(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】量子コードの実装のための較正されたデコーダ
(51)【国際特許分類】
G06N 10/70 20220101AFI20240927BHJP
【FI】
G06N10/70
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505356
(86)(22)【出願日】2022-07-26
(85)【翻訳文提出日】2024-01-29
(86)【国際出願番号】 EP2022070954
(87)【国際公開番号】W WO2023051974
(87)【国際公開日】2023-04-06
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(74)【復代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン、エドワード
(72)【発明者】
【氏名】クロス、アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨウンセオク
(72)【発明者】
【氏名】サンダレサン、ネーレジャ
(72)【発明者】
【氏名】瀧田 舞花
(72)【発明者】
【氏名】コルコレス-ゴンザレス、アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】ヨデル、セオドレ
(57)【要約】
1つ又は複数の量子デコーダアルゴリズムを較正することに関する技法が提供される。例えば、本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態は、コンピュータ実行可能コンポーネントを記憶することができるメモリを備えることができるシステムを含むことができる。前記システムは、前記メモリに動作可能に結合され、前記メモリに記憶された前記コンピュータ実行可能コンポーネントを実行することができるプロセッサも備えることができる。前記コンピュータ実行可能コンポーネントは、シンドロームデータセットと一貫する復号ハイパーグラフのハイパーエッジ確率を推定することによって量子誤り訂正コードを復号するための量子デコーダアルゴリズムを較正することができる相関反転デコーダコンポーネントを備えることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ実行可能コンポーネントを記憶するメモリ;及び
前記メモリに動作可能に結合され、前記メモリに記憶された前記コンピュータ実行可能コンポーネントを実行するプロセッサ
を備え、前記コンピュータ実行可能コンポーネントは:
シンドロームデータセットと一貫する復号ハイパーグラフのハイパーエッジ確率を推定することによって量子誤り訂正コードのための量子デコーダアルゴリズムを較正する相関反転デコーダコンポーネントを備え、ここで、前記ハイパーエッジ確率は、1つ又は複数の量子回路障害の相関されたトリガを表す、システム。
【請求項2】
前記復号ハイパーグラフにおいて表される複数のハイパーエッジをサイズに基づいてソートして、クラスタにするクラスタコンポーネント
を更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
誤りに敏感なイベントは、理想的な量子回路演算においてゼロに等しいシンドローム測定ビットの線形結合である、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記クラスタコンポーネントによる前記ソートに基づいて前記複数のハイパーエッジに関連付けられた確率を決定する反転コンポーネント
を更に備える、請求項2または3に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数のハイパーエッジは、ソートされて第1のクラスタにされた第1のハイパーエッジ、及び前記第1のハイパーエッジを含み、かつソートされて第2のクラスタにされる第2のハイパーエッジを含み、前記システムは:
前記第1のハイパーエッジに関連付けられた確率から前記第2のハイパーエッジに関連付けられた確率を減算することによって前記第1のハイパーエッジの調整された確率を生成する調整コンポーネント
を更に備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
コンピュータ実行可能コンポーネントを記憶するメモリ;及び
前記メモリに動作可能に結合され、前記メモリに記憶された前記コンピュータ実行可能コンポーネントを実行するプロセッサ
を備え、前記コンピュータ実行可能コンポーネントは:
論理誤り率の関数として復号グラフのエッジ確率を決定するために量子回路を通して単一パウリ障害をトレースすることによって量子誤り訂正コードのための量子デコーダアルゴリズムを調節する調節済み分析デコーダコンポーネント
を備える、システム。
【請求項7】
シンドローム抽出回路において存在するパウリ雑音をパラメータ化するパラメータ化コンポーネント
を更に備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
パウリ障害によってトリガされる誤りに敏感なイベントを識別するために前記シンドローム抽出回路を通して前記パウリ障害をトレースするトレースコンポーネント
を更に備える、請求項6または7に記載のシステム。
【請求項9】
前記誤りに敏感なイベントは、前記エッジ確率によって表すことができる、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
復号後の前記論理誤り率を最小化する最適化アルゴリズムを利用することによって前記パラメータ化を調節する調節コンポーネント
を更に備える、請求項7~9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
プロセッサに動作可能に結合されたシステムによって、シンドロームデータセットと一貫する復号ハイパーグラフのハイパーエッジ確率を推定することによって量子誤り訂正コードのための量子デコーダアルゴリズムを較正する段階、ここで、前記ハイパーエッジ確率は、1つ又は複数の量子回路障害の相関されたトリガを表す
を備える、コンピュータ実装方法。
【請求項12】
前記システムによって、前記復号ハイパーグラフにおいて表される複数のハイパーエッジをサイズに基づいてソートして、クラスタにする段階
を更に備える、請求項11に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
誤りに敏感なイベントは、理想的な量子回路演算においてゼロに等しいシンドローム測定ビットの線形結合である、請求項11または12に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項14】
前記システムによって、前記ソートに基づいて前記複数のハイパーエッジに関連付けられた確率を決定する段階
を更に備える、請求項12または13に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項15】
前記複数のハイパーエッジは、ソートされて第1のクラスタにされた第1のハイパーエッジ、及び前記第1のハイパーエッジを含み、かつソートされて第2のクラスタにされる第2のハイパーエッジを含み、前記コンピュータ実装方法は:
前記システムによって、前記第1のハイパーエッジに関連付けられた確率から前記第2のハイパーエッジに関連付けられた確率を減算することによって前記第1のハイパーエッジの調整された確率を生成する段階
を更に備える、請求項14に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項16】
プロセッサに動作可能に結合されたシステムによって、論理誤り率の関数として復号グラフのエッジ確率を決定するために量子回路を通して単一パウリ障害をトレースすることによって量子誤り訂正コードのための量子デコーダアルゴリズムを調節する段階
を備える、コンピュータ実装方法。
【請求項17】
前記システムによって、シンドローム抽出回路において存在するパウリ雑音をパラメータ化する段階
を更に備える、請求項16に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項18】
前記システムによって、パウリ障害によってトリガされる誤りに敏感なイベントを識別するために前記シンドローム抽出回路を通して前記パウリ障害をトレースする段階
を更に備える、請求項16または17に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項19】
前記誤りに敏感なイベントは、前記エッジ確率によって表すことができる、請求項18に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項20】
前記システムによって、復号後の前記論理誤り率を最小化する最適化アルゴリズムを利用することによって前記パラメータ化を調節する段階
を更に備える、請求項17~19のいずれか1項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項21】
量子デコーダを較正するコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品は、プログラム命令が具現化されたコンピュータ可読記憶媒体を備え、前記プログラム命令は、プロセッサに:
シンドロームデータセットと一貫する復号グラフのハイパーエッジ確率を推定することによって量子誤り訂正コードのための量子デコーダアルゴリズムを較正する手順、ここで、前記ハイパーエッジ確率は、1つ又は複数の量子回路障害の相関されたトリガを表す
を行わせるために前記プロセッサによって実行可能である、コンピュータプログラム製品。
【請求項22】
前記プログラム命令は、前記プロセッサに:
前記復号グラフにおいて表される複数のハイパーエッジをサイズに基づいてソートして、クラスタにする手順
を更に行わせる、請求項21に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項23】
誤りに敏感なイベントは、理想的な量子回路演算においてゼロに等しいシンドローム測定ビットの線形結合である、請求項21または22に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項24】
前記プログラム命令は、前記プロセッサに:
前記複数のハイパーエッジの前記ソートに基づいて前記複数のハイパーエッジに関連付けられた確率を決定する手順
を更に行わせる、請求項22または23に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項25】
前記複数のハイパーエッジは、ソートされて第1のクラスタにされた第1のハイパーエッジ、及び前記第1のハイパーエッジを含み、かつソートされて第2のクラスタにされる第2のハイパーエッジを含み、前記プログラム命令は、前記プロセッサに:
前記第1のハイパーエッジに関連付けられた確率から前記第2のハイパーエッジに関連付けられた確率を減算することによって前記第1のハイパーエッジの調整された確率を生成する手順
を更に行わせる、請求項24に記載のコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載]
本発明は、インテリジェンス高等研究計画活動(IARPA)によって与えられた助成番号第W911NF-16-1-0114号の下、米国政府の支援を受けてなされたものである。米国政府は、本発明において一定の権利を有する。
【0002】
本開示は、トポロジカル量子コードのための復号アルゴリズムに関し、より具体的には、復号グラフの1つ又は複数のエッジ確率を決定することができる相関反転デコーダ及び/又は調節済み分析デコーダに関する。
【0003】
論理量子状態を準備及び維持することが、長い量子計算を実行するために実施される。回避不能な雑音が、基本的な物理量子ビットを不可避的に破損し得、それによって、デコーダは、量子誤り訂正(QEC)コードを復号するために1つ又は複数の量子復号アルゴリズムを利用することができ;それによって、誤りを検出し、及び/又は誤りから復元する。さらに、高忠実度の中間回路測定の開発及び/又は超伝導量子ビットのリセットは、論理状態の準備及び繰り返される安定化を可能にしてきた。
【0004】
復号アルゴリズムは、QECコードによって定義されるシンドローム抽出回路に関連付けられた誤りに敏感なイベントを追跡及び/又はマッピングするために復号グラフを利用することができる。しかしながら、復号アルゴリズムの効率は、復号グラフに割り当てられたエッジ重みに依存し得、ここで、エッジ重みは、表されたパウリ誤りの確率を特徴付けることができる。特に、復号グラフエッジ重みを決定するのに使用される典型的なパウリ誤りモデルは、量子計算中に量子回路に晒される雑音を捕捉することに失敗し得る。
【発明の概要】
【0005】
以下は、本発明の1つ又は複数の実施形態の基本的な理解を提供するために概要を提示する。この概要は、鍵となる要素又は重要な要素を識別するか、又は特定の実施形態のいかなる範囲又は特許請求の範囲のいかなる範囲も定めることを意図するものではない。その唯一の目的は、後に提示されるより詳細な説明への前置きとして簡略化された形態で概念を提示することである。本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態では、1つ又は複数の復号グラフのハイパーエッジ確率を決定することができるシステム、コンピュータ実装方法、装置及び/又はコンピュータプログラム製品が説明される。
【0006】
一実施形態によれば、システムが提供される。前記システムは、コンピュータ実行可能コンポーネントを記憶するメモリを備えることができる。前記システムは、前記メモリに動作可能に結合され、前記メモリに記憶された前記コンピュータ実行可能コンポーネントを実行することができるプロセッサも備えることができる。前記コンピュータ実行可能コンポーネントは、シンドロームデータセットと一貫する復号ハイパーグラフのハイパーエッジ確率を推定することによって量子誤り訂正コードのための量子デコーダアルゴリズムを較正することができる相関反転デコーダコンポーネントを備えることができる。前記ハイパーエッジ確率は、1つ又は複数の量子回路障害の相関されたトリガを表すことができる。そのようなシステムの利点は、量子アルゴリズムの実装中に量子回路に導入された実験雑音を捕捉することができる復号アルゴリズムの実装であり得る。
【0007】
幾つかの例では、前記システムは、前記復号ハイパーグラフにおいて表される複数のハイパーエッジをサイズに基づいてソートして、クラスタにするクラスタコンポーネントを更に備えることができる。そのようなシステムの利点は、障害の単純化されたセットに対する復号アルゴリズムの利用であり得る。
【0008】
別の実施形態によれば、システムが提供される。前記システムは、コンピュータ実行可能コンポーネントを記憶するメモリを備えることができる。前記システムは、前記メモリに動作可能に結合され、前記メモリに記憶された前記コンピュータ実行可能コンポーネントを実行することができるプロセッサも備えることができる。前記コンピュータ実行可能コンポーネントは、論理誤り率の関数として復号グラフのエッジ確率を決定するために量子回路を通して単一パウリ障害をトレースすることによって量子誤り訂正コードのための量子デコーダアルゴリズムを調節することができる調節済み分析デコーダコンポーネントを備えることができる。そのようなシステムの利点は、トポロジカル量子コードの復号の最適化が可能になることであり得る。
【0009】
幾つかの例では、前記システムは、シンドローム抽出回路において存在するパウリ雑音をパラメータ化するパラメータ化コンポーネントを更に備えることができる。そのようなシステムの利点は、量子デコーダアルゴリズムによって利用される復号グラフの1つ又は複数の特性の選択的パラメータ化であり得る。
【0010】
一実施形態によれば、コンピュータ実装方法が提供される。前記コンピュータ実装方法は、プロセッサに動作可能に結合されたシステムによって、シンドロームデータセットと一貫する復号ハイパーグラフのハイパーエッジ確率を推定することによって量子誤り訂正コードのための量子デコーダアルゴリズムを較正する段階を備えることができる。前記ハイパーエッジ確率は、1つ又は複数の量子回路障害の相関されたトリガを表すことができる。そのようなコンピュータ実装方法の利点は、大きい誤り率に対する二次訂正が可能になることであり得る。
【0011】
幾つかの例では、前記コンピュータ実装方法は、前記システムによって、前記復号ハイパーグラフにおいて表される複数のハイパーエッジをサイズに基づいてソートして、クラスタにする段階を更に備えることができる。そのようなコンピュータ実装方法の利点は、復号グラフ内のハイパーエッジジオメトリに基づくハイパーエッジ確率の更なる調整であり得る。
【0012】
別の実施形態によれば、コンピュータ実装方法が提供される。前記コンピュータ実装方法は、プロセッサに動作可能に結合されたシステムによって、論理誤り率の関数として復号グラフのエッジ確率を決定するために量子回路を通して単一パウリ障害をトレースすることによって量子誤り訂正コードのための量子デコーダアルゴリズムを調節する段階を備えることができる。そのようなコンピュータ実装方法の利点は、量子回路上での1つ又は複数の実験中に実装される量子アルゴリズムにおける障害を復号する精度の改善であり得る。
【0013】
幾つかの例では、前記コンピュータ実装方法は、前記システムによって、復号後の前記論理誤り率を最小化する最適化アルゴリズムを利用することによって前記パラメータ化を調節する段階を更に備えることができる。そのようなコンピュータ実装方法の利点は、最小重み完全マッチングデコーダの調節であり得る。
【0014】
