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▶ レニショウ パブリック リミテッド カンパニーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】部品を検査するための超音波方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 29/50 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
G01N29/50
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519505
(86)(22)【出願日】2022-09-28
(85)【翻訳文提出日】2024-05-29
(86)【国際出願番号】 GB2022052447
(87)【国際公開番号】W WO2023052756
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】21275137.4
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391002306
【氏名又は名称】レニショウ パブリック リミテッド カンパニー
【氏名又は名称原語表記】RENISHAW PUBLIC LIMITED COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ジョン ウィルソン
【テーマコード(参考)】
2G047
【Fターム(参考)】
2G047AA05
2G047BA03
2G047BC18
2G047GE01
2G047GG08
2G047GG36
(57)【要約】
超音波検査デバイスによってオブジェクトに発射される超音波パルスのエコー間の時間遅延を決定する方法であって、
i)測定される点でオブジェクトの前壁フィーチャと係合する超音波検査デバイスを用いて、超音波測定を行うことであって、超音波検査デバイスが超音波パルスを発射し、オブジェクトの内部または後壁フィーチャによって反射される前壁エコーおよび少なくとも1つの界面エコーを含む超音波測定信号を記録することを含む、超音波測定を行うことと、
ii)前壁エコーおよび少なくとも1つの界面エコーを含む超音波測定信号の少なくとも1つのセグメントの自己相関を介して、前壁エコーと少なくとも1つの界面エコーとの間の時間遅延を決定することと、を含む方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波検査デバイスによってオブジェクトに発せられる超音波パルスのエコー間の時間遅延を決定する方法であって、前記方法は、
i)測定される点でオブジェクトの前壁フィーチャと係合する前記超音波検査デバイスを用いて、超音波測定を行うことであって、超音波パルスを発射し、前記オブジェクトの内部または後壁フィーチャによって反射される前壁エコーおよび少なくとも1つの界面エコーを含む超音波測定信号を記録する前記超音波検査デバイスを含む、前記超音波測定を行うことと、
ii)前記前壁エコーおよび前記少なくとも1つの界面エコーを含む前記超音波測定信号の少なくとも1つのセグメントの自己相関を介して、前記前壁エコーと前記少なくとも1つの界面エコーとの間の前記時間遅延を決定することと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
a)前記前壁エコーを含む前記超音波測定信号の部分、または
b)前記少なくとも1つの界面エコーを含む前記超音波測定信号の部分
のうちの1つの振幅を反転させることを含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
a)前壁エコーを含む前記超音波測定信号の前記部分、および/または
b)前記少なくとも1つの界面エコーを含む前記超音波測定信号の前記部分の前記振幅のうちの前記振幅を、
それらの間の前記振幅の差を低減させるように、スケーリングすることを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの界面エコーの前記振幅に対する前記前壁エコーの前記振幅の比率が10:1以下、例えば2:1以下、好ましくは3:2以下、より好ましくは実質的に1:1以下であるように前記スケーリングが構成されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
連続する前壁エコーの間に複数の界面エコーが存在する場合、前記方法は、前記自己相関からの前記信号から前記界面エコーのうちの少なくとも1つを破棄することを含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記時間遅延から、前記測定点で、前記前壁フィーチャと前記内部または後壁フィーチャとの間の前記オブジェクトの前記厚さ、前記オブジェクトの材料構造、または前記オブジェクト内の音速のうちの少なくとも1つを決定することを含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記前壁フィーチャと前記内部または前記後壁フィーチャとが、公称的に平行であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記超音波検査デバイスは、前記超音波パルスを発射および検出するための単一のトランスデューサを備えることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記超音波検査デバイスが、検査されるオブジェクトの表面と係合するための変形可能な結合要素を備えることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記超音波検査デバイスが、位置決め装置、例えば、座標位置決め装置に取り付けられていることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記位置決め装置は、少なくとも2つの線形自由度における前記超音波検査デバイスおよびオブジェクトの相対並進運動を容易にし、少なくとも1つの回転軸を中心とした前記超音波検査デバイスおよびオブジェクトの相対回転運動を容易にすることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品および関連装置の検査方法に関し、特に、オブジェクトの超音波測定値を取得する超音波検査デバイスを含む方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製造されたオブジェクトの品質および/または寸法を測定して、品質要件/公差に準拠していることを確認することが知られている。航空宇宙タービンブレードのような高価値コンポーネントの場合、オブジェクトの外部形状は、座標測定機(CMM)に取り付けられた表面接触プローブを使用してサブミクロンの精度まで測定され得る。表面接触(例えば、スキャニング)プローブを備えたCMMを使用してオブジェクトの表面上の複数の点の位置を測定するための技術の例は、特許文献1および特許文献2に記載されている。
【0003】
