(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】潰瘍性大腸炎における腸切迫感に関与する遺伝子の抗IL-23P19抗体による調節
(51)【国際特許分類】
G01N 33/53 20060101AFI20240927BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20240927BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20240927BHJP
G01N 33/543 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G01N33/53 D
A61P1/04
A61K39/395 D
A61K39/395 N
G01N33/53 M
G01N33/543 581A
G01N33/543 551A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519376
(86)(22)【出願日】2022-09-30
(85)【翻訳文提出日】2024-04-11
(86)【国際出願番号】 US2022077345
(87)【国際公開番号】W WO2023056417
(87)【国際公開日】2023-04-06
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100103182
【氏名又は名称】日野 真美
(74)【代理人】
【識別番号】100196966
【氏名又は名称】植田 渉
(72)【発明者】
【氏名】シャン,ミンヤン
【テーマコード(参考)】
4C085
【Fターム(参考)】
4C085AA13
4C085AA14
4C085CC23
4C085DD62
4C085EE01
4C085GG02
4C085GG04
(57)【要約】
本開示は、一般に、潰瘍性大腸炎を治療する方法に関する。本方法は、腸切迫感を有する、潰瘍性大腸炎を有する患者の特定のサブグループにおける腸切迫感を治療するのに特に好適である。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法であって、前記方法が、前記患者から第1の試料を得ることと、前記第1の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、抗IL-23p19抗体を、前記患者に投与することと、前記患者から第2の試料を得ることと、前記第2の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、を含み、前記第1の試料において検出された前記少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルからの、前記第2の試料において検出された前記少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルの変化が、前記抗IL-23p19抗体に対する応答を示す、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
【請求項2】
前記試料が、全血、血漿、血清、組織生検、糞便試料、及びそれらの組み合わせである、請求項1に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
【請求項3】
前記試料が、血清試料と糞便試料との組み合わせであり、CRPが、前記血清試料中で検出され、fCLPが、前記糞便試料中で検出される、請求項2に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
【請求項4】
CRPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出され、fCLPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫比濁アッセイ、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出される、請求項1~3のいずれか一項に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
【請求項5】
CRPが、CRP HS免疫比濁アッセイによって血清試料中で検出され、fCLPが、ELISAによって糞便試料中で検出される、請求項1~4のいずれか一項に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
【請求項6】
前記第1の試料が、前記抗IL-23p19抗体の投与の前に又はそれと同時に採取され、前記第2の試料が、前記抗IL-23p19抗体の最初の投与の少なくとも2週間後、少なくとも4週間後、少なくとも8週間後、少なくとも12週間後、少なくとも16週間後、少なくとも20週間後、少なくとも24週間後、少なくとも28週間後、少なくとも30週間後、少なくとも32週間後、少なくとも36週間後、少なくとも40週間後、少なくとも44週間後、少なくとも48週間後、又は少なくとも52週間後に採取される、請求項1~5のいずれか一項に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
【請求項7】
前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブ、グセルクマブ、リサンキズマブ、チルドラキズマブ、又はブラジクマブである、請求項1~6のいずれか一項に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
【請求項8】
前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブである、請求項7に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
【請求項9】
前記患者にミリキズマブを投与することが、
a)少なくとも1回の誘導用量のミリキズマブを前記患者に投与することであって、前記誘導用量が、50mg~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)最後の誘導用量が投与された後、少なくとも1回の維持用量のミリキズマブを前記患者に投与することであって、前記維持用量が、150~400mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む、請求項8に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
【請求項10】
前記誘導用量のミリキズマブが、約12週間、約4週間毎に投与される、請求項9に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有する疑いのある患者における腸切迫感を治療する方法。
【請求項11】
前記誘導用量のミリキズマブが、静脈内投与される、請求項9又は10に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
【請求項12】
前記少なくとも1回の維持用量が、皮下投与される、請求項9~11のいずれか一項に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
【請求項13】
前記方法が、
a)3回の誘導用量のミリキズマブを4週間間隔で静脈内注入によって前記患者に投与することであって、各誘導用量が、300mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)維持用量のミリキズマブを4週間又は12週間間隔で皮下注射によって前記患者に投与することであって、最初の維持用量が、最後の誘導用量が投与された2~8週間後に投与され、各維持用量が、200mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む、請求項9~12のいずれか一項に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
【請求項14】
前記最初の維持用量が、前記最後の誘導用量が投与された4~6週間後に投与される、請求項13に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
【請求項15】
その後の維持用量のミリキズマブが、前記最初の維持用量の投与後、4週間間隔で投与される、請求項13又は14に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
【請求項16】
その後の維持用量のミリキズマブが、前記最初の維持用量の投与後、12週間間隔で投与される、請求項13又は14に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
【請求項17】
前記抗IL-23p19抗体が、グセルクマブである、請求項7に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
【請求項18】
前記方法が、
a)3回の誘導用量のグセルクマブを4週間間隔で静脈内注入によって前記患者に投与することであって、各誘導用量が、100~500mgのグセルクマブを含む、投与することと、
b)維持用量のグセルクマブを2週間間隔、4週間間隔、6週間間隔、8週間間隔、又は12週間間隔で皮下注射によって前記患者に投与することであって、最初の維持用量が、最後の誘導用量が投与された2~8週間後に投与される、投与することと、を含む、請求項17に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
【請求項19】
各誘導用量が、200mgのグセルクマブを含む、請求項18に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
【請求項20】
各誘導用量が、400mgのグセルクマブを含む、請求項18に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
【請求項21】
前記抗IL-23p19抗体が、リサンキズマブである、請求項7に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
【請求項22】
前記抗IL-23p19抗体が、チルドラキズマブである、請求項7に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
【請求項23】
前記抗IL-23p19抗体が、ブラジクマブである、請求項7に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
【請求項24】
潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者を腸切迫感に対する抗IL-23p19抗体治療を受けるための候補患者として特定する方法であって、前記方法が、前記患者から試料を得ることと、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーについて前記試料を分析することと、前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記分析に基づいて、前記患者を腸切迫感に対する前記抗IL-23p19抗体治療を受けるための候補患者として特定することと、を含む、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者を腸切迫感に対する抗IL-23p19抗体治療を受けるための候補患者として特定する方法。
【請求項25】
前記試料が、全血、血漿、血清、組織生検、糞便試料、及びそれらの組み合わせである、請求項24に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者を腸切迫感に対する抗IL-23p19抗体治療を受けるための候補患者として特定する方法。
【請求項26】
前記試料が、血清試料と糞便試料との組み合わせであり、CRPが、前記血清試料中で検出され、fCLPが、前記糞便試料中で検出される、請求項25に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者を腸切迫感に対する抗IL-23p19抗体治療を受けるための候補患者として特定する方法。
【請求項27】
CRPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出され、fCLPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫比濁アッセイ、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出される、請求項24~26のいずれか一項に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者を腸切迫感に対する抗IL-23p19抗体治療を受けるための候補患者として特定する方法。
【請求項28】
CRPが、CRP HS免疫比濁アッセイによって血清試料中で検出され、fCLPが、ELISAによって糞便試料中で検出される、請求項24~27のいずれか一項に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者を腸切迫感に対する抗IL-23p19抗体治療を受けるための候補患者として特定する方法。
【請求項29】
前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブ、グセルクマブ、リサンキズマブ、チルドラキズマブ、又はブラジクマブである、請求項24~28のいずれか一項に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者を腸切迫感に対する抗IL-23p19抗体治療を受けるための候補患者として特定する方法。
【請求項30】
前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブである、請求項29に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者を腸切迫感に対する抗IL-23p19抗体治療を受けるための候補患者として特定する方法。
【請求項31】
潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感のリスクを特定するための方法であって、前記方法が、(a)前記患者から得られた試料中のC反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルを決定することと、(b)前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記決定された発現レベルを、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーの参照発現レベルと比較することと、(c)前記患者における前記バイオマーカーの発現レベルが、前記参照発現レベルと比較して変化している場合、前記患者が腸切迫感のリスクがあると特定することと、を含む、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感のリスクを特定するための方法。
【請求項32】
前記試料が、全血、血漿、血清、組織生検、糞便試料、及びそれらの組み合わせである、請求項31に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感のリスクを特定するための方法。
【請求項33】
前記試料が、血清試料と糞便試料との組み合わせであり、CRPが、前記血清試料中で検出され、fCLPが、前記糞便試料中で検出される、請求項32に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感のリスクを特定するための方法。
【請求項34】
CRPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出され、fCLPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫比濁アッセイ、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出される、請求項31~33のいずれか一項に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感のリスクを特定するための方法。
【請求項35】
CRPが、CRP HS免疫比濁アッセイによって血清試料中で検出され、fCLPが、ELISAによって糞便試料中で検出される、請求項31~34のいずれか一項に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感のリスクを特定するための方法。
【請求項36】
潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法であって、前記方法が、前記患者から第1の試料を得ることと、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーについて前記試料を分析することと、抗IL-23p19抗体を、前記患者に投与することと、前記患者から第2の試料を得ることと、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーについて前記第2の試料を分析することと、を含み、前記少なくとも1つのバイオマーカーの変化が、腸切迫感の低減を示す、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
【請求項37】
前記試料が、全血、血漿、血清、組織生検、糞便試料、及びそれらの組み合わせである、請求項36に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
【請求項38】
前記試料が、血清試料と糞便試料との組み合わせであり、CRPが、前記血清試料中で検出され、fCLPが、前記糞便試料中で検出される、請求項37に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
【請求項39】
CRPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出され、fCLPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫比濁アッセイ、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出される、請求項36~38のいずれか一項に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
【請求項40】
CRPが、CRP HS免疫比濁アッセイによって血清試料中で検出され、fCLPが、ELISAによって糞便試料中で検出される、請求項36~39のいずれか一項に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
【請求項41】
前記第1の試料が、前記抗IL-23p19抗体の投与の前に又はそれと同時に採取され、前記第2の試料が、前記抗IL-23p19抗体の最初の投与の少なくとも2週間後、少なくとも4週間後、少なくとも8週間後、少なくとも12週間後、少なくとも16週間後、少なくとも20週間後、少なくとも24週間後、少なくとも28週間後、少なくとも30週間後、少なくとも32週間後、少なくとも36週間後、少なくとも40週間後、少なくとも44週間後、少なくとも48週間後、又は少なくとも52週間後に採取される、請求項36~40のいずれか一項に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
【請求項42】
前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブ、グセルクマブ、リサンキズマブ、チルドラキズマブ、又はブラジクマブである、請求項36~41のいずれか一項に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
【請求項43】
前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブである、請求項42に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
【請求項44】
前記患者にミリキズマブを投与することが、
a)少なくとも1回の誘導用量のミリキズマブを前記患者に投与することであって、前記誘導用量が、50mg~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)最後の誘導用量が投与された後、少なくとも1回の維持用量のミリキズマブを前記患者に投与することであって、前記維持用量が、150~400mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む、請求項43に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
【請求項45】
前記誘導用量のミリキズマブが、約12週間、約4週間毎に投与される、請求項44に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有する疑いのある患者における腸切迫感を低減する方法。
【請求項46】
前記誘導用量のミリキズマブが、静脈内投与される、請求項44又は45に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
【請求項47】
前記少なくとも1回の維持用量が、皮下投与される、請求項44~46のいずれか一項に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
【請求項48】
前記方法が、
a)3回の誘導用量のミリキズマブを4週間間隔で静脈内注入によって前記患者に投与することであって、各誘導用量が、300mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)維持用量のミリキズマブを4週間又は12週間間隔で皮下注射によって前記患者に投与することであって、最初の維持用量が、最後の誘導用量が投与された2~8週間後に投与され、各維持用量が、200mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む、請求項44~47のいずれか一項に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
【請求項49】
前記最初の維持用量が、前記最後の誘導用量が投与された4~6週間後に投与される、請求項48に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
【請求項50】
その後の維持用量のミリキズマブが、前記最初の維持用量の投与後、4週間間隔で投与される、請求項48又は49に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
【請求項51】
その後の維持用量のミリキズマブが、前記最初の維持用量の投与後、12週間間隔で投与される、請求項48又は49に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
【請求項52】
前記抗IL-23p19抗体が、グセルクマブである、請求項42に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
【請求項53】
前記方法が、
a)3回の誘導用量のグセルクマブを4週間間隔で静脈内注入によって前記患者に投与することであって、各誘導用量が、100~500mgのグセルクマブを含む、投与することと、
b)維持用量のグセルクマブを2週間間隔、4週間間隔、6週間間隔、8週間間隔又は12週間間隔で皮下注射によって前記患者に投与することであって、前記最初の維持用量が、前記最後の誘導用量が投与された2~8週間後に投与される、投与することと、を含む、請求項52に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
【請求項54】
各誘導用量が、200mgのグセルクマブを含む、請求項53に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
【請求項55】
各誘導用量が、400mgのグセルクマブを含む、請求項53に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
【請求項56】
前記抗IL-23p19抗体が、リサンキズマブである、請求項42に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
【請求項57】
前記抗IL-23p19抗体が、チルドラキズマブである、請求項42に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
【請求項58】
前記抗IL-23p19抗体が、ブラジクマブである、請求項42に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
【請求項59】
抗IL-23p19抗体治療に応答して、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感が低減されているかどうかを決定する方法であって、前記方法が、前記患者が抗IL-23p19抗体治療を受ける前に、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)を含む少なくとも1つのバイオマーカーについて患者から得られた試料を分析することと、前記患者が前記抗IL-23p19抗体治療を受けた後に、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)を含む少なくとも1つのバイオマーカーについて患者から得られた試料を分析することと、前記患者が前記抗IL-23p19抗体治療を受けた後に、前記少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルの変化が検出された場合、前記抗IL-23p19抗体治療に応答して、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる前記患者における前記腸切迫感が低減されていると決定することと、を含む、抗IL-23p19抗体治療に応答して、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感が低減されているかどうかを決定する方法。
【請求項60】
前記試料が、全血、血漿、血清、組織生検、糞便試料、及びそれらの組み合わせである、請求項59に記載の、抗IL-23p19抗体治療に応答して、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感が低減されているかどうかを決定する方法。
【請求項61】
CRPが、前記血清試料中で検出され、fCLPが、前記糞便試料中で検出される、請求項59又は60に記載の、抗IL-23p19抗体治療に応答して、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感が低減されているかどうかを決定する方法。
【請求項62】
CRPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出され、fCLPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫比濁アッセイ、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出される、請求項59~61のいずれか一項に記載の、抗IL-23p19抗体治療に応答して、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感が低減されているかどうかを決定する方法。
【請求項63】
CRPが、CRP HS免疫比濁アッセイによって血清試料中で検出され、fCLPが、ELISAによって糞便試料中で検出される、請求項59~62のいずれか一項に記載の、抗IL-23p19抗体治療に応答して、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感が低減されているかどうかを決定する方法。
【請求項64】
前記第1の試料が、前記抗IL-23p19抗体の投与の前に又はそれと同時に採取され、前記第2の試料が、前記抗IL-23p19抗体の最初の投与の少なくとも2週間後、少なくとも4週間後、少なくとも8週間後、少なくとも12週間後、少なくとも16週間後、少なくとも20週間後、少なくとも24週間後、少なくとも28週間後、少なくとも30週間後、少なくとも32週間後、少なくとも36週間後、少なくとも40週間後、少なくとも44週間後、少なくとも48週間後、又は少なくとも52週間後に採取される、請求項59~63のいずれか一項に記載の、抗IL-23p19抗体治療に応答して、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感が低減されているかどうかを決定する方法。
【請求項65】
前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブ、グセルクマブ、リサンキズマブ、チルドラキズマブ、又はブラジクマブである、請求項59~64のいずれか一項に記載の、抗IL-23p19抗体治療に応答して、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感が低減されているかどうかを決定する方法。
【請求項66】
前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブである、請求項65に記載の、抗IL-23p19抗体治療に応答して、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感が低減されているかどうかを決定する方法。
