(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】高バリア性セルロース構造体及びセルロース容器
(51)【国際特許分類】
B32B 29/00 20060101AFI20240927BHJP
B65D 3/04 20060101ALI20240927BHJP
B65D 65/40 20060101ALI20240927BHJP
B32B 9/00 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
B32B29/00
B65D3/04 BRH
B65D65/40 D BSG
B32B9/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514545
(86)(22)【出願日】2022-10-12
(85)【翻訳文提出日】2024-03-05
(86)【国際出願番号】 US2022046482
(87)【国際公開番号】W WO2023064418
(87)【国際公開日】2023-04-20
(32)【優先日】2021-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504376810
【氏名又は名称】ウエストロック・エム・ダブリュー・ヴイ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ラーフル・バルドワージ
(72)【発明者】
【氏名】チータイ・シー・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン・エル・ベネット
(72)【発明者】
【氏名】コートニー・ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン・ジー・ブッシュハウス
(72)【発明者】
【氏名】メレディス・ダブリュー・アリン
【テーマコード(参考)】
3E086
4F100
【Fターム(参考)】
3E086AD06
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3E086CA01
4F100AA17C
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4F100YY00A
(57)【要約】
セルロース構造体であって、セルロースボード基材と、セルロースボード基材の上方に位置する金属酸化物層と、セルロースボード基材と金属酸化物層との間の接合層と、を含むセルロース構造体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルロース構造体であって、
セルロースボード基材と、
前記セルロースボード基材の上方に位置する金属酸化物層と、
前記セルロースボード基材と前記金属酸化物層との間の接合層と、を備えるセルロース構造体。
【請求項2】
請求項1に記載のセルロース構造体であって、
前記セルロースボード基材は200から800nmの範囲において2.5%以下の平均透過率(%T)を有する、セルロース構造体。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のセルロース構造体であって、
前記セルロースボード基材は300から700nmの範囲において4.0%以下の最大透過率(%T)を有する、セルロース構造体。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
前記セルロースボード基材は2重量%以上のリグニン含有量を有する、セルロース構造体。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
前記接合層はポリオレフィンを備える、セルロース構造体。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
前記接合層は低密度ポリエチレンを備える、セルロース構造体。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
前記接合層は接着剤を備える、セルロース構造体。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
前記金属酸化物層は金属酸化物で被覆された基材である、セルロース構造体。
【請求項9】
請求項8に記載のセルロース構造体であって、
前記金属酸化物層は酸化アルミニウム及び酸化ケイ素の内の少なくとも1つを備える、セルロース構造体。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のセルロース構造体であって、
前記金属酸化物で被覆された基材は金属酸化物で被覆されたポリマーである、セルロース構造体。
【請求項11】
請求項10に記載のセルロース構造体であって、
前記金属酸化物で被覆されたポリマーはポリエステル又はポリオレフィンの内の少なくとも1つを備える、セルロース構造体。
【請求項12】
請求項11に記載のセルロース構造体であって、
前記金属酸化物で被覆されたポリマーはポリエチレンテレフタレートを備える、セルロース構造体。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
前記セルロース構造体は更に前記金属酸化物層の上方に位置するヒートシール層を備える、セルロース構造体。
【請求項14】
請求項13に記載のセルロース構造体であって、
前記ヒートシール層は低密度ポリエチレンを備える、セルロース構造体。
【請求項15】
請求項13又は14に記載のセルロース構造体であって、
前記ヒートシール層はエチレンメチルアクリレート(EMA)を備える、セルロース構造体。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
前記セルロース構造体は300から700nmの範囲において1.0%以下の最大透過率(%T)を有する、セルロース構造体。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
前記セルロース構造体は少なくとも80重量%のセルロース含有量を有する、セルロース構造体。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
前記セルロース構造体は1atmにおいて0.1cc/m
2/日未満の酸素透過率を有る、セルロース構造体。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
前記セルロース構造体は0.1g/m
2/日未満の水蒸気透過率を有する、セルロース構造体。
【請求項20】
セルロース容器であって、
第1端部及び第2端部を有する側壁構成要素であって、
内面を有するセルロースボード基材と、
前記セルロースボード基材の前記内面上の接合層と、
前記接合層上の金属酸化物層と、を備える前記側壁構成要素と、
前記側壁構成要素の前記第1端部を囲む底部構成要素と、
