(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】通信システムにおいて消費者への通信リソースの分配を管理するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06F 9/50 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
G06F9/50 150Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580458
(86)(22)【出願日】2023-08-15
(85)【翻訳文提出日】2023-12-27
(86)【国際出願番号】 EP2023072453
(87)【国際公開番号】W WO2024061540
(87)【国際公開日】2024-03-28
(32)【優先日】2022-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】肥後 直樹
(72)【発明者】
【氏名】トリアイ マルケス,ヨアン
(72)【発明者】
【氏名】畑中 芳隆
(72)【発明者】
【氏名】河野 智樹
(57)【要約】
ある1つの実施形態によれば、複数のリソース消費者の各々のために、リソース消費者を代表するブローカ構成要素を含む通信システムが説明され、各々のブローカ構成要素は、1つ又は複数の他のブローカ構成要素が代表するリソース消費者のうちの1つ又は複数のリソース消費者に再割り当てするために、1つ又は複数の他のブローカ構成要素に、ブローカ構成要素が代表するリソース消費者に割り当てられている1つ又は複数の通信システムリソースを提示し、ブローカ構成要素が代表するリソース消費者に再割り当てするために、1つ又は複数の他のブローカ構成要素に、1つ又は複数の他のブローカ構成要素が代表するリソース消費者のうちの1つ又は複数のうちの少なくとも1つのリソース消費者に割り当てられている1つ又は複数の通信システムリソースを要求し、1つ又は複数の他のブローカ構成要素から受信した提示及び要求を受け入れ及び/又は拒否し、そして、受け入れた提示及び要求にしたがって、通信システムリソースの再割り当てを開始する、ように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信システムであって、
複数のリソース消費者の各々のために、前記リソース消費者を代表するブローカ構成要素を含み、
各々のブローカ構成要素は、
1つ又は複数の他のブローカ構成要素が代表する前記リソース消費者のうちの1つ又は複数のリソース消費者に再割り当てするために、前記1つ又は複数の他のブローカ構成要素に、前記ブローカ構成要素が代表する前記リソース消費者に割り当てられている1つ又は複数の通信システムリソースを提示し、
前記ブローカ構成要素が代表する前記リソース消費者に再割り当てするために、前記1つ又は複数の他のブローカ構成要素に、前記1つ又は複数の他のブローカ構成要素が代表する前記リソース消費者のうちの前記1つ又は複数のうちの少なくとも1つのリソース消費者に割り当てられている1つ又は複数の通信システムリソースを要求し、
前記1つ又は複数の他のブローカ構成要素から受信した提示及び要求を受け入れ及び/又は拒否し、そして、
受け入れた提示及び要求にしたがって、通信システムリソースの再割り当てを開始する、
ように構成される、
通信システム。
【請求項2】
各々のブローカ構成要素は、各々のブローカ構成要素が受け入れる各々の提示及び/又は各々のブローカ構成要素が受け入れる各々の要求にしたがって、通信システムリソースの再割り当てを開始するように構成される、請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記ブローカ構成要素のうちの他の1つのブローカ構成要素が1つ又は複数の通信リソースのための提示を受け入れる場合に、通信システムリソースの再割り当ては、前記ブローカ構成要素のうちの1つのブローカ構成要素が代表する前記リソース消費者から前記ブローカ構成要素のうちの他の1つのブローカ構成要素が代表する前記リソース消費者へと、前記ブローカ構成要素のうちの前記1つのブローカ構成要素が提示する1つ又は複数の通信リソースを再割り当てすることを含む、請求項1に記載の通信システム。
【請求項4】
前記ブローカ構成要素のうちの他の1つのブローカ構成要素が、1つ又は複数の通信リソースの前記要求を受け入れる場合に、通信システムリソースの再割り当ては、前記ブローカ構成要素のうちの他の1つのブローカ構成要素が代表する前記リソース消費者から前記ブローカ構成要素が代表する前記リソース消費者へと、前記ブローカ構成要素のうちの1つのブローカ構成要素が要求する1つ又は複数の通信リソースを再割り当てすることを含む、請求項1に記載の通信システム。
【請求項5】
前記再割り当てを実行するように構成されるインフラストラクチャ管理構成要素を含む、請求項1に記載の通信システム。
【請求項6】
前記ブローカ構成要素は、前記ブローカ構成要素が代表する前記リソース消費者に割り当てられる前記1つ又は複数の通信システムリソースが、前記ブローカ構成要素が代表する前記リソース消費者の消耗性基準を満たす場合に、前記ブローカ構成要素が代表する前記リソース消費者に割り当てられる前記1つ又は複数の通信システムリソースを提示するように構成される、請求項1に記載の通信システム。
【請求項7】
前記複数のリソース消費者の各々について少なくとも1つのエージェント構成要素を含み、前記少なくとも1つのエージェント構成要素は、前記ブローカ構成要素が代表する前記リソース消費者に割り当てられている前記1つ又は複数の通信リソースが前記消耗性基準を満たすか否かを決定するように構成される、請求項6に記載の通信システム。
【請求項8】
前記ブローカ構成要素は、前記1つ又は複数の他のブローカ構成要素が代表する前記リソース消費者のうちの前記1つ又は複数のうちの前記少なくとも1つのリソース消費者に割り当てられる前記1つ又は複数の通信システムリソースが、前記ブローカ構成要素が代表する前記リソース消費者の要件基準を満たす場合に、前記1つ又は複数の他のブローカ構成要素が代表する前記リソース消費者のうちの前記1つ又は複数のうちの前記少なくとも1つのリソース消費者に割り当てられる前記1つ又は複数の通信システムリソースを要求するように構成される、請求項1に記載の通信システム。
【請求項9】
前記複数のリソース消費者の各々について少なくとも1つのエージェント構成要素を含み、前記少なくとも1つのエージェント構成要素は、前記1つ又は複数の他のブローカ構成要素が代表する前記リソース消費者のうちの前記1つ又は複数のうちの前記少なくとも1つのリソース消費者に割り当てられる前記1つ又は複数の通信リソースが、前記要件基準を満たすか否かを決定するように構成される、請求項8に記載の通信システム。
【請求項10】
前記通信システムリソースは、計算リソース、記憶リソース、及びデータ伝送リソースを含む、請求項1に記載の通信システム。
【請求項11】
各々のリソース消費者は、前記リソース消費者に割り当てられる前記通信システムリソースを使用して通信サービスを提供する、請求項1に記載の通信システム。
【請求項12】
各々のリソース消費者は、通信サービスを提供するためのネットワーク機能を提供するように構成されるリソースオーケストレーションシステムを含む、請求項1に記載の通信システム。
【請求項13】
前記リソース消費者に割り当てられる1つ又は複数の通信システムリソースの前記提示は、前記1つ又は複数の通信システムリソースについて要求される補償の仕様を含む、請求項1に記載の通信システム。
【請求項14】
前記提示及び/又は前記要求は、前記1つ又は複数の通信システムリソースの地理的位置の仕様を含む、請求項1に記載の通信システム。
