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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】保護ループを備えた電力増幅器
(51)【国際特許分類】
   H03F 1/52 20060101AFI20240927BHJP
   H03F 3/24 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H03F1/52
H03F3/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024519463
(86)(22)【出願日】2022-09-20
(85)【翻訳文提出日】2024-03-28
(86)【国際出願番号】 US2022044114
(87)【国際公開番号】W WO2023055611
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】17/488,823
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517216431
【氏名又は名称】コルボ ユーエス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】スコット,ベイカー
(72)【発明者】
【氏名】フランク,スティーブン ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】マキシム,ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】ウー,チョン
【テーマコード(参考)】
5J500
【Fターム(参考)】
5J500AA01
5J500AA41
5J500AC57
5J500AC81
5J500AF10
5J500AH07
5J500AH09
5J500AH10
5J500AH24
5J500AH25
5J500AK07
5J500AK09
5J500AK11
5J500AK12
5J500AK17
5J500AK21
5J500AK28
5J500AM08
5J500AM20
5J500AS14
5J500AT01
5J500PF05
5J500PF06
5J500PG02
5J500WU08
(57)【要約】
電力増幅器は、安全動作ゾーンの外側の動作の防止を支援するために、過電流保護ループおよび/または過電圧保護ループを含む。さらなる例示的な態様では、過電流保護ループのトリガーは、過電圧保護ループの閾値電圧を調整する。さらなる例示的な態様では、過電流保護ループは、バイアス調整器を調整するだけでなく、電力増幅器に到達する信号をさらに制限する補助制御信号も提供し得る。またさらなる例示的な態様では、過電圧保護ループは、過電流保護電流ループとは独立して動作し得るか、または過電圧保護ループは、過電流保護信号に寄与し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力増幅器回路であって、
増幅された出力信号を提供するように構成される出力ステージを含む電力増幅器と、
前記電力増幅器に結合され、感知された信号を、過電流保護閾値と比較して、前記PAを前記危険な動作状態から離れるようにシフトさせる保護制御警報信号を生成する前記過電流保護ブロックに提供するように構成される電流検出器回路と、
前記保護制御警報信号を使用して、前記SOA安全動作領域内に動作点を保持する方向に前記PAのバイアスを変更する、前記電力増幅器の入力に結合されるバイアス回路と、を含む、電力増幅器回路。
【請求項2】
直接出力電流感知(収集器またはドレイン)、または間接入力電流感知(基部またはゲート)のいずれかが実施される、請求項1に記載の電力増幅器回路。
【請求項3】
前記過電流保護警報信号を使用して、保護警報信号が起動されたときに出力増幅ステージを駆動する入力RF信号を低減する入力RF信号制御回路をさらに含む、請求項2に記載の電力増幅器回路。
【請求項4】
前記入力RF信号制御回路が、入力増幅ステージの供給電圧(前記出力ステージの前)、前記入力RF信号の減衰/増幅、入力増幅ステージの前記バイアス回路(前記出力ステージの前)、入力増幅ステージからの前記入力RF信号または前記出力RF信号のいずれかをクランプまたは制限することのうちの一つまたは複数を制御する、請求項2に記載の電力増幅器回路。
【請求項5】
前記電力増幅器が、バイポーラトランジスター、ヘテロジャンクショントランジスター、MOS FETトランジスター、HEMTトランジスターの任意の組み合わせを含む、請求項2に記載の電力増幅器回路。
【請求項6】
前記PA出力ステージの前記バイアス回路に接続され、前記保護電流閾値と前記バイアス回路から測定される前記間接出力電流との間の比較を実施する第一の供給調整器回路をさらに含む、請求項1に記載の電力増幅器回路。
【請求項7】
前記電流保護ループによって生成された前記保護警報信号を受信する第二の供給調整器回路によって制御されるドライバー電力増幅器をさらに含む、請求項1に記載の電力増幅器回路。
【請求項8】
前記出力ステージに結合された電圧検出回路をさらに含む、請求項1に記載の電力増幅器回路。
【請求項9】
前記電圧検出回路が、過電圧保護信号を前記電力増幅器の前記バイアス回路に提供するように構成される、請求項8に記載の電力増幅器回路。
【請求項10】
前記電圧検出回路は、前記過電流保護信号が前記過電圧保護信号の加重バージョンと加算されるように、前記電流検出器回路に結合される、請求項8に記載の電力増幅器回路。
【請求項11】
前記電圧検出回路が、前記過電流保護が起動されていないときに、前記電圧検出回路が第一の過電圧閾値を超える第一の電圧を検出するときに、前記過電圧保護信号を生成するように構成される、請求項8に記載の電力増幅器回路。
【請求項12】
前記電圧検出回路が、前記電流検出器回路が過電流状態を示し、前記電圧検出回路が、前記第一の過電圧閾値よりも低い第二の過電圧閾値を超える第二の電圧を検出するときに、前記過電圧保護信号を生成するように構成される、請求項11に記載の電力増幅器回路。
【請求項13】
前記電力増幅器が、前記出力ステージに結合される少なくとも入力ステージを含む、請求項1に記載の電力増幅器回路。
【請求項14】
前記電力増幅器が、前記入力ステージと前記出力ステージとの間に位置付けられる中間ステージを含む、請求項13に記載の電力増幅器回路。
【請求項15】
前記過電流保護ループによって生成される前記保護警報信号が、中間増幅ステージのみ、入力増幅ステージのみ、または前記入力および前記中間増幅ステージの両方を制御する、請求項13に記載の電力増幅器回路。
【請求項16】
電力増幅器システムであって、
増幅された出力信号を提供するように構成される出力ステージを含む電力増幅器回路と、
前記電力増幅器に結合され、過電流保護信号を、前記過電流保護信号を使用して前記出力ステージのバイアス回路を制御するバイアス調整器回路に提供するように構成される、電流検出器回路と、
前記出力ステージに結合された電圧検出回路であって、
前記電圧検出回路が、過電流状態が検出されないときに第一の過電圧閾値を超える第一の電圧を検出したときに、過電圧保護信号を生成し、および
前記電流検出器回路が過電流状態を示し、前記電圧検出回路が、前記第一の過電圧閾値よりも低い第二の過電圧閾値を超える第二の電圧を検出するときに、前記過電圧保護信号を生成する、ように構成される、電圧検出回路と、を含む、電力増幅器システム。
【請求項17】
前記過電流保護信号が前記過電圧保護信号と加算されるように、前記電圧検出回路が前記電流検出器回路に結合される、請求項16に記載の電力増幅器回路。
【請求項18】
前記電力増幅器が、バイポーラトランジスター、ヘテロジャンクショントランジスター、MOS FETトランジスター、HEMTトランジスターの任意の組み合わせを含む、請求項16に記載の電力増幅器回路。
