(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】フォトプレチスモグラフィセンサを含むインヘイラー
(51)【国際特許分類】
A24F 40/51 20200101AFI20240927BHJP
A24F 40/53 20200101ALI20240927BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20240927BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20240927BHJP
A61M 15/00 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
A24F40/51
A24F40/53
A24F40/40
A24F40/42
A61M15/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578958
(86)(22)【出願日】2023-08-11
(85)【翻訳文提出日】2023-12-21
(86)【国際出願番号】 KR2023011931
(87)【国際公開番号】W WO2024053883
(87)【国際公開日】2024-03-14
(31)【優先権主張番号】10-2022-0112903
(32)【優先日】2022-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0173849
(32)【優先日】2022-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミン キュ
(72)【発明者】
【氏名】ソヌ、ポール チュン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ウォンキョン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB28
4B162AC02
4B162AC12
4B162AC13
4B162AC34
4B162AC41
4B162AC50
4B162AD06
4B162AD15
4B162AD20
4B162AD27
(57)【要約】
一実施形態に係るインヘイラーは、粉末を含むカプセルを収容するチャンバ及び前記チャンバに向かって開放されるピアスホールが設けられるスティック、スティックが挿入される挿入溝を含むホルダ、挿入溝に備えられ、スティックが挿入溝に挿入されればピアスホールを貫通してカプセルを破砕するピアス部材、ピアス部材に振動を提供する振動部材、インヘイラーのユーザの生体信号を測定するフォトプレチスモグラフィ(PPG)センサ、及びインヘイラーの動作を制御する制御部を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インヘイラーであって、
第1方向に延長し、喫煙用スティックが収容される挿入溝と、
前記挿入溝に備えられ、前記スティックが前記挿入溝に挿入されれば前記スティックに含まれているカプセルを破砕するピアス部材と、
前記ピアス部材に振動を提供する振動部材と、
前記インヘイラーのユーザの生体信号を測定するフォトプレチスモグラフィ(photoplethysmography:PPG)センサと、
前記インヘイラーの動作を制御する制御部と、
を含む、インヘイラー。
【請求項2】
前記フォトプレチスモグラフィセンサは、前記ユーザが手を介して前記インヘイラーを把持する場合、前記ユーザの前記手の少なくとも一部と密着するように前記インヘイラー上に配置される、請求項1に記載のインヘイラー。
【請求項3】
前記制御部は、前記インヘイラーの電源がオンした場合、前記フォトプレチスモグラフィセンサを用いて前記ユーザの第1生体信号を生成する、請求項2に記載のインヘイラー。
【請求項4】
前記制御部は、前記振動部材による振動が終了した場合、前記フォトプレチスモグラフィセンサを用いて前記ユーザの第2生体信号を生成する、請求項3に記載のインヘイラー。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第1生体信号と前記第2生体信号との間の差を示す粉末吸入結果を生成し、
前記粉末吸入結果を出力する、請求項4に記載のインヘイラー。
【請求項6】
前記スティック内部の気流を検出するパフセンサをさらに含み、
前記制御部は、前記パフセンサから検出結果を伝達され、前記振動部材の前記振動を制御する、請求項1に記載のインヘイラー。
【請求項7】
前記スティックに振動を提供するサブ振動部材をさらに含む、請求項1に記載のインヘイラー。
【請求項8】
前記挿入溝に備えられ、前記スティックが挿入されれば前記スティックによって加圧される弾性部材をさらに含み、
前記サブ振動部材は、前記弾性部材を介して前記スティックに振動を提供する、請求項7に記載のインヘイラー。
【請求項9】
前記サブ振動部材は、前記第1方向に実質的に平行な方向に前記スティックを振動させる、請求項7に記載のインヘイラー。
【請求項10】
前記サブ振動部材は、前記第1方向に実質的に垂直方向に前記スティックを振動させる、請求項7に記載のインヘイラー。
【請求項11】
前記スティックは、
前記カプセルを収容し、前記スティックが挿入された場合、前記挿入溝に位置するように配置されるチャンバと、
前記チャンバの反対方向に設けられるマウスピースと、
前記チャンバと前記マウスピースとの間の流体連通を提供する気流チャネルと、
前記気流チャネルと前記チャンバとの間に配置されるメッシュと、
を含む、請求項1に記載のインヘイラー。
【請求項12】
前記スティックは、
前記ピアス部材が貫通して前記カプセルを破砕するピアスホールと、
前記ピアスホールをシーリングし、前記スティックが前記挿入溝に挿入されれば前記ピアス部材によって破砕されるシーリング部材と、
をさらに含む、請求項1に記載のインヘイラー。
【請求項13】
前記スティックは、
前記ピアス部材が貫通して前記カプセルを破砕するピアスホールと、
前記ピアスホールを選択的に開閉するドアと、
を含む、請求項1に記載のインヘイラー。
【請求項14】
前記スティックが前記挿入溝に挿入されたかを検出する挿入検出センサと、
前記ドアを開閉するドアヒンジと、
をさらに含み、
前記制御部は、前記挿入検出センサから検出結果を受信し、前記検出結果に基づいて前記ドアヒンジを制御して前記ドアを開閉する、請求項13に記載のインヘイラー。
【請求項15】
インヘイラーによって実行される粉末吸入結果を出力する方法であって、
前記インヘイラーは、
喫煙用スティックが収容される挿入溝と、
前記挿入溝に備えられ、前記スティックが前記挿入溝に挿入されれば前記スティックに含まれているカプセルを破砕するピアス部材と、
前記ピアス部材に振動を提供する振動部材と、
前記インヘイラーのユーザの生体信号を測定するフォトプレチスモグラフィセンサと、
前記インヘイラーの動作を制御する制御部と、
を含み、
前記粉末吸入結果を出力する方法は、
前記インヘイラーの電源がオンした場合、前記フォトプレチスモグラフィセンサを用いて前記ユーザの第1生体信号を生成する動作と、
前記振動部材による振動が終了した場合、前記フォトプレチスモグラフィセンサを用いて前記ユーザの第2生体信号を生成する動作と、
前記第1生体信号と前記第2生体信号との間の差を示す粉末吸入結果を生成する動作と、
