(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】高圧接続機構、電気エネルギー伝送装置及び自動車
(51)【国際特許分類】
H01R 13/6581 20110101AFI20240927BHJP
H01R 13/703 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H01R13/6581
H01R13/703
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518260
(86)(22)【出願日】2022-09-30
(85)【翻訳文提出日】2024-03-21
(86)【国際出願番号】 CN2022123143
(87)【国際公開番号】W WO2023051765
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】202111167061.3
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122400679.1
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522388383
【氏名又は名称】長春捷翼汽車科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Changchun JETTY Automotive Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 957, Shunda Road, High-tech Development Zone, Chaoyang District Changchun City, Jilin Province, 130000, China
(74)【代理人】
【識別番号】100230086
【氏名又は名称】譚 粟元
(72)【発明者】
【氏名】王 超
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA09
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB07
5E021FB20
5E021FC21
5E021FC32
5E021FC38
5E021KA08
5E021LA09
5E021LA18
5E021MA20
5E021MA25
(57)【要約】
本発明は、高圧接続機構、電気エネルギー伝送装置及び自動車を提供し、高圧接続機構は、第1のケーブルと、プラグイン端子と、第1のケーブル及びプラグイン端子と一体に成形されたオス端ハウジングと、オス端ハウジングの外に設けられるオス端遮蔽ケースとを含むオス端接続機構と、プラグイン端子と、第2のケーブルと、プラグイン端子及び第2のケーブルと一体に成形されたメス端ハウジングと、メス端ハウジングの外に設けられるメス端遮蔽ケースとを含むメス端接続機構とを含み、オス端接続機構及びメス端接続機構は、プラグイン端子及び嵌合端子によって電気的に接続され、オス端ハウジングは、メス端ハウジングに組立接続され、オス端遮蔽ケースは、メス端遮蔽ケースに組立接続される。オス端遮蔽ケースとメス端遮蔽ケースとのプラグイン係合及び該両方とケーブル遮蔽層との電気的接続により、高圧接続機構内部の電磁干渉を効果的に遮蔽し、他の機器への電磁干渉を低減させることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オス端接続機構とメス端接続機構とを含む高圧接続機構であって、
前記オス端接続機構は、第1のケーブルと、プラグイン端子と、前記第1のケーブル及び前記プラグイン端子と一体に成形されたオス端ハウジングと、前記オス端ハウジングの外に設けられるオス端遮蔽ケースとを含み、前記メス端接続機構は、嵌合端子と、第2のケーブルと、前記嵌合端子及び前記第2のケーブルと一体に成形されたメス端ハウジングと、前記メス端ハウジングの外に設けられるメス端遮蔽ケースとを含み、前記オス端接続機構及び前記メス端接続機構は、前記プラグイン端子及び前記嵌合端子によって電気的に接続され、前記オス端ハウジングは、前記メス端ハウジングに接続され、前記オス端遮蔽ケースは、前記メス端遮蔽ケースに接続される、ことを特徴とする高圧接続機構。
【請求項2】
前記第1のケーブルは、少なくとも一部が前記オス端遮蔽ケースの少なくとも一部に電気的に接続される第1の遮蔽層を含み、前記第2のケーブルは、少なくとも一部が前記メス端遮蔽ケースの少なくとも一部に電気的に接続される第2の遮蔽層を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の高圧接続機構。
【請求項3】
前記オス端遮蔽ケースは、第1の遮蔽装置を含み、前記第1のケーブルは、第1の遮蔽層を含み、前記第1の遮蔽装置は、前記第1の遮蔽層の少なくとも一部の外周に設けられており、前記第1の遮蔽層は、前記第1の遮蔽装置を介して前記オス端遮蔽ケースに電気的に接続され、前記メス端遮蔽ケースは、第2の遮蔽装置を含み、前記第2のケーブルは、第2の遮蔽層を含み、前記第2の遮蔽装置は、前記第2の遮蔽層の少なくとも一部の外周に設けられており、前記第2の遮蔽層は、前記第2の遮蔽装置を介して前記メス端遮蔽ケースに電気的に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の高圧接続機構。
【請求項4】
前記オス端遮蔽ケースの内面に第1の導電メタルドームが設けられており、前記第1のケーブルは、第1の遮蔽層を含み、前記第1の導電メタルドームは、前記第1の遮蔽層に接続され、前記第1の導電メタルドームは、前記第1の遮蔽層に圧力を印加し、前記メス端遮蔽ケースの内面に第2の導電メタルドームが設けられており、前記第2のケーブルは、第2の遮蔽層を含み、前記第2の導電メタルドームは、前記第2の遮蔽層に接続され、前記第2の導電メタルドームは、前記第2の遮蔽層に圧力を印加する、ことを特徴とする請求項1に記載の高圧接続機構。
【請求項5】
前記第1の導電メタルドームが前記第1の遮蔽層に印加する押上げ力の範囲は、0.3N~95Nであり、前記第2の導電メタルドームが前記第2の遮蔽層に印加する押上げ力の範囲は、0.3N~95Nである、ことを特徴とする請求項4に記載の高圧接続機構。
【請求項6】
前記第1のケーブルは、第1の遮蔽層を含み、前記オス端遮蔽ケースと前記第1の遮蔽層との間のインピーダンスは、80mΩ未満であり、前記第2のケーブルは、第2の遮蔽層を含み、前記メス端遮蔽ケースと前記第2の遮蔽層との間のインピーダンスは、80mΩ未満である、ことを特徴とする請求項1に記載の高圧接続機構。
【請求項7】
前記オス端遮蔽ケース又は前記メス端遮蔽ケースのトランスインピーダンスは、100mΩ未満である、ことを特徴とする請求項1に記載の高圧接続機構。
【請求項8】
前記プラグイン端子は、順に設けられた第1の固定部及びプラグイン部を含み、前記第1の固定部は、前記第1のケーブルの導電部分に電気的に接続され、前記プラグイン部は、シート状であるか、又は第1の挟持溝を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の高圧接続機構。
【請求項9】
前記プラグイン部は、シート状であり、前記プラグイン部の少なくとも一部は、前記オス端ハウジングから突出し、又は、前記オス端ハウジングは、第1の収容キャビティを有し、前記プラグイン部の少なくとも一部は、前記第1の収容キャビティの底面から突出するが、前記オス端ハウジングを超えない、ことを特徴とする請求項8に記載の高圧接続機構。
【請求項10】
前記第1の挟持溝の少なくとも一部は、前記オス端ハウジングの外壁から突出され、又は、前記オス端ハウジングに第1の開口ボスが設けられており、前記プラグイン部の少なくとも一部は、前記第1の開口ボス内に設けられている、ことを特徴とする請求項8に記載の高圧接続機構。
【請求項11】
前記オス端遮蔽ケースは、少なくとも一部の前記オス端ハウジングを被覆し、前記オス端遮蔽ケースは、開口を有し、前記プラグイン部は、前記開口から延出されるか、又は前記開口内に位置する、ことを特徴とする請求項8に記載の高圧接続機構。
【請求項12】
前記オス端接続機構は、少なくとも一部が前記オス端ハウジング内に一体に射出成形されるインターロックコネクタを含む、請求項1に記載の高圧接続機構。
【請求項13】
前記嵌合端子は、順に設けられた第2の固定部及び嵌合部を含み、前記第2の固定部は、前記第2のケーブルの導電部分に電気的に接続され、前記嵌合部は、シート状であるか、又は第2の挟持溝を有し、前記プラグイン端子は、順に設けられた第1の固定部及びプラグイン部を含み、前記嵌合部は、前記プラグイン部に電気的に接続され、前記プラグイン部は、シート状であるか、又は第1の挟持溝を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の高圧接続機構。
【請求項14】
前記第1の挟持溝又は前記第2の挟持溝の外周に、材質が記憶合金であるクランプが嵌設される、ことを特徴とする請求項13に記載の高圧接続機構。
【請求項15】
前記記憶合金の変態温度は、40℃~70℃の範囲内で設定されており、前記クランプの温度が該変態温度より低い状態では、前記クランプは、拡張状態にあり、前記クランプの温度が該変態温度より高い状態では、前記クランプは、締め付け状態にある、ことを特徴とする請求項14に記載の高圧接続機構。
【請求項16】
前記第1の挟持溝又は前記第2の挟持溝の外周に、側壁と、前記側壁に固定された弾性ユニットとを含むクランプが嵌設され、前記弾性ユニットは、前記第1の挟持溝又は前記第2の挟持溝に接触して接続される、ことを特徴とする請求項13に記載の高圧接続機構。
【請求項17】
前記弾性ユニットが前記第1の挟持溝又は前記第2の挟持溝に印加する力の範囲は、3N~200Nである、ことを特徴とする請求項16に記載の高圧接続機構。
【請求項18】
前記弾性ユニットは、弾性ゴム体、バネ又は金属メタルドームである、ことを特徴とする請求項16に記載の高圧接続機構。
【請求項19】
前記嵌合部は、シート状であり、前記嵌合部の少なくとも一部は、前記メス端ハウジングから突出し、又は、前記メス端ハウジングは、第2の収容キャビティを有し、前記嵌合部の少なくとも一部は、前記第2の収容キャビティの底面から突出するが、メス端ハウジングを超えない、ことを特徴とする請求項13に記載の高圧接続機構。
【請求項20】
前記嵌合部は、第2の挟持溝を有し、前記第2の挟持溝の少なくとも一部は、前記メス端ハウジングの外壁から突出され、又は、メス端ハウジングに第2の開口ボスが設けられ、前記嵌合部の少なくとも一部は、前記第2の開口ボス内に設けられる、ことを特徴とする請求項13に記載の高圧接続機構。
【請求項21】
前記プラグイン部又は前記嵌合部は、多層の端子積層片が積み重ねられて形成され、前記プラグイン部は、第1の挟持溝を有し、前記第1の挟持溝は、シート状の前記嵌合部とマッチングして嵌合接続され、又は、前記嵌合部は、第2の挟持溝を有し、前記第2の挟持溝は、シート状の前記プラグイン部とマッチングして嵌合接続される、ことを特徴とする請求項13に記載の高圧接続機構。
【請求項22】
前記端子積層片は、前記第1の挟持溝又は前記第2の挟持溝が固着される端子固定部を含む、ことを特徴とする請求項21に記載の高圧接続機構。
【請求項23】
隣接する2つの前記端子固定部は、圧着、溶接、螺着、カシメ又はスプライシングによって接続される、ことを特徴とする請求項22に記載の高圧接続機構。
【請求項24】
前記第1の挟持溝又は前記第2の挟持溝の中で、隣接する2つの前記端子積層片同士は、接触して接続される、ことを特徴とする請求項21に記載の高圧接続機構。
【請求項25】
前記第1の挟持溝又は前記第2の挟持溝の中で、隣接する2つの前記端子積層片の間の隙間は、0.2mm未満である、ことを特徴とする請求項21に記載の高圧接続機構。
【請求項26】
前記メス端接続機構は、前記インターロックコネクタに電気的に接続されて回路を形成する高圧インターロック構造を有する、ことを特徴とする請求項12に記載の高圧接続機構。
【請求項27】
前記オス端接続機構及び/又はメス端接続機構は、シール構造を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の高圧接続機構。
【請求項28】
前記シール構造は、前記オス端接続機構及び/又は前記メス端接続機構に二次射出成形される、ことを特徴とする請求項27に記載の高圧接続機構。
【請求項29】
前記オス端接続機構及び/又は前記メス端接続機構は、前記プラグイン端子及び/又は前記嵌合端子の温度を測定するための少なくとも1つの温度測定構造を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の高圧接続機構。
【請求項30】
前記温度測定構造は、前記プラグイン端子及び/又は嵌合端子に貼合され、前記プラグイン端子及び/又は前記嵌合端子の温度を測定する、ことを特徴とする請求項29に記載の高圧接続機構。
【請求項31】
前記オス端接続機構と前記メス端接続機構は、粘着接続、磁気吸引接続、バヨネット接続、プラグイン接続、係止接続、結束接続、ネジ接続、リベット接続及び溶接接続のうちの1種又は複数種の方式で接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の高圧接続機構。
【請求項32】
前記オス端遮蔽ケース又は前記メス端遮蔽ケースの少なくとも一部の外周にオス外部絶縁ケース又はメス外部絶縁ケースが射出成形される、ことを特徴とする請求項1に記載の高圧接続機構。
【請求項33】
前記プラグイン端子と前記嵌合端子との間のプラグイン力は、3N~150Nである、ことを特徴とする請求項1に記載の高圧接続機構。
【請求項34】
前記プラグイン端子と前記嵌合端子との間のプラグイン力は、10N~130Nである、ことを特徴とする請求項1に記載の高圧接続機構。
【請求項35】
前記プラグイン端子と前記嵌合端子との間の接触抵抗は、9mΩ未満である、ことを特徴とする請求項1に記載の高圧接続機構。
【請求項36】
前記プラグイン端子と前記嵌合端子との間の接触抵抗は、1mΩ未満である、ことを特徴とする請求項1に記載の高圧接続機構。
【請求項37】
