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特表2024-5360472-フェニル-3,4-ジヒドロピロロ[2,L-F][1,2,4]トリアジノン誘導体の局所組成物及びその使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】2-フェニル-3,4-ジヒドロピロロ[2,L-F][1,2,4]トリアジノン誘導体の局所組成物及びその使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/53 20060101AFI20240927BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20240927BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20240927BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20240927BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20240927BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20240927BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20240927BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20240927BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240927BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240927BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20240927BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20240927BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20240927BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20240927BHJP
   A61P 7/06 20060101ALI20240927BHJP
   A61P 7/02 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
A61K31/53
A61K9/08
A61K9/06
A61K47/34
A61K47/38
A61K47/32
A61K47/36
A61K47/10
A61P43/00 111
A61P17/00
A61P3/10
A61P9/00
A61P9/10
A61P9/12
A61P7/06
A61P7/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518250
(86)(22)【出願日】2022-09-28
(85)【翻訳文提出日】2024-03-21
(86)【国際出願番号】 EP2022076952
(87)【国際公開番号】W WO2023052407
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】21199822.4
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521225133
【氏名又は名称】トパデュール ファルマ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】テノール、ヘルマン
(72)【発明者】
【氏名】ルディン、クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ブヴェ、ラファエル
(72)【発明者】
【氏名】クラコウスキー、ジャン リュック
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA09
4C076AA11
4C076DD37
4C076EE16
4C076EE23
4C076EE32
4C076EE37
4C076FF51
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB05
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA16
4C086MA27
4C086MA63
4C086NA14
4C086ZA36
4C086ZA42
4C086ZA54
4C086ZA55
4C086ZA89
4C086ZC35
(57)【要約】
本発明は、式I
【化1】

(式中、
は、エチル又はプロピル、好ましくはプロピルであり、
は、メチル又はエチル、好ましくはメチルであり、
は、エチル又はプロピル、好ましくはプロピルであり、
Xは、N又はCH、好ましくはCHであり、
nは、1又は2、好ましくはn=1である)
の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を含む局所組成物、並びに対象、好ましくはヒトにおける、PDE5活性及び/又はNO関連内皮機能障害によって媒介される疾患又は障害、好ましくはPDE5活性及び/又はNO関連内皮機能障害によって媒介される皮膚の疾患又は障害の処置のための、特に虚血性皮膚潰瘍、全身性強皮症の指潰瘍(DU)、糖尿病性足潰瘍、下肢潰瘍、虚血性動脈潰瘍、リベド様血管症、マルトレル高血圧虚血性下肢潰瘍、閉塞性血栓血管炎(バージャー病)、鎌状赤血球下肢潰瘍の処置のための前記局所組成物の使用に関し、上記の全ては、好ましくは創傷治癒のための、前述の全てのうち好ましくは慢性創傷治癒のためのものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

(式中、
は、エチル又はプロピル、好ましくはプロピルであり、
は、メチル又はエチル、好ましくはメチルであり、
は、エチル又はプロピル、好ましくはプロピルであり、
Xは、N又はCH、好ましくはCHであり、
nは、1又は2、好ましくはn=1である)
の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を含む、局所組成物。
【請求項2】
式Iの前記化合物が、化合物1
【化2】

である、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項3】
式Iの前記化合物、好ましくは前記化合物1が、前記局所組成物の総重量に基づいて、約0.000006%(w/w)~約0.03%(w/w)、好ましくは約0.00006%(w/w)~約0.01%(w/w)、より好ましくは約0.0001%(w/w)~約0.01%(w/w)、また更に好ましくは約0.0005%(w/w)~約0.01%(w/w)で存在する、請求項1又は請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記局所組成物が液体局所組成物であり、好ましくは前記液体局所組成物が水性ゲルの形態である、請求項1~3のいずれか一項に記載の局所組成物。
【請求項5】
前記局所組成物が溶媒を含み、前記溶媒がPEG 400を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の局所組成物。
【請求項6】
前記局所組成物が溶媒を含み、前記局所組成物が水性ゲルの形態であり、前記溶媒がPEG 400及び水を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の局所組成物。
【請求項7】
前記PEG 400の量が、前記局所組成物の総重量に基づいて、約60%~約75%(w/w)、好ましくは約65%~約75%(w/w)、より好ましくは約68%~約72%(w/w)である、請求項5又は請求項6に記載の局所組成物。
【請求項8】
前記局所組成物が増粘剤を含み、好ましくは、前記増粘剤が、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒアルロン酸ナトリウム及びポリビニルピロリドンからなる群から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の局所組成物。
【請求項9】
前記局所組成物が酸化防止剤を含み、好ましくは前記酸化防止剤がブチル化ヒドロキシトルエンである、請求項1~8のいずれか一項に記載の局所組成物。
【請求項10】
前記局所組成物が保存剤を含み、好ましくは前記保存剤がベンジルアルコールである、請求項1~9のいずれか一項に記載の局所組成物。
【請求項11】
式Iの前記化合物が、化合物1
【化3】

であり、
前記局所組成物が、前記化合物1を、約7μM~約55μMの濃度で、好ましくは約8μM~約22μMの量で、更に好ましくは約10μM~約12μMの濃度で、また更に好ましくは約11μMの濃度で含み、
前記局所組成物が水性ゲルの形態であり、前記局所組成物が溶媒を含み、前記溶媒が、PEG 400と水の組み合わせであり、前記PEG 400の量が、前記局所組成物の総重量に基づいて、約60%~約75%(w/w)、好ましくは約65%~約75%(w/w)、より好ましくは約68%~約72%(w/w)であり、
前記局所組成物が、
(i)約6.5~約7.5のpHの水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液であって、好ましくは前記水性緩衝液が約10~約15mM、好ましくは約12mMのモル濃度を有し、前記水性緩衝液が、前記局所組成物の総重量に基づいて、約20%(w/w)~約30%(w/w)、好ましくは約22%(w/w)~約28%(w/w)、より好ましくは約25%(w/w)~約28%(w/w)、更により好ましくは約27%(w/w)~約28%(w/w)で存在する、約6.5~約7.5のpHの水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液、
(ii)ヒドロキシエチルセルロース又はヒアルロン酸ナトリウム、好ましくはヒドロキシエチルセルロースであって、好ましくは、ヒドロキシエチルセルロース又はヒアルロン酸ナトリウム、好ましくはヒドロキシエチルセルロースが、前記局所組成物の総重量に基づいて、約0.01%(w/w)~約5%(w/w)、好ましくは約0.05%(w/w)~約2%(w/w)、より好ましくは約0.1%(w/w)~約1%(w/w)で存在する、ヒドロキシエチルセルロース又はヒアルロン酸ナトリウム、好ましくはヒドロキシエチルセルロース、
(iii)ブチル化ヒドロキシトルエンであって、前記ブチル化ヒドロキシトルエンが、前記局所組成物の総重量に基づいて、約0.001%(w/w)~約0.1%(w/w)、好ましくは約0.001%(w/w)~約0.01%(w/w)、より好ましくは約0.002%(w/w)~約0.008%(w/w)で存在する、ブチル化ヒドロキシトルエン、及び
(iv)ベンジルアルコールであって、好ましくは前記ベンジルアルコールが、前記局所組成物の総重量に基づいて、約0.01%(w/w)~約5%(w/w)、好ましくは約0.1%(w/w)~約5%(w/w)、より好ましくは約1%(w/w)~約3%(w/w)、更により好ましくは約2%(w/w)で存在する、ベンジルアルコール
を含む、
請求項1~10のいずれか一項に記載の局所組成物。
【請求項12】
対象、好ましくはヒトにおいて、PDE5活性及び/又はNO関連内皮機能障害によって媒介される疾患又は障害、好ましくはPDE5活性及び/又はNO関連内皮機能障害によって媒介される皮膚の疾患又は障害を局所的に処置する方法に使用するための、請求項1~11のいずれか一項に記載の局所組成物。
【請求項13】
前記疾患又は障害が、虚血性皮膚潰瘍、全身性強皮症の指潰瘍(DU)、糖尿病性足潰瘍、下肢潰瘍、虚血性動脈潰瘍、リベド様血管症、マルトレル高血圧虚血性下肢潰瘍、閉塞性血栓血管炎(バージャー病)、鎌状赤血球下肢潰瘍から選択され、前述の全ては、好ましくは創傷治癒のため、更に好ましくは慢性創傷治癒のためである、請求項12に記載の使用のための局所組成物。
【請求項14】
前記疾患又は障害が全身性強皮症であり、好ましくは前記疾患又は障害が全身性強皮症の指潰瘍である、請求項12又は請求項13に記載の使用のための局所組成物。
【請求項15】
キットであって、
(i)請求項1~11のいずれか一項に記載の局所組成物を含む第1のキット構成要素と、
(ii)前記局所組成物と対象の皮膚、好ましくはヒトの皮膚との間の接触を維持するのに適したパッチ、テープ、被覆材、シート又はデバイスを含む第2のキット構成要素と、を含む、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式Iの化合物、したがって2-フェニル-3,4-ジヒドロピロロ[2,l-f][1,2,4]トリアジノン誘導体を含む局所組成物に関する。本発明はまた、対象、好ましくはヒトにおけるPDE5及び/又はNO関連内皮機能障害の阻害によって緩和される疾患又は障害の処置のための、特に血管疾患及び障害、特に創傷及び慢性創傷治癒を含む末梢血管疾患及び障害の処置のための当該局所組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
本開示の関連技術の以下の説明は、読者が本開示を理解するのを助けるために提供されるにすぎず、本開示の関連技術を記載又は構成することは認められない。
【0003】
ホスホジエステラーゼ(PDE)は、環状アデノシン一リン酸(cAMP)及び環状グアノシン一リン酸(cGMP)の加水分解、したがって分解を触媒し、それによってセカンドメッセンジャーの細胞内レベルを調節する酵素である。PDEの阻害は、内因性cAMP/cGMPの細胞内濃度の増加をもたらす。したがって、PDEの阻害は、異なる細胞及び器官レベルで様々な生理学的機構を媒介することができる。ホスホジエステラーゼ5型(PDE5)は、環状グアニル酸一リン酸(cGMP)を特異的に5’GMPに加水分解する。PDE5の選択的阻害は関連するアプローチとして検証されており、PDE5活性の阻害を促進することを目的とした戦略は、特に神経、血管及び心血管の疾患及び障害における治療ツールとして適用されている。さらに、PDE5阻害剤の導入は、男性の勃起不全の処置に革命をもたらした(Andersson KE,British Journal of Pharmacology(2018)175:2554-2565;Das A et al.Pharmacol Ther.(2015)147:12-21;Dobhal T et al.Critical Review in Pharmaceutical Sciences(2012)1(3):13-27)。PDE5阻害剤の最も顕著な例は、シルデナフィル、タダラフィル及びバルデナフィルであり、これらはとりわけ、例えば国際公開第99/24433号、国際公開第01/60825号、欧州特許第995’751号及び国際公開第2011/075655号に記載されている。最近、付加的な様式を超えるそのPDE5阻害に加えてNOを放出する二重薬理学を有する新規クラスのPDE5阻害剤が記載されている(国際公開第2017/085056号)。
【0004】
全身性強皮症(SSc、ICD-10 M34)は、皮膚、関節及び内臓(特に胃食道逆流症(GERD)及び嚥下障害を伴う食道、下部胃腸管、肺、心臓及び腎臓)における血管異常及びびまん性線維症を特徴とする、病因不明のまれな複雑な多臓器自己免疫性慢性結合組織疾患である。一般的な症状には、(二次的な)レイノー現象(RP)、指潰瘍(DU)、多発性関節痛、嚥下障害、胸やけ、及び腫脹、並びに最終的には指の皮膚のつっぱり(skin tightening)及び収縮が含まれる。肺、心臓及び腎臓の関与が、ほとんどの死亡の原因である(Allanore Y et al.Nat Rev Dis Primers(2015)1:15002;Pearson DR et al.Clin Dermatol(2018)36(4):459-474;Denton CP and Khanna D,Lancet(2017)390:1685-1699)。近位指節間関節の指尖部又は伸筋領域にしばしば位置する指潰瘍(DU)、SScにおける頻繁な臨床症状である。指潰瘍は、基底膜(真皮を表皮から分離する)の破断を伴う表皮被覆の喪失として定義される。SScの臨床的指潰瘍は、目に見える血管、フィブリン、肉芽組織及び/又は下層のより深い構造(例えば、筋肉、靭帯、脂肪)を有する創傷として現れるか、又はデブリードマンに際して現れるであろう。指潰瘍は、全身性強皮症における疾患負荷に実質的に寄与するが、これはまた、一般に、それらが痛みを伴い、無力であり、HRQoLを制限するからである(Amanzi L et al.Rheumatology(Oxford)(2010)49(7):1374-1382;Li W and Frech TM,J Scleroderma Relat Disord.(2017)2(2):69-71;Hughes M et al.Nat Rev Rheumatol.(2020)16(4):208-221)。指尖瘢痕(DPS)に由来するDUは、DPSの角質増殖層の下に隠れている。指尖瘢痕は、慢性虚血に起因する皮膚鬱病(cutaneous depression)を覆う小さな過角化病変として定義される。そのような潰瘍は、指尖部及び指の背側領域に好発部位があり、比較的小さく、表面的である(全層創傷ではない)。病巣周囲皮膚では、炎症及び浮腫の徴候がある。DPSに由来するDUは、自発痛に関連する。そのような表在性DUは、治癒までの平均時間が1ヶ月未満であり、一般に、壊疽又は自然切断が起こらないため合併症を有する。虚血は、DPSに由来するDUを部分的に説明すると仮定される。
【0005】
SScの皮膚徴候及び症状は、最も早く、最も頻繁で、最も特徴的な症状であり、全身症状発現の前に認識され、したがって管理及び処置の早期開始を可能にすることから、特に重要である(Pearson DR et al.Clin Dermatol(2018)36(4):459-474;Herrick et al.Exp Dermatol.(2020)29:1144-1153)。一般的なアプローチとして、患者は、第一選択処置としての患者教育等の非薬理学的介入、それに続く薬理学的及び外科的介入を使用して管理されるべきである。薬理学的介入に関して、全身血管作用療法は、DU及びRP等のSScの病因に関与する根本的な要因に対処しようとする試みがしばしば第一選択療法として使用されるが、シルデナフィル等の経口ホスホジエステラーゼ5型(PDE5)阻害剤は、SSc及びSSc関連指脈管障害の処置の初期にますます使用されている。しかしながら、全身血管作用療法及びPDE5阻害剤では、血管拡張性有害作用は珍しくない。例えば、経口シルデナフィルは、バイタルサイン、すなわち全身動脈圧、心拍数及びECG等の一般的な薬物有害反応を示し、これらの薬物有害反応は、可能な低用量よりも高い可能な用量を受けている患者でより一般的であることは言うまでもない(Hughes M et al.Nat Rev Rheumatol.(2020)16(4):208-22)。さらに、PDE5阻害剤シルデナフィルの最近のプラセボ対照試験では、プラセボとシルデナフィルとの間で潰瘍治癒の差は観察されなかった(Hachullan E.et al.Ann.Rheum.Dis.(2016)75,1009-1015)。
【0006】
SSc指潰瘍又はレイノルズ現象(Reynolds Phenomena)を局所的に処置するための治療法は、0.9%から最大2%の濃度の三硝酸グリセリルを使用した実験的臨床試験で調査された(Hughes M et al.Microvascular Research(2017)111:32-36;Hummers LK,et al.Ann Rheum Dis(2013)72:1962-1967)。使用した水性製剤中の賦形剤は、ラノリン又は50%レシチンであった。局所製剤は、不快であると記載された。さらに、記載された三硝酸グリセリルの処置副作用は、頭痛、めまい、血管拡張性副作用及び疼痛であった。指潰瘍の局所処置のための他の実験的臨床試験は、非常に高濃度のD-α-トコフェリルアセタート(96.0%)及び微粒子化シリカ(4.0%)の製剤をゲルとして使用するか、又は局所適用されるジメチルスルホキシド溶液を使用して記載された。しかしながら、これらの局所適用はいずれも規制当局によってDUの処置のために承認されておらず、又は全身性強皮症の処置のためのEULAR推奨によって推奨されていない(Fiori G et al.Clinical and Experimental Rheumatology(2009)27(Suppl 54):S51-S54;Williams DE et al.Arthritis Rheum.(1985)28(3):308-14;Kowal-Bielecka O et al,Ann Rheum Dis.(2017)76(8):1327-1339)。
【0007】
したがって、血管疾患及び障害、特に創傷及び慢性創傷治癒を含む末梢血管疾患及び障害の処置に対する強く満たされていない医学的必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【0008】
本発明者らは、驚くべきことに、本発明の化合物及び組成物の局所的な創傷部処置が、皮膚潰瘍を有する全身性強皮症の疾患関連動物モデルであるuPAR欠損マウスにおいて有効性及び改善された創傷治癒を実証したことを見出し、示した。更に驚くべきことに、本発明者らは、式Iの本発明の化合物、特に化合物1の生理学的水性リン酸緩衝液(pH7.5)への事実上の非溶解性が示されているにもかかわらず、本発明の局所組成物、特に化合物1を含む本発明の局所組成物を提供することができた。さらに、本発明の局所組成物は、驚くべきことに非常に低濃度の式Iの本発明の化合物、特に化合物1において、皮膚潰瘍を有する全身性強皮症の疾患関連動物モデルにおいて有効性及び改善された創傷治癒を示した。
【0009】
さらに、本発明の化合物の全身曝露ではなく局部及び局所投与が創傷治癒の改善を引き起こしたことが証明されている。先行技術の薬物の全身又は経口送達は、皮膚の血管異常及びびまん性線維症だけでなく、全身又は経口血管拡張薬で観察される薬物有害反応にも起因してその限界があるため、これは特に有利である。したがって、全身性動脈低血圧症等の全身性薬物曝露に関連する最適以下の薬物動態及び/又は薬力学は、本発明の化合物及び組成物の本発明の局所投与によって回避されるか、又は本発明の局所投与によって生じる可能性が非常に低い。さらに、主要な作用部位への直接局所投与により、有効な治療用量の本発明の化合物の適用を、全身投与又は経口投与と比較して有意に低くすることができ、したがって、最小限の全身曝露で創傷部で局所有効性を統合することができる。最後に、局所送達(在宅)は、静脈内投与又は経口投与(病棟)よりも便利な投与様式である。
【0010】
したがって、第1の態様では、本発明は、式I
【化1】

