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特表2024-535995非代替性トークンのための保管システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】非代替性トークンのための保管システム
(51)【国際特許分類】
   H04L 9/32 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
H04L9/32 200B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513183
(86)(22)【出願日】2022-09-27
(85)【翻訳文提出日】2024-04-25
(86)【国際出願番号】 US2022077077
(87)【国際公開番号】W WO2023056249
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】17/492,021
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520107951
【氏名又は名称】アメリカン エキスプレス トラヴェル リレイテッド サーヴィシーズ カンパニー, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AMERICAN EXPRESS TRAVEL RELATED SERVICES COMPANY, INC.
【住所又は居所原語表記】200 Vesey Street, New York, NY 10285-4900 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(74)【代理人】
【識別番号】100140992
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲政
(74)【代理人】
【識別番号】100153822
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 重之
(72)【発明者】
【氏名】イービ, アラリック エム.
(72)【発明者】
【氏名】フェレンツィ, アンドラス エル.
(72)【発明者】
【氏名】クルス-エレーラ, ハイメ エイ.
(57)【要約】
デジタル資産の所有権を維持し、デジタル資産の個人間での譲渡を容易にするように保管システムを使用するための様々な実施形態を開示する。ユーザがデジタル資産の所有権を得るのを容易にするために、保管システムは、資産保管者の公開鍵を含めるように資産台帳におけるデジタル資産の所有者識別子を更新することができ、資産保管者の公開鍵は資産保管者がデジタル資産の所有者であることを示す。保管システムは次いで、デジタル資産台帳においてデジタル資産にリンクされている検証可能クレデンシャルをアイデンティティ・ウォレットに提供することができる。その後、保管システムは、アイデンティティ・ウォレットのユーザを表す所有者識別子を、デジタル資産の資産識別子に関連付けて記憶する資産記録を作成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサとメモリとを含むコンピューティング・デバイスと、
前記メモリに記憶された機械可読命令とを含むシステムであって、前記機械可読命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記コンピューティング・デバイスに少なくとも、
保管サービスからデジタル資産の所有権の証明を表す検証可能クレデンシャルを受け取ることと、
前記検証可能クレデンシャルを前記コンピューティング・デバイスの前記メモリに記憶することと、
前記保管サービス又は検証者サービスから前記デジタル資産の所有権の証明を求める要求を受け取ることと、
前記デジタル資産の所有権の証明を求める前記要求に応答して、前記保管サービス又は前記検証者サービスに前記検証可能クレデンシャルの証明を提供することとを行わせる、システム。
【請求項2】
前記機械可読命令が更に前記コンピューティング・デバイスに少なくとも、前記デジタル資産の所有権を他の所有者に譲渡する命令を前記保管サービスに対して送信させ、前記命令が前記他の所有者の所有者識別子を指定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記検証可能クレデンシャルの前記証明が、前記保管サービスによって生成された、前記検証可能クレデンシャルの暗号署名を含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記検証可能クレデンシャルの前記証明が、前記保管サービスによって発行されたトークンと前記トークンの暗号署名とを含み、前記暗号署名が前記保管サービスによって生成されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記機械可読命令が更に前記コンピューティング・デバイスに少なくとも、
前記検証可能クレデンシャルの受領に応答して、前記デジタル資産の固有識別子と前記デジタル資産の前記所有者の識別子とを含む所有権クレームを作成することと、
前記所有権クレームをアイデンティティ台帳に公開することとを行わせる、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記デジタル資産の前記所有者の前記識別子が前記所有者に関連付けられた分散識別子であり、前記分散識別子が前記所有者に関連付けられた公開鍵を含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記デジタル資産が非代替性トークン(NFT)である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
資産保管者の公開鍵を含めるように資産台帳におけるデジタル資産の所有者識別子を更新することであって、前記資産保管者の前記公開鍵が、前記資産保管者が前記デジタル資産の所有者であることを示す、所有者識別子を更新することと、
デジタル資産台帳における前記デジタル資産にリンクされた検証可能クレデンシャルを、アイデンティティ・ウォレットに提供することと、
前記アイデンティティ・ウォレットのユーザを表す所有者識別子を前記デジタル資産の資産識別子に関連付けて記憶する資産記録を作成することとを含む方法。
【請求項9】
暗号署名を生成するために前記資産保管者の秘密鍵によって前記検証可能クレデンシャルに署名することと、
前記暗号署名を前記検証可能クレデンシャルに含めることとを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
トークンを生成することと、
暗号署名を生成するため前記資産保管者の秘密鍵で前記トークンに署名することと、
前記トークンと前記暗号署名とを前記検証可能クレデンシャルに含めることとを更に含む、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記所有者識別子が第1の所有者識別子であり、前記検証可能クレデンシャルが第1の検証可能クレデンシャルであり、前記アイデンティティ・ウォレットが第1のアイデンティティ・ウォレットであり、前記方法が、
前記デジタル資産の所有権を譲渡する要求を受け取ることであって、前記デジタル資産を譲渡する前記要求が前記デジタル資産の新たな所有者に関連付けられた第2の所有者識別子を含む、要求を受け取ることと、
前記第1の所有者識別子を前記第2の所有者識別子に置き換えるように前記資産記録を更新することと、
前記第1の所有者識別子に関連付けられた所有権クレームを破棄することと、
前記デジタル資産台帳における前記デジタル資産にリンクされている第2の検証可能クレデンシャルを、第2のアイデンティティ・ウォレットに提供することとを更に含む、請求項8乃至10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記所有権クレームを破棄することが、前記所有権クレームが破棄されていることを反映するように前記所有権クレームを更新することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記所有権クレームを破棄することが、前記所有権クレームを破棄リストに加えることを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記デジタル資産が非代替性トークンである、請求項8乃至13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
プロセッサとメモリとを含むコンピューティング・デバイスと、
前記メモリに記憶された機械可読命令とを含むシステムであって、前記機械可読命令は、前記プロセッサによって実行されると前記コンピューティング・デバイスに少なくとも、
資産保管者の公開鍵を含めるように資産台帳における非代替性トークン(NFT)の所有者識別子を更新することであって、前記資産保管者の前記公開鍵が、前記資産保管者が前記NFTの所有者であることを示す、所有者識別子を更新することと、
前記デジタル資産台帳において前記NFTにリンクされている検証可能クレデンシャルをアイデンティティ・ウォレットに提供することと、
前記アイデンティティ・ウォレットのユーザを表す所有者識別子を前記NFTのNFT識別子に関連付けて記憶する資産記録を作成することとを行わせる、システム。
【請求項16】
前記機械可読命令が、前記プロセッサによって実行されると前記コンピューティング・デバイスに更に少なくとも、
暗号署名を生成するために前記資産保管者の秘密鍵によって前記検証可能クレデンシャルに署名することと、
前記暗号署名を前記検証可能クレデンシャルに含めることとを行わせる、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記機械可読命令が、前記プロセッサによって実行されると前記コンピューティング・デバイスに更に少なくとも、
トークンを生成することと、
暗号署名を生成するために前記資産保管者の秘密鍵で前記トークンに署名することと、
前記トークンと前記暗号署名とを前記検証可能クレデンシャルに含めることとを行わせる、請求項15又は16に記載のシステム。
【請求項18】
前記所有者識別子が第1の所有者識別子であり、前記検証可能クレデンシャルが第1の検証可能クレデンシャルであり、前記アイデンティティ・ウォレットが第1のアイデンティティ・ウォレットであり、前記機械可読命令が、前記プロセッサによって実行されると前記コンピューティング・デバイスに更に少なくとも、
前記NFTの所有権を譲渡する要求を受け取ることであって、前記NFTを譲渡する前記要求が前記NFTの新たな所有者に関連付けられた第2の所有者識別子を含む、要求を受け取ることと、