前記オス端接続機構と前記メス端接続機構との間の挿抜回数は、10回以上である、ことを特徴とする請求項1に記載の高圧接続機構。
【請求項38】
前記メス端接続機構の重量は、215g以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の高圧接続機構。
【請求項39】
前記メス端接続機構の挿抜方向に沿う高さは、276mm以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の高圧接続機構。
【請求項40】
前記プラグイン端子及び/又は前記嵌合端子の少なくとも一部の表面に導電腐食防止層が設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の高圧接続機構。
【請求項41】
前記第1のケーブルの導電部分は、前記プラグイン端子と一体構造になる、ことを特徴とする請求項1に記載の高圧接続機構。
【請求項42】
前記第2のケーブルの導電部分は、前記嵌合端子と一体構造になる、ことを特徴とする請求項1に記載の高圧接続機構。
【請求項43】
請求項1~42のいずれか1項に記載の高圧接続機構を含む、ことを特徴とする電気エネルギー伝送装置。
【請求項44】
請求項1~42のいずれか1項に記載の高圧接続機構を含む、ことを特徴とする自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年10月01日に提出され、出願番号が202111167061.3であり、発明の名称が「高圧接続機構、電気エネルギー伝送装置及び自動車」である中国特許出願の優先権を主張し、当該特許出願の全ての内容は、全てここに組み込まれる。本願は、2021年10月01日に提出され、出願番号が202122400679.1であり、考案の名称が「高圧接続機構、電気エネルギー伝送装置及び自動車」である中国実用新案出願の優先権を主張し、当該実用新案出願の全ての内容は、全てここに組み込まれる。
【0002】
本発明は、充電技術分野に関し、特に、高圧接続機構、電気エネルギー伝送装置及び自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
新エネルギー自動車の新エネルギー電池は、充電システムを用いてエネルギーが補充される。充電システムにおいて、充電ドックの他に、電池システムに接続される高圧接続機構があり、充電ハーネスは、電気自動車の高圧システムにおける最も重要なユニットであり、伝統的な充電ハーネスは、充電ケーブルとして銅線を採用し、銅線の末端がプラグイン端子に接続されて、電池システムに電気的に接続される。現在の高圧接続機構は、いずれも組立構造のコネクタであり、構造が複雑であり、組立が難しく、コネクタコストが高いなどの問題があり、また、ケーブル及び端子の銅材の使用量が多く、接続加工が比較的複雑であり、高圧接続機構のコストが高止まりしている原因でもある。
【0004】
また、一般的に、充電システムは、いずれも充電ドックに温度測定構造を取り付け、充電ハーネスコネクタには設けられていないが、導通電流は同一であり、充電ハーネスコネクタの温度が上昇した場合、同様に、充電ハーネス及び電池システムの安全を保護するように、監視及び充電作業の適時停止を行う必要がある。
【0005】
なお、高圧ケーブル及びデータ通信ケーブルは、電流及び信号の導通に用いられる。電磁干渉の影響を低減させるために、高圧ケーブル及びデータ通信ケーブルに、通常、遮蔽ケーブルが採用される。ケーブルの両端において、遮蔽ケーブルの遮蔽層は、遮蔽装置に接続されて接地される。遮蔽ケーブルは、通常、内側から外側に向かって順に設けられた芯線及び遮蔽層を含む。突合せられたケーブル又は電気機器との接続を容易にするために、ケーブルの端部は、通常、コネクタに接続される。コネクタは、一般的に遮蔽装置による遮蔽がないため、コネクタ位置に大きな電磁干渉がある。コネクタの内部又は外部に金属カバーを設けることによって、遮蔽効果を奏することができる。しかし、金属カバーの加工が困難であり、コストが高く、金属カバーとコネクタとの組立にも手間がかかり、組立工数が増加し、且つ、金属カバーが接続部の内部にある場合、芯線と短絡しやすく、遮蔽層の損傷、ひいては、ケーブルの焼損を引き起こし、深刻な事故が発生する。
【0006】
電気自動車の市場の拡大に伴い、充電システムは、構造が簡単で、コストのメリットがあり、且つ遮蔽効果付きが可能である高圧接続機構及び電気エネルギー伝送装置を至急に必要とする。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、オス端遮蔽ケースとメス端遮蔽ケースとが一体に射出成形され、加工が簡単で、コストが遮蔽金属ケースよりも大幅に低く、オス端遮蔽ケースとメス端遮蔽ケースとのプラグイン係合及び該両方とケーブル遮蔽ネットとの電気的接続により、高圧接続機構内部の電磁干渉を効果的に遮蔽し、他の機器への電磁干渉を低減させることができる高圧接続機構を提供することである。
【0008】
本発明の上記目的は、以下の技術案によって実現される。
【0009】
本発明は、オス端接続機構とメス端接続機構とを含む高圧接続機構であって、前記オス端接続機構は、第1のケーブルと、プラグイン端子と、前記第1のケーブル及び前記プラグイン端子と一体に成形されたオス端ハウジングと、前記オス端ハウジングの外に設けられるオス端遮蔽ケースとを含み、前記メス端接続機構は、嵌合端子と、第2のケーブルと、前記嵌合端子及び前記第2のケーブルと一体に成形されたメス端ハウジングと、前記メス端ハウジングの外に設けられるメス端遮蔽ケースとを含み、前記オス端接続機構及び前記メス端接続機構は、前記プラグイン端子及び前記嵌合端子によって電気的に接続され、前記オス端ハウジングは、前記メス端ハウジングに接続され、前記オス端遮蔽ケースは、前記メス端遮蔽ケースに接続される高圧接続機構を提供する。
【0010】
好ましい実施形態において、前記第1のケーブルは、少なくとも一部が前記オス端遮蔽ケースの少なくとも一部に電気的に接続される第1の遮蔽層を含み、前記第2のケーブルは、少なくとも一部が前記メス端遮蔽ケースの少なくとも一部に電気的に接続される第2の遮蔽層を含む。
【0011】
好ましい実施形態において、前記オス端遮蔽ケースは、第1の遮蔽装置を含み、前記第1のケーブルは、第1の遮蔽層を含み、前記第1の遮蔽装置は、前記第1の遮蔽層の少なくとも一部の外周に設けられ、前記第1の遮蔽層は、前記第1の遮蔽装置を介して前記オス端遮蔽ケースに電気的に接続され、前記メス端遮蔽ケースは、第2の遮蔽装置を含み、前記第2のケーブルは、第2の遮蔽層を含み、前記第2の遮蔽装置は、前記第2の遮蔽層の少なくとも一部の外周に設けられ、前記第2の遮蔽層は、前記第2の遮蔽装置を介して前記メス端遮蔽ケースに電気的に接続される。
【0012】
好ましい実施形態において、前記オス端遮蔽ケースの内面に第1の導電メタルドームが設けられ、前記第1のケーブルは、第1の遮蔽層を含み、前記第1の導電メタルドームは、前記第1の遮蔽層に接続され、前記第1の導電メタルドームは、前記第1の遮蔽層に圧力を印加し、前記メス端遮蔽ケースの内面に第2の導電メタルドームが設けられ、前記第2のケーブルは、第2の遮蔽層を含み、前記第2の導電メタルドームは、前記第2の遮蔽層に接続され、前記第2の導電メタルドームは、前記第2の遮蔽層に圧力を印加する。
【0013】
好ましい実施形態において、前記第1の導電メタルドームが前記第1の遮蔽層に印加する押上げ力の範囲は、0.3N~95Nであり、前記第2の導電メタルドームが前記第2の遮蔽層に印加する押上げ力の範囲は、0.3N~95Nである。
【0014】
好ましい実施形態において、前記第1のケーブルは、第1の遮蔽層を含み、前記オス端遮蔽ケースと前記第1の遮蔽層との間のインピーダンスは、80mΩ未満であり、前記第2のケーブルは、第2の遮蔽層を含み、前記メス端遮蔽ケースと前記第2の遮蔽層との間のインピーダンスは、80mΩ未満である。
【0015】
好ましい実施形態において、前記オス端遮蔽ケース又は前記メス端遮蔽ケースのトランスインピーダンスは、100mΩ未満である。
【0016】
好ましい実施形態において、前記プラグイン端子は、順に設けられた第1の固定部及びプラグイン部を含み、前記第1の固定部は、前記第1のケーブルの導電部分に電気的に接続され、前記プラグイン部は、シート状であるか、又は第1の挟持溝を有する。
【0017】
好ましい実施形態において、前記プラグイン部は、シート状であり、前記プラグイン部の少なくとも一部は、前記オス端ハウジングから突出し、又は、前記オス端ハウジングは、第1の収容キャビティを有し、前記プラグイン部の少なくとも一部は、前記第1の収容キャビティの底面から突出するが、前記オス端ハウジングを超えない。
【0018】
好ましい実施形態において、前記第1の挟持溝の少なくとも一部は、前記オス端ハウジングの外壁から突出され、又は、前記オス端ハウジングに第1の開口ボスが設けられ、前記プラグイン部の少なくとも一部は、前記第1の開口ボス内に設けられる。
【0019】
好ましい実施形態において、前記オス端遮蔽ケースは、少なくとも一部の前記オス端ハウジングを被覆し、前記オス端遮蔽ケースは、開口を有し、前記プラグイン部は、前記開口から延出されるか、又は前記開口内に位置する。
【0020】
好ましい実施形態において、前記オス端接続機構は、少なくとも一部が前記オス端ハウジング内に一体に射出成形されるインターロックコネクタを含む。
【0021】
好ましい実施形態において、前記嵌合端子は、順に設けられた第2の固定部及び嵌合部を含み、前記第2の固定部は、前記第2のケーブルの導電部分に電気的に接続され、前記嵌合部は、シート状であるか、又は第2の挟持溝を有し、前記プラグイン端子は、順に設けられた第1の固定部及びプラグイン部を含み、前記嵌合部は、前記プラグイン部に電気的に接続され、前記プラグイン部は、シート状であるか、又は第1の挟持溝を有する。
【0022】
好ましい実施形態において、前記第1の挟持溝又は前記第2の挟持溝の外周に、材質が記憶合金であるクランプが嵌設される。
【0023】
好ましい実施形態において、前記記憶合金の変態温度は、40℃~70℃の範囲内で設定され、前記クランプの温度が該変態温度より低い状態では、前記クランプは、拡張状態にあり、前記クランプの温度が該変態温度より高い状態では、前記クランプは、締め付け状態にある。
【0024】
好ましい実施形態において、前記第1の挟持溝又は前記第2の挟持溝の外周に、側壁と、前記側壁に固定された弾性ユニットとを含むクランプが嵌設され、前記弾性ユニットは、前記第1の挟持溝又は前記第2の挟持溝に接触して接続される。
【0025】
好ましい実施形態において、前記弾性ユニットが前記第1の挟持溝又は前記第2の挟持溝に印加する力の範囲は、3N~200Nである。
【0026】
好ましい実施形態において、前記弾性ユニットは、弾性ゴム体、バネ又は金属メタルドームである。
【0027】
好ましい実施形態において、前記嵌合部は、シート状であり、前記嵌合部の少なくとも一部は、前記メス端ハウジングから突出し、又は、前記メス端ハウジングは、第2の収容キャビティを有し、前記嵌合部の少なくとも一部は、前記第2の収容キャビティの底面から突出するが、メス端ハウジングを超えない。
【0028】
好ましい実施形態において、前記嵌合部は、第2の挟持溝を有し、前記第2の挟持溝の少なくとも一部は、前記メス端ハウジングの外壁から突出され、又は、メス端ハウジングに第2の開口ボスが設けられ、前記嵌合部の少なくとも一部は、前記第2の開口ボス内に設けられる。
【0029】
好ましい実施形態において、前記プラグイン部又は前記嵌合部は、多層の端子積層片が積み重ねられて形成され、前記プラグイン部は、第1の挟持溝を有し、前記第1の挟持溝は、シート状の前記嵌合部とマッチングして嵌合接続され、又は、前記嵌合部は、第2の挟持溝を有し、前記第2の挟持溝は、シート状の前記プラグイン部とマッチングして嵌合接続される。
【0030】
好ましい実施形態において、前記端子積層片は、前記第1の挟持溝又は前記第2の挟持溝が固着される端子固定部を含む。
【0031】
好ましい実施形態において、隣接する2つの前記端子固定部は、圧着、溶接、螺着、カシメ又はスプライシングによって接続される。
【0032】
好ましい実施形態において、前記第1の挟持溝又は前記第2の挟持溝で、隣接する2つの前記端子積層片同士は、接触して接続される。
【0033】
好ましい実施形態において、前記第1の挟持溝又は前記第2の挟持溝で、隣接する2つの前記端子積層片の間の隙間は、0.2mm未満である。
【0034】
好ましい実施形態において、前記メス端接続機構は、前記インターロックコネクタに電気的に接続されて回路を形成する高圧インターロック構造を有する。
【0035】
好ましい実施形態において、前記オス端接続機構及び/又はメス端接続機構は、シール構造を有する。
【0036】
好ましい実施形態において、前記シール構造は、前記オス端接続機構及び/又は前記メス端接続機構に二次射出成形される。
【0037】
好ましい実施形態において、前記オス端接続機構及び/又は前記メス端接続機構は、前記プラグイン端子及び/又は前記嵌合端子の温度を測定するための少なくとも1つの温度測定構造を有する。
【0038】
好ましい実施形態において、前記温度測定構造は、前記プラグイン端子及び/又は嵌合端子に貼合され、前記プラグイン端子及び/又は前記嵌合端子の温度を測定する。
【0039】
好ましい実施形態において、前記オス端接続機構と前記メス端接続機構は、粘着接続、磁気吸引接続、バヨネット接続、プラグイン接続、係止接続、結束接続、ネジ接続、リベット接続及び溶接接続のうちの1種又は複数種の方式で接続される。
【0040】
好ましい実施形態において、前記オス端遮蔽ケース又は前記メス端遮蔽ケースの少なくとも一部の外周にオス外部絶縁ケース又はメス外部絶縁ケースが射出成形される。
【0041】
好ましい実施形態において、前記プラグイン端子と前記嵌合端子との間のプラグイン力は、3N~150Nである。
【0042】
好ましい実施形態において、前記プラグイン端子と前記嵌合端子との間のプラグイン力は、10N~130Nである。
【0043】
好ましい実施形態において、前記プラグイン端子と前記嵌合端子との間の接触抵抗は、9mΩ未満である。
【0044】
好ましい実施形態において、前記プラグイン端子と前記嵌合端子との間の接触抵抗は、1mΩ未満である。
