(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】ディスプレイデバイス、その駆動方法、および電子ペーパー
(51)【国際特許分類】
G09G 3/34 20060101AFI20240927BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G09G3/34 C
G09G3/20 641G
G09G3/20 624B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518293
(86)(22)【出願日】2022-10-14
(85)【翻訳文提出日】2024-05-07
(86)【国際出願番号】 CN2022125369
(87)【国際公開番号】W WO2023066155
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】202111207842.0
(32)【優先日】2021-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フアン、チアンカン
(72)【発明者】
【氏名】リン、イジェン
【テーマコード(参考)】
5C080
【Fターム(参考)】
5C080AA13
5C080BB05
5C080CC03
5C080DD26
5C080EE19
5C080EE29
5C080FF11
5C080JJ03
5C080JJ04
5C080JJ06
5C080KK08
(57)【要約】
本願の実施形態は、ディスプレイデバイス、その駆動方法、および電子ペーパーを提供する。ディスプレイデバイスは、複数の画素を含む。画素は、画素電極面積が互いに等しくないN個のサブ画素を含み、サブ画素は、M個のグレースケールを表示でき、NおよびMの両方は、2以上の整数である。N個のサブ画素のうちの2個の画素電極面積の比率はXnであり、2≦X≦Mであり、nは1以上の整数である。本願において、表示されるグレースケールの数を増やすことができ、表示される画像のリフレッシュレートを保証できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素、ここで、前記画素は、画素電極面積が互いに等しくないN個のサブ画素を有し、前記サブ画素は、M個のグレースケールを表示でき、NおよびMの両方は、2以上の整数である
を備え、
ここで、前記N個のサブ画素のうちの2個の画素電極面積の比率はX
nであり、2≦X≦Mであり、かつ、nは1以上の整数である、
ディスプレイデバイス。
【請求項2】
n≦N-1である、請求項1に記載のディスプレイデバイス。
【請求項3】
前記N個のサブ画素は1番目のサブ画素、2番目のサブ画素、...およびN番目のサブ画素を含む;および
R番目のサブ画素の画素電極面積に対する(R+1)番目のサブ画素の画素電極面積の比率はXであり、ここで、1≦R≦Nであり、Rは整数である
請求項1に記載のディスプレイデバイス。
【請求項4】
前記画素の総画素電極面積における前記R番目のサブ画素の前記画素電極面積の割合はP
Rであり、ここで、P
R=X
R-1*(X-1)/(X
N-1)であり、1≦R≦Nであり、かつ、Rは整数である、請求項3に記載のディスプレイデバイス。
【請求項5】
前記ディスプレイデバイスは、複数のゲートラインおよび複数のデータラインを備える;
前記サブ画素は、スイッチングトランジスタを含み、前記スイッチングトランジスタの出力端子は、画素電極へ電気的に接続されている;および
前記N個のサブ画素のスイッチングトランジスタの制御端子は、同じゲートラインへ接続されており、前記N個のサブ画素の前記スイッチングトランジスタの入力端子はそれぞれ、異なるデータラインへ接続されている
請求項1に記載のディスプレイデバイス。
【請求項6】
前記ディスプレイデバイスは、複数のゲートラインおよび複数のデータラインを備える;
前記サブ画素は、スイッチングトランジスタを含み、前記スイッチングトランジスタの出力端子は、画素電極へ電気的に接続されている;および
前記N個のサブ画素の前記スイッチングトランジスタの入力端子は、同じデータラインへ接続されており、前記N個のサブ画素の前記スイッチングトランジスタの制御端子はそれぞれ、異なるゲートラインへ接続されている
請求項1に記載のディスプレイデバイス。
【請求項7】
前記画素の構造は、
前記サブ画素の画素電極は、ストリップ形状であり、前記N個のサブ画素は、同じ方向に順に配置されている;
前記サブ画素の画素電極は、ブロック形状であり、前記N個のサブ画素は、アレイで配置されている;
前記サブ画素のうちの少なくともいくつかの画素電極は、リング形状であり、前記N個のサブ画素は、入れ子方式で配置されている;および
前記サブ画素のうちの少なくともいくつかの画素電極は、L字形状であり、前記N個のサブ画素のうちの2個の隣接するサブ画素は、前記サブ画素のうちの一方が他方のサブ画素により半分囲まれるように配置されている
のうちの1つである、
請求項1に記載のディスプレイデバイス。
【請求項8】
前記画素は少なくとも、赤色画素、緑色画素および青色画素を含む;および
前記ディスプレイデバイスは、光学フィルタ層を備え、前記光学フィルタ層は、赤色光学フィルタユニット、緑色光学フィルタユニットおよび青色光学フィルタユニットを有し、ここで、
前記赤色画素は、前記赤色光学フィルタユニットを含み、前記緑色画素は、前記緑色光学フィルタユニットを含み、前記青色画素は、前記青色光学フィルタユニットを含む、
請求項1に記載のディスプレイデバイス。
【請求項9】
前記画素は少なくとも、赤色画素、緑色画素および青色画素を含む;および
前記赤色画素は、黒色電気泳動粒子および赤色電気泳動粒子を含み、前記緑色画素は、黒色電気泳動粒子および緑色電気泳動粒子を含み、前記青色画素は、黒色電気泳動粒子および青色電気泳動粒子を含む
請求項1に記載のディスプレイデバイス。
【請求項10】
ディスプレイデバイスの駆動方法であって、
前記ディスプレイデバイスは、複数の画素を含み、ここで、前記画素は、画素電極面積が互いに等しくないN個のサブ画素を含み、前記サブ画素は、M個のグレースケールを表示でき、NおよびMの両方は、2以上の整数であり、ここで、前記N個のサブ画素のうちの2個の画素電極面積の比率はX
nであり、2≦X≦Mであり、かつ、nは1以上の整数である;および、前記駆動方法は、
画像のフレームの表示中、前記サブ画素の画素電極上のデータ電圧の持続時間を制御する段階、その結果、前記サブ画素は、ターゲットグレースケールを表示し、ここで、前記ターゲットグレースケールは、前記M個のグレースケールのいずれか1個であり、前記N個のサブ画素により表示されるグレースケールは、前記画素の表示されるグレースケールを示すために組み合わされる
を備える、駆動方法。
【請求項11】
前記ディスプレイデバイスは、複数のゲートラインおよび複数のデータラインを含む;および、前記サブ画素は、スイッチングトランジスタを含み、前記スイッチングトランジスタの制御端子は、前記ゲートラインへ電気的に接続されており、前記スイッチングトランジスタの入力端子は、データラインへ電気的に接続されており、前記スイッチングトランジスタの出力端子は、画素電極へ電気的に接続されている;
前記駆動方法は、前記画像のフレームが表示される前に、前記サブ画素の初期グレースケールを表示する段階であって、前記初期グレースケールは、前記M個のグレースケールのいずれか1個である、表示する段階をさらに備える;および
前記サブ画素の画素電極上のデータ電圧の持続時間を制御する前記段階、その結果、前記サブ画素は、ターゲットグレースケールを表示する、は、
前記ゲートラインにより、前記データラインを用いることにより前記データ電圧を前記画素電極へ書き込むために、前記スイッチングトランジスタがオンになるよう制御するための走査信号を提供する段階、ここで、前記サブ画素は、前記データ電圧の制御下で、前記初期グレースケールから前記ターゲットグレースケールへ切り替えられ、前記データ電圧の前記持続時間はTであり、T=m*tであり、ここで、mは、1以上の正の整数であり、tは、前記ゲートラインが走査信号を提供する走査期間である
を有する
請求項10に記載の駆動方法。
【請求項12】
請求項1から9のいずれか一項に記載のディスプレイデバイスを備える電子ペーパー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年10月18日に中国国家知識産権局に出願された、「ディスプレイデバイス、その駆動方法、および電子ペーパー」と題する中国特許出願第202111207842.0号の優先権を主張する。当該中国特許出願は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、ディスプレイ技術の分野に関し、より具体的には、ディスプレイデバイス、その駆動方法、および電子ペーパーに関する。
【背景技術】
【0003】
ディスプレイ技術の継続的な開発に伴い、電子ペーパーディスプレイ技術が、紙のような表示効果に起因して、一般大衆の注目を集めている。電子ペーパーディスプレイ技術において用いられる電気泳動粒子は、双安定特性を有しており、その結果、電子ペーパーディスプレイは、動作を停止した場合、表示される画像を依然として長時間にわたり保持できる。したがって、電子ペーパーディスプレイは、低電力消費を特徴としている。電子ペーパーディスプレイ技術は、反射表示タイプのものである。つまり、表示効果は、外部光源を反射することにより実現される。したがって、電子ペーパーディスプレイ技術は、LCDまたはOLEDディスプレイ技術よりもはるかに、人間の眼にとって有害ではない。
【0004】
現在の電子ペーパーディスプレイ技術において、画素により表示され得るグレースケールは、少数である。しかしながら、画素により表示され得るグレースケールが、駆動方式を調節すことのみにより増やされた場合、グレースケールの精度の制御がより難しくなる。加えて、従来技術では、画素により表示され得るグレースケールが増やされた後に、表示される画像のリフレッシュレートが大幅に影響を受け、アニメーション再生の平滑性が深刻な影響を受ける。
【発明の概要】
【0005】
このことを考慮して、本願は、画素により表示され得るグレースケールの数を増やすことおよびグレースケールの制御精度を改善することによりもたらされる技術的課題を解決するために、ディスプレイデバイス、その駆動方法、および電子ペーパーを提供する。
【0006】
本願の一実施形態は、複数の画素を含むディスプレイデバイスを提供し、画素は、画素電極面積が互いに等しくないN個のサブ画素を含み、サブ画素は、M個のグレースケールを表示でき、NおよびMの両方は、2以上の整数である。
【0007】
N個のサブ画素のうちの2個の画素電極面積の比率はXnであり、2≦X≦Mであり、nは1以上の整数である。
【0008】
本願において、画素の表示されるグレースケールは、N個のサブ画素により表示されるグレースケールを組み合わせることにより示され、その結果、画素により表示されるグレースケールの数を増やすことができる。従来技術と比較して、本願は、グレースケールに対応するグレースケールトラックの密度を大幅に低減でき、グレースケール制御の精度を改善できる。加えて、全てのグレースケールの間の自由切り替えを完了するために画素が必要とする時間を低減でき、表示される画像のリフレッシュレートは、わずかに影響を受け、一方で、表示されるグレースケールの数が増え、これにより、アニメーション再生の平滑性が保証される。X=Mである場合、M個のグレースケールを表示するよう各サブ画素を制御することにより、最大でMN個のグレースケールを画素のみに別個に表示でき、これにより、表示されるグレースケールの数が大幅に増える。
【0009】
いくつかの実装において、n≦N-1である。本実施形態において、画素電極面積の最大の差を有する2個のサブ画素の画素電極面積の比率は、XN-1である。
【0010】
いくつかの実装において、N個のサブ画素は、1番目のサブ画素、2番目のサブ画素、...、N番目のサブ画素を含む。R番目のサブ画素の画素電極面積に対する(R+1)番目のサブ画素の画素電極面積の比率はXであり、1≦R≦Nであり、Rは整数である。R番目のサブ画素の画素電極面積に対する(R+1)番目のサブ画素の画素電極面積の比率は、本実施形態における設計に基づいて最小化され得る。この場合、単一の画素の総面積が最小であり、その結果、ディスプレイデバイス内に配置される画素の数を増やすことができ、これにより、解像度が改善される。
【0011】
いくつかの実装において、画素の総画素電極面積におけるN個のサブ画素のうちのR番目のサブ画素の画素電極面積の割合はPRであり、PR=XR-1*(X-1)/(XN-1)であり、1≦R≦Nであり、かつ、Rは整数である。
【0012】
本願の本実施形態において、ディスプレイデバイスは、複数のゲートラインおよび複数のデータラインを含む。サブ画素は、スイッチングトランジスタを含み、スイッチングトランジスタの出力端子は、画素電極へ電気的に接続されている。N個のサブ画素のスイッチングトランジスタの制御端子が、同じゲートラインへ電気的に接続されており、N個のサブ画素のスイッチングトランジスタの入力端子がそれぞれ、異なるデータラインへ接続されている。本実装において、同じ画素に属するN個のサブ画素が、同じゲートラインにより制御され、N個のサブ画素のデータ電圧がそれぞれ、異なるデータラインにより提供される。
【0013】
いくつかの実装において、N個のサブ画素のスイッチングトランジスタの入力端子が、同じデータラインへ接続されており、N個のサブ画素のスイッチングトランジスタの制御端子がそれぞれ、異なるゲートラインへ接続されている。本実装において、同じ画素に属するN個のサブ画素がそれぞれ、異なるゲートラインにより制御され、N個のサブ画素のデータ電圧が、同じデータラインにより提供される。
【0014】
本願の本実施形態における画素の構造は、サブ画素の画素電極は、ストリップ形状であり、N個のサブ画素は、同じ方向に順に配置されている;サブ画素の画素電極は、ブロック形状であり、N個のサブ画素は、アレイで配置されている;サブ画素のうちの少なくともいくつかの画素電極は、リング形状であり、N個のサブ画素は、入れ子方式で配置されている;およびサブ画素のうちの少なくともいくつかの画素電極は、L字形状であり、N個のサブ画素のうちの2個の隣接するサブ画素は、サブ画素のうちの一方が他方のサブ画素により半分囲まれるように配置されている、のうちの1つである。サブ画素の形状および配置方式は、特定の設計要件に従って設計され得る。
【0015】
一実施形態において、画素は少なくとも、赤色画素、緑色画素および青色画素を含む。ディスプレイデバイスは、光学フィルタ層を含み、光学フィルタ層は、赤色光学フィルタユニット、緑色光学フィルタユニットおよび青色光学フィルタユニットを含む。赤色画素は赤色光学フィルタユニットを含み、緑色画素は緑色光学フィルタユニットを含み、青色画素は青色光学フィルタユニットを含む。本実装は、カラーディスプレイデバイスを提供し、カラー表示を実装するために、カラーフィルタユニットが配置されている。各サブ画素は、M個のグレースケールを独立して表示できる。この場合、各画素は、最大でMN個のグレースケールを独立して表示でき、その結果、表示されるグレースケールの数を増やすことができ、これにより、カラー画像において表示される色の豊富さが増す。
【0016】
別の実施形態において、赤色画素は、黒色電気泳動粒子および赤色電気泳動粒子を含み、緑色画素は、黒色電気泳動粒子および緑色電気泳動粒子を含み、青色画素は、黒色電気泳動粒子および青色電気泳動粒子を含む。本実装において、カラー表示は、画素内のカラー電気泳動粒子を設定することにより実装される。
【0017】
本願の一実施形態は、本願の本実施形態において提供されるディスプレイデバイスを駆動するために用いられる、ディスプレイデバイスの駆動方法をさらに提供する。駆動方法は、画像のフレームの表示中、サブ画素の画素電極上のデータ電圧の持続時間を制御する段階を含み、その結果、サブ画素は、ターゲットグレースケールを表示し、ターゲットグレースケールは、M個のグレースケールのいずれか1個であり、N個のサブ画素により表示されるグレースケールは、画素の表示されるグレースケールを示すために組み合わされる。
【0018】
いくつかの実装において、駆動方法は、画像のフレームが表示される前に、サブ画素の初期グレースケールを表示する段階であって、初期グレースケールは、M個のグレースケールのいずれか1個である、表示する段階をさらに含む。
