(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】車両のブレーキシステムにおけるブレーキ力の分布を制御して騒音および/または振動を低減または除去する方法
(51)【国際特許分類】
B60T 8/00 20060101AFI20240927BHJP
B60T 17/22 20060101ALI20240927BHJP
B60T 8/17 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
B60T8/00 Z
B60T17/22 Z
B60T8/17 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519705
(86)(22)【出願日】2022-09-27
(85)【翻訳文提出日】2024-05-20
(86)【国際出願番号】 IB2022059182
(87)【国際公開番号】W WO2023052994
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】102021000025142
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521259127
【氏名又は名称】ブレンボ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】BREMBO S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】マッツォーニ,マッテオ
(72)【発明者】
【氏名】チェルッティ,アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】シェウチク,ベンヤミン
(72)【発明者】
【氏名】マルマッサーリ,クリスティアン
【テーマコード(参考)】
3D049
3D246
【Fターム(参考)】
3D049BB21
3D049CC07
3D049HH39
3D049HH40
3D049HH41
3D049HH44
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3D049RR04
3D246BA08
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3D246JB06
3D246JB11
3D246LA01Z
3D246LA13Z
(57)【要約】
本発明は、車両(1)のディスクブレーキキャリパ(P3、P4、P1、P2)の少なくとも1つのピストン(P31、P41、P11、P12、P21、P22)にブレーキ力(F1、F2、F3、F4、F5、F6)を分配するために、車両(1)のブレーキシステム(1000)を制御する方法(500;600)に関する。この方法は、ブレーキシステム制御システム(100)によって実行される。本方法は、ブレーキシステムのペダル/ボタン(5、EPB-B)に加えられたブレーキ動作に続いて、ブレーキ力(X)を加える要求を制御システムによって受信するステップ(501)、要求されたブレーキ力(X)を少なくとも1つのピストンに加えるステップ(502)、ブレーキシステムと作動的に関連付けられた少なくとも1つのセンサによって、ブレーキシステムの現在の特性周波数(FReq)情報を検出するステップ(503)、この検出された現在の特性周波数情報を、ブレーキシステムの臨界動作状態を代表する基準特性周波数(FReq1)と比較するステップ(504)を含む。ブレーキシステムの検出された現在の特性周波数情報が基準特性周波数と等しい場合、車両のディスクブレーキキャリパの少なくとも1つのピストンに、前記要求されたブレーキ力(X)に時間的に変化する振幅(A)を有する力信号(SIG)を重畳することによって生成された追加ブレーキ力(X’)を加えステップ(505)を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(1)のディスクブレーキのキャリパ(P3、P4、P1、P2)の少なくとも1つのピストン(P31、P41、P11、P12、P21、P22)にブレーキ力(F1、F2、F3、F4、F5、F6)を分配するために車両(1)のブレーキシステム(1000)を制御する方法(500;600)であって、
前記方法は、ブレーキ力を分配するためのブレーキシステム(1000)の制御システム(100)によって実行され、
前記方法は、
前記ブレーキシステム(1000)のペダル/ボタン(5、EPB-B)に加えられたブレーキ動作に続いて、ブレーキ力(X)を加える要求を前記制御システム(100)によって受信するステップ(501)と、
要求された前記ブレーキ力(X)を前記少なくとも1つのピストン(P31,P41,P11,P12,P21,P22)に加えるステップ(502)と、
前記ブレーキシステム(1000)の現在の特性周波数(FReq)の情報を、前記制御システム(100)に作動的に関連する少なくとも1つのセンサを使って前記制御システム(100)により検出するステップ(503)であって、前記特性周波数(FReq)は、前記ブレーキシステム(1000)に関連する現在の騒音および/または振動を代表するものである、ステップ(503)と、
前記制御システム(100)によって、検出された前記特性周波数(FReq)を、前記ブレーキシステム(1000)の臨界動作状態を代表する基準特性周波数(FReq1)と比較するステップ(504)と、
前記ブレーキシステム(1000)の前記検出された前記特性周波数(FReq)が前記基準特性周波数(FReq1)と等しい場合、前記車両(1)の前記ディスクブレーキの前記キャリパ(P3、P4、P1、P2)の前記少なくとも1つのピストン(P31、P41、P11、P12、P21、P22)に、要求された前記ブレーキ力(X)に、時間的に変化する振幅(A)を有する力信号(SIG)を重畳することによって生成された追加ブレーキ力(X’)を加えるステップ(505)を含む、車両(1)のブレーキシステム(1000)を制御する方法(500;600)。
【請求項2】
前記車両(1)の前記ディスクブレーキの前記キャリパ(P1、P2)の第1ピストン(P11、P21)および第2ピストン(P12、P22)にブレーキ力(F3、F4、F5、F6)を分配するための方法(600)であって、
前記ステップ(502)が、前記車両(1)の前記ディスクブレーキの前記キャリパ(P1,P2)の前記第1ピストン(P11,P21)および前記第2ピストン(P12,P22)の両方に、要求された前記ブレーキ力(X)の2分の1に等しい第1ブレーキ力(X6)を印加するステップ(601)を含み、
前記ステップ(505)が、前記車両(1)前記ディスクブレーキの前記キャリパ(P1,P2)の前記第1ピストン(P11,P21)および前記第2ピストン(P12,P22)に、時間的に変化する振幅(A)を有する前記力信号(SIG,SIG1)を前記第1ブレーキ力(X6)に重畳することによって生成された第2ブレーキ力(X1)およびさらなる第2ブレーキ力(X2)をそれぞれ印加するステップ(602)を含み、
前記第2ブレーキ力(X1)と前記さらなる第2ブレーキ力(X2)の和が、要求された前記ブレーキ力(X)に等しい、請求項1に記載の車両(1)のブレーキシステム(1000)を制御する方法(600)。
【請求項3】
