IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オーラ ヘルス オサケユキチュアの特許一覧

<>
  • 特表-心拍検出のための技術 図1
  • 特表-心拍検出のための技術 図2
  • 特表-心拍検出のための技術 図3
  • 特表-心拍検出のための技術 図4
  • 特表-心拍検出のための技術 図5
  • 特表-心拍検出のための技術 図6
  • 特表-心拍検出のための技術 図7
  • 特表-心拍検出のための技術 図8
  • 特表-心拍検出のための技術 図9
  • 特表-心拍検出のための技術 図10
  • 特表-心拍検出のための技術 図11
  • 特表-心拍検出のための技術 図12
  • 特表-心拍検出のための技術 図13
  • 特表-心拍検出のための技術 図14
  • 特表-心拍検出のための技術 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】心拍検出のための技術
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/02 20060101AFI20240927BHJP
   A61B 5/0245 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
A61B5/02 310F
A61B5/0245 100B
A61B5/0245 B
A61B5/02 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519674
(86)(22)【出願日】2022-09-30
(85)【翻訳文提出日】2024-05-23
(86)【国際出願番号】 US2022045428
(87)【国際公開番号】W WO2023056048
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】63/251,086
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/957,345
(32)【優先日】2022-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522496220
【氏名又は名称】オーラ ヘルス オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】シミラー,ハイジ
(72)【発明者】
【氏名】ザン,シー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァリウス,テロ ユハニ
(72)【発明者】
【氏名】ヤーベラー,ユッシ ペッテリ
(72)【発明者】
【氏名】シルヤーラー,ユハ-ペッカ
(72)【発明者】
【氏名】ハイノネン,トミ
(72)【発明者】
【氏名】ティッカネン,パウリ エンシオ
【テーマコード(参考)】
4C017
【Fターム(参考)】
4C017AA08
4C017AA09
4C017AB02
4C017AC26
4C017DD14
4C017FF15
(57)【要約】
心拍検出の方法、システム、及びデバイスが記載される。方法は、ユーザに関連した生理学的データを受け取ることを含み、生理学的データは、ユーザに関連したウェアラブルデバイスにより時間インターバルにわたって収集された運動データ及び温度データを含む。方法は、受け取られた運動データ及び温度データに基づき、時間インターバルに関連した状態品質メトリックを決定することを含む。状態品質メトリックは、心拍測定の決定のために時間インターバルにわたって収集された生理学的データの相対的な品質を示す。方法は、状態品質メトリックが閾メトリック値を満足し、かつ、タイマが第1閾継続時間を満足することに基づき、ウェアラブルデバイスによりユーザのフォトプレチスモグラム(PPG)データをサンプリングすることを含む。方法は、サンプリングされたPPGデータに少なくとも部分的に基づき、ユーザの心拍測定を決定することを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの心拍を測定する方法であって、
前記ユーザに関連したウェアラブルデバイスにより時間インターバルにわたって収集された運動データ及び温度データを含む、前記ユーザに関連した生理学的データを受け取ることと、
受け取られた前記運動データ及び温度データに少なくとも部分的に基づき、前記時間インターバルに関連した状態品質メトリックを決定することであり、前記状態品質メトリックは、心拍測定の決定のために前記時間インターバルにわたって収集された前記生理学的データの相対的な品質を示す、ことと、
前記状態品質メトリックが閾メトリック値を満足し、かつ、タイマが第1閾継続時間を満足することに少なくとも部分的に基づき、前記ウェアラブルデバイスにより前記ユーザのフォトプレチスモグラム(PPG)データをサンプリングすることと、
サンプリングされた前記PPGデータに少なくとも部分的に基づき、前記ユーザの心拍測定を決定することと
を有する方法。
【請求項2】
前記PPGデータをサンプリングすることは、
可視スペクトル内の光を発するよう構成される少なくとも発光ダイオードを含むPPGセンサの第1ペアにより第1PPG信号を取得することと、
少なくとも赤外線ダイオードを含むPPGセンサの第2ペアにより第2PPG信号を取得することと、
前記第1PPG信号に関連した第1PPG品質メトリックと、前記第2PPG信号に関連した第2PPG品質メトリックとを比較することであり、前記第1PPG品質メトリック及び前記第2PPG品質メトリックは、夫々、前記第1PPG信号及び前記第2PPG信号の相対的な品質を示す、こと
を有し、
前記心拍測定を決定することは、少なくとも部分的に前記比較に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも部分的に前記比較に基づき、前記第1PPG信号又は前記第2PPG信号の一方を選択することを更に有し、
前記心拍測定は、選択された前記第1PPG信号又は前記第2PPG信号に少なくとも部分的に基づき、決定される、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
選択されなかった前記第1PPG信号又は前記第2PPG信号の他方を選択的に非アクティブ化することを更に有し、
前記心拍測定を決定することは、前記第1PPG信号又は前記第2PPG信号の前記他方を選択的に非アクティブ化することに少なくとも部分的に基づく、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも部分的に前記選択に基づき前記第1PPG信号又は前記第2PPG信号の選択された前記一方に関連した前記PPGセンサの第1ペア又は前記PPGセンサの第2ペアの一方により更なるPPG信号を取得することを更に有し、
前記心拍測定は、少なくとも部分的に前記更なるPPG信号に基づく、
請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記更なるPPG信号が閾品質メトリックを満足できないことに少なくとも部分的に基づき選択されなかった前記第1PPG信号又は前記第2PPG信号の他方を選択的にアクティブ化することと、
選択されなかった前記第1PPG信号又は前記第2PPG信号の前記他方をアクティブ化することに少なくとも部分的に基づき、選択されなかった前記第1PPG信号又は前記第2PPG信号の前記他方により第3PPG信号を取得することと
を更に有し、
前記心拍測定は、少なくとも部分的に前記第3PPG信号に基づく、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記PPGデータをサンプリングすることは、
少なくとも赤外線ダイオードを含むPPGセンサの第1ペアにより第1PPG信号を取得することと、
前記第1PPG信号に関連した第1PPG品質メトリックを閾品質メトリックと比較することと
を有し、
前記第1PPG品質メトリックは、前記第1PPG信号の相対品質を示し、
前記心拍測定を決定することは、少なくとも部分的に前記比較に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1PPG信号に関連した前記第1PPG品質メトリックが前記閾品質メトリックを満足することに少なくとも部分的に基づき、前記PPGセンサの第1ペアにより更なるPPG信号を取得することを更に有し、
前記心拍測定は、少なくとも部分的に前記更なるPPG信号に基づき決定される、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1PPG信号に関連した前記第1PPG品質メトリックが前記閾品質メトリックを満足できないことに少なくとも部分的に基づき、可視スペクトル内の光を発するよう構成される少なくとも発光ダイオードを含むPPGセンサの第2ペアを選択的にアクティブ化することと、
前記PPGセンサの第2ペアを選択的にアクティブ化することに少なくとも部分的に基づき、前記PPGセンサの第2ペアにより第2PPG信号を取得することと
を更に有し、
前記心拍測定は、少なくとも部分的に前記第2PPG信号に基づき決定される、
請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記第1PPG信号に関連した前記第1PPG品質メトリックが前記閾品質メトリックを満足できないことに少なくとも部分的に基づき、前記PPGセンサの第1ペアを選択的に非アクティブ化することを更に有し、
前記心拍測定を決定することは、前記PPGセンサの第1ペアを選択的に非アクティブ化することに少なくとも部分的に基づく、
請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記第1PPG信号内の心拍の数を決定するステップを更に有し、
前記第1PPG信号に関連した前記第1PPG品質メトリックは、少なくとも部分的に前記心拍の数に基づく、
請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記第1PPG信号内の心拍の数を決定するステップを更に有し、
前記第1PPG信号に関連した前記第1PPG品質メトリックは、少なくとも部分的に前記心拍の数に基づく、
請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記PPGデータをサンプリングすることは、
前記時間インターバルにわたって第1PPG信号を取得することと、
前記第1PPG信号に関連した第1PPG品質メトリックが第1閾品質メトリックを満足することを決定することと
を有し、
前記心拍測定を決定することは、前記第1PPG品質メトリックが前記第1閾品質メトリックを満足することに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記時間インターバルよりも後の第2時間インターバルにわたって第2PPG信号を取得することと、
前記第2PPG信号に関連した第2PPG品質メトリックが閾品質メトリックを満足できないことを決定することと、
前記第2PPG品質メトリックが、前記閾品質メトリックよりも小さい第2閾品質メトリックを満足することに少なくとも部分的に基づき、前記第2時間インターバルについての前記ユーザの第2心拍測定を決定することと
を更に有する、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ウェアラブルデバイスはウェアラブルリングデバイスを有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記ウェアラブルデバイスは、動脈血流に基づき前記ユーザから前記生理学的データを収集する、
請求項1に記載の方法。
【請求項17】
ユーザの心拍を測定する装置であって、
プロセッサと、
前記プロセッサと結合されているメモリと、
前記メモリに記憶されており、前記装置に、
前記ユーザに関連したウェアラブルデバイスにより時間インターバルにわたって収集された運動データ及び温度データを含む、前記ユーザに関連した生理学的データを受け取ることと、
受け取られた前記運動データ及び温度データに少なくとも部分的に基づき、前記時間インターバルに関連した状態品質メトリックを決定することであり、前記状態品質メトリックは、心拍測定の決定のために前記時間インターバルにわたって収集された前記生理学的データの相対的な品質を示す、ことと、
前記状態品質メトリックが閾メトリック値を満足し、かつ、タイマが第1閾継続時間を満足することに少なくとも部分的に基づき、前記ウェアラブルデバイスにより前記ユーザのフォトプレチスモグラム(PPG)データをサンプリングすることと、
サンプリングされた前記PPGデータに少なくとも部分的に基づき、前記ユーザの心拍測定を決定することと
を実行させるよう前記プロセッサによって実行される命令と
有する装置。
【請求項18】
前記PPGデータをサンプリングするための前記命令は、前記装置に、
可視スペクトル内の光を発するよう構成される少なくとも発光ダイオードを含むPPGセンサの第1ペアにより第1PPG信号を取得することと、
少なくとも赤外線ダイオードを含むPPGセンサの第2ペアにより第2PPG信号を取得することと、
前記第1PPG信号に関連した第1PPG品質メトリックと、前記第2PPG信号に関連した第2PPG品質メトリックとを比較することであり、前記第1PPG品質メトリック及び前記第2PPG品質メトリックは、夫々、前記第1PPG信号及び前記第2PPG信号の相対的な品質を示す、こと
を実行させるよう前記プロセッサによって実行され、
前記心拍測定を決定することは、少なくとも部分的に前記比較に基づく、
請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記命令は、前記装置に、
少なくとも部分的に前記比較に基づき、前記第1PPG信号又は前記第2PPG信号の一方を選択すること
を実行させるよう前記プロセッサによって更に実行され、
前記心拍測定は、選択された前記第1PPG信号又は前記第2PPG信号に少なくとも部分的に基づき、決定される、
請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記命令は、前記装置に、
選択されなかった前記第1PPG信号又は前記第2PPG信号の他方を選択的に非アクティブ化すること
を実行させるよう前記プロセッサによって更に実行され、
前記心拍測定を決定することは、前記第1PPG信号又は前記第2PPG信号の前記他方を選択的に非アクティブ化することに少なくとも部分的に基づく、
請求項19に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下は、心拍検出のための技術を含むウェアラブルデバイス及びデータ処理に関係がある。
【背景技術】
【0002】
一部のウェアラブルデバイスは、運動データ、温度データ、フォトプレチスモグラム(photoplethysmogram)(PPG)データ、などの、ユーザの心拍に関連したユーザからのデータを収集するよう構成され得る。いくつかの場合に、一部のウェアラブルデバイスは、事前設定された条件の下で1組以上のデータを検出するよう構成され得る。事前設定された条件に従ってデータを検出するための従来技術は、改善され得る。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1】本開示の態様に従う心拍検出のための技術をサポートするシステムの例を表す。
図2】本開示の態様に従う心拍検出のための技術をサポートするシステムの例を表す。
図3】本開示の態様に従う心拍検出のための技術をサポートする心拍決定プロシージャの例を表す。
図4】本開示の態様に従う心拍検出のための技術をサポートする心拍決定プロシージャの例を表す。
図5】本開示の態様に従う心拍検出のための技術をサポートするチャネル選択プロシージャの例を表す。
図6】本開示の態様に従う心拍検出のための技術をサポートするチャネル選択プロシージャの例を表す。
図7】本開示の態様に従う心拍検出のための技術をサポートするチャネル選択プロシージャの例を表す。
図8】本開示の態様に従う心拍検出のための技術をサポートする心拍決定プロシージャの例を表す。
図9】本開示の態様に従う心拍検出のための技術をサポートするグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の例を表す。
図10】本開示の態様に従う心拍検出のための技術をサポートする装置のブロック図を示す。
図11】本開示の態様に従う心拍検出のための技術をサポートするウェアラブルアプリケーションのブロック図を示す。
図12】本開示の態様に従う心拍検出のための技術をサポートするデバイスを含むシステムの図を示す。
図13】本開示の態様に従う心拍検出のための技術をサポートする方法を表すフローチャートを示す。
図14】本開示の態様に従う心拍検出のための技術をサポートする方法を表すフローチャートを示す。
図15】本開示の態様に従う心拍検出のための技術をサポートする方法を表すフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
ユーザは、心拍などの、ユーザの生理学的測定を決定するためにデバイス(例えば、ウェアラブルデバイス)を使用することがある。安静時心拍(resting heart rate)(RHR)は、睡眠中、瞑想中、又は別なふうにリラックスしている最中などの、ユーザが活動を控えている期間などの「休息」の期間中のユーザの毎分の心拍回数を指すことができる。RHRは、睡眠品質、回復、ストレス反応、活動レベル、及びユーザの全体的な健康を決定するために使用され得る。RHRなどのユーザの心拍を測定するために、ウェアラブルデバイスは、時間にわたるユーザの心拍を測定するためにフォトプレチスモグラム(PPG)を使用することがある。例えば、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイス内のPPGセンサ(例えば、赤外線(infrared)(IR)PPGセンサ、赤外線発光ダイオード(LED))により脈拍量の変化を検出することによって、ユーザのRHRを測定し得る。ユーザの心臓が鼓動するたびに、ユーザの手や指にある動脈に血液が送り出される。PPGセンサは、光の反射及び吸収を使用して、血流(動脈血流、静脈血流など)及び体積の変化を検出することができる。鼓動ごとに、ユーザの指の動脈が膨張及び収縮を繰り返す。ユーザの皮膚、特に指の皮膚に光を当てることにより、血液によって吸収され、動脈内の赤血球の量の変動から反射される光の変化が考慮される。ここから、PPGは、ユーザの心臓の活動(例えば、心拍)を表す視覚的な波形を通じて、これらの血流の変化を表すことができる。
【0005】
いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスはユーザの心拍変動(heart rate variability)(HRV)を決定し得る。HRVは、心拍間の時間の変化(例えば、数ミリ秒)の尺度であり、ユーザの体が自律神経系の2つの枝である交感神経系及び副交感神経系のバランスをどのように保っているかを示す指標として使用でき、従って、ストレスを管理するユーザの現在の能力を表したり、ユーザの病気や疲労の兆候を提供したり、するなどできる。ウェアラブルデバイスは、心拍間の連続差の二乗平均平方根(root mean square of successive differences)(rMSSD)を使用してHRVを計算し得る。rMSSDは、最初に心拍間の連続する各時間差をミリ秒単位で計算することによって取得できる。次に、夫々の値が二乗され、その結果が平均されてから、合計の平方根が求められる。rMSSDは、HRの心拍ごとの分散を反映するため、HRVの尺度として使用される。
【0006】
心拍数(例えば、RHR)及びHRVは、ユーザによって行われる活動(例えば、一杯の水を飲む、立ち上がる、テレビを見る)に基づいて変化する可能性がある敏感なメトリクスである。特定の活動によって、心拍数、HRV、又はその両方が急上昇又は急降下する可能性があり、そのような変動はデータ内のノイズと呼ばれることがある。ユーザが活動を控えている休息期間中、特に睡眠期間中、体は安定した状態(例えば、24時間の中で最も安定した状態)にあり、その結果、心拍数及びHRVに関連した変動は減少する。従って、一部のウェアラブルデバイスは、正確な心拍数及びHRVデータを決定するために、休息期間中(例えば、ノイズが低減されている期間中)にユーザの心臓(例えば、RHR)、HRV、又はその両方を測定し得る。しかしながら、休息期間中にのみ心拍測定値を決定すると、任意の所定の期間にわたってユーザについて収集できる心拍数測定値の数が大幅に減少する可能性がある。そのため、一部の従来のウェアラブルデバイスは、1日を通してユーザの心拍数を効率的に追跡できず、ユーザの心拍数の限られた表示のみを提供し、従って、ユーザの全体的な健康状態の表示も限られる可能性がある。
【0007】
本明細書に記載される技術は、ユーザが休んでいるかどうか(例えば、ユーザが起きている期間中、活動期間中、又は休息中)に関係なく心拍データを測定する能力を備えて構成されたウェアラブルデバイスを対象とする。従って、ウェアラブルデバイスは、時間にわたってユーザの心拍数、HRV、又はその両方のより完全な表現を提供するために、活動期間、休息期間、又はそれらの組み合わせ中のユーザの心拍データを決定し得る。本明細書に記載されるウェアラブルデバイスは、データ内のノイズを低減しながら(例えば、ユーザが活動している間、ユーザが休息していない間、ユーザが睡眠中でない間、日中の)心臓データを測定するための手順を用いて構成され得る。
【0008】
心拍データ(例えば、非睡眠データ、日中データ、又は日中及び夜間のデータの組み合わせ)を決定するためのプロシージャは、ウェアラブルデバイスが、温度及び運動データなどの、ユーザに関連した生理学的データを測定することを含み得る。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスの電力消費を削減するために、ウェアラブルデバイスは、PPGを測定する瞬間を検出するために、生理学的データを使用し得る。例えば、常にPPGを測定するのではなく、ウェアラブルデバイスは、品質閾値を満足するPPGデータをもたらし得る瞬間を検出するために、ユーザの生理学的データを使用し得る。PPGデータを測定する瞬間を検出すると、ウェアラブルデバイスは、ある継続時間のPPGを測定し、そのPPGの信号品質を測定し得る。PPG信号品質が閾品質を満足する場合に、ウェアラブルデバイスは、PPGデータに基づきユーザの心拍数を推定し得る。従って、本明細書で記載されるプロシージャは、ウェアラブルデバイスの電力を節約しながら、正確な心拍データを決定するよう構成され得る。
【0009】
例えば、方法は、前記ユーザに関連した生理学的データを受け取ることを含んでもよく、ここで、生理学的データには、ユーザに関連したウェアラブルデバイスにより時間インターバルにわたって収集された運動データ及び温度データが含まれ得る。方法は、受け取られた運動データ及び温度データに基づき、時間インターバルに関連した状態品質メトリックを決定することを含んでもよい。状態品質メトリックは、心拍測定の決定のために時間インターバルにわたって収集された生理学的データの相対的な品質を示し得る。方法は、状態品質メトリックが閾メトリック値を満足し、かつ、タイマが第1閾継続時間を満足することに基づき、ウェアラブルデバイスによりユーザのフォトプレチスモグラム(PPG)データをサンプリングすることを含んでもよい。方法は、サンプリングされたPPGデータに基づきユーザの心拍測定を決定することを含み得る。
【0010】
いくつかの実施で、心拍を決定するプロシージャは、PPGデータをサンプリングするための1つ以上の“チャネル”(例えば、PPGセンサ)を選択することを含んでもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、複数のPPGセンサを備えて構成されてもよく、PPGセンサには、エミッタ(例えば、LED)、レシーバ(例えば、光検出器)、又はその両方が含まれてよく、少なくとも1つのエミッタと少なくとも1つのレシーバとを含むPPGセンサのペアは、PPT測定に使用される光学パス(例えば、チャネル)を構成する。いくつかの場合に、PPGセンサは、1つ以上の緑色LED、1つ以上の赤色LED、1つ以上のIR LED、又はLEDの任意の他の組を指すことができる。いくつかの態様で、いくつかのPPGセンサは、他のセンサと比較して、いくつかの環境でより良い信号品質を示し得る。例えば、緑色LEDは、多くの環境で、最も高い品質の心拍測定をもたらすことができ、IRダイオードは、例えば、激しい動きや皮膚温度が低い場合など他の環境で、より良い品質をもたらすことができる。これに関連して、本開示のいくつかの側面は、ウェアラブルデバイスが、どのPPGセンサ/チャネルが最良の信号品質を示すかを“テスト”し、そのため、心拍測定に使用される異なるPPGセンサ/チャネルを選択することを可能にする技術に向けられている。
【0011】
これに関連して、ウェアラブルデバイスは、1つ以上の選択されたセンサに関連した信号品質、及び/又は他のPPGセンサ(選択されていないPPGセンサ)に関連した信号品質に基づき、PPGデータを取得するための1つ以上のPPGセンサを選択するよう構成され得る。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、1つ以上のPPGセンサの組(例えば、ウェアラブルデバイスに対して構成されたPPGセンサの一部又は全部)を解析するよう構成され得る。例えば、ウェアラブルデバイスは、各PPGセンサからの出力の品質を決定(例えば、測定、計算)し得る。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、各PPGセンサの信号品質を1つ以上の信号品質閾値と比較するよう、及び/又は各PPGセンサの信号品質を他の決定された信号品質と比較するよう構成され得る。例えば、ウェアラブルデバイスは、最も高い信号品質に関連したPPGセンサを選択してもよく、及び/又は1つ以上の信号品質閾値を満足する1つ以上のPPGセンサを選択してもよい。例えば、いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、各緑色LED及び各IRチャネルからの信号を測定し、信号品質を比較し、心拍測定が緑色LED又はIRダイオードを用いて実行されるかどうかを選択し得る。
【0012】
いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、PPGデータをサンプリングするために使用するデフォルトのPPGセンサ(例えば、特定のPPGセンサ)又はデフォルトのPPGセンサタイプ(例えば、1つ以上のIR LED、緑色LED、など)を備えて構成されてもよい。ウェアラブルデバイスは、デフォルトのPPGセンサが信号品質閾値を満足するかどうかを決定し得る。デフォルトのPPGセンサが閾値を満足する場合に、ウェアラブルデバイスは、デフォルトのPPGセンサを使用して、PPGセンサをサンプリングし得る。しかし、デフォルトのPPGセンサが閾値を満足することができない場合には、ウェアラブルデバイスは、1つ以上のPPGセンサの第2の組に切り替えること及び/又は1つ以上のPPGセンサの第2の組を解析することができる。例えば、デフォルトのPPGセンサが閾値を満足しない場合、ウェアラブルデバイスは、1つ以上のPPGセンサの第2の組を使用して、PPGデータをサンプリングするよう構成され得る。他の例では、デフォルトのPPGセンサが閾値を満足しない場合、ウェアラブルデバイスは、1つ以上のPPGセンサの第2の組が信号品質閾値を満足するかどうかを決定するよう構成され得る。従って、ウェアラブルデバイスは、信号品質に基づきPPGデータを改善するように、1つ以上のPPGセンサを選択して、PPGデータをサンプリングし得る。
