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特表2024-536203ダウンリンク制御チャネルの監視に関与するユーザ機器および基地局
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】ダウンリンク制御チャネルの監視に関与するユーザ機器および基地局
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/232 20230101AFI20240927BHJP
   H04W 72/0446 20230101ALI20240927BHJP
   H04W 72/56 20230101ALI20240927BHJP
【FI】
H04W72/232
H04W72/0446
H04W72/56
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519477
(86)(22)【出願日】2022-09-20
(85)【翻訳文提出日】2024-03-28
(86)【国際出願番号】 EP2022076018
(87)【国際公開番号】W WO2023052180
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】21200300.8
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】クゥァン クゥァン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD17
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE71
5K067JJ13
(57)【要約】
本開示は、以下を備えるユーザ機器UEに関する。処理回路は、タイムスロットグループに対して、監視機能に従ってUEによって監視される1つまたは複数のタイムスロットを決定し、監視機能は、ダウンリンク制御情報を受信する目的で1つまたは複数のタイムスロットにおける1つまたは複数の監視機会においてダウンリンク制御チャネルを監視するためにUEによって動作させられる。監視タイムスロットの決定は、監視タイムスロットがダウンリンク制御チャネルの共通サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第1の基準、監視タイムスロットがダウンリンク制御チャネルのUE固有サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第2の基準、のうちの1つまたは複数に従って実行される。次いで、処理回路は、タイムスロットグループの決定された監視タイムスロットにおいてダウンリンク制御チャネルを監視する。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)であって、
動作に際して、2つ以上のタイムスロットグループに対して、監視機能に従って前記UEによって監視される前記タイムスロットグループ内の1つまたは複数のタイムスロットを決定する処理回路であって、前記監視機能は、ダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のタイムスロットにおける1つまたは複数の監視機会においてダウンリンク制御チャネルを監視するために前記UEによって動作させられる、前記処理回路
を備え、
前記処理回路は、前記タイムスロットグループ内の監視タイムスロットの前記決定を、
監視タイムスロットが、前記ダウンリンク制御チャネルの共通サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第1の基準、
監視タイムスロットが、前記ダウンリンク制御チャネルのUE固有サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第2の基準、
のうちの1つまたは複数に従って実行し、
前記処理回路は、動作に際して、前記タイムスロットグループの前記決定された1つまたは複数の監視タイムスロットにおいて前記ダウンリンク制御チャネルを監視する、
UE。
【請求項2】
前記タイムスロットグループ内の前記監視タイムスロットの前記決定のために、前記共通サーチスペースに関する前記第1の基準が、前記UE固有サーチスペースに関する前記第2の基準よりも先に考慮される、請求項1に記載のUE。
【請求項3】
前記監視タイムスロットの前記決定のために、前記処理回路は、前記UE固有サーチスペースを優先順位の順に考慮し、UE固有サーチスペースのインデックスが低いほど、監視タイムスロットに含められる優先順位が高くなる、請求項1または2に記載のUE。
【請求項4】
前記第1の基準はさらに、
監視タイムスロットが、前記ダウンリンク制御チャネルの第1の共通サーチスペースのセットのうちの共通サーチスペースに関連付けられた監視機会を含み、前記第1の共通サーチスペースのセットが、前記UEに対して設定される全ての共通サーチスペースを含まないこと
として定義され、
任意選択により、前記第1の共通サーチスペースのセットは、前記UEへの専用メッセージで設定される共通サーチスペースを含み、UEのグループに共通して設定される共通サーチスペースを含み、
任意選択により、前記第1の共通サーチスペースのセットは、5G通信システムによる、前記UEへの専用メッセージによって設定されるType-1の共通サーチスペースと、Type-3の共通サーチスペースとを含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載のUE。
【請求項5】
前記処理回路は、動作に際して、前記タイムスロットグループの前記監視タイムスロットとは異なる前記タイムスロットグループの追加の監視タイムスロットにおいて前記第1の共通サーチスペースのセットに属さない共通サーチスペースを監視する、請求項4に記載のUE。
【請求項6】
前記UEは、前記監視タイムスロットでない前記タイムスロットグループのタイムスロットにおいて前記ダウンリンク制御チャネルを監視しないことが許可される、請求項1~5のいずれか一項に記載のUE。
【請求項7】
前記監視タイムスロットの前記決定は、タイムスロットグループごとに個別に実行される、請求項1~6のいずれか一項に記載のUE。
【請求項8】
前記監視タイムスロットの前記決定は、複数のタイムスロットグループに対して一緒に実行され、前記決定は、前記複数のタイムスロットグループのうちの各タイムスロットグループ内の前記監視タイムスロットの共通の相対位置をもたらし、
前記処理回路は、動作に際して、前記複数のタイムスロットグループのそれぞれに対する前記監視タイムスロットを決定するために、前記監視タイムスロットの前記決定された共通の相対位置を適用し、
任意選択により、前記監視タイムスロットの前記共通の相対位置に基づく前記監視タイムスロットの前記決定は、前記監視機会の設定が変更されるまで実行される、
請求項1~6のいずれか一項に記載のUE。
【請求項9】
前記処理回路は、動作に際して、前記監視機会の前記設定が変更されたか否かを判定し、
前記監視機会の前記設定が変更されたと判定された場合、前記処理回路は、動作に際して、前記監視機会の前記変更された設定に従って、前記監視機会の前記設定の変更後の他の複数のタイムスロットグループに対して前記監視タイムスロットの前記決定を再度実行し、前記決定は、前記他の複数のスロットグループのうちの各タイムスロットグループ内の前記監視タイムスロットの他の共通の相対位置をもたらし、
前記処理回路は、動作に際して、前記監視機会の前記設定の前記変更後の前記他の複数のタイムスロットグループに対して前記監視タイムスロットを決定するために、前記決定された他の共通の相対位置を適用する、
請求項8に記載のUE。
【請求項10】
前記監視タイムスロットの前記決定は、前記複数のタイムスロットグループのうちの基準タイムスロットグループに基づいて実行され、前記処理回路は、動作に際して、前記基準タイムスロットグループを、
前記複数のタイムスロットグループのうちの最初のタイムスロットグループであるか、
共通サーチスペースを含む、前記複数のタイムスロットグループのうちの最初のタイムスロットグループであるか、または
前記複数のタイムスロットグループのうち、最も少ないタイムスロット内に最も多くの共通サーチスペースおよびUE固有サーチスペースを含む、
タイムスロットグループとして決定する、請求項8または9に記載のUE。
【請求項11】
前記監視タイムスロットの前記決定は、前記複数のタイムスロットグループの前記監視機会を考慮して実行され、
任意選択により、前記複数のタイムスロットグループの前記監視タイムスロットの前記決定のために、前記処理回路は、前記複数のタイムスロットグループの前記監視機会に対して前記第1の基準および前記第2の基準を考慮する、
請求項8または9に記載のUE。
【請求項12】
前記処理回路は、動作に際して、
前記UEの受信機が、動作に際して、前記監視機会を設定するための設定情報をサービング基地局から受信した
場合に、前記監視機会の前記設定が変更されたと判定し、
任意選択により、前記監視機会の前記設定情報は、無線リソース制御RRCプロトコルのメッセージで受信される、
請求項8~11のいずれか一項に記載のUE。
【請求項13】
前記処理回路は、動作に際して、
前記UEが、サービング基地局から前記ダウンリンク制御チャネルを受信するために、現在のビームから新しいビームに切り替える
場合に、前記監視機会の前記設定が変更されたと判定し、
任意選択により、前記処理回路は、動作に際して、前記サービング基地局から前記ダウンリンク制御チャネルを受信するために使用される前記ビームと、記憶された設定情報とに基づいて前記監視機会を決定し、前記記憶された設定情報は、ビーム固有の監視機会を設定するための、異なるビームに関連付けられた異なる設定情報を含み、
任意選択により、前記処理回路は、動作に際して、前記UEが前記サービング基地局から受信された指示に基づいて前記現在のビームから前記新しいビームに切り替えると判定する、
請求項8~12のいずれか一項に記載のUE。
【請求項14】
前記監視機会の前記設定の前記変更は、
監視機会の数が変更されること、
前記監視機会の周期が変更されること、
前記監視機会のOFDMシンボルのタイミングが変更されること、
前記監視機会のタイムスロットのタイミングが変更されること、
前記監視機会のアグリゲーションレベルが変更されること、
アグリゲーションレベルごとの監視候補の数が変更されること
のうちの1つまたは複数を含み、
任意選択により、前記処理回路は、動作に際して、前記監視機会の前記設定の前記変更により、前記監視機会の以前の設定と比較して、いずれかの監視機会のタイムスロットが異なるものになるか否かをさらに判定し、
いずれかの監視機会のタイムスロットが異なるものになる場合、前記処理回路は、監視スロットの前記決定を再度実行すべきか否かの目的で、前記監視機会の前記設定が変更されたと判定し、
いずれかの監視機会のタイムスロットが異なるものにならない場合、前記処理回路は、前記監視スロットの前記決定を再度実行すべきか否かの目的で、前記監視機会の前記設定が変更されていないと判定する、
請求項8~13のいずれか一項に記載のUE。
【請求項15】
タイムスロットは複数のタイムスロットグループにグループ化され、前記タイムスロットグループは時間的に連続していて重複しておらず、各タイムスロットグループはX個のタイムスロットを含み、
任意選択により、前記処理回路は、動作に際して、前記ダウンリンク制御チャネルに使用されるサブキャリア間隔に基づいて、前記UEに記憶された情報から各タイムスロットグループ内のタイムスロットの数Xを決定し、任意選択により、前記記憶された情報は、異なるサブキャリア間隔と、異なるタイムスロット数のうちの1つまたは複数との関連付けを含み、任意選択により、タイムスロットグループ内のタイムスロットの前記数Xは、480kHzのサブキャリア間隔の場合は4であり、960kHzのサブキャリア間隔の場合は8である、
請求項1~14のいずれか一項に記載のUE。
【請求項16】
前記監視タイムスロットの前記決定は、前記タイムスロットグループ内の前記決定された監視タイムスロットが連続するように実行され、または、
前記監視タイムスロットの前記決定は、前記タイムスロットグループ内の前記決定された監視タイムスロットが連続しているか否かとは無関係に実行される、
請求項1~15のいずれか一項に記載のUE。
【請求項17】
前記処理回路は、動作に際して、前記UEに記憶された情報からタイムスロットグループ内の監視タイムスロットの数Yを決定し、任意選択により、前記記憶された情報は前記UEの能力に関連し、任意選択により、タイムスロットグループ内の監視タイムスロットの最小数は1スロットであり、タイムスロットグループ内の監視タイムスロットの最大数は各タイムスロットグループ内のタイムスロットの前記数Xの半分であり、
任意選択により、前記UEは、動作に際して、タイムスロットグループ内の監視タイムスロットの前記数Yの情報を、前記UEにサービス提供するサービング基地局に送信する送信機を備える、
請求項1~16のいずれか一項に記載のUE。
【請求項18】
動作に際して、前記UEにサービス提供するサービング基地局から、前記UEにおいて前記監視機能を設定するための設定情報を受信する受信機をさらに備え、前記設定情報は、前記UEが前記ダウンリンク制御チャネルを監視する1つまたは複数の監視機会を設定し、
任意選択により、前記処理回路は、動作に際して、前記受信された設定情報に基づいて、前記UEが前記ダウンリンク制御チャネルを監視する1つまたは複数の監視機会を決定する、
請求項1~17のいずれか一項に記載のUE。
【請求項19】
前記タイムスロットグループ内の前記監視タイムスロットの前記決定は、
120kHzを超える、前記ダウンリンク制御チャネルに使用されるサブキャリア間隔、任意選択により、480kHzまたは960kHz以上のサブキャリア間隔、および
52.6GHzを超える、前記ダウンリンク制御チャネルが送信される周波数範囲、任意選択により、52.6GHz~71GHzの周波数範囲、
のうちの1つまたは複数に対して実行される、請求項1~18のいずれか一項に記載のUE。
【請求項20】
前記タイムスロットグループ内の前記監視タイムスロットの前記決定は、2つの連続するタイムスロットグループの前記監視タイムスロット間で1タイムスロットの最小タイムギャップが空いているという第3の基準に従って前記処理回路によって実行される、請求項1~19のいずれか一項に記載のUE。
【請求項21】
2つの連続するタイムスロットグループにそれぞれ属する2つの監視タイムスロットが互いに連続している場合、前記処理回路は、動作に際して、
前記2つの連続する監視タイムスロットのうちの1つの前記監視機能の実行をスキップすること、または
前記2つの連続する監視タイムスロットのうちの1つにおける監視機会のサブセットに対して前記監視機能の実行をスキップすること
を決定する、請求項1~19のいずれか一項に記載のUE。
【請求項22】
UEによって実行される、
2つ以上のタイムスロットグループに対して、監視機能に従って前記UEによって監視される前記タイムスロットグループ内の1つまたは複数のタイムスロットを決定するステップであって、前記監視機能は、ダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のタイムスロットにおける1つまたは複数の監視機会においてダウンリンク制御チャネルを監視するために前記UEによって動作させられる、前記決定するステップと、
前記タイムスロットグループ内の監視タイムスロットの前記決定を、
監視タイムスロットが、前記ダウンリンク制御チャネルの共通サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第1の基準、
監視タイムスロットが、前記ダウンリンク制御チャネルのUE固有サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第2の基準、
のうちの1つまたは複数に従って実行するステップと、
前記タイムスロットグループの前記決定された1つまたは複数の監視タイムスロットにおいて前記ダウンリンク制御チャネルを監視するステップと、
を含む、方法。
【請求項23】
基地局であって、
動作に際して、2つ以上のタイムスロットグループに対して、監視機能に従ってUEによって監視される前記タイムスロットグループ内の1つまたは複数のタイムスロットを決定する処理回路であって、前記監視機能は、前記基地局から送信されたダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のタイムスロットにおける1つまたは複数の監視機会においてダウンリンク制御チャネルを監視するために前記UEによって動作させられる、前記処理回路において、
前記処理回路は、前記タイムスロットグループ内の監視タイムスロットの前記決定を、
監視タイムスロットが、前記ダウンリンク制御チャネルの共通サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第1の基準、
監視タイムスロットが、前記ダウンリンク制御チャネルのUE固有サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第2の基準、
のうちの1つまたは複数に従って実行する、前記処理回路と、
動作に際して、前記タイムスロットグループの前記決定された1つまたは複数の監視タイムスロットのうちの少なくとも1つにおいて前記ダウンリンク制御チャネル上でダウンリンク制御情報メッセージを前記UEに送信する送信機と、
を備える、基地局。
【請求項24】
前記タイムスロットグループ内の前記監視タイムスロットの前記決定のために、前記共通サーチスペースに関する前記第1の基準が、前記UE固有サーチスペースに関する前記第2の基準よりも先に考慮される、請求項23に記載の基地局。
【請求項25】
前記監視タイムスロットの前記決定のために、前記処理回路は、前記UE固有サーチスペースを優先順位の順に考慮し、UE固有サーチスペースのインデックスが低いほど、監視タイムスロットに含められる優先順位が高くなる、請求項23または24に記載の基地局。
【請求項26】
前記第1の基準はさらに、
監視タイムスロットが、前記ダウンリンク制御チャネルの第1の共通サーチスペースのセットのうちの共通サーチスペースに関連付けられた監視機会を含み、前記第1の共通サーチスペースのセットが、前記UEに対して設定される全ての共通サーチスペースを含まないこと
として定義され、
任意選択により、前記第1の共通サーチスペースのセットは、前記UEへの専用メッセージで設定される共通サーチスペースを含み、UEのグループに共通して設定される共通サーチスペースを含み、
任意選択により、前記第1の共通サーチスペースのセットは、5G通信システムによる、前記UEへの専用メッセージによって設定されるType-1の共通サーチスペースと、Type-3の共通サーチスペースとを含む、
請求項23~25のいずれか一項に記載の基地局。
【請求項27】
前記処理回路は、動作に際して、前記タイムスロットグループの前記監視タイムスロットとは異なる前記タイムスロットグループの追加の監視タイムスロットにおいて前記第1の共通サーチスペースのセットに属さない共通サーチスペースのダウンリンク制御情報メッセージを送信する、請求項26に記載の基地局。
【請求項28】
前記監視タイムスロットの前記決定は、タイムスロットグループごとに個別に実行される、請求項23~27のいずれか一項に記載の基地局。
【請求項29】
前記監視タイムスロットの前記決定は、複数のタイムスロットグループに対して一緒に実行され、前記決定は、前記複数のタイムスロットグループのうちの各タイムスロットグループ内の前記監視タイムスロットの共通の相対位置をもたらし、
前記処理回路は、動作に際して、前記複数のタイムスロットグループのそれぞれに対する前記監視タイムスロットを決定するために、前記監視タイムスロットの前記決定された共通の相対位置を適用し、
任意選択により、前記監視タイムスロットの前記共通の相対位置に基づく前記監視タイムスロットの前記決定は、前記監視機会の設定が変更されるまで実行される、
請求項23~27のいずれか一項に記載の基地局。
【請求項30】
前記処理回路は、動作に際して、前記監視機会の前記設定が変更されたか否かを判定し、
前記監視機会の前記設定が変更されたと判定された場合、前記処理回路は、動作に際して、前記監視機会の前記変更された設定に従って、前記監視機会の前記設定の変更後の他の複数のタイムスロットグループに対して前記監視タイムスロットの前記決定を再度実行し、前記決定は、前記他の複数のスロットグループのうちの各タイムスロットグループ内の前記監視タイムスロットの他の共通の相対位置をもたらし、
前記処理回路は、動作に際して、前記監視機会の前記設定の前記変更後の前記他の複数のタイムスロットグループに対して前記監視タイムスロットを決定するために、前記決定された他の共通の相対位置を適用する、
請求項29に記載の基地局。
【請求項31】
前記監視タイムスロットの前記決定は、前記複数のタイムスロットグループのうちの基準タイムスロットグループに基づいて実行され、前記処理回路は、動作に際して、前記基準タイムスロットグループを、
前記複数のタイムスロットグループのうちの最初のタイムスロットグループであるか、
共通サーチスペースを含む、前記複数のタイムスロットグループのうちの最初のタイムスロットグループであるか、
前記複数のタイムスロットグループのうち、最も多くの共通サーチスペースおよびUE固有サーチスペースを含む、
タイムスロットグループとして決定する、請求項29または30に記載の基地局。
【請求項32】
前記監視タイムスロットの前記決定は、前記複数のタイムスロットグループの前記監視機会を考慮して実行され、
任意選択により、前記複数のタイムスロットグループの前記監視タイムスロットの前記決定のために、前記処理回路は、前記複数のタイムスロットグループの前記監視機会に対して前記第1の基準および前記第2の基準を考慮する、
請求項29または30に記載の基地局。
【請求項33】
前記処理回路は、動作に際して、
前記基地局の前記送信機が、動作に際して、前記UEの前記監視機会を設定するための設定情報を前記UEに送信した
場合に、前記監視機会の前記設定が変更されたと判定する、請求項29~32のいずれか一項に記載の基地局。
【請求項34】
前記処理回路は、動作に際して、
前記UEが、前記基地局から前記ダウンリンク制御チャネルを受信するために、現在のビームから新しいビームに切り替える
場合に、前記監視機会の前記設定が変更されたと判定し、
任意選択により、前記処理回路は、動作に際して、前記基地局から前記ダウンリンク制御チャネルを受信するために前記UEによって使用される前記ビームと、記憶された設定情報とに基づいて前記監視機会を決定し、前記記憶された設定情報は、ビーム固有の監視機会を設定するための、異なるビームに関連付けられた異なる設定情報を含み、
任意選択により、前記送信機は、動作に際して、前記UEに前記現在のビームから前記新しいビームに切り替えるように命令する指示を前記UEに送信する、
請求項29~33のいずれか一項に記載の基地局。
【請求項35】
前記監視機会の前記設定の前記変更は、
監視機会の数が変更されること、
前記監視機会の周期が変更されること、
前記監視機会のOFDMシンボルのタイミングが変更されること、
前記監視機会のタイムスロットのタイミングが変更されること、
前記監視機会のアグリゲーションレベルが変更されること、
アグリゲーションレベルごとの監視候補の数が変更されること
のうちの1つまたは複数を含み、
任意選択により、前記処理回路は、動作に際して、前記監視機会の前記設定の前記変更により、前記監視機会の以前の設定と比較して、いずれかの監視機会のタイムスロットが異なるものになるか否かをさらに判定し、
いずれかの監視機会のタイムスロットが異なるものになる場合、前記処理回路は、監視スロットの前記決定を再度実行すべきか否かの目的で、前記監視機会の前記設定が変更されたと判定し、
いずれかの監視機会のタイムスロットが異なるものにならない場合、前記処理回路は、前記監視スロットの前記決定を再度実行すべきか否かの目的で、前記監視機会の前記設定が変更されていないと判定する、
請求項29~34のいずれか一項に記載の基地局。
【請求項36】
基地局によって実行される、
2つ以上のタイムスロットグループに対して、監視機能に従ってUEによって監視される前記タイムスロットグループ内の1つまたは複数のタイムスロットを決定するステップであって、前記監視機能は、前記基地局から送信されたダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のタイムスロットにおける1つまたは複数の監視機会においてダウンリンク制御チャネルを監視するために前記UEによって動作させられる、前記決定するステップと、
前記タイムスロットグループ内の監視タイムスロットの前記決定を、
監視タイムスロットが、前記ダウンリンク制御チャネルの共通サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第1の基準、
監視タイムスロットが、前記ダウンリンク制御チャネルのUE固有サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第2の基準、
のうちの1つまたは複数に従って実行するステップと、
前記タイムスロットグループの前記決定された1つまたは複数の監視タイムスロットのうちの少なくとも1つにおいて前記ダウンリンク制御チャネル上でダウンリンク制御情報メッセージを前記UEに送信するステップと、
を含む、方法。
【請求項37】
動作に際して、ユーザ機器のプロセスを制御する集積回路であって、前記プロセスは、UEによって実行される、
2つ以上のタイムスロットグループに対して、監視機能に従って前記UEによって監視される前記タイムスロットグループ内の1つまたは複数のタイムスロットを決定するステップであって、前記監視機能は、ダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のタイムスロットにおける1つまたは複数の監視機会においてダウンリンク制御チャネルを監視するために前記UEによって動作させられる、前記決定するステップと、
前記タイムスロットグループ内の監視タイムスロットの前記決定を、
監視タイムスロットが、前記ダウンリンク制御チャネルの共通サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第1の基準、
監視タイムスロットが、前記ダウンリンク制御チャネルのUE固有サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第2の基準、
のうちの1つまたは複数に従って実行するステップと、
前記タイムスロットグループの前記決定された1つまたは複数の監視タイムスロットにおいて前記ダウンリンク制御チャネルを監視するステップと、
を含む、集積回路。
【請求項38】
動作に際して、基地局のプロセスを制御する集積回路であって、前記プロセスは、前記基地局によって実行される、
2つ以上のタイムスロットグループに対して、監視機能に従ってUEによって監視される前記タイムスロットグループ内の1つまたは複数のタイムスロットを決定するステップであって、前記監視機能は、前記基地局から送信されたダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のタイムスロットにおける1つまたは複数の監視機会においてダウンリンク制御チャネルを監視するために前記UEによって動作させられる、前記決定するステップと、
前記タイムスロットグループ内の監視タイムスロットの前記決定を、
監視タイムスロットが、前記ダウンリンク制御チャネルの共通サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第1の基準、
監視タイムスロットが、前記ダウンリンク制御チャネルのUE固有サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第2の基準、
のうちの1つまたは複数に従って実行するステップと、
前記タイムスロットグループの前記決定された1つまたは複数の監視タイムスロットのうちの少なくとも1つにおいて前記ダウンリンク制御チャネル上でダウンリンク制御情報メッセージを前記UEに送信するステップと、
を含む、集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、3GPP(登録商標)通信システム等の通信システムにおける方法、装置、および物品を対象とする。
【背景技術】
【0002】
現在、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP:the 3rd Generation Partnership Project)は、第5世代(5G:fifth generation)とも呼ばれる次世代セルラ技術に対する技術仕様に取り組んでいる。
【0003】
1つの目的は、少なくとも拡張モバイルブロードバンド(eMBB:enhanced mobile broadband)、超高信頼低遅延通信(URLLC:ultra-reliable low-latency communications)、大規模マシンタイプ通信(mMTC:massive machine type communication)を含むすべての利用シナリオ、要件、および配置シナリオ(例、3GPP TR 38.913バージョン16.0.0のセクション6を参照)に対処する単一の技術フレームワークを提供することである。たとえば、eMBB配置シナリオは屋内ホットスポット、密集した都市部、ルーラル、都市部マクロ、および高速を含んでもよく、URLLC配置シナリオは産業用制御システム、モバイルヘルスケア(遠隔モニタリング、診断、および治療)、車両のリアルタイム制御、広域モニタリング、およびスマートグリッドのための制御システムを含んでもよく、mMTC配置シナリオは、たとえばスマートウェアラブルおよびセンサネットワークなどの、非タイムクリティカルデータ転送を伴う多数のデバイスを有するシナリオを含んでもよい。eMBBおよびURLLCサービスは、どちらも非常に広い帯域幅を要求する点で類似しているが、URLLCサービスは好ましくは超低遅延を必要とし得る点で異なっている。