【請求項19】
前記過電圧保護ループの前記動的マルチ閾値が、過電圧比較回路の基準レベルを変更することによって生成される、請求項16に記載の電力増幅器回路。
【請求項20】
前記感知された電圧が比較される閾値レベルを、前記電力増幅器の前記動作温度範囲にわたって一定に保つ温度補償電圧検出器をさらに含む、請求項16に記載の電力増幅器回路。
【請求項21】
電力増幅器回路であって、
増幅された出力信号を提供するように構成される出力ステージを含む電力増幅器と、
前記電力増幅器に結合され、過電流保護信号を、
前記過電流保護信号を使用して前記出力ステージのバイアス回路を制御する第一のバイアス調整器回路、および
前記過電流保護信号を使用して、前記出力ステージを駆動する入力信号を調節する第二の供給調整器回路に提供するように構成される電流検出器回路と、を含む、電力増幅器回路。
【請求項22】
前記第一のバイアス調整器回路をさらに含む、請求項21に記載の電力増幅器回路。
【請求項23】
前記第一のバイアス調整器回路に結合されたバイアス回路であって、前記電力増幅器の入力に結合される、バイアス回路をさらに含む、請求項22に記載の電力増幅器回路。
【請求項24】
前記バイアス回路がミラー対のトランジスターを含む、請求項22に記載の電力増幅器回路。
【請求項25】
前記バイアス回路が、エミッターを有するトランジスターを含み、前記エミッターが、前記出力ステージをバイアスするように構成される、請求項22に記載の電力増幅器回路。
【請求項26】
前記第二の供給調整器回路をさらに含む、請求項21に記載の電力増幅器回路。
【請求項27】
前記第二の供給調整器回路によって制御されるドライバー電力増幅器をさらに含む、請求項26に記載の電力増幅器回路。
【請求項28】
前記出力ステージに結合された電圧検出回路をさらに含む、請求項21に記載の電力増幅器回路。
【請求項29】
前記電圧検出回路は、過電圧保護信号を前記第一のバイアス調整器回路に提供するように構成される、請求項28に記載の電力増幅器回路。
【請求項30】
前記過電流保護信号が前記過電圧保護信号と加算されるように、前記電圧検出回路が前記電流検出器回路に結合される、請求項28に記載の電力増幅器回路。
【請求項31】
前記電圧検出回路が、前記電圧検出回路が第一の過電圧閾値を超える第一の電圧を検出するときに、前記過電圧保護信号を生成するように構成される、請求項28に記載の電力増幅器回路。
【請求項32】
前記電圧検出回路が、前記電流検出器回路が過電流状態を示し、前記電圧検出回路が、前記第一の過電圧閾値よりも低い第二の過電圧閾値を超える第二の電圧を検出するときに、前記過電圧保護信号を生成するように構成される、請求項31に記載の電力増幅器回路。
【請求項33】
前記電力増幅器が、前記出力ステージに結合される少なくとも入力ステージを含む、請求項21に記載の電力増幅器回路。
【請求項34】
前記電力増幅器が、前記入力ステージと前記出力ステージとの間に位置付けられる中間ステージを含む、請求項33に記載の電力増幅器回路。
【請求項35】
前記電力増幅器に接続されるCMOSドライバーをさらに含む、請求項21に記載の電力増幅器回路。
【請求項36】
電力増幅器回路であって、
増幅された出力信号を提供するように構成される出力ステージを含む電力増幅器と、
前記電力増幅器に結合され、過電流保護信号を、前記過電流保護信号を使用して前記出力ステージのバイアス回路を制御するバイアス調整器回路に提供するように構成される、電流検出器回路と、
前記出力ステージに結合された電圧検出回路であって、
前記電圧検出回路が、第一の過電圧閾値を超える第一の電圧を検出したときに、過電圧保護信号を生成し、および
前記電流検出器回路が過電流状態を示し、前記電圧検出回路が、前記第一の過電圧閾値よりも低い第二の過電圧閾値を超える第二の電圧を検出するときに、前記過電圧保護信号を生成する、ように構成される、電圧検出回路と、を含む、電力増幅器回路。
【請求項37】
前記過電流保護信号が前記過電圧保護信号と加算されるように、前記電圧検出回路が前記電流検出器回路に結合される、請求項36に記載の電力増幅器回路。
【請求項38】
前記電力増幅器が、バイポーラまたはヘテロジャンクショントランジスターを含む、請求項36に記載の電力増幅器回路。
【請求項39】
前記バイアス回路をさらに含み、前記バイアス回路が、ミラー対のトランジスターを含む、請求項36に記載の電力増幅器回路。
【請求項40】
前記バイアス回路をさらに含み、前記バイアス回路が、エミッターを有するトランジスターを含み、前記エミッターが、前記出力ステージにバイアスをかけるように構成される、請求項36に記載の電力増幅器回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、一般に、過電流状況および/または過電圧状況などの厳しい条件下で動作する電力増幅器回路に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル通信装置は、無線通信サービスを提供する現在の社会でますます一般的になっている。これらのモバイル通信装置の普及は、部分的には、こうした装置上で現在有効化される多くの機能によって駆動される。こうした装置における処理能力の向上は、モバイル通信装置が純粋な通信ツールから、強化されたユーザー体験を可能にする洗練されたモバイルマルチメディアセンターへと進化したことを意味する。
【0003】
ほとんどのモバイル通信装置は、アンテナを通した送信の前に信号をブーストする、電力増幅器、電力増幅器アレイ、または一連のステージ的な電力増幅器を含む送信チェーンを含む。こうした状況で使用される電力増幅器は、幅広い条件にわたって動作するように設計されるが、エンドユーザーは、無意識に、または設計によって、意図された動作範囲を超えて電力増幅器にストレスを加える方法を見出すことが多い。電力増幅器がその設計公差を超える条件に供されると、電力増幅器は故障し、結果として、モバイル通信装置に対する対応する機能喪失を伴う送信チェーンの機能不良または機能低下をもたらし得る。
【0004】
この可能性を認識し、モバイル通信装置の一部の製造業者は、電力増幅器に対する激しい要件を発表している。これらの厳しい要件を満たすことは、新しいソリューションの機会をもたらす。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施形態は、保護ループを有する電力増幅器に関する。具体的には、例示的な態様は、安全動作ゾーン外での動作を防止するのに役立つ過電流保護ループおよび/または過電圧保護ループを提供することを企図している。さらなる例示的な態様では、過電流保護ループのトリガーは、過電圧保護ループの閾値電圧を調整する。さらなる例示的な態様では、過電流保護ループは、バイアス調整器を調整するだけでなく、電力増幅器に到達する信号をさらに制限する補助制御信号も提供し得る。またさらなる例示的な態様では、過電圧保護ループは、過電流保護電流ループとは独立して動作し得るか、または過電圧保護ループは、過電流保護信号に寄与し得る。こうした過電流および/または過電圧保護ループの使用により、電力増幅器が電力増幅器の安全な動作領域外で動作する可能性が低減し、それによりモバイル通信装置製造業者の試験基準が満たされ、電力増幅器の寿命が延びる可能性が高い。
【0006】
一態様では、電力増幅器回路が開示される。電力増幅器回路は電力増幅器を含む。電力増幅器は、増幅された出力信号を提供するように構成される出力ステージを含む。電力増幅器回路は、電力増幅器に結合され、感知された信号を、過電流保護閾値と比較して、PAを危険な動作状態から離れるようにシフトさせる保護制御警報信号を生成する過電流保護ブロックに提供するように構成される電流検出器回路を含む。電力増幅器回路は、保護制御警報信号を使用して、SOA安全動作領域内の動作点を維持する方向にPAのバイアスを変更する、電力増幅器の入力に結合されたバイアス回路をさらに含む。