【0013】
いくつかの場合に、PPGセンサを選択するために使用される信号品質基準は使用ケースに基づき得る。信号品質基準は1つ以上のパラメータに基づくことができ、1つ以上のパラメータには、ユーザの病気(例えば、肺炎)、ユーザの疾患(例えば、無呼吸、心房細動(AFib))、現在のトレーニング、以前のトレーニング、又は計画された将来のトレーニング、などが含まれ得る。例えば、パラメータの1つ以上は、信号の異なるタイプ、信号の形状、などに関連することができ、よって、信号品質基準は、1つ以上のパラメータに基づき変化し得る。従って、デバイスは、もしあれば、適用する1つ以上のパラメータ(例えば、使用ケース)を特定し、1つ以上のPPGセンサを選択するために使用する信号品質基準を決定し得る。
【0014】
いくつかの実施で、心拍を決定するプロシージャは、ユーザに提供される心拍データを改善するために、心拍データを心拍基準(例えば、1つ以上の閾値)と比較することに基づき、心拍データを出力する方法を含み得る。心拍データが心拍基準を満足する場合に、デバイスは心拍データをユーザに出力し得る。心拍データが心拍基準を満足できない場合、デバイスは、心拍データを出力するのを止め得る。かような場合に、心拍データ内の“ギャップ”は、たとえデータが正確であって信頼できるものであったとして、起こる可能性がある。
【0015】
出力された心拍データ内のギャップの発生を減らすために、ウェアラブルデバイスは、複数組の基準(例えば、複数の閾値)を設定されてもよく、後者の基準は、複数組の中の前者の基準から緩和されている。例えば、第1の基準の組は最も厳しい基準と関連付けられてよく、第2の基準の組は、第1の組よりは厳しくないが、第3の組よりも厳しい、など。従って、デバイスは、最初に測定データを第1の基準の組と比較して、データが第1の基準の組を満足する場合には、デバイスは心拍データを出力し得る。データが第1の組を満足できない場合、デバイスは次いで、心拍データを第2の基準の組と比較し得る、など。いくつかの場合に、デバイスは、出力されたデータに品質ラベルでラベル付けし得る。例えば、第2の基準の組を通過したが第1の基準の組を通過しなかった心拍データは、第1の基準の組を通過したデータほど信頼できないので、デバイスは、全てのデータ、最も信頼できるデータ、又は第1の基準を通過できなかった任意のデータに、出力データの品質を示すラベルでラベル付けし得る。従って、デバイスは、ギャップなしで、又はデータ内に最小限のギャップを有して、心拍データをユーザに提供し得る。
【0016】
本開示の態様は、最初に、ウェアラブルデバイスによるユーザからの生理学データの収集をサポートするシステムに関連して記載されている。態様は、次いで、心拍決定プロシージャ、チャネル選択プロシージャ、及びグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を参照して記載されている。本開示の態様は更に、心拍検出のための技術に関係がある装置図、システム図、及びフローチャートによって表され、それらを参照して記載されている。
【0017】
図1は、本開示の態様に従う心拍検出のための技術をサポートするシステム100の例を表す。システム100は、1人以上のユーザ102によって装着及び/又は操作され得る複数の電子デバイス(例えば、ウェアラブルデバイス104、ユーザデバイス106)を含む。システム100は、ネットワーク108及び1つ以上のサーバ110を更に含む。
【0018】
電子デバイスは、ウェアラブルデバイス104(例えば、リングウェアラブルデバイス、時計ウェアラブルデバイス、など)、ユーザデバイス106(例えば、スマートフォン、ラップトップ、タブレット)を含む、当該技術で知られている任意の電子デバイスを含み得る。各々のユーザ102に関連した電子デバイスは、次の機能:1)生理学的データを測定すること、2)測定されたデータを記憶すること、3)データを処理すること、4)処理されたデータに基づき出力を(例えば、GUIにより)ユーザ102に供給すること、及び5)互いに及び/又は他のコンピューティングデバイスとデータをやりとりすること、のうちの1つ以上を含み得る。異なる電子デバイスが機能の1つ以上を実行してもよい。
【0019】
例となるウェアラブルデバイス104は、ユーザ102の指に装着されるよう構成されるリングコンピューティングデバイス(以降「リング」)、ユーザ102の手首に装着されるよう構成される手首コンピューティングデバイス(例えば、スマートウォッチ、フィットネスバンド、又はブレスレット)、及び/又はヘッドマウント型コンピューティングデバイス(例えば、メガネ/ゴーグル)などのウェアラブルコンピューティングデバイスを含み得る。ウェアラブルデバイス104はまた、頭(例えば、額のヘッドバンド)、腕(例えば、前腕のバンド及び/又は上腕のバンド)、及び/又は脚(例えば、太もも又はふくらはぎのバンド)の周り、耳の後ろ、脇の下などのバンドのような、他の場所に位置付けられ得るバンド、ストラップ(例えば、可撓性又は非可撓性のバンド又はストラップ)、スティックオン・センサ、なども含み得る。ウェアラブルデバイス104はまた、衣料品に取り付けられるか、又は衣料品に含まれてもよい。例えば、ウェアラブルデバイス104は、衣服のポケット及び/又はポーチに含めることができる。他の例として、ウェアラブルデバイス104は、衣服にクリップ及び/又はピンで留められてもよく、あるいはその他の方法でユーザ102の近くに維持されてもよい。衣料品の例としては、帽子、シャツ、手袋、ズボン、靴下、上着(例えば、ジャケット)、及び下着が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイス104は、身体活動中に使用されるトレーニング/スポーツデバイスなどの他の種類のデバイスとともに含まれてもよい。例えば、ウェアラブルデバイス104は、自転車、スキー板、テニスラケット、ゴルフクラブ、及び/又はトレーニングウエイトに取り付けられるか、又はそれらに含まれ得る。
【0020】
本開示の大部分は、リングウェアラブルデバイス104に関連して記載され得る。従って、「リング104」、「ウェアラブルデバイス104」などの用語は、別段本明細書中で述べられない限りは、同義的に使用され得る。ただし、「リング104」という用語の使用は限定と見なされるべきではなく、これは、本開示の態様が他のウェアラブルデバイス(例えば、時計ウェアラブルデバイス、ネックレスウェアラブルデバイス、ブレスレットウェアラブルデバイス、イヤリングウェアラブルデバイス、アンクレットウェアラブルデバイス、など)を用いて実行されてもよいことが本明細書で企図されているからである。
【0021】
いくつかの態様で、ユーザデバイス106は、スマートフォン及びタブレットコンピューティングデバイスなどの携帯型モバイルコンピューティングデバイスを含み得る。ユーザデバイス106はまた、ラップトップ及びデスクトップコンピューティングデバイスなどのパーソナルコンピュータも含み得る。ユーザデバイス106の他の例としては、他の電子デバイスと(例えば、インターネットを介して)通信することができるサーバコンピューティングデバイスがある。いくつかの実施で、コンピューティングデバイスは、外付けウェアラブルコンピューティングデバイス(例えば、ホルターモニタ)などの医療デバイスを含み得る。医療デバイスはまた、ペースメーカー及び除細動器などの植え込み型医療デバイスも含み得る。ユーザデバイス106の他の例としては、インターネット・オブ・シングス(IoT)デバイス(例えば、IoTデバイス)、スマートテレビジョン、スマートスピーカ、スマートディスプレイ(例えば、ビデオ通話ディスプレイ)、ハブ(例えば、無線通信ハブ)、セキュリティシステム、スマートアプライアンス(例えば、サーモスタット及び冷蔵庫)、及びフィットネス器具などのホームコンピューティングデバイスがある。
【0022】
いくつかの電子デバイス(例えば、ウェアラブルデバイス104、ユーザデバイス106)は、フォトプレチスモグラム波形、連続的な皮膚温度、パルス波形、呼吸数、心拍、心拍変動(HRV)、アクチグラフ、ガルバニック皮膚反応、パルスオキシメトリ、及び/又は他の生理学的パラメータなどの各々のユーザ102の生理学的パラメータを測定し得る。生理学的パラメータを測定するいくつかの電子デバイスはまた、本明細書で記載される計算の一部/全てを実行し得る。いくつかの電子デバイスは、生理学的パラメータを測定しなくてもよいが、本明細書で記載される計算の一部/全てを実行し得る。例えば、リング(例えば、ウェアラブルデバイス104)、モバイルデバイスアプリケーション、又はサーバコンピューティングデバイスは、他のデバイスによって測定された受け取った生理学的データを処理し得る。
【0023】
いくつかの実施で、ユーザ102は、複数の電子デバイスを操作してもよく、あるいは、複数のデバイスと関連付けられてもよく、複数のデバイスのうちの一部は、生理学的パラメータを測定でき、一部は、測定された生理学的パラメータを処理できる。いくつかの実施で、ユーザ102は、生理学的パラメータを測定するリング(例えば、ウェアラブルデバイス104)を有し得る。ユーザ102はまた、ユーザデバイス106(例えば、モバイルデバイス、スマートフォン)を有してもよく、あるいは、ユーザデバイス106と関連付けられてもよく、ウェアラブルデバイス104及びユーザデバイス106は互いに通信可能に結合されている。いくつかの場合に、ユーザデバイス106は、ウェアラブルデバイス104からデータを受け取り、本明細書で記載される計算の一部/全てを実行し得る。いくつかの実施で、ユーザデバイス106も、運動/活動パラメータなどの、本明細書で記載される生理学的パラメータを測定してもよい。
【0024】
例えば、図1に表されているように、第1ユーザ102-a(ユーザ1)は、本明細書で記載されるように動作することができるウェアラブルデバイス104-a(例えば、リング104-a)及びユーザデバイス106-aを操作することができ、あるいは、それらと関連付けられ得る。この例で、ユーザ102-aに関連したユーザデバイス106-aは、リング104-aによって測定された生理学的パラメータを処理/記憶し得る。比較上、第2ユーザ102-a(ユーザ2)は、リング104-b、時計ウェアラブルデバイス104-c(例えば、時計104-c)、及びユーザデバイス106-bに関連することができ、ユーザ102-bに関連したユーザデバイス106-bは、リング104-b及び/又は時計104-cによって測定された生理学的パラメータを処理/記憶し得る。更に、第nユーザ102-n(ユーザN)は、本明細書で記載される電子デバイス(例えば、リング104-n、ユーザデバイス106-n)の配置に関連することができる。いくつかの態様で、ウェアラブルデバイス104(例えば、リング104、時計104)及び他の電子デバイスは、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、及び他の無線プロトコルを介して各々のユーザ102のユーザデバイス106へ通信可能に結合され得る。
【0025】
いくつかの実施で、システム100のリング104(例えば、ウェアラブルデバイス104)は、ユーザの指の中の動脈血流、静脈血流、などに基づき、各々のユーザ102から生理学的データを収集するよう構成され得る。特に、リング104は、ユーザの指の手のひらの側に光を発する1つ以上のLED(例えば、赤色LED、緑色LED)を用いて、ユーザの指の中の動脈血流に基づき生理学的データを収集し得る。いくつかの実施で、リング104は、緑色LED及び赤色LEDの両方の組み合わせを用いて生理学的データを取得し得る。生理学的データは、温度データ、加速度データ(例えば、動作/運動データ)、心拍データ、HRVデータ、血中酸素度データ、又はそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない、当該技術で知られている任意の生理学的データを含み得る。
【0026】
赤色LED及び緑色LEDが、異なる条件(例えば、明/暗、活性/不活性)の下で身体の異なる部分により生理学的データを取得するときなどに、それ自体の明確な利点があることがわかっているため、緑色LED及び赤色LEDの両方の使用は他の解決策に比べていくつかの利点を提供する可能性がある。例えば、緑色LEDは、運動中に優れたパフォーマンスを発揮することがわかっている。更に、リング104の周りに分布した複数のLED(例えば、緑色LED及び赤色LED)を使用することは、時計ウェアラブルデバイス内などの、互いに近くに位置付けられているLEDを利用するウェアラブルデバイスと比較して、優れた性能を示すことがわかっている。更に、指の血管(動脈、毛細血管など)は、手首の血管と比較して、LEDを介してアクセスしやすくなっている。特に、手首の動脈は手首の底部(例えば、手首の手のひら側)に位置しており、つまり、ウェアラブル時計デバイス及び同様のデバイスが通常身に着けられている手首の上部(例えば、手首の手の甲側)では毛細血管にしかアクセスできない。従って、リング104内でLED及び他のセンサを利用することは、手首に装着されたウェアラブルデバイスと比較して優れた性能を示すことがわかっている。これは、リング104が(毛細血管と比較して)動脈へのアクセスがより多くなり、それによって、より強い信号及びより有益な生理学的データを得られるからである。
【0027】
システム100の電子デバイス(例えば、ユーザデバイス106、ウェアラブルデバイス104)は、有線又は無線通信プロトコルを介して1つ以上のサーバ110へ通信可能に結合され得る。例えば、図1に示されるように、電子デバイス(例えば、ユーザデバイス106)は、ネットワーク108を介して1つ以上のサーバ110へ通信可能に結合され得る。ネットワークデバイスは、インターネットなどの転送制御プロトコル及びインターネットプロトコル(TCP/IP)を実装してよく、あるいは、他のネットワーク108のプロトコルを実装してもよい。ネットワーク108と各々の電子デバイスとの間のネットワーク接続は、電子メール、ウェブ、テキストメッセージ、又はコンピュータネットワーク108内の任意の他の適切なインタラクション形式でデータの輸送を促し得る。例えば、いくつかの実施で、第1ユーザ102-aに関連したリング104-aは、ユーザデバイス106-aへ通信可能に結合され得、ユーザデバイス106-aは、ネットワーク108を介してサーバ110へ通信可能に結合されている。更なる場合又は代替の場合において、ウェアラブルデバイス104(例えば、リング104、時計104)は、ネットワーク108へ直接に通信可能に結合され得る。
【0028】
システム100は、ユーザデバイス106と1つ以上のサーバ110との間のオンデマンドのデータベースサービスを提供し得る。いくつかの場合に、サーバ110は、ネットワーク108を介してユーザデバイス106からデータを受け取ることができ、データを記憶及び解析することができる。同様に、サーバ110は、ネットワーク108を介してユーザデバイス106にデータを提供することができる。いくつかの場合に、サーバ110は、1つ以上のデータセンターに位置し得る。サーバ110は、データの記憶、管理、及び処理のために使用され得る。いくつかの実施で、サーバ110は、ウェブブラウザを介してユーザデバイス106へウェブベースのインターフェースを提供し得る。
【0029】
いくつかの態様で、システム100は、ユーザ102が睡眠中である期間を検出し、ユーザ102が睡眠中である期間を1つ以上の睡眠段階に分類し得る(例えば、睡眠段階分類)。例えば、図1に示されるように、ユーザ102-aは、ウェアラブルデバイス104-a(例えば、リング104-a)及びユーザデバイス106-aに関連し得る。この例で、リング104は、温度、心拍、HRV、呼吸数、などを含む、ユーザ102-aに関連した生理学的データを収集し得る。いくつかの態様で、リング104-aによって収集されたデータは機械学習分類器に入力されてもよく、機械学習分類器は、ユーザ102-aが睡眠中である(又は睡眠中であった)期間を決定するよう構成される。更に、機械学習分類器は、期間を、覚醒睡眠段階、急速眼球運動(rapid eye movement)(REM)睡眠段階、浅睡眠段階(ノンREM(NREM))、深睡眠段階(NREM)を含む異なる睡眠段階に分類するよう構成され得る。いくつかの態様で、分類された睡眠段階は、ユーザデバイス106-aのGUIによりユーザ102-aに表示されてもよい。睡眠段階分類は、推奨される就寝時刻、推奨される起床時間、などの、ユーザの睡眠パターンに関してユーザ102-aにフィードバックを提供するために使用されてもよい。更に、いくつかの実施で、本明細書で記載される睡眠段階分類技術は、スリープスコア(Sleep Scores)、レディネススコア(Readiness Scores)などの、各々のユーザのスコアを計算するために使用されてもよい。
【0030】
いくつかの態様で、システム100は、生理学的データ収集、データ処理プロシージャ、及び本明細書で記載される他の技術を更に改善するように、概日リズム(circadian rhythm)由来の特徴を利用してもよい。概日リズムという用語は、約24時間ごとに繰り返す個人睡眠-起床サイクルを規則正しくする自然の体内プロセスを指すことができる。これに関連して、本明細書で記載される技術は、生理学的データの収集、解析、及びデータ処理を改善するために、概日リズム調整モデルを利用してもよい。例えば、概日リズム調整モデルは、ウェアラブルデバイス104-aによりユーザ102-aから収集された生理学的データとともに機械学習分類器に入力され得る。この例で、概日リズム調整モデルは、ユーザの自然の、約24時間の概日リズムにわたって収集された生理学的データを“重み付け”又は調整するよう構成され得る。いくつかの実施で、システムは最初に、“基準”概日リズム調整モデルから開始してよく、各ユーザ102から収集された生理学的データを用いて基準モデルを変更して、各個別のユーザ102に特有である調整された個人の概日リズム調整モデルを生成し得る。
【0031】
いくつかの態様で、システム100は、他の生理学的リズムを利用して、これらの他のリズムの位相によって生理学的データの収集、解析、及び処理を更に改善し得る。例えば、週のリズムが個人の基本データ内で検出される場合に、モデルは、曜日によってデータの“重み”を調整するよう構成されてもよい。この方法によるモデルへの調整を必要とする可能性がある生体リズムには、1)睡眠状態における睡眠サイクルと、覚醒状態で測定される生理学的変数の1時間未満から数時間周期の振動とを含む(1日のリズムより短い)超日リズム、2)概日リズム、3)仕事のスケジュールなど、概日リズムに加えて課せられることが示されている非内因性の生活リズム、4)毎週のリズム、又は外因的に課せられた他の人工的な時間周期性(例えば、12日の「週」を持つ仮説的な文化では、12日のリズムが使用される可能性がある。)、5)女性の複数日の卵巣リズム及び男性の精子形成リズム、6)月のリズム(人工照明が少ないか又は全くない生活をしている個人に関連する。)、及び7)季節のリズムが含まれる。
【0032】
生体リズムは常に固定のリズムであるわけではない。例えば、多くの女性は、卵巣周期の長さが周期ごとに変動することを経験しており、超日リズムは、同じユーザであっても、全く同じ時間に、又は日をまたがって周期的に発生することを期待できない。従って、生理学的データにおけるこれらのリズムの時間分解能を維持しながら周波数構成を定量化するのに十分な信号処理技術を使用して、これらのリズムの検出を改善し、測定された各瞬間に各リズムの位相を割り当て、それによって調整モデル及び時間インターバルの比較を調整することができる。生体リズム調整モデル及びパラメータは、個人又は個人のグループの動的な生理学的基準をより正確に捕捉するために、必要に応じて線形又は非線形の組み合わせで追加できる。
【0033】
いくつかの態様で、システム100の各々のデバイスは、ウェアラブルデバイスによって収集された生理学的データ(例えば、運動データ、温度データ)に基づきユーザの心拍データを決定するための技術をサポートし得る。システムは、ユーザが休息状態にあるかどうかなどにかかわらず、心拍データを決定するための技術をサポートし得る。特に、図1に表されているシステム100は、ユーザ102の心拍データを決定し、ユーザ102に対応するユーザデバイス106に心拍データの指示を表示させるための技術をサポートし得る。いくつかの場合に、心拍データを表示することは、データの品質に基づき心拍データを表示するために、表示の前に、心拍データを1つ以上の閾値の組と比較することに基づいてもよい。いくつかの場合に、データの品質を決定することは、反復(例えば、段階的)比較プロシージャに従って実行されてもよい。
【0034】
例えば、図1に示されるように、ユーザ1(ユーザ102-a)は、ウェアラブルデバイス104-a(例えば、リング104-a)及びユーザデバイス106-aに関連し得る。この例で、リング104-aは、動き、温度、心拍、HRVなどを含む、ユーザ102-aに関連したデータを収集し得る。いくつかの態様で、リング104-aは、リング104-aがPPGモニタリングを実行すべきかどうかを決定するために使用し得るユーザの生理学的データを収集するために使用され得る。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイス104-aは、PPGデータを収集するチャネル(例えば、1つ以上のセンサの組)を選択し得る。例えば、ウェアラブルデバイス104-aは、複数のPPGセンサを備えて構成され得、PPGセンサは、PPG測定のための光学パス(例えば、チャネル)を構成するエミッタ(例えば、LED)及びレシーバ(例えば、光検出器)のペアであることができる。いくつかの場合に、PPGセンサは、1つ以上の緑色LED、1つ以上の赤色LED、1つ以上のIR LED、又はLEDの任意の他の組を指すことができ、PPGセンサの1つ以上に関連した信号品質に基づきPPGデータを取得する1つ以上のPPGセンサを選択し得る。
【0035】
リング104-aは、PPGモニタリングに基づき心拍データを決定し得る。生理学的データ収集、PPGモニタリング、及び心拍データ決定は、ユーザ1に関連したリング104-aやユーザデバイス106-a、1つ以上のサーバ110,又はそれらの任意の組み合わせを含むシステム100のコンポーネントのいずれかによって実行され得る。心拍データの決定時、システム100は、ユーザデバイス106-aのGUIに選択的に心拍データの全て又は一部を表示させ得る。
【0036】
当業者には当然ながら、本開示の1つ以上の態様は、上述されている以外の問題を追加的に又は代替的に解決するためにシステム100において実装されてもよい。更に、本開示の態様は、本明細書で記載される“従来の”システム又はプロセスに技術的改善をもたらし得る。しかし、明細書及び添付の図面は、本開示の態様を実装することで得られる技術的改善の例しか含まず、従って、特許請求の範囲の範囲内で提供される技術的範囲の全てを表しているわけではない。
【0037】
図2は、本開示の態様に従う心拍検出のための技術をサポートするシステム200の例を表す。システム200は、システム100を実装しても、又はシステム100によって実装されてもよい。特に、システム200は、図1を参照して記載されたリング104(例えば、ウェアラブルデバイス104)、ユーザデバイス106、及びサーバ110の例を表す。
【0038】
いくつかの態様で、リング104は、ユーザの指の周りに身につけられるよう構成されてよく、ユーザの指の周りに身につけられたときに1つ以上のユーザ生理学的パラメータを決定し得る。測定及び決定の例には、ユーザ皮膚温度、パルス波形、呼吸数、心拍、HRV、血中酸素度、などが含まれ得るがこれらに限定されない。
【0039】
システム200は、リング104と通信するユーザデバイス106(例えば、スマートフォン)を更に含む。例えば、リング104は、ユーザデバイス106と無線及び/又は有線通信し得る。いくつかの実施で、リング104は、測定及び処理されたデータ(例えば、温度データ、PPGデータ、運動/加速度データ、リング入力データ、など)をユーザデバイス106に送信し得る。ユーザデバイス106も、リング104のファームウェア/設定更新などのデータをリング104に送信し得る。ユーザデバイス106はデータを処理し得る。いくつかの実施で、ユーザデバイス106は、処理及び/又は記憶のためにデータをサーバ110に送信してもよい。
【0040】
リング104は、内側筐体205-a及び外側筐体205-bを含むことができる筐体205を含み得る。いくつかの態様で、リング104の筐体205は、デバイスエレクトロニクス、電源(例えば、バッテリ210及び/又はコンデンサ)、デバイスエレクトロニクス及び/又は電極を相互接続する1つ以上の基板(例えば、印刷回路基板)、などを含むがこれらに限定されないリングの様々なコンポーネントを保管しても又は別なふうに含んでもよい。デバイスエレクトロニクスは、処理モジュール230-a、メモリ215、通信モジュール220-a、電力モジュール225、などのようなデバイスモジュール(例えば、ハードウェア/ソフトウェア)を含み得る。デバイスエレクトロニクスはまた、1つ以上のセンサを含み得る。センサの例には、1つ以上の温度センサ240、PPGセンサアセンブリ(例えば、PPGシステム235)、及び1つ以上の動きセンサ245が含まれ得るがこれらに限定されない。
【0041】
センサは、リング104の各々のコンポーネント/モジュールと通信し、各々のセンサに関連した信号を生成するよう構成される関連したモジュール(図示せず。)を含み得る。いくつかの態様で、リング104のコンポーネント/モジュールの夫々は、無線又は有線接続により互いに通信可能に結合され得る。更に、リング104は、光センサ(例えば、LED)、オキシメータ、などを含む、ユーザから生理学的データを収集するよう構成される追加の及び/又は代替のセンサ又は他のコンポーネントを含み得る。
【0042】
図2を参照して記載及び図示されているリング104は、例示のためにのみ与えられている。従って、リング104は、図2に表されているものに対して追加又は代替のコンポーネントを含んでもよい。本明細書で記載される機能を提供する他のリング104が製造されてもよい。例えば、コンポーネント(センサ)の数がより少ないリング104が製造されてもよい。具体例では、単一の温度センサ240(又は他のセンサ)、電源、及び単一の温度センサ240(又は他のセンサ)を読み取るよう構成されるデバイスエレクトロニクスを備えたリング104が製造されてもよい。他の具体例では、温度センサ240(又は他のセンサ)がユーザの指に(例えば、クランプ、バネ仕掛けのクランプ、などを用いて)取り付けられてもよい。この場合に、センサは、温度センサ240(又は他のセンサ)を読み取る手首装着型のコンピューティングデバイスなどの他のコンピューティングデバイスに配線されてもよい。他の例では、追加のセンサ及び処理機能を含むリング104が製造されてもよい。
