(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】インプラントトライアルヘッド
(51)【国際特許分類】
A61F 2/36 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
A61F2/36
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024518711
(86)(22)【出願日】2022-10-13
(85)【翻訳文提出日】2024-03-25
(86)【国際出願番号】 US2022046539
(87)【国際公開番号】W WO2023069295
(87)【国際公開日】2023-04-27
(32)【優先日】2021-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519307827
【氏名又は名称】エンコア・メディカル・エル・ピー・(ディー/ビー/エー・ディージェーオー・サージカル)
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン・マイケル・ウィルズ
(72)【発明者】
【氏名】ヘザー・フェウェル
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA05
4C097BB01
4C097CC12
4C097SC01
4C097SC10
(57)【要約】
インプラントトライアルヘッドは、遠位端、外面の開口部を含む近位端、および、開口部からインプラントトライアルヘッド内に延在するキャビティを備えている。キャビティは、キャビティの内壁に非対称な溝であって、インプラントトライアルヘッドの長手方向軸に対して実質的に垂直に整列する非対称な溝と、非対称な溝の断面直径を含む。インプラントトライアルヘッドは、非対称の溝に位置するOリングを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外面と、
遠位端と、
前記外面に開口部を含む近位端と、
大腿骨ステムコンポーネントのテーパ部分を受容するように構成された、インプラントトライアルヘッドのキャビティであって、前記開口部からインプラントトライアルヘッドまで延在するキャビティと、
を備えているインプラントトライアルヘッドにおいて、
前記キャビティは、
遠位端および近位端を有する第1のキャビティ部分と、
遠位端および近位端を有する第2のキャビティ部分であって、前記第1のキャビティ部分と第2のキャビティ部分とが、前記大腿骨ステムコンポーネントのテーパ部分を受容するように構成されている、第2のキャビティ部分と、
遠位端、近位端、および、前記近位端と前記遠位端との間に画定された高さを有する第3のキャビティ部分であって、第3のキャビティ部分の近位端が前記第1のキャビティ部分の遠位端に隣接し、第3のキャビティ部分の遠位端が前記第2のキャビティ部分の近位端に隣接するように、前記第1のキャビティ部分と前記第2のキャビティ部分との間に位置し、第3のキャビティ部分の断面の直径が前記近位端から前記遠位端まで増加するように、前記近位端から前記遠位端まで外向きに先細りしている、第3のキャビティ部分と、
前記第3のキャビティ部分の内面に接触するように、前記第3のキャビティ部分内で横方向に位置するOリングであって、Oリングの直径が前記第3のキャビティ部分の高さよりも小さいことで、前記大腿骨ステムコンポーネントのテーパ部分が当該インプラントトライアルヘッド内に挿入されるにつれて、前記第3のキャビティ部分の近位端と前記第3のキャビティ部分の遠位端との間で移動可能である、Oリングと、
を含むキャビティ部分を画定する内面を備えている、インプラントトライアルヘッド。
【請求項2】
前記近位端から前記遠位端までの前記第3のキャビティ部分の高さが、約0.01インチから約0.3インチの間である、請求項1に記載のインプラントトライアルヘッド。
【請求項3】
前記近位端から前記遠位端までの前記第3のキャビティ部分の高さが、約0.125インチから約0.165インチの間である、請求項1に記載のインプラントトライアルヘッド。
【請求項4】
前記近位端から前記遠位端までの前記第3のキャビティ部分の高さが、約0.145インチプラスマイナス0.1インチである、請求項1に記載のインプラントトライアルヘッド。
【請求項5】
前記Oリングの直径が、約0.05インチから約0.3インチの間である、請求項1~4のいずれか一項に記載のインプラントトライアルヘッド。
【請求項6】
前記Oリングの直径が、約0.08インチから約0.13インチの間である、請求項1~4のいずれか一項に記載のインプラントトライアルヘッド。
【請求項7】
前記Oリングの直径が、約0.103インチプラスマイナス5%である、請求項1~4のいずれか一項に記載のインプラントトライアルヘッド。
【請求項8】
前記第3のキャビティ部分の内面は、当該インプラントトライアルヘッドの長手方向軸に対して約30度プラスマイナス5度の角度を有するテーパ壁を含み、前記テーパ壁は、前記第3のキャビティ部分の近位端から前記第3のキャビティ部分の遠位端に向かって延びるにつれて、前記長手方向軸から離れる方向に傾斜している、請求項1~7のいずれか一項に記載のインプラントトライアルヘッド。
【請求項9】
前記第3のキャビティ部分の内面は、当該インプラントトライアルヘッドの長手方向軸に対して約1度から60度の間の角度を有するテーパ壁を含み、前記テーパ壁は、前記第3のキャビティ部分の近位端から前記第3のキャビティ部分の遠位端に向かって延びるにつれて、前記長手方向軸から離れる方向に傾斜している、請求項1~7のいずれか一項に記載のインプラントトライアルヘッド。
【請求項10】
前記第3のキャビティ部分の内面は、当該インプラントトライアルヘッドの長手方向軸に対して約20度から40度の間の角度を有するテーパ壁を含み、前記テーパ壁は、前記第3のキャビティ部分の近位端から前記第3のキャビティ部分の遠位端に向かって延びるにつれて、前記長手方向軸から離れる方向に傾斜している、請求項1~7のいずれか一項に記載のインプラントトライアルヘッド。
【請求項11】
前記第3のキャビティ部分の内面は、当該インプラントトライアルヘッドの長手方向軸に対して角度を有するテーパ壁を含み、前記テーパ壁は、前記第3のキャビティ部分の近位端から前記第3のキャビティ部分の遠位端に向かって延びるにつれて、前記長手方向軸から離れる方向に傾斜することで、前記テーパ部分が当該インプラントトライアルヘッドに挿入されるときに、前記Oリングは、前記テーパ壁に接触し、前記第3のキャビティ部分の近位端から前記第3のキャビティ部分の遠位端に向かって前記テーパ壁に沿って移動が可能である、請求項1~7のいずれか一項に記載のインプラントトライアルヘッド。
【請求項12】
前記第3のキャビティ部分は、前記第3のキャビティ部分の遠位端上の湾曲した遠位面と、前記第3のキャビティ部分の近位端上の湾曲した近位面とを備え、前記テーパ壁は、前記湾曲した遠位面と前記湾曲した近位面との間に配置されている、請求項11に記載のインプラントトライアルヘッド。
