(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】真皮治療のためのシステム、デバイス、および方法
(51)【国際特許分類】
A61M 5/178 20060101AFI20240927BHJP
A61M 5/24 20060101ALI20240927BHJP
A61M 37/00 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
A61M5/178
A61M5/24
A61M37/00 514
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518375
(86)(22)【出願日】2022-09-26
(85)【翻訳文提出日】2024-05-02
(86)【国際出願番号】 US2022077038
(87)【国際公開番号】W WO2023049907
(87)【国際公開日】2023-03-30
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524024856
【氏名又は名称】エイコム ラブズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】エイブラハム, ジャック フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ, キャリー マッケンジー
(72)【発明者】
【氏名】リウ, リアン
(72)【発明者】
【氏名】コン, デフイ
(72)【発明者】
【氏名】サイファー, ヒーリー トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ベンテ, ポール エフ. ザ フォース
【テーマコード(参考)】
4C066
4C267
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD07
4C066DD12
4C267AA71
(57)【要約】
真皮治療のためのシステム、デバイス、および方法が、提供される。種々のシステム、デバイス、および方法は、ハンドヘルドデバイス、針または微小針を介した皮内または皮下流体送達を伴う治療選択肢を提供する。流体送達に関して、システムは、注射器と、流体充填容器と、針または中空微小針とを含むことができる。流体充填容器は、種々の真皮治療等を実施するための治療デバイスと適合可能に結合されることができる。さらに、流体送達システムは、皮膚のための薬剤および補助剤を含む、いくつかの用途において利用されることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真皮条件治療システムであって、
治療アプリケーションを備えるメモリと、
1つまたはそれを上回るプロセッサのセットと、
ハンドヘルドデバイスであって、
注射システムであって、
流体充填容器、前記流体充填容器と流体接続する針、および前記流体充填容器から前記針から外に流体を射出することが可能である内部駆動装置システムと、
カメラ光学系を備える画像入手システムと
を備える、注射システム
を備える、ハンドヘルドデバイスと
を備え、
前記メモリおよび前記1つまたはそれを上回るプロセッサのセットは、前記ハンドヘルドデバイスと通信し、
前記1つまたはそれを上回るプロセッサのセットは、前記治療アプリケーションを介して、
前記画像入手システムを使用して、画像データを入手することと、
前記入手された画像データにおける特徴を検出することと、
前記入手された画像データを使用して、治療部位を識別することと、
前記注射システムを介して、前記治療部位において治療注射を開始することと
を含むステップを実施することが可能である、真皮条件治療システム。
【請求項2】
前記注射システムは、前記治療アプリケーションのステップを実施することに応じて、前記治療部位において皮内または皮下流体注射を実施する、請求項1に記載の真皮条件治療システム。
【請求項3】
前記カメラ光学系は、
ベイヤカメラ、
赤色光を撮像することが可能であるモノクロカメラ、
可視および近赤外波長を含む拡張色スペクトル帯を撮像することが可能であるモノクロカメラ、
近赤外光を撮像することが可能であるカメラ、
赤外光を撮像することが可能であるカメラ、
偏光フィルタを含むカメラ、
マルチスペクトル画像を捕捉することが可能であるカメラ、または、
深度カメラ
を備える、請求項1に記載の真皮条件治療システム。
【請求項4】
前記カメラ光学系は、
マクロレンズ、
テレセントリック光学系、または、
ペリスコープ光学系
を備える、請求項1に記載の真皮条件治療システム。
【請求項5】
前記1つまたはそれを上回るプロセッサのセットによるアクティブ化が可能である照明源
をさらに備え、
前記1つまたはそれを上回るプロセッサのセットはまた、前記治療アプリケーションを介して、前記照明源をアクティブ化する付加的ステップを実施することが可能である、請求項1に記載の真皮条件治療システム。
【請求項6】
前記照明システムは、
赤外光源と、
近赤外光源と、
線形偏光光源と
から成る群から選択される、請求項5に記載の真皮条件治療システム。
【請求項7】
前記治療アプリケーションを介して、前記1つまたはそれを上回るプロセッサのセットによってアクティブ化されることが可能である近赤外光源
をさらに備え、
前記画像入手システムは、近赤外光を撮像することが可能である少なくとも1つのカメラを備える、請求項1に記載の真皮条件治療システム。
【請求項8】
前記治療アプリケーションを介して、前記1つまたはそれを上回るプロセッサのセットによってアクティブ化されることが可能である線形偏光光源
をさらに備え、
前記画像入手システムは、偏光フィルタを含む少なくとも1つのカメラを備える、請求項1に記載の真皮条件治療システム。
【請求項9】
前記入手された画像データは、画像のシーケンスを備え、
前記入手された画像データにおける前記特徴を検出することは、前記画像のシーケンスにおける真皮条件を検出することを含み、
前記入手された画像データを使用して、前記治療部位を識別することは、
前記画像のシーケンスを使用して、前記検出された真皮条件を追跡すること
を含む、請求項1に記載の真皮条件治療システム。
【請求項10】
注射の深さを監視するためのセンサをさらに備え、前記1つまたはそれを上回るプロセッサのセットは、前記治療アプリケーションおよび前記センサを介して、前記注射の深さを制御するように前記内部駆動装置に指示することが可能である、請求項1に記載の真皮条件治療システム。
【請求項11】
前記1つまたはそれを上回るプロセッサのセットは、前記ハンドヘルドデバイス内に格納される、請求項1に記載の真皮条件治療システム。
【請求項12】
前記1つまたはそれを上回るプロセッサのセットは、前記ハンドヘルドデバイスとは別個に格納される、請求項1に記載の真皮条件治療システム。
【請求項13】
前記針は、中空微小針である、請求項1に記載の真皮条件治療システム。
【請求項14】
前記流体充填容器は、シリンジを備える、請求項1に記載の真皮条件治療システム。
【請求項15】
前記流体充填容器は、カートリッジを備える、請求項1に記載の真皮条件治療システム。
【請求項16】
前記流体充填容器内の前記流体は、薬剤または補助剤を含む、請求項1に記載の真皮条件治療システム。
【請求項17】
前記流体充填容器内の前記流体は、トリアムシノロンを含む、請求項1に記載の真皮条件治療システム。
【請求項18】
真皮条件治療システムであって、
治療アプリケーションを備えるメモリと、
1つまたはそれを上回るプロセッサのセットと、
ハンドヘルドデバイスであって、
少なくとも1つの針を備える注射システムであって、前記注射システムは、前記少なくとも1つの針を通して液体を射出することが可能である、注射システムと、
前記1つまたはそれを上回るプロセッサのセットと通信することが可能である少なくとも1つのカメラと
を備える、ハンドヘルドデバイスと
を備え、
前記メモリおよび前記1つまたはそれを上回るプロセッサのセットは、前記ハンドヘルドデバイスと通信し、
前記1つまたはそれを上回るプロセッサのセットは、前記治療アプリケーションを介して、
前記少なくとも1つのカメラを使用して、画像データを入手することであって、前記画像データは、画像のシーケンスを備える、ことと、
前記画像のシーケンスにおける病変を検出することと、
前記画像のシーケンスを使用して、前記検出された病変を追跡することと、
前記画像のシーケンスを使用して、治療部位を識別することと、
前記注射システムを使用して、前記治療部位の中への前記液体の注射を開始することと
を含むステップを実施することが可能である、真皮条件治療システム。
【請求項19】
前記少なくとも1つのカメラを使用して、画像データを入手することはさらに、
前記少なくとも1つのカメラを使用して、画像を捕捉することと、
前記捕捉された画像をデワープすることと、
前記デワープされた画像を正規化することと
を含む、請求項18に記載の真皮条件治療システム。
【請求項20】
前記少なくとも1つのカメラのうちの1つは、少なくとも1つのフィルタを備え、前記少なくとも1つのフィルタは、
偏光フィルタと、
ピクセルのうちの2つが緑色光を撮像し、前記ピクセルのうちの1つが青色光を撮像し、前記ピクセルのうちの1つが赤色光を撮像するように、4つの隣接するピクセルのセット上で光をフィルタリングするベイヤカラーフィルタと、
ピクセルのうちの2つが赤色光を撮像し、前記ピクセルのうちの1つが青色光を撮像し、前記ピクセルのうちの1つが緑色光を撮像するように、4つの隣接するピクセルのセット上で光をフィルタリングするベイヤカラーフィルタと、
マルチスペクトルフィルタと、
特定のスペクトル帯におけるモノクロ画像の捕捉を可能にするカラーフィルタであって、前記特定のスペクトル帯は、
赤色チャネルと、
近赤外波長と、
可視および近赤外波長を含む拡張色スペクトル帯と、
から成る群から選択される、カラーフィルタと
から成る群から選択される、請求項18に記載の真皮条件治療システム。
【請求項21】
前記1つまたはそれを上回るプロセッサのセットによるアクティブ化が可能である照明源
をさらに備え、
前記1つまたはそれを上回るプロセッサのセットはまた、前記治療アプリケーションを介して、前記照明源をアクティブ化する付加的ステップを実施することが可能である、請求項18に記載の真皮条件治療システム。
【請求項22】
前記ハンドヘルドデバイスはさらに、照明システムを備え、前記照明システムは、
赤外光源、
近赤外光源、または、
線形偏光光源
を備える、請求項18に記載の真皮条件治療システム。
【請求項23】
前記治療アプリケーションを介して、前記1つまたはそれを上回るプロセッサのセットによってアクティブ化されることが可能である近赤外光源
をさらに備え、
前記少なくとも1つのカメラのうちの1つは、近赤外光を撮像することが可能である、請求項18に記載の真皮条件治療システム。
【請求項24】
前記治療アプリケーションを介して、前記1つまたはそれを上回るプロセッサのセットによってアクティブ化されることが可能である線形偏光光源
をさらに備え、
前記少なくとも1つのカメラのうちの1つは、偏光フィルタを含む、請求項18に記載の真皮条件治療システム。
【請求項25】
前記1つまたはそれを上回るプロセッサのセットはまた、前記治療アプリケーションを介して、前記病変を分類する付加的ステップを実施することが可能である、請求項18に記載の真皮条件治療システム。
【請求項26】
前記1つまたはそれを上回るプロセッサのセットは、前記治療アプリケーションを介して、また、
前記病変が膿疱性病変であるかどうかを決定することと、
前記病変が、膿疱性病変であることが決定されるとき、前記治療部位として前記病変の毛嚢脂腺単位に隣接する標的を選択し、前記病変の毛嚢脂腺単位にオフセットされる軌道において注射を開始することと
の付加的ステップを実施することが可能である、請求項18に記載の真皮条件治療システム。
【請求項27】
前記1つまたはそれを上回るプロセッサのセットは、前記治療アプリケーションを介して、また、
前記病変が、膿疱性病変ではないことが決定されるとき、前記治療部位として前記病変の毛嚢脂腺単位を選択し、前記病変の毛嚢脂腺単位に平行な軌道において注射を開始すること
の付加的ステップを実施することが可能である、請求項26に記載の真皮条件治療システム。
【請求項28】
前記注射システムはさらに、少なくとも1つの力または変位センサを備え、前記治療アプリケーションを介して、前記少なくとも1つのプロセッサのセットによって制御されることが可能である、請求項18に記載の真皮条件治療システム。
【請求項29】
前記注射システムを使用して、前記治療部位の中への前記液体の注射を開始することは、
注射深さを決定することと、
前記少なくとも1つの力または変位センサによって発生されたセンサデータを監視することと、
前記センサデータに基づいて、前記注射深さに到達しているかどうかを決定することと、
前記注射深さに到達していることが決定されるとき、前記少なくとも1つの針を通して前記液体を射出するように前記注射システムを制御することと
を含む、請求項28に記載の真皮条件治療システム。
【請求項30】
前記注射システムを使用して、前記治療部位の中への前記液体の注射を開始することは、ユーザインターフェースを介して、インジケーションを提供することを含み、前記インジケーションは、前記注射を手動で開始するようにユーザに指示する、請求項18に記載の真皮条件治療システム。
【請求項31】
前記1つまたはそれを上回るプロセッサのセットは、前記ハンドヘルドデバイス内に格納される、請求項18に記載の真皮条件治療システム。
【請求項32】
前記1つまたはそれを上回るプロセッサのセットは、前記ハンドヘルドデバイスとは別個に格納される、請求項18に記載の真皮条件治療システム。
【請求項33】
前記針は、中空微小針である、請求項18に記載の真皮条件治療システム。
【請求項34】
前記液体は、前記病変を治療するための薬剤である、請求項18に記載の真皮条件治療システム。
【請求項35】
前記液体は、トリアムシノロンである、請求項18に記載の真皮条件治療システム。
【請求項36】
病変治療システムであって、
注射アプリケーションを備えるメモリと、
1つまたはそれを上回るプロセッサのセットと、
ハンドヘルドデバイスであって、
少なくとも1つの針と、少なくとも1つの力または変位センサとを備える注射システムであって、前記注射システムは、
前記少なくとも1つの針を通して液体を射出することと、
前記注射アプリケーションを介して、前記少なくとも1つのプロセッサのセットによって制御されることと
が可能である、注射システムと、
前記1つまたはそれを上回るプロセッサのセットと通信することが可能である、少なくとも1つのカメラと
を備える、ハンドヘルドデバイスと
を備え、
前記メモリおよび前記1つまたはそれを上回るプロセッサのセットは、前記ハンドヘルドデバイスと通信し、
前記1つまたはそれを上回るプロセッサのセットはまた、前記注射アプリケーションを介して、
前記少なくとも1つのカメラを使用して、画像データを入手することであって、前記画像データは、画像のシーケンスを備える、ことと、
前記画像のシーケンスにおける病変を検出することと、
前記病変が膿疱性病変であるかどうかを決定することと、
前記画像のシーケンスを使用して、前記検出された病変を追跡することと、
前記病変が、膿疱性病変であることが決定されるとき、治療部位として前記病変の毛嚢脂腺単位に隣接する標的を選択し、前記病変の毛嚢脂腺単位にオフセットされる軌道において前記治療部位の中への前記液体の注射を開始するように前記注射システムを制御することと、
前記病変が、膿疱性病変ではないことが決定されるとき、治療部位として前記病変の毛嚢脂腺単位を選択し、前記病変の毛嚢脂腺単位にオフセットされる軌道において前記治療部位の中への前記液体の注射を開始するように前記注射システムを制御することと、
注射深さを決定することと、
前記少なくとも1つの力または変位センサによって発生された力または変位センサデータを監視することと、
前記力または変位センサデータに基づいて、前記注射深さに到達しているかどうかを決定することと、
前記注射深さに到達していることが決定されるとき、前記少なくとも1つの針を通して前記液体を射出するように前記注射システムを制御することと
を含むステップを実施することが可能である、病変治療システム。
【請求項37】
前記少なくとも1つのカメラを使用して、画像データを入手することはさらに、
前記少なくとも1つのカメラを使用して、画像を捕捉することと、
前記捕捉された画像をデワープすることと、
前記デワープされた画像を正規化することと
を含む、請求項36に記載の病変治療システム。
【請求項38】
前記少なくとも1つのカメラのうちの1つは、少なくとも1つのフィルタを備え、前記少なくとも1つのフィルタは、
偏光フィルタと、
ピクセルのうちの2つが緑色光を撮像し、前記ピクセルのうちの1つが青色光を撮像し、前記ピクセルのうちの1つが赤色光を撮像するように、4つの隣接するピクセルのセット上で光をフィルタリングするベイヤカラーフィルタと、
ピクセルのうちの2つが赤色光を撮像し、前記ピクセルのうちの1つが青色光を撮像し、前記ピクセルのうちの1つが緑色光を撮像するように、4つの隣接するピクセルのセット上で光をフィルタリングするベイヤカラーフィルタと、
マルチスペクトルフィルタと、
特定のスペクトル帯におけるモノクロ画像の捕捉を可能にするカラーフィルタであって、前記特定のスペクトル帯は、
赤色チャネルと、
近赤外波長と、
可視および近赤外波長を含む拡張色スペクトル帯と
