(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】ユーザバイオメトリック特性を処理するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20240927BHJP
G06V 40/12 20220101ALI20240927BHJP
G06V 40/14 20220101ALI20240927BHJP
G06V 40/16 20220101ALI20240927BHJP
G06V 40/18 20220101ALI20240927BHJP
【FI】
G06T7/00 510F
G06T7/00 510D
G06T7/00 510E
G06T7/00 530
G06V40/12
G06V40/14
G06V40/16 A
G06V40/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519713
(86)(22)【出願日】2022-07-07
(85)【翻訳文提出日】2024-05-23
(86)【国際出願番号】 EP2022068948
(87)【国際公開番号】W WO2023051966
(87)【国際公開日】2023-04-06
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509228994
【氏名又は名称】アマデウス エス.アー.エス.
【氏名又は名称原語表記】AMADEUS S.A.S.
【住所又は居所原語表記】485 Route du Pin Montard,Sophia Antipolis,F-06410 Biot,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】エルド・アブラーム
(72)【発明者】
【氏名】サンジャヤ・クマール・サーランギ
【テーマコード(参考)】
5B043
【Fターム(参考)】
5B043AA09
5B043BA02
5B043BA03
5B043BA04
5B043EA14
5B043GA02
(57)【要約】
本発明は、ユーザのバイオメトリック特性を処理し、画像キャプチャデバイスによって画像に持ち込まれる光学的歪みを補償するシステムおよび方法に関する。さらに、本発明は、ユーザのバイオメトリックIDプロファイルに割り当てられたバイオメトリックマッチングスコアに基づき1つまたは複数のバイオメトリック認証タッチポイントにおいて実行される認証手順を適応させるように構成されている、バイオメトリックセキュリティシステムに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオメトリック管理システムにおいて、1つまたは複数の画像からユーザのバイオメトリック特性を抽出するための方法であって、
画像キャプチャデバイスによってキャプチャされたユーザの少なくとも1つの画像を取得するステップと、
前記少なくとも1つのキャプチャされた画像から前記ユーザに関連付けられているバイオメトリック情報を抽出するステップ(170)と、
前記抽出されたバイオメトリック情報を処理して、前記ユーザのバイオメトリック特性を決定するステップを含み、前記ユーザの前記バイオメトリック特性を決定する前記ステップは、
対応する前記画像キャプチャデバイスによって各画像から抽出された前記バイオメトリック情報に持ち込まれた相対的光学的歪みを決定するステップと、
光学的歪みが検出された場合に、前記検出された光学的歪みを補償するために前記抽出されたバイオメトリック情報に補正フィルタを適用するステップ(160)であって、前記補正フィルタは、前記抽出されたバイオメトリック情報の前記処理中に各画像から抽出された光学的歪み情報に基づき、通信可能に結合されたフィルタデータベースから選択される、ステップと、
補償されたバイオメトリック情報から前記ユーザの前記バイオメトリック特性を抽出するか、または光学的歪みが検出されない場合に、前記抽出されたバイオメトリック情報から前記ユーザの前記バイオメトリック特性を抽出するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記相対的光学的歪みを決定するステップは、前記少なくとも1つの画像を異なる画像キャプチャデバイスからキャプチャされた記憶済み画像と比較するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記相対的光学的歪みを決定するステップは、各キャプチャされた画像からの前記抽出されたバイオメトリック情報を、前記バイオメトリック管理システムのプロファイルデータベースから取得された前記ユーザのバイオメトリックIDプロファイルに記憶されている前記ユーザに関連付けられている歪みなしバイオメトリック情報の参照セットと比較するステップを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記相対的光学的歪みは、異なる時点にキャプチャされた前記ユーザの記憶済み画像の比較に基づき決定される、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記光学的歪みを決定するステップは、
各画像内の前記ユーザの顔表情を識別するステップと、
記憶された情報に基づき、前記検出された顔表情を所定の光学的歪みのタイプと関連付けるステップと、
前記検出された光学的歪みに基づき、前記顔表情によって持ち込まれた前記光学的歪みを補償するための対応する補正フィルタを選択するステップと
を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記光学的歪み情報は、前記対応する画像キャプチャデバイスのカメラレンズによって各画像に持ち込まれる画像光学的歪み値、異なる画像キャプチャデバイスによってキャプチャされた画像に関して各画像に持ち込まれる相対的光学的歪み値、および検出された顔表情によって持ち込まれる光学的歪み値のうちのいずれか1つ、またはその組合せを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ユーザの前記バイオメトリック特性を決定する前記ステップは、前記抽出されたバイオメトリック情報の処理中に各画像から抽出された前記光学的歪み情報で前記補正フィルタを更新するステップをさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ユーザの前記バイオメトリック特性を決定する前記ステップは、
前記キャプチャされたバイオメトリック情報から抽出された前記バイオメトリック特性を、前記バイオメトリック管理システムのプロファイルデータベースに記憶された前記ユーザの対応するバイオメトリックIDプロファイルに記憶された前記バイオメトリック特性と比較するステップと、
バイオメトリック特性の抽出されたセットとバイオメトリック特性の前記参照セットとの間のマッチング精度を示すバイオメトリックマッチングスコアを決定するステップと
をさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記バイオメトリック特性を決定する前記ステップは、
前記マッチングスコアに基づき、前記ユーザの前記記憶されたバイオメトリックIDプロファイルのバイオメトリック認証強度レベルを決定するステップであって、前記バイオメトリック認証強度レベルは、前記ユーザを認証するために各セキュリティタッチポイントにおいて実行されるべきセキュリティ対策および/またはセキュリティチェックのセットを示す、ステップと、
前記ユーザのバイオメトリックIDの前記決定されたバイオメトリック認証強度レベルが予め定義されている閾値内にある場合、前記バイオメトリックIDに記憶された前記バイオメトリック特性が更新される必要があることを示す通知をユーザの電子デバイスに発行するステップと