【請求項13】
前記テーパ部分が、前記第1のキャビティ部分、前記第2のキャビティ部分、および前記第3のキャビティ部分を通って延在できるように、前記第1のキャビティ部分と前記第2のキャビティ部分とは、前記大腿骨ステムコンポーネントのテーパ部分を受容するための前記キャビティの受容部分を画定するように整列およびサイズ決めされた断面直径を有し、前記第3のキャビティ部分および前記Oリングは、前記Oリングが前記第3のキャビティ部分の近位端で外側に拡張できるよりも、前記第3のキャビティ部分の遠位端で外側にさらに拡張できるようなサイズである、請求項1~12のいずれか一項に記載のインプラントトライアルヘッド。
【請求項14】
外面と、
遠位端と、
前記外面に開口部を含む近位端と、
前記開口部からインプラントトライアルヘッドまで延在するキャビティと、
を備えているインプラントトライアルヘッドにおいて、
前記キャビティは、当該インプラントトライアルヘッドの近位端から遠位端まで延びる長手方向軸に対して実質的に垂直に整列した非対称の溝を備えている、インプラントトライアルヘッド。
【請求項15】
前記非対称の溝内に位置する直径を有するOリングをさらに備えている、請求項14に記載のインプラントトライアルヘッド。
【請求項16】
前記開口部から当該インプラントトライアルヘッド内に延在する前記キャビティは、第1のキャビティ部分、第2のキャビティ部分、および前記第1のキャビティ部分と前記第2のキャビティ部分との間に位置する第3のキャビティ部分をさらに備えている、請求項14または15に記載のインプラントトライアルヘッド。
【請求項17】
前記非対称の溝が前記第3のキャビティ部分内に位置している、請求項16に記載のインプラントトライアルヘッド。
【請求項18】
前記第3のキャビティ部分は、遠位端、近位端、および、前記近位端と前記遠位端との間に画定される高さをさらに備え、Oリングの直径が前記第3のキャビティ部分の高さよりも小さい、請求項16に記載のインプラントトライアルヘッド。
【請求項19】
前記キャビティは、前記キャビティの少なくとも一部の断面の直径を画定する円周方向の傾斜壁をさらに備え、断面が前記キャビティの長手方向軸に対して垂直に整列している、請求項14~18のいずれか一項に記載のインプラントトライアルヘッド。
【請求項20】
近位端における前記キャビティの非対称の溝の断面直径が、遠位端における前記キャビティの非対称の溝の断面直径よりも小さくなるように、前記傾斜壁が整列している、請求項19に記載のインプラントトライアルヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、キャビティを有するトライアルコンポーネントを、キャビティに挿入されたコンポーネントに一時的に結合することに関する。より具体的には、本開示は、トライアルヘッドを大腿骨ステムインプラントまたは大腿骨ステムのテーパ部分に機械的に結合するために、トライアルヘッド内部の非対称な溝およびOリングを使用して、トライアルヘッドを大腿骨ステムインプラントまたはトライアルコンポーネントに一時的に結合することに関する。
【背景技術】
【0002】
多くのインプラントシステムには、外科医が最終的なインプラントを選択する前に「フィットチェック」を行うために使用する1つまたは複数のトライアルヘッドが含まれる。トライアルヘッドは、外科医が最終的な大腿骨ステムコンポーネントを移植した後に使用される、大腿骨ステムインプラント上の精密なテーパに合わせてヘッドを組み立てる必要がある。「フィットチェック」中に、多数のトライアルヘッドが使用される場合がある。トライアルヘッドは精密なテーパ上に配置されており、摩擦により保持されるため不用意に外れることはない。しかしながら、トライアルヘッドは、テーパを損傷することなく簡単に取り外せなければならない。したがって、トライアルヘッドが、偶発的に外れないように摩擦によって保持されるとともに、テーパを損傷することなく容易に取り外せるように構成されることが有利である。
【発明の概要】
【0003】
本開示のデバイス、システム、および方法は、いくつかの特徴を有するが、その望ましい属性を単独で担うものではない。以下の特許請求の範囲によって表される本発明の範囲を限定することなく、特定の技術革新(イノベーション)について簡単に説明する。この議論および本明細書に提供される他のセクションを考慮すれば、本開示で説明されるトライアルヘッドの非対称な溝およびOリング構造の実施形態の特徴がどのようにいくつかの利点をもたらすかが理解されるであろう。
【0004】
1つの技術革新は、外面、遠位端、および近位端を備えたインプラントトライアルヘッドを含み、トライアルヘッドは、外面の開口部と、インプラントトライアルヘッドのキャビティとを含む。キャビティは、開口部からインプラントトライアルヘッド内に延在しており、キャビティは、大腿骨ステムインプラントまたは大腿骨ステムトライアルコンポーネントのテーパ部分を受容するように構成されている。キャビティは、キャビティのいくつかの部分を画定する内面を備える。いくつかの実施形態では、キャビティは、遠位端および近位端を有する第1のキャビティ部分と、遠位端および近位端を有する第2のキャビティ部分とを備え、第1のキャビティ部分および第2のキャビティ部分は、コンポーネントを受容するように構成されている。キャビティは、キャビティの内壁に形成された第3のキャビティ部分(そこは、「溝」とも呼ばれる)を含む。第3のキャビティ部分は非対称である。第3のキャビティ部分は、遠位端、近位端、および、近位端と遠位端との間に画定される高さを有し、第3のキャビティ部分の近位端が第1のキャビティ部分の遠位端に隣接し、第3のキャビティ部分の遠位端が第2のキャビティ部分の近位端に隣接するように、第3のキャビティ部分は、第1のキャビティ部分と第2のキャビティ部分との間に位置し、さらに、第3のキャビティ部分は、第3のキャビティ部分の断面の直径が近位端から遠位端まで増加するように、近位端から遠位端まで外向きに先細りしている。インプラントトライアルヘッドはさらに、第3のキャビティ部分の中央部分を周方向に取り囲み、第3のキャビティ部分の内面に接触するように、第3のキャビティ部分内で横方向に位置するOリングを備えている。第3のキャビティ部分の非対称性により、Oリングが遠位端に向かって付勢されているとき(例えば、テーパがキャビティに挿入されているとき)、Oリングが近位端に向かって付勢されているとき(例えば、キャビティ内のテーパを開口部に向かって移動させて、キャビティからテーパを除去するとき)と比較して、Oリングは横方向外側にさらに拡張可能である。
【0005】
Oリングの直径が第3のキャビティ部分の高さ(例えば、第3のキャビティ部分の近位端から第3のキャビティ部分の遠位端までの高さ)より小さくされ得ることで、大腿骨ステムのテーパ部分がトライアルヘッドに挿入されるにつれて、Oリングは第3のキャビティ部分の近位端と第3のキャビティ部分の遠位端との間で移動が可能である。すなわち、Oリングが位置するキャビティの高さにより、第3のキャビティ部分内でトライアルヘッドの長手方向軸に沿った方向へのOリングの移動が可能になる。いくつかの実施形態では、近位端から遠位端までの第3のキャビティ部分の高さは、約0.10インチから約0.20インチの間である。いくつかの実施形態では、近位端から遠位端までの第3のキャビティ部分の高さは、約0.125インチから約0.165インチの間である。いくつかの実施形態では、近位端から遠位端までの第3のキャビティ部分の高さは、約0.145インチプラスマイナス0.1インチである。
