(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】リアルタイム3Dロボットステータス
(51)【国際特許分類】
A61B 34/35 20160101AFI20240927BHJP
【FI】
A61B34/35
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519082
(86)(22)【出願日】2022-09-14
(85)【翻訳文提出日】2024-04-16
(86)【国際出願番号】 IB2022058653
(87)【国際公開番号】W WO2023052881
(87)【国際公開日】2023-04-06
(32)【優先日】2021-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518083032
【氏名又は名称】オーリス ヘルス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】スタチュルスキー・メリッサ
(72)【発明者】
【氏名】シュミット・ファビアン・ワイ
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン・エリック・マーク
【テーマコード(参考)】
4C130
【Fターム(参考)】
4C130AA02
4C130AA04
4C130AA07
4C130AA13
4C130AA16
4C130AA23
4C130AA24
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4C130AA50
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4C130AA55
4C130AB01
4C130AD01
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4C130AD23
4C130AD25
4C130BA02
4C130BA06
4C130BA16
(57)【要約】
ロボット医療システムは、リアルタイム三次元(3-D)画像を使用して、医師又は医師助手を支援するための情報を伝達し得る。ロボット医療システムは、1つ又は2つ以上のロボットアームを含むことができる。ロボット医療システムは、1つ又は2つ以上のロボットディスプレイを含むことができる。ロボット医療システムは、1つ又は2つ以上のロボットアームのグラフィック表現を含む3-Dレンダリングを表示するように構成することができる。ロボット医療システムは、処置に対応する事前プログラムされたワークフローに従って3-Dレンダリングを更新し、処置を通してユーザをガイドするように構成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット医療システムであって、
1つ又は2つ以上のロボットアームと、
1つ又は2つ以上のディスプレイと、
1つ又は2つ以上のプロセッサと、
命令を記憶するメモリと、を備え、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記1つ又は2つ以上のロボットアームのグラフィック表現を含む三次元(3-D)レンダリングを表示することと、
処置に対応する事前プログラムされたワークフローに従って、前記3-Dレンダリングを更新して、前記処置を通してユーザをガイドすることと、を行わせる、ロボット医療システム。
【請求項2】
患者支持プラットフォームを更に備え、
前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記ワークフローに従って、前記患者支持プラットフォームに対する前記1つ又は2つ以上のロボットアームの空間構成調節を実行することと、
前記空間構成調節に従って、前記1つ又は2つ以上のロボットアームの位置変化を反映するように、前記3-Dレンダリングを更新することと、を行わせる、請求項1に記載のロボット医療システム。
【請求項3】
前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記ワークフローに従って、第1の位置から第2の位置への前記患者支持プラットフォームの移動を引き起こすことと、
前記患者支持プラットフォームの前記移動を反映するように前記3-Dレンダリングを更新することと、を行わせる、請求項2に記載のロボット医療システム。
【請求項4】
前記1つ又は2つ以上のロボットアームに移動可能に結合されている1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体を更に備え、
前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記ワークフローに従って、前記1つ又は2つ以上のロボットアームに対する前記1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体の移動を引き起こすことと、
前記1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体の位置変化を反映するように前記3-Dレンダリングを更新することと、を行わせる、請求項1に記載のロボット医療システム。
【請求項5】
前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記3-Dレンダリングの一部分のユーザ選択を受信することと、
前記ユーザ選択に従って、前記ユーザ選択部分を、前記3-Dレンダリングの他の部分とは視覚的に異なる方法で表示することと、を行わせる、請求項1に記載のロボット医療システム。
【請求項6】
前記事前プログラムされたワークフローが、術前段階、術中段階、及び/又は術後段階を含む、1つ又は2つ以上の段階を含む、請求項1に記載のロボット医療システム。
【請求項7】
前記術前段階のステップが、前記1つ又は2つ以上のロボットアームを収容位置から展開位置に展開することを含む、請求項6に記載のロボット医療システム。
【請求項8】
前記術前段階のステップが、前記1つ又は2つ以上のロボットアームをドレーピング姿勢に移動させることを含む、請求項6に記載のロボット医療システム。
【請求項9】
前記術前段階のステップが、前記1つ又は2つ以上のロボットアームをドッキング状態に置くことを含む、請求項6に記載のロボット医療システム。
【請求項10】
前記1つ又は2つ以上のロボットアームに移動可能に結合されている調節可能なアーム支持体と、
患者支持プラットフォームと、を更に備え、
前記術中処置のステップが、前記調節可能なアーム支持体及び前記患者支持プラットフォームを平準化することを含む、請求項6に記載のロボット医療システム。
【請求項11】
前記事前プログラムされたワークフローの前記1つ又は2つ以上の段階の各々が、1つ又は2つ以上のそれぞれのステップを含む、請求項6に記載のロボット医療システム。
【請求項12】
前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記ロボット医療システムが対応する前記処置のステップを識別することと、
前記識別されたステップに従って、前記1つ又は2つ以上のロボットアームのうちの第1のロボットアームの一部分の移動を引き起こすことと、
前記移動の間、前記3-Dレンダリングを更新して、
前記第1のロボットアームの前記一部分を、前記第1のロボットアームの他の部分とは視覚的に異なる第1の視覚表現で表示し、
前記実行された移動に従って、前記第1のロボットアームの前記一部分の位置変化を表示することと、を行わせる、請求項11に記載のロボット医療システム。
【請求項13】
前記第1のロボットアームの前記一部分を前記第1の視覚表現で表示することが、前記一部分を、前記第1のロボットアームの前記他の部分に対応する色とは異なる第1の色で表示することを含む、請求項12に記載のロボット医療システム。
【請求項14】
前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、前記移動の間に、実行されている前記識別されたステップの進捗を可視化するための進捗バーを表示させる、請求項12に記載のロボット医療システム。
【請求項15】
前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記移動に従って、音声信号を生成させる、請求項12に記載のロボット医療システム。
【請求項16】
前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記ステップが完了したかどうかを判定することと、
前記ステップが完了したという判定に従って、前記第1のロボットアームの前記一部分を、前記第1の視覚表現とは異なる第2の視覚表現で表示するように前記3-Dレンダリングを更新することと、を行わせる、請求項12に記載のロボット医療システム。
【請求項17】
前記第1の視覚表現が、第1の色に対応し、前記第2の視覚表現が、前記第1の色とは異なる第2の色に対応する、請求項16に記載のロボット医療システム。
【請求項18】
前記1つ又は2つ以上のロボットアームに移動可能に結合されている調節可能なアーム支持体を更に備え、
前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記ロボット医療システムが対応する処置のステップを識別することと、
前記識別されたステップに従って、前記調節可能なアーム支持体の移動を引き起こすことと、
前記移動の間、前記3-Dレンダリングを更新して、
前記調節可能なアーム支持体を、前記1つ又は2つ以上のロボットアームとは視覚的に異なる第1の視覚表現で表示し、
前記移動に従って、前記調節可能なアーム支持体の位置変化を表示することと、を行わせる、請求項11に記載のロボット医療システム。
【請求項19】
前記調節可能なアーム支持体を前記第1の視覚表現で表示することが、前記調節可能なアーム支持体を、前記1つ又は2つ以上のロボットアームに対応する色とは異なる第1の色で表示することを含む、請求項18に記載のロボット医療システム。
【請求項20】
患者支持プラットフォームを更に備え、
前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記ロボット医療システムが対応する処置のステップを識別することと、
前記患者支持プラットフォームの少なくとも一部分の移動を引き起こすことと、
前記移動の間、前記3-Dレンダリングを更新して、
前記患者支持プラットフォームの前記少なくとも一部分を、前記1つ又は2つ以上のロボットアーム及び/又は前記患者支持プラットフォームの他の部分とは視覚的に異なる第1の視覚表現で表示し、
前記移動に従って、前記患者支持プラットフォームの前記少なくとも一部分の位置変化を表示することと、を行わせる、請求項11に記載のロボット医療システム。
【請求項21】
前記患者支持プラットフォームの前記少なくとも一部分を前記第1の視覚表現で表示することが、前記患者支持プラットフォームの前記少なくとも一部分を、前記1つ又は2つ以上のロボットアームに対応する色とは異なる第1の色で表示することを含む、請求項20に記載のロボット医療システム。
【請求項22】
前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記ロボット医療システムが前記ワークフローの特定のステップを実行しているという判定に従って、前記ロボット医療システムの仮想カメラの視野を、前記1つ又は2つ以上のロボットアームの特定の部分を含むように調節させる、請求項1に記載のロボット医療システム。
【請求項23】
前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記ロボット医療システムが前記ワークフローの特定のステップを実行しているという判定に従って、
グラフィックを生成することと、
前記グラフィックを前記3-Dレンダリング上のオーバーレイとして表示することと、を行わせる、請求項1に記載のロボット医療システム。
【請求項24】
ロボット医療システムであって、
1つ又は2つ以上のロボットアームと、
1つ又は2つ以上のディスプレイと、
1つ又は2つ以上のプロセッサと、
命令を記憶するメモリと、を備え、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記1つ又は2つ以上のロボットアームを含む三次元(3-D)レンダリングを表示することと、
ユーザによる手動動作が完了したかどうかを判定することと、
前記手動動作が完了したという判定に従って、前記3-Dレンダリングを更新することと、を行わせる、ロボット医療システム。
【請求項25】
前記手動動作が、医療処置のためのワークフローのステップに対応する、請求項24に記載のロボット医療システム。
【請求項26】
前記ワークフローが、術前段階、術中段階、及び/又は術後段階を含む、1つ又は2つ以上の段階を含む、請求項25に記載のロボット医療システム。
【請求項27】
前記手動動作が、前記ロボットアームの各々を、前記ロボットアームに対応するそれぞれのカニューレにドッキングすることを含む、請求項24に記載のロボット医療システム。
【請求項28】
前記手動動作が、前記ロボットアームのうちの少なくとも1つを、第1の医療ツールで取り付けることを含む、請求項24に記載のロボット医療システム。
【請求項29】
前記手動動作が、前記ロボットアームの各々を、それぞれの医療ツールで取り付けることを含む、請求項24に記載のロボット医療システム。
【請求項30】
前記3-Dレンダリングが、1つ又は2つ以上の視覚インジケータを含み、前記視覚インジケータの各々が、前記ロボットアームのそれぞれ1つに対応し、
前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記手動動作が完了したという判定に従って、前記手動動作の完了を示すように、前記視覚インジケータの各々を更新させる、請求項24に記載のロボット医療システム。
【請求項31】
前記手動動作が、前記ロボットアームの各々をそれぞれの医療ツールで取り付けることを含み、
前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記ロボットアームのうちの第1のロボットアームからの医療ツールの除去を検出することと、
前記検出に従って、前記医療ツールが前記第1のロボットアームから除去されたことを示すように、前記第1のロボットアームに対応する第1の視覚インジケータを更新することと、を行わせる、請求項30に記載のロボット医療システム。
【請求項32】
前記手動動作が、前記1つ又は2つ以上のロボットアームのうちの第1のロボットアームの一部分の第1の位置から第2の位置への手動移動を含む、請求項24に記載のロボット医療システム。
【請求項33】
前記3-Dレンダリングを更新することが、前記3-Dレンダリングにおける前記第1のロボットアームの位置を、前記第1の位置から前記第2の位置に更新することを含む、請求項32に記載のロボット医療システム。
【請求項34】
前記3-Dレンダリングを更新することが、前記第1のロボットアームの前記一部分を、前記第1のロボットアームの他の部分とは視覚的に異なる第1の視覚表現で表示することを含む、請求項32に記載のロボット医療システム。
【請求項35】
前記第1のロボットアームの前記一部分を前記第1の視覚表現で表示することが、前記一部分を、前記第1のロボットアームの前記他の部分に対応する色とは異なる第1の色で表示することを含む、請求項34に記載のロボット医療システム。
【請求項36】
前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記手動移動が実行されるときに、前記第1のロボットアームの前記一部分の位置の変化を検出することと、
前記位置の変化を反映するように前記3-Dレンダリングを連続的に更新することと、を行わせる、請求項32に記載のロボット医療システム。
【請求項37】
前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記手動移動が実行されるときに、前記第1のロボットアームの前記一部分の位置の変化を検出することと、
前記実行された移動に従って、前記手動動作の進捗を可視化するための進捗バーを表示することと、を行わせる、請求項32に記載のロボット医療システム。
【請求項38】
前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、前記手動動作が実行されるときに、音声信号を生成及び出力させる、請求項24に記載のロボット医療システム。
【請求項39】
前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記手動動作が完了していないという判定に従って、エラー状態及び前記エラーを訂正するための情報を表示させる、請求項24に記載のロボット医療システム。
【請求項40】
前記1つ又は2つ以上のロボットアームに移動可能に結合されている1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体を更に備え、
前記3-Dレンダリングが、前記1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体のレンダリングを含む、請求項24に記載のロボット医療システム。
【請求項41】
前記手動動作が、前記1つ又は2つ以上のロボットアームに対する前記1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体の移動を含み、
前記3-Dレンダリングを更新することが、前記1つ又は2つ以上のロボットアームに対する、前記レンダリングにおける前記1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体の位置を更新することを含む、請求項40に記載のロボット医療システム。
【請求項42】
患者支持プラットフォームを更に備え、
前記3-Dレンダリングが、前記患者支持プラットフォームのレンダリングを含む、請求項24に記載のロボット医療システム。
【請求項43】
前記手動動作が、前記患者支持プラットフォームの少なくとも一部分の第1の位置から第2の位置への移動を含み、
前記3-Dレンダリングを更新することが、前記レンダリングにおける前記患者支持プラットフォームの少なくとも前記一部分の位置を、前記第1の位置から前記第2の位置に更新することを含む、請求項42に記載のロボット医療システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示されるシステム及び方法は、ロボット医療システム、より具体的には、医療処置のためのロボット医療システムの通信ステータスを対象とする。
【背景技術】
【0002】
ロボット対応の医療システムは、腹腔鏡などの低侵襲性の処置、及び内視鏡などの非侵襲性の処置(例えば、気管支鏡検査、尿管鏡検査、胃鏡検査など)の両方を含む、様々な医療処置を実施することができる。
【0003】
そのようなロボット医療システムは、所与の医療処置中に医療ツールの移動を制御するように構成されたロボットアームを含み得る。医療ツールの所望の姿勢を達成するために、ロボットアームは、セットアッププロセス中又は遠隔操作中に、特定の姿勢に置かれ得る。いくつかのロボット対応の医療システムは、ロボットアームのそれぞれのベースに接続されており、かつロボットアームを支持するアーム支持体(例えば、バー)を含み得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
ロボット医療システムは、システム上に位置する様々なデジタルタッチポイントを介して、及び/又はシステムに結合されているユーザインターフェースを介して制御することができる多くの可動部品を有する複雑なシステムである。処置が開始する前に、オペレータ(例えば、医師助手、医療関係者など)は、ロボットアーム及び/又は調節可能なアーム支持体を所望の全体構成にセットアップすることを要求され得る。これは通常、各アーム及び/又はアーム支持体を個別に(例えば、別々に)調節することを含む。手術(例えば、遠隔操作)中、医師は、典型的には、医師コンソールに常駐し、医師コンソールからロボットアームを駆動する(例えば、医師コンソールに位置する触覚入力デバイス(haptic input device、HID)を使用して、ロボットアームの移動を制御する)。手術後、医師助手は、ロボットアームを収容位置に調節することを要求され得る。これらのステップの各々について、ロボット医療システムのステータス(例えば、アーム/アーム支持体選択、進捗、完了状態、システムエラー、エラーを解決する方法など)が、ユーザに容易に理解可能な方法でユーザに通信されることが重要である。いくつかの状況では、様々なワークフローステップを通してユーザを視覚的及び直感的にガイドすることが可能な医療ロボットシステムを有することも有利であろう。
【0005】
したがって、改善されたロボット医療システムが望ましい。特に、ロボット医療システムの現在のステータスに関する即時フィードバックを、ユーザにとって明確で簡潔で容易に理解可能な方法で提供するロボット医療システムが必要とされている。ロボット医療システムのステータス、選択、位置変化、及び/又は障害のリアルタイム(例えば、即時)フィードバックは、システムのユーザの信頼及び理解を増加させ、遠隔操作の性能を改善し、ユーザ体験を向上させることができる。
【0006】
本明細書に開示されるように、ロボット医療システムは、ロボット医療システムのステータスをリアルタイムで表すレンダリング(例えば、二次元(two-dimensional、2-D)又は三次元(three-dimensional、3-D)レンダリング)を表示するように構成されている。レンダリング(例えば、2-D又は3-Dレンダリング)は、ロボット医療システムのロボットアーム、調節可能なアーム支持体、及び/又は患者支持プラットフォームのうちの1つ又は2つ以上のグラフィック表現を含むことができる。本明細書に開示されるいくつかの実施形態では、ロボット医療システムは、処置に対応する事前プログラムされたワークフローに従ってレンダリング(例えば、2-D又は3-Dレンダリング)を更新して、レンダリング(例えば、2-D又は3-Dレンダリング)を介して処置を通してユーザ(例えば、医師及び/又は医師助手)をガイドすることができる。いくつかの実施形態では、事前プログラムされたワークフローは、術前段階、術中段階、及び/又は術後段階を含むことができる。段階の各々は、1つ又は2つ以上のそれぞれのステップを含むことができる。レンダリング(例えば、2-D又は3-Dレンダリング)を使用して、段階(及び/又はステップ)の各々のリアルタイムロボットステータス、特にロボットシステムの位置変化を通信することができる。
【0007】
本明細書に開示されるように、レンダリング(例えば、2-Dレンダリング、3-Dレンダリング、3-Dモデルなど)を使用して、ロボット医療システムのロボット制御及び手動制御の両方に応答して、ロボットステータスを通信することができる。表示されたレンダリング(例えば、3-Dレンダリング)は、ロボットアーム、アーム支持体、及び/又は患者支持プラットフォームの実際のシステム状態及び位置を正確に反映するために、位置変化を反映するように移動及び更新することができる。本明細書に開示されるいくつかの実施形態では、ロボットシステムの視野(例えば、ロボットシステムの仮想カメラによって見られるような)は、ロボット医療システムの特定の部分を含む(例えば、焦点を合わせる)ように動的に変化することができる。
【0008】
したがって、本明細書に開示されるシステム及び/又は方法は、セットアップ中のオペレータ安全性並びに手術中の患者及び/又はオペレータ安全性を有利に改善する。それはまた、オペレータがシステムのステータスについてリアルタイムで通知されることを確実にする。
【0009】
本開示のシステム、方法及びデバイスはそれぞれ、いくつかの革新的な態様を有し、そのうちの1つとして本明細書に開示される望ましい属性を単独で司るものではない。
【0010】
本開示のいくつかの実施形態によれば、ロボット医療システムは、1つ又は2つ以上のロボットアームを含む。ロボット医療システムは、1つ又は2つ以上のディスプレイを含む。ロボット医療システムはまた、1つ又は2つ以上のプロセッサ及びメモリを含む。メモリは、命令を記憶し、命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、1つ又は2つ以上のロボットアームのグラフィック表現を含む三次元(3-D)レンダリングを表示することと、処置に対応する事前プログラムされたワークフローに従って3-Dレンダリングを更新して、処置を通してユーザをガイドすることと、を行わせる。
【0011】
いくつかの実施形態では、ロボット医療システムは、患者支持プラットフォームを更に含む。メモリは、命令を更に記憶し、命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、ワークフローに従って、患者支持プラットフォームに対する1つ又は2つ以上のロボットアームの空間構成調節を実行させる。メモリは、命令を更に含み、命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、空間構成調節に従って1つ又は2つ以上のロボットアームの位置変化を反映するように3-Dレンダリングを更新させる。
【0012】
いくつかの実施形態では、メモリは、命令を更に記憶し、命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、ワークフローに従って第1の位置から第2の位置への患者支持プラットフォームの移動を引き起こすことと、患者支持プラットフォームの移動を反映するように3-Dレンダリングを更新することと、を行わせる。
【0013】
いくつかの実施形態では、ロボット医療システムは、1つ又は2つ以上のロボットアームに移動可能に結合されている1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体を更に含む。メモリは、命令を更に記憶し、命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、ワークフローに従って、1つ又は2つ以上のロボットアームに対する1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体の移動を引き起こすことと、1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体の位置変化を反映するように3-Dレンダリングを更新することと、を行わせる。
【0014】
いくつかの実施形態では、メモリは、命令を更に記憶し、命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、3-Dレンダリングの一部分のユーザ選択を受信させる。メモリは、命令を更に含み、命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、ユーザ選択に従って、ユーザ選択部分を、3-Dレンダリングの他の部分とは視覚的に異なる方法で表示させる。
【0015】
いくつかの実施形態では、事前プログラムされたワークフローは、術前段階、術中段階、及び/又は術後段階を含む、1つ又は2つ以上の段階を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、術前段階のステップは、1つ又は2つ以上のロボットアームを収容位置から展開位置に展開することを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、術前段階のステップは、1つ又は2つ以上のロボットアームをドレーピング姿勢に移動させることを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、術前段階のステップは、1つ又は2つ以上のロボットアームをドッキング状態に置くことを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、ロボット医療システムは、1つ又は2つ以上のロボットアームに移動可能に結合されている調節可能なアーム支持体を更に含む。ロボット医療システムはまた、患者プラットフォームも含む。術中処置のステップは、調節可能なアーム支持体及び患者支持プラットフォームを平準化することを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、事前プログラムされたワークフローの1つ又は2つ以上の段階の各々は、1つ又は2つ以上のそれぞれのステップを含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、メモリは、命令を更に記憶し、命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、ロボット医療システムが対応する処置のステップを識別することと、識別されたステップに従って、1つ又は2つ以上のロボットアームのうちの第1のロボットアームの一部分の移動を引き起こすことと、を行わせる。メモリは、命令を更に含み、命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、移動の間、3-Dレンダリングを更新して、第1のロボットアームの一部分を、第1のロボットアームの他の部分とは視覚的に異なる第1の視覚表現で表示し、移動に従って、第1のロボットアームの一部分の位置変化を表示させる。
