(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】ジャンクションボックスの中に位相バー冷却及びコンプライアント内部支持部を有するeモータ接続装置
(51)【国際特許分類】
B60K 1/00 20060101AFI20240927BHJP
H02K 5/22 20060101ALI20240927BHJP
B60K 11/04 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
B60K1/00 ZHV
H02K5/22
B60K11/04 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519240
(86)(22)【出願日】2022-09-19
(85)【翻訳文提出日】2024-03-27
(86)【国際出願番号】 US2022043949
(87)【国際公開番号】W WO2023055591
(87)【国際公開日】2023-04-06
(32)【優先日】2021-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515009952
【氏名又は名称】シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Schaeffler Technologies AG & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Industriestr. 1-3, 91074 Herzogenaurach, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ラムジー
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ ファイファー
【テーマコード(参考)】
3D038
3D235
5H605
【Fターム(参考)】
3D038AB01
3D235AA01
3D235BB02
3D235CC12
3D235CC32
3D235HH02
3D235HH44
5H605AA01
5H605CC06
5H605DD11
5H605EC04
5H605EC14
(57)【要約】
電気車両又はハイブリッド電気車両のパワーエレクトロニクスをeモータに接続するためのeモータ接続装置。eモータ接続装置は、パワーエレクトロニクスからeモータまで延在するように構成されたジャンクションボックスと、ジャンクションボックスの中に延在しており、かつパワーエレクトロニクスをeモータに電気的に接続している位相バーと、を含む。第1のアクセスカバーは、ジャンクションボックスに取り外し可能に接続されており、かつ位相バーをeモータに接続するためのアクセスを提供するように構成され、第2のアクセスカバーは、位相バーをパワーエレクトロニクスに接続するための同様のアクセスを提供する。過熱を防止するために、第1のアクセスカバーは、冷却流体源に接続されるように構成された冷却流体入口と、冷却流体戻り部に接続されるように構成された冷却流体出口とを有する冷却流体チャネルを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気車両又はハイブリッド電気車両のパワーエレクトロニクスをeモータに接続するためのeモータ接続装置であって、前記eモータ接続装置は、
前記パワーエレクトロニクスから前記eモータまで延在するように構成されているジャンクションボックスと、
前記ジャンクションボックスの中に延在しており、かつ前記パワーエレクトロニクスを前記eモータに電気的に接続するように適合されている位相バーと、
前記ジャンクションボックスに取り外し可能に接続されており、かつ前記位相バーを前記eモータに接続するためのアクセスを提供するように構成された第1のアクセスカバーと、
前記位相バーを前記パワーエレクトロニクスに接続するためのアクセスを提供するように構成された第2のアクセスカバーと、を備え、
前記第1のアクセスカバーは、冷却流体源に接続されるように構成された冷却流体入口と、冷却流体戻り部に接続されるように構成された冷却流体出口とを有する冷却流体チャネルを含む、eモータ接続装置。