【0007】
別の態様では、電力増幅器システムが開示される。電力増幅器システムは、増幅された出力信号を提供するように構成される出力ステージを含む電力増幅器回路を含む。電力増幅器システムが、電力増幅器に結合され、過電流保護信号を使用して、出力ステージのためのバイアス回路を制御するバイアス調整器回路に過電流保護信号を提供するように構成される電流検出器回路をさらに含む。電力増幅器システムは、出力ステージに結合された電圧検出回路をさらに含み、電圧検出回路は、過電流状態が検出されないときに電圧検出回路が第一の過電圧閾値を超える第一の電圧を検出するときに、過電圧保護信号を生成するように構成される。電圧検出回路は、電流検出器回路が過電流状態を示し、電圧検出回路が第一の過電圧閾値よりも低い第二の過電圧閾値を超える第二の電圧を検出するときに、過電圧保護信号を生成するようにさらに構成される。
【0008】
別の態様では、電力増幅器回路が開示される。電力増幅器回路は電力増幅器を含む。電力増幅器は、増幅された出力信号を提供するように構成される出力ステージと、電力増幅器に結合される電流検出器回路とを含む。電流検出器回路は、過電流保護信号を使用して出力ステージのバイアス回路を制御する第一のバイアス調整器回路と、過電流保護信号を使用して出力ステージを駆動する入力信号を調節する第二の供給調整器回路とに過電流保護信号を提供するように構成される。
【0009】
別の態様では、電力増幅器回路が開示される。電力増幅器回路は、増幅された出力信号を提供するように構成される出力ステージを含む電力増幅器を含む。電力増幅器回路が、電力増幅器に結合され、過電流保護信号を使用して、出力ステージのためのバイアス回路を制御するバイアス調整器回路に過電流保護信号を提供するように構成される電流検出器回路をさらに含む。電力増幅器回路は、出力ステージに結合された電圧検出回路をさらに含む。電圧検出回路は、電圧検出回路が第一の過電圧閾値を超える第一の電圧を検出したときに過電圧保護信号を生成し、電流検出器回路が過電流状態を示し、電圧検出回路が第一の過電圧閾値よりも低い第二の過電圧閾値を超える第二の電圧を検出するときに過電圧保護信号を生成するように構成される。
【0010】
当業者であれば、添付図面に関連して好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後に、本開示の範囲を理解し、その追加的な態様を認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付図面は、本開示のいくつかの態様を示し、説明とともに、本開示の原理を説明する役割を果たす。
【0012】
図1図1は、本開示の一実施形態に従って構成される例示的な無線周波数(RF)フロントエンド回路の概略図である。
図2図2は、図1のいくつかのRFフロントエンド回路を含む無線装置の概略図である。
図3図3は、安全な動作領域、ならびに過剰な電流および/または過剰な電圧が、安全な動作領域の外側で電力増幅器の動作をどの程度押し得るかを示す、電流対電圧の図である。
図4図4は、保護されていない過電流状態の結果を示す、時間対電圧の定在波比図である。
図5図5は、リンギングを引き起こし得るか、または過電流/過電圧状態を適切に制限することを失敗した、過電流および過電圧検出器回路を有する従来の電力増幅器回路のブロック図である。
図6図6は、独立した過電流および過電圧検出器回路を有する電力増幅器回路のブロック図であり、過電流検出器回路からの過電流保護信号が、電力増幅器のドライバーステージに提供されて、調整器回路を使用して電力増幅器の出力ステージへの入力信号を制御する。
図7図7は、過電流および過電圧検出器回路を有する電力増幅器回路のブロック図であり、過電流検出器回路からの過電流保護信号が、電力増幅器のドライバーステージに提供されて、電力増幅器の出力ステージへの入力信号を制御し、過電圧検出回路は、過電流保護信号と加算される信号を提供する。
図8図8は、過電流検出器回路および過電圧検出器回路を有する電力増幅器回路のブロック図であり、過電流検出器回路からの過電流保護信号が、電力増幅器のドライバーステージに提供されて、第二のバイアス回路を使用して電力増幅器の出力ステージへの入力信号を制御する。
図9図9は、過電流検出器回路および過電圧検出器回路を有する電力増幅器回路のブロック図であり、過電流検出器回路からの過電流保護信号が、電力増幅器の出力ステージへの入力信号を制御するためにクランプに提供される。
図10図10は、過電流検出器回路および過電圧検出器回路を有する電力増幅器回路のブロック図であり、過電流検出器回路からの過電流保護信号が、調整器回路だけでなく、バイアス回路にも提供される。
図11図11は、二つのダイにわたって広がる電力増幅器回路のブロック図であり、電力増幅器は、第一のダイ内のバイポーラジャンクショントランジスターとしてインスタンス化され、ドライバー回路は、第二のダイ内の相補型金属酸化膜半導体(CMOS)電界効果トランジスター(FET)としてインスタンス化される。
図12図12は、安全な動作領域を示す電流対電圧の図であり、本開示の例示的な態様が、どのように安全な動作領域を出ることを防止するかを示す。
図13図13は、安全な動作領域を示す電流対電圧の図であり、本開示の例示的な態様が、安全な動作領域に留まるように、どのように動的に過電圧閾値レベルを低下させるかを示す。
図14図14は、過電流および過電圧検出器回路を有する電力増幅器回路のブロック図であり、過電流検出器回路からの過電流保護信号が、過電圧閾値レベルへの動的調整を提供する。
図15図15は、本開示の例示的な態様による動的過電圧保護ループの回路図である。
図16図16は、図15の過電圧保護ループの電圧検出器の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に記載される実施形態は、当業者が実施形態を実践することを可能にするために必要な情報を表し、実施形態を実践する最善モードを例示する。添付の図面に照らして以下の説明を読んだ後、当業者は、本開示の概念を理解し、本明細書に特に記載されていないこれらの概念の適用を認識するであろう。当然のことながら、これらの概念および適用は、本開示の範囲および付随する特許請求の範囲に含まれる。
【0014】
本明細書では、用語、第一、第二、等を使用してさまざまな要素を説明することができるが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことが理解されよう。これらの用語は、一つの要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。例えば、本開示の範囲から逸脱することなく、第一の要素を第二の要素と称し得、同様に、第二の要素を第一の要素と称し得る。本明細書で使用する用語「および/または」は、関連する列挙された項目のうちの一つまたは複数のあらゆる全ての組み合わせを含む。
【0015】
層、領域、または基板などの要素が、別の要素の「上に」ある、または「上へ」延在すると言及される場合、別の要素の直接上にある、または直接上へ延在する、または介在要素も存在し得ることは理解されよう。対照的に、ある要素が別の要素の「直接上に」ある、または「直接上へ」延在すると言及される場合、介在要素は存在しない。同様に、層、領域、または基板などの要素が、別の要素の「上に」ある、または「上に」延在すると言及される場合、別の要素の直接上にある、または直接上に延在する、または介在要素も存在し得ることは理解されよう。対照的に、ある要素が別の要素の「直接上に」ある、または「直接上に」延在すると言及される場合、介在要素は存在しない。また、ある要素が別の要素に「接続」または「結合」していると称される場合、他の要素に直接接続もしくは結合する、または介在要素が存在することも理解されよう。対照的に、ある要素が別の要素に「直接接続している」または「直接結合している」と称される場合、介在要素は存在しない。
