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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】空気処理器具
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/02 20060101AFI20240927BHJP
   B05B 17/00 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
A45D34/02 510C
A45D34/02 510Z
B05B17/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518684
(86)(22)【出願日】2022-09-08
(85)【翻訳文提出日】2024-04-12
(86)【国際出願番号】 US2022042885
(87)【国際公開番号】W WO2023048952
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】63/248,515
(32)【優先日】2021-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/486,788
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】316009197
【氏名又は名称】プロリテック インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Prolitec lnc.
【住所又は居所原語表記】5447 Leary Avenue NW,Seattle,WA 98107 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】スウォード, ネイサン
【テーマコード(参考)】
4D074
【Fターム(参考)】
4D074AA10
4D074BB06
4D074FF01
4D074FF08
4D074FF09
(57)【要約】
器具と、その中に設置可能な交換可能カートリッジと、を含む、空気処理システムが提供される。交換可能カートリッジは、エアロゾル化される液体化合物を含み、かつカートリッジ出口を有し、動作中にエアロゾル化化合物がこのカートリッジ出口を通して放出される。交換可能カートリッジに空気を供給して、交換可能カートリッジに含まれる液体化合物からエアロゾル化化合物を生成するためにポンプが提供されており、また、交換可能カートリッジに空気を供給して、器具からエアロゾル化化合物を生成して放出するようにポンプを制御するためのコントローラが提供されている。本器具は、部屋の内部空間を処理するために、部屋の中の壁の電気コンセントに差し込まれてその電気コンセントによって支持されるように特に適合されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラグイン液体拡散器具であって、
交換可能カートリッジであって、
エアロゾル化される液体を少なくとも部分的に充填した内部キャビティと、
前記液体からエアロゾル化物質を生成するための前記内部キャビティ内のベンチュリ装置と、を含む、交換可能カートリッジと、
中を通って前記交換可能カートリッジを受容するためのカートリッジポートを含む、ハウジングと、
壁の電気コンセントにおいて使用するために設置されたときに、片持ち様式で前記プラグイン液体拡散器具を支持するように前記ハウジングから直接突出する、電源プラグと、を備える、プラグイン液体拡散器具。
【請求項2】
前記電源プラグが、交流電流電源プラグである、請求項1に記載のプラグイン液体拡散器具。
【請求項3】
前記電源プラグが、前記ハウジングに堅固に結合されている、請求項1に記載のプラグイン液体拡散器具。
【請求項4】
前記電源プラグの接点が、前記ハウジングに対して不動である、請求項1に記載のプラグイン液体拡散器具。
【請求項5】
前記交換可能カートリッジが前記ハウジング内で受容されたときに、前記電源プラグの接点が、前記交換可能カートリッジに対して不動である、請求項1に記載のプラグイン液体拡散器具。
【請求項6】
前記電源プラグが前記壁の電気コンセントに差し込まれたときに、前記プラグイン液体拡散器具の全重量が前記電源プラグによって支持される、請求項1に記載のプラグイン液体拡散器具。
【請求項7】
前記ハウジングに装着された光検出器を更に備え、前記プラグイン液体拡散器具が、前記光検出器によって生成された信号を使用して制御されるように構成されている、請求項1に記載のプラグイン液体拡散器具。
【請求項8】
前記プラグイン液体拡散器具が、前記光検出器によって生成された信号を使用して前記ベンチュリ装置の動作を制御するように構成されている、請求項7に記載のプラグイン液体拡散器具。
【請求項9】
前記光検出器が、前記ハウジングの頂部に装着されている、請求項7に記載のプラグイン液体拡散器具。
【請求項10】
前記光検出器が、前記ハウジングの上向き部分に装着されている、請求項7に記載のプラグイン液体拡散器具。
【請求項11】
前記ハウジングに装着された照明装置を更に備える、請求項7に記載のプラグイン液体拡散器具。
【請求項12】
前記プラグイン液体拡散器具が、前記光検出器によって生成された信号を使用して前記照明装置を制御するように構成されている、請求項11に記載のプラグイン液体拡散器具。
【請求項13】
前記照明装置が、前記ハウジングの底部に装着されている、請求項11に記載のプラグイン液体拡散器具。
【請求項14】
前記ハウジングに装着された1つ以上の制御部であって、ユーザから第1の入力を受信して、前記光検出器が暗環境内に位置付けられていることを示す第1の信号を生成するように、かつ前記ユーザから第2の入力を受信して、前記光検出器が明環境内に位置付けられていることを示す第2の信号を生成するように構成されている、1つ以上の制御部を更に備える、請求項7に記載のプラグイン液体拡散器具。
【請求項15】
前記プラグイン液体拡散器具の配向を測定するように構成された傾斜センサを更に備える、請求項1に記載のプラグイン液体拡散器具。
【請求項16】
プラグイン液体拡散器具を動作させる方法であって、
前記プラグイン液体拡散器具の電源プラグを壁の電気コンセントに差し込むことであって、前記電源プラグが、前記プラグイン液体拡散器具のハウジングから直接突出して、片持ち様式で前記プラグイン液体拡散器具を支持する、差し込むことと、
前記ハウジングのカートリッジポートを通して交換可能カートリッジを前記ハウジングに挿入することであって、前記交換可能カートリッジが、エアロゾル化される液体を少なくとも部分的に充填した内部キャビティと、前記液体からエアロゾル化物質を生成するための前記内部キャビティ内のベンチュリ装置と、を含む、挿入することと、を含む、方法。
【請求項17】
前記プラグイン液体拡散器具が、前記ハウジングに装着された光検出器を含み、前記方法が、前記光検出器によって生成された信号を使用して前記ベンチュリ装置の動作を制御することを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記光検出器が、第1の周囲光の量を有する暗環境内に位置付けられることを示す第1の入力をユーザから受信することと、
