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特表2024-535942抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体及びその製造方法と応用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体及びその製造方法と応用
(51)【国際特許分類】
   C07K 16/18 20060101AFI20240925BHJP
   C07K 16/46 20060101ALI20240925BHJP
   C12N 15/13 20060101ALI20240925BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20240925BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20240925BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20240925BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20240925BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240925BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20240925BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20240925BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20240925BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240925BHJP
   G01N 33/574 20060101ALI20240925BHJP
   G01N 33/536 20060101ALI20240925BHJP
   G01N 33/543 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
C07K16/18 ZNA
C07K16/46
C12N15/13
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P21/08
A61K39/395 N
A61K39/395 T
A61P27/02
A61P35/00
G01N33/574 A
G01N33/536 A
G01N33/543 501A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539906
(86)(22)【出願日】2022-09-09
(85)【翻訳文提出日】2024-03-13
(86)【国際出願番号】 CN2022118162
(87)【国際公開番号】W WO2023036305
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】202111068177.1
(32)【優先日】2021-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】524097517
【氏名又は名称】シェンヤン アイ インダストリー テクノロジー インスティテュート リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SHENYANG EYE INDUSTRY TECHNOLOGY INSTITUTE LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ,シュエジァオ
(72)【発明者】
【氏名】へ,ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】チァン,シュオ
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ,ハン
(72)【発明者】
【氏名】フェン,リン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,フイ
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ,ホンリ
(72)【発明者】
【氏名】へ,シャンドン
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG27
4B064CA19
4B064CC24
4B064DA04
4B064DA05
4B064DA13
4B064DA14
4B065AA01X
4B065AA57X
4B065AA72X
4B065AA87X
4B065AA92Y
4B065AA94Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA25
4B065CA44
4B065CA46
4C085AA14
4C085BB11
4C085BB36
4C085CC23
4H045AA11
4H045DA76
4H045EA28
4H045EA51
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体及びその製造方法と応用を提供する。前記抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体は、発現量が比較的高く、抗原への結合の特異性及び親和性が比較的良い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重鎖の可変領域が配列番号1で示されるアミノ酸配列を有し、
軽鎖の可変領域が配列番号2で示されるアミノ酸配列を有することを特徴とする、抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体。
【請求項2】
重鎖の定常領域がヒトIgG1であり、
軽鎖の定常領域がヒトκ型であることを特徴とする、請求項1に記載のモノクローナル抗体。
【請求項3】
重鎖のアミノ酸配列が配列番号3で示され、軽鎖のアミノ酸配列が配列番号4で示されることを特徴とする、請求項1に記載のモノクローナル抗体。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のモノクローナル抗体をコードする核酸。
【請求項5】
重鎖をコードする核酸が、配列番号5で示される核酸配列を有し、
軽鎖をコードする核酸が、配列番号6で示される核酸配列を有することを特徴とする、請求項4に記載の核酸。
【請求項6】
重鎖をコードする核酸が、配列番号7で示される核酸配列を有し、
軽鎖をコードする核酸が、配列番号8で示される核酸配列を有することを特徴とする、請求項5に記載の核酸。
【請求項7】
請求項4~6のいずれか1項に記載の核酸を含む発現ベクター。
【請求項8】
ベクターバックボーンがPATX-GS2であることを特徴とする、請求項7に記載の発現ベクター。
【請求項9】
請求項8に記載の発現ベクターを形質転換又はトランスフェクションする宿主細胞。
【請求項10】
請求項9に記載の宿主細胞を培養し、抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体の発現を誘発する工程を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体の製造方法。
【請求項11】
組織線維線維化病変及び/又は悪性腫瘍を治療するための薬剤或いは組織線維線維化病変及び/又は悪性腫瘍を診断するための検出試薬の製造における請求項1~3のいずれか1項に記載の抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体の使用。
【請求項12】
前記組織線維化病変が網膜線維化であることを特徴とする、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
組織線維線維化病変及び/又は悪性腫瘍を治療するための薬剤であって、請求項1~3のいずれか1項に記載の抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体を含むことを特徴とする、薬剤。
【請求項14】
組織線維線維化病変及び/又は悪性腫瘍を診断するためのキットであって、
請求項1~3のいずれか1項に記載の抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体を含むか、
或いは請求項1~3のいずれか1項に記載の抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体と化学標識又は生物標識とを形成した結合物を含むか、
或いは請求項1~3のいずれか1項に記載の抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体と固体媒体又は半固体媒体とをカップリングした複合体を含むことを特徴とする、キット。
【発明の詳細な説明】
【相互参照】
【0001】
本出願は、2021年09月13日に中国特許庁に出願された、出願番号202111068177.1、発明の名称「抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体及びその製造方法と応用」である中国特許出願の優先権を主張し、その全内容は援用により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、抗体医薬の技術分野に関し、特に抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体及びその製造方法と応用に関する。
【背景技術】
【0003】
増殖性糖尿病性網膜症(proliferative diabetic retinopathy、PDR)、増殖性硝子体網膜症(proliferative vitreoretinopathy、PVR)及び加齢黄斑変性(age-related macular degeneration、AMD)などの硝子体網膜疾患は、該当する人々の視力低下及び視力喪失の主な原因になっており、世界的な医療難題でもある。従って、硝子体網膜疾患の新たな生物学的マーカーと治療ターゲットを見つけることは、疾患の早期発見、早期診断及び早期治療にとって極めて重要である。
【0004】
ペリオスチン(periostin)は、1993年にマウス胎児骨芽細胞前駆細胞で発見された細胞接着タンパク質であり、骨芽細胞特異的因子-2(OSF-2)と名付けられ、成体マウスの歯周膜と骨膜で特異的に発現されるため、ペリオスチンに改名された。ペリオスチン(periostin)は、ユニークな細胞外マトリックスタンパク質の一種であり、心筋梗塞後のリモデリング、骨髓線維化、歯周組織の再生と修復、皮膚の創傷治癒、腫瘍細胞の転移、腎臓の損傷などの人体の様々な組織や器官の対応する免疫反応に関与し、また慢性アレルギー疾患を誘発する可能性がある。近年、ペリオスチンを標的とした薬剤の研究と生産が注目を集めている。多数の市販薬剤は腫瘍の治療において目覚ましい成果を上げている。
【0005】
ペリオスチンの眼部における主な機能としては、細胞の増殖、分化、遊走及び接着の促進、線維形成の誘発、及び新生血管の促進などが挙げられる。ペリオスチンが様々な硝子体網膜疾患の重要な因子であることが国内外の研究で次々と証明されており、ペリオスチンは硝子体網膜疾患に対する新たな生物学的マーカーとして新たな治療戦略の提供に期待されている。例えば、報告によると、ペリオスチン抗体は、眼科の多くの分野において、加齢黄斑変性や糖尿病性網膜症による眼内新生血管性増殖、黄斑浮腫などの治療に重要な役割を果たすことが証明されているということである。
【0006】
しかしながら、これまでのペリオスチン抗体はすべてマウスモノクローナル抗体であったが、異種タンパク質であるマウス由来の抗体は人体内で使用されると、異種タンパク質に対する免疫拒絶反応が起こし、ヒト抗マウス抗体の産生が誘発され、体内での抗体の半減期が短縮されて抗体の治療効果に悪影響を与える。従って、特異性抗原エピトープに対する高い親和性を維持しながらペリオスチン抗体をヒト化すれば、異種抗体の免疫原性を低下させ、抗原への結合の特異性と親和性を向上させ、より良い治療効果を果たすことが期待される。
【発明の概要】
【0007】
