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特表2024-536015多軸超音波ウェッジワイヤボンディング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】多軸超音波ウェッジワイヤボンディング
(51)【国際特許分類】
   B23K 20/10 20060101AFI20240927BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20240927BHJP
   H01M 50/516 20210101ALI20240927BHJP
   H01M 50/566 20210101ALI20240927BHJP
   H01M 50/522 20210101ALI20240927BHJP
   H01M 50/503 20210101ALI20240927BHJP
【FI】
B23K20/10
H01M50/505
H01M50/516
H01M50/566
H01M50/522
H01M50/503
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515400
(86)(22)【出願日】2022-09-30
(85)【翻訳文提出日】2024-05-02
(86)【国際出願番号】 US2022077331
(87)【国際公開番号】W WO2023056409
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】17/449,729
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515301041
【氏名又は名称】アティエヴァ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カルピト、ドギーリー エム.
(72)【発明者】
【氏名】ウィーバー、ブランドン
(72)【発明者】
【氏名】ゴティエ、ジャン-フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ホーキンス、ジェイムズ
【テーマコード(参考)】
4E167
5H043
【Fターム(参考)】
4E167AA01
4E167AA02
4E167BE02
4E167BE06
4E167DA04
5H043AA03
5H043AA13
5H043AA19
5H043CA21
5H043HA17D
5H043HA17F
5H043HA36D
5H043HA36F
5H043JA12D
5H043JA12F
5H043JA13D
5H043JA13F
5H043KA08D
5H043KA08F
5H043LA02D
5H043LA02F
(57)【要約】
一般的な態様では、電気デバイスアセンブリ(例えば、バッテリモジュール)が、第1電気的接触表面、第2電気的接触表面、及び長手方向軸に沿って延在するリボンワイヤを含むことができる。リボンワイヤは、第1部分、第2部分、及び第3部分を含むことができる。リボンワイヤの第1部分は、第1ウェッジボンドを介して第1電気的接触表面と結合され得る。リボンワイヤの第2部分は、第2ウェッジボンドを介して第2電気的接触表面と結合され得る。リボンワイヤの第3部分は、第1部分及び第2部分の間に延在することができる。第1部分は、リボンワイヤの長手方向軸に交差する第1幅を有することができ、第3部分は、長手方向軸に交差する第2幅を有することができ、第1幅は、第2幅より大きい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電気的接触表面;
第2電気的接触表面;及び
長手方向軸に沿って延在するリボンワイヤ
を備え、
前記リボンワイヤは、
第1ウェッジボンドを介して前記第1電気的接触表面と結合される第1部分;
第2ウェッジボンドを介して前記第2電気的接触表面と結合される第2部分;及び
前記第1部分及び前記第2部分の間に延在する第3部分
を含み、
前記リボンワイヤの前記第1部分は、前記リボンワイヤの前記長手方向軸に交差する第1幅を有し、
前記リボンワイヤの前記第3部分は、前記長手方向軸に交差する第2幅を有し、前記第1幅は、前記第2幅より大きい、
電気デバイスアセンブリ。
【請求項2】
前記リボンワイヤの前記第2部分は、前記リボンワイヤの前記長手方向軸に交差する第3幅を有し、前記第3幅は、前記第2幅におおよそ等しい、請求項1に記載の電気デバイスアセンブリ。
【請求項3】
前記リボンワイヤの前記第2部分は、前記リボンワイヤの前記長手方向軸に交差する第3幅を有し、前記第3幅は、前記第1幅におおよそ等しい、請求項1に記載の電気デバイスアセンブリ。
【請求項4】
前記第1電気的接触表面上の前記第1ウェッジボンドの金属間化合物が、少なくとも部分的に円形である、請求項1に記載の電気デバイスアセンブリ。
【請求項5】
前記第2電気的接触表面上の前記第2ウェッジボンドの金属間化合物が、少なくとも部分的に円形である、請求項4に記載の電気デバイスアセンブリ。
【請求項6】
前記第1電気的接触表面及び前記第2電気的接触表面はそれぞれ、バッテリモジュールのバスバー、又は、前記バッテリモジュールの電気化学セルの端部に位置する端子の1つにそれぞれ含まれる、請求項1に記載の電気デバイスアセンブリ。
【請求項7】
前記電気化学セルの前記端子は、前記電気化学セルのリム又はキャップのうちの一方を含む、請求項6に記載の電気デバイスアセンブリ。
【請求項8】
前記リボンワイヤには、銅リボンワイヤが含まれる、請求項1に記載の電気デバイスアセンブリ。
【請求項9】
電気的接触表面;及び
ウェッジボンドを介して前記電気的接触表面と結合される部分を含むリボンワイヤ
を備え、
ここで、前記電気的接触表面上の前記ウェッジボンドの金属間化合物が、少なくとも部分的に同心円状パターンを定義する、
電気デバイスアセンブリ。
【請求項10】
前記リボンワイヤの前記部分は、前記リボンワイヤの第1部分であり;
前記リボンワイヤは、長手方向軸に沿って延在し;
前記リボンワイヤは、ワイヤループを形成する第2部分を含み、前記リボンワイヤの前記第1部分及び前記リボンワイヤの前記第2部分は、電気的に連続しており;
前記リボンワイヤの前記第1部分は、前記リボンワイヤの前記長手方向軸に交差する第1幅を有し;かつ
前記リボンワイヤの前記第2部分は、前記リボンワイヤの前記長手方向軸に交差する第2幅を有し、前記第1幅は、前記第2幅より大きい、
請求項9に記載の電気デバイスアセンブリ。
【請求項11】
前記電気的接触表面は、バッテリモジュールのバスバー、又は、前記バッテリモジュールの電気化学セルの端部に位置する端子の1つに含まれる、請求項9に記載の電気デバイスアセンブリ。
【請求項12】
前記電気化学セルの前記端子は、前記電気化学セルのリム又はキャップのうちの一方を含む、請求項11に記載の電気デバイスアセンブリ。
【請求項13】
前記リボンワイヤには、銅リボンワイヤが含まれる、請求項9に記載の電気デバイスアセンブリ。
【請求項14】
ウェッジボンダヘッドを通じてリボンワイヤを給送する段階;
電気的接触表面の上方に前記ウェッジボンダヘッドを位置決めする段階、前記電気的接触表面は、平面内に配置される;
前記リボンワイヤの第1表面が前記電気的接触表面に接触するように、かつ、前記ウェッジボンダヘッドのウェッジが前記リボンワイヤの前記第1表面の反対側の前記リボンワイヤの第2表面に接触するように、前記ウェッジボンダヘッドを下げる段階;及び
前記リボンワイヤ及び前記電気的接触表面の間にウェッジボンドを形成する段階、前記ウェッジボンドを形成する前記段階は、