前記第1の所有者識別子を前記第2の所有者識別子に置き換えるように前記資産記録を更新することと、
前記第1の所有者識別子に関連付けられた所有権クレームを破棄することと、
前記デジタル資産台帳における前記NFTにリンクされている第2の検証可能クレデンシャルを、第2のアイデンティティ・ウォレットに提供することとを行わせる、請求項15乃至17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記コンピューティング・デバイスに前記所有権クレームを破棄させる前記機械可読命令が更に前記コンピューティング・デバイスに、前記所有権クレームが破棄されていることを反映するように前記所有権クレームを更新させる、請求項15乃至18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記コンピューティング・デバイスに前記所有権クレームを破棄させる前記機械可読命令が更に前記コンピューティング・デバイスに、前記所有権クレームを破棄リストに加えさせる、請求項15乃至19のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、「CUSTODIAL SYSTEMS FOR NON-FUNGIBLE TOKENS」という名称の、2021年10月1日に出願された同時係属米国特許出願第17/492,021号の優先権及び利益を主張し、参照によりその全体が本明細書に記載されているかのように組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
多くのユーザが、様々な市場を使用して非代替性トークン(NFT)を所有、購入又は販売する。一般に、NFTは購入された後、所有者のウォレットに移転される。誰がNFTを所有するかを識別するウォレット・アドレスとして、所有者のウォレットの公開鍵を使用することができる。NFTの取引又は譲渡を許可するために所有者のウォレットの秘密鍵を使用することができる。しかし、NFTの所有者が自分の秘密鍵を紛失した場合、所有者は自分のNFTの所有権を立証する能力も失う可能性がある。同様に、秘密鍵が盗まれた場合、誰かがNFTの所有権を別のウォレット・アドレスに移転する可能性がある。
【0003】
また、個人ウォレットの公開-秘密鍵ペアのセキュリティ保護、記憶及び追跡は、時間を要すると共に多くのユーザにとって技術的に難しい場合がある。例えば、インターネットに接続されたハードウェア・ウォレット又はソフトウェア・ウォレットは、ユーザが取引を便利で容易に許可又は検証することができるようにする。しかし、これらはウォレットが脅威にさらされた場合、秘密鍵盗用のリスクを生じさせる。それに対して、インターネットから切断されたハードウェア・ウォレット又はソフトウェア・ウォレットは、より安全であるが、ユーザが取引を許可又は検証するために使用するのがより煩雑である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の多くの態様は、以下の図面を参照することにより、よりよく理解することができる。図面の構成要素は必ずしも原寸に比例しておらず、代わりに開示の原理を明確に示すことに重点が置かれている。更に、図面では、同様の参照番号はいくつかの図を通じて対応する部分を示している。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本開示の様々な実施形態によるネットワーク環境を示す図である。
図2】本開示の様々な実施形態による、図1のネットワーク環境において実装される機能の例を示すフローチャートである。
図3】本開示の様々な実施形態による、図1のネットワーク環境において実装される機能の例を示すフローチャートである。
図4】本開示の様々な実施形態による、図1のネットワーク環境において実装される機能の例を示すフローチャートである。
図5】本開示の様々な実施形態による、図1のネットワーク環境において実装される機能の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
第三者を保管者として使用して、分散台帳に記憶された非代替性トークン(NFT)などのデジタル資産の所有権を管理するための様々な手法を開示する。NFTなどのデジタル資産の所有権がユーザ間で譲渡される場合、NFTは新たな所有者のウォレット・アドレスを反映するように更新されることが多い。しかし、多くの分散台帳(例えばETHEREUM(登録商標)ブロックチェーン)は、NFTを第1のウォレット・アドレスから第2のウォレット・アドレスに移転するために取引手数料を課す。残念ながら、取引手数料は、分散台帳に対する相当な負荷又は分散台帳リソースに対する需要がある場合、かなり高額な場合がある。また、各ウォレット・アドレスが公開-秘密鍵ペアの公開鍵として機能する場合が多く、ユーザは自分のウォレットに関わる取引を許可するために必要な秘密鍵のセキュリティと機密性を維持する責任を負う。多くの非技術系ユーザは、自分の秘密鍵を適切に保護し、機密性を維持する備えが不十分である。
【0007】
これらの問題を解決するために、NFTなどのデジタル資産を保管者に所持された状態で購入、売却及び譲渡することができる。保管者は、NFTを保管者のウォレット・アドレスに関連付けることによってNFTの所有権を引き受けることができると共に、保管者は、現在そのNFTの真の受益権所有者が誰であるかに関する保管者自身の記録を維持することができる。保管者のユーザ、顧客又はクライアント間でのその後の譲渡は、NFTに関連付けられたウォレット・アドレスを更新する必要なしに、保管者によって維持されている記録を更新することによって処理することができる。その結果、個人間のNFTの所有権の譲渡のために分散台帳によって課される取引手数料をなくすことができる。また、個人は、そのサービスを行う保管サービスに頼ることができるため、自分のウォレット・アドレスに関連付けられた自分の秘密鍵のセキュリティと機密性とを維持する必要を回避することができる。その結果、関与するコンピューティング・システムの効率とセキュリティが向上する。
【0008】
以下の説明では、システム及びその構成要素について概説し、その後、それらの動作について説明する。以下の説明は、本開示の様々な構成要素の動作の実例を示すが、以下の実例の使用は、以下の実例によって開示される原理と矛盾しない他の実装形態を排除しない。
【0009】
図1を参照すると、様々な実施形態によるネットワーク環境100が示されている。ネットワーク環境100は、保管者コンピューティング環境103と、検証者コンピューティング環境106と、少なくとも一つのクライアント・デバイス109と、取引所111と、資産台帳113と、アイデンティティ台帳116とを含むことができ、これらはネットワーク119を介して互いにデータ通信することができる。
【0010】
ネットワーク119は、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、パーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)又はこれらの組合せを含むことができる。これらのネットワークには、有線若しくは無線の構成要素、又はそれらの組合せが含まれ得る。有線ネットワークには、イーサネット・ネットワーク、ケーブル・ネットワーク、光ファイバ・ネットワーク、並びにダイヤルアップ、デジタル加入者回線(DSL)、及び統合サービス・デジタル・ネットワーク(ISDN)・ネットワークなどの電話ネットワークが含まれ得る。無線ネットワークには、セルラ・ネットワーク、衛星ネットワーク、Institute of Electrical and Electronic Engineers(IEEE)802.11無線ネットワーク(すなわち、WI-FI(登録商標))、BLUETOOTH(登録商標)ネットワーク、マイクロ波伝送ネットワーク、及び無線放送に依存するその他のネットワークが含まれ得る。ネットワーク119は、二つ以上のネットワーク113の組合せも含むことができる。ネットワーク119の例には、インターネット、イントラネット、エクストラネット、仮想プライベート・ネットワーク(VPN)、及び同様のネットワークが含まれ得る。
【0011】
保管者コンピューティング環境103、検証者コンピューティング環境106及び/又は取引所111は、プロセッサ、メモリ、及び/又はネットワーク・インターフェースを含む一つ又は複数のコンピューティング・デバイスを含むことができる。例えば、コンピューティング・デバイスは、他のコンピューティング・デバイス又はアプリケーションに代わって演算を行うように構成可能である。別の例として、このようなコンピューティング・デバイスは、コンテンツをホストすること、及び/又は、コンテンツを求める要求に応答して他のコンピューティング・デバイスにコンテンツを提供することができる。
【0012】
また、保管者コンピューティング環境103、検証者コンピューティング環境106及び/又は取引所111は、一つ又は複数のサーバ・バンク又はコンピュータ・バンク或いは他の構成に配置可能な複数のコンピューティング・デバイスを採用することができる。そのようなコンピューティング・デバイスは、単一の設置場所に配置することができるか、又は多くの異なる地理的場所に分散させることができる。例えば、保管者コンピューティング環境103、検証者コンピューティング環境106及び/又は取引所111は、ホスト型コンピューティング・リソース、グリッド・コンピューティング・リソース又は任意の他の分散型コンピューティング構成を共に含むことができる、複数のコンピューティング・デバイスを含むことができる。場合によっては、保管者コンピューティング環境103、検証者コンピューティング環境106及び/又は取引所111は、割り当てられる処理能力、ネットワーク、ストレージ又は他のコンピューティング関係リソースが時間と共に変化し得る、柔軟性のあるコンピューティング・リソースに対応することができる。
【0013】
資産台帳113とアイデンティティ台帳116は両方とも、異なる地理的場所又はネットワーク場所における複数のノードにわたって散在する、同期化され、最終的に一貫したデータ・ストアを表す。資産台帳113又はアイデンティティ台帳116内の各ノードは、資産台帳113又はアイデンティティ台帳116に記憶されたすべてのデータを含む、資産台帳113又はアイデンティティ台帳116の複製コピーを含むことができる。資産台帳113又はアイデンティティ台帳116に関与する取引の記録を、資産台帳113又はアイデンティティ台帳116を形成する個別ノードを接続するピア・ツー・ピア・ネットワークを使用して共有又は複製することができる。資産台帳113又はアイデンティティ台帳116に取引又は記録が記録された後は、その記録が最終的にすべてのノードで記録されるまで、ピア・ツー・ピア・ネットワークにわたって複製することができる。資産台帳113又はアイデンティティ台帳116にデータが確実に書き込まれることを保証するために、様々な合意方法を使用することができる。いくつかの実装形態では、データは、資産台帳113又はアイデンティティ台帳116に書き込まれた後は変更不能である。資産台帳113又はアイデンティティ台帳116のために使用可能な分散データ・ストアの例には、様々な種類のブロックチェーンと、分散ハッシュ・テーブル(DHT)と、同様のデータ構造とが含まれ得る。資産台帳113又はアイデンティティ台帳116には、様々なデータを記憶することができる。例えば、資産台帳113は、一つ又は複数の非代替性トークン(NFT)123を記憶することができ、一方、アイデンティティ台帳116は一つ又は複数の所有権クレーム126及び/又は一つ又は複数の分散識別子127を記憶することができる。
