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特表2024-535982位置感知方法、位置感知装置、及び入力端末装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】位置感知方法、位置感知装置、及び入力端末装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/042 20060101AFI20240927BHJP
   G01C 3/06 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G06F3/042 484
G01C3/06 110A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506725
(86)(22)【出願日】2022-08-05
(85)【翻訳文提出日】2024-02-02
(86)【国際出願番号】 CN2022110401
(87)【国際公開番号】W WO2023016352
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】202110931969.0
(32)【優先日】2021-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110931974.1
(32)【優先日】2021-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521009979
【氏名又は名称】安徽省東超科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】ANHUI EASPEED TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Level 1, Building A3, Chuanggu Technology Park, No. 900 Wangjiang West Road, High-Tech District, Hefei, Anhui 230088, China
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 淳也
(72)【発明者】
【氏名】劉 鴻
(72)【発明者】
【氏名】范 超
(72)【発明者】
【氏名】韓 東成
【テーマコード(参考)】
2F112
【Fターム(参考)】
2F112AA08
2F112CA12
2F112DA05
2F112DA06
2F112DA32
(57)【要約】
本発明は、位置感知方法、位置感知装置及び入力端末装置を開示している。当該方法は、初期段階において、受信器が受信した反射光の光強度を環境閾値とするステップと、感知段階において、発信器を制御し、感知光を順次出射させ、受信器より受光した反射光を光路画像に変換するステップと、光路画像に対してノイズ低減処理を行うステップと、光路画像に遮蔽物が存在する場合、光路画像から遮蔽物の輪郭を抽出し、遮蔽物の少なくとも1つのパラメータを算出するステップと、少なくとも1つのパラメータに基づいて、輪郭のノイズを除去するステップと、輪郭と少なくとも1つのパラメータとに基づいて入力感知領域内における位置座標を算出するステップと、第1最適化手段により第1座標を最適化するステップとを含む。マザーボードは、位置感知装置内の第1感知構造及び第2感知構造により入力感知領域内に入力操作が感知されたときに生成される感知信号に基づいて、入力感知領域の垂直方向の進行深度を判断し、タッチ位置を特定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力端末装置に用いられる位置感知方法であって、
前記入力端末装置は、位置感知装置及びプロセッサを有し、
前記位置感知装置は、前記入力端末装置の上方に入力感知領域が形成されており、
前記位置感知装置は、複数の発信器と、複数の受信器と、を備え、
第1方向に沿って前記発信器と前記受信器とが所定間隔で交互に配置されており、前記プロセッサと前記位置感知装置とが電気的に接続されており、
前記位置感知方法は、
初期段階において、前記プロセッサが前記受信器より受信した反射光の光強度を環境閾値とするステップと、
感知段階において、前記プロセッサが、前記発信器を制御し、前記第1方向に垂直な第2方向に沿った感知光を順次出射させ、前記受信器より受光した前記反射光を光路画像に変換するステップと、
前記プロセッサが前記光路画像に対してノイズ低減処理を行うステップと、
前記光路画像に遮蔽物が存在する場合、前記プロセッサが前記光路画像から前記遮蔽物の輪郭を抽出し、前記遮蔽物の少なくとも1つのパラメータを算出するステップと、
前記プロセッサが、前記少なくとも1つのパラメータに基づいて、前記輪郭のノイズを除去するステップと、
前記プロセッサが前記輪郭と前記少なくとも1つのパラメータとに基づいて前記入力感知領域内における前記遮蔽物の位置座標を算出するステップであって、
前記位置座標は、前記第1方向における第1座標と前記第2方向における第2座標であるステップと、
前記プロセッサが第1最適化手段により前記第1座標を最適化するステップであって、
前記第1最適化手段は、少なくとも2つの前記発信器をそれぞれ発信源として、対応する前記受信器より受信する光線強度を分析することにより前記第1座標を最適化するステップと、
前記プロセッサが第2最適化手段により前記第2座標を最適化するステップであって、
前記第2最適化手段は、一つの前記発信器を発信源として、隣接する少なくとも2つの前記受信器より受信する光線強度を分析することにより前記第2座標を最適化するステップと、を含む
ことを特徴と位置感知方法。
【請求項2】
前記所定間隔の範囲は、1~20ミリメートル(mm)であることを特徴とする請求項1に記載の位置感知方法。
【請求項3】
前記プロセッサが、前記発信器を制御し、感知光を順次出射させ、前記受信器より受光した前記反射光を光路画像に変換するステップは、
前記受信器より受信した前記反射光の光強度が前記環境閾値より大きいか否かを判断するするステップと、
前記反射光の光強度が前記環境閾値より大きい場合、前記受信器に対応する感知チャネルに遮蔽物が存在すると識別され、前記プロセッサが前記感知チャネルに対応する階調を第1階調値に設定するステップと、
前記反射光の光強度が前記環境閾値以下である場合、前記受信器に対応する前記感知チャンネル内に前記遮蔽物が存在しないと識別され、前記プロセッサが前記感知チャンネルに対応する階調を第2階調値に設定するステップと、
前記プロセッサが前記感知チャンネルの階調から前記光路画像を生成するステップと、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の位置感知方法。
【請求項4】
前記第1最適化手段により前記第1座標を最適化するステップは、
前記プロセッサが、前記感知光を順次出射するように前記発信器を制御し、光の強度が最大となる受信器に対応する発信器を、対象発信器として識別するステップと、
前記プロセッサが、前記対象発信器に隣接する少なくとも1つの前記発信器を対応する基準発信器として設定するステップと、
前記プロセッサが、前記対象発信器が発信源である場合、全ての前記受信器が受光した前記反射光の光強度と、前記基準発信器が発信源である場合、全ての前記受信器が受光した前記反射光の光強度と、が一致するか否かを判断するステップと、
前記対象発信器が発信源である場合、全ての前記受信器が受光した前記反射光の光強度と、前記基準発信器が発信源である場合、全ての前記受信器が受光した前記反射光の光強度とが一致する場合、前記遮蔽物が、前記対象発信器と前記基準発信器との間に位置し、且つ両者と等間隔になるように設けられていると判断され、前記プロセッサが、第1座標を、対象発信器と基準発信器とを結ぶ直線の中点座標に最適化するステップと、
前記対象発信器が発信源である場合、全ての前記受信器が受光した前記反射光の光強度と、前記基準発信器が発信源である場合、全ての前記受信器が受光した前記反射光の光強度と、が一致しない場合、前記プロセッサが、前記受信器より受信した前記反射光の光強度分布に基づいて、前記対象発信器に対する前記遮蔽物のオフセット距離を算出するステップと、
前記プロセッサが、前記オフセット距離に基づいて前記第1座標を最適化するステップと、を含む
ことを特徴とする、請求項1に記載の位置感知方法。
【請求項5】
前記第2最適化手段により前記第2座標を最適化するステップは、
前記プロセッサが、1つの前記発信器を対象発信器として設定し、前記対象発信器を制御して前記感知光を出射させるステップと、
