(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】電子基板スタッキング
(51)【国際特許分類】
H05K 3/46 20060101AFI20240927BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20240927BHJP
H01L 23/15 20060101ALI20240927BHJP
H01L 25/04 20230101ALI20240927BHJP
H05K 1/14 20060101ALN20240927BHJP
【FI】
H05K3/46 L
H01L23/12 N
H01L23/14 C
H01L25/04 Z
H05K3/46 Q
H05K1/14 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513302
(86)(22)【出願日】2022-09-27
(85)【翻訳文提出日】2024-02-27
(86)【国際出願番号】 EP2022076755
(87)【国際公開番号】W WO2023052322
(87)【国際公開日】2023-04-06
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(74)【復代理人】
【識別番号】100091568
【氏名又は名称】市位 嘉宏
(72)【発明者】
【氏名】シャン、レイ
(72)【発明者】
【氏名】フリードマン、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ボニーラ、グリゼルダ
(72)【発明者】
【氏名】ニッカーボッカー、ジョン
【テーマコード(参考)】
5E316
5E344
【Fターム(参考)】
5E316AA32
5E316AA35
5E316AA38
5E316BB15
5E316BB16
5E316CC10
5E316CC16
5E316CC18
5E316CC32
5E316CC40
5E316EE41
5E316FF19
5E316FF33
5E316GG28
5E316HH16
5E316JJ13
5E344AA01
5E344BB02
5E344BB03
5E344BB07
5E344BB08
5E344BB10
5E344CC23
5E344CD01
5E344CD12
5E344DD03
5E344DD10
5E344EE30
(57)【要約】
ベース基板と、ディスクリート・デカップリング・キャパシタが埋め込まれたベース基板上の高誘電率基板層と、高誘電率基板層上の高密度基板層であって、高密度基板層が配線と2マイクロメートル未満から約10マイクロメートルまでの幅の配線と配線間隔とをサポートし、ベース基板の上面と1組の高密度基板層の下面との間のピッチ接続が50マイクロメートル未満から約300マイクロメートルまでのピッチをサポートし、1組の高密度基板層の上面のピッチ接続が約150マイクロメートル未満のピッチをサポートする。方法が、1組の高密度基板層の下面の各コンタクトに1組の金属ポストを取り付けることと、ハンドラに取り付けることと、ベース基板に相互接続層を取り付けることと、各金属ポストをコンタクトと位置合わせした状態で1組の高密度基板層をベース基板に取り付けることとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース基板であって、3~12ppm/℃の熱膨張率(CTE)と、25mm×25mmを超える表面積と、下面の電気接続と、上面の電気接続と、前記下面と前記上面との間に電気的に接続された1つまたは複数の配線層とを含む、前記ベース基板と、
前記ベース基板の上面に電気的および機械的に接続された1組の高密度基板層であって、前記1組の高密度基板層の各層が前記1組の高密度基板層の各層の上下を接続する配線とビアとを含み、前記1組の高密度基板層の各層が、2マイクロメートル未満から約10マイクロメートルまでの幅と、2マイクロメートル未満から約10マイクロメートルのワイヤ間の間隔の配線をサポートし、前記ベース基板の前記上面と前記1組の高密度基板層の下面との間のピッチ接続が、50マイクロメートル未満から約300マイクロメートルまでのピッチをサポートし、前記1組の高密度基板層の上面の前記ピッチ接続が約150マイクロメートル未満のピッチをサポートする、前記1組の高密度基板層と
を含む、複合基板。
【請求項2】
前記ベース基板が複数のセラミック層を含み、
前記ベース基板が前記1組の高密度基板層への電源線を含む、請求項1に記載の複合基板。
【請求項3】
前記ベース基板が1つまたは複数のガラス層を含み、1つまたは複数の有機誘電体層を含み、
前記ベース基板が、前記1組の高密度基板層にとって利用可能な電源線を含む、請求項1に記載の複合基板。
【請求項4】
前記複合基板の上面の各上部コンタクトと前記1組の高密度基板層の下面の各下部コンタクトとの間の電気接続を提供する、前記1組の高密度基板層と前記ベース基板との間の相互接続層をさらに含む、請求項1に記載の複合基板。
【請求項5】
前記1組の高密度基板層内に埋め込みディスクリート・コンポーネントを備えた1つまたは複数の層をさらに含む、請求項1に記載の複合基板。
【請求項6】
配線とビアとの電源線を含む前記1組の高密度基板層の1つまたは複数の層をさらに含む、請求項1に記載の複合基板。
【請求項7】
テスト・コンタクトと構造体とを含む前記1組の高密度基板層をさらに含む、請求項1に記載の複合基板。
【請求項8】
前記1組の高密度基板層の各層が2次元以上の配線と2次元以上のビアとを含む、請求項1に記載の複合基板。
【請求項9】
ベース基板であって、3~12ppm/℃の熱膨張率(CTE)と、25mm×25mmを超える表面積と、下面の電気接続と、上面の電気接続と、前記下面と前記上面との間に電気的に接続された1つまたは複数の配線層とを含む、前記ベース基板と、
前記ベース基板の上面に電気的および機械的に接続された1組の高誘電率基板層であって、前記1組の高誘電率基板層の各層が、前記1組の高誘電率基板層の各層の上下を接続する配線とビアとを含み、前記1組の高誘電率基板層内に1組の1つまたは複数のディスクリート・デカップリング・キャパシタが埋め込まれている、前記1組の高誘電率基板層と、
前記1組の高誘電率基板層の上面に電気的および機械的に接続された1組の高密度基板層であって、前記1組の高密度基板層の各層が、前記1組の高密度基板層の各層の上下を接続する配線とビアとを含み、前記1組の高密度基板層の各層が、2マイクロメートル未満から約10マイクロメートルまでの幅と、2マイクロメートル未満から約10マイクロメートルのワイヤ間の間隔の配線をサポートし、前記1組の高誘電率基板層の前記上面と前記1組の高密度基板層の下面との間のピッチ接続が、50マイクロメートル未満から約300マイクロメートルまでのピッチをサポートし、前記1組の高密度基板層の上面の前記ピッチ接続が約150マイクロメートル未満のピッチをサポートする、前記1組の高密度基板層と
を含む、複合基板。
【請求項10】
前記ベース基板が複数のセラミック層を含み、
前記ベース基板が前記1組の高密度基板層への電源線を含む、請求項9に記載の複合基板。
【請求項11】
前記ベース基板が1つまたは複数のガラス層を含み、1つまたは複数の有機誘電体層を含み、
前記ベース基板が、前記1組の高密度基板層にとって利用可能な電源線を含む、請求項9に記載の複合基板。
【請求項12】
前記複合基板の上面の各上部コンタクトと前記1組の高密度基板層の下面の各下部コンタクトとの間の電気接続を提供する、前記1組の高密度基板層と前記ベース基板との間の相互接続層をさらに含む、請求項9に記載の複合基板。
【請求項13】
前記1組の高密度基板層内に埋め込みディスクリート・コンポーネントを備えた1つまたは複数の層をさらに含む、請求項9に記載の複合基板。
【請求項14】
配線とビアとの電源線を含む前記1組の高密度基板層の1つまたは複数の層と、テスト・コンタクトと構造体とを含む前記1組の高密度基板層と、前記1組の高密度基板層の各層が2次元以上の配線と2次元以上のビアとをさらに含む、請求項9に記載の複合基板。
【請求項15】
1組の高密度基板層の下面の各コンタクトに1組の金属ポストを取り付けることと、
前記1組の高密度基板層をハンドラに取り付けることと、
ベース基板の上面のコンタクトと位置合わせされた開口を含む相互接続層を前記ベース基板に取り付けることと、
各金属ポストを前記ベース基板の前記上面のコンタクトと位置合わせした状態で、前記ベース基板に前記1組の高密度基板層を取り付けることと
を含む、方法。
【請求項16】
