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特表2024-536218触覚運動を通して発生する振動によって動作可能な喫煙デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】触覚運動を通して発生する振動によって動作可能な喫煙デバイス
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20240927BHJP
   A24F 40/51 20200101ALI20240927BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/51
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519550
(86)(22)【出願日】2022-10-12
(85)【翻訳文提出日】2024-03-29
(86)【国際出願番号】 EP2022078412
(87)【国際公開番号】W WO2023066759
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】21203263.5
(32)【優先日】2021-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100202854
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 卓行
(72)【発明者】
【氏名】ブルーナ,マッテオ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA02
4B162AA22
4B162AB11
4B162AC01
4B162AD16
4B162AD20
4B162AD22
(57)【要約】
本発明は、触覚運動を通して発生する振動によって動作可能な喫煙デバイス(100)であって、- ケーシング(10)であって、ケーシングの少なくとも1つの側面に起伏のある表面形状(20)が設けられ、前記起伏のある表面形状(20)上の触覚運動によって振動信号が生じる、ケーシング(10)と、- 振動信号に基づいてデバイスをアクティブ化又は非アクティブ化するように構成される、電子システム(30)と、を備える、喫煙デバイス(100)に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
触覚運動を通して発生する振動によって動作可能な喫煙デバイス(100)であって、
- ケーシング(10)であって、前記ケーシングの少なくとも1つの側面に、起伏のある表面形状(20)が設けられ、前記起伏のある表面形状(20)上の触覚運動によって振動信号が生じる、前記ケーシング(10)と、
- 前記振動信号に基づいて前記喫煙デバイス(100)をアクティブ化又は非アクティブ化するように構成される、電子システム(30)と、
を備える、喫煙デバイス(100)。
【請求項2】
前記電子システム(30)が、1つ又は複数の入力/出力デバイスと、前記喫煙デバイス(100)の前記起伏のある表面形状(20)上の前記触覚運動から発生した振動信号を、前記振動信号に基づいて対応する出力デバイスをアクティブ化又は非アクティブ化するために前記電子システム(30)に供給される電気信号に変換するための、信号調整又は処理デバイス(40)と、を備える、請求項1に記載の喫煙デバイス(100)。
【請求項3】
前記信号調整又は処理デバイス(40)が、トランスデューサである、請求項2に記載の喫煙デバイス(100)。
【請求項4】
前記入力デバイスが、1つ又は複数のセンサを含み、前記センサが、圧電センサ、アクセラレータ、MEMS、又はマイクロフォンを含む、請求項2又は3に記載の喫煙デバイス(100)。
【請求項5】
前記振動信号が、機械振動又は音波から生成される、請求項1~4のいずれか1項に記載の喫煙デバイス(100)。
【請求項6】
前記入力デバイスが、トランスデューサを含む、請求項2~5のいずれか1項に記載の喫煙デバイス(100)。
【請求項7】