前記ブレーキシステム(1000)に動作可能に関連付けられた前記少なくとも1つのセンサが、
前記ブレーキシステムに動作可能に関連付けられた少なくとも1つのマイクロフォン、または、
前記車両(1)の前記ディスクブレーキの前記キャリパ(P1、P2)にそれぞれ関連付けられた複数の加速度センサを有する、請求項1または2のいずれか1項に記載の車両(1)のブレーキシステム(1000)を制御する方法(500;600)。
【請求項4】
前記時間的に変化する振幅(A)を有する前記力信号(SIG、SIG1)が、平均値よりも高い振幅(A)または低い振幅(A)の値をとる信号を含むことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の車両(1)のブレーキシステム(1000)を制御する方法(500;600)。
【請求項5】
前記時間的に変化する振幅(A)を有する前記力信号(SIG、SIG1)が、正弦波信号、ランプ信号、三角波信号、矩形波信号、平均値についてランダムに変化する信号からなる群から選択される、請求項1または2のいずれか1項に記載の車両(1)のブレーキシステム(1000)を制御する方法(500;600)。
【請求項6】
前記時間的に変化する振幅(A)を有する前記力信号(SIG,SIG1)は、相互に位相が逆である第1力信号(SIG)と第2力信号(SIG1)を含み、
前記第1力信号(SIG)は、前記第2ブレーキ力を発生させるために、前記第1ピストン(P11,P21)に加えられる前記第1ブレーキ力(X/2)に重畳可能であり、
前記第2力信号(SIG1)は、前記さらなる第2ブレーキ力を発生させるために、前記第2ピストン(P12,P22)に加えられる前記第1ブレーキ力(X/2)に重畳可能である、請求項4に記載の車両(1)のブレーキシステム(1000)を制御する方法(600)。
【請求項7】
前記ブレーキシステム(1000)の前記臨界動作状態を代表する前記基準特性周波数(FReq1)は、所定の振幅を有する臨界周波数帯域を含み、
前記臨界周波数帯域は、基準特性周波数値と、前記基準特性周波数値の近傍の周波数値との両方を含む、請求項1または2のいずれか1項に記載の車両(1)のブレーキシステム(1000)を制御する方法(500;600)。
【請求項8】
前記臨界周波数帯域は、絶対値で、前記基準特性周波数値から5%以上、特に3%以上異なる周波数値を有する、請求項7に記載の車両(1)のブレーキシステム(1000)を制御する方法(500;600)。
【請求項9】
車両(1)のブレーキシステム(1000)を制御するためのシステム(100)であって、
前記システムは、
ブレーキ力(F1、F2、F3、F4、F5、F6)をブレーキキャリパ(P3、P4、P1、P2)の少なくとも1つのピストン(P31、P41、P11、P12、P21、P22)に分配し、
システム(1000)の前記ブレーキキャリパ(P1、P2、P3、P4)を操作するための電気信号を生成するように構成された少なくとも1つの電子ブレーキ制御ユニット(BCU1、BCU2、BCU3)を含み、
前記少なくとも1つの電子ブレーキ制御ユニット(BCU1、BCU2、BCU3)は、請求項1-8に記載の方法のステップを実行するように構成された、車両(1)のブレーキシステム(1000)を制御するためのシステム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
【0002】
本発明は、ブレーキバイワイヤ(BBW)技術で作動する車両のブレーキシステムの分野に関する。より詳細には、本発明は、車両の車輪に関連する少なくとも1つのディスクブレーキを備える車両のブレーキシステムにおけるブレーキ力の配分を制御して、システム内で発生する騒音および/または振動を低減または除去する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景技術
【0004】
知られているように、ブレーキシステムは主に、サービスブレーキ(常用ブレーキ)とパーキングブレーキ(駐車ブレーキ)の2つの目的を果たす。
【0005】
ブレーキバイワイヤ(BBW)技術で作動する車両、特に自動車のブレーキシステムは複数のディスクブレーキを有し、それぞれのディスクブレーキが自動車の1つの車輪に関連付けられている。各ディスクブレーキは、ディスクをクランプし、サービスブレーキまたはパーキングブレーキのディスクをロックするように構成された各電動ブレーキキャリパを有する。このブレーキシステムには、電子制御ユニット(ECU)と、この電子制御ユニットによって制御され、キャリパのクランプを有効/無効にすることでブレーキキャリパの電動モータに作用する電気機械アクチュエータが使用されている。
【0006】
自動車分野では、自動車の快適性を測定するための代表的なパラメータがNVH(Noise, Vibration, And Harshness)という頭字語で示されている。このパラメータは、自動車に関連して知覚される騒音および振動特性に関する指針を提供する。特に、自動車のブレーキシステムは、自動車の騒音と振動の発生に直接関与している。
【0007】
現在、自動車のブレーキシステムに関連する騒音と振動を低減するために、設計開発中にブレーキシステムのプロトタイプで試験を行うことが知られている。これにより、生産開始前にテストシステムを最適化することが可能になる。
【0008】
しかし、テストブレーキシステムの騒音と振動の低減に関する問題を解決するには、何度も改良を繰り返す必要があるため、長い開発期間と多大な資源が必要となる。
【0009】
言い換えれば、実際には、ブレーキシステムを最適化するためのテストのこのステップは、しばしば、完了するにはコストがかかりすぎるか、過度に時間がかかるようである。
【0010】
したがって、車両ブレーキシステム、特に自動車において発生する騒音および/または振動を低減または除去し、上述した既知の方法の限界および欠点を克服できるようにする必要性が依然として強く感じられる。
【解決手段】
【0011】
解決手段
【0012】
本発明の目的は、システム内で発生する騒音および/または振動を低減または除去するために、車両の車輪に関連する少なくとも1つのディスクブレーキからなる車両のブレーキシステムにおけるブレーキ力の分配を制御する方法を考案し、利用可能にすることである。
【0013】
この必要性は、請求項1に記載の車両のブレーキシステムを制御する方法によって達成される。
【0014】
本発明の制御方法は、車両のブレーキシステムの能動制御を実施するアルゴリズムから構成される。このアルゴリズムは、例えばマイクロフォン又は加速度計によって、所定の振幅を有する臨界周波数の範囲又は帯域内に配置された閾値又は臨界周波数に等しいブレーキシステムの現在の動作周波数情報が検出された場合にのみ起動されるように構成されている。例えば、この臨界周波数の範囲は、基準臨界周波数値または中心帯域臨界周波数値周辺のすべての周波数、例えば、絶対値で基準臨界周波数から5%以上、特に3%以上異なる臨界周波数から構成される。
【0015】
本発明のさらなる目的は、請求項9に記載のブレーキ力を分配するための車両のブレーキシステム制御システムである。
【0016】
いくつかの有利な実施形態は従属請求項の対象である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図面
【0018】