前記側壁構成要素の前記第2端部を囲む蓋構成要素と、を備えるセルロース容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本願は2021年10月12日出願の米国仮出願第63/254921号の優先権を主張し、その全内容は参照として本願に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本願発明はセルロース容器用の高バリア性セルロース構造体の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
紙ベース容器は通常、ペーパーボードブランクのような、ブランクから形成される。ペーパーボードブランクは所望のシルエットにダイカットされ、ブランクは所望の容器形状へと形成される。例えば、ブランクを円筒(mandrel)に巻き付けて、シリンダ状又は円錐台状の容器本体を形成してもよい。底部構成要素は通常、容器本体の下端部を囲むように容器本体に接続される。容器を充填後、蓋構成要素は通常、容器を完全に囲むように容器本体へと接続される。
【0004】
紙ベース容器の内容物は、このような容器の壁を透過し得る酸素、水分、光にさらされ得る。容器の内容物によっては、酸素、水分、光の透過により製品が劣化し得る。例えば、酸素、水分、光を十分に遮断しない容器に入れられた食品は、より早く劣化し、したがって、保存期間が著しく短くなり得る。
【0005】
したがって、紙ベース容器はバリア特性を有する材料から形成されてきた。例えば、従来の紙ベース容器は通常、酸素、水分、光の透過による劣化に敏感な食品用の容器を形成するために使用されるペーパーボードブランクに組み込まれた金属バリア層を有する。しかし、金属バリア層を組み込むと紙ベース容器のリサイクル性が制限される。
【0006】
従来の金属バリア層が組み込まれた紙ベース容器と同じ又は類似のバリア特性を依然として有する新たなリサイクル可能材料が必要とされている。
【0007】
したがって、当業者はセルロース容器用の高バリア性セルロース構造体の分野において研究開発を継続している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態において、セルロース構造体は、セルロースボード基材と、セルロースボード基材の上方に位置する金属酸化物層と、セルロースボード基材と金属酸化物層との間の接合層(tie layer)と、を含む。
【0009】
別の実施形態において、セルロース容器は、第1端部及び第2端部を有する側壁構成要素と、側壁構成要素の第1端部を囲む底部構成要素と、側壁構成要素の第2端部を囲む蓋構成要素と、を含む。側壁構成要素は、内面を有するセルロースボード基材と、セルロースボード基材の内面上の接合層と、接合層上の金属酸化物層と、を含む。
【0010】
開示されたセルロース構造体及びセルロース容器の他の実施形態は、以下の詳細な説明、添付の図面、添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本願明細書の一実施形態に係る例示的なセルロース構造体を説明する図である。
【
図2】本願明細書の一実施形態に係る例示的なセルロース容器の例示的な側壁構成要素の図である。
【
図3】本願明細書の一実施形態に係る例示的なセルロース容器の図である。
【
図4】4つのセルロース基材に対する4つの試験サンプルの透過率(%T)のグラフ表示である。
【
図5】4つの被覆されたセルロース構造体に対する4つの試験サンプルの透過率(%T)のグラフ表示である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1を参照すると、開示されたセルロース構造体10の一実施形態は、セルロースボード基材12と、セルロースボード基材12上の接合層14と、接合層14上の金属酸化物層16と、任意選択で金属酸化物層16上のヒートシール層18と、を含む。本願開示の範囲から逸脱することなく、開示されたセルロース構造体10に追加の層が含まれてもよい。
【0013】
セルロースボード基材12は、紫外・可視光スペクトルにおいて、平均透過率及び/又は最大透過率が低くてもよい。ある態様では、200から800nmの範囲における平均透過率(%T)は2.5%以下、例えば1.6%以下、1.1%以下、0.7%以下、0.5%以下、0.3%以下又は0.1%以下である。別の態様では、300から700nmの範囲における最大透過率(%T)は4.0%以下、例えば3.0%以下、2.0%以下、1.0%以下、0.5%以下又は0.3%以下である。平均透過率および最大透過率は23℃において試験されている。したがって、セルロースボード基材の平均透過率及び/又は最大透過率が低いことにより、このセルロースボード基材から形成される容器は、製品の劣化をもたらし得る光の透過に対する耐性に貢献する。セルロースボード基材の平均透過率及び最大透過率は、セルロースボード基材のリグニン(lignin)含有量と、セルロースボード基材のキャリパー(caliper)厚さと、セルロースボード基材の坪量と、を含む要因の組み合わせから決まり得る。セルロースボード基材の平均透過率及び/又は最大透過率を下げることにより、本願のセルロースボード基材は、光透過に対する耐性のための他の手段の必要性を排除又は低減することができる。
【0014】
ある態様では、セルロースボード基材12は、2重量%以上、例えば4重量%以上、6重量%以上、8重量%以上、10重量%以上、12重量%以上、14重量%以上、16重量%以上又は18重量%以上のリグニン含有量を有してもよい。セルロースボード基材のリグニン含有量は、このセルロースボード基材から形成される容器の、製品の劣化をもたらし得る光の透過に対する耐性に貢献する。リグニンは光バリアとして機能する発色団として働き得る。セルロースボード基材のリグニン含有量を増やすことにより、セルロースボード基材の最大透過率は小さくなる。
【0015】
ある態様では、セルロースボード基材12は3000ft2あたり180から290ポンドの範囲、例えば3000ft2あたり210から260ポンドの範囲の坪量を有してもよい。一例では、3000ft2あたり240ポンドの坪量を有する20pt(ポイント)ボードが使用されてもよい。セルロースボード基材の坪量は、このセルロースボード基材から形成される容器の、製品の劣化をもたらし得る光の透過に対する耐性に貢献する。セルロースボード基材の坪量を大きくすることにより、セルロースボード基材の最大透過率は小さくなる。他の態様では、セルロースボード基材の坪量は3000ft2あたり180ポンド未満であってもよく、又は、3000ft2あたり290ポンド超であってもよい。
【0016】
ある態様では、セルロースボード基材12は10から36ポイントの範囲、例えば14から30ポイント又は18から22ポイントの範囲のキャリパー厚さを有してもよい。セルロースボード基材のキャリパー厚さは、このセルロースボード基材から形成される容器の、製品の劣化をもたらし得る光の透過に対する耐性に貢献する。セルロースボード基材のキャリパー厚さを大きくすることにより、セルロースボード基材の最大透過率は小さくなる。他の態様では、セルロースボード基材のキャリパー厚さは14ポイント未満又は30ポイント超であってもよい。セルロースボード基材のキャリパー厚さは、セルロースボード基材の密度のような様々な要因に依存していてもよい。本願において、1ポイントは0.001インチ及び25.4μmに相当している。
