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特表2024-536078ワンコード電源プラグを利用した電力同期化方法を備えた自動車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】ワンコード電源プラグを利用した電力同期化方法を備えた自動車
(51)【国際特許分類】
   H02J 9/06 20060101AFI20240927BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20240927BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240927BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20240927BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20240927BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20240927BHJP
   B60L 53/20 20190101ALI20240927BHJP
   B60L 53/16 20190101ALI20240927BHJP
【FI】
H02J9/06
H02J7/34 G
H02J7/00 P
H02J3/32
H02J3/38 110
B60L50/60
B60L53/20
B60L53/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518609
(86)(22)【出願日】2021-10-13
(85)【翻訳文提出日】2024-03-22
(86)【国際出願番号】 KR2021014063
(87)【国際公開番号】W WO2023048324
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】10-2021-0126424
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524110953
【氏名又は名称】ソンシルエナジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SUNGSILENERGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】Hanam-daero 92(hanam-dong,2FL) Gwangsan-gu Gwangju 62331,Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】524110964
【氏名又は名称】キム,ソンシル
【氏名又は名称原語表記】KIM,Sungsil
【住所又は居所原語表記】Hanam-daero 92(Hanam-dong) Gwangsan-gu Gwangju 62331,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100101340
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 英一
(74)【代理人】
【識別番号】100205730
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 重輝
(74)【代理人】
【識別番号】100213551
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 智貴
(72)【発明者】
【氏名】キム,ソンシル
【テーマコード(参考)】
5G015
5G066
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G015GA06
5G015GA11
5G015GB01
5G015JA05
5G015JA52
5G066HA15
5G066HB09
5G066JA01
5G066JB03
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA01
5G503CC02
5G503DA05
5G503DA07
5G503FA06
5G503GB03
5G503GB06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125BB05
5H125BC21
5H125BC24
5H125DD02
(57)【要約】