前記粉末吸入結果を出力する動作と、
を含む、粉末吸入結果出力方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本文書の様々な実施形態はインヘイラーに関する。
【背景技術】
【0002】
近来、伝統的な巻タバコの短所を克服する代替物品に関する需要が増加している。例えば、インヘイラー(inhaler)は、薬物などの組成物を含む液体又は気体状態を口腔又は鼻腔を介してユーザに吸入させるための機構である。
【0003】
このような装置は、吸入可能な組成物を収容するチャンバを備え、組成物は、チャンバからチャネルを介して最終的に口腔又は鼻腔に移動し、ユーザに吸入されることができる。
【0004】
前述した背景技術は、発明者が本明細書の開示内容を導き出す過程で保持したり習得したものであり、必ず本出願前に一般公衆に公開された公知技術とは言えない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
粉末状態の組成物を使用するインヘイラーにおいて、従来の非電子式インヘイラーは、ユーザの呼吸に依存して粉末を吸入しなければならなかった。この場合、ユーザの肺の呼吸量に応じてインヘイラーから放出される粉末の量が変わり、肺の呼吸量が一定のレベルを満たすことができないユーザはインヘイラーの使用が制限されるという問題があった。
【0006】
これを解決するために、肺の呼吸量の弱いユーザも円滑な吸入が可能であり、さらに、一般のユーザも個別的に粉末の放出状態を制御できるインヘイラーに対する要求が存在した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係るインヘイラーは、第1方向に延長し、喫煙用スティックが収容される挿入溝と、前記挿入溝に備えられ、前記スティックが前記挿入溝に挿入されれば前記スティックに含まれているカプセルを破砕するピアス部材と、前記ピアス部材に振動を提供する振動部材と、前記インヘイラーのユーザの生体信号を測定するフォトプレチスモグラフィ(photoplethysmography:PPG)センサと、前記インヘイラーの動作を制御する制御部とを含む。
【0008】
前記フォトプレチスモグラフィセンサは、前記ユーザが手を介して前記インヘイラーを把持する場合、前記ユーザの前記手の少なくとも一部と密着するように前記インヘイラー上に配置されることができる。
【0009】
前記制御部は、前記インヘイラーの電源がオンした場合、前記フォトプレチスモグラフィセンサを用いて前記ユーザの第1生体信号を生成することができる。
【0010】
前記制御部は、前記振動部材による振動が終了した場合、前記フォトプレチスモグラフィセンサを用いて前記ユーザの第2生体信号を生成することができる。
【0011】
前記制御部は、前記第1生体信号と前記第2生体信号との間の差を示す粉末吸入結果を生成し、前記粉末吸入結果を出力することができる。
【0012】
前記インヘイラーは、前記スティック内部の気流を検出するパフセンサをさらに含み、前記制御部は、前記パフセンサから検出結果を伝達され、前記振動部材の前記振動を制御することができる。
【0013】
前記インヘイラーは、前記スティックに振動を提供するサブ振動部材をさらに含むことができる。
【0014】
前記インヘイラーは、前記挿入溝に備えられ、前記スティックが挿入されれば前記スティックによって加圧される弾性部材をさらに含み、前記サブ振動部材は、前記弾性部材を介して前記スティックに振動を提供することができる。
【0015】
前記サブ振動部材は、前記第1方向に実質的に平行な方向に前記スティックを振動させることができる。
【0016】
前記サブ振動部材は、前記第1方向に実質的に垂直方向に前記スティックを振動させることができる。
【0017】
前記スティックは、前記カプセルを収容し、前記スティックが挿入された場合、前記挿入溝に位置するように配置されるチャンバと、前記チャンバの反対方向に設けられるマウスピースと、前記チャンバと前記マウスピースとの間の流体連通を提供する気流チャネルと、前記気流チャネルと前記チャンバとの間に配置されるメッシュとを含むことができる。
【0018】
前記スティックは、前記ピアス部材が貫通して前記カプセルを破砕するピアスホールと、前記ピアスホールをシーリングし、前記スティックが前記挿入溝に挿入されれば前記ピアス部材によって破砕されるシーリング部材とをさらに含むことができる。
【0019】
前記スティックは、前記ピアス部材が貫通して前記カプセルを破砕するピアスホールと、前記ピアスホールを選択的に開閉するドアとを含むことができる。
【0020】
前記インヘイラーは、前記スティックが前記挿入溝に挿入されたかを検出する挿入検出センサと、前記ドアを開閉するドアヒンジとをさらに含み、前記制御部は、前記挿入検出センサから検出結果を受信し、前記検出結果に基づいて前記ドアヒンジを制御して前記ドアを開閉することができる。
【0021】
一実施形態に係るインヘイラーによって実行される粉末吸入結果を出力する方法において、前記インヘイラーは、喫煙用スティックが収容される挿入溝と、前記挿入溝に備えられ、前記スティックが前記挿入溝に挿入されれば前記スティックに含まれているカプセルを破砕するピアス部材と、前記ピアス部材に振動を提供する振動部材と、前記インヘイラーのユーザの生体信号を測定するフォトプレチスモグラフィセンサと、前記インヘイラーの動作を制御する制御部とを含み、前記粉末吸入結果を出力する方法は、前記インヘイラーの電源がオンした場合、前記フォトプレチスモグラフィセンサを用いて前記ユーザの第1生体信号を生成する動作と、前記振動部材による振動が終了した場合、前記フォトプレチスモグラフィセンサを用いて前記ユーザの第2生体信号を生成する動作と、前記第1生体信号と前記第2生体信号との間の差を示す粉末吸入結果を生成する動作と、前記粉末吸入結果を出力する動作とを含む。
【発明の効果】
【0022】
一実施形態に係るインヘイラーは、ユーザに粉末吸入結果を提供することができる。
【0023】
一実施形態に係るインヘイラーの効果は、以上で言及されたものなどに限定されず、言及されない異なる効果は、下記の記載によって当業者にとって明確に理解できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】一実施形態に係るインヘイラーのブロック図である。
【
図2】一実施形態に係るインヘイラーを概略的に示す図である。
【
図3A】一実施形態に係るスティックがホルダに部分的に挿入された状態を概略的に示す図である。
【
図3B】一実施形態に係るインヘイラーの内部のホルダにスティックが完全に挿入された状態を概略的に示す図である。
【
図4A】一実施形態に係るインヘイラーの内部を概略的に示す図である。
【
図4B】一実施形態に係るインヘイラーの内部を概略的に示す図である。
【
図5A】一実施形態に係るスティックの断面図である。
【
図5B】一実施形態に係るスティックの断面図である。
【
図6】一実施形態に係るフォトプレチスモグラフィセンサを含むインヘイラーを示す。
【
図7】一実施形態に係る粉末吸入結果を出力する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