【0014】
NFT123は、資産台帳113に記憶されたデータの非代替性単位を表す。NFT123は非代替性であるため、代替性が望ましくない様々な目的に使用することができる。例えば、NFT123は、歌、アート作品、ウェブサイトへの投稿、財産(例えば不動産又は動産)の所有権などの非代替性デジタル又は物理アイテムの所有権を表すために使用することができる。したがってNFT123の所有権の譲渡は、NFT123にリンクされた資産の所有権の譲渡を表し得る。したがって、本開示の様々な実装形態において、NFT123は、NFT識別子129、NFT所有者公開鍵133、及びNFT123にリンクされた資産又はNFT123にリンクされた資産の場所の記述などの他のデータを含むことができる。
【0015】
NFT識別子129は、NFT123を他のNFT123に対して一意に識別するそれぞれのNFT123の固有識別子を表す。NFT識別子129は、NFT123が準拠している規格に応じた様々な形式で形式化可能である。NFT規格の例には、ETHEREUM ERC-721規格、ETHREUM ERC-1155規格、FLOWブロックチェーンNFT規格などがある。
【0016】
NFT所有者公開鍵133は、NFT123の所有者に関連付けられた公開鍵を表す。NFT所有者公開鍵133は、NFT123の所有者を一意に識別するために使用することができる。NFT所有者公開鍵133は、その所有者によってNFT123の所有権を主張又は検証するためにも使用することができる。いくつかの実装形態では、NFT所有者公開鍵133は、NFT123のウォレット・アドレス又は所有者アドレスと呼ばれることもある。各NFT所有者公開鍵133について、それぞれのNFT所有者秘密鍵136も存在し得る。NFT所有者秘密鍵136は、NFT123の所有者が、NFT所有者公開鍵133を使用して検証可能な、暗号によりセキュリティ保護された署名を生成することによって、自分の所有権を検証することができるようにする。したがって、NFT所有者秘密鍵136は、資産台帳113とは別個の非公開場所に記憶することができる。
【0017】
所有権クレーム126は、デジタル資産123に対する所有権の主張を表し得る。そのような主張は、NFT所有者公開鍵133を管理するか又はNFT所有者公開鍵133に関連付けられた同じエンティティが行うことができる。しかし、所有権クレーム126は、保管者又は受託者の名義で保持されているNFT123の所有権を主張する第三者に関連付けることも可能である。例えば、保管者は、資産台帳113において保管者をNFT123の所有者として識別するために、自分の公開鍵をNFT所有者公開鍵133として使用してもよい。しかし、保管者は他者に代わってNFT123を管理していることも可能である。第三者がNFT123の受益権所有者又は真の所有者を検証することができるようにするために、所有権クレーム126をアイデンティティ台帳に記憶することができる。所有権クレーム126は、所有権クレーム126に従属するNFT識別子129と、NFT123の所有を主張する個人を表す所有者識別子139とを含むこともできる。所有権クレーム126は、ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム(W3C)の分散識別子(DID:Decentralized Identifier)規格などの様々な規格を使用して実装することも可能である。
【0018】
分散識別子(DID)127は、個人又は事業体の識別子を表し、アイデンティティ台帳116に記憶することができる。DID127は、他者に対して自分のアイデンティティを主張するために個人によって使用される任意の自己主権型識別子を表すことができ、他者がその個人のアイデンティティを検証することができるようにするためにアイデンティティ台帳116に記憶することができる。したがって、いくつかの実装形態では、DID127は、個人によって管理される公開-秘密鍵ペアの公開鍵を含み得る。DID127は、DID127がDID127を使用する個人を識別子として識別することを証明又は検証した他の個人又は事業体の秘密鍵を使用して生成された一つ又は複数の暗号署名も含むことができる。DID127は、ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム(W3C)の分散識別子(DID)規格などの様々な手法を使用して実装することができる。本開示のいくつかの実装形態では、所有者識別子139をDID127として実装することができる。
【0019】
保管者コンピューティング環境103及び検証者コンピューティング環境106において、様々なアプリケーション又は他の機能を実行することができる。保管者コンピューティング環境103によって実行される構成要素には、保管サービス143、及び場合によっては本明細書で詳述されていない他のアプリケーション、サービス、プロセス、システム、エンジン又は機能が含まれ得る。
【0020】
また、保管者コンピューティング環境103によって使用される様々なデータを、保管者コンピューティング環境103にアクセス可能な保管者データ・ストア146に記憶することができる。保管者データ・ストア146は、リレーショナル・データベース、又は、オブジェクト指向データベース、階層データベース、ハッシュ・テーブル若しくは同様のキー値データ・ストアなどの非リレーショナル・データベースと、他のデータ記憶アプリケーション若しくはデータ構造とを含み得る、複数のデータ・ストアを表し得る。保管者データ・ストア146は、暗号鍵などの機密情報を記憶するための、安全な又はアクセスが限定されたデータ・ストレージも含むことができる。また、単一の論理データ・ストアを提供するために、これらのデータベース、データ記憶アプリケーション、及び/又はデータ構造の組合せを一緒に使用することもできる。保管者データ・ストア146に記憶されているデータは、後述する様々なアプリケーション又は機能エンティティの動作に関連付けられている。このデータは、一つ又は複数の資産記録149と、NFT所有者公開鍵133と、それぞれのNFT所有者秘密鍵136と、場合によっては他のデータとが含まれ得る。
【0021】
資産記録149は、他者に代わって保管サービス143によって管理される個別のNFT123に関連付けられたデータを表す。各資産記録149は、それぞれのNFT123のNFT識別子129と、保管サービス143によって管理されているNFT123の個別の主張所有権の所有者識別子139とを含むことができる。
【0022】
保管サービス143は、個人に代わって様々な動作を行うために実行可能である。例えば、保管サービス143は、1人の個人から別の個人にNFT123の所有権を譲渡するために実行可能である。保管サービス143は、NFT123が現在、保管サービス143によって所有又は管理されていない状況などにおいて、NFT123を取得又は処分するために実行することもできる。保管サービス143は、個別NFT123のアイデンティティ台帳116に記憶される所有権クレーム126の作成、破棄又は更新も行うことができる。これらのプロセスの一部として、保管サービス143は、NFT123の所有者が自分の所有権を第三者に対して検証することができるように、クライアント・デバイス109に対して検証可能クレデンシャル159を作成又は発行することもできる。保管サービス143は、それぞれのNFT123の保管を維持した状態で、顧客が取引所111を使用してNFT123を購入又は販売することができるようにするために、取引所111と通信するように構成することもできる。
【0023】
検証可能クレデンシャル159は、任意のデジタル・クレデンシャルを表し得る。例えば、検証可能クレデンシャル159は、検証可能クレデンシャルのためのワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム(W3C)規格を使用して実装することが可能である。検証可能クレデンシャル159は、検証可能クレデンシャル159の発行者のアイデンティティ、検証可能クレデンシャル159が発行された時点を示すタイムスタンプ、検証可能クレデンシャル159が有効期限切れになる時点を示すタイムスタンプ、及び/又は、第三者が検証可能クレデンシャル159の真正性及び/又は完全性を検証するために使用することができる証明機構など、いくつかの構成要素を含むことができる。証明機構には、検証可能クレデンシャル159の発行者又は信頼できる検証機関(例えば検証者サービス153)によるデジタル署名、トークンのそれぞれのデジタル署名を有するトークン、ゼロ知識証明スキームなどが含まれ得る。
【0024】
検証者コンピューティング環境106によって実行される構成要素には、検証者サービス153、及び場合によっては、本明細書で詳述していない他のアプリケーション、サービス、プロセス、システム、エンジン又は機能が含まれ得る。検証者サービス153は、保管サービス143によって発行された所有権クレーム126を証明するため、及び/又は第三者に代わって所有権クレーム126を検証するために実行することができる。例えば、検証者サービス153は、所有権クレーム126に関連付けられた検証可能クレデンシャル159の証明として使用される検証可能クレデンシャル159の暗号署名を生成するために、検証者秘密鍵156を使用することができる。同様に、検証者サービス153は、所有権クレーム126のために発行された検証可能クレデンシャル159が有効であることを確認するために実行することができる。
【0025】