【0006】
いくつかの実施形態では、Oリングの直径は約0.05インチから約0.3インチの間である。いくつかの実施形態では、Oリングの直径は約0.08インチから約0.13インチの間である。いくつかの実施形態では、Oリングの直径は約0.103インチプラスマイナス5%である。
【0007】
トライアルヘッドの実施形態は、Oリングが配置される非対称の溝(またはキャビティ)を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、第3のキャビティ部分の内面は、インプラントトライアルヘッドの長手方向軸に対して約30度プラスマイナス5度の角度を有するテーパ壁を含み、テーパ壁は、第3のキャビティ部分の近位端から第3のキャビティ部分の遠位端に向かって延びるにつれて、長手方向軸から離れる方向に傾斜している。いくつかの実施形態では、第3のキャビティ部分の内面は、インプラントトライアルヘッドの長手方向軸に対して約5度から55度の間の角度を有するテーパ壁を含み、テーパ壁は、第3のキャビティ部分の近位端から第3のキャビティ部分の遠位端に向かって延びるにつれて、長手方向軸から離れる方向に傾斜している。いくつかの実施形態では、第3のキャビティ部分の内面は、インプラントトライアルヘッドの長手方向軸に対して約20度から40度の間の角度を有するテーパ壁を含み、テーパ壁は、第3のキャビティ部分の近位端から第3のキャビティ部分の遠位端に向かって延びるにつれて、長手方向軸から離れる方向に傾斜している。いくつかの実施形態では、第3のキャビティ部分の内面は、インプラントトライアルヘッドの長手方向軸に対して角度を有するテーパ壁を含み、テーパ壁は、第3のキャビティ部分の近位端から第3のキャビティ部分の遠位端に向かって延びるにつれて、長手方向軸から離れる方向に傾斜することで、テーパ部分がインプラントトライアルヘッドに挿入されるときに、Oリングは、テーパ壁に接触し、第3のキャビティ部分の近位端から第3のキャビティ部分の遠位端に向かってテーパ壁に沿って移動が可能である。
【0008】
いくつかの実施形態では、第3のキャビティ部分は湾曲した遠位面と湾曲した近位面とを備え、テーパ壁は湾曲した遠位面と湾曲した近位面との間に位置する。いくつかの実施形態では、第1のキャビティ部分および第2のキャビティ部分は、テーパ部分が第1のキャビティ部分、第2のキャビティ部分、および第3のキャビティ部分を通って延在できるように、テーパ部分を受容するためのキャビティの受容部分を画定するように整列およびサイズ決めされた断面直径を有し、第3のキャビティ部分およびOリングは、Oリングが受容部分内に延在するようなサイズであり、Oリングが第3のキャビティ部分の近位端に位置するときの第1の距離と、Oリングが第3のキャビティ部分の遠位端に位置するときの第2の距離とを含み、第1の距離は第2の距離よりも大きい。
【0009】
別の技術革新は、遠位端と、外面の開口部を含む近位端と、開口部からインプラントトライアルヘッド内に延在するキャビティとを備えたインプラントトライアルヘッドを含み、キャビティは、インプラントトライアルヘッドの近位端から遠位端まで延在する長手方向軸に対して実質的に垂直に整列した非対称の溝を備えている。いくつかの実施形態では、インプラントトライアルヘッドは、非対称の溝内に位置するOリングをさらに含む。いくつかの実施形態では、キャビティは、遠位端、近位端、および、近位端と遠位端との間に画定される高さをさらに備え、Oリングの直径が第3のキャビティの高さよりも小さい。いくつかの実施形態では、キャビティは、キャビティの断面を画定する周方向の傾斜壁をさらに含み、近位端におけるキャビティの断面の直径が遠位端におけるキャビティの断面の直径よりも小さくなるように、傾斜壁は整列している。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本明細書に記載されるデバイスおよび方法の特徴および利点は、添付の図面と併せて、以下の説明および添付された特許請求の範囲からより完全に明らかになるであろう。これらの図面は、本開示によるいくつかの実施形態のみを示しており、本開示の範囲を限定するとみなされるべきではない。図面では、文脈において別段の指示がない限り、同様の参照番号または符号は通常、同様の構成要素を識別している。場合によっては、図面は一定の縮尺で描かれていない場合がある。
【0011】
【
図1】大腿骨ステムコンポーネントのテーパ部分に結合されたインプラントトライアルヘッドの一例を示す。
【
図2】インプラントトライアルヘッドを大腿骨ステムコンポーネントのテーパ部分に結合するためのOリングを備えたインプラントトライアルヘッドの一例の斜視断面図である。
【
図3】インプラントトライアルヘッドの非対称キャビティ(または溝)の拡大断面図(
図5の一点鎖線で示された
図5の部分)であり、非対称キャビティは、例えば、大腿骨ステムコンポーネントのテーパ部分がインプラントトライアルヘッドに結合されるとき、Oリングがキャビティの近位部分からキャビティの遠位部分に移動するときにOリングの横方向の移動を可能にする角度面を含む。
【
図4】第1のキャビティ部分、第2のキャビティ部分、および第3のキャビティ部分を有し、第3のキャビティ部分は、第1のキャビティ部分と第2のキャビティ部分との間に位置し、第3のキャビティ部分は、その近位端からその遠位端まで延びるにつれて増加する断面直径を有するキャビティを有するインプラントトライアルヘッドの一例の断面立面図である。
【
図5】第3のキャビティ部分に配置されたOリングの断面図を含む、
図4のインプラントトライアルヘッドの断面立面図である。
【
図6】
図3および
図4に示されるインプラントトライアルヘッドの第3のキャビティ部分の一例の様々な寸法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の詳細な説明は、本発明のある特定の実施形態を対象とする。しかしながら、本発明は多くの異なる方法で具体化することができる。本明細書の態様は多種多様な形態で具体化することができ、本明細書に開示される特定の構造、機能、またはその両方は、単に本発明の1つまたは複数の実施形態を代表するものにすぎないことが明らかである。本明細書に開示される態様は、他の態様とは独立して実装することができ、これらの態様の2つ以上を様々な方法で組み合わせることができる。例えば、大腿骨ステムコンポーネントデバイスの一部に結合するインプラントトライアルヘッドの様々な態様および寸法が本明細書に記載されており、また、様々な方法で記載されており、部分および構造のこれらの態様および寸法(例えば、非対称の溝のサイズおよび形状、Oリングのサイズ)のいずれも、適切な組み合わせで使用することができ、したがって、本発明は、本明細書に記載された任意の数の態様を使用して実施され得る。さらに、本明細書に記載される1つ以上の態様に加えて、或いは、それ以外の他の構造、機能、または構造および機能を使用して、開示されたデバイスが実装され得るか、またはそのような方法が実践され得る。