【0019】
サブ画素の画素電極上のデータ電圧の持続時間を制御する段階、その結果、サブ画素は、ターゲットグレースケールを表示する、は、ゲートラインにより、データラインを用いることによりデータ電圧を画素電極へ書き込むために、スイッチングトランジスタがオンになるよう制御するための走査信号を提供する段階を含む。サブ画素は、データ電圧の制御下で、初期グレースケールからターゲットグレースケールへ切り替えられる。データ電圧の持続時間はTであり、T=m*tである。mは、1以上の正の整数であり、tは、ゲートラインが走査信号を提供する走査期間である。
【0020】
本願の一実施形態は、本願のいずれかの実施形態において提供されるディスプレイデバイスを含む電子ペーパーをさらに提供する。
【0021】
本願において提供される、ディスプレイデバイス、その駆動方法、および電子ペーパーは、以下の有益な効果を有する。
【0022】
画素は、画素電極面積が等しくないN個のサブ画素を含む。各サブ画素は、M個のグレースケールを独立して表示でき、サブ画素の画素電極面積比率は、Mに関連する。画素の表示されるグレースケールは、N個のサブ画素により表示されるグレースケールを組み合わせることにより示される。M個のグレースケールを別個に表示するよう各サブ画素を制御することにより、最大でMN個のグレースケールを画素のみに表示でき、これにより、表示されるグレースケールの数が増える。電子ペーパーディスプレイ技術に適用されることで、本願は、グレースケールに対応するグレースケールトラックの密度を大幅に低減でき、グレースケール制御の精度を改善できる。加えて、全てのグレースケールの間の自由切り替えを完了するために画素が必要とする時間を低減でき、表示される画像のリフレッシュレートは、わずかに影響を受け、一方で、表示されるグレースケールの数が増え、これにより、アニメーション再生の平滑性が保証される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】従来技術における4グレースケールディスプレイデバイスの駆動の概略図である。
【0024】
【0025】
【
図3】従来技術における4グレースケールディスプレイデバイスおよび16グレースケールディスプレイデバイスのグレースケールトラックの概略図である。
【0026】
【
図4】16グレースケールディスプレイデバイスの駆動タイミング図である。
【0027】
【
図5】本願の一実施形態によるディスプレイデバイス内の画素の概略図である。
【0028】
【
図6】本願の一実施形態によるサブ画素のグレースケールトラックの概略図である。
【0029】
【
図7】本願による、画素のグレースケールに対応するグレースケールトラックの配置および組み合わせ方式を示す。
【0030】
【
図8】画素により表示され得るグレースケールの数をNビットの、Mを基数とする数と等しくすることの概略図である。
【0031】
【
図9】本願の一実施形態によるディスプレイデバイスの概略図である。
【0032】
【
図10】本願の一実施形態によるディスプレイデバイスの概略図である。
【0033】
【
図11】グレースケール切り替えの前および後のサブ画素における電気泳動粒子状態の概略図である。
【0034】
【
図12】グレースケール切り替えの前および後のサブ画素における電気泳動粒子状態の別の概略図である。
【0035】
【
図13】本願による、画素のグレースケール表示輝度の組み合わせの概略図である。
【0036】
【
図14】本願による、画素のグレースケール表示輝度の別の組み合わせの概略図である。
【0037】
【
図15】本願による、画素のグレースケール表示輝度の別の組み合わせの概略図である。
【0038】
【
図16】本願による、画素のグレースケール表示輝度の別の組み合わせの概略図である。
【0039】
【
図17】本願の一実施形態によるディスプレイデバイスの断面の簡略化された概略図である。
【0040】
【
図18】本願の一実施形態による別のディスプレイデバイスの断面の簡略化された概略図である。
【0041】
【
図19】本願の一実施形態によるディスプレイデバイスにおける画素の別の概略図である。
【0042】
【
図20】本願の一実施形態によるディスプレイデバイスにおける画素の別の概略図である。
【0043】
【
図21】本願の一実施形態によるディスプレイデバイスにおける画素の別の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
電子ペーパーディスプレイ技術に適用されるディスプレイデバイスは、互いに反対に配置された共通電極および画素電極、および、共通電極および画素電極の間に位置する電気泳動粒子を含む。電圧が共通電極および画素電極へ別個に印加された後に、電気泳動粒子の移動が制御され得る。しかしながら、移動後に画素内の電気泳動粒子の最終的な位置が異なる場合、画素の反射により取得される輝度も異なる。したがって、画素は、異なるグレースケールを示し得る。
【0045】
後続の実施形態を説明しやすくするために、グレースケールトラックの概念が本願において導入され、グレースケールトラックは、画素により表示されるグレースケールと1対1の対応関係にある。黒色電気泳動粒子および白色電気泳動粒子を含むディスプレイデバイスが一例として用いられ、画素グレースケールディスプレイにおける白色電気泳動粒子の位置は、グレースケールのグレースケールトラックとして定義され得る。
【0046】
図1は、従来技術における4グレースケールディスプレイデバイスの駆動の概略図であり、
図2は、
図1の駆動タイミング図である。4グレースケールディスプレイデバイスは、ディスプレイデバイス内の画素が4個のグレースケールを表示できることを意味する。
【0047】
図1は、画素がG0、G1、G2およびG3という複数のグレースケールを別個に表示する場合における電気泳動粒子の状態を示す。画素グレースケールディスプレイ内の白色電気泳動粒子の位置が、グレースケールのグレースケールトラックである。
図1に示されるように、ディスプレイデバイスは、画素電極01、共通電極02、黒色電気泳動粒子および白色電気泳動粒子を含む。
【0048】
正電荷を帯びた白色電気泳動粒子および負電荷を帯びた黒色電気泳動粒子が、一例として用いられる。共通電極02に印加される電圧は0Vであり、0V、15Vおよび-15Vという3個の電圧が画素電極01に印加されることで、電気泳動粒子が駆動されて移動し、その結果、画素は、異なるグレースケールを表示する。
図2は、初期表示状態が黒色画像である場合に画素を駆動して異なるグレースケールを表示させたときのタイミング図である。初期表示状態が黒色画像である、つまり、画素がG0グレースケールを表示する場合において、0Vの電圧が画素電極01に印加されたときは、黒色電気泳動粒子および白色電気泳動粒子の両方が、元の位置を維持し、静止したままであり、画素は、G0グレースケールの表示を続ける。
図2のタイミング図に示されるように、画素は、15Vのインパルス電圧を画素電極01に印加してインパルス電圧の持続時間を制御することにより、G1グレースケール、G2グレースケールまたはG3グレースケールを表示できる。
【0049】
初期表示状態が白色画像である場合、つまり、画素がG3グレースケールを表示し、0Vの電圧が画素電極01に印加される場合、黒色電気泳動粒子および白色電気泳動粒子の両方が、元の位置を維持し、静止したままであり、画素は、G3グレースケールの表示を続けることが理解され得る。しかしながら、画素は、-15Vのインパルス電圧を画素電極01に印加してインパルス電圧の持続時間を制御することにより、G2グレースケール、G1グレースケールまたはG0グレースケールを表示できる。
【0050】
図3は、従来技術における4グレースケールディスプレイデバイスおよび16グレースケールディスプレイデバイスのグレースケールトラックの概略図であり、
図4は、16グレースケールディスプレイデバイスの駆動タイミング図である。
【0051】
図3は、白色電気泳動粒子および対応するグレースケールトラックのみを示す。4グレースケールディスプレイデバイス内の画素は、G0からG3までの4個のグレースケールを表示でき、16グレースケールディスプレイデバイス内の画素は、G0からG15までの16個のグレースケールを表示できる。ディスプレイデバイス内の画素電極01および共通電極02の間の空間は、特定の要件を満たす必要がある。画素電極01および共通電極02の間の空間が固定される場合、画素を制御することにより表示され得るグレースケールの数がより多いことは、対応するグレースケールトラックがより密集している、つまり、隣接するグレースケールトラックの間の距離がより短いことを示す。この場合、グレースケールの精度を制御することがより難しい。
【0052】
図4は、初期表示状態が黒色画像である場合に画素を駆動して異なるグレースケールを表示させたときのタイミング図である。
図4に示されるように、初期表示状態が黒色画像である場合、特定のインパルス電圧が画素電極01に印加され、インパルス電圧の持続時間が制御され、その結果、G0からG15までの任意のグレースケールが画素上に表示され得る。白色電気泳動粒子から共通電極02までの距離がより近いことは、画素により表示されるグレースケールのレベルがより高いことを示す。画素により表示されるグレースケールのレベルがより高いことは、電圧を画素電極01に印加する持続時間がより長いことを示す。G0グレースケールの表示からG15グレースケールの表示へ切り替わるように画素が制御される場合、電圧を画素電極01に印加する持続時間が最も長い。
【0053】
例えば、インパルス電圧の持続時間は、最小単位時間t0の整数倍である。最小単位時間t0は、ライン走査信号の走査期間である。ライン走査信号の走査期間は、走査信号を1回提供するためにディスプレイデバイスの全てのゲートラインにより用いられる時間、つまり、フレームをリフレッシュするためにディスプレイデバイスにより用いられる時間である。例えば、85Hzのリフレッシュレートのモードでは、走査期間は、約11.7msである。つまり、t0≒11.7msである。
図4に示されるように、G0グレースケールの表示からG1グレースケールの表示へ切り替わるように画素が制御される場合におけるインパルス電圧の持続時間は、t0であり、G0グレースケールの表示からG15グレースケールの表示へ切り替わるように画素が制御される場合におけるインパルス電圧の持続時間は、15*t0である。したがって、理想的な状態では、16グレースケールディスプレイデバイスにおいて、G0からG15までの全てのグレースケールの間の自由切り替えを完了させるためには、最大15個のフレームがリフレッシュされる必要がある。例えば、リフレッシュレートが85Hzである場合、表示される画像の最大スイッチング周波数は、5Hzから6Hzまでである。言い換えると、従来技術では、表示され得るグレースケールの数がより多いことは、表示される画像のリフレッシュレートがより低いことを示し、これは、アニメーション再生の平滑性に影響を及ぼす。
【0054】
加えて、ディスプレイ技術の開発に伴い、電子ペーパーは、白黒ディスプレイに限定されておらず、カラー電子ペーパーが、新しいディスプレイ技術になっている。カラー電子ペーパーに適用され得るディスプレイデバイスについては、カラー表示を完了する場合、3つのタイプの画素、すなわち、赤色、緑色および青色が、協働のために必要とされる。画素グレースケールの数がより多いことは、表示されるカラー画像がより豊かであることを示す。しかしながら、従来技術では、画素により表示されるグレースケールの数の増加が制限され、グレースケールの数および画像表示効果の間のバランスを実現できない。
【0055】
従来技術における課題に基づいて、本願は、ディスプレイデバイスおよびその駆動方法を提供する。画素電極面積が互いに等しくないN個のサブ画素へ画素が分割され、各サブ画素は、M個のグレースケールを独立して表示するように制御され、NおよびMの両方が、2以上の整数である。次に、サブ画素の画素面積が設計され、その結果、N個のサブ画素により表示されるグレースケールが、画素の表示されるグレースケールを示すために組み合わされる。このように、表示されるグレースケールの数を増やすことができ、表示される画像のリフレッシュレートを保証しつつ、カラー表示を実装できる。
【0056】
一実施形態において、
図5は、本願の一実施形態によるディスプレイデバイスにおける画素の概略図であり、
図6は、本願の一実施形態によるサブ画素のグレースケールトラックの概略図である。
【0057】
図5は、画素Pにおける画素電極1のみを示す。
図5に示されるように、画素Pは、面積が互いに等しくないN個のサブ画素を含み、これらのサブ画素はそれぞれ、1番目のサブ画素sP
1、2番目のサブ画素sP
2、3番目のサブ画素sP
3から(N-1)番目のサブ画素sP
N-1まで、およびN番目のサブ画素sP
Nである。各サブ画素sPは、M個のグレースケールを独立して表示でき、NおよびMの両方が、2以上の整数である。任意選択的に、1個のサブ画素sPについて、M個のグレースケールがM個のグレースケールレベルに対応する。Mが3以上である場合、M個のグレースケールのうちの任意の2個の隣接するグレースケールの間の輝度差は等しい。
【0058】
図6は、M=3である場合におけるサブ画素sPの3個のグレースケールトラックQ
1、Q
2およびQ
3を示す。
図6は、サブ画素sPの表示されるグレースケールを駆動して切り替えを実行する画素電極1および共通電極2をさらに示す。一実施形態において、サブ画素は、黒色電気泳動粒子および白色電気泳動粒子を含み、サブ画素sPがグレースケールを表示する場合における白色電気泳動粒子の位置は、グレースケールのグレースケールトラックとして定義される。例えば、画素電極1よりも人間の眼に近い共通電極2をユーザが用いる場合、グレースケールトラックQ
1は、低グレースケールに対応し、グレースケールトラックQ
3は、高グレースケールに対応する。
【0059】
1個の画素Pにおいて、N個のサブ画素sPのうちの2個の画素電極面積の比率はXnであり、2≦X≦Mであり、かつ、nは1以上の整数である。任意選択的に、Xは整数である。言い換えると、本願において、2個のサブ画素sPの画素電極面積の比率は、サブ画素sPにより独立して表示され得るグレースケールの数に関連している。
【0060】
本発明の本実施形態において、N個のサブ画素は、画素電極面積が徐々に増える1番目のサブ画素、2番目のサブ画素、3番目のサブ画素、...およびN番目のサブ画素を含む。本明細書における分類番号は、ディスプレイデバイスにおけるN個のサブ画素の実際の配置順序ではないことに留意されたい。
【0061】
一実施形態において、R番目のサブ画素の画素電極面積に対する(R+1)番目のサブ画素の画素電極面積の比率はMであり、1≦R≦Nであり、Rは整数である。このとき、n=1である。言い換えると、N個のサブ画素の画素電極面積は、M倍に増える。この場合、R番目のサブ画素の画素電極面積に対する(R+2)番目のサブ画素の画素電極面積の比率はM2であり、このとき、n=2である。Nが5に等しい場合、1番目のサブ画素の画素電極面積に対する5番目のサブ画素の画素電極面積の比率はM4であり、このとき、nは最大値であり、n=4=N-1である。本実施形態において、画素電極面積の最大の差を有する2個のサブ画素の画素電極面積の比率は、MN-1である。Mが固定値である場合、R番目のサブ画素の画素電極面積に対する(R+1)番目のサブ画素の画素電極面積の比率は、本実施形態における設計に基づいて最小化され得る。この場合、単一の画素の総面積が最小であり、その結果、ディスプレイデバイス内に配置される画素の数を増やすことができ、これにより、解像度が改善される。
【0062】
別の実施形態において、R番目のサブ画素の画素電極面積に対する(R+1)番目のサブ画素の画素電極面積の比率は、M2である。言い換えると、N個のサブ画素の画素電極面積は、M2倍に増える。本実施形態において、N=5である場合、5番目のサブ画素および1番目のサブ画素、すなわち、画素電極面積の最大の差を有する2個のサブ画素の画素電極面積の比率は、M8である。このとき、nは最大値であり、n=8である。
【0063】