【0004】
第2の目的は、上位互換性を達成することである。Long Term Evolution(LTE、LTE-A)セルラシステムに対する下位互換性は必要ないため、まったく新しいシステム設計および/または新規の特性の導入が促進される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
1つの非限定的で例示的な実施形態は、UEが改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順を実行するための手順を提供することを容易にする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態では、本明細書で開示する技術は、以下を備えるユーザ機器UEを特徴とする。UEの処理回路は、2つ以上のタイムスロットグループに対して、監視機能に従ってUEによって監視されるそのタイムスロットグループ内の1つまたは複数のタイムスロットを決定し、監視機能は、ダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のタイムスロットにおける1つまたは複数の監視機会においてダウンリンク制御チャネルを監視するためにUEによって動作させられる。処理回路は、そのタイムスロットグループ内の監視タイムスロットの決定を、
・監視タイムスロットが、ダウンリンク制御チャネルの共通サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第1の基準、
・監視タイムスロットが、ダウンリンク制御チャネルのUE固有サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第2の基準、
のうちの1つまたは複数に従って実行する。
【0007】
次いで、処理回路は、タイムスロットグループの決定された1つまたは複数の監視タイムスロットにおいてダウンリンク制御チャネルを監視する。
【0008】
一般的な実施形態または特定の実施形態が、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、記憶媒体、またはそれらの任意の選択的な組み合わせとして実施され得ることに留意されたい。たとえば、集積回路は、UEまたは基地局の処理を制御することができる。
【0009】
開示されている実施形態および様々な実施態様のさらなる恩恵および利点は、本明細書および図面から明らかになるであろう。これらの恩恵および/または利点は、本明細書および図面のさまざまな実施形態および特徴によって、個別に得ることができ、このような恩恵および/または利点の1つまたは複数を得る目的で、実施形態および特徴すべてを設ける必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
以下の実施形態は、添付の図面を参照してより詳細に説明される。
図1】3GPP NRシステムの例示的なアーキテクチャの図である。
図2】NG-RANと5GCとの間の機能分離を示す概略図である。
図3】RRC接続のセットアップ/再設定の手順のシーケンス図である。
図4】拡張モバイルブロードバンド(eMBB)、大規模マシンタイプ通信(mMTC)、および超高信頼低遅延通信(URLLC)の利用シナリオを示す概略図である。
図5】非ローミングシナリオのための例示的な5Gシステムアーキテクチャを示すブロック図である。
図6】帯域幅パート、制御リソースセット(CORESET:Control Resource Set)、サーチスペース、サーチスペースセット、およびPDCCH候補の間の関係を示す図である。
図7】異なるサブキャリア間隔の無線フレーム、サブフレーム、スロット、およびOFDMシンボルを含む、5G NRなどの通信システムにおける例示的な時間領域構造を示す図である。
図8】52.6~72GHzの新しい周波数範囲で使用される高いサブキャリア間隔の、結果的に得られるスロット長およびOFDMシンボルを示す図である。
図9】時間領域においてタイムスロットをグループ化するためのタイムスロットグループの使用を示す図である。
図10】4つのビームによるダウンリンク制御チャネル、特に共通サーチスペースのビームスイープと、2つのUEによる受信とを示す図である。
図11】その結果得られるビームスイープCSSのタイミングを示す図であり、具体的にはCSSは各タイムスロットグループ内の異なるタイムスロットに配置されており、2つのUEの監視タイムスロットの位置が固定であることが仮定されている。
図12】UEおよびgNBの例示的な簡略化した構造を示す図である。
図13】改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順の例示的な実装によるUEの構造を示す図である。
図14】改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順の例示的な実装によるUE動作の流れ図である。
図15】改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順の例示的な実装による基地局の構造を示す図である。
図16】改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順の例示的な実装に参加する基地局の動作の流れ図である。
図17】改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順の例示的な実装におけるUEおよびgNBの間の例示的な交換を示すシグナリング図である。
図18】改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順の第1の解決策の例示的な実装によるUE動作の流れ図である。
図19】改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順の第1の解決策の例示的な実装による、CSS MOおよびUSS MOの設定と、その結果得られるY個の監視タイムスロットとを示す図である。
図20】改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順の第1の解決策の例示的な実装による、CSS MOおよびUSS MOの設定と、その結果得られるY個の監視タイムスロットとを示す図である。
図21】改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順の第1の解決策の例示的な実装による、CSS MOおよびUSS MOの設定と、その結果得られるY個の監視タイムスロットとを示す図である。
図22】改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順の第1の解決策の例示的な実装による、CSS MOおよびUSS MOの設定と、その結果得られるY個の監視タイムスロットとを示す図である。
図23】改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順の第1の解決策の例示的な実装による、CSS MOおよびUSS MOの設定と、その結果得られるY個の監視タイムスロットとを示す図である。
図24】改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順の第2の解決策の例示的な実装によるUE動作の流れ図である。
図25】改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順の第2の解決策の例示的な実装による、CSS MOおよびUSS MOの設定と、その結果得られるY個の監視タイムスロットとを示す図である。
図26】改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順の第2の解決策の例示的な実装による、CSS MOおよびUSS MOの設定と、その結果得られるY個の監視タイムスロットとを示す図である。
図27】改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順の第2の解決策の例示的な実装による、CSS MOおよびUSS MOの設定と、その結果得られるY個の監視タイムスロットとを示す図である。
図28】改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順の第2の解決策の例示的な実装による、CSS MOおよびUSS MOの設定と、その結果得られるY個の監視タイムスロットとを示す図である。
図29】改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順の第2の解決策の例示的な実装による、設定されたMOが変更されたか否かに関するチェックを含む、UE動作の流れ図である。
図30図29の解決策の例示的な実装による、CSS MOおよびUSS MOの設定と、その結果得られるY個の監視タイムスロットとを示す図である。
図31】CSS MOおよびUSS MOの設定と、その結果得られるY個の監視タイムスロットと、特にバックツーバック(back-to-back)問題とを示す図である。
図32】CSS MOおよびUSS MOの設定と、その結果得られるY個の監視タイムスロットと、特に第1の解決策を適用する場合の、図30のバックツーバック問題を解決する方法とを示す図である。
図33】CSS MOおよびUSS MOの設定と、その結果得られるY個の監視タイムスロットと、特に第2の解決策を適用する場合の、図30のバックツーバック問題を解決する方法とを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<5G NRのシステムアーキテクチャおよびプロトコルスタック>
3GPPは、100GHzまでの周波数範囲で動作する新無線アクセス技術(NR)の開発を含む第5世代セルラ技術(単に「5G」ともいう)の次のリリースに向けて作業を続けている。5G規格の初版は2017年の終わりに完成しており、これにより、5G NRの規格に準拠したスマートフォンの試作および商用配備に移ることが可能となっている。
【0012】
特に、全体的なシステムアーキテクチャは、gNBを備えるNG-RAN(Next Generation-Radio Access Network)を想定する。gNBは、NG無線アクセスのユーザプレーン(SDAP/PDCP/RLC/MAC/PHY)及び制御プレーン(RRC)プロトコルのUE側の終端を提供する。gNBは、Xnインタフェースによって相互に接続される。また、gNBは次世代(NG:Next Generation)インタフェースによって次世代コア(NGC:Next Generation Core)に、より具体的には、NG-Cインタフェースによってアクセス・モビリティ管理機能(AMF:Access and Mobility Management Function。例えば、AMFを実行する特定のコアエンティティ)に、また、NG-Uインタフェースによってユーザプレーン機能(UPF:User Plane Function。例えば、UPFを実行する特定のコアエンティティ)に接続される。NG-RANアーキテクチャは、図1に示される(例えば、3GPP TS 38.300 v16.46.0のセクション4参照)。
【0013】
NRのユーザプレーンプロトコルスタック(例えば、3GPP TS 38.300のセクション4.4.1参照)は、gNBにおいてネットワーク側で終端されるPDCP(Packet Data Convergence Protocol。TS 38.300のセクション6.4参照)サブレイヤ、RLC(Radio Link Control。TS 38.300のセクション6.3参照)サブレイヤ、及びMAC(Medium Access Control。TS 38.300のセクション6.2参照)サブレイヤを含む。さらに、PDCPの上位には、新たなアクセス層(AS:Access Stratum)サブレイヤ(SDAP:Service Data Adaptation Protocol)が導入されている(例えば、TS 38.300のsub-clause 6.5参照)。また、NRでは制御プレーンのプロトコルスタックも定義されている(例えば、TS 38.300のセクション4.4.2参照)。レイヤ2機能の概要は、TS 38.300のsub-clause 6に記載されている。RRCレイヤの機能は、TS 38.300のsub-clause 7に列挙されている。
【0014】
例えば、MACレイヤでは、論理チャネルの多重化や、様々なヌメロロジーの処理を含むスケジューリングやスケジューリング関連の機能を担う。
【0015】
物理レイヤ(PHY:physical layer)は、例えば、符号化、PHY HARQ処理、変調、マルチアンテナ処理、及び信号の適切な物理時間-周波数リソースへの配置を担う。また、トランスポートチャネルの物理チャネルへの配置も行う。物理レイヤは、トランスポートチャネルの形式でMACレイヤにサービスを提供する。物理チャネルは、特定のトランスポートチャネルの送信に使用される時間-周波数リソースの組に対応し、各トランスポートチャネルは、対応する物理チャネルに配置される。例えば、物理チャネルは、上りリンクではPRACH(Physical Random Access Channel)、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)及びPUCCH(Physical Uplink Control Channel)となり、下りリンクではPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)及びPBCH(Physical Broadcast Channel)となる。
【0016】
NRのユースケース/展開シナリオには、eMBB(enhanced Mobile Broadband)、URLLC(Ultra-Reliable Low-Latency Communications)、mMTC(massive Machine Type Communication)などがあり、これらはデータレート、遅延、カバレッジに関して多様な要件を持つ。例えば、eMBBでは、IMT-Advancedで提供されているものの三倍ほどのピークデータレート(下り20Gbps、上り10Gbps)および実効(user-experienced)データレートに対応することが求められる。一方、URLLCでは、より厳しい要件が超低遅延(ユーザプレーンの遅延はUL、DLともに0.5ms)と高信頼性(1ms以内に1-10-5)について課されている。最後に、mMTCには、好ましくは、高い接続密度(都市環境では1平方キロメートルあたり100万台)、悪環境での広いカバレッジ、低コスト機器の超長寿命バッテリー(15年)が求められる。
【0017】
したがって、一つのユースケースに適したOFDMヌメロロジー(例えば、サブキャリア間隔、OFDMシンボル長、巡回プレフィクス(CP)長、スケジューリング間隔あたりのシンボル数)は、他のユースケースには有効でない場合がある。例えば、低遅延サービスは、好ましくは、mMTCサービスよりも短いシンボル長(したがって、より大きなサブキャリア間隔)および/またはスケジューリング区間(換言すると、TTI)毎のシンボル数が少ないことが求められうる。さらに、チャネルの遅延スプレッドが大きい展開シナリオでは、好ましくは、遅延スプレッドが短いシナリオよりもCP長が長いことが求められうる。同様のCPオーバーヘッドを維持するためには、サブキャリア間隔は適宜最適化される必要がある。NRでは、複数の値のサブキャリア間隔をサポートしてもよい。これに対応して、現時点では15kHz、30kHz、60kHz、・・・、のサブキャリア間隔が検討されている。シンボル長Tとサブキャリア間隔Δfは、式Δf=1/Tによって直接関係づけられる。LTEシステムと同様、「リソースエレメント」という用語は、1つのOFDM/SC-FDMAシンボルの長さに対する一つのサブキャリアで構成される最小のリソース単位を示すのに使用することができる。
【0018】
新たな無線システム5G-NRにおいては、各ヌメロロジーおよびキャリアに対して、アップリンクおよびダウンリンクのそれぞれに対してサブキャリアおよびOFDMシンボルのリソースグリッドが定義される。リソースグリッドの各エレメントはリソースエレメントと呼ばれ、周波数領域における周波数インデックスと、時間領域におけるシンボル位置とに基づいて識別される(3GPP TS 38.211 v16.46.0、例、セクション4を参照)。たとえば、ダウンリンクおよびアップリンク送信は10msの持続時間を有するフレームに編成され、各フレームはそれぞれ1msの持続時間の10のサブフレームからなる。5g NRの実装において、サブフレーム当りの連続するOFDMシンボルの数は、サブキャリア間隔設定に依存する。たとえば、15kHzのサブキャリア間隔に対して、サブフレームは14のOFDMシンボルを有する(通常のサイクリックプレフィックスを想定したLTE適合実装と同様である)。他方で、30kHzのサブキャリア間隔に対して、サブフレームは2つのスロットを有し、各スロットは14のOFDMシンボルを含む。
【0019】
<5G NRにおけるNG-RANと5GCとの間の機能分離>
図2は、NG-RANと5GCとの間の機能分離を示す。NG-RANの論理ノードは、gNBまたはng-eNBである。5GCは、論理ノードAMF、UPF、およびSMFを有する。
【0020】
特に、gNBおよびng-eNBは、以下の主な機能をホストする:
- 無線ベアラ制御(Radio Bearer Control)、無線アドミッション制御(Radio Admission Control)、接続モビリティ制御(Connection Mobility Control)、上りリンクおよび下りリンクの両方におけるリソースのUEへの動的割当(スケジューリング)等の無線リソース管理(Radio Resource Management)の機能;
- データのIPヘッダ圧縮、暗号化、および完全性保護;
- UEが提供する情報からAMFへのルーティングを決定することができない場合のUEのアタッチ時のAMFの選択;
- UPFに向けたユーザプレーンのデータのルーティング;
- AMFに向けた制御プレーン情報のルーティング;
- 接続のセットアップおよび解除;
- ページングメッセージのスケジューリングおよび送信;
- システム報知情報(AMFまたは運用管理保守機能(OAM:Operation,Admission,Maintenance)が発信源)のスケジューリングおよび送信;
- モビリティおよびスケジューリングのための測定および測定の報告の設定;
- 上りリンクにおけるトランスポートレベルのパケットマーキング;
- セッション管理;
- ネットワークスライシングのサポート;
- QoSフロー管理およびデータ無線ベアラに対するマッピング;
- RRC_INACTIVE状態のUEのサポート;
- 非アクセス層(NAS:Non-Access Stratum)メッセージの配信機能;
- 無線アクセスネットワークの共有;
- デュアルコネクティビティ;
- NRとE-UTRAとの緊密な連携。
【0021】
アクセス・モビリティ管理機能(AMF)は、以下の主な機能をホストする:
- 非アクセス層(NAS:Non-Access Stratum)のシグナリングを終端させる機能;
- NASシグナリングのセキュリティ;
- アクセス層(AS)のセキュリティ制御;
- 3GPPのアクセスネットワーク間でのモビリティのためのコアネットワーク(CN:Core Network)ノード間シグナリング;
- アイドルモードのUEへの到達可能性(ページングの再送の制御および実行を含む);
- 登録エリアの管理;
- システム内モビリティおよびシステム間モビリティのサポート;
- アクセス認証;
- ローミング権限のチェックを含むアクセス承認;
- モビリティ管理制御(加入およびポリシー);
- ネットワークスライシングのサポート;
- セッション管理機能(SMF)の選択。
【0022】
さらに、ユーザプレーン機能(UPF)は、以下の主な機能をホストする:
- RAT内モビリティ/RAT間モビリティ(適用可能な場合)のためのアンカーポイント;
- データネットワークとの相互接続のための外部PDU(Protocol Data Unit)セッションポイント;
- パケットのルーティングおよび転送;
- パケット検査およびユーザプレーン部分のポリシールールの強制(Policy rule enforcement);
- トラフィック使用量の報告;
- データネットワークへのトラフィックフローのルーティングをサポートする上りリンククラス分類(uplink classifier);
- マルチホームPDUセッション(multi-homed PDU session)をサポートするための分岐点(Branching Point);
- ユーザプレーンに対するQoS処理(例えば、パケットフィルタリング、ゲーティング(gating)、UL/DLレート制御(UL/DL rate enforcement);
- 上りリンクトラフィックの検証(SDFのQoSフローに対するマッピング);
- 下りリンクパケットのバッファリングおよび下りリンクデータ通知のトリガ機能。
【0023】
最後に、セッション管理機能(SMF)は、以下の主な機能をホストする:
- セッション管理;
- UEに対するIPアドレスの割当および管理;
- UPFの選択および制御;
- 適切な宛先にトラフィックをルーティングするためのユーザプレーン機能(UPF)におけるトラフィックステアリング(traffic steering)の設定機能;
- 制御部分のポリシー強制およびQoS;
- 下りリンクデータの通知。
【0024】
<RRC接続のセットアップおよび再設定の手順>
図3は、NAS部分の、UEがRRC_IDLEからRRC_CONNECTEDに移行する際のUE、gNB、およびAMF(5GCエンティティ)の間のやり取りのいくつかを示す(TS 38.300参照)。
【0025】
RRCは、UEおよびgNBの設定に使用される上位レイヤのシグナリング(プロトコル)である。特に、この移行により、AMFは、UEコンテキストデータ(これは、例えば、PDUセッションコンテキスト、セキュリティキー、UE無線能力(UE Radio Capability)、UEセキュリティ能力(UE Security Capabilities)等を含む)を用意し、初期コンテキストセットアップ要求(INITIAL CONTEXT SETUP REQUEST)とともにgNBに送る。そして、gNBは、UEと一緒に、ASセキュリティをアクティブにする。これは、gNBがUEにSecurityModeCommandメッセージを送信し、UEがSecurityModeCompleteメッセージでgNBに応答することによって行われる。その後、gNBは、UEにRRCReconfigurationメッセージを送信し、これに対するUEからのRRCReconfigurationCompleteをgNBが受信することによって、シグナリング無線ベアラ2(SRB2)およびデータ無線ベアラ(DRB)をセットアップするための再設定を行う。シグナリングのみの接続については、SRB2およびDRBがセットアップされないため、RRCReconfigurationに関するステップは省かれる。最後に、gNBは、初期コンテキストセットアップ応答(INITIAL CONTEXT SETUP RESPONSE)でセットアップ手順が完了したことをAMFに通知する。
【0026】
したがって、本開示では、gNodeBとのNext Generation(NG)接続を動作時に確立する制御回路と、gNodeBとユーザ機器(UE:User Equipment)との間のシグナリング無線ベアラがセットアップされるように動作時にNG接続を介してgNodeBに初期コンテキストセットアップメッセージを送信する送信部と、を備える、5th Generation Core(5GC)のエンティティ(例えば、AMF、SMF等)が提供される。具体的には、gNodeBは、リソース割当設定情報要素(IE:Information Element)を含む無線リソース制御(RRC)シグナリングを、シグナリング無線ベアラを介してUEに送信する。そして、UEは、リソース割当設定に基づき上りリンクにおける送信または下りリンクにおける受信を行う。
【0027】
<2020年以降のIMTの利用シナリオ>
図4は、5G NRのユースケースの一部を示す。第3世代パートナーシッププロジェクトNR(3GPP NR)では、IMT-2020によって多種多様なサービスやアプリケーションに対応することが想定されている三つのユースケースが検討されている。高速大容量(eMBB)のための第一段階の仕様の策定は終了している。eMBBのサポートをさらに拡充することに加え、現在および将来的には、超高信頼低遅延(URLLC)および多数同時接続の標準化の研究も進められる。図4は、2020年以降のIMTで想定される利用シナリオの例を示す(例えば、ITU-R M.20183の図2を参照)。
【0028】
URLLCのユースケースは、スループット、遅延、アベイラビリティ等の性能に対する厳しい要件を有し、工業生産や製造プロセスの無線制御、遠隔医療手術、スマートグリッドの配電自動化、交通安全等、将来の垂直アプリケーションを実現するものの一つとして想定されている。URLLCの超高信頼性は、TR 38.913v16.0.0によって設定された要件を満たす技術を特定することでサポートされる。リリース15におけるNR URLLCの場合、UL(上りリンク)0.5ms、DL(下りリンク)0.5msのユーザプレーン遅延を目標とすることが主要な要件である。一度のパケット送信に対する一般的なURLLCの要件は、ユーザプレーン遅延が1msの場合、32バイトのパケットサイズに対してブロック誤り率(BLER:block error rate)が1E-5であることである。
【0029】
物理レイヤの観点では、信頼性は、多くの採り得る方法で向上可能である。現在の信頼性向上の余地としては、URLLC用の別個のCQIテーブル、よりコンパクトなDCIフォーマット、PDCCHの繰り返し送信等を定義することが含まれる。しかしながら、この余地は、NRが(NR URLLCの重要要件に関し)より安定しかつより開発されるにつれて、超高信頼性の実現のために広がりうる。リリース15におけるNR URLLCの具体的なユースケースには、拡張現実/仮想現実(AR/VR)、e-ヘルス、e-セイフティ、およびミッションクリティカルなアプリケーションが含まれる。
【0030】
また、NR URLLCが目標とする技術拡張は、レイテンシの改善および信頼性の向上を目指している。レイテンシの改善のための技術拡張には、設定可能なヌメロロジー、フレキシブルなマッピングによる非スロットベースのスケジューリング、グラントフリーの(設定グラントの)上りリンク、データチャネルにおけるスロットレベルでの繰り返し送信、および下りリンクでのプリエンプション(Pre-emption)が含まれる。プリエンプションとは、リソースが既に割り当てられた送信が停止され、当該既に割り当てられたリソースが、後から要求されたより低いレイテンシ/より高い優先度の要件の他の送信に使用されることを意味する。したがって、既に許可されていた送信は、後の送信によって差し替えられる。プリエンプションは、具体的なサービスタイプと無関係に適用可能である。例えば、サービスタイプA(URLLC)の送信が、サービスタイプB(eMBB等)の送信によって差し替えらされうる。信頼性向上についての技術拡張には、1E-5の目標BLERのための専用のCQI/MCSテーブルが含まれる。
【0031】
mMTC(大規模マシンタイプ通信)のユースケースの特徴は、典型的には遅延の影響を受けにくい比較的少量のデータを送信する接続装置の数が極めて多いことである。装置には、低価格であること、および電池寿命が非常に長いことが要求される。NRの観点からは、非常に狭い帯域幅部分を利用することが、UEから見て電力が節約されかつ電池の長寿命化を可能にする1つの解決手段である。
【0032】
上述のように、NRにおける信頼性向上のスコープはより広くなることが予測される。あらゆるケースにとっての重要要件の1つであって、特にURLLCおよびmMTCに必要な重要要件が高信頼性または超高信頼性である。いくつかのメカニズムは、無線の観点およびネットワークの観点から、信頼性を向上させることができると考えられうる。概して、信頼性の向上に役立つ可能性がある2つ~3つの重要な領域が存在する。これらの領域には、コンパクトな制御チャネル情報、データチャネル/制御チャネルの繰り返し送信、および周波数領域、時間領域、および/または空間領域に関するダイバーシチがある。これらの領域は、特定の通信シナリオにかかわらず一般に信頼性向上に適用可能である。
【0033】
NR URLLCに関し、ファクトリーオートメーション、運送業、および電力の分配のような、要件がより厳しいさらなるユースケースが想定されている。厳しい要件とは、高い信頼性(10レベルまでの信頼性)、高い可用性、256バイトまでのパケットサイズ、数μs程度までの時刻同期(time synchronization)(ユースケースに応じて、値を、周波数範囲および0.5ms~1ms程度の短いレイテンシ(特に、目標とするユーザプレーンでの0.5msのレイテンシ)に応じて1μsまたは数μsとすることができる)である。
【0034】