前記起伏のある表面形状(20)が、異なる振動信号を生成するために、少なくとも2つ、3つ、4つ、又は5つ、6つ又はそれ以上の、異なる起伏のある表面形状を形成する、山及び溝を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の喫煙デバイス(100)。
【請求項8】
前記出力デバイスが、1つ若しくは複数のLEDライト、圧電式電気点火器、オン/オフボタン、温度コントロール、スピーカ、及び/又は電源状態を含む、請求項2~7のいずれか1項に記載の喫煙デバイス(100)。
【請求項9】
前記起伏のある表面形状(20)の前記山と前記溝との間の高低差が、0.5mm~10mmの間、又は好ましくは1mm~7mmの間、又は好ましくは2mm~5mmの間、又はより好ましくは約4mmである、請求項7又は8に記載の喫煙デバイス(100)。
【請求項10】
前記起伏のある表面形状(20)の1つの山と別の山との間の距離が、0.5mm~8mmの間、又は好ましくは1mm~6mmの間、又は好ましくは1.5mm~5mmの間、又はより好ましくは約3mmである、請求項7~9のいずれか1項に記載の喫煙デバイス(100)。
【請求項11】
前記起伏のある表面形状(20)の1つの溝と別の溝との間の距離が、0.5mm~6mmの間、又は好ましくは1mm~5mmの間、又は好ましくは2mm~4mmの間、又はより好ましくは約3mmである、請求項7~10のいずれか1項に記載の喫煙デバイス(100)。
【請求項12】
前記起伏のある表面形状(20)が、前記ケーシング(10)の1つ又は2つの側面上に配置された、複数のボタン、シート、棒、直方体、円形、三角形、台形、及び/又は任意の3Dオブジェクトで作られている、請求項1~11のいずれか1項に記載の喫煙デバイス(100)。
【請求項13】
請求項1に記載の喫煙デバイス(100)を動作させる方法であって、
- 前記喫煙デバイス(100)のケーシングの起伏のある表面形状(20)上の触覚運動を通して振動を発生させるステップと、
- 信号調整又は処理デバイス(40)を通して振動信号を電気信号に変換するステップと、
- 前記喫煙デバイス(100)の出力デバイス及び/又は機能をアクティブ化又は非アクティブ化するステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコの分野に関し、より詳細には、エアロゾル及び/又は蒸気を生じ得る電子タバコであって、デバイスが、触覚運動からの振動及び/又は音声ベースフィードバックを通して動作可能な、電子タバコに関する。
【背景技術】
【0002】
タバコ含有基材を含んでも含まなくてもよい気化可能材料を燃やすのではなく加熱して吸入用の蒸気を生成する喫煙デバイスが普及してきている。それらは概して、ガス又は電気によって動力供給される熱源と、気化可能材料の固形タバコ又は蒸気生成製品を含む使い捨てカプセルを受けるためのチャンバと、を含む。使用時に、固形タバコ又はカプセルは、デバイス内に挿入され、熱源によって加熱されて吸入用の蒸気を生成する。
【0003】
そのような新たな種類の喫煙デバイスは、いくつかの事例において、フレーバー生成源を燃やしたり熱分解したりしないため、デバイスによって生成される蒸気が主に水蒸気から構成されるので、室内で使用されている。
【0004】
異なる目的でベイピングに使用するための液体カプセルを有するいくつかのベイピングデバイスが知られている。例えば、米国特許第20190150512号明細書は、加熱式フレーバー吸入器に関し、その周壁ケーシング上において、金属で作られ放熱を容易にする凸凹パターンを構成する複数の突起が、少なくともヒータが配置された位置の外周面上に設けられている。突起は、加熱された蒸気がケーシングからより容易に出ていくことを可能にするために設けられている。
【0005】
別の特許文書CN103948177号明細書は、ハウジングと、ハウジング上に位置する指紋採取面とを含む電子喫煙デバイスに関する。ユーザは、ユーザの指によって指紋採取面に接触し、指紋面は、平らではない。指紋識別は、アトマイズデバイスをアクティブ化するために使用され、LEDインジケータ光が、指紋識別デバイスの状態を提供する。
【0006】