【0016】
「~より下」もしくは「~より上」、または「上の」もしくは「下の」、または「水平の」もしくは「垂直の」などの相対的用語は、本明細書では、例示するように、一つの要素、層、または領域と、別の要素、層、または領域との関係を説明するために使用されることができる。これらの用語および上述した語句は、図に描写された配向に加えて、装置の異なる配向を包含することが意図されることは理解される。
【0017】
本明細書で使用する用語は、特定の実施形態を記述する目的のみに使用され、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書で使用する単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈によって別途明確に示されない限り、複数形も含むことが意図される。用語「含む」、「含む」、「含む」、および/または「含んでいる」は、本明細書で使用する場合、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を特定するが、一つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/またはそのグループの存在または追加を妨げないことは、さらに理解されるであろう。
【0018】
別途定義されない限り、本明細書で使用する全ての用語(技術用語および学術用語を含む)は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。さらに、本明細書で使用される用語は、本明細書および関連技術の文脈においてその意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書に明示的に定義されない限り、理想化されたまたは過度に形式的な意味で解釈されないことが理解されるであろう。
【0019】
本開示の実施形態は、保護ループを有する電力増幅器に関する。具体的には、例示的な態様は、安全動作ゾーン外での動作を防止するのに役立つ過電流保護ループおよび/または過電圧保護ループを提供することを企図している。さらなる例示的な態様では、過電流保護ループのトリガーは、過電圧保護ループの閾値電圧を調整する。さらなる例示的な態様では、過電流保護ループは、バイアス調整器を調整するだけでなく、電力増幅器に到達する信号をさらに制限する補助制御信号も提供し得る。またさらなる例示的な態様では、過電圧保護ループは、過電流保護電流ループとは独立して動作し得るか、または過電圧保護ループは、過電流保護信号に寄与し得る。こうした過電流および/または過電圧保護ループの使用により、電力増幅器が電力増幅器の安全な動作領域外で動作する可能性が低減し、それによりモバイル通信装置製造業者の試験基準が満たされ、電力増幅器の寿命が延びる可能性が高い。
【0020】
本開示の特定の態様に対処する前に、状況の簡単な考察が提供される。具体的には、図1は、本開示の保護ループから利益を得ることができる電力増幅器を含む無線周波数(RF)フロントエンド回路を示す。図2は、図1の電力増幅器を含み得るRFフロントエンド回路を含み得る無線装置を示す。図3は、安全な動作領域を出る可能性のある動作のインスタンスを有する安全な動作領域のグラフィカルな図を提供し、図4は、安全な動作領域を出る可能性のある影響をグラフィカルに図示する。図5は、従来的な解決策の説明およびそれらの短期の考察を提供する。本開示の例示的な態様の考察は、図6を参照して以下で始まる。
【0021】
図1は、本開示の一実施形態に従って構成される例示的なRFフロントエンド回路10の概略図である。本明細書に開示される実施形態では、RFフロントエンド回路10は、一例として、RFフロントエンドモジュール(FEM)の全ての必須機能を提供するために、システムオンチップ(SoC)またはシステムインパッケージ(SiP)内に自己完結され得る。別の方法として、RFフロントエンド回路10の異なる部分が、異なるダイ上に提供され得る。いくつかの実施形態では、異なるダイは、異なる材料(例えば、GaAs、GaAn、Si、SiG、SiNなど)から作製されてもよく、および/または異なる技術(例えば、バイポーラジャンクショントランジスター(BJT)、ヘテロジャンクショントランジスター、電界効果トランジスター(FET)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)FETなど)であり得る。図示したように、RFフロントエンド回路10は、エンベロープ追跡集積回路(ETIC)12、標的電圧回路14、ローカルトランシーバー回路16、およびいくつかの電力増幅器18A(1)~18A(N)を含むように構成される。RFフロントエンド回路10はまた、いくつかの第二の電力増幅器18B(1)~18B(N)を含んでもよい。
【0022】
ETIC12は、それぞれ、いくつかの第一の出力ノードNA1-1~NA1-Nで、いくつかの第一のET電圧VCCOA-1~VCCOA-Nを生成するように構成される。ETIC12はまた、第二の出力ノードNA2で第二のET電圧VCCDAを生成するように構成される。ETIC12は、時間変化ET標的電圧VTGTAに基づき、第一のET電圧VCCOA-1~VCCOA-Nおよび第二のET電圧VCCDAの両方を生成する。時間変化ET標的電圧VTGTAに基づき第一のET電圧VCCOA-1~VCCOA-Nおよび第二のET電圧VCCDAを生成するETIC12の特定の実施形態に関する詳細な説明については、「マルチ電力増幅器を内蔵したエンベロープ追跡電力管理装置」と題する米国特許出願第17/142,507号を参照のこと。
【0023】
標的電圧回路14は、入力信号20に基づき時間変化ET標的電圧VTGTAを生成するように構成され、これは、ミリメートル波(mmWave)周波数、中間周波数(IF)、または同相/直交(I/Q)ベースバンド周波数での変調キャリア信号とすることができる。非限定的な実施例では、標的電圧回路14は、振幅検出回路22およびアナログルックアップテーブル(LUT)24を含む。振幅検出回路22は、いくつかの入力信号20の時間変化振幅26を検出するように構成され、アナログLUT24は、時間変化振幅26に基づき時間変化ET標的電圧VTGTAを生成するように構成される。
【0024】
ローカルトランシーバー回路16は、数センチメートルに伸び得る導電性距離だけRFフロントエンド回路10から分離される、ベースバンドトランシーバー回路(図示せず)に結合され得る。ベースバンドトランシーバー回路は、入力信号20をIFのローカルトランシーバー回路16に提供して、導電性距離にわたる歪みを低減するのを助け得る。これに関して、非限定的な実施例では、ベースバンドトランシーバー回路は、ベースバンド周波数信号をIFにアップコンバートして、入力信号20を形成することができる。ローカルトランシーバー回路16は、入力信号20に基づき、IFよりも高いRF周波数(キャリア周波数とも呼ばれる)で、いくつかのRF信号62A(1)~62A(N)およびいくつかの第二のRF信号62B(1)~62B(N)を生成するように構成される。
【0025】
電力増幅器18A(1)~18A(N)の各々は、いくつかのアンテナポート64A(1)~64A(N)のそれぞれ一つに結合され、第一のET電圧VCCOA-1~VCCOA-Nのそれぞれ一つおよび第二のET電圧VCCDAに基づき、RF信号62A(1)~62A(N)のそれぞれ一つを増幅するように構成される。第二の電力増幅器18B(1)~18B(N)の各々は、いくつかの第二のアンテナポート64B(1)~64B(N)のそれぞれ一つに結合され、第一のET電圧VCCOA-1~VCCOA-Nのそれぞれ一つおよび第二のET電圧VCCDAに基づき、第二のRF信号62B(1)~62B(N)のそれぞれ一つを増幅するように構成される。