表面測定に加えて、オブジェクトの内部のフィーチャ/構造を測定し、および/または内部の欠陥を識別することがしばしば必要である。例えば、タービンブレードは、極端な温度および圧力で動作するために、軽量かつ強度の両立を可能にするように、典型的には中空である。そのような中空のタービンブレードの内部検査は、典型的には、超音波検査デバイス、例えば、超音波浸漬システム(ultrasound immersion systems)または超音波厚さ計測プローブ(an ultrasound thickness gauging probe)を使用して行われる。そのような超音波検査デバイスは、検査対象オブジェクトに投影される超音波パルスを発射し、パルスのエコーが超音波検査デバイスによって記録される。パルスのエコー間の時間遅延(time delay)は、オブジェクトに関する貴重な情報を提供し得る。そのようなシステムは、パルスエコー超音波検査デバイスと呼ばれ得る。
【0004】
超音波浸漬システムは、一般に、試験片を水槽(water bath)内に完全に浸漬することを含む。単一のパルスエコートランスデューサ、または一対の送信/受信トランスデューサは、コンピュータ制御ロボットアームを使用して部品に対して適切に配置される。水は部品との良好な音響結合(acoustic coupling)を提供するが、特に大きな部品に関して、配置は高価で複雑である。超音波浸漬システムの例は、特許文献3に記載されている。
【0005】
超音波浸漬システムとは対照的に、超音波プローブは、部品を水に浸す必要はなく、代わりに典型的には、部品へのカプラント材料(例えば、カップリングゲルまたは液体)の局所的な適用に依存する。そのようなプローブは、手持ち式で使用(handheld)される傾向があるが、そのようなプローブがCMMのクイルにどのように取り付けられ得るかは、以前に説明されている。例えば、特許文献4は、CMMのクイルに取り付けられた超音波プローブを記載している。特許文献4の超音波プローブは、オブジェクトとの接触が確立されたときにセンサがオブジェクトの表面法線(surface normal)と整列することを可能にするジンバルマウントを含む。特許文献4の段落19で説明されているように、検査の前に、ゲルまたはグリースのようなカプラント材料をオブジェクトの関連する領域に塗布して、超音波プローブとオブジェクトとの間の適切な音響結合を確保する必要がある。乾式カプラント層を使用する手持ち式超音波プローブも知られている。
【0006】
特許文献5は、CMMのような位置決め装置に取り付けるための超音波プローブの様々な構成を記載している。特に、特許文献5は、(硬質/剛性結合要素を有する超音波プローブとは対照的に)変形可能な結合要素を含む超音波プローブを記載している。変形可能な結合要素は、部品への超音波結合を提供し、遅延線(delay line)としても機能することができる。特許文献5はまた、結合要素が、好ましくは、制御された方法でその外面から水および/または油のような潤滑剤を放出する自己潤滑性材料を含み得ることも記載している。自己潤滑性材料は、親油性(シリコーン)エラストマー、任意に親水性エラストマーを含んでもよい。
【0007】
特許文献6は、部品検査中に所望の信号を達成するためにプローブをその後どのように配向するかを決定することができるように、その最適信号の軸を決定するために超音波プローブを較正する方法を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5189806号明細書
【特許文献2】国際公開第2009/024783号
【特許文献3】英国特許出願公開第2440959号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開2009/0178482号
【特許文献5】国際公開第2016/051147号
【特許文献6】国際公開第2016/051148号
【発明の概要】
【0009】
典型的には、超音波検査デバイスは、測定された超音波信号から時間遅延情報を抽出することができる3つの周知の動作モードのうちの1つを採用する。これらの異なるモードは、典型的には、それぞれモード1、モード2、およびモード3と呼ばれる。モード1では、時間遅延測定は、初期励起パルスと、オブジェクトの内部フィーチャまたは後壁フィーチャからの第1のエコー/反射(総称して「界面エコー」と称される)との間で行われる。モード2の計測では、時間遅延測定は、前壁フィーチャ(すなわち、「前壁」エコー)からのエコー/反射と、内部または後壁フィーチャからの第1の界面エコーとの間で行われる。モード3の測定では、時間遅延測定は、内部または後壁フィーチャからの2つ以上の連続した界面エコーの間で行われる。
【0010】
以下でより詳細に説明するように、本発明は、例えば、部品の厚さを決定するために使用され得る、エコー間の時間遅延を決定する/見つけるための新しい改善された方法に関する。
【0011】
本発明は、超音波検査デバイスによってオブジェクト内に発せられる超音波パルスのエコー間の時間遅延を決定する/見つけるための方法の改善に関する。そのような改善は、オブジェクト内の音速、オブジェクトの厚さ、および/またはオブジェクト内の内部フィーチャの深さのような、オブジェクトの1つまたは複数の特性を決定することにおける改善を提供し得る。
【0012】
本発明の第1の態様によれば、超音波検査デバイスによってオブジェクトに発せられる超音波パルスのエコー間の時間遅延を決定する方法が提供され、この方法は、i)測定される点でオブジェクトの前壁フィーチャと係合する超音波検査デバイスを用いて、超音波測定を行うことであって、超音波検査デバイスが超音波パルスを発射し、前壁エコー(すなわち、オブジェクトの前壁フィーチャによって反射されるエコー)およびオブジェクトの内部または後壁フィーチャによって反射される少なくとも1つの界面エコーを含む超音波測定信号を記録することを含む、超音波測定を行うことと、ii)前壁エコーおよび少なくとも1つの界面エコーを含む超音波測定信号の少なくとも1つのセグメントの自己相関(autocorrelation)を介して、前壁エコーと少なくとも1つの界面エコーとの間の時間遅延を決定する/見つけることと、を含む。
【0013】
本発明の利点は、上述した既知のモード1、モード2およびモード3技術とは異なり、本発明の方法は、広範囲の部品厚さにわたって信頼性の高いエコー時間遅延測定を提供することが見出されていることである。例えば、本発明の前に、発明者は典型的には、比較的薄い部品を測定するためにモード3の技術を使用し、比較的厚い部品を測定するためにモード2の技術を使用した。これは、厚さが厚いまたは薄いと分類または識別するのが容易ではなかった(またはそれに関する公称厚さが不明であった)部品に使用するモード/技術を決定する際の問題に繋がった。本発明を用いて、同じ技術を、部品の厚さに関係なく、時間遅延測定を確立するために、使用することができる。
【0014】
特に有利な実施形態では、方法は、(前記自己相関の前に)a)前壁エコーを含む超音波測定信号の部分、またはb)少なくとも1つの界面エコーを含む超音波測定信号の部分のうちの1つの振幅を反転させることをさらに含む。
【0015】
別の特に有利な実施形態では、方法は、(前記自己相関の前に)a)前壁エコーを含む超音波測定信号の部分、および/またはb)少なくとも界面エコーを含む超音波測定信号の部分の振幅の振幅をスケーリングし、それらの間の振幅の差を減少させることをさらに含む。スケーリングは、少なくとも1つの界面エコーの振幅に対する前壁エコーの振幅の比率が10:1以下、例えば2:1以下、好ましくは3:2以下、より好ましくは実質的に1:1であるように構成され得る。任意選択で、スケーリングは、前壁エコーを含む超音波測定信号の部分の振幅を所定の量だけ(例えば、半分だけ)単に減少させることによって、および/または少なくとも1つの界面エコーを含む超音波測定信号の部分の振幅を所定の量だけ(例えば、2倍だけ)単に増加させることによって、実装され得る。