【請求項15】
リソース消費者への通信システムにおける通信システムリソースの分配を管理する方法であって、
ブローカ構成要素によって複数のリソース消費者の各々を代表するステップを含み、
各々のブローカ構成要素は、
1つ又は複数の他のブローカ構成要素が代表する前記リソース消費者のうちの1つ又は複数のリソース消費者に再割り当てするために、前記1つ又は複数の他のブローカ構成要素に、前記ブローカ構成要素が代表する前記リソース消費者に割り当てられている1つ又は複数の通信システムリソースを提示し、及び/又は、
前記ブローカ構成要素が代表する前記リソース消費者に再割り当てするために、前記1つ又は複数の他のブローカ構成要素に、前記1つ又は複数の他のブローカ構成要素が代表する前記リソース消費者のうちの前記1つ又は複数のうちの少なくとも1つのリソース消費者に割り当てられている1つ又は複数の通信システムリソースを要求し、
前記1つ又は複数の他のブローカ構成要素から受信した提示及び/又は要求を受け入れ及び/又は拒否し、そして、
受け入れた提示及び/又は要求にしたがって、通信システムリソースの再割り当てを開始する、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、通信システムにおいて消費者への通信リソースの分配を管理するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現代の通信システムは、大きな量の通信システムリソースを含み、それらの通信システムリソースは、(例えば、"テナント(tenants)"等の)複数のリソース消費者(resource consumers)が通信サービスを提供するのに使用することが可能である計算リソース(computation resources)(処理能力(processing power))、記憶リソース(storage resources)(メモリ(memory))、及びデータ伝送リソース(data transmission resources)(有線伝送帯域幅及び無線伝送帯域幅(wired transmission bandwidth and wireless transmission bandwidth))を含む。通信システムリソースの提供は、労力及びコストを必要とするため、通信システムリソースを効率的に使用する必要がある。効率的な使用を可能にするために、複数のリソース消費者の間での通信システムリソースの柔軟な且つ効率的な分配のためのアプローチは特に望ましい。
【発明の概要】
【0003】
ある1つの実施形態によれば、複数のリソース消費者の各々のために、リソース消費者を代表するブローカ構成要素(broker component)を含む通信システムを提供する。各々のブローカ構成要素は、
・ 1つ又は複数の他のブローカ構成要素が代表するリソース消費者のうちの1つ又は複数のリソース消費者に再割り当てするために(for re-allocation to one or more of the resource consumers)、それらの1つ又は複数の他のブローカ構成要素に、そのブローカ構成要素が代表するリソース消費者に割り当てられている1つ又は複数の通信システムリソースを提示し(offer one or more communication system resources)、
・ そのブローカ構成要素が代表するリソース消費者に再割り当てするために、それらの1つ又は複数の他のブローカ構成要素に(from the one or more other of the broker components)、それらの1つ又は複数の他のブローカ構成要素が代表するリソース消費者のうちの1つ又は複数のうちの少なくとも1つのリソース消費者に割り当てられている1つ又は複数の通信システムリソースを要求し(request one or more communication system resources)、
・ それらの1つ又は複数の他のブローカ構成要素から受信した提示(offers)及び要求(requests)を受け入れ(accept)及び/又は拒否し(reject)、そして、
・ 受け入れた提示及び要求(accepted offers and requests)にしたがって、通信システムリソースの再割り当てを開始する(initiate re-allocation of communication system resources)、
ように構成される。
【0004】
他の実施形態によれば、上記通信システムにしたがって、リソース消費者に対する通信システムの中の通信システムリソースの分配を管理する方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
複数の図面において、同様の参照記号は、一般的に、複数の異なる視点を通して一貫して同じ部分を指し示す。それらの複数の図面は、必ずしも、同じ縮尺によっては描かれておらず、むしろ、一般的に、発明の原理を解説することに重点が置かれる。以下の説明においては、さまざまな態様が、以下の図面を参照して説明される。
【0006】
【
図1】通信システム、特に、その通信システムの通信リソースのための管理フレームワークを示している。
【
図2】リソースの分配(distribution of resources)及びリソースとリソース消費者との関連付け(association of resources with resource consumers)のための非集中型の(de-centralized)アプローチを含む通信システムを示している。
【
図3】ブローカ(構成要素)の動作段階(operation phases)を図示している。
【
図4】3つのブローカ(brokers)と2つのエージェント(agents)との間の通信システムリソースの交換の交渉(a negotiation of an exchange)を図示しているフローチャートを示している。
【
図5】第1のブローカが第2のブローカにリソースを提示する(offers resources)場合に、
図4の再関連付けを実現するための操作の実行のある1つの例を図示しているフローチャートを示している。
【
図6】第1のブローカが第2のブローカにリソースを提示する場合に、
図4の再関連付けを実現するための操作の実行のさらなる例を図示しているフローチャートを示している。
【
図7】リソースオーケストレータ(resource orchestrators)及びテナント(tenants)のN対1の関係(N-to-1 relation)のある1つの例を示している。
【
図8】リソースオーケストレータ及びテナントの1対Nの関係のある1つの例を示している。
【
図9】第1のテナントのブローカと第2のテナントのブローカとの間に接続が存在しないある1つのアーキテクチャを示している。
【
図10】ある1つの実施形態にしたがった通信システムを示している。
【
図11】ある1つの実施形態にしたがって、リソース消費者への通信システムにおける通信システムリソースの分配を管理するための方法を図示しているフローチャートを示している。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の詳細な説明は、複数の添付の図面に言及し、それらの複数の添付の図面は、例示のために、本発明を実施することが可能である本開示の複数の具体的な細部及び複数の態様を示す。他の態様を利用してもよく、本発明の範囲から離れることなく、構造的な変更、論理的な変更、及び電気的な変更を行ってもよい。本開示の1つ又は複数の他の態様と本開示の複数の態様のうちのいくつかとを組み合わせて、新たな態様を形成してもよいので、本開示のさまざまな態様は、必ずしも、相互に排他的ではない。
【0008】
