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特表2024-536107連続リッジケーブルを採用するケーブルドーム構造
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  • 特表-連続リッジケーブルを採用するケーブルドーム構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】連続リッジケーブルを採用するケーブルドーム構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/34 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
E04B1/34 B
E04B1/34 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518961
(86)(22)【出願日】2023-03-03
(85)【翻訳文提出日】2024-03-26
(86)【国際出願番号】 CN2023079558
(87)【国際公開番号】W WO2023197773
(87)【国際公開日】2023-10-19
(31)【優先権主張番号】202210375671.0
(32)【優先日】2022-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505072650
【氏名又は名称】浙江大学
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【弁理士】
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】▲羅▼ ▲堯▼治
(72)【発明者】
【氏名】薛 宇
(57)【要約】
【課題】本発明は連続リッジケーブルを採用するケーブルドーム構造を提供する。
【解決手段】
該構造システムは連続ケーブルとロッドとで構成される径方向に沿って配置されるn個の同じ平面トラスを含み、平面トラスの間にはk-1周のエンドレスケーブルにより安定した全体が接続されてなる。前記ケーブルドーム構造はリッジケーブル、エンドレスケーブル及び押さえロッドで構成され、各本のリッジケーブルは押さえロッドの下部ノードから外側押さえロッドの上部ノードを順次通って支持ノードに集まる。リッジケーブル間には重なるところがあり、内から外まで重なり層数が順次増加する。押さえロッドの上部ノードと内側隣接ケーブルとが固定接続であり、押さえロッドの下部ノードとエンドレスケーブルとが固定接続であり、残りのケーブルとノードとの接続が非固定であり、ケーブルがノードを通ってスライドすることが可能である。従来のケーブルドーム構造に比べて、前記ケーブルドーム構造はユニットの内力が均一に分布し、ユニット数が少なく、且つ全てのリッジケーブルがノードに集まり、ケーブルユニットの加工及び現場での引張を容易にし、実用的なケーブルドーム構造である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続リッジケーブルを採用するケーブルドーム構造であって、
前記ケーブルドーム構造は、連続リッジケーブルを構造部材として採用するn個のケーブルロッド平面トラスが径方向に沿って配置されてなり、ケーブルドーム構造における中心位置での押さえロッドは全てのケーブルロッド平面により共有され、各ケーブルロッド平面トラスの間にはk-1周のエンドレスケーブルにより安定した全体が接続されてなり、
各ケーブルロッド平面トラスはk個の押さえロッド、k+1本のケーブル及び1つの支持ノードで構成され、押さえロッドの上部ノードは内から外までそれぞれu、u、…、uであり、押さえロッドの下部ノードは内から外までそれぞれd、d、…、dであり、支持ノードはsであって、ケーブルロッド平面の最外側に位置し、
1本目のリッジケーブルはuを起点としてu、…、uに順次接続されて最終的に支持ノードsまで接続され、
t本目のリッジケーブルはdt-1を起点としてu、…、uに順次接続されて最終的に支持ノードsまで接続され、t=2、3、…、kであり、
k+1本目のリッジケーブルは点dとsとを接続し、
各周のエンドレスケーブルは正n角形であり、n個のケーブルロッド平面内の同じ位置での押さえロッドの下部ノードを接続し、内から外までそれぞれ1、2、…、k-1本目のエンドレスケーブルである
ことを特徴とする連続リッジケーブルを採用するケーブルドーム構造。
【請求項2】
各ケーブルロッド平面トラスにおいて、リッジケーブルは構造的に表面が重なるところがあり、重なり層数は内から外まで等差数列で増加し、uからui+1までのノード間の重なり層数はi層であり、i=2、3、…、kである
ことを特徴とする請求項1に記載の連続リッジケーブルを採用するケーブルドーム構造。
【請求項3】
前記ケーブルドーム構造における押さえロッドノードと連続リッジケーブルとの接続において、ノードuとi本目のリッジケーブルとの接続が固定接続であり、i=1、2、…、kであり、ノードdとi-1本目のエンドレスケーブルとの接続が固定接続であり、i=2、…、kであり、