前記ウェッジを前記リボンワイヤに接触させた状態で前記ウェッジボンダヘッドの超音波トランスデューサを作動させる段階;及び
前記ウェッジを前記リボンワイヤに接触させた状態で前記ウェッジボンダヘッドを回転させる段階
を有する、
を備える方法。
【請求項15】
前記超音波トランスデューサを作動させる段階は、前記ウェッジボンダヘッドを回転させるときに前記超音波トランスデューサを作動させる段階を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記超音波トランスデューサを作動させる段階は、複数の超音波トランスデューサを作動させる段階を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の超音波トランスデューサのうちの第1超音波トランスデューサが、前記電気的接触表面の前記平面に対して平行である超音波振動軸を有し;かつ
第2超音波トランスデューサが、前記電気的接触表面の前記平面に対して垂直である超音波振動軸を有する、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の超音波トランスデューサのうちの第3超音波トランスデューサが、前記電気的接触表面の前記平面に対して平行であり、かつ、前記第1超音波トランスデューサの前記超音波振動軸に対して垂直である、超音波振動軸を有する、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記複数の超音波トランスデューサのうちの第1超音波トランスデューサが、前記電気的接触表面の前記平面に対して平行である超音波振動軸を有し;かつ
前記複数の超音波トランスデューサのうちの第2超音波トランスデューサが、前記電気的接触表面の前記平面に対して平行であり、かつ、前記第1超音波トランスデューサの前記超音波振動軸と非平行である、超音波振動軸を有する、
請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記複数の超音波トランスデューサのうちの第3超音波トランスデューサが、前記電気的接触表面の前記平面に対して垂直である超音波振動軸を有する、
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記複数の超音波トランスデューサのうちの第1超音波トランスデューサが、前記電気的接触表面の前記平面に対して平行である超音波振動軸を有し;かつ
前記複数の超音波トランスデューサのうちの第2超音波トランスデューサが、前記電気的接触表面の前記平面に対して平行であり、かつ、前記第1超音波トランスデューサの前記超音波振動軸と平行である、超音波振動軸を有する、
請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記複数の超音波トランスデューサのうちの第3超音波トランスデューサが、前記電気的接触表面の前記平面に対して垂直である超音波振動軸を有する、
請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2021年10月1日に出願された「MULTI-AXIS ULTRASONIC WEDGE WIRE BONDING」と題する米国特許出願第17/449,729号に基づく優先権を主張するものであり、その開示全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書は、ウェッジワイヤボンディングに関する。
【背景技術】
【0003】
近年、世界は、主に化石燃料から取得される電力の使用から、より持続可能なエネルギー源への移行を始めている。この変化が起こる1つの領域は、車両内の車載エネルギー蓄積装置を動力源とする電気モータの使用を伴う。車両メーカは、バスバー及び電気化学セルの端子などのバッテリパックの構成要素を電気的に相互接続するために使用されるウェッジワイヤボンドの質を向上させることを含む、そのようなバッテリパックなどのエネルギー蓄積装置の性能を含むそのような車両の効率及び実用性を増大させることを目指している。
【発明の概要】
【0004】
一般的な態様では、電気デバイスアセンブリ(例えば、バッテリモジュール)が、第1電気的接触表面、第2電気的接触表面、及び長手方向軸に沿って延在するリボンワイヤを含むことができる。リボンワイヤは、第1ウェッジボンドを介して前記第1電気的接触表面と結合される第1部分を含むことができる。リボンワイヤは、第2ウェッジボンドを介して前記第2電気的接触表面と結合される第2部分も含むことができる。リボンワイヤは更に、前記第1部分及び前記第2部分の間に延在する第3部分を含むことができる。リボンワイヤの第1部分は、前記リボンワイヤの前記長手方向軸に交差する第1幅を有することができ、リボンワイヤの第3部分は、長手方向軸に交差する第2幅を有することができ、第1幅は、第2幅より大きい。
【0005】
実装は、以下の特徴のうちの1つ又は複数を含むことができる。例えば、前記リボンワイヤの前記第2部分は、前記リボンワイヤの前記長手方向軸に交差する第3幅を有し、前記第3幅は、前記第2幅におおよそ等しい。
【0006】
前記リボンワイヤの前記第2部分は、前記リボンワイヤの前記長手方向軸に交差する第3幅を有することができ、前記第3幅は、前記第1幅におおよそ等しい。
【0007】
前記第1電気的接触表面上の前記第1ウェッジボンドの金属間化合物が、少なくとも部分的に円形であってよい。前記第2電気的接触表面上の前記第2ウェッジボンドの金属間化合物が、少なくとも部分的に円形であってよい。
【0008】
前記第1電気的接触表面及び前記第2電気的接触表面はそれぞれ、バッテリモジュールのバスバー、又は、前記バッテリモジュールの電気化学セルの端部に位置する端子の1つにそれぞれ含まれてよい。前記電気化学セルの前記端子は、前記電気化学セルのリム又はキャップのうちの一方を含むことができる。前記リボンワイヤには、銅リボンワイヤが含まれてよい。
【0009】
別の一般的な態様では、電気デバイスアセンブリ(例えば、バッテリモジュール)が、電気的接触表面、及び、ウェッジボンドを介して前記電気的接触表面と結合される部分を含むリボンワイヤを含むことができる。前記電気的接触表面上の前記ウェッジボンドの金属間化合物が、少なくとも部分的に同心円状パターンを定義することができる。
【0010】
実装は、以下の特徴のうちの1つ又は複数を含むことができる。例えば、前記リボンワイヤの前記部分は、前記リボンワイヤの第1部分であってよい。前記リボンワイヤは、長手方向軸に沿って延在することができる。前記リボンワイヤは、ワイヤループを形成する第2部分を含むことができる。前記リボンワイヤの前記第1部分及び前記リボンワイヤの前記第2部分は、電気的に連続していてよい。前記リボンワイヤの前記第1部分は、前記リボンワイヤの前記長手方向軸に交差する第1幅を有することができる。前記リボンワイヤの前記第2部分は、前記リボンワイヤの前記長手方向軸に交差する第2幅を有することができ、前記第1幅は、前記第2幅より大きい。
【0011】
前記電気的接触表面は、バッテリモジュールのバスバー、又は、前記バッテリモジュールの電気化学セルの端部に位置する端子の1つに含まれ得る。前記電気化学セルの前記端子は、前記電気化学セルのリム又はキャップのうちの一方を含むことができる。前記リボンワイヤには、銅リボンワイヤが含まれてよい。
【0012】