【請求項2】
前記第1のアクセスカバーが、前記位相バーが電気的に接続されている前記eモータの接続部分を取り囲むポッティング材料に接触するように構成されている底部表面を含む、請求項1に記載のeモータ接続装置。
【請求項3】
前記冷却流体チャネルが、直線状経路を有し、前記冷却流体入口及び前記冷却流体出口が、前記第1のアクセスカバーの両側に位置している、請求項1に記載のeモータ接続装置。
【請求項4】
前記冷却流体チャネルが、湾曲状経路を有する、請求項1に記載のeモータ接続装置。
【請求項5】
前記湾曲状経路が、前記冷却流体入口及び前記冷却流体出口が前記第1のアクセスカバーの同じ側に位置するように配設されている、請求項4に記載のeモータ接続装置。
【請求項6】
前記ジャンクションボックスが、組み立て位置において互いに接続されるように構成されている第1のハウジング部分及び第2のハウジング部分を含み、
前記位相バーを受容するように構成された第1の絶縁リテーナと、
前記位相バーが前記第1の絶縁リテーナと第2の絶縁リテーナとの間に保持されるように、前記第1の絶縁リテーナ上に配置されるように構成された第2の絶縁リテーナと、
前記第1の絶縁リテーナ又は前記第2の絶縁リテーナのうちの少なくとも一方の上に位置する弾性タブであって、前記弾性タブは、前記第1のハウジング部分又は前記第2のハウジング部分のうちの少なくとも一方のそれぞれの内側表面に接触するように構成されており、前記弾性タブは、前記第1のハウジング部分及び前記第2のハウジング部分が前記組み立て位置において互いに接続されている場合に、前記第1の絶縁リテーナ及び前記第2の絶縁リテーナを互いに向かってかつ前記位相バーに対して押圧する予圧を生成するように構成されている、弾性タブと、を更に備える、請求項1に記載のeモータ接続装置。
【請求項7】
前記弾性タブが、前記第1の絶縁リテーナ及び前記第2の絶縁リテーナの各々に位置している、請求項6に記載のeモータ接続装置。
【請求項8】
前記第1の絶縁リテーナが、中に前記位相バーが位置し、かつ前記位相バーを互いに絶縁しているチャネルを含む、請求項6に記載のeモータ接続装置。
【請求項9】
前記第2の絶縁リテーナが、前記位相バーに対して挟持するために、前記第1の絶縁リテーナの中に前記チャネルと位置合わせされているクランプ突出部を含む、請求項8に記載のeモータ接続装置。
【請求項10】
前記第1の絶縁リテーナ又は前記第2の絶縁リテーナのうちの少なくとも一方が、位置合わせ突起部を含み、前記第1の絶縁リテーナ又は前記第2の絶縁リテーナのうちの他方が、前記位置合わせ突起部を受容する対応する位置合わせレセプタクルを含む、請求項9に記載のeモータ接続装置。
【請求項11】
前記弾性タブが、4mmの総許容誤差累積を補償し、前記第1の絶縁リテーナ及び前記第2の絶縁リテーナを互いに向かってかつ前記位相バーに対して押圧する負荷を印加するように構成されている、請求項6に記載のeモータ接続装置。
【請求項12】
前記第1の絶縁リテーナ及び前記第2の絶縁リテーナが、ガラス充填ポリマから形成されている、請求項6に記載のeモータ接続装置。
【請求項13】
前記ガラスが、前記ガラス充填ポリマの10~50重量%であり、前記ポリマが、PPSである、請求項12に記載のeモータ接続装置。
【請求項14】
電気車両駆動部であって、
固定子及びロータを含むeモータと、
トルクコンバータを含む変速機であって、前記ロータは前記トルクコンバータに接続可能である、変速機と、
前記eモータに電力を供給するように構成されたパワーエレクトロニクスと、
前記パワーエレクトロニクスを前記eモータに接続するように構成されたeモータ接続装置であって、前記eモータ接続装置は、
前記パワーエレクトロニクスから前記eモータまで延在しているジャンクションボックスと、
前記ジャンクションボックスの中に延在しており、かつ前記パワーエレクトロニクス及び前記eモータに電気的に接続されている位相バーと、
前記ジャンクションボックスに取り外し可能に接続されており、かつ前記位相バーを前記eモータに接続するためのアクセスを提供するように構成された第1のアクセスカバーと、