残りの連続リッジケーブルと押さえロッドの上部ノードとの接続が非固定接続であり、ケーブルがノードを通ることでスライド接続が形成される
ことを特徴とする請求項1に記載の連続リッジケーブルを採用するケーブルドーム構造。
【請求項4】
前記ケーブルドーム構造の形態決定過程は所定のケーブル力及びロッド長の条件下で構造の平衡状態を決定することであり、自重のみを受けた初期平衡状態において、全てのリッジケーブルのプレストレスが同じであり、全てのエンドレスケーブルのプレストレスが同じであり、
ケーブルドーム構造の初期形状はエンドレスケーブルのプレストレスとリッジケーブルのプレストレスとの比率の変化につれて変化する
ことを特徴とする請求項1に記載の連続リッジケーブルを採用するケーブルドーム構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は土木工学の技術分野に関し、より具体的には、連続リッジケーブルを採用するケーブルドーム構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ケーブルドーム構造は引張全体構造の概念から発展してきたものであり、押さえられたロッド及び引っ張られたケーブルにより自己平衡性を持つ安定システムを形成する。それは軽量且つ効率的で、対称で美しい利点を有するため、大スパンの建物の屋根構造の建築に広く応用されている。一般的には、従来のケーブルドーム構造はLevy型ケーブルドーム及びGeiger型ケーブルドームの2種類を含み、近年以来、各種類の工事需要を満たすために、デザイナーたちは新型のケーブルドーム構造システムを複数提案する。
【0003】
既存のケーブルドームは非連続ケーブルを構造部材として採用する場合が多く、ユニット数及びアンカー数が多く、且つ各組のケーブルのケーブル力がいずれも異なり、最も大きなケーブル力が常に最も小さなケーブル力の数十倍に達し、このため、従来のケーブルドーム構造はアーキテクチャが複雑で、施工しにくいのであるが、連続ケーブルを採用することは上記問題を解決する実現可能なスキームである。既存のケーブルドーム構造の設計において、一般的に所定の構造形状の条件下で構造の内力を決定し、ケーブルのプレストレスを正確に制御できない。そして、連続ケーブルを採用する条件は隣接するケーブルの内力が同じであることであるため、連続ケーブルの従来のケーブルドーム構造における応用が大幅に制限されており、現在はまだ連続ケーブルをリッジケーブルのケーブルドーム構造として採用していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は従来技術の欠陥を克服して、連続リッジケーブルを採用するケーブルドーム構造を提供することであり、連続リッジケーブルの応用によって、ケーブルの種類及び数を大幅に減少させ、アンカーの数を減少させ、ケーブルドーム構造の施工難易度を下げる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は以下の技術案により実現される。連続リッジケーブルを採用するケーブルドーム構造であって、該構造は連続リッジケーブルを構造部材として採用するn個のケーブルロッド平面トラスが径方向に沿って配置されてなり、中心での押さえロッドは全てのケーブルロッド平面により共有され、各平面トラスの間にはk-1周のエンドレスケーブルにより安定した全体が接続されてなる。各ケーブルロッド平面トラスはk個の押さえロッド、k+1本のケーブル及び1つの支持ノードで構成され、押さえロッドの上部ノードは内から外までそれぞれu、u、…、uであり、押さえロッドの下部ノードは内から外までそれぞれd、d、…、dであり、支持ノードはsであって、ケーブルロッド平面の最外側に位置し、1本目のリッジケーブルはuを起点としてu、…、uに順次接続されて最終的に支持ノードsまでに接続され、t本目(t=2、3、…、k)のリッジケーブルはdt-1を起点としてu、…、uに順次接続されて最終的に支持ノードsまでに接続され、k+1本目のリッジケーブルは点dとsとを接続し、各周のエンドレスケーブルが正n角形であり、n個のケーブルロッド平面内の同じ位置での押さえロッドの下部ノードを接続し、内から外までそれぞれ1、2、…、k-1本目のエンドレスケーブルである。
【0006】
前記ケーブルドーム構造はエンドレスケーブル、リッジケーブル及び押さえロッドで構成される。構造におけるエンドレスケーブル及び一部のリッジケーブルが連続リッジケーブルのアーキテクチャを採用し、即ち1本のケーブルが同時に複数のノードに接続される。リッジケーブルは構造的に表面が重なるところがあり、重なり層数が内から外まで等差数列で増加する。全てのリッジケーブルがいずれも構造における支持ノードに接続される。
【0007】
更に、構造の安定性要件を満たすために、前記ケーブルドーム構造におけるノードと連続リッジケーブルとの接続のうちの一部の接続が固定接続として設定され、具体的には、押さえロッドの上部ノードと内側隣接リッジケーブルとが固定的に接続され、押さえロッドの下部ノードとエンドレスケーブルとの接続が固定接続であり、即ちノードuとi本目(i=1、2、…、k)のリッジケーブルとの接続が固定接続であり、ノードdとi-1本目(i=2、…、k)のエンドレスケーブルとの接続が固定接続であり、固定接続モードにおいてケーブルがノードを通ってスライドすることが不可能であり、残りの連続リッジケーブルとノードとの接続が非固定接続であり、非固定接続モードにおいてケーブルがノードを通ってスライドすることが可能であり、隣接するケーブルセクション間の内力を互いに伝達させることができ、荷重作用下のケーブル力の変化のピーク値を低減する。