前記プロセッサが、最大光強度を有する前記受信器を主受信器として識別し、前記主受信器と対称かつ隣接する少なくとも2つの前記受信器を基準受信器として設定するステップと、
前記プロセッサが、前記主受信器及び前記基準受信器に対応する光強度の加重平均値を算出して基準軸を求めるステップと、
前記プロセッサが、前記基準軸のプリセット角度に沿った延長線と、前記対象発信器により出射された前記感知光との交点を、前記遮蔽物の前記第2座標とするステップと、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の位置感知方法。
【請求項6】
前記感知光の波長は940nmであることを特徴とする請求項5に記載の位置感知方法。
【請求項7】
前記プリセット角度は、視野角度であり、
前記プリセット角度の角度範囲は10°から40°である
ことを特徴とする請求項5に記載の位置感知方法。
【請求項8】
位置感知装置及びプロセッサを備える入力端末装置であって、
前記位置感知装置は、前記入力端末装置の上方で入力感知領域を形成し、
前記位置感知装置は、複数の発信器と、複数の受信器と、を備え、
第1方向に沿って前記発信器と前記受信器とが所定間隔で交互に配置されており、
前記プロセッサと前記位置感知装置とが電気的に接続されており、
初期段階において、前記プロセッサは、前記受信器より受信した反射光の光強度を環境閾値とし、
感知段階において、前記プロセッサは、前記発信器を制御し、前記第1方向に垂直な第2方向に沿った感知光を順次出射させ、前記受信器より受光した前記反射光を光路画像に変換し、
前記プロセッサは、前記光路画像に対してノイズ低減処理を行い、
前記光路画像に遮蔽物が存在する場合、前記プロセッサは、前記光路画像から前記遮蔽物の輪郭を抽出し、前記遮蔽物の少なくとも1つのパラメータを算出する。前記プロセッサは、前記少なくとも1つのパラメータに基づいて、前記輪郭のノイズを除去し、
前記プロセッサは、前記輪郭と前記少なくとも1つのパラメータとに基づいて前記入力感知領域内における前記遮蔽物の位置座標を算出し、前記位置座標が、前記第1方向における第1座標と前記第2方向における第2座標であり、
前記プロセッサは、第1最適化手段により前記第1座標を最適化し、前記第1最適化手段が、少なくとも2つの前記発信器をそれぞれ発信源として、対応する前記受信器より受信する光線強度を分析することにより前記第1座標を最適化するし、
前記プロセッサは、第2最適化手段により前記第2座標を最適化し、前記第2最適化手段が、一つの前記発信器をそれぞれ発信源として、隣接する少なくとも2つの前記受信器より受信する光線強度を分析することにより前記第2座標を最適化する
ことを特徴とする入力端末装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記感知光を順次出射するように前記発信器を制御し、光の強度が最大となる受信器に対応する発信器を、対象発信器として識別し、
前記プロセッサは、前記対象発信器に隣接する少なくとも1つの前記発信器を対応する基準発信器として設定し、
前記プロセッサは、前記対象発信器が発信源である場合、全ての前記受信器が受光した前記反射光の光強度と、前記基準発信器が発信源である場合、全ての前記受信器が受光した前記反射光の光強度と、が一致するか否かを判断し、
前記対象発信器が発信源である場合、全ての前記受信器が受光した前記反射光の光強度と、前記基準発信器が発信源である場合、全ての前記受信器が受光した前記反射光の光強度とが一致する場合、前記遮蔽物が、前記対象発信器と前記基準発信器との間に位置し、且つ両者と等間隔になるように設けられていると判断し、前記プロセッサは、第1座標を、対象発信器と基準発信器とを結ぶ直線の中点座標に最適化し、
前記対象発信器が発信源である場合、全ての前記受信器が受光した前記反射光の光強度と、前記基準発信器が発信源である場合、全ての前記受信器が受光した前記反射光の光強度と、が一致しない場合、前記プロセッサは、前記受信器より受信した前記反射光の光強度分布に基づいて、前記対象発信器に対する前記遮蔽物のオフセット距離を算出し、
前記プロセッサは、前記オフセット距離に基づいて前記第1座標を最適化する
ことを特徴とする請求項8に記載の入力端末装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、1つの前記発信器を対象発信器として設定し、前記対象発信器を制御して前記感知光を出射させ、
前記プロセッサは、最大光強度を有する前記受信器を主受信器として識別し、前記主受信器と対称かつ隣接する少なくとも2つの前記受信器を基準受信器として設定し、
前記プロセッサは、前記主受信器及び前記基準受信器に対応する光強度の加重平均値を算出して基準軸を求め、
前記プロセッサは、前記基準軸のプリセット角度に沿った延長線と、前記対象発信器により出射された前記感知光との交点を、前記遮蔽物の前記第2座標とする
ことを特徴とする請求項8に記載の入力端末装置。
【請求項11】
空中表示領域を有する入力端末装置に用いられる位置感知装置であって、
前記位置感知装置は、前記入力端末装置に設けられ、前記位置感知装置から出射した感知光が前記空中表示領域の上方に入力感知領域を形成し、
前記位置感知装置は、前記入力感知領域内におけるタッチ入力操作の位置及び進行深度を感知し、
前記位置感知装置は、互いに平行に配置された少なくとも1つの第1感知構造と1つの第2感知構造とを備え、
少なくとも1つの前記第1感知構造と前記第2感知構造とが前記入力端末装置におけるマザーボードに電気的に接続されており、
少なくとも1つの前記第1感知構造は、前記第2感知構造の上方に位置し、
前記第1感知構造と前記第2感知構造とは、前記入力感知領域内において入力操作を感知したときに感知信号を生成し、
前記マザーボードは、前記第1感知構造および前記第2感知構造の各感知信号に基づいて、前記入力感知領域の縦方向における進行深度を判断し、前記第2感知構造の感知信号に基づいて前記入力感知領域内でのタッチ位置を識別することにより、タッチ操作の3次元感知を実現する
ことを特徴とする位置感知装置。
【請求項12】
前記位置感知装置は、1つの前記第1感知構造を有し、
前記第1感知構造が発する感知光は、前記空中表示領域の上方に第1サブ領域を形成し、
前記第2感知構造が発する感知光は、前記空中表示領域と前記第1サブ領域との間に第2サブ領域を形成し、
前記第1サブ領域と前記第2サブ領域とが互いに平行に設けられており、前記第1感知構造及び前記第2感知構造が互いに平行であり、
前記第1サブ領域は、前記第2サブ領域の上方に位置し、
前記第1感知構造の感知信号のみが受信されると、前記マザーボードは、ユーザの使用状態がプレタッチ状態であると識別し、
同時に前記第1感知構造と前記第2感知構造との感知信号を受信すると、前記マザーボードは、前記使用状態がタッチ入力状態であると識別する
ことを特徴とする請求項11に記載の位置感知装置。
【請求項13】
前記第1感知構造と前記第2感知構造は、いずれも、基板と、1つのレンズ部と、複数の発信器と、複数の受信器と、を備え、隣接する2つの前記発信器と、隣接する2つの前記受信器は、それぞれ、第1間隔で交互に前記基板上に配置されることを特徴とする請求項12に記載の位置感知装置。
【請求項14】
前記第2感知構造は、基板と、1つのレンズ部と、複数の発信器と、複数の受信器と、を備え、前記第2感知構造内において、隣接する2つの前記発信器と隣接する2つの前記受信器が、それぞれ、第1間隔で交互に前記基板上に配置されており、
前記第1感知構造は、1つの基板と、複数の発信器と、複数の受信器と、から構成され、前記第1感知構造内において、隣接する2つの前記発信器と隣接する2つの前記受信器が、第2間隔で交互に前記基板に配置されており、前記第2間隔は、前記第1間隔よりも大きい
ことを特徴とする請求項12に記載の位置感知装置。
【請求項15】
前記位置感知装置は、2つの前記第1感知構造をさらに備え、
2つの前記第1感知構造は、前記第2感知構造を間に挟み、前記第1感知構造の各々が発する感知光は、前記空中表示領域の上方に第1サブ領域を形成し、前記第2感知構造が発する感知光は、前記空中表示領域の上方に第2サブ領域を形成し、2つの前記第1サブ領域は、前記第2サブ領域を間に挟み、互いに平行であり、前記第1サブ領域及び第2サブ領域は、さらに、前記第1感知構造及び前記第2感知構造と互いに平行であり、
前記マザーボードは、上方に位置する前記第1感知構造の感知信号のみを受信した場合、ユーザの使用状態がプレタッチ状態であると識別し、
前記マザーボードは、上方に位置する前記第1感知構造と前記第2感知構造の感知信号を受信した場合、前記使用状態がタッチ入力状態であると識別し、
前記マザーボードは、2つの前記第1感知構造及び前記第2感知構造の感知信号を受信した場合、前記使用状態が誤タッチ状態であると識別することを特徴とする請求項11に記載の位置感知装置。