前記ベース基板が、3~12ppm/℃の熱膨張率(CTE)と、25mm×25mmを超える表面積と、下面の電気接続と、上面の電気接続と、前記下面と前記上面との間に電気的に接続された1つまたは複数の配線層とを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
1組の高密度基板層が前記ベース基板の上面に電気的および機械的に接続され、前記1組の高密度基板層の各層が前記1組の高密度基板層の各層の上下を接続する配線とビアとを含み、前記1組の高密度基板層の各層が、2マイクロメートル未満から約10マイクロメートルまでの幅と、2マイクロメートル未満から約10マイクロメートルのワイヤ間の間隔の配線をサポートし、前記ベース基板の前記上面と前記1組の高密度基板層の下面との間のピッチ接続が、50マイクロメートル未満から約300マイクロメートルまでのピッチをサポートし、前記1組の高密度基板層の上面の前記ピッチ接続が約150マイクロメートル未満のピッチをサポートする、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記ベース基板の前記上面の前記コンタクト上の前記相互接続層開口のそれぞれにはんだ相互接続を適用することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記1組の高密度基板層を前記ベース基板に機械的および電気的に接合するために、前記はんだ相互接続を溶融させ、熱と圧力を加えることをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
接合された前記1組の高密度基板層と前記ベース基板から前記ハンドラを取り外すことをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には電子デバイス組み付けに関し、より具体的には、電子コンポーネントを含む基板を機械的および電気的にボンディングすることに関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイス組み付けの従来の方法は、複数のチップまたはチップレットなどの電子コンポーネントをマルチチップ基板に取り付けることと、次に、1つまたは複数の基板をプリント回路板(PCB)に組み付けることとを含む。基板は、スルー・シリコン・ビア(TSV)、スルー・ガラス・ビア(TGV)および配線層を有する、有機基板、薄膜有機層または成形有機、シリコンまたはガラスインターポーザあるいはこれらの組合せ、セラミック基板、上記の基板の組合せ、またはその他の基板材料および構造体の場合がある。プリント回路板は、垂直接続のためのピン・スルー・ホール(PTH)を有するコア層と、給電および配電用などの1つまたは複数の配線層と、追加の高密度水平配線層および垂直ビア相互接続を設けるためのコアの両側の追加のビルドアップ層とからなる場合がある。多層セラミック・キャリアは、ビア、コンタクト・パッドおよび接続導線またはストリップを含む。TSVまたはワイヤボンディングを使用してチップなどの電子コンポーネントがスタックされるか、またはマイクロはんだ相互接続またはマイクロ・ボール・グリッド・アレイはんだ接合、または、はんだおよび銅ピラー・アレイを使用して、基板が別の基板上にスタックされるか、または、500マイクロメートルを超えるピッチなどのより大きいはんだボール・グリッド・アレイを使用して、またはマルチピン・ソケットを使用して基板がPCBに接続される場合がある。高帯域幅チップ間またはチップレット間相互接続、高密度電気相互接続によるチップまたは基板あるいはその両方の直接スタッキング、ファイン・ピッチ配線、大型パッケージングおよび熱膨張率(CTE)の十分な整合の必要がある。これらの特徴は、人工知能、クラウド・データ・センタおよびその他の用途などの用途において高信頼性をサポートすることができる。同様に、モバイル通信用途およびその他の用途のためなどに、より小さいX-Yサイズ・フォーマットのマルチチップレット集積による高帯域幅チップまたはチップレットの集積の必要がある。
【発明の概要】
【0003】
複合基板が、3~12ppm/℃の間の熱膨張率(CTE)と、25mm×25mmを超える表面積と、下面の電気接続と、上面の電気接続と、下面と上面との間に電気的に接続された1つまたは複数の配線層とを含むベース基板と、ベース基板の上面に電気的および機械的に接続された1組の高密度基板層とを含み、1組の高密度基板層の各層が1組の高密度基板層の各層の上下を接続する配線とビアとを含み、1組の高密度基板層の各層が、2マイクロメートル未満から約10マイクロメートルまでの幅と、2マイクロメートル未満から約10マイクロメートルのワイヤ間の間隔の配線をサポートし、ベース基板の上面と1組の高密度基板層の下面との間のピッチ接続が、50マイクロメートル未満から約300マイクロメートルまでのピッチをサポートし、1組の高密度基板層の上面のピッチ接続が約150マイクロメートル未満のピッチをサポートする。
【0004】
複合基板が、3~12ppm/℃の間の熱膨張率(CTE)と、25mm×25mmを超える表面積と、下面の電気接続と、上面の電気接続と、下面と上面との間に電気的に接続された1つまたは複数の配線層とを含むベース基板と、ベース基板の上面に電気的および機械的に接続された1組の高誘電率基板層であって、1組の高誘電率基板層の各層が、1組の高誘電率基板層の各層の上下を接続する配線とビアとを含み、1組の高誘電率基板層内に1組の1つまたは複数のディスクリート・デカップリング・キャパシタが埋め込まれている、1組の高誘電率基板層と、1組の高誘電率基板層の上面に電気的および機械的に接続された1組の高密度基板層であって、1組の高密度基板層の各層が、1組の高密度基板層の各層の上下を接続する配線とビアとを含み、1組の高密度基板層の各層が、2マイクロメートル未満から約10マイクロメートルまでの幅と、2マイクロメートル未満から約10マイクロメートルのワイヤ間の間隔の配線をサポートし、高誘電率基板層の上面と1組の高密度基板層の下面との間のピッチ接続が、50マイクロメートル未満から約300マイクロメートルまでのピッチをサポートし、1組の高密度基板層の上面のピッチ接続が約150マイクロメートル未満のピッチをサポートする、1組の高密度基板層とを含む。
【0005】
方法が、1組の高密度基板層の下面の各コンタクトに1組の金属ポストを取り付けることと、1組の高密度基板層をハンドラに取り付けることと、ベース基板の上面のコンタクトと位置合わせされた開口を含む相互接続層をベース基板に取り付けることと、各金属ポストをベース基板の上面のコンタクトと位置合わせした状態で1組の高密度基板層をベース基板に取り付けることとを含む。
【0006】
例として示し、本発明をそれのみに限定することは意図していない以下の詳細な説明は、添付図面と併せて読めば最もよくわかるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態による、基板上に実装された電子コンポーネントの上面図である。
【
図2】一実施形態による、切断線A-Aに沿った
図1の側面図である。
【
図3】一実施形態による基板上の薄膜基板の上面図である。
【
図4】一実施形態による、切断線A-Aに沿って切り取られた
図3の側面図である。
【
図5】一実施形態による、ハンドラに取り付けられた薄膜基板の側面図である。
【
図6】一実施形態による基板と相互接続層の側面図である。
【
図7】一実施形態による基板と相互接続層の側面図である。
【
図8】一実施形態による薄膜基板と基板の側面図である。
【
図9】一実施形態による薄膜基板と基板の側面図である。
【
図10】一実施形態による、基板に取り付けられた、薄膜基板と高誘電率基板(または集積デカップリング・キャパシタ(またはディスクリート・キャパシタ)またはインダクタ層(またはディスクリート・インダクタ)あるいはその両方)の上面図である。
【
図11】一実施形態による、切断線A-Aに沿って切り取られた
図10の側面図である。
【
図12】一実施形態による、ハンドラに取り付けられた高誘電率基板の側面図である。
【
図14】一実施形態による基板と相互接続層の側面図である。
【
図15】一実施形態による、基板に取り付けられた薄膜基板の側面図である。
【
図16】一実施形態による、基板に取り付けられた薄膜基板の側面図である。
【
図17】一実施形態による、ハンドラに取り付けられた高誘電率基板の側面図である。
【
図20】一実施形態による、基板に取り付けられた高誘電率基板の側面図である。
【
図21】一実施形態による、基板に取り付けられた高誘電率基板の側面図である。
【