本発明による制御方法のさらなる特徴および利点は、添付の図面を参照して、非限定的な例として与えられる、その好ましい例示的な実施形態の以下に提供される説明から明らかになるであろう:
【0019】
【
図1】
図1は、本発明による方法を実施する車両のサービスブレーキングまたはパーキングブレーキングのためのブレーキ力の分配を制御するシステムを採用する車両ブレーキシステムアーキテクチャの一例を図式的に示している。
【0020】
【
図2】
図2は、
図1のブレーキシステムにおけるブレーキ力の配分を制御する方法の実施形態をフローチャートで示す。
【0021】
【
図3】
図3は、
図1のブレーキシステムにおけるブレーキ力の配分を制御する方法のさらなる実施形態をフローチャートで示す。
【0022】
【
図4】
図4は、
図1のブレーキシステムにおけるブレーキ力の配分を制御する方法のさらなる実施形態をフローチャートで示す。
【0023】
【
図5】
図5は、本発明による
図1のブレーキシステムにおけるブレーキ力の配分を制御する方法の第1実施形態をフローチャートで示す。
【0024】
【
図6】
図6は、本発明による
図1のブレーキシステムにおけるブレーキ力の配分を制御する方法の第2実施形態をフローチャートで示す。
【0025】
前述した図において類似または等価な要素は、同じ参照数字で示されている。
【好ましい実施の形態】
【0026】
好ましい実施の形態の説明
【0027】
図1を参照すると、参照数字1000は、本発明による車両1のサービスブレーキおよび/またはパーキングブレーキのためのブレーキ力を分配するためのブレーキシステムの制御システム100を備えた車両1のブレーキシステムを全体として示している。以下、このブレーキシステムの制御システム100を単に制御システムまたはシステムともいう。
【0028】
例えば、制御システム100が使用可能なブレーキシステム1000は、ブレーキバイワイヤ(BBW)技術を用いたアーキテクチャである。
【0029】
本明細書において、「車両」とは、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の車輪を有する、商用タイプでもある車両またはモータサイクルを意味する。
【0030】
さらに、「ブレーキシステム」とは、車両のサービスブレーキの発生または車両のパーキングブレーキの発生に寄与するすべての構成要素(機械的および/または電気的または電子的、さらにブレーキ液)の全体を意味する。
【0031】
図1を参照すると、車両1は、第1前輪FLおよび第2前輪FRが連結された前車軸A1を備えている。
【0032】
例えば、第1前輪FLは左前輪であり、第2前輪FRは右前輪である。
【0033】
さらに、車両1は、第1後輪RL及び第2後輪RRが連結された後車軸R1を備える。
【0034】
例えば、第1後輪RLは左後輪であり、第2後輪RRは右後輪である。
【0035】
ブレーキシステム1000は、第1前車軸A1に作動可能に連結された少なくとも1つの第1アクチュエータモジュール2を備える。
【0036】
ブレーキシステム1000は、後車軸R1に作動可能に連結された少なくとも1つの第2アクチュエータモジュール3をさらに備える。
【0037】
各アクチュエータモジュール2、3は、車軸ごとに各車輪用の1つまたは複数のアクチュエータから構成される。
【0038】
各アクチュエータは、電気機械式または電気油圧式のいずれかである。
【0039】
図1に示す実施形態を参照すると、前車軸A1に作動的に接続された少なくとも1つの第1アクチュエータモジュール2は、第1前輪FLの第1ブレーキキャリパP1、特に2ピストンキャリパに作用するように構成された第1アクチュエータACT1と第2アクチュエータACT2とからなる。
【0040】
より詳細には、この第1ブレーキキャリパP1は、第1アクチュエータACT1および第2アクチュエータACT2によってそれぞれ付勢された第1ピストンP11および第2ピストンP12から構成されている。
【0041】
さらに、少なくとも1つの第1アクチュエータモジュール2は、第2前輪FRの第2ブレーキキャリパP2、特に2ピストンキャリパに作用するように構成された第3アクチュエータACT3および第4アクチュエータACT4からなる。
【0042】
より詳細には、この第1ブレーキキャリパP2は、第3アクチュエータACT3および第4アクチュエータACT4によってそれぞれ付勢されたそれぞれの第1ピストンP21およびそれぞれの第2ピストンP22から構成されている。
【0043】
再び
図1に示す実施形態を参照すると、後車軸R1に動作可能に連結された少なくとも1つの第2アクチュエータモジュール3は、第1後輪RLの第3ブレーキキャリパP3に作用するように構成された第5アクチュエータACT5を備える。この第3ブレーキキャリパは、特に、シングルピストンキャリパである。
【0044】
より詳細には、この第3ブレーキキャリパP3は、第5アクチュエータACT5によって付勢されたそれぞれの第1ピストンP31から構成されている。
【0045】
さらに、少なくとも1つの第2アクチュエータモジュール3は、第2後輪RRの第4ブレーキキャリパP4に作用するように構成された第6アクチュエータACT6を含んでいる。特に、この第4ブレーキキャリパは、シングルピストンキャリパである。
【0046】
より詳細には、この第4ブレーキキャリパP4は、第6アクチュエータACT6によって付勢されたそれぞれの第1ピストンP41から構成されている。
【0047】
前車軸A1の車輪に作用する2つのピストンを有するキャリパと、後車軸R1の車輪に作用するシングルピストンキャリパとから構成される、上述のブレーキシステム1000のアーキテクチャは、一例であることは注目に値する。実際、本発明の目的のために、例えば、前車軸の車輪と後車軸の車輪の両方に2つより大きい数のピストンを有するキャリパ、後車軸の車輪にも2つのピストンを有するキャリパ、前車軸の車輪と後車軸の車輪の両方にシングルピストンキャリパ、等のような、複数の変形例および変形例の組み合わせを提供することができる。本発明の目的のために、前述のブレーキキャリパP1、P2、P3、P4は、「乾式」または「湿式」タイプのキャリパであってもよいことは、さらに注目に値する。
【0048】
各アクチュエータACT1、ACT2、ACT3、ACT4、ACT5、ACT6は、それぞれの電子アクチュエータ制御モジュールまたは電子ブレーキ制御ユニットまたはBCUから受信した制御に基づいて、ブレーキ指令を実行するように構成されている。各アクチュエータ制御モジュールは、例えば、ブレーキシステム(スタンドアロンまたはアクチュエータ自体に統合された)または車両1のハードウェアモジュール内のハードウェアモジュールまたはソフトウェアロジックモジュールである。
【0049】
図1の例を参照すると、電子ブレーキ制御ユニットBCU1、BCU2、BCU3は、車両1のブレーキシステム1000の制御システム100の形成に寄与している。
【0050】
特に、前述の電子ブレーキ制御ユニットBCU1、BCU2、BCU3の各々は、例えばマイクロコントローラまたはマイクロプロセッサからなり、システム1000の電気作動式ブレーキキャリパP1、P3、P3、P4の作動のための電気信号を生成するように構成されている。
【0051】
特に、ブレーキシステム1000の制御システム100は、第2アクチュエータモジュール3に動作可能に接続された第1ブレーキ制御ユニットBCU1を備える。
【0052】