さらに、NR URLLCについては、物理レイヤの観点からいくつかの技術拡張が有り得る。これらの技術拡張には、コンパクトなDCIに関するPDCCH(Physical Downlink Control Channel)の拡張、PDCCHの繰り返し送信、PDCCHのモニタの増加がある。また、UCI(Uplink Control Information)の拡張は、enhanced HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)およびCSIフィードバックの拡張に関係する。また、ミニスロットレベルのホッピングに関係するPUSCHの拡張、および再送/繰り返し送信の拡張が有り得る。用語「ミニスロット」は、スロットより少数のシンボルを含む送信時間間隔(TTI)を指す(スロットは、14個のシンボルを含む)。
【0035】
<QoS制御>
5GのQoS(サービス品質)モデルは、QoSフローに基づいており、保証されたフロービットレートが求められるQoSフロー(GBR(Granteed Bit Rate)QoSフロー)、および、保証されたフロービットレートが求められないQoSフロー(非GBR QoSフロー)をいずれもサポートする。したがって、NASレベルでは、QoSフローは、PDUセッションにおける最も微細な粒度のQoSの区分である。QoSフローは、NG-Uインタフェースを介してカプセル化ヘッダ(encapsulation header)において搬送されるQoSフローID(QFI:QoS Flow ID)によってPDUセッション内で特定される。
【0036】
各UEについて、5GCは、1つ以上のPDUセッションを確立する。各UEについて、PDUセッションに合わせて、NG-RANは、例えば図3を参照して上に示したように少なくとも一つのデータ無線ベアラ(DRB)を確立する。また、そのPDUセッションのQoSフローに対する追加のDRBが後から設定可能である(いつ設定するかはNG-RAN次第である)。NG-RANは、様々なPDUセッションに属するパケットを様々なDRBにマッピングする。UEおよび5GCにおけるNASレベルパケットフィルタが、ULパケットおよびDLパケットとQoSフローとを関連付けるのに対し、UEおよびNG-RANにおけるASレベルマッピングルールは、UL QoSフローおよびDL QoSフローとDRBとを関連付ける。
【0037】
図5は、5G NRの非ローミング参照アーキテクチャを示す(例えば、3GPP TS 23.501 v16.9.0 または、v16.7.1.1、セクション4.2.3参照)。図4に例示される、5Gサービスをホストする外部アプリケーションサーバなどのアプリケーション機能(AF)は、サービスを提供するために3GPPコアネットワークとやり取りを行う。例えば、トラフィックルーティングに影響を与えるアプリケーションをサポートするためにネットワーク公開機能(NEF:Network Exposure Function)にアクセスすること、QoS制御などのポリシー制御のためにポリシーフレームワークとやり取りすること(ポリシー制御機能(PCF)参照)が挙げられる。オペレータによる配備に基づき、オペレータから信頼されているとみなされるアプリケーション機能は、関連するネットワーク機能と直接やり取りすることができる。ネットワーク機能への直接のアクセスをオペレータから許可されていないアプリケーション機能は、NEFを介して外部に対する開放フレームワークを使用して、関連するネットワーク機能とやり取りする。
【0038】
図5は、5Gアーキテクチャのさらなる機能単位、すなわち、ネットワークスライス選択機能(NSSF)、ネットワークリポジトリ機能(NRF)、統一データ管理(UDM)、認証サーバ機能(AUSF)、アクセス・モビリティ管理機能(AMF)、セッション管理機能(SMF)、およびデータネットワーク(DN、例えば、オペレータによるサービス、インターネットアクセス、またはサードパーティーによるサービス)をさらに示す。コアネットワークの機能およびアプリケーションサービスの全部または一部がクラウドコンピューティング環境において展開されかつ動作してもよい。
【0039】
したがって、本開示では、QoS要件に応じたgNodeBとUEとの間の無線ベアラを含むPDUセッションを確立するために、動作時に、URLLCサービス、eMBBサービス、およびmMTCサービスのうちの少なくとも1つに対するQoS要件を含む要求を5GCの機能(例えば、NEF、AMF、SMF、PCF、UPF等)のうちの少なくとも1つに送信する送信部と、動作時に、確立されたPDUセッションを使用してサービスを行う制御回路と、を備える、アプリケーションサーバ(例えば、5GアーキテクチャのAF)が提供される。
【0040】
<帯域幅パート>
NRシステムは、LTEの20MHzの帯域幅よりもはるかに広い最大チャネル帯域幅(たとえば、100MHz)をサポートする。LTEでは、最大20MHzのコンポーネントキャリアのキャリアアグリゲーション(CA:carrier aggregation)を介した広帯域通信もサポートされている。NRではより広いチャネル帯域幅を定義することにより、スケジューリングを介して周波数リソースを動的に割り当てることが可能になり、これは、アクティブ化/非アクティブ化がMAC制御エレメントに基づくLTEのキャリアアグリゲーション動作よりも効率的かつ柔軟であり得る。単一の広帯域キャリアを有することは、1回の制御シグナリングしか必要としないので、制御オーバーヘッドが低いという点でもメリットがある(キャリアアグリゲーションでは、アグリゲートされたキャリアごとに個別の制御シグナリングが必要である)。
【0041】
また、LTEと同様に、NRはキャリアアグリゲーションまたはデュアルコネクティビティを介した複数のキャリアのアグリゲーションもサポートし得る。
【0042】
UEは常に高いデータ速度を要求するわけではないので、広い帯域幅を使用すると、RFおよびベースバンド信号処理の両方の観点からアイドリング消費電力が高くなり得る。この点に関して、NR用に新しく開発された帯域幅パートの概念は、設定されたチャネル帯域幅よりも狭い帯域幅でUEを動作させる手段を提供することによって、広帯域動作をサポートするにもかかわらずエネルギー効率の高い解決策を提供する。NRの全帯域幅にアクセスできないローエンドの端末は、その利益を得ることができる。
【0043】
帯域幅パート(BWP:bandwidth part)は、セルの総セル帯域幅のサブセットであり、たとえば、連続する物理リソースブロック(PRB:physical resource block)の位置および数によって定義される。これはアップリンクおよびダウンリンクで別々に定義され得る。さらに、各帯域幅パートは特定のOFDMニューメロロジーに、たとえば、サブキャリア間隔およびサイクリックプレフィックスに関連付けることができる。たとえば、UEにBWP(複数可)を設定し、設定されたBWPのうちのいずれが現在アクティブであるかをUEに伝えることによって、帯域幅適応が実現される。
【0044】
例示的には、5G NRでは、RRC_Connected状態のUEに対してのみ特定のBWPが設定される。たとえば、初期BWP(たとえば、UL用およびDL用に1つずつ)以外に、BWPは接続状態のUEに対してのみ存在する。UEをRRC_IDLEまたはRRC_INACTIVE状態からRRC_CONNECTED状態に移行させる過程などでの、UEとネットワークとの間の初期データ交換をサポートするために、初期DL BWPおよび初期UL BWPが最小システム情報で設定される。
【0045】
UEには2つ以上のBWPを設定することができるが(たとえば、現在NRで定義されているように、サービングセルあたり最大4つのBWP)、UEは一度に1つのアクティブDL BWPしか有さない。設定されたBWP間の切り替えは、たとえば、ダウンリンク制御情報(DCI:downlink control information)を使用して実現され得る。
【0046】
プライマリセル(PCell:Primary Cell)の場合、初期BWPは初期アクセスに使用されるBWPであり、他の初期BWPが明示的に設定されていない限り、デフォルトのBWPは初期BWPである。セカンダリセル(SCell:Secondary Cell)の場合、初期BWPは常に明示的に設定され、デフォルトのBWPも設定され得る。サービングセルにデフォルトのBWPが設定されている場合、そのセルに関連付けられた非アクティブタイマーが切れると、アクティブなBWPがデフォルトのBWPに切り替えられる。
【0047】
一部のDCIフォーマットにはBWP IDが含まれていないが(たとえば、フォーマット0_0および1_0)、他のDCIフォーマットではBWP IDのビット数はRRCで設定可能であり、0、1、2ビットにすることができる(たとえば、フォーマット0_1、0_2、1_1、および1_2の場合)。
【0048】
図6は、周波数帯域幅が40MHzでサブキャリア間隔が15kHzのBWP1、幅が10MHzでサブキャリア間隔が15kHzのBWP2、および幅が20MHzでサブキャリア間隔が60kHzのBWP3の3つの異なるBWPが設定されたシナリオを示している。
【0049】
<制御情報 - サーチスペースセット>
制御情報ならびにユーザトラフィック(たとえば、PDCCH上のDCI、およびPDCCHによって示されるPDSCH上のユーザデータ)などのUE向けの情報を識別および受信するために、UEによってPDCCH監視が行われる。
【0050】
ダウンリンクの制御情報(たとえば、ダウンリンク制御情報DCIと呼ばれ得る)は、5G NRでの目的がLTEでのDCIと基本的に同じであり、すなわち、ダウンリンクデータチャネル(PDSCHなど)またはアップリンクデータチャネル(PUSCHなど)をスケジューリングする特別な制御情報のセットである。5G NRでは、いくつかの異なる定義済みのDCIフォーマットがある(TS38.212v16.6.0セクション7.3.1参照)。概要を以下の表に示す。
【表1】
【0051】
5G NRでは、制御リソースセット(CORESET:control resource set)と呼ばれる無線リソース領域においてPDCCHが送信される。LTEでは、CORESETの概念は明示的には存在しない。代わりに、LTEのPDCCHは、最初の1~3個のOFDMシンボル(最も狭帯域の場合は4個)における全キャリア帯域幅を使用する。対照的に、NRのCORESETはスロット内の任意の位置およびキャリアの周波数範囲内の任意の位置に存在し得、ただし、UEが自身のアクティブな帯域幅パート(BWP)外のCORESETをハンドリングすることは想定されていないという点を除く。
【0052】
したがって、UEは、たとえば3GPP TS38.213バージョン16.6.0、セクション10および11に定義されているように、PDCCHの監視動作を実行する。そこで例示的に定義されているように、UEは、PDCCHサーチスペースセットを単位として定義されるPDCCH候補のセットを監視する。サーチスペースセットは、共通サーチスペースセット(CSS:common search spaceセット)またはUE固有サーチスペースセット(USS:UE-specific search spaceセット)とすることができる。3GPP TS38.213v16.6.0、セクション10.1で例示的に定義されているように、UEは以下のCSSセットおよびUSSセットのうちの1つまたは複数におけるPDCCH候補を監視する。
- MCGのプライマリセル上のSI-RNTIによってスクランブルされたCRCを有するDCIフォーマットに対して、MIB内のpdcch-ConfigSIB1、またはPDCCH-ConfigCommon内のsearchSpaceSIB1、あるいはPDCCH-ConfigCommon内のsearchSpaceZeroによって設定されるType0-PDCCH CSSセット
- MCGのプライマリセル上のSI-RNTIによってスクランブルされたCRCを有するDCIフォーマットに対して、PDCCH-ConfigCommon内のsearchSpaceOtherSystemInformationによって設定されるType0A-PDCCH CSSセット
- プライマリセル上のRA-RNTI、MsgB-RNTI、またはTC-RNTIによってスクランブルされたCRCを有するDCIフォーマットに対して、PDCCH-ConfigCommon内のra-SearchSpaceによって設定されるType1-PDCCH CSSセット
- MCGのプライマリセル上のP-RNTIによってスクランブルされたCRCを有するDCIフォーマットに対して、PDCCH-ConfigCommon内のpagingSearchSpaceによって設定されるType2-PDCCH CSSセット
- INT-RNTI、SFI-RNTI、TPC-PUSCH-RNTI、TPC-PUCCH-RNTI、TPC-SRS-RNTI、またはCI-RNTI、およびプライマリセルのみに関して、C-RNTI、MCS-C-RNTI、CS-RNTI(複数可)、またはPS-RNTIによってスクランブルされたCRCを有するDCIフォーマットに対して、SearchSpaceType=commonのPDCCH-Config内のSearchSpaceによって設定されるType3-PDCCH CSSセット
- C-RNTI、MCS-C-RNTI、SP-CSI-RNTI、CS-RNTI(複数可)、SL-RNTI、SL-CS-RNTI、またはSLセミパーシステントスケジューリングV-RNTIによってスクランブルされたCRCを有するDCIフォーマットに対して、SearchSpaceType=ue-SpecificのPDCCH-Config内のSearchSpaceによって設定されるUSSセット
【0053】
対応するサーチスペースセットを使用するPDCCH監視が設定されたアクティブ化された各サービングセルにおけるアクティブDL BWP上の1つまたは複数のCORESET内のサーチスペースセットが監視され、監視は、監視対象のDCIフォーマットに従って各PDCCH候補を復号することを意味する。
【0054】
最初のCORESETであるCORESET0が、マスター情報ブロック(MIB:master information block)により初期帯域幅パートの設定の一部として提供され、ネットワークから残りのシステム情報および追加の設定情報を受信することが可能になる。接続のセットアップ後、RRCシグナリングを使用して、複数のCORESETをUEに設定することができる。
【0055】
例示的な5G NR実装では、サーチスペースは、同じアグリゲーションレベルに関連付けられた複数のPDCCH候補を含み得る(たとえば、PDCCH候補は、監視対象のDCIフォーマットに関して異なる)。次に、サーチスペースセットは、アグリゲーションレベルが異なるが、同じCORESETに関連付けられた複数のサーチスペースを含み得る。上記のように、制御チャネルがキャリア帯域幅全体に広がるLTEとは異なり、CORESETの帯域幅は、たとえば、アクティブなDL周波数帯域幅パート(BWP)内に設定することができる。言い換えれば、CORESET設定は、サーチスペースセットの、ひいてはそのセット内のサーチスペースに含まれるPDCCH候補の周波数リソースを定義する。CORESET設定は、サーチスペースセットの持続時間も定義し、この持続時間は1~3個のOFDMシンボルの長さを有することができる。一方、開始時間は、サーチスペースセット設定自体によって設定され、たとえば、あるスロットのOFDMシンボルから、UEはそのセットのサーチスペースのPDCCHの監視を開始する。サーチスペースセットの設定およびCORESETの設定の組み合わせにより、UEのPDCCH監視要件に関する周波数領域および時間領域での明確な定義が提供される(たとえば、3GPP TS38.213v16.6.0、セクション10.1を参照)。
【0056】
概念的には、図6は、UEが監視できる帯域幅パート、CORESET、サーチスペース、サーチスペースセット、およびPDCCH候補の間の関係の例示的な図を提供している。図6から明らかなように、BWPごとに1つのCORESETを示しているが、2つ以上も可能である。そして、各CORESETは特定のアグリゲーションレベル(たとえば、AL2、4、または8)の1つまたは複数のPDCCH候補のいくつかのサーチスペースを有することができ、これらはサーチスペースセット、たとえば、共通SSセットおよびUE固有SSセットにグループ化することができる。
【0057】
CORESETおよびサーチスペースセットの設定は両方とも、RRCシグナリングを介して半静的に行うことができ、対応するRRC情報エレメントは、たとえば3GPP TS38.331v16.5.0の定義に従って以下に提供する、ControlResourceSetおよびSearchSpaceである。
【0058】
<5G NRにおける時間領域>
時間領域において、5G NRでの送信は長さ10msのフレームに編成され、各フレームは、長さ1msの10個の等サイズのサブフレームに分割される。転じて、サブフレームは1つまたは複数のスロットに分割され、各スロットは14個のOFDMシンボルから成る。ミリ秒単位のスロットの持続時間は、ニューメロロジーによって異なる。このため、たとえば、15kHzのサブキャリア間隔の場合、NRスロットは通常のサイクリックプレフィックスを有するLTEサブフレームと同じ構造を有する。5G NRのサブフレームはニューメロロジーに依存しない時間基準として機能し、これは、スロットが典型的な動的スケジューリングの単位であるのに対し、同じキャリアで複数のニューメロロジーが混合されている場合に特に有用である。3GPP 5G NR通信の基礎となるこのフレーム構造を図7に例示的に示す。
【0059】
<52GHzを超える新しい周波数スペクトル>
5G NRはこれまでのところ、FR1およびFR2の2つの周波数範囲で動作する。周波数範囲1(FR1:frequency range 1)は450MHz~6GHzであり、LTEを含む。周波数範囲2(FR2:frequency range 2)は24.25GHz~52.6GHzである。サブ6GHz範囲はFR1の名称であり、mmWaveスペクトルはFR2の名称である。
【0060】
比較的活用されていないミリ波(mmWave:millimeter-wave)スペクトルは、利用可能な連続する帯域幅の量が膨大であるので、高速データレート、低レイテンシ、および大容量を提供する優れた機会を提供する。しかしながら、52.6GHzを超える周波数の帯域での動作は、デバイスの性能によって制限され、たとえば、パワーアンプ(PA:power amplifier)の効率が悪いこと、位相ノイズ障害がより大きいこと、フロントエンドの挿入損失の増加、ならびに低ノイズアンプ(LNA:low noise amplifier)およびアナログデジタルコンバータ(ADC:analog-to-digital converter)のノイズなどがある。さらに、52.6GHzを超える周波数の帯域では、伝播損失および透過損失が大きいことに関する課題が生じる。それでも、52.6GHz~114.25GHzの周波数で動作するNRでは様々なユースケースが想定される。
【0061】
3GPPは現在、52.6GHz~71GHzの周波数範囲などの52.6GHzを超えるより高い周波数の場合の、480kHzおよび960kHzなどのより高いサブキャリア間隔の使用について議論している。
【0062】
しかしながら、SCSが高くなると、シンボル持続時間が短くなり、その結果、スロット持続時間も短くなる。たとえば、120kHzSCSの場合、1スロットは125usであるが、480kHzSCSの場合、1スロットは31.25usであり、960kHzSCSの場合は15.625usである。
【0063】
図8は、120kHzのSCSのスロット長と、480kHzおよび960kHzのSCSの対応するスロット長との比較を示している。さらに、無線フレームは、480kHzのSCSでは32スロットを有し、960kHzのSCSでは64スロットを有し、それぞれ1スロット当たり14OFDMシンボルを有し、それに対応して短いOFDMシンボル持続時間を有する。
【0064】
これらの短縮されたOFDMシンボルおよびスロット持続時間では、UE側で高い処理能力が必要になり得る。Rel.15またはRel.16に従うUEは、スロットごとにPDCCHを処理することが可能であるべきである(シングルスロット監視能力)。一方、52.6~71GHzの高周波範囲では、全てのUEがそのような短時間内に各スロットを処理できない場合がある。さらに、たとえ実際に可能であったとしても、そのような処理タイムラインが必要になると、UEの複雑さおよび消費電力が大幅に増加する。
【0065】
したがって、3GPPはRel.17のために、UEが480/960kHzSCSの場合に複数スロットごとにのみPDCCHを監視できるようにすること、すなわち、いわゆるマルチスロット監視の実現可能性について議論しており、換言すれば、UEは各スロットを監視する必要はない。
【0066】
<マルチスロット監視>
3GPPは現在、特に以下のフレームワークに基づく、マルチスロット監視機能を実装する方法について議論している。
・固定のスロットグループのパターンを使用して、可能性を定義する
○ 各スロットグループはX個のスロットからなる
○ スロットグループは連続しており、重複していない
・UEは、各スロットグループ内のY個の連続するスロットを監視すればよく、残りのX-Y個のスロットの間は休息することができる
○ 例として、3GGPでは、SCS480kHzの場合はX=4スロット、SCS960kHzの場合はX=8スロットを使用することについて議論している
○ 例として、3GPPでは、Yを次のように制限することについて議論している:1≦Y≦X/2
マルチスロット監視機能に関して、3GPP内ではさらなる関連する合意にはまだ達していない。
【0067】
図9は、それぞれX=4およびX=8の場合に、スロットがどのようにスロットグループにグループ化されるかを示している。
【0068】
現在、Xは4または8であることが想定されているが、Xはこれらの値に限定されず、他の値、たとえば、2、3、5、6、7、9なども可能であることに留意されたい。
【0069】
<さらなる改良>
上記で提示したように、3GPPで現在議論されている開発の1つは、高SCSおよび高周波数範囲52.6~71GHzなどでのマルチスロット監視機能に関連しており、これによりUEの複雑さおよび消費電力の削減が可能になる。しかしながら、現時点では、各スロットグループ内のY個のスロットの位置をどのように決定するかは不明確であり、換言すれば、X個のスロットのスロットグループ内のどのスロットがYに属し、ひいてはUEによって監視されるかをどのように決定するかは不明確である。概念的には、次の2つの異なる方式が可能である。
・方式1:Y個のスロットの位置は常に固定であり、たとえば、Y個のスロットは常にスロットグループ内の最初のスロットから始まる
・方式2:Y個のスロットの位置は変動し、すなわち変更され、たとえば、Y個のスロットの位置はスロットグループ内のどこにでも配置することができ、位置はたとえばスロットグループごとに変更することができる。
【0070】
しかしながら、以下で説明するように、どちらの方式にも欠点がある。
【0071】
方式1によれば、Y個のスロットの位置は固定されているので、どのスロットがY個のスロットに属するかに関して柔軟性がなく、ひいてはgNBがUEと連絡を取るための柔軟性がない。また、Y個のスロットを途中で変更することは不可能であり、これにより、マルチスロット監視の柔軟性がさらに制限され、トラフィックなどへの適応が不可能になる。固定の方式1に関連する欠点について以下の例で説明し、この例では、ビームスイープにより時分割多重(TDM:Time-Division multiplex)ビームを介して共通サーチスペース(CSS:Common Search Space)が送信されることを想定する。図10は、gNBからUE1およびUE2の2つのUEへのビームスイープ送信の4つの異なるビームを示している。UE1はビーム1のエリアに位置しており、UE2はビーム4のエリアに位置していると仮定する。図10の右手側の時間図は、ビームのスイープ送信がどのように時分割多重化されるか、たとえば異なる時間に行われるかを示している。
【0072】
図11は、図10の例示的な仮定に基づいており、それぞれ異なるスロットにおける各ビームのCSSの受信を示しており、例として、ビーム1のCSSはスロット0、4、8(など)で受信され、ビーム2のCSSはスロット1、5、9(など)で受信され、ビーム3のCSSはスロット2、6、10(など)で受信され、ビーム4のCSSはスロット3、7、11(など)で受信される。さらに例示的に、X=4であると仮定し、スロットグループがそれぞれ4つのスロットを含み、Y=1であると仮定し、UEが各スロットグループ内の1つのスロットを監視し、残りの3つのスロットは休息することができる。図11の例示的なシナリオでは、Y個のスロットの相対位置は、各スロットグループの最初のスロット、すなわちスロット0、4、8、...に固定されている。さらに、UE1およびUE2の両方がY個のスロットの同じ固定位置を有していると仮定する。
【0073】
そのようなCSSのビームスイープ送信では、異なるビーム方向に位置するUEは、CSSを受信するために異なるスロットを監視する必要があり得、UE1はスロット0で監視する必要があり、UE2はスロット3で監視する必要がある。これは、(全てのUEに対して)Y個のスロットの固定位置を必要とする方式1に既に矛盾し得る。また、このシナリオでは、UE2はCSSを受信することができない。
【0074】
さらに、単一のUEの観点から見ても、方式1は不利である。たとえば、UEの位置が変化し得、ひいてはUEのサービングビームも変化し得る。その結果、UEがある時点でビームのCSSを受信するために適切なスロットを監視することができたとしても、UEは位置およびビームを変更し得るので、新しいビームを介してCSSを受信することができなくなり得る。
【0075】
全体として、方式1によるスロットグループを使用したマルチスロット監視には、重大な欠点があるように思われる。
【0076】
逆に、上記の方式2によれば、Y個のスロットの位置は変更することができ、方式1に関連する上記の欠点を回避し得る。しかしながら、Y個のスロットの位置は固定されていないので、UEおよびgNBでY個のスロットの位置を決定するために明確なルールが必要になる。しかしながら、そのようなルールは現在欠落している。そのようなルールがなければ、gNBおよびUEはYの位置について異なる理解を有し得、その結果、UEがgNBによって送信されたPDCCHを正しく受信できない場合がある。
【0077】
本発明者らは、上記で論じた潜在的な欠点および課題を特定したので、上記で特定した問題のうちの1つまたは複数を回避または軽減することを可能にするPDCCH(ダウンリンク制御チャネル)の改良された監視手順を提供する可能性を特定した。本発明は、そのような改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順のための様々な解決策および変形例に関し、より詳細には、Y個の監視スロットの位置を決定する方法に関する。
【0078】
たとえば、改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順により、スロットグループのどのY個のスロットをPDCCHの交換に使用することができるかについての誤解を回避することが可能になる。
【0079】
<実施形態>
以下では、5G移動通信システム向けに想定される新しい無線アクセス技術のために、これらのニーズを満たすUE、基地局、およびそれぞれの手順について説明するが、これは以前のLTE移動通信システムまたは将来の移動通信システムでも使用され得る。様々な実装形態および変形例も同様に説明される。以下の開示は、上述の議論および知見によって促進され、例えば、その少なくとも一部に基づくことができる。
【0080】
一般に、本開示の根底にある原理を明確で簡潔かつ理解可能な方法で説明できるようにするために、本明細書では多くの仮定を行ってきており、以下でも行うことに留意されたい。しかしながら、これらの仮定は、説明のために本明細書でなされた単なる例として理解されるべきであり、本開示の範囲を限定すべきではない。当業者は、以下の開示の原理および特許請求の範囲に記載した原理が、異なるシナリオに適用することができ、また、本明細書で明示的に説明していない方法で適用することができることに気付くであろう。
【0081】
さらに、以下において使用される手順、エンティティ、レイヤなどの用語のいくつかは、LTE/LTE-Aシステムまたは現行の3GPP 5G標準化において用いられる用語に密接に関係するが、次の3GPP 5G通信システムに対する新しい無線アクセス技術のコンテキストにおいて用いられる特定の用語はまだ完全に決定されていないか、または最終的に変更され得る。よって、実施形態の機能に影響することなく、将来は用語が変更される可能性がある。結果として、実施形態およびそれらの保護範囲は、より新しい用語または最終合意される用語を欠いた本明細書において例示的に使用される特定の用語に制限されるべきではなく、本開示の機能および原理の基礎をなす機能および概念によってより広く理解されるべきであることを当業者は認識している。
【0082】
たとえば、移動局または移動ノードまたはユーザ端末またはユーザ機器(UE)は、通信ネットワーク内の物理エンティティ(物理ノード)である。1つのノードがいくつかの機能エンティティを有してもよい。機能エンティティとは、同じもしくは別のノードまたはネットワークの他の機能エンティティに対して予め定められた機能セットを実施および/または提供するソフトウェアまたはハードウェアモジュールを示す。ノードは、ノードの通信を可能にする通信設備または媒体にノードを取り付ける1つ以上のインタフェースを有してもよい。同様に、ネットワークエンティティは、自エンティティと他の機能エンティティまたは対応するノードとの通信を可能にする通信設備または媒体に機能エンティティを取り付ける論理インタフェースを有してもよい。
【0083】
