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特表2024-536071ステアリングシステムの欠陥後に増大したフィードバックトルクで自動車のステアバイワイヤーステアリングシステムを制御する方法

書誌要約請求の範囲詳細な説明課題実施例実施するための形態図面の説明

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2024-10-04

(54)【発明の名称】ステアリングシステムの欠陥後に増大したフィードバックトルクで自動車のステアバイワイヤーステアリングシステムを制御する方法

(51)【国際特許分類】

B62D 6/00 20060101AFI20240927BHJP

B62D 5/04 20060101ALI20240927BHJP

【ＦＩ】

B62D6/00

B62D5/04

【審査請求】有

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2024518544

(86)(22)【出願日】2021-09-22

(85)【翻訳文提出日】2024-03-22

(86)【国際出願番号】 EP2021076000

(87)【国際公開番号】W WO2023046267

(87)【国際公開日】2023-03-30

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】500024274

【氏名又は名称】ティッセンクルップ・プレスタ・アクチエンゲゼルシヤフト

(71)【出願人】

【識別番号】000005326

【氏名又は名称】本田技研工業株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100103816

【弁理士】

【氏名又は名称】風早信昭

(74)【代理人】

【識別番号】100120927

【弁理士】

【氏名又は名称】浅野典子

(72)【発明者】

【氏名】カカス，ピーター

(72)【発明者】

【氏名】セペッシー，イムレ

(72)【発明者】

【氏名】判治宗嗣

(72)【発明者】

【氏名】小嶋洋介

【テーマコード（参考）】

3D232

3D333

【Ｆターム（参考）】

3D232CC03

3D232CC37

3D232DA62

3D232DC09

3D232DD05

3D232DE02

3D232EB12

3D232EC23

3D232EC29

3D232EC37

3D232GG01

3D333CB31

3D333CB46

3D333CD56

3D333CD58

3D333CE38

(57)【要約】

道路車両のステアバイワイヤーステアリングシステム（１）を制御する方法であって、ステアバイワイヤーステアリングシステム（１）が、ハンドル（３）にフィードバックトルクを付与するためのフィードバックアクチュエータ（８）、及び二つの重複パワーパックをそれぞれ有する操舵可能なロードホイール（４）の方向転換のためのロードホイールアクチュエータ（５）を含み、前記方法が、以下の工程を含むことを特徴とする：もしロードホイールアクチュエータにおいて欠陥が検出されるなら（１１）、フィードバックアクチュエータ（８）によって与えられるフィードバックトルクを、計算されたフィードバックトルクより高い値に増大させ（１０）；もしフィードバックアクチュエータ（８）の一つのパワーパックにおいて欠陥が検出されるか又はフィードバックアクチュエータ（８）の一つのパワーパックの欠陥が検出されるなら（９）、フィードバックアクチュエータの機能するパワーパックによって与えられるフィードバックトルクを、計算されたフィードバックトルクより高い値に増大させる（１０）。
【選択図】図２

【特許請求の範囲】

【請求項1】

道路車両のステアバイワイヤーステアリングシステム（１）を制御する方法であって、前記ステアバイワイヤーステアリングシステム（１）が、ハンドル（３）にフィードバックトルクを付与するためのフィードバックアクチュエータ（８）、及び二つの重複パワーパックをそれぞれ有する操舵可能なロードホイール（４）の方向転換のためのロードホイールアクチュエータ（５）を含み、前記方法が、以下の工程を含むことを特徴とする方法：
ａ）もし前記ロードホイールアクチュエータにおいて欠陥が検出されるなら（１１）、前記フィードバックアクチュエータ（８）によって与えられるフィードバックトルクを、計算されたフィードバックトルクより高い値に増大させ（１０）；
ｂ）もし前記フィードバックアクチュエータ（８）の一つのパワーパックの欠陥が検出されるか又は前記フィードバックアクチュエータ（８）の一つのパワーパックの欠陥が検出されるなら（９）、前記フィードバックアクチュエータの機能するパワーパックによって与えられるフィードバックトルクを、計算されたフィードバックトルクより高い値に増大させる（１０）。