別の実施形態において、R番目のサブ画素の画素電極面積に対する(R+1)番目のサブ画素の画素電極面積の比率は、固定されない。言い換えると、N個のサブ画素の画素電極面積は、等倍には増えない。例えば、N=5である場合、1番目のサブ画素の画素電極面積に対する2番目のサブ画素の画素電極面積の比率はMであり、2番目のサブ画素の画素電極面積に対する3番目のサブ画素の画素電極面積の比率はM2であり、3番目のサブ画素の画素電極面積に対する4番目のサブ画素の画素電極面積の比率はMであり、4番目のサブ画素の画素電極面積に対する5番目のサブ画素の画素電極面積の比率はM3である。
【0064】
いくつかの実装において、R番目のサブ画素の画素電極面積に対する(R+1)番目のサブ画素の画素電極面積の比率は、Xnである。
【0065】
例えば、M=4であり、N=2である。一実施形態において、X=2であり、n=1である場合、2個のサブ画素の画素電極面積の比率は、1:2である。別の実施形態において、X=3であり、n=1である場合、2個のサブ画素の画素電極面積の比率は、1:3である。別の実施形態において、X=4であり、n=1である場合、2個のサブ画素の画素電極面積の比率は、1:4である。
【0066】
例えば、M=6であり、N=2である。一実施形態において、X=2であり、n=1である場合、2個のサブ画素の画素電極面積の比率は、1:2である。別の実施形態において、X=3であり、n=1である場合、2個のサブ画素の画素電極面積の比率は、1:3である。別の実施形態において、X=6であり、n=1である場合、2個のサブ画素の画素電極面積の比率は、1:6である。別の実施形態において、2=6であり、n=2である場合、2個のサブ画素の画素電極面積の比率は、1:4である。
【0067】
一実施形態において、R番目のサブ画素の画素電極面積に対する(R+1)番目のサブ画素の画素電極面積の比率は、Xである。言い換えると、N個のサブ画素の画素電極面積は、X倍に増える。
【0068】
本願において、1個の画素は、画素電極面積が等しくないN個のサブ画素を含み、N個のサブ画素は各々、M個のグレースケールを表示でき、N個のサブ画素のうちの2個のサブ画素の画素電極面積の比率は、Xnである。言い換えると、2個のサブ画素の画素電極面積の比率は、サブ画素により表示され得るグレースケールの数Mに関連している。この場合、N個のサブ画素は各々、任意のグレースケールを表示し、次に、1個の画素の表示されるグレースケールとして組み合わされ、その結果、画素により表示されるグレースケールの数を増やすことができる。加えて、X=Mである場合において、N個のサブ画素の各々が任意のグレースケールを表示した後に、N個のサブ画素が組み合わされたときは、グレースケールの繰り返しはなく、1個の画素が、N個のサブ画素により表示されるグレースケールを組み合わせることにより、MN個のグレースケールを表示できる。言い換えると、本願において、画素は、最大でMN個のグレースケールを表示できる。
【0069】
図7は、本願による、画素のグレースケールに対応するグレースケールトラックの配置および組み合わせ方式を示す。
図7に示されるように、M=3であり、N=2である。つまり、1個の画素が2個のサブ画素sP
1およびsP
2を含み、各サブ画素が3個のグレースケールを表示でき、3個のグレースケールに対応するグレースケールトラックは、Q
1、Q
2およびQ
3である。2個のサブ画素のグレースケールの組み合わせ方式は、合計で9個あり、画素は、9個のグレースケールを表示できる。
【0070】
表示中、サブ画素SPの各々により表示されるグレースケールは、表示対象画像のデータ情報に基づいて制御され、その結果、サブ画素sPの各々は、ターゲットグレースケールを表示し、ターゲットグレースケールは、M個のグレースケールのいずれか1個である。この場合、画素の表示されるグレースケールは、N個のサブ画素により表示されるグレースケールを組み合わせることにより示されてよく、複数の画素により表示されるグレースケールは、画像のフレームを表示するために組み合わされる。サブ画素sPの画素電極に印加されるデータ電圧の極性、およびデータ電圧の持続時間が制御され、その結果、サブ画素sPは、ターゲットグレースケールを表示する。
【0071】
本願において、画素の表示されるグレースケールは、N個のサブ画素により表示されるグレースケールを組み合わせることにより示される。M個のグレースケールを表示するよう各サブ画素を制御することにより、最大でMN個のグレースケールを画素のみに表示でき、これにより、表示されるグレースケールの数が増える。MN個のグレースケールの表示を実装できる従来技術と比較して、本願は、グレースケールに対応するグレースケールトラックの密度を大幅に低減でき、グレースケール制御の精度を改善できる。加えて、全てのグレースケールの間の自由切り替えを完了するために画素が必要とする時間を低減でき、表示される画像のリフレッシュレートは、わずかに影響を受け、一方で、表示されるグレースケールの数が増え、これにより、アニメーション再生の平滑性が保証される。
【0072】
図5を参照すると、画素Pは、1番目のサブ画素sP
1、2番目のサブ画素sP
2、3番目のサブ画素sP
3から(N-1)番目のサブ画素sP
N-1まで、およびN番目のサブ画素sP
Nを含む、合計でN個のサブ画素を含む。任意選択的に、画素電極1の面積は、1番目のサブ画素sP
1からN番目のサブ画素sP
Nへ徐々に増える。画素の総画素電極面積におけるサブ画素の各々の画素電極面積の割合は順に、P
1、P
2、P
3、...P
Nである。画素の総画素電極面積は、N個のサブ画素の画素電極面積の和である。
【0073】
本願において、各サブ画素は、M個のグレースケールを独立して表示できる。つまり、各サブ画素は、M個のグレースケールトラックを含む。画素がMN個のグレースケールを表示できる場合、画素により表示され得るグレースケールの数は、Nビットの、Mを基数とする数とみなされてよく、各Mを基数とする数は、1個のグレースケールに対応する。Mを基数とする数において、M個のグレースケールトラックはそれぞれ、0、1、2、...、M-2およびM-1に対応する。
【0074】
図8は、画素により表示され得るグレースケールの数をNビットの、Mを基数とする数と等しくすることの概略図である。
図8に示されるように、1番目のサブ画素sP
1のグレースケールトラックS
1は、Mを基数とする数の1番目のビットに対応し、2番目のサブ画素sP
2のグレースケールトラックS
2は、Mを基数とする数の2番目のビットに対応し、3番目のサブ画素sP
3のグレースケールトラックS
3は、Mを基数とする数の3番目のビットに対応し、R番目のサブ画素sP
RのグレースケールトラックS
Rは、Mを基数とする数のR番目のビット(Rは、N以下の整数である)に対応し、(N-2)番目のサブ画素sP
N-2のグレースケールトラックS
N-2は、Mを基数とする数の(N-2)番目のビットに対応し、(N-1)番目のサブ画素sP
N-1のグレースケールトラックS
N-1は、Mを基数とする数の(N-1)番目のビットに対応し、N番目のサブ画素sP
NのグレースケールトラックS
Nは、Mを基数とする数のN番目のビットに対応する。この場合、N個のサブ画素のグレースケールトラックの組み合わせは、Nビットの、Mを基数とする数S
N、S
N-1、...、S
2、S
1とみなされてよく、S
1、S
2、…、およびS
Nは各々、Mを基数とする数である0からM-1までの任意の整数である。
【0075】
Nビットの、Mを基数とする数SN、SN-1、...、S2、S1は、画素により表示され得るMN個のグレースケールの間のy番目のグレースケールを示し、このグレースケールの輝度割合は、Gyとして表される。グレースケールガンマが1.0である、と仮定する。つまり、輝度は、グレースケールが増えると、線形的に増える。以下の式は、M基数法および10進法の間の変換関係に基づいて取得され得る。
y=M0*S1+M1*S2+M2*S3+…+MR-1*SR+…+MN-3*SN-2+MN-2*SN-1+MN-1*SN (1)
Gy=(M0*S1+M1*S2+M2*S3+…+MR-1*SR+…+MN-3*SN-2+MN-2*SN-1+MN-1*SN)/(MN-1) (2)
【0076】
本願において、単一の画素の総輝度は、N個のサブ画素の輝度の和であり、画素の総輝度におけるR番目のサブ画素の輝度のLRの割合は、LR=SR*PR/(M-1)と表されてよく、PRは、画素の総画素電極面積におけるR番目のサブ画素の画素電極面積の割合である。
【0077】
この場合、Gyはまた、以下のとおりに表され得る。
Gy=S1*P1/(M-1)+S2*P2/(M-1)+S3*P3/(M-1)+…+SR*PR/(M-1)+…+SN-2*PN-2/(M-1)+SN-1*PN-1/(M-1)+SN*PN/(M-1) (3)
【0078】
式(2)および(3)が組み合わされた後に、以下の式が取得され得る。
PR=MR-1*(M-1)/(MN-1) (4)
【0079】
一実施形態において、画素の総画素電極面積におけるR番目のサブ画素の画素電極面積の割合は、PR=XR-1*(X-1)/(XN-1)(式(5))である。このように、N個のサブ画素の画素電極面積がX倍に増え、N個のサブ画素は各々、任意のグレースケールを表示し、1個の画素の表示されるグレースケールとして組み合わされ、その結果、画素により表示されるグレースケールの数を増やすことができる。加えて、X=Mである場合、最大でMN個のグレースケールを画素上に表示でき、これにより、ディスプレイデバイスの表示されるグレースケールの数が大幅に増える。
【0080】
一実施形態において、
図9は、本願の一実施形態によるディスプレイデバイスの概略図である。
図9において、例えば、N=3である。
図9に示されるように、ディスプレイデバイスは、複数のゲートラインScanおよび複数のデータラインDataを含み、1個の画素Pが3個のサブ画素sPを含む。サブ画素sPは、スイッチングトランジスタ4を含み、スイッチングトランジスタ4の出力端子は、画素電極1へ電気的に接続されている。1個の画素Pについて、3個のサブ画素sPのスイッチングトランジスタ4の制御端子が、同じゲートラインScanへ電気的に接続されており、3個のサブ画素sPのスイッチングトランジスタ4の入力端子がそれぞれ、異なるデータラインDataへ接続されている。ディスプレイデバイスが駆動されて表示をする場合、ゲートラインScanは、スイッチングトランジスタ4がオンになるよう制御するための走査信号を提供し、データラインDataは、データ電圧信号をサブ画素sPの画素電極へ書き込む。電気泳動粒子が、画素電極および共通電極の間に形成された電気泳動キャパシタンスの作用下で移動することで、サブ画素sPのグレースケールの表示が実装される。任意選択的に、サブ画素sPは、ストレージコンデンサをさらに含む。スイッチングトランジスタ4がオンにされた後に、データラインDataは、データ電圧信号を画素電極へ書き込み、データ電圧信号をストレージコンデンサに格納する。本実装において、同じ画素Pに属するN個のサブ画素sPが、同じゲートラインScanにより制御され、N個のサブ画素sPのデータ電圧がそれぞれ、異なるデータラインDataにより提供される。
【0081】
別の実施形態において、
図10は、本願一実施形態による別のディスプレイデバイスの概略図である。
図10において、例えば、N=3である。
図10に示されるように、ディスプレイデバイスは、複数のゲートラインScanおよび複数のデータラインDataを含み、1個の画素Pが3個のサブ画素sPを含む。1個の画素Pについて、3個のサブ画素SPのスイッチングトランジスタ4の制御端子がそれぞれ、異なるゲートラインScanへ接続されており、3個のサブ画素sPのスイッチングトランジスタ4の入力端子が、同じデータラインDataへ接続されており、各サブ画素sPのスイッチングトランジスタ4の出力端子が、対応する画素電極1へ接続されている。本実装において、同じ画素Pに属するN個のサブ画素sPがそれぞれ、異なるゲートラインScanにより制御され、N個のサブ画素sPのデータ電圧が、同じデータラインDataにより提供される。
【0082】
一実施形態において、ディスプレイデバイスは、駆動チップをさらに含み、ゲートラインScanおよびデータラインDataは各々、駆動チップへ電気的に接続されている。ディスプレイデバイスが駆動されて動作する場合、駆動チップは、対応する電圧信号をゲートラインScanおよびデータラインDataの各々に提供する。
【0083】
ディスプレイデバイスにおいて、サブ画素を駆動してターゲットグレースケールを表示させるために必要とされるデータ電圧の大きさおよび持続時間は、画像の前のフレームの表示中にサブ画素により表示されるグレースケールに関連する。画像の前のフレームの表示中にサブ画素により表示されるグレースケールは、ターゲットグレースケールに対するサブ画素の初期グレースケールとみなされ得る。初期グレースケールは、M個のグレースケールのいずれか1個である。ターゲットグレースケールは、初期グレースケールと同じであってよく、または、ターゲットグレースケールおよび初期グレースケールの間の差は、少なくとも1個のグレースケールレベルである。
【0084】
表示中に0Vの一定電圧が共通電極に印加される一実施形態において、サブ画素のターゲットグレースケールが初期グレースケールと同じである場合、0Vのデータ電圧が、サブ画素の画素電極へ書き込まれるように制御される。このとき、サブ画素内の電気泳動粒子は移動せず、サブ画素により表示されるグレースケールは、画像の前のフレームの表示中にサブ画素により表示されるグレースケールと同じである。
【0085】
サブ画素のターゲットグレースケールおよび初期グレースケールの間の差が、少なくとも1個のグレースケールレベルである場合、データ電圧をターゲットグレースケールおよび初期グレースケールの間の差に基づいて制御することで、特定のデータ電圧をサブ画素の画素電極へ書き込み、特定の持続時間を満たすようデータ電圧を制御することが必要とされる。データ電圧は、極性および大きさを含む。任意選択的に、画素電極へ書き込まれるデータ電圧の大きさおよび/または極性が制御され、画素電極上のデータ電圧の持続時間が制御されることで、初期グレースケールからターゲットグレースケールへのサブ画素の切り替えが実装される。
【0086】
ディスプレイデバイスにおいて、走査信号を1回提供するために全てのゲートラインScanにより用いられる時間は、ゲートラインが走査信号を提供する走査期間として定義される。ディスプレイデバイスは、動作中に1個の走査期間が完了した後に1個のフレームをリフレッシュする、とみなされ得る。1個のゲートラインScanについて、1個の走査期間内に、走査信号が1回提供される。画像のフレームを表示することは、画像の画像情報が動画像内に完全に表示されることを意味する。
【0087】
いくつかの実装において、ディスプレイデバイスは、1個のフレームをリフレッシュして、初期グレースケールからターゲットグレースケールへの全てのサブ画素の切り替えを完了する。つまり、ディスプレイデバイスは、1個のフレームをリフレッシュして画像のフレームの表示を実装する。
【0088】
いくつかの実装において、ディスプレイデバイスがフレームをリフレッシュした後は、初期グレースケールからターゲットグレースケールへの全てのサブ画素の切り替えを完了できない。この場合、ディスプレイデバイスはさらに、リフレッシュを続ける必要がある。つまり、ゲートラインScanは、走査信号を提供し続けることで、データ電圧がサブ画素の画素電極へ書き込まれ続けることを保証する。言い換えると、データ電圧の持続時間は、延ばされる必要がある。本実装において、ディスプレイデバイスは、2個またはそれよりも多くのフレームをリフレッシュして画像の1個のフレームの表示を完了する必要がある。データ電圧の持続時間は、画素電極のデータ電圧を維持する持続時間としても理解され得る。
【0089】