【0017】
セルロースボード基材12は例えばペーパーボード基材を含んでもよく、又は、例えばペーパーボード基材であってもよい。
【0018】
ある態様では、接合層14は、低密度ポリエチレンのようなポリオレフィンを含んでもよく、又は、低密度ポリエチレンのようなポリオレフィンであってもよい。接合層14は、金属酸化物層16をセルロースボード基材12に接続するために、高温で溶融押出しされてもよい。他の態様では、接合層14は例えば接着剤を含んでもよく、又は、例えば接着剤であってもよい。
【0019】
ある態様では、金属酸化物層16は酸素及び水分に対するバリア層として機能している。具体的な一例として、金属酸化物層16は、例えば金属酸化物で被覆された紙若しくは金属酸化物で被覆されたポリマーなどの金属酸化物で被覆された基材を含んでもよく、又は、例えば金属酸化物で被覆された紙若しくは金属酸化物で被覆されたポリマーなどの金属酸化物で被覆された基材であってもよい。金属酸化物で被覆されたポリマーの場合、金属酸化物で被覆されたポリマーは、例えば、酸化アルミニウムで被覆されたポリマーなどを含んでもよく、又は、酸化アルミニウムで被覆されたポリマーなどであってもよい。他の具体的な一例として、金属酸化物で被覆されたポリマーは、酸化ケイ素で被覆されたポリマーを含んでもよく、又は、酸化ケイ素で被覆されたポリマーであってもよい。ある態様では、金属酸化物で被覆されたポリマーのポリマーは、ポリエステル若しくはポリオレフィンを含んでもよく、又は、ポリエステル若しくはポリオレフィンであってもよい。他の態様では、金属酸化物で被覆されたポリマーのポリマーは、ポリエチレンテレフタレートを含んでもよく、又は、ポリエチレンテレフタレートであってもよい。金属酸化物で被覆されたポリマーが存在することにより、セルロース構造体10から形成された容器内部に対する酸素及び水分の通過耐性が向上されている。しかし、金属酸化物で被覆されたポリマーは透明で、光の通過を妨げなくてもよい。したがって、セルロースボード基材12と金属酸化物で被覆されたポリマーとを組み合わせることにより、セルロース構造体10から形成された容器内部へ酸素、水分、光が通過することに対する耐性がもたらされる。
【0020】
開示されている金属酸化物で被覆されたポリマーは、金属酸化物を有するポリマー(例えばポリエチレンテレフタレート)膜を被覆することによって形成されてもよい。金属酸化物で被覆されたポリマーは、様々な出所から購入可能な市販の金属酸化物で被覆されたポリマーから選択されてもよい。
【0021】
ある態様では、金属酸化物で被覆されたポリマーは押出しラミネートプロセスによって施されてもよい。例えば、透明で高バリア性の酸化アルミニウム(AlOx)又は酸化ケイ素(SiOx)で被膜されたポリエステル膜は、ポリオレフィンのホモポリマー、コポリマー、ターポリマー、並びに、これらの官能化形態(functionalized form)及び変性形態の系列で、セルロースボード基材へとラミネートされてもよい。同様の材料又はこれらの組み合わせはオーバーコートヒートシール層として使用されてもよい。
【0022】
ある態様では、任意選択のヒートシール層18は、例えば低密度ポリエチレンを含んでもよく、又は、低密度ポリエチレンであってもよい。他の態様では、ヒートシール層18はポリオレフィンのホモポリマー、コポリマー、ターポリマー、並びに、これらの官能化形態及び変性形態の系列を含んでもよく、又は、これらであってもよい。他の態様では、ヒートシール層18は、シールを形成するために、熱、超音波エネルギー、放射線などによって活性化することができる他の材料から形成されてもよい。ヒートシール層18を形成するために、シール材料は組み合わせられてもよい。具体的な一例として、ヒートシール層18はモノレイヤー構造又は共押出し構造(co-extruded structure)を含んでもよい。
【0023】
図2、
図3を参照すると、セルロース構造体10から形成されている容器100も開示されている。ある態様では、容器100は、第1端部及び第2端部を有する側壁構成要素101と、側壁構成要素の第1端部を囲む底部構成要素102と、側壁構成要素の第2端部を囲む蓋構成要素103と、を含む。側壁構成要素は、内面と、セルロースボード基材上の接合層14と、接合層上の金属酸化物層16と、任意選択で金属酸化物層上のヒートシール層18と、を有するセルロースボード基材12を含む。
【0024】
側壁構成要素101は、例えば、所望のシルエット(例えば台形又は長方形)を有するブランクを形成するため、開示されたセルロース構造体10(
図1)のシートをダイカットすることによって形成されてもよい。その後、ブランクは所望の側壁構成要素の形状へと形成されてもよい。例えば、ブランクを円筒に巻き付けて、シリンダ状又は円錐台状の側壁構成要素101を形成してもよい。ヒートシール層18は、側壁構成要素101をシールするために活性化されてもよい。底部構成要素102は通常、側壁構成要素101の下端部を囲むため、側壁構成要素101に接続されている。容器を充填後、蓋構成要素103は通常、容器を完全に囲むように側壁構成要素101へと接続される。ヒートシール層18は、側壁構成要素101と、底部構成要素102と、蓋構成要素103と、を共にシールするために活性化されてもよい。底部構成要素102又は蓋構成要素103は開示されたセルロース構造体10から形成されてもよく、異なる材料から構成されてもよい。
【0025】
セルロース構造体10は、紫外・可視光スペクトルにおいて、平均透過率及び/又は最大透過率が低くてもよい。ある態様では、セルロース構造体10の200から800nmの範囲における平均透過率(%T)は1.0%以下、例えば0.5%以下、0.3%以下、0.2%以下、0.1%以下、0.05%以下、0.02%以下又は0.01%以下であってもよい。他の態様では、セルロース構造体10の300から700nmの範囲における最大透過率(%T)は1.0%以下、例えば0.5%以下、0.3%以下、0.2%以下、0.1%以下又は0.05%以下であってもよい。セルロース構造体の平均透過率及び/又は最大透過率は、セルロースボード基材の平均透過率及び/又は最大透過率を下げることによって、又は、光の透過に対して抵抗する他の手段によって、制御されてもよい。セルロース構造体10の平均透過率及び/又は最大透過率を下げることにより、このセルロース構造体から形成される容器の内容物は光による劣化から保護され得る。セルロース構造体10の平均透過率及び/又は最大透過率を下げることにより、本願明細書に記載の発明は金属箔又はカーボンブラックのような顔料(pigment)の使用を排除することができる。したがって、セルロース容器を形成するためのリサイクル可能な高バリア性セルロース構造体を提供し得る。