以下では、本開示の複数の態様に対応するさまざまな例を説明する。
【0009】
例1は、通信システムを提供する例であり、当該通信システムは、複数のリソース消費者(resource consumers)の各々のために、リソース消費者を代表するブローカ構成要素(broker component)を含む。各々のブローカ構成要素は、
・ 1つ又は複数の他のブローカ構成要素が代表するリソース消費者のうちの1つ又は複数のリソース消費者に再割り当てするために(for re-allocation to one or more of the resource consumers)、それらの1つ又は複数の他のブローカ構成要素に、そのブローカ構成要素が代表するリソース消費者に割り当てられている1つ又は複数の通信システムリソースを提示し(offer one or more communication system resources)、
・ そのブローカ構成要素が代表するリソース消費者に再割り当てするために、それらの1つ又は複数の他のブローカ構成要素に(from the one or more other of the broker components)、それらの1つ又は複数の他のブローカ構成要素が代表するリソース消費者のうちの1つ又は複数のうちの少なくとも1つのリソース消費者に割り当てられている1つ又は複数の通信システムリソースを要求し(request one or more communication system resources)、
・ それらの1つ又は複数の他のブローカ構成要素から受信した提示(offers)及び要求(requests)を受け入れ(accept)及び/又は拒否し(reject)、そして、
・ 受け入れた提示及び要求(accepted offers and requests)にしたがって、通信システムリソースの再割り当てを開始する(initiate re-allocation of communication system resources)、
ように構成される。
【0010】
例2は、例1の通信システムであり、各々のブローカ構成要素は、各々のブローカ構成要素が受け入れる各々の提示及び/又は各々のブローカ構成要素が受け入れる各々の要求にしたがって、通信システムリソースの再割り当てを開始するように構成される。
【0011】
例3は、例1又は例2の通信システムであり、ブローカ構成要素のうちの他の1つのブローカ構成要素が1つ又は複数の通信リソースのための提示を受け入れる場合に、通信システムリソースの再割り当ては、ブローカ構成要素のうちの1つのブローカ構成要素が代表するリソース消費者からブローカ構成要素のうちの他の1つのブローカ構成要素が代表するリソース消費者へと、ブローカ構成要素のうちのその1つのブローカ構成要素が提示する1つ又は複数の通信リソースを再割り当てすることを含む。
【0012】
例4は、例1乃至例2のうちのいずれか1つの通信システムであり、ブローカ構成要素のうちの他の1つのブローカ構成要素が、1つ又は複数の通信リソースの要求を受け入れる場合に、通信システムリソースの再割り当ては、ブローカ構成要素のうちの他の1つのブローカ構成要素が代表するリソース消費者からブローカ構成要素が代表するリソース消費者へと、ブローカ構成要素のうちのその1つのブローカ構成要素が要求する1つ又は複数の通信リソースを再割り当てすることを含む。
【0013】
例5は、例1乃至4のうちのいずれか1つの通信システムであり、当該通信システムは、再割り当てを実行するように構成されるインフラストラクチャ管理構成要素を含む。
【0014】
例6は、例1乃至例5のうちのいずれか1つの通信システムであり、ブローカ構成要素は、ブローカ構成要素が代表するリソース消費者に割り当てられる1つ又は複数の通信システムリソースが、ブローカ構成要素が代表するリソース消費者の消耗性基準(expendability criterion)を満たす場合に、ブローカ構成要素が代表するリソース消費者に割り当てられる1つ又は複数の通信システムリソースを提示するように構成される。
【0015】
例7は、例6の通信システムであり、当該通信システムは、複数のリソース消費者の各々について少なくとも1つのエージェント構成要素(agent component)を含み、少なくとも1つのエージェント構成要素は、ブローカ構成要素が代表するリソース消費者に割り当てられている1つ又は複数の通信リソースが消耗性基準を満たすか否かを決定するように構成される。
【0016】
例8は、例1乃至7のうちのいずれか1つの通信システムであり、ブローカ構成要素は、ブローカ構成要素のうちの1つ又は複数の他のブローカ構成要素が代表するリソース消費者のうちの1つ又は複数のうちの少なくとも1つのリソース消費者に割り当てられる1つ又は複数の通信システムリソースが、ブローカ構成要素が代表するリソース消費者の要件基準(requirement criterion)を満たす場合に、ブローカ構成要素のうちの1つ又は複数の他のブローカ構成要素が代表するリソース消費者のうちの1つ又は複数のうちの少なくとも1つのリソース消費者に割り当てられる1つ又は複数の通信システムリソースを要求するように構成される。
【0017】
例9は、例8の通信システムであり、当該通信システムは、複数のリソース消費者の各々について少なくとも1つのエージェント構成要素を含み、少なくとも1つのエージェント構成要素は、ブローカ構成要素のうちの1つ又は複数の他のブローカ構成要素が代表するリソース消費者のうちの1つ又は複数のうちの少なくとも1つのリソース消費者に割り当てられる1つ又は複数の通信リソースが、要件基準を満たすか否かを決定するように構成される。
【0018】
例10は、例1乃至例9のうちのいずれか1つの通信システムであり、通信システムリソースは、計算リソース、記憶リソース、及びデータ伝送リソースを含む。
【0019】
例11は、例1乃至例10のうちのいずれか1つの通信システムであり、各々のリソース消費者は、リソース消費者に割り当てられる通信システムリソースを使用して通信サービスを提供する。
【0020】
例12は、例1乃至例11のうちのいずれか1つの通信システムであり、各々のリソース消費者は、通信サービスを提供するためのネットワーク機能を提供するように構成されるリソースオーケストレーションシステム(resource orchestration system)を含む。
【0021】
例13は、例1乃至例12のうちのいずれか1つの通信システムであり、リソース消費者に割り当てられる1つ又は複数の通信システムリソースの提示は、1つ又は複数の通信システムリソースについて要求される補償の仕様を含む。
【0022】
例14は、例1乃至例13のうちのいずれか1つの通信システムであって、提示及び/又は要求は、1つ又は複数の通信システムリソースの地理的位置の仕様(a specification of a geographical location)を含む。
【0023】
例15は、リソース消費者への通信システムにおける通信システムリソースの分配を管理する方法であり、
ブローカ構成要素によって複数のリソース消費者の各々を代表するステップを含み、
各々のブローカ構成要素は、
・ 1つ又は複数の他のブローカ構成要素が代表するリソース消費者のうちの1つ又は複数のリソース消費者に再割り当てするために(for re-allocation to one or more of the resource consumers)、それらの1つ又は複数の他のブローカ構成要素に、そのブローカ構成要素が代表するリソース消費者に割り当てられている1つ又は複数の通信システムリソースを提示し(offer one or more communication system resources)、及び/又は、