前記パワーエレクトロニクスに取り外し可能に接続されており、かつ前記位相バーを前記パワーエレクトロニクスに接続するためのアクセスを提供するように構成された第2のアクセスカバーと、を備え、
前記第1のアクセスカバーは、冷却流体源に接続されるように構成された冷却流体入口と、冷却流体戻り部に接続されるように構成された冷却流体出口とを有する冷却流体チャネルを含む、eモータ接続装置と、を備える、電気車両駆動部。
【請求項15】
前記第1のアクセスカバーが、前記位相バーが電気的に接続される前記eモータの接続部分を取り囲むポッティング材料に接触するように構成されている底部表面を含む、請求項14に記載の電気車両駆動部。
【請求項16】
前記冷却流体チャネルが、直線状経路を有し、前記冷却流体入口及び前記冷却流体出口が、前記第1のアクセスカバーの両側に配設されている、請求項14に記載の電気車両駆動部。
【請求項17】
前記冷却流体チャネルが、湾曲状経路を有する、請求項14に記載の電気車両駆動部。
【請求項18】
前記湾曲状経路が、前記冷却流体入口及び前記冷却流体出口が前記第1のアクセスカバーの同じ側に位置するように配設されている、請求項17に記載の電気車両駆動部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年9月28日に出願された米国非仮出願第17/487,016号の優先権を主張するものであり、当該出願の開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、電気自動車又はハイブリッド電気自動車に使用されるeモータ(電気モータ)に関し、より具体的には、パワーエレクトロニクスとeモータとの間のジャンクションボックスを通って延在する、パワーエレクトロニクスをeモータに接続するために使用される位相バーに関する。
【背景技術】
【0003】
電気自動車及びハイブリッド電気自動車では、必要とされる電流を送達するために、パワーエレクトロニクスをeモータに接続しなければならない。パワーエレクトロニクスをeモータに接続する1つの既知の方法は、ジャンクションボックスを通って延在する位相バー又は位相リード線を使用することである。しかしながら、電流負荷に応じて、位相バー並びにeモータへのボルト接続部が過熱することがある。
【0004】
加えて、位相バーは、振動を回避するために、熱並びに他の要因によって影響され得る多様な許容誤差にわたってジャンクションボックスの中に確実に保持される必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、電気車両又はハイブリッド電気車両のパワーエレクトロニクスをeモータに接続するためのeモータ接続装置が提供される。eモータ接続装置は、パワーエレクトロニクスからeモータまで延在するように構成されているジャンクションボックスと、ジャンクションボックスの中に延在しており、かつパワーエレクトロニクスをeモータに電気的に接続するように適合されている位相バーと、を含む。第1のアクセスカバーは、ジャンクションボックスに取り外し可能に接続されており、かつ位相バーをeモータに接続するためのアクセスを提供するように構成され、第2のアクセスカバーは、パワーエレクトロニクスに取り外し可能に接続されており、かつ位相バーをパワーエレクトロニクスに接続するためのアクセスを提供するように構成されている。過熱を防止するために、第1のアクセスカバーは、冷却流体源に接続されるように構成された冷却流体入口と、冷却流体戻り部に接続されるように構成された冷却流体出口とを有する冷却流体チャネルを含む。
【0006】
一装置形態では、第1のアクセスカバーは、冷却を提供するために位相バーが電気的に接続されているeモータの接続部分を取り囲むポッティング材料に接触するように構成されている底部表面を含む。
【0007】
一実施形態では、冷却流体チャネルは、直線状経路を有し、冷却流体入口及び冷却流体出口は、第1のアクセスカバーの両側に位置している。代替的に、別の実施形態では、冷却流体チャネルは、非直線状経路すなわち湾曲状経路を有することができる。一装置形態では、湾曲状経路は、冷却流体入口及び冷却流体出口が第1のアクセスカバーの同じ側に位置するように配設されている。