【0043】
筐体205は、1つ以上の筐体205コンポーネントを含み得る。筐体205は、外側筐体205-bコンポーネント(例えば、シェル)及び内側筐体205-aコンポーネント(例えば、モールディング)を含み得る。筐体205は、図2に明示的に表されていない更なるコンポーネント(例えば、追加レイヤ)を含んでもよい。例えば、いくつかの実施で、リング104は、デバイスエレクトロニクス及び他の導電材料(例えば、電気トレース)を外側筐体205-b(例えば、金属の外側筐体205-b)から電気的に絶縁する1つ以上の絶縁レイヤを含んでもよい。筐体205は、デバイスエレクトロニクス、バッテリ210、基板、及び他のコンポーネントのための構造的支持を提供し得る。例えば、筐体205は、圧力及び衝突などの機械的力からデバイスエレクトロニクス、バッテリ210、及び基板を保護し得る。筐体205はまた、水及び/又は他の化学物質からもデバイスエレクトロニクス、バッテリ210、及び基板を保護し得る。
【0044】
外側筐体205-bは、1つ以上の材料から製造され得る。いくつかの実施で、外側筐体205-bは、比較的軽量で強度及び耐摩耗性を提供し得るチタンなどの金属を含んでもよい。外側筐体205-bはまた、ポリマーなどの他の材料から製造されてもよい。いくつかの実施で、外側筐体205-bは、装飾的であるだけでなく保護的であってもよい。
【0045】
内側筐体205-aは、ユーザの指とインターフェース接続するよう構成され得る。内側筐体205-aは、ポリマー(例えば、医療用のポリマー)又は他の材料から形成され得る。いくつかの実施で、内側筐体205-aは透明であってもよい。例えば、内側筐体205-aは、PPG発光ダイオード(LED)が発した光を透過し得る。いくつかの実施で、内側筐体205-aのコンポーネントは、外側筐体205-bの上に成形されてもよい。例えば、内側筐体205-aは、外側筐体205-bの金属シェルに収まるように成形(射出成形)されたポリマーを含んでもよい。
【0046】
リング104は、1つ以上の基板(図示せず。)を含み得る。デバイスエレクトロニクス及びバッテリ210は、1つ以上の基板の上に含まれ得る。例えば、デバイスエレクトロニクス及びバッテリ210は、1つ以上の基板の上にマウントされてもよい。基板の例には、フレキシブルPCB(例えば、ポリイミド)などの1つ以上の印刷回路基板(PCB)が含まれ得る。いくつかの実施で、エレクトロニクス/バッテリ210は、フレキシブルPCB上の表面実装デバイス(例えば、surface-mount technology(SMT)デバイス)を含んでもよい。いくつかの実施で、1つ以上の基板(例えば、1つ以上のフレキシブルPCB)は、デバイスエレクトロニクス間の電気通信を提供する電気トレースを含んでもよい。電気トレースはまた、バッテリ210をデバイスエレクトロニクスに接続し得る。
【0047】
デバイスエレクトロニクス、バッテリ210、及び基板は、様々な方法でリング104に配置され得る。いくつかの実施で、デバイスエレクトロニクスを含む1つの基板は、センサ(例えば、PPGシステム235、温度センサ240、動きセンサ245、及び他のセンサ)がユーザの指の下側とインターフェース接続するように、リング104の底部(例えば、下半分)に沿って取り付けられ得る。このような実施では、バッテリ210は、(例えば、他の基板上で)リング104の上部に沿って含まれてもよい。
【0048】
リング104の様々なコンポーネント/モジュールは、リング104に含まれ得る機能(例えば、回路及び他のコンポーネント)を表す。モジュールは、本明細書のモジュールに帰属する機能を生成できるアナログ及び/又はデジタル回路を実装する任意のディスクリート及び/又は集積電子回路コンポーネントを含み得る。例えば、モジュールは、アナログ回路(例えば、増幅回路、フィルタリング回路、アナログ/デジタル変換回路、及び/又は他の信号調整回路)を含み得る。モジュールは、デジタル回路(例えば、組み合わせ論理回路又は順序論理回路、メモリ回路など)を含み得る。
【0049】
リング104のメモリ215(メモリモジュール)は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、不揮発性RAM(NVRAM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、又は任意の他のメモリデバイスなどの、揮発性、不揮発性、磁気、又は電気媒体を含み得る。メモリ215は、本明細書で記載されるデータのいずれかを記憶し得る。例えば、メモリ215は、各々のセンサ及びPPGシステム235によって収集されたデータ(例えば、運動データ、温度データ、PPGデータ)を記憶するよう構成され得る。更に、メモリ215は、1つ以上の処理回路によって実行される場合に、モジュールに、本明細書のモジュールに帰属する様々な機能を実行させる命令を含み得る。本明細書で記載されるリング104のデバイスエレクトロニクスは、単なる例となるデバイスエレクトロニクスである。従って、デバイスエレクトロニクスを実装するために使用あれる電子部品のタイプは、設計懸案事項に基づき様々であることができる。
【0050】
本明細書で記載されるリング104のモジュールに帰属する機能は、1つ以上のプロセッサ、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの任意の組み合わせとして具現化され得る。モジュールとしての種々の機能の描写は、種々の機能的測定を強調表示するよう意図され、必ずしも、そのようなモジュールが別個のハードウェア/ソフトウェアコンポーネントによって実現されなければならないことを暗示するものではない。むしろ、1つ以上のモジュールに関連した機能は、別個のハードウェア/ソフトウェアコンポーネントによって実行されても又は共通のハードウェア/ソフトウェアコンポーネント内に組み込まれてもよい。
【0051】
リング104の処理モジュール230-aは、1つ以上のプロセッサ(例えば、処理ユニット)、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、システム・オン・チップ(SOC)、及び/又は他の処理デバイスを含み得る。処理モジュール230-aは、リング104のモジュールと通信する。例えば、処理モジュール230-aは、リング104のモジュール及び他のコンポーネント(例えば、センサ)にデータを送信したり又はモジュール及び他のコンポーネントからデータを受信したりすることができる。本明細書で記載されるように、モジュールは様々な回路部品によって実装されてもよい。従って、モジュールは、回路(例えば、通信回路及び電力回路)とも呼ばれ得る。
【0052】
処理モジュール230-aはメモリ215と通信し得る。メモリ215は、処理モジュール230-aによって実行される場合に、処理モジュール230-aに、本明細書の処理モジュール230-aに帰属する様々な機能を実行させるコンピュータ可読命令を含み得る。いくつかの実施で、処理モジュール230-a(例えば、マイクロコントローラ)は、通信モジュール220-a(例えば、集積Bluetooth Low Energyトランシーバ)及び/又は追加のオンボードメモリ215によって提供される通信機能などの、他のモジュールに関連した追加機能を含み得る。
【0053】
通信モジュール220-aは、ユーザデバイス106(例えば、ユーザデバイス106の通信モジュール220-b)との無線及び/又は有線通信を提供する回路を含み得る。いくつかの実施で、通信モジュール220-a、220-bは、Bluetooth回路及び/又はWi-Fi回路などの無線通信回路を含み得る。いくつかの実施で、通信モジュール220-a、220-bは、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)通信回路などの有線通信回路を含むことができる。通信モジュール220-aを用いて、リング104及びユーザデバイス106は互いに通信するよう構成され得る。リング104の処理モジュール230-aは、通信モジュール220-aを介してユーザデバイス106へデータを送信したり又はユーザデバイス106からデータを受信したりすることができる。データの例には、運動データ、温度データ、パルス波形、心拍データ、HRVデータ、PPGデータ、及びステータス更新(例えば、充電ステータス、バッテリ充電レベル、及び/又はリング104の構成設定)が含まれ得るがこれら限定されない。リング104の処理モジュール230-aはまた、ユーザデバイス106から更新(例えば、ソフトウェア/ファームウェア更新)及びデータを受信するよう構成されてもよい。
【0054】
リング104はバッテリ210(充電式バッテリ210)を含み得る。バッテリ210の例には、リチウムイオン又はリチウムポリマータイプのバッテリ210が含まれ得るが、様々なバッテリ210の選択肢が可能である。バッテリ210は無線充電され得る。いくつかの実施で、リング104は、コンデンサなどの、バッテリ210以外の電源を含んでもよい。電源(例えば、バッテリ210又はコンデンサ)は、リング104の曲線に合う湾曲形状であることができる。いくつかの態様で、充電器又は他の電源は、リング104によって収集されたデータに加えて、又はそれを捕捉するデータを収集するために使用され得る追加のセンサを含んでもよい。更に、リング104のための充電器又は他の電源はユーザデバイス106として機能してもよく、その場合に、リング104のための充電器又は他の電源は、リング104からデータを受け取り、リング104から受け取ったデータを記憶及び/又は処理し、リング104とサーバ110との間でデータをやりとりするよう構成され得る。
【0055】
いくつかの態様で、リング104は、バッテリ210の充電を制御し得る電力モジュール225を含む。例えば、電力モジュール225は、リング104とインターフェース接続されるときにバッテリ210を充電する外付け無線充電器とインターフェース接続し得る。充電器は、リング104の充電中にリング104と特定の向きを作り出すために、リング104のデータム構造と嵌合するデータム構造を含み得る。電力モジュール225はまた、デバイスエレクトロニクスの電圧を調整し、デバイスエレクトロニクスへの電力出力を調整し、バッテリ210の充電状態をモニタし得る。いくつかの実施で、バッテリ210は、高電流放電、バッテリ104の充電中の過電圧、バッテリ104の放電中の不足電圧からバッテリ210を保護する保護回路モジュール(PCM)を含んでもよい。電力モジュール225はまた、静電気放電(ESD)保護を含んでよい。
【0056】
1つ以上の温度センサ240が処理モジュール230-aに電気的に結合されてもよい。温度センサ240は、温度センサ240によって読み取られた又は検知された温度を示す温度信号(例えば、温度データ)を生成するよう構成され得る。処理モジュール230-aは、温度センサ240の位置でのユーザの温度を決定し得る。例えば、リング104において、温度センサ240によって生成された温度データは、ユーザの指でのユーザの温度(例えば、皮膚温度)を含み得る。いくつかの実施で、温度センサ240はユーザの皮膚と接触し得る。他の実施では、筐体205の一部(例えば、内側筐体205-a)が、温度センサ240とユーザの皮膚との間のバリア(例えば、薄い熱伝導性バリア)を形成することがある。いくつかの実施で、ユーザの指と接触するよう構成されるリング104の部分は、熱伝導部分及び熱絶縁部分を備えてもよい。熱伝導部分は、ユーザの指から温度センサ240に熱を伝えることができる。熱絶縁部分は、周囲温度からリング104の部分(例えば、温度センサ240)を絶縁することができる。
【0057】
いくつかの実施で、温度センサ240は、処理モジュール230-aが温度を決定するために使用され得るデジタル信号(例えば、温度データ)を生成し得る。他の例として、温度センサ240がパッシブセンサを含む場合に、処理モジュール230-a(又は温度センサ240のモジュール)は、温度センサ240によって生成された電流/電圧を測定し、測定された電流/電圧に基づき温度を決定し得る。温度センサ240の例には、負温度係数(NTC)サーミスタなどのサーミスタ、あるいは、抵抗、トランジスタ、ダイオード及び/又は他の電気/電子部品を含む他のタイプのセンサが含まれ得る。
【0058】
処理モジュール230-aは、時間にわたってユーザの温度をサンプリングし得る。例えば、処理モジュール230-aは、サンプリングレートに従ってユーザの温度をサンプリングしてよい。サンプリングレートの例には、毎秒1サンプルが含まれ得るが、処理モジュール230-aは、毎秒1サンプルよりも高い又は低い他のサンプリングレートで温度信号をサンプリングするよう構成されてもよい。いくつかの実施で、処理モジュール230-aは、昼夜を通して継続的にユーザの温度をサンプリングしてよい。1日を通して十分なレート(例えば、毎秒1サンプル)でサンプリングすることは、本明細書で記載される解析のための十分な温度データを提供し得る。
【0059】
処理モジュール230-aは、サンプリングされた温度データをメモリ215に格納し得る。いくつかの実施で、処理モジュール230-aは、サンプリングされた温度データを処理し得る。例えば、処理モジュール230-aは、ある期間にわたる平均温度値を決定し得る。一例で、処理モジュール230-aは、1分間に収集された温度値を合計し、1分間にわたるサンプルの数で割ることによって、毎分の平均温度値を決定し得る。温度が毎秒1サンプルでサンプリングされる具体例では、平均温度は、1分間の全てのサンプリングされた温度の合計を60秒で割ったものであることができる。メモリ215は、経時的な平均温度値を記憶し得る。いくつかの実施で、メモリ215は、メモリ215を節約するために、サンプリングされた温度ではなく、平均温度(例えば、毎分1つ)を記憶してもよい。
【0060】
メモリ215に記憶され得るサンプリングレートは設定可能である。いくつかの実施で、サンプリングレートは、昼夜を通して同じであってよい。他の実施では、サンプリングレートは、昼/夜を通して変更されてもよい。いくつかの実施で、リング104は、生理学的変化を示さない温度の大きいスパイク(例えば、熱いシャワーによる温度スパイク)などの温度読み取りを除去/拒絶してもよい。いくつかの実施で、リング104は、リング104のエクササイズ中の過剰な動き(例えば、動きセンサ245によって示される。)などの他の要因により信頼できない可能性がある温度読み取りを除去/拒絶してもよい。
【0061】
リング104(例えば、通信モジュール)は、サンプリングされた温度データ及び/又は平均温度データを、記憶及び/又は更なる処理のために、ユーザデバイス106へ送信してもよい。ユーザデバイス106は、サンプリングされた温度データ及び/又は平均温度データを、記憶及び/又は更なる処理のために、サーバ110へ転送してもよい。
【0062】
リング104は単一の温度センサ240を含むものとして表されているが、リング104は、1つ以上の場所で、例えば、ユーザの指の近くで内側筐体205-aに沿って配置されている複数の温度センサ240を含んでもよい。いくつかの実施で、温度センサ240は、スタンドアロンの温度センサ240であってもよい。追加的に、又は代替的に、1つ以上の温度センサ240は、他のコンポーネントとともに、例えば加速度計及び/又はプロセッサとともに含まれてもよい(例えば、他のコンポーネントとパッケージ化されてもよい)。
【0063】
処理モジュール230-aは、単一の温度センサ240に関して記載されているのと同様の方法で、複数の温度センサ240からデータを取得して処理し得る。例えば、処理モジュール230-aは、複数の温度センサ240の夫々から個別的に温度データをサンプリングし、平均し、記憶してよい。他の例では、処理モジュール230-aは、異なるセンサごとに、異なるレートでセンサをサンプリングし、異なる値を平均/記憶してもよい。いくつかの実施で、処理モジュール230-aは、指の異なる場所にある2つ以上の温度センサ240によって決定された2つ以上の温度の平均に基づき単一の温度を決定するよう構成されてもよい。
【0064】
リング104の温度センサ240は、ユーザの指(例えば、任意の指)で遠位温度を取得し得る。例えば、リング104の1つ以上の温度センサ240は、指の下側から又は指の異なる位置でユーザの温度を取得し得る。いくつかの実施で、リング104は、(例えば、サンプリングレートで)遠位温度を連続的に取得し得る。指でリング104によって測定された遠位温度が本明細書では記載されるが、他のデバイスは、同じ/異なる位置で温度を測定してもよい。いくつかの場合に、ユーザの指で測定される遠位温度は、ユーザの手首又は他の外側身体位置で測定される温度とは異なる可能性がある。更に、ユーザの指で測定される遠位温度(例えば、“シェル”温度)は、ユーザのコア温度とは異なる可能性がある。従って、リング104は、身体の他の内側/外側位置で取得され得ない有用な温度信号を提供し得る。いくつかの場合に、指での連続的な温度測定は、コア温度では明らかでない場合がある温度変動(例えば、小さい又は大きい変動)を捕捉し得る。例えば、指での連続的な温度測定は、身体の別な場所での他の温度測定によっては提供されない場合がある追加の洞察をもたらす毎分又は毎時の温度変動を捕捉し得る。
【0065】
リング104はPPGシステム235を含み得る。PPGシステム235は、光を送信する1つ以上の光送信器を含み得る。PPGシステム235は、1つ以上の光送信器によって送信された光を受ける1つ以上の光受信器も含み得る。光受信器は、光受信器が受けた光の量を示す信号(以降「PPG信号」)を生成し得る。光送信器は、ユーザの指の領域を照射し得る。PPGシステム235によって生成されたPPG信号は、照射領域における血液のかん流を示し得る。例えば、PPG信号は、ユーザの脈圧によって引き起こされた照射領域内の血液量の変化を示し得る。処理モジュール230-aは、PPG信号をサンプリングし、PPG信号に基づきユーザのパルス波形を決定し得る。処理モジュール230-aは、ユーザの呼吸数、心拍、HRV、酸素飽和度、及び他の循環パラメータなどの様々な生理学的パラメータをユーザのパルス波形に基づき決定し得る。
【0066】
いくつかの実施で、PPGシステム235は、光受信器がユーザの指の領域により反射された送信光を受ける反射型PPGシステム235として構成されてもよい。いくつかの実施で、PPGシステム235は、光がユーザの指の一部を通って光受信器に直接伝えられるように光送信器及び光受信器が互いに対向して配置される透過型PPGシステム235として構成されてもよい。
【0067】
PPGシステム235に含まれる送信器及び受信器の数及び割合は様々であることができる。光送信器の例には、発光ダイオード(LED)がある。光送信器は、赤外線スペクトル及び/又は他のスペクトルで光を送信し得る。光受信器の例には、フォトセンサ、フォトトランジスタ、及びフォトダイオードがあるが、これらに限定されない。光受信器は、光送信器から受信された波長に応答してPPG信号を生成するよう構成され得る。送信器及び受信器の位置は様々であることができる。更に、単一のデバイスが、反射型及び/又は透過型PPGシステム235を含んでもよい。
【0068】
図2に表されているPPGシステム235は、いくつかの実施で反射型PPGシステム235を含み得る。このような実施では、PPGシステム235は、(リング104の底部で)中心に位置している光受信器と、光受信器の両側に位置している2つの光送信器とを含み得る。この実施で、PPGシステム235(例えば、光受信器)は、光送信器の一方又は両方から受信された光に基づきPPG信号を生成し得る。他の実施では、1つ以上の光送信器及び/又は光受信器の他の配置、組み合わせ、及び/又は構成が企図される。
【0069】
処理モジュール230-aは、光受信器によって生成されたPPG信号をサンプリングしながら、光を送信するよう光送信器の一方又は両方を制御し得る。いくつかの実施で、処理モジュール230-aは、光受信器によって生成されたPPG信号をサンプリングしながら、より強い受信信号を持った光送信器に光を送信させ得る。例えば、選択された光送信器は、PPG信号がサンプリングレート(例えば、250Hz)でサンプリングされている間に、連続的に光を発し得る。
【0070】
PPGシステム235によって生成されたPPG信号をサンプリングすることで、「PPG」とも呼ばれ得るパルス波形を得ることができる。パルス波形は、複数の心周期について時間に対する血圧を示し得る。パルス波形は、心周期を示すピークを含み得る。更に、パルス波形は、呼吸数を決定するために使用され得る呼吸誘発変動を含み得る。処理モジュール230-aは、いくつかの実施で、パルス波形をメモリ215に格納し得る。処理モジュール230-aは、パルスが生成されるとき、及び/又はメモリ215から、パルス波形を処理して、本明細書で記載される生理学的パラメータを決定し得る。
【0071】
処理モジュール230-aは、パルス波形に基づきユーザの心拍を決定し得る。例えば、処理モジュール230-aは、パルス波形のピーク間の時間に基づき心拍を(例えば、毎分当たりの拍動数で)決定し得る。ピーク間の時間は、心拍間隔(interbeat interval)(IBI)と呼ばれ得る。処理モジュール230-aは、決定された心拍値及びIBIをメモリ215に格納し得る。
【0072】
処理モジュール230-aは、時間にわたってHRVを決定し得る。例えば、処理モジュール230-aは、IBIの変動に基づきHRVを決定し得る。処理モジュール230-aは、経時的なHRV値をメモリ215に格納し得る。更に、処理モジュール230-aは、時間にわたってユーザの呼吸数を決定し得る。例えば、処理モジュール230-aは、ある期間にわたるユーザのIBI値の周波数変調、振幅変調、又はベースライン変調に基づき呼吸数を決定し得る。呼吸数は、毎分当たりの呼吸数で又は他の呼吸数(例えば、30秒当たりの呼吸)として計算されてもよい。処理モジュール230-aは、経時的なユーザの呼吸数値をメモリ215に格納し得る。
【0073】
リング104は、1つ以上の加速度計(例えば、6-D加速度計)及び/又は1つ以上のジャイロスコープ(ジャイロ)などの1つ以上の動きセンサ245を含み得る。動きセンサ245は、センサの動きを示す動き信号を生成し得る。例えば、リング104は、加速度計の加速度を示す加速度信号を生成する1つ以上の加速度計を含み得る。他の例として、リング104は、角運動(例えば、角速度)及び/又は向きの変化を示すジャイロ信号を生成する1つ以上のジャイロセンサを含み得る。動きセンサ245は、1つ以上のセンサパッケージに含まれてもよい。例となる加速度計/ジャイロセンサは、3つの直交する軸で角速度及び加速度を測定し得るBosch BMI160慣性微小電気機械システム(MEMS)である。
【0074】
処理モジュール230-aは、サンプリングレート(例えば、50Hz)で動き信号をサンプリングし、サンプリングされた動き信号に基づきリング104の動きを決定し得る。例えば、処理モジュール230-aは、リング104の加速度を決定するために加速度信号をサンプリングし得る。他の例として、処理モジュール230-aは、角運動を決定するためにジャイロ信号をサンプリングし得る。いくつかの実施で、処理モジュール230-aは、運動データをメモリ215に格納し得る。運動データは、サンプリングされた運動データとともに、サンプリングされた動き信号(例えば、加速度及び角度値)に基づき計算された運動データを含み得る。
【0075】
リング104は、本明細書で記載される様々なデータを記憶し得る。リング104は、生のサンプリングされた温度データ及び計算された温度データ(例えば、平均温度)などの温度データを記憶し得る。他の例として、リング104は、パルス波形及びパルス波形に基づき計算されたデータ(例えば、心拍値、IBI値、HRV値、及び呼吸数値)などのPPG信号データを記憶し得る。リング104は、直線及び角運動を示すサンプリングされた運動データなどの運動データも記憶し得る。
【0076】
リング104、又は他のコンピューティングデバイスは、サンプリング/計算された生理学的データに基づき更なる値を計算及び記憶してもよい。例えば、処理モジュール230-aは、睡眠メトリクス(例えば、スリープスコア)、活動メトリクス、及びレディネスメトリクスなどの様々なメトリクスを計算及び記憶し得る。いくつかの実施で、更なる値/メトリクスは「導出値」と呼ばれることがある。リング104、又は他のコンピューティング/ウェアラブルデバイスは、動きに関して様々な値/メトリクスを計算し得る。運動データの導出値の例には、動作カウント値、規則性値、強度値、代謝当量(metabolic equivalence of task)値(MET)、及び方向値が含まれ得るが、これらに限定されない。動作カウント値、規則性値、強度値、及びMETは、時間にわたるユーザの動きの量(例えば、速度/加速度)を示し得る。方向値は、リング104がユーザの指上でどのように方向付けられているか、及びリング104が左手に着用されているか右手に着用されているかを示し得る。
【0077】
いくつかの実施で、動作カウント値及び規則性値は、1つ以上の周期(例えば、1つ以上の30秒乃至1分の集器)内で加速度のピークの数を数えることによって、決定され得る。強度値は、動きの回数及び動きの関連する強さ(例えば、加速度値)を示し得る。強度値は、関連する閾加速度値に応じて、低、中、及び高と分類され得る。METは、ある期間(例えば、30秒間)の動きの強さ、動きの規則性/不規則性、及び異なる強さに関連した動きの回数に基づき、決定され得る。
【0078】
いくつかの実施で、処理モジュール230-aは、メモリ215に記憶されているデータを圧縮し得る。例えば、処理モジュール230-aは、サンプリングされたデータに基づき計算を行った後に、サンプリングされたデータを削除してもよい。他の例として、処理モジュール230-aは、記憶されている値の数を減らすために、より長い期間にわたってデータを平均してもよい。具体例では、1分間のユーザの平均体温がメモリ215に記憶される場合に、処理モジュール230-aは、記憶のために5分間にわたる平均体温を計算し、その後、1分間の平均体温データを消去し得る。処理モジュール230-aは、使用された/利用可能なメモリ215の総量、及び/又はリング104が最後にデータをユーザデバイス106に送信してからの経過時間などの、様々な因子に基づき、データを圧縮してよい。
【0079】
ユーザの生理学的パラメータはリング104に含まれるセンサによって測定され得るが、他のデバイスがユーザの生理学的パラメータを測定してもよい。例えば、ユーザの体温はリング104に含まれる温度センサによって測定され得るが、他のデバイスがユーザの体温を測定してもよい。いくつかの例で、他のウェアラブルデバイス(例えば、手首デバイス)は、ユーザの生理学的パラメータを測定するセンサを含み得る。更に、外部医療デバイス(例えば、装着型医療デバイス)及び/又は植え込み型医療デバイスなどの医療デバイスが、ユーザの生理学的パラメータを測定してもよい。任意のタイプのコンピューティングデバイスの1つ以上のセンサが、本明細書で記載される技術を実装するために使用されてもよい。
【0080】