本発明の自動車は、バッテリーおよび車に装着されてバッテリーに電源を充電し、車の外部にある負荷を充電するための電源を提供し、負荷を充電するために、ワンコード電源プラグを車の外部にあるコンセントに接続する場合、負荷を充電するために放電される電源とコンセントで供給される商用交流電源を同期化させるエネルギー貯蔵システムを含み、エネルギー貯蔵システムは、交流/直流変換部、バッテリー、昇圧部、直流/交流変換部、電力制御部、商用交流電源(Vac)が供給される供給端子(ACP)に連結されたインダクター(L)、一端子がインダクター(L)に連結され、他の端子が入出力端子(IOP)に連結されたスイッチング部(SW)、インダクター電流(IL)と復電制限電流(Iref)を比較する電流判断部、およびインダクター電流(IL)が復電制限電流(Iref)よりも小さい場合、スイッチング部(SW)をオンさせ、インダクター電流(IL)が復電制限電流(Iref)と同一である場合、スイッチング部(SW)をオフさせ、スイッチング制御信号(SWC)が非活性化された後、基準時間(Tref)が経過すると、スイッチング制御信号(SWC)を活性化して、スイッチング部(SW)をオンさせるスイッチング制御部で構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車を駆動するための電源を提供するバッテリー;および
前記車の一部に装着されて前記バッテリーに前記電源を充電し、前記車の外部にある負荷を充電するための電源を提供し、前記負荷を充電するために、一つのコードのみ有するワンコード電源プラグを前記車の外部にあるコンセントに接続する場合、前記負荷を充電するために放電される電源と前記コンセントで供給される商用交流電源を同期化させるエネルギー貯蔵システムを含み、
前記エネルギー貯蔵システムは、
系統電源である前記商用交流電源(Vac)は入出力端子(IOP)で入力されて商用交流電源を直流電源に変換する交流/直流変換部(10);
前記交流/直流変換部(10)で出力される直流電源を充電するバッテリー(B);
前記バッテリー(B)に充電された直流電源を昇圧させて、昇圧直流電圧(DC)を出力する昇圧部(20);
前記昇圧直流電圧(DC)を交流電源に変換してバッテリー交流電力(Bac)を前記入出力端子(IOP)を介して負荷(70)に供給する直流/交流変換部(30);
前記バッテリー(B)が充電が行われるように前記交流/直流変換部(10)の駆動を制御し、前記バッテリー交流電力(Bac)が前記負荷(70)に供給されるように前記直流/交流変換部(30)の駆動を制御する電力制御部(40);
一端子が前記商用交流電源(Vac)が供給される供給端子(ACP)に連結されたインダクター(L);
一端子が前記インダクター(L)の他の端子と連結され、他の端子が前記入出力端子(IOP)に連結されたスイッチング部(SW);
前記インダクター(L)に流れるインダクター電流(IL)と使用者によって決められる復電制限電流(Iref)を比較する電流判断部(50);および
前記電流判断部(50)で前記インダクター電流(IL)が前記復電制限電流(Iref)よりも小さい場合、活性化されたスイッチング制御信号(SWC)を出力して前記スイッチング部(SW)をオンさせ、前記インダクター電流(IL)が前記復電制限電流(Iref)と同一である場合、非活性化されたスイッチング制御信号(SWC)を出力して前記スイッチング部(SW)をオフさせ、前記スイッチング制御信号(SWC)が非活性化された後、使用者によって決められた基準時間(Tref)が経過すると、前記スイッチング制御信号(SWC)を活性化させて、前記スイッチング部(SW)をオンさせるスイッチング制御部(60);を備える、ことを特徴とするワンコード電源プラグを利用した電力同期化方法を備えた自動車。
【請求項2】
前記商用交流電源(Vac)が供給される供給端子(ACP)は前記コンセントに連結させ、前記インダクター(L)の一端子には前記ワンコード電源プラグを連結して、前記電源プラグを前記コンセントに接続させる、ことを特徴とする請求項1に記載のワンコード電源プラグを利用した電力同期化方法を備えた自動車。
【請求項3】
前記エネルギー貯蔵システムは、前記コンセントで前記商用交流電源が供給されないサージ状況で前記ワンコード電源プラグが前記コンセントに接続される場合、前記負荷に電源を供給する無停電電源装置(UPS;Uninterruptible Power Supply)の機能を実行し、
前記コンセントに前記ワンコード電源プラグが接続された状態で、前記商用交流電源が再び復電される場合、前記負荷を充電するために、前記エネルギー貯蔵システムで放電される電源と前記コンセントで供給される前記商用交流電源を同期化させる、請求項1に記載のワンコード電源プラグを利用した電力同期化方法を備えた自動車。
【請求項4】
前記エネルギー貯蔵システムは、
使用者が所望の既設定された特定時間に前記バッテリーに前記電源を充電する充電動作または前記負荷を充電するための電源が提供される放電動作が実行され、
