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▶ シェルタード ウィングス インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】スコープターレット
(51)【国際特許分類】
   F41G 1/38 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
F41G1/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519289
(86)(22)【出願日】2022-09-27
(85)【翻訳文提出日】2024-05-15
(86)【国際出願番号】 US2022077074
(87)【国際公開番号】W WO2023056247
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】63/249,221
(32)【優先日】2021-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520168099
【氏名又は名称】シェルタード ウィングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100224672
【弁理士】
【氏名又は名称】深田 孝徳
(72)【発明者】
【氏名】トイ セス
(72)【発明者】
【氏名】パークス スコット
(72)【発明者】
【氏名】ハミルトン デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】モレル ロブ
(57)【要約】
【課題】ターレット調整ユニットから独立しており、ライフルスコープから取り外す部品を必要としないゼロ調整構造を備えたライフルスコープを提供する。
【解決手段】スコープ本体を有するライフルスコープは、スコープ本体に接続された光軸を定める可動光学素子を有し、外側ノブとネジ軸を定めるターレットネジとを有し、ターレットネジの回転に応答して光軸を変更するために可動光学素子に動作可能に接続されたターレットを有し、ターレット内に収容され、ターレットネジと動作可能に連動するゼロ調整組立体を含む。ゼロ調整組立体は、ゼロ調整ディスクと、ゼロ調整ディスクの下向き中心シャフトの周りに配置されたロックカラーとを備える。ゼロ調整ディスクは、外側ノブの上側凹部に収容されている。ロックカラーは、ゼロ調整ディスクがターレットネジに対して自由に回転可能な第1の位置と、ゼロ調整ディスクの自由な回転が阻止される第2の位置とを有する。
【選択図】図9A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライフルスコープであって、
スコープ本体と、
前記スコープ本体に接続された光軸を定める可動光学素子と、
外側ノブとネジ軸を定めるターレットネジとを有し、前記ターレットネジの回転に応答して前記光軸を変更するために前記可動光学素子に動作可能に接続されたターレットと、
前記ターレット内に収容され、前記ターレットネジと動作可能に連動するゼロ調整組立体であって、ゼロ調整ディスクと前記ゼロ調整ディスクの下向きに面する中心シャフトの周りに配置されたロックカラーとを含み、前記ゼロ調整ディスクが前記外側ノブの上側凹部に収容されている、ゼロ調整組立体と、
を備える、ライフルスコープ。
【請求項2】
前記ロックカラーが、第1の位置及び第2の位置を有し、前記ゼロ調整ディスクは、前記ロックカラーが前記第1の位置にあるときに前記ターレットネジに対して自由に回転可能であり、前記ロックカラーが前記第2の位置にあるときに、前記ゼロ調整ディスクの自由な回転が阻止される、請求項1に記載のライフルスコープ。
【請求項3】
前記ロックカラーが、それぞれの第1の端部で枢動可能に接合された第1のリング半部分と第2のリング半部分とを備える、請求項1に記載のライフルスコープ。
【請求項4】
前記ロックカラーが、前記第1及び第2のリング半部分のそれぞれの第2の端部を通って延びるチャネルを更に備える、請求項3に記載のライフルスコープ。
【請求項5】
前記チャネルが、第1の内径を有する第1の部分と、第2の内径を有する第2の部分とを有し、前記第1の内径が前記第2の内径よりも小さい、請求項4に記載のライフルスコープ。
【請求項6】
前記チャネルの第2の部分がネジ付きにされ、ネジが前記チャネルに係合する、請求項5に記載のライフルスコープ。
【請求項7】
前記ネジの第1の方向の回転は、前記第1のリング半部分及び前記第2のリング半部分の前記第2の端部の互いから離れる枢動運動を引き起こして前記ロックカラーを第1の位置に移動させ、前記ネジの第2の方向の回転は、前記第1のリング半部分及び前記第2のリング半部分の前記第2の端部の互いに向かう枢動運動を引き起こして前記ロックカラーを第2の位置に移動させる、請求項6記載のライフルスコープ。
【請求項8】
前記ネジは、前記外側ノブの側面を通ってアクセス可能である、請求項7に記載のライフルスコープ。
【請求項9】
前記ターレットが、仰角ターレットである、請求項2に記載のライフルスコープ。
【請求項10】
前記ターレットが、ウィンデージターレットである、請求項2に記載のライフルスコープ。
【請求項11】
ライフルスコープであって、
スコープ本体と、
前記スコープ本体に接続された光軸を定める可動光学素子と、
外側ノブとネジ軸を定めるターレットネジとを有し、前記ターレットネジの回転に応答して前記光軸を変更するために前記可動光学素子に動作可能に接続されたターレットと、
前記ネジ軸の周りに巻き付き、第1の端部及び第2の端部で終端するガイド面と、
前記スコープ本体に接続され且つ前記ガイド面に係合して、前記第1の端部及び前記第2の端部を係合するように動作可能なカムフォロワー要素であって、前記第1の端部と前記第2の端部の係合が前記ターレットの回転限界を定める、カムフォロワー要素と、
を備え、
前記第1の端部及び前記第2の端部の各々は、前記ネジ軸から異なる半径方向距離にあり、カムフォワー要素が、前記ネジ軸に対して半径方向に移動して回転が阻止され、
前記ライフルスコープが更に、
前記ターレット内に収容され、前記ターレットネジと動作可能に連動するゼロ調整組立体であって、ゼロ調整ディスクと、前記ゼロ調整ディスクの下向きに面する中心シャフトの周りに配置されたロックカラーとを含み、前記ゼロ調整ディスクが前記外側ノブの上側凹部に収容されている、ゼロ調整組立体と、
を備える、ライフルスコープ。
【請求項12】
前記ロックカラーが、第1の位置及び第2の位置を有し、前記ゼロ調整ディスクは、前記ロックカラーが前記第1の位置にあるときに前記ターレットネジに対して自由に回転可能であり、前記ロックカラーが前記第2の位置にあるときに、前記ゼロ調整ディスクの自由な回転が阻止される、請求項11に記載のライフルスコープ。
【請求項13】
前記ロックカラーが、それぞれの第1の端部で枢動可能に接合された第1のリング半部分と第2のリング半部分とを備える、請求項12に記載のライフルスコープ。
【請求項14】
前記ロックカラーが、前記第1及び前記第2のリング半部分のそれぞれの第2の端部を通って延びるチャネルを更に備える、請求項13に記載のライフルスコープ。