【0026】
アンテナポート64A(1)~64A(N)および第二のアンテナポート64B(1)~64B(N)は各々、RF信号62A(1)~62A(N)および第二のRF信号62B(1)~62B(N)のそれぞれ一つを放射するためのそれぞれのアンテナ(図示せず)に結合され得る。ローカルトランシーバー回路16は、RF信号62A(1)~62A(N)がRFビームフォーミングを介してそれぞれのアンテナによって放射され得るように、RF信号62A(1)~62A(N)の間に必要な位相コヒーレンシーを提供するために、それぞれいくつかの位相オフセットA1ANに関連してRF信号62A(1)~62A(N)を生成するように構成され得る。同様に、ローカルトランシーバー回路16はまた、第二のRF信号62B(1)~62B(N)がRFビームフォーミングを介してそれぞれのアンテナによって放射され得るように、第二のRF信号62B(1)~62B(N)の間に必要な位相コヒーレンシーを提供するために、それぞれいくつかの第二の位相オフセットB1BNに関連して第二のRF信号62B(1)~62B(N)を生成するように構成され得る。特に、RF信号62A(1)~62A(N)の各々は、第二のRF信号62B(1)~62B(N)のそれぞれの一つと同一であり得る(例えば、同じ内容および符号化を有する)。このように、RF信号62A(1)~62A(N)および第二のRF信号62B(1)~62B(N)は、異なる偏光(例えば、水平および垂直の偏光)で同時に放射され得る。
【0027】
非限定的な実施例では、電力増幅器18A(1)~18A(N)の各々は、ドライバーステージ増幅器66および一つまたは複数の出力ステージ増幅器68を含むマルチステージ電力増幅器である。電力増幅器18A(1)~18A(N)の各々におけるドライバーステージ増幅器66は、第二のET電圧VCCDAに基づき、RF信号62A(1)~62A(N)のそれぞれ一つを増幅するように構成される。電力増幅器18A(1)~18A(N)の各々の出力ステージ増幅器68は、ドライバーステージ増幅器66とアンテナポート64A(1)~64A(N)のそれぞれの一つとの間に結合される。従って、電力増幅器18A(1)~18A(N)の各々における出力ステージ増幅器68は、第一のET電圧VCCOA-1~VCCOA-Nのそれぞれの一つに基づき、RF信号62A(1)~62A(N)のそれぞれの一つをさらに増幅するように構成される。
【0028】
同様に、第二の電力増幅器18B(1)~18B(N)の各々は、第二のドライバーステージ増幅器70および一つまたは複数の第二の出力ステージ増幅器72を含むマルチステージ電力増幅器である。第二の電力増幅器18B(1)~18B(N)の各々における第二のドライバーステージ増幅器70は、第二のET電圧VCCDAに基づき、第二のRF信号62B(1)~62B(N)のそれぞれ一つを増幅するように構成される。第二の電力増幅器18B(1)~18B(N)の各々における第二の出力ステージ増幅器72は、第二のドライバーステージ増幅器70と第二のアンテナポート64B(1)~64B(N)のそれぞれの一つとの間に結合される。従って、第二の電力増幅器18B(1)~18B(N)の各々における第二の出力ステージ増幅器72は、第一のET電圧VCCOA-1~VCCOA-Nのそれぞれの一つに基づき、第二のRF信号62B(1)~62B(N)のそれぞれの一つをさらに増幅するように構成される。
【0029】
RFフロントエンド回路10は、較正回路74および結合回路76を含み得る。結合回路76は、電力増幅器18A(1)~18A(N)とアンテナポート64A(1)~64A(N)との間に、および/または第二の電力増幅器18B(1)~18B(N)と第二のアンテナポート64B(1)~64B(N)との間に提供され得る。結合回路76は、電力増幅器18A(1)~18A(N)のいずれか、および/または第二の電力増幅器18B(1)~18B(N)のいずれかの出力電力POUTを示すフィードバック信号78を提供するように構成され得る。従って、較正回路74は、フィードバック信号78に基づきアナログLUT24を較正するように構成され得る。較正回路74の特定の実施形態に関する詳細な説明については、「エンベロープ追跡ルックアップテーブルを較正するための装置および方法」と題する米国特許出願第17/163,685号を参照のこと。
【0030】
図2は、図1のRFフロントエンド回路10であり得る、いくつかのRFフロントエンド回路102(1)~102(K)を含む無線装置100の概略図である。
【0031】
無線装置100は、RFフロントエンド回路102(1)~102(K)のいずれかから分離されたベースバンドトランシーバー104を含む。ベースバンドトランシーバー104は、入力信号20を生成するように構成される。
【0032】
RFフロントエンド回路102(1)~102(K)の各々は、第一のアンテナアレイ106および第二のアンテナアレイ108に結合される。第一のアンテナアレイ106は、それぞれがアンテナポート64A(1)~64A(N)のそれぞれの一つに結合され、第一の偏光(例えば、水平偏光)でRF信号62A(1)~62A(N)のそれぞれの一つを放射するように構成される、いくつかの第一のアンテナ110(1)~110(N)を含む。第二のアンテナアレイ108は、それぞれが第二のアンテナポート64B(1)~64B(N)のそれぞれの一つに結合され、第二の偏光(例えば、垂直偏光)で第二のRF信号62B(1)~62B(N)のそれぞれの一つを放射するように構成される、いくつかの第二のアンテナ112(1)~112(N)を含む。
【0033】
RFフロントエンド回路102(1)~102(K)は、RF性能の向上およびユーザー体験の改善を助けるために、無線装置100の異なる位置に配置され得る。例えば、RFフロントエンド回路102(1)~102(K)の一部は、無線装置100の上縁上に提供されてもよく、ET RFフロントエンド回路102(1)~102(K)の一部は、無線装置100の下縁上に提供される。
【0034】
上記の考察は、第五世代(5G)セルラーネットワークでの使用に適したRFフロントエンド回路10に焦点を当てているが、本開示はそのように限定されず、本開示は3G、4G、5Gネットワークなどに実装され得る。注目すべきは、電力増幅器18A(1)~18A(N)および電力増幅器18B(1)~18B(N)、より具体的には出力ステージ増幅器68および72の動作である。電力増幅器は堅牢で、幅広い動作状態にわたって動作するように設計されるが、電力増幅器は設計妥協の産物であり、結果として、電力増幅器は、最適な動作領域、電力増幅器が動作するのに安全である領域、および電力増幅器が故障する可能性のある領域を有し得ることが理解されるべきである。
【0035】
図3は、曲線122によってマークされた安全な動作領域を有する電圧対電流グラフ120を示す。線124によって図示されるように電流が変動するにつれて、電流は、領域126によって示されるように、安全な動作領域(安全動作領域(SOA)と呼ばれることもある)を出うる。同様に、電圧が変動するにつれて、線128によって示されるように、電圧は、領域130によって示されるように、安全な動作領域を出うる。領域126は、過電流障害でありえ、領域130は、過電圧障害であり得る。
【0036】
