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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】窒化アルミニウム組立体
(51)【国際特許分類】
   C04B 37/00 20060101AFI20240927BHJP
   C04B 35/581 20060101ALI20240927BHJP
   C03C 3/062 20060101ALI20240927BHJP
   C03C 10/04 20060101ALI20240927BHJP
   C03C 8/14 20060101ALI20240927BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
C04B37/00 A
C04B35/581
C03C3/062
C03C10/04
C03C8/14
H01L21/68 R
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519673
(86)(22)【出願日】2022-09-20
(85)【翻訳文提出日】2024-03-29
(86)【国際出願番号】 US2022044069
(87)【国際公開番号】W WO2023055605
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】63/251,145
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】2116818.2
(32)【優先日】2021-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506139473
【氏名又は名称】モーガン・アドヴァンスド・セラミックス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MORGAN ADVANCED CERAMICS, INC.
【住所又は居所原語表記】2425 Whipple Road, Hayward, CA 94544, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】リー、チェンツィン
(72)【発明者】
【氏名】カルロニ、デイヴィッド
【テーマコード(参考)】
4G026
4G062
5F131
【Fターム(参考)】
4G026BA16
4G026BB16
4G026BF02
4G026BF04
4G026BF06
4G026BF44
4G026BG02
4G026BH06
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4G062NN34
4G062QQ06
5F131AA02
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5F131BA23
5F131CA08
5F131DA33
5F131DA42
5F131EB11
5F131EB18
5F131EB78
5F131EB79
5F131EB81
(57)【要約】
本発明は、第1の窒化アルミニウム(AlN)構成要素及び第2の窒化アルミニウム構成要素を備える半導体処理装置の組立体であって、第1及び第2の窒化アルミニウム構成要素が、接合部によって接続され、上記接合部が、Y-Al-SiO(YAS)ガラスと、結晶性アルミノシリケート及び窒化アルミニウムのうちの少なくとも一方と、を含む、複合ガラス-セラミックを含む、組立体に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の窒化アルミニウム(AlN)構成要素及び第2の窒化アルミニウム構成要素を備える半導体処理装置の組立体であって、前記第1及び第2の窒化アルミニウム構成要素が、接合部によって接続され、前記接合部が、
(a)Y-Al-SiO(YAS)ガラスと、
(b)結晶性アルミノシリケート及び窒化アルミニウムのうちの少なくとも1つと、を含む複合ガラス-セラミックを含む、組立体。
【請求項2】
前記Y-Al-SiO(YAS)ガラス、前記結晶性アルミノシリケート、及び前記窒化アルミニウムを含む、請求項1に記載の組立体。
【請求項3】
前記結晶性アルミノシリケート及び/又は前記窒化アルミニウムのうちの前記少なくとも1つが、前記YASガラスによって包含される、請求項1に記載の組立体。
【請求項4】
前記接合部が、
50~100重量%のY-Al-SiO(YAS)ガラス、及び
0超~30重量%の結晶性アルミノシリケート、及び/又は0超~50重量%の窒化アルミニウムを含む、請求項1に記載の組立体。
【請求項5】
前記YASガラスが、
20~70重量%のY
10~50重量%のAl、及び
1~50重量%のSiOを含み、
+Al+SiOの合計が、少なくとも95重量%である、請求項1~3のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項6】
前記YASガラスが、周辺領域及びコア領域を含み、前記周辺領域が、前記第1及び/又は第2の窒化アルミニウム構成要素の少なくとも一部分と界面接触し、前記コア領域が、前記接合部の少なくとも中央領域に位置する、請求項1~5のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項7】
前記周辺領域が、前記コア領域の前記YASガラスよりも多いアルミナ含有量を有するYASガラス組成物を含む、請求項6に記載の組立体。
【請求項8】
前記周辺領域の前記YASガラス組成物が、
45~70重量%のY
20~50重量%のAl、及び
1~20重量%のSiOを含み、
前記Y+Al+SiOの合計が、少なくとも95重量%である、請求項6又は7に記載の組立体。
【請求項9】
前記コア領域の前記YASガラス組成物が、
30~55重量%のY
10~30重量%のAl、及び
15~50重量%のSiOを含み、
前記Y+Al+SiOの合計が、少なくとも95重量%である、請求項6~8のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項10】
前記接合部が、0超~50重量%のAlNを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項11】
前記接合部が、5~30重量%のAlNを含む、請求項10に記載の組立体。
【請求項12】
前記接合部が、5~30重量%の結晶性アルミノシリケートを含む、請求項10又は11に記載の組立体。
【請求項13】
前記第1及び/又は前記第2のAlN構成要素が、Yリッチ相を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項14】
前記結晶性アルミノシリケートが、存在する場合、ムライトを含むか、又はムライトからなる、請求項1~13のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項15】
前記接合部が、1:1:1の重量比でY+Al+SiOを含むペーストから調製され、前記接合部が、前記結晶性アルミノシリケートを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項16】
前記接合部の厚さが、150μm以下である、請求項1~15のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項17】