図22】一実施形態による、基板に取り付けられた高誘電率基板の側面図である。
【
図23】一実施形態による、高誘電率基板と基板に取り付けられた薄膜基板の側面図である。
【
図24】一実施形態による、基板をスタックする方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図を簡単にわかりやすくするために、図に示す要素は必ずしも一律の縮尺で描かれていないことを理解されたい。たとえば、一部の要素の寸法が、わかりやすいように他の要素に対して相対的に誇張されている場合がある。また、適切と考えられる場合には、対応するかまたは類似している機構を示すために図面間で参照番号が繰り返し使用されている場合がある。
【0009】
本明細書では、特許請求される構造体および方法の詳細な実施形態が開示されるが、開示される実施形態は、様々な形態で実施可能な、特許請求される構造体および方法の例示に過ぎないものと理解されることができる。しかし、本発明は、多くの異なる形態で実施可能であり、本明細書に記載されている例示の実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。説明では、提示されている実施形態が無用にわかりにくくならないように、よく知られている特徴および技術の詳細が省かれている場合がある。
【0010】
本明細書において「1つの実施形態」、「一実施形態」、「例示の実施形態」などと言う場合、記載されている実施形態が特定の特徴、構造または特性を含み得ることを示しているが、すべての実施形態が必ずしもその特定の特徴、構造または特性を含み得るわけではない。また、このような語句は必ずしも同じ実施形態を指しているとは限らない。さらに、一実施形態に関連して特定の特徴、構造または特性が記載されている場合、明示的に記載されているか否かを問わず、そのような特徴、構造または特性を他の実施形態に関連して備えることが他の当業者の知識の範囲内にあるものと認められる。
【0011】
以下の説明において、「上部」、「下部」「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「最上部」、「最下部」という用語およびこれらの派生語は、開示されている構造体および方法に対して、図面における向きの通りの関係にあるものする。「重なっている」、「~の上に(atop)」、「~の上に(on top)」、「~上に位置する(positioned on)」、または「~の上に位置する(positioned atop)」という用語は、第1の構造体などの第1の要素が、第2の構造体などの第2の要素の上に存在することを意味し、その際、第1の要素と第2の要素との間に境界面構造体などの介在要素が存在し得る。「直接接触」という用語は、第1の構造体などの第1の要素と、第2の構造体などの第2の要素とが、それら2つの要素の境界面に中間の導電層、絶縁層または半導体層なしに接続されることを意味する。
【0012】
本発明の実施形態の提示がわかりにくくならないように、以下の詳細な説明では、当技術分野で知られている一部の処理ステップまたは操作が、提示のためまたは図示のために一つにまとめられている場合があり、場合によっては、詳細に説明されていない場合がある。他の場合には、当技術分野で知られている一部の処理ステップまたは操作についてまったく説明されていない場合がある。以下の説明は、むしろ本発明の様々な実施形態の明確に異なる特徴または要素に焦点を当てていることを理解されたい。
【0013】
本発明は、一般には半導体パッケージングに関し、より具体的には、電子コンポーネント、フォトニック・コンポーネントまたはチップあるいはこれらの組合せを含む基板の機械的および電気的なボンディングに関する。
【0014】
従来のシリコン・インターポーザまたはグラス、セラミックまたはハイブリッド(混合材料構造体)などを有するパッケージング実装を必要とすることなく、高密度電気相互接続、ファイン・ピッチ配線、大型パッケージングおよび熱膨張率(CTE)の十分な整合をサポートする、電子コンポーネントと、基板上にチップおよびチップ・スタックを含む基板とを直接スタックすることを可能にする必要がある。現在、有機基板のCTEは約18ppmと比較的高く、特に相互接続のピッチが30マイクロメートルから100マイクロメートルを下回るまでに狭くなるにつれて、これらのチップまたはインターポーザあるいはその両方の相互接続ピッチによっては、機械的信頼性または組み付け歩留まり限界あるいはその両方に起因して、大型チップまたはインターポーザあるいはその両方のファイン・ピッチ相互接続を400mm2から約3000mm2に制限する可能性がある。これは、大きなCTE不整合、したがって、特に中立点からの最大距離を有する相互接続上の熱機械応力および歪みを生じさせる。
【0015】
たとえば、シリコン・コンポーネントは、約3ppm/℃のCTEを有する場合がある。セラミックのベース基板は、8~10ppm/℃の間の範囲のCTEを有する場合があり、3ppm/℃もの低いCTEを有する場合もある。ガラスのベース基板は、3~12ppm/℃の間の範囲のCTEを有する場合がある。電子コンポーネントの数が増えるにつれてベース基板の表面積が増大する可能性があり、25mm×25mm、50mm×50mm、100mm×100mm以上になることがある。
【0016】
マルチチップ・モジュールのニーズを補完するために、チップレット集積およびセグメント化パッケージングへの業界シフトがある。単一の電子コンポーネントまたはチップ上の大型システム(システム・オンチップ(SOI))の代わりに、それぞれが異なる機能用に最適化された内容または機能の個別ブロックを有するセグメント化されたより小型の電子コンポーネント、チップまたはチップレットの使用へのシフトがある。異なるファウンドリまたは異なるノードあるいはその両方から異なる電子コンポーネントがもたらされる場合があり、その結果、それぞれが異なる電力レベル要件を有するプロセッサ、アクセラレータ、メモリ、メモリ・チップ・スタックおよびその他のタイプの、異なる種類の電子コンポーネントの組合せを備えたハイブリッドまたは複合パッケージの必要が生じる。接続間の異なるピッチ、異なる数の接続、および異なる電子コンポーネント組合せ間に要するいくつかの接続の異なる帯域幅など、各電子コンポーネント上に異なる種類の相互接続または金属ポストがある場合がある。
【0017】
チップは、他の呼び方もある中で、チップレット、ダイ、ダイ・スタック、集積回路、電子コンポーネント、コンポーネント、電子デバイス、半導体デバイス、またはデバイスなどとも呼ばれる場合がある。チップは、論理チップ、電圧基準デバイス、デジタル・シグナル・プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、グラフィックス・プロセッサ、メモリ・デバイス、メモリ・キューブ、ブーティング・デバイス、無線周波数デバイス、高帯域幅メモリ・デバイス、ディスクリート・コンポーネントまたは任意のその他の半導体デバイスの場合がある。
【0018】
業界シフトには、コンポーネント間の入力/出力信号線の数の増大も含まれる。入力/出力のための接続の数が増えるにつれてピッチが狭くなり、それによってパッケージ化する各接続チップの間の間隔が狭くなる。たとえば、ピッチ・サイズは、100マイクロメートルから50マイクロメートル、30マイクロメートル、10マイクロメートル以下にとどんどん小さくなっている。ピッチ・サイズが小さくなるにつれて、厳しい仕様により平坦度および剛性要件がより厳しくなり、チップとパッケージとの間の接続の完全性を維持するためにチップ側とパッケージの両方が平面であり続ける必要性が大きくなる。
【0019】
さらに、チップまたはコンポーネントを個別にパッケージ化するのとは異なり、消費エネルギーを低レベルに抑えることができるように複合パッケージ化モデルのモジュール上により多く集積するために、パッケージのサイズとフォーム・ファクタが大きくなっている。
【0020】
上記の要素は、異なるサイズ、電力要件、コンタクト間隔などの複数のチップを単一のパッケージ上に結合する必要性を増している。さらに、チップとパッケージとの間の熱膨張率の差を最小限にすることによって熱特性を制御し、必要電力とチップ間の信号を管理する必要がある。チップ要件が時間の経過とともに変化するにつれて、パッケージングにフレキシビリティがあることで、複数のチップを単一のパッケージに結合する場合により適切に管理することができる。
【0021】
複数のチップを単一のパッケージに結合する利点は、入力/出力要件、処理、メモリなど、パッケージング技術の異なる要素をセグメント化し、次にそれらのセグメントを一緒に集積できることである。