いくつかの実装において、本願の本実施形態において提供されるディスプレイデバイスが駆動されて表示を実行する場合、画像のフレームの表示中、ゲートラインScanは、スイッチングトランジスタ4がオンにされるよう制御するための走査信号を提供することで、データラインDataを用いることにより画素電極1にデータ電圧を提供する。データ電圧の制御下で、サブ画素sPは、初期グレースケールからターゲットグレースケールへ切り替わる。データ電圧の持続時間はTであり、T=m*tである。mは、1以上の正の整数であり、tは、ゲートラインScanが走査信号を提供する走査期間である。データ電圧の持続時間は、ゲートラインScanが走査信号を提供する期間に関連する。ゲートラインScanが走査信号を1回提供する場合、スイッチングトランジスタ4は、1回オンにされ、データラインDataは、画素電極1にデータ電圧を1回提供する。データ電圧が走査期間内に画素電極1へ1回書き込まれた後に、データ電圧の電圧値は、画素電極1上で維持される。本実装において、初期グレースケールからターゲットグレースケールへ切り替わるためにサブ画素sPにより用いられる時間は、ゲートラインScanが走査信号を提供する走査期間tの整数倍である。任意選択的に、ターゲットグレースケールおよび初期グレースケールの間の差のグレースケールレベルがより高いことは、グレースケール切り替えが制御される場合にゲートラインが走査信号を提供する回数がより多いこと、つまり、データ電圧の持続時間がより長いことを示す。
【0090】
いくつかの実装において、画像のフレームの表示中、ターゲットグレースケールおよび初期グレースケールの間の差は、x個のグレースケールレベルであり、1≦x≦M-1であり、xは整数である。この場合、初期グレースケールからターゲットグレースケールへ切り替わるようサブ画素sPが制御される場合、サブ画素sPの画素電極へ書き込まれるデータ電圧の持続時間は、x*T1であり、T1は、ターゲットグレースケールおよび初期グレースケールの間の差が1個のグレースケールレベルである場合におけるデータ電圧の持続時間である。
【0091】
いくつかの実装において、画像のフレームの表示中、ターゲットグレースケールおよび初期グレースケールの間の差は、x個のグレースケールレベルである。x≧2であり、サブ画素sPが初期グレースケールからターゲットグレースケールへ切り替わるよう制御される場合、データ電圧の大きさは、サブ画素sPの画素電極へ書き込まれるデータ電圧の持続時間がx*T1よりも小さくなるよう制御するために調節される。このように、初期グレースケールからターゲットグレースケールへ切り替わるための時間が短縮され得る。例えば、
図6に示されるサブ画素sPは、3個のグレースケールトラックQ
1、Q
2およびQ
3を含む。画像のフレームの表示中、サブ画素sPにより表示される必要があるターゲットグレースケールは、グレースケールトラックQ
2に対応するグレースケールである。画像が表示される前、サブ画素sPの初期グレースケールは、グレースケールトラックQ
1に対応するグレースケールである。
【0092】
一実施形態において、
図11は、グレースケール切り替えの前および後のサブ画素における電気泳動粒子状態の概略図である。
図11に示されるように、ゲートラインが走査信号を1回提供した後に、白色電気泳動粒子が、グレースケールトラックQ
2に対応する位置へ移動する。このとき、サブ画素sPは、グレースケールトラックQ
2に対応するグレースケールを表示する。グレースケールトラックQ
1からグレースケールトラックQ
2へ切り替える処理において、データ電圧の持続時間は、T=1*tである。グレースケールトラックQ
1からグレースケールトラックQ
3へ切り替える処理において、データ電圧の持続時間はT=2*tであり、m=2であることが理解され得る。任意選択的に、本実装において、ターゲットグレースケールおよび初期グレースケールの間の差が1個のグレースケールレベルである場合、データ電圧の持続時間は、T1=tである。
【0093】
別の実施形態において、
図12は、グレースケール切り替えの前および後のサブ画素における電気泳動粒子状態の別の概略図である。
図12に示されるように、ゲートラインが走査信号を1回提供した後に、白色電気泳動粒子が、グレースケールトラックQ
2およびグレースケールトラックQ
1の間の位置へ移動する。このとき、サブ画素sPは、ターゲットグレースケールの輝度の代わりに、グレースケールトラックQ
2に対応するグレースケールおよびグレースケールトラックQ
1に対応するグレースケールの間の輝度を表示する。ゲートラインが走査信号を2回提供した後に、白色電気泳動粒子は、グレースケールトラックQ
2に対応する位置へ移動し、サブ画素sPは、グレースケールトラックQ
2に対応するグレースケールを表示する。グレースケールトラックQ
1からグレースケールトラックQ
2へ切り替える処理において、データ電圧の持続時間はT=2*tであり、m=2である。つまり、隣接するグレースケールレベルの間での切り替えのために、2個のライン走査期間が必要とされる。任意選択的に、本実装において、グレースケールトラックQ
1からグレースケールトラックQ
3へ切り替える処理において、データ電圧の持続時間はT=4*tであり、m=4である。つまり、4個のライン走査期間が必要とされる。
【0094】
一実施形態において、M=2であり、N=3である。つまり、1個の画素Pが、3個のサブ画素sP1、sP2およびsP3を含み、各サブ画素は、2個のグレースケールを独立して表示でき、2個のグレースケールはそれぞれ、2個のグレースケールトラックQ1およびQ2に対応する。例えば、X=M=2である。3個のサブ画素のいずれか2個の画素電極面積の比率は2n、例えば、2、4または8である。具体的には、前述の式(5)に従って画素電極面積が設定される一例が、説明のために用いられる。式(5)によれば、画素の総画素電極面積における3個のサブ画素の画素電極面積の割合はそれぞれ、1/7、2/7および4/7である。サブ画素が黒色電気泳動粒子および白色電気泳動粒子を含む実装において、Q1およびQ2という合計で2個のグレースケールトラックが存在する。グレースケールトラックQ1およびQ2に対応する輝度はそれぞれ、全黒色(0)および全白色(1)である。画素Pが全白色である場合における輝度に対する、サブ画素sP1に対応するグレースケールトラックQ1およびQ2により表示される輝度の比率はそれぞれ、0および1/7である。画素Pが全白色である場合における輝度に対する、サブ画素sP2に対応するグレースケールトラックQ1およびQ2により表示される輝度の比率はそれぞれ、0および2/7である。サブ画素sP3に対応するグレースケールトラックQ1およびQ2上の輝度の比率はそれぞれ、0および4/7である。
【0095】
図13は、本願による、画素のグレースケール表示輝度の組み合わせの概略図である。
図13に示されるように、グレースケール輝度の8個の組み合わせが配置および組み合わせを通じて取得されることにより、8個のグレースケールの表示が実装され得る。加えて、サブ画素について、サブ画素のグレースケールトラックの間の切り替え時間は、ゲートラインが走査信号を提供する走査期間の数に関連していることが、前述の関連する説明から分かり得る。したがって、2個のグレースケールトラックQ
1およびQ
2のみを有するサブ画素について、ゲートラインが走査信号を1回提供して、2個のグレースケールトラックの間の切り替えを完了する場合、理想的な状況において2個のグレースケールトラックの間の切り替えを制御するためには、ただ1個の走査期間が実行される必要がある。例えば、ディスプレイデバイスは、85Hzのリフレッシュレートのモードで動作する。本願の本実施形態における設計に基づいて、ディスプレイデバイスの最大画像リフレッシュレートは、85Hzに到達し得る。従来の8グレースケールディスプレイでは、8グレースケールディスプレイの各画素は、合計で8個のグレースケールトラックを有する。この場合、グレースケールトラック間の切り替え時間は、最大で7個の走査期間を必要とする。したがって、8グレースケールディスプレイの最大画像リフレッシュレートは、12Hzに到達し得るのみである。加えて、対応するグレースケール制御の精度は、グレースケールトラックの数の増加が原因で、比較的低い。従来の8グレースケールディスプレイと比較して、本願の本実施形態は、画像リフレッシュレートを効果的に改善でき、グレースケール制御の精度を改善できる。
【0096】
別の実施形態において、M=4であり、N=2である。つまり、1個の画素Pが、2個のサブ画素sP1およびsP2を含み、各サブ画素は、4個のグレースケールを独立して表示でき、4個のグレースケールはそれぞれ、2個のグレースケールトラックQ1、Q2、Q3およびQ4に対応する。例えば、X=M=4である。2個のサブ画素の画素電極面積の比率は4n、例えば、4または16である。具体的には、前述の式(5)に従って画素電極面積が設定される一例が、説明のために用いられる。式(5)によれば、画素の総画素電極面積における2個のサブ画素の画素電極面積の割合はそれぞれ、1/4および4/5である。サブ画素が黒色電気泳動粒子および白色電気泳動粒子を含む実装において、Q1、Q2、Q3およびQ4という合計で4個のグレースケールトラックが存在し、4個のグレースケールトラックにそれぞれ対応する輝度は、全黒色(0)、1/3白色(1/3)、2/3白色(2/3)および全白色(1)である。画素Pが全白色である場合における輝度に対する、サブ画素sP1に対応するグレースケールトラックQ1、Q2、Q3およびQ4により表示される輝度の比率はそれぞれ、0、1/15、2/15および3/15である。画素Pが全白色である場合における輝度に対する、サブ画素sP2に対応するグレースケールトラックQ1、Q2、Q3およびQ4により表示される輝度の比率はそれぞれ、0、4/15、8/15および12/15である。
【0097】
図14は、本願による、画素のグレースケール表示輝度の別の組み合わせの概略図である。
図14に示されるように、グレースケール輝度の16個の組み合わせが配置および組み合わせを通じて取得されることにより、16個のグレースケールの表示が実装され得る。加えて、各サブ画素は、4個のグレースケールトラックを含む。ゲートラインが走査信号を1回提供して、2個の隣接するグレースケールトラックの間の切り替えを完了する場合、理想的な状況において4個のグレースケールトラックの間の切り替えを制御するためには、最大で3個の走査期間が実行される必要がある。例えば、ディスプレイデバイスは、85Hzのリフレッシュレートのモードで動作する。本願の本実施形態における設計に基づいて、ディスプレイデバイスの最大画像リフレッシュレートは、28Hzに到達し得る。従来の16グレースケールディスプレイでは、16グレースケールディスプレイの各画素は、合計で16個のグレースケールトラックを有する。この場合、グレースケールトラック間の切り替え時間は、最大で15個の走査期間を必要とする。したがって、16グレースケールディスプレイの最大画像リフレッシュレートは、5Hzから6Hzまでに到達し得るのみである。加えて、対応するグレースケール制御の精度は、グレースケールトラックの数の増加が原因で、比較的低い。従来の16グレースケールディスプレイと比較して、本願の本実施形態は、画像リフレッシュレートを効果的に改善でき、グレースケール制御の精度を改善できる。別の実施形態において、M=3であり、N=3である。つまり、1個の画素Pが、3個のサブ画素sP
1、sP
2およびsP
3を含み、各サブ画素は、3個のグレースケールを独立して表示でき、3個のグレースケールはそれぞれ、2個のグレースケールトラックQ
1、Q
2およびQ
3に対応する。例えば、X=M=3である。3個のサブ画素の画素電極面積の比率は3
n、例えば、3,9または27である。具体的には、前述の式(5)に従って画素電極面積が設定される一例が、説明のために用いられる。式(5)によれば、画素の総画素電極面積における3個のサブ画素の画素電極面積の割合はそれぞれ、2/26、6/26および18/26である。サブ画素が黒色電気泳動粒子および白色電気泳動粒子を含む実装において、Q
1、Q
2およびQ
3という合計で3個のグレースケールトラックが存在し、3個のグレースケールトラックにそれぞれ対応する輝度は、全黒色(0)、1/2白色(1/2)および全白色(1)である。したがって、画素Pが全白色である場合における輝度に対する、サブ画素sP
1に対応するグレースケールトラックQ
1、Q
2およびQ
3により表示される輝度の比率はそれぞれ、0、1/26および2/26である。画素Pが全白色である場合における輝度に対する、サブ画素sP
2に対応するグレースケールトラックQ
1、Q
2およびQ
3により表示される輝度の比率はそれぞれ、0、3/26および6/26である。画素Pが全白色である場合における輝度に対する、サブ画素sP
3に対応するグレースケールトラックQ
1、Q
2およびQ
3により表示される輝度の比率はそれぞれ、0、9/26および18/26である。
【0098】
図15は、本願による、画素のグレースケール表示輝度の別の組み合わせの概略図である。
図15に示されるように、グレースケール輝度の27個の組み合わせが配置および組み合わせを通じて取得されることにより、27個のグレースケールの表示が実装され得る。加えて、各サブ画素は、3個のグレースケールトラックを含む。ゲートラインが走査信号を1回提供して、2個の隣接するグレースケールトラックの間の切り替えを完了する場合、理想的な状況において3個のグレースケールトラックの間の切り替えを制御するためには、最大で2個の走査期間が実行される必要がある。例えば、ディスプレイデバイスは、85Hzのリフレッシュレートのモードで動作する。本願の本実施形態における設計に基づいて、ディスプレイデバイスの最大画像リフレッシュレートは、42Hzに到達し得る。従来の27グレースケールディスプレイでは、27グレースケールディスプレイの各画素は、合計で27個のグレースケールトラックを有する。この場合、グレースケールトラック間の切り替え時間は、最大で26個の走査期間を必要とする。したがって、27グレースケールディスプレイの最大画像リフレッシュレートは、3Hzに到達し得るのみである。加えて、対応するグレースケール制御の精度は、グレースケールトラックの数の増加が原因で低い。従来の27グレースケールディスプレイと比較して、本願の本実施形態は、画像リフレッシュレートを効果的に改善でき、グレースケール制御の精度を改善できる。
【0099】
別の実施形態において、M=4であり、N=2である。つまり、1個の画素Pが、2個のサブ画素sP1およびsP2を含み、各サブ画素は、4個のグレースケールを独立して表示でき、4個のグレースケールはそれぞれ、2個のグレースケールトラックQ1、Q2、Q3およびQ4に対応する。例えば、X=2<Mである。2個のサブ画素の画素電極面積の比率は2n、例えば、2または4である。具体的には、n=1である場合、2個のサブ画素の画素電極面積の比率は2である。式(5)によれば、画素の総画素電極面積における2個のサブ画素の画素電極面積の割合はそれぞれ、1/3および2/3である。サブ画素が黒色電気泳動粒子および白色電気泳動粒子を含む実装において、Q1、Q2、Q3およびQ4という合計で4個のグレースケールトラックが存在し、4個のグレースケールトラックにそれぞれ対応する輝度は、全黒色(0)、1/3白色(1/3)、2/3白色(2/3)および全白色(1)である。画素Pが全白色である場合における輝度に対する、サブ画素sP1に対応するグレースケールトラックQ1、Q2、Q3およびQ4により表示される輝度の比率はそれぞれ、0、1/9、2/9および3/9である。画素Pが全白色である場合における輝度に対する、サブ画素sP2に対応するグレースケールトラックQ1、Q2、Q3およびQ4により表示される輝度の比率はそれぞれ、0、2/9、4/9および6/9である。
【0100】
図16は、本願による、画素のグレースケール表示輝度の別の組み合わせの概略図である。
図16に示されるように、繰り返されるグレースケール輝度が、配置および組み合わせを通じて存在する。本実装において、グレースケール輝度の10個の組み合わせが取得されることにより、10個のグレースケールの表示が実装され得る。
【0101】
本願の一実施形態は、別のディスプレイデバイスをさらに提供する。
図9に示されるように、画素が少なくとも、赤色画素1P、緑色画素2Pおよび青色画素3Pを含む。様々な色の画素の配置方式は本願の本実施形態において限定されず、
図9における3つの色の画素の配置方式は一例に過ぎないことに留意されたい。本発明の設計に基づいて、各画素は、N個のサブ画素へ分割され、各サブ画素は、M個のグレースケールを独立して表示でき、その結果、各画素は、X
N個のグレースケールを独立して表示できる。表示されるグレースケールの数が増やされることにより、カラー画像において表示される色の豊富さが増し得る。加えて、サブ画素を駆動してM個のグレースケールレベルの間でグレースケールを切り替えることにより、最大でM
N個のグレースケールが表示され得る。全てのグレースケールの間の自由切り替えを完了するために画素が必要とする時間を低減でき、表示される画像のリフレッシュレートは、わずかに影響を受け、一方で、表示されるグレースケールの数が増え、これにより、アニメーション再生の平滑性が保証される。
