(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】放射線アブレーション治療領域の絞り込みおよびガイダンスの方法および装置
(51)【国際特許分類】
G16H 50/00 20180101AFI20240927BHJP
【FI】
G16H50/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519533
(86)(22)【出願日】2022-09-22
(85)【翻訳文提出日】2024-05-28
(86)【国際出願番号】 US2022076832
(87)【国際公開番号】W WO2023056204
(87)【国際公開日】2023-04-06
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591030673
【氏名又は名称】バリアン・メディカル・システムズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003317
【氏名又は名称】弁理士法人山口・竹本知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】オネゲル,ヨーナス
(72)【発明者】
【氏名】アッタナーシ,フランチェスカ
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,リー
(72)【発明者】
【氏名】モーガン,アンドレア
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
(57)【要約】
放射線アブレーション治療計画におけるターゲット領域の推奨とガイダンスのシステムおよび方法が開示される。一例において、コンピューティングデバイスが、1つ以上のモダリティから患者に関する画像データを受信する(702)。コンピューティングデバイスは、画像データに基づいて、治療の態様として推奨するターゲット領域を決定し(708)、推奨するターゲット領域に基づいて、セグメントモデルの1つ以上の対応するセグメントを決定する。コンピューティングデバイスは、決定した1つ以上のセグメントを同定するセグメントモデルを表示し、決定した1つ以上のセグメントを修正する入力データを受信する(710)。入力データに基づいて、コンピューティングデバイスは、1つ以上のセグメントを更新し(716)、更新した1つ以上のセグメントを特徴付けるターゲット画定データを生成する。コンピューティングデバイスは、患者を治療するためにターゲット画定データを送信する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データベースと、該データベースと通信できるように接続されたコンピューティングデバイスと、を含むシステムであって、
前記コンピューティングデバイスは、
患者の臓器に関する画像データを受信し、
前記画像データに基づいて、前記臓器の治療の対象として推奨するターゲット領域を決定し、
前記推奨するターゲット領域を特徴付ける推奨ターゲットデータを作成し、
前記推奨ターゲットデータを前記データベースに保存する、ように構成される、システム。
【請求項2】
前記コンピューティングデバイスは、
前記患者の医学的所見を特徴付ける報告データを受信し、
前記報告データに基づいて、前記推奨するターゲット領域を決定する、ように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コンピューティングデバイスは、
テキスト抽出プロセスを前記報告データに適用して前記報告データ内のテキストを特定することによって、前記推奨するターゲット領域を決定する、ように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記コンピューティングデバイスは、
前記テキストにルールを適用することに基づいて、前記推奨するターゲット領域を決定する、ように構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記コンピューティングデバイスは、
前記画像データに1つ以上の機械学習モデルを適用することに基づいて、前記推奨するターゲット領域を決定する、ように構成される、請求項1~4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記コンピューティングデバイスは、
過去の画像スキャンに基づいて特徴を生成し、
前記生成した特徴に基づいて、前記1つ以上の機械学習モデルを訓練する、ように構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記画像データは、磁気共鳴画像データおよびコンピュータ断層撮影画像データの少なくとも1つである、請求項1~6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記コンピューティングデバイスは、
前記推奨ターゲットデータを、前記患者を治療するために第2のコンピューティングデバイスに送信する、ように構成される、請求項1~7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記コンピューティングデバイスは、
前記画像データに基づいて、3D構造画像を生成し、
前記3D構造画像に重ね合わせたセグメントモデルを表示する、ように構成される、請求項1~8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記コンピューティングデバイスは、
前記推奨するターゲット領域に対応する前記セグメントモデルのセグメントを決定する、ように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記コンピューティングデバイスは、
前記臓器の部分に対する前記推奨するターゲット領域の相対的な位置に基づいて、前記セグメントを決定する、ように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記コンピューティングデバイスは、
前記臓器の部分から前記推奨するターゲット領域までの距離と方向を決定し、
前記距離と方向に基づいて、前記セグメントを決定する、ように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記コンピューティングデバイスは、
対話型モデルに基づいて、前記3D構造画像を生成する、ように構成される、請求項9~12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
前記コンピューティングデバイスは、
前記対話型モデルの1つ以上のセグメントを選択する入力を受信し、
表示する前記セグメントモデルを更新し、前記選択された1つ以上のセグメントを示す、ように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記コンピューティングデバイスは、
前記患者に関する心電図(EKG)データを取得し、
前記EKGデータに基づいて、前記推奨するターゲット領域を決定する、ように構成される、請求項1~14のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
前記コンピューティングデバイスは、
前記画像データに基づいて、前記臓器の瘢痕位置を決定し、
前記瘢痕位置に基づいて、前記臓器の健康な部分を決定し、
前記瘢痕位置と前記健康な部分を同定する臓器モデルを表示する、ように構成される、請求項1~15のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
前記患者の前記臓器に関する前記画像データを受信することが、複数の画像技術のそれぞれから画像データを受信することを含み、
前記コンピューティングデバイスは、
前記複数の画像技術のそれぞれから受信した前記画像データに基づいて、モデルのセグメントを決定する、ように構成される、請求項1~16のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
コンピュータにより実行される方法であって、
患者の臓器に関する画像データを受信すること、
前記画像データに基づいて、前記臓器の治療の対象として推奨するターゲット領域を決定すること、
前記推奨するターゲット領域を特徴付ける推奨ターゲットデータを生成すること、
前記推奨ターゲットデータをデータベースに保存すること、を含む方法。
【請求項19】
前記患者の医学的所見を特徴付ける報告データを受信すること、
前記報告データに基づいて、前記推奨するターゲット領域を決定すること、を含む、請求項18に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項20】
テキスト抽出プロセスを前記報告データに適用して前記報告データ内のテキストを特定することにより、前記推奨するターゲット領域を決定すること、を含む、請求項19に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項21】
前記テキストにルールを適用することに基づいて、前記推奨するターゲット領域を決定すること、を含む、請求項20に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項22】
1つ以上の機械学習モデルを前記画像データに適用することに基づいて、前記推奨するターゲット領域を決定すること、を含む、請求項18~21のいずれか1項に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項23】
過去の画像スキャンに基づいて、特徴を生成すること、
前記生成した特徴に基づいて、前記1つ以上の機械学習モデルを訓練すること、を含む、請求項22に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項24】
前記画像データが、磁気共鳴画像データおよびコンピュータ断層撮影画像データの少なくとも1つである、請求項18~23のいずれか1項に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項25】
前記推奨ターゲットデータを、前記患者を治療するために第2のコンピューティングデバイスに送信すること、を含む、請求項18~24のいずれか1項に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項26】
少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、該少なくとも1つのプロセッサに処理を実行させる命令を記録した非一時的コンピュータ可読媒体であって、
前記処理は、
患者の臓器に関する画像データを受信すること、
前記画像データに基づいて、前記臓器の治療の対象として推奨するターゲット領域を決定すること、
前記推奨するターゲット領域を特徴付ける推奨ターゲットデータを生成すること、
前記推奨ターゲットデータをデータベースに保存すること、を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項27】
前記処理は、
前記患者の医学的所見を特徴付ける報告データを受信すること、
前記報告データに基づいて、前記推奨するターゲット領域を決定すること、を含む、請求項26に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項28】
前記処理は、
テキスト抽出プロセスを前記報告データに適用して前記報告データ内のテキストを特定することによって、前記推奨するターゲット領域を決定すること、をさらに含む、請求項27に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項29】
前記処理は、
1つ以上の機械学習モデルを前記画像データに適用することに基づいて、前記推奨するターゲット領域を決定すること、をさらに含む、請求項26~28のいずれか1項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2021年9月30日出願の米国仮出願63/250,501「METHODS AND APPARATUS FOR RADIOABLATION TREATMENT AREA TARGETING AND GUIDANCE」および2021年9月30日出願の米国仮出願63/250,521「METHODS AND APPARATUS FOR RADIOABLATION TREATMENT AREA TARGETING AND GUIDANCE」について優先権を主張する。これら出願の全内容はここに援用される。
【0002】
本開示の態様は、広く言えば医療診断および治療システムに関係し、より具体的には、心臓不整脈などの症状の治療に関する放射線(ラジオ波)アブレーション診断、治療計画、およびデリバリーシステムを提供することに関する。
【背景技術】
【0003】
患者の代謝情報、電気的情報、および解剖学的情報をキャプチャまたは撮像するために様々な技術が採用され得る。例えば、陽電子放出断層撮影(PET)は、体内の陽電子放出同位元素の分布を表す断層画像を生成する代謝イメージング技術である。CT(断層撮影)とMRI(磁気共鳴撮像)は、それぞれX線と磁場を利用して画像を生成する解剖学的イメージング技術である。これら例示技術による画像を互いに組み合わせて、複合解剖学的画像および機能的画像を生成することができる。例えば、Varian Medical Systems, Inc.のVelocity(商標)ソフトウェアなどのソフトウェアシステムは、画像を変形および/または位置合わせして結合画像を生成する画像融合プロセスを使用して様々な種類の画像を組み合わせる。電気生理学者や放射線腫瘍学者などの医療専門家は、治療のターゲット領域を特定するためにこれらの画像を頼りにしている。
【0004】
例えば、心臓の放射線アブレーションでは、医療専門家が協力して、心不整脈の診断、アブレーションする領域の同定、放射線治療の処方、放射線アブレーション治療計画の作成を行う。電気生理学者は、患者の解剖学および電気生理学に基づいて、心不整脈を治療する患者の心臓の1つ以上の領域またはターゲットを同定することができる。電気生理学者は、例えば、複合PETおよび心臓CT画像を頼りにしてアブレーションするターゲット領域を画定し得る。ターゲット領域が電気生理学者によって画定されると、放射線腫瘍学者が、例えば、照射する放射線の分割数、ターゲット領域に照射する放射線量、およびリスクがある隣接臓器に対する最大線量を含めて、放射線治療を処方し得る。そして、線量測定士が、処方された放射線治療に基づいて放射線アブレーション治療計画を作成し得る。放射線腫瘍学者は、治療計画を見直し、承認することもある。さらに、電気生理学者は、放射線アブレーション治療計画によって画定されたターゲット位置が正しいことを確認するために、画定されたターゲット領域の位置、大きさ、および形状を掌握したいと考え得る。
【0005】
治療計画を作成し、最適化するためには、治療する患者の臓器のターゲット領域を適切に特定し、画定することが不可欠である。例えば、ターゲット領域が必要以上に広ければ、治療を必要としない領域を含むターゲットボリュームが画定される結果となり、一方、ターゲット領域が必要以上に狭ければ、治療すべき領域を含んでいないターゲットボリュームが画定される結果となり得る。したがって、心臓の放射線アブレーション治療計画に使用される心臓放射線アブレーション治療システムなど、医療専門家によって使用される放射線アブレーション治療計画システムを改善する余地がある。
【発明の概要】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、請求項1に係るシステムが提供される。
【0007】
本発明の第2の態様によれば、請求項18に係るコンピュータにより実行される方法が提供される。
【0008】
本発明の第3の態様によれば、請求項26に係る非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。
【0009】