【0045】
好ましい実施形態において、前記オス端接続機構と前記メス端接続機構との間の挿抜回数は、10回以上である。
【0046】
好ましい実施形態において、前記メス端接続機構の重量は、215g以下である。
【0047】
好ましい実施形態において、前記メス端接続機構の挿抜方向に沿う高さは、276mm以下である。
【0048】
好ましい実施形態において、前記プラグイン端子及び/又は前記嵌合端子の少なくとも一部の表面に導電腐食防止層が設けられる。
【0049】
好ましい実施形態において、前記第1のケーブルの導電部分は、前記プラグイン端子と一体構造になる。
【0050】
好ましい実施の形態において、前記第2のケーブルの導電部分は、前記嵌合端子と一体構造になる。
【0051】
本発明は、上記のいずれかに記載の高圧接続機構を含む電気エネルギー伝送装置を提供する。
【0052】
本発明は、上記のいずれかに記載の高圧接続機構を含む自動車を提供する。
【0053】
本発明の特徴及び利点は、以下の通りである。
【0054】
1.本発明の高圧接続機構は、射出成形されたオス端遮蔽ケース及びメス端遮蔽ケースが設けられ、加工が簡単で、コストが遮蔽金属ケースよりも大幅に低く、オス端遮蔽ケースとメス端遮蔽ケースとのプラグイン係合及び該両方とケーブル遮蔽層との電気的接続により、高圧接続機構内部の電磁干渉を効果的に遮蔽し、他の機器への電磁干渉を低減させることができる。
【0055】
2.本発明のオス端遮蔽ケース及びメス端遮蔽ケースとケーブル遮蔽層との接続に、様々な方式が採用されることにより、遮蔽ケースと遮蔽層とを安定して効果的に接続し、良好な遮蔽効果を実現することができる。
【0056】
3.本発明の端子とケーブルは、オス端ハウジング及びメス端ハウジング内に一体に射出成形され、端子のプラグイン等の作業をさらに行う必要がなく、加工工程を減少させ、生産コストを低減させるとともに、一体に射出成形されたオス端ハウジング及びメス端ハウジングは、構造が簡単で、高精度の射出金型が不要で、かつ完全にシールされるため、絶縁効果が良い。
【0057】
4.嵌合端子は、プラグイン端子にプラグイン係合でき、プラグイン部又は嵌合部は、複数の端子積層片の積層分布であり、シート状の端子の先端は、帯状凹溝にプラグインでき、帯状凹溝構造により、金属板が厚すぎることによる変形及び弾性減少の問題を低減させ、両者の間に大きな接触面積を持たせて、接続の信頼性及び導電効果を確保する。嵌合端子とプラグイン端子は、挟持構造の強固性を保証し、変形を減少させ、プラグイン接続構造の強度を増加させることができる。
【0058】
5.インサート式高圧インターロック構造は、従来の組付け式高圧インターロックの代わりに、一体射出成形でコネクタに固定され、組立が不要で、コストを低減させ、高圧インターロック効果を完全に満たす。
【0059】
6.コネクタのシール構造は、これ以上単独のシールリングを取り付けることではなく、伝統的なシールリングの代わりに、二次射出シール構造を採用することにより、コネクタに直接成形でき、射出結合性がより良く、コストを低減させる。
【0060】
7.温度測定機構を採用することにより、コネクタ内部の端子の温度を単独で監視し、他の位置の温度センサの破損に起因してコネクタの温度を監視できなくなることを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
本発明における技術案をより明確に説明するために、以下、実施例の記述に必要な図面を簡単に紹介し、明らかなように、以下の記述における図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労働をせずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【
図1】本発明における高圧接続機構の組立模式図である。
【
図2】本発明におけるメス端接続機構の組立模式図である。
【
図3】本発明におけるメス端ハウジングの構造模式図である。
【
図4】本発明における第2のケーブルと嵌合端子との組立構造の模式図である。
【
図5】本発明におけるオス端接続機構の組立模式図である。
【
図6】本発明におけるオス端遮蔽ケースの構造模式図である。
【
図7】本発明におけるオス端ハウジングの構造模式図である。
【
図8】本発明における第1のケーブルとプラグイン端子との組立構造の模式図である。
【
図9】本発明におけるインターロックコネクタの構造模式図である。
【
図10】本発明における高圧インターロック構造の模式図である。
【
図11】本発明におけるオス端接続機構又はメス端接続機構の断面模式図である。
【
図12】本発明におけるオス端接続機構又はメス端接続機構の別の断面模式図である。
【
図13】本発明におけるオス端接続機構又はメス端接続機構の別の断面模式図である。
【
図14】本発明におけるプラグイン端子と嵌合端子の構造模式図である。
【
図15】本発明におけるクランプの構造模式図である。
【
図16】本発明におけるオス端接続機構とメス端接続機構の組立断面模式図である。
【
図17】本発明におけるオス端接続機構とメス端接続機構の別の組立断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術案を明確且つ完全に記述し、記述される実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではないことが明らかである。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な労働をせずに取得した他の全ての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0063】
図1~
図7に示すように、高圧接続機構は、オス端接続機構10とメス端接続機構20とを含み、オス端接続機構10は、第1のケーブル11と、プラグイン端子12と、第1のケーブル11及びプラグイン端子12と一体に成形されたオス端ハウジング13と、オス端ハウジング13の外に設けられるオス端遮蔽ケース14とを含み、メス端接続機構20は、第2のケーブル21と、嵌合端子22と、第2のケーブル21及び嵌合端子22と一体に成形されたメス端ハウジング23と、メス端ハウジング23の外に設けられるメス端遮蔽ケース24とを含み、オス端接続機構10及びメス端接続機構20は、プラグイン端子12を介して嵌合端子22に電気的に接続され、オス端ハウジング13は、メス端ハウジング23に接続され、オス端遮蔽ケース14は、メス端遮蔽ケース24に接続される。
【0064】
本発明の高圧接続機構は、射出成形されたオス端遮蔽ケース14及びメス端遮蔽ケース24が設けられており、加工が簡単で、コストが遮蔽金属ケースよりも大幅に低く、オス端遮蔽ケース14とメス端遮蔽ケース24とのプラグイン係合及び該両方とケーブル遮蔽層との電気的接続により、高圧接続機構内部の電磁干渉を効果的に遮蔽し、他の機器への電磁干渉を減少させることができる。
【0065】
いくつかの実施例において、プラグイン端子12又は嵌合端子22の材質は、ニッケル、カドミウム、ジルコニウム、クロム、コバルト、マンガン、アルミニウム、錫、チタニウム、亜鉛、銅、銀、金、リン、テルル、ベリリウム及び鉛のうちの1種又は複数種を含有する金属導電材料であり、これらの材料は、性質が安定であり、且つ導電性が良く、好ましい材料は、銅又は銅合金又はアルミニウム又はアルミニウム合金を含有する材料である。
【0066】
いくつかの実施例において、第1のケーブル11又は第2のケーブル21の導電部分の材質は、アルミニウム、リン、錫、銅、鉄、マンガン、クロム、チタニウム及びリチウムのうちの1種又は複数種を含有するものであり、ここで、ケーブルの導電部分の材質がアルミニウム又はアルミニウム合金を含有することは、最近の省エネルギー、コストダウンの主な手段の1つである。電気的接続分野では、いずれも銅導線を用いて電流を伝導し、銅は、導電率が高く、延性が良い。しかし、銅の価格が日増しに上昇することに伴い、銅材を導線として使用する材料コストがもっともっと高くなっている。そのため、人々は、コストを低減させるように金属銅の代替品を探し始めた。地殻における金属アルミニウムの含有量は約7.73%であり、精錬技術が最適化された後、価格が相対的に低く、且つ銅に対してアルミニウムの重量が軽く、導電率が銅の次ぎに大きく、電気接続分野において、アルミニウムは一部の銅を代替可能である。したがって、自動車の電気的接続分野では、アルミニウムで銅を代替することが発展動向である。
【0067】
一実施例において、
図11に示すように、第1のケーブル11は、少なくとも一部がオス端遮蔽ケース14の少なくとも一部に電気的に接続される第1の遮蔽層31を含み、第2のケーブル21は、少なくとも一部がメス端遮蔽ケース24の少なくとも一部に電気的に接続される第2の遮蔽層34を含む。
【0068】
高圧遮蔽コネクタにおいて、第1のケーブル11と第2のケーブル21は、大電流を伝送する必要があり、電流が流れる時ケーブルの周囲に大きな電磁界が発生し、大電流による電磁界が周囲環境における電気機器に電磁干渉を与えて、他の電気機器の正常動作に影響を与えることを防止するために、第1のケーブル11及び第2のケーブル21の導電性コアの外に第1の遮蔽層31及び第2の遮蔽層34をそれぞれ設け、第1のケーブル11と第2のケーブル21に通電した後に発生した電磁界を電磁遮蔽する。
【0069】
さらに、
図11~
図13に示すように、第1のケーブル11は、少なくとも一部がオス端遮蔽ケース14の少なくとも一部に電気的に接続される第1の遮蔽層31を含み、第2のケーブル21は、少なくとも一部がメス端遮蔽ケース24の少なくとも一部に電気的に接続される第2の遮蔽層34を含む。
【0070】
オス端遮蔽ケース14の少なくとも一部は、第1の遮蔽層31の少なくとも一部に電気的に接続され、メス端遮蔽ケース24の少なくとも一部は、第2の遮蔽層34の少なくとも一部に電気的に接続されて、密閉された電磁遮蔽構造を形成し、電磁遮蔽の効果を最適化させ、密閉された電磁遮蔽構造を形成することにより、電磁波の放射を効果的に制御し、良好な遮蔽効果を奏することができる。
【0071】
一実施形態において、
図12に示すように、オス端遮蔽ケース14は、第1の遮蔽装置32を含み、第1のケーブル11は、第1の遮蔽層31を含み、第1の遮蔽装置32は、第1の遮蔽層31の少なくとも一部の外周に設けられ、第1の遮蔽層31は、第1の遮蔽装置32を介してオス端遮蔽ケース14に電気的に接続され、メス端遮蔽ケース24は、第2の遮蔽装置35を含み、第2のケーブル21は、第2の遮蔽層34を含み、第2の遮蔽装置35は、第2の遮蔽層34の少なくとも一部の外周に設けられ、第2の遮蔽層34は、第2の遮蔽装置35を介してメス端遮蔽ケース24に電気的に接続される。
【0072】
第1の遮蔽層31又は第2の遮蔽層34は、遮蔽ネットであってもよく、導電性箔類であってもよく、第1の遮蔽層31又は第2の遮蔽層34は、柔軟構造であるが、オス端遮蔽ケース14及びメス端遮蔽ケース24は、一般的にいずれも硬質構造であり、両者が接触する場合、第1の遮蔽層31又は第2の遮蔽層34の変形により、オス端遮蔽ケース14又はメス端遮蔽ケース24と第1の遮蔽層31又は第2の遮蔽層34との間に一時的な接続遮断が発生することによって、接触位置のインピーダンスを変化させ、第1のケーブル11の第1の遮蔽層31とオス端遮蔽ケース14との接続構造又は第2のケーブル21の第2の遮蔽層34とメス端遮蔽ケース24との接続構造の遮蔽効果が不安定になり、信号の伝達に影響を与える。したがって、第1の遮蔽装置32を用いて第1の遮蔽層31と安定的に接続し、第2の遮蔽装置35を用いて第2の遮蔽層34と安定的に接続する必要があり、且つ第1の遮蔽装置32又は第2の遮蔽装置35は、一般的に硬質構造であり、オス端遮蔽ケース14又はメス端遮蔽ケース24と良好な電気的接続を形成しやすく、安定的な遮蔽効果を実現する。
【0073】
一実施形態において、
図13に示すように、オス端遮蔽ケース14の内面に第1の導電メタルドーム33が設けられており、第1のケーブル11は、第1の遮蔽層31を含み、第1の導電メタルドーム33は、第1の遮蔽層31に接続され、第1の導電メタルドーム33は、第1の遮蔽層31に圧力を印加し、メス端遮蔽ケースの内面に第2の導電メタルドーム36が設けられており、第2のケーブル21は、第2の遮蔽層34を含み、第2の導電メタルドーム36は、第2の遮蔽層34に接続され、第2の導電メタルドーム36は、第2の遮蔽層34に圧力を印加する。
【0074】
図11~
図13に示すように、オス端遮蔽ケース14は、第1の導電メタルドーム33を介して第1の遮蔽層31に接続され、メス端遮蔽ケース24は、第2の導電メタルドーム36を介して第2の遮蔽層34に接続され、第1の導電メタルドーム33及び第2の導電メタルドーム36の少なくとも一部は、弾性を有し、当該部分は、第1のケーブル11又は第2のケーブル21を押圧するように、内側に収縮する傾向を有し、オス端遮蔽ケース14と第1の遮蔽層31との間及びメス端遮蔽ケース24と第2の遮蔽層34との間の電気的接続の安定性を確保する一方、第1のケーブル11をオス端遮蔽ケース14に挿入すれば、第1の導電メタルドーム33との接触接続が実現可能であり、第2のケーブル21をメス端遮蔽ケース24に挿入すれば、第2の導電メタルドーム36との接触接続が実現可能であり、組み立て及び加工の工数を節減する。
【0075】
さらに、第1の導電メタルドーム33が第1の遮蔽層31に印加する押上げ力の範囲は、0.3N~95Nであり、第2の導電メタルドーム36が第2の遮蔽層34に印加する押上げ力の範囲は、0.3N~95Nである。
【0076】
第1の導電メタルドーム33と第1の遮蔽層31との間の接触抵抗に対する第1の導電メタルドーム33が第1の遮蔽層31に印加する押上げ力の影響、又は第2の導電メタルドーム36と第2の遮蔽層34との間の接触抵抗に対する第2の導電メタルドーム36が第2の遮蔽層34に印加する押上げ力の影響を検証するために、発明者は、特定のテストを行い、第1の導電メタルドーム33が第1の遮蔽層31に印加する圧力を例として、発明者は、同じ形状、同じサイズの第1の導電メタルドーム33と第1の遮蔽層31を選択し、第1の導電メタルドーム33と第1の遮蔽層31との間の圧力を異なる圧力に設計して、第1の導電メタルドーム33と第1の遮蔽層31との間の接触抵抗を観察した。