【0026】
他の態様では、セルロース構造体は、1atmにおいて0.1cc/m2/日未満の酸素透過率を有してもよい。他の態様では、セルロース構造体は、0.1g/m2/日未満の水蒸気透過率を有してもよい。
【0027】
他の態様では、セルロース構造体10は、少なくとも80重量%のセルロース含有量、例えば、少なくとも85重量%のセルロース含有量、又は、少なくとも90重量%のセルロース含有量を有してもよい。セルロース構造体の留意点としては、接合層と、金属酸化物層で被覆されたポリマーと、ヒートシール層と、若しくは、追加の被覆層を含んでもよく、又は、これら自体であってもよいことである。セルロース構造体10のセルロース含有量を上げることにより、紫外・可視光スペクトルにおいて、平均透過率及び/又は最大透過率は下げられ得る。
【0028】
ある態様では、セルロース構造体10は押出しラミネートプロセスによって形成されてもよい。
【0029】
図2、
図3は本願明細書の実施形態に係る例示的なセルロース容器100を示している。セルロース容器100は、第1端部及び第2端部を有する側壁構成要素101と、側壁構成要素の第1端部を囲む底部構成要素102と、側壁構成要素の第2端部を囲む蓋構成要素103と、を含む。側壁構成要素101は、内面20及び外面22を有するセルロースボード基材12と、セルロースボード基材12の内面20上の接合層14と、接合層14上の金属酸化物層16と、任意選択で金属酸化物層16上のヒートシール層18と、を含む。ある態様では、光による劣化の影響を受けやすい食品は、セルロース容器100の内部にシールされている。
【0030】
特にペーパーボードについて、異なるリグニン含有量を有するセルロース基材の光バリア性に関する試験が行われた。試験は光バリア性およびカッパ価(Kappa number)の試験を含んでいた。リグニン含有量(重量%)は以下の式を用いてカッパ価から計算されている。リグニン量(wt.%)=カッパ価×0.13。これは規格「パルプのカッパ価 TAPPI/ANSI T 236 om-13(Kappa number of pulp TAPPI/ANSI T 236 om-13)」を参照している。カッパ価は、最終パルプ又はプロセスパルプのサンプル中に残留するリグニン量を測定するための重要な試験方法である。カッパ価は、パルプメーカーおよびパルプを製紙するユーザーに対して、パルプの特性およびパルプから製紙される紙の特性について、特に残留リグニン量に関する貴重な情報を与えている。
【0031】
本願明細書において、ボードのリグニン量およびキャリパーは、光バリアを提供するという観点から重要な役割を果たしていることが開示されている。また、ボードの形成も重要な役割を果たしている。以下の表1および
図4のグラフはペーパーボードの特性を表している。
【0032】
【0033】
上記表1は、最も少ないリグニンを有するボードは最も高い透過率を有し、同様の厚みのボードでもリグニン含有量がより多い場合には透過率が低く、故により良好な光バリア性を有することを示している。同様に、このデータは、サンプル番号2、4によって示されているように、より大きいキャリパーと高いリグニン含有量とを組み合わせることで、更に良好な光バリア性となることを示している。
【0034】
以下の
図4のグラフは、紫外・可視光スペクトルに該当する、波長200から800nmにおける%T曲線全体を示している。これは、特定の厚みおよびリグニン含有量を有する適切なボードがUV(紫外線)および光に対する効果的なバリアとして機能し得ることを示している。先述の通り、このようなボード基材はバリアラミネートおよび被覆に使用することができ、ボード基材とその上に形成されている本願明細書の被覆とを備えるセルロース構造体を形成し、水分、酸素、光のバリアが必要な用途に使用できるペーパーボードベースの材料を開発することができる。
【0035】
図5は、透明なバリア膜を有する異なるセルロース構造体の光透過性の結果を示している。特に、
図5は、4つの試験サンプルについて300から700nmの範囲における最大透過率(%T)を示している。以下の表2は4つの異なる試験サンプルについて、酸素透過率(oxygen transmission rate、OTR)、水蒸気透過率(moisture vapor transmission rates、MVTR)、光透過率の結果と、ペーパーボード含有量(重量%)と、を示している。
【0036】
【0037】
図5の実験結果は、リグニン含有量がより多い基材(表2の被覆されたボード1)は、リグニン含有量がより少ない基材(表2の被覆されたボード2)と比較して著しく良好な光バリアとして機能していることを示している。被覆されたボード1は被覆されたクラフトボードである一方、被覆されたボード2は被覆された漂白ボード(bleached board)である。したがって、これらの実験結果は、セルロース構造体の特性が、セルロース構造体10の低透過率を達成するために、光に敏感な製品を内部に保持する容器の光バリア性の要件を提供する、又は、もたらすように選択され得ることを示している。
【0038】
更に、本願開示内容は以下の項に係る実施形態を備える。
【0039】
項1:
セルロースボード基材と、
セルロースボード基材の上方に位置している金属酸化物層と、
セルロースボード基材と金属酸化物層との間の接合層と、を備えるセルロース構造体。
【0040】
項2:
項1に記載のセルロース構造体であって、
セルロースボード基材は200から800nmの範囲において2.5%以下の平均透過率(%T)を有する、セルロース構造体。
【0041】
項3:
項1に記載のセルロース構造体であって、
セルロースボード基材は200から800nmの範囲において1.6%以下の平均透過率(%T)を有する、セルロース構造体。
【0042】
項4:
項1に記載のセルロース構造体であって、
セルロースボード基材は200から800nmの範囲において1.1%以下の平均透過率(%T)を有する、セルロース構造体。
【0043】
項5:
項1に記載のセルロース構造体であって、
セルロースボード基材は200から800nmの範囲において0.7%以下の平均透過率(%T)を有する、セルロース構造体。
【0044】
項6:
項1に記載のセルロース構造体であって、
セルロースボード基材は200から800nmの範囲において0.5%以下の平均透過率(%T)を有する、セルロース構造体。
【0045】
項7:
項1に記載のセルロース構造体であって、
セルロースボード基材は200から800nmの範囲において0.3%以下の平均透過率(%T)を有する、セルロース構造体。
【0046】
項8:
項1に記載のセルロース構造体であって、
セルロースボード基材は200から800nmの範囲において0.1%以下の平均透過率(%T)を有する、セルロース構造体。
【0047】
項9:
項1から8のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロースボード基材は300から700nmの範囲において4.0%以下の最大透過率(%T)を有する、セルロース構造体。
【0048】