【0008】
別の態様では、ジャンクションボックスは、組み立て位置で互いに接続されるように構成されている第1のハウジング部分及び第2のハウジング部分を含む。第1の絶縁リテーナが設けられ、位相バーを受容するように構成されている。第2の絶縁リテーナも設けられ、第2の絶縁リテーナは、位相バーが第1の絶縁リテーナと第2の絶縁リテーナとの間に保持されるように、第1の絶縁リテーナ上に配置されるように構成されている。弾性タブが第1の絶縁リテーナ又は第2の絶縁リテーナのうちの少なくとも一方の上に配置されており、弾性タブは、第1のハウジング部分又は第2のハウジング部分のうちの少なくとも一方のそれぞれの内側表面に接触するように構成されており、かつ弾性タブは、第1のハウジング部分及び第2のハウジング部分が組み立て位置で互いに接続されている場合に、第1の絶縁リテーナ及び第2の絶縁リテーナを互いに向かってかつ位相バーに押圧する予圧を生成するように更に構成されている。
【0009】
一実施形態では、弾性タブは、第1の絶縁リテーナ及び第2の絶縁リテーナの各々の上に位置している。
【0010】
一装置形態では、第1の絶縁リテーナは、中に位相バーが位置し、かつ位相バーを互いに絶縁しているチャネルを含む。加えて、第2の絶縁リテーナは、位相バーに対して挟持するために、第1の絶縁リテーナの中のチャネルと位置合わせされているクランプ突出部を含む。
【0011】
一実施形態では、第1の絶縁リテーナ又は第2の絶縁リテーナのうちの少なくとも一方は位置合わせ突起出部を含み、第1の絶縁リテーナ又は第2の絶縁リテーナのうちの他方は、位置合わせ突起部を受容する対応する位置合わせレセプタクルを含む。
【0012】
弾性タブは、4mmの総許容誤差累積を補償し、第1の絶縁リテーナ及び第2の絶縁リテーナを互いに向かってかつ位相バーに対して押圧する予圧を印加するように構成されている。これにより、振動による位相バーの移動が防止される。
【0013】
一実施形態では、第1の絶縁リテーナ及び第2の絶縁リテーナは、ガラス充填ポリマで形成されている。ここで、ガラスはガラス充填ポリマの10~50重量%とすることができ、ポリマはPPSとすることができる。
【0014】
一実施形態では、接合部は、パワーエレクトロニクスにボルト留めされるときに水の浸入を防止するために、その上部ハウジング上に封止部を含み得る。
【0015】
別の態様では、ハイブリッド電気車両又は電気車両のための電気車両駆動部が提供され、固定子及びロータを含むeモータと、トルクコンバータを含む変速機とを含み、ロータはトルクコンバータに接続可能である。eモータに電力を供給するように構成されたパワーエレクトロニクスが提供される。パワーエレクトロニクスをeモータに接続するように構成されたeモータ接続装置も提供され、上述の特徴のうちの1つ以上を含むことができる。
【0016】
上記の特徴のうちの様々な特徴は、単独で使用することも、相互に組み合わせて使用することもできることに留意されたい。
【0017】
前述の概要及び以下の詳細な記載は、本開示の好ましい実施形態を例解する添付の図面と併せて読むときに、より良好に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】eモータと、パワーエレクトロニクス、並びに、eモータに接続された変速機と、パワーエレクトロニクスをeモータに接続するeモータ接続装置と、を含む電気車両駆動部を示す部分断面概略図である。
【
図2】eモータ接続装置を断面で示す拡大図である。
【
図3】冷却流体チャネルを含むeモータ接続装置のためのアクセスカバーを示す上面図である。
【
図4】代替的な冷却流体チャネルを含む、eモータ接続装置のためのアクセスカバーの代替的な実施形態の上面図である。
【
図5】位相バーを所定の位置に保持する予圧されたリテーナ構成を含むeモータ接続装置のためのジャンクションボックスを示す、部分断面側面図である。
【
図6】
図5に示される装置形態の拡大図であり、位相バーを保持する第1の絶縁リテーナ及び第2の絶縁リテーナの上に位置する弾性タブを示す。
【
図7】第1の絶縁リテーナの実施形態を示す斜視図である。