【0013】
外科医がトライアルヘッドを使用して、最終的なインプラントを選択する前に「フィットチェック」が実施され得る。トライアルヘッドは、外科医が最終の大腿骨ステムコンポーネントを移植した後に使用されるため、トライアルヘッドは大腿骨ステムインプラント上の精密なテーパに合わせて組み立てる必要がある。外科医はトライアルヘッドをトライアル大腿骨ステムコンポーネント上で使用することができるので、トライアルヘッドは、最終の大腿骨ステムコンポーネントを移植する前に使用され得る。
【0014】
大腿骨ステムコンポーネントのテーパ部分上でのトライアルヘッドの一時的な組み立てを容易にする1つの方法は、トライアルヘッド内でゴム製のOリングが使用することである。テーパ部分がトライアルヘッドに挿入されると、Oリングがテーパ部分に接触して摩擦が生じ、Oリングは、トライアルヘッドに挿入されるテーパ部分の外面と、Oリングが位置するトライアルヘッド内のキャビティ内壁との間を押し付ける。これにより、テーパ部分に特別な機能を持たせることなく、トライアルヘッドをテーパ部分に容易に押し付けてテーパ部分を把持することができる。これにより、テーパ部分に損傷を与えることなくトライアルヘッドをテーパ部分から引き抜くことができ、大腿骨ステムコンポーネントに過度の力を加える必要がなくなる。Oリングにより、トライアルヘッドをテーパ部分上に非常に容易に組み立てることができ、しかも創傷内でトライアルヘッドが誤って外れないように十分にテーパ部分を把持できることが望ましい。
【0015】
この問題に対処するために、本明細書に記載される本発明の実施形態は、Oリングが位置する溝(またはキャビティ)の独特の形状を含む。テーパ部分にしっかりと嵌合しながら、テーパ部分に結合する際の組み立てを容易にし、テーパ部分からの取り外しを可能にするために、溝は、その断面直径が非対称にされ得る(例えば、変化する断面直径を有する)。トライアルヘッドがテーパ部分に押し付けられている間、Oリングはテーパ部分によってトライアルヘッドの中心部から離れる方向に溝の遠位端(例えば、頂部または上部)に付勢される(移動する)。
図4および
図5に示されるように、溝の上部の形状により、Oリングを圧縮することなく外側に移動可能になり、ヘッドをテーパ部分に押し込むのに必要な力が最小限に抑えられる。トライアルヘッドがテーパ部分から引抜かれたり、(偶然かそうでないかにかかわらず)外れるとき、Oリングが溝の近位部分(例えば、底部または下部)に移動し、溝の形状によりOリングがテーパ部分にしっかりと押し込まれ、それにより、トライアルヘッドをテーパ部分にしっかりと押し付けて把持する。非対称の溝/キャビティを有するトライアルヘッドの実施形態の形状、サイズ、構成については、図面を参照して以下においてさらに説明する。
【0016】
以下は、上述した図面を参照して本開示で説明されている特定の注釈およびコンポーネントのリストである。しかしながら、図面に示されるデバイスのあらゆる態様、構造、特徴、または動作機能は、追加説明の有無にかかわらず、本発明のさまざまな実施形態の一部を形成することができ、そのような態様に関連する1つまたは複数の請求項の限定の根拠が提供され得る。注釈と列挙されたコンポーネントには、
5 大腿骨ステムコンポーネント
6 大腿骨ステムコンポーネントのテーパ部分
10 トライアルヘッド
11 キャビティ
12 外面トライアルヘッド
13 開口部
14 トライアルヘッドの近位端
16 トライアルヘッドの遠位端
18 キャビティ11の表面(内面)
20 第1のキャビティ部分
22 第2のキャビティ部分
24 第3のキャビティ部分
26 Oリング
28 近位端第1のキャビティ部分
30 遠位端第1のキャビティ部分
32 近位端第2のキャビティ部分
34 遠位端第2のキャビティ部分
36 近位端第3のキャビティ部分
38 遠位端第3のキャビティ部分
39 第3のキャビティ部分のテーパ壁
40 角度A
42 Oリングの直径D
44 第3のキャビティ部分の高さH(近位端から遠位端まで)
46 付勢されていないOリングと遠位端の第3のキャビティ部分の内面との間の距離
48 大腿骨ステムコンポーネントのテーパ部分が第3のキャビティ内に受容される領域を越えて、第3のキャビティ部分内に内側に延びているOリングの距離
50 第3のキャビティ部分の湾曲した遠位面
52 第3のキャビティ部分の湾曲した近位面
54 長手方向軸
56 近位端付近の第3のキャビティの断面直径
58 遠位端付近の第3のキャビティの断面直径
が含まれる。
【0017】
[インプラントシステムを組み立てるためのデバイスの例]
ここで図面を参照すると、
図1は、大腿骨ステムコンポーネント5のテーパ部分6に結合されたインプラントトライアルヘッド10の一例を示している。トライアルヘッド10(この図では半透明で示されている)を通してわかるように、テーパ部分6がトライアルヘッド10に挿入されると、テーパ部分6がOリング26の中心を通過し、Oリング26の表面とテーパ部分6との間の摩擦力により、トライアルヘッド10とテーパ部分6とが連結されるように、トライアルヘッドは、トライアルヘッド10内で横方向に位置するOリング26を含む。
【0018】
図2は、インプラントトライアルヘッド10を大腿骨ステム5のテーパ部分6に結合するためのOリング26を含むインプラントトライアルヘッドの一例の斜視断面図である。
図2に示されるように、トライアルヘッド10は、近位端14、遠位端16、開口部13、および、開口部13からトライアルヘッド内に延在するキャビティ11を含む。キャビティ11は、表面18を含む。図示されたキャビティ11は、それぞれ表面18の一部によって画定される、第1のキャビティ部分20、第2のキャビティ部分22、および、第3のキャビティ部分24を含み得る。Oリング26は、第3のキャビティ部分24内に位置している。この実施形態では、Oリング26は所定の位置に保持され、キャビティの一方の側から他方の側へ移動(または実質的に移動)することができず、Oリング26とキャビティ11内のテーパ部分との間の摩擦力は、テーパ部分の挿脱時に比較的一定であるように、第3のキャビティ部分24は、対称の壁(例えば、平坦または湾曲した壁)を含む。
【0019】
図3は、インプラントトライアルヘッドの非対称キャビティ(第3のキャビティ部分)24の拡大断面図である。非対称キャビティ24は、場合により、本明細書では「溝」と呼ばれ得る。この図は、
図5の一点鎖線のボックスで示されているように、