心臓の放射線アブレーション治療および計画のためのシステムおよび方法を開示する。一態様において、コンピューティングデバイスは、患者に関する画像データを受信する。例えば、コンピューティングデバイスは、画像スキャンシステムから、磁気共鳴(MR)画像データ、コンピュータ断層撮影(CT)画像データ、または陽電子放出断層撮影(PET)画像データを受信することができる。受信した画像データに基づいて、コンピューティングデバイスは、治療の対象として推奨するターゲット領域を決定する。一態様において、コンピューティングデバイスは、患者に関する報告データを受け取ることもできる。報告データは、患者の診断結果など患者の医学的所見を特徴付け得る。コンピューティングデバイスは、画像データおよび報告データに基づいて、治療の対象として推奨するターゲット領域を決定することができる。
【0010】
さらに、コンピューティングデバイスは、治療の対象として推奨するターゲット領域に対する変更を特定する入力を受信する。コンピューティングデバイスは、治療の対象として推奨するターゲット領域の変更に基づいて、1つ以上のルール違反の有無も判断する。コンピューティングデバイスは、1つ以上のルール違反の有無の判断に基づいて、その変更が受け入れられるかどうかの指標を表示のために提供する。例えば、ルール違反が無ければ、コンピューティングデバイスは、変更に基づいて、治療の対象として推奨するターゲット領域を更新し、更新後の推奨するターゲット領域を表示のために提供することができる。一方、1つ以上のルール違反が確認された場合、コンピューティングデバイスは、エラーメッセージを表示のために提供することができる。
【0011】
一態様において、システムは、データベースと、データベースに接続されて通信可能なコンピューティングデバイスと、を含む。コンピューティングデバイスは、患者の臓器に関する画像データを受信するように構成される。そして、コンピューティングデバイスは、画像データに基づいて、治療の対象として推奨する臓器のターゲット領域を決定するように構成される。さらに、コンピューティングデバイスは、推奨する臓器のターゲット領域を特徴付ける推奨ターゲットデータを生成するように構成される。コンピューティングデバイスは、推奨ターゲットデータをデータベースに記憶するようにも構成される。
【0012】
一態様において、コンピューティングデバイスは、治療の対象として推奨するターゲット領域に対する変更を特定する第1の入力を受信するように構成される。そして、コンピューティングデバイスは、治療の対象として推奨するターゲット領域に対する変更に基づいて、第1のルールに対する違反があるかどうかを判断するように構成される。さらに、コンピューティングデバイスは、1つ以上のルール違反の有無の判断に基づいて、その変更が受け入れられるかどうかの指標を表示のために提供するように構成される。
【0013】
一態様において、コンピューティングデバイスは、患者に関する画像データを受信するように構成される。そして、コンピューティングデバイスは、画像データに基づいて臓器の瘢痕位置を決定するように構成される。さらに、コンピューティングデバイスは、瘢痕位置に基づいて、臓器のモデルの複数のセグメントの中の1つを決定するように構成される。また、コンピューティングデバイスは、決定したセグメントを同定してあるモデルを表示するように構成される。例えば、コンピューティングデバイスは、複数のセグメントのうち、決定したセグメントを1つの色で、その他のセグメントを別の色で表示する。一態様では、コンピューティングデバイスは、画像データをオーバーレイしてモデルを表示するように構成される。一態様では、コンピューティングデバイスは、モデルをオーバーレイして画像データを表示するように構成される。
【0014】
一態様において、コンピューティングデバイスは、患者に関する画像データを受信するように構成される。そして、コンピューティングデバイスは、画像データに基づいて臓器の瘢痕位置を決定するように構成される。さらに、コンピューティングデバイスは、瘢痕位置に基づいて臓器の健康な部分を決定するように構成される。また、コンピューティングデバイスは、瘢痕位置および健康な部分を同定してある臓器のモデルを表示するように構成される。例えば、コンピューティングデバイスは、臓器の瘢痕位置を1つの色で表示し、臓器の健康な部分を別の色で表示することができる。
【0015】
一態様において、コンピュータにより実行される方法は、患者に関する画像データを受信することを含む。そして、本方法は、受信した画像データに基づいて、治療の対象として推奨するターゲット領域を決定することを含む。一態様において、本方法は、患者に関する報告データを受信することを含む。そして、本方法は、画像データおよび報告データに基づいて、治療の対象として推奨するターゲット領域を決定することを含む。
【0016】
さらに、本方法は、治療の対象として推奨するターゲット領域に対する変更を特定する入力を受信することを含む。そして、本方法は、治療の対象として推奨するターゲット領域に対する変更に基づいて、1つ以上のルール違反の有無を判断することを含む。さらに、本方法は、1つ以上のルール違反の有無の判断に基づいて、その変更が受け入れられるかどうかの指標を表示のために提供することを含む。
【0017】
一態様において、方法は、患者の臓器に関する画像データを受信することを含む。そして、本方法は、画像データに基づいて、治療の対象として推奨する臓器のターゲット領域を決定することを含む。さらに、本方法は、推奨する臓器のターゲット領域を特徴付ける推奨ターゲットデータを生成することを含む。本方法は、データベースに推奨ターゲットデータを含む。
【0018】
一態様において、方法は、治療の対象として推奨するターゲット領域に対する変更を特定する第1の入力を受信することを含む。そして、本方法は、治療の対象として推奨するターゲット領域に対する変更に基づいて、第1のルールに対する違反があるかどうかを判断することを含む。さらに、本方法は、1つ以上のルール違反の有無の判断に基づいて、その変更が受け入れられるかどうかの指標を表示のために提供することを含む。
【0019】
一態様において、コンピュータにより実行される方法は、患者に関する画像データを受信することを含む。そして、本方法は、画像データに基づいて臓器の瘢痕位置を決定することを含む。さらに、本方法は、瘢痕位置に基づいて、臓器のモデルの複数のセグメントのうちの1つを決定することを含む。また、本方法は、決定したセグメントを同定してあるモデルを表示することを含む。一態様では、本方法は、画像データをオーバーレイしたモデルを表示することを含む。一態様では、本方法は、モデルをオーバーレイした画像データを表示することを含む。
【0020】
一態様において、コンピュータにより実行される方法は、患者に関する画像データを受信することを含む。本方法は、画像データに基づいて臓器の瘢痕位置を決定することを含む。さらに、本方法は、瘢痕位置に基づいて臓器の健康な部分を決定することを含む。そして、本方法は、瘢痕位置および健康な部分を同定してある臓器のモデルを表示することを含む。
【0021】
一態様において、命令を記録した非一時的コンピュータ可読媒体であって、その命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、該少なくとも1つのプロセッサに、患者に関する画像データを受信することを含む処理を実行させる。そして、本処理は、受信した画像データに基づいて、治療の対象として推奨するターゲット領域を決定することを含む。一態様では、本処理は、患者に関する報告データを受信することを含む。そして、本処理は、画像データおよび報告データに基づいて、治療の対象として推奨するターゲット領域を決定することを含む。
【0022】
さらに、本処理は、治療の対象として推奨するターゲット領域に対する変更を特定する入力を受信することを含む。そして、本処理は、治療の対象として推奨するターゲット領域に対する変更に基づいて、1つ以上のルール違反の有無を判断することを含む。さらに、本処理は、1つ以上のルール違反の有無の判断に基づいて、その変更が受け入れられるかどうかの指標を表示のために提供することを含む。
【0023】
一態様において、命令を記録した非一時的コンピュータ可読媒体であって、その命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、該少なくとも1つのプロセッサに、患者の臓器に関する画像データを受信することを含む処理を実行させる。そして、本処理は、画像データに基づいて、治療の対象として推奨する臓器のターゲット領域を決定することを含む。さらに、本処理は、推奨する臓器のターゲット領域を特徴付ける推奨ターゲットデータを生成することを含む。そして、本処理は、データベースに推奨ターゲットデータを含む。
【0024】
一態様において、命令を記録した非一時的コンピュータ可読媒体であって、その命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、該少なくとも1つのプロセッサに、治療の対象として推奨するターゲット領域に対する変更を特定する第1の入力を受信することを含む処理を実行させる。そして、本処理は、治療の対象として推奨するターゲット領域に対する変更に基づいて、第1のルールに対する違反があるかどうかを判断することを含む。さらに、本処理は、1つ以上のルール違反の有無の判断に基づいて、その変更が受け入れられるかどうかの指標を表示のために提供することを含む。
【0025】
一態様において、命令を記録した非一時的コンピュータ可読媒体であって、その命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、該少なくとも1つのプロセッサに、患者に関する画像データを受信することを含む処理を実行させる。そして、本処理は、画像データに基づいて臓器の瘢痕位置を決定することを含む。さらに、本処理は、瘢痕位置に基づいて、臓器のモデルの複数のセグメントのうちの1つを決定することを含む。また、本処理は、決定したセグメントを同定してあるモデルを表示することを含む。一態様では、本処理は、画像データをオーバーレイしたモデルを表示することを含む。一態様では、本処理は、モデルをオーバーレイした画像データを表示することを含む。
【0026】
一態様において、命令を記録した非一時的コンピュータ可読媒体であって、その命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、該少なくとも1つのプロセッサに、患者に関する画像データを受信することを含む処理を実行させる。そして、本処理は、画像データに基づいて臓器の瘢痕位置を決定することを含む。さらに、本処理は、瘢痕位置に基づいて臓器の健康な部分を決定することを含む。また、本処理は、瘢痕位置および健康な部分を同定してある臓器のモデルを表示することを含む。
【0027】
一態様において、コンピュータにより実行される方法は、患者に関する画像データを受信する手段を含む。そして、本方法は、受信した画像データに基づいて、治療の対象として推奨するターゲット領域を決定する手段を含む。一態様では、本方法は、患者に関する報告データを受信する手段を含む。そして、本方法は、画像データおよび報告データに基づいて、治療の対象として推奨するターゲット領域を決定する手段を含む。
【0028】
さらに、本方法は、治療の対象として推奨するターゲット領域に対する変更を特定する入力を受信する手段を含む。そして、本方法は、治療の対象として推奨するターゲット領域に対する変更に基づいて、1つ以上のルール違反の有無を判断する手段を含む。さらに、本方法は、1つ以上のルール違反の有無の判断に基づいて、その変更が受け入れられるかどうかの指標を表示のために提供する手段を含む。
【0029】
一態様において、コンピュータにより実行される方法は、患者の臓器に関する画像データを受信する手段を含む。そして、本方法は、画像データに基づいて、治療の対象として推奨する臓器のターゲット領域を決定する手段を含む。さらに、本方法は、推奨する臓器のターゲット領域を特徴付ける推奨ターゲットデータを生成する手段を含む。また、本方法は、推奨ターゲットデータをデータベースに記憶する手段を含む。
【0030】
一態様において、コンピュータにより実行される方法は、治療の対象として推奨するターゲット領域に対する変更を特定する第1の入力を受信する手段を含む。そして、本方法は、治療の対象として推奨するターゲット領域に対する変更に基づいて、第1のルールに対する違反があるかどうかを判断する手段を含む。さらに、本方法は、1つ以上のルール違反の有無の判断に基づいて、その変更が受け入れられるかどうかの指標を表示のために提供する手段を含む。
【0031】
一態様において、コンピュータにより実行される方法は、患者に関する画像データを受信する手段を含む。そして、本方法は、画像データに基づいて臓器の瘢痕位置を決定する手段を含む。さらに、本方法は、瘢痕位置に基づいて、臓器のモデルの複数のセグメントのうちの1つを決定する手段を含む。また、本方法は、決定したセグメントを同定してあるモデルを表示する手段を含む。一態様では、本方法は、画像データをオーバーレイしたモデルを表示する手段を含む。一態様では、本方法は、モデルをオーバーレイした画像データを表示する手段を含む。
【0032】
一態様において、コンピュータにより実行される方法は、患者に関する画像データを受信する手段を含む。そして、本方法は、画像データに基づいて臓器の瘢痕位置を決定する手段を含む。さらに、本方法は、瘢痕位置に基づいて臓器の健康な部分を決定する手段を含む。また、本方法は、瘢痕位置および健康な部分を同定してある臓器のモデルを表示のために提供する手段を含む。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本開示の特徴および利点は、以下に説明する実施の形態の詳細な説明によって、より詳細に開示され、明白になる。実施の形態の詳細な説明は、以下の図面と共に考察されるようにしてあり、図中、同じ番号は類似の部分を示している。
【
図1】一実施形態に係る、心臓の放射線アブレーション絞り込みシステムを示す図。
【
図2】一実施形態に係る、ターゲット推奨コンピューティングデバイスのブロック図。
【
図3】一実施形態に係る、
図1の心臓の放射線アブレーション治療システムの一部を例示する図。
【
図4】一実施形態に係る、心臓の二次元17セグメントモデルを示す図。
【
図5A-5C】一実施形態に係る、モデル内でターゲット領域を推奨し選択するためのグラフィカルユーザインタフェースの一部を示す図。
【
図6A-6E】一実施形態に係る、三次元画像内でターゲット領域を推奨し選択するためのグラフィカルユーザインタフェースの一部を示す図。
【
図7】一実施形態に係る、治療の対象とするターゲット領域を推奨および調節する方法を例示するフローチャート。
【
図8】一実施形態に係る、臓器の瘢痕位置のデジタルモデルを生成し表示する方法を例示するフローチャート。
【
図9】一実施形態に係る、臓器の瘢痕位置および健康な位置を同定するデジタルモデルを生成し表示する方法を例示するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0034】
好適な実施形態の説明は、本開示の全体的説明の一部と見なされるべき添付の図面と関連させて理解されるように意図されている。本開示には様々な変更および代替形態が可能であるが、特定の実施形態が図中に例示され、ここで詳細に説明される。特許請求の範囲の主題の目的と利点は、添付の図面と関連させてここに例示する実施形態の以下の詳細な説明からより明白になる。
【0035】
当然ながら、本開示は、説明される特定の形態に限定されるべきではない。むしろ、本開示は、例示する実施形態の思想および範囲内にあるすべての改変、等価、および代替のものを包含する。「連結/接続する」、「連結/接続される」、「連結されて作動する」、「接続されて作動する」などは、デバイスまたはコンポーネントを互いに、機械的に、電気的に、有線で、無線で、またはその他にも、関係するデイバスまたはコンポーネントをその関係性で意図されるように互いに作動(例えば通信)できるように、つなげることを意味するものとして広く理解されるべきである。
【0036】
図面を参照すると、