クライアント・デバイス109は、ネットワーク119に結合可能な複数のクライアント・デバイス109を表す。クライアント・デバイス109は、コンピュータ・システムなどのプロセッサ・ベースのシステムを含み得る。そのようなコンピュータ・システムは、パーソナル・コンピュータ(例えば、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、又は同様のデバイス)、モバイル・コンピューティング・デバイス(例えば、パーソナル・デジタル・アシスタント、携帯電話、スマートフォン、ウェブ・パッド、タブレット・コンピュータ・システム、音楽プレーヤ、ポータブル・ゲーム・コンソール、電子ブック・リーダ、及び同様のデバイス)、メディア再生デバイス(例えば、メディア・ストリーミング・デバイス、BluRay(登録商標)プレーヤ、デジタル・ビデオ・ディスク(DVD)・プレーヤ、セットトップ・ボックス、及び同様のデバイス)、ビデオゲーム・コンソール、又は同様の機能を有する他のデバイスの形で具現化することができる。クライアント・デバイス109は、液晶ディスプレイ(LDC)、ガス・プラズマ・ベースのフラット・パネル・ディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)・ディスプレイ、電気泳動インク(「Eインク」)・ディスプレイ、プロジェクタ、又は他の種類のディスプレイ・デバイスなどの一つ又は複数のディスプレイを含むことができる。場合によっては、ディスプレイは、クライアント・デバイス109の構成要素とすることができるか、又は有線若しくは無線接続を介してクライアント・デバイス109に接続可能である。
【0026】
クライアント・デバイス109は、ブラウザ166又はアイデンティティ・ウォレット169などの様々なアプリケーションを実行するように構成可能である。ブラウザ166は、クライアント・デバイス109によって、取引所111などのNFT123を購入又は販売することができる資産市場によって提供されるウェブページなど、ネットワークにアクセスするために実行可能である。アイデンティティ・ウォレット169は、所有者識別子139、及び/又は検証者サービス153によって発行された検証可能クレデンシャル159を形成するクレデンシャル又はデータなど、クライアント・デバイス109のユーザの識別クレデンシャルを管理するために使用することができる。クライアント・デバイス106は、電子メール・アプリケーション、ソーシャル・ネットワーキング・アプリケーション、ワード・プロセッサ、スプレッドシート、又は他のアプリケーションなど追加のアプリケーションを実行するように構成することができる。
【0027】
前述のように、取引所111は、ユーザが販売のためにNFT123をリストすること及び/又はNFT123の応札又は購入を行うことを可能にする、一つ又は複数のコンピューティング・デバイス、コンピューティング・リソース、及び/又はアプリケーション若しくはサービスを表し得る。取引所111の例には、OPENSEA(登録商標)、NIFTY GATEWAY(登録商標)、FANOPOLY(登録商標)、及びTOPSHOT(登録商標)などのデジタル・マーケットプレイスが含まれる。
【0028】
次に、ネットワーク環境100の様々な構成要素の動作の概説が示される。以下の説明は、例示を目的として示すものである。ただし、特定の実装形態及び/又は取引に応じて、他の動作及び相互連絡も可能である。
【0029】
まず初めに、ユーザが自分の所有者識別子139を分散識別子(DID)127としてアイデンティティ台帳116に登録する。DID127は、ユーザを識別する情報(例えば名前、連絡先情報など)と、ユーザを識別するために使用可能な公開鍵とを含むことができる。
【0030】
その後、購入のためにNFT取引所111にNFT123をリストすることができる。ユーザは、NFT取引所111からNFT123を購入することができる。購入プロセスの一部として、又は購入の後に、ユーザはNFT123が保管サービス143によって保持又は維持されるように要求することができる。
【0031】
保管サービス143は、次いで、NFT123の公開所有権を引き受ける。例えば、保管サービス143は、保管サービス143のNFT所有者公開鍵133をNFT123のNFT所有者公開鍵133として資産台帳113に記録することができる。一方、保管サービス143は、NFT123の所有権を別個に追跡するために資産記録149を作成することもできる。資産記録149は、ユーザによって購入されたNFTのNFT識別子129と、ユーザの所有者識別子139とを含むことができる。
【0032】
NFT123の資産記録149を更新することによって、NFT123の所有権のその後の譲渡を記録することができる。例えば、ユーザがNFT123を別のユーザに転売又は譲渡した場合、保管サービス143は、新たな所有者の所有者識別子139を含めるようにNFT123の資産記録149を更新することができる。一方、NFT123に割り当てられたNFT所有者公開鍵133は変化しないままとなる。その結果、NFT123は依然として保管サービス143によって所有されているものとして識別されることとなり、所有権の変更の結果としてネットワーク取引手数料(例えばETHREUMのガス代)を資産台帳113のノードに支払う必要がない。また、ユーザは、NFT所有者秘密鍵136のセキュリティを維持するために、大部分の個人ユーザよりも適任であり、より多くの知識を有する保管サービス143の運営者に頼ることができる。
【0033】
次に図2を参照すると、図1のネットワーク環境100の様々な構成要素間の相互連絡の一つの例を示すシーケンス図が示されている。これらの相互連絡は、例えば、個人が保管サービス143を使用してNFT123を取得することを可能にするために行うことができる。図2のシーケンス図は、ネットワーク環境100の記載部分の動作を実施するために採用可能な多くの異なる種類の機能構成の一例を示すに過ぎない。代替として、図2のシーケンス図は、ネットワーク環境100内で実施される方法の要素の一例を示すものと見ることができる。
【0034】
ブロック203から開始し、保管サービス143は保管サービス143の分散識別子127をアイデンティティ台帳116に公開することができる。分散識別子(DID)127は、保管サービス143によって管理されているNFT所有者秘密鍵136及び/又はNFT所有者公開鍵133によって署名された、トークンを含むことができる。この情報は、他のエンティティが、保管者コンピューティング環境103及び/又は保管サービス143を運営する保管者のアイデンティティを検証するために使用することができる。場合によっては、保管サービス143がNFT###を参照又は照会するために使用するスキーマも公開することができる。そのようなスキーマは、保管サービス143によって使用されるブロックチェーン・アドレス、保管サービス143によって使用されるNFT所有者公開鍵133、及び他の情報を指定することができる。いくつかの実装形態では、スキーマは保管サービス143によってアイデンティティ台帳116に公開されるDID127に含めることができる。
【0035】
次いで、ブロック206で、保管サービス143は顧客によって指定されたNFT123の所有権を引き受けることを求める要求を顧客から受け取ることができる。所有権を引き受けることを求めるこの要求は、いくつかの文脈において受け取る可能性がある。例えば、クライアント・デバイス109のユーザが、購入者に代わって所有権を引き受けることを求める要求を保管サービス143に送信した場合がある。別の例として、ユーザはクライアント・デバイス109にインストールされているブラウザ###を使用して保管サービス143によって提供されるウェブページに行き、NFT識別子129と、保管サービス143がNFT123の所有権を引き受けるために必要な任意の他の必須情報とを提供することができる。一般に、NFT123の所有権の引き受けを求める要求は、少なくともNFT123のNFT識別子129と、保管サービス143がNFT123の所有を引き受けることを要求する個人の所有者識別子139とを含むことになる。
【0036】
次に、ブロック209で、保管サービス143はNFT123の所有権を引き受けることができる。例えば、保管サービス143は、NFT123の所有権が更新されることを可能にする、NFT123によって提供される方法又は機能を呼び出すことができる。保管サービス143は、保管サービス143のNFT所有者公開鍵133をこの機能の引数として提供することができ、それによってNFT所有者公開鍵133を更新することができる。保管サービス143は、保管サービス143が資産台帳113に記憶されている情報とは別個にNFT123の所有権を追跡することができるようにするために、資産記録149を作成することもできる。例えば、保管サービス143は、NFT123のNFT識別子129と、ブロック206で受け取った要求に関連付けられた所有者の所有者識別子139とを含む資産記録149を作成することができる。
【0037】
ブロック213に進み、資産台帳113はNFT123の所有権の変更を記録することができる。資産台帳113は、NFT識別子129によって指定されたNFT123を、保管サービス143によって提供されたNFT所有者公開鍵133を反映するように更新することができる。この結果として、NFT123の公開所有者は保管サービス143の運営者としてリストされることになる。
【0038】
ブロック216に進み、保管サービス143は、顧客が保管サービス143によって保持されているNFT123の所有者であることを証明するために、ブロック206でNFT123の所有権を引き受けることを求める要求を送信した顧客が使用することができる検証可能クレデンシャル159を作成することができる。例えば、保管サービス143は、検証可能クレデンシャル159を生成し、検証可能クレデンシャル159にNFT所有者秘密鍵136で署名することができる。別の例として、保管サービス143は、トークンを生成し、トークンにNFT所有者秘密鍵136で署名し、署名したトークンを真正性の証明として使用するための検証可能クレデンシャル159に挿入することができる。いくつかの例では、保管サービス143は代わりに検証可能クレデンシャル159のコピーを検証者サービス153に提供することができる。このような例では、検証者サービス153は、保管サービス143によって提供された検証可能クレデンシャル159の真正性を検証することができ、次いで、検証可能クレデンシャル159に検証者秘密鍵163で署名するか、又は検証者秘密鍵163を使用して署名されたトークンを生成することができ、これをその後、検証可能クレデンシャル159に含めることができる。これらの例では、検証可能クレデンシャル159を、次いで検証者サービス153が保管サービス143に返すことができる。
【0039】
次にブロック219を参照すると、保管サービス143は次いで、顧客のアイデンティティ・ウォレット169に検証可能クレデンシャル159を提供することができる。これは、様々な保護された送信機構を使用して行うことができる。保管サービス143は、顧客のクライアント・デバイス109上のアイデンティティ・ウォレット169に検証可能クレデンシャル159を提供するために、W3C DID規格によって定義されている一つ又は複数の機構を使用することができる。
【0040】