【請求項16】
前記第1感知構造と前記第2感知構造は、いずれも、基板と、1つのレンズ部と、複数の発信器と、複数の受信器と、を備え、前記発信器と前記受信器は、第1間隔で交互に前記基板上に配置されることを特徴とする請求項15に記載の位置感知装置。
【請求項17】
前記第2感知構造は、基板と、1つのレンズ部と、複数の発信器と、複数の受信器と、を備え、前記第2感知構造内において、前記発信器と前記受信器が、第1間隔で交互に前記基板上に配置されており、
前記第1感知構造は、1つの基板と、複数の発信器と、複数の受信器と、から構成され、前記第1感知構造内において、前記発信器と前記受信器が、第2間隔で交互に前記基板に配置されており、前記第2間隔は、前記第1間隔よりも大きい
ことを特徴とする請求項15に記載の位置感知装置。
【請求項18】
前記第1感知構造は、第1パルス周波数で感知光を出射し、前記第2感知構造は、第2パルス周波数で感知光を出射するものであり、前記第1パルス周波数は、前記第2パルス周波数よりも大きく、前記マザーボードは、受信された感知信号の周波数から前記第1感知構造と前記第2感知構成の感知信号を区別することを特徴とする請求項11に記載の位置感知装置。
【請求項19】
前記レンズ部は、複数のレンズ構造を備えており、
前記レンズ構造は、一直線に配置されており、
前記発信器の中軸線は、前記レンズ部の中軸線に重なっており、
前記受信器の中軸線は、隣接する2つの前記レンズ構造の中軸線から等距離に配置されている
ことを特徴とする請求項13~14および17~18のいずれかに記載の位置感知装置。
【請求項20】
上ケースと、上ケースに係合固定された下ケースと、光学モジュールと、マザーボードと、位置感知装置と、表示装置とを備える入力端末装置であって、
前記光学モジュールと前記位置感知装置は前記上ケースに収容され、前記マザーボードと前記表示装置は前記下ケースに収容され、
前記光学モジュールは、前記表示装置から出射された光を、前記入力端末装置の上方に屈折させて空中表示領域を形成し、
前記位置感知装置として、請求項11~19のいずれか1項に記載の位置感知装置を用いることを特徴とする入力端末装置。
【請求項21】
前記マザーボードは、さらに、識別された前記使用状態に応じて、対応する制御信号を生成して、前記表示装置を制御して前記空中表示領域内の表示画像を調整することを特徴とする入力端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無接触かつ空中結像入力機器の技術分野に関し、特に、無接触かつ空中結像入力機器に用いられる位置感知装置、及び位置感知装置を有する入力端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
入力端末装置の分野では、現在市場において、入力端末装置の機能、種類、外観様式が多く、指紋、従来ボダン、顔識別等を含む。中でも、従来ボダンタイプの入力端末装置では、使用中に細菌ウイルスが感染するリスクがあり、指紋識別タイプの入力端末装置では、使用中にボダン上に指紋情報を残すことが容易であり、他人に盗用されたり、流出されたりするなどの安全上の問題がある。
【0003】
このような事情に鑑み、従来では、インタラクティブな空中結像装置では、インタラクティブ機能を実現するために、ユーザがタッチクリックした位置を位置感知装置で確認する必要があった。従来技術では、位置感知装置が2次元的精確な位置決めしか実現できず、タッチ操作を3次元的に位置決めすることができず、マンマシンインタラクション性能が悪かった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記状況に鑑み、従来において3次元位置決めが実現できず、ユーザインタラクションの体験が悪いという問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、入力端末装置に用いられる位置感知方法を提案する。前記入力端末装置は、位置感知装置及びプロセッサを有する。前記位置感知装置は、前記入力端末装置の上方に入力感知領域が形成されている。前記位置感知装置は、複数の発信器と、複数の受信器と、を備える。第1方向に沿って前記発信器と前記受信器とが所定間隔で交互に配置される。前記プロセッサと前記位置感知装置とが電気的に接続される。前記位置感知方法は、以下のステップを含む。
初期段階において、前記プロセッサは、前記受信器が受信した反射光の光強度を環境閾値とする。
感知段階において、前記プロセッサは、前記発信器を制御し、、前記第1方向に垂直な第2方向に沿った感知光を順次出射させ、前記受信器で受光した前記反射光を光路画像に変換する。
前記プロセッサは、前記光路画像に対してノイズ低減処理を行う。
前記光路画像に遮蔽物が存在する場合、前記プロセッサは、前記光路画像から前記遮蔽物の輪郭を抽出し、前記遮蔽物の少なくとも1つのパラメータを算出する。
前記プロセッサは、前記少なくとも1つのパラメータに基づいて、前記輪郭のノイズを除去する。
前記プロセッサは、前記輪郭と前記少なくとも1つのパラメータとに基づいて前記入力感知領域内における前記遮蔽物の位置座標を算出する。前記位置座標は、前記第1方向における第1座標と前記第2方向における第2座標である。
前記プロセッサは、第1最適化手段により前記第1座標を最適化する。前記第1最適化手段は、少なくとも2つの前記発信器をそれぞれ発信源として、対応する前記受信器が受信する光線強度を分析することにより前記第1座標を最適化する。
前記プロセッサは、第2最適化手段により前記第2座標を最適化する。前記第2最適化手段は、一つの前記発信器をそれぞれ発信源として、隣接する少なくとも2つの前記受信器が受信する光線強度を分析することにより前記第2座標を最適化する。
【0006】
本発明は、位置感知装置及びプロセッサを備える入力端末装置を提供する。前記位置感知装置は、前記入力端末装置の上方に入力感知領域が形成されている。前記位置感知装置は、複数の発信器と、複数の受信器と、を備える。第1方向に沿って前記発信器と前記受信器とが所定間隔で交互に配置される。前記プロセッサと前記位置感知装置とが電気的に接続される。初期段階において、前記プロセッサは、前記受信器が受信した反射光の光強度を環境閾値とする。感知段階において、前記プロセッサは、前記発信器を制御し、前記第1方向に垂直な第2方向に沿った感知光を順次出射させ、前記受信器より受光した前記反射光を光路画像に変換する。前記プロセッサは、前記光路画像に対してノイズ低減処理を行う。前記光路画像に遮蔽物が存在する場合、前記プロセッサは、前記光路画像から前記遮蔽物の輪郭を抽出し、前記遮蔽物の少なくとも1つのパラメータを算出する。前記プロセッサは、前記少なくとも1つのパラメータに基づいて、前記輪郭のノイズを除去する。
【0007】
前記プロセッサは、前記輪郭と前記少なくとも1つのパラメータとに基づいて前記入力感知領域内における前記遮蔽物の位置座標を算出する。前記位置座標は、前記第1方向における第1座標と前記第2方向における第2座標である。前記プロセッサは、第1最適化手段により前記第1座標を最適化する。前記第1最適化手段は、少なくとも2つの前記発信器をそれぞれ発信源として、対応する前記受信器が受信する光線強度を分析することにより前記第1座標を最適化する。前記プロセッサは、第2最適化手段により前記第2座標を最適化する。前記第2最適化手段は、一つの前記発信器をそれぞれ発信源として、隣接する少なくとも2つの前記受信器が受信する光線強度を分析することにより前記第2座標を最適化する。
【0008】
空中表示領域を有する入力端末装置に用いられる位置感知装置を提供する。
前記位置感知装置は、前記入力端末装置に設けられ、前記位置感知装置から出射した感知光が前記空中表示領域の上方に入力感知領域を形成する。前記位置感知装置は、前記入力感知領域内におけるタッチ入力操作の位置及び進行深度を感知する 。前記位置感知装置は、互いに平行に配置された少なくとも1つの第1感知構造と1つの第2感知構造とを備える。少なくとも1つの前記第1感知構造と前記第2感知構造とが前記入力端末装置におけるマザーボードに電気的に接続されている。少なくとも1つの前記第1感知構造は、前記第2感知構造の上方に位置する。前記第1感知構造と前記第2感知構造とは、前記入力感知領域内において入力操作を感知したときに感知信号を生成する。前記マザーボードは、前記第1感知構造および前記第2感知構造の各感知信号に基づいて、前記入力感知領域の縦方向における進行深度を判断する。さらに、前記第2感知構造の感知信号に基づいて前記入力感知領域内でのタッチ位置を識別することにより、タッチ操作の3次元感知を実現する。
【0009】
本発明は、上ケースと、上ケースに係合固定される下ケースと、光学モジュールと、マザーボードと、位置感知装置と、表示装置とを備える入力端末装置を提供する。