(式中、
は、エチル又はプロピル、好ましくはプロピルであり、
は、メチル又はエチル、好ましくはメチルであり、
は、エチル又はプロピル、好ましくはプロピルであり、
Xは、N又はCH、好ましくはCHであり、
nは、1又は2、好ましくはn=1である)
の化合物、好ましくは有効量の式Iの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を含む局所組成物を提供する。
【0011】
別の態様では、本発明は、局所組成物、好ましくは創傷部投与のための局所組成物であって、
(a)式I
【化2】

(式中、
は、エチル又はプロピル、好ましくはプロピルであり、
は、メチル又はエチル、好ましくはメチルであり、
は、エチル又はプロピル、好ましくはプロピルであり、
Xは、N又はCH、好ましくはCHであり、
nは、1又は2、好ましくはn=1である)
の化合物、好ましくは有効量の式Iの化合物又はその薬学的に許容され得る塩と、
(b)溶媒と、
(c)任意に、1つ以上の他の薬学的に許容され得る賦形剤と、を含む局所組成物を提供する。
【0012】
本発明の局所組成物は、PDE5活性及び/又はNO関連内皮機能障害によって媒介される若しくはそれに起因する皮膚の疾患又は障害、特に虚血性皮膚潰瘍、例えば全身性強皮症の指潰瘍(DU)、糖尿病性足潰瘍、下肢潰瘍、虚血性動脈性潰瘍、リベド様血管症、マルトレル高血圧虚血性下肢潰瘍、閉塞性血栓血管炎(バージャー病)、鎌状赤血球下肢潰瘍の処置に使用することができ、上記の全ての好ましくは創傷治癒に使用することができ、前述の全ては、好ましくは創傷治癒のため、更に好ましくは慢性創傷治癒のためである。
【0013】
したがって、更なる態様では、本発明は、対象、好ましくはヒトにおいて、PDE5活性及び/又はNO関連内皮機能障害によって媒介される疾患又は障害、好ましくはPDE5活性及び/又はNO関連内皮機能障害によって媒介される皮膚の疾患又は障害を局所的に処置する方法に使用するための本発明の局所組成物を提供する。好ましくは、当該疾患又は障害は、虚血性皮膚潰瘍、全身性強皮症の指潰瘍(DU)、糖尿病性足潰瘍、下肢潰瘍、虚血性動脈潰瘍、リベド様血管症、マルトレル高血圧虚血性下肢潰瘍、閉塞性血栓血管炎(バージャー病)、鎌状赤血球下肢潰瘍から選択され、前述の全ては、好ましくは創傷治癒のため、更に好ましくは慢性創傷治癒のためである。非常に好ましくは、当該疾患又は障害は、全身性強皮症であり、好ましくは、当該疾患又は障害は、全身性強皮症における指潰瘍である。
【0014】
別の態様では、本発明は、対象、好ましくはヒトの疾患又は障害を局所的に処置する方法に使用するための本発明の局所組成物であって、当該疾患又は障害は、虚血性皮膚潰瘍、全身性強皮症の指潰瘍(DU)、糖尿病性足潰瘍、下肢潰瘍、虚血性動脈潰瘍、リベド様血管症、マルトレル高血圧虚血性下肢潰瘍、閉塞性血栓血管炎(バージャー病)、鎌状赤血球下肢潰瘍から選択され、前述の全ては、好ましくは創傷治癒、更に好ましくは慢性創傷治癒のためのものであり、好ましくは当該疾患又は障害は全身性強皮症であり、また更に好ましくは当該疾患又は障害は全身性強皮症の指潰瘍である、局所組成物を提供する。
【0015】
別の態様では、本発明は、対象、好ましくはヒトにおいて、PDE5活性及び/又はNO関連内皮機能障害によって媒介される疾患又は障害、好ましくはPDE5活性及び/又はNO関連内皮機能障害によって媒介される皮膚の疾患又は障害を処置する方法であって、本発明の局所組成物を当該対象、好ましくは当該ヒトに局所投与することを含む方法を提供する。
【0016】
別の態様では、本発明は、対象、好ましくはヒトにおける疾患又は障害を処置する方法であって、当該疾患又は障害は、虚血性皮膚潰瘍、全身性強皮症の指潰瘍(DU)、糖尿病性足潰瘍、下肢潰瘍、虚血性動脈潰瘍、リベド様血管症、マルトレル高血圧虚血性下肢潰瘍、閉塞性血栓血管炎(バージャー病)、鎌状赤血球下肢潰瘍から選択され、前述の全ては、好ましくは創傷治癒、更に好ましくは慢性創傷治癒のためのものであり、好ましくは当該疾患又は障害は全身性強皮症であり、また更に好ましくは当該疾患又は障害は全身性強皮症の指潰瘍であり、当該方法は、本発明の局所組成物を当該対象、好ましくは当該ヒトに局所投与することを含む、方法を提供する。
【0017】
別の態様では、本発明は、対象、好ましくはヒトにおける、PDE5活性及び/又はNO関連内皮機能障害によって媒介される疾患又は障害、好ましくはPDE5活性及び/又はNO関連内皮機能障害によって媒介される皮膚の疾患又は障害を局所的に処置するための医薬を調製するための本発明の局所組成物の使用であって、当該方法は、本発明の局所組成物を当該対象、好ましくは当該ヒトに局所投与することを含む、使用を提供する。
【0018】
別の態様では、本発明は、対象、好ましくはヒトの疾患又は障害を局所的に処置するための医薬を調製するための本発明の局所組成物の使用であって、当該疾患又は障害は、虚血性皮膚潰瘍、全身性強皮症の指潰瘍(DU)、糖尿病性足潰瘍、下肢潰瘍、虚血性動脈潰瘍、リベド様血管症、マルトレル高血圧虚血性下肢潰瘍、閉塞性血栓血管炎(バージャー病)、鎌状赤血球下肢潰瘍から選択され、前述の全ては、好ましくは創傷治癒、更に好ましくは慢性創傷治癒のためのものであり、好ましくは当該疾患又は障害は全身性強皮症であり、また更に好ましくは当該疾患又は障害は全身性強皮症の指潰瘍であり、当該方法は、本発明の局所組成物を当該対象、好ましくは当該ヒトに局所投与することを含む、使用を提供する。
【0019】
更なる態様では、本発明は、
(i)本発明の局所組成物を含む第1のキット構成要素と、
(ii)当該局所組成物と対象の皮膚、好ましくはヒトの皮膚との間の接触を維持するのに適したパッチ、テープ、被覆材、シート又はデバイスを含む第2のキット構成要素と、を含む、キットを提供する。
【0020】
なお更なる態様では、本発明は、本発明の局所組成物を調製する方法であって、式Iの化合物を溶媒に溶解することを含み、好ましくは当該溶媒はPEG 400を含み、更に好ましくは当該溶媒はPEG 400及び水を含む本発明の局所組成物を調製する方法を提供する。
【0021】
本発明の更なる態様及び実施形態は、この説明が続くにつれて明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1A】uPAR-/-マウス及び野生型(WT)マウス(混合C57BL/6(75%)×129(25%)バックグラウンド)において、手術から12~14日間、全層切除皮膚創傷(2創傷/マウス)の治癒を追跡した。ビヒクル組成物Aを創傷部に、創傷あたり25μlの体積で1日1回投与した。uPAR-/-マウスの結果は、最初は12個の創傷、7匹のマウスに由来する。野生型(WT、uPAR+/+)マウスの結果は、最初は11個の創傷、11匹のマウスに由来する。
図1B】局所組成物A2又はビヒクル組成物Aの創傷当たり25μlの体積の反復1日1回局所創傷部投与後、uPAR-/-マウスにおいて手術から12~14日間、全層切除皮膚創傷(2創傷/マウス)の治癒を追跡した。結果は、最初に12個の創傷、6匹のマウス(局所組成物A2)及び12個の創傷、7匹のマウス(ビヒクル組成物A)からのものである。創傷閉鎖%を、k日目の潰瘍内径(0≦k≦14)と0日目の潰瘍内径(手術直後)との差を0日目の潰瘍内径で割ったパーセント比として計算した。結果を平均±SEMとして示す。統計分析は、混合効果分析、Sidakの多重比較(GraphPad Prism 9.0)によって行った。野生型(図1A)又はビヒクル(図1B)に対して*p<0.05、**p<0.01、*** p<0.001。創傷収縮を回避するために使用される無傷のシリコーンリング及び縫合糸を有する創傷のみが、経時的な評価の低い創傷を説明する分析に含まれた(表5)。ビヒクル群では、一部のマウスは、一方の創傷部にビヒクルを投与され、他方の創傷では偽処置されたが、これは、創傷の数が、登録されたマウスの数の2倍未満であり得ることを説明している。
図2A】全てのtについて、局所組成物A2、局所組成物A4又はビヒクル組成物Aについての%BSL(ΔPU(潰瘍-CTR))を、(i)時点tでの潰瘍領域からのPUと対応する対照領域からのPUとの差(ΔPU=(PU(潰瘍)-PU(対照)))、及び(ii)時点0、すなわち、式%BSL(ΔPU(潰瘍-CTR))=ΔPU/ΔPU*100%に従うΔPUとの間の比として計算した。グラフは、潰瘍領域について群あたり8匹のマウスの%BSL(ΔPU(潰瘍-CTR))からの平均値±SEMを示す。任意の所与のt(6≦t≦240)について、局所組成物A2及び局所組成物A4に対する%BSL(ΔPU(潰瘍-CTR))とビヒクル組成物Aとの間に統計学的に有意な差はなかった(二元配置ANOVA)。潰瘍は潰瘍の関心領域(ROI)を意味し、CTRは対応する対照ROIを意味する。
図2B】全てのtについて、ΔΔΔPU(TN53corr-VEHcorr)を、(i)局所組成物A2及び局所組成物A4、並びに(ii)潰瘍領域でのビヒクル組成物Aについて計算したΔΔPU(t-0)=ΔPU-ΔPUの差として計算した。グラフは、潰瘍領域について群あたり8匹のマウスのΔΔΔPU(Cpd 1corr-VEHcorr)からの平均±SEMを示す。2元配置ANOVAにより、ベースライン(0)から*p<0.05、**p<0.01。下付き文字の「t」は、局所組成物A2及び局所組成物A4又はビヒクル組成物Aの投与後の時点tでの測定又は計算を意味する。対照(CTR)領域の対応する値に対して補正された潰瘍領域の灌流単位(PU)値。
図3】室温でのPEG 400の濃度に対する化合物1の溶解度(x軸上に示されるmg/mLで提供される)。
【発明を実施するための形態】
【0023】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0024】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は+/-10%の意味を有するものとする。例えば、約50%は、45%~55%を意味するものとする。好ましくは、本明細書で使用される場合、「約」という用語は、+/-5%の意味を有するものとする。例えば、約50%は、47.5%~52.5%を意味するものとする。好ましい実施形態では、当該「約」という用語は、それが指す値の-10%~+10%の範囲の任意の値を指す。好ましい実施形態では、当該「約」という用語は、それが指す値の-8%~+8%の範囲の任意の値を指す。好ましい実施形態では、当該「約」という用語は、それが指す値の-7%~+7%の範囲の任意の値を指す。好ましい実施形態では、当該「約」という用語は、それが指す値の-5%~+5%の範囲の任意の値を指す。好ましい実施形態では、当該「約」という用語は、それが指す値の-4%~+4%の範囲の任意の値を指す。好ましい実施形態では、当該「約」という用語は、それが指す値の-3%~+3%の範囲の任意の値を指す。好ましい実施形態では、当該「約」という用語は、それが指す値の-2%~+2%の範囲の任意の値を指す。
【0025】
本明細書で使用される場合、「値X~値Y」という語句は、値X及び値Y並びにそれらの間の任意の値を含むものとする。例えば、「0.01μmol~50μmol」という語句は、0.01μmol~50μmol及びその間の任意の値を指す。「約」という用語の変形を更に考慮に入れて、「約値X~約値Y」という語句にも同じことが当てはまる。同様に、「値Xから値Yへ」という語句は、本明細書で使用される場合、値X及び値Y並びにそれらの間の任意の値を含むものとする。例えば、「65%~75%」という語句は、65%~75%及びその間の任意の値を指す。「約」という用語の変形を更に考慮に入れて、「約値X~約値Y」という語句にも同じことが当てはまる。
【0026】
本明細書で使用される場合、「%(w/w)」という用語は、(成分の質量/組成物の総質量)×100を指す。例として、70重量%のPEG 400は、組成物100gあたり70gのPEG 400である。
【0027】
「a」又は「an」という用語が本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「少なくとも1つ」を意味する。
【0028】
本明細書で使用される場合、「局所的に」及び「局所」という用語は、対象、好ましくはヒトの皮膚の表面への本発明の組成物の適用を指し、したがって、本明細書で使用される場合、「局所投与」という用語は、対象、好ましくはヒトの皮膚への投与、好ましくは創傷部投与を指す。
【0029】
本明細書で使用される場合、「局所組成物」という用語は、局所投与に適しており、対象、好ましくはヒトの皮膚に適用され得る組成物を指す。
【0030】
本明細書で使用される場合、「処置」、「処置する」、「処置された」又は「処置すること」という用語は、予防及び/又は治療を指す。一実施形態では、「処置」、「処置する」、「処置された」又は「処置する」という用語は、治療的処置を指す。別の実施形態では、「処置」、「処置する」、「処置された」又は「処置すること」という用語は、予防的処置を指す。好ましくは、当該処置の有益な又は所望の臨床結果としては、症状の緩和、疾患又は障害の程度の減弱、疾患又は障害の安定化(すなわち、悪化しない)状態、疾患又は障害の進行の遅延又は減速、疾患又は障害状態の改善又は緩和が挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、所望の生物学的効果を実現するのに必要又は十分な量を指す。好ましくは、「有効量」という用語は、(i)特定の疾患又は障害を処置又は予防する、(ii)特定の疾患又は障害の1つ以上の症状を減弱、改善又は排除する、又は(iii)本明細書に記載の特定の疾患又は障害の1つ以上の症状の発症を予防又は遅延させる本発明の式Iの化合物の量を指す。式Iの本発明の化合物、又は当該局所組成物若しくは当該医薬組成物の有効量は、この選択された結果を達成する量であり、そのような量は、当業者が日常的に決定することができる。更に好ましくは、本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、可溶性グアニリルシクラーゼ(sGC)を活性化させるのに、及び/又はPDE5の阻害を増加させるのに有効となる必要又は十分な量を指す。有効量は、適用される特定の組成物及び対象のサイズに応じて変化し得る。当業者は、過度の実験を必要とすることなく、特定の式Iの本発明の化合物、又は本発明の当該局所組成物若しくは当該医薬組成物の有効量を経験的に決定することができる。
【0032】
本明細書で使用される場合、「哺乳動物」という用語は、ヒト、マウス、ラット、モルモット、サル、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、及びヒツジを含むが、これらに限定されない。本明細書で使用される場合、「哺乳動物」という用語は、好ましくはヒトを指す。本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、ヒト及び哺乳動物を含むが、これらに限定されない。本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、好ましくはヒトを指す。
【0033】
本明細書で使用される場合、「キット」という用語は、当該キットに含まれる構成要素が、異なる構成要素として互いに物理的に分離可能かつ区別可能に提供されるが、一緒に投与又は使用する目的で一緒に提供又は販売されることを意味する。
【0034】
驚くべきことに、本発明者らは、式Iの本発明の化合物、特に化合物1の生理学的水性リン酸緩衝液(pH7.5)への事実上の非溶解性が示されているにもかかわらず、本発明の局所組成物、特に化合物1を含む本発明の局所組成物を提供することができた。さらに、本発明の局所組成物は、驚くべきことに非常に低濃度の式Iの本発明の化合物、特に化合物1において、皮膚潰瘍を有する全身性強皮症の疾患関連動物モデルであるuPAR欠損マウスにおいて有効性及び改善された創傷治癒を示した。
【0035】
したがって、第1の態様では、本発明は、式I
【化3】

(式中、
は、エチル又はプロピル、好ましくはプロピルであり、
は、メチル又はエチル、好ましくはメチルであり、
は、エチル又はプロピル、好ましくはプロピルであり、
Xは、N又はCH、好ましくはCHであり、
nは、1又は2、好ましくはn=1である)
の化合物、好ましくは有効量の式Iの化合物又はその薬学的に許容され得る塩を含む局所組成物を提供する。
【0036】
別の態様では、本発明は、
(a)式I
【化4】