様々な実施形態で使用される用語は、本発明における機能を考慮しながら可能な限り現在に幅広く使用されている一般的な用語を選択したが、これは当分野の技術者の意図又は判例、新しい技術の出現などによって異なる。また、特定の場合、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合に該当する発明の説明部分において詳しくその意味を記載する。したがって、本発明で使用される用語は単なる用語の名称ではなく、その用語が有する意味と本発明の全般にわたる内容に基づいて定義されなければならない。
【0026】
明細書の全体において、いずれかの部分がいずれかの構成要素を「含む」とするとき、これは特に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含むことを意味する。また、明細書に記載されている「~部」、「~モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェア又はソフトウェアで具現されるかハードウェアとソフトウェアの結合で具現されることができる。
【0027】
本明細書で使用されるように、「少なくともいずれか1つの」のような表現が配列された構成要素前にあるとき、配列されたそれぞれの構成ではない全体構成要素を修飾する。例えば、「a、b、及びcのうち少なくともいずれか1つ」という表現は、a、b、c、又は、aとb、aとc、bとc、又は、aとbとcを含むものと解釈しなければならない。
【0028】
様々な実施形態において、「パフ(puff)」はユーザの吸入(inhalation)を意味し、吸入とは、ユーザの口や鼻を介してユーザの口腔内、鼻腔内又は肺に引き寄せる状況を意味する。
【0029】
一実施形態において、インヘイラーは組成物を保持するカプセルを収容するカートリッジ(又は、スティック)を支持する本体(又は、ホルダ)を含んでもよい。カートリッジは本体と着脱可能に結合されるが、これに限定されることはない。カートリッジは本体と一体に形成されたり組み立てられ、ユーザによって脱着されないように固定されてもよい。カートリッジは、内部にカプセルを収容した状態で本体に装着されてもよい。但し、これに制限されることなく、カートリッジが本体に結合された状態でカートリッジ内部に粉末又はこれを保持したカプセルが注入されてもよい。
【0030】
以下では、添付の図面を参考にして本開示の実施形態に対して当技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本開示は、先に説明された様々な実施形態のインヘイラーで実現可能な形態に実施されたり、又は様々な異なる形態で具現されて実施され、ここで説明する実施形態に制限されない。
【0031】
図1は、一実施形態に係るインヘイラー100のブロック図である。
【0032】
図1を参照すると、一実施形態に係るインヘイラー100は、制御部110、検出部120、出力部130、バッテリ140、ヒータ150、ユーザ入力部160、メモリ170、通信部180、及び駆動部190のうち少なくとも1つを含む。
【0033】
但し、インヘイラー100の内部構造は
図1に示されたものに制限されない。即ち、インヘイラー100の設計に応じて、
図1に示された構成のうちの一部が省略されたり、新しい構成が追加さ得ることを本実施形態に関する技術分野で通常の知識を有する者であれば理解できるのであろう。
【0034】
一実施形態において、検出部120は、インヘイラー100の状態又はインヘイラー100周辺の状態を検出し、検出された情報を制御部110(又は、プロセッサ)に伝達することができる。制御部110は、検出された情報に基づいてインヘイラー100の他の構成の駆動を制御できる。
【0035】
例えば、制御部110は、検出部120の検出結果に基づいてヒータ150の動作を制御したり、スティック(例えば、
図2のスティック210)、カプセル(例えば、
図3Aのカプセル232)、カートリッジ、巻タバコなどの挿入可否を判断して駆動部190を制御したり、又は、出力部130で通知を表示するなどのような様々な機能を行うことができる。
【0036】
一実施形態において、検出部120は、温度センサ122、挿入検出センサ124、パフセンサ126及びフォトプレチスモグラフィ(photoplethysmography:PPG)センサ128のうち少なくとも1つを含むが、これに制限されることはない。
【0037】
一実施形態において、温度センサ122は、ヒータ150が加熱する温度を検出する。インヘイラー100は、ヒータ150の温度を検出する別途の温度センサを含んだり、ヒータ150そのものが温度センサの役割を行うことができる。又は、温度センサ122は、バッテリ140の温度をモニタリングするように、バッテリ140の周辺に配置されたものであってもよい。
【0038】
一実施形態において、挿入検出センサ124は、スティック(例えば、
図2のスティック230)又はカプセル(例えば、
図3A及び
図3Bのカプセル232)の挿入及び/又は除去を検出する。例えば、挿入検出センサ124は、フィルムセンサ、圧力センサ、光センサ、抵抗性センサ、容量性センサ、誘導性センサ、及び赤外線センサの少なくとも1つを含み、スティック又はカプセルが挿入及び/又は除去による信号変化を検出する。
【0039】
一実施形態において、パフセンサ126は、気流通路又は気流チャネルの様々な物理的変化に基づいてユーザのパフを検出する。例えば、パフセンサ126は、温度変化、流量(flow)変化、電圧変化、及び圧力変化のいずれか1つに基づいてユーザのパフを検出してもよい。
【0040】
一実施形態において、PPGセンサ128は、信号をユーザの体で出力する第1端及びユーザの体で出力された信号を受信する第2端を含む。例えば、PPGセンサ128は、信号を送受信するために物理的に分離された複数の要素で構成されてもよい。異なる例として、PPGセンサ128は、信号を送受信するための要素が物理的に1つに統合されるよう構成されてもよい。例えば、PPGセンサ128は、機能性物質の活性程度、ストレス程度、心拍数、酸素飽和度、血圧指数を決定するために使用される基本情報を測定することができる。
【0041】
一実施形態において、検出部120は、前述のセンサの他に、温度/湿度センサ、気圧センサ、地磁気センサ(magnetic sensor)、加速度センサ(acceleration sensor)、ジャイロスコープセンサ、位置センサ(例えば、GPS)、近接センサ、及びRGBセンサ(illuminance sensor)の少なくとも1つをさらに含んでもよい。各センサの機能は、その名称から通常の技術者が直観的に推論することができるため、具体的な説明は省略される。
【0042】
一実施形態において、出力部130は、インヘイラー100の状態に関する情報を出力してユーザに提供する。出力部130は、ディスプレイ部132、ハプティック部134、及び音響出力部136の少なくとも1つを含むが、これに限定されない。ディスプレイ部132とタッチパッドがレイヤ構造を成してタッチスクリーンから構成される場合、ディスプレイ部132は出力装置だけでなく、入力装として使用されてもよい。
【0043】