【請求項67】
潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体であって、前記治療が、前記患者から第1の試料を得ることと、前記第1の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、抗IL-23p19抗体を、前記患者に投与することと、前記患者から第2の試料を得ることと、前記第2の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、を含み、前記第1の試料において検出された前記少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルからの、前記第2の試料において検出された前記少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルの変化が、前記抗IL-23p19抗体に対する応答を示す、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項68】
前記試料が、全血、血漿、血清、組織生検、糞便試料、及びそれらの組み合わせである、請求項67に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項69】
前記試料が、血清試料と糞便試料との組み合わせであり、CRPが、前記血清試料中で検出され、fCLPが、前記糞便試料中で検出される、請求項68に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項70】
CRPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出され、fCLPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫比濁アッセイ、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出される、請求項68~70のいずれか一項に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項71】
CRPが、CRP HS免疫比濁アッセイによって血清試料中で検出され、fCLPが、ELISAによって糞便試料中で検出される、請求項68~70のいずれか一項に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項72】
前記第1の試料が、前記抗IL-23p19抗体の投与の前に又はそれと同時に採取され、前記第2の試料が、前記抗IL-23p19抗体の最初の投与の少なくとも2週間後、少なくとも4週間後、少なくとも8週間後、少なくとも12週間後、少なくとも16週間後、少なくとも20週間後、少なくとも24週間後、少なくとも28週間後、少なくとも30週間後、少なくとも32週間後、少なくとも36週間後、少なくとも40週間後、少なくとも44週間後、少なくとも48週間後、又は少なくとも52週間後に採取される、請求項68~71のいずれか一項に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項73】
前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブ、グセルクマブ、リサンキズマブ、チルドラキズマブ、又はブラジクマブである、請求項68~72のいずれか一項に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項74】
前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブである、請求項73に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項75】
前記患者にミリキズマブを投与することが、
a)少なくとも1回の誘導用量のミリキズマブを前記患者に投与することであって、前記誘導用量が、50mg~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)最後の誘導用量が投与された後、少なくとも1回の維持用量のミリキズマブを前記患者に投与することであって、前記維持用量が、150~400mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む、請求項74に記載の潰瘍性結腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項76】
前記誘導用量のミリキズマブが、約12週間、約4週間毎に投与される、請求項75に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項77】
前記誘導用量のミリキズマブが、静脈内投与される、請求項75又は76に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項78】
前記少なくとも1回の維持用量が、皮下投与される、請求項75~77のいずれか一項に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項79】
前記方法が、
a)3回の誘導用量のミリキズマブを4週間間隔で静脈内注入によって前記患者に投与することであって、各誘導用量が、300mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)維持用量のミリキズマブを4週間又は12週間間隔で皮下注射によって前記患者に投与することであって、最初の維持用量が、最後の誘導用量が投与された2~8週間後に投与され、各維持用量が、200mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む、請求項75~78のいずれか一項に記載の潰瘍性結腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項80】
前記最初の維持用量が、前記最後の誘導用量が投与された4~6週間後に投与される、請求項79に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項81】
その後の維持用量のミリキズマブが、前記最初の維持用量の投与後、4週間間隔で投与される、請求項79又は80に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項82】
その後の維持用量のミリキズマブが、前記最初の維持用量の投与後、12週間間隔で投与される、請求項79又は80に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項83】
前記抗IL-23p19抗体が、グセルクマブである、請求項73に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項84】
前記方法が、
a)3回の誘導用量のグセルクマブを4週間間隔で静脈内注入によって前記患者に投与することであって、各誘導用量が、100~500mgのグセルクマブを含む、投与することと、
b)維持用量のグセルクマブを2週間間隔、4週間間隔、6週間間隔、8週間間隔又は12週間間隔で皮下注射によって前記患者に投与することであって、最初の維持用量が、最後の誘導用量が投与された2~8週間後に投与される、投与することと、を含む、請求項83に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項85】
各誘導用量が、200mgのグセルクマブを含む、請求項84に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項86】
各誘導用量が、400mgのグセルクマブを含む、請求項84に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項87】
前記抗IL-23p19抗体が、リサンキズマブである、請求項73に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項88】
前記抗IL-23p19抗体が、チルドラキズマブである、請求項73に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項89】
前記抗IL-23p19抗体が、ブラジクマブである、請求項73に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項90】
潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体であって、治療が、前記患者から第1の試料を得ることと、前記第1の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、抗IL-23p19抗体を、前記患者に投与することと、前記患者から第2の試料を得ることと、前記第2の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、を含み、前記第1の試料において検出された前記少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルからの、前記第2の試料において検出された前記少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルの変化が、前記抗IL-23p19抗体に対する応答を示す、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項91】
前記試料が、全血、血漿、血清、組織生検、糞便試料、及びそれらの組み合わせである、請求項90に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項92】
前記試料が、血清試料と糞便試料との組み合わせであり、CRPが、前記血清試料中で検出され、fCLPが、前記糞便試料中で検出される、請求項91に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項93】
CRPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出され、fCLPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫比濁アッセイ、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出される、請求項90~92のいずれか一項に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項94】
CRPが、CRP HS免疫比濁アッセイによって血清試料中で検出され、fCLPが、ELISAによって糞便試料中で検出される、請求項90~93のいずれか一項に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項95】
前記第1の試料が、前記抗IL-23p19抗体の投与の前に又はそれと同時に採取され、前記第2の試料が、前記抗IL-23p19抗体の最初の投与の少なくとも2週間後、少なくとも4週間後、少なくとも8週間後、少なくとも12週間後、少なくとも16週間後、少なくとも20週間後、少なくとも24週間後、少なくとも28週間後、少なくとも30週間後、少なくとも32週間後、少なくとも36週間後、少なくとも40週間後、少なくとも44週間後、少なくとも48週間後、又は少なくとも52週間後に採取される、請求項90~94のいずれか一項に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項96】
前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブ、グセルクマブ、リサンキズマブ、チルドラキズマブ、又はブラジクマブである、請求項90~95のいずれか一項に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項97】
前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブである、請求項96に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項98】
前記患者にミリキズマブを投与することが、
a)少なくとも1回の誘導用量のミリキズマブを前記患者に投与することであって、前記誘導用量が、50mg~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)最後の誘導用量が投与された後、少なくとも1回の維持用量のミリキズマブを前記患者に投与することであって、前記維持用量が、150~400mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む、請求項97に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項99】
前記誘導用量のミリキズマブが、約12週間、約4週間毎に投与される、請求項98に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項100】
前記誘導用量のミリキズマブが、静脈内投与される、請求項98又は99に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項101】
前記少なくとも1回の維持用量が、皮下投与される、請求項98~100のいずれか一項に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項102】
前記方法が、
a)3回の誘導用量のミリキズマブを4週間間隔で静脈内注入によって前記患者に投与することであって、各誘導用量が、300mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)維持用量のミリキズマブを4週間又は12週間間隔で皮下注射によって前記患者に投与することであって、最初の維持用量が、最後の誘導用量が投与された2~8週間後に投与され、各維持用量が、200mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む、請求項98~101のいずれか一項に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項103】
前記最初の維持用量が、前記最後の誘導用量が投与された4~6週間後に投与される、請求項102に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項104】
その後の維持用量のミリキズマブが、前記最初の維持用量の投与後、4週間間隔で投与される、請求項102又は103に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項105】
その後の維持用量のミリキズマブが、前記最初の維持用量の投与後、12週間間隔で投与される、請求項102又は103に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項106】
前記抗IL-23p19抗体が、グセルクマブである、請求項96に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項107】
前記方法が、
a)3回の誘導用量のグセルクマブを4週間間隔で静脈内注入によって前記患者に投与することであって、各誘導用量が、100~500mgのグセルクマブを含む、投与することと、
b)維持用量のグセルクマブを2週間間隔、4週間間隔、6週間間隔、8週間間隔又は12週間間隔で皮下注射によって前記患者に投与することであって、最初の維持用量が、最後の誘導用量が投与された2~8週間後に投与される、投与することと、を含む、請求項106に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項108】
各誘導用量が、200mgのグセルクマブを含む、請求項107に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項109】
各誘導用量が、400mgのグセルクマブを含む、請求項107に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する治療に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項110】
前記抗IL-23p19抗体が、リサンキズマブである、請求項96に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項111】
前記抗IL-23p19抗体が、チルドラキズマブである、請求項96に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項112】
前記抗IL-23p19抗体が、ブラジクマブである、請求項96に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
【請求項113】
C反応性タンパク質(CRP)、糞便中カルプロテクチン(fCLP)、CXCL8、AQP9、IL1B、S100A9、TREM1、MMP12、MMP1、MMP7、TCN1、DUOX2、DUOXA2、SLC6A14、VNN1、ABCA12、REG1B、C4BPA、GUCA2B、OTOP2、AQP8、SLC26A2、ADH1C、MMP3、REG3A、DMBT1、REG1P、S100A8、IGKV2D-40、PI3、TNIP3、REG1A、IDO1、NOS2、MMP10、CXCL1、PTGS2、ABCG2、HMGCS2、TMIGD1、GUCA2A、LOC101928405、MS4A12、UGT2A3、TRPM6、NXPE4、SLC16A9、ADH1C、PCK1、CDKN2B-AS1、TMEM236、CD177P1、SLC17A4、及びZG16から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを含む、バイオマーカーパネル。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示は、一般的に、医薬品に関する。より具体的には、本開示は、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療及び特定する方法に関する。本方法はまた、治療に対する患者の応答を決定するために有用である。
【0002】
潰瘍性大腸炎(Ulcerative Colitis、UC)は、結腸及び直腸の、慢性再発性の免疫媒介性炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease、IBD)である。UCは、下痢、直腸出血、及び腸切迫感の症状をもたらす結腸の粘膜炎症を特徴とする。患者はこれらの全てを同時に経験することが多いが、腸切迫感は、医療提供者によって頻繁に見落とされるか、又は排便回数(stool frequency、SF)若しくは下痢と混同される、明確で非常に破壊的な症状である。排便回数とは、特に、所与の期間にわたる便、粘液、及び/又は血液の通過を伴うトイレへの往復回数を指し、下痢とは、軟らかい水様便を指す。腸切迫感とは、突然の即時の排便の必要性を指す。これらの用語が混同されると、医療提供者及び患者の両方の一部に混乱をもたらす可能性があり、UCを有する患者に対する腸切迫感の影響が覆い隠される可能性がある。
【0003】
UCを有する患者の75~90%超が、腸切迫感の経験があると報告している。最大でUCを有する患者の半数が、1日あたり少なくとも1回の腸切迫感を報告している。患者は、腸切迫感が、排便回数及び直腸出血とは異なる、UCの重要な症状であると報告している。実際、最近の調査では、腸切迫感は、炎症性腸疾患(IBD)の治療決定の属性のリストの中で最も関連性が高いとランク付けされており、UCを有する患者は、腸切迫が直腸出血又は排便回数よりも関連性が高く重要な症状であると考えている。腸切迫感の根底にある機構は、完全には解明されていない。しかし、腸切迫感は、慢性炎症と関連付けられており、これは、平滑筋の緊張の変化、過敏性、及び直腸における収縮応答の増加、並びに粘膜下線維症の発症を引き起こす。腸切迫感の有病率、及びUCを有する患者に対するその重要性にもかかわらず、この症状が生活の質(quality of life、QoL)及び臨床転帰に及ぼす影響に関する情報は不足しており、腸切迫感が通常臨床試験に含まれる転帰ではなかった。
【0004】
ミリキズマブ(LY3074828)は、IL-23のp19サブユニットに特異的に結合するヒト化免疫グロブリンG4(immunoglobulin G4、IgG4)-バリアントモノクローナル抗体であり、したがって、IL-23と共通のp40サブユニットを共有するIL-12を標的としない。IL-23受容体結合は、JAK(主にTYK2及びJAK2)並びに転写因子3及び4(STAT3及びSTAT4)のシグナル伝達変換器及び活性化因子をもたらし、下流の標的遺伝子の転写を誘発する。IL-23は、複数の炎症促進性サイトカイン(例えば、インターフェロン-γ、IL-17A、IL-17F及びIL-22)を同時に産生する集団を含む病原性T細胞系統の分化、維持及び安定化、並びに先天性リンパ系細胞のエフェクタ機能の活性化及び誘導を促進する。
【0005】
実質的な罹患率及び生活の質の低下は、下痢、直腸出血、及び切迫感などの典型的な症状から生じる。治療目的としては、症状制御(臨床的寛解)を達成すること、粘膜治癒(内視鏡的寛解)をもたらすように腸炎症を抑制すること、及び腸機能を維持することが挙げられる。現在の治療選択肢としては、5-アミノサリチレート、グルココルチコイド、チオプリン、ヤヌス関連キナーゼ(Janus-Associated Kinase、JAK)阻害物質トファシチニブ、並びにTNFα、IL-12/IL-23のp-40サブユニット、及びa4b7インテグリンに拮抗する生物学的製剤が挙げられる。しかしながら、患者の3分の1までは誘導治療に応答せず、最初に恩恵を受けた患者の約40%は、その後応答を失う。抗TNF療法は、潜在的に重篤な副作用を伴うことが、最近示された。インテグリンシグナル伝達を遮断し、それによって、腸粘膜へのリンパ球輸送を減少させ、粘膜炎症を減少させる、新しい部類の生物学的製剤は、より好ましい安全性プロファイルを表す。最近の治験において、α4β7インテグリン遮断薬であるベドリズマブは、中等度から重度のUCに対して、TNF阻害物質アダリムマブよりも有効であることが示された。
【0006】
インターロイキン-23(Interleukin-23、IL-23)は、IBDにおける新規の治療標的であり、IL-12と共有するp19サブユニット及びp40サブユニットから構成されるヘテロ二量体サイトカインである。IL-23受容体結合は、JAK(主にTYK2及びJAK2)並びに転写因子3及び4(STAT3及びSTAT4)のシグナル伝達変換器及び活性化因子をもたらし、下流の標的遺伝子の転写を誘発する。IL-23は、複数の炎症促進性サイトカイン(例えば、インターフェロン-γ、IL-17A、IL-17F及びIL-22)を同時に産生する集団を含む病原性T細胞系統の分化、維持及び安定化、並びに先天性リンパ系細胞のエフェクタ機能の活性化及び誘導を促進する。p40の治療的遮断は、UC及びCDの両方において有効であり、p19を標的とする薬物は、UC及びCDの両方について研究されている。
【0007】
単一細胞RNASeq研究からのデータは、炎症を起こした粘膜線維芽細胞、組織常在性単核細胞、及び樹状細胞が、抗TNFに応答するUC患者と比較して、抗TNF耐性(TNFR)療法において濃縮されることを示唆している。これらの研究において、Smillieらが、抗TNF療法に対する60人の応答者及び57人の非応答者からのバルク発現データのメタ分析に基づいて、TNFRの遺伝子シグネチャ(gene signatures、遺伝子の発現パターン特性)及び感受性について、細胞サブセットをスコアリングした。TNFRは、免疫関連線維芽細胞(Immune Associated Fibroblasts、IAF)、炎症性単核細胞、及びDC2細胞において濃縮された遺伝子と、強く関連していた。対照的に、抗TNF療法に対する好ましい応答は、寛解期のUC患者において優勢な健康な粘膜を表す上皮細胞におけるトランスクリプトームシグネチャにおいて明らかであった。
【0008】
腸切迫感などの潰瘍性大腸炎の症状を診断及び治療するための代替的な組成物及び方法が、依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0009】
本開示は、一般に、潰瘍性大腸炎を有する患者を治療及び診断する方法に関する。本方法は、潰瘍性大腸炎を有する患者の特定のサブグループを治療するのに特に好適である。本方法はまた、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療及び特定するのに特に好適である。
【0010】
一態様では、本開示は、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法に関する。本方法は、患者から第1の試料を得ることと、第1の試料を分析して、C反応性タンパク質(C-reactive protein、CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fecal calprotectin、fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、抗IL-23p19抗体を、患者に投与することと、患者から第2の試料を得ることと、第2の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、を含み、第1の試料において検出された少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルからの、第2の試料において検出された少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルの変化が、抗IL-23p19抗体に対する応答を示す。
【0011】
別の態様では、本開示は、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者を、腸切迫感に対する抗IL-23p19抗体治療を受けるための候補患者として特定する方法に関する。本方法は、患者から試料を得ることと、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーについて試料を分析することと、少なくとも1つのバイオマーカーの分析に基づいて、患者を腸切迫感に対する抗IL-23p19抗体治療を受けるための候補患者として特定することと、を含む。
【0012】
別の態様では、本開示は、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者を、腸切迫感に対する抗IL-23p19抗体治療を受けるための候補患者として特定する方法に関する。本方法は、患者から試料を得ることと、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーについて試料を分析することと、少なくとも1つのバイオマーカーの分析に基づいて、患者を腸切迫感に対する抗IL-23p19抗体治療を受けるための候補患者として特定することと、を含む。
【0013】
別の態様では、本開示は、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者において、腸切迫感のリスクを特定するための方法に関する。本方法は、(a)患者から得られた試料中のC反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルを決定することと、(b)少なくとも1つのバイオマーカーの決定された発現レベルを、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーの参照発現レベルと比較することと、(c)患者におけるバイオマーカーの発現レベルが、参照発現レベルと比較して変化している場合、患者が腸切迫感のリスクがあると特定することと、を含む。一実施形態では、患者由来のバイオマーカーが参照発現レベルと比較して変化している場合、患者は、腸切迫感のリスクがあると特定される。別の実施形態では、バイオマーカーが参照発現レベルと比較して変化していない場合、患者は、腸切迫感のリスクがないと特定される。
【0014】
別の態様では、本開示は、抗IL-23p19抗体治療に応答して、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減を決定する方法を対象とする。本方法は、患者が抗IL-23p19抗体治療を受ける前に、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)を含む少なくとも1つのバイオマーカーについて患者から得られた試料を分析することと、患者が抗IL-23p19抗体治療を受けた後に、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)を含む少なくとも1つのバイオマーカーについて患者から得られた試料を分析することと、患者が抗IL-23p19抗体治療を受けた後に、少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルの変化が検出された場合、抗IL-23p19抗体治療に応答して、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感が低減されていると決定することと、を含む。
【0015】