一実施形態によれば、量子デコーダを較正するコンピュータプログラム製品が提供される。前記コンピュータプログラム製品は、プログラム命令が具現化されたコンピュータ可読記憶媒体を備えることができる。前記プログラム命令は、プロセッサに、プロセッサによって、シンドロームデータセットと一貫する復号グラフのハイパーエッジ確率を推定することによって量子誤り訂正コードのための量子デコーダアルゴリズムを較正する手順を行わせるために前記プロセッサによって実行可能であり得る。前記ハイパーエッジ確率は、1つ又は複数の量子回路障害の相関されたトリガを表すことができる。そのようなコンピュータプログラム製品の利点は、多様な量子デコーダアルゴリズムによって利用され得る1つ又は複数の復号グラフの較正であり得る。
【0015】
幾つかの例では、前記プログラム命令は、前記プロセッサに、前記復号グラフにおいて表される複数のハイパーエッジをサイズに基づいてソートして、クラスタにする手順を更に行わせることができる。さらに、前記プログラム命令は、前記プロセッサに、前記複数のハイパーエッジの前記ソートに基づいて前記複数のハイパーエッジに関連付けられた確率を決定する手順を更に行わせることができる。そのようなコンピュータプログラム製品の利点は、ソートされた複数のハイパーエッジ上での計算リソースの効率的な使用であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態に係る、1つ又は複数の復号グラフについてのエッジ確率を決定することができる例示の非限定的なシステムのブロック図である。
【0017】
【
図2】本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態に係る、データを生成した可能性が高いエッジ確率のセットを決定するために実験データを分析することができる例示の非限定的な相関反転デコーダコンポーネントのブロック図である。
【0018】
【
図3A】本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態に係る、1つ又は複数の誤りに敏感なイベントを特徴付ける1つ又は複数のハイパーエッジ確率を決定するために相関反転デコーダコンポーネントによって分析することができる例示の非限定的なトポロジの図である。
【
図3B】本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態に係る、1つ又は複数の誤りに敏感なイベントを特徴付ける1つ又は複数のハイパーエッジ確率を決定するために相関反転デコーダコンポーネントによって分析することができる例示の非限定的なコードレイアウトの図である。
【
図3C】本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態に係る、1つ又は複数の誤りに敏感なイベントを特徴付ける1つ又は複数のハイパーエッジ確率を決定するために相関反転デコーダコンポーネントによって分析することができる例示の非限定的な復号グラフの図である。
【0019】
【
図4A】本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態に係る、1つ又は複数の復号グラフ上で表すことができる例示の非限定的なパウリ障害トレーシング手順の図である。
【
図4B】本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態に係る、1つ又は複数の復号グラフ上で表すことができる例示の非限定的なパウリ障害トレーシング手順の図である。
【
図4C】本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態に係る、1つ又は複数の復号グラフ上で表すことができる例示の非限定的なパウリ障害トレーシング手順の図である。
【0020】
【
図5】本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態に係る、1つ又は複数のクラスタリングされたハイパーエッジを有する例示の非限定的な復号ハイパーグラフの図である。
【0021】
【
図6】本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態に係る、サイズに基づいてデコーダハイパーグラフハイパーエッジのソートを実証することができる例示の非限定的なグラフの図である。
【0022】
【
図7】本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態に係る、ハイパーエッジ確率を決定することにおける相関反転デコーダコンポーネントの有効性を実証することができる例示の非限定的なグラフの図である。
【0023】
【
図8】本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態に係る、ハイパーエッジ確率を決定することにおける相関反転デコーダコンポーネントの有効性を実証することができる例示の非限定的なグラフの図である。
【0024】
【
図9】本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態に係る、パウリ誤り率パラメータの観点でデコーダグラフの1つ又は複数のエッジ重みを計算することができる例示の非限定的な調節分析デコーダコンポーネントのブロック図である。
【0025】
【
図10】本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態に係る、エッジ確率を決定することにおける調節分析デコーダコンポーネント及び/又は相関反転デコーダコンポーネントの有効性を実証することができる例示の非限定的なテーブル及びグラフの図である。
【0026】
【
図11A】本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態に係る、様々なモデルに対する調節済み分析デコーダコンポーネントの適用可能性を実証するために雑音モデルについての例示の非限定的な復号グラフの図である。
【
図11B】本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態に係る、様々なモデルに対する調節済み分析デコーダコンポーネントの適用可能性を実証するために雑音モデルについての例示の非限定的な実験データの図である。
【0027】
【
図12】本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態に係る、実験データを分析し、データを生成した可能性が高いエッジ確率のセットを決定するために利用することができる例示の非限定的なコンピュータ実装方法のフロー図である。
【0028】
【
図13】本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態に係る、パウリ誤り率パラメータの観点でデコーダグラフの1つ又は複数のエッジ重みを計算するために利用することができる例示の非限定的なコンピュータ実装方法のフロー図である。
【0029】
【
図14】本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態に係るクラウドコンピューティング環境を示す図である。
【0030】
【
図15】本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態に係る抽象化モデル層を示す図である。
【0031】
【
図16】本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態が促進され得る例示の非限定的な動作環境のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下の詳細な説明は、例示に過ぎず、実施形態、及び/又は実施形態の応用又は使用を限定することを意図するものではない。さらに、前述の背景技術セクション又は発明の概要セクション、又は発明を実施するための形態セクションにおいて提示される任意の明示される又は示唆される情報によって制約されることを意図するものではない。
【0033】
ここで、図面を参照して1つ又は複数の実施形態が説明され、全体を通して、同様の参照番号は、同様の要素を指すために使用される。以下の説明では、説明の目的で、多くの特定の詳細が、1つ又は複数の実施形態のより完全な理解を提供するために記載される。しかしながら、様々なケースにおいて、1つ又は複数の実施形態は、これらの特定の詳細なしで実施され得ることが明らかである。
【0034】
パウリ誤りモデリングの他の実装に伴う問題を所与とすると;本開示は、復号グラフのエッジ確率を推定するために相関反転デコーダ及び/又は調節済み分析デコーダを利用することによってこれらの問題のうちの1つ又は複数に対する解決手段を生成するために実装することができる。有利には、本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態は、1つ又は複数の量子実験の実行中に量子回路に導入される雑音を考慮するために1つ又は複数の量子デコーダアルゴリズムを調節することを促進することができる。
【0035】
本発明の様々な実施形態は、1つ又は複数の量子デコーダアルゴリズムの効率的、有効、かつ自律的な(例えば、直接の人間によるガイダンスを伴わない)調節を促進するコンピュータ処理システム、コンピュータ実装方法、装置及び/又はコンピュータプログラム製品を対象とし得る。例えば、本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態は、量子回路の1つ又は複数の誤りに敏感なイベントを特徴付けることができる1つ又は複数の復号グラフに割り当てられることになるエッジ重みを決定することによって、最小重み完全マッチング(「MWPM」)デコーダ等の量子デコーダアルゴリズムを較正することができる。本明細書において説明される様々な実施形態は、量子ビット誤り率における非対称性等の量子実験の詳細を捕捉するために、シンドロームデータセットと一貫する復号グラフのエッジ確率を推定することができる相関反転デコーダを含むことができる。また、本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態は、回路コンポーネントの誤り率の関数として復号グラフについてのエッジ確率を決定するために量子回路を通してパウリ障害をトレースすることができる調節済み分析デコーダを含むことができる。シンドロームデータセットを所与とすると、調節済み分析デコーダは、1つ又は複数の雑音パラメータの観点でデータセットの復号を最適化するエッジ確率を決定することができる。
【0036】
コンピュータ処理システム、コンピュータ実装方法、装置及び/又はコンピュータプログラム製品は、本質的に非常に技術的であり(例えば、量子復号)、抽象的ではなく、人間による精神活動のセットとして実行することができない問題を解くためにハードウェア及び/又はソフトウェアを利用する。例えば、個人、又は複数の個人は、パウリ誤り障害を識別及び/又は訂正するために1つ又は複数の復号グラフを調節することができない。
【0037】
また、本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態は、量子デコーダアルゴリズムによって利用される1つ又は複数の復号グラフの感度及び/又は精度を向上させることによって従来的なパウリ誤りモデルに優る技術的改善を構成することができる。例えば、本明細書において説明される様々な実施形態は、1つ又は複数の復号グラフのエッジ確率に対する高次(例えば二次)訂正を近似するために相関反転量子デコーダを利用することができる。さらに、本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態は、トポロジカル量子コードの復号を最適化することによって実際の適用を有することができる。また、本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態は、誤り訂正を阻害し得る量子回路における1つ又は複数の予想外の相関を診断することによって実際の適用を有することができる。本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態は、量子誤り訂正のために利用される典型的なパウリ誤りモデルでは見逃され得る実験雑音を捕捉するために、1つ又は複数の復号グラフのパラメータ化を制御することができる。
【0038】
さらに、本明細書において説明される様々な実施形態は、量子回路の二次誤りの確率を決定することができる。それゆえ、本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態は、低い誤り率での論理量子状態の準備及び/又は安定化を可能にすることができ;それによって、より大きい障害耐性のある量子回路上での量子アルゴリズムの実行が促進される。結果として、本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態は、所与の分析のためのより正確な出力、及び/又は量子コンピュータを動作させるときのアクティブ誤り抑制を通したより良好な性能をもたらすことができる。その上、本明細書において説明される様々な実施形態は、大きい距離におけるコードの1サイクル当たりの論理誤りを診断及び低減させるために実験データから量的雑音を抽出することができる。加えて、本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態は、リアルタイム又は準リアルタイムにおいて量子復号アルゴリズムのトレーニングを可能にすることができ、それによって、論理演算は、較正された相関確率でデコーダグラフの事前情報を周期的に更新するために、較正回路と交互配置することができる。
【0039】
本明細書において説明される様々な実施形態は、幾何格子によって特徴付けられた超伝導量子ビット接続性を有する1つ又は複数の量子回路を考慮することができ、これにより、クロストークを軽減することによって量子演算の忠実度が改善され得る。障害耐性のある演算は、データ量子ビット及びシンドローム量子ビットの間のインタラクションを仲介するために仲介のフラグ量子ビットを利用することができる。例えば、フラグ量子ビットは、1つ又は複数の誤り復号アルゴリズムを促進するために、低重みの誤りから生じる高重みの誤りに関連付けられた誤りイベントを識別するために利用することができる。例えば、フラグ量子ビットは、QECアルゴリズムの有効距離を拡張し、誤りを検出及び/又は訂正することにおいて最適化された効率を可能にすることができる。
【0040】
加えて、本明細書において説明される様々な実施形態の有効性は、フラグ量子ビットを使用してクロストークの制限効果を軽減するように設計されたデバイス上での[[4,1,2]]QECコード(例えば、誤り検出トポロジカルスタビライザコード)の繰り返しの誤り検出及び訂正を介して、複数の例において実証され得る。さらに、本明細書において説明される様々な例は、値2のコード距離を有する六角形格子に対して実証され得る。しかしながら、本明細書において説明される様々な実施形態は、本明細書において使用される重六角形格子に対して実行される障害耐性プロトコルのより大きい距離のバージョンを動作させるために即座に拡張することができる。加えて、より大きい重六角形量子回路内の量子ビットのサブセットに対して距離2バージョンが実装されているが、他のトポロジが、本明細書において説明される量子デコーダ較正から利益を受け得る。例えば、フラグ量子ビットが追加された回転表面コードに似た重正方形トポロジである。加えて、本明細書において説明される確率的誤り訂正方法及び高次誤り相関分析は、フラグ量子ビットを伴う又は伴わない量子回路トポロジに関して量子デコーダを改善することができる。
【0041】
図1は、1つ又は複数の量子デコーダアルゴリズムを較正することができる例示の非限定的なシステム100のブロック図を示している。本明細書において説明される他の実施形態において利用される同様の要素の繰り返しの説明は、簡潔性のために省略される。本発明の様々な実施形態におけるシステム(例えば、システム100等)、装置又はプロセスの態様は、1つ又は複数の機械内で具現化された、例えば、1つ又は複数の機械に関連付けられた1つ又は複数のコンピュータ可読媒体において具現化された、1つ又は複数の機械実行可能コンポーネントを構成し得る。そのようなコンポーネントは、1つ又は複数の機械(例えば、コンピュータ、コンピューティングデバイス、仮想機械、これらの組み合わせ等)によって実行されると、機械に、説明される動作を実行させることができる。
【0042】
図1において示されているように、システム100は、1つ又は複数のサーバ102、1つ又は複数のネットワーク104、1つ又は複数の入力デバイス106、及び/又は1つ又は複数の量子コンピュータ108を備えることができる。サーバ102は、通信コンポーネント110、相関反転デコーダコンポーネント112、及び/又は調節済み分析デコーダコンポーネント114を備えることができる。また、サーバ102は、少なくとも1つのメモリ116を備えるか、又は別様にこれに関連付けられ得る。サーバ102は、限定されるものではないが、相関反転デコーダコンポーネント112、調節済み分析デコーダコンポーネント114、通信コンポーネント110、これらの関連付けられたコンポーネント、メモリ116及び/又はプロセッサ120等の様々なコンポーネントに結合することができるシステムバス118を更に備えることができる。サーバ102が
図1において示されているが、他の実施形態では、様々なタイプの複数のデバイスが、
図1において示されている特徴に関連付けられるか、又はこれらを備えることができる。さらに、サーバ102は、1つ又は複数のクラウドコンピューティング環境と通信することができる。
【0043】