別の一般的な態様では、方法が、ウェッジボンダヘッドを通じてリボンワイヤを給送する段階、及び、電気的接触表面の上方に前記ウェッジボンダヘッドを位置決めする段階、前記電気的接触表面は、平面内に配置される、を含むことができる。方法は更に、前記リボンワイヤの第1表面が前記電気的接触表面に接触するように、かつ、前記ウェッジボンダヘッドのウェッジが前記リボンワイヤの前記第1表面の反対側の前記リボンワイヤの第2表面に接触するように、前記ウェッジボンダヘッドを下げる段階を含むことができる。方法は、前記リボンワイヤ及び前記電気的接触表面の間にウェッジボンドを形成する段階も含むことができる。前記ウェッジボンドを形成する段階は、前記ウェッジを前記リボンワイヤに接触させた状態で前記ウェッジボンダヘッドの超音波トランスデューサを作動させる段階、及び、前記ウェッジを前記リボンワイヤに接触させた状態で前記ウェッジボンダヘッドを回転させる段階を含むことができる。
【0013】
実装は、以下の特徴のうちの1つ又は複数を含むことができる。例えば、前記超音波トランスデューサを作動させる段階は、前記ウェッジボンダヘッドを回転させるときに前記超音波トランスデューサを作動させる段階を含むことができる。
【0014】
前記超音波トランスデューサを作動させる段階は、複数の超音波トランスデューサを作動させる段階を含むことができる。前記複数の超音波トランスデューサのうちの第1超音波トランスデューサが、前記電気的接触表面の前記平面に対して平行である超音波振動軸を有することができ、第2超音波トランスデューサが、前記電気的接触表面の前記平面に対して垂直である超音波振動軸を有することができる。前記複数の超音波トランスデューサのうちの第3超音波トランスデューサが、前記電気的接触表面の前記平面に対して平行であり、かつ、前記第1超音波トランスデューサの前記超音波振動軸に対して垂直である、超音波振動軸を有することができる。
【0015】
前記複数の超音波トランスデューサのうちの第1超音波トランスデューサが、前記電気的接触表面の前記平面に対して平行である超音波振動軸を有することができ、前記複数の超音波トランスデューサのうちの第2超音波トランスデューサが、前記電気的接触表面の前記平面に対して平行であり、かつ、前記第1超音波トランスデューサの前記超音波振動軸と非平行である、超音波振動軸を有することができる。前記複数の超音波トランスデューサのうちの第3超音波トランスデューサが、前記電気的接触表面の前記平面に対して垂直である超音波振動軸を有することができる。
【0016】
前記複数の超音波トランスデューサのうちの第1超音波トランスデューサが、前記電気的接触表面の前記平面に対して平行である超音波振動軸を有することができ、前記複数の超音波トランスデューサのうちの第2超音波トランスデューサが、前記電気的接触表面の前記平面に対して平行であり、かつ、前記第1超音波トランスデューサの前記超音波振動軸と平行である、超音波振動軸を有することができる。前記複数の超音波トランスデューサのうちの第3超音波トランスデューサが、前記電気的接触表面の前記平面に対して垂直である超音波振動軸を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】例示的なウェッジワイヤボンダを示すブロック図である。
【0018】
図2】多軸超音波ウェッジボンディングを使用した、例えば、図1に示すウェッジワイヤボンダを使用した、ワイヤボンドの形成の例を示す図である。
【0019】
図3A】多軸超音波ウェッジボンディングを使用して形成されるウェッジボンドを含む例示的なウェッジボンディングされたリボンワイヤを概略的に示す図である。
図3B】多軸超音波ウェッジボンディングを使用して形成されるウェッジボンドを含む例示的なウェッジボンディングされたリボンワイヤを概略的に示す図である。
【0020】
図4A】バッテリモジュールにおいて実装される多軸超音波ウェッジボンディングを使用して形成されるウェッジワイヤボンドを有するウェッジボンディングされたリボンワイヤを含む例示的なバッテリモジュールを概略的に示す図である。
図4B】バッテリモジュールにおいて実装される多軸超音波ウェッジボンディングを使用して形成されるウェッジワイヤボンドを有するウェッジボンディングされたリボンワイヤを含む例示的なバッテリモジュールを概略的に示す図である。
図4C】バッテリモジュールにおいて実装される多軸超音波ウェッジボンディングを使用して形成されるウェッジワイヤボンドを有するウェッジボンディングされたリボンワイヤを含む例示的なバッテリモジュールを概略的に示す図である。
【0021】
図5】多軸超音波ウェッジボンディングを使用してウェッジワイヤボンドを形成するための例示的なウェッジボンダヘッドを示す図である。
【0022】
図6】例示的な超音波トランスデューサの配置を概略的に示す図である。
【0023】
図7】例示的な方法を示すフローチャートである。
【0024】
様々な図面における同様の参照符号は、同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書では、複数の軸に沿った超音波振動を使用したウェッジワイヤボンドの形成を対象にしたシステム及び技術の例について説明するものであり、これは、多軸超音波ウェッジボンディング、又は、多軸超音波を使用したウェッジボンディングと呼ばれることがある。幾つかの実装では、ウェッジワイヤボンドを形成することは、ボンドの形成中に、ワイヤボンダヘッドに含まれる1つ又は複数の超音波トランスデューサの作動と並行して(例えば、それと同時に)ワイヤボンダヘッドを回転させることを含むことができる。本明細書で説明する主題は、バッテリモジュールなどの対応する電気デバイスアセンブリの性能を向上させることができる。例えば、関連付けられるウェッジワイヤボンドの電気抵抗が低減する結果として、個々の電気的接触表面(例えば、バッテリモジュールのバスバー及び/又は電気化学セルの端子)への電気的相互接続の導電性を増大させることができる。そのような抵抗の低減は、ボンド面積が増大する結果として、かつ/又は、ボンドワイヤ材の、対応する電気的接触表面、例えば、バッテリモジュールの電気化学セルの端子又はバスバー、への付着性の向上に起因して、達成され得る。別の言い方をすれば、本明細書で説明する手法を使用して形成されるウェッジワイヤボンドは、現在の手法を使用して形成されるウェッジワイヤボンドより大きいボンド(例えば、接触)面積、及び/又は、それより低い単位面積あたりの抵抗を有することができる。
【0026】
本明細書における例は、ボンドワイヤ(例えば、リボンワイヤ)を対応する電気的接触表面に付着させるか又は超音波溶接するために多軸超音波を使用してウェッジワイヤボンドを形成することについて言及する。本明細書で使用するとき、多軸超音波には、面内超音波及び/又は面外超音波が含まれ得る。面内超音波は、ウェッジワイヤボンドが形成される電気的接触表面と平行である、かつ/又は、それと同一面内にある、振動軸を持つ超音波トランスデューサによって実装され得る。面外超音波は、対応するウェッジワイヤボンドが形成される電気的接触表面と非平行である(例えば、それに対して垂直であるか又はそれと非ゼロの角度をなす)振動軸を持つ超音波トランスデューサによって実装され得る。例示的な実装では、40kHzから160kHzの範囲の振動周波数を持つ超音波トランスデューサが使用され得る。
【0027】