別の態様では、本開示は、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するための抗IL-23p19抗体を対象とし、治療が、患者から第1の試料を得ることと、第1の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、抗IL-23p19抗体を、患者に投与することと、患者から第2の試料を得ることと、第2の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、を含み、第1の試料において検出された少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルからの、第2の試料において検出された少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルの変化が、抗IL-23p19抗体に対する応答を示す。
【0016】
別の態様では、本開示は、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するための抗IL-23p19抗体を対象とし、本治療は、患者から第1の試料を得ることと、第1の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、抗IL-23p19抗体を、患者に投与することと、患者から第2の試料を得ることと、第2の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、を含み、第1の試料において検出された少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルからの、第2の試料において検出された少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルの変化が、抗IL-23p19抗体に対する応答を示す。
【0017】
別の態様では、本開示は、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するための医薬品の製造における抗IL-23p19抗体の使用を対象とし、治療が、患者から第1の試料を得ることと、第1の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、抗IL-23p19抗体を、患者に投与することと、患者から第2の試料を得ることと、第2の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、を含み、第1の試料において検出された少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルからの、第2の試料において検出された少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルの変化が、抗IL-23p19抗体に対する応答を示す。
【0018】
別の態様では、本開示は、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するための医薬品の製造のための抗IL-23p19抗体の使用を対象とし、治療が、患者から第1の試料を得ることと、第1の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、抗IL-23p19抗体を、患者に投与することと、患者から第2の試料を得ることと、第2の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、を含み、第1の試料において検出された少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルからの、第2の試料において検出された少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルの変化が、抗IL-23p19抗体に対する応答を示す。
【0019】
別の態様では、本開示は、バイオマーカーパネルに関する。バイオマーカーパネルには、C反応性タンパク質(CRP)、糞便中カルプロテクチン(fCLP)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド8(CXCL8;またインターロイキン8及びIL-8)、アクアポリン9(Aquaporin 9、AQP9)、インターロイキン1ベータ(Interleukin 1 beta、IL1B)、S100カルシウム結合タンパク質A9(S100A9)、骨髄細胞で発現されるトリガー受容体1(Triggering Receptor Expressed on Myeloid Cells 1、TREM1)、マトリックスメタロペプチダーゼ12(Matrix Metallopeptidase 12、MMP12)、マトリックスメタロペプチダーゼ1(Matrix Metallopeptidase 1、MMP1)、マトリックスメタロペプチダーゼ7(Matrix Metallopeptidase 7、MMP7)、トランスコバラミン1(TCN1)、デュアルオキシダーゼ2(Dual Oxidase 2、DUOX2)、デュアルオキシダーゼ成熟因子2(DUOXA2)、溶質輸送体ファミリー6メンバー14(SLC6A14)、バニン1(VNN1)、ATP結合カセットサブファミリーAメンバー12(ATP Binding Cassette Subfamily A Member 12、ABCA12)、再生ファミリーメンバー1ベータ(REG1B)、補体成分4結合タンパク質アルファ(Complement Component 4 Binding Protein Alpha、C4BPA)、グアニル酸シクラーゼ活性化因子2B(Guanylate Cyclase Activator 2B、GUCA2B)、オトペトリン2(OTOP2)、アクアポリン8(Aquaporin 8、AQP8)、溶質輸送体ファミリー26メンバー2(SLC26A2)、アルコールデヒドロゲナーゼ1C(クラスI)、ガンマポリペプチド(ADH1C)、マトリックスメタロペプチダーゼ3(Matrix Metallopeptidase 3、MMP3)、再生ファミリーメンバー3アルファ(REG3A)、悪性脳腫瘍で欠失1(Deleted In Malignant Brain Tumors 1、DMBT1)、再生ファミリーメンバー1ガンマ、偽遺伝子(REG1P)、S100カルシウム結合タンパク質A8(S100A8)、免疫グロブリンカッパ可変2D-40(Immunoglobulin Kappa Variable 2D-40、IGKV2D-40)、ペプチダーゼ阻害因子3(Peptidase Inhibitor 3、PI3)、腫瘍壊死因子アルファ誘導タンパク質3(TNIP3)、再生ファミリーメンバー1アルファ(REG1A)、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ1(IDO1)、一酸化窒素シンターゼ2(Nitric Oxide Synthase 2、NOS2)、マトリックスメタロペプチダーゼ10(Matrix Metallopeptidase 10、MMP10)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド1(CXCL1)、プロスタグランジンEシンターゼ2(PTGS2)、ATP結合カセットサブファミリーGメンバー2(ジュニア血液型)(ABCG2)、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-CoAシンターゼ2(3-Hydroxy-3-Methylglutaryl-CoA Synthase、HMGCS2)、膜貫通ドメイン及び免疫グロブリンドメイン含有1(Transmembrane And Immunoglobulin Domain Containing 1、TMIGD1)、グアニル酸シクラーゼ活性化因子2A(Guanylate Cyclase Activator 2A、GUCA2A)、長鎖遺伝子間非タンパク質コードRNA2023(LOC101928405)、膜貫通4ドメインA12(MS4A12)、UDPグルクロノシルトランスフェラーゼファミリー2メンバーA3(UGT2A3)、一過性受容器電位カチオンチャネルサブファミリーMメンバー6(TRPM6)、ニューレキソフィリン及びPC-エステラーゼドメインファミリーメンバー4(NXPE4)、溶質輸送体ファミリー16メンバー9(SLC16A9)、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ1(PCK1)、ENSG00000266446新規転写物、センスイントロンCDKN2B-AS1(CDKN2B-AS1)、膜貫通タンパク質236(TMEM236)、CD177分子偽遺伝子1(CD177P1)、溶質輸送体ファミリー17メンバー4(SLC17A4)、及びチモーゲン顆粒タンパク質16(ZG16)を含む少なくとも1つのバイオマーカーが含まれる。
【0020】
本特許書類又は本出願書類には、彩色で作成された少なくとも1つの図面が含まれる。色彩図面を含む、本特許又は本特許出願公開書のコピーは、要求と必要な手数料の支払いに応じて、特許庁によって提供される。
【0021】
以下の詳細な説明を考慮すると、本開示はよりよく理解され、上記以外の特徴、態様、及び利点が明らかになるであろう。このような詳細な説明では、以下の図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】12週目の炎症性腸疾患質問票(Inflammatory Bowel Disease Questionnaire、IBDQ)測定における変動に対する切迫状態又はMayoサブスコアの相対的重要性を示す。腸切迫感、直腸出血、又は排便回数の状態を含むANCOVAモデルから部分R
2値を計算して、モデルへの各症状の追加から得られたQoLの変動の割合を比較した。より明るい緑色は、より強い寄与を示し、一方、赤色は、より弱い寄与を示す。
【
図2A】腸切迫感を有する又は有さない患者におけるベースラインCRP又はfCLPからの変化を示す。12週目(
図2A~2B)及び52週目(
図2C~
図2D)の、それらの時点での切迫感の存在又は切迫感の不在を有する患者におけるCRP及びfCLPのベースラインからの平均変化±SE。
【
図2B】腸切迫感を有する又は有さない患者におけるベースラインCRP又はfCLPからの変化を示す。12週目(
図2A~2B)及び52週目(
図2C~
図2D)の、それらの時点での切迫感の存在又は切迫感の不在を有する患者におけるCRP及びfCLPのベースラインからの平均変化±SE。
【
図2C】腸切迫感を有する又は有さない患者におけるベースラインCRP又はfCLPからの変化を示す。12週目(
図2A~2B)及び52週目(
図2C~
図2D)の、それらの時点での切迫感の存在又は切迫感の不在を有する患者におけるCRP及びfCLPのベースラインからの平均変化±SE。
【
図2D】腸切迫感を有する又は有さない患者におけるベースラインCRP又はfCLPからの変化を示す。12週目(
図2A~2B)及び52週目(
図2C~
図2D)の、それらの時点での切迫感の存在又は切迫感の不在を有する患者におけるCRP及びfCLPのベースラインからの平均変化±SE。
【
図3A】腸切迫感を有する又は有さない患者における症候性応答及び寛解までの時間を示す。Kaplan-Meier分析は、患者がベースライン時、又は4週目、8週目、及び12週目に切迫感の不在(青線)を達成するにつれて、症候性寛解(RB=0、SF=0若しくは1;
図2A)又は症候性応答(≧1のRB減少又はRB=0若しくは1のいずれかを伴うベースラインからの≧35%の減少;
図2B)に達するまでの時間がどのように変化するのかを示す。
【
図3B】腸切迫感を有する又は有さない患者における症候性応答及び寛解までの時間を示す。Kaplan-Meier分析は、患者がベースライン時、又は4週目、8週目、及び12週目に切迫感の不在(青線)を達成するにつれて、症候性寛解(RB=0、SF=0若しくは1;
図2A)又は症候性応答(≧1のRB減少又はRB=0若しくは1のいずれかを伴うベースラインからの≧35%の減少;
図2B)に達するまでの時間がどのように変化するのかを示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記載のものと同様又は同等の任意の方法及び材料を本開示の実践又は試験に使用し得るが、好ましい方法及び材料を、以下に説明する。
【0024】
本明細書で使用される場合、「必要とする対象」は、特定疾患、障害、又は状態を有する、有することが疑われる、罹患しやすい、及びそのリスクがある対象を指す。より具体的には、本開示において、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法及びバイオマーカーをスクリーニングする方法は、潰瘍性大腸炎による腸切迫感を有する対象、それを有することが疑われる対象、それに罹患しやすい対象、及びそれを経験するリスクが高い対象のサブセットに使用される。このような対象としては、潰瘍性大腸炎による腸切迫感を有する対象、それを有することが疑われる対象、それに罹患しやすい対象、及びそのリスクがある対象が挙げられ得るが、これらに限定されない。対象は、家族歴、年齢、環境、及び/又は生活様式に起因して、潰瘍性大腸炎による腸切迫感を有する、それを有することが疑われる、それに罹患しやすい、及びそのリスクがある。
【0025】
上記に基づいて、本開示の方法の実施形態のいくつかは、特定された対象の特定のサブセット又はサブクラス(すなわち、本明細書に記載の1つ以上の特定の状態に対処する際の支援を「必要とする」対象のサブセット又はサブクラス)に関するので、全ての対象が、本明細書に記載の治療を必要とする対象のサブセット又はサブクラスに含まれるわけではない。
【0026】
本明細書で使用される場合、「罹患しやすい」及び「リスクがある」とは、特定の疾患、障害又は状態に対してほとんど抵抗性を有さないこと(遺伝的素因があること、疾患、障害又は状態の家族歴を有すること、及び/又は疾患、障害又は状態の症状を有することを含む)を指す。
【0027】
本明細書で使用される場合、「治療すること」、「治療する」、又は「治療」という用語は、既存の症状、障害、状態、若しくは疾患の進行若しくは重症度を抑制、減速、弱化、低下、若しくは逆転させること、又は状態の臨床症状及び/若しくは兆候を緩解させることを指す。有益な又は所望の臨床結果には、検出可能であるか又は検出不可能であるかにかかわらず、症状の緩和、疾患又は障害の程度の低減、疾患又は障害の安定化(すなわち、疾患又は障害が悪化していない場合)、疾患又は障害の進行の遅延又は減速、疾患又は障害の改善又は緩和、及び疾患又は障害の寛解(部分的であるか又は全体的であるかにかかわらず)が含まれるが、これらに限定されない。治療を必要とする者には、すでにその疾患に罹患している者が含まれる。
【0028】
本明細書で使用される場合、「抗体」という用語は、抗体模倣物を含むか、あるいは一本鎖抗体及びそれらの断片を含む、抗体又はその特定の断片若しくは部分の構造及び/又は機能を模倣する抗体の部分を含む、抗体、それらの消化断片、特定の部分、及びバリアントを包含することが更に意図される。機能的断片には、ヒトIL-23に結合する抗原結合断片が含まれる。例えば、Fab(例えば、パパイン消化による)、Fab’(例えば、ペプシン消化及び部分的還元による)、及びF(ab’)2(例えば、ペプシン消化による)、facb(例えば、プラスミン消化による)、pFc’(例えば、ペプシン又はプラスミン消化による)、Fd(例えば、ペプシン消化、部分的還元、及び再凝集による)、Fv又はscFv(例えば、分子生物学的技術による)断片を含むが、これらに限定されない、IL-12/23又はその一部分に結合することができる抗体断片が、本発明によって包含される(例えば、Colligan et al.,Current Protocols in Immunology,John Wiley&Sons,NY,NY,(1994-2001)を参照)。このような断片は、当該技術分野で知られているように、かつ/又は本明細書に記載されるように、酵素的切断、合成、又は組み換え技術によって生成され得る。抗体はまた、1回以上の終止コドンが天然の終止部位の上流に導入されている抗体遺伝子を使用して、様々な切断型で生成され得る。例えば、F(ab’)2重鎖部分をコードする組み合わせ遺伝子は、重鎖のCH1ドメイン及び/又はヒンジ領域をコードするDNA配列を含むように設計され得る。抗体の様々な部分は、従来の技術によって化学的に接合され得るか、遺伝子工学技術を使用して隣接するタンパク質として調製され得る。
【0029】
本明細書で使用される場合、「抗IL-23p19抗体」は、ヒトIL-23のp19サブユニットに結合するが、ヒトIL-23のp40サブユニットには結合しない抗体を指す。したがって、抗IL-23p19抗体は、ヒトIL-23に結合するが、ヒトIL-12には結合しない。本発明の方法で使用され得る抗IL-23p19抗体の好適な例としては、グセルクマブ、チルドラキズマブ、リサンキズマブ、ミリキズマブ、及びブラジクマブが挙げられる。CAS登録番号1350289-85-8のグセルクマブは、ヒトIL-23のp19サブユニットに結合する完全ヒトIgG1ラムダモノクローナル抗体である。この抗体及びそれを作製する方法は、米国特許第7,935,344号に記載されている。CAS登録番号1326244-10-3のチルドラキズマブは、ヒトIL-23のp19サブユニットを標的とするヒト化IgG1カッパ(κ)モノクローナル抗体である。この抗体及びそれを作製する方法は、米国特許第8,293,883号に記載されている。CAS登録番号1612838-76-2のリサンキズマブは、ヒトIL-23のp19サブユニットを標的とするヒト化IgG1カッパ(κ)モノクローナル抗体である。この抗体及びそれを作製する方法は、米国特許第8,778,346号に記載されている。CAS登録番号1884201-71-1のミリキズマブは、ヒトIL-23のp19サブユニットを標的とするヒト化IgG4カッパモノクローナル抗体である。抗体及びそれを作製する方法は、米国特許第9,023.358号に記載されている。CAS登録番号1610353-18-8のブラジクマブは、ヒトIL-23のp19サブユニットを標的とするヒト化IgG2ラムダモノクローナル抗体である。この抗体及びそれを作製する方法は、米国特許第8,722,033号に記載されている。
【0030】
抗IL-23p19抗体、又はそれを含む医薬組成物は、非経口経路(例えば、皮下、静脈内、腹腔内、筋肉内、又は経皮)によって投与され得る。本発明の方法で使用するための抗IL-23p19抗体を含む医薬組成物は、当該技術分野でよく知られている方法(例えば、Remington:The Science and Practice a/Pharmacy,19th edition(1995),A.Gennaro et al.,Mack Publishing Co.)によって調製され得、本明細書に開示される抗体、及び1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、又は賦形剤を含む。
【0031】
本明細書で使用される場合、「バイオマーカー」という用語は、生体試料又は生体試料が得られる対象を特徴付けるために使用され得る、生体試料中に見出される任意の分子又は分子の群を指す。例えば、バイオマーカーは、その存在、不在、又は相対的存在量が、特定の細胞若しくは組織の種類若しくは状態の特徴、及び/又は特定の病理学的状態若しくは状態の特徴、及び/又は病理学的状態の重症度、病理学的状態の進行若しくは退行の可能性、及び/又は病理学的状態が特定の処置に応答する可能性を示す分子又は分子群であってもよい。別の例として、バイオマーカーは、細胞型若しくは微生物(細菌、マイコバクテリウム、真菌、ウイルスなど)、又はその置換分子若しくは分子群であってもよい。本明細書で提供されるバイオマーカーは、潰瘍性大腸炎の存在を検出及び/又は確認するために使用され得る診断バイオマーカーであり得る。本明細書で提供されるバイオマーカーは、潰瘍性大腸炎の状態を評価するために連続的に分析され得るモニタリングバイオマーカーであり得る。本明細書で提供されるバイオマーカーはまた、抗IL-23p19抗体処置に対する患者の応答を決定するために使用され得る、薬力学的バイオマーカーであり得る。本明細書で提供されるバイオマーカーはまた、抗IL-23p19抗体処置からの好ましい効果又は好ましくない効果を経験する可能性がより高い個体又は個体群を予測又は同定するために使用され得る、予測バイオマーカーであり得る。本明細書で提供されるバイオマーカーはまた、抗IL-23p19抗体に対する毒性の可能性、存在、又は程度を示すために、抗IL-23p19抗体投与の前及び/又は後に測定される、安全性バイオマーカーであり得る。本明細書で提供されるバイオマーカーはまた、潰瘍性大腸炎の進行及び/又は再発を同定するための、予後バイオマーカーであり得る。本明細書で提供されるバイオマーカーは、潰瘍性大腸炎による腸切迫感を発症するが、潰瘍性大腸炎による腸切迫感を有すると診断されていない、かつ/又は潰瘍性大腸炎による腸切迫感を経験したことがない個体の可能性を示し得る感受性/リスクバイオマーカーであり得る。本明細書で提供されるバイオマーカーはまた、抗IL-23p19抗体処置後の臨床転帰を説明する、代理バイオマーカーであり得る。
【0032】
本明細書で使用される場合、「バイオマーカーの発現レベル」とは、当業者に既知であるように、バイオマーカーをコードする遺伝子から遺伝子産物が合成されるプロセスを指す。遺伝子産物は、例えば、RNA(ribonucleic acid、リボ核酸)及びタンパク質であり得る。発現レベルは、例えば、ノーザンブロット法、増幅、ポリメラーゼ連鎖反応、マイクロアレイ分析、タグ系技術(例えば、遺伝子発現の連続分析及び全トランスクリプトームショットガン配列決定又はRNA-Seqなどの次世代配列決定)、ウエスタンブロット法、酵素結合免疫吸着アッセイ(Enzyme Linked Immunosorbent Assay、ELISA)、及びこれらの組み合わせなどの当業者に周知の方法によって、定量的に測定され得る。
【0033】
本明細書で使用される場合、バイオマーカー又は遺伝子転写物の「参照発現レベル」とは、潰瘍性大腸炎を有する腸切迫感を有さない対象について確立されたバイオマーカーの発現レベル、本明細書に記載される確立された方法を使用して医療専門家及び/若しくは研究専門家によって決定される潰瘍性大腸炎を有さない腸切迫感を有さない正常/健康な対象におけるバイオマーカーの発現レベル、並びに/又は文献から得られるバイオマーカーの周知の発現レベルを指す。バイオマーカーの参照発現レベルはまた、潰瘍性大腸炎を有するが腸切迫感を有さない対象、潰瘍性大腸炎を有さない対象、潰瘍性大腸炎を有さない正常/健康な対象におけるバイオマーカーの発現レベル、及び試料が対象から得られた時点では潰瘍性大腸炎を有さないが、後に潰瘍性大腸炎を有さない対象についてのバイオマーカーの発現レベルなどの、対象の任意の組み合わせについて確立された、バイオマーカーの発現レベルを指し得る。バイオマーカーの参照発現レベルはまた、本方法が適用される対象から得られたバイオマーカーの発現レベルを指し得る。したがって、来診毎の対象内の変化は、潰瘍性大腸炎による腸切迫感のリスクの増加又は減少を示し得る。例えば、バイオマーカーの複数の発現レベルは、同じ対象から得られた複数の試料から得られ得るが、各試料における複数の発現レベル間の差異を同定するために使用され得る。したがって、一部の実施形態では、同じ対象から得られた2種以上の試料は、血液バイオマーカーの発現レベル及び血液バイオマーカーの参照発現レベルを提供し得る。参照発現レベルはまた、「プラセボ応答者」におけるバイオマーカーの発現レベルを指し得る。本明細書で使用される場合、「プラセボ応答者」は、本明細書に記載される確立された方法を使用して医療専門家及び/又は研究専門家によって決定される潰瘍性大腸炎による腸切迫感を有し、臨床的改善を示すが、抗IL-23p19抗体を投与されていない対象である。理論に束縛されるものではないが、プラセボ応答者は、潰瘍性大腸炎の診断及び/又はカウンセリング及び/又は医学的経過観察に応答して、プラセボ応答者によってなされた生活様式の変化に起因して、改善を示すと考えられる。
【0034】
特に好適な抗IL-23p19は、ミリキズマブ(本明細書では「miri」とも称される)である。ミリキズマブは、p19特異的インターロイキン-23(IL-23)モノクローナルである。
【0035】
本明細書で使用される場合、「用量」、「投薬」、又は「投与量」は、治療目的(例えば、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療)を達成するための物質(例えば、抗IL-23p19抗体)の投与を指す。好適な抗IL-23p19抗体誘導投与量は、約50mg~約600mgを含む。特に好適な用量は、抗IL-23p19抗体の300mgの誘導用量である。抗IL-23p19抗体の誘導用量は、好適には、静脈内投与される。適切には、50mg~600mg、好ましくは、300mgの誘導用量を、4週間毎に12週間、患者に投与する。誘導用量の後に、約150mg~約400mgの範囲、好ましくは200mgの抗IL-23p19抗体の、少なくとも1回の維持用量が続いてもよい。特に好適な投薬量は、200mgの維持用量の抗IL-23p19抗体である。好適には、150mg~400mgの維持用量を、4週間毎又は12週間毎、患者に投与する。誘導期間中に、必要とする患者に少なくとも1回の誘導用量の抗IL-23p19抗体を投与することは、所望の治療効果を誘導するように意図されており、所望の治療効果は、臨床的寛解、臨床反応、内視鏡的寛解、内視鏡的治癒、及び/又は症候性寛解である。誘導期間の終了時に患者が所望の治療効果を達成した場合、その後、患者は、誘導期間中に得られた治療効果のうちの少なくとも1つを維持するために、少なくとも1回の維持用量を投与され、治療効果は、臨床的寛解、臨床反応、内視鏡的寛解、内視鏡的治癒、及び/又は症候性寛解である。誘導期間の最小持続期間又は最大持続期間はないが、典型的には、持続期間は、4週間、8週間、又は12週間であり、誘導期間の終了は、典型的には、最後の誘導用量が投与された4週間又は8週間後に行われる誘導終了評価である。患者が初期誘導期間の終わりに臨床応答を達成しない場合、初期誘導用量と区別するために、誘導用量の投与を延長し得るが、これを「延長誘導用量」と呼ぶ。患者が延長誘導期間の終了時に臨床反応を達成した場合、臨床的寛解、内視鏡的寛解、内視鏡的治癒、及び/又は症候性寛解などの臨床反応又は他の所望の治療効果を維持するために、少なくとも1回の維持用量の抗IL-23p19抗体が投与される。最初の維持用量は、最後の延長誘導用量が患者に投与された4~12週間後に投与される。4~12週間の期間は、最後の延長誘導用量の投与と延長誘導終了評価との間の期間の変動に対応する。維持用量は、最初の維持用量の投与後、4週間、8週間、又は12週間間隔で投与される。維持用量は、皮下注射によって投与され得る。患者が維持期間中に反応の喪失を起こした場合、1回、2回、又は3回の臨時追加用量の抗IL-23p19抗体が、患者に投与され、最後の臨時追加用量が投与された4~12週間後に患者が臨床反応を達成した場合、1回以上の更なる維持用量の抗IL-23p19抗体が、患者に投与され、反応の喪失は、(a)排便回数(SF)スコア及び直腸出血(rectal bleeding、RB)スコアの組み合わせにおけるベースラインからの2ポイント超の増加、(b)クロストリジウム・ディフィシル試験(Clostridium difficile testing)の陰性の確認を伴う、7日間超の空いた2回の連続した来診時の4超のSFスコア及びRBスコアの組み合わせ、並びに(c)2又は3の内視鏡サブスコア(endoscopic subscore、ES)として定義され、臨床反応は、直腸出血(RB)サブスコアの1兆の減少又はRBサブスコアが0若しくは1のいずれかを有する、9ポイントの改変Mayoスコア(Modified Mayo Score、MMS)のサブスコアの2ポイント超の減少及びベースラインからの30~35%超の減少を達成するものとして、定義される。
【0036】
本明細書に開示される方法は、患者から3種以上の試料を得ることを、更に含み得る。バイオマーカーの発現レベルが変化するか、経時的に変化したままであるか、経時的に維持されるかなどを決定するための試料の分析のために、患者、参照対象、及びプラセボ応答者から、複数の試料を得ることが、特に好適である。
【0037】
好適な試料としては、全血、血漿、血清、組織生検、糞便試料、及びこれらの組み合わせが挙げられる。特に好適な組織生検試料は、潰瘍の縁から得られた生検、びらんの縁から得られた生検、罹患した粘膜全体にわたって間隔を空けて得られた生検、及びこれらの組み合わせを含む。
【0038】
試料は、抗IL-23p19抗体投与の約4週間後、抗IL-23p19抗体投与の約12週間後、抗IL-23p19抗体投与の約52週間後、及びこれらの組み合わせで得られる。試料は更に、抗IL-23p19抗体投与の52週間後に得られ得る。試料は更に、毎日、毎週、毎月、及び毎年を含むその他の間隔で得られ得る。
【0039】
発現(及び発現レベル)は、マイクロアレイ分析によって決定され得る。発現を決定するためのその他の好適な方法としては、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット法、サザンブロット法、原位置ハイブリッド形成、ウエスタンブロット法を含む免疫学的検定、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(Enzyme-Linked Fluorescence Aassay、ELFA)、免疫沈降、免疫組織化学、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0040】
本明細書に開示される方法は、組織病理学を使用して組織試料を分析することを、更に含み得る。組織試料を処理し、H&E染色、ロマノフスキー染色、更には未染色組織試料を使用して、明視野観察法のために染色し得る。組織試料はまた、検出されるバイオマーカーに特異的に結合する抗体を使用して、染色され得る。抗体は、蛍光標識などの標識を含み得るが、組織は、組織試料を紫外線に曝露することによって調査され得る。バイオマーカー抗体は、蛍光標識で直接標識するか、又はバイオマーカー抗体に特異的に結合する蛍光標識された第2の抗体を使用して検出され得る。組織試料を標識して、単一のバイオマーカー又は複数のバイオマーカーを検出し得る。組織mRNAの細胞内局在を決定するために、空間的トランスクリプトミクスを使用して、組織試料もまた分析し得る。
【0041】