生理学的測定は、昼及び/又は夜を通して連続的に行われ得る。いくつかの実施で、生理学的測定は、日中の一部及び/又は夜間の一部の間に取得され得る。いくつかの実施で、生理学的測定は、ユーザが活動状態、休息状態、及び/又は睡眠状態などの特定の状態にあるとの判定に応答して、取得され得る。例えば、リング104は、よりきれいな生理学的信号を取得するために、安静/睡眠状態で生理学的測定を行うことができる。一例では、リング104又は他のデバイス/システムは、ユーザが休息中及び/又は睡眠中であるときを検出し、その検出された状態についての生理学的パラメータ(例えば、体温)を取得することができる。デバイス/システムは、本開示の技術を実装するために、安静/睡眠生理学的データ及び/又はユーザが他の状態にあるときの他のデータを使用してもよい。
【0081】
いくつかの実施で、本明細書中で前に記載されたように、リング104は、データを収集、記憶、及び/又は処理するよう構成されてよく、本明細書で記載されるデータのいずれかを記憶及び/又は記憶のためにユーザデバイス106へ転送し得る。いくつかの態様で、ユーザデバイス106は、ウェアラブルアプリケーション250、オペレーティングシステム(OS)、ウェブブラウザアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ280)、1つ以上の更なるアプリケーション、及びGUI275を含む。ユーザデバイス106は、センサ、オーディオデバイス、ハプティックフィードバックデバイス、などを含む他のモジュール及びコンポーネントを更に含んでもよい。ウェアラブルアプリケーション250は、ユーザデバイス106にインストールされ得るアプリケーション(例えば、「APP」)の一例を含み得る。ウェアラブルアプリケーション250は、本明細書で記載されるように、リング104からデータを取得し、取得したデータを記憶し、取得したデータを処理するよう構成され得る。例えば、ウェアラブルアプリケーション250は、ユーザインターフェース(UI)モジュール255、取得モジュール260,処理モジュール230-b、通信モジュール220-b、及びアプリケーションデータを記憶するよう構成される記憶モジュール(例えば、データベース265)を含み得る。
【0082】
本明細書で記載される様々なデータ処理動作は、リング104、ユーザデバイス106、サーバ110、又はそれらの任意の組み合わせによって実行され得る。例えば、いくつかの場合に、リング104によって収集されたデータは前処理され、ユーザデバイス106へ送信されてよい。この例で、ユーザデバイス106は、受信されたデータに対していくつかのデータ処理動作を実行してよく、又はデータをデータ処理のためにサーバへ送信してもよく、あるいは、その両方を行ってもよい。例えば、いくつかの場合に、ユーザデバイス106は、比較的低い処理出力しか必要としない処理動作、及び/又は比較的低いレイテンシしか必要としない動作を実行することができ、一方、ユーザデバイス106は、比較的高い処理出力を必要とする処理動作、及び/又は比較的高いレイテンシを許容できる動作のためのサーバ110へデータを送信することができる。
【0083】
いくつかの態様で、システム200のリング104、ユーザデバイス106、及びサーバ110は、ユーザの睡眠パターンを評価するよう構成され得る。特に、システム200の各々のコンポーネントは、リング104によりユーザからデータを収集し、収集されたデータに基づきユーザの1つ以上のスコア(例えば、スリープスコア、レディネススコア)を生成するために使用され得る。例えば、本明細書で前に述べられたように、システム200のリング104は、体温、心拍、HRVなどを含むデータをユーザから収集するようユーザに身につけられ得る。リング104によって収集されたデータは、所与の“睡眠日”についてユーザの睡眠を評価するように、ユーザが睡眠中である時を決定するために使用され得る。いくつかの態様で、スコアは、各々の睡眠日毎にユーザに対して計算でき、それにより、第1睡眠日は第1のスコアの組と関連付けられ、第2睡眠日は第2のスコアの組と関連付けられる。スコアは、各々の睡眠日にリング104によって収集されたデータに基づき、各々の睡眠日毎に計算され得る。スコアには、スリープスコア、レディネススコア、などが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0084】
いくつかの場合に、所与の睡眠日が各々の暦日の真夜中から真夜中までになるように、「睡眠日」は従来の暦日と一致し得る。他の場合には、睡眠日は暦日に対してオフセットされる場合がある。例えば、睡眠日は、暦日の午後6時(18時)から次の暦日の午後6時(18時)まで続いてもよい。この例では、午後6時が「カットオフ時間」として機能し、午後6時より前にユーザから収集されたデータが目下の睡眠日としてカウントされ、午後6時以降にユーザから収集された次の睡眠日としてカウントされる。ほとんどの人が夜に最もよく眠るという事実により、暦日に対して睡眠日をオフセットすることにより、システム200は、ユーザの睡眠スケジュールと一致するような方法で、ユーザの睡眠パターンを評価できるようになり得る。いくつかの場合に、ユーザは、睡眠日が各ユーザの通常の睡眠時間と一致するように、暦日に対する睡眠日のタイミングを(例えば、GUIを介して)選択的に調整することが可能であり得る。
【0085】
いくつかの実施で、日ごとのユーザの夫々の総合スコア(例えば、スリープスコア、レディネススコア)は、1つ以上の「因子」、「要因」、又は「寄与因子」に基づき決定/計算され得る。例えば、ユーザの全体的なスリープスコアは、総睡眠、効率、休息、REM睡眠、深睡眠、レイテンシ、タイミング、又はそれらの任意の組み合わせを含む因子の組に基づき計算され得る。スリープスコアは任意の数の因子を含み得る。「総睡眠」因子は、睡眠日の全ての睡眠期間の合計を指すことができる。「効率」因子は、ベッドに入り間に起きている時間と比較した眠っている時間の割合を反映でき、各睡眠期間の継続時間によって重み付けられた、睡眠日の長い睡眠時間(例えば、主睡眠期間)の効率平均を用いて計算され得る。「休息」因子は、ユーザの睡眠がどのくらい安らかであるかを示すことができ、各期間の継続時間によって重み付けられた、睡眠日の全ての睡眠期間の平均を用いて計算され得る。休息因子は、“目覚まし回数”(異なる睡眠期間中に検出された全ての目覚まし(ユーザが目覚めたとき)の合計)、過度の動き、及び「起床回数」(例えば、異なる睡眠期間中に検出された全ての起床(ユーザがベッドから起きたとき)の合計)に基づいてもよい。
【0086】
「REM睡眠」因子は、REM睡眠を含む睡眠日の全ての睡眠期間にわたるREM睡眠継続時間の総計を指すことができる。同様に、「深睡眠」因子は、深睡眠を含む睡眠日の全ての睡眠期間にわたる深睡眠継続時間の総計を指すことができる。「レイテンシ」因子は、ユーザが眠りにつくまでにかかる時間(例えば、平均、メジアン、最長)を示すことができ、各期間の継続時間及びそのような期間の数によって重み付けられた、睡眠日を通した長い睡眠期間の平均を用いて計算され得る(例えば、所与の睡眠段階又は複数の睡眠段階の統合は、それ自体の寄与要因であるか、又は他の寄与要因に重み付けされ得る。)。最後に、「タイミング」因子は、睡眠日及び/又は暦日内の睡眠期間の相対的なタイミングを指すことができ、各期間の継続時間によって重み付けされた、睡眠日の全ての睡眠期間の平均を用いて計算され得る。
【0087】
他の例として、ユーザの全体的なレディネススコアは、睡眠、睡眠バランス、心拍、HRVバランス、回復インデックス、温度、活動、活動バランス、又はそれらの任意の組み合わせを含む因子の組に基づき計算され得る。レディネススコアは任意の数の因子を含み得る。「睡眠」因子は、睡眠日の全ての睡眠期間の複合されたスリープスコアを指すことができる。「睡眠バランス」因子は、睡眠日の全ての睡眠期間の累積的な継続時間を指すことができる。特に、睡眠バランスは、ユーザが一定の期間(例えば、過去2週間)にわたって取得してきた睡眠がユーザのニーズとバランスがとれているかどうかをユーザに示し得る。通常、成人が健康で注意力を維持し、精神的にも肉体的にも最高のパフォーマンスを発揮するには、毎晩7~9時間の睡眠が必要である。ただし、時折睡眠の質が悪い夜があるのは普通のことなので、睡眠バランス因子は長期的な睡眠パターンを考慮して、各ユーザの睡眠ニーズが満たされているかどうかを判断する。「安静時心拍数」因子は、睡眠日の最も長い睡眠期間(例えば、主睡眠期間)からの最低心拍数、及び/又は主睡眠期間の後に行われる昼寝からの最低心拍数を示し得る。
【0088】
レディネススコアの“因子”(例えば、要因、寄与因子)を引き続き参照して、「HRVバランス」因子は、主睡眠期間及び主睡眠期間の後に行われる昼寝からの最も高いHRV平均を示し得る。HRVバランス因子は、第1の期間(例えば、2週間)にわたるユーザのHRV傾向を、ある第2のより長い期間(例えば、3ヶ月)にわたるユーザのHRVv傾向と比較することによって、ユーザが自身の回復状態を追跡するのを助け得る。「回復インデックス」因子は、最も長い睡眠期間に基づき計算され得る。回復インデックスは、ユーザの安静時心拍数が夜間に安定するのにどれくらいかかるかを測定する。非常に良好な回復の兆候は、ユーザの安静時心拍数が夜の前半、つまりユーザが起床する少なくとも6時間前に安定し、翌日に向けて体の回復時間が確保されることである。「体温」因子は、最も長い睡眠期間(例えば、主睡眠期間)に基づいて計算されるか、又は昼寝中のユーザの最高体温がもっと長い期間における最高体温より少なくとも0.5℃高い場合には、最も長い睡眠期間の後に行われる昼寝に基づいて計算され得る。いくつかの態様で、リングは、ユーザが眠っている間にユーザの体温を測定することができ、システム200は、ユーザの基準体温に対するユーザの平均体温を表示することができる。ユーザの体温が正常範囲外である場合(例えば、明らかに0.0より高い又は低い場合)、体温要因は強調表示される(例えば、「注意を払う」状態に移行する)か、又はユーザに対して別なふうに警告を生成し得る。
【0089】
いくつかの態様で、システム200は、ウェアラブルデバイスによって収集された生理学的データ(例えば、運動データ、温度データ)に基づきユーザの心拍を決定するための技術をサポートし得る。いくつかの態様で、システム200のリング104、ユーザデバイス106、及びサーバ110は、ユーザが安静状態にあるかどうかなどにかかわらず、ユーザの心拍データを決定するよう構成され得る。特に、システム200の各々のコンポーネントは、ユーザの生理学的データ(例えば、動き、温度)に基づきユーザの心拍データを決定するために使用され得る。例えば、システム200の各々のコンポーネントは、PPG、ひいては心拍数を測定する瞬間を決定して、PPGお及び心拍数データが生理学的データに基づいた品質閾値を満たすことを保証することができる。従って、これらの瞬間は、システム200のリング104上のセンサを利用することによって検出され得る。
【0090】
例えば、本明細書中で前に述べられたように、システム200のリング104は、温度、心拍、動き、などを含むユーザからのデータを収集するために、ユーザによって装着され得る。システム200のリング104は、動脈血流、静脈血流、などに基づきユーザからの生理学的データを収集し得る。リング104によって収集された生理学的データは、システム200によっていつPPG及び心拍データを収集すべきかを決定するために使用され得る。システム200は、ユーザデバイス106のGUI275に選択的に心拍データの全て又は一部を表示させ得る。
【0091】
いくつかの場合に、システム200は、PPGデータを収集するためのチャネル(例えば、1つ以上のセンサの組)を選択し得る。例えば、リング104は、複数のPPGセンサを備えて構成されてよく、PPGセンサは、光学パス(例えばあ、チャネル)を構成するエミッタ(例えば、LED)及びレシーバ(例えば、光検出器)のペアであってよい。いくつかの場合に、PPGセンサは、1つ以上の緑色LED、1つ以上の赤色LED、1つ以上のIR LED、又はLEDの任意の他の組を指すことができ、PPGセンサの1つ以上に関連した信号品質に基づき、PPGデータを取得する1つ以上のPPGセンサを選択し得る。
【0092】
例えば、いくつかの実施で、リング104は、各緑色LEDチャネル及び各IRチャネルの信号品質を同時に測定し、信号品質を比較し、心拍測定に使用される最良信号品質を持ったチャネルを選択(例えば、緑色LEDチャネルを選択、IRチャネルを選択)し得る。他の例として、他の場合には、リング104は、IRチャネルの信号品質を測定でき、IRチャネルの信号品質が品質閾値を上回る場合に心拍測定のためにIRチャネルを利用でき、あるいは、IRチャネルの信号品質が品質閾値を下回る場合に他のチャネル(例えば、緑色LEDチャネル)を利用できる。
【0093】
いくつかの場合に、心拍データを表示することは、データの品質に基づき心拍データを表示するために、表示の前に、心拍データを1つ以上の閾値の組と比較することに基づいてもよい。いくつかの場合に、データの品質を決定することは、反復的(段階的)比較プロシージャに従って実行されてもよい。心拍データを決定するプロシージャは、図3~8を参照して更に図示及び記載され得る。
【0094】
図3は、本開示の態様に従う心拍検出のための技術をサポートする心拍決定プロシージャ300の例を表す。心拍決定プロシージャ300は、システム100、システム200、又はその両方の態様を実装しても、又はそれによって実装されてもよい。例えば、いくつかの実施で、心拍決定プロシージャ300は、図2に示されるようにユーザデバイス106のGUI275によりユーザに表示され得る心拍データ(例えば、日中心拍データ、覚醒時心拍データ)をもたらし得る。
【0095】
本明細書で更に詳細に記載されるように、システム200は、ユーザの生理学的データ及びPPGデータに基づきユーザの心拍データを推定320するよう構成され得る。従って、心拍決定プロシージャ300は、日中心拍データ、覚醒時心拍データ、非安静時心拍データ、などのユーザの心拍データを、ユーザの生理学的データ及びPPGデータに基づき決定するためのプロシージャを表す。従って、ウェアラブルデバイスは、心拍決定プロシージャ300に従って、1日を通じて、又はユーザが起きている継続時間を通じて、又はユーザが活動している(つまり休息していない)継続時間を通じて、又はそれらの組み合わせにわたって、ユーザの心拍を検出し得る。例えば、305で、システム200は、ユーザの運動データ及び温度データをサンプリングし得る。その後、310で、システム200は、取得した運動データ及び温度データに基づき、PPGを取得する瞬間を検出し得る。315で、PPGを取得する瞬間の検出に基づき、システム200は、PPGをサンプリングし、PPG信号を評価し得る。320で、PPG信号の信号品質に基づき、システム200はユーザの心拍を推定し得る。いくつかの場合に、システム200は、リング104により収集されたユーザの心拍データ及び/又はPPGデータに基づき、ユーザの心拍データを決定又は推定し得る。他の場合に、リング104は、加速度計、温度センサ、LED(例えば、赤外線LED、緑色LED、赤色LED、黄色LED)などの他のセンサにより、ユーザの心拍データを決定又は推定してもよい。
【0096】
305で、ウェアラブルデバイス(例えば、システム200、システム200の要素、例えば、リング104又はユーザデバイス106)は、ユーザの運動データ、温度データ、又はその両方をサンプリングし得る。例えば、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイスがユーザの温度データを検出するために使用できる1つ以上の温度センサ(例えば、図2に表されている温度センサ240)を含み得る。具体的に、ウェアラブルデバイスは、(ユーザの周りに周囲温度ではなく)ユーザの皮膚、身体などの温度データを検出し得る。温度データの取得と並行して(例えば、同時に)、又は異なる時点で、ウェアラブルデバイスは、ユーザに関連した運動データを取得し得る。例えば、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイスがユーザの運動データを検出するために使用できる1つ以上の動きセンサ(例えば、図2に表されている動きセンサ245)を含み得る。いくつかの場合に、動きデータは加速度データを指すことができる。そのような場合に、ウェアラブルデバイスの動きセンサは、ユーザの加速度を検出できる加速度計(例えば、3次元(3D)加速度計)を指すことができる。
【0097】
310で、ウェアラブルデバイス(例えば、システム200、システム200の要素、例えば、リング104又はユーザデバイス106)は、PPGを取得する瞬間を検出し得る。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスが、PPGを連続的に取得するのではなく、PPGを取得する瞬間を検出することが有利であり得る。例えば、連続的にではなく、離散した瞬間の組にわたってPPGを取得することによって、ウェアラブルデバイスは電力消費を削減すること、バッテリ電力を節約すること、などが可能である。ウェアラブルデバイスは、一連の瞬間中にPPG信号を取得するように制限される場合があるため、ウェアラブルデバイスが高品質のPPGデータを取得することを保証するために、ウェアラブルデバイスは、PPG信号が品質閾値を満たす可能性がある瞬間を検出するよう構成され得る。
【0098】
例えば、適切な瞬間を検出することは、時間の量(例えば、最も最近の心拍測定からの時間の量)、ユーザの生理学的データ(例えば、温度データ、運動データ)、又はそれらの組み合わせに基づき得る。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、PPG瞬間(例えば、PPGの取得を開始する瞬間)を検出する時間のインターバルなどの条件を決定しても、又はそのような条件を設定されてもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、X分のインターバルを決定しても、又はそのようなインターバルを別なふうに設定されてもよい。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、インターバルに従ってX分ごとであるようにPPG瞬間を検出し得る。インターバルは、分に限定されなくてもよく、代わりに、ミリ秒、秒、時間、などの単位であってもよいことが理解されるべきである。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、条件の組に基づいて、例えば、時間インターバル及びユーザの生理学的データに基づいて、PPG瞬間を検出し得る。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、インターバルの終わりに到達したことに基づいて(例えば、X分が経過した後に)、及び1つ以上の生理学的条件が品質閾値を満たすことに基づいて、PPG瞬間を検出し得る。例えば、(例えば、インターバルに従って)X分ごとに、ウェアラブルデバイスは、1つ以上の生理学的条件が品質閾値を満足するかどうかを決定し得る。1つ以上の生理学的条件が品質閾値を満足する場合に、ウェアラブルデバイスは、PPGを取得する瞬間としてそのインターバルの終わりを検出し得る。1つ以上の生理学的データが品質閾値を満足しない場合に、ウェアラブルデバイスは、そのインターバルの終わりにPPGを取得しないと決定し得る。いずれの場合にも、更にX分後(又は他の適切な期間若しくはインターバルの時間後)、ウェアラブルデバイスは、PPG瞬間などを検出するために、1つ以上の生理学的条件が閾値を満足するかどうかを再び決定し得る。いくつかの場合に、インターバルXは5分に等しくてよい。
【0099】
いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイスがPPG測定どうしの間で待つことになる最大時間量を設定され得る。例えば、ウェアラブルデバイスは、Y分に等しい最大時間を決定するか、又は別なふうにそのような最大時間を設定され得る。ここで、YはXよりも大きい。従って、ウェアラブルデバイスがY分内にPPGを取得する瞬間を検出しなかった場合に、ウェアラブルデバイスは、(例えば、生理学的条件品質にかかわらず)PPGを取得すると決定し得る。いくつかの場合に、最大時間Yは10分に等しくてよい。そのような場合に、システム200は、少なくとも10分ごとにPPGをサンプリングし及び/又はユーザの心拍測定を決定するよう構成され得る。最大時間Yは、分に限定されなくてもよく、代わりに、ミリ秒、秒、時間、などの単位であってもよいことが理解されるべきである。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、全ての時間で(例えば、連続的に)PPGを取得すると決定してもよい。
【0100】
ウェアラブルデバイスは、検出された瞬間に基づきPPGを取得し得る。ウェアラブルデバイスは、PPGシステム(例えば、PPGシステム235)を介してPPGデータを取得し得る。例えば、ウェアラブルデバイスは、検出された瞬間の開始時にPPGのサンプリングを開始してよく、Z分の継続時間の間PPGを取得し続けてよい。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、PPGを取得する継続時間の指示を決定若しくは受信するか、又はそのような継続時間の事前設定を特定し得る。例えば、Zの継続時間、又はPPGサンプリングを停止する指示は、生理学的信号(例えば、動き又は温度)によって決定されてよく、あるいは、取得した心拍数の値が品質閾値を満足することに基づき様々に決定されてよい。いくつかの場合に、Z分の継続時間は、X分のインターバルに関連し得る。例えば、Z分の継続時間は、X分のインターバルよりも短くてよい。いくつかの場合に、PPG継続時間Zは、1分に等しくてよい(例えば、システム200は、1分間PPGをサンプリングする。)。PPG継続時間Zは、分に限定されなくてもよく、代わりに、ミリ秒、秒、時間、などの単位であってもよい。
【0101】
315で、ウェアラブルデバイス(例えば、システム200、システム200の要素、例えば、リング104又はユーザデバイス106)は、検出された瞬間中に取得されたPPG信号を評価し得る。いくつかの場合に、PPG信号を評価することは、PPG信号の品質を決定することを含み得る。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、PPG信号が少なくとも品質閾値を満足するかどうかを決定し得る。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、PPG信号が閾値を満足することに基づいて、心拍を決定するためにPPG信号を使用すべきかどうかを決定し得る。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、PPG信号の部分が品質閾値を満足するかどうかを決定し得る。ウェアラブルデバイスは、心拍を決定するための品質閾値を満足するPPG信号の部分を使用し得る。
【0102】
いくつかの実施で、ウェアラブルデバイス104は、PPGデータを収集するためのチャネル(例えば、1つ以上のセンサの組)を選択し得る。例えば、ウェアラブルデバイス104は、複数のPPGセンサを備えて構成されてよく、PPGセンサは、PPG測定のための光学パス(例えば、チャネル)を形成するエミッタ(例えば、LED)及びレシーバ(例えば、光検出器)のペアであってよい。いくつかの場合に、PPGセンサは、1つ以上の緑色LED、1つ以上の赤色LED、1つ以上のIR LED、又はLEDの任意の他の組を指すことができ、PPGセンサの1つ以上に関連した信号品質に基づき、PPGデータを取得する1つ以上のPPGセンサを選択し得る。例えば、ウェアラブルデバイスは、1つ以上のPPGセンサの組が最も高い信号品質に関連すること及び/又は信号品質閾値を満足することに基づき、PPGデータをサンプリングするための1つ以上のPPGセンサの組を選択し得る。
【0103】
320で、ウェアラブルデバイス(例えば、システム200,システム200の要素、例えば、リング104又はユーザデバイス106)は、取得されたPPG信号に基づきユーザの心拍を推定し得る。ユーザの心臓が鼓動するたびに、手や指にある動脈に血液が送り出される。ウェアラブルデバイス内の(図2を参照して記載されるPPGシステム235の)PPGセンサは、光の反射及び吸収を使用して、血流及び体積のこれらの変化を検出することができる。鼓動ごとに、指の動脈が膨張及び収縮を繰り返す。皮膚に、例えばLEDにより、光を当てることにより、動脈内の赤血球の量の変動から反射される光の変化が考慮される。ここから、PPGは、ユーザの心臓の活動、ひいては心拍を表す視覚的な波形を通じて、これらの血流の変化を表すことができる。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、PPG信号が品質閾値を満足することに基づき、又はPPG信号の部分が品質閾値を満足することに基づき、ユーザの心拍を決定し得る。例えば、ウェアラブルデバイスは、ユーザの心拍を正確に表すPPG信号の1つ以上の部分を決定し得る。
【0104】
ウェアラブルデバイスは、心拍決定プロシージャ300の全て又は一部を実行して、ユーザの心拍データを決定するよう構成され得る。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、日中心拍データ、覚醒時心拍データ、ユーザが休息しているかどうかにかかわらない心拍データ、又はそれらの任意の組み合わせを取得し得る。従って、ウェアラブルデバイスは、24時間窓の時間範囲内にあるような時刻に基づいて、ユーザが覚醒していることに基づいて、など、心拍決定プロシージャ300の1つ以上のステップを実行し得る。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、心拍決定プロシージャ300の1つ以上のステップを実行して、全ての時点で(例えば、時刻や、ユーザが覚醒しているかどうかにかかわらず)ユーザの心拍データを取得することができる。追加的に、又は代替的に、心拍決定プロシージャ300の各々のステップ及びプロシージャは、リング104、ユーザデバイス106、サーバ110、又はそれらの任意の組み合わせなどのシステム200の各々のコンポーネントのいずれかによって実行され得る。
【0105】
図4は、本開示の態様に従う心拍検出のための技術をサポートする心拍決定プロシージャ400の例を表す。心拍決定プロシージャ400は、システム100、システム200、心拍決定プロシージャ300、又はそれらの組み合わせの態様を実装しても、又はそれによって実装されてもよい。例えば、いくつかの実施で、心拍決定プロシージャ400は、図2に示されるようにユーザデバイス106のGUI275によりユーザに表示され得る心拍データ(例えば、日中心拍データ、覚醒時心拍データ)をもたらし得る。いくつかの場合に、心拍決定プロシージャ400は、心拍決定プロシージャ300の全て又は一部に関係があることができ、又はその逆も然りである。
【0106】