ASTM F19に従って決定された1×10-7mbar-l/sec以下のHe漏れ率を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項18】
前記第1のAlN構成要素が、静電チャックであり、前記第2のAlN構成要素が、台座シャフトである、請求項1~17のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項19】
第1の窒化アルミニウム(AlN)構成要素及び第2の窒化アルミニウム構成要素を備える半導体処理装置の組立体であって、前記第1及び第2の窒化アルミニウム構成要素が、接合部によって接続され、前記接合部が、
20~70重量%のY
10~50重量%のAl、及び
1~50重量%のSiOを含む、Y-Al-SiO(YAS)ガラス相を含む複合ガラス-セラミックを含み、
+Al+SiOの合計が、少なくとも95重量%である、組立体。
【請求項20】
前記第1及び/又は前記第2のAlN構成要素が、0超~7重量%の範囲でYを含む、請求項19に記載の組立体。
【請求項21】
前記第1及び/又は前記第2のAlN構成要素が、少なくとも1重量%のYを含む、請求項19に記載の組立体。
【請求項22】
前記YASガラスが、周辺領域及びコア領域を含み、前記周辺領域が、前記第1及び/又は第2の窒化アルミニウム構成要素の少なくとも一部分と界面接触し、前記コア領域が、前記接合部の少なくとも中央領域に位置する、請求項19~21のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項23】
前記周辺領域が、前記コア領域の前記YASガラスよりも多いアルミナ含有量を有するYASガラス組成物を含む、請求項22に記載の組立体。
【請求項24】
前記周辺領域の前記YASガラス組成物が、
45~70重量%のY
20~50重量%のAl、及び
1~20重量%のSiOを含む、請求項22又は23に記載の組立体。
【請求項25】
前記コア領域の前記YASガラス組成物が、
30~55重量%のY
10~30重量%のAl、及び
15~50重量%のSiOを含む、請求項22~24のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項26】
請求項1~25のいずれか一項に記載の半導体処理装置の組立体の形成のためのプロセスであって、
(A)溶媒と前記複合ガラスセラミック又はその前駆体とを含むペーストを、前記第1のAlN及び/又は第2のAlN構成要素の表面に塗布すること、
(B)前記第1及び第2のAlN構成要素の前記表面を一緒に接合して、グリーン組立体を形成すること、
(C)ASTM F19に従って決定された1×10-5mbar-l/sec以下のHe漏れ率を含む前記組立体を形成するのに十分な時間、前記第1及び第2のAlN構成要素の焼結温度未満で前記グリーン組立体を焼成することを含む、プロセス。
【請求項27】
前記グリーン組立体が、少なくとも15分間、1400~1600℃の範囲の温度で焼成される、請求項26に記載のプロセス。
【請求項28】
前記グリーン組立体が、1500℃以下の温度で焼成される、請求項26に記載のプロセス。
【請求項29】
前記グリーン組立体が、前記接合部内にムライト相を形成するのに十分な時間焼成される、請求項26~28のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項30】
前記グリーン組立体が、100Pa及び1000Paの範囲の負荷下で維持される、請求項26~29のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項31】
前記グリーン組立体が、非酸化性雰囲気下で焼成される、請求項26~30のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項32】
請求項1~25のいずれか一項に記載の組立体を半導体処理チャンバ内に位置付け、前記組立体をハロゲンガス含有雰囲気に曝露することを含む、半導体を製造するプロセス。
【請求項33】
請求項1~25のいずれか一項に記載の組立体を形成する際に使用するためのペーストであって、無溶媒基準で、
10~60重量%のY
5~40重量%のAl
10~60重量%のSiO、及び
0~30重量%のAlNを含む組成を有する複合ガラス-セラミック又はその前駆体を含み、
前記Y+Al+SiO+AlNの合計が、少なくとも95重量%である、ペースト。
【請求項34】
20~40重量%のY
20~40重量%のAl
20~40重量%のSiO、及び
1~20重量%のAlNを含む、請求項33に記載のペースト。
【請求項35】
1:1:1の重量比でY+Al+SiOを含む、請求項33に記載のペースト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、静電チャック及びヒータなどの半導体処理機器で使用するための、ガラスセラミック接合部を含む窒化アルミニウム組立体に関する。特に、本発明は、静電チャック又はヒータへの台座の接合に関する。
【背景技術】
【0002】
エッチング、化学蒸着、及びイオン注入などの半導体処理技術は、典型的には、密封されたチャンバ環境において、フッ素及び塩素などの腐食性ガスへの処理機器の曝露を必要とする。そのようなプロセスでは、静電チャックを使用して、チャンバ内の半導体ウェハを保持及び支持することができる。チャンバガスは、静電チャックの埋め込まれた電極に電力を供給する露出した金属リードを腐食させる。静電チャック/ヒータに接合された円筒形シャフトからなる台座は、静電チャック及び半導体ウェハを処理チャンバから安全に取り外して輸送するために利用され、同時に処理中に金属リードを収容し、腐食から保護することができる。
【0003】
構成要素サブアセンブリの特性及び性能を保ちながら、半導体処理チャンバで使用するのに十分である様式で、そのような台座を静電チャック/ヒータに接合することは、難易度が高い偉業である。例えば、US2013/0319762は、高温での共焼成を介して窒化アルミニウムセラミックを直接結合するために接合部界面に塗布された、希土類酸化物遷移的液相焼結添加剤を含有するスラリーの使用を開示している。この技術は、モノリシック部品の接合部に似た高気密の接合部を生み出すが、セラミックを共焼成するときに幾何学的な平坦性の維持を達成することは難しい。
【0004】
別の例では、WO2009/010427は、AlN、Al、及びYで構成された薄い複合層の使用を開示しており、この薄い複合層は、高温及び高圧で熱間プレスされて、事前焼結されたセラミックを接合する。以前に焼結されたセラミックを高温及び高圧に再焼成すると、既存の微細構造、寸法、及び特性が損なわれる場合があり、これは、静電チャックなどの精密に設計されたデバイスにとって不利である。
【0005】
追加的に、US6261708は、2ステップかつ高圧で比較的低温の焼成プロファイルを通してAlNセラミックを接合するための、CaO-Y-Alフラックス及びAlN凝集体を含有するペーストの製作を開示している。この手法は、良好な接合部特性を維持しながら、前出の例よりもわずかに低いプロセス温度を利用するが、接合ペーストの調製、並びにその後の長い焼成プロファイル及び高圧における広範な処理ステップの使用は、全体的な製造プロセスにかなりの追加的コストを招き、潜在的には、ベース材料の特性及び性能を妨げる場合がある。更に、窒化アルミニウムの熱膨張係数と一致しないか、又は焼結された窒化アルミニウムセラミックの粒界を濡らす場合がある異種材料の使用は、使用中に不十分な結合性能をもたらし得る。