一態様では、本開示は、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者において、腸切迫感を治療する方法に関する。本方法は、患者から第1の試料を得ることと、第1の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、抗IL-23p19抗体を、患者に投与することと、患者から第2の試料を得ることと、第2の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、を含み、第1の試料において検出された少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルからの、第2の試料において検出された少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルの変化が、抗IL-23p19抗体に対する応答を示す。
【0042】
別の態様では、本開示は、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体を対象とし、治療が、患者から第1の試料を得ることと、第1の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、抗IL-23p19抗体を、患者に投与することと、患者から第2の試料を得ることと、第2の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、を含み、第1の試料において検出された少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルからの、第2の試料において検出された少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルの変化が、抗IL-23p19抗体に対する応答を示す。
【0043】
別の態様では、本開示は、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するための医薬品の製造における抗IL-23p19抗体の使用を対象とし、治療が、患者から第1の試料を得ることと、第1の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、抗IL-23p19抗体を、患者に投与することと、患者から第2の試料を得ることと、第2の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、を含み、第1の試料において検出された少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルからの、第2の試料において検出された少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルの変化が、抗IL-23p19抗体に対する応答を示す。
【0044】
特に好適なバイオマーカーとしては、C反応性タンパク質(CRP)、糞便中カルプロテクチン(fCLP)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。一実施形態では、バイオマーカーは、抗IL-23p19抗体治療後に減少し、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)のうちの少なくとも1つを含む。
【0045】
一実施形態では、第1の試料において検出された発現からの第2の試料において検出された発現の変化は、抗IL-23p19抗体投与が継続されるべきであることを示す。発現の変化は、第1の試料における発現と比較した、第2の(又は後続の)試料における発現の減少であり得る。発現の変化はまた、第1の試料における発現と比較して、第2の(又は後続の)試料における増加であり得る。抗IL-23p19抗体を投与された患者から得られた試料における発現レベルの変化は、健常な対象(潰瘍性大腸炎を有することが疑われないか又は潰瘍性大腸炎を有する対象)から得られた試料における発現レベル、及び腸切迫感を経験せずかつ抗IL-23p19抗体を投与されていない潰瘍性大腸炎を有するか又は潰瘍性大腸炎を有することが疑われる患者から得られた試料における発現レベルのうちの1つと、更に比較され得る。
【0046】
別の実施形態では、第1の試料において検出された発現レベルからの第2の試料において検出された発現レベルの変化は、抗IL-23p19抗体投与が中断されるべきであることを示す。発現レベルの変化は、第1の試料における発現レベルと比較した、第2の(又は後続の)試料における発現レベルの増加であり得る。発現レベルの変化はまた、第1の試料における発現レベルと比較した、第2の(又は後続の)試料における減少であり得る。抗IL-23p19抗体を投与された患者から得られた試料における発現レベルの変化は、健常な対象(潰瘍性大腸炎を有することが疑われないか又は潰瘍性大腸炎を有する対象)から得られた試料における発現レベル、及び腸切迫感を経験せずかつ抗IL-23p19抗体を投与されていない潰瘍性大腸炎を有するか又は潰瘍性大腸炎を有することが疑われる患者から得られた試料における発現レベルのうちの1つと、更に比較され得る。
【0047】
一実施形態では、試料は、全血、血漿、血清、組織生検、糞便試料、及びこれらの組み合わせである。
【0048】
別の実施形態では、試料は、血清試料と糞便試料との組み合わせであり、CRPは、血清試料中で検出され、fCLPは、糞便試料中で検出される。
【0049】
別の実施形態では、CRPは、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって試料中で検出され、fCLPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫比濁アッセイ、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって試料中で検出される。
【0050】
別の実施形態では、CRPは、CRP HS免疫比濁アッセイによって血清試料中で検出され、fCLPは、ELISAによって糞便試料中で検出される。
【0051】
別の実施形態では、第1の試料は、抗IL-23p19抗体の投与前又は投与と同時に採取され、第2の試料は、抗IL-23p19抗体の最初の投与の少なくとも2週間後、少なくとも4週間後、少なくとも8週間後、少なくとも12週間後、少なくとも16週間後、少なくとも20週間後、少なくとも24週間後、少なくとも28週間後、少なくとも30週間後、少なくとも32週間後、少なくとも36週間後、少なくとも40週間後、少なくとも44週間後、少なくとも48週間後、又は少なくとも52週間後に採取される。
【0052】
別の実施形態では、抗IL-23p19抗体は、ミリキズマブ、グセルクマブ、リサンキズマブ、チルドラキズマブ、又はブラジクマブである。
【0053】
好ましい実施形態では、抗IL-23p19抗体は、ミリキズマブである。
【0054】
別の実施形態では、ミリキズマブを患者に投与することは、
a)少なくとも1回の誘導用量のミリキズマブを患者に投与することであって、誘導用量が、50mg~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)最後の誘導用量が投与された後、少なくとも1回の維持用量のミリキズマブを患者に投与することであって、維持用量が、150~400mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む。
【0055】
別の実施形態では、誘導用量のミリキズマブは、約12週間、約4週間毎に投与される。
【0056】
別の実施形態では、誘導用量のミリキズマブが静脈内投与される。
【0057】
別の実施形態では、少なくとも1回の維持用量が皮下投与される。
【0058】
別の実施形態では、本方法/治療は、
a)3回の誘導用量のミリキズマブを4週間間隔で静脈内注入によって患者に投与することであって、各誘導用量が、300mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)維持用量のミリキズマブを4週間又は12週間間隔で皮下注射によって患者に投与することであって、最初の維持用量が、最後の誘導用量が投与された2~8週間後に投与され、各維持用量が、200mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む。
【0059】
別の実施形態では、第1の維持用量は、最後の誘導用量が投与された4週間後に投与される。
【0060】
別の実施形態では、その後の維持用量のミリキズマブは、最初の維持用量の投与後、4週間間隔で投与される。
【0061】
別の実施形態では、その後の維持用量のミリキズマブは、最初の維持用量の投与後、12週間間隔で投与される。
【0062】
代替的な好ましい実施形態では、抗IL-23p19抗体は、グセルクマブである。
【0063】
別の実施形態では、本方法/治療は、
a)3回の誘導用量のグセルクマブを4週間間隔で静脈内注入によって患者に投与することであって、各誘導用量が、100~500mgのグセルクマブを含む、投与することと、
b)維持用量のグセルクマブを2週間間隔、4週間間隔、6週間間隔、8週間間隔又は12週間間隔で皮下注射によって患者に投与することであって、最初の維持用量が、最後の誘導用量が投与された2~8週間後に投与される、投与することと、を含む、方法。
【0064】
別の実施形態では、各誘導用量は、200mgのグセルクマブを含む。
【0065】
別の実施形態では、各誘導用量は、400mgのグセルクマブを含む。
【0066】
代替的な実施形態では、抗IL-23p19抗体は、レブリキズマブである。
【0067】
代替的な実施形態では、抗IL-23p19抗体は、チルドラキズマブである。
【0068】
代替的な実施形態では、抗IL-23p19抗体は、ブラジクマブである。
【0069】
本方法は、修正Mayoスコア(MMS)、総Mayoスコア、Mayo内視鏡サブスコア、潰瘍性大腸炎内視鏡重症度指数(Ulcerative Colitis Endoscopic Index of Severity、UCEIS)合計スコア、潰瘍性大腸炎疾患活動性指数(Ulcerative Colitis Disease Activity Index、UCDAI)、Geboesスコア、Robarts組織病理学指数(Robarts Histopathology Index、RHI)、及びこれらの組み合わせを含む臨床測定基準を分析することを更に含み得る。
【0070】
Mayoスコアは、以下の4個のサブスコアから構成される複合的な計測手段である。
(i)排便頻度(SF):SFサブスコアは、患者が報告する測定値である。この項目は、同じ期間のその患者の通常の排便数と比較して、24時間の排便数を4ポイントのスケールで報告する。排便とは、患者が便通を有したとき、又は血液のみ、血液及び粘液、又は粘液のみを排泄するときのいずれかにトイレへ行くことと定義される。24時間の期間内で排泄された排便の合計数が、患者によって記録される。その患者の参照「正常な」SFは、典型的には、研究の開始時又は観察期間に記録される。その患者の正常なSFは、患者が寛解したときに報告されたSFであるか、患者が寛解を達成したことがない場合は、UCの兆候及び症状が最初に発現する前に報告されたSFである。
【0071】
【表1】
(ii)直腸出血(RB):RBサブスコアは、患者が報告する測定値である。この項目は、所与の日に経直腸的に排泄された最も重篤な血液量を、4ポイントスケールで報告する。
【0072】
【表2】
(iii)内視鏡サブスコア(Endoscopic Subscore、ES):ESは、医師が報告する測定値であり、軟性S状結腸鏡検査又は結腸鏡検査における粘膜の最悪の外観を、4ポイントスケールで報告する。現在の臨床診療と一致して、脆弱性は、1のESの定義から除外される。
【0073】
【表3】
(iv)医師総合評価(Physician’s Global Assessment)(PGA):PGAは、医師が報告する測定値であり、患者のUC疾患活動性の評価を、4ポイントスケールで要約する。
【0074】
【0075】
【0076】
各サブスコアは、0~3の範囲の4ポイントスケールでスコア付けされ、最大Mayoスコアは、12になる。
【0077】
MMSは、元のMayo指標参照に対して行われた修正であり(Schroeder et al.,New Eng J Med,317(26):1625-1629,1987年)、Mayoスコアの4つのサブスコアのうちの3つを含む。医師総合評価は含まれていない。MMSは、3個のサブスコアを評価し、各々0~3のスケールで、最大合計スコアは9である。以下の表は、スコア付けのためにそれぞれのMMSサブスケールを要約している。
【0078】
Mayoスコアが6~12又はMMSが4~9で、各々ESが2以上の患者は、中程度~重度の活動性潰瘍性大腸炎を有するものとして定義される。
【0079】
別の態様では、本開示は、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者が、抗IL-23p19抗体処置に応答して治癒しているか否かを決定する方法に関する。本方法は、患者から試料を得ることと、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーについて試料を分析することと、少なくとも1つのバイオマーカーの分析に基づいて、患者を腸切迫感に対する抗IL-23p19抗体治療を受けるための候補患者として特定することと、を含む。
【0080】
一実施形態では、試料は、全血、血漿、血清、組織生検、糞便試料、及びこれらの組み合わせである。
【0081】
別の実施形態では、試料は、血清試料と糞便試料との組み合わせであり、CRPは、血清試料中で検出され、fCLPは、糞便試料中で検出される。
【0082】
別の実施形態では、CRPは、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって試料中で検出され、fCLPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫比濁アッセイ、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって試料中で検出される。
【0083】
別の実施形態では、CRPは、CRP HS免疫比濁アッセイによって血清試料中で検出され、fCLPは、ELISAによって糞便試料中で検出される。
【0084】
別の実施形態では、抗IL-23p19抗体は、ミリキズマブ、グセルクマブ、リサンキズマブ、チルドラキズマブ、又はブラジクマブである。
【0085】
好ましい実施形態では、抗IL-23p19抗体は、ミリキズマブである。
【0086】
別の態様では、本開示は、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者において、腸切迫感のリスクを特定するための方法に関する。本方法は、(a)患者から得られた試料中のC反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルを決定することと、(b)少なくとも1つのバイオマーカーの決定された発現レベルを、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーの参照発現レベルと比較することと、(c)患者におけるバイオマーカーの発現レベルが、参照発現レベルと比較して変化している場合、患者が腸切迫感のリスクがあると特定することと、を含む。一実施形態では、患者由来のバイオマーカーが参照発現レベルと比較して変化している場合、患者は、腸切迫感のリスクがあると特定される。別の実施形態では、バイオマーカーが参照発現レベルと比較して変化していない場合、患者は、腸切迫感のリスクがないと特定される。
【0087】
一実施形態では、試料は、全血、血漿、血清、組織生検、糞便試料、及びこれらの組み合わせである。
【0088】
別の実施形態では、試料は、血清試料と糞便試料との組み合わせであり、CRPは、血清試料中で検出され、fCLPは、糞便試料中で検出される。
【0089】
別の実施形態では、CRPは、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって試料中で検出され、fCLPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫比濁アッセイ、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって試料中で検出される。
【0090】
別の実施形態では、CRPは、CRP HS免疫比濁アッセイによって血清試料中で検出され、fCLPは、ELISAによって糞便試料中で検出される。
【0091】
本方法は、C反応性タンパク質(CRP)、糞便中カルプロテクチン(fCLP)、及びこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つのバイオマーカーについて、抗IL-23p19抗体の投与前及び抗IL-23p19抗体の投与後に得られた試料を分析することを更に含み得る。
【0092】
本方法は、CXCL8、AQP9、IL1B、S100A9、TREM1、MMP12、MMP1、MMP7、TCN1、DUOX2、DUOXA2、SLC6A14、VNN1、ABCA12、REG1B、C4BPA、GUCA2B、OTOP2、AQP8、SLC26A2、ADH1C、MMP3、REG3A、DMBT1、REG1P、S100A8、IGKV2D-40、PI3、TNIP3、REG1A、IDO1、NOS2、MMP10、CXCL1、PTGS2、ABCG2、HMGCS2、TMIGD1、GUCA2A、LOC101928405、MS4A12、UGT2A3、TRPM6、NXPE4、SLC16A9、ADH1C、PCK1、CDKN2B-AS1、TMEM236、CD177P1、SLC17A4、及びZG16から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを分析することを更に含み得る。
【0093】
本方法は、修正Mayoスコア(MMS)、総Mayoスコア、Mayo内視鏡サブスコア、潰瘍性大腸炎内視鏡重症度指数(UCEIS)合計スコア、Geboesスコア、Robarts組織病理学指数(RHI)、及びこれらの組み合わせを含む臨床測定基準を分析することを更に含み得る。
【0094】
別の態様では、本開示は、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者において、腸切迫感を診断する方法に関する。本方法は、患者から第1の試料を得ることと、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーについて試料を分析することと、抗IL-23p19抗体を、患者に投与することと、患者から第2の試料を得ることと、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーについて第2の試料を分析することと、を含む。
【0095】
別の態様では、本開示は、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するための抗IL-23p19抗体を対象とし、本治療は、患者から第1の試料を得ることと、第1の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、抗IL-23p19抗体を、患者に投与することと、患者から第2の試料を得ることと、第2の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、を含み、第1の試料において検出された少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルからの、第2の試料において検出された少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルの変化が、抗IL-23p19抗体に対する応答を示す。
【0096】
別の態様では、本開示は、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するための医薬品の製造のための抗IL-23p19抗体の使用を対象とし、治療が、患者から第1の試料を得ることと、第1の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、抗IL-23p19抗体を、患者に投与することと、患者から第2の試料を得ることと、第2の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、を含み、第1の試料において検出された少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルからの、第2の試料において検出された少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルの変化が、抗IL-23p19抗体に対する応答を示す。
【0097】
一実施形態では、試料は、全血、血漿、血清、組織生検、糞便試料、及びこれらの組み合わせである。
【0098】
別の実施形態では、試料は、血清試料と糞便試料との組み合わせであり、CRPは、血清試料中で検出され、fCLPは、糞便試料中で検出される。
【0099】
別の実施形態では、CRPは、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって試料中で検出され、fCLPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫比濁アッセイ、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって試料中で検出される。
【0100】
別の実施形態では、CRPは、CRP HS免疫比濁アッセイによって血清試料中で検出され、fCLPは、ELISAによって糞便試料中で検出される。
【0101】
別の実施形態では、第1の試料は、抗IL-23p19抗体の投与前又は投与と同時に採取され、第2の試料は、抗IL-23p19抗体の最初の投与の少なくとも2週間後、少なくとも4週間後、少なくとも8週間後、少なくとも12週間後、少なくとも16週間後、少なくとも20週間後、少なくとも24週間後、少なくとも28週間後、少なくとも30週間後、少なくとも32週間後、少なくとも36週間後、少なくとも40週間後、少なくとも44週間後、少なくとも48週間後、又は少なくとも52週間後に採取される。
【0102】
別の実施形態では、抗IL-23p19抗体は、ミリキズマブ、グセルクマブ、リサンキズマブ、チルドラキズマブ、又はブラジクマブである。
【0103】
好ましい実施形態では、抗IL-23p19抗体は、ミリキズマブである。
【0104】
別の実施形態では、ミリキズマブを患者に投与することは、
a)少なくとも1回の誘導用量のミリキズマブを患者に投与することであって、誘導用量が、50mg~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)最後の誘導用量が投与された後、少なくとも1回の維持用量のミリキズマブを患者に投与することであって、維持用量が、150~400mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む。
【0105】
別の実施形態では、誘導用量のミリキズマブが、約12週間、約4週間毎に投与される。
【0106】
別の実施形態では、誘導用量のミリキズマブが静脈内投与される。
【0107】
別の実施形態では、少なくとも1回の維持用量が皮下投与される。
【0108】
別の実施形態では、本方法/治療は、
a)3回の誘導用量のミリキズマブを4週間間隔で静脈内注入によって患者に投与することであって、各誘導用量が、300mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)維持用量のミリキズマブを4週間又は12週間間隔で皮下注射によって患者に投与することであって、最初の維持用量が、最後の誘導用量が投与された2~8週間後に投与され、各維持用量が、200mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む。
【0109】
別の実施形態では、第1の維持用量は、最後の誘導用量が投与された4~6週間後に投与される。
【0110】
別の実施形態では、その後の維持用量のミリキズマブは、最初の維持用量の投与後、4週間間隔で投与される。
【0111】
別の実施形態では、その後の維持用量のミリキズマブは、最初の維持用量の投与後、12週間間隔で投与される。
【0112】
代替的な好ましい実施形態では、抗IL-23p19抗体は、グセルクマブである。
【0113】
別の実施形態では、本方法は、
a)3回の誘導用量のグセルクマブを4週間間隔で静脈内注入によって患者に投与することであって、各誘導用量が、100~500mgのグセルクマブを含む、投与することと、
b)維持用量のグセルクマブを2週間間隔、4週間間隔、6週間間隔、8週間間隔又は12週間間隔で皮下注射によって患者に投与することであって、最初の維持用量が、最後の誘導用量が投与された2~8週間後に投与される、投与することと、を含む。
【0114】
別の実施形態では、各誘導用量は、200mgのグセルクマブを含む。
【0115】
別の実施形態では、各誘導用量は、400mgのグセルクマブを含む。
【0116】
別の実施形態では、抗IL-23p19抗体は、リサンキズマブである。
【0117】
別の実施形態では、抗IL-23p19抗体は、チルドラキズマブである。
【0118】
別の実施形態では、抗IL-23p19抗体は、ブラジクマブである。
【0119】
本方法は、CXCL8、AQP9、IL1B、S100A9、TREM1、MMP12、MMP1、MMP7、TCN1、DUOX2、DUOXA2、SLC6A14、VNN1、ABCA12、REG1B、C4BPA、GUCA2B、OTOP2、AQP8、SLC26A2、ADH1C、MMP3、REG3A、DMBT1、REG1P、S100A8、IGKV2D-40、PI3、TNIP3、REG1A、IDO1、NOS2、MMP10、CXCL1、PTGS2、ABCG2、HMGCS2、TMIGD1、GUCA2A、LOC101928405、MS4A12、UGT2A3、TRPM6、NXPE4、SLC16A9、ADH1C、PCK1、CDKN2B-AS1、TMEM236、CD177P1、SLC17A4、及びZG16から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを分析することを更に含み得る。
【0120】
潰瘍性大腸炎の症状は、腹痛/腹部不快感、血便、大便中の膿、発熱、体重減少、直腸出血、頻繁な下痢、再発下痢、倦怠感、食欲減退、及びしぶり腹(切迫感)のうちの少なくとも1種を含む。
【0121】
本方法は、修正Mayoスコア(MMS)、総Mayoスコア、Mayo内視鏡サブスコア、潰瘍性大腸炎内視鏡重症度指数(UCEIS)合計スコア、Geboesスコア、Robarts組織病理学指数(RHI)、及びこれらの組み合わせを含む臨床測定基準を分析することを更に含み得る。
【0122】
別の態様では、本開示は、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感が、抗IL-23p19抗体治療に応答して低減されているかどうかを決定する方法を対象とする。本方法は、患者が抗IL-23p19抗体治療を受ける前に、患者から得られた試料を、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)を含む少なくとも1つのバイオマーカーについて分析することと、患者が抗IL-23p19抗体治療を受けた後に、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)を含む少なくとも1つのバイオマーカーについて患者から得られた試料を分析することと、患者が抗IL-23p19抗体治療を受けた後に、少なくとも1つのバイオマーカーにおける発現レベルの変化が検出される場合、抗IL-23p19抗体処置に応答して、潰瘍性大腸炎を有するか又は有する疑いのある患者において、腸切迫感が低減されていると決定することと、を含む。
【0123】
別の実施形態では、試料は、全血、血漿、血清、組織生検、糞便試料、及びこれらの組み合わせである。
【0124】
別の実施形態では、CRPは、血清試料中で検出され、fCLPは、糞便試料中で検出される。
【0125】
別の実施形態では、CRPは、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって試料中で検出され、fCLPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫比濁アッセイ、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって試料中で検出される。
【0126】
別の実施形態では、CRPは、CRP HS免疫比濁アッセイによって血清試料中で検出され、fCLPは、ELISAによって糞便試料中で検出される。
【0127】
別の実施形態では、第1の試料は、抗IL-23p19抗体の投与前又は投与と同時に採取され、第2の試料は、抗IL-23p19抗体の最初の投与の少なくとも2週間後、少なくとも4週間後、少なくとも8週間後、少なくとも12週間後、少なくとも16週間後、少なくとも20週間後、少なくとも24週間後、少なくとも28週間後、少なくとも30週間後、少なくとも32週間後、少なくとも36週間後、少なくとも40週間後、少なくとも44週間後、少なくとも48週間後、又は少なくとも52週間後に採取される。
【0128】
別の実施形態では、抗IL-23p19抗体は、ミリキズマブ、グセルクマブ、リサンキズマブ、チルドラキズマブ、又はブラジクマブである。
【0129】
好ましい実施形態では、抗IL-23p19抗体は、ミリキズマブである。
【0130】
本方法は、C反応性タンパク質及び糞便中カルプロテクチンを含む少なくとも1つのバイオマーカーについて、抗IL-23p19抗体治療を受けなかった潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者から得られた試料を分析することを更に含み得る。