本明細書における「基地局」または「無線基地局」という用語は、通信ネットワーク内の物理エンティティを示す。移動局と同様に、基地局はいくつかの機能エンティティを有してもよい。機能エンティティとは、同じもしくは別のノードまたはネットワークの他の機能エンティティに対して予め定められた機能セットを実施および/または提供するソフトウェアまたはハードウェアモジュールを示す。物理エンティティは、スケジューリングおよび設定のうちの1つ以上を含む、通信デバイスに関するいくつかの制御タスクを実行する。なお、基地局の機能と通信デバイスの機能とが単一のデバイス内に統合されてもよい。たとえば、移動端末は、他の端末に対する基地局の機能も実装してもよい。LTEにおいて使用される用語はeNB(またはeNodeB)であるが、5G NRに対して現在使用される用語はgNBである。
【0084】
UEと基地局との通信は典型的に標準化されており、たとえばPHY、MAC、RRCなどの異なるレイヤによって定義されてもよい(上記の背景技術の説明を参照)。
【0085】
「監視機会」、「ダウンリンク制御チャネル監視機会」、「PDCCH監視機会」という表現および同様の表現は、たとえば、UEが対応するダウンリンク制御チャネルを(たとえばPDCCHを、たとえばPDCCH候補に従って)監視するように設定されるタイムスロットの期間(たとえば、1つまたは複数の連続するシンボルのセット)として、広く理解されるべきである。たとえば、UEは、自身に設定されたサーチスペースおよびサーチスペースセットごとに監視機会を決定する。たとえば、UEは、サーチスペースセット(たとえば、情報エレメントSearchSpace)および制御リソースセット(たとえば、情報エレメントControlResourceSet)の両方からMO(Monitoring Occasion:監視機会)を決定する。
【0086】
「サーチスペースセット」という表現は、複数のサーチスペースを有し、各サーチスペースがDCIメッセージを受信するための1つまたは複数の可能な候補を含む、サーチスペースのセットとして広く理解することができる。たとえば、サーチスペースは、同じアグリゲーションレベルを有するが、DCIメッセージのフォーマットが異なる様々な候補をグループ化したものである。転じて、たとえば、サーチスペースのセットは、アグリゲーションレベルが異なるが、同一の監視対象の時間周波数リソースのセット(たとえば、同じCORESET)に関連付けられたサーチスペースを含み得る。サーチスペースセットの特定の例示的な実装は、上記で説明したように、3GPP 5G NR規格によって与えられる。
【0087】
「監視」という用語は、特定のフォーマットなどに基づくDCIメッセージを受信するための可能な候補の復号を試みるプロセスなどとして広く理解することができる。そのような復号の試行は、ブラインド復号とも呼ばれ得る。
【0088】
「監視候補」という表現は、監視機会内でUEによって監視される特定の候補として広く理解することができる。3GPP 5G NR規格に準拠する特定の例示的な実装形態では、「監視候補」は「PDCCH候補」とみなすことができる。
【0089】
以下の解決策では、改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順が、概念的には、上記で説明したように、3GPP 4Gまたは5G規格に従って既に定義されたPDCCH監視に基づくことができると例示的に仮定する。
【0090】
図12は、ユーザ機器(通信デバイスとも称する)と、スケジューリングデバイス(ここでは、eLTE eNB(別名、ng-eNB)または5G NRのgNBなどの基地局に配置されると例示的に仮定する)との一般的で簡略化した例示的なブロック図を示している。UEおよびeNB/gNBは、それぞれ送受信機を使用して(ワイヤレス)物理チャネルを介して相互に通信する。
【0091】
通信デバイスは、送受信機と処理回路とを含んでもよい。送受信機は、受信機および送信機を含んでもよく、かつ/または受信機および送信機として機能してもよい。処理回路は、たとえば1つ以上のプロセッサまたは任意のLSIなどの1つ以上のハードウェアであってもよい。送受信機と処理回路との間に入力/出力点(またはノード)が存在し、処理回路は動作中にこの入力/出力点を通じて送受信機を制御でき、すなわち受信機および/または送信機を制御して受信/送信データを交換できる。送受信機は、送信機および受信機として、1つ以上のアンテナ、増幅器、およびRF変調器/復調器などを含むRF(無線周波数:radio frequency)フロントを含んでもよい。処理回路は、たとえば送受信機を制御して、処理回路が提供するユーザデータおよび制御データを送信すること、および/または処理回路によってさらに処理されるユーザデータおよび制御データを受信することなどの制御タスクを実施してもよい。加えて処理回路は、たとえば判定、決定、計算、測定などのその他のプロセスの実行を担ってもよい。送信機は、送信のプロセスおよびそれに関するその他のプロセスの実行を担ってもよい。受信機は、受信のプロセスおよびそれに関するその他のプロセス、たとえばチャネルのモニタなどの実行を担ってもよい。
【0092】
改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順の様々な解決策を以下に説明する。これに関連して、改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順に参加する改良されたUE、改良された基地局、および改良された集積回路を提示する。UE動作および基地局動作に対応する方法も提供する。集積回路は、UEおよび基地局ならびにそれぞれの動作に対応する。
【0093】
図13は、改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順の1つの例示的な実装による簡略化した例示的なUE構造を示しており、これは図12に関連して説明した一般的なUE構造に基づいて実装することができる。この図13に示すUEの様々な構造要素は、たとえば、制御およびユーザデータならびに他の信号を交換するために、たとえば、対応する入力/出力ノード(図示せず)によって、互いに相互接続することができる。説明のために図示していないが、UEはさらなる構造要素を含み得る。
【0094】
図13から明らかなように、UEは、第1および第2の基準に基づいて監視タイムスロットを決定するための回路と、ダウンリンク制御チャネル監視回路とを含み得る。
【0095】
このため、現在のケースでは、以下の開示から明らかになるように、UEの受信機は、UEにおける監視機能を設定するための設定メッセージを受信すること、ダウンリンク制御チャネルでダウンリンク制御情報メッセージを受信することなどのうちの1つまたは複数を少なくとも部分的に実行するように例示的に構成することができる。
【0096】
このため、現在のケースでは、以下の開示から明らかになるように、UEの処理回路は、対応するタイムスロットグループ内の1つまたは複数の監視タイムスロットを決定すること、監視タイムスロットの決定のために異なる基準を考慮すること、決定された監視タイムスロットにおいてダウンリンク制御チャネルを監視することなどのうちの1つまたは複数を少なくとも部分的に実行するように例示的に構成することができる。
【0097】
このため、現在のケースでは、以下の開示から明らかになるように、UEの送信機は、UEがサポートするタイムスロットグループ内の監視タイムスロットの数に関する情報を含む能力指示を基地局に送信することなどのうちの1つまたは複数を少なくとも部分的に実行するように例示的に構成することができる。
【0098】
以下でさらにより詳細に開示する1つの例示的な手順は、以下を含むUEによって実装される。UEの処理回路は、2つ以上のタイムスロットグループに対して、監視機能に従ってUEによって監視されるそのタイムスロットグループ内の1つまたは複数のタイムスロットを決定し、監視機能は、ダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のタイムスロットにおける1つまたは複数の監視機会においてダウンリンク制御チャネルを監視するためにUEによって動作させられる。処理回路は、そのタイムスロットグループ内の監視タイムスロットの決定を、
・監視タイムスロットが、ダウンリンク制御チャネルの共通サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第1の基準、
・監視タイムスロットが、ダウンリンク制御チャネルのUE固有サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第2の基準、
のうちの1つまたは複数に従って実行する。
【0099】
次いで、処理回路は、タイムスロットグループの決定された1つまたは複数の監視タイムスロットにおいてダウンリンク制御チャネルを監視する。
【0100】
対応する例示的な方法は、UEによって実行される、
2つ以上のタイムスロットグループに対して、監視機能に従ってUEによって監視されるそのタイムスロットグループ内の1つまたは複数のタイムスロットを決定するステップであって、監視機能は、ダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のタイムスロットにおける1つまたは複数の監視機会においてダウンリンク制御チャネルを監視するためにUEによって動作させられる、決定するステップと、
そのタイムスロットグループ内の監視タイムスロットの決定を、
・監視タイムスロットが、ダウンリンク制御チャネルの共通サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第1の基準、
・監視タイムスロットが、ダウンリンク制御チャネルのUE固有サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第2の基準、
のうちの1つまたは複数に従って実行するステップと、
タイムスロットグループの決定された1つまたは複数の監視タイムスロットにおいてダウンリンク制御チャネルを監視するステップと、
を含む。
【0101】
上記で論じたUEおよびUEの方法に沿った例示的なUE動作に対応するシーケンス図を図14に示す。図14から明らかなように、UEは、タイムスロットグループについて、監視機能に従ってUEによって監視される監視タイムスロットを決定する。この決定は1つまたは複数の基準に基づき、これには、監視タイムスロットが共通サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第1の基準と、監視タイムスロットがUE固有サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第2の基準と、が含まれる。対応する決定の後、UEは、タイムスロットグループの決定された監視タイムスロットにおいてダウンリンク制御チャネルを監視することができる。
【0102】
上記の改良されたUE動作は、現在3GPPで方式2として議論されているマルチスロット監視機能を対応して実装する。それに対応して、監視タイムスロットの位置は柔軟であり、共通サーチスペースおよびUE固有サーチスペースに対して設定された監視機会に依存する。
【0103】
さらに、各タイムスロットグループ内で限られた量の監視スロットを指定することにより、UEは、各タイムスロットグループの残りのタイムスロットにおいて、すなわち、監視タイムスロットではないタイムスロットにおいて、ダウンリンク制御チャネルを監視しないことが可能になる。
【0104】
各タイムスロットグループ内の監視タイムスロットの位置を柔軟にすることにより、改良されたUE動作は、方式1に関連して上記で説明したような、固定位置によって引き起こされる欠点を回避し、たとえば、UEと連絡を取るためのgNBの柔軟性のなさを回避し、監視タイムスロットをトラフィックまたは新しいビームに適応させる柔軟性のなさを回避し、一部のUEがダウンリンク制御情報メッセージを受信すらできないことを回避する。
【0105】
さらに、改良されたUE動作は、監視タイムスロットの位置が異なるUE間で異なり得るという利点を有することを容易にし、その結果、gNBは、いくつかのUEに異なるダウンリンクリソースで制御情報を送信する際により柔軟になる。さらに、監視機会を含めてビームを変更するときに、UEは新たな決定を実行して、監視タイムスロットを新しい状況に適応させることができる。
【0106】
さらに、タイムスロットグループ内の監視タイムスロットの位置を決定するためのUEの明確な動作を定義することにより、基地局およびUEがY個の監視タイムスロットについて同じ理解を得ることが容易になるので、UE動作が基地局からダウンリンク送信を正しく受信することが容易になる。
【0107】
UEが、決定された監視タイムスロットがCSSまたはUSSに関連付けられた監視機会を含むような2つの基準に従って監視タイムスロットの決定を実行することを説明した。したがって、このUE動作は、その決定が、UEがタイムスロットグループに利用可能な監視タイムスロットの最大数に達するまで、CSSおよび/またはUSSを有する監視タイムスロットを選択することを必要とする。
【0108】
改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順のいくつかの例示的な実装には、UEが現在接続されている基地局(たとえば、サービング基地局と呼ばれ、その理由は、基地局がUEにサービス提供するためである)も関与する。それに対応して、改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順は、それに参加する改良された基地局も提供する。
【0109】
図15は、改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順の1つの例示的な実装による簡略化した例示的な基地局構造を示しており、これは図12に関連して説明した一般的な基地局構造に基づいて実装することができる。この図15に示す基地局の様々な構造要素は、たとえば、制御およびユーザデータならびに他の信号を交換するために、たとえば、対応する入力/出力ノード(図示せず)によって、互いに相互接続することができる。説明のために図示していないが、基地局はさらなる構造要素を含み得る。
【0110】
図15から明らかなように、基地局は、第1および第2の基準に基づいて監視タイムスロットを決定するための回路と、ダウンリンク制御情報送信機と、を備える。
【0111】
以下でさらにより詳細に開示する1つの例示的な手順は、以下を含む基地局によって実装される。基地局の処理回路は、2つ以上のタイムスロットグループに対して、監視機能に従ってユーザ機器UEによって監視されるそのタイムスロットグループ内の1つまたは複数のタイムスロットを決定し、監視機能は、基地局から送信されたダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のタイムスロットにおける1つまたは複数の監視機会においてダウンリンク制御チャネルを監視するためにUEによって動作させられる。処理回路は、そのタイムスロットグループ内の監視タイムスロットの決定を、
・監視タイムスロットが、ダウンリンク制御チャネルの共通サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第1の基準、
・監視タイムスロットが、ダウンリンク制御チャネルのUE固有サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第2の基準、
のうちの1つまたは複数に従って実行する。
【0112】
基地局の送信機は、タイムスロットグループの決定された1つまたは複数の監視タイムスロットのうちの少なくとも1つにおいてダウンリンク制御チャネル上でダウンリンク制御情報メッセージをUEに送信する。
【0113】
対応する方法は、基地局によって実行される、
2つ以上のタイムスロットグループに対して、監視機能に従ってユーザ機器UEによって監視されるそのタイムスロットグループ内の1つまたは複数のタイムスロットを決定するステップであって、監視機能は、基地局から送信されたダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のタイムスロットにおける1つまたは複数の監視機会においてダウンリンク制御チャネルを監視するためにUEによって動作させられる、決定するステップと、
そのタイムスロットグループ内の監視タイムスロットの決定を、
・監視タイムスロットが、ダウンリンク制御チャネルの共通サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第1の基準、
・監視タイムスロットが、ダウンリンク制御チャネルのUE固有サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第2の基準、
のうちの1つまたは複数に従って実行するステップと、
タイムスロットグループの決定された1つまたは複数の監視タイムスロットのうちの少なくとも1つにおいてダウンリンク制御チャネル上でダウンリンク制御情報メッセージをUEに送信するステップと、
を含む。
【0114】
上記で論じた基地局および対応する方法に沿った例示的な基地局動作に対応するシーケンス図を図16に示す。このシーケンス図は、上記で提示した基地局の方法の例示的な簡略化した実装を示している。図16から明らかなように、基地局は、タイムスロットグループに対して、監視タイムスロットを、監視タイムスロットが共通サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第1の基準、および監視タイムスロットがUE固有サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第2の基準のうちの1つまたは複数に基づいて決定する。次いで、基地局は、タイムスロットグループの決定された監視タイムスロットのうちの少なくとも1つにおいてダウンリンク制御チャネル上でダウンリンク制御情報メッセージをUEに送信する。
【0115】
図17は、上記で論じた改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順の改良されたUEおよび改良された基地局(ここでは、たとえば、gNB)の間の簡略化した例示的なインタラクションを示している。図17に示すこの解決策では、このインタラクションは、UEおよび基地局によるタイムスロットグループ内の監視タイムスロットの対応する決定により、その後のUEおよび基地局の間のダウンリンク制御情報の受信および送信のための監視タイムスロットの共通の理解を容易にすることを含む。換言すれば、タイムスロットグループごとに監視タイムスロットを決定するプロセスは、UE側およびgNB側で全く同じにすることができるが、改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順の他のプロセスは、UEおよびBSの間で異なり得る。
【0116】
そして、UEは、このように決定された監視タイムスロットに基づいてダウンリンク制御チャネルの監視を開始し得、これにより、UEがgNBからダウンリンク制御情報を受信することが可能になる。一方、基地局は、最終的にはUEに利用可能なダウンリンク制御情報を有し、続いて、決定された監視タイムスロットのうちの1つにおいて利用可能なダウンリンク制御情報を送信する。それに応じて、UEは、決定された監視タイムスロットの監視に基づいて、基地局からダウンリンク制御情報を受信することができる。
【0117】
上記で説明した改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順は、第1および第2の基準の使用に基づいている。その例示的な一実施形態によれば、タイムスロットグループ内の監視タイムスロットを決定するときに、共通サーチスペースに関する第1の基準が、UE固有サーチスペースに関する第2の基準よりも先に考慮される。それに対応して、共通サーチスペースは、監視タイムスロットに含められることに関して、UE固有サーチスペースよりも優先されるので、基地局によって共通サーチスペースでブロードキャストされる重要な制御情報をUEが見逃さないことが容易になる。
【0118】
これに沿った一例によれば、タイムスロットグループ内のY個の監視タイムスロットのために、UEは最初に、タイムスロットグループのうちのどのタイムスロットが共通サーチスペースの監視機会を含むかを決定して、それらのタイムスロットをタイムスロットグループの監視タイムスロットとして決定し、続いてUEは、タイムスロットグループのうちのどのタイムスロットがUE固有サーチスペースの監視機会を含むかを決定して、それらのタイムスロットをタイムスロットグループの監視タイムスロットとして決定する。これらのステップは、監視タイムスロットの数Yに達するまで、UEによって実行される。
【0119】
それに加えて、またはその代わりに、上記で説明した改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順において、特にUE固有サーチスペースに関して、さらなる優先順位のレベルを実装することができる。UE固有サーチスペースは異なる優先順位に関連付けられており、UE固有サーチスペースはその優先順位の順に監視タイムスロットに含められることが検討されると仮定する。1つの選択肢では、UE固有サーチスペースの優先順位は、UE固有サーチスペースのインデックスによって示され、UE固有サーチスペースのインデックスが低いほど、監視タイムスロットに含められる優先順位が高くなる。そのようなUSSの優先順位付けの利点は、(たとえば、値Yに関するUE能力のために)設定されたUSSの全てを監視タイムスロットに含めることができない場合に、UEおよびgNBの両方が、どのUSSを含めることができ、どのUSSが破棄されるかを認識することであり得る。
【0120】
他の選択肢では、UE固有サーチスペースの優先順位は、共通サーチスペースからの(時間領域における)距離によって表される。UE固有サーチスペースのMOが共通サーチスペースのMOに近いほど、優先順位が高くなる。
【0121】
他の変形例によれば、監視タイムスロットの決定では、全ての共通サーチスペースを考慮するのではなく、ダウンリンク制御チャネルの縮小された共通サーチスペースのセットのみを考慮する。具体的には、この決定では、UEに設定することができる異なる共通サーチスペースを区別することができる。
【0122】
一例では、この縮小された共通サーチスペースのセットは、UEへの専用メッセージで設定される共通サーチスペースを含み、および/またはUEのグループに共通して設定される共通サーチスペースを含む。それに対応して、この縮小されたCSSのセットは、UEまたはUEの特定のグループに対して設定されるが、必ずしも(gNBのセルによってサービス提供される)全てのUEに対して設定されるわけではない共通サーチスペースを含む。3GPP 5Gに準拠した実装では、縮小されたCSSのセットは、UEへの専用メッセージ(たとえば、RRC)によって設定されるType-1 CSSと、Type-3 CSS(詳細については、上記の様々なタイプのCSSの説明を参照)とを含み得る。Type3-PDCCH共通サーチスペースは、グループ共通サーチスペース(すなわち、UEのグループに割り当てられ、たとえば、必ずしも全てのUEに割り当てられるわけではない、共通サーチスペース)である。
【0123】
そのような縮小されたCSSのセットを使用すると、監視タイムスロットを決定するために考慮されるCSSがUE固有またはUEグループ固有であるので、Y個の監視タイムスロットの柔軟な配置が容易になる。多くのUEにサービス提供する基地局の観点から見ると、縮小されたCSSのセットが決定に使用されるので、Y個の監視タイムスロットの位置はさらに変化する。換言すれば、縮小されたCSSのセットおよびUSSの両方がUE固有(またはUEグループ固有)であるので、Y個の監視タイムスロットの位置はUE(またはUEのグループ)ごとに異なる可能性が高くなる。これにより、ダウンリンク制御情報を異なるUEに送信するために、監視タイムスロットによって定義される異なる時間リソースを使用することができるので、基地局におけるスケジューリングの柔軟性が高まる。
【0124】
一方、UEは残りのCSS、すなわち、縮小されたCSSのセットに含まれていないCSS、たとえば、上記の例では、専用のRRCメッセージで設定されなかったType1-PDCCH共通サーチスペース、Type0、Type0A、およびType2の共通サーチスペースを受信することができなくなる。これを回避するために、他の例では、UEが残りのCSSのうちの1つまたは複数あるいは全てを監視するために、UEに対してY個の監視タイムスロット以外でタイムスロットグループ内にさらなる監視機会を定義する。それに対応して、さらなる監視機会は、UEによって追加的に監視されるようにUEに設定される残りのCSS(およびその監視機会)の位置、たとえば、残りのCSSのうちの1つまたは複数を含むタイムスロットグループ内のタイムスロットによって定義され得る。逆に、BSは、残りのCSSの対応する監視機会によって定義される、Y個の監視タイムスロット以外のタイムスロットグループ内のさらなる監視機会において残りのCSSを送信することができる。
【0125】
他の逆の例では、この縮小された共通サーチスペースのセットは、(gNBのセルによってサービス提供される)全てのUEによって受信される共通サーチスペース、たとえば、専用のRRCメッセージで設定されなかったType1-PDCCH共通サーチスペース、Type0、Type0A、およびType2の共通サーチスペースのうちの1つまたは複数のみを含む。このようにして、全てのUEのYの位置を揃えることが可能になる。スケジューリングノード(たとえば、gNB)の観点から見ると、全てのUEに対して同じYの位置を使用することでスケジューリングの柔軟性が低下するが、gNBはスケジューリングのために様々なUEのYの位置を追跡し続ける必要がなくなるので、異なるUEが異なるYの位置を有する場合と比べて、スケジューリングの複雑さも同様に軽減される。
【0126】
監視タイムスロットに対するCSSもUSSも存在せず、UEがCSSまたはUSSを含む監視タイムスロットを決定することができない場合があり得る。そのような場合、UEはさらなる適切なタイムスロットを「名目(Nominal)」監視タイムスロットとして決定することができ(ただし、その中にMOは存在しない)、UEはその「名目」監視タイムスロットにおいてMOを監視することが不要であり得る。あるいは、UEによって監視されるべきさらなるMOがないため、さらなる監視タイムスロットを定義しなくてもよい。この場合、タイムスロットグループ内の監視スロットの数はY未満になる。
【0127】
上記の改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順、および関連するUE、基地局は、タイムスロットグループの監視タイムスロットの決定を含む。
【0128】
UE側については図14に、基地局側については図16に示すように、監視タイムスロットを決定するステップを実装する方法について、上記で説明した改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順の様々な解決策を以下に提示する。それに対応して、以下の第1および第2の解決策で提供する特定の詳細は、UEであろうとBSであろうと、一方のエンティティのみの観点から説明を提示しているか否かに関係なく、UEおよびBSの両方に適用可能である。
【0129】
概要としては、第1の解決策は、監視タイムスロットの決定が各タイムスロットグループに対して個別に実行され、たとえば、各タイムスロットグループに対して、そのタイムスロットグループの監視機会に基づいて監視タイムスロットが決定されるという概念に基づいている。
【0130】
逆に、第2の解決策は、監視タイムスロットの決定が複数のタイムスロットグループに対して一緒に実行され、たとえば、複数のタイムスロットグループの監視機会を考慮して監視タイムスロットの決定が一度実行され、結果として得られたタイムスロットグループ内の監視タイムスロットの共通の相対位置が複数のタイムスロットグループのそれぞれに共通して適用されるという概念に基づいている。
【0131】
第1および第2の解決策を詳細に説明する前に、第1および第2の解決策を説明するための基礎となる例示的な仮定を提示する。以下の仮定は主に、様々な解決策の説明を容易にするために提供しているが、様々な解決策は、これらの仮定がなくとも、または異なる基礎となる仮定を使用して、実装することもできる。前述のように、マルチスロット監視が現在議論されており、これにはタイムスロットグループの使用が含まれ、タイムスロットグループは時間的に連続していて重複しておらず、それぞれがX個のタイムスロットを含む。以下の説明では、タイムスロットグループが4つのタイムスロットを含むと例示的に仮定する。同様に、タイムスロットグループ内の監視タイムスロットの数Yが1または2スロットであると例示的に仮定する。
【0132】
さらに、各タイムスロットグループの監視タイムスロットを決定するプロセスは、UE側およびgNB側で全く同じにすることができる。改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順の他のプロセスは、たとえば、UE側でのダウンリンク制御メッセージの監視、およびBS側でのダウンリンク制御メッセージの対応する送信など、UEおよびBSの間で異なり得る(図17も参照)。
【0133】
<第1の解決策>
改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順の第1の解決策では、監視タイムスロットの決定は各タイムスロットグループに対して個別に実行され、たとえば、各タイムスロットグループに対して、そのタイムスロットグループの監視機会に基づいて監視タイムスロットが決定される。
【0134】