そのような喫煙デバイスは、屋外で使用可能であるだけでなく、わずかに屋内でも使用可能であることが多い。多くの場合、一定のユーザは、バッテリ状態をチェックすること、デバイスをアクティブ化若しくは非アクティブ化すること、又はその加熱温度を制御することなど、より微妙で目立たないやり方で喫煙デバイスを使用することを好む。
【0007】
現在、市場で入手可能なデバイスは、この特化された、しかし増加しているニーズに着目していない。
【0008】
したがって、改善された喫煙デバイス及びそのような喫煙デバイスを使用するための改善された方法を提供することが、本発明の目的である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、本明細書に示される本発明を通して、上記で提起された問題に対する解決策を発見した。
【0010】
第1の態様では、本発明は、触覚運動を通して発生する振動によって動作可能な喫煙デバイスであって、ケーシングであって、ケーシングの少なくとも1つの側面に、例えば山及び溝を有する、起伏のある表面形状が設けられ、前記起伏のある表面形状上の触覚運動によって振動信号及び/又は音声信号が生じる、ケーシングと、振動信号に基づいて喫煙デバイスをアクティブ化又は非アクティブ化するように構成される、電子システムと、を含む、喫煙デバイスに関する。
【0011】
第2の態様では、本発明は、請求項1に記載の喫煙デバイスを動作させる方法であって、(a)喫煙デバイスのケーシングの起伏のある表面上の触覚運動を通して振動を発生させるステップと、(b)信号調整又は処理デバイスを通して振動信号を電気信号に変換するステップと、(c)喫煙デバイスの出力デバイス及び/又は機能をアクティブ化又は非アクティブ化するステップと、を含む、方法に関する。
【0012】
本発明による喫煙デバイスは、ユーザが、より簡易的且つより微妙な(目立たない)やり方でデバイスを制御することを可能にするだけでなく、一定のユーザは、振動、例えば、触覚運動によって発生する機械振動及び振動の波として存在する音を通してデバイスを制御することが楽しいと感じることがあるため、それによって娯楽的要素も増大する。さらに、デバイスのそのような動作モードは、直観的且つ簡単である。
【0013】
いくつかの実施形態によれば、電子システムは、1つ又は複数の入力/出力デバイスと、喫煙デバイスの起伏のある表面形状上の触覚運動から発生した振動信号を、電子システムに供給されて振動信号に基づいて対応する出力デバイスをアクティブ化又は非アクティブ化する電気信号に変換するための、信号調整又は処理デバイスと、を含む。
【0014】
いくつかの実施形態によれば、信号調整又は処理デバイスは、トランスデューサである。トランスデューサは、磁石及びコイルから構成されてもよく、機械振動(若しくはガタガタ音)を検出するための圧電性結晶などの形態で提供され、又は音波を検出するためのマイクロフォンの形態で提供され、又は他の形態で提供されてもよい。
【0015】
他の実施形態によれば、入力デバイスは、1つ又は複数のセンサを含み、センサは、圧電センサ、アクセラレータ、MEMS、又はマイクロフォンを含む。これらの構成要素は、入力信号(機械振動又は音など)を電気信号に変換することが可能である。
【0016】
いくつかの好適な実施形態では、振動信号は、機械振動又は音波から生成される。
【0017】
他の実施形態によれば、入力デバイスは、トランスデューサを含む。
【0018】
さらにいくつかの実施形態では、起伏のある表面形状は、異なる振動信号を生成するために、少なくとも2つ、3つ、4つ、又は5つ、6つ又はそれ以上の、異なる起伏のある表面形状を形成する、山及び溝を含む。
【0019】
いくつかの好適な実施形態では、出力デバイスは、1つ若しくは複数のLEDライト、圧電式電気点火器、オン/オフボタン、温度コントロール、スピーカ、及び/又は電源状態を含む。
【0020】
いくつかの好適な実施形態では、起伏のある表面形状の山と溝との間の高低差は、0.5mm~10mmの間、又は好ましくは1mm~7mmの間、又は好ましくは2mm~5mmの間、又はより好ましくは約4mmである。
【0021】
いくつかの好適な実施形態では、起伏のある表面形状の1つの山と別の山との間の距離は、0.5mm~8mmの間、又は好ましくは1mm~6mmの間、又は好ましくは1.5mm~5mmの間、又はより好ましくは約3mmである。