前記光検出器が、前記第1の周囲光の量よりも多い第2の周囲光の量を有する明環境内に位置付けられていることを示す第2の入力を前記ユーザから受信することと、を更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ベンチュリ装置の動作を制御することは、前記光検出器によって生成された信号が、前記光検出器が明環境内に位置付けられていることを示した場合に、前記ベンチュリ装置の動作を開始させることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ベンチュリ装置の動作を制御することは、前記光検出器によって生成された信号が、前記光検出器が前記第1の周囲光の量と前記第2の周囲光の量との所定の量の差だけ前記第1の周囲光の量よりも多い第3の周囲光の量を有する環境内に位置付けられていることを示した場合に、前記ベンチュリ装置の動作を開始させることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の周囲光の量と前記第2の周囲光の量との前記所定の量の前記差が、25パーセントである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ベンチュリ装置の動作を制御することは、前記光検出器によって生成された信号が、前記光検出器が暗環境内に位置付けられていることを示した場合に、前記ベンチュリ装置の動作を終了させることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記ベンチュリ装置の動作を終了させることは、前記光検出器によって生成された前記信号が、前記光検出器が前記暗環境内に位置付けられていることを示した所定の時間量の後に、前記ベンチュリ装置の動作を終了させることを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記所定の時間量が、1分~100分である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記所定の時間量が、30分である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記ベンチュリ装置の動作を制御することは、前記光検出器によって生成された信号が、前記光検出器が前記第1の周囲光の量と前記第2の周囲光の量との所定の量の差だけ前記第2の周囲光の量よりも少ない第3の周囲光の量を有する環境内に位置付けられていることを示した場合に、前記ベンチュリ装置の動作を終了させることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の周囲光の量と前記第2の周囲光の量との前記所定の量の前記差が、75パーセントである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記プラグイン液体拡散器具が、前記プラグイン液体拡散器具の配向を測定するように構成された傾斜センサを含み、前記方法が、
前記傾斜センサが、前記プラグイン液体拡散器具が直立していないことを検出した場合に、前記プラグイン液体拡散器具の動作を中止させることを更に含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
本開示は、概して、空気処理器具に関するものであり、より具体的には、拡散又はエアロゾル化されて、処理される空間の中へ解放される液体化合物を含む交換可能カートリッジを含む空気処理器具に関するものである。空気処理器具は、部屋の内部空間を処理するために、部屋の中の壁の電気コンセントに差し込まれてそこで支持されるのに特に良く適している。
【背景技術】
【0002】
これまでの空気処理器具は、所望の空間の雰囲気の全体を通して芳香化合物又は他の化合物を分配する能力を有しているが、様々な欠点又は欠陥を有し得る。例えば、いくつかの空気処理器具及びその交換可能カートリッジは、非常に複雑であり得、高コストであり得、かつ/又は例えば、理想的とは言えない特性を有する拡散又はエアロゾル化物質を放出する、又はカートリッジが漏出、混入、付着、及び/若しくは汚染の影響を受け易いなどの、他の欠陥又は欠点を有し得る。かかる空気処理器具は、いわゆるプラグイン拡散器を含み、これは、典型的には、拡散器が芳香オイル化合物を加熱するように固定された電気コンセントからの電気エネルギーを使用して、芳香オイル化合物を加熱することによって動作する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書で図示及び説明される空気処理器具及び交換可能カートリッジ及びその他の構成要素並びに関連する方法は、液体源からの拡散又はエアロゾル化化合物で空間を処理する際に、堅牢で、効率的で、かつ特に効果的であるフォームファクタを提供し、また、部屋の内部空間を処理するために、部屋の中の壁の電気コンセントに差し込まれてその電気コンセントによって支持されるように特に構成された空気処理器具を含む。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】器具内に装填され得る交換可能カートリッジに含まれる液体から拡散又はエアロゾル化された芳香化合物又は他の化合物で空間(例えば、住宅の部屋の内部)を処理するための、壁の電気コンセントに差し込むための「プラグイン」空気処理器具を含む、一実施形態による、空気処理システムの斜視図である。
図2】使用するために壁の電気コンセントに設置された、図1の空気処理器具の上面斜視図である。
図3】使用するための壁の電気コンセントに設置された、図1の空気処理器具の底面斜視図である。
図4図1の空気処理器具の斜視分解図である。
図5図1の空気処理器具の電源プレートアセンブリの斜視図である。
図6】世界中の様々な規格の壁の電気コンセントで使用するように器具を適合させるための、空気処理器具で使用され得る電源プレートアセンブリの他の実施形態の斜視図である。
図7図1の空気処理器具とともに使用可能な例示的な交換可能カートリッジの等角断面図である。
図8】空気処理器具及びその交換可能カートリッジを含む空気処理システムの、例示的な一実施形態による、システム図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の説明では、様々な開示される実施形態に関する完全な理解を提供するために、特定の具体的な詳細が記載される。しかしながら、当業者は、実施形態がこれらの具体的な詳細のうちの1つ以上を伴わずに実践され得ることを認識するであろう。他の事例では、液体源から化合物を拡散又はエアロゾル化する空気処理器具(液体拡散装置とも称される)、その構成要素、及び関連する方法と関連付けられた既知の装置、構造、及び技術は、実施形態の説明を不必要に不明瞭にすることを回避するために、詳細に図示又は説明されない場合がある。例えば、本明細書に開示される空気処理器具及び交換可能カートリッジの実施形態は、既知の器具及び関連する構成要素並びにその制御方法の態様又は特徴を含み得るか、又は組み込み得る。既知の空気処理器具、その構成要素、及び態様、並びに関連する方法の例は、米国特許第7,712,683号、同第7,930,068号、同第8,855,827号、同第9,248,461号、同第9,162,004号、及び同第10,086,340号で図示及び説明されており、これらは全て、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0006】