から成る群から選択される、カラーフィルタと
から成る群から選択される、請求項36に記載の病変治療システム。
【請求項39】
前記1つまたはそれを上回るプロセッサのセットによるアクティブ化が可能である照明源
をさらに備え、
前記1つまたはそれを上回るプロセッサのセットはまた、前記注射アプリケーションを介して、前記照明源をアクティブ化する付加的ステップを実施することが可能である、請求項36に記載の病変治療システム。
【請求項40】
前記ハンドヘルドデバイスはさらに、照明システムを備え、前記照明システムは、
赤外光源、
近赤外光源、または、
線形偏光光源
を備える、請求項36に記載の病変治療システム。
【請求項41】
前記注射アプリケーションを介して、前記1つまたはそれを上回るプロセッサのセットによってアクティブ化されることが可能である近赤外光源
をさらに備え、
前記少なくとも1つのカメラのうちの1つは、近赤外光を撮像することが可能である、請求項36に記載の病変治療システム。
【請求項42】
前記注射アプリケーションを介して、前記1つまたはそれを上回るプロセッサのセットによってアクティブ化されることが可能である線形偏光光源
をさらに備え、
前記少なくとも1つのカメラのうちの1つは、偏光フィルタを含む、請求項36に記載の病変治療システム。
【請求項43】
前記1つまたはそれを上回るプロセッサのセットは、前記注射アプリケーションを介して、また、前記病変を分類する付加的ステップを実施することが可能である、請求項36に記載の病変治療システム。
【請求項44】
前記1つまたはそれを上回るプロセッサのセットは、前記ハンドヘルドデバイス内に格納される、請求項36に記載の病変治療システム。
【請求項45】
前記1つまたはそれを上回るプロセッサのセットは、前記ハンドヘルドデバイスとは別個に格納される、請求項36に記載の病変治療システム。
【請求項46】
前記針は、中空微小針である、請求項36に記載の病変治療システム。
【請求項47】
前記液体は、前記病変を治療するための薬剤である、請求項36に記載の病変治療システム。
【請求項48】
前記液体は、トリアムシノロンである、請求項36に記載の病変治療システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その開示が、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2021年9月24日に出願され、「Systems, Devices and Methods for Dermal Treatments」と題された、米国仮出願第63/248,396号の優先権を主張する。
【0002】
本願は、概して、真皮注射のためのマシンビジョンを利用するシステム、デバイス、および方法を含む、真皮治療のためのシステム、デバイス、および方法を対象とする。
【背景技術】
【0003】
中空微小針は、流体、特に、ワクチンまたは薬剤を送達するための小さいアプリケータである。微小針は、典型的には、経皮、眼内、または蝸牛内流体送達において使用される。それらの小さいサイズのため、微小針は、典型的には、注射の部位への傷害を引き起こさず、概して、従来の皮下針等の他の注射方法よりも危険ではないと見なされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
詳細な説明
ここで図面に目を向けると、真皮処置のためのシステム、デバイス、および方法が、本開示の種々の実施形態に従って説明される。いくつかの実施形態は、針または微小針を利用する精密な皮内または皮下流体送達を対象とする。いくつかの実施形態では、治療デバイスは、ハンドヘルドである。種々の実施形態では、ハンドヘルドデバイスは、皮内または皮下のための流体で充填される、シリンジまたはカートリッジを利用する。種々の実施形態では、ハンドヘルドデバイスは、流体注射を実施するために、針または中空微小針を利用する。
【0005】
ある実施形態では、皮内または皮下流体システムは、治療デバイスおよび交換可能流体充填容器(例えば、シリンジまたはカートリッジ)を利用する。流体充填容器は、流体(例えば、薬剤または補助剤)を貯蔵し得る。ある実施形態では、流体充填容器は、注射器の機構が、針または微小針を通して流体充填容器から外に流体を射出することが可能であるように、治療デバイスと適合可能に結合される。ある実施形態では、針または微小針は、単一の構成要素として流体充填容器と統合される。いくつかの実施形態では、針または微小針および流体充填容器は、それぞれ、ともに相互係止することが可能な個々の構成要素(例えば、ルアーロックコネクタ)である。
【0006】
ある実施形態では、皮内または皮下送達システムが、様々な皮膚のための治療用途において使用され得る、トリアムシノロン(トリアムシノロンアセトニドまたはケナログ)、ヒアルロン酸、またはコラーゲン(またはコラーゲン刺激剤)等の薬剤および/または補助剤の送達のために利用される。例えば、ある実施形態では、皮内または皮下送達システムは、ざ瘡治療としてざ瘡病変の中にトリアムシノロンを送達する。ある実施形態では、皮内または皮下送達システムは、皮膚の中にヒアルロン酸を送達する。また、ある実施形態では、皮内または皮下送達システムは、皮膚の中にコラーゲンおよび/またはコラーゲン刺激剤を送達し、これは、他の利益の中でもとりわけ、皮膚弾性および外観を改善することができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、注射システムは、注射を支援し、および/または自動的に実施するために利用される画像データを捕捉する、撮像システムを組み込む。多くの実施形態では、撮像システムは、カメラ光学系を備える、画像入手システムを含む。いくつかの実施形態では、カメラ光学系は、皮膚の画像を分解することが可能である。ある実施形態では、カメラは、マクロレンズ、テレセントリック光学系、および/またはペリスコープ光学系を利用する。種々の実施形態では、撮像システムは、(限定ではないが)色画像(例えば、従来のベイヤフィルタまたは青色および緑色ピクセルあたり2つの赤色ピクセルを含むベイヤフィルタ)、マルチスペクトル画像、近赤外画像、拡張色画像(色+近赤外)、モノクロ画像(黒色および白色または赤色)、および/または偏光光画像を捕捉することを含む、1つまたはそれを上回る撮像モダリティを利用する。いくつかの実施形態では、撮像システムは、(限定ではないが)近赤外照明源および/または偏光光源等の照明源を含む。ある実施形態では、撮像システムは、深さ感知を実施するための2つまたはそれを上回るカメラおよび/または深さ推定を支援するための照明システムを組み込む。容易に理解され得るように、特定の撮像システム、カメラのタイプ、カメラの数、撮像モダリティ、および/または照明源の使用は、典型的には、本開示の種々の実施形態による、特定の用途の要件に依存する。
【0008】
いくつかの実施形態では、撮像システムは、撮像システムによって捕捉された画像内のざ瘡病変を検出および/または追跡するために画像プロセスを利用する、マシンビジョンシステムの一部である。ある実施形態では、マシンビジョンシステムはまた、ざ瘡病変の分類を実施し、および/または病変の分類に基づいて、治療が病変に適用される様式を修正する。ある実施形態では、全ての処理は、ハンドヘルド治療デバイス内で実施される。いくつかの実施形態では、ハンドヘルド治療デバイスは、画像を捕捉し、初期処理(例えば、画像入手および画像/ビデオエンコーディング)を実施し、画像処理のための別のデバイスに有線および/または無線接続を介して処理された画像データを伝送する。いくつかの実施形態では、画像処理を実施するデバイスは、治療デバイスに付随する専用デバイスである。ある実施形態では、画像処理を実施するデバイスは、ハンドヘルド注射器デバイスによって捕捉された画像データを処理するようにソフトウェアアプリケーションによって構成される、モバイル算出デバイス(例えば、電話、タブレット)である。容易に理解され得るように、ハンドヘルド治療システムと組み合わせて利用されるマシンビジョンシステムによって実施される特定のハードウェア構成および/または画像プロセスは、本開示の実施形態による、特定の用途の要件に依存する。さらに、本明細書に説明される撮像システムおよび/またはマシンビジョンシステムのうちのいずれかは、本発明の範囲から逸脱することなく、(限定ではないが)流体注射システムを含む、本明細書に説明されるシステムのうちのいずれかと組み合わせて交換可能に利用されることができる。
【0009】
説明されるシステム、デバイス、および方法は、いかようにも限定として解釈されるべきではない。代わりに、本開示は、単独で、および相互との種々の組み合わせおよび副次的組み合わせにおいて、種々の開示される実施形態の全ての新規かつ非自明な特徴および側面を対象とする。開示されるシステム、デバイス、および方法は、任意の特定の側面、特徴、またはそれらの組み合わせに限定されない、または開示されるシステム、デバイス、および方法は、いずれか1つまたはそれを上回る特定の利点が存在する、または問題が解決されることを要求しない。
【0010】
皮内または皮下治療システムの種々の実施形態ならびに治療デバイスおよびカートリッジの実施例が、本明細書に開示され、これらの選択肢の任意の組み合わせが、特に除外されない限り、行われることができる。例えば、開示される流体送達デバイスのうちのいずれかは、特定の組み合わせが明示的に説明されない場合であっても、任意のタイプの適合可能な流体充填容器と併用されることができる。同様に、流体送達システムの異なる構造および特徴は、明示的に開示されない場合であっても、任意の送達システムタイプ/特徴、送達デバイスタイプ/特徴、流体充填容器、マシンビジョンシステム、注射プロセス、処理システム等を組み合わせること等によって、混合および合致されることができる。要するに、開示されるシステムの個々の構成要素は、相互に排他的または物理的に不可能ではない限り、組み合わせられることができる。
【0011】
開示される方法のうちのいくつかの動作は、便宜的な提示のために、特定の順次的順序で説明されるが、説明の本様式が、特定の順序が下記に記載される特定の言語によって要求されない限り、再配列を包含することを理解されたい。例えば、順次説明される動作は、ある場合には、再配列される、または並行して実施され得る。また、簡略化のために、添付される図は、開示される方法、システム、および装置が、他のシステム、方法、および装置と併せて使用され得る種々の方法を示さない場合がある。
【0012】
説明全体を通して使用されるような用語「近位」および「遠位」は、注射の部位に関連する。故に、デバイスの近位面または近位部分は、注射が実施されるとき、注射の部位により近位であろう面または部分である。逆に、デバイスの遠位面または遠位部分は、注射が実施されるとき、注射の部位により遠位であろう面または部分である。同様に、近位移動は、注射の部位に向かう方向における構成要素の移動であり、遠位移動は、反対方向における構成要素の移動であろう。これらの用語は、注射の部位に関係するが、これらの用語が、参照のために使用され、注射の部位が、本明細書に説明されるデバイスおよびシステムの構成要素または移動を解釈するときに存在する必要がないことを理解されたい。
【0013】
真皮治療のためのシステムおよびデバイス
種々の実施形態は、皮内および/または皮下治療のためのシステムおよびデバイスを対象とする。ある実施形態では、皮内および/または皮下治療システムは、治療デバイス、流体充填容器、および/または針/微小針を含む。概して、本明細書に説明される種々の実施形態によると、注射器は、注射器が、流体充填容器を受容し、それと動作的に連結するように構成されるように、流体充填容器と適合可能である。ある実施形態では、注射器および流体充填容器が、動作的に連結されるとき、注射器は、治療を提供する(例えば、針/微小針を通して流体充填容器から流体を射出する)ための機構を提供する。ある実施形態では、針または微小針は、単一の構成要素として流体充填容器と統合される。ある実施形態では、針または微小針および流体充填容器は、それぞれ、ともに結合することが可能な個々の構成要素(例えば、ルアーロックコネクタ)である。
【0014】
治療デバイス
ある実施形態では、治療デバイスは、流体充填容器から外への流体射出のための機構を提供するように構成される。注射器は、機械的または電気機械的手段を介して動作することができる。ある実施形態では、注射器は、本デバイスの機械的および/または電気的構成要素を始動および/または駆動するための1つまたはそれを上回るボタンまたはトリガを含む。ある実施形態では、ボタンまたはトリガは、流体充填容器から外に、針または微小針を通して成分を射出するために、カートリッジと動作的に連結される、内部ピストンと機械的または電気的に動作的に連結される。ある実施形態では、内部駆動装置システムは、圧縮ばねと協働的に相互作用し、これは、流体充填容器から外への流体射出の流動を制御し、および/または内部駆動装置を初期位置に戻すことに役立つことができる。ある実施形態では、アクチュエータは、注射のために皮膚を穿刺し、その中に据え付けるように針を駆動することが可能である、内部駆動装置機構と動作的に連結される。ある実施形態では、内部駆動装置機構は、線形アクチュエータであり、回転可能ねじ山付きロッド、ウォーム歯車、ラックおよびピニオン、またはソレノイドコイルのうちの1つまたはそれを上回るものを利用する。ある実施形態では、異なるねじ機構が、微細なミクロン単位の(またはそれを下回る)移動のために利用される。
【0015】
ある実施形態では、電気機械的治療デバイスは、(例えば)リチウムイオンバッテリ等の電源またはバッテリを含むが、しかしながら、任意の適切な電源またはバッテリが、利用されることができる。ある実施形態では、治療デバイスは、治療デバイスの種々のタスクを実施することに関する命令を提供するための算出システム、メモリ、および/またはソフトウェアを含む。実施されるべき種々のタスクは、(限定ではないが)針を用いた皮膚の貫通、交換可能注射システムから外への成分の射出、皮膚から外への針の回収、レーザ/光の提供、投薬量の計算、投与するべき体積の計算、投与のための針深さの計算、カメラ画像データ(ライブまたは捕捉)、データの記憶、およびインターネットシステムまたは他のシステム(例えば、Bluetooth(登録商標)、クラウドシステム、Wi-Fi対応、セルラーデータ対応)との接続を含む。治療デバイスのメモリ内に記憶され得るデータは、(限定ではないが)手技ログ、カートリッジログ(例えば、タイプ、体積)、場所ログ、投薬量ログ、および針深さログを含む。
【0016】
ある実施形態では、針は、注射プロセスの間にユーザに暴露されないままである。ある実施形態では、注射デバイスは、針貫通、必要な針深さ、流体射出、局所圧力、または検出されるべき任意の他の適切な感覚を感知するために利用され得る、1つまたはそれを上回るセンサを含む。ある実施形態では、針と併せた注射デバイスは、皮膚接触、針貫通、および/または針深さを検出するために使用され得る、電気インピーダンスを測定するためのセンサを含む。ある実施形態では、針システム上のスペーサが、適切な針貫通および深さを確実にするために提供される。
【0017】
ある実施形態では、治療デバイスは、流体充填交換可能注射システム(例えば、カートリッジシステムまたはシリンジシステム)を受容するための筐体を含む。ある実施形態では、筐体は、交換可能注射システムの受容を促進するために、可逆的結合および/または係止機構を含む。ある実施形態では、交換可能注射システムは、注射器と結合および/または係止するための適合可能な構成要素を含む。(例えば)フックおよび受容溝、フランジ、ねじ山付きねじ、ツイストロック、ボールおよびロックピン、または結合および/または係止機構の任意の可能な組み合わせ等の任意の適切な可逆的結合および/または係止機構が、利用されることができる。ある実施形態では、結合および/または係止機構は、交換可能注射システムが、交換可能注射システムから変位され得、変位が、流体の射出に先立って、および/またはその後に生じ得るように、可逆的である。
【0018】
多くの実施形態では、治療デバイスは、皮膚上の所望の場所に注射器および針システムを配置し、および/または安定化させるために利用され得る、安定化特徴(例えば、支台または基部)を含む。ある実施形態では、安定化特徴は、ロッドおよび/または支柱等の任意の適切なコネクタであり得る、コネクタを介して注射器システムから延在され、それに接続される。ある実施形態では、安定化特徴は、注射器システム筐体の近位面である。ある実施形態では、安定化特徴および針は、針の射出先端が、皮内または皮下送達のための必要な距離だけ安定化特徴を越えて延在することが可能であるように、協働的に位置付けられる。ヒトの皮膚は、場所に応じて、約0.5mm~5.0mmの深さを有する。例えば、顔の皮膚は、約1.5mm~2mmであり、顔の場所上でさらに変動する(例えば、額の皮膚の平均厚さは、約1.7mmであり、頬の皮膚の平均厚さは、約1.85mmである)。故に、場所および使用(例えば、皮内または皮下注射)に応じて、種々の実施形態によると、針先端は、注射時に安定化特徴を0.5mm~5.0mm越えて位置付けられる。顔の皮膚上での使用に関して、種々の実施形態によると、針または微小針先端は、注射時に安定化特徴を約0.5mm~2.0mm越えて位置付けられる。種々の実施形態では、微小針または針先端は、注射時に安定化特徴を約0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1.0mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、1.5mm、1.6mm、1.7mm、1.8mm、1.9mm、2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm、4.0mm、4.5mm、または5.0mmを越えて位置付けられる。
