.5×10、約6×10、約6.5×10、約7×10、約7.5×10、約8×10、約8.5×10、約9×10、約9.5×10、約1×1010、約1.5×1010、約2×1010、約2.5×1010、約3×1010、約3.5×1010、約4×1010、約4.5×1010、約5×1010、約5.5×1010、約6×1010、約6.5×1010、約7×1010、約7.5×1010、約8×1010、約8.5×1010、約9×1010、約9.5×1010、約1×1011、約1.5×1011、約2×1011、約2.5×1011、約3×1011、約3.5×1011、約4×1011、約4.5×1011、約5×1011、約5.5×1011、約6×1011、約6.5×1011、約7×1011、約7.5×1011、約8×1011、約8.5×1011、約9×1011、約9.5×1011、約1×1012、約1.5×1012、約2×1012、約2.5×1012、約3×1012、約3.5×1012、約4×1012、約4.5×1012、約5×1012、約5.5×1012、約6×1012、約6.5×1012、約7×1012、約7.5×1012、約8×1012、約8.5×1012、約9×1012、約9.5×1012、約1×1013、約1.5×1013、約2×1034、約2.5×1013、約3×1013、約3.5×1013、約4×1013、約4.5×1013、約5×1013、約5.5×1013、約6×1013、約6.5×1013、約7×1013、約7.5×1013、約8×1013、約8.5×1013、約9×1013、約9.5×1013、約1×1014、約1.5×1014、約2×1014、約2.5×1014、約3×1014、約3.5×1014、約4×1014、約4.5×1014、約5×1014、約5.5×1014、約6×1014、約6.5×1014、約7×1014、約7.5×1014、約8×1014、約8.5×1014、約9×1014、約9.5×1014、約1×1015ウイルス粒子(vp)の範囲の力価である。
【0486】
いくつかの実施形態では、本開示のウイルス粒子(又は本開示の医薬組成物)の治療有効量又は予防有効量は、約1×10、約1.5×10、約2×10、約2.5×10、約3×10、約3.5×10、約4×10、約4.5×10、約5×10、約5.5×10、約6×10、約6.5×10、約7×10、約7.5×10、約8×10、約8.5×10、約9×10、約9.5×10、約1×10、約1.5×10、約2×10、約2.5×10、約3×10、約3.5×10、約4×10、約4.5×10、約5×10、約5.5×10、約6×10、約6.5×10、約7×10、約7.5×10、約8×10、約8.5×10、約9×10、約9.5×10、約1×10、約1.5×10、約2×10、約2.5×10、約3×10、約3.5×10、約4×10、約4.5×10、約5×10、約5.5×10、約6×10、約6.5×10、約7×10、約7.5×10、約8×10、約8.5×10、約9×10、約9.5×10、約1×10、約1.5×10、約2×10、約2.5×10、約3×10、約3.5×10、約4×10、約4.5×10、約5×10、約5.5×10、約6×10、約6.5×10、約7×10、約7.5×10、約8×10、約8.5×10、約9×10、約9.5×10、約1×10、約1.5×10、約2×10、約2.5×109、約3×10、約3.5×10、約4×10、約4.5×10、約5×10、約5.5×10、約6×10、約6.5×10、約7×10、約7.5×10、約8×10、約8.5×10、約9×10、約9.5×10、約1×1010、約1.5×1010、約2×1010、約2.5×1010、約3×1010、約3.5×1010、約4×1010、約4.5×1010、約5×1010、約5.5×1010、約6×1010、約6.5×1010、約7×1010、約7.5×1010、約8×1010、約8.5×1010、約9×1010、約9.5×1010、約1×1011、約1.5×1011、約2×1011、約2.5×1011、約3×1011、約3.5×1011、約4×1011、約4.5×1011、約5×1011、約5.5×1011、約6×1011、約6.5×1011、約7×1011、約7.5×1011、約8×1011、約8.5×1011、約9×1011、約9.5×1011、約1×1012、約1.5×1012、約2×1012、約2.5×1012、約3×1012、約3.5×1012、約4×1012、約4.5×1012、約5×1012、約5.5×1012、約6×1012、約6.5×1012、約7×1012、約7.5×1012、約8×1012、約