前記バッテリーに充電される電源が前記バッテリーで消費する消費電力のピーク値を超える場合、前記放電動作が実行され、最大ピーク値と最小ピーク値の範囲内で前記電源の充電と放電が行われるように制御する制御器をさらに含む、請求項1に記載のワンコード電源プラグを利用した電力同期化方法を備えた自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー貯蔵システムに関し、特に、家庭に引入される系統電源である商用交流電源が停電後に復電する際にエネルギー貯蔵システムが損傷されることを防止して、負荷に持続的に安定的に商用交流電源による系統の交流電力およびバッテリーに蓄積されたエネルギーによって発生されたバッテリー交流電力を供給することができ、入出力端を介して商用交流電源がバッテリー充電のための交流/直流変換部に供給され、同時にバッテリーに充電された電力を入出力端を介して負荷に供給されるようにし、商用交流電源が供給される供給端子であるコンセントにエネルギー貯蔵システムの電源プラグを接続させて用いるので、設置する際に分電箱に対する工事が不必要で、設置が容易なエネルギー貯蔵システムに関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー貯蔵システム(Energy Storage System:ESS)は、エネルギーを貯蔵するバッテリーの一種で、スマートグリッドと連携されて、太陽光、風力などの新再生エネルギー源で生産された電力を貯蔵したり電気料金が安い時間帯に外部系統電力から電力が供給されて貯蔵し、電力消費が高い時間帯に貯蔵された電力を放電することによって、電力供給者の立場では電力運営の効率性を高め、消費者の立場では安い電気料金を利用することができるように寄与する装置である。
【0003】
特に、電力需要量が超過による大規模停電事態が発生した経験に基づいて電力量の不足による循環停電に対する危険性が増加しながら、夜間のような軽負荷時に遊休電力を貯蔵してから昼間のようなピーク負荷時や電力不足時に用いることによって、負荷平準化(Load Leveling)によるピーク負荷を分散することができるようにエネルギー貯蔵システムに対する必要性が高くなっている。
【0004】
家庭でも系統交流電力である商用交流電源とともに電力不足や、停電時のために、このようなエネルギー貯蔵システムを用いている。
【0005】
家庭で用いるエネルギー貯蔵システムに関する先行技術としては、大韓民国登録特許公報第10-1616982号に「家庭用スマートエネルギー貯蔵システム」(公告日:2016.04.29)が開示されている。
【0006】
前記先行技術である家庭用スマートエネルギー貯蔵システムは、商用交流電源による系統電力が正常に供給されたり、停電によって商用交流電源が遮断される場合には、負荷に安定的に電源が供給されるが、商用交流電源が停電後復電される際に、商用交流電源とバッテリーに貯蔵されたエネルギーを放電させて発生される交流電源とは信号同期が不一致する場合が発生され、そのため、エネルギー貯蔵システムが損傷されるという問題点を有している。
【0007】
また、前記先行技術は、商用交流電源の引入端は、バッテリー充電のための交流/直流変換部の入力部に接続させなければならなく、バッテリーに充電された電力を交流電圧に変換させる直流/交流変換部の出力端は負荷端子に接続させなければならないが、負荷端子は家庭内に設けられた分電箱に設置する必要があるため、系統交流電源にエネルギー貯蔵システムを装着するために、分電箱に対する設置工事が要求され、設置が困難であるという問題点を有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、家庭に引入される系統電源である商用交流電源が停電後復電する際に、エネルギー貯蔵システムが損傷されることを防止して、負荷に持続的に安定的に商用交流電源による系統の交流電力およびバッテリーに蓄積されたエネルギーによって発生されたバッテリー交流電力を供給することができ、入出力端を介して商用交流電源がバッテリー充電のための交流/直流変換部に供給され、同時にバッテリーに充電された電力を入出力端を介して負荷に供給されるようにし、商用交流電源が供給される供給端子であるコンセントにエネルギー貯蔵システムの電源プラグを接続させて用いるので、設置する際に分電箱に対する工事が不必要で、設置が容易なエネルギー貯蔵システムを提供することにある。
【0009】