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ユーザのバイオメトリックIDプロファイルの前記バイオメトリック認証強度レベルを決定する前記ステップは、前記ユーザの前記バイオメトリックIDプロファイルの前記決定されたバイオメトリック認証強度に基づき、前記バイオメトリック管理システムに通信可能に結合された1つまたは複数のセキュリティタッチポイントにおいて前記ユーザの本人確認を認証するためのバイオメトリック認証手順であって、前記ユーザの前記本人確認を認証するために各セキュリティタッチポイントにおいて実行されるべきセキュリティ対策および/またはセキュリティチェックのセットを示す、バイオメトリック認証手順を選択するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ユーザの前記バイオメトリックIDプロファイルを更新する前記ステップは、前記ユーザの前記バイオメトリックIDプロファイルに、予想される有効期限を割り当てるステップを含み、
前記予想される有効期限を割り当てるステップは、前記決定されたバイオメトリックマッチングスコアおよび時間の経過とともに生じる前記ユーザの前記バイオメトリック特性の予想される変化を示す前記ユーザの時間ドリフトバイオメトリックIDプロファイルに基づく、請求項8から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記ユーザの前記時間ドリフトプロファイルは、1つまたは複数の画像キャプチャデバイスによってキャプチャされた一定期間にわたる前記ユーザの画像から抽出された過去のバイオメトリック情報に基づき訓練されたニューラルネットワークによって生成され、
前記ニューラルネットワークは、時間の経過とともに持ち込まれる前記バイオメトリック特性に生じる差異を補償するために、前記ユーザの前記生成された時間ドリフトバイオメトリックIDプロファイルに基づき前記ユーザの前記記憶されたバイオメトリックIDプロファイルを更新するように構成される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記バイオメトリック情報は、顔スキャン、指紋スキャン、虹彩スキャン、または静脈スキャンから取得される、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
バイオメトリック管理システム(110)であって、
登録ユーザのバイオメトリックIDプロファイルを記憶するように構成されたプロファイルデータベース(111)であって、各々がユーザのバイオメトリック特性を含む、プロファイルデータベース(111)と、
請求項1から13のいずれか一項に記載の前記方法を実行するように構成されたバイオメトリック処理モジュール(113)と
を備えるバイオメトリック管理システム(110)。
【請求項15】
バイオメトリックセキュリティシステム(100)であって、
複数のバイオメトリック認証タッチポイント(120)であって、各々が、対応するターゲットバイオメトリックマッチング値範囲内にあるバイオメトリックマッチングスコアに少なくとも基づきバイオメトリック認証手順中に、ユーザ(130)を認証するように構成され、前記バイオメトリックマッチングスコアは記憶されたバイオメトリックIDプロファイルに含まれるユーザのバイオメトリック特性と前記ユーザの1つまたは複数の画像から抽出されたバイオメトリック特性との間のマッチング精度を示す、複数のバイオメトリック認証タッチポイント(120)と、
前記複数のバイオメトリック認証タッチポイントに通信可能に結合された請求項14に記載のバイオメトリック管理システム(110)であって、バイオメトリック認証タッチポイントの要求時に、登録ユーザの前記バイオメトリックIDプロファイルを伝達するように構成されている、バイオメトリック管理システム(110)とを備え、
各バイオメトリック認証タッチポイントは、前記ユーザの対応する前記バイオメトリックIDプロファイルに割り当てられた前記バイオメトリックマッチングスコアに少なくとも基づき前記ユーザを認証するためのバイオメトリック認証手順を選択するように構成される、バイオメトリックセキュリティシステム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザのバイオメトリック特性を処理するための方法およびシステムに関するものであり、より具体的には、ユーザの対応するバイオメトリック特性に基づきユーザを認証するためのバイオメトリックセキュリティシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
顔認識システムなどのバイオメトリック認証システム(biometric authentication system)は、ユーザの本人確認(identity of a user)を認証するためにセキュリティチェックポイントにおいて広く使用されている。バイオメトリック認証は、バイオメトリックテンプレートとも称される、対応するバイオメトリックIDプロファイル内に記憶されたユーザの参照バイオメトリック特性と、バイオメトリック認証タッチポイントにおいて画像キャプチャデバイスによってキャプチャされたユーザの1つまたは複数の検証画像から取得されたバイオメトリック特性との間の比較に基づく。一般に、ユーザバイオメトリックIDプロファイル内に記憶されているバイオメトリック特性は、エンロールメント段階とも称される、登録手順中に取得される。バイオメトリック登録中、ユーザの1つまたは複数の画像が、画像キャプチャデバイスを使用してキャプチャされる。キャプチャされた画像は、ユーザのバイオメトリック特性、たとえば、顔バイオメトリック特徴に関連付けられている、バイオメトリック情報のセットを抽出するために処理される。たとえば、ユーザのバイオメトリック特性は、バイオメトリックエンロールメント手順中に携帯電話などの電子ユーザデバイスのカメラによってキャプチャされた画像から取得され得る。一般に、バイオメトリック認証システムは、アプリケーションに応じて1つまたは複数のバイオメトリック認証タッチポイントを備え得る。たとえば、空港では、複数のバイオメトリック認証タッチポイントが、たとえば空港入国審査、搭乗ゲート、特定の空港エリアへのアクセス、および同様のものにおいて提供され得る。前に論じられているように、バイオメトリック認証は、ユーザの記憶されたバイオメトリック特性と、バイオメトリック認証タッチポイントにおける画像から取得されるバイオメトリック特性との間のマッチング精度に基づく。しかしながら、バイオメトリックマッチング精度は、エンロールメント中またはバイオメトリック認証タッチポイントにおいてキャプチャされた画像の光学的歪み、年齢、ユーザの外観の変化、および同様のものなど、いくつかの要因の影響を受け得る。結果として、バイオメトリック認証精度が悪影響を受け、ユーザの認証が偽陽性および/または偽陰性になり得る。たとえば、顔認識技術はタッチレスな旅行の概念につながり、スマートフォンはそのための良い補助手段となる。しかしながら、認証手順中に精度問題を引き起こし得る技術的限界がある。たとえば、エンロールメント中および/または認証中に使用される画像キャプチャデバイスによってユーザのキャプチャされた画像に持ち込まれる光学的歪は、偽陽性および/または偽陰性の認証結果をもたらし得る。画像キャプチャデバイスのカメラレンズの品質は、キャプチャされた画像に持ち込まれる光学的歪みに影響を及ぼすことが知られている。そのようなものとして、エンロールメントプロセス中にユーザの「エンロール済み画像」をキャプチャするために使用されるデバイスのカメラレンズが、認証プロセス中に「検証画像」をキャプチャするためにバイオメトリック認証タッチポイントによって使用されるカメラレンズの品質と異なる場合、画像の比較中に精度の問題を引き起こし、偽陽性または偽陰性を生じさせ得る。同様に、たとえば加齢に起因するユーザのバイオメトリック特性の変化は、認証手順にさらに影響を及ぼす。
【0003】
したがって、ユーザのバイオメトリック認証を改善し、偽陽性および偽陰性を低減する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、従来技術の解決策の欠点を克服する方法およびシステムを提供することである。
【0005】