【請求項15】
前記チャネルが、第1の内径を有する第1の部分と、第2の内径を有する第2の部分とを有し、前記第1の内径が前記第2の内径よりも小さい、請求項14に記載のライフルスコープ。
【請求項16】
前記チャネルの第2の部分がネジ付きにされ、ネジが前記チャネルに係合する、請求項15に記載のライフルスコープ。
【請求項17】
前記ネジの第1の方向の回転は、前記第1のリング半部分及び前記第2のリング半部分の前記第2の端部の互いから離れる枢動運動を引き起こして前記ロックカラーを前記第1の位置に移動させ、前記ネジの第2の方向の回転は、前記第1のリング半部分及び前記第2のリング半部分の前記第2の端部の互いに向かう枢動運動を引き起こして前記ロックカラーを前記第2の位置に移動させる、請求項16に記載のライフルスコープ。
【請求項18】
前記ネジは、前記外側ノブの側面を通ってアクセス可能である、請求項17に記載のライフルスコープ。
【請求項19】
前記ターレットが仰角ターレット又はウィンデージターレットである、請求項11に記載のライフルスコープ。
【請求項20】
ライフルスコープであって、
スコープ本体と、
前記スコープ本体に接続された光軸を定める可動光学素子と、
外側ノブとネジ軸を定めるターレットネジとを有し、前記ターレットネジの回転に応答して前記光軸を変更するために前記可動光学素子に動作可能に接続されたターレットと、
前記ターレット内に収容され、前記ターレットネジと動作可能に連動するゼロ調整組立体と、
を備え、
前記ゼロ調整組立体が、
前記外側ノブの上側凹部に収容されたゼロ調整ディスクと、
前記ゼロ調整ディスクの下向きに面する中心シャフトの周りに配置されたロックカラーであって、それぞれの第1の端部で枢動可能に接合された第1のリング半部分及び第2のリング半部分と、前記第1及び第2のリング半部分のそれぞれの第2の端部を通って延びるチャネルとを備えるロックカラーと、
前記チャネルに係合するネジと、
を含み、
前記ネジの第1の方向の回転が、前記第1及び第2のリング半部分の前記第2の端部の互いから離れる枢動運動を引き起こして、前記ゼロ調整ディスクが前記ターレットネジの周りで自由に回転可能である第1の位置に前記ロックカラーを移動させ、
前記ネジの第2の方向の回転が、前記第1及び第2のリング半部分の前記第2の端部の互いに向かう枢動運動を引き起こして、前記ゼロ調整ディスクの自由な回転が阻止される第2の位置に前記ロックカラーを移動させるようにする、
ライフルスコープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本出願は、2021年9月28日に出願された米国仮出願第63/249,221号に対する優先権を主張し、その本出願であり、全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本開示は、一般に、光学照準デバイスの分野に関する。より詳細には、本発明は、このような光学系を好都合に調整するためのデバイス及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ターレットは、ライフルスコープ本体の外側中央部分にある2つの制御部のうちの1つである。ターレットは、増分でマークされ、着弾点の変化に対する仰角及びウィンデージを調整するのに使用される。従来のターレットは、ターレット上で何クリックの調整がダイヤルされたか、又は角度変位、又は所与のカートリッジに対する距離補正を示すマークを有している。1クリックは、スコープのウィンデージ又は仰角ターレットに対する1つの触覚調整の増分である。
【0004】
より遠くの距離にある物体の正確な照準を達成するためには、重力によって弾丸に与えられる下向きの加速度が重要である。重力が飛翔中の発射体に与える影響は、射手の視線から弾丸が落下することになるので、弾丸落下と呼ばれることが多い。より長い距離で精度を得るためには、銃の照準部品は、弾丸落下の影響を補償しなければならない。ライフルスコープのライフル銃身に対する角度方向の位置調整は、弾丸落下を補償するために仰角ターレットを使いて行われる。
【0005】
同様に、風など、発射体に加わる水平方向の力も重要である。飛翔中の発射体への風の影響は、これにより弾丸が射手の視線から右又は左にドリフトするので、ドリフトと呼ばれることが多い。より長い距離で精度を得るためには、銃の照準部品がドリフトの影響を補償しなければならない。ドリフトを補償するために、ウィンデージターレットを使ってライフルスコープのライフル銃身の軸に対する角度方向の位置調整が行われる。
【0006】
最近、ライフルスコープには、ターレットの回転を示す触覚及び可聴インジケータを含むものが開発されている。視覚以外の感覚に頼るインジケータを使うことで、ユーザは、ライフルスコープの後方に位置したまま、正確な射撃をするのに必要な時間を短縮することが可能となる。また、触覚及び可聴インジケータは、低照度状態での使用に役立つ。ターレットが適切に調整されると、不用意な変更を防ぐために、ターレットはロックされる。ライフルスコープはまた、ゼロストップ機構を含み、これにより、ユーザは、ライフルスコープをゼロ位置に迅速且つ容易に戻すことが可能となる。
【0007】
ライフルスコープのもう1つの重要な作業は、環境条件を矯正するためのターレットをダイヤルすることに加えて、ゼロ調整プロセスである。ゼロ点からターレットをダイヤルする前に、実際にスコープ、ライフル、及び弾薬の組み合わせに対して「ゼロ点」を正確に設定しなければならない。上記の特徴(例えば、触覚及び可聴回転インジケータ、ゼロストップなど)を含む既存のターレットは、スコープをライフルに取り付けた後、ゼロ点を設定するために複雑な方法を必要とすることが多い。一部のスコープは、スコープをゼロ調整するために、スコープから部品を取り外す必要がある。パーツを紛失すること、スコープに汚れ、デブリ及び/又は湿気を導入することを含めて、スコープからパーツを取り外すことに関連するリスクが常にある。また、一部のスコープでは、ゼロ調整機構を、触覚及び可聴フィードバックを提供するターレット調整機構に結び付け、これは、ユーザがターレットの調整単位(多くの場合、MRAD又はMOA)のゼロ調整に結び付けられることを意味する。
【0008】
従って、ターレット調整ユニットから独立しており及び/又はライフルスコープから取り外す部品を必要としないゼロ調整構造を備えたライフルスコープに対する必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第8,919,026明細書
【特許文献2】米国特許第5,234,567号明細書
【発明の概要】
【0010】
一実施形態において、本開示はライフルスコープを提供する。本開示の実施形態によれば、ライフルスコープは、スコープ本体と、スコープ本体に接続された光軸を定める可動光学素子と、外側ノブとネジ軸を定めるターレットネジとを有し、ターレットネジの回転に応答して光軸を変更するために光学素子に動作可能に接続されたターレットと、ターレット内に収容され、ターレットネジと動作可能に連動するゼロ調整組立体とを備え、ゼロ調整ディスクと、ゼロ調整ディスクの下向きに面する中心シャフトの周りに配置されたロックカラーとを含み、ゼロ調整ディスクが、外側ノブの上側凹部に収容されている。