本発明のまた他の目的は、前記のエネルギー貯蔵システムを電気自動車に装着して電気自動車のバッテリーを充電し、電気自動車の運行後に電気自動車のエネルギー貯蔵システムの電源を商用交流電源が供給されるコンセントにワンコードで差し込む場合、独立型インバータで動作して家庭用家電機器に電源を供給し、家庭の瞬間停電時に負荷を保護するための無停電電源装置(UPS;Uninterruptible Power Supply)機能を果たすことができ、商用交流電源が停電後復電されると、商用交流電源とエネルギー貯蔵システムで発生される交流電源を瞬間的に同期化させて、エネルギー貯蔵システムが損傷されることを防止し、分電箱に対する設置工事が不必要なワンコード電源プラグを利用した電力同期化方法を備えた自動車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達するために、本発明のワンコード電源プラグを利用した電力同期化方法を備えた自動車は、車を駆動するための電源を提供するバッテリー;および前記車の一部に装着されて、前記バッテリーに前記電源を充電し、前記車の外部にある負荷を充電するための電源を提供し、前記負荷を充電するために、一つのコードのみ有するワンコード電源プラグを前記車の外部にあるコンセントに接続する場合、前記負荷を充電するために放電する電源と前記コンセントで供給される商用交流電源を同期化させるエネルギー貯蔵システムを含み、前記エネルギー貯蔵システムは、系統電源である前記商用交流電源を入出力端子で入力されて商用交流電源を直流電源に変換する交流/直流変換部;前記交流/直流変換部で出力される直流電源を充電するバッテリー;前記バッテリーに充電された直流電源を昇圧させて、昇圧直流電圧を出力する昇圧部;前記昇圧直流電圧を交流電源に変換して、バッテリー交流電力を前記入出力端子を介して負荷に供給する直流/交流変換部;前記バッテリーが充電が行われるように、前記交流/直流変換部の駆動を制御し、前記バッテリー交流電力が前記負荷に供給されるように、前記直流/交流変換部の駆動を制御する電力制御部;一端子が前記商用交流電源が供給される供給端子に連結されたインダクタ;一端子が前記インダクタの他の端子と連結され、他の端子が前記入出力端子に連結されたスイッチング部;前記インダクタに流れるインダクタ電流と使用者によって決められる復電制限電流を比較する電流判断部;および前記電流判断部で前記インダクタ電流が前記復電制限電流よりも小さい場合、活性化されたスイッチング制御信号を出力して前記スイッチング部をオンさせ、前記インダクタ電流が前記復電制限電流と同一である場合、非活性化されたスイッチング制御信号を出力して前記スイッチング部をオフさせ、前記スイッチング制御信号が非活性化された後、使用者によって決められた基準時間が経過すると、前記スイッチング制御信号を活性化して前記スイッチング部をオンさせるスイッチング制御部;を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の実施例は、家庭に引入される系統電源である商用交流電源が停電後復電する際に、エネルギー貯蔵システムが損傷されることを防止して、負荷に持続的に安定的に商用交流電源による系統の交流電力およびバッテリーに蓄積されたエネルギーによって発生されたバッテリー交流電力を供給することができ、入出力端を介して商用交流電源がバッテリー充電のための交流/直流変換部に供給され、同時にバッテリーに充電された電力を入出力端を介して負荷に供給されるようにし、商用交流電源が供給される供給端子であるコンセントにエネルギー貯蔵システムの電源プラグを接続して用いるので、設置する際に分電箱に対する工事が不必要で、簡便に設置することができる。
【0012】
本発明の実施例は、エネルギー貯蔵システムを電気自動車に装着して電気自動車のバッテリーを充電し、電気自動車の運行後、電気自動車のエネルギー貯蔵システムの電源を商用交流電源が供給されるコンセントにワンコードで差し込む場合、独立型インバータとして動作して、家庭用家電機器に電源を供給し、家庭の瞬間停電時に無停電電源装置(UPS;Uninterruptible Power Supply)機能を果たすことができ、商用交流電源が停電後復電されると、商用交流電源とエネルギー貯蔵システムで発生される交流電源を瞬間的に同期化させて、エネルギー貯蔵システムが損傷されることを防止し、分電箱に対する設置工事が不必要で、簡便に設置することができるようにするという効果を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施例によるエネルギー貯蔵システムの構成図である。
図2】本発明の実施例によるエネルギー貯蔵システムの動作を説明するための商用交流電源インダクタ電流、スイッチング制御信号および負荷供給電源に対する波形図である。
図3】本発明の実施例によるワンコード電源プラグを利用した電力同期化方法を備えた自動車の構成図である。
図4】本発明の実施例によるワンコード電源プラグを利用した電力同期化方法を備えた自動車の適用例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付された図面を参照して本発明のエネルギー貯蔵システムについて詳しく説明する。
【0015】