文脈が別途必要としている場合を除き、本明細書及び以下に続く特許請求の範囲の全体を通して、「comprise(備える)」という語、並びに「comprises」及び「comprising」などのその変形例は、開放的、包括的な意味で、すなわち、「含むが、それらに限定されない」と解釈されるべきである。
【0007】
本明細書の全体を通した「1つの実施形態」又は「一実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書の全体を通した様々な場所での「1つの実施形態では」又は「一実施形態では」という語句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態に言及しているわけではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態において任意の好適な様態で組み合わせられ得る。
【0008】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、その内容が別途明確に指示していない限り、複数の指示対象を含む。また、「又は(or)」という用語は、概して、その内容について別段の明確な指示がない限り、「及び/又は(and/or)」を含むという意味で採用されることにも留意されたい。
【0009】
図1を参照すると、本開示は、概して、空気処理器具100に関するものであり、より具体的には、拡散又はエアロゾル化されて、処理される空間の中へ解放される液体化合物120(図5)を含む交換可能カートリッジ102とともに動作可能な、液体拡散装置又は機器とも称され得る空気処理器具100、及びその構成要素、並びに関連する方法に関する。
【0010】
図1に示されるように、本開示の空気処理器具100は、液体源から拡散又はエアロゾル化された芳香化合物又は他の化合物で部屋の内部空間を処理するために、部屋の中の壁の電気コンセント10に差し込まれてそこで支持されるように構成されたフォームファクタで提供され得る。特に、器具100は、使用するために、壁の電気コンセント10のレセプタクル14の接点開口部12に容易に挿入して、壁の電気コンセント10から片持ち様式で支持されるように構成されたフォームファクタを含み得る。有利には、このフォームファクタは、比較的コンパクトであり得、また、例えば、従来の壁の電気コンセントカバープレート16の高さを超えない、又は従来の壁の電気コンセントカバープレート16の高さの125パーセントを超えない、全体的な主要寸法を有し得る。
【0011】
図1の参照を続けると、各交換可能カートリッジ102は、カートリッジ102内の液体120から生成された拡散又はエアロゾル化化合物を、器具100を取り囲む環境又は空間へと放出することを可能にするためのカートリッジ出口132を含む。より具体的には、交換可能カートリッジ102は、器具100内に装填されたときに、加圧空気源(例えば、図4のポンプ122)の出口に結合されて、本明細書に記載されるように、加圧空気がカートリッジ102を選択的に通過することを可能にして、その中に含まれる液体120を拡散又はエアロゾル化して、エアロゾル化物質を、カートリッジ出口132を通して放出させる。
【0012】
本開示の中で、噴霧及び拡散という用語は、それらの様々な形態で互換的に使用され得る。これらの用語は、概して、同じ作用、すなわち、非常に小さい粒子サイズ(好ましくは、限定されないが、1ミクロン以下のサイズ)に液体を分散させて、略閉鎖空間の雰囲気中に粒子を解放することを指すことが意図される。特に小さい粒子を有する拡散液体を放出することは、分散させる液体が空間を効果的に処理するのに十分長く浮遊したままであることを確実にするのを補助する。本明細書では、拡散液体は、エアロゾル化物質とも称され、例えば、芳香化合物を含み得る。
【0013】
小さい粒子サイズを提供するための1つのアプローチは、膨張チャンバに隣接して、分散又はガス-液体混合場所を組み込むことである。混合したガス及び液体の組み合わせは、所望のサイズよりも大きい粒子を含み得る。この混合物を、処理空間の中へ解放する前に膨張チャンバ内に留まらせることを可能にすることは、より大きい粒子が混合物から沈殿することを可能にする。ガス及び液体の混合物が衝突する構造はまた、これらのより大きい粒子の収集を支援して、解放されるべき所望される大部分の小さいサイズの粒子だけを残し得る。膨張チャンバは、処理される空間内の大気圧に対して正圧に維持され得るので、ガス及び液体の混合物が器具100から空間に放出される。代替的に、膨張チャンバは、概して、処理される空間の大気圧に維持され、チャンバを通るガス(例えば、空気)の流れは、ガス及び液体の混合物を器具100のカートリッジ102から、処理される空間の中へ移動させるための運動力を提供し得る。
【0014】
本開示の文脈の範囲内では、拡散又はエアロゾル化はまた、概して、液体化合物の完全性を損なわずに液体を分散させるプロセス又は方法を指す。ガス(例えば、空気)と液体との間には、ある程度の反応性が所望され得るが、拡散は、概して、液体を拡散させるための液体の加熱又は液体への電気エネルギーの印加とは異なり、液体の性質を変化させない。
【0015】
本明細書で説明される空気処理器具100、交換可能カートリッジ102、及び他の構成要素、並びに方法は、部屋の空間又は他の略閉鎖空間の中へ心地よい又は鎮静させる芳香(又は浮遊処理物又は化合物として使用され得るいくつかの他のタイプの液体)を提供又は導入するために使用され得る。拡散装置によって分配される特定の液体120は、交換可能カートリッジ102内に含まれる。分散され得る他の可能なタイプの液体としては、除染剤、及び望ましくは密閉空間内に分散され得る多くの異なるタイプの液体が挙げられ得る。本開示は、特定のタイプ又は性質の分散させる液体120に限定されるものではなく、好ましくは効果的であるように密閉空間内に分散させる任意の所望の浮遊液体処理を包含することが意図される。密閉空間という用語は、本明細書で使用される場合、分散した液体が空間内で所望の効果を発揮することを可能にするように大気の入れ替わりが十分に遅い、任意の空間体積を指す。いくつかの空間は、1つ以上の開口部を有し得、それでも、拡散させる液体による処理を可能にするための所望の特性を有し得る。他の空間は、好ましくは、選択された液体による処理を可能にするために完全に密閉され得る。他の場合では、処理に使用される液体は、好ましくは、効果を最大にするために、又は安全上の理由で、封止空間において使用され得る。本開示の範囲内では、空間を処理するために使用される液体、及び空間内に所望される処理の性質に適切であり得る場合を除いて、処理される空間の性質、サイズ、又は構成を限定することは意図されない。しかしながら、本明細書に記載される実施形態は、完全に閉鎖され得るか、又はいくつかの事例では、1つ以上の開口窓又はドアなどの1つ以上の開口部を有し得る、建物の部屋(例えば、住宅の部屋)の内部空間を処理するのに特に良く適している。
【0016】
図4を参照すると、例示される実施形態によれば、制御システム128(1つ以上のプリント回路基板、PCB、129a、129bを含む)が提供されており、これは、使用中に、設置されたカートリッジ102に向けられてそこを通過する、ポンプアセンブリ122によって生成された加圧空気のタイミング、流量、及び/又は圧力レベルの調節を可能にするように、かつ本明細書に記載される他の機能を提供するように構成されている。いくつかの事例では、動作圧力は、例えば、約2psiゲージ圧又は約1.5psiゲージ圧未満など、比較的低くなり得る。カートリッジ102内では、加圧空気は、その中に含まれる液体120を噴霧化するのを、及び噴霧化液体を、処理される空間の中へ分散させるのを支援することを目的とする。