(式中、
は、エチル又はプロピル、好ましくはプロピルであり、
は、メチル又はエチル、好ましくはメチルであり、
は、エチル又はプロピル、好ましくはプロピルであり、
Xは、N又はCH、好ましくはCHであり、
nは、1又は2、好ましくはn=1である)
の化合物、好ましくは有効量の式Iの化合物又はその薬学的に許容され得る塩と、
(b)溶媒と、
(c)任意に、1つ以上の他の薬学的に許容され得る賦形剤と、を含む局所組成物を提供する。
【0037】
本発明の局所組成物に含まれる式Iの化合物は、当該化合物の薬学的に許容され得る塩を含む。特に、本明細書で使用される場合、「薬学的に許容され得る塩」という用語は、本発明の化合物の薬学的に許容され得る有機又は無機塩、特に酸付加塩を指す。例示的な塩には、塩酸、硫酸、硝酸及びリン酸等の生理学的に許容され得る鉱酸の塩、又はメタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸及びサリチル酸等の有機酸の塩が含まれるが、これらに限定されない。式Iの化合物の薬理学的に許容され得る塩の更なる例は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム又はマグネシウムの塩、アンモニウム塩又は有機塩基の塩、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、エチレンジアミン、リジン、水酸化コリン、メグルミン、モルホリン又はアルギニンの塩である。式Iの化合物の薬学的に許容され得る塩の更なる例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、硝酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩等が挙げられる。
【0038】
一実施形態では、当該Rは、プロピルである。一実施形態では、当該Rは、エチルである。一実施形態では、当該Rは、メチルである。一実施形態では、当該Rは、エチルである。一実施形態では、当該Rは、プロピルである。一実施形態では、当該Rは、エチルである。一実施形態では、当該Xは、Nである。一実施形態では、当該Xは、CHである。一実施形態では、当該nは、1である。一実施形態では、当該nは、2である。
【0039】
一実施形態では、式Iの当該化合物は、以下からなる群から選択される化合物である。
2-[1-(3-{6-[(1E)-(ヒドロキシイミノ)メチル]-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-3H,4H-ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-2-イル}-4-プロポキシベンゼンスルホニル)ピペリジン-4-イル]エチルナイトラート(化合物1);
(E)-2-(2-エトキシ-5-((4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)スルホニル)フェニル)-5-エチル-4-オキソ-7-プロピル-3,4-ジヒドロピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6-カルバルデヒドオキシム(化合物2);
(E)-2-(4-((4-エトキシ-3-(6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-3,4-ジヒドロピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-2-イル)フェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチルナイトラート(化合物3);
(E)-2-(4-((4-エトキシ-3-(5-エチル-6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-4-オキソ-7-プロピル-3,4-ジヒドロピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-2-イル)フェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)エチルナイトラート(化合物4);
(E)-2-(1-((4-エトキシ-3-(6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-3,4-ジヒドロピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-2-イル)フェニル)スルホニル)ピペリジン-4-イル)エチルナイトラート(化合物5);及び
(E)-3-(4-((4-エトキシ-3-(6-((ヒドロキシイミノ)メチル)-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-3,4-ジヒドロピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-2-イル)フェニル)スルホニル)ピペラジン-1-イル)プロピルナイトラート(化合物6).
【0040】
好ましい実施形態では、当該Rはプロピルであり、Rはメチルであり、Rはプロピルであり、XはCHであり、n=1である。したがって、非常に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は、2-[1-(3-{6-[(1E)-(ヒドロキシイミノ)メチル]-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-3H,4H-ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-2-イル}-4-プロポキシベンゼンスルホニル)ピペリジン-4-イル]エチルナイトラート(化合物1)である。好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は、化合物1である。
【化5】
【0041】
非常に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は、化合物1である。
【化6】
【0042】
好ましい実施形態では、式Iの当該化合物、好ましくは当該化合物1は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.000006%(w/w)~約0.03%(w/w)、好ましくは約0.00006%(w/w)~約0.01%(w/w)、より好ましくは約0.0001%(w/w)~約0.01%(w/w)で存在する。
【0043】
更に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、当該化合物1は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.000006%(w/w)~約0.03%(w/w)、好ましくは約0.00006%(w/w)~約0.01%(w/w)、より好ましくは約0.0001%(w/w)~約0.01%(w/w)で存在する。
【0044】
更に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物、好ましくは当該化合物1は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.0001%(w/w)~約0.01%(w/w)で存在する。更に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物、好ましくは当該化合物1は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.00018%(w/w)~約0.006%(w/w)で存在する。更に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物、好ましくは当該化合物1は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.0004%(w/w)~約0.002%(w/w)で存在する。更に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物、好ましくは当該化合物1は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.0005%(w/w)~約0.001%(w/w)で存在する。更に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物、好ましくは当該化合物1は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.0006%(w/w)で存在する。更に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物、好ましくは当該化合物1は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.0006%(w/w)~約0.001%(w/w)で存在する。
【0045】
更に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、当該化合物1は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.0001%(w/w)~約0.01%(w/w)で存在する。更に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、当該化合物1は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.00018%(w/w)~約0.006%(w/w)で存在する。更に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、当該化合物1は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.0004%(w/w)~約0.002%(w/w)で存在する。更に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、当該化合物1は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.0005%(w/w)~約0.001%(w/w)で存在する。更に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、当該化合物1は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.0006%(w/w)で存在する。更に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、当該化合物1は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.0006%(w/w)~約0.001%(w/w)で存在する。
【0046】
更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は、式Iの当該化合物、好ましくは当該化合物1を、約0.01μmol~約50μmol、好ましくは約0.1μmol~約20μmol、更に好ましくは約0.2μmol~約15μmolの量で含む。
【0047】
更に好ましい実施形態では、当ギア局所組成物は、式Iの当該化合物、好ましくは当該化合物1を、約0.1μM~約535μM、好ましくは約1μM~約214μM、更に好ましくは約2μM~約160μMの濃度で含む。
【0048】
更に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、当該局所組成物は、当該化合物1を約0.01μmol~約50μmol、好ましくは約0.1μmol~約20μmol、更に好ましくは約0.2μmol~約15μmolの量で含む。
【0049】
更に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、当該局所組成物は、当該化合物1を約0.1μM~約535μM、好ましくは約1μM~約214μM、更に好ましくは約2μM~約160μMの濃度で含む。
【0050】
更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は、式Iの当該化合物、好ましくは当該化合物1を約0.2μmol~約15μmolの量で含む。更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は、式Iの当該化合物、好ましくは当該化合物1を約0.3μmol~約12μmolの量で含む。更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は、式Iの当該化合物、好ましくは当該化合物1を約0.3μmol~約10μmolの量で含む。更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は、式Iの当該化合物、好ましくは当該化合物1を約0.3μmol~約5μmolの量で含む。更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は、式Iの当該化合物、好ましくは当該化合物1を約0.5μmol~約10μmolの量で含む。更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は、式Iの当該化合物、好ましくは当該化合物1を約0.5μmol~約5μmolの量で含む。更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は、式Iの当該化合物、好ましくは当該化合物1を約0.7μmol~約5μmolの量で含む。更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は、式Iの当該化合物、好ましくは当該化合物1を約0.8μmol~約2μmolの量で含む。更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は、式Iの当該化合物、好ましくは当該化合物1を約1μmolの量で含む。
【0051】
更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は、式Iの当該化合物、好ましくは当該化合物1を約2μM~約160μMの濃度で含む。更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は、式Iの当該化合物、好ましくは当該化合物1を約3μM~約130μMの濃度で含む。更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は、式Iの当該化合物、好ましくは当該化合物1を約3μM~約110μMの濃度で含む。更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は、式Iの当該化合物、好ましくは当該化合物1を約3μM~約55μMの濃度で含む。更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は、式Iの当該化合物、好ましくは当該化合物1を約5μM~約110μMの濃度で含む。更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は、式Iの当該化合物、好ましくは当該化合物1を約5μM~約55μMの濃度で含む。更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は、式Iの当該化合物、好ましくは当該化合物1を約7μM~約55μMの濃度で含む。更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は、式Iの当該化合物、好ましくは当該化合物1を約8μM~約22μMの濃度で含む。更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は、式Iの当該化合物、好ましくは当該化合物1を約10μM~約12μMの濃度で含む。更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は、式Iの当該化合物、好ましくは当該化合物1を約11μMの濃度で含む。
【0052】
更に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、当該局所組成物は、当該化合物1を約0.2μmol~約15μmolの量で含む。更に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、当該局所組成物は、当該化合物1を約0.3μmol~約12μmolの量で含む。更に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、当該局所組成物は、当該化合物1を約0.3μmol~約10μmolの量で含む。更に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、当該局所組成物は、当該化合物1を約0.3μmol~約5μmolの量で含む。更に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、当該局所組成物は、当該化合物1を約0.5μmol~約10μmolの量で含む。更に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、当該局所組成物は、当該化合物1を約0.5μmol~約5μmolの量で含む。更に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、当該局所組成物は、当該化合物1を約0.7μmol~約5μmolの量で含む。更に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、当該局所組成物は、当該化合物1を約0.8μmol~約2μmolの量で含む。更に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、当該局所組成物は、当該化合物1を約1μmolの量で含む。
【0053】
更に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、当該局所組成物は、当該化合物1を約2μM~約165μMの濃度で含む。更に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、当該局所組成物は、当該化合物1を約3μM~約130μMの濃度で含む。更に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、当該局所組成物は、当該化合物1を約3μM~約110μMの濃度で含む。更に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、当該局所組成物は、当該化合物1を約3μM~約55μMの濃度で含む。更に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、当該局所組成物は、当該化合物1を約5μM~約110μMの濃度で含む。更に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、当該局所組成物は、当該化合物1を約5μM~約55μMの濃度で含む。更に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、当該局所組成物は、当該化合物1を約7μM~約55μMの濃度で含む。更に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、当該局所組成物は、当該化合物1を約8μM~約22μMの濃度で含む。更に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、当該局所組成物は、当該化合物1を約10μM~約12μMの濃度で含む。更に好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、当該局所組成物は、当該化合物1を約11μMの濃度で含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、当該局所組成物は、異なる剤形、例えば、溶液、懸濁液、クリーム、軟膏、ローション、ペースト、エマルジョン、フォーム及びゲルに製剤化することができる。
【0055】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は、溶液又はゲルとして製剤化される。好ましい実施形態では、当該局所組成物は、ゲル、好ましくは水性ゲルの形態である。好ましい実施形態では、当該局所組成物は、ゲル、好ましくは水性ゲルである。
【0056】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は、液体局所組成物である。更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は液体局所組成物であり、当該液体局所組成物は溶液又はゲルとして製剤化される。更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は液体局所組成物であり、当該液体局所組成物は溶液として製剤化される。更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は液体局所組成物であり、当該液体局所組成物はゲルとして製剤化される。更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は液体局所組成物であり、当該液体局所組成物は水溶液として製剤化される。更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は液体局所組成物であり、当該液体局所組成物は水溶液として製剤化され、当該溶媒は水を含む。更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は液体局所組成物であり、当該液体局所組成物は水性ゲルとして製剤化される。更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は液体局所組成物であり、当該液体局所組成物は水性ゲルとして製剤化され、当該溶媒は水を含む。
【0057】
更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は液体局所組成物であり、当該液体局所組成物は溶液又はゲルの形態である。更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は液体局所組成物であり、当該液体局所組成物は溶液の形態である。更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は液体局所組成物であり、当該液体局所組成物はゲルの形態である。更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は液体局所組成物であり、当該液体局所組成物は水溶液の形態である。更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は液体局所組成物であり、当該液体局所組成物は水溶液の形態であり、当該溶媒は水を含む。更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は液体局所組成物であり、当該液体局所組成物は水性ゲルの形態である。更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は液体局所組成物であり、当該液体局所組成物は水性ゲルの形態であり、当該溶媒は水を含む。
【0058】
更に好ましい実施形態では、当該局所組成物は液体局所組成物であり、好ましくは、当該液体局所組成物は水性ゲルの形態である。
【0059】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は、PEG 400を含む。好ましい実施形態では、当該局所組成物はゲルの形態であり、当該局所組成物はPEG 400を含む。
【0060】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は、PEG 400を含む。好ましい実施形態では、当該局所組成物はゲルの形態であり、当該局所組成物はPEG 400を含む。
【0061】
好ましい実施形態では、当該溶媒は、PEG 400を含む。好ましい実施形態では、当該局所組成物の当該溶媒はPEG 400を含み、当該PEG 400の量は、局所組成物の総重量に基づいて、約60%~約75%(w/w)、好ましくは約65%~約75%(w/w)、より好ましくは約68%~約72%(w/w)である。更に好ましい実施形態では、当該PEG 400の量は、局所組成物の総重量に基づいて、約60%~約75%(w/w)である。更に好ましい実施形態では、当該PEG 400の量は、局所組成物の総重量に基づいて、約65%~約75%(w/w)である。更に好ましい実施形態では、当該PEG 400の量は、局所組成物の総重量に基づいて、約68%~約72%(w/w)である。更に好ましい実施形態では、当該PEG 400の量は、局所組成物の総重量に基づいて、60%~75%(w/w)である。更に好ましい実施形態では、当該PEG 400の量は、局所組成物の総重量に基づいて、約65%~75%(w/w)である。更に好ましい実施形態では、当該PEG 400の量は、局所組成物の総重量に基づいて、68%~72%(w/w)である。好ましい実施形態では、当該溶媒はPEG 400及び水を含み、当該PEG 400の量は、局所組成物の総重量に基づいて、約60%~約75%(w/w)、好ましくは約65%~約75%(w/w)、より好ましくは約68%~約72%(w/w)である。
【0062】
好ましい実施形態では、当該局所組成物の当該溶媒は、PEG 400を含む。好ましい実施形態では、当該局所組成物はゲル、好ましくは水性ゲルの形態であり、当該溶媒はPEG 400を含む。
【0063】
更に好ましい実施形態では、当該溶媒は、PEG 400を含む。
【0064】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は、PEG 400及び水を含む。非常に好ましい実施形態では、当該局所組成物は水性ゲルの形態であり、当該溶媒はPEG 400及び水を含む。
【0065】
好ましい実施形態では、当該局所組成物の当該溶媒はPEG 400を含み、当該PEG 400の量は、局所組成物の総重量に基づいて、約60%~約75%(w/w)、好ましくは約65%~約75%(w/w)、より好ましくは約68%~約72%(w/w)である。好ましい実施形態では、当該局所組成物は、ゲル、好ましくは水性ゲルの形態であり、当該溶媒はPEG 400を含み、当該PEG 400の量は、局所組成物の総重量に基づいて、約60%~約75%(w/w)、好ましくは約65%~約75%(w/w)、より好ましくは約68%~約72%(w/w)である。
【0066】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は、PEG 400及び水を含む。非常に好ましい実施形態では、当該局所組成物は水性ゲルの形態であり、当該溶媒はPEG 400及び水を含み、当該PEG 400の量は、局所組成物の総重量に基づいて、約60%~約75%(w/w)、好ましくは約65%~約75%(w/w)、より好ましくは約68%~約72%(w/w)である。
【0067】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は、水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液を含む。好ましい実施形態では、当該局所組成物は、ゲルの形態、好ましくは水性ゲルの形態であり、当該局所組成物は、水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液を含む。好ましい実施形態では、当該局所組成物は水性ゲルの形態であり、当該局所組成物は水性リン酸緩衝液を含む。
【0068】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は、PEG 400及び水を含む。非常に好ましい実施形態では、当該局所組成物は水性ゲルの形態であり、当該溶媒はPEG 400及び水を含み、当該PEG 400の量は、局所組成物の総重量に基づいて、約60%~約75%(w/w)、好ましくは約65%~約75%(w/w)、より好ましくは約68%~約72%(w/w)であり、当該局所組成物は水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液を含む。非常に好ましい実施形態では、当該局所組成物は水性ゲルの形態であり、当該溶媒はPEG 400及び水を含み、当該PEG 400の量は、局所組成物の総重量に基づいて、約60%~約75%(w/w)、好ましくは約65%~約75%(w/w)、より好ましくは約68%~約72%(w/w)であり、当該局所組成物は水性リン酸緩衝液を含む。
【0069】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は、約6.5~約7.5のpHの水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液、更に好ましくは約6.5~約7.0のpHの水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液、更により好ましくは約6.7のpHの水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液を含む。好ましい実施形態では、当該局所組成物はゲルの形態、好ましくは水性ゲルの形態であり、当該局所組成物は水性リン酸緩衝液を含み、好ましくは当該局所組成物は、約6.5~約7.5のpHの水性リン酸緩衝液、更に好ましくは約6.5~約7.0のpHの水性リン酸緩衝液、更により好ましくは約6.7のpHの水性リン酸緩衝液を含む。
【0070】
好ましい実施形態では、当該水性緩衝液、好ましくは当該水性リン酸緩衝液は、約10~約15mM、好ましくは約12mMのモル濃度を有する。好ましい実施形態では、当該水性緩衝液は水性リン酸緩衝液であり、当該水性リン酸緩衝液は約10~約15mM、好ましくは約12mMのモル濃度を有する。
【0071】
好ましい実施形態では、当該水性緩衝液、好ましくは当該水性リン酸緩衝液は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約20%(w/w)~約30%(w/w)、好ましくは約22%(w/w)~約28%(w/w)、より好ましくは約25%(w/w)~約28%(w/w)、更により好ましくは約27%(w/w)~約28%(w/w)で存在する。好ましい実施形態では、当該水性リン酸緩衝液は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約20%(w/w)~約30%(w/w)、好ましくは約22%(w/w)~約28%(w/w)、より好ましくは約25%(w/w)~約28%(w/w)、更により好ましくは約27%(w/w)~約28%(w/w)で存在する。
【0072】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は、水性リン酸緩衝液、好ましくは約6.5~約7.5のpHの水性リン酸緩衝液、更に好ましくは約6.5~約7.0のpHの水性リン酸緩衝液、更により好ましくは約6.7のpHの水性リン酸緩衝液を含み、当該水性リン酸緩衝液は、約10~約15mM、好ましくは約12mMのモル濃度を有する。
【0073】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は、水性リン酸緩衝液、好ましくは約6.5~約7.5のpHの水性リン酸緩衝液、更に好ましくは約6.5~約7.0のpHの水性リン酸緩衝液、更により好ましくは約6.7のpHの水性リン酸緩衝液を含み、当該水性リン酸緩衝液は、約10~約15mM、好ましくは約12mMのモル濃度を有し、当該水性リン酸緩衝液は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約20%(w/w)~約30%(w/w)、好ましくは約22%(w/w)~約28%(w/w)、より好ましくは約25%(w/w)~約28%(w/w)、更により好ましくは約27%(w/w)~約28%(w/w)で存在する。
【0074】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は、PEG 400及び水を含む。非常に好ましい実施形態では、当該局所組成物は水性ゲルの形態であり、当該溶媒はPEG 400及び水を含み、当該PEG 400の量は、局所組成物の総重量に基づいて、約60%~約75%(w/w)、好ましくは約65%~約75%(w/w)、より好ましくは約68%~約72%(w/w)であり、当該局所組成物は水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液を含み、当該局所組成物は、約6.5~約7.5のpHの水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液、好ましくは約6.5~約7.0のpHの水性リン酸緩衝液、より好ましくは約6.7のpHの水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液を含む。
【0075】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は、PEG 400及び水を含む。非常に好ましい実施形態では、当該局所組成物は水性ゲルの形態であり、当該溶媒はPEG 400及び水を含み、当該PEG 400の量は、局所組成物の総重量に基づいて、約60%~約75%(w/w)、好ましくは約65%~約75%(w/w)、より好ましくは約68%~約72%(w/w)であり、当該局所組成物は水性リン酸緩衝液を含み、当該局所組成物は、約6.5~約7.5のpHの水性リン酸緩衝液、好ましくは約6.5~約7.0のpHの水性リン酸緩衝液、より好ましくは約6.7のpHの水性リン酸緩衝液を含む。
【0076】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は水性ゲルの形態であり、かつ当該溶媒はPEG 400及び水を含む。
【0077】
好ましい実施形態では、当該PEG 400の量は、局所組成物の総重量に基づいて、約60%~約75%(w/w)、好ましくは約65%~約75%(w/w)、より好ましくは約68%~約72%(w/w)である。
【0078】
好ましい実施形態では、溶媒は、局所組成物の総重量に基づいて、約90%w/w~約99%w/w、好ましくは約95%w/w~約99%w/w、より好ましくは約97%w/w~約98%w/wの濃度で存在する。
【0079】
一実施形態では、当該薬学的に許容され得る賦形剤は、増粘剤、安定剤、酸化防止剤、キレート剤、油性材料、乳化剤、浸透促進剤、pH調整剤、保存剤、抗菌剤、乳白剤、芳香剤、着色剤、ゲル化剤、保湿剤、界面活性剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、当該薬学的に許容され得る賦形剤は、増粘剤、安定剤、酸化防止剤、pH調整剤、保存剤、抗菌剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0080】
一実施形態では、当該局所組成物は、1つ以上の他の薬学的に許容され得る賦形剤を含み、当該薬学的に許容され得る賦形剤は、増粘剤、安定剤、酸化防止剤、キレート剤、油性材料、乳化剤、浸透促進剤、pH調整剤、保存剤、抗菌剤、乳白剤、芳香剤、着色剤、ゲル化剤、保湿剤、界面活性剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、当該局所組成物は、1つ以上の他の薬学的に許容され得る賦形剤を含み、当該薬学的に許容され得る賦形剤は、増粘剤、安定剤、酸化防止剤、pH調整剤、保存剤、抗菌剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0081】
本発明の局所組成物に使用される薬学的に許容され得る賦形剤は、2つ以上の方法で作用することができる。例えば、増粘剤は、ゲル化剤としても機能し得る。
【0082】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は、1つ以上の他の薬学的に許容され得る賦形剤を含み、当該薬学的に許容される賦形剤の1つは増粘剤である。好ましい実施形態では、当該局所組成物は、増粘剤を含む。
【0083】
増粘剤は当業者に公知であり、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、カルボマーポリマー、カルボマー誘導体、マルトデキストリン、ポリデキストロース、デキストレート、カルボキシポリメチレン、ポリビニルアルコール、ポロキサマー及びそれらの混合物を含む。増粘剤は、特に局所組成物の最終粘度によって、例えば処置レジメン中の潰瘍の指尖部指尖部創傷での局所組成物の滞在を確実にし、滞在時間を増加させるのに役立ち得る。
【0084】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は、1つ以上の他の薬学的に許容され得る賦形剤を含み、当該薬学的に許容される賦形剤の1つは増粘剤であり、当該増粘剤は、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒアルロン酸ナトリウム及びポリビニルピロリドンからなる群から選択される。好ましい実施形態では、当該局所組成物は増粘剤を含み、当該増粘剤は、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒアルロン酸ナトリウム及びポリビニルピロリドンからなる群から選択される。
【0085】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、カルボマーポリマー、カルボマー誘導体、マルトデキストリン、ポリデキストロース、デキストレート、カルボキシポリメチレン、ポリビニルアルコール、ポロキサマー又はそれらの混合物から選択される1つ以上の賦形剤を含む。
【0086】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒアルロン酸ナトリウム及びポリビニルピロリドンからなる群から選択される1つ以上の賦形剤を含む。好ましい実施形態では、当該局所組成物は、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒアルロン酸ナトリウム及びポリビニルピロリドンからなる群から選択される1つ以上の賦形剤を含む。
【0087】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は増粘剤を含み、好ましくは、当該増粘剤は、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒアルロン酸ナトリウム及びポリビニルピロリドンからなる群から選択される。
【0088】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は、1つ以上の他の薬学的に許容され得る賦形剤を含み、当該薬学的に許容される賦形剤の1つは増粘剤であり、当該増粘剤はヒドロキシエチルセルロースである。好ましい実施形態では、当該局所組成物は増粘剤を含み、当該増粘剤はヒドロキシエチルセルロースである。
【0089】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は、1つ以上の他の薬学的に許容され得る賦形剤を含み、当該薬学的に許容され得る賦形剤の1つは増粘剤であり、当該増粘剤はヒアルロン酸ナトリウムである。好ましい実施形態では、当該局所組成物は増粘剤を含み、当該増粘剤はヒアルロン酸ナトリウムである。
【0090】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は、1つ以上の他の薬学的に許容され得る賦形剤を含み、当ギア薬学的に許容され得る賦形剤の1つはヒドロキシエチルセルロースである。
【0091】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は1つ以上の他の薬学的に許容され得る賦形剤を含み、当該薬学的に許容され得る賦形剤の1つはヒアルロン酸ナトリウムである。
【0092】
いくつかの実施形態では、増粘剤は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.01%(w/w)~約5%(w/w)、好ましくは約0.05%(w/w)~約2%(w/w)、より好ましくは約0.1%(w/w)~約1%(w/w)で存在する。
【0093】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は1つ以上の他の薬学的に許容され得る賦形剤を含み、当該薬学的に許容される賦形剤の1つは増粘剤であり、当該増粘剤はヒドロキシエチルセルロースであり、当該ヒドロキシエチルセルロースは、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.1%(w/w)~約1%(w/w)、好ましくは約0.1%(w/w)~約0.5%(w/w)、より好ましくは約0.25%(w/w)で存在する。好ましい実施形態では、当該局所組成物は増粘剤であり、当該増粘剤はヒドロキシエチルセルロースであり、当該ヒドロキシエチルセルロースは、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.1%(w/w)~約1%(w/w)、好ましくは約0.1%(w/w)~約0.5%(w/w)、より好ましくは約0.25%(w/w)で存在する。
【0094】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は1つ以上の他の薬学的に許容され得る賦形剤を含み、当該薬学的に許容される賦形剤の1つは増粘剤であり、当該増粘剤はヒアルロン酸ナトリウムであり、当該ヒアルロン酸ナトリウムは、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.1%(w/w)~約1%(w/w)、好ましくは約0.2%(w/w)~約0.8%(w/w)、より好ましくは約0.50%(w/w)で存在する。好ましい実施形態では、当該局所組成物は増粘剤を含み、当該増粘剤はヒアルロン酸ナトリウムであり、当該ヒアルロン酸ナトリウムは、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.1%(w/w)~約1%(w/w)、好ましくは約0.2%(w/w)~約0.8%(w/w)、より好ましくは約0.50%(w/w)で存在する。
【0095】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は、ヒドロキシエチルセルロースを含む。好ましい実施形態では、当該局所組成物はヒドロキシエチルセルロースであり、当該ヒドロキシエチルセルロースは、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.1%(w/w)~約1%(w/w)、好ましくは約0.1%(w/w)~約0.5%(w/w)、より好ましくは約0.25%(w/w)で存在する。
【0096】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は、ヒアルロン酸ナトリウムを含む。好ましい実施形態では、当該局所組成物はヒアルロン酸ナトリウムを含み、当該ヒアルロン酸ナトリウムは、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.1%(w/w)~約1%(w/w)、好ましくは約0.2%(w/w)~約0.8%(w/w)、より好ましくは約0.50%(w/w)で存在する。
【0097】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は、1つ以上の他の薬学的に許容され得る賦形剤を含み、当該薬学的に許容される賦形剤の1つは酸化防止剤である。好ましい実施形態では、当該局所組成物は、酸化防止剤を含む。
【0098】
酸化防止剤は当業者に公知であり、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、ルテイン、リコペン、パルミチン酸レチニル、メタ重亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム五水和物、3,4-ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸プロピル、α-リポ酸、パルミチン酸アスコルビル、ピロ亜硫酸ナトリウム、ユビキノン、セレン、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0099】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は、1つ以上の他の薬学的に許容され得る賦形剤を含み、当該薬学的に許容される賦形剤の1つは酸化防止剤であり、当該酸化防止剤はブチル化ヒドロキシトルエンである。好ましい実施形態では、当該局所組成物は酸化防止剤を含み、当該酸化防止剤はブチル化ヒドロキシトルエンである。
【0100】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、ルテイン、リコペン、パルミチン酸レチニル、メタ重亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム五水和物、3,4-ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸プロピル、α-リポ酸、パルミチン酸アスコルビル、ピロ亜硫酸ナトリウム、ユビキノン、セレン、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の賦形剤を含む。好ましい実施形態では、当該局所組成物は、ブチル化ヒドロキシトルエンを含む。
【0101】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は、酸化防止剤を含み、好ましくは当該酸化防止剤はブチル化ヒドロキシトルエンである。
【0102】
いくつかの実施形態では、酸化防止剤は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.001%(w/w)~約0.1%(w/w)、好ましくは約0.001%(w/w)~約0.01%(w/w)、より好ましくは約0.002%(w/w)~約0.008%(w/w)で存在する。
【0103】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は1つ以上の他の薬学的に許容され得る賦形剤を含み、当該薬学的に許容される賦形剤の1つは酸化防止剤であり、当該酸化防止剤はブチル化ヒドロキシトルエンであり、当該ブチル化ヒドロキシトルエンは、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.001%(w/w)~約0.1%(w/w)、好ましくは約0.001%(w/w)~約0.01%(w/w)、より好ましくは約0.002%(w/w)~約0.008%(w/w)、更により好ましくは約0.006%(w/w)で存在する。好ましい実施形態では、当該局所組成物は酸化防止剤を含み、当該酸化防止剤はブチル化ヒドロキシトルエンであり、当該ブチル化ヒドロキシトルエンは、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.001%(w/w)~約0.1%(w/w)、好ましくは約0.001%(w/w)~約0.01%(w/w)、より好ましくは約0.002%(w/w)~約0.008%(w/w)、更により好ましくは約0.006%(w/w)で存在する。
【0104】
好ましい実施形態では、当該局所組成物はブチル化ヒドロキシトルエンを含み、当該ブチル化ヒドロキシトルエンは、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.001%(w/w)~約0.1%(w/w)、好ましくは約0.001%(w/w)~約0.01%(w/w)、より好ましくは約0.002%(w/w)~約0.008%(w/w)、更により好ましくは約0.006%(w/w)で存在する。
【0105】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は、1つ以上の他の薬学的に許容され得る賦形剤を含み、当該薬学的に許容される賦形剤の1つは保存剤である。好ましい実施形態では、当該局所組成物は、保存剤を含む。
【0106】
保存剤は当業者に公知であり、例えば、ベンジルアルコール、安息香酸、フェノール、m-クレゾール、メチルパラベン、プロピルパラベン、又はそれらの組み合わせを含む。
【0107】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は、1つ以上の他の薬学的に許容され得る賦形剤を含み、当該薬学的に許容される賦形剤の1つは保存剤であり、当該保存剤はベンジルアルコールである。好ましい実施形態では、当該局所組成物は保存剤を含み、当該保存剤はベンジルアルコールである。
【0108】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は、ベンジルアルコール、安息香酸、フェノール、m-クレゾール、メチルパラベン、プロピルパラベン、又はそれらの組み合わせから選択される1つ以上の賦形剤を含む。好ましい実施形態では、当該局所組成物は、ベンジルアルコールを含む。
【0109】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は保存剤を含み、好ましくは当該保存剤はベンジルアルコールである。
【0110】
いくつかの実施形態では、保存剤は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.01%(w/w)~約5%(w/w)、好ましくは約0.1%(w/w)~約5%(w/w)、より好ましくは約1%(w/w)~約3%(w/w)で存在する。
【0111】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は1つ以上の他の薬学的に許容され得る賦形剤を含み、当該薬学的に許容され得る賦形剤の1つは保存剤であり、当該保存剤はベンジルアルコールであり、当該ベンジルアルコールは、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.01%(w/w)~約5%(w/w)、好ましくは約0.1%(w/w)~約5%(w/w)、より好ましくは約1%(w/w)~約3%(w/w)、更により好ましくは約2%(w/w)で存在する。好ましい実施形態では、当該局所組成物は保存剤を含み、当該保存剤はベンジルアルコールであり、当該ベンジルアルコールは、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.01%(w/w)~約5%(w/w)、好ましくは約0.1%(w/w)~約5%(w/w)、より好ましくは約1%(w/w)~約3%(w/w)、更により好ましくは約2%(w/w)で存在する。
【0112】
好ましい実施形態では、当該局所組成物はベンジルアルコールを含み、当該ベンジルアルコールは、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.01%(w/w)~約5%(w/w)、好ましくは約0.1%(w/w)~約5%(w/w)、より好ましくは約1%(w/w)~約3%(w/w)、更により好ましくは約2%(w/w)で存在する。
【0113】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は水性ゲルの形態であり、当該溶媒はPEG 400と水との組み合わせであり、当該PEG 400の量は、局所組成物の総重量に基づいて、約60%~約75%(w/w)、好ましくは約65%~約75%(w/w)、より好ましくは約68%~約72%(w/w)であり、当該局所組成物は、
(i)水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液、更に好ましくはpH約6.5~約7.5の水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液と、
(ii)増粘剤であって、好ましくは当該増粘剤は、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒアルロン酸ナトリウム及びポリビニルピロリドンからなる群から選択され、更に好ましくは当該増粘剤はヒドロキシエチルセルロース又はヒアルロン酸ナトリウムであり、より好ましくは当該増粘剤はヒドロキシエチルセルロースである、増粘剤と、
(iii)酸化防止剤であって、好ましくは当該酸化防止剤はブチル化ヒドロキシトルエンである、酸化防止剤と、
(iv)保存剤であって、好ましくは当該保存剤がベンジルアルコールである、保存剤と、を含む。
【0114】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は水性ゲルの形態であり、当該溶媒はPEG 400と水との組み合わせであり、当該PEG 400の量は、局所組成物の総重量に基づいて、約60%~約75%(w/w)、好ましくは約65%~約75%(w/w)、より好ましくは約68%~約72%(w/w)であり、当該局所組成物は、
(i)水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液、更に好ましくはpH約6.5~約7.5の水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液と、
(ii)カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒアルロン酸ナトリウム又はポリビニルピロリドン、好ましくはヒドロキシエチルセルロース又はヒアルロン酸ナトリウム、より好ましくはヒドロキシエチルセルロースと、
(iii)ブチル化ヒドロキシトルエンと、
(iv)ベンジルアルコールと、を含む。
【0115】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は水性ゲルの形態であり、当該溶媒はPEG 400と水との組み合わせであり、当該PEG 400の量は、局所組成物の総重量に基づいて、約60%~約75%(w/w)、好ましくは約65%~約75%(w/w)、より好ましくは約68%~約72%(w/w)であり、当該局所組成物は、
(i)水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液、更に好ましくはpH約6.5~約7.5の水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液と、
(ii)増粘剤であって、当該増粘剤はヒドロキシエチルセルロース又はヒアルロン酸ナトリウムであり、好ましくは当該増粘剤はヒドロキシエチルセルロースである、増粘剤と、
(iii)酸化防止剤であって、当該参酸化防止剤はブチル化ヒドロキシトルエンである、酸化防止剤と、
(iv)保存剤であって、当該保存剤はベンジルアルコールである、保存剤と、を含む。
【0116】
好ましい実施形態では、当該局所組成物は水性ゲルの形態であり、当該溶媒はPEG 400と水との組み合わせであり、当該PEG 400の量は、局所組成物の総重量に基づいて、約60%~約75%(w/w)、好ましくは約65%~約75%(w/w)、より好ましくは約68%~約72%(w/w)であり、当該局所組成物は、
(i)水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液、更に好ましくはpH約6.5~約7.5の水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液と、
(ii)ヒドロキシエチルセルロース又はヒアルロン酸ナトリウム、好ましくはヒドロキシエチルセルロースと、
(iii)ブチル化ヒドロキシトルエンと、
(iv)ベンジルアルコールと、を含む。
【0117】
好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、
【化7】