8.5×1012、約9×1012、約9.5×1012、約1×1013、約1.5×1013、約2×1034、約2.5×1013、約3×1013、約3.5×1013、約4×1013、約4.5×1013、約5×1013、約5.5×1013、約6×1013、約6.5×1013、約7×1013、約7.5×1013、約8×1013、約8.5×1013、約9×1013、約9.5×1013、約1×1014、約1.5×1014、約2×1014、約2.5×1014、約3×1014、約3.5×1014、約4×1014、約4.5×1014、約5×1014、約5.5×1014、約6×1014、約6.5×1014、約7×1014、約7.5×1014、約8×1014、約8.5×1014、約9×1014、約9.5×1014、約1×1015、約1.5×1015、約2×1015、約2.5×1015、約3×1015、約3.5×1015、約4×1015、約4.5×1015、約5×1015、約5.5×1015、約6×1015、約6.5×1015、約7×1015、約7.5×1015、約8×1015、約8.5×1015、約9×1015、約9.5×1015、又は約1×1016vgの範囲の「ウイルスゲノム」(「vg」)とも呼ばれるゲノムコピー(「GC」)である。
【0487】
当技術分野で公知の任意の方法を使用して、本開示のウイルス組成物のゲノムコピー(GC)数を決定することができる。AAV GC数滴定を行うための1つの方法は以下の通りである:精製AAVウイルス粒子試料を最初にDNaseで処理して、カプセル化されていないAAVゲノムDNA又は混入プラスミドDNAを産生プロセスから除去する。次いで、DNase耐性粒子を熱処理して、カプシドからゲノムを放出させる。次いで、放出されたゲノムを、ウイルスゲノムの特異的領域を標的とするプライマー/プローブセットを使用してリアルタイムPCR又はddPCRによって定量する。
【0488】
本開示の特定の実施形態では、本開示の組成物は、追加の治療剤又は治療と組み合わせて投与される。組成物及び更なる治療薬は、同じ組成物中で組み合わせて投与することができ、又は更なる治療薬は、別個の組成物の一部として、又は本明細書に記載の別の方法によって投与することができる。
【0489】
治療薬は、米国食品医薬品局によって承認されてもよいし、臨床試験中又は前臨床研究段階であってもよい。治療剤は、当技術分野で公知の任意の治療様式を利用することができ、非限定的な例としては、遺伝子サイレンシング又は干渉(すなわち、miRNA、siRNA、RNAi、shRNA)、遺伝子編集(すなわち、TALEN、CRISPR/Cas9システム、ジンクフィンガーヌクレアーゼ)、及び遺伝子、タンパク質又は酵素の置換が挙げられる。
【0490】
本開示の方法における使用に適した追加の治療剤又は処置の例としては、GAL関連疾患、例えば、ファブリー病を処置することが公知の剤又は処置が挙げられる。一実施形態では、追加の治療剤又は治療は酵素補充療法である。それは、例えば、Fabrazyme(登録商標)(Genzyme,Inc.)及びReplagal(登録商標)(TKT,Inc.)として市販されている製品を用いた組換えヒトGALの静脈内投与を含む。他の実施形態では、本開示の方法での使用に適した追加の治療薬又は治療は、経口シャペロン療法、例えば、Galafold (登録商標)(又はミガラスタット)を含む。
【0491】
VII.キット
本開示はまた、本開示の方法を簡便に及び/又は効果的に実施するための様々なキットを提供する。典型的には、キットは、使用者が対象の複数の処置を実施すること、及び/又は複数の実験を実施することを可能にするのに十分な量及び/又は数の成分を含む。
【0492】
本開示のベクター、構築物又はGALタンパク質のいずれも、キットに含まれ得る。いくつかの実施形態では、キットは、本開示の化合物及び/又は組成物を作製及び/又は合成するための試薬及び/又は説明書を更に含み得る。いくつかの実施形態では、キットはまた、1つ以上の緩衝液を含み得る。いくつかの実施形態では、本開示のキットは、タンパク質又は核酸アレイ又はライブラリを作製するための成分を含み得、したがって、例えば、固体支持体を含み得る。
【0493】