・ そのブローカ構成要素が代表するリソース消費者に再割り当てするために、それらの1つ又は複数の他のブローカ構成要素に(from the one or more other of the broker components)、それらの1つ又は複数の他のブローカ構成要素が代表するリソース消費者のうちの1つ又は複数のうちの少なくとも1つのリソース消費者に割り当てられている1つ又は複数の通信システムリソースを要求し(request one or more communication system resources)、
・ それらの1つ又は複数の他のブローカ構成要素から受信した提示(offers)及び要求(requests)を受け入れ(accept)及び/又は拒否し(reject)、そして、
・ 受け入れた提示及び要求(accepted offers and requests)にしたがって、通信システムリソースの再割り当てを開始する(initiate re-allocation of communication system resources)、
ように構成される。
【0024】
上記の例のうちのいずれかの特徴のうちの1つ又は複数の特徴は、他の例のうちのいずれか1つと組み合わせられてもよいということに留意するべきである。特に、デバイスの観点から説明されている例は、同様に、方法に対して有効である。
【0025】
さらなる実施形態によれば、コンピュータによって実行されるときに、そのコンピュータに上記の例のうちのいずれかの方法を実行させる命令を含むコンピュータプログラム及びコンピュータ読み取り可能な媒体を提供する。
【0026】
以下では、さまざまな例をより詳細に説明する。
【0027】
図1は、通信システム100、特に、通信システムの通信リソースのための管理フレームワークを示している。
【0028】
通信システム100は、インフラストラクチャマネージャ(infrastructure manager)104が管理する通信システムリソース101、102、及び103を含む。それらの通信システムリソースは、例えば、サーバコンピュータ、特定のタスクのための(例えば、クラウドの中で提供される)専用アクセラレータ(dedicated accelerators)、プログラム可能なメタサーフェス(programmable metasurfaces)等の特別なハードウェア等の形態の計算リソース、記憶リソース、及び/又はネットワークリソースを含む。
【0029】
リソース101、102、及び103は、リソース消費者によって使用される(又は、"消費される(consumed)")。
図1の例の場合には、テナント(すなわち、通信プロバイダ)105及び106は、リソース消費者であると理解されてもよい。各々のテナントは、それぞれのリソースオーケストレータ(resource orchestrator)107及び108によって、(特に、ネットワーク機能等の)(通信システム)機能を提供され、それぞれのリソースオーケストレータ107及び108は、リソース消費者に割り当てられている通信システムリソースを使用してそれらの機能を提供する。また、テナント105及び106は、自身のリソースオーケストレータ107及び108(すなわち、そのテナントに機能を提供するリソースオーケストレータ107及び108)とともに、リソース消費者であると理解されてもよいということに留意するべきである。さらに、代替的に、リソースオーケストレータ107及び108は、また、(リソースオーケストレータ107及び108が、機能を提供するためにリソースを使用するという意味で、言い換えると、機能の提供のためにリソースを割り当てるという意味で)リソース消費者であると理解されてもよい。
【0030】
したがって、例えば、複数のリソースオーケストレータ107及び108は、例えば、同じ領域(region)又は区域(zone)の中に位置しているリソース101、102、及び103を管理し、リソースオーケストレータ107及び108は、例えば、ドメイン、ある種のアプリケーション、テナント等の特定の範囲の管理のための役割を担い、各々のリソース101、102、及び103は、ある時点において、リソースオーケストレータ107及び108のうちの1つとテナント105及び106と関連する(又は、各々のリソース101、102、及び103は、また、割り当てられていなくてもよい(may be unallocated))。
【0031】
通信システムリソース101、102、及び103は、通常は、数が制限されている(limited in number)ので、リソース消費が効率的であることのみならず、例えば、ドメイン、アプリケーション、及びネットワークスライスのためのリソース又は機能の提供の柔軟性のために、リソース消費者への通信システムリソースの分配が柔軟であることが望ましい。例えば、(
図1の中のリソースBについて図示されているように)第1のリソースオーケストレータ107から第2のリソースオーケストレータ108へと、通信リソースの割り当てを変更することが望ましい場合がある。このことに対処するために、さまざまな実施形態にしたがって、複数のリソース(すなわち、リソース101、102、及び103)とあるリソース消費者(すなわち、テナント105、106、及び/又は、リソースオーケストレータ107、108)との間の柔軟な関連付けを実現することを可能とする非集中型のアーキテクチャ(decentralized architecture)を提供する。
【0032】
したがって、さまざまな実施形態にしたがって、リソースオーケストレータ(及び、したがって、リソース消費者)とリソースとの間の柔軟な関連付けを可能とし、したがって、同様にして、複数のオーケストレータ(及び消費者)による利用可能なリソースの利用を可能とするアプローチを説明する。
【0033】
このことのために、リソースオーケストレータに単一のエンティティ(single entity)を提供してもよいということに留意するべきである。一方で、このことは、リソース消費者との間でのリソースの分配(及び関連付け)のための集中型のアーキテクチャ(centralized architecture)につながる。したがって、さまざまな実施形態にしたがって、
・ (集中型のアプローチにおいては単一エンティティの形態で存在するであろう)単一の障害点(single point of failure)を回避すること、
・ 例えば、全国規模のクラウド化されているプラットフォーム(nation-wide cloudified platforms)及びインフラストラクチャアズアサービス(Infrastructure-as-a-Service)のためのさまざまなプロバイダとソースの可能性等の高い拡張可能性を対象とすること(high scalability covering)、
・ 複数のオーケストレーション及び管理システムを実現するさまざまなソフトウェアの更新を考慮しているモジュール化されている部分(modularized parts)、
を可能とする非集中型のアプローチ(de-centralized approach)を提供する。
【0034】
図2は、リソース消費者との間でのリソースの分配及び関連付けのための非集中型のアプローチを含む通信システム200を示している。
【0035】
通信システム100と同様に、通信システム200は、インフラストラクチャマネージャ(infrastructure manager)204が管理する通信システムリソース201、202、及び203と、テナント205及び206と、それぞれのリソース消費者に割り当てられている通信システムリソースを使用してテナントに機能を提供する(上記で言及されているように、テナントであると理解されてもよく、リソースオーケストレータであると理解されてもよく、又は双方の組み合わせであると理解されてもよい)リソースオーケストレータ207及び208と、を含む。