一実施形態において、ディスプレイ部132は、インヘイラー100に関する情報をユーザに視覚的に提供する。例えば、インヘイラー100に関する情報は、インヘイラー100のバッテリ140の充電/放電状態、ヒータ150の予熱状態、スティック又はカプセルの挿入/除去状態又はインヘイラー100の使用が制限される状態(例えば、異常物品検出)、駆動部190の振動状態のような様々な情報のうち少なくとも1つに関する情報を含んでもよく、ディスプレイ部132はこのような情報を外部に出力する。ディスプレイ部132は、例えば、液晶ディスプレイパネル(LCD)、有機発光ディスプレイパネル(OLED)などであってもよい。また、ディスプレイ部132は、LED発光素子の状態であってもよい。
【0044】
一実施形態において、ハプティック部134は、電気的信号を機械的な刺激又は電気的な刺激に変換してインヘイラー100に関する情報をユーザに触覚的に提供する。例えば、ハプティック部134は、モータ、圧電素子、又は電気刺激装置を含む。
【0045】
一実施形態において、音響出力部136は、インヘイラー100に関する情報をユーザに聴覚的に提供する。例えば、音響出力部136は、電気信号を音響信号に変換して外部に出力してもよい。
【0046】
一実施形態において、バッテリ140は、インヘイラー100の動作に用いられる電力を供給することができる。バッテリ140は、ヒータ150が加熱するように電力を供給する。
【0047】
一実施形態において、バッテリ140は、インヘイラー100内に備えられた他の構成(例えば、検出部120、出力部130、ユーザ入力部160、メモリ170、及び通信部180、又は駆動部190)の動作に必要な電力を供給する。バッテリ140は、充電可能なバッテリ、又は使い捨てバッテリであってもよい。例えば、バッテリ140は、リチウムポリマー(LiPoly)バッテリであってもよいが、これに限定されない。
【0048】
一実施形態において、ヒータ150は、バッテリ140から電力を供給されてエアロゾル生成物質を加熱させる。
図1に示されていないが、インヘイラー100は、バッテリ140の電力を変換してヒータ150に供給する電力変換回路(例えば、DC/DCコンバータ)をさらに含んでもよい。また、インヘイラー100が誘導方式でエアロゾルを生成する場合、インヘイラー100は、バッテリ140の直流電源を交流電源に変換するDC/ACコンバータをさらに含んでもよい。
【0049】
一実施形態において、制御部110、検出部120、出力部130、ユーザ入力部160、メモリ170、通信部180、及び駆動部190は、バッテリ140から電力を供給されて機能してもよい。
図1に示されていないが、バッテリ140の電力を変換してそれぞれの構成要素に供給する電力変換回路、例えば、LDO(low dropout)回路又は電圧レギュレータ回路をさらに含んでもよい。
【0050】
一実施形態において、ヒータ150は、任意の適切な電気抵抗性物質から形成されてもよい。例えば、適切な電気抵抗性物質は、タイタニウム、ジルコニウム、タンタル、白金、ニッケル、コバルト、クロミウム、ハフニウム、ニオブ、モリブデン、タングステン、スズ、ガリウム、マンガン、鉄、銅、ステンレス鋼、ニクロムなどを含む金属又は金属合金であってもよいが、これに制限されることはない。また、ヒータ150は、金属熱線(wire)、電気伝導性トラック(track)が配置された金属熱板(plate)、セラミック発熱体などで実現されるが、これに制限されることはない。
【0051】
一実施形態において、ヒータ150は、誘導加熱方式のヒータであってもよい。例えば、ヒータ150はコイルによって印加された磁場を介して発熱し、エアゾール生成物質を加熱するサセプタを含んでもよい。
【0052】
一実施形態において、ヒータ150は複数のヒータを含んでもよい。例えば、ヒータ150は、エアゾール発生物品を加熱するための第1ヒータ及び液相を加熱するための第2ヒータを含んでもよい。
【0053】
一実施形態において、ユーザ入力部160は、ユーザから入力された情報を受信したり、ユーザに情報を出力したりしてもよい。例えば、ユーザ入力部160は、キーパッド(key pad)、ドームスイッチ(dome switch)、タッチパッド(接触式静電容量方式、圧力式抵抗膜方式、赤外線検出方式、表面超音波伝導方式、積分式張力測定方式、ピエゾ効果方式など)、ジョグホイール、ジョグスイッチなどがあるが、これに制限されない。また、
図1に示されていないが、インヘイラー100は、USB(universal serial bus)インターフェースなどのような接続インターフェース(connection interface)をさらに含み、USBインターフェースなどのような接続インターフェースを介して他の外部装置に連結して情報を送受信したり、バッテリ140を充電したりすることができる。
【0054】
一実施形態において、メモリ170は、インヘイラー100内で処理される各種のデータを格納するハードウェアであって、制御部110で処理されたデータ及び処理されるデータを格納する。メモリ170は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ(例えば、SD又はxDメモリなど)、RAM(random access memory)、SRAM(static random access memory)、ROM(read-only memory)、EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)、PROM(programmable read-only memory)、磁気メモリ、磁気ディスク、光ディスクの少なくとも1つのタイプの格納媒体を含む。
【0055】
一実施形態において、メモリ170は、インヘイラー100の動作時間、最大パフ回数、現在パフ回数、少なくとも1つの温度プロファイル及びユーザの喫煙パターンに対するデータなどを格納する。
【0056】
一実施形態において、通信部180は、他の電子装置との通信のための少なくとも1つの構成要素を含む。例えば、通信部180は、近距離通信部182及び無線通信部184を含む。
【0057】
一実施形態において、近距離通信部(short-range wireless communication unit)182は、ブルートゥース(登録商標)通信部、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)通信部、近距離無線通信部(Near Field Communication unit)、WLAN(ワイファイ)通信部、ジグビー(Zigbee(登録商標))通信部、赤外線(IrDA、infrared Data Association)通信部、WFD(Wi-Fi Direct)通信部、UWB(ultra wideband)通信部、Ant+通信部などを含むが、これに限定されない。
【0058】
一実施形態において、無線通信部184は、セルラーネットワーク通信部、インターネット通信部、コンピュータネットワーク(例えば、LAN又はWAN)通信部などを含むが、これに限定されない。無線通信部184は、加入者情報(例えば、国際モバイル加入者識別子(IMSI)を用いて通信ネットワーク内でインヘイラー100を確認及び認証することもできる。
【0059】
一実施形態において、駆動部190は、ユーザのインヘイラー100吸入動作を補助するための様々な駆動装置を含んでもよい。例えば、駆動部190は振動部材191を含み、インヘイラー100の粉末の伝達を補助することができる。
【0060】