【0016】
連続する前壁エコーの間に複数の界面エコーが存在する場合、方法は、前記自己相関からの信号から前記界面エコーのうちの少なくとも1つを破棄することを含み得る。これは、例えば、所定の時間および/またはイベントの後に発生する任意のエコーを破棄することを含み得る。例えば、この方法は、例えば、nが少なくとも1の値を有する整数である場合、n番目の界面エコーの後に測定信号内に存在する任意の界面エコーを破棄することを含み得る。例えば、方法は、第3の界面エコーよりも大きい任意の界面エコーを破棄することを含み得る。任意選択で、例えば、方法は、第1の界面エコーと第2の前壁エコーとの間の途中の時間に続いて発生する任意のエコーを破棄することを含み得る。
【0017】
この方法は、ステップii)で決定された時間遅延から、測定点で、前壁フィーチャと内部または後壁フィーチャとの間のオブジェクトの厚さ、オブジェクトの材料構造(例えば、多孔性または密度、結晶形態および/または配向)、またはオブジェクト内の音速のうちの少なくとも1つを決定することを含み得る。
【0018】
任意選択で、オブジェクトの前壁フィーチャと内部または後壁フィーチャとは、公称的に平行である。
【0019】
超音波検査デバイスは、検査されるオブジェクトの表面と係合するための結合要素を備え得る。結合要素は、変形可能な結合要素を含み得る。言い換えれば、結合要素は、(剛性/硬質結合要素とは対照的に)軟質結合要素であり得る。したがって、方法は、結合要素が、形が崩れて(out of shape)変形されるように、結合要素をオブジェクトの表面上にロード(loading)することを含み得る。例えば、結合要素は、エラストマーを含み得る。例えば、結合要素は、ポリマー、例えば、高吸水性(superabsorbent)ポリマーを含み得る。
【0020】
結合要素は、例えば、潤滑剤で濡らされ得る。任意の適切な潤滑剤が使用され得る。有利には、結合要素は、自己潤滑性材料を含み得る。自己潤滑性材料は、好ましくは、制御された方法でその外面から水および/または油のような潤滑剤を放出する。自己潤滑性材料は、親油性エラストマーを含み得る。有利には、自己潤滑性材料は、親水性エラストマーを含む。例えば、親水性エラストマーは、軽度に架橋された親水性ビニルエラストマーまたは超吸収性ポリマーヒドロゲル、例えば、ポリアクリル酸ナトリウムのような、非圧縮性ゼラチン状親水性エラストマー材料を含んでいてもよい。高含水(high water content)親水性ポリマー鎖化合物の例は、MMA:VP(すなわち、N-ビニルピロリドンおよびメタクリル酸メチルのコポリマー)である。この化合物の場合、含水量(water content)は約35%から95%まで変化し得、含水量が増加するにつれて、引き裂き強度が低下するが、優れた音響特性が示される。便利には、接触要素/自己潤滑性材料は、球体として提供される。結合要素の好ましい実施形態は、少なくとも1つの親水性エラストマー球体を含む。
【0021】
超音波検査デバイスは、位置決め装置、例えば、座標位置決め装置に取り付けられ得る。位置決め装置は、工作機械、ロボット、またはアームを含んでいてもよい。位置決め装置は、手動で操作される位置決め装置であってもよいが、好ましくは、位置決め装置は、例えば、制御下での自動操作のための1つまたは複数のモータ、または1つまたは複数の処理デバイス(例えば、機械コントローラ)を備える。好ましい実施形態では、座標位置決め装置は、座標測定機を備える。CMMは、デカルト型(Cartesian)(例えば、ブリッジ型)CMMまたは非デカルト型(例えば、ヘキサポッド)CMMであってもよい。位置決め装置は、少なくとも2つの線形自由度(linear degrees of freedom)での超音波検査デバイスおよびオブジェクトの相対的な並進運動を容易にし得る。位置決め装置は、少なくとも1つの回転軸(axis of rotation)の周りの超音波検査デバイスおよびオブジェクトの相対的な回転運動を容易にし得る。
【0022】
超音波検査デバイスは、少なくとも1つ、および任意選択で2つの(好ましくは直交する)回転軸を有する多関節部材(articulated member)に取り付けられ得る。多関節部材は、連続的多関節部材であり得る。任意選択で、多関節部材は、インデックス付き多関節部材を備える(例えば、多関節部材は、多関節部材がロックされ得る設定された数の離散的な配向を備える)。多関節部材は、少なくとも1つの軸を中心とした超音波プローブの配向を制御するための少なくとも1つのモータを備え得る。
【0023】
多関節部材は、前記少なくとも2つの線形自由度に沿って移動可能であり、好ましくは、3つの直交自由度に沿って移動可能である座標位置決め装置の部材に取り付けられ得る。ブリッジ型CMMの場合、そのような部材は、一般に「クイル(quill)」または「Zコラム(Z-column)」と呼ばれる。したがって、超音波検査デバイスは、現場で一般的に5軸座標位置決め装置と呼ばれるものに取り付けられ得る。
必要に応じて、オブジェクトは、それ自体が直線的および/または回転可能に移動可能であるように、例えば、回転テーブルに取り付けられ得るように、追加的に/代替的に取り付けられ得る。
【0024】
超音波プローブは、結合要素の遠位の本体部分を備え得る。言い換えれば、超音波プローブは、第1の端部に本体部分を含み、第2の端部に結合要素を含み得る。超音波プローブは、本体部分を介して位置決め装置に取り付けられ得る。超音波プローブ(例えば、本体部分)および位置決め装置(例えば、多関節部材/回転ヘッド)は、超音波プローブを位置決め装置に取り付けることを可能にするための、特に、超音波プローブを位置決め装置に自動的にロードおよびアンロードすることを可能にする、対応する取り付けフィーチャを備え得る。言い換えれば、好ましくは、超音波プローブは、位置決め装置上で、例えば、位置決め装置の操作容積内に位置するラックに/から自動変更可能である。超音波プローブ(例えば、本体部分)および位置決め装置は、反復可能なマウント(repeatable mount)の相補的なフィーチャ、例えば、運動学的マウント(kinematic mount)の相補的なフィーチャを含み得る。超音波プローブおよび位置決め装置のうちの少なくとも1つは、位置決め装置上に超音波プローブを保持するための少なくとも1つの磁石を備え得る。
【0025】
超音波検査デバイス自体は、超音波トランスデューサによって受信された超音波測定信号を分析するための少なくとも1つの処理デバイスを含み、時間遅延を決定し得る。代替的に、超音波測定信号は、検査デバイス外の処理デバイス(例えば、外部インターフェース内のまたはオフラインコンピュータを使用する)によって分析され得る。
【0026】
理解されるように、「処理デバイス」/「プロセッサ」/「処理用コンポーネント」などへの本明細書の言及は、特定のアプリケーション(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ「FPGA」)のために構成された特注処理デバイス、ならびにそれが使用されるアプリケーションのニーズに従って(例えば、ソフトウェアを介して)プログラムされ得るより一般的な処理デバイスを含むことを意図している。したがって、適切な処理デバイスには、例えば、CPU(中央プロセッサユニット)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、またはASIC(特定用途向け集積回路)などが含まれる。