【0017】
いくつかの事例では、液体の実際の噴霧点からの間接的なルートと、噴霧粒子が中を通ってカートリッジ102を出るカートリッジ出口132と、を有することが望ましくなり得る。他の場所でより詳細に説明されるように、本明細書に記載される交換可能カートリッジ102の実施形態は、カートリッジ102からの液体120と加圧空気とが合流して混合される噴霧ゾーンを提供する。加えて、カートリッジ102はまた、カートリッジ102内に1つ又は複数の膨張チャンバも提供し得、膨張チャンバには、ホスト機器100に装填されたカートリッジ102から噴霧液体の一部分が出ることが可能になるまで、噴霧液体が保持される。他の場所でより詳細に説明されるように、カートリッジ102は、拡散される液体120の貯蔵と、液体120を浮遊濃度に変換するための噴霧構造と、1つ又は複数の膨張チャンバと、任意選択で、カートリッジ102の出口132に向かう蛇行した経路又は通路と、を組み合わせ得る。
【0018】
図1図4を参照すると、空気処理器具100の1つの例示的な実施形態が例示されており、その中でカートリッジ102を受容するように構成された器具ハウジング101を含む。上で論じたように、器具100は、カートリッジ102に含まれる液体120からの液体粒子を同伴する、カートリッジ102を通って移動する空気の流れによって生成された拡散又はエアロゾル化化合物で空間を処理するように構成されている。この目的のために、器具100は、例えばユーザ操作可能なスイッチ又はボタン107などの、1つ以上の制御部を含み得、これは、器具100の電源を投入するための及び電源を遮断するための電源オン/オフ制御部として、並びに周囲環境に放出された物質の強度又は量を調節するための強度制御部として作用し得る。器具100は、別のユーザ操作可能なスイッチ又はボタン108を含み得、これは、器具100の照明装置109(図3及び図4)をオン及びオフにするためのオン/オフ制御部として、並びに/又は器具100から周囲環境内へ放射される光の強度若しくは他の特性(例えば、色)を調節するための強度制御部として作用し得る。1つ以上の制御部はまた、本明細書に記載される追加の機能を提供するために明暗環境を認識するように器具100を較正するためのユーザインターフェースも提供し得る。本明細書の他の場所でより詳細に説明されるように、器具100は、ハウジング101に装着された光検出器110を更に含み得、プラグイン液体拡散器具100は、光検出器110によって生成された信号を使用して制御されるように構成されている。照明装置109はまた、光検出器110が、周囲環境が暗いことを感知したときに照明するように照明装置109を制御すること、又は光検出器110が、周囲環境が明るいことを感知したときに照明装置109をオフにするように制御すること、などによって、光検出器110によって生成された信号を使用しても制御され得る。いくつかの事例では、光検出器110は、ハウジング101の頂部又はハウジング101の他の上向き部分に装着され得るが、所望に応じて、光検出器110が他の位置、例えば、器具100の側面又は底部)に位置付けられ得ることも想到される。器具100は、例えば器具100が動作する強度レベルなどの、動作フィードバック信号を提供するための、1つ以上のインジケータ111(例えば、LED)を更に含み得る。
【0019】
図1図6を参照すると、器具100は、電源プラグ125(例えば、交流電流電源プラグ)を更に含み得、これは、壁の電気コンセント10において使用するために、及びAC主電源112(図8)などの電力供給源に器具100を接続するために、設置されるときにハウジング101から直接突出して、片持ち様式でプラグイン液体拡散器具100を支持する。図2及び図3は、特に、壁の電気コンセント10に差し込まれて、器具100の全重量が電源プラグ125によって支持される、器具100を示す。図1及び図4に示されるように、電源プラグ125は、電源プラグ125の接点が、使用するためにハウジング101内で受容されたときに、ハウジング101及び交換可能カートリッジ102に対して不動状態で、ハウジング101に堅固に結合されて、そこから突出し得る。他の実施形態では、電源プラグ125は、電源プラグ125をハウジング101から展開させること、又は少なくとも部分的にハウジング101内に格納することを可能にするように、ハウジング101に回転可能又は枢動可能に結合され得る。いくつかの事例では、器具100は、電源プラグ125が格納された又は部分的に格納された構成で壁の電気コンセント10から離れた、自立型の装置として使用され得ることが想到される。そのような事例では、器具100は、ユニットに給電して本明細書に記載される他の機能を提供する、オンボード電源(例えば、バッテリ)を含み得る。オンボード電源は、例えば、充電式バッテリであり得る。
【0020】
図4に示されるように、ハウジング101は、ハウジング101を形成するために一緒に組み合わせられる、複数のハウジング構成要素101a、101b、101cを含み得る。例示される実施形態のハウジング構成要素101a、101b、101cは、例えば、カートリッジ102を受容するための内部ハウジングフレームワーク101cによって画定されたカートリッジ受容空洞105につながるカートリッジ入口103を含む、上部ハウジング構成要素101aを含む。上部ハウジング構成要素101aは、主プリント回路基板(PCB)129aを含む制御システム128の少なくとも一部分を更に支持し、これは、とりわけ、使用中に、設置されたカートリッジ102に向けられてそこを通過する、ポンプアセンブリ122によって生成された加圧空気のタイミング、流量、及び/又は圧力レベルの調節を可能にするように構成されている。かかる調節は、無線ユーザインターフェース制御部又は上で論じたユーザ操作可能な制御部を介して提供され得る。例示される実施形態のハウジング構成要素101a、101b、101cは、器具100の外部プロファイルのかなりの部分を画定し、器具100の様々な機能構成要素を収容する、下部ハウジング構成要素101bを更に含む。例えば、下部ハウジング構成要素101bは、内部ハウジングフレームワーク101cを収容して支持し、これが次にポンプ122を支持し、このポンプは、動作中に、ガス供給導管124及びガス供給導管124の端部に提供されたステム126を介して、カートリッジ102に空気の流れを供給するように構成されている。ステム126は、内部ハウジングフレームワーク101cのカートリッジ収容空洞105内で支持されて、装填したカートリッジ102の底端部において挿入可能に受容されるようにサイズ設定及び形状設定されている。
【0021】
図5を参照すると、電源プラグ125は、締結具及び/又は他の既知の締結構造によってハウジング101に結合され得る電源プレートアセンブリ127の一部として提供され得る。電源プレートアセンブリ127は、電力制御電子部品を備え、かつ主プリント回路基板(PCB)129aに通信可能に結合されて器具100の全体的な制御システム128の一部を形成する、補助プリント回路基板(PCB)129bを含み得る。補助プリント回路基板(PCB)129bはまた、照明素子(例えば、LED)150も支持し得、この照明素子は、導光部151と連動して動作して本明細書に記載される照明機能に関連して器具100から光を放射するための、上述した照明装置109を形成するように構成される。有利には、電源プレートアセンブリ127には、世界中の様々な国の規格を満たすために、異なる形態の既知の電源プラグ接点装置を提供することができる。図6は、例えば、世界中の異なる国の異なる接点装置を有する様々な電源プレートアセンブリを例示する。このようにして、器具100は、世界中で使用するように容易に適合させることができる。