当該局所組成物は、当該化合物1を約0.7μmol~約5μmolの量、好ましくは約0.8μmol~約2μmolの量、更に好ましくは約1μmolの量で含み、
当該局所組成物は水性ゲルの形態であり、当該溶媒はPEG 400と水の組み合わせであり、当該PEG 400の量は、局所組成物の総重量に基づいて、約60%~約75%(w/w)、好ましくは約65%~約75%(w/w)、より好ましくは約68%~約72%(w/w)であり、
当該局所組成物は、
(i)水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液、更に好ましくはpH約6.5~約7.5の水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液であって、好ましくは当該水性緩衝液、好ましくは当該水性リン酸緩衝液は、約10~約15mM、好ましくは約12mMのモル濃度を有し、当該水性緩衝液、好ましくは当ギア水性リン酸緩衝液は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約20%(w/w)~約30%(w/w)、好ましくは約22%(w/w)~約28%(w/w)、より好ましくは約25%(w/w)~約28%(w/w)、更により好ましくは約27%(w/w)~約28%(w/w)で存在する、水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液、更に好ましくはpH約6.5~約7.5の水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液と、
(ii)増粘剤であって、当該増粘剤はヒドロキシエチルセルロース又はヒアルロン酸ナトリウムであり、好ましくは当該増粘剤はヒドロキシエチルセルロースであり、好ましくは増粘剤は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.01%(w/w)~約5%(w/w)、好ましくは約0.05%(w/w)~約2%(w/w)、より好ましくは約0.1%(w/w)~約1%(w/w)で存在する増粘剤と、
(iii)酸化防止剤であって、当該酸化防止剤はブチル化ヒドロキシトルエンであり、好ましくは当該酸化防止剤は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.001%(w/w)~約0.1%(w/w)、好ましくは約0.001%(w/w)~約0.01%(w/w)、より好ましくは約0.002%(w/w)~約0.008%(w/w)で存在する、酸化防止剤と、
(iv)保存剤であって、当該保存剤はベンジルアルコールであり、好ましくは当該ベンジルアルコールは、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.01%(w/w)~約5%(w/w)、好ましくは約0.1%(w/w)~約5%(w/w)、より好ましくは約1%(w/w)~約3%(w/w)、更により好ましくは約2%(w/w)で存在する、保存剤と、を含む。
【0118】
好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、
【化8】