図1に示したように、本発明のエネルギー貯蔵システムは、系統電源である商用交流電源(Vac)を入出力端子(IOP)で入力されて商用交流電源を直流電源に変換する交流/直流変換部10と、交流/直流変換部10で出力される直流電源を充電するバッテリー(B)と、バッテリー(B)に充電された直流電源を昇圧させて、昇圧直流電圧(DC)を出力する昇圧部20と、昇圧直流電圧(DC)を交流電源に変換してバッテリー交流電力(Bac)を入出力端子(IOP)を介して負荷70に供給する直流/交流変換部30と、バッテリー(B)が充電が行われるように、交流/直流変換部10の駆動を制御し、バッテリー交流電力(Bac)が負荷70に供給されるように、直流/交流変換部30の駆動を制御する電力制御部40と、一端子が商用交流電源(Vac)が供給される供給端子(ACP)に連結されたインダクタ(L)と、一端子がインダクタ(L)の他の端子と連結され、他の端子が入出力端子(IOP)に連結されたスイッチング部(SW)と、インダクタ(L)に流れるインダクタ電流(IL)と使用者によって決められる復電制限電流(Iref)を比較する電流判断部50と、電流判断部50でインダクタ電流(IL)が復電制限電流(Iref)よりも小さい場合、活性化されたスイッチング制御信号(SWC)を出力して、スイッチング部(SW)をオンさせ、インダクタ電流(IL)が復電制限電流(Iref)と同一である場合、非活性化されたスイッチング制御信号(SWC)を出力して、スイッチング部(SW)をオフさせ、スイッチング制御信号(SWC)が非活性化された以後、使用者によって決められた基準時間(Tref)が経過すると、スイッチング制御信号(SWC)を活性化させて、スイッチング部(SW)をオンさせるスイッチング制御部60と;で構成される。
【0016】
また、商用交流電源(Vac)が供給される供給端子(ACP)はコンセントに連結させ、インダクタ(L)の一端子には電源プラグを連結して電源プラグをコンセントに接続させる。
【0017】
上記の構成による本発明のエネルギー貯蔵システムの動作は次の通りである。
【0018】
図1に示したように、本発明の交流/直流変換部10、バッテリー(B)、昇圧部20、直流/交流変換部30、および電力制御部40は、エネルギー貯蔵システムの一般的な構成である。
【0019】
交流/直流変換部10は、系統電源である商用交流電源(Vac)が供給される供給端子(ACP)から入出力端子(IOP)を介して商用交流電源(Vac)が入力されて商用交流電源(Vac)をバッテリー(B)の充電電圧に対応する直流電源に変換し、バッテリー(B)には直流電源が充電される。
【0020】
昇圧部20は、バッテリー(B)に充電された直流電源を約400Vの直流電圧に昇圧させて、昇圧直流電圧(DC)を出力する。
【0021】
直流/交流変換部30は、昇圧直流電圧(DC)を交流電源に変換して、バッテリー交流電力(Bac)を入出力端子(IOP)を介して負荷70に供給する。
【0022】
電力制御部40は、バッテリー(B)が設定された充電状態になるように、交流/直流変換部10の駆動を制御し、バッテリー(B)に蓄積されたエネルギーの放電条件になると、バッテリー交流電力(Bac)を負荷70に供給されるように直流/交流変換部30の駆動を制御する。
【0023】
放電条件は、一日中ピーク負荷時に対して利用できるように設定された昼間時間帯や、停電時など多様に設定されることができる。
【0024】
系統電源である商用交流電源(Vac)が正常に供給される場合、商用交流電源(Vac)によって負荷70が駆動されたり、放電条件の場合、負荷70は、商用交流電源(Vac)とバッテリー交流電力(Bac)によって駆動される。
【0025】
商用交流電源(Vac)が正常に供給されている途中に停電が発生された場合、負荷70はバッテリー交流電力(Bac)のみによって駆動される。
【0026】
商用交流電源(Vac)が正常に供給されたり、停電時に負荷に供給される最大電流は負荷が要求する必要電力/220Vであるので、家庭の場合、通常負荷が要求する必要電力は、最大7KWを超えないと仮定すれば、最大電流は、7KW/220V=32Aである。
【0027】
図2に示したように、使用者によって決められる復電制限電流(Iref)を負荷に供給される最大電流よりも大きい値である40Aに設定すると、商用交流電源(ac)が正常に供給されたり、停電時には電流判断部50によってインダクタ(L)に流れるインダクタ電流(IL)と復電制限電流(Iref)を比較し、この時、インダクタ電流(IL)は常に復電制限電流(Iref)よりも小さい値を有するようになるので、スイッチング制御部60は、活性化されたスイッチング制御信号(SWC)を出力し、活性化されたスイッチング制御信号(SWC)によってスイッチング部(SW)はオン状態になる。
【0028】