1つ又は複数のネットワーク104は、限定されるものではないが、セルラネットワーク、ワイドエリアネットワーク(WAN)(例えば、インターネット)又はローカルエリアネットワーク(LAN)を含む有線及び無線ネットワークを含むことができる。例えば、サーバ102は、例えば、限定されるものではないが:セルラ、WAN、ワイヤレスフィデリティ(Wi-Fi(登録商標))、Wi-Max、WLAN、Bluetooth(登録商標)技術、これらの組み合わせ等を含む実質的に任意の所望の有線又は無線技術を使用して、1つ又は複数の入力デバイス106及び/又は量子コンピュータ108と(逆も然り)通信することができる。さらに、示されている実施形態では相関反転デコーダコンポーネント112及び/又は調節済み分析デコーダコンポーネント114が1つ又は複数のサーバ102上に提供され得るが、システム100のアーキテクチャはそのように限定されないことを理解されたい。例えば、相関反転デコーダコンポーネント112、調節済み分析デコーダコンポーネント114、又はこれらの1つ又は複数のコンポーネントは、別のサーバデバイス、クライアントデバイス等のような別のコンピュータデバイスに位置し得る。
【0044】
1つ又は複数の入力デバイス106は:パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、携帯電話(例えば、スマートフォン)、(例えば、プロセッサを含む)コンピュータ化されたタブレット、スマートウォッチ、キーボード、タッチスクリーン、マウス、これらの組み合わせ等を含むことができるが、これらに限定されるものではない1つ又は複数のコンピュータ化されたデバイスを含むことができる。1つ又は複数の入力デバイス106は、1つ又は複数の復号グラフ及び/又は測定データ(例えば、1つ又は複数の量子コンピュータ108のシンドローム実行回路からの)をシステム100に入力するために利用され得、それによって、サーバ102と当該データが(例えば、直接接続を介して及び/又は1つ又は複数のネットワーク104を介して)共有される。例えば、1つ又は複数の入力デバイス106は、データを通信コンポーネント110に(例えば、直接接続を介して及び/又は1つ又は複数のネットワーク104を介して)送信することができる。加えて、1つ又は複数の入力デバイス106は、システム100によって生成された1つ又は複数の出力をユーザに提示することができる1つ又は複数のディスプレイを含むことができる。例えば、1つ又は複数のディスプレイは:ブラウン管ディスプレイ(「CRT」)、発光ダイオードディスプレイ(「LED」)、電子発光ディスプレイ(「ELD」)、プラズマディスプレイパネル(「PDP」)、液晶ディスプレイ(「LCD」)、有機発光ダイオードディスプレイ(「OLED」)、これらの組み合わせ等を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0045】
様々な実施形態において、1つ又は複数の入力デバイス106及び/又は1つ又は複数のネットワーク104は、1つ又は複数の設定及び/又はコマンドをシステム100に入力するために利用することができる。例えば、本明細書において説明される様々な実施形態において、1つ又は複数の入力デバイス106は、サーバ102及び/又は関連コンポーネントを動作及び/又は操作するために利用することができる。加えて、1つ又は複数の入力デバイス106は、サーバ102及び/又は関連コンポーネントによって生成された1つ又は複数の出力(例えば、ディスプレイ、データ、視覚化等)を表示するために利用することができる。さらに、1つ又は複数の実施形態では、1つ又は複数の入力デバイス106を、クラウドコンピューティング環境内に備えることができ、及び/又は当該クラウドコンピューティング環境に動作可能に結合することができる。
【0046】
様々な実施形態において、1つ又は複数の量子コンピュータ108は、(例えば、DiVincenzo基準を満たしながら)計算処理を促進するために量子力学の法則(例えば、重ね合わせ及び/又は量子もつれ等)を利用することができる量子ハードウェアデバイスを含むことができる。1つ又は複数の実施形態では、1つ又は複数の量子コンピュータ108は、量子データプレーン、制御プロセッサプレーン、制御及び測定プレーン、及び/又は量子ビット技術を含むことができる。
【0047】
1つ又は複数の実施形態では、量子データプレーンは、物理量子ビット、量子ビットの位置決めを固定するための構造、及び/又はサポート回路を含む1つ又は複数の量子回路を含むことができる。サポート回路は、例えば、量子ビットの状態の測定を促進し、及び/又は(例えば、ゲートベースシステムのために)量子ビットに対してゲート演算を実行することができる。幾つかの実施形態では、サポート回路は、複数の量子ビットが互いにインタラクトすることを可能にすることができる配線網を含むことができる。さらに、配線網は、直接的な電気接続及び/又は電磁放射(例えば、光学、マイクロ波、及び/又は低周波数信号)を介した制御信号の送信を促進することができる。例えば、サポート回路は、1つ又は複数の量子ビットに動作可能に結合された1つ又は複数の超伝導共振器を含むことができる。本明細書において説明される場合、「超伝導(superconducting)」という用語は、アルミニウム(例えば、1.2ケルビンの超伝導臨界温度)又はニオビウム(例えば、9.3ケルビンの超伝導臨界温度)等の、超伝導臨界温度において又はそれ未満で超伝導性特性を呈する材料を特徴付けることができる。加えて、当業者であれば、他の超伝導体材料(例えば、リチウム/マグネシウム水素化物合金等の水素化物超伝導体)が、本明細書において説明される様々な実施形態において使用され得ることを認識するであろう。
【0048】
1つ又は複数の実施形態では、制御プロセッサプレーンは、量子ゲート演算及び/又は測定のハミルトニアンシーケンスを識別及び/又はトリガすることができ、当該シーケンスは、量子アルゴリズムを実装するための(例えば、サーバ102等のホストプロセッサによって、相関反転デコーダコンポーネント112及び/又は調節済み分析デコーダコンポーネント114を介して提供される)プログラムを実行する。例えば、制御プロセッサプレーンは、コンパイル済みコードを制御及び測定プレーンのためのコマンドに変換することができる。1つ又は複数の実施形態では、制御プロセッサプレーンは、1つ又は複数の量子誤り訂正アルゴリズムを更に実行することができる。
【0049】
1つ又は複数の実施形態では、制御及び測定プレーンは、実行されることになる量子演算を定めることができる制御プロセッサプレーンによって生成されたデジタル信号を、量子データプレーンにおいて1つ又は複数の量子ビットに対して演算を実行するためのアナログ制御信号に変換することができる。また、制御及び測定プレーンは、データプレーンにおける量子ビットの1つ又は複数のアナログ測定出力を、システム100の他のコンポーネントと共有することができる標準的なバイナリデータに変換することができる。
【0050】
当業者であれば、多様な量子ビット技術が、1つ又は複数の量子コンピュータ108の1つ又は複数の量子ビットのための基本を提供することができることを認識するであろう。例えば、超伝導量子ビットは、1つ又は複数の量子コンピュータによって利用することができ、ここで、超伝導量子ビット(例えば、超伝導量子干渉デバイス「SQUID」等)は、(例えば、電荷又は磁束の量子化された状態に起因して)量子化されたエネルギーレベルを呈するようにミリケルビン温度に冷却することができるリソグラフィによって画定された電子回路とすることができる。超伝導量子ビットは、トランスモン量子ビット等のようなジョセフソン接合ベースとすることができる。また、超伝導量子ビットは、マイクロ波制御電子機器と適合することができ、ゲートベース技術又は集積型極低温制御装置とともに利用することができる。
【0051】
1つ又は複数の実施形態では、通信コンポーネント110は、(例えば、直接的な電気接続を介して及び/又は1つ又は複数のネットワーク104を通して)相関反転デコーダコンポーネント112、調節済み分析デコーダコンポーネント114、及び/又は1つ又は複数の量子コンピュータ108の間でのデータの共有を促進することができ、及び/又は逆も然りである。
【0052】
システム100は、適切な訂正を適用することができるように、シンドローム測定を使用して、1つ又は複数の量子コンピュータ108の1つ又は複数の量子回路において生じる誤りに敏感なイベントを識別するために1つ又は複数のQECコード122(例えば、トポロジカルスタビライザコード)を利用することができる。例えば、1つ又は複数のQECコード122は、論理量子状態を準備及び/又は維持するために、量子雑音に起因した誤りから量子情報を保護することができる。さらに、1つ又は複数のQECコード122のための量子復号は、1つ又は複数の復号グラフ及び/又は復号ハイパーグラフに対して動作することができる。例えば、1つ又は複数のQECコード122は、1つ又は複数の量子コンピュータ108からシンドローム測定データセットを分析することができ、ここで、誤りに敏感なイベントは、1つ又は複数の量子コンピュータ108の理想的な量子回路演算ではゼロに等しくなるであろうシンドローム測定ビットの線形結合とすることができる。非ゼロの誤りに敏感なイベントは、1つ又は複数の量子コンピュータ108の量子回路における誤りを示すことができる。例えば、誤りは:量子回路のゲートの後、量子回路のアイドルの後、量子回路の初期化の後、又は測定の前に生じるパウリ誤りとすることができる。パウリ誤りは、障害を含む量子回路コンポーネントが「n」個の量子ビットに対して機能する場合のn量子ビットパウリ誤りであり得る(例えば、2量子ビットパウリ誤りが2量子ビットゲートの後に生じ得る)。それゆえ、誤りに敏感なイベントは、幾何格子によって特徴付けられるような、量子コンピュータ108の量子回路のトポロジに依存し得る。例えば、重六角形格子(heavy hexagon lattice)に関して、少なくとも2つのタイプの誤りに敏感なイベント:(1)同じスタビライザの2回の後続の測定の差、及び(2)フラグ量子ビット測定が存在し得る。
【0053】
誤りに敏感なイベントは、復号グラフにおけるノードとして示すことができ、エッジが、自身のエンドポイントにおける両方のイベントによって検出され得る誤りを表す。ここで、エッジが生じる確率は、Pであり、エッジは、log((1-P)/P)に等しい重み値を与えられ得る。加えて、復号グラフは、境界ノードを含むことができ、ここで、単一の誤りに敏感なイベントによって検出される誤りは、そのイベントから境界ノードへのエッジとして表すことができる。また、2つよりも多くの誤りに敏感なイベントによって検出される誤りは、復号ハイパーグラフにおけるハイパーエッジとして表すことができる。
【0054】
最小重み完全マッチング(minimum-weight perfect-matching)(「MWPM」)、合併-発見(union-find)、及び/又は最尤法(maximum-likelihood)等の様々な量子デコーダアルゴリズムが、QECコード122(例えば、トポロジカルスタビライザコード)に関して利用され得、1つ又は複数の復号グラフに対して動作することができる。例えば、MWPMに関して、非ゼロの誤りに敏感なイベントのセットを所与とすると、MWPMは、最小総重みを有するそれらのイベントと一貫する復号グラフのエッジのセットを発見することができる。MWPMは計算的に効率的である一方、ハイパーグラフに対する類似のマッチングアルゴリズムはそうではなく、これにより、復号ハイパーグラフの実用性が制限される。
【0055】
量子デコーダアルゴリズムの有効性は、復号グラフにおいて利用されるエッジ重み、及び/又は復号ハイパーグラフにおいて利用されるハイパーエッジ重みに依存し得る。様々な実施形態において、調節済み分析デコーダコンポーネント114は、パウリ誤り率パラメータpjの観点でエッジ重みを個別に計算することによって1つ又は複数の復号グラフを調節することができ、ここで、インデックスiは、検討されている誤りを示すことができる。調節済み分析デコーダコンポーネント114によって検討され得る誤りの例示のタイプは:CNOTゲート、単一量子ビットゲート、アイドルロケーション、初期化、リセット、測定、CPHASEゲート、sqrt(iSWAP)ゲート、これらの組み合わせ等に対して生じる脱分極雑音又はより一般的なパウリ雑音を含むことができるが、これらに限定されるものではない。加えて、様々な実施形態において、相関反転デコーダコンポーネント112は、例えば、デコーダグラフにおいて使用されるエッジ確率を決定する前に復号ハイパーグラフにおける全てのハイパーエッジについての確率を計算することによって、データを生成した可能性が高いエッジ確率のセットを決定するために実験データを分析することができる。
【0056】
復号ハイパーグラフにおける各ハイパーエッジhは、量子回路における複数のパウリ障害のうちの任意のものを表すことができ、少なくともパウリ障害は非ゼロの誤りに敏感なイベントのhの同じセットをもたらし得るので、互いに区別不可能であり得る。幾つかのパウリ障害がともに生じる場合、ハイパーエッジの対称差は、シンドローム(例えば、観測される非ゼロの誤りに敏感なイベントのセット)であるSで示すことができる。特定のSを観測する確率は、ハイパーエッジがSを生成するための組み合わせにおいて生じる確率であり得る。この確率は個々のハイパーエッジhが生じる確率αhに関連し得るので、αhは、Sの複数の観測から学習され得る。
【0057】
量子回路に対して実行される実験の各実行からハイパーエッジ確率を抽出するために、相関反転デコーダコンポーネント112及び/又は調節済み分析デコーダコンポーネント114は、誤りに敏感なイベントを示すことができる測定されたベクトル
【数1】
を分析することができる。例えば、
【数2】
は、独立した確率で生じる幾つかのパウリ誤りの結果とすることができる。障害f(例えば、パウリ誤り)単独がハイパーエッジ
【数3】
をもたらし得る場合、
【数4】
であり、ここで、加算は、モジュロ2で演算する。幾つかの障害が同じハイパーエッジ
【数5】
をもたらし得、ここで、それぞれの確率は、ハイパーエッジの確率α
fに加算される。本明細書において後に説明される様々な実施形態によれば、相関反転デコーダコンポーネント112は、
【数6】
の複数のサンプルから全てのα
fを推定することができる。可能なハイパーエッジは、量子回路の局所性によってサイズ(すなわち、ハミング重み
【数7】
)において制限され得る。例えば、[[4,1,2]]誤り検出トポロジカルスタビライザコードにおいて、ハイパーエッジは、サイズ4又はそれより小さいサイズに制限され得る。1つ又は複数の実施形態では、相関反転デコーダコンポーネント112は、局所クラスタを考慮し、その後、より大きいハイパーエッジからより小さいハイパーエッジに(例えば、サイズ4ハイパーエッジを縮小してサイズ1及びサイズ2に)再帰的に局所推定値を調整することによってα
fを決定することができる。
【0058】
図2は、本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態に係る、クラスタコンポーネント202、反転コンポーネント204、及び/又は調整コンポーネント206を更に備える例示の非限定的な相関反転デコーダコンポーネント112の図を示している。本明細書において説明される他の実施形態において利用される同様の要素の繰り返しの説明は、簡潔性のために省略される。様々な実施形態において、相関反転デコーダコンポーネント112は、1つ又は複数の復号グラフのエッジ確率を決定することができ、ここで、誤りに敏感なイベントは、1つ又は複数の復号グラフのノードNによって表すことができる。パウリ誤り障害は、誤りに敏感なイベントのサブセットに、ともにトリガさせることができ、ここで、相関されたトリガは、1つ又は複数の復号グラフにおけるエッジ(例えば、ノードのサブセット)によって表すことができる。例えば、相関反転デコーダコンポーネント112は、復号グラフにおいて使用されるエッジ確率を後続して決定するために、復号ハイパーグラフにおけるハイパーエッジについての確率を計算することができる。
【0059】
1つ又は複数の実施形態では、相関反転デコーダコンポーネント112は、シンドロームデータセット(例えば、所与の量子回路に関する測定データのセット)を用いてハイパーエッジ確率を決定することができる。例えば、相関反転デコーダコンポーネント112は、ソフトウェアにおいて事後論理訂正を実行するためにQECコード122の各スタビライザラウンドからのシンドローム結果を利用することができる。例えば、相関反転デコーダコンポーネント112は、復号グラフに、測定データセット(例えば、観測される実験データ)から導出された較正によって通知を受けるエッジ重みを装入することができる。相関反転デコーダコンポーネント112は、ハイパーエッジが独立して生じ得ると仮定することができ、ここで、誤りに敏感なイベントのセットは、Eによって示すことができ、可能なハイパーエッジのセットは、Hによって示すことができる。ハイパーエッジHは、例えば、追加のハイパーエッジが、それらが実験的関連性があると疑われる場合に追加される単一の障害のパウリトレーシングから決定することができる。
【0060】
例えば、パウリ脱分極雑音モデルを、パウリトレーシングを実行するために相関反転デコーダコンポーネント112によって利用することができる。例えば、量子ビット初期化、ゲート、アイドルロケーション、又は測定は、障害を被り得、ここで、障害には、量子回路コンポーネントと同じ数の量子ビットに対して作用するパウリPが後続又は先行し得る。初期化及び測定は、X個の誤りを被り得、一方、1及び2量子ビットのケースは、1又は2量子ビットパウリグループからの誤りを被り得る。例えば、シンドローム測定回路における単一の障害の結果であり得るパウリ誤りのセットを検討する。当該セット内の各パウリ誤りについて、モデルは、量子回路を通して障害を伝播させ、誤りを検出し得る誤りに敏感なイベントのセットを決定することができる。それによって、当該セットは、復号ハイパーグラフにおけるハイパーエッジになり得る。一次において、ハイパーエッジの確率Pは、ハイパーエッジを引き起こし得る障害の確率の総和とすることができ、ハイパーエッジの重み値は、log((1-P)/P)に等しくなり得る。