【0022】
図7は、図1に例示されるカートリッジ102と実質的に同様であり、エアロゾル化される液体120の供給源を提供するために器具100内で挿入可能に受容され得る、カートリッジ102’に関する更なる詳細を示す。図7を参照すると、交換可能カートリッジ102’は、拡散される液体120が部分的に充填された内部キャビティ135を有する流体レセプタクルを画定するように一緒に結合された複数のハウジング部分を備える、カートリッジハウジング134を含み得る。例えば、図7に示されるカートリッジ102’の例示的な実施形態によれば、カートリッジハウジング134は、エアロゾル化される液体120のレセプタクルの少なくとも一部分を画定する内部ハウジング本体136と、使用中にエアロゾル化物質が中を通して放出されるカートリッジ出口132を含む、上部ハウジングキャップ137と、少なくとも内部ハウジング本体136の下部分を取り囲む外部ケーシング138と、を含む。いくつかの事例では、ハウジング部分、例えば、内部ハウジング本体136及び上部ハウジングキャップ137のうちの少なくともいくつかは、カートリッジ102’の非破壊的な分解を防止して、効果的に改竄を防止するように一緒に固定的に結合され得る。これは、前の使用によるカートリッジ102’内の残留物の付着又は蓄積により、空間の処理の効果がなくなり得るか、又は有効性が低くなり得る使用済みカートリッジをユーザが再充填して、再使用するのを防止するために所望され得る。
【0023】
一例として、図7を参照すると、内部ハウジング本体136及び上部ハウジングキャップ137には、カートリッジハウジング134の非破壊的な分解を防止する様式で一緒にスナップ留め又は別様に結合するインターロック構造が提供され得る。カートリッジハウジング134が組み立てられるときに液密シールを提供するために、インターロック構造の近くの内部ハウジング本体136と上部ハウジングキャップ137との間にOリングシール又は他のシールなどのシールが提供され得る。このようにして、拡散される液体120が、内部ハウジング本体136と上部ハウジングキャップ137との間のインターフェースにおいてカートリッジハウジング134から漏出することが防止され得る。液体120を使い切った時点で、カートリッジ102’は、ホスト機器100を取り囲む環境の継続的な処理のために、容易に取り外して同じカートリッジ102’と交換され得、使い切ったカートリッジ102’は、そのままのユニットとして破棄され得るか、又は修復目的で収集され得る。
【0024】
図7を引き続き参照すると、内部ハウジング本体136及び外部ケーシング138には、閾値抵抗力に打ち勝つまで、外部ケーシング138を内部ハウジング本体136から分解するのを防止する様式で一緒に結合するインターロック構造が提供され得、閾値抵抗力を超えると、外部ケーシング138が、内部ハウジング本体136から取り外され得る。他の事例では、インターロック構造は、カートリッジ102’の改竄を防止するのを更に支援するために、カートリッジ102’の残部から外部ケーシング138を非破壊的に分解するのを防止し得る。
【0025】
図7に示される交換可能カートリッジ102’の例示的な実施形態によれば、内部ハウジング本体136は透明又は半透明であり得、外部ケーシング138は不透明であり得、外部ケーシング138には、透明又は半透明の内部ハウジング本体136の露出部分141を通してエアロゾル化される液体120のレベルLを見ることができる窓139が提供され得る。有利には、外部ケーシング138の窓139は、液体120が満杯レベルと空レベルとの間に移行するときに内部ハウジング本体136の液体120の液体レベルLを観察するのに十分なサイズ及び形状を有し得る。このようにして、ユーザは、所望に応じて器具100からカートリッジ102’を取り出して、その中の液体120のレベルを確認することができる。
【0026】
例示的なカートリッジ102’のカートリッジハウジング134は、液体レベル視認窓139を含むが、いくつかの実施形態では、交換可能カートリッジは、かかる窓139を伴わずに提供され得る。加えて、例えば図1のカートリッジ102に示されるように、外部ケーシング138は、完全に省略され得る。外部ケーシング138は、提供された場合に、内部ハウジング本体136と密に入れ子になる形状を有し得る。例えば、外部ケーシング138及び内部ハウジング本体136は各々、同心状に整列して二重層又は二重壁のレセプタクルを形成する、実質的に円筒形形状を有し得る。
【0027】
図7を引き続き参照すると、内部ハウジング本体136、上部ハウジングキャップ137、及び外側ケース138は、一緒に固定的に結合されて、カートリッジハウジング134を画定し得る。カートリッジ入口131は、動作中にガス(例えば、空気)の流れを受容するために、内部ハウジング本体136の底端部に提供され得、カートリッジ出口132は、動作中にカートリッジ102’によって生成された拡散液体を放出するために、上部ハウジングキャップ137に提供され得る。カートリッジ入口131及びカートリッジ出口132は、カートリッジハウジング134によって画定された中心軸Aに沿って整列され得る。カートリッジハウジング134は、中心軸Aの周りに略回転対称であり得る。例えば、図7に示されるように、カートリッジハウジング134は、中心軸Aの周りに回転対称であるマッシュルーム状の又は拡がった頂端部を有する、円筒状又は同様のレセプタクルに類似し得る。他の事例では、カートリッジハウジング134は、非対称的に形状設定され得、カートリッジ入口131及びカートリッジ出口132は、共通軸Aに沿って垂直に整列されない場合がある。キャップ104又はプラグ106はそれぞれ、保管中、輸送中などに、カートリッジ入口131及びカートリッジ出口132を一時的に閉じて、カートリッジ102’の付着若しくは汚染、又はその中に含まれる液体120の起こり得る漏出を防止するために提供され得る。
【0028】
ここで、カートリッジ102’の内部構成要素及び構造並びに関連する機能を、図7を引き続き参照しながら説明するが、そのうちのいくつかは、概して、米国特許第9,248,461号、同第9,162,004号、及び同第10,086,340号に開示される同様の特徴及び機能に従っており、これらの特許は、全体として参照により組み込まれる。図7に示されるカートリッジ102’の例示される実施形態によれば、内部構成要素及び構造は、とりわけ、130a~130hと表記された矢印によって表されるように、カートリッジ入口131からカートリッジ出口132へとカートリッジ102’を通る流路を提供する。ホスト拡散器具100に設置されると、カートリッジ入口131が加圧ガス121の供給源(例えば、図4のポンプ122)に結合され、よって、ガス(例えば、空気)が、概して130a~130hと表記された矢印によって表されるように、カートリッジ102’を通して定期的に押し出されて、液体120と組み合わせられて、本明細書では概して拡散液体又はエアロゾル化物質と称されるガスによって担持された特に小さい液体粒子を含むガス-液体混合物として出得る。実施形態の説明を不必要に不明瞭にすることを避けるために、例示的なポンプ122の詳細は、本明細書に図示又は説明されていない。しかしながら、ポンプ122は、多種多様な異なるフォームファクタで提供され得ることが認識されるであろう。