図5の一部を拡大したものである。非対称キャビティ24を横切る寸法(つまり、長手方向軸54に垂直なもの)は、非対称キャビティ24の近位端38よりも、非対称キャビティ24の遠位端38の方が長い。非対称キャビティ24は、例えば、大腿骨ステムコンポーネントのテーパ部分がインプラントのトライアルヘッドに挿入されて結合されるとき、Oリング26が第3のキャビティ部分24の近位端36から第3のキャビティ部分24の遠位端38に向かって移動するときに、Oリング26が横方向にさらに移動できるようにする傾斜面39を含む。Oリング26が位置する第3のキャビティ部分24については、以下の
図4~
図6でさらに説明される。
【0020】
図4は、外面12と、トライアルヘッド10の近位端14における外面12の開口部13とを有するインプラントトライアルヘッド10の一例の断面立面図である。トライアルヘッド10は、開口部13からトライアルヘッド内に延在するキャビティ11を含む。キャビティ11は、内面18によって画定される。キャビティ11は、第1のキャビティ部分20と、第2のキャビティ部分22と、第1のキャビティ部分20と第2のキャビティ部分22との間に位置する第3のキャビティ部分24とを含み、第3のキャビティ部分24は、第3のキャビティ部分24がその近位端36からその遠位端38に向かって延びるにつれて増大する断面直径を有する。第1のキャビティ部分20は、近位端28および遠位端30を含む。第2のキャビティ部分22は、近位端32および遠位端34を含む。第3のキャビティ部分24は、近位端36および遠位端38を含む。第3のキャビティ部分24は、テーパ(または傾斜した)壁39を含み、テーパ壁39が近位端36から遠位端38まで延びるにつれて、トライアルヘッド10の長手方向軸54から離れる方向に横方向に延在する。また、第3のキャビティ部分24は、第3のキャビティ部分24の近位端36上の湾曲した近位面52内に、第3のキャビティ部分24の遠位端38上の湾曲した遠位面50を含む。
図4は、第3のキャビティ部分24の近位端36付近の第3のキャビティ部分24の断面直径56と、第3のキャビティ部分24の遠位端38付近の第3のキャビティ部分24の断面直径58とを示している。テーパ壁39が、第3のキャビティ部分24の近位端36から第3のキャビティ部分24の遠位端38に向かって延びるにつれて外側に傾斜しているため、断面直径56の長さは断面直径58の長さよりも短い。
【0021】
図5は、
図4のインプラントトライアルヘッド10の断面立面図である。
図5は、第3のキャビティ部分24内に配置されたOリング26の断面も含む。この図では、Oリング26は、第3のキャビティ部分24の遠位端38に位置しており、これは、テーパ部分がキャビティ11に挿入され、Oリング26と接触し、Oリング26を通って延在し、Oリング26を第3のキャビティ部分24の近位端38に向かって移動させるときのOリング26の位置となるであろう。破線のボックスは、
図3の詳細を示すために拡大された図の一部を示す。
【0022】
使用時に、大腿骨ステムコンポーネント6のテーパ部分が開口部13に挿入され、キャビティ11を通って挿入されると、Oリング26がテーパ部分の周囲に円周方向に配置されて摩擦嵌合をもたらすように、テーパ部分は第3のキャビティ部分24およびOリング26を通って延在する。テーパ部分は、第1のキャビティ部分20を通って、第3のキャビティ部分24を通って、第2のキャビティ部分22内に挿入されると、Oリング26は、第3のキャビティ部分24の近位端36から第3のキャビティ部分24の遠位端38まで移動する。テーパ壁39の構造により、Oリング26が若干拡がり、テーパ部分の挿入が容易となる。テーパ部分を逆方向に移動させてキャビティ11の外へ出すと、Oリング26は、第3のキャビティ部分24の遠位端38から近位端36まで移動し、テーパ壁39構造がOリング26を締め付け、Oリング26とテーパ部分との間により緊密な摩擦嵌合がもたらされる。
【0023】
図6は、
図3および
図4で示されているインプラントトライアルヘッド10の第3のキャビティ部分24の一例の様々な寸法を示す。以下の例で説明するように、様々な実施形態は、Oリング26の異なるサイズ、テーパ壁39の異なる角度、並びに、第3のキャビティ部分24の異なる高さH44を有し得る。
【0024】
例えば、いくつかの実施形態では、Oリング26は約0.103インチの直径D42を有する。いくつかの実施形態では、Oリング26は、0.103インチプラスマイナス約5%(例えば、プラスマイナス0.005インチ)の直径D42を有する。いくつかの実施形態では、Oリング26は、0.103インチプラスマイナス約10%(例えば、プラスマイナス0.01インチ)の直径D42を有する。いくつかの実施形態では、Oリング26は、0.103インチプラスマイナス約20%(例えば、プラスマイナス0.02インチ)の直径D42を有する。様々な実施形態において、Oリング26は、約0.05インチから0.30インチの間の直径を有する。様々な実施形態において、Oリング26は、約0.08インチから0.13インチの間の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、Oリング26は、0.05インチ、0.06インチ、0.07インチ、0.08インチ、0.09インチ、0.10インチ、0.11インチ、0.12インチ、0.13インチ、0.14インチ、0.15インチ、0.16インチ、0.17インチ、0.18インチ、0.19インチ、0.20インチ、0.21インチ、0.22インチ、0.23インチ、0.24インチ、0.25インチ、0.26インチ、0.27インチ、0.28インチ、0.29インチ 、0.30インチの直径寸法のいずれか、或いは、上記における任意の2つの間の直径を有する。いくつかの実施形態では、Oリング26は、約0.05インチから0.2インチの間の直径を有することが好ましい。しかしながら、様々な実施形態において、Oリング26は、摩擦嵌合をもたらすのに適した、0.05インチ未満または0.30インチを超える他の直径を有し得る。
【0025】
例えば、いくつかの実施形態では、
図6に示されるように、テーパ壁39は、トライアルヘッド10の長手方向軸54に対して約30°の角度A40でテーパしている。テーパ壁39の角度は、特定の実施形態に基づいて変更し得る。いくつかの実施形態では、テーパ壁39は、トライアルヘッド10の長手方向軸54に対して約1°から約60°の間の角度Aでテーパしている。いくつかの実施形態では、テーパ壁39は、トライアルヘッド10の長手方向軸54に対して約20°から約40°の間の角度Aでテーパしている。例えば、テーパ壁の角度Aは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、または60度プラスマイナス0.5度である。
【0026】