【0022】
パッケージ全体にわたってチップ間の高帯域幅信号接続に使用されるますます狭くなるピッチ配線に対応するパッケージングは、各チップまたはチップ・セットの必要に応じて正しい電圧および電流レベルでの異なる電力の供給または配電を提供することと共に必要である。ファイン・ピッチ配線は、ウエハ・レベル・パッケージングにおいて薄膜配線またはファンアウト配線と呼ばれる場合がある。高信頼性、利益性およびコスト対効果を維持しながら、異なるピッチ、高電流および分離された電力ドメインを有する異種コンポーネントを含むいくつかのコンポーネントをより複雑なシステムに実装するために、より大きな次元のフレキシビリティを有するパッケージングの必要がある。
【0023】
従来、電力は、パッケージの裏面から上方にパッケージを通して供給され、チップまたはチップ・スタックのそれぞれに配電される。それぞれが異なる電圧要件および電流要件を有する異なる電子コンポーネントの組合せでは、水平接続と垂直接続の両方で各電子コンポーネントに電力が供給され、それによって総電力消費量が増大する。配電にはより粗いワイヤが必要であり、パッケージのサイズが大きくなるにつれて、配電はより長い距離を通過しなければならない場合があり、より長い距離の信号の完全性(integrity)のためにより幅広なワイヤを必要とする。たとえば、信号線は2マイクロメートルであることがあり、1マイクロメートル以下に縮小しつつあり、電力線は4マイクロメートルなど、2マイクロメートルより太い必要がある場合がある。信号線の間の間隔は5マイクロメートル以下、たとえば4マイクロメートルである場合がある。ピッチは、150マイクロメートルから100マイクロメートル、55マイクロメートル、および50マイクロメートルに縮小する可能性がある。1組の高密度基板層の上面のピッチ接続は、100マイクロメートルのピッチをサポートすることができる。ベース基板の上面とその1組の高密度基板層の下面との間のピッチ接続は、100マイクロメートル・ピッチをサポートすることができる。
【0024】
1つまたは複数の集積高密度基板層(HDSL)と、二次またはより低密度の基板層(LDSL)と、任意の追加の層と、任意の相互接続とを含む、単一のパッケージに複数のチップが実装された複合基板または複合モジュールを提案する。
【0025】
HDSLは、回路のファイン・ピッチ配線および給電、配電と接続の完全性とを備えた高密度相互接続を提供する。この複合基板は、オン・パッケージ・テスト・プラットフォームを含むことができる組み付け集積を可能にし、ダイ、ダイ・スタック、チップ、チップ・スタック、電子コンポーネントの実装と、望ましいチップを最後に実装するチップの実装の選択的順序付けを可能にする。この複合号構造体は、欠陥コンポーネントまたは集積構造体の交換のための再加工を可能にする。複合構造体は、チップまたはマルチチップ熱冷却機構をサポートすることができ、すべてのコンポーネントに機械的支持を与えることができる。
【0026】
LDSLは、低密度相互接続、疎ピッチ配線をサポートすることによって複合基板の機械的特性と熱的特性を規定し、X-Y CTEを制御することを容易にする。LDSLは、給電、配電および電源品質とマルチチップ集積を提供し、テスト・プラットフォームを提供することも可能である。LDSLは、1つまたは複数の高密度基板層の追加の可能性をサポートし、高密度基板層と低密度基板層の「品質保証済み基板」をサポートする。LDSLは、チップ、チップ・スタックおよびコンポーネントの組み付け集積(望ましいチップが最後)または再加工あるいはその両方を可能にし、集積モジュール、サブシステムまたはシステム・ソリューションの製作を容易にするために、チップ、マルチチップ熱冷却集積/機械的支持をサポートする。
【0027】
HDLSとLDSLの各層は、ホット・スポットおよびより高出力チップのためのより高い給電に対応するより大きい直径と、高相互接続密度での信号通信のためのより小さい直径など、混在ピッチおよび直径ビア、パッドおよび相互接続を有することができる。HDSLとLDSLは、異なる技術ノード、異なる電力レベルを使用し、異なる電圧仕様/動作限界を有する、複数のファウンドリからのものである場合があるダイ、ダイ・スタックおよびコンポーネントの異種集積をサポートするために、高誘電率容量層または構造体、ディスクリート・キャパシタまたは集積電圧調整ダイへの給電または相互接続を最適化するように、セグメント化された電力面および層を有することができる。
【0028】
HDSLとLDSLは、テストまたは給電のための電気接続を有することができ、これらの電気接続は、選択ワイヤ、もしくはレーザーおよび誘電体封止、局所カプセル化などによる接続切断を用いて、または、選択ワイヤ、もしくは基板もしくはモジュールのテスト、歩留まり、機能もしくは他のアプリケーション動作のために開放された相互接続を有する改変構造体を残す他の方法によって、開放することができる。
【0029】
HDSLおよびLDSLは、コストまたは製品機能または製品信頼性または製品用途にとってのその他の利益のための、基板および集積ダイ、ダイ・スタック、コンポーネントおよび熱冷却構造体の歩留まり、機械的完全性、熱冷却にとって利益をもたらす、ヒート・シンク、キャップ、熱ビア、熱ワイヤ、封止バンド、またはその他の手段を使用する、機械構造強化または熱冷却強化をサポートする、任意による構造体も有する。
【0030】
HDSLおよびLDSLは、製造におけるAI構造学習および強化に基づいて製造歩留まり、組み付け歩留まりの向上または機能最適化あるいはこれらの組合せのための、人工知能(AI)学習を提供する、任意の構造体を有することもできる。
【0031】
HDSLおよびLDSLは、他の基板/モジュール、メモリ・ストレージ、メモリ・カード、サブシステムまたはシステムなどとの強化されたオフ基板またはオフ・モジュール通信をサポートするための、基板層の最上部、最下部または縁部あるいはこれらの組合せからのオン・モジュール光リンクまたは電気リンクをサポートする任意による構造体を有することもできる。
【0032】
チップ、チップ・スタックおよび電子コンポーネントを備えて製作され、組み付けられた集積HDSLは、HDSLの一部として組み込みセルフテスト(BIST)サイトを使用し、完全または部分組み付けおよび機能テストのためにテスト・ダイを使用して、ボンディングおよびテストすることができる。BISTテスト・サイトおよびテスト・ダイは、後でハンドル・ウエハまたはパネル・キャリアから取り外すことができる。品質保証済みサブアセンブリを有するテスト済み集積HDSLが使用可能である。
【0033】
任意の追加の層には、1つまたは複数の異種ダイ、ダイ・スタックまたはその他のコンポーネントに、高密度埋め込みキャパシタンス、集積ディスクリート・キャパシタンス、効率的な給電および電源管理、電圧調整を提供するための集積コンポーネントまたは埋め込みコンポーネントも含まれ得る。
【0034】
任意の相互接続には、光リンク・チップまたは導波路あるいはその両方、または、オフ基板またはオフ・モジュール、他のモジュール、メモリ・カード、サブシステムまたはシステムへの「オン・モジュール光リンク」のためのチップ・セットが含まれ得る。
【0035】
単一のパッケージに複数のチップが実装される複合基板または複合モジュールの実施形態は、相互接続を実装するためにはんだ・ペーストを使用することを含み、相互接続を実装するためにはんだスタッドを使用することと、はんだペーストまたははんだスタッドを使用して層を順にスタックすることとを含む。一実施形態は、HDSLとLDSLを使用することと、チップ装着の前の複合基板の機械的および電気的完全性の検証とを含む。一実施形態は、銅-銅(Cu-Cu)ボンディング、銅パッド/スタッド、またはピラー・ボンディング、ニッケル/金(Ni/Au)はんだ、アンダー・バンプ・メタラジ(UBM)、またはその他の相互接続、ビアまたはバンプあるいはその両方の相互接続のための射出成形はんだ(IMS)技術、またはその他の電気相互接続または熱相互接続あるいはその両方、または封止構造体を使用する。
【0036】
一実施形態は、高い基板およびモジュール歩留まりを実現するようにマルチチップ集積または再加工あるいはその両方をサポートするために、品質保証済み低密度層および高密度層のための基板層のテスト、品質保証済みスタック電子基板を作製するための低密度層および高密度層の組み付けまたは再加工あるいはこれらの両方の後のテスト、品質保証済みダイ(KGD)のためのダイ、ダイ・スタックまたはコンポーネントあるいはこれらの組合せのテスト、統計的部分的テストまたは完全テストなどの追加のテストを使用したスタック電子基板上またはスタック電子基板への組み付けを使用する。