【0011】
一実施形態において、ロックカラーは、第1の位置及び第2の位置を有し、ゼロ調整ディスクは、ロックカラーが第1の位置にあるときにターレットネジに対して自由に回転可能であり、ロックカラーが第2の位置にあるときに、ゼロ調整ディスクの自由な回転が阻止される。別の実施形態では、ロックカラーは、それぞれの第1の端部で枢動可能に接合された第1のリング半部分と第2のリング半部分とを備える。更に別の実施形態では、ロックカラーは、第1のリング半部分及び第2のリング半部分のそれぞれの第2の端部を通って延びるチャネルを更に備える。別の実施形態では、チャネルは、第1の内径を有する第1の部分と、第2の内径を有する第2の部分とを有し、第1の内径は第2の内径よりも小さい。更に別の実施形態では、チャネルの第2の部分がネジ付きにされ、ネジがチャネルに係合する。更なる実施形態において、第1の方向のネジの回転は、第1のリング半部分及び第2のリング半部分の第2の端部を互いから離れる方向に枢動運動を引き起こして、ロックカラーを第1の位置に移動させ、第2の方向のネジの回転は、第1のリング半部分及び第2のリング半部分の第2の端部を互いに近づく方向に枢動運動を引き起こして、ロックカラーを第2の位置に移動させるようにする。更に別の実施形態では、ネジは、外側ノブの側面を通ってアクセス可能である。
【0012】
一実施形態では、ターレットは仰角ターレットである。別の実施形態では、ターレットはウィンデージターレットである。
【0013】
一実施形態において、本開示はライフルスコープを提供する。本開示の実施形態によれば、ライフルスコープは、スコープ本体と、スコープ本体に接続された光軸を定める可動光学素子と、外側ノブとネジ軸を定めるターレットネジとを有し、ターレットネジの回転に応答して光軸を変更するために光学素子に動作可能に接続されたターレットと、ターレットネジに接続されたストップ要素であって、ネジ軸の周りに巻き付き、第1の端部及び第2の端部で終端するガイド面を定めるストップ要素と、スコープ本体に接続され且つガイド面に係合して、第1の端部及び第2の端部を係合するように動作可能なカムフォロワー要素であって、第1の端部及び第2の端部の係合が、ターレットの回転限界を定める、カムフォロワー要素と、を備え、第1の端部及び第2の端部の各々は、ネジ軸から異なる半径方向距離にあり、カムフォロアは、ネジ軸に対して半径方向に移動されて回転が阻止され、ライフルスコープが更に、ターレット内に収容され、ターレットネジと動作可能に連動するゼロ調整組立体であって、ゼロ調整ディスクと、ゼロ調整ディスクの下向きに面する中心シャフトの周りに配置されたロックカラーと、を含み、ゼロ調整ディスクが外側ノブの上側凹部内に収容されるゼロ調整組立体を備える。
【0014】
別の実施形態では、ロックカラーは、第1の位置及び第2の位置を有し、ロックカラーが第1の位置にあるときに、ゼロ調整ディスクはターレットネジに対して自由に回転可能であり、ロックカラーが第2の位置にあるときに、ゼロ調整ディスクの自由な回転が阻止される。更に別の実施形態では、ロックカラーは、それぞれの第1の端部で枢動可能に接合された第1のリング半部分と第2のリング半部分とを備える。更に別の実施形態において、ロックカラーは、第1のリング半部分及び第2のリング半部分のそれぞれの第2の端部を通って延びるチャネルを更に備える。更なる実施形態において、チャネルは、第1の内径を有する第1の部分と、第2の内径を有する第2の部分とを有し、第1の内径は第2の内径よりも小さい。別の実施形態では、チャネルの第2の部分はネジ付きにされ、ネジがチャネルに係合する。更に別の実施形態において、ネジの第1の方向への回転は、第1のリング半部分及び第2のリング半部分の第2の端部を互いから離れる枢動運動を引き起こし、ロックカラーを第1の位置に移動させ、ネジの第2の方向への回転は、第1のリング半部分及び第2のリング半部分の第2の端部を互いに向かう枢動運動を引き起こし、ロックカラーを第2の位置に移動させるようにする。更に別の実施形態では、ネジは、外側ノブの側面を通ってアクセス可能である。
【0015】
一実施形態では、ターレットは仰角ターレットである。別の実施形態では、ターレットはウィンデージターレットである。
【0016】
一実施形態において、本開示はライフルスコープを提供する。本開示の実施形態によれば、ライフルスコープは、スコープ本体と、スコープ本体に接続された光軸を定める可動光学素子と、外側ノブとネジ軸を定めるターレットネジとを有し、ターレットネジの回転に応答して光軸を変更するために光学素子に動作可能に接続されたターレットと、ターレット内に収納され、ターレットネジと動作可能に連動するゼロ調整組立体と、を備え、ゼロ調整組立体が、外側ノブの上側凹部内に収納されたゼロ調整ディスクと、ゼロ調整ディスクの下向きに面する中心軸の周りに配置されたロックカラーであって、それぞれの第1の端部で枢動可能に接合された第1のリング半部分及び第2のリング半部分と、第1のリング半部分及び第2のリング半部分のそれぞれの第2の端部を通って延びるチャネルと、を備えるロックカラーと、チャネルに係合するネジと、を含み、第1の方向へのネジの回転が、第1及び第2のリング半部分の第2の端部の互いから離れる枢動運動を引き起こして、ゼロ調整ディスクがターレットネジの周りで自由に回転可能である第1の位置にロックカラーを移動させ、第2の方向へのネジの回転が、第1及び第2のリング半部分の第2の端部の互いに向かう枢動運動を引き起こして、ゼロ調整ディスクの自由な回転が阻止される第2の位置にロックカラーを移動させる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本開示の実施形態による、調整ストップを備えたライフルスコープの一実施形態の側面図である。
図2】本開示の実施形態による、仰角ターレットネジ部分組立体の上面斜視分解図である。
図3】本開示の実施形態による、仰角ターレットネジ部分組立体及びターレットハウジングの上面斜視分解図である。
図4】本開示の実施形態による、仰角ターレットシャーシ及び仰角インジケータの上面斜視図である。
図5A】本開示の実施形態による、仰角カムディスクの上面斜視図である。
図5B】本開示の実施形態による、仰角カムディスクの底面斜視図である。
図6】本開示の実施形態による、仰角カムディスクが部分的に透明にされている、仰角ターレットシャーシに挿入された仰角カムディスクの上面図である。
図7A】本開示の実施形態による、仰角ターレットシャーシ部分組立体の上面斜視分解図である。
図7B】本開示の実施形態による、線7B-7Bに沿って見た図8Aの仰角ターレットシャーシ部分組立体の側断面図である。
図8A】本開示の実施形態による、仰角ターレットシャーシ部分組立体、仰角ターレットネジ部分組立体、及びターレットハウジングの上面斜視分解図である。
図8B】本開示の実施形態による、仰角ターレットシャーシ部分組立体、仰角ターレットネジ部分組立体、及びターレットハウジングの側断面図である。
図9A】本開示の実施形態による、ゼロ調整ダイヤル及び外側ノブを示す仰角ターレットの上面斜視図である。
図9B】本開示の実施形態による、ゼロ調整ダイヤル及び外側ノブを有する完全に組み立てられた仰角ターレットの側面図である。