【0019】
多くの実施形態では、安定化特徴は、冷却および/または加熱のための要素を含み、これは、注射の間にユーザへの疼痛を軽減する、または快適性をもたらすための手段を提供し得る。(例えば)コイル、抵抗器、通気口、真空、および/またはファン等の冷却および/または加熱を提供するための任意の適切な要素が、利用されることができる。いくつかの実施形態では、振動器が、安定化特徴または針の中に組み込まれ、これもまた、注射の間にユーザへの疼痛を軽減する、または快適性をもたらすための手段を提供することができる。
【0020】
ある実施形態では、注射器システムの筐体は、交換可能注射システムを部分的または完全に隠蔽する。ある実施形態では、筐体はさらに、針を隠蔽する。ある実施形態では、筐体は、皮膚貫通の間に針が暴露されるためのオリフィス(例えば、ピン孔)を含むことができる。ある実施形態では、オリフィスを囲繞する筐体の近位面は、皮膚上の所望の場所に安定化および/または位置付け効果を提供することができる。ある実施形態では、オリフィスおよび針は、針の射出先端が、皮内または皮下送達のために必要な距離だけオリフィスを越えて延在することが可能であるように、協働的に位置付けられる。
【0021】
多くの実施形態では、治療デバイスは、治療を可視化し、および/または治療部位の画像またはデータを記録することに役立つために使用され得る、1つまたはそれを上回る撮像モダリティ(例えば、カメラ)を含む。(限定ではないが)可視光、偏光光、マルチスペクトル、および/または赤外カメラを含む、任意の適切なカメラが、利用されることができる。いくつかの実施形態では、撮像モダリティは、注射部位および内部組織構造を可視化することに役立つ、超音波システムである。ある実施形態では、撮像モダリティは、これが治療部位および/または手技を可視化することが可能であるように、カートリッジの近位に位置付けられる。
【0022】
注射デバイスに搭載されるとき、カメラは、治療部位に近接し得る。比較的に小さい焦点距離に適応するために、様々な光学システムが、本開示の種々の実施形態において利用されることができる。いくつかの実施形態では、マクロレンズを組み込むレンズ鏡筒が、利用される。いくつかの実施形態では、屈曲光学系および/またはペリスコープ光学系が、利用される。いくつかの実施形態では、テレセントリックレンズシステムが、大きい被写界深度を提供するために利用される。容易に理解され得るように、特定の治療の要件に適切な任意の光学システムが、本開示の実施形態に従って利用されることができる。ある実施形態では、ライトが、カメラおよび/またはユーザ可視化を向上させるために利用される。多くの実施形態では、レーザが、ユーザを適切な注射部位に誘導することに役立つために利用される。いくつかの実施形態では、レーザが、精密な治療を提供するために、カメラと協働する。いくつかの実施形態では、特徴(例えば、偏光光)を向上させ、および/または皮下撮像を可能にする、照明システムが、利用される(例えば、赤外光源)。容易に理解され得るように、特定の用途の要件に適切な任意の照明システムが、本開示の実施形態に従って、撮像システムと組み合わせて利用されることができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、治療デバイスは、適切な治療を確実にするために、フィードバックを提供するための手段を含む。ある実施形態では、注射器システムは、交換可能注射システムが確実に本デバイス内にあるときに関するフィードバックを提供するための手段を含む。ある実施形態では、注射器システムは、交換可能注射システムが確実に本デバイス内にないときに関するフィードバックを提供するための手段を含む。ある実施形態では、注射器システムは、注射器システムが使用できる状態であるときに関するフィードバックを提供するための手段を含む。ある実施形態では、注射器システムは、注射器システムが能動的に治療を提供しているときに関するフィードバックを提供するための手段を含む。ある実施形態では、注射器システムは、注射器システムが治療の提供を終了したときに関するフィードバックを提供するための手段を含む。(限定ではないが)白色光、有色光、色の使用の有無を問わない本デバイス上の機械的特徴の被覆または被覆解除、振動等の触覚フィードバック、および可聴音を含む、フィードバックを提供するための任意の適切な手段が、利用されることができる。
【0024】
流体充填容器
いくつかの実施形態は、治療デバイスと併せて利用されるべき交換可能流体充填容器を対象とする。任意の適合可能なカートリッジ、シリンジ、または他の流体充填容器が、本デバイスと併用されることができる。種々の実施形態では、流体充填容器は、治療デバイスと適合可能である。ある実施形態では、流体充填容器は、治療デバイスの受容器の中へのカートリッジの受容を促進するために、可逆的結合および/または係止機構を含む。ある実施形態では、流体充填容器は、治療デバイスと結合および/または係止するための適合可能な構成要素を含む。(例えば)フックおよび受容溝、フランジ、ねじ山付きねじ、ツイストロック、ボールおよびロックピン、または結合および/または係止機構の任意の可能な組み合わせ等の任意の適切な可逆的結合および/または係止機構が、利用されることができる。ある実施形態では、結合および/または係止機構は、カートリッジが、治療デバイスから変位され得、変位が、カートリッジ構成要素の使用に先立って、および/またはその後に生じ得るように、可逆的である。
【0025】
多くの実施形態は、治療デバイスと併せて利用されるべき流体充填容器を対象とする。ある実施形態では、流体充填容器は、密閉してシールされ得る、その中に流体を伴うシールされた容器である。任意の適切な体積の流体が、利用されることができる。種々の実施形態では、流体充填容器は、約0.01cc~10ccを含有する。種々の実施形態では、流体充填容器は、約0.01cc、0.05cc、0.1cc、0.15cc、0.2cc、0.25cc、0.3cc、0.35cc、0.4cc、0.45cc、0.5cc、0.55cc、0.6cc、0.65cc、0.7cc、0.75cc、0.8cc、0.85cc、0.9cc、0.95cc、1.0cc、1.5cc、2.0cc、2.5cc、3.0cc、3.5cc、4.0cc、4.5cc、5.0cc、5.5cc、6.0cc、6.5cc、7.0cc、7.5cc、8.0cc、8.5cc、9.0cc、9.5cc、または10.0ccを含有する。
【0026】
ある実施形態では、流体充填容器は、単回使用流体充填容器または複数回使用流体充填容器等の限定された使用のためのものである。種々の実施形態では、流体充填容器は、複数の注射のための流体を含有する。ある実施形態では、流体充填容器は、流体射出後に処分可能である。ある実施形態では、流体充填容器は、容器から外への、針、微小針、または他の先端を通した流体の射出を促進するために、プランジャを含有する、または圧力下にある。
【0027】
ある実施形態では、流体充填容器のプランジャは、治療デバイス(例えば、注射器デバイス)の内部駆動装置と動作的に連結することが可能である。ある実施形態では、治療デバイスの内部駆動装置は、駆動装置が、流体充填容器のプランジャを動作的に押動し、容器から外への液体の射出をもたらし得るように、流体充填容器の面(例えば、針と反対の面)に接触することが可能である。ある実施形態では、流体充填容器は、内部駆動機構が、治療デバイスの中心部分から離れるように、および/またはそれに向かって軸方向に注射システムを移動させ得るように、治療デバイスの内部駆動機構と動作的に連結することが可能である。ある実施形態では、治療デバイスの内部駆動機構を介した、流体充填容器の移動は、同時に、内部駆動機構が、皮膚の中に穿刺し、挿入されるように針または微小針を動作的に駆動するように、注射器の中心部分から離れるように、および/またはそれに向かって針または微小針の射出先端を移動させる。ある実施形態では、注射器の内部駆動機構は、針または微小針の射出先端を安定化特徴を越えて必要な位置に移動させる。
【0028】
いくつかの実施形態は、流体充填容器、特に、皮膚科治療および/または補助剤における使用のための流体を対象とする。流体充填容器内で使用されるべき流体は、(限定ではないが)薬品、補助剤、トリアムシノロン、ヒアルロン酸、コラーゲン、または他の液体を含む。
【0029】
針、微小針、および射出先端
いくつかの実施形態は、成分含有カートリッジから外に成分を排出するための針、微小針、および射出先端の使用を対象とする。針または微小針は、成分を注射するために使用されることができる一方、射出先端は、成分の局所治療を提供することができる。ある実施形態では、針、微小針、または射出先端は、カートリッジ内の流体が、針、微小針、または先端を介して、容器から排出され得るように、流体充填容器と動作的に連結される。ある実施形態では、針、微小針、または射出先端は、容器の面(例えば、注射器の内部ピストンと相互作用する面と反対の面)から延在する。ある実施形態では、針、微小針、または射出先端は、微小針/先端およびカートリッジが、単一の構成要素となるように、カートリッジと統合される。ある実施形態では、微小針/先端およびカートリッジは、それぞれ、カートリッジから外への、微小針または先端を通した流動を確実にするために、ともに嵌合することが可能な個々の構成要素である。(例えば)ルアーロックシステムまたはガスケット等の微小針または先端をカートリッジと嵌合させるための任意の適切な手段が、利用されることができる。
【0030】
種々の実施形態では、1つまたはそれを上回る微小針は、流体が、1つまたはそれを上回る微小針を介して容器から外に射出され得るように、流体充填容器と動作的に連結される。ある実施形態では、単一の微小針が、流体充填容器と動作的に連結される。ある実施形態では、複数の微小針が、流体充填容器と動作的に連結され、これは、アレイ、規則的なパターン(例えば、円)、不規則的なパターン、または任意の他の構成において配列されることができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、針または微小針は、冷却効果、加熱効果、または微小振動効果を提供するための能力を有する。故に、冷却、加熱、または微小振動を提供するための手段が、機能を提供するために、針と動作的に連結される。針に冷却、加熱、または微小振動能力を提供するための任意の適切な手段が、利用されることができる。
【0032】
ある実施形態では、1つまたはそれを上回る針または微小針は、覆隠または隠蔽され、これは、針または微小針からのユーザへの害を防止するために、または針または微小針への損傷を防止するために望ましくあり得る。1つまたはそれを上回る針または微小針を覆隠または隠蔽する任意の適切な手段が、利用されることができる。ある実施形態では、被覆が、微小針を囲繞して据え付けられる。ある実施形態では、被覆は、剛性および/または堅性材料である。剛性および/または堅性被覆を利用する実施形態では、被覆は、オリフィスまたはピン孔を通して微小針を露出または露見させることができ、これは、これが前進される際に、または注射部位の中への前進に先立って行われることができる。ある実施形態では、被覆は、針または微小針が、被覆が圧潰し、および/または針または微小針が被覆を通して穿通することによって露出または露見されるように、圧潰可能および/または穿通可能材料である。穿通可能材料は、(限定ではないが)ゴム、ネオプレン、PTFE、ePTFE、および金属箔を含む。ある実施形態では、針または微小針を介したカートリッジから外への流体の射出後、針または微小針は、再覆隠または再隠蔽される。ある実施形態では、剛性または堅性被覆は、筐体から外向きに射出され、注射後に針または微小針を被覆する。
【0033】
マシンビジョンシステム
ハンドヘルド治療デバイスは、撮像システムおよび(限定ではないが)マシンビジョン処理システム等の処理システムを含む、マシンビジョンシステムを組み込み、および/またはそれと通信することができる。上記に議論されるように、様々な撮像システムのうちのいずれかが、特定の用途の要件に対して適宜利用されることができる。多くの実施形態では、撮像システムは、撮像システムの視野内の画像データを捕捉するために利用される。いくつかの実施形態では、撮像システムの視野は、本デバイスが治療(例えば、流体の皮内または皮下注射)を投与し得る領域を撮像する。
【0034】
いくつかの実施形態では、マシンビジョンシステムは、画像データの入手を制御し、画像データを分析し、着目領域を検出する。いくつかの実施形態では、着目領域は、検出された真皮条件を含有する領域である。いくつかの実施形態では、着目領域は、特定の用途における任意の着目真皮条件を含有し得る。真皮条件は、皮膚疾患、病変(例えば、ざ瘡病変)、真皮傷害、ケロイド、しわ、真皮異常、変色、または本明細書に説明されるような治療システムによって検出可能であり、治療されることが可能である任意の他の真皮条件であり得る。
【0035】
多くの実施形態では、検出は、1つまたはそれを上回る真皮条件(例えば、ざ瘡病変)が存在するかどうかを決定するために、入手された画像データのピクセルを分析する、1つまたはそれを上回るルールのセットを使用して実施される。ルールの付加的セットが、検出された真皮条件および/または(限定ではないが)サポートベクターマシン、分類器のカスケード、および/またはニューラルネットワーク(例えば、畳み込みニューラルネットワーク)を含む、機械学習モデルを分類するために、利用されることができる。いくつかの実施形態では、着目領域が真皮条件を含有するかどうかを検出するために、教師あり学習プロセス(例えば、標識化された画像のセットが分類器を訓練するために利用されるプロセス)を使用して訓練される分類器が、利用される。ある実施形態では、着目領域が真皮条件を含有するかどうかをリアルタイムで評価すること、真皮条件の特定の特徴を検出すること(例えば、ざ瘡病変の毛嚢脂腺単位位置特定)、および/または任意の検出された真皮条件の分類を実施することの両方を行うプロセスが、利用される。
【0036】
いくつかの実施形態では、検出は、特徴のセットを発生させるように訓練され、異なる着目領域内で検出を実施する層を含む、ニューラルネットワークシステムを使用して実施される。このように、ニューラルネットワークは、いくつかのサイズおよび縦横比の着目領域を横断して並行して検出を実施するために利用される、特徴の単一のセットを効率的に発生させることができる。種々の実施形態では、別個のネットワークが、異なるクラスの真皮条件の検出を実施するように訓練されることができる。ある実施形態では、別個のネットワークが、異なるクラスのざ瘡病変(例えば、嚢胞性ざ瘡、丘疹膿疱性ざ瘡、開放性面疱、および/または閉鎖性面疱)の検出を実施するように訓練されることができる。このように、ネットワークは、真皮条件のリアルタイム検出および分類を可能にするために並行して評価されることができる。いくつかの実施形態では、Liu, Wei, et al.「Ssd: Single shot multibox detector.」European conference on computer vision. Springer, Cham, 2016(画像処理用途におけるSSD機械学習モデルの訓練および使用に関連する開示を含む、その開示は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明される、シングルショットマルチボックス検出器等のニューラルネットワークが、利用される。特定の機械学習モデルが、上記に説明されるが、(限定ではないが)Alexnet、ResNet、VGGNet、および/またはInception等の畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を含む、画像処理用途のために利用され得る様々な機械学習モデルのうちのいずれかが、本開示の実施形態に従って、特定の用途の要件に対して適宜利用され得ることが容易に理解されるはずである。
【0037】
ある実施形態では、入手された画像データのリアルタイム処理は、真皮条件の初期検出を実施し、次いで、入手された画像のシーケンスにおける後続画像において条件を追跡することによって達成される。このように、より算出的に集約的ではない追跡プロセスが、真皮条件を追跡するために利用されることができる。いくつかの実施形態では、(限定ではないが)オプティカルフローおよび/または運動からの構造技法を含むプロセスが、検出された真皮条件の特徴を追跡するために利用される。いくつかの実施形態では、特徴検出プロセスが、特徴を検出するために実施され、これは、次いで、追跡されることができる。検出され得る特徴は、(限定ではないが)スケール不変特徴量変換(SIFT)特徴、対数極SIFT特徴、SIFT-勾配ヒストグラム(SIFT-HOG)特徴、および/または(限定ではないが)Upadhyay、Pawan Kumar、およびSatish Chandra.「An improved bag of dense features for skin lesion recognition.」Journal of King Saud University-Computer and Information Sciences(2019)(皮膚特有特徴の検出に関連する開示を含む、その開示は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明される特徴等の特徴の皮膚病変特有束を含む。容易に理解され得るように、特定の用途の要件に適切な様々なプロセスのうちのいずれかが、特徴追跡を実施するために利用されることができる。多くの実施形態では、条件の特徴を追跡するための能力は、ハンドヘルド治療デバイスが治療部位に治療を送達するために適切に位置付けられるときの検出を可能にする。