【0022】
いくつかの実施形態では、第1のロボットアームの一部分を第1の視覚表現で表示することは、一部分を、第1のロボットアームの他の部分に対応する色とは異なる第1の色で表示することを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、メモリは、命令を更に記憶し、命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、移動に従って、実行されている識別されたステップの進捗を可視化するための進捗バーを表示させる。
【0024】
いくつかの実施形態では、メモリは、命令を更に記憶し、命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、移動に従って、音声信号を生成させる。
【0025】
いくつかの実施形態では、メモリは、命令を更に記憶し、命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、ステップが完了したかどうかを判定することと、ステップが完了したという判定に従って、第1のロボットアームの一部分を、第1の視覚表現とは異なる第2の視覚表現で表示するように3-Dレンダリングを更新させることと、を行わせる。
【0026】
いくつかの実施形態では、第1の視覚表現は、第1の色に対応し、第2の視覚表現は、第1の色とは異なる第2の色に対応する。
【0027】
いくつかの実施形態では、ロボット医療システムは、1つ又は2つ以上のロボットアームに移動可能に結合されている調節可能なアーム支持体を更に含む。メモリは、命令を更に記憶し、命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、ロボット医療システムが対応する処置のステップを識別することと、識別されたステップに従って、調節可能なアーム支持体の移動を引き起こすことと、を行わせる。メモリは、命令を更に含み、命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、移動の間、3-Dレンダリングを更新して、調節可能なアーム支持体を、1つ又は2つ以上のロボットアームとは視覚的に異なる第1の視覚表現で表示し、移動に従って、調節可能なアーム支持体の位置変化を表示させる。
【0028】
いくつかの実施形態では、調節可能なアーム支持体を第1の視覚表現で表示することは、調節可能なアーム支持体を、1つ又は2つ以上のロボットアームに対応する色とは異なる第1の色で表示することを含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、ロボット医療システムは、患者支持プラットフォームを更に含む。メモリは、命令を更に記憶し、命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、ロボット医療システムが対応する処置のステップを識別することと、患者支持プラットフォームの少なくとも一部分の移動を引き起こすことと、を行わせる。メモリは、命令を更に含み、命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、移動の間、3-Dレンダリングを更新して、患者支持プラットフォームの少なくとも一部分を、1つ又は2つ以上のロボットアーム及び/又は患者支持プラットフォームの他の部分とは視覚的に異なる第1の視覚表現で表示し、移動に従って、患者支持プラットフォームの少なくとも一部分の位置変化を表示させる。
【0030】
いくつかの実施形態では、患者支持プラットフォームの少なくとも一部分を第1の視覚表現で表示することは、患者支持プラットフォームの少なくとも一部分を、1つ又は2つ以上のロボットアームに対応する色とは異なる第1の色で表示することを含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、メモリは、命令を更に記憶し、命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、ロボット医療システムがワークフローの特定のステップを実行しているという判定に従って、ロボット医療システムの仮想カメラの視野を、1つ又は2つ以上のロボットアームの特定の部分を含むように調節させる。
【0032】
いくつかの実施形態では、メモリは、命令を更に記憶し、命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、ロボット医療システムがワークフローの特定のステップを実行しているという判定に従って、グラフィックを生成することと、グラフィックを3-Dレンダリング上のオーバーレイとして表示することと、を行わせる。
【0033】
本開示のいくつかの実施形態によれば、ロボット医療システムは、1つ又は2つ以上のロボットアームを含む。ロボット医療システムは、1つ又は2つ以上のディスプレイを含む。ロボット医療システムはまた、1つ又は2つ以上のプロセッサ及びメモリを含む。メモリは、命令を記憶し、命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、1つ又は2つ以上のロボットアームを含む三次元(3-D)レンダリングを表示することと、ユーザによる手動動作が完了したかどうかを判定することと、を行わせる。メモリはまた、命令を含み、命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、手動動作が完了したという判定に従って、3-Dレンダリングを更新させる。
【0034】
いくつかの実施形態では、手動動作は、医療処置のためのワークフローのステップに対応する。
【0035】
いくつかの実施形態では、ワークフローは、術前段階、術中段階、及び/又は術後段階を含む、1つ又は2つ以上の段階を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、手動動作は、ロボットアームの各々をロボットアームに対応するそれぞれのカニューレにドッキングすることを含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、手動動作は、ロボットアームのうちの少なくとも1つを第1の医療ツールで取り付けることを含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、手動動作は、ロボットアームの各々をそれぞれの医療ツールで取り付けることを含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、3-Dレンダリングは、1つ又は2つ以上の視覚インジケータを含む。視覚インジケータの各々は、ロボットアームのそれぞれ1つに対応する。メモリは、命令を更に記憶し、命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、手動動作が完了したという判定に従って、手動動作の完了を示すように視覚インジケータの各々を更新させる。
【0040】
いくつかの実施形態では、手動動作は、ロボットアームの各々をそれぞれの医療ツールで取り付けることを含む。メモリは、命令を更に記憶し、命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、ロボットアームのうちの第1のロボットアームからの医療ツールの除去を検出することと、検出に従って、医療ツールが第1のロボットアームから除去されたことを示すように、第1のロボットアームに対応する第1の視覚インジケータを更新することと、を行わせる。
【0041】
いくつかの実施形態では、手動動作は、1つ又は2つ以上のロボットアームのうちの第1のロボットアームの一部分の第1の位置から第2の位置への手動移動を含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、3-Dレンダリングを更新することは、3-Dレンダリングにおける第1のロボットアームの位置を第1の位置から第2の位置に更新することを含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、3-Dレンダリングを更新することは、第1のロボットアームの一部分を、第1のロボットアームの他の部分とは視覚的に異なる第1の視覚表現で表示することを含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、第1のロボットアームの一部分を第1の視覚表現で表示することは、一部分を、第1のロボットアームの他の部分に対応する色とは異なる第1の色で表示することを含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、メモリは、命令を更に記憶し、命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、手動移動が実行されるときに、第1のロボットアームの一部分の位置の変化を検出することと、位置の変化を反映するように3-Dレンダリングを連続的に更新することと、を行わせる。
【0046】
いくつかの実施形態では、メモリは、命令を更に記憶し、命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、手動動作が実行されるときに、第1のロボットアームの一部分の位置の変化を検出することと、実行された移動に従って、手動動作の進捗を可視化するための進捗バーを表示することと、を行わせる。
【0047】
いくつかの実施形態では、メモリは、命令を更に記憶し、命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、手動動作が実行されるときに、音声信号を生成及び出力させる。
【0048】
いくつかの実施形態では、メモリは、命令を更に記憶し、命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、手動動作が完了していないという判定に従って、エラー状態及びエラーを訂正するための情報を表示させる。
【0049】
いくつかの実施形態では、ロボット医療システムは、1つ又は2つ以上のロボットアームに移動可能に結合されている1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体を更に含む。3-Dレンダリングは、1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体のレンダリングを含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、手動動作は、1つ又は2つ以上のロボットアームに対する1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体の移動を含む。3-Dレンダリングを更新することは、1つ又は2つ以上のロボットアームに対する、レンダリングにおける1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体の位置を更新することを含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、ロボット医療システムは、患者支持プラットフォームを更に含む。3-Dレンダリングは、患者支持プラットフォームのレンダリングを含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、手動動作は、患者支持プラットフォームの少なくとも一部分の第1の位置から第2の位置への移動を含む。3-Dレンダリングを更新することは、レンダリングにおける患者支持プラットフォームの少なくとも一部分の位置を第1の位置から第2の位置に更新することを含む。
【0053】
上述の様々な実施形態は、本明細書で説明される任意の他の実施形態と組み合わせることができることに留意されたい。本明細書に記載された特徴及び利点は、全てを含むものではなく、特に、多くの追加の特徴及び利点が、図面、明細書、及び特許請求の範囲を考慮すれば当業者には明らかであろう。更に、本明細書で使用される言語は、主に読みやすさ及び教示目的のために選択されており、本発明の主題を線引き又は制限するために選択されていない場合があることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
開示される態様は、以下、添付の図面と併せて説明され、開示された態様を例解するが、限定するものではなく、同様の称号は同様の要素を示す。
【
図1】診断及び/又は治療用気管支鏡検査処置用に配置されたカートベースのロボットシステムの一実施形態を例解する。
【
図2】
図1のロボットシステムの更なる態様を描写する。
【
図3】尿管鏡検査用に配置された
図1のロボットシステムの一実施形態を例解する。
【
図4】血管処置用に配置された
図1のロボットシステムの一実施形態を例解する。
【
図5】気管支鏡検査処置用に配置されたテーブルベースのロボットシステムの一実施形態を例解する。
【
図6】
図5のロボットシステムの代替的な図を提供する。
【
図7】ロボットアームを収容するように構成されたシステム例を例解する。
【
図8】尿管鏡検査処置用に構成されたテーブルベースのロボットシステムの一実施形態を例解する。
【
図9】腹腔鏡処置用に構成されたテーブルベースのロボットシステムの一実施形態を例解する。
【
図10】ピッチ又は傾斜調節を有する
図5~
図9のテーブルベースのロボットシステムの一実施形態を例解する。
【
図11】
図5~
図10のテーブルベースのロボットシステムのテーブルとカラムとの間のインターフェースの詳細な例解を提供する。
【
図12】テーブルベースのロボットシステムの代替的な実施形態を例解する。
【
図13】
図12のテーブルベースのロボットシステムの端面図を例解する。
【
図14】ロボットアームが取り付けられた状態のテーブルベースのロボットシステムの端面図を例解する。
【
図16】ペアの器具ドライバを有する例示的な医療器具を例解する。
【
図17】駆動ユニットの軸が器具の細長シャフトの軸に平行である、器具ドライバ及び器具の代替的な設計を例解する。
【
図18】器具ベースの挿入アーキテクチャを有する器具を例解する。
【
図20】例示的な実施形態による、
図16~
図18の器具の場所など、
図1~
図10のロボットシステムの1つ又は2つ以上の要素の場所を推定する位置特定システムを例解するブロック図を描写する。
【
図21】いくつかの実施形態による、例示的なロボットシステムを例解する。
【
図22】いくつかの実施形態による、例示的なロボットシステムの別の図を例解する。
【
図23A】いくつかの実施形態による、例示的なロボットアームの異なる図を例解する。
【
図23B】いくつかの実施形態による、例示的なロボットアームの異なる図を例解する。
【
図23C】いくつかの実施形態による、例示的なロボットアームの異なる図を例解する。
【
図24A】いくつかの実施形態による、処置のセットアップ段階中のロボット医療システムの三次元(3-D)レンダリングを例解する。
【
図24B】いくつかの実施形態による、処置のセットアップ段階中のロボット医療システムの三次元(3-D)レンダリングを例解する。
【
図24C】いくつかの実施形態による、処置のセットアップ段階中のロボット医療システムの三次元(3-D)レンダリングを例解する。
【
図25A】いくつかの実施形態による、処置の術後段階中のロボット医療システムの3-Dレンダリングを例解する。
【
図25B】いくつかの実施形態による、処置の術後段階中のロボット医療システムの3-Dレンダリングを例解する。
【
図26A】いくつかの実施形態による、手動相互作用から生じるロボット医療システムのリアルタイムステータスを反映する3-Dレンダリングを例解する。
【
図26B】いくつかの実施形態による、手動相互作用から生じるロボット医療システムのリアルタイムステータスを反映する3-Dレンダリングを例解する。
【
図26C】いくつかの実施形態による、手動相互作用から生じるロボット医療システムのリアルタイムステータスを反映する3-Dレンダリングを例解する。
【
図26D】いくつかの実施形態による、手動相互作用から生じるロボット医療システムのリアルタイムステータスを反映する3-Dレンダリングを例解する。
【
図27A】いくつかの実施形態による、ロボット医療システムのエラー状態を通信するための3-Dレンダリングの使用を例解する。
【
図27B】いくつかの実施形態による、ロボット医療システムのエラー状態を通信するための3-Dレンダリングの使用を例解する。
【
図28A】いくつかの実施形態による、術中段階中のロボット医療システムのリアルタイムステータスを描写する3-Dレンダリングを例解する。
【
図28B】いくつかの実施形態による、術中段階中のロボット医療システムのリアルタイムステータスを描写する3-Dレンダリングを例解する。
【
図29A】いくつかの実施形態による、ロボット医療システムのステータスを伝達するための事前レンダリングされた画像の使用を例解する。
【
図29B】いくつかの実施形態による、ロボット医療システムのステータスを伝達するための事前レンダリングされた画像の使用を例解する。
【
図29C】いくつかの実施形態による、ロボット医療システムのステータスを伝達するための事前レンダリングされた画像の使用を例解する。
【
図30A】いくつかの実施形態による、ロボットシステムの1つ又は2つ以上のプロセッサによって実施される方法のフローチャート図を例解する。
【
図30B】いくつかの実施形態による、ロボットシステムの1つ又は2つ以上のプロセッサによって実施される方法のフローチャート図を例解する。
【
図30C】いくつかの実施形態による、ロボットシステムの1つ又は2つ以上のプロセッサによって実施される方法のフローチャート図を例解する。
【
図30D】いくつかの実施形態による、ロボットシステムの1つ又は2つ以上のプロセッサによって実施される方法のフローチャート図を例解する。
【
図30E】いくつかの実施形態による、ロボットシステムの1つ又は2つ以上のプロセッサによって実施される方法のフローチャート図を例解する。
【
図31A】いくつかの実施形態による、ロボットシステムの1つ又は2つ以上のプロセッサによって実施される方法のフローチャート図を例解する。
【
図31B】いくつかの実施形態による、ロボットシステムの1つ又は2つ以上のプロセッサによって実施される方法のフローチャート図を例解する。
【
図31C】いくつかの実施形態による、ロボットシステムの1つ又は2つ以上のプロセッサによって実施される方法のフローチャート図を例解する。
【
図32】いくつかの実施形態による、ロボット医療システムの電子構成要素を例解する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
1.概要。
本開示の態様は、腹腔鏡検査などの低侵襲性の処置、及び内視鏡検査などの非侵襲性の処置の両方を含む、様々な医療処置を実施することができるロボット対応の医療システムに統合され得る。このシステムは、内視鏡処置のうち、気管支鏡検査、尿管鏡検査、胃鏡検査などを実施することができる。
【0056】
幅広い処置を実施することに加えて、システムは、医師を支援するための強調された撮像及び誘導などの追加の利益を提供することができる。更に、システムは、厄介な腕の動き及び位置を必要とせずに、人間工学的位置から処置を実施する能力を医師に提供し得る。また更に、システムは、システムの器具のうちの1つ又は2つ以上をユーザ一人だけでも制御することができるように、改善された使いやすさで処置を実施する能力を医師に提供し得る。
【0057】
以下、例解を目的として、図面と併せて、様々な実施形態が説明される。開示される概念の多くの他の実施形態が可能であり、開示される実施形態で様々な利点が達成され得ることを理解されたい。本明細書には、参照に、また様々な節の位置を特定する助けとなるように、見出しを含めている。この見出しは、それに関して述べられる概念の範囲を限るものではない。本明細書全体にわたってこのような概念を適用することができる。
【0058】
A.ロボットシステム-カート。
ロボット対応の医療システムは、特定の処置に応じて様々な方式で構成され得る。
図1は、診断及び/又は治療用気管支鏡検査処置のために配置されたカートベースのロボット対応のシステム10の一実施形態を例解する。気管支鏡検査の間、システム10には、気管支鏡検査用の処置特有気管支鏡であり得る操縦可能な内視鏡13などの医療器具を、診断ツール及び/又は治療ツールを送達する自然開口アクセスポイント(すなわち、この例ではテーブルに位置決めされた患者の口)に送達するための1つ又は2つ以上のロボットアーム12を有するカート11を備えることができる。示す通り、カート11は、アクセスポイントへのアクセスを提供するために、患者の上部胴体に近接して位置決めすることができる。同様に、アクセスポイントに対して気管支鏡を位置決めするように、ロボットアーム12を作動させることができる。消化管(Gastro-Intestinal、GI)処置を、GI処置に特化した内視鏡である胃鏡を用いて実施するときにも
図1の配置を利用することができる。
図2には、カートの実施形態例をより詳細に描写する。
【0059】
図1を引き続き参照すると、カート11が適切に位置決めされると、ロボットアーム12は、操縦可能な内視鏡13をロボットで、手動で、又はそれらの組み合わせで患者内に挿入することができる。示す通り、操縦可能な内視鏡13には、内側リーダー部及び外側シース部などの少なくとも2つの入れ子式パートを備えることができ、各部は、器具ドライバ28のセットから別個の器具ドライバに結合され、各器具ドライバは、個々のロボットアームの遠位端に結合されている。リーダー部をシース部と同軸上に位置合わせしやすい、器具ドライバ28のこの線形配置は、1つ又は2つ以上のロボットアーム12を異なる角度及び/又は位置に操作することによって空間において位置決めし直すことができる「仮想レール」29を作り出す。本明細書に記載の仮想レールは、破線を使用して図に描写しており、したがって破線は、システムのいかなる物理的構造も描写していない。仮想レール29に沿った器具ドライバ28の並進は、外側シース部に対して内側リーダー部を入れ子にするか、又は内視鏡13を患者から前進若しくは後退させる。仮想レール29の角度は、臨床用途又は医師の選好に基づいて、調節、並進、又は枢動され得る。例えば、気管支鏡検査では、示される仮想レール29の角度及び位置は、内視鏡13への医師のアクセスを提供することと、内視鏡13を患者の口内に曲げ入れることから生じる摩擦を最小限に抑えることとの妥協を表す。
【0060】
内視鏡13は、標的の目的地又は手術部位に到達するまで、ロボットシステムからの正確なコマンドを使用して挿入後に患者の気管及び肺の下流に方向付けられ得る。患者の肺網を通したナビゲーションを強化しかつ/又は所望の標的に達するために、内側リーダー部を外側シース部から入れ子状に延伸して、関節運動を強化し、曲げ半径を大きくするように、内視鏡13を操作することができる。別個の器具ドライバ28の使用により、リーダー部とシース部とが互いに独立して駆動することも可能になる。
【0061】
例えば、内視鏡13は、患者の肺内の病巣又は小結節などの標的に生検針を送達するように方向付けられ得る。病理医によって分析される組織試料を得るように、針は内視鏡の長さにわたる作業チャネルを展開させることができる。病理の結果に応じて、更なるツールは、更なる生検について内視鏡の作業チャネルを展開させることができる。小結節を悪性であると特定した後、内視鏡13は、ツールを内視鏡下で送達し、潜在的な癌組織を切除することができる。いくつかの事例では、診断的治療及び治療的治療を別の処置で送達することができる。これらの状況において、内視鏡13はまた、基準を送達して、標的となる小結節の場所を「マーク」するのに使用され得る。他の事例では、診断的治療及び治療的治療を同じ処置中に送達することができる。
【0062】
システム10はまた、カート11に支持ケーブルを介して接続されて、カート11への制御、電子機器、流体工学、光学系、センサ、及び/又は電力のためのサポートを提供し得る移動可能なタワー30を含み得る。タワー30にこのような機能を置くことにより、カート11のフォームファクタを小さくすることができ、手術を行う医師及びそのスタッフがより容易にカート11を調節しかつ/又は位置決めし直すことができる。更に、カート/テーブルと支持タワー30との機能分割は、手術室の乱雑さを低減し、臨床ワークフローの改善を促進する。カート11は、患者の近くに位置決めされ得るが、タワー30は、処置中に邪魔にならないように離れた場所に収容され得る。
【0063】
上述のロボットシステムをサポートするために、タワー30は、例えば、永続的な磁気記憶ドライブ、ソリッドステートドライブなどの非一時的コンピュータ可読記憶媒体内にコンピュータプログラム命令を記憶するコンピュータベースの制御システムの構成要素を含み得る。これらの命令の実行は、実行がタワー30内で行われるのか又はカート11内で行われるのかにかかわらず、システム全体又はそのサブシステムを制御し得る。例えば、コンピュータシステムのプロセッサによって実行されるときに、命令は、ロボットシステムの構成要素に、当該キャリッジ及びアームマウントを作動させ、ロボットアームを作動させ、医療器具を制御させることができる。例えば、制御信号を受信したことに応答して、ロボットアームの関節にあるモータが、アームをある特定の姿勢に位置決めすることができる。
【0064】
タワー30は、内視鏡13を通して展開することができるシステムに、制御された灌注及び吸引機能を提供するために、ポンプ、流量計、弁制御、及び/又は流体アクセスも含み得る。これらの構成要素は、タワー30のコンピュータシステムも使用して制御され得る。いくつかの実施形態では、別個のケーブルを介して内視鏡13に灌注能力及び吸引能力を直接もたらすことができる。
【0065】
タワー30は、フィルタリングされ、保護された電力をカート11に提供するように設計された電圧及びサージ保護具を含み得、それによって、カート11内に電力変圧器及び他の補助電力構成要素を配置することが回避され、カート11はより小さく、より移動可能になる。
【0066】
タワー30は、ロボットシステム10全体に展開されたセンサのための支持機器も含み得る。例えば、タワー30は、ロボットシステム10全体にわたり光センサ又はカメラから受信したデータを検出し、受信し、処理するためのオプトエレクトロニクス機器を含み得る。制御システムと組み合わせて、このようなオプトエレクトロニクス機器を使用して、タワー30内を含むシステム全体にわたって展開した任意の数のコンソールに表示するためのリアルタイム画像を生成し得る。同様に、タワー30は、展開した電磁(ElectroMagnetic、EM)センサから信号を受信し、受信した信号を処理するための電子サブシステムも含み得る。タワー30はまた、医療器具内又は医療器具上のEMセンサによる検出用のEM場発生器を収容し、位置決めするために使用され得る。
【0067】
タワー30はまた、システムの残りの部分で利用可能な他のコンソール、例えば、カートの上部に装着されたコンソールに追加して、コンソール31も含み得る。コンソール31は、オペレータである医師用に、ユーザインターフェース及びタッチスクリーンなどの表示画面を含み得る。システム10のコンソールは、通常、ロボット制御と、内視鏡13のナビゲーション情報及び位置特定情報などの処置の術前情報及びリアルタイム情報との両方を提供するように設計される。コンソール31が、医師が使用できる唯一のコンソールではない場合、看護師などの第2のオペレータがコンソール31を使用して、患者の健康又は生命及びシステムの動作を監視するとともに、ナビゲーション情報及び位置特定情報などの処置固有のデータを提供し得る。他の実施形態では、コンソール30は、タワー30とは別個の本体内に収容される。
【0068】
タワー30は、1つ又は2つ以上のケーブル又は接続部(図示せず)を介してカート11及び内視鏡13に結合され得る。いくつかの実施形態では、タワー30からのサポート機能が、ケーブル1本だけを通してカート11に提供され得、手術室を簡略化し、整理整頓することができる。他の実施形態では、特定の機能が、別個の配線及び接続部において結合され得る。例えば、電力は、電力ケーブル1本だけを通してカートに供給され得る一方、制御装置、光学系、流体素子、及び/又はナビゲーションに対する支持は、別個のケーブルを通して提供され得る。
【0069】
図2は、
図1に示されるカートベースのロボット対応システムからのカートの実施形態の詳細な例解を提供する。カート11は、通常、細長支持構造14(しばしば「カラム」と称される)、カートベース15、及びカラム14の頂部にあるコンソール16を含む。カラム14は、1つ又は2つ以上のロボットアーム12(