図18は、改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順のこの第1の解決策による例示的なUE動作の流れ図を示している。図示したUE動作では、共通サーチスペースに関する第1の基準が、UE固有サーチスペースに関する第2の基準よりも先に考慮されると仮定する。さらに、第2の基準では、USSがUSSインデックスの昇順で考慮されることを例示的に仮定する。
【0135】
UE動作の最初に示したステップは、CSSおよびUSSのダウンリンク制御チャネル(たとえば、PDCCH)の監視機会がUEに設定されることを示している。
【0136】
そして、監視機能を実行できるようにするために、UEはタイムスロットグループごとに監視タイムスロットを決定する。この第1の解決策では、このステップはタイムスロットグループごとに個別に実行される。それに対応して、UEは現在のタイムスロットグループを処理し、監視タイムスロットの決定のために、最初に第1のCSSベースの基準を使用し、次に第2のUSSベースの基準を使用する。現在のタイムスロットグループにCSSが存在しない場合、UEはUSSを含む監視タイムスロットの決定に進む。
【0137】
図18には示していないが、UEは、(上記の例示的なY=2の仮定を考慮して)2つの監視スロットが決定されるまで、2つの決定ステップを実行する。2つの決定ステップの結果は、CSS MOおよび/またはUSS MOを含む2つの監視タイムスロットである。
【0138】
監視タイムスロットに関するCSSもUSSも存在せず、UEがCSSまたはUSSを含む監視タイムスロットを決定することができない場合があり得る。そのような場合、UEによって監視されるべきさらなるMOがないため、UEはさらなる監視タイムスロットを決定しなくてもよい。
【0139】
あるいは、UEは、(CSSもUSSも含まない)タイムスロットグループ内の残りの「名目」監視タイムスロット(複数可)を決定するが、ただし別の基準に基づいて決定することができ、その基準も同様に、gNB側での対応する決定が結果的に同じ監視タイムスロットになるように、明確にすることができる。一例では、UEは、現在のタイムスロットグループ内の、可能な限り低い(または高い)スロットインデックスを有するタイムスロット(ただし、他の全ての制約、たとえば監視タイムスロットが連続していることなどを満たすもの)を選択することができる。
【0140】
他の例では、UEは、現在のタイムスロットグループ内の、可能な限り低い(または高い)スロットインデックスを有するタイムスロット(ただし、他の全ての制約、たとえば監視タイムスロットが連続していることなどを満たすもの)を選択するが、ただし、選択されたタイムスロットが、タイムスロットグループの境界にあるタイムスロットではないという追加の制約付きで、選択することができる。この例では、そのような決定は、連続する監視タイムスロットがタイムスロットグループの境界をまたぐバックツーバック問題を回避するのに役立つ。
【0141】
さらに他の例では、タイムスロットグループがCSSおよびUSSの両方を含む場合でも、各タイムスロットグループの監視タイムスロットは、第1のCSSベースの基準のみに基づいて決定される。スケジューリングノード、たとえばgNBは、設定により、タイムスロットグループ内のCSSを含むスロットの数が数Y以下になることを保証することができる。タイムスロットグループ内のCSSを含むスロットの数が数Yに等しい場合、監視タイムスロットは、第1のCSSベースの基準によって完全に決定される。一方、タイムスロットグループ内のCSSを含むスロットの数が数Y未満である場合、曖昧さを回避するための上記の方法をさらに適用することができる(ただし、USSには依存しない)。たとえば、監視スロットは、連続する可能な限り低いスロットインデックスから選択される。この例の利点は、監視タイムスロットがUSSに依存しなくなるので、(全てのUEではないにしても)UEのグループのYの位置を揃えることが可能になることである。このようにして、時間的なスケジューリングの可能性が(ある程度の柔軟性を犠牲にして)小さなタイムスロットのセットに制限されるので、スケジューリングの複雑さが軽減される。
【0142】
監視タイムスロットを決定するために考慮される必要があり得る他の制約または制限は、タイムスロットグループの監視タイムスロットが互いに連続している必要があるか否かに関する。決定の結果は、監視タイムスロットが連続している必要があるか否かによって大きく異なり得る。タイムスロットグループ内で不連続な監視タイムスロットを許可することにより、決定の柔軟性が向上し、これにより、結果として得られる監視タイムスロットが可能な限り多くのCSSおよび/またはUSSを含むことが容易になる。結果として、これにより、gNBがUEと連絡を取るために異なる無線リソースを使用できることが容易になる。
【0143】
一方、連続する監視タイムスロットを有することは、連続する監視タイムスロットを監視した後に、UEがスリープ状態に移行して消費電力を削減することができるので、UEの省電力に有利である。一方、監視タイムスロットが不連続である場合、UEが非監視タイムスロット中にスリープしたい場合、UEは何度も電力を上昇および下降させる必要があるので、消費電力が増加する。
【0144】
次いで、UEは、現在のタイムスロットグループのこのように決定された監視タイムスロットにおいてダウンリンク制御チャネルを監視することができる。逆に、gNBは、UEによって監視される監視タイムスロットを認識しているので、これらを使用してダウンリンク制御情報をUEに送信することができる。
【0145】
続いて、UEは、次のタイムスロットグループの処理に進み、第1のCSS関連の基準および第2のUSS関連の基準にそれぞれ基づいて、上述の決定ステップを再度実行する。
【0146】
上記で説明した図18のUE動作は、図19図20図21、および図22に示す様々なシナリオに適用される。この説明は主に、UEがどのように監視タイムスロットの決定を実行するかに関するものであるが、この説明は、基地局側での監視タイムスロットの決定にも同様に適用可能である。
【0147】
図19は、UEのCSSおよび2つのUSS(USS#1およびUSS#2)の設定を示している。
【0148】
図18に例示した第1の解決策のUE動作に沿って、UE(およびgNB)は、第1のスロットグループ内で、タイムスロット0および1が2つの監視タイムスロットになることを決定する。具体的には、第1のCSS関連の基準を考慮すると、スロット0がCSS MOを含むので、UEはスロット0が監視タイムスロットになることを最初に決定し得る。次いで、その第1のタイムスロットグループの他のタイムスロットにはCSS MOがもうないので、UEは次いで、第2のUSS関連の基準を考慮して、インデックスが最も低いUSSがスロット1に含まれているので、スロット1が第2の監視タイムスロットになることを決定し得る。監視タイムスロットの数Yが2であるため、UEは他の監視タイムスロットを決定することができないので、UEはタイムスロット2でUSS#2を監視することができない。したがって、第1のタイムスロットグループの監視タイムスロットの相対位置は、第1および第2のタイムスロットを含む。
【0149】
第2のタイムスロットグループに対して、UEおよびgNBによって監視タイムスロットの独立した決定が実行される。第2のタイムスロットグループにはCSSがないので、UEは続いて、第1の監視タイムスロットが、より低いインデックスを有するUSS#1のMOを有するスロット5であると決定する。第2の監視タイムスロットは、USS#2のMOを含むスロット6であると決定される。したがって、第2のタイムスロットグループの監視タイムスロットの相対位置は、第2および第3のタイムスロットを含む。
【0150】
第3および第5のタイムスロットグループでは、UEおよびgNBは、第1のタイムスロットグループと同じ監視タイムスロットの相対位置を決定し、その理由は、CSSおよびUSSの分布がそれぞれの周期のために同じになるためである。結果的に、第3のタイムスロットグループでは、監視タイムスロットはスロット8および9になり、第5のタイムスロットグループでは、監視タイムスロットはスロット16および17になり、すなわち、それぞれ第1および第2のタイムスロットになる。
【0151】
第4のタイムスロットグループでは、UEおよびgNBは、第2のタイムスロットグループと同じ監視タイムスロットの相対位置を決定し、その理由は、CSSおよびUSSの分布がそれぞれの周期のために同じになるためである。結果的に、第4のタイムスロットグループでは、監視タイムスロットはスロット13および14、すなわち、第2および第3のタイムスロットになる。
【0152】
図19の例示的なシナリオから明らかなように、各タイムスロットグループ内のY個の監視タイムスロットは、タイムスロットグループごとに変更され得る。具体的には、第2のタイムスロットグループでは、第1のスロットにCSS MOが存在せず、第3のタイムスロットにUSS MOが存在するので、監視タイムスロットは、第1のタイムスロットグループと比較して1タイムスロットだけシフトされる。この決定の柔軟性により、少なくとも一部のタイムスロットグループにおいて(ここでは1つのタイムスロットグループ置きに)UEがUSS#2の監視機会を監視できる(また、gNBによるDCI送信に使用できる)ことが可能になる。さらに、監視タイムスロットは依然として、可能な場合にはCSSを含むように決定される。
【0153】
図20は、他のシナリオによる、UEのCSSおよび2つのUSS(USS#1およびUSS#2)の設定を示している。CSSがスロット0で初めて発生し、7スロット周期で発生し、USS#1がスロット1で初めて発生し、4スロット周期で発生し、USS#2がスロット2で初めて発生し、4スロット周期で発生すると例示的に仮定する。図20の一番下には、タイムスロットグループごとの、結果として得られたY=2個の監視タイムスロットを示している。それに対応して、図19のシナリオと比較した仮定の主な違いは、CSSの周期が異なることである。
【0154】
図18に例示した第1の解決策のUE動作に沿って、UE(およびgNB)は、図19で説明したのと同様に、第1のスロットグループ内で、タイムスロット0および1が2つの監視タイムスロットになることを決定する。一方、第2のタイムスロットグループではCSSおよびUSSの分布が異なり、結果として得られる監視タイムスロットも異なる。具体的には、第1のCSS関連の基準を考慮すると、スロット7がCSS MOを含むので、UEはスロット7が監視タイムスロットになることを最初に決定し得る。次いで、その第2のタイムスロットグループの他のタイムスロットにはCSS MOがもうないので、UEは次いで、第2のUSS関連の基準を考慮して、スロット6が第2の監視タイムスロットになることを決定し得る。スロット5はUSS#1のMOを含むが、スロット5は第1の監視タイムスロット7の隣にない(すなわち、連続していない)ので、スロット5を監視タイムスロットとして選択することはできない。したがって、USS#2のMOを含むタイムスロット6が、第2のタイムスロットグループ内の第2の連続する監視タイムスロットとして選択される。全体として、監視タイムスロットは、第2のタイムスロットグループの連続するタイムスロット6および7である。
【0155】
第3のタイムスロットグループでは、決定により、連続する監視タイムスロット9および10が得られる。その第3のタイムスロットグループにはCSSがないので、UEは続いて、第1の監視タイムスロットが、より低いインデックスを有するUSS#1のMOを有するスロット9であると決定する。第2の監視タイムスロットは、USS#2のMOを含むスロット10であると決定される。
【0156】
第4のタイムスロットグループでは、決定により、連続する監視タイムスロット13および14が得られる。具体的には、第1のCSS関連の基準を考慮すると、スロット14がCSS MOを含むので、UEはスロット14が監視タイムスロットになることを最初に決定し得、このシナリオでは、スロット14はUSS#2のMOも含む。次いで、その第4のタイムスロットグループの他のタイムスロットにはCSS MOがもうないので、UEは次いで、第2のUSS関連の基準を考慮して、スロット13がUSS#1のMOを含むので、スロット13が第2の監視タイムスロットになることを決定し得る。
【0157】
図21は、図20と同じシナリオによる、UEのCSSおよび2つのUSS(USS#1およびUSS#2)の設定を示している。したがって、CSSはスロット0で初めて発生し、7スロット周期で発生し、USS#1はスロット1で初めて発生し、4スロット周期で発生し、USS#2はスロット2で初めて発生し、4スロット周期で発生すると例示的に仮定する。図21の一番下には、タイムスロットグループごとの、結果として得られたY=2個の監視タイムスロットを示している。しかしながら、主な違いは、監視タイムスロットが連続している必要がないことである。換言すれば、監視タイムスロットの決定中に、結果として得られる監視タイムスロットが連続していることを必要とする追加の制約がない。
【0158】
決定の結果、第1、第3、第4、および第5のタイムスロットグループでは、同じ監視タイムスロットが得られるが(図20を参照)、第2のタイムスロットグループでは、UEおよびgNBは、不連続な監視タイムスロット5および7を決定する。具体的には、図20に関しては、第1のCSS関連の基準を考慮すると、スロット7はCSS MOを含むので、UEはスロット7が監視タイムスロットになることを最初に決定し得る。次いで、その第2のタイムスロットグループの他のタイムスロットにはCSS MOがもうないので、UEは第2のUSS関連の基準を考慮して決定し得る。この場合、不連続な監視タイムスロットが許可されているので、UEは第2の監視タイムスロットをUSS#1のMOを含むスロット5に決定することができる。
【0159】
図22は、2つの異なるUE、すなわち、UE1およびUE2のCSSおよびUSSの設定を示している。具体的には、両方のUEのCSSがスロット0で初めて発生し、6スロット周期で発生し、UE1のUSSがスロット1で初めて発生し、4スロット周期で発生し、UE2のUSSがスロット3で初めて発生し、4スロット周期で発生すると例示的に仮定する。そして、図22では、UE1 USS MOの下に、結果として得られたUE1用のY=2個の連続する監視タイムスロットを示しており、UE2 USS MOの下に、結果として得られたUE2用のY=2個の連続する監視タイムスロットを示している。
【0160】
第1のタイムスロットグループでは、図18に例示した第1の解決策のUE動作に沿って、UE1(およびgNB)は、スロット0および1が2つの監視タイムスロットになることを決定する。2つの監視タイムスロットは、CSS MOおよびUE1のUSS MOを含む。
【0161】
次に、UE2およびgNBは、スロット0および1が2つの監視タイムスロットになることを決定する。ここで、スロット0はCSS MOを含んでいるので、UE2は最初にスロット0を監視タイムスロットであると決定する。次に、第2のUSS関連の基準を使用すると、UE2はスロット3を第2の監視タイムスロットとして選択することはできず、その理由は、スロット3は、以前に決定された第1の監視タイムスロット0に連続していないためである。代わりに、スロット1が、CSS MOを含む以前に選択されたスロット0に連続しているので、第2の監視タイムスロットとして選択される。したがって、スロット1をUE2の「名目」監視タイムスロットとして定義することができる。しかしながら、スロット1はCSSまたはUSSのMOを含まないので、監視するように設定されたMOがないため、実際にはUE2は第1のタイムスロットグループのスロット1で監視することが不要であり得る。
【0162】
あるいは(図22に図示)、スロット1はCSSまたはUSSのMOを含まないので、UE2はその第1のタイムスロットグループ内で第2の監視タイムスロットを全く選択しないようにし得る。UEはスロット1で電力を節約する機会を有する。
【0163】
全体として、UE1およびUE2は、第1のタイムスロットグループ内で偶然にも同じ監視タイムスロットを有する。
【0164】
しかしながら、第2のタイムスロットグループでは、UE1およびUE2の結果として得られる監視タイムスロットは異なる。具体的には、第1および第2の基準にそれぞれ従って、UE1およびgNBはUE1の監視タイムスロット5および6を決定し、UE2およびgNBはUE2の監視タイムスロット6および7を決定する。
【0165】
第3のタイムスロットグループでは、UE1およびUE2の結果として得られる監視タイムスロットも異なる。UE1およびgNBは、スロット9がUSS MOを含む(また、第3のタイムスロットグループにはCSSがない)ので、スロット9を第1の監視タイムスロットであると決定する。第2の監視タイムスロットとして、タイムスロット8および10は、以前に選択された第1の監視タイムスロット9に連続しているが、両方ともCSSまたはUSSのMOを含まない。1つの例示的な実装(図22には図示せず)によれば、UE1およびgNBは、スロット8が最も低い(より低い)スロットインデックスを有するタイムスロットであるので、スロット8を第2の監視タイムスロットとして決定する。あるいは、UE1に対してさらなる監視タイムスロットが選択されず、その結果、第3のタイムスロットグループには、UE1に対して監視タイムスロット9のみが存在することになる。gNBはUE1に対してスロット8を使用してDCIを送信しないので、これら2つの動作は最終的に同じ結果になる。
【0166】
それに対応して、UE2に関して、図22では、UE2およびgNBがスロット11のみを監視タイムスロットであると決定すると例示的に仮定する。
【0167】
第4のタイムスロットグループでは、UE1およびUE2の結果として得られる監視タイムスロットはタイムスロット12および13であり、すなわち、第1のタイムスロットグループの監視タイムスロットと同じ相対位置である。
【0168】
第5のタイムスロットグループでは、既に上記で説明した第2のタイムスロットグループと同様に、UE1およびUE2の結果として得られる監視タイムスロットも異なる。
【0169】
図22から明らかなように、異なるUEは、異なるタイムスロットグループ内のCSSおよびUSSのそれぞれの分布に応じて、異なる監視タイムスロットにおいてダウンリンク制御チャネルを監視することができる。したがって、UEに情報を送信するためのgNBの柔軟性が高まる。
【0170】
さらなる実装では、改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順の第1の解決策は、異なる第1の基準、すなわち、監視タイムスロットが、縮小されたCSSのセットのうちの共通サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという基準を使用することもできる。これについては、図14図17に関連して改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順に関して既に上記で詳細に説明しており、第1の解決策にも同様に適用可能である。要約すると、縮小されたCSSのセットは、必ずしも全てのUEに対して設定されないCSS、たとえば、UEへの専用メッセージによって設定されるType-1 CSS、およびType-3 CSSなどを含み得る。縮小されたCSSのセットに含まれない残りのCSS(全てのUEに共通して設定されるCSS、たとえば、専用のメッセージで設定されないType-1 CSS、Type-0 CSS、Type-0A CSS、およびType-2 CSS)は、例示的に、Y個の監視タイムスロット以外のタイムスロットグループ内のさらなる監視機会においてUEによって監視され得る。逆に、BSは、残りのCSSの対応する監視機会によって定義される、Y個の監視タイムスロット以外のタイムスロットグループ内のさらなる監視機会において残りのCSSを送信することができる。
【0171】
対応する例示的なシナリオを図23に示しており、ここでは2つの異なるタイプのCSS、すなわち、スロット2にMOを有し、4スロット周期で発生するType-0 CSSと、スロット1にMOを有し、8スロット周期で発生するType-3 CSSとを仮定する。さらに、UEは、スロット0にMOを有し、4スロット周期で発生する1つのUSSを有すると例示的に仮定する。
【0172】
CSSおよびUSSの仮定した分布では、UEおよびgNBは、第1のタイムスロットグループ内で、第1の監視タイムスロットが、第1の基準の縮小されたCSSのセットのうちのType-3 CSSを含むタイムスロット1であると決定する。一方、UEはタイムスロット2をY個の監視タイムスロットの一部とはみなさず、その理由は、含まれているMOが、第1の基準の縮小されたCSSのセットに含まれないType-0 CSSに属するためである。むしろ、UEは、第2のUSS関連の基準に従って、スロット0を第2の監視タイムスロットとして決定する。
【0173】
しかしながら、1つの例示的な実装では、図23に示すように、Y個の監視スロット外ではあるが、第1のタイムスロットグループのスロット2内の残りのType-0 CSS MOは、(UEが対応している場合)UEによって依然として監視することができる(各スロットグループのそれぞれの第3のスロットの「UEはCSS MOを監視する」を参照)。
【0174】
第2のタイムスロットグループでは、UEおよびgNBは、監視スロットをタイムスロット4および5に決定する。具体的には、第1の基準の縮小されたCSSのセットのCSSのMOがないので、UEは、第2のUSS関連の基準に従う監視タイムスロットの決定に進んで、タイムスロット4を第1の監視タイムスロットとして決定する。次いで、タイムスロット5は、以前に決定された監視タイムスロット4に連続する唯一のタイムスロットであるので、2つの監視タイムスロットのうちの第2のものとして決定することができ、またはさらなる監視タイムスロットは決定されない。この場合もやはり、1つの例示的な実装では、図23に示すように、Y個の監視スロット外ではあるが、UEはスロット6の残りのType-0 CSS MOを監視することができる。
【0175】
第3および第5のスロットグループに関するUEおよびgNBの決定は、第1のスロットグループについて先ほど説明したものに対応し、第4のスロットグループに関するUEおよびgNBの決定は、第2のスロットグループについて先ほど説明したものに対応する。
【0176】
他の逆の例では、この縮小された共通サーチスペースのセットは、(gNBのセルによってサービス提供される)全てのUEによって受信される共通サーチスペース、たとえば、専用のRRCメッセージで設定されなかったType1-PDCCH共通サーチスペース、Type0、Type0A、およびType2の共通サーチスペースのうちの1つまたは複数のみを含む。これは、第1の解決策に入る前に既に説明している。
【0177】
上記の第1の解決策およびその変形例ならびに実装は、主にUEの観点から説明してきた。しかしながら、上述の監視スロットの決定はUEおよびBSで全く同じようにして実行することができるので、上記の第1の解決策およびその変形例ならびに実装は基地局側にも適用可能である。
【0178】
BSおよびUEは、結果として得られた監視タイムスロットがその後の処理で使用される方法が異なり、UEは監視タイムスロットを監視機能に使用し(図14を参照)、BSは監視タイムスロットをダウンリンク制御情報の送信に使用する(図16を参照)。
【0179】
<第2の解決策>
改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順の第2の解決策は、監視タイムスロットの決定が複数のタイムスロットグループに対して一緒に実行され、たとえば、複数のタイムスロットグループの監視機会を考慮して監視タイムスロットの決定が一度実行され、その結果得られたタイムスロットグループ内の監視タイムスロットの共通の相対位置が複数のタイムスロットグループのそれぞれに共通して適用されるという概念に基づいている。
【0180】
図24は、改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順のこの第2の解決策による例示的なUE動作の流れ図を示しており、図18に関連して説明したUE動作と同様の仮定に基づいている。たとえば、図示したUE動作は、この場合もやはり、共通サーチスペースに関する第1の基準が、UE固有サーチスペースに関する第2の基準よりも先に考慮されると仮定する。さらに、第2の基準では、USSがUSSインデックスの昇順で考慮されることを例示的に仮定する。CSSおよびUSSのダウンリンク制御チャネル(たとえば、PDCCH)の監視機会がUEに設定される。そして、監視機能を実行できるようにするために、UEはタイムスロットグループごとに監視タイムスロットを決定する。
【0181】
しかしながら、第1の解決策のように決定プロセスをタイムスロットグループごとに個別に実行するのではなく、第2の解決策による決定ステップは、複数のタイムスロットグループに対して一緒に実行される。具体的には、UEおよびgNBは、単一のタイムスロットグループに対してではなく、複数のタイムスロットグループに対して、タイムスロットグループ内の監視タイムスロット(複数可)(すなわち、1つまたは複数の監視タイムスロット)の最適な位置を決定する。それによれば、UEおよびgNBは、単一のタイムスロットグループのみに基づくのではなく、いくつかのタイムスロットグループおよびその中のCSSおよびUSS MOの分布に基づいて、決定を実行する。
【0182】
この第2の解決策によれば、UEおよびgNBは、いくつかのタイムスロットグループにわたって第1のCSS関連の基準(たとえば、監視タイムスロットは、可能であれば、CSSのMOを含むものとする)に適合するよう努める、タイムスロットグループ内の1つまたは複数の監視タイムスロットの共通の相対位置を決定する。たとえば、UEおよびgNBは、まずいくつかのタイムスロットグループを考慮し、具体的には、どのタイムスロットにCSSのMOが含まれているかを考慮し、次いで、CSS MOを含むタイムスロットの相対位置を(一部のタイムスロットグループでは、その相対位置のタイムスロットにCSS MOが含まれていなくても)監視タイムスロットとして決定し得る。したがって、この決定された相対位置は、第1の監視タイムスロットに対応する。異なるCSSの2つ以上のMOが利用可能である場合、UEは、タイムスロットグループ内のさらなる異なる相対位置を、第2の監視タイムスロットに対応するものとして決定することを検討し得、以下同様である。
【0183】
そして、さらなる監視タイムスロットを決定する必要がある場合(たとえば、第1の基準を適用した後に、監視タイムスロットの数Yにまだ達していない場合)、UEおよびgNBは続いて、いくつかのタイムスロットグループにわたって第2のUSS関連の基準(たとえば、監視タイムスロットは、任意選択によりUSSインデックスの昇順で、USSのMOを含むものとする)に適合するよう努める、タイムスロットグループ内の1つまたは複数の監視タイムスロットの共通の相対位置を決定し得る。たとえば、UEおよびgNBは、まずいくつかのタイムスロットグループを考慮し、具体的には、どのタイムスロットにUSSのMOが含まれているかを考慮し、次いで、USS MOを含むタイムスロットの相対位置を(一部のタイムスロットグループでは、その相対位置のタイムスロットにUSS MOが含まれていなくても)監視タイムスロットとして決定し得る。したがって、この決定された相対位置は、第1の基準に基づいて以前に決定されたものに加えた、他の監視タイムスロットに対応する。異なるUSSの2つ以上のMOが利用可能な場合、UEは、タイムスロットグループ内のさらなる異なる相対位置を、さらに他の監視タイムスロットに対応するものとして決定することを検討し得、以下同様である。
【0184】
上記の決定の結果として、UEおよびgNBは、タイムスロットグループ内の監視タイムスロットのY個の共通の相対位置を有し、たとえば、計4つのタイムスロットを有するタイムスロットグループの第1および第2のタイムスロットが監視タイムスロットになる。
【0185】
その後、UEおよびgNBは、特定のタイムスロットグループの実際の監視タイムスロットを決定することができ、これはタイムスロットグループごとに行うことができる。図24から明らかなように、UEおよびgNBは、現在のタイムスロットグループに対して、そのタイムスロットグループ内の実際の監視タイムスロットを、事前に決定された監視タイムスロットの共通の相対位置に基づいて決定し、たとえば、その現在のタイムスロットグループの第1および第2のタイムスロットが、UEによって監視される監視タイムスロットになる。
【0186】
次いで、UEは、現在のタイムスロットグループのこのように決定された監視タイムスロットにおいてダウンリンク制御チャネルを監視することができる。逆に、gNBは、UEによって監視される監視タイムスロットを認識しているので、これらを使用してダウンリンク制御情報をUEに送信することができる。
【0187】
続いて、UEおよびgNBは、次のタイムスロットグループの処理に進み、上記で説明した監視タイムスロットの決定ステップを次のタイムスロットグループに対して再度実行する。しかしながら、監視タイムスロットの共通の相対位置を再決定する代わりに、UEおよびgNBは単純に、以前に決定された同じ監視タイムスロットの共通の相対位置を、今度は新しいタイムスロットグループのタイムスロットに再度適用することができる。
【0188】
ここで、上記で説明した図24のUE動作を、図25に示す例示的なシナリオに関連して説明する。この説明は主にUEがどのように監視タイムスロットの決定を実行するかに関するものであるが、この説明は、基地局側での監視タイムスロットの決定にも同様に適用可能である。
【0189】