前記光学モジュールと前記位置感知装置が前記上ケースに収容され、前記マザーボードと前記表示装置が前記下ケースに収容される。
前記光学モジュールは、前記表示装置から出射された光を、前記入力端末装置の上方に屈折させて空中表示領域を形成する。
前記位置感知装置は、前記入力感知領域内におけるタッチ入力操作の位置及び進行深度を感知する。前記位置感知装置は、互いに平行に配置された少なくとも1つの第1感知構造と1つの第2感知構造とを備える。少なくとも1つの前記第1感知構造と前記第2感知構造とが前記入力端末装置におけるマザーボードに電気的に接続されている。少なくとも1つの前記第1感知構造は、前記第2感知構造の上方に位置する。前記第1感知構造と前記第2感知構造とは、前記入力感知領域内において入力操作を感知したときに感知信号を生成する。前記マザーボードは、前記第1感知構造および前記第2感知構造の各感知信号に基づいて、前記入力感知領域の縦方向における進行深度を判断する。さらに、前記第2感知構造の感知信号に基づいて前記入力感知領域内でのタッチ位置を識別することにより、タッチ操作の3次元感知を実現する。
【0010】
上記位置感知方法、位置感知装置及び入力端末機器は、発信器及び受信器の連携関係を調整してそれぞれ前記第1方向及び前記第2方向から前記遮蔽物の位置座標を最適化することで、前記入力端末装置の解像度及び感知高さを高め、ひいては前記遮蔽物の位置座標の精度も高めることができる。一方、第1感知構造及び第2感知構造を設けることにより、タッチ入力操作の位置及び進行深度の検出が図られ、ひいてはタッチ操作の3次元感知が実現される。第1感知構造及び第2感知構造の感知信号から利用状態を識別することで、タッチ入力のプリタッチ状態、タッチ入力状態、及び誤タッチ状態などの複数の状態を識別することができ、ひいては、前記入力端末装置のマンマシンインタラクション過程におけるユーザ体験を最適化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の好ましい実施形態による入力端末装置の概略斜視図である。
図2図1の前記入力端末装置の一部の概略分解図である。
図3図1の前記入力端末装置のIII-III概略断面図である。
図4図1の前記入力端末装置の光路の概略図である。
図5図2の前記位置感知装置の第1実施形態の他の角度に沿った一部の概略分解図である。
図6図5の前記感知構造の一部の概略分解図である。
図7図5の前記センサと前記シリンドリカルレンズの概略ブロック図である。
図8図5の前記センサの駆動信号の波形の概略図である。
図9図2の前記位置感知装置の第2実施形態の他の角度に沿った一部の概略分解図である。
図10図9の前記入力端末装置の光路の概略図である。
図11図9の前記センサと前記シリンドリカルレンズの概略ブロック図である。
図12】本発明の好ましい実施形態による入力端末装置の概略ブロック図である。
図13図12の前記位置感知装置の概略ブロック図である。
図14】本発明の好ましい実施形態による位置感知方法のフローチャーである。
図15図14のステップS11の詳細フローチャートである。
図16図14のステップS16の詳細フローチャートである。
図17図16の第1実施形態における、前記遮蔽物が存在する位置と、同じ前記受信器が異なる発信器を発光源とした場合の光の強度を示す図である。
図18図16の第2実施形態における、前記遮蔽物が存在する位置を示す図である。
図19図16のステップS17の詳細フローチャートである。
図20図19の異なる前記受信器における光の強度、基準軸、プリセット角度、最適化後の第2座標を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態をさらに説明する。
以下では、本発明の実施形態の図面を参考して、本発明の実施形態における技術的な態様を明確にし、完全に説明するが、説明した実施形態は、全ての実施形態ではなく、本発明の一部の実施形態のみであることは明らかである。創造的な努力なしに本発明の実施形態に基づいて当業者によって得られる他のすべての実施形態は、本発明の範囲内である。
【0013】
なお、1つの要素がもう1つの要素に「接続される」と考えられる場合、それは前記もう1つの要素に直接に接続されてもよいし、他の要素を介して前記もう1つの要素に接続されてもよい。ある要素がもう1つの要素に「設けられる」と考えられる場合、それは前記もう1つの要素に直接に設けられてもよいし、他の要素を介して前記もう1つの要素に設けられてもよい。
【0014】
本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、特に定義されない限り、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本発明の明細書で使用される用語は、具体的に実施形態を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。本明細書で使用される用語「及び/又は」は、1つ又は複数の関連する項目の任意及びすべての組み合わせを含む。
【0015】
図1を参照すると、図1は、本発明の好ましい実施形態による入力端末装置1の概略ブロック図である。前記入力端末装置1は、空中にホログラム映像を形成し(図示せず)、このホログラム映像に対するユーザの操作を感知してタッチ入力信号を生成する。本発明の少なくとも1つの実施形態において、前記入力端末装置1は、現金自動預け払い機(ATM)に適用してもよいし、家電製品、車両等のマンマシンインタラクティブ機器に適用してもよい。
【0016】
図1図3を併せて参照すると、前記入力端末装置1は、上ケース10と、下ケース20と、光学モジュール30と、位置感知装置40と、表示装置50とを備える。前記上ケース10と前記下ケース20とは、前記光学モジュール30、前記位置感知装置40、前記表示装置50を収納する収納スペースを構成するように、着脱自在に固定される。本発明の少なくとも一実施形態では、前記上ケース10と前記下ケース20は、ねじ止めにより一体に固定される。
【0017】
前記下ケース20は、ケーシング21と、一つの底板23と、一つの側板24と、マザーボード25とを備えている。前記ケーシング21は、三つの台形板体212と一つの矩形板体214とで囲まれた略四角形構造である。前記矩形板体214は、対向配置された2つの前記台形板体212の間に設けられる。前記矩形板体214には、さらに、放熱構造体(図示せず)と、少なくとも1つのインタフェース(図示せず)と、複数のボタン(図示せず)とが設けられている。前記底板23は、前記側板24および前記表示装置50を載置するためのものである。前記底板23は、略矩形板状をなしている。前記側板24は、前記底板23の縁に垂設されており、前記矩形板体214に隣接して設けられている。前記側板24は、横断面が略L字状をなし、その開口方向が前記矩形板体214に対向して設けられている。前記マザーボード25は、ネジ止め(図示せず)により前記側板24に固定されている。前記マザーボード25は、前記位置感知装置40および前記表示装置50と接続線(図示せず)により電気的に接続されており、前記位置感知装置40および前記表示装置50とのデータ通信を行い、前記位置感知装置40が識別した入力信号を受信し、前記表示装置50を制御して表示を行う。
【0018】
図4を参照すると、前記入力端末装置1の光路を示している。前記入力端末装置1は、1つの入力感知領域200と、1つの空中表示領域300とを有する。ここで、前記光学モジュール30の一方の前記表示装置50から発せられた光は、光学モジュール30の反射作用を経て前記光学モジュール30の他方の空中表示領域300に結像表示され、前記位置感知装置40から発せられた感知光は、前記空中表示領域300の上方に入力感知領域200を形成する。前記入力感知領域200および前記空中表示領域300は互いに平行に配置されている。前記光学モジュール30に垂直な方向から見て、前記入力感知領域200は前記空中表示領域300の上方に位置し、かつ前記空中表示領域300の面積は前記入力感知領域200の面積よりも大きい。前記空中表示領域300は、表示装置50に提示された画面を表示するためのものである。
【0019】