図2には3つ示している)の展開を支持するためのキャリッジ17(代替的に「アーム支持体」)などの1つ又は2つ以上のキャリッジを含み得る。キャリッジ17は、患者に対する位置決めを良くするように、直交軸に沿って回転してアーム12のベースを調節する、個々に構成可能なアームマウントを含み得る。キャリッジ17はまた、キャリッジ17がカラム14に沿って垂直方向に並進するのを可能にするキャリッジインターフェース19を含む。
【0070】
キャリッジインターフェース19は、キャリッジ17の垂直方向の並進をガイドするためにカラム14の両側に位置決めされているスロット20などのスロットを通してカラム14に接続されている。スロット20には、カートベース15に対して様々な垂直方向の高さでキャリッジを位置決め、保持するための垂直方向並進インターフェースが入っている。キャリッジ17の垂直方向並進により、カート11は、様々なテーブル高さ、患者の大きさ、及び医師の選好を満たすようにロボットアーム12のリーチを調節することが可能となる。同様に、キャリッジ17上の個々に構成可能なアームマウントにより、ロボットアーム12のロボットアームベース21を様々な構成で角度付けすることが可能となる。
【0071】
いくつかの実施形態では、キャリッジ17が垂直方向に並進するときにカラム14の内部チャンバ及び垂直方向の並進インターフェース内に汚れ及び流体が侵入するのを防止するために、スロット20には、スロット表面と同一平面及び平行であるスロットカバーが追加され得る。スロットカバーは、スロット20の垂直上下の近くに位置決めされたばねスプール対を通して展開され得る。カバーは、キャリッジ17が上下に垂直方向に並進するにつれて、コイル状態から延伸及び後退するように展開するまで、スプール内でコイル巻きにされている。スプールのばね仕掛けは、キャリッジ17がスプールに向かって並進するときにはカバーをスプールに後退させる力を提供する一方、キャリッジ17がスプールから離れるように並進するときには密封も維持する。カバーは、キャリッジ17が並進するにつれて、カバーが適切に延伸及び後退することを確実にするために、例えば、キャリッジインターフェース19にあるブラケットを使用して、キャリッジ17に接続され得る。
【0072】
カラム14は、例えば、コンソール16からの入力などのユーザ入力に応答して生成された制御信号に応答してキャリッジ17を機械的に並進させるために垂直方向に位置合わせされた主ねじを使用するように設計された、ギア及びモータなどの機構を内部に含み得る。
【0073】
ロボットアーム12は、一般に、一連の関節24によって接続されている一連のリンク23によって分離されたロボットアームベース21及びエンドエフェクタ22を含み得、各関節は独立したアクチュエータを含み、各アクチュエータは、独立して制御可能なモータを含む。それぞれ別々に制御可能な関節は、ロボットアームが使用できる独立した自由度を示す。アーム12のそれぞれには7つの関節があり、ひいては7つの自由度をもたらす。多数の関節により、多数の自由度がもたらされ、「冗長」自由度を可能にする。冗長自由度により、ロボットアーム12が、異なるリンク位置及び関節角度を使用して、空間において特定の位置、配向、及び軌道で、そのそれぞれのエンドエフェクタ22を位置決めすることが可能になる。これにより、システムが、空間において所望の点から医療器具を位置決めし、方向付けることが可能になる一方、医師がアーム関節を患者から離れる臨床上有利な位置に移動させて、アームの衝突を回避しながらより大きいアクセスを引き起こすことを可能にする。
【0074】
カートベース15は、床の上のカラム14、キャリッジ17、及びアーム12の重量の釣り合いをとる。したがって、カートベース15は、電子機器、モータ、電源とともに、カートの移動及び/又は固定化のいずれでも可能にする構成要素など、より重い部品を収容する。例えば、カートベース15は、処置前にカートが部屋中をあちこちに容易に移動することを可能にする、転動可能なホイール形状のキャスタ25を含む。適切な位置に到達した後、キャスタ25は、処置中にカート11を所定の場所に保持するためのホイールロックを使用して動かないようにされ得る。
【0075】
カラム14の垂直方向の端部に位置決めされたコンソール16は、ユーザ入力を受信するためのユーザインターフェース及び表示画面(又は、例えば、タッチスクリーン26などの二重目的デバイス)の両方を可能にして、術前データ及び術中データの両方を医師であるユーザに提供する。タッチスクリーン26上の潜在的な術前データは、術前計画、術前コンピュータ断層撮影(computerized tomography、CT)スキャンから導出されたナビゲーション及びマッピングデータ、並びに/又は術前の患者への問診からのメモを含み得る。ディスプレイ上の術中データが、ツールから提供される光学情報、センサからのセンサ情報及び座標情報とともに、呼吸、心拍数、及び/又はパルスなどの不可欠な患者統計も含み得る。コンソール16は、医師に、キャリッジ17の反対側のカラム14側からコンソールにアクセスさせるように、位置決め及び傾斜され得る。この位置から、医師は、コンソール16をカート11の背後から操作しながら、コンソール16、ロボットアーム12、及び患者を見得る。示されるように、コンソール16は、カート11を操作し、安定させるのを助けるハンドル27も含む。
【0076】
図3は、尿管鏡検査用に配置された、ロボット対応システム10の一実施形態を例解する。尿管鏡検査処置では、カート11は、患者の尿道及び尿管を辿るように設計された処置専用内視鏡である尿管鏡32を患者の下腹部領域に送達するように、位置決めされ得る。尿管鏡検査では、尿管鏡32が、その範囲における敏感な解剖学的構造に対する摩擦及び力を低減するように患者の尿道と直接に位置合わせされることが望ましくあり得る。示す通り、ロボットアーム12が尿管鏡32を、患者の尿道に直接線形アクセスするように位置決めするのを可能にするように、カート11をテーブルの脚に位置合わせすることができる。テーブルの脚から、ロボットアーム12は、尿道を通して患者の下腹部に直接に、仮想レール33に沿って尿管鏡32を挿入することができる。
【0077】
気管支鏡検査におけるのと同様の制御技法を使用して尿道に挿入した後、尿管鏡32は、診断及び/又は治療用途のために、膀胱、尿管、及び/又は腎臓にナビゲートされ得る。例えば、尿管鏡32を尿管及び腎臓に方向付けて、尿管鏡32のワーキングチャネルを展開していくレーザー結石破砕デバイス又は超音波結石破砕デバイスを使用して、溜まった腎臓結石を破砕することができる。結石破砕が完了した後、尿管鏡32を展開していくバスケットを使用して、結果として得られた結石片を取り除くことができる。
【0078】
図4は、血管処置用に同様に配置された、ロボット対応システムの一実施形態を例解する。血管処置において、システム10は、カート11が、操縦可能なカテーテルなどの医療器具34を、患者の脚にある大腿動脈におけるアクセスポイントに送達することができるように構成され得る。大腿動脈は、ナビゲーションのためのより大きな直径とともに、患者の心臓への遠回りが比較的少ない曲がりくねった路との両方を呈し、これによりナビゲーションが簡単になる。尿管鏡検査処置に見られるように、カート11は、ロボットアーム12が、患者の大腿/腰領域における大腿動脈アクセスポイントへの直接線形アクセスを仮想レール35に提供することを可能にするように、患者の脚及び下腹部に向けて位置決めされ得る。動脈への挿入後、医療器具34は、器具ドライバ28を並進させることによって、方向付けされ、挿入され得る。代替的に、カートは、例えば、肩及び手首の近くの頸動脈及び腕動脈などの代替的な血管アクセスポイントに達するために、患者の上腹部の周囲に位置決めされ得る。
【0079】
B.ロボットシステム-テーブル。
ロボット対応の医療システムの実施形態はまた、患者テーブルを組み込み得る。テーブルの組み込みは、カートを取り外すことによって手術室内の資本設備量を低減し、患者へのより良好なアクセスを可能にする。
図5は、気管支鏡検査処置用に配置されたこのようなロボット対応システムの一実施形態を例解する。システム36は、プラットフォーム38(「テーブル」又は「ベッド」として図示)を床全体にわたり支持するための支持構造体又はカラム37を含む。カートベースのシステムとよく似て、システム36のロボットアーム39のエンドエフェクタは、器具ドライバ42の線形位置合わせから形成された仮想レール41を通して又はそれに沿って、
図5の気管支鏡40などの細長医療器具を操作するように設計されている器具ドライバ42を備える。実際には、蛍光透視撮像をもたらすためのCアームは、エミッタ及び検出器をテーブル38の周りに置くことによって、患者の上腹部域全体にわたって位置決めされ得る。
【0080】
図6は、考察目的で、患者及び医療器具なしのシステム36の代替的な図を提供する。示されるように、カラム37は、システム36において、1つ又は2つ以上のロボットアーム39のベースとなり得る、リング形状として示される1つ又は2つ以上のキャリッジ43を含み得る。キャリッジ43は、カラム37の長さを走る垂直カラムインターフェース44に沿って並進して、そこからロボットアーム39を患者に達するように位置決めされ得る異なる視座を提供し得る。キャリッジ43は、カラム37内に位置決めされた機械式モータを使用してカラム37を中心として回転して、ロボットアーム39が、例えば、患者の両側などのテーブル38の複数の側面へのアクセスを有すること可能にし得る。複数のキャリッジを有する実施形態では、キャリッジは、カラムに別々に位置決めされ得、他のキャリッジとは無関係に並進及び/又は回転し得る。キャリッジ43は、カラム37を取り囲む必要はなく、円形であることさえ必要はないが、図示のリング形状は、構造上のバランスを維持しながらカラム37を中心としたキャリッジ43が回転を容易にする。キャリッジ43の回転及び並進により、システムが、内視鏡及び腹腔鏡などの医療器具を患者の異なるアクセスポイントに位置合わせすることが可能になる。他の実施形態(図示せず)では、システム36は、それに並んで延在するバー又はレールの形態の調節可能なアーム支持体を有する患者テーブル又は患者ベッドを含むことがある。垂直方向に調節することができる調節可能なアーム支持体に1つ又は2つ以上のロボットアーム39を取り付けることができる(例えば、肘関節を有する肩部を介して)。垂直方向の調節をもたらすことによって、ロボットアーム39は、有利に、患者テーブル又は患者ベッドの下にコンパクトに収容され、その後、処置中に上げられる。
【0081】
アーム39は、ロボットアーム39に追加の構成可能性を提供するために個別に回転及び/又は入れ子式に延在し得る一連の関節を備えるアームマウント45のセットを介してキャリッジに装着され得る。更に、アームマウント45は、キャリッジ43に位置決めされ得、キャリッジ43が適切に回転するときに、アームマウント45は、テーブル38の同じ側面(
図6に示す通り)、テーブル38の両側(
図9に示す通り)、又はテーブル38の隣り合う側面(図示せず)のいずれにも位置決めされ得る。
【0082】
カラム37は、テーブル38の支持及びキャリッジの垂直方向の並進のための経路を構造的に提供する。内部に、カラム37は、キャリッジの垂直並進を案内するための主ねじと、主ねじに基づくそのキャリッジの並進を機械化するためのモータと、を装備され得る。カラム37は、キャリッジ43に、またそれに装着されたロボットアーム39に電力信号及び制御信号を伝達し得る。
【0083】
テーブルベース46は、
図2に示すカート11のカートベース15と同様の機能を果たし、テーブル/ベッド38、カラム37、キャリッジ43及びロボットアーム39の釣り合いをとるためにより重い構成要素を収容する。テーブルベース46はまた、処置中に安定性を提供するために、剛性キャスタを組み込み得る。テーブルベース46の底から展開するキャスタは、ベース46の両側で反対方向に伸び、システム36を移動させる必要があるときには後退し得る。
【0084】
引き続き
図6によれば、システム36は、テーブルとタワーとの間でシステム36の機能を分割して、テーブルのフォームファクタ及びバルクを低減するタワー(図示せず)も含み得る。先に開示した実施形態に見られるように、タワーは、処理能力、計算能力、及び制御能力、電力、流体素子、並びに/又は光学及びセンサ処理などの様々なサポート機能をテーブルに提供し得る。タワーは、医師のアクセスを改善し、手術室を整理整頓するように、患者から離して位置決めされるようにも移動させることができるものである。更に、タワーに構成要素を置くことにより、ロボットアームの考えられる収容用に、テーブルベースに収納スペースを広げることが可能になる。タワーは、キーボード及び/又はペンダントなどのユーザ入力用のユーザインターフェースと、リアルタイム撮像、ナビゲーション、及び追跡情報などの術前及び術中情報を対象とする表示画面(又はタッチスクリーン)との両方を提供するマスタコントローラ又はコンソールも含み得る。いくつかの実施形態では、タワーは、通気に使用されるガスタンク用のホルダも含み得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、テーブルベースは、使用されていないときにロボットアームを収容して格納し得る。
図7は、テーブルベースのシステムの一実施形態におけるロボットアームを収容するシステム47を例解する。システム47では、ロボットアーム50、アームマウント51、及びキャリッジ48をベース49内に収容するように、キャリッジ48をベース49の中に垂直方向に並進させることができる。ベースカバー52は、キャリッジ48、アームマウント51、及びアーム50を、カラム53を中心として展開させるために、並進され、かつ後退されて開き、使用しないときには、それらをしまって保護するために、閉じられ得る。ベースカバー52をその開口の縁に沿って膜54で密閉して、閉じたときに汚れ及び流体の侵入を防ぐことができる。
【0086】
図8は、尿管鏡検査処置用に構成されたロボット対応テーブルベースのシステムの一実施形態を例解する。尿管鏡検査では、テーブル38は、患者をカラム37及びテーブルベース46からオフ角に位置決めするためのスイベル部55を含み得る。スイベル部55は、スイベル部55の底部をカラム37から離して位置決めするために、枢動点(例えば、患者の頭部より下に位置する)を中心に回転又は枢動し得る。例えば、スイベル部55の枢動により、Cアーム(図示せず)を、テーブル38より下のカラム(図示せず)とスペースを奪い合うことなく、患者の下部腹部にわたって位置決めされることを可能にする。カラム37の周りにキャリッジ35(図示せず)を回転させることにより、ロボットアーム39は、尿道に到達するように、仮想レール57に沿って、患者の鼠径部域に尿管鏡56を直接挿入し得る。尿管鏡検査では、この処置中に患者の脚の位置を支持し、患者の鼠径部域への明確なアクセスを可能にするように、あぶみ58が、テーブル38のスイベル部55に固定され得る。
【0087】
腹腔鏡処置では、患者の腹壁内の小さな切開部を通して、低侵襲性器具が、患者の解剖学的構造に挿入され得る。いくつかの実施形態では、低侵襲性器具には、患者内の解剖学的構造にアクセスするのに使用されるシャフトなどの細長剛性部材が含まれる。患者の腹腔の膨張後、把持、切断、アブレーション、縫合などの外科タスク又は医療タスクを実施するために、器具は、方向付けられ得る。いくつかの実施形態では、器具は、腹腔鏡などのスコープを備えることができる。
図9は、腹腔鏡処置用に構成されたロボット対応テーブルベースのシステムの一実施形態を例解する。
図9に示されるように、システム36のキャリッジ43は、器具59が患者の両側の最小切開部を通過して患者の腹腔に到達するようにアームマウント45を使用して位置決めされ得るように、ロボットアーム39の対をテーブル38の両側に位置決めするために、回転され、垂直方向に調節され得る。
【0088】
腹腔鏡処置に対応するために、ロボット対応テーブルシステムはまた、プラットフォームを所望の角度に傾斜し得る。
図10は、ピッチ又は傾斜調節を伴うロボット対応医療システムの一実施形態を例解する。
図10に示す通り、システム36は、テーブル38の傾斜に適合して、テーブルの一部分を他の部分よりも床から離して位置決めする。更に、アーム39がテーブル38と同じ平面関係を維持するような傾斜に一致するように、アームマウント45が回転し得る。急角度に適合するために、カラム37は、テーブル38が床に接触するか又はベース46と衝突するのを防ぐようにカラム37の垂直伸びを可能にする入れ子部60も含み得る。
【0089】
図11は、テーブル38とカラム37との間のインターフェースの詳細な例解図を提供する。ピッチ回転機構61は、カラム37に対するテーブル38のピッチ角を複数の自由度で変えるように構成され得る。ピッチ回転機構61は、カラム-テーブルインターフェースにおける直交軸1、2の位置決めによって有効化され得、各軸は、電気ピッチ角コマンドに応答して別々のモータ3、4によって作動する。一方のねじ5に沿った回転は、ある軸1における傾斜調節を可能にするであろうが、他方のねじ6に沿った回転は、他方の軸2に沿った傾斜調節を可能にするであろう。いくつかの実施形態では、球関節を使用すると、カラム37に対するテーブル38のピッチ角を複数の自由度で変えることができる。
【0090】
例えば、ピッチ調節は、テーブルをトレンデレンブルグ体位に位置決めしようとするときに、すなわち下腹部手術のために患者の下腹部よりも床からより高い位置に患者の下腹部を位置決めしようとするときに、特に有用である。トレンデレンブルグ体位により、重力によって患者の内臓を患者の上腹部に滑らせ、低侵襲性ツールが入って腹腔鏡前立腺切除術などの下腹部の外科処置又は医療処置を実施する際に、腹腔を空にする。
【0091】
図12及び
図13は、テーブルベースの外科用ロボットシステム100の代替的な実施形態の等角図及び端面図を例解する。外科用ロボットシステム100は、テーブル101に対して1つ又は2つ以上のロボットアームを支持するように構成することができる1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体105を含む(例えば、
図14参照)。例解される実施形態では、調節可能なアーム支持体105が1つだけ示されているが、テーブル101の反対側に更なるアーム支持体を提供することができる。テーブル101に対して移動して、調節可能なアーム支持体105及び/又はそれに取り付けられたいかなるロボットアームの位置もテーブル101に対して調節しかつ/又は変えることができるように、調節可能なアーム支持体105を構成することができる。例えば、アーム支持体105は、テーブル101に対して1つ又は2つ以上の自由度で調節可能な調節され得る。調節可能なアーム支持体105は、1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体105及びそれに取り付けられたいかなるロボットアームもテーブル101の下に容易に収容する能力を含む、高い多様性をシステム100に提供する。調節可能なアーム支持体105を収容位置から、テーブル101の上面より下の位置まで上げることができる。他の実施形態では、調節可能なアーム支持体105を、収容位置から、テーブル101の上面より上の位置まで上げることができる。
【0092】
調節可能なアーム支持体105は、リフト、横方向並進、傾斜などを含む、いくつかの自由度を提供することができる。
図12及び
図13の例解される実施形態では、アーム支持体105は、4つの自由度で構成され、それらは
図12に矢印で例解されている。第1の自由度により、z方向における調節可能なアーム支持体105の調節(「Zリフト」)が可能になる。例えば、調節可能なアーム支持体105は、テーブル101を支持するカラム102に沿って又はそれに対して上下に動くように構成されたキャリッジ109を含むことができる。第2の自由度は、調節可能なアーム支持体105が傾斜することを可能にすることができる。例えば、調節可能なアーム支持体105は、回転関節を含むことができ、これにより、調節可能なアーム支持体105を、トレンデレンブルグ体位のベッドと位置合わせすることを可能にすることができる。第3の自由度により、調節可能なアーム支持体105を「ピボットアップ」させることができ、それを使用して、テーブル101の側面と調節可能なアーム支持体105との間隔を調節することができる。第4の自由度は、テーブルの長手方向の長さに沿った調節可能なアーム支持体105の並進を可能にすることができる。
【0093】
図12及び
図13の外科用ロボットシステム100は、ベース103に装着されているカラム102によって支持されるテーブルを備え得る。ベース103及びカラム102は、支持面に対してテーブル101を支持する。床軸131及び支持軸133を
図13に示す。
【0094】
調節可能なアーム支持体105をカラム102に装着することができる。他の実施形態では、アーム支持体105をテーブル101又はベース103に装着することができる。調節可能なアーム支持体105は、キャリッジ109、バー又はレールコネクタ111、及びバー又はレール107を含むことができる。いくつかの実施形態では、レール107に装着された1つ又は2つ以上のロボットアームは、互いに対して並進し移動することができる。
【0095】
キャリッジ109は、第1の関節113によって、カラム102に取り付けることができ、これにより、キャリッジ109がカラム102に対して移動することが可能になる(例えば、第1の軸すなわち垂直軸123を上下するなど)。第1の関節113は、調節可能なアーム支持体105に第1の自由度(「Zリフト」)を提供することができる。調節可能なアーム支持体105は、第2の自由度(傾斜)を調節可能なアーム支持体105に提供する第2の関節115を含むことができる。調節可能なアーム支持体105は、第3の自由度(「ピボットアップ」)を調節可能なアーム支持体105に提供することができる第3の関節117を含むことができる。第3の軸127を中心にしてレールコネクタ111を回転させるにつれたレール107の配向を維持するように第3の関節117を機械式に拘束する、更なる関節119(
図13に示す)を提供することができる。調節可能なアーム支持体105は、第4の自由度(並進)を第4の軸129に沿って調節可能なアーム支持体105に提供することができる第4の関節121を含むことができる。
【0096】
図14は、2つの調節可能なアーム支持体105A、105Bがテーブル101の両側に装着された状態の外科用ロボットシステム140Aの端面図を例解する。第1のロボットアーム142Aは、第1の調節可能なアーム支持体105Bのバー又はレール107Aに取り付けられている。第1のロボットアーム142Aは、レール107Aに取り付けられたベース144Aを含む。第1のロボットアーム142Aの遠位端は、1つ又は2つ以上のロボット医療器具又はロボット医療ツールに取り付けることができる器具駆動機構146Aを含む。同様に、第2のロボットアーム142Bは、レール107Bに取り付けられたベース144Bを含む。第2のロボットアーム142Bの遠位端は、器具駆動機構146Bを含む。器具駆動機構146Bは、1つ又は2つ以上のロボット医療器具又はロボット医療ツールに取り付けるように構成され得る。
【0097】
いくつかの実施形態では、ロボットアーム142A、142Bのうちの1つ又は2つ以上が、7つ又はそれ以上の自由度を有するアームを備える。いくつかの実施形態では、ロボットアーム142A、142Bのうちの1つ又は2つ以上が、挿入軸(挿入を含む1つの自由度)、リスト(リストピッチ、ヨー及びロールを含む3つの自由度)、エルボ(エルボピッチを含む1つの自由度)、ショルダ(ショルダピッチ及びヨーを含む2つの自由度)、及びベース144A、144B(並進を含む1つの自由度)、を含む8つの自由度を含むことができる。いくつかの実施形態では、挿入自由度は、ロボットアーム142A、142Bによって提供することができるが、他の実施形態では、器具自体が、器具ベースの挿入アーキテクチャを介して挿入を提供する。
【0098】
C.器具ドライバ及びインターフェース。
システムのロボットアームのエンドエフェクタは、(i)医療器具を作動させるための電気機械的手段を組み込む器具ドライバ(代替的に、「器具駆動機構」又は「器具デバイスマニピュレータ」と称される)と、(ii)モータなどの任意の電気機械的構成要素を欠いている場合がある除去可能な又は取り外し可能な医療器具と、を備える。この二分は、医療処置において使用される医療器具を滅菌する必要性と、医療器具の複雑な機械組立と敏感な電子機器とに起因して高価な資本設備を十分に滅菌することができないこと、によって引き起こされる可能性がある。したがって、医療器具は、医師又は医師のスタッフによる個々の滅菌又は廃棄時に、器具ドライバ(ひいてはそのシステム)から引き離され、取り外され、入れ替えられるように、設計され得る。これに対して、器具ドライバは、取り替えられなくても、滅菌されなくても済み、保護のためにドレーピングされ得る。
【0099】
図15は、例示的な器具ドライバを例解する。ロボットアームの遠位端に位置決めされた器具ドライバ62は、駆動軸64を介して医療器具に制御式トルクを提供するように平行軸を伴って配置された1つ又は2つ以上の駆動ユニット63で構成されている。各駆動ユニット63は、器具と相互作用するための個別の駆動軸64と、モータ軸回転を所望のトルクに変換するためのギアヘッド65と、駆動トルクを発生させるためのモータ66と、モータ軸の回転速度を測定して制御回路にフィードバックを提供するエンコーダ67と、制御信号を受信して駆動ユニットを作動させるための制御回路68と、を備える。各駆動ユニット63は、他と無関係に制御され、電動化され、器具ドライバ62は、複数(
図15では4つを示す)の独立した駆動出力を医療器具に提供し得る。作動時、制御回路68が、制御信号を受信し、モータ66にモータ信号を送信し、エンコーダ67によって測定された結果として得られたモータ回転速度を所望の速度と比較し、モータ信号を変調して、所望のトルクを生成すると考えられる。
【0100】
滅菌環境を必要とする処置のために、ロボットシステムは、器具ドライバと医療器具との間に位置する、滅菌ドレープに接続された滅菌アダプタなどの駆動インターフェースを組み込み得る。滅菌アダプタの主な目的は、駆動軸と駆動入力との物理的分離、ひいては無菌性を維持しながら、器具ドライバの駆動軸から器具の駆動入力に角運動を伝達することである。したがって、滅菌アダプタ例は、器具ドライバの駆動軸と対合することが意図された一連の回転入力及び出力と、器具への駆動入力とで構成することができる。滅菌アダプタに接続される滅菌ドレープは、透明プラスチック又は半透明プラスチックなどの薄い可撓性材料で構成され、器具ドライバ、ロボットアーム、及びカート(カートベースのシステムにおける)又はテーブル(テーブルベースのシステムにおける)などの資本設備を覆うように設計されている。ドレープの使用により、滅菌を必要としない範囲(すなわち、非滅菌野)に依然として位置している間に、資本設備を患者に近接して位置決めすることが可能となる。滅菌ドレープの他方の側では、医療器具は、滅菌を必要とする範囲(すなわち、滅菌野)において患者と界面でつながれ得る。
【0101】
D.医療器具。
図16は、ペアの器具ドライバを備えた例示的な医療器具を例解する。ロボットシステムで使用するように設計された他の器具と同じく、医療器具70は、細長シャフト71(又は細長本体)及び器具ベース72を備える。医師による手動相互作用が意図されているその設計により「器具ハンドル」とも称される器具ベース72には、通常、ロボットアーム76の遠位端において器具ドライバ75上の駆動インターフェースを貫通する駆動出力74と対合するように設計されている回転式駆動入力73、例えば、レセプタクル、プーリー、又はスプールを備え得る。物理的に接続、ラッチ、及び/又は結合されるときに、器具ベース72の対合駆動入力73は、器具ドライバ75における駆動出力74と回転軸を共有して、駆動出力74から駆動入力73へのトルクの伝達を可能にし得る。いくつかの実施形態では、駆動出力74には、駆動入力73にあるレセプタクルと対合するように設計されているスプラインを備え得る。
【0102】
細長シャフト71は、例えば、内視鏡におけるような解剖学的開口部若しくは管腔、又は腹腔鏡検査におけるような低侵襲性切開部のいずれかを通して送達されるように設計される。細長シャフト71は、可撓性(例えば、内視鏡と同様の性質を有する)若しくは剛性(例えば、腹腔鏡と同様の性質を有する)のいずれでもあり得るか、又は可撓性部と剛性部との両方のカスタマイズされた組み合わせを含み得る。腹腔鏡検査用に設計される場合、剛性細長シャフトの遠位端は、少なくとも1つの自由度を有するクレビスから形成された関節式リストから延在するエンドエフェクタに、かつ、駆動入力が器具ドライバ75の駆動出力74から受信したトルクに応答して回転するにつれて、テンドンからの力に基づいて作動され得る、例えば、把持具又ははさみなどの手術ツール又は医療器具に接続され得る。内視鏡検査用に設計される場合、可撓性の細長シャフトの遠位端は、器具ドライバ75の駆動出力74から受信したトルクに基づいて関節運動され、曲げられ得る操縦可能屈曲部又は制御可能屈曲部を含み得る。