【0038】
いくつかの実施形態では、治療部位は、真皮条件の分類および/または投与されるべき特定の治療に基づいて決定される。ある実施形態では、ハンドヘルド治療デバイスは、ユーザが治療を送達するべき治療部位に対して適切な配向においてハンドヘルド治療デバイスを位置付けることを支援するために、オーディオ、触覚、および/または視覚フィードバックを提供する。いくつかの実施形態では、ハンドヘルド治療デバイスは、正しく配向されると、治療を自動的に開始する。いくつかの実施形態では、ハンドヘルド治療デバイスは、ハンドヘルド治療デバイスが正しく配向されると、治療を手動で開始するように、フィードバックをユーザに提供する。ある実施形態では、治療は、注射を伴い、ハンドヘルド治療デバイスは、注射の貫通の深さおよび/または注射の間に投与される流体の体積を監視する、センサを含む。
【図面の簡単な説明】
【0039】
説明および請求項は、本開示の例示的実施形態として提示され、本開示の範囲の完全な列挙として解釈されるべきではない、以下の図を参照してより完全に理解されるであろう。
【0040】
【
図1A】
図1A-1Cは、本開示の種々の実施形態による、ハンドヘルド治療デバイスの図示を提供する。
【
図1B】
図1A-1Cは、本開示の種々の実施形態による、ハンドヘルド治療デバイスの図示を提供する。
【
図1C】
図1A-1Cは、本開示の種々の実施形態による、ハンドヘルド治療デバイスの図示を提供する。
【0041】
【
図1D】
図1D-1Iは、本開示の種々の実施形態による、マシンビジョンシステムを組み込む、ハンドヘルド治療デバイスの図示を提供する。
【
図1E】
図1D-1Iは、本開示の種々の実施形態による、マシンビジョンシステムを組み込む、ハンドヘルド治療デバイスの図示を提供する。
【
図1F】
図1D-1Iは、本開示の種々の実施形態による、マシンビジョンシステムを組み込む、ハンドヘルド治療デバイスの図示を提供する。
【
図1G】
図1D-1Iは、本開示の種々の実施形態による、マシンビジョンシステムを組み込む、ハンドヘルド治療デバイスの図示を提供する。
【
図1H】
図1D-1Iは、本開示の種々の実施形態による、マシンビジョンシステムを組み込む、ハンドヘルド治療デバイスの図示を提供する。
【
図1I】
図1D-1Iは、本開示の種々の実施形態による、マシンビジョンシステムを組み込む、ハンドヘルド治療デバイスの図示を提供する。
【0042】
【
図2】
図2A-4Bは、本開示の種々の実施形態による、流体充填カートリッジの図示を提供する。
【
図3】
図2A-4Bは、本開示の種々の実施形態による、流体充填カートリッジの図示を提供する。
【
図4】
図2A-4Bは、本開示の種々の実施形態による、流体充填カートリッジの図示を提供する。
【0043】
【
図5A】
図5A-5Dは、本開示の種々の実施形態による、成分注射器システムの図示を提供する。
【
図5B】
図5A-5Dは、本開示の種々の実施形態による、成分注射器システムの図示を提供する。
【
図5C】
図5A-5Dは、本開示の種々の実施形態による、成分注射器システムの図示を提供する。
【
図5D】
図5A-5Dは、本開示の種々の実施形態による、成分注射器システムの図示を提供する。
【0044】
【
図5E】
図5E-5Jは、本開示の種々の実施形態による、様々な異なるマシンビジョンシステムを組み込む、成分注射器システムの図示を提供する。
【
図5F】
図5E-5Jは、本開示の種々の実施形態による、様々な異なるマシンビジョンシステムを組み込む、成分注射器システムの図示を提供する。
【
図5G】
図5E-5Jは、本開示の種々の実施形態による、様々な異なるマシンビジョンシステムを組み込む、成分注射器システムの図示を提供する。
【
図5H】
図5E-5Jは、本開示の種々の実施形態による、様々な異なるマシンビジョンシステムを組み込む、成分注射器システムの図示を提供する。
【
図5I】
図5E-5Jは、本開示の種々の実施形態による、様々な異なるマシンビジョンシステムを組み込む、成分注射器システムの図示を提供する。
【
図5J】
図5E-5Jは、本開示の種々の実施形態による、様々な異なるマシンビジョンシステムを組み込む、成分注射器システムの図示を提供する。
【0045】
【
図6】
図6Aおよび6Bは、本開示の種々の実施形態による、離散的構成要素としてのカートリッジおよび微小針の図示を提供する。
【0046】
【
図7】
図7-9は、本開示の種々の実施形態による、支援なしの貫通を伴う注射器システムの機構の図示を提供する。
【
図8】
図7-9は、本開示の種々の実施形態による、支援なしの貫通を伴う注射器システムの機構の図示を提供する。
【
図9】
図7-9は、本開示の種々の実施形態による、支援なしの貫通を伴う注射器システムの機構の図示を提供する。
【0047】
【
図10】
図10-12は、本開示の種々の実施形態による、支援された貫通を伴う注射器システムの機構の図示を提供する。
【
図11】
図10-12は、本開示の種々の実施形態による、支援された貫通を伴う注射器システムの機構の図示を提供する。
【
図12】
図10-12は、本開示の種々の実施形態による、支援された貫通を伴う注射器システムの機構の図示を提供する。
【0048】
【
図13】
図13は、本開示の種々の実施形態による、支援された貫通を伴う電気機械的注射器システムの機構の図示を提供する。
【0049】
【
図14】
図14-16Bは、種々の実施形態による、例示的注射器システムの図示を提供する。
【
図15】
図14-16Bは、種々の実施形態による、例示的注射器システムの図示を提供する。
【
図16A】
図14-16Bは、種々の実施形態による、例示的注射器システムの図示を提供する。
【
図16B】
図14-16Bは、種々の実施形態による、例示的注射器システムの図示を提供する。
【0050】
【
図17A】
図17A-20は、種々の実施形態による、例示的射出器システムの機構の図示を提供する。
【
図17B】
図17A-20は、種々の実施形態による、例示的射出器システムの機構の図示を提供する。
【
図18A】
図17A-20は、種々の実施形態による、例示的射出器システムの機構の図示を提供する。
【
図18B】
図17A-20は、種々の実施形態による、例示的射出器システムの機構の図示を提供する。
【
図19】
図17A-20は、種々の実施形態による、例示的射出器システムの機構の図示を提供する。
【
図20】
図17A-20は、種々の実施形態による、例示的射出器システムの機構の図示を提供する。
【0051】
【
図21】
図21-24は、種々の実施形態による、例示的射出器システムの随意の特徴の図示を提供する。
【
図22】
図21-24は、種々の実施形態による、例示的射出器システムの随意の特徴の図示を提供する。
【
図23】
図21-24は、種々の実施形態による、例示的射出器システムの随意の特徴の図示を提供する。
【0052】
【
図24】
図21-24は、種々の実施形態による、例示的射出器システムの随意の特徴の図示を提供する。
図24および25は、種々の実施形態による、例示的電気機械的注射器システムの図示を提供する。
【
図25】
図24および25は、種々の実施形態による、例示的電気機械的注射器システムの図示を提供する。
【0053】
【
図26】
図26A-26Cは、本開示の種々の実施形態による、ハンドヘルド治療デバイス内で利用される、カメラシステムの図示を提供する。
【0054】
【0055】
【
図27B】
図27Bおよび27Cは、反射共焦点顕微鏡法を使用して取得された病変の赤外画像の別の丘疹ざ瘡病変を図示する。
【
図27C】
図27Bおよび27Cは、反射共焦点顕微鏡法を使用して取得された病変の赤外画像の別の丘疹ざ瘡病変を図示する。
【0056】
【
図28】
図28は、本開示の実施形態による、嚢胞性または丘疹ざ瘡病変に関する所望の注射軌道を概念的に図示する。
【0057】
【
図29】
図29Aおよび29Bは、本開示の種々の実施形態による、ハンドヘルド治療デバイスのマシンビジョンシステムによって入手された画像に対して実施される、画像処理プロセスを概念的に図示する。
【0058】
【
図30】
図30は、本開示の種々の実施形態による、注射を介して薬剤を検出、追跡、および投与するためのプロセスを図示する、フローチャートである。
【0059】
【
図31】
図31は、本開示の種々の実施形態による、ざ瘡病変を識別および分類するためにシングルショット検出(SSD)機械学習モデルを使用する、注射を介して薬剤を検出、追跡、および投与するためのプロセスを図示する、フローチャートである。
【0060】
【
図32】
図32は、本開示の実施形態による、画像を入手するためのプロセスを図示する、フローチャートである。
【0061】
【
図33】
図33は、本開示の実施形態による、薬剤をざ瘡病変に投与するための注射部位を決定するためのプロセスを図示する、フローチャートである。
【0062】
【
図34】
図34は、本開示の実施形態による、注射を実施するためのプロセスを図示する、フローチャートである。
【0063】
【
図35】
図35は、本開示の実施形態による、注射器処理システムを概念的に図示する。
【発明を実施するための形態】
【0064】
例示的システムおよびデバイス
ここで
図1A-1Cに目を向けると、治療デバイスの実施例が、ハンドヘルド治療デバイスの種々の実施形態に従って提供される。
図1Aに見られ得るように、注射器能力を伴う治療デバイス101は、内部ピストンを被覆する、外部被覆105を伴う本体103を含むことができる。デバイス101は、内部ピストンおよび内部駆動装置の機構を始動および/または駆動し得る、ボタン107を含むことができる。示されるように、ボタン107は、成分充填カートリッジ(図示せず)と結合する面111と反対の面109上にある。デバイス101はさらに、支柱コネクタ115を介して本体103から離れるように延在する、安定化および/または位置付け支台113を含むことができる。示されるように、安定化および/または位置付け支台113は、流体充填カートリッジと結合することが可能な面111から離れるように延在する。デバイス101はまた、随意に、光フィードバックインジケータ123と、音フィードバックインジケータ125とを含み、以下、すなわち、カートリッジの固着、使用できる状態、治療の能動的係合、治療の提供の終了、または任意の他の適切なフィードバックのうちの1つまたはそれを上回るもののフィードバックを提供することができる。
【0065】
図1Bに提供されるものは、成分充填カートリッジと結合する面111を示す、デバイス101の図である。面111は、注射器を成分充填カートリッジと結合するための結合部分117を含む。面111はさらに、本体の中心部分121から離れるように、かつそれに向かって軸方向に移動する、内部ピストン119を示す。
【0066】
図1Cは、ボタン107が円筒形本体103の湾曲面から延在する、別の例示的デバイス101を提供する。
【0067】
いくつかの実施形態では、ハンドヘルド治療デバイスは、撮像システムおよび/または照明システムを組み込む。いくつかの実施形態では、撮像システムは、1つまたはそれを上回るカメラまたは他の撮像モダリティ(例えば、超音波)を含む。いくつかの実施形態では、照明システムは、1つまたはそれを上回る照明源を含む。
【0068】
特に
図1D-1Iを参照すると、カメラシステムと、複数の照明源とを含む、ハンドヘルド治療デバイスの種々の実施形態が、図示される。下記にさらに議論されるように、ハンドヘルド治療デバイス内で利用されるカメラシステムは、ハンドヘルド治療デバイスの使用の間に皮膚の焦点の合った画像を捕捉することが可能である、いくつかの異なる光学システムのうちのいずれかを組み込むことができる。特に
図1Dおよび1Eに関して、テレセントリック光学系142を有するカメラシステムを含む、ハンドヘルド治療デバイス140が、示される。使用されるとき、カメラシステムは、位置付け支台146に隣接する皮膚の視野を有する。特に
図1Fおよび1Gに関して、ペリスコープ152を有するカメラシステムを含む、ハンドヘルド治療デバイス150が、示される。使用されるとき、カメラシステムは、位置付け支台156に隣接する皮膚の視野を有する。特に
図1Hおよび1Iに関して、マクロ光学系162を有するカメラシステムを含む、ハンドヘルド治療デバイス160が、示される。使用されるとき、カメラシステムは、位置付け支台166に隣接する皮膚の視野を有する。容易に理解され得るように、様々なカメラシステムのうちのいずれかが、本開示の実施形態に従って、真皮疾患(例えば、ざ瘡病変)を含有する皮膚の領域の画像を分解するために、特定の用途の要件に対して適宜利用されることができる。
【0069】
図1D-1Gに図示されるハンドヘルド治療デバイスのカメラシステムおよび照明源は、その上に取り付けられる、またはその中に統合され得る、ハンドヘルド治療デバイスの側面から延在する筐体内に含有されるものとして示される。しかしながら、様々な筐体形状因子のうちのいずれかが、特定の用途の要件に対して適宜利用されることができる。本開示の実施形態による、円筒形筐体を含む、ハンドヘルド治療デバイスが、
図1Hおよび1Iに図示される。上記の
図1D-1Iの議論は、ハンドヘルド治療デバイス内に組み込まれ得る撮像および照明システムに焦点を当てているが、
図1D-1Iに示されるハンドヘルド治療デバイスはまた、
図1A-1Cを参照して上記に議論されるハンドヘルド治療デバイスにおいて見出されるものに類似する構成要素を含む。さらに、
図1D-1Iに示されるハンドヘルド治療デバイスは、本明細書に説明されるハンドヘルド治療デバイスのうちのいずれかの構成要素および/または特徴のうちのいずれかを実装することが可能なものとして理解されるべきである。
【0070】
図2A-4Bは、種々の実施形態による、成分充填カートリッジ201の種々の実施例を提供する。これらの図内に見られ得るように、カートリッジは、注射器の内部ピストンと相互作用し得る中心部分205を含む、注射器と結合することが可能な面203を含むことができる。注射器と結合することが可能な面203の反対は、1つまたはそれを上回る微小針を伴う面207である。
図2Aおよび2Bに見られるように、単一の微小針209が、利用されることができる。代替として、
図3Aおよび3Bに見られるように、複数の微小針211が、利用されることができ、これは、アレイ(例えば、2×2)、パターン(例えば、円)、または不規則的なパターンの形態であり、各微小針は、微小針射出先端210を有することができる。カートリッジ201内に、プランジャ213と、これがカートリッジから射出されるまで流体を貯蔵する、流体充填部分212とがある。プランジャ213は、面203の中心部分205と相互作用することができ、これは、プランジャが、面203から離れるように、かつ1つまたはそれを上回る微小針209/211に向かって軸方向に移動され得るように、注射器の内部ピストンと相互作用することができる。
【0071】
図4Aおよび4Bは、種々の実施形態による、1つまたはそれを上回る針を覆隠および/または隠蔽する(単一の針209のみが破線として描かれる)、被覆215の実施例を提供する。被覆215は、隠蔽を提供するために、1つまたはそれを上回る針を囲繞することができる。被覆は、それらがピン孔を通して前進する際、1つまたはそれを上回る隠蔽された針の暴露を可能にし得る、1つまたはそれを上回るピン孔(図示せず)を含むことができる。代替として、カバーは、1つまたはそれを上回る針が、それらが前進される際に材料を通して穿通することによって暴露され得るように、穿通可能材料から成ることができる。
【0072】
図5A-5Gに提供されるものは、種々の実施形態による、
図2A-4Bの例示的成分充填カートリッジ201と動作的に連結される、
図1Aの例示的治療デバイス101である。
図5E-5Jは、
図1D-1Iに示されるものに類似するが、付加的実施形態に従って、
図2A-4Bの例示的成分充填カートリッジ201と動作的に連結されるように構成される、ハンドヘルド治療デバイスを図示する。
図5Aに見られ得るように、カートリッジ201は、カートリッジ201の面203が、デバイス101の面111と接触するように、デバイス101内に据え付けられることができる。カートリッジの面203の中心部分205は、デバイス101の内部ピストン119と相互作用する。さらに、微小針209は、デバイス101から離れるような方向に延在し、微小針射出先端210が、支台113を越えて前進されるように位置付けられる。前述で議論されるように、支台を基準とする微小針先端の精密な位置は、所望のタイプの送達(例えば、皮内または皮下)および注射部位における皮膚の厚さに依存する。
図5B-5Dは、デバイス101内に据え付けられる、カートリッジ201の面207の図を示す。デバイス101はまた、随意に、光フィードバックインジケータ123と、音フィードバックインジケータ125とを含み、以下、すなわち、カートリッジの固着、使用できる状態、治療の能動的係合、治療の提供の終了、または任意の他の適切なフィードバックのうちの1つまたはそれを上回るもののフィードバックを提供することができる。さらに、デバイス101は、本デバイスおよびカートリッジの使用を支援および/または記録するために使用され得る、1つまたはそれを上回るカメラ127および可視化ライト129を組み込むことができる。