本明細書で記載されるように、システム200などのシステム、又はウェアラブルデバイス(例えば、リング104)などのシステム200の一部は、条件の組に基づきユーザの心拍を決定でき、条件は、1つ以上の閾値、生理学的データ、PPGデータ、又はそれらの組み合わせを指すことができる。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、心拍決定プロシージャ400に従って、1日を通じて、又はユーザが起きている継続時間を通じて、又はユーザが活動している(つまり休息していない)継続時間を通じて、又はそれらの組み合わせにわたって、ユーザの心拍を検出し得る。
【0107】
405で、ウェアラブルデバイスは、ユーザに関連した運動データを測定し得る。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、連続的に又は周期的に(例えば、周期性に従って)運動データを測定し得る。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、設定された継続時間中に動きを測定でき、ウェアラブルデバイスは、設定された継続時間の指示を設定されるか、又はそのような指示を受け取ってよく、あるいは、設定された継続時間を決定してもよい。運動データを測定するために、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイス上の1つ以上のセンサ(例えば、動きセンサ245)を利用し得る。いくつかの場合に、運動データは、3D加速度などのユーザの加速度を検出できる加速度計(例えば、3D加速度計)を指すことができる。いくつかの場合に、加速度計は、50Hz又はその他の周波数としてユーザの加速度を測定し得る。
【0108】
410で、ウェアラブルデバイスは、ユーザに関連した温度データを測定し得る。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、連続的に又は周期的に(例えば、周期性に従って)温度データを測定し得る。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、設定された継続時間中に温度を測定でき、ウェアラブルデバイスは、設定された継続時間の指示を設定されるか、又はそのような指示を受け取ってよく、あるいは、設定された継続時間を決定してもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、毎分1回ユーザの温度を測定し得る(1温度測定/分)。温度データを測定するために、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイス上の1つ以上の温度センサ(例えば、温度センサ240)を利用し得る。
【0109】
415で、ウェアラブルデバイスは運動データを前処理し得る。例えば、ウェアラブルデバイスは、処理されたか速度データを得るために3D加速度データ(例えば、生データ)を前処理し得る。いくつかの場合に、ステップ405、410、及び415のうちの1つ以上は並行して実行されてもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、温度データ及び運動データを並行して取得し、その後に運動データを前処理し得る。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、運動データを取得し、温度データの取得と並行して運動データを処理してもよい。
【0110】
420で、運動データを前処理すると、前処理された運動データ及び温度データは特徴抽出モジュールに入力される。特徴抽出モジュールは、温度データ、前処理された運動データ、又はそれらの組にあわせの1つ以上の特徴を決定し得る。例えば、特徴抽出モジュールは、温度データ、前処理された運動データ、又はそれらの組み合わせの標準偏差、分散、範囲、平均などを決定し得る。いくつかの場合に、特徴抽出モジュールは、3秒窓などの、取得されたデータの時間の窓について、1つ以上の特徴を決定し得る。ウェアラブルデバイスは、特徴を決定するために使用する時間の窓を設定されてもよく、あるいは、そのような時間の窓を決定してもよい。
【0111】
425で、ウェアラブルデバイスは、温度データ、運動データ、又はそれらの組み合わせに関連した条件品質インデックス(condition quality index)(CQI)を計算し得る。CQIを計算するために、ウェアラブルデバイスは、温度データ、前処理された運動データ、データの1つ以上の特徴(例えば、420で決定された1つ以上の特徴)、又はそれらの組み合わせを使用してもよい。いくつかの態様で、CQIメトリクスは、心拍測定の決定のための所与の時間インターバルを通して収集された生理学的データの相対品質を示し得る。言い換えれば、所与の時間インターバルのCQIメトリックは、各々の時間インターバル内で収集された生理学的データが心拍測定を実行するために良好であるかどうかを示し得る。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、温度データ及び運動データの品質を反映するよう単一のCQIを決定してもよい。いくつかの他の場合に、ウェアラブルデバイスは、運動データのCQI及び温度データの別個のCQIを決定してもよい。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、常に、又は周期性に従って、CQIを計算し得る。例えば、ウェアラブルデバイスは、3秒ごとにCQI値を計算し得る。ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイスによって取得された温度データ、運動データ、又はその両方の品質の支持として1つ以上のCQI計算を使用し得る。
【0112】
いくつかの態様で、システム200は、CQIメトリックを生成するために、420で決定された特徴を分類器に入力し得る。例えば、システム200は、特徴を分類器(例えば、機械学習分類器、ニューラルネットワーク)に入力してよく、分類器は、受け取った特徴に基づき1つ以上のCQIメトリクスを決定するよう構成される。例えば、システム200は、420で平均運動及び平均温度を決定でき、これらの特徴を分類器入力でき、分類器は、平均運動及び平均温度に基づきCQIメトリックを決定する。
【0113】
430で、ウェアラブルデバイスは、PPGサンプリングを開始すべきかどうかを決定するためにPPGサンプリングロジックを実行し得る。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイスの電力消費を最小限するよう構成され得る。従って、ウェアラブルデバイスはPPG記録を制限し得る。ウェアラブルデバイスは、周期性(例えば、待ち時間、インターバル)、CQI、又はそれらの組み合わせなどの1つ以上の条件に基づき、PPGを記録すべきかどうかを決定し得る。いくつかの場合に、システム200は、425で計算されたCQIメトリックが何らかの閾メトリック値を満足すること(又は満足できないこと)に基づき、PPGサンプリングを実行すべきか否かを決定し得る。例えば、いくつかの場合に、システム200は、平均運動及び平均温度を含む425で抽出された特徴に基づき、CQIメトリックを決定し得る。そのような場合に、システム200は、CQIメトリックを計算でき、平均運動が運動閾値以下であること及び平均温度が温度閾値以上であることに基づき、CQIメトリックが閾メトリック値を満足することを決定し得る。
【0114】
更なる場合、又は代替の場合に、PPGを開始すべきかどうかを決定するための基礎となる条件は、周期性であってよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、X分ごと、例えば5分ごとにPPGを開始すべきかどうか評価するよう構成され得る。言い換えれば、システム200は、5分ごとにPPGサンプリングを実行すべきか否かを評価し得る。X分マークでPPGサンプリングを開始すべきかどうかを評価するために、ウェアラブルデバイスは、温度データ及び運動データなどの、ウェアラブルデバイスによって取得されているデータを評価し得る。例えば、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイスが取得する限られたPPGデータが高品質のPPGデータであることを保証するようにデータを評価し得る。高品質のPPGデータは、ユーザの動き、ユーザの温度、ユーザ上のウェアラブルデバイスの位置などに基づき得る。例えば、高品質のPPGデータは、ユーザの動きが運動閾値を下回っている場合、ユーザの皮膚温度が温度閾を上回っている場合、ユーザ上のウェアラブルデバイスの位置が、ウェアラブルデバイスが正確なデータ(例えば、運動データ、温度データ)を取得しているような位置にある場合、又はそれらの組み合わせにおいて、取得され得る。
【0115】
例えば、温度データ(例えば、皮膚温度)は、ウェアラブルデバイスがある身体の部分(例えば、ウェアラブルデバイスがリング104である場合に指)の血液循環などの血液循環に関連し得る。周囲温度、エクササイズ、などは血液循環に影響を与える可能性がある。いくつかの場合に、血液循環及び温度は直接相関し得るので、血液循環が低下する場合に、皮膚温度が下がる可能性がある。皮膚温度が閾値を下回る場合、これは、ウェアラブルデバイスが血液循環を正確に検出できない可能性があり、従って、正確なパルス読み出しを得ることができない可能性があることを示し得る。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、ユーザの基準温度又は基準温度範囲を設定されるか又は特定し得る。ウェアラブルデバイスは、温度測定(瞬時温度測定)を基準温度(又は範囲)と比較し得る。例えば、ウェアラブルデバイスは、瞬時温度測定を基準範囲のより低い方の閾値と比較してもよく、瞬時温度が低い方の閾値を下回る場合に、瞬時温度は、正確なパルスデータを取得するには低すぎる可能性がある。
【0116】
従って、X分ごとに、ウェアラブルデバイスは、温度データ、運動データ、CQI、又はそれらの組み合わせを評価し得る。例えば、最後の評価から経過した時間の量(例えば、待ち時間)がX分以上であり、CQIがCQI閾値以上である場合に、ウェアラブルデバイスはPPGの記録を開始し得る。しかし、CQIがCQI閾値を満足しない場合にウェアラブルデバイスは記録を開始し得ない(例えば、PPGのサンプリングを控える)。いくつかの場合に、CQI閾値はゼロに等しくてよい。従って、ウェアラブルデバイスは、CQI計算を使用して、PPGを取得する瞬間を決定し得る。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、CQI計算の組を使用して、PPGのサンプリングを開始すべきかどうかを決定し得る。従って、ウェアラブルデバイスは、当該組内の各CQIをCQI閾値と比較するか、又は当該組の平均CQIをCQI閾値と比較するなどして、PPGのサンプリングを開始すべきかどうかを決定し得る。
【0117】
いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイスがPPGの記録及び/又は心拍数測定の実行を行わずに過ごすことができる最大時間量(例えば、Y分)を設定され得る。YはXよりも大きい。いくつかの場合に、Yは10分に等しくてよい。言い換えれば、システム200は、少なくとも10分ごとにPPGをサンプリングし及び/又はユーザの心拍測定を取得するよう構成され得る。例えば、最後のPPG記録(又は最後に実行された心拍測定)からの時間がY分以上である場合、ウェアラブルデバイスは、CQIにかかわらず、PPGの記録を開始し得る。Y分に到達したことによるPPGの開始は、強制測定と呼ばれ得る。いくつかの場合に、強制測定は、X分でCQIがCQI閾値を満足することに基づき得られたPPG測定とは別なふうに扱われてもよい。例えば、強制測定は、追加的に評価されても、品質閾と比較されても、非強制測定よりも軽く重み付けられてもよい、など。
【0118】
ウェアラブルデバイスは、例えばZ分などの、定義された時間インターバルの間にPPGを記録するよう構成され得る。いくつかの場合に、Zは1分に等しくてよい。従って、435で、ウェアラブルデバイスは、Z分の間PPGサンプリングロジックに従ってPPG記録を開始し得る。ウェアラブルデバイスは、周波数(例えば、50Hz)などの条件の組でPPGをサンプリングし得る。
【0119】
いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、PPGセンサの1つ以上の組を用いてユーザのPPGデータをサンプリングしてよく、PPGセンサの各組は、少なくとも1つのLED及び少なくとも1つの光検出器を含む。例えば、ウェアラブルデバイスは、第1LED及び第1光検出器を含むPPGセンサの第1ペアと、第2LED及び第2光検出器を含むPPGセンサの第2ペアとを含み得る。言い換えれば、ウェアラブルデバイスは、PPGデータ(例えば、2つの各々のセンサペアからの2つの別個のPPG信号)を取得するための2つの別個の“チャネル”を含み得る。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、PPGセンサの第1ペア及びPPGセンサの第2ペアを同時に用いてPPGセンサをサンプリングし得る。追加的に、又は代替的に、ウェアラブルデバイスは、PPGセンサの第1ペア及びPPGセンサの第2ペアを順次使用してPPGデータをサンプリングしてもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、PPGセンサの第1ペア及びPPGセンサの第2ペアの活性状態を順次制御し得る(例えば、第1ペアは、第2ペアが不活性状態にあるときに活性状態にあり、逆も同様である。)。その後、PPGの別の組/ペアをアクティブ化することで、各々PPG信号の品質及び精度を向上させ、干渉を減らすことができ、より正確な心拍測定を得ることができる。
【0120】
440で、PPGをサンプリングすると、ウェアラブルデバイスは、更にX分内で、ウェアラブルデバイスがPPGサンプリングロジックを再び評価することができるように、待ち時間をリセットし得る。その後、又は並行して、445で、ウェアラブルデバイスは、PPGデータを前処理し得る。例えば、ウェアラブルデバイスは、誤ったサンプルを除くために、PPGデータにフィルタをかけることができる。いくつかの場合に、PPGデータを処理することは、特定のセンサ(例えば、緑色LED、赤外線LED、赤色LED、黄色LED)又はPPGセンサの組から取得されたPPGデータを選択すること、複数のセンサの間で取得されたPPGデータを平均すること、などを含み得る。
【0121】
例えば、いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、センサの複数の組からのPPG信号をモニタし得る。例えば、システム200は、PPGセンサの第1の組からの第1PPG信号及びPPGセンサの第2の組からのPPG信号を決定でき、PPGセンサの各々の組は、少なくとも1つのLED及び少なくとも1つの光検出器を含む。リングウェアラブルデバイスに関連して、PPGサンプリングに使用される各々のセンサ(例えば、LED、光検出器)の夫々は、リングの内周に沿って異なる放射位置に位置付けられ得る。この例では、PPGの複数の組の1つ以上からの第1又は第2PPG信号は、例えば、ユーザに対する、ウェアラブルデバイスの周りのセンサの位置や、各々センサ又はLEDとの皮膚接触の相対品質、などにより、複数のセンサの他から得られたPPG信号よりも信頼性が高くなり得る。例えば、ユーザの指の下側(例えば、手のひら側)に位置しているセンサは、指の骨の上に(例えば、指の裏側に)位置しているセンサよりも正確なPPGデータをもたらし得る。他の例として、ウェアラブルデバイスの相対的な位置付けは、第2センサと比較して1つの第1センサと皮膚接触が少ないので、第2センサと比較して品質が低いPPGデータをもたらし得る。
【0122】
従って、いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、特定のセンサから収集されたPPGデータを取得及び/又は利用すべきかどうか、あるいは、様々な数学演算、例えば、平均演算、加重平均演算、などを用いてPPGセンサの複数の組の間で取得されたPPGデータを結合すべきかどうかを決定し得る。言い換えれば、システム200は、ユーザの心拍測定を決定するために使用される“合成”PPG信号を生成するために、PPGセンサの複数の組により収集された複数のPPG信号を結合し得る。
【0123】
いくつかの実施で、図5~7を参照して更に詳細に記載されるように、ウェアラブルデバイス104は、信号品質に基づき、PPGデータを収集するためのチャネル(例えば、1つ以上のセンサの組)を選択し得る。ここで、信号品質は、ユーザ上のPPGセンサの位置、ユーザの活動、ユーザの体温、などに基づき影響を及ぼされる可能性がある。例えば、ウェアラブルデバイスは、1つ以上の緑色LED、1つ以上の赤色LED、1つ以上のIR LED、又はLEDの任意の他の組などの複数のPPGセンサを備えて構成されてよく、PPGセンサの1つ以上に関連した信号品質に基づき、PPGデータを取得するための1つ以上のPPGセンサを選択し得る。例えば、ウェアラブルデバイスは、1つ以上のPPGセンサの組が最も高い信号品質に関連すること及び/又は信号品質閾値を満足することに基づき、PPGデータをサンプリングするための1つ以上のPPGセンサの組を選択し得る。
【0124】
いくつかの場合に、PPGセンサを選択するために使用される信号品質基準は使用ケースに基づいてもよい。信号品質基準は1つ以上のパラメータに基づいてよく、1つ以上のパラメータには、ユーザの病気(例えば、肺炎)、ユーザの疾患(例えば、無呼吸、心房細動(AFib))、現在のトレーニング、以前のトレーニング、又は計画された将来のトレーニング、などが含まれ得る。例えば、パラメータの1つ以上は、信号の異なるタイプ、信号の形状、などに関連することができ、よって、信号品質基準は、1つ以上のパラメータに基づき変化し得る。従って、デバイスは、もしあれば、適用する1つ以上のパラメータ(例えば、使用ケース)を特定し、1つ以上のPPGセンサを選択するために使用する信号品質基準を決定し得る。
【0125】
ウェアラブルデバイスは、本明細書で記載されているステップのいずれかとの任意の組み合わせで、及び/又は任意の順序で、チャネルを選択し得る。
【0126】
450で、ウェアラブルデバイスは、アルゴリズムをPPGデータに適用してもよい。いくつかの場合に、アルゴリズムはS-パルスアルゴリズムと呼ばれ得る。いくつかの場合に、アルゴリズムは、IBI値(例えば、ibiCorrected、ibiQuality、ibi、ibi値のタイムスタンプ(tibi))などの1つ以上の測定を出力し得る。
【0127】
455で、450でPPGにアルゴリズムを適用するのと同時に、又は異なる時点で、ウェアラブルデバイスは、PPGデータに関連したPPG品質インジケータ(PQI)(例えば、PPG品質メトリック)を計算してもよく、PQIは、全体として又は部分的にPPGデータの品質の指示を提供し得る。言い換えれば、PPG品質メトリックは、サンプリングされたPPGデータの相対品質を示し得る。いくつかの場合に、システム200は、435でサンプリングされたPPGデータを、同じユーザに対して以前に収集された他のPPGデータと、他のユーザから収集されたPPGデータと、又はその両方と比較することによって、PPG品質メトリック(例えば、PQI)を決定し得る。言い換えれば、システム200は、サンプリングされたPPGデータを、当該ユーザ及び/又は他のユーザからサンプリングされた基準PPGデータと比較することによって、サンプリングされたPPGデータの相対品質(例えば、サンプリングされたPPGデータのPQI)を決定し得る。
【0128】
460で、450で決定されたアルゴリズム(例えば、ibiQuality)の1つ以上の出力、CQI及びPQIは、心拍出力モジュールに入力され得る。ウェアラブルデバイスは、心拍出力モジュールを使用して、PPGデータが品質閾値を満足することに基づきユーザの心拍値を選択し得る。例えば、ウェアラブルデバイスは、誤った心拍データを除去し得る。言い換えれば、システム200は、PPG品質メトリック(例えば、PQI)が閾PPGメトリック値を満足することに基づきユーザの心拍測定を決定するよう構成され得る。決定されたPPG品質メトリックを何らかの閾PPGメトリック値に関して評価することによって、システム200は、サンプリングされたPPGデータが正確な心拍測定をもたらし得ることを保証できる。460での心拍出力選択の1つ以上の態様は、図8を参照して更に詳細に記載され得る。
【0129】
いくつかの場合に、図8を参照して更に詳細に記載されるように、心拍値を選択することは、データの品質に基づき心拍データを表示するために、心拍データを1つ以上の閾値の組と比較することに基づき得る。いくつかの場合に、データの品質を決定することは、反復的(例えば、段階的)比較プロシージャに従って実行され得る。いくつかの場合に、各心拍データ点(又は一連の心拍データ点)は、心拍データ点の品質を示すようラベル付けされてもよい。
【0130】
465で、心拍データの時系列がアプリケーション(例えば、GUI275)で表示され得る。心拍データの提示は、以下図9を参照して更に図示及び記載される。
【0131】
いくつかの場合に、ステップ405~455は、リング104などのウェアラブルデバイスのファームウェアによって実行されてもよい。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、ユーザデバイス(例えば、ユーザデバイス106)などの、ウェアラブルデバイスに関連したデバイスとステップ405の1つ以上の結果をやりとりしてもよい。ステップ460は、ウェアラブルデバイス、ユーザデバイス、又はそれらの組み合わせによって実行されてもよい。ステップ465は、ウェアラブルデバイス、ユーザデバイス、アプリケーション(例えば、ユーザデバイス上のアプリケーション)、又はそれらの組み合わせによって実行されてもよい。
【0132】
図5は、本開示の態様に従う心拍検出のための技術をサポートするチャネル選択プロシージャ500の例を表す。チャネル選択プロシージャ500は、システム100、システム200、心拍決定プロシージャ300及び400、又はそれらの組み合わせの態様を実装しても、又はそれによって実装されてもよい。例えば、いくつかの実施で、チャネル選択プロシージャ500は、PPGデータをサンプリングするために使用する1つ以上のPPGセンサの選択をもたらすことができ、PPGデータは、図2に示されるようにユーザデバイス106のGUI275によりユーザに表示され得る心拍データ(例えば、日中心拍データ、覚醒時心拍データ)を決定するために使用され得る。いくつかの場合に、チャネル選択プロシージャ500は、心拍決定プロシージャ300若しくは400の全て又は一部に関係があることができ、又はその逆も然りである。例えば、チャネル選択プロシージャ500は、図4を参照して記載されたステップ430及び/又は435で実装され得る。
【0133】
本明細書で記載されるように、ウェアラブルデバイスは、1つ以上のPPGセンサ(例えば、チャネル、LED)を用いて、ユーザの心拍データを決定するためのPPGデータをサンプリングし得る。例えば、いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、1つ以上のPPGセンサによりPPGデータを取得するよう構成され得る。例えば、ウェアラブルデバイスは、心拍が測定されるたびにPPGを取得するために同じPPGセンサ又はPPGセンサの同じ組を用いて、PPGデータを取得するよう構成され得る。例えば、ウェアラブルデバイスは、第1緑色LED及び第1光検出器を含む505-aの緑色LEチャネル1(例えば、GRE1_PD1)などの緑色LED及び光検出器、又は第2緑色LED及び第2光検出器を含む505-bの緑色LEDチャネル2(例えば、GRE2_PD2)、又はそれらの組み合わせを用いて、PPGデータをサンプリングするよう構成され得る。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、1つ以上の緑色LEDを用いてPPGデータを取得するよう構成されてもよい。特に、緑色LEDは、特定の条件(例えば、理想的な条件)で(例えば、他のLEDタイプと比較して)最も正確なデータをもたらし得る。
【0134】
ただし、いくつかの場合に、PPGデータを取得するよう構成されている1つ以上のPPGセンサ(例えば、緑色LED)の性能は低下し、及び/又は閾値を下回ることがある。追加的に、又は代替的に、ウェアラブルデバイスの1つ以上の他のセンサ(例えば、赤色LED、IR LED、他の着色LED、例えば黄色LED)は、緑色LEDと同じに又はそれよりもうまく動作し得る。例えば、いくつかの場合に、第1PPGセンサの信号品質は、第2PPGセンサよりも環境パラメータによって影響を及ぼされることがある。環境パラメータには、リングの回転、リングのはめ合い(例えば、1日の経過、及び/又は数ヶ月、数年の経過などの時間の経過とともに変化する可能性がある。)、ウェアラブルデバイス及び/又はウェアラブルデバイスのセンサの状態(例えば、新しいデバイスは古いデバイスとは異なる動作をする場合がある。)、ユーザの皮膚の温度、周囲温度などが含まれ得る。例えば、理想的な条件(例えば、動きが少なく、皮膚温度が暖かく、PPGセンサがユーザの指の手のひら側に配置される)では、緑色LEDはIR LEDよりも正確なPPGデータを生成し得る。
【0135】
ただし、それほど理想的でない条件では、又は条件が変化するにつれて、緑色LEDは、IR LEDほどうまく動作しない可能性がある(例えば、IR LEDはよりロバストであり、実質的であることができる。)。例えば、IRダイオードは、例えば、激しい動き(エクササイズ中)の場合及び/又は皮膚温度が低い場合に、緑色LEDと比較して優れた性能を示し得る。追加的に、又は代替的に、いくつかのPPGセンサは、他のPPGセンサよりもユーザにとって煩わしいことがある。例えば、使用中に、可視光スペクトルを利用するLED(例えば、緑色LED)はユーザに見える可能性があり、一方、可視光スペクトルを利用しないLED(例えば、IR LED)はユーザには見えない。
【0136】
従って、心拍数測定に使用されるPPGデータをサンプリングするために、ウェアラブルデバイスがセンサ及び/又はセンサタイプ(例えば、緑色LED対IR LED対赤色LED、など)を柔軟に切り替えることができるようにすることが有益であり得る。例えば、ウェアラブルデバイスは、センサの1つ以上に関連した信号品質に基づいて、心拍測定に使用されるPPGデータを取得するための1つ以上のセンサを選択することができる。信号品質閾値は、時間インターバルごとに検出されたパルスの数、PPG品質インデックス、その他の信号品質インデックスなどであってよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、1つ以上のセンサの組が最も高い信号品質に関連すること及び/又は信号品質閾値を満足することに基づいて、PPGデータをサンプリングするための1つ以上のセンサの組を選択し得る。従って、ウェアラブルデバイスは、品質及び信頼性が向上したPPGデータを取得することができる。1つ以上のPPGセンサの組を選択すると、本明細書でより詳細に説明するように、ウェアラブルデバイスはPPGデータをサンプリングし、PPGデータを処理し(510で)、パルス検出を実行する(515)。