【0061】
測定データから、期待値の推定値
【数8】
にアクセスすることができ、ここで、X
iは、誤りに敏感なイベントi∈Eに関連付けられたランダム変数であり、h∈Hは、ハイパーエッジである。また、これらの期待値は、ハイパーエッジ確率α
hの観点で記述することができる。hとの非空の交差を有するハイパーエッジのセットをL
h⊆Hとする。その場合、<h>は、以下の方程式1に従って計算することができる。
【数9】
ここで、
【数10】
は、セットの対称差を示すことができる。全てのh⊆Hについてこの方程式を分析することは、実験的に推定される期待値<h>の観点でα
hについて解くことができる|H|個からなる連立方程式及び|H|個の未知数を形成することができる。しかしながら、この方程式系は、解くために計算的に高価であり得る。
【0062】
計算リソース要件を削減するために、相関反転デコーダコンポーネント112は、方程式に対する解を近似することができる。1つ又は複数の実施形態では、クラスタコンポーネント202は、1つ又は複数の復号グラフ(例えば、復号ハイパーグラフ)において表される1つ又は複数のハイパーエッジをソートして、1つ又は複数のクラスタにすることができる。例えば、クラスタコンポーネント202は、h∈Hについて、h⊆cであるようなc∈Cが存在するようにサブセットC⊂2Eを発見することができる(例えば、ここで、2Eは、Eの冪集合とすることができる)。ここで、「c」は、クラスタであり、「C」は、全てのクラスタのセットである。ハイパーエッジをソートするための例示のスキームは、サイズによるソートを含むことができるが、これに限定されるものではない。1つ又は複数の実施形態では、クラスタコンポーネント202は、ハイパーエッジを最大から最小までサイズによってソートすることができる。例えば、クラスタコンポーネント202は、(例えば、パウリ障害をトレースすることによって識別される)ハイパーエッジのソートされたリストを分析し、ハイパーエッジが既にCの要素のサブセットではない場合(例えば、ハイパーエッジが既に別のソートされたハイパーエッジのサブセットではない場合)にハイパーエッジをCに配置することができる。クラスタリングコンポーネント202によるソートは、複数のクラスタを生成することでき、ここで、最大クラスタサイズは、最大ハイパーエッジサイズに等しくなり得る。
【0063】
さらに、反転コンポーネント204は、ハイパーエッジの各クラスタc∈Cについて重み値を決定することができる。例えば、S
c⊆Hは、クラスタcのサブセットであるハイパーエッジのセットとすることができる。各h∈S
cについて、反転コンポーネント204は、S
cが以下の方程式2に従って唯一の既存のハイパーエッジであるかのように<h>を計算することができる。
【数11】
それによって、反転コンポーネント204は、h∈S
cについて、|S
c|方程式系及び未知数、及びα
hを確立することができる。少なくともクラスタは最大で最大ハイパーエッジのサイズであるので、反転コンポーネント204は、各ハイパーエッジに関連付けられた重み値を決定するために削減された計算リソースを利用することができる。例えば、例示の[[4,1,2]]誤り検出トポロジカルスタビライザコードに関して、サイズ2クラスタは、反転コンポーネント204によって分析的に解くことができ;一方、サイズ3及び/又は4を有するクラスタは、数値的に解くことができる。例えば、サイズ|c|を有するクラスタは、2
|c|-1個よりも少ないか又はこれに等しい方程式をもたらすことができる。
【0064】
1つ又は複数の実施形態では、調整コンポーネント206は、複数のクラスタにわたってまたがるハイパーエッジを考慮するために、反転コンポーネント204によって決定された1つ又は複数の重み値を更に調整することができる。例えば、h⊆cは、確率α
hを有するクラスタc内の第1のハイパーエッジとすることができる。さらに、第2のハイパーエッジh'が存在することができ、ここで、h'⊆cであるが、ただしh'∩c=hである。例えば、第1及び第2のハイパーエッジは、別個の誤りに敏感なイベントを表すことができるが、1つ又は複数の復号ハイパーグラフにおいて互いにオーバラップし得る。換言すれば、第1のハイパーエッジは、ソートして第1のクラスタにすることができ、第2のハイパーエッジは、ソートして第2のクラスタにすることができ、一方、第2のハイパーエッジは、第1のハイパーエッジを含み得る。反転コンポーネント204がクラスタcについての重み値を解くと、反転コンポーネント204は、第1のハイパーエッジhについて、確率
【数12】
を取得することができ、ここで、
【数13】
は、2つの別個の誤りに敏感なイベント:第2のハイパーエッジh'によって表される誤りに敏感なイベントが生じることなく生じる第1のハイパーエッジhによって表される誤りに敏感なイベント;又は第2のハイパーエッジhによって表される誤りに敏感なイベントが生じることなく生じる第1のハイパーエッジh'によって表される誤りに敏感なイベント、の総和とすることができる。調整コンポーネント206は、第1のハイパーエッジから第2のハイパーエッジの確率を減算することによって第1のハイパーエッジの調整された確率を決定することができる。例えば、第2のハイパーエッジh'によって調整された第1のハイパーエッジhの確率は、以下の方程式3に従って調整コンポーネント206によって計算することができる。
【数14】
さらに、調整コンポーネント206は、各それぞれのハイパーエッジについての逐次調整を介して幾つかの他のハイパーエッジによってハイパーエッジを調整することができる。例えば、ハイパーエッジは、1つ又は複数の復号ハイパーグラフにおいて複数の他のハイパーエッジにオーバラップし得、ここで、調整コンポーネント206は、複数のハイパーエッジによって表されるそれぞれの誤りに敏感なイベントを分析する際に複数のオーバラップを考慮することができる。
【0065】
1つ又は複数の実施形態では、最大ハイパーエッジは、調整する際に用いる別のh'のハイパーエッジの欠落に起因して調整コンポーネントによる調整を必要とせず、したがって、より小さいハイパーエッジの再帰的調整のための基本を提供することができる。例えば、調整コンポーネント206は、h'∩c=hかつ
【数15】
となるように、少なくともsの重み値を有する全てのハイパーエッジh'を決定することによってサイズ1の各ハイパーエッジh∈H
cを調整することができる。全てのそのようなハイパーエッジh'について、調整コンポーネント206は、
【数16】
に従って調整を実行することができる。それによって、調整コンポーネント206は、1つ又は複数の調整された確率α
hを決定することができる。少なくとも所与のハイパーエッジは2つの異なるクラスタ内に含まれ得るので、調整コンポーネント206は、所与のハイパーエッジについて、複数の調整された確率α
hを決定することができる。1つ又は複数の実施形態では、調整コンポーネント206は、所与のハイパーエッジの複数の調整された確率を平均して、(例えば、1つ又は複数の復号ハイパーグラフにおける重み値によって特徴付けられる)最終確率値を決定することができる。
【0066】
図3A~
図3Cは、本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態に係る、(例えば、相関反転デコーダコンポーネント112及び/又は調節済み分析デコーダコンポーネント114を介して)量子計算の誤り率を低減するためにシステム100によって分析することができる例示の非限定的な量子回路トポロジを特徴付ける図を示している。本明細書において説明される他の実施形態において利用される同様の要素の繰り返しの説明は、簡潔性のために省略される。
【0067】
図3Aは、量子回路トポロジを特徴付けることができる例示的な重六角形格子300を示している。例示的な重六角形格子300では、量子ビット302、及びそれらのそれぞれの接続性を、六角形形状を有する幾何格子上に配置された複数の円によって示すことができる。さらに、
図3Aは、本明細書において説明される様々な実施形態の有効性を実証するために、[[4,1,2]]誤り検出トポロジカルスタビライザコードを実行するのに使用される7つの量子ビット302を表すことができる例示的な重六角形格子300の拡大セクションを示している。
【0068】
図3Bは、[[4,1,2]]コードを実行するのに使用される7つの量子ビット302を含む例示的なコードレイアウト304を示している。例示的な重六角形格子300の拡大部分及び例示的なコードレイアウト304では:白色の円は、データ量子ビット302a(例えば、データ量子ビットd
0、d
1、d
2、及び/又はd
3)を示すことができ;ドットでシェーディングされた円は、フラグ量子ビット302bを示すことができ;斜線でシェーディングされた円は、シンドローム量子ビット302cを示すことができる。
図3Bにおいて示されているように、例示的なコードレイアウト304は、単一の重み4、Xスタビライザ306及び2つの重み2、Zスタビライザ308を含むことができる。重み2スタビライザについて、スクリプト「0,2」及び「1,3」は、例示的なコードレイアウト304の左半分及び右半分を示すことができる。グラフの削減された接続性は:重み2スタビライザとして使用されること;及びシンドローム量子ビット302c(例えば、斜線でシェーディングされた円)上で誤りを検出するために中間量子ビットとして使用されることの間で交互に変更するフラグ量子ビット302b(例えば、ドットでシェーディングされた円)によって対処することができる。
【0069】
図3Cは、相関反転デコーダコンポーネント112及び/又は調節済み分析デコーダコンポーネント114によって調節することができる例示的なデコーダグラフ309を示している。例示的なデコーダグラフ309は、例示的なコードレイアウト304を考慮する。例えば、重み4スタビライザからのシンドロームは、例示的なデコーダグラフ309のノード310にマッピングすることができる。さらに、重み2スタビライザからのシンドロームは、例示的なデコーダグラフ309のノード312にマッピングすることができる。また、重み2フラグ測定は、例示的なデコーダグラフ309のノード314上にマッピングすることができる。スクリプト「0,1」及び「0,2」は、例示的なコードレイアウト304の左半分及び右半分を示すことができる。量子回路によって安定化される初期|-/+>
L状態について、各サイクル内に3つの異なる可能なサイズ4ハイパーエッジが存在することができ、各々が、3つの連続したサイクルにわたってグレーにおいて強調されている。
【0070】
図4A~
図4Cは、本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態に係る、相関反転デコーダコンポーネント112及び/又は調節済み分析デコーダコンポーネント114によって較正及び/又は調節された量子デコーダアルゴリズムによってどのように1つ又は複数のパウリ障害を使用することができるかについての図を示している。本明細書において説明される他の実施形態において利用される同様の要素の繰り返しの説明は、簡潔性のために省略される。例えば、
図4Aは、例示的な量子回路400における1つ又は複数のパウリ障害の生起を示すことができる。例示的な量子回路400は、サイクル同士の間に適用される中間回路リセット動作を伴うX及びZチェックスタビライザ測定の交互の繰り返されるサイクルで、初期|->
L論理状態に適用される例示的なコードレイアウト304のために利用することができる。
【0071】
図4Bは、
図4Aにおいて示されたサイクル1におけるパウリ障害に相関し得る強調されたエッジ(例えば、太い黒線によって表される)を有する復号グラフを示すことができる。
図4Cは、
図4Aにおいて示されたサイクル2におけるパウリ障害に相関し得る強調されたノード(例えば、太い円によって表されるノード)を有する復号グラフを示すことができる。例えば、重み2、ZXパウリ誤りがXスタビライザ測定中にCNOTゲートの後に生じる場合、2つのイベントがトリガされ得、ここで、相関反転デコーダコンポーネント112及び/又は調節済み分析デコーダコンポーネント114によって較正及び/又は調節された量子デコーダアルゴリズムは、これらのイベントを接続するエッジ(例えば、
図4Bにおける強調されたエッジ)を識別することができる。重み1、Xパウリ誤りがフラグ量子ビット302上で生じる場合、重み2パウリ誤りは、データ量子ビットに相関するモード314上で現れ得る。
【0072】
図5は、本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態に係る、(例えば、クラスタコンポーネント202を介して)相関反転デコーダコンポーネント112によってソートすることができる1つ又は複数のハイパーエッジを含むことができる例示の非限定的な復号ハイパーグラフ500の図を示している。本明細書において説明される他の実施形態において利用される同様の要素の繰り返しの説明は、簡潔性のために省略される。例えば、各復号ハイパーグラフノード502は、誤りに敏感なイベントに対応することができる。例示的な復号ハイパーグラフ500は、2つのサイズ4ハイパーエッジ(例えば、
図5において破線によって表される)、6つのサイズ2ハイパーエッジ(例えば、
図5における実線によって表される)、及び9つのサイズ1ハイパーエッジ(例えば、
図5における各ハイパーグラフノード502によって表される)を含むことができる。本明細書において説明される様々な実施形態によれば、クラスタの検証セットCは、サイズ4ハイパーエッジ(例えば、h及びh')及び2つのサイズ2ハイパーエッジ504、506の両方からなり得る。(例えば、反転コンポーネント204を介して)各クラスタに対して
【数17】
を解いた後、ハイパーエッジ502a、502b、及び/又は502cについての確率を(例えば、調整コンポーネント206を介して)調整して、α
hの調整された確率値を決定することができる。
【0073】
図6は、本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態に係る、スタビライザ測定の3回のサイクルを有する例示的なデコーダグラフ309及び/又はコードレイアウト304によって特徴付けられたハイパーエッジの調整された相関確率を示すことができる例示の非限定的なグラフ600の図を示している。本明細書において説明される他の実施形態において利用される同様の要素の繰り返しの説明は、簡潔性のために省略される。グラフ600において示されているハイパーエッジ確率は、相関反転デコーダコンポーネント112によって計算された。グラフ600において示されているように、相関反転デコーダコンポーネント112は、6つのパラメータ雑音モデルを使用する最小二乗当てはめからの結果に基づいてハイパーエッジを最大から最小にソートすることができる。より濃いシェーディングを有するポイントは、より大きいサイズのハイパーエッジを表すことができる。93よりも高いインデックスを有するハイパーエッジは、分析上の表現を有しないが、計算漏れの影響を定量化するために実験的に調整した。グラフ600において示されているように、6項雑音モデルを当てはめる結果は、分析曲線と一致し、これは、同時ランダム化ベンチマーキングからの雑音項を使用して生成した。
【0074】
図7~
図8は、本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態に係る、相関反転デコーダコンポーネント112の有効性を更に実証することができる例示の非限定的なグラフ702、704、及び/又は800の図を示している。本明細書において説明される他の実施形態において利用される同様の要素の繰り返しの説明は、簡潔性のために省略される。
【0075】
グラフ702は、未較正のMWPMデコーダアルゴリズムを介して達成される結果を示している。グラフ702において示されているように、サイズ1及び2ハイパーエッジのみが典型的なMWPMアルゴリズムのために要求され;しかしながら、より大きいハイパーエッジを無視することは、非物理的な負のサイズ1相関をもたらし得る。グラフ704は、相関反転デコーダコンポーネント112を介して達成することができる結果を示すことができる。グラフ704において示されているように、相関反転デコーダコンポーネント112は、例えば、最大でサイズ4ハイパーエッジまで適用される調整手順を利用することができ;ここで、サイズ1値は、非負でかつ物理的であり得、それによって、デコーダグラフエッジにフィードする際に使用可能である。
【0076】
グラフ800は、
【数18】
をプロットすることによって[[4,1,2]]コードのr回のサイクルのシミュレーションにおいて相関反転デコーダコンポーネント112を分析デコーダと比較し、ここで、
【数19】
は、障害確率における一次で計算されるハイパーエッジ確率を表す。Nは、サンプルの数を示すことができ、最良フィットは、挙動
【数20】
を示すことができ;ここで、cは、線形関数とすることができる。ライン802は、5回のサイクルを表し;ライン804は、6回のサイクルを表し;ライン806は、7回のサイクルを表し;ライン808は、8回のサイクルを表し;ライン810は、8回のサイクルを表し;ライン812は、9回のサイクルを表し;及び/又はライン814は、10回のサイクルを表す。グラフ800は、削減された計算要件で、相関反転デコーダコンポーネント112によって実行される相関分析がハイパーエッジ確率の正確な評価を提供することができることを実証する。例えば、相関分析における誤りは、実験の実行回数Nとともに、
【数21】
としてスケーリングすることができる。
【0077】
加えて、相関反転デコーダコンポーネント112の様々な実施形態は、より大きい量子コードのための利点を提供することができる。例えば、シンドローム測定の3回のサイクルは、3の距離値を有する重六角形コードに対して実行され(例えば、サイズ5ハイパーエッジをもたらす)、CNOT誤り率は、ガウス分布からサンプリングされた。以下で提示されるテーブル1は、3百万ショットデータセットから計算された論理誤り率を含む。誤りバーは、1つ又は複数のブートストラップアルゴリズムを介して計算された。さらに、量子回路コンポーネントは、10