【0073】
容易に理解され得るように、
図5A-5Dを参照して上記に議論されるものに類似するカートリッジはまた、撮像および/または照明システムを組み込む、
図5E-5J内に図示される実施形態内で類似する様式において利用されることができる。
【0074】
図6Aおよび6Bは、種々の実施形態による、ともに組み立てられ得る個々のユニットとしてのカートリッジユニット601および微小針ユニット603の実施例を提供する。カートリッジ601は、注射器の内部ピストンと相互作用し得る中心部分607を含む、注射器と結合することが可能な面605を含む。注射器と結合することが可能な面605の反対は、微小針ユニット603と結合することが可能な面609である。カートリッジ601内に、プランジャ611と、これがカートリッジから射出されるまで流体を貯蔵する、成分充填部分613とがある。プランジャ611は、面605の中心部分607と相互作用することができ、これは、プランジャが、面605から離れるように、かつ微小針アセンブリ603に向かって軸方向に移動され得るように、注射器の内部ピストンと相互作用することができる。
【0075】
微小針ユニット603は、カートリッジ601の面609と結合することが可能な面617を伴う基部615を含む。結合は、(例えば)ルアーロックまたはガスケット等、カートリッジから、微小針ユニットの中への適正な流体を可能にする、任意の適切な結合であり得る。面617の反対は、微小針ユニット基部615から離れるように延在する微小針621を伴う面619である。示されないが、微小針ユニットは、アレイまたは任意の他のパターンに形成され得る、複数の微小針を含むことができる。
図6Bに示されるように、微小針ユニット603は、1つまたはそれを上回る針を覆隠および/または隠蔽する(単一の針621のみが破線として描かれる)、被覆623を含むことができる。被覆623は、隠蔽を提供するために、1つまたはそれを上回る針を囲繞することができる。被覆は、それらがピン孔を通して前進する際、1つまたはそれを上回る隠蔽された針の暴露を可能にし得る、1つまたはそれを上回るピン孔(図示せず)を含むことができる。代替として、カバーは、1つまたはそれを上回る針が、それらが前進される際に材料を通して穿通することによって暴露され得るように、穿通可能材料から成ることができる。
【0076】
注射器システム
図7-9に提供されるものは、種々の実施形態による、支援なしの皮膚貫通を伴う微小針注射器システムの実施例である。カートリッジ701が、治療デバイス703上に装填される。カートリッジ701は、中心部分707が治療デバイス703の面709および内部ピストン708と協働的に結合する、面705を含む。面709の外側部分710は、カートリッジ701の面705の受容を促進するために、可逆的結合および/または係止機構を含む。カートリッジ701と治療デバイス703との結合は、注射器システム711をもたらす。組み立てられた注射器システム711は、治療デバイス703から離れるような方向に延在する、微小針713を含む。注射器システム711の組立は、射出先端が、皮内または皮下注射のために必要な距離だけ支台を越えて延在するように、支台717に関係して適切に位置付けられる、微小針射出先端715をもたらす。簡略化および解説のために、
図9が、支台を示さないが、1つが組み立てられたシステム上に存在すると仮定され得ることに留意されたい。微小針713は、
図8に示されるような被覆721を利用して隠蔽されることができる。示されないが、他のカートリッジ(例えば、表面アブレーション先端、発光ダイオード)が、類似する様式において注射器の中に結合されることができる。
【0077】
組み立てられた微小針注射器システム711は、液体または溶媒の皮内または皮下注射のために使用されることができる。ユーザは、所望の場所において微小針射出先端715を用いて皮膚を貫通させ、皮膚の表面に垂直に微小針713を移動させ、支台717が皮膚の外面上に静止するまで、皮膚の中に貫通させ、微小針先端が、適切な皮内または皮下注射のために必要な深さを有する結果をもたらすことができる。適切な深さで、注射器システム711は、皮膚の中に液体を注射することができる。被覆721は、微小針713が、ユーザの皮膚を貫通するように暴露され得るように、穿刺可能である、またはピン孔を含むことができる。
図8に示されるように、被覆721は、針がユーザの皮膚を貫通する際、これが、針が適切な皮内または皮下注射のために必要な深さに到達するまで圧潰し、圧潰した被覆723をもたらすように、圧潰可能である。本明細書に記述されるように、被覆は、圧潰可能である代わりに、後退可能および/または可撤性であり得る。
【0078】
注射器システム711は、液体射出を促進するために内部ピストン708とともに動作する、ばね719を利用する。ボタン725は、カートリッジ701に向かって軸方向にピストン708を移動させるために利用される。ピストン708が軸方向に移動するにつれて、ピストンは、面705の中心部分707と相互作用し、中心部分を軸方向に、かつ微小針713に向かって押動する。中心部分707は、プランジャ727と相互作用し、カートリッジ701の液体含有部分729内の液体を変位させ、液体が微小針713を通して、射出先端715から外に通過する結果をもたらす。皮膚の中への液体の注射後、微小針713は、皮膚から除去されることができる。複数回使用カートリッジが、複数の注射のために利用されることができ、液体を別の所望の場所の中に注射するためのステップが、繰り返されることができる。カートリッジ701が消費された後、これは、除去および処分されることができ、治療デバイス703は、後続カートリッジを用いて再使用されることができる。
【0079】
図10-12に提供されるものは、種々の実施形態による、支援された皮膚貫通を伴う微小針注射器システムの実施例である。カートリッジ1001が、治療デバイス1003上に装填される。カートリッジ1001は、中心部分1007が治療デバイス1003の面1009および内部ピストン1008と協働的に結合する、面1005を含む。面1009の外側部分1010は、カートリッジ1001の面1005の受容を促進するために、可逆的結合および/または係止機構を含む。外側部分1010はさらに、支援された皮膚貫通を促進する、内部駆動装置1014との動作的連結を含む。カートリッジ1001と治療デバイス1003との結合は、注射器システム1011をもたらす。組み立てられた注射器システム1011は、治療デバイス1003から離れるような方向に延在する、微小針1013を含む。注射器システム1011の組立は、皮内または皮下注射のために必要な距離からわずかに引っ込む微小針射出先端1015をもたらす。
図10および11に示されるように、射出先端1015は、支台1017に関係してわずかに引っ込み、これは、ユーザが、微小針1013を用いて皮膚を貫通させることに先立って、支台1017を利用して注射器システム1011を位置付けることを可能にすることができる。簡略化および解説のために、
図12が、支台を示さないが、1つが組み立てられたシステム上に存在すると仮定され得ることに留意されたい。微小針1013は、
図11に示されるような被覆1021を利用して隠蔽されることができる。示されないが、他のカートリッジ(例えば、表面アブレーション先端、発光ダイオード)が、類似する様式において注射器の中に結合されることができる。
【0080】
組み立てられた微小針注射器システム1011は、液体の皮内または皮下注射のために使用されることができる。いったんユーザが注射器システム1011を位置付けると、本システムは、ユーザが所望の場所において微小針射出先端1015を用いて自身の皮膚を貫通させることを支援することができる。ユーザは、ボタン1025を押動し、内部駆動装置1014を始動し、したがって、皮膚の表面に垂直に微小針1013を移動させ、射出先端1015が適切な皮内または皮下注射のために必要な深さに来るまで、皮膚の中に貫通させることができる。
図12に示されるように、内部駆動装置1014は、内側ピストン1008を包囲する1つまたはそれを上回る支柱またはシース等の1つまたはそれを上回る剛性外側部材である。ボタン1025は、カートリッジ1001に向かって軸方向に内部駆動装置1014を押動し、面1009の外側部分1010が軸方向にカートリッジを押動する結果をもたらすことができる。カートリッジ1001が軸方向に移動するにつれて、微小針1013は、射出先端1015が適切な深さに到達するまで、ユーザの皮膚を貫通する。適切な深さで、注射器システム1011は、皮膚の中に液体を注射することができる。被覆1021は、微小針1013が、ユーザの皮膚を貫通するように暴露され得るように、穿刺可能である、またはピン孔を含むことができる。
図11に示されるように、被覆1021は、針がユーザの皮膚を貫通する際、これが、針が適切な皮内または皮下注射のために必要な深さに到達するまで圧潰し、圧潰した被覆1023をもたらすように、圧潰可能である。本明細書に記述されるように、被覆は、圧潰可能である代わりに、後退可能および/または可撤性であり得る。
【0081】
注射器システム1011は、液体射出を促進するために内部ピストン1008とともに動作する、ばね1019を利用する。ボタン1025は、カートリッジ1001に向かって軸方向にピストン1008を移動させるために利用される。代替として、第2のボタンが、軸方向におけるピストンの移動を促進するために利用されることができる。ピストン1008が軸方向に移動するにつれて、ピストンは、面1005の中心部分1007と相互作用し、中心部分を軸方向に、かつ微小針1013に向かって押動する。中心部分1007は、プランジャ1027と相互作用し、カートリッジ1001の液体含有部分1029内の液体を変位させ、液体が微小針1013を通して、射出先端1015から外に通過する結果をもたらす。皮膚の中への液体の注射後、微小針1013は、皮膚から除去されることができる。複数回使用カートリッジが、複数の注射のために利用されることができ、液体を別の所望の場所の中に注射するためのステップが、繰り返されることができる。カートリッジ1001が消費された後、これは、除去および処分されることができ、治療デバイス1003は、後続カートリッジを用いて再使用されることができる。
【0082】
図13Aに提供されるものは、種々の実施形態による、支援された皮膚貫通を伴う電気機械的微小針注射器システムの実施例である。カートリッジ1301が、電気機械的治療デバイス1303上に装填される。カートリッジ1301は、中心部分1307が治療デバイス1303の面1309および内部ピストン1308と協働的に結合する、面1305を含む。面1309の外側部分1310は、カートリッジ1301の面1305の受容を促進するために、可逆的結合および/または係止機構を含む。外側部分1310はさらに、支援された皮膚貫通を促進する、内部駆動装置1314との動作的連結を含む。カートリッジ1301と治療デバイス1303との結合は、注射器システム1311をもたらす。組み立てられた注射器システム1311は、治療デバイス1303から離れるような方向に延在する、微小針1313を含む。注射器システム1311の組立は、皮内または皮下注射のために必要な距離からわずかに引っ込む微小針射出先端1315をもたらす。簡略化および解説のために、
図13Aが、支台を示さないが、1つが組み立てられたシステム上に存在すると仮定され得ることに留意されたい。微小針1313は、被覆を利用して隠蔽されることができる。示されないが、他のカートリッジ(例えば、表面アブレーション先端、発光ダイオード)が、類似する様式において注射器の中に結合されることができる。
【0083】
組み立てられた微小針注射器システム1311は、液体の皮内または皮下注射のために使用されることができる。いったんユーザが注射器システム1311を位置付けると、本システムは、ユーザが所望の場所において微小針射出先端1315を用いて自身の皮膚を貫通させることを支援することができる。ユーザは、ボタン1325を押動し、内部駆動装置1314と動作的に連結される、回転可能ねじ山付きロッド1316を始動することができ、これは、バッテリ1320または他の電源によって給電されることができる。内部駆動装置1314の始動は、皮膚の表面に垂直に微小針1313を移動させ、射出先端1315が適切な皮内または皮下注射のために必要な深さに来るまで、皮膚の中に貫通させることができる。内部駆動装置1314は、内側ピストン1308を包囲する1つまたはそれを上回る支柱またはシース等の1つまたはそれを上回る剛性外側部材である。回転可能ねじ山付きロッド1316は、カートリッジ1301に向かって軸方向に内部駆動装置1314を押動し、面1309の外側部分1310が軸方向にカートリッジを押動する結果をもたらすことができる。カートリッジ1301が軸方向に移動するにつれて、微小針1313は、射出先端1315が適切な深さに到達するまで、ユーザの皮膚を貫通する。適切な深さで、注射器システム1311は、皮膚の中に液体を注射することができる。
【0084】
注射器システム1311は、液体射出を促進するために内部ピストン1308とともに動作する、第2の回転可能ロッド1319を利用する。ボタン1025は、カートリッジ1301に向かって軸方向にピストン1308を移動させるために、ロッド1319の回転を開始するために利用される。ピストン1308が軸方向に移動するにつれて、ピストンは、面1305の中心部分1307と相互作用し、中心部分を軸方向に、かつ微小針1313に向かって押動する。中心部分1307は、プランジャ1327と相互作用し、カートリッジ1301の液体含有部分1329内の液体を変位させ、液体が微小針1313を通して、射出先端1315から外に通過する結果をもたらす。皮膚の中への液体の注射後、微小針1313は、皮膚から除去されることができる。複数回使用カートリッジが、複数の注射のために利用されることができ、液体を別の所望の場所の中に注射するためのステップが、繰り返されることができる。カートリッジ1301が消費された後、これは、除去および処分されることができ、治療デバイス1303は、後続カートリッジを用いて再使用されることができる。
【0085】
図14-16Bに提供されるものは、液体の皮内または皮下注射を実施するための例示的注射器システムである。示されるようなシステムは、筐体コンパートメント1401と、流体充填シリンジ1403と、針アセンブリ1405とを備える。
図14は、その閉鎖状態における筐体コンパートメント1401を示す。
図15は、開放位置における蓋1415を伴う筐体1401を示す。また、
図16Aおよび16Bは、筐体コンパートメント1401内に配設される、流体充填シリンジ1403および針アセンブリ1405を示す。
図14-16Bに描写される例示的システムが、本明細書に説明されるカメラシステムのうちのいずれかを利用し得ることを理解されたい。特に、例示的システムは、テレセントリック光学系を有するカメラシステム(
図1D、1E、5E、および5F参照)、ペリスコープを有するカメラシステム(
図1F、1G、5G、および5H参照)、またはマクロ光学系を有するカメラシステム(
図1H、1I、5I、および5J参照)を含むことができる。概して、これらのカメラシステムは、筐体の皮内または皮下注射の側上にカメラシステム筐体および構成要素を取り付けることによって実装される、または筐体内に統合されることができる。
【0086】
筐体コンパートメント1401は、針アセンブリ1405と関連付けられ、注射を実施するときに皮膚と接触するための近位面1409および注射を可能にするためのオリフィス1411を提供する、近位部分1407を含有する。筐体コンパートメント1401はさらに、注射機構を作動させるためのボタン1413を含有する。蓋1415が、筐体1401内に流体充填シリンジ1403および針アセンブリを据え付けることを可能にするために開放し得る、ラッチ1417を具備する。窓1419が、流体充填シリンジ1403およびその中の流体の体積を視認するために提供される。
【0087】
針アセンブリ1405は、ルアーロック等の任意の適切な手段によって流体充填シリンジ1403と接続することができる。接続された流体充填シリンジ1403および針アセンブリ1405は、筐体1401によって受容されることができ、これは、接続された流体充填シリンジ1403および針アセンブリ1405に共形化する、輪郭形成された窪み1421を含有することができる。筐体1401内に、シリンジフランジ保持器1423およびプランジャ保定器1425がある。フランジ保持器1423は、シリンジフランジが窪み内に密着して嵌合するように、シリンジフランジ1429の形状に輪郭形成される、窪み1427を含有する。同様に、プランジャ保定器1425は、プランジャグリップが窪みのうちの1つの中に嵌合するように、そのそれぞれがプランジャ1432の遠位端においてプランジャグリップ1433の形状に輪郭形成される、複数の窪み1431を含有する。複数の窪みは、シリンジ内の流体の体積および排出されるべき流体の用量に応じて変動し得る、プランジャグリップ場所の柔軟性を可能にする。
【0088】