【0029】
図7に示されるように、加圧ガスは、ハウジング134の底端部のカートリッジ入口131を通ってカートリッジ102’に進入し、次いで、保持された液体120を移動するガスストリーム内へ吸気導管119を通して引き込むためのベンチュリ装置142を含むハウジング134内に提供された拡散ヘッド140を通って流れ、その後に、ガス-液体混合物が、カートリッジ挿入物170を通って移動して、その後に、カートリッジ出口132を通ってカートリッジ102’を出る。より具体的には、加圧ガスは、130aで表記される矢印によって表されるように、ハウジング134の底端部のカートリッジ入口131を通ってカートリッジ102’に進入し、次いで、130bで表記される矢印によって表されるように、内部ハウジング本体136の一部分によって画定されたガス供給導管152を通って上向きに流れる。次いで、ガスが、130cで表記される矢印によって表されるように、吸気導管119を介して、ハウジング134の内部ハウジングキャビティ135内の流体リザーバから液体120を引き込むベンチュリ装置142を通って流れて、拡散ヘッド140の上部分146によって提供された膨張チャンバ148に放出される噴霧液体(本明細書では、拡散液体又はエアロゾル化物質とも称される)を含むガス-液体混合物を作成する。次いで、拡散液体が、ベンチュリ装置142の反対側に位置付けられた衝突構造又は表面181の方へ向けられ、そこでは、拡散液体の少なくとも一部が、衝突構造又は表面181に衝突してそこに収集され、流体リザーバ内の任意の残留する液体120に戻るようにルーティングされて、ベンチュリ装置142によってガスストリーム中へ再導入される。拡散液体の少なくとも他の一部は、130d及び130eで表記される矢印によって表されるように、方向転換されて拡散ヘッド140の隔壁部分156の周りを流れ落ちて、カートリッジ102’内の液体120の流体レベルLより上のカートリッジハウジング134の内部キャビティ135の一部分につながる拡散ヘッド140の通路158を通過する。そこから、拡散液体の一部が、ハウジング134の露出内面、又はカートリッジ102’の他の内部構造に収集されるか、又は別様にガス及び噴霧液体中に沈殿し、流体リザーバ内の液体120に再結合して、ベンチュリ装置142によってガスストリーム中へ再導入され得る。拡散液体の他の一部は、130fで表記される矢印によって表されるように、その入口172を介してカートリッジインサート170の中へ推進され得る。拡散液体は、インサート170の入口172から、130gで表記される矢印によって表されるように、蛇行通路(例えば、螺旋通路)に沿ってカートリッジインサート170を通って前進し、その後に、130hで表記される矢印によって表されるように、インサート170出口ゾーンを通過し、最後に、カートリッジ出口132を通過して、カートリッジ102’から放出される。膨張チャンバ148からカートリッジ出口132へと回旋上に進行させることで、拡散液体の液体粒子サイズの分布が精緻化され、よって、特に微細な粒子だけがカートリッジ102’からうまく放出され、比較的大きい粒子は、カートリッジ102’の内部構造及び構成要素のうちの1つ以上の表面に収集されるか、又は別様に、ガスから沈殿させて、ベンチュリ装置142を通過するガスストリームの中へ再導入させるために、液体リザーバ中の残留液体120と再結合される。
【0030】
図7に示される交換可能カートリッジの例示的な実施形態を引き続き参照すると、カートリッジ102’のカートリッジハウジング134及び内部構成要素が、ベンチュリ装置142の下流に複数の異なるチャンバを画定し得、そのチャンバを通って、拡散液体が順次的に進行し、その後に、カートリッジ102’から放出され、最終的に周囲環境に放出されることが認識されるであろう。より具体的には、拡散ヘッド140の上部分146及びインサート170の下部分が、ベンチュリ装置142の直上に主膨張チャンバ148を画定し得、二次チャンバが、拡散される液体120の流体レベルLより上のハウジング134の内部キャビティ135内の拡散ヘッド140及びインサート170の外部に提供され得、三次チャンバが、インサート170の蛇行通路176によって提供され得る。拡散ヘッド140の上部分146の通路又はアパーチャ158は、主膨張チャンバ148と二次チャンバとの間の流体連通を提供する。拡散ヘッド140の上部分146はまた、ベンチュリ装置142によって生成された拡散液体が複数の通路又はアパーチャ158を通らずに主膨張チャンバ148を出るのを妨げる、隔壁又は隔壁部分156も画定する。インサート170の入口172は、二次チャンバと三次チャンバとの間(すなわち、蛇行通路176)の流体連通を提供する。拡散液体がカートリッジ102’を出るための唯一の通路を提供する1つの入口172及び1つの蛇行通路176だけが示されているが、カートリッジ102の出口132につながる1つ以上の蛇行通路に拡散液体が進入することを可能にするように、複数の入口172が提供され得ることが認識される。ガスケット174は、インサート170の上端部と上部ハウジングキャップ137との間に位置決めされ得、ガスケット174は、蛇行通路176を覆うカバーを形成する。
【0031】
上で説明した異なるチャンバ(すなわち、主膨張チャンバ、二次チャンバ、及び三次チャンバ)は、動作中に拡散液体が順次的にチャンバを通って移動するときに、最も微細な液体粒子だけを含むように、拡散液体の組成物を精緻化するのを集合的に支援し得る。例えば、不所望に大きい液体粒子又は液滴が、混合物から沈殿するか、又は別様に分離して、後の噴霧及び分散のためにハウジング134の内部キャビティ135内の液体リザーバに戻ることを可能にするために、ガス-液体混合物がカートリッジ102’から出るまでに、異なるチャンバの各々にはいくらかの滞留時間が存在している。このようにして、リムーバブルカートリッジ102’及びその構成要素は、液体拡散器具100のためのカートリッジの解決策を提供し得、これは、極めて小さい液体粒子を有する拡散液体で空間を処理する際に特に効果的である効率的なフォームファクタを有する。
【0032】
図7を引き続き参照すると、例えば連続気泡発泡体プラグなどの液体保持装置153は、ベンチュリ装置142をガス供給導管152の中へ下向きに通過し得る液体120を保持するように、ベンチュリ装置142に隣接したガス供給導管152内に位置決めされ得る。これは、液体120が吸気導管119を通ってベンチュリ装置142の中へ移動し、不所望にガス供給導管152の中へ移動し得るので、輸送中に起こり得る。加えて、これは、カートリッジ102’を通る空気の流れが止まったときに起こり得、その結果、膨張チャンバ148の中へ吐出された液体の一部がベンチュリ装置142へと後退してそこを通過し得る。液体保持装置153は、ガス供給導管152の中へ不所望に入る液体120を収集して、カートリッジ102’が再度使用されるまで液体120をその中に保持し得、その時に、カートリッジ102’を通って流れる空気が、液体保持装置153から液体120を除去し得る。
【0033】