その後、ブロック223で、アイデンティティ・ウォレット169がクライアント・デバイス109に、保管サービス143から受け取った検証可能クレデンシャル159を保存又は記憶することができる。
【0041】
ブロック226に進み、アイデンティティ・ウォレット169は所有権クレーム126を作成することができる。これは、保管サービス143がNFT123の所有権を成功裏に引き受けたことをアイデンティティ・ウォレット169が知るように、検証可能クレーム159の受領に応答して行われてもよい。所有権クレーム126を作成するために、アイデンティティ・ウォレット169は、顧客が資産台帳113に保存されているNFT123の真の所有者であると主張する、W3C DID規格によって定義されている主張などのクレームを作成することができる。したがって、所有権クレーム126はNFT識別子129と顧客の所有者識別子139とを含むことができる。しかし、いくつかの実装形態では、保管サービス143は、アイデンティティ・ウォレット169の代わりに所有権クレーム126を作成することができる。
【0042】
次に、ブロック229で、アイデンティティ・ウォレット169は、所有権クレーム126をアイデンティティ台帳116に保存することができる。例えば、アイデンティティ・ウォレット169は、アイデンティティ台帳116のノードにわたって分散させるために、所有権クレーム126をアイデンティティ台帳116に書き込むか、又は所有権クレーム126をアイデンティティ台帳116に提供することができる。しかし、保管サービス143が所有権クレーム126を作成したこれらの実装形態では、保管サービス143が代わりに所有権クレーム126をアイデンティティ台帳116に保存することができる。その結果、NFT123の真の所有者又は受益権所有者はアイデンティティ台帳116に記憶されている所有権クレーム126によって識別されるが、資産台帳113によって保管サービス143の運営者がNFT123の所有者として認識される。保管サービス143が資産台帳113におけるNFT123を譲渡又は更新する必要なしに、NFT123の所有権の変更を反映するように、新たな、又は更新された所有権クレーム126をアイデンティティ台帳116に保存することができる。これにより、NFT123の所有権の変更に付随する可能性がある資産台帳113によって課される取引手数料(例えばETHEREUMブロックチェーン・ネットワークによって課されるガス代)を削減することができる。
【0043】
次に図3を参照すると、図1のネットワーク環境100の様々な構成要素間の相互連絡の一つの例を示すシーケンス図が示されている。これらの相互連絡は、例えば、個人が指定されたNFT123を所有していることを第三者が検証することができるようにするために使用可能である。図3のシーケンス図は、ネットワーク環境100の記載部分の動作を実施するために採用可能な多くの異なる種類の機能構成の一例を示すに過ぎない。代替として、図3のシーケンス図は、ネットワーク環境100内で実施される方法の要素の一例を示すものと見ることができる。
【0044】
ブロック303で開始して、検証者サービス153は検証要求を受け取ることができる。検証要求は、個人が、資産台帳に記憶されているNFT123の所有者であることを検証又は証明するために要求され得る。検証要求は、NFT123のNFT識別子129及び個人の所有者識別子139(例えば、個人が自分の所有者識別子139として使用する分散識別子127)などの情報を含むことができる。様々な実装形態の要望通りに他の情報も検証要求に含めることができる。
【0045】
ブロック306に進み、検証者サービス153は、ブロック303における検証要求の受領に応答してアイデンティティ・ウォレット169に証明要求を送ることができる。証明要求は、アイデンティティ・ウォレット169が所望の検証可能クレデンシャル159の証明を返すことができるように、認証又は検証される検証可能クレデンシャル159を指定することができる。例えば、証明要求は、(例えばNFT123のNFT識別子129を含めることによって)検証可能クレデンシャル159に関連付けられたNFT識別子を指定することができる。
【0046】
次いで、ブロック309で、アイデンティティ・ウォレット169が検証可能クレデンシャル159を検索し、検証可能クレデンシャル159に対する真正性又は完全性の証明を検証者サービス153に返すことができる。例えば、検証可能クレデンシャル159が保管サービス143又は検証者サービス153によって署名されていた場合、アイデンティティ・ウォレット169は検証可能クレデンシャル159の署名を返すことができる。別の例では、検証可能クレデンシャル159が、保管サービス143又は検証者サービス153によって署名されたトークンを含む場合、そのトークンと、トークンの暗号署名とを真正性又は完全性の証明として検証者サービス153に返すことができる。
【0047】
次いで、ブロック313で、検証者サービス153が検証可能クレデンシャルの発行者を検証することができる。例えば、検証者サービス153はアイデンティティ台帳116から検証可能クレデンシャル159の発行者の分散識別子(DID)127を取り出すことができる。例えば、保管サービス143が検証可能クレデンシャル159を発行していた場合、検証者サービス153はアイデンティティ台帳116から保管サービスのDID127を取り出すことができる。
【0048】
その後、ブロック316で、検証者サービス153は検証可能クレデンシャル159の真正性を検証することができる。例えば、検証者サービス153は、検証可能クレデンシャル159の暗号署名を検証するために、保管サービス143によって維持されているNFT所有者公開鍵133など、検証可能クレデンシャル159の発行者の公開鍵を使用することができる。同様に、検証者サービス153は、検証可能クレデンシャル159に関連付けられたトークンの暗号署名を検証するために、保管サービス143によって維持されているNFT所有者公開鍵133など、検証可能クレデンシャル159の発行者の公開鍵を使用することができる。検証者サービス153が検証可能クレデンシャル159の発行者のDID127から取り出された公開鍵を使用して暗号署名を確認した場合、検証者サービス153は、検証可能クレデンシャル159の保持者がNFT123の現在の所有者であると確認することができる。
【0049】
次に図4を参照すると、図1のネットワーク環境100の様々な構成要素間の相互連絡の一つの例を示すシーケンス図が示されている。これらの相互連絡は、例えば、第1の個人が保管サービス143によって保持されているNFT123の所有権を第2の個人に譲渡することができるようにするために行うことができる。図4のシーケンス図は、ネットワーク環境100の記載部分の動作を実施するために採用可能な多くの異なる種類の機能構成の一例を示すに過ぎない。代替として、図4のシーケンス図は、ネットワーク環境100内で実施される方法の要素の一例を示すものと見ることができる。
【0050】
ブロック403から開始し、保管サービス143は、NFT123の所有権を譲渡する要求を受け取ることができる。要求は様々な文脈において受け取られる可能性がある。例えば、要求は現在の所有者による取引所111におけるNFT123の販売に応答して取引所111から受け取ることができる。別の例として、(例えば、現在の所有者がNFT123を別の者に贈呈することにより、又は現在の所有者がNFT123の相対売買を完了するのに応答して)NFT123の現在の所有者が要求を送ることができる。NFT123の所有権を譲渡する要求は、NFT識別子129、NFT識別子の新たな所有者の所有者識別子139、及びNFT123の現在の所有者を保管サービス143によって認証するのに十分な情報などのデータを含むことができる。
【0051】
次いで、ブロック406で、保管サービス143は、NFT123の所有権を証明又は検証することができる。NFT123の所有権を証明又は検証するために使用されるプロセスについては図3の説明で前述している。
【0052】
保管サービス143がNFT123の所有権を検証した後、保管サービス143はNFT123の新たな所有者を反映するように資産記録149を更新することができる。例えば、保管サービス143は、一致するNFT識別子129を有する資産記録149を検索し、ブロック403で受け取った要求で指定されている、新たな所有者の所有者識別子139と一致させるように資産記録149における所有者識別子139を更新することができる。
【0053】
資産記録149を更新した後、保管サービス143は、ブロック413でアイデンティティ台帳116に記憶されている、前の所有権クレーム126を破棄又は無効化することができる。例えば、保管サービス143は、既存の所有権クレーム126の状況が無効又は破棄されていることを示すように、既存の所有権クレーム126を更新することができる。別の例として、保管サービス143は、前の所有権クレーム126を、保管サービス143によって認識されなくなったNFT123のすべての所有権クレーム126を識別する破棄リストに加えることができる。場合によっては、更新された破棄リストは保管サービス143によって再公開されてもよい。
【0054】
次いで、ブロック416で、保管サービス143は、新たな所有者が保管サービス143によって保持されているNFT123の所有者であることを証明するために、NFT123の新たな所有者が使用することができる検証可能クレデンシャル159を作成することができる。例えば、保管サービス143は、検証可能クレデンシャル159を生成し、検証可能クレデンシャル159にNFT所有者秘密鍵136によって署名することができる。別の例として、保管サービス143は、トークンを生成し、トークンにNFT所有者秘密鍵136によって署名し、署名したトークンを真正性の証明としての使用のために検証可能クレデンシャル159に挿入することができる。いくつかの例では、保管サービス143は、代わりに検証可能クレデンシャル159のコピーを検証者サービス153に提供することができる。これらの例では、検証者サービス153は、保管サービス143によって提供された検証可能クレデンシャル159の真正性を検証することができ、次いで、検証可能クレデンシャル159に検証者秘密鍵163で署名するか、又は検証者秘密鍵163を使用して署名されたトークンを生成することができ、これをその後、検証可能クレデンシャル159に含めることができる。これらの例では、検証可能クレデンシャル159を、次いで検証者サービス153が保管サービス143に返すことができる。
【0055】
次にブロック419を参照すると、保管サービス143は次に、NFT123の新たな所有者のアイデンティティ・ウォレット169に検証可能クレデンシャル159を提供することができる。これは、様々なセキュリティ保護された送信機構を使用して行うことができる。保管サービス143は、新たな所有者のクライアント・デバイス109上のアイデンティティ・ウォレット169に検証可能クレデンシャル159を提供するために、W3C DID規格によって定義されている一つ又は複数の機構を使用することができる。