【
図8】
図7に示される第1の絶縁リテーナと組み立てられるように適合されている第2の絶縁リテーナの実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の説明では、特定の用語が便宜的にのみ使用されており、限定的なものではない。「内向きに」及び「外向きに」という用語は、図面で参照される部品に向かう方向及び部品から離れる方向を指す。「a又はbのうちの少なくとも一方」(a及びbは、列挙されている項目を表す)として引用されている項目のリストへの言及は、項目a若しくはbのうちのいずれか単一の一方、又はそれらのa及びbの組み合わせを意味する。これは、3つ以上の項目のリストにも同様に適用され、項目の個々の項目又はそれらの組み合わせが含まれる。「約」及び「およそ」という用語は、別段の記載がない限り、示された値の±10%を包含する。用語には、上記で具体的に述べた語、その派生語、及び類似の重要な語が含まれる。
【0020】
図1を参照すると、電気車両又はハイブリッド電気車両駆動(集合的に、電気車両駆動)装置10が幾分概略的に示されている。電気車両駆動装置10は、eモータ12とともに、eモータ12に電力を供給するように構成されたパワーエレクトロニクス11を含む。eモータ12は、固定子15と、固定子15に対して回転可能なロータ16とを含む。eモータは、トルクコンバータ18を含む変速機に一体化されるか、又はその変速機に駆動可能に係合されるように構成されており、ロータ16は、トルクコンバータ18に選択的に接続可能である。この装置形態は、自動車のためのハイブリッド電気駆動部に関連して示されているが、当業者には、これは、電気車両に関連して使用することができ、ロータは、場合によってはトルクコンバータ又は変速機を使用せずに、変速機又は車両ドライブラインの更なる部分に接続されることが理解されよう。
【0021】
図1及び
図2を参照すると、パワーエレクトロニクス11をeモータ12に接続するためのeモータ接続装置20も示されている。eモータ接続装置20は、パワーエレクトロニクス11からeモータ12まで延在するように構成されているジャンクションボックス22を含む。位相バー30は、ジャンクションボックス22の中に延在しており、かつパワーエレクトロニクス11をeモータ12に電気的に接続するように適合されている。これは、好ましくは、位相バー30とパワーエレクトロニクス11との間の更なるボルト接続部19(
図1に示す)とともに、位相バー30とeモータ12における接続部との間のボルト接続部17(
図1に示す)を介して達成される。
図1及び
図2に示される側面図は、位相バー30のうちの1つのみを示しているが、当業者には、パワーエレクトロニクス11とeモータ12との間に延在する、好ましくは銅又は別の導電性材料から作製された3つの位相バーが存在することが理解されよう。これらは、概して、互いに間隔を置いて配置され、例えば、
図5~
図8に関連して以下で考察される、第1の絶縁リターナ及び第2の絶縁リターナによって、ジャンクションボックス22内に絶縁された状態で保持される。
【0022】
なおも
図1を参照すると、第1のアクセスカバー40は、ジャンクションボックス22に取り外し可能に接続されており、かつ、例えば、ボルト接続部17に関連して使用されるボルトを取り付けることによって、位相バー30をeモータ12に接続するためのアクセスを提供するように構成されている。加えて、第2のアクセスカバー50は、パワーエレクトロニクス11に取り外し可能に接続されており、かつ、例えば、ボルト接続部19を使用して、位相バー30をパワーエレクトロニクス11に接続するためのアクセスを提供するように構成されている。ボルト接続部が示されているが、当業者には、他のタイプの接続部が利用され得ることに気づくであろう。
【0023】
図2~
図4に示すように、位相バー、並びにeモータ12への接続部の過熱を防止するために、第1のアクセスカバー40は、冷却流体源に接続されるように構成された冷却流体入口44と、冷却流体戻り部に接続されるように構成された冷却流体出口46と、を有する冷却流体チャネル42を含む。好ましくは、第1のアクセスカバー40は、位相バー30が電気的に接続されるeモータ12(