上記事情に鑑みて、本発明が解決しようとする技術的課題は、抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体及びその製造方法と応用を提供することである。
【0008】
本発明で提供される抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体は、重鎖の可変領域が配列番号1で示されるアミノ酸配列を有し、軽鎖の可変領域が配列番号2で示されるアミノ酸配列を有する。
【0009】
本発明で提供される抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体は、重鎖の定常領域がヒトIgG1であり、軽鎖の定常領域がヒトκ型である。
【0010】
いくつかの具体的な実施形態において、前記ヒト化抗体は、重鎖のアミノ酸配列が配列番号3で示され、軽鎖のアミノ酸配列が配列番号4で示される。
【0011】
本発明では、ペリオスチンマウスモノクローナル抗体を使用し、それをヒト化し、真核発現プラスミドをうまく構築し、哺乳動物の細胞CHOにトランスフェクションして分泌発現を行い、SDS-PAGE、ELISA、WBなどを通じてインビトロで親和性、結合活性などの生物学的機能を評価し、CHO細胞が抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体を大規模に発現する研究に理論的基礎を提供した。
【0012】
本発明で提供される抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体は、上記の重鎖及び軽鎖で構成されたものであり、ヒト化された後、従来技術のキメラ抗体や他のペリオスチンマウスモノクローナル抗体よりも安全で信頼性が高く、機能がより顕著になった。検出の結果、このヒト化抗体はヒトペリオスチンに対して良好な特異性を持っている。ペリオスチン抗体は、眼科の多くの分野において、加齢黄斑変性及び糖尿病性網膜症による眼内新生血管性増殖、黄斑浮腫などの治療に重要な役割を果たすことが証明されたことから、本発明で提供される抗体は、組織線維化病変を治療する可能性を有する。
【0013】
また、本発明は前記モノクローナル抗体をコードする核酸を提供する。具体的には、本発明は、前記モノクローナル抗体の重鎖をコードする核酸、前記モノクローナル抗体の軽鎖をコードする核酸、前記モノクローナル抗体の重鎖の可変領域をコードする核酸、及び/又は前記モノクローナル抗体の軽鎖の可変領域をコードする核酸を提供する。いくつかの実施形態において、前記抗体の重鎖をコードする核酸は、配列番号5で示される核酸配列を有する。前記抗体の軽鎖をコードする核酸は、配列番号6で示される核酸配列を有する。タンパク質の発現を容易にするために、本発明で提供されるコード核酸の5’端にはリンカー配列がさらに含まれる。従って、いくつかの具体的な実施形態において、前記抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体の重鎖をコードする核酸は、配列番号7で示される核酸配列を有し、抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体の軽鎖をコードする核酸は、配列番号8で示される核酸配列を有する。
【0014】
また、本発明は前記モノクローナル抗体をコードする核酸を含む発現ベクターを提供する。本発明において、前記発現ベクターにはベクターバックボーンも含まれる。いくつかの実施形態において、前記ベクターバックボーンはpCDNA3.4である。
【0015】
また、本発明は前記発現ベクターを形質転換又はトランスフェクションする宿主細胞を提供する。本発明において、前記宿主細胞は哺乳動物の細胞である。いくつかの具体的な実施形態において、前記宿主細胞はCHO-K1細胞である。
【0016】
本発明による抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体の製造方法は、本発明の宿主細胞を培養し、抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体の発現を誘発する工程を含む。
【0017】
また、本発明は組織線維線維化病変及び/又は悪性腫瘍を治療するための薬剤又は組織線維線維化病変及び/又は悪性腫瘍を診断するための検出試薬の製造における抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体の使用を提供する。いくつかの実施形態において、前記組織線維化病変は網膜線維化である。
【0018】
本発明は、本発明による抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体を含む薬剤を提供する。
【0019】
また、本発明は抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体を含むか、或いはこの抗体と化学標識又は生物標識とを形成した結合物を含むか、或いは前記抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体と固体媒体又は半固体媒体とをカップリングした複合体を含むキットを提供する。
【0020】
本発明における前記化学標識は、同位体、免疫毒素、及び/又は化学薬品である。前記生物標識は、ビオチン、アビジン、又は酵素標識である。前記酵素標識は、西洋ワサビペルオキシダーゼ又はアルカリホスファターゼであることが好ましい。前記免疫毒素は、アフラトキシン、ジフテリア毒素、緑膿菌外毒素、リシン(ricin)、アブリン(abrin)、ヤドリギレクチン(mistletoe lectin)、モデッシン(modeccin)、PAP、サポリン(saporin)、ゲロニン(Gelonin)又はルフィンであることが好ましい。前記複合体中の固体媒体又は非固体媒体は、コロイド金、ポリスチレンプレート及びビーズならなる群から選択される。このキットは、組織線維線維化病変及び/又は悪性腫瘍の診断に使用できる。前記診断の方法には、ELISA、ウェスタンブロット、免疫蛍光技術、免疫組織化学的検出などの免疫学的検出方法が採用される。
【0021】
また、本発明は、本発明による薬剤を投与することにより組織線維線維化病変及び/又は悪性腫瘍を治療する方法を提供する。
【0022】
また、本発明は、本発明による診断試薬を使用して診断するにより組織線維線維化病変及び/又は悪性腫瘍を診断する方法を提供する。
【0023】
本発明は、マウスMcAbの可変領域における抗原に結合する相補性決定領域のみを保持し、CDR移植抗体を調製して得られた抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体を提供する。本発明でスクリーニングにより得られた抗体は、キメラ抗体よりも免疫原性が低く、また実験中の他の抗体と比較すると、発現量がより高く、抗原への結合の特異性及び親和性がより良く、ヒト免疫応答によりよく関与する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、マウスハイブリドーマ細胞(45-2-G3-1-G7-B7)VH及びVL PCR増幅結果を示す図である。
図2図2は、クローニング後のPCR結果を示す図である。
図3-1】図3-1は、重鎖及び軽鎖のプラスミドマップを示す図である。
図3-2】図3-2は、重鎖及び軽鎖のプラスミドマップを示す図である。
図4図4は、精製効果を示す図である。
図5図5は、18個のヒト化抗体のELISA結果を示す図である。
図6図6は、発現ベクターの電気泳動検出結果を示す図である。
図7図7は、線形化された発現ベクターの電気泳動検出結果を示す図である。
図8図8は、加圧スクリーニング後のタンパク質の発現及び精製の結果を示す図である。
図9図9は、スクリーニングにより得られた細胞発現タンパク質の精製結果を示す図である。
図10図10は、ヒト化抗ペリオスチン抗体5-G4、5-G6、5-G9の同定を示す図である。
図11図11は、微小管形成阻害実験の結果を示す図である。図中、ペリオスチン抗体はヒト化モノクローナル抗体、対照ペリオスチンはマウスモノクローナル抗体である。
図12図12は、細胞遊走実験の結果を示す図である。
図13図13は、ブランク対照群に対する細胞遊走率を示す図である。
図14図14は、細胞浸潤実験の結果を示す図である。
図15図15は、ブランク対照群に対する細胞浸潤率を示す図である。
図16図16は、細胞スクラッチ実験の結果を示す図である。
図17図17は、細胞の相対移動距離(%)を示す図である。
図18図18は、異なる群のRPE細胞におけるVEGFA、α-SMA、Col I、Col III、フィブロネクチンのタンパク質の発現WB検出図を示す図である。
図19図19は、異なる群のRPE細胞におけるVEGFA、α-SMA、Col I、Col III、フィブロネクチンのタンパク質の発現レベルを示す図である。
図20図20は、各群の血管内皮細胞膜上のαvβ3、αvβ5インテグリン、VEGFR-2、FAK、PI3K、p-PI3K、AKT、p-AKTのmRNA発現量を示す図である。
図21図21は、各群のHUVEC細胞における各タンパク質のウェスタンブロット検出図を示す図である。
図22図22は、各群のHUVEC細胞における各タンパク質の発現レベルを示す図である。
図23図23は、IF検出によるHUVEC細胞におけるFAKタンパク質の発現を示す図である。
図24図24は、IF検出によるHUVEC細胞におけるVEGFR2タンパク質の発現を示す図である。
図25図25は、IF検出によるHUVEC細胞におけるαvβ3タンパク質の発現を示す図である。
図26図26は、IF検出によるHUVEC細胞におけるαvβ5タンパク質の発現を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体及びその製造方法と応用を提供するものであり、当業者であれば、本明細書の内容を参考にして、プロセスパラメータを適切に改良して実施することが可能である。なお、当業者に自明ないかなる類似の置換及び変化は、本発明に含まれるものとみなされることに留意されたい。本発明の方法及び応用について好ましい実施形態を通じて説明してきたが、本発明の技術は、関係者が本発明の内容、精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書の方法及び応用に対して修正、変更又は組み合わせを適切に行うことにより実現及び適用し得るものであることは明らかである。
【0026】
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。この分野の定義及び用語については、専門家は具体的にCurrent Protocols in Molecular Biology(Ausubel)を参照することができる。アミノ酸残基の略語としては、20種類の一般的に使用されるL-アミノ酸の1つを指す当技術分野で使用される標準的な3文字及び/又は1文字コードを採用した。
【0027】
「抗体」とは、抗原に特異的に結合できる1種又は複数種のポリペプチドから構成されるタンバク質を指す。抗体の1つの形態としては、各対が軽鎖と重鎖を有する2対の完全に同じの抗体鎖から構成された四量体であり、この四量体の形態で抗体の基本構造単位を構成する。各対の抗体鎖において、軽鎖と重鎖の可変領域は抗原への結合を共同で担い、定常領域は抗体のエフェクター機能を担う。前記「モノクローナル抗体」とは、単一の分子組成を有する抗体分子の調製物を指す。モノクローナル抗体組成物は、特定のエピトープに対して単一の結合特異性及び親和性を示す。
【0028】
抗体の重鎖又は軽鎖の「可変領域」は、この鎖のN端成熟領域である。現在知られている抗体のタイプとしては、κ及びλ軽鎖、ならびにα、γ(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、δ、ε及びμ重鎖又はそれらの他のタイプの同等物が挙げられる。全長の免疫グロブリン「軽鎖」(約25kDa又は約214アミノ酸)は、NH-末端上に約110アミノ酸から形成される可変領域、及びCOOH-末端上のκ又はλ定常領域を含む。全長の免疫グロブリン「重鎖」(約50kDa又は約446アミノ酸)は、同様に可変領域(約116アミノ酸)、及びγなどの重鎖の定常領域の1つ(約330個アミノ酸)を含む。
【0029】