図2及び図3を再度参照すると、前記光学モジュール30は、前記上ケース10内に収容され、前記表示装置50から発せられた光を反射して前記上ケース10上方の空中に投射して、前記空中表示領域300を形成する。前記光学モジュール30は、重ねて配置された少なくとも1つの光学構造31と、少なくとも1つのカバー板32と、少なくとも1つのフレーム34とを備える。前記光学構造31は、略矩形構造である。本発明の少なくとも1つの実施形態においては、前記光学構造31は、少なくとも1層の等価負屈折率平面レンズを備える。例えば、前記光学構造31は、2枚の透明基板と、2枚の前記透明基板の間に位置する第1光導波路アレイ及び第2光導波路アレイとを含んでいてもよい。前記第1光導波路アレイと前記第2光導波路アレイとは、同一平面で密着して直交配置されている。前記透明基板は、2つの光学面を有する。前記透明基板は、波長が390nm~760nmの間の光に対して透過率が90%~100%である。前記透明基板の材料は、ガラス、プラスチック、ポリマー、アクリル樹脂の少なくとも1つであり、前記第1光導波路アレイ及び前記第2光導波路アレイを保護するとともに、余剰光線を濾去する。なお、前記第1光導波路アレイと前記第2光導波路アレイとを密着して直交貼り合わせた後の強度が十分であったり、実装の環境に厚み制限があれば、前記透明基板を1つだけ配置するか、全く配置しなくてもよい。前記第1光導波路アレイ及び第2光導波路アレイは、複数の断面矩形状の反射部から構成される。前記反射部それぞれの長さは、光導波路アレイの周辺サイズによって制限され、長さが異なるようになっている。前記第1光導波路アレイにおける前記反射部の延在方向と前記第2光導波路アレイにおける前記反射部の延在方向とは互いに直交する。すなわち、前記第1光導波路アレイ及び前記第2光導波路アレイ内の前記反射部は、直交する方向にある光束が一点に収束するように直交して配置され、且つ、平板レンズに対して物像面(光源側及び結像側)が対称的に保たれ、等価負屈折現象が発生して、空中結像が実現される。
【0020】
前記反射部の片側又は両側には、反射膜が設けられている。具体的には、光導波路アレイ配列方向において、前記反射部の両側に前記反射膜がメッキされており、前記反射膜の材料は、全反射を実現するアルミニウム、銀等の金属材料、その他の非金属化合物材料であってもよい。前記反射膜は、全反射することなく隣接する前記第1光導波路アレイ又は前記第2光導波路アレイに光が入って迷光となって結像に影響することを防止する役割を果たす。あるいは、前記反射部のそれぞれは、前記反射膜上に誘電体膜(図示せず)を追加してもよい。前記誘電体膜の役割は、光反射率の向上である。
【0021】
前記光学構造31の具体的な結像原理は以下の通りである。
マイクロメートルスケールでは、互いに直交する2層導波路アレイ構造を用いて、任意の光信号を直交分解する。前記表示装置50が発する光信号は、原信号として前記第1光導波路アレイに投射され、前記原信号の投射点を原点とし、前記第1光導波路アレイに対して垂直なx軸に直交座標系を確立し、前記直交座標系において原信号はx軸に位置する信号とy軸に位置する信号との2通りに互いに直交する信号に分解される。ここで、X軸の信号は、第1光導波路アレイを通過する際に、入射角と同じ反射角で前記反射膜表面で全反射する。このとき、Y軸の信号は前記第1光導波路アレイと平行に保たれており、前記第1光導波路アレイを通過した後、前記第2光導波路アレイ表面で入射角と同じ反射角で前記反射膜表面で全反射し、反射後のY軸の信号とX軸の信号とからなる反射後の光信号は、元の光信号と鏡面対称となる。したがって、任意の方向の光が前記光学構造31を通過することで鏡面対称が実現され、任意の光源の発散光がこの光学構造31を通過することで、対称位置で再び浮遊実像に集光される。浮遊実像の結像距離は、前記光学構造31から像源である前記表示装置50までの距離と同じであり、等距離結像であり、空白実像の位置は空中であり、具体的なキャリアは不要であり、そのまま空中に実像が現れる。したがって、使用者が視認する空間における映像は、前記表示装置50が発した画像となる。
【0022】
前記カバー板32は、矩形状をなし、長さ及び幅が共に前記光学構造31より大きい。前記カバー板32は、前記光学構造31に一体に密着されて、前記フレーム34の前記光学構造31に対向する下面に密着して設けられている。前記カバー板32は、前記上ケース10の内部への塵の侵入を回避するためのものである。本発明の少なくとも一実施形態では、前記カバー板32は、強化ガラスである。前記フレーム34は、略矩形枠をなしている。前記フレーム34の内縁は前記カバー板32の外縁部と重なり、重なり部分が一体に接着されている。前記フレーム34と前記カバー32とが交錯する部分は、前記上ケース10に当接している前記フレーム34は、前記上ケース10に対して着脱可能に一体的に固定されている。本発明の少なくとも一つの実施形態において、前記フレーム34は普通ガラスである。他の実施形態では、前記フレーム34は他の材料で作られていてもよい。
【0023】
前記位置感知装置40は、感知光を発光して前記空中表示領域300の上方に前記入力感知領域200を形成するためのものである。前記位置感知装置40は、入力感知領域200内に対象物が存在する場合に、その対象物の反射光を受光して感知信号を生成し、ユーザの使用状態を識別する。本発明の少なくとも一つの実施形態において、前記位置感知装置40は、感知光として赤外光を用い、前記対象物は、指またはその他の生体構造であってもよい。前記位置感知装置40は、前記光学モジュール30に隣接して設けられ、且つ前記表示装置50の上方に位置する。
【0024】
前記位置感知装置40は、1つの感知ホルダ41と、感知構造43(図3)とを備えている。前記感知ホルダ41は、前記光学構造31と前記上ケース10の側壁との間に設けられている。前記感知ホルダ41は、前記感知構造43を収容する。図5を参照すると、前記感知ホルダ41は、接続部412および収容部413を含む。前記接続部412は、前記感知構造43と前記光学構造31とが傾斜して配置されるように、前記上ケース10内における前記収容部413の位置を位置決めするためのものである。前記接続部412は、中空構造である。本発明の少なくとも一実施形態では、前記接続部412は、断面が略直角三角形である。前記収容部413は、前記感知構造43を収容するためのものである。前記収容部413は、横断面が略U字形状をなしている。前記収容部413の開口は、前記光学構造31に対向している。前記収容部413は、前記接続部412の斜辺が延在して形成されている。
【0025】
前記感知構造43は、前記感知光を出射するためのものである。図4に示すように、前記感知構造43は、出射面Eを有している。前記感知構造43のそれぞれは、前記出射面Eから感知光を出射し、入力感知領域200内に位置する物体で反射した光を受光する。前記感知構造43は、少なくとも1つの第1感知構造43aと、1つの第2感知構造43bとを含む。前記第1感知構造43aは、前記入力感知領域200内でのユーザのタッチ操作を識別するためのものである。前記第2感知構造43bは、前記入力感知領域200内でのユーザのタッチ位置を識別するためのものである。前記マザーボード25は、前記第1感知構造43a及び前記第2感知構造43bが生成した感知信号に基づいて前記入力感知領域200の垂直方向の進行深度を判断し、前記第2感知構造43bの感知信号に基づいて前記入力感知領域200内のタッチ位置を識別することで、3次元タッチ感知を実現する。
【0026】
(第1実施形態)
図4及び図5を参照すると、第1実施形態の前記位置感知装置40aの他の角度に沿った一部の概略分解図である。本発明の第1実施形態では、前記位置感知装置40aは、2つの前記感知構造43を備えている。ここで、上方に位置する前記感知構造43は、前記第1感知構造43aとして、前記第1感知構造43aは、前記空中表示領域300の上方に第1サブ領域200aを形成している。下方に位置する前記感知構造43は、前記第2感知構造43bとして、前記第2感知構造43bは、前記空中表示領域300と前記第1サブ領域200aとの間に第2サブ領域200bを形成する。前記第2サブ領域200bは、前記空中表示領域300に近接しており、前記第1サブ領域200aは、前記空中表示領域300から離れている。前記第1感知構造43a及び前記第2感知構造43bは、互いに平行に設けられている。
【0027】