【0027】
超音波検査デバイスは、超音波パルスを発射するための少なくとも1つのトランスデューサを備え得る。超音波検査デバイスは、超音波パルスを感知するための少なくとも1つのトランスデューサを備え得る。任意選択で、超音波プローブは、超音波パルスを発射するための少なくとも1つのトランスデューサ、および超音波パルスを感知するための少なくとも1つのトランスデューサを備える。任意選択で、超音波パルスを発射するための少なくとも1つのトランスデューサは、超音波パルスを感知するために使用されるのと同じセンサである。言い換えれば、超音波検査デバイスは、超音波パルスを発出および検出するための単一のトランスデューサを備え得る。トランスデューサは、圧電素子を含んでいてもよい。好ましくは、トランスデューサは、長手方向の音波(L波)を励起する。超音波検査デバイスは、単一チャネル検査デバイスを備え得る。例えば、超音波検査デバイスは、パルスエコー動作(pulse echo operation)を実行する1つの能動素子(active element)/トランスデューサのみを含み得る。任意選択で、超音波検査デバイスは、位相アレイ検査デバイスを備え得る。
【0028】
超音波検査デバイスは、任意の既知の方法で超音波を励起し、受信してもよい。超音波検査デバイスは、高周波で動作し得る。例えば、動作周波数(動作周波数)は、5MHzよりも大きくてもよく、10MHzよりも大きくてもよく、またはより好ましくは15Mzよりも大きくてもよい。例示的な実施形態では、動作周波数は約20MHzである。より高い周波数(例えば、15MHzを超えるもののような)は、変形可能な先端を有するプローブに特に有用であることが分かっており、特に、より高い分解能の測定を提供することが分かっている。より低い周波数では、変形可能な先端の内部で、より多くのノイズが発生する可能性があることが分かっている。
【図面の簡単な説明】
【0029】
次に、本発明の実施形態を、単に例として、以下の図面を参照して説明する。
図1】例示的な超音波プローブの基本的な動作原理を概略的に示す図である。
図2】超音波厚さ測定の原理を示す図である。
図3】座標測定機(CMM)に取り付けられた超音波プローブを示す図である。
図4】超音波プローブの異なる機械的部分(mechanical parts)を示す図である。
図5図5は、超音波プローブの異なる電気モジュールを示す図である。
図6a】超音波プローブの想定されるL波軸と較正されたL波軸との間の差が、部分におけるL波の伝播にどのように影響し得るかを示す図である。
図6b】超音波プローブの想定されるL波軸と較正されたL波軸との間の差が、部分におけるL波の伝播にどのように影響し得るかを示す図である。
図7a】前壁エコー信号と、複数の界面エコー信号と、その対応する自己相関信号とを含む例示的なAスキャンプロットを示す図である。
図7b】前壁エコー信号と、複数の界面エコー信号と、その対応する自己相関信号とを含む例示的なAスキャンプロットを示す図である。
図8a図7aの同じ例示的なAスキャンプロットを示すが、前壁エコー信号が反転されている図である。
図8b図8aの自己相関信号を示す図である。
図9a図7aの同じ例示的なAスキャンプロットを示すが、前壁エコー信号は反転されており、また、第1の前壁エコーのピークエンベロープ振幅に対する第1の界面エコーのピークエンベロープ振幅の比率が等しくなるようにスケーリングされている図である。
図9b図9aの自己相関信号を示す図である。
図10a】第1の前壁エコーと第2の前壁エコーとの間で単一の界面エコー信号のみが受信される、厚い部分で行われた超音波測定から受信された例示的なAスキャンプロットを示す図である。
図10b図10aの生信号の自己相関信号を示す図である。
図10c】DL1エコーを含む信号の一部が反転された、図10aの信号の自己相関を示す図である。
図10d】DL1エコーを含む信号の部分が反転されており、DL1エコーを含む信号の部分の振幅が、BW1のピークエンベロープ振幅とDL1のピークエンベロープ振幅の比率が等しくなるようにスケーリングされている、図10aの信号の自己相関を示す図である。
図11】すべての界面エコーが依然として「一次測定窓」に存在する信号と、いくつかの界面エコーが除去されている信号の両方についての「一次測定窓」の自己相関の「第1のピーク」を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
例示的な超音波検査デバイスの基本的な動作原理は、図1および図2を参照して説明される。図1は、外側本体4を備える超音波プローブ2を示す。
圧電素子6および変形可能な結合素子8を備える超音波/パルストランスデューサ、例えば、長手方向の波(「L波」)トランスデューサが提供される。理解されるように、バッキング層や整合層(波長板)のような、超音波プローブ内で一般的に採用される他のコンポーネントも超音波プローブの一部を形成し得るが、簡略化のため図1には示されていない。オブジェクト10の厚さを測定するために、プローブ2および/またはオブジェクト10は、変形可能な結合要素8およびオブジェクト10の前壁フィーチャ/表面9と係合するように移動される。励起パルスが圧電素子6を横切って印加されると、超音波パルス12がオブジェクト10に投影される。概略的に示されるように、この超音波パルス12は、オブジェクトの後壁フィーチャ11(または前壁フィーチャ9と後壁フィーチャ11との間の任意の内部フィーチャ)によって反射され、この反射されたエコーは、超音波プローブによって(例えば、圧電素子6を介して)検知される。このプロセスは、パルスエコー測定、またはより口語的には「ピーンイング(pinging)」と呼ばれることがある。理解されるように、厚さ測定推定は、投影された超音波波形の飛行時間(time-of-flight)または時間遅延測定を使用して行われ得る。
【0031】
図2は、圧電素子6を横切って印加される過渡(transient)高電圧励起パルスに応答して、トランスデューサの能動(active)圧電素子6によって受信される超音波信号/波形の例である。「A-スキャン」プロットと呼ばれるこの時間領域(time-domain)波形は、ランダムな非相関電子ノイズを抑制するために、そのような励起パルスの列(train)(例えば、Nの適切な範囲が16~32であり得るが、Nが少なくとも2であるNパルスのシーケンス)からの時間平均応答であり得る。
【0032】
圧電素子6によって生成された初期励起パルスは、図2の「Txパルス」としてラベル付けされる。この初期励起パルスにより、検査L波が結合素子8(これは遅延線として機能する)に伝播し、結合素子材料(CL)内を音速で移動する。圧電素子6に戻されて受信された第1の反射/エコーピーク(DL1)は、オブジェクト10の前壁表面/フィーチャ9からの音の反射から生じる。オブジェクト10の前壁表面/フィーチャ9からのこの反射/エコー(すなわち、DL1エコー)は、初期送信パルス(Txパルス)が完全に後退してからだいぶ後の時間に発生することがわかる。
【0033】