図1は、心臓の放射線アブレーション絞り込みシステム100のブロック図を示し、当該システム100は、撮像デバイス102、治療計画コンピューティングデバイス106、1つ以上のターゲット推奨コンピューティングデバイス104、および通信ネットワーク118を介し通信接続されたデータベース116を含む。撮像デバイス102は、例えば、CTスキャナ、MRスキャナ、PETスキャナ、電気生理学的撮像デバイス、ECG、またはECGイメージャである。一実施例において、撮像デバイス102は、PET/CTスキャナまたはPET/MRスキャナである。一実施例において、撮像デバイス102および治療計画コンピューティングデバイス106は、患者に対する放射線アブレーション治療を可能にする放射線アブレーション治療システム126の一部とすることができる。例えば、放射線アブレーション治療システム126は、患者の1つ以上の治療領域に規定線量の照射を可能にする。
【0037】
ターゲット推奨コンピューティングデバイス104のそれぞれと治療計画コンピューティングデバイス106とは、データ処理に適したハードウエアまたはハードウエアとソフトウエアの組み合わせを含む適切なコンピューティングデバイスとし得る。例えば、どちらも、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、1つ以上のステートマシン、デジタル回路、またはその他の適切な回路を含むことができる。さらに、どちらのデバイスも、通信ネットワーク118にデータを送信したり、通信ネットワーク118からデータを受信したりできる。例えば、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104および治療計画コンピューティングデバイス106のそれぞれは、クラウドベースサーバなどのサーバ、コンピュータ、ラップトップ、モバイルデバイス、ワークステーション、またはその他の適切なコンピューティングデバイスである。
【0038】
一例として、
図2は、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104および治療計画コンピューティングデバイス106の各々の例となり得るコンピューティングデバイス200を例示している。コンピューティングデバイス200は、1つ以上のプロセッサ201、ワーキングメモリ202、1つ以上の入出力(I/O)デバイス203、命令メモリ207、トランシーバ204、1つ以上の通信ポート209、およびディスプレイ206を含み、これらはすべて、1つ以上のデータバス208に接続されて作動する。データバス208は、各デバイス間の通信を可能にする。データバス208は、有線または無線の通信チャンネルを含むことができる。
【0039】
プロセッサ201は、それぞれが1つ以上のコアを有する1つ以上の個別プロセッサを含み得る。その個別プロセッサのそれぞれは、同じ構造でも、異なる構造であってもよい。プロセッサ201は、1つ以上の中央処理装置(CPU)、1つ以上のグラフィック処理装置(GPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)などを含み得る。
【0040】
命令メモリ207は、プロセッサ201によってアクセス(例えば読み出し)されて実行可能な命令を記憶することができる。例えば、命令メモリ207は、リードオンリメモリ(ROM)、電気的消去可能なプログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、リムーバブルディスク、CD-ROM、いずれかの不揮発性メモリ、または他のあらゆる適切なメモリなど、非一時的コンピュータ可読記憶媒体である。プロセッサ201は、命令メモリ207に記憶されている特定の機能または処理を具体化するコードを実行することにより、その機能または処理を行うように構成され得る。例えば、プロセッサ201は、命令メモリ207に記憶されたコードを実行して、ここに開示する機能、方法、または処理のいずれか1つ以上を実行するように構成することができる。
【0041】
さらに、プロセッサ201は、ワーキングメモリ202にデータを記憶し、ワーキングメモリ202からデータを読み出すことができる。例えば、プロセッサ201は、命令メモリ207からロードされる命令など、命令のワーキングセットをワーキングメモリ202に記憶することができる。また、プロセッサ201は、ワーキングメモリ202を使用して、コンピューティングデバイス200の処理で生成されるダイナミックデータを記憶することができる。ワーキングメモリ202は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)やダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)などのランダムアクセスメモリ(RAM)、または他の適切なメモリである。
【0042】
入出力デバイス203は、データの入出力を可能にする適切なデバイスを含み得る。例えば、入出力デバイス203は、キーボード、タッチパッド、マウス、スタイラス、タッチスクリーン、物理的ボタン、スピーカ、マイクロホン、または他の適切な入力/出力デバイス、の1つ以上を含むことができる。
【0043】
通信ポート209は、例えば、ユニバーサルアシンクロナスレシーバ/トランスミッタ(UART)接続、ユニバーサルシリアルバス(USB)接続、または他の適切な通信ポートまたは接続などのシリアルポートを含む。一実施例において、通信ポート209は、命令メモリ207の実行可能命令のプログラミングを可能にする。一実施例において、通信ポート209は、画像データなどのデータの転送(例えば、アップロードやダウンロード)を可能にする。
【0044】
ディスプレイ206は、3Dビューアまたはモニタなど、適切なディスプレイとすることができる。ディスプレイ206は、ユーザインタフェース205を表示することができる。ユーザインタフェース205は、コンピューティングデバイス200とユーザの対話操作を可能にする。例えば、ユーザインタフェース205は、ユーザ(例えば、医療専門家)がモデルを閲覧または操作してここに説明するとおり患者の治療のターゲット領域を画定することを可能にするアプリケーションの、ユーザインタフェースとすることができる。一実施例において、ユーザは、入出力デバイス203を利用することによってユーザインタフェース205で対話することができる。一実施例において、ディスプレイ206はタッチスクリーンであり、ユーザインタフェース205がタッチスクリーンに表示される。一実施例において、ディスプレイ206は、スキャンされた画像データ(例えば、画像スライス)の画像を表示する。
【0045】
トランシーバ204は、
図1の通信ネットワーク118などのネットワークとの通信を可能にする。例えば、
図1の通信ネットワーク118がセルラーネットワークである場合、トランシーバ204は、セルラーネットワークとの通信を可能にするように構成される。一実施例において、トランシーバ204は、放射線アブレーション絞り込みコンピューティングデバイス200が作動するであろう通信ネットワーク118の種類に基づいて選択することができる。1つ以上のプロセッサ201は、トランシーバ204を介して、
図1の通信ネットワーク118などのネットワークからデータを受信し、ネットワークにデータを送信するように作動することができる。
【0046】
もう一度
図1を参照すると、データベース116は、クラウドベースのサーバ、ディスク(例えば、ハードディスク)、他のアプリケーションサーバのメモリデバイス、ネットワーク式コンピュータ、または他の適切なリモートストレージなど、リモートストレージデバイス(例えば、不揮発性メモリを含む)であり得る。一実施例において、データベース116は、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104および治療計画コンピューティングデバイス106の1つ以上に対する、ハードドライブ、不揮発性メモリ、またはUSBスティックなどのローカルストレージデバイスであり得る。
【0047】
通信ネットワーク118は、WiFi(登録商標)ネットワーク、3GPP(登録商標)ネットワークなどのセルラーネットワーク、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、衛星ネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線周波数(RF)通信プロトコルを利用するネットワーク、近距離無線通信(NFC)ネットワーク、複数の無線LANを接続した無線メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、広域ネットワーク(WAN)、または他の適切なネットワークであり得る。通信ネットワーク118は、例えばインターネットへのアクセスを提供することができる。
【0048】
撮像デバイス102は、患者の臓器の画像などの画像をスキャンし、スキャンした画像を特定し特徴付ける画像データ103(例えば、測定データ)を通信ネットワーク118に提供するように構成される。あるいは、撮像デバイス102は、心臓ECG画像のような電気的結像を取得するように構成される。例えば、撮像デバイス102は、患者の構造(例えば、臓器)をスキャンすることができ、スキャンした構造の3Dボリュームの1つ以上のスライスを特定する画像データ103を、通信ネットワーク118を介し、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104および治療計画コンピューティングデバイス106の1つ以上に送信することができる。一実施例において、撮像デバイス102は、画像データ103をデータベース116に保存し、そして、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104および治療計画コンピューティングデバイス106の1つ以上が、画像データ103をデータベース116から検索することができる。
【0049】
一実施例において、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、通信ネットワーク118を通し治療計画コンピューティングデバイス106と通信するように構成される。一実施例において、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104と治療計画コンピューティングデバイス106は、データベース116を介して(例えば、データベース116にデータを保存し、データベース116からデータを検索することによって)互いに通信する。一実施例において、1つ以上のターゲット推奨コンピューティングデバイス104および1つ以上の治療計画コンピューティングデバイス106は、リソースの共有および各デバイスとの通信を可能にするクラウドベースのネットワークの一部である。
【0050】
一実施例において、1つ以上のターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、医療施設120の第1のエリア122に位置し、1つ以上のターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、医療施設120の第2のエリア124に位置している。これにより、心臓の放射線アブレーション絞り込みシステム100は、複数の電気生理学者(EP)が協力してターゲット領域を最終決定することを可能にする。例えば、1人のEPが第1のエリア122にある第1のターゲット推奨コンピューティングデバイス104を操作し、もう1人のEPが第2のエリア124にある第2のターゲット推奨コンピューティングデバイス104を操作することができる。第1のターゲット推奨コンピューティングデバイス104と第2のターゲット推奨コンピューティングデバイス104とは、例えばターゲット領域(例えば、提案されているターゲット領域)に関係した(例えば、画定する)データを送受信することによって、通信ネットワーク118を通し通信することができる。EPの各々は、対応するターゲット推奨コンピューティングデバイス104を操作してターゲット領域を調節することができ、EPの両者がターゲット領域に同意することで、ターゲット領域を最終決定することができる。
【0051】
[ターゲット領域推奨]
ここに説明するように、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、EPなどの医療専門家に対し表示し得るユーザインタフェース(例えば、ユーザインタフェース205)を生成させるアプリケーションを実行することができる。実行されるアプリケーションは、治療の対象とする患者のターゲット領域を医療専門家が画定する際に役立つ。例えば、電気生理学者(EP)は、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104を操作して、患者に対する治療のターゲット領域を画定することができる。ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、患者に関し撮像デバイス102によってキャプチャされた画像データ103などの患者データに基づいて、治療の対象としてターゲット領域(例えば、最初のターゲット領域)を推奨することが可能である。
【0052】
最初のターゲット領域を決定するにあたり、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、画像データを分析し、最初のターゲット領域を同定する1つ以上のプロセスを実行することができる。最初のターゲット領域は、例えば、瘢痕位置を含み得る。例えば、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、1つ以上の機械学習プロセス(例えば、モデル、アルゴリズム)を画像データに適用して最初のターゲット領域を画定し得る。機械学習プロセスは、教師ありまたは教師なし学習を使用し、過去の画像スキャンから生成された特徴に基づいて訓練される。例えば、第1の機械学習プロセスが、それまでのCTスキャンを特徴付けるCTデータから生成された特徴で訓練され、第2の機械学習プロセスが、それまでのMRスキャンを特徴付けるMRデータから生成された特徴で訓練され、第3の機械学習プロセスが、それまでのPETスキャンを特徴付けるPETデータから生成された特徴で訓練される。
【0053】
さらに、瘢痕位置に基づいて、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、臓器の健康な部分を同定し得る。一実施例において、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、臓器内の瘢痕位置の決定された位置(例えば、三次元位置)に1つ以上のルールを適用することに基づいて、健康な部分を決定する。例えば、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、臓器の健康な部分として、瘢痕位置から少なくとも最小限離れている臓器の領域を同定することができる。
【0054】
一実施例において、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、患者の心電図(EKG)データを取得し、EKGデータに基づいて最初のターゲット領域を決定する。例えば、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、訓練済み機械学習プロセスをEKGデータに適用して、ここに説明するような最初のターゲット領域を決定することができる。一実施例において、訓練済み機械学習プロセスを、MR画像データ、CT画像データ、PET画像データ、およびEKG画像データの1つ以上に適用し、最初のターゲット領域を決定する。
【0055】