-3誤り率を有することができ、CNOT誤り率は、10
-3の平均値を有することができ、標準偏差(「SD」)は変動し得る。「一様」は、ハイパーエッジが一様確率を割り当てられる復号スキームの結果を表すことができる。「分析」は、未較正の従来的な量子デコーダアルゴリズムを利用する復号スキームの結果を表すことができる。「相関」は、本明細書において説明される様々な実施形態に係る、相関反転デコーダコンポーネント112によって実行される復号スキームの結果を表すことができる。
テーブル1
【表1】
【0078】
以下で提示されるテーブル2は、3百万ショットデータセットから計算された論理誤り率を含む。誤りバーは、1つ又は複数のブートストラップアルゴリズムを介して計算された。さらに、量子回路コンポーネントは、10
-3誤り率を有することができ、CNOT誤り率は、10
-4の平均値を有することができ、標準偏差(「SD」)は変動し得る。
テーブル2
【表2】
【0079】
テーブル2において示されているように、誤り率を10-4に低下させることは、相関反転デコーダコンポーネント112が他の復号スキームに優る量を減少させ得る。少なくとも未較正の従来的な分析デコーダはエッジ確率に対して一次近似のみを行い、かつ二次訂正は小さい誤り率において関連度が低くなり得るので;相関反転デコーダコンポーネント112は、確率に対する高次の訂正を近似することによって、より大きい誤り率において従来的なデコーダに優り得る。
【0080】
図9は、本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態に係る、パラメータ化コンポーネント902、トレースコンポーネント904、及び調節コンポーネント906を備える例示の非限定的な調節済み分析デコーダコンポーネント114の図を示している。本明細書において説明される他の実施形態において利用される同様の要素の繰り返しの説明は、簡潔性のために省略される。
【0081】
様々な実施形態において、パラメータ化コンポーネント902は、シンドローム抽出回路におけるパウリ雑音をパラメータ化することができる。例えば、パウリ雑音のモデルに基づいて、パラメータ化コンポーネント902は、物理雑音パラメータの観点で復号グラフのエッジ重みをパラメータ化することができる。本明細書において説明されるように、パラメータ化コンポーネント902は、1つ又は複数の雑音パラメータに関して脱分極雑音モデルを利用することができる。例示の雑音パラメータは:単一量子ビットゲート、2量子ビットゲート、アイドルロケーション、量子ビット初期化、リセット、量子ビット読み出し、これらの組み合わせ等に対して生じる脱分極雑音又はより一般的なパウリ雑音を含むことができるが、これらに限定されるものではない。加えて、パラメータ化コンポーネント902によって実行されるパラメータ化は、例示の雑音パラメータに限定されるものではない。例えば、1つ又は複数の実施形態では、パラメータ化コンポーネント902は、各個々のゲートについての雑音パラメータ、及び/又はパウリ雑音をバイアスする追加のパラメータ(例えば、パウリZ誤りをパウリX誤りよりも大きくバイアスすることができる)に関してパウリ雑音をパラメータ化することができる。
【0082】
加えて、トレースコンポーネント904は、各パウリ障害によってトリガされる誤りに敏感なイベントを識別するために、量子回路のシンドローム抽出回路を通してパウリ障害をトレースすることができる。パウリ障害が1つ又は複数の誤りに敏感なイベントをトリガする場合、その後、パウリ障害は、1つ又は複数の物理雑音パラメータの観点で復号グラフのエッジにその確率を提供することができる。例えば、復号グラフ上のエッジ確率は、1つ又は複数のパウリ障害トリガの確率の総和とすることができる。それによって、トレースコンポーネント904は、復号グラフの各エッジeについての確率peを決定し、-log(pe/(1-pe))に等しい重み値を設定することができる。
【0083】
さらに、様々な実施形態において、調節コンポーネント906は、所与のデータセットの復号を改善するために雑音パラメータを調節することができる。例えば、物理雑音パラメータを(例えば、ランダム化ベンチマーキングから)推定された雑音と等しくするのではなく;調節コンポーネント906は、論理誤り率を最適化するために物理雑音パラメータを調節することができる。1つ又は複数の実施形態では、調節コンポーネント906は、限定されるものではないが:勾配降下アルゴリズム、モンテカルロサンプリングアルゴリズム、ネルダー-ミードアルゴリズム、これらの組み合わせ等を含む1つ又は複数の最適化アルゴリズムを利用することができる。例えば、パラメータ化コンポーネント902によって実行されるパラメータ化を所与とすると、調節コンポーネント906は、論理誤り率を決定するために所与のデータセットに対してQECコード122を実行することができる。さらに、調節コンポーネント906は、様々な雑音パラメータ設定を用いてQECコード122を実行して、いずれの設定が最低論理誤り率を達成するのかを決定することができる。ランダム化ベンチマーキング推定値と比較して、最適化されたパラメータは、より良好な論理誤り率を達成することができる。1つ又は複数の実施形態では、調節コンポーネント906は、最適化アルゴリズムに従って様々な設定を用いて1つ又は複数の量子コンピュータ108の量子回路ハードウェア上でのQECコード122の複数回の実行を介して、理論化されたモデル及び観測されたモデルの間の雑音の不一致を考慮することができる。
【0084】
図10は、本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態に係る、調節済み分析デコーダコンポーネント114及び/又は相関反転デコーダコンポーネント112の有効性を実証することができる例示の非限定的なテーブル1000、1002及び/又はグラフ1004、1006、及び/又は1008の図を示している。本明細書において説明される他の実施形態において利用される同様の要素の繰り返しの説明は、簡潔性のために省略される。
図10において示されているように:「一様」は、復号グラフにおいて一様なエッジ重みを利用する量子デコーダを表すことができ;「相関」は、相関反転デコーダコンポーネント112を表すことができ;「RB」は、雑音パラメータを推定するためにランダム化ベンチマーキングを利用する未調節デコーダを表すことができ;及び/又は「調節済み」は、調節済み分析デコーダコンポーネント114を表すことができる。
【0085】
テーブル1000は、パラメータ値を決定するためにランダム化ベンチマーキング(「RB」)を利用する量子デコーダ及び1つ又は複数の最適化アルゴリズムを介してパラメータ値を調節することができる調節済み分析デコーダコンポーネント114の間の様々な雑音パラメータ(例えば、単一量子ビットゲートp1、2量子ビットゲートp2、アイドルロケーションpidle、量子ビット初期化pinit、リセットpreset、及び/又は測定pmeas)の値を比較することができる。テーブル1002は、3の距離値及びシンドローム測定データの3回のサイクルを用いる重六角形コードの様々な実行(例えば、「ジョブ」)からの実験データ(例えば、パーセンテージとして表される論理誤り率)を示している。
【0086】
グラフ1004、1006、及び/又は1008は、1サイクル当たりの受け入れ確率を有する様々な方法下で初期的に|-/+>L状態における1サイクル当たりの論理誤りを示すことができる。加えて、グラフ1004、1006、及び/又は1008は、[[4,1,2]]コードの最大で10回のサイクルに対するデコーダ性能を比較する。グラフ1004は、復号が実行されず、完全後選択(例えば、「完全」によって表される)及び後選択なし(例えば、「なし」によって表される)方法が利用された実行を考慮することができる。グラフ1004において示されているように、完全後選択スキームのための各サイクルでカウントの25.5%が拒絶された。
【0087】
図11A~
図11Bは、本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態に係る、調節済み分析デコーダコンポーネント114によって調節することができる理論的雑音モデルについての例示の非限定的な復号グラフ1102、1104、及び/又は1106に関する図を示している。本明細書において説明される他の実施形態において利用される同様の要素の繰り返しの説明は、簡潔性のために省略される。
図11A~
図11Bにおいて例示されているように、調節済み分析デコーダコンポーネント114は、回路雑音モデル以外のモデルに対して利用することができる。例えば、
図11Aにおいて示されている復号グラフは、3ビット繰り返しコードに関連した理論的雑音モデルを考慮し、ここで、障害は、左及び右境界を接続するパスによって表すことができる。例えば、調節済み分析デコーダコンポーネント114は、1つ又は複数の量子実験シミュレーションにおいて使用される復号グラフのエッジ重みを調節するために利用することができる。
【0088】
復号グラフ1102は、エッジが一様、又は実質的に一様な確率を割り当てられる理論的雑音モデルを特徴付けることができる。例えば、「p」とラベル付けされたエッジは、5%確率を割り当てることができ、「q」とラベル付けされたエッジは、10%確率を割り当てることができる。復号グラフ1104は、エッジが以下の方程式4及び/又は5によって定義される標準重みを割り当てられる理論的雑音モデルを特徴付けることができる。
【数22】
復号グラフ1106は、低次数近似を論理障害確率に(例えば、一次誤りを訂正することを条件として)最適化することによって、本明細書において説明される様々な実施形態に従って調節済み分析デコーダコンポーネント114によってエッジ重みが調節される理論的雑音モデルを特徴付けることができる。
【0089】
図11Bは、復号グラフ1104(「標準」)及び復号グラフ1106(「調節済み」)を介した復号からもたらされる論理誤り率を示している。
図11Bにおいて示されているように、復号グラフのエッジ重みを調節するために調節済み分析デコーダコンポーネント114を利用することは、より少ない障害生起を達成することができる。例えば、調節済み分析デコーダコンポーネント114は、標準化された重みを利用するデコーダよりも1つ又は複数の二次誤りを訂正することができ;それによって、調節済み分析デコーダコンポーネント114は、改善された障害確率を達成することができる。
【0090】
図12は、本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態に係る、相関反転デコーダコンポーネント112によって実装することができる例示の非限定的なコンピュータ実装方法1200のフロー図を示している。本明細書において説明される他の実施形態において利用される同様の要素の繰り返しの説明は、簡潔性のために省略される。様々な実施形態において、コンピュータ実装方法1200は、シンドロームデータセット(例えば、量子回路ハードウェア上での量子アルゴリズムの実行から観測される測定データセット)と一貫し得る復号ハイパーグラフのハイパーエッジ確率を推定することによって1つ又は複数のQECコード122を復号するための1つ又は複数の量子デコーダアルゴリズムを較正することを促進することができる。
【0091】
1202において、コンピュータ実装方法1200は、プロセッサ120に動作可能に結合されたシステム100によって、1つ又は複数の復号グラフにおいて表される複数のハイパーエッジを(例えば、クラスタコンポーネント202を介して)ソートして、クラスタにする段階を備えることができる。本明細書において説明される様々な実施形態によれば、1つ又は複数のハイパーエッジは、1つ又は複数のパウリ誤りによってトリガされる1つ又は複数の誤りに敏感なイベントを表すことができる。さらに、1202におけるソートは、サイズに基づくことができる(例えば、ここで、ハイパーエッジは、最大から最小までソートされ、クラスタにされる)。
【0092】
1204において、コンピュータ実装方法1200は、システム100によって、1202におけるソート及び/又は1つ又は複数のシンドロームデータセットに基づいて複数のハイパーエッジに関連付けられた1つ又は複数の確率を(例えば、反転コンポーネント204を介して)決定する段階を備えることができる。様々な実施形態において、1204における決定は、少なくとも方程式1~2に従って実行することができる。1206において、コンピュータ実装方法1200は、システム100によって、1つ又は複数の第2のハイパーエッジ内に含まれる1つ又は複数のハイパーエッジについての1つ又は複数の調整された確率を(例えば、調整コンポーネント206を介して)生成する段階を備えることができる。例えば、複数のハイパーエッジは、ソートされて第1のクラスタにされた第1のハイパーエッジ及びソートされて第2のクラスタにされた第2のハイパーエッジ(例えば、より大きいハイパーエッジ)を含むことができる。第2のハイパーエッジは、第1のハイパーエッジを含むことができる(例えば、第1及び第2のハイパーエッジは、復号ハイパーグラフ上でオーバラップし得る)。1206における調整は、(例えば、第1のクラスタについての確率を解くときに決定される)第1のハイパーエッジに関連付けられた確率から(例えば、第2のクラスタについての確率を解くときに決定される)第2のハイパーエッジに関連付けられた確率を減算する段階を備えることができる。
【0093】
図13は、本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態に係る、調節済み分析デコーダコンポーネント114によって実装することができる例示の非限定的なコンピュータ実装方法1300のフロー図を示している。本明細書において説明される他の実施形態において利用される同様の要素の繰り返しの説明は、簡潔性のために省略される。様々な実施形態において、コンピュータ実装方法1300は、論理誤り率の関数として復号グラフのエッジ確率を決定するために、量子回路を通して単一パウリ障害をトレースすることによってQECコード122のための1つ又は複数の量子デコーダアルゴリズムを調節するために利用することができる。
【0094】
1302において、コンピュータ実装方法1300は、プロセッサ120に動作可能に結合されたシステム100によって、1つ又は複数の量子回路を特徴付けることができる1つ又は複数のシンドローム抽出回路におけるパウリ雑音を(例えば、パラメータ化コンポーネント902を介して)パラメータ化する段階を備えることができる。例えば、1302におけるパラメータ化は、1つ又は複数の物理雑音パラメータをパラメータ化するために1つ又は複数のパウリ誤りモデルを利用することができる。
【0095】
1304において、コンピュータ実装方法1300は、システム100によって、1つ又は複数のパウリ障害によってトリガすることができる1つ又は複数の誤りに敏感なイベントを識別するためにシンドローム抽出回路を通して1つ又は複数のパウリ障害を(例えば、トレースコンポーネント904を介して)トレースする段階を備えることができる。例えば、1304におけるトレースは、本明細書において説明される様々な実施形態に従ってパウリ脱分極雑音モデルを利用することができる。1306において、コンピュータ実装方法1300は、システム100によって、復号後の論理誤り率を最小化することができる1つ又は複数の最適化アルゴリズム(例えば、勾配降下アルゴリズム)を利用することによって1302において生成された1つ又は複数のパラメータを(例えば、調節コンポーネント906を介して)調節する段階を備えることができる。
【0096】
本開示はクラウドコンピューティングに関する詳細な説明を含むが、本明細書において記載される教示の実装はクラウドコンピューティング環境に限定されるものではないことが理解されるべきである。むしろ、本発明の実施形態は、現在既知の、又は今後開発される他の任意のタイプのコンピューティング環境と組み合わせて実装されることが可能である。
【0097】
クラウドコンピューティングは、最小の管理労力又はサービスプロバイダとのインタラクションで迅速にプロビジョニング及びリリースすることができる構成可能コンピューティングリソース(例えば、ネットワーク、ネットワーク帯域幅、サーバ、処理、メモリ、ストレージ、アプリケーション、仮想機械、及びサービス)の共有プールへの簡便なオンデマンドネットワークアクセスを可能にするためのサービス配信のモデルである。このクラウドモデルは、少なくとも5つの特性、少なくとも3つのサービスモデル、及び少なくとも4つの展開モデルを含み得る。
【0098】
特性は以下のとおりである:
【0099】
オンデマンドセルフサービス:クラウド消費者は、サービスプロバイダとの人的対話を必要とすることなく、必要に応じて自動的に、サーバ時間及びネットワークストレージ等のコンピューティング能力を一方的にプロビジョニングすることができる。
【0100】
幅広いネットワークアクセス:この能力は、ネットワークを介して利用可能であり、異種のシン又はシッククライアントプラットフォーム(例えば、携帯電話、ラップトップ、及びPDA(登録商標))による使用を促す標準メカニズムを通してアクセスされる。
【0101】
リソースプーリング:プロバイダのコンピューティングリソースは、マルチテナントモデルを使用して複数の消費者に役立つようプールされ、異なる物理リソース及び仮想リソースが、需要に従って動的に割り当て及び再割り当てされる。消費者は概して提供されたリソースの正確なロケーションに対して制御又は知識を有していないが、より高いレベルの抽象化(例えば、国、州、又はデータセンタ)においてロケーションを指定することが可能である場合があるという点で、ロケーションの独立性がある。
【0102】
迅速な弾力性:この能力は、迅速かつ弾力的に、幾つかの事例では自動的にプロビジョニングして、早急にスケールアウトし、かつ迅速にリリースして早急にスケールインすることができる。消費者にとって、多くの場合、プロビジョニングに利用可能な能力は無制限に見え、任意の時点において任意の量で購入することができる。