【0102】
一実施形態において、
図17は、本願の一実施形態によるディスプレイデバイスの断面の簡略化された概略図である。
図17に示されるように、ディスプレイデバイスは、光学フィルタ層3を含み、光学フィルタ層3は、赤色光学フィルタユニット31、緑色光学フィルタユニット32および青色光学フィルタユニット33を含む。赤色画素1Pは赤色光学フィルタユニット31を含み、緑色画素2Pは緑色光学フィルタユニット32を含み、青色画素3Pは青色光学フィルタユニット33を含む。
図17は、共通電極2および画素電極1をさらに示す。ディスプレイデバイスは、基板5をさらに含み、ゲートライン、データラインおよびスイッチングトランジスタが、基板5上に位置している。各画素は、白色電気泳動粒子および黒色電気泳動粒子をさらに含み、白色電気泳動粒子は、白色の塗りつぶしにより表されており、黒色電気泳動粒子は、黒色の塗りつぶしにより表されている。本実装において、カラー表示を実装するために、カラーフィルタユニットが配置されている。
【0103】
別の実施形態において、
図18は、本願の一実施形態による別のディスプレイデバイスの断面の簡略化された概略図である。
図18に示されるように、赤色画素1Pは、黒色電気泳動粒子および赤色電気泳動粒子61を含み、緑色画素2Pは、黒色電気泳動粒子および緑色電気泳動粒子62を含み、青色画素3Pは、黒色電気泳動粒子および青色電気泳動粒子63を含む。本実装において、カラー表示は、画素内のカラー電気泳動粒子を設定することにより実装される。
【0104】
本願の本実施形態において、サブ画素の形状は、複数の方式で設定され得る。
図5に示されるサブ画素sPの画素電極1は、ストリップ形状であり、N個のサブ画素sPが、同じ方向に順に配置されている。一実施形態において、N個のサブ画素sPは、画素電極面積に関してランダムに配置されている。別の実施形態において、N個のサブ画素sPは、画素電極面積が徐々に増える(または減る)ように配置されている。
【0105】
別の実施形態において、
図19は、本願の一実施形態によるディスプレイデバイスにおける画素の別の概略図である。
図19に示されるように、サブ画素sPの画素電極1は、ブロック形状であり、N個のサブ画素sPが、アレイで配置されている。本実装において、N個のサブ画素sPは、a個の行およびb個の列を有するアレイへと配置されている。特定の数の行および列が、実際の要件に従って設定され得る。
【0106】
別の実施形態において、
図20は、本願の一実施形態によるディスプレイデバイスにおける画素の別の概略図である。
図20に示されるように、サブ画素sPのうちの少なくともいくつかの画素電極1は、リング形状であり、N個のサブ画素sPは、入れ子方式で配置されている。任意選択的に、N個のサブ画素sPは、共通の対称中心を有する。任意選択的に、内部に位置するサブ画素sPの画素電極は、ブロック形状であってよい。
図20において、いくつかのサブ画素sPの画素電極1のみが、例示のために、矩形リングとして表されている。任意選択的に、いくつかのサブ画素sPの画素電極1は円形リング、楕円形リングまたは多角形リング、であってもよい。
【0107】
別の実施形態において、
図21は、本願の一実施形態によるディスプレイデバイスにおける画素の別の概略図である。
図21に示されるように、サブ画素sPのうちの少なくともいくつかの画素電極1は、L字形状であり、N個のサブ画素sPのうちの2個の隣接するサブ画素sPは、これらのサブ画素sPのうちの一方が他方のサブ画素sPにより半分囲まれるように配置されている。任意選択的に、N個のサブ画素sPのうちの1個の画素電極1は、ブロック形状である。
【0108】
本明細書において、画素電極1がL字形状であることは、画素電極の形状が略L字形状であること、または画素電極の形状が「7」に類似していることを意味する。
【0109】
本願の一実施形態は、本願のいずれかの実施形態において提供されるディスプレイデバイスを含む電子ペーパーをさらに提供する。ディスプレイデバイスの構造は、前述の実施形態において説明されており、ここでは、詳細を再び説明しない。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、ディスプレイ技術の分野に関し、より具体的には、ディスプレイデバイス、その駆動方法、および電子ペーパーに関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイ技術の継続的な開発に伴い、電子ペーパーディスプレイ技術が、紙のような表示効果に起因して、一般大衆の注目を集めている。電子ペーパーディスプレイ技術において用いられる電気泳動粒子は、双安定特性を有しており、その結果、電子ペーパーディスプレイは、動作を停止した場合、表示される画像を依然として長時間にわたり保持できる。したがって、電子ペーパーディスプレイは、低電力消費を特徴としている。電子ペーパーディスプレイ技術は、反射表示タイプのものである。つまり、表示効果は、外部光源を反射することにより実現される。したがって、電子ペーパーディスプレイ技術は、LCDまたはOLEDディスプレイ技術よりもはるかに、人間の眼にとって有害ではない。
【0003】
現在の電子ペーパーディスプレイ技術において、画素により表示され得るグレースケールは、少数である。しかしながら、画素により表示され得るグレースケールが、駆動方式を調節すことのみにより増やされた場合、グレースケールの精度の制御がより難しくなる。加えて、従来技術では、画素により表示され得るグレースケールが増やされた後に、表示される画像のリフレッシュレートが大幅に影響を受け、アニメーション再生の平滑性が深刻な影響を受ける。
【発明の概要】
【0004】
このことを考慮して、本願は、画素により表示され得るグレースケールの数を増やすことおよびグレースケールの制御精度を改善することによりもたらされる技術的課題を解決するために、ディスプレイデバイス、その駆動方法、および電子ペーパーを提供する。
【0005】
本願の一実施形態は、複数の画素を含むディスプレイデバイスを提供し、画素は、画素電極面積が互いに等しくないN個のサブ画素を含み、サブ画素は、M個のグレースケールを表示でき、NおよびMの両方は、2以上の整数である。
【0006】
N個のサブ画素のうちの2個の画素電極面積の比率はXnであり、2≦X≦Mであり、nは1以上の整数である。
【0007】
本願において、画素の表示されるグレースケールは、N個のサブ画素により表示されるグレースケールを組み合わせることにより示され、その結果、画素により表示されるグレースケールの数を増やすことができる。従来技術と比較して、本願は、グレースケールに対応するグレースケールトラックの密度を大幅に低減でき、グレースケール制御の精度を改善できる。加えて、全てのグレースケールの間の自由切り替えを完了するために画素が必要とする時間を低減でき、表示される画像のリフレッシュレートは、わずかに影響を受け、一方で、表示されるグレースケールの数が増え、これにより、アニメーション再生の平滑性が保証される。X=Mである場合、M個のグレースケールを表示するよう各サブ画素を制御することにより、最大でMN個のグレースケールを画素のみに別個に表示でき、これにより、表示されるグレースケールの数が大幅に増える。
【0008】
いくつかの実装において、n≦N-1である。本実施形態において、画素電極面積の最大の差を有する2個のサブ画素の画素電極面積の比率は、XN-1である。
【0009】
いくつかの実装において、N個のサブ画素は、1番目のサブ画素、2番目のサブ画素、...、N番目のサブ画素を含む。R番目のサブ画素の画素電極面積に対する(R+1)番目のサブ画素の画素電極面積の比率はXであり、1≦R≦Nであり、Rは整数である。R番目のサブ画素の画素電極面積に対する(R+1)番目のサブ画素の画素電極面積の比率は、本実施形態における設計に基づいて最小化され得る。この場合、単一の画素の総面積が最小であり、その結果、ディスプレイデバイス内に配置される画素の数を増やすことができ、これにより、解像度が改善される。
【0010】
いくつかの実装において、画素の総画素電極面積におけるN個のサブ画素のうちのR番目のサブ画素の画素電極面積の割合はPRであり、PR=XR-1*(X-1)/(XN-1)であり、1≦R≦Nであり、かつ、Rは整数である。
【0011】
本願の本実施形態において、ディスプレイデバイスは、複数のゲートラインおよび複数のデータラインを含む。サブ画素は、スイッチングトランジスタを含み、スイッチングトランジスタの出力端子は、画素電極へ電気的に接続されている。N個のサブ画素のスイッチングトランジスタの制御端子が、同じゲートラインへ電気的に接続されており、N個のサブ画素のスイッチングトランジスタの入力端子がそれぞれ、異なるデータラインへ接続されている。本実装において、同じ画素に属するN個のサブ画素が、同じゲートラインにより制御され、N個のサブ画素のデータ電圧がそれぞれ、異なるデータラインにより提供される。
【0012】
いくつかの実装において、N個のサブ画素のスイッチングトランジスタの入力端子が、同じデータラインへ接続されており、N個のサブ画素のスイッチングトランジスタの制御端子がそれぞれ、異なるゲートラインへ接続されている。本実装において、同じ画素に属するN個のサブ画素がそれぞれ、異なるゲートラインにより制御され、N個のサブ画素のデータ電圧が、同じデータラインにより提供される。
【0013】
本願の本実施形態における画素の構造は、サブ画素の画素電極は、ストリップ形状であり、N個のサブ画素は、同じ方向に順に配置されている;サブ画素の画素電極は、ブロック形状であり、N個のサブ画素は、アレイで配置されている;サブ画素のうちの少なくともいくつかの画素電極は、リング形状であり、N個のサブ画素は、入れ子方式で配置されている;およびサブ画素のうちの少なくともいくつかの画素電極は、L字形状であり、N個のサブ画素のうちの2個の隣接するサブ画素は、サブ画素のうちの一方が他方のサブ画素により半分囲まれるように配置されている、のうちの1つである。サブ画素の形状および配置方式は、特定の設計要件に従って設計され得る。
【0014】
一実施形態において、画素は少なくとも、赤色画素、緑色画素および青色画素を含む。ディスプレイデバイスは、光学フィルタ層を含み、光学フィルタ層は、赤色光学フィルタユニット、緑色光学フィルタユニットおよび青色光学フィルタユニットを含む。赤色画素は赤色光学フィルタユニットを含み、緑色画素は緑色光学フィルタユニットを含み、青色画素は青色光学フィルタユニットを含む。本実装は、カラーディスプレイデバイスを提供し、カラー表示を実装するために、カラーフィルタユニットが配置されている。各サブ画素は、M個のグレースケールを独立して表示できる。この場合、各画素は、最大でMN個のグレースケールを独立して表示でき、その結果、表示されるグレースケールの数を増やすことができ、これにより、カラー画像において表示される色の豊富さが増す。
【0015】
別の実施形態において、赤色画素は、黒色電気泳動粒子および赤色電気泳動粒子を含み、緑色画素は、黒色電気泳動粒子および緑色電気泳動粒子を含み、青色画素は、黒色電気泳動粒子および青色電気泳動粒子を含む。本実装において、カラー表示は、画素内のカラー電気泳動粒子を設定することにより実装される。
【0016】
本願の一実施形態は、本願の本実施形態において提供されるディスプレイデバイスを駆動するために用いられる、ディスプレイデバイスの駆動方法をさらに提供する。駆動方法は、画像のフレームの表示中、サブ画素の画素電極上のデータ電圧の持続時間を制御する段階を含み、その結果、サブ画素は、ターゲットグレースケールを表示し、ターゲットグレースケールは、M個のグレースケールのいずれか1個であり、N個のサブ画素により表示されるグレースケールは、画素の表示されるグレースケールを示すために組み合わされる。
【0017】
いくつかの実装において、駆動方法は、画像のフレームが表示される前に、サブ画素の初期グレースケールを表示する段階であって、初期グレースケールは、M個のグレースケールのいずれか1個である、表示する段階をさらに含む。
【0018】
サブ画素の画素電極上のデータ電圧の持続時間を制御する段階、その結果、サブ画素は、ターゲットグレースケールを表示する、は、ゲートラインにより、データラインを用いることによりデータ電圧を画素電極へ書き込むために、スイッチングトランジスタがオンになるよう制御するための走査信号を提供する段階を含む。サブ画素は、データ電圧の制御下で、初期グレースケールからターゲットグレースケールへ切り替えられる。データ電圧の持続時間はTであり、T=m*tである。mは、1以上の正の整数であり、tは、ゲートラインが走査信号を提供する走査期間である。
【0019】
本願の一実施形態は、本願のいずれかの実施形態において提供されるディスプレイデバイスを含む電子ペーパーをさらに提供する。
【0020】
本願において提供される、ディスプレイデバイス、その駆動方法、および電子ペーパーは、以下の有益な効果を有する。
【0021】
画素は、画素電極面積が等しくないN個のサブ画素を含む。各サブ画素は、M個のグレースケールを独立して表示でき、サブ画素の画素電極面積比率は、Mに関連する。画素の表示されるグレースケールは、N個のサブ画素により表示されるグレースケールを組み合わせることにより示される。M個のグレースケールを別個に表示するよう各サブ画素を制御することにより、最大でMN個のグレースケールを画素のみに表示でき、これにより、表示されるグレースケールの数が増える。電子ペーパーディスプレイ技術に適用されることで、本願は、グレースケールに対応するグレースケールトラックの密度を大幅に低減でき、グレースケール制御の精度を改善できる。加えて、全てのグレースケールの間の自由切り替えを完了するために画素が必要とする時間を低減でき、表示される画像のリフレッシュレートは、わずかに影響を受け、一方で、表示されるグレースケールの数が増え、これにより、アニメーション再生の平滑性が保証される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】従来技術における4グレースケールディスプレイデバイスの駆動の概略図である。
【0023】
【0024】
【
図3】従来技術における4グレースケールディスプレイデバイスおよび16グレースケールディスプレイデバイスのグレースケールトラックの概略図である。
【0025】
【
図4】16グレースケールディスプレイデバイスの駆動タイミング図である。
【0026】
【
図5】本願の一実施形態によるディスプレイデバイス内の画素の概略図である。
【0027】
【
図6】本願の一実施形態によるサブ画素のグレースケールトラックの概略図である。
【0028】
【
図7】本願による、画素のグレースケールに対応するグレースケールトラックの配置および組み合わせ方式を示す。
【0029】
【
図8】画素により表示され得るグレースケールの数をNビットの、Mを基数とする数と等しくすることの概略図である。
【0030】
【
図9】本願の一実施形態によるディスプレイデバイスの概略図である。
【0031】
【
図10】本願の一実施形態によるディスプレイデバイスの概略図である。
【0032】
【
図11】グレースケール切り替えの前および後のサブ画素における電気泳動粒子状態の概略図である。
【0033】
【
図12】グレースケール切り替えの前および後のサブ画素における電気泳動粒子状態の別の概略図である。
【0034】
【
図13】本願による、画素のグレースケール表示輝度の組み合わせの概略図である。
【0035】
【
図14】本願による、画素のグレースケール表示輝度の別の組み合わせの概略図である。
【0036】
【
図15】本願による、画素のグレースケール表示輝度の別の組み合わせの概略図である。
【0037】
【
図16】本願による、画素のグレースケール表示輝度の別の組み合わせの概略図である。
【0038】
【
図17】本願の一実施形態によるディスプレイデバイスの断面の簡略化された概略図である。
【0039】
【
図18】本願の一実施形態による別のディスプレイデバイスの断面の簡略化された概略図である。
【0040】
【
図19】本願の一実施形態によるディスプレイデバイスにおける画素の別の概略図である。
【0041】
【
図20】本願の一実施形態によるディスプレイデバイスにおける画素の別の概略図である。
【0042】