【0056】
その後、ブロック423で、新たな所有者のアイデンティティ・ウォレット169が、クライアント・デバイス109に、保管サービス143から受け取った検証可能クレデンシャル159を保存又は記憶することができる。
【0057】
ブロック426に進み、アイデンティティ・ウォレット169は所有権クレーム126を作成することができる。これは、保管サービス143がNFT123の所有権を記録する資産記録を成功裏に更新したことをアイデンティティ・ウォレット169が知るように、検証可能クレーム159の受領に応答して行うことができる。所有権クレーム126を作成するために、アイデンティティ・ウォレット169は、W3C DID規格によって定義されている主張など、NFT123の新たな所有者が資産台帳113に保存されているNFT123の真の所有者であると主張するクレームを作成することができる。したがって、所有権クレーム126は、NFT識別子129と新たな所有者の所有者識別子139とを含むことができる。しかし、いくつかの実装形態では、保管サービス143がアイデンティティ・ウォレット169の代わりに所有権クレーム126を作成することができる。
【0058】
次に、ブロック429で、アイデンティティ・ウォレット169は、所有権クレーム126をアイデンティティ台帳116に保存することができる。例えば、アイデンティティ・ウォレット169は、アイデンティティ台帳116のノードにわたって分散させるために、所有権クレーム126をアイデンティティ台帳116に書き込むか、所有権クレーム126をアイデンティティ台帳116に提供することができる。しかし、保管サービス143が所有権クレーム126を作成したこれらの実装形態では、保管サービス143が代わりに所有権クレーム126をアイデンティティ台帳116に保存することができる。その結果、資産台帳113においてNFT123を譲渡又は更新する必要なしに、NFT123の所有権の変更を記録することができ、資産台帳113は引き続き保管サービス143をNFT123の所有者として示す。これによって、NFT123の所有権の変更に関係する可能性がある資産台帳113によって課される取引手数料(例えば、ETHEREUMブロックチェーン・ネットワークによって課されるガス代)が削減される。
【0059】
次に図5を参照すると、図1のネットワーク環境の様々な構成要素間の相互連絡の一つの例を示すシーケンス図が示されている。これらの相互連絡は、例えば、NFT123の所有者が保管サービス143を使用して販売のために取引所111にNFT123をリストすることができるようにするために実行可能である。図5のシーケンス図は、ネットワーク環境100の記載部分の動作を実施するために採用可能な多くの異なる種類の機能構成の一例を示すに過ぎない。代替として、図5のシーケンス図は、ネットワーク環境100内で実施される方法の要素の一例を示すものと見ることができる。
【0060】
ブロック503から開始して、取引所111はNFT123のリスティング又はNFT123のリスティングの通知を受け取ることができる。例えば、NFT123の所有者がNFT123を販売のために取引所111にリストしている場合がある。NFT123のリスティング通知はNFT識別子129を含むことができる。場合によっては、(NFT123をリストするユーザによって提供された場合)所有者識別子139も含むことができる。
【0061】
次いで、ブロック506で、取引所111は保管サービス143にNFT123を検証するよう求める要求を送信することができる。検証要求は、検証されるNFTのNFT識別子129を含むことができる。いくつかの実装形態において、検証要求はNFT123の主張所有者の所有者識別子139も含むことができる。
【0062】
次に、ブロック509で、保管サービス143が、ブロック506における検証要求の受領に応答して、アイデンティティ・ウォレット169に証明要求を送ることができる。証明要求は、アイデンティティ・ウォレット169が所望の検証可能クレデンシャル159の証明を返すことができるように、認証又は検証される検証可能クレデンシャル159を指定することができる。例えば、証明要求は、検証可能クレデンシャル159に関連付けられたNFT123を(例えば、NFT123のNFT識別子129を含めることによって)指定することができる。
【0063】
ブロック513に進み、アイデンティティ・ウォレット169が、検証可能クレデンシャル159を検索し、検証可能クレデンシャル159に対する真正性又は完全性の証明を保管サービス143に返すことができる。例えば、検証可能クレデンシャル159が保管サービス143又は検証者サービス153によって署名されている場合、アイデンティティ・ウォレット169は検証可能クレデンシャル159の署名を返すことができる。別の例として、検証可能クレデンシャル159が保管サービス143又は検証者サービス153によって署名されたトークンを含む場合、そのトークンとトークンの暗号署名とが保管サービス153に返されてもよい。
【0064】
ブロック516に進み、保管サービス143が、検証可能クレデンシャル159を検証するためにアイデンティティ・ウォレット169から受け取った証明を使用することができる。例えば、保管サービス143は、検証可能クレデンシャル159の暗号署名又は検証可能クレデンシャル159と共に記憶されているトークンの暗号署名を検証するために、保管サービス143によって維持されているNFT所有者公開鍵133を使用することができる。保管サービス143によって生成された暗号署名が、証明要求に応答してアイデンティティ・ウォレット169によって提供された暗号署名と一致する場合、保管サービス143は検証可能クレデンシャル159の所有者がNFT123の所有者であると判定することができる。
【0065】
次いで、ブロック519で、保管サービス143はNFT123の所有権を確認するメッセージを取引所111に送信することができる。このメッセージは、所有者識別子139がNFT123の記録の真の所有者を識別していることと、所有権を確認する検証可能クレデンシャル159が有効であることとを示す標識を含むことができる。
【0066】
その後、ブロック513で、取引所111は販売のために取引所でNFT123を公開することができる。NFT123の公開又はリスティングは、保管サービス143がNFT123の所有権を裏付けるのに応答して行うことができる。
【0067】
前述のいくつかのソフトウェア・コンポーネントは、それぞれのコンピューティング・デバイスのメモリに記憶され、それぞれのコンピューティング・デバイスのプロセッサによって実行可能である。この点で、「実行可能」という用語は、最終的にプロセッサが実行できる形式のプログラム・ファイルを意味する。実行可能プログラムの例は、メモリのランダム・アクセス部分にロードされてプロセッサによって実行可能な形式のマシン・コード、メモリのランダム・アクセス部分にロードされてプロセッサによって実行可能なオブジェクト・コードなどの適切な形式で表現することができるソース・コード、又は別の実行可能プログラムによって解釈されて、プロセッサによって実行されるメモリのランダム・アクセス部分に命令を生成することができるソース・コードに変換可能なコンパイルされたプログラムとすることができる。実行可能なプログラムは、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハード・ドライブ、ソリッド・ステート・ドライブ、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)・フラッシュ・ドライブ、メモリ・カード、コンパクト・ディスク(CD)若しくはデジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)などの光ディスク、フロッピー・ディスク、磁気テープ、又は他のメモリ構成要素を含む、メモリの任意の部分又は構成要素に記憶することができる。
【0068】
メモリは、揮発性及び不揮発性メモリ及びデータ・ストレージ構成要素の両方を含む。揮発性構成要素とは、電力が失われたときにデータ値を保持しない構成要素である。不揮発性構成要素とは、電力が失われたときにデータを保持する構成要素である。したがって、メモリには、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハード・ディスク・ドライブ、ソリッド・ステート・ドライブ、USBフラッシュ・ドライブ、メモリ・カード・リーダを介してアクセスされるメモリ・カード、関連付けられたフロッピー・ディスク・ドライブを介してアクセスされるフロッピー・ディスク、光ディスク・ドライブを介してアクセスされる光ディスク、適切なテープ・ドライブを介してアクセスされる磁気テープ、若しくは他のメモリ構成要素、又はこれらのメモリ構成要素のうちの任意の二つ以上の組合せが含まれ得る。更に、RAMには、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)、又は磁気ランダム・アクセス・メモリ(MRAM)などのデバイスが含まれ得る。ROMには、プログラム可能読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能なプログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラム可能読み出し専用メモリ(EEPROM)、又は他の同様のメモリ・デバイスが含まれ得る。
【0069】
本明細書に記載のアプリケーション及びシステムは、上記のように汎用ハードウェアによって実行されるソフトウェア又はコードで具現化することができるが、代替として、同じものを専用ハードウェア又はソフトウェア/汎用ハードウェア及び専用ハードウェアの組合せで具現化することもできる。専用ハードウェアで具現化される場合、各々は、いくつかの技術のいずれか一つ、又は組合せを採用する回路又はステート・マシンとして実装することができる。これらの技術には、一つ又は複数のデータ信号の適用時に様々な論理機能を実装するための論理ゲートを有するディスクリート論理回路、適切な論理ゲートを有する特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、又は他の構成要素などが含まれ得るが、これらに限定されない。そのような技術は、一般に当業者によく知られており、したがって、本明細書では詳細に説明していない。
【0070】