【0103】
器具ドライバ75からのトルクは、シャフト71に沿った腱を使用して細長シャフト71の下流に伝達される。器具ハンドル72内の個々の駆動入力73にプルワイヤなどのこれらの個々のテンドンを個別に固定することができる。ハンドル72から、テンドンが、細長シャフト71に沿って1つ又は2つ以上のプルルーメンを進んでいき、細長シャフト71の遠位部分に固定されるか、又は細長シャフトの遠位部分にあるリストに固定される。腹腔鏡処置、内視鏡処置、又はハイブリッド処置などの外科処置中、リスト、把持具、又ははさみなどの遠位に装着されたエンドエフェクタに、これらのテンドンを結合することができる。このような配置下で、駆動入力73に及ぼされるトルクは、テンドンに張力を伝達することにより、エンドエフェクタを何らかの方式で作動させると考えられる。いくつかの実施形態では、外科処置中、テンドンが、関節を、軸を中心として回転させることによって、エンドエフェクタをある方向又は別の方向に移動させ得る。代替的に、テンドンは、テンドンからの張力によって把持具が閉じる、細長シャフト71の遠位端で把持具の1つ又は2つ以上のジョーに接続され得る。
【0104】
内視鏡検査では、腱は、接着剤、制御リング、又は他の機械的固定を介して、細長シャフト71に沿って(例えば、遠位端に)位置決めされている屈曲部又は関節運動部分に結合され得る。屈曲部分の遠位端に固定して取り付けられるときに、駆動入力73に及ぼされるトルクがテンドンに伝わっていくことにより、より柔らかい屈曲部分(関節運動部分又は関節運動領域と称されることがある)が曲がるか又は関節運動すると考えられる。非屈曲部分に沿って、個々のテンドンを内視鏡シャフトの壁に沿って(又は内側に)方向付ける個々のプルルーメンを螺旋状又は渦巻状にして、プルワイヤにおける張力からもたらされる半径方向の力の釣り合いをとるのが都合の良い場合がある。これらの間の螺旋及び/又は間隔の角度は、具体的な目的のために、改変又は工作され得、螺旋が狭くなると、負荷力下で劣ったシャフト圧縮を呈する一方、螺旋の程度が下がると、負荷力下で優れたシャフト圧縮をもたらすが、曲げの限界も呈する。スペクトルの他方の端では、プルルーメンを細長シャフト71の長手方向軸に平行に方向付けると、所望の曲がり部分又は関節運動部分における制御式関節運動を可能にすることができる。
【0105】
内視鏡検査では、細長シャフト71は、ロボット処置を支援するいくつかの構成要素を収容する。細長シャフトは、手術ツール(又は医療器具)、灌注、及び/又は吸引をシャフト71の遠位端における手術部位に展開させるためのワーキングチャネルで構成され得る。細長シャフト71には、光学カメラを含むことがある光学組立体に/から遠位先端において信号を伝える、ワイヤ及び/又は光ファイバも収容することができる。シャフト71は、発光ダイオードなどの近位に位置する光源からシャフトの遠位端に光を搬送するための光ファイバも収容し得る。
【0106】
器具70の遠位端では、遠位先端部は、診断及び/又は治療、灌注、及び吸引のためにツールを手術部位に送達するための作業チャネルの開口部を含み得る。遠位先端には、内部解剖学的空間の画像を取り込むために、ファイバスコープ又はデジタルカメラなどのカメラ用のポートも含み得る。これに関連して、遠位先端には、カメラを使用する際に解剖学的空間を照らすための光源用のポートも含み得る。
【0107】
図16の実施例では、駆動シャフト軸、したがって駆動入力軸は、細長シャフトの軸に直交する。しかし、この配置は、細長シャフト71のロール能力を複雑にする。駆動入力73を静止させながら、細長シャフト71をその軸に沿って転がすことの結果として、テンドンが駆動入力73から出て、細長シャフト71内のプルルーメンに入るにつれて、テンドンの望ましからざるもつれをもたらす。結果として生じるこのようなテンドンのもつれは、内視鏡処置中に可撓性の細長シャフトの移動を予測することを目的とするいかなる制御アルゴリズムも邪魔することがある。
【0108】
図17は、駆動ユニットの軸が器具の細長シャフトの軸に平行である、器具ドライバ及び器具の代替的な設計を例解する。示す通り、円形の器具ドライバ80は、その駆動出力81がロボットアーム82の端において平行に位置合わせされた状態の4つの駆動ユニットを備える。駆動ユニット及びそのそれぞれの駆動出力81は、その組立体83内の駆動ユニットのうちの1つによって駆動される器具ドライバ80の回転組立体83に収容されている。回転駆動ユニットによって提供されるトルクに応答して、回転組立体83は、回転組立体83を器具ドライバの非回転部分84に接続する円形ベアリングに沿って回転する。電力及び制御信号は、電気接点を介して器具ドライバ80の非回転部分84から回転組立体83に伝達され得、ブラシ付きスリップリング接続(図示せず)による回転を通して維持され得る。他の実施形態では、回転組立体83は、非回転可能部分84に一体化され、ひいては他の駆動ユニットと平行ではない別個の駆動ユニットに応答し得る。回転機構83により、器具ドライバ80が、器具ドライバ軸85を中心とする単一ユニットとして、駆動ユニット及びそのそれぞれの駆動出力81を回転させることが可能になる。
【0109】
先に開示した実施形態と同様に、器具86は、細長シャフト部分88と、器具ドライバ80内の駆動出力81を受容するように構成された複数の駆動入力89(レセプタクル、プーリー、及びスプールなど)を含む器具ベース87(考察目的で透明な外部スキンで示される)と、を含み得る。前に開示した実施形態とは異なり、軸が、
図16の設計に見られるように直交するのではなく、駆動入力89の軸に実質的に平行である状態で、器具シャフト88は、器具ベース87の中心から延出する。
【0110】
器具ドライバ80の回転組立体83に結合されるときに、器具ベース87及び器具シャフト88を含む医療器具86は、器具ドライバ軸85を中心にして回転組立体83と一緒に回転する。器具シャフト88が器具ベース87の中心に位置決めされているため、器具シャフト88は、取り付けられると器具ドライバ軸85と同軸になる。したがって、回転組立体83の回転により、器具シャフト88は、自らの長手方向軸を中心として回転する。また、器具ベース87が器具シャフト88とともに回転するので、器具ベース87にある駆動入力89に接続されたいずれのテンドンも、回転中にもつれることはない。したがって、駆動出力81、駆動入力89、及び器具シャフト88の軸の平行性は、どの制御テンドンももつれさせることなくシャフト回転を可能にする。
【0111】
図18は、いくつかの実施形態による、器具ベースの挿入アーキテクチャを有する器具を例解する。器具150は、上で考察した器具ドライバのうちのいずれにでも結合することができる。器具150は、細長シャフト152と、細長シャフト152に接続されたエンドエフェクタ162と、細長シャフト152に結合されたハンドル170と、を備える。細長シャフト152は、近位部分154及び遠位部分156を有する管状部材を含む。細長シャフト152は、その外側表面に沿った1つ又は2つ以上のチャネル又は溝158を備える。溝158は、1つ又は2つ以上のワイヤ又はケーブル180を受容するように構成されている。したがって、1つ又は2つ以上のケーブル180は、細長シャフト152の外側表面に沿って走っている。他の実施形態では、ケーブル180は、細長シャフト152を走ることもできる。ケーブル180のうちの1つ又は2つ以上の巧みな操作(例えば、器具ドライバを介して)により、エンドエフェクタ162の作動がもたらされる。
【0112】
器具ベースとも称されることがある器具ハンドル170には、通常、器具ドライバの取り付け面上で1つ又は2つ以上のトルクカプラと相互に対合するように設計されている1つ又は2つ以上の機械式入力174、例えば、レセプタクル、プーリー又はスプールを有する取り付けインターフェース172を備えることができる。
【0113】
いくつかの実施形態では、器具150は、細長シャフト152にハンドル170に対して並進することを可能にさせる一連のプーリー又はケーブルを備える。言い換えると、器具150そのものが、器具の挿入に適合する器具ベースの挿入アーキテクチャを構成しているので、ロボットアームへの依存を最小限に抑えて、器具150の挿入をもたらす。他の実施形態では、ロボットアームが、器具の挿入に大きく関与することができる。
【0114】
E.コントローラ。
本明細書に記載のロボットシステムのうちのいずれかは、ロボットアームに取り付けられた器具を操作するための入力デバイス又はコントローラを含むことができる。いくつかの実施形態では、コントローラの操作が、例えば、マスタスレーブ制御を介して、器具の対応する操作りを引き起こすような器具とコントローラを結合させることができる(例えば、通信可能に、電気で、無線で、かつ/又は機械で)。
【0115】
図19は、コントローラ182の一実施形態の斜視図である。この実施形態では、コントローラ182には、インピーダンス制御とアドミタンス制御との両方を備えることができるハイブリッドコントローラが含まれる。他の実施形態では、コントローラ182は、インピーダンス制御すなわちは受動制御だけしか活かすことができない。他の実施形態では、コントローラ182は、アドミタンス制御だけしか活かすことができない。ハイブリッドコントローラであることにより、使用中、コントローラ182の知覚慣性を低くすることができるのが好都合である。
【0116】
例解される実施形態では、コントローラ182は、2つの医療器具の操作を可能にするように構成されており、2つのハンドル184を含む。ハンドル184のそれぞれは、ジンバル186に接続されている。各ジンバル186は、位置決めプラットフォーム188に接続されている。
【0117】
図19に示す通り、各位置決めプラットフォーム188は、プリズム関節196によってカラム194に結合されたSCARAアーム(選択的コンプライアンス組立ロボットアーム)198を含む。プリズム関節196は、カラム194に沿って(例えば、レール197に沿って)並進して、ハンドル184のそれぞれがz方向に並進するのを可能にし、第1の自由度を提供するように構成されている。SCARAアーム198は、x-y平面におけるハンドル184の動きを可能にし、追加の自由度2を提供するように構成されている。
【0118】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のロードセルがコントローラ内に位置決めされる。例えば、いくつかの実施形態では、ロードセル(図示せず)が、ジンバル186のそれぞれの本体に位置決めされている。ロードセルを提供することによって、コントローラ182の一部が、アドミタンス制御下で作動することができ、それによって、使用中にコントローラの知覚慣性を有利に低減する。いくつかの実施形態では、位置決めプラットフォーム188がアドミタンス制御用に構成されている一方、ジンバル186がインピーダンス制御用に構成されている。他の実施形態では、ジンバル186がアドミタンス制御用に構成されている一方、位置決めプラットフォーム188がインピーダンス制御用に構成されている。したがって、いくつかの実施形態によっては、位置決めプラットフォーム188の並進自由度又は位置自由度は、アドミタンス制御を当てにすることができる一方、ジンバル186の回転自由度は、インピーダンス制御により決まってくる。
【0119】
F.ナビゲーション及び制御。
従来の内視鏡検査は、オペレータである医師に腔内誘導を提供するために、蛍光透視法(例えば、Cアームを通して送達され得るような)、及び他の形態の放射線ベースの撮像モダリティの使用を伴い得る。これに対し、本開示によって可能性が考えられるロボットシステムは、放射線への医師の曝露を低減し、手術室内の機器量を低減するために、非放射線ベースのナビゲーション手段及び位置特定手段を提供することができる。本明細書で使用する際、「位置特定」という用語は、基準座標系内の対象物の位置を判断し/又は監視することを指し得る。術前写像、コンピュータビジョン、リアルタイムEM追跡、及びロボットコマンドデータなどの技術を個別に又は組み合わせて使用して、放射線のない手術環境を達成し得る。放射線ベースの撮像モダリティが依然として使用される他のケースでは、術前写像、コンピュータビジョン、リアルタイムEM追跡、及びロボットコマンドデータを個別に又は組み合わせて使用して、放射線ベースの撮像モダリティを通してのみ得られる情報を改善し得る。
【0120】
図20は、例示的な実施形態による、器具の場所など、ロボットシステムの1つ又は2つ以上の要素の位置を推定する位置特定システム90を例解するブロック図である。位置特定システム90は、1つ又は2つ以上の命令を実行するように構成された1つ又は2つ以上のコンピュータデバイスセットであり得る。コンピュータデバイスは、上で考察した1つ又は2つ以上の構成要素における1つのプロセッサ(又は複数のプロセッサ)及びコンピュータ可読メモリによって具体化され得る。一例として、コンピュータデバイスは、
図1に示すタワー30、
図1~
図4に示すカート、
図5~
図14に示すベッドにあり得るが、それに限定されるものではない。
【0121】
図20に示されるように、位置特定システム90は、入力データ91~94を処理して、医療器具の遠位先端部の位置データ96を生成する位置特定モジュール95を含み得る。位置データ96は、基準系に対する器具の遠位端の場所及び/又は配向を表すデータ又は論理であり得る。基準系とは、患者の解剖学的構造に対する、又はEM場発生器(EM場発生器についての以下の考察を参照)などの分かっている対象物に対する基準系とすることができる。
【0122】
ここで、様々な入力データ91~94についてより詳細に説明する。低用量CTスキャンの収集の使用を通して術前写像を果たすことができる。術前CTスキャンは、例えば、患者の内部解剖学的構造の切欠き図の「スライス」として可視化される三次元画像に再構成される。全体として分析される場合、患者の肺網などの患者の解剖学的構造の解剖学的空腔、解剖学的空間、及び解剖学的構造を対象とする画像ベースのモデルを起こすことができる。中心線形状などの手法をCT画像から判断し、近似して、モデルデータ91(術前CTスキャンのみを使用して起こされた場合は「術前モデルデータ」とも称される)と称される患者の解剖学的構造の三次元ボリュームを作成することができる。中心線形状の使用は、その内容の全体が本明細書に組み込まれている、米国特許出願第14/523,760号で考察されている。ネットワーク位相モデルもまた、CT画像から導出することができ、気管支鏡検査に特に適切である。
【0123】
いくつかの実施形態では、器具は、視覚データ92を提供するために、カメラが装備され得る。位置特定モジュール95が、1つ又は2つ以上の視覚ベースの場所追跡を可能にするように、視覚データを処理し得る。例えば、術前モデルデータを視覚データ92と併用して、医療器具(例えば、内視鏡、又は内視鏡のワーキングチャネルを通って前進する器具)のコンピュータビジョンベースの追跡を可能にし得る。例えば、術前モデルデータ91を使用して、ロボットシステムは、内視鏡の予想される移動路に基づいて、モデルから予測される内視鏡画像ライブラリを生成し得、各画像はモデル内の位置にリンクされる。手術中に、このライブラリは、カメラ(例えば、内視鏡の遠位端にあるカメラ)に取り込まれたリアルタイム画像を画像ライブラリにあるものと比較して、位置特定を助けるために、ロボットシステムによって参照され得る。
【0124】
他のコンピュータビジョンベースの追跡技術は、特徴追跡を使用して、カメラ、ひいては、内視鏡の運動を判定する。位置特定モジュール95のいくつかの特徴は、解剖学的管腔に対応する円形幾何学形状を術前モデルデータ91において特定し、その幾何学的形状の変化を追跡し、どの解剖学的管腔が選択されたか、またカメラの相対的な回転及び/又は並進運動を確認し得る。位相マップの使用は、視覚ベースのアルゴリズム又は視覚ベースの技法を更に向上させ得る。
【0125】
光学フロー、別のコンピュータビジョンベースの技術は、カメラの移動を推測するために、視覚データ92内のビデオシーケンス内の画像ピクセルの変位及び並進を分析し得る。光学フロー技術の例としては、運動検出、物体セグメンテーション計算、輝度、運動補償符号化、立体視差測定などが挙げられ得る。複数の反復にわたり複数のフレームを比較することにより、カメラ(及びしたがって内視鏡)の移動及び場所が判定され得る。
【0126】
位置特定モジュール95は、リアルタイムEM追跡を使用して、術前モデルによって表される患者の解剖学的構造に登録され得るグローバル座標系内に、内視鏡のリアルタイムの位置を生成し得る。EM追跡では、医療器具(例えば、内視鏡器具)に1つ又は2つ以上の場所及び配向で埋め込まれた1つ又は2つ以上のセンサコイルで構成されたEMセンサ(又はトラッカ)が、既知の場所に位置決めされた1つ又は2つ以上の静的EM場発生器によって生み出されたEM場の変動を測定する。EMセンサによって検出された場所情報は、EMデータ93として保存される。EM場発生器(又は送信機)は、埋め込まれたセンサが検出することができる低強度磁場を生み出すように、患者の近くに置かれ得る。磁場は、EMセンサのセンサコイルに小さい電流を誘導し、これは、EMセンサとEM場発生器との間隔及び角度を判定するために分析され得る。患者の解剖学的構造の術前モデルにおける位置と座標系における場所1つだけを位置合わせする幾何学的変換を確認するために、これらの間隔及び配向は、患者の解剖学的構造(例えば、術前モデル)に術中「見当合わせ」され得る。見当合わせされると、医療器具の1つ又は2つ以上の位置(例えば、内視鏡の遠位先端)に埋め込まれたEMトラッカが、患者の解剖学的構造を通る医療器具の進行のリアルタイム表示を提供し得る。
【0127】
ロボットコマンド及び運動学データ94はまた、ロボットシステムのための位置特定データ96を提供するために、位置特定モジュール95によって使用され得る。術前較正中に、関節運動コマンドからもたらされるデバイスピッチ及びヨーが判定され得る。術中に、これらの較正測定を分かっている挿入深度情報と組み合わせて使用して、器具の位置を推定し得る。代替的に、これらの計算を、EM、視覚、及び/又は位相モデリングと組み合わせて分析して、ネットワーク内の医療器具の位置を推定し得る。
【0128】
図20が示すように、いくつかの他の入力データは、位置特定モジュール95によって使用することができる。例えば、
図20には示されていないが、形状感知ファイバを利用する器具が、位置特定モジュール95が器具の位置及び形状を確認するのに使用することができる形状データを提供することができる。
【0129】
位置特定モジュール95は、入力データ91~94を組み合わせて使用し得る。場合によっては、このような組み合わせでは、位置特定モジュール95が入力データ91~94のそれぞれから確認した場所に信頼重みを割り当てるという確率的手法を使用し得る。したがって、EMデータが信頼できない場合(EM干渉がある場合など)、EMデータ93によって確認された位置の信頼性を低下させることがあり、位置特定モジュール95は、視覚データ92並びに/又はロボットコマンド及び運動学データ94をより強く当てにすることがある。
【0130】
上で考察されるように、本明細書で考察されるロボットシステムは、上述の技術のうちの1つ又は2つ以上の組み合わせを組み込むように設計することができる。タワー、ベッド、及び/又はカートに基づいているロボットシステムのコンピュータベースの制御システムは、例えば、永続的な磁気記憶ドライブ、ソリッドステートドライブなどの非一時的コンピュータ可読記憶媒体内に、コンピュータプログラム命令を記憶し得、コンピュータプログラム命令は、実行されると、システムに、センサデータ及びユーザコマンドを受信及び分析させ、システム全体の制御信号を生成させ、グローバル座標系内の器具の位置、解剖学的マップなどのナビゲーション及び位置特定データを表示させる。
【0131】
2.リアルタイム3Dロボットステータスのためのシステム、デバイス、及び方法の概論
本出願は、ロボット医療システムのステータスを医師/医師助手に通信するために、リアルタイムレンダリング(例えば、三次元(3-D)画像、モデル、情報などの3-Dレンダリング)を使用するロボット医療システムを開示する。
【0132】
本明細書に記載されるように、ロボット医療システムは、処置に対応する事前プログラムされたワークフローを実行して、処置を通して医師/医師助手をガイドするように構成され得る。いくつかの実施形態では、事前プログラムされたワークフローは、術前段階、術中段階、及び/又は術後(例えば、解体)段階などの1つ又は2つ以上の段階を含むことができる。段階の各々は、1つ又は2つ以上のそれぞれのステップを含むことができる。3-Dレンダリングを使用して、1つ又は2つ以上の段階中のロボット医療システムのリアルタイムステータス、及び特にロボット医療システムの位置変化をリアルタイムで通信することができる。
【0133】
本明細書に記載されるように、3-Dレンダリングを使用して、ロボット医療システムのロボット制御及び/又は手動制御に応答して、ロボット医療システムのリアルタイムステータスを通信することができる。
【0134】
いくつかの実施形態では、3-Dレンダリングを使用して、ロボット医療システムの手動制御に応答して、ロボット医療システムのステータスを通信するために使用することができる。
【0135】
A.ロボットシステム
図21は、いくつかの実施形態による例示的なロボット医療システム200を例解する。いくつかの実施形態では、ロボット医療システム200は、ロボット医療システム(例えば、ロボット手術システム)である。
図21の例では、ロボット医療システム200は、患者支持プラットフォーム202(例えば、患者プラットフォーム、テーブル、ベッドなど)を備える。患者支持プラットフォーム202の長さに沿った2つの端部は、それぞれ「頭部」及び「脚部」と称される。患者支持プラットフォーム202の2つの側は、それぞれ「左」及び「右」と称される。患者支持プラットフォーム202は、患者支持プラットフォーム202のための支持体204(例えば、剛性フレーム)を含む。
【0136】
ロボット医療システム200はまた、ロボット医療システム200を支持するためのベース206を備える。ベース206は、ロボット医療システム200が物理的環境において容易に移動可能又は再位置決め可能であることを可能にする車輪208を含む。いくつかの実施形態では、車輪208は、ロボット医療システム200から省略されるか、又は後退可能であり、ベース206が地面又は床に直接置かれることができる。いくつかの実施形態では、車輪208は足で置き換えられる。
【0137】
ロボット医療システム200は、1つ又は2つ以上のロボットアーム210を含む。ロボットアーム210は、
図1~
図20を参照して上述したロボット医療処置を実施するように構成することができる。
図21は5つのロボットアーム210を示すが、ロボット医療システム200は、5つ未満、又は6つ若しくはそれ以上を含む、任意の数のロボットアームを含み得ることを理解されたい。
【0138】
ロボット医療システム200はまた、ロボットアーム210を支持する1つ又は2つ以上のバー220(例えば、調節可能なアーム支持体又は調節可能なバー)を含む。ロボットアーム210の各々は、ロボットアームのそれぞれのベース関節によって、バー220上に支持され、かつ移動可能に結合されている。いくつかの実施形態では、
図12に記載されているように、バー220は、リフト、横方向並進、傾斜などを含むいくつかの自由度を提供することができる。いくつかの実施形態では、ロボットアーム210及び/又は調節可能なアーム支持体220の各々は、それぞれの運動学的連鎖とも称される。
【0139】
図21は、図の視野内にあるバー220によって支持された3つのロボットアーム210を示す。残りの2つのロボットアームは、患者支持プラットフォーム202の他方の長さにわたって位置する別のバーによって支持されている。
【0140】
いくつかの実施形態では、調節可能なアーム支持体220は、ロボット医療処置のためにロボットアーム210のうちの1つ又は2つ以上のための基本位置を提供するように構成されることができる。ロボットアーム210は、ロボットアーム210をその下にあるバー220の長さに沿って並進させることによって、及び/又は1つ又は2つ以上の関節及び/又はリンクを介してロボットアーム210の位置及び/又は配向を調節することによって、患者支持プラットフォーム202に対して位置決めすることができる(例えば、
図23参照)。いくつかの実施形態では、バー姿勢は、手動操作、遠隔操作、及び/又は動力補助運動を介して変更されることができる。
【0141】
いくつかの実施形態では、調節可能なアーム支持体220は、患者支持プラットフォーム202の長さに沿って並進させることができる。いくつかの実施形態では、患者支持プラットフォーム202の長さに沿ったバー220の並進により、バー220によって支持されたロボットアーム210のうちの1つ又は2つ以上が、バーとともに又はバーに対して同時に並進させられる。いくつかの実施形態では、バー220は、ロボットアームのうちの1つ又は2つ以上をロボット医療システム200のベース206に対して静止させたまま、並進させることができる。
【0142】
図21の例では、調節可能なアーム支持体220は、患者支持プラットフォーム202の長さに沿って位置している。いくつかの実施形態では、調節可能なアーム支持体220は、患者支持プラットフォーム202の部分的な長さ若しくは全長にわたって、及び/又は患者支持プラットフォーム202の部分的な幅若しくは全幅にわたって延在し得る。
【0143】
いくつかの実施形態によれば、ロボット医療処置中に、ロボットアーム210のうちの1つ又は2つ以上はまた、器具212(例えば、内視鏡及び/又は手術中に使用され得る任意の別の器具(例えば、センサ、照明器具、切断器具など)などのロボット制御される医療器具又はツール)を保持するように構成することができ、かつ/又は1つ又は2つ以上のカニューレを含む1つ又は2つ以上のアクセサリに結合することができる。
【0144】
図22は、いくつかの実施形態による
図21の例示的なロボット医療システム200の別の図を例解する。この例では、ロボット医療システム200は、6つのロボットアーム210-1、210-2、210-3、210-4、210-5、及び210-6を含む。患者プラットフォーム202は、ベース206と患者プラットフォーム202との間に延在するカラム214によって支持されている。いくつかの実施形態では、患者プラットフォーム202は傾斜機構216を備える。傾斜機構216は、患者プラットフォーム202がカラム214に対して枢動、回転、又は傾斜することを可能にするために、カラム214と患者プラットフォーム202との間に位置決めすることができる。傾斜機構216は、患者プラットフォーム202の横方向及び/又は長手方向の傾斜を可能にするように構成することができる。いくつかの実施形態では、傾斜機構216は、患者プラットフォーム202の横方向及び長手方向の同時傾斜を可能にする。
【0145】
図22は、非傾斜状態又は位置にある患者プラットフォーム202を示す。いくつかの実施形態では、非傾斜状態又は位置は、患者プラットフォーム202のデフォルト位置である。いくつかの実施形態では、患者プラットフォーム202のデフォルト位置は、
図22に示されるように実質的に水平な位置である。例解されるように、非傾斜状態では、患者プラットフォーム202は、ロボット医療システム200を支持する面(例えば、地面又は床)に対して水平又は平行に位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、「非傾斜」という用語は、デフォルト位置と現在位置との間の角度が閾値角度未満(例えば、5度未満、又は患者を患者プラットフォーム上でシフトさせるであろう角度未満など)である状態を指す。いくつかの実施形態では、「非傾斜」という用語は、ロボット医療システムを支持する表面によって重力に対して形成される角度に関係なく、患者プラットフォームが重力の方向に実質的に垂直である状態を指す。
【0146】
図22を引き続き参照すると、ロボット医療システム200の例解される例では、患者プラットフォーム202は、支持体204を備える。いくつかの実施形態では、支持体204は、剛性支持構造又はフレームを含み、1つ又は2つ以上の表面、パッド、又はクッション222を支持することができる。患者プラットフォーム202の上面は、支持面224を含むことができる。医療処置中に、患者を支持面224上に置くことができる。
【0147】
図22は、ロボットアーム210が患者プラットフォーム202の上方に到達する、例示的な展開構成におけるロボットアーム210及び調節可能なアーム支持体220を示す。いくつかの実施形態では、患者プラットフォーム202の下方に異なる構成要素の収容を可能にするロボット医療システム200の構成により、ロボットアーム210及びアーム支持体220は、患者プラットフォーム202の下方の空間を占めることができる。したがって、いくつかの実施形態では、下方の収納のために利用可能な空間を増加させるために、傾斜機構216は、低プロファイル及び/又は低容積を有する。