【0131】
本方法は、C反応性タンパク質及び糞便中カルプロテクチンを含む少なくとも1つのバイオマーカーを分析することを更に含み得、抗IL-23p19抗体治療後のC反応性タンパク質及び糞便中カルプロテクチンのうちの少なくとも1つの発現レベルが、抗IL-23p19抗体を投与される患者における抗IL-23p19抗体治療前のC反応性タンパク質及び糞便中カルプロテクチンのうちの少なくとも1つの発現レベルと比較して、減少する。
【0132】
本方法は、抗IL-23p19抗体を投与されていない患者におけるC反応性タンパク質及び糞便中カルプロテクチンを含む少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルを分析することと、抗IL-23p19抗体を投与されていない患者における少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルを、抗IL-23p19抗体治療を投与された患者におけるC反応性タンパク質及び糞便中カルプロテクチンのうちの少なくとも1つの発現レベルと比較することと、抗IL-23p19抗体治療を投与された患者におけるバイオマーカーの発現レベルが、抗IL-23p19抗体治療を受けていない患者におけるバイオマーカーの発現レベルと比較して減少している場合、抗IL-23p19抗体治療を投与された患者で腸切迫感が低減されていると決定することとを、更に含み得る。
【0133】
本方法は、CXCL8、AQP9、IL1B、S100A9、TREM1、MMP12、MMP1、MMP7、TCN1、DUOX2、DUOXA2、SLC6A14、VNN1、ABCA12、REG1B、C4BPA、GUCA2B、OTOP2、AQP8、SLC26A2、ADH1C、MMP3、REG3A、DMBT1、REG1P、S100A8、IGKV2D-40、PI3、TNIP3、REG1A、IDO1、NOS2、MMP10、CXCL1、PTGS2、ABCG2、HMGCS2、TMIGD1、GUCA2A、LOC101928405、MS4A12、UGT2A3、TRPM6、NXPE4、SLC16A9、ADH1C、PCK1、CDKN2B-AS1、TMEM236、CD177P1、SLC17A4、及びZG16から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを分析することを更に含み得る。
【0134】
別の態様では、本開示は、バイオマーカーパネルに関する。バイオマーカーパネルは、C反応性タンパク質及び糞便中カルプロテクチンを含む少なくとも1つのバイオマーカーを含む。
【実施例】
【0135】
材料及び方法
研究設計及び参加者
切迫感は、多施設、無作為化、二重盲検、平行群、プラセボ対照試験の一部として評価した。試験は、14カ国の75施設で行った。患者は、2016年1月から2017年9月まで登録された。
【0136】
試験は、良好な臨床診療に関する調和国際会議(International Conference on Harmonisation、ICH)ガイドラインに準拠した。全てのインフォームドコンセント用紙及びプロトコールは、試験の開始前に好適な倫理審査委員会によって承認された。全ての患者は、試験薬を受ける前に、書面によるインフォームドコンセントを提出した。
【0137】
手順及び結果
患者は、患者が評価した腸切迫状態(腸切迫感の存在又は不在)を含む毎日の症状を電子日記で報告した。
【0138】
誘導治療は、0週目、4週目、及び8週目に、50、200、又は600mgのミリキズマブ又はPBOをIV投与することから構成された。12週目に、臨床応答(ベースラインから≧2ポイント及び≧35%を含む、9ポイントの修正Mayoスコア[直腸出血、排便回数、及び内視鏡検査]の減少、並びに≧1の直腸出血サブスコアの減少又は0若しくは1の直腸出血サブスコアのいずれか)を達成した患者は、維持期間に入るのに適格であり、患者にミリキズマブ200mgを4週間毎(Q4W)又は12週間毎(Q12W)に皮下(SC)投与するために、再無作為化された。トリートスルー(treat-through)試験設計において、試験の盲検性を維持するために、誘導期間にPBOが投与され、12週目に臨床応答を達成した患者には、PBO(SC、Q4W)を投与し続けた。維持中に、PBOへのランダム化治療中止はなかった。
【0139】
糞便中カルプロテクチンは、Buhlmann Laboratories(Schonenbuch,Switzerland)による酵素免疫アッセイを使用することによって、患者が採取した糞便試料で測定し、Covance Central Labs(Princeton,NJ)によって試験された。採取された血清試料中のCRPは、CRP HS免疫比濁アッセイ(Siemens BN II;Siemens Healthineers,Munich,Germany)を使用して、Covance Centralで測定された。
【0140】
結果
この試験の最初の転帰尺度は、患者が報告した腸切迫感状態であった。12週目及び52週目の切迫感の不在は、ベースライン時の腸切迫状態にかかわらず、各予定来診の前に日誌に記録された、連続3日間切迫感がないことの報告として定義された。腸切迫感の転帰は、事後に定義された。
【0141】
他の事前に指定された転帰尺度には、臨床的寛解(直腸出血(RB)については0、排便回数についてはベースラインから1ポイントの減少を伴う0又は1、及びセントラルリーディング内視鏡検査については0又は1のMayoサブスコア)、臨床応答(ベースラインから≧2ポイント及び≧35%を含む、9ポイントの修正Mayoスコア[直腸出血、排便回数、及び内視鏡検査]の減少、並びに≧1の直腸出血サブスコアの減少又は0若しくは1の直腸出血サブスコアのいずれか)、内視鏡的寛解(0のMayo内視鏡サブスコア)、内視鏡的治癒(0又は1の内視鏡サブスコア)、炎症性腸疾患質問票(IBDQ)におけるベースラインからの変化、糞便中カルプロテクチン(fCLP)及びC反応性タンパク質(CRP)におけるベースラインからの変化、が含まれた。排便回数の寛解及び直腸出血の寛解の転帰は、臨床的寛解の定義のそれぞれの成分から導出された。症候性応答及び寛解は、それぞれ、臨床応答及び寛解のRB成分及びSF成分からなる。分析は、ベースライン時の腸切迫状態にかかわらず、全ての患者において実施した。
【0142】
IBDQは、対象の生活の4つの側面:原発性腸障害に直接関連する症状、全身症状、感情機能、及び社会的機能を測定する32項目の対象が記入する質問票である。≧170ポイントの総IBDQスコアは、治験におけるIBDQ寛解の閾値とみなされ、臨床的に意味のある最小変化量(MCID)は、総IBDQスコアにおける≧16ポイントの改善として定義された。
【0143】
SF-36(36項目Item Short Form Health Survey version 2)は、身体機能、日常役割機能-身体(role-physical)、日常役割機能-精神(role-emotional)、体の痛み、活力、社会的機能、精神的健康、及び全体的健康感の領域における健康の簡潔で多目的な評価であるように設計された36項目の対象が記入する尺度である。精神的健康及び身体的健康の2つの包括的な領域は、精神的及び身体的成分要約スコア(それぞれ、MCS及びPCS)によって捕捉される。≧5ポイントの改善(減少)を、この治験におけるSF-36 PCS及びMCSスコアについてのMCIDとして定義した。SF-36は、UC患者で使用した場合、有効性及び信頼性が実証されている。
【0144】
統計分析
全ての無作為化された患者を含む治療意図(intention-to-treat、ITT)集団を使用して、12週目まで転帰を評価した。維持期間については、分析集団は、ITT集団のサブセットからなり、2つの維持ミリキズマブ群のうちの1つに再無作為化された患者、又は12週目に臨床応答を示した後に皮下プラセボを継続した患者が含まれた。全ての分析は、12週目の分析のための治療群にわたるITT集団の患者、及び52週目の分析のための12週目に臨床応答を経験したITT集団の患者を一緒にプールすることによって行った。
【0145】
カテゴリー転帰尺度を、モデルにおける治療群、地理的地域、以前の生物製剤経験(以前の生物製剤経験対以前の生物製剤ナイーブ)、及び来院(該当する場合)によるロジスティック回帰分析を使用して分析した。治療、来院、地理的地域、以前の生物製剤経験、治療対来院の相互作用、並びにモデルに含まれるベースライン値及びベースライン値対来院の相互作用項の連続固定共変量を用いた混合効果モデル反復測定(MMRM)技術を使用して、連続エンドポイントを分析した。12週目(誘導)又は52週目(維持)の内視鏡評価を受ける前に試験を中止した患者については、非応答者インピュテーション(NRI)を利用した。
【0146】
共分散分析(ANCOVA)モデルを使用して、各QOL尺度(IBDQ及びSF-36)についてのベースラインから12週目までの変化、及び腸切迫状態に対するバイオマーカー値のベースラインからの変化を、地理的地域、以前の生物製剤経験、年齢、性別、及びモデルに含まれるQoL尺度のベースライン値と比較した。次いで、IBDQ及びSF-36について、モデルに直腸出血及び排便回数を更に含めて分析を繰り返し、このモデルからIII型二乗偏相関係数を計算して、各症状をモデルに加えることによって得られたQoLの変動の割合を比較した。これは、カテゴリー変数及び連続変数の両方について不変であった。
【0147】
同様のモデルを使用して、臨床応答を示し、維持期間まで継続するITT集団のうち、ベースラインから52週目までの変化を調べた。最小二乗平均のためのIII型検定を、治療群間の統計的比較のために使用した。切迫感のデータがない患者(12週目n=9、52週目n=6)は、切迫感を経験した患者として補完した。ベースライン値による欠測値の補完(modified baseline observation carried forward、mBOCF)を使用して、欠損したQoL値を補完し、AEのために中止した患者については、ベースライン観察を評価のために対応するエンドポイントに繰越した。任意の他の理由で中止した患者については、評価のために、中止前の最後の欠損していないベースライン後の観察を対応するエンドポイントに繰越した。
【0148】
ロジスティック回帰モデルを使用して、臨床的寛解、応答、又はMayo寛解の個々の成分の達成と、12週目及び52週目における切迫感の不在又は存在との間の関連性を、地理的地域、以前の生物製剤経験、年齢、及び性別をモデルに含めて評価した。
【0149】
切迫感の不在の達成と他の症状(SF及びRB)の改善との間の関連性を更に評価するために、本発明者らは、Kaplan-Meier曲線及びログランク検定を使用して、ベースライン時、並びに4週目、8週目、及び12週目に切迫感がある患者と切迫感がない患者との間で、症候性寛解及び応答までの時間を比較した。
【0150】
本研究は、ClinicalTrials.gov、番号NCT02589665に登録された。
【0151】
結果
ベースライン人口統計及び疾患特性
ベースライン人口統計及び疾患特性を、12週目及び52週目における腸切迫状態別によってグループ分けし、ベースライン時の切迫状態にかかわらず全ての患者を含めた。腸切迫感は、ベースライン時、249人のうち27人(10.8%)の患者に存在しなかった。一般に、排便回数、直腸出血、及び内視鏡検査のMayoスコア成分を含むベースライン特性は、12週目及び52週目に切迫感の不在及び存在の両方の患者で同様であった。12週目に切迫感がなかった患者は、より低い平均疾患期間(切迫感なし6.9±5.7年、切迫感あり9.0±9.1年、p<0.05)、より高い平均ベースラインSF-36 PCS及び総IBDQスコア(SF-36 PSC:切迫感なし43.9±6.8、切迫感あり40.8±7.3、IBDQ:切迫感なし133.6±33.7切迫感あり121.5±30.2、両方ともp<0.05))を有し、12週目に切迫感を有する患者と比較して、ベースライン時に切迫感を有する可能性が低かった(切迫感なし:BLで79%切迫感、切迫感の存在:BLで95%切迫感、p<0.05)。52週目に切迫感の不在を達成した患者は、52週目に切迫感を有する患者と比較して、ベースライン時に、平均体重がより低く(切迫感なし71.3±16.6kg、切迫感あり78.7±18.5kg、p<0.05)、平均総IBDQスコアがより高かった(切迫感なし128.9±30.3、切迫感あり115.7±28.0、p<0.05)(表1)。
【0152】
【0153】
IBDQ
総IBDQスコア及び総IBDQスコアにおけるベースラインからの変化率(%ΔBL)は、12週目に切迫感の不在を達成した患者では、切迫感があった患者と比較して有意に大きかった。同様のパターンが、4つのIBDQサブスコアについて観察され、これは、BLからの変化率(%ΔBL)に相当し、切迫感がない患者では、切迫感がある患者と比較して2倍超大きかった。IBDQスコアにおけるこれらの差は、RB及びSFについて調整した場合も非常に有意なままであった。これは、腸切迫感が、疾患活動性とは無関係に、IBDに関連する生活の質と有意に関連していることを示す(表2)。
【0154】
【0155】
SF-36
IBDQスコアと同様に、SF-36精神的成分スコア(MCS)及び身体的成分スコア(PCS)、並びにMCS及びPCSの両方における%ΔBLは、12週目に切迫感がない患者において有意に高かった。しかしながら、これらのスコアをRB及びSFについて調整すると、52週目のPCSのみが、切迫感のない患者において有意に高かった(表2)。
【0156】
12週目の切迫感、RB、及びSFと、IBDQとの間の相関
QoLにおける分散に対する各症状の寄与を比較するために、ベースラインIBDQスコア、並びに12週目の切迫感状態、RBサブスコア、及びSFサブスコア(
図1)を含むANCOVAモデルを使用して、12週目のIBDQ及び症状成分(RB、SF、切迫感の不在)について、III型二乗偏相関係数を計算した。予想通り、BL IBDQスコアは、12週目の総IBDQスコアと最も密接に相関していた。3つの症状のうち、RBはIBDQと最も密接に相関しており、部分R2値は精神機能についての0.101から腸症状についての0.218までの範囲であった。RBのものよりも低いが、腸切迫感の不在についての部分R2値は、腸症状を除く全てのカテゴリーにおいてSFのものよりも高く、ここで部分R2の大きさは同様であった。これは、腸切迫感が、IBDQの改善に対してSFと同じくらい重要な寄与因子であったことを示唆している。
【0157】
炎症性バイオマーカー
12週目に、切迫感のない患者は、切迫感のある患者と比較して、CRP及びfCLPの両方において有意に大きいΔBLを有した(CRP:切迫感なし-7.34±1.57;切迫感あり-3.06±1.49、p=0.025;fCLP:切迫感なし-1614.07±415.54;切迫感あり-109.24±388.35、p=0.003)。52週目では、切迫感のある患者間又は切迫感のない患者間で、CRP又はfCLPのΔBLに統計的有意差はなかったが、CRP及びfCLPのレベルは、12週目から52週目まで減少し続けた(表3、
図2)。
【0158】
【0159】
臨床転帰(12週目)
12週目では、切迫感のない患者は、切迫感のある患者と比較して、調べた全ての臨床転帰において有意に高い改善率を有した(表4)(臨床的寛解:91人中22人[24.2%]の切迫感のない患者に対して、158人中12人[7.6%]の切迫感のある患者[p=0.0019]、臨床的応答:91人中64人[70.3%]の切迫感のない患者に対して、158人中42人[26.6%]の切迫感のある患者[p<0.0001]、排便回数の寛解:91人中62人[68.1%]の切迫感がない患者に対して、158人中48人[30.4%]の切迫感がある患者[p<0.0001]、直腸出血の寛解:91人中74人[81.3%]の切迫感のない患者に対して、158人中57人[36.1%]の切迫感のある患者[p<0.0001]、内視鏡的治癒:91人中29人[31.9%]の切迫感がない患者に対して、158人中17人[10.8%]の切迫感がある患者[p=0.0004])。12週目に臨床的寛解を達成した患者のうち35%が、依然として切迫感を経験していたが、内視鏡的治癒を達成した患者の37%は、依然として切迫感を経験していた。
【0160】
【0161】
52週目の臨床転帰
同様に、52週目の切迫感の不在は、52週目に調べた全ての臨床転帰における有意に高い改善率と関連していた(表4)。(臨床的寛解:66人中35人[53.0%]の切迫感のない患者、40人中5人[12.5%]の切迫感のある患者[p<0.0001];臨床的応答:66人中62人[93.9%]の切迫感のない患者、40人中19人[47.5%]の切迫感のある患者[p<0.0001];排便回数の寛解:66人中60人[90.9%]の切迫感がない患者、40人中16人[40.0%]の切迫感がある患者[p<0.0001];直腸出血の寛解:66人中59人[89.4%]の切迫感がない患者、40人中22人[55.0%]の切迫感がある患者[p=0.0004];内視鏡的治癒:66人中40人[60.6%]の切迫感のない患者、40人中11人[27.5%]の切迫感のある患者[p=0.0005])。52週目では、依然として切迫感を経験していた臨床的寛解の患者の割合は5%に減少したが、依然として切迫感を経験していた内視鏡的治癒の患者は22%に減少した。
【0162】
腸切迫感と症候性応答又は寛解までの時間との間の関連性
Kaplan-Meier分析では、ベースライン時に切迫感の不在を報告する患者、又は4週目、8週目、若しくは12週目に切迫感の不在を達成した患者は、それらの時点で腸切迫感を依然として経験している患者よりも、症候性寛解までの時間が早いことが示された(
図3a)。同様に、4週目、8週目、又は12週目に切迫感の不在を達成した患者は、切迫感がある患者よりも症候性応答までの時間が早かった(
図3b)。
【0163】
考察
UCを有する患者におけるミリキズマブの第2相試験の結果のこの分析において、本発明者らは、腸切迫感の不在が、QoL尺度の改善、炎症バイオマーカーのレベルの減少、及び臨床転帰の改善と関連することを示す。疾患活動性(例えば、排便回数及び直腸出血)について調整した場合、この関連性は、全てのIBDQサブカテゴリーについて強いままであり、これが腸切迫感の独立した効果であることを示している。これはSF-36の場合には当てはまらなかったが、SF-36は、一般的な生活の質調査であり、したがって、腸切迫感に直接対処できない可能性が最も高い。一方、IBDQは、IBDに特異的である。IBDQサブカテゴリーの中で、切迫感の不在は、12週目の腸症状の改善、続いて社会的機能の改善と最も強く相関していた。一方、52週目の切迫感の不在は、腸症状の改善、続いて全身症状の改善と最も強く相関していた。切迫感の不在は、測定された全ての臨床転帰と強く関連していた。注目すべきことに、52週目では、臨床的寛解にある患者のうちの5%のみが切迫感を報告した。
【0164】
切迫感の不在は、ミリキズマブによる誘導治療の12週間後の、CRP及びfCLPの両方のレベルの減少と強く関連していた。これは、切迫感の不在に関連する結腸炎症の減少を示唆している。52週目までミリキズマブを受けた全ての患者の誘導応答者サブグループの中で、バイオマーカーのレベルは、52週目まで切迫感のある患者及び切迫感のない患者の両方で減少し続け、12週目の応答者集団では、切迫感があるにもかかわらず、炎症が経時的に低下するが、より大きな初期の低下は切迫感の不在に関連することを実証した。腸切迫感の予測不可能かつ制御不可能な性質は、UCを有する患者に多大な不安、パニック、及びストレスをもたらす可能性があり、炎症とは無関係に、不安と腸切迫感(例えば、切迫感関連「PTSD」)との間には関連性があり得る。
【0165】
12週目に切迫感の不在を達成した患者は、12週目に切迫感のある患者と比較して、疾患期間が有意により短く、ベースライン総IBDQスコアがより高く、並びにベースライン時に切迫感がない患者の割合がより高かった。疾患期間もベースライン時の腸切迫感の存在も、52週目に切迫感の不在を達成した患者と達成しなかった患者との間で有意な差はなかった。したがって、IBDQによって測定される疾患期間のより高いQoLは、治療で誘発される腸切迫感の迅速な解消の早期指標であり得るが、必ずしも長期応答を示すものではない。興味深いことに、Mayoスコア成分によって測定される疾患活動性は、切迫感のある患者又は切迫感のない患者においてベースラインでは有意な差はなかった。
【0166】
腸切迫感の存在は、患者の生活の質に重大な影響を及ぼし、身体的及び社会的活動への参加を制限し、職場へ往復する能力に影響し、重大なストレス、不安、社会的孤立感、及び不名誉をもたらすことが以前に報告されている。全てのIBDQドメインスコアが、疾患活動性について調整した後でも、切迫感のある患者と比較して、切迫感のない患者において有意に改善されたという知見は、これらの以前の研究と一致し、更にこれを支持する。これは、腸切迫感がUC患者の生活の質に及ぼす強い影響を実証し、腸切迫感の不在がQoL尺度の大まかな代用として使用され得ることを示唆している。
【0167】
所与の臨床転帰を達成する患者の割合は、評価された全ての臨床転帰について、患者における切迫感の不在と強く関連していた。しかしながら、臨床的寛解又は内視鏡的治癒(したがって、直腸出血がなく、排便回数が正常)を有する多くの患者は、依然として腸切迫感を経験しており、この関連性が、疾患活動性を評価するための標準的な方法とは無関係であることを示している。更に、本発明者らの分析は、腸切迫感のより早期の解消が、症候性応答及び寛解までの時間がより短いことに関連していることを示す(
図3)。切迫感の改善と迅速な治療応答との関連性、並びに切迫感の改善と炎症マーカーの変化との関連性を考慮すると、臨床医は、予想される治療応答の迅速性について患者に伝えるための代用マーカーとして、直腸出血や排便回数とともに、腸切迫感を使用することができる可能性がある。
【0168】
腸切迫感に関して医療提供者と患者との間にコミュニケーションギャップが残っているが、この研究は、臨床的観点から腸切迫感の重要性を強調している。患者にとって腸切迫感が重要であるため、IBD患者の臨床評価に腸切迫感を含めることが推奨され、治療計画に含めることが検討されている。最近のACGガイドラインは、UCの初期治療は正常な排便回数の回復、並びに出血及び切迫感の主要症状の制御に焦点を当てるべきであると述べている。本発明者らが観察した腸切迫状態と生活の質及び臨床転帰の両方との間の高い相関は、臨床現場で腸切迫感を評価することの重要性、及び治療目標として腸切迫感の解消を含めることの重要性を支持する。
【0169】
上記を考慮すると、本開示のいくつかの利点が達成され、その他の有利な結果が得られることが分かるであろう。本開示の範囲から逸脱することなく、上記の方法において様々な変更を行い得るので、上記の説明に含まれ、添付の図面に示される全ての事項は、例示的なものとして解釈されるべきであり、限定的な意味で解釈されるべきではないことが意図される。
【0170】
本開示又はその様々なバージョン、実施形態若しくは態様の要素を導入する場合、冠詞「a」、「an」、「the」及び「said」は、1つ以上の要素が存在することを意味することが意図されている。「備える(comprising)」、「含む(including)」及び「有する(having)」という用語は、包括的であることが意図されており、列挙された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味する。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
潰瘍性大腸炎を有する患者における腸切迫感の治療に使用するための、IL-23p19抗体を含む組成物であって、前記治療が、前記患者から第1の試料を得ることと、前記第1の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び胎児カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、前記抗IL-23p19抗体を、前記患者に投与することと、前記患者から第2の試料を得ることと、前記第2の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び胎児カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、を含み、前記第1の試料において検出された前記少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルからの、前記第2の試料において検出された前記少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルの変化が、前記抗IL-23p19抗体に対する応答を示す、組成物。
【請求項2】
前記試料が、全血、血漿、血清、組織生検、糞便試料、及びそれらの組み合わせである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記試料が、血清試料と糞便試料との組み合わせであり、CRPが、前記血清試料中で検出され、fCLPが、前記糞便試料中で検出される、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
CRPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出され、fCLPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫比濁アッセイ、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出される、請求項2~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
CRPが、CRP HS免疫比濁アッセイによって血清試料中で検出され、fCLPが、ELISAによって糞便試料中で検出される、請求項2~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記第1の試料が、前記抗IL-23p19抗体の投与の前に又はそれと同時に採取され、前記第2の試料が、前記抗IL-23p19抗体の最初の投与の少なくとも2週間後、少なくとも4週間後、少なくとも8週間後、少なくとも12週間後、少なくとも16週間後、少なくとも20週間後、少なくとも24週間後、少なくとも28週間後、少なくとも30週間後、少なくとも32週間後、少なくとも36週間後、少なくとも40週間後、少なくとも44週間後、少なくとも48週間後、又は少なくとも52週間後に採取される、請求項2~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブ、グセルクマブ、リサンキズマブ、チルドラキズマブ、又はブラジクマブである、請求項2~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブである、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記治療が、
a)3回の誘導用量のミリキズマブを4週間間隔で静脈内注入によって前記患者に投与することであって、各誘導用量が、300mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)維持用量のミリキズマブを4週間又は12週間間隔で皮下注射によって前記患者に投与することであって、最初の維持用量が、前記最後の誘導用量が投与された2~8週間後に投与され、各維持用量が、200mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記最初の維持用量が、前記最後の誘導用量が投与された4~6週間後に投与される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
その後の維持用量のミリキズマブが、前記最初の維持用量の投与後、4週間間隔で投与される、請求項9又は10に記載の組成物。
【請求項12】
その後の維持用量のミリキズマブが、前記最初の維持用量の投与後、12週間間隔で投与される、請求項9又は10に記載の組成物。
【請求項13】
C反応性タンパク質(CRP)、胎児カルプロテクチン(fCLP)、CXCL8、AQP9、IL1B、S100A9、TREM1、MMP12、MMP1、MMP7、TCN1、DUOX2、DUOXA2、SLC6A14、VNN1、ABCA12、REG1B、C4BPA、GUCA2B、OTOP2、AQP8、SLC26A2、ADH1C、MMP3、REG3A、DMBT1、REG1P、S100A8、IGKV2D-40、PI3、TNIP3、REG1A、IDO1、NOS2、MMP10、CXCL1、PTGS2、ABCG2、HMGCS2、TMIGD1、GUCA2A、LOC101928405、MS4A12、UGT2A3、TRPM6、NXPE4、SLC16A9、ADH1C、PCK1、CDKN2B-AS1、TMEM236、CD177P1、SLC17A4、及びZG16から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを含む、バイオマーカーパネル。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0169
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0169】
本開示又はその様々なバージョン、実施形態若しくは態様の要素を導入する場合、冠詞「a」、「an」、「the」及び「said」は、1つ以上の要素が存在することを意味することが意図されている。「備える(comprising)」、「含む(including)」及び「有する(having)」という用語は、包括的であることが意図されており、列挙された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味する。
本発明の様々な実施形態を以下に示す。