【0137】
図6は、本開示の態様に従う心拍検出のための技術をサポートするチャネル選択プロシージャ600の例を表す。チャネル選択プロシージャ600は、システム100、システム200、心拍決定プロシージャ300及び400、チャネル選択プロシージャ500、又はそれらの組み合わせの態様を実装しても、又はそれによって実装されてもよい。例えば、いくつかの実施で、チャネル選択プロシージャ600は、PPGデータをサンプリングするために使用する1つ以上のPPGセンサの選択をもたらすことができ、PPGデータは、図2に示されるようにユーザデバイス106のGUI275によりユーザに表示され得る心拍データ(例えば、日中心拍データ、覚醒時心拍データ)を決定するために使用され得る。いくつかの場合に、チャネル選択プロシージャ600は、心拍決定プロシージャ300若しくは400の全て又は一部に関係があることができ、又はその逆も然りである。例えば、チャネル選択プロシージャ600は、図4を参照して記載されたステップ430及び/又は435で実装され得る。
【0138】
本明細書で記載されるように、心拍を決定するプロシージャは、PPGデータをサンプリングするチャネル(例えば、PPGデータを取得できるセンサ)を選択することを含み得る。例えば、ウェアラブルデバイスは、1つ以上の緑色LED(例えば、緑色LEDチャネル1及び2)、1つ以上の赤色LED、1つ以上のIR LED(例えば、IR LEDチャネル1~4)、又はLEDの任意の他の組(例えば、黄色LEDなどの他の着色LED)などの複数のPPGセンサを備えて構成され得る。例えば、ウェアラブルデバイスは、2つといった任意の数IR LEDと、2つといった任意の数の光検出器とを含んでもよく、IR LEDと光検出器との組み合わせはチャネルと呼ばれ得る。従って、IRチャネル1は、第1IR LED及び第1光検出器(例えば、IR1_PD1)に対応することができ、IRチャネル2は、第1IR LED及び第2光検出器(例えば、IR1_PD2)に対応することができ、IRチャネル3は、第2IR LED及び第1光検出器(例えば、IR12_PD1)に対応することができ、IRチャネル4は、第2IR LED及び第2光検出器(例えば、IR12_PD2)に対応することができる。
【0139】
同様に、ウェアラブルデバイスは、1つとしった任意の数の緑色LEDと、1つといった任意の数の光検出器とを含んでもよく、緑色LEDと光検出器との組み合わせはチャネルと呼ばれ得る。いくつかの場合に、緑色LED及び光検出器のペアは、交換可能であることができない。従って、緑色LEDチャネル1は、第1緑色LED及び第1光検出器(例えば、GRE1_PD1)に対応することができ、緑色LEDチャネル2は、第2緑色LED及び第2光検出器(例えば、GRE2_PD2)に対応することができる。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、PPGセンサの1つ以上に関連した信号品質に基づき、PPGデータを取得するための1つ以上のPPGセンサを選択するよう構成され得る。言い換えれば、ウェアラブルデバイスは、心拍測定に使用されるPPGデータを収集するためにどのチャネルが使用されるかを選択するよう構成され得る。
【0140】
例えば、ウェアラブルデバイスは、1つ以上のPPGセンサの組(例えば、ウェアラブルデバイスに対して構成されたPPGセンサの一部又は全て)を解析するよう構成され得る。例えば、ウェアラブルデバイスは、1つ以上のPPGセンサからデータを取得し得る。いくつかの場合に、図2を参照して記載されるように、ウェアラブルデバイスは、条件(例えば、最小待ち時間、最大待ち時間、品質メトリック、サンプリング継続時間)の組に基づき1つ以上のセンサからPPGデータを取得でき、条件の組は、1つ以上のPPGセンサの夫々について同じであることができ、あるいは、1つ以上のPPGセンサの間で異なってもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、最後のサンプリングから最小待ち時間に達する場合に、かつ、CQIが閾値よりも大きい場合に、1つ以上のPPGセンサの各PPGセンサでのPPGサンプリングを開始し得る。追加的に、又は代替的に、ウェアラブルデバイスは、最後のサンプリングから最大待ち時間に達する場合に(CQIにかかわらず)、1つ以上のPPGセンサの各PPGセンサのPPGサンプリングを開始し得る。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、サンプリング継続時間(例えば、1分)に従って1つ以上のPPGセンサの夫々でPPGデータをサンプリングするよう構成され得る。
【0141】
いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、条件の組に従って、605-a及び605-b(例えば、夫々、緑色LEDチャネル1及び2に対応する。)でPPGデータをサンプリングするよう、及び/又は610-a~610-b(例えば、夫々、IR LEDチャネル1~4に対応する。)でPPGデータをサンプリングするよう構成され得る。例えば、いくつかの実施で、ウェアラブルデバイスは、605-a~610-bの夫々で各々のチャネルをサンプリングするために、各々の緑色チャネル及びIRチャネルの夫々を順次にアクティブ化/非アクティブ化するよう構成され得る。
【0142】
ウェアラブルデバイスは、615で信号品質決定プロシージャを実行し得る。このとき、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイスがデータをサンプリングした各PPGセンサからの出力の品質(例えば、信号品質)を決定(例えば、測定、計算)し得る。例えば、ウェアラブルデバイスが605-a及び605-bの1つ以上でデータをサンプリングした場合に、ウェアラブルデバイスは、緑色LEDチャネル1及び緑色LEDチャネル2について夫々、信号品質決定を実行し得る。ウェアラブルデバイスが610-a~610-bの1つ以上でデータをサンプリングした場合に、ウェアラブルデバイスは、IR LEDチャネル1~IR LEDチャネル4について信号品質決定を実行し得る。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、605-a、605-b、610-a、610-b、610-c、及び610-dの全て又は一部の組み合わせでデータをサンプリングしてもよい。
【0143】
いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、各PPGセンサの信号品質を1つ以上の信号品質閾値と比較するよう、及び/又は各PPGセンサの信号品質を他の決定された信号品質と比較するよう構成され得る。620で、ウェアラブルデバイスは、最も高い信号品質に関連した1つ以上のPPGセンサを選択し得る。例えば、ウェアラブルデバイスは、最も高い信号品質に関連した上位N個のセンサを選択するよう構成されてよく、ここで、Nは、ゼロよりも大きい任意の数であることができる。追加的に、又は代替的に、ウェアラブルデバイスは、1つ以上の信号品質閾値を満足する1つ以上のPPGセンサを選択し得る。例えば、ウェアラブルデバイスは、PPGセンサが信号品閾値を満足し、PPGセンサが最も高い信号品質に関連する場合に、そのPPGセンサを選択し得る。他の例では、PPGセンサが最も高い信号品質に関連するが、信号品質閾値を満足できない場合に、ウェアラブルデバイスは、PPGセンサを選択するのを控えてもよい(例えば、心拍測定の実行を控える。)。
【0144】
いくつかの場合に、620で、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイスがアクティブ化しない任意のPPGセンサなどの1つ以上のPPGセンサを非アクティブ化してもよい。言い換えれば、ウェアラブルデバイスは、PPG収集及び心拍検出に使用されないPPGセンサ/チャネルを非アクティブ化し得る。1つ以上のPPGセンサを非アクティブ化することは、1つ以上のセンサをオフすること、1つ以上のセンサをスタンバイ状態に移行すること、などを含み得る。1つ以上のセンサを非アクティブ化することは、ウェアラブルデバイスでの電力節約を可能にすることができ、1つ以上のセンサがアクティブなままであることで引き起こされてしまう可能性がある可視光に関するユーザ妨害を減らすことができる。いくつかの場合に、他の非PPG関連目的などのために、ウェアラブルデバイスは、1つ以上の非アクティブ化されたPPGセンサを再アクティブ化するよう構成されてもよく、かつ/あるいは、1つ以上の非アクティブ化されたセンサは、タイマに従ってそれら自身を再アクティブ化するよう構成されてもよい。
【0145】
いくつかの実施で、ウェアラブルデバイス(及び/又はシステム200の他のコンポーネント)は、心拍データが収集されるべきであるたびに、図6に表されているPPGチャネル選択プロシージャを実行してよい。更に、いくつかの実施で、ウェアラブルデバイスは、チャネルが選択された後でさえチャネル品質を再評価するために“フィードバックループ”を実装するよう構成されてもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、最初に緑色LEDチャネル1を選択し、緑色LEDチャネル1を利用して、心拍測定に使用されるPPGデータを収集し得る。ただし、この例では、その後に緑色LEDチャネル1の信号品質が低下するなど、条件が変化する可能性がある。かような場合に、ウェアラブルデバイスは、どのチャネルが心拍測定に使用されるべきかを再評価するために、605-a、605-b、610-a、610-b、610-c、及び/又は610-dでチャネルの全て又は一部を再測定するよう構成され得る。
【0146】
従って、ウェアラブルデバイスは、品質及び信頼性が向上したPPGデータを取得することができる。1つ以上のPPGセンサの組を選択すると、本明細書でより詳細に説明するように、ウェアラブルデバイスはPPGデータをサンプリングし、PPGデータを処理し(625で)、パルス検出を実行する(630)ことができる。
【0147】
図7は、本開示の態様に従う心拍検出のための技術をサポートするチャネル選択プロシージャ700の例を表す。チャネル選択プロシージャ700は、システム100、システム200、心拍決定プロシージャ300及び400、チャネル選択プロシージャ500及び600、又はそれらの組み合わせの態様を実装しても、又はそれによって実装されてもよい。例えば、いくつかの実施で、チャネル選択プロシージャ700は、PPGデータをサンプリングするために使用する1つ以上のPPGセンサの選択をもたらすことができ、PPGデータは、図2に示されるようにユーザデバイス106のGUI275によりユーザに表示され得る心拍データ(例えば、日中心拍データ、覚醒時心拍データ)を決定するために使用され得る。いくつかの場合に、チャネル選択プロシージャ700は、心拍決定プロシージャ300若しくは400の全て又は一部に関係があることができ、又はその逆も然りである。例えば、チャネル選択プロシージャ700は、図4を参照して記載されたステップ430及び/又は435で実装され得る。
【0148】
本明細書で記載されるように、ウェアラブルデバイスは、信号品質に基づき、PPGデータを取得するための1つ以上のPPGセンサ(例えば、チャネル)を選択するよう構成され得る。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、2つといった任意の数IR LEDと、2つといった任意の数の光検出器とを含んでもよく、IR LEDと光検出器との組み合わせはチャネルと呼ばれ得る。従って、IRチャネル1は、第1IR LED及び第1光検出器(例えば、IR1_PD1)に対応することができ、IRチャネル2は、第1IR LED及び第2光検出器(例えば、IR1_PD2)に対応することができ、IRチャネル3は、第2IR LED及び第1光検出器(例えば、IR12_PD1)に対応することができ、IRチャネル4は、第2IR LED及び第2光検出器(例えば、IR12_PD2)に対応することができる。同様に、ウェアラブルデバイスは、1つとしった任意の数の緑色LEDと、1つといった任意の数の光検出器とを含んでもよく、緑色LEDと光検出器との組み合わせはチャネルと呼ばれ得る。いくつかの場合に、緑色LED及び光検出器のペアは、交換可能であることができない。従って、緑色LEDチャネル1は、第1緑色LED及び第1光検出器(例えば、GRE1_PD1)に対応することができ、緑色LEDチャネル2は、第2緑色LED及び第2光検出器(例えば、GRE2_PD2)に対応することができる。
【0149】
ウェアラブルデバイスは、1つ以上のPPGチャネルの組(例えば、ウェアラブルデバイスに対して構成されたPPGセンサの一部又は全て)を解析するよう構成され得る。例えば、ウェアラブルデバイスは、1つ以上のPPGセンサからデータを取得し得る。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、PPGデータをサンプリングするために使用するデフォルトのPPGセンサ(例えば、特定のPPGセンサ)又はデフォルトのPPGセンサタイプ(例えば、1つ以上のIR LED、1つ以上の緑色LED、など)を備えて構成されてもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、1つ以上のIRセンサが信号品質閾値を満足する限り、PPGサンプリングのために、IR LEDチャネル1~4などの1つ以上のIRセンサをデフォルトとして使用するよう構成され得る。
【0150】
従って、ウェアラブルデバイスは、705-a、705-b、705-c、及び705-dで1つ以上のIRチャネルからPPGデータをサンプリングし得る。710で、ウェアラブルデバイスは、IRチャネル1~4の夫々について信号品質を決定し得る。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、各IRセンサの信号品質を1つ以上の信号品質閾値と比較し、及び/又は各IRセンサの信号品質を他のIRセンサの信号品質と比較するよう構成されてもよい。例えば、715で、ウェアラブルデバイスは、IRチャネル1~4の1つ以上が閾値よりも高い信号品質を満足するかどうかを決定し得る。そうである場合に、ウェアラブルデバイスは、PPGデータを取得するためにIRチャネルから1つ以上を選択し得る。ウェアラブルデバイスは、1つ以上のIRチャネルが信号品質閾値を満足する場合に、それらのIRチャネルを選択してもよい。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、最も高い信号品質に関連した1つ以上のIRチャネルを選択してもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、最も高い信号品質に関連した上位N個のIRセンサを選択するよう構成され得る。ここで、Nは、ゼロよりも大きい任意の数であることができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、IRセンサが信号品質閾値を満足し、IRセンサが最も高い信号品質に関連する場合に、そのIRセンサを選択し得る。1つ以上のIRセンサを選択すると、本明細書で更に詳細に記載されるように、ウェアラブルデバイスは、PPGデータをサンプリングし、PPGデータを処理し(720で)、パルス検出を実行する(725)。
【0151】
IRチャネル1~4のどれも信号品質閾値を満足しない場合、ウェアラブルデバイスは、緑色LEDチャネル1及び2などの1つ以上の他のチャネルを解析してもよい。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、最初に、1つ以上の他のチャネルをアクティブ化し、1つ以上の他のチャネルからPPGデータをサンプリングし得る。例えば、デフォルトのチャネル(例えば、IRチャネル)以外の他の全てのチャネルは、ステップ705~710の間、非アクティブ化され、及び/又はサンプリングを控えることができる。従って、ウェアラブルデバイスは、730-aで緑色LEDチャネル1を介して、及び730-bで緑色LEDチャネル2を介してPPGデータをサンプリングし得る。735で、ウェアラブルデバイスは、緑色LEDチャネル1及び2の夫々に関連した信号品質を決定し得る。740で、ウェアラブルデバイスは、最も高い信号品質に関連した上位N個の緑色LEDチャネルを選択するよう構成され得る。ここで、Nは、ゼロよりも大きい任意の数であることができる。例えば、ウェアラブルデバイスは、最も高い信号品質に関連した緑色LEDセンサを選択し得る。
【0152】
追加的に、又は代替的に、いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、緑色LEDチャネルの1つ以上を信号品質閾値と比較してもよい。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、緑色LEDチャネルの1つ以上を、1つ以上の緑色LEDチャネルが閾値を満足することに基づき使用してよい。いくつかの場合に、複数の緑色LEDチャネルが品質閾値を満足する場合、ウェアラブルデバイスは、例えば、最も高い信号品質に基づき1つ以上の緑色LEDチャネルを選択してもよい。いくつかの場合に、緑色LEDチャネルのどれも品質閾値を満足しない場合、ウェアラブルデバイスは、緑色LEDチャネルの1つ以上を引き続き使用してもよい。いくつかの場合に、緑色LEDチャネルのどれも品質閾値を満足しない場合、ウェアラブルデバイスは、705でチャネル選択プロシージャを再スタートしてもよい。
【0153】
いくつかの場合に、IRチャネル1~4のどれも信号品質閾値を満足しないと決定すると、ウェアラブルデバイスは、IRチャネルの1つ以上を非アクティブ化し得る。1つ以上のIRチャネルを非アクティブ化することは、1つ以上のIRセンサをオフすること、1つ以上のIRセンサをスタンバイ状態に移行すること、などを含み得る。いくつかの場合に、他の非PPG関連目的などのために、ウェアラブルデバイスは、1つ以上の非アクティブ化されたIRセンサを再アクティブ化するよう構成されてもよく、かつ/あるいは、1つ以上の非アクティブ化されたIRセンサは、タイマに従ってそれら自身を再アクティブ化するよう構成されてもよい。
【0154】
本明細書中で前に述べられたように、ウェアラブルデバイス(及び/又はシステム200の他のコンポーネント)は、心拍データが収集されるべきであるたびに、図6に表されているPPGチャネル選択プロシージャを実行してよい。更に、いくつかの実施で、ウェアラブルデバイスは、チャネルが選択された後でさえチャネル品質を再評価するために“フィードバックループ”を実装するよう構成されてもよい。例えば、ウェアラブルデバイスは、最初にIRチャネル1を選択し、IRチャネル1を利用して、心拍測定に使用されるPPGデータを収集し得る。ただし、この例では、その後にIRチャネル1の信号品質が低下するなど、条件が変化する可能性がある。かような場合に、ウェアラブルデバイスは、どのチャネルが心拍測定に使用されるべきかを再評価するために、705-a、705-b、705-c、及び/又は705-dでIRチャネルの全て又は一部を再測定するよう構成され得る。他の例として、IRチャネル1の信号品質が低下したと決定すると、ウェアラブルデバイスは、緑色LEDチャネルがIRチャネルと比較して良い信号品質(従って、より正確な心拍測定)を示す可能性があるかどうかを決定するために、730-a及び/又は730-bでの緑色LEDチャネルの測定に戻ってもよい。
【0155】
従って、ウェアラブルデバイスは、品質及び信頼性が向上したPPGデータを取得することができる。1つ以上のPPGセンサ(例えば、IRセンサ又は緑色LEDセンサ)の組を選択すると、本明細書でより詳細に説明するように、ウェアラブルデバイスはPPGデータをサンプリングし、PPGデータを処理し(720で)、パルス検出を実行する(725)ことができる。
【0156】
いくつかの実施で、図5~7を参照して記載されるチャネル選択プロシージャを参照して、1つ以上のPPGセンサを選択すると、条件が変化する可能性がある。従って、ウェアラブルデバイスは、信号品質を確かにするために、チャネル選択プロシージャの1つ以上の全て又は一部(例えば、フィードバックループ)を実行するよう構成されてもよい。
【0157】
本明細書中で前に述べられたように、いくつかの場合に、PPGセンサを選択するために使用される信号品質基準(例えば、信号品質閾値)は、使用ケース、例えば、ユーザの病気(例えば、肺炎)、ユーザの疾患(例えば、無呼吸、心房細動(AFib))、現在のトレーニング、以前のトレーニング、又は計画された将来のトレーニング、などに基づき得る。これに関連して、チャネル選択プロシージャ700にわたって使用される信号品質閾値は、ユーザに関連した1つ以上の使用ケース又はパラメータに基づき選択/調整されてよく、使用ケース、パラメータ/特性、又はその両方は、収集された生理学的データ、ユーザによる入力(例えば、ユーザデバイスのGUIを介する)、又はその両方に基づき決定され得る。
【0158】
図8は、本開示の態様に従う心拍検出のための技術をサポートする心拍決定プロシージャ800の例を表す。心拍決定プロシージャ800は、システム100、システム200、心拍決定プロシージャ300及び400、チャネル選択プロシージャ500,600及び700、又はそれらの組み合わせの態様を実装しても、又はそれによって実装されてもよい。例えば、いくつかの実施で、心拍決定プロシージャ800は、図2に示されるようにユーザデバイス106のGUI275によりユーザに表示され得る心拍データ(例えば、日中心拍データ、覚醒時心拍データ)をもたらし得る。いくつかの場合に、心拍決定プロシージャ800は、心拍決定プロシージャ300及び400の全て又は一部に関係があることができ、又はその逆も然りである。例えば、心拍決定プロシージャ800は、図4oを参照して記載された心拍決定プロシージャ400を含んでもよい。
【0159】
本明細書で記載されるように、ウェアラブルデバイスは、PPGデータを使用して、ユーザの心拍データを決定し得る。心拍データの品質は、リングの回転、リングのはめ合い(例えば、1日の経過、及び/又は数ヶ月、数年の経過などの時間の経過とともに変化する可能性がある。)、ウェアラブルデバイス及び/又はウェアラブルデバイスのセンサの状態(例えば、新しいデバイスは古いデバイスとは異なる動作をする場合がある。)、ユーザの皮膚の温度、周囲温度、ユーザの活動レベルなどによって影響を及ぼされる可能性があるウェアラブルデバイスの1つ以上のセンサからの信号品質に基づき得る。従って、ウェアラブルデバイスは、心拍データを基準(例えば、閾値)の組と比較することによって、心拍データを解析し得る。いくつかの場合に、ウェアラブルデバイスは、解析に基づき、決定された心拍データを出力すべきかどうかを決定してもよい。例えば、心拍データが基準の組を満足する(例えば、十分な品質を示す)場合に、デバイスは心拍データをユーザに出力し得る。心拍データが心拍基準を満足できない(例えば、不十分な品質を示す)場合、デバイスは、心拍データを出力するのを控え得る。かような場合に、出力された心拍データを正確であることができるが、一定期間ウェアラブルデバイスが心拍データを出力しない結果として、心拍データ(例えば、心拍数の傾向)にはギャップが現れる可能性がある。比較上、他の場合には、ウェアラブルデバイスは、外れ値、誤り、などを生じさせる可能性があるデータの品質にかかわらず、全ての心拍データを出力するよう構成されてもよい。
【0160】
いくつかの場合に、心拍データの信頼性を維持しながら、出力データにおけるギャップの発生を減らすために、ウェアラブルデバイスは、複数の基準の組(例えば、複数の閾品質メトリクス)を設定されてもよく、後者の基準は、複数組の中の前者の基準から緩和されている。言い換えれば、収集された心拍データが第1基準又は第1閾品質メトリックを満足しない場合、単に心拍データを破棄する(ユーザの心拍データの傾向に“ギャップ”が現れることになる。)のではなく、システムは、収集された心拍データを追加の、最も厳しくはない基準/閾品質メトリックと比較し得る。心拍データが追加の、最も厳しくはない基準/閾品質メトリックを満足する場合、システムは、ユーザへの表示のために心拍データを出力し、それによってユーザの心拍データ内のギャップを減らす(又は防ぐ)ことができる。
【0161】
例えば、第1の基準の組(例えば、810-aの第1品質心拍基準、第1閾品質メトリック)は、最も厳しい基準に関連することができ、第2の基準の組(810-bの第2品質心拍基準、第2閾品質メトリック)は、第1の組よりも厳しくないが、第3の組(例えば、810-cの第3品質心拍基準、第3閾品質メトリック)よりも厳しい、など。従って、ウェアラブルデバイス(又はシステム200の他のコンポーネント)は、最初に、805-aで心拍出力選択を第1の基準の組と比較し、出力が第1の基準の組を満足する(例えば、閾値に等しいか又は閾値よりも低い)場合(例えば、QHR≧Thresh1)、デバイスは心拍データを出力できる。すなわち、心拍データが第1閾品質メトリックを満足する場合に、心拍データはユーザへの表示のために出力され得る。
【0162】
比較上、出力が第1の基準の組を満足できない場合(例えば、QHR<Thresh1)、デバイスは、次いで、805-bで心拍データを第2の基準の組と比較してもよく、第2心拍基準は、第1の基準の組と比べて厳しくない(例えば、緩い)。すなわち、心拍データが第1閾品質メトリックを満足できない場合、システムは、心拍データを、第1閾品質メトリックよりも小さい(例えば、厳しくない)第2閾品質メトリックと比較し得る。デバイスは、出力が基準の組を満足するまで、及び/又はデバイスが出力を比較するための基準を使い果たすまで(例えば、全ての閾品質メトリックを使い果たすまで)、いずれか早い方まで、例えば805-cでの比較を通じて、かようなプロシージャを実行し得る。
【0163】
いくつかの場合に、デバイスは、出力されたデータに品質ラベルを付してもよい。例えば、第2の基準の組(例えば、第2閾品質メトリック)を通過したが第1の基準の組(例えば、第1閾品質メトリック)を通過していない心拍データは、第1の基準の組を通過したデータほど信頼できないので、デバイスは、全てのデータ、最も信頼できるデータ(例えば、第1品質基準を満足するデータ)、又は第1基準を通過できなかった任意のデータに、出力データの品質を示すラベルを付してもよい。従って、デバイスは、ギャップなしで、又はデータ内で最小限のギャップを有して、心拍データをユーザに提供し得る。
【0164】
出力がいずれかの基準(例えば、第1、第2、又は第3品質心拍基準)を満足できない場合に、デバイスは、データを出力するのを控え得る。いくつかの他の場合に、デバイスは、データを出力するが、データの低信頼性を示すラベルを供給してもよい。
【0165】
従って、デバイスは、対応するデータ点の信頼性を示す品質ラベルを有する心拍データの時系列を決定し得る。次いで、デバイスは、465で、アプリケーション(例えば、GUI275)において、ラベルの有無にかかわらず、時系列を表示し得る。
【0166】