【0148】
図22はまた、本明細書に開示された実施形態のある特定の特徴を説明するために使用され得る例示的なx、y、及びz座標系を例解する。この座標系は例示及び説明のみを目的として提供されており、他の座標系が使用され得ることが理解される。例解される例では、x方向又はx軸は、患者プラットフォーム202が非傾斜状態にある場合、患者プラットフォーム202を横切って横方向に延在する。いくつかの構成では、x方向は、患者プラットフォーム202が非傾斜状態にある場合、横方向の一方側(例えば、右側)から横方向の他方側(例えば、左側)まで患者プラットフォーム202を横切って延在する。y方向又はy軸は、患者プラットフォーム202が非傾斜状態にある場合、患者プラットフォーム202に沿って長手方向に延在する。つまり、y方向は、患者プラットフォーム202が非傾斜状態にある場合、一方の長手方向端部(例えば、頭部端部)から他方の長手方向端部(例えば、脚部端部)まで患者プラットフォーム202に沿って延在する。非傾斜状態では、患者プラットフォーム202は、床又は地面に対して平行であることができるx-y平面にあるか又はx-y平面に対して平行であることができる。例解される例では、z方向又はz軸は、カラム214に沿って垂直方向に延在する。いくつかの実施形態では、傾斜機構216は、y軸に対して平行な横方向傾斜軸を中心に患者プラットフォーム202を回転させることにより、患者プラットフォーム202を横方向に傾斜させるように構成されている。傾斜機構216は更に、x軸に対して平行な長手方向傾斜軸を中心に患者プラットフォーム202を回転させることにより、患者プラットフォーム202を長手方向に傾斜させるように構成することができる。
【0149】
B.ロボットアーム
図23A~
図23Cは、いくつかの実施形態による、例示的なロボットアーム210の異なる図を例解する。
【0150】
図23Aは、ロボットアーム210が複数のリンク302(例えば、リンケージ)を含むことを例解する。リンク302は、1つ又は2つ以上の関節304によって接続されている。関節304の各々は、1つ又は2つ以上の自由度(degrees of freedom、DoF)を含む。
【0151】
図23Aでは、関節304は、ロボットアーム210のベース306に、又はその近くに位置する第1の関節304-1(例えば、ベース関節又はA0関節)を含む。いくつかの実施形態では、ベース関節304-1は、ロボットアーム210がバー220に沿って(例えば、y軸に沿って)並進することを可能にするプリズム関節を備える。関節304はまた、第2の関節304-2を含む。いくつかの実施形態では、第2の関節304-2は、ベース関節304-1に対して回転する。関節304はまた、リンク302-2の一端に接続されている第3の関節304-3を含む。いくつかの実施形態では、関節304-3は、複数のDoFを含み、関節304-3に対するリンク302-2傾斜の傾斜及び回転の両方を容易にする。
【0152】
図23Aはまた、リンク302-2の他端に接続されている第4の関節304-4を示す。いくつかの実施形態では、関節304-4は、リンク302-2とリンク302-3とを接続する肘関節を含む。関節304は、ロボットアーム210の遠位部分に位置する一対の関節304-5(例えば、手首ロール関節)及び304-6(例えば、手首ピッチ関節)を更に備える。
【0153】
ロボットアーム210の近位端は、ベース306に接続され得、ロボットアーム210の遠位端は、高度デバイスマニピュレータ(advanced device manipulator、ADM)308(例えば、ツールドライバ、器具ドライバ、又はロボットエンドエフェクタなど)に接続され得る。ADM308は、医療器具212(例えば、ツール、スコープなど)の位置決め及び操作を制御するように構成され得る。
【0154】
ロボットアーム210はまた、カニューレの存在又はロボットアーム210へのカニューレの近接を検出するためのカニューレセンサ310を含むことができる。いくつかの実施形態では、カニューレセンサ310がカニューレの存在を(例えば、ロボット医療システム200の1つ又は2つ以上のプロセッサを介して)検出するときに、ロボットアーム210はドッキング状態(例えば、ドッキング位置)に置かれる。いくつかの実施形態では、ロボットアーム210がドッキング位置にあるとき、ロボットアーム210は、以下で更に詳細に考察されるように、カニューレの位置及び/又は配向を維持するために、ゼロ空間運動を実行することができる。逆に、カニューレセンサ310によってカニューレが検出されないとき、ロボットアーム210は、ドッキング解除状態(例えば、ドッキング解除位置)に置かれる。
【0155】
いくつかの実施形態では、
図23Aに例解されるように、ロボットアーム210は、ロボットアーム210を(例えば、ボタン312を押下することによって)アドミタンスモードにするために使用され得る、入力又はボタン312(例えば、ドーナツ形状ボタン、又は他のタイプの制御など)を含む。アドミタンスモードは、アドミタンススキーム又はアドミタンス制御とも称される。アドミタンスモードでは、ロボットシステム210は、力及び/又はトルク(例えば、ロボットアーム210に付与される)を測定し、対応する速度及び/又は位置を出力する。いくつかの実施形態では、ロボットアーム210は、アドミタンスモードにおいて、ユーザによって手動で操作することができる(例えば、セットアップ手順中、又は手順の間など)。いくつかの例では、アドミタンス制御を使用することによって、オペレータは、ロボットアーム210を移動させるためにロボット医療システム200における慣性の全てを克服する必要はない。例えば、アドミタンス制御下で、オペレータがアームに力を付与するときに、ロボット医療システム200は、力を測定し、ロボットアーム210に関連した1つ又は2つ以上のモータを駆動することによって、オペレータがロボットアーム210を移動させることを支援することができ、それによってロボットアーム210の所望の速度及び/又は位置をもたらすことができる。
【0156】
いくつかの実施形態では、リンク302は、(例えば、ロボットアーム210に対する医療ツール212の装着及び装着解除を容易にするために)医療ツール212に取り外し可能に結合され得る。関節304は、ADM308を介して医療ツール212の制御を容易にする複数の自由度(DoF)をロボットアーム210に提供する。複数のロボットアームを含む、
図23に示されるような一実施形態では、各ロボットアームは、それ自体のそれぞれの医療ツールを保持し、遠隔運動中心の周囲で医療ツールを枢動させることができる。
【0157】
図23Bは、ロボットアーム210の正面図を例解する。
図23Cは、ロボットアーム210の斜視図を例解する。いくつかの実施形態では、ロボットアーム210は、(例えば、ボタン314を1回押すこと、又は連続的に押し続けることによって)ロボットアーム210をインピーダンスモードにするための、
図23Aのボタン312とは異なる第2の入力又はボタン314(例えば、押しボタン)を含む。この例では、ボタン314は、関節304-5と関節304-6との間に位置している。インピーダンスモードは、インピーダンススキーム又はインピーダンス制御とも称される。インピーダンスモードでは、ロボット医療システム200は、変位(例えば、位置及び速度の変化)を測定し、ロボットアームの手動移動を容易にするための力及び/又はトルクを出力する。いくつかの実施形態では、ロボットアーム210は、インピーダンスモードにおいて(例えば、セットアップ手順中に)ユーザによって手動で操作することができる。いくつかの実施形態では、インピーダンスモード下で、ロボットアーム210の一部のオペレータの移動は、ロボットアーム210全体の1つ又は2つ以上の関節及び/又はリンクの運動を引き起こし得る。
【0158】
いくつかの実施形態では、アドミタンス制御のために、力センサ又はロードセルは、オペレータがロボットアーム210に加えている力を測定し、軽く感じるようにロボットアーム210を移動させることができる。アドミタンス制御下では、コントローラ内のモータが質量を加速させる助けとなり得るため、ロボットアーム210の知覚慣性を隠すことができるため、アドミタンス制御は、インピーダンス制御よりも軽く感じることができる。対照的に、インピーダンス制御では、いくつかの実施形態によれば、ユーザは、全てではないにせよほとんどの質量加速に関与する。
【0159】
いくつかの状況では、オペレータに対するロボットアーム210の位置に応じて、手動操作モード(例えば、アドミタンスモード及び/又はインピーダンスモード)を起動するためにボタン312及び/又はボタン314に手を伸ばすことは不便であり得る。したがって、これらの状況下では、ボタン以外によって手動操作モードをトリガすることがオペレータにとって好都合であり得る。
【0160】
いくつかの実施形態では、ロボットアーム210は、ロボットアーム210をアドミタンスモード及び/又はインピーダンスモードにするために使用することができる単一のボタン(例えば、ボタン312又は314)を含む(例えば、長押し、短押し、押して保持などの異なる押しを使用することによって)。いくつかの実施形態では、ロボットアーム210は、ユーザがアームリンク機構(例えば、リンク302)及び/又は関節(例えば、関節304)を押し、力閾値を克服することによって、インピーダンスモードにすることができる。いくつかの実施形態では、アドミタンスモード及びインピーダンスモードは、両方とも、ユーザがロボットアーム210を把持し、それと直接インターフェース接続することによって運動を命令することを可能にするという点で共通である。
【0161】
いくつかの実施形態では、ロボットアーム210は、アーム追従モードを起動するための入力制御部を含む。例えば、いくつかの実施形態では、ロボットアーム210は、ロボットアームのリンク302又は関節304(例えば、リンク302の外側シェル又はボタン316)上に位置する指定タッチポイントを含むことができる。指定タッチポイントとのユーザ相互作用(例えば、ユーザタッチ、接触など)は、アーム追従モードを起動する。いくつかの実施形態では、ロボットアーム210は、複数のタッチポイントを含む。タッチポイントのいずれか(例えば、1つ又は2つ以上)とのユーザ相互作用は、アーム追従モードを起動する。
【0162】
医療処置中、ロボットアーム210のADM308及び/又はそれに結合されたツール212の遠隔運動中心(remote center of motion、RCM)を静的姿勢(例えば、位置及び/又は配向)に保つことが望ましい場合がある。RCMは、医療ツール212が挿入されるカニューレ又は他のアクセスポートの運動が制約される空間内の点を参照する場合がある。いくつかの実施形態では、医療ツール212は、RCMを維持しながら患者の切開部又は自然開口部を通して挿入されるエンドエフェクタを含む。いくつかの実施形態では、医療ツール212は、ロボット医療システムのセットアッププロセス中に後退状態にあるエンドエフェクタを含む。
【0163】
いくつかの状況において、ロボット医療システム200は、ロボットアーム210のADM308及び/又はRCMがそれぞれの姿勢(例えば、位置及び/又は配向)に維持されている間に、ロボットアーム210の1つ又は2つ以上のリンク302を「ゼロ空間」内で移動させて、近くの物体(例えば、他のロボットアーム)との衝突を回避するように構成することができる。ゼロ空間は、ロボットアーム210が移動することができ、ADM308及び/又はRCMの移動をもたらさず、それによって(例えば、患者内の)医療ツール212の位置及び/又は配向を維持する関節状態のセットとみなされ得る。いくつかの実施形態では、ロボットアーム210は、ADM308の各姿勢に利用可能な複数の位置及び/又は構成を有することができる。
【0164】
ロボットアーム210が器具を空間内の所望の姿勢に移動させるために、ある特定の実施形態では、ロボットアーム210は、少なくとも6つのDoF、すなわち、並進(例えば、X位置、Y位置、及びZ位置)のための3つのDoF及び回転(例えば、ヨー、ピッチ、及びロール)のための3つのDoFを有し得る。いくつかの実施形態では、各関節304は、ロボットアーム210に単一のDoFを提供することができ、したがって、ロボットアーム210は、空間内の任意の姿勢でADM308を位置決めするための運動の自由度を達成するために少なくとも6つの関節を有し得る。ロボットアーム210のADM308及び/又は遠隔中心若しくは運動を所望の姿勢に更に維持するために、ロボットアーム210は、少なくとも1つの追加の「冗長関節」を更に有し得る。したがって、特定の実施形態では、システムは、少なくとも7つの関節304を有するロボットアーム210を含み得、ロボットアーム210に少なくとも7つのDoFを提供する。いくつかの実施形態では、ロボットアーム210は、各々が2つ以上の自由度を有する関節304のサブセットを含み得、それによって、ゼロ空間運動のための追加のDoFを達成する。しかしながら、実施形態に応じて、ロボットアーム210は、より多い又はより少ない数のDoFを有し得る。
【0165】
更に、
図12に関して記載されているように、バー220(例えば、調節可能なアーム支持体)は、リフト、横方向並進、傾斜などを含むいくつかの自由度を提供することができる。したがって、実施形態に応じて、ロボット医療システムは、ゼロ空間移動及び衝突回避を提供するために、ロボットアーム210における自由度を超えて更に多くのロボット制御された自由度を有することができる。これらの実施形態のうちのそれぞれの実施形態では、1つ又は2つ以上のロボットアームのエンドエフェクタ(及びそれに結合される任意のツール又は器具)、並びにツールの軸に沿った遠隔中心は、有利には、患者内の姿勢及び/又は位置を維持することができる。
【0166】
少なくとも1つの冗長DoFを有するロボットアーム210は、所与のタスクを実施するための最小数のDoFよりも少なくとも1つ多いDoFを有する。例えば、ロボットアーム210は、少なくとも7つのDoFを有することができ、いくつかの実施形態によれば、ロボットアーム210の関節304のうちの1つを冗長関節とみなすことができる。1つ又は2つ以上の冗長関節は、ADM308の姿勢及びRCMの位置を維持し、かつ他のロボットアーム又は物体との衝突を回避するために、ロボットアーム210がゼロ空間内で移動することを可能にすることができる。
【0167】
いくつかの実施形態では、ロボット医療システム200は、ゼロ空間における1つ又は2つ以上の冗長関節の移動を利用することによって、例えば、隣接するロボットアーム210間の衝突を回避するために衝突回避を実施するように構成することができる。例えば、ロボットアーム210が別のロボットアーム210と衝突する、又は近づく(例えば、その規定された距離内に)とき、ロボット医療システム200の1つ又は2つ以上のプロセッサは、衝突又は差し迫った衝突を(例えば、運動学を介して)検出するように構成することができる。したがって、ロボット医療システム200は、ロボットアーム210の一方又は両方を制御して、衝突又は差し迫った衝突を回避するためにゼロ空間内でそれらのそれぞれの関節を調節することができる。少なくとも一対のロボットアームを含む実施形態では、ロボットアームのうちの1つのベース及びそのエンドエフェクタは、その姿勢に留まることができる一方で、それらの間のリンク又は関節は、隣接するロボットアームとの衝突を回避するために、ゼロ空間内で移動する。
【0168】
C.ロボット医療システムのステータスを表すリアルタイム3-Dレンダリング
i.ロボットの位置変化をガイド及び/又は制御する
図24A~
図24Cは、いくつかの実施形態による、処置のセットアップ段階中のロボット医療システム(例えば、
図21及び
図22に描写するようなロボット医療システム200)の3-Dレンダリング(例えば、3-Dモデル、視覚表現など)を例解する。
【0169】
本明細書で使用される場合、「3-Dレンダリング」は、ロボット医療システム200の1つ又は2つ以上のロボットアーム、ロボットアームのリンク及び/若しくは関節、アーム支持体、並びに/又は患者支持プラットフォームなどのロボット医療システム200又はその一部の3-Dグラフィック、3-D表現、又はコンピュータ生成3-Dモデル(例えば、縮尺通り又は縮尺通りではない)を含むことができる。いくつかの実施形態では、3-Dレンダリングは、ロボット医療システム200の等角図及び/又は斜視図を含む。いくつかの実施形態では、3-Dレンダリングは、ロボットアーム210、調節可能なアーム支持体(例えば、バー)220、及び/又は患者支持プラットフォーム204を含む、ロボット医療システム200のライブ(例えば、リアルタイム)3-D動画シーンに対応する。いくつかの実施形態では、3-Dシーンは、事前プログラムされたワークフローの段階(又はステップ)に応じて動的に更新される(例えば、仮想カメラからの)視野を含む。いくつかの実施形態では、3-Dレンダリングは、深度の知覚をユーザに提供するようにレンダリングされる画像(例えば、二次元(2-D)画像)を含むことができる。例えば、3-Dレンダリングは、ロボットアーム及び患者支持プラットフォームの深さを示す(結果として、深さ又は距離の感覚を提供する)ために(例えば、異なる色調を使用して)カラーレンダリングされる2-D画像であり得る。追加的に、又は代替的に、3-Dレンダリングは、ロボットアーム及び患者支持プラットフォームの深度を示すために、ロボットアーム及び患者支持プラットフォームの1つ又は2つ以上の部分の遮蔽を含み得る。いくつかの実施形態では、3-Dレンダリングは、ロボットシステムの異なる表面(例えば、ロボットアームの表面、バーの表面、患者支持プラットフォームの表面など)の特性及び/又は輪郭を示すために陰影が付けられた画像(例えば、2-D画像)を含むことができる。
【0170】
図24Aは、患者支持体202に対応する視覚表現402と、ロボットアーム210に対応する視覚表現410と、調節可能なアーム支持体220に対応する視覚表現420と、を含む3-Dレンダリング400を示す。3-Dレンダリング400は、ロボット医療システム200のリアルタイムステータスを反映し、ロボットアーム210及び調節可能なアーム支持体220は、セットアップ前に収容構成にある。
図24Aでは、3-Dレンダリング400はまた、患者に対応する視覚表現を含む。
【0171】
いくつかの実施形態では、ロボット医療システム200は、ロボット医療システム200のステータスの判定に従って、リアルタイムで(例えば、オンザフライで)3-Dレンダリングを生成する。例えば、ロボット医療システム200は、ロボット医療システム200に含まれるセンサ及び/又はエンコーダによって判定されるデータを使用して、ロボットアーム210の関節及び/又はリンクの対応する位置及び/又は配向、アーム支持体220の姿勢(例えば、位置及び/又は配向)、及び/又は患者支持プラットフォーム202の位置及び/又は配向を判定することができる。いくつかの実施形態では、ロボット医療システム200は、センサデータを使用してロボット医療システムの3-D表現を生成し(例えば、構築し)、3-D表現を表示する。いくつかの実施形態では、ロボット医療システム200はまた、ロボットアーム、アーム支持体、及び/又は患者支持プラットフォームの位置及び/又は配向の変化を(例えば、リアルタイムで、連続的に、5秒毎、10秒毎、30秒毎などのように一定に)判定し、ロボットアーム、アーム支持体、及び/又は患者支持プラットフォームの位置及び/又は配向の変化に従って3-Dレンダリングを更新して、ロボット医療システム200の状態変化を反映する。
【0172】
追加的に、又は代替的に、いくつかの実施形態では、ロボット医療システム200は、(例えば、ローカルに、リモートコンピュータシステム上などに)ロボット医療システムの異なる構成(例えば、位置及び/又は配向)に対応する画像のライブラリ(例えば、データベース、ストックなど)を記憶する。ロボット医療システム200は、それに取り付けられたセンサ及び/又はエンコーダを使用して、ロボットアーム210の関節及び/又はリンクの位置及び/又は配向、アーム支持体220の姿勢、及び/又は患者支持プラットフォーム202の位置をリアルタイムで判定し、3-Dレンダリングとして表示するために、判定された構成に最も厳密に一致する画像を、記憶された画像から選択することができる。
【0173】
いくつかの実施形態では、3-Dレンダリングは、ロボット医療システム200の1つ又は2つ以上のディスプレイ上に表示される。1つ又は2つ以上のディスプレイは、ロボット医療システム200のタワービューア、外科医ビューア、ベッド/タワーペンダント上に位置することができる。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のディスプレイは、ロボット医療システム200に通信可能に接続されており、かつその一部として使用される、任意のペンダント(例えば、遠隔ペンダント)上に位置することができる。
【0174】
いくつかの実施形態では、ワークフローは、セットアップ段階、術中段階、及び術後段階を含む。段階の各々は、1つ又は2つ以上のそれぞれのステップを含むことができる。例えば、セットアップ段階は、ロボットアーム210及びアーム支持体220(例えば、レール、バーなど)を収容状態から展開状態に展開すること、ロボットアーム210及びアーム支持体220をドレーピングすること、ロボットアーム210及びアーム支持体220をドッキング前姿勢に位置決めすること、バー220及び/又はアーム210を手動で調節すること、特定の手術に固有であり、かつ/又は処置に利用されるアクセサリに基づく境界条件を確立すること、ロボットアーム210をドッキングすること、器具をロボットアーム210に取り付けること、並びにアーム支持体220の位置を最適化することなどのステップを含むことができる。
【0175】
いくつかの実施形態では、ワークフローの各ステップに対して、ロボット医療システム200は、特定の見え方(例えば、視点)を定義する。いくつかの実施形態では、ステップを監視又は完了することに関して、ユーザにとって最も有用/有益であり得る特定の見え方が選択される。いくつかの実施形態では、ロボット医療システム200は、ワークフローのそれぞれのステップについて選択された(又は関連付けられた)見え方を表す情報を記憶する。いくつかの実施形態では、ワークフローのステップは、複数の(例えば、異なる)視点(例えば、異なる視野)を含む(又はそれと関連付けられる)ことができる。1つ又は2つ以上のディスプレイは、トグル要素を提供するユーザインターフェースを含むことができ、トグル要素は、選択されるときに、ロボット医療システムの構成要素の位置をより良好に可視化するように、ユーザが、異なる視点間でトグルすることを可能にする。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のディスプレイは、複数の視点のレンダリングを同時に提示する。
【0176】
いくつかの実施形態では、3-Dレンダリングは、処置のセットアップ段階中に、ロボット医療システム200の状態を伝達するための視覚インジケータを含む。例えば、
図24Aでは、テキストフィールド412(「アーム及びレールをドレープ姿勢に展開」)が、3-Dレンダリング400と同時に表示される。いくつかの実装形態では、テキストフィールド412は、手順の次のステップを通してユーザをガイドする。
【0177】
図24Bは、視覚表現410及び/又は420のユーザ選択に応答して表示される、更新された3-Dレンダリング430を例解する。いくつかの実施形態では、視覚表現410及び/又は420のユーザ選択は、(例えば、タワーペンダントを使用して)ロボットアーム210及び/又はアーム支持体220を制御するためのユーザ命令に対応する。いくつかの実施形態では、ユーザ選択に応答して、ロボット医療システム200は、視覚表現410及び420を、レンダリングにおけるロボットシステムの他の部分とは視覚的に異なる方法で(例えば、強調表示、陰影付け、パルシング及び/又は他の視覚的強調などの視覚効果又はアニメーションを含む、異なる色での表示)レンダリングする。例えば、3-Dレンダリングの1つ又は2つ以上の部分のユーザ選択に応答して、3-Dレンダリングモデルの選択された部分は、ユーザ選択(例えば、タワーペンダントからの制御のための、例えば、ロボット医療システム200の1つ又は2つ以上の構成要素又は部分の選択)を示すために(例えば、青色、黄色、赤色、橙色、又はレンダリングの残りの部分とは異なる任意の他の色などの色を使用して)強調表示される。
【0178】
いくつかの実施形態では、3-Dレンダリングの一部分のユーザ選択は、タッチスクリーンディスプレイ上でのユーザタップ及び/又はタッチ、マウスなどを使用した3-Dレンダリングの一部分のユーザクリックなどの直接的なユーザ選択を含む。ユーザ選択は、ロボット医療システム200(例えば、1つ又は2つ以上のプロセッサ)によって、ロボット医療システム200によってロボット制御される部分として解釈される。
【0179】
いくつかの実施形態では、3-Dレンダリングの一部分のユーザ選択は、間接選択を含む。例えば、3-Dレンダリングは、処置ワークフローのステップのリスト(例えば、テキストフィールド)とともに表示されることができる。ユーザは、特定のワークフローステップに対応するテキストフィールドを選択することによって、3-Dレンダリングの一部分を間接的に選択することができる。それに応答して、ロボット医療システム200は、選択されたワークフローステップに対応するロボット医療システムの1つ又は2つ以上の部分を識別し、識別された部分に対してロボット移動を引き起こす(例えば、実行する)。
【0180】
いくつかの実施形態では、3-Dレンダリングにおけるロボット医療システムの1つ又は2つ以上の部分のユーザ選択に従って、ロボット医療システム200は、事前プログラムされたワークフローステップに従って、選択された部分のロボット移動を引き起こす(例えば、実行する)。
【0181】
図24Bはまた、制御されている移動の完了までの進捗を示すために、ロボット医療システム200上でロボット移動が実行される際に3-Dレンダリング430と同時に表示される進捗バー422を示す。いくつかの実施形態では、テキストフィールド424(例えば、「アーム及びレールを展開すること」)が、3-Dレンダリング430とともに表示される。テキストフィールド424は、ロボット医療システム200によって実行されているワークフローの現在のステップを記述する。
【0182】
図24Cは、ロボットアーム210に対応する視覚表現410が、実質的に垂直な姿勢にある3-Dレンダリング432を示す。3-Dレンダリング432は、ドレープ姿勢へのロボット制御された移動が完了し、かつロボットアーム210が真っ直ぐにされている、ロボット医療システム200のリアルタイムステータスに一致(例えば、実質的に一致又は対応)する。いくつかの実施形態では、ロボットアームに対応する視覚表現410は、ステップの完了を示すために、
図24Bの3-Dレンダリング420及び/又は3-Dレンダリング410を描写するために使用されるものと視覚的に異なる様式で表示される(例えば、強調表示、陰影表示、異なる色で表示され、パルシング及び/又は他の視覚的強調などの視覚効果を含む)。例えば、3-Dレンダリングの部分は、ユーザ選択に応答して、第1の色から第2の色に(例えば、白色から青色に)変化し、移動又はステップの完了時に、第2の色から第3の色に(例えば、青色から緑色に)変化して、ステータスをユーザに通信することができる。いくつかの実施形態では、
図24Cに例解されるように、3-Dレンダリング432は、ロボットアーム210及び/又は調節可能なアーム支持体220の移動(例えば、ロボット移動)の完了を示すための、434-1及び434-2などのチェックマークバッジ434(又は他の視覚インジケータ)を含む。いくつかの実施形態では、3-Dレンダリング432は、ステップの完了を示すテキスト436(例えば、「運動完了」)を伴う(例えば、それとともに表示される)。いくつかの実施形態では、ロボット医療システム200はまた、移動及び/又は完了ステータスを音声トーンと同期させる(例えば、ロボット医療システム200は、ロボット医療システム200の特定のステータスを示すために1つ又は2つ以上の音声トーンを出力し得る)。
【0183】
図25A及び
図25Bは、いくつかの実施形態による、処置の術後(例えば、解体)段階中のロボット医療システム200の3-Dレンダリングを例解する。
【0184】
いくつかの実施形態では、術後段階は、ロボットアームに取り付けられている手術ツールを除去すること、ロボットアームをドッキング解除すること、患者支持プラットフォーム及び/若しくはアーム支持体を平準化すること、収容のためにロボットアームを調節すること、ロボットアーム及び/若しくはバーのドレープを外すこと、並びに/又はロボットアーム及びバーを収容することなどのステップを含む。ドレープを外すステップは、ドレープを除去する前に、ロボットアームを真っ直ぐにして「既知の位置」に戻すことを含むことができる。