1.潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法であって、前記方法が、前記患者から第1の試料を得ることと、前記第1の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、抗IL-23p19抗体を、前記患者に投与することと、前記患者から第2の試料を得ることと、前記第2の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、を含み、前記第1の試料において検出された前記少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルからの、前記第2の試料において検出された前記少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルの変化が、前記抗IL-23p19抗体に対する応答を示す、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
2.前記試料が、全血、血漿、血清、組織生検、糞便試料、及びそれらの組み合わせである、上記1に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
3.前記試料が、血清試料と糞便試料との組み合わせであり、CRPが、前記血清試料中で検出され、fCLPが、前記糞便試料中で検出される、上記2に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
4.CRPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出され、fCLPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫比濁アッセイ、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出される、上記1~3のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
5.CRPが、CRP HS免疫比濁アッセイによって血清試料中で検出され、fCLPが、ELISAによって糞便試料中で検出される、上記1~4のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
6.前記第1の試料が、前記抗IL-23p19抗体の投与の前に又はそれと同時に採取され、前記第2の試料が、前記抗IL-23p19抗体の最初の投与の少なくとも2週間後、少なくとも4週間後、少なくとも8週間後、少なくとも12週間後、少なくとも16週間後、少なくとも20週間後、少なくとも24週間後、少なくとも28週間後、少なくとも30週間後、少なくとも32週間後、少なくとも36週間後、少なくとも40週間後、少なくとも44週間後、少なくとも48週間後、又は少なくとも52週間後に採取される、上記1~5のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
7.前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブ、グセルクマブ、リサンキズマブ、チルドラキズマブ、又はブラジクマブである、上記1~6のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
8.前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブである、上記7に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
9.前記患者にミリキズマブを投与することが、
a)少なくとも1回の誘導用量のミリキズマブを前記患者に投与することであって、前記誘導用量が、50mg~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)最後の誘導用量が投与された後、少なくとも1回の維持用量のミリキズマブを前記患者に投与することであって、前記維持用量が、150~400mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む、上記8に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
10.前記誘導用量のミリキズマブが、約12週間、約4週間毎に投与される、上記9に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有する疑いのある患者における腸切迫感を治療する方法。
11.前記誘導用量のミリキズマブが、静脈内投与される、上記9又は10に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
12.前記少なくとも1回の維持用量が、皮下投与される、上記9~11のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
13.前記方法が、
a)3回の誘導用量のミリキズマブを4週間間隔で静脈内注入によって前記患者に投与することであって、各誘導用量が、300mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)維持用量のミリキズマブを4週間又は12週間間隔で皮下注射によって前記患者に投与することであって、最初の維持用量が、最後の誘導用量が投与された2~8週間後に投与され、各維持用量が、200mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む、上記9~12のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
14.前記最初の維持用量が、前記最後の誘導用量が投与された4~6週間後に投与される、上記13に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
15.その後の維持用量のミリキズマブが、前記最初の維持用量の投与後、4週間間隔で投与される、上記13又は14に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
16.その後の維持用量のミリキズマブが、前記最初の維持用量の投与後、12週間間隔で投与される、上記13又は14に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
17.前記抗IL-23p19抗体が、グセルクマブである、上記7に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
18.前記方法が、
a)3回の誘導用量のグセルクマブを4週間間隔で静脈内注入によって前記患者に投与することであって、各誘導用量が、100~500mgのグセルクマブを含む、投与することと、
b)維持用量のグセルクマブを2週間間隔、4週間間隔、6週間間隔、8週間間隔、又は12週間間隔で皮下注射によって前記患者に投与することであって、最初の維持用量が、最後の誘導用量が投与された2~8週間後に投与される、投与することと、を含む、上記17に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
19.各誘導用量が、200mgのグセルクマブを含む、上記18に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
20.各誘導用量が、400mgのグセルクマブを含む、上記18に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
21.前記抗IL-23p19抗体が、リサンキズマブである、上記7に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
22.前記抗IL-23p19抗体が、チルドラキズマブである、上記7に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
23.前記抗IL-23p19抗体が、ブラジクマブである、上記7に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
24.潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者を腸切迫感に対する抗IL-23p19抗体治療を受けるための候補患者として特定する方法であって、前記方法が、前記患者から試料を得ることと、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーについて前記試料を分析することと、前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記分析に基づいて、前記患者を腸切迫感に対する前記抗IL-23p19抗体治療を受けるための候補患者として特定することと、を含む、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者を腸切迫感に対する抗IL-23p19抗体治療を受けるための候補患者として特定する方法。
25.前記試料が、全血、血漿、血清、組織生検、糞便試料、及びそれらの組み合わせである、上記24に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者を腸切迫感に対する抗IL-23p19抗体治療を受けるための候補患者として特定する方法。
26.前記試料が、血清試料と糞便試料との組み合わせであり、CRPが、前記血清試料中で検出され、fCLPが、前記糞便試料中で検出される、上記25に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者を腸切迫感に対する抗IL-23p19抗体治療を受けるための候補患者として特定する方法。
27.CRPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出され、fCLPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫比濁アッセイ、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出される、上記24~26のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者を腸切迫感に対する抗IL-23p19抗体治療を受けるための候補患者として特定する方法。
28.CRPが、CRP HS免疫比濁アッセイによって血清試料中で検出され、fCLPが、ELISAによって糞便試料中で検出される、上記24~27のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者を腸切迫感に対する抗IL-23p19抗体治療を受けるための候補患者として特定する方法。
29.前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブ、グセルクマブ、リサンキズマブ、チルドラキズマブ、又はブラジクマブである、上記24~28のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者を腸切迫感に対する抗IL-23p19抗体治療を受けるための候補患者として特定する方法。
30.前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブである、上記29に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者を腸切迫感に対する抗IL-23p19抗体治療を受けるための候補患者として特定する方法。
31.潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感のリスクを特定するための方法であって、前記方法が、(a)前記患者から得られた試料中のC反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルを決定することと、(b)前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記決定された発現レベルを、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーの参照発現レベルと比較することと、(c)前記患者における前記バイオマーカーの発現レベルが、前記参照発現レベルと比較して変化している場合、前記患者が腸切迫感のリスクがあると特定することと、を含む、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感のリスクを特定するための方法。
32.前記試料が、全血、血漿、血清、組織生検、糞便試料、及びそれらの組み合わせである、上記31に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感のリスクを特定するための方法。
33.前記試料が、血清試料と糞便試料との組み合わせであり、CRPが、前記血清試料中で検出され、fCLPが、前記糞便試料中で検出される、上記32に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感のリスクを特定するための方法。
34.CRPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出され、fCLPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫比濁アッセイ、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出される、上記31~33のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感のリスクを特定するための方法。
35.CRPが、CRP HS免疫比濁アッセイによって血清試料中で検出され、fCLPが、ELISAによって糞便試料中で検出される、上記31~34のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感のリスクを特定するための方法。
36.潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法であって、前記方法が、前記患者から第1の試料を得ることと、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーについて前記試料を分析することと、抗IL-23p19抗体を、前記患者に投与することと、前記患者から第2の試料を得ることと、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーについて前記第2の試料を分析することと、を含み、前記少なくとも1つのバイオマーカーの変化が、腸切迫感の低減を示す、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
37.前記試料が、全血、血漿、血清、組織生検、糞便試料、及びそれらの組み合わせである、上記36に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
38.前記試料が、血清試料と糞便試料との組み合わせであり、CRPが、前記血清試料中で検出され、fCLPが、前記糞便試料中で検出される、上記37に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
39.CRPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出され、fCLPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫比濁アッセイ、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出される、上記36~38のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
40.CRPが、CRP HS免疫比濁アッセイによって血清試料中で検出され、fCLPが、ELISAによって糞便試料中で検出される、上記36~39のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
41.前記第1の試料が、前記抗IL-23p19抗体の投与の前に又はそれと同時に採取され、前記第2の試料が、前記抗IL-23p19抗体の最初の投与の少なくとも2週間後、少なくとも4週間後、少なくとも8週間後、少なくとも12週間後、少なくとも16週間後、少なくとも20週間後、少なくとも24週間後、少なくとも28週間後、少なくとも30週間後、少なくとも32週間後、少なくとも36週間後、少なくとも40週間後、少なくとも44週間後、少なくとも48週間後、又は少なくとも52週間後に採取される、上記36~40のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
42.前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブ、グセルクマブ、リサンキズマブ、チルドラキズマブ、又はブラジクマブである、上記36~41のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
43.前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブである、上記42に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
44.前記患者にミリキズマブを投与することが、
a)少なくとも1回の誘導用量のミリキズマブを前記患者に投与することであって、前記誘導用量が、50mg~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)最後の誘導用量が投与された後、少なくとも1回の維持用量のミリキズマブを前記患者に投与することであって、前記維持用量が、150~400mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む、上記43に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
45.前記誘導用量のミリキズマブが、約12週間、約4週間毎に投与される、上記44に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有する疑いのある患者における腸切迫感を低減する方法。
46.前記誘導用量のミリキズマブが、静脈内投与される、上記44又は45に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
47.前記少なくとも1回の維持用量が、皮下投与される、上記44~46のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
48.前記方法が、
a)3回の誘導用量のミリキズマブを4週間間隔で静脈内注入によって前記患者に投与することであって、各誘導用量が、300mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)維持用量のミリキズマブを4週間又は12週間間隔で皮下注射によって前記患者に投与することであって、最初の維持用量が、最後の誘導用量が投与された2~8週間後に投与され、各維持用量が、200mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む、上記44~47のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
49.前記最初の維持用量が、前記最後の誘導用量が投与された4~6週間後に投与される、上記48に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
50.その後の維持用量のミリキズマブが、前記最初の維持用量の投与後、4週間間隔で投与される、上記48又は49に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
51.その後の維持用量のミリキズマブが、前記最初の維持用量の投与後、12週間間隔で投与される、上記48又は49に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
52.前記抗IL-23p19抗体が、グセルクマブである、上記42に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
53.前記方法が、
a)3回の誘導用量のグセルクマブを4週間間隔で静脈内注入によって前記患者に投与することであって、各誘導用量が、100~500mgのグセルクマブを含む、投与することと、
b)維持用量のグセルクマブを2週間間隔、4週間間隔、6週間間隔、8週間間隔又は12週間間隔で皮下注射によって前記患者に投与することであって、前記最初の維持用量が、前記最後の誘導用量が投与された2~8週間後に投与される、投与することと、を含む、上記52に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
54.各誘導用量が、200mgのグセルクマブを含む、上記53に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
55.各誘導用量が、400mgのグセルクマブを含む、上記53に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
56.前記抗IL-23p19抗体が、リサンキズマブである、上記42に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
57.前記抗IL-23p19抗体が、チルドラキズマブである、上記42に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
58.前記抗IL-23p19抗体が、ブラジクマブである、上記42に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
59.抗IL-23p19抗体治療に応答して、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感が低減されているかどうかを決定する方法であって、前記方法が、前記患者が抗IL-23p19抗体治療を受ける前に、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)を含む少なくとも1つのバイオマーカーについて患者から得られた試料を分析することと、前記患者が前記抗IL-23p19抗体治療を受けた後に、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)を含む少なくとも1つのバイオマーカーについて患者から得られた試料を分析することと、前記患者が前記抗IL-23p19抗体治療を受けた後に、前記少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルの変化が検出された場合、前記抗IL-23p19抗体治療に応答して、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる前記患者における前記腸切迫感が低減されていると決定することと、を含む、抗IL-23p19抗体治療に応答して、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感が低減されているかどうかを決定する方法。
60.前記試料が、全血、血漿、血清、組織生検、糞便試料、及びそれらの組み合わせである、上記59に記載の、抗IL-23p19抗体治療に応答して、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感が低減されているかどうかを決定する方法。
61.CRPが、前記血清試料中で検出され、fCLPが、前記糞便試料中で検出される、上記59又は60に記載の、抗IL-23p19抗体治療に応答して、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感が低減されているかどうかを決定する方法。
62.CRPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出され、fCLPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫比濁アッセイ、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出される、上記59~61のいずれかに記載の、抗IL-23p19抗体治療に応答して、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感が低減されているかどうかを決定する方法。
63.CRPが、CRP HS免疫比濁アッセイによって血清試料中で検出され、fCLPが、ELISAによって糞便試料中で検出される、上記59~62のいずれかに記載の、抗IL-23p19抗体治療に応答して、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感が低減されているかどうかを決定する方法。
64.前記第1の試料が、前記抗IL-23p19抗体の投与の前に又はそれと同時に採取され、前記第2の試料が、前記抗IL-23p19抗体の最初の投与の少なくとも2週間後、少なくとも4週間後、少なくとも8週間後、少なくとも12週間後、少なくとも16週間後、少なくとも20週間後、少なくとも24週間後、少なくとも28週間後、少なくとも30週間後、少なくとも32週間後、少なくとも36週間後、少なくとも40週間後、少なくとも44週間後、少なくとも48週間後、又は少なくとも52週間後に採取される、上記59~63のいずれかに記載の、抗IL-23p19抗体治療に応答して、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感が低減されているかどうかを決定する方法。
65.前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブ、グセルクマブ、リサンキズマブ、チルドラキズマブ、又はブラジクマブである、上記59~64のいずれかに記載の、抗IL-23p19抗体治療に応答して、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感が低減されているかどうかを決定する方法。
66.前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブである、上記65に記載の、抗IL-23p19抗体治療に応答して、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感が低減されているかどうかを決定する方法。
67.潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体であって、前記治療が、前記患者から第1の試料を得ることと、前記第1の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、抗IL-23p19抗体を、前記患者に投与することと、前記患者から第2の試料を得ることと、前記第2の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、を含み、前記第1の試料において検出された前記少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルからの、前記第2の試料において検出された前記少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルの変化が、前記抗IL-23p19抗体に対する応答を示す、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
68.前記試料が、全血、血漿、血清、組織生検、糞便試料、及びそれらの組み合わせである、上記67に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
69.前記試料が、血清試料と糞便試料との組み合わせであり、CRPが、前記血清試料中で検出され、fCLPが、前記糞便試料中で検出される、上記68に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
70.CRPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出され、fCLPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫比濁アッセイ、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出される、上記68~70のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
71.CRPが、CRP HS免疫比濁アッセイによって血清試料中で検出され、fCLPが、ELISAによって糞便試料中で検出される、上記68~70のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
72.前記第1の試料が、前記抗IL-23p19抗体の投与の前に又はそれと同時に採取され、前記第2の試料が、前記抗IL-23p19抗体の最初の投与の少なくとも2週間後、少なくとも4週間後、少なくとも8週間後、少なくとも12週間後、少なくとも16週間後、少なくとも20週間後、少なくとも24週間後、少なくとも28週間後、少なくとも30週間後、少なくとも32週間後、少なくとも36週間後、少なくとも40週間後、少なくとも44週間後、少なくとも48週間後、又は少なくとも52週間後に採取される、上記68~71のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
73.前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブ、グセルクマブ、リサンキズマブ、チルドラキズマブ、又はブラジクマブである、上記68~72のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