図9C】本開示の実施形態による、線9C-9Cに沿って見た、図1のゼロ調整ダイヤル、仰角外側ノブ、仰角ターレットシャーシ部分組立体、及び仰角ターレットネジ部分組立体の側断面図である。
図9D】本開示の実施形態による、ゼロ調整ダイヤルが取り外された仰角ターレットの側面図である。
図10】本開示の実施形態による、ウィンデージターレットのシャーシの上面斜視図である。
図11】本開示の実施形態による、図10のウィンデージカムディスクの底面斜視図である。
図12A】本開示の実施形態による、仰角ターレットがロック位置にある、図1の調節ストップ付きライフルスコープの背面図である。
図12B】本開示の実施形態による、仰角ターレットがロック解除位置にある、図1の調整ストップ付きライフルスコープの背面図である。
図13A】本開示の実施形態による、仰角ターレットが1回転した状態の図1の調整ストップ付きライフルスコープの背面図である。
図13B】本開示の実施形態による、仰角ターレットが2回転した状態の図1の調整ストップ付きライフルスコープの背面図である。
図14】ゼロ調整ダイヤルに結合された分割ラング半部分の側断面と、主ターレットキャップ及び修正ロックネジに対する半部分の位置とを示す代表的な実施形態の概略図である。
図15】ゼロ調整ダイヤルに結合された分割ラング半部分の上面断面と、メインターレットキャップ及び修正ロックネジに対する半部分の位置を示す代表的な実施形態の概略図である。ここでは、140aのカム特徴部が示されている。
【発明を実施するための形態】
【0018】
螺旋カム機構を有するライフルスコープの一実施形態が示され、全体的に参照数字10で指定される。
【0019】
図1は、スパイラルカム機構10を備えたライフルスコープ等の改良された照準デバイスの一実施形態を示す。より詳細には、ライフルスコープ又は照準デバイス10は、エレクタ管である可動光学素子を囲む本体12、図示の実施形態ではスコープ本体を有する。スコープ本体は、その前部に大きな開口14と、その後部に小さな開口16とを有する細長い管体である。スコープ本体の後部にはアイピース18が取り付けられ、スコープ本体の前部には対物レンズ20が取り付けられている。可動光学素子の中心軸は、ライフルスコープの光軸506を定める。
【0020】
仰角ターレット22及びウィンデージターレット24は、スコープ本体12の外側中央部上の2つのダイヤルである。これらは、その外周部30及び32に指標34によって増分で表示されており、着弾点変更用の可動光学素子248の仰角及びウィンデージを調整するために使用される。これらのターレットは、ターレットハウジング36から突出している。ターレットは、仰角ターレット回転軸26がウィンデージターレット回転軸28に直交するように配置される。インジケータは、典型的には、各々がクリックに対応する目盛り、及び選択された間隔におけるより大きな目盛り、並びに弾丸落下補正のための調整角度又は距離を示す数字を含む。
【0021】
可動光学素子248は、ターレットを1又は2以上のクリックを回転させることにより調整される。クリックは、ライフルスコープのウィンデージ又は仰角ターレット上の1つの触覚的調整増分であり、その各々が指標34の1つに対応する。一実施形態では、1クリックでスコープの着弾点が0.1mrad変化する。
【0022】
図2は、ターレットネジ部分組立体88を示す。一実施形態において、仰角カムディスク160は、引用によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第8,919,026号に図示され記載された実施形態に従う。より詳細には、実施形態において、ターレットネジ部分組立体は、ターレットネジ38、ターレットネジベース60、摩擦パッド86、及び様々な締結具からなる。ターレットネジは、一実施形態では真鍮製の円筒体である。ターレットネジの頂部40はスロット48を定め、2つの対向するカムスロット46が頂部から側面44の下方に延在する。カムスロットの下に位置する側面には、2つの0リング溝50及び52がある。ターレットネジの底部42は、リング溝54を定める縮小半径部56を有する。リングスロット54は保持リング84を受け、底部42のボア304は摩擦パッド86のシャフト306を受ける。0リング溝52の直下及びリングスロット54の上方のターレットネジの側面は、ネジ付き部58である。一実施形態では、スロット48は、ストレートブレードドライバーを受ける形状であるが、六角キー又は他の任意の適切なタイプのドライバーを受ける形状とすることもできる。
【0023】
ターレットネジベース60は、一実施形態では、真鍮製の円板状の本体である。円筒形のカラー66がターレットネジベースの頂部62の中心から立ち上がっている。カラーは、ネジ山70を有するターレットネジボア68を有する。カラーの外側には、ターレットネジベースの頂部上方にセットネジV溝78、セットネジV溝上方に0リング溝76、0リング溝76上方に0リング溝74、及び0リング溝74上方にリング溝72が定められている。ターレットネジベースは、ネジ80を受ける滑らかな側面及び肩部を有する3つの取り付け孔82を有する。
【0024】
図3は、改良されたターレットネジ部分組立体88及びターレットハウジング36を示す。より詳細には、ターレットネジ部分組立体88は、組み付けられて、ターレットハウジング36に取り付けられるプロセスで示される。ターレットハウジングの上部92は、凹部94を定める。ネジ山98及び滑らかな中央ボア508を有する3つの取り付け孔96が、凹部内のターレットハウジングの頂部に定められている。
【0025】
ターレットネジボア68のネジ山70は、ターレットネジボアがターレットネジ38のネジ山58を受けることができるように微細である。保持リング84は、ターレットネジが不注意にターレットネジボアから外れないように、ターレットネジの上方への移動を制限する。
【0026】
ターレットネジ部分組立体88がターレットハウジング36に取り付けられると、ネジ80が取り付け孔82に挿入され、ターレットネジベース60の底部64から突出する。その後、ネジは、ターレットハウジングの取付孔96にネジ留めされ、ターレットネジベースをターレットハウジングに取り付ける。その後、仰角ターレット22が回転しても、ターレットネジベースはスコープ本体12に対して固定された位置に留まる。これにより、ターレットネジベースは、本質的に、スコープ本体と機能的に一体化され、ターレットネジベースは、ユーザによって取り外されたり調整されたりすることは意図されていない。ターレットハウジング上部の滑らかな中央ボア508は、摩擦パッド86及びターレットネジ底部42のスコープ本体内への通過を許容する。
【0027】
図4は、仰角ターレットシャーシ100を示す。実施形態において、仰角カムディスク160は、米国特許第8,919,026号に図示され記載された実施形態に従う。より詳細には、仰角ターレットシャーシの上部110は、フロア264に隣接するリリーフカット240、リリーフカットの上方の歯付き面108、歯付き面の上方の下側クリック溝106、及び下側クリック溝の上方の上側クリック溝104を有する内周102を有する。リリーフカットは、歯付き面を切削する工具のためのものである。フロアには、滑らかな中央ボア120及びスロット122が形成されている。滑らかな中央ボアは、摩擦パッド86及びターレットネジの底部42がターレットシャーシを通過することを可能にする。