いくつかの実施形態では、キット構成要素は、水性媒体又は凍結乾燥形態のいずれかで包装され得る。キットの容器手段は、一般に、成分が配置され、適切に等分され得る少なくとも1つのバイアル、試験管、フラスコ、ボトル、シリンジ又は他の容器手段を含む。2つ以上のキット構成要素がある場合(標識試薬及びラベルが一緒に包装され得る)、キットはまた、一般に、追加の構成要素が別々に配置され得る第2、第3又は他の追加の容器を含み得る。いくつかの実施形態では、キットはまた、滅菌された薬学的に許容され得る緩衝液及び/又は他の希釈剤を収容するための第2の容器手段を含み得る。いくつかの実施形態では、成分の様々な組合せが1つ以上のバイアルに含まれてもよい。本開示のキットはまた、典型的には、本開示の化合物及び/又は組成物、例えば、タンパク質、核酸、及び商業的販売のために厳重に閉じ込められた任意の他の試薬容器を収容するための手段を含み得る。そのような容器は、所望のバイアルが保持される射出又はブロー成形プラスチック容器を含むことができる。
【0494】
いくつかの実施形態では、キット構成要素は、1つ及び/又は複数の液体溶液で提供される。いくつかの実施形態では、液体溶液は水溶液であり、滅菌水溶液が特に使用される。いくつかの実施形態では、キット構成要素は、乾燥粉末として提供され得る。試薬及び/又は成分が乾燥粉末として提供される場合、そのような粉末は、適切な体積の溶媒の添加によって再構成され得る。いくつかの実施形態では、溶媒が別の容器手段にも提供され得ることが想定される。いくつかの実施形態では、標識染料は乾燥粉末として提供される。いくつかの実施形態では、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、120、130、140、150、160、170、180、190、200、300、400、500、600、700、800、900、1000マイクログラム、又は少なくとも若しくは多くともそれらの量の乾燥色素が、本開示のキットにおいて提供されることが企図される。そのような実施形態では、次いで、色素をDMSO等の任意の適切な溶媒に再懸濁してもよい。
【0495】
いくつかの実施形態では、キットは、キット成分を使用するための説明書、並びにキットに含まれない任意の他の試薬の使用を含み得る。命令は、実装され得る変形を含み得る。
【0496】
本開示は、以下の非限定的な例によって更に説明される。
【実施例
【0497】
実施例1.ベクターの設計及び合成
ヒトGALタンパク質をコードする種々のAAVウイルスゲノムを作製した。コードされたGALタンパク質は、ヒトGALタンパク質のアミノ酸32~429(配列番号47)に対応する配列番号1のアミノ酸配列を有し、配列番号2のヌクレオチド配列によりコードされた。GALタンパク質をコードする核酸配列もコドン最適化した(配列番号3~5)。
【0498】
GALタンパク質をコードするウイルスゲノムを、シグナルペプチドを更にコードするように設計した。いくつかのウイルスゲノムは、ヒトGALタンパク質のアミノ酸1~31(配列番号47)に対応する配列番号6のアミノ酸配列を有する天然のGALシグナルペプチドを含むように設計された。天然GALシグナルペプチドは、配列番号7のヌクレオチド配列によってコードされた。GALシグナルペプチドをコードする核酸配列もコドン最適化された(配列番号8~10)。
【0499】
あるいは、配列番号11のアミノ酸配列を有するヒトIgG1シグナル配列をウイルスゲノムに組み込んだ。ヒトIgG1シグナルペプチドは、配列番号12のヌクレオチド配列によってコードされた。IgG1シグナルペプチドをコードする核酸配列もコドン最適化された(配列番号13及び14)。
【0500】
図1は、シグナルペプチドを有するGALタンパク質をコードする例示的な構築物の概略図を提供する。
【0501】
実施例2.インビトロ発現構築物の評価
種々のAAV-GLA構築物の組合せを、α-GAL成熟ペプチドのインビトロ産生について評価した。
【0502】
HepG2細胞を、構築物1~8を含むプラスミドでトランスフェクトした(図2)。実施例2及び3(並びにその中で参照される図)における構築物1~8は、それぞれ、本明細書に記載される構築物1A~8A、又は配列番号31~38を指す(表6参照)。細胞をトランスフェクションの72時間後に回収し、処理して、溶解物及び上清の両方におけるα-GALレベルを測定した。α-GALペプチドレベルのウェスタンブロット可視化及びELISA定量化は、特定の構築物が、溶解物及び上清の両方においてより高いα-GAL発現を示し、構築物2及び構築物8が、ELISAによって検出されるように、上清において少なくとも750ng/mlを生じたことを実証した(参照、図3図4及び表3)。β-アクチン標準もローディング対照として含めた。α-GALタンパク質の活性を各構築物について評価し、構築物2及び構築物8は、上清中で少なくとも15nmol/時間*mlを示した(図5及び表4を参照されたい)。
【0503】
【表3】
【0504】
【表4】
【0505】