したがって、商用交流電源(ac)が正常に供給されたり、停電時にはスイッチング部(SW)が継続的にオン状態にあるので、商用交流電源(ac)が正常に供給される場合には、商用交流電源(Vac)によって負荷70が駆動されたり、放電条件の場合、負荷70は商用交流電源(Vac)とバッテリー交流電力(Bac)によって駆動され、停電時には、バッテリー交流電力(Bac)は入出力端子(IOP)を介して負荷70に供給されて、負荷70は駆動される。
【0029】
商用交流電源(Vac)が停電後復電する際には入出力端子(IOP)を介してバッテリー交流電力(Bac)も供給端子(ACP)に供給され、図2に示したように、復電の時、商用交流電源(Vac)とバッテリー交流電力(Bac)の位相差が180度である場合、すなわち、バッテリー交流電力(Bac)の交流電源は+220Vであり、商用交流電源(Vac)-220Vであると、インダクタ(L)によってインダクタ電流(IL)は大きくなり、電流判断部50によってインダクタ電流(IL)が増加して、復電制限電流(Iref)と同じ値になると、スイッチング制御部60は、非活性化されたスイッチング制御信号(SWC)を出力し、非活性化されたスイッチング制御信号(SWC)によってスイッチング部(SW)はオフされて、インダクタ電流(IL)は0になる。
【0030】
したがって、復電の時、インダクタ(L)によってインダクタ電流(IL)が漸次増加するようになりながら、インダクタ電流(IL)が復電制限電流(Iref)と同じ値になると、スイッチング部(SW)がオフされ、スイッチング部(SW)のオフによって供給端子(ACP)ではバッテリー交流電力(Bac)が出力できないため、負荷70には商用交流電源(Vac)のみが供給される。
【0031】
したがって、復電の時、商用交流電源(Vac)とバッテリー交流電力(Bac)の位相差によって発生されるエネルギー貯蔵システムが損傷されることを防止することができ、負荷70は商用交流電源(Vac)によって正常に駆動される。
【0032】
スイッチング制御部60は、復電によってスイッチング制御信号(SWC)が非活性化された後、使用者によって決められた基準時間(Tref)、約3秒ほど経過すると、活性化されたスイッチング制御信号(SWC)を出力して、スイッチング部(SW)はオンされて、エネルギー貯蔵システムは正常に動作する。
【0033】
したがって、本発明は、復電時にも負荷70に持続的に安定的に商用交流電源による系統の交流電力およびバッテリーに蓄積されたエネルギーによって発生されたバッテリー交流電力を供給することができる。
【0034】
また、本発明のエネルギー貯蔵システムは、入出力端(IOP)を介して商用交流電源(Vac)がバッテリー充電のための交流/直流変換部10に供給され、同時にバッテリー(B)に充電されたバッテリー交流電力(Bac)を入出力端(IOP)を介して負荷に供給されるようにし、商用交流電源(Vac)が供給される供給端子(ACP)はコンセントを介して連結され、エネルギー貯蔵システムの電源プラグをコンセントに接続させて電源プラグを介して供給端子(ACP)とインダクタ(L)が連結されるようにして、エネルギー貯蔵システムを設置するために、従来のように、分電箱に対する工事が不必要で、簡便に設置することができる。
【0035】
図3は、本発明の実施例によるワンコード電源プラグを利用した電力同期化方法を備えた自動車の構成図である。
【0036】
図3を参照すると、本発明の実施例によるワンコード電源プラグを利用した電力同期化方法を備えた自動車は、バッテリー110、インバータ120、モータ130、減速機140、エネルギー貯蔵システム(Energy Storage System:ESS)150、ケーブル160、およびワンコード電源プラグ170を含んでもよい。
【0037】
本発明の実施例で自動車は、電気自動車、水素エンジン自動車、ハイブリッド自動車など電気を主動力源とする電気自動車(EV、Electronic Vehicle)を意味することができる。本発明の実施例では電気自動車を一例として説明する。
【0038】
電気自動車100は、高電圧のバッテリー110電源を3相交流電源に変換して、永久磁石型同期電動機や誘導電動機などの3相交流モータを駆動させ、電動機軸と減速機140などを通じて連結されたタイヤを駆動させて車を動かす。バッテリー110は、電気自動車100の駆動のための電源を提供することができる。
【0039】
インバータ120は、バッテリー110の電源を入力として、トラクションコンバータを利用してモータ130を駆動することができる。このようなインバータ120は、主電力部構成要素として電力用半導体と直流リンクコンデンサ(DC Link Capacitor)を含んでもよい。また、インバータ120は、スイッチング素子などで発生する熱を放熱するための冷却部、高電圧バッテリー110やモータ130、または、電力分配ユニット(Power Distribute Unit)などと連結するためのバスバーとコネクタ、スイッチング素子を制御するための制御ボード、ゲートボードなどを含んでもよい。