【0028】
ターレットシャーシ100の外周112は、0リング溝244を定める。シャーシの底部116付近では、外周が広がって肩部114を定める。ネジ山158を有する3つの孔118は、外周からシャーレを貫通して平滑ボア120に通じている。一実施形態では、シャーシは鋼製である。
【0029】
ターレットシャーシ100のフロア264のスロット122は、ターレットシャーシの外周112の孔124と通信している。孔124は、本実施形態では仰角インジケータ136である回転インジケータを受け入れる。仰角インジケータの後部140は、カムピン孔154を定める。仰角インジケータの前部138は、2つのストライプ148及び150並びに0リング溝152を有する。ストライプ148は、第1の位置142と第2の位置144とを分割する。ストライプ150は、第2の位置144を第3の位置146から分割する。一実施形態では、仰角インジケータは、塗装された黒色の鋼鉄製であり、ストライプは光らない白色の線であるが、代替の実施形態では発光することができる。
【0030】
カムピン孔154は、カムピン126の底部134を受け入れる。一実施形態では、カムピンは鋼製の円筒体である。カムピンの頂部128は、肩部132を定める縮小半径部分130を有する。カムピンの縮小半径部は、ターレットシャーシ100のフロア264の上方でスロット122を通って上方に突出している。
【0031】
図5A及び図5Bは、仰角カムディスク160を示す。一実施形態において、仰角カムディスク160は、米国特許第8,919,026号に図示され記載された実施形態に従う。より詳細には、仰角カムディスクは、頂面162及び底面164を有する鋼製である。頂部は、仰角カムディスクの外周170の周りに肩部168を定める縮小半径部166を有する。頂部はまた、ネジ山182を有する3つの取り付け孔180を定める。半径を小さくした中央部176は、肩172及び滑らかな中央ボア178を定める。滑らかな中央ボアは、仰角カムディスクを通るターレットネジ部分組立体の通過を可能にする。
【0032】
外周170の頂部162の半径方向クリッカチャネル186は、チャネル内を往復し、半径方向外向きにバイアスされるクリッカー188を受ける。クリッカーの前側の自由端190は外周から突出している。一実施形態では、クリッカーは、ターレットの回転軸に平行な垂直頂点を有するくさび形状を有し、鋼製である。
【0033】
仰角カムディスク160の底面164は、凹部螺旋チャネル184を定める仰角ターレット回転軸26に垂直な平面である。螺旋状チャネルは、時計回り方向に移動した場合にはゼロストップ面198で終端し、反時計回り方向に移動した場合には移動終了ストップ面200で終端する。反時計回り方向に走行するとき、螺旋状チャネルは、螺旋状チャネルがそれ自体で第1の時間及び第2の時間、それぞれ重なり始めるとき、第1の移行194及び第2の移行196を定める。螺旋状チャネルは、カムピン126の半径が小さくなった部分130を受けるように適合されている。螺旋状チャネル及びストップ面は、仰角カムディスクと一体であり、調整不可能である。
【0034】
図6は、仰角カムディスク160及びシャーシ100を示す。一実施形態において、仰角カムディスク160及びターレットシャーシ100は、米国特許第8,919,026号に図示され記載された実施形態に従う。より詳細には、仰角カムディスクは、ターレットシャーシに取り付けられて示されている。螺旋チャネル184は、カムピン126の半径が小さくなった部分130を受ける。クリッカー188は、仰角カムディスクの外周170のクリッカーチャネル186から突出している。クリッカーの後部192にあるばね202は、クリッカーがターレットシャーシの内周102の歯付き面108に係合するようにクリッカーを外向きにバイアスする。仰角設定を変更する際に仰角ターレット22が回転すると、仰角カムディスクが回転し、クリッカーが歯付き面上を移動し、それにより回転抵抗力が与えられ、特徴的なクリック音が発生する。
【0035】
一実施形態では、歯付き面108は100個の歯を有し、これにより仰角ターレット22の1回転につき100回のクリックが可能となる。螺旋チャネル184は、ディスク中心を中心とし、ほぼ全円に延びる一定の半径の複数の円弧で形成され、その末端部はチャネルの移行部によって結合され、内側の円弧の一端が次の円弧の末端に接続されるなどして、効果的に階段状の螺旋を形成する。これにより、インジケータは、回転の大部分において1つの位置に留まり、ターレットの全回転が実質的に完了した場合には、ターレット回転の限られた部分においてのみ移行する。別の実施形態では、螺旋は、チャネルが回転位置に比例してその半径方向の位置が増加する真の螺旋であってもよい。最も基本的な実施形態では、チャネルは異なる半径方向位置にその端部を有し、チャネルは360度以上延在し、端部は材料によって半径方向に分離され、各チャネル端部に設けられたストップによって360度全周の回転を可能にする。
【0036】
仰角ターレット22は、カムピン126がゼロストップ面198と面一であるとき、調整0°に対応する指標34に位置決めされる。一実施形態では、螺旋チャネル184は、仰角ターレットが9mrad(324°)回転するまで、カムピン126を回転軸26から一定の距離の円弧セグメントに保持する。第1の移行194は、仰角ターレットが9mrad(324°)から10mrad(360")まで反時計回りに回転するときに生じる。最初の移行の間、螺旋状チャネルはカムピン126を外周170の方へシフトさせるので、螺旋状チャネルはそれ自体の重なりを開始することができる。仰角ターレットが反時計回りの回転を続けると、螺旋状チャネルは、仰角ターレットが19mrad(684°)回転するまで、カムピン126を回転軸26から更に一定の距離の円弧セグメントに保持する。第2の移行196は、仰角ターレットが19mrad(684°)から20mrad(7200°)まで反時計回りに回転するときに生じる。第2の移行の間、螺旋状チャネルは、カムピン126を外周170に向かって更にシフトさせるので、螺旋状チャネルは、それ自体が2回目に重なることができる。仰角ターレットが反時計回りの回転を続けると、螺旋状チャネルは、仰角ターレットが28.5mrad(1026°)回転するまで、カムピン126を中央ボア178から更に一定の距離の円弧セグメントに保持する。この時、カムピンは移動端ストップ面200と面一となり、仰角ターレットの更なる反時計回りの回転及び仰角調整は阻止される。一実施形態では、第1及び第2の移行部は、螺旋チャネルの回転軸26を中心とする同心円弧セグメント間の適切な肉厚を可能にするために、約36°(回転の10%)の角度をなしている。カムピンの直径はターレットの全体の直径を決定する。回転が3回あるため、直径が増加すると、ターレット全体の直径にどのように影響するかにおいて3倍される。好ましい実施形態では、カムピンの直径を1.5mmとすることで、十分な強度を確保しつつ、ターレットの全体直径が大きくなりすぎないように十分な小さいままにすることができる。