【0036】
リソースオーケストレータ207及び208の各々は、それぞれのエージェント209及び210を備え、(本明細書においては、それぞれのテナント205及び206を含む)各々のリソース消費者は、リソース消費者の関心を代表するそれぞれのブローカ211及び212を備えている(したがって、各々のリソース消費者について、ブローカ及びエージェントの対が存在する)。エージェント209及び210とブローカ211及び212とは、(例えば、また、リソースオーケストレータ等を実装する)1つ又は複数のサーバコンピュータにおいて実行されるソフトウェアによって実装される構成要素(構成要素の機能)である。
【0037】
各々のブローカ211、212は、それぞれのリソース消費者の代表であり、リソース交換について他のブローカとの間で交渉するように構成される。
【0038】
各々のエージェント209、210は、リソース情報を処理し、リソース消費者へのリソースの関連付けの変更をトリガする。示されているように、各々のエージェント209、210は、それぞれのリソースオーケストレータ207、208に存在してもよい(すなわち、リソースオーケストレータ207、208の機能の一部となっていてもよい)。
【0039】
ブローカ211及び212の間に、各々のブローカ211、212からそれぞれのエージェント209、210へ、各々のエージェント209、210からインフラストラクチャマネージャ204へ、及び、各々のブローカ211、212から、必要に応じて複数のリソース消費者の間でのリソースの交換を承認する機能を有してもよい随意的な観察(又は、モニタリング)エンティティ213へ、インタフェースを提供する。
【0040】
図3は、ブローカの動作段階(operation phases)(すなわち、動作状態(operational states))を図示している。
【0041】
段階0: 準備(Preparation)(前提条件(Pre-condition))301
・ (エージェント及びブローカの各々の対について)エージェントとブローカとの間の(通信)接続及び複数のブローカの間の接続を確立する。
・ ブローカは、そのブローカの関連するエージェント(すなわち、そのブローカが属する対のエージェント)を構成し、それによって、そのエージェントは、そのエージェントがとる"販売する(Sell)"、"購入する(Buy)"、又は"見張る(Watch)"であってもよい姿勢(position)を決定してもよい。
段階1-1: 待機(Waiting)302
・ ブローカは、他のブローカからの提案を求めて待機する(waits for proposals)。そのブローカが他のブローカからの提案を受信する場合に、そのブローカは、段階1-3: 対応(Reacting)に移る。
・ そのブローカが、そのブローカの関連するエージェントからの変更された姿勢(changed position)を受信する場合に、そのブローカは、段階1-2: 提案(Proposing)に移る。
段階1-2: 提案(Proposing)303
・ そのエージェントは、構成(configuration)に基づいて、各々のグループレベルにおける(on each group level)そのエージェントの姿勢を決定する。ここで、そのグループレベルは、地理的な区域クラス(geographical district class)を意味する。そのグループレベルは、例えば、"国(Country)"、"県(Prefecture)"、"都市(City)"、"通り(Street)"、"建物(Building)"、"部屋(Room)"、又は"サーバラック(Server rack)"であってもよい。例えば、リソース消費者がある特定の都市の中でリソースを必要とする場合に、そのリソース消費者は、そのリソース消費者のブローカが他の都市にリソースを要求することを望むことはない。一方で、ある国の中でリソースを必要とする他のリソース消費者は、それらのリソースがその国の中のいずれの都市から提供されるかを気にしなくてもよい。
・ そのブローカは、(1つ又は複数の)他のブローカにその姿勢を提案する。そのブローカが、応答として(それらの1つ又は複数の提案が自身の提案に対応するという意味で望ましい)1つ又は複数の提案を受信する場合に、そのブローカは、段階2: マッチング(Matching)に移り、一方で、そうでない場合には、段階1-1: 待機に移る。
段階1-3: 対応(Reacting)304
・ そのブローカは、受信した提案に対応し(reacts to the received proposal)、応答として現在の姿勢を提案する。
・ 自身の提案が他のブローカによって受け入れられる(すなわち、他のブローカとの間で一致が存在する(there is a match with another broker))場合には、そのブローカは、段階3: 実行(Execution)に移り、一方で、受け入れられない場合には、段階1-1: 待機に移る。
段階2: マッチング(Matching)305
・ そのブローカは、受信した提案に基づいて、いずれの提案が受け入れられるかを決定し(すなわち、そのブローカは、一致が存在するブローカを決定し)、段階3: 実行(Execution)に移る。
段階3: 実行(Execution)306
・ マッチングされているブローカ(matched brokers)は、関連する情報を交換し、エージェントは、インフラストラクチャマネージャが関連付けを変更するための(for the infrastructure manager to change association)(すなわち、通信リソースの再割り当てのための)コマンドを発行する。したがって、例えば、それらのマッチングされているブローカは、エージェントに通知することによって再割り当てを開始し、それらのエージェントは、応答として、インフラストラクチャマネージャとの間の通信によって再割り当てを実行する。
・ その後、ブローカは、段階1-1: 待機(Waiting)に移る。
【0042】
上記で説明されているアプローチは、集中型の交換システム(centralized exchange systems)には依拠しておらず、むしろ、複数のブローカの間のピアトゥピア通信(peer-to-peer communication)に依拠しているため、それらのブローカは、他のブローカからの提案に対してそれらの提案にしたがって対応する行動をとるということに留意するべきである(一方で、集中型の交換システムの場合には、その交換システムは、対応のための役割を担うであろう)。
【0043】
複数のブローカの間の接続は、おそらくは、地理的な近接性を考慮して(considering geographical proximity)、準備の段階(段階0)においてあらかじめ設計され(したがって、2つのブローカが、互いに地理的に十分に近いリソース消費者と関連する場合にのみ、それらの2つのブローカは、接続を有する、すなわち、通信を行い(すなわち、提案を交換する、すなわち、提示し及び要求し))、このことは、ブローカが処理する必要がある対応の数を制限することが可能であるということを意味する。したがって、各々のブローカが他のブローカから受信する各々の提案に対して、各々のブローカがその提案にしたがって対応する場合であっても、それらのブローカの間のピアトゥピア通信は実現可能である。
【0044】