フランジ保持器1423およびプランジャ保定器1425は、それぞれ、中心軸に沿って近位方向または遠位方向のいずれかに移動可能である。フランジ保持器1423は、プランジャ保定器1425のスライダ1436と協働する、溝1434を含有する。溝1434およびスライダ1436は、フランジ保持器1423の移動から独立して、プランジャ保定器1425が溝に沿っていずれかの方向に摺動する能力を可能にする。シリンジフランジ保持器1423およびプランジャ保定器1425は、ラッチ1438を介して相互と接続し、プランジャ保定器は、注射機構のための駆動力を提供するために、圧縮されたばね1437と動作可能に接続する、駆動装置1435を含有する。ばね1437は、本システムの遠位端における遠位基部1440によって定位置に保持される。ボタン1413は、駆動装置1435を定位置に、ばね1437を圧縮状態に保持する、2つの内向き突出支柱1439を含有する。ボタン1413が、内向きに押圧されると、内向き突出支柱1439は、ボタンとともに内向き方向に移動し、ばね1437の圧縮を解放し、駆動装置1435がフランジ保持器1423およびプランジャ保定器1425を中心軸に沿って近位部分1407に向かう方向に駆動するための力を提供する。
【0089】
針アセンブリ1405は、針1441を備える。いくつかの実装では、針アセンブリはさらに、保護カバー1443と、外側シリンダ1445と、アクチュエータリング1447とを備える。保護カバー1443は、注射の前および後の針1441の暴露を防止し、注射を実施しないときに刺突する、または傷害を引き起こす針の能力を防止することができる。外側シリンダ1445は、針アセンブリ1405を把持するための手段を提供することができ、さらに、保護カバー1443が針1441を適正に被覆することを確実にすることを促進することに役立つことができる。アクチュエータリング1447は、注射後の針1441にわたる保護カバー1443の再被覆のための機構を係止解除することができる。針アセンブリが、保護カバー、外側シリンダ、およびアクチュエータリングを伴わない標準的な針であり得ることを理解されたい。いくつかの実装では、筐体コンパートメント1401内で使用されるとき、針の長さは、注射の部位における針深さを制御するために、流体注射を実施するとき、針の先端が、近位面1409を越えて延在するようなものである。いくつかの実装では、針は、制御された皮内注射が実施され得るような長さを有する。
【0090】
図17A-20は、皮内または皮下液体送達を実施するシステムの種々の状態の実施例を提供する。
図14-16Bを参照して説明されるように、本システムは、筐体コンパートメント1401と、流体充填シリンジ1403と、針アセンブリ1405とを備える。針アセンブリ1405は、流体充填シリンジ1403に取り付けられ、筐体コンパートメント1401内に嵌合される。特に、シリンジフランジ1429は、フランジ保持器1423内に据え付けられ、プランジャグリップ1433は、プランジャ保定器1425内に据え付けられ、筐体内に流体充填シリンジ1403を固着させる。
【0091】
図17Aおよび17Bは、本システムが流体充填シリンジ1403および針アセンブリ1405を装填され、注射機構を実施することができる状態である、初期状態におけるシステムを示す。本状態では、流体充填シリンジ1403、針アセンブリ1405、フランジ保持器1423、およびプランジャ保定器1425は、中心軸に沿って遠位位置にある。流体充填シリンジ1403は、注射されるべき量を上回る体積の流体を含有する。初期状態における中心軸に沿ったプランジャ保定器1425の相対的位置は、注射用量を決定し、したがって、位置は、注射用量を制御するために本初期状態において調節されることができる。針1441は、カバー1443内にあり、アクチュエータリング1447は、初期閉鎖状態にある。近位面1409は、注射を受けるべき部位における皮膚表面1449と接触する。
【0092】
ボタン1413は、内向き突出支柱1439が、フランジ保持器1423と物理的に接続する、ばね1437を圧縮状態に維持するように、初期外向き状態にある。内向き突出支柱1439は、それぞれ、フランジ保持器1423と接触する突出部分1451を含有し、フランジ保持器およびプランジャ保定器1425を定位置に維持し、ばね1437を圧縮状態に維持する。
【0093】
図18Aおよび18Bは、針1441が皮膚表面1449の中に穿刺する結果をもたらす、注射機構の始動を示す。ボタン1413は、内向きに圧縮される(1453)と、内向き突出支柱1439の突出部分1451がさらに内向きに移動する結果をもたらし、したがって、それらは、もはやフランジ保持器1423と接触しない、注射機構のアクチュエータである。圧縮されたばね1437は、除圧され、駆動装置1435を中心軸に沿って近位方向に移動させる。ばね力を利用して、駆動装置1435は、フランジ保持器1423およびプランジャ保定器1425を中心軸に沿って近位方向に駆動する。これは、流体充填シリンジ1403および針アセンブリ1405が、皮膚表面1449に向かって近位方向に摺動する結果をもたらす。針アセンブリ1405が、皮膚表面1449と接触する際、カバー1443は、皮膚に接触し、その移動を中止し、針1441が、これが皮膚表面の中に穿刺する際にカバーを過ぎて近位に移動することを可能にする。フランジ保持器1423は、これがフランジ保持器確動停止部1455に到達し、フランジ保持器の近位移動を停止させるまで、近位方向に移動し続ける。フランジ保持器確動停止部はまた、皮膚表面1449に関係する針アセンブリ1405の設置を制御し、針先端の精密な皮下または皮内位置付けを可能にする。さらに、針アセンブリ1405が近位方向に移動するにつれて、アクチュエータリング1447は、アクチュエータリング確動停止部1457に衝突し、アクチュエータリングを開放する(すなわち、リングは、ここで、外側シリンダ1445に関連してより遠位の位置に保持される)。アクチュエータリングを開放することによって、カバー1443は、針が皮膚表面1449から除去されるとき、針1441を再被覆することを可能にされるであろう。
【0094】
図19は、流体充填シリンジ1403から針1441を通した皮膚表面1449の中へのある用量の流体の送達を示す。フランジ保持器1423がフランジ保持器確動停止部1455の位置にある状態で、フランジ保持器は、もはや近位方向に移動することができず、ラッチ1438を係脱させる。この時点で、駆動装置1435は、フランジ保持器1423内の溝1434およびプランジャ保定器のスライダ1436を介して、プランジャ保定器1425を近位方向に駆動し続ける。プランジャ保定器1425が近位に移動し、流体充填シリンジ1403が定位置に留まる際、プランジャ1432は、近位に押動され、投与されるべき用量の流体を変位させ、これは、針1441を通して、皮膚表面1449の中に通過する。プランジャ保定器1425は、これが、フランジ保持器1423に堅く接続される、プランジャ保定器確動停止部1459と接触するまで、近位方向に移動する。故に、プランジャ保定器1425の位置とプランジャ保定器確動停止部1459の位置との間の距離は、流体用量を制御する。プランジャ保定器1425が、プランジャ保定器確動停止部1459に到達すると、皮膚1449の中への流体の送達は、完了される。
【0095】
図20は、カバー1443が針1441を被覆する結果をもたらす、皮膚表面1449からの注射器システムの除去を示す。流体充填シリンジ1403、針アセンブリ1405、フランジ保持器1423、およびプランジャ保定器1425は、近位位置にある。この時点で、蓋1415が、流体充填シリンジ1403および針アセンブリ1405の除去のために開通されることができる。注射器システムを再設定するために、プランジャ保定器1425およびフランジ保持器1423は、それらの初期遠位位置に遠位に摺動されることができる。ボタン1413は、内向きに面する支柱1439の突出部分1451が、駆動装置1435および圧縮されたばね1437をその初期位置に保持するように、その外向き初期位置に再設定されることができる。
【0096】
図21は、バッテリ給電され得る(図示せず)、随意の光インジケータ1461を有する、注射器システムの遠位端を示す。光インジケータ1461は、ユーザを支援することに役立つために、種々の異なるステータスインジケーションを提供することができる。ステータスインジケーションは、動作性、使用の準備完了状態、警告、エラー、注射ステータス、およびバッテリ電力ステータスのユーザ通知を提供することができる。利用され得る種々の随意のステータスインジケーションは、(限定ではないが)オン、非装填、適切な装填、不適切な装填、注射できる状態、注射進行中、注射完了、注射の完了の失敗、および低バッテリ電力を含む。種々のステータスインジケーションは、種々の光の色および/または光のパターン(例えば、明滅、点滅、波状)によってシグナリングされることができる。
【0097】
図22は、バッテリ1465によって給電され得る、随意のLED画面1463を有する、注射器システムの遠位端を示す。LED画面1463は、ユーザを支援することに役立つために、種々の異なるステータスインジケーションを提供することができる。ステータスインジケーションは、動作性、使用の準備完了状態、警告、エラー、注射ステータス、およびバッテリ電力ステータスのユーザ通知を提供することができる。利用され得る種々の随意のステータスインジケーションは、(限定ではないが)オン、非装填、適切な装填、不適切な装填、注射できる状態、注射進行中、注射完了、注射の完了の失敗、および低バッテリ電力を含む。種々のステータスインジケーションは、代表的アイコン、色インジケータ、またはスクリプトによってシグナリングされることができる。
【0098】
図23は、そのそれぞれがバッテリ1465によって給電され得る、随意のカメラ1467と、随意のレーザライト1469とを有する、注射器システムの近位端を示す。カメラ1467は、治療されるべき病変の画像を撮影することができる。レーザライト1469は、ユーザが治療されるべき病変上に注射器システムを適切に配置することを支援することに役立つことができる。
【0099】
図24および25は、電気機械的線形アクチュエータ1471と、モータ1473と、モータおよび線形アクチュエータを給電するためのバッテリ1465とを有する、電気機械的注射器システムを示す。(例えば)ねじ山付きねじ、ウォーム歯車、ラックおよびピニオン、またはソレノイドコイル等の任意の線形アクチュエータが、利用されることができる。ここで示される電気機械的注射器は、以下の修正を伴って、
図14-20のばね動力供給注射器システムと全て同一の構成要素および特徴を有し、同一の機構的機能を有することができる。圧縮されたばねの代わりに、電気機械的注射器システムは、モータ1473によって駆動され得る、線形アクチュエータ1471(例えば、示されるように、ラックおよびピニオン)を利用する。線形アクチュエータ1471は、駆動装置と接続する、ヘッド1475を含む。とりわけ、駆動装置は、圧縮されたばねの代わりに、ヘッド1475と適合可能であるようにわずかに修正される。ボタン1413は、ばねを圧縮状態に保持せず、代わりに、ピニオンを旋回させるようにモータを始動し、ヘッド1475および駆動装置を近位方向に移動させる。近位方向における駆動装置の移動は、
図18A-20に示され、付随のテキストに説明されるように、注射機構を駆動するように進むことができる。線形アクチュエータ1471はまた、注射器システムを手動で再設定する代わりに、再設定を実施することができる(すなわち、駆動装置を遠位方向に引動する)。
【0100】
図24および25に描写される例示的システムが、本明細書に説明されるカメラシステムのうちのいずれかを利用し得ることを理解されたい。特に、例示的システムは、テレセントリック光学系を有するカメラシステム(
図1D、1E、5E、5F、および26A参照)、ペリスコープを有するカメラシステム(
図1F、1G、5G、5H、および26B参照)、またはマクロ光学系を有するカメラシステム(
図1H、1I、5I、5J、および26C参照)を含むことができる。概して、これらのカメラシステムは、筐体の皮内または皮下注射の側上にカメラシステム筐体および構成要素を取り付けることによって実装される、または筐体内に統合されることができる。さらに、処理システムが、本明細書に説明されるようなマシンビジョンシステムに従って治療を実施するように電気機械的注射器システムに指示することができる。故に、カメラシステムは、真皮条件を撮像することができ、マシンビジョンシステムは、真皮疾患を識別し、適切な治療を実施するように電気機械的デバイスに指示することができる。
【0101】
撮像システム
様々なカメラおよび/または撮像デバイスが、本発明の種々の実施形態による、ハンドヘルド治療デバイス内で利用されることができる。ハンドヘルド治療デバイス内にマシンビジョンシステムを組み込むときに遭遇し得る課題は、潜在的に短い焦点距離において皮膚の画像を分解する要件である。下記にさらに議論されるように、様々な光学システムが、本発明の種々の実施形態に従って、ハンドヘルド治療デバイスの端部に近接する皮膚の画像を入手するために利用されることができる。
【0102】
いくつかの実施形態では、テレセントリック光学系を組み込むカメラシステムが、利用される。テレセントリックレンズは、典型的には、対象の正射影図を提供し得る、複合レンズであると見なされる。換言すると、テレセントリックレンズの使用は、被写体が、多くの場合、被写界深度(またはテレセントリック範囲)と称される、ある範囲内に留まるという条件で、被写体変位に伴って画像サイズが変化されないままにする。テレセントリックレンズの使用は、ざ瘡病変を検出および分類するためのマシンビジョンシステム(下記の議論参照)の焦点および能力が、テレセントリック光学系の被写界深度内のユーザの皮膚からのハンドヘルド治療デバイスの距離から独立する利益を提供することができる。本発明の実施形態による、テレセントリック光学系を伴うカメラを含む、撮像システムを組み込む、注射器デバイスが、
図26Aに図示される。
【0103】
多くの実施形態では、ペリスコープ光学系が、カメラ開口と画像センサとの間の増加された分離を可能にするために、撮像システム内に光を再指向するために利用される。このように、より長い距離が、カメラモジュールと撮像されている場面(例えば、ユーザの皮膚)との間に確立されることができる。本発明の実施形態による、ペリスコープ光学系を伴うカメラを含む、撮像システムを組み込む、注射器デバイスが、
図26Bに図示される。
【0104】
いくつかの実施形態では、マクロレンズが、カメラシステムがカメラ開口に近接する画像を捕捉することを可能にするために利用される。マクロレンズという用語は、典型的には、極端な接近画像の捕捉を可能にするように設計される、光学システム(複合レンズを含む)を指すように使用される。いくつかの実施形態では、マクロレンズを含有するカメラモジュールが、ハンドヘルド治療デバイスの下方の領域の視野を伴って位置付けられることができる。本発明の実施形態による、マクロレンズを伴うカメラを含む、撮像システムを組み込む、注射器デバイスが、
図26Cに図示される。マクロレンズで遭遇し得る課題は、それらが、多くの場合、限定された被写界深度を有することである。故に、本開示の多くの実施形態による、ハンドヘルド治療デバイスは、多くの場合、安定化特徴(例えば、
図1A-1Iを参照して上記に説明されるハンドヘルド治療デバイスの安定化支台に類似する安定化支台)および/または自動焦点機構と組み合わせてマクロレンズを組み込む撮像システムを利用するであろう。
【0105】
いくつかの実施形態では、カメラシステムは、(例えば、ベイヤカラーフィルタパターンを伴って構成される画像センサを使用して)色画像を捕捉する。多くの実施形態では、色画像は、青色ピクセルまたは緑色ピクセルの2倍の数の赤色ピクセルを含むカラーフィルタパターン(例えば、RGRBベイヤ様フィルタパターン)を使用して捕捉される。いくつかの実施形態では、画像センサはまた、(例えば、光学システム内にIRカットフィルタを含まないことによって)近赤外スペクトルにおける画像データを捕捉するように構成される。ある実施形態では、モノクロ画像センサが、黒色および白色画像を捕捉するために利用される。種々の実施形態では、カラーフィルタが、(限定ではないが)赤色チャネル、近赤外波長、および/または可視および近赤外波長を含む、拡張色スペクトル帯を含む、特定のスペクトル帯におけるモノクロ画像の捕捉を可能にするために利用される。特定の実施形態はまた、マルチスペクトル撮像を実施するように構成される、画像センサを利用する。いくつかの実施形態では、カメラの光学システムはまた、偏光光の撮像を可能にするために、偏光フィルタを含むことができる。容易に理解され得るように、撮像システムによって撮像される特定のスペクトル帯および/またはチャネルの数は、本開示の実施形態による、特定の用途の要件に大きく依存する。さらに、上記に説明される特定の画像センサおよび/またはスペクトルフィルタは、(限定ではないが)
図1D-1Iおよび26A-26Cを参照して説明される撮像システムを含む、本明細書に説明される撮像システムのうちのいずれかにおいて利用されることができる。
【0106】
マシンビジョンシステム