「抗体」としては、任意のアイソタイプの抗体又は免疫グロブリン、或いは抗原への特異的結合を保持する抗体断片があり、Fab、Fv、scFv及びFd断片、キメラ抗体、ヒト化抗体、単鎖抗体、並びに抗体の抗原結合部分と非抗体タンバク質を含む融合タンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。本発明で提供されるのは、ペリオスチンのヒト化モノクローナル抗体である。培養したハイブリドーマ細胞45-2-G3-1-G7-B7からトータルRNAを抽出し、オリゴヌクレオチドプライマーで逆転写してcDNAを合成し、IgG縮重プライマーとカッパ特異的プライマーでVHとVL断片をそれぞれ増幅し、ゲル電気泳動で結果を観察した(図1)。その後、PCR生成物を標準ベクターにサブクローニングし、クローンの選択とPCR検証を行い(図2)、最後に陽性クローンをシークエンシングする。遺伝子合成法により、抗ペリオスチンマウスモノクローナル抗体の可変領域遺伝子のフレームワーク領域をヒト抗体のフレームワーク領域に置換し、抗体可変領域遺伝子断片をヒト化し、調節配列とヒト抗体定常領域遺伝子を含むベクターに組み換え、抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体の完全遺伝子と前記遺伝子を含む真核発現ベクターを構築し、CHO-K1細胞にトランスフェクションする。GSシステムによる加圧スクリーニングにより、ヒト化抗体を持続的かつ安定的に分泌するCHO-K1細胞を得る。
【0030】
本発明による抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体は、重鎖の可変領域のアミノ酸配列が:EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKASGYSFTDYFMNWVRQMPGKGLEWIGRINPYSGDTLYNQRLQGQVTLSADKSISTAYLQLSSLKASDTAMYYCGRSGVSGLDYWGQGTLVTVSS(配列番号1)である。
【0031】
本発明による抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体は、軽鎖の可変領域のアミノ酸配列が:DIQLTQSPSSLSASVGDRVTITCSASSSASYMHWYQQKPGKAPKNWIYDTSKLASGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDAATYYCQQWSSNPPTFGGGTKVEIK(配列番号2)である。
【0032】
本発明による抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体は、重鎖の定常領域のアミノ酸配列が:ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGKである。
【0033】
本発明による抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体は、軽鎖の定常領域のアミノ酸配列が:RTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGECである。
【0034】
本発明による抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体は、重鎖のアミノ酸配列が:MKHLWFFLLLVAAPRWVLSEVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKASGYSFTDYFMNWVRQMPGKGLEWIGRINPYSGDTLYNQRLQGQVTLSADKSISTAYLQLSSLKASDTAMYYCGRSGVSGLDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号3)である。
【0035】
本発明による抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体は、軽鎖のアミノ酸配列が:MVLQTQVFISLLLWISGAYGDIQLTQSPSSLSASVGDRVTITCSASSSASYMHWYQQKPGKAPKNWIYDTSKLASGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDAATYYCQQWSSNPPTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号4)である。
【0036】
抗体の発現と精製を容易にするために、ベクター構築及びタンパク質発現のプロセス中に、重鎖断片及び軽鎖断片のN端にそれぞれリンカー断片を付加する。この断片はその後の精製中に除去される。いくつかの実施形態において、前記抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体の重鎖のN端に付加されるリンカーのアミノ酸配列はMKHLWFFLLLVAAPRWVLSであり、前記抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体の軽鎖のN端に付加されるリンカーのアミノ酸配列はMVLQTQVFISLLLWISGAYGである。
【0037】
抗体は、標識されて検出されることができ、例えば、放射性同位体、検出可能な物質を生成する酵素、蛍光タンバク質、ビオチンなどにより標識されて検出されることができる。また、抗体は、ポリスチレンプレート又はビーズなどを含むがこれらに限定されない固相担体に結合することがある。
【0038】
本発明による薬剤には、少なくとも1つの機能成分が含まれ、さらに薬学的に許容される担体が含まれる。好ましくは、前記薬学的に許容される担体は、水、緩衝水溶液、PBS(リン酸塩緩衝液)などの等張塩溶液、グルコース、マンニトール、右旋性グルコース、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、セルロース、炭酸マグネシウム、0.3%グリセリン、ヒアルロン酸、エタノール、又はポリアルキレングリコールやトリグリセリドなどのポリプロピレングリコールである。使用される薬学的に許容される担体の種類は、とりわけ、本発明による組成物が経口、経鼻、皮内、皮下、筋肉内又は静脈内投与用に処方されるかどうかに依存する。本発明による組成物は、添加剤として湿潤剤、乳化剤又は緩衝液を含有してもよい。
【0039】
本発明で使用する試験材料はいずれも一般的な市販品であり、市場で購入することができる。以下、本発明を実施例と併せてさらに説明する。
【実施例1】
【0040】
1.抗体ヒト化の設計
(1)CDR領域配列の同定
マウスハイブリドーマ細胞(45-2-G3-1-G7-B7、構築方法については、出願番号:202010788885.1、瀋陽何氏眼産業集団有限公司又は瀋陽眼産業技術研究院有限公司からの『抗人ペリオスチンモノクローナルキメラ抗体及び応用』を参照)からすべてのmRNAを単離し、これをcDNAを合成するテンプレートとし、cDNAから重鎖の可変領域DNA断片と軽鎖の可変領域DNA断片を分離し、得られたDNA断片をベクターにクローニングし、シークエンシングした。得られた配列結果は以下の通りであった。
【0041】
アミノ酸配列:
>45-2-G3-1-G7-B7-VL1
DIVLTQSPAIMSASPGDKVTMTCSASSSASYMHWYQQKSGTSPKRWIYDTSKLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISSMEAEDAATYYCQQWSSNPPTFGGGTKLEIK
>45-2-G3-1-G7-B7-VL2 及び VL3
QIVLTQSPVIMSASPGDKVTMTCSASSSASYMHWYQQKSGTSPKRWIYDTSKLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISSMEAEDAATYYCQQWSSNPPTFGGGTKLEIK
>45-2-G3-1-G7-B7-VH
EVQLQQSGPELVKPGASVRISCKASGYSFTDYFMNWVKQSHGRSLEWIGRINPYSGDTLYNQRLKGKATLTVDKSSSTAHMELLSLTSEDSAVYYCGRSGVSGLDYWGQGTSVTVSS
【0042】
軽鎖の可変領域の3つのCDR領域のアミノ酸配列は、順にSSASY、DTS、QQWSSNPPTであった。
【0043】
重鎖の可変領域の3つのCDR領域のアミノ酸配列は、順にGYSFTDYF、INPYSGDT、GRSGVSGLDYであった。
【0044】
(2)配列アライメントとマウス抗体CDRの移植
NCBIが開発したIgblast(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/igblast/)を使用してIMGTマウス及びヒトV遺伝子データベースを検索し、マウス抗体可変領域配列を入力し、配列アライメントにより相同性が一番高いヒト抗体可変領域を決定し、その後マウス抗体のCDR領域をヒトフレームワーク受容体領域に移植することにより、CDR移植を完了した。
【0045】
2.18個のヒト化抗体ベクターの構築と発現
(1)遺伝子合成
可変領域配列をヒト定常領域DNA配列にリンクし、ヒトpcDNA3.4発現ベクターに挿入してプラスミドマップを得た(図3-1及び図3-2)。ペリオスチン抗体の重鎖及び軽鎖の核酸配列、アミノ酸配列は以下の通りである。
【0046】
(2)発現ベクターへのサブクローニング
遺伝子合成後、CHOシステムのコドンを最適化し、発現ベクターPATX1にサブクローニングした。
【0047】
核酸配列情報には以下が含まれる。
DNA配列
>12-VHA-1423bp
gaattcgccgccaccATGAAGCACCTGTGGTTTTTCCTGCTGCTGGTGGCCGCCCCCAGGTGGGTTCTGTCCCAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCCGAGGTGAAGAAGCCTGGCGCTTCCGTGAAGGTGTCCTGCAAGGCTTCTGGCTATAGCTTTACCGATTATTTCATGAACTGGGTGCGGCAGGCTCCTGGCCAGGGCTTGGAGTGGATCGGCAGGATCAACCCTTACTCCGGCGACACCCTGTATAACCAGAGGCTGAAGGGCCGGGCCACCCTGACCGTGGATAAGAGCATCAGCACCGCTTATATGGAGCTGTCCCGGCTGCGGTCCGACGACACCGCTGTGTATTACTGCGGCAGGTCCGGCGTGTCCGGCCTGGATTACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGAGCAGCgctagcACCAAGGGACCTTCTGTGTTCCCTCTGGCTCCTTCTTCTAAGTCCACTTCCGGTGGTACAGCAGCTCTGGGTTGTCTGGTGAAGGATTACTTCCCAGAACCAGTGACTGTGTCCTGGAACTCCGGAGCTCTGACTTCTGGAGTGCATACTTTCCCAGCAGTGCTGCAATCTAGCGGACTGTACTCTCTGTCTTCCGTGGTGACTGTGCCTTCTTCTTCCCTGGGGACTCAAACTTACATCTGCAACGTGAACCACAAGCCCTCCAACACCAAGGTGGACAAGAAGGTGGAGCCAAAGAGCTGCGATAAGACCCACACCTGTCCACCTTGTCCAGCTCCAGAACTGCTGGGTGGGCCTTCTGTGTTTCTGTTCCCACCTAAGCCAAAGGATACCCTGATGATCTCTAGGACCCCAGAAGTGACCTGTGTGGTCGTCGATGTGTCTCATGAAGACCCTGAAGTGAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGGGTGGAAGTGCATAACGCAAAGACCAAGCCCAGGGAAGAGCAATACAACTCCACCTACAGGGTGGTCTCCGTCCTGACAGTCCTGCATCAGGATTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAATAAAGCCCTGCCTGCCCCTATCGAGAAAACCATTAGCAAAGCCAAAGGCCAGCCCAGGGAGCCCCAGGTCTATACACTGCCCCCCAGCAGGGAGGAGATGACAAAAAATCAGGTCAGCCTGACATGCCTGGTCAAAGGCTTTTATCCCAGCGACATTGCCGTCGAGTGGGAGTCCAATGGCCAGCCCGAGAATAATTATAAAACAACACCCCCCGTCCTGGACAGCGACGGCAGCTTTTTTCTGTATAGCAAACTGACAGTCGATAAAAGCAGGTGGCAGCAGGGCAATGTCTTTTCCTGCAGCGTCATGCACGAGGCCCTGCACAATCACTATACTCAGAAAAGCCTGAGCCTGTCCCCCGGGAAATGAGCGGCCGC