74.前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブである、上記73に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
75.前記患者にミリキズマブを投与することが、
a)少なくとも1回の誘導用量のミリキズマブを前記患者に投与することであって、前記誘導用量が、50mg~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)最後の誘導用量が投与された後、少なくとも1回の維持用量のミリキズマブを前記患者に投与することであって、前記維持用量が、150~400mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む、上記74に記載の潰瘍性結腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
76.前記誘導用量のミリキズマブが、約12週間、約4週間毎に投与される、上記75に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
77.前記誘導用量のミリキズマブが、静脈内投与される、上記75又は76に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
78.前記少なくとも1回の維持用量が、皮下投与される、上記75~77のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
79.前記方法が、
a)3回の誘導用量のミリキズマブを4週間間隔で静脈内注入によって前記患者に投与することであって、各誘導用量が、300mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)維持用量のミリキズマブを4週間又は12週間間隔で皮下注射によって前記患者に投与することであって、最初の維持用量が、最後の誘導用量が投与された2~8週間後に投与され、各維持用量が、200mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む、上記75~78のいずれかに記載の潰瘍性結腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
80.前記最初の維持用量が、前記最後の誘導用量が投与された4~6週間後に投与される、上記79に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
81.その後の維持用量のミリキズマブが、前記最初の維持用量の投与後、4週間間隔で投与される、上記79又は80に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
82.その後の維持用量のミリキズマブが、前記最初の維持用量の投与後、12週間間隔で投与される、上記79又は80に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
83.前記抗IL-23p19抗体が、グセルクマブである、上記73に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
84.前記方法が、
a)3回の誘導用量のグセルクマブを4週間間隔で静脈内注入によって前記患者に投与することであって、各誘導用量が、100~500mgのグセルクマブを含む、投与することと、
b)維持用量のグセルクマブを2週間間隔、4週間間隔、6週間間隔、8週間間隔又は12週間間隔で皮下注射によって前記患者に投与することであって、最初の維持用量が、最後の誘導用量が投与された2~8週間後に投与される、投与することと、を含む、上記83に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
85.各誘導用量が、200mgのグセルクマブを含む、上記84に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
86.各誘導用量が、400mgのグセルクマブを含む、上記84に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
87.前記抗IL-23p19抗体が、リサンキズマブである、上記73に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
88.前記抗IL-23p19抗体が、チルドラキズマブである、上記73に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
89.前記抗IL-23p19抗体が、ブラジクマブである、上記73に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
90.潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体であって、治療が、前記患者から第1の試料を得ることと、前記第1の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、抗IL-23p19抗体を、前記患者に投与することと、前記患者から第2の試料を得ることと、前記第2の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、を含み、前記第1の試料において検出された前記少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルからの、前記第2の試料において検出された前記少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルの変化が、前記抗IL-23p19抗体に対する応答を示す、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
91.前記試料が、全血、血漿、血清、組織生検、糞便試料、及びそれらの組み合わせである、上記90に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
92.前記試料が、血清試料と糞便試料との組み合わせであり、CRPが、前記血清試料中で検出され、fCLPが、前記糞便試料中で検出される、上記91に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
93.CRPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出され、fCLPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫比濁アッセイ、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出される、上記90~92のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
94.CRPが、CRP HS免疫比濁アッセイによって血清試料中で検出され、fCLPが、ELISAによって糞便試料中で検出される、上記90~93のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
95.前記第1の試料が、前記抗IL-23p19抗体の投与の前に又はそれと同時に採取され、前記第2の試料が、前記抗IL-23p19抗体の最初の投与の少なくとも2週間後、少なくとも4週間後、少なくとも8週間後、少なくとも12週間後、少なくとも16週間後、少なくとも20週間後、少なくとも24週間後、少なくとも28週間後、少なくとも30週間後、少なくとも32週間後、少なくとも36週間後、少なくとも40週間後、少なくとも44週間後、少なくとも48週間後、又は少なくとも52週間後に採取される、上記90~94のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
96.前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブ、グセルクマブ、リサンキズマブ、チルドラキズマブ、又はブラジクマブである、上記90~95のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
97.前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブである、上記96に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
98.前記患者にミリキズマブを投与することが、
a)少なくとも1回の誘導用量のミリキズマブを前記患者に投与することであって、前記誘導用量が、50mg~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)最後の誘導用量が投与された後、少なくとも1回の維持用量のミリキズマブを前記患者に投与することであって、前記維持用量が、150~400mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む、上記97に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
99.前記誘導用量のミリキズマブが、約12週間、約4週間毎に投与される、上記98に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
100.前記誘導用量のミリキズマブが、静脈内投与される、上記98又は99に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
101.前記少なくとも1回の維持用量が、皮下投与される、上記98~100のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
102.前記方法が、
a)3回の誘導用量のミリキズマブを4週間間隔で静脈内注入によって前記患者に投与することであって、各誘導用量が、300mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)維持用量のミリキズマブを4週間又は12週間間隔で皮下注射によって前記患者に投与することであって、最初の維持用量が、最後の誘導用量が投与された2~8週間後に投与され、各維持用量が、200mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む、上記98~101のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
103.前記最初の維持用量が、前記最後の誘導用量が投与された4~6週間後に投与される、上記102に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
104.その後の維持用量のミリキズマブが、前記最初の維持用量の投与後、4週間間隔で投与される、上記102又は103に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
105.その後の維持用量のミリキズマブが、前記最初の維持用量の投与後、12週間間隔で投与される、上記102又は103に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
106.前記抗IL-23p19抗体が、グセルクマブである、上記96に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
107.前記方法が、
a)3回の誘導用量のグセルクマブを4週間間隔で静脈内注入によって前記患者に投与することであって、各誘導用量が、100~500mgのグセルクマブを含む、投与することと、
b)維持用量のグセルクマブを2週間間隔、4週間間隔、6週間間隔、8週間間隔又は12週間間隔で皮下注射によって前記患者に投与することであって、最初の維持用量が、最後の誘導用量が投与された2~8週間後に投与される、投与することと、を含む、上記106に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
108.各誘導用量が、200mgのグセルクマブを含む、上記107に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
109.各誘導用量が、400mgのグセルクマブを含む、上記107に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する治療に使用するためのIL-23p19抗体。
110.前記抗IL-23p19抗体が、リサンキズマブである、上記96に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
111.前記抗IL-23p19抗体が、チルドラキズマブである、上記96に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
112.前記抗IL-23p19抗体が、ブラジクマブである、上記96に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
113.C反応性タンパク質(CRP)、糞便中カルプロテクチン(fCLP)、CXCL8、AQP9、IL1B、S100A9、TREM1、MMP12、MMP1、MMP7、TCN1、DUOX2、DUOXA2、SLC6A14、VNN1、ABCA12、REG1B、C4BPA、GUCA2B、OTOP2、AQP8、SLC26A2、ADH1C、MMP3、REG3A、DMBT1、REG1P、S100A8、IGKV2D-40、PI3、TNIP3、REG1A、IDO1、NOS2、MMP10、CXCL1、PTGS2、ABCG2、HMGCS2、TMIGD1、GUCA2A、LOC101928405、MS4A12、UGT2A3、TRPM6、NXPE4、SLC16A9、ADH1C、PCK1、CDKN2B-AS1、TMEM236、CD177P1、SLC17A4、及びZG16から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを含む、バイオマーカーパネル。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0169
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0169】
上記を考慮すると、本開示のいくつかの利点が達成され、その他の有利な結果が得られることが分かるであろう。本開示の範囲から逸脱することなく、上記の方法において様々な変更を行い得るので、上記の説明に含まれ、添付の図面に示される全ての事項は、例示的なものとして解釈されるべきであり、限定的な意味で解釈されるべきではないことが意図される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0170
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0170】
本開示又はその様々なバージョン、実施形態若しくは態様の要素を導入する場合、冠詞「a」、「an」、「the」及び「said」は、1つ以上の要素が存在することを意味することが意図されている。「備える(comprising)」、「含む(including)」及び「有する(having)」という用語は、包括的であることが意図されており、列挙された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味する。
本発明の様々な実施形態を以下に示す。
1.潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法であって、前記方法が、前記患者から第1の試料を得ることと、前記第1の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、抗IL-23p19抗体を、前記患者に投与することと、前記患者から第2の試料を得ることと、前記第2の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、を含み、前記第1の試料において検出された前記少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルからの、前記第2の試料において検出された前記少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルの変化が、前記抗IL-23p19抗体に対する応答を示す、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
2.前記試料が、全血、血漿、血清、組織生検、糞便試料、及びそれらの組み合わせである、上記1に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
3.前記試料が、血清試料と糞便試料との組み合わせであり、CRPが、前記血清試料中で検出され、fCLPが、前記糞便試料中で検出される、上記2に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
4.CRPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出され、fCLPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫比濁アッセイ、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出される、上記1~3のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
5.CRPが、CRP HS免疫比濁アッセイによって血清試料中で検出され、fCLPが、ELISAによって糞便試料中で検出される、上記1~4のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
6.前記第1の試料が、前記抗IL-23p19抗体の投与の前に又はそれと同時に採取され、前記第2の試料が、前記抗IL-23p19抗体の最初の投与の少なくとも2週間後、少なくとも4週間後、少なくとも8週間後、少なくとも12週間後、少なくとも16週間後、少なくとも20週間後、少なくとも24週間後、少なくとも28週間後、少なくとも30週間後、少なくとも32週間後、少なくとも36週間後、少なくとも40週間後、少なくとも44週間後、少なくとも48週間後、又は少なくとも52週間後に採取される、上記1~5のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
7.前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブ、グセルクマブ、リサンキズマブ、チルドラキズマブ、又はブラジクマブである、上記1~6のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
8.前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブである、上記7に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
9.前記患者にミリキズマブを投与することが、
a)少なくとも1回の誘導用量のミリキズマブを前記患者に投与することであって、前記誘導用量が、50mg~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)最後の誘導用量が投与された後、少なくとも1回の維持用量のミリキズマブを前記患者に投与することであって、前記維持用量が、150~400mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む、上記8に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
10.前記誘導用量のミリキズマブが、約12週間、約4週間毎に投与される、上記9に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有する疑いのある患者における腸切迫感を治療する方法。
11.前記誘導用量のミリキズマブが、静脈内投与される、上記9又は10に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
12.前記少なくとも1回の維持用量が、皮下投与される、上記9~11のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
13.前記方法が、
a)3回の誘導用量のミリキズマブを4週間間隔で静脈内注入によって前記患者に投与することであって、各誘導用量が、300mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)維持用量のミリキズマブを4週間又は12週間間隔で皮下注射によって前記患者に投与することであって、最初の維持用量が、最後の誘導用量が投与された2~8週間後に投与され、各維持用量が、200mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む、上記9~12のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
14.前記最初の維持用量が、前記最後の誘導用量が投与された4~6週間後に投与される、上記13に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
15.その後の維持用量のミリキズマブが、前記最初の維持用量の投与後、4週間間隔で投与される、上記13又は14に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
16.その後の維持用量のミリキズマブが、前記最初の維持用量の投与後、12週間間隔で投与される、上記13又は14に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
17.前記抗IL-23p19抗体が、グセルクマブである、上記7に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
18.前記方法が、
a)3回の誘導用量のグセルクマブを4週間間隔で静脈内注入によって前記患者に投与することであって、各誘導用量が、100~500mgのグセルクマブを含む、投与することと、
b)維持用量のグセルクマブを2週間間隔、4週間間隔、6週間間隔、8週間間隔、又は12週間間隔で皮下注射によって前記患者に投与することであって、最初の維持用量が、最後の誘導用量が投与された2~8週間後に投与される、投与することと、を含む、上記17に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
19.各誘導用量が、200mgのグセルクマブを含む、上記18に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
20.各誘導用量が、400mgのグセルクマブを含む、上記18に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
21.前記抗IL-23p19抗体が、リサンキズマブである、上記7に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
22.前記抗IL-23p19抗体が、チルドラキズマブである、上記7に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
23.前記抗IL-23p19抗体が、ブラジクマブである、上記7に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を治療する方法。
24.潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者を腸切迫感に対する抗IL-23p19抗体治療を受けるための候補患者として特定する方法であって、前記方法が、前記患者から試料を得ることと、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーについて前記試料を分析することと、前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記分析に基づいて、前記患者を腸切迫感に対する前記抗IL-23p19抗体治療を受けるための候補患者として特定することと、を含む、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者を腸切迫感に対する抗IL-23p19抗体治療を受けるための候補患者として特定する方法。
25.前記試料が、全血、血漿、血清、組織生検、糞便試料、及びそれらの組み合わせである、上記24に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者を腸切迫感に対する抗IL-23p19抗体治療を受けるための候補患者として特定する方法。
26.前記試料が、血清試料と糞便試料との組み合わせであり、CRPが、前記血清試料中で検出され、fCLPが、前記糞便試料中で検出される、上記25に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者を腸切迫感に対する抗IL-23p19抗体治療を受けるための候補患者として特定する方法。
27.CRPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出され、fCLPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫比濁アッセイ、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出される、上記24~26のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者を腸切迫感に対する抗IL-23p19抗体治療を受けるための候補患者として特定する方法。
28.CRPが、CRP HS免疫比濁アッセイによって血清試料中で検出され、fCLPが、ELISAによって糞便試料中で検出される、上記24~27のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者を腸切迫感に対する抗IL-23p19抗体治療を受けるための候補患者として特定する方法。
29.前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブ、グセルクマブ、リサンキズマブ、チルドラキズマブ、又はブラジクマブである、上記24~28のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者を腸切迫感に対する抗IL-23p19抗体治療を受けるための候補患者として特定する方法。
30.前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブである、上記29に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者を腸切迫感に対する抗IL-23p19抗体治療を受けるための候補患者として特定する方法。
31.潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感のリスクを特定するための方法であって、前記方法が、(a)前記患者から得られた試料中のC反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルを決定することと、(b)前記少なくとも1つのバイオマーカーの前記決定された発現レベルを、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーの参照発現レベルと比較することと、(c)前記患者における前記バイオマーカーの発現レベルが、前記参照発現レベルと比較して変化している場合、前記患者が腸切迫感のリスクがあると特定することと、を含む、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感のリスクを特定するための方法。
32.前記試料が、全血、血漿、血清、組織生検、糞便試料、及びそれらの組み合わせである、上記31に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感のリスクを特定するための方法。
33.前記試料が、血清試料と糞便試料との組み合わせであり、CRPが、前記血清試料中で検出され、fCLPが、前記糞便試料中で検出される、上記32に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感のリスクを特定するための方法。
34.CRPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出され、fCLPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫比濁アッセイ、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出される、上記31~33のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感のリスクを特定するための方法。
35.CRPが、CRP HS免疫比濁アッセイによって血清試料中で検出され、fCLPが、ELISAによって糞便試料中で検出される、上記31~34のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感のリスクを特定するための方法。
36.潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法であって、前記方法が、前記患者から第1の試料を得ることと、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーについて前記試料を分析することと、抗IL-23p19抗体を、前記患者に投与することと、前記患者から第2の試料を得ることと、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーについて前記第2の試料を分析することと、を含み、前記少なくとも1つのバイオマーカーの変化が、腸切迫感の低減を示す、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