この第1ブレーキ制御ユニットBCU1または主制御ユニットは、第2アクチュエータモジュール3を直接制御して、ブレーキシステム1000のペダル5に加えられたブレーキ動作に応答して、車両1の後車軸R1の車輪にサービスブレーキを行うように構成されている。
【0053】
この第1ブレーキ制御ユニットBCU1は、二次ブレーキ制御ユニットBCU2、BCU3を介して、第1アクチュエータモジュール2を制御し、ブレーキシステム1000のペダル5上に加えられたブレーキ動作に応答して、車両1の前車軸A1の車輪にサービスブレーキを実行するように構成される。
【0054】
特に、第1ブレーキ制御ユニットBCU1は、システム1000のペダル5に加えられた動作の結果として生成されたブレーキ信号S1,S2に基づいて、車両1の後車軸の車輪R1および前車軸の車輪A1の両方に加えられるべき目標ブレーキトルク値を計算するように構成されている。この第1ブレーキ制御ユニットBCU1は、例えば「マスタ制御ユニット」と呼ばれる。
【0055】
目標ブレーキトルク値は、第1ブレーキ制御ユニットBCU1と二次ブレーキ制御ユニットBCU2,BCU3とを接続する双方向データ通信ラインまたはバスCAN1、例えばシリアルタイプのものを介して、二次ブレーキ制御ユニットBCU2,BCU3に提供される。
【0056】
図1の例を参照すると、この二次ブレーキ制御ユニットBCU2、BCU3は、第2ブレーキ制御ユニットBCU2と第3ブレーキ制御ユニットBCU3とから構成され、それぞれがデータ通信ラインCAN1を介して第1ブレーキ制御ユニットBCU1に接続されている。
【0057】
実施形態では、第2ブレーキ制御ユニットBCU2は、第1ブレーキ制御ユニットBCU1によって生成された目標ブレーキトルク値を受信して、前車軸A1の各車輪に印加するように構成されている。この動作構成では、第2ブレーキ制御ユニットBCU2は、「スレーブ制御ユニット」として動作する。
【0058】
特に、
図1の例を参照すると、第2ブレーキ制御ユニットBCU2は、第2前輪FRの第3アクチュエータACT3と第1前輪FLの第1アクチュエータの両方を制御するように構成されている。
【0059】
異なる実施形態では、第2ブレーキ制御ユニットBCU2は、バックグラウンドで、第1ブレーキ制御ユニットBCU1とは独立して目標ブレーキトルク値を生成し、前車軸A1の各車輪に適用するように構成される。特に、目標ブレーキトルク値は、システム1000のペダル5への操作の結果として生成される更なるブレーキ信号S3に基づいて生成される。この動作構成において、第2ブレーキ制御ユニットBCU2は、第1ブレーキ制御ユニットBCU1が故障した場合でも、前車軸A1の車輪のブレーキを管理することを可能にし、「準主制御ユニット」として動作する。
【0060】
実施形態において、第3ブレーキ制御ユニットBCU3は、第1ブレーキ制御ユニットBCU1によって生成された目標ブレーキトルク値を受信して、前車軸A1の各車輪に適用するように構成される。この動作構成では、この第3ブレーキ制御ユニットBCU3は「スレーブ制御ユニット」として動作する。準マスタコントロールユニット」とは異なり、第3ブレーキ制御ユニットBCU3は、目標ブレーキトルク値を生成するタスクは負っていない。
【0061】
特に、第3ブレーキ制御ユニットBCU3は、第1前輪FLの第2アクチュエータACT2および第2前輪FRの第4アクチュエータの両方を制御するように構成されている。
【0062】
第2ブレーキ制御ユニットBCU2および第3ブレーキ制御ユニットBCU3を介して達成されるアクチュエータACT1、ACT2、ACT3、ACT4の制御に基づいて、制御ユニットのうちの1つが故障した場合でも、本発明のシステム100は、車両1の前車軸A1の両輪のバランスのとれたブレーキを保証する。
【0063】
一実施形態では、第1ブレーキ制御ユニットBCU1、第2ブレーキ制御ユニットBCU2、および第3ブレーキ制御ユニットBCU3のブレーキ電子制御ユニットは、ブレーキシステム1000のそれぞれの電源マネージャブロック31を介して、車両1のバッテリ30の直流電圧を通じて給電される。
【0064】
さらに、ブレーキシステム1000は、それぞれの車輪速度センサWS1、WS2、WS3、WS4を、車両1の車輪の1つ、それぞれ第1RLおよび第2RRの後輪、ならびに第1FLおよび第2FRの前輪に動作可能に関連付け、それぞれのブレーキ制御ユニットに送信される各車輪の速度を検出するように構成されている。
【0065】
特に、第1WS1および第2WS2速度センサは、第1ブレーキ制御ユニットBCU1に接続される。第3WS3と第4WS4速度センサは、第2ブレーキ制御ユニットBCU2に接続されている。
【0066】
図1の例を参照すると、ブレーキシステム1000の少なくとも1つの第1アクチュエータモジュール2は、パーキングブレーキが作動したときに、前車軸A1の第1P1および第2P2ブレーキキャリパにそれぞれ作用するように構成された第1EP1および第2EP2パーキングアクチュエータを備える。
【0067】
再び
図1に示す実施形態を参照すると、少なくとも1つの第2アクチュエータモジュール3は、パーキングブレーキが作動したときに、それぞれ後車軸R1の第3P3および第4P4ブレーキキャリパに作用するように構成された第3EP3および第4EP4パーキングアクチュエータを備える。
【0068】
第1EP1および第2EP2パーキングアクチュエータは、第3ブレーキ制御ユニットBCU3によって制御される。第3EP3および第4EP4のパーキングアクチュエータは、第1ブレーキ制御ユニットBCU1によって制御される。
【0069】
特に、パーキングコマンドは、ユーザによってパーキングボタンEPB-Bに加えられた圧力に続いて、車両1のパーキングコントロールユニット20によって起動される。このパーキングコントロールユニット20は、パーキングコントロールユニット20をブレーキ制御ユニットBCU1、BCU2、BCU3の各々に接続する、例えばシリアルタイプの更なる双方向データ通信ライン又はバスCAN2を介して、システムの第1BCU1、第2BCU2、及び第3BCU3のブレーキ制御ユニットに前述のパーキングコマンドを送信するように構成されている。
【0070】
図2-4を参照して、以下では、車両1のブレーキシステム1000において、車両1のディスクブレーキキャリパP1,P2の少なくとも1つの第1ピストンP11,P21および少なくとも1つの第2ピストンP12,P22に対するブレーキ力F3,F4,F5,F6の配分を制御する方法200,300,400の動作ステップをより詳細に説明する。この制御方法は、上述した制御システム100を介して実施される。
【0071】
特に、この制御方法は、車両1のブレーキシステム1000の受動的制御を実施する第1アルゴリズムからなる。この第1アルゴリズムは、ブレーキシステムが所定の臨界状態にあるときは常に作動するように構成されている。
【0072】
例として、以下では、車両1の前車軸A1のディスクブレーキキャリパP1,P2の第1ピストンP11,P21および第2ピストンP12,P22について言及する。
【0073】
一般的な実施形態では、システム100の前述の第1BCU1、第2BCU2、および第3BCU3の各ブレーキ制御ユニットは、方法200、300、400を実施するアプリケーションプログラムのコードを実行するように設定される。
【0074】
例えば、