【0037】
図7A及び図7Bは、仰角ターレットシャーシ部分組立体230を示す。一実施形態では、仰角ターレットシャーシ部分組立体230は、米国特許第8,919,026号に図示され記載されている実施形態に従う。より詳細には、仰角ターレットシャーシ部分組立体は、ロックギア206を仰角カムディスク160の上にあるターレットシャーシ100に挿入することによって組立体である。仰角ターレットシャーシ部分組立体は、図7Bにおいてロック位置に示されている。
【0038】
ロックギア206は、頂部208及び底部210を有する。頂部208は、ネジ山218を有する3つのマウント孔216を定める。ロックギアはまた、3つの滑らかなマウント孔220及び中央の滑らかなボア222を定める。ロックギアの底面210は、歯付き面214を定める。歯付き表面214は、ターレットシャーシ部分組立体が組み立てられたときに、仰角カムディスク160の頂部162の縮小半径部166を取り囲むように、ロックギアの底面210の下方に延びている。一実施形態では、歯付き面214は、仰角ターレット22がロックされたときに、シャーシ100の内周102上の歯付き面108の100個の歯と正確に噛み合うように100個の歯を有する。
【0039】
4つのボールベアリング226が、歯付き面と頂部との間に位置する外周212のボア232から外側に突出している。ボールベアリングの後方のばね400は、ボールベアリングがターレットシャーシ100の内周102上の上側クリック溝104及び下側クリック溝106に係合するようにボールベアリングを外側にバイアスする。仰角ターレット22のロック解除及びロックに伴ってロックギアが上昇及び下降すると、ボールベアリングが下側クリック溝及び上側クリック溝の間を移動することにより、垂直方向の抵抗力が与えられ、特徴的なクリック音が発生する。
【0040】
ターレットシャーシ部分組立体230が組み立てられると、ネジ224がマウント孔220に挿入され、ロックギア206の底部210から突出する。その後、ネジは、仰角カムディスク160の上部162のマウント孔180にネジ留めされ、ロックギアを仰角カムディスクに取り付ける。その後、ロックギア206は、仰角ターレット22がロック解除され、回転されるとき、仰角カムディスクに対して固定された回転位置に留まる。ネジ224の頭部234は、ロックギアの頂部208から肩部236までのマウント孔220の深さよりもはるかに薄肉である。ネジ224は、ネジが固定されたときに仰角カムディスク160の頂部162に接触する肩部228を有する。その結果、ロックギア206は、ネジの頭部が肩部236に接触するまで自由に上昇させることができ、ロックギアの底部が仰角カムディスクの頂部に接触するまで自由に下降させることができる。この上下動は、ロックギアの歯付き面214がターレットシャーシ100の歯付き面108の上方に持ち上げられるのに十分であり、それにより、仰角ターレットがロック解除されて自由に回転できるようになる。
【0041】
図8A及び図8Bは、仰角ターレットシャーシ部分組立体230、ターレットネジ部分組立体88、及びターレットハウジング36を示す。実施形態において、仰角ターレットシャーシ部分組立体230、ターレットネジ部分組立体88、及びターレットハウジング36は、米国特許第8,919,026号に示され、記載されている実施形態に従う。より詳細には、ターレットシャーシ部分組立体は、組み立てられて、図8Aにおいてターレットネジ部分組立体に取り付けられ、図8Bにおいてターレットネジ部分組立体に取り付けられるプロセスで示されている。
【0042】
仰角ターレットシャーシ部分組立体230がターレットネジ部分組立体88に取り付けられると、ターレットネジ38の頂部40及びターレットネジベース60のカラー66が、ターレットシャーシ100の平滑な中央ボア120、仰角カムディスク160の平滑な中央ボア178、及び固定ギア206の中央平滑ボア222を上方に通過する。保持リング246は、カラーのリングスロット72によって受け止められ、仰角ターレットシャーシ部分組立体がターレットネジ部分組立体から持ち上げられるのを防止する。ターレットシャーシの底部116の3つの凹部245は、ターレットネジベース60の頂部62から突出するネジ80の頭部を受けるので、ターレットシャーシの底部116は、ターレットハウジング36の頂部92に対して面一に位置することができる。
【0043】
図9A~9Dは、ゼロ調整組立体650を示す。図示の実施形態では、ゼロ調整組立体650は、図1~8Bを参照して図示及び説明したようなターレット構造体22と組み合わせて使用される。本開示の実施形態によれば、ゼロ調整組立体650は、ゼロ調整ダイヤル266及びロックカラー605を含む。
【0044】
図示の実施形態では、仰角ターレット22は、外側ノブ268の底部272がターレットシャーシ100の肩部114に支持されるように、外側ノブ268がターレットシャーシ100の上にある状態で示されている。外側ノブ268の頂部270は、ロックカラー605及びゼロ調整ダイヤル266が収容される凹部を定める。外側ノブ268の頂部270はまた、ロックギア206(図7A参照)の頂部208のマウント孔216に係合するネジ(図示せず)を受ける1又は2以上のマウント孔(図示せず)を定める。幾つかの実施形態では、外側ノブ268の周囲は、テクスチャ加工又はローレット加工部分310に1又は2以上の孔300を有する。図9A~9Dに示す特定の実施形態では、テクスチャ部分310はリブ状である。他の実施形態では、テクスチャ部分310はローレット加工されている。外側ノブ268の凹部274は、仰角ターレット22が組立体であるときにゼロ調整ダイヤル266を受ける。ゼロ調整ダイヤル266は、下向きの中央シャフト286を有するディスクである。シャフト286はターレットネジ38とインターフェイスする。図示の特定の実施形態では、シャフト286は、インターフェイス部品600を介してターレットネジ38とインターフェイスする。しかしながら、更なる実施形態では、ターレットネジ38は、インターフェイスを実現する1又は2以上の構造を含むことができる。仰角ターレット22が組み立てられると、シャフト286は、外側ノブ268の中央ボア及びロックギア206のボア222によって受容される(図7A及び図7B参照)。
【0045】
ロックカラー605は、2つのリング半部分612,613から構成され、これらのリング半部分612,613は、取付ネジ615を用いて一端で結合される。取付ネジ615はピボット点としても機能し、ロックカラー605を外側ノブ268に回転可能に固定する。ロックカラー605の2つの半部分612、613は、クランプネジ620の機能として取付ネジ615で枢動する。クランプネジ620はターレットネジ38の軸からオフセットされている。図9Dに示すように、クランプネジ620は、取付けネジ615とは反対側の端部において、ロックカラー605の両半部612、613を貫通するチャネル622内に延びており、クランプネジ620の端部は、外側ノブ268の直径の開口625を介してアクセス可能である。クランプネジ620が締め付けられると、ロックカラー605の2つの半部612、613が引き寄せられ、ゼロ調整ダイヤル266の外径を把持する。従って、ゼロ調整ダイヤル266の自由な回転は阻止され、いかなる回転も一次ターレットシステムで行われた調整に連動する。クランプネジ620が緩められると、ゼロ調整ダイヤル266は、外側ノブ268の凹部274内で自由に移動可能となる。次いで、ユーザは自由にゼロを設定することができる。図示の実施形態では、ゼロ調整ダイヤル266は、ストレートブレードドライバーを受ける形状のスロット667を含むが、六角キー又は他の適切なタイプのドライバーを受ける形状とすることもできる。