一実施形態において、振動部材191は電子式振動子で実現されてもよく、電圧(例えば、交流電圧)が印加されれば、これに対応して振動を発生させることができる。これに限定されず、駆動部190は、モータ、シャフト、複数のピニオン又は油圧装置のような要素をさらに含んでもよい。
【0061】
一実施形態において、制御部110は、インヘイラー100の全般的な動作を制御する。一実施形態において、制御部110は、少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。プロセッサは、複数の論理ゲートのアレイで具現されてもよく、汎用的なマイクロプロセッサとこのマイクロプロセッサで実行できるプログラムが格納されたメモリの組み合わせで具現されてもよい。また、他の形態のハードウェアで具現され得るが、本実施形態が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば理解できるのであろう。
【0062】
一実施形態において、制御部110は、バッテリ140の電力をヒータ150に供給することを制御することで、ヒータ150の温度を制御することができる。例えば、制御部110は、バッテリ140とヒータ150との間のスイッチング素子のスイッチングを制御することで電力供給を制御してもよい。異なる例として、制御部110の制御命令に応じて、加熱直接回路がヒータ150に対する電力供給を制御することもできる。
【0063】
一実施形態において、制御部110は検出部120によって検出された結果を分析し、その後実行される処理を制御してもよい。例えば、制御部110は、検出部120によって検出された結果に基づいて、ヒータ150又は駆動部190の動作が開示又は終了するよう、ヒータ150に供給される電力を制御してもよい。
【0064】
例えば、制御部110は、検出部120によって検出された結果に基づいて、ヒータ150が所定の温度まで加熱したり適切な温度を保持できるよう、ヒータ150に供給される電力量及び電力が供給される時間を制御することができる。
【0065】
一実施形態において、制御部110は、検出部120により検出された結果に基づいて、出力部130を制御する。例えば、パフセンサ126を介してカウントされたパフ回数が予め設定された回数に到逹すると、制御部110は、ディスプレイ部132、ハプティック部134、及び音響出力部136の少なくとも1つを介してユーザにインヘイラー100が直ちに終了することを予告することができる。又は、例えば、パフセンサ126はユーザの吸入状態を検出し、制御部110は、それに基づいて駆動部190の振動部材191の駆動を制御することができる。
【0066】
一実施形態において、制御部110は検出部120によって検出されたスティック又はカプセルの状態に応じてヒータ150に対する電力供給時間及び/又は電力供給量を制御することができる。
【0067】
一実施形態は、コンピュータにより実行されるプログラムモジュールのようなコンピュータで実行可能な命令語を含む記録媒体の形でも具現される。コンピュータ読み取り可能媒体は、コンピュータによりアクセスすることができる任意の可用媒体であってもよく、揮発性及び非揮発性媒体、分離型及び非分離型媒体をすべて含む。また、コンピュータ読み取り可能媒体は、コンピュータ格納媒体及び通信媒体をすべて含み得る。コンピュータ格納媒体は、コンピュータ読み取り可能な命令語、データ構造、プログラムモジュール又はその他データのような情報の格納のための任意の方法、又は技術で具現された揮発性及び非揮発性、分離型及び非分離型媒体をすべて含む。通信媒体は、典型的にコンピュータ読み取り可能な命令語、データ構造、プログラムモジュールのような変調されたデータ信号のその他データ、又はその他送信メカニズムを含み、任意の情報伝達媒体を含む。
【0068】
図2は、一実施形態に係るインヘイラー200を概略的に示す図である。
【0069】
図2を参照すると、一実施形態に係るインヘイラー200は、ホルダ210及びスティック230を含むが、実施形態がこれに限定されることはない。例えば、インヘイラー200は、スティック230を除いたホルダ210を意味する。スティック230は、ホルダ210と一体に形成されてもよい。代替的に、スティック230(例えば、タバコ)は、ホルダ210から脱着可能であってもよい。以下で、用語「インヘイラー」は「ホルダ」と相互交換的に使用される。
【0070】
一実施形態において、ホルダ210は、円筒又は多角形の柱形状に構成することができる。ホルダ210には、スティック230が挿入されるための挿入溝215が形成され、挿入溝215には、スティック230が第1方向(例えば、-Y方向)に挿入されてもよい。
【0071】
一実施形態において、ホルダ210は、第1面211、第2面212及びサイド面213を含む。第1面211には挿入溝215が形成され、第2面212は第1面211の反対となる面であってもよい。第1面211と第2面212との間にはサイド面213が形成されてもよい。
【0072】
一実施形態において、挿入溝215は、第1面211に形成された溝で構成してもよい。
【0073】
例えば、挿入溝215は、ホルダ210の長手方向(例えば、Y軸方向)に沿って伸びる形状を有してもよい。スティック230は、挿入溝215がホルダ210に延びる方向(例えば、-Y方向;以下では「第1方向」)にホルダ210に挿入される。
【0074】
一実施形態において、ホルダ210の外側と挿入溝215との間にはホルダ210外部の空気が挿入溝215に流入される流入口(図示せず)が形成されてもよい。
【0075】
図面には示していないが、ホルダ210は、内部にインヘイラー200の様々な構成品が収容され、例えば、ホルダ210は、制御部(例えば、
図1の制御部110)、少なくとも1つのセンサ(例えば、
図1の検出部120)及びバッテリ(例えば、
図1のバッテリ140)のうち少なくとも1つを収容してもよい。
【0076】
一実施形態において、スティック230は、ホルダ210は円筒又は多角形の柱状に構成され、ホルダー210の挿入溝215に挿入可能なサイズ及び形状である。スティック230は、内部に粉末Pを収容する。
【0077】
一実施形態において、スティック230の一端にはマウスピース231が設けられる。例えば、マウスピース231は、挿入溝215に挿入される他端部の反対側の一端に設けられる。ユーザは、スティック230に負圧を加えて空気を吸入してもよい。例えば、ユーザは、マウスピース231を口で噛んで粉末Pを吸入したり、又は、粉末Pが含まれた空気ないしエアゾールを吸入してもよい。
【0078】
図3A及び
図3Bは、
図2に示されたA領域の内部に関する図である。具体的に、
図3Aは、ホルダ210の挿入溝215にスティック230が挿入(一部挿入)された状態を示し、
図3Bは、スティック230が挿入溝215に実質的に完全に挿入された状態を示す。
【0079】
図3A及び
図3Bを参照すると、一実施形態に係るインヘイラー200は、ピアス部材220、弾性部材225、チャンバ233、及びピアスホール234のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0080】
一実施形態において、スティック230は、カプセル232を収容するためのチャンバ233を含む。チャンバ233は、挿入溝215に挿入されるスティック230の一部領域であってもよい。チャンバ233は、カプセル232を収容又は格納するための空間であってもよく、又は、カプセル232の動きを制限するための空間であってもよい。