繰り返しになるが、電力増幅器は、堅牢で、広範囲の動作状態での動作を継続するように設計されるが、電力増幅器を安全な動作領域外に押し出し、故障を引き起こし得る。図4は、電圧対時間グラフ140を提供し、ここで二つの増幅器が動作する。線142で示される第一の増幅器は、安全な動作領域内に留まり、機能し続ける。線144によって示される第二の増幅器は、時間146で過電流状態を有し、故障する。急激な低下148の後、動作は第二の増幅器に対して継続しない。このような故障は、機能の完全な喪失(例えば、装置の「ブリック」と呼ばれる)までの、およびそれを含む性能低下につながり得る。おそらく、こうした故障が消費者の信頼の浸食につながり得ることを認識すると、製造業者は、電力増幅器を無数の試験に供して、電力増幅器が、極度の電圧定在波比(例えば、10:1)、大きな電池電圧レベル(VBat)、およびVcc電圧(例えば、通常よりも+0.5V高い)を含む、十分に堅牢であることを検証している。こうした製造業者の堅牢性試験を満たす必要がない場合でさえ、適切な最悪の場合のマージンを有するさまざまな動作状態に耐えることができる電力増幅器を提供することが望ましい。
【0037】
図5は、堅牢性試験を満たすのを支援するために従来の保護スキームを採用する電力増幅器回路160のブロック図を提供する。特に、電力増幅器回路160は、電力増幅器168の出力ステージ166の過電流および過電圧状態を防止するのを支援する過電流保護ループ162および過電圧保護ループ164を含む。図示されていないが、電力増幅器168は、電力増幅器18Aについて図1に図示したようなマルチステージ電力増幅器であり得る。さらに、電力増幅器168は、電力増幅器168の一部とみなされ得る(またはそうでなくてもよい)ドライバー増幅器ステージ170を有し得る。ドライバー増幅器ステージ170は、直流(DC)を遮断するが交流電流(AC)を通過するコンデンサー172によって出力ステージ166から分離され得る。出力ステージ168は、バイアス回路174から抵抗器176を通してバイアス信号を受信する。バイアス回路174は、バイアス調整器回路178によって調節され得る。
【0038】
引き続き図5を参照すると、電流検出器回路180は、この検出された電流がバイアス回路174に提供される電流の合理的なプロキシであり、従って出力ステージ166によって出力される電流の合理的なプロキシでもあるという理解で、バイアス調整器回路178からバイアス回路174に提供される電流を感知し得る。電流検出器回路180はまた、所定の閾値を超える電流レベルが検出されるときに、バイアス調整器回路178に関連付けられる調整可能な電流源184に電流保護信号182を提供する。
【0039】
従来のGaAs電力増幅器は、適切な動作のためにHBT装置によって要求される電圧と比較して、過電流保護ループを実装することが困難であることが理解されるべきである。すなわち、例えば、直接Vccコレクター電流感知は、電力増幅器の動作に悪影響を与えるものとして一般的には推奨されない。ベース側では、一般的に、制御のための追加のHBT装置を含むことを可能にするために、最小供給電圧で十分な電圧ヘッドルームがない。さらに、GaAs HBTプロセスは、効率的なデジタル制御回路および保護ループの調整可能性を実装することができない。
【0040】
図5を引き続き参照すると、電圧検出回路186は、出力ステージ166に関連付けられる電圧レベルを検出し、検出された電圧レベルが所定の閾値を超えた時に、電圧保護信号188をバイアス回路174に提供する。
【0041】
電流検出器回路180および電圧検出回路186は、電流および/または電圧が設計公差を超える事例を低減または除去するのに役立つが、少なくとも三つの制限が観察された。第一に、過電流保護信号182および過電圧保護信号188は、互いに動作して、バイアス回路174内で行われた調整をキャンセルする、バイアス調整器回路178内で調整を行い得る、またはその逆である。各回路が他方を補償すると、変化は、リンギングが性能に悪影響を及ぼし得る、出力ステージ166においてリンギングを誘発し得る。第二に、電流および電圧の制限が適所にあり得るが、ドライバー増幅器ステージ170は、信号190を大きな値で駆動し続け得るが、これは次に、出力ステージ166が安全な動作領域を出て、出力ステージに故障または損傷をもたらし得る。第三に、多くの過電圧保護回路は、ダイオードスタックで実装され、これは典型的には、制限電流を保持する必要があるため、ダイ上に比較的大きな領域を必要とする。同様に、ダイオードスタックは、安全な動作領域の輪郭を反映しえない静電気保護レベルのみを提供する。
【0042】
本開示の例示的な態様は、電力増幅器回路の動作を管理するためのさまざまなツールを提供する。具体的に企図される態様は、ドライバー増幅器ステージのバイアス回路もしくは調整器回路の制御を通して、またはドライバー増幅器ステージと出力ステージとの間の接続上のクランプ回路を通して(例えば、それによって信号190をクランプすること)、ドライバー増幅器ステージに追加的制御を提供することを含む。さらなるツールは、リンギングが低減または最小化されるように、過電圧保護信号を過電流保護信号にリンクしている。さらに別のツールは、過電流状態の有無に基づく過電圧状態の動的調整である。すなわち、過電流状態が発生すると、故障を誘発するのにより少ない電圧しかかからない。従って、過電流状況中、過電圧保護信号の閾値は低下し得る。
【0043】
図示した態様はGaAs BJT実装に焦点を当てているが、本開示はそのように限定されないことが理解されるべきである。例示的な態様では、本開示の概念は、GaAs、GaAN、SiGe、Siなどから形成される増幅器に適用され得る。同様に、増幅器は、BJT、HBT、FETなどであるトランジスターを使用し得る。特に企図される態様では、電力増幅器回路は、CMOSドライバーおよびGaAs(BJTまたはHBTのいずれか)出力ステージを有するハイブリッドRF経路を提供し得る。本明細書に開示される概念は、一端、差動、疑似差動、直交、ドハーティ、位相外などを含むがこれらに限定されない、任意の電力増幅器構成に適用可能であることが理解されるべきである。さらに、図1および図2の説明は、5Gの実装を反映するが、本明細書に開示される概念は、3Gおよび/または4Gのユースケースに適用可能であり、デジタル制御回路(以下でより詳細に説明される)は、単一モード送信チェーンが使用されるときに、3G、4G、および5Gのユースケースの間で切り替えるときに、異なる保護限界の間で切り替えることを可能にし得ることが理解されるべきである。
【0044】
上述のように、直流感知は不適切であり得る。従って、一部の実施では、装置のベースにおける間接電流感知が適切であり得る。同様に、過電流保護ループは、はるかに低い制御電圧レベル(例えば、Vgs<<Vbe)を有する装置を有し、過電流保護ループ設定の制御および調整可能性を提供することができるデジタル回路を有することが有利である。従って、エミッターフォロアのコレクターを専用の調節器からバイアスすることが、コレクター電流を感知および制限するための経路を提供し、これは次に、出力装置のベース電流を制限する。こうした調整器は、シリコンプロセス(例えば、CMOSまたはBiCMOS)で実装され得る。デジタル-アナログ変換器(DAC)を使用して、電流制限値を調整およびプログラムすることができる。しかしながら、こうした配設は、本開示の全ての態様に厳密に必要とされるわけではないが、本開示の例示的な態様を例示するために使用される。
【0045】
これに関して、図6は、出力ステージ208を含む電力増幅器206の保護を支援するために、過電流保護ループ202および過電圧保護ループ204を含む電力増幅器回路200を示す。図示されていないが、電力増幅器206は、電力増幅器18Aについて図1に図示したようなマルチステージ電力増幅器であり得る。さらに、電力増幅器206は、電力増幅器206の一部とみなされ得る(またはそうでなくてもよい)ドライバー増幅器ステージ210を有し得る。ドライバー増幅器ステージ210は、直流(DC)を遮断するが交流電流(AC)を通過するコンデンサー212によって出力ステージ208から分離され得る。出力ステージ208は、バイアス回路214から抵抗器216を通してバイアス信号を受信する。バイアス回路214は、バイアス調整器回路218によって調節され得る。
【0046】