超音波の一部は、前壁フィーチャから反射して戻され、オブジェクト10に入ることはないが、十分な割合の超音波が、その後の厚さ測定を行うことができる測定可能な検査パルスとしてオブジェクト10内に伝わる(transmit)。変形可能な結合要素8内の音速は、オブジェクト10内の音速と比較して低くなることもあるため、特に、オブジェクトが比較的薄い場合、遅延線/結合要素8からの第2の反射/エコーピーク(DL2)がトランスデューサに登録される前に、部品10の内部または後壁フィーチャ11からの複数の反射/エコーが生じ得る。したがって、これらの内部/後壁の反射/エコーは、図2の「A-スキャン」プロットにも見ることができるパルスBW1、BW2、およびBW3を提供する。したがって、A-スキャンで観察される、第1の遅延ライン反射ピークと第2の遅延ライン反射ピークと(DL1およびDL2)の間の時間窓が、プローブの「一次測定窓」となる。
【0034】
図3を参照すると、図1および2に関連して上述したような、位置決め装置200に取り付けられた超音波プローブ100が示されている。位置決め装置は、この場合、座標測定機(「CMM」)の形態の移動構造を備える。CMM200は、次いでキャリッジ206を保持するフレーム204を支持するベース202を備え、キャリッジ206は次いでクイル208(または「Z列(Z-column)」)を保持する。モータ(図示せず)が設けられて、クイル208を3つの互いに直交する軸X、YおよびZに沿って(例えば、フレームをY軸に沿って、キャリッジ206をX軸に沿って、およびクイル208をZ軸に沿って移動させることによって)移動させる。
【0035】
クイル208は、多関節ヘッド210を保持し、多関節ヘッドは、インデキシングヘッドまたは連続ヘッドであり得るが、好ましくは連続ヘッド(例えば、Renishaw plc社から入手可能なREVO(登録商標)ヘッド)である。理解されるように、連続ヘッドは、少なくとも1つの軸の周りの実質的に任意の角度で、それに取り付けられたデバイスの配向を可能にし、無限に近い数の角度配向を提供するとしばしば説明される。また、必要に応じて、連続ヘッドの軸を中心とした測定装置の配向は、測定中(例えば、接触プローブが検査されているオブジェクトと接触し、測定情報を取得している間)に変更され得る。対照的に、インデキシングヘッドは、それに取り付けられた測定デバイスがロックされ得る個別の数(discrete number)の定義された(「インデックスされた」)位置を有する。インデキシングヘッドを用いて、測定デバイスの配向は変更され得るが、測定データの取得中には変更され得ない。
【0036】
この実施形態では、多関節ヘッド210は、その上に取り付けられたプローブ100の、第1および第2の回転軸D、Eを中心とした、適切なベアリングおよびモータ(図示せず)を介した、回転を容易にする。
【0037】
多関節ヘッド210によって提供される2つの回転軸(D、E)とCMM200の並進移動の3つの直線(X、Y、Z)軸との組み合わせは、プローブ100が5つの自由度(2つの回転自由度、および3つの線形自由度)で移動/配置されることを可能にする。
【0038】
さらに、図示されていないが、ベース202、フレーム204、キャリッジ206、クイル208、および多関節ヘッド210の部品の相対位置を測定するために、測定エンコーダが設けられてもよく、これにより、ベース202上に位置するワークピース10に対する測定プローブ100の位置を決定できるようにしてもよい。
【0039】
コントローラ220は、CMM容積内での超音波プローブの位置および配向を(手動で、例えば、ジョイスティック216のような入力デバイスを介して、または自動で、例えば検査プログラムの制御下で)制御するなど、CMM200の動作を制御するために、およびCMM200から情報(例えば、測定情報)を受信するために、提供される。表示デバイス218は、コントローラ220とユーザとのやり取りを補助するために設けることができる。コントローラ220は、例えば、専用の電子制御システムであり得、および/またはパーソナルコンピュータを含み得る。
【0040】
示されるように、プローブインタフェース150(プローブ100との通信を容易にするための)は、例えば、コントローラ320に設けられ得る。
【0041】
理解されるように、本発明は、ロボットアーム、工作機械装置のような他のタイプの位置決めデバイスと共に使用され得、手動で保持された超音波検査デバイスと共に使用され得る。
【0042】
本発明は、様々なタイプの超音波検査デバイスでの使用に適している。特許文献5および特許文献6は、本発明と共に使用することができる様々なタイプの超音波プローブを記載している。次に、例示のために、図3のCMMのような位置決め装置に取り付けられるように構成された、1つの特定のタイプの超音波プローブ100を、図4に関連してより詳細に説明する。超音波プローブ100は、位置決め装置/CMMに取り付けるプローブ100の近位端に設けられた、本体部分102を含むベースモジュールを備える。本体102は、必要な電子機器を含み、プローブに電力を供給し、制御データおよび作動命令をプローブに通信する(例えば、超音波測定をスケジュールする)ことができる。超音波データおよび厚さ測定結果を含む電力および/または制御データは、回転ヘッド通信チャネルを介しておよび/または無線で渡され得る。CMMを介して電力が供給されるのではなく、電力は、例えば、本体部分102に位置する電池によって供給され得る。
【0043】
細長いチューブ104(例えば、剛性(rigid)カーボンファイバーチューブ)は、プローブの軸方向の長さに沿って、本体102から延在する。結合要素108、特に変形可能な結合要素は、本体102の遠位のチューブ104の端部に配置される。記載された実施形態では、変形可能な結合要素108は、親水性エラストマーを含む。任意選択で、変形可能な結合要素108は、交換可能である(例えば、ネジまたはスナップフィットを介して取り付けられ得る)。任意選択で、および説明される実施形態の場合のように、チューブ104から突出する合要素108の少なくとも一部は、球形である。理解されるように、変形可能な結合要素は、プローブ内のトランスデューサの摩耗プレートと係合し得、変形可能な結合要素108は、結合要素および遅延線の両方として機能し得る。変形可能な結合要素108は、それが係合するオブジェクト10の表面に容易に適合するように、柔らかく弾性であり得る。
【0044】
使用中、超音波プローブ100は、CMM200によって移動されて、変形可能な結合要素108を検査されるオブジェクト10の前壁フィーチャ9と接触させ、それによってオブジェクトとの音響結合を形成する。超音波プローブ100は、(例えば、圧電素子を介して)超音波パルス/波を生成し、これがオブジェクト10に伝えられ、オブジェクト10の内部フィーチャまたは後壁フィーチャ11によって反射される。反射された超音波は、超音波プローブによって感知され、分析されて、オブジェクト10の前壁フィーチャ9から内部フィーチャ/後壁フィーチャ11の距離を決定する(例えば、オブジェクト10の内部フィーチャ/厚さの深さを決定する)。
【0045】
超音波検査装置は、任意の既知の方法で超音波を励起し、受信し得る。超音波検査装置は、高周波で動作し得る。例えば、動作周波数は、5MHzよりも大きくてもよく、10MHzよりも大きくてもよく、またはより好ましくは15Mzよりも大きくてもよい。好ましい実施形態では、動作周波数は約20MHzである。圧電素子を含み得るトランスデューサは、好ましくは、長手方向の音波(L波)を励起する。
【0046】
図5は、超音波プローブ100と共に(例えば、その中に)提供され得るアナログおよびデジタル電子モジュールの例示的な実施形態を概略的に示す。
概略的に示されるように、超音波プローブは、超音波トランスデューサ110、例えば、50~150Vで持続時間1/2fの負方向の遷移(negative going transition)(NGT)パルスなどの高電圧インパルス励起パルスの列によって駆動されるときに、高周波時間離散縦波波形(以下「L波」と称する)を伝送するための圧電素子を含むパルスエコー超音波トランスデューサを備える。