本実施例は、とりわけ、本開示の構築物が成熟した機能的GALをインビトロで産生し得ることを実証する。いくつかの実施形態では、GALのレベル及び/又は活性は、参照構築物と比較して改善され得る。
【0506】
実施例3.インビボ発現構築物の評価
種々のAAV-GLA構築物の組合せを、α-GAL成熟ペプチドのインビボ産生及び活性について評価した。
【0507】
構築物1(図2)をAAV-DJにパッケージングし、静脈内(IV)投与を介して14週齢のファブリー病マウス(n=3)に送達した。実施例3における構築物1は、本明細書に記載される構築物1A、又は配列番号31を指す(表6参照)。組成物を5E13vg/kgの用量で眼窩静脈に投与した。血漿中試料を0日目及び注射後7日目に採取し、GAL活性を評価した(図6)。
【0508】
本実施例は、とりわけ、本開示の構築物が成熟した機能的GALをインビボで産生することを実証する。いくつかの実施形態では、GALのレベル及び/又は活性は、参照構築物と比較して改善され得る。
【0509】
図2に示される構築物を、プロモーター下でAAV ITR内にパッケージングし、発現について試験した。これらの構築物をまた、細胞におけるGLA酵素活性について試験した。
【0510】
ウイルスゲノムを含むAAV粒子が生成される。これらの組換えAAV粒子は、配列番号45のアミノ酸配列を有する肝臓指向性カプシドタンパク質sL65を含む。カプシドタンパク質は、配列番号46のヌクレオチド配列を有する核酸によってコードされる。
【0511】
実施例4.インビトロ発現構築物の評価
AAV-GLA構築物の組合せを、α-GAL成熟ペプチドのインビトロ産生について評価した。HepG2細胞を、構築物1-11を含むプラスミドでトランスフェクトした(図7)。実施例4及び5における構築物1~11、並びにその中で参照される図は、それぞれ、構築物1B~11B、又は配列番号51~61を指す(表6を参照されたい)。構築物1B~11Bは、構築物1B~11Bが3’ITRのすぐ5’側のフィラー配列中に(「gt」の)2塩基対付加、及び5’ITRの外側及びそのすぐ3’側のフィラー配列中に6塩基対欠失を含む点で、構築物1A~11Aとは異なる。
【0512】
簡単に説明すると、細胞を12ウェルプレートの細胞培養培地(DMEM及び10%FBS、2ml/ウェル)に播種した。プラスミド及び脂質複合体を製造業者の指示に従って調製した。2μgのDNAとOpti-MEMを混合して総体積を92μlとし、6μlのFugene HDトランスフェクション試薬(Promega)を添加し、直ちに5秒間ボルテックスした。DNA/脂質複合体を室温で15分間インキュベートし、次いで37℃で48~72時間インキュベートするために細胞に添加した。
【0513】
α-GALペプチドレベルのウェスタンブロット可視化は、特定の構築物が溶解物及び上清の両方においてより高いα-GAL発現を示すことを実証した(図8)。β-アクチン標準もローディング対照として含めた。α-GALタンパク質の活性も各構築物について評価し、構築物2、4、5、6、7、8、9、10及び11は、上清中に少なくとも70nmol/hr*mlを示した(図9及び表5)。
【0514】
【表5】
【0515】
HepG2細胞はまた、Ref2Kと共にAAV/DJにパッケージングされた選択構築物(すなわち、構築物2、4、6、7、8及び9)で形質導入された。簡単に説明すると、0日目に、細胞を12ウェルプレートに500,000細胞播種し、1日目に、3つの異なる感染多重度(MOI)、すなわち、5E4、1E5及び2E5でAAV/DJにパッケージングされた構築物で形質導入した。形質導入の72時間後に細胞を回収し、上清試料を収集した。α-GALペプチドレベルのウェスタンブロット可視化は、1E5のMOIでの形質導入がGALのより良好な発現をもたらし、構築物6、8及び9等の特定の構築物が上清中でより高いα-GAL発現を示したことを実証した(図10)。α-GALタンパク質の活性もまた、各構築物について評価した。ウェスタンブロットの結果と一致して、1E5のMOIでの形質導入は、特に構築物6、8及び9について、より高いGAL活性レベルをもたらした(図11)。
【0516】
実施例5.AAV-DJにおけるインビボ発現構築物の評価
AAV-GLA構築物の組合せを、α-GAL成熟ペプチドのインビボ産生及び活性について評価した。実施例5における構築物1~11、及びその中で参照される図は、それぞれ、構築物1B~11B、又は配列番号51~61を指す(表6を参照されたい)。
【0517】