本明細書における例は、それぞれの長手方向軸に沿って延在するボンドワイヤ(例えば、リボンワイヤ)について言及する。本明細書で使用するとき、ボンドワイヤは、任意の数の異なる幾何学的形状を有することができ、それぞれの導電性を有する1つ又は複数の材料を含むことができる。例えば、ボンドワイヤは、各々がそれぞれの導電性を有する複数の層を有する多層ボンドワイヤであってよい。幾つかの実装では、ボンドワイヤは、長方形の断面を有し、かつ、1つ又は複数の層を有する、リボンワイヤであってよく、これは、銅、アルミニウム、銅の合金、アルミニウムの合金などのような1つ又は複数の導電材料を含むことができる。本明細書で使用するとき、ボンドワイヤの長手方向軸は、ボンドワイヤの長さに沿って延在するボンドワイヤの中線として定義され得る。例えば、所与のボンドワイヤが平坦かつ直線的な構成をとる場合は、その長手方向軸又は中線は、直線であることになる。しかしながら、ボンドワイヤが非平坦かつ/又は非直線的な構成(例えば、曲線状又は円弧状の構成)をとる場合は、長手方向軸又は中線は、ボンドワイヤの構成又は形状に適合することになり、したがって、直線に沿って位置付けられないことがある。
【0028】
本明細書における例は、少なくとも部分的に円形であるウェッジボンドの金属間化合物について言及する。本明細書で使用するとき、金属間化合物は、電気的接触表面上のボンドワイヤの超音波スクラブの結果として形成される金属化合物である。本明細書で使用するとき、円形は、形状が曲線状であることを意味し、ワイヤボンド内のボンドワイヤの上面上に観察され得る、かつ/又は、ボンドワイヤ及び対応する下層の電気的接触表面の間に形成される金属間化合物中に観察され得る、同心の曲線状又は円形パターン及び部分的な曲線状又は円形パターンなどを含むことができる。したがって、そのような金属間化合物は、少なくとも部分的に形状が円形又は曲線状であるパターンを電気的接触表面上に有する金属間化合物であってよい。
【0029】
本明細書における例は、ワイヤループについて言及する。本明細書で使用するとき、ワイヤループは、リボンワイヤの、2つのウェッジワイヤボンドの間に延在する部分である。例えば、ワイヤループは、第1ウェッジワイヤボンド及びその対応する電気的接触表面を第2ウェッジワイヤボンド及びその対応する電気的接触表面と電気的に接続することができる。実装では、ワイヤループは、平坦であってもよいし、曲線状であってもよいし、円弧状であってもよいし、それらの組み合わせであってもよい。
【0030】
本明細書における例は、電気化学セルについて言及する。本明細書で使用するとき、電気化学セルは、化学反応から電気エネルギーを生成するか、又は電気エネルギーを使用して化学反応を引き起こすか、又はその両方を行うデバイスである。電気化学セルは、エネルギーを蓄積してそれを使用時に送出するための電解質及び2つの電極を含むことができる。幾つかの実装では、電気化学セルは、再充電可能セルであってよい。例えば、電気化学セルは、リチウムイオンセルであってよい。幾つかの実装では、電気化学セルは、放電時にガルバニセルの役割を果たすことができ、充電時に電解槽の役割を果たすことができる。電気化学セルは、電極ごとに少なくとも1つの端子を有することができる。端子、又はその少なくとも一部分は、電解槽の一方の端部に位置決めされ得る。例えば、電気化学セルが円筒形状を有する場合は、端子のうちの一方がセルの端部の中心に設けられてよく、円筒を形成する缶は、他方の端子を構成し、したがって、端部にも存在することができる。角柱形状を含むがこれに限定されない、電気化学セルの他の形状が使用され得る。
【0031】
本明細書における例は、バッテリモジュールについて言及し、これは、充電、蓄積、及び使用中に、複数の電気化学セルを保持及び管理するように構成された個々の構成要素である。このバッテリモジュールが1つ又は複数の負荷(例えば、電気モータ)の唯一の電源として意図されてもよいし、1つより多くの、同じ又は異なるタイプのバッテリモジュールが使用されてもよい。2つ又はそれより多くのバッテリモジュールが、別個に又はより大きいエネルギー蓄積ユニットの一部として、システムに実装され得る。例えば、バッテリパックは、2つ又はそれより多くの、同じ又は異なるタイプのバッテリモジュールを含むことができる。バッテリモジュールが、電気化学セルにおける電気エネルギーの充電、蓄積、及び/又は使用を管理するための制御回路を含んでもよいし、バッテリモジュールが外部の構成要素によって制御されてもよい。例えば、バッテリ管理システムが1つ又は複数の回路基板(例えば、プリント回路基板)上に実装され得る。
【0032】
本明細書における例は、バスバーについて言及し、ここで、対応するバッテリモジュールが少なくとも1つのバスバーを有することができる。バスバーは、導電性であり、充電時に電気化学セルに対して、又は放電時にセルから電気を伝えるために使用される。バスバーは、導電性材料(例えば、金属)で作られており、電気化学セルの特性及び用途を考慮した好適な寸法を有する。幾つかの実装では、バスバーは、アルミニウム(例えば、アルミニウム合金)を含む。バスバーは、バッテリモジュールの形状及び用途に応じて、平面的(例えば、平坦)であってもよいし、1つ又は複数の屈曲部を有してもよい。
【0033】
本明細書における例は、上部又は下部について言及することがある。これら及び同様の表現は、視点の明示的又は恣意的な概念に基づき、相対的に物事又は態様を識別する。すなわち、これらの用語は、説明を目的として使用される例示に過ぎず、必ずしも考えられる唯一の位置及び方向などを示すものではない。
【0034】
図1は、例示的なウェッジワイヤボンダ(wire bonder)100を示すブロック図である。ワイヤボンダ100は、多軸超音波を使用して、例えば、本明細書で説明する手法を使用して、ウェッジワイヤボンドを形成するために使用され得る。ワイヤボンダ100は、例として挙げたものであり、他の構成を有するワイヤボンダが、本開示に係る多軸超音波を使用してウェッジワイヤボンドを形成するために使用され得る。図1に示すように、ワイヤボンダ100は、ウェッジボンダヘッド102、回転モータ104、ワイヤ給送(又はワイヤ供給)デバイス106、1つ又は複数の面内(例えば、XY平面)超音波トランスデューサ108、及び1つ又は複数の直交又は面外(例えば、Z軸)超音波トランスデューサ110を含む。
【0035】
この例では、回転モータ104を使用して、ウェッジワイヤボンドの形成中に、かつ、ボンダをボンディング部位間で移動するように配向することで、例えば、リボンワイヤを適切に給送してウェッジワイヤボンド間に相互接続ワイヤループを形成するために、ウェッジボンダヘッド102を回転させることができる。例示的な実装では、回転モータ104は、ステッピングモータ、サーボモータ、及び/又は、例えば、マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラなどのプログラム可能な制御デバイスによって回転角度が制御され得る他のモータであってよい。例えば、回転モータ104は、例えば、図2に示すような、時計回り方向及び/又は反時計回り方向に選択可能に(例えば、プログラム可能に)回転することができる。ワイヤボンダ100のワイヤ給送部106は、ワイヤ、例えば、ワイヤスプール供給部からのリボンワイヤを、ウェッジボンダヘッド102のワイヤガイドを通じて供給することができ、その結果、ワイヤは、ウェッジの下に給送されて、ウェッジボンドの形成のためにワイヤが位置決めされる。
【0036】
例示的なワイヤボンダ100では、1つ又は複数の面内トランスデューサ108は、ウェッジワイヤボンドが形成されている電気的接触表面によって定義される平面と平行であるか又はそれと同一面内にあるそれぞれの軸に沿ってウェッジボンダヘッド102のウェッジの超音波振動を提供するために、ウェッジボンダヘッド102に含まれてもよいし、それと結合されてもよい。1つ又は複数の直交又は面外トランスデューサ110も、ウェッジボンダヘッド102に含まれてもよいし、それと結合されてもよい。1つ又は複数の面内トランスデューサ108と比較して、1つ又は複数の直交又は面外トランスデューサ110は、ウェッジボンドが形成されている電気的接触表面の平面と非平行であるそれぞれの軸、例えば、電気的接触表面の平面に対して直交であるか又はそれと非ゼロの角度をなす軸、に沿って超音波振動を提供することができる。