【0047】
高電圧(50~150V)ACアナログ信号(例えば、NGTパルス)の繰り返し列を生成することができるアナログ「パルサ(pulser)」回路112が提供される。パルサ112が提供されるが、代わりに、より高度なデジタル波形シンセサイザを使用して、周波数または振幅変調波形を生成し、より減衰する環境で圧電素子を駆動することができる。パルサ112によって生成された高電圧パルスは、プローブのトランスデューサ内の圧電能動素子110を効果的に駆動して、必要な超音波波形150を出力するが、そのような薄い壊れやすい圧電素子の最大電圧を超えることはない。各パルス起動は、FPGA114または同等のプロセッサから「パルサ」回路112に送信されるイネーブル信号によって、誘発され、時間的に(in time)正確に制御され得る。
起動のたびに、高速T/Rスイッチ116は、デバイスが、送信モード(transmit mode)と、より長い持続時間の受信モード(longer duration receive mode)との間で瞬時に切り替えることを可能にし、その間にシステムは、相互(reciprocal)圧電素子110によって測定された送信パルスに対する音響応答を取得し、デジタル記録する。
【0048】
対象となる受信した信号の振幅レベルが大幅に変化する可能性がある。したがって、これに対処するために、可変ゲイン増幅器(variable gain amplifier)(VGA)118を任意選択で設けて、デジタル取得の前に信号を増幅するために、取得されたA-スキャン応答にわたってゲインを誘導し得る。さらに、いくつかの材料による伝搬損失または減衰に起因する各A-スキャン応答内の可変性を均等化するために、距離振幅補正(DAC)として知られる自動ゲイン制御(AGC)の形態も実装され得る。次いで、増幅されたA-スキャンは、適切に広いダイナミックレンジ(例えば、12ビット)のアナログ-デジタル変換器(ADC)120を使用してデジタル化され、ここでは、サンプルレート(sample rate)が測定システムの時間分解能、ひいては厚さ測定の精度に根本的に影響するため、ナイキストレート(Nyquist rate)を上回る十分なオーバーサンプリングが提供され、例えば、125MHz以上のサンプリングレートは、20MHzトランスデューサに適し得る。ADC120からの符号化されたデジタル波形はまた、デジタルフィルタ、例えば、トランスデューサの動作周波数に合致するパスバンドを有する低次FIRを使用するバンドパスフィルタリングを必要とし得る。Tx-Rx電子機器は、個々のA-スキャン内で観察される可能性のあるすべての電子ノイズ源を最小限に抑えるように設計される。このような非相関ノイズは、N回連続した繰り返されるA-スキャン測定にわたって平均化すること(すなわち、理論上の√N SNRゲインを提供すること)によって最も効果的に抑制される。理解されるように、平均化は、必ずしも以下に記載される較正方法の間に行われるわけではない。
【0049】
超音波トランスデューサ110(例えば、圧電素子)は、好ましくは(必ずしもそうではないが)チューブ104の遠位端に向かって(すなわち、変形可能な接触素子108の近くの端に)配置される。他の電子機器は、プローブ内の任意の場所、例えば、本体部分102内に配置され得る。任意選択で、他の電子機器の少なくともいくつかは、プローブの外側、例えば、少なくとも部分的にコントローラ220内に配置され得る。
【0050】
理解されるように、超音波検査デバイスは、超音波軸105だけでなく機械軸103を有し得る。機械軸が何であるかは、プローブの設計に依存する。典型的には、超音波検査デバイスの機械軸は、プローブの座標系に関して定義される。この実施形態では、超音波プローブは、多関節ヘッドに取り付けられ、超音波プローブが多関節ヘッドの軸を中心に回転するにつれて、プローブの座標系は、超音波プローブと共に回転する。2つの直交する回転軸を有する多関節ヘッドに超音波プローブが取り付けられている場合、超音波プローブの座標系のX軸は、ヘッドの軸のうちの1つ(例えば、図3に示されるE軸)と整列させられ得、超音波プローブの座標系のZ軸は、他方の軸(例えば、図3に示されるD軸)と整列させられ得る。Y軸は、右手直交系を完成させ、軸方向プローブの場合、機械軸は、プローブ座標系のZ軸(例えば、[0 0 01]Τ)として定義される。プローブのクランク角バージョンの場合、機械軸は、このZ軸列ベクトルからの指定された一定のオイラー回転である。超音波軸は、超音波波/パルスがプローブ座標系内を移動する方向として定義される。これは、プローブの座標系内の固定ベクトルであり、機械軸と同様に、超音波プローブが多関節ヘッドの軸を中心に回転するにつれて、超音波プローブとともに回転する。
【0051】
図1によって概略的に示されるように、プローブの超音波軸(例えば、L波軸)はプローブ2の機械軸3と整列させられていると仮定することができ、したがって、超音波プローブがオブジェクトの前面に垂直な機械軸でオブジェクトに係合する場合、次いで、超音波/L波軸は、オブジェクトの前面に垂直な部分に投影されることとなる。したがって、プローブの超音波軸がプローブの座標に固定された単位列ベクトルVvaとして定義されている場合、プローブの超音波軸がプローブの機械軸と一致している理想的な状況では、Vvaは[0 0 01]Τとなる。
【0052】
しかしながら、特許文献6で説明されているように、その超音波(例えば、L波)軸がプローブの機械軸と完全に整列されている超音波プローブを製造することは非常に困難である。むしろ、超音波/L波軸はプローブの機械軸とわずかにずれている可能性が高い(例えば、最大2~3度だけ)。位置ずれの原因には、シャフトおよび/または本体とトランスデューサとの間の機械的な位置ずれ、および/または音響的な位置ずれ(例えば、超音波ビームが完全に対称ではない場合など)が含まれる。図6aは、想定される超音波/L波軸(これは点線で示される機械軸103と同じと想定される)と較正された超音波/L波軸105(実線で示される)との間の位置ずれを概略的に示す。図6aの位置ずれの程度は、例示の目的のために大幅に誇張されている。
【0053】
想定される超音波軸/L波軸と較正された超音波軸/L波軸との間に小さな位置ずれが存在する場合でも、超音波プローブ装置の性能は損なわれる。特に、超音波プローブ装置から得られる測定値の精度は、想定されるL波軸と較正されたL波軸との間の位置ずれによって悪影響を受ける可能性がある。そのような位置ずれは、界面エコー(単数、複数)を複雑にし、その振幅を減少させる。
【0054】
例えば、最も強力な最高振幅のL波によって移動される距離は、機械軸および超音波軸が完全に整列させられている場合よりも長くなり、それは前壁9と後壁11との間の最短経路をとる、投影されたL波面(L-wavefront)のより低い振幅の部分になる。これは、これらの界面エコーの到着時刻または到着時刻差を推定する信号処理アルゴリズムを使用して時間遅延測定(およびその後のオブジェクト、例えば、厚さ測定)が導出される、より低い振幅および潜在的に離散された界面エコーをもたらし、これは、そのような高精度厚さ測定システム(例えば、10ミクロン以内)で測定精度を著しく低下させる可能性がある。
【0055】