【
図21】本願の一実施形態によるディスプレイデバイスにおける画素の別の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
電子ペーパーディスプレイ技術に適用されるディスプレイデバイスは、互いに反対に配置された共通電極および画素電極、および、共通電極および画素電極の間に位置する電気泳動粒子を含む。電圧が共通電極および画素電極へ別個に印加された後に、電気泳動粒子の移動が制御され得る。しかしながら、移動後に画素内の電気泳動粒子の最終的な位置が異なる場合、画素の反射により取得される輝度も異なる。したがって、画素は、異なるグレースケールを示し得る。
【0044】
後続の実施形態を説明しやすくするために、グレースケールトラックの概念が本願において導入され、グレースケールトラックは、画素により表示されるグレースケールと1対1の対応関係にある。黒色電気泳動粒子および白色電気泳動粒子を含むディスプレイデバイスが一例として用いられ、画素グレースケールディスプレイにおける白色電気泳動粒子の位置は、グレースケールのグレースケールトラックとして定義され得る。
【0045】
図1は、従来技術における4グレースケールディスプレイデバイスの駆動の概略図であり、
図2は、
図1の駆動タイミング図である。4グレースケールディスプレイデバイスは、ディスプレイデバイス内の画素が4個のグレースケールを表示できることを意味する。
【0046】
図1は、画素がG0、G1、G2およびG3という複数のグレースケールを別個に表示する場合における電気泳動粒子の状態を示す。画素グレースケールディスプレイ内の白色電気泳動粒子の位置が、グレースケールのグレースケールトラックである。
図1に示されるように、ディスプレイデバイスは、画素電極01、共通電極02、黒色電気泳動粒子および白色電気泳動粒子を含む。
【0047】
正電荷を帯びた白色電気泳動粒子および負電荷を帯びた黒色電気泳動粒子が、一例として用いられる。共通電極02に印加される電圧は0Vであり、0V、15Vおよび-15Vという3個の電圧が画素電極01に印加されることで、電気泳動粒子が駆動されて移動し、その結果、画素は、異なるグレースケールを表示する。
図2は、初期表示状態が黒色画像である場合に画素を駆動して異なるグレースケールを表示させたときのタイミング図である。初期表示状態が黒色画像である、つまり、画素がG0グレースケールを表示する場合において、0Vの電圧が画素電極01に印加されたときは、黒色電気泳動粒子および白色電気泳動粒子の両方が、元の位置を維持し、静止したままであり、画素は、G0グレースケールの表示を続ける。
図2のタイミング図に示されるように、画素は、15Vのインパルス電圧を画素電極01に印加してインパルス電圧の持続時間を制御することにより、G1グレースケール、G2グレースケールまたはG3グレースケールを表示できる。
【0048】
初期表示状態が白色画像である場合、つまり、画素がG3グレースケールを表示し、0Vの電圧が画素電極01に印加される場合、黒色電気泳動粒子および白色電気泳動粒子の両方が、元の位置を維持し、静止したままであり、画素は、G3グレースケールの表示を続けることが理解され得る。しかしながら、画素は、-15Vのインパルス電圧を画素電極01に印加してインパルス電圧の持続時間を制御することにより、G2グレースケール、G1グレースケールまたはG0グレースケールを表示できる。
【0049】
図3は、従来技術における4グレースケールディスプレイデバイスおよび16グレースケールディスプレイデバイスのグレースケールトラックの概略図であり、
図4は、16グレースケールディスプレイデバイスの駆動タイミング図である。
【0050】
図3は、白色電気泳動粒子および対応するグレースケールトラックのみを示す。4グレースケールディスプレイデバイス内の画素は、G0からG3までの4個のグレースケールを表示でき、16グレースケールディスプレイデバイス内の画素は、G0からG15までの16個のグレースケールを表示できる。ディスプレイデバイス内の画素電極01および共通電極02の間の空間は、特定の要件を満たす必要がある。画素電極01および共通電極02の間の空間が固定される場合、画素を制御することにより表示され得るグレースケールの数がより多いことは、対応するグレースケールトラックがより密集している、つまり、隣接するグレースケールトラックの間の距離がより短いことを示す。この場合、グレースケールの精度を制御することがより難しい。
【0051】
図4は、初期表示状態が黒色画像である場合に画素を駆動して異なるグレースケールを表示させたときのタイミング図である。
図4に示されるように、初期表示状態が黒色画像である場合、特定のインパルス電圧が画素電極01に印加され、インパルス電圧の持続時間が制御され、その結果、G0からG15までの任意のグレースケールが画素上に表示され得る。白色電気泳動粒子から共通電極02までの距離がより近いことは、画素により表示されるグレースケールのレベルがより高いことを示す。画素により表示されるグレースケールのレベルがより高いことは、電圧を画素電極01に印加する持続時間がより長いことを示す。G0グレースケールの表示からG15グレースケールの表示へ切り替わるように画素が制御される場合、電圧を画素電極01に印加する持続時間が最も長い。
【0052】
例えば、インパルス電圧の持続時間は、最小単位時間t0の整数倍である。最小単位時間t0は、ライン走査信号の走査期間である。ライン走査信号の走査期間は、走査信号を1回提供するためにディスプレイデバイスの全てのゲートラインにより用いられる時間、つまり、フレームをリフレッシュするためにディスプレイデバイスにより用いられる時間である。例えば、85Hzのリフレッシュレートのモードでは、走査期間は、約11.7msである。つまり、t0≒11.7msである。
図4に示されるように、G0グレースケールの表示からG1グレースケールの表示へ切り替わるように画素が制御される場合におけるインパルス電圧の持続時間は、t0であり、G0グレースケールの表示からG15グレースケールの表示へ切り替わるように画素が制御される場合におけるインパルス電圧の持続時間は、15*t0である。したがって、理想的な状態では、16グレースケールディスプレイデバイスにおいて、G0からG15までの全てのグレースケールの間の自由切り替えを完了させるためには、最大15個のフレームがリフレッシュされる必要がある。例えば、リフレッシュレートが85Hzである場合、表示される画像の最大スイッチング周波数は、5Hzから6Hzまでである。言い換えると、従来技術では、表示され得るグレースケールの数がより多いことは、表示される画像のリフレッシュレートがより低いことを示し、これは、アニメーション再生の平滑性に影響を及ぼす。
【0053】
加えて、ディスプレイ技術の開発に伴い、電子ペーパーは、白黒ディスプレイに限定されておらず、カラー電子ペーパーが、新しいディスプレイ技術になっている。カラー電子ペーパーに適用され得るディスプレイデバイスについては、カラー表示を完了する場合、3つのタイプの画素、すなわち、赤色、緑色および青色が、協働のために必要とされる。画素グレースケールの数がより多いことは、表示されるカラー画像がより豊かであることを示す。しかしながら、従来技術では、画素により表示されるグレースケールの数の増加が制限され、グレースケールの数および画像表示効果の間のバランスを実現できない。
【0054】
従来技術における課題に基づいて、本願は、ディスプレイデバイスおよびその駆動方法を提供する。画素電極面積が互いに等しくないN個のサブ画素へ画素が分割され、各サブ画素は、M個のグレースケールを独立して表示するように制御され、NおよびMの両方が、2以上の整数である。次に、サブ画素の画素面積が設計され、その結果、N個のサブ画素により表示されるグレースケールが、画素の表示されるグレースケールを示すために組み合わされる。このように、表示されるグレースケールの数を増やすことができ、表示される画像のリフレッシュレートを保証しつつ、カラー表示を実装できる。
【0055】
一実施形態において、
図5は、本願の一実施形態によるディスプレイデバイスにおける画素の概略図であり、
図6は、本願の一実施形態によるサブ画素のグレースケールトラックの概略図である。
【0056】
図5は、画素Pにおける画素電極1のみを示す。
図5に示されるように、画素Pは、面積が互いに等しくないN個のサブ画素を含み、これらのサブ画素はそれぞれ、1番目のサブ画素sP
1、2番目のサブ画素sP
2、3番目のサブ画素sP
3から(N-1)番目のサブ画素sP
N-1まで、およびN番目のサブ画素sP
Nである。各サブ画素sPは、M個のグレースケールを独立して表示でき、NおよびMの両方が、2以上の整数である。任意選択的に、1個のサブ画素sPについて、M個のグレースケールがM個のグレースケールレベルに対応する。Mが3以上である場合、M個のグレースケールのうちの任意の2個の隣接するグレースケールの間の輝度差は等しい。
【0057】
図6は、M=3である場合におけるサブ画素sPの3個のグレースケールトラックQ
1、Q
2およびQ
3を示す。
図6は、サブ画素sPの表示されるグレースケールを駆動して切り替えを実行する画素電極1および共通電極2をさらに示す。一実施形態において、サブ画素は、黒色電気泳動粒子および白色電気泳動粒子を含み、サブ画素sPがグレースケールを表示する場合における白色電気泳動粒子の位置は、グレースケールのグレースケールトラックとして定義される。例えば、画素電極1よりも人間の眼に近い共通電極2をユーザが用いる場合、グレースケールトラックQ
1は、低グレースケールに対応し、グレースケールトラックQ
3は、高グレースケールに対応する。
【0058】
1個の画素Pにおいて、N個のサブ画素sPのうちの2個の画素電極面積の比率はXnであり、2≦X≦Mであり、かつ、nは1以上の整数である。任意選択的に、Xは整数である。言い換えると、本願において、2個のサブ画素sPの画素電極面積の比率は、サブ画素sPにより独立して表示され得るグレースケールの数に関連している。
【0059】
本発明の本実施形態において、N個のサブ画素は、画素電極面積が徐々に増える1番目のサブ画素、2番目のサブ画素、3番目のサブ画素、...およびN番目のサブ画素を含む。本明細書における分類番号は、ディスプレイデバイスにおけるN個のサブ画素の実際の配置順序ではないことに留意されたい。
【0060】
一実施形態において、R番目のサブ画素の画素電極面積に対する(R+1)番目のサブ画素の画素電極面積の比率はMであり、1≦R≦Nであり、Rは整数である。このとき、n=1である。言い換えると、N個のサブ画素の画素電極面積は、M倍に増える。この場合、R番目のサブ画素の画素電極面積に対する(R+2)番目のサブ画素の画素電極面積の比率はM2であり、このとき、n=2である。Nが5に等しい場合、1番目のサブ画素の画素電極面積に対する5番目のサブ画素の画素電極面積の比率はM4であり、このとき、nは最大値であり、n=4=N-1である。本実施形態において、画素電極面積の最大の差を有する2個のサブ画素の画素電極面積の比率は、MN-1である。Mが固定値である場合、R番目のサブ画素の画素電極面積に対する(R+1)番目のサブ画素の画素電極面積の比率は、本実施形態における設計に基づいて最小化され得る。この場合、単一の画素の総面積が最小であり、その結果、ディスプレイデバイス内に配置される画素の数を増やすことができ、これにより、解像度が改善される。
【0061】
別の実施形態において、R番目のサブ画素の画素電極面積に対する(R+1)番目のサブ画素の画素電極面積の比率は、M2である。言い換えると、N個のサブ画素の画素電極面積は、M2倍に増える。本実施形態において、N=5である場合、5番目のサブ画素および1番目のサブ画素、すなわち、画素電極面積の最大の差を有する2個のサブ画素の画素電極面積の比率は、M8である。このとき、nは最大値であり、n=8である。
【0062】
別の実施形態において、R番目のサブ画素の画素電極面積に対する(R+1)番目のサブ画素の画素電極面積の比率は、固定されない。言い換えると、N個のサブ画素の画素電極面積は、等倍には増えない。例えば、N=5である場合、1番目のサブ画素の画素電極面積に対する2番目のサブ画素の画素電極面積の比率はMであり、2番目のサブ画素の画素電極面積に対する3番目のサブ画素の画素電極面積の比率はM2であり、3番目のサブ画素の画素電極面積に対する4番目のサブ画素の画素電極面積の比率はMであり、4番目のサブ画素の画素電極面積に対する5番目のサブ画素の画素電極面積の比率はM3である。
【0063】
いくつかの実装において、R番目のサブ画素の画素電極面積に対する(R+1)番目のサブ画素の画素電極面積の比率は、Xnである。
【0064】
例えば、M=4であり、N=2である。一実施形態において、X=2であり、n=1である場合、2個のサブ画素の画素電極面積の比率は、1:2である。別の実施形態において、X=3であり、n=1である場合、2個のサブ画素の画素電極面積の比率は、1:3である。別の実施形態において、X=4であり、n=1である場合、2個のサブ画素の画素電極面積の比率は、1:4である。
【0065】
例えば、M=6であり、N=2である。一実施形態において、X=2であり、n=1である場合、2個のサブ画素の画素電極面積の比率は、1:2である。別の実施形態において、X=3であり、n=1である場合、2個のサブ画素の画素電極面積の比率は、1:3である。別の実施形態において、X=6であり、n=1である場合、2個のサブ画素の画素電極面積の比率は、1:6である。別の実施形態において、X=6であり、n=2である場合、2個のサブ画素の画素電極面積の比率は、1:4である。
【0066】
一実施形態において、R番目のサブ画素の画素電極面積に対する(R+1)番目のサブ画素の画素電極面積の比率は、Xである。言い換えると、N個のサブ画素の画素電極面積は、X倍に増える。
【0067】
本願において、1個の画素は、画素電極面積が等しくないN個のサブ画素を含み、N個のサブ画素は各々、M個のグレースケールを表示でき、N個のサブ画素のうちの2個のサブ画素の画素電極面積の比率は、Xnである。言い換えると、2個のサブ画素の画素電極面積の比率は、サブ画素により表示され得るグレースケールの数Mに関連している。この場合、N個のサブ画素は各々、任意のグレースケールを表示し、次に、1個の画素の表示されるグレースケールとして組み合わされ、その結果、画素により表示されるグレースケールの数を増やすことができる。加えて、X=Mである場合において、N個のサブ画素の各々が任意のグレースケールを表示した後に、N個のサブ画素が組み合わされたときは、グレースケールの繰り返しはなく、1個の画素が、N個のサブ画素により表示されるグレースケールを組み合わせることにより、MN個のグレースケールを表示できる。言い換えると、本願において、画素は、最大でMN個のグレースケールを表示できる。
【0068】
図7は、本願による、画素のグレースケールに対応するグレースケールトラックの配置および組み合わせ方式を示す。
図7に示されるように、M=3であり、N=2である。つまり、1個の画素が2個のサブ画素sP
1およびsP
2を含み、各サブ画素が3個のグレースケールを表示でき、3個のグレースケールに対応するグレースケールトラックは、Q
1、Q
2およびQ
3である。2個のサブ画素のグレースケールの組み合わせ方式は、合計で9個あり、画素は、9個のグレースケールを表示できる。
【0069】
表示中、サブ画素SPの各々により表示されるグレースケールは、表示対象画像のデータ情報に基づいて制御され、その結果、サブ画素sPの各々は、ターゲットグレースケールを表示し、ターゲットグレースケールは、M個のグレースケールのいずれか1個である。この場合、画素の表示されるグレースケールは、N個のサブ画素により表示されるグレースケールを組み合わせることにより示されてよく、複数の画素により表示されるグレースケールは、画像のフレームを表示するために組み合わされる。サブ画素sPの画素電極に印加されるデータ電圧の極性、およびデータ電圧の持続時間が制御され、その結果、サブ画素sPは、ターゲットグレースケールを表示する。
【0070】