【0022】
いくつかの好適な実施形態では、起伏のある表面形状の1つの溝と別の溝との間の距離は、0.5mm~6mmの間、又は好ましくは1mm~5mmの間、又は好ましくは2mm~4mmの間、又はより好ましくは約3mmである。
【0023】
いくつかの好適な実施形態では、起伏のある表面形状は、ケーシングの1つ又は2つの側面上に配置された、複数のボタン、シート、棒、直方体、円形、三角形、台形、及び/又は任意の3Dオブジェクトで作られている。
【0024】
所与の数値に関する「約」又は「およそ」は、指定値の10%以内の数値を含むことを意味する。本開示において与えられる全ての値は、文脈からそうでないことが明らかでない限り、「約」という語によって補完されると理解されるべきである。
【0025】
不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数を除外せず、したがって広い意味で扱うべきである。
【0026】
特に定義しない限り、本明細書で用いられる技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
【0027】
タバコ含有基材は、人工的に含まれるか又はタバコ中に自然に含有される、タバコの構成物質、例えばタバコ、タバコ粒子、タバコフレーバー及び/又はニコチンを含有及び/又は保持する任意の化合物、混合物、粒子物質、材料及び/又は溶液であり得る。本発明による液体物質は、タバコ含有基材を含み得る。
【0028】
本明細書で用いられる「喫煙デバイス」という用語は、蒸気及び/又はエアロゾルを形成し得る揮発性化合物を放出するために、燃焼ではなく加熱されることを意図した蒸気及び/又はエアロゾルを作り出すためのデバイスを指す。
【0029】
本明細書で用いられる「ケーシング」という用語は、喫煙デバイスの様々な部品を収容するケースを意味し、例えば、「シェル」、「ハウジング」などと呼ばれることがある。
【0030】
本明細書で用いられる「蒸気」という用語は、加熱すると、蒸気及び/又はエアロゾルを形成し得る揮発性化合物を放出することが可能な材料を指す。本明細書に記載される液体物質から発生する蒸気は、可視又は不可視であってもよく、エアロゾル(例えば、室温で通常液体又は固体である気体状態の物質の微粒子)並びに気体及び凝縮した蒸気の液滴を含んでもよい。
【0031】
本発明において言及される、電子タバコ(eシガレット)又は電子パイプ若しくは非燃焼加熱式デバイスのような類似のデバイスは、特に限定されず、吸入するためのエアロゾルをユーザに提供するために使用され得る。それは、ある実施形態によれば、マウスピース、ヒータ、受け部、例えばポッド、スティック、カプセル、及びケーシングを含み得る。
【0032】
本明細書で使用される、本明細書に記載される振動という用語は、ユーザによって開始される喫煙デバイスの起伏のある表面形状上の触覚運動によって発生する振動を指し、それは、機械振動だけでなく、起伏のある表面形状の機械振動の結果としての振動の波の音を含む。機械振動信号は、圧電部品によって拾われてもよく、音は、例えばマイクロフォンによって拾われてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の実施形態による、喫煙デバイスの概略正面図及び背面図を示す。
図2】デバイスが触覚運動を通して動作可能であり得る喫煙デバイスの概略側面図を示す。
図3A】本発明の異なる実施形態による、起伏のある表面形状の概略斜視図を示す。
図3B】本発明の異なる実施形態による、起伏のある表面形状の概略斜視図を示す。
図3C】本発明の異なる実施形態による、起伏のある表面形状の概略斜視図を示す。
図4】本発明の実施形態による、喫煙デバイスの動作モードのブロック図の実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
好適な実施形態の以下の説明は、本質的には単なる例示であり、発明、その適用又は使用の範囲を限定することを意図するものでは決してない。
【0035】