【0081】
一実施形態において、カプセル232は内部に粉末Pを含む。粉末Pは、小さい粒子形態のタバコ抽出物であってもよく、又は、粉末Pは、カフェイン、タウリン、アスピリン、鎮静剤、睡眠薬、気管支拡張剤、ワクチンのような薬理物質又はfree-ニコチン、ニコチン塩(nicotine salt)のような物質を含む組成物又は機能性物質であってもよい。但し、これは例示的なものに過ぎず、カプセル232は、内部の粉末Pは、液体、気体、又はそのうちの一部の組み合せに代替されてもよい。
【0082】
一実施形態において、ピアスホール234は、チャンバ233と外部との間の流体連通を提供するためにスティック230に形成された開口である。ピアスホール234は、スティック230で挿入溝215に向かっている面に、好ましくは、ピアス部材220と対向している領域に形成されてもよい。ピアスホール234は、ピアス部材220の直径よりも大きいか同じ直径を有してもよい。
【0083】
一実施形態において、スティック230は、チャンバ233からマウスピース(例えば、
図2のマウスピース231)へ流体連通を提供する気流チャンネル235を含む。気流チャンネル235は、粉末Pを含む空気が流動する流路であり、気流チャンネル235とチャンバー233との間にはマッシュ236が配置されてもよい。
【0084】
一実施形態において、メッシュ236は粉末P及び空気を通過させ、カプセル232又は他の異物の通過を制限する。又は、メッシュ236は、粉末Pの一部をろ過したり、粉末Pがかたまらないようにする。例えば、メッシュ236の単一ホールの直径は5マイクロメーターであってもよい。
【0085】
一実施形態において、カプセル232が破砕されれば、カプセル232内部の粉末Pの少なくとも一部がチャンバ233に放出される。マウスピース231を介してユーザがスティック230の空気を吸入すると、粉末Pは、メッシュ236を通過して気流チャネル235を経過してマウスピース231に移動し、ユーザに吸入される。
【0086】
一実施形態において、スティック230は使い捨てであってもよく、粉末Pが消耗した後に他のスティック230に交替されてもよい。又は、スティック230は再使用可能であってもよく、粉末Pが消耗すればカプセル232又は粉末Pがリフィルされて再び使用されてもよい。
【0087】
一実施形態において、ピアス部材220は挿入溝215に設けられ、挿入溝215からスティック230に向かっている方向(例えば、+Y方向)に突出形成されてもよい。ピアス部材220はカプセル232を破砕してもよい。例えば、スティック230が第1方向(例えば、-Y方向)に挿入溝215に挿入されれば、ピアス部材220は、少なくとも一部領域がピアスホール234を貫通してスティック230のチャンバ233内に挿入され、ピアス部材220はカプセル232を部分的に破砕できる。
【0088】
一実施形態において、ピアス部材220の末端部は、鋭い形状又は尖っている形状を有し、例えば、ピアス部材220はニドール(needle)又はスティング(sting)であってもよい。ピアス部材220の末端部はカプセル232の一部領域を破砕し、カプセル232に穿孔を形成する。カプセル232は、ピアス部材220によって破砕された穿孔を介してチャンバ233に粉末Pを放出してもよい。
【0089】
一実施形態に係る弾性部材225は、挿入溝215に設けられることができる。スティック230が挿入溝215に挿入されれば、弾性部材225は、スティック230によって加圧されて変形(例えば、圧縮)される。弾性部材225が変形されれば、弾性部材225は、弾性力によって第1方向に反対になる方向(例えば、+Y方向)にスティック230を加圧する。弾性部材225は、弾性力を加えるコイルばねで構成されてもよい。
【0090】
図4Aは、一実施形態に係るインヘイラー200の内部を概略的に示す図である。
【0091】
図4Aを参照すると、一実施形態に係るインヘイラー200は、振動部材250(例えば、
図1の振動部材191)を含む。
【0092】
一実施形態において、ピアス部材220によりカプセル232が破砕されれば、カプセル232にはチャンバ233と連通する穿孔が形成され、穿孔を通ってカプセル232内部の粉末Pの少なくとも一部は、チャンバ233に放出される。チャンバ233に放出された粉末Pは、メッシュ236を通過して気流チャネル235に伝えられ、気流チャネル235を通過してマウスピース(例えば、
図2のマウスピース231)を通過してユーザに吸入される。
【0093】
一実施形態において、ユーザが吸入する粉末Pの量は、カプセル232から放出される粉末Pに関する様々なパラメータ(例えば、単位時間当り放出される粉末Pの量、気流チャネル235を通過する空気のうち粉末Pの密度、又は放出される粉末Pの拡散程度のような要素)に基づいて変わり得る。
【0094】
一実施形態において、振動部材250を介して単位時間当たりカプセル232から放出される粉末Pの量(以下、「粉末Pの放出量」)を制御することで、インヘイラー200は、ユーザの条件、使用環境、又はユーザの好みに適するようにユーザに粉末Pを提供することができる。
【0095】
一実施形態において、振動部材250は、ピアス部材220に振動を提供することができる。又は、振動部材250は、カプセル232、粉末P又はチャンバ233のうち少なくとも1つを直接的又は間接的に振動させてもよい。以下では、説明の便宜を振動部材250がピアス部材220を振動させるインヘイラー200の一実施形態を図面を参照して説明する。
【0096】
一実施形態において、振動部材250は電圧(例えば、交流電圧)が印加されれば、振動を発生させる電子式振動子として実現できる。但し、実際の実現時にはこれに限定されず、ピアス部材220に振動を提供できる様々な構造及び構成で実現されることができる。
【0097】
一実施形態において、振動部材250は、ピアス部材220に振動を加えることによって、カプセル232の粉末Pの放出を補助する。振動部材250がピアス部材220を振動させれば、カプセル232に形成される穿孔が大きくなったり、又は、カプセル232又は粉末Pに振動が伝達され、粉末Pの放出量は増加する。
【0098】
一実施形態の振動部材250は、スティック230がホルダ210に挿入される方向、即ち、第1方向(例えば、-Y方向)に実質的に平行な方向(例えば、+/-Y方向)にピアス部材220を振動させることができる。
【0099】
一実施形態において、振動部材250が第1方向に実質的に平行な方向に振動する場合、カプセル232とピアス部材220との間に位置したり停滞している粉末Pを放出するために効率的である。また、ピアス部材220の振動のための空間を確保するためにピアスホール234の直径を大きくする必要がないため、ピアスホール234を介してスティック230から粉末Pが抜け出ることが防止される。また、振動部材250の振動は、主にピアス部材220及びカプセル232に伝達され、スティック230又はホルダ210に伝達される振動が減少又は防止され得る。
【0100】
一実施形態の振動部材250は、スティック230がホルダ210に挿入される方向、即ち、第1方向(例えば、-Y方向)に実質的に垂直方向(例えば、X-Z平面方向)にピアス部材220を振動させることができる。ピアス部材220の振動はカプセル232に伝達され、カプセル232が振動することによって粉末Pの放出を促進させ得る。