項10:
項1から9のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロースボード基材は300から700nmの範囲において3.0%以下の最大透過率(%T)を有する、セルロース構造体。
【0049】
項11:
項1から10のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロースボード基材は300から700nmの範囲において2.0%以下の最大透過率(%T)を有する、セルロース構造体。
【0050】
項12:
項1から11のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロースボード基材は300から700nmの範囲において1.0%以下の最大透過率(%T)を有する、セルロース構造体。
【0051】
項13:
項1から12のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロースボード基材は300から700nmの範囲において0.5%以下の最大透過率(%T)を有する、セルロース構造体。
【0052】
項14:
項1から13のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロースボード基材は300から700nmの範囲において0.3%以下の最大透過率(%T)を有する、セルロース構造体。
【0053】
項15:
項1から14のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロースボード基材は2重量%以上のリグニン含有量を有する、セルロース構造体。
【0054】
項16:
項1から15のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロースボード基材は4重量%以上のリグニン含有量を有する、セルロース構造体。
【0055】
項17:
項1から16のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロースボード基材は6重量%以上のリグニン含有量を有する、セルロース構造体。
【0056】
項18:
項1から17のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロースボード基材は8重量%以上のリグニン含有量を有する、セルロース構造体。
【0057】
項19:
項1から18のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロースボード基材は10重量%以上のリグニン含有量を有する、セルロース構造体。
【0058】
項20:
項1から19のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロースボード基材は12重量%以上のリグニン含有量を有する、セルロース構造体。
【0059】
項21:
項1から20のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロースボード基材は14重量%以上のリグニン含有量を有する、セルロース構造体。
【0060】
項22:
項1から21のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロースボード基材は16重量%以上のリグニン含有量を有する、セルロース構造体。
【0061】
項23:
項1から22のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロースボード基材は18重量%以上のリグニン含有量を有する、セルロース構造体。
【0062】
項24:
項1から23のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロースボード基材は3000ft2あたり180から290ポンドの範囲の坪量を有する、セルロース構造体。
【0063】
項25:
項1から24のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロースボード基材は3000ft2あたり210から260ポンドの範囲の坪量を有する、セルロース構造体。
【0064】
項26:
項1から25のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロースボード基材は10から36ポイントの範囲のキャリパー厚さを有する、セルロース構造体。
【0065】
項27:
項1から26のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロースボード基材は14から30ポイントの範囲のキャリパー厚さを有する、セルロース構造体。
【0066】
項28:
項1から27のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロースボード基材は18から22ポイントの範囲のキャリパー厚さを有する、セルロース構造体。
【0067】
項29:
項1から28のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
接合層はポリオレフィンを備える、セルロース構造体。
【0068】
項30:
項1から29のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
接合層は低密度ポリエチレンを備える、セルロース構造体。
【0069】
項31:
項1から30のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
接合層は接着剤を備える、セルロース構造体。
【0070】
項32:
項1から31のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
金属酸化物層は金属酸化物層で被覆された基材である、セルロース構造体。
【0071】
項33:
項32に記載のセルロース構造体であって、
金属酸化物層は酸化アルミニウム及び酸化ケイ素の内の少なくとも1つを備える、セルロース構造体。
【0072】
項34:
項32に記載のセルロース構造体であって、
金属酸化物で被覆された基材は金属酸化物で被覆されたポリマーである、セルロース構造体。
【0073】
項35:
項34に記載のセルロース構造体であって、
金属酸化物で被覆されたポリマーはポリエステル又はポリオレフィンの内の少なくとも1つを備える、セルロース構造体。
【0074】
項36:
項34に記載のセルロース構造体であって、
金属酸化物で被覆されたポリマーはポリエチレンテレフタレートを備える、セルロース構造体。
【0075】
項37:
項1から36のいずれか一項に記載のセルロース構造体は更に、金属酸化物層の上方に位置するヒートシール層を備える。
【0076】
項38:
項37に記載のセルロース構造体であって、
ヒートシール層は低密度ポリエチレンを備える、セルロース構造体。
【0077】
項39:
項37に記載のセルロース構造体であって、