図1Aは、本発明の第1の実施形態による喫煙デバイス100の例示を示している。喫煙デバイス100は、手のひらサイズで、喫煙物品130が中に挿入されて加熱され得る、長手方向のチャネルを有し得る。喫煙デバイス100は、細長い平坦なデバイスであってもよく、又はペン状の形状を有していてもよい。喫煙デバイス100のケーシング10は、少なくとも200℃の高温に耐え得る金属又はプラスチック材料を含む金属で作られ得る。
【0036】
本発明による加熱式デバイス100は、ヒータを含み、ヒータは、ケーシングの長手方向の中央領域に配置され得る。喫煙デバイスのケーシングの全体形状は、また、円筒形状(棒状形状)であってもよい。
【0037】
本発明による喫煙物品100は、ボタンなどによる従来の方法によって動作可能であるだけでなく、触覚運動を通して発生した振動によっても動作可能である。喫煙デバイス100のケーシング10上には、一連の山及び溝が設けられている。例えば、ケーシングの少なくとも1つの側面、又はより多くの側面(例えば、正面及び背面)に、山及び溝(又は凸凹パターン)を有する起伏のある表面形状20が設けられ得る。それにより、凸凹パターンが形成された前記起伏のある表面形状20(又は凸凹パターン配置部分)上の触覚運動によって、振動信号が生成され得る。凸凹パターンは、一連の山及び溝から構成され、平らでない表面を作り出す。
【0038】
凸凹パターンは、ケーシング10の外周面上に整列された複数の突起を含んでもよい。さらに、本発明による加熱式喫煙デバイス100では、凸凹パターンが設けられていない滑らかな表面(凸凹パターンが配置されていない)部分が、長手方向のケーシングのマウスピース開口端から、並びに喫煙デバイス100の側面及び背面上などの、所定の部分の上に形成されてもよい。
【0039】
起伏のある表面形状又は凸凹パターンにおける突起のそれぞれの高さ寸法は、突起の幅寸法よりも大きくてもよいことが、本明細書において開示される。これによって、より良い振動が作り出されることが可能となる。
【0040】
さらに、凸凹パターンの突起のそれぞれが、頂部に向かってテーパー形状を有していてもよい。これによって、表面上でのより滑らかな触覚運動が可能となる。
【0041】
追加的に、本発明による加熱式喫煙デバイス100は、凸凹パターンの突起のそれぞれの頂部の上に断熱材料が設けられてもよい。
【0042】
実施例として、バッテリ、電子制御ユニット、吸引検知センサなどが、本体部のケーシング10内に収容されてもよい。さらに、LEDが、本体部の一端に設けられてもよい。バッテリは、例えば、リチウムイオン二次電池などの充電式電池であってもよい。
【0043】
本発明による喫煙デバイス100は、1つ又は複数の入力/出力デバイスと、喫煙デバイス100の起伏のある表面形状20上の触覚運動から発生した振動信号を、電子システム30に供給されて振動信号に基づいて対応する出力デバイスをアクティブ化又は非アクティブ化する電気信号に変換するための、信号調整又は処理デバイス40と、を含む、電子システム30を含む。
【0044】
例えば、電子システム30は、喫煙デバイス100全体を制御するコンピュータを含んでもよい。さらに、電子システム30は、例えば、プロセッサ、メモリなどが搭載された回路基板を有するマイクロプロセッサも含んでもよい。加えて、本発明による喫煙デバイス100は、信号調整又は処理デバイス40を含み、信号調整又は処理デバイス40は、トランスデューサである。ケーシングの起伏のある表面形状上での触覚運動から変換された電気信号を通して(以下で説明される)喫煙デバイス100の機能が実行され得るように、簡易プログラム又はソフトウェアが喫煙デバイス100に提供されることが可能である。
【0045】
本質的には、トランスデューサは、エネルギーを1つの形態から別の形態へ変換する電子デバイスである。トランスデューサは、例えば、入力トランスデューサ及び/又は出力トランスデューサとして異なる形態で提供されてもよい。入力トランスデューサは、センサであってもよく、出力トランスデューサは、アクチュエータであってもよい。一方では、入力トランスデューサ、即ちセンサは、ある形態の物理的エネルギーを取得し、それを読み取り可能な信号に変換する。例えば、マイクロフォンは、物理的な音波を取得し、それを電気信号に変え、電気信号は、電線を通して増幅器に転送され得る。別の実施例は、一種の入力トランスデューサでもある圧力トランスデューサである。圧力トランスデューサは、物理的な力を、測定及び理解可能な数又は読み取り値に変換する。他方では、出力トランスデューサ、即ちアクチュエータは、入力トランスデューサの逆を行う。それは、電気信号を取得し、それを別の形態のエネルギーに変換する。例えば、ランプは、電流を光に変換し、モータは、電流を運動に変換する。