特に、本発明は、エンロールメントおよび/または認証中に使用される画像キャプチャデバイスによってキャプチャされた画像に持ち込まれる光学的歪みを補償することによってユーザのバイオメトリック認証を改善するための方法およびシステムを提供する。結果として、認証手順中にバイオメトリックマッチング精度が改善され、それによって偽陽性または偽陰性の認証インシデントを減少させる。
【0006】
本発明の別の目的は、加齢および同様のものなどの異なる要因によって時間の経過とともに持ち込まれるユーザのバイオメトリック特性の変動を補償するためのシステムおよび方法を提供することである。バイオメトリック特性の変動は、ユーザのバイオメトリック特性の時間ドリフトプロファイルを決定することによって補償される。ユーザのバイオメトリック特性の時間ドリフトプロファイルは、以前にキャプチャされた画像から時間の経過とともに収集されるバイオメトリックデータに基づき生成される。時間ドリフトプロファイルに基づき、ユーザのバイオメトリック特性が所定の時間枠にわたってどのように変化するかを決定することが可能である。このようにして、バイオメトリックプロファイルに記憶されたバイオメトリック特性の有効期限を決定することが可能であり、これはユーザのライブ画像とのバイオメトリックマッチング精度が低いことに起因して、記憶されたバイオメトリック特性が有効でなくなる予想日を示す。時間ドリフトプロファイルは、過去のバイオメトリックデータに基づきユーザのバイオメトリック特性の将来の変化をモデル化することに基づく。
【0007】
本発明の別の目的は、たとえば空港でのセキュリティチェック中に認証のために提示されたユーザのバイオメトリックIDプロファイルに割り当てられたバイオメトリック認証強度に基づき、ユーザの対応するバイオメトリック認証手順を動的に適応させるように構成された1つまたは複数のバイオメトリック認証タッチポイントを含むバイオメトリックセキュリティシステムを提供することである。バイオメトリックIDプロファイルのバイオメトリック認証強度は、バイオメトリック認証タッチポイントにおいて取得されたバイオメトリック特性と、バイオメトリックユーザIDプロファイルに記憶されているバイオメトリック特性との間のバイオメトリックマッチング精度に基づき決定され得る。たとえば、より高いセキュリティ対策および認証チェックが、バイオメトリックマッチング精度が閾値範囲内、たとえばマッチング精度がある値より小さいかまたはある値であるセキュリティチェックポイントにおいてユーザの本人確認を認証するために、要求され得る。本発明の実施形態によれば、ユーザは、認証のためにバイオメトリック認証タッチポイントにおいて提示される前にユーザのバイオメトリックIDプロファイルのバイオメトリック認証強度を評価し得る。結果として、ユーザは、対応するユーザバイオメトリックIDプロファイルのバイオメトリック認証強度を改善するために、必要な措置を講じるものとしてよい。たとえば、ユーザは、対応するバイオメトリックユーザIDプロファイルに記憶されているエンロール済みバイオメトリック特性を更新し得る。バイオメトリック認証タッチポイントは、各バイオメトリック認証タッチポイントにおいて処理されるようにスケジュールされているユーザのバイオメトリックIDプロファイルのバイオメトリック認証強度に関する情報を事前に受信し得る。そのようなものとして、バイオメトリック認証タッチポイントは、各ユーザの対応するバイオメトリックIDプロファイルのバイオメトリック認証強度に基づきユーザを認証するのに好適なバイオメトリック認証手順を選択し得る。たとえば、バイオメトリック認証タッチポイントは、バイオメトリック管理システムに通信可能に結合され、ユーザのバイオメトリックプロファイルのバイオメトリック認証強度を受信および/または要求するように構成され得る。たとえば、バイオメトリック管理システムは、来る旅行に関係するユーザによって提供される情報に基づき、ユーザの旅行に先立って、ユーザのバイオメトリックプロファイルおよび対応する認証強度を、ユーザの旅行に関連付けられた1つまたは複数のバイオメトリック認証タッチポイント、たとえば、空港、ホテル、および同様のものに伝送し得る。したがって、各バイオメトリック認証タッチポイントは、ユーザのバイオメトリックIDプロファイルの認証強度に応じて認証手順を適応させ、それによって認証手順を改善し得る。
【0008】
上記の目的は、独立請求項に記載のシステムおよび方法に従って達成される。好ましい実施形態は、従属請求項において説明されている。
【0009】
次の図面は、本発明の様々な態様をさらに説明し、記述するための一例として提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態によるバイオメトリックセキュリティシステムの一例を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態による、バイオメトリックマッチング値を決定する際に考慮され得る異なるバイオメトリックカテゴリの一例を示す図である。
【
図3】バイオメトリック認証タッチポイントにおける異なる重大度レベルの認証手順の一例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態による、バイオメトリックIDのセキュリティ強度を評価するための例示のプロセスフローを示す図である。
【
図5】登録済みバイオメトリックIDおよび/またはバイオメトリックマッチング値の有効期限を決定するための例示のシステムを示す図である。
【
図6】本発明の実施形態による時間ドリフトモデルの一例を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態によるバイオメトリック特性補償器の例示の実装形態を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態によるリワードシステム(rewards system)の例示の実装形態を示す図である。
【
図9】本発明の実施形態によるバイオメトリック処理モジュールの例示の実装形態を示す図である。
【
図10】本発明の実施形態による光学的歪み補正手順の一例を示す図である。
【
図11】本発明の実施形態による、ターゲット画像を参照画像と比較することによって相対的光学的歪みを抽出する一例を示す図である。
【
図12】本発明の実施形態による光学的歪み補正モジュールの例示の実装形態を示す図である。
【
図13】本発明の実施形態による、1つまたは複数の画像から取得されたパラメータから相対的光学的歪みを抽出する一例を示す図である。
【
図14】本発明の実施形態による、光学的歪み不変特徴推定器を生成する一例を示す図である。
【
図15】本発明の実施形態による、ユーザバイオメトリックプロファイルのバイオメトリックスコアを計算するための例示の配置構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、図に示される例示の実施形態を使用して図解され、これらは以下でより詳細に説明される。寸法についての言及は、単に示しているだけであり、本発明をいかなる形でも制限するものではないことに留意されたい。本発明は、そのいくつかの示されている実施形態を参照しつつ示され、説明されてきたが、当業者であれば、付属の特許請求の範囲によって包含される本発明の範囲から逸脱することなく、形態および細部の様々な変更がなされ得ることを理解するであろう。さらに、本発明は、登録ユーザのバイオメトリックアイデンティティ(ID)を管理するための特定のシステムおよび方法、ならびにそのバイオメトリックセキュリティシステムを参照しつつ説明されているが、当業者であれば、付属の特許請求の範囲によって包含される本発明の範囲から逸脱することなく、バイオメトリック認証タッチポイントへのバイオメトリックIDの提示に先立って、バイオメトリックIDのセキュリティ強度の評価を円滑にするために、形式および細部の変更が行われ得ることを理解されたい。
【0012】
本発明の一態様によれば、バイオメトリック管理システムにおいて1つまたは複数の画像からユーザのバイオメトリック特性を抽出するための方法が提供される。この方法は、