ヒートシール層はエチレンメチルアクリレート(ethylene methyl acrylate、EMA)を備える、セルロース構造体。
【0078】
項40:
項37から39のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロース構造体は200から800nmの範囲において1.0%以下の平均透過率(%T)を有する、セルロース構造体。
【0079】
項41:
項37から39のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロース構造体は200から800nmの範囲において0.5%以下の平均透過率(%T)を有する、セルロース構造体。
【0080】
項42:
項37から39のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロース構造体は200から800nmの範囲において0.3%以下の平均透過率(%T)を有する、セルロース構造体。
【0081】
項43:
項37から39のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロース構造体は200から800nmの範囲において0.2%以下の平均透過率(%T)を有する、セルロース構造体。
【0082】
項44:
項37から39のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロース構造体は200から800nmの範囲において0.1%以下の平均透過率(%T)を有する、セルロース構造体。
【0083】
項45:
項37から39のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロース構造体は200から800nmの範囲において0.05%以下の平均透過率(%T)を有する、セルロース構造体。
【0084】
項46:
項37から39のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロース構造体は200から800nmの範囲において0.02%以下の平均透過率(%T)を有する、セルロース構造体。
【0085】
項47:
項37から39のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロース構造体は200から800nmの範囲において0.01%以下の平均透過率(%T)を有する、セルロース構造体。
【0086】
項48:
項1から47のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロース構造体は300から700nmの範囲において1.0%以下の最大透過率(%T)を有する、セルロース構造体。
【0087】
項49:
項1から48のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロース構造体は300から700nmの範囲において0.5%以下の最大透過率(%T)を有する、セルロース構造体。
【0088】
項50:
項1から49のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロース構造体は300から700nmの範囲において0.3%以下の最大透過率(%T)を有する、セルロース構造体。
【0089】
項51:
項1から50のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロース構造体は300から700nmの範囲において0.2%以下の最大透過率(%T)を有する、セルロース構造体。
【0090】
項52:
項1から51のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロース構造体は300から700nmの範囲において0.1%以下の最大透過率(%T)を有する、セルロース構造体。
【0091】
項53:
項1から52のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロース構造体は300から700nmの範囲において0.05%以下の最大透過率(%T)を有する、セルロース構造体。
【0092】
項54:
項1から53のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロース構造体は少なくとも80重量%のセルロース含有量を有する、セルロース構造体。
【0093】
項55:
項1から54のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロース構造体は少なくとも85重量%のセルロース含有量を有する、セルロース構造体。
【0094】
項56:
項1から55のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロース構造体は少なくとも90重量%のセルロース含有量を有する、セルロース構造体。
【0095】
項57:
項1から56のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロース構造体は1atmにおいて0.1cc/m2/日未満の酸素透過率を有する、セルロース構造体。
【0096】
項58:
項1から57のいずれか一項に記載のセルロース構造体であって、
セルロース構造体は0.1g/m2/日未満の水蒸気透過率を有する、セルロース構造体。
【0097】
項59:
セルロース容器であって、
セルロース容器は、
第1端部及び第2端部を有する側壁構成要素であって、
内面を有するセルロースボード基材と、
セルロースボード基材の内面上の接合層と、
接合層上の金属酸化物層と、を備える側壁構成要素と、
側壁構成要素の第1端部を囲む底部構成要素と、
側壁構成要素の第2端部を囲む蓋構成要素と、を備える、セルロース容器
【0098】
項60:
項59に記載のセルロース容器は、光による劣化の影響を受けやすい食品を含有する。
【0099】
項61:
項59または60に記載のセルロース容器であって、
セルロースボード基材は200から800nmの範囲において2.5%以下の平均透過率(%T)を有する、セルロース容器。
【0100】
項62:
項59から60のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
セルロースボード基材は200から800nmの範囲において1.6%以下の平均透過率(%T)を有する、セルロース容器。
【0101】
項63:
項59から60のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
セルロースボード基材は200から800nmの範囲において1.1%以下の平均透過率(%T)を有する、セルロース容器。
【0102】
項64:
項59から60のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
セルロースボード基材は200から800nmの範囲において0.7%以下の平均透過率(%T)を有する、セルロース容器。