当該局所組成物は、当該化合物1を、約7μM~約55μMの濃度で、好ましくは約8μM~約22μMの濃度で、更に好ましくは約10μM~約12μMの濃度で、また更に好ましくは約11μMの濃度で含み、
当該局所組成物は水性ゲルの形態であり、当該溶媒はPEG 400及び水を含み、当該PEG 400の量は、局所組成物の総重量に基づいて、約60%~約75%(w/w)、好ましくは約65%~約75%(w/w)、より好ましくは約68%~約72%(w/w)であり、
当該局所組成物は、
(i)水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液、更に好ましくはpH約6.5~約7.5の水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液であって、好ましくは当該水性緩衝液、好ましくは当該水性リン酸緩衝液は、約10~約15mM、好ましくは約12mMのモル濃度を有し、当該水性緩衝液、好ましくは当ギア水性リン酸緩衝液は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約20%(w/w)~約30%(w/w)、好ましくは約22%(w/w)~約28%(w/w)、より好ましくは約25%(w/w)~約28%(w/w)、更により好ましくは約27%(w/w)~約28%(w/w)で存在する、水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液、更に好ましくはpH約6.5~約7.5の水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液と、
(ii)増粘剤であって、当該増粘剤はヒドロキシエチルセルロース又はヒアルロン酸ナトリウムであり、好ましくは当該増粘剤はヒドロキシエチルセルロースであり、好ましくは増粘剤は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.01%(w/w)~約5%(w/w)、好ましくは約0.05%(w/w)~約2%(w/w)、より好ましくは約0.1%(w/w)~約1%(w/w)で存在する増粘剤と、
(iii)酸化防止剤であって、当該酸化防止剤はブチル化ヒドロキシトルエンであり、好ましくは当該酸化防止剤は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.001%(w/w)~約0.1%(w/w)、好ましくは約0.001%(w/w)~約0.01%(w/w)、より好ましくは約0.002%(w/w)~約0.008%(w/w)で存在する、酸化防止剤と、
(iv)保存剤であって、当該保存剤はベンジルアルコールであり、好ましくは当該ベンジルアルコールは、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.01%(w/w)~約5%(w/w)、好ましくは約0.1%(w/w)~約5%(w/w)、より好ましくは約1%(w/w)~約3%(w/w)、更により好ましくは約2%(w/w)で存在する、保存剤と、を含む。
【0119】
好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、
【化9】

当該局所組成物は、当該化合物1を約0.7μmol~約5μmolの量、好ましくは約0.8μmol~約2μmolの量、更に好ましくは約1μmolの量で含み、
当該局所組成物は水性ゲルの形態であり、当該溶媒はPEG 400と水の組み合わせであり、当該PEG 400の量は、局所組成物の総重量に基づいて、約60%~約75%(w/w)、好ましくは約65%~約75%(w/w)、より好ましくは約68%~約72%(w/w)であり、
当該局所組成物は、
(i)水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液、更に好ましくはpH約6.5~約7.5の水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液であって、好ましくは当該水性緩衝液、好ましくは当該水性リン酸緩衝液は、約10~約15mM、好ましくは約12mMのモル濃度を有し、当該水性緩衝液、好ましくは当ギア水性リン酸緩衝液は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約20%(w/w)~約30%(w/w)、好ましくは約22%(w/w)~約28%(w/w)、より好ましくは約25%(w/w)~約28%(w/w)、更により好ましくは約27%(w/w)~約28%(w/w)で存在する、水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液、更に好ましくはpH約6.5~約7.5の水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液と、
(ii)ヒドロキシエチルセルロース又はヒアルロン酸ナトリウム、好ましくはヒドロキシエチルセルロースであって、好ましくはヒドロキシエチルセルロース又はヒアルロン酸ナトリウムは、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.01%(w/w)~約5%(w/w)、好ましくは約0.05%(w/w)~約2%(w/w)、より好ましくは約0.1%(w/w)~約1%(w/w)で存在する、ヒドロキシエチルセルロース又はヒアルロン酸ナトリウム、好ましくはヒドロキシエチルセルロースと、
(iii)ブチル化ヒドロキシトルエンであって、好ましくはブチル化ヒドロキシトルエンは、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.001%(w/w)~約0.1%(w/w)、好ましくは約0.001%(w/w)~約0.01%(w/w)、より好ましくは約0.002%(w/w)~約0.008%(w/w)で存在する、ブチル化ヒドロキシトルエンと、
(iv)ベンジルアルコールであって、好ましくは当該ベンジルアルコールが、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.01%(w/w)~約5%(w/w)、好ましくは約0.1%(w/w)~約5%(w/w)、より好ましくは約1%(w/w)~約3%(w/w)、更により好ましくは約2%(w/w)で存在する、ベンジルアルコールと、を含む。
【0120】
好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、
【化10】

当該局所組成物は、当該化合物1を、約7μM~約55μMの濃度で、好ましくは約8μM~約22μMの濃度で、更に好ましくは約10μM~約12μMの濃度で、また更に好ましくは約11μMの濃度で含み、
当該局所組成物は水性ゲルの形態であり、当該溶媒はPEG 400及び水を含み、当該PEG 400の量は、局所組成物の総重量に基づいて、約60%~約75%(w/w)、好ましくは約65%~約75%(w/w)、より好ましくは約68%~約72%(w/w)であり、
当該局所組成物は、
(i)水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液、更に好ましくはpH約6.5~約7.5の水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液であって、好ましくは当該水性緩衝液、好ましくは当該水性リン酸緩衝液は、約10~約15mM、好ましくは約12mMのモル濃度を有し、当該水性緩衝液、好ましくは当ギア水性リン酸緩衝液は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約20%(w/w)~約30%(w/w)、好ましくは約22%(w/w)~約28%(w/w)、より好ましくは約25%(w/w)~約28%(w/w)、更により好ましくは約27%(w/w)~約28%(w/w)で存在する、水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液、更に好ましくはpH約6.5~約7.5の水性緩衝液、好ましくは水性リン酸緩衝液と、
(ii)ヒドロキシエチルセルロース又はヒアルロン酸ナトリウム、好ましくはヒドロキシエチルセルロースであって、好ましくはヒドロキシエチルセルロース又はヒアルロン酸ナトリウムは、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.01%(w/w)~約5%(w/w)、好ましくは約0.05%(w/w)~約2%(w/w)、より好ましくは約0.1%(w/w)~約1%(w/w)で存在する、ヒドロキシエチルセルロース又はヒアルロン酸ナトリウム、好ましくはヒドロキシエチルセルロースと、
(iii)ブチル化ヒドロキシトルエンであって、好ましくはブチル化ヒドロキシトルエンは、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.001%(w/w)~約0.1%(w/w)、好ましくは約0.001%(w/w)~約0.01%(w/w)、より好ましくは約0.002%(w/w)~約0.008%(w/w)で存在する、ブチル化ヒドロキシトルエンと、
(iv)ベンジルアルコールであって、好ましくは当該ベンジルアルコールが、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.01%(w/w)~約5%(w/w)、好ましくは約0.1%(w/w)~約5%(w/w)、より好ましくは約1%(w/w)~約3%(w/w)、更により好ましくは約2%(w/w)で存在する、ベンジルアルコールと、を含む。
【0121】
好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、
【化11】

当該局所組成物は、当該化合物1を約0.7μmol~約5μmolの量、好ましくは約0.8μmol~約2μmolの量、更に好ましくは約1μmolの量で含み、
当該局所組成物は水性ゲルの形態であり、当該溶媒はPEG 400と水の組み合わせであり、当該PEG 400の量は、局所組成物の総重量に基づいて、約60%~約75%(w/w)、好ましくは約65%~約75%(w/w)、より好ましくは約68%~約72%(w/w)であり、
当該局所組成物は、
(i)約6.5~約7.5のpHの水性リン酸緩衝液であって、好ましくは当該水性リン酸緩衝液は約10~約15mM、好ましくは約12mMのモル濃度を有し、当該水性リン酸緩衝液は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約20%(w/w)~約30%(w/w)、好ましくは約22%(w/w)~約28%(w/w)、より好ましくは約25%(w/w)~約28%(w/w)、更により好ましくは約27%(w/w)~約28%(w/w)で存在する、約6.5~約7.5のpHの水性リン酸緩衝液と、
(ii)増粘剤であって、当該増粘剤はヒドロキシエチルセルロース又はヒアルロン酸ナトリウムであり、好ましくは当該増粘剤はヒドロキシエチルセルロースであり、増粘剤は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.01%(w/w)~約5%(w/w)、好ましくは約0.05%(w/w)~約2%(w/w)、より好ましくは約0.1%(w/w)~約1%(w/w)で存在する増粘剤と、
(iii)酸化防止剤であって、当該酸化防止剤はブチル化ヒドロキシトルエンであり、当該酸化防止剤は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.001%(w/w)~約0.1%(w/w)、好ましくは約0.001%(w/w)~約0.01%(w/w)、より好ましくは約0.002%(w/w)~約0.008%(w/w)で存在する、酸化防止剤と、
(iv)保存剤であって、当該保存剤はベンジルアルコールであり、当該ベンジルアルコールは、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.01%(w/w)~約5%(w/w)、好ましくは約0.1%(w/w)~約5%(w/w)、より好ましくは約1%(w/w)~約3%(w/w)、更により好ましくは約2%(w/w)で存在する、保存剤と、を含む。
【0122】
好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、
【化12】

当該局所組成物は、当該化合物1を、約7μM~約55μMの濃度で、好ましくは約8μM~約22μMの濃度で、更に好ましくは約10μM~約12μMの濃度で、また更に好ましくは約11μMの濃度で含み、
当該局所組成物は水性ゲルの形態であり、当該溶媒はPEG 400及び水を含み、当該PEG 400の量は、局所組成物の総重量に基づいて、約60%~約75%(w/w)、好ましくは約65%~約75%(w/w)、より好ましくは約68%~約72%(w/w)であり、
当該局所組成物は、
(i)約6.5~約7.5のpHの水性リン酸緩衝液であって、好ましくは当該水性リン酸緩衝液は約10~約15mM、好ましくは約12mMのモル濃度を有し、当該水性リン酸緩衝液は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約20%(w/w)~約30%(w/w)、好ましくは約22%(w/w)~約28%(w/w)、より好ましくは約25%(w/w)~約28%(w/w)、更により好ましくは約27%(w/w)~約28%(w/w)で存在する、約6.5~約7.5のpHの水性リン酸緩衝液と、
(ii)増粘剤であって、当該増粘剤はヒドロキシエチルセルロース又はヒアルロン酸ナトリウムであり、好ましくは当該増粘剤はヒドロキシエチルセルロースであり、増粘剤は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.01%(w/w)~約5%(w/w)、好ましくは約0.05%(w/w)~約2%(w/w)、より好ましくは約0.1%(w/w)~約1%(w/w)で存在する増粘剤と、
(iii)酸化防止剤であって、当該酸化防止剤はブチル化ヒドロキシトルエンであり、当該酸化防止剤は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.001%(w/w)~約0.1%(w/w)、好ましくは約0.001%(w/w)~約0.01%(w/w)、より好ましくは約0.002%(w/w)~約0.008%(w/w)で存在する、酸化防止剤と、
(iv)保存剤であって、当該保存剤はベンジルアルコールであり、当該ベンジルアルコールは、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.01%(w/w)~約5%(w/w)、好ましくは約0.1%(w/w)~約5%(w/w)、より好ましくは約1%(w/w)~約3%(w/w)、更により好ましくは約2%(w/w)で存在する、保存剤と、を含む。
【0123】
好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、
【化13】

当該局所組成物は、当該化合物1を約0.7μmol~約5μmolの量、好ましくは約0.8μmol~約2μmolの量、更に好ましくは約1μmolの量で含み、
当該局所組成物は水性ゲルの形態であり、当該溶媒はPEG 400と水の組み合わせであり、当該PEG 400の量は、局所組成物の総重量に基づいて、約60%~約75%(w/w)、好ましくは約65%~約75%(w/w)、より好ましくは約68%~約72%(w/w)であり、
当該局所組成物は、
(i)約6.5~約7.5のpHの水性リン酸緩衝液であって、好ましくは当該水性リン酸緩衝液は約10~約15mM、好ましくは約12mMのモル濃度を有し、当該水性リン酸緩衝液は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約20%(w/w)~約30%(w/w)、好ましくは約22%(w/w)~約28%(w/w)、より好ましくは約25%(w/w)~約28%(w/w)、更により好ましくは約27%(w/w)~約28%(w/w)で存在する、約6.5~約7.5のpHの水性リン酸緩衝液と、
(ii)増粘剤であって、当該増粘剤はヒドロキシエチルセルロース又はヒアルロン酸ナトリウムであり、好ましくは当該増粘剤はヒドロキシエチルセルロースであり、増粘剤は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.01%(w/w)~約5%(w/w)、好ましくは約0.05%(w/w)~約2%(w/w)、より好ましくは約0.1%(w/w)~約1%(w/w)で存在する増粘剤と、
(iii)酸化防止剤であって、当該酸化防止剤はブチル化ヒドロキシトルエンであり、当該酸化防止剤は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.001%(w/w)~約0.1%(w/w)、好ましくは約0.001%(w/w)~約0.01%(w/w)、より好ましくは約0.002%(w/w)~約0.008%(w/w)で存在する、酸化防止剤と、
(iv)保存剤であって、当該保存剤はベンジルアルコールであり、当該ベンジルアルコールは、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.01%(w/w)~約5%(w/w)、好ましくは約0.1%(w/w)~約5%(w/w)、より好ましくは約1%(w/w)~約3%(w/w)、更により好ましくは約2%(w/w)で存在する、保存剤と、を含む。
【0124】
好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、
【化14】

当該局所組成物は、当該化合物1を、約7μM~約55μMの濃度で、好ましくは約8μM~約22μMの濃度で、更に好ましくは約10μM~約12μMの濃度で、また更に好ましくは約11μMの濃度で含み、
当該局所組成物は水性ゲルの形態であり、当該溶媒はPEG 400及び水を含み、当該PEG 400の量は、局所組成物の総重量に基づいて、約60%~約75%(w/w)、好ましくは約65%~約75%(w/w)、より好ましくは約68%~約72%(w/w)であり、
当該局所組成物は、
(i)約6.5~約7.5のpHの水性リン酸緩衝液であって、好ましくは当該水性リン酸緩衝液は約10~約15mM、好ましくは約12mMのモル濃度を有し、当該水性リン酸緩衝液は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約20%(w/w)~約30%(w/w)、好ましくは約22%(w/w)~約28%(w/w)、より好ましくは約25%(w/w)~約28%(w/w)、更により好ましくは約27%(w/w)~約28%(w/w)で存在する、約6.5~約7.5のpHの水性リン酸緩衝液と、
(ii)増粘剤であって、当該増粘剤はヒドロキシエチルセルロース又はヒアルロン酸ナトリウムであり、好ましくは当該増粘剤はヒドロキシエチルセルロースであり、増粘剤は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.01%(w/w)~約5%(w/w)、好ましくは約0.05%(w/w)~約2%(w/w)、より好ましくは約0.1%(w/w)~約1%(w/w)で存在する増粘剤と、
(iii)酸化防止剤であって、当該酸化防止剤はブチル化ヒドロキシトルエンであり、当該酸化防止剤は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.001%(w/w)~約0.1%(w/w)、好ましくは約0.001%(w/w)~約0.01%(w/w)、より好ましくは約0.002%(w/w)~約0.008%(w/w)で存在する、酸化防止剤と、
(iv)保存剤であって、当該保存剤はベンジルアルコールであり、当該ベンジルアルコールは、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.01%(w/w)~約5%(w/w)、好ましくは約0.1%(w/w)~約5%(w/w)、より好ましくは約1%(w/w)~約3%(w/w)、更により好ましくは約2%(w/w)で存在する、保存剤と、を含む。
【0125】
好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、
【化15】