図6は、前記第2感知構造43bの一部の概略分解図である。前記第1感知構造43a及び前記第2感知構造43bは同じ構造を有している。以下では、前記第2感知構造43bを例に挙げて説明する。前記第2感知構造43bは、基板430と、センサ431と、レンズ部432と、を含む。前記基板430は、略長方形の板体である。前記基板430は、前記センサ431を載置するためのものである。前記センサ431は、前記基板430と同じ大きさに設けられている。図7を参照すると、前記センサ431は、複数の受信器4311と、複数の発信器4312とを含む。前記受信器4311と前記発信器4312とは、前記基板430上に第1間隔で交互に配置されている。前記発信器4312は、感知光を出射するものである。前記受信器4311は、反射光を受光して前記感知信号を生成するものである。前記レンズ部432は、前記出射面Eに対して平行方向に進む感知光を、前記出射面Eに対して垂直な方向に変換して前記出射面Eを介して出射し、さらに、前記感知光をコリメートする。前記レンズ部432は、第1レンズ4321と、複数のシリンドリカルレンズ4324と、を含む。前記第1レンズ4321は、横断面が略T字状である。前記第1レンズ4321は、前記センサ431に対向して設けられる。前記第1レンズ4321は、前記発信器4312が第1方向Xに沿って出射した感知光を前記第1方向Xに垂直する第2方向Yに変換して前記シリンドリカルレンズ4324に出射する。複数の前記シリンドリカルレンズ4324は、面一に設けられ、前記第1レンズ4321の上方に載置されている。前記第2方向Yにおいて、前記シリンドリカルレンズ4324は、前記センサ431と重なる。前記シリンドリカルレンズ4324は、横断面が略ハット状に構成されている。前記シリンドリカルレンズ4324に入射する光は、前記出射面Eによって空中表示領域300の上方に第1サブ領域200aを形成する。図7に示すように、前記第2方向Yにおいて、前記シリンドリカルレンズ4324の軸線方向は、前記発信器4312の軸線方向と重なっており、前記受信器4311の軸線方向は、隣接する2つの前記シリンドリカルレンズ4324の中軸線と等間隔で設けられている。
【0028】
前記第1感知構造43a及び前記第2感知構造43bは、前記位置感知装置40がタッチ感知を行う際に、感知光を発光して、前記位置感知装置40aの上方に善意第1サブ領域200a及び前記第2サブ領域200bを形成する。ユーザが空中表示領域300をタッチ又はタップすると、前記第1サブ領域200a及び前記第2サブ領域200bを通過し、照射された感知光が反射して、前記第1感知構造43a及び前記第2感知構造43bより受信され、感知信号に変換される。前記マザーボード25は、前記第1感知構造43a及び前記第2感知構造43bが発生した前記感知信号に基づいてユーザの使用状態を判断する。前記マザーボード25は、前記第1感知構造43aが出力した感知信号のみを受信すると、前記使用状態がプレタッチ状態であると識別する。前記使用状態が前記プレタッチ状態であるとき、ユーザが未だ前記空中表示領域300にはタッチしていないことを示す。前記マザーボード25は、同時に前記第1感知構造43aおよび前記第2感知構造43bから出力した感知信号を受信すると、前記使用状態がタッチ入力状態であると識別する。前記使用状態が前記タッチ入力状態であるとき、前記ユーザが既に前記空中表示領域300にタッチしていることを示す。さらに、前記マザーボード25は、前記空中表示領域300が同期して変化するように制御するために、異なる使用状態に応じて異なる制御信号を前記表示装置50に送信してもよい。前記マザーボード25は、例えば前記使用状態が前記タッチ入力状態である場合に、制御信号を生成して前記第2感知構造43bに対応する位置の表示画像にぶれ、ハイライト又は点滅等を発生させることができるが、これに限るものではない。他の実施形態では、前記制御信号は、オーディオ装置を制御して提示音を出力したり、振動装置を制御して異なる周波数の振動を出力したりしてもよい。
【0029】
図8を参照すると、前記第1感知構造43aにおける前記発信器4312および前記第2感知構造43bにおける前記発信器4312の駆動波形を示す図である。前記第1感知構造43aにおいて前記発信器4312は、第1パルス周波数の駆動信号によって駆動されて光を出射し、前記第2感知構造43bにおいて前記発信器4312は、第2パルス周波数の駆動信号によって駆動されて光を出射する。前記第1パルス周波数は、前記第2パルス周波数よりも大きい。前記マザーボード25は、さらに、受信した前記感知信号の周波数に基づいて前記第1感知構造43a及び前記第2感知構造43bの感知信号を確認する。
【0030】
再び図2および図3を参照して、前記表示装置50は、入力インターフェースを表示するためのものである。前記表示装置50は、前記下ケース20内に収容され、前記光学モジュール30に対して斜めに載置されている。前記表示装置50は、前記底板23に支持されている。前記表示装置50は、表示ホルダ51及び表示構造52を含む。前記表示ホルダ51は、位置決め部512及び受け部513を備えている。前記位置決め部512は、横断面が略L字状を呈し、開口方向が前記表示構造52に対向している。前記位置決め部512は、前記受け部513上での前記表示構造52の位置を規制するとともに、前記表示構造52が前記底板23に近づく方向にスライドするのを防止するためのものである。前記受け部513は、前記底板23に締結固定されている。前記受け部513は、前記表示構造体52を前記底板23に対して所定の角度をなして前記下ケース20内に配置し、前記表示構造体52の表示面を前記光学構造31に対向させて配置している。本発明の少なくとも一つの実施形態において、前記所定の角度は、鋭角である。前記受け部513は、中空構造であり、横断面が略鈍角三角形状をなしている。前記表示構造52の表示面は、前記光学構造31に対向して配置されている。前記表示構造52は、前記表示ホルダ51に係合固定されている。本発明の少なくとも一つの実施形態において、前記表示構造52は、液晶ディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED、Orogenic Light Emitting Diode)及び電気泳動ディスプレイ等の複数種類の表示構造であってもよく、これに限定されない。前記表示構造52は、入力インターフェースを表示するためのものである。本発明の少なくとも一つの実施形態において、前記入力インターフェースは、パスワード入力インターフェースであってもよいし、バーチャルキーボードインターフェースであってもよいし、操作デモ映像などであってもよいが、これに限定されない。
【0031】
(第2実施形態)
図9を併せて参照して、図9は、本発明の第2実施形態の前記位置感知装置40bの概略斜視図である。前記第2実施形態の前記位置感知装置40bは、前記第1実施形態における前記位置感知装置40aと基本的に同様の構成であり、同様の機能を有する構成部品については説明を省略する。すなわち、前記第1実施形態における前記位置感知装置40aの説明は、前記第2実施形態の前記位置感知装置40bに対して基本的に適用できるが、前記位置感知装置40bが3つの前記感知構造43を備える点が主に異なる。ここで、中間に位置する前記感知構造43が前記第2感知構造43bとされ、他の2つの前記感知構造43が前記第1感知構造43a、43cとされる。前記第1感知構造43cは、前記位置感知装置40bが前記入力感知領域200に対する垂直方向の進行深度の感知を向上させるものである。
【0032】
前記第1感知構造43a、43c及び前記第2感知構造43bは、前記位置感知装置40bがタッチ感知を行うと、図10に示すように、感知光を出射して、前記位置感知装置40aの上方に、第1サブ領域200a、第2サブ領域200b、及び第3サブ領域200cを形成する。前記第1感知構造43a、43cおよび前記第2感知構造43bは、反射光を受光して感知信号に変換する。ユーザが空中表示領域300をタッチ又はタップすると、前記第1サブ領域200a、前記第2サブ領域200bおよび前記第3サブ領域200cを通過し、照射された感知光が反射して、前記第1感知構造43a/43c及び前記第2感知構造43bより受信され、感知信号に変換される。前記マザーボード25は、前記第1感知構造43a/43c及び前記第2感知構造43bが発生した前記感知信号に基づいてユーザの使用状態を判断する。前記マザーボード25は、上方に位置する前記第1感知構造43aが出力した感知信号のみを受信すると、前記使用状態がプレタッチ状態であると識別する。前記使用状態が前記プレタッチ状態であるとき、ユーザが未だ前記空中表示領域300にはタッチしていないことを示す。前記マザーボード25は、同時に上方位置する前記第1感知構造43aおよび前記第2感知構造43bから出力した感知信号を受信すると、前記使用状態がタッチ入力状態であると識別する。前記使用状態が前記タッチ入力状態であるとき、前記ユーザが前記空中表示領域300にタッチしていることを示す。前記マザーボード25は、前記第1感知構造43a/43bおよび前記第2感知構造43bから出力した感知信号を受信すると、前記使用状態が誤タッチ状態であると識別する。前記使用状態が誤タッチ状態である場合、すなわち、前記マザーボード25は、ユーザのタッチ深度が深すぎることを促す制御信号を生成し、前記第2サブ領域200b内において、誤タッチされたタッチ位置が複数識別されることになる。
【0033】
(第3実施形態)