【0037】
図2は、多軸超音波を使用した、例えば、図1に示すウェッジワイヤボンダ100を使用した、ウェッジワイヤボンドの形成のためのワイヤボンド作業200の例を示す図である。したがって、例示及び説明を目的として、図1を更に参照しながら図2について説明する。しかしながら、幾つかの実装では、他の構成を有するワイヤボンダが、多軸超音波を使用してウェッジワイヤボンドを形成するために使用され得る。この例では、ワイヤボンダ100のウェッジが、ウェッジ100aとして図2に概略的に示されている。図2は、リボンワイヤ202の端部からの側面図で示すリボンボンドワイヤ(リボンワイヤ又はワイヤ)202、及び、電気化学セル210の、バッテリモジュールに含まれ得る部分も示す。図2には、ボンディング作業200の議論における参照のために、X、Y、及びZ軸も示されている。図2には、ウェッジ100a(又は関連付けられるウェッジボンダヘッド)の時計回りの回転及びウェッジ100aの反時計回りの回転をそれぞれ示す矢印204及び206も示されている。
【0038】
例示的な実装では、リボンワイヤ202は、導電表面とも呼ばれることがある別個の電気的接触表面の間に電気的接続を形成するというその用途に適するように(例えば、ワイヤボンド及び関連付けられるワイヤループを形成する結果として)成形され得る。すなわち、幾つかの実装では、リボンワイヤ202は、別個の導電表面の間に電気的接続を形成するために使用されてよく、これらの導電表面のうちの少なくとも1つにおけるウェッジワイヤボンドが、多軸超音波を使用して形成される。実装では、導電表面が互いに実質的に平行で(例えば、同一平面上又は平行な平面内に)あってもよいし、導電表面が異なる方向に配向されてもよい。別の例として、導電表面が基準レベルに対して実質的に同じレベル(例えば、同一平面上)に位置決めされてもよいし、導電表面が基準レベルに対して異なるレベル(例えば、非同一平面上)に位置決めされてもよい。
【0039】
幾つかの実装では、リボンボンドワイヤ202の形状は、リボンワイヤ202が、関連付けられる導電表面を電気的に接続するように設置されるプロセスから生じることがある。例えば、リボンワイヤ202は最初、ストック材料としてスプール上に保持されてよく、好適な長さのリボンワイヤ202が、2つ又はそれより多くの導電表面の間に電気的接続を形成するように設置されてよく、それによって、例えば、導電表面上に形成されるそれぞれのウェッジボンドの間に1つ又は複数の適切なワイヤループを含むなど、それらの表面を接続するのに適した形状をとってよい。この特定の実装に応じて、リボンワイヤ202は、銅、アルミニウム、銅合金、アルミニウム合金、及び/又はそれらの組み合わせを含むことができる。幾つかの実装では、リボンワイヤ202は、互いに接合された(例えば、積層された、加締められた、接着剤でくっ付けられたなど)異なる材料の層を含む多層リボンワイヤであってよい。
【0040】
図2の例では、ボンディング作業200は、リボンワイヤ202をバッテリモジュールの電気化学セル208の一部分に電気的に接合することを伴う。ここでは、簡単にするために、電気化学セル208の端部210のみが示されている。幾つかの実装では、端部210は、電気化学セル208の上部と呼ばれることがある。例えば、電気化学セル208は、活物質を保持するための缶(不図示)を含むことができ、端部210は、缶の開口部を密閉するキャップで形成されてよい。
【0041】
電気化学セル208は、複数の端子を有することができる。ここでは、端子212が、端部210の中心に位置決めされた構造体として示されている。例えば、端子212は、電気化学セル208の正端子であってよい。ここでは、端部210に含まれるリム214が、電気化学セル208の別の端子の少なくとも一部である。例えば、リム214(及び缶の下部を含む缶材料の残りの部分)は、電気化学セル208の負端子として機能してよい。そのような手法では、端子212及びリム214は、互いに電気的に絶縁していてよい。
【0042】
ボンディング作業200は、1つ又は複数のツールの使用を含むことができる。本明細書で説明するような幾つかの実装では、ワイヤボンダ100(図1)のウェッジボンダヘッド102などのワイヤボンディングヘッドが使用され得る。上述したように、ワイヤボンディングヘッドは、ウェッジ100aを含むことができる。ウェッジ100aは、リボンワイヤ200を端子212又はリム214に接合するために使用され得る。この例では、端子212へのウェッジワイヤボンドの形成が示されている。実装では、ウェッジ100aは、金属で作られてよい。幾つかの実装では、ウェッジ100a(例えば、図1に示すように、1つ又は複数の面内トランスデューサ108、及び/又は、1つ又は複数の面外トランスデューサ110を使用する)は、リボンワイヤ202が端子212の材料と接合する(例えば、超音波溶接して金属間化合物を形成する)ように、リボンワイヤ202に多軸超音波振動を加えることができる。例えば、端子212は、鋼又は別の金属を含むことができる。
【0043】
幾つかの実装では、リボンワイヤ202は、電気化学セル208のリム214にウェッジボンディングされ得る。そのような実装では、リボンワイヤは、リム214に対して任意の適切な配向を有することができる。例えば、幾つかの実装では、リボンワイヤ202の配向(例えば、リボンワイヤ202の長手方向軸又は中線)は、リム214に対して実質的に放射状であってよい。他の実装では、リボンワイヤ202は、リム214に対して実質的に接線方向に配向され得る。更に他の実装では、リム214に対するリボンワイヤ202の他の配向が使用され得る。
【0044】
図2に示すように、この例では、リボンワイヤ202の下面(第1表面)が端子212に接触しており、一方、ウェッジボンダヘッド102のウェッジ100aは、リボンワイヤ202の上面(第2表面)に接触しており、ウェッジ100aは、例えば、Y軸に沿って、リボンワイヤ202に適切な量の圧力を加える。ウェッジ100aによってリボンワイヤ202に加えられる圧力の量は、この特定の実装に依存することになる。
【0045】
図2に示すボンディング作業200では、リボンワイヤ202の第1表面を端子212に接触させた状態で、かつ、ウェッジ100aをリボンワイヤ202の第2表面に接触させた状態で、1つ又は複数の面内トランスデューサ108(図1)、及び/又は、1つ又は複数の面外トランスデューサ110(図1)を作動させることができる。更に、ボンディング作業200では、1つ又は複数の面内トランスデューサ108、及び/又は、1つ又は複数の面外トランスデューサ110(図1)が作動している間に、ウェッジ100aを(例えば、図1の対応するウェッジボンダヘッド102と併せて)、回転モータ104(図1)を使用して、矢印204で示すように時計回りに回転させることができる、及び/又は、矢印206で示すように反時計回りに回転させることができる。
【0046】