【0037】
以下、単一のパッケージに複数のチップが実装される複合基板または複合モジュールの実施形態について、添付図面の
図1~
図24を参照しながら詳細に説明する。
【0038】
次に
図1および
図2を参照すると、例示の一実施形態による、基板上に実装された電子コンポーネントのパッケージ10が示されている。
図1はパッケージ10の上面図であり、
図2は切断線A-Aに沿った
図1の側面図である。パッケージ10は、ベース基板12と、高誘電率基板14と、相互接続層16と、薄膜基板18と、集積回路20と、メモリ・チップ22と、ハブ・コントローラ集積回路24と、ロングリーチ入力/出力集積回路26と、ワイヤ28とを含む。
【0039】
ベース基板12は、上面と、上面にパターン形成された電気コンタクト・パッドの配列とを有する、多層セラミック基板、シリコン・ウエハ、ガラス・ウエハまたはパネルまたはその他の基板であってもよい。多層基板の層のそれぞれが、ベース基板12の他の層およびベース基板12の上面の電気コンタクト・パッドへの接続のための、回路の電気ビアとワイヤの配列を有することができる。ベース基板12は、10~600平方ミリメートルの間またはそれ以上の正方形または矩形であってもよく、厚さが1~10ミリメートルの間またはそれ以上であってもよい。ベース基板12には20層~30層またはそれ以上の層があってもよい。層のそれぞれは、ビアと配線とコンタクト・パッドのためのメタライゼーションを有するセラミックであってもよい。ベース基板12の入力/出力ピッチは、上面で150~200マイクロメートルの間とすることができ、下面で750~1000マイクロメートルの間とすることができるが、入力/出力ピッチは上面、下面それぞれでこれより大きくても小さくてもよい。ベース基板12の材料は、混在/低CTEおよび高誘電率材料または埋め込みコンポーネントの組合せとすることができる。
【0040】
高誘電率基板14は、ベース基板12上にコンフォーマルに形成可能であり、ベース基板12の上面を覆う。高誘電率基板14は、一般的な堆積技術、たとえば原子層堆積(ALD)、分子層堆積(MLD)、化学気相堆積(CVD)、物理気相堆積(PVD)、高密度プラズマ(HDP)堆積、およびスピン・オン技術を使用して堆積させ、その後、反応性イオンエッチング(RIE)などの異方性垂直エッチング・プロセス、または任意の適切なエッチング・プロセスが行われる。一実施形態では、高誘電率基板14は、1つまたは複数の層を含むことができる。高誘電率基板14は、HfO2、ZrO2、Al2O3、La2O3、TiO2、SrTiO3、LaAlO3、Y2O3、HfOxNy、これらのケイ酸塩、およびこれらの合金等の材料を含むことができる。高誘電率基板14は、厚さ2nmとすることができる。高誘電率基板14には、低誘電率誘電体を介した低損失信号品位電気リンク通信用などの垂直相互接続をサポートする、ベース基板12の上面のコンタクト・パッドに対応する開口がある。高誘電率基板14は、電圧調整用などのデカップリング・キャパシタンスをサポートする。
【0041】
相互接続層16は、ベース基板12上にコンフォーマルに形成可能であり、高誘電率基板14の上面を覆う。相互接続層16は、誘電接着材料またはシートを含むことができる。相互接続層16に使用される材料の例には、HD MicroSystems(TM)製のHD3007(HD MicroSystems(TM)はHD MicroSystems,L.L.Cの商標である)、Su-8フォトレジスタ、PSPI、NCF、Bステージ接着層、またはその他の材料が含まれる。一実施形態では、相互接続層16は1~120マイクロメートルの間の厚さとすることができる。相互接続層16は、銅(Cu)、はんだおよびその他の導電材料とすることができる、金属ビア、パッド付きビア、ジョグ付きビアなどの電気接続を提供することができる。金属ビアおよびジョグは、リソグラフィ、エッチング、レーザー、銅(Cu)めっき、はんだめっき、IMSまたはその他の手段によって形成されたビアを備える単一の層または複数の層であってもよい。ジョグは、熱サイクル時の寸法の変化を許容する、相互接続層の下部層上のコンタクトの重なりであってもよい。たとえば、セラミック基板とすることができる基板上のコンタクトは、xy次元において移動し得る。ジョグは、基板のX、YおよびZ次元におけるサイズおよびフィーチャ位置精度に影響を与える加工、焼結またはその他の熱/加工変化などの電気接続調整の1つまたは複数の設計点を可能にするために、処理によるセラミック収縮と歪み許容差とを考慮に入れた、短い電気再配線コンタクトであってもよい。基板のコンタクトのそれぞれは、熱サイクル後の移動に関して特性解析することができ、相互接続層の底部の対応する各コンタクトのための対応するジョグを形成することができる。
【0042】
相互接続層16は、上述のようなLDSLとすることができる。相互接続層16は、配線を備えた第1の薄膜の数層を含むことができる。一実施形態では、第1の薄膜の各層は、5~8マイクロメートルの間のポリイミド・ベースの誘電体と、20マイクロメートルの線幅および間隔、150マイクロメートルのバンプ・ピッチのための銅厚さとを含むことができ、ビルドアップ層16内に8層から10層またはそれ以上の第1の薄膜層があってもよい。相互接続層16は、パッケージ10上のチップを接続する回路を提供することができる。相互接続層16は、第1の薄膜層のそれぞれの上に配線、ビアおよび回路を提供することができる。相互接続層16は、ハブ・コントローラ集積回路24、ロングリーチ入力/出力集積回路26、ワイヤ28およびパッケージ10上の任意のその他の電子コンポーネントを含む、パッケージ10に実装されたチップの入力と出力に電気的および機械的に接続するコンタクト・パッドを上面に有することができる。一実施形態では、相互接続層16は、パッケージ10の大域入力/出力のための回路を提供することができる。相互接続層16の下面は、電気的および機械的に互いに接続されるベース基板12の上面のコンタクト・パッドと整列するコンタクト・パッドを有することができる。相互接続層16には、高誘電率基板14内の開口とベース基板12の上面のコンタクト・パッドとに対応する開口があってもよい。
【0043】
薄膜基板18は、上述のようなHDSLとすることができる。薄膜基板18は、相互接続層16の上面の一部を覆うことができる。薄膜基板18は、配線を備えた第2の薄膜の数層を含むことができる。一実施形態では、第2の薄膜の各層は、5~8マイクロメートルの間のポリイミド・ベースの誘電体と、2~3マイクロメートルの間の線幅および間隔のための銅厚さと、上面で55マイクロメートル、下面で150マイクロメートルのバンプ・ピッチとを含み得る。薄膜基板18には4層またはそれ以上の第2の薄膜層があってもよい。薄膜基板18は、薄膜基板18上のチップをパッケージ10に接続する回路を提供することができる。薄膜基板18は、薄膜基板18上のメモリ・チップ22、ハブ・コントローラ集積回路24、任意のその他の電子コンポーネントを含む、薄膜基板18に実装されたチップの入力と出力とに電気的および機械的に接続するコンタクト・パッドを上面に有することができる。一実施形態では、薄膜基板18は、パッケージ10の局所入力/出力のための回路を提供することができる。薄膜基板18の下面は、電気的および機械的に互いに接続される相互接続層16の上面のコンタクト・パッドと整列するコンタクト・パッドを有することができる。
【0044】
図1および
図2に示すように、パッケージ10には2つの薄膜基板18がある。パッケージ10には任意の数の薄膜基板18があってもよい。
図1および
図2に示すように、薄膜基板18のそれぞれは薄膜基板18に実装された4つのチップを有するが、薄膜基板18に実装された任意の数のチップがあってもよい。
【0045】
次に
図3および
図4を参照すると、例示の一実施形態による、基板上の薄膜基板のパッケージ30が示されている。
図3はパッケージ30の上面図であり、
図4は切断線A-Aに沿った
図3の側面図である。パッケージ30は、ベース基板32と、相互接続層34と、薄膜基板36と、金属ポスト38と、はんだ40とを含む。
【0046】
ベース基板32は、ベース基板12に関して上述した通りとすることができる。基板32の上面に相互接続層34が取り付け可能である。
【0047】
相互接続層34内の開口が、基板32の上面のコンタクトとビアを薄膜基板36の下面に電気的および機械的に接続する金属ポスト38とはんだ40を有してもよい。
図3および