【0103】
測定されるサービス:クラウドシステムは、サービスのタイプ(例えば、ストレージ、処理、帯域幅及びアクティブユーザアカウント)に適切な或るレベルの抽象化における計測能力を活用することによって、自動的にリソース使用を制御及び最適化する。リソース使用量をモニタリング、制御及び報告することができ、それにより、利用されるサービスのプロバイダ及び消費者の両方に透明性が提供される。
【0104】
サービスモデルは、以下のとおりである:
【0105】
ソフトウェアアズアサービス(SaaS):消費者に提供される能力は、クラウドインフラストラクチャ上で稼働するプロバイダのアプリケーションを使用することである。アプリケーションは、ウェブブラウザ(例えば、ウェブベースの電子メール)等のシンクライアントインターフェースを通して様々なクライアントデバイスからアクセス可能である。消費者は、考えられる例外としての限定されたユーザ固有のアプリケーション構成設定を除き、ネットワーク、サーバ、オペレーティングシステム、ストレージ又は更には個々のアプリケーション能力を含む、基礎をなすクラウドインフラストラクチャを管理又は制御しない。
【0106】
プラットフォームアズアサービス(PaaS):消費者に提供される能力は、クラウドインフラストラクチャ上に、プロバイダによってサポートされるプログラミング言語及びツールを使用して作成される、消費者が作成又は取得したアプリケーションを展開することである。消費者は、ネットワーク、サーバ、オペレーティングシステム、又はストレージを含む、基礎をなすクラウドインフラストラクチャを管理又は制御しないが、展開されたアプリケーション、及び場合によってはアプリケーションホスティング環境構成を制御する。
【0107】
インフラストラクチャアズアサービス(IaaS):消費者に提供される能力は、処理、ストレージ、ネットワーク及び他の基本的なコンピューティングリソースをプロビジョニングすることであり、ここで消費者は、オペレーティングシステム及びアプリケーションを含むことができる任意のソフトウェアを展開及び実行することが可能である。消費者は、基礎をなすクラウドインフラストラクチャを管理又は制御しないが、オペレーティングシステム、ストレージ、展開されたアプリケーションを制御するとともに、場合によっては選択されたネットワーキングコンポーネント(例えば、ホストファイアウォール)を限定的に制御する。
【0108】
展開モデルは、以下のとおりである:
【0109】
プライベートクラウド:このクラウドインフラストラクチャは、或る組織のためにのみ動作する。それは、その組織又はサードパーティによって管理されてよく、オンプレミス又はオフプレミスで存在してよい。
【0110】
コミュニティクラウド:このクラウドインフラストラクチャは、幾つかの組織によって共有され、共有される関心事項(例えば、ミッション、セキュリティ要件、ポリシ及びコンプライアンス考慮事項)を有する特定のコミュニティをサポートする。それは、それらの組織又はサードパーティによって管理されてよく、オンプレミス又はオフプレミスで存在してよい。
【0111】
パブリッククラウド:このクラウドインフラストラクチャは、一般大衆又は大規模な業界団体に利用可能とされ、クラウドサービスを販売する組織によって所有される。
【0112】
ハイブリッドクラウド:このクラウドインフラストラクチャは、2つ又はそれより多くのクラウド(プライベート、コミュニティ、又はパブリック)の複合体であり、2つ又はそれより多くのクラウドは、独自のエンティティのままであるが、データ及びアプリケーションのポータビリティ(例えば、クラウド間の負荷分散のためのクラウドバースト)を可能にする標準技術又は独自技術によってともに結合される。
【0113】
クラウドコンピューティング環境は、ステートレス性、低結合性、モジュール性及びセマンティック相互運用性に焦点を当てたサービス指向である。クラウドコンピューティングの中核には、相互接続されたノードからなるネットワークを含むインフラストラクチャが存在する。
【0114】
ここで
図14を参照すると、例示的なクラウドコンピューティング環境1400が示されている。示されているように、クラウドコンピューティング環境1400は、例えば、携帯情報端末(PDA(登録商標))又は携帯電話1404、デスクトップコンピュータ1406、ラップトップコンピュータ1408、及び/又は自動車コンピュータシステム1410等の、クラウド消費者によって使用されるローカルコンピューティングデバイスが通信し得る、1つ又は複数のクラウドコンピューティングノード1402を備える。ノード1402は、互いに通信してよい。これらは、本明細書の上記で説明されたようなプライベートクラウド、コミュニティクラウド、パブリッククラウド、又はハイブリッドクラウド、又はこれらの組み合わせ等の1つ又は複数のネットワーク内で物理的に又は仮想的にグループ化されてよい(図示せず)。これにより、クラウドコンピューティング環境1400は、インフラストラクチャ、プラットフォーム及び/又はソフトウェアを、クラウド消費者がそのためにローカルコンピューティングデバイス上にリソースを維持する必要がないサービスとして提供することが可能になる。
図14において示されているコンピューティングデバイス1404~1410のタイプは、単に例示を意図し、コンピューティングノード1402及びクラウドコンピューティング環境1400は、任意のタイプのネットワーク及び/又はネットワークアドレス指定可能接続を介して(例えば、ウェブブラウザを使用して)、任意のタイプのコンピュータ化デバイスと通信することができることが理解される。
【0115】
ここで
図15を参照すると、クラウドコンピューティング環境1400(
図14)によって提供される機能抽象化層のセットが示されている。本明細書において説明される他の実施形態において利用される同様の要素の繰り返しの説明は、簡潔性のために省略される。
図15において示されているコンポーネント、層、及び機能は、単に例示を意図するものであり、本発明の実施形態がそれらに限定されないことが事前に理解されるべきである。図示のように、以下の層及び対応する機能が提供される。
【0116】
ハードウェア及びソフトウェア層1502は、ハードウェア及びソフトウェアコンポーネントを備える。ハードウェアコンポーネントの例としては:メインフレーム1504;RISC(縮小命令セットコンピュータ)アーキテクチャベースサーバ1506;サーバ1508;ブレードサーバ1510;記憶デバイス1512;及びネットワーク及びネットワーキングコンポーネント1514が挙げられる。幾つかの実施形態では、ソフトウェアコンポーネントは、ネットワークアプリケーションサーバソフトウェア1516及びデータベースソフトウェア1518を含む。
【0117】
仮想化層1520は、仮想エンティティの次の例:仮想サーバ1522;仮想ストレージ1524;仮想プライベートネットワークを含む仮想ネットワーク1526;仮想アプリケーション及びオペレーティングシステム1528;及び仮想クライアント1530が提供され得る抽象化層を提供する。
【0118】
1つの例では、管理層1532は、以下で説明される機能を提供してよい。リソースプロビジョニング1534は、クラウドコンピューティング環境内でタスクを実行するために利用されるコンピューティングリソース及び他のリソースの動的な調達を提供する。計測及び価格設定1536は、リソースがクラウドコンピューティング環境内で利用されるときのコスト追跡、及び、これらのリソースの消費に対する課金又は請求を提供する。1つの例では、これらのリソースは、アプリケーションソフトウェアライセンスを含んでよい。セキュリティは、クラウド消費者及びタスクに対する識別情報検証、並びに、データ及び他のリソースに対する保護を提供する。ユーザポータル1538は、消費者及びシステムアドミニストレータに対してクラウドコンピューティング環境へのアクセスを提供する。サービス水準管理1540は、要求されるサービス水準が満たされるように、クラウドコンピューティングリソース割り当て及び管理を提供する。サービス水準合意(SLA)計画及び履行1542は、将来の要件がSLAに従って予期されるクラウドコンピューティングリソースの事前の取り決め及び調達を提供する。
【0119】
ワークロード層1544は、クラウドコンピューティング環境が利用され得る機能の例を提供する。この層から提供され得るワークロード及び機能の例としては:マッピング及びナビゲーション1546;ソフトウェア開発及びライフサイクル管理1548;仮想クラスルーム教育配信1550;データ分析処理1552;トランザクション処理1554;及びエッジ確率推定1556が挙げられる。本発明の様々な実施形態は、測定データを収集し、及び/又はQECコード122のための量子デコーダアルゴリズムの1つ又は複数の較正及び/又は調節手順を実装するために
図12及び
図15を参照して説明されるクラウドコンピューティング環境を利用することができる。
【0120】
本発明は、統合のあらゆる可能な技術詳細レベルにおけるシステム、方法、及び/又はコンピュータプログラム製品であってよい。コンピュータプログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体(又は複数の媒体)を含んでよい。コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによって使用されるための命令を保持及び記憶することができる有形デバイスとすることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、光学記憶デバイス、電磁記憶デバイス、半導体記憶デバイス、又は前述したものの任意の適した組み合わせであってよいが、これらに限定されるものではない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的なリストは、次のもの:ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピディスク、機械的にエンコードされたデバイス、例えば、パンチカード又は命令を記録した溝内の隆起構造、及び前述したものの任意の適した組み合わせを含む。コンピュータ可読記憶媒体は、本明細書において使用される場合、電波又は他の自由に伝播する電磁波、導波路又は他の送信媒体を通して伝播する電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)、又はワイヤを通して送信される電気信号等の一時的な信号それ自体とは解釈されるべきではない。
【0121】
本明細書において説明されるコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体から、それぞれのコンピューティング/処理デバイスに、又は、ネットワーク、例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク及び/又は無線ネットワークを介して、外部コンピュータ又は外部記憶デバイスに、ダウンロードすることができる。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ及び/又はエッジサーバを含んでよい。各コンピューティング/処理デバイス内のネットワークアダプタカード又はネットワークインターフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、当該コンピュータ可読プログラム命令を、それぞれのコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体に記憶するために転送する。
【0122】
本発明の動作を実行するコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路のための構成データ、又は1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかであってよく、1つ又は複数のプログラミング言語は、Smalltalk(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語等の手続き型プログラミング言語を含む。コンピュータ可読プログラム命令は、ユーザのコンピュータ上で完全に実行されてもよいし、スタンドアロンソフトウェアパッケージとしてユーザのコンピュータ上で部分的に実行されてもよいし、部分的にユーザのコンピュータ上で、かつ、部分的にリモートコンピュータ上で実行されてもよいし、又はリモートコンピュータ又はサーバ上で完全に実行されてもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータが、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてもよいし、又はその接続が、(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)外部コンピュータに対して行われてもよい。幾つかの実施形態では、例えば、プログラマブルロジック回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はプログラマブルロジックアレイ(PLA)を含む電子回路は、本発明の態様を実行するために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用することによってコンピュータ可読プログラム命令を実行して、電子回路をパーソナライズすることができる。
【0123】
本発明の態様は、本明細書において、本発明の実施形態に係る方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及び/又はブロック図を参照して説明されている。フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック、及びフローチャート図及び/又はブロック図におけるブロックの組み合わせは、コンピュータ可読プログラム命令によって実装することができることが理解されよう。
【0124】
これらのコンピュータ可読プログラム命令を汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供して機械を生成することができ、それにより、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図の単数又は複数のブロックで指定された機能/動作を実装する手段を作成するようになる。また、これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶することができ、当該命令は、コンピュータ、プログラマブルデータ処理装置、及び/又は他のデバイスに対し、特定の方法で機能するよう命令することができ、それにより、命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート及び/又はブロック図の単数又は複数のブロックで指定された機能/動作の態様を実装する命令を含む製品を含むようになる。
【0125】
また、コンピュータ可読プログラム命令を、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイスにロードして、一連の動作段階をコンピュータ、他のプログラマブル装置又は他のデバイス上で実行させ、コンピュータ実装プロセスを生成することができ、それにより、コンピュータ、他のプログラマブル装置、又は他のデバイス上で実行される命令は、フローチャート及び/又はブロック図の単数又は複数のブロックで指定された機能/動作を実装するようになる。
【0126】
図におけるフローチャート及びブロック図は、本発明の様々な実施形態に係るシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能、及び動作を示す。これに関して、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、指定される論理機能を実装する1つ又は複数の実行可能命令を含む命令のモジュール、セグメント、又は部分を表し得る。幾つかの代替的な実装では、ブロックに記載される機能が、図に記載される順序とは異なる順序で行われ得る。例えば、連続して示されている2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されてもよいし、又はブロックは、関与する機能に依存して逆の順序で実行される場合もあり得る。ブロック図及び/又はフローチャート図の各ブロック、及びブロック図及び/又はフローチャート図におけるブロックの組み合わせは、指定された機能又は動作を実行するか、又は専用ハードウェア及びコンピュータ命令の組み合わせを実行する専用ハードウェアベースシステムによって実装することができることにも留意されたい。
【0127】
本明細書において説明される様々な実施形態のための追加の文脈を提供するために、
図16及び以下の論述は、本明細書において説明される実施形態の様々な実施形態が実装され得る適したコンピューティング環境1600の一般的な説明を提供するように意図している。実施形態が1つ又は複数のコンピュータ上で実行され得るコンピュータ実行可能命令の一般的な文脈において上記で説明されてきたが、当業者であれば、実施形態が他のプログラムモジュールとの組み合わせで及び/又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせとしても実装され得ることを認識するであろう。
【0128】