画像キャプチャデバイスによってキャプチャされたユーザの少なくとも1つの画像を取得するステップと、
キャプチャされた画像からユーザに関連付けられているバイオメトリック情報を抽出するステップと、
抽出されたバイオメトリック情報を処理して、ユーザのバイオメトリック特性を決定するステップを含み、ユーザのバイオメトリック特性を決定するステップは、
対応する画像キャプチャデバイスによって各画像から抽出されたバイオメトリック情報に持ち込まれた相対的光学的歪みを決定するステップと、
光学的歪みが検出された場合に、検出された光学的歪みを補償するために抽出されたバイオメトリック情報に補正フィルタを適用するステップであって、補正フィルタは、抽出されたバイオメトリック情報の処理中に各画像から抽出された光学的歪み情報に基づき、通信可能に結合されたフィルタデータベースから選択される、ステップと、
補償されたバイオメトリック情報からユーザのバイオメトリック特性を抽出するか、または光学的歪みが検出されない場合に、抽出されたバイオメトリック情報からユーザのバイオメトリック特性を抽出するステップとを含む。
【0013】
バイオメトリック情報に持ち込まれる光学的歪みは、画像キャプチャデバイス間で異なる。そのようなものとして、異なる品質の光学レンズを有する異なる画像キャプチャデバイスによってキャプチャされたユーザのバイオメトリック特性を比較したときに、各画像キャプチャデバイスによって持ち込まれた光学的歪みは、偽陽性または偽陰性をもたらし、それによって認証手順の精度が損なわれ得る。本発明の方法は、エンロールメント手順中および/またはバイオメトリック認証タッチポイントにおける認証手順中にユーザのバイオメトリック特性における異なる画像キャプチャデバイスによって持ち込まれる光学的歪みの補正を円滑にする。光学的補正は、画像から収集された光学的歪み情報に従って選択され、任意選択で、適応される、光学的歪み補正フィルタを適用することによって実行される。たとえば、光学的歪み補正フィルタは、検出された光学的歪みのタイプ、および/または画像をキャプチャするために使用された画像キャプチャデバイスのタイプに基づき選択され得る。補正フィルタが適用された後、補正されたバイオメトリック特性は、プロファイルデータベースに記憶されるユーザバイオメトリックIDプロファイルに記憶され得る。異なる画像キャプチャデバイスによって持ち込まれた光学的歪み特性も、プロファイルデータベースに記憶され、ユーザバイオメトリックIDプロファイルに関連付けられ得る。たとえば、エンロールメント手順および/または認証手順中にキャプチャされた、以前にキャプチャされた画像から収集された過去の光学的歪み情報は、補正フィルタおよびそのパラメータを更新するために使用され得る。結果として、ユーザ画像の処理中に時間の経過とともに収集された過去の光学的歪み情報を用いて補正フィルタを継続的に更新することは、ユーザのバイオメトリックIDプロファイルに記憶されたバイオメトリック特性の精度を改善し、それによって認証手順の精度を高める。
【0014】
第1の態様の実施形態によれば、相対的光学的歪みを決定するステップは、少なくとも1つの画像を、異なる画像キャプチャデバイスからキャプチャされた記憶済み画像と比較するステップを含む。たとえば、異なる光学的歪み特性は、たとえば空港の異なる認証タッチポイントにおいて、異なる画像キャプチャデバイスによって持ち込まれ得る。空間内の同じ平面的表面の画像間の相対的光学的歪みは、それらのホモグラフィ関係に基づき決定され得る。補正フィルタは、画像間のホモグラフィ関係によって検出された相対的光学的歪みに基づき選択され得る。たとえば、画像内に持ち込まれた光学的歪みのタイプ、たとえば、直線投影からのずれに応じて、対応する補正フィルタが選択され得るか、または補正フィルタのパラメータは、検出された光学的歪みを補正するように適応され得る。
【0015】
第1の態様の実施形態によれば、相対的光学的歪みは、2つの画像キャプチャデバイスからキャプチャされたユーザの画像間で決定される。たとえば、各々が異なる画像キャプチャデバイスからキャプチャされた、複数の画像を処理するときに、相対的光学的歪みは、2つの画像の各セットの間で決定され得る。画像の2つのセットの間の、結果として生じる相対的光学的歪みは、次いで、画像の完全なセットに対する相対的光学的歪みが決定されるまで比較される。
【0016】
第1の態様の実施形態によれば、相対的光学的歪みを決定するステップは、各画像からの抽出されたバイオメトリック特性を、バイオメトリック管理システムのプロファイルデータベースから取得されたユーザのバイオメトリックIDプロファイルに記憶されているユーザに関連付けられている歪みなしバイオメトリック情報の参照セットと比較するステップを含む。認証手順の精度をさらに高めるために、または異なるキャプチャデバイスから取得された画像の比較の代替的手段として、相対的光学的歪みは、キャプチャされた画像と、対応するユーザおよび/または他の登録ユーザに関連付けられている複数の画像から時間の経過とともに収集された光学的歪み情報に基づき生成され得る歪みなし参照画像との比較結果に基づき決定され得る。一般に、より多くのユーザの画像が処理されてゆくうちに、異なるタイプの画像キャプチャデバイスによって持ち込まれる光学的画像歪みを決定し、それによって、認証手順中および/またはエンロールメント中にユーザのバイオメトリック特性の歪んだ画像を補正および/または補償する際の補正フィルタの能力を高めることが可能になる。このようにして、認証中に比較されるユーザの画像は同じ品質であり、それによって認証手順が強化される。
【0017】
第1の態様の実施形態によれば、相対的光学的歪みは、異なる時点にキャプチャされたユーザの記憶済み画像の比較に基づき決定される。年齢などの、他の歪み要因を補償するために、バイオメトリック特性は、異なる時点でキャプチャされたユーザの画像から取得された情報を用いて決定、および/または強化されてよく、それによって認証精度を改善し、偽陽性/偽陰性を低減する。
【0018】
第1の態様の実施形態によれば、光学的歪みを決定するステップは、
各画像内のユーザの顔表情を識別するステップと、
記憶されている情報に基づき、検出された顔表情を所定の光学的歪みのタイプと関連付けるステップと、
検出された光学的歪みに基づき、顔表情によって持ち込まれた光学的歪みを補償するための対応する補正フィルタを選択するステップとを含む。
【0019】
画像内のキャプチャされたユーザの顔表情はまた、対応するバイオメトリック特性に光学的歪みを持ち込み得る。そのようなものとして、顔表情検出分析器が、ユーザの顔表情を検出し、検出された表情を光学的歪みレベルに関連付けるために使用され得る。顔表情は、顔特徴を変化させ得るので、表情分析器は、補償された顔特徴を有する同じ顔表情、たとえば参照顔表情と突き合わせて相対的光学的歪みを推定し得る。
【0020】
第1の態様の実施形態によれば、ユーザのバイオメトリック特性を決定するステップは、抽出されたバイオメトリック情報の処理中に各画像から抽出された光学的歪み情報で補正フィルタを更新するステップをさらに含む。光学的歪み情報は、対応する画像キャプチャデバイスのカメラレンズによって各画像に持ち込まれる画像光学的歪み値、異なる画像キャプチャデバイスによってキャプチャされた画像に関して各画像に持ち込まれる相対的光学的歪み値、および検出された顔表情によって持ち込まれる光学的歪み値のうちのいずれか1つ、またはその組合せを含み得る。たとえば、補正フィルタは、画像キャプチャデバイスに基づき選択され得る。さらに、補正フィルタは、異なる画像キャプチャデバイスからの歪み情報を用いて更新され、それによって、歪みの補償を強化し得る。
【0021】
第1の態様の実施形態によれば、ユーザのバイオメトリック特性を決定するステップは、
キャプチャされたバイオメトリック情報から抽出されたバイオメトリック特性を、バイオメトリック管理システムのプロファイルデータベースに記憶されている、ユーザの対応するバイオメトリックIDプロファイルに記憶されているバイオメトリック特性と比較するステップと、
バイオメトリック特性の抽出されたセットとバイオメトリック特性の参照セットとの間のマッチング精度を示すバイオメトリックマッチングスコアを決定するステップとをさらに含む。