本願において、画素の表示されるグレースケールは、N個のサブ画素により表示されるグレースケールを組み合わせることにより示される。M個のグレースケールを表示するよう各サブ画素を制御することにより、最大でMN個のグレースケールを画素のみに表示でき、これにより、表示されるグレースケールの数が増える。MN個のグレースケールの表示を実装できる従来技術と比較して、本願は、グレースケールに対応するグレースケールトラックの密度を大幅に低減でき、グレースケール制御の精度を改善できる。加えて、全てのグレースケールの間の自由切り替えを完了するために画素が必要とする時間を低減でき、表示される画像のリフレッシュレートは、わずかに影響を受け、一方で、表示されるグレースケールの数が増え、これにより、アニメーション再生の平滑性が保証される。
【0071】
図5を参照すると、画素Pは、1番目のサブ画素sP
1、2番目のサブ画素sP
2、3番目のサブ画素sP
3から(N-1)番目のサブ画素sP
N-1まで、およびN番目のサブ画素sP
Nを含む、合計でN個のサブ画素を含む。任意選択的に、画素電極1の面積は、1番目のサブ画素sP
1からN番目のサブ画素sP
Nへ徐々に増える。画素の総画素電極面積におけるサブ画素の各々の画素電極面積の割合は順に、P
1、P
2、P
3、...P
Nである。画素の総画素電極面積は、N個のサブ画素の画素電極面積の和である。
【0072】
本願において、各サブ画素は、M個のグレースケールを独立して表示できる。つまり、各サブ画素は、M個のグレースケールトラックを含む。画素がMN個のグレースケールを表示できる場合、画素により表示され得るグレースケールの数は、Nビットの、Mを基数とする数とみなされてよく、各Mを基数とする数は、1個のグレースケールに対応する。Mを基数とする数において、M個のグレースケールトラックはそれぞれ、0、1、2、...、M-2およびM-1に対応する。
【0073】
図8は、画素により表示され得るグレースケールの数をNビットの、Mを基数とする数と等しくすることの概略図である。
図8に示されるように、1番目のサブ画素sP
1のグレースケールトラックS
1は、Mを基数とする数の1番目のビットに対応し、2番目のサブ画素sP
2のグレースケールトラックS
2は、Mを基数とする数の2番目のビットに対応し、3番目のサブ画素sP
3のグレースケールトラックS
3は、Mを基数とする数の3番目のビットに対応し、R番目のサブ画素sP
RのグレースケールトラックS
Rは、Mを基数とする数のR番目のビット(Rは、N以下の整数である)に対応し、(N-2)番目のサブ画素sP
N-2のグレースケールトラックS
N-2は、Mを基数とする数の(N-2)番目のビットに対応し、(N-1)番目のサブ画素sP
N-1のグレースケールトラックS
N-1は、Mを基数とする数の(N-1)番目のビットに対応し、N番目のサブ画素sP
NのグレースケールトラックS
Nは、Mを基数とする数のN番目のビットに対応する。この場合、N個のサブ画素のグレースケールトラックの組み合わせは、Nビットの、Mを基数とする数S
N、S
N-1、...、S
2、S
1とみなされてよく、S
1、S
2、…、およびS
Nは各々、Mを基数とする数である0からM-1までの任意の整数である。
【0074】
Nビットの、Mを基数とする数SN、SN-1、...、S2、S1は、画素により表示され得るMN個のグレースケールの間のy番目のグレースケールを示し、このグレースケールの輝度割合は、Gyとして表される。グレースケールガンマが1.0である、と仮定する。つまり、輝度は、グレースケールが増えると、線形的に増える。以下の式は、M基数法および10進法の間の変換関係に基づいて取得され得る。
y=M0*S1+M1*S2+M2*S3+…+MR-1*SR+…+MN-3*SN-2+MN-2*SN-1+MN-1*SN (1)
Gy=(M0*S1+M1*S2+M2*S3+…+MR-1*SR+…+MN-3*SN-2+MN-2*SN-1+MN-1*SN)/(MN-1) (2)
【0075】
本願において、単一の画素の総輝度は、N個のサブ画素の輝度の和であり、画素の総輝度におけるR番目のサブ画素の輝度のLRの割合は、LR=SR*PR/(M-1)と表されてよく、PRは、画素の総画素電極面積におけるR番目のサブ画素の画素電極面積の割合である。
【0076】
この場合、Gyはまた、以下のとおりに表され得る。
Gy=S1*P1/(M-1)+S2*P2/(M-1)+S3*P3/(M-1)+…+SR*PR/(M-1)+…+SN-2*PN-2/(M-1)+SN-1*PN-1/(M-1)+SN*PN/(M-1) (3)
【0077】
式(2)および(3)が組み合わされた後に、以下の式が取得され得る。
PR=MR-1*(M-1)/(MN-1) (4)
【0078】
一実施形態において、画素の総画素電極面積におけるR番目のサブ画素の画素電極面積の割合は、PR=XR-1*(X-1)/(XN-1)(式(5))である。このように、N個のサブ画素の画素電極面積がX倍に増え、N個のサブ画素は各々、任意のグレースケールを表示し、1個の画素の表示されるグレースケールとして組み合わされ、その結果、画素により表示されるグレースケールの数を増やすことができる。加えて、X=Mである場合、最大でMN個のグレースケールを画素上に表示でき、これにより、ディスプレイデバイスの表示されるグレースケールの数が大幅に増える。
【0079】
一実施形態において、
図9は、本願の一実施形態によるディスプレイデバイスの概略図である。
図9において、例えば、N=3である。
図9に示されるように、ディスプレイデバイスは、複数のゲートラインScanおよび複数のデータラインDataを含み、1個の画素Pが3個のサブ画素sPを含む。サブ画素sPは、スイッチングトランジスタ4を含み、スイッチングトランジスタ4の出力端子は、画素電極1へ電気的に接続されている。1個の画素Pについて、3個のサブ画素sPのスイッチングトランジスタ4の制御端子が、同じゲートラインScanへ電気的に接続されており、3個のサブ画素sPのスイッチングトランジスタ4の入力端子がそれぞれ、異なるデータラインDataへ接続されている。ディスプレイデバイスが駆動されて表示をする場合、ゲートラインScanは、スイッチングトランジスタ4がオンになるよう制御するための走査信号を提供し、データラインDataは、データ電圧信号をサブ画素sPの画素電極へ書き込む。電気泳動粒子が、画素電極および共通電極の間に形成された電気泳動キャパシタンスの作用下で移動することで、サブ画素sPのグレースケールの表示が実装される。任意選択的に、サブ画素sPは、ストレージコンデンサをさらに含む。スイッチングトランジスタ4がオンにされた後に、データラインDataは、データ電圧信号を画素電極へ書き込み、データ電圧信号をストレージコンデンサに格納する。本実装において、同じ画素Pに属するN個のサブ画素sPが、同じゲートラインScanにより制御され、N個のサブ画素sPのデータ電圧がそれぞれ、異なるデータラインDataにより提供される。
【0080】
別の実施形態において、
図10は、本願一実施形態による別のディスプレイデバイスの概略図である。
図10において、例えば、N=3である。
図10に示されるように、ディスプレイデバイスは、複数のゲートラインScanおよび複数のデータラインDataを含み、1個の画素Pが3個のサブ画素sPを含む。1個の画素Pについて、3個のサブ画素SPのスイッチングトランジスタ4の制御端子がそれぞれ、異なるゲートラインScanへ接続されており、3個のサブ画素sPのスイッチングトランジスタ4の入力端子が、同じデータラインDataへ接続されており、各サブ画素sPのスイッチングトランジスタ4の出力端子が、対応する画素電極1へ接続されている。本実装において、同じ画素Pに属するN個のサブ画素sPがそれぞれ、異なるゲートラインScanにより制御され、N個のサブ画素sPのデータ電圧が、同じデータラインDataにより提供される。
【0081】
一実施形態において、ディスプレイデバイスは、駆動チップをさらに含み、ゲートラインScanおよびデータラインDataは各々、駆動チップへ電気的に接続されている。ディスプレイデバイスが駆動されて動作する場合、駆動チップは、対応する電圧信号をゲートラインScanおよびデータラインDataの各々に提供する。
【0082】
ディスプレイデバイスにおいて、サブ画素を駆動してターゲットグレースケールを表示させるために必要とされるデータ電圧の大きさおよび持続時間は、画像の前のフレームの表示中にサブ画素により表示されるグレースケールに関連する。画像の前のフレームの表示中にサブ画素により表示されるグレースケールは、ターゲットグレースケールに対するサブ画素の初期グレースケールとみなされ得る。初期グレースケールは、M個のグレースケールのいずれか1個である。ターゲットグレースケールは、初期グレースケールと同じであってよく、または、ターゲットグレースケールおよび初期グレースケールの間の差は、少なくとも1個のグレースケールレベルである。
【0083】
表示中に0Vの一定電圧が共通電極に印加される一実施形態において、サブ画素のターゲットグレースケールが初期グレースケールと同じである場合、0Vのデータ電圧が、サブ画素の画素電極へ書き込まれるように制御される。このとき、サブ画素内の電気泳動粒子は移動せず、サブ画素により表示されるグレースケールは、画像の前のフレームの表示中にサブ画素により表示されるグレースケールと同じである。
【0084】
サブ画素のターゲットグレースケールおよび初期グレースケールの間の差が、少なくとも1個のグレースケールレベルである場合、データ電圧をターゲットグレースケールおよび初期グレースケールの間の差に基づいて制御することで、特定のデータ電圧をサブ画素の画素電極へ書き込み、特定の持続時間を満たすようデータ電圧を制御することが必要とされる。データ電圧は、極性および大きさを含む。任意選択的に、画素電極へ書き込まれるデータ電圧の大きさおよび/または極性が制御され、画素電極上のデータ電圧の持続時間が制御されることで、初期グレースケールからターゲットグレースケールへのサブ画素の切り替えが実装される。
【0085】
ディスプレイデバイスにおいて、走査信号を1回提供するために全てのゲートラインScanにより用いられる時間は、ゲートラインが走査信号を提供する走査期間として定義される。ディスプレイデバイスは、動作中に1個の走査期間が完了した後に1個のフレームをリフレッシュする、とみなされ得る。1個のゲートラインScanについて、1個の走査期間内に、走査信号が1回提供される。画像のフレームを表示することは、画像の画像情報が動画像内に完全に表示されることを意味する。
【0086】
いくつかの実装において、ディスプレイデバイスは、1個のフレームをリフレッシュして、初期グレースケールからターゲットグレースケールへの全てのサブ画素の切り替えを完了する。つまり、ディスプレイデバイスは、1個のフレームをリフレッシュして画像のフレームの表示を実装する。
【0087】
いくつかの実装において、ディスプレイデバイスがフレームをリフレッシュした後は、初期グレースケールからターゲットグレースケールへの全てのサブ画素の切り替えを完了できない。この場合、ディスプレイデバイスはさらに、リフレッシュを続ける必要がある。つまり、ゲートラインScanは、走査信号を提供し続けることで、データ電圧がサブ画素の画素電極へ書き込まれ続けることを保証する。言い換えると、データ電圧の持続時間は、延ばされる必要がある。本実装において、ディスプレイデバイスは、2個またはそれよりも多くのフレームをリフレッシュして画像の1個のフレームの表示を完了する必要がある。データ電圧の持続時間は、画素電極のデータ電圧を維持する持続時間としても理解され得る。
【0088】
いくつかの実装において、本願の本実施形態において提供されるディスプレイデバイスが駆動されて表示を実行する場合、画像のフレームの表示中、ゲートラインScanは、スイッチングトランジスタ4がオンにされるよう制御するための走査信号を提供することで、データラインDataを用いることにより画素電極1にデータ電圧を提供する。データ電圧の制御下で、サブ画素sPは、初期グレースケールからターゲットグレースケールへ切り替わる。データ電圧の持続時間はTであり、T=m*tである。mは、1以上の正の整数であり、tは、ゲートラインScanが走査信号を提供する走査期間である。データ電圧の持続時間は、ゲートラインScanが走査信号を提供する期間に関連する。ゲートラインScanが走査信号を1回提供する場合、スイッチングトランジスタ4は、1回オンにされ、データラインDataは、画素電極1にデータ電圧を1回提供する。データ電圧が走査期間内に画素電極1へ1回書き込まれた後に、データ電圧の電圧値は、画素電極1上で維持される。本実装において、初期グレースケールからターゲットグレースケールへ切り替わるためにサブ画素sPにより用いられる時間は、ゲートラインScanが走査信号を提供する走査期間tの整数倍である。任意選択的に、ターゲットグレースケールおよび初期グレースケールの間の差のグレースケールレベルがより高いことは、グレースケール切り替えが制御される場合にゲートラインが走査信号を提供する回数がより多いこと、つまり、データ電圧の持続時間がより長いことを示す。
【0089】
いくつかの実装において、画像のフレームの表示中、ターゲットグレースケールおよび初期グレースケールの間の差は、x個のグレースケールレベルであり、1≦x≦M-1であり、xは整数である。この場合、初期グレースケールからターゲットグレースケールへ切り替わるようサブ画素sPが制御される場合、サブ画素sPの画素電極へ書き込まれるデータ電圧の持続時間は、x*T1であり、T1は、ターゲットグレースケールおよび初期グレースケールの間の差が1個のグレースケールレベルである場合におけるデータ電圧の持続時間である。
【0090】
いくつかの実装において、画像のフレームの表示中、ターゲットグレースケールおよび初期グレースケールの間の差は、x個のグレースケールレベルである。x≧2であり、サブ画素sPが初期グレースケールからターゲットグレースケールへ切り替わるよう制御される場合、データ電圧の大きさは、サブ画素sPの画素電極へ書き込まれるデータ電圧の持続時間がx*T1よりも小さくなるよう制御するために調節される。このように、初期グレースケールからターゲットグレースケールへ切り替わるための時間が短縮され得る。例えば、
図6に示されるサブ画素sPは、3個のグレースケールトラックQ
1、Q
2およびQ
3を含む。画像のフレームの表示中、サブ画素sPにより表示される必要があるターゲットグレースケールは、グレースケールトラックQ
2に対応するグレースケールである。画像が表示される前、サブ画素sPの初期グレースケールは、グレースケールトラックQ
1に対応するグレースケールである。
【0091】
一実施形態において、
図11は、グレースケール切り替えの前および後のサブ画素における電気泳動粒子状態の概略図である。
図11に示されるように、ゲートラインが走査信号を1回提供した後に、白色電気泳動粒子が、グレースケールトラックQ
2に対応する位置へ移動する。このとき、サブ画素sPは、グレースケールトラックQ
2に対応するグレースケールを表示する。グレースケールトラックQ
1からグレースケールトラックQ
2へ切り替える処理において、データ電圧の持続時間は、T=1*tである。グレースケールトラックQ
1からグレースケールトラックQ
3へ切り替える処理において、データ電圧の持続時間はT=2*tであり、m=2であることが理解され得る。任意選択的に、本実装において、ターゲットグレースケールおよび初期グレースケールの間の差が1個のグレースケールレベルである場合、データ電圧の持続時間は、T1=tである。
【0092】
別の実施形態において、
図12は、グレースケール切り替えの前および後のサブ画素における電気泳動粒子状態の別の概略図である。
図12に示されるように、ゲートラインが走査信号を1回提供した後に、白色電気泳動粒子が、グレースケールトラックQ
2およびグレースケールトラックQ
1の間の位置へ移動する。このとき、サブ画素sPは、ターゲットグレースケールの輝度の代わりに、グレースケールトラックQ
2に対応するグレースケールおよびグレースケールトラックQ
1に対応するグレースケールの間の輝度を表示する。ゲートラインが走査信号を2回提供した後に、白色電気泳動粒子は、グレースケールトラックQ
2に対応する位置へ移動し、サブ画素sPは、グレースケールトラックQ
2に対応するグレースケールを表示する。グレースケールトラックQ
1からグレースケールトラックQ
2へ切り替える処理において、データ電圧の持続時間はT=2*tであり、m=2である。つまり、隣接するグレースケールレベルの間での切り替えのために、2個のライン走査期間が必要とされる。任意選択的に、本実装において、グレースケールトラックQ