図9は、本開示の態様に従う心拍検出のための技術をサポートするGUI900の例を表す。GUI900は、システム100、システム200、心拍決定プロシージャ300及び400,チャネル選択プロシージャ500、600及び700、心拍決定プロシージャ800、又はそれらの任意の組み合わせの態様を実装しても、又はそのような態様によって実装されてもよい。例えば、GUI900は、図2に表されているユーザデバイス106内に含まれるGUI275の例を含んでもよい。
【0167】
GUI900は、GUI900(例えば、図2に表されているGUI275)を介してユーザに表示され得る一連のアプリケーションページ905を表す。システム200のサーバ110は、ユーザデバイス106(例えば、モバイルデバイス)のGUI900に、(例えば、アプリケーションページ905-a又は905-bを介して)心拍データの指示を表示させ得る。従って、(例えば、図3及び図8を参照して記載されるように)心拍データを決定すると、ユーザは、ウェアラブルアプリケーション250を開くと、アプリケーションページ905-aを提示され得る。図9に示されるように、アプリケーションページ905-aは心拍グラフ910-aを表示し得る。心拍グラフ910-aは、どのようにユーザの心拍が異なるイベント及び活動(例えば、エクササイズ、睡眠、休息、など)に反応したかの視覚表示を含み得る。いくつかの場合に、心拍グラフ910-aは、数分、数時間、数日などにわたるユーザの心拍数を表示し得る。いくつかの場合に、心拍グラフ910-aは、日中の心拍データ及び夜間の心拍データ(例えば、覚醒時心拍データ及び睡眠時心拍データ)の組み合わせを表示し得る。更に、いくつかの実施で、アプリケーションページ905-aは、各々の日(例えば、各々の睡眠日)毎のユーザの1つ以上のスコア(例えば、スリープスコア、レディネススコア915、活動スコア、非活動スコア)を表示し得る。ここで、1つ以上のスコアは心拍データに基づくことができる。他の例として、心拍データは、レディネススコア915の因子の少なくともサブセット(例えば、睡眠、睡眠バランス、HRVバランス、回復インデックス、活動、活動バランスのサブセット)を更新するために使用されてもよい。いくつかの場合に、ユーザは、ワークアウト、ガイドなしセッション、タグ、などを加えるためにボタン925を選択してもよい。
【0168】
引き続き図9を参照して、ユーザは、アプリケーションページ905-b(“心拍も出る”)に示されるように、心拍に関連した詳細を見るために、アプリケーションページ905-a上で心拍グラフ910-aを選択することができる。言い換えれば、アプリケーションページ905-aに示されている心拍グラフ910-aをタップすることで、GUI900にアプリケーションページ905-bを表示させることができ、それにより、ユーザは、経時的なユーザの心拍を直ちにかつ容易に見ることができる。アプリケーションページ905-bは、心拍についての詳細を含むモデルビューを含み得る。心拍グラフ901-a及び910-bは同じ又は異なるグラフを表示し得る。例えば、時間スケールは同じであっても又は異なってもよい。いくつかの場合に、アプリケーションページ905-bは、ユーザが日中(例えば、覚醒及び活動中)のユーザの心拍と夜間(例えば、リラックスしているときや睡眠中)のユーザの心拍とを区別することを可能にするために、日中心拍グラフ(例えば、覚醒時心拍グラフ)及び夜間心拍グラフ(例えば、睡眠時心拍グラフ)を表示し得る。アプリケーションページ905-bはまた、日中心拍範囲920-a、リラックス時心拍範囲920-b、睡眠時心拍範囲920-c、及びエクササイズ時心拍範囲920-dを含んでもよい。個々の範囲は、例えば、時間単位であることができる。いくつかの場合に、アプリケーションページ905-bは、心拍データをHRV、安静時心拍、などとして表示し得る。
【0169】
システムのサーバは、ユーザデバイスのGUI900に、アプリケーションページ905-a、905-b、又はその両方で、識別された心拍データに関連したメッセージを表示させ得る。ユーザデバイスは、メッセージを介して心拍データに関連した提案及び/又は情報を表示し得る。いくつかの実施で、ユーザデバイス106及び/又はサーバ110は、GUI900(例えば、アプリケーションページ905-a、又は905-b、又はその他のアプリケーションページ)によりユーザに表示され得る心拍データに関連したアラート(例えば、メッセージ、見解)を生成し得る。特に、GUI900によりユーザに生成及び表示されたメッセージは、心拍データの1つ以上の特性(例えば、時刻、継続時間、範囲)に関連し得る。例えば、メッセージは、ユーザの心拍数に基づいて、ユーザに、呼吸する、リラックスする時間を取る、などに警告してもよい。いくつかの場合に、メッセージは、特定の心拍数を達成するためにどのようにライフスタイルを調整すべきかの提案を表示してもよい。これに関連して、システムは、ユーザにとって効果的で健康的なパターンを促進するために、メッセージ又は見解をユーザに表示するよう構成され得る。
【0170】
図10は、本開示の態様に従う心拍検出のための技術をサポートするデバイス1005のブロック図1000を示す。デバイス1005は、入力モジュール1010、出力モジュール1015、及びウェアラブルアプリケーション1020を含み得る。デバイス1005は、プロセッサも含み得る。これらのコンポーネントの夫々は、互いに(例えば、1つ以上のバスを介して)通信することができる。
【0171】
入力モジュール1010は、様々な情報チャネル(例えば、疾患検出技術に関係がある制御チャネル、データチャネル、情報チャネル)に関連したパケット、ユーザデバイス、制御情報、又はそれらの任意の組み合わせなどの、情報を受け取る手段を提供し得る。情報は、デバイス1005の他のコンポーネントへ送られ得る。入力モジュール1010は、単一のアンテナ又は複数のアンテナの組を利用し得る。
【0172】
出力モジュール1015は、デバイス1005の他のコンポーネントによって生成された信号を伝送する手段を提供し得る。例えば、出力モジュール1015は、様々な情報チャネル(例えば、疾患検出技術に関係がある制御チャネル、データチャネル、情報チャネル)に関連したパケット、ユーザデータ、制御情報、又はそれらの任意の組み合わせなどの情報を伝送し得る。いくつかの例で、出力モジュール1015は、トランシーバモジュール内で入力モジュール1010と共在し得る。出力モジュール1015は、単一のアンテナ又は複数のアンテナの組を利用し得る。
【0173】
例えば、ウェアラブルアプリケーション1020は、生理学的データコンポーネント1025、状態品質コンポーネント1030、PPGデータコンポーネント1035、心拍コンポーネント1040、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。いくつかの例で、ウェアラブルアプリケーション1020又はその様々なコンポーネントは、入力モジュール1010、出力モジュール1015、又はその両方を用いて、又はそれらと別なふうに協働して、様々な動作(例えば、受信、モニタ、送信)を実行するよう構成され得る。例えば、ウェアラブルアプリケーション1020は、入力モジュール1010から情報を受信し、情報を出力モジュール1015へ送信し、あるいは、入力モジュール1010、出力モジュール1015、又はその両方と組み合わせて、情報を受信したり、情報を送信したり、又は本明細書で記載される様々な他の動作を実行したりするよう一体化されてもよい。
【0174】
生理学的データコンポーネント1025は、ユーザに関連した生理学的データを受け取る手段として構成されるか、又はそのような手段を別なふうにサポートすることができ、生理学的データは、ユーザに関連したウェアラブルデバイスにより時間インターバルにわたって収集された運動データ及び温度データを含む。状態品質コンポーネント1030は、受け取られた運動データ及び温度データに少なくとも部分的に基づき時間インターバルに関連した状態品質メトリックを決定する手段として構成されるか、又はそのような手段を別なふうにサポートすることができ、状態品質メトリックは、心拍測定の決定のために時間インターバルにわたって収集された生理学的データの相対品質を示す。PPGデータコンポーネント1035は、状態品質メトリックが閾メトリック値を満足すること、及びタイマが第1閾継続時間を満足することに少なくとも部分的に基づき、ウェアラブルデバイスによりユーザのPPGデータをサンプリングする手段として構成されるか、又はそのような手段を別なふうにサポートすることができる。心拍コンポーネント1040は、サンプリングされたPPGデータに少なくとも部分的に基づきユーザの心拍測定を決定する手段として構成されるか、又はそのような手段を別なふうにサポートすることができる。
【0175】
図11は、本開示の態様に従う心拍検出のための技術をサポートするウェアラブルアプリケーション1120のブロック図1100を示す。ウェアラブルアプリケーション1120は、本明細書で記載されるウェアラブルアプリケーション若しくはウェアラブルアプリケーション1020、又はその両方の態様の例であってよい。ウェアラブルアプリケーション1120又はその様々なコンポーネントは、本明細書で記載される心拍検出のための技術の様々な態様を実行する手段の例であってよい。例えば、ウェアラブルアプリケーション1120は、生理学的データコンポーネント1125、状態品質コンポーネント1130、PPGデータコンポーネント1135、心拍コンポーネント1140、PPG信号コンポーネント1145、PPG信号比較コンポーネント1150、PPG信号コンポーネント1155、PPG信号品質コンポーネント1160、PPG信号選択コンポーネント1165、PPGセンサアクティブ化コンポーネント1170、PPGセンサ非アクティブ化コンポーネント1175、PPG信号非アクティブ化コンポーネント1180、PPG信号アクティブ化コンポーネント1185、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0176】
生理学的データコンポーネント1125は、ユーザに関連した生理学的データを受け取る手段として構成されるか、又はそのような手段を別なふうにサポートすることができ、生理学的データは、ユーザに関連したウェアラブルデバイスにより時間インターバルにわたって収集された運動データ及び温度データを含む。状態品質コンポーネント1130は、受け取られた運動データ及び温度データに少なくとも部分的に基づき時間インターバルに関連した状態品質メトリックを決定する手段として構成されるか、又はそのような手段を別なふうにサポートすることができ、状態品質メトリックは、心拍測定の決定のために時間インターバルにわたって収集された生理学的データの相対品質を示す。PPGデータコンポーネント1135は、状態品質メトリックが閾メトリック値を満足すること、及びタイマが第1閾継続時間を満足することに少なくとも部分的に基づき、ウェアラブルデバイスによりユーザのPPGデータをサンプリングする手段として構成されるか、又はそのような手段を別なふうにサポートすることができる。心拍コンポーネント1140は、サンプリングされたPPGデータに少なくとも部分的に基づきユーザの心拍測定を決定する手段として構成されるか、又はそのような手段を別なふうにサポートすることができる。
【0177】
いくつかの例で、PPGデータのサンプリングをサポートするために、PPG信号コンポーネント1145は、可視スペクトル内で光を発するよう構成される少なくとも発光ダイオードを含むPPGセンサの第1ペアにより第1PPG信号を取得する手段として構成されるか、又はそのような手段を別なふうにサポートすることができる。いくつかの例で、PPGデータのサンプリングをサポートするために、PPG信号コンポーネント1145は、少なくとも赤外線ダイオードを含むPPGセンサの第2ペアにより第2PPG信号を取得する手段として構成されるか、又はそのような手段を別なふうにサポートすることができる。いくつかの例で、PPGデータのサンプリングをサポートするために、PPG信号比較コンポーネント1150は、第1PPG信号に関連した第1PPG品質メトリック及び第2PPG信号に関連した第2PPG品質メトリックを比較する手段として構成されるか、又はそのような手段を別なふうにサポートすることができ、第1PPG品質メトリック及び第2PPG品質メトリックは、夫々、第1PPG信号及び第2PPG信号の相対品質を示し、心拍測定を決定することは少なくとも部分的に前記の比較に基づく。
【0178】
いくつかの例で、PPG信号選択コンポーネント1165は、少なくとも部分的に前記の比較に基づき第1PPG信号又は第2PPG信号から1つを選択する手段として構成されるか、又はそのような手段を別なふうにサポートすることができ、心拍測定は、選択された第1又は第2PPG信号に少なくとも部分的に基づき決定される。
【0179】
いくつかの例で、PPG信号非アクティブ化コンポーネント1180は、選択されなかった第1PPG信号又は第2PPG信号のうちの他方を選択的に非アクティブ化する手段として構成されるか、又はそのような手段を別なふうにサポートすることができ、心拍測定を決定することは、第1又は第2PPG信号のうちの他方を選択的に非アクティブ化することに少なくとも部分的に基づく。
【0180】
いくつかの例で、PPG信号コンポーネント1155は、少なくとも部分的に選択に基づき、第1又は第2PPG信号のうちの選択された一方に関連したPPGセンサの第1又は第2ペアのうちの一方のペアにより更なるPPG信号を取得する手段として構成されるか、又はそのような手段を別なふうにサポートすることができ、心拍測定は、少なくとも部分的に更なるPPG信号に基づく。
【0181】
いくつかの例で、PPG信号アクティブ化コンポーネント1185は、更なるPPG信号が閾品質メトリックを満足できないことに少なくとも部分的に基づき、選択されなかった第1又は第2PPG信号のうちの他方を選択的にアクティブ化する手段として構成されるか、又はそのような手段を別なふうにサポートすることができる。いくつかの例で、PPG信号コンポーネント1155は、選択されなかった第1又は第2PPG信号のうちの他方をアクティブ化することに少なくとも部分的に基づき、選択されなかった第1又は第2PPG信号のうちの他方により第3PPG信号を取得する手段として構成されるか、又はそのような手段を別なふうにサポートすることができ、心拍測定は少なくとも部分的に第3PPG信号に基づく。
【0182】
いくつかの例で、PPGデータのサンプリングをサポートするために、PPG信号コンポーネント1155は、少なくとも赤外線ダイオードを含むPPGセンサの第1ペアにより第1PPG信号を取得する手段として構成されるか、又はそのような手段を別なふうにサポートすることができる。いくつかの例で、PPGデータのサンプリングをサポートするために、PPG信号比較コンポーネント1150は、第1PPG信号に関連した第1PPG品質メトリックを閾品質メトリックと比較する手段として構成されるか、又はそのような手段を別なふうにサポートすることができ、第1PPG品質メトリックは第1PPG信号の相対品質を含み、心拍測定を決定することは、少なくとも部分的に前記の比較に基づく。
【0183】
いくつかの例で、PPG信号コンポーネント1155は、第1PPG信号に関連した第1PPG品質メトリックが閾品質メトリックを満足することに少なくとも部分的に基づき、PPGセンサの第1ペアにより更なるPPG信号を取得する手段として構成されるか、又はそのような手段を別なふうにサポートすることができ、心拍測定は、少なくとも部分的に更なるPPG信号に基づき決定される。
【0184】
いくつかの例で、PPGセンサアクティブ化コンポーネント1170は、第1PPG信号に関連した第1PPG品質メトリックが閾品質メトリックを満足できないことに少なくとも部分的に基づき、可視スペクトル内で光を発するよう構成される少なくとも発光ダイオードを含むPPGセンサの第2ペアを選択的にアクティブ化する手段として構成されるか、又はそのような手段を別なふうにサポートすることができる。いくつかの例で、PPG信号コンポーネント1155は、PPGセンサの第2ペアを選択的にアクティブ化することに少なくとも部分的に基づき、PPGセンサの第2ペアにより第2PPG信号を取得する手段として構成されるか、又はそのような手段を別なふうにサポートすることができ、心拍測定は、少なくとも第2PPG信号に基づき決定される。
【0185】
いくつかの例で、PPGセンサ非アクティブ化コンポーネント1175は、第1PPG信号に関連した第1PPG品質メトリックが閾品質メトリックを満足できないことに少なくとも部分的に基づき、PPGセンサの第1ペアを選択的に非アクティブ化する手段として構成されるか、又はそのような手段を別なふうにサポートすることができ、心拍測定を決定することは、PPGセンサの第1ペアを選択的に非アクティブ化することに少なくとも部分的に基づく。
【0186】
いくつかの例で、状態品質コンポーネント1130は、PPG信号内の心拍の数を決定する手段として構成されるか、又はそのような手段を別なふうにサポートすることができ、PPG信号に関連したPPG品質メトリックは、少なくとも部分的に心拍の数に基づく。
【0187】
いくつかの例で、PPG信号品質コンポーネント1160は、PPG信号内の心拍の数を決定する手段として構成されるか、又はそのような手段を別なふうにサポートでき、PPG信号に関連したPPG品質メトリックは、少なくとも部分的に心拍の数に基づく。
【0188】
いくつかの例で、PPGデータのサンプリングをサポートするために、PPG信号コンポーネント1155は、時間インターバルにわたって第1PPG信号を取得する手段として構成されるか、又はそのような手段を別なふうにサポートすることができる。いくつかの例で、PPGデータのサンプリングをサポートするために、PPG信号品質コンポーネント1160は、第1PPG信号に関連した第1PPG品質メトリックが第1閾品質メトリックを満足することを決定する手段として構成されるか、又はそのような手段を別なふうにサポートすることができ、心拍測定を決定することは、第1PPG品質メトリックが閾品質メトリックを満足することに少なくとも部分的に基づく。
【0189】
いくつかの例で、PPG信号コンポーネント1155は、第1時間インターバルの後の第2時間インターバルにわたって第2PPG信号を取得する手段として構成されるか、又はそのような手段を別なふうにサポートすることができる。いくつかの例で、PPG信号品質コンポーネント1160は、第2PPG信号に関連した第2PPG品質メトリックが第1閾品質メトリックを満足できないことを決定する手段として構成されるか、又はそのような手段を別なふうにサポートすることができる。いくつかの例で、心拍コンポーネント1040は、第2PPG品質メトリックが第1閾品質メトリックよりも小さい第2閾品質メトリックを満足することに少なくとも部分的に基づき、第2時間インターバルのユーザの第2心拍測定を決定する手段として構成されるか、又はそのような手段を別なふうにサポートすることができる。
【0190】
いくつかの例で、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルリングデバイスを有する。いくつかの例で、ウェアラブルデバイスは、動脈血流に基づきユーザから生理学的データを収集する。
【0191】
図12は、本開示の態様に従う心拍検出のための技術をサポートするデバイス1205を含むシステム1200の図を示す。デバイス1205は、本明細書で記載されるデバイス1005のコンポーネントの例であっても、又はそれらのコンポーネントを含んでもよい。デバイス1205は、本明細書中で前に記載されたように、ユーザデバイス106の例を含んでもよい。デバイス1205は、ウェアラブルアプリケーション1220、通信モジュール1210、アンテナ1215、ユーザインターフェースコンポーネント1225、データベース(アプリケーションデータ)1230、メモリ1235、及びプロセッサ1240などの、ウェアラブルデバイス104及びサーバ110との通信を送信及び受信するためのコンポーネントを含む双方向通信のためのコンポーネントを含み得る。これらのコンポーネントは、1つ以上のバス(例えば、バス1245)を介して電子通信することができ、又は(例えば、動作可能に、通信可能に、機能的に、電子的に、電気的に)別なふうに結合され得る。
【0192】
通信モジュール1210は、アンテナ1215を介したデバイス1205の入力信号及び出力信号を管理し得る。通信モジュール1210は、図2に記載及び図示されるユーザデバイス106の通信モジュール220-bの例を含み得る。これに関連して、通信モジュール1210は、図2に表されているように、リング104及びサーバ110との通信を管理し得る。通信モジュール1210はまた、デバイス1205に組み込まれていない周辺機器も管理し得る。いくつかの場合に、通信モジュール1210は、外部周辺機器への物理接続又はポートを表し得る。いくつかの場合に、通信モジュール1210は、iOS(登録商標)、ANDROID(登録商標)、MS-DOS(登録商標)、MS-WINDOWS(登録商標)、OS/2(登録商標)、UNIX(登録商標)、LINUX(登録商標)、又は他の既知のオペレーティングシステムなどのオペレーティングシステムを利用し得る。他の場合に、通信モジュール1210は、ウェアラブルデバイス(例えば、リング104)、モデム、キーボード、マウス、タッチスクリーン、又は類似のデバイスを表しても、又はそれらと相互作用してもよい。いくつかの場合に、通信モジュール1210は、プロセッサ1240の部分として実装されてもよい。いくつかの例で、ユーザは、通信モジュール1210やユーザインターフェースコンポーネント1225を介して、又は通信モジュール1210によって制御されるハードウェアコンポーネントを介してデバイス1205と相互作用し得る。
【0193】
いくつかの場合に、デバイス1205は、単一のアンテナ1215を含み得る。しかし、いくつかの他の場合には、デバイス1205は、複数の無線伝送を同時に送信又は受信することが可能であることができる1つよりも多いアンテナ1215を備えてもよい。通信モジュール1210は、本明細書で記載されている1つ以上のアンテナ1215、有線又は無線リンクにより双方向通信を行うことができる。例えば、通信モジュール1210は、無線トランシーバを表すことができ、他の無線トランシーバと双方向に通信することができる。通信モジュール1210はまた、パケットを変調し、変調されたパケットを伝送のために1つ以上のアンテナ1215へ供給し、1つ以上のアンテナ1215から受信されたパケットを復調するモデルも含み得る。
【0194】
ユーザインターフェースコンポーネント1225は、データベース1230内のデータの記憶及び処理を管理し得る。いくつかの場合に、ユーザは、ユーザインターフェースコンポーネント1225と相互作用し得る。他の場合に、ユーザインターフェースコンポーネント1225は、ユーザインタラクションなしで自動で動作し得る。データベース1230は、単一データベース、分散データベース、複数の分散データベース、データストア、データレイク、又は緊急バックアップデータベースの例であってもよい。
【0195】
メモリ1235は、RAM及びROMを含み得る。メモリ1235は、実行される場合に、プロセッサ1240に、本明細書で記載されている様々な機能を実行させるコンピュータ読み出し可能なコンピュータ実行可能ソフトウェアを記憶し得る。いくつかの場合に、メモリ1235は、特に、周辺コンポーネント又はデバイスとのインタラクションなどの基本的なハードウェア又はソフトウェア動作を制御し得るBIOSを含み得る。
【0196】
プロセッサ1240は、インテリジェントハードウェアデバイス(例えば、汎用プロセッサ、DSP、CPU、マイクロコントローラ、ASIC、FPGA、プログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート若しくはトランジスタロジックコンポーネント、ディスクリートハードウェアコンポーネント、又はそれらの任意の組み合わせ)を含み得る。いくつかの場合に、プロセッサ1240は、メモリコントローラを用いてメモリアレイを操作するよう構成されてもよい。他の場合に、メモリコントローラは、プロセッサ1240に組み込まれてもよい。プロセッサ1240は、様々な機能(例えば、睡眠段階アルゴリズムのための方法及びシステムをサポートする機能又はタスク)を実行するために、メモリ1235に記憶されているコンピュータ可読命令を実行するよう構成され得る。
【0197】
例えば、ウェアラブルアプリケーション1220は、ユーザに関連した生理学的データを受け取る手段として構成されるか、又はそのような手段を別なふうにサポートすることができ、生理学的データは、ユーザに関連したウェアラブルデバイスにより時間インターバルにわたって収集された運動データ及び温度データを含む。ウェアラブルアプリケーション1220は、受け取った運動データ及び温度データに少なくとも部分的に基づき時間インターバルに関連した状態品質メトリックを決定する手段として構成されるか、又はそのような手段を別なふうにサポートすることができ、状態品質メトリックは、心拍測定の決定のために時間インターバルにわたって収集された生理学的データの相対品質を示す。ウェアラブルアプリケーション1220は、状態品質メトリックが閾メトリック値を満足すること、及びタイマが第1閾継続時間を満足することに少なくとも部分的に基づき、ウェアラブルデバイスによりユーザのPPGデータをサンプリングする手段として構成されるか、又はそのような手段を別なふうにサポートすることができる。ウェアラブルアプリケーション1220は、サンプリングされたPPGデータに少なくとも部分的に基づきユーザの心拍測定を決定する手段として構成されるか、又はそのような手段を別なふうにサポートすることができる。
【0198】
本明細書で記載される例に従ってウェアラブルアプリケーション1220を含むこと又は構成することによって、デバイス1205は、改善された心拍データ決定及び出力プロシージャのための技術をサポートし得る。
【0199】
ウェアラブルアプリケーション1220は、リング104、サーバ110、他のユーザデバイス106、などとの通信を促すよう構成されるアプリケーション(例えば、“APP”)、プログラム、ソフトウェア、又は他のコンポーネントを含み得る。例えば、ウェアラブルアプリケーション1220は、リング104からデータ(例えば、生理学的データ)を受取、受け取ったデータに対して処理動作を実行し、サーバ110とデータを送信及び受信し、ユーザ102へのデータの提示を引き起こすよう構成されるユーザデバイス106で実行可能なアプリケーションを含み得る。
【0200】
図13は、本開示の態様に従う心拍検出のための技術をサポートする方法1300を表すフローチャートを示す。方法1300の動作は、本明細書で記載されるユーザデバイス又はそのコンポーネントによって実装され得る。例えば、方法1300の動作は、図1乃至12を参照して記載されるようにユーザデバイスによって実行され得る。いくつかの例で、ユーザデバイスは、記載されている機能を実行するようにユーザデバイスの機能要素を制御するための命令の組を実行し得る。追加的に、又は代替的に、ユーザデバイスは、専用ハードウェアを用いて、記載されている機能の態様を実行してもよい。
【0201】
1305で、方法は、ユーザに関連したウェアラブルデバイスにより時間インターバルにわたって収集された運動データ及び温度データを含む、ユーザに関連した生理学的データを受け取ることを含み得る。1305の動作は、本明細書で開示されている例に従って実行されてよい。いくつかの例で、1305の動作の態様は、図11を参照して記載されるように生理学的データコンポーネント1125によって実行されてよい。