本開示の多くの実施形態による、ハンドヘルド治療デバイスは、ユーザの皮膚上の着目特徴を識別し、および/または治療の適用を制御するために、マシンビジョンシステムを利用する。いくつかの実施形態では、マシンビジョンシステムは、限定ではないが、上記に説明される撮像システムのうちのいずれか等の撮像システムを使用して、画像データを入手する。マシンビジョンシステムは、画像データをリアルタイムで処理し、着目特徴を含有する領域を識別することができる。多くの実施形態では、着目特徴は、真皮条件(例えば、ざ瘡病変)であり、マシンビジョンシステムは、検出された条件の検出および分類の両方を行う。下記にさらに議論されるように、真皮条件を分類するための能力は、異なる治療の適用を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、マシンビジョンシステムは、治療を誘導するために、検出された真皮条件に関する情報を利用する。ある実施形態では、マシンビジョンシステムは、治療の手動開始においてユーザを誘導するために、ユーザインターフェースを介してフィードバックを発生させる。いくつかの実施形態では、マシンビジョンシステムは、ハンドヘルド治療デバイスが適切に位置付けられると、治療の適用を自動的に開始するために、検出された特徴に関する情報を利用する。
【0107】
ハンドヘルド治療デバイスのマシンビジョンシステムの一部を形成する、撮像システムによって入手された画像データが、
図27Aに概念的に図示される。図示される実施形態では、画像データは、画像データを捕捉するために使用されるカメラの光学系によって導入された歪みを除去するためにデワープされた色画像である。下記にさらに議論されるように、本開示の多くの実施形態による、マシンビジョンシステムは、画像内の真皮条件の存在を検出することができる。いったん検出されると、(限定ではないが)真皮条件の分類、検出された真皮条件の追跡、および治療の適用の標的化を含む、様々なプロセスが、マシンビジョンシステムによって実施されることができる。
図27A内で、マシンビジョンプロセスの種々の実施例(
図27A-29B参照)全体を通して、検出される真皮条件は、ざ瘡病変である。ざ瘡病変が、真皮条件の実施例として利用され、様々な真皮条件が、本発明の種々の実施形態に従って検出および治療され得ることを理解されたい。故に、本明細書に説明されるデバイスおよび方法は、マシンビジョン学習を介して検出され、皮内または皮下流体注射を介して治療され得る、任意の真皮条件を検出および治療するために利用されることができる。真皮条件は、皮膚疾患、病変(例えば、ざ瘡病変)、真皮傷害、ケロイド、しわ、真皮異常、変色、または本明細書に説明されるような治療システムによって検出可能であり、治療されることが可能である任意の他の真皮条件であり得る。
【0108】
図27Aに示される画像は、色画像であるが、本発明の多くの実施形態によるマシンビジョンシステムは、(限定ではないが)複数のスペクトル帯における画像データを入手することを含め、様々なスペクトル帯のうちのいずれかにおける画像データを入手することができる。
図27Bおよび27Cは、可視光および近赤外スペクトルにおいて入手され得る画像データを概念的に図示する。
図27Bおよび27Cは、Manfredini, M., et al.「In vivo monitoring of topical therapy for acne with reflectance confocal microscopy.」Skin Research and Technology 23.1 (2017): 36-40(その開示は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)から転載される。
図27Bは、ざ瘡病変の画像を図示する。
図27Cは、反射された近赤外波長の光を使用して発生された画像である。
図27Cの基準マーカは、皮膚内の毛穴を示し、画像自体は、毛嚢脂腺単位の下層構造に関する情報を捕捉する。下記にさらに議論されるように、赤外波長は、対象の皮膚を貫通し、赤外スペクトルにおける画像データを捕捉する撮像システムが、毛嚢脂腺単位の下層構造に関する情報を捕捉することを可能にすることができる。赤外光が皮膚を貫通する程度は、赤外光と水およびヘモグロビン等の分子との相互作用に依存する。多くの実施形態では、偏光光照明源が、(限定ではないが)毛嚢脂腺単位の特徴を含む、ざ瘡病変の特徴を撮像するために、線形偏光フィルタを有する撮像システムと組み合わせて利用されることができる。
【0109】
毛嚢脂腺単位の下層構造に関する情報は、(限定ではないが、注射)を含む技法を使用する治療の投与の標的化において利用されることができる。例えば、注射部位および針の軌道は、種々の詳細に依存し得る。いくつかの事例では、ざ瘡病変が、嚢胞性または丘疹であるとき、治療は、ざ瘡病変の中心において注射を介して投与されることができ、注射の軌道は、毛嚢脂腺単位内に含有される毛包の角度および経路を辿る。毛包の角度および経路を辿るざ瘡病変の中心における注射軌道が、
図28に概念的に図示され、黄色矢印として示される。毛包を辿ることによって、周辺皮膚への外傷および周辺組織の萎縮は、低減されることができる。注射が抗炎症剤を投与する、いくつかの事例では、抗炎症効力は、毛包の球根への抗炎症剤の送達によって増加されることができる。
図28の赤色矢印は、ユーザの皮膚を通して直接下向きであり、周辺組織への外傷を引き起こす可能性がより高い、毛包の球根の中への注射を示す。
【0110】
嚢胞性または丘疹であるざ瘡病変のための特定の治療が、
図28に関して上記に説明されるが、本開示の多くの実施形態によるマシンビジョンシステムは、検出されたざ瘡病変を分類するための能力を保有する。いくつかの事例では、膿疱性であるざ瘡病変が、検出されると、マシンビジョンシステムは、ざ瘡病変の可視の毛穴に隣接する場所において注射を投与し、毛嚢脂腺単位を充填する膿が送達された薬剤を希釈しないように回避することができる。いくつかの実施形態では、マシンビジョンシステムは、毛嚢脂腺単位に平行な軌道における注射を指示し、これは、効能を向上させ、皮膚外傷を最小限にすることができる。説明される注射部位および軌道が、潜在的実施例であり、嚢胞性、丘疹、または膿疱性ざ瘡病変に関する注射部位および軌道を限定するものとして解釈されるべきではないことを理解されたい。
【0111】
本開示の種々の実施形態に従って、皮膚条件を検出し、治療を投与するために、本発明の実施形態によるマシンビジョンシステムによって利用され得るプロセスが、
図29Aおよび29Bに概念的に図示される。本特定の実施例では、プロセスは、最初に、ざ瘡病変を検出するステップを伴い、これは、青色境界ボックスによって
図29Aに示される。
【0112】
いくつかの実施形態では、皮膚条件は、皮膚条件を含有する可能性が高い画像内の着目領域を識別することによって検出される。いくつかの実施形態では、分類器が、着目領域内に含有される皮膚条件のタイプを決定するために利用されることができる。上記の実施例に記述されるように、ざ瘡病変の分類は、治療がハンドヘルド治療デバイスを使用してマシンビジョンシステムによって投与される様式を決定することができる。図示される実施例では、皮膚条件は、
図29Aに可視であるざ瘡病変であり、丘疹病変であることが決定される。いくつかの事例では、マシンビジョンは、丘疹病変が、ざ瘡病変の毛穴の中への薬剤の注射を介して治療されるべきであることを決定する。マシンビジョンシステムは、ざ瘡病変を追跡することができ、ざ瘡病変の場所をハンドヘルド治療デバイスの現在の標的注射部位と比較する。
図29Aでは、ざ瘡病変を含有する着目領域は、ハンドヘルド治療デバイスの標的注射部位に隣接し、これは、赤色境界ボックスによって示される。
図29Bは、ざ瘡病変が標的注射部位内に位置するように、ユーザがハンドヘルド治療デバイスを移動させることを概念的に図示する。いくつかの実施形態では、マシンビジョンシステムは、ユーザインターフェースを介して、注射を投与するようにユーザに命令するフィードバックを提供する。いくつかの実施形態では、マシンビジョンシステムは、注射を自動的に投与する。
【0113】
本発明のある実施形態によるマシンビジョンシステムは、ハンドヘルド治療デバイスおよび/または他のデバイス内の付加的センサのための信号を統合することができる。いくつかの実施形態では、マシンビジョンシステムは、注射を介して治療を投与し、治療を投与するために利用される1つまたはそれを上回る注射針のセットは、力または変位センサを使用して監視される。力または変位センサ情報が、利用可能である場合、マシンビジョンシステムは、センサ情報を利用し、注射の深さを制御することができる。
【0114】
ある実施形態では、マシンビジョンシステムは、注射の深さを決定する際に皮膚の場所を分類することが可能である。ユーザの身体上の皮膚の場所は、注射深さに影響を及ぼし得る(例えば、額は、典型的には、ユーザの背中上の皮膚よりも浅い)。皮膚の場所は、ユーザ入力、画像データ、および/または重力に対するハンドヘルド治療デバイスの配向の慣性測定ユニットからの慣性測定値のうちの1つまたはそれを上回るものに基づいて決定されることができる。マシンビジョンシステムはまた、(限定ではないが)真皮条件の段階の分類を含む情報を利用し、注射の深さに影響を及ぼすことができる。いくつかの実施形態では、マシンビジョンシステムは、色、周辺皮膚の平面に対する高さ、および/または真皮条件の直径のうちの1つまたはそれを上回るものに基づいて、分類を実施することができる。容易に理解され得るように、様々なマシンビジョン分類、注射に先立って取得されるセンサ入力、および/または注射の間に取得されるセンサ入力のうちのいずれかが、本開示の種々の実施形態による、特定の用途の要件に対して適宜、注射の深さを決定および/または制御するために利用されることができる。
【0115】
(限定ではないが)注射治療を含む、治療を投与するための様々なマシンビジョンシステムおよびプロセスが、
図27A-29Bに関して上記に説明されるが、いくつかの異なる撮像システムのうちのいずれかを組み込む、様々なマシンビジョンシステムのうちのいずれかが、本開示の種々の実施形態による、(様々な皮膚科条件のうちのいずれかを伴う用途を含む)特定の用途の要件に対して適宜、画像データを入手し、治療の投与を指示するプロセスを実施するために利用されることができる。本発明の種々の実施形態による、マシンビジョンプロセスを実装するために利用され得る、マシンビジョンプロセスおよび処理システムが、下記にさらに議論される。
【0116】
マシンビジョンプロセス
本開示の種々の実施形態によるマシンビジョンシステムは、(限定ではないが)治療を投与する目的のために、ユーザの皮膚上の真皮条件(例えば、ざ瘡病変)等の特徴を検出することが可能である。プロセスは、ユーザが、撮像システムを組み込むハンドヘルド治療デバイスを操作する際、短距離で捕捉される画像データに基づいて、リアルタイムで実施されることができる。
【0117】
画像データに基づいてハンドヘルド治療デバイスを使用して治療を投与するためのプロセスが、
図30に概念的に図示される。プロセス3000は、画像データを入手し、真皮条件を検出するステップ(3002)を含む。いくつかの実施形態では、リアルタイム処理が、追加画像を入手し、追跡プロセスを利用し、真皮条件の場所を追跡する(3004)ことによって達成される。このように、これまでの画像において検出された病変の場所は、新しく入手された画像における病変の場所を予測するために利用されることができる。条件に関する探索を制約することによって、ざ瘡病変の場所がリアルタイムで決定されることを可能にする、算出効率が、達成されることができる。
【0118】
上記に議論されるように、条件は、マシンビジョンシステムの視野内で可視であるが、治療が効果的に投与され得る場所に位置付けられない場合がある。加えて、治療場所自体が、条件の分類に基づいて決定され得る。故に、真皮条件の場所および/またはハンドヘルド治療デバイスに対するその配向が、条件のタイプに適切な治療の投与のために適切であるかどうかに関する決定(3006)が、行われる。ハンドヘルド治療デバイスが、条件に対して適切に位置付けられると、治療は、投与されることができる(3008)。上記に記述されるように、マシンビジョンシステムは、ハンドヘルド治療デバイス上のユーザインターフェースを介して、治療の投与を手動で開始するようにユーザを促すインジケーションを提供することができる。いくつかの実施形態では、マシンビジョンシステムは、治療の自動化投与を開始することができる。
【0119】
ハンドヘルド治療デバイスの位置が、治療を投与するために適切ではないとき、ハンドヘルドデバイスは、真皮条件の場所を追跡し続ける(3004)ことができる。いくつかの実施形態では、マシンビジョンシステムは、検出された真皮条件に対するハンドヘルド治療デバイスの操作においてユーザを誘導するために、ユーザインターフェースを介してフィードバック(例えば、視覚および/またはオーディオフィードバック)を提供することができる。このように、ハンドヘルド治療デバイスは、これが治療を投与するために適切である配向においてハンドヘルド治療デバイスを位置付けるようにユーザを促すことができる。
【0120】
特定のマシンビジョンプロセスが、
図30に関して上記に説明されるが、本発明の種々の実施形態による、特定の用途の要件に対して適宜、異なる撮像システム、照明源、および/または治療モダリティを適応させるように修正されるプロセスを含む、様々なマシンビジョンプロセスのうちのいずれかが、利用されることができる。(限定ではないが)
図30に関して上記に説明されるマシンビジョンプロセス等のマシンビジョンプロセスにおいて検出、追跡、および/または分類を実施するために利用され得る、特定のプロセスが、下記にさらに議論される。
【0121】
マシンビジョンモデルを組み込むマシンビジョンプロセス
本発明の種々の実施形態による、ハンドヘルド治療デバイス内に組み込まれるマシンビジョンシステムは、真皮条件の検出、追跡、および/または分類を実施するために、マシンビジョンモデルを利用することができる。いくつかの実施形態では、Liu, Wei, et al.「Ssd: Single shot multibox detector.」European conference on computer vision. Springer, Cham, 2016(参照することによって上記に組み込まれる)に説明される、シングルショットマルチボックス検出器等のニューラルネットワークが、利用される。しかしながら、本開示の種々の実施形態による、マシンビジョンプロセスにおける検出、追跡、および/または分類が、(限定ではないが)Alexnet、ResNet、VGGNet、および/またはInception等の畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を含む、画像処理用途における使用のために適合される、様々なヒューリスティックおよび/または機械学習モデルのうちのいずれかを使用して実施され得ることが容易に理解されるはずである。容易に理解され得るように、利用される特定の機械学習モデルは、特定の用途の要件に大きく依存する。
【0122】
本開示の種々の実施形態による、真皮条件の検出および分類を実施するために、シングルショットマルチボックス検出器(SSD)機械学習モデルの使用を組み込む、マシンビジョンプロセスが、
図31に概念的に図示される。プロセス3100は、画像を入手し(3102)、SSD検出器を使用して、真皮条件の検出を実施するステップを含む。SSD検出器は、画像パッチ(例えば、200×200ピクセル画像パッチ)を受け取り、i)特定のサイズおよび側面の着目領域が真皮条件を含有する尤度の決定およびii)検出された真皮条件の分類の両方を行うために利用され得る特徴を抽出するように訓練される、畳み込みニューラルネットワークを利用する。ざ瘡病変の分類を伴ういくつかの実施形態では、分類器は、検出された病変が嚢胞性ざ瘡病変、丘疹膿疱性ざ瘡病変、開放性面疱、および/または閉鎖性面疱である尤度を決定することができる。
【0123】
病変が、検出および分類されると、所望の注射部位および/または注射配向が、決定されることができる。本決定に基づいて、プロセス3100は、検出された真皮条件を含有する着目領域(ROI)が、注射が潜在的にハンドヘルド治療デバイスによって投与され得る注射区域内にあるかどうかを評価する(3106)ことができる。
図31の議論は、注射を介した治療に言及するが、類似するプロセスが、代替治療モダリティと組み合わせて利用され得ることが容易に理解されるはずである。
【0124】
検出された真皮条件が、注射が潜在的にハンドヘルド治療デバイスによって投与され得る注射区域内に位置しないとき、マシンビジョンプロセスは、画像を入手し続け(3108)、検出された病変が注射区域内に位置するまで、検出された画像を追跡する(3110)ことができる。多くの実施形態では、マシンビジョンプロセスは、ユーザが適切な配向においてハンドヘルド治療デバイスを位置付けることを支援するために、ハンドヘルド治療デバイスおよび/または(限定ではないが)モバイルコンピューティングデバイス(例えば、ハンドヘルド治療デバイスと通信するモバイル電話、タブレットコンピュータ、および/またはラップトップコンピュータ)等の別のデバイスを介して、フィードバック(例えば、聴覚、力覚、触覚、および/または視覚フィードバック)を提供する(3112)ことができる。いくつかの実施形態では、カメラが、(例えば、モバイル電話上の前面カメラを介して)ハンドヘルド治療デバイスを操作するユーザのライブビデオを捕捉するために利用され、フィードバックユーザインターフェースデバイスが、ユーザに指示するためにライブビデオ上に表示される。多くの実施形態では、ハンドヘルド治療デバイスは、ユーザによるハンドヘルド治療デバイスの操作に関するガイダンスを提供し得る、ハンドヘルド治療デバイスの表面上の異なる位置において振動力覚フィードバックを提供し得る、圧電デバイスのアレイを含む。容易に理解され得るように、マシンビジョンプロセスがユーザにフィードバックを提供する特定の様式は、特定の用途の要件によって大部分が決定される。
【0125】