当該局所組成物は、当該化合物1を約0.7μmol~約5μmolの量、好ましくは約0.8μmol~約2μmolの量、更に好ましくは約1μmolの量で含み、
当該局所組成物は水性ゲルの形態であり、当該溶媒はPEG 400と水の組み合わせであり、当該PEG 400の量は、局所組成物の総重量に基づいて、約60%~約75%(w/w)、好ましくは約65%~約75%(w/w)、より好ましくは約68%~約72%(w/w)であり、
当該局所組成物は、
(i)約6.5~約7.5のpHの水性リン酸緩衝液であって、好ましくは当該水性リン酸緩衝液は約10~約15mM、好ましくは約12mMのモル濃度を有し、当該水性リン酸緩衝液は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約20%(w/w)~約30%(w/w)、好ましくは約22%(w/w)~約28%(w/w)、より好ましくは約25%(w/w)~約28%(w/w)、更により好ましくは約27%(w/w)~約28%(w/w)で存在する、約6.5~約7.5のpHの水性リン酸緩衝液と、
(ii)ヒドロキシエチルセルロース又はヒアルロン酸ナトリウム、好ましくはヒドロキシエチルセルロースであって、ヒドロキシエチルセルロース又はヒアルロン酸ナトリウムは、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.01%(w/w)~約5%(w/w)、好ましくは約0.05%(w/w)~約2%(w/w)、より好ましくは約0.1%(w/w)~約1%(w/w)で存在する、ヒドロキシエチルセルロース又はヒアルロン酸ナトリウム、好ましくはヒドロキシエチルセルロースと、
(iii)ブチル化ヒドロキシトルエンであって、ブチル化ヒドロキシトルエンは、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.001%(w/w)~約0.1%(w/w)、好ましくは約0.001%(w/w)~約0.01%(w/w)、より好ましくは約0.002%(w/w)~約0.008%(w/w)で存在する、ブチル化ヒドロキシトルエンと、
(iv)ベンジルアルコールであって、当該ベンジルアルコールは、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.01%(w/w)~約5%(w/w)、好ましくは約0.1%(w/w)~約5%(w/w)、より好ましくは約1%(w/w)~約3%(w/w)、更により好ましくは約2%(w/w)で存在する、ベンジルアルコールと、を含む。
【0126】
好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、
【化16】

当該局所組成物は、当該化合物1を、約7μM~約55μMの濃度で、好ましくは約8μM~約22μMの濃度で、更に好ましくは約10μM~約12μMの濃度で、また更に好ましくは約11μMの濃度で含み、
当該局所組成物は水性ゲルの形態であり、当該溶媒はPEG 400及び水を含み、当該PEG 400の量は、局所組成物の総重量に基づいて、約60%~約75%(w/w)、好ましくは約65%~約75%(w/w)、より好ましくは約68%~約72%(w/w)であり、
当該局所組成物は、
(i)約6.5~約7.5のpHの水性リン酸緩衝液であって、好ましくは当該水性リン酸緩衝液は約10~約15mM、好ましくは約12mMのモル濃度を有し、当該水性リン酸緩衝液は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約20%(w/w)~約30%(w/w)、好ましくは約22%(w/w)~約28%(w/w)、より好ましくは約25%(w/w)~約28%(w/w)、更により好ましくは約27%(w/w)~約28%(w/w)で存在する、約6.5~約7.5のpHの水性リン酸緩衝液と、
(ii)ヒドロキシエチルセルロース又はヒアルロン酸ナトリウム、好ましくはヒドロキシエチルセルロースであって、ヒドロキシエチルセルロース又はヒアルロン酸ナトリウムは、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.01%(w/w)~約5%(w/w)、好ましくは約0.05%(w/w)~約2%(w/w)、より好ましくは約0.1%(w/w)~約1%(w/w)で存在する、ヒドロキシエチルセルロース又はヒアルロン酸ナトリウム、好ましくはヒドロキシエチルセルロースと、
(iii)ブチル化ヒドロキシトルエンであって、ブチル化ヒドロキシトルエンは、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.001%(w/w)~約0.1%(w/w)、好ましくは約0.001%(w/w)~約0.01%(w/w)、より好ましくは約0.002%(w/w)~約0.008%(w/w)で存在する、ブチル化ヒドロキシトルエンと、
(iv)ベンジルアルコールであって、当該ベンジルアルコールは、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.01%(w/w)~約5%(w/w)、好ましくは約0.1%(w/w)~約5%(w/w)、より好ましくは約1%(w/w)~約3%(w/w)、更により好ましくは約2%(w/w)で存在する、ベンジルアルコールと、を含む。
【0127】
好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、
【化17】

当該局所組成物は、当該化合物1を約0.8μmol~約2μmolの量、好ましくは約1μmolの量で含み、
当該局所組成物は水性ゲルの形態であり、当該溶媒はPEG 400と水の組み合わせであり、当該PEG 400の量は、局所組成物の総重量に基づいて、約60%~約75%(w/w)、好ましくは約65%~約75%(w/w)、より好ましくは約68%~約72%(w/w)であり、
当該局所組成物は、
(i)約6.5~約7.5のpHの水性リン酸緩衝液であって、好ましくは当該水性リン酸緩衝液は約10~約15mM、好ましくは約12mMのモル濃度を有し、当該水性リン酸緩衝液は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約20%(w/w)~約30%(w/w)、好ましくは約22%(w/w)~約28%(w/w)、より好ましくは約25%(w/w)~約28%(w/w)、更により好ましくは約27%(w/w)~約28%(w/w)で存在する、約6.5~約7.5のpHの水性リン酸緩衝液と、
(ii)ヒドロキシエチルセルロースであって、ヒドロキシエチルセルロースは、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.05%(w/w)~約2%(w/w)、好ましくは約0.1%(w/w)~約1%(w/w)で存在する、ヒドロキシエチルセルロースと、
(iii)ブチル化ヒドロキシトルエンであって、ブチル化ヒドロキシトルエンは、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.001%(w/w)~約0.01%(w/w)、好ましくは約0.002%(w/w)~約0.008%(w/w)で存在する、ブチル化ヒドロキシトルエンと、
(iv)ベンジルアルコールであって、当該ベンジルアルコールは、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.1%(w/w)~約5%(w/w)、好ましくは約1%(w/w)~約3%(w/w)、更により好ましくは約2%(w/w)で存在する、ベンジルアルコールと、を含む。
【0128】
好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、
【化18】

当該局所組成物は、当該化合物1を、約8μM~約22μMの濃度で、好ましくは約10μM~約12μMの濃度で、更に好ましくは約11μMの濃度で含み、
当該局所組成物は水性ゲルの形態であり、当該溶媒はPEG 400及び水を含み、当該PEG 400の量は、局所組成物の総重量に基づいて、約60%~約75%(w/w)、好ましくは約65%~約75%(w/w)、より好ましくは約68%~約72%(w/w)であり、
当該局所組成物は、
(i)約6.5~約7.5のpHの水性リン酸緩衝液であって、好ましくは当該水性リン酸緩衝液は約10~約15mM、好ましくは約12mMのモル濃度を有し、当該水性リン酸緩衝液は、当該局所組成物の総重量に基づいて、約20%(w/w)~約30%(w/w)、好ましくは約22%(w/w)~約28%(w/w)、より好ましくは約25%(w/w)~約28%(w/w)、更により好ましくは約27%(w/w)~約28%(w/w)で存在する、約6.5~約7.5のpHの水性リン酸緩衝液と、
(ii)ヒドロキシエチルセルロースであって、ヒドロキシエチルセルロースは、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.05%(w/w)~約2%(w/w)、好ましくは約0.1%(w/w)~約1%(w/w)で存在する、ヒドロキシエチルセルロースと、
(iii)ブチル化ヒドロキシトルエンであって、ブチル化ヒドロキシトルエンは、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.001%(w/w)~約0.01%(w/w)、好ましくは約0.002%(w/w)~約0.008%(w/w)で存在する、ブチル化ヒドロキシトルエンと、
(iv)ベンジルアルコールであって、当該ベンジルアルコールは、当該局所組成物の総重量に基づいて、約0.1%(w/w)~約5%(w/w)、好ましくは約1%(w/w)~約3%(w/w)、更により好ましくは約2%(w/w)で存在する、ベンジルアルコールと、を含む。
【0129】
驚くべきことに、本発明者らは、式Iの本発明の化合物、特に化合物1の生理学的水性リン酸緩衝液(pH7.5)への事実上の非溶解性が示されているにもかかわらず、本発明の局所組成物、特に化合物1を含む本発明の局所組成物を提供することができた。さらに、本発明の局所組成物は、驚くべきことに非常に低濃度の式Iの本発明の化合物、特に化合物1において、皮膚潰瘍を有する全身性強皮症の疾患関連動物モデルであるuPAR欠損マウスにおいて有効性及び改善された創傷治癒を示した。
【0130】
例3に示されるように、化合物1は、生理学的水性リン酸緩衝液(pH7.5)で0.0mg/mlの決定された溶解度、及び更に3.79の計算されたlogP(clogP)値(Faller B and Ertl P,Computational approaches to determine drug solubility,Adv Drug Deliv Rev.(2007)59(7):533-545を参照)の非常に顕著な疎水性を有する不溶性薬物のプロファイルを示す。水溶性は、生物学的膜への薬物アクセスを支配する重要な因子であるため、薬物開発を成功させるための重要な分子特性である。典型的には、非常に可溶性の低い又は全く水溶性でないことは、特に非常に可溶性の低い又は可溶性でない薬物の溶解性挙動の予測不可能性のために、標準的な製剤開発によって補償することができない。不十分な水溶性は、2つの主な要因、すなわちi)高い親油性及びii)強い分子間相互作用によって引き起こされ、それは固体の可溶化をエネルギー的に費用がかかるものにする。
【0131】
例3において更に示されるように、化合物1の溶解度スクリーニングにより、驚くべきことに、PEG 400の有意な優位性が明らかにされ、これにより、特に非常に高濃度のPEG 400において有意な優位性が明らかにされた。更に驚くべきことに、ポリソルベート80及びポロキサマー407等の可溶化のための界面活性剤、典型的には親油性薬物のための良好な可溶化促進剤の使用は、1%で、両方の界面活性剤が溶解度の増加をもたらすが、溶解した薬物の量は直線的に増加しないか、又は高濃度の界面活性剤では全く増加しないという意味で「拮抗効果」を示した。これは非常にまれな知見である。
【0132】
さらに、例4に示すように、本発明の局所組成物は、DU処置における開放創に対する創傷治癒特性に対するいかなる悪影響も実証しなかった。これは、本発明の化合物、特に化合物1だけでなく、本明細書と組み合わせて使用される適用された賦形剤全体にも当てはまる。当該好ましい局所組成物は、関連当局によって局所処置、特にヒト使用のために承認された賦形剤のみを含むため、これは更に注目に値する。さらに、規制承認された賦形剤の当該使用も、許容された定義された濃度に従った。したがって、本発明者らは、許容された濃度内でヒト使用のために忍容され、許可された賦形剤のみを使用して有効な局所組成物を提供することができた。
【0133】
本発明の局所組成物は、PDE5活性及び/又はNO関連内皮機能障害によって媒介される若しくはそれに起因する皮膚の疾患又は障害、特に虚血性皮膚潰瘍、例えば全身性強皮症の指潰瘍(DU)、好ましくは創傷治癒、更に好ましくは慢性創傷治癒、糖尿病性足潰瘍、下肢潰瘍、虚血性動脈性潰瘍、リベド様血管症、マルトレル高血圧虚血性下肢潰瘍、閉塞性血栓血管炎(バージャー病)、鎌状赤血球下肢潰瘍の処置に使用することができる。
【0134】
したがって、更なる態様では、本発明は、対象、好ましくはヒトにおいて、PDE5活性及び/又はNO関連内皮機能障害によって媒介される疾患又は障害、好ましくはPDE5活性及び/又はNO関連内皮機能障害によって媒介される皮膚の疾患又は障害を局所的に処置する方法に使用するための本発明の局所組成物を提供する。好ましくは、当該疾患又は障害は、虚血性皮膚潰瘍、全身性強皮症の指潰瘍(DU)、糖尿病性足潰瘍、下肢潰瘍、虚血性動脈潰瘍、リベド様血管症、マルトレル高血圧虚血性下肢潰瘍、閉塞性血栓血管炎(バージャー病)、鎌状赤血球下肢潰瘍から選択され、前述の全ては、好ましくは創傷治癒のため、更に好ましくは慢性創傷治癒のためである。非常に好ましくは、当該疾患又は障害は、全身性強皮症であり、好ましくは、当該疾患又は障害は、全身性強皮症における指潰瘍である。
【0135】
別の態様では、本発明は、対象、好ましくはヒトの疾患又は障害を局所的に処置する方法に使用するための本発明の局所組成物であって、当該疾患又は障害は、虚血性皮膚潰瘍、全身性強皮症の指潰瘍(DU)、糖尿病性足潰瘍、下肢潰瘍、虚血性動脈潰瘍、リベド様血管症、マルトレル高血圧虚血性下肢潰瘍、閉塞性血栓血管炎(バージャー病)、鎌状赤血球下肢潰瘍から選択され、前述の全ては、好ましくは創傷治癒、更に好ましくは慢性創傷治癒のためのものであり、好ましくは当該疾患又は障害は全身性強皮症であり、また更に好ましくは当該疾患又は障害は全身性強皮症の指潰瘍である、局所組成物を提供する。
【0136】
別の態様では、本発明は、対象、好ましくはヒトにおいて、PDE5活性及び/又はNO関連内皮機能障害によって媒介される疾患又は障害、好ましくはPDE5活性及び/又はNO関連内皮機能障害によって媒介される皮膚の疾患又は障害を処置する方法であって、本発明の局所組成物を当該対象、好ましくは当該ヒトに局所投与することを含む方法を提供する。
【0137】
別の態様では、本発明は、対象、好ましくはヒトにおける疾患又は障害を処置する方法であって、当該疾患又は障害は、虚血性皮膚潰瘍、全身性強皮症の指潰瘍(DU)、糖尿病性足潰瘍、下肢潰瘍、虚血性動脈潰瘍、リベド様血管症、マルトレル高血圧虚血性下肢潰瘍、閉塞性血栓血管炎(バージャー病)、鎌状赤血球下肢潰瘍から選択され、前述の全ては、好ましくは創傷治癒、更に好ましくは慢性創傷治癒のためのものであり、好ましくは当該疾患又は障害は全身性強皮症であり、また更に好ましくは当該疾患又は障害は全身性強皮症の指潰瘍であり、当該方法は、本発明の局所組成物を当該対象、好ましくは当該ヒトに局所投与することを含む、方法を提供する。
【0138】
別の態様では、本発明は、対象、好ましくはヒトにおける、PDE5活性及び/又はNO関連内皮機能障害によって媒介される疾患又は障害、好ましくはPDE5活性及び/又はNO関連内皮機能障害によって媒介される皮膚の疾患又は障害を局所的に処置するための医薬を調製するための本発明の局所組成物の使用であって、当該方法は、本発明の局所組成物を当該対象、好ましくは当該ヒトに局所投与することを含む、使用を提供する。
【0139】
別の態様では、本発明は、対象、好ましくはヒトの疾患又は障害を局所的に処置するための医薬を調製するための本発明の局所組成物の使用であって、当該疾患又は障害は、虚血性皮膚潰瘍、全身性強皮症の指潰瘍(DU)、糖尿病性足潰瘍、下肢潰瘍、虚血性動脈潰瘍、リベド様血管症、マルトレル高血圧虚血性下肢潰瘍、閉塞性血栓血管炎(バージャー病)、鎌状赤血球下肢潰瘍から選択され、前述の全ては、好ましくは創傷治癒、更に好ましくは慢性創傷治癒のためのものであり、好ましくは当該疾患又は障害は全身性強皮症であり、また更に好ましくは当該疾患又は障害は全身性強皮症の指潰瘍であり、当該方法は、本発明の局所組成物を当該対象、好ましくは当該ヒトに局所投与することを含む、使用を提供する。
【0140】
更なる態様では、本発明は、
(i)本発明の局所組成物を含む第1のキット構成要素と、
(ii)当該局所組成物と対象の皮膚、好ましくはヒトの皮膚との間の接触を維持するのに適したパッチ、テープ、被覆材、シート又はデバイスを含む第2のキット構成要素と、を含む、キットを提供する。
【0141】
本発明の局所組成物と対象の皮膚との間の接触を維持するのに適したデバイスとしては、典型的に及び好ましくは、被覆材を含むパッチ、テープ、シート、接着剤若しくは非接着剤パッチ、又はマイクロニードル等の当業者に公知の任意の他の形態が挙げられる。例えば、本発明に適した被覆材、特に創傷被覆材、及び本明細書では好ましくは慢性創傷に適した被覆材が記載され、概説されており(Dabiri G et al,Advances in Wound Care(2016)5(1):32-41;Shi C et al,Front.Bioeng.Biotechnol.(2020)8:182)、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0142】
局所用被覆材は、典型的には、局所送達に重点を置いてパッチを物理的に配置して設計される。局所用被覆材は、接着剤又は非接着剤パッチの形態で局所的な状態を緩和するために使用されるように設計されている。被覆材調製物の例は、親水性ポリマーのヒドロゲル三次元ネットワーク;合成ゴム及び粘着性材料と混合された親水コロイドヒドロゲル;褐藻由来の多糖類からなるアルギネート;ポリウレタンからなるフォーム、又は半透熱性断熱材を有するシリコーンベースのフォーム;典型的には接着剤、多孔質及び薄い透明ポリウレタンからなるフィルムである。被覆材調製物は、任意に、パッチの裏当ての片側に配置された活性化合物、すなわち本発明の式Iの化合物を含む。粘着剤又は非粘着性パッチは、皮膚に適合するのに十分な柔軟性を有し、皮膚刺激が低減され、高い安定性を有する。
【0143】
一実施形態では、当該第2のキット構成要素は、創傷被覆材を含む。
【0144】
なお更なる態様では、本発明は、本発明の局所組成物を調製する方法であって、式Iの化合物を溶媒に溶解することを含み、好ましくは当該溶媒はPEG 400を含み、更に好ましくは当該溶媒はPEG 400及び水を含む本発明の局所組成物を調製する方法を提供する。更に好ましい実施形態では、当該PEG 400の量は、局所組成物の総重量に基づいて、約60%~約75%(w/w)、好ましくは約65%~約75%(w/w)、より好ましくは約68%~約72%(w/w)である。別の好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、当該局所組成物は、当該化合物1を約0.01μmol~約50μmol、好ましくは約0.1μmol~約20μmol、更に好ましくは約0.2μmol~約15μmolの量で、更に好ましくは約0.3μmol~約12μmolの量で、また更に好ましくは約0.3μmol~約10μmolの量で、また更に好ましくは約0.3μmol~約5μmolの量で含む。別の好ましい実施形態では、式Iの当該化合物は化合物1であり、当該局所組成物は、当該化合物1を約0.1μM~約500μM、好ましくは約1μM~約200μM、更に好ましくは約2μM~約150μMの濃度で、更に好ましくは約3μM~約120μMの濃度で、また更に好ましくは約3μM~約100μMの濃度で、また更に好ましくは約3μM~約50μMの濃度で含む。
【0145】