そのような手法では、1つ又は複数の面内トランスデューサ108(図1)は、(例えば、端子214の表面に対して平行であるか又はそれと同一面内にある)図2の基準軸、X、Y、Z軸で示すXY平面内でウェッジ100aの超音波振動を提供することができる。更に、そのような実装では、1つ又は複数の面外トランスデューサ110(図1)は、(例えば、端子214の表面に対して垂直である)Z軸に沿って、又は、端子214の表面と非ゼロの角度をなす(例えば、それと平行ではない)軸に沿って、ウェッジ100aの超音波振動を提供することができる。
【0047】
幾つかの実装では、1つ又は複数の面内トランスデューサ108、及び/又は、1つ又は複数の面外トランスデューサ110(図1)が作動している間に、ウェッジ100aを回転させることができる。他の実装では、ウェッジ100aが第1位置にある状態で、1つ又は複数の面内トランスデューサ108、及び/又は、1つ又は複数の面外トランスデューサ110を作動させ、次に、図2に示すように、ウェッジ100aが回転し、かつ、依然としてリボンワイヤ202に接触している間に、それを停止させ、次に、ウェッジ100aが第2の回転位置にある状態で、それを再作動させることができる。このプロセスは次に、ウェッジ100aの追加の位置について繰り返されてよい。更に他の実装では、ウェッジ100aが回転している間、及び/又は、ウェッジ100aが異なる位置に静止している間に、1つ又は複数の面内トランスデューサ108、及び/又は、1つ又は複数の面外トランスデューサ110を順次作動及び停止させることができる。ウェッジ100aの回転、及び、1つ又は複数の面内トランスデューサ108、及び/又は、1つ又は複数の面外トランスデューサ110の作動のこの特定の組み合わせは、この特定の実装に依存することになる。
【0048】
図3A及び図3Bは、本開示に係る多軸超音波を使用して形成されるウェッジボンドを含む例示的なウェッジボンディングされたリボンワイヤを概略的に示す図である。明確かつ簡単にするために、図3A及び図3Bには、図3A及び図3Bのウェッジボンドが形成され得る対応する下層の電気的接触表面が示されていない。本明細書で説明するように、そのような電気的接触表面はそれぞれ、バスバーの一部であって(例えば、それに含まれて)もよいし、端子又は電気化学セルの一部であってもよい。他の実装では、他の電気的接触表面とのウェッジボンドが、本明細書で説明する手法を用いて多軸超音波で形成され得る。
【0049】
図3Aを参照すると、リボンワイヤ300が示されており、ここで、リボンワイヤ300は、部分302a、部分302b、及び部分302cを含む。図3Aに示すように、リボンワイヤ300は概して、長手方向軸Lに沿って延在することができる。図3Aの例では、リボンワイヤ300の部分302aは、ウェッジボンド310を用いて、対応する下層の導電表面315と結合されてよく、一方、部分302bは、(例えば、図2のリボンワイヤ206及び端子212と同様の配置などで)ウェッジボンド320を用いて、対応する下層の導電表面325と結合されてよい。図3Aの例では、部分302aのウェッジボンド310は、ワイヤボンディングウェッジの回転を含む、多軸超音波を使用してウェッジボンドを形成するための本明細書で説明する手法を使用して形成される。対照的に、部分302bのウェッジボンド320は、ワイヤボンディングウェッジを回転させることなく形成される。幾つかの実装では、面内トランスデューサ及び面外トランスデューサの両方が、ウェッジボンド320を形成するために使用され得る。
【0050】
図3Aの例では、ウェッジボンド310の金属間化合物312(例えば、リボンワイヤ300及び対応する導電表面の間に形成される金属間化合物のパターン)が概略的に示されている。図3Aに示すように、ウェッジボンド310の破線は、ウェッジボンド310の外周を示すことができる。図3Aに示すように、金属間化合物312は、少なくとも部分的に円形である。すなわち、リボンワイヤ300の第1部分302及び対応する導電表面の間に形成される金属間化合物312は、図示のように、円形又は曲線状の形状、例えば、同心円状に形成され得る。そのような円形の金属間化合物は、ウェッジがリボンワイヤ300の部分302aに接触しながら回転する際に、ワイヤボンディングウェッジの歯から少なくとも部分的に生じることがある。
【0051】
ウェッジボンド310と比較して、ウェッジボンド320は、ウェッジボンド310及び320を形成するために使用されるワイヤボンディングウェッジ上の歯のパターンに合う金属間化合物322を含むことができ、ここで、そのような歯は、リボンワイヤ300と整合(係合など)して、ワイヤボンディング作業中にそれを所定の位置に保持する。図3Aに示すように、この例では、金属間化合物322は、ダイヤモンド形である。他の実装では、円、正方形、三角形、星などのような他の形状が使用され得る。
【0052】
リボンワイヤ300の部分302cは、部分302a及び部分302bの間にワイヤループを形成することができる。すなわち、リボンワイヤの部分302cは、ウェッジボンド310及びウェッジボンド320の間に延在する(それらを電気的に接続する)ことができ、それらの対応する電気的接触表面を電気的に接続することができる。
【0053】
図3Aに示すように、リボンワイヤ300の部分302aは、長手方向軸Lに交差する第1幅W1を有することができ、一方、リボンワイヤ300の部分302cは、長手方向軸Lに交差する第2幅W2を有することができる。この例では、第1幅W1は、ウェッジボンド310の形成中のリボンワイヤ材の広がりに起因して、第2幅W2より大きい。図3Aに更に示すように、リボンワイヤ300の部分302bは、長手方向軸Lに交差する第3幅W3を有することができ、ここで、第3幅W3は、部分302cの第2幅W2に実質的に、おおよそ、又はほぼ等しい。
【0054】
図3Bを参照すると、リボンワイヤ350が示されており、ここで、リボンワイヤは、部分352a、部分352b、及び部分352cを含む。リボンワイヤ300と同様に、リボンワイヤ350は、長手方向軸L1に沿って延在することができる。図3Bの例では、リボンワイヤ300の部分352aは、ウェッジボンド360を用いて、対応する導電表面と結合されるものとして示されており、一方、部分352bは、ウェッジボンド370を用いて、対応する導電表面と結合されるものとして示されている。図3Bの例では、ウェッジボンド360及び370の両方が、ワイヤボンディングウェッジの回転を含む、多軸超音波を使用してウェッジボンドを形成するための本明細書で説明する手法を使用して形成される。したがって、ウェッジボンド360及び370は、図3Aのウェッジボンド310に関して上述したような、少なくとも部分的に形状が円形又は曲線状であるそれぞれの金属間化合物362及び372を有するものとして示されている。
【0055】
図3Bの例では、リボンワイヤ350の部分352cは、部分352a及び部分352bの間にワイヤループを形成することができる。すなわち、リボンワイヤ350の部分352cは、ウェッジボンド360及びウェッジボンド370の間に延在する(それらを電気的に接続する)ことができ、それらの対応する電気的接触表面を電気的に接続することができる。
【0056】
図3Bに示すように、リボンワイヤ350の部分352aは、長手方向軸L1に交差する第1幅W1aを有することができ、リボンワイヤ350の部分352cは、長手方向軸L1に交差する第2幅W2aを有することができ、部分352bは、長手方向軸L1に交差する第3幅W3aを有することができる。この例では、第1幅W1a及び第3幅W3aは、ウェッジボンド360及び370の形成中のリボンワイヤ材の広がりに起因して、両方とも第2幅W2aより大きい。この例では、第1幅W1a及び第3幅W3aは、実質的に等しくてよい。
【0057】