【0008】
更に、連続リッジケーブルの使用条件を満たすために、初期状態におけるケーブルのプレストレスを正確に制御する必要がある。従って、前記ケーブルドーム構造の形態決定過程は所定のケーブル力及びロッド長の条件下で構造の平衡状態を決定することである。自重のみを受けた初期平衡状態において、全てのリッジケーブルのプレストレスが同じであり、全てのエンドレスケーブルのプレストレスが同じである。
【0009】
更に、エンドレスケーブルの周数、エンドレスケーブルのプレストレスとリッジケーブルのプレストレスとの比率、押さえロッドの長さ及びケーブルロッド平面トラスの数を含む他の構造パラメータを変えることにより、構造の形状及び力学的性質を更に調整することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の有益な効果は、連続リッジケーブルの応用によって、ケーブルドーム構造におけるケーブルの数及びアンカーノードの数を減少させることと、所定のケーブル力で構造の初期形状を決定することにより、より均一なケーブル力分布を実現し、構造におけるケーブルのプレストレスが2種類だけあるため、ケーブルの種類を減少させることと、リッジケーブルの重なり配置によって、必要なケーブル径を減少させることと、新規のノード接続方式によって、全てのリッジケーブルを支持ノードに集めさせることと、を含む。以上の特徴によってケーブルの加工難易度及び施工過程における引張難易度を大幅に下げて、構造デザイナーに便利で実現可能な新型のケーブルドーム構造システムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は本発明のケーブルドーム構造の全体形状を示す模式図であり、図中の太線が押さえロッドを示し、細線が引張ケーブルを示す。
図2図2は本発明のケーブルドーム構造の単一のケーブルロッドを示す平面構造模式図であり、図中の太線が押さえロッドを示し、細線が引張ケーブルを示し、点線がエンドレスケーブルの平面内での投影を示し、図中のDC-xがリッジケーブルの番号を示し、LC-xがエンドレスケーブルの番号を示し、S-xが押さえロッドの番号を示す。
図3図3は本発明のケーブルドームノードと連続リッジケーブルとの接続を示す模式図であり、図中の太線が押さえロッドを示し、細線が引張ケーブルを示し、点線がエンドレスケーブルのケーブルロッド平面内での投影を示す。図中の塗りつぶし黒点が固定接続モードを示し、白抜き黒点が非固定接続モードを示す。
図4図4は本発明のケーブルドーム構造の初期形態決定方法を示すフローチャートである。
図5図5は本発明のケーブルドーム構造が取り付けられて引っ張られた後の実物モデルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の具体的な実施形態を更に説明する。
【0013】
図1に示すように、構造部材はエンドレスケーブル、リッジケーブル及び押さえロッドの3つのカテゴリに分けられ、引っ張られたエンドレスケーブル、リッジケーブル及び押さえロッドがバランスを取った受力システムを形成する。構造におけるエンドレスケーブル及び一部のリッジケーブルが連続リッジケーブルのアーキテクチャを採用し、即ち1本のケーブルが同時に複数のノードに接続される。構造は複数のケーブルロッド平面トラスが径方向に沿って配置されてなるものとして見なされてもよく、これらのケーブルロッド平面が中心での押さえロッドを共有し、且つエンドレスケーブルにより安定した全体に接続される。エンドレスケーブル、リッジケーブル及び押さえロッドの数がそれぞれk-1、n(k+1)及びn(k-1)+1であり、但し、kが各ケーブルロッド平面トラスにおける押さえロッドの数であり、nがケーブルロッド平面トラスの数である。
【0014】
図2に示すように、各ケーブルロッド平面トラスはk個の押さえロッド、k+1本のリッジケーブル及び1つの支持ノードで構成され、押さえロッドの上部ノードが内から外までそれぞれu、u、…、uであり、押さえロッドの下部ノードが内から外までそれぞれd、d、…、dであり、支持ノードがsである。1本目のリッジケーブルがuを起点としてu、…、uを順次接続して最終的に支持ノードsまで接続されており、t本目(t=2、3、…、k)のリッジケーブルがdt-1を起点としてu、…、uを順次接続して最終的に支持ノードsまで接続されており、k+1本目のリッジケーブルがノードdから直接に支持ノードsまで接続される。
【0015】
図3に示すように、本発明に記載のケーブルドーム構造において、構造の安定性要件を満たすために、連続リッジケーブルとノードとの接続のうち、一部が固定であり、残りが非固定である。具体的には、ノードuとi本目(i=1、2、…、k)のリッジケーブルとの接続が固定接続であり、ノードdとi-1本目(i=2、…、k)のエンドレスケーブルとの接続が固定接続であり、残りの連続リッジケーブルとノードとの接続が非固定接続であり、ケーブルがノードを通ってスライドすることが可能であり、隣接するケーブルセクション間の内力を互いに伝達させることができ、荷重作用下のケーブル力の変化のピーク値を低減する。