例えば、いくつかの実施形態では、第3のキャビティ部分24の高さH44は約0.145インチであり得る。しかしながら、第3のキャビティ部分24の高さHは、特定の実施形態に基づいて変更し得る。いくつかの実施形態では、第3のキャビティ部分24の高さH44は、約0.06インチから約0.21インチの間である。いくつかの実施形態では、第3のキャビティ部分24の高さH44は、約0.125インチから約0.165インチの間である。様々な実施形態において、第3のキャビティ部分24のH44は、0.03インチ、0.04インチ、0.05インチ、0.06インチ、0.07インチ、0.08インチ、0.09インチ、0.10インチ、0.11インチ、0.12インチ、0.13インチ、0.14インチ、0.15インチ、0.16インチ、0.17インチ、0.18インチ、0.19インチ、0.20インチ、0.21インチ、0.22インチ、0.23インチ、0.24インチ、0.25インチ、0.26インチ、0.27インチ、0.28インチ、0.29インチ、0.30インチのいずれか、或いは、上記における任意の2つの間の高さである。他の実施形態では、典型的ではないが、第3のキャビティの高さ寸法は、0.30インチよりも大きくてもよい。
【0027】
図6に示されるように、第3のキャビティ部分24の形状およびサイズ、並びに、Oリング26の直径により、Oリング26の外縁と第3のキャビティ部分24の表面との間の距離46は、いくつかの実施形態によれば、約0.001インチから約0.250インチの間である。また、Oリングの一部は、例えば約0.010インチの摩擦嵌合をもたらすために、テーパ部分6を受容する第3のキャビティ部分24の一部に小さな距離48(
図6)だけ延在するように、第3のキャビティ部分24の形状およびサイズ、並びに、Oリング26の直径が構成される。第3のキャビティ24の非対称形状により、テーパがキャビティに挿入されてOリング26に接触するときに、Oリング26が外側に拡張することが可能である。本明細書に記載される寸法および角度の例は、多くの実施形態に適しているが、そのような寸法および角度は、特定の用途または実施形態に基づいて変化し得る。
【0028】
[実施に関する考慮事項]
前述した説明は、本明細書に開示されるシステム、デバイス、並びに、方法の特定の実施形態を詳述している。しかしながら、前述した内容が文章でどれほど詳細に表現されていても、システム、デバイス、並びに、方法は、多くの方法で実施され得ることが理解されるであろう。本発明の特定の機能または態様を説明する際に特定の用語を使用することは、その用語が関連付けられている本明細書での技術の機能または態様の特定の特徴を含むことを限定するように再規定されていることを意味するものと解釈されるべきではない。
【0029】
とりわけ、「できる」、「できた」、「かもしれなかった」、または、「かもしれない」などの条件付き用語は、特に明記されていない限り、特定の実施形態では、それを含むことを伝えるために一般的に使用される文脈において理解される一方、他の実施形態では、特定の特徴、要素、および/またはステップを含まない。したがって、そのような条件付きの用語は、一般に、特徴、要素、および/またはステップが何らかの形で1つまたは複数の実施形態に必要であること、或いは、1つまたは複数の実施形態が、ユーザ入力またはプロンプトの有無、これらの特徴、要素、および/またはステップが特定の実施形態に含まれるか、或いは、実行されるかどうかににかかわらず、決定するためのロジックを必ず含むことを暗示することを意図したものではない。
【0030】
見出しは、参照のために、またさまざまなセクションを見つけるのに役立つように記載されている。これらの見出しは、それに関連して説明される概念の範囲を制限することを意図したものではない。このような概念は、明細書全体にわたって適用可能であり得る。
【0031】
上述した実施形態に対して多くの変形および修正を行うことができ、その要素は他の許容可能な例の一つとして理解されるべきである。このような修正および変形はすべて、本開示の範囲内に含まれるものとする。上述した説明は、特定の実施形態を詳述したものである。しかしながら、前述した内容が文章でどれほど詳細に示されていても、システムおよび方法は多くの方法で実施され得ることが理解されるであろう。また、これも上述したように、特定の用語の使用は、その用語が本明細書で再規定され、その用語が関連付けられているシステムおよび方法の機能または態様の特定の特徴を含むことに限定されることを意味するものと解釈されるべきではない。
【0032】
また、特徴または要素(例えば、構造的特徴または要素)が別の特徴または要素に「接続されている」、「取付けられている」、または「結合されている」と記載されている場合、他の特徴または要素に直接的に接続され、取付けられ、または結合されてもよいし、介在する特徴または要素が存在してもよいことが理解される。これに対し、特徴または要素が別の特徴または要素に「直接接続されている」、「直接取り付けられている」、または、「直接結合されている」と記載されている場合、介在する特徴または要素が存在しない可能性がある。一実施形態に関して説明または図示したが、このように説明または図示された特徴および要素は、他の実施形態にも適用され得る。また、別の特徴に「隣接して」配置される構造または特徴の記載は、隣接する特徴に重なる部分またはその下にある部分を有し得ることも当業者には理解されよう。
【0033】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態および実装を説明することのみを目的としており、限定することを意図したものではない。例えば、本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上明らかに別段の指示がない限り、複数形も含むことが意図され得る。さらに、本明細書で使用される「備える」および/または「備えている」という用語は、記載された特徴、ステップ、動作、プロセス、機能、要素、および/または、コンポーネントの存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、ステップ、操作、プロセス、機能、要素、コンポーネント、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではないことも理解されるであろう。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目の1つまたは複数の任意のおよびすべての組み合わせを含み、「/」と省略され得る。
【0034】
上述した説明および特許請求の範囲では、「のうちの少なくとも1つ」または「の1つ以上」などの語句の後に、要素または特徴の接続リストが続く場合がある。「および/または」という用語は、2つ以上の要素または特徴のリストに生じ得る。使用される文脈によって暗黙的または明示的に矛盾しない限り、そのような語句は、列挙された要素または特徴のいずれかを個別に、あるいは列挙された要素または特徴のいずれかを他の列挙された要素または特徴と組み合わせて意味することが意図されている。例えば、「AとBの少なくとも1つ」、「AおよびBのうちの1つ以上」、「Aおよび/またはB」は、「A単独、B単独、C単独、AとBの組み合わせ、AとCの組み合わせ、BとCの組み合わせ、または、AとBとCの組み合わせ」をそれぞれ意味するものとする。上記および特許請求の範囲における「に基づいて」という用語の使用は、「少なくとも部分的に基づいて」を意味することが意図されており、規定されていない特徴または要素も許容される。
【0035】