【0185】
図25Aは、ロボットアーム210の実際の位置が、レンダリング500における要素502(例えば、502-1~502-6)によって視覚的に表される、ロボット医療システム200の3-Dレンダリング500を示す。3-Dレンダリング500は、ロボットアーム210が、ベッドサイドで、手動で移動される必要がある場所に対応する、ロボットアーム210の「標的位置」の視覚表現504(例えば、504-1~504-6)を含む。いくつかの実施形態では、「標的位置」の視覚表現504は、「ゴースト化」ビュー(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、若しくは95%、又は前述の値のうちの2つの間の任意の範囲内など、少なくとも10%の透明度を有する半透明)としてレンダリングされる。
【0186】
図25Bは、ロボットアーム210の標的位置(例えば、真っ直ぐにされた既知の位置)への移動(例えば、ロボット移動及び/又は手動移動)が完了すると、ロボット医療システム200が、要素502が標的位置の視覚表現504の位置に位置し、ロボットアーム210が標的位置に移動したことを示す、更新された3-Dレンダリング510を表示することを示す。いくつかの実施形態では、ロボット医療システム200は、標的位置の視覚表現504又は要素502のいずれかを表示することを中止する(部分的に、視覚表現504が要素502と重複するため)。いくつかの実施形態では、ステップが完了すると、3-Dレンダリング510におけるロボットアームは、3-Dレンダリング510の他の部分とは異なる様式で(例えば、異なる色、異なる線の太さ、強調表示、輪郭、陰影付けなどとして)表される。いくつかの実施形態では、3-Dレンダリング510はまた、このステップの成功裏に完了したことを反映するための、1つ又は2つ以上のチェックマーク506(例えば、506-1~506-6)を含む。例えば、各チェックマーク506は、ロボット医療システム200の特定の構成要素の移動が成功裏に完了したことを示し得る(例えば、チェックマーク506-1は、視覚表現504-1に対応するロボットアームの移動が成功裏に完了したことを示し、チェックマーク506-2は、視覚表現504-2に対応するロボットアームの移動が成功裏に完了したことを示す、など)。対照的に、チェックマークの不在は、
図25Aに示されるように、ロボット医療システム200の特定の構成要素の移動が完了していない(例えば、移動が進行中であり得る)ことを示し得る(例えば、
図25Aのチェックマーク506-1の不在は、視覚表現504-1に対応するロボットアームの移動が完了していないことを示し、
図25Aのチェックマーク506-2の不在は、視覚表現504-2に対応するロボットアームの移動が完了していないことを示す)。
【0187】
ii.手動相互作用から生じるロボット状態変化を反映する3-Dレンダリング
いくつかの実施形態では、リアルタイムレンダリングは、ユーザとロボット医療システムの一部分との間の手動相互作用に基づいて、ステータス更新を提供するために使用される。リアルタイムレンダリングはまた、ロボットアーム210をそれぞれのカニューレにドッキングすること、及び/又は器具をロボットアーム210に取り付けることなどの手動動作の完了を伝達するために使用されることができる。
【0188】
いくつかの実施形態では、ロボット医療システム200がワークフローの特定のステップを実行しているという判定に従って、ロボット医療システム200は、仮想カメラの視野(例えば、視点、見え方、角度など)を調節して、ロボット医療システムの特定の部分(例えば、ロボットアームのサブセット、ロボットアームの特定の関節及び/又はリンク、高度デバイスマニピュレータ(ADM)、ツールドライバ、器具ドライバ、又はロボットエンドエフェクタ、ロボットアームに取り付けられているツール又は医療器具など)に焦点を合わせる。その結果、ロボット医療システム200は、3-Dレンダリングを更新して、調節された視野からのロボット医療システムの特定の部分を表示する。いくつかの実施形態では、ロボット医療システムは、調節された視野(例えば、カメラの配向)を示す情報を(例えば、コンピュータ可読記憶媒体382に)記憶(及び/又は更新)する。
【0189】
図26A~
図26Dは、いくつかの実施形態による、手動相互作用から生じるロボット医療システムのリアルタイムステータスを反映する3-Dレンダリングを例解する。
【0190】
図26A及び
図26Bは、ロボットアーム210がそれぞれのカニューレに手動でドッキングされるプロセスを例解する。いくつかの実施形態では、ドッキングステップ中に、ロボット医療システム200は、カメラビューを動的に(例えば、等角図から平面図に)変更して、
図26Aに例解されるように、ADM308に対応する視覚表現602に焦点を合わせるレンダリング600を表示する。いくつかの実施形態では、レンダリング600は、ユーザによって実施されるべき手動動作を説明するテキスト604(例えば、「アームをカニューレに手動でラッチさせる」)とともに表示される(又はレンダリング600はそれを含む)。いくつかの実施形態では、レンダリング600は、アフォーダンス606(例えば、「ヘルプ」/「やり方を教えて」ボタン)とともに表示され(又は、レンダリング600はそれを含み)、これは、(例えば、タッチ感知ディスプレイ又は任意の他の入力デバイスとのユーザ相互作用に基づいて)ユーザによって選択されるときに、ステップの完了までユーザをガイドするガイダンスを(例えば、ビデオ、音声、及び/又はテキストなどの形態で)提供する。
【0191】
図26Bは、手動ドッキングステップが成功裏に完了すると表示される(例えば、自動的に、リアルタイムでなど)更新されたレンダリング610を示す。この例では、レンダリング610における表現608(例えば、608-1~608-5)は、ロボットアーム210をそれぞれのカニューレにラッチさせる手動ステップ中に典型的には移動する、ロボットアーム210の実際の位置を反映している。いくつかの実施形態では、表現608は、手動ステップが成功裏に完了したことを反映するように、異なる色で表示される。更新されたレンダリング610は、この手動ステップが成功裏に完了したことを示すために、テキスト612及び/又はチェックマークバッジ614とともに表示される(又は含む)ことができる。
【0192】
図26C及び
図26Dは、いくつかの実施形態による、ロボットアーム210への器具(例えば、医療器具又はツール)の手動取り付けを描写するレンダリングを例解する。
図26Cは、ロボットアーム210に取り付けられる器具622(例えば、622-1~622-5)の識別を含むレンダリング620(例えば、器具モデル、ビューなど)を示す。いくつかの実施形態では、レンダリングはまた、器具が取り付けられる順序624(例えば、「腹腔鏡-先に取り付け」などのシーケンス)を含むか、又は示す。いくつかの実施形態では、器具の各々は、RFIDタグを介して追跡されることができる一意の識別子を含む。器具がロボットアーム210に完全に接続され、ラッチされた後、ロボット医療システム200は(例えば、1つ又は2つ以上のプロセッサを介して)、ロボットアーム210上の器具の存在、並びにそれが対応する器具タイプを識別することができる。
図26Dは、手動ステップが成功裏に完了すると、ロボット医療システム200が、器具が装填されたロボットアームの各々が、それぞれのロボットアームとともに、手動ステップの成功裏の完了を示すチェックマーク632とともに表示される、更新されたビュー630(例えば、更新された器具モデル)を表示する。
【0193】
iii.エラー状態を示すための3-Dレンダリング
図27A及び
図27Bは、いくつかの実施形態による、ロボット医療システム200のエラー状態を通信するための3-Dレンダリングの使用を例解する。
【0194】
図27Aは、器具(例えば、医療ツール)をロボットアームに手動で取り付けるワークフローステップに対応する3-Dレンダリング700を描写する。いくつかの実施形態では、ユーザがワークフローステップを完了していない(例えば、ユーザがワークフローステップをスキップした)という判定に従って、ロボット医療システム200は、エラー情報を伴うレンダリング700を表示することができる(例えば、レンダリング700は、エラー状態702又はエラーインジケータ、エラーが検出されたロボット医療システム内の場所(例えば、ロボットアームの識別)、及び/又はエラーの原因などのエラーの詳細を説明する情報704を示す)。いくつかの実施形態では、レンダリング700は、ユーザによって選択されるときに、ツール取り付けステップの完了までユーザをガイドするガイダンスを(例えば、ビデオ、音声、及び/又はテキストなどの形態で)提供する、ユーザ選択可能なアフォーダンス706(例えば、ボタン)も含む。
【0195】
図27Bは、いくつかの実施形態による、医療処置中(例えば、術中段階中)にロボット医療システム200によって(例えば、ユーザインターフェース、タワーペンダントなどに)表示されるビュー710を例解する。いくつかの実施形態では、ビュー710は、医療処置のライブビュー712(例えば、ロボットアーム210に取り付けられているカメラによって捕捉される)に対応する。いくつかの実施形態では、ビュー710は、処置中の障害、エラー、及び/又はステータスを伝達するための、ロボット医療システム200の術中ステータスをリアルタイムで描写するレンダリング714を含む。
図27Bの例では、レンダリング714は、ロボットアーム4の隣に警告シンボル716と、ロボットアーム4に未解決の障害があることを示す付随する記述718と、を含む。
【0196】
iv.追加のガイダンス/標的位置のための3-Dレンダリングに重ね合わせられたグラフィックスのサポート
本開示のいくつかの実施形態によれば、グラフィック(例えば、グラフィック表現)が生成され、3-Dレンダリング上にオーバーレイされて、ワークフローを完了するためにロボット医療システムに対して何を行う必要があるかを理解するようにユーザをガイドするのを助けることができる。いくつかの実施形態では、グラフィックは、点などの0-Dオブジェクト、線などの1-Dオブジェクト、及び/又は対象となる面積若しくは領域などの2-Dオブジェクトを含むことができる。いくつかの実施形態では、グラフィックは、ワークフローステップの終了時に1つ又は2つ以上のロボットアームをどこに移動させる必要があるかを示す「標的位置」を表すことができる。
【0197】
図28A及び
図28Bは、患者支持プラットフォーム及び/又はアーム支持体が(例えば、外科手術を容易にするために)傾斜位置から水平位置に平準化される術中(例えば、外科手術)段階中のロボット医療システム200のリアルタイムステータスを描写する3-Dレンダリングを例解する。
【0198】
図28Aは、患者支持プラットフォーム202(レンダリングにおいて要素802として表されている)が、長手方向軸に対して傾斜している(例えば、回転している)、ロボット医療システム200のリアルタイムステータスに対応する3-Dレンダリング800を示す。3-Dレンダリング上に重ね合わせられるのは、患者支持プラットフォーム(例えば、テーブル)の水平位置を示すガイド線804(例えば、グラフィック、平準線、水平線など)であり、平準化ステップを完了するようにユーザをガイドする。例えば、ユーザは、表現802とガイド線804との間の相対角度を見て、次いで、表現802がガイド線804(患者支持プラットフォーム202が平準になる(水平位置を有するとも称される)ことに対応する)と整列するように、(例えば、ディスプレイ上のユーザインターフェースコントロールを保持するか、又はロボット医療システム200上のボタンを作動させることによって)患者支持プラットフォーム202を正しい方向に調節しようと試みることができる。
【0199】
いくつかの実施形態では、患者支持プラットフォーム202が水平位置に向かって調節される間、表現804は、患者支持プラットフォーム202の傾斜角の変化を反映するように連続的に更新される。いくつかの実施形態では、ユーザが患者支持プラットフォーム202を調節するとき、ガイド線804は、静止した(例えば、固定された)ままであるが、表現802は、連続的に更新される。いくつかの実施形態では、ユーザが患者支持プラットフォーム202を調節するとき、ガイド線804は、平準(例えば、水平)なままであるが、患者支持プラットフォーム202の傾斜角変化とともに変化する表現802の高さに一致するように高さ(例えば、垂直位置)が変化する。
【0200】
図28Bは、患者支持プラットフォーム及びアーム支持体(例えば、レール)を平準化するステップの完了を描写する3-Dレンダリング810を例解する。
図28Bは、ステップが完了するときに、レンダリング810が、患者支持プラットフォームの平準化の完了を示す、ガイド線804に隣接するチェックマーク814(例えば、緑色のチェックマーク、チェックマークバッジなど)を含むように更新されることを示す。
図28Bはまた、アーム支持体の平準化の完了を示すための、アーム支持体(例えば、レール)に対応するガイド線812に隣接するチェックマーク816を含むようにレンダリング810が更新されることを示す。この例では、2つのチェックマーク816があり、各々がそれぞれのアーム支持体220(例えば、左アート支持体及び右アーム支持体)に対応している。
【0201】
v.ロボットステータスを伝達するための事前レンダリングされた映像
いくつかの状況では、患者支持プラットフォーム及び/又はロボットアームを含む、ロボット医療システムの一連の事前レンダリングされた画像(例えば、2-D映像又は事前レンダリングされた3-D画像)が、ロボットステータス/選択/完了/障害を伝達するために使用されることができる。ロボット医療システムの画像は、新しい位置への移動が完了すると更新される。これは、リアルタイムで3-Dレンダリングを生成するよりも少ない計算能力を消費し得、ひいては、限定されたグラフィカル計算リソース(例えば、ペンダントハードウェア上の)を伴う電子構成要素におけるロボット医療システムのグラフィック表現の提示を可能にする。
【0202】
図29A~
図29Cは、いくつかの実施形態による、ロボット医療システムのステータスを伝達するための事前レンダリングされた画像の使用を例解する。
【0203】
図29Aは、処置姿勢の事前レンダリングされた2-D画像900と、ユーザが制御したいロボット医療システムの側を選択するためのユーザへのプロンプト902と、を例解する。この例では、ユーザは、画像900内の患者支持プラットフォームの両側のロボットアームの表現904を選択する(例えば、患者支持プラットフォームの両側のロボットアームをタップすることによって、ラベル914(例えば、「A」及び「B」)をタップすることによって、又は画像900内のラベル915(例えば、「全てを選択」)をタップすることによって)。
【0204】
図29Bは、ユーザ選択に従って、ロボット医療システム200が、ロボットアームの表現912が、ユーザ選択を示す(及び反映する)ために、画像900内の表現904とは異なるようにレンダリングされる(例えば、異なる色、異なる線の太さ、強調表示、視覚的に強調されるなど)、事前レンダリングされた画像910を表示することを例解する。いくつかの実施形態では、画像900内のラベル914(例えば、「A」及び「B」)及び/又はテキスト916(例えば、「両側」)は、ロボットアームのユーザ選択及び/又はユーザ選択に従ったロボットアーム210の移動を反映するように、画像910内のラベル及び/又はテキストとは異なってレンダリングされる(例えば、例えば、色、フォント、サイズ、及び/又はスタイルを使用して視覚的に強調される)。
【0205】
図29Cは、ロボット医療システム200がロボットアーム210を処置姿勢に移動させた後に表示される事前レンダリングされた画像920を例解する。画像920において、ロボットアームの表現922は、ロボットアームの新しい位置を視覚的に強調するために、画像に描写されたロボット医療システムの他の部分とは(及び/又は画像910内の表現912及び/又は画像900内の表現904とは)異なるようにレンダリングされる(例えば、異なる色、異なる線の太さ、強調、視覚的に強調されるなど)。
【0206】
いくつかの実施形態では、事前レンダリングされた画像(画像900、910、及び920など)は、ロボット医療システム200上にローカルに、及び/又はロボット医療システム200と通信可能に接続されているコンピュータシステム上に遠隔に記憶される。画像は、ロボット医療システムのリアルタイムステータスの判定に従って、ロボット医療システム200によってオンザフライで取り出される。一例として
図29Aから
図29Bへの遷移を使用して、ロボット医療システム200は、患者支持プラットフォームの両側のロボットアームの表現のユーザ選択を検出することができる。検出に従って、ロボット医療システム200は、表現912、ラベル914、及び/又はテキスト916を含む事前レンダリングされた画像910を取り出す。ロボットアーム210の移動が完了するときに、ロボット医療システム200は、患者支持プラットフォームの両側のロボットアームの移動の完了に対応する画像である画像920を取り出し(例えば、選択し)、画像920を表示する。
【0207】
D.リアルタイム3-Dロボットステータスのための例示的プロセス
図30A~
図30Eは、いくつかの実施形態による、ロボット医療システム(例えば、
図21及び
図22に例解されるようなロボット医療システム200又はロボット手術プラットフォームなど)の1つ又は2つ以上のプロセッサ(例えば、1つ又は2つ以上のプロセッサ380)によって実施される方法1000のフローチャート図を例解する。ロボット医療システムは、1つ又は2つ以上のプロセッサと、1つ又は2つ以上のプロセッサによる実行のための命令を記憶するメモリと、を備える。
【0208】
ロボット医療システムは、1つ又は2つ以上のロボットアーム(例えば、
図21、
図22、
図23A、
図23B、及び
図23Cのロボットアーム210)を含む。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のロボットアームは、医療処置を実施するために使用される。ロボットアームの各々は、それぞれの器具を保持することができる。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のロボットアームは、調節可能なアーム支持体(例えば、調節可能なアーム支持体又はバー220)に結合されている。
【0209】
ロボット医療システムは、1つ又は2つ以上のディスプレイ(例えば、対話型ディスプレイ、タッチスクリーンディスプレイ、ユーザインターフェースを含むディスプレイなど)を含む。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のディスプレイは、1つ又は2つ以上のロボットアームの3-Dレンダリングを表示するための1つ又は2つ以上の対話型ビューアを含む。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のディスプレイは、ロボット医療システムのタワービューア、外科医ビューア、ベッド/タワーペンダント上に位置する。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のディスプレイは、ロボット医療システムの一部として使用される任意のペンダント(例えば、遠隔ペンダント)上に位置する。
【0210】
ロボット医療システムは、1つ又は2つ以上のロボットアームのグラフィック表現を含む三次元(3-D)レンダリングを(例えば、1つ又は2つ以上のディスプレイ上に)表示する(1002)(例えば、生成及び表示する)。
【0211】
ロボット医療システムは、処置(例えば、医療処置)に対応する事前プログラムされた(例えば、事前定義された)ワークフローに従って、3-Dレンダリングを更新(例えば、変更、リフレッシュなど)して(例えば、自動的に、リアルタイムで、10秒、30秒、60秒など毎に1回、ユーザなしで、ユーザ介入なしでなど)、処置(例えば、医療処置、処置の1つ又は2つ以上の段階など)を通してユーザ(例えば、外科医、外科医助手、患者側スタッフなど)をガイドする(1004)。
【0212】
いくつかの実施形態では、3-Dレンダリングを更新することは、3-Dレンダリングを空間内で(例えば、垂直軸を中心に)回転させ、したがって、ロボット医療システムのビューを様々な角度(例えば、視点)で提示することを含む(例えば、3-Dレンダリングを更新することは、第1の視点からのロボット医療システムの第1のビューを提示し、その後、ロボット医療システムの第1のビューを、第1の視点とは異なる第2の視点からのロボット医療システムの第2のビューに置き換えることを含む)。いくつかの実施形態では、3-Dレンダリングを更新することは、ワークフロープロセスのステップを達成するために、3-Dレンダリングを回転させることと、特定の要素を含むシーン(例えば、視野、視点など)で一時停止することと、を含む。いくつかの実施形態では、3-Dレンダリングを更新することは、ロボット医療システムの視野(例えば、角度)(例えば、ロボット医療システムの仮想カメラによって見られるビュー)を変化させること(例えば、変更すること、調節することなど)を含む。
【0213】
いくつかの実施形態では、3-Dレンダリングは、ロボット医療システムの等角図を含む。いくつかの実施形態では、3-Dレンダリングを更新することは、ロボットアームの特定の要素(例えば、特定の関節、特定のリンク、デバイスマニピュレータ、ロボットアーム上に取り付けられているツールなど)、又は調節可能なアーム支持体及び/若しくは患者支持プラットフォームの一部分に焦点を合わせるために、3-Dレンダリングを等角図から平面図に(例えば、動的に、自動的に、リアルタイムで)パンニングすることを含む。
【0214】
いくつかの実施形態では、ロボット医療システムは、患者支持プラットフォーム(例えば、テーブル、ベッドなどの患者支持プラットフォーム202)を含む。ロボット医療システムは、ワークフローに従って、患者支持プラットフォームに対する1つ又は2つ以上のロボットアームの空間構成調節(例えば、ロボットアームの関節及び/又はリンクの位置及び/又は配向の調節又は変更)を実行する(1006)。ロボット医療システムは、空間構成調節に従って、1つ又は2つ以上のロボットアームの位置変化を反映するように(例えば、患者支持プラットフォームに対するロボットアーム及び/又は下にあるバーの実際のシステム状態を正確に反映するように)3-Dレンダリングを更新する(1008)(例えば、自動的に、リアルタイムでなど)。
【0215】
いくつかの実施形態では、ロボット医療システムは、ワークフローに従って、第1の位置から第2の位置への患者支持プラットフォームの移動を引き起こす(例えば、実行する)(1010)。例えば、移動は、並進移動、回転移動、及び/又は傾斜移動を含むことができる。ロボット医療システムは、患者支持プラットフォームの移動を反映するように、3-Dレンダリングを更新する(例えば、自動的に、リアルタイムでなど)(1012)。
【0216】
いくつかの実施形態では、ロボット医療システムは、1つ又は2つ以上のロボットアームに移動可能に結合されている1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体(例えば、アーム支持体220、下にあるバーなど)を含む。調節可能なアーム支持体の各々は、傾斜、回転、及び/又は並進が可能である。ロボット医療システムは、ワークフローに従って、1つ又は2つ以上のロボットアームに対する1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体の移動を引き起こす(例えば、実行する)(1014)。例えば、移動は、並進移動、回転移動、及び/又は傾斜移動を含むことができる)、ロボット医療システムは、1つ又は2つ以上の調節可能なアームの位置変化(例えば、1つ又は2つ以上のロボットアームに対する位置変化)を反映するように、3-Dレンダリングを(例えば、自動的に、リアルタイムなどで)更新する(1016)。
【0217】
いくつかの実施形態では、ロボット医療システムは、1つの調節可能なアーム支持体に移動可能に結合されている複数のロボットアームを含む。
【0218】
いくつかの実施形態では、ロボット医療システムは、複数のロボットアームと、少なくとも2つの調節可能なアーム支持体と、を含む。ロボットアームの各々は、それぞれのアーム支持体に移動可能に結合されている。
【0219】
いくつかの実施形態では、ロボット医療システムは、3-Dレンダリングの一部分のユーザ選択を(例えば、1つ又は2つ以上のディスプレイを介して)受信する(1018、
図30B)。例えば、
図24Aに関して考察されるように、ユーザ選択は、直接ユーザ選択及び/又は間接ユーザ選択を含むことができる。ユーザ選択に従って、ロボット医療システムは、ユーザが選択した部分を、3-Dレンダリングの他の部分とは視覚的に異なる方法で表示する(1020)(例えば、強調表示、陰影付け、異なる色、パルシング及び/又は他の視覚的強調などの視覚効果、異なるフォントサイズ及び/又はフォント色など)。
【0220】
いくつかの実施形態では、事前プログラムされたワークフローは、術前段階(例えば、セットアップ段階)、術中段階(例えば、手術中段階)、及び/又は術後段階(例えば、解体段階)を含む、1つ又は2つ以上の段階を含む(1022)。
【0221】
いくつかの実施形態では、更新された3-Dレンダリングは、医療処置の様々な段階中に、アーム及び/又はアーム支持体の姿勢(例えば、位置及び/又は配向)、アーム及び/又はアーム支持体に取り付けられた器具、警告/エラーメッセージなどのロボット医療システムのステータスを通信する。
【0222】
いくつかの実施形態では、術前段階のステップは、1つ又は2つ以上のロボットアームを収容位置から展開位置に展開すること(1024)を含む。
【0223】
いくつかの実施形態では、術前段階のステップは、1つ又は2つ以上のロボットアームをドレーピング姿勢に移動させること(1026)を含む。
【0224】
いくつかの実施形態では、術前段階のステップは、1つ又は2つ以上のロボットアームをドッキング状態に置くこと(1028)を含む。例えば、いくつかの実施形態では、ロボットアームは、1つ又は2つ以上のカニューレにドッキングされており、それによって、それらは、その後、1つ又は2つ以上の対応する器具(例えば、内視鏡、腹腔鏡、及び/又は手術中に使用され得る任意の別の器具などのロボット制御医療器具又はツール)に結合されることができる。いくつかの実施形態では、ロボットアームが、対応するカニューレにドッキングされた状態で、ロボットシステムは、ロボットアームの各々に関する遠隔運動中心(RCM)及び/又は入口ポートを判定する。
【0225】
いくつかの実施形態では、ロボット医療システムは、1つ又は2つ以上のロボットアームに移動可能に結合されている調節可能なアーム支持体(例えば、下にあるバー)を含む。ロボット医療システムは、患者支持プラットフォーム(例えば、ベッド、テーブルなど)を含む。術中処置のステップは、調節可能なアーム支持体及び患者支持プラットフォームを平準化すること(1030)(例えば、調節可能なアーム支持体及び患者支持プラットフォームを水平位置、傾斜していない位置などに移動させること)を含む。いくつかの実施形態では、調節可能なアーム支持体及び/又は患者支持プラットフォームを平準化することは、処置からの解体中に(例えば、術後段階におけるステップとして)行われる。
【0226】
いくつかの実施形態では、事前プログラムされたワークフローの1つ又は2つ以上の段階の各々は、1つ又は2つ以上のそれぞれの(例えば、別個の)ステップを含む。例えば、上で考察されるように、セットアップ段階は、ロボットアーム及びアーム支持体を収容状態から展開状態に展開すること、ロボットアーム及びアーム支持体をドレーピングすること、並びにロボットアームをドッキングすることなどのステップを含むことができる。術後(例えば、解体)段階は、ロボットアームに取り付けられているツールを除去すること、ロボットアームをドッキング解除すること、並びに患者支持プラットフォーム及びアーム支持体(例えば、バー、レールなど)を平準化することなどのステップを含むことができる。
【0227】
いくつかの実施形態では、ロボット医療システムは、ロボット医療システムによって実行されているステップの判定(例えば、識別)に従って3-Dレンダリングを更新する。
【0228】
いくつかの実施形態では、ロボット医療システムは、ロボット医療システムが対応する(医療)処置のステップを識別する(1032、