【0006】
したがって、前述の制限のうちの少なくともいくつかを改良する窒化アルミニウム組立体が必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
本開示の第1の態様では、第1の窒化アルミニウム(AlN)構成要素及び第2の窒化アルミニウム構成要素を備える半導体処理装置の、又はそのような半導体処理装置のための組立体であって、第1及び第2の窒化アルミニウム構成要素が、接合部によって接続され、上記接合部が、
a)Y-Al-SiO(YAS)ガラスと、
b)結晶性アルミノシリケート及び窒化アルミニウムのうちの少なくとも一方又は両方と、を含む複合材料を含む、組立体が提供される。
【0008】
a)+b)の合計は、好ましくは、接合部の総質量の少なくとも80重量%、又は少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%、又は少なくとも99重量%である。
【0009】
接合部材料は、少なくとも3つの個別の相:接合部にわたる流動及びAlNセラミック本体との液相拡散結合を可能にするYASガラス、強度及び破壊靭性を改善するインサイチュ結晶性アルミノシリケート相(例えば、ムライト)、並びにガラスのオーバーフローを制限し、接合部にわたる熱膨張係数の差を低減し、それによって接合部の耐熱衝撃性を強化するAlN充填材粒子を含み得る。
【0010】
本発明の複合ガラス-セラミック接合材料は、窒化アルミニウムセラミック間に、高密度、強力、かつ高気密の接合部を形成することが見出された。更に、本発明で使用される接合する方法は、接合方法の低温及び低圧要件に起因して、窒化アルミニウムベース材料の特性を著しく変化させるものであってはならない。
【0011】
結晶性アルミノシリケート及び/又は窒化アルミニウムは、存在する場合、好ましくは、YASガラス内に包含される。結晶性アルミノシリケート及び任意選択的なAlN粒子は、YASガラスマトリックス内に分散され得る。
【0012】
接合部は、
50~100重量%のY-Al-SiO(YAS)ガラス、
0若しくは0超~30重量%の結晶性アルミノシリケート、及び/又は
0若しくは0超~50重量%の窒化アルミニウムを含み得る。
【0013】
YASガラス中のY+Al+SiOの合計は、好ましくは、少なくとも95重量%の少なくとも90重量%、又は少なくとも98重量%、又は少なくとも99重量%、又は少なくとも99.5重量%である。純度が高いと、それが使用され得る半導体製造環境を汚染する可能性が低くなる。
【0014】
YASガラス+結晶性アルミノシリケート+AlNの合計は、好ましくは、接合部の少なくとも98重量%、又は少なくとも99重量%、又は少なくとも99.5重量%である。好ましくは、接合部は、1.0重量%未満、又は0.5重量%未満、又は0.3重量%未満、又は0.2重量%未満、又は0.1重量%未満の不可避不純物を含む。いくつかの実施形態では、接合部は、揮発性不純物(例えば、Cu及び/又はNa)を実質的に含まない(例えば、0.10未満又は0.05重量%未満)。
【0015】
接合部の密度は、好ましくは、0%の多孔率を有するセラミック材料の理論上の最大密度の97%超、より好ましくは98%超、更により好ましくは99%超である。代替的に、第1のセラミック層の空隙含有率は、好ましくは3%v/v未満、より好ましくは2%v/v未満、更により好ましくは1%v/v未満である。高い理論上の密度及び/又は低い空隙含有率により、接合部のガス漏れが少なくなる(良好な気密性)。
【0016】
YASガラスは、
20~70重量%のY
10~50重量%のAl、及び
1~50重量%のSiOを含み得る。
【0017】
本発明の第2の態様では、第1の窒化アルミニウム(AlN)構成要素及び第2の窒化アルミニウム構成要素を備える半導体処理装置の組立体であって、第1及び第2の窒化アルミニウム構成要素が、接合部によって接続され、上記接合部が、
20~70重量%のY
10~50重量%のAl、及び
1~50重量%のSiO、を含む、Y-Al-SiO(YAS)ガラス相を含む複合ガラス-セラミックを含み、
+Al+SiOの合計が、好ましくは、少なくとも95重量%である、組立体が提供される。
【0018】
いくつかの実施形態では、YASガラスは、周辺領域及びコア領域を含み、上記周辺領域が、第1及び/又は第2の窒化アルミニウム構成要素の少なくとも一部分と界面接触し、コア領域が、接合部の少なくとも中央領域に位置している。いくつかの実施形態では、コア領域は、第1及び第2の窒化アルミニウム構成要素の一部分間に及ぶ。第1及び/又は第2の窒化アルミニウム構成要素は、その形成に使用される焼結助剤に由来するガラス/非晶質相を含み得る。ガラス/非晶質相は、Yリッチ相であり得る(すなわち、Yは、主成分であるか、又は相の少なくとも30重量%を表す)。
【0019】
周辺領域は、コア領域のYASガラスよりも多いアルミナ含有量を有するYASガラス組成物を含み得る。周辺領域は、コア領域のYASガラスよりも多いY含有量を有するYASガラス組成物を含み得る。周辺領域のYASガラス組成物は、第1及び/又は第2のAlN構成要素中のYリッチ相よりも少ないY含有量を含み得る。AlN構成要素及び接合部にわたって漸増するY含有量は、より耐熱衝撃性のある接合部に寄与すると考えられる。コア領域に対する周辺領域の割合は、焼成時間及び/又は焼成温度を延長することを通して増加され得る。いくつかの実施形態では、周辺領域からコア領域までのYASガラスの割合は、1:20~1:1又は1:10~1:2の体積比である。
【0020】
接合部内の2つのガラス相の存在により、熱膨張係数がAlN構成要素から接合部のコアまで漸増し、それによって耐熱衝撃性を強化することが可能になる。
【0021】
いくつかの実施形態では、周辺領域のYASガラス組成物は、
45~70重量%又は55~65重量%のY
20~50重量%又は30~45重量%のAl、及び
1~20重量%、又は2~10重量%、又は3~7重量%のSiOを含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、コア領域のYASガラス組成物は、
30~55重量%のY
10~30重量%のAl、及び
15~50重量%のSiOを含む。
【0023】
コア及び/又は周辺領域内のガラス組成物中のY+Al+SiOの合計は、ガラスの総重量の少なくとも90重量%又は95重量%を含み得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、接合部は、0超~50重量%のAlN、又は2~30重量%のAlN、又は3~20重量%のAlN、又は4~10重量%のAlNを含む。AlNは、離散粒子として存在し得る。これらの粒子は、YASガラスによって包含され得る。AlN粒子径分布は、5μm未満、若しくは3μm未満、若しくは1μm未満、及び少なくとも100nm、若しくは少なくとも200nm、若しくは少なくとも500nm、若しくは少なくとも800nmの算術平均又はD50(重量基準で)を特徴とし得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、接合部は、0超~30重量%の結晶性アルミノシリケート、又は1~25重量%、若しくは2~24重量%、若しくは3~22重量%、若しくは5~20重量%の結晶性アルミノシリケートを含む。いくつかの実施形態では、結晶性アルミノシリケートは、ムライトを含むか、又はムライトからなる。平均結晶性アルミノシリケート粒子径は、20μm未満、又は15μm未満、又は10μm未満であり得る。結晶性アルミノシリケート粒子の最小サイズは、少なくとも1μm又は少なくとも3μmであり得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、接合部は、55~95重量%のYASガラス、又は60重量%~90重量%のYASガラス、又は65重量%~80重量%のYASガラス、又は70重量%~78重量%のYASガラスを含む。