再び図5を参照して、前記第3実施形態の前記位置感知装置40は、前記第1実施形態における前記位置感知装置40aと基本的に同様の構成であり、同様の機能を有する構成部品については説明を省略する。すなわち、前記第1実施形態における前記位置感知装置40aの説明は、前記第3実施形態の前記位置感知装置40に対して基本的に適用できるが、前記位置感知装置40aが前記レンズ部432を備えていない点が主に異なる。すなわち、前記第1感知構造43aは、前記基板430および前記センサ431のみを含む。
【0034】
前記第1感知構造43aは、タッチ操作の発生の有無を感知するためだけで、具体的なタッチ位置の感知は不要であるため、前記第1感知構造43aにおいて前記発信器4312が出射した光をコリメートする必要がない。従って、前記第1感知構造43aにおけるレンズ部432を取り外す。一方、具体的な位置の感知が不要な場合には、前記発信器4312及び前記受信器4311の数を更に調整することができ、コストを低減することができる。図11を参照すると、第3実施形態において、前記発信器4312と前記受信器4311とは、第2間隔D2で交互に配置されていてもよい。前記第2間隔D2は、前記第1間隔D1よりも大きい。
【0035】
(第4実施形態)
図10を併せて参照して、図10は、本発明の第4実施形態の前記位置感知装置40の概略斜視図である。前記第4実施形態の前記位置感知装置40は、前記第2実施形態における前記位置感知装置40bと基本的に同様の構成であり、同様の機能を有する構成部品については説明を省略する。すなわち、前記第2実施形態における前記位置感知装置40bの説明は、前記第4実施形態の前記位置感知装置40に対して基本的に適用できるが、前記第1感知構造43a/43cが前記レンズ部432を備えていない点が主に異なる。即ち、前記第1感知構造43a/43cは前記基板430および前記センサ431のみを備えている。前記第1感知構造43cは、前記位置感知装置40bが前記入力感知領域200に対する垂直方向の進行深度の感知を向上させるものである。
【0036】
前記第1感知構造43a/43cは、タッチ操作の発生の有無を感知するためだけで、具体的なタッチ位置の感知は不要であるため、前記第1感知構造43a/43cにおいて前記発信器4312が出射した光をコリメートする必要がない。従って、前記第1感知構造43a/43cにおけるレンズ部432を取り外す。一方、具体的な位置の感知が不要な場合には、前記発信器4312及び前記受信器4311の数を更に調整することができ、コストを低減することができる。図11を参照すると、第3実施形態において、前記発信器4312と前記受信器4311とは、第2間隔D2で交互に配置されていてもよい。前記第2間隔D2は、前記第1間隔D1よりも大きい。
【0037】
他の実施形態では、前記位置感知装置40は、必要に応じて前記感知構造43の数を調整して、例えば4つの前記感知構造43を採用してもよい。
【0038】
このように構成された前記位置感知装置40は、少なくとも1つの前記第1感知構造43a及び1つの前記第2感知構造43bを設けて、前記第1感知構造43a及び前記第2感知構造43bの感知信号に基づいて、前記入力感知領域200の垂直方向における進行深度を判断する。さらに、前記第2感知構造43bの感知信号に基づいて前記入力感知領域200内の位置が判断することにより、すなわち、3次元検出が実現される。同時に、前記第1感知構造43a及び前記第2感知構造43bの感知信号の異なる組合せにより、ユーザの使用状態が識別できる。使用状態は、プレタッチ状態、タッチ入力状態、および誤タッチ状態などの複数の状態を含む。異なる使用状態に対して、前記空中表示領域300内の表示画像の同期変化を制御して利用者に提示し、前記入力端末装置1のマンマシンインタラクション過程でのユーザ体験を向上させる。一方、レンズ部432を用いて発信器4312の感知光をコリメートする。
【0039】
図12及び図13を参照すると、ここで、図12は前記入力端末装置1の概略ブロック図であり、図13は前記位置感知装置40の概略ブロック図である。
【0040】
前記入力端末装置1は、メモリ101、プロセッサ102、位置感知装置40を備える。
【0041】
前記メモリ101は、プログラムコードを記憶する。前記メモリ101は、集積回路に実物の形式を有しないメモリ機能を有する回路であってもよく、例えば、メモリスティック、TFカード(Trans-flash Card)、スマートメディアカード(smart media card)、セキュリティデジタルカード(secure digital card)、フラッシュメモリカード(flash card)などの記憶機器である。
【0042】
前記メモリ101は、前記通信バスを介して前記プロセッサ102とデータ通信を行うことが可能である。
【0043】
前記プロセッサ102は、1つ又は複数のマイクロプロセッサや、デジタルプロセッサを含んでもよい。前記プロセッサ102は、中央演算処理装置(CPU、Central Processing Unit)とも呼ばれ、超大規模なものであり、演算コア(Core)と制御コア(Control Unit)である。前記プロセッサ102は、前記メモリ101に記憶されたプログラムコードを呼び出して、関連する機能を実行することができる。前記プロセッサ102は、メモリ101に記憶されたプログラムコードを実行することにより、位置感知方法を実現することができる。
【0044】
図13を併せて参照して、図13は、前記位置感知装置40の概略ブロック図である。前記位置感知装置40は、入力感知領域200を有する。前記位置感知装置40は、前記入力感知領域200内に対象物が存在する場合に、前記対象物の位置を識別する。前記位置感知装置40は、感知光を出射し、その反射光を光路画像に変換する。前記位置感知装置40は、複数の受信器4311と、複数の発信器4312と、を備える。前記発信器4312のそれぞれは、隣接する1つの受信器42と1つの感知ペアを構成している。前記発信器4312と前記受信器4311とは、第1方向Xにおいて、所定の間隔Dで交互に配置され、複数の感知ペアを形成している。前記発信器4312は、前記感知光を出射するものである。前記受信器4311は、前記反射光を受光して前記光路画像を生成するものである。本発明の少なくとも1つの実施形態において、前記所定間隔の範囲は、1~20ミリメートル(mm)である。前記受信器のそれぞれ4311は、前記第1方向Xに直交する前記第2方向Yにおいて、1つの感知チャンネルとして機能する。前記受信器4311は、前記反射光を受信して前記光路画像を形成する。本発明の少なくとも一つの実施形態において、前記感知光は赤外線であり、前記感知光の波長は940nmであり、前記感知光の波長は850nmであってもよい。本発明の少なくとも一つの実施形態において、前記発信器4312の上方に、所定の波長範囲の迷光をカットするフィルターが設けられていてもよい。ここで、前記所定の波長範囲は、770~920nmおよび960~1200nmであってもよい。
【0045】
本発明の少なくとも一実施形態において、前記入力感知領域200には、前記位置感知装置40の出光領域が正対して設けられている。他の実施形態では、前記入力感知領域200(図13に示す)と前記入力端末装置1の上面との間が一定の角度で設けられていてもよい。
【0046】
前記入力端末装置1は光学モジュール106をさらに含んでもよい。前記光学モジュール106は、画面を表示するための光が反射して前記入力端末装置1の上方に空中映像を形成する。
【0047】
前記入力端末装置1は、表示デバイス108をさらに含んでもよい。前記表示デバイス108は、画像を表示する。前記画像の表示は、前記光学モジュール106により、ユーザが空中タッチできるように、前記入力端末装置1の上方に前記空中映像を形成することができる。本発明の少なくとも一つの実施形態において、前記空中映像は、前記入力感知領域200と平行であり、かつ、前記入力端末装置1に近接している。
【0048】
前記プロセッサ102は、さらに、前記位置感知装置40が出力する前記光路画像に基づいて、前記入力感知領域200における遮蔽物Sのタッチ位置を特定することができる。本発明の少なくとも一つの実施形態において、前記遮蔽物Sは、指やタッチペン等であってもよいが、これには限られない。
【0049】
図14を併せて参照すると、図14は、前記位置感知方法のフローチャーである。前記位置感知方法は、以下のステップを含む。
【0050】
S10:初期段階において、前記プロセッサ102は、前記受信器4311が受信した前記反射光の光強度を環境閾値とする。
【0051】
S11:感知段階において、前記プロセッサ102は、前記発信器4312を制御し、前記感知光を順次出射させ、前記受信器4311より受光した前記反射光を光路画像に変換する。
【0052】
図15を参照すると、本発明の少なくとも1つの実施形態において、前記プロセッサ102は、前記発信器4312を制御し前記感知光を順次出射させ、前記受信器4311より受光した前記反射光を光路画像に変換するステップは、以下のステップを含む。