【0040】
電気自動車100は、エネルギー源として電気を用いるので、電気をエネルギー源として貯蔵して保管する必要がある。このために、一般の商用電源を通じてバッテリー110を充電しなければならない。しかしながら、電気自動車100の電気をEV充電スタンドを利用して充電する場合、電力不足地域のあちこちにEV充電スタンドを設置しなければならないため、莫大な予算がかかり、地域的限界があることがある。
【0041】
そこで、本発明の実施例では、高電圧である商用電源を利用して電気自動車100のエネルギー貯蔵装置であるバッテリー110を充電するために、電気自動車100の一部にエネルギー貯蔵システム(Energy Storage System: ESS)150を含むことができる。図3の実施例で、エネルギー貯蔵システム150は、図1、2に示したエネルギー貯蔵システム150で具現され得る。
【0042】
エネルギー貯蔵システム150は、ケーブル160を介してワンコード電源プラグ170が商用交流電源(例えば、AC 220V)と連結されてもよい。エネルギー貯蔵システム150は、一つのケーブル160およびワンコード電源プラグ170を介して商用交流電源(Vac)が供給される供給端子(ACP)をコンセントにプラグイン方式で連結させる。
【0043】
エネルギー貯蔵システム150は、電気自動車100のバッテリー110を充電する場合、バッテリー110に電源を供給したり、エネルギー貯蔵システム150に貯蔵された電源を放電して系統に送電してもよい。電気自動車100のバッテリー110を充電するか否か、または系統に電力を伝達するか否かを決めることは、エネルギー貯蔵システム150の電力制御部40または制御器151で決めることができる。例えば、電力制御部40または制御器151は、充電モードの時、バッテリー110を充電する動作を実行するように制御し、放電モードの時、系統に電力が伝達されるように制御することができる。
【0044】
また、エネルギー貯蔵システム150は、使用者が所望の既設定された特定時間に充電動作または放電動作が実行されるようにすることができる。例えば、エネルギー貯蔵システム150は、電気料金が安い時間帯(例えば、低価を適用する深夜時間帯)にバッテリー110の電源を充電し、使用者が所望の既設定された特定時間(例えば、電力使用量が増えて、電気料金が高い昼間時間帯)にバッテリー110に充電されたピーク電源を均衡に放電して用いることができる。
【0045】
エネルギー貯蔵システム150は、既設定された特定時間にバッテリー110を充電し、前記バッテリー110に充電される電源が前記バッテリー110で消費される消費電力のピーク値を超える場合、放電動作を実行することができる。
【0046】
ここで、エネルギー貯蔵システム150は、消費電力のピーク値を自動に設定することができる。エネルギー貯蔵システム150は、需要者が電力を使用する時、負荷70に供給される消費電力のピーク値を所定時間の間平均パターン値で貯蔵し、最大ピーク値と最小ピーク値が設定されることができる。エネルギー貯蔵システム150は制御器151を含んで、最大ピーク値と最小ピーク値の範囲内で電源の充電と放電が行われるようにする。例えば、エネルギー貯蔵システム150は、平均パターン値以上の電力をピーク値に設定することができる。
【0047】
図4は、本発明の実施例によるワンコード電源プラグを利用した電力同期化方法を備えた自動車の適用例である。
【0048】
図4を参照すると、エネルギー貯蔵システム150のワンコード電源プラグ170は、電気自動車100外部のコンセントに接続されて、他の車または家庭の家電機器と連結されてもよい。これによって、本発明の実施例は、電気自動車100の運行後、エネルギー貯蔵システム150に残っている残余電源が家庭内の家電機器や他の車を充電するための電源として用いられることができる。
【0049】
例えば、エネルギー貯蔵システム150の商用交流電源が供給されるワンコード電源プラグ170は、コンセントにプラグイン方式で差し込む場合、エネルギー貯蔵システム150で放電される交流電源がコンセントで提供される電力と同期化されて、家庭の家電機器または他の車に電源を供給する独立型インバータ機能を果たすことができる。そして、家庭で瞬間的な停電が発生するなどのサージ(Surge)状況で電源障害を克服し、安定した交流電力を供給して家電機器を保護するための無停電電源装置(UPS;Uninterruptible Power Supply)機能を果たすことができ、電力パススルーおよび追加電力供給のためのコンセント部の役割を果たすことができる。
【0050】