提案は、エージェントの姿勢(a position of an agent)(及び、したがって、また、そのエージェントの関連するブローカの姿勢)を表す。その姿勢は、"販売する(Sell)"(すなわち、リソースが提示される)、"購入する(Buy)"(すなわち、リソースが要求される)、又は、"見張る(Watch)"(すなわち、エージェントは、そのエージェントの関連するブローカが他のブローカの提案を求めて受動的に待機する必要がある(should passively wait for other brokers’ proposals)ということを決定する)を示す。エージェントの関連するブローカが段階"待機"の状態にある場合に、そのエージェントは、自身の姿勢(its position)を変更してもよい。例えば、1つ又は複数のリソースが、(例えば、あらかじめ決定されているサービス品質を満足するために)リソース消費者が提示するサービスのために要求されない、といったように、1つ又は複数のリソースが、それぞれのリソース消費者の消耗性基準(expendability criterion)を満たすときに、そのエージェントは、それらの1つ又は複数のリソースを提示することを決定するように構成されてもよい。同様に、1つ又は複数のリソースが、(例えば、仮にも、あらかじめ決定されているサービス品質を満足するために、又は、望ましいサービスを提供するために)リソース消費者が提示するサービスのために要求される、といったように、1つ又は複数のリソースが、それぞれのリソース消費者の要件基準(requirement criterion)を満たすときに、その(同じ)エージェントは、それらの1つ又は複数のリソースを要求することを決定するように構成されてもよい。
【0045】
エージェントの姿勢(agent’s position)が"販売する"又は"購入する"のうちのいずれかである場合に、関連するブローカは、その関連するブローカがそのブローカの関連するエージェントのこの姿勢に反応して他のブローカに送信する提案の中に、
・ 特徴(Feature(s)): 例えば、リソースのタイプ、リソースの容量等の(提示される又は要求される)リソースの特徴を示す、
・ 配置(Placement): リソースが配置される場所又は配置されると予想される場所を示す、
・ トークン(Token): 提示される1つ又は複数のリソースに対して要求される報酬であり、この報酬は、(例えば、暗号通貨トークン等の)経済的なものと関連してもよく、提案が一致するときに"購入する"の姿勢のブローカから"販売する"の姿勢のブローカへと転送され、それらのブローカの間の2者間のトランザクションが適切なトークンを使用することが可能であるということを確認する必要があり、トークンの種類は、それぞれ、ブローカの間の各々の接続によって異なる、
という情報を含める(そのエージェントは、そのブローカにこの情報を提供してもよい)。
【0046】
ブローカ又はエージェントは、また、タイムアウトを設定してもよく、その結果、特定の期間の後にその提案を却下することを可能とする。その後に、その姿勢は、"見張る"に変更され、トークンの額が提案のために予約されている場合には、その予約は、解除される。
【0047】
図4は、第1のブローカ401、(例えば、
図2のブローカ211及び212に対応する)第2のブローカ402、及び第3のブローカ403の間の通信システムリソースの交換の交渉を図示しているフローチャート400を示している。第1のブローカの関連するエージェント405及び第2のブローカの関連するエージェント404は、また、フローの中に含まれる。
【0048】
第2のブローカ402は、406において、"待機(Waiting)"の状態で開始し、第3のブローカ403は、407において、"待機(Waiting)"の状態で開始するということを仮定する。
【0049】
408において、エージェント405は、"提案(Proposing)"になっていると仮定される自身の姿勢(its position)を第1のブローカ401(すなわち、関連するブローカ)に通知する。したがって、第1のブローカ401は、409において、"提案"の状態に遷移し、410において、第2のブローカ402に自身の姿勢を提案し、411において、第3のブローカ403に自身の姿勢を提案する(すなわち、第1のブローカ401が何を提示し又は要求するかを示す対応するメッセージを送信する)。
【0050】
この提案の受信に対応して、第2のブローカ402は、412において、"対応(Reacting)"の状態に遷移し、第3のブローカ403は、413において、"対応"の状態に遷移し、それぞれ、414及び415において自身の提案によって第1のブローカ402に応答する。
【0051】
いずれの応答も、(自身の提案に適合する)望ましい提案を含まない場合に、第1のブローカ401は、416において、"待機"の状態に切り替わる。
【0052】
これに対して、応答のうちの少なくとも一方が望ましい提案を含む場合に、第1のブローカ401は、"マッチング(Matching)"の状態に切り替わり、(1つのみが存在する場合には、自明なことである)いずれの望ましい提案が受け入れられるかを決定する。
【0053】
第1のブローカ401は、第2のブローカ402の提案を受け入れるということを仮定する。したがって、418において、第1のブローカ401は、第1のブローカ401が第2のブローカ402の提案を受け入れるということを第2のブローカ402に通知し、419において、第1のブローカ401が第3のブローカ403の提案を辞退するということを第3のブローカ403に通知する。
【0054】
420において、選択的に、観察エンティティ213は、第1のブローカ401と第2のブローカ402との間のリソース交換を認可する(authorizes)。
【0055】
421において、第1のブローカ401及び第2のブローカ402は、"実行(Execution)"に遷移し、422において、第3のブローカ403は、"待機(Waiting)"に遷移する(戻る)。
【0056】
423において、第1のブローカ401及び第2のブローカ402は、第1のブローカ401及び第2のブローカ402が"実行"への遷移を完了しているということを自身に確認し、第1のブローカ401は、第2のブローカの提案にしたがって、1つ又は複数の通信リソースの再関連付けを第1のブローカ401の関連するエージェント405に要求し、第2のブローカ402は、第2のブローカの提案にしたがって、1つ又は複数の通信リソースの再関連付けを第2のブローカの関連エージェント404に要求する。
【0057】
426において、エージェント404及び405は、複数の操作を実行して、再関連付けを実現する。
【0058】
427において、第1のブローカのエージェント405は、再関連付けの完了を第1のブローカ401に通知し、427において、第2のブローカのエージェント404は、428において、再関連付けの完了を第2のブローカ402に通知する。
【0059】
第1のブローカ401及び第2のブローカ402は、その次に、429において、"待機"の状態に遷移する。
【0060】
図5は、第1のブローカが第2のブローカにリソースを提示する(offers)("販売する(sells)")場合に、426の再関連付け(re-association)を実現するための操作の実行のためのある1つの例を図示しているフローチャート500を示している。
【0061】
このフローは、例えば、インフラストラクチャマネージャとしてOpenStackが管理するVMベースのインフラストラクチャ等のVMベースの(すなわち、計算リソースは、仮想マシン(VM)を展開するのに使用される)インフラストラクチャにおいて実行されてもよい。
【0062】
第1のブローカ501及びその第1のブローカ501のエージェント502、第2のブローカ503及びその第2のブローカ503のエージェント504、及び、(例えば、インフラストラクチャマネージャ204に対応する)インフラストラクチャマネージャ505は、このフローの中に含まれている。
【0063】
506において、第1のブローカのエージェント502は、(再割り当てされる(to be re-allocated))ターゲットリソースを識別し、そのターゲットリソースに対してアプリケーションの強制解除(eviction)を実行する。