【0022】
第1の態様の実施形態によれば、バイオメトリック特性を決定するステップは、
マッチングスコアに基づき、ユーザの記憶されたバイオメトリックIDプロファイルのバイオメトリック認証強度レベルを決定するステップであって、バイオメトリック認証強度レベルは、ユーザを認証するために各セキュリティタッチポイントにおいて実行されるべきセキュリティ対策および/またはセキュリティチェックのセットを示す、ステップと、
ユーザバイオメトリックIDの決定されたバイオメトリック認証強度レベルが予め定義されている閾値内にある場合、バイオメトリックIDに記憶されたバイオメトリック特性が更新される必要があることを示す通知をユーザの電子デバイスに発行するステップとをさらに含む。
【0023】
第1の態様の実施形態によれば、ユーザのバイオメトリックIDプロファイルのバイオメトリック認証強度レベルを決定するステップは、ユーザのバイオメトリックIDプロファイルの決定されたバイオメトリック認証強度に基づき、バイオメトリック管理システムに通信可能に結合された1つまたは複数のセキュリティタッチポイントにおいてユーザの本人確認を認証するためのバイオメトリック認証手順であって、ユーザの本人確認を認証するために各セキュリティタッチポイントにおいて実行されるべきセキュリティ対策および/またはセキュリティチェックのセットを示す、バイオメトリック認証手順を選択するステップをさらに含む。
【0024】
本発明は、参照バイオメトリック特性と称される、ユーザのバイオメトリックIDプロファイルに記憶されているユーザのバイオメトリック特性と、バイオメトリック検証特性と称される検証画像から抽出されたバイオメトリック特性との間のマッチング精度を示すバイオメトリックマッチングスコアを決定することを可能にする。バイオメトリックスコアは、バイオメトリック認証タッチポイントにおけるユーザの提示に先立ってバイオメトリックIDプロファイルに記憶されているユーザ参照バイオメトリック特性の認証強度を決定するために使用され得る。たとえば、ユーザが旅行に出かける予定がある場合、ユーザの対応するバイオメトリックマッチングスコアは、旅に出る前に決定され得る。認証強度、バイオメトリックマッチングスコア、および/またはユーザのバイオメトリックプロファイルは、ユーザの旅行に沿った各バイオメトリック認証タッチポイント、たとえば、空港セキュリティタッチポイントおよび同様のものに伝達され得る。生成されたバイオメトリックマッチングスコアに応じて、多くのフォローアップアクションがトリガされ得る。たとえば、バイオメトリックマッチングスコアが閾値範囲未満であるか、または閾値範囲にある場合、ユーザは、電子ユーザデバイス、たとえば電話、タブレット、コンピュータ、および同様のものにおいて実行されるソフトウェアアプリケーションにおいて通知を受け取ってよい。通知は、ユーザが登録プロセスに従ってバイオメトリックIDプロファイルを更新する必要があることを示し得る。通知の後、多数のフォローアップアクションが、ソフトウェアアプリケーション上でトリガされ、登録プロセスを実行するために取るべきステップを示し得、たとえば、登録プロセスは、ソフトウェアアプリケーションのユーザインターフェース上でオープンし得る。バイオメトリックマッチングスコアに関連付けられている認証強度レベルは、ユーザの旅行に沿った異なるバイオメトリック認証タッチポイントにおいて従うべき認証手順、および/または認証プロセスが成功する可能性を示し得る。認証強度、バイオメトリックマッチングスコア、および/またはユーザのバイオメトリックプロファイルは、ユーザの認証に先立って、ユーザの旅行に沿った各バイオメトリック認証タッチポイントに伝達され得る。たとえば、バイオメトリック管理システムは、ユーザの旅行に関する情報またはバイオメトリック認証タッチポイントによるプロンプトに基づき、必要な情報を1つまたは複数のバイオメトリック認証タッチポイントに伝送し得る。したがって、各タッチポイントは、ユーザマッチングスコアおよび/または認証強度レベルに基づき適切な認証手順を選択し得る。ユーザ認証のために実行されるべきセキュリティチェックを示す、認証手順の重大度レベルは、ユーザバイオメトリックIDプロファイルのマッチングスコアおよび/または認証強度に従って適応され得る。
【0025】
第1の態様の実施形態によれば、ユーザのバイオメトリックIDプロファイルを更新するステップは、ユーザのバイオメトリックIDプロファイルに、予想される有効期限を割り当てるステップを含み、予想される有効期限を割り当てるステップは、決定されたバイオメトリックマッチングスコアおよび時間の経過とともに生じるユーザのバイオメトリック特性の予想される変化を示すユーザの時間ドリフトバイオメトリックIDプロファイルに基づく。
【0026】
第1の態様の実施形態によれば、ユーザの時間ドリフトプロファイルは、1つまたは複数の画像キャプチャデバイスによってキャプチャされた一定期間にわたるユーザの画像から抽出された過去のバイオメトリック情報に基づき、訓練されたニューラルネットワークによって生成され、
ニューラルネットワークは、時間の経過とともに持ち込まれるバイオメトリック特性に生じる差異を補償するために、ユーザの生成された時間ドリフトバイオメトリックIDプロファイルに基づき、ユーザの記憶されたバイオメトリックIDプロファイルを更新するように構成される。
【0027】
バイオメトリックマッチングスコアに基づき、本発明は、さらに、ユーザバイオメトリックIDプロファイルに記憶されているバイオメトリック特性の有効期限を決定し、それによって、ユーザバイオメトリックIDプロファイルが有効である期間を示し得る。有効期限は、以前にキャプチャされた画像から得られた過去のバイオメトリック特性を入力として使用して訓練されたニューラルネットワークを用いて生成されたユーザバイオメトリック特性の時間ドリフトプロファイルを用いて決定され得る。時間ドリフトプロファイルは、ユーザの加齢プロファイルに関連付けられてもよく、外観変化などの他のバイオメトリック情報をさらに含んでもよい。時間ドリフトプロファイルは、バイオメトリックIDプロファイルに記憶されているバイオメトリック特徴を更新するために使用され得る。たとえば、ニューラルネットワークは、時間ドリフトプロファイルに基づき、ユーザのバイオメトリック特性を更新して、たとえば加齢の影響を補償し得る。このようにして、認証手順の精度は、さらに改善され得る。
【0028】
第1の態様の実施形態によれば、バイオメトリック情報は、顔スキャン、指紋スキャン、虹彩スキャン、または静脈などの血管スキャンから取得される。
【0029】
第1の態様の実施形態によれば、画像キャプチャデバイスによって取得される画像に持ち込まれる歪みは、画像キャプチャデバイスのカメラレンズの制限に起因して持ち込まれる半径方向または接線方向の歪みに関連付けられている。
【0030】
第1の態様の実施形態によれば、ユーザのバイオメトリックIDプロファイルを更新するステップは、マッチングスコアがバイオメトリックマッチングスコア閾値よりも大きいことに基づき、ユーザに金銭的リワード、たとえば、異なる流通経路でのサービスまたは製品と交換可能な割引、ポイント、および同様のものを割り当てるステップをさらに含む。
【0031】
第1の態様の実施形態によれば、バイオメトリックセキュリティタッチポイントにおいて認証手順が正常に完了するたびに、リワードがユーザに与えられる。
【0032】
旅行者は、高いバイオメトリックマッチングスコアを維持するためのリワードをさらに提供され、それによって認証手順の制度をさらに高め、バイオメトリック認証タッチポイントにおいて必要な処理を低減し得る。
【0033】
本発明の第2の態様によれば、バイオメトリック管理システムが提供され、これは、
登録ユーザのバイオメトリックIDプロファイルを記憶するように構成されたプロファイルデータベースであって、各々がユーザのバイオメトリック特性を含む、プロファイルデータベースと、
第1の態様の実施形態のいずれか1つの方法を実行するように構成されたバイオメトリック処理モジュールとを備える。