一実施例において、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、医療専門家による患者の所見および/または診断を特徴付ける報告データに基づいて、最初のターゲット領域を決定する。例えば、データベース116が、医療報告を特徴付ける報告データを保存し得る。医療報告には、病状の特徴説明、懸念領域、位置情報(例えば、瘢痕化のある臓器領域の位置)、体調情報、医療専門家の所見、患者の診断、または他のあらゆる医療情報が含まれる。ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、データベース116から患者に関する報告データを取得し、テキスト抽出プロセスを報告データに適用してテキストを特定することができる。さらに、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、一実施例において、画像データに加えてテキストデータにも訓練済み機械学習プロセスを適用し、最初のターゲット領域を決定することができる。
【0056】
一実施例において、報告データは、例えば1人以上の医療専門家の声など、音声を特徴付ける。ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、1つ以上の音声対テキスト(音声認識)モデルを報告データに適用し、テキストデータを抽出し得る。例えば、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、音声認識アルゴリズムを報告データに適用してテキストを抽出することができる。
【0057】
一実施例において、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、1つ以上のルールをテキストデータおよび/または画像データに適用し、瘢痕位置を含み得る最初のターゲット領域を決定する。例えば、データベース116は、1人以上の医療専門家によって構成された1つ以上のルールを特徴付けるルールデータを保存し得る。ルールは、例えば、テキストの1つ以上のワードを第1のターゲット領域に関連付け、1つ以上の別のワードを第2のターゲット領域に関連付けることができる。ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、例えば、報告データから抽出されたテキストが、第1のターゲット領域に関連付けられた1つ以上のワード、または、第2のターゲット領域に関連付けられた1つ以上の別のワードのいずれかを含むかどうかを判断する。いずれかの対応するワードに基づいて、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、第1のターゲット領域または第2のターゲット領域のいずれかを最初のターゲット領域に決定することができる。一実施例において、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、最初のターゲット領域を、対応するワードの最も多いターゲット領域に決定する。一実施例において、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、報告データから抽出されたテキストに1つ以上のルールを適用して健康な部分を決定する。
【0058】
さらに、一実施例において、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、最初のターゲット領域を、臓器のモデルの一部に、例えば臓器のセグメントモデルの特定のセグメントに、関連付けることができる。例えば、
図4は、心臓の心室の17セグメントモデル402を図示し、これは例えばGUI400によって表示される。17セグメントの各々は、モデルキー404によって識別され、心臓心室の部分に対応する。例えば、セグメント1は心臓心室の基部(basal)前壁(anterior)部分に相当し、セグメント17は心臓心室の心尖(apex)部分に相当する。ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、最初のターゲット領域に対応する17セグメントモデル402のセグメントを決定する。一実施例において、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、心尖部などの心臓の部分に対する最初のターゲット領域の相対的位置に基づいてセグメントを決定する。例えば、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、心臓の心尖部から心臓の最初のターゲット領域までの距離および方向を決定し、この距離および方向に基づいて、対応するセグメントを決定することができる。一実施例において、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、1つ以上のルールに基づいて、対応するセグメントを決定する。このルールは、例えば、(例えば、報告データから抽出された)テキストの1つ以上のワードと特定のセグメントとの相関関係を特定し得る。
【0059】
一実施例において、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、複数の画像技術の各々で受信された画像データに基づいて、モデルのセグメントを決定する。例えば、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、データベース116から、患者に関するCT画像データ、MR画像データ、およびPET画像データを取得する。ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、患者のCT画像データ、MR画像データ、およびPET画像データの各々に基づいて、セグメントモデルのセグメントを決定し得る。さらに、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、これら決定したセグメントが同じであるか(例えば一致するか)どうかを決定することができる。これらが同じであれば、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、決定したセグメントを特徴付けるセグメントデータを生成し、そしてこのセグメントデータをデータベース116に保存する。決定したセグメントが同じでなければ、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、決定したセグメントに1つ以上の追加ルールを適用してセグメントデータを生成し得る。例えば、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、特定のセグメントが決定された回数を判定し、最も多く決定されたセグメントを特定するセグメントデータを生成する。
【0060】
一実施例において、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、決定したセグメントのそれぞれに重み付けを適用し、重み付けしたセグメントに基づいてターゲットデータを生成し得る。例えば、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、PET画像データに40%の重み付けを適用し、そして、MR画像データおよびCT画像データに基づいて決定されるセグメントの各々に30%の重み付けを適用することができる。3つの決定した重み付けが異なる場合、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、PET画像データに基づいて決定したセグメントを選択することができる。MR画像データおよびCT画像データに基づいて決定したセグメントが同じである場合、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、その決定したセグメントを、PET画像データにより決定したセグメントを越えることから(例えば、60%は40%を超えているので)、選択することができる。
【0061】
ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、最初のターゲット領域および/または決定したモデルのセグメントを表示のために提供することができる。例えば、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、受信された画像データに基づいて画像を再構成し、その再構成した画像が最初のターゲット領域を同定する。再構成画像は、例えば、二次元または三次元の画像であり得る。例えば、最初のターゲット領域は、臓器の他の部分とは異なる色とし得る。一実施例において、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、再構成画像内で最初のターゲット領域を、輪郭表示したり、ハイライト表示したり、網掛け表示したりでき、あるいは、その他の適切な方法で再構成画像内の最初のターゲット領域を同定することができる。さらに、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、再構成画像を表示のために提供することができる。これにより、EPなどの医療専門家は、最初のターゲット領域を容易に同定することができる。
【0062】
一実施例において、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、追加または代替として、ここに説明するセグメントモデルを表示する。一実施例において、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、決定したセグメントを、輪郭表示したり、ハイライト表示したり、または網掛け表示したりでき、あるいは、決定したセグメントをその他の適切な方法で同定することができる。一実施例において、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、セグメントモデルにオーバーレイして再構成画像を表示のために提供する。例えば、EPは、17セグメント心臓心室モデルに重ねた再構成画像において同定されている瘢痕領域を見ることができる。一実施例において、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、再構成画像にオーバーレイしてセグメントモデルを表示のために提供する。
【0063】
さらに、一実施例において、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、臓器の瘢痕位置および健康な部分を同定してあるセグメントモデルを表示する。例えば、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、臓器の健康な部分に対応するセグメントとは違う表示とした瘢痕位置に対応するセグメントをもったセグメントモデルを表示することができる。例えば、瘢痕位置に対応するセグメントは、臓器の健康な部分に対応するセグメントとは異なる色で表示する、ハイライト表示する、網掛け表示する、ことができる。
【0064】
[ターゲット領域調節ガイダンス]
ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、EPなどの医療専門家が、ここに説明する推奨ターゲット領域などのターゲット領域を修正、変更、または更新することも、可能にする。最終決定の後、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、患者に関し最終決定したターゲット領域を同定するターゲット画定データを生成することができ、このターゲット画定データを治療計画コンピューティングデバイス106に送信することができる。放射線腫瘍学者などの医療専門家は、治療計画コンピューティングデバイス106を操作し、患者に、撮像デバイス102を利用してターゲット画定データによって画定される患者の領域に、治療を施すことができる。一実施例において、ターゲット画定領域は患者を治療するための放射線アブレーション治療計画に組み入れられる。
【0065】
ターゲット推奨コンピューティングデバイス104によって実行されるアプリケーションは、推奨するターゲット領域(例えば、最初のターゲット領域)に対する修正、変更、または更新を容易にする。例えば、
図5Aは、対話型モデル522を含むディスプレイインタフェース500のグラフィカルユーザインタフェース(GUI)520を示している。この実施例において、対話型モデル522は、心臓心室のセグメントを表す17セグメントモデルである。医療専門家は、治療対象領域に相当し得る対話型モデル522の1つ以上のセグメントを選択したり、選択を解除したりできる。医療専門家に対し最初に表示されたときの対話型モデル522は、治療の対象として推奨する領域(すなわち、推奨するターゲット領域)に対応する推奨セグメントを同定している。一実施例では、しかしながら、対話型モデル522は推奨セグメントを同定しない。本実施例において、推奨セグメントは、第1のセグメント523A(例えば、セグメント11)を含んでいる。しかし、医療専門家は、治療の対象として追加のセグメントをマークしたいと考えていると仮定する。医療専門家は、(例えば、入出力デバイス203を使用して)カーソル589によりその追加するセグメントを対話型モデル522において選択するだけでよい。
【0066】
例えば、
図5Bに示されているように、医療専門家は、第2のセグメント523B(例えば、セグメント16)および第3のセグメント523C(例えば、セグメント15)を選択することができる。同様にして、医療専門家は、選択されたセグメントのいずれかの選択を解除することもできる。一実施例において、セグメント(例えば、セグメント4)の上にカーソル589を置くと、GUI520がそのセグメントの名称を(例えば、ポップアップウインドウを利用して)表示する。本実施例では、対話型モデル522のセグメント4の上にカーソル589があり、これに応じてGUI520が、セグメント4を心臓心室の基部下壁「basal inferior」部分と同定する名称ボックス525を表示する。
【0067】
推奨のターゲット領域にセグメントを追加するために医療専門家は、追加(ADD)アイコン590をクリックする。これに応答してターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、更新されたターゲット領域を同定し特徴付けるデータを生成し、生成したデータをデータベース116内などのデータリポジトリに保存する。医療専門家がセグメント選択および選択解除をやり直したくて保存しないことを望む場合、この医療専門家はキャンセル(CANCEL)アイコン592をクリックすることができる。その結果、追加アイコン590が最後にクリックされたときからの選択または選択解除されたセグメントがすべて撤廃される。一実施例において、GUI520はリセット(RESET)アイコン593を含み、これが選択されると、医学専門家によって行われたあらゆる修正がクリアされ、(例えば、一番最初に推奨された)最初の推奨セグメントに戻る。
【0068】
(例えば、何らかの変更まで行われたと仮定して)医療専門家が推奨セグメントに対する変更を完了すると、医療専門家は、完了(COMPLETE)アイコン594を選択することができる。完了アイコン594の選択に従って、実行中のアプリケーションは、
図5Cに示すGUI550を表示する。GUI550は、選択されたセグメント562(例えば、GUI520で選択されたもの)を同定する対話型モデル560を含む。選択されたセグメント562は、適切な方法で、および、この実施例においてはキー561によって示されるように、同定され得る。例えば、選択されたセグメントは、選択されていないセグメントとは異なる色で表示され得る。一実施例において、選択されたセグメントは、(例えば、選択されていないセグメントとは違うように)ハイライト表示や網掛け表示され、および/またはセグメント番号によって同定され得る。さらに、医療専門家は、例えば、対話型モデル522に関して説明されているように対話型モデル560内のセグメントを選択および/または選択解除することによって、選択されたセグメントを調節することができる。
【0069】