材料:以下の材料を使用して、本明細書に記載の例示的な組成物を調製したが、当該材料はいずれも当業者に公知であり、the American Pharmaceutical Association及びThe Pharmaceutical Society of Great Britain(eds RC Rowe,PJ Sheskey and ME Quinn;Pharmaceutical Press,London,2009)によって共同出版されたHandbook of Pharmaceutical Excipients:ヒドロキシエチルセルロース(HEC;Natrosol 250H);ブチル化ヒドロキシトルエン(Sigma-Aldrich Chemie GmbH);ベンジルアルコール(AppliChem GmbH);PEG 400(Kollisolv PEG E 400;Sigma-Aldrich Chemie GmbH);ヒアルロン酸ナトリウム(Fidia farmaceutici S.p.A.);リン酸二水素ナトリウム無水物(Acros Organics);水酸化ナトリウム(PanReac)に更に詳細に記載されている。
【0146】
式Iの化合物の合成:式Iの化合物及びそれらの合成は、国際公開第2017/085056号に開示されており、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。特に、国際公開第2017/085056号の例31、55、60、63、76及び87は、式Iの好ましい化合物の調製の詳細な説明を含む。具体的には、国際公開第2017/085056号の例31は、以下の例で使用される非常に好ましい式Iの化合物、2-[1-(3-{6-[(1E)-(ヒドロキシイミノ)メチル]-5-メチル-4-オキソ-7-プロピル-3H,4H-ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-2-イル}-4-プロポキシベンゼンスルホニル)ピペリジン-4-イル]エチルナイトラート(化合物1)の合成を開示している。
【0147】
分析HPLC:HPLC-UVを本明細書に記載の例示的な組成物の分析に使用した。組成物中の化合物1の含有量は、所定の許容範囲内であった。
機器:Waters Empower 3 SR3に接続されたAgilent HP 1100
【0148】
分析条件:カラム:Waters Acquity XBridge C18 3.5μm 3.0×50mm、カラム温度:40℃、移動相A:水中0.1%ギ酸、移動相B:アセトニトリル、流量:1.0mL/分、注入量:20μL(単回注入)、検出:波長250nm。
【表1】
【0149】
全ての例示的な組成物は、目視検査により透明なゲル様溶液であり、室温で少なくとも2週間安定であった。
【0150】
粘度測定:ゼロ粘度は、プラトーでの組成物の粘度を表し、これは静止時の粘度を表す。例2A~2Dの例示的な組成物及び組成物ビヒクルのゼロ粘度は、0.8684[Pa*s]の範囲内であり、記載される例示的な組成物及び例2E及び例2Fの組成物ビヒクルのゼロ粘度は、3.6784[Pa*s]の範囲内であった。
【0151】
レオロジー手法:Anton Paar GmbH MCR 102、ソフトウェア:Rheocompass(Anton Paar GmbH)、コーンプレート形状(直径50mm)、5分間の休止期。測定点の持続時間が変化する50個の測定点(対数):100秒の開始値及び0.1秒の終了値。セグメント持続時間:759.862秒。
【0152】
例1
組成物ビヒクルの調製
A.ビヒクル組成物Aの調製
100.0gのビヒクル組成物Aについて、ヒドロキシエチルセルロース(HEC;0.25g)を12mMリン酸緩衝液(pH6.7)に小分けで添加し、増粘剤の溶解のために8℃未満で保存した。ブチル化ヒドロキシトルエン(0.006g)及びベンジルアルコール(2.0g)をPEG 400(70.0g)に添加し、50℃に加熱し、溶解後に冷却した。PEG 400混合物を水性ゲルに添加し(相併合で室温に平衡化し)、均質なゲルが得られるまでスパチュラで撹拌した。
【0153】
リン酸緩衝液の調製:12mMリン酸緩衝液(pH6.7)を、2.83mM NaHPO及び9.17mM NaHPOから構成され、脱塩水、滅菌水中で402mgのNaHPO(MW 142g/mol)を1100mgのNaHPO(MW 120g/mol)に最終容量1000mlまで添加することによって得た。
【0154】
B.ビヒクル組成物Bの調製
100.0gのビヒクル組成物Bについて、ヒアルロン酸ナトリウム(0.5g)を12mMリン酸緩衝液pH6.7に小分けで添加し、増粘剤の溶解のために8℃未満で保存した。ブチル化ヒドロキシトルエン(0.006g)及びベンジルアルコール(2.0g)をPEG 400(70g)に添加し、50℃に加熱し、溶解後に冷却した。PEG 400混合物を水性ゲルに添加し(相併合で室温に平衡化し)、均質なゲルが得られるまでスパチュラで撹拌した。
【0155】
リン酸緩衝液の調製:12mMリン酸緩衝液(pH6.7)を、2.83mM NaHPO及び9.17mM NaHPOから構成され、脱塩水、滅菌水中で402mgのNaHPO(MW 142g/mol)を1100mgのNaHPO(MW 120g/mol)に最終容量1000mlまで添加することによって得た。
【0156】
例2
本発明の組成物の調製
A.局所組成物A1の調製
100.0gの局所組成物A1について、ヒドロキシエチルセルロース(HEC;0.25g)を12mMリン酸緩衝液(pH6.7)に小分けで添加し、増粘剤の溶解のために8℃未満で保存した。ブチル化ヒドロキシトルエン(0.006g)及びベンジルアルコール(2.0g)をPEG 400(70.0g)に添加し、50℃に加熱し、溶解後に冷却した。化合物1(0.00018g;0.3μmol)をPEG 400混合物に溶解した(50℃に15分間加熱し、室温で2時間撹拌した)。PEG 400混合物を水性ゲルに添加し(相併合で室温に平衡化し)、均質なゲルが得られるまでスパチュラで撹拌した。
【0157】
リン酸緩衝液の調製:12mMリン酸緩衝液(pH6.7)を、2.83mM NaHPO及び9.17mM NaHPOから構成され、脱塩水、滅菌水中で402mgのNaHPO(MW 142g/mol)を1100mgのNaHPO(MW 120g/mol)に最終容量1000mlまで添加することによって得た。いずれも、アルミニウム箔又は琥珀ガラス製品を使用して、最小限のUV光曝露で、室内の光を避けて組成物を調製した。
【0158】
B.局所組成物A2の調製
100.0gの局所組成物A2について、ヒドロキシエチルセルロース(HEC;0.25g)を12mMリン酸緩衝液(pH6.7)に小分けで添加し、増粘剤の溶解のために8℃未満で保存した。ブチル化ヒドロキシトルエン(0.006g)及びベンジルアルコール(2.0g)をPEG 400(70.0g)に添加し、50℃に加熱し、溶解後に冷却した。化合物1(0.00061g;1μmol)をPEG 400混合物に溶解した(50℃に15分間加熱し、室温で2時間撹拌した)。PEG 400混合物を水性ゲルに添加し(相併合で室温に平衡化し)、均質なゲルが得られるまでスパチュラで撹拌した。
【0159】
リン酸緩衝液の調製:12mMリン酸緩衝液(pH6.7)を、2.83mM NaHPO及び9.17mM NaHPOから構成され、脱塩水、滅菌水中で402mgのNaHPO(MW 142g/mol)を1100mgのNaHPO(MW 120g/mol)に最終容量1000mlまで添加することによって得た。いずれも、アルミニウム箔又は琥珀ガラス製品を使用して、最小限のUV光曝露で、室内の光を避けて組成物を調製した。
【0160】
C.局所組成物A3の調製
100.0gの局所組成物A3について、ヒドロキシエチルセルロース(HEC;0.25g)を12mMリン酸緩衝液(pH6.7)に小分けで添加し、増粘剤の溶解のために8℃未満で保存した。ブチル化ヒドロキシトルエン(0.006g)及びベンジルアルコール(2.0g)をPEG 400(70.0g)に添加し、50℃に加熱し、溶解後に冷却した。化合物1(0.0018g;3μmol)をPEG 400混合物に溶解した(50℃に15分間加熱し、室温で2時間撹拌した)。PEG 400混合物を水性ゲルに添加し(相併合で室温に平衡化し)、均質なゲルが得られるまでスパチュラで撹拌した。
【0161】
リン酸緩衝液の調製:12mMリン酸緩衝液(pH6.7)を、2.83mM NaHPO及び9.17mM NaHPOから構成され、脱塩水、滅菌水中で402mgのNaHPO(MW 142g/mol)を1100mgのNaHPO(MW 120g/mol)に最終容量1000mlまで添加することによって得た。いずれも、アルミニウム箔又は琥珀ガラス製品を使用して、最小限のUV光曝露で、室内の光を避けて組成物を調製した。
【0162】
D.局所組成物A4の調製
100.0gの局所組成物A4について、ヒドロキシエチルセルロース(HEC;0.25g)を12mMリン酸緩衝液(pH6.7)に小分けで添加し、増粘剤の溶解のために8℃未満で保存した。ブチル化ヒドロキシトルエン(0.006g)及びベンジルアルコール(2.0g)をPEG 400(70.0g)に添加し、50℃に加熱し、溶解後に冷却した。化合物1(0.0061g;10μmol)をPEG 400混合物に溶解した(50℃に15分間加熱し、室温で2時間撹拌した)。PEG 400混合物を水性ゲルに添加し(相併合で室温に平衡化し)、均質なゲルが得られるまでスパチュラで撹拌した。
【0163】
リン酸緩衝液の調製:12mMリン酸緩衝液(pH6.7)を、2.83mM NaHPO及び9.17mM NaHPOから構成され、脱塩水、滅菌水中で402mgのNaHPO(MW 142g/mol)を1100mgのNaHPO(MW 120g/mol)に最終容量1000mlまで添加することによって得た。いずれも、アルミニウム箔又は琥珀ガラス製品を使用して、最小限のUV光曝露で、室内の光を避けて組成物を調製した。
【0164】
E.局所組成物B1の調製
100.0gの局所組成物B1について、ヒアルロン酸ナトリウム(0.5g)を12mMリン酸緩衝液pH6.7に小分けで添加し、増粘剤の溶解のために8℃未満で保存した。ブチル化ヒドロキシトルエン(0.006g)及びベンジルアルコール(2.0g)をPEG 400(70g)に添加し、50℃に加熱し、溶解後に冷却した。化合物1(0.00061g;1μmol)をPEG 400混合物に溶解した(50℃に15分間加熱し、室温で2時間撹拌した)。PEG 400混合物を水性ゲルに添加し(相併合で室温に平衡化し)、均質なゲルが得られるまでスパチュラで撹拌した。
【0165】
リン酸緩衝液の調製:12mMリン酸緩衝液(pH6.7)を、2.83mM NaHPO及び9.17mM NaHPOから構成され、脱塩水、滅菌水中で402mgのNaHPO(MW 142g/mol)を1100mgのNaHPO(MW 120g/mol)に最終容量1000mlまで添加することによって得た。
【0166】
E.局所組成物B2の調製
100.0gの局所組成物B2について、ヒアルロン酸ナトリウム(0.5g)を12mMリン酸緩衝液pH6.7に小分けで添加し、増粘剤の溶解のために8℃未満で保存した。ブチル化ヒドロキシトルエン(0.006g)及びベンジルアルコール(2.0g)をPEG 400(70g)に添加し、50℃に加熱し、溶解後に冷却した。化合物1(0.0061g;10μmol)をPEG 400混合物に溶解した(50℃に15分間加熱し、室温で2時間撹拌した)。PEG 400混合物を水性ゲルに添加し(相併合で室温に平衡化し)、均質なゲルが得られるまでスパチュラで撹拌した。
【0167】
リン酸緩衝液の調製:12mMリン酸緩衝液(pH6.7)を、2.83mM NaHPO及び9.17mM NaHPOから構成され、脱塩水、滅菌水中で402mgのNaHPO(MW 142g/mol)を1100mgのNaHPO(MW 120g/mol)に最終容量1000mlまで添加することによって得た。
【0168】
調製した全ての組成物は透明で均一な低粘度ゲルであり、化合物1は完全に溶解していた。全ての組成物は、ポリマーベースのゲル組成物に典型的な剪断減粘挙動を示した。それらの稠度は、組成物の脱落を防止しながら、創傷部の容易な適用及び広がりを可能にする。
【0169】
例3
溶解度研究
A.化合物1の水への溶解度。
本明細書では、500mgの化合物1を別々の10mLの琥珀色ガラスバイアルに秤量した。5.0mlの溶媒を各バイアルに添加して、約100mg/mLの公称濃度を得た。試料を周囲実験室条件下で24時間撹拌した。撹拌後、各懸濁液のアリコートを1.0μm PTFEメンブレンフィルターで濾過し、0.5mLの上清を別々の250mL琥珀色メスフラスコに正確に移した。フラスコをアセトニトリルで体積に希釈して、0.2mg/mLの公称濃度を得た。各試料溶液中の化合物1の濃度をHPLCにより測定した。各溶液について、HPLCシステムを使用して化合物1の濃度(mg/mL)を決定し、観察された溶解度を希釈係数に基づいて逆算した。
【0170】
緩衝液の調製は以下の通りであった:
リン酸緩衝液(pH7):100mLの0.1Mオルトリン酸二水素カリウムを58.2mLの0.1M水酸化ナトリウム溶液と混合し、1M水酸化ナトリウム溶液で調整した。緩衝液のpHは7.00であった。
【0171】
リン酸緩衝液(pH7.5):100mLの0.1Mオルトリン酸二水素カリウムを58.2mLの0.1M水酸化ナトリウム溶液と混合し、1M水酸化ナトリウム溶液で調整した。緩衝液のpHは7.51であった。
【0172】
リン酸緩衝液(pH8.5):100mLの0.1Mオルトリン酸二水素カリウムを93.4mLの0.1M水酸化ナトリウム溶液と混合し、1M水酸化ナトリウム溶液で調整した。緩衝液のpHは8.50であった。
【0173】
分析HPLC:HPLC-MSを、以下の分析条件:カラム:Halo C18、150mm×4.6mm、2.7μmを用い、機器としてAgilent HPLC UVシステムを使用して、本明細書に記載の化合物1の溶解度の分析に使用した。カラム温度:40℃、移動相A:水/アセトニトリル/トリフルオロ酢酸(95/5/0.1:v/v/v)、移動相B:水/アセトニトリル/トリフルオロ酢酸(5/95/0.05:v/v/v)、注入量:5μL、検出:波長250nm。
【表2】