この問題は、屈折によってさらに深刻になる。すなわち、L波が表面に垂直なオブジェクトに入らない場合、それはスネルの法則に従って法線から屈折することとなり、屈折の程度は、変形可能な結合要素および検査オブジェクト内の入射角および音速に依存する。
【0056】
機械的/想定される軸とプローブの実際の超音波(例えば、L波軸)との間の位置ずれに関連する問題は、超音波(L波)軸を見つけるように超音波プローブを較正することによって大幅に減少させ得る。超音波プローブ100を較正する例示的な方法は、特許文献6に記載されている。超音波プローブのL波の較正された軸の知識は、いくつかの理由から有利であり得る。較正されたプローブは、より一貫して最適な界面エコーを返し、本質的に厚さ測定精度を向上させる信号対雑音比を改善する。言い換えれば、超音波プローブのL波の較正された軸の知識は、超音波プローブが最も鮮明な信号を得るように配向されることを可能にする。例えば、検査されるオブジェクト上の所与の点について、L波がオブジェクト内に沿って伝播するための所望の伝播ベクトルが存在し得、そこからターゲット検査軸/ベクトルが決定され得る。ターゲットベクトルは、部品の材料特性を含む部品の想定される/既知の形状に基づいて決定され得、部品に入射する際に予想されるL波の屈折が補償され得るように、スネルの法則を考慮に入れ得る。ターゲットベクトルが決定されると、上記の較正手順からの超音波プローブのL波と機械軸との間の関係の知識に基づいて、L波がオブジェクト内の所望の伝播ベクトルに沿って伝播することを確実にする多関節ヘッドのDおよびEの角度を計算することが可能である。例えば、図6bに示されるように、プローブの超音波軸が後壁フィーチャ11の公称表面法線に実質的に平行になるようにプローブが配置されることがしばしば好ましい。
【0057】
本明細書の冒頭で述べたように、本発明の出現まで、発明者は、部品の公称厚さに依存する部品の厚さを決定するための2つの異なる方法を採用した。例えば、DL1とDL2のエコーの間に複数の界面エコーが存在する比較的薄い部分では、界面エコーのみを含むAスキャンプロットの一部の自己相関を実行することを含むモード3方法を使用し得る。これにより、時間遅延の信頼性の高い測定が可能になった。しかしながら、そのような技術は、1つの界面エコーのみが受信されるより厚い部分に対して実行可能ではない。したがって、比較的厚い部分については、DL1およびBWエコー内のそれぞれのピークを見つけ、それらの間の時間遅延を決定することを含むモード2方法を使用し得る。
【0058】
本発明者は、比較的薄い部分と比較的厚い部分の両方に使用され得る技術を特定した。特に、彼らは、前壁エコー信号(DL1)および少なくとも1つの界面エコー信号(BW#)の両方を包含するAスキャンプロットの一部に自己相関が使用され得ることを見出した。例えば、図7aおよび図7bは、それぞれ、前壁エコー信号(DL1)および複数の界面エコー信号(BW#)ならびにそれらの対応する自己相関信号を含む例示的なAスキャンプロットを示す。示されるように、小さなにもかかわらず、エコー間の時間遅延を確立するために使用され得る「一次ピーク(Primary Peak)」がある。理解されるように、「一次ピーク」の位置を決定するために使用され得る様々な既知の技術がある。例えば、(サンプルの開始時にデータを捨てた後、例えば、50個のサンプルの後)最大振幅(すなわち、最大値)のサンプル点が識別され得る。次いで、そのサンプル点は、エコー間の時間遅延を示し、これを使用して、検査される部品の1つまたは複数の特性(例えば、その厚さ)を決定し得る。必要に応じて、最大サンプル点がピークであることは、その両側の2つの点よりも大きな振幅を有することを確認することによって確認され得る。さらに、曲線/二次曲線を最大点およびその両側の少なくとも2つの点に適合させることができ、そこから補間されたピーク点が決定され、エコー間の時間遅延を識別するために使用され得る。理解されるように、他の最大ピーク検出アルゴリズムは周知である。例えば、信号内のすべてのピークを識別することができ、次いで、それらを振幅に従って順序付けることができる。
【0059】
自己相関は、Aスキャンプロットの少なくとも選択された部分(例えば、前壁エコー信号および少なくとも1つの界面エコー信号を包含する部分)、すなわち、Aスキャンの「一次測定窓」と、それ自体の時間遅延バージョンとの相関を含む。
理解されるように、自己相関は、時間ドメインまたは周波数ドメインで計算され得る。特定の例では、Aスキャンの一次測定窓のフーリエ変換が決定され、次いで、それがその複素共役によって乗算され、次いで、逆フーリエ変換が決定される(遅延時間ドメインに戻すように変換する)。理解されるように、他の自己相関方法は、Aスキャンの主要測定窓の畳み込み(convolution)をそれ自体で実行することを含む。
【0060】
生信号に対して自己相関を実行することは、いくつかの状況では十分であり得るが、発明者は、「一次ピーク」が多くの状況で十分に顕著(pronounced)でないため(例えば、サイドピークに関して、例えば、存在し得る任意のノイズに関して)、生信号の自己相関がしばしば時間遅延の誤った決定をもたらす可能性があること、したがって、誤った「一次ピーク」識別がしばしば発生することを見出した。発明者は、エコー間の時間遅延を決定するための自己相関技術の信頼性が、前壁および/または界面エコー信号を反転させるおよび/またはスケーリングすることによって大幅に改善され得ることを見出した。例えば、図8aは、図7aの同じ例示的なAスキャンプロットを示しているが、前壁エコー信号(DL1)が反転されており、図8bは、その自己相関信号を示している。見ることができるように、「一次ピーク」は現在正であり、より顕著であり、したがって、より容易かつより確実に識別可能である。さらに、図9aは、図7aの同じ例示的なAスキャンプロットを示すが、前壁エコー信号(DL1)は反転されており、また、BW1のピークエンベロープ振幅とDL1のピークエンベロープ振幅の比率が等しいようにスケーリングされている。その自己相関信号を例示する図9bに見ることができるように、自己相関関数における「一次ピーク」の振幅の実質的な増加があり、したがって、有意により容易かつより確実に識別可能である。特に、ピークが鋭い/より顕著であるほど、ピークの実際の位置が識別される可能性が高く、エコー間の時間遅延のより正確な決定がもたらされる。
【0061】
自己相関プロセスを実行する前に、「一次測定窓」から後の界面エコーの一部を除去することは、第1の(DL1)前壁/遅延ラインエコーと第2の(DL2)前壁/遅延ラインエコーとの間に多くの界面エコーが存在する非常に薄い部分にとって有益であり得ることが見出されている。これは、界面が微妙にエコーするが、しかし次第に、連続したエコー上で歪み、自己相関プロセスに悪影響を及ぼすことが見出されているためである。特に、上述の補間されたピーク点は、過剰な界面エコーが除去されたときのエコー間の実際の時間遅延のより正確な表現を提供し得ることが見出されている。「一次測定窓」から除去する界面エコーを選択する1つの方法は、第1の界面エコー(BW1)と第2の前壁エコー(DL2)との間の途中の時間後に発生するそれらの界面エコーを除去することであり得る。もちろん、例えば、第3の界面エコーよりも大きい任意の界面エコーを除去することを選択することによって、除去する界面エコーを選択するための他の方法を使用することができる。界面エコーを除去する例示的な効果は、図11に概略的に示されており、これは、すべての界面エコーが依然として「一次測定窓」に存在する信号と、いくつかの界面エコーが除去された信号の両方についての「一次測定窓」の自己相関の「一次ピーク」を示し、これは、この場合は、第1の界面エコー(BW1)と第2の前壁エコー(DL2)との間の中間の時間後に発生するそれらの界面エコーである。