【0046】
図2は、ユーザが喫煙デバイス100のケーシングの起伏のある表面形状20に接触し、その上で指を動かすときの実施例を示している。触覚運動によって振動が発生し、次いでそれが信号調整又は処理デバイス40によって検出され得る。この場合、信号調整又は処理デバイス40は、喫煙デバイス100の起伏のある表面形状20上の触覚運動から発生した振動信号を、電子システム30に供給されて振動信号に基づいて対応する出力デバイスをアクティブ化又は非アクティブ化する電気信号に変換可能な、トランスデューサ40である。
【0047】
この目的のために、振動信号は、音波振動の形態でもあってもよく、その場合、トランスデューサは、同様に音波振動を電気信号に変換可能であることが開示される。実施例は、マイクロフォンである。
【0048】
図3Aは、本実施形態の一実施形態による喫煙デバイス100の起伏のある表面形状20の実施例を示し、複数の突起25が、ケーシング10の表面上に一定の間隔で規則的に整列されているが、本発明はこれによって限定されない。例えば、ケーシング10の表面上に整列された複数の突起25の間の間隔は、一定でなくてもよい。図3Aに示される突起25は、形状の表面が増加するため、台形に似ていてもよい。しかしながら、突起25は、また、ピラミッド形態で設けられてもよい。このようなピラミッド形態の突起は、より高いピッチ振動を作り出すのに適している場合があり、それによって、台形形態突起と比較して別個のシグネチャとして記録され得る。
【0049】
図3Bは、1D非対称性を有する起伏のある表面形状の実施例を示し、デバイスの表面上の起伏の要素が、一方向に沿って非対称、例えば、鋸歯形状である。
【0050】
図3Cは、2D非対称性を有する起伏のある表面形状の別の実施例を示し、デバイスの表面上の起伏の要素が、二方向に沿って非対称である。言い換えると、X方向及びY方向に沿って起伏の構造の断面を切断すると、図3C(中央部及び下部)に見られ得るように、表面の異なる幾何学形状が得られ得る。これらの実施形態は、ユーザの指によるストロークの方向に依存して、異なる音が発生することを可能にする利点を有する。
【0051】
他の実施形態によれば、喫煙デバイス100の正面及び背面(又は任意の2つの反対側の面)の両方に、複数の山及び溝を有する起伏のある表面形状20が設けられてもよい。好ましくは、異なる突起形態及び配置が異なる面に設けられ、それによって、触覚運動により異なる振動シグネチャが生成され、異なる電気信号に変換され得る。次いで、これらの異なる電気信号が、後述する異なる出力アプリケーションを制御するために使用され得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、起伏のある表面形状20の中央領域の突起25間の間隔が、起伏のある表面形状20の周辺領域の突起25間の間隔よりも小さく設定される。その結果、周辺領域よりも中央領域により密集して突起25を配置することが可能である。したがって、突起25の配置密度は、中央領域に向かって次第に高くなるため、これによって、もう1つの別個の信号振動が触覚運動を通して生成されることが可能となる。
【0053】
本発明の要旨によれば、以下で説明する喫煙デバイス100の異なる機能を動作させるために、振動又は音声信号から変換された複数の特徴的な電気シグネチャが、喫煙デバイス100によって認識可能であり得る。
【0054】
ここで、図4を参照すると、図4は、本発明による喫煙デバイス100の動作モードの実施例を示している。方法は、喫煙デバイス100によって少なくとも一部実行され得る。追加的に、又は代替として、少なくともいくつかのステップが、喫煙デバイス100に動作可能に接続された別のデバイスによって一部実行され得る。当然ながら、本発明による喫煙デバイス100は、それ自体で動作し得る。図4に示される方法は、単なる実施例であること、並びに方法は、図4に示されるものよりも追加のステップ及び/又は少ないステップで実行可能であることを理解されたい。