>12-VHB-1423bp
gaattcgccgccaccATGAAGCACCTGTGGTTTTTCCTGCTGCTGGTGGCCGCTCCTCGGTGGGTGCTGTCCCAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCCGAGGTGAAGAAGCCTGGCGCTTCCGTGAAGGTGTCCTGTAAGGCCAGCGGCTACAGCTTCACCGACTACTTTATGAACTGGGTGAGGCAGGCTCCTGGCCAGGGCCTGGAGTGGATCGGCAGGATCAACCCCTATAGCGGCGACACCCTGTACAATCAGAAGCTGCAGGGCCGGGTGACCATGACCGTGGACAAGTCCATCAGCACCGCTTACATGGAGCTGTCCCGGCTGCGGAGCGACGATACCGCTGTGTATTACTGCGGCCGGTCCGGCGTGAGCGGCTTGGATTATTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGAGCTCCgctagcACCAAGGGACCTTCTGTGTTCCCTCTGGCTCCTTCTTCTAAGTCCACTTCCGGTGGTACAGCAGCTCTGGGTTGTCTGGTGAAGGATTACTTCCCAGAACCAGTGACTGTGTCCTGGAACTCCGGAGCTCTGACTTCTGGAGTGCATACTTTCCCAGCAGTGCTGCAATCTAGCGGACTGTACTCTCTGTCTTCCGTGGTGACTGTGCCTTCTTCTTCCCTGGGGACTCAAACTTACATCTGCAACGTGAACCACAAGCCCTCCAACACCAAGGTGGACAAGAAGGTGGAGCCAAAGAGCTGCGATAAGACCCACACCTGTCCACCTTGTCCAGCTCCAGAACTGCTGGGTGGGCCTTCTGTGTTTCTGTTCCCACCTAAGCCAAAGGATACCCTGATGATCTCTAGGACCCCAGAAGTGACCTGTGTGGTCGTCGATGTGTCTCATGAAGACCCTGAAGTGAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGGGTGGAAGTGCATAACGCAAAGACCAAGCCCAGGGAAGAGCAATACAACTCCACCTACAGGGTGGTCTCCGTCCTGACAGTCCTGCATCAGGATTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAATAAAGCCCTGCCTGCCCCTATCGAGAAAACCATTAGCAAAGCCAAAGGCCAGCCCAGGGAGCCCCAGGTCTATACACTGCCCCCCAGCAGGGAGGAGATGACAAAAAATCAGGTCAGCCTGACATGCCTGGTCAAAGGCTTTTATCCCAGCGACATTGCCGTCGAGTGGGAGTCCAATGGCCAGCCCGAGAATAATTATAAAACAACACCCCCCGTCCTGGACAGCGACGGCAGCTTTTTTCTGTATAGCAAACTGACAGTCGATAAAAGCAGGTGGCAGCAGGGCAATGTCTTTTCCTGCAGCGTCATGCACGAGGCCCTGCACAATCACTATACTCAGAAAAGCCTGAGCCTGTCCCCCGGGAAATGAGCGGCCGC
>459-VHA-1423bp
gaattcgccgccaccATGAAGCACCTGTGGTTTTTCCTGCTGCTGGTGGCCGCCCCCCGGTGGGTGCTGTCCCAGGTGCAGCTGCAGGAGAGCGGCCCTGGCCTGGTGAAGCCCAGCGAGACCCTGAGCCTGACCTGCACCGCTTCCGGCTACAGCTTCACCGATTACTTCATGAACTGGGTGCGGCAGCCCCCTGGCAAGGGCTTGGAGTGGATCGGCAGGATCAACCCTTACAGCGGCGACACCCTGTATAATCAGCGGCTGAAGGGCAGGGTGACCCTGAGCGTGGATAAGAGCAAGAACCAGGCCAGCCTGAAGCTGAGCAGCGTGACCGCTGCCGATACCGCCGTGTATTATTGTGGCCGGTCCGGCGTGAGCGGCCTGGATTACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGAGCAGCgctagcACCAAGGGACCTTCTGTGTTCCCTCTGGCTCCTTCTTCTAAGTCCACTTCCGGTGGTACAGCAGCTCTGGGTTGTCTGGTGAAGGATTACTTCCCAGAACCAGTGACTGTGTCCTGGAACTCCGGAGCTCTGACTTCTGGAGTGCATACTTTCCCAGCAGTGCTGCAATCTAGCGGACTGTACTCTCTGTCTTCCGTGGTGACTGTGCCTTCTTCTTCCCTGGGGACTCAAACTTACATCTGCAACGTGAACCACAAGCCCTCCAACACCAAGGTGGACAAGAAGGTGGAGCCAAAGAGCTGCGATAAGACCCACACCTGTCCACCTTGTCCAGCTCCAGAACTGCTGGGTGGGCCTTCTGTGTTTCTGTTCCCACCTAAGCCAAAGGATACCCTGATGATCTCTAGGACCCCAGAAGTGACCTGTGTGGTCGTCGATGTGTCTCATGAAGACCCTGAAGTGAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGGGTGGAAGTGCATAACGCAAAGACCAAGCCCAGGGAAGAGCAATACAACTCCACCTACAGGGTGGTCTCCGTCCTGACAGTCCTGCATCAGGATTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAATAAAGCCCTGCCTGCCCCTATCGAGAAAACCATTAGCAAAGCCAAAGGCCAGCCCAGGGAGCCCCAGGTCTATACACTGCCCCCCAGCAGGGAGGAGATGACAAAAAATCAGGTCAGCCTGACATGCCTGGTCAAAGGCTTTTATCCCAGCGACATTGCCGTCGAGTGGGAGTCCAATGGCCAGCCCGAGAATAATTATAAAACAACACCCCCCGTCCTGGACAGCGACGGCAGCTTTTTTCTGTATAGCAAACTGACAGTCGATAAAAGCAGGTGGCAGCAGGGCAATGTCTTTTCCTGCAGCGTCATGCACGAGGCCCTGCACAATCACTATACTCAGAAAAGCCTGAGCCTGTCCCCCGGGAAATGAGCGGCCGC
>459-VHB-1423bp
gaattcgccgccaccATGAAGCACCTGTGGTTTTTCCTGCTGCTGGTGGCTGCTCCTCGGTGGGTGCTGAGCCAGGTGCAGCTGCAGGAGAGCGGCCCCGGACTGGTGAAGCCTAGCGAGACCCTGTCCCTGACCTGCACCGCCAGCGGCTATTCCTTTACCGATTATTTCATGAACTGGATCCGGCAGCCCCCTGGCAAGGGCCTGGAGTGGATCGGCCGGATCAACCCCTATTCCGGCGATACCCTGTACAACCAGCGGCTGAAGTCCAGGGTGACCCTGAGCGTGGACAAGTCCAAGAACCAGGCTTCCCTGAAGCTGTCCAGCGTGACCGCTGCTGATACCGCTGTGTACTACTGCGGCCGGAGCGGCGTGTCCGGCTTGGATTATTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGAGCAGCgctagcACCAAGGGACCTTCTGTGTTCCCTCTGGCTCCTTCTTCTAAGTCCACTTCCGGTGGTACAGCAGCTCTGGGTTGTCTGGTGAAGGATTACTTCCCAGAACCAGTGACTGTGTCCTGGAACTCCGGAGCTCTGACTTCTGGAGTGCATACTTTCCCAGCAGTGCTGCAATCTAGCGGACTGTACTCTCTGTCTTCCGTGGTGACTGTGCCTTCTTCTTCCCTGGGGACTCAAACTTACATCTGCAACGTGAACCACAAGCCCTCCAACACCAAGGTGGACAAGAAGGTGGAGCCAAAGAGCTGCGATAAGACCCACACCTGTCCACCTTGTCCAGCTCCAGAACTGCTGGGTGGGCCTTCTGTGTTTCTGTTCCCACCTAAGCCAAAGGATACCCTGATGATCTCTAGGACCCCAGAAGTGACCTGTGTGGTCGTCGATGTGTCTCATGAAGACCCTGAAGTGAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGGGTGGAAGTGCATAACGCAAAGACCAAGCCCAGGGAAGAGCAATACAACTCCACCTACAGGGTGGTCTCCGTCCTGACAGTCCTGCATCAGGATTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAATAAAGCCCTGCCTGCCCCTATCGAGAAAACCATTAGCAAAGCCAAAGGCCAGCCCAGGGAGCCCCAGGTCTATACACTGCCCCCCAGCAGGGAGGAGATGACAAAAAATCAGGTCAGCCTGACATGCCTGGTCAAAGGCTTTTATCCCAGCGACATTGCCGTCGAGTGGGAGTCCAATGGCCAGCCCGAGAATAATTATAAAACAACACCCCCCGTCCTGGACAGCGACGGCAGCTTTTTTCTGTATAGCAAACTGACAGTCGATAAAAGCAGGTGGCAGCAGGGCAATGTCTTTTCCTGCAGCGTCATGCACGAGGCCCTGCACAATCACTATACTCAGAAAAGCCTGAGCCTGTCCCCCGGGAAATGAGCGGCCGC
>459-VHC-1423bp
gaattcgccgccaccATGAAGCACCTGTGGTTCTTTCTGCTGCTGGTGGCCGCCCCCAGGTGGGTTCTGAGCCAGGTGCAGCTGCAGGAGAGCGGCCCCGGACTGGTGAAGCCTAGCGAGACCCTGTCCCTGACCTGCACCGTGTCCGGCGGCTCCATCACCGATTATTTCATGAACTGGATCAGGCAGCCCCCTGGCAAGGGCCTGGAGTGGATCGGCCGGATCAATCCCTATAGCGGCGACACCCTGTACAATCAGCGGCTGAAGAGCAGGGTGACCCTGAGCGTGGATAAGTCCAAGAATCAGGCCAGCCTGAAGCTGTCCTCCGTGACCGCCGCCGACACCGCTGTGTACTACTGCGGCCGGTCCGGCGTGAGCGGCTTGGATTACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGTCCAGCgctagcACCAAGGGACCTTCTGTGTTCCCTCTGGCTCCTTCTTCTAAGTCCACTTCCGGTGGTACAGCAGCTCTGGGTTGTCTGGTGAAGGATTACTTCCCAGAACCAGTGACTGTGTCCTGGAACTCCGGAGCTCTGACTTCTGGAGTGCATACTTTCCCAGCAGTGCTGCAATCTAGCGGACTGTACTCTCTGTCTTCCGTGGTGACTGTGCCTTCTTCTTCCCTGGGGACTCAAACTTACATCTGCAACGTGAACCACAAGCCCTCCAACACCAAGGTGGACAAGAAGGTGGAGCCAAAGAGCTGCGATAAGACCCACACCTGTCCACCTTGTCCAGCTCCAGAACTGCTGGGTGGGCCTTCTGTGTTTCTGTTCCCACCTAAGCCAAAGGATACCCTGATGATCTCTAGGACCCCAGAAGTGACCTGTGTGGTCGTCGATGTGTCTCATGAAGACCCTGAAGTGAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGGGTGGAAGTGCATAACGCAAAGACCAAGCCCAGGGAAGAGCAATACAACTCCACCTACAGGGTGGTCTCCGTCCTGACAGTCCTGCATCAGGATTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAATAAAGCCCTGCCTGCCCCTATCGAGAAAACCATTAGCAAAGCCAAAGGCCAGCCCAGGGAGCCCCAGGTCTATACACTGCCCCCCAGCAGGGAGGAGATGACAAAAAATCAGGTCAGCCTGACATGCCTGGTCAAAGGCTTTTATCCCAGCGACATTGCCGTCGAGTGGGAGTCCAATGGCCAGCCCGAGAATAATTATAAAACAACACCCCCCGTCCTGGACAGCGACGGCAGCTTTTTTCTGTATAGCAAACTGACAGTCGATAAAAGCAGGTGGCAGCAGGGCAATGTCTTTTCCTGCAGCGTCATGCACGAGGCCCTGCACAATCACTATACTCAGAAAAGCCTGAGCCTGTCCCCCGGGAAATGAGCGGCCGC