また、商用交流電源が停電された後復電される時、商用交流電源(Vac)とバッテリー(B)に貯蔵されたエネルギーを放電させて発生される交流電源と信号同期が不一致する場合が発生され、これによりエネルギー貯蔵システム150が損傷される場合がある。しかしながら、本発明の実施例は、従来の2ライン方式ではない図1、2のようなワンコード方式のエネルギー貯蔵システム150を適用して、瞬間的に電力系統に同期化されて、インバータが損傷されることを防止することができる。
【0051】
電気自動車100でエネルギー貯蔵システム150の電源プラグ170をコンセントに差し込んだ時、エネルギー貯蔵システム150で電力が放電され、コンセントでも電力が供給される状態になる。エネルギー貯蔵システム150で供給される電力がコンセントで供給される電力(一般的に韓国電力公社から供給される電力)と同期化されない場合、エネルギー貯蔵システム150が損傷される場合がある。
【0052】
しかしながら、本発明の実施例は、商用交流電源が供給されるない停電などのサージ状況でエネルギー貯蔵システム150のワンコード電源プラグ170をコンセントに差し込んで、家電機器または他の車に電源を供給する無停電電源装置(UPS;Uninterruptible Power Supply)機能を果たし、独立型インバータとして動作をし、商用交流電源が再び復電される時、エネルギー貯蔵システム150で供給される交流電源とコンセントの交流電源を瞬間的に同期化させて、エネルギー貯蔵システム150が損傷されることを防止することができる。
【0053】
さらに、一般的なESSの場合、同期化機能がないため、電源の引入端と出力端を別途に備えて2コードで連結しなければならないが、このために、分電箱に対する設置工事が要求される。しかしながら、本発明の実施例は、図1、2で説明されたエネルギー貯蔵システム150によってエネルギー貯蔵システム150で供給される電源と復電される電源と同期化が可能になって、一つのワンコード電源プラグ170のみ用いるようになるので、ワンコード方式によって分電箱に対する別途の設置工事が不必要である。
【0054】
このように、本発明の実施例は、系統連携型インバータであるエネルギー貯蔵システム150を電気自動車100に装着して、一つのコード(ワンコード)電源プラグ170が自車または他の車を充電させるための車用充電コードとして用いられてもよく、家庭で用いられる家電機器を充電させるための家庭用充電コードとして用いられてもよい。
【0055】
すなわち、本発明の実施例は、電気自動車100の高電圧バッテリー110を充電する機能と、家庭で家電機器などの負荷に電力を伝達するV2L(Vehicle to Load)機能およびワンコード電源プラグ170を利用した電力同期化方法で系統(Grid)に電力を伝達するV2G(Vehicle to Grid)機能を実行することができる。
【0056】
本発明の実施例は、エネルギー貯蔵システム150とコンセントの連結のみで充電および放電が実行されるので、設置空間の制約が少なくて、別途の配線工事が不必要になる。また、本発明の実施例は、EV充電スタンドを経らずに、エネルギー貯蔵システム150を一般商用交流電源(例えば、AC 220V)コンセントがある所に連結するので、実消費電力網低圧ラインの負荷を軽減することができ、変圧器を経ないので、送電電力の損失を減少することができる。また、本発明の実施例は、エネルギー貯蔵システム150で負荷の電力状態を判断して、系統と連携された電力供給動作を実行することによって、系統電力のピークを低減させることができる。
【0057】
また、本発明の実施例では、電気を主動力源とする電気車を一例として説明したが、本発明の実施例はこれに限定されるものではなく、燃料電池、バッテリー、およびコンデンサなどの電力を利用する車にエネルギー貯蔵システム150を装着して、上記のような動作を実行することができ、車の種類はこれに限定されない。
【0058】
以上で説明したように、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で変形された形態に本発明が具現されていることを理解するはずである。したがって、明示された実施例は限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されるべきであり、本発明の範囲は上述した説明ではなく、特許請求範囲に示されており、それと同等な範囲内にあるすべての差異は本発明に含まれたことに解釈されるべきである。
産業上利用可能性
【0059】
本発明は家庭に引入される系統電源である商用交流電源が停電後復電する際にエネルギー貯蔵システムが損傷されることを防止して、負荷に持続的に安定的に商用交流電源による系統の交流電力およびバッテリーに蓄積されたエネルギーによって発生されたバッテリー交流電力を供給することができる。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】