図1の例を参照して、以下では、制御方法200、300、400が、システム100の第2BCU2および/または第3BCU3ブレーキ制御ユニットによって実施されると仮定する。
【0075】
特定の実施形態では、制御ブレーキユニットのプロセッサは、それぞれのメモリブロックに、方法200、300、400を実施するアプリケーションプログラムコードをロードし、実行するように構成される。
【0076】
図2-4の制御方法200、300、400は、開始”STR”の記号ステップで始まり、終了”ED”の記号ステップで終わる。
【0077】
最も一般的な実施形態では、ブレーキシステム1000の制御方法200、300、400は、制御システム100によって、例えばユーザによってブレーキシステム1000のペダル5(またはボタンEPB-B)上で加えられたブレーキ動作に続いてブレーキ力Xを加える要求を受信するステップ201を備える。
【0078】
さらに、方法200、300、400は、制御システム100によって、ブレーキシステム1000に関連する第1の複数のパラメータV、TemP、F、S、DPTemPを、ブレーキシステムの現在の動作状態をそれぞれ代表するように受信するステップ202を備える。
【0079】
この第1の複数のパラメータは、好ましくは、車両1の現在の速度V、外部環境の現在の温度TemP、現在の作動力/圧力F、車輪滑走面の現在の勾配S、ディスクパッドの現在の温度またはディスク自体の現在の温度DPTemPに関する情報からなるが、これらに限定されない。
【0080】
この第1の複数のパラメータV、TemP、F、S、DPTemPは、車両1のBBWブレーキシステム1000に装備される適切なセンサまたは「推定」装置、例えば前述の速度センサWS1、WS2、WS3、WS4、またはブレーキシステムまたは車両に装備されるセンサ(HW)、または推定装置(SW)、周囲温度、路面勾配、ブレーキシステム圧力のセンサなどを通じて制御システム100から得ることができる。
【0081】
さらに、制御システム100によって、前記第1の複数のパラメータの各受信パラメータV,TemP,F,S,DPTemPを、ブレーキシステム1000の臨界動作状態を代表する第2の複数のパラメータの各参照パラメータVc,TemPc,Fc,Sc,DPTemPcと比較するステップ203が設けられる。
【0082】
この第2の複数のパラメータは、好ましくは、車両1の臨界速度Vc、外部環境の臨界温度TemPc、臨界作動力/圧力Fc、車輪滑走面の臨界勾配Sc、ディスクパッドの臨界温度DPTemPc、またはディスク自体の臨界温度に関する情報からなるが、これらに限定されない。ブレーキシステム1000の各臨界ベンチマークパラメータVc、TemPc、Fc、Sc、DPTemPcは、単一の臨界パラメータ値を想定することができるか、または、好ましくは、同じ臨界パラメータを代表する値の範囲から複数の値、例えば、「臨界」圧力または速度の異なる値、さらには互いのパラメータの異なる組み合わせを取ることができることは注目に値する。実際、特定のブレーキシステムのノイズまたは外乱周波数1000は、特定の動作条件に対する複数の推定および測定されたクリティカルパラメータ値に関連付けられる。例えば、2kHzのノイズ周波数は、速度が5-15km/h、圧力が10-20bAR、温度が-5℃-0℃の場合に特徴付けられる。異なる周波数を有する他のノイズは、この周波数に特有であり、2kHzノイズ周波数に関連する前述の値とは異なる、それぞれの複数の推定および測定されたクリティカルパラメータ値と関連付けられる。
【0083】
この第2の複数のパラメータVc、TemPc、Fc、Sc、DPTemPc(単一の値または値のセットのいずれか)は、例えば、車両1のCANデータベースに格納される。
【0084】
第1の複数のパラメータのパラメータV、TemP、F、S、DPTemPのうちの少なくとも1つが、第2の複数のパラメータのそれぞれの基準パラメータVc、TemPc、Fc、Sc、DPTemPcに等しい場合、方法200、300、400は、以下のステップを備える。
【0085】
車両1のディスクブレーキキャリパP1,P2の第1ピストンP11,P21に第1ブレーキ力Yを加えるステップ204。
【0086】
車両1のディスクブレーキキャリパP1,P2の第2ピストンP12,P22に第2ブレーキ力Zを加えるステップ205。
【0087】
特に、前述の第1ブレーキ力Yと第2ブレーキ力Zとの和は要求ブレーキ力Xに等しく、第1ブレーキ力Yと第2ブレーキ力Zとの比は1とは異なる。
【0088】
第1の複数のパラメータの各パラメータV、TemP、F、S、DPTemPが、第2の複数のパラメータの各基準パラメータVc、TemPc、Fc、Sc、DPTemPcと異なる場合、すなわち、ブレーキシステムが臨界動作範囲から外れている場合、方法200、300、400は、車両1のディスクブレーキキャリパP1、P2の第1ピストンP11、P21と第2ピストンP12、P22の両方に、要求ブレーキ力Xの半分に等しい第3ブレーキ力X/2を加えるステップ206を含む。
【0089】
代替実施形態では、第1の複数のパラメータの各パラメータV、TemP、F、S、DPTemPが、第2の複数のパラメータの各基準パラメータVc、TemPc、Fc、Sc、DPTemPcと異なる場合、すなわち、ブレーキシステムが臨界状態から外れている場合、方法200、300、400は、
車両1のディスクブレーキキャリパP1、P2の第1ピストンP11、P21および第2ピストンP12、P22にそれぞれさらなる第1ブレーキ力およびさらなる第2ブレーキ力を加えるステップを含む。この場合、前記さらなる第1ブレーキ力と前記さらなる第2ブレーキ力との間の比(「1」ではない)が予め決定され、前記さらなる第1ブレーキ力と前記さらなる第2ブレーキ力との和が要求ブレーキ力Xに等しい。
【0090】
第1ブレーキ力Yと第2ブレーキ力Zとの間の関係は、キャリパP1,P2の開発中に不安定性(ノイズ)を回避するために特徴付けられ、キャリパの不安定性の関数としてだけでなく、この不安定性がトリガされるクランプ力のレベル、温度および車速の関数としてもあることは注目に値する。
【0091】
実施形態では、第1ブレーキ力Yと第2ブレーキ力Zの比は1より大きくなるように選択される。
【0092】
試験車両で実施された実験的試験の間、出願人は、キャリパP1、P2が、5kHz、0℃、速度V<15km/h、および5-10kNの間で構成される力値Fで不安定性を示すことを観察した。さらに、本出願人は、これらの動作条件下で、第1ブレーキ力Yおよび第2ブレーキ力Zが以下の式によって計算される場合、前述の不安定性が消失することを実験的に検証した。
第1ブレーキ力Y=0.8×要求ブレーキ力X
第2ブレーキ力Z=0.2×要求ブレーキ力X
【0093】
図3を参照すると、さらなる実施形態において、第1の複数のパラメータのパラメータV、TemP、F、S、DPTemPのうちの少なくとも1つが、第2の複数のパラメータのそれぞれの基準パラメータVc、TemPc、Fc、Sc、DPTemPcに等しいとき、方法300は、前述の適用するステップ204、205の後に、制御システム100によって、ブレーキシステム1000の現在の特性周波数FReqの情報を、システムに作動的に関連付けられた少なくとも1つのセンサによって検出するステップ301を備える。この特性周波数FReqは、ブレーキシステム1000に関連する現在の騒音および/または振動を代表するものである。