図4Aから図4Cは、多軸超音波を使用して形成されるウェッジボンドを有するウェッジボンディングされたリボンワイヤを含む例示的なバッテリモジュール400a、400b、及び400c(例えば、バッテリモジュールの一部分)をそれぞれ概略的に示す図である。図4Aから図4Cの例の説明を簡単にするために、図3Aのボンドワイヤ300又は図3Bのボンドワイヤ350と同様の構成を有するボンドワイヤが、それぞれの同じ参照番号で参照される。この表記は説明を目的として使用されているに過ぎず、所与のリボンワイヤの配置(例えば、その長さ、対応する接触表面に対するその配向など)及びそれに関連付けられるウェッジボンドは、この特定の実装に依存することになることが理解されるであろう。更に、図4Aから図4Cに示すボンドワイヤ接続は、例として挙げたものであり、他の接続が、他の構成及びウェッジボンドを有するボンドワイヤを使用して形成され得る。
【0058】
図4Aを参照すると、バッテリモジュール400aは、バスバー405a及び電気化学セル410aを含む。電気化学セル410aは、端子412a及びリム414aを含む。図4Aに示すように、バスバー405aは、(図3Bに示すような)リボンワイヤ350及びそれに関連付けられるウェッジボンドを介して端子412aと電気的に結合される。
【0059】
図4Bを参照すると、バッテリモジュール400bは、バスバー405b、電気化学セル410b、及び電気化学セル410cを含む。電気化学セル410bは、端子412b及びリム414bを含み、一方、電気化学セル410cは、端子412c及びリム414cを含む。図4Bに示すように、バスバー405bは、(図3Aに示すような)リボンワイヤ300を介して電気化学セル410bのリム414bと電気的に結合され、ここで、ウェッジボンド310と一致するウェッジボンドがバスバー405b上に形成され、ウェッジボンド320と一致するウェッジボンドがリム414b上に形成される。他の実装では、図3Bに示すようなリボンワイヤ350が、バスバー405bをリム414bと電気的に結合するために使用され得る。図4Bにも示すように、電気化学セル410bの端子412bは、(図3Bに示すような)リボンワイヤ350及びそれに関連付けられるウェッジボンドを介して電気化学セル410cの端子412cと電気的に結合される。
【0060】
図4Cを参照すると、バッテリモジュール400cは、バスバー405c、電気化学セル410d、及び電気化学セル410dを含む。電気化学セル410dは、端子412d及びリム414dを含み、一方、電気化学セル410eは、端子412e及びリム414eを含む。図4Bに示すように、バスバー405bは、(図3Bに示すような)それぞれのリボンワイヤ350及びそれらに関連付けられるウェッジボンドを介して電気化学セル410dの端子412d及び電気化学セル410eの端子412eと電気的に結合される。図4Cに更に示すように、電気化学セル410dのリム414dは、リボンワイヤ450を介して電気化学セル410eのリム414eと電気的に結合され、ここで、リボンワイヤ450は、図3Aに示すウェッジボンド320などのウェッジボンドを使用してリム414d及び414eにウェッジボンディングされ得る。他の実装では、図3A及び図3Bにそれぞれ示すようなリボンワイヤ300又はリボンワイヤ350が、リム414dをリム414eと電気的に結合するために使用され得る。
【0061】
図5は、本明細書で説明する手法に係る多軸超音波を使用してリボンワイヤ502とのウェッジワイヤボンドを形成するための例示的なウェッジボンダヘッド500を示す図である。ワイヤボンダヘッド500及び/又はリボンワイヤ502は、本明細書における他の部分で説明する1つ又は複数の他の例と共に使用され得る。ワイヤボンダヘッド500は、ワイヤガイド504を含む。ワイヤガイド504は、ボンディング作業中にリボンワイヤ502をガイド(例えば、給送)するために使用される。ワイヤガイド504は、金属又は合成材料を含むがこれに限定されない1つ又は複数の材料で作られてよい。リボンボンドワイヤ502の供給506が、ワイヤガイド504を通過するものとして示されている。幾つかの実装では、リボンワイヤ502の供給506は、スプール508から提供され得る。例えば、スプール508は、リボンワイヤ502の供給506を連続的又は断続的に取得することが可能となるように、かつ、リボンワイヤ502が、例えば、電気化学セル、バスバー、又はボンディング用の他の電気的接触表面に対して特定の配向を有するように、ワイヤボンダヘッド500に対して回転可能に吊るされてよい。
【0062】
ワイヤボンダヘッド500は、ウェッジ510を含む。ウェッジ510は、本明細書で説明する電気的接触表面などの電気的接触表面(不図示)にリボンボンドワイヤ502を接合するために使用され得る。例示的な実装では、ウェッジ510は金属で作られてよい。
【0063】
ワイヤボンダヘッド500は、カッタ512も含む。カッタ512は、ボンディング前、ボンディング中、又はボンディング後にリボンワイヤ502を切断するために使用され得る。例えば、カッタ512は、金属で作られてよい。
【0064】
図5の矢印524及び526でも示すように、ワイヤボンダヘッド500は、時計回り方向及び/又は反時計回り方向にそれぞれ回転することができる。そのような回転は、図1に関して説明した回転モータ104などの回転モータを使用して実行され得る。ワイヤボンダヘッド500の回転は、図3A及び図3Bに示すようなウェッジボンド310、360、及び370などのウェッジボンドを形成しながら実行され得る。
【0065】
図6は、本明細書で説明するウェッジワイヤボンダなどのウェッジワイヤボンダにおいて多軸超音波振動を実装することができる複数の超音波トランスデューサの例示的な配置600を概略的に示す図である。図6に示すように、配置600は、複数の超音波トランスデューサ610、620、630、640、及び650を使用して実装され得る。図6に示すように、トランスデューサ610から650は、それぞれの超音波軸612、622、632、642、及び652を用いて動作することができる。図6の例では、トランスデューサ610、620、630、及び640は、図1の1つ又は複数の面内トランスデューサ108などの面内トランスデューサと呼ばれることがある。すなわち、それらのそれぞれの超音波振動軸612、622、632、及び642は、対応するウェッジボンドが形成されている電気的接触表面の平面(例えば、図2に関して説明したようなXY平面)内に又はそれに対して平行に配置される。
【0066】
更に、図6の例では、トランスデューサ650は、図1の1つ又は複数の面外トランスデューサ110などの面外(例えば、直交)トランスデューサと呼ばれることがある。すなわち、超音波振動軸652は、(例えば、図2に関して説明したようなZ軸に沿って)対応するウェッジボンドが形成されている電気的接触表面に対して(ページの内外で)垂直であるか又はそれと非ゼロの角度をなす。
【0067】
図6は、超音波トランスデューサの特定の構成を示すが、他の構成及び/又は変形例が考えられる。例えば、図6の各超音波トランスデューサは、複数のトランスデューサを含むことができる。幾つかの実装では、より少ない又は追加の超音波トランスデューサが使用され得る。例えば、例示的な実装では、トランスデューサ610及び630が省略されてよく、その結果、トランスデューサ620及び640の垂直な超音波軸622及び642が面内に実装され、トランスデューサ650の超音波軸653が面外に実装される。
【0068】