【0034】
本発明は、ユーザのバイオメトリックIDプロファイルを管理するためのバイオメトリック管理システムをさらに提供する。バイオメトリック管理システムは、バイオメトリックタッチポイントおよび特定のサービスに対して登録ユーザによってアクセス可能である。バイオメトリックIDプロファイルは、ユーザおよび/またはバイオメトリック認証タッチポイントからのバイオメトリック情報の通信および処理を円滑にする。たとえば、バイオメトリック管理システムは、登録された乗客の旅行に沿った、より迅速で正確な処理を円滑にするように構成された旅行サービスの一部であってもよい。
【0035】
本発明のさらなる態様によれば、バイオメトリックセキュリティシステムが提供され、これは、
複数のバイオメトリック認証タッチポイントであって、各々が、対応するターゲットバイオメトリックマッチング値範囲内にあるバイオメトリックマッチングスコアに少なくとも基づきバイオメトリック認証手順中にユーザを認証するように構成され、バイオメトリックマッチングスコアは記憶されているバイオメトリックIDプロファイルに含まれるユーザのバイオメトリック特性とユーザの1つまたは複数の画像から抽出されたバイオメトリック特性との間のマッチング精度を示す、複数のバイオメトリック認証タッチポイントと、
複数のバイオメトリック認証タッチポイントに通信可能に結合された本発明の第2の態様によるバイオメトリック管理システムであって、バイオメトリック認証タッチポイントの要求において、登録ユーザのバイオメトリックIDプロファイルを伝達するように構成されている、バイオメトリック管理システムとを備える。
【0036】
第3の態様の実施形態によれば、各バイオメトリック認証タッチポイントは、ユーザの対応するバイオメトリックIDプロファイルに割り当てられたバイオメトリックマッチングスコアに少なくとも基づきユーザを認証するためのバイオメトリック認証手順を選択するように構成される。
【0037】
本発明は、バイオメトリックセキュリティシステムをさらに提供し、これにより、登録されたバイオメトリックタッチポイントは、認証を目的としてバイオメトリック管理システムに記憶されている登録ユーザのバイオメトリック情報にアクセスする。バイオメトリック認証タッチポイントは、ユーザに提供されるサービスに基づきバイオメトリックセキュリティシステムに追加され得る。たとえば、旅行者/旅客の場合、バイオメトリック認証タッチポイントは、ユーザの旅行に沿って提供されるバイオメトリック認証ポイント、たとえば空港チェック、ホテルチェック、および同様のものに基づき追加され得る。
【0038】
図1は、本発明の実施形態によるバイオメトリックセキュリティシステム100の一例を示している。バイオメトリックセキュリティシステム100は、通信ネットワークを介して1つまたは複数のバイオメトリック認証タッチポイント120に通信可能に結合されたバイオメトリック管理システム110を備える。バイオメトリック管理システムは、複数の登録ユーザ130のバイオメトリックアイデンティティ(ID)を管理するように構成される。ユーザ130は、エンロールメントモジュール114を介して行われるエンロールメント手順を通してバイオメトリック管理システム110にバイオメトリックIDプロファイルを登録してよい。エンロールメント手順中、エンロールメントモジュール114は、1つまたは複数の画像キャプチャデバイスによって撮影された画像上のバイオメトリック分析を用いて抽出されたバイオメトリック情報からユーザ130のバイオメトリック特性のセットを取得する。バイオメトリック処理モジュール113は、各画像からバイオメトリック情報を抽出し、ユーザに関連付けられているバイオメトリック特性を決定する。バイオメトリック情報は、1つまたは複数の画像を処理し、キャプチャされた被写体を浮動小数点特徴ベクトルに変換するように構成されているバイオメトリックスキャニングデバイスから取得され得る。キャプチャされた被写体は、ユーザの顔、指紋、虹彩スキャン、および同様のものであってもよい。バイオメトリック処理モジュール113は、カメラシステム、たとえばカメラレンズの欠陥および/または制限に起因してバイオメトリック情報に持ち込まれる光学的歪みを補正するように構成される。光学的歪み補正は、バイオメトリックスキャニングデバイスによってバイオメトリック情報に持ち込まれる光学的歪みを決定し、歪みレベルが光学的歪み閾値範囲内にある場合に、補正フィルタを適用して検出された光学的歪みを補正することによって実行される。補正フィルタは、画像キャプチャデバイスのパラメータおよび/もしくは特性、ならびに/または画像に持ち込まれる光学的歪みに基づき選択され得る。
【0039】
抽出されたバイオメトリック特性は、バイオメトリック管理システム110のプロファイルデータベース111に記憶された、ユーザ130のバイオメトリックアイデンティティ(ID)プロファイルに記憶される。バイオメトリックIDプロファイルは、登録済みバイオメトリック特性のセットと、パスワード、名前、住所、および同様のものなどのユーザを識別するための他の情報とを収容し得る。たとえば、ユーザ130は、電子デバイス140、エンロールメントモジュール114上で実行されるソフトウェアアプリケーションにアクセスすることによってバイオメトリック管理システム110にバイオメトリックIDプロファイルを登録するものとしてよい。電子デバイス140または別の画像キャプチャデバイスを使用することで、ユーザ130の1つまたは複数の画像、たとえば、顔スキャン、指紋スキャン、音声記録、および同様のものが取得され得る。エンロールメントモジュール114は、画像を処理して、ユーザ130のバイオメトリック特性を取得し得る。バイオメトリック管理システム110にアクセスすることは、ユーザ130が検証され、認証される安全なチャネルを通して実行され得る。ユーザ認証は、2要素認証、秘密鍵、および同様のものなどの知られている解決方法を使用して実行され得る。バイオメトリックタッチポイント120は、バイオメトリック管理システム110からユーザのバイオメトリックIDへのアクセスを要求し得る。たとえば、空港施設のバイオメトリック認証タッチポイント120は、空港に到着する予定の、または到着した旅客のバイオメトリックIDプロファイルを要求し得る。そのようなものとして、バイオメトリックIDプロファイルの事前スクリーニングは、認証重大度レベルとも称される、バイオメトリック認証タッチポイントにおいて、予想される旅客を認証するために必要なセキュリティのレベルを決定するために実行され得る。さらに、バイオメトリックIDプロファイルの事前スクリーニングは、特定のバイオメトリックIDの潜在的問題、たとえば、高リスクリストの一部、スプーフ攻撃、および同様のものにフラグを立て得る。バイオメトリック管理システム110は、バイオメトリックIDプロファイルに関連付けられたパラメータの範囲を監視するように構成される、監視モジュール112を備え得る。たとえば、監視モジュール112は、限定はしないが、過去のバイオメトリック認証トランザクション、各過去のバイオメトリック認証トランザクションの重大度レベル、成功したバイオメトリック認証トランザクションの数、エンロールメント中に取得されたバイオメトリックスキャンの品質、対応する登録ユーザに関連付けられている抽出されたハードおよびソフトバイオメトリック特性のセット、登録ユーザのバイオメトリックスキャンを取得するために使用されるシステムのタイプおよび技術、バイオメトリックIDプロファイルの登録日、またはユーザの時間ドリフトプロファイルを含む群から選択されたパラメータを監視し得る。バイオメトリック処理モジュール113は、登録ユーザのバイオメトリックIDプロファイルの認証強度を評価するように構成される。たとえば、ユーザ130および/またはバイオメトリック認証タッチポイント120の要求において、プロセッサ113は、登録済みバイオメトリックIDプロファイルがバイオメトリック認証タッチポイントにおいて使用される前にその認証強度を評価するように構成され得る。
【0040】
本発明の文脈において、バイオメトリック特性は、場所、システム、デバイス、またはデータへのアクセスを許可する上で人をデジタル識別するために使用され得る、物理的または行動的人間特性を指すものとしてよい。バイオメトリック特性は、