【0055】
喫煙デバイス100がオンにされると、システムは、リスニングモード221に入って着信信号を連続的に分析する。例えば、(音波又は機械振動を電気信号に変換する)トランスデューサからである。ユーザが喫煙デバイス100のある機能をアクティブ化若しくは非アクティブ化したい、又は動作させたいときにステップ222が実行され、ステップ222において、ユーザは、ユーザが行いたいアクションに応じて、音又は機械振動を対応して生成するように、山及び溝を有する起伏のある表面形状20上で1つ又は複数の指をスライドし、タッチし、ドラッグし、移動する。ユーザは、ユーザガイドからそれぞれの指の動きを学習してもよく、その場合に、単一の指又は複数の指が、例えば機械振動を発生させるために使用されてもよい。代替として、以下のような動作原理も考えられ得る。運動センサ又は容量センサが、デバイスがユーザの手に取られていると判断するまで、デバイスはスリープモードである。これが起こると、マイクロコントローラはオンに切り替わり、その後音波及び/又は機械振動が分析される。このシナリオでは、それによって、標準マイクロコントローラが、「リスニング」に関与する回路のみが動作することを可能にするスリープモードのままとなることが許可される。
【0056】
機械振動が発生し、振動信号が、信号調整又は処理デバイス40、この場合はトランスデューサによって検出されると、トランスデューサは、着信信号(音及び/又は振動)を電気信号に変換する(ステップ223)。分類アルゴリズムは、次いで、時系列パターンに従って信号を分析し、それを喫煙デバイス100のメモリ内に記憶された既知のパターン(ステップ224)と照合しようとする。入力シグネチャ(信号)が既知のパターンと合致する場合(ステップ225)、対応するコマンドが実行されて、タスクを実行する(ステップ226)。入力シグネチャ(信号)が認識できない場合(225)、(喫煙デバイス100の)システムは、ステップ221に戻り、ステップ221において、喫煙デバイス100は、レディモード、即ちリスニングモードに入り、信号が記憶されたパターンと合致するまで、任意の着信音又は振動信号を検出する準備をし、それによってユーザの所望の機能が実行される。
【0057】
喫煙デバイス100は、その上に命令が記憶されたメモリを含み、又はそのメモリにアクセスするように構成される、1つ又は複数の処理ユニットを有するコントローラを含み得る。命令又はコンピュータプログラムは、喫煙デバイス100に関して説明される動作又は機能の1つ又は複数を実行するように構成され得る。コントローラは、データ又は命令を処理、受信、又は送信することが可能な任意の電子デバイスとして実施され得る。例えば、コントローラは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、中央処理装置(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又はそのようなデバイスの組み合わせのうちの1つ又は複数を含んでもよい。本明細書に記載される「プロセッサ」という用語は、単一プロセッサ若しくは処理ユニット、複数のプロセッサ、複数の処理ユニット、又は他の適当に構成された1つ若しくは複数のコンピューティング要素を包含することを意味する。
【0058】
ユーザは、ユーザのプリファレンスに応じて個々のシグネチャ入力を生成することが可能であってもよい。例えば、第1の種類の電気信号は、喫煙デバイス100をオン又はオフにするために使用されてもよく、第2の種類の電気信号は、デバイス100の電源状態をチェックするために使用されてもよく、第3の種類の電気信号は、喫煙物品に火をつけるために使用されてもよく、第4の種類の電気信号は、加熱温度を上昇させるために使用されてもよく、第5の種類の電気信号は、加熱温度を低下させるために使用されてもよく、第6の種類の電気信号は、ディスプレイをオンにするために使用されてもよい、などである。
【0059】