図30C)(例えば、判定する)。ロボット医療システムは、識別されたステップに従って、1つ又は2つ以上のロボットアームのうちの第1のロボットアームの一部分(例えば、リンク、関節など)の移動(例えば、ロボット移動、自動移動、ユーザ介入なしの移動など)を引き起こす(例えば、実行する)(1034)。移動の間(1036)、ロボット医療システムは、第1のロボットアームの一部分を、第1のロボットアームの他の部分とは(例えば、及び/又は他のロボットアームとは)視覚的に異なる第1の視覚表現で表示する(例えば、示す、例解するなど)ように、3-Dレンダリングを更新する(例えば、更新された3-Dレンダリングを生成及び表示する)(例えば、連続的に、5秒毎、10秒毎など周期的に)(1038)。いくつかの実施形態では、ロボット医療システムは、強調表示、陰影付け、異なる色、及び/又はパルシング及び/若しくは他の視覚的強調などの視覚効果を含む第1の視覚表現で第1のロボットアームの一部分を表示することができる。いくつかの実施形態では、第1の視覚表現で第1のロボットアームの一部分を表示することは、部分を、第1のロボットアームの他の部分に対応する色とは異なる(例えば、他のロボットアームとは異なる)第1の色で表示すること(1040)を含む。移動の間、ロボット医療システムは、移動に従って、第1のロボットアームの一部分の位置変化を表示する(例えば、示す、例解する、反映するなど)ように3-Dレンダリングを更新する(1042)。
【0229】
例えば、いくつかの実施形態では、ロボット医療システムは、ロボットアームの移動を実行しながら、ロボットアームの関節及び/又はリンク及び/又はその下にあるバーの位置を連続的に(例えば、1秒毎、3秒毎、10秒毎など)判定し、判定に従って3-Dレンダリングを生成及び表示する。
【0230】
いくつかの実施形態では、計算能力が制限される場合(例えば、タワーペンダントハードウェア上で)、ロボット医療システムは、患者支持プラットフォーム及びロボットアームの一連の階層化された事前レンダリングされた2-D映像を使用して、ロボットステータス/選択/完了を伝達することができる。例えば、ロボット医療システムは、ロボットシステムの2-D画像を(例えば、ローカル又は遠隔のいずれかで)記憶し、新しい位置への移動の完了時に画像を更新することができる。
【0231】
いくつかの実施形態では、実行された移動に従って、ロボット医療システムは、
図24Bに例解するように、実行されている識別されたステップの進捗を可視化するための進捗バー(例えば、ステータスバー、進捗インジケータ、グラフィカル制御要素など)を(例えば、3-Dレンダリングと並行して、同時に)表示する(1044)。
【0232】
いくつかの実施形態では、移動に従って、ロボット医療システムは、音声信号(例えば、音声出力)を(例えば、タワービューア、ペンダントなどを介して)生成する(例えば、起動する、生成する、及び出力するなど)(1046)。いくつかの実施形態では、音声出力は、実行された移動と同期している。
【0233】
いくつかの実施形態では、ロボット医療システムは、ステップが完了したかどうかを(例えば、1つ又は2つ以上のセンサ及び/又はエンコーダを使用して)判定する(1048、
図30D)(例えば、検出する)。ステップが完了したという判定に従って、ロボット医療システムは、第1のロボットアームの一部分を、第1の視覚表現とは異なる第2の視覚表現で表示するように3-Dレンダリングを更新する(1050)。例えば、いくつかの実施形態では、第2の視覚表現は、異なる色を有することができ、第1の視覚表現において見出された強調表示、陰影付け、及び/又は強調を取り消す(例えば、除去する)ことができる。いくつかの実施形態では、第2の視覚表現は、ステップの完了を反映するためのチェックマークバッジを追加することを含む。
【0234】
いくつかの実施形態では、第1の視覚表現は、第1の色に対応し、第2の視覚表現は、第1の色とは異なる第2の色に対応する(1052)。
【0235】
いくつかの実施形態では、ロボット医療システムは、ワークフローのステップの各々について、ロボットアームの関節の各々の開始位置及び終了位置を記憶する。ロボット医療システムは、(例えば、アーム上に位置するセンサ及びエンコーダを使用して)関節の実際の位置を判定し、実際の位置を、記憶された位置と比較して、ステップが完了したかどうかを判定する。
【0236】
いくつかの実施形態では、ワークフロープロセスのステップが完了したと判定した後、ロボットシステムは、ワークフロープロセスの後続のステップに(例えば、自動的に)進む。後続のステップに従って、仮想カメラは、後続のステップにとって重要である特定の要素に焦点を合わせるために、シーン(例えば、角度、視野、視点などを有する)に自動的にパンすることができる。
【0237】
いくつかの実施形態では、ロボット医療システムは、対話型ディスプレイを含む。ワークフロープロセスのステップが完了した後、ユーザは、ロボット医療システムにワークフローの次のステップに進むように命令する(例えば、行わせる)、対話型ディスプレイ上のユーザ選択可能なオプション(例えば、アイコン)を選択することができる。
【0238】
再び
図30Dを参照すると、いくつかの実施形態では、ロボット医療システムは、1つ又は2つ以上のロボットアームに移動可能に結合されている調節可能なアーム支持体を含む。ロボット医療システムは、ロボット医療システムが対応する処置のステップを識別する(1054)。ロボット医療システムは、識別されたステップに従って、調節可能なアーム支持体の移動を引き起こす(例えば、実行する、起動する)(1056)。移動の間(1058)、ロボット医療システムは、調節可能なアーム支持体を、1つ又は2つ以上のロボットアームとは視覚的に異なる第1の視覚表現で表示するように3-Dレンダリングを更新する(例えば、連続的に、周期的になど)(1060)。
【0239】
いくつかの実施形態では、調節可能なアーム支持体を第1の視覚表現で表示することは、調節可能なアーム支持体を、1つ又は2つ以上のロボットアームに対応する色とは異なる第1の色で表示すること(1062)を含む。
【0240】
いくつかの実施形態では、ロボット医療システムは、実行された移動に従って、調節可能なアーム支持体の(例えば、1つ又は2つ以上のロボットアームに対する)位置変化を表示する(1064)。
【0241】
図30Eを参照すると、いくつかの実施形態では、ロボット医療システムは、患者支持体を含む。ロボット医療システムは、ロボット医療システムが対応する処置のステップを識別する(1066)。ロボット医療システムは、患者支持プラットフォームの少なくとも一部分の移動を引き起こす(例えば、実行する、起動するなど)(1068)。移動の間(1070)、ロボット医療システムは、患者支持プラットフォームの少なくとも一部分を、1つ又は2つ以上のロボットアーム及び/又は患者支持プラットフォームの他の部分とは異なる第1の視覚表現で表示するように3-Dレンダリングを更新する(1072)。
【0242】
いくつかの実施形態では、患者支持プラットフォームの少なくとも一部分を第1の視覚表現で表示すること、1つ又は2つ以上のロボットアームに対応する色とは異なる第1の色で調節可能なアーム支持体を表示すること(1074)。
【0243】
いくつかの実施形態では、ロボット医療システムは、実行された移動に従って、患者支持プラットフォームの少なくとも一部分の部分の位置変化を表示する(1076)。
【0244】
いくつかの実施形態では、ロボット医療システムがワークフローの特定のステップを実行しているという判定に従って、ロボット医療システムは、1つ又は2つ以上のロボットアームの特定の部分(例えば、特定の関節、特定のリンク、高度デバイスマニピュレータ(ADM)、ツールドライバ、器具ドライバ、又はロボットアームに取り付けられているロボットエンドエフェクタ、ツール若しくは医療器具など)を含むように(例えば、その部分に焦点を合わせるように)、ロボット医療システムの仮想カメラの視野(例えば、視点、見え方、角度など)を調節する(1078)(例えば、仮想カメラの視野は、ユーザがディスプレイ上で見るロボット医療システムのビューに対応する)。
【0245】
いくつかの実施形態では、ワークフローの特定のステップは、ロボットアームをドッキング状態に置くこと、ロボットアームに1つ又は2つ以上のツールを取り付けること、ロボットアーム又は下にあるバーの姿勢(例えば、位置及び/又は配向)を最適化すること、及び/又はユーザによる手動動作を必要とするステップなどを含むことができる。一例として、特定のステップは、ロボットアームがドッキング状態に置かれるドッキングステップであり得る。ドッキング中、仮想カメラは、ADMに焦点を合わせるように動的に変化する。3-Dレンダリング(例えば、モデル)のロボットアームは、この手動ステップの成功裏の完了を反映するために、チェックマークバッジを用いて位置及び状態を白色から緑色に更新する。
【0246】
いくつかの実施形態では、ロボット医療システムがワークフローの特定のステップを実行しているという判定(1080)に従って、ロボット医療システムは、グラフィック(例えば、3-Dレンダリングとは異なる視覚インジケータ、視覚マーカ)を生成する(1082)。ロボット医療システムは、グラフィックを3-Dレンダリング上のオーバーレイとして(例えば、その上に)表示する(1084)。例えば、
図28A及び
図28Bで考察されるように、いくつかの実施形態では、グラフィックは、点などの0-Dオブジェクト、線などの1-Dオブジェクト、及び/又は対象となる領域などの2-Dオブジェクトを含むことができる。いくつかの実施形態では、グラフィックは、ステップの終了時に1つ又は2つ以上のロボットアームをどこに移動させる必要があるかを示す「標的位置」を表すことができる。
【0247】
図31A~
図31Cは、いくつかの実施形態による、ロボット医療システム(例えば、
図21及び
図22に例解されるロボット医療システム200、又はロボット手術プラットフォームなど)の1つ又は2つ以上のプロセッサによって実施される方法1100のフローチャート図を例解する。ロボット医療システムは、1つ又は2つ以上のプロセッサと、1つ又は2つ以上のプロセッサによる実行のための命令を記憶するメモリと、を備える。
【0248】
ロボット医療システムは、1つ又は2つ以上のロボットアーム(例えば、
図21、
図22、
図23A、
図23B、
図23C、
図24A、
図24B、
図24C、
図26A、
図26B、
図26C、及び
図26Dのロボットアーム210)を含む。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のロボットアームは、医療処置を実施するために使用される。ロボットアームの各々は、それぞれの器具を保持することができる。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のロボットアームは、調節可能なアーム支持体(例えば、調節可能なアーム支持体又はバー220)に結合されている。
【0249】
ロボット医療システムは、1つ又は2つ以上のディスプレイ(例えば、対話型ディスプレイ、タッチスクリーンディスプレイ、ユーザインターフェースを含むディスプレイなど)を含む。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のディスプレイは、1つ又は2つ以上のロボットアームの3-Dレンダリングを表示するための1つ又は2つ以上の対話型ビューアを含む。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のディスプレイは、ロボット医療システムのタワービューア、外科医ビューア、ベッド/タワーペンダント上に位置する。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のディスプレイは、ロボット医療システムの一部として使用される任意のペンダント(例えば、遠隔ペンダント)上に位置する。
【0250】
ロボット医療システムは、1つ又は2つ以上のロボットアームを含む三次元(3-D)レンダリングを(例えば、1つ又は2つ以上のディスプレイ上に)表示する(1102)。
【0251】
ロボット医療システムは、ユーザによる手動動作が完了したかどうかを(例えば、自動的に、リアルタイムでなど)判定(例えば、検出)する(1104)。
【0252】
いくつかの実施形態では、手動動作は、医療処置のためのワークフローのステップに対応する。
【0253】
いくつかの実施形態では、ワークフローは、術前段階(例えば、セットアップ段階)、術中段階(例えば、手術中段階)、及び/又は術後段階(例えば、解体段階)を含む、1つ又は2つ以上の段階を含む。
【0254】
いくつかの実施形態では、手動動作は、ロボットアームの各々をロボットアームに対応するそれぞれのカニューレにドッキングすること(1106)を含む。
【0255】
いくつかの実施形態では、ロボットアームをドッキングすることと並行して起こり得る動作は、展開されたが処置に必要ではない1つ又は2つ以上のロボットアーム(すなわち、ドッキングされていないが展開されたアーム)を「収容する」ことである。ロボットアームが収容される必要がある場合、ロボットアームは、処置中にベッドサイドユーザへの悪影響が少ない位置に手動で「ねじられ、押し込まれる」であろう。いくつかの実施形態では、3-Dレンダリングを更新することは、収容された1つ又は2つ以上のロボットアームのそれぞれの位置を反映するように3-Dレンダリングを更新すること、又は収容されたロボットアームを除外するように3-Dレンダリングを更新することを含む。
【0256】
いくつかの実施形態では、手動動作は、ロボットアームのうちの少なくとも1つを第1の医療ツール(例えば、医療器具)で取り付けること(1108)を含む。いくつかの実施形態では、第1の医療ツール(例えば、又はそれぞれのロボットアームに取り付けられている医療ツールの各々)は、RFIDタグを介して追跡することができる一意の識別子を含む。第1の医療ツールがロボットアームに完全に接続及びラッチされるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサは、第1の医療ツールの存在及び第1の医療ツールに対応するツールタイプを識別することができる。
【0257】
いくつかの実施形態では、手動動作は、ロボットアームの各々をそれぞれの医療ツールで取り付けること(1110)を含む。
【0258】
いくつかの実施形態では、手動動作が完了したという判定に従って、ロボット医療システムは、3-Dレンダリングを(例えば、自動的に、リアルタイムで、ユーザ相互作用なしに、ユーザ介入なしに、など)更新する(例えば、変更する、リフレッシュする、など)(1112)。
【0259】
いくつかの実施形態では、3-Dレンダリングは、1つ又は2つ以上の視覚インジケータを含み、視覚インジケータの各々は、ロボットアームのそれぞれ1つに対応する(1114)。例えば、視覚インジケータは、それぞれのアームに取り付けられる器具、ツールがロボットアームに取り付けられる順序、ロボットアームのステータス(例えば、ロボットアームが展開されているかどうか、ドッキングされているかどうかなど)を示すことができる。手動動作が完了したという判定に従って、ロボット医療システムは、手動動作の完了を示すように視覚インジケータの各々を更新する(1116)(例えば、リアルタイムで、自動的に、ユーザ介入なしに、など)。
【0260】
いくつかの実施形態では、視覚インジケータの各々を更新することは、手動動作の完了を示すために、視覚インジケータの各々にチェックマーク(例えば、所定の色を有する)を追加することを含む。いくつかの実施形態では、視覚インジケータの各々を更新することは、視覚インジケータの各々に対応するテキストを更新して、ロボットアームのステータス(例えば、ロボットアームがドッキングされているかどうか、又は器具がロボットアームに装填されているかどうかなど)を示すことを含む。
【0261】
いくつかの実施形態では、手動動作は、ロボットアームの各々をそれぞれの医療ツールで取り付けることを含む。ロボット医療システムは、ロボットアームのうちの第1のロボットアームからの医療ツールの除去(例えば、手動で除去された、取り付けられていないなど)を検出(例えば、判定)する(例えば、自動的に、リアルタイムで、ユーザ介入なしに、など)(1118)。検出に従って、ロボット医療システムは、医療ツールが第1のロボットアームから除去されたことを示すように、第1のロボットアームに対応する第1の視覚インジケータを更新する(例えば、ロボットアームに対応するチェックマークを外すことによって)(1120)。
【0262】
いくつかの実施形態では、手動動作は、第1の位置から第2の位置への1つ又は2つ以上のロボットアームのうちの第1のロボットアームの一部分(例えば、第1のロボットアームの1つ又は2つ以上の関節及び/又はリンク)の手動移動(1122、
図31B)を含む。
【0263】
いくつかの実施形態では、3-Dレンダリングを更新することは、3-Dレンダリングにおける第1のロボットアームの位置を第1の位置から第2の位置に更新すること(1124)を含む。
【0264】
いくつかの実施形態では、ロボット医療システムは、ワークフローステップの各々についてロボットアームの位置情報(例えば、構成情報)を記憶する。ロボット医療システムは、ロボット医療システムの現在のワークフローステップを判定し得るか、又はロボット医療システムが特定のワークフローステップにあるというユーザ入力を受信し得る。一例として、ロボット医療システムがワークフローのアームドッキングステップにあるという判定又はユーザ入力に従って、システムは、カニューレがロボットアームに取り付けられたことの完了をチェックする。手動動作が完了したことをシステムが検出するときに、アームの隣のチェックボックスは、ステップが完了したことをシステムが検出すると緑色に変わる。
【0265】
いくつかの実施形態では、3-Dレンダリングを更新することは、第1のロボットアームの一部分を、第1のロボットアームの他の部分とは視覚的に異なる第1の視覚表現で表示すること(1126)を含む。
【0266】
いくつかの実施形態では、第1のロボットアームの一部分を第1の視覚表現で表示することは、部分を、第1のロボットアームの他の部分に対応する色とは異なる第1の色で表示すること(1128)を含む。
【0267】
いくつかの実施形態では、ロボット医療システムは、手動移動が実行されるときに、第1のロボットアームの一部分の位置の変化を検出する(1130)。ロボット医療システムは、位置の変化を反映するように3-Dレンダリングを連続的に更新する(1132)。
【0268】
いくつかの実施形態では、ロボット医療システムは、手動移動が実行されるときに、第1のロボットアームの一部分の位置の変化を検出する(1134)。実行された移動に従って、ロボット医療システムは、手動動作の進捗を可視化するための進捗バー(例えば、ステータスバー、進捗インジケータ、グラフィカル制御要素など)を(例えば、3-Dレンダリングと並行して、同時に)表示する(1136)。
【0269】
いくつかの実施形態では、ロボット医療システムは、手動動作が実行されるときに、音声信号を生成し(1138、
図31C)、出力する。
【0270】
いくつかの実施形態では、手動動作が完了していないという判定に従って、ロボット医療システムは、エラー状態及びエラーを訂正するための情報を表示する(1140)。例えば、成功裏の完了の前にユーザがワークフローステップをスキップしたという判定に従って、ロボット医療システムは、3-Dレンダリングを表示して、エラー状態、エラーが発生した場所、及び/又は何が間違っていたかに関する情報を示すことができる。
【0271】
いくつかの実施形態では、ロボット医療システムは、1つ又は2つ以上のロボットアームに移動可能に結合されている1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体を含む。3-Dレンダリングは、1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体のレンダリング(例えば、表現、グラフィックスなど)を含む。
【0272】
いくつかの実施形態では、手動動作は、1つ又は2つ以上のロボットアームに対する1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体の移動(1142)を含む。3-Dレンダリングを更新することは、1つ又は2つ以上のロボットアームに対する、レンダリングにおける1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体の位置を更新すること(1144)を含む。
【0273】
いくつかの実施形態では、ロボット医療システムは、患者支持プラットフォームを含む。3-Dレンダリングは、患者支持プラットフォームのレンダリングを含む。
【0274】
いくつかの実施形態では、手動動作は、患者支持プラットフォームの少なくとも一部分の第1の位置から第2の位置への移動(1146)を含む。3-Dレンダリングを更新することは、レンダリングにおける患者支持プラットフォームの少なくとも一部分の位置を第1の位置から第2の位置に更新すること(1148)を含む。
【0275】
3.実装システム及び用語。
図32は、いくつかの実施形態による、ロボット医療システムの電子構成要素を例解する概略図である。
【0276】
ロボット医療システムは、本明細書に記載される任意の方法(例えば、
図30A~
図30E及び
図31A~
図31Cに関して記載される動作)を実施するための命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体382(例えば、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、スタティックランダムアクセスメモリ、及び不揮発性メモリなどのコンピュータメモリデバイス、並びにハードドライブ、光ディスク、磁気テープ記録などの他の記憶デバイス、又はそれらの任意の組み合わせ)と通信している1つ又は2つ以上のプロセッサ380を含む。1つ又は2つ以上のプロセッサ380はまた、(システムバス又は任意の好適な電気回路を介して)入力/出力コントローラ384と通信する。入力/出力コントローラ384は、1つ又は2つ以上のセンサ388-1、388-2などからセンサデータを受信し、センサデータを1つ又は2つ以上のプロセッサ380に中継する。入力/出力コントローラ384はまた、1つ又は2つ以上のプロセッサ380から命令及び/又はデータを受信し、命令及び/又はデータを第1のモータ387-1及び387-2などの1つ又は2つ以上のアクチュエータに中継する。いくつかの実施形態では、入力/出力コントローラ384は、1つ又は2つ以上のアクチュエータコントローラ386に結合されており、1つ又は2つ以上のアクチュエータコントローラ386の少なくともサブセットに命令及び/又はデータを提供し、次に、選択されたアクチュエータに制御信号を提供する。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のアクチュエータコントローラ386は、入力/出力コントローラ384と統合され、入力/出力コントローラ384は、(別個のアクチュエータコントローラを伴わずに)制御信号を1つ又は2つ以上のアクチュエータ387に直接提供する。
図32は、1つのアクチュエータコントローラ386(例えば、モバイル医療用プラットフォーム全体に対して1つのアクチュエータコントローラが存在することを示すが、いくつかの実施形態では、追加のアクチュエータコントローラ(例えば、各アクチュエータに対して1つのアクチュエータコントローラなど)が使用され得る。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のプロセッサ380は、本明細書に記載されるように、情報(例えば、三次元レンダリング)を表示するための1つ又は2つ以上のディスプレイ381と通信している。
【0277】
本明細書で使用するとき、「結合する」、「結合している」、「結合された」という用語、又は結合という単語の他の変形は、間接的接続又は直接的接続のいずれかを示し得ることに留意されたい。例えば、第1の構成要素が第2の構成要素に「結合される」場合、第1の構成要素は、別の構成要素を介して第2の構成要素に間接的に接続されている、又は第2の構成要素に直接に接続されている、のいずれかであり得る。
【0278】
本明細書に記載の手動操作モードへ移行するための機能は、プロセッサ可読媒体又はコンピュータ可読媒体上の1つ又は2つ以上の命令として記憶され得る。「コンピュータ可読媒体」という用語は、コンピュータ又はプロセッサがアクセスすることができる任意の利用可能な媒体を指すものである。一例として、限定するものではないが、このような媒体は、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、電気的消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(electrically erasable programmable read-only memory、EEPROM)、フラッシュメモリ、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(compact disc read-only memory、CD-ROM)、又は他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置、若しくは他の磁気記憶デバイス、又は命令若しくはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを記憶するために使用することができ、コンピュータによってアクセスされることができる任意の他の媒体を含み得る。コンピュータ可読媒体が、有形かつ非一時的であり得ることに留意されたい。本明細書で使用する際、「コード(code)」という用語は、コンピューティングデバイス又はプロセッサによって実行可能であるソフトウェア、命令、コード、又はデータを指し得る。
【0279】
本明細書に開示される方法は、説明される方法を達成するための1つ又は2つ以上のステップ又は行為を含む。方法ステップ及び/又は行為は、特許請求の範囲から逸脱しない限り、互いに置き換えられ得る。言い換えれば、説明される方法の適切な動作に具体的な順序のステップ又は行為が必要とされない限り、特許請求の範囲から逸脱することなく、具体的なステップ及び/又は行為の順序及び/又は使用は、修正され得る。
【0280】
本明細書で使用するとき、「複数」という用語は、2つ又はそれ以上を示す。例えば、複数の構成要素は、2つ又はそれ以上の構成要素のことである。「判断する(determining)」という用語は、多種多様な行為に及び、したがって、「判断する」には、計算する、コンピュータで計算する、処理する、導出する、調査する、ルックアップする(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造を調べる)、確かめるなどを含むことができる。また、「判断する」には、受信する(例えば、情報を受信する)、アクセスする(例えば、メモリ内のデータにアクセスする)などを含むことができる。また、「判断する」には、解決する、選択する、選出する、確立するなどを含むことができる。
【0281】
「に基づく」という句は、別段に明示的に指定されない限り、「のみに基づく」を意味しない。言い換えれば、「基づく」という句は、「のみに基づく」及び「少なくとも基づく」の両方を言うものである。
【0282】
開示された実施形態の前述の説明は、任意の当業者が本発明を製造すること、又は使用することを可能にするために提供される。これらの実施形態に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかになり、かつ、本明細書で規定される一般的な原理は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態に適用され得る。例えば、当業者であれば、締結、装着、結合、又は係合ツール構成要素と同様の方式、特定の作動運動を生み出すのと同等の機構、及び電気エネルギを送達するのと同等の機構など、多くの対応する代替、同等の構造上の細目を採用することができることが分かるであろう。加えて、いくつかの実施形態は3-Dレンダリングに関して説明されるが、当業者は、開示されるシステム、デバイス、装置、及び方法が非3Dレンダリングでも機能し得ることを理解するであろう。したがって、本発明は、本明細書に示される実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示される原則及び新規な特徴と一致する最も広い範囲が与えられるものである。
【0283】
以下の条項により、いくつかの実施形態又は実装形態を記述する。
【0284】
条項1.ロボット医療システムであって、
1つ又は2つ以上のロボットアームと、
1つ又は2つ以上のディスプレイと、
1つ又は2つ以上のプロセッサと、
命令を記憶するメモリと、を備え、命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、
1つ又は2つ以上のロボットアームのグラフィック表現を含む三次元(3-D)レンダリングを表示することと、
処置に対応する事前プログラムされたワークフローに従って3-Dレンダリングを更新して、処置を通してユーザをガイドすることと、を行わせる、ロボット医療システム。
【0285】
条項2.