【0027】
接合部厚さは、典型的には、150μm以下、又は100μm以下、又は50μm以下である。十分に堅牢な接合部については、少なくとも10μm、又は少なくとも20μm、又は少なくとも30μmの厚さが好ましい。
【0028】
いくつかの実施形態では、ASTM F19に従って決定された1×10-5mbar-l/sec以下、又は1×10-7mbar-l/sec以下の組立体He漏れ率。
【0029】
本開示の組立体は、様々な半導体処理装置に有利に適用され得る。いくつかの実施形態では、第1のAlN構成要素は静電チャックであり、第2のAlN構成要素は台座シャフトである。
【0030】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのAlN構成要素は、Yなどの焼結助剤を含む。AlN構成要素中のYの存在(例えば、0超~7重量%、又は0超~5重量%、又は少なくとも2重量%の少なくとも1重量%、又は少なくとも3重量%、又は少なくとも4重量%)は、接合部のYASガラス相の周辺領域において証明されるように、AlN構成要素中のY相がAlN構成要素から、かつ接合部中に延在することで、強力な接合部に寄与すると考えられる。接合部材料中のYは、AlN構成要素中のYリッチ粒子境界相に溶け込み、それによってYASガラス相の周辺領域を形成するため、AlN構成要素中の濡れを強化すると考えられる。
【0031】
本開示の第3の態様では、本開示の第1の態様の半導体処理装置の組立体の形成のためのプロセスであって、
A.溶媒及び複合ガラスセラミック又はその前駆体を含むペーストを、第1のAlN及び/又は第2のAlN構成要素の表面に塗布するステップと、
B.第1及び第2のAlN構成要素の表面を一緒に接合して、グリーン組立体を形成するステップと、
C.ASTM F19に従って決定された1×10-5mbar-l/sec以下のHe漏れ率を含む組立体を形成するのに十分な時間、第1及び第2のAlN構成要素の焼結温度未満でグリーン組立体を焼成するステップと、を含む、プロセスが提供される。
【0032】
焼成条件は、YASガラスコア領域に対するYASガラス周辺領域の割合を制御するように調整され得る。
【0033】
グリーン組立体は、1400~1600℃の範囲の温度で少なくとも15分間焼成され得る。明確にするために、「グリーン」組立体は、ペーストが未焼結であるか、又は焼成されていないことを指す。組立体中のAlN構成要素は、好ましくは、焼結されたAlN構成要素である。実際、グリーン組立体の時間、圧力、及び温度を含む焼成条件は、AlN構成要素の機能的特性又は微細構造が著しく影響を受けないようにすることが好ましい。いくつかの実施形態では、グリーン組立体は、1550℃以下の温度で焼成される。いくつかの実施形態では、グリーン組立体は、1500℃以下の温度で焼成される。いくつかの実施形態では、グリーン組立体は、非酸化性雰囲気(例えば、N又はH)下で焼成される。
【0034】
いくつかの実施形態では、表面又は第1及び/若しくは第2のAlN構成要素は、45μm以下の粗さ(R)値を有する。
【0035】
機械的な堅牢な接合部を可能にするために、グリーン組立体は、100Pa及び1000Pa、又は200Pa~800Pa、又は300Pa~600Paの範囲の負荷下で維持される。負荷が高いと、ペーストが接合部の外側に絞り出され、接合部厚さが薄くなりすぎる場合がある。負荷が低いと、ペーストがAlN構成要素と連続した結合を形成せず、不十分な気密性もたらす場合がある。
【0036】
本開示の第4の態様では、本開示の第1の態様で定義される組立体を半導体処理チャンバ内に位置付け、組立体をハロゲンガス含有雰囲気に曝露することを含む、半導体を製造するプロセスが提供される。ハロゲンガスは、塩素若しくはフッ素を含むか、又はそれらからなり得る。
【0037】
本開示の第5の態様では、本開示の第1の態様で定義される組立体を形成する際に使用するためのペーストであって、(無溶媒基準で)
10~60重量%のY
5~40重量%のAl
10~60重量%のSiO、及び
0~30重量%のAlNを含む組成を有する複合ガラス-セラミック又はその前駆体を含む、ペーストが提供される。
【0038】
いくつかの実施形態では、Y+Al+SiO+AlNの合計は、無溶媒基準で、ペーストの総重量の少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%、又は少なくとも98重量%、又は少なくとも99重量%である。いくつかの実施形態では、AlN含有量は、25重量%未満、又は18重量%未満の20重量%未満、又は12重量%未満である。ペースト中の過剰量のAlN粒子により、塗布温度で粘度が高すぎるペーストがもたらされ、それによって基材界面にわたって均一に分布して、高気密の接合を形成する際のペーストの有効性が損なわれる。
【0039】
いくつかの実施形態では、ペーストは、AlNの粒子を含む。いくつかの実施形態では、ペーストは、
20~40重量%のY
20~40重量%のAl
20~40重量%のSiO、及び
1~20重量%のAlNを含む。
【0040】
ペーストは、本開示の第2の態様のプロセス下で塗布されるとき、本開示の第1の態様下で組立体を生成し得る。
【0041】
ペーストは、ベース窒化アルミニウム材料の微細構造、特性、及び幾何学形状を保つために、比較的低い温度及び短いサイクル時間で事前焼結された窒化アルミニウム本体を接合する利点を供与する。追加的に、ペーストは、窒化アルミニウムの熱膨張係数に一致するように設計されており、所望のエッチング及び耐腐食性特性を保有し、窒化アルミニウムを半導体処理用途での使用に好適にする。
【0042】
本開示の事前焼結された窒化アルミニウム本体を接合するためのペースト及び方法は、比較的単純で安価なプロセスを利用する。処理ステップは、窒化アルミニウム本体を乾式プレス又は等方プレスして(iso-pressing)焼結させること、接合部表面を研削及び研磨すること、スラリー形態で接合部表面にペーストを塗布すること、負荷下で接合部表面を嵌合させること、並びに比較的低い温度及び短いサイクルで焼成することを含む。ペーストにAlN粒子を添加することにより、嵌合プロセス中にペーストの液体成分が接合から緩和されるのを阻止し、より強力なより高気密の接合部が促進されると考えられる。
【0043】
特に異議を唱えない限り、多量のアルミノシリケート(例えば、70重量%超、又は80重量%、又は90重量%)を含む接合部内の角張っている暗色の粒子は、結晶性アルミノシリケート相であるとみなされるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本開示の例示的な実施形態によるプロセスフロー図である。
図2】本開示の例示的な実施形態による、複合ガラス-セラミック接合材料を使用して窒化アルミニウムシャフトに接合された窒化アルミニウム基板の断面図である。