概して、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか又は特定の抽象データタイプを実装するルーチン、プログラム、コンポーネント、データ構造等を含む。その上、当業者であれば、本発明の方法は、これらの各々が1つ又は複数の関連付けデバイスに動作可能に結合され得るシングルプロセッサ又はマルチプロセッサコンピュータシステム、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、モノのインターネット(「IoT」)デバイス、分散コンピューティングシステム、並びにパーソナルコンピュータ、ハンドヘルドコンピューティングデバイス、マイクロプロセッサベース又はプログラマブルコンシューマエレクトロニクス等を含む他のコンピュータシステム構成を用いて実施され得ることを理解するだろう。
【0129】
本明細書における実施形態の示された実施形態は、特定のタスクが通信ネットワークを通してリンクされたリモート処理デバイスによって実行される分散コンピューティング環境においても実施され得る。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールはローカル及びリモートのメモリ記憶デバイスの両方に配置することができる。例えば、1つ又は複数の実施形態では、コンピュータ実行可能コンポーネントは、1つ又は複数の分散メモリユニットを含むことができるか、又は1つ又は複数の分散メモリユニットから構成されることができるメモリから実行することができる。本明細書において使用される場合、「メモリ」及び「メモリユニット」という用語は、交換可能である。さらに、本明細書において説明される1つ又は複数の実施形態は、分散方法で、コンピュータ実行可能コンポーネントのコードを実行することができ、例えば、複数のプロセッサが組み合わせて又は共同で動作して、1つ又は複数の分散メモリユニットからコードを実行する。本明細書において使用される場合、「メモリ」という用語は、1つのロケーションにおける単一のメモリ又はメモリユニット又は1つ又は複数のロケーションにおける複数のメモリ又はメモリユニットを包含することができる。
【0130】
コンピューティングデバイスは、典型的には、多様な媒体を含み、これは、コンピュータ可読記憶媒体、機械可読記憶媒体、及び/又は通信媒体を含むことができ、その2つの用語は、次のように互いに異なるように本明細書において使用される。コンピュータ可読記憶媒体又は機械可読記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得、揮発性及び不揮発性の両方の媒体、取り外し可能及び取り外し不能な媒体を含む任意の利用可能な記憶媒体とすることができる。例として、限定されないが、コンピュータ可読記憶媒体又は機械可読記憶媒体は、コンピュータ可読又は機械可読命令、プログラムモジュール、構造化データ又は非構造化データ等の情報の記憶のための任意の方法又は技術に関連して実装され得る。
【0131】
コンピュータ可読記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、リードオンリメモリ(「ROM」)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(「EEPROM」)、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、コンパクトディスクリードオンリメモリ(「CD-ROM」)、デジタル多用途ディスク(「DVD」)、ブルーレイディスク(「BD」)又は他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又は他の磁気記憶デバイス、ソリッドステートドライブ又は他のソリッドステート記憶デバイス、又は所望の情報を記憶するために使用され得る他の有形及び/又は非一時的媒体を含むことができるが、これらに限定されるものではない。これに関して、ストレージ、メモリ、又はコンピュータ可読媒体に適用されるような本明細書における「有形」又は「非一時的」という用語は、修飾子として伝播する一時的な信号それ自体のみを排除するものとして理解されるべきであり、単に伝播する一時的な信号それ自体ではない全ての標準的なストレージ、メモリ、又はコンピュータ可読媒体に対する権利を放棄しない。
【0132】
コンピュータ可読記憶媒体は、媒体によって記憶された情報に関する多様な動作のために、例えば、アクセス要求、クエリ、又は他のデータ取得プロトコルを介して、1つ又は複数のローカル又はリモートコンピューティングデバイスによってアクセスされ得る。
【0133】
通信媒体は、典型的には、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他の構造化又は非構造化データを、被変調データ信号、例えば、搬送波又は他の輸送機構等のデータ信号において具現化し、任意の情報送達又は輸送媒体を含む。「被変調データ信号」という用語又は信号は、その特性セットのうちの1つ又は複数を有する信号、又は1つ又は複数の信号において情報をエンコードするように変更された信号を指す。例として、限定されないが、通信媒体は、有線ネットワーク又は直接有線接続等の有線媒体、及び音波、RF、赤外線及び他の無線媒体等の無線媒体を含む。
【0134】
再び
図16を参照すると、本明細書において説明される態様の様々な実施形態を実装する例示の環境1600は、コンピュータ1602を備え、当該コンピュータ1602は、処理ユニット1604、システムメモリ1606及びシステムバス1608を有する。システムバス1608は、限定されるものではないが、システムメモリ1606を含むシステムコンポーネントを処理ユニット1604に結合する。処理ユニット1604は、様々な市販のプロセッサのいずれかとすることができる。デュアルプロセッサ及び他のマルチプロセッサアーキテクチャはまた、処理ユニット1604として利用され得る。
【0135】
システムバス1608は、多様な市販のバスアーキテクチャのいずれかを使用する(メモリコントローラを有するか又は有しない)メモリバス、ペリフェラルバス、及びローカルバスに更に相互接続し得る幾つかのタイプのバス構造のうちのいずれかであり得る。システムメモリ1606は、ROM1610及びRAM1612を含む。基本入出力システム(「BIOS」)は、BIOSが、起動中等にコンピュータ1602内の要素の間で情報を転送するのに役立つ基本ルーチンを含むROM、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(「EPROM」)、EEPROM等の不揮発性メモリに記憶され得る。RAM1612はまた、データをキャッシュするためのスタティックRAM等の高速RAMを含み得る。
【0136】
コンピュータ1602は、内部ハードディスクドライブ(「HDD」)1614(例えば、EIDE、SATA)、1つ又は複数の外部記憶デバイス1616(例えば、磁気フロッピディスクドライブ(「FDD」)1616、メモリスティック又はフラッシュドライブリーダ、メモリカードリーダ、これらの組み合わせ等)及び光ディスクドライブ1620(例えば、CD-ROMディスク、DVD、BD等から読み出すか又は書き込むことができる)を更に備える。内部HDD1614がコンピュータ1602内に位置するように示されているが、内部HDD1614は、好適なシャシ(図示せず)における外部使用のためにも構成することができる。加えて、環境1600には示されていないが、ソリッドステートドライブ(「SSD」)は、HDD1614に加えて、又はその代わりに使用され得る。HDD1614、外部記憶デバイス1616及び光ディスクドライブ1620は、それぞれHDDインターフェース1624、外部記憶インターフェース1626及び光ドライブインターフェース1628によって、システムバス1608に接続され得る。外部ドライブ実装のためのインターフェース1624は、ユニバーサルシリアルバス(「USB」)及び米国電気電子学会(「IEEE」)1594インターフェース技術のうちの少なくとも1つ又は両方を含むことができる。他の外部ドライブ接続技術は、本明細書において説明される実施形態の企図の中に含まれる。
【0137】
ドライブ及びその関連付けられたコンピュータ可読記憶媒体は、データ、データ構造、コンピュータ実行可能命令等の不揮発性ストレージを提供する。コンピュータ1602のために、ドライブ及び記憶媒体は、適したデジタルフォーマットでの任意のデータの記憶に適応する。上記のコンピュータ可読記憶媒体の説明は、それぞれのタイプの記憶デバイスを参照するが、現在既存のものでも又は将来開発されるものでもコンピュータによって可読である他のタイプの記憶媒体も例示の動作環境において使用し得ること、及びさらに任意のそのような記憶媒体が本明細書において説明される方法を実行するコンピュータ実行可能命令を含み得ることが当業者によって理解されるべきである。
【0138】
オペレーティングシステム1630、1つ又は複数のアプリケーションプログラム1632、他のプログラムモジュール1634、及びプログラムデータ1636を含む複数のプログラムモジュールが、ドライブ及びRAM1612に記憶され得る。オペレーティングシステム、アプリケーション、モジュール、及び/又はデータの全て又は一部はまた、RAM1612にキャッシュされ得る。本明細書において説明されるシステム及び方法は、様々な市販のオペレーティングシステム又はオペレーティングシステムの組み合わせを利用して実装され得る。
【0139】
コンピュータ1602は、任意選択で、エミュレーション技術を含むことができる。例えば、ハイパーバイザ(図示せず)又は他の仲介するものが、オペレーティングシステム1630のためのハードウェア環境をエミュレートすることができ、エミュレートされたハードウェアは、
図16において示されたハードウェアとは任意選択で異なり得る。そのような一実施形態では、オペレーティングシステム1630は、コンピュータ1602においてホストされた複数の仮想機械(「VM」)のうちの1つのVMを含むことができる。さらに、オペレーティングシステム1630は、アプリケーション1632のための、Java(登録商標)ランタイム環境又は.NETフレームワーク等のランタイム環境を提供することができる。ランタイム環境は、アプリケーション1632が、ランタイム環境を含む任意のオペレーティングシステム上で実行されることを可能にする一貫性のある実行環境である。同様に、オペレーティングシステム1630は、コンテナをサポートすることができ、アプリケーション1632は、例えば、コード、ランタイム、システムツール、システムライブラリ及びアプリケーションのための設定を含むソフトウェアの軽量でスタンドアロンの実行可能パッケージであるコンテナの形態とすることができる。
【0140】
さらに、コンピュータ1602は、信頼された処理モジュール(「TPM」)等のセキュリティモジュールを用いて有効化することができる。例えば、TPMを用いると、ブートコンポーネントは、次のブートコンポーネントをロードする前に、時間的に次に来るブートコンポーネントをハッシュし、保護された値への結果の一致のために待機する。このプロセスは、コンピュータ1602のコード実行スタックにおける任意の層で生じ得、例えば、アプリケーション実行レベル又はオペレーティングシステム(「OS」)カーネルレベルにおいて適用され、それによって、コード実行の任意のレベルにおけるセキュリティを可能にする。
【0141】
ユーザは、1つ又は複数の有線/無線入力デバイス、例えば、キーボード1638、タッチスクリーン1640、及びマウス1642等のポインティングデバイスを通してコンピュータ1602にコマンド及び情報を入力することができる。他の入力デバイス(図示せず)は、マイクロフォン、赤外線(「IR」)リモートコントロール、無線周波数(「RF」)リモートコントロール、又は他のリモートコントロール、ジョイスティック、仮想現実コントローラ及び/又は仮想現実ヘッドセット、ゲームパッド、スタイラスペン、画像入力デバイス、例えば、カメラ、ジェスチャセンサ入力デバイス、ビジョンムーブメントセンサ入力デバイス、表情又は顔検出デバイス、生体認証入力デバイス、例えば、指紋又は虹彩スキャナ等を含むことができる。これら及び他の入力デバイスは、多くの場合、システムバス1608に結合することができる入力デバイスインターフェース1644を通して処理ユニット1604に接続されるが、パラレルポート、IEEE1394シリアルポート、ゲームポート、USBポート、IRインターフェース、BLUETOOTH(登録商標)インターフェース等のような他のインターフェースによって接続され得る。
【0142】
モニタ1646又は他のタイプのディスプレイデバイスも、ビデオアダプタ1648等のインターフェースを介してシステムバス1608に接続され得る。モニタ1646に加えて、コンピュータは、典型的には、スピーカ、プリンタ、これらの組み合わせ等のような他のペリフェラル出力デバイス(図示せず)を含む。
【0143】
コンピュータ1602は、リモートコンピュータ1650等の1つ又は複数のリモートコンピュータに対する有線及び/又は無線通信介した論理接続を使用して、ネットワーク化された環境において動作し得る。リモートコンピュータ1650は、ワークステーション、サーバコンピュータ、ルータ、パーソナルコンピュータ、ポータブルコンピュータ、マイクロプロセッサベースエンタテインメント機器、ピアデバイス又は他の一般的なネットワークノードとすることができ、典型的には、簡潔性のためにメモリ/記憶デバイス1652のみが示されているが、コンピュータ1602に関して説明された多くの又は全ての要素を含む。示された論理接続は、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)1654及び/又はより大きいネットワーク、例えば、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)1656への有線/無線接続性を含む。そのようなLAN及びWANネットワーキング環境は、オフィス及び企業でよく見られ、イントラネット等の企業規模のコンピュータネットワークを促進し、これらの全ては、グローバル通信ネットワーク、例えば、インターネットに接続し得る。
【0144】
LANネットワーキング環境において使用されるとき、コンピュータ1602は、有線及び/又は無線通信ネットワークインターフェース又はアダプタ1658を通してローカルネットワーク1654に接続され得る。アダプタ1658は、無線モードにおいてアダプタ1658と通信するためにそこに配置された無線アクセスポイント(「AP」)も含むことができるLAN1654への有線又は無線通信を促進することができる。
【0145】
WANネットワーキング環境において使用されるとき、コンピュータ1602は、モデム1660を含み得るか、又はインターネットによって等のWAN1656上の通信を確立するための他の手段を介してWAN1656上の通信サーバに接続され得る。内部又は外部であり得、有線又は無線デバイスであり得るモデム1660は、入力デバイスインターフェース1644を介してシステムバス1608に接続され得る。ネットワーク化された環境では、コンピュータ1602に対して示されたプログラムモジュール又はその一部は、リモートメモリ/記憶デバイス1652に記憶され得る。示されたネットワーク接続は例であり、コンピュータの間の通信リンクを確立する他の手段が使用され得ることが理解されよう。
【0146】
LAN又はWANネットワーキング環境のいずれかにおいて使用されるとき、コンピュータ1602は、上記で説明されたように、外部記憶デバイス1616に加えて、又はその代わりに、クラウド記憶システム又は他のネットワークベース記憶システムにアクセスし得る。概して、コンピュータ1602及びクラウド記憶システムの間の接続は、LAN1654又はWAN1656上で、例えば、それぞれアダプタ1658又はモデム1660によって確立され得る。コンピュータ1602を関連付けられたクラウド記憶システムに接続すると、外部記憶インターフェース1626は、アダプタ1658及び/又はモデム1660の補助を用いて、他のタイプの外部ストレージを管理するように、クラウド記憶システムによって提供されたストレージを管理することができる。例えば、外部記憶インターフェース1626は、あたかもそれらのソースがコンピュータ1602に物理的に接続しているかのように、クラウド記憶ソースへのアクセスを提供するように構成することができる。
【0147】
コンピュータ1602は、無線通信において動作可能に配置された任意の無線デバイス又はエンティティ、例えば、プリンタ、スキャナ、デスクトップ及び/又はポータブルコンピュータ、携帯情報端末、通信衛星、無線で検出可能なタグに関連付けられた任意の機器又はロケーション(例えば、キオスク、ニューススタンド、店舗の棚等)、及び電話と通信するように動作可能であり得る。これは、ワイヤレスフィデリティ(「Wi-Fi(登録商標)」)及びBLUETOOTH(登録商標)無線技術を含むことができる。それゆえ、通信は、従来的なネットワークと同じく事前定義された構造であってもよいし、又は単に、少なくとも2つのデバイス間のアドホック通信であってもよい。
【0148】
上記で説明されてきたものは、システム、コンピュータプログラム製品及びコンピュータ実装方法の単なる例を含む。当然ながら、本開示を説明する目的で、コンポーネント、製品及び/又はコンピュータ実装方法のあらゆる考えられる組み合わせを説明することは可能ではなく、当業者であれば、本開示の多くの更なる組み合わせ及び置換が可能であることを認識し得る。さらに、詳細な説明、特許請求の範囲、付録及び図面において、「含む(includes)」、「有する(has)」、「所有する(possesse)」等の用語が使用される範囲で、そのような用語は、「備える(comprising)」が特許請求の範囲の移行語として利用されるときに解釈されるのと同様に、「備える(comprising)」という用語と同様の方法で包括的であることを意図している。様々な実施形態の説明は、例示のために提示されてきたが、網羅的であることも、又は開示された実施形態に限定されることも意図するものではない。説明された実施形態の範囲及び趣旨から逸脱することなく、多くの修正及び変形が、当業者には明らかであろう。本明細書において使用される専門用語は、実施形態の原理、実用的な適用、又は市場で見られる技術に対する技術的改善を最も良好に説明するように、又は、本明細書において開示された実施形態を他の当業者が理解することを可能にするように選択された。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ実行可能コンポーネントを記憶するメモリ;及び