【0094】
実施形態の一例では、ブレーキシステム1000に動作可能に関連付けられた少なくとも1つのセンサは、以下の構成を有する。
【0095】
ブレーキシステムに動作可能に関連付けられた少なくとも1つのマイクロフォンまたは
【0096】
各々が車両1のディスクブレーキキャリパP1、P2に関連付けられた複数の加速度センサ。
【0097】
一実施形態では、ブレーキシステムに関連する前述のマイクロフォンは、最も一般的な場合、例えば、内部ハンズフリーマイクロフォンのような、(乗客コンパートメントの内部または外部のいずれかの)自動車に既に設置されているマイクロフォンとすることができる。
【0098】
方法300はさらに、制御システム100によって、この検出された現在の特性周波数FReqを、ブレーキシステム1000の臨界動作状態を代表する基準特性周波数または臨界周波数FReq1と比較するステップ302を提供する。
【0099】
好ましくは、前述の臨界周波数FReq1は、所定の振幅を有する臨界周波数の範囲または帯域からなる。例えば、この臨界周波数の範囲は、基準臨界周波数値又は中心帯域臨界周波数値の周りの全ての周波数、例えば、絶対値で基準臨界周波数から5%以上、特に3%以上異なる周波数から構成される。したがって、以下では、特性基準周波数または臨界周波数FReq1という用語は、前述の基準臨界周波数の値、および前述の周波数帯域内の、基準臨界周波数から公差で5%以上、特に3%以上異なる周波数のすべての値の両方を示すために使用される。
【0100】
臨界周波数FReq1は、ブレーキシステムを開発する段階で測定され、ノイズと振動の検出に関係する臨界周波数基準値は、ローラスタンドベンチまたはプロトタイプ車両での技術承認または生産開始前の製品開発の段階で特徴付けられる。
【0101】
ブレーキシステム1000の検出された現在の特性周波数情報FReqが、基準特性周波数FReq1に等しい場合、すなわち、現在の特性周波数FReqが、基準特性周波数の値を中心に定義される、前述の臨界周波数の帯域内の周波数である場合、方法300は、さらに、以下のステップを備える。
【0102】
車両1のディスクブレーキキャリパP1,P2の第1ピストンP11,P21に、第1ブレーキ力Yに時間的に変化する振幅Aを有する力信号SIG,SIG1を重畳することによって生成された第4ブレーキ力Y1を印加するステップ303。
【0103】
車両1のディスクブレーキキャリパP1,P2の少なくとも1つの第2ピストンP12,P22に、第2ブレーキ力Zに時間的に変化する振幅Aを有するこの力信号SIG,SIG1を重畳することによって生成された第5ブレーキ力Z1を加えるステップ304。
【0104】
特に、第4ブレーキ力Y1と第5ブレーキ力Z1との和は、要求されたブレーキ力Xに等しい。
【0105】
再び
図3を参照すると、さらなる実施形態では、第1の複数のパラメータのパラメータV,TemP,F,S,DPTemPのうちの少なくとも1つが、第2の複数のパラメータのそれぞれの基準パラメータVc,TemPc,Fc,Sc,DPTemPcと異なるとき、方法300は、前述の適用ステップ206の後に、制御システム100によって、システムに作動的に関連付けられた少なくとも1つのセンサによって、ブレーキシステム1000の現在の特性周波数情報FReqを検出するステップ301を備える。この特性周波数FReqは、ブレーキシステム1000に関連する現在のノイズおよび/または振動を代表するものである。
【0106】
さらに、方法300は、制御システム100によって、この検出された現在の特性周波数FReqを、ブレーキシステム1000の臨界動作状態を代表する基準特性周波数FReq1と比較するステップ302を提供する。
【0107】
ブレーキシステム1000の検出された現在の特性周波数情報FReqが基準特性周波数FReq1に等しい場合、すなわち、現在の特性周波数FReqが基準特性周波数の値を中心に定義される臨界周波数の帯域内にある場合、方法300はさらに以下のステップを備える。
【0108】
車両1のディスクブレーキキャリパP1,P2の第1ピストンP11,P21に第1ブレーキ力Yを加えるステップ204。
【0109】
車両1のディスクブレーキキャリパP1,P2の少なくとも1つの第2ピストンP12,P22に第2ブレーキ力Zを加えるステップ205。
【0110】
特に、前述の第1ブレーキ力Yと第2ブレーキ力Zとの和は要求されたブレーキ力Xに等しく、第1ブレーキ力Yと第2ブレーキ力Zとの比は1とは異なる。
【0111】
上述と同様に、方法300はさらに、制御システム100によって、システムに作動的に関連付けられた少なくとも1つのセンサによって、ブレーキシステム1000のさらなる現在の特性周波数情報FReq’を検出するステップ301と、制御システム100によって、検出された現在のさらなる特性周波数情報FReq’をブレーキシステムの基準特性周波数FReq1と比較するステップ302を含む。
【0112】
ブレーキシステムのこのさらに検出された現在の特性周波数FReq’が基準特性周波数FReq1と等しい場合、方法300はさらに以下のステップを含む。
【0113】
スクブレーキキャリパP1,P2の少なくとも1つの第1ピストンP11,P21に第4ブレーキ力Y1を加えるステップ303。
【0114】
車両1のディスクブレーキキャリパP1,P2の少なくとも1つの第2ピストンP12,P22に第5ブレーキ力Z1を加えるステップ304。
【0115】
一実施形態では、時間的に変化する振幅Aを有する前述の力信号SIG,SIG1は、平均値よりも大きいか小さいかのいずれかの振幅値を仮定する信号からなる。
【0116】
特定の実施形態において、時間的に変化する振幅Aを有する力信号SIG、SIG1は、サイン信号、ランプ信号、三角波信号、矩形波信号、平均値の周りでランダムに変化する信号からなる群から選択される。
【0117】
さらに特定の実施形態では、時間的に変化する振幅Aを有する力信号SIG,SIG1は、相互に位相が反対である第1力信号SIGと第2力信号SIG1とからなる。第1力信号SIGは、第4ブレーキ力Y1を発生させるために第1ブレーキ力Yに重畳可能であり、第2力信号SIG1は、第5ブレーキ力Z1を発生させるために第2ブレーキ力Zに重畳可能である。
【0118】
実施形態では、第1力信号SIGと第2力信号SIG1とが重畳可能な周波数は、少なくとも1-200Hzの範囲内である。
【0119】
図4を参照すると、さらなる実施形態において、第1の複数のパラメータの各パラメータV、TemP、F、S、DPTemPが、第2の複数のパラメータの各基準パラメータVc、TemPc、Fc、Sc、DPTemPcと異なる場合、方法400は、206を適用する前述のステップの後に、以下のステップを備える。
【0120】
制御システム100によって、システムに動作可能に関連付けられた少なくとも1つのセンサによって、ブレーキシステム1000のさらなる現在の特性周波数FReqを検出するステップ301。
【0121】
制御システム100によって、この検出された現在の特性周波数FReqを、ブレーキシステム1000の臨界動作状態を代表する基準特性周波数FReq1と比較するステップ302。
【0122】