図3】本開示の実施例1による、窒化アルミニウム基板間に配設された複合ガラス-セラミック接合材料の微細構造を示すSEM顕微鏡写真である。
図4】表2に表示される分析点を強調する、図3の拡大されたSEM顕微鏡写真である。
図5】窒化アルミニウム基板間に配設された、実施例2による接合材料の微細構造を示すSEM顕微鏡写真である。
図6】接合部微細構造をより詳細に示す、図5のセクションの拡大されたSEM顕微鏡写真である。
図7】本開示との比較として、窒化アルミニウム基板間に配設された、比較例#1による代替的な接合材料の微細構造を示すSEM顕微鏡写真である。
図8】本開示との比較として、窒化アルミニウム基板間に配設された、比較例#2による別の代替的な接合材料の微細構造を示すSEM顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
ガラスセラミック接合部及びそれらを含むAlN組立体の代表的な用途、並びに本明細書に記載される実施形態による方法は、このセクションに提供される。これらの実施例は、文脈を追加し、記載された実施形態の理解を補助するためにのみ提供されている。したがって、本明細書に記載される実施形態は、これらの特定の詳細のうちのいくつか又は全てを含まずに実践することができることが当業者には明らかであろう。他の事例では、本明細書に記載される実施形態を不必要に不明瞭にすることを避けるために、周知のプロセスステップは詳細に記載されていない。他の用途も可能であるため、以下の実施例は限定的なものとして解釈されるべきではない。
【0046】
図1に例解されるように、AlN本体に一緒に接合するプロセスは、AlN本体を形成及び焼結させ、続いて、接合材料の粘性パスト(viscous past)として調製された接合ペーストが塗布される滑らかな接合表面を得るために、研削及び研磨を伴う表面処理(surface preparation)を伴う。次いで、2つのAlN本体を負荷下で嵌合させ、次いで焼成して、最終的なアセンブリを生成する。
【0047】
図2を参照すると、示されているものは、本開示の例示的な実施形態によって接合された最終的に組み立てられた部品の断面図である。アセンブリは、焼結されたAlN基板1及び焼結されたAlN台座シャフト2からなり、これらは、1と2との間の界面に配設された本開示の複合ガラス-セラミック接合材料3を使用して接合されている。このアセンブリは、良好な幾何学的制約で保たれることが好ましい。理想的には、図1に記載されるプロセスは、構成要素部片1、2の微細構造、機能、又は性能を著しく変化させない。
【0048】
一実施形態では、少なくとも1重量%のY焼結助剤を有するグリーンAlN本体を、好ましくは、図2の基板及び台座シャフトなどの、乾式プレス又は等方プレスを通して所望の形状に形成する。形成したグリーンAlN構成要素を、375℃まで2℃/分以下のゆっくりかつ制御された昇温速度を使用して脱結合し、少なくとも1時間保持し、続いて、4℃/分以下の速度で、ゆっくり制御された冷温~室温で保持する。次いで、脱結合したAlNセラミックを、1850℃まで15℃/分よりも遅い昇温速度を使用して焼結させ、1850℃で少なくとも1時間保持し、次いで、15℃/分以下の速度で室温まで再び冷却する。焼結させたAlN構成要素は、アルキメデス法を介して測定される少なくとも3.30g/cmの密度、及び20μm以下の平均粒子径を有する均一な微細構造を保有していることが好ましい。次いで、焼結されたAlNセラミックを、それぞれの接合表面で研削及び研磨して、接合のための平坦で滑らかな界面を達成する。表面粗さ(R)は、45μm以下であることが好ましい。
【0049】
複合ガラス-セラミック接合材料の成分を含有するペーストを、接合界面に塗布するために調製する。接合材料の原料粉末材料を、好ましくは、以下の割合で混合する:50~100%のY-Al-SiO(YAS)ガラス形成成分、及び0~50重量%の窒化アルミニウム原料粉末。ここで、YASガラス形成成分は、10~60重量%のY、5~40重量%のAl、及び10~60重量%のSiOを含有する。この範囲内のペースト組成物は、比較的低い融点を有し、ムライトなどの結晶性アルミノシリケート相を生み出すことができる。
【0050】
使用される原料粉末材料は、高純度(例えば、98重量%超、又は99重量%超、又は99.5重量%超の純度)のものであることが好ましい。次いで、成分粉末接合材料を混合し、結合剤及び溶媒で粉砕して、粘性ペーストを形成する。接合材料ペーストは、少なくとも50重量%の固形物負荷を有するスクリーン印刷用途に好適な粘度を呈し、ペーストは、成分の徹底的な混合を通して完全に均質化されることが好ましい。次いで、調製されたペーストを、薄く均一な層で、焼結させた各AlN本体の接合表面に塗布する。好ましくは、ペーストを、0.005インチ(127μm)未満の厚さでスクリーン印刷方法を使用して塗布する。
【0051】
次いで、それらの接合表面に塗布された接合ペーストを有する焼結させたAlN本体を、表面対表面で嵌合させ、N雰囲気下で焼成して、固体接合部を形成する。焼成プロセス中に接合界面に垂直に負荷を加えて、接合面間の接触を強制し、接合部に沿ったガラス相の流動及び均一な分布を促進することが好ましい。アセンブリは、5分~2時間の滞留時間で、1450℃~1550℃のピーク温度まで焼成されることが好ましい。焼成中の加熱及び冷却速度は、10~30℃/分であることが更に好ましい。
【0052】
この好ましい実施形態によって調製された接合されたAlNセラミックの接合部領域の断面であるSEM顕微鏡写真図3に見られるように、焼結されたAlN基板100、105は、YASガラスマトリックス110、120内に埋め込まれたAlN粒子130及びムライト粒子140を含む、複合ガラス-セラミック接合材料間で接合されている。YASガラスマトリックスは、より明るく色付いた周辺領域110及びより暗く色付いたコア領域120を含む。微細構造は、空隙及び欠陥のない、薄く、均一で、かつ連続的な接合部層を示す。追加的に、後方散乱画像は、均質に分布するアルミノシリケート(ムライト)結晶及びAlN充填材粒子を有する連続的なイットリアアルミノシリケートガラス相の同定を可能にする。
【実施例
【0053】
本開示のガラス-セラミック複合接合材料と、ASTM F19標準化手順を使用して比較例として半導体分野で使用され得る他の接合材料と、を使用して接合されたAlNセラミックの強度及び気密性を定量化するために、実験を行った。4重量%のY焼結助剤を含有するAlN噴霧乾燥粉末をベース粉末材料として使用した。AlN等方プレスしたシリンダを形成し、ASTM F19の試料仕様に機械加工し、それぞれ1.5℃/分及び3℃/分の昇温及び冷却速度で、375℃で2時間脱結合した。次いで、脱結合したセラミックを、1850℃まで10℃/分の昇温及び冷却速度で3時間焼結させて、少なくとも3.30g/cmの密度を達成した。次いで、接合される表面を平坦に研削し、研磨ホイール及びダイヤモンドスラリーで最大9μmの粗さ(Ra)に漸増的に研磨した。
【0054】
粘性でスクリーン印刷可能なペーストを得るために、結合剤及び溶媒の残部を有する約65~70重量%の固形分の、種々の組成の接合ペーストを調製した。本開示の複合ガラス-セラミック接合材料については、以後から、
●「YAS+10%AlN」(実施例1)と称し、ペーストの固形分含有量は、30重量%のY、30重量%のAl、30重量%のSiO、及び10重量%のAlNで構成され、
●YAS(1:1:1)(実施例2)と称し、ペーストの固形分含有量は、30重量部(pbw)のY、30pbwのAl、30pbwのSiOで構成され、