フローチャート及びシーケンス図は、本開示の様々な実施形態の一部の実装形態の機能及び動作を示す。ソフトウェアで具現化される場合、各ブロックは、指定された論理機能を実装するためのプログラム命令を含むモジュール、セグメント、又はコードの一部を表し得る。プログラム命令は、プログラミング言語で書かれた人間が読めるステートメントを含むソース・コード、又はコンピュータ・システムのプロセッサなどの適切な実行システムによって認識可能な数値命令を含むマシン・コードの形式で具現化することができる。マシン・コードは、様々なプロセスを通じてソース・コードから変換できる。例えば、マシン・コードは、対応するアプリケーションを実行する前に、コンパイラを用いてソース・コードから生成することができる。別の例として、マシン・コードは、インタプリタによる実行と同時にソース・コードから生成することができる。他の手法も使用することができる。ハードウェアで具現化される場合、各ブロックは、指定された一つ又は複数の論理機能を実装するための回路又はいくつかの相互接続された回路を表し得る。
【0071】
フローチャート及びシーケンス図は特定の実行順序を示しているが、実行順序は図示されているものとは異なり得るものと理解される。例えば、二つ以上のブロックの実行順序は、示されている順序に対してスクランブルすることができる。また、連続して示されている二つ以上のブロックは、並行して実行することも、又は部分的に並行して実行することもできる。更に、いくつかの実施形態では、フローチャート及びシーケンス図に示されているブロックのうちの一つ又は複数のブロックをスキップ又は省略することができる。更に、ユーティリティ、アカウンティング、パフォーマンス測定の強化、又はトラブルシューティング支援の提供などの目的で、本明細書で説明する論理フローに任意の数のカウンタ、状態変数、警告セマフォ、又はメッセージを追加することができる。そのようなすべての変形は、本開示の範囲内にあると理解される。
【0072】
また、ソフトウェア又はコードを含む本明細書に記載のどの論理又はアプリケーションも、コンピュータ・システム又は他のシステムのプロセッサなどの命令実行システムによって、又はそれに接続して使用するために、任意の非一時的なコンピュータ可読媒体で具現化することができる。この意味で、論理は、コンピュータ可読媒体からフェッチされ、命令実行システムによって実行することができる命令及び宣言を含むステートメントを含むことができる。本開示の文脈において、「コンピュータ可読媒体」は、命令実行システムによって、又はそれに関連して使用するために、本明細書に記載の論理又はアプリケーションを含むか、記憶するか、又は維持することができる任意の媒体であり得る。また、複数のコンピューティング・デバイス(例えばストレージ・エリア・ネットワーク又は分散若しくはクラスタ化ファイルシステム若しくはデータベース)にわたって配置された分散コンピュータ可読媒体の集まりも、まとめて単一の非一時的なコンピュータ可読媒体とみなすことができる。
【0073】
コンピュータ可読媒体は、磁気媒体、光媒体、又は半導体媒体などの多くの物理媒体のいずれか一つを含み得る。適切なコンピュータ可読媒体のより具体的な例には、磁気テープ、磁気フロッピー・ディスケット、磁気ハード・ドライブ、メモリ・カード、ソリッド・ステート・ドライブ、USBフラッシュ・ドライブ、又は光ディスクが含まれるが、これらに限定されない。また、コンピュータ可読媒体は、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)及びダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)を含むランダム・アクセス・メモリ(RAM)、又は磁気ランダム・アクセス・メモリ(MRAM)とすることができる。更に、コンピュータ可読媒体は、読み出し専用メモリ(ROM)、プログラム可能読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能なプログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラム可能読み出し専用メモリ(EEPROM)又は他の種類のメモリ・デバイスとすることができる。
【0074】
更に、本明細書に記載のどの論理又はアプリケーションも、様々な方法で実装及び構造化することができる。例えば、記載されている一つ又は複数のアプリケーションは、単一のアプリケーションのモジュール又は構成要素として実装することができる。更に、本明細書に記載されている一つ又は複数のアプリケーションは、共有若しくは別個のコンピューティング・デバイス又はそれらの組合せで実行することができる。例えば、本明細書に記載されている複数のアプリケーションは、同じコンピューティング・デバイスで、又は同じコンピューティング環境内の複数のコンピューティング・デバイスで実行することができる。
【0075】
別段明記されていない限り、「X、Y、又はZのうちの少なくとも一つ」という語句などの選言的文言は、アイテム、用語などがX、Y、若しくはZのいずれか、又はそれらの任意の組合せ(例えば、X;Y;Z;X又はY;X又はZ;Y又はZ;X、Y、又はZなど)である可能性があることを表すために一般的に使用される文脈で別の方法で理解される。したがって、そのような選言的文言は、一般に、特定の実施形態がXの少なくとも一つ、Yの少なくとも一つ、又はZの少なくとも一つを必要とし、各々が存在することを含意することは意図しておらず、また含意しないものとする。
【0076】
前述のような本開示の例示の実施形態を、以下の項に記載する。しかし、本明細書では本開示の他の実施形態についても説明している。
【0077】
第1項 - プロセッサとメモリとを含むコンピューティング・デバイスと、メモリに記憶された機械可読命令とを含むシステムであって、機械可読命令は、プロセッサによって実行されると、コンピューティング・デバイスに少なくとも、保管サービスからデジタル資産の所有権の証明を表す検証可能クレデンシャルを受け取ることと、検証可能クレデンシャルをコンピューティング・デバイスのメモリに記憶することと、保管サービス又は検証者サービスからデジタル資産の所有権の証明を求める要求を受け取ることと、デジタル資産の所有権の証明を求める要求に応答して、保管サービス又は検証者サービスに検証可能クレデンシャルの証明を提供することとを行わせる、システム。
【0078】
第2項 - 機械可読命令が更にコンピューティング・デバイスに少なくとも、デジタル資産の所有権を他の所有者に譲渡する命令を保管サービスに対して送信させ、命令が他の所有者の所有者識別子を指定する、第1項に記載のシステム。
【0079】
第3項 - 検証可能クレデンシャルの証明が、保管サービスによって生成された検証可能クレデンシャルの暗号署名を含む、第1項又は第2項に記載のシステム。
【0080】
第4項 - 検証可能クレデンシャルの証明が、保管サービスによって発行されたトークンと、トークンの暗号署名とを含み、暗号署名が保管サービスによって生成されている、第1項乃至第3項のいずれか一項に記載のシステム。
【0081】
第5項 - 機械可読命令が更にコンピューティング・デバイスに少なくとも、検証可能クレデンシャルの受領に応答して、デジタル資産の固有識別子とデジタル資産の所有者の識別子とを含む所有権クレームを作成することと、所有権クレームをアイデンティティ台帳に公開することとを行わせる、第1項乃至第4項のいずれか一項に記載のシステム。
【0082】
第6項 - デジタル資産の所有者の識別子が所有者に関連付けられた分散識別子であり、分散識別子が所有者に関連付けられた公開鍵を含む、第1項乃至第5項のいずれか一項に記載のシステム。
【0083】
第7項 - デジタル資産が非代替性トークン(NFT)である、第1項乃至第6項のいずれか一項に記載のシステム。
【0084】
第8項 - 資産保管者の公開鍵を含めるように資産台帳におけるデジタル資産の所有者識別子を更新することであって、資産保管者の公開鍵が、資産保管者がデジタル資産の所有者であることを示す、所有者識別子を更新することと、デジタル資産台帳におけるデジタル資産にリンクされた検証可能クレデンシャルを、アイデンティティ・ウォレットに提供することと、アイデンティティ・ウォレットのユーザを表す所有者識別子をデジタル資産の資産識別子に関連付けて記憶する資産記録を作成することとを含む方法。
【0085】
第9項 - 暗号署名を生成するために資産保管者の秘密鍵によって検証可能クレデンシャルに署名することと、暗号署名を検証可能クレデンシャルに含めることとを更に含む、第8項に記載の方法。
【0086】
第10項 - トークンを生成することと、暗号署名を生成するため資産保管者の秘密鍵でトークンに署名することと、トークンと暗号署名とを検証可能クレデンシャルに含めることとを更に含む、第8項又は第9項に記載の方法。
【0087】
第11項 - 所有者識別子が第1の所有者識別子であり、検証可能クレデンシャルが第1の検証可能クレデンシャルであり、アイデンティティ・ウォレットが第1のアイデンティティ・ウォレットであり、方法が、デジタル資産の所有権を譲渡する要求を受け取ることであって、デジタル資産を譲渡する要求がデジタル資産の新たな所有者に関連付けられた第2の所有者識別子を含む、要求を受け取ることと、第1の所有者識別子を第2の所有者識別子に置き換えるように資産記録を更新することと、第1の所有者識別子に関連付けられた所有権クレームを破棄することと、デジタル資産台帳におけるデジタル資産にリンクされている第2の検証可能クレデンシャルを、第2のアイデンティティ・ウォレットに提供することとを更に含む、第8項乃至第10項のいずれか一項に記載の方法。
【0088】
第12項 - 所有権クレームを破棄することが、所有権クレームが破棄されていることを反映するように所有権クレームを更新することを更に含む、第11項に記載の方法。
【0089】
第13項 - 所有権クレームを破棄することが、所有権クレームを破棄リストに加えることを更に含む、第11項に記載の方法。
【0090】
第14項 - デジタル資産が非代替性トークンである、第8項乃至第13項のいずれか一項に記載の方法。
【0091】
第15項 - プロセッサとメモリとを含むコンピューティング・デバイスと、メモリに記憶された機械可読命令とを含むシステムであって、機械可読命令は、プロセッサによって実行されると、コンピューティング・デバイスに少なくとも、
資産保管者の公開鍵を含めるように資産台帳における非代替性トークン(NFT)の所有者識別子を更新することであって、資産保管者の公開鍵が、資産保管者がNFTの所有者であることを示す、所有者識別子を更新することと、デジタル資産台帳においてNFTにリンクされている検証可能クレデンシャルをアイデンティティ・ウォレットに提供することと、アイデンティティ・ウォレットのユーザを表す所有者識別子をNFTのNFT識別子に関連付けて記憶する資産記録を作成することとを行わせる、システム。
【0092】
第16項 - 機械可読命令が、プロセッサによって実行されるとコンピューティング・デバイスに更に少なくとも、暗号署名を生成するために資産保管者の秘密鍵によって検証可能クレデンシャルに署名することと、暗号署名を検証可能クレデンシャルに含めることとを行わせる、第15項に記載のシステム。