【0046】
より具体的には、チャネル622は、異なる内径を有する2つの部分622a、622bを有する。第1の部分622aは、第1の内径D1を有し、ロックカラー605の第1の半部分612に位置する。第2の部分622bは、第2の内径D2を有し、ロックカラー605の第2の半部分613に位置する。第1の内径D1は第2の内径D2未満である。第1の内径D1はまた、ネジ付きにされている。第1の部分622aから第2の部分622bへの直径の変化は、チャネル622内の肩部623をもたらす。クランプネジ620も同様に2つの部分を有する。第1の部分620aは、チャネル622の第1の部分622aの内径D1に対応する第1の外径O1を有する。第2の部分620bは、チャネル622の第2の部分622bの内径D2に対応する第2の外径O2を有する。その結果、チャネル622の肩部623に対応するネジ肩部627も形成される。クランプネジ620を回転させると、チャネル620の第1の部分622aのネジ山が、クランプネジ620の第1の部分620aのネジ山と係合して、ロックカラー605の第2の半部分614を移動させる。クランプネジ620が締め付けられると、肩部623、627が接触し、クランプネジ620が肩部623に押し付けられる。
【0047】
1本のネジ(クランプネジ620)を使用することにより、ゼロ調整ダイヤルを固定するために2又は3以上のネジを使用するライフルスコープと比較して、調整の容易性が改善される。更に、ゼロ調整ダイヤル自体に物理的に接触する止めネジは、その接触面積の小ささ及び結果として生じる高い圧力のため、損傷を引き起こす可能性がある。止めネジはゼロ調整ダイヤルを損傷する傾向があるだけでなく、止めネジによって生じる窪み又はディンプルは、止めネジが窪み又はディンプルに沈むため、正確な調整を妨げることが多い。更に、複数の止めネジを使用する場合、それぞれを等しいトルクで締め付けると最良の結果が得られる。これは、特にユーザが急いでいるときには難しい。
【0048】
図10は、改良されたウィンデージターレットのシャーシ338を示す。より詳細には、ウィンデージ・ターレット・シャーシの上部344は、フロア364に隣接するリリーフカット362、リリーフカットの上方の歯付き面342、歯付き面の上方の下側クリック溝360、及び下側クリック溝の上方の上側クリック溝358を有する内周340を有する。フロアには滑らかな中央ボア366及びスロット368が設けられている。滑らかな中央ボアは、摩擦パッド478及びターレットネジ446の底部468がシャーシを通過することを可能にする。
【0049】
ターレットシャーシ338の外周346は、0リング溝352を定める。シャーシの底部350付近では、外周が広がって肩部348を定める。ネジ山356を有する3つの孔354は、外周からシャーレを貫通して平滑ボア366に通じている。一実施形態では、シャーシは鋼鉄製である。シャーシ338のフロア364のスロット368は、カムピン370の底部372を受け入れる。一実施形態では、カムピンは鋼製の円筒体である。カムピンの頂部376は、肩部374を定める半径を縮小した部分378を有する。カムピンの半径を小さくした部分は、ターレットシャーシ338のフロア364の上方でスロット368を通って上方に突出している。
【0050】
図11は、改良されたウィンデージカムディスク322を示す。より詳細には、ウィンデージカムディスクは、頂部510及び底部326を有する鋼製である。頂部は、ウィンデージカムディスクの外周518の周りに肩部516を定める縮小半径部514を有する。頂部はまた、ネジ山524を有する3つの取り付け孔522を定める。半径を小さくした中央部502は、肩部526及び滑らかな中央ボア328を定める。滑らかな中央ボアは、摩擦パッド478及びターレットネジ446の底部468がウィンデージカムディスクを通過することを可能にする。
【0051】
外周518の頂部510のクリッカーチャネル512はクリッカー334を受け入れる。クリッカーの前部336は外周から突出している。一実施形態では、クリッカーはスチール製である。
【0052】
ウィンデージカムディスク322の底面326は、凹部螺旋チャネル324を定めるウィンデージターレット回転軸28に垂直な平面である。螺旋チャネルは、時計回り方向に移動した場合には移動端ストップ面330で終端し、反時計回り方向に移動した場合には移動端ストップ面332で終端する。反時計回り方向に移動するとき、螺旋状チャネルは、ボア328から徐々に外側に移動するので、螺旋状チャネルは、それ自体がわずかに重なることができる。螺旋チャネルは、カムピン126の半径が小さくなった部分130を受けるように適合されている。スパイラルチャネル及びストップ面は、ウィンデージカムディスクと一体であり、調整不可能である。360°の完全な回転を提供するために、チャネルの半円形の端部の中心点は、ディスクの中心から異なる半径方向距離で、ディスク上の同じ回転位置にある。上記の仰角カムディスク160に関して説明したように、360°以上の回転を提供することもできる。
【0053】
ウィンデージカムディスク322がシャーレ338に取り付けられると、スパイラルチャネル324は、カムピン370の縮小半径部378を受ける。クリッカー334は、ウィンデージカムディスクの外周518のクリッカーチャネル512から突出している。クリッカーの後部410にあるばね412は、クリッカーがシャーレットの内周340にある歯付き面342と係合するように、クリッカーを外向きにバイアスする。ウィンデージ設定を変更する際にウィンデージターレット24を回転させると、ウィンデージカムディスクが回転し、クリッカーが歯付き面上を移動することにより、回転抵抗力が与えられ、特徴的なクリック音が発生する。
【0054】
一実施形態では、歯付き面342は100個の歯を有し、これによりウィンデージターレット24の1回転につき100回のクリックが可能になる。ウィンデージターレット24は、カムピン370がスパイラルチャネル324の中点320に位置するとき、調整0°に対応する指標90に位置する。スパイラルチャネルは、カムピン126を回転軸28から常に増加する距離の円弧セグメントに保持する。螺旋チャネル324は、ゼロ点320から時計回り又は反時計回りのいずれかに2分の1回転を許容し、これは一実施形態では5mradである。この時、カムピンは移動端ストップ面と面一になり、ウィンデージターレットの更なる回転及びウィンデージ調整は阻止される。螺旋状チャネル324は、ゼロ点320からの他の様々なmradの移動を可能にするように再構成され得る。
【0055】