●YAS(9:2:9)(実施例3)と称し、ペーストの固形分含有量は、9pbwのY、2pbwのAl、9pbwのSiOで構成された。
【0055】
実施例2は、その試料がAlNを含有しない(すなわち、1:1:1の重量比のY、Al、及びSiOのみ、そのような比は、接合部の形成時に結晶性アルミノシリケート相を得るのに有効である)という点で、実施例1とは異なる。実施例3は、結晶性アルミノシリケート相が形成されないように、Y、Al、及びSiOの重量比が9:2:9に調整されたという点で、実施例2とは異なる。
【0056】
代替的な接合溶液として、以後から、「比較例#1」(CE#1)と称し、ペーストの固形分含有量は、40重量%のAlN、15重量%のAl、8重量%のY、及び37重量%のCaCOで構成された。別の代替的な接合溶液として、以後から「比較例#2」(CE#2)と称し、ペーストの固形分含有量は、70重量%のAlN、15重量%のAl、及び15重量%のYで構成された。
【0057】
各接合ペーストを、各それぞれのAlN ASTM F19部品の接合表面に、厚さ約0.003インチ(≒76μm)の薄い層で塗布した。次いで、部品を約5gの負荷下で嵌合させ、それらの組成に依存して種々のプロファイル下で焼成した。試料(1~3)を、10℃/分の昇温及び冷却速度で、30分間の滞留で、N雰囲気下で、1500℃で焼成した。比較例#1については、試料を、1400℃まで10℃/分の昇温速度で、N雰囲気下で2時間焼成し、続いて更に2時間の滞留で、最大1600℃まで10℃/分の第2の昇温速度で焼成し、最後に室温まで10℃/分で冷却した。比較例#2については、試料を、1時間の滞留で、1850℃まで10℃/分で、N雰囲気下で焼成し、続いて室温まで10℃/分で冷却した。
【0058】
次いで、接合された部品を、He分光計を使用して気密性について、及びInstronを使用して引張強度について、ASTM F19標準手順下で試験した。本開示の各接合材料についてのASTM F19試験結果を表1に示す。
【0059】
表1に示されるように、実施例1は、5つの試料にわたって、23.6±4.6MPaでの最高平均強度と、1×10-8-1×10-9mbar-l/sec(1×10-9-1×10-10KPa-l/sec)の範囲での最低He漏れ率との組み合わせを達成した。実施例2は、実施例1と同様の接合強度を達成したが、気密性性能が低減した。実施例3は、実施例1と同様の接合部気密性性能を達成したが、接合部強度が低減した。比較例#1(CE#1)は、5つの試料にわたって、わずか10.8±3.9MPaの平均強度及び約1×10-3-1×10-4mbar-l/sec(1×10-4-1×10-5KPa-l/sec)の範囲のHe漏れ率を達成した。最後に、最も低い性能の接合材料は、比較例#2(CE#2)であり、これは、3つの試料にわたって、わずか6.3±1.9Mpaの平均強度及び約1×10-1-1×10-1mbar-l/sec(1×10-2-1×10-3KPa-l/sec)の範囲のHe漏れ率を達成した。このデータは、本開示の実施例1(YAS+10%)AlN接合溶液、続いて実施例2及び3が、異なる組成物及び接合条件の他の潜在的な接合溶液と比較したとき、改善された強度及び気密性値を保有していることを示唆する。
【0060】
【表1】
【0061】
接合部微細構造
複合ガラス-セラミックの微細構造を定量的に分析するために、乾式プレスされたAlNペレットを形成し、次いで、上記AlN ASTM F19試料と同じ条件下で、脱結合、焼結、及び研削/研磨した。次いで、上記の実施例におけるものと同じそれぞれの接合ペースト及び接合パラメータを適用して、焼結されたペレットを接合した。次いで、焼結されたペレットを断面処理し、研磨ホイール及び最大1μmのダイヤモンド懸濁液を使用して漸増的に研磨した。次いで、研磨された試料を、SEMを介して微細構造について分析した。YAS+10%AlNペースト(実施例1)に対応する接合部の微細構造を図3及び4に提示しており、4つの個別の相:イットリアアルミノシリケートガラス(周辺領域110及びコア領域120)、アルミノシリケート(ムライト)結晶140、及びAlN充填材粒子130からなる1500℃、30分間で形成された均一かつ一貫した接合部層があることを示している。
【0062】
半定量的EDS分析を使用して、選択されて観察された相の組成(図4)を表2に提供する。Yリッチ相210(軽相)もまた、AlN構成要素100において同定した。AlN構成要素の界面に位置する110の周辺ガラス相は、AlN構成要素100、105中のY焼結添加剤に少なくとも部分的に由来し得る。
【0063】
【表2】
【0064】
YASガラス、ムライト、及びAlN相の%表面積を、各々が約2000μmの表面積を有する4つの接合部の相対的表面積を測定することを通して計算した。Buehler OmniMet(商標)ソフトウェアを使用して、XRD及びEDS分析を通して、YASガラス、AlN粒子及びムライト粒子として同定した画像上の特徴を測定した。ソフトウェアの面積測定ツールを使用して、AlN及びムライト相のピクセルを測定した。AlN及びムライト相の%表面積を、測定している接合部面積内の総ピクセル数に対するピクセル数を比較することによって決定した。YASガラスの重量%を、差(総計-ムライト-AlN)によって決定した。本発明の目的のために、相の%表面積の割合を、その重量%の割合(又は、その体積%の割合)に等しいと仮定する。例えば、YASガラスの10%接合表面積は、接合部中のYASガラスの10重量%と同等とみなされる。
【0065】
相の相対的部分の範囲を、前述のYAS+10重量%AlNを含むペーストから生成した4つの接合部から表3に提示する。本発明の目的のために、相の各々の%表面積は、相の各々の重量%とみなすことができる。
【0066】
【表3】
【0067】
AlN付加相の効果
一般に、YASガラス相は、流動し、隙間を埋め、高密度かつ高気密の密封部を作成しなければならない。しかしながら、実施例2では、接合部は低い気密値を有する(表1)。その形成中に接合部を目視で分析すると、試料の側面上にガラスのいくらかのオーバーフローがあることが観察される。得られた接合部は、図5で例解されるように、多数の空隙330を含む接合部320によって接続された第1のAlN基板300及び第2のAlN基板310を示す。
【0068】
倍率を上げると(図6)、接合部320は、周辺ガラス相340及びコアガラス相350を含むが、実施例1と比較して、周辺ガラス相のコアガラス相に対する割合が比較的低い。角張っているより暗色の粒子360は、結晶性アルミノシリケート相に対応している。周辺ガラス相340は、第1及び/又は第2の窒化アルミニウム基板300、310の少なくとも一部分と界面接触する周辺領域に位置する。コアガラス相350は、接合部の少なくとも中央領域に位置する。1つ以上の実施形態では、コアガラス相350は、第1の窒化アルミニウム基板から第2の窒化アルミニウム基板300、310に及ぶ。
【0069】
理論に束縛されることを望むものではないが、実施例2では、ガラスは、焼成温度で流動性が高すぎ、溶融したガラスの量が接合部基板界面から押し出されたと考えられる。これにより、基材界面における接合部材料と基板との間の不十分な反応をもたらし、移動したガラス相が接合部界面に空隙を残した。コアガラス相に対する周辺ガラス相のより低い割合は、この低いレベルの反応を反映し得る。
【0070】