【0077】
表1:接触抵抗に対する異なる導電メタルドーム及び遮蔽層の圧力の影響
【表1】
接触抵抗の検出方式は、マイクロ抵抗測定器を用いて、第1の導電メタルドーム33と第1の遮蔽層31との接触位置で抵抗の測定を行い、マイクロ抵抗測定器における数値を読み取り、本実施例では、接触抵抗が50μΩ未満であるものを理想値とした。
【0078】
表1から分かるように、第1の導電メタルドーム33と第1の遮蔽層31との間の圧力が0.3N未満である場合、結合力が小さすぎるため、両者間の接触抵抗が理想値より高くなり、要求に適合しない。第1の導電メタルドーム33と第1の遮蔽層31との間の圧力が95Nより大きい場合、接触抵抗が著しく低下せず、材料の選択及び加工がより困難であり、且つ圧力が大きすぎると、第1の遮蔽層31への損傷を引き起こす。したがって、発明者は、第1の導電メタルドーム33が第1の遮蔽層31に印加する押上げ力の範囲を0.3N~95Nに設定し、第2の導電メタルドーム36が第2の遮蔽層34に印加する押上げ力の範囲を0.3N~95Nに設定した。
【0079】
また、発明者は、第1の導電メタルドーム33と第1の遮蔽層31との間の圧力が0.5Nより大きい場合、第1の導電メタルドーム33と第1の遮蔽層31との間の接触抵抗値が比較的良好であり、低下の傾向が速いが、第1の導電メタルドーム33と第1の遮蔽層31との間の圧力が50N未満である場合、導電メタルドームの製造、取り付け、使用のいずれも便利であり、コストも低いことを発見したため、発明者は、第1の導電メタルドーム33が第1の遮蔽層31に印加する押上げ力の範囲は、0.5N~50Nであり、第2の導電メタルドーム36が第2の遮蔽層34に印加する押上げ力の範囲は、0.5N~50Nであることが好ましい。
【0080】
一実施形態において、第1の導電メタルドーム33とオス端遮蔽ケース14との間及び第2の導電メタルドーム36とメス端遮蔽ケース24との間の接続方式は、溶接方式、接着方式、一体射出成形方式、インサート方式又は係着方式が採用される。
【0081】
溶接方式は、レーザー溶接、超音波溶接、抵抗溶接、圧力拡散溶接又はろう付けなどの方式を含み、熱エネルギー又は圧力を集中させることにより、第1の導電メタルドーム33とオス端遮蔽ケース14の内面又は第2の導電メタルドーム36とメス端遮蔽ケース24の内面の接触位置に溶融接続を発生させることであり、溶接方式による接続は強固性であり、異種材料の接続も実現可能であり、接触位置が互いに融合するため、導電効果がより良い。
【0082】
接着方式は、導電性接着剤を用いて、第1の導電メタルドーム33とオス端遮蔽ケース14の内面又は第2の導電メタルドーム36とメス端遮蔽ケース24の内面を接着することであり、このような方式は、機器を使用する必要がなく、導電性接着剤によって、第1の導電メタルドーム33とオス端遮蔽ケース14の内面との間又は第2の導電メタルドーム36とメス端遮蔽ケース24の内面との間を十分に電気的に接続させ、導電効果が良いが、接続強度が低く、接続強度に対する要求が高くなく、第1の導電メタルドーム33とオス端遮蔽ケース14の内面との間又は第2の導電メタルドーム36とメス端遮蔽ケース24の内面との間の融点又は強度が低い使用環境に適用される。
【0083】
一体射出成形方式は、第1の導電メタルドーム33又は第2の導電メタルドーム36を射出金型に入れ、コネクタを加工する時、オス端遮蔽ケース14又はメス端遮蔽ケース24の内面に直接に一体に射出成形することであり、加工が簡単で迅速であり、他の組立プロセスがなく、組立時間を節減する。
【0084】
インサート方式は、オス端遮蔽ケース14又はメス端遮蔽ケース24の内面に凹溝を設けてから、第1の導電メタルドーム33又は第2の導電メタルドーム36を凹溝にインサートし、第1の導電メタルドーム33又は第2の導電メタルドーム36をオス端遮蔽ケース14又はメス端遮蔽ケース24の内面に固定させることである。
【0085】
係着方式は、オス端遮蔽ケース14又はメス端遮蔽ケース24の内面に係止爪又は係止溝を設け、第1の導電メタルドーム33又は第2の導電メタルドーム36に対応する係止溝又は係止爪を設けてから、係止爪と係止溝とを組立接続し、第1の導電メタルドーム33又は第2の導電メタルドーム36をオス端遮蔽ケース14又はメス端遮蔽ケース24の内面に固定させることである。
【0086】
本発明のオス端遮蔽ケース14及びメス端遮蔽ケース24とケーブル遮蔽ネットとの接続に、様々な方式が採用されることにより、遮蔽ケースと遮蔽ネットとを安定して効果的に接続し、良好な遮蔽効果を実現することができる。
【0087】
一実施形態において、第1のケーブル11は、第1の遮蔽層31を含み、オス端遮蔽ケース14と第1の遮蔽層31との間のインピーダンスは、80mΩ未満であり、第2のケーブル21は、第2の遮蔽層34を含み、メス端遮蔽ケース24と第2の遮蔽層34との間のインピーダンスは、80mΩ未満である。
【0088】
オス端遮蔽ケース14と第1の遮蔽層31との間のインピーダンス及びメス端遮蔽ケース24と第2の遮蔽層34との間のインピーダンスは、できるだけ小さくする必要があり、このようにすると、第1の遮蔽層31及び第2の遮蔽層34に生じた電流は、エネルギー源又は接地位置へ支障なく戻され、オス端遮蔽ケース14と第1の遮蔽層31との間のインピーダンス及びメス端遮蔽ケース24と第2の遮蔽層34との間のインピーダンスが大きければ、オス端遮蔽ケース14と第1の遮蔽層31との間又はメス端遮蔽ケース24と第2の遮蔽層34との間に大きな電流が生じ、それにより、第1のケーブル11とプラグイン端子12との接続箇所又は第2のケーブル21と嵌合端子22との接続箇所に大きな放射を発生させる。
【0089】
オス端接続機構10の遮蔽効果に対するオス端遮蔽ケース14と第1の遮蔽層31との間のインピーダンス値の影響を例として、発明者は、同じ規格の第1のケーブル11及びプラグイン端子12を選択し、オス端遮蔽ケース14と第1の遮蔽層31との間の異なるインピーダンスを選択し、オス端接続機構10の接続構造の一連のサンプルを作製し、オス端遮蔽ケース14の開口箇所を金属遮蔽装置でシールし、オス端遮蔽ケース14全体が完全な遮蔽状態にあることを保証する。オス端遮蔽ケース14と第1の遮蔽層31との接続構造の遮蔽効果をそれぞれテストし、実験結果は、下記の表2に示すように、本実施例において、遮蔽性能値が40dBより大きいものを理想値とした。
【0090】
遮蔽性能値のテスト方法は、テスト機器が第1のケーブル11に対して1つの信号値(この数値は、テスト値2である)を出力し、オス端接続機構10の外側に検知装置を設け、この検知装置が1つの信号値(この数値は、テスト値1である)を検知する。遮蔽性能値=テスト値2-テスト値1
表2:遮蔽性能に対するオス端遮蔽ケース14と第1の遮蔽層31との間のインピーダンスの影響
【表2】
表2から分かるように、オス端遮蔽ケース14と第1の遮蔽層31との間のインピーダンス値が80mΩより大きい場合、オス端接続機構10の遮蔽性能値が40dB未満であり、理想値の要求に適合しないが、オス端遮蔽ケース14と第1の遮蔽層31との間のインピーダンス値が80mΩ未満である場合、オス端接続機構10の遮蔽性能値は、全て理想値の要求に適合し、そして、傾向がますます良くなり、同様に、メス端遮蔽ケース24のテスト効果は、オス端遮蔽ケース14のテスト効果と同じであるため、発明者は、第1のケーブル11が第1の遮蔽層31を含み、オス端遮蔽ケース14と第1の遮蔽層31との間のインピーダンスが80mΩ未満であり、第2のケーブル21が第2の遮蔽層34を含み、メス端遮蔽ケース24と第2の遮蔽層34との間のインピーダンスが80mΩ未満であるように設定した。
【0091】
一実施形態において、オス端遮蔽ケース14又はメス端遮蔽ケース24のトランスインピーダンスは、100mΩ未満であり、遮蔽材料は、通常、トランスインピーダンスでオス端遮蔽ケース14又はメス端遮蔽ケース24の遮蔽効果を表し、トランスインピーダンスが小さいほど、遮蔽効果が良い。オス端遮蔽ケース14又はメス端遮蔽ケース24のトランスインピーダンスは、単位長さ当たりの遮蔽体に誘導される差動モード電圧Uと遮蔽体表面を通過する電流Isとの比として定義され、即ち、
ZT=U/ISであるから、オス端遮蔽ケース14又はメス端遮蔽ケース24のトランスインピーダンスは、オス端遮蔽ケース14又はメス端遮蔽ケース24の電流を差動モード干渉に変換すると理解できる。トランスインピーダンスが小さいほどよく、即ち、差動モード干渉への変換を減少させることによって、良好な遮蔽性能を得ることができる。
【0092】
高圧接続機構の接続構造の遮蔽効果に対する異なるトランスインピーダンス値のオス端遮蔽ケース14又はメス端遮蔽ケース24の影響を検証するために、発明者は、同じ規格の第1のケーブル11及びプラグイン端子12を選択し、異なるトランスインピーダンス値のオス端遮蔽ケース14を用いて、オス端接続機構10の接続構造の一連のサンプルを製作し、オス端遮蔽ケース14の開口箇所を金属遮蔽装置でシールし、オス端遮蔽ケース14全体が完全な遮蔽状態にあることを保証する。オス端遮蔽ケース14と第1の遮蔽層31との接続構造の遮蔽効果をそれぞれテストし、実験結果は、下記の表3に示すように、本実施例において、遮蔽性能値が40dBより大きいものを理想値とした。
【0093】
遮蔽性能値のテスト方法は、テスト機器が第1のケーブル11に対して1つの信号値(この数値は、テスト値2である)を出力し、オス端接続機構10の外側に検知装置を設け、この検知装置が1つの信号値(この数値は、テスト値1である)を検知する。遮蔽性能値=テスト値2-テスト値1
表3:遮蔽性能に対するオス端遮蔽ケース14のトランスインピーダンスの影響
【表3】
上記表3から分かるように、オス端遮蔽ケース14のトランスインピーダンス値が100mΩより大きい場合、オス端接続機構10の遮蔽性能値が40dB未満であり、理想値の要求に適合しないが、オス端遮蔽ケース14のトランスインピーダンス値が100mΩ未満である場合、オス端接続機構10の遮蔽性能値は、全て理想値の要求に適合し、そして、傾向がますます良くなり、同様に、メス端遮蔽ケース24のテスト効果は、オス端遮蔽ケース14のテスト効果と同じであるため、発明者は、オス端遮蔽ケース14又はメス端遮蔽ケース24のトランスインピーダンスがいずれも100mΩ未満であるように設定した。
【0094】
一実施形態において、オス端遮蔽ケース14又はメス端遮蔽ケース24の材質は、導電性セラミック、炭素含有導体、固体電解質、混合導体、導電性高分子材料のうちの1種又は複数種の組み合わせを含有する。
【0095】
オス端遮蔽ケース14又はメス端遮蔽ケース24の導電率に対する異なる材質の影響を検証するために、発明者は、オス端遮蔽ケース14を例として、同じ規格の寸法、異なる材質の材料を用いてオス端遮蔽ケース14のサンプルを作製し、オス端遮蔽ケース14の導電率をそれぞれテストし、実験結果は、下記の表4に示すように、本実施例において、オス端遮蔽ケース14の導電率が99%より大きいものを理想値とした。
【0096】
表4:オス端遮蔽ケース14の導電率対する異なる材質の影響
【表4】
上記表4から分かるように、選択された材料材質で製作されたオス端遮蔽ケース14は、導電率がいずれも理想値の範囲内にあるため、発明者は、オス端遮蔽ケース14の材質を導電性セラミック、炭素含有導体、固体電解質、混合導体、導電性高分子材料のうちの1種又は複数種の組み合わせに設定した。
【0097】
さらに、炭素含有導体は、黒鉛粉、カーボンナノチューブ材料、グラフェン材料のうちの1種又は複数種を含有する。
【0098】
さらに、導電性高分子材料は、金属粒子を含む高分子材料であり、前記金属粒子の材質は、ニッケル、カドミウム、ジルコニウム、クロム、コバルト、マンガン、アルミニウム、錫、チタニウム、亜鉛、銅、銀、金、リン、テルル及びベリリウムのうちの1種又は複数種を含有し、前記高分子材料の材質は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリウレタン、ポリテレフタル酸、ポリウレタンエラストマー、スチレンブロック共重合体、パーフルオロアルコキシアルカン、塩素化ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリスチレン、シリコーンゴム、架橋ポリオレフィン、エチレンプロピレンゴム、エチレン/酢酸ビニル共重合体、クロロプレンゴム、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム、ポリウレタンゴム、ポリアクリレートゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、エピクロロヒドリンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロ硫黄ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、水素化ニトリルゴム、多硫化ゴム、架橋ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリエステル、フェノール樹脂、尿素ホルムアルデヒド、スチレン-アクリロニトリル共重合体、ポリメタクリレート及びポリオキシメチレン樹脂のうちの1種又は複数種である。
【0099】
以下では、材料の特性を例にとって説明する。
【0100】
ポリオキシメチレンは、表面が滑らかで、光沢があり、硬くて緻密な材料であり、薄い黄色又は白色を呈し、-40℃~100℃の温度範囲で長期間使用できる。それの耐摩耗性と自己潤滑性もほとんどのエンジニアリングプラスチックより優れ、良好な耐油、過酸化物耐性も有する。
【0101】
ポリカーボネートは、無色透明で、耐熱、耐衝撃で、難燃レベルがBIであり、通常の使用温度内で良好な機械的特性を有する。ポリカーボネートは、性能が近いポリメチルメタクリレートに比べて、耐衝撃性能が良く、屈折率が高く、加工性能が良く、添加剤を必要せずに高い難燃性能を有する。
【0102】
ポリアミドは、無毒、軽量、優れた機械的強度を有し、良好な耐摩耗性及び耐食性を有し、銅などの金属の代わりに機械、化学工業、計器、自動車などの工業に適用されて軸受、歯車、ポンプブレード及び他の部品を製造することができる。