図7を引き続き参照すると、交換可能カートリッジ102’は、カートリッジハウジング134に結合された集積回路180を更に備え得、集積回路は、交換可能カートリッジ102と関連付けられたカートリッジデータを記憶するためのメモリを含む。カートリッジデータとしては、例えば、カートリッジ102’に格納された液体120のタイプ、カートリッジに格納された液体120の量、カートリッジ102’を認証するためのカートリッジ識別子、及び/又は他のデータが挙げられ得る。液体120の量は、直接的若しくは間接的に測定され得るか、又は別様に使用履歴データ又は他の技術によって推定され得る。例えば、ホスト機器100及び特定のカートリッジ102’の動作と関連付けられた期間及び強度履歴データが記録され、カートリッジ102’内に残っている液体120の量を推定するために使用され得る。
【0034】
図7に示されるように、集積回路180は、カートリッジプリント回路基板(PCB)182に埋め込まれ得るか、又は別様に結合され得る。カートリッジPCB182は、例えば接着又は他の接合技術又は装置などによって、カートリッジハウジング134に結合され得る。図7に示されるカートリッジ102’の例示的な実施形態によれば、カートリッジPCB182は、カートリッジハウジング134の底端部に位置付けられており、また、カートリッジハウジング134の底端部と入れ子になった環状形状を有する。カートリッジPCB182は、集積回路180と電気通信して、電気的インターフェース184と接触する外部システムによるカートリッジデータの取り出しを可能にするための電気的インターフェース184を更に備える。
【0035】
繰り返すと、本発明の実施形態による空気処理器具100は、カートリッジ出口132を通してエアロゾル化又は放出される液体120を含む交換可能カートリッジ102、102’と、交換可能カートリッジ102、102’に空気を供給して、液体120からエアロゾル化化合物を生成するために交換可能カートリッジ102、102’に動作可能に結合されたポンプ122と、交換可能カートリッジ102、102’に空気を供給してエアロゾル化化合物を生成して、カートリッジ出口132からエアロゾル化化合物を放出するようにポンプ122を制御するための、ポンプ122に動作可能に結合された制御システム128と、交換可能カートリッジ102、102’、ポンプ122、及び制御システム128をその中に収容する器具ハウジング101と、を含む。
【0036】
図8は、例えば図1図4を参照して上で説明した空気処理器具100の例示的な実施形態などの空気処理器具と、図1図3及び図7に示される交換可能カートリッジ102、102’などの、器具100に設置可能であり、エアロゾル化物質として放出される液体を含む交換可能カートリッジと、を備える、1つの例示的な実施形態による、空気処理システム200のシステム図を提供する。図8の検討から認識することができるように、器具100は、制御システム128を含み得、これは、器具100の物理的ユーザインターフェース(例えば、ユーザ操作可能なスイッチ又はボタン107、108)及び/又はアプリケーションインターフェース202から、器具100を遠隔で制御するためにスマートフォン又は他のコンピューティング装置を介して提供され得る1つ以上の制御入力を受信するように構成されている。制御システム128は、カートリッジ102に含まれる液体から周囲環境に放出するためのエアロゾル化物質を生成するために、カートリッジ102を通る空気の流れを供給するための空気源(例えば、ポンプ122)に動作可能に結合されている。いくつかの事例では、カートリッジ102は、カートリッジ情報を記憶して、拡張機能を提供するようにカートリッジ102と制御システム128との間で情報伝達することを可能にするためのカートリッジPCB及び関連する集積回路を含み得る。いくつかの特に有利な実施形態では、カートリッジ情報は、制御システム128によって取得され、スマートフォンなどの1つ又は複数の遠隔装置に送信されて、器具100のカートリッジ102及び/又は制御システム128によって記憶された情報に少なくとも部分的に基づいて、器具100のユーザに様々な表示、アラート、又は他の情報を表示し得る。他の事例では、カートリッジ102は、かかるカートリッジPCB及び関連する機能が欠如している場合がある。
【0037】
本明細書で開示される空気処理器具100、交換可能カートリッジ102、及びその構成要素は、カートリッジ102を通る空気の流れを提供するように、オンボード空気源(例えば、ポンプ122)の圧力、流速、及び/又は動作のタイミングを変化させるための、制御システム128を介した動作制御を含み得ることに留意され得る。制御システム128を使用して器具100によって拡散又はエアロゾル化される液体の量及びそれに対応する空間を処理する程度を変化させることに加えて、制御システム128は、他の機能を提供するために使用され得る。例えば、制御システム128は、光検出器110及び照明装置109と併せて使用して、芳香又は他の空気処理機能に加えて「常夜灯」機能を提供するための本明細書に記載される照明機能を提供し得る。
【0038】
別の例として、制御システム128はまた、器具100又はカートリッジ102の運動及び/又は配向を検出するために、及び器具100又はカートリッジ102が直立していない又は実質的に直立していない場合に器具100の動作を無効にするなどの、同じことを考慮した拡張機能を提供するために、1つ以上の加速度計又は他のセンサ(例えば、傾斜センサ)とも通信し得る。
【0039】
本明細書に記載される実施形態に関して、様々な関連する方法が提供され得ることも認識されるであろう。例えば、例えば図1の器具100などのプロセッサベースの電子液体拡散装置によって実施される、1つの例示的な方法は、プラグイン液体拡散器具100の電源プラグ125を壁の電気コンセント10に差し込むことであって、電源プラグ125が、プラグイン液体拡散器具100のハウジング100から直接突出して、片持ち様式でプラグイン液体拡散器具100を支持する、差し込むことと、ハウジング101のカートリッジポート103を通して交換可能カートリッジ102をハウジングに挿入することであって、交換可能カートリッジ102が、エアロゾル化される液体120を少なくとも部分的に充填した内部キャビティと、液体120からエアロゾル化物質を生成するための内部キャビティ内のベンチュリ装置142と、を含む、挿入することと、を含むものとして要約され得る。
【0040】
本方法は、光検出器110によって生成された信号を使用して、ベンチュリ装置142の動作を制御することを更に含み得る。例えば、ベンチュリ装置142の動作を制御することは、光検出器110によって生成された信号が、光検出器110が明環境内に位置付けられていることを示した場合に(例えば、器具100が設置された部屋が、部屋自体の自然光及び/又は照明器具によって照明された場合に)、ベンチュリ装置142の動作を開始させることを含み得る。ベンチュリ装置142の動作を開始させることは、光検出器110によって生成された信号が、光検出器110が明環境内に位置付けられていることを示した所定の時間量の後に、ベンチュリ装置142の動作を開始させることを含み得る。所定の時間量は、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100分などの、1分~100分であり得る。例示的な一実施形態では、所定の時間量は、30分である。別の例として、ベンチュリ装置142の動作を制御することは、光検出器110によって生成された信号が、光検出器が暗環境内に位置付けられていることを示した場合に(例えば、器具100が設置された部屋が部屋自体の自然光及び/又は照明器具によって照明されていないか、又は最小限にしか照明されていないときに)、ベンチュリ装置142の動作を停止させることを含み得る。