前記メモリに動作可能に結合され、前記メモリに記憶された前記コンピュータ実行可能コンポーネントを実行するプロセッサ
を備え、前記コンピュータ実行可能コンポーネントは:
シンドロームデータセットと一貫する復号ハイパーグラフのハイパーエッジ確率を推定することによって量子誤り訂正コードのための量子デコーダアルゴリズムを較正する相関反転デコーダコンポーネントを備え、ここで、前記ハイパーエッジ確率は、1つ又は複数の量子回路障害の相関されたトリガを表す、システム。
【請求項2】
前記復号ハイパーグラフにおいて表される複数のハイパーエッジをサイズに基づいてソートして、クラスタにするクラスタコンポーネント
を更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
誤りに敏感なイベントは、理想的な量子回路演算においてゼロに等しいシンドローム測定ビットの線形結合である、請求
項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記クラスタコンポーネントによる前記ソートに基づいて前記複数のハイパーエッジに関連付けられた確率を決定する反転コンポーネント
を更に備える、請求項2または3に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数のハイパーエッジは、ソートされて第1のクラスタにされた第1のハイパーエッジ、及び前記第1のハイパーエッジを含み、かつソートされて第2のクラスタにされる第2のハイパーエッジを含み、前記システムは:
前記第1のハイパーエッジに関連付けられた確率から前記第2のハイパーエッジに関連付けられた確率を減算することによって前記第1のハイパーエッジの調整された確率を生成する調整コンポーネント
を更に備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
コンピュータ実行可能コンポーネントを記憶するメモリ;及び
前記メモリに動作可能に結合され、前記メモリに記憶された前記コンピュータ実行可能コンポーネントを実行するプロセッサ
を備え、前記コンピュータ実行可能コンポーネントは:
論理誤り率の関数として復号グラフのエッジ確率を決定するために量子回路を通して単一パウリ障害をトレースすることによって量子誤り訂正コードのための量子デコーダアルゴリズムを調節する調節済み分析デコーダコンポーネント
を備える、システム。
【請求項7】
シンドローム抽出回路において存在するパウリ雑音をパラメータ化するパラメータ化コンポーネント
を更に備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
パウリ障害によってトリガされる誤りに敏感なイベントを識別するために前記シンドローム抽出回路を通して前記パウリ障害をトレースするトレースコンポーネント
を更に備える、請求
項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記誤りに敏感なイベントは、前記エッジ確率によって表すことができる、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
復号後の前記論理誤り率を最小化する最適化アルゴリズムを利用することによって前記パラメータ化を調節する調節コンポーネント
を更に備える、請求項7~9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
プロセッサに動作可能に結合されたシステムによって、シンドロームデータセットと一貫する復号ハイパーグラフのハイパーエッジ確率を推定することによって量子誤り訂正コードのための量子デコーダアルゴリズムを較正する段階、ここで、前記ハイパーエッジ確率は、1つ又は複数の量子回路障害の相関されたトリガを表す
を備える、コンピュータ実装方法。
【請求項12】
前記システムによって、前記復号ハイパーグラフにおいて表される複数のハイパーエッジをサイズに基づいてソートして、クラスタにする段階
を更に備える、請求項11に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
誤りに敏感なイベントは、理想的な量子回路演算においてゼロに等しいシンドローム測定ビットの線形結合である、請求
項12に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項14】
前記システムによって、前記ソートに基づいて前記複数のハイパーエッジに関連付けられた確率を決定する段階
を更に備える、請求項12または13に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項15】
前記複数のハイパーエッジは、ソートされて第1のクラスタにされた第1のハイパーエッジ、及び前記第1のハイパーエッジを含み、かつソートされて第2のクラスタにされる第2のハイパーエッジを含み、前記コンピュータ実装方法は:
前記システムによって、前記第1のハイパーエッジに関連付けられた確率から前記第2のハイパーエッジに関連付けられた確率を減算することによって前記第1のハイパーエッジの調整された確率を生成する段階
を更に備える、請求項14に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項16】
プロセッサに動作可能に結合されたシステムによって、論理誤り率の関数として復号グラフのエッジ確率を決定するために量子回路を通して単一パウリ障害をトレースすることによって量子誤り訂正コードのための量子デコーダアルゴリズムを調節する段階
を備える、コンピュータ実装方法。
【請求項17】
前記システムによって、シンドローム抽出回路において存在するパウリ雑音をパラメータ化する段階
を更に備える、請求項16に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項18】
前記システムによって、パウリ障害によってトリガされる誤りに敏感なイベントを識別するために前記シンドローム抽出回路を通して前記パウリ障害をトレースする段階
を更に備える、請求
項17に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項19】
前記誤りに敏感なイベントは、前記エッジ確率によって表すことができる、請求項18に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項20】
前記システムによって、復号後の前記論理誤り率を最小化する最適化アルゴリズムを利用することによって前記パラメータ化を調節する段階
を更に備える、請求項17~19のいずれか1項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項21】
量子デコーダを較正するコンピュータプログラ
ムであって、前記コンピュータプログラ
ムは、プログラム命
令を備え、前記プログラム命令は、プロセッサに:
シンドロームデータセットと一貫する復号グラフのハイパーエッジ確率を推定することによって量子誤り訂正コードのための量子デコーダアルゴリズムを較正する手順、ここで、前記ハイパーエッジ確率は、1つ又は複数の量子回路障害の相関されたトリガを表す
を行わせるために前記プロセッサによって実行可能である、コンピュータプログラ
ム。
【請求項22】
前記プログラム命令は、前記プロセッサに:
前記復号グラフにおいて表される複数のハイパーエッジをサイズに基づいてソートして、クラスタにする手順
を更に行わせる、請求項21に記載のコンピュータプログラ
ム。
【請求項23】
誤りに敏感なイベントは、理想的な量子回路演算においてゼロに等しいシンドローム測定ビットの線形結合である、請求
項22に記載のコンピュータプログラ
ム。
【請求項24】
前記プログラム命令は、前記プロセッサに:
前記複数のハイパーエッジの前記ソートに基づいて前記複数のハイパーエッジに関連付けられた確率を決定する手順
を更に行わせる、請求項22または23に記載のコンピュータプログラ
ム。
【請求項25】
前記複数のハイパーエッジは、ソートされて第1のクラスタにされた第1のハイパーエッジ、及び前記第1のハイパーエッジを含み、かつソートされて第2のクラスタにされる第2のハイパーエッジを含み、前記プログラム命令は、前記プロセッサに:
前記第1のハイパーエッジに関連付けられた確率から前記第2のハイパーエッジに関連付けられた確率を減算することによって前記第1のハイパーエッジの調整された確率を生成する手順
を更に行わせる、請求項24に記載のコンピュータプログラ
ム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0148
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0148】
上記で説明されてきたものは、システム、コンピュータプログラム製品及びコンピュータ実装方法の単なる例を含む。当然ながら、本開示を説明する目的で、コンポーネント、製品及び/又はコンピュータ実装方法のあらゆる考えられる組み合わせを説明することは可能ではなく、当業者であれば、本開示の多くの更なる組み合わせ及び置換が可能であることを認識し得る。さらに、詳細な説明、特許請求の範囲、付録及び図面において、「含む(includes)」、「有する(has)」、「所有する(possesse)」等の用語が使用される範囲で、そのような用語は、「備える(comprising)」が特許請求の範囲の移行語として利用されるときに解釈されるのと同様に、「備える(comprising)」という用語と同様の方法で包括的であることを意図している。様々な実施形態の説明は、例示のために提示されてきたが、網羅的であることも、又は開示された実施形態に限定されることも意図するものではない。説明された実施形態の範囲及び趣旨から逸脱することなく、多くの修正及び変形が、当業者には明らかであろう。本明細書において使用される専門用語は、実施形態の原理、実用的な適用、又は市場で見られる技術に対する技術的改善を最も良好に説明するように、又は、本明細書において開示された実施形態を他の当業者が理解することを可能にするように選択された。
(他の可能な項目)
(項目1)
コンピュータ実行可能コンポーネントを記憶するメモリ;及び
前記メモリに動作可能に結合され、前記メモリに記憶された前記コンピュータ実行可能コンポーネントを実行するプロセッサ
を備え、前記コンピュータ実行可能コンポーネントは:
シンドロームデータセットと一貫する復号ハイパーグラフのハイパーエッジ確率を推定することによって量子誤り訂正コードのための量子デコーダアルゴリズムを較正する相関反転デコーダコンポーネントを備え、ここで、前記ハイパーエッジ確率は、1つ又は複数の量子回路障害の相関されたトリガを表す、システム。
(項目2)
前記復号ハイパーグラフにおいて表される複数のハイパーエッジをサイズに基づいてソートして、クラスタにするクラスタコンポーネント
を更に備える、項目1に記載のシステム。
(項目3)
誤りに敏感なイベントは、理想的な量子回路演算においてゼロに等しいシンドローム測定ビットの線形結合である、項目1または2に記載のシステム。
(項目4)
前記クラスタコンポーネントによる前記ソートに基づいて前記複数のハイパーエッジに関連付けられた確率を決定する反転コンポーネント
を更に備える、項目2または3に記載のシステム。
(項目5)
前記複数のハイパーエッジは、ソートされて第1のクラスタにされた第1のハイパーエッジ、及び前記第1のハイパーエッジを含み、かつソートされて第2のクラスタにされる第2のハイパーエッジを含み、前記システムは:
前記第1のハイパーエッジに関連付けられた確率から前記第2のハイパーエッジに関連付けられた確率を減算することによって前記第1のハイパーエッジの調整された確率を生成する調整コンポーネント
を更に備える、項目4に記載のシステム。
(項目6)
コンピュータ実行可能コンポーネントを記憶するメモリ;及び
前記メモリに動作可能に結合され、前記メモリに記憶された前記コンピュータ実行可能コンポーネントを実行するプロセッサ
を備え、前記コンピュータ実行可能コンポーネントは:
論理誤り率の関数として復号グラフのエッジ確率を決定するために量子回路を通して単一パウリ障害をトレースすることによって量子誤り訂正コードのための量子デコーダアルゴリズムを調節する調節済み分析デコーダコンポーネント
を備える、システム。
(項目7)
シンドローム抽出回路において存在するパウリ雑音をパラメータ化するパラメータ化コンポーネント
を更に備える、項目6に記載のシステム。
(項目8)
パウリ障害によってトリガされる誤りに敏感なイベントを識別するために前記シンドローム抽出回路を通して前記パウリ障害をトレースするトレースコンポーネント
を更に備える、項目6または7に記載のシステム。
(項目9)
前記誤りに敏感なイベントは、前記エッジ確率によって表すことができる、項目8に記載のシステム。
(項目10)
復号後の前記論理誤り率を最小化する最適化アルゴリズムを利用することによって前記パラメータ化を調節する調節コンポーネント
を更に備える、項目7~9のいずれか1項に記載のシステム。
(項目11)
プロセッサに動作可能に結合されたシステムによって、シンドロームデータセットと一貫する復号ハイパーグラフのハイパーエッジ確率を推定することによって量子誤り訂正コードのための量子デコーダアルゴリズムを較正する段階、ここで、前記ハイパーエッジ確率は、1つ又は複数の量子回路障害の相関されたトリガを表す
を備える、コンピュータ実装方法。
(項目12)
前記システムによって、前記復号ハイパーグラフにおいて表される複数のハイパーエッジをサイズに基づいてソートして、クラスタにする段階
を更に備える、項目11に記載のコンピュータ実装方法。
(項目13)
誤りに敏感なイベントは、理想的な量子回路演算においてゼロに等しいシンドローム測定ビットの線形結合である、項目11または12に記載のコンピュータ実装方法。
(項目14)
前記システムによって、前記ソートに基づいて前記複数のハイパーエッジに関連付けられた確率を決定する段階
を更に備える、項目12または13に記載のコンピュータ実装方法。
(項目15)
前記複数のハイパーエッジは、ソートされて第1のクラスタにされた第1のハイパーエッジ、及び前記第1のハイパーエッジを含み、かつソートされて第2のクラスタにされる第2のハイパーエッジを含み、前記コンピュータ実装方法は:
前記システムによって、前記第1のハイパーエッジに関連付けられた確率から前記第2のハイパーエッジに関連付けられた確率を減算することによって前記第1のハイパーエッジの調整された確率を生成する段階
を更に備える、項目14に記載のコンピュータ実装方法。
(項目16)
プロセッサに動作可能に結合されたシステムによって、論理誤り率の関数として復号グラフのエッジ確率を決定するために量子回路を通して単一パウリ障害をトレースすることによって量子誤り訂正コードのための量子デコーダアルゴリズムを調節する段階
を備える、コンピュータ実装方法。
(項目17)
前記システムによって、シンドローム抽出回路において存在するパウリ雑音をパラメータ化する段階
を更に備える、項目16に記載のコンピュータ実装方法。
(項目18)
前記システムによって、パウリ障害によってトリガされる誤りに敏感なイベントを識別するために前記シンドローム抽出回路を通して前記パウリ障害をトレースする段階
を更に備える、項目16または17に記載のコンピュータ実装方法。
(項目19)
前記誤りに敏感なイベントは、前記エッジ確率によって表すことができる、項目18に記載のコンピュータ実装方法。
(項目20)
前記システムによって、復号後の前記論理誤り率を最小化する最適化アルゴリズムを利用することによって前記パラメータ化を調節する段階
を更に備える、項目17~19のいずれか1項に記載のコンピュータ実装方法。
(項目21)
量子デコーダを較正するコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品は、プログラム命令が具現化されたコンピュータ可読記憶媒体を備え、前記プログラム命令は、プロセッサに:
シンドロームデータセットと一貫する復号グラフのハイパーエッジ確率を推定することによって量子誤り訂正コードのための量子デコーダアルゴリズムを較正する手順、ここで、前記ハイパーエッジ確率は、1つ又は複数の量子回路障害の相関されたトリガを表す
を行わせるために前記プロセッサによって実行可能である、コンピュータプログラム製品。
(項目22)
前記プログラム命令は、前記プロセッサに:
前記復号グラフにおいて表される複数のハイパーエッジをサイズに基づいてソートして、クラスタにする手順
を更に行わせる、項目21に記載のコンピュータプログラム製品。
(項目23)
誤りに敏感なイベントは、理想的な量子回路演算においてゼロに等しいシンドローム測定ビットの線形結合である、項目21または22に記載のコンピュータプログラム製品。
(項目24)
前記プログラム命令は、前記プロセッサに:
前記複数のハイパーエッジの前記ソートに基づいて前記複数のハイパーエッジに関連付けられた確率を決定する手順
を更に行わせる、項目22または23に記載のコンピュータプログラム製品。
(項目25)
前記複数のハイパーエッジは、ソートされて第1のクラスタにされた第1のハイパーエッジ、及び前記第1のハイパーエッジを含み、かつソートされて第2のクラスタにされる第2のハイパーエッジを含み、前記プログラム命令は、前記プロセッサに:
前記第1のハイパーエッジに関連付けられた確率から前記第2のハイパーエッジに関連付けられた確率を減算することによって前記第1のハイパーエッジの調整された確率を生成する手順
を更に行わせる、項目24に記載のコンピュータプログラム製品。
【国際調査報告】