患者支持プラットフォームを更に備え、
メモリが、命令を更に含み、命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、
ワークフローに従って、患者支持プラットフォームに対する1つ又は2つ以上のロボットアームの空間構成調節を実行することと、
空間構成調節に従って1つ又は2つ以上のロボットアームの位置変化を反映するように、3-Dレンダリングを更新することと、を行わせる、条項1に記載のロボット医療システム。
【0286】
条項3.メモリが、命令を更に含み、命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、
ワークフローに従って第1の位置から第2の位置への患者支持プラットフォームの移動を引き起こすことと、
患者支持プラットフォームの移動を反映するように3-Dレンダリングを更新することと、を行わせる、条項2に記載のロボット医療システム。
【0287】
条項4.
1つ又は2つ以上のロボットアームに移動可能に結合されている1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体を更に備え、
メモリが、命令を更に含み、命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、
ワークフローに従って、1つ又は2つ以上のロボットアームに対する1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体の移動を引き起こすことと、
1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体の位置変化を反映するように3-Dレンダリングを更新することと、を行わせる、条項1~3のいずれか一つに記載のロボット医療システム。
【0288】
条項5.メモリが、命令を更に含み、命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、
3-Dレンダリングの一部分のユーザ選択を受信することと、
ユーザ選択に従って、ユーザ選択部分を、3-Dレンダリングの他の部分とは視覚的に異なる方法で表示することと、を行わせる、条項1~4のいずれか一つに記載のロボット医療システム。
【0289】
条項6.事前プログラムされたワークフローが、術前段階、術中段階、及び/又は術後段階を含む、1つ又は2つ以上の段階を含む、条項1~5のいずれか一つに記載のロボット医療システム。
【0290】
条項7.術前段階のステップが、1つ又は2つ以上のロボットアームを収容位置から展開位置に展開することを含む、条項6に記載のロボット医療システム。
【0291】
条項8.術前段階のステップが、1つ又は2つ以上のロボットアームをドレーピング姿勢に移動させることを含む、条項6又は7に記載のロボット医療システム。
【0292】
条項9.術前段階のステップが、1つ又は2つ以上のロボットアームをドッキング状態に置くことを含む、条項6~8のいずれか一つに記載のロボット医療システム。
【0293】
条項10.
1つ又は2つ以上のロボットアームに移動可能に結合されている調節可能なアーム支持体と、
患者支持プラットフォームと、を更に備え、
術中処置のステップが、調節可能なアーム支持体及び患者支持プラットフォームを平準化することを含む、条項6~9のいずれか一つに記載のロボット医療システム。
【0294】
条項11.事前プログラムされたワークフローの1つ又は2つ以上の段階の各々が、1つ又は2つ以上のそれぞれのステップを含む、条項6~10のいずれか一つに記載のロボット医療システム。
【0295】
条項12.メモリが、命令を更に含み、命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、
ロボット医療システムが対応する処置のステップを識別することと、
識別されたステップに従って、1つ又は2つ以上のロボットアームのうちの第1のロボットアームの一部分の移動を引き起こすことと、
移動の間、3-Dレンダリングを更新して、
第1のロボットアームの一部分を、第1のロボットアームの他の部分とは視覚的に異なる第1の視覚表現で表示し、
実行された移動に従って、第1のロボットアームの一部分の位置変化を表示することと、を行わせる、条項11に記載のロボット医療システム。
【0296】
条項13.第1のロボットアームの一部分を第1の視覚表現で表示することが、一部分を、第1のロボットアームの他の部分に対応する色とは異なる第1の色で表示することを含む、条項12に記載のロボット医療システム。
【0297】
条項14.メモリが、命令を更に含み、命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、移動の間に、実行されている識別されたステップの進捗を可視化するための進捗バーを表示させる、条項12又は13に記載のロボット医療システム。
【0298】
条項15.メモリが、命令を更に含み、命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、
移動に従って、音声信号を生成させる、条項12~14のいずれか一つに記載のロボット医療システム。
【0299】
条項16.メモリが、命令を更に含み、命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、
ステップが完了したかどうかを判定することと、
ステップが完了したという判定に従って、第1のロボットアームの一部分を、第1の視覚表現とは異なる第2の視覚表現で表示するように3-Dレンダリングを更新することと、を行わせる、条項12~15のいずれか一つに記載のロボット医療システム。
【0300】
条項17.第1の視覚表現が、第1の色に対応し、第2の視覚表現が、第1の色とは異なる第2の色に対応する、条項16に記載のロボット医療システム。
【0301】
条項18.
1つ又は2つ以上のロボットアームに移動可能に結合されている調節可能なアーム支持体を更に備え、
メモリが、命令を更に含み、命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、
ロボット医療システムが対応する処置のステップを識別することと、
識別されたステップに従って、調節可能なアーム支持体の移動を引き起こすことと、
移動の間、3-Dレンダリングを更新して、
調節可能なアーム支持体を、1つ又は2つ以上のロボットアームとは視覚的に異なる第1の視覚表現で表示し、
移動に従って、調節可能なアーム支持体の位置変化を表示することと、を行わせる、条項11~17のいずれか一つに記載のロボット医療システム。
【0302】
条項19.調節可能なアーム支持体を第1の視覚表現で表示することが、調節可能なアーム支持体を、1つ又は2つ以上のロボットアームに対応する色とは異なる第1の色で表示することを含む、条項18に記載のロボット医療システム。
【0303】
条項20.
患者支持プラットフォームを更に備え、
メモリが、命令を更に含み、命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、
ロボット医療システムが対応する処置のステップを識別することと、
患者支持プラットフォームの少なくとも一部分の移動を引き起こすことと、
移動の間、3-Dレンダリングを更新して、
患者支持プラットフォームの少なくとも一部分を、1つ又は2つ以上のロボットアーム及び/又は患者支持プラットフォームの他の部分とは視覚的に異なる第1の視覚表現で表示し、
移動に従って、患者支持プラットフォームの少なくとも一部分の位置変化を表示することと、を行わせる、条項11~19のいずれか一つに記載のロボット医療システム。
【0304】
条項21.患者支持プラットフォームの少なくとも一部分を第1の視覚表現で表示することが、患者支持プラットフォームの少なくとも一部分を、1つ又は2つ以上のロボットアームに対応する色とは異なる第1の色で表示することを含む、条項20に記載のロボット医療システム。
【0305】
条項22.メモリが、命令を更に含み、命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、
ロボット医療システムがワークフローの特定のステップを実行しているという判定に従って、ロボット医療システムの仮想カメラの視野を、1つ又は2つ以上のロボットアームの特定の部分を含むように調節させる、条項1~21のいずれか一つに記載のロボット医療システム。
【0306】
条項23.メモリが、命令を更に含み、命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、
ロボット医療システムがワークフローの特定のステップを実行しているという判定に従って、
グラフィックを生成することと、
グラフィックを3-Dレンダリング上のオーバーレイとして表示することと、を行わせる、条項1~22のいずれか一つに記載のロボット医療システム。
【0307】
条項24.ロボット医療システムであって、
1つ又は2つ以上のロボットアームと、
1つ又は2つ以上のディスプレイと、
1つ又は2つ以上のプロセッサと、
命令を記憶するメモリと、を備え、命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ又は2つ以上のプロセッサに、
1つ又は2つ以上のロボットアームを含む三次元(3-D)レンダリングを表示することと、
ユーザによる手動動作が完了したかどうかを判定することと、
手動動作が完了したという判定に従って、3-Dレンダリングを更新することと、を行わせる、ロボット医療システム。
【0308】
条項25.手動動作が、医療処置のためのワークフローのステップに対応する、条項24に記載のロボット医療システム。
【0309】
条項26.ワークフローが、術前段階、術中段階、及び/又は術後段階を含む、1つ又は2つ以上の段階を含む、条項25に記載のロボット医療システム。
【0310】
条項27.手動動作が、ロボットアームの各々をロボットアームに対応するそれぞれのカニューレにドッキングすることを含む、条項24~26のいずれか一つに記載のロボット医療システム。
【0311】
条項28.手動動作が、ロボットアームのうちの少なくとも1つを第1の医療ツールで取り付けることを含む、条項24~27のいずれか一つに記載のロボット医療システム。
【0312】
条項29.手動動作が、ロボットアームの各々をそれぞれの医療ツールで取り付けることを含む、条項24~28のいずれか一つに記載のロボット医療システム。
【0313】
条項30.
3-Dレンダリングが、1つ又は2つ以上の視覚インジケータを含み、視覚インジケータの各々が、ロボットアームのそれぞれ1つに対応し、
メモリが、命令を更に含み、命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、
手動動作が完了したという判定に従って、手動動作の完了を示すように視覚インジケータの各々を更新させる、条項24~29のいずれか一つに記載のロボット医療システム。
【0314】
条項31.
手動動作が、ロボットアームの各々をそれぞれの医療ツールで取り付けることを含み、
メモリが、命令を更に含み、命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、
ロボットアームのうちの第1のロボットアームからの医療ツールの除去を検出することと、
検出に従って、医療ツールが第1のロボットアームから除去されたことを示すように、第1のロボットアームに対応する第1の視覚インジケータを更新させることと、を行わせる、条項30に記載のロボット医療システム。
【0315】
条項32.
手動動作が、1つ又は2つ以上のロボットアームのうちの第1のロボットアームの一部分の第1の位置から第2の位置への手動移動を含む、条項24~31のいずれか一つに記載のロボット医療システム。
【0316】
条項33.3-Dレンダリングを更新することが、3-Dレンダリングにおける第1のロボットアームの位置を第1の位置から第2の位置に更新することを含む、条項32に記載のロボット医療システム。
【0317】
条項34.3-Dレンダリングを更新することが、第1のロボットアームの一部分を、第1のロボットアームの他の部分とは視覚的に異なる第1の視覚表現で表示することを含む、条項32又は33に記載のロボット医療システム。
【0318】
条項35.第1のロボットアームの一部分を第1の視覚表現で表示することが、一部分を、第1のロボットアームの他の部分に対応する色とは異なる第1の色で表示することを含む、条項34に記載のロボット医療システム。
【0319】
条項36.メモリが、命令を更に含み、命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、
手動移動が実行されるときに、第1のロボットアームの一部分の位置の変化を検出することと、
位置の変化を反映するように3-Dレンダリングを連続的に更新することと、を行わせる、条項32~35のいずれか一つに記載のロボット医療システム。
【0320】
条項37.メモリが、命令を更に含み、命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、
手動移動が実行されるときに、第1のロボットアームの一部分の位置の変化を検出することと、
実行された移動に従って、手動動作の進捗を可視化するための進捗バーを表示することと、を行わせる、条項32~36のいずれか一つに記載のロボット医療システム。
【0321】
条項38.メモリが、命令を更に含み、命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、手動動作が実行されるときに、音声信号を生成及び出力させる、条項24~37のいずれか一つに記載のロボット医療システム。
【0322】
条項39.メモリが、命令を更に含み、命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ又は2つ以上のプロセッサに、
手動動作が完了していないという判定に従って、エラー状態及びエラーを訂正するための情報を表示させる、条項24~38のいずれか一つに記載のロボット医療システム。
【0323】
条項40.
1つ又は2つ以上のロボットアームに移動可能に結合されている1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体を更に備え、
3-Dレンダリングが、1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体のレンダリングを含む、条項24~39のいずれか一つに記載のロボット医療システム。
【0324】
条項41.手動動作が、1つ又は2つ以上のロボットアームに対する1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体の移動を含み、
3-Dレンダリングを更新することが、1つ又は2つ以上のロボットアームに対する、レンダリングにおける1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体の位置を更新することを含む、条項40に記載のロボット医療システム。
【0325】
条項42.
患者支持プラットフォームを更に備え、
3-Dレンダリングが、患者支持プラットフォームのレンダリングを含む、条項24~41のいずれか一つに記載のロボット医療システム。
【0326】
条項43.手動動作が、患者支持プラットフォームの少なくとも一部分の第1の位置から第2の位置への移動を含み、
3-Dレンダリングを更新することが、レンダリングにおける患者支持プラットフォームの少なくとも一部分の位置を第1の位置から第2の位置に更新することを含む、条項42に記載のロボット医療システム。
【0327】
〔実施の態様〕
(1) ロボット医療システムであって、
1つ又は2つ以上のロボットアームと、
1つ又は2つ以上のディスプレイと、
1つ又は2つ以上のプロセッサと、
命令を記憶するメモリと、を備え、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記1つ又は2つ以上のロボットアームのグラフィック表現を含む三次元(3-D)レンダリングを表示することと、
処置に対応する事前プログラムされたワークフローに従って、前記3-Dレンダリングを更新して、前記処置を通してユーザをガイドすることと、を行わせる、ロボット医療システム。
(2) 患者支持プラットフォームを更に備え、
前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記ワークフローに従って、前記患者支持プラットフォームに対する前記1つ又は2つ以上のロボットアームの空間構成調節を実行することと、
前記空間構成調節に従って、前記1つ又は2つ以上のロボットアームの位置変化を反映するように、前記3-Dレンダリングを更新することと、を行わせる、実施態様1に記載のロボット医療システム。
(3) 前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記ワークフローに従って、第1の位置から第2の位置への前記患者支持プラットフォームの移動を引き起こすことと、
前記患者支持プラットフォームの前記移動を反映するように前記3-Dレンダリングを更新することと、を行わせる、実施態様2に記載のロボット医療システム。
(4) 前記1つ又は2つ以上のロボットアームに移動可能に結合されている1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体を更に備え、
前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記ワークフローに従って、前記1つ又は2つ以上のロボットアームに対する前記1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体の移動を引き起こすことと、
前記1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体の位置変化を反映するように前記3-Dレンダリングを更新することと、を行わせる、実施態様1に記載のロボット医療システム。
(5) 前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記3-Dレンダリングの一部分のユーザ選択を受信することと、
前記ユーザ選択に従って、前記ユーザ選択部分を、前記3-Dレンダリングの他の部分とは視覚的に異なる方法で表示することと、を行わせる、実施態様1に記載のロボット医療システム。
【0328】
(6) 前記事前プログラムされたワークフローが、術前段階、術中段階、及び/又は術後段階を含む、1つ又は2つ以上の段階を含む、実施態様1に記載のロボット医療システム。
(7) 前記術前段階のステップが、前記1つ又は2つ以上のロボットアームを収容位置から展開位置に展開することを含む、実施態様6に記載のロボット医療システム。
(8) 前記術前段階のステップが、前記1つ又は2つ以上のロボットアームをドレーピング姿勢に移動させることを含む、実施態様6に記載のロボット医療システム。
(9) 前記術前段階のステップが、前記1つ又は2つ以上のロボットアームをドッキング状態に置くことを含む、実施態様6に記載のロボット医療システム。
(10) 前記1つ又は2つ以上のロボットアームに移動可能に結合されている調節可能なアーム支持体と、
患者支持プラットフォームと、を更に備え、
前記術中処置のステップが、前記調節可能なアーム支持体及び前記患者支持プラットフォームを平準化することを含む、実施態様6に記載のロボット医療システム。
【0329】
(11) 前記事前プログラムされたワークフローの前記1つ又は2つ以上の段階の各々が、1つ又は2つ以上のそれぞれのステップを含む、実施態様6に記載のロボット医療システム。
(12) 前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記ロボット医療システムが対応する前記処置のステップを識別することと、
前記識別されたステップに従って、前記1つ又は2つ以上のロボットアームのうちの第1のロボットアームの一部分の移動を引き起こすことと、
前記移動の間、前記3-Dレンダリングを更新して、
前記第1のロボットアームの前記一部分を、前記第1のロボットアームの他の部分とは視覚的に異なる第1の視覚表現で表示し、
前記実行された移動に従って、前記第1のロボットアームの前記一部分の位置変化を表示することと、を行わせる、実施態様11に記載のロボット医療システム。
(13) 前記第1のロボットアームの前記一部分を前記第1の視覚表現で表示することが、前記一部分を、前記第1のロボットアームの前記他の部分に対応する色とは異なる第1の色で表示することを含む、実施態様12に記載のロボット医療システム。
(14) 前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、前記移動の間に、実行されている前記識別されたステップの進捗を可視化するための進捗バーを表示させる、実施態様12に記載のロボット医療システム。
(15) 前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記移動に従って、音声信号を生成させる、実施態様12に記載のロボット医療システム。
【0330】
(16) 前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記ステップが完了したかどうかを判定することと、
前記ステップが完了したという判定に従って、前記第1のロボットアームの前記一部分を、前記第1の視覚表現とは異なる第2の視覚表現で表示するように前記3-Dレンダリングを更新することと、を行わせる、実施態様12に記載のロボット医療システム。
(17) 前記第1の視覚表現が、第1の色に対応し、前記第2の視覚表現が、前記第1の色とは異なる第2の色に対応する、実施態様16に記載のロボット医療システム。
(18) 前記1つ又は2つ以上のロボットアームに移動可能に結合されている調節可能なアーム支持体を更に備え、
前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記ロボット医療システムが対応する処置のステップを識別することと、
前記識別されたステップに従って、前記調節可能なアーム支持体の移動を引き起こすことと、
前記移動の間、前記3-Dレンダリングを更新して、
前記調節可能なアーム支持体を、前記1つ又は2つ以上のロボットアームとは視覚的に異なる第1の視覚表現で表示し、
前記移動に従って、前記調節可能なアーム支持体の位置変化を表示することと、を行わせる、実施態様11に記載のロボット医療システム。
(19) 前記調節可能なアーム支持体を前記第1の視覚表現で表示することが、前記調節可能なアーム支持体を、前記1つ又は2つ以上のロボットアームに対応する色とは異なる第1の色で表示することを含む、実施態様18に記載のロボット医療システム。
(20) 患者支持プラットフォームを更に備え、
前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記ロボット医療システムが対応する処置のステップを識別することと、
前記患者支持プラットフォームの少なくとも一部分の移動を引き起こすことと、
前記移動の間、前記3-Dレンダリングを更新して、
前記患者支持プラットフォームの前記少なくとも一部分を、前記1つ又は2つ以上のロボットアーム及び/又は前記患者支持プラットフォームの他の部分とは視覚的に異なる第1の視覚表現で表示し、
前記移動に従って、前記患者支持プラットフォームの前記少なくとも一部分の位置変化を表示することと、を行わせる、実施態様11に記載のロボット医療システム。
【0331】
(21) 前記患者支持プラットフォームの前記少なくとも一部分を前記第1の視覚表現で表示することが、前記患者支持プラットフォームの前記少なくとも一部分を、前記1つ又は2つ以上のロボットアームに対応する色とは異なる第1の色で表示することを含む、実施態様20に記載のロボット医療システム。
(22) 前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記ロボット医療システムが前記ワークフローの特定のステップを実行しているという判定に従って、前記ロボット医療システムの仮想カメラの視野を、前記1つ又は2つ以上のロボットアームの特定の部分を含むように調節させる、実施態様1に記載のロボット医療システム。
(23) 前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記ロボット医療システムが前記ワークフローの特定のステップを実行しているという判定に従って、
グラフィックを生成することと、
前記グラフィックを前記3-Dレンダリング上のオーバーレイとして表示することと、を行わせる、実施態様1に記載のロボット医療システム。
(24) ロボット医療システムであって、
1つ又は2つ以上のロボットアームと、
1つ又は2つ以上のディスプレイと、
1つ又は2つ以上のプロセッサと、
命令を記憶するメモリと、を備え、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記1つ又は2つ以上のロボットアームを含む三次元(3-D)レンダリングを表示することと、
ユーザによる手動動作が完了したかどうかを判定することと、
前記手動動作が完了したという判定に従って、前記3-Dレンダリングを更新することと、を行わせる、ロボット医療システム。
(25) 前記手動動作が、医療処置のためのワークフローのステップに対応する、実施態様24に記載のロボット医療システム。
【0332】
(26) 前記ワークフローが、術前段階、術中段階、及び/又は術後段階を含む、1つ又は2つ以上の段階を含む、実施態様25に記載のロボット医療システム。
(27) 前記手動動作が、前記ロボットアームの各々を、前記ロボットアームに対応するそれぞれのカニューレにドッキングすることを含む、実施態様24に記載のロボット医療システム。
(28) 前記手動動作が、前記ロボットアームのうちの少なくとも1つを、第1の医療ツールで取り付けることを含む、実施態様24に記載のロボット医療システム。
(29) 前記手動動作が、前記ロボットアームの各々を、それぞれの医療ツールで取り付けることを含む、実施態様24に記載のロボット医療システム。
(30) 前記3-Dレンダリングが、1つ又は2つ以上の視覚インジケータを含み、前記視覚インジケータの各々が、前記ロボットアームのそれぞれ1つに対応し、
前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記手動動作が完了したという判定に従って、前記手動動作の完了を示すように、前記視覚インジケータの各々を更新させる、実施態様24に記載のロボット医療システム。
【0333】
(31) 前記手動動作が、前記ロボットアームの各々をそれぞれの医療ツールで取り付けることを含み、
前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記ロボットアームのうちの第1のロボットアームからの医療ツールの除去を検出することと、
前記検出に従って、前記医療ツールが前記第1のロボットアームから除去されたことを示すように、前記第1のロボットアームに対応する第1の視覚インジケータを更新することと、を行わせる、実施態様30に記載のロボット医療システム。
(32) 前記手動動作が、前記1つ又は2つ以上のロボットアームのうちの第1のロボットアームの一部分の第1の位置から第2の位置への手動移動を含む、実施態様24に記載のロボット医療システム。
(33) 前記3-Dレンダリングを更新することが、前記3-Dレンダリングにおける前記第1のロボットアームの位置を、前記第1の位置から前記第2の位置に更新することを含む、実施態様32に記載のロボット医療システム。
(34) 前記3-Dレンダリングを更新することが、前記第1のロボットアームの前記一部分を、前記第1のロボットアームの他の部分とは視覚的に異なる第1の視覚表現で表示することを含む、実施態様32に記載のロボット医療システム。
(35) 前記第1のロボットアームの前記一部分を前記第1の視覚表現で表示することが、前記一部分を、前記第1のロボットアームの前記他の部分に対応する色とは異なる第1の色で表示することを含む、実施態様34に記載のロボット医療システム。
【0334】
(36) 前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記手動移動が実行されるときに、前記第1のロボットアームの前記一部分の位置の変化を検出することと、
前記位置の変化を反映するように前記3-Dレンダリングを連続的に更新することと、を行わせる、実施態様32に記載のロボット医療システム。
(37) 前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記手動移動が実行されるときに、前記第1のロボットアームの前記一部分の位置の変化を検出することと、
前記実行された移動に従って、前記手動動作の進捗を可視化するための進捗バーを表示することと、を行わせる、実施態様32に記載のロボット医療システム。
(38) 前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、前記手動動作が実行されるときに、音声信号を生成及び出力させる、実施態様24に記載のロボット医療システム。
(39) 前記メモリが、命令を更に含み、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記手動動作が完了していないという判定に従って、エラー状態及び前記エラーを訂正するための情報を表示させる、実施態様24に記載のロボット医療システム。
(40) 前記1つ又は2つ以上のロボットアームに移動可能に結合されている1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体を更に備え、
前記3-Dレンダリングが、前記1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体のレンダリングを含む、実施態様24に記載のロボット医療システム。
【0335】
(41) 前記手動動作が、前記1つ又は2つ以上のロボットアームに対する前記1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体の移動を含み、
前記3-Dレンダリングを更新することが、前記1つ又は2つ以上のロボットアームに対する、前記レンダリングにおける前記1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体の位置を更新することを含む、実施態様40に記載のロボット医療システム。
(42) 患者支持プラットフォームを更に備え、
前記3-Dレンダリングが、前記患者支持プラットフォームのレンダリングを含む、実施態様24に記載のロボット医療システム。
(43) 前記手動動作が、前記患者支持プラットフォームの少なくとも一部分の第1の位置から第2の位置への移動を含み、
前記3-Dレンダリングを更新することが、前記レンダリングにおける前記患者支持プラットフォームの少なくとも前記一部分の位置を、前記第1の位置から前記第2の位置に更新することを含む、実施態様42に記載のロボット医療システム。
【国際調査報告】