【請求項2】

前記フィードバックトルクが、規定された時間期間のみ増大され、その後、前記フィードバックトルクが、計算されたトルクにまで減少されることを特徴とする請求項１に記載の方法。

【請求項3】

前記フィードバックトルクの減少が、徐々になされることを特徴とする請求項２に記載の方法。

【請求項4】

前記ロードホイールアクチュエータ（５）の有する二つのパワーパックが、同一であることを特徴とする請求項１～３のいずれかに記載の方法。

【請求項5】

前記方法が、以下の工程を含むことを特徴とする請求項１～４のいずれかに記載の方法：
ｃ）前記工程ａ）において検出された欠陥が重複ロードホイールアクチュエータ（５）の一つの側にあるなら、この側をスイッチオフし、残りの機能する側で少なくとも部分的なステアリング機能を与える。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、請求項１の前提文に記載の自動車のステアバイワイヤーステアリングシステムを制御する方法、及びその方法を実施するように設計されたステアバイワイヤーステアリングシステムに関する。

【背景技術】

【0002】

自動車では、ステアバイワイヤーステアリングシステムのフェイルファンクションのアーキテクチャーを実施することが知られている。これらは、別個の独立したコントローラーとモーターを含む二つの同一のパワーパックを含む。システムの欠陥又は劣化は、例えば、フィードバックアクチュエータによってフィードバックを与えることによって、運転者に報告されなければならない。もし欠陥又は劣化がフィードバックアクチュエータにおいて起こるなら、正常なレベルよりも高いフィードバックトルクが与えられるおそれがある。このような状況が続くと、高い劣化を起こすことがあり、それは、システム作動のために望ましくない。あるいは、もし重複システムの一つの側の欠陥が原因であったなら、それは、システムの残りの機能する側の劣化をもたらすことがある。

【発明の概要】

【0003】

本発明の目的は、さらなる劣化又は欠陥の危険なしでシステムの劣化又は欠陥の場合に運転者にフィードバックを与えることを可能にする自動車のステアバイワイヤーステアリングシステムを制御する方法を提供することである。

【0004】

この目的は、請求項１の特徴を有する自動車のステアバイワイヤーステアリングシステムを制御する方法、及びかかる方法を実施するように設計された道路車両のためのステアバイワイヤーステアリングシステムによって達成される。

【0005】

従って、道路車両のステアリングシステムを制御する方法であって、ステアバイワイヤーステアリングシステムが、ハンドルにフィードバックトルクを付与するためのフィードバックアクチュエータ、及び二つの重複パワーパックをそれぞれ有する操舵可能なロードホイールの方向転換のためのロードホイールアクチュエータを含み、前記方法が、以下の工程を含むことを特徴とする方法が提供される：
ａ）もしロードホイールアクチュエータにおいて欠陥が検出されるなら、フィードバックアクチュエータによって与えられるフィードバックトルクを、計算されたフィードバックトルクより高い値に、好ましくは＋６Ｎｍまで増大させ；
ｂ）もしフィードバックアクチュエータの一つのパワーパックの欠陥が検出されるか又はフィードバックアクチュエータの一つのパワーパックの欠陥が検出されるなら、フィードバックアクチュエータの機能するパワーパックによって与えられるフィードバックトルクを、計算されたフィードバックトルクより高い値に増大させる。

【0006】

この方法は、さらなる劣化又は欠陥のリスクなしでステアリングシステムにおける機能不全を運転者に知らせることを可能にする。この方法では、追加の構成要素は要求されない。

【0007】

もしアクチュエータの過熱のような問題が起こるなら、フィードバックトルクが、規定された時間期間のみ増大され、その後、フィードバックトルクは、計算されたトルクに減少されることが可能である。好ましくは、フィードバックトルクの減少は、徐々になされる。