図25は、図19で仮定したシナリオと同じ分布を有する、UEのCSSおよび2つのUSS(USS#1およびUSS#2)の設定を示している。CSSがスロット0で初めて発生し、8スロット周期で発生し、USS#1がスロット1で初めて発生し、4スロット周期で発生し、USS#2がスロット2で初めて発生し、4スロット周期で発生すると例示的に仮定する。図25の一番下には、タイムスロットグループごとの、結果として得られたY=2個の監視タイムスロットを示している。そこから明らかなように、第1の解決策に関して既に詳細に説明した第1および第2の基準に従って、UEおよびgNBによってY個の監視タイムスロットが決定される。したがって、たとえば、UEおよびgNBは、第1のタイムスロットがCSS MOを含み(たとえば、第1、第3、第5のタイムスロットグループを参照)、第2のタイムスロットがUSS#1 MOを含む(全てのタイムスロットグループを参照)ので、タイムスロットグループ内の第1および第2のタイムスロットを共通の相対位置として決定する。図25に示すように、監視タイムスロットの共通の相対位置、すなわち、この場合、第1および第2のタイムスロットが、全てのタイムスロットグループに適用され、その結果、第1のタイムスロットグループの実際の監視タイムスロット0および1が得られ、第2のタイムスロットグループの実際の監視タイムスロット4および5が得られ、第3のタイムスロットグループの実際の監視タイムスロット8および9が得られる、などとなる。これにより、全てのタイムスロットグループで監視タイムスロットの相対位置が同じになる。
【0190】
第2の解決策による監視タイムスロットの決定は、様々な方法で実装することができる。その2つの例示的な変形例を以下に説明する。簡単に言えば、第1の変形例は、複数のタイムスロットグループの中から基準タイムスロットグループを事前に決定することに基づいており、その基準タイムスロットグループ内の監視タイムスロット(またはより具体的には、監視タイムスロットの共通の相対位置)の決定を、第1の解決策で詳細に説明したのと同じ原理に従って実行することができる。第2の変形例は、基準タイムスロットグループに依存するのではなく、第1および第2の基準を複数のタイムスロットグループのMOに適用することによって、監視タイムスロットの相対位置を決定する。
【0191】
より詳細には、第2の解決策の第1の変形例によれば、UEおよびgNBはまず、CSSおよびUSSのMOの現在の設定に基づいて、複数のタイムスロットグループの中から基準タイムスロットグループを決定する。基準タイムスロットグループは様々な方法で決定することができ、たとえば、
・複数のタイムスロットグループのうちの最初のタイムスロットグループとして、もしくは
・共通サーチスペースを含む、複数のタイムスロットグループのうちの最初のタイムスロットグループとして、または
・複数のタイムスロットグループのうち、最も少ないタイムスロット内に最も多くの共通サーチスペースおよびUE固有サーチスペースを含むタイムスロットグループとして、
決定することができる。
【0192】
基準タイムスロットグループを決定する他の方法も可能である。
【0193】
そして、基準タイムスロットグループを決定した後、UEおよびgNBは、複数のタイムスロットグループを代表する基準タイムスロットグループに基づいて監視タイムスロットの決定を実行することができる。基準タイムスロットグループに関するこの決定は、たとえば図19図23について説明したように、上記の第1の解決策に関連して説明した実装のうちのいずれか1つに従って実行することができる(ただし、これらの例のみに限定されない)。繰り返しを避けるために、第1の解決策の対応する説明は、第2の解決策の第1の変形例に含まれており、適用可能であると考えられるべきである。
【0194】
第1の変形例の結果として、UEおよびgNBは、基準タイムスロットグループ内の監視タイムスロットのY個(またはそれ未満)の共通の相対位置を決定した。
【0195】
続いて、UEおよびgNBは、全てのタイムスロットグループに対して実際の監視タイムスロットを決定することができ、これは、基準タイムスロットグループに基づいて事前に決定された監視タイムスロットのそのY個の共通の相対位置に基づいて、タイムスロットグループごとに行うことができる。
【0196】
さらに、第2の解決策の第2の変形例によれば、UEおよびgNBは、CSSおよびUSSのMOの現在の設定に基づいて、複数のタイムスロットグループのCSSおよびUSSの監視機会に対して第1および第2の基準を考慮する。
【0197】
1つの例示的な実装によれば、UEは、たとえば、タイムスロットグループにおいてCSSおよびUSSの分布が繰り返され始める最大周期までの全てのタイムスロットグループなど、複数のタイムスロットグループのMOを考慮することができる。たとえば、図25の例示的なシナリオでは、考慮される複数のタイムスロットグループは、2つのタイムスロットグループ(たとえば、第1および第2のタイムスロットグループ)であり、その理由は、第3のタイムスロットグループでは第1のタイムスロットグループのCSS/USS分布が繰り返されており、第4のタイムスロットグループでは第2のタイムスロットグループのCSS/USS分布が繰り返されているためである。
【0198】
他のシナリオでは、最大周期がより長く、したがって、決定の基礎となる複数のタイムスロットグループが増加する。たとえば、図21のシナリオでは、CSS MOの周期が7スロットであるため、最大周期は7個のタイムスロットグループとなる。
【0199】
次いで、この複数のタイムスロットグループのうち、UEおよびgNBは、CSS MOを含むタイムスロットグループのタイムスロットを決定し、そのタイムスロットの相対位置を監視タイムスロットの共通の相対位置として決定する。
【0200】
次に、この複数のタイムスロットグループのうち、UEおよびgNBは、(任意選択により、USSインデックスの昇順で、すなわち、最初にUSS#1、次にUSS#2、...)USS MOを含むタイムスロットグループのタイムスロットを決定し、そのタイムスロットの相対位置を監視タイムスロットの共通の相対位置として決定する。
【0201】
前述のように、第2の解決策の第2の変形例の上記のステップは、決定すべき監視タイムスロットがまだある限り、すなわち、数Yに達するまで適用される。
【0202】
第2の変形例の結果として、UEおよびgNBは、基本的に第1の変形例の場合と同様に、監視タイムスロットのY個の共通の相対位置を有する。続いて、UEおよびgNBは、全てのタイムスロットグループに対する実際の監視タイムスロットを決定することができ、これは、監視タイムスロットのそのY個の共通の相対位置に基づいてタイムスロットグループごとに行うことができる。
【0203】
第2の解決策の第2の変形例の1つの特定の例示的な実装は、以下のアルゴリズムに基づいて定義することができる。設定された全てのMOの最大周期はUEに既知であり、UEは最大周期までの全てのスロットグループを以下のステップでチェックすることができる。
【0204】
1.いずれかのスロットグループの最初のスロットでCSS MOが発生するか
「yes」の場合、Y個の監視タイムスロットはその最初のスロットを含む必要がある。
【0205】
2.いずれかのスロットグループの第2のスロットでCSS MOが発生するか
「yes」の場合、Y個の監視タイムスロットはその第2のスロットを含む必要がある。
【0206】
3.スロット数Y(たとえば、2スロット)に達するまで、全てのCSS MOおよびUSS MOに対して上記の手順を繰り返す。
【0207】
以下から明らかになるように、第1および第2の変形例を適用すると、MO設定に応じて同じまたは異なる監視タイムスロットが得られ得る。説明の目的で、上記で提示した第2の解決策の第1の変形例および第2の変形例を、既に説明した図25のシナリオに関連して説明する。
【0208】
明らかになるように、第2の解決策の第1および第2の変形例は両方とも、図25に示す同じY個の監視タイムスロットをもたらし得る。第1の変形例によれば、UEおよびgNBは最初に基準タイムスロットグループを決定する。図25の例示的なシナリオでは、UEおよびgNBは、上記で提示した条件のうちの1つに従って、たとえば、第1のタイムスロットグループを基準タイムスロットグループとして決定することができる。第1のタイムスロットグループは、複数のタイムスロットグループのうちの最初のタイムスロットグループであり、共通サーチスペースを含む、複数のタイムスロットグループのうちの最初のタイムスロットグループでもあり、複数のタイムスロットグループのうち、最も少ないタイムスロット内に最も多く(ここでは2つ)の共通サーチスペースおよびUE固有サーチスペースを含むタイムスロットグループでもある。基準タイムスロットグループ、すなわち、図25の第1のタイムスロットグループに第1および第2の基準を順次適用すると、UEおよびgNBは、その第1および第2のタイムスロットを監視タイムスロットの共通の相対位置を表すものとして決定する。
【0209】
一方、第2の変形例によれば、UEおよびgNBは、(複数のタイムスロットグループとしての)第1および第2のタイムスロットグループのMOの中から監視タイムスロットを決定する。第1のCSS関連の基準に従って、CSS MOが第1のタイムスロットグループの第1のタイムスロットに位置しているので、第1のタイムスロットが監視タイムスロットの第1の共通の相対位置を構成するように決定される。第1および第2のタイムスロットグループにはさらなるCSSがないので、UEは第2のUSS関連の基準に基づいて継続し、USS#1が第1のタイムスロットグループの(同じく第2のタイムスロットグループの)第2のタイムスロットに位置していると決定する。したがって、第2のタイムスロットが、監視タイムスロットの第2の共通の相対位置を構成するように決定される。
【0210】
図26および図27を参照して、第2の解決策の第1および第2の変形例により、異なる監視タイムスロットが生じ得ることを説明する。図26は、UEのCSSおよび2つのUSS(USS#1およびUSS#2)の設定を示している。CSSがスロット0で初めて発生し、6スロット周期で発生し、USS#1がスロット1で初めて発生し、4スロット周期で発生し、USS#2がスロット2で初めて発生し、4スロット周期で発生すると例示的に仮定する。図26の一番下に、第2の解決策の第2の変形例を実行した後に得られるY=2個の監視タイムスロットを示している。
【0211】
たとえば、第2の解決策の第2の変形例の原理に沿って、UEおよびgNBは、第1のタイムスロットがCSSのMOを含むので、監視スロットの共通の相対位置であると決定する。たとえば第2のタイムスロットグループ内で、第3のタイムスロットもCSSのMOを含むが、第3のタイムスロットは連続していないので、監視タイムスロットには選択されない。代わりに、UEおよびgNBは、(たとえば、第1のタイムスロットグループの)第2のタイムスロットがUSS#1のMOを含むと決定して、第2のタイムスロットを監視タイムスロットの共通の相対位置として決定する。結果として得られたY個のタイムスロット、すなわち、各タイムスロットグループの第1および第2のタイムスロットを図26の一番下に示している。
【0212】
図27は、図26と同じ、UEのCSSおよび2つのUSS(USS#1およびUSS#2)の設定を示している。一方、結果として得られたY個の監視タイムスロットは第2および第3のタイムスロットであるので、図26について上記で説明した第2の変形例による結果とは異なる。第2の解決策の第1の変形例の原理に沿って、UEおよびgNBは、第2のタイムスロットグループを基準タイムスロットグループとして決定し、その理由は、最も少ないタイムスロット(ここでは2つ)に最も多くのCSSおよびUSS(ここでは3つ)を含むタイムスロットグループであるためであり、第1のタイムスロットグループにも3つのCSSおよびUSSがあるが、3つのタイムスロットに分散している。第1および第2の基準を基準タイムスロットグループに適用すると、その基準タイムスロットグループの第2および第3のタイムスロットが、UEおよびgNBによって監視タイムスロットの共通の相対位置として決定されることになる。それに対応して、同じ共通の相対位置が全てのタイムスロットグループに適用される。
【0213】
図28は、図26および図27と同じ、UEのCSSおよび2つのUSS(USS#1およびUSS#2)の設定を示している。しかしながら、ここでは、監視タイムスロットの決定が不連続な監視スロットを許容すると仮定しており、これにより、監視タイムスロットの共通の相対位置の決定が大きな影響を受け得る。図28のこの例では、UEおよびgNBが第2の解決策の第2の変形例を実行すると仮定する。それに対応して、UEはまず、(たとえば、第1のタイムスロットグループの)第1のタイムスロットがCSS MOを含むと決定して、これが監視タイムスロットの共通の相対位置であると決定する。さらに、(たとえば、第2のタイムスロットグループの)第3のタイムスロットもCSS MOを含むので、第3のタイムスロットが監視タイムスロットの共通の相対位置であると決定される。このようにして得られる監視タイムスロットの位置が連続している必要があるという制約はないので、Y個の監視タイムスロットは、各タイムスロットグループの第1および第3のタイムスロットになる。
【0214】
第2の解決策の上記の実装では、決定は一度だけ決定され、その後、複数のタイムスロットグループ全てに使用されると単純に仮定した。しかしながら、第2の解決策のさらなる実装では、監視機会の設定が変更されるまで、監視タイムスロットの以前に決定された共通の相対位置がタイムスロットグループに適用される。監視タイムスロットの共通の相対位置は、MOの現在の設定に基づいて決定されている(上記を参照)。したがって、監視タイムスロットの共通の相対位置を新しいMO設定に適応させて、現在のMO設定にとって最も適切な監視位置に到達することが有利である。
【0215】
具体的には、UEおよびgNBは、UEのMOの現在使用されている設定が変更されるまたは変更された否かを判定する。MO設定が変更されていない場合、UEおよびgNBは、監視タイムスロットの以前に決定された共通の相対位置を使用し続ける。
【0216】
一方、MO設定が変更されるまたは変更された場合、UEおよびgNBは、たとえば上記で既に詳細に説明した第2の解決策の実装のいずれかに従って、監視タイムスロットの共通の相対位置を再決定する必要があり得る。
【0217】
この動作はUE側に関して図29に示しており、これは図24の動作と非常に似ている。図29では、監視タイムスロット(複数可)の共通の相対位置を決定する2つのステップが、MOの現在の設定に関して、MOの現在の設定に基づいて行われることをさらに指定している。UE動作は、MO設定が変更されたか否かに関する上記のチェックも含む。「yes」の場合(すなわち、MO設定が変更された場合)、UE動作は、その時点の新しいMO設定での監視タイムスロット(複数可)の共通の相対位置の再決定に戻る(その後、MO設定変更後の「MOの現在の設定」とみなされる)。
【0218】
そのような実装は、Y個の監視タイムスロットの位置が、タイムスロットグループごとに決定される必要がなく、必ずしもタイムスロットグループごとに変更されないので、監視タイムスロットを決定するための複雑さが軽減されるという利点を有し得る。さらに、MO設定が変更されたときに監視タイムスロットが再決定されるので、この実装により、監視タイムスロットを新しい状況に適応させるための柔軟性が維持される。
【0219】
図30は、UEのCSSおよび2つのUSS(USS#1およびUSS#2)の2つの異なる設定を示しており、そして一番下に、MO設定の変更により、MO設定変更の前後でそれぞれ異なる監視タイムスロットがどのように生じるかを示している。
【0220】
変更前のMO設定により、監視タイムスロットの共通の相対位置が、各タイムスロットグループの第1および第2のタイムスロットになると仮定する。この決定は、図25について既に詳細に説明したものと同じであり得る。
【0221】
変更後のMO設定により、監視タイムスロットの共通の相対位置が異なり、具体的には各タイムスロットグループの第2および第3のタイムスロットになるとさらに仮定する。第5のスロットグループのスロット17(すなわち、その第5のタイムスロットグループの第2のタイムスロット)にCSSがあるので、決定は、タイムスロットグループの第2のタイムスロットを監視に用いる。さらに、第3のタイムスロットが監視用に選択され、その理由は、USS#2を含み、監視タイムスロットが連続している必要があるという制約に適合しているためである。
【0222】
以下では、MO設定が変更されたか否かを判定する上記のステップの様々な実装について説明する。
【0223】
第1の実装によれば、MOを設定するための設定情報が、サービング基地局からUEにおいて受信されたとき、またはサービング基地局によって送信されたときに、MO設定が変更されたとみなされる。たとえば、新しいMO設定は、たとえば設定サーチスペースおよび制御リソースセットのコンテキストでは、RRCメッセージによって示すことができる。そのようなMOの再設定は、たとえば、UEがDL受信用の監視ビームを変更するときに発生し得、サービング基地局は、UEにgNBからのDLサービングビームに適した新しいMO設定を通知することができる。
【0224】
第2の実装によれば、UEがサービング基地局からダウンリンク制御チャネルを受信するために現在のサービングビームから新しいサービングビームに切り替えるときに、MO設定が変更されたとみなされる。さらに、UEは、ダウンリンク制御チャネルの受信に使用されるビームと、記憶された設定情報とに基づいて、MO設定を決定する。記憶された設定情報は、異なるビームを異なるMOの設定に関連付ける情報を含む。それに対応して、サービング基地局からのメッセージによるMOの直接的な再設定は必要なく、UEは、事前に記憶された設定情報(たとえば、サービング基地局によって事前に設定されたもの)に基づいて新しいビーム固有のMOを自律的に決定することができる。
【0225】
UEがビームを切り替えるか否かは、たとえば、サービング基地局によって示すことができる。したがって、UEがそのようなビーム変更指示を受信すると、UEは新しいMO設定を決定し、次いで、上記で説明したように、その新しいMO設定での新しい監視タイムスロットを再決定する。5Gに準拠した解決策では、TCI(送信設定インジケータ:Transmission Configuration Indicator)をサービングビーム変更指示として使用することができる。
【0226】
あるいは、初期アクセス中に、UEはサービングビームとして最適なSSBを選択し、対応するRACHリソースを使用してMsg1を送信することにより、gNBにこれを報告する。Msg1を受信した後、gNBは、どのビームがUEによって選好されたサービングビームであるかを知り、初期アクセス手順全体を通じてそのようなビームをUEサービングビームとして使用する。RRC接続が確立された後、UEは、他のサービングビーム候補を示すために、ビーム測定レポートをgNBに送信することが可能になる。その後、gNBはUEのサービングビームを切り替えるか否かを判定し、切り替える場合は、TCIなどのビーム切り替え指示をUEに送信することができる。
【0227】
上記の実装では、MO設定の変更により監視タイムスロットの再決定が発生すると単純に仮定した。しかしながら、MO設定の変更が、実際には監視タイムスロットの再決定が必要ないようなものである可能性もある。他の実装によれば、MOが以前のMO設定とは異なるタイムスロットに含まれることにつながるMO設定変更のみが、監視タイムスロットの再決定を引き起こす。
【0228】
具体的には、監視機会の設定の変更は、以下のような様々な設定項目を指し得る。
・監視機会の数が変更される
・監視機会の周期が変更される
・監視機会のOFDMシンボルのタイミングが変更される
・監視機会のタイムスロットのタイミングが変更される
・監視機会のアグリゲーションレベルが変更される
・アグリゲーションレベルごとの監視候補の数が変更される
MO設定の起こり得る変更のこのリストから明らかなように、たとえば、MOの数、OFDMシンボルのタイミング、アグリゲーションレベル、およびアグリゲーションレベルごとの監視候補の数などに関するこれらの変更の一部は、必ずしもタイムスロットの変更をもたらすわけではない。
【0229】
したがって、第2の解決策の他の実装は、監視機会の設定の変更により、監視機会の以前の設定と比較して、いずれかの監視機会のタイムスロットが異なるものになるか否かを判定する追加のステップを含む。それに対応して、いずれかの監視機会のタイムスロットが異なるものになる場合、MO設定は実際に変更されたとみなされ、UEおよびgNBは、変更されたMO設定に基づく監視スロットの再決定に進む。逆に、MO設定の変更により、いずれかの監視機会のタイムスロットが異なるものにならない場合、MO設定の変更は影響がないとみなされるので、UEおよびgNBは古い監視タイムスロットを使用し続ける。
【0230】
さらなる実装では、改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順の第2の解決策は、異なる第1の基準、すなわち、監視タイムスロットが、縮小されたCSSのセットのうちの共通サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという基準を使用することもできる。これについては、図14図17に関連して改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順に関して既に上記で詳細に説明しており、第2の解決策にも同様に適用可能である。要約すると、縮小されたCSSのセットは、全てのUEに対して設定されないCSS、たとえば、UEへの専用メッセージによって設定されるType-1 CSS、およびType-3 CSSを含み得る。縮小されたCSSのセットに含まれない残りのCSS(全てのUEに共通して設定されるCSS、たとえば、専用のメッセージで設定されないType-1 CSS、Type-0 CSS、Type-0A CSS、およびType-2 CSS)は、例示的に、Y個の監視タイムスロット以外のタイムスロットグループ内のさらなる監視機会においてUEによって監視され得る。逆に、BSは、残りのCSSの対応する監視機会によって定義される、Y個の監視タイムスロット以外のタイムスロットグループ内のさらなる監視機会において残りのCSSを送信することができる。
【0231】
上記の第2の解決策およびその変形例ならびに実装は、主にUEの観点から説明してきた。しかしながら、上述の監視スロットの決定はUEおよびBSで全く同じようにして実行することができるので、上記の第2の解決策およびその変形例ならびに実装は基地局側にも適用可能である。
【0232】
BSおよびUEは、結果として得られた監視タイムスロットがその後の処理で使用される方法が異なり、UEは監視タイムスロットを監視機能に使用し(図14を参照)、BSは監視タイムスロットをダウンリンク制御情報の送信に使用する(図16を参照)。
【0233】
<上記の解決策の変形例>
以下では、上記で説明した基本的な解決策(たとえば、図13図17を参照)ならびに第1の解決策(たとえば、図18図23を参照)および第2の解決策(たとえば、図24図30を参照)の様々な変形例を示す。
【0234】
たとえば第1および第2の解決策に関連して、上記および下記で説明している改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順の様々な実装では、各タイムスロットグループ内のタイムスロットの数Xは、4スロットであると例示的に仮定した。しかしながら、基本的な発明ならびに第1および第2の解決策はこれに関して限定されるものではなく、各タイムスロットグループ内のタイムスロットの数Xは、たとえば、2、3、5、6、7、8、9などの他の数をとることもできる。
【0235】
例示的な実装形態では、各タイムスロットグループ内のタイムスロットの数Xは、たとえば、ダウンリンク制御チャネルに使用されるサブキャリア間隔と、UEおよびgNBに記憶された対応する情報とに基づいて決定することができる。記憶された情報は、基地局によって設定することも、3GPP規格によって固定されるという意味で事前に設定することもできる。一例では、記憶された情報は、異なるサブキャリア間隔と、異なるタイムスロット数のうちの1つまたは複数との関連付けを含む。たとえば、タイムスロットグループ内のタイムスロットの数Xは、480kHzのサブキャリア間隔では4であり、960kHzのサブキャリア間隔では8であると仮定され得る。
【0236】
たとえば第1および第2の解決策に関連して、上記および下記で説明している改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順の様々な実装では、タイムスロットグループ内の監視タイムスロットの数Yは、1スロットまたは2スロットであると例示的に仮定した。しかしながら、基本的な発明ならびに第1および第2の解決策はこれに関して限定されるものではなく、各タイムスロットグループ内のY個の監視タイムスロットの数は、UEが電力を節約できるようにするために他の数をとることもでき、ただし、各タイムスロットグループ内のタイムスロットの数X未満でなければならず、たとえば、1≦Y<Xである。たとえば、タイムスロットグループ内の監視タイムスロットの数Yは、X=3の場合は1または2にすることができ、X=4の場合は1、2、または3にすることができ、X=5の場合は1、2、3、または4にすることができ、以下同様である。他の例示的な実施形態では、タイムスロットグループ内の監視タイムスロットの最小数は1スロットであり、タイムスロットグループ内の監視タイムスロットの最大数は、各タイムスロットグループ内のタイムスロットの数Xの半分であり、すなわち、1≦Y<X/2である。
【0237】
例示的な実装形態では、タイムスロットグループ内の監視タイムスロットの数Yは、UEが特定のタイムスパン内で監視(および処理)できるタイムスロット数の能力に依存するので、UEに記憶された能力情報から決定することができる。それに対応して、そのような変形例では、UEはタイムスロットグループ内の監視タイムスロットの数Yの能力情報を、UEにサービス提供するサービング基地局に送信して得、その結果、サービング基地局がUEと同じ情報を有し、それに従って同じように監視タイムスロットを決定することができる。
【0238】
たとえば第1および第2の解決策に関連して、上記および下記で説明している改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順の様々な実装では、監視機能の一部として、サーチスペースごとに異なる監視機会がUEに既に設定されていると単純に仮定した。1つの例示的な実装では、監視機能の設定は、基地局からUEに送信される設定情報を使用して実装することができる。設定情報は、UEがダウンリンク制御チャネルを監視する少なくとも1つまたは複数の監視機会をUEが決定するために必要な情報を提供する。5G NR規格に準拠した一例によれば、この設定は、たとえば3GPP TS38.331v16.5.0セクション6.3.2の定義に従って上述したように、上述の情報エレメントControlResourceSetおよびSearchSpaceに基づいて行うことができる。
【0239】
たとえば第1および第2の解決策に関連して、上記および下記で説明している改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順の様々な実装は、一般にUEおよびgNBで実行されるものとして説明した。一方、例示的な実装形態では、改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順は、ダウンリンク制御チャネルのサブキャリア間隔が120kHzより大きい、たとえば480kHzまたは960kHzであるシナリオなどの特定のシナリオで主に実行される。それに加えて、またはその代わりに、改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順は、52.6GHzを超える新しい周波数範囲、たとえば、52.6GHz~71GHzの周波数範囲で主に実行される。
【0240】
たとえば第1および第2の解決策に関連して、上記および下記で説明している改良されたダウンリンク制御チャネル監視手順の様々な実装では、バックツーバック問題が発生する状況が起こり得る。バックツーバック問題とは、連続する監視タイムスロットがタイムスロットグループの境界をまたいでいる状況である。第1および第2の解決策では、バックツーバック問題が発生し得る。
【0241】
バックツーバック問題が発生する例示的なシナリオを図31に示しており、図31では、UEのCSSおよび2つのUSS(USS#1およびUSS#2)の設定を例示的に仮定する。CSSがスロット0で初めて発生し、6スロット周期で発生し、USS#1がスロット3で初めて発生し、4スロット周期で発生し、USS#2がスロット2で初めて発生し、4スロット周期で発生すると例示的に仮定する。図31の図では、上記で説明した第1の解決策の実装に従って監視タイムスロットが決定されると仮定する。各タイムスロットグループのY個の監視スロットの決定の結果を図31の一番下に示しており、すなわち、第1のタイムスロットグループでは監視タイムスロット0および1であり、第2のタイムスロットグループでは監視タイムスロット6および7であり、第3のタイムスロットグループでは監視タイムスロット10および11であり、第4のタイムスロットグループでは監視タイムスロット12および13である。それに対応して、監視タイムスロット10~13が第3および第4のタイムスロットグループの境界をまたぐバックツーバック問題が発生している。そのような連続する監視タイムスロットの拡張されたシーケンスは、UEのより高いダウンリンク制御チャネル処理能力、場合によってはUEの能力よりもはるかに高いダウンリンク制御チャネル処理能力を要求するという点で不利である。
【0242】
バックツーバック問題は、以下の様々な方法で解決することができる。