【0103】
一実施形態において、導電性高分子材料は、押出プロセス、射出プロセス、ディッピングプロセス、ブロープロセス、発泡プロセス、スプレープロセス、印刷プロセス、3Dプリントプロセスのうちの1種又は複数種のプロセスによって、オス端遮蔽ケース14又はメス端遮蔽ケース24に加工される。
【0104】
射出プロセスとは、溶融した原料を加圧、注入、冷却、脱離などの操作によって一定の形状の半製品を製作するプロセス過程である。
【0105】
ディッピングプロセスとは、ワークを電気的に加熱した後、一定の温度に到達し、その後ディッピング液に浸漬し、ディップ成形液をワーク上に硬化させるプロセス過程である。
【0106】
ブロープロセスは、押出機で管状パリソンを押出し、熱いうちに金型に入れ、圧縮空気を導入し膨らましてキャビティ形状にし、冷却して成形した後、製品が得られる。利点は、多種のプラスチックに適用され、大型製品の生産が可能であり、生産性が高く、パリソンの温度が比較的均一であり、設備投資が少ないなどである。
【0107】
発泡プロセスとは、発泡成形中又は発泡性ポリマー材料において、物理発泡剤又は化学発泡剤の添加と反応により、ハニカム状又は多孔質状の構造を形成することである。発泡成形の基本的なステップは、気泡核の形成、気泡核の成長又は拡大及び気泡核の安定である。所定の温度及び圧力条件で、気体の溶解度が低下して飽和状態に達し、余分な気体を排除させて気泡を形成することで、核生成を実現する。
【0108】
スプレープロセスは、スプレーガンやディスク式アトマイザーにより、圧力や遠心力を介して、スプレー材を均一で微細な霧滴に分散させて、被塗物の表面に塗布する塗装方法である。エアスプレー、エアレススプレー、静電スプレー及び上記基本的なスプレー形式の様々な派生的な方式に分けられる。
【0109】
印刷プロセスとは、印刷版を用いてインク又は他の粘性流体材料を被塗物の表面に転写する方式で、スクリーン印刷、凸版印刷、フレキソ印刷、凹版印刷又は平板印刷を含む方式である。
【0110】
3Dプリントプロセスは、高速成形技術の一種であり、付加製造とも呼ばれ、デジタルモデルファイルに基づいて、粉末状の金属又はプラスチックなどの接合可能な材料を用いて、一層ずつプリントする方式で物体を構成する技術である。
【0111】
一実施形態において、
図8及び
図14に示すように、プラグイン端子12は、順に設けられた第1の固定部121及びプラグイン部122を含み、第1の固定部121は、第1のケーブル11の導電部分に電気的に接続され、プラグイン部122は、シート状であるか、又は第1の挟持溝1221を有する。第1の固定部121は、第1のケーブル11の導電部分に電気的に接続されて、電流を導通させる役割を果たすものである。プラグイン端子12のプラグイン部122は、嵌合端子22にプラグイン接続されることにより、電気的接続を実現し、コネクタ間の電流導通を実現するものである。
【0112】
具体的には、第1の固定部121と第1のケーブル11の先端の導電部分とは、抵抗溶接、摩擦溶接、超音波溶接、アーク溶接、レーザー溶接、電子ビーム溶接、圧力拡散溶接、磁気誘導溶接、螺着、係着、スプライシング及び圧着のうちの1種又は複数種の方式で接続される。
【0113】
抵抗溶接方式とは、強い電流を利用して電極とワークとの間の接触点を通過させ、接触抵抗により熱を発生させて溶接を実現する方法であり、第1の固定部121と第1のケーブル11とは、抵抗溶接により溶接される。
【0114】
摩擦溶接方式とは、ワークの接触面の摩擦による熱を熱源として、ワークを圧力により塑性変形させて溶接する方法であり、第1の固定部121と第1のケーブル11とは、摩擦溶接により溶接される。
【0115】
超音波溶接方式は、高周波振動波を利用して2つの溶接すべき物体表面に伝達させ、加圧する場合、2つの物体表面を互いに摩擦させて分子層間の融着を形成することであり、第1の固定部121と第1のケーブル11とは、超音波で溶接される。
【0116】
アーク溶接方式とは、アークを熱源とし、空気放電の物理現象を利用して、電気エネルギーを溶接に必要な熱エネルギー及び機械エネルギーに変換することにより、金属を繋がる目的を達成することであり、主な方法として被覆アーク溶接、サブマージアーク溶接、ガスシールド溶接などがある。
【0117】
レーザー溶接方式は、高エネルギー密度のレーザービームを熱源とする高効率で精密な溶接方法である。
【0118】
電子ビーム溶接方式とは、加速及び集束された電子ビームを真空又は非真空中に置かれた溶接面に照射させることにより、被溶接ワークを溶融させて溶接を実現することである。
【0119】
圧力溶接方式は、溶接材に圧力を印加し、スプライシング面を密接に接触させて一定の塑性変形を生じさせて溶接を完了させる方法である。
【0120】
拡散溶接方式とは、ワークを高温で加圧するが、視覚的変形や相対移動が生じない固相溶接方法である。
【0121】
磁気誘導溶接方式は、2つの被溶接ワークが強いパルス磁界の作用で瞬間的に高速に衝突し、材料表層が非常に高い圧力波の作用で、2つの材料の原子が原子間距離内で出会うことにより、界面に安定的な冶金結合を形成することである。固体冷間溶接の一種であり、類似又は非類似の特性である第1の固定部121と第1のケーブル11とを溶接することができる。
【0122】
螺着方式とは、ネジ接続であり、ネジ材(又は被接続材のネジ部分)で被接続材を一体に繋がる取り外し可能な接続である。常用するネジ接続材には、ボルト、スタッド、ビス及び締めビスなどがあり、多くは、標準規格品である。
【0123】
係着方式とは、接続端又は接続面に対応する係止爪又は係止溝をそれぞれ設け、係止溝と係止爪によって組立てて接続させることである。係着方式の利点は、接続が速く、取り外し可能であることである。
【0124】
スプライシング方式とは、接続端又は接続面に対応する凹溝及び突起をそれぞれ設け、凹溝と突起を互いにジョッグル又はスプライシングすることによって組み立てて接続させることである。スプライシング方式の利点は、接続が安定で、取り外し可能であることである。
【0125】
圧着方式の圧着は、接続端と接続面とを組み立てた後、圧着機を用いて両者を一体にプレスする生産プロセスである。圧着の利点は、量産性であり、自動圧着機を採用することで安定した品質の製品を迅速で大量に製造することができる。
【0126】
上記接続方式により、実際の使用環境に応じて、プラグイン端子12の第1の固定部121と第1のケーブル11の実際の使用状態に応じて、適切な接続方式又は接続方式の組み合わせを選択して、効果的な電気的接続を実現することができる。
【0127】
一実施形態において、
図16及び
図17に示すように、プラグイン部122は、シート状であり、プラグイン部122の少なくとも一部は、オス端ハウジング13から突出し、又は、オス端ハウジング13は、第1の収容キャビティを有し、プラグイン部122の少なくとも一部は、第1の収容キャビティの底面から突出するが、前記オス端ハウジング13を超えない。プラグイン部122は、少なくとも一部がオス端ハウジング13の外に突設され、メス端ハウジング23におけるプラグイン端子12に直接嵌合接続されてもよく、オス端ハウジング13の第1の収容キャビティの内部に設けられ、メス端ハウジング23におけるプラグイン端子12が第1の収容キャビティの奥に進入され、プラグイン部122に嵌合接続されてもよい。
【0128】
さらに、
図16及び
図17に示すように、プラグイン部122は、第1の挟持溝1221を有し、第1の挟持溝1221の少なくとも一部は、オス端ハウジング13の外壁から突出され、又は、オス端ハウジング13に第1の開口ボスが設けられ、プラグイン部122の少なくとも一部は、第1の開口ボス内に設けられる。
【0129】
上記実施形態において、プラグイン部122は、少なくとも一部がオス端ハウジング13から突設され、第1の開口ボス内に設けられたプラグイン端子12に嵌合接続されてもよい。又は、オス端ハウジング13は、第1の収容キャビティを有し、プラグイン部122は、少なくとも一部が前記第1の収容キャビティの底面から突出するが、前記オス端ハウジング13を超えず、メス端ハウジング23の外壁から突出されたプラグイン端子12に嵌合接続されてもよい。
【0130】
さらに、
図16及び
図17に示すように、オス端遮蔽ケース14は、少なくとも一部のオス端ハウジング13を被覆し、オス端遮蔽ケース14は、開口を有し、プラグイン部122は、開口から延出されるか、又は前記開口内に位置する。オス端ハウジング13におけるプラグイン部122は、プラグイン端子12に嵌合接続できるとともに、オス端遮蔽ケース14は、メス端遮蔽ケース24に嵌合接続され、遮蔽電気的接続を実現することができる。
【0131】
一実施形態において、
図9に示すように、オス端接続機構10は、インターロックコネクタ15を含み、インターロックコネクタ15の少なくとも一部は、前記オス端ハウジング13に一体に射出成形される。高圧インターロックは、低圧信号を用いて高圧回路の完全性を監視する安全設計方法であり、具体的な高圧インターロックの実現形態は、異なる項目に異なる設計があり、高圧インターロックは、高圧回路の予期せぬ遮断を監視し、突然の動力喪失による自動車への損害を回避する。本実施例における高圧インターロックにおいて、一端は、2本の嵌合ピンを備えかつ2本の嵌合ピンが電気的に接続される1つのU型又はV型の低圧回路であるインターロックコネクタ15であり、取付が不要で、一体射出成形の方式でオス端ハウジング13に直接成形され、メス端接続機構20における高圧インターロック構造25とマッチングして接続されて、低圧監視回路を構成することができ、
図16及び
図17に示すように、本実施例における充電ハーネスコネクタが予期せずに遮断されると、インターロックコネクタ15と高圧インターロック構造25も同時に遮断され、低圧監視回路が中央制御システムに警報を発することにより、突然の動力喪失による自動車への損害を引き起こさないように制御する。
【0132】
一実施形態において、
図4及び
図14に示すように、嵌合端子22は、順に設けられた第2の固定部221及び嵌合部222を含み、第2の固定部221は、第2のケーブル21の導電部分に電気的に接続され、嵌合部222は、シート状であるか、又は第2の挟持溝2221を有し、プラグイン端子12は、順に設けられた第1の固定部121及びプラグイン部122を含み、嵌合部222は、プラグイン部122に電気的に接続され、プラグイン部122は、シート状であるか、又は第1の挟持溝1221を有する。シート状の嵌合部222とプラグイン部122の第1の挟着溝1221とを嵌合接続するか、又はシート状のプラグイン部122と嵌合部222の第2の挟着溝2221とを嵌合接続することにより、嵌合端子22とプラグイン端子12との電気的接続を実現するとともに、第1のケーブル11と第2のケーブル21との電気的接続を実現することにより、安全で安定的に電流を導通させることができる。
【0133】
一実施形態において、第2の固定部221と第2のケーブル21の先端の導電部分とは、抵抗溶接、摩擦溶接、超音波溶接、アーク溶接、レーザー溶接、電子ビーム溶接、圧力拡散溶接、磁気誘導溶接、螺着、係着、スプライシング及び圧着のうちの1種又は複数種の方式で接続される。この技術案は、第1の固定部121と第1のケーブル11との接続方式と同じであるため、不要な説明を省略する。
【0134】
一実施形態において、
図14及び
図15に示すように、第1の挟持溝1221又は第2の挟持溝2221の外周に、材質が記憶合金であるクランプ50が嵌設される。記憶合金は、記憶力を有するスマート金属であり、そのミクロ構造は、相対的に安定した2種の状態を有し、高温では、このような合金は、任意の所望の形状に変更されることができ、低い温度では、合金は引っ張られることができるが、これを再加熱すると、その元の形状を記憶して戻り、記憶合金は、その変態温度以上と変態温度以下での結晶構造が異なるが、温度が変態温度の上下で変化すると、記憶合金は、収縮又は膨張し、その形態を変化させる。いくつかの実施例において、記憶合金は、ニッケルチタニウム合金である。
【0135】
一実施形態において、記憶合金の変態温度は、40℃~70℃の範囲内で設定され、クランプ50の温度が該変態温度より低い状態では、クランプ50は、拡張状態にあり、クランプ50の温度が該変態温度より高い状態では、クランプ50は、締め付け状態にある。
【0136】
一般的に、変態温度が40℃~70℃の間に選択され、変態温度が40℃より低ければ、導通電流がない場合、プラグイン端子12、嵌合端子22及びクランプ50の環境温度も40℃に近くなり、この時、クランプ50が締め付け状態にあり、プラグイン端子12の第1の挟持溝1221又は嵌合端子22の第2の挟持溝2221の帯状凹溝が小さくなり、プラグイン端子12が嵌合端子22に挿入できず、プラグイン端子12と嵌合端子22とのプラグイン構造がプラグインできなくなり、作動できなくなるからである。
【0137】
室温では、プラグイン端子12と嵌合端子22との嵌合後に導電を開始し、嵌合の当初でクランプ50が拡張状態にあるため、プラグイン端子12と嵌合端子22との接触面積が小さく、電流が大きくなり、それにより、プラグイン後のプラグイン端子12、嵌合端子22及びクランプ50が昇温し始めるが、変態温度が70℃を超えると、クランプ50の昇温時間が長くなり、プラグイン端子12と嵌合端子22とのプラグイン構造が長時間にわたって大電流状態にあり、電気的劣化を引き起こしやすく、深刻な場合には、プラグイン端子12と嵌合端子22とのプラグイン構造が過負荷されて破損し、不必要な損失を引き起こす。
【0138】
したがって、一般的に、記憶合金の変態温度は、40℃~70℃の間に設定される。
【0139】
クランプ50は、記憶機能を有し、変態温度以下である場合、プラグイン端子12の第1の挟持溝1221及び嵌合端子22の第2の挟持溝2221の帯状凹溝は、通常拡張状態であり、この時、プラグイン端子12と嵌合端子22は、操作者が電気機器を容易に嵌合するように、無挿入力で突き合わせを実現できる。作業中にプラグイン端子12と嵌合端子22に電流を導通させ、抵抗の作用によりプラグイン端子12と嵌合端子22の温度が徐々に上昇し、温度が変態温度以上に上昇すると、クランプ50が径方向に収縮され、温度の上昇によりプラグイン端子12の第1の挟持溝1221の帯状凹溝と嵌合端子22の第2の挟持溝2221の帯状凹溝との接触面積及び接触力を増加させ、接触の信頼性を向上させ、挿入力の要求を省くため、作業がより容易になり、作業効率が高まる。