本明細書では、「前方」、「後方」、「下」、「下方」、「下部」、「上方」、「上部」などの空間的に相対的な用語は、図面に示されるように、ある要素または特徴と別の要素または特徴との関係を説明するため、説明を容易にするために空間的相対用語が使用され得る。空間的相対用語は、図面に示された向きに加えて、使用中または動作中のデバイスの異なる向きを包含することを意図していることが理解されるだろう。例えば、図中のデバイスが反転されている場合、他の要素または特徴の「下」または「下方」として説明されている要素は、反転状態により他の要素または特徴の「上方」に配向されることになる。したがって、「下」という用語は、参照点または方向に応じて、上と下の両方の方向を包含し得る。デバイスは他の向き(90度回転または他の向き)であってもよく、本明細書で使用される空間的相対用語はそれに応じて解釈される。同様に、「上方」、「下方」、「垂直」、「水平」などの用語は、特に断りのない限り、説明の目的でのみ本明細書で使用され得る。
【0036】
実施例で使用されるものを含め、本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、特に明示的に指定されない限り、すべての数値は、たとえその用語が明示的に記載されていなくても、「約」または「およそ」という言葉が前に付けられているかのように読み取られ得る。「約」または「およそ」という用語は、大きさおよび/または位置を説明するときに、記載された値および/または位置が、値および/または位置の合理的に予想される範囲内にあることを示すために使用され得る。例えば、数値は、記載された値(または値の範囲)の+/-0.1%、記載された値(または値の範囲)の+/-1%、記載された値(または値の範囲)の+/-2%、記載された値(または値の範囲)の+/-5%、記載された値(または値の範囲)の+/-10%などの値を有し得る。本明細書で与えられる任意の数値は、文脈が別段の指示をしない限り、その値のほぼまたはほぼその値を含むものと理解されるべきである。
【0037】
例えば、「10」という値が開示される場合には、「約10」も開示されている。本明細書に記載される任意の数値範囲は、そこに包含されるすべての下位範囲を含むことが意図されている。当業者には適切に理解されるように、ある値が開示される場合、「その値以下」、「その値以上」、および、その値の間の可能な範囲も開示されていることが理解される。例えば、値「X」が開示される場合、「X以下」および「X以上」(例えば、Xが数値である場合)も開示されている。また、本出願全体を通じて、データは多くの異なる形式で提供され、このデータは終点または開始点、並びに、データ点の任意の組み合わせの範囲を表し得ることも理解されたい。例えば、特定のデータポイント「10」と特定のデータポイント「15」が開示される場合、10と15との間だけでなく、10と15とより大きい、それら以上、それら未満、それら以下、並びに、等しい値も開示されているとみなされ得る。2つの特定のユニット間の各ユニットも開示され得ることも理解される。例えば、10と15とが開示され得る場合、11、12、13、および14も開示される可能性がある。
【0038】
様々な例示的な実施形態が開示されてきたが、本明細書の教示から逸脱することなく、様々な実施形態に多くの変更を加えることができる。例えば、説明された様々な方法ステップが実行される順序は、異なるまたは代替の実施形態において変更または再構成されてもよく、他の実施形態では、1つまたは複数の方法ステップが完全にスキップされてもよい。さまざまなデバイスおよびシステムの実施形態のオプションまたは望ましい特徴は、一部の実施形態には含まれるが、他の実施形態には含まれない場合がある。したがって、前述した説明は主に一例として提供されたものであり、特許請求の範囲、特定の実施形態、または開示された特定の詳細または特徴の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0039】
本明細書に含まれる例および図示は、開示された主題が実施され得る特定の実施形態を、限定ではなく例示として示している。言及したように、本開示の範囲から逸脱することなく構造的および論理的な置換および変更を行うことができるように、他の実施形態を利用し、そこから派生させることができる。開示された主題のそのような実施形態は、本明細書では単に便宜上、本出願の範囲を任意の単一の発明または発明概念に自発的に限定することを意図することなく、実際に複数が開示されている場合、「発明」という用語によって個別にまたは集合的に意味され得る。したがって、本明細書では特定の実施形態を図示して説明してきたが、明示的か黙示的かにかかわらず、意図された、実際的な、または開示された目的を達成するために計算された任意の構成を、示された特定の実施形態に置き換えることができる。この開示は、様々な実施形態のあらゆる適応または変形を網羅することを意図している。上述した実施形態、および本明細書に特に記載されていない他の実施形態の組み合わせは、上述した説明を検討すれば当業者には明らかとなるであろう。
【0040】
開示された主題は、ここでは、1つ以上の特徴または実施形態を参照して提供されている。しかしながら、当業者であれば、本明細書で提供されている例示的な実施形態の詳細な性質にもかかわらず、一般的に意図された範囲を限定したり逸脱したりすることなく、変更および修正を前記実施形態に適用できることを認識し、想定するであろう。ここで提供される実施形態のこれらおよび他の様々な適応および組み合わせは、開示された要素および特徴およびそれらの均等物の完全なセットによって規定される開示された主題の範囲内である。
【符号の説明】
【0041】
5 大腿骨ステム
6 大腿骨ステムコンポーネント、テーパ部分
10 トライアルヘッド
11 キャビティ
12 外面
13 開口部
14 近位端
16 遠位端
18 内面
20 第1のキャビティ部分
22 第2のキャビティ部分
24 第3のキャビティ部分
26 Oリング
28、32、36 近位端
30、34、38 遠位端
39 テーパ壁、傾斜面
46、48 距離
50 遠位面
52 近位面
54 長手方向軸
56、58 断面直径
A 角度
D 直径
【手続補正書】
【提出日】2023-08-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外面と、
遠位端と、
前記外面に開口部を含む近位端と、
大腿骨ステムコンポーネントのテーパ部分を受容するように構成された、インプラントトライアルヘッドのキャビティであって、前記開口部からインプラントトライアルヘッドまで延在するキャビティと、
を備えているインプラントトライアルヘッドにおいて、
前記キャビティは、
遠位端および近位端を有する第1のキャビティ部分と、
遠位端および近位端を有する第2のキャビティ部分であって、前記第1のキャビティ部分と第2のキャビティ部分とが、前記大腿骨ステムコンポーネントのテーパ部分を受容するように構成されている、第2のキャビティ部分と、
遠位端、近位端、および、前記近位端と前記遠位端との間に画定された高さを有する