【0243】
第1の実装によれば、監視タイムスロットを決定するための追加の基準、すなわち、2つの連続するタイムスロットグループの監視タイムスロット間に1タイムスロットの最小タイムギャップが空いているという追加の基準が定義される。換言すれば、n番目のタイムスロットグループの最後の監視タイムスロットと、n+1番目のタイムスロットグループの最初の監視タイムスロットとの間に、1タイムスロットの最小タイムギャップが存在するように、監視タイムスロットが決定される。
【0244】
第2の実装によれば、監視タイムスロットの決定は、上記の第3の基準を考慮するように拡張されず、同じままであり得る。したがって、同じ監視タイムスロットが最初に決定され、たとえば図31に示すように、監視タイムスロットのバックツーバック状況が含まれる。しかしながら、UEは、バックツーバック状況に関与する2つの連続する監視タイムスロットのうちの1つにおいてMOの監視をスキップすることが例外的に許可される。
【0245】
第3の実装は第2の実装と似ているが、監視タイムスロット全体の監視機能の実行をスキップする代わりに、UEは、バックツーバック状況に関与する2つの連続する監視タイムスロットのうちの1つにおいて監視機会のサブセットの監視機能の実行をスキップすることが例外的に許可される。
【0246】
図32は、図31と同じUEのCSS/USS設定を示しているが、バックツーバック問題を解決するための監視タイムスロットの決定の2つの異なる結果を示している。図32の一番下には、上記の第2の実装の結果を示しており、それによれば、監視タイムスロットは前述同様に決定されるが(図31を参照)、例外的にUEはタイムスロット12(バックツーバック状況に関与する第2のタイムスロット)の監視をスキップすることが許可される。
【0247】
図32の最後から2番目の行には、上記の第1の実装の結果を示しており、図示した監視タイムスロットは、2つの連続するタイムスロットグループの監視タイムスロットの間に1タイムスロットの最小タイムギャップが空いていなければならないという第3の基準を追加で考慮した結果である。それに対応して、第4のタイムスロットグループの監視タイムスロットを決定するときに、UEおよびgNBは、タイムスロット12が第3の基準に違反し、バックツーバック問題を発生させるので、タイムスロット12を監視タイムスロットとして選択しなくてもよい。代わりに、タイムスロット14および15が、USS#1およびUSS#2のMOを含むので、監視タイムスロットとして決定される。明らかなように、結果として得られた監視タイムスロットでは、バックツーバック問題は発生しない。
【0248】
バックツーバック問題は、第2の解決策でも発生し得、特にMO設定が変更されたときの境界において、また、MO設定が変更された結果として監視タイムスロットが変更されたときに発生し得る。そのような状況を図33に示す。図33から明らかなように、MO設定が第3および第4のタイムスロットグループの間で変更されると例示的に仮定する。具体的には、MO設定の変更は、CSS MOの異なる位置を含み、今度はスロット17で初めて発生し(同じ8スロット周期で)、USS#1 MOの異なる位置を含み、今度はスロット12で初めて発生し(同じ4スロット周期で)、USS#2 MOの異なる位置を含み、今度はスロット14で初めて発生する(同じ4スロット周期で)。
【0249】
2つの異なるMO設定におけるCSS/USSの特定の分布により、バックツーバック問題が監視タイムスロット10、11、12、および13で発生しており、これらは連続しており、UEが4タイムスロット続けてダウンリンクチャネルを監視および処理する必要がある。これは、Y個の監視スロットを示す一番上の行に示している(「バックツーバック問題」とラベル付けしている)。
【0250】
図32で説明した、バックツーバック問題を解決するための上記の第1、第2、および第3の実装は、図33のシナリオにも適用することができる。
【0251】
より詳細には、第1の実装に沿って、UEは、2つの連続するタイムスロットグループの監視タイムスロット間に1タイムスロットの最小タイムギャップが空いていることをさらに考慮することによって、後続のMO設定に対して異なる監視タイムスロットを決定し得る。結果として得られる監視タイムスロットは、図33のY個の監視タイムスロットを示す2行目に示している(「タイムギャップ基準あり」とラベル付けしている)。監視タイムスロットは1タイムスロットだけシフトされ、それぞれ各タイムスロットグループの第2および第3のタイムスロットになる。
【0252】
さらに、第2の実装に沿って、UEは例外的に、バックツーバック状況に関与する2つの連続する監視タイムスロットのうちの1つにおいてMOの監視をスキップすることが許可され得、図33のシナリオでは、UEはスロット12のPDCCH監視をスキップし得る。これは、Y個の監視タイムスロットを示す図33の3行目から明らかである(「監視をスキップする」とラベル付けしている)。
【0253】
図33の例示した第2の実装では、結果として得られた監視スロット(タイムスロットグループ内の第3および第4のタイムスロットの相対位置)が、後続の全てのタイムスロットグループにさらに適用される。しかしながら、これは後続のタイムスロットグループにとっては最適ではない場合があり、たとえば、図33では、優先されたUSS#1 MOがUEによって監視されない。したがって、この第2の実装のさらなる変形例によれば、第3の基準は新しいMO設定の最初のタイムスロットグループのみに適用され、第2の解決策による監視タイムスロットの通常の決定は、新しいMO設定の最初のタイムスロットグループの後の残りのタイムスロットグループに適用される。
【0254】
図33には示していないが、バックツーバック問題を回避するためにUEによって第3の実装も適用することができ、具体的には、UEは例外的に、バックツーバック状況に関与する2つの連続する監視タイムスロットのうちの1つにおいて監視機会のサブセットに対して監視機能の実行をスキップすることが許可される。たとえば、USS#1のMOがバックツーバック問題を引き起こしているので、UEはタイムスロット12でのUSS#1 MOの監視をスキップすることが許可され得、一方、後続のタイムスロットグループのUSS#1 MOは、各タイムスロットグループの第1および第2のタイムスロットに発生する監視タイムスロットに沿って、UEによって監視される。
【0255】
さらなる第4の実装によれば、UEは、新しいMO設定の最初のタイムスロットグループに対して(たとえば、図33では、第4のスロットグループに対して)古い監視タイムスロットを使用し、新しいMO設定の第2のタイムスロットグループの時点でのみ新しい監視タイムスロットを使用する。換言すれば、新しいMO設定に基づいて決定される新しい監視タイムスロットの使用は、1タイムスロットグループだけ繰延される。これは、図33の最後の行に示しており(「繰延」とラベル付けしている)、第4のスロットグループ内で点線の矢印を使用してY個の監視スロットを示している。これにより、第4のスロットグループでは、UEは監視タイムスロット内のMO、たとえば、ここではタイムスロット14および15、そして特にUSS#2 MOを監視する。一方、USS#1 MOは、Y個の監視タイムスロット外に位置しているので、UEによって監視されない。
【0256】
<さらなる態様>
第1の態様によれば、以下を含むユーザ機器が提供される。UEの処理回路は、2つ以上のタイムスロットグループに対して、監視機能に従ってUEによって監視されるそのタイムスロットグループ内の1つまたは複数のタイムスロットを決定し、監視機能は、ダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のタイムスロットにおける1つまたは複数の監視機会においてダウンリンク制御チャネルを監視するためにUEによって動作させられる。処理回路は、そのタイムスロットグループ内の監視タイムスロットの決定を、
・監視タイムスロットが、ダウンリンク制御チャネルの共通サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第1の基準、
・監視タイムスロットが、ダウンリンク制御チャネルのUE固有サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第2の基準、
のうちの1つまたは複数に従って実行する。
【0257】
次に、処理回路は、タイムスロットグループの決定された1つまたは複数の監視タイムスロットにおいてダウンリンク制御チャネルを監視する。
【0258】
第1の態様に加えて提供される第2の態様によれば、そのタイムスロットグループ内の監視タイムスロットの決定のために、共通サーチスペースに関する第1の基準が、UE固有サーチスペースに関する第2の基準よりも先に考慮される。
【0259】
第1または第2の態様に加えて提供される第3の態様によれば、監視タイムスロットの決定のために、処理回路は、UE固有サーチスペースを優先順位の順に考慮し、UE固有サーチスペースのインデックスが低いほど、監視タイムスロットに含められる優先順位が高くなる。
【0260】
第1~第3の態様のいずれか1つに加えて提供される第4の態様によれば、第1の基準はさらに、
- 監視タイムスロットが、ダウンリンク制御チャネルの第1の共通サーチスペースのセットのうちの共通サーチスペースに関連付けられた監視機会を含み、第1の共通サーチスペースのセットが、UEに対して設定される全ての共通サーチスペースを含まないこと
として定義される。
【0261】
その任意選択の実装では、第1の共通サーチスペースのセットは、UEへの専用メッセージで設定される共通サーチスペースを含み、UEのグループに共通して設定される共通サーチスペースを含む。そのさらなる任意選択の実装では、第1の共通サーチスペースのセットは、5G通信システムによる、UEへの専用メッセージによって設定されるType-1の共通サーチスペースと、Type-3の共通サーチスペースとを含む。
【0262】
第4の態様に加えて提供される第5の態様によれば、処理回路は、動作に際して、タイムスロットグループの監視タイムスロットとは異なるタイムスロットグループの追加の監視タイムスロットにおいて第1の共通サーチスペースのセットに属さない共通サーチスペースを監視する。
【0263】
第1~第5の態様のいずれか1つに加えて提供される第6の態様によれば、UEは、監視タイムスロットでないタイムスロットグループのタイムスロットにおいてダウンリンク制御チャネルを監視しないことが許可される。
【0264】
第1~第6の態様のいずれか1つに加えて提供される第7の態様によれば、監視タイムスロットの決定は、タイムスロットグループごとに個別に実行される。
【0265】
第1~第6の態様のいずれか1つに加えて提供される第8の態様によれば、監視タイムスロットの決定は、複数のタイムスロットグループに対して一緒に実行される。決定は、複数のタイムスロットグループのうちの各タイムスロットグループ内の監視タイムスロットの共通の相対位置をもたらす。処理回路は、動作に際して、複数のタイムスロットグループのそれぞれに対する監視タイムスロットを決定するために、監視タイムスロットの決定された共通の相対位置を適用する。任意選択の実装では、監視タイムスロットの共通の相対位置に基づく監視タイムスロットの決定は、監視機会の設定が変更されるまで実行される。
【0266】
第8の態様に加えて提供される第9の態様によれば、処理回路は、動作に際して、監視機会の設定が変更されたか否かを判定する。監視機会の設定が変更されたと判定された場合、処理回路は、動作に際して、監視機会の変更された設定に従って、監視機会の設定の変更後の他の複数のタイムスロットグループに対して監視タイムスロットの決定を再度実行する。決定は、他の複数のスロットグループのうちの各タイムスロットグループ内の監視タイムスロットの他の共通の相対位置をもたらす。さらに、処理回路は、動作に際して、監視機会の設定の変更後の他の複数のタイムスロットグループに対して監視タイムスロットを決定するために、決定された他の共通の相対位置を適用する。
【0267】
第8または第9の態様に加えて提供される第10の態様によれば、監視タイムスロットの決定は、複数のタイムスロットグループのうちの基準タイムスロットグループに基づいて実行される。処理回路は、動作に際して、基準タイムスロットグループを、
・複数のタイムスロットグループのうちの最初のタイムスロットグループであるか、
・共通サーチスペースを含む、複数のタイムスロットグループのうちの最初のタイムスロットグループであるか、または
・複数のタイムスロットグループのうち、最も少ないタイムスロット内に最も多くの共通サーチスペースおよびUE固有サーチスペースを含む、
タイムスロットグループとして決定する。
【0268】
第8または第9の態様に加えて提供される第11の態様によれば、監視タイムスロットの決定は、複数のタイムスロットグループの監視機会を考慮して実行される。その任意選択の実装では、複数のタイムスロットグループの監視タイムスロットの決定のために、処理回路は、複数のタイムスロットグループの監視機会に対して第1の基準および第2の基準を考慮する。
【0269】
第8~第11の態様のいずれか1つに加えて提供される第12の態様によれば、処理回路は、動作に際して、UEの受信機が、動作に際して、監視機会を設定するための設定情報をサービング基地局から受信した場合に、監視機会の設定が変更されたと判定する。その任意選択の実装では、監視機会の設定情報は、無線リソース制御RRCプロトコルのメッセージで受信される。
【0270】
第8~第12の態様のいずれか1つに加えて提供される第13の態様によれば、処理回路は、動作に際して、UEが、サービング基地局からダウンリンク制御チャネルを受信するために、現在のビームから新しいビームに切り替える場合に、監視機会の設定が変更されたと判定する。その任意選択の実装では、処理回路は、動作に際して、サービング基地局からダウンリンク制御チャネルを受信するために使用されるビームと、記憶された設定情報とに基づいて監視機会を決定する。記憶された設定情報は、ビーム固有の監視機会を設定するための、異なるビームに関連付けられた異なる設定情報を含む。その任意選択の実装では、処理回路は、動作に際して、UEがサービング基地局から受信された指示に基づいて現在のビームから新しいビームに切り替えると判定する。
【0271】
第8~第13の態様のいずれか1つに加えて提供される第14の態様によれば、監視機会の設定の変更は、
・監視機会の数が変更されること、
・監視機会の周期が変更されること、
・監視機会のOFDMシンボルのタイミングが変更されること、
・監視機会のタイムスロットのタイミングが変更されること、
・監視機会のアグリゲーションレベルが変更されること、
・アグリゲーションレベルごとの監視候補の数が変更されること
のうちの1つまたは複数を含む。
【0272】
任意選択の実装では、処理回路は、動作に際して、監視機会の設定の変更により、監視機会の以前の設定と比較して、いずれかの監視機会のタイムスロットが異なるものになるか否かをさらに判定する。いずれかの監視機会のタイムスロットが異なるものになる場合、処理回路は、監視スロットの決定を再度実行すべきか否かの目的で、監視機会の設定が変更されたと判定する。いずれかの監視機会のタイムスロットが異なるものにならない場合、処理回路は、監視スロットの決定を再度実行すべきか否かの目的で、監視機会の設定が変更されていないと判定する。
【0273】
第1~第14の態様のいずれか1つに加えて提供される第15の態様によれば、タイムスロットは複数のタイムスロットグループにグループ化され、タイムスロットグループは時間的に連続していて重複しておらず、各タイムスロットグループはX個のタイムスロットを含む。その任意選択の実装では、処理回路は、動作に際して、ダウンリンク制御チャネルに使用されるサブキャリア間隔に基づいて、UEに記憶された情報から各タイムスロットグループ内のタイムスロットの数Xを決定する。そのさらなる任意選択の実装では、記憶された情報は、異なるサブキャリア間隔と、異なるタイムスロット数のうちの1つまたは複数との関連付けを含み、任意選択により、タイムスロットグループ内のタイムスロットの数Xは、480kHzのサブキャリア間隔の場合は4であり、960kHzのサブキャリア間隔の場合は8である。
【0274】
第1~第15の態様のいずれか1つに加えて提供される第16の態様によれば、監視タイムスロットの決定は、タイムスロットグループ内の決定された監視タイムスロットが連続するように実行され、または、
監視タイムスロットの決定は、タイムスロットグループ内の決定された監視タイムスロットが連続しているか否かとは無関係に実行される。
【0275】
第1~第16の態様のいずれか1つに加えて提供される第17の態様によれば、処理回路は、動作に際して、UEに記憶された情報からタイムスロットグループ内の監視タイムスロットの数Yを決定し、任意選択により、記憶された情報はUEの能力に関連し、任意選択により、タイムスロットグループ内の監視タイムスロットの最小数は1スロットであり、タイムスロットグループ内の監視タイムスロットの最大数は各タイムスロットグループ内のタイムスロットの数Xの半分である。その任意選択の実装では、UEは、動作に際して、タイムスロットグループ内の監視タイムスロットの数Yの情報を、UEにサービス提供するサービング基地局に送信する送信機を備える。
【0276】
第1~第17の態様のいずれか1つに加えて提供される第18の態様によれば、UEは、動作に際して、UEにサービス提供するサービング基地局から、UEにおいて監視機能を設定するための設定情報を受信する受信機を備え、設定情報は、UEがダウンリンク制御チャネルを監視する1つまたは複数の監視機会を設定する。任意選択の実装では、処理回路は、動作に際して、受信された設定情報に基づいて、UEがダウンリンク制御チャネルを監視する1つまたは複数の監視機会を決定する。
【0277】
第1~第18の態様のいずれか1つに加えて提供される第19の態様によれば、タイムスロットグループ内の監視タイムスロットの決定は、
120kHzを超える、ダウンリンク制御チャネルに使用されるサブキャリア間隔、任意選択により、480kHzまたは960kHz以上のサブキャリア間隔、および
52.6GHzを超える、ダウンリンク制御チャネルが送信される周波数範囲、任意選択により、52.6GHz~71GHzの周波数範囲、
のうちの1つまたは複数に対して実行される。
【0278】
第1~第19の態様のいずれか1つに加えて提供される第20の態様によれば、そのタイムスロットグループ内の監視タイムスロットの決定は、2つの連続するタイムスロットグループの監視タイムスロット間で1タイムスロットの最小タイムギャップが空いているという第3の基準に従って処理回路によって実行される。
【0279】
第1~第19の態様のいずれか1つに加えて提供される第21の態様によれば、2つの連続するタイムスロットグループにそれぞれ属する2つの監視タイムスロットが互いに連続している場合、処理回路は、動作に際して、
・2つの連続する監視タイムスロットのうちの1つの監視機能の実行をスキップすること、または
・2つの連続する監視タイムスロットのうちの1つにおける監視機会のサブセットに対して監視機能の実行をスキップすること
を決定する。
【0280】
第22の態様によれば、UEによって実行される、
2つ以上のタイムスロットグループに対して、監視機能に従ってUEによって監視されるそのタイムスロットグループ内の1つまたは複数のタイムスロットを決定するステップであって、監視機能は、ダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のタイムスロットにおける1つまたは複数の監視機会においてダウンリンク制御チャネルを監視するためにUEによって動作させられる、決定するステップと、
そのタイムスロットグループ内の監視タイムスロットの決定を、
・監視タイムスロットが、ダウンリンク制御チャネルの共通サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第1の基準、
・監視タイムスロットが、ダウンリンク制御チャネルのUE固有サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第2の基準、
のうちの1つまたは複数に従って実行するステップと、
タイムスロットグループの決定された1つまたは複数の監視タイムスロットにおいてダウンリンク制御チャネルを監視するステップと、
を含む、方法が提供される。
【0281】
第23の態様によれば、基地局が提供され、基地局は、動作に際して、2つ以上のタイムスロットグループに対して、監視機能に従ってユーザ機器UEによって監視されるそのタイムスロットグループ内の1つまたは複数のタイムスロットを決定する処理回路であって、監視機能は、基地局から送信されたダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のタイムスロットにおける1つまたは複数の監視機会においてダウンリンク制御チャネルを監視するためにUEによって動作させられる、処理回路を備える。処理回路は、そのタイムスロットグループ内の監視タイムスロットの決定を、
・監視タイムスロットが、ダウンリンク制御チャネルの共通サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第1の基準、
・監視タイムスロットが、ダウンリンク制御チャネルのUE固有サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第2の基準、
のうちの1つまたは複数に従って実行する。
【0282】
基地局の送信機は、タイムスロットグループの決定された1つまたは複数の監視タイムスロットのうちの少なくとも1つにおいてダウンリンク制御チャネル上でダウンリンク制御情報メッセージをUEに送信する。
【0283】
第23の態様に加えて提供される第24の態様によれば、そのタイムスロットグループ内の監視タイムスロットの決定のために、共通サーチスペースに関する第1の基準が、UE固有サーチスペースに関する第2の基準よりも先に考慮される。
【0284】
第23または第24の態様に加えて提供される第25の態様によれば、監視タイムスロットの決定のために、処理回路は、UE固有サーチスペースを優先順位の順に考慮し、UE固有サーチスペースのインデックスが低いほど、監視タイムスロットに含められる優先順位が高くなる。
【0285】
第23~第25の態様のいずれか1つに加えて提供される第26の態様によれば、第1の基準はさらに、
- 監視タイムスロットが、ダウンリンク制御チャネルの第1の共通サーチスペースのセットのうちの共通サーチスペースに関連付けられた監視機会を含み、第1の共通サーチスペースのセットが、UEに対して設定される全ての共通サーチスペースを含まないこと
として定義される。
【0286】
その任意選択の実装では、第1の共通サーチスペースのセットは、UEへの専用メッセージで設定される共通サーチスペースを含み、UEのグループに共通して設定される共通サーチスペースを含む。そのさらなる任意選択の実装では、第1の共通サーチスペースのセットは、5G通信システムによる、UEへの専用メッセージによって設定されるType-1の共通サーチスペースと、Type-3の共通サーチスペースとを含む。
【0287】
第26の態様に加えて提供される第27の態様によれば、処理回路は、動作に際して、タイムスロットグループの監視タイムスロットとは異なるタイムスロットグループの追加の監視タイムスロットにおいて第1の共通サーチスペースのセットに属さない共通サーチスペースのダウンリンク制御情報メッセージを送信する。
【0288】
第23~第27の態様のいずれか1つに加えて提供される第28の態様によれば、監視タイムスロットの決定は、タイムスロットグループごとに個別に実行される。
【0289】
第23~第27の態様のいずれか1つに加えて提供される第29の態様によれば、監視タイムスロットの決定は、複数のタイムスロットグループに対して一緒に実行され、決定は、複数のタイムスロットグループのうちの各タイムスロットグループ内の監視タイムスロットの共通の相対位置をもたらす。処理回路は、動作に際して、複数のタイムスロットグループのそれぞれに対する監視タイムスロットを決定するために、監視タイムスロットの決定された共通の相対位置を適用する。その任意選択の実装では、監視タイムスロットの共通の相対位置に基づく監視タイムスロットの決定は、監視機会の設定が変更されるまで実行される。
【0290】
第29の態様に加えて提供される第30の態様によれば、処理回路は、動作に際して、監視機会の設定が変更されたか否かを判定する。監視機会の設定が変更されたと判定された場合、処理回路は、動作に際して、監視機会の変更された設定に従って、監視機会の設定の変更後の他の複数のタイムスロットグループに対して監視タイムスロットの決定を再度実行し、決定は、他の複数のスロットグループのうちの各タイムスロットグループ内の監視タイムスロットの他の共通の相対位置をもたらす。処理回路は、動作に際して、監視機会の設定の変更後の他の複数のタイムスロットグループに対して監視タイムスロットを決定するために、決定された他の共通の相対位置を適用する。
【0291】
第29または第30の態様に加えて提供される第31の態様によれば、監視タイムスロットの決定は、複数のタイムスロットグループのうちの基準タイムスロットグループに基づいて実行される。処理回路は、動作に際して、基準タイムスロットグループを、
・複数のタイムスロットグループのうちの最初のタイムスロットグループであるか、
・共通サーチスペースを含む、複数のタイムスロットグループのうちの最初のタイムスロットグループであるか、
・複数のタイムスロットグループのうち、最も多くの共通サーチスペースおよびUE固有サーチスペースを含む、
タイムスロットグループとして決定する。
【0292】
第29または第30の態様に加えて提供される第32の態様によれば、監視タイムスロットの決定は、複数のタイムスロットグループの監視機会を考慮して実行される。その任意選択の実装では、複数のタイムスロットグループの監視タイムスロットの決定のために、処理回路は、複数のタイムスロットグループの監視機会に対して第1の基準および第2の基準を考慮する。
【0293】
第29~第32の態様のいずれか1つに加えて提供される第33の態様によれば、処理回路は、動作に際して、基地局の送信機が、動作に際して、UEの監視機会を設定するための設定情報をUEに送信した場合に、監視機会の設定が変更されたと判定する。
【0294】
第29~第33の態様のいずれか1つに加えて提供される第34の態様によれば、処理回路は、動作に際して、UEが、基地局からダウンリンク制御チャネルを受信するために、現在のビームから新しいビームに切り替える場合に、監視機会の設定が変更されたと判定する。その任意選択の実装では、処理回路は、動作に際して、基地局からダウンリンク制御チャネルを受信するためにUEによって使用されるビームと、記憶された設定情報とに基づいて監視機会を決定し、記憶された設定情報は、ビーム固有の監視機会を設定するための、異なるビームに関連付けられた異なる設定情報を含む。そのさらなる任意選択の実装では、送信機は、動作に際して、UEに現在のビームから新しいビームに切り替えるように命令する指示をUEに送信する。
【0295】
第29~第34の態様のいずれか1つに加えて提供される第35の態様によれば、監視機会の設定の変更は、
・監視機会の数が変更されること、
・監視機会の周期が変更されること、
・監視機会のOFDMシンボルのタイミングが変更されること、
・監視機会のタイムスロットのタイミングが変更されること、
・監視機会のアグリゲーションレベルが変更されること、
・アグリゲーションレベルごとの監視候補の数が変更されること
のうちの1つまたは複数を含む。
【0296】
その任意選択の実装では、処理回路は、動作に際して、監視機会の設定の変更により、監視機会の以前の設定と比較して、いずれかの監視機会のタイムスロットが異なるものになるか否かをさらに判定する。いずれかの監視機会のタイムスロットが異なるものになる場合、処理回路は、監視スロットの決定を再度実行すべきか否かの目的で、監視機会の設定が変更されたと判定する。いずれかの監視機会のタイムスロットが異なるものにならない場合、処理回路は、監視スロットの決定を再度実行すべきか否かの目的で、監視機会の設定が変更されていないと判定する。
【0297】
第36の態様によれば、基地局によって実行される、
2つ以上のタイムスロットグループに対して、監視機能に従ってユーザ機器UEによって監視されるそのタイムスロットグループ内の1つまたは複数のタイムスロットを決定するステップであって、監視機能は、基地局から送信されたダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のタイムスロットにおける1つまたは複数の監視機会においてダウンリンク制御チャネルを監視するためにUEによって動作させられる、決定するステップと、
そのタイムスロットグループ内の監視タイムスロットの決定を、
・監視タイムスロットが、ダウンリンク制御チャネルの共通サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第1の基準、
・監視タイムスロットが、ダウンリンク制御チャネルのUE固有サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第2の基準、
のうちの1つまたは複数に従って実行するステップと、
タイムスロットグループの決定された1つまたは複数の監視タイムスロットのうちの少なくとも1つにおいてダウンリンク制御チャネル上でダウンリンク制御情報メッセージをUEに送信するステップと、
を含む、方法が提供される。
【0298】
第37の態様によれば、動作に際して、ユーザ機器のプロセスを制御する集積回路であって、プロセスは、ユーザ機器によって実行される、