ブレーキシステム1000の前記検出された現在の特性周波数FReqが基準特性周波数FReq1に等しい場合、方法400は、車両ディスクブレーキ1のキャリパP1,P2の第1ピストンP11,P21および第2ピストンP12,P22上のブレーキ力F3,F4,F5,F6の第1分配方法402または第2分配方法403をランダムに選択するステップ401を備える。
【0123】
より詳細には、ブレーキ力F3,F4,F5,F6の第1分配方法402は、以下のステップからなる。
【0124】
車両1のディスクブレーキキャリパP1,P2の第1ピストンP11,P21に第1ブレーキ力Yを加えるステップ204。
【0125】
ディスクブレーキキャリパP1,P2の第2ピストンP12,P22に第2ブレーキ力Zを加えるステップ205。
【0126】
ここで、前記第1ブレーキ力Yと前記第2ブレーキ力Zとの和が、要求されたブレーキ力Xに等しく、前記第1ブレーキ力Yと前記第2ブレーキ力Zとの比が、1とは異なる。
【0127】
さらに、方法400は以下のステップを提供する。
【0128】
制御システム100によって、システムに動作可能に関連付けられた少なくとも1つのセンサによって、ブレーキシステム1000の更なる現在の特性周波数情報FReq’を検出するステップ301’。
【0129】
制御システム100によって、前記さらに検出された現在の特性周波数情報FReq’をブレーキシステムの基準特性周波数FReq1と比較するステップ302’。
【0130】
ブレーキシステム1000のこのさらに検出された現在の特性周波数情報FReq’が基準特性周波数FReq1と等しい場合、方法400はさらに以下のステップを含む。
【0131】
時間的に変化する振幅Aを有する力信号SIGを第1ブレーキ力Yに重畳することによって生成された第4ブレーキ力Y1を、車両のディスクブレーキキャリパP1,P2の第1ピストンP11,P21に印加するステップ303。
【0132】
車両のディスクブレーキキャリパP1,P2の第2ピストンP12,P22に、第2ブレーキ力Zに時間的に変化する振幅Aを有する前記力信号SIG1を重畳することによって生成される第5ブレーキ力Z1を加えるステップ304。
【0133】
ここで、前記第4ブレーキ力Y1と前記第5ブレーキ力Z1の合計は、要求されたブレーキ力Xに等しい。
【0134】
再び
図4を参照すると、さらなる実施形態において、ブレーキ力F3,F4,F5,F6のための前述の第2分配方法403は、以下のステップを含んでいる。
【0135】
第1ブレーキ力Yと第2ブレーキ力Zとを利用可能にするステップであって、前記第1ブレーキ力Yと第2ブレーキ力Zとの和が要求されたブレーキ力Xに等しく、第1ブレーキ力Yと第2ブレーキ力Zとの比が1とは異なるステップ。
【0136】
車両のディスクブレーキキャリパP1,P2の少なくとも1つの第1ピストンP11,P21に、第1ブレーキ力Yに時間的に変化する振幅Aを有する力信号SIGを重畳することによって生成された第4ブレーキ力Y1を印加するステップ303。
【0137】
車両1のディスクブレーキキャリパP1,P2の少なくとも1つの第2ピストンP12,P22に、第2ブレーキ力Zに時間的に変化する振幅Aを有する前述の力信号SIG1を重畳することによって生成された第5ブレーキ力Z1を加えるステップ304。
【0138】
特に、第4ブレーキ力Y1と第5ブレーキ力Z1の合計は、要求されたブレーキ力Xに等しい。
【0139】
方法400はさらに、制御システム100によって、システムに動作可能に関連付けられた少なくとも1つのセンサによって、ブレーキシステム1000のさらなる現在の特性周波数情報FReq’を検出するステップ301’と、
【0140】
制御システム100によって、さらに検出された現在の特性周波数情報FReq'をブレーキシステムの基準特性周波数FReq1と比較するステップ302’、を含む。
【0141】
このさらに検出された現在の波数情報FReq’が基準特性周波数FReq1と等しい場合、方法400はさらに以下のステップを含む。
【0142】
車両1のディスクブレーキキャリパP1,P2の第1ピストンP11,P21に第1ブレーキ力Yを加えるステップ204。
【0143】
キャリパP1,P2の第2ピストンP12,P22に第2ブレーキ力Zを加えるステップ205。
【0144】
図5-6を参照して、以下では、本発明の車両1のブレーキシステム1000において、車両1のディスクブレーキキャリパP3,P4,P1,P2の少なくとも1つのピストンP31,P41,P11,P12,P21,P22上のブレーキ力F1,F2,F3,F4,F5,F6の配分を制御する方法500,600の動作ステップをより詳細に説明する。
【0145】
この制御方法は、上述した制御システム100を通じて実施される。
【0146】
本発明の制御方法500、600は、車両1のブレーキシステム1000のアクティブ制御を実施する第2アルゴリズムからなる。この第2アルゴリズムは、例えばマイクロフォンまたは加速度計によって、予め設定された基準または臨界周波数FReq1に等しいブレーキシステムの現在のFReq動作周波数情報が検出された場合にのみ作動するように構成されている。
【0147】
本発明のこの制御方法500は、シングルピストンキャリパ、すなわち車両1の後車軸R1の第3キャリパP3および第4キャリパP4の第1ピストンP31,P41上のブレーキ力の分配に適用可能であることは注目に値する。別の実施形態では、この方法600は、2つ以上のピストンを有するキャリパ、例えば、車両1の前車軸A1のディスクブレーキキャリパP1,P2の第1ピストンP11,P21及び第2ピストンP12,P22にさらに適用可能である。
【0148】
一般的な実施形態では、システム100の前述の第1BCU1、第2BCU2、および第3BCU3の各ブレーキ制御ユニットは、本発明の方法500,600を実施するアプリケーションプログラムのコードを実行するように配置される。換言すれば、以下では、制御方法500、600は、システム100の任意のブレーキ制御ユニットによって実施されると仮定する。
【0149】
特定の実施形態では、制御ブレーキユニットのプロセッサは、それぞれのメモリブロックに、本発明の方法500、600を実施するアプリケーションプログラムのコードをロードして実行するように構成されている。
【0150】
図5-6の制御方法500,600は、開始”STR”の記号ステップで始まり、終了”ED”の記号ステップで終わる。
【0151】
この制御方法500は、ブレーキシステム1000のペダル5(またはEPB-Bボタン)に加えられたブレーキ動作に続いてブレーキ力Xを加える要求を制御システム100によって受信するステップ501を含んでいる。
【0152】
さらに、シングルピストンキャリパP3またはP4の場合、方法500は、前述のピストンP31、P41に要求されたブレーキ力Xを加えること502を含む。
【0153】
方法500はさらに、制御システム100によって、ブレーキシステムに作動的に関連する少なくとも1つのセンサによって、ブレーキシステム1000の現在の特性周波数情報FReq’をさらに検出するステップ503’を含んでいる。この特性周波数FReqは、ブレーキシステム1000に関連する現在の騒音および/または振動を代表するものである。
【0154】
一実施形態では、ブレーキシステム1000に動作可能に関連付けられた少なくとも1つのセンサは、以下のように構成を含む。
【0155】
ブレーキシステムに動作可能に関連付けられた少なくとも1つのマイクロフォン。
【0156】