さらに、GUI550は、同じ患者の以前の調査および治療を特徴付ける1つ以上の調査カテゴリーマップ(例えば、「ヒートマップ(Heat Map)」)を含み得る。例えば、GUI550は、電気的マップ(Electrical)574、構造的マップ(Structural)578、および複合マップ570を含む。電気的マップ574は、EKG結果に基づくものなどの、これまでの電気的調査および治療を特徴付ける。電気的マップ574に対応するキー576は、患者に関する電気的調査および/または治療で各セグメントが以前に選択された相対回数の指標を提供する。例えば、キー576は、最も選択されたセグメント(Most selected)と最も選択されなかったセグメント(Never/Least selected)を示すことができる。一実施例において、キー576によって示されるカテゴリーのそれぞれは、各セグメントが選択された回数の範囲に対応する(例えば、第1のカテゴリーは0回、第2のカテゴリーは1回、第3のカテゴリーは2~4回、第4のカテゴリーは5~7回、そして第5のカテゴリーは8回以上)。キー576は、網掛け方式やセグメントの表示色変化など、適切な方式を用いて指標を提供することができる。本実施例において、例えば、セグメント3は、セグメント4およびセグメント6に比べて、以前に選択されたことが多い。同様に、構造的マップ578は、CT、MR、またはPET画像に基づくものなど、以前の撮像調査および治療を特徴付け得る。構造的マップ578に対応するキー580は、患者に関する撮像調査および/または治療で各セグメントが以前に選択された相対回数の指標を提供する。本実施例において、セグメント5は、他のどのセグメントよりも以前に選択されたことが多い。
【0070】
複合マップ570は、電気的マップ574および構造的マップ578によって特徴付けられる電気的および構造的調査においてセグメントが以前に選択された相対回数に基づいている。例えば、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、各セグメントが電気的調査と構造的調査とで選択された総回数を判断し、各セグメントが他のセグメントに比較してどの程度の頻度で選択されたかを決定することができる。複合マップ570に対応するキー572は、患者に関する全調査および/または治療で各セグメントが以前に選択された相対回数の指標を提供する。例えば、キー572は、最も選択されたセグメント(Most selected)および最も選択されなかったセグメント(Never/Least selected)を示すことができる。一実施例において、キー572によって示されるカテゴリーのそれぞれは、各セグメントが選択された回数の範囲に対応している。キー572は、網掛け方式やセグメントの表示色変化など、適切な方式を用いて指標を提供することができる。
【0071】
一実施例において、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、以前の調査の種類に関して各セグメントが選択された回数に重み付けを適用することができる。例えば、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、構造的調査を電気的調査よりも重く重み付けすることができ、またその逆も可能である。重み付けの適用に従って、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、各セグメントが他に比べてどの程度の頻度で選択されたかを判断する。本実施例において、第1の重み付け575を電気的調査に適用してあり、第2の重み付け579を構造的調査に適用してある。
図5Cでは、第1の重み付け575と第2の重み付け579は同じ(例えば、w:0.5)である。ただし、これらは異なっていてもよい。実際は、一実施例において、GUI550は、医療専門家が第1の重み付け575と第2の重み付け579の各々を編集することを可能にする。
【0072】
調査カテゴリーマップ(例えば、電気的マップ574、構造的マップ578、および複合マップ570)を提供することによって、GUI550は、治療に最も適したセグメントが確実に選択されるように、医療専門家に追加情報を提供する。
【0073】
さらに、GUI550は、患者の画像スキャンおよび/または(類似の健康状態および/または治療のある)他の患者の画像スキャンを表示するサンプル画像(SAMPLE IMAGES)563の部分を含み得る。例えば、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、類似の健康状態および/または治療のある1人以上の以前の患者を判定し、現患者および1人以上の以前の患者の画像データ103をデータベース116から取得することができる。さらに、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、得られた画像データに基づいて画像を再構成し、GUI550のサンプル画像563の部分に画像を表示することができる。
【0074】
GUI550は、さらに、セグメントベースノート(SEGMENT-BASED NOTES)564を表示することができ、このノート564は、選択された各セグメントに関して既に決定され提供されているテキストを含み得る。例えば、対話型モデル560においてセグメント11,15,16が選択されているので、これらのセグメントの各ノートがGUI550のセグメントベースノート564の部分に表示される。このノートには、例えば、1人以上の医療専門家によって事前に承認されたテキストが含まれる。一実施例において、セグメントベースノート564には、医療専門家が追加情報を(例えば、入出力デバイス203を介して)入力することが可能である。
【0075】
GUI550は、さらに、選択されたセグメントに基づいて警告(例えば、注意、推奨されるチェック、助言など)を提供し得る警告(ALERTS)565の部分を含む。例えば、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、ここに説明するように、1つ以上のルールの適用に基づいて、または、一実施例において、患者の画像データおよび/または報告データに対する1つ以上の機械学習プロセスの適用に基づいて、警告を生成することができる。例えば、患者の以前の調査に基づいて、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104が、瘢痕位置が閾値量または回数のパーセンテージ(例えば、75%)を越えて特定のセグメントに位置していたのに当該セグメントが(例えば、対話型モデル560において)現在選択されていない、と判断した場合、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、警告を表示させることができる。別の例をあげれば、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104が、閾値量(例えば、3つ)を超えるセグメントが選択されていると判断した場合、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、警告を表示させることができる。さらに別の例では、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104が、セグメントの特定の組み合わせが選択されている、または選択されていない(例えば、セグメント3とセグメント7が選択されている場合、セグメント15が選択されているのにセグメント10が選択されていない場合など)と判断した場合、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、警告を表示させることができる。このようなルールは、ユーザ定義ルールとすることができ、1人以上の医療専門家(例えば、ベストプラクティスに同意する医療専門家のコンソーシアム)の合意に基づき得る。
【0076】
他のルールを例示すれば、健康な組織を避けることを目標として、瘢痕セグメントが心室(VT/心室頻拍)EXIT SITEでまたはその近傍で選択されていると判断することが含まれ得る。別のルールは、引き起こされたVTの数に基づいてターゲットセグメントの数を制限することを含み得る。例えば、ルールは、1回引き起こされたVTに1~2個のターゲットセグメントを許可し、2回引き起こされたVTに1~4個のターゲットセグメントを許可し、3回以上引き起こされたVTに1~6個のターゲットセグメントを許可し得る。一実施例において、ルールは、選択されるターゲットセグメントの最大数(6個など)を指定し得る。
【0077】
さらに、GUI550は、医療専門家が他の医療専門家の入力(例えば、意見)を求めることを可能にするフィードバックリクエスト(FEEDBACK REQUEST)566の部分を含む。例えば、医療専門家は、GUI550のフィードバックリクエスト566の部分に入力を提供することができ、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、そのリクエストを、別のターゲット推奨コンピューティングデバイス104などの1つ以上の他のコンピューティングデバイスに送信する。一実施例において、リクエストは、1つ以上の所定のコンピューティングデバイスに送信される。一実施例において、フィードバックリクエストの部分は、リクエストを送信したい1人以上の医療専門家の選択を可能にするメニュー(例えば、ドロップダウンメニュー)を含む。受信側のコンピューティングデバイスは、リクエストを表示し、医療専門家が回答を提供できるようにし、さらにその回答を、リクエストを送信したターゲット推奨コンピューティングデバイス104に返信し得る。回答を受信したターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、フィードバックリクエスト566の部分に回答を表示し得る。
【0078】
図6Aは、例えばターゲット推奨コンピューティングデバイス104が生成し得るディスプレイインタフェース500のアラインメントGUI601を図示している。ディスプレイインタフェース500は、スキャンした画像604に重ね合わせた3Dセグメントモデル606を含む3D構造画像602を含んでいる。ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、患者に関する画像データ(例えば、画像データ103)および対話型モデル(例えば、対話型モデル522または対話型モデル560)に基づいて、3D構造画像602を生成することができる。
【0079】
3Dセグメントモデル606は、例えば、心臓心室の3Dセグメントモデルである。スキャンした画像604は、患者のスキャンされた構造の3Dボリュームなど、画像スキャンデバイス102によってスキャンされた画像であり得る。そして、3D構造画像602は、患者の治療の対象とするターゲット領域を画定するターゲット領域マップ648を含む。ターゲット領域マップ648は、少なくとも最初(例えば、EPによる調節前)は、対話型モデル522の第1、第2、および第3セグメント523A,523B,523C、または、対話型モデル560の選択セグメント562などの、対話型モデルの1つ以上の選択されたターゲット領域に対応する。一実施例において、ターゲット領域マップ648は、特別な色で表示される。一実施例において、ターゲット領域マップ648は特別なハッチングを用いて表示され、または、EPがターゲット領域マップ648の輪郭を容易に判定できるようにする他の適切な仕組みが使用される。さらに、縦軸650が表示され、3D構造画像602の心尖608を通り延びている。
【0080】
GUI601は、一実施例において、参照キャラクター680を表示することができる。参照キャラクター680は、3D構造画像602の向きに応じた視点で表示される。例えば、対応する臓器が患者体内にあるときの頭上視点から3D構造画像602の向きが表示されているような場合、参照キャラクター680は、頭上視点で表示される。これにより、EPなどの医療専門家は、現在どのような視点および/または向きで3D構造画像602が表示されているかを容易に判断することができる。
【0081】
一実施例において、GUI601は、3D構造画像602の調節を可能にする1つ以上の調節アイコン655を含む。例えば、調節アイコン655によって、ズームイン、ズームアウト、パン、回転の機能が可能になる。
【0082】
図6Bを参照すると、GUI601は、3D構造画像602に対してEPが調節を行うことを可能にする、ドラッグポイント670A,670Bなどの1つ以上のドラッグポイントを表示することができる。例えば、EPは、ドラッグポイント670Aを新しい位置へドラッグすることによって、縦軸650を調節することができる。これに応じてGUI601は、スキャンした画像604の向きを3Dセグメントモデル606に対して調節する。同様に、EPは、ドラッグポイント670Bを新しい位置へドラッグすることによって、ターゲット領域マップ648を調節することができる。一実施例において、GUI601は、ドラッグポイントの作成または削除を可能にする。例えば、EPは、ドラッグポイント670Bなどのドラッグポイント上で右クリックし、該ドラッグポイントを削除するための「削除」オプションを選択することができる。同様に、EPは、3Dセグメントモデル606の一部位で右クリックし、「追加」オプションを選択して、ドラッグポイントを追加することができる。
【0083】
図6Cは、(例えば、1つ以上の調節アイコン655を選択するために入出力デバイス203を使用して)縦軸650を中心に時計回りに3D構造画像602を回転させる入力をEPが提供した後の3D構造画像602を示す。本実施例では、ドラッグポイント670Cによって、EPが3D構造画像602の前室間溝686を調節することが可能である。
【0084】
また、調節アイコン655は、EPが、スキャンした画像604によって同定される臓器に隣接する臓器などの、追加の臓器の画像を表示できるようにし得る。例えば、
図6Dを参照すると、EPは、調節アイコン655を選択して臓器選択ボックス675を表示させることができ、この臓器選択ボックス675によってEPは、1つ以上の臓器から表示するものを選択することができる。
【0085】
例えば、EPが「肺(Lung)」(例えば、右肺に対して「Lung_r_p」、左肺に対して「Lung_l_p」)および「食道(Esophagus)」を選択すると仮定すると、GUI601は、
図6Eに示されているように、第1の臓器685(例えば、肺)および第2の臓器687(例えば、食道)のレンダリング(例えば、3Dレンダリング)を表示する。レンダリングは、例えば、データベース116に予め保存された3Dモデルである。他の実施例において、レンダリングは、患者の対応する構造のスキャンされた画像である。
【0086】
さらに、一実施例において、GUI601は、治療対象の臓器(例えば、心臓心室)から他の臓器それぞれまでの距離677をさらに表示することができる。一実施例において、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、例えば、患者に関する画像データ(例えば、画像データ103)に基づいて、治療対象の臓器の瘢痕位置の中心から他の臓器それぞれまでの距離を判定する。一実施例において、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、ここに説明するように、報告データから抽出されたテキストに基づいて距離を判定する。例えば、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、瘢痕位置を記述するテキストと共に別の臓器の位置を記述するテキストを特定することができ、瘢痕位置と他の臓器との間の距離を、その位置に基づいて判定することができる。
【0087】
図3は、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104の一部を例示する。本実施例において、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、画像再構成エンジン302、ターゲット推奨エンジン304、ユーザターゲット選択ガイダンスエンジン306、およびアライメント判定エンジン308を含む。一実施例において、画像再構成エンジン302、ターゲット推奨エンジン304、ユーザターゲット選択ガイダンスエンジン306、およびアライメント判定エンジン308の1つ以上が、ハードウェアで実施される。一実施例において、画像再構成エンジン302、ターゲット推奨エンジン304、ユーザターゲット選択ガイダンスエンジン306、およびアライメント判定エンジン308の1つ以上は、