図2に示されているように、ハードおよびソフトバイオメトリック特性に分類され得る。そのようなものとして、バイオメトリック特性は、限定はしないが、年齢、性別、民族、身長、顔の寸法および幾何学的形状、傷跡もしくは瘢痕、顔、虹彩、指紋、手の幾何学的形状、静脈パターンなどの身体的特性、署名、キーストローク、音声、歩き方、および同様のものなどの行動的特性、またはDNA、生体信号、たとえば心電図(ECG)および脳波(EEG)などの生体電気信号、MRI画像もしくはX線画像などの生物学的特性を含み得る。バイオメトリック特性は、識別のより高い精度を確実にするために組み合わせて使用され得る。
【0041】
本発明の文脈において、バイオメトリックスキャンは、1つまたは複数の画像からユーザに関連付けられているバイオメトリック情報を検出して抽出するための任意の手段を指すものとしてよい。たとえば、バイオメトリックスキャンは、画像、記録、データ、たとえばDNAデータ、電気信号、たとえばEEG、スペクトルセンサから取得されるスペクトルデータ、および同様のものに対して実行され得る。
【0042】
本発明の文脈において、画像キャプチャデバイスは、被験者の画像を取得することができる任意のデバイスであってよい。そのようなデバイスは、限定はしないが、カメラ、ボイスレコーダ、指紋読取装置、虹彩スキャナ、静脈スキャナ、歩行評価デバイス、センサ、スペクトル撮像デバイス、ウェアラブルセンサ、手書き検出デバイス、キーストローク認識のためのタイピング検出デバイス、および同様のものを含み得る。
【0043】
本発明の文脈において、バイオメトリック認証タッチポイント120は、少なくとも1つのバイオメトリック特性に基づきユーザ130を認証することができる任意のデバイスであり得る。バイオメトリック認証タッチポイント120は、ユーザのバイオメトリック特性に少なくとも基づきユーザの本人確認を検証し得る。たとえば、バイオメトリック認証タッチポイント120は、ユーザ130に関連付けられている登録済みバイオメトリックIDと、スキャニングデバイスから取得されたユーザのバイオメトリックスキャンとの比較から取得されるバイオメトリックマッチング精度に基づきユーザの本人確認を検証し得る。バイオメトリック認証タッチポイント120は、ユーザの本人確認の認証に成功した後、安全な領域へのユーザのアクセスを許可する、ならびに/または商品およびサービスを提供し得る。バイオメトリック認証タッチポイントは、限定はしないが、セキュリティチェックポイント、国境検査所、販売時点管理、アクセス時点管理、認識時点管理、および同様のものを含み得る。本発明の実施形態によれば、バイオメトリック認証タッチポイントという用語は、顔スキャンまたは指紋スキャンまたは虹彩スキャンまたは音声記録または静脈スキャン、および同様のものから取得されたユーザのバイオメトリック情報に少なくとも基づき、ユーザを認証することができる任意のデバイスおよび/またはデバイスの群として考えられ得る。
【0044】
本発明の文脈において、バイオメトリック認証手順は、ユーザを認証し、検証し、識別するためにバイオメトリック認証タッチポイント120において適用され得るセキュリティ手順およびチェックを示す。バイオメトリック認証タッチポイント120において実行される手順および/またはチェックのタイプは、登録済みIDとユーザのキャプチャされたバイオメトリックスキャンとの間のバイオメトリックマッチング精度に応じて異なり得る。各バイオメトリック認証タッチポイント120は、ユーザ130の本人確認を正常に認証できるターゲットバイオメトリックマッチング精度を必要とし得る。バイオメトリック認証タッチポイント120は、ユーザ130を認証するために追加の認証手順およびセキュリティチェックを開始し得る。たとえば、高いマッチング精度を有するバイオメトリックID、たとえばバイオメトリック精度が好ましい範囲内にあるバイオメトリックIDは、自動バイオメトリック認証手順、たとえば自動化国境管理電子ゲートを介してユーザ130を認証し得る。反対に、バイオメトリックマッチング精度が所定のターゲット値を下回る場合、ユーザ130を識別するために他の本人確認書式を必要とする係員検証などの追加のセキュリティチェックおよび手順が、バイオメトリック認証チェックポイントにおいて開始され得る。たとえば、空港では、電子ゲートにおける偽陰性のバイオメトリックマッチングの後に、バイオメトリックマッチング精度が低い、登録済みバイオメトリックIDを有する旅行者は、入国審査エリアに誘導され得、そこで追加の本人確認チェックが実施され得る。追加のセキュリティチェックは、結果として、余分な遅延、空港セキュリティに対する余分なリソース、およびユーザ130の非識別を引き起こし得る。
【0045】
本発明の文脈において、バイオメトリック認証タッチポイント120の認証手順の、セキュリティレベルとも称される、認証重大度レベルは、登録ユーザ130を認証するために実行される追加のセキュリティチェックを示す。バイオメトリック認証タッチポイント120における認証手順の重大度レベルは、バイオメトリックIDのセキュリティ強度に依存してよく、これはバイオメトリック認証タッチポイント120におけるバイオメトリックIDの予想されるバイオメトリックマッチング精度を示す。認証手順の重大度は、値、範囲、またはレベル、たとえば、高、低、中として表され得る。
図3は、バイオメトリック認証タッチポイント120における認証手順の重大度レベルの一例を示している。登録ユーザ130は、そのバイオメトリックマッチング値に従って、異なるバイオメトリック認証手順を適用され得る。たとえば、低い重大度に関連付けられているバイオメトリックマッチング値を有するユーザ130は、自動化されたバイオメトリック認証手順、たとえば電子ゲートに誘導され得る。
【0046】
同様に、中レベルの重大度に関連付けられているユーザ130は、半自動認証手順を伴い得る、より厳密な認証手順を適用され得る。たとえば、パスポートをチェックするために電子ゲートに係員が立ち会うこともある。しかしながら、高い重大度レベルに関連付けられるユーザ130は、余分なセキュリティチェックを伴う認証手順を適用されるものとしてよく、たとえば、バイオメトリックIDのチェックを超え得る多数のセキュリティチェックを実行する、警察官などの係員を伴い得る。余分なセキュリティチェックは、限定はしないが、ユーザ130の本人確認を証明する書類の提示、異なる部門にまたがるユーザの本人確認のクロスチェック、および同様のものを伴い得る。
【0047】
本発明の文脈において、認証手順に対する認証重大度の異なるレベルである高、中、および低は、認証手順中にバイオメトリック認証タッチポイントにおいて実行されると予想されるセキュリティチェックのタイプおよび数に関連付けられ得る。たとえば、低い重大度レベルは、認証手順が自動的である、たとえば電子ゲートを使用する可能性が高いことを示し得る。中レベルは、自動認証中に係員が存在し得ることを示し得る。高い重大度レベルは、係員が認証を実行し、さらなる識別手段が必要になり得ることを示し得る。重大度は、登録ユーザのバイオメトリックIDに割り当てられたバイオメトリックマッチング値の、直接または逆、線形結合または加重線形結合に基づき決定され得る。
【0048】
本発明の文脈において、バイオメトリックIDプロファイルのバイオメトリックマッチングスコアは、バイオメトリックスコアとも称され、バイオメトリックIDのセキュリティ強度を示し得る。バイオメトリックIDのセキュリティ強度は、バイオメトリックIDが、バイオメトリック認証タッチポイント120においてキャプチャされたユーザのバイオメトリック特性と正しくマッチングされる確率に関係する。セキュリティ強度および/またはバイオメトリックマッチング値は、値、範囲、またはレベル、たとえば高、低、中として表され得る。
【0049】