【0053】
S110:前記受信器4311が受信した前記反射光の光強度が前記環境閾値より大きいか否かを判断する。
【0054】
S111:前記反射光の光強度が前記環境閾値より大きい場合、前記受信器4311に対応する前記感知チャネルに遮蔽物Sが存在すると識別し、前記プロセッサ102は、前記感知チャネルに対応する階調を第1階調値に設定する。
【0055】
S112:前記反射光の光強度が前記環境閾値以下の場合、前記受信器4311に対応する前記感知チャンネル内に前記遮蔽物Sが存在しないと識別し、前記プロセッサ102は、前記感知チャンネルに対応する階調を第2階調値に設定する。
【0056】
S113:前記プロセッサ102は、前記感知チャンネルの階調から前記光路画像を生成する。
【0057】
S12:前記プロセッサ102は、前記光路画像に対してノイズ低減処理を行う。
【0058】
本発明の少なくとも一つの実施形態において、前記プロセッサ102は、前記光路画像に対して、エロージョン、ダイレーション、及びガウシアンボケ等によりノイズ低減処理を行い、前記光路画像を最適化してもよい。
【0059】
S13:前記光路画像に前記遮蔽物Sが存在する場合、前記プロセッサ102は、前記光路画像から前記遮蔽物Sの輪郭を抽出し、前記輪郭の少なくとも1つのパラメータを算出する。
【0060】
前記プロセッサ102は、前記光路画像における前記第一階調値で囲まれた輪郭を前記遮蔽物Sの輪郭として抽出する。本発明の少なくとも1つの実施形態において、前記少なくとも1つのパラメータは、前記輪郭の面積、前記輪郭の重心、及び前記輪郭の中心を含んでもよい。
【0061】
S14:前記プロセッサ102は、前記少なくとも1つのパラメータに基づいて、前記輪郭のノイズを除去する。
【0062】
S15:前記プロセッサ102は、前記少なくとも1つのパラメータに基づいて、前記入力感知領域200内における前記遮蔽物Sの位置座標を算出する。
【0063】
本発明の少なくとも1つの実施形態において、前記プロセッサ102は、前記第1方向Xを横軸とし、前記第2方向Yを縦軸として感知座標系を構築する。すなわち、前記発信器4312および前記受信器4311は、横軸に沿って配置され、前記発信器4312は前記縦軸に沿って感知光を出射する。前記遮蔽物Sの位置座標は、前記第1方向Xにおける第1座標と、前記第2方向Yにおける第2座標とを含む。前記第2座標は、前記遮蔽物Sが前記入力端末装置1の上方に位置する高さである。
【0064】
S16:前記プロセッサ102は、第1最適化手段を用いて前記遮蔽物Sの第1座標を最適化する。
【0065】
図16~18を併せて参照すると、図16は、前記ステップS16の詳細なフローチャートであり、図17は、第1実施形態における前記遮蔽物Sの位置と、同一の前記受信器4311における異なる発信器4312を発光源とした場合の光の強度とを示す図である。図18は、第二実施形態における前記遮蔽物Sの位置、前記受信器4311の光の強度と、を示す図である。本発明の第1実施の形態において、前記プロセッサ102が、第1最適化手段を用いて前記遮蔽物Sの第1座標を最適化するステップは、さらに、以下のステップを含む。
【0066】
S161:前記プロセッサ102は、前記感知光を順次出射するように前記発信器4312を制御し、光の強度が最大となる受信器4311に対応する発信器4312を、対象発信器として識別する。
【0067】
S162:前記プロセッサ102は、前記対象発信器に隣接する少なくとも1つの前記発信器4312を対応する基準発信器として設定する。
【0068】
S163:前記プロセッサ102は、前記対象発信器が発信源である場合、全ての前記受信器4311が受光した前記反射光の光強度と、前記基準発信器が発信源である場合、全ての前記受信器4311が受光した前記反射光の光強度と、が一致するか否かを判断する。
【0069】
S164:前記対象発信器が発信源である場合、全ての前記受信器4311が受光した前記反射光の光強度と、前記基準発信器が発信源である場合、全ての前記受信器4311が受光した前記反射光の光強度とが一致する場合(図17に示す)、前記遮蔽物Sが、前記対象発信器と前記基準発信器との間に位置し、且つ両者と等間隔になるように設けられていると判断し、前記プロセッサ102は、第1座標を、対象発信器と基準発信器とを結ぶ直線の中点座標に最適化する。
【0070】
S165:前記対象発信器が発信源である場合、全ての前記受信器4311が受光した前記反射光の光強度と、前記基準発信器が発信源である場合、全ての前記受信器4311が受光した前記反射光の光強度と、が一致しない場合(図18に示す)、前記プロセッサ102は、前記受信器4311が受信した前記反射光の光強度分布に基づいて、前記対象発信器に対する前記遮蔽物Sのオフセット距離Uを算出する。
【0071】
S166:前記プロセッサ102は、前記オフセット距離Uに基づいて前記第1座標を最適化する。
【0072】
本発明の少なくとも1つの実施形態において、前記プロセッサ102は、前記中点座標と前記オフセット距離Uとの差分を最適化された前記第1座標とする。前記基準発信器は、隣接する2つの前記発信器4312のうち、光の強度が大きい方の受信器4311に対応する前記発信器4312である。
【0073】
S17:前記プロセッサ102は、第2最適化手段を用いて前記遮蔽物Sの第2座標を最適化する。
【0074】
図19及び図20を併せて参照すると、図19は、前記ステップS17の詳細フローチャートである。図20は、異なる前記受信器4311が受信した反射光の光強度、プリセット角度、基準軸R、および最適化後の第2座標を示す図である。上述した本発明の第1実施形態において、前記プロセッサ102が、前記少なくとも1つのパラメータに基づいて、前記入力感知領域200内における前記遮蔽物Sの座標を算出するステップは、さらに、以下のステップを含む。
【0075】
S171:前記プロセッサ102は、1つの前記発信器4312を対象発信器として設定し、前記対象発信器を制御して前記感知光を出射させる。
【0076】
S172:前記プロセッサ102は、最大光強度を有する前記受信器4311を主受信器として識別し、前記主受信器に対称で隣接する少なくとも2つの前記受信器4311を基準受信器として設定する。
【0077】
S173:前記プロセッサ102は、前記主受信器及び前記基準受信器に対応する光強度の加重平均値を算出して前記基準軸Rを求め、前記基準軸Rは前記第2方向Yに平行に設定される。
【0078】
S174:前記プロセッサ102は、前記基準軸Rのプリセット角度θに沿った延長線と、前記対象発信器により出射された前記感知光との交点を、前記遮蔽物Sの前記第2座標Y1とする。
【0079】
本発明の少なくとも一つの実施形態において、前記プリセット角度は、前記発信器4312の視野角度である。前記プリセット角度の角度範囲で調整を行う。前記角度範囲は10°から40°である。
【0080】
前記位置感知方法および前記入力端末装置1は、発信器及び受信器の連携関係を調整してそれぞれ前記第1方向及び前記第2方向から前記遮蔽物Sの位置座標を最適化することで、前記入力端末装置1の解像度及び感知高さを高め、ひいては前記遮蔽物Sの位置座標の精度も高めることができる。
【0081】
以上の実施形態は、本発明を説明するためのものであって、本発明を限定するものではなく、本発明の本質的な精神の範囲内であれば、以上の実施例に対する適宜な変更や変更は、特許請求の範囲に記載されたものであると当業者が識別すべきである。
【符号の説明】
【0082】
1 入力端末装置
10 上ケース
20 下ケース
30 光学モジュール
40,40a、40b 位置感知装置
50 表示装置
21 ケーシング
212 台形板体
214 矩形板体
23 底板
24 側板
25 マザーボード
31 光学構造
32 カバー板
34 フレーム
41 センサホルダ
412 接続部
413 収容部
43 感知構造
43a、43c 第1感知構造
43b 第2感知構造
E 出射面
430 基板
431 センサ
432 レンズ部
4311 受信器
4312 発信器
4321 第1レンズ
4324 シリンドリカルレンズ
51 表示ホルダ
512 位置決め部
513 受け部
52 表示構造
300 空中表示領域
200 入力感知領域
200a 第1サブ領域
200b 第2サブ領域
200c 第3サブ領域
101 メモリ
102 プロセッサ
106 光学モジュール
108 表示デバイス
D 所定間隔
U オフセット距離
S 遮蔽物
R 基準軸
θ プリセット角
S10-S17 ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
【国際調査報告】