引き続き図6を参照すると、電流検出器回路220は、この検出された電流がバイアス回路214に提供される電流の合理的なプロキシであり、従って出力ステージ208によって出力される電流の合理的なプロキシでもあるという理解で、バイアス調整器回路218からバイアス回路214に提供される電流を感知し得る。電流検出器回路220はまた、所定の閾値を超える電流レベルが検出されるときに、バイアス調整器回路218に関連付けられる調整可能な電流源224に電流保護信号222を提供する。
【0047】
図6を引き続き参照すると、電圧検出回路226は、出力ステージ208に関連付けられる電圧レベルを検出し、検出された電圧レベルが所定の閾値を超えた時に、電圧保護信号228をバイアス回路214に提供する。
【0048】
図5のシステムの制限の一つに対処するために、補助過電流保護ループ230が追加される。補助過電流保護ループ230は、ドライバーステージ210を制限するのに役立つような方法で、第二の過電流保護信号232を提供する。図6に示すように、第二の過電流保護信号232は、ドライバー調整器回路234に提供される。ドライバー調整器回路234は、調整器回路218が出力ステージ208を調節するのとよく似て、ドライバーステージ210を調節する。例示的な態様では、調整器回路218およびドライバー調整器回路234はCMOSダイに実装され、一方、バイアス回路214、出力ステージ208、および検出器回路220、226は全てGaAsダイに実装されることに留意されたい。さらに、過電流保護ループ202および過電圧保護ループ202が独立して動作する場合、過電流保護ループ202のタイミングは、過電圧保護ループのタイミングと比較して比較的速くてもよく、その結果、過電流保護を通して迅速な変更が行われ、過電圧ループ204を通して漸進的な変更が行われることに留意されたい。この異なるタイミングを有することによって、リンギングの可能性が低減される。
【0049】
リンギングの可能性をさらに低減するために、電力増幅器回路200’は、図7に示すように、信号236を介して過電圧保護信号228を過電流保護信号222に連結する追加のステップを取る。他のほとんどの点において、電力増幅器回路200’は、図6の電力増幅器回路200とほぼ同一である。過電圧保護信号236を過電流保護信号222に追加する正味の結果は、結果として生じる信号222’であり、これは、高電流が存在する状況のみよりも早く調整器回路218を起動する。例示的な態様では、過電圧保護信号236のみが、過電流保護手段をトリガーする(例えば、制御器224を制限する)のに十分な閾値を超える。組み合わされた信号222’はまた、ドライバー調整器回路234を制御する信号232’にも影響を与える。
【0050】
図6または図7に示す通り、ドライバー調整器回路234を制御する代わりに、第二の過電流保護信号232または232’は、代わりに、図8の電力増幅器回路200”に示す通り、抵抗器242を通してドライバーステージ210をバイアスする、ドライバーバイアス回路240を制御し得る。電力増幅器回路200”は、図7に示すリンクループ202および204、または図6に示す独立ループ202および204を有し得ることが理解されるべきである。
【0051】
図6~8に示す通り、ドライバー調整器回路234またはバイアス回路240を制御する代わりに、第二の過電流保護信号232または232’は、代わりに、図9の電力増幅器回路200”に示す通り、ドライバーステージ210の出力信号252に制限を提供する、クランプ250を制御し得る。電力増幅器回路200”は、図7に示すリンクループ202および204、または図6に示す独立ループ202および204を有し得ることが理解されるべきである。
【0052】
ドライバー増幅器210を制御する代わりに、図10の電力増幅器回路200” ”に示す通り、バイアス回路214に追加的制御を提供することが可能であり得る。具体的には、信号232は、バイアス回路214を通してバイアス電圧を低下させる。バイアス回路214は、ループ202およびループ204の両方から信号を受信するため、ループ204は、ループ202にリンクされる必要はない(ただし、そうすることができる)。
【0053】
上述のように、本開示は、複数のダイにわたって実装されてもよく、それらのダイは、異なる技術タイプを有し得る。例えば、図11に示すように、電力増幅器回路270は、デジタル制御回路およびドライバーステージを有するCMOSダイであり得る第一のダイ272と、その中に比較的高い電力BJTを有するGaAsダイであり得る第二のダイ274とを含む。より具体的には、第一のダイ272は、RF信号278を受信するRF入力276を含み得る。RF信号278は、例えば、制御回路284から2ビット制御ワードを受信する可変コンデンサー(Cin)282を含み得る入力整合回路280を通過する。次いで、RF信号278は、CMOSドライバーステージ286に渡される。CMOSドライバーステージ286は、例えば、制御回路284から5ビット制御ワードを受信する電流源288からドライバー電流(Idrv)を受信し得る。可変抵抗器(Rfb)290が存在し、CMOSドライバーステージ286の入力および出力を結合して、ドライバーステージ286に対するフィードバックループを提供し得る。可変抵抗器290は、例えば、制御回路284からの2ビット制御ワードによって制御され得る。CMOSドライバーステージ286はまた、電圧調整器回路292から調節信号を受信し得る。図11は、電圧調整器回路292がCMOSに実装され得ることを示唆しているが、本開示から逸脱することなく実装され得る、Vcc(Vbatではなく)に依拠する同等のNMOS回路が存在することが理解されるべきである。電圧調整器回路292(図6の調整器回路234に類似)は、制御回路284によって制御される。電圧調整器回路292からの信号はまた、バイアス回路294(図8のバイアス回路240に類似)と相互作用してもよく、これは制御回路284によって制御され得る。さらに、調整器回路296(図6の調整器回路224に類似)は、制御回路284によって制御され得る。制御回路284は、第二のダイ274からの信号298(信号222、222’に類似)に基づき、制御ワードおよび制御信号を生成し得る。
【0054】
引き続き図11を参照すると、第二のダイ274は、ミラーBJTS302(2)および302(3)を含む、その中に複数のBJT302(1)~302(N)を有するバイアス回路300を含み得る。第二のダイ274は、その中にBJT306を有する出力ステージ304(208に類似)をさらに含み得る。電流センサー回路308および電圧センサー回路310は、過電流保護信号298および過電圧保護信号312を提供し得る。この配置は特に意図されるが、本開示から逸脱することなく、他の配置がなされ得る。例えば、センサー(Vbat、Vccなど)は、第一のダイ272に含まれてもよい。
【0055】
上述の実施例は、過電流および過電圧状態を検出および防止するのに良好であるが、二つの事象は、単独では存在しない。従って、過電圧ループを過電流ループにリンクする利点の一部は、過電圧状態の検出が自動的に電流の制御を開始することである。しかしながら、電流および電圧を制御するだけでは、故障を回避するのに十分ではあり得ない。例えば、図12のグラフ320によって図示されるように、0.4Aの電流閾値(線322)および14Vの電圧閾値(線324)がある場合、電流326は領域328でクリップ留めされてもよく、電圧は領域330でクリップ留めされてもよく、こうしたクリップ留めは、シフト332を引き起こして、動作の安全な領域336の外側にある領域334での活性をもたらし得、電流および電圧の両方が対応する閾値を下回るにもかかわらず、電力増幅器の故障をもたらし得る。
【0056】