組立式ウィンデージターレット24は、スパイラルカムディスク322の変更及び仰角インジケータの廃止を除いて、本明細書に示され及び説明されるように、仰角ターレット22と実質的に同一の構造であることが理解されよう。ウィンデージターレットも同様に、1回転以上のウィンデージインジケータ及びスパイラルカムディスクを有することができるが、実際には、横方向の照準調整を行うには、ターレットの1回転で十分であった。重要なことは、ウィンデージターレットは、図9A~9Dを参照して示され及び説明されたようなゼロ調整組立体600を含むことができることである。
【0056】
図12A図12B図13A、及び図13Bは、螺旋カム機構10を有するライフルスコープターレットを示す。より詳細には、ライフルスコープ10の使用状態を示す。図12A及び12Bは、それぞれロック位置及びロック解除位置にある仰角ターレット22を示す。仰角ターレットは、回転軸26と平行に上昇させることによってロック解除される。この上昇動作により、ロックギア206の歯付き面214と、ターレットシャーシ100の歯付き面108との係合が解除される。その後、仰角ターレットは、仰角カムディスク160の螺旋溝184によって許容される範囲内で自由に回転する。仰角ターレットを下降させると、ロックギア206の歯付き面がターレットシャーシの歯付き面108に係合する。この下降動作により、仰角ターレットはロック位置に戻る。
【0057】
外側ノブ268の「0」がユーザの方を向いているとき、カムピン126は、ゼロストップ面198に接して静止しており、これによりターレットネジ38のそれ以上の下方調節が阻止される。外側ノブのゼロは、ライフルスコープ10が、仰角ターレット上でクリックがダイヤル調整されていない時に照準される距離であり、発射体の飛行を参照する。ライフルスコープが200ヤードで照準されている場合、200ヤードゼロを有すると言われる。
【0058】
仰角ターレット22のロックが解除されると、ユーザは、ライフルスコープ10の照準距離よりも長い距離の射撃のために、仰角ターレットを反時計回りに回転させる。ターレットの回転は、ターレットの底部から延びるターレットネジ38の量を調整する。
【0059】
ターレットは、摩擦パッドを介して可動光学素子に仰角圧の形で下向きの力を加える。ウィンデージターレット24は、更なる摩擦パッドを介して可動光学素子にウィンデージ圧の形で横向きの力を加える。これらの力は、仰角圧力及びウィンデージ圧力の両方に対して約135°の角度でバイアスばねによって可動光学素子に加えられるバイアスばね圧力によって釣り合わされる。
【0060】
仰角ターレット22が一回転すると、仰角インジケータ136は、シャーシ100の外周112の孔124から飛び出す。一回転後の仰角インジケータの位置が図13Aに示されており、この図では、第1の位置142、ストライプ148、及び第2の位置144が見える。仰角ターレットで第2の回転が行われた後、仰角インジケータは、図13Bに示すように、半径方向外側に更に延び、この図では、ストライプ150及び第3の位置146の一部が新たに見える。ユーザが、ターレットを時計回りに回転させることによってターレットのダイヤル調整を戻すと、インジケータはターレットシャーシ内に後退される。その結果、インジケータは、仰角ターレットがほぼ3回転のうちのどの回転にあるかを、視覚及び触覚の両方でユーザに示す。
【0061】
ウィンデージターレットは、仰角インジケータがないことを除けば、仰角ターレットと実質的に同じように機能する。ウィンデージターレットも同様にウィンデージインジケータを有することができるが、実際には、横方向の照準調整を行うには、ターレットの1回転で十分である。
【0062】
図14及び図15は、本明細書に開示されたターレットの更なる実施形態を示す。別の実施形態では、「ロックカラー」機能は、他の一握りの方法で使用され得る。例えば、ロックカラーは、カム又はウェッジのようなネジ以外の手段によって作動することができる。或いは、ロックカラーを反対方向に作動させ、スプリットリングが拡張したときにロックすることもできる。この実施形態は、以下の画像でより詳細に検討される。
【0063】
上記に開示された一実施形態では、ロックカラーは、メインターレットキャップを通してアクセス可能なネジによってアクチュエータされ、ゼロ調整ダイヤルの上にクランプされていた。図14及び図15に描かれている別の代表的な実施形態では、ロックカラー(図14及び図15に120及び130として示されている)は、組立体全体がゼロ調整ダイヤル(図14及び図15に150として示されている)の調整と共に回転するように、ゼロ調整ダイヤル(図14及び図15に150として示されている)に結合されている。メインターレットキャップ(図14及び図15に100として示す)に対するゼロ調整ダイヤル(図14及び図15に150として示す)の回転をロックするために、ユーザは、ロックネジ(図14及び図15に140aとして示す)に係合する。ロックネジ(図14及び図15に140aとして示す)は、スプリットリング(図14及び図15に120及び130として示す)の2つの半部を広げるような形状である。スプリットリング半部分(図14及び図15に120及び130として示す)の外側直径は、その後、メインターレットキャップ(図14及び図15に100として示す)の側壁と故意に干渉し、ゼロ調整ダイヤル/スプリットリング組立体全体を所定の位置にロックし、それ以上の回転調整を妨げることになる。固定ネジ(図14及び図15に140aとして示す)は、図示のようなカムの形態をとることができるが、ロックカラーを拡張するために使用されるくさび又は他の単純な機械であってもよい。
【0064】
一実施形態では、スプリットリング半部分はゼロ調整ダイヤルに回転可能に結合されている。別の実施形態では、スプリットリングハーフはメインターレットキャップに回転可能に結合されている。
【0065】
調整ストップ、回転インジケータ、ロック機構及び/又は複数のノブを有するライフルスコープターレットの複数の実施形態について、詳細に説明してきたが、これらに対する修正及び変形が可能であり、それら全て、本発明の真の精神及び範囲にあることは明らかであろう。上記の説明に関して、本発明の部品の最適な寸法関係は、サイズ、材料、形状、機能及び操作方法、組立体及び使用の変形を含めて、当業者には容易に明らかであり、自明であると考えられ、図面に示され且つ明細書に記載されたものと同等の全ての関係は、本発明によって包含されることが意図されることを理解されたい。従って、上記のことは、単に本発明の原理を例示するものに過ぎないと考えられる。更に、多数の修正及び変更が当業者には容易に生じるので、本発明を図示及び記載された正確な構造及び作動に限定することは望まれず、従って、本発明の範囲内に入る全ての好適な修正及び均等物に行使することができる。
【符号の説明】
【0066】
22 仰角ターレット
268 外側ノブ
274 凹部
266 ゼロ調整ダイヤル
270 頂部
310 ローレット加工部分
620 クランプネジ
625 開口
650 ゼロ調整組立体
667 スロット

図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D
図10
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図14
図15
【国際調査報告】