【0101】
このような場合、ピアス部材220は、穿孔のサイズを大きくすることができ、又は、ピアス部材220は、カプセル232とピアス部材220の間の空間を確保することで効果的に粉末Pを放出できる。また、カプセル232は、振動によってチャンバ233と繰り返し衝突し、これを介して粉末Pの放出量はより増加される。
【0102】
一実施形態の振動部材250は、第1方向に実質的に平行な方向及び第1方向に実質的に垂直方向にピアス部材220を振動させることができる。振動部材250は、ピアス部材220を介してカプセル232を立体的に振動させることで、単純な一方向の往復運動に比べて相対的に粉末Pの放出量をさらに増加させることができる。
【0103】
様々な実施形態において、インヘイラー200は、ユーザの呼吸量のような様々な要因により、又は、ユーザの好みに応じてカプセル232から放出された粉末Pの放出量又は放出スピードを減少させたり増やす必要がある。これを固定されている穿孔の大きさだけで制御する場合、様々な環境及び様々なユーザの要求に応じることが困難である。
【0104】
例えば、穿孔が大きい場合は粉末Pが短期間に多く放出され、ユーザが吸入する粉末Pの密度が不規則的であるか大きく増加する。一方、穿孔が小さい場合は、粉末Pの放出が難しくなり、肺の呼吸量の少ないユーザは粉末Pの吸入に困難がある。一実施形態によれば、振動部材250は、カプセル232に振動を提供することによりカプセル232から粉末Pが効率よく放出されるように制御することができる。
【0105】
本文書の様々な実施形態に係るインヘイラー200は、ピアス部材220を介してカプセル232に比較的小さなサイズの穿孔を形成し、振動部材250を介して単位時間当たりカプセル232から放出される粉末Pの放出量を制御することで、ユーザの粉末Pの吸入密度を制御することができる。
【0106】
図4Bは、一実施形態に係るインヘイラー200の内部を概略的に示す図である。
【0107】
図4Bを参照すると、一実施形態に係るインヘイラー200は、サブ振動部材255(例えば、
図1の振動部材191)を含む。
【0108】
図4Bを説明することにおいて、インヘイラー200に対して上述した内容と重複する内容は省略して説明する。
【0109】
一実施形態において、サブ振動部材255は、チャンバ233に振動を提供することができる。サブ振動部材255は、チャンバ233を直接的又は間接的に振動させることで、チャンバ233に放出された粉末Pが気流チャネル235に移動するように補助できる。又は、サブ振動部材255は、振動部材250を補助し、カプセル232から粉末Pの放出を促進させることができる。
【0110】
一実施形態において、
図4Bに示すように、サブ振動部材255は、弾性部材225に連結されて弾性部材225を介してチャンバ233に振動を提供することができる。しかし、実施形態がこれに限定されることなく、サブ振動部材255は、チャンバ233に振動を伝達するための様々な構造に実現されてもよく、例えば、サブ振動部材255は、スティック230に直接連結されたりホルダ210に配置され、スティック230に衝撃を加える構造を有することができる。
【0111】
一実施形態において、チャンバ233は、振動によってチャンバ233内の粉末Pに運動エネルギーを提供することができる。チャンバ233の振動によって粉末Pが等しく拡散して気流に沿って移動する。また、チャンバ233の振動は、カプセル232に伝達されることができる。サブ振動部材255は、カプセル232を振動させることで粉末Pの放出を促進させることができる。
【0112】
一実施形態のサブ振動部材255は、スティック230がホルダ210に挿入される方向、即ち、第1方向(例えば、-Y方向)に実質的に平行な方向(例えば、+/-Y方向)にチャンバ233を振動させることができる。この場合、弾性部材255は、サブ振動部材255の振動を補助して強化させることができる。この場合、チャンバ233が第1方向に実質的に平行な方向に振動することで、チャンバ233の底面に残留している粉末Pを効率よく移動させることができ、チャンバ233の振動のために挿入溝215の開口を増やす必要がない。
【0113】
一実施形態のサブ振動部材255は、スティック230がホルダ210に挿入される第1方向に実質的に垂直方向(例えば、X-Z平面方向)にチャンバ233を振動させることができる。この場合、チャンバ233は、カプセル232を繰り返し打撃することができ、粉末Pの放出を効果的に誘導することができる。この場合、チャンバ233が第1方向に実質的に垂直方向に振動することで、チャンバ233の実質的に水平方向に粉末Pが等しく拡散され得る。
【0114】
一実施形態のサブ振動部材255は、第1方向に実質的に平行な方向及び第1方向に実質的に垂直方向にチャンバ233を振動させることができる。サブ振動部材255は、チャンバ233を立体的に振動させることで単純な一方向の往復運動に比べて粉末Pの放出量をさらに増加させることができる。
【0115】
一実施形態において、プロセッサ(例えば、
図1のプロセッサ110)は、様々な種類のセンサ(例えば、
図1の検出部120)からインヘイラー200の駆動に関する情報を習得し、それに基づいて振動部材250及び/又はサブ振動部材255の振動数、振動強度、振動時間のような様々な要因を変更させ、そのそれそれぞれの振動を制御することができる。
【0116】
例えば、プロセッサ110は、パフセンサ(例えば、
図1のパフセンサ126)を介してスティック230内部の気流に関する情報が伝達され、気流が不足すると判断されれば、プロセッサ110は、振動部材250及び/又はサブ振動部材255の振動強度又は振動数を増加させて粉末Pの放出量を増やすことができる。
【0117】
また、プロセッサ110は、ユーザ入力部(例えば、
図1のユーザ入力部160)又は通信部(例えば、
図1の通信部180)から別途の入力信号を受け、これに基づいて振動部材250及び/又はサブ振動部材255の振動を制御することができる。
【0118】
例えば、プロセッサ110は、ユーザの肺の呼吸量、ユーザの好み、使用環境などの様々な要因により振動部材250及び/又はサブ振動部材255の振動を制御することができる。本文書の様々な実施形態のインヘイラー200は、ユーザに粉末P吸入が円滑になるよう補助することができ、ユーザオーダーメード型インヘイラー200を提供し得る。
【0119】
図5Aは、一実施形態に係るスティック230の断面図であり、
図5Bは、一実施形態に係るスティック230の断面図である。具体的に、
図5A及び
図5Bは、それぞれホルダ210から分離した状態のスティック230の一部領域の断面図である。
【0120】
図5A及び
図5Bを参照すると、スティック230は、シーリング部材237又はドア238のうち少なくとも1つを含む。
【0121】
図5Aに示すように、シーリング部材237は、ピアスホール234をシーリングすることができる。シーリング部材237は、スティック230が挿入溝215に挿入される過程で、ピアス部材220によって破砕されてもよい。例えば、スティック230は使い捨てであってもよい。又は、スティック230は多回用であってもよく、シーリング部材237及びカプセル232が破砕された後これを交替して再利用できる。
【0122】