>551-VHB-1423bp
gaattcgccgccaccATGAAGCACCTGTGGTTCTTCCTGCTGCTGGTGGCTGCTCCTAGGTGGGTGCTGAGCGAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCCGAGGTGAAGAAGCCCGGCGAGAGCCTGAAGATCTCCTGTAAGGCTTCCGGCTACTCCTTCACCGACTACTTTATGAATTGGGTGCGGCAGATGCCCGGCAAGGGCCTGGAGTGGATCGGCAGAATCAATCCTTACAGCGGCGACACCCTGTACAACCAGCGGCTGCAGGGCCAGGTGACCCTGTCCGCTGATAAGAGCATCTCCACCGCCTACCTGCAGCTGTCCTCCCTGAAGGCCTCCGACACCGCCATGTACTACTGTGGCAGGAGCGGCGTGAGCGGCCTGGACTACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGAGCAGCgctagcACCAAGGGACCTTCTGTGTTCCCTCTGGCTCCTTCTTCTAAGTCCACTTCCGGTGGTACAGCAGCTCTGGGTTGTCTGGTGAAGGATTACTTCCCAGAACCAGTGACTGTGTCCTGGAACTCCGGAGCTCTGACTTCTGGAGTGCATACTTTCCCAGCAGTGCTGCAATCTAGCGGACTGTACTCTCTGTCTTCCGTGGTGACTGTGCCTTCTTCTTCCCTGGGGACTCAAACTTACATCTGCAACGTGAACCACAAGCCCTCCAACACCAAGGTGGACAAGAAGGTGGAGCCAAAGAGCTGCGATAAGACCCACACCTGTCCACCTTGTCCAGCTCCAGAACTGCTGGGTGGGCCTTCTGTGTTTCTGTTCCCACCTAAGCCAAAGGATACCCTGATGATCTCTAGGACCCCAGAAGTGACCTGTGTGGTCGTCGATGTGTCTCATGAAGACCCTGAAGTGAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGGGTGGAAGTGCATAACGCAAAGACCAAGCCCAGGGAAGAGCAATACAACTCCACCTACAGGGTGGTCTCCGTCCTGACAGTCCTGCATCAGGATTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAATAAAGCCCTGCCTGCCCCTATCGAGAAAACCATTAGCAAAGCCAAAGGCCAGCCCAGGGAGCCCCAGGTCTATACACTGCCCCCCAGCAGGGAGGAGATGACAAAAAATCAGGTCAGCCTGACATGCCTGGTCAAAGGCTTTTATCCCAGCGACATTGCCGTCGAGTGGGAGTCCAATGGCCAGCCCGAGAATAATTATAAAACAACACCCCCCGTCCTGGACAGCGACGGCAGCTTTTTTCTGTATAGCAAACTGACAGTCGATAAAAGCAGGTGGCAGCAGGGCAATGTCTTTTCCTGCAGCGTCATGCACGAGGCCCTGCACAATCACTATACTCAGAAAAGCCTGAGCCTGTCCCCCGGGAAATGAGCGGCCGC
>621-VLA-725bp
gaattcgccgccaccATGGTGCTGCAGACCCAGGTGTTTATCTCCCTGCTGCTGTGGATCAGCGGCGCCTATGGCGAGATCGTGCTGACCCAGTCCCCTGATTTCCAGAGCGTGACCCCTAAGGAGAAGGTGACCATCACCTGCAGCGCCAGCAGCTCCGCCAGCTATATGCACTGGTACCAGCAGAAGCCCGACCAGTCCCCTAAGCGGTGGATCTATGACACCAGCAAGCTGGCTAGCGGCGTGCCTAGCAGGTTCTCCGGCAGCGGCAGCGGCACCGACTACACCCTGACCATCAACTCCCTGGAGGCTGAGGACGCCGCCACCTATTACTGCCAGCAGTGGAGCTCCAACCCCCCTACCTTTGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATCAAGcgtacgGTGGCTGCACCTTCTGTGTTCATCTTCCCTCCATCTGATGAGCAGCTGAAGTCTGGAACCGCATCTGTCGTCTGTCTGCTGAACAACTTTTACCCCAGGGAGGCTAAGGTCCAATGGAAGGTGGACAACGCCCTGCAGTCTGGTAATAGCCAGGAAAGCGTGACCGAACAGGATTCCAAGGACTCCACCTACTCCCTGTCCTCCACACTGACACTGAGCAAAGCCGACTATGAAAAGCACAAAGTGTATGCCTGCGAGGTCACTCATCAGGGCCTGTCCAGCCCCGTGACTAAAAGCTTTAATAGGGGGGAGTGCTGAGCGGCCGC
>311-VLA-725bp
gaattcgccgccaccATGGTGCTGCAGACCCAGGTGTTTATCAGCCTGCTGCTGTGGATCAGCGGCGCCTACGGCGAGATCGTGCTGACCCAGTCCCCCGCCACCCTGTCCCTGTCCCCAGGAGAGAGGGCTACCCTGAGCTGCTCCGCCAGCTCCAGCGCCTCCTACATCCACTGGTACCAGCAGAAGCCTGGCCAGGCCCCTCGGAGATGGATGTACGATACCTCCAAGCTGGCCTCCGGCATCCCCGCCAGATTCAGCGGCAGCGGCAGCGGAACCGATTACACCCTGACCATCAGCTCCCTGGAGCCTGAGGACGCCGCCGTGTACTACTGCCAGCAGTGGAGCAGCAACCCTCCTACCTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATCAAGcgtacgGTGGCTGCACCTTCTGTGTTCATCTTCCCTCCATCTGATGAGCAGCTGAAGTCTGGAACCGCATCTGTCGTCTGTCTGCTGAACAACTTTTACCCCAGGGAGGCTAAGGTCCAATGGAAGGTGGACAACGCCCTGCAGTCTGGTAATAGCCAGGAAAGCGTGACCGAACAGGATTCCAAGGACTCCACCTACTCCCTGTCCTCCACACTGACACTGAGCAAAGCCGACTATGAAAAGCACAAAGTGTATGCCTGCGAGGTCACTCATCAGGGCCTGTCCAGCCCCGTGACTAAAAGCTTTAATAGGGGGGAGTGCTGAGCGGCCGC
>139-VLA-725bp
gaattcgccgccaccATGGTGCTGCAGACCCAGGTGTTTATCAGCCTGCTGCTGTGGATCAGCGGCGCTTACGGCGACATCCAGCTGACCCAGTCCCCCTCCAGCCTGAGCGCTAGCGTGGGCGACCGGGTGACCATCACCTGCTCCGCCTCCAGCTCCGCCAGCTACATGCACTGGTACCAGCAGAAGCCCGGCAAGGCCCCCAAGAACTGGATCTATGATACCAGCAAGCTGGCCAGCGGCGTGCCCAGCAGATTCAGCGGCAGCGGCTCCGGCACCGATTACACCCTGACCATCAGCTCCCTGCAGCCCGAGGATGCTGCCACCTACTACTGCCAGCAGTGGTCCTCCAACCCCCCTACCTTTGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATCAAGcgtacgGTGGCTGCACCTTCTGTGTTCATCTTCCCTCCATCTGATGAGCAGCTGAAGTCTGGAACCGCATCTGTCGTCTGTCTGCTGAACAACTTTTACCCCAGGGAGGCTAAGGTCCAATGGAAGGTGGACAACGCCCTGCAGTCTGGTAATAGCCAGGAAAGCGTGACCGAACAGGATTCCAAGGACTCCACCTACTCCCTGTCCTCCACACTGACACTGAGCAAAGCCGACTATGAAAAGCACAAAGTGTATGCCTGCGAGGTCACTCATCAGGGCCTGTCCAGCCCCGTGACTAAAAGCTTTAATAGGGGGGAGTGCTGAGCGGCCGC
>12-VHA
MKHLWFFLLLVAAPRWVLSQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYSFTDYFMNWVRQAPGQGLEWIGRINPYSGDTLYNQRLKGRATLTVDKSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCGRSGVSGLDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK;SIP:[1:19],ヒト IgG1 定常領域:[137:466]
>12-VHB
MKHLWFFLLLVAAPRWVLSQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYSFTDYFMNWVRQAPGQGLEWIGRINPYSGDTLYNQKLQGRVTMTVDKSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCGRSGVSGLDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK;SIP:[1:19],ヒト IgG1 定常領域:[137:466]
>459-VHA
MKHLWFFLLLVAAPRWVLSQVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTASGYSFTDYFMNWVRQPPGKGLEWIGRINPYSGDTLYNQRLKGRVTLSVDKSKNQASLKLSSVTAADTAVYYCGRSGVSGLDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK;SIP:[1:19],ヒト IgG1 定常領域:[137:466]
>459-VHB
MKHLWFFLLLVAAPRWVLSQVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTASGYSFTDYFMNWIRQPPGKGLEWIGRINPYSGDTLYNQRLKSRVTLSVDKSKNQASLKLSSVTAADTAVYYCGRSGVSGLDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK;SIP:[1:19],ヒト IgG1 定常領域:[137:466]
>459-VHC
MKHLWFFLLLVAAPRWVLSQVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGGSITDYFMNWIRQPPGKGLEWIGRINPYSGDTLYNQRLKSRVTLSVDKSKNQASLKLSSVTAADTAVYYCGRSGVSGLDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK,SIP:[1:19],ヒト IgG1 定常領域:[137:466]
>551-VHB
MKHLWFFLLLVAAPRWVLSEVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKASGYSFTDYFMNWVRQMPGKGLEWIGRINPYSGDTLYNQRLQGQVTLSADKSISTAYLQLSSLKASDTAMYYCGRSGVSGLDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK,SIP:[1:19],ヒト IgG1 定常領域:[137:466]
>621-VLA
MVLQTQVFISLLLWISGAYGEIVLTQSPDFQSVTPKEKVTITCSASSSASYMHWYQQKPDQSPKRWIYDTSKLASGVPSRFSGSGSGTDYTLTINSLEAEDAATYYCQQWSSNPPTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC,SIP:[1:20],ヒトカッパ定常領域:[127:233]
>311-VLA
MVLQTQVFISLLLWISGAYGEIVLTQSPATLSLSPGERATLSCSASSSASYIHWYQQKPGQAPRRWMYDTSKLASGIPARFSGSGSGTDYTLTISSLEPEDAAVYYCQQWSSNPPTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC,SIP:[1:20],ヒトカッパ定常領域:[127:233]
>139-VLA
MVLQTQVFISLLLWISGAYGDIQLTQSPSSLSASVGDRVTITCSASSSASYMHWYQQKPGKAPKNWIYDTSKLASGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDAATYYCQQWSSNPPTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC,SIP:[1:20],ヒトカッパ定常領域:[127:233]
【0048】
(3)瞬時トランスフェクション
エンドトキシンを含まないプラスミドDNAを抽出し、構築したベクターをCHO-K1細胞にコトランスフェクションし、生存率が50%以下になるまで培養した。細胞の一部を採取して培養上清を回収し、抗体をプロテインGで精製した後にSDS-PAGEゲルに供し、抗原タンパク質でELISAを実行して抗体の活性を検出した。
【0049】
トランスフェクション方法:
1)トランスフェクション前日に、27×10個の細胞を完全培地に播種して(抗生素及び抗凝集試薬を含まない)、細胞をトランスフェクション当日に対数増殖期になるように培養した。
【0050】
2)トランスフェクション複合体の準備
a DNAを一部の完全培地に希釈し、穏やかに混合した。
【0051】
b PEIトランスフェクション試薬を他の一部の完全培地に希釈し、穏やかに混合し、室温で5分間インキュベートした。
【0052】
c 希釈したDNAに希釈したPEIを加えてトランスフェクション混合物の総体積を3mlとし、穏やかに混合し、室温で20~30分間インキュベートした。
【0053】
3)トランスフェクション:トランスフェクション混合物3mlを細胞懸濁液27mlに加え、穏やかに混合し、37℃、5%CO、130rpm条件下で細胞生存率が50%以下に低下するまで培養し、サンプルを回収した。
【0054】
トランスフェクションの情報:
【0055】
【表1】
【0056】
(4)精製
遠心分離して上清を回収し、それぞれ18本の1mlのタンパク質A精製カラムに充填し、充填剤をpH7.5のPBSでバランスし、最後にタンパク質A樹脂と培養上清を混合して一晩インキュベートし、インキュベート終了後に精製した。pH7.5のPBS緩衝液で洗浄し、20mM、pH2.7のクエン酸緩衝液で溶出し、1M pH9.0のTris HCl中和緩衝液でPH6.0に中和した。精製完了後、IN、FT、洗浄及び溶出のサンプルをそれぞれ20ul採取し、SDS-PAGEを実行した。SDS-PAGEによりサンプルを回収して一晩透析した後、サンプルを集めて緩衝液交換と濃縮を行った。最終結果を図4に示す。
【0057】
サンプルの情報
【0058】
【表2】
【0059】
ウェスタンブロットにより特異的結合を検証した。その中、1~18は18個のヒト化モノクローナル抗体、19009414P 11(ヒト IgG1)はペリオスチンキメラ抗体、45-2-G3-1-G7-B7はペリオスチンマウスモノクローナル抗体であった。結果を下表及び図5に示す。
【0060】
【表3】
【0061】
ヒト化抗体ELISAの配置
【0062】
【表4】
【0063】
ELISA検出結果
【0064】
【表5】
【0065】
3.ヒト化抗体の安定なトランスフェクション株の構築と発現
(1)ベクターの構築
前ステップの瞬時トランスフェクション試験の結果から、18号抗体551-VHB/139-VLAの発現量が最も高く、結合能力が要件を満たしていることが分かった。そして、発現量及び抗体結合能力を総合的に考慮したところ、551-VHBと139-VLAをペリオスチンヒト化抗体の重鎖と軽鎖とし、発現ベクターpATX-GS2にサブクローニングした後、CHO細胞に同時トランスフェクションして抗体タンパク質を発現させた。アガロースゲル電気泳動の結果を図6に示す。
【0066】
(2)ペリオスチンヒト化抗体の発現
目的の断片を二重消化(EcoR I/Not I)してライゲーションし、発現ベクターpATX-GS2にサブクローニングし、その後CHO細胞に安定にトランスフェクションした。MSX加圧スクリーニング、ELISA限界希釈により安定な細胞株を得た。37℃、5%二酸化炭素のシェーカー培養器で7日間培養した後、上清を回収し、上清中のヒト化抗体をアガロースゲルプロテインA充填剤したアフィニティークロマトグラフィーで精製した。
【0067】
1)プラスミドの線形化
抽出したプラスミドPATX-GS2-139-VLA-551-VHBをあらかじめ10ulバックアップした(線形化が成功したかどうかを検証するため)。その後に、プラスミドに酵素、バッファーを順に加えて混合した。EPチューブをフロートに挿入し、酵素消化のために37度の水浴に約1~2時間置いた。酵素消化に成功した後、回收を行った。具体的には、消化システムの体積に対する0.75倍のイソプロパノールを加えて混合し、4℃で30分間遠心分離した後に上清を捨て、1mlの70%エタノールを加えて4℃で5分間遠心分離し、ゲルを泳動して濃度を測定した(図7)。
【0068】
酵素消化システム:
【0069】
【表6】
【0070】
2)トランスフェクション
組換え抗体を安定して発現するトランスフェクション細胞プールを得るために、CHO-K1細胞をPVUI線形化プラスミドpATX-GS2-139-VLA-551-VHBでトランスフェクションし、化学的にトランスフェクションした(FectoCHOTM発現システムトランスフェクションキット)。
【0071】
(3)加圧スクリーニング
48時間トランスフェクション後、対応する選択圧力スクリーニングをトランスフェクションされた宿主細胞に適用した。ただし、本発明は、GSスクリーニングシステム(glutamine synthetase Gene Expression System)を使用した。細胞を加圧し、細胞を30umの濃度のMSXで処理した。具体的には、6ウェルプレート標準バッチ培養法を使用してMSXに対するCHO-K1細胞株の自然耐性をそれぞれ測定し、トランスフェクションされていない細胞株CHO-K1に対するMSXの最小死滅濃度を測定したところ、20uMであった。30umの濃度のMSXを加え、耐性のある安定した細胞が出現するまで3~4日ごとに新しいスクリーニング培地を交換した。2~3週間MSXスクリーニング後、3つの安定細胞プールが生成した。
【0072】
125ml振盪フラスコ中で、細胞を標準条件(37℃、5%CO、130rpm)下で、30mlの選択的培地中に培養した。細胞が振盪フラスコ中で良好な状態になっている時、30mlの流加発現試験を行い、D3、D5、D7及びD9に培地補充物を添加し、プロセス全体に亘って血糖を監視した。3世代を培養し続け、細胞生存能力が50%以下に低下するまで培養を終了し、培養液上清を回収し、精製分析を行った。精製結果を図8に示す。図中、「還元」は還元SDS-PAGE電気泳動の結果を示し、「非還元」は非還元SDS-PAGE電気泳動の結果を示した。
【0073】
サンプルの情報:
【0074】
【表7】
【0075】
(4)限界希釈法によるモノクローナル抗体の単離:安定プール3(Stable pool 3)ポリクローニング細胞株を選択して限界希釈モノクローナル加圧プレーティングを行い、得られた安定トランスフェクションプールの細胞懸濁液を、各ウェルに平均1個の細胞を播種するように、非常に低密度に希釈した。発現量の高い5-G4、5-E6、5-G6、5-D7、5-G9、2-H3、2-C7の合計7株のモノクローナル細胞株をELISA法によりスクリーニングしてその後の拡大培養に供した。抗体濃度を1:3倍希釈勾配で順に1、0.33、0.11、0.037、0.012、0.004、0.0014ug/mlとし、ブランク対照を合計8つの勾配とした。
【0076】
モノクローナルを顕微鏡で観察し、ELSIA法により陽性モノクローナルを検出し、結果を下表に示す。
【0077】
抗体のELISA結果:
【0078】
【表8】
【0079】
クローン5-G4、2-C7、5-E6、5-G9、2-H3、5-D7、5-G6の細胞を、125mlの振盪フラスコ中の30mlの選択的培地中に標準条件(37℃、5%二酸化炭素、130回転/分)下で3世代培養した。細胞が振盪フラスコ中で良好な状態になっている時、30mlの流加発現試験を行った。D3、D5、D7及びD9に培地補充物を添加した。プロセス全体に亘って血糖を監視した。細胞生存能力が50%以下に低下するまで培地を回収した。精製結果を図9に示す。
【0080】
サンプル情報:
【0081】
【表9】
【0082】
(5)ヒト化抗ペリオスチン抗体の同定
発現量及びELISAスクリーニング結果から、3株の安定なトランスフェクションした細胞株5-G4、5-G6、5-G9を選択してWB検出を行い、結合特異性を検証した。
【0083】
実験条件:抗原1ug、一次抗体を1:1000で希釈、1時間インキュベート、二次抗体を1:10000で希釈、45分間インキュベート。結果を図10に示す。
【0084】
図10から分かるように、5-G4、5-G6、5-G9の3株の安定なトランスフェクションした株はペリオスチン抗原タンパク質に特異的に結合した。
【0085】
4.抗ペリオスチンヒト化抗体の抗線維化作用に関する研究
4.1 研究方法
5-G6安定なトランスフェクション株の抗体を、インビボ及びインビトロで線維芽細胞のクロスウェル遊走試験、遊走細胞数研究をそれぞれ行い、免疫組織化学によりマウスの線維芽細胞の遊走を分析し、HE及びマッソン染色によりマウス組織の病理学的変化を観察し、線維化面積比率を研究し、蛍光定量的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法によりマウス線維化モデルにおけるI型コラーゲン(Col1a1及びCol1a2)及びIII型コラーゲン(Col3a1)mRNAの発現をそれぞれ検出した。実験には、ペリオスチン+対照IgGを含む馴化培地を対照IgG群とし、ペリオスチン+ヒト化ペリオスチン抗体を含む馴化培地の試験群をPostn nAb群とした。
【0086】
ウィルコクソンの順位和検定により、線維化面積比率、陽性浸潤線維芽細胞数と線維芽細胞比率、及び遊走線維芽細胞数の中央値を比較した。
【0087】
最後的な統計手法:SPSS統計ソフトを使用して実験データを処理し、分散を使用して群間の分析を行った。すべての統計分析において、有意性はp<0.05と定義した。
【0088】
4.2 研究結果
4.2.1 クロスウェル遊走実験(cross hole migration testing)には、ブランク対照群はPostn nAb群よりも移動線維芽細胞数がはるかに多かった。つまり、Postn nAb群は線維芽細胞の遊走を効果的に阻害できた。この結果はPostn nAbのインビトロでの有効性を示した。