【0064】
507において、第1のブローカのエージェント502は、ターゲットリソースの関連付け解除(disassociation)をインフラストラクチャマネージャ505に要求する。
【0065】
508において、インフラストラクチャマネージャ505は、第1のブローカ501とターゲットリソースとの間の関連付けを解除し(disassociates the target resource from the first broker 501)、509において、その関連付け解除を第1のブローカのエージェント502に通知する。
【0066】
510において、第1のブローカのエージェント502は、第2のブローカのエージェント504に、第1のブローカ501及び第2のブローカ503を介して、ターゲットリソースに関連する情報を転送する。
【0067】
511において、第2のブローカのエージェント504は、インフラストラクチャマネージャ505にターゲットリソースの関連付けを要求する。
【0068】
512において、インフラストラクチャマネージャ505は、第2のブローカ503とターゲットリソースを関連付け、513において、その関連付けについて第2のブローカのエージェント504に通知する。
【0069】
図6は、第1のブローカが第2のブローカにリソースを提示する(offers)("販売する(sells)")場合に、426の再関連付けを実現するための操作の実行のさらなる例を図示しているフローチャート600を示している。
【0070】
このフローは、例えば、コンテナインフラストラクチャサービス(container infrastructure service (CIS))システムとしてKubernetesが管理するOSコンテナベースのインフラストラクチャ等のOSコンテナベースの(すなわち、計算リソースは、OSコンテナを展開するのに使用される)インフラストラクチャによって実行されてもよい。
【0071】
第1のブローカ601及びその第1のブローカ601のエージェント602、第2のブローカ603及びその第2のブローカ603のエージェント604、第1のCISM(CIS管理(CIS Management))605、第2のCISM606、及び、インフラストラクチャマネージャ607、本明細書においては、CCM(CISクラスタマネージャ(CIS cluster manager))は、フローの中に含まれる。
【0072】
608において、第1のブローカのエージェント602は、(再割り当てされる(to be re-allocated))ターゲットリソースを識別し、そのターゲットリソースに対してアプリケーションの強制解除(eviction)を実行する。
【0073】
609において、第1のブローカのエージェント602は、ターゲットリソースの関連付け解除(disassociation)をインフラストラクチャマネージャ605に要求する。
【0074】
610において、第1のCISM605及びインフラストラクチャマネージャ607は、対応するノードに関する対応するラベルを削除し、611において、そのノードが第1のCISM605のCISクラスタから離れるようにさせる(make the node leave the CIS cluster for the first CISM 605)。
【0075】
612において、インフラストラクチャマネージャ607は、その関連付け解除(disassociation)について第1のブローカのエージェント602に通知する。
【0076】
613において、第1のブローカのエージェント602は、第2のブローカのエージェント604に、第1のブローカ601及び第2のブローカ603を介して、ターゲットリソースに関連する情報を転送する。
【0077】
614において、第2のブローカのエージェント604は、インフラストラクチャマネージャ607にターゲットリソースの関連付けを要求する。
【0078】
615において、第2のCISM606及びインフラストラクチャマネージャ607は、対応するノードに関する対応するラベルを作成し、616において、そのノードが第2のCISM606のCISクラスタに参加するようにさせる(make the node join the CIS cluster for the second CISM 606)。
【0079】
617において、インフラストラクチャマネージャ607は、その関連付けについて第2のブローカのエージェント604に通知する。
【0080】
510及び613においてある1つのエージェントから他のエージェントへと伝送される情報は、例えば、
・ 識別子(Identifier): ターゲットリソースの識別子を示す、
・ 特徴(Feature): ターゲットリソースの1つ又は複数の特徴を示す、
・ 配置(Placement): ターゲットリソースが配置される(placed)場所又は存在すると予想される(expected to be)場所を示す、
・ インフラストラクチャマネージャ(Infrastructure manager): いずれのインフラストラクチャマネージャがそのターゲットリソースを管理するかを示す、
・ プロバイダ名(Provider name): いずれのインフラストラクチャプロバイダ(infrastructure provider)がそのターゲットリソースをホストする(hosts the target resource)かを示す、
を含む。
【0081】
図2の例では、リソースオーケストレータ及びテナントの1対1の関係が存在するということに留意するべきである。
【0082】
図7は、リソースオーケストレータ及びテナントのN対1の関係を有するある1つの例を示している。具体的には、この例では、リソースオーケストレータ702のエージェント701は、2つのテナント705及び706の各々のブローカ703及び704に接続されている、すなわち、双方のブローカのエージェントは、同じである。その操作は、さらに、上記で説明されている操作と同様であってもよく、その操作においては、複数のエージェントのうちのいくつかとの通信を必要としないため、複数のステップのうちのいくつかが簡略化されてもよい。
【0083】
図8は、リソースオーケストレータ及びテナントの1対Nの関係を有するある1つの例を示している。
【0084】
具体的には、この例では、2つのリソースオーケストレータ803及び804のエージェント801及び802は、同じテナント806のブローカ805に接続される。このブローカは、上記で説明されているように、他のテナントを代表する他のブローカ807との間で通信してもよい(この場合に、それらの他のテナントは、また、リソースオーケストレータとの間で1対Nの関係を有してもよいが、リソースオーケストレータとの間でN対1の関係又は1対1の関係を有してもよい)。繰り返しになるが、その操作は、上記で説明されている操作と同様であってもよいが、一方で、ブローカ805は、いずれのエージェントがターゲットリソースのための役割を担うかに依存して、いずれのエージェント801及び802との間で通信をする必要があるかを決定する必要がある場合がある。
【0085】
さらに、複数のブローカの間に直接的な接続が存在する必要はないが、
図9に図示されているように、通信は、他のブローカを介していてもよい。
【0086】
図9は、第1のテナント903のブローカ901と第2のテナント904のブローカ902との間に接続が存在しないアーキテクチャ900を示している。第3のテナント905は、利用可能なリソースをプールするのに使用される(このことは、第3のテナント905がダミーテナント(dummy tenant)として動作すると理解されてもよいということを意味する)。第1のテナント903及び第2のテナント904は、第3のテナント905を介してリソースをやり取りする(give and take resources)。また、複数のブローカの間の接続に関して星状トポロジを形成することによって、集中型の管理(centralized management)を実現してもよい。