少量のAlN粉末を添加することによって、塗布温度でガラス粘度が増加し、これにより、ガラスが接合部領域内に含有されることを可能にし、それによってYASガラスが接合部基板界面から移動するのを阻止し、十分に高密度かつ高気密の接合部を確実にすると考えられる。AlN粒子はまた、接合部にわたる熱膨張係数の差を低減する。AlN粒子がない場合、接合部はまた、熱衝撃をより受けやすくなり、その結果、微小亀裂が生じる場合があり、これは、接合部を通る気体経路を提供し、それによって、経時的に気密性値にも影響を与える。
【0071】
結晶性アルミノシリケートの効果
結晶性アルミノシリケートの効果を、比較例3(表1)に例解しており、接合部内にこの成分がないと、約20%の接合部強度の低減をもたらす。結晶性相は、亀裂抑制剤として機能し、それによって亀裂伝播を妨害し、接合部強度及び破壊靭性を改善すると考えられる。
【0072】
比較例
図7では、1400℃及び1600℃で各々2時間焼成した後、焼結されたAlN本体4間に配設された、比較例#1の接合材料6の微細構造が示されている。図7は、CaO系ガラス相のより少ない流動の証拠を示しており、完全に均質化されていない均一な接合部層を残している。図8では、1850℃で1時間焼成した後、焼結されたAlN基板4間に配設された、比較例#2の接合材料7の微細構造が示されている。図8は、非常に不均一な接合界面を有する接合部層を提示しており、追加的に、接合に必要な高温は、隣接するAlN基板における液相の分布に著しく影響を与え、これは、潜在的に、ベースAlN材料の特性及び性能に影響を及ぼす場合がある。全体として、表3の結果及び微細構造分析は、本開示の実施例1、2、及び3の接合部が(CE#1及びCE#2と比べて)改善された気密性及び強度を呈することを示している。追加的に、本発明のアセンブリは、存在する場合、良好な接合部の均質性、明確なガラス相及び結晶性相の均一な分布及び制御された形成を保有している。
【0073】
前述の開示は、明確化及び理解の目的で例解及び例として詳細に記載されているが、上述の開示は、本開示の趣旨又は本質的な特徴から逸脱することなく、多数の他の特定の変形形態及び実施形態において具体化され得ることが認識されるであろう。ある特定の変更及び修正を実践することができ、本開示は、前述の詳細によって限定されるべきではなく、むしろ、添付の特許請求の範囲によって定義されるべきであることが理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-04-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0073】
前述の開示は、明確化及び理解の目的で例解及び例として詳細に記載されているが、上述の開示は、本開示の趣旨又は本質的な特徴から逸脱することなく、多数の他の特定の変形形態及び実施形態において具体化され得ることが認識されるであろう。ある特定の変更及び修正を実践することができ、本開示は、前述の詳細によって限定されるべきではなく、むしろ、添付の特許請求の範囲によって定義されるべきであることが理解される。
[1]
第1の窒化アルミニウム(AlN)構成要素及び第2の窒化アルミニウム構成要素を備える半導体処理装置の組立体であって、前記第1及び第2の窒化アルミニウム構成要素が、接合部によって接続され、前記接合部が、
(a)Y 2 3 -Al 2 3 -SiO 2 (YAS)ガラスと、
(b)結晶性アルミノシリケート及び窒化アルミニウムのうちの少なくとも1つと、を含む複合ガラス-セラミックを含む、組立体。
[2]
前記Y 2 3 -Al 2 3 -SiO 2 (YAS)ガラス、前記結晶性アルミノシリケート、及び前記窒化アルミニウムを含む、[1]に記載の組立体。
[3]
前記結晶性アルミノシリケート及び/又は前記窒化アルミニウムのうちの前記少なくとも1つが、前記YASガラスによって包含される、[1]に記載の組立体。
[4]
前記接合部が、
50~100重量%のY 2 3 -Al 2 3 -SiO 2 (YAS)ガラス、及び
0超~30重量%の結晶性アルミノシリケート、及び/又は0超~50重量%の窒化アルミニウムを含む、[1]に記載の組立体。
[5]
前記YASガラスが、
20~70重量%のY 2 3
10~50重量%のAl 2 3 、及び
1~50重量%のSiO 2 を含み、
2 3 +Al 2 3 +SiO 2 の合計が、少なくとも95重量%である、[1]~[3]のいずれかに記載の組立体。
[6]
前記YASガラスが、周辺領域及びコア領域を含み、前記周辺領域が、前記第1及び/又は第2の窒化アルミニウム構成要素の少なくとも一部分と界面接触し、前記コア領域が、前記接合部の少なくとも中央領域に位置する、[1]~[5]のいずれかに記載の組立体。
[7]
前記周辺領域が、前記コア領域の前記YASガラスよりも多いアルミナ含有量を有するYASガラス組成物を含む、[6]に記載の組立体。
[8]
前記周辺領域の前記YASガラス組成物が、
45~70重量%のY 2 3
20~50重量%のAl 2 3 、及び
1~20重量%のSiO 2 を含み、
前記Y 2 3 +Al 2 3 +SiO 2 の合計が、少なくとも95重量%である、[6]又は[7]に記載の組立体。
[9]
前記コア領域の前記YASガラス組成物が、
30~55重量%のY 2 3
10~30重量%のAl 2 3 、及び
15~50重量%のSiO 2 を含み、
前記Y 2 3 +Al 2 3 +SiO 2 の合計が、少なくとも95重量%である、[6]~[8]のいずれかに記載の組立体。
[10]
前記接合部が、0超~50重量%のAlNを含む、[1]~[9]のいずれかに記載の組立体。
[11]
前記接合部が、5~30重量%のAlNを含む、[10]に記載の組立体。
[12]
前記接合部が、5~30重量%の結晶性アルミノシリケートを含む、[10]又は[11]に記載の組立体。
[13]
前記第1及び/又は前記第2のAlN構成要素が、Y 2 3 リッチ相を含む、[1]~[12]のいずれかに記載の組立体。
[14]
前記結晶性アルミノシリケートが、存在する場合、ムライトを含むか、又はムライトからなる、[1]~[13]のいずれかに記載の組立体。
[15]
前記接合部が、1:1:1の重量比でY 2 3 +Al 2 3 +SiO 2 を含むペーストから調製され、前記接合部が、前記結晶性アルミノシリケートを含む、[1]~[14]のいずれかに記載の組立体。
[16]
前記接合部の厚さが、150μm以下である、[1]~[15]のいずれかに記載の組立体。
[17]
ASTM F19に従って決定された1×10 -7 mbar-l/sec以下のHe漏れ率を含む、[1]~[16]のいずれかに記載の組立体。
[18]
前記第1のAlN構成要素が、静電チャックであり、前記第2のAlN構成要素が、台座シャフトである、[1]~[17]のいずれかに記載の組立体。
[19]
第1の窒化アルミニウム(AlN)構成要素及び第2の窒化アルミニウム構成要素を備える半導体処理装置の組立体であって、前記第1及び第2の窒化アルミニウム構成要素が、接合部によって接続され、前記接合部が、
20~70重量%のY 2 3
10~50重量%のAl 2 3 、及び
1~50重量%のSiO 2 を含む、Y 2 3 -Al 2 3 -SiO 2 (YAS)ガラス相を含む複合ガラス-セラミックを含み、
2 3 +Al 2 3 +SiO 2 の合計が、少なくとも95重量%である、組立体。
[20]
前記第1及び/又は前記第2のAlN構成要素が、0超~7重量%の範囲でY 2 3 を含む、[19]に記載の組立体。