【0089】
4.2.2 14dpiの場合、免疫組織学的分析により、ブランク対照群と比較比べると、Postn nAbは浸潤線維芽細胞の数を減少させることが示された。
【0090】
4.2.3 28dpi場合の線維化面積比率において、Postn nAb群のマウスはブランク対照群マウスにより線維化面積が有意に減少した。
【0091】
4.2.4 Postn nAb群マウスにおけるI型コラーゲン及びIII型コラーゲンmRNA発現量は、ブランク対照群マウスよりも有意に低下した(P<0.05)。
【0092】
研究結論:本研究では抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体を調製した。調製された抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体は体内のペリオスチンタンパク質に特異的に結合することができ、それにより体内の線維化作用を効果的に阻害することができた。従って、抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体は、網膜線維化を治療する新たな薬剤となることが期待される。
【0093】
5.ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体のインビトロ活性の実験
5.1 微小管阻害実験
HUVEC細胞をインビトロで培養し、50000個/ウェル(24時間)で12ウェルプレートにそれぞれプレーティングし、5%CO、37℃で一晩培養した後、16時間薬剤処理を行い、血管形成実験を行った。実験中、観察して適切な時点で写真を撮影して記録し、実験結果を記録して下表及び図11を示す。
【0094】
【表10】
【0095】
表の結果から、抗体濃度が増加するにつれて微小管の量が減少し、同じ濃度でヒト化モノクローナル抗体はマウスモノクローナル抗体よりも微小管阻害率が高いことが分かった。これから、上記ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体は、ヒト血管内皮細胞における微小管形成に対するペリオスチンの作用を阻害できることが確認できた。
【0096】
5.2 RPE細胞をインビトロで培養し、グループ化し、細胞遊走、細胞浸潤及び細胞スクラッチ実験をそれぞれ行った。
a 組換えペリオスチンタンパク質又は抗体を含まないブランク対照群(コントロール)
b ペリオスチンのみを含むペリオスチン群
c ペリオスチン+対照IgGを含む対照IgG群
d ペリオスチン+Postn nAbを含むペリオスチン抗体群
Postn nAb:本発明で調製されたペリオスチンヒト化抗体
【0097】
5.2.1 細胞遊走実験
トランズウェル検出
(1)細胞を遠心分離した後、培地を捨て、PBSで1~2回洗浄し、無血清DMEM培地で再懸濁し、細胞密度を1×10個/mlに調整した。
【0098】
(2)細胞懸濁液200μlをトランズウェルチャンバーに加え、10%FBSを含む培地600μlを24ウェルプレートの下部チャンバーに加え、37℃で16~24時間培養した。
【0099】
(3)トランズウェルチャンバーを取り出し、ウェル中の培地を捨てPBSで2回洗浄した。
【0100】
(4)4%PFAで10分間固定し、PBSで2回洗浄した。
【0101】
(5)クリスタルバイオレットで10分間染色し、PBSで2回洗浄した。
【0102】
(6)遊走している細胞を顕微鏡で観察し(図12)、ランダムに3つの視野を選択して写真を撮影し、image Jソフトでカウントしてプロットした(図13)。
【0103】
実験結果
【0104】
【表11】
【0105】
実験結果、細胞遊走率及び遊走細胞数は、ペリオスチン処理群の方がブランク対照群(コントロール)により有意に増加した(P<0.001)のに対して、ペリオスチン+Postn nAb処理群の方がブランク対照群より有意に低く(P<0.001)、ペリオスチン+IgG処理群はペリオスチン処理群よりも細胞遊走の程度がわずかに小さかったことが分かった。これから、ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体はペリオスチンによるRPE細胞の遊走を阻害できることが示された。
【0106】
5.2.2 細胞浸潤実験
トランズウェルチャンバーをMatrigelマトリゲルであらかじめ塗布し、一定濃度の細胞懸濁液を加え、下部チャンバーにFBSを含む培地を加え、37℃、5%COインキュベーター中で48時間培養した後、観察し、写真を撮影し(図14)、遊走細胞数を統計した(図15)。
【0107】
【表12】
【0108】
その結果、細胞遊走率及び浸潤細胞数は、ブランク対照群と比べると、ペリオスチン処理群の方が有意に増加した(P<0.01)のに対し、ペリオスチン+Postn nAb処理群の方が有意に低下し(P<0.01)、また、ペリオスチン+IgG処理群はペリオスチン処理群よりRPE細胞遊走の程度がわずかに小さかったことが分かった。この結果は、ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体はペリオスチンを阻害する作用を持っていることが示された。
【0109】
5.2.3 スクラッチ実験
(1)細胞を上記グループ化処理後に10μlのピペットチップを使用してウェルプレートに対して垂直に細胞スクラッチを付け、各スクラッチの幅が一定になるようにした。
【0110】
(2)細胞培地を吸い取り、PBSでウェルプレートを3回洗浄し、スクラッチにより生じた細胞破片を洗浄し、対応する無血清培地を加えた。
【0111】
(3)培養プレートをインキュベーターに入れて培養し、0時間、6時間、24時間、48時間でそれぞれ写真を撮影した。
【0112】
回収した画像データに基づいて実験結果を分析した(図16~17)。細胞を上記グループ化処理後に10μlのピペットチップを使用してウェルプレートに対して垂直に細胞スクラッチを付け、培養プレートをインキュベーターに入れて培養し、0時間、6時間、24時間、48時間でそれぞれ写真を撮影した。このように分析を行って実験結果を得た。
【0113】
【表13】
【0114】
実験結果、48時間培養後、ペリオスチン処理群はブランク対照群により細胞の相対移動距離が有意に増加した(P<0.01)のに対し、ペリオスチン+Postn nAb処理群はブランク対照群より有意に低く(P<0.001)、またペリオスチン+IgG処理群はペリオスチン処理群よりRPE細胞遊走の程度がわずかに小さかったことが分かった。この結果から、ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体はペリオスチンがRPE細胞を誘発する作用を阻害できることが示された。
【0115】
5.3 ウェスタンブロット検出の結果
RPE細胞の異なる群におけるVEGFA、α-SMA、Col I、Col III、フィブロネクチンのタンパク質の発現を検出した。
【0116】
VEGFA(血管内皮増殖因子)Aは、VEGFAは血管新生反応を誘発し、血管の再生を促進するものである。
【0117】
α-SMA(α-平滑筋アクチン)は、血管壁、腸粘膜筋層や固有筋層、及び様々な組織の間質に存在し、筋線維芽細胞及び筋上皮細胞で高度に発現されており、器官線維化の研究で線維化の重症度に応じて増加するということが研究によって示されていた。
【0118】
Col I、Col III(I型コラーゲンとIII型コラーゲン)は、皮膚損傷の修復プロセス及び修復品質と密接に関係しているものである。真皮層線維芽細胞の増殖を促進し、主に皮膚、腱、靱帯、血管などの結合組織が存在し、細胞外マトリックスネットワーク構造を形成し、器官を支持して身体を保護する役割を果たしており、細胞の付着や細胞の遊走にも関与している。
【0119】
フィブロネクチンフィブロネクチンは、細胞の接着成長を促進し、細胞の接着、遊走又は腫瘍転移、胚発育、成長及び分化などに影響を与えるものである。
【0120】
【表14】
【0121】
実験結果(図18~19)から、ブランク対照群(コントロール)と比較すると、ペリオスチン処理群、ペリオスチン+IgG処理群、ペリオスチン+Postn nAb処理群はタンパク質発現の差がすべて統計的に有意であり(P<0.001)、また、ブランク対照群(コントロール)と比較すると、ペリオスチン処理群はタンパク質発現量が有意に増加した(P<0.001)のに対し、ペリオスチン+Postn nAb処理群はVEGFA、α-SMA、ColI 、Col III、フィブロネクチンのタンパク質の発現量がすべて有意に低下した(P<0.001)ことが示される。これにより、ペリオスチンモノクローナル抗体は、VEGFA、α-SMA、Col I、Col III、フィブロネクチンのタンパク質の発現を阻害できることが示された。
【0122】
6. HUVEC細胞のインビトロでの蛍光定量PCR、WB、IF検出
ペリオスチンは、インテグリン(Integrin)-局所接着キナーゼ(FAK)-ホスホイノシチド3キナーゼ(PI3K)-プロテインキナーゼB(AKT/PKB)シグナル伝達経路を介して網膜血管の形成と線維化を促進できるものである。そして、蛍光定量的PCR技術、免疫蛍光及びウェスタンブロッティング法によりヒト血管内皮細胞膜上のインテグリン(αvβ3、αvβ5)、内皮増殖因子受容体-2(VEGFR-2、vascular endothelial growth factor receptor-2)、FAK、PI3K、AKTのmRNA発現量及びタンパク質発現レベルの差次的変化を測定することにより、ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体は硝子体網膜線維化性病変に対する治療作用を有することが確認された。
【0123】
ヒトHUVEC細胞をインビトロで培養してグループ分けした。
a 組換えペリオスチンタンパク質又は抗体を含有しないブランク対照群(コントロール):
b ペリオスチンのみを含むペリオスチン群
c ペリオスチン+対照IgGを含む対照IgG群
d ペリオスチン+Postn nAbを含むペリオスチン抗体群
Postn nAb:本発明で調製されたペリオスチンヒト化抗体
【0124】
ヒトペリオスチンタンパク質及び抗体をまず1時間インキュベートし、次に細胞に添加して再度24時間処理した後、下記の検出を行った。対照IgGの作業濃度は、抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体の濃度と同じであった。
【0125】
6.1 蛍光定量的PCR測定
血管内皮細胞膜上のαvβ3、αvβ5インテグリン,VEGFR-2、FAK、PI3K、p-PI3K、AKT、p-AKTのmRNA発現量を検出した。
【0126】
図20から、ブランク対照群と比較すると、ペリオスチン処理群はαvβ3、αvβ5、VEGFR-2、FAK、PI3K、p-PI3K、AKT、p-AKT遺伝子の発現が増加し、ペリオスチン+Postn nAb処理群は遺伝子発現量が低下し、特にVEGFR-2のmRNA発現量がブランク対照群より有意に低かった(P<0.001)ことが分かった。これにより、ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体はVEGFR-2、FAK、PI3K、p-PI3K、AKT、p-AKTのmRNA遺伝子の発現を阻害できることが示された。
【0127】
6.2 ウェスタンブロットによるHUVEC細胞におけるαvβ3、αvβ5、VEGFR-2、FAK、PI3K、p-PI3K、AKT、p-AKTタンパク質の発現の検出
正常培養したHUVEC細胞を10個/ディッシュ(6cmディッシュ)でプレーティングし、5%CO、37℃で一晩培養した。細胞を一晩接着させた後、グループ分けて処理した。BCAキットで総タンパク質含有量を検出し、SDS-PAGE電気泳動後にメンブレンに転写し、ブロッキング液でブロッキングし、洗浄後に一次抗体を加えて4℃で一晩冷蔵し、メンブレンを洗浄し、二次抗体をを加えて室温でシェーカーで1時間インキュベートし、発色させた。各群のグレー値と同じ条件下での内部基準グレー値との割合を、各タンパク質の相対発現量として算出した。
【0128】
異なる群のHUVEC細胞における各タンパク質の発現及びグレー分析を図21~22に示す。実験結果から、ブランク対照群と比較すると、ペリオスチン処理群はαvβ3、αvβ5、VEGFR-2、FAK、PI3K、p-PI3K、AKT、p-AKTタンパク質の発現が増加したのに対し、ペリオスチン+Postn nAb処理群はタンパク質発現量が低下し、ペリオスチン処理群よりも低かったことが示された。これにより、ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体はペリオスチンの作用を阻害できることが示された。