図2に示す)の接続部分14を取り囲む、シリコーン又は別の電気絶縁材料で作製することができる、ポッティング材料13に接触するように構成されている底部表面48を含む。第1のアクセスカバー40は、好ましくは、アルミニウムなどの金属材料で作製されている。しかしながら、それはまた、熱伝導性ポリマ材料から作製されることがある。
【0024】
図3に示すように、一実施形態による冷却流体チャネル42は、直線状経路43を有しており、冷却流体入口44及び冷却流体出口46は、第1のアクセスカバー40の両側に位置している。
図4に示すような代替的な実施形態では、第1のアクセスカバー40の中の冷却流体チャネル42は、湾曲状経路43’を有する。ここで、一装置形態では、湾曲状経路43’は、冷却流体入口44及び冷却流体出口46が第1のアクセスカバー40の同じ側に位置するように配設されている。しかしながら、それらは、特定の用途に応じて、隣接する側に位置することができる。
【0025】
冷却流体入口44及び冷却流体出口46は、既知の流体コネクタを使用してエンジン冷却液システムに接続されることがある。代替的に、それらは、変速機又は他の冷却システムに接続されることがある。
【0026】
ここで
図5~
図8を参照すると、一実施形態では、ジャンクションボックス22は、組み立て位置で互いに接続されるように構成されている、第1のハウジング部分24及び第2のハウジング部分26を含む。
図5及び
図6に示すように、水分又は破片の侵入を防止するために、第1のハウジング部分24と第2のハウジング部分26との間にガスケット28を設けることができる。
【0027】
使用中に位相バー30が振動するのを防止するために、第1の絶縁リテーナ60が、ジャンクションボックス22内に位置しており、かつ位相バー30を受容するように構成されている。
図7に示すように、第1の絶縁リテーナ60は、3つの位相バー30を受容するための3つの空間を有するように構成されている。加えて、第2の絶縁リテーナ70は、位相バー30がジャンクションボックス22内で第1の絶縁リテーナ60と第2の絶縁リテーナ70との間に保持されるように、第1の絶縁リテーナ60上に配置されるように構成されている。第1の絶縁リテーナ60及び第2の絶縁リテーナ70は、弾性特性を有する絶縁材料から形成されており、より好ましくは、ガラス充填ポリマ材料から形成さている。一実施形態では、ガラスはガラス充填ポリマの5~50重量%であり、ポリマはPPSである。
【0028】
振動を防止し、許容誤差累積並びに位相バー30又はジャンクションボックス22のあらゆる熱誘起膨張を補償するために、
図6~
図8に詳細に示される弾性タブ62、72が、第1の絶縁リテーナ60又は第2の絶縁リテーナ70の少なくとも一方に、好ましくは絶縁リテーナ60、70の両方に位置している。弾性タブ62、72は、第2のハウジング部分26の第1のハウジング部分24のうちの少なくとも一方、好ましくは第1のハウジング部分24及び第2のハウジング部分26の両方のそれぞれの内側表面25、27に接触するように構成されている。弾性タブ62、72は、第1のハウジング部分24及び第2のハウジング部分26が、例えばジャンクションボックス22の周囲でねじ29を使用して組み立て位置で一緒に接続されている場合に、第1の絶縁リテーナ60及び第2の絶縁リテーナ70を互いに向かってかつ位相バー30に対して押圧する予圧を生成するように構成されており、その1つの例が
図5に示されている。
【0029】
弾性タブ62、72は、好ましくは、予圧を提供するためにジャンクションボックス22が組み立てられている場合に、0.5mmの最小干渉を提供するように設計されている。好ましい装置形態では、弾性タブ62、72は、第1の絶縁リテーナ60及び第2の絶縁リテーナ70を互いに向かってかつ位相バー30に対して押圧する予圧を依然として印加しながら、4mmの許容誤差累積を補償するように構成されている。
【0030】
図7及び
図8を参照すると、位相バー30を所定の位置に確実に保持し、かつ位相バー30が互いに又はジャンクションボックスと接触することを防止するために、