図7は、方法700の例を示す。方法700は、本明細書の他の部分で説明する1つ又は複数の他の例と共に使用され得る。図示よりも多い又は少ない操作が実行され得る。別段の指示がない限り、2つ又はそれより多くの操作が異なる順序で実行され得る。説明を目的として、少なくとも図1図2、及び図5を更に参照しながら方法700について説明する。幾つかの実装では、方法700は、他の構成を有するウェッジワイヤボンディングツールを使用して実装され得る。
【0069】
操作702では、方法700は、ウェッジボンダヘッドのボンディングウェッジ、例えば、ウェッジ510(図5)の下にリボンワイヤを給送するために、ワイヤガイド504(図5)を通じてリボンワイヤを給送する段階を含むことができる。操作704では、方法700は、ウェッジボンドが多軸超音波を用いて形成されるべき電気的接触表面の上方にウェッジボンダヘッドを位置決めする段階、ここで、電気的接触表面は、平面(例えば、図2のXY平面)内に配置される、を含む。操作706では、方法は、リボンワイヤの第1表面が電気的接触表面に接触するように、かつ、ウェッジボンダヘッドのウェッジがリボンワイヤの第1表面の反対側のリボンワイヤの第2表面に接触するように、ウェッジボンダヘッドを下げる段階を含む。そのような配置は、例えば、図2に示されている。
【0070】
操作708では、方法700は、多軸超音波を用いてリボンワイヤ及び電気的接触表面の間にウェッジワイヤボンドを形成する段階を含み、ウェッジボンドの形成中のウェッジボンダヘッドの回転を含む。方法700のウェッジボンドを形成する段階は、操作708aで、ウェッジをリボンワイヤに接触させた状態でウェッジボンダヘッドの超音波トランスデューサを作動させる段階、及び、操作708bで、ウェッジをリボンワイヤの第2表面(上面)に接触させた状態でウェッジボンダヘッドを回転させる段階を含む。
【0071】
幾つかの実装では、操作708aで超音波トランスデューサを作動させる段階は、ウェッジボンダヘッドを回転させるときに超音波トランスデューサを作動させる段階を含むことができる。更に、幾つかの実装では、操作708aで超音波トランスデューサを作動させる段階は、複数の超音波トランスデューサを作動させる段階を含むことができる。ある実装では、複数の超音波トランスデューサのうちの第1超音波トランスデューサが、電気的接触表面の平面に対して平行である超音波振動軸を有することができ、第2超音波トランスデューサが、電気的接触表面の平面に対して垂直である超音波振動軸を有することができる。更に、この例では、複数の超音波トランスデューサのうちの第3超音波トランスデューサが、電気的接触表面の平面に対して平行であり、かつ、第1超音波トランスデューサの超音波振動軸に対して垂直である、超音波振動軸を有することができる。
【0072】
別の実装では、複数の超音波トランスデューサのうちの第1超音波トランスデューサが、電気的接触表面の平面に対して平行である超音波振動軸を有することができ、複数の超音波トランスデューサのうちの第2超音波トランスデューサが、電気的接触表面の平面に対して平行であり、かつ、第1超音波トランスデューサの超音波振動軸と非平行である、超音波振動軸を有することができる。更に、この例では、複数の超音波トランスデューサのうちの第3超音波トランスデューサが、電気的接触表面の平面に対して垂直である超音波振動軸を有することができる。
【0073】
更に別の実装では、複数の超音波トランスデューサのうちの第1超音波トランスデューサが、電気的接触表面の平面に対して平行である超音波振動軸を有することができ、複数の超音波トランスデューサのうちの第2超音波トランスデューサが、電気的接触表面の平面に対して平行であり、かつ、第1超音波トランスデューサの超音波振動軸と平行である、超音波振動軸を有することができる。そのような実装では、関連付けられるウェッジボンダヘッドの回転、及び、第1及び第2トランスデューサの超音波振動軸の対応する回転の結果として、多軸超音波が達成され得る。更に、この例では、複数の超音波トランスデューサのうちの第3超音波トランスデューサが、電気的接触表面の平面に対して垂直である超音波振動軸を有することができる。
【0074】
操作710では、ゼロ、1つ又は複数の操作が実行され得る。幾つかの実装では、方法700は、例えば、操作702から708bを実行した後、操作710で終了することができる。幾つかの実装では、操作702から708bのうちの幾つか又は全てが、同じ又は異なる電気的接触表面の間に別の電気的接続を形成すること、又は、例えば、図3A及び図3Bのリボンワイヤ300及び350に関して論じたように、ウェッジワイヤボンド間にワイヤループ(例えば、操作702及び704)を形成すること、に関する操作710で実行され得る。幾つかの実装では、別のタイプの相互接続が形成されてよく、これは、操作702から708bの同じ電気化学セル及び/又はバスバー、又は、別の電気化学セル及び/又はバスバーに対する追加的に形成されたウェッジワイヤボンドであってよい。
【0075】
本明細書を通じて使用する「実質的に」、「ほぼ」、及び「おおよそ」という用語は、例えば、処理のばらつきに起因する小さい変動について記述及び説明するために使用される。例えば、それらは、±5%より小さいかそれに等しいこと、例えば、±2%より小さいかそれに等しいこと、例えば、±1%より小さいかそれに等しいこと、例えば、±0.5%より小さいかそれに等しいこと、例えば、±0.2%より小さいかそれに等しいこと、例えば、±0.1%より小さいかそれに等しいこと、例えば、±0.05%より小さいかそれに等しいことを指すことがある。また、本明細書で使用するとき、「a」又は「an」などの不定冠詞は「少なくとも1つ」を意味する。
【0076】
上記の概念及び以下でより詳細に論じる追加の概念の全ての組み合わせが(そのような概念が相互に矛盾しないことを条件として)、本明細書で開示する本発明の主題の一部であると考えられることを理解されたい。特に、本開示の最後に現れる特許請求の範囲に係る主題の全ての組み合わせが、本明細書で開示する本発明の主題の一部であると考えられる。
【0077】
幾つかの実装について説明してきた。とは言え、本明細書の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な修正が行われ得ることが理解されるであろう。
【0078】
加えて、図に示す論理フローは、望ましい結果を達成するために、示した特定の順序、又は連続した順序を必要としない。加えて、他のプロセスが提供されてよく、又は説明したフローからプロセスが排除されてよく、説明したシステムに他の構成要素が追加されてよく、又は説明したシステムから他の構成要素が削除されてよい。したがって、他の実装が以下の特許請求の範囲に記載の範囲内に含まれる。
【0079】
説明した実装の特定の特徴が、本明細書で説明するように示されてきたが、今や多くの修正、置換、変更、及び均等物が当業者には思い浮かぶであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、これらの実装の範囲に含まれる全てのそのような修正及び変更を包含するように意図されていることが理解されるべきである。それらは限定ではなく単なる例として提示されており、形態及び詳細の様々な変更が行われてよいことを理解されたい。相互に排他的な組み合わせを除き、本明細書で説明する装置及び/又は方法の任意の部分が任意の組み合わせで組み合わされてよい。本明細書で説明する実装は、説明した異なる実装の機能、構成要素、及び/又は特徴の様々な組み合わせ及び/又は副次的組み合わせを含むことができる。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
【国際調査報告】