【0008】

部品の種類及びコストに関して、もしロードホイールアクチュエータの有する二つのパワーパックが同一であるなら有利である。

【0009】

この方法は、以下の工程をさらに含むことができる：
ｃ）工程ａ）において検出された欠陥が重複ロードホイールアクチュエータの一つの側にあるなら、この側をスイッチオフし、残りの機能する側で少なくとも部分的なステアリング機能を与える。

【0010】

さらに、上記の方法を実施するように設計された道路車両のためのステアバイワイヤーステアリングシステムが提供される。

【0011】

この目的は、請求項１の特徴を有する自動車のステアバイワイヤーステアリングシステムを制御する方法、及びかかる方法を実施するように設計されたステアバイワイヤーステアリングシステムによって達成される。

【図面の簡単な説明】

【0012】

本発明の好ましい実施形態は、図面を参照して記載されるだろう。

【図1】図１は、自動車のステアバイワイヤーステアリングシステムの概略図である。

【図2】図２は、ステアリングシステムの欠陥の場合にフィードバックアクチュエータによって運転者にフィードバックを与える方法のブロック図を示す。

【発明を実施するための形態】

【0013】

図１は、ハンドル３に接続されたステアリング軸２を有するステアバイワイヤーステアリングシステム１の概略図である。ハンドル３とロードホイール４の間に機械的接続は全くない。ロードホイールアクチュエータ５は、ラックアンドピニオンギヤ７によってギヤラック６を作動させる。

【0014】

運転者がハンドル３を操作するとき、ステアリング軸２が回転され、それは、軸センサー（図には示されず）によって検出される。制御ユニットは、軸センサーによって検出された信号からロードホイールアクチュエータ５のための作動信号を計算する。作動信号でギヤラック６を作動させることによって、ロードホイール４は、方向転換される。同時に、ロードホイール４からギヤラック６に導入された力は、別のセンサー（図には示されず）によって認識され、フィードバック信号が計算され、それは、フィードバックアクチュエータとも称されるハンドルアクチュエータ８によってステアリング軸２に付与され、従って運転者は、ハンドル３においてフィードバックを認識することができる。

【0015】

ロードホイールアクチュエータ５及びフィードバックアクチュエータ８は、各々二つの重複パワーパック（図示せず）を有し、それらは、同一設計又は異なる設計であることができる。

【0016】

図２は、ステアバイワイヤーステアリングシステム１の制御方法を概略的に示す。もしフィードバックアクチュエータの欠陥が重複システムの一つの側で検出されるなら９、その側に対応するモーターは、スイッチオフされる。運転者にフィードバックを与えるため、制御ユニットは、状態の変化について知らされ、モーター制御ユニットは、機能するモーターのフィードバックトルクを、計算されたトルクより高い値（調整可能なパラメータ）に増大させ１０、それは、運転者によって気付かれることができる。ある時間期間後、フィードバックトルクは、熱動形負荷を信頼性高く回避するために、計算されたトルクにまで徐々に減少される。もし過熱のような問題が起こらないなら、増大されたトルクは、長い時間期間にわたって、例えば車両が修理場に到達するまで維持されることができる。

【0017】

もしロードホイールアクチュエータの欠陥が検出されるなら１１、フィードバックアクチュエータのフィードバックトルクは、同様に増大される。欠陥は、例えば重複システムの一つの側であることができ、この側は、次いでスイッチオフされ、残りの機能する側は、ステアリング機能を少なくとも部分的に引き継ぐ。ロードホイールアクチュエータにおける欠陥を運転者に知らせるため、モーター制御ユニットは、フィードバックアクチュエータのフィードバックトルクを、計算されたトルクより高い値（調整可能なパラメータ）に増大させる１０。ある時間期間後、フィードバックトルクは、過熱のような問題が起こるなら、計算されたトルクにまで徐々に減少されることができる。

【図1】