ベンチュリ装置142の動作を停止させることは、光検出器110によって生成された信号が、光検出器110が暗環境内に位置付けられていることを示した所定の時間量の後に、ベンチュリ装置142の動作を停止させることを含み得る。所定の時間量は、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100分などの、1分~100分であり得る。例示的な一実施形態では、所定の時間量は、30分である。このようにして、器具100は、光感知モードで動作して、ユーザによって必要とされる更なる相互作用を伴わずに、器具の連続的な動作を可能にし得る。器具100は、(光検出器110によって測定されたときに)暗環境にある場合には停止状態に維持され得、逆に、(光検出器110によって測定されたときに)明環境にある場合には起動状態-いわゆる「光起動モード」-に維持され得る。起動状態は、1つ以上のデューティサイクル又は他の分配プログラムに従って、器具100が芳香(又は、他の空気処理)化合物を放出している期間、及び器具が芳香(又は、他の空気処理)化合物を放出していない期間によって特徴付けられ得る。他の事例では、器具100は、芳香(又は、他の空気処理)化合物の放出を制御するためにユーザ制御部107を手動で押下すること、又は器具100を遠隔で制御するためにアプリケーションインターフェースと相互作用すること、などの手動モードで動作され得る。
【0041】
本方法は、明環境及び暗環境を検出するように光検出器110を較正することを更に含み得る。本方法は、例えば、ハウジング101に装着された1つ以上の制御部を介して、光検出器110が第1の周囲光の量(すなわち、暗環境レベル)を有する暗環境内に位置付けられていることを示す第1の入力をユーザから受信することと、ハウジング101に装着された1つ以上の制御部から、光検出器110が第1の周囲光の量(すなわち、明環境レベル)よりも多い第2の周囲光の量を有する明環境内に位置付けられていることを示す第2の入力を受信することと、を含み得る。これらの周囲光の量又はレベルは、器具100を制御する又は動作させる際に使用するために、メモリに記憶され得る。このようにして、ユーザは、暗環境を認識するように、かつ明環境を認識するように器具100をプログラムし得る。較正は、器具が使用される特定の場所又は部屋の中で行われ得、よって、ユーザは、器具が使用される場所又は部屋に固有の又は典型的な暗環境を認識するように、かつ器具が使用される場所又は部屋に固有の又は典型的な明環境を認識するように、器具100をプログラムし得る。いくつかの事例では、較正は、暗地点を設定するために所定の時間量にわたって図1に示される「-」及び「
【数1】
」制御部107、108を組み合わせて押圧すること、及び明地点を設定するために所定の時間量にわたって図1に示される「+」及び「
【数2】
」制御部107、108を組み合わせて押圧することなどの、ユーザ制御部を組み合わせて押圧することによって、ユーザによって実行され得る。
【0042】
ベンチュリ装置142の動作を制御することは、光検出器110によって生成された信号が、光検出器110が少なくとも所定の量の暗環境レベルと明環境レベルとの差(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、95%)だけ、暗環境レベルよりも多い周囲光の量を有する環境内に位置付けられていることを示した場合に、ベンチュリ装置142の動作を開始させることを更に含み得る。例えば、ベンチュリ装置142の動作は、光検出器110によって生成された信号が、光検出器110が暗環境レベルと明環境レベルとの差の少なくとも25%だけ、暗環境レベルよりも多い周囲光の量を有する環境内に位置付けられていることを示した場合に開始され得る。この「トリガー点」は、ユーザによって調節可能であり得るか、又は製造業者によって予め決定されて設定され得る。
【0043】
同様に、ベンチュリ装置142の動作を制御することは、光検出器110によって生成された信号が、光検出器110が少なくとも所定の量の暗環境レベルと明環境レベルとの差(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、95%)だけ、明環境レベルよりも少ない周囲光の量を有する環境内に位置付けられていることを示した場合に、ベンチュリ装置142の動作を停止させることを更に含み得る。例えば、ベンチュリ装置142の動作は、光検出器110によって生成された信号が、光検出器110が暗環境レベルと明環境レベルとの差の少なくとも75%だけ、明環境レベルよりも少ない周囲光の量を有する環境内に位置付けられていることを示した場合に終了され得る。同様に、この「トリガー点」はユーザによって調節可能であり得るか、又は製造業者によって予め決定されて設定され得る。
【0044】
本方法は、プラグイン液体拡散器具100の配向を測定するように構成された1つ以上の加速度計又は他のセンサ、例えば、傾斜センサが、プラグイン液体拡散器具100が直立していない又は実質的に直立していないことを検出した場合に、プラグイン液体拡散器具100の動作を中止させることを更に含み得る。かかる機能は、電源プラグ125が展開可能な様式でハウジング101に回転可能又は枢動可能に結合され、したがって、ハウジング100に対する角度配向を変化させることができる実施形態において、及び/又は器具100が卓上構成又は独立構成で使用されるように構成され得る実施形態において特に有利であり得る。このようにして、器具100は、器具100が直立していない又は実質的に直立していない場合には使用できない。
【0045】
当業者には、本開示を詳細に検討することにより、プラグイン液体拡散器具100を動作させる又は制御する他の方法、又はその態様が認識されるであろう。
【0046】
再度、様々な開示される実施形態に関する完全な理解を提供するために、特定の具体的な詳細が記載されるが、当業者は、実施形態がこれらの具体的な詳細のうちの1つ以上を伴わずに実践され得ることを認識するであろう。更に、上で説明した様々な実施形態の態様及び特徴を組み合わせて、更なる実施形態を提供することができる。本明細書に記載される米国特許の全てが、全体として参照により本明細書に組み込まれる。必要に応じて、様々な特許の特徴、構造、機能、又は概念を採用して、更なる実施形態を提供するために、実施形態の態様を修正することができる。
【0047】
2021年9月26日に出願された米国仮特許出願第63/248,515号、及び2021年9月27日に出願された米国特許出願第17/486,788号は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0048】
上記の詳細な記載を考慮して、これら及び他の変更が実施形態に対して行われ得る。一般に、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は、特許請求の範囲を、明細書及び特許請求の範囲に開示される特定の実施形態に限定すると解釈されるべきではなく、そのような特許請求の範囲が権利を有する等価物の全範囲とともに、全ての可能な実施形態を含むと解釈されるべきである。
図1
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【国際調査報告】