図2の命令メモリ207などの有形非一時的メモリに記憶され
図2のプロセッサ201などの1つ以上のプロセッサによって実行される実行可能プログラムとして実装される。
【0088】
本実施例において、ターゲット推奨エンジン304、ユーザターゲット選択ガイダンスエンジン306、およびアライメント判定エンジン308の1つ以上は、1つ以上のユーザ入力301を受信し得る。例えば、医療専門家は、入出力デバイス203を介して、またはディスプレイ206のタッチスクリーンを介して、1つ以上のユーザ入力301を提供することができる。ユーザ入力301は、実行中アプリケーションによって提供されるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)で受信され得る。ターゲット推奨エンジン304、ユーザターゲット選択ガイダンスエンジン306、およびアライメント判定エンジン308の各々は、GUIからデータ(例えば、ユーザ入力301)を受信し、表示用データなどのデータをGUIに提供し得る。
【0089】
画像再構成エンジン302は、データベース116から患者に関する画像データ103を取得する。例えば、画像データ103は、画像スキャンデバイス102でキャプチャされた患者に関するCT画像データまたはMR画像データなどの画像データであり得る。画像再構成エンジン302は、取得した画像データ103に基づいて画像を再構成する。一実施例において、再構成画像は、患者の1つ以上の臓器の三次元画像であり得る。画像再構成エンジン302は、再構成画像を特徴付ける画像再構成データ303を生成し、この画像再構成データ303をターゲット推奨エンジン304に提供する。
【0090】
ターゲット推奨エンジン304は、画像再構成データ303に基づいて、治療の対象とする最初のターゲット領域を同定するための処理を実行することができる。例えば、ターゲット推奨エンジン304は、1つ以上の訓練済み機械学習プロセスを画像再構成データ303に適用して、最初のターゲット領域を画定することができる。機械学習プロセスは、ここに説明するように、過去の画像スキャンから生成された特徴に基づいて、教師ありまたは教師なし学習を使用して訓練され得る。
【0091】
一実施例において、ターゲット推奨エンジン304は、データベース116から得られる患者に関する患者データ310に基づいて、最初のターゲット領域を決定する。患者データ310は、患者に関する医療情報、例えば医療報告、以前の処置、現在および過去の健康状態、診断、現在および過去の治療、さらにはその他の医療情報、を特徴付ける。例えば、患者データ310は、医療専門家による患者の所見および/または診断を特徴付ける報告データを含むことができる。ターゲット推奨エンジン304は、データベース116から患者に関する患者データ310を取得し、テキストを特定するために患者データ310にテキスト抽出プロセスを適用することができる。さらに、ターゲット推奨エンジン304は、最初のターゲット領域を決定するために、一実施例において、画像再構成データ303に加えてテキストデータに訓練済み機械学習プロセスを適用することができる。
【0092】
一実施例において、ターゲット推奨エンジン304は、テキストデータおよび/または画像再構成データ303に1つ以上のルールを適用し、最初のターゲット領域を決定する。ルールは、例えば、テキストデータの1つ以上のワードを第1のターゲット領域に関連付け、テキストデータの別の1つ以上のワードを第2のターゲット領域に関連付けることができる。ターゲット推奨エンジン304は、例えば、抽出したテキストが、第1のターゲット領域に関連する1つ以上のワードのいずれかを含むかどうか、または、第2のターゲット領域に関連する別の1つ以上のワードのいずれかを含むかどうか、を判断することができる。対応するワードに基づいて、ターゲット推奨エンジン304は、第1のターゲット領域か第2のターゲット領域を最初のターゲット領域に決定することができる。一実施例において、ターゲット推奨エンジン304は、対応ワードが最も多くある領域を最初のターゲット領域に決定する。
【0093】
ターゲット推奨エンジン304は、決定した最初のターゲット領域を特徴付ける推奨ターゲットデータ305を生成する。推奨ターゲットデータ305は、再構成画像内の最初のターゲット領域を同定し、追加的または代替的に、ここに説明するように、セグメントモデルの対応するセグメントを同定することができる。ターゲット推奨エンジン304は、ユーザターゲット選択ガイダンスエンジン306に、推奨ターゲットデータ305を提供する。
【0094】
ユーザターゲット選択ガイダンスエンジン306は、医療専門家が最初のターゲット領域を更新することを可能にする。例えば、ユーザターゲット選択ガイダンスエンジン306は、医療専門家が治療の領域に対応するモデルセグメントを変更、更新、または修正することを可能にするGUI520,550などの1つ以上のGUIを生成することができる。一実施例において、ユーザターゲット選択ガイダンスエンジン306は、対話型モデル522または対話型モデル560などの対話型モデルを表示し、該対話型モデルのセグメントを選択するまたは選択解除するための入力(例えば、入力301)を受信し得る。ユーザターゲット選択ガイダンスエンジン306は、その入力に基づいて、対応するように対話型モデルを更新する。さらに、1つ以上のGUIが、GUI550のサンプル画像563の部分においてなど、ここに説明するようにサンプル画像も表示することができる。加えて、1つ以上のGUIは、ここに説明するように、例えばGUI550のセグメントベースノート564の部分において、セグメントベースノートを表示することができ、さらに、例えばGUI550の警告565の部分において、警告を提供することができる。ユーザターゲット選択ガイダンスエンジン306は、医療専門家が対話型モデルのセグメントを選択および/または選択解除するのに合わせて、表示しているセグメントベースノートおよび/または警告を更新することができる。さらに、ユーザターゲット選択ガイダンスエンジン306は、選択されたセグメントを特徴付けるユーザ選択ターゲットデータ307を生成することができ、そして、ユーザ選択ターゲットデータ307をアライメント判定エンジン308に提供することができる。
【0095】
アライメント判定エンジン308は、ユーザ選択ターゲットデータ307に対応する臓器または該臓器の部分の3Dモデルを表示のために生成して提供する処理を実行する。さらに、アライメント判定エンジン308は、画像再構成エンジン302から、再構成画像を特徴付ける画像再構成データ303を受信することができ、一実施例において、これは患者の心臓心室の3D画像である。アライメント判定エンジン308は、3Dモデルに対する再構成画像のアライメントを判定し、判定したアライメントに従って再構成画像に3Dモデルを重ね合わせ、3D構造画像を生成することができる。次いで、アライメント判定エンジン308は、例えばディスプレイ206に表示するために、表示のための3D構造画像を提供することができる。
【0096】
さらに、アライメント判定エンジン308は、3D構造画像に対する調節を特定し特徴付ける1つ以上のユーザ入力301を受信することができる。ユーザ入力301に応答して、アライメント判定エンジン308は、対応するように3D構造画像を調節し得る。例えば、アライメント判定エンジン308は、再構成画像に対する3Dモデルのアライメントをより正確にすることができる。
【0097】
一実施例において、アライメント判定エンジン308は、医療専門家による各々の調節が、(例えば、データベース116のユーザ選択ルールデータ312からの)1つ以上の所定のルールに違反するかどうかを判断する。調節がルールに違反する場合、アライメント判定エンジン308は、注意を伴うポップアップメッセージを表示させることができる。
【0098】
一実施例において、アライメント判定エンジン308は、3D構造画像と併せて表示させる1つ以上の他の臓器の選択を特定する1つ以上のユーザ入力301を受信する。これに応じるアライメント判定エンジン308は、当該臓器の3Dモデルを表示のために提供する。一実施例において、アライメント判定エンジン308は、患者の対応する臓器の画像データ103を表示のために提供する。一実施例において、アライメント判定エンジン308は、治療対象の臓器と1つ以上の他の選択臓器の各々との間の距離を判定し、判定した距離を表示のために提供する。
【0099】
一実施例において、アライメント判定エンジン308は、パンまたはズーム動作を特定する1つ以上のユーザ入力301を受信する。これに応じるアライメント判定エンジン308は、3D構造画像を横切ってパンまたはズームすることができる。一実施例において、アライメント判定エンジン308は、3D構造画像の特定の視点に関する予め構成された選択肢の選択を特定する1つ以上のユーザ入力301を受信する。アライメント判定エンジン308は、選択された特定の視点に従って3D構造画像を調節し、調節した3D構造画像を表示することができる。
【0100】
アライメント判定エンジン308は、整えられた3D構造画像の1つ以上とその他の選択臓器および判定した距離を特定し特徴付けるターゲット画定データ309を生成し、このターゲット画定データ309をデータベース116に保存し得る。一実施例において、アライメント判定エンジン308は、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104に、患者を治療するために、ターゲット画定データ309を、治療計画コンピューティングデバイス106などの別のコンピューティングデバイスへ送信させる。
【0101】
図7は、例えばターゲット推奨コンピューティングデバイス104によって実行可能な方法700を例示するフローチャートを図示する。ステップ702で始まると、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104が、患者に関する画像データを受信する。例えば、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、データベース116から画像データ103を取得したり、画像スキャンデバイス102から画像データ103を受信したりすることができる。ステップ704で、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、患者に関する報告データを受信する。例えば、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、データベース116から患者に関する患者データ310を取得することができる。ステップ706で、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、テキスト抽出プロセスを報告データに適用して、テキストデータを特定する。ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、例えば、報告からテキストを抽出するのに適した、あらゆる既知のテキスト抽出プロセスを適用することができる。
【0102】
ステップ708で、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、画像データおよびテキストデータに基づいて、治療の対象として推奨するターゲット領域を決定する。例えば、ここに説明するように、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、画像データおよびテキストデータに、1つ以上の訓練済み機械学習プロセスを適用するか、1つ以上のルールを適用し、推奨するターゲット領域を決定することができる。ステップ710で、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、推奨するターゲット領域に対する変更を特定する第1の入力を受信する。例えば、医療専門家は、対応する対話型モデル(例えば、対話型モデル522または対話型モデル560)のセグメントを選択したり選択を解除したりすることができる。
【0103】
ステップ712で、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、推奨するターゲット領域に対する変更に1つ以上のルールを適用し、ステップ714で、1つ以上のルール違反の有無を判断する。ルール違反が無い場合、本方法はステップ716に進み、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、推奨するターゲット領域にその変更を適用する(例えば、対応するモデルは、選択されたセグメントまたは選択解除されたセグメントと共にデータベース116にセーブされる)。次いで、本方法はステップ724に進み、推奨するターゲット領域が更新されて表示される。例えば、推奨するターゲット領域がGUIにおいて表示され得る。
【0104】
一方、ステップ714において、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104が、少なくとも1つのルール違反があると判断した場合、本方法はステップ718に進み、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、変更の承諾を要求するエラーメッセージを表示する。例えば、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、変更を検証するように医療専門家に求める注意メッセージを表示し、さらに、例えば、GUIの警告部分に1つ以上の警告をおよび/またはGUIのセグメントベースノート部分に1つ以上のセグメントベースノートを表示することができる。
【0105】
本方法はステップ718からステップ720に進み、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、第2の入力を受信する。第2の入力は、変更の承諾か撤廃を特定する。例えば、ステップ718で表示されるエラーは、承諾アイコンと撤廃アイコンを含んでいてもよい。医療専門家は、変更を承諾するために承諾アイコンを選択するか、変更を撤廃するために撤廃アイコンを選択することができる。
【0106】
ステップ722で、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、第2の入力に基づいて、変更が承諾されるかどうかを判断する。変更が承諾されると、本方法はステップ716に進み、変更が適用される。一方、変更が承諾されない場合、本方法はステップ724に進み、推奨するターゲット領域を変更なしで表示する。その後、本方法は終了する。
【0107】
図8は、例えばターゲット推奨コンピューティングデバイス104によって実行することができる方法800を例示するフローチャートである。ステップ802で始まって患者の画像データが受信される。例えば、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、画像データ103をデータベース116から取得したり、画像データ103を画像スキャンデバイス102から受信したりすることができる。ステップ804で、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、画像データに基づいて、瘢痕位置を決定する。例えば、ここに説明するように、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、1つ以上の訓練済み機械学習プロセスおよび/または1つ以上のルールを画像データに適用することに基づいて、瘢痕位置を決定することができる。
【0108】