簡潔に述べると、ファブリー病マウス(B6;129-Glatm1Kul/J;JAX 003535)(1群当たりn=5)に、AAV-DJ中のコドン最適化構築物を投与し、6週間モニターした。製剤緩衝液(10mMリン酸ナトリウム、150mM NaCl及び0.001%Pluronic F68)中の組成物を5E11vg/kgの用量で投与した。動物を6週後に屠殺した。α-GAL活性を血漿中で測定し、lyso-GB3蓄積のクリアランスも評価した(図12)。図12に示されるように、構築物6、8及び9を受けたマウスは、α-GAL活性の有意な増加、並びにlyso-GB3レベルの有意な減少を有した。α-GALレベルとlyso-GB3レベルとの間の相関を図13に示す。
【0518】
AAV-DJにおける構築物6及び9を、上記のように、1E13vg/kgのより高い用量で、ファブリー病マウス(1群当たりn=4)において更に試験した。血漿試料を投与前、並びに1週目、4週目及び6週目に採取し、α-GAL活性を測定した。図14に示すように、構築物9を受けたマウスは、最高レベルのα-GAL活性を有していた。
【0519】
本実施例は、とりわけ、本開示の構築物が成熟した機能的GALをインビボで産生し、GALのレベル及び/又は活性が、本開示の構築物を受けたマウスにおいて有意に改善されたことを実証する。
【0520】
実施例6.SL65カプシドを含有するAAV粒子にパッケージングされたインビボ発現構築物の評価
選択された発現構築物を、肝臓指向性カプシドタンパク質SL65を含むAAV粒子における評価のために選択した。肝臓指向性カプシドタンパク質sL65は、配列番号45のアミノ酸配列を含む。カプシドタンパク質は、配列番号46のヌクレオチド配列を有する核酸によってコードされる。α-GAL成熟ペプチドの産生及び活性をインビボで評価した。
【0521】
簡潔には、構築物6及び9を、肝臓指向性カプシドタンパク質SL65を含むAAV粒子にパッケージングし、IV投与を介してPXBマウス(1群当たりn=4)に送達した。実施例6における構築物6及び9、並びにその中で参照される図は、それぞれ、構築物6B~9B、又は配列番号56及び59を指す(表6を参照されたい)。組成物を3E13vg/kgの用量で投与した。血漿試料を投与前、並びに2週目及び4週目に採取した。動物を4週後に屠殺した。α-GAL活性を血漿中で測定し、ヒトアルブミン(ALB)のレベルを対照として評価した(図15)。図15に示されるように、投与前と比較して、構築物6又は9のいずれかを受けたマウスは、α-GAL活性のレベルの有意な増加を有したが、ALBレベルについては有意な変化は観察されなかった。図16は、ALBレベルによって正規化された補正α-GAL活性レベルを示す。具体的には、SL65カプシドを有するAAV粒子中にパッケージングされた構築物9の投与の2週間後のマウスにおいて、α-GAL活性のレベルの17倍の増加が観察された。
【0522】
本実施例は、とりわけ、本開示の構築物が成熟した機能的GALをインビボで産生し、GALのレベル及び/又は活性が、本開示の構築物を受けたマウスにおいて有意に改善されたことを実証する。
【0523】
等価物及び範囲
当業者は、本明細書に記載の特定の実施形態及び方法に対する多くの等価物を認識するか、又は日常的な実験のみを使用して確認することができるであろう。そのような同等物は、以下の特許請求の範囲に包含されることが意図される。
【0524】
【表6-1】
【0525】
【表6-2】
【0526】
【表6-3】
【0527】
【表6-4】
【0528】
【表6-5】
【0529】
【表6-6】
【0530】
【表6-7】
【0531】
【表6-8】
【0532】
【表6-9】
【0533】
【表6-10】
【0534】
【表6-11】
【0535】
【表6-12】
【0536】
【表6-13】
【0537】
【表6-14】
【0538】
【表6-15】
【0539】
【表6-16】
【0540】
【表6-17】
【0541】
【表6-18】
【0542】
【表6-19】
【0543】
【表6-20】
【0544】
【表6-21】
【0545】
【表6-22】
【0546】
【表6-23】
【0547】
【表6-24】
【0548】
【表6-25】
【0549】
【表6-26】
【0550】
【表6-27】
【0551】
【表6-28】
【0552】
【表6-29】
【0553】
【表6-30】
【0554】
【表6-31】
【0555】
【表6-32】
【0556】
【表6-33】
【0557】
【表6-34】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【配列表】
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【国際調査報告】