【0016】
従来のケーブルドーム構造が所定の形状においてケーブル力を決定し、連続リッジケーブルの使用条件を満たすために、初期状態におけるケーブルのプレストレスを正確に制御する必要があることと異なり、本発明に記載のケーブルドーム構造は所定のケーブル力において構造の初期平衡状態を決定する必要があり、自重のみを受けた初期平衡状態において、全てのリッジケーブルのプレストレスが同じであり、全てのエンドレスケーブルのプレストレスが同じである。図4に本発明に記載の構造初期形態を決定するフローチャートを示し、具体的なステップは以下のとおりである。
【0017】
まず、停留ポテンシャルエネルギーの原理に基づいてシステムの平衡方程式を構築し、所定のケーブル力の連続リッジケーブルのポテンシャルエネルギー関数は以下の式1に示され、
【数1】
但し、
がp本目のリッジケーブルのポテンシャルエネルギー関数であり、tがp本目のリッジケーブルの内力であり、xがp本目のリッジケーブルにより接続されるノードの座標であり、
がp本目のリッジケーブルの長さであり、
は以下の式2に示され、
【数2】
但し、
がp本目のリッジケーブルにより接続されるi番目のノードの座標ベクトルであり、rがp本目のリッジケーブルにより接続されるノードの数である。
【0018】
押さえロッドのポテンシャルエネルギー関数は以下の式3に示され、
【数3】
但し、
がq本目の押さえロッドのポテンシャルエネルギー関数であり、
がq本目の押さえロッドのヤング率及び断面積であり、
がq本目の押さえロッドの初期長さであり、
がq本目の押さえロッドの変形後の長さである。
【0019】
構造外の荷重に対応するポテンシャルエネルギー関数は以下の式4に示され、
【数4】
但し、
が自由度mに作用する荷重の大きさであり、
が自由度mに対応するノード座標である。
【0020】
ケーブルドーム構造の全体ポテンシャルエネルギー関数は以下の式5に示され、
【数5】
但し、{C}がケーブルのセットであり、{S}がロッドのセットであり、{F}が荷重の作用する自由度セットである。
【0021】
停留ポテンシャルエネルギーの原理に基づいて、構造の平衡方程式は以下の式6に示され、
【数6】
これは1つの非線形連立方程式であり、該連立方程式に解析解がなく、数値最適化アルゴリズム例えばLevenberg-Marquardtアルゴリズムによって解を求めてもよい。
【0022】
本発明に記載のケーブルドーム構造の自重は事前に未知のものであり、初期形状を決定しなければ構造の自重荷重を決定できず、解を求める過程において収束条件に達するまで構造の自重荷重を反復更新する必要がある。
【0023】
構造の初期形態が決定された後、構造の初期形態における全てのノードの座標に基づいて部材の変形後の幾何学的長さを計算し、且つ部材の剛度及び内力に基づいて部材の初期幾何学的長さを決定し、初期幾何学的長さの計算公式は以下の式7に示され、
【数7】
但し、
がq本目の押さえロッドの変形後の長さである。
【0024】
初期幾何学的長さに基づいて加工された部材を、本発明のケーブルドーム構造に説明される接続関係に応じてヒンジノードにより一体に組み立て、支持ノード箇所でリッジケーブルを引っ張ることにより構造を設定されたプレストレス平衡状態に達させる。
【0025】
エンドレスケーブルの周数、エンドレスケーブルのプレストレスとリッジケーブルのプレストレスとの比率、押さえロッドの長さ及びケーブルロッド平面トラスの数を含む他の構造パラメータを変えることにより、構造の形状及び力学的性質を更に調整することができる。
【0026】
図5は本発明のケーブルドーム構造の実物モデルを示す図であり、8つのケーブルロッド平面及び2周のエンドレスケーブルで構成され(n=8、k=3)、構造における押さえロッドの数が17本であり、リッジケーブルの数が32本であり、図中の(a)が連続引張ケーブルであり、(b)が押さえロッドであり、(c)が引張ボルトであり、(d)がリッジケーブルの重なり配置であり、(e)が支持システムである。実物モデルにおけるケーブル及びロッドがそれぞれナイロン糸及びアルミニウム合金材料である。支持ノードでのボルトの長さを調整することにより構造の引張成形を実現する。
【0027】
上記実施例は本発明を解釈・説明するためのものであり、本発明を制限するものではなく、本発明の主旨及び請求項の保護範囲内で本発明に対して行った任意の修正及び変更は、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-03-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
構造の初期形態が決定された後、構造の初期形態における全てのノードの座標に基づいて部材の変形後の幾何学的長さを計算し、且つ部材の剛度及び内力に基づいて部材の初期幾何学的長さを決定し、初期幾何学的長さの計算公式は以下の式7に示され、
【数7】
但し、
がq本目の押さえロッドの変形後の長さであり、
がq本目の押さえロッドの内力である
【国際調査報告】