【表3】
【0174】
化合物1は、生理学的水性リン酸緩衝液(pH7.5)で0.0mg/mlの決定された溶解度、及び更に3.79の計算されたlogP(clogP)値(Faller B and Ertl P,Computational approaches to determine drug solubility,Adv Drug Deliv Rev.(2007)59(7):533-545を参照)の非常に顕著な疎水性を有する不溶性薬物のプロファイルを示す。
【0175】
B.種々の溶媒/溶媒系における化合物1の溶解度スクリーニング。
化合物1の溶解度スクリーニングを行った。表3は、列挙された溶媒又は溶媒系における化合物1の決定された溶解度を示す。一般に、i)極性有機共溶媒、ii)界面活性剤による可溶化、及びiii)特にエマルジョンゲルの基礎として機能し得る油を包含する3つの可能性のあるアプローチ。低モル濃度のpH6.5のリン酸緩衝液をこの塩として使用し、pHは創傷部への適用に適している。スクリーニングした系の得られたpHは約7.3であることに留意されたい。
【表4】
【0176】
確認されるように、化合物1は、顕著な疎水性を有する不溶性又は非常に難溶性の薬物のプロファイルを示す。驚くべきことに、PEG 400のみが許容され得る溶解度データをもたらした。ポリソルベート80及びポロキサマー407等の可溶化のための界面活性剤の使用を、親油性薬物に対するその典型的に良好な可溶化能のために使用した。1%では、両方の界面活性剤が溶解度の増加をもたらし、このアプローチの可能性を強調している。しかし、驚くべきことに、溶解した薬物の量は直線的に増加しなかったか、又は高濃度の界面活性剤では全く増加しなかった。これは非常にまれな知見である。典型的には溶媒濃度と溶解度との間にシグモイド関係を示す共溶媒とは対照的に、界面活性剤は、典型的にはミセルを形成する濃度範囲において線形関係を示す。界面活性剤濃度とともに溶解度が増加しないという観察された現象は、異なる種類の共溶媒及び/又は界面活性剤の明らかな「拮抗作用」とも呼ばれる。これは、示されるように、非常にまれな所見であり、非常にまれにしか見られない。
【0177】
C.PEG 400を含む溶媒系における化合物1の溶解度研究
様々な濃度のPEG 400を含む溶媒系における化合物1の溶解度研究を行った。表4は、PEG 400を含む種々の溶媒系による化合物1の決定された溶解度を示す。
【表5】
【0178】
結果は、より高い濃度のPEG 400での化合物1の溶解度の非常に急激な増加を実証している。得られた非常に急な溶解度曲線を図3に示す。
【0179】
例4
本発明の化合物の局所、創傷部投与、及びインビボでのuPAR-/-マウスの全層切除皮膚創傷の治癒に対するその効果
SSc(皮膚)脈管障害及び線維症の基本的な特徴を再現するウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子受容体欠損(uPAR-/-)マウスは、疾患に関連すると考えられている全身性強皮症の動物モデルである。uPAR-/-マウスは、皮膚内皮細胞のアポトーシス、皮膚の肥厚、コラーゲンの蓄積、皮膚線維症を反映する筋線維芽細胞数の増加を伴う脈管障害を反映する皮膚微小血管の密度の減少及び内皮から間葉への移行を統合する。uPAR-/-は、皮膚及び肺の線維症を誘導及び発症する(Manetti M et al.Ann Rheum Dis.(2014)73:1700-1709;Manetti M et al Ann Rheum Dis.(2017)76:924-934;Schniering J et al.,(2019)In Atlas of Ulcers in Systemic Sclerosis.Diagnosis and Management.Matucci-Cerinic M and Denton CP(eds).Springer,Cham,Switzerland,pp.27-37)。
【0180】
uPAR-/-マウスをヘテロ接合体(uPAR+/-;ドイツ、ミューンスター大学トランスレーショナル神経科及び神経科クリニックから入手)の交配から飼育した。仔マウスを遺伝子型分類し、uPAR-/-マウスをメンデル頻度で得た。背側正中線に対して対称的に、2つの全層切除皮膚創傷(28.3mmの面積に対応する直径6mm)を作製した。この目的のために、手術の前日に、マウスをイソフルランで麻酔し、Veet(登録商標)脱毛クリーム及びバリカンを使用してその背部を剃毛した。翌日、術前鎮痛を、0.1mg/kgのブプレノルフィン及び5mg/kgのケトプロフェンからなる手術の30分前に投与した。動物をイソフルランで麻酔した。生検パンチと、背部正中線から左右に少なくとも10mmの同一の距離を有するハサミとを使用して、それぞれ直径6mmの全層創傷(表皮、真皮、皮下組織、皮筋層(panniculus carnosus)を含む;深さ約500μm)を2つ作製した。創傷収縮を最小限に抑えるために、シリコンスプリント(Grace Bio-Labsシリコーン創傷スプリント、縫合部位で赤色、外径×内径×厚さ14mm×7mm×0.5mm)を用いて創傷をスプリントした。スプリントを、6つの中断された外科用縫合糸(6/0ポリアミド-エチロン)及びSuperglue(エチル2-シアノアクリレート接着剤)(Park SA et al.Wound Repair Regen.(2014)22(3):368-380;Park SA et al.Wound Repair Regen.(2015)23(2):251-261)を使用して所定の位置に保った。
【0181】
皮膚潰瘍及びスプリントを、不織接着剤被覆材(Hypafix(登録商標)(Smith&Nephew))及び半閉塞接着性透明被覆材(Tegaderm(商標)、(3M(商標)))を使用して維持したプラスチックカバーを使用して保護した。ケトプロフェン(5mg/kg)及びブプレノルフィン(0.05mg/kg)を3日間投与し、次いで、必要に応じてブプレノルフィン(0.05mg/kg)を投与した。皮膚潰瘍の推定体積は、28.3mm面積×0.5mm深さ=14.15mm又は14.15μlであった。
【0182】
この計算に基づいて、創傷領域が元のサイズの>50%であった場合に創傷あたり25μlの用量体積が適切であり、この用量体積は、元のサイズの50%以下になった日から12.5μlに減少された。マウスあたり約20gの平均体重を考慮すると、体重あたりの用量は、創傷サイズが少なくとも半分になったとき、最初に0.75μg/kgの化合物1(局所組成物A2の形態)、並びにビヒクル組成物A、続いて0.37μg/kgの化合物1(局所組成物A2の形態)、並びにビヒクル組成物Aであった。
【0183】
本発明の組成物及び組成物ビヒクルを、短いイソフルラン全身麻酔下で個々のマウスの両方の創傷に同一の処置で1日1回投与した。この目的のために、被覆材を除去した後、生理食塩水を使用して潰瘍を洗浄し、フィブリン組織又は痂皮を除去した。本発明の組成物及び組成物ビヒクルをソフトピペッティングによって添加し、創傷を前述の被覆材を使用して直ちに閉じた。
【0184】
群は、(i)ビヒクル組成物AによるuPAR+/+(野生型)マウス、(ii)ビヒクル組成物AによるuPAR-/-マウス、(iii)局所組成物A2によるuPAR-/-マウスであった。
【0185】
処置を、0日目として定義される手術の日に開始し、12~14日目に創傷閉鎖まで1日1回継続した。潜在的な処置効果を記録するために、ステレオ顕微鏡に固定されたデジタルカメラ(Sony 6400)を使用して創傷部を毎日撮影した。創傷部1つあたり1日に3枚の高解像度写真を撮影した。創傷領域を、Image Jソフトウェアによって記録された高解像度写真からオフラインで測定した。各潰瘍の画像J分析を少なくとも2回分析した。創傷部及び手術後の観察日ごとに、1つの潰瘍領域について合計4~6回のImage J分析を行った。
【0186】
4~6つの値の平均を最終的な要約分析に含め、以下の式(Park SA et al.Wound Repair Regen.(2014)22(3):368-380)に従って創傷閉鎖%の計算に使用した:
【数1】

(式中、UAは観察0日目の潰瘍領域であり、UAは観察日k(0≦k≦14)の潰瘍領域である)。
【0187】
反復投薬後、1日1回の創傷部投与で、局所組成物A2及びビヒクル組成物Aの両方が安全で忍容性が高かった。12~14日間の処置期間にわたって処置下で発現する局所的又は全身的な有害作用は観察されず、0日目と比較した体重変化に関して、8日目までの局所組成物A2とビヒクル組成物Aの群間に有意差はなかった。
【0188】
uPAR-/-マウスの皮膚創傷の治癒遅延及び局所創傷部投与された局所組成物A2に対する局所の効果を示す、創傷閉鎖の主要有効性分析の結果を図1A及び図1B、並びに表5に要約する。
【0189】
計算された創傷閉鎖%は、両方とも1日1回、ビヒクル組成物Aで創傷部処置したuPAR-/-野生型マウスと比較して、uPAR+/+マウスでは少なかった。uPAR-/-マウスとuPAR+/+マウスとの間の創傷閉鎖%のこの差は、観察3日目~8日目で有意であった。創傷治癒が遅延した。例えば、uPAR+/+マウスでは5日目に約46%の創傷閉鎖が観察されたが、uPAR-/-マウスでは7日目に観察された。uPAR+/+マウスでは約60%の創傷閉鎖が6日目に見出されたのに対し、uPAR-/-マウスでは8日目に見出された。
【0190】
uPAR-/-マウスへの局所組成物A2の反復投薬、1日1回、局所、創傷部投与の後(最初に25μl、次いで創傷サイズが元のサイズの50%以下の日から12.5μlの用量体積で)、創傷閉鎖%は、ビヒクル組成物Aと比較した場合、観察5日目から8日目まで有意に改善された。5日目から8日目までの創傷閉鎖%の平均に基づいて、創傷閉鎖は、ビヒクルに対して化合物1で約1日加速されたように見えた(表5)。
【表6】
【0191】
最後に、図1及び表5に示すデータに基づいて、創傷閉鎖%に対する効果曲線下面積(AUEC)を計算した。
【表7】
【0192】
AUECを、図1の表5に示されるデータに基づいて計算した(GraphPad Prism 9.0)。簡潔には、0日目と7日目の間のAUECを、R-Studioを使用して各創傷について計算した(AUEC計算は、群あたり少なくとも6つの創傷からの個々のAUEC曲線が分析に含まれることを保証するために0日目~7日目に限定した)。群ごとにQQplots及びShapiro検定を使用して正常性の仮定を評価し(uPAR-/-、局所組成物A2;uPAR-/-、ビヒクル組成物A;uPAR+/+、ビヒクル組成物Aについて、それぞれ、p.値0.1933;0.3633;0.07)、Levene検定を使用して分散の均一性の仮定を行った(p.値=0.702)。ANOVAは統計学的に有意であったF(2.26)=11.765、p<0.001。事後検定を、ボンフェローニ補正を使用して補正した(n=3)。(i)uPAR+/+、ビヒクルとuPAR-/-、ビヒクルとの間、及び(ii)uPAR-/-、ビヒクルとuPAR-/-、局所組成物A2との間の比較について表6に示すP値は、ボンフェローニ補正による事後試験からのものである。
【0193】
創傷閉鎖%のAUECは、uPAR-/-マウスと比較してuPAR+/+マウスで有意に低く、uPAR欠損マウスの創傷治癒の遅延と一致していた。第2に、ビヒクルと比較して、化合物1は、uPAR-/-マウスにおいて創傷閉鎖%についてAUECの有意な増加をもたらし、化合物1によって引き起こされる創傷治癒の改善を確認した。数値的には、uPAR欠損に関連する創傷閉鎖遅延の約半分が化合物1によって回復した(表6)。
【0194】
化合物1の局所、創傷部投与後の全身曝露に対処するために、サテライト研究において、化合物1の血漿中濃度を測定した。この目的のために、8匹の雄C57BL/6Jマウス(12週齢、体重26.8±0.4 g(平均±SD))に、上記と同一の手順で、1つの全層切除皮膚創傷を作製するための手術を行った。uPAR-/-マウスの入手可能性が限られているため、C57BL/6Jマウスで試験を行った。前述のように、化合物1(局所組成物A2の形態)を25μlの用量体積で単回用量として創傷に添加した。体重に関連する用量は約0.565μg/kg(マウスあたり合計25μlの1μM化合物1から)であった。末梢静脈血を、化合物1の投与後(分)1、5、15、30、60の時点で4匹のマウスにおいて、及び化合物1の投与後(時間)1、2、4、6、24の時点で別の4匹のマウスにおいて尾先端から(又は最終サンプリングのための心臓穿刺によって)サンプリングした。血漿を生成し、LC-MS/MSによって化合物1を測定した。化合物1のLLOQは、1.32nMに相当する800pg/mlであった。血漿化合物1は、全ての時点及びマウスにおいてLLOQ(すなわち、<1.32nM)未満のままであった。化合物1について0.08%の非結合画分(fu)を有するマウスにおける化合物1の血漿タンパク質結合を考慮すると、非結合血漿中濃度は、化合物1については1.06pM未満であるべきであり、これは、用量直線性の仮定の下で、主要有効性試験において行われたように、マウスあたり2つの創傷への投与に外挿された場合の化合物1については2.12pM未満に相当する。これらの値は、化合物1のIC50値(1.18nM)及びラット大動脈リングの弛緩のためのIC40値(化合物1、8pMでのIC40)よりもはるかに小さい。これらの知見に基づいて、全身曝露ではなく局所曝露は、この試験で観察された局所、創傷部化合物1の創傷治癒の改善を説明するはずである。
【0195】
結論として、SScの疾患関連動物モデルとして認められているuPAR-/-マウスでは、uPAR+/+野生型マウスと比較して遅延した全層切除皮膚創傷の治癒は、局所組成物A2の形態の化合物1の1日1回の局所投与によって改善された。全身曝露ではなく局所曝露は、局所化合物1処置後の創傷治癒の改善を説明する。
【0196】
例5
インビボでのC57Bl/6Jマウスの全層切除皮膚創傷における潰瘍コア灌流に対する本発明の化合物の局所投与及びその効果
C57Bl/6Jマウスの全層切除皮膚創傷の潰瘍コアの灌流に投与した場合の単回用量の局所組成物A2、局所組成物A4、及びビヒクル組成物Aの効果を調べた。したがって、局所組成物A2及びA4を創傷部あたり25μlの用量体積で適用した。各個々のマウスは、直径8mmのパンチ生検デバイスを使用して、背側正中線に対して対称に位置する2つの創傷の手術を受けた。
【0197】
局所組成物A2及びA4、又はビヒクル組成物Aを、盲検プロトコルの下で一方又は他方の創傷にランダムに投与した。この手順は、化合物1とその組成物ビヒクルとの間の個体内比較を可能にした。潰瘍コア並びに潰瘍周囲領域の灌流を、Perimedデバイスを使用してレーザスペックルコントラストイメージング(LSCI)/レーザスペックルコントラスト分析(LASCA)によって別々に測定した。SScにおける指潰瘍のLASCA創傷灌流測定値は、治癒までの時間と相関することが以前に示された(Barsotti S et al Clin Rheumatol.(2020)39(1):69-75)。
【0198】
詳細には、局所組成物A2及びA4又はビヒクル組成物Aの単回適用(それぞれ、創傷あたり25μlの体積)を、8mmのパンチ生検によって及び背側正中線に対して対称的に作製したマウスあたり2つの全層皮膚創傷の右側又は左側のいずれかに、手術の24時間後にランダムに投与した。灌流をLSCIによって測定し、局所組成物A2及びA4又はビヒクル組成物Aの投与前に任意の灌流単位(PU)として記録して、ベースライン(PU)並びに投与後6分から33分の時点(t)で3分間隔で灌流を決定し、続いて60分、120分及び240分で測定した(6≦t≦240のPU)。
【0199】
2種類のデータ解析の結果を図2A及び図2Bに示す。適用された全ての組成物は忍容性が高かった。局所又は全身の有害事象は報告されなかった。全ての分析において、化合物1組成物、すなわち局所組成物A2及びA4による優れた潰瘍コア灌流は、測定のほぼ全ての時点でビヒクル組成物Aと比較して傾向があった。ΔΔΔPU(Cpd 1corr-VEHcorr)分析では、それぞれ60分及び30分で試験した化合物1組成物の両方について、tに対する有意性が見出されたが、効果曲線下面積又は潰瘍周囲領域からの面積の計算を含む他のいかなる分析でも見出されなかった。まとめると、これらの所見は、ビヒクル組成物Aに製剤化された化合物1の局所、創傷部投与が、健康なC57Bl/6Jマウスにおける(急性)全層切除皮膚創傷からの潰瘍コアの灌流を増加させることを実証している。
【0200】
例6
本発明の局所組成物を使用した7日間の回復を伴うGottingenミニブタにおける7日間の皮膚創傷GLP毒性研究
7日間の回復を伴う7日間の皮膚創傷GLP毒性試験において、Gottingenミニブタを、ビヒクル組成物A中に配合された化合物1(6μM、24μM及び96μMの濃度)、及びビヒクル組成物A単独(対照として)で処置する。本明細書では、本発明の局所組成物及びビヒクル組成物を、7日間にわたって1日1回、経皮的に局所適用し、続いて作製された創傷部位及び無傷の皮膚部位(8つの処置部位)に7日間の回復期間を適用する。
【0201】
麻酔/精神安定/鎮痛薬。動物には、創傷作製前に鎮痛剤を事前に投与する。動物を注射麻酔薬で鎮静させ、必要に応じてフェイスマスクを介して投与されるイソフルランで補充してもよい。手術後、麻酔用拮抗薬を投与してもよい。鎮痛薬は、創傷作製の日の後に最大5回投与され、処置期間中に必要に応じて投与される。鎮痛薬には、オピオイド及び/又はNSAIDが含まれてもよい。感染の可能性を低減するための適切な抗生物質を、1日目に創傷作製前に投与し、3日目及び5日目に再び投与する。処置の開始前に、全層創傷を各動物に作製する(創傷タイプ=1cmのパンチ生検)。皮膚適用後、創傷部位を包帯で覆う。用量投与時に包帯を交換する。
【0202】
評価及び測定。死亡率/罹患率(1日2回);ケージ側観察(毎日);詳細な観察(投薬の1週間前開始して毎週);ドレイズ皮膚スコアリング(毎日);体重(毎週);食物消費量(毎日、定性的)。創傷部評価(各用量の前及び終了時)。創傷領域を、炎症の存在、肉芽組織、創傷部測定値、創傷部周囲の皮膚の状態、及び/又は滲出液の存在について、各被覆材交換時に評価する。炎症は、修正ドレイズスコアリング基準に従ってスコア化される。写真撮影(各投与前及び終了時)。各試験動物の試験部位のデジタル写真を個別に撮影する。各写真に関連する研究番号、動物番号、試験部位及び研究間隔は、日付とともに写真の領域内のケージカード又はラベルに表示される。デジタルカメラを、カメラを保持するスタンドを使用して、全ての動物を同じ距離、同じ向き、同じ解像度で写真内のミリメートルのルーラで撮影して、画像の拡大のためのゲージを提供するように位置決めする。カメラレンズから各ミニブタのパンチ穴部位までの距離を記録する。
【0203】
毒物動態学的試料収集。1日目及び7日目:Cmax、tmax、AUC、単一の分析物及び2つの代謝産物に対する用量比例性及び単一用量経路等の毒物動態学的パラメータの評価。6つの時点で全ての動物から試料を採取する。
【0204】
評価。8日目(主)又は15日目(回復)。肉眼検査、臓器重量及び組織保持。さらに、組織病理検査(主及び回復)-全ての動物(処置及び未処置皮膚部位を含む標準組織)。形態測定:各ミニブタの各パンチの測定を行い、標準パラメータを使用してパンチ穴のおおよそのサイズ(開放領域の周囲、開放パンチ穴の最長直径、及び最長直径に垂直な直径を測定することを含む)を決定する。特に、写真の時点で開いたままである創傷部位の面積(mm)が決定される。測定されたパンチ穴面積の減少は、1日目の測定値に対して計算され、各時点での各部位の閉鎖パーセントとして表される。群平均を、処置群によって、並びに測定及び計算されたパラメータについての時点によって計算する。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
【国際調査報告】