【0129】
6.3 IFによるHUVEC細胞におけるαvβ3、αvβ5、VEGFR-2、FAKタンパク質の発現の検出
培養プレート中で、細胞が付着したスライドをPBSに浸し、4%のパラホルムアルデヒドで固定し、0.5%Triton X-100で室温で20分間透過処理し、一次抗体を加えて湿潤ボックスを入れて4℃で一晩インキュベートし、蛍光二次抗体を加え、湿潤ボックスで20~37℃で1時間インキュベートし、DAPI核対比染色を滴下し、スライドを密閉して蛍光顕微鏡で観察した(図23~26)。
【0130】
蛍光顕微鏡で観察した結果:ペリオスチンタンパク質はHUVEC細胞の細胞質で発現された。αvβ3、αvβ5、VEGFR-2、FAKタンパク質のブランク対照群は、細胞の細胞質が弱い蛍光を示した。ペリオスチン処理群は、細胞の細胞質が強い蛍光を示した。ペリオスチン+Postn nAb処理群は、ペリオスチン処理群より細胞の蛍光シグナルが有意に弱く、かつ、ブランク対照群と比較すると有意差が見られなかった。これらの結果により、ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体は、インテグリン-FAK-PI3K-AKT/PKBシグナル伝達経路を遮断してペリオスチンの作用を遮断することにより、網膜線維化を阻害することができたことが示された。
【0131】
以上の記載は本発明の好適な実施形態に過ぎない。当業者にとって、本発明の原理から逸脱することなく、若干の改善や修正を行い得る。これらの改善及び修正は本発明の保護範囲に含まれたものとみなされることに留意する必要がある。
図1
図2
図3-1】
図3-2】
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
【配列表】
2024535942000001.xml
【手続補正書】
【提出日】2024-03-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重鎖の可変領域が配列番号1で示されるアミノ酸配列を有し、
軽鎖の可変領域が配列番号2で示されるアミノ酸配列を有することを特徴とする、抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体。
【請求項2】
重鎖の定常領域がヒトIgG1であり、
軽鎖の定常領域がヒトκ型であることを特徴とする、請求項1に記載のモノクローナル抗体。
【請求項3】
重鎖のアミノ酸配列が配列番号3で示され、軽鎖のアミノ酸配列が配列番号4で示されることを特徴とする、請求項1に記載のモノクローナル抗体。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のモノクローナル抗体をコードする核酸。
【請求項5】
重鎖をコードする核酸が、配列番号5で示される核酸配列を有し、
軽鎖をコードする核酸が、配列番号6で示される核酸配列を有することを特徴とする、請求項4に記載の核酸。
【請求項6】
重鎖をコードする核酸が、配列番号7で示される核酸配列を有し、
軽鎖をコードする核酸が、配列番号8で示される核酸配列を有することを特徴とする、請求項5に記載の核酸。
【請求項7】
請求項4~6のいずれか1項に記載の核酸を含む発現ベクター。
【請求項8】
ベクターバックボーンがPATX-GS2であることを特徴とする、請求項7に記載の発現ベクター。
【請求項9】
請求項8に記載の発現ベクターを形質転換又はトランスフェクションする宿主細胞。
【請求項10】
請求項9に記載の宿主細胞を培養し、抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体の発現を誘発する工程を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体の製造方法。
【請求項11】
組織線維化病変及び/又は悪性腫瘍を治療するための薬剤であって、請求項1~3のいずれか1項に記載の抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体を含むことを特徴とする、薬剤。
【請求項12】
組織線維化病変及び/又は悪性腫瘍を診断するためのキットであって、
請求項1~3のいずれか1項に記載の抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体を含むか、
或いは請求項1~3のいずれか1項に記載の抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体と化学標識又は生物標識とを形成した結合物を含むか、
或いは請求項1~3のいずれか1項に記載の抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体と固体媒体又は半固体媒体とをカップリングした複合体を含むことを特徴とする、キット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
また、本発明は組織線維化病変及び/又は悪性腫瘍を治療するための薬剤又は組織線維化病変及び/又は悪性腫瘍を診断するための検出試薬の製造における抗ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体の使用を提供する。いくつかの実施形態において、前記組織線維化病変は網膜線維化である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
本発明における前記化学標識は、同位体、免疫毒素、及び/又は化学薬品である。前記生物標識は、ビオチン、アビジン、又は酵素標識である。前記酵素標識は、西洋ワサビペルオキシダーゼ又はアルカリホスファターゼであることが好ましい。前記免疫毒素は、アフラトキシン、ジフテリア毒素、緑膿菌外毒素、リシン(ricin)、アブリン(abrin)、ヤドリギレクチン(mistletoe lectin)、モデッシン(modeccin)、PAP、サポリン(saporin)、ゲロニン(Gelonin)又はルフィンであることが好ましい。前記複合体中の固体媒体又は非固体媒体は、コロイド金、ポリスチレンプレート及びビーズならなる群から選択される。このキットは、組織線維化病変及び/又は悪性腫瘍の診断に使用できる。前記診断の方法には、ELISA、ウェスタンブロット、免疫蛍光技術、免疫組織化学的検出などの免疫学的検出方法が採用される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
また、本発明は、本発明による薬剤を投与することにより組織線維化病変及び/又は悪性腫瘍を治療する方法を提供する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
また、本発明は、本発明による診断試薬を使用して診断するにより組織線維化病変及び/又は悪性腫瘍を診断する方法を提供する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
図1図1は、マウスハイブリドーマ細胞(45-2-G3-1-G7-B7)VH及びVL PCR増幅結果を示す図である。
図2図2は、クローニング後のPCR結果を示す図である。
図3図3-1及び図3-2は、重鎖及び軽鎖のプラスミドマップを示す図である。
図4図4は、精製効果を示す図である。
図5図5は、18個のヒト化抗体のELISA結果を示す図である。
図6図6は、発現ベクターの電気泳動検出結果を示す図である。
図7図7は、線形化された発現ベクターの電気泳動検出結果を示す図である。
図8図8は、加圧スクリーニング後のタンパク質の発現及び精製の結果を示す図である。
図9図9は、スクリーニングにより得られた細胞発現タンパク質の精製結果を示す図である。
図10図10は、ヒト化抗ペリオスチン抗体5-G4、5-G6、5-G9の同定を示す図である。
図11図11は、血管形成阻害実験の結果を示す図である。図中、ペリオスチン抗体はヒト化モノクローナル抗体、対照ペリオスチンはマウスモノクローナル抗体である。
図12図12は、細胞遊走実験の結果を示す図である。
図13図13は、ブランク対照群に対する細胞遊走率を示す図である。
図14図14は、細胞浸潤実験の結果を示す図である。
図15図15は、ブランク対照群に対する細胞浸潤率を示す図である。
図16図16は、細胞スクラッチ実験の結果を示す図である。
図17図17は、細胞の相対移動距離(%)を示す図である。
図18図18は、異なる群のRPE細胞におけるVEGFA、α-SMA、Col I、Col III、フィブロネクチンのタンパク質の発現WB検出図を示す図である。
図19図19は、異なる群のRPE細胞におけるVEGFA、α-SMA、Col I、Col III、フィブロネクチンのタンパク質の発現レベルを示す図である。
図20図20は、各群の血管内皮細胞膜上のαvβ3、αvβ5インテグリン、VEGFR-2、FAK、PI3K、p-PI3K、AKT、p-AKTのmRNA発現量を示す図である。
図21図21は、各群のHUVEC細胞における各タンパク質のウェスタンブロット検出図を示す図である。
図22図22は、各群のHUVEC細胞における各タンパク質の発現レベルを示す図である。
図23図23は、IF検出によるHUVEC細胞におけるFAKタンパク質の発現を示す図である。
図24図24は、IF検出によるHUVEC細胞におけるVEGFR2タンパク質の発現を示す図である。
図25図25は、IF検出によるHUVEC細胞におけるαvβ3タンパク質の発現を示す図である。
図26図26は、IF検出によるHUVEC細胞におけるαvβ5タンパク質の発現を示す図である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0072】
125ml振盪フラスコ中で、細胞を標準条件(37℃、5%CO、130rpm)下で、30mlの選択的培地中に培養した。細胞が振盪フラスコ中で良好な状態になっている時、30mlの流加発現試験を行い、D3、D5、D7及びD9に培地補充物を添加し、プロセス全体に亘ってぶどう糖を監視した。3世代を培養し続け、細胞生存能力が50%以下に低下するまで培養を終了し、培養液上清を回収し、精製分析を行った。精製結果を図8に示す。図中、「還元」は還元SDS-PAGE電気泳動の結果を示し、「非還元」は非還元SDS-PAGE電気泳動の結果を示した。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0079】
クローン5-G4、2-C7、5-E6、5-G9、2-H3、5-D7、5-G6の細胞を、125mlの振盪フラスコ中の30mlの選択的培地中に標準条件(37℃、5%二酸化炭素、130回転/分)下で3世代培養した。細胞が振盪フラスコ中で良好な状態になっている時、30mlの流加発現試験を行った。D3、D5、D7及びD9に培地補充物を添加した。プロセス全体に亘ってぶどう糖を監視した。細胞生存能力が50%以下に低下するまで培地を回収した。精製結果を図9に示す。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0093
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0093】
5.ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体のインビトロ活性の実験
5.1 血管形成阻害実験
HUVEC細胞をインビトロで培養し、50000個/ウェル(24時間)で12ウェルプレートにそれぞれプレーティングし、5%CO、37℃で一晩培養した後、16時間薬剤処理を行い、血管形成実験を行った。実験中、観察して適切な時点で写真を撮影して記録し、実験結果を記録して下表及び図11を示す。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0095
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0095】
表の結果から、抗体濃度が増加するにつれて血管の量が減少し、同じ濃度でヒト化モノクローナル抗体はマウスモノクローナル抗体よりも血管形成阻害率が高いことが分かった。これから、上記ペリオスチンヒト化モノクローナル抗体は、ヒト血管内皮細胞における血管形成に対するペリオスチンの作用を阻害できることが確認できた。
【国際調査報告】