マシンビジョンプロセス3100が、検出された真皮条件がポータブル治療デバイスの注射区域内に位置することを決定する(3106)と、適切な注射部位がハンドヘルド治療デバイスによって現在標的化されているかどうかに関する決定が、行われることができる。いくつかの実施形態では、決定は、ハンドヘルド治療デバイスの現在の配向を前提として、1つまたはそれを上回る針がユーザの皮膚を貫通するであろう位置に基づく。いくつかの実施形態では、決定は、ハンドヘルド治療デバイスの現在の配向を前提として、1つまたはそれを上回る針がユーザの皮膚を貫通するであろう軌道に基づく。プロセスは、標的が入手されるまで、撮像されたデータを入手および分析し続ける。
【0126】
標的が入手されると、マシンビジョンプロセスは、注射を実施させる(3116)ことができる。いくつかの実施形態では、マシンビジョンプロセスは、注射を手動で開始するように、ユーザにインジケーション(例えば、聴覚、触覚、および/または視覚インジケーション)を提供する。多くの実施形態では、マシンビジョンプロセスは、注射を自動的に開始する。
【0127】
治療を投与するために機械学習モデルを利用する、様々なマシンビジョンプロセスが、
図31に関して上記に説明されるが、(限定ではないが)ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、リカレントニューラルネットワーク、サポートベクターマシン、および/または分類器のカスケード等のヒューリスティックおよび/または異なるクラスの機械モデルを利用する、様々な機械学習プロセスのうちのいずれかが、本開示の種々の実施形態による、特定の用途の要件に対して適宜利用されることができる。本開示の異なる実施形態による、画像データを入手し、注射標的を決定し、および/または注射を実施するためにマシンビジョンシステムによって利用され得る、種々のプロセスが、下記にさらに議論される。
【0128】
画像データ入手
本開示の種々の実施形態に従って利用され得る、画像データ入手プロセスは、典型的には、画像データを入手するために利用される特定の画像センサおよび/または撮像モダリティに依存する。多くの実施形態では、画像データは、レンズまたは複合レンズと、画像センサ(例えば、CMOS画像センサ)とを含む、光学システムを有する、カメラを使用して入手される。いくつかの実施形態では、撮像システムは、意図的(例えば、レンズシステムの光学的度数に起因する)および/または非意図的(例えば、光学系および/または画像センサにおける欠陥)であり得る、幾何学的および/または測光歪みを含む画像を捕捉する。故に、いくつかの実施形態による画像入手プロセスは、デワープ変換および/または画像正規化を利用し、捕捉された画像データを、マシンビジョンプロセス内の後続画像処理動作に提供され得る入手された画像に変換する。
【0129】
本発明の実施形態による、画像データを入手するためのプロセスが、
図32に概念的に図示される。プロセス3200は、照明源を使用して撮像されている場面の照明(3202)から開始されることができる。上記に議論されるように、(限定ではないが)赤外および/または線形偏光光源等の照明源が、そのように照明されるときに顕著になる特徴を撮像するために利用されることができる。プロセス3200は、画像データを捕捉するステップ(3204)を含む。画像データは、デワープされる(3206)。いくつかの実施形態では、デワープは、較正データに基づいて実施される。デワープされた画像はまた、測光較正データを利用して、測光的に正規化される(3208)ことができる。結果として生じる入手された画像は、次いで、(限定ではないが)特徴検出プロセス等のマシンビジョンプロセスへの入力として提供されることに先立って、付加的変換(例えば、エッジ強調および/またはハイパスフィルタリング)を受けることができる。
【0130】
種々の画像データ入手プロセスが、
図32に関して上記に説明されるが、特定の撮像システムおよび/またはマシンビジョンプロセスの要件に適切な様々な画像データ入手プロセスのうちのいずれかが、本開示の種々の実施形態による、特定の用途の要件に対して適宜利用されることができる。本発明の種々の実施形態による、注射部位標的を識別するためにマシンビジョンプロセス内で利用され得るプロセスが、下記にさらに議論される。
【0131】
注射部位標的の識別
種々のタイプの真皮条件の応答は、治療が投与される部位に依存し得る。故に、本発明の多くの実施形態によるマシンビジョンプロセスは、特定の病変および/または特徴の分類に依存する様式において治療部位を標的化する。下記の実施例は、ざ瘡病変の分類に焦点を当てられるが、分類に依存する代替注射方法によって治療され得る任意の真皮条件が、
図33に説明されるような注射プロセスを利用し得ることを理解されたい。
【0132】
本開示の種々の実施形態による、ざ瘡病変のための注射部位標的を決定するためにマシンビジョンシステムによって利用され得るプロセスが、
図33に示される。プロセス3300は、ざ瘡病変が検出される特定の着目領域が膿疱性病変を含有するかどうかを決定するステップ(3302)を含む。病変が、膿疱性病変であるとき、プロセス3300は、毛嚢脂腺単位に隣接する注射部位を標的化する(3304)。病変が、膿疱性病変ではないとき、プロセス3300は、注射部位として毛嚢脂腺単位を標的化する(3306)。
【0133】
両方の潜在的標的は、毛嚢脂腺単位の場所の知識を要求する。故に、毛嚢脂腺単位は、病変のタイプにかかわらず、識別される(3308、3310)。病変が、膿疱性病変であるとき、ハンドヘルド治療デバイスの配向は、配向が、毛嚢脂腺単位にオフセットされ、平行である注射軌道をもたらすであろうという決定(312)が行われるまで、監視される。その時点で、プロセスは、注射を実施させる(3316)。上記に記述されるように、プロセスは、注射を開始し、および/または注射を自動的に開始するように、ユーザにインジケーションを提供することができる。病変が、膿疱性病変ではないとき、ハンドヘルド治療デバイスの配向は、配向が、毛穴を通して毛嚢脂腺単位に進入し、毛嚢脂腺単位に平行である注射軌道をもたらすであろうという決定(3314)が行われるまで、監視される。その時点で、プロセスは、注射を実施させる(3316)。
【0134】
特定のプロセスが、
図33を参照して、マシンビジョンプロセス内で実施される分類に基づいて治療部位標的を選択するために上記に説明されるが、本開示の種々の実施形態による、特定の用途の要件に適切な様々な方法のうちのいずれかにおいて、様々な画像データを組み込み、様々なマシンビジョン分類技法のうちのいずれかを利用し、および/または注射部位標的を入手する、様々なプロセスのうちのいずれかが、利用されることができる。
【0135】
注射を制御するためのプロセス
注射を開始する決定が行われると、本開示の種々の実施形態によるハンドヘルド治療デバイスは、投与されている特定の治療に適切な深さまで注射を投与することが可能である。上記に記述されるように、特定の深さは、身体の場所および/または(限定ではないが)投与されている特定の治療を含む因子に依存し得る。いくつかの実施形態では、注射の深さは、注射プロセスの間に受信されるセンサ情報に基づいて決定される。
【0136】
本発明の実施形態による、針または微小針を使用して注射を自動的に実施するためのプロセスが、
図34に図示される。プロセス3400は、初期注射深さを決定するステップを含んでもよく、注射の開始(3402)から開始される。注射の間、力および/または変位センサが、監視され(3404)、センサから導出された情報は、適切な深さに到達しているかどうかを決定し、1つまたはそれを上回る針または微小針のさらなる貫通を停止し、および/または治療(例えば、注射)の送達を開始するために利用される。図示される実施形態では、治療は、針または微小針を通した流体の射出を含む。容易に理解され得るように、様々な治療のうちのいずれかが、(限定ではないが)上記に説明される治療モダリティのうちのいずれかを含む、
図34を参照して説明されるプロセスに類似するプロセスを使用して投与されることができる。さらに、種々のマシンビジョンプロセスのうちのいずれかが、本開示の実施形態に従って実装されるマシンビジョンシステム内で単独で、または組み合わせて利用されることができる。本開示の種々の実施形態による、マシンビジョンシステムを実装するために利用され得る、様々な算出プラットフォームが、下記にさらに議論される。
【0137】
マシンビジョン処理システム
本開示の種々の実施形態による、ハンドヘルド治療デバイス内で利用されるマシンビジョンシステムは、典型的には、CPU、GPU、および/またはニューラル処理エンジンのうちの1つまたはそれを上回るものを含む、処理システムを利用する。いくつかの実施形態では、画像データが、画像信号プロセッサを使用して捕捉および処理され、次いで、入手された画像データは、CPU、GPU、および/またはニューラル処理エンジンを使用して実装される1つまたはそれを上回る機械学習モデルを使用して分析される。いくつかの実施形態では、マシンビジョン処理システムは、ハンドヘルド治療デバイス内に格納される。いくつかの実施形態では、マシンビジョン処理システムは、ハンドヘルド治療デバイスとは別個に格納され、それと通信する。ある実施形態では、マシンビジョン処理システムは、ケーブルを介してハンドヘルド治療デバイスに接続される。種々の実施形態では、マシンビジョン処理システムは、無線接続を介してハンドヘルド治療デバイスと通信する。マシンビジョン処理システムが、ハンドヘルド治療デバイスとは別個である、いくつかの実施形態では、ハンドヘルド治療デバイスは、撮像システムと、画像データの入手を取り扱う、処理システムとを含む。多くの実施形態では、処理システムはまた、入手された画像データをエンコードし、エンコードされた画像データをマシンビジョン処理システムに伝送する。ある実施形態では、マシンビジョン処理システムは、(限定ではないが)モバイル電話、タブレットコンピュータ、ウェアラブルデバイス(例えば、腕時計および/またはAR眼鏡)、および/またはポータブルコンピュータ等のコンピューティングデバイス上でソフトウェアアプリケーションとして実装される。
【0138】
本開示の種々の実施形態による、マシンビジョン処理システムが、
図35に図示される。マシンビジョン処理システム3500は、プロセッサシステム3502と、I/Oインターフェース3504と、センサシステム3505と、メモリシステム3506とを含む。容易に理解され得るように、プロセッサシステム3502、I/Oインターフェース3504、センサシステム3505、およびメモリシステム3506は、(限定ではないが)CPU、GPU、ISP、DSP、無線モデム(例えば、WiFi、Bluetooth(登録商標)モデム)、シリアルインターフェース、深度センサ、IMU、圧力センサ、超音波センサ、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、および/または不揮発性メモリ(例えば、SRAMおよび/またはNANDフラッシュ)を含む、特定の用途の要件に適切な様々な構成要素のうちのいずれかを使用して実装されることができる。図示される実施形態では、メモリシステムは、治療アプリケーション3508を記憶することが可能である。治療アプリケーションは、不揮発性メモリ内にダウンロードおよび/または記憶されることができる。実行されると、治療アプリケーションは、(限定ではないが)上記に説明されるマシンビジョンプロセスおよび/または上記に説明されるマシンビジョンプロセスの組み合わせおよび/または修正バージョンを含む、マシンビジョンプロセスを実装するように処理システムを構成することが可能である。いくつかの実施形態では、治療アプリケーション3508は、画像入手の間にメモリシステム3506内に記憶される較正データ3510を利用し、(限定ではないが)カメラ、深度カメラ、近IRカメラ、および/または撮像センサを使用して画像データを捕捉することが可能な任意の他のタイプの撮像システム等の1つまたはそれを上回る画像入手システム(図示せず)からI/Oインターフェース3504を介して受信される、デジタル的に捕捉された画像の(限定ではないが)デワープおよび測光正規化を含む、処理を実施する。ある実施形態では、治療アプリケーション3508は、メモリ内に記憶されるモデルパラメータ3512を利用し、機械学習モデルを使用して入手された画像データを処理し、(限定ではないが)検出、追跡、分類、および/または治療標的化を含む、プロセスを実施する。(限定ではないが)上記に説明される種々の機械学習モデルを含む、様々な機械学習モデルのうちのいずれかに関するモデルパラメータ3512が、治療アプリケーションによって利用されることができる。いくつかの実施形態では、入手された画像データ3514は、処理の間にメモリシステム内に一時的に記憶され、および/またはモデルパラメータの訓練/再訓練における使用のために保存される。
【0139】
いくつかの実施形態では、マシンビジョン処理システムはまた、ユーザインターフェースを含む。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースは、(限定ではないが)ボタン、オーディオデバイス、視覚表示デバイス(例えば、LEDおよび/またはディスプレイ)を含む、様々な入力および/または出力ユーザインターフェースモダリティのうちのいずれかであり得る。ある実施形態では、マシンビジョン処理システムは、ユーザインターフェースを表示するために、外部デバイス(例えば、モバイル電話)と通信する。容易に理解され得るように、特定のユーザインターフェースおよび/またはユーザインターフェース入力および出力モダリティは、本開示の種々の実施形態による、特定の用途の要件に大きく依存する。
【0140】
特定のマシンビジョン処理システムが、
図35を参照して上記に説明されるが、本開示の種々の実施形態による、ハンドヘルド治療デバイスを介した治療の提供において利用されるマシンビジョンプロセスおよび/または他のプロセスが、処理デバイスの組み合わせを含む、様々な処理デバイスのうちのいずれかの上で実装され得ることが容易に理解されるはずである。故に、本開示の実施形態によるハンドヘルド治療デバイスは、特定の撮像システム、照明システム、マシンビジョン処理システム、治療システム、および/または注射システムに限定されないものとして理解されるべきである。ハンドヘルド治療デバイスは、本明細書に説明されるプロセス、プロセスの組み合わせ、および/またはプロセスの修正バージョンを実施するために、本明細書に説明されるシステムの組み合わせおよび/または本明細書に説明されるシステムの修正バージョンのうちのいずれかを使用して実装されることができる。
【0141】
液体送達の用途
皮内または皮下流体送達システムの種々の実施形態は、皮膚の中への液体送達を要求する、いくつかの用途において利用されることができる。ある実施形態では、流体送達システムは、皮膚の中への薬剤または補助剤の送達のために使用される。ある実施形態では、トリアムシノロン(ケナログ)が、流体送達システム内で利用される。ある実施形態では、ヒアルロン酸が、流体送達システム内で利用される。ある実施形態では、コラーゲンまたはコラーゲン刺激剤が、流体送達システム内で利用される。
【0142】
トリアムシノロンは、(限定ではないが)ざ瘡、湿疹、皮膚炎、アレルギー、および発疹を含む、種々の皮膚疾患を治療するために使用される、グルココルチコイドである。トリアムシノロンは、腫脹、かゆみ、および発赤を低減させることができる。
【0143】
ざ瘡病変の治療は、0.01mL~0.20mLの体積および0.5mg/mL~10mg/mLの濃度における単一の用量で12時間以内に腫脹および発赤を低減させることができる。故に、トリアムシノロンを含有する溶液は、本明細書に説明されるように、流体容器(例えば、シリンジまたはカートリッジ)内に含有されることができる。トリアムシノロン含有容器は、微小針を伴う注射器システム内で利用されることができる。針または微小針は、病変内送達(例えば、病変の部位における皮内または皮下送達)のために必要な量だけ皮膚を貫通することができる。注射器システムは、治療として病変の中にトリアムシノロンを注射することができる。治療は、必要に応じて、単一の病変に対して複数回実施されることができる、または複数の病変に対して実施されることができる。多くの事例では、単一の用量が、ざ瘡病変の実質的な一掃をもたらすであろう。類似する手技が、他の皮膚疾患に対して実施されることができる。
【0144】
ヒアルロン酸は、皮膚内で自然に産生されるグリコーゲンである。皮膚の中へのヒアルロン酸注射は、局部的な皮膚のヒアルロン酸の量を増大させることができる。ヒアルロン酸の利益は、(限定ではないが)皮膚の老化の外観の軽減、しわの低減、皮膚における炎症の低減、および創傷治癒の支援を含む。
【0145】
コラーゲンは、皮膚内で自然に産生されるタンパク質である。皮膚の中へのコラーゲン注射(またはコラーゲン刺激剤の注射)は、局部的な皮膚のコラーゲンの量を増大させることができる。コラーゲン(またはコラーゲン刺激剤)の利益は、(限定ではないが)瘢痕(特に、ざ瘡瘢痕)の外観の低減、しわの平坦化、および皮膚陥凹の穴埋めを含む。コラーゲン刺激剤は、(限定ではないが)マイクロニードリング、ビタミンC、プロリン、グリシン、銅、アロエベラ、朝鮮人参、および藻類を含む。
【0146】
種々の薬剤および補助剤が、皮内または皮下流体送達システムにおける使用のために同一のカートリッジ内で組み合わせられることができる。例えば、1つの例示的組み合わせは、コラーゲン(またはコラーゲン刺激剤)を伴うトリアムシノロンである。
【国際調査報告】