【0087】
要約すると、さまざまな実施形態にしたがって、
図10に図示されているような通信システムを提供する。
【0088】
図10は、ある1つの実施形態にしたがった通信システム1000を示している。
【0089】
その通信システムは、複数のリソース消費者101及び102の各々について、リソース消費者101及び102を代表するブローカ構成要素103及び104を含む。
【0090】
各々のブローカ構成要素は、
・ 1つ又は複数の他のブローカ構成要素が代表するリソース消費者のうちの1つ又は複数のリソース消費者に再割り当てするために(for re-allocation to one or more of the resource consumers)、それらの1つ又は複数の他のブローカ構成要素に、そのブローカ構成要素が代表するリソース消費者に割り当てられている1つ又は複数の通信システムリソースを提示し(offer one or more communication system resources)、
・ そのブローカ構成要素が代表するリソース消費者に再割り当てするために、それらの1つ又は複数の他のブローカ構成要素に(from the one or more other of the broker components)、それらの1つ又は複数の他のブローカ構成要素が代表するリソース消費者のうちの1つ又は複数のうちの少なくとも1つのリソース消費者に割り当てられている1つ又は複数の通信システムリソースを要求し(request one or more communication system resources)、
・ それらの1つ又は複数の他のブローカ構成要素から受信した提示(offers)及び要求(requests)を受け入れ(accept)及び/又は拒否し(reject)、そして、
・ 受け入れた提示及び要求(accepted offers and requests)にしたがって、通信システムリソースの再割り当てを開始する(initiate re-allocation of communication system resources)、
ように構成される。
【0091】
さまざまな実施形態によれば、言い換えると、通信システムリソースの分配は、非集中型の方式、特に、ピアトゥピア方式によって、通信システムリソースの複数のユーザ(消費者)を代表する複数のブローカの間で交渉される。
【0092】
通信リソースを提示し及び要求するために、ブローカは、それぞれ、対応する提示メッセージ(offer message)又は要求メッセージ(request message)を送信する。
【0093】
図10のアプローチは、効率的なリソース利用を実現するのに使用されてもよく、また、単一の障害点(single point of failure)を回避することが可能である。さらに、
図10のアプローチは、例えば、全国規模のクラウド化されたプラットフォーム(nation-wide cloudified platforms)を対象とする高い拡張可能性(high scalability)を提供するとともに、通信システムの容易な更新を可能とする。
【0094】
上記のアプローチは、
図9のような集中型のアーキテクチャパターン(centralized architecture pattern)を使用して実装されてもよいが、分配(distribution)は、(その分配に関する決定を行う中央エンティティ(central entity)によって行われるのではなく)複数のブローカの間での通信に基づいているため、むしろ、その分配は、さらに、非集中化される(to be de-centralized)と理解されてもよい。
図10のアプローチは、リソースオーケストレータ及び/又はテナントとリソースとの間の関連付けの変更を可能とする方法、メカニズム、及びインターフェイスを使用して、通信事業者のオーケストレーションメカニズムを強化することを可能とする。このことは、リソースの効率的な且つ柔軟な割り当て(分配)を提供し、そのリソースの効率的な且つ柔軟な割り当ては、意図しない余剰リソース(unintentionally surplus resources)の量を有意に減少させることを可能とする。そのアプローチは、適用可能であり、(例えば、O-RAN、ETSI NFV等の)さまざまな標準化グループのリソースオーケストレータに相互運用性をもたらす。
【0095】
通信システムは、例えば、
図11に図示されているような方法を実行する。
【0096】
図11は、ある1つの実施形態にしたがって、リソース消費者への通信システムにおける通信システムリソースの分配を管理する方法を図示しているフローチャート1100を示している。
【0097】
1101において、複数のリソース消費者の各々は、ブローカ構成要素によって代表される。
【0098】
1102において、各々のブローカ構成要素は、1つ又は複数の他のブローカ構成要素が代表するリソース消費者のうちの1つ又は複数のリソース消費者に再割り当てするために、それらの1つ又は複数の他のブローカ構成要素に、そのブローカ構成要素が代表するリソース消費者に割り当てられている1つ又は複数の通信システムリソースを提示し、及び/又は、そのブローカ構成要素が代表するリソース消費者に再割り当てするために、それらの1つ又は複数の他のブローカ構成要素に、それらの1つ又は複数の他のブローカ構成要素が代表するリソース消費者のうちの1つ又は複数のうちの少なくとも1つのリソース消費者に割り当てられている1つ又は複数の通信システムリソースを要求する。
【0099】
1103において、各々のブローカ構成要素は、それらの1つ又は複数の他のブローカ構成要素から受信した提示及び/又は要求を受け入れ及び/又は拒否する。
【0100】
1104において、各々のブローカ構成要素は、受け入れた提示及び要求にしたがって、通信システムリソースの再割り当てを開始する。
【0101】
1102乃至1104は、並行して及び反復して、(少なくとも部分的に)互いに交換可能に実行されてもよいということに留意するべきである。
【0102】
(例えば、ブローカ、エージェント、インフラストラクチャマネージャ等、及び、(少なくとも部分的には)通信システムリソース等の)通信システムの構成要素は、例えば、1つ又は複数の回路によって実装されてもよい。"回路"は、いずれかの種類の論理実装エンティティであると理解されてもよく、"回路"は、メモリ、ファームウェア、又はそれらのいずれかの組み合わせの中に格納されているソフトウェアを実行する特別な目的の回路又はプロセッサであってもよい。このようにして、"回路"は、例えば、マイクロプロセッサ等のプログラム可能なプロセッサ等のプログラム可能な論理回路又はハードウェアにより配線接続されている論理回路であってもよい。"回路"は、また、例えば、いずれかの種類のコンピュータプログラム等のソフトウェアを実行するプロセッサであってもよい。上記で説明されているそれぞれの機能の他の種類の実装は、また、"回路"であると理解されてもよい。
【0103】
複数の特定の態様が説明されてきたが、当業者は、添付の特許請求の範囲が定義するこの開示のそれらの複数の態様の趣旨及び範囲から離れることなく、それらの複数の態様の中で形態及び細部のさまざまな変更を行ってもよいということを理解するはずである。その範囲は、したがって、添付の特許請求の範囲によって示され、したがって、特許請求の範囲の意味及び同等性の範囲の中で生じる変更のすべては、利用されるように意図される。
【国際調査報告】