非対称の第3のキャビティ部分であって、第3のキャビティ部分の近位端が前記第1のキャビティ部分の遠位端に隣接し、第3のキャビティ部分の遠位端が前記第2のキャビティ部分の近位端に隣接するように、前記第1のキャビティ部分と前記第2のキャビティ部分との間に位置し、第3のキャビティ部分の断面の直径が前記近位端から前記遠位端まで増加するように、前記近位端から前記遠位端まで外向きに先細りしている、第3のキャビティ部分と、
前記第3のキャビティ部分の内面に接触するように、
非対称の前記第3のキャビティ部分内で横方向に位置するOリングであって、Oリングの直径が前記第3のキャビティ部分の高さよりも小さいことで、前記大腿骨ステムコンポーネントのテーパ部分が当該インプラントトライアルヘッド内に挿入されるにつれて、前記第3のキャビティ部分の近位端と前記第3のキャビティ部分の遠位端との間で
Oリングが当該インプラントトライアルヘッドの長手軸に沿った方向に移動可能であ
り、前記第3のキャビティ部分の非対称性により、Oリングが前記遠位端に向かって付勢されているとき、前記近位端に向かって付勢されているときと比較してOリングは横方向外側にさらに拡張可能である、Oリングと、
を含むキャビティ部分を画定する内面を備えている、インプラントトライアルヘッド。
【請求項2】
前記近位端から前記遠位端までの前記第3のキャビティ部分の高さが、約0.01インチから約0.3インチの間である、請求項1に記載のインプラントトライアルヘッド。
【請求項3】
前記近位端から前記遠位端までの前記第3のキャビティ部分の高さが、約0.125インチから約0.165インチの間である、請求項1に記載のインプラントトライアルヘッド。
【請求項4】
前記近位端から前記遠位端までの前記第3のキャビティ部分の高さが、約0.145インチプラスマイナス0.1インチである、請求項1に記載のインプラントトライアルヘッド。
【請求項5】
前記Oリングの直径が、約0.05インチから約0.3インチの間である、請求項1~4のいずれか一項に記載のインプラントトライアルヘッド。
【請求項6】
前記Oリングの直径が、約0.08インチから約0.13インチの間である、請求項1~4のいずれか一項に記載のインプラントトライアルヘッド。
【請求項7】
前記Oリングの直径が、約0.103インチプラスマイナス5%である、請求項1~4のいずれか一項に記載のインプラントトライアルヘッド。
【請求項8】
前記第3のキャビティ部分の内面は、当該インプラントトライアルヘッドの長手方向軸に対して約30度プラスマイナス5度の角度を有するテーパ壁を含み、前記テーパ壁は、前記第3のキャビティ部分の近位端から前記第3のキャビティ部分の遠位端に向かって延びるにつれて、前記長手方向軸から離れる方向に傾斜している、請求項1~
4のいずれか一項に記載のインプラントトライアルヘッド。
【請求項9】
前記第3のキャビティ部分の内面は、当該インプラントトライアルヘッドの長手方向軸に対して約1度から60度の間の角度を有するテーパ壁を含み、前記テーパ壁は、前記第3のキャビティ部分の近位端から前記第3のキャビティ部分の遠位端に向かって延びるにつれて、前記長手方向軸から離れる方向に傾斜している、請求項1~
4のいずれか一項に記載のインプラントトライアルヘッド。
【請求項10】
前記第3のキャビティ部分の内面は、当該インプラントトライアルヘッドの長手方向軸に対して約20度から40度の間の角度を有するテーパ壁を含み、前記テーパ壁は、前記第3のキャビティ部分の近位端から前記第3のキャビティ部分の遠位端に向かって延びるにつれて、前記長手方向軸から離れる方向に傾斜している、請求項1~
4のいずれか一項に記載のインプラントトライアルヘッド。
【請求項11】
前記第3のキャビティ部分の内面は、当該インプラントトライアルヘッドの長手方向軸に対して角度を有するテーパ壁を含み、前記テーパ壁は、前記第3のキャビティ部分の近位端から前記第3のキャビティ部分の遠位端に向かって延びるにつれて、前記長手方向軸から離れる方向に傾斜することで、前記テーパ部分が当該インプラントトライアルヘッドに挿入されるときに、前記Oリングは、前記テーパ壁に接触し、前記第3のキャビティ部分の近位端から前記第3のキャビティ部分の遠位端に向かって前記テーパ壁に沿って移動が可能である、請求項
1に記載のインプラントトライアルヘッド。
【請求項12】
前記第3のキャビティ部分は、前記第3のキャビティ部分の遠位端上の湾曲した遠位面と、前記第3のキャビティ部分の近位端上の湾曲した近位面とを備え、前記テーパ壁は、前記湾曲した遠位面と前記湾曲した近位面との間に配置されている、請求項11に記載のインプラントトライアルヘッド。
【請求項13】
前記テーパ部分が、前記第1のキャビティ部分、前記第2のキャビティ部分、および前記第3のキャビティ部分を通って延在できるように、前記第1のキャビティ部分と前記第2のキャビティ部分とは、前記大腿骨ステムコンポーネントのテーパ部分を受容するための前記キャビティの受容部分を画定するように整列およびサイズ決めされた断面直径を有し、前記第3のキャビティ部分および前記Oリングは、前記Oリングが前記第3のキャビティ部分の近位端で外側に拡張できるよりも、前記第3のキャビティ部分の遠位端で外側にさらに拡張できるようなサイズである、請求項1~
4のいずれか一項に記載のインプラントトライアルヘッド。
【請求項14】
外面と、
遠位端と、
前記外面に開口部を含む近位端と、
前記開口部からインプラントトライアルヘッドまで延在するキャビティと、
を備えているインプラントトライアルヘッドにおいて、
前記キャビティは、当該インプラントトライアルヘッドの近位端から遠位端まで延びる長手方向軸に対して実質的に垂直に整列した非対称の溝を備えている、インプラントトライアルヘッド。
【請求項15】
前記非対称の溝内に位置する直径を有するOリングをさらに備えている、請求項14に記載のインプラントトライアルヘッド。
【請求項16】
前記開口部から当該インプラントトライアルヘッド内に延在する前記キャビティは、第1のキャビティ部分、第2のキャビティ部分、および前記第1のキャビティ部分と前記第2のキャビティ部分との間に位置する第3のキャビティ部分をさらに備えている、請求項14または15に記載のインプラントトライアルヘッド。
【請求項17】
前記非対称の溝が前記第3のキャビティ部分内に位置している、請求項16に記載のインプラントトライアルヘッド。
【請求項18】
前記第3のキャビティ部分は、遠位端、近位端、および、前記近位端と前記遠位端との間に画定される高さをさらに備え、Oリングの直径が前記第3のキャビティ部分の高さよりも小さい、請求項16に記載のインプラントトライアルヘッド。
【請求項19】
前記キャビティは、前記キャビティの少なくとも一部の断面の直径を画定する円周方向の傾斜壁をさらに備え、断面が前記キャビティの長手方向軸に対して垂直に整列している、請求項1
4に記載のインプラントトライアルヘッド。
【請求項20】
近位端における前記キャビティの非対称の溝の断面直径が、遠位端における前記キャビティの非対称の溝の断面直径よりも小さくなるように、前記傾斜壁が整列している、請求項19に記載のインプラントトライアルヘッド。
【国際調査報告】