2つ以上のタイムスロットグループに対して、監視機能に従ってUEによって監視されるそのタイムスロットグループ内の1つまたは複数のタイムスロットを決定するステップであって、監視機能は、ダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のタイムスロットにおける1つまたは複数の監視機会においてダウンリンク制御チャネルを監視するためにUEによって動作させられる、決定するステップと、
そのタイムスロットグループ内の監視タイムスロットの決定を、
監視タイムスロットが、ダウンリンク制御チャネルの共通サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第1の基準、
監視タイムスロットが、ダウンリンク制御チャネルのUE固有サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第2の基準、
のうちの1つまたは複数に従って実行するステップと、
タイムスロットグループの決定された1つまたは複数の監視タイムスロットにおいてダウンリンク制御チャネルを監視するステップと、
を含む、集積回路が提供される。
【0299】
第38の態様によれば、動作に際して、基地局のプロセスを制御する集積回路であって、プロセスは、基地局によって実行される、
2つ以上のタイムスロットグループに対して、監視機能に従ってユーザ機器UEによって監視されるそのタイムスロットグループ内の1つまたは複数のタイムスロットを決定するステップであって、監視機能は、基地局から送信されたダウンリンク制御情報メッセージを受信する目的で1つまたは複数のタイムスロットにおける1つまたは複数の監視機会においてダウンリンク制御チャネルを監視するためにUEによって動作させられる、決定するステップと、
そのタイムスロットグループ内の監視タイムスロットの決定を、
・監視タイムスロットが、ダウンリンク制御チャネルの共通サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第1の基準、
・監視タイムスロットが、ダウンリンク制御チャネルのUE固有サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第2の基準、
のうちの1つまたは複数に従って実行するステップと、
タイムスロットグループの決定された1つまたは複数の監視タイムスロットのうちの少なくとも1つにおいてダウンリンク制御チャネル上でダウンリンク制御情報メッセージをUEに送信するステップと、
を含む、集積回路が提供される。
【0300】
<本開示のハードウェアおよびソフトウェアの実装を含むさらなる変形例>
本開示は、ソフトウェア、ハードウェア又はハードウェアと連動するソフトウェアによって実現することができる。上述した各実施例の説明に用いた各機能ブロックは、集積回路等のLSIによって部分的又は全体的に実現可能であり、各実施例で説明される各処理は、同一のLSI又はLSIの組み合わせによって部分的又は全体的に制御されてもよい。LSIは、個別にチップとして形成されていてもよいし、あるいは、機能ブロックの一部又は全部を含むように1つのチップが形成されていてもよい。LSIは、それに結合されたデータ入出力を含んでもよい。ここで、LSIとは、集積度の違いにより、IC(集積回路)、システムLSI、スーパーLSI又はウルトラLSIとして呼ばれうる。しかし、集積回路を実現する技術はLSIに限定されず、専用回路、汎用プロセッサ又は特定用途向けプロセッサを用いて実現されてもよい。さらに、LSI内部に配置される回路セルの接続及び設定が再設定可能なLSI又はリコンフィギュラブルプロセッサの製造後にプログラミング可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)が利用されてもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現することができる。半導体技術や他の派生技術の進歩の結果として、将来の集積回路技術がLSIに取って代わる場合、機能ブロックは、将来の集積回路技術を用いて集積化することができる。バイオテクノロジーも適用できる。
【0301】
本開示は、通信装置と呼ばれる、通信機能を有する何れかのタイプの装置、デバイス又はシステムによって実現することができる。
【0302】
通信装置は、送受信機及び処理/制御回路を有してもよい。送受信機は、受信機及び送信機を有し、及び/又は機能してもよい。送信機及び受信機としての送受信機は、増幅器、RF変調器/復調器など及び1つ以上のアンテナを含むRF(Radio Frequency)モジュールを含んでもよい。
【0303】
そのような通信装置のいくつかの非限定的な例は、電話機(例えば、携帯(セル)電話、スマートフォン)、タブレット、パーソナルコンピュータ(PC)(例えば、ラップトップ、デスクトップ、ネットブック)、カメラ(例えば、デジタルスチル/ビデオカメラ)、デジタルプレーヤ(デジタルオーディオ/ビデオプレーヤ)、ウェアラブルデバイス(例えば、ウェアラブルカメラ、スマートウォッチ、トラッキングデバイス)、ゲームコンソール、デジタルブックリーダ、遠隔ヘルス/遠隔医療(リモートヘルス及びリモート医療)デバイス、及び通信機能を提供する車両(例えば、自動車、飛行機、船舶)、並びにそれらの様々な組み合わせを含む。
【0304】
通信装置は、携帯型又は可動型であることに限定されず、スマートホームデバイス(例えば、家電、ライティング、スマートメータ、制御パネル)、自動販売機及び“Internet of Things(IoT)”のネットワークにおける他の何れかの“物”など、非携帯型又は固定型である何れかのタイプの装置、デバイス又はシステムを含んでもよい。
【0305】
通信は、例えば、セルラシステム、無線LANシステム、衛星システムなど、及びそれらの様々な組み合わせを介してデータを交換することを含んでもよい。
【0306】
通信装置は、本開示に記載された通信の機能を実行する通信デバイスに結合されたコントローラ又はセンサなどのデバイスを含んでもよい。例えば、通信装置は、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスによって使用される制御信号又はデータ信号を生成するコントローラ又はセンサを含んでもよい。
【0307】
加えて通信装置は、たとえば基地局、アクセスポイント、およびたとえば上述の非限定的な例におけるものなどの装置と通信するか、またはそれを制御する任意のその他の装置、デバイス、またはシステムなどのインフラストラクチャ設備を含んでもよい。
【0308】
(制御信号)
本開示において、本開示に関連するダウンリンク制御信号(情報)は、物理レイヤのPDCCHを介して送信される信号(情報)であり得、または上位レイヤのMAC制御エレメント(CE:Control Element)またはRRCを介して送信される信号(情報)であり得る。ダウンリンク制御信号は、事前定義された信号(情報)であり得る。
【0309】
本開示に関連するアップリンク制御信号(情報)は、物理レイヤのPUCCHを介して送信される信号(情報)であり得、上位レイヤのMAC CEまたはRRCを介して送信される信号(情報)であり得る。また、アップリンク制御信号は、事前定義された信号(情報)であり得る。アップリンク制御信号は、アップリンク制御情報(UCI:uplink control information)、第1ステージサイドリンク制御情報(SCI:sidelink control information)、または第2ステージSCIに置き換えられ得る。
【0310】
(基地局)
本開示では、基地局は、たとえば、送受信ポイント(TRP:Transmission Reception Point)、クラスタヘッド、アクセスポイント、リモートラジオヘッド(RRH:Remote Radio Head)、eNodeB(eNB)、gNodeB(gNB)、基地局(BS:Base Station)、基地送受信局(BTS:Base Transceiver Station)、ベースユニット、またはゲートウェイであり得る。また、サイドリンク通信においては、基地局の代わりに端末が採用され得る。基地局は、上位ノードと端末との間の通信を中継する中継装置であり得る。基地局は路側ユニットであり得る。
【0311】
(アップリンク/ダウンリンク/サイドリンク)
本開示は、アップリンク、ダウンリンク、およびサイドリンクのいずれにも適用され得る。
【0312】
本開示は、たとえば、PUSCH、PUCCH、およびPRACHなどのアップリンクチャネル、PDSCH、PDCCH、およびPBCHなどのダウンリンクチャネル、ならびに物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH:Physical Sidelink Shared Channel)、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH:Physical Sidelink Control Channel)、および物理サイドリンクブロードキャストチャネル(PSBCH:Physical Sidelink Broadcast Channel)などのサイドリンクチャネルに適用され得る。
【0313】
PDCCH、PDSCH、PUSCH、およびPUCCHは、それぞれ、ダウンリンク制御チャネル、ダウンリンクデータチャネル、アップデータチャネル、アップリンク制御チャネルの例である。PSCCHおよびPSSCHは、それぞれサイドリンク制御チャネルおよびサイドリンクデータチャネルの例である。PBCHおよびPSBCHはそれぞれブロードキャストチャネルの例であり、PRACHはランダムアクセスチャネルの例である
【0314】
(データチャネル/制御チャネル)
本開示は、データチャネルおよび制御チャネルのいずれにも適用され得る。本開示におけるチャネルは、PDSCH、PUSCH、およびPSSCHを含むデータチャネル、ならびに/あるいはPDCCH、PUCCH、PBCH、PSCCH、およびPSBCHを含む制御チャネルに置き換えられ得る。
【0315】
(参照信号)
本開示において、参照信号は、基地局および移動局の両方に既知の信号であり、各参照信号は、参照信号(RS)または場合によってはパイロット信号と呼ばれ得る。参照信号は、DMRS、チャネル状態情報-参照信号(CSI-RS:Channel State Information-Reference Signal)、トラッキング参照信号(TRS:Tracking Reference Signal)、位相トラッキング参照信号(PTRS:Phase Tracking Reference Signal)、セル固有参照信号(CRS:Cell-specific Reference Signal)、およびサウンディング参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)のいずれでもあり得る。
【0316】
(時間間隔)
本開示では、時間リソース単位は、スロットおよびシンボルのうちの1つまたは組み合わせに限定されず、フレーム、スーパーフレーム、サブフレーム、スロット、タイムスロットサブスロット、ミニスロットなどの時間リソース単位、またはシンボル、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、シングルキャリア周波数分割多重アクセス(SC-FDMA:Single Carrier-Frequency Division Multiplexing Access)シンボルなどの時間リソース単位、あるいは他の時間リソース単位であり得る。1スロットに含まれるシンボル数は、上述の実施形態(複数可)で例示したいかなるシンボル数にも限定されず、他のシンボル数であり得る。
【0317】
(周波数バンド)
本開示は、ライセンスバンド、アンライセンスバンドのいずれにも適用され得る。
【0318】
(通信)
本開示は、基地局と端末との間の通信(Uuリンク通信)、端末と端末との間の通信(サイドリンク通信)、およびビークルツーエブリシング(V2X:Vehicle to Everything)通信のいずれにも適用され得る。本開示におけるチャネルは、PSCCH、PSSCH、物理サイドリンクフィードバックチャネル(PSFCH:Physical Sidelink Feedback Channel)、PSBCH、PDCCH、PUCCH、PDSCH、PUSCH、およびPBCHに置き換えられ得る。
【0319】
また、本開示は、地上ネットワーク、または衛星もしくは高高度疑似衛星(HAPS:High Altitude Pseudo Satellite)を使用した地上ネットワーク以外のネットワーク(NTN:非地上ネットワーク:Non-Terrestrial Network)のいずれにも適用され得る。また、本開示は、セルサイズが大きいネットワーク、シンボル長またはスロット長に比べて遅延が大きい地上ネットワーク、たとえば、超広帯域伝送ネットワークにも適用され得る。
【0320】
(アンテナポート)
アンテナポートとは、1つまたは複数の物理アンテナ(複数可)で形成される論理アンテナ(アンテナグループ)を指す。すなわち、アンテナポートは、必ずしも1つの物理アンテナを指すわけではなく、複数のアンテナで形成されるアレイアンテナなどを指す場合もある。たとえば、アンテナポートを形成する物理アンテナの数は定義されておらず、代わりに、アンテナポートは、端末が参照信号を送信することが可能な最小単位として定義される。また、アンテナポートは、プリコーディングベクトルの重み付けを乗算するための最小単位として定義され得る。
【0321】
さらに、さまざまな実施形態は、プロセッサによって実行されるか、またはハードウェアにおいて直接実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよい。ソフトウェアモジュールとハードウェア実装との組み合わせも可能であり得る。ソフトウェアモジュールは、たとえばRAM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、レジスタ、ハードディスク、CD-ROM、DVDなどの任意の種類のコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。さらに、異なる実施形態の個々の特徴が個別に、または任意の組み合わせで、別の実施形態の主題になり得ることに留意すべきである。
【0322】
特定の実施形態において示された本開示に対して、多数の変更および/または修正を加えてもよいことを当業者は認識するだろう。したがって本実施形態はすべての点から例示的であり、限定的なものではないとみなされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
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図19
図20
図21
図22
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図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
【手続補正書】
【提出日】2024-04-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)であって、
動作中に、ダウンリンク制御チャネルを監視するため、2つ以上のタイムスロットグループ内の1つまたは複数のタイムスロットを決定する処理回路であって、
前記決定を、
監視タイムスロットが、前記ダウンリンク制御チャネルの共通サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第1の基準、または、
監視タイムスロットが、前記ダウンリンク制御チャネルのUE固有サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第2の基準、
のうちの1つまたは複数に従って実行する、処理回路と、
動作中に、前記タイムスロットグループの前記決定された1つまたは複数の監視タイムスロットにおいて前記ダウンリンク制御チャネルを監視する、受信機と、
を備える、UE。
【請求項2】
前記タイムスロットグループ内の前記監視タイムスロットの前記決定のために、前記共通サーチスペースに関する前記第1の基準が、前記UE固有サーチスペースに関する前記第2の基準よりも先に考慮される、請求項1に記載のUE。
【請求項3】
前記監視タイムスロットの前記決定のために、前記処理回路は、前記UE固有サーチスペースを優先順位の順に考慮し、UE固有サーチスペースのインデックスが低いほど、監視タイムスロットに含められる優先順位が高くなる、請求項1または2に記載のUE。
【請求項4】
前記第1の基準はさらに、
監視タイムスロットが、前記ダウンリンク制御チャネルの第1の共通サーチスペースのセットのうちの共通サーチスペースに関連付けられた監視機会を含み、前記第1の共通サーチスペースのセットが、前記UEに対して設定される全ての共通サーチスペースを含まないこと
として定義され、
任意選択により、前記第1の共通サーチスペースのセットは、前記UEへの専用メッセージで設定される共通サーチスペースを含み、UEのグループに共通して設定される共通サーチスペースを含み、
任意選択により、前記第1の共通サーチスペースのセットは、5G通信システムによる、前記UEへの専用メッセージによって設定されるType-1の共通サーチスペースと、Type-3の共通サーチスペースとを含む、
請求項1に記載のUE。
【請求項5】
前記処理回路は、動作中に、前記タイムスロットグループの前記監視タイムスロットとは異なる前記タイムスロットグループの追加の監視タイムスロットにおいて前記第1の共通サーチスペースのセットに属さない共通サーチスペースを監視する、請求項4に記載のUE。
【請求項6】
前記UEは、前記監視タイムスロットでない前記タイムスロットグループのタイムスロットにおいて前記ダウンリンク制御チャネルを監視しないことが許可される、請求項1に記載のUE。
【請求項7】
前記監視タイムスロットの前記決定は、タイムスロットグループごとに個別に実行される、請求項1に記載のUE。
【請求項8】
前記監視タイムスロットの前記決定は、複数のタイムスロットグループに対して一緒に実行され、前記決定は、前記複数のタイムスロットグループのうちの各タイムスロットグループ内の前記監視タイムスロットの共通の相対位置をもたらし、
前記処理回路は、動作中に、前記複数のタイムスロットグループのそれぞれに対する前記監視タイムスロットを決定するために、前記監視タイムスロットの前記決定された共通の相対位置を適用し、
任意選択により、前記監視タイムスロットの前記共通の相対位置に基づく前記監視タイムスロットの前記決定は、前記監視機会の設定が変更されるまで実行される、
請求項1に記載のUE。
【請求項9】
前記処理回路は、動作中に、前記監視機会の前記設定が変更されたか否かを判定し、
前記監視機会の前記設定が変更されたと判定された場合、前記処理回路は、動作中に、前記監視機会の前記変更された設定に従って、前記監視機会の前記設定の変更後の他の複数のタイムスロットグループに対して前記監視タイムスロットの前記決定を再度実行し、前記決定は、前記他の複数のスロットグループのうちの各タイムスロットグループ内の前記監視タイムスロットの他の共通の相対位置をもたらし、
前記処理回路は、動作中に、前記監視機会の前記設定の前記変更後の前記他の複数のタイムスロットグループに対して前記監視タイムスロットを決定するために、前記決定された他の共通の相対位置を適用する、
請求項8に記載のUE。
【請求項10】
前記監視タイムスロットの前記決定は、前記複数のタイムスロットグループのうちの基準タイムスロットグループに基づいて実行され、前記処理回路は、動作中に、前記基準タイムスロットグループを、
前記複数のタイムスロットグループのうちの最初のタイムスロットグループであるか、
共通サーチスペースを含む、前記複数のタイムスロットグループのうちの最初のタイムスロットグループであるか、または
前記複数のタイムスロットグループのうち、最も少ないタイムスロット内に最も多くの共通サーチスペースおよびUE固有サーチスペースを含む、
タイムスロットグループとして決定する、請求項8または9に記載のUE。
【請求項11】
前記監視タイムスロットの前記決定は、前記複数のタイムスロットグループの前記監視機会を考慮して実行され、
任意選択により、前記複数のタイムスロットグループの前記監視タイムスロットの前記決定のために、前記処理回路は、前記複数のタイムスロットグループの前記監視機会に対して前記第1の基準および前記第2の基準を考慮する、
請求項8または9に記載のUE。
【請求項12】
前記処理回路は、動作中に、
前記UEの受信機が、動作中に、前記監視機会を設定するための設定情報をサービング基地局から受信した場合に、前記監視機会の前記設定が変更されたと判定し、
任意選択により、前記監視機会の前記設定情報は、無線リソース制御RRCプロトコルのメッセージで受信される、
請求項8に記載のUE。
【請求項13】
前記処理回路は、動作中に、
前記UEが、サービング基地局から前記ダウンリンク制御チャネルを受信するために、現在のビームから新しいビームに切り替える
場合に、前記監視機会の前記設定が変更されたと判定し、
任意選択により、前記処理回路は、動作中に、前記サービング基地局から前記ダウンリンク制御チャネルを受信するために使用される前記ビームと、記憶された設定情報とに基づいて前記監視機会を決定し、前記記憶された設定情報は、ビーム固有の監視機会を設定するための、異なるビームに関連付けられた異なる設定情報を含み、
任意選択により、前記処理回路は、動作中に、前記UEが前記サービング基地局から受信された指示に基づいて前記現在のビームから前記新しいビームに切り替えると判定する、
請求項8のいずれか一項に記載のUE。
【請求項14】
前記監視機会の前記設定の前記変更は、
監視機会の数が変更されること、
前記監視機会の周期が変更されること、
前記監視機会のOFDMシンボルのタイミングが変更されること、
前記監視機会のタイムスロットのタイミングが変更されること、
前記監視機会のアグリゲーションレベルが変更されること、
アグリゲーションレベルごとの監視候補の数が変更されること
のうちの1つまたは複数を含み、
任意選択により、前記処理回路は、動作中に、前記監視機会の前記設定の前記変更により、前記監視機会の以前の設定と比較して、いずれかの監視機会のタイムスロットが異なるものになるか否かをさらに判定し、
いずれかの監視機会のタイムスロットが異なるものになる場合、前記処理回路は、監視スロットの前記決定を再度実行すべきか否かの目的で、前記監視機会の前記設定が変更されたと判定し、
いずれかの監視機会のタイムスロットが異なるものにならない場合、前記処理回路は、前記監視スロットの前記決定を再度実行すべきか否かの目的で、前記監視機会の前記設定が変更されていないと判定する、
請求項8に記載のUE。
【請求項15】
タイムスロットは複数のタイムスロットグループにグループ化され、前記タイムスロットグループは時間的に連続していて重複しておらず、各タイムスロットグループはX個のタイムスロットを含み、
任意選択により、前記処理回路は、動作中に、前記ダウンリンク制御チャネルに使用されるサブキャリア間隔に基づいて、前記UEに記憶された情報から各タイムスロットグループ内のタイムスロットの数Xを決定し、任意選択により、前記記憶された情報は、異なるサブキャリア間隔と、異なるタイムスロット数のうちの1つまたは複数との関連付けを含み、任意選択により、タイムスロットグループ内のタイムスロットの前記数Xは、480kHzのサブキャリア間隔の場合は4であり、960kHzのサブキャリア間隔の場合は8である、
請求項1に記載のUE。
【請求項16】
前記監視タイムスロットの前記決定は、前記タイムスロットグループ内の前記決定された監視タイムスロットが連続するように実行され、または、
前記監視タイムスロットの前記決定は、前記タイムスロットグループ内の前記決定された監視タイムスロットが連続しているか否かとは無関係に実行される、
請求項1に記載のUE。
【請求項17】
前記処理回路は、動作中に、前記UEに記憶された情報からタイムスロットグループ内の監視タイムスロットの数Yを決定し、任意選択により、前記記憶された情報は前記UEの能力に関連し、任意選択により、タイムスロットグループ内の監視タイムスロットの最小数は1スロットであり、タイムスロットグループ内の監視タイムスロットの最大数は各タイムスロットグループ内のタイムスロットの前記数Xの半分であり、
任意選択により、前記UEは、動作中に、タイムスロットグループ内の監視タイムスロットの前記数Yの情報を、前記UEにサービス提供するサービング基地局に送信する送信機を備える、
請求項1に記載のUE。
【請求項18】
動作中に、前記UEにサービス提供するサービング基地局から、前記UEにおいて監視機能を設定するための設定情報を受信する受信機をさらに備え、前記設定情報は、前記UEが前記ダウンリンク制御チャネルを監視する1つまたは複数の監視機会を設定し、
任意選択により、前記処理回路は、動作中に、前記受信された設定情報に基づいて、前記UEが前記ダウンリンク制御チャネルを監視する1つまたは複数の監視機会を決定する、
請求項1に記載のUE。
【請求項19】
UEによって実行される、
ダウンリンク制御チャネルを監視するため、2つ以上のタイムスロットグループ内の1つまたは複数のタイムスロットを決定するステップと、
前記決定を、
監視タイムスロットが、前記ダウンリンク制御チャネルの共通サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第1の基準、または、
監視タイムスロットが、前記ダウンリンク制御チャネルのUE固有サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第2の基準、
のうちの1つまたは複数に従って実行するステップと、
前記タイムスロットグループの前記決定された1つまたは複数の監視タイムスロットにおいて前記ダウンリンク制御チャネルを監視するステップと、
を含む、方法。
【請求項20】
基地局であって、
動作中に、ダウンリンク制御チャネルを監視するため、2つ以上のタイムスロットグループに対して、ダウンリンク制御チャネルを監視するための、前記タイムスロットグループ内の1つまたは複数のタイムスロットを決定する処理回路であって、
前記決定を、
監視タイムスロットが、前記ダウンリンク制御チャネルの共通サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第1の基準、または、
監視タイムスロットが、前記ダウンリンク制御チャネルのUE固有サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第2の基準、
のうちの1つまたは複数に従って実行する、前記処理回路と、
動作中に、前記タイムスロットグループの前記決定された1つまたは複数の監視タイムスロットのうちの少なくとも1つにおいて前記ダウンリンク制御チャネル上でダウンリンク制御情報メッセージをユーザ機器(UE)に送信する送信機と、
を備える、基地局。
【請求項21】
基地局によって実行される、
ダウンリンク制御チャネルを監視するため、2つ以上のタイムスロットグループ内の1つまたは複数のタイムスロットを決定するステップと、
前記決定を、
監視タイムスロットが、前記ダウンリンク制御チャネルの共通サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第1の基準、または、
監視タイムスロットが、前記ダウンリンク制御チャネルのUE固有サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第2の基準、
のうちの1つまたは複数に従って実行するステップと、
前記タイムスロットグループの前記決定された1つまたは複数の監視タイムスロットのうちの少なくとも1つにおいて前記ダウンリンク制御チャネル上でダウンリンク制御情報メッセージをユーザ機器(UE)に送信するステップと、
を含む、方法。
【請求項22】
動作中に、ユーザ機器のプロセスを制御する集積回路であって、前記プロセスは、UEによって実行される、
ダウンリンク制御チャネルを監視するため、2つ以上のタイムスロットグループ内の1つまたは複数のタイムスロットを決定するステップと、
前記決定を、
監視タイムスロットが、前記ダウンリンク制御チャネルの共通サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第1の基準、または、
監視タイムスロットが、前記ダウンリンク制御チャネルのUE固有サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第2の基準、
のうちの1つまたは複数に従って実行するステップと、
前記タイムスロットグループの前記決定された1つまたは複数の監視タイムスロットにおいて前記ダウンリンク制御チャネルを監視するステップと、
を含む、集積回路。
【請求項23】
動作中に、基地局のプロセスを制御する集積回路であって、前記プロセスは、前記基地局によって実行される、
ダウンリンク制御チャネルを監視するため、2つ以上のタイムスロットグループ内の1つまたは複数のタイムスロットを決定するステップと、
前記決定を、
監視タイムスロットが、前記ダウンリンク制御チャネルの共通サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第1の基準、または、
監視タイムスロットが、前記ダウンリンク制御チャネルのUE固有サーチスペースに関連付けられた監視機会を含むという第2の基準、
のうちの1つまたは複数に従って実行するステップと、
前記タイムスロットグループの前記決定された1つまたは複数の監視タイムスロットのうちの少なくとも1つにおいて前記ダウンリンク制御チャネル上でダウンリンク制御情報メッセージをユーザ機器(UE)に送信するステップと、
を含む、集積回路。
【国際調査報告】