各々が車両1のディスクブレーキキャリパP1、P2に関連付けられた複数の加速度センサ。
【0157】
一実施形態において、ブレーキシステムに関連する前述のマイクロフォンは、最も一般的な場合、例えば、内部ハンズフリーマイクロフォンのような、既に自動車(乗客コンパートメントの内部または外部のいずれか)に設置されたマイクロフォンであることができる。
【0158】
さらに、制御システム100によって、この検出された現在の特性周波数FReqを、ブレーキシステム1000の臨界動作状態を代表する基準特性周波数FReq1と比較するステップ504を含む。
【0159】
検出されたブレーキシステム1000のこの現在の特性周波数情報FReqが基準特性周波数FReq1に等しい場合、方法500は、車両1のディスクブレーキのキャリパP3,P4の少なくとも1つのピストンP31,P41に、要求されたブレーキ力Xに、時間的に変化する振幅Aを有する力信号SIGを重畳することによって生成された更なるブレーキ力X’を加えるステップ505を含んでいる。
【0160】
この場合、例えば、力信号SIGの時間的に変化する振幅Aは、平均値よりも20%低い。
【0161】
さらに、力の可変部分は、車両1の全減速を知覚可能な方法で偏らせないように設けられ、システム1000の2つの車軸A1,R1の間で逆位相に補償され、全ブレーキトルク、ひいては減速度を一定に保つ。
【0162】
さらに、重畳可能な作動力信号SIGの周波数は、少なくとも1-200Hzの範囲内である。
【0163】
図6を参照すると、車両1のディスクブレーキキャリパP1,P2の第1ピストンP11,P21及び第2ピストンP12,P22上のブレーキ力F3,F4,F5,F6の分配を制御する方法600の実施形態において、
図5を参照して説明した前記適用ステップ502は、ディスクブレーキキャリパP1,P2の第1ピストンP11,P21と第2ピストンP12,P22の両方に、要求されたブレーキ力Xの2分の1に等しい第6ブレーキ力X6(=X/2)を適用するステップ601を含んでいる。
【0164】
さらに、方法600は、
図5を参照して説明した前記印加ステップ505が、車両のディスクブレーキキャリパP1,P2の第1ピストンP11,P21および第2ピストンP12,P22に、前記第6ブレーキ力X6に、時間的に変化する振幅Aを有する前記力信号SIG,SIG1を重畳することによって生成された第7ブレーキ力X1およびさらなる第7ブレーキ力X2をそれぞれ印加するステップ602を備える。特に、第7ブレーキ力X1とさらなる第7ブレーキ力X2との合計は、要求されたブレーキ力Xに等しい。
【0165】
一実施形態では、時間的に変化する振幅Aを有する前記力信号SIG,SIG1は、相互に位相が逆位相の第1力信号SIGと第2力信号SIG1とからなる。第1力信号SIGは、第7ブレーキ力X1を発生させるために第1ピストンP11,P21に加えられる第6ブレーキ力X6と重畳可能である。
【0166】
第2力信号SIG1は、前記さらなる第7ブレーキ力X2を発生させるために第2ピストンP12,P22に加えられる第6ブレーキ力X6と重畳可能である。
【0167】
実施形態において、時間的に変化する振幅Aを有する前記力信号SIG,SIG1は、平均値よりも大きいか小さいかのいずれかの振幅値を想定する信号からなる。
【0168】
特定の実施形態において、時間的に変化する振幅Aを有する力信号SIG、SIG1は、サイン信号、ランプ信号、三角波信号、矩形波信号、平均値の周りでランダムに変化する信号からなる群から選択される。
【0169】
上記で実証されたように、車両1のブレーキシステム1000におけるブレーキ力の分布を制御する方法500、600は、多くの利点を有し、その意図された目的を達成する。
【0170】
実際、本発明の制御方法は、システム設計の開発期間およびコストを短縮しつつ、車両、特に自動車のブレーキシステムにおいて発生する騒音および/または振動を低減または除去することを可能にする。
【0171】
特に、長時間の機械設計とそれに続く試験によって騒音と振動の問題を解決する必要がなくなる。
【0172】
実際、上述した第2アルゴリズムの適用により、それぞれ、システムの現在のV、TemP、F、S、DPTemPパラメータの少なくとも1つが臨界条件内に入ったときに作動修正を作動させること、またはブレーキシステムの臨界周波数FReq1の1つがマイクロフォンまたは加速度計によって検出されたときに作動修正制御を作動させることが可能である。これにより、車両のブレーキシステムで発生するノイズおよび/または振動を自動的に低減または除去することが可能になる。
【0173】
偶発的かつ特定のニーズを満たすために、当業者は、上述の方法の実施形態に対していくつかの変更および適合を行うことができ、また、以下の特許請求の範囲から逸脱することなく、要素を他の機能的に等価なものと置き換えることができる。
【0174】
1000:ブレーキシステム
100:ブレーキシステムの制御システム
A1:前車軸
FL:第1前輪
FR:第2前輪
R1:粒子後車軸
RL:第1後輪
RR:第2後輪
2:第1アクチュエータモジュール
3:第2アクチュエータモジュール
ACT1:第1アクチュエータ
ACT2 第2アクチュエータ
P1:第1ブレーキキャリパ
ACT3:第3アクチュエータ
ACT4:第4アクチュエータ
P2:第2ブレーキキャリパ
ACT5:第 5 アクチュエータ
P3:第3ブレーキキャリパ
ACT6:第6アクチュエータ
P4:第4ブレーキキャリパ
BCU1:第1ブレーキ制御ユニット
BCU2:第2ブレーキ制御ユニット
BCU3:第3ブレーキ制御ユニット
5:ペダル
S1、S2:ブレーキ信号
S3:更なるブレーキ信号
CAN1:データ通信ラインまたはバス
CAN2:データ通信ラインまたはバス
20:パーキングコントロールユニット
30:バッテリ
31:システム電源管理ブロック
WS1:第1スピードセンサ
WS:第2スピードセンサ
WS3:第3スピードセンサ
WS4:第4スピードセンサ
EP1:第1パーキングアクチュエータ
EP2:第2パーキングアクチュエータ
EP3:第3パーキングアクチュエータ
EP4:第4パーキングアクチュエータ
EPB-B:パーキングボタン
F1,F2,F3,F4,F5,F6:ブレーキ力
P11、P21、P13、P14:第1ピストン
P12、P22:第2ピストン
V、TemP、F、S、DPTemP:第1の複数のパラメータ
Vc,TemPc,Fc,Sc,DPTemPc:第2の複数のパラメータ
X:要求ブレーキ力
Y:第1ブレーキ力
Z:第2ブレーキ力
X/2:第3ブレーキ力
FReq:現在の特性周波数情報
FReq1:基準特性周波数
Y1:第4ブレーキ力
Z1:第5ブレーキ力
SIG:第1力信号
SIG1:第2力信号
FReq’:更なる電流特性周波数情報
X’:更なるブレーキ力
X6:第6ブレーキ力
X1:第7ブレーキ力
X2:さらなる第7ブレーキ力
200,300,400,500,600:ブレーキ力配分制御方法
201,501:ブレーキ力付与要求を受信するステップ
202:第1の複数のパラメータを受信するステップ
203、302、302’、504:を比較するステップ
204、205、206、303、304、502、505、601、602:適用するステップ
301、301'、503:現在の特性周波数情報を検出するステップ。
401:ランダムに選択するステップ
402、403:第1および第2ブレーキ力配分方法
【国際調査報告】