図4に示すように、相互接続層34には36個の金属ポスト38があるが、相互接続層34には任意の数の金属ポスト38があってもよい。誘電材料はポリイミド(PI)とすることができ、または感光性ポリイミド(PSPI)または他の誘電材料であってもよい。非電導性フィルム(NCF)、接着層、成形コンパウンドまたはキャピラリ・アンダーフィル(CUF)材料を集積のために使用することができる。相互接続層34は、基板32と相互接続層34との間、および相互接続層34と薄膜基板36との間のファイン・ピッチ相互接続を実現するように、たとえば化学機械研磨(CMP)技術、ミリング、グラインド、レーザーまたはその他の手段を使用して平坦化可能である。
【0048】
開口は、50~100マイクロメートルの間の直径と、1~120マイクロメートルの間の高さと、150~250マイクロメートルの開口間のピッチとを有することができ、それぞれ金属ポスト38とはんだ40が充填される。金属ポストは1マイクロメートルから75マイクロメートルとすることができる。
【0049】
相互接続層34のビアは、基板32の異なるCTEと起こり得る収縮とを見越し、さらにそれにもかかわらず相互接続層34と基板32とのビア間の電気接続を可能にするように、基板32の上面のコンタクトより広い形状で形成可能である。
【0050】
薄膜基板36は、薄膜基板18に関して上述した通りとすることができる。
【0051】
次に
図5を参照すると、例示の一実施形態による、第1の構造体100の側面図が示されている。第1の構造体100は、金属ポスト102と、薄膜基板104と、ハンドラ106とを含む。
【0052】
薄膜基板104は、薄膜基板18に関して上述した通りとすることができる。金属ポスト102は、薄膜基板の下面に接続可能である。金属ポスト102のそれぞれが、それぞれ薄膜基板104の下面のビアまたはコンタクト・パッドに接続可能である。ハンドラには任意の数の金属ポスト102、たとえば100平方ミリメートルの薄膜基板104上に144個のポストがあってもよい。
【0053】
その後、薄膜基板104の上面をハンドラ106に取り付けることができる。ハンドラ106は、薄膜基板104に安定した表面を与えることができる。ハンドラ106は、ガラス、シリコンまたはその他の材料であってもよい。薄膜基板104は、ボンディングの前または後に機械剥離層またはレーザー剥離層と接着剤とを使用して、ハンドル・ウエハまたはパネルから移行および接着によってハンドラ106に取り付けることができる。
【0054】
次に
図6を参照すると、例示の一実施形態による、基板と相互接続層の第2の構造体110の側面図が示されている。第2の構造体110は、相互接続層114と、外側パッド118を有するベース基板112とを含む。
【0055】
相互接続層114は、上記の相互接続層16について説明した通りとすることができる。相互接続層114にはキャビティ116があってもよい。
【0056】
相互接続層114は、ベース基板112の上面に取り付けることができる。相互接続層114内のキャビティ116のそれぞれがベース基板112の上面の外側パッド118と整列可能である。ベース基板112は、ベース基板12に関して上述した通りとすることができる。外側パッド118は、それぞれベース基板112内の回路のためのコンタクトを提供することができる。相互接続層114は、電気接続のためのはんだリフローに熱を使用することによって、および、誘電体ボンディングのために誘電接着剤と熱と圧力を使用することによって取り付けることができる。
【0057】
次に
図7を参照すると、例示の一実施形態による、第2の構造体110の側面図が示されている。第2の構造体110の相互接続層114のキャビティ116のそれぞれの中に、はんだペースト120を塗布することができる。
【0058】
次に
図8を参照すると、例示の一実施形態による、第2の構造体110上に第1の構造体100が実装され、結果として得られた複合構造体126の側面図が示される。
【0059】
第1の構造体100の金属ポスト102が、相互接続層114のはんだペースト120が充填されたキャビティ116と位置合わせ可能である。はんだペースト120が充填されたキャビティ116と同数の金属ポスト102があってもよい。第1の構造体100と第2の構造体110は、はんだペースト120のはんだ融点より高い温度で加熱され、互いに押圧可能である。キャビティ116のそれぞれの中のはんだペースト120の量と金属ポスト102の体積は、金属のオーバーフローなしに各キャビティ116を満たす必要があり、ベース基板112の各外側パッド118と薄膜基板104の下面のそれぞれの対応するコンタクトまたはビアとの間に電気的および機械的接続をもたらす必要がある。
【0060】
次に
図9を参照すると、例示の一実施形態による複合構造体126の側面図が示されている。
【0061】
図8に関して説明したように、第1の構造体100が第2の構造体110上に実装された後は、接続のために使用された接着樹脂が硬化するかまたは高粘性に達するとともに、はんだまたははんだペースト120が電気接続およびパッドを形成し、固化するまで、冷却段階中に複合構造体126が所定位置に保持される必要がある。接着樹脂は、ポリイミド・ベースの接着剤またはその他の誘電材料とすることができる。
【0062】
その後、ハンドラ106を取り外すことができる。複合構造体126は、ビアおよび配線の層を備えた相互接続層114上に実装されたビアおよび配線の層を備えた薄膜基板104を有する。薄膜基板104の下面とベース基板112の上面の外側パッド118との間には、リフローはんだペースト120に埋め込まれた各金属ポスト102により、結果として位置合わせされた接続がある。
【0063】
次に
図10および
図11を参照すると、例示の一実施形態によるパッケージ150が示されている。
図10はパッケージ150の上面図であり、
図11は切断線A-Aに沿った
図10の側面図である。パッケージ150は、ベース基板152と、相互接続層154と、高誘電率基板160と、相互接続層162と、薄膜基板168とを含む。
【0064】
ベース基板152は、ベース基板12に関して上述した通りとすることができる。相互接続層層154は、ベース基板152の上面に取り付けることができ、相互接続層16に関して上述した通りとすることができる。
【0065】
相互接続層154の開口は、ベース基板152の上面のコンタクトおよびビアを高誘電率基板160の下面に電気的および機械的に接続する金属ポスト156とはんだペースト158を有することができる。金属ポスト156とはんだペースト158は、上記の金属ポスト102とはんだペースト120に関して上述したように形成することができる。
【0066】
高誘電率基板160は、高誘電率基板14に関して上述した通りとすることができる。高誘電率基板160は、誘電接着剤ボンディングと電気パッドはんだボンディングによって相互接続層154に取り付けることができる。高誘電率基板160は、相互接続層154の上面のコンタクトおよびビアを相互接続層162の下面のコンタクトおよびビアに電気的および機械的に接続する金属コンタクトを有することができる。
【0067】
相互接続層162は、上記の相互接続層16に関して上述したように形成することができる。相互接続層162の開口は、高誘電率基板160の上面のコンタクトおよびビアを薄膜基板168の下面に電気的および機械的に接続する金属ポスト164とはんだペースト166を有することができる。金属ポスト164とはんだペースト166は、上記の金属ポスト102とはんだペースト120に関して上述したように形成することができる。
【0068】
薄膜基板168は、薄膜基板18に関して上述したように形成することができる。薄膜基板168は、相互接続層162の上面上にあってもよい。
【0069】
図11に示すように、相互接続層154には6個の金属ポスト156があるが、相互接続層154には任意の数の金属ポスト156があってもよい。
【0070】
次に
図12を参照すると、例示の一実施形態による、第3の構造体200の側面図が示されている。第3の構造体200は、金属ポスト202と薄膜基板204とハンドラ206とを含む。
【0071】
第3の構造体200は、第1の構造体100、金属ポスト102、薄膜基板104およびハンドラ106に関して上述した通りとすることができる。
【0072】
次に
図13を参照すると、例示の一実施形態による、第4の構造体210の側面図が示されている。第4の構造体210は、外側パッド218を備えたベース基板212を含む。
【0073】