【0103】
項65:
項59から60のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
セルロースボード基材は200から800nmの範囲において0.5%以下の平均透過率(%T)を有する、セルロース容器。
【0104】
項66:
項59から60のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
セルロースボード基材は200から800nmの範囲において0.3%以下の平均透過率(%T)を有する、セルロース容器。
【0105】
項67:
項59から60のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
セルロースボード基材は200から800nmの範囲において0.1%以下の平均透過率(%T)を有する、セルロース容器。
【0106】
項68:
項59から67のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
セルロースボード基材は300から700nmの範囲において4.0%以下の最大透過率(%T)を有する、セルロース容器。
【0107】
項69:
項59から67のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
セルロースボード基材は300から700nmの範囲において3.0%以下の最大透過率(%T)を有する、セルロース容器。
【0108】
項70:
項59から67のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
セルロースボード基材は300から700nmの範囲において2.0%以下の最大透過率(%T)を有する、セルロース容器。
【0109】
項71:
項59から67のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
セルロースボード基材は300から700nmの範囲において1.0%以下の最大透過率(%T)を有する、セルロース容器。
【0110】
項72:
項59から67のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
セルロースボード基材は300から700nmの範囲において0.5%以下の最大透過率(%T)を有する、セルロース容器。
【0111】
項73:
項59から67のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
セルロースボード基材は300から700nmの範囲において0.3%以下の最大透過率(%T)を有する、セルロース容器。
【0112】
項74:
項59から73のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
セルロースボード基材は2重量%以上のリグニン含有量を有する、セルロース容器。
【0113】
項75:
項59から73のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
セルロースボード基材は4重量%以上のリグニン含有量を有する、セルロース容器。
【0114】
項76:
項59から73のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
セルロースボード基材は6重量%以上のリグニン含有量を有する、セルロース容器。
【0115】
項77:
項59から73のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
セルロースボード基材は8重量%以上のリグニン含有量を有する、セルロース容器。
【0116】
項78:
項59から73のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
セルロースボード基材は10重量%以上のリグニン含有量を有する、セルロース容器。
【0117】
項79:
項59から73のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
セルロースボード基材は12重量%以上のリグニン含有量を有する、セルロース容器。
【0118】
項80:
項59から73のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
セルロースボード基材は14重量%以上のリグニン含有量を有する、セルロース容器。
【0119】
項81:
項59から73のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
セルロースボード基材は16重量%以上のリグニン含有量を有する、セルロース容器。
【0120】
項82:
項59から73のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
セルロースボード基材は18重量%以上のリグニン含有量を有する、セルロース容器。
【0121】
項83:
項59から82のいずれか一項に記載のセルロース容器あって、
セルロースボード基材は3000ft2あたり180から290ポンドの範囲の坪量を有する、セルロース構造体。
【0122】
項84:
項59から82のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
セルロースボード基材は3000ft2あたり210から260ポンドの範囲の坪量を有する、セルロース容器。
【0123】
項85:
項59から84のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
セルロースボード基材は10から36ポイントの範囲のキャリパー厚さを有する、セルロース容器。
【0124】
項86:
項59から84のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
セルロースボード基材は14から30ポイントの範囲のキャリパー厚さを有する、セルロース容器。
【0125】
項87:
項59から84のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
セルロースボード基材は18から22ポイントの範囲のキャリパー厚さを有する、セルロース容器。
【0126】
項88:
項59から87のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
接合層はポリオレフィンを備える、セルロース容器。
【0127】
項89:
項59から87のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
接合層は低密度のポリエチレンを備える、セルロース容器。
【0128】
項90:
項59から87のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
接合層は接着剤を備える、セルロース容器。
【0129】
項91:
項59から90のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
金属酸化物層は金属酸化物で被覆された基材である、セルロース容器。
【0130】
項92:
項91に記載のセルロース容器であって、
金属酸化物層は酸化アルミニウム及び酸化ケイ素の内の少なくとも1つを備える、セルロース容器。
【0131】
項93:
項91または92に記載のセルロース容器であって、
金属酸化物で被覆された基材は金属酸化物で被覆されたポリマーである、セルロース容器。
【0132】
項94:
項93に記載のセルロース容器であって、
金属酸化物で被膜されたポリマーは、ポリエステル又はポリオレフィンの内の少なくとも1つを備える、セルロース容器。
【0133】
項95:
項93に記載のセルロース容器であって、
金属酸化物で被膜されたポリマーは、ポリエチレンテレフタレートを備える、セルロース容器。
【0134】
項96:
項59から95のいずれか一項に記載のセルロース容器は更に、金属酸化物層の上方に位置するヒートシール層を備える。
【0135】
項97:
項96に記載のセルロース容器であって、
ヒートシール層は低密度ポリエチレンを備える、セルロース容器。
【0136】
項98:
項96に記載のセルロース容器であって、
ヒートシール層はエチレンメチルアクリレート(EMA)を備える、セルロース容器。
【0137】
項99:
項59から98のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
側壁構成要素は200から800nmの範囲において1.0%以下の平均透過率(%T)を有する、セルロース容器。
【0138】
項100:
項59から98のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
側壁構成要素は200から800nmの範囲において0.5%以下の平均透過率(%T)を有する、セルロース容器。
【0139】
項101:
項59から98のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
側壁構成要素は200から800nmの範囲において0.3%以下の平均透過率(%T)を有する、セルロース容器。
【0140】
項102:
項59から98のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
側壁構成要素は200から800nmの範囲において0.2%以下の平均透過率(%T)を有する、セルロース容器。
【0141】
項103:
項59から98のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
側壁構成要素は200から800nmの範囲において0.1%以下の平均透過率(%T)を有する、セルロース容器。
【0142】
項104:
項59から98のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
側壁構成要素は200から800nmの範囲において0.05%以下の平均透過率(%T)を有する、セルロース容器。
【0143】
項105:
項59から98のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
側壁構成要素は200から800nmの範囲において0.02%以下の平均透過率(%T)を有する、セルロース容器。
【0144】
項106:
項59から98のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
側壁構成要素は200から800nmの範囲において0.01%以下の平均透過率(%T)を有する、セルロース容器。
【0145】
項107:
項59から106のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
側壁構成要素は300から700nmの範囲において1.0%以下の最大透過率(%T)を有する、セルロース容器。
【0146】
項108:
項59から106のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
側壁構成要素は300から700nmの範囲において0.5%以下の最大透過率(%T)を有する、セルロース容器。
【0147】
項109:
項59から106のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
側壁構成要素は300から700nmの範囲において0.3%以下の最大透過率(%T)を有する、セルロース容器。
【0148】
項110:
項59から106のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
側壁構成要素は300から700nmの範囲において0.2%以下の最大透過率(%T)を有する、セルロース容器。
【0149】
項111:
項59から106のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
側壁構成要素は300から700nmの範囲において0.1%以下の最大透過率(%T)を有する、セルロース容器。
【0150】
項112:
項59から106のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
側壁構成要素は300から700nmの範囲において0.05%以下の最大透過率(%T)を有する、セルロース容器。
【0151】
項113:
項59から112のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
側壁構成要素は少なくとも80重量%のセルロース含有量を有する、セルロース容器。
【0152】
項114:
項59から112のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
側壁構成要素は少なくとも85重量%のセルロース含有量を有する、セルロース容器。
【0153】
項115:
項59から112のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
側壁構成要素は少なくとも90重量%のセルロース含有量を有する、セルロース容器。
【0154】
項116:
項59から115のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
側壁構成要素は1atmにおいて0.1cc/m2/日未満の酸素透過率を有する、セルロース容器。
【0155】
項117:
項59から116のいずれか一項に記載のセルロース容器であって、
側壁構成要素は0.1g/m2/日未満の水蒸気透過率を有する、セルロース容器。
【0156】
開示されたセルロース容器用の高バリア性セルロース構造体について様々な実施形態が示され、説明されてきたが、本願明細書を読めば当業者は様々な変更形態を思いつき得る。本願はこのような変更形態を含み、特許請求の範囲によってのみ限定されている。
【国際調査報告】