【0062】
上記の実施形態は、第2の遅延ラインエコー(DL2)を受信する前に複数の界面エコーが受信される比較的薄い部分に焦点を当てる。自己相関プロセスからの同様の効果および利点は、(第2の(DL2)エコーを受信する前に)1つの界面エコーのみが存在するより厚い部分に有せられ得る。例えば、図10aは、単一の界面エコー信号(BW#)のみが第1のエコー(DL1)と第2のエコー(DL2)との間で受信される、厚い部分で行われる超音波測定から受信される例示的なAスキャンプロットを示す。図10b、図10cおよび図10dは、それぞれ、図10aの生信号の自己相関信号、自己相関信号DL1エコーを含む信号の部分が反転させられた図10aの信号の自己相関、およびDL1エコーを含む信号の部分が反転させられ、DL1エコーを含む信号の部分の振幅が、BW1のピークエンベロープ振幅とDL1のピークエンベロープ振幅の比率が等しくなるようにスケーリングされた図10aの信号の自己相関信号を示す。
【0063】
理解されるように、上記の実施形態では、DL1エコーを含む信号の部分の振幅は、そのピークエンベロープ振幅がBW1のものと同じようにスケーリングされるが、これは必ずしもそうである必要はない。自己相関の改善は、DL1またはBWエコー(複数可)をスケーリングして、DL1とBWエコー(複数可)のうちの1つ以上との振幅の差を減少させることによって得られ得る。したがって、1:1の比率が好ましいかもしれないが、これは必須ではない。さらに、複数の界面エコーが存在する場合、DL1エコーを含む信号の部分(および/または界面エコーを含む部分)は、(「一次測定窓」内の)界面エコーのすべてのピークエンベロープ振幅に対するDL1エコーのピークエンベロープ振幅の比率が約1:1(または元の生信号のそれよりも小さいいくつかの他の所望の比率)であるようにスケーリングされ得る。
【0064】
理解されるように、DL1および/またはBWエコーは、ピークエンベロープ振幅以外の測定値に基づいて、例えば、それらの絶対最大値、またはそれらの平均根平均二乗(RMS)値に基づいてスケーリングされ得る。
【0065】
理解されるように、前述のスケーリングおよび/または反転は、データ取得の間および/または後に、標準的な信号処理技術を介して行うことができ、ハードウェアおよび/またはソフトウェア、例えば、プローブ100、コントローラ220および/またはPC218に実装され得る。
【0066】
上記の例は、前壁エコー(DL1)を含む超音波測定信号の部分を反転させおよび/またはスケーリングする。しかしながら、理解されるように、同じ効果は、界面エコー(複数可)を含む超音波測定信号の部分を反転させおよび/またはスケーリングすることによって受信される。同様に、前壁エコーを含む超音波測定信号の一部のみをスケーリングするのではなく、または界面エコー(複数可)を含む超音波測定信号の一部のみをスケーリングするのではなく、それらの振幅の差を減らすようにこれらの部分の両方をスケーリングすることによって同じ効果を達成することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7a
図7b
図8a
図8b
図9a
図9b
図10a
図10b
図10c
図10d
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-06-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波検査デバイスによってオブジェクトに発せられる超音波パルスのエコー間の時間遅延を決定する方法であって、前記方法は、
i)測定される点でオブジェクトの前壁フィーチャと係合する前記超音波検査デバイスを用いて、超音波測定を行うことであって、超音波パルスを発射し、前記オブジェクトの内部または後壁フィーチャによって反射される前壁エコーおよび少なくとも1つの界面エコーを含む超音波測定信号を記録する前記超音波検査デバイスを含む、前記超音波測定を行うことと、
ii)前記前壁エコーおよび前記少なくとも1つの界面エコーを含む前記超音波測定信号の少なくとも1つのセグメントの自己相関を介して、前記前壁エコーと前記少なくとも1つの界面エコーとの間の前記時間遅延を決定することと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
a)前記前壁エコーを含む前記超音波測定信号の部分、または
b)前記少なくとも1つの界面エコーを含む前記超音波測定信号の部分
のうちの1つの振幅を反転させることを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
a)前壁エコーを含む前記超音波測定信号の前記部分の振幅、および/または
b)前記少なくとも1つの界面エコーを含む前記超音波測定信号の前記部分の振幅
を、それらの間の振幅の差を低減させるように、スケーリングすることを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの界面エコーの前記振幅に対する前記前壁エコーの前記振幅の比率が10:1以下であるように前記スケーリングが構成されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
連続する前壁エコーの間に複数の界面エコーが存在する場合、前記方法は、前記自己相関からの前記信号から前記界面エコーのうちの少なくとも1つを破棄することを含むことを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記時間遅延から、前記測定点で、前記前壁フィーチャと前記内部または後壁フィーチャとの間の前記オブジェクトの厚さ、前記オブジェクトの材料構造、または前記オブジェクト内の音速のうちの少なくとも1つを決定することを含むことを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記前壁フィーチャと前記内部または前記後壁フィーチャとが、公称的に平行であることを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記超音波検査デバイスは、前記超音波パルスを発射および検出するための単一のトランスデューサを備えることを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記超音波検査デバイスが、検査されるオブジェクトの表面と係合するための変形可能な結合要素を備えることを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記超音波検査デバイスが、位置決め装に取り付けられていることを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記位置決め装置は、少なくとも2つの線形自由度における前記超音波検査デバイスおよびオブジェクトの相対並進運動を容易にし、少なくとも1つの回転軸を中心とした前記超音波検査デバイスおよびオブジェクトの相対回転運動を容易にすることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記位置決め装置は、座標位置決め装置であることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【国際調査報告】