第4の構造体210は、ベース基板12に関して説明したようなベース基板212と、外側パッド118に関して説明したような外側パッド218とを備えた、第2の構造体110に関して上述したものと類似のものとすることができる。
【0074】
図13に示すように、外側パッド218上にはんだスタッド220を形成することができる。はんだスタッド220は、上記で使用したはんだペースト120に代わるものとすることができる。はんだスタッド220は、後続の製造ステップ中にそれぞれの形状を保持することができる。
【0075】
次に
図14を参照すると、例示の一実施形態による、第4の構造体210の側面図が示されている。ベース基板212上に相互接続層214を形成することができる。
【0076】
相互接続層214は、上記の相互接続層114について説明したように形成することができる。相互接続層214はキャビティ216を含むことができる。キャビティ216のそれぞれは、はんだスタッド220および外側パッド218と整列することができる。
【0077】
この実施形態では、はんだスタッド220は、外側パッド218上に形成可能であり、次に、相互接続層214上が形成可能である。これに対して、
図5~
図9の実施形態では、相互接続層114はベース基板112に取り付けられ、次に相互接続層114のキャビティ116内にはんだペースト120が形成される。
図14に示すように、6個のはんだスタッド220があるが、任意の数のはんだスタッド220があってもよい。
【0078】
次に
図15を参照すると、例示の一実施形態による、複合構造体226が結果としてできる、第4の構造体210上に実装された第3の構造体200の側面図が示されている。
【0079】
第3の構造体200の金属ポスト202は、相互接続層214のはんだスタッド220およびキャビティ216と位置合わせ可能である。はんだスタッド220およびキャビティ216と同数の金属ポスト202があってもよい。第3の構造体200と第4の構造体210は、はんだスタッド220のはんだ融点より高い温度で加熱され、互いに押圧可能である。はんだスタッド202のそれぞれにおけるはんだの量と、キャビティ216のそれぞれにおける金属ポスト202の体積は、金属のオーバーフローなしに各キャビティ216を満たす必要があり、ベース基板212の各外側パッド218と薄膜基板204の下面のそれぞれの対応するコンタクトまたはビアとの間に電気的および機械的接続をもたらす必要がある。
【0080】
次に
図16を参照すると、例示の一実施形態による、複合基板226の側面図が示されている。
【0081】
図15に関して説明したように、第3の構造体200が第4の構造体210上に実装された後は、複合基板226は、樹脂とはんだスタッド220のはんだの両方が定着するまで冷却段階中に所定位置に保持される必要がある。
【0082】
その後、ハンドラ206を取り外すことができる。複合基板226は、ビアと配線の層を備えた相互接続層214上に実装された、ビアと配線の層を備えた薄膜基板204を有する。リフローはんだスタッド220内に埋め込まれた金属ポスト202のそれぞれによって、薄膜基板204の下面とベース基板212の上面の外側パッド218との間に、結果として位置合わせされた接続がある。
【0083】
次に
図17を参照すると、例示の一実施形態による、ハンドラに取り付けられた薄膜基板の第5の構造体300の側面図が示されている。第5の構造体300は、金属ポスト302と高誘電率基板304とハンドラ306とを含む。
【0084】
第5の構造体300は、第1の構造体100、金属ポスト102およびハンドラ106に関して上述した通りとすることができる。
【0085】
この実施形態では、
図5~
図9の第1の実施形態における薄膜基板104または
図12~
図16の第2の実施形態における薄膜基板204の代わりに、高誘電率基板304が使用されている。
【0086】
高誘電率基板304は、
図1および
図2の高誘電率基板に関して上述した通りとすることができる。
【0087】
次に
図18を参照すると、例示の一実施形態による、第6の構造体310の側面図が示されている。第6の構造体310は、外側パッド318を備えたベース基板312を含む。
【0088】
第6の構造体310は、ベース基板12に関して説明したようなベース基板312と、外側パッド118に関して説明したような外側パッド318とを備えた、第2の構造体110に関して上述したものと類似のものとすることができる。
【0089】
図18に示すように、外側パッド318上にはんだスタッド320を形成することができる。はんだスタッド320は、はんだスタッド220に関して上述した通りとすることができる。
【0090】
次に
図19を参照すると、例示の一実施形態による第6の構造体310の側面図が示されている。ベース基板312上に相互接続層314を形成することができる。
【0091】
相互接続層314は、上記の相互接続層114について説明したように形成することができる。相互接続層314はキャビティ316を有することができる。キャビティ316のそれぞれがはんだスタッド320および外側パッド318と整列することができる。
【0092】
この実施形態では、はんだスタッド320が外側パッド318上に形成され、次に相互接続層314が形成可能である。それに対して、
図5~
図9の実施形態では、相互接続層114がベース基板112に取り付けられ、次に、相互接続層114のキャビティ116内にはんだペースト120が形成可能である。
【0093】
図19に示すように、6個のはんだスタッド320があるが、それぞれがベース基板312の外側パッド318に対応する、任意の数のはんだスタッド320があってもよい。
【0094】
次に
図20を参照すると、例示の一実施形態による、複合構造体326が結果としてできる、第6の構造体310上に実装された第5の構造体300の側面図を示す。
【0095】
第5の構造体300の金属ポスト302は、相互接続層314のはんだスタッド320およびキャビティ316と位置合わせ可能である。はんだスタッド320およびキャビティ316と同数の金属ポスト302があってもよい。第5の構造体300と第6の構造体310は、はんだスタッド320のはんだ融点より高い温度で加熱され、互いに押圧可能である。はんだスタッド302のそれぞれにおけるはんだの量と、キャビティ316のそれぞれにおける金属ポスト302の体積は、金属のオーバーフローなしに各キャビティ316を満たす必要があり、ベース基板312の各外側パッド318と高誘電率基板304の下面のそれぞれ対応するコンタクトまたはビアとの間に電気的および機械的接続をもたらす必要がある。
【0096】
次に
図21を参照すると、例示の一実施形態による、複合基板326の側面図が示されている。
【0097】
図20に関して説明したように、第5の構造体300が第6の構造体310上に実装された後は、複合基板326は、樹脂とはんだスタッド320のはんだの両方が定着するまで冷却段階中に所定位置に保持される必要がある。
【0098】
その後、ハンドラ306を取り外すことができる。複合基板326は、ビアと配線の層を備えた相互接続層314上に実装された、ビアと配線の層を備えた高誘電率基板304を有する。リフローはんだスタッド320内に埋め込まれた金属ポスト302のそれぞれによって、高誘電体基板304の下面とベース基板312の上面の外側パッド318との間に結果として位置合わせされた接続がある。
【0099】
複合構造体326は、一実施形態では、はんだスタッド320およびはんだスタッド330ではなく、はんだペーストを使用して形成することができる。
【0100】
複合構造体326は、複合構造体226と類似しているが、薄膜基板204ではなく高誘電率基板304を使用することができる。高誘電率基板304は、
図22および
図23の説明で後述するように、基板の追加の層を構造体に付加する場合があるときに使用可能である。
【0101】
用途によっては、1つまたは複数の高誘電率層または基板が、1つまたは複数の高誘電率層内または基板内またはその上に集積または埋め込まれたディスクリート・デカップリング・キャパシタとともに使用されてもよい。ディスクリート・デカップリング・キャパシタは、チップ・パフォーマンス向上をサポートするように給電および電圧調整をサポートするために使用することができる。高誘電率基板304は、チップまたはチップレト間の低損失、高帯域幅の相互接続配線層204、104のために使用される追加の高密度配線層を必要とするかまたは必要とせずに、チップ機能をサポートするために追加可能である。
【0102】
次に
図22を参照すると、例示の一実施形態による、複合構造体326の側面図が示されている。
【0103】