本開示の例示的な態様は、過電流状態の存在に基づき電圧閾値を動的に変更することを可能にすることによって、シフト332に対する解決策を提供する。例えば、図11の制御回路284を使用して、信号312の電圧閾値は、過電圧保護手段がはるかに低い電圧レベルで係合し、従って、領域334の故障から出力ステージを保護するように調整され得る。さらに、閾値は、セルラー標準が使用されることに基づき変化し得る(例えば、3G、4G、および5Gは、全て異なるベース閾値を有してもよく、全て異なる調整された閾値を有し得る)。さらに、電圧閾値に対する調整の量は、過電流が存在する量によって変化し得る。
【0057】
図13は、調整された電圧閾値324’が、領域334’(図12の領域334と対比)に記述されるように電流および電圧を湾曲させる、グラフ320’の動的閾値を示す。
【0058】
図14は、こうした動的電圧閾値がどのように実装され得るかの例示的な態様のブロック図を提供する。電力増幅器回路350の要素の多くは、すでに考察したものと同一である。しかしながら、電力増幅器回路350では、電圧検出器226は、コンパレーター回路354に信号352を提供する。コンパレーター回路354は、信号352から検出された電圧が、バンドギャップ回路360から信号358を介して受信された基準電圧(すなわち、閾値)を超えると、過電圧保護信号356を生成する。バンドギャップ回路360は、制御器362によって設定され、これは次に電流制限回路364に結合される。電流制限回路364が電流検出器220によって起動されると、電流制限回路364は信号366を調整器回路362に送信し、調整器回路362にバンドギャップ回路360を修正させる。
【0059】
動的電圧閾値を実施する一つの単純な方法は、一つまたは複数のダイオード接続装置と直列に配置された抵抗器に注入された電流を使用することである。こうした閾値レベルを低下させることは、注入された電流の値を調節することによって達成することができる。過電圧保護ループの出力は、バイアス回路214に注入される電流であり得、出力ステージ208に印加されるバイアス電圧の低下をもたらす。
【0060】
さまざまな回路を使用することができるが、図15は、バイアス回路214”およびバンドギャップ回路360の例示的な回路を提供する。具体的には、バイアス回路214”は、トランジスター380、382、および384を含んでもよく、トランジスター382および384はミラー化される。抵抗器386および388は、トランジスター380とトランジスター382、384との間に直列に配置される。バンドギャップ回路360は、接地に結合される直列抵抗器392を有する可変電流源390であり得る。
【0061】
図16は、電圧検出器226がダイオード402およびコンデンサー404を含む、電力増幅器回路400におけるさらに別の可能な実装を提供する。電圧検出器226はまた、積み重ねトランジスター406(1)~406(N)および積み重ねトランジスター408(1)~408(M)を含み、ここで図16では、N=3、M=2である。トランジスター408(M)のコレクターは、信号352を生成する。バイアス回路214”’はバイアス回路214”と類似しているが、さらなる抵抗器およびコンデンサーを含む。
【0062】
当業者であれば、本開示の好ましい実施形態に対する改善および変更を認識するであろう。このような全ての改善および修正は、本明細書に開示される概念および以下の特許請求の範囲内であるとみなされる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2024-04-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力増幅器回路であって、
増幅された出力信号を提供するように構成される出力ステージを含む電力増幅器と、
第一のバイアス調整器回路と、
ノードを通して前記第一のバイアス調整器回路によって調整され、前記出力ステージの信号入力部に結合されるバイアス回路と、
前記ノードに直接結合され、前記第一のバイアス調整器回路から前記バイアス回路に提供される電流を検出し、過電流保護信号を、
前記過電流保護信号を使用して前記出力ステージの前記バイアス回路を制御する前記第一のバイアス調整器回路、および
前記過電流保護信号を使用して、前記出力ステージを駆動する入力信号を調節する第二の供給調整器回路に提供するように構成される電流検出器回路と、を含む、電力増幅器回路。
【請求項2】
前記バイアス回路がミラー対のトランジスターを含む、請求項に記載の電力増幅器回路。
【請求項3】
前記バイアス回路が、エミッターを有するトランジスターを含み、前記エミッターが、前記出力ステージをバイアスするように構成される、請求項に記載の電力増幅器回路。
【請求項4】
前記第二の供給調整器回路をさらに含む、請求項に記載の電力増幅器回路。
【請求項5】
前記第二の供給調整器回路によって制御されるドライバー電力増幅器をさらに含む、請求項に記載の電力増幅器回路。
【請求項6】
前記出力ステージに結合された電圧検出回路をさらに含む、請求項に記載の電力増幅器回路。
【請求項7】
前記電圧検出回路は、過電圧保護信号を前記第一のバイアス調整器回路に提供するように構成される、請求項に記載の電力増幅器回路。
【請求項8】
前記過電流保護信号が前記過電圧保護信号と加算されるように、前記電圧検出回路が前記電流検出器回路に結合される、請求項に記載の電力増幅器回路。
【請求項9】
前記電圧検出回路が、前記電圧検出回路が第一の過電圧閾値を超える第一の電圧を検出するときに、前記過電圧保護信号を生成するように構成される、請求項に記載の電力増幅器回路。
【請求項10】
前記電圧検出回路が、前記電流検出器回路が過電流状態を示し、前記電圧検出回路が、前記第一の過電圧閾値よりも低い第二の過電圧閾値を超える第二の電圧を検出するときに、前記過電圧保護信号を生成するように構成される、請求項に記載の電力増幅器回路。
【請求項11】
前記電力増幅器が、前記出力ステージに結合される少なくとも入力ステージを含む、請求項に記載の電力増幅器回路。
【請求項12】
前記電力増幅器が、前記入力ステージと前記出力ステージとの間に位置付けられる中間ステージを含む、請求項11に記載の電力増幅器回路。
【請求項13】
前記電力増幅器に接続されるCMOSドライバーをさらに含む、請求項に記載の電力増幅器回路。
【請求項14】
電力増幅器回路であって、
増幅された出力信号を提供するように構成される出力ステージを含む電力増幅器と、
第一のバイアス調整器回路と、
ノードを通して前記第一のバイアス調整器回路によって調整され、前記出力ステージの信号入力部に結合されるバイアス回路と、
前記ノードに直接結合され前記第一のバイアス調整器回路から前記バイアス回路に提供される電流を検出し、過電流保護信号を、前記過電流保護信号を使用して前記出力ステージの前記バイアス回路を制御する前記第一のバイアス調整器回路に提供するように構成される、電流検出器回路と、
前記出力ステージに結合された電圧検出回路であって、
前記電圧検出回路が、第一の過電圧閾値を超える第一の電圧を検出したときに、過電圧保護信号を生成し、および
前記電流検出器回路が過電流状態を示し、前記電圧検出回路が、前記第一の過電圧閾値よりも低い第二の過電圧閾値を超える第二の電圧を検出するときに、前記過電圧保護信号を生成する、ように構成される、電圧検出回路と、を含む、電力増幅器回路。
【請求項15】
前記過電流保護信号が前記過電圧保護信号と加算されるように、前記電圧検出回路が前記電流検出器回路に結合される、請求項14に記載の電力増幅器回路。
【請求項16】
前記電力増幅器が、バイポーラまたはヘテロジャンクショントランジスターを含む、請求項14に記載の電力増幅器回路。
【請求項17】
記バイアス回路が、ミラー対のトランジスターを含む、請求項14に記載の電力増幅器回路。
【請求項18】
記バイアス回路が、エミッターを有するトランジスターを含み、前記エミッターが、前記出力ステージにバイアスをかけるように構成される、請求項14に記載の電力増幅器回路。
【国際調査報告】