【0093】
第17項 - 機械可読命令が、プロセッサによって実行されるとコンピューティング・デバイスに更に少なくとも、トークンを生成することと、暗号署名を生成するために資産保管者の秘密鍵でトークンに署名することと、トークンと暗号署名とを検証可能クレデンシャルに含めることとを更に行わせる、第15項又は第16項に記載のシステム。
【0094】
第18項 - 所有者識別子が第1の所有者識別子であり、検証可能クレデンシャルが第1の検証可能クレデンシャルであり、アイデンティティ・ウォレットが第1のアイデンティティ・ウォレットであり、機械可読命令が、プロセッサによって実行されるとコンピューティング・デバイスに更に少なくとも、NFTの所有権を譲渡する要求を受け取ることであって、NFTを譲渡する要求が、NFTの新たな所有者に関連付けられた第2の所有者識別子を含む、要求を受け取ることと、第1の所有者識別子を第2の所有者識別子に置き換えるように資産記録を更新することと、第1の所有者識別子に関連付けられた所有権クレームを破棄することと、デジタル資産台帳におけるNFTにリンクされている第2の検証可能クレデンシャルを、第2のアイデンティティ・ウォレットに提供することとを行わせる、第15項乃至第17項のいずれか一項に記載のシステム。
【0095】
第19項 - コンピューティング・デバイスに所有権クレームを破棄させる機械可読命令が更にコンピューティング・デバイスに、所有権クレームが破棄されていることを反映するように所有権クレームを更新させる、第15項乃至第18項のいずれか一項に記載のシステム。
【0096】
第20項 - コンピューティング・デバイスに所有権クレームを破棄させる機械可読命令が更にコンピューティング・デバイスに、所有権クレームを破棄リストに加えさせる、第15項乃至第19項のいずれか一項に記載のシステム。
【0097】
本開示の上記の実施形態は、本開示の原理が明確に理解されるように記載された実装形態の考えられる例に過ぎないことを強調すべきである。本開示の趣旨及び原理から実質的に逸脱することなく、上記の実施形態に対して多くの変形及び変更を行うことができる。そのようなすべての変更及び変形は、本開示の範囲内において本明細書に含まれ、以下の特許請求の範囲によって保護されることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-05-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサとメモリとを含むコンピューティング・デバイスと、
前記メモリに記憶された機械可読命令とを含むシステムであって、前記機械可読命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記コンピューティング・デバイスに少なくとも、
保管サービスからデジタル資産の所有権の証明を表す検証可能クレデンシャルを受け取ることと、
前記検証可能クレデンシャルを前記コンピューティング・デバイスの前記メモリに記憶することと、
前記保管サービス又は検証者サービスから前記デジタル資産の所有権の証明を求める要求を受け取ることと、
前記デジタル資産の所有権の証明を求める前記要求に応答して、前記保管サービス又は前記検証者サービスに前記検証可能クレデンシャルの証明を提供することとを行わせる、システム。
【請求項2】
前記機械可読命令が更に前記コンピューティング・デバイスに少なくとも、前記デジタル資産の所有権を他の所有者に譲渡する命令を前記保管サービスに対して送信させ、前記命令が前記他の所有者の所有者識別子を指定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記検証可能クレデンシャルの前記証明が、前記保管サービスによって生成された、前記検証可能クレデンシャルの暗号署名を含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記検証可能クレデンシャルの前記証明が、前記保管サービスによって発行されたトークンと前記トークンの暗号署名とを含み、前記暗号署名が前記保管サービスによって生成されている、請求項に記載のシステム。
【請求項5】
前記機械可読命令が更に前記コンピューティング・デバイスに少なくとも、
前記検証可能クレデンシャルの受領に応答して、前記デジタル資産の固有識別子と前記デジタル資産の前記所有者の識別子とを含む所有権クレームを作成することと、
前記所有権クレームをアイデンティティ台帳に公開することとを行わせる、
請求項に記載のシステム。
【請求項6】
前記デジタル資産の前記所有者の前記識別子が前記所有者に関連付けられた分散識別子であり、前記分散識別子が前記所有者に関連付けられた公開鍵を含む、請求項に記載のシステム。
【請求項7】
前記デジタル資産が非代替性トークン(NFT)である、請求項に記載のシステム。
【請求項8】
資産保管者の公開鍵を含めるように資産台帳におけるデジタル資産の所有者識別子を更新することであって、前記資産保管者の前記公開鍵が、前記資産保管者が前記デジタル資産の所有者であることを示す、所有者識別子を更新することと、
デジタル資産台帳における前記デジタル資産にリンクされた検証可能クレデンシャルを、アイデンティティ・ウォレットに提供することと、
前記アイデンティティ・ウォレットのユーザを表す所有者識別子を前記デジタル資産の資産識別子に関連付けて記憶する資産記録を作成することとを含む方法。
【請求項9】
暗号署名を生成するために前記資産保管者の秘密鍵によって前記検証可能クレデンシャルに署名することと、
前記暗号署名を前記検証可能クレデンシャルに含めることとを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
トークンを生成することと、
暗号署名を生成するため前記資産保管者の秘密鍵で前記トークンに署名することと、
前記トークンと前記暗号署名とを前記検証可能クレデンシャルに含めることとを更に含む、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記所有者識別子が第1の所有者識別子であり、前記検証可能クレデンシャルが第1の検証可能クレデンシャルであり、前記アイデンティティ・ウォレットが第1のアイデンティティ・ウォレットであり、前記方法が、
前記デジタル資産の所有権を譲渡する要求を受け取ることであって、前記デジタル資産を譲渡する前記要求が前記デジタル資産の新たな所有者に関連付けられた第2の所有者識別子を含む、要求を受け取ることと、
前記第1の所有者識別子を前記第2の所有者識別子に置き換えるように前記資産記録を更新することと、
前記第1の所有者識別子に関連付けられた所有権クレームを破棄することと、
前記デジタル資産台帳における前記デジタル資産にリンクされている第2の検証可能クレデンシャルを、第2のアイデンティティ・ウォレットに提供することとを更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記所有権クレームを破棄することが、前記所有権クレームが破棄されていることを反映するように前記所有権クレームを更新することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記所有権クレームを破棄することが、前記所有権クレームを破棄リストに加えることを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記デジタル資産が非代替性トークンである、請求項に記載の方法。
【請求項15】
プロセッサとメモリとを含むコンピューティング・デバイスと、
前記メモリに記憶された機械可読命令とを含むシステムであって、前記機械可読命令は、前記プロセッサによって実行されると前記コンピューティング・デバイスに少なくとも、
資産保管者の公開鍵を含めるように資産台帳における非代替性トークン(NFT)の所有者識別子を更新することであって、前記資産保管者の前記公開鍵が、前記資産保管者が前記NFTの所有者であることを示す、所有者識別子を更新することと、
前記デジタル資産台帳において前記NFTにリンクされている検証可能クレデンシャルをアイデンティティ・ウォレットに提供することと、
前記アイデンティティ・ウォレットのユーザを表す所有者識別子を前記NFTのNFT識別子に関連付けて記憶する資産記録を作成することとを行わせる、システム。
【請求項16】
前記機械可読命令が、前記プロセッサによって実行されると前記コンピューティング・デバイスに更に少なくとも、
暗号署名を生成するために前記資産保管者の秘密鍵によって前記検証可能クレデンシャルに署名することと、
前記暗号署名を前記検証可能クレデンシャルに含めることとを行わせる、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記機械可読命令が、前記プロセッサによって実行されると前記コンピューティング・デバイスに更に少なくとも、
トークンを生成することと、
暗号署名を生成するために前記資産保管者の秘密鍵で前記トークンに署名することと、
前記トークンと前記暗号署名とを前記検証可能クレデンシャルに含めることとを行わせる、請求項15又は16に記載のシステム。
【請求項18】
前記所有者識別子が第1の所有者識別子であり、前記検証可能クレデンシャルが第1の検証可能クレデンシャルであり、前記アイデンティティ・ウォレットが第1のアイデンティティ・ウォレットであり、前記機械可読命令が、前記プロセッサによって実行されると前記コンピューティング・デバイスに更に少なくとも、
前記NFTの所有権を譲渡する要求を受け取ることであって、前記NFTを譲渡する前記要求が前記NFTの新たな所有者に関連付けられた第2の所有者識別子を含む、要求を受け取ることと、
前記第1の所有者識別子を前記第2の所有者識別子に置き換えるように前記資産記録を更新することと、
前記第1の所有者識別子に関連付けられた所有権クレームを破棄することと、
前記デジタル資産台帳における前記NFTにリンクされている第2の検証可能クレデンシャルを、第2のアイデンティティ・ウォレットに提供することとを行わせる、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記コンピューティング・デバイスに前記所有権クレームを破棄させる前記機械可読命令が更に前記コンピューティング・デバイスに、前記所有権クレームが破棄されていることを反映するように前記所有権クレームを更新させる、請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記コンピューティング・デバイスに前記所有権クレームを破棄させる前記機械可読命令が更に前記コンピューティング・デバイスに、前記所有権クレームを破棄リストに加えさせる、請求項15に記載のシステム。
【国際調査報告】