【0140】
一実施形態において、
図15に示すように、第1の挟持溝1221又は第2の挟持溝2221の外周に、側壁51と、側壁に固定された弾性ユニット52とを含むクランプ50が嵌設され、弾性ユニット52は、第1の挟持溝1221又は第2の挟持溝2221に接触して接続される。クランプ50は、側壁に設けられた弾性ユニット52により、プラグイン端子12の第1の挟持溝が嵌合端子22をより締め付けることができるように、プラグイン端子12に圧力を印加し、プラグイン端子12と嵌合端子22との接触面積を保証し、接触抵抗を低減させ、導電性能を向上させる。
【0141】
さらに、弾性ユニット52が第1の挟持溝1221又は第2の挟持溝2221の外側に印加する力の範囲は、3N~200Nである。
【0142】
プラグイン端子12と嵌合端子22のプラグイン後の接触抵抗及び挿抜状況に対する弾性ユニット52が第1の挟持溝1221又は第2の挟持溝2221に印加する圧力の影響を検証するために、プラグイン端子12にクランプ50を嵌設することを例として、発明者は、同じ寸法規格のプラグイン端子12及び嵌合端子22、並びに異なる弾性ユニット52がプラグイン端子12に印加した圧力を選択し、その後、同じ偏心度の嵌合端子22を選択してクランプ50が嵌設されたプラグイン端子12に嵌合し、嵌合後の端子間の接触抵抗及び複数回の挿抜実験におけるプラグイン端子12の挿入に成功した割合をそれぞれテストし、テスト結果を表5に示す。
【0143】
接触抵抗のテスト方法:マイクロ抵抗測定器を使用し、マイクロ抵抗測定器の測定端の一端をプラグイン端子12に配置し、他端を嵌合端子22に配置し、毎回測定の時、配置された位置は同じであり、その後マイクロ抵抗測定器における接触抵抗の読み取り値を読み取る。本実施例において、接触抵抗が1mΩより大きいものを不合格とした。
【0144】
嵌合成功率のテスト方法:各種類の弾性ユニット52がプラグイン端子12に印加した圧力値で、いずれも100個の同じ偏心度の嵌合端子22に嵌合し、一回の挿入成功の数を記録し、全体の数に対して比を取って100%を乗算する。本実施例において、嵌合成功率が95%未満であるものを不合格とした。
【0145】
表5:接触抵抗及び嵌合成功率に対する異なる圧力の影響
【表5】
表5から分かるように、弾性ユニット52がプラグイン端子12に印加する圧力が3N未満である場合、嵌合成功率は合格するが、プラグイン端子12と嵌合端子22との間の接触抵抗が1mΩより大きく、接触抵抗が大きすぎ、弾性ユニット52がプラグイン端子12に印加する圧力が200Nより大きい場合、嵌合成功率は95%より小さく、応用需要を満たすことができないため、発明者は、弾性ユニット52がプラグイン端子12に印加する圧力を3N~200Nに設定した。
【0146】
一実施形態において、弾性ユニット52は、弾性ゴム体、バネ又は金属メタルドームである。弾性ユニット52は、弾性ゴム体であってもよく、弾性ゴム体が圧縮される弾性力によって、プラグイン端子12又は嵌合端子22に印加される圧力を保証し、弾性ユニット52は、圧縮ばねであってもよく、圧縮ばねが圧縮される弾性力によって、プラグイン端子12及び嵌合端子22に印加される圧力を保証し、弾性ユニット52は、金属メタルドームであってもよく、金属メタルドームは、クランプ50と一体に成形され、一端が固定され、他端が自由端であるシングルエンドメタルドームの形態であってもよく、両端が固定され、中央が突起するダブルエンドメタルドームの形態であってもよく、金属メタルドーム自体の弾性力によって、プラグイン端子12又は嵌合端子22に印加される圧力を保証する。
【0147】
一実施形態において、
図16及び
図17に示すように、嵌合部222は、シート状であり、嵌合部222の少なくとも一部は、メス端ハウジング23から突出し、又は、メス端ハウジング23は、第2の収容キャビティを有し、嵌合部222の少なくとも一部は、第2の収容キャビティの底面から突出するが、メス端ハウジング23を超えない。メス端ハウジング23から突出される嵌合部222は、オス端ハウジング13内に凹んだプラグイン部122に嵌合接続されてプラグイン構造を構成して電気的接続を実現してもよく、嵌合部222は、メス端ハウジング23内に凹んで、オス端ハウジング13から突出されるプラグイン部122に嵌合接続されてプラグイン構造を構成して電気的接続を実現してもよい。
【0148】
一実施形態において、
図16及び
図17に示すように、嵌合部222は、第2の挟持溝2221を有し、前記第2の挟持溝2221の少なくとも一部は、メス端ハウジング23の外壁から突出され、又は、メス端ハウジング23に第2の開口ボスが設けられ、嵌合部222の少なくとも一部は、第2の開口ボス内に設けられる。メス端ハウジング23から突出される嵌合部222は、オス端ハウジング13内に凹んだプラグイン部122に嵌合接続されてプラグイン構造を構成して電気的接続を実現してもよく、嵌合部222は、メス端ハウジング23の第2の開口ボス内に凹んで、オス端ハウジング13から突出されるプラグイン部122に嵌合接続されてプラグイン構造を構成して電気的接続を実現してもよい。
【0149】
一実施形態において、
図16及び
図17に示すように、プラグイン部122又は嵌合部222は、多層の端子積層片が積み重ねられて形成され、プラグイン部122は、第1の挟持溝1221を有し、第1の挟持溝1221は、シート状の嵌合部222とマッチングして嵌合接続され、又は、嵌合部222は、第2の挟持溝2221を有し、第2の挟持溝2221は、シート状のプラグイン部122とマッチングして嵌合接続される。
【0150】
嵌合端子22は、プラグイン端子12にプラグイン係合されることができ、プラグイン部122又は嵌合部222は、複数の端子積層片の積層分布であり、プラグイン部122は、第1の挟持溝1221を有し、第1の挟持溝1221は、嵌合部222に嵌合接続され、又は、嵌合部222は、第2の挟持溝2221を有し、第2の挟持溝2221は、プラグイン部122とマッチングして嵌合接続されてもよい。
【0151】
シート状の端子の先端は、第1の挟持溝1221又は第2の挟持溝2221にプラグインでき、第1の挟持溝1221又は第2の挟持溝2221の構造により、金属板が厚すぎることによる変形及び弾性減少の問題を低減させ、両者の間に大きな接触面積を持たせて、接続の信頼性及び導電効果を確保する。嵌合端子22とプラグイン端子12は、挟持構造の強固性を保証し、変形を減少させ、プラグイン接続構造の強度を増加させることができる。
【0152】
一実施形態において、端子積層片は、板材のプレス又は切断又は折曲げによって形成される。端子積層片は、シート状であり、積層分布され、プラグイン部122又は嵌合部222が高い機械的接続性能を持たせるとともに、プラグイン部122又は嵌合部222間の導電接続性能を確保する。板材のプレス又は切断の加工方式が簡単で、プロセスが成熟し、端子積層片を迅速で大量に加工でき、加工コストを節減し、生産性を向上させる。
【0153】
一実施形態において、
図14に示すように、端子積層片は、第1の挟持溝1221又は第2の挟持溝2221が固着される端子固定部40を含む。端子固定部40により、多層の端子積層片を積み重ねて接続させ、第1の固定部121及び第2の固定部221に固定接続させる。
【0154】
一実施形態において、隣接する2つの端子固定部40は、圧着、溶接、螺着、カシメ又はスプライシングによって接続され、電気的接続の安定性を保証する。
【0155】
圧着は、隣接する端子固定部40を組み立てた後、圧着機を用いて両者を一体にプレスする生産プロセスである。圧着の利点は、量産性であり、自動圧着機を採用することで安定した品質の製品を迅速で大量に製造することができる。
【0156】
溶接は、摩擦溶接、抵抗溶接、超音波溶接、アーク溶接、圧力溶接、レーザー溶接、爆発溶接などの方式が採用され、隣接する端子固定部40を金属半田バンプにより一体に溶融するため、接続が強固で、コンタクト抵抗が小さい。
【0157】
ネジ接続は、隣接する端子固定部40がそれぞれネジ構造を有し、互いに螺着でき、又は、単独のスタッドとナットを用いて接続することである。ネジ接続の利点は、取り外し可能性であり、組み付けと取り外しを繰り返すことができ、頻繁に取り外す必要があるシーンに適用される。
【0158】
カシメは、リベットを用いて、隣接する端子固定部40を加締めることであり、カシメの利点は、接続が強固で、加工方法が簡単で、操作しやすいことである。
【0159】
スプライシング方式とは、隣接する端子固定部40に対応する凹溝及び突起をそれぞれ設け、凹溝と突起を互いにジョッグル又はスプライシングすることによって組み立てて接続させることである。スプライシング方式の利点は、接続が安定で、取り外し可能であることである。
【0160】
隣接する2つの前記端子積層片は、前記帯状挟持溝で、接触して係合され、各端子積層片が自体の締付力を保持するように、各端子積層片の間に相対的な摺動が生じることができ、且つプラグイン端子の表面の凹凸の特性を利用して、接続の強固性を向上させることができる。
【0161】
一実施形態において、第1の挟持溝1221又は第2の挟持溝2221で、隣接する2つの端子積層片同士は、接触して接続される。端子積層片同士が接触して接続されることにより、電流が端子積層片内を流れることを保証し、流れる断面積を増大させ、嵌合端子22とプラグイン端子12の通電時の温度上昇を低減させ、嵌合端子22とプラグイン端子12の使用寿命を延長することができる。
【0162】
一実施形態において、第1の挟持溝1221又は第2の挟持溝2221のうち、隣接する2つの前記端子積層片の間の隙間は、0.2mm未満である。2つの端子積層片の間に隙間を設ける目的は、端子積層片の間に空気を流すことであり、プラグイン端子12と嵌合端子22との間の温度上昇を低減させ、プラグイン端子12又は嵌合端子22の導電腐食防止層を保護し、プラグイン端子12又は嵌合端子22の使用寿命を延長し、プラグイン端子12と嵌合端子22との間のプラグイン力を保証することができる。隙間が0.2mmより大きい場合、その放熱機能が増加せず、逆に同じ接触面積のプラグイン端子12又は嵌合端子22がより大きい幅を占め、使用スペースの無駄が発生する。
【0163】
一実施形態において、
図10に示すように、メス端接続機構20は、インターロックコネクタ15に電気的に接続されて回路を形成する高圧インターロック構造25を有する。オス端接続機構10とメス端接続機構20とが嵌合された後、高圧インターロック構造25とインターロックコネクタ15とは、回路を形成できる。高圧インターロックは、低圧信号を用いて高圧回路の完全性を監視する安全設計方法であり、高圧インターロックは、高圧回路の予期せぬ遮断を監視し、突然の動力喪失による自動車への損害を回避する。本実施例における高圧インターロックにおいて、一端は、2本の嵌合ピンを備えかつ2本の嵌合ピンが電気的に接続される1つのU型又はV型の低圧回路であるインターロックコネクタ15であり、他端は、メス端接続機構20に設けられ低圧回路に接続される2つのプラグイン端子であり、高圧インターロック構造25のプラグイン端子がインターロックコネクタ15の嵌合ピンとマッチングして接続されて、低圧監視回路を構成し、
図16及び
図17に示すように、本実施例における充電ハーネスコネクタが予期せずに遮断されると、インターロックコネクタ15と高圧インターロック構造25も同時に遮断され、低圧監視回路が中央制御システムに警報を発することにより、突然の動力喪失による自動車への損傷を引き起こさないように制御する。
【0164】
インサート式高圧インターロック構造は、従来の組付け式高圧インターロックの代わりに、一体射出成形でコネクタに固定され、組立が不要で、コストを低減させ、高圧インターロック効果を完全に満たす。
【0165】
一実施形態において、
図16及び
図17に示すように、オス端接続機構10及び/又はメス端接続機構20は、シール構造60を有する。シール構造60は、プラグイン端子12、第1のケーブル11の一部、嵌合端子22及び第2のケーブル21の一部を高圧接続機構内にシールして、外部の埃及び水による内部の導電機構への損傷及び腐食を防止し、高圧接続機構の使用寿命を大幅に延長することができる。
【0166】
さらに、シール構造60は、オス端接続機構10及び/又はメス端接続機構20に二次射出成形される。シール構造60は、オス端接続機構10及び/又はメス端接続機構20をより密接に接続させることができる。
【0167】
コネクタのシール構造60は、これ以上単独のシールリングを取り付けることではなく、伝統的なシールリングの代わりに、二次射出シール構造60を採用することにより、コネクタに直接成形でき、射出結合性がより良く、コストを低減させる。
【0168】
さらに、シール構造60の材質は、ゴム、軟質ゴム又はシリカゲルである。これらのいくつかの材料を選択することにより、射出機を用いて材料を加熱溶融し、対応する金型に射出して成形することができ、加工が簡単で、接合が強固であり、シール構造60の使用寿命を大幅に延長することができ、また、これらのいくつかの材料は、良好な弾性を有し、コネクタの組み立て時に押圧変形されて、ギャップに充填され、良好なシール性能を実現することができ、かつ、材料は耐水耐油であり、シール構造が長い使用寿命及び安全なシール性能を有することを保証することができる。
【0169】
さらに、シール構造とオス端接続機構10及び/又はメス端接続機構20との最大隙間は、520nm未満である。
【0170】
シールレベルに対する各シール構造と隣接するデバイスとの隙間の大きさの影響を検証するために、発明者は、ドライエアー法でシール装置をテストし、真空引き又はエアー加圧により、被検サンプルの内部と外部の圧力が異なるように制御し、漏れがあると、内部と外部の圧力の差が小さくなる。空気圧変化を検出することで、シール性を検出することができる。検出媒体は、乾燥空気であり、無毒無害であり、被検品を破壊せず、同時に検出環境が清潔である。オス端接続機構に設けられるシール構造を検出することを例として、発明者は、オス端接続機構10とメス端接続機構20とが接続された後の他の接続箇所を完全に密閉し、異なるシール程度のシール構造を選択し、シール構造における乾燥空気部分を抽出し、シール構造内の気圧を外部気圧よりも低くし、シール構造の内部気圧を持続的に検出し、気圧上昇のものが不合格であることを発見し、テスト結果を表6に示す。