[21]
前記第1及び/又は前記第2のAlN構成要素が、少なくとも1重量%のY 2 3 を含む、[19]に記載の組立体。
[22]
前記YASガラスが、周辺領域及びコア領域を含み、前記周辺領域が、前記第1及び/又は第2の窒化アルミニウム構成要素の少なくとも一部分と界面接触し、前記コア領域が、前記接合部の少なくとも中央領域に位置する、[19]~[21]のいずれかに記載の組立体。
[23]
前記周辺領域が、前記コア領域の前記YASガラスよりも多いアルミナ含有量を有するYASガラス組成物を含む、[22]に記載の組立体。
[24]
前記周辺領域の前記YASガラス組成物が、
45~70重量%のY 2 3
20~50重量%のAl 2 3 、及び
1~20重量%のSiO 2 を含む、[22]又は[23]に記載の組立体。
[25]
前記コア領域の前記YASガラス組成物が、
30~55重量%のY 2 3
10~30重量%のAl 2 3 、及び
15~50重量%のSiO 2 を含む、[22]~[24]のいずれかに記載の組立体。
[26]
[1]~[25]のいずれかに記載の半導体処理装置の組立体の形成のためのプロセスであって、
(A)溶媒と前記複合ガラスセラミック又はその前駆体とを含むペーストを、前記第1のAlN及び/又は第2のAlN構成要素の表面に塗布すること、
(B)前記第1及び第2のAlN構成要素の前記表面を一緒に接合して、グリーン組立体を形成すること、
(C)ASTM F19に従って決定された1×10 -5 mbar-l/sec以下のHe漏れ率を含む前記組立体を形成するのに十分な時間、前記第1及び第2のAlN構成要素の焼結温度未満で前記グリーン組立体を焼成することを含む、プロセス。
[27]
前記グリーン組立体が、少なくとも15分間、1400~1600℃の範囲の温度で焼成される、[26]に記載のプロセス。
[28]
前記グリーン組立体が、1500℃以下の温度で焼成される、[26]に記載のプロセス。
[29]
前記グリーン組立体が、前記接合部内にムライト相を形成するのに十分な時間焼成される、[26]~[28]のいずれかに記載のプロセス。
[30]
前記グリーン組立体が、100Pa及び1000Paの範囲の負荷下で維持される、[26]~[29]のいずれかに記載のプロセス。
[31]
前記グリーン組立体が、非酸化性雰囲気下で焼成される、[26]~[30]のいずれかに記載のプロセス。
[32]
[1]~[25]のいずれかに記載の組立体を半導体処理チャンバ内に位置付け、前記組立体をハロゲンガス含有雰囲気に曝露することを含む、半導体を製造するプロセス。
[33]
[1]~[25]のいずれかに記載の組立体を形成する際に使用するためのペーストであって、無溶媒基準で、
10~60重量%のY 2 3
5~40重量%のAl 2 3
10~60重量%のSiO 2 、及び
0~30重量%のAlNを含む組成を有する複合ガラス-セラミック又はその前駆体を含み、
前記Y 2 3 +Al 2 3 +SiO 2 +AlNの合計が、少なくとも95重量%である、ペースト。
[34]
20~40重量%のY 2 3
20~40重量%のAl 2 3
20~40重量%のSiO 2 、及び
1~20重量%のAlNを含む、[33]に記載のペースト。
[35]
1:1:1の重量比でY 2 3 +Al 2 3 +SiO 2 を含む、[33]に記載のペースト。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の窒化アルミニウム(AlN)構成要素及び第2の窒化アルミニウム構成要素を備える半導体処理装置の組立体であって、前記第1及び第2の窒化アルミニウム構成要素が、接合部によって接続され、前記接合部が、
(a)Y23-Al23-SiO2(YAS)ガラスと、
(b)結晶性アルミノシリケート及び窒化アルミニウムのうちの少なくとも1つと、を含む複合ガラス-セラミックを含む、組立体。
【請求項2】
前記Y23-Al23-SiO2(YAS)ガラス、前記結晶性アルミノシリケート、及び前記窒化アルミニウムを含む、請求項1に記載の組立体。
【請求項3】
前記結晶性アルミノシリケート及び/又は前記窒化アルミニウムのうちの前記少なくとも1つが、前記YASガラスによって包含される、請求項1に記載の組立体。
【請求項4】
前記接合部が、
50~100重量%のY23-Al23-SiO2(YAS)ガラス、及び
~30重量%の結晶性アルミノシリケート、及び/又は~50重量%の窒化アルミニウムを含む、請求項1に記載の組立体。
【請求項5】
前記YASガラスが、
20~70重量%のY23
10~50重量%のAl23、及び
1~50重量%のSiO2を含み、
23+Al23+SiO2の合計が、少なくとも95重量%である、請求項に記載の組立体。
【請求項6】
前記YASガラスが、周辺領域及びコア領域を含み、前記周辺領域が、前記第1及び/又は第2の窒化アルミニウム構成要素の少なくとも一部分と界面接触し、前記コア領域が、前記接合部の少なくとも中央領域に位置する、請求項に記載の組立体。
【請求項7】
前記周辺領域が、前記コア領域の前記YASガラスよりも多いアルミナ含有量を有するYASガラス組成物を含む、請求項6に記載の組立体。
【請求項8】
前記周辺領域の前記YASガラス組成物が、
45~70重量%のY23
20~50重量%のAl23、及び
1~20重量%のSiO2を含み、
前記Y23+Al23+SiO2の合計が、少なくとも95重量%である、請求項に記載の組立体。
【請求項9】
前記コア領域の前記YASガラス組成物が、
30~55重量%のY23
10~30重量%のAl23、及び
15~50重量%のSiO2を含み、
前記Y23+Al23+SiO2の合計が、少なくとも95重量%である、請求項に記載の組立体。
【請求項10】
前記接合部が、~50重量%のAlNを含む、請求項に記載の組立体。
【請求項11】
前記接合部が、5~30重量%の結晶性アルミノシリケートを含む、請求項に記載の組立体。
【請求項12】
前記第1のAlN構成要素が、静電チャックであり、前記第2のAlN構成要素が、台座シャフトである、請求項に記載の組立体。
【請求項13】
前記第1及び/又は前記第2のAlN構成要素が、~7重量%の範囲でY23を含む、請求項に記載の組立体。
【請求項14】
請求項に記載の組立体を形成する際に使用するためのペーストであって、無溶媒基準で、
10~60重量%のY23
5~40重量%のAl23
10~60重量%のSiO2、及び
0~30重量%のAlNを含む組成を有する複合ガラス-セラミック又はその前駆体を含み、
前記Y23+Al23+SiO2+AlNの合計が、少なくとも95重量%である、ペースト。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか一項に記載の半導体処理装置の組立体の形成のためのプロセスであって、
(A)溶媒と前記複合ガラスセラミック又はその前駆体とを含むペーストを、前記第1のAlN及び/又は第2のAlN構成要素の表面に塗布すること、
(B)前記第1及び第2のAlN構成要素の前記表面を一緒に接合して、グリーン組立体を形成すること、
(C)ASTM F19に従って決定された1×10 -5 mbar-l/sec以下のHe漏れ率を含む前記組立体を形成するのに十分な時間、前記第1及び第2のAlN構成要素の焼結温度未満で前記グリーン組立体を焼成することを含む、プロセス。
【請求項16】
前記グリーン組立体が、少なくとも15分間、1400~1600℃の範囲の温度で焼成される、請求項15に記載のプロセス。
【国際調査報告】