この目的のために、起伏のある表面形状20を通して発生した機械振動が、圧電センサ又は微小電気機械システム(MEMS)などの当技術分野において既知のセンサを使用して測定可能であり、音がマイクロフォンを使用して測定可能であることが開示される。トランスデューサは、圧電トランスデューサであってもよい。これは、例えば、触覚運動から発生した機械振動などの、ソースからの音波エネルギーを取り込むこと、及びエネルギートランスデューサとして機能する圧電気を使用して信号を変換することによって、達成され得る。次いで、インターフェース回路は、出力電力を増加させて、アプリケーションを終了するのに役立つために使用され得る。これは、圧電トランスデューサにおいて生成された信号の状態がローであり得ることに起因して役立ち得る。
【0060】
トランスデューサは、何らかの形態のエネルギーを、電子回路によって処理され得る電気信号に変換するデバイスである。本発明において、ユーザが、デバイスのケーシングの起伏のある表面形状20をスライドすると、このアクションは、デバイス本体を通して、且つ音を発生させる周囲の空気中に伝播する機械振動を発生させるため、特徴的なシグネチャが生成される。したがって、ユーザの入力を取り込むために、機械振動が、例えば、圧電センサ若しくはMEMS(微小電気機械システム)を用いて測定され、又はマイクロフォンを使用して音を測定し得る。
【0061】
喫煙デバイス100は、バッテリを含んでもよく、バッテリは、喫煙デバイス100の構成要素に充電及び/又は電力供給し得る。バッテリは、ポータブル電子デバイスなどの喫煙デバイス100に接続された構成要素にも充電及び/又は電力供給し得る。バッテリは、充電式であってもよい。
【0062】
喫煙デバイス100は、喫煙デバイス100によって使用され得る電子データを記憶するためのメモリを備えてもよい。例えば、メモリは、例えば音声ファイル又は電気的に変換された信号又は文書及びアプリケーション、デバイス設定及びユーザプリファレンス、様々なモジュールのためのタイミング及び制御信号又はデータ、データ構造又はデータベースなどの、電気データ又はコンテンツを記憶し得る。メモリは、任意の種類のメモリとして構成され得る。単なる実施例として、メモリは、ランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリ、フラッシュメモリ、リムーバブルメモリ、若しくは他の種類の記憶要素、又はそのようなデバイスの組み合わせとして実施されてもよい。
【0063】
喫煙デバイス100は、ユーザに対して視覚情報を表示するためのディスプレイをさらに含み得る。ディスプレイは、視覚的(例えば、簡易画像又はビデオ)出力を提供し得る。ディスプレイは、不透明、透明、及び/又は半透明ディスプレイであってもよく、又はそれらを含んでもよい。ディスプレイは、画像を表す光がユーザの眼に向けられる透明又は半透明媒体を有してもよい。ディスプレイは、デジタル光投影、OLED、LED、uLED、液晶オンシリコン、レーザ走査光源、又はこれらの技術の任意の組み合わせを利用し得る。
【0064】
ディスプレイは、簡易ディスプレイではなく、光導波路、ホログラム媒体、光コンバイナ、光リフレクタ、又はそれらの任意の組み合わせなどの、より高度なディスプレイ媒体であってもよい。いくつかの実施態様では、透明又は半透明ディスプレイは、選択的に不透明になるように構成されてもよい。喫煙デバイス100は、クローズアップビューイングのためにディスプレイによって表示されている画像ベースコンテンツを光学的に調節し、正確に投影することを助けるように構成された光学サブアセンブリを含み得る。光学サブアセンブリは、1つ又は複数のレンズ、ミラー、又は他の光学デバイスを含み得る。
【0065】
繰り返し開示されるように、喫煙デバイス100は、本明細書に記載される1つ又は複数のマイクロフォンを含み得る。マイクロフォンは、本明細書にさらに記載される、音レベルの検出及びさらなる処理のための検出の通信のためにプロセッサに動作可能に接続され得る。
【0066】
さらに、喫煙デバイス100は、スピーカを含んでもよい。スピーカは、本明細書にさらに記載されるように、音レベルを含むスピーカ出力の制御のためにプロセッサに動作可能に接続されてもよい。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
【国際調査報告】