【0171】
表6:気圧変化に対するシール構造とオス端接続機構及び/又はメス端接続機構との最大隙間の影響
【表6】
表6から分かるように、シール構造とオス端接続機構10及び/又はメス端接続機構20との最大隙間が520nmを超えると、気圧が変化し、ガスがシール構造に入り込んだことを意味し、テストは不合格となる。したがって、発明者は、シール構造とオス端接続機構10及び/又はメス端接続機構との最大隙間を520nm以上として選択した。
【0172】
一実施形態において、オス端接続機構10及び/又はメス端接続機構20は、プラグイン端子12及び/又は嵌合端子22の温度を測定するための少なくとも1つの温度測定構造を有する。温度測定構造は、プラグイン端子12又は嵌合端子22と一定の距離を有し、プラグイン端子12又は嵌合端子22の熱放射により温度測定構造に伝達され、温度測定構造によりプラグイン端子12又は嵌合端子22の温度を測定し、又は、温度測定構造に伝導素子が含まれ、伝導素子がプラグイン端子12又は嵌合端子22に貼合され、伝導素子により伝達された温度により、プラグイン端子12又は嵌合端子22の温度を測定する。そして、制御システムに伝達され、プラグイン端子12又は嵌合端子22に流れる電流を調節することにより、オス端接続機構10又はメス端接続機構20の温度を調整してもよい。
【0173】
一実施形態において、温度測定構造は、プラグイン端子12及び/又は嵌合端子22に貼合され、プラグイン端子12及び/又は嵌合端子22の温度を測定する。温度測定構造は、温度センサであり、プラグイン端子12及び/又は嵌合端子22に直接貼合され、プラグイン端子12又は嵌合端子22の実際温度を直接取得することができ、算出によりプラグイン端子12及び/又は嵌合端子22の実際温度を取得する必要がなく、構造が簡単で、温度測定がより正確である。
【0174】
温度センサは、NTC温度センサ又はPTC温度センサである。この2種類の温度センサを採用するメリットは、体積が小さく、他の温度計による測定が不能であるギャップを測定することができ、使用しやすく、抵抗値を0.1~100kΩの間で任意に選択することができ、複雑な形状に加工しやすく、大量生産が可能であり、安定性が高く、過負荷能力が高く、変換継手という体積が小さく性能が安定であることが要求される製品に適用される。
【0175】
温度測定機構を採用することにより、コネクタ内部の端子の温度を単独で監視し、他の位置の温度センサの破損に起因してコネクタの温度を監視できなくなることを回避することができる。
【0176】
一実施形態において、オス端接続機構10とメス端接続機構20は、粘着接続、磁気吸引接続、バヨネット接続、プラグイン接続、係止接続、結束接続、ネジ接続、リベット接続及び溶接接続のうちの1種又は複数種の方式で接続され、具体的な実現方式は、以下の通りである。
【0177】
第1の実行可能な技術案において、接着構造を採用してもよく、例えば、オス端接続機構10及びメス端接続機構20のスプライシング待ち表面に接着層がそれぞれ設けられ、両者は、接着により固定接続される。
【0178】
第2の実行可能な技術案において、磁気吸引構造を採用してもよく、例えば、オス端接続機構10のスプライシング待ち表面に磁気吸引材があり、メス端接続機構20のスプライシング待ち表面に同様に磁気吸引材が設けられ、接続により、接続が便利で迅速である。
【0179】
第3の実行可能な技術案において、プラグイン構造を採用してもよく、例えば、オス端遮蔽ケース14のハウジングにプラグが設けられ、メス端遮蔽ケース24のハウジング表面にスロットが設けられ、プラグがスロットに挿入された後に固定接続されることにより、オス端遮蔽ケース14とメス端遮蔽ケース24とを固定接続させ、オス端接続機構10とメス端接続機構20との接続を実現する。
【0180】
第4の実行可能な技術案において、係着構造を採用してもよく、例えば、オス端接続機構10のオス端遮蔽ケース14にスナップフィットが設けられ、メス端接続機構20のメス端遮蔽ケース24に係止溝があり、スナップフィットと溝が組み立てられた後に固定接続されることにより、オス端接続機構10とメス端接続機構20を固定接続させる。
【0181】
第5の実行可能な技術案において、ボルト接続構造を採用してもよく、ボルト接続構造は、ボルトとナットを含み、ボルトがオス端接続機構10のスプライシング待ち表面に固定され、ナットがメス端接続機構20のスプライシング待ち表面に設けられて回転可能であり、ボルトとナットが互いに螺着、螺合された後、オス端接続機構10及びメス端接続機構20のスプライシング待ち表面が固定接続される。ボルト接続構造は、最小でM3のボルトとナットを採用し、ボルト接続構造の螺合時のトルクは、最小で0.2N・mである。
【0182】
第6の実行可能な技術案において、カシメ構造を採用してもよく、カシメ構造は、リベットと固定孔とを含み、固定孔は、オス端接続機構10及びメス端接続機構20のスプライシング待ち表面に設けられ、リベットは、固定孔を貫通し、リベットが貫通した一端を変形させ、固定孔を引き締めることにより、オス端接続機構10及びメス端接続機構20のスプライシング待ち表面を固定接続させる。
【0183】
第7の実行可能な技術案において、溶接構造を採用してもよく、例えば、溶接材をオス端接続機構10及びメス端接続機構20のスプライシング待ち表面に設け、溶接機を用いて溶接材を溶解して接続させることにより、オス端接続機構10及びメス端接続機構20のスプライシング待ち表面を固定接続させる。溶接機は、ホットメルト溶接機と超音波溶接機とを含む。
【0184】
第8の実行可能な技術案において、結束構造を採用してもよく、結束構造は、結束具を含み、オス端接続機構10及びメス端接続機構20の表面に凹溝が設けられ、結束具を用いて凹溝の位置でオス端接続機構10及びメス端接続機構20のスプライシング待ち表面を結束することにより、オス端接続機構10及びメス端接続機構20のスプライシング表面を固定接続させる。結束具は、結束バンド、パイプバンド、フックロック等を含む。
【0185】
第9の実行可能な技術案において、係止構造を採用してもよく、係止構造は、係止具を含み、係止具は、オス端接続機構10及びメス端接続機構20のスプライシング待ち表面における隣接する表面に設けられ、又は、スプライシング待ち表面に設けられ、オス端接続機構10及びメス端接続機構20のスプライシング表面は、係止具により固定接続される。
【0186】
以上のオス端接続機構10とメス端接続機構20との接続の技術案において、オス端接続機構10とメス端接続機構20との位置は、交換可能である。
【0187】
さらに、
図16及び
図17に示すように、オス端遮蔽ケース14又はメス端遮蔽ケース24の少なくとも一部の外周に、オス外部絶縁ケース16又はメス外部絶縁ケース26が射出成形される。一体射出の方式を採用することにより、オス外部絶縁ケース16又はメス外部絶縁ケース26をオス端遮蔽ケース14又はメス端遮蔽ケース24の少なくとも一部の外周に直接成形させることができ、オス端遮蔽ケース14又はメス端遮蔽ケース24の導電部分が外部の他の導体に接続されて短絡を引き起こさないことを保証できる。
【0188】
一実施形態において、プラグイン端子12と嵌合端子22との間のプラグイン力は、3N~150Nである。
【0189】
さらに、プラグイン端子12と嵌合端子22との間のプラグイン力は、10N~130Nである。
【0190】
プラグイン端子12と嵌合端子22との間の接触抵抗及び嵌合状況に対するプラグイン端子12と嵌合端子22との間のプラグイン力の影響を検証するために、発明者は、同じ形状、サイズのプラグイン端子12及び嵌合端子22を選択し、プラグイン端子12と嵌合端子22との間のプラグイン力を異なるプラグイン力に設計して、プラグイン端子12と嵌合端子22との間の接触抵抗及び複数回の嵌合後の状況を観測した。
【0191】
接触抵抗の検出方式は、マイクロ抵抗測定器を用いて、プラグイン端子12と嵌合端子22との接触位置で抵抗の測定を行い、プラグイン端子12と嵌合端子22との間の接触抵抗としてマイクロ抵抗測定器における数値を読み取り、本実施例において、接触抵抗が50μΩ未満であるものを理想値とした。
【0192】
プラグイン端子12と嵌合端子22の嵌合状況のテスト方式は、プラグイン端子12と嵌合端子22に対して50回の嵌合を行い、挿抜後の落下回数と挿抜不能回数を観察し、挿抜後の落下回数は、3回未満、挿抜不能回数は、5回未満であることが要求される。
【0193】
表7:接触抵抗及び嵌合状況に対する異なるプラグイン端子12と嵌合端子22との間のプラグイン力の影響
【表7】
上記表7から分かるように、プラグイン端子12と嵌合端子22との間のプラグイン力が3N未満である場合、プラグイン端子12と嵌合端子22との間の結合力が小さすぎるため、両者の間の接触抵抗が理想値より高くなり、同時に、挿抜後の落下回数も3回以上を超え、不合格状態である。プラグイン端子12と嵌合端子22との間のプラグイン力が150Nより大きい場合、プラグイン端子12と嵌合端子22との間の挿抜不能回数が5回以上より大きくなり、不合格状態でもあるため、発明者は、プラグイン端子12と嵌合端子22との間のプラグイン力を3N~150Nの間に設定した。
【0194】
上記表7から分かるように、プラグイン端子12と嵌合端子22との間のプラグイン力が10N~130Nである場合、挿抜後に落下することも挿抜できない状況もなく、接触抵抗値も理想値の範囲内にあるため、発明者は、プラグイン端子12と嵌合端子22との間のプラグイン力が10N~130Nであることが好ましいと設定した。
【0195】
一実施形態において、プラグイン端子12と嵌合端子22との間の接触抵抗は、9mΩ未満である。
【0196】
プラグイン端子12と嵌合端子22との間の接触抵抗は、1mΩ未満であることが好ましい。
【0197】
一般的に、プラグイン端子12と嵌合端子22との間に大電流を導通させる必要があり、プラグイン端子12と嵌合端子22との間の接触抵抗が9mΩより大きくなると、接触位置で大きな温度上昇が発生し、且つ時間の経過に伴い、温度がますます高くなり、プラグイン端子12と嵌合端子22との間の温度が高すぎ、プラグイン端子12と嵌合端子22との熱膨張率が異なる場合、機械的変形が同期せず、プラグイン端子12と嵌合端子22との間に内部応力が発生し、深刻な場合、プラグイン端子12と嵌合端子22との変形を引き起こし、電気的導通の作用を実現できない。一方、プラグイン端子12と嵌合端子22との温度が高すぎると、第1のケーブル11及び第2のケーブル21の絶縁層に伝導され、対応する絶縁層が溶解され、絶縁保護の役割を果たすことができず、深刻な場合、線路短絡による接続構造の損傷、ひいては、燃焼などの安全事故を引き起こす。したがって、発明者は、プラグイン端子12と嵌合端子22との間の接触抵抗を9mΩ未満に設定した。
【0198】
コネクタの温度上昇及び導電率に対するプラグイン端子12と嵌合端子22との間の接触抵抗の影響を検証するために、発明者は、同じプラグイン端子12、異なる接触抵抗の嵌合端子22を選択し、嵌合構造の導電率及び温度上昇に対するテストを行う。
【0199】
導電率テストは、プラグイン端子12と嵌合端子22とを嵌合した後、該プラグイン構造に通電し、その後、対応する嵌合箇所の導電率を検出することであり、本実施例において、導電率が99%より大きいものを理想値とした。
【0200】
温度上昇テストは、該プラグイン構造に同じ電流を流し、密閉された環境で通電前及び温度が安定した後のプラグイン端子12と嵌合端子22の同じ位置の温度を検出し、差を減算して絶対値を取ることである。本実施例において、温度上昇が50Kより大きいものを不合格と見なす。
【0201】
表8:導電率及び温度上昇に対する異なるプラグイン端子12と嵌合端子22との間の接触抵抗の影響
【表8】
上記表8から分かるように、プラグイン端子12と嵌合端子22との間の接触抵抗が9mΩより大きい場合、プラグイン構造の温度上昇が50Kを超え、同時に、プラグイン構造の導電率も99%未満であり、基準要件を満たさない。したがって、発明者は、プラグイン端子12と嵌合端子22との間の接触抵抗を9mΩ未満に設定した。
【0202】
さらに、プラグイン端子12と嵌合端子22との間の接触抵抗が1mΩ未満である場合、プラグイン構造の温度上昇が20K未満であり、プラグイン端子12と嵌合端子22との間のプラグイン構造の導電率が99.9%であり、導電効果がより良好であるため、前記発明者は、プラグイン端子12と嵌合端子22との間の接触抵抗を1mΩ未満に設定することが好ましい。
【0203】
一実施形態において、オス端接続機構10とメス端接続機構20との間の挿抜回数は、10回以上である。接続機構と電気装置とを組み立てる時に、オス端接続機構10とメス端接続機構20とを組み立てる必要があり、その後、メンテナンス、アセンブリの取り外しがある場合、いずれもオス端接続機構10とメス端接続機構20とを分離してから挿抜する必要がある可能性があるため、オス端接続機構10とメス端接続機構20との間の挿抜回数が10回未満であってはいけず、10回未満であると、ある回の取り外し、メンテナンス中において、オス端接続機構10又はメス端接続機構20が損傷を受ける可能性があり、電流をつなぐ役割を果たすことができず、ハーネスを含む接続機構全体を全部交換する必要があり、メンテナンス時間がかかるだけでなく、メンテナンスコストも増加するため、オス端接続機構10及びメス端接続機構20の材料からの選択でも、オス端接続機構10とメス端接続機構20との間の挿抜機構、ロック機構、シール機構の設計でも、接続機構の使用要求を満たす可能であるように、少なくとも10回の取り外し組み付けを行う必要がある。
【0204】
一実施形態において、メス端接続機構20の重量は、215g以下である。
図1に示すように、メス端接続機構20は、接続機構の上方に位置し、且つオス端接続機構10にプラグイン固定され、メス端接続機構20の重量が大きすぎると、メス端接続機構20が受ける重力も大きく、電気装置が振動する場合、接続機構全体が振動に追従し、慣性の原因によりメス端接続機構20が大きな振動を受け、異音が発生し、電気装置の使用中に異音の発生が許容されない。