高誘電率基板304の上面にはんだスタッド330を形成することができる。はんだスタッド330は、高誘電率基板304の上面のコンタクトおよびビアがある場所に形成することができる。はんだスタッド320は、はんだスタッド220に関して上述した通りとすることができる。
【0104】
次に
図23を参照すると、例示の一実施形態による複合構造体326の側面図が示されている。
【0105】
ハンドラ(図示せず)上に薄膜基板334を形成することができる。薄膜基板334は、上記の薄膜基板18について説明したように形成可能である。上記の金属ポスト156について説明したように形成された金属ポスト332を、薄膜基板334の下面に取り付けることができる。金属ポスト332はそれぞれ、薄膜基板334の下面のビアまたはコンタクトの位置に取り付け可能である。
【0106】
ハンドラ(図示せず)上の金属ポスト332を備えた薄膜基板334を複合構造体326上に実装することができる。複合構造体326は、樹脂とはんだスタッド330のはんだの両方が定着するまで冷却段階中に所定位置に保持される必要がある。その後、ハンドラ(図示せず)を取り外すことができる。
【0107】
複合構造体326は、ビアと配線の層を備えた相互接続層314上に実装された、ビアと配線の層を備えた高誘電率基板304を有する。リフローはんだスタッド320内に埋め込まれた金属ポスト302のそれぞれによって、高誘電率基板304の下面とベース基板312の上面の外側パッド318との間に、結果として位置合わせされた接続がある。複合構造体326は、ビアと配線の層を備えた相互接続層336上に実装された、ビアと配線の層を備えた薄膜基板334を有する。リフローはんだスタッド330内に埋め込まれた金属ポスト332のそれぞれによって、薄膜基板334の下面と高誘電率基板304の上面の外側パッド318との間に、結果として位置合わせされた接続がある。
【0108】
複合構造体は、ベース基板312上に実装される電気コンポーネントの数が増えるにつれて基板のより大規模な結合のために必要となる可能性がある、配線の追加の層を有する。
【0109】
次に
図24を参照すると、例示の一実施形態による、基板をスタックする方法400を示す動作フローチャートが示されている。
【0110】
高密度基板層(HDSL)を形成する(ブロック402)。HDSLは、薄膜基板18に関して上述した通りとすることができる。上記の金属ポスト102に関して説明したように、HDSLの下面に金属ポストを取り付けることができる。金属ポストは、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、金(Au)またはその他の導電金属または金属組成の金属パッドまたはピラーであってもよい。HDSLはテスト可能である。
【0111】
HDSLの上面を、上述のハンドラ106などのハンドラに、ハンドラ上の位置合わせマークを使用して取り付ける(ブロック404)。
【0112】
相互接続層16などの相互接続層を、ベース基板12などの基板の上面に取り付ける(ブロック406)。相互接続層は、基板の上面のコンタクトおよびビアと整列するスルー・ホールおよび任意によるジョグまたは間隔を有してもよい。誘電体層または平坦化セラミック面層または平坦化薄膜相互接続接着層あるいはこれらの組合せを備えたセラミック・ビアに隣接するRDL調整ワイヤまたはパッドを有する相互接続層のスルー・ホールまたは開口内に、はんだペーストまたははんだスタッドを配置することができる。相互接続層は、層と対応する電源または信号配線パッドとの間の電気接続をサポートするための、ジョグを備えた再配線層(RDL)を含むことができる。セラミック・ビアは、ガラス、セラミック、コーディエライト、アルミナまたはその他の誘電体などのセラミック誘電体層を貫通する、銅、モリブデンまたはタングステンあるいはその他の金属などの導電体である。セラミック材料は、グラインド、研磨またはその他の方法などによって平坦化することができる。平坦化された薄膜層は、シングル・ダマシンまたはデュアル・ダマシン薄膜層、または構造体の作製に使用され、その後取り外されるハンドル・ウエハまたはパネルから取り外される薄膜の「平面」な面とすることができ、裏返され、取り外され/誘電接着剤およびはんだなどの電気相互接続によってセラミックまたはその他の基板面に接合可能である。
【0113】
開口のそれぞれの中のはんだの量は、基板の上面またはHDSLの下面の外側パッドまたはビア、または相互接続層の調整ジョグまたはパッドの異なる高さを捉えるように調整可能である。
【0114】
HDSLは、HDSL上の位置合わせマークまたは金属ポストと、基板上の位置合わせマークまたははんだスタッドとを使用して、基板と位置合わせし、取り付けることができる(ブロック408)。
【0115】
はんだ融点より高い温度でHDSLと相互接続層と基板の熱接着および圧着を行うことができる(ブロック410)。はんだスタッドと金属ポストとの全体積は、相互接続層の開口のそれぞれの容積より小さいかまたは同等である必要がある。結合されたハンドラ、HDSL、相互接続層および基板は、はんだが固化するまで所定位置に保持される必要がある。
【0116】
はんだが固化した後は、ハンドラを取り外すことができる(ブロック412)。電子コンポーネントをHDSL上に実装し、電気的および機械的に接続することができる。各電子コンポーネントは、実装の前にテストすることができる。各コンポーネントの配線およびコンタクトを確認するためにプロセスの各ステップにおいて追加のテストを行うことができる。テストは、マルチチップ集積をサポートし、高い基板およびモジュール歩留まりを達成するように再加工を行うための統計的部分的テストまたは完全テストを含むことができる。
【0117】
利点には、高密度有機基板のオプションと比較して向上したCTE整合、平坦性、剛性が含まれる。薄膜基板、相互接続層、高誘電率基板および基板のCTE値は、それらの固有材料特性のため、より厳密にチップに整合し、それによって組み付け/集積時の反りが少なく、パワー・サイクルおよびはんだ付けのための熱サイクル時の最終構造体の損傷が低減され、製品使用時の信頼性が向上する。
【0118】
より低温のはんだおよび誘電接着剤などによる、基板の層への組み付け/接続時の各薄膜基板の低温接合処理におけるCTE不整合の低減に起因する、平坦性の向上がある。セラミック基板のスティフネスに起因する、または基板スタックの層間のCTEのより厳密な一致に起因する、あるいはその両方に起因する剛性の向上があり、それによって高CTE有機基板よりも曲がりまたは反りが少なくなる。
【0119】
この構造および方法は、大規模基板上の、より高密度のバンプ・ピッチ、たとえば大きな200マイクロメートル・ピッチのため、および10マイクロメートル未満から40マイクロメートルまでのピッチの相互接続のため、20マイクロメートルから2マイクロメートル未満のファイン・ピッチ線およびスペースのために使用することができる。利点には、より歩留まりの高いプロセスを実現する、品質保証済みハードウェアによるワン・パス・ラミネーションまたは集積/組み付けが含まれる。ワン・パス・ラミネーションとは、基板に取り付ける前に薄膜基板の層を結合することを指す。歩留まり向上のために必要な場合、ハンドラに取り付ける前に薄膜基板を試験することによって品質保証済みハードウェアが使用される。
【0120】
さらなる利点には、有機基板のオプションおよび封止接合界面と比較して向上した機械的完全性が含まれる。同一平面のチップ-基板層、および同一平面の基板層-基板層の使用による機械的完全性の向上がある。パッケージ外周の周りの任意によるはんだ封止バンドが、構造体から水分をベークアウトすることによって構造体を封止し、水分-金属間バリアを与えて水分の閉じ込めを最小限にすることによって、信頼性向上をもたらすことができる。
【0121】
任意により、薄膜基板において集積高密度ディスクリート・キャパシタまたは高誘電率コンポーネント層があってもよい。デカップリング・キャパシタンス要件およびコンポーネントの仕様に応じて、複数のディスクリート・コンポーネントまたは高誘電率層のいずれかを使用することができる。
【0122】
本発明の様々な実施形態の説明を例示のために示したが、網羅的であることまたは開示している実施形態に限定されることは意図していない。本発明の思想および範囲から逸脱することなく多くの修正および変形が当業者には明らかであろう。本明細書で使用されている用語は、実施形態の原理、実際の適用、または市場に見られる技術に対する技術的改良を最もよく説明するため、または当業者が本明細書で開示されている実施形態を理解することができるようにするために選択されている。
【国際調査報告】