1からグレースケールトラックQ
3へ切り替える処理において、データ電圧の持続時間はT=4*tであり、m=4である。つまり、4個のライン走査期間が必要とされる。
【0093】
一実施形態において、M=2であり、N=3である。つまり、1個の画素Pが、3個のサブ画素sP1、sP2およびsP3を含み、各サブ画素は、2個のグレースケールを独立して表示でき、2個のグレースケールはそれぞれ、2個のグレースケールトラックQ1およびQ2に対応する。例えば、X=M=2である。3個のサブ画素のいずれか2個の画素電極面積の比率は2n、例えば、2、4または8である。具体的には、前述の式(5)に従って画素電極面積が設定される一例が、説明のために用いられる。式(5)によれば、画素の総画素電極面積における3個のサブ画素の画素電極面積の割合はそれぞれ、1/7、2/7および4/7である。サブ画素が黒色電気泳動粒子および白色電気泳動粒子を含む実装において、Q1およびQ2という合計で2個のグレースケールトラックが存在する。グレースケールトラックQ1およびQ2に対応する輝度はそれぞれ、全黒色(0)および全白色(1)である。画素Pが全白色である場合における輝度に対する、サブ画素sP1に対応するグレースケールトラックQ1およびQ2により表示される輝度の比率はそれぞれ、0および1/7である。画素Pが全白色である場合における輝度に対する、サブ画素sP2に対応するグレースケールトラックQ1およびQ2により表示される輝度の比率はそれぞれ、0および2/7である。画素Pが全白色である場合における輝度に対する、サブ画素sP3に対応するグレースケールトラックQ1およびQ
2
により表示される輝度の比率はそれぞれ、0および4/7である。
【0094】
図13は、本願による、画素のグレースケール表示輝度の組み合わせの概略図である。
図13に示されるように、グレースケール輝度の8個の組み合わせが配置および組み合わせを通じて取得されることにより、8個のグレースケールの表示が実装され得る。加えて、サブ画素について、サブ画素のグレースケールトラックの間の切り替え時間は、ゲートラインが走査信号を提供する走査期間の数に関連していることが、前述の関連する説明から分かり得る。したがって、2個のグレースケールトラックQ
1およびQ
2のみを有するサブ画素について、ゲートラインが走査信号を1回提供して、2個のグレースケールトラックの間の切り替えを完了する場合、理想的な状況において2個のグレースケールトラックの間の切り替えを制御するためには、ただ1個の走査期間が実行される必要がある。例えば、ディスプレイデバイスは、85Hzのリフレッシュレートのモードで動作する。本願の本実施形態における設計に基づいて、ディスプレイデバイスの最大画像リフレッシュレートは、85Hzに到達し得る。従来の8グレースケールディスプレ
イデバイスでは、8グレースケールディスプレ
イデバイスの各画素は、合計で8個のグレースケールトラックを有する。この場合、グレースケールトラック間の切り替え時間は、最大で7個の走査期間を必要とする。したがって、8グレースケールディスプレ
イデバイスの最大画像リフレッシュレートは、12Hzに到達し得るのみである。加えて、対応するグレースケール制御の精度は、グレースケールトラックの数の増加が原因で、比較的低い。従来の8グレースケールディスプレ
イデバイスと比較して、本願の本実施形態は、画像リフレッシュレートを効果的に改善でき、グレースケール制御の精度を改善できる。
【0095】
別の実施形態において、M=4であり、N=2である。つまり、1個の画素Pが、2個のサブ画素sP1およびsP2を含み、各サブ画素は、4個のグレースケールを独立して表示でき、4個のグレースケールはそれぞれ、4個のグレースケールトラックQ1、Q2、Q3およびQ4に対応する。例えば、X=M=4である。2個のサブ画素の画素電極面積の比率は4n、例えば、4または16である。具体的には、前述の式(5)に従って画素電極面積が設定される一例が、説明のために用いられる。式(5)によれば、画素の総画素電極面積における2個のサブ画素の画素電極面積の割合はそれぞれ、1/4および4/5である。サブ画素が黒色電気泳動粒子および白色電気泳動粒子を含む実装において、Q1、Q2、Q3およびQ4という合計で4個のグレースケールトラックが存在し、4個のグレースケールトラックにそれぞれ対応する輝度は、全黒色(0)、1/3白色(1/3)、2/3白色(2/3)および全白色(1)である。画素Pが全白色である場合における輝度に対する、サブ画素sP1に対応するグレースケールトラックQ1、Q2、Q3およびQ4により表示される輝度の比率はそれぞれ、0、1/15、2/15および3/15である。画素Pが全白色である場合における輝度に対する、サブ画素sP2に対応するグレースケールトラックQ1、Q2、Q3およびQ4により表示される輝度の比率はそれぞれ、0、4/15、8/15および12/15である。
【0096】
図14は、本願による、画素のグレースケール表示輝度の別の組み合わせの概略図である。
図14に示されるように、グレースケール輝度の16個の組み合わせが配置および組み合わせを通じて取得されることにより、16個のグレースケールの表示が実装され得る。加えて、各サブ画素は、4個のグレースケールトラックを含む。ゲートラインが走査信号を1回提供して、2個の隣接するグレースケールトラックの間の切り替えを完了する場合、理想的な状況において4個のグレースケールトラックの間の切り替えを制御するためには、最大で3個の走査期間が実行される必要がある。例えば、ディスプレイデバイスは、85Hzのリフレッシュレートのモードで動作する。本願の本実施形態における設計に基づいて、ディスプレイデバイスの最大画像リフレッシュレートは、28Hzに到達し得る。従来の16グレースケールディスプレイでは、16グレースケールディスプレイの各画素は、合計で16個のグレースケールトラックを有する。この場合、グレースケールトラック間の切り替え時間は、最大で15個の走査期間を必要とする。したがって、16グレースケールディスプレイの最大画像リフレッシュレートは、5Hzから6Hzまでに到達し得るのみである。加えて、対応するグレースケール制御の精度は、グレースケールトラックの数の増加が原因で、比較的低い。従来の16グレースケールディスプレイと比較して、本願の本実施形態は、画像リフレッシュレートを効果的に改善でき、グレースケール制御の精度を改善できる。別の実施形態において、M=3であり、N=3である。つまり、1個の画素Pが、3個のサブ画素sP
1、sP
2およびsP
3を含み、各サブ画素は、3個のグレースケールを独立して表示でき、3個のグレースケールはそれぞれ
、3個のグレースケールトラックQ
1、Q
2およびQ
3に対応する。例えば、X=M=3である。3個のサブ画素の画素電極面積の比率は3
n、例えば、3,9または27である。具体的には、前述の式(5)に従って画素電極面積が設定される一例が、説明のために用いられる。式(5)によれば、画素の総画素電極面積における3個のサブ画素の画素電極面積の割合はそれぞれ、2/26、6/26および18/26である。サブ画素が黒色電気泳動粒子および白色電気泳動粒子を含む実装において、Q
1、Q
2およびQ
3という合計で3個のグレースケールトラックが存在し、3個のグレースケールトラックにそれぞれ対応する輝度は、全黒色(0)、1/2白色(1/2)および全白色(1)である。したがって、画素Pが全白色である場合における輝度に対する、サブ画素sP
1に対応するグレースケールトラックQ
1、Q
2およびQ
3により表示される輝度の比率はそれぞれ、0、1/26および2/26である。画素Pが全白色である場合における輝度に対する、サブ画素sP
2に対応するグレースケールトラックQ
1、Q
2およびQ
3により表示される輝度の比率はそれぞれ、0、3/26および6/26である。画素Pが全白色である場合における輝度に対する、サブ画素sP
3に対応するグレースケールトラックQ
1、Q
2およびQ
3により表示される輝度の比率はそれぞれ、0、9/26および18/26である。
【0097】
図15は、本願による、画素のグレースケール表示輝度の別の組み合わせの概略図である。
図15に示されるように、グレースケール輝度の27個の組み合わせが配置および組み合わせを通じて取得されることにより、27個のグレースケールの表示が実装され得る。加えて、各サブ画素は、3個のグレースケールトラックを含む。ゲートラインが走査信号を1回提供して、2個の隣接するグレースケールトラックの間の切り替えを完了する場合、理想的な状況において3個のグレースケールトラックの間の切り替えを制御するためには、最大で2個の走査期間が実行される必要がある。例えば、ディスプレイデバイスは、85Hzのリフレッシュレートのモードで動作する。本願の本実施形態における設計に基づいて、ディスプレイデバイスの最大画像リフレッシュレートは、42Hzに到達し得る。従来の27グレースケールディスプレイでは、27グレースケールディスプレイの各画素は、合計で27個のグレースケールトラックを有する。この場合、グレースケールトラック間の切り替え時間は、最大で26個の走査期間を必要とする。したがって、27グレースケールディスプレイの最大画像リフレッシュレートは、3Hzに到達し得るのみである。加えて、対応するグレースケール制御の精度は、グレースケールトラックの数の増加が原因で低い。従来の27グレースケールディスプレイと比較して、本願の本実施形態は、画像リフレッシュレートを効果的に改善でき、グレースケール制御の精度を改善できる。
【0098】
別の実施形態において、M=4であり、N=2である。つまり、1個の画素Pが、2個のサブ画素sP1およびsP2を含み、各サブ画素は、4個のグレースケールを独立して表示でき、4個のグレースケールはそれぞれ、4個のグレースケールトラックQ1、Q2、Q3およびQ4に対応する。例えば、X=2<Mである。2個のサブ画素の画素電極面積の比率は2n、例えば、2または4である。具体的には、n=1である場合、2個のサブ画素の画素電極面積の比率は2である。式(5)によれば、画素の総画素電極面積における2個のサブ画素の画素電極面積の割合はそれぞれ、1/3および2/3である。サブ画素が黒色電気泳動粒子および白色電気泳動粒子を含む実装において、Q1、Q2、Q3およびQ4という合計で4個のグレースケールトラックが存在し、4個のグレースケールトラックにそれぞれ対応する輝度は、全黒色(0)、1/3白色(1/3)、2/3白色(2/3)および全白色(1)である。画素Pが全白色である場合における輝度に対する、サブ画素sP1に対応するグレースケールトラックQ1、Q2、Q3およびQ4により表示される輝度の比率はそれぞれ、0、1/9、2/9および3/9である。画素Pが全白色である場合における輝度に対する、サブ画素sP2に対応するグレースケールトラックQ1、Q2、Q3およびQ4により表示される輝度の比率はそれぞれ、0、2/9、4/9および6/9である。
【0099】
図16は、本願による、画素のグレースケール表示輝度の別の組み合わせの概略図である。
図16に示されるように、繰り返されるグレースケール輝度が、配置および組み合わせを通じて存在する。本実装において、グレースケール輝度の10個の組み合わせが取得されることにより、10個のグレースケールの表示が実装され得る。
【0100】
本願の一実施形態は、別のディスプレイデバイスをさらに提供する。
図9に示されるように、画素が少なくとも、赤色画素1P、緑色画素2Pおよび青色画素3Pを含む。様々な色の画素の配置方式は本願の本実施形態において限定されず、
図9における3つの色の画素の配置方式は一例に過ぎないことに留意されたい。本発明の設計に基づいて、各画素は、N個のサブ画素へ分割され、各サブ画素は、M個のグレースケールを独立して表示でき、その結果、各画素は、X
N個のグレースケールを独立して表示できる。表示されるグレースケールの数が増やされることにより、カラー画像において表示される色の豊富さが増し得る。加えて、サブ画素を駆動してM個のグレースケールレベルの間でグレースケールを切り替えることにより、最大でM
N個のグレースケールが表示され得る。全てのグレースケールの間の自由切り替えを完了するために画素が必要とする時間を低減でき、表示される画像のリフレッシュレートは、わずかに影響を受け、一方で、表示されるグレースケールの数が増え、これにより、アニメーション再生の平滑性が保証される。
【0101】
一実施形態において、
図17は、本願の一実施形態によるディスプレイデバイスの断面の簡略化された概略図である。
図17に示されるように、ディスプレイデバイスは、光学フィルタ層3を含み、光学フィルタ層3は、赤色光学フィルタユニット31、緑色光学フィルタユニット32および青色光学フィルタユニット33を含む。赤色画素1Pは赤色光学フィルタユニット31を含み、緑色画素2Pは緑色光学フィルタユニット32を含み、青色画素3Pは青色光学フィルタユニット33を含む。
図17は、共通電極2および画素電極1をさらに示す。ディスプレイデバイスは、基板5をさらに含み、ゲートライン、データラインおよびスイッチングトランジスタが、基板5上に位置している。各画素は、白色電気泳動粒子および黒色電気泳動粒子をさらに含み、白色電気泳動粒子は、白色の塗りつぶしにより表されており、黒色電気泳動粒子は、黒色の塗りつぶしにより表されている。本実装において、カラー表示を実装するために、カラーフィルタユニットが配置されている。
【0102】
別の実施形態において、
図18は、本願の一実施形態による別のディスプレイデバイスの断面の簡略化された概略図である。
図18に示されるように、赤色画素1Pは、黒色電気泳動粒子および赤色電気泳動粒子61を含み、緑色画素2Pは、黒色電気泳動粒子および緑色電気泳動粒子62を含み、青色画素3Pは、黒色電気泳動粒子および青色電気泳動粒子63を含む。本実装において、カラー表示は、画素内のカラー電気泳動粒子を設定することにより実装される。
【0103】
本願の本実施形態において、サブ画素の形状は、複数の方式で設定され得る。
図5に示されるサブ画素sPの画素電極1は、ストリップ形状であり、N個のサブ画素sPが、同じ方向に順に配置されている。一実施形態において、N個のサブ画素sPは、画素電極面積に関してランダムに配置されている。別の実施形態において、N個のサブ画素sPは、画素電極面積が徐々に増える(または減る)ように配置されている。
【0104】
別の実施形態において、
図19は、本願の一実施形態によるディスプレイデバイスにおける画素の別の概略図である。
図19に示されるように、サブ画素sPの画素電極1は、ブロック形状であり、N個のサブ画素sPが、アレイで配置されている。本実装において、N個のサブ画素sPは、a個の行およびb個の列を有するアレイへと配置されている。特定の数の行および列が、実際の要件に従って設定され得る。
【0105】
別の実施形態において、
図20は、本願の一実施形態によるディスプレイデバイスにおける画素の別の概略図である。
図20に示されるように、サブ画素sPのうちの少なくともいくつかの画素電極1は、リング形状であり、N個のサブ画素sPは、入れ子方式で配置されている。任意選択的に、N個のサブ画素sPは、共通の対称中心を有する。任意選択的に、内部に位置するサブ画素sPの画素電極は、ブロック形状であってよい。
図20において、いくつかのサブ画素sPの画素電極1のみが、例示のために、矩形リングとして表されている。任意選択的に、いくつかのサブ画素sPの画素電極1は円形リング、楕円形リングまたは多角形リング、であってもよい。
【0106】
別の実施形態において、
図21は、本願の一実施形態によるディスプレイデバイスにおける画素の別の概略図である。
図21に示されるように、サブ画素sPのうちの少なくともいくつかの画素電極1は、L字形状であり、N個のサブ画素sPのうちの2個の隣接するサブ画素sPは、これらのサブ画素sPのうちの一方が他方のサブ画素sPにより半分囲まれるように配置されている。任意選択的に、N個のサブ画素sPのうちの1個の画素電極1は、ブロック形状である。
【0107】
本明細書において、画素電極1がL字形状であることは、画素電極の形状が略L字形状であること、または画素電極の形状が「7」に類似していることを意味する。
【0108】
本願の一実施形態は、本願のいずれかの実施形態において提供されるディスプレイデバイスを含む電子ペーパーをさらに提供する。ディスプレイデバイスの構造は、前述の実施形態において説明されており、ここでは、詳細を再び説明しない。
【国際調査報告】