一実施形態において、シーリング部材237は、スティック230の製造及び運送過程でチャンバ233に水又は異物が流入しないようにチャンバ233を保護できる。また、シーリング部材237は、ピアス部材220によって破砕されるピアスホール234の面積を制限し、ピアスホール234を介して粉末Pがスティック230外部に放出されないように防止することができる。
【0123】
図5Bに示すように、ドア238は、ピアスホール234を選択的に開閉してもよい。ドア238は、スティック230が挿入溝215に挿入される前又は挿入されている間に開放されてもよい。ドア238は、ドアヒンジ239により移動する。
【0124】
例えば、ドアヒンジ239は、ドア238を実質的に平行な方向(例えば、X-Z平面方向)に押して移動させてもよく、又は、実質的に垂直方向(例えば、+/-Y方向)にチルティングさせてもよい。
【0125】
一実施形態において、ドア238は、インヘイラー200の使用状態又は使用準備状態では開放され、使用されていない状態では閉鎖されてもよい。ドア238は、スティック230の製造及び運送過程でチャンバ233に水又は異物が流入しないようにチャンバ233を保護できる。また、ドア238を介してチャンバ233の使用されたり破砕されたカプセル232が交替され得る。
【0126】
一実施形態において、プロセッサ(例えば、
図1のプロセッサ110)は、様々な種類のセンサ(例えば、
図1の検出部)からスティック230の結合に関する情報を習得し、それに基づいてドアヒンジ239の駆動を制御することができる。
【0127】
例えば、プロセッサ110は、挿入検出センサ(例えば、
図1の挿入検出センサ124)を介してスティック230が挿入溝215に挿入されたか、又は挿入されているかを検出し、それに基づいてピアス部材220がピアスホール234に通過できるようにドアヒンジ239を制御してドア238を開放することができる。又は、ドア238は、ユーザによって手動で開閉されてもよい。例えば、ユーザがドア238を直接開閉したり、又は、インヘイラー200はドア238に連結される別途のスイッチ(図示せず)を備え、ユーザは、スイッチ(図示せず)を操作してドア238を開閉することができる。
【0128】
図6は、一実施形態に係るフォトプレチスモグラフィセンサを含むインヘイラーを示す。
【0129】
一実施形態によれば、
図2を参照して上述したインヘイラー200は、PPGセンサ260を含む。例えば、PPGセンサ260は、ユーザが手を介してインヘイラー200を把持する場合、ユーザの手の少なくとも一部と密着するようにインヘイラー200に配置されてもよい。PPGセンサ260は、信号をユーザの体で出力する第1端及びユーザの体で出力された信号を受信する第2端を含む。
図6において、PPGセンサ260が信号を送受信するために物理的に分離された複数の要素で構成されるものと示されているが、具現例によりPPGセンサ260は、信号を送受信するための要素が物理的に1つに統合して構成されることができる。
【0130】
一実施形態によれば、PPGセンサ260は、機能性物質の活性程度、ストレス程度、心拍数、酸素飽和度、血圧指数を決定するために使用される基本情報を測定し得る。
【0131】
図7は、一実施形態に係る粉末吸入結果を出力する方法のフローチャートである。
【0132】
以下の動作710~740は、インヘイラー(例えば、
図1のインヘイラー100又は
図2のインヘイラー200)を介して実行される。
【0133】
動作710において、インヘイラーの制御部(例えば、
図1の制御部110)は、インヘイラーの電源がオンした場合、PPGセンサ(例えば、
図1のPPGセンサ128又は
図6のPPGセンサ260)を用いてユーザの第1生体信号を生成する。制御部は、第1生体信号に基づいて第1生体情報を生成する。例えば、生体情報は、酸素飽和度、血圧、心拍数、心電図、又は皮膚水分度のような様々な種類の生体情報を含んでもよい。
【0134】
一実施形態によれば、動作710が実行された後、ユーザはインヘイラーを介して粉末Pを吸入し得る。例えば、ユーザがカプセル(例えば、
図2のカプセル232)内の粉末Pを容易に吸入できるようにインヘイラーは、振動部材(
図1の振動部材191又は
図2の振動部材250)を振動させることができる。
【0135】
例えば、粉末Pは、1μm~5μmの大きさを有する微細粉末であってもよく、ユーザが吸入した粉末Pは、ユーザの肺を介して直ちにユーザの体に吸収され得る。粉末Pがユーザの体に直ちに吸収されることにより、粉末Pによる効果がユーザに直ちに示される。例えば、粉末Pが機能性粉末である場合、該当機能による効果がユーザに直ちに示される。
【0136】
動作720において、インヘイラーの制御部は、粉末Pの吸入又は振動部材の振動が終了した場合、PPGセンサを用いてユーザの第2生体信号を生成する。例えば、制御部は第2生体信号に基づいて第2生体情報を生成してもよい。
【0137】
動作730において、インヘイラーの制御部は、第1生体信号及び第2生体信号に基づいて粉末吸入結果を生成する。
【0138】
一実施形態によれば、粉末吸入結果は、第1生体情報と第2生体情報間の差を数値的に示すことができる。例えば、機能性物質の活性程度、ストレス程度、心拍数、酸素飽和度、及び血圧指数のうち少なくとも1つの差が粉末吸入結果として生成されてもよい。
【0139】
一実施形態によれば、粉末吸入結果は、第1生体情報と第2生体情報間の差をグラフィック効果を用いて示すころができる。例えば、ターゲットの測定項目に対する変化が肯定的な方向への変化である場合、スマイルグラフィック効果又は晴れた天気のグラフィック効果が粉末吸入結果として生成されてもよい。例えば、ターゲット測定項目に対する変化が否定的な方向への変化である場合、泣いているグラフィック効果又は雨が降っている天気のグラフィック効果が粉末吸入結果として生成されてもよい。
【0140】
一実施形態によれば、測定される項目が複数である場合、それぞれの測定項目に対して粉末吸入の結果が生成されることができる。
【0141】
動作740において、インヘイラーの制御部は粉末吸入結果を出力する。例えば、制御部は、ディスプレイ(例えば、
図1のディスプレイ132)を介して粉末吸入結果を出力してもよい。異なる例として、制御部は、通信部(例えば、
図1の通信部180)を介してインヘイラーと直接的に又は間接的に接続されているユーザ端末(例えば、スマートフォン)に粉末吸入結果に関する情報を送信し、ユーザ端末のディスプレイを介して粉末吸入結果が出力されてもよい。
【0142】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、当技術分野で通常の知識を有する者であれば、前記に基づいて様々な技術的な修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法とは異なる順に実行されたり、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法とは異なる形態に結合又は組み合せられたり、他の構成要素又は均等物によって代替、置換されても適切な結果を達成することができる。したがって、本発明の範囲は、開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲と均等なものなどによって定められるものである。
【国際調査報告】