37.前記試料が、全血、血漿、血清、組織生検、糞便試料、及びそれらの組み合わせである、上記36に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
38.前記試料が、血清試料と糞便試料との組み合わせであり、CRPが、前記血清試料中で検出され、fCLPが、前記糞便試料中で検出される、上記37に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
39.CRPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出され、fCLPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫比濁アッセイ、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出される、上記36~38のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
40.CRPが、CRP HS免疫比濁アッセイによって血清試料中で検出され、fCLPが、ELISAによって糞便試料中で検出される、上記36~39のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
41.前記第1の試料が、前記抗IL-23p19抗体の投与の前に又はそれと同時に採取され、前記第2の試料が、前記抗IL-23p19抗体の最初の投与の少なくとも2週間後、少なくとも4週間後、少なくとも8週間後、少なくとも12週間後、少なくとも16週間後、少なくとも20週間後、少なくとも24週間後、少なくとも28週間後、少なくとも30週間後、少なくとも32週間後、少なくとも36週間後、少なくとも40週間後、少なくとも44週間後、少なくとも48週間後、又は少なくとも52週間後に採取される、上記36~40のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
42.前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブ、グセルクマブ、リサンキズマブ、チルドラキズマブ、又はブラジクマブである、上記36~41のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
43.前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブである、上記42に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
44.前記患者にミリキズマブを投与することが、
a)少なくとも1回の誘導用量のミリキズマブを前記患者に投与することであって、前記誘導用量が、50mg~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)最後の誘導用量が投与された後、少なくとも1回の維持用量のミリキズマブを前記患者に投与することであって、前記維持用量が、150~400mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む、上記43に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
45.前記誘導用量のミリキズマブが、約12週間、約4週間毎に投与される、上記44に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有する疑いのある患者における腸切迫感を低減する方法。
46.前記誘導用量のミリキズマブが、静脈内投与される、上記44又は45に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
47.前記少なくとも1回の維持用量が、皮下投与される、上記44~46のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
48.前記方法が、
a)3回の誘導用量のミリキズマブを4週間間隔で静脈内注入によって前記患者に投与することであって、各誘導用量が、300mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)維持用量のミリキズマブを4週間又は12週間間隔で皮下注射によって前記患者に投与することであって、最初の維持用量が、最後の誘導用量が投与された2~8週間後に投与され、各維持用量が、200mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む、上記44~47のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
49.前記最初の維持用量が、前記最後の誘導用量が投与された4~6週間後に投与される、上記48に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
50.その後の維持用量のミリキズマブが、前記最初の維持用量の投与後、4週間間隔で投与される、上記48又は49に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
51.その後の維持用量のミリキズマブが、前記最初の維持用量の投与後、12週間間隔で投与される、上記48又は49に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
52.前記抗IL-23p19抗体が、グセルクマブである、上記42に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
53.前記方法が、
a)3回の誘導用量のグセルクマブを4週間間隔で静脈内注入によって前記患者に投与することであって、各誘導用量が、100~500mgのグセルクマブを含む、投与することと、
b)維持用量のグセルクマブを2週間間隔、4週間間隔、6週間間隔、8週間間隔又は12週間間隔で皮下注射によって前記患者に投与することであって、前記最初の維持用量が、前記最後の誘導用量が投与された2~8週間後に投与される、投与することと、を含む、上記52に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
54.各誘導用量が、200mgのグセルクマブを含む、上記53に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
55.各誘導用量が、400mgのグセルクマブを含む、上記53に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
56.前記抗IL-23p19抗体が、リサンキズマブである、上記42に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
57.前記抗IL-23p19抗体が、チルドラキズマブである、上記42に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
58.前記抗IL-23p19抗体が、ブラジクマブである、上記42に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する方法。
59.抗IL-23p19抗体治療に応答して、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感が低減されているかどうかを決定する方法であって、前記方法が、前記患者が抗IL-23p19抗体治療を受ける前に、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)を含む少なくとも1つのバイオマーカーについて患者から得られた試料を分析することと、前記患者が前記抗IL-23p19抗体治療を受けた後に、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)を含む少なくとも1つのバイオマーカーについて患者から得られた試料を分析することと、前記患者が前記抗IL-23p19抗体治療を受けた後に、前記少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルの変化が検出された場合、前記抗IL-23p19抗体治療に応答して、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる前記患者における前記腸切迫感が低減されていると決定することと、を含む、抗IL-23p19抗体治療に応答して、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感が低減されているかどうかを決定する方法。
60.前記試料が、全血、血漿、血清、組織生検、糞便試料、及びそれらの組み合わせである、上記59に記載の、抗IL-23p19抗体治療に応答して、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感が低減されているかどうかを決定する方法。
61.CRPが、前記血清試料中で検出され、fCLPが、前記糞便試料中で検出される、上記59又は60に記載の、抗IL-23p19抗体治療に応答して、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感が低減されているかどうかを決定する方法。
62.CRPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出され、fCLPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫比濁アッセイ、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出される、上記59~61のいずれかに記載の、抗IL-23p19抗体治療に応答して、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感が低減されているかどうかを決定する方法。
63.CRPが、CRP HS免疫比濁アッセイによって血清試料中で検出され、fCLPが、ELISAによって糞便試料中で検出される、上記59~62のいずれかに記載の、抗IL-23p19抗体治療に応答して、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感が低減されているかどうかを決定する方法。
64.前記第1の試料が、前記抗IL-23p19抗体の投与の前に又はそれと同時に採取され、前記第2の試料が、前記抗IL-23p19抗体の最初の投与の少なくとも2週間後、少なくとも4週間後、少なくとも8週間後、少なくとも12週間後、少なくとも16週間後、少なくとも20週間後、少なくとも24週間後、少なくとも28週間後、少なくとも30週間後、少なくとも32週間後、少なくとも36週間後、少なくとも40週間後、少なくとも44週間後、少なくとも48週間後、又は少なくとも52週間後に採取される、上記59~63のいずれかに記載の、抗IL-23p19抗体治療に応答して、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感が低減されているかどうかを決定する方法。
65.前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブ、グセルクマブ、リサンキズマブ、チルドラキズマブ、又はブラジクマブである、上記59~64のいずれかに記載の、抗IL-23p19抗体治療に応答して、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感が低減されているかどうかを決定する方法。
66.前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブである、上記65に記載の、抗IL-23p19抗体治療に応答して、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感が低減されているかどうかを決定する方法。
67.潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体であって、前記治療が、前記患者から第1の試料を得ることと、前記第1の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、抗IL-23p19抗体を、前記患者に投与することと、前記患者から第2の試料を得ることと、前記第2の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、を含み、前記第1の試料において検出された前記少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルからの、前記第2の試料において検出された前記少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルの変化が、前記抗IL-23p19抗体に対する応答を示す、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
68.前記試料が、全血、血漿、血清、組織生検、糞便試料、及びそれらの組み合わせである、上記67に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
69.前記試料が、血清試料と糞便試料との組み合わせであり、CRPが、前記血清試料中で検出され、fCLPが、前記糞便試料中で検出される、上記68に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
70.CRPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出され、fCLPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫比濁アッセイ、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出される、上記68~70のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
71.CRPが、CRP HS免疫比濁アッセイによって血清試料中で検出され、fCLPが、ELISAによって糞便試料中で検出される、上記68~70のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
72.前記第1の試料が、前記抗IL-23p19抗体の投与の前に又はそれと同時に採取され、前記第2の試料が、前記抗IL-23p19抗体の最初の投与の少なくとも2週間後、少なくとも4週間後、少なくとも8週間後、少なくとも12週間後、少なくとも16週間後、少なくとも20週間後、少なくとも24週間後、少なくとも28週間後、少なくとも30週間後、少なくとも32週間後、少なくとも36週間後、少なくとも40週間後、少なくとも44週間後、少なくとも48週間後、又は少なくとも52週間後に採取される、上記68~71のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
73.前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブ、グセルクマブ、リサンキズマブ、チルドラキズマブ、又はブラジクマブである、上記68~72のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
74.前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブである、上記73に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
75.前記患者にミリキズマブを投与することが、
a)少なくとも1回の誘導用量のミリキズマブを前記患者に投与することであって、前記誘導用量が、50mg~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)最後の誘導用量が投与された後、少なくとも1回の維持用量のミリキズマブを前記患者に投与することであって、前記維持用量が、150~400mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む、上記74に記載の潰瘍性結腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
76.前記誘導用量のミリキズマブが、約12週間、約4週間毎に投与される、上記75に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
77.前記誘導用量のミリキズマブが、静脈内投与される、上記75又は76に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
78.前記少なくとも1回の維持用量が、皮下投与される、上記75~77のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
79.前記方法が、
a)3回の誘導用量のミリキズマブを4週間間隔で静脈内注入によって前記患者に投与することであって、各誘導用量が、300mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)維持用量のミリキズマブを4週間又は12週間間隔で皮下注射によって前記患者に投与することであって、最初の維持用量が、最後の誘導用量が投与された2~8週間後に投与され、各維持用量が、200mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む、上記75~78のいずれかに記載の潰瘍性結腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
80.前記最初の維持用量が、前記最後の誘導用量が投与された4~6週間後に投与される、上記79に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
81.その後の維持用量のミリキズマブが、前記最初の維持用量の投与後、4週間間隔で投与される、上記79又は80に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
82.その後の維持用量のミリキズマブが、前記最初の維持用量の投与後、12週間間隔で投与される、上記79又は80に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
83.前記抗IL-23p19抗体が、グセルクマブである、上記73に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
84.前記方法が、
a)3回の誘導用量のグセルクマブを4週間間隔で静脈内注入によって前記患者に投与することであって、各誘導用量が、100~500mgのグセルクマブを含む、投与することと、
b)維持用量のグセルクマブを2週間間隔、4週間間隔、6週間間隔、8週間間隔又は12週間間隔で皮下注射によって前記患者に投与することであって、最初の維持用量が、最後の誘導用量が投与された2~8週間後に投与される、投与することと、を含む、上記83に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
85.各誘導用量が、200mgのグセルクマブを含む、上記84に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
86.各誘導用量が、400mgのグセルクマブを含む、上記84に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
87.前記抗IL-23p19抗体が、リサンキズマブである、上記73に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
88.前記抗IL-23p19抗体が、チルドラキズマブである、上記73に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
89.前記抗IL-23p19抗体が、ブラジクマブである、上記73に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の治療に使用するためのIL-23p19抗体。
90.潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体であって、治療が、前記患者から第1の試料を得ることと、前記第1の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、抗IL-23p19抗体を、前記患者に投与することと、前記患者から第2の試料を得ることと、前記第2の試料を分析して、C反応性タンパク質(CRP)及び糞便中カルプロテクチン(fCLP)から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを検出することと、を含み、前記第1の試料において検出された前記少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルからの、前記第2の試料において検出された前記少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルの変化が、前記抗IL-23p19抗体に対する応答を示す、潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
91.前記試料が、全血、血漿、血清、組織生検、糞便試料、及びそれらの組み合わせである、上記90に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
92.前記試料が、血清試料と糞便試料との組み合わせであり、CRPが、前記血清試料中で検出され、fCLPが、前記糞便試料中で検出される、上記91に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
93.CRPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出され、fCLPが、マイクロアレイ分析、増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)、ノーザンブロット、サザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ウエスタンブロットを含むイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素結合蛍光アッセイ(ELFA)、免疫比濁アッセイ、免疫沈降、免疫組織化学、又はそれらの組み合わせによって前記試料中で検出される、上記90~92のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
94.CRPが、CRP HS免疫比濁アッセイによって血清試料中で検出され、fCLPが、ELISAによって糞便試料中で検出される、上記90~93のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
95.前記第1の試料が、前記抗IL-23p19抗体の投与の前に又はそれと同時に採取され、前記第2の試料が、前記抗IL-23p19抗体の最初の投与の少なくとも2週間後、少なくとも4週間後、少なくとも8週間後、少なくとも12週間後、少なくとも16週間後、少なくとも20週間後、少なくとも24週間後、少なくとも28週間後、少なくとも30週間後、少なくとも32週間後、少なくとも36週間後、少なくとも40週間後、少なくとも44週間後、少なくとも48週間後、又は少なくとも52週間後に採取される、上記90~94のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
96.前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブ、グセルクマブ、リサンキズマブ、チルドラキズマブ、又はブラジクマブである、上記90~95のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
97.前記抗IL-23p19抗体が、ミリキズマブである、上記96に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
98.前記患者にミリキズマブを投与することが、
a)少なくとも1回の誘導用量のミリキズマブを前記患者に投与することであって、前記誘導用量が、50mg~600mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)最後の誘導用量が投与された後、少なくとも1回の維持用量のミリキズマブを前記患者に投与することであって、前記維持用量が、150~400mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む、上記97に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
99.前記誘導用量のミリキズマブが、約12週間、約4週間毎に投与される、上記98に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
100.前記誘導用量のミリキズマブが、静脈内投与される、上記98又は99に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
101.前記少なくとも1回の維持用量が、皮下投与される、上記98~100のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
102.前記方法が、
a)3回の誘導用量のミリキズマブを4週間間隔で静脈内注入によって前記患者に投与することであって、各誘導用量が、300mgのミリキズマブを含む、投与することと、
b)維持用量のミリキズマブを4週間又は12週間間隔で皮下注射によって前記患者に投与することであって、最初の維持用量が、最後の誘導用量が投与された2~8週間後に投与され、各維持用量が、200mgのミリキズマブを含む、投与することと、を含む、上記98~101のいずれかに記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
103.前記最初の維持用量が、前記最後の誘導用量が投与された4~6週間後に投与される、上記102に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
104.その後の維持用量のミリキズマブが、前記最初の維持用量の投与後、4週間間隔で投与される、上記102又は103に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
105.その後の維持用量のミリキズマブが、前記最初の維持用量の投与後、12週間間隔で投与される、上記102又は103に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
106.前記抗IL-23p19抗体が、グセルクマブである、上記96に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
107.前記方法が、
a)3回の誘導用量のグセルクマブを4週間間隔で静脈内注入によって前記患者に投与することであって、各誘導用量が、100~500mgのグセルクマブを含む、投与することと、
b)維持用量のグセルクマブを2週間間隔、4週間間隔、6週間間隔、8週間間隔又は12週間間隔で皮下注射によって前記患者に投与することであって、最初の維持用量が、最後の誘導用量が投与された2~8週間後に投与される、投与することと、を含む、上記106に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
108.各誘導用量が、200mgのグセルクマブを含む、上記107に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
109.各誘導用量が、400mgのグセルクマブを含む、上記107に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感を低減する治療に使用するためのIL-23p19抗体。
110.前記抗IL-23p19抗体が、リサンキズマブである、上記96に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
111.前記抗IL-23p19抗体が、チルドラキズマブである、上記96に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
112.前記抗IL-23p19抗体が、ブラジクマブである、上記96に記載の潰瘍性大腸炎を有するか又は有することが疑われる患者における腸切迫感の低減に使用するためのIL-23p19抗体。
113.C反応性タンパク質(CRP)、糞便中カルプロテクチン(fCLP)、CXCL8、AQP9、IL1B、S100A9、TREM1、MMP12、MMP1、MMP7、TCN1、DUOX2、DUOXA2、SLC6A14、VNN1、ABCA12、REG1B、C4BPA、GUCA2B、OTOP2、AQP8、SLC26A2、ADH1C、MMP3、REG3A、DMBT1、REG1P、S100A8、IGKV2D-40、PI3、TNIP3、REG1A、IDO1、NOS2、MMP10、CXCL1、PTGS2、ABCG2、HMGCS2、TMIGD1、GUCA2A、LOC101928405、MS4A12、UGT2A3、TRPM6、NXPE4、SLC16A9、ADH1C、PCK1、CDKN2B-AS1、TMEM236、CD177P1、SLC17A4、及びZG16から選択される少なくとも1つのバイオマーカーを含む、バイオマーカーパネル。
【国際調査報告】