ステップ806で、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、瘢痕位置に基づいて、モデルのセグメントを決定する。例えば、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、瘢痕位置に対応するセグメントモデル(例えば、心臓心室の17セグメントモデル)のセグメントを決定し得る。ステップ808で、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、決定したセグメントの指標と共にセグメントモデルを表示する。例えば、ここに説明するように、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、決定したセグメントを異なる色で表示したり、決定したセグメントをハイライト表示または網掛け表示したりすることができ、あるいは、決定したセグメントをその他の適切な方法で特定することができる。その後、本方法は終了する。
【0109】
図9は、例えばターゲット推奨コンピューティングデバイス104によって実行することができる方法900を例示するフローチャートである。ステップ902から始まって患者の画像データが受信される。例えば、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、画像データ103をデータベース116から取得したり、画像データ103を画像スキャンデバイス102から受信したりすることができる。ステップ904で、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、画像データに基づいて、臓器の瘢痕位置を決定する。例えば、ここに説明するように、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、1つ以上の訓練済み機械学習プロセスおよび/または1つ以上のルールを画像データに適用することに基づいて、臓器の瘢痕位置を決定することができる。
【0110】
ステップ906で、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、瘢痕位置に基づいて、臓器の健康な部分を決定する。例えば、ここに説明するように、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、臓器の健康な部分として、瘢痕位置から少なくとも最小限離れている臓器の部分を同定することができる。一実施例において、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、報告データから抽出したテキストに1つ以上のルールを適用し、健康な部分を決定する。
【0111】
ステップ908で、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、臓器の瘢痕位置と健康な部分との同定と共にセグメントモデルを表示する。例えば、ここに説明するように、ターゲット推奨コンピューティングデバイス104は、瘢痕位置に対応するセグメントを臓器の健康な部分に対応するセグメントとは異なる表示としてセグメントモデルを表示することができる。例えば、瘢痕位置に対応するセグメントは、臓器の健康な部分に対応するセグメントに対し、違う色で表示する、ハイライト表示する、網掛け表示する、などできる。その後、本方法は終了する。
【0112】
一実施例において、コンピューティングデバイスは、患者に関し、1つ以上のモダリティから画像データを受信する。コンピューティングデバイスは、その画像データに基づいて治療の対象として推奨するターゲット領域を決定し、そして、推奨するターゲット領域に基づいてセグメントモデルの対応するセグメントを1つ以上決定する。さらに、コンピューティングデバイスは、決定した1つ以上のセグメントを同定するセグメントモデルを表示し、決定した1つ以上のセグメントを修正する入力データを受信する。その入力データに基づいて、コンピューティングデバイスは、1つ以上のセグメントを更新し、更新した1つ以上のセグメントを特徴付けるターゲット画定データを生成する。コンピューティングデバイスは、患者を治療するためにターゲット画定データを送信する。
【0113】
一実施例において、システムは、データベースと、データベースに接続されて通信するコンピューティングデバイスと、を含む。コンピューティングデバイスは、患者の臓器に関する画像データを受信するように構成される。また、コンピューティングデバイスは、画像データに基づいて治療の対象として推奨する臓器のターゲット領域を決定するように構成される。さらに、コンピューティングデバイスは、推奨する臓器のターゲット領域を特徴付ける推奨ターゲットデータを生成するように構成される。また、コンピューティングデバイスは、推奨ターゲットデータをデータベースに保存するように構成される。
【0114】
一実施例において、コンピューティングデバイスは、患者の医学的所見を特徴付ける報告データを受信し、報告データに基づいて、推奨するターゲット領域を決定するように構成される。一実施例において、コンピューティングデバイスは、報告データにテキスト抽出プロセスを適用して報告データ内のテキストを特定することによって、推奨するターゲット領域を決定するように構成される。一実施例において、コンピューティングデバイスは、テキストにルールを適用することに基づいて、推奨するターゲット領域を決定するように構成される。
【0115】
一実施例において、コンピューティングデバイスは、画像データに1つ以上の機械学習モデルを適用することに基づいて、推奨するターゲット領域を決定するように構成される。一実施例において、コンピューティングデバイスは、過去の画像スキャンに基づいて特徴を生成し、生成した特徴に基づいて1つ以上の機械学習モデルを訓練するように構成される。
【0116】
一実施例において、コンピューティングデバイスは、患者を治療するために、推奨するターゲットデータを第2のコンピューティングデバイスに送信するように構成される。
【0117】
一実施例において、コンピューティングデバイスは、治療の対象として推奨するターゲット領域に対する変更を特定する第1の入力を受信するように構成される。また、コンピューティングデバイスは、治療の対象として推奨するターゲット領域に対する変更に基づいて、第1のルールに対する違反があるかどうかを判断するように構成される。さらに、コンピューティングデバイスは、1つ以上のルール違反の有無を判断することに基づいて、変更が受け入れられるかどうかの指標を表示のために提供するように構成される。
【0118】
一実施例において、コンピューティングデバイスは、第1のルールに違反していないと判断したときに、変更に基づいて、推奨するターゲット領域を更新するように構成される。
【0119】
一実施例において、コンピューティングデバイスは、第1のルールに違反すると判断したときに、その違反に従ってエラーメッセージを表示するように構成される。
【0120】
一実施例において、コンピューティングデバイスは、第2の入力を受信し、推奨するターゲット領域を特徴付けるターゲットデータを生成し、このターゲットデータを、患者を治療するために第2のコンピューティングデバイスへ送信するように構成される。
【0121】
一実施例において、コンピューティングデバイスは、対話型モデルをグラフィカルユーザインタフェースに表示するように構成される。その対話型モデルは、複数のセグメントを含み、第1の入力が、その複数のセグメントの少なくとも1つのセグメントの選択を特定する。一実施例において、コンピューティングデバイスは、複数のセグメントの少なくとも1つのセグメントに関連するノートを表示するように構成される。一実施例において、第1のルールは、複数のセグメントの特定の組み合わせに基づく。一実施例において、第1のルールは、複数のセグメントの最大選択回数に基づく。
【0122】
一実施例において、コンピューティングデバイスは、患者の臓器に関する画像データを取得するように構成される。治療の対象として推奨するターゲット領域はその臓器にある。また、コンピューティングデバイスは、臓器に基づくセグメントモデルを生成し、画像データをオーバーレイしてセグメントモデルを表示するように構成される。
【0123】
一実施例において、コンピューティングデバイスは、患者の臓器に関する画像データを取得するように構成される。治療の対象として推奨するターゲット領域はその臓器にある。また、コンピューティングデバイスは、臓器に基づくセグメントモデルを生成し、セグメントモデルをオーバーレイして画像データを表示するように構成される。
【0124】
一実施例において、コンピューティングデバイスは、臓器の型の第1のデジタルモデルを生成し、第1のデジタルモデルに対する画像データのアラインメントを判断するように構成される。また、コンピューティングデバイスは、スキャンした画像の少なくとも一部と第1のデジタルモデルとを含む第2のデジタルモデルを生成するように構成される。さらに、コンピューティングデバイスは、第2のデジタルモデルをデータリポジトリに保存するように構成される。一実施例において、さらに、コンピューティングデバイスは、第2のデジタルモデルを表示のために提供するように構成される。一実施例において、さらに、コンピューティングデバイスは、第1のデジタルモデルに対する画像データのアライメントの調節を特定する第2の入力を受信するように構成される。また、コンピューティングデバイスは、第2の入力に基づいて第2のデジタルモデルを調節するように構成される。さらに、コンピューティングデバイスは、調節した第2のデジタルモデルをデータリポジトリに保存するように構成される。
【0125】
一実施例において、コンピューティングデバイスは、臓器の治療ターゲット領域を同定する第2の入力を受信し、その臓器の治療ターゲット領域に基づいて、第2のデジタルモデルの対応する部分を決定するように構成される。また、コンピューティングデバイスは、第2のデジタルモデルの対応する部分を同定するために第2のデジタルモデルを再生成するように構成される。
【0126】
一実施例において、コンピューティングデバイスは、患者に関する画像データを受信するように構成される。また、コンピューティングデバイスは、画像データに基づいて、臓器の瘢痕位置を決定するように構成される。さらに、コンピューティングデバイスは、瘢痕位置に基づいて、臓器のモデルの複数のセグメントのうちのいずれかを決定するようにも構成される。また、コンピューティングデバイスは、決定したセグメントを同定したモデルを表示するように構成される。例えば、コンピューティングデバイスは、決定したセグメントを1つの色で表示し、複数のセグメントのその他のセグメントを別の色で表示する。一実施例において、コンピューティングデバイスは、画像データをオーバーレイしてモデルを表示するように構成される。一実施例において、コンピューティングデバイスは、モデルをオーバーレイして画像データを表示するように構成される。
【0127】
一実施例において、コンピューティングデバイスは、患者に関する画像データを受信するように構成される。また、コンピューティングデバイスは、画像データに基づいて、臓器の瘢痕位置を決定するように構成される。さらに、コンピューティングデバイスは、瘢痕位置に基づいて、臓器の健康な部分を決定するように構成される。また、コンピューティングデバイスは、瘢痕位置および健康な部分を同定した臓器のモデルを表示するように構成される。例えば、コンピューティングデバイスは、臓器の瘢痕位置を1つの色で表示し、臓器の健康な部分を別の色で表示することができる。
【0128】
一実施例において、コンピュータにより実行される方法は、患者に関する画像データを受信することを含む。また、本方法は、受信した画像データに基づいて、治療の対象として推奨するターゲット領域を決定することを含む。一実施例において、また、本方法は、患者に関する報告データを受信することを含む。そして、本方法は、画像データおよび報告データに基づいて、治療の対象として推奨するターゲット領域を決定することを含む。
【0129】
さらに、本方法は、治療の対象として推奨するターゲット領域に対する変更を特定する入力を受信することを含む。また、本方法は、治療の対象として推奨するターゲット領域に対する変更に基づいて、1つ以上のルール違反の有無を判断することを含む。さらに、本方法は、1つ以上のルール違反の有無を判断することに基づいて、その変更が受け入れられるかどうかの指標を表示のために提供することを含む。
【0130】
一実施例において、方法は、患者の臓器に関する画像データを受信することを含む。また、この方法は、画像データに基づいて、治療の対象として推奨する臓器のターゲット領域を決定することを含む。さらに、本方法は、推奨する臓器のターゲット領域を特徴付ける推奨ターゲットデータを生成することを含む。また、本方法は、推奨ターゲットデータをデータベースに含む。
【0131】
一実施例において、コンピュータにより実行される方法は、治療の対象として推奨するターゲット領域に対する変更を特定する第1の入力を受信することを含む。また、本方法は、治療の対象として推奨するターゲット領域に対する変更に基づいて、第1のルールに違反するかどうかを判断することを含む。さらに、本方法は、1つ以上のルール違反の有無の判断に基づいて、その変更が受け入れられるかどうかの指標を表示のために提供することを含む。
【0132】
一実施例において、コンピュータにより実行される方法は、患者に関する画像データを受信することを含む。また、本方法は、画像データに基づいて、臓器の瘢痕位置を決定することを含む。さらに、本方法は、瘢痕位置に基づいて、臓器のモデルの複数のセグメントのうちのいずれかを決定することを含む。また、本方法は、決定したセグメントを同定したモデルを表示することを含む。一実施例において、本方法は、画像データをオーバーレイしてモデルを表示することを含む。一実施例において、本方法は、モデルをオーバーレイして画像データを表示することを含む。
【0133】
一実施例において、コンピュータにより実行される方法は、患者に関する画像データを受信することを含む。本方法は、画像データに基づいて、臓器の瘢痕位置を決定することを含む。さらに、本方法は、瘢痕位置に基づいて、臓器の健康な部分を決定することを含む。また、本方法は、瘢痕位置および健康な部分を同定した臓器のモデルを表示することを含む。
【0134】
一実施例において、命令を記録した非一時的コンピュータ可読媒体であって、その命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、該少なくとも1つのプロセッサに、患者に関する画像データを受信することを含む処理を実行させる。また、この処理は、受信した画像データに基づいて、治療の対象として推奨するターゲット領域を決定することを含む。一実施例において、また、本処理は、患者に関する報告データを受信することを含む。そして、本処理は、画像データと報告データとに基づいて、治療の対象として推奨するターゲット領域を決定することを含む。
【0135】
さらに、本処理は、治療の対象として推奨するターゲット領域に対する変更を特定する入力を受信することを含む。また、本処理は、治療の対象として推奨するターゲット領域に対する変更に基づいて、1つ以上のルール違反の有無を判断することを含む。さらに、本処理は、1つ以上のルール違反の有無の判断に基づいて、その変更が受け入れられるかどうかの指標を表示のために提供することを含む。
【0136】
一実施例において、命令を記録した非一時的コンピュータ可読媒体であって、その命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、該少なくとも1つのプロセッサに、患者の臓器に関する画像データを受信することを含む処理を実行させる。また、本処理は、画像データに基づいて、治療の対象として推奨する臓器のターゲット領域を決定することを含む。さらに、本処理は、推奨する臓器のターゲット領域を特徴付ける推奨ターゲットデータを生成することを含む。また、本処理は、推奨ターゲットデータをデータベースに含む。
【0137】
一実施例において、命令を記録した非一時的コンピュータ可読媒体であって、その命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、該少なくとも1つのプロセッサに、治療の対象として推奨するターゲット領域に対する変更を特定する第1の入力を受信することを含む処理を実行させる。また、本処理は、治療の対象として推奨するターゲット領域に対する変更に基づいて、第1のルールに違反するかどうかを判断することを含む。さらに、本処理は、1つ以上のルール違反の有無の判断に基づいて、その変更が受け入れられるかどうかの指標を表示のために提供することを含む。