【0202】
1310で、方法は、受け取った運動データ及び温度データに少なくとも部分的に基づき、時間インターバルに関連した状態品質メトリックを決定することを含み得る。状態品質メトリックは、心拍測定測定の決定のために時間インターバルにわたって収集された生理学的データの相対品質を示す。1310の動作は、本明細書で開示されている例に従って実行されてよい。いくつかの例で、1310の動作の態様は、図11を参照して記載されるように状態品質コンポーネント1130によって実行されてよい。
【0203】
1315で、方法は、状態品質メトリックが閾メトリック値を満足すること、及びタイマが第1閾継続時間を満足することに少なくとも部分的に基づき、ウェアラブルデバイスによりユーザのPPGデータをサンプリングすることを含み得る。1315の動作は、本明細書で開示されている例に従って実行されてよい。いくつかの例で、1315の動作の態様は、図11を参照して記載されるようにPPGデータコンポーネント1135によって実行されてよい。
【0204】
1320で、方法は、サンプリングされたPPGデータに少なくとも部分的に基づき、ユーザの心拍測定を決定することを含み得る。1320の動作は、本明細書で開示されている例に従って実行されてよい。いくつかの例で、1320の動作の態様は、図11を参照して記載されるように心拍コンポーネント1040によって実行されてよい。
【0205】
図14は、本開示の態様に従う心拍検出のための技術をサポートする方法1400を表すフローチャートを示す。方法1400の動作は、本明細書で記載されているユーザデバイス又はそのコンポーネントによって実装され得る。例えば、方法1400の動作は、図1乃至12を参照して記載されているユーザデバイスによって実行され得る。いくつかの例で、ユーザデバイスは、記載されている機能を実行するようにユーザデバイスの機能要素を制御するための命令の組を実行し得る。追加的に、又は代替的に、ユーザデバイスは、専用ハードウェアを用いて、記載されている機能の態様を実行してもよい。
【0206】
1405で、方法は、ユーザに関連したウェアラブルデバイスにより時間インターバルにわたって収集された運動データ及び温度データを含む、ユーザに関連した生理学的データを受け取ることを含み得る。1405の動作は、本明細書で開示されている例に従って実行されてよい。いくつかの例で、1405の動作の態様は、図11を参照して記載されるように生理学的データコンポーネント1125によって実行されてよい。
【0207】
1410で、方法は、受け取った運動データ及び温度データに少なくとも部分的に基づき、時間インターバルに関連した状態品質メトリックを決定することを含み得る。状態品質メトリックは、心拍測定測定の決定のために時間インターバルにわたって収集された生理学的データの相対品質を示す。1410の動作は、本明細書で開示されている例に従って実行されてよい。いくつかの例で、1410の動作の態様は、図11を参照して記載されるように状態品質コンポーネント1130によって実行されてよい。
【0208】
1415で、方法は、状態品質メトリックが閾メトリック値を満足すること、及びタイマが第1閾継続時間を満足することに少なくとも部分的に基づき、ウェアラブルデバイスによりユーザのPPGデータをサンプリングすることを含み得る。1415の動作は、本明細書で開示されている例に従って実行されてよい。いくつかの例で、1415の動作の態様は、図11を参照して記載されるようにPPGデータコンポーネント1135によって実行されてよい。
【0209】
1420で、方法は、可視スペクトル内で光を発するよう構成される少なくとも発光ダイオードを含むPPGセンサの第1ペアにより第1PPG信号を取得することを含み得る。1420の動作は、本明細書で開示されている例に従って実行されてよい。いくつかの例で、1420の動作の態様は、図11を参照して記載されるPPG信号コンポーネント1145によって実行されてよい。
【0210】
1425で、方法は、少なくとも赤外線ダイオードを含むPPGセンサの第2ペアにより第2PPG信号を取得することを含み得る。1425の動作は、本明細書で開示されている例に従って実行されてよい。いくつかの例で、1425の動作の態様は、図11を参照して記載されるPPG信号コンポーネント1145によって実行されてよい。
【0211】
1430で、方法は、第1PPG信号に関連した第1PPG品質メトリック及び第2PPG信号に関連した第2PPG品質メトリックを比較することを含み得る。第1PPG品質メトリック及び第2PPG品質メトリックは、夫々、第1PPG信号及び第2PPG信号の相対品質を示す。1430の動作は、本明細書で開示されている例に従って実行されてよい。いくつかの例で、1430の動作の態様は、図11を参照して記載されるPPG信号比較コンポーネント1150によって実行されてよい。
【0212】
1435で、方法は、サンプリングされたPPGデータに少なくとも部分的に基づき、ユーザの心拍測定を決定することを含み得る。心拍測定を決定することは、少なくとも部分的に前記の比較に基づく。1435の動作は、本明細書で開示されている例に従って実行されてよい。いくつかの例で、1435の動作の態様は、図11を参照して記載されるように心拍コンポーネント1040によって実行されてよい。
【0213】
図15は、本開示の態様に従う心拍検出のための技術をサポートする方法1500を表すフローチャートを示す。方法1500の動作は、本明細書で記載されているユーザデバイス又はそのコンポーネントによって実装され得る。例えば、方法1500の動作は、図1乃至12を参照して記載されているユーザデバイスによって実行され得る。いくつかの例で、ユーザデバイスは、記載されている機能を実行するようにユーザデバイスの機能要素を制御するための命令の組を実行し得る。追加的に、又は代替的に、ユーザデバイスは、専用ハードウェアを用いて、記載されている機能の態様を実行してもよい。
【0214】
1505で、方法は、ユーザに関連したウェアラブルデバイスにより時間インターバルにわたって収集された運動データ及び温度データを含む、ユーザに関連した生理学的データを受け取ることを含み得る。1505の動作は、本明細書で開示されている例に従って実行されてよい。いくつかの例で、1505の動作の態様は、図11を参照して記載されるように生理学的データコンポーネント1125によって実行されてよい。
【0215】
1510で、方法は、受け取った運動データ及び温度データに少なくとも部分的に基づき、時間インターバルに関連した状態品質メトリックを決定することを含み得る。状態品質メトリックは、心拍測定測定の決定のために時間インターバルにわたって収集された生理学的データの相対品質を示す。1510の動作は、本明細書で開示されている例に従って実行されてよい。いくつかの例で、1510の動作の態様は、図11を参照して記載されるように状態品質コンポーネント1130によって実行されてよい。
【0216】
1515で、方法は、状態品質メトリックが閾メトリック値を満足すること、及びタイマが第1閾継続時間を満足することに少なくとも部分的に基づき、ウェアラブルデバイスによりユーザのPPGデータをサンプリングすることを含み得る。1515の動作は、本明細書で開示されている例に従って実行されてよい。いくつかの例で、1515の動作の態様は、図11を参照して記載されるようにPPGデータコンポーネント1135によって実行されてよい。
【0217】
1520で、方法は、少なくとも赤外線ダイオードを含むPPGセンサの第1ペアにより第1PPG信号を取得することを含み得る。1520の動作は、本明細書で開示されている例に従って実行されてよい。いくつかの例で、1520の動作の態様は、図11を参照して記載されるPPG信号コンポーネント1155によって実行されてよい。
【0218】
1525で、方法は、第1PPG信号に関連した第1PPG品質メトリックを閾品質メトリックと比較することを含み得る。第1PPG品質メトリックは、第1PPG信号の相対品質を示す。1525の動作は、本明細書で開示されている例に従って実行されてよい。いくつかの例で、1525の動作の態様は、図11を参照して記載されるPPG信号比較コンポーネント1150によって実行されてよい。
【0219】
1530で、方法は、サンプリングされたPPGデータに少なくとも部分的に基づき、ユーザの心拍測定を決定することを含み得る。心拍測定を決定することは、少なくとも部分的に前記の比較に基づく。1530の動作は、本明細書で開示されている例に従って実行されてよい。いくつかの例で、1530の動作の態様は、図11を参照して記載されるように心拍コンポーネント1040によって実行されてよい。
【0220】
なお、上記の方法は可能な実施を記載しており、動作及びステップは再配置されても又は別なふうに変更されてもよく、他の実施が可能である。更に、2つ以上の方法からの態様が組み合わされてもよい。
【0221】
方法が記載される。方法は、ユーザに関連したウェアラブルデバイスにより時間インターバルにわたって収集された運動データ及び温度データを含む、ユーザに関連した生理学的データを受け取ることと、受け取られた運動データ及び温度データに少なくとも部分的に基づき、時間インターバルに関連した状態品質メトリックを決定することであり、状態品質メトリックは、心拍測定の決定のために時間インターバルにわたって収集された生理学的データの相対的な品質を示す、ことと、状態品質メトリックが閾メトリック値を満足し、かつ、タイマが第1閾継続時間を満足することに少なくとも部分的に基づき、ウェアラブルデバイスによりPPGデータをサンプリングすることと、サンプリングされたPPGデータに少なくとも部分的に基づき、ユーザの心拍測定を決定することとを含み得る。
【0222】
装置が記載される。装置は、プロセッサ、プロセッサと結合されているメモリ、及びメモリに記憶されている命令を含み得る。命令は、装置に、ユーザに関連したウェアラブルデバイスにより時間インターバルにわたって収集された運動データ及び温度データを含む、ユーザに関連した生理学的データを受け取ることと、受け取られた運動データ及び温度データに少なくとも部分的に基づき、時間インターバルに関連した状態品質メトリックを決定することであり、状態品質メトリックは、心拍測定の決定のために時間インターバルにわたって収集された生理学的データの相対的な品質を示す、ことと、状態品質メトリックが閾メトリック値を満足し、かつ、タイマが第1閾継続時間を満足することに少なくとも部分的に基づき、ウェアラブルデバイスによりPPGデータをサンプリングすることと、サンプリングされたPPGデータに少なくとも部分的に基づき、ユーザの心拍測定を決定することとを実行させるようプロセッサによって実行され得る。
【0223】
他の装置が記載される。装置は、ユーザに関連したウェアラブルデバイスにより時間インターバルにわたって収集された運動データ及び温度データを含む、ユーザに関連した生理学的データを受け取る手段と、受け取られた運動データ及び温度データに少なくとも部分的に基づき、時間インターバルに関連した状態品質メトリックを決定する手段であり、状態品質メトリックは、心拍測定の決定のために時間インターバルにわたって収集された生理学的データの相対的な品質を示す、手段と、状態品質メトリックが閾メトリック値を満足し、かつ、タイマが第1閾継続時間を満足することに少なくとも部分的に基づき、ウェアラブルデバイスによりPPGデータをサンプリングする手段と、サンプリングされたPPGデータに少なくとも部分的に基づき、ユーザの心拍測定を決定する手段とを含み得る。
【0224】
コードを記憶している非一時的なコンピュータ可読媒体が記載される。コードは、ユーザに関連したウェアラブルデバイスにより時間インターバルにわたって収集された運動データ及び温度データを含む、ユーザに関連した生理学的データを受け取ることと、受け取られた運動データ及び温度データに少なくとも部分的に基づき、時間インターバルに関連した状態品質メトリックを決定することであり、状態品質メトリックは、心拍測定の決定のために時間インターバルにわたって収集された生理学的データの相対的な品質を示す、ことと、状態品質メトリックが閾メトリック値を満足し、かつ、タイマが第1閾継続時間を満足することに少なくとも部分的に基づき、ウェアラブルデバイスによりPPGデータをサンプリングすることと、サンプリングされたPPGデータに少なくとも部分的に基づき、ユーザの心拍測定を決定することとを実行するようプロセッサによって実行可能な命令を含み得る。
【0225】
本明細書で記載されている方法、装置、及び非一時的なコンピュータ可読媒体のいくつかの例で、PPGデータのサンプリングは、可視スペクトル内で光を発するよう構成される少なくとも発光ダイオードを含むPPGセンサの第1ペアにより第1PPG信号を取得し、少なくとも赤外線ダイオードを含むPPGセンサの第2ペアにより第2PPG信号を取得し、第1PPG信号に関連した第1PPG品質メトリック及び第2PPG信号に関連した第2PPG品質メトリックを比較し、第1PPG品質メトリック及び第2PPG品質メトリックが夫々、第1PPG信号及び第2PPG信号の相対品質を示し、心拍測定を決定することが少なくとも部分的に前記の比較に基づき得る動作、特徴、手段、又は命令を含み得る。
【0226】
本明細書で記載されている方法、装置、及び非一時的なコンピュータ可読媒体のいくつかの例は、少なくとも部分的に前記の比較に基づき第1又は第2PPG信号から一方を選択する動作、特徴、手段、又は命令を更に含んでもよく、心拍測定は、選択された第1又は第2PPG信号に少なくとも部分的に基づき決定され得る。
【0227】
本明細書で記載されている方法、装置、及び非一時的なコンピュータ可読媒体のいくつかの例は、選択されなかった第1又は第2PPG信号の他方を選択的に非アクティブ化にする動作、特徴、手段、又は命令を更に含んでもよく、心拍測定を決定することは、第1又は第2PPG信号の他方を選択的に非アクティブ化することに少なくとも部分的に基づき得る。
【0228】
本明細書で記載されている方法、装置、及び非一時的なコンピュータ可読媒体のいくつかの例は、少なくとも部分的に前記の選択に基づき第1又は第2PPG信号のうちの選択された一方に関連したPPGセンサの第1又は第2ペアの一方により更なるPPG信号を取得する動作、特徴、手段、又は命令を更に含んでもよく、心拍測定は、少なくとも部分的に更なるPPG信号に基づき得る。
【0229】
本明細書で記載されている方法、装置、及び非一時的なコンピュータ可読媒体のいくつかの例は、更なるPPG信号が閾品質メトリックを満足できないことに少なくとも部分的に基づき、選択されなかった第1又は第2PPG信号の他方を選択的にアクティブ化し、選択されなかった第1又は第2PPG信号の他方をアクティブ化することに少なくとも部分的に基づき、選択されなかった第1又は第2PPG信号の他方により第3PPG信号を取得する動作、特徴、手段、又は命令を更に含んでもよく、心拍測定は、少なくとも部分的に第3PPG信号に基づき得る。
【0230】
本明細書で記載されている方法、装置、及び非一時的なコンピュータ可読媒体のいくつかの例で、PPGデータのサンプリングは、少なくとも赤外線ダイオードを含むPPGセンサの第1ペアにより第1PPG信号を取得し、第1PPG信号に関連した第1PPG品質メトリックを閾品質メトリックと比較し、第1PPG品質メトリックが第1PPG信号の相対品質を示し、心拍測定を決定することが少なくとも部分的に前記の比較に基づき得る動作、特徴、手段、又は命令を含み得る。
【0231】
本明細書で記載されている方法、装置、及び非一時的なコンピュータ可読媒体のいくつかの例は、第1PPG信号に関連した第1PPG品質メトリックが閾品質メトリックを満足することに少なくとも部分的に基づき、PPGセンサの第1ペアにより更なるPPG信号を取得する動作、特徴、手段、又は命令を更に含んでもよく、心拍測定は、少なくとも部分的に更なるPPG信号に基づき決定され得る。
【0232】
本明細書で記載されている方法、装置、及び非一時的なコンピュータ可読媒体のいくつかの例は、第1PPG信号に関連した第1PPG品質メトリックが閾品質メトリックを満足できないことに少なくとも部分的に基づき、可視スペクトル内で光を発するよう構成される少なくとも発光ダイオードを含むPPGセンサの第2ペアを選択的にアクティブ化し、PPGセンサの第2ペアを選択的にアクティブ化することに少なくとも部分的に基づき、PPGセンサの第2ペアにより第2PPG信号を取得する動作、特徴、手段、又は命令を含み得る。
【0233】
本明細書で記載されている方法、装置、及び非一時的なコンピュータ可読媒体のいくつかの例は、第1PPG信号に関連した第1PPG品質メトリックが閾品質メトリックを満足できないことに少なくとも部分的に基づき、PPGセンサの第1ペアを選択的に非アクティブ化する動作、特徴、手段、又は命令を更に含んでもよく、心拍測定を決定することは、PPGセンサの第1ペアを選択的に非アクティブ化することに少なくとも部分的に基づき得る。
【0234】
本明細書で記載されている方法、装置、及び非一時的なコンピュータ可読媒体のいくつかの例は、PPG信号内の心拍の数を決定する動作、特徴、手段、又は命令を更に含んでもよく、PPG信号に関連したPPG品質メトリックは、少なくとも部分的に心拍の数に基づき得る。
【0235】
本明細書で記載されている方法、装置、及び非一時的なコンピュータ可読媒体のいくつかの例は、PPG信号内の心拍の数を決定する動作、特徴、手段、又は命令を更に含んでもよく、PPG信号に関連したPPG品質メトリックは、少なくとも部分的に心拍の数に基づき得る。
【0236】
本明細書で記載されている方法、装置、及び非一時的なコンピュータ可読媒体のいくつかの例で、PPGデータのサンプリングは、時間インターバルにわたって第1PPG信号を取得し、第1PPG信号に関連した第1PPG品質メトリックが第1閾品質メトリックを満足することを決定する動作、特徴、手段、又は命令を更に含んでもよく、心拍測定を決定することは、第1PPG品質メトリックが閾品質メトリックを満足することに少なくとも部分的に基づき得る。
【0237】
本明細書で記載されている方法、装置、及び非一時的なコンピュータ可読媒体のいくつかの例は、第1時間インターバルの後の第2時間インターバルにわたって第2PPG信号を取得し、第2PPG信号に関連した第2PPG品質メトリックが第1閾品質メトリックを満足できないことを決定し、第2PPG品質メトリックが、第1閾品質メトリックより低いことできる第2閾品質メトリックを満足することに少なくとも部分的に基づき、第2時間インターバルのユーザの第2心拍測定を決定する動作、特徴、手段、又は命令を更に含んでもよい。
【0238】
本明細書で記載されている方法、装置、及び非一時的なコンピュータ可読媒体のいくつかの例で、ウェアラブルデバイスはウェアラブルリングデバイスを有する。
【0239】
本明細書で記載されている方法、装置、及び非一時的なコンピュータ可読媒体のいくつかの例で、ウェアラブルデバイスは、動脈瘤に基づきユーザから生理学的データを収集する。
【0240】
本明細書に記載された説明は、添付の図面に関連して、例示の構成を説明するものであり、実施される可能性がある、又は請求項の範囲内にある全ての例を表すものではない。本明細書で使用される用語「例示」は、「例、事例、又は説明として役立つ」ことを意味し、「好ましい」又は「他の例よりも有利」を意味するものではない。詳細な説明には、説明された技術の理解を促す目的で具体的な詳細が含まれている。ただし、これらの技術は、これらの具体的な詳細がなくても実施できる。場合によっては、説明された例の概念が不明瞭にならないように、よく知られている構造及びデバイスはブロック図形式で示されている。
【0241】
添付の図では、類似のコンポーネント又は機能には同じ参照ラベルが付けられている場合がある。更に、同じタイプの様々なコンポーネントは、参照ラベルの後にダッシュと、類似のコンポーネントを区別する第2のラベルを付けることで区別できる。明細書で最初の参照ラベルのみが使用されている場合、説明は、第2の参照ラベルに関係なく、同じ最初の参照ラベルを持つ類似のコンポーネントのいずれかに当てはまる。
【0242】
本明細書で説明する情報及び信号は、様々な異なる技術及び技法のいずれかを使用して表現できる。例えば、上記の説明全体で参照される可能性のあるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場又は粒子、光場又は粒子、あるいは、それらの任意の組み合わせによって表現できる。
【0243】
本明細書の開示に関連して説明される様々な例示的なブロック及びモジュールは、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGA若しくは他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート若しくはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、又は本明細書で説明される機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせを使用して実装又は実行できる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってよいが、代替的に、プロセッサは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又は状態機械であってもよい。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組み合わせ(例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わされた1つ以上のマイクロプロセッサ、又はその他のそのような構成)として実装することもできる。
【0244】
本明細書で説明される機能は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実装することができる。プロセッサによって実行されるソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ読み取り可能な媒体上の1つ以上の命令又はコードとして保存又は伝送され得る。他の例及び実装は、本開示及び添付の特許請求の範囲の範囲内である。例えば、ソフトウェアの性質上、上記の機能は、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、ハードワイヤリング、又はこれらの任意の組み合わせを使用して実装することができる。機能を実装する特徴は、機能の一部が異なる物理的な場所で実装されるように分散されることを含め、様々な位置に物理的に配置されてもよい。また、特許請求の範囲を含め、本明細書で使用されるように、アイテムの列挙(例えば、「~のうちの少なくとも1つ」又は「~のうちの1つ以上」などの語句が続くアイテムの列挙)において使用される「又は」は、例えば、A、B、又はCのうちの少なくとも1つの列挙がA又はB又はC又はAB又はAC又はBC又はABC(つまり、AとBとC)を意味するように、包括的なリストを示す。また、本明細書で使用されるように、「~に基づく」という語句は、一連の条件の閉じた集合への言及として解釈されるべきではない。例えば、「条件Aに基づく」と説明されている例示的なステップは、本開示の範囲から逸脱することなく、条件A及び条件Bの両方に基づくことができる。言い換えれば、本明細書で使用されるように、「~に基づく」という語句は、「少なくとも部分的に~に基づく」という語句と同じように解釈されるべきである。
【0245】
コンピュータ読み取り可能な媒体には、非一時的なコンピュータ記憶媒体と、1つの場所から他の場所へのコンピュータプログラムの転送を助ける任意の媒体を含む通信媒体との両方が含まれる。非一時的な記憶媒体は、汎用又は専用コンピュータがアクセスできるあらゆる利用可能な媒体であってよい。例として、限定としてではなく、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体には、RAM、ROM、電気的に消去可能なプログラマブルROM(EEPROM)、コンパクトディスク(CD)ROM若しくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶装置、又は命令若しくはデータ構造の形式で所望のプログラムコード手段を搬送若しくは保存するために使用でき、汎用若しくは専用コンピュータ、又は汎用若しくは専用プロセッサがアクセスできる任意の他の非一時的な媒体が含まれるが、これらに限定されない。また、あらゆる接続は、適切にコンピュータ読み取り可能な媒体と呼ばれる。例えば、ソフトウェアがウェブサイト、サーバ、又は他の遠隔のソースから、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、又は赤外線、電波、及びマイクロ波などの無線テクノロジを使用して送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、又は赤外線、電波、及びマイクロ波などの無線テクノロジは、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用されているディスク(disk)及びディスク(disc)には、CD、レーザディスク、光ディスク、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、及びブルーレイディスクが含まれる。ディスク(disk)は通常、磁気的にデータを再生し、一方、ディスク(disc)はレーザを使用して光学的にデータを再生する。上記の組み合わせも、コンピュータ読み取り可能な媒体の範囲に含まれる。
【0246】
本明細書中の説明は、当業者が本開示を作成又は使用できるようにするために提供されている。本開示に対する様々な変更は、当業者にとって容易に明らかであり、ここで定義されている一般的な原則は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の変形に適用できる。従って、本開示は、本明細書に記載されている例及び設計に限定されるものではなく、本明細書に開示された原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲に及ぶものである。
【0247】
[相互参照]
本願は、本願の譲受人に譲渡された、出願日が2022年3月2日であり、発明の名称が「TECHNIQUES FOR HEART RATE DETECTION」である米国特許仮出願第63/315602号と、本願の譲受人に譲渡された、出願日が2021年10月1日であり、発明の名称が「TECHNIQUES FOR HEART RATE DETECTION」である米国特許仮出願第63/251086号との優先権を主張して、2022年9月20日に出願された、発明の名称が「TECHNIQUES FOR HEART RATE DETECTION」である米国特許出願第17/957345号の優先権を主張するものである。なお、これらの先願は、参照により本願に援用される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】