【0205】
接続機構の異音に対するメス端接続機構20の重量の影響を検証するために、発明者は、同じオス端接続機構10、異なる重量のメス端接続機構20のサンプルを用いて、組み立てた後に振動試験台に取り付け、振動試験を行い、振動試験中にメス端接続機構20に異音の発生があるか否かを観察し、テスト結果を表9に示す。
【0206】
表9:接続機構の異音に対するメス端接続機構20の重量の影響
【表9】
表9から分かるように、メス端接続機構20の重量が215gより大きい場合、振動テスト中にメス端接続機構20に異音が発生し、テストは不合格となる。したがって、発明者は、メス端接続機構20の重量を215g以下と選択した。
【0207】
一実施形態において、メス端接続機構20の挿抜方向に沿う高さは、276mm以下である。オス端接続機構10とメス端接続機構20とが組み立てられた後、電気装置に取り付ける必要があるが、一般的に、電気装置に予備された空間はいずれも小さく、メス端接続機構20が高い場合、電気装置に取り付けることができない一方、原材料の無駄も発生するため、メス端接続機構20は、設計時に一定の高さより低い必要がある。
【0208】
接続機構の取り付け状況に対するメス端接続機構20の挿抜方向に沿う高さの影響を検証するために、発明者は、同じオス端接続機構10、異なる挿抜方向に沿う高さのメス端接続機構20のサンプルを用いて、組み立てた後に電気装置に取り付け、取り付け中にメス端接続機構20が電気装置の他の部品と干渉するか否かを観察し、テスト結果を表10に示す。
【0209】
表10:接続機構の取付状況に対するメス端接続機構20の挿抜方向に沿う高さの影響
【表10】
表10から分かるように、メス端接続機構20の挿抜方向に沿う高さが276mmより大きいと、電気装置の所定の位置に取り付けることができず、テストは不合格となる。したがって、発明者は、メス端接続機構20の挿抜方向に沿う高さを276mm以下と選択した。
【0210】
一実施形態において、プラグイン端子12及び/又は嵌合端子22の少なくとも一部の表面に導電腐食防止層が設けられる。
【0211】
プラグイン端子12と嵌合端子22の材質が一致しない場合、両者の間の導電はポテンシャルの電位差によって電気化学腐食が発生し、それにより、プラグイン端子12と嵌合端子22の使用寿命を低減させ、このような電気化学腐食を低減させるために、プラグイン端子12及び/又は嵌合端子22の少なくとも一部の表面に導電腐食防止層を設けてもよく、導電腐食防止層の材質は、ポテンシャルの電位がプラグイン端子12と嵌合端子22との材質のポテンシャルの電位の間にある金属材料を使用してもよく、それによりプラグイン端子12と嵌合端子22を遮断し、電気化学腐食を緩和させ、プラグイン端子12と嵌合端子22の使用寿命を延長する。
【0212】
プラグイン端子12と嵌合端子22との接続において、導電腐食防止層は、プラグイン端子12と嵌合端子22との間の電気化学反応の発生を低減させ、フラットリボンが他の材質の端子を介して他の端子又は電気装置に接続できるという技術的問題を解決することができる。
【0213】
さらに、導電腐食防止層は、電気めっき、無電解めっき、マグネトロンスパッタリング、真空めっき、圧力溶接、拡散溶接、摩擦溶接、抵抗溶接方式、超音波溶接又はレーザー溶接方式のうちの1種又は複数種によってプラグイン端子12及び/又は嵌合端子22の少なくとも一部の表面に付着される。
【0214】
電気めっき方法は、電解原理を利用してある金属表面に他の金属又は合金を薄層めっきするプロセスである。
【0215】
無電解めっき方法は、金属の触媒作用で、制御可能な酸化還元反応により金属の堆積を生成するプロセスある。
【0216】
マグネトロンスパッタリング方法は、磁界と電界の交互作用を利用して、電子をターゲット表面付近で螺旋状に走行させることにより、電子がアルゴンガスに衝突してイオンを生成させる確率を増大させることである。生成されたイオンは、電界の作用によりターゲット面に衝突してターゲットからスパッタされる。
【0217】
真空めっき方法は、真空条件で、蒸留又はスパッタリングなどの方式によりプラスチック成形物の表面に各種の金属及び非金属薄膜を堆積することである。
【0218】
圧力溶接は、溶接材に圧力を印加し、スプライシング面を密接に接触させて一定の塑性変形を生じさせて溶接を完了させる方法である。
【0219】
摩擦溶接方式とは、ワーク接触面の摩擦による熱を熱源として、ワークを圧力により塑性変形させて溶接する方法である。
【0220】
抵抗溶接方式とは、強い電流を利用して電極とワークとの間の接触点を通過させ、接触抵抗により熱を発生させて溶接を実現する方法である。
【0221】
超音波溶接方式は、高周波振動波を利用して2つの溶接すべき物体表面に伝達させ、加圧する場合、2つの物体表面を互いに摩擦させて分子層間の融着を形成することである。
【0222】
レーザー溶接方式は、高エネルギー密度のレーザービームを熱源とする高効率で精密な溶接方法である。
【0223】
拡散溶接方式とは、ワークを高温で加圧するが、視覚的変形や相対移動が生じない固相溶接方法である。
【0224】
以上の複数の方式又はその組み合わせにより、導電腐食防止層をプラグイン端子12及び/又は嵌合端子22の少なくとも一部の表面に安定的に設けることができる。
【0225】
一実施形態において、導電腐食防止層の厚さは、0.3μm~3000μmである。
【0226】
一実施形態において、導電腐食防止層の厚さは、2.5μm~1000μmである。
【0227】
電圧降下に対する異なる導電腐食防止層の厚さの影響をテストするために、発明者は、同じ材質及び構造のプラグイン端子12及び嵌合端子22を用いて、プラグイン端子12及び/又は嵌合端子22の少なくとも一部の表面に異なる厚さの導電腐食防止層をそれぞれ設け、その後、プラグイン端子12と嵌合端子22のプラグイン後の電圧降下をテストする。結果を表11に示す。
【0228】
本実施例において、プラグイン端子12と嵌合端子22のプラグイン後の電圧降下が4mVより大きいものを不合格とした。
【0229】
表11:電圧降下(mV)に対する異なる導電腐食防止層の厚さの影響
【表11】
上記表11のデータから分かるように、導電腐食防止層の厚さが3000μmより大きい場合及び0.3μm未満である場合、プラグイン端子12と嵌合端子22のプラグイン構造の電圧降下は、4mVより大きく、要求値に適合しないため、発明者は、導電腐食防止層の厚さを0.3μm~3000μmと選択した。ここで、導電腐食防止層の厚さが2.5μm~1000μmの範囲内にある場合、プラグイン端子12と嵌合端子22のプラグイン構造の電圧降下は最適値であるため、発明者は、導電腐食防止層の厚さを2.5μm~1000μmと選択することが好ましい。
【0230】
一実施形態において、導電腐食防止層の材質は、ニッケル、カドミウム、マンガン、ジルコニウム、コバルト、錫、チタニウム、クロム、金、銀、亜鉛、錫鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、黒鉛銀、グラフェン銀、硬質銀及び銀金ジルコニウム合金のうちの1種又は複数種を含有する。
【0231】
好ましくは、導電腐食防止層の材質のポテンシャルの電位は、プラグイン端子12と嵌合端子22との材質のポテンシャルの電位の間にある。このような解決策は、プラグイン端子12と嵌合端子22のプラグイン後の電気化学腐食の低減を実現ことができる。
【0232】
以下、同様にプラグイン端子12と嵌合端子22を例として、プラグイン端子12と嵌合端子22に導電腐食防止層が設けられ、プラグイン端子12及び嵌合端子22の性能に対する異なる導電腐食防止層の材質の影響を検証するために、発明者は、同じ規格、材質のものを使用し、異なる導電腐食防止層の材質のプラグイン端子12と嵌合端子22を用いて、一連の耐食性時間テストを行い、実験結果を表12に示す。
【0233】
表12における耐食性時間テストは、プラグイン端子12と嵌合端子22のサンプルを塩水噴霧試験箱内に入れ、プラグイン端子12と嵌合端子22の各位置に塩水噴霧を行い、20時間ごとに取り出して洗浄して表面の腐食状況を観察することが1サイクルであり、プラグイン端子12と嵌合端子22のサンプルの表面の腐食面積が総面積の10%を超えるまで、テストを停止し、その時のサイクル数を記録する。本実施例において、サイクル数が80回未満であるものを不合格と見なす。
【0234】
表12:プラグイン端子12及び嵌合端子22のサンプルの耐食性に対する異なる導電腐食防止層の材質の影響
【表12】
表12から分かるように、導電腐食防止層の材質が常用の金属錫、ニッケル、亜鉛を含有する場合、実験の結果は、他の選択された金属よりも劣り、他の金属を選択した実験結果は、標準値を超えるものが多く、性能が安定している。したがって、発明者は、導電腐食防止層の材質がニッケル、カドミウム、マンガン、ジルコニウム、コバルト、錫チタニウム、クロム、金、銀、亜鉛錫鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、黒鉛銀、グラフェン銀、硬質銀及び銀金ジルコニウム合金のうちの1種又は複数種を含有する(又はこれらである)ものを選択した。より好ましい形態として、導電腐食防止層の材質は、カドミウム、マンガン、ジルコニウム、コバルト、チタニウム、クロム、金、銀、錫鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、黒鉛銀、グラフェン銀、硬質銀及び銀金ジルコニウム合金のうちの1種又は複数種を含有する(又はこれらである)ものを選択した。
【0235】
一実施形態において、第1のケーブル11の導電部分は、プラグイン端子12と一体構造になる。第1のケーブル11の導電部分とプラグイン端子12は、同一の材料で製造され、つまり、第1のケーブル11の導電部分が延出してプラグイン端子12に成形されたものであってもよく、プラグイン端子12の使用を節減し、材料コストを低減させ、加工工数を節減することができ、組み立ての問題を考慮する必要がなく、第1のケーブル11の導電部分の先端を必要に応じて様々な形状に成形することができる。
【0236】
一実施形態において、第2のケーブル21の導電部分は、嵌合端子22と一体構造になる。第2のケーブル21の導電部分と嵌合端子22は、同一の材料で製造され、つまり、第2のケーブル21の導電部分が延出して嵌合端子22に成形されたものであってもよく、嵌合端子22の使用を節減し、材料コストを低減させ、加工工数を節減することができ、組み立ての問題を考慮する必要がなく、第2のケーブル21の導電部分の先端を必要に応じて様々な形状に成形することができる。
【0237】
本発明は、上記高圧接続機構を含む電気エネルギー伝送装置をさらに提供する。
【0238】
本発明は、上記高圧接続機構と上記電気エネルギー伝送装置とを含む自動車をさらに提供する。
【0239】
本発明の高圧接続機構は、射出成形されたオス端遮蔽ケース及びメス端遮蔽ケースが設けられ、加工が簡単で、コストが遮蔽金属ケースよりも大幅に低く、オス端遮蔽ケースとメス端遮蔽ケースとのプラグイン係合及び該両方とケーブル遮蔽ネットとの電気的接続により、高圧接続機構内部の電磁干渉を効果的に遮蔽し、他の機器への電磁干渉を低減させることができる。
【0240】
本発明のオス端遮蔽ケース及びメス端遮蔽ケースとケーブル遮蔽層との接続に、様々な方式が採用されることにより、遮蔽ケースと遮蔽層とを安定して効果的に接続し、良好な遮蔽効果を実現することができる。
【0241】
本発明の端子とケーブルは、オス端ハウジング及びメス端ハウジングに一体に射出成形され、端子のプラグイン等の作業をさらに行う必要がなく、加工工程を減少させ、生産コストを低減させるとともに、一体に射出成形されたオス端ハウジング及びメス端ハウジングは、構造が簡単で、高精度の射出金型が不要で、かつ完全にシールされるため、絶縁効果が良い。
【0242】
嵌合端子は、プラグイン端子にプラグイン係合でき、プラグイン部又は嵌合部は、複数の端子積層片の積層分布であり、シート状の端子の先端は、帯状凹溝にプラグインでき、帯状凹溝構造により、金属板が厚すぎることによる変形及び弾性減少の問題を低減させ、両者の間に大きな接触面積を持たせて、接続の信頼性及び導電効果を確保する。嵌合端子とプラグイン端子に対して、挟持構造の強固性を保証し、変形を減少させ、プラグイン接続構造の強度を増加させることができる。
【0243】
インサート式高圧インターロック構造は、従来の組付け式高圧インターロックの代わりに、一体射出でコネクタに固定され、組立が不要で、コストを低減させ、高圧インターロック効果を完全に満たす。
【0244】
コネクタのシール構造は、これ以上単独のシールリングを取り付けることではなく、伝統的なシールリングの代わりに、二次射出シール構造を採用することにより、コネクタに直接成形でき、射出結合性がより良く、コストを低減させる。
【0245】
温度測定機構を採用することにより、コネクタ内部の端子の温度を単独で監視し、他の位置の温度センサの破損に起因してコネクタの温度を監視できなくなることを回避することができる。
【0246】
以上は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者は、出願書類に開示された内容に基づいて、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、本発明の実施例に対して様々な変更又は変形を行うことができる。
【符号の説明】
【0247】
10 オス端接続機構
11 第1のケーブル
12 プラグイン端子
13 オス端ハウジング
14 オス端遮蔽ケース
121 第1の固定部
122 プラグイン部
1221 第1の挟持溝
15 インターロックコネクタ
16 オス外部絶縁ケース
20 メス端接続機構
21 第2のケーブル
22 嵌合端子
23 メス端ハウジング
24 メス端遮蔽ケース
221 第2の固定部
222 嵌合部
2221 第2の挟持溝
25 高圧インターロック構造
26 メス外部絶縁ケース
31 第1の遮蔽層
32 第1の遮蔽装置
33 第1の導電メタルドーム
34 第2の遮蔽層
35 第2の遮蔽装置
36 第2の導電メタルドーム
40 端子固定部
50 クランプ
51 側壁
52 弾性ユニット
60 シール構造
【国際調査報告】