図7に示すように、第1の絶縁リテーナ60は、中に位相バー30が位置し、かつ位相バー30を互いに絶縁しているチャネル64を含む。
図8に示すように、第2の絶縁リテーナ70は、第1の絶縁リテーナ60の中のチャネル64と位置合わせされているクランプ突出部74を含み、クランプ突出部74は、
図5に示すように、ジャンクションボックス22の第1のハウジング部分24及び第2のハウジング部分26が組み立て位置で互いに接続されている場合に、位相バー30を挟持する。それにより、クランプ突出部74は、位相バー30を押圧して、位相バー30をチャネル64内に確実に保持する。
【0031】
第1の絶縁リテーナ60及び第2の絶縁リテーナ70の互いのより容易な位置合わせを可能にするために、好ましくは、第1の絶縁リテーナ又は第2の絶縁リテーナのうちの少なくとも一方は、位置合わせ突起部76を含み、第1の絶縁リテーナ60又は第2の絶縁リテーナ70の他方は、位置合わせ突起部76を受容する対応する位置合わせ部すなわちレセプタクル66を含む。
図7及び
図8に例解される実施形態では、第2の絶縁リテーナ70上に2つの位置合わせ突起部76があり、第1の絶縁リテーナ60上に2つの対応する位置合わせレセプタクル66がある。しかしながら、これらの位置合わせ突起部76及びレセプタクル66の数及び位置は、特定の用途に応じて変更することができる。
【0032】
弾性タブ62、72は、それらの固有の弾性回復性に基づいて、及び弾性タブ62、72が、約0.5mm、より好ましくは1.0mmの距離だけ、非取り付け状態で第1の絶縁リテーナ60又は第2の絶縁リテーナ70のそれぞれの外側表面68、78を越えて延びる構成に基づいて、予圧を生成するが、正確な構成は、特定の用途のために調整することができる。例えば、4mmの許容誤差累積を補償するために、弾性タブ62、72は、少なくとも約2mmだけそれぞれの外側表面68、78を越えて延びる。
【0033】
電気車両駆動部10に関して、上で考察したように、電気車両駆動部10はまた、本明細書に記載の特徴のうちの1つ以上を含むeモータ接続装置20を含む。
【0034】
この装置形態を使用して、位相バー接続部の過熱が防止され、eモータ接続装置20のジャンクションボックス22内の位相バー30の振動も効果的に防止される。
【0035】
このように、現在好ましい実施形態を詳細に記載してきたが、多くの物理的な変更は、そのうちのいくつかのみが本発明の詳細な記載において例示されているが、本発明の概念及び本発明において具現化される原理を変更することなく行うことができることが理解されるべきであり、かつ当業者には明らかであろう。また、好ましい実施形態の一部のみを組み込んだ多数の実施形態が可能であり、これらの部分に関しては、実施形態内で具現化された本発明の概念及び原理を変更しないことを理解されたい。したがって、本実施形態及び任意選択的な構成は、全ての点において例示的及び/又は例証的であり、限定的ではないとみなされるべきであり、本発明の範囲は、前述の記載によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示されるものであり、したがって、当該特許請求の等価物の意味及び範囲内に入る全ての代替的な実施形態及び本実施形態への変更は、当該特許請求の範囲に包含されるべきである。
【符号の説明】
【0036】
10 電気車両駆動部
11 パワーエレクトロニクス
12 eモータ
13 ポッティング材料
14 接続部分
15 固定子
16 ロータ
17 ボルト接続部
18 トルクコンバータ
19 ボルト接続部
20 接続装置
22 ジャンクションボックス
24 第1のハウジング部分
25 24の内側表面
26 第2のハウジング部分
27 26の内側表面
28 ガスケット
30 位相バー
40 第1のアクセスカバー
42 冷却流体チャネル
43 直線状経路
43’ 湾曲状経路
44 冷却流体入口
46 冷却流体出口
48 底部表面
50 第2のアクセスカバー
60 第1の絶縁リテーナ
62 弾性タブ
64 チャネル
66 位置合わせレセプタクル
68 60の外側表面
70 第2の絶縁リテーナ
74 クランプ突出部
76 位置合わせ突起部
78 70の外側表面
【国際調査報告】