【0138】
一実施例において、命令を記録した非一時的コンピュータ可読媒体であって、その命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、該少なくとも1つのプロセッサに、患者に関する画像データを受信することを含む処理を実行させる。また、本処理は、画像データに基づいて、臓器の瘢痕位置を決定することを含む。さらに、本処理は、瘢痕位置に基づいて、臓器のモデルの複数のセグメントのいずれかを決定することを含む。また、本処理は、決定したセグメントを同定したモデルを表示することを含む。一実施例において、本処理は、画像データをオーバーレイしてモデルを表示することを含む。一実施例において、本処理は、モデルをオーバーレイして画像データを表示することを含む。
【0139】
一実施例において、命令を記録した非一時的コンピュータ可読媒体であって、その命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、該少なくとも1つのプロセッサに、患者に関する画像データを受信することを含む処理を実行させる。本処理は、画像データに基づいて、臓器の瘢痕部位を決定することを含む。さらに、本処理は、瘢痕位置に基づいて、臓器の健康な部分を決定することを含む。また、本処理は、瘢痕位置および健康な部分を同定した臓器のモデルを表示することを含む。
【0140】
一実施例において、コンピュータにより実行される方法は、患者に関する画像データを受信する手段を含む。また、本方法は、受信した画像データに基づいて、治療の対象として推奨するターゲット領域を決定する手段を含む。一実施例において、また、本方法は、患者に関する報告データを受信する手段を含む。そして、本方法は、画像データおよび報告データに基づいて、治療の対象として推奨するターゲット領域を決定する手段を含む。
【0141】
さらに、本方法は、治療の対象として推奨するターゲット領域に対する変更を特定する入力を受信する手段を含む。また、本方法は、治療の対象として推奨するターゲット領域に対する変更に基づいて、1つ以上のルール違反の有無を判断する手段を含む。さらに、本方法は、1つ以上のルール違反の有無の判断に基づいて、その変更が受け入れられるかどうかの指標を表示のために提供する手段を含む。
【0142】
一実施例において、コンピュータにより実行される方法は、患者の臓器に関する画像データを受信する手段を含む。また、本方法は、画像データに基づいて、治療の対象として推奨する臓器のターゲット領域を決定する手段を含む。さらに、本方法は、推奨する臓器のターゲット領域を特徴付ける推奨ターゲットデータを生成する手段を含む。また、本方法は、推奨ターゲットデータをデータベースに保存する手段を含む。
【0143】
一実施例において、コンピュータにより実行される方法は、治療の対象として推奨するターゲット領域に対する変更を特定する第1の入力を受信する手段を含む。また、本方法は、治療の対象として推奨するターゲット領域に対する変更に基づいて、第1のルールに違反するかどうかを判断する手段を含む。さらに、本方法は、1つ以上のルール違反の有無の判断に基づいて、その変更が受け入れられるかどうかの指標を表示のために提供する手段を含む。
【0144】
一実施例において、コンピュータにより実行される方法は、患者に関する画像データを受信する手段を含む。また、本方法は、画像データに基づいて、臓器の瘢痕位置を決定する手段を含む。さらに、本方法は、瘢痕位置に基づいて、臓器のモデルの複数のセグメントのいずれかを決定する手段を含む。また、本方法は、決定したセグメントを同定したモデルを表示する手段を含む。一実施例において、本方法は、画像データをオーバーレイしてモデルを表示する手段を含む。一実施例において、本方法は、モデルをオーバーレイして画像データを表示する手段を含む。
【0145】
一実施例において、コンピュータにより実行される方法は、患者に関する画像データを受信する手段を含む。本方法は、画像データに基づいて、臓器の瘢痕位置を決定する手段を含む。さらに、本方法は、瘢痕位置に基づいて、臓器の健康な部分を決定する手段を含む。また、本方法は、瘢痕位置および健康な部分を同定した臓器のモデルを表示する手段を含む。
【0146】
上述した方法は、図示したフローチャートを参照しているが、当然ながら、方法に関連した作用を実行する多くの他の方法を使用することができる。例えば、処理の順番を変更することの可能な場合もあり、説明した処理のいくつかはオプションであり得る。
【0147】
さらに、ここに説明する方法およびシステムは、コンピュータにより実行されるプロセスとそのプロセスを実施するための装置の態様において少なくとも部分的に具体化することができる。また、開示に係る方法は、コンピュータプログラムコードでエンコードされた有形非一時的機械可読記憶媒体の態様で、少なくとも部分的に具体化することができる。例えば、方法の各ステップは、ハードウェアで、プロセッサによって実行される実行可能命令(例えば、ソフトウェア)で、または、これら2つを組み合わせて、具体化することができる。媒体には、例えば、RAM、ROM、CD-ROM、DVD-ROM、BD-ROM、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、または、その他の非一時的機械可読記憶媒体が含まれ得る。コンピュータプログラムコードがコンピュータにロードされて実行されると、当該コンピュータは、その方法を実行する装置となる。また、方法は、コンピュータプログラムコードがロードまたは実行されるコンピュータの態様で少なくとも部分的に具体化することができ、このとき、コンピュータは、当該方法を実行するための専用目的コンピュータとなる。汎用プロセッサで実行される場合、コンピュータプログラムコードの各セグメントは、プロセッサを、専用論理回路をなすように構成する。あるいは、方法は、当該方法を実行するための特定用途向け集積回路において少なくとも部分的に具体化することができる。
【0148】
以上の記載は、本開示に係る実施形態を図示する、解説する、および説明する目的のために提供される。その実施形態に対する修正や改変は、当業者には自明のことであり、本開示の範囲や思想から逸脱することなく行うことができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データベースと、該データベースと通信できるように接続されたコンピューティングデバイスと、を含むシステムであって、
前記コンピューティングデバイスは、
患者の臓器に関する画像データを受信し、
前記画像データに基づいて、前記臓器の治療の対象として推奨するターゲット領域を決定し、
前記推奨するターゲット領域を特徴付ける推奨ターゲットデータを作成し、
前記推奨ターゲットデータを前記データベースに保存する、ように構成される、システム。
【請求項2】
前記コンピューティングデバイスは、
前記患者の医学的所見を特徴付ける報告データを受信し、
前記報告データに基づいて、前記推奨するターゲット領域を決定する、ように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コンピューティングデバイスは、
テキスト抽出プロセスを前記報告データに適用して前記報告データ内のテキストを特定することによって、前記推奨するターゲット領域を決定する、ように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記コンピューティングデバイスは、
前記テキストにルールを適用することに基づいて、前記推奨するターゲット領域を決定する、ように構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記コンピューティングデバイスは、
前記画像データに1つ以上の機械学習モデルを適用することに基づいて、前記推奨するターゲット領域を決定する、ように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記コンピューティングデバイスは、
過去の画像スキャンに基づいて特徴を生成し、
前記生成した特徴に基づいて、前記1つ以上の機械学習モデルを訓練する、ように構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記画像データは、磁気共鳴画像データおよびコンピュータ断層撮影画像データの少なくとも1つである、
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記コンピューティングデバイスは、
前記推奨ターゲットデータを、前記患者を治療するために第2のコンピューティングデバイスに送信する、ように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記コンピューティングデバイスは、
前記画像データに基づいて、3D構造画像を生成し、
前記3D構造画像に重ね合わせたセグメントモデルを表示する、ように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記コンピューティングデバイスは、
前記推奨するターゲット領域に対応する前記セグメントモデルのセグメントを決定する、ように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記コンピューティングデバイスは、
前記臓器の部分に対する前記推奨するターゲット領域の相対的な位置に基づいて、前記セグメントを決定する、ように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記コンピューティングデバイスは、
前記臓器の部分から前記推奨するターゲット領域までの距離と方向を決定し、
前記距離と方向に基づいて、前記セグメントを決定する、ように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記コンピューティングデバイスは、
対話型モデルに基づいて、前記3D構造画像を生成する、ように構成される、請求項9~12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
前記コンピューティングデバイスは、
前記対話型モデルの1つ以上のセグメントを選択する入力を受信し、
表示する前記セグメントモデルを更新し、前記選択された1つ以上のセグメントを示す、ように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記コンピューティングデバイスは、
前記患者に関する心電図(EKG)データを取得し、
前記EKGデータに基づいて、前記推奨するターゲット領域を決定する、ように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記コンピューティングデバイスは、
前記画像データに基づいて、前記臓器の瘢痕位置を決定し、
前記瘢痕位置に基づいて、前記臓器の健康な部分を決定し、
前記瘢痕位置と前記健康な部分を同定する臓器モデルを表示する、ように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記患者の前記臓器に関する前記画像データを受信することが、複数の画像技術のそれぞれから画像データを受信することを含み、
前記コンピューティングデバイスは、
前記複数の画像技術のそれぞれから受信した前記画像データに基づいて、モデルのセグメントを決定する、ように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
コンピュータにより実行される方法であって、
患者の臓器に関する画像データを受信すること、
前記画像データに基づいて、前記臓器の治療の対象として推奨するターゲット領域を決定すること、
前記推奨するターゲット領域を特徴付ける推奨ターゲットデータを生成すること、
前記推奨ターゲットデータをデータベースに保存すること、を含む方法。
【請求項19】
前記患者の医学的所見を特徴付ける報告データを受信すること、
前記報告データに基づいて、前記推奨するターゲット領域を決定すること、を含む、請求項18に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項20】
テキスト抽出プロセスを前記報告データに適用して前記報告データ内のテキストを特定することにより、前記推奨するターゲット領域を決定すること、を含む、請求項19に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項21】
前記テキストにルールを適用することに基づいて、前記推奨するターゲット領域を決定すること、を含む、請求項20に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項22】
1つ以上の機械学習モデルを前記画像データに適用することに基づいて、前記推奨するターゲット領域を決定すること、を含む、
請求項18に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項23】
過去の画像スキャンに基づいて、特徴を生成すること、
前記生成した特徴に基づいて、前記1つ以上の機械学習モデルを訓練すること、を含む、請求項22に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項24】
前記画像データが、磁気共鳴画像データおよびコンピュータ断層撮影画像データの少なくとも1つである、
請求項18に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項25】
前記推奨ターゲットデータを、前記患者を治療するために第2のコンピューティングデバイスに送信すること、を含む、
請求項18に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項26】
少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、該少なくとも1つのプロセッサに処理を実行させる命令を記録した非一時的コンピュータ可読媒体であって、
前記処理は、
患者の臓器に関する画像データを受信すること、
前記画像データに基づいて、前記臓器の治療の対象として推奨するターゲット領域を決定すること、
前記推奨するターゲット領域を特徴付ける推奨ターゲットデータを生成すること、
前記推奨ターゲットデータをデータベースに保存すること、を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項27】
前記処理は、
前記患者の医学的所見を特徴付ける報告データを受信すること、
前記報告データに基づいて、前記推奨するターゲット領域を決定すること、を含む、請求項26に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項28】
前記処理は、
テキスト抽出プロセスを前記報告データに適用して前記報告データ内のテキストを特定することによって、前記推奨するターゲット領域を決定すること、をさらに含む、請求項27に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項29】
前記処理は、
1つ以上の機械学習モデルを前記画像データに適用することに基づいて、前記推奨するターゲット領域を決定すること、をさらに含む、
請求項26に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項16
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項16】
前記コンピューティングデバイスは、
前記画像データに基づいて、前記臓器の瘢痕位置を決定し、
前記瘢痕位置に基づいて、前記臓器の健康な部分を決定し、
前記瘢痕位置と前記健康な部分を同定する
前記臓器のモデルを表示する、ように構成される、請求項1に記載のシステム。
【国際調査報告】