図4は、バイオメトリック処理モジュール113においてバイオメトリックIDプロファイルの認証強度を評価するための例示的な方法300を示している。プロセッサ113は、ステップ310で、登録ユーザ130のバイオメトリックIDプロファイルの認証強度を評価する要求を受け取り得る。たとえば、旅行者は、自分の旅行に関連付けられている選択されたバイオメトリック認証タッチポイントのセット、たとえば空港、ホテル、レンタカーなどにおいてバイオメトリックIDを提示する前に、バイオメトリック管理システム110にアクセスし、リンクされた登録済みバイオメトリックIDのセキュリティ強度を評価し得る。バイオメトリック認証タッチポイント120は、ユーザ130によって選択され、および/またはイベントに基づき選択され得る。たとえば、バイオメトリック認証タッチポイント120は、空港セキュリティ、ホテル、および同様のものなど、いくつかのバイオメトリック認証タッチポイントを含むユーザの旅程から選択され得る。
【0050】
同様に、バイオメトリック認証タッチポイント120は、登録ユーザのバイオメトリックIDプロファイルのセキュリティ強度の評価を直接要求し得る。たとえば、バイオメトリック認証タッチポイントは、バイオメトリック認証タッチポイント120への登録ユーザの到達前に登録ユーザのバイオメトリックマッチングスコアおよび/または対応するバイオメトリックIDプロファイルを受信するように構成され得る。ステップ320で、処理モジュール113は、要求された1つまたは複数のバイオメトリックIDをデータベース111から取り出し、それに応じてステップ330で監視モジュール112から関連するパラメータを取り出して処理し得る。監視モジュール112によって監視され得るパラメータは、限定はしないが、過去のバイオメトリック認証トランザクション、各過去のバイオメトリック認証トランザクションの重大度レベル、成功したバイオメトリック認証トランザクションの数、エンロールメント中に取得されたバイオメトリックスキャンの品質、対応する登録ユーザに関連付けられている抽出されたハードおよびソフトバイオメトリック特性のセット、登録ユーザのバイオメトリックスキャンを取得するために使用されるシステムのタイプおよび技術、バイオメトリックIDの登録日を含み得る。監視されるパラメータは、すべてのバイオメトリックIDについて同じであり得るか、またはユーザのバイオメトリックIDプロファイルに応じて異なり得る。たとえば、監視されるべきパラメータは、ユーザによって提供される同意に応じて異なり得る。処理モジュール113は、ステップ340において、監視されているパラメータの値に基づき、要求されたバイオメトリックIDのバイオメトリックマッチングスコアを決定し得る。たとえば、処理モジュール113は、監視されているパラメータの各々に重みを付け得る。したがって、処理モジュール113は、監視されているパラメータの、直接または逆、線形または加重線形結合に基づき登録済みバイオメトリックIDの予想されるバイオメトリックマッチング精度を決定し得る。バイオメトリック処理モジュール113は、次いで、ステップ350で、要求されたバイオメトリックIDプロファイルのバイオメトリックマッチングスコアを、選択されたバイオメトリック認証タッチポイント120の各々に対するターゲットバイオメトリックマッチングスコアと比較するものとしてよい。比較の結果に基づき、ステップ360で、バイオメトリック処理モジュール113は、登録ユーザを認証するためにバイオメトリック認証タッチポイントの選択されたセットの各々において実行されるべきバイオメトリック認証手順のセキュリティ重大度レベルを示すバイオメトリックIDプロファイルの認証強度レベルを決定し得る。バイオメトリックスコアおよび重大度レベルに関係する情報は、ユーザ130の電子デバイス上で実行されるソフトウェアアプリケーションのグラフィックユーザインターフェース(GUI)上に表示され得る。バイオメトリック処理モジュール113は、登録済みバイオメトリックIDのバイオメトリックマッチングスコアを定期的にチェックし、対応するユーザ130の電子デバイスに通知するように構成され得る。バイオメトリック処理モジュール113は、そのバイオメトリックIDプロファイルのバイオメトリックスコアが所定の閾値に達するか、または所定の閾値未満であるときに、ユーザ130に対して通知するように構成され得る。バイオメトリック処理モジュール113は、たとえば、エンロールメントモジュール114を通して、バイオメトリックIDプロファイルを更新する通知を、ユーザ130に発行し得る。さらに、登録ユーザ130のバイオメトリックIDおよび/またはバイオメトリックスコアは、バイオメトリック認証タッチポイント120に伝達され得る。したがって、バイオメトリック認証タッチポイント120は、受信されたバイオメトリックスコアに基づきその認証手順の重大度レベルを適応させ得る。
【0051】
バイオメトリック管理システム110は、登録済みバイオメトリックIDおよび対応するバイオメトリックマッチング値の各々について、有効期限を決定するように構成され得る。
図5は、対応するバイオメトリックIDの有効期限を決定するように構成された有効期限予測モジュール115の例を示している。有効期限予測モジュール115は、特徴抽出モジュール116を含んでよく、これは、エンロールメントフェーズにおいてエンロールメントモジュール114によって取得された少なくとも1つのバイオメトリックスキャンからユーザ130のバイオメトリック特性を抽出するように構成される。たとえば、ユーザは、ユーザの電子デバイスを使用して、対応するバイオメトリックIDを有効期限予測モジュール115に転送し得る。さらに、特徴抽出モジュール116は、バイオメトリックタッチポイント120においてキャプチャされた画像からユーザのバイオメトリック特性を抽出し得る。バイオメトリック特徴抽出が実行されると、対応するバイオメトリック特性がユーザ認識モジュール117において比較され、バイオメトリックマッチング精度を決定する。バイオメトリックマッチング精度に基づき、バイオメトリックスコアがユーザ認識モジュール117によって生成される。バイオメトリックマッチング精度は、選択されたバイオメトリック認証タッチポイント(たとえば、空港セキュリティタッチポイント)のターゲットバイオメトリックマッチング精度と比較される。取得されたバイオメトリックマッチング精度が、選択されたベンダーのターゲットバイオメトリック精度を下回る場合、新しいバイオメトリックスキャンを取得、および/またはバイオメトリックIDを更新する通知がユーザに送信され得る。バイオメトリック精度が許容可能である場合、抽出されたバイオメトリック特性は、時間の経過とともに生じるユーザのバイオメトリック特性の漸進的変化を決定し、それに応じてユーザの時間ドリフトプロファイルを生成するように構成されたバイオメトリック特性ドリフト推定器118に供給される。生成された時間ドリフトモデルに基づき、バイオメトリックIDおよび対応するバイオメトリックスコアの有効期限は、有効期限予測器モジュール119によって決定され得る。有効期限予測器モジュール119は、ユーザの登録済みバイオメトリックIDを、異なる瞬間の時間ドリフトプロファイルを使用して生成されたバイオメトリック特性と比較し得る。たとえば、登録済みバイオメトリックIDは、時間の経過とともにユーザの一連の時間ドリフトバイオメトリックプロファイルと比較され、それによって、一連の各時間ドリフトバイオメトリックプロファイルは、将来の特定の瞬間におけるユーザのバイオメトリック特性の変化を示す。登録済みバイオメトリックIDプロファイルと時間ドリフトバイオメトリックIDプロファイルとの間の各比較について、バイオメトリックマッチングスコアが生成され、登録されたタッチポイントのバイオメトリックマッチング要件と比較される。生成されたバイオメトリックマッチングスコアは、時間の経過とともにドリフトし、ある時点で、登録されたバイオメトリック認証タッチポイントのバイオメトリックマッチングスコア要件を下回ることが予想される。そのようなものとして、有効期限予測器モジュール119は、ユーザのバイオメトリックIDプロファイルを更新するための日付を計算するものとしてよい。有効期限は、ユーザ130に伝達され、処理モジュール113によって監視される。バイオメトリックIDを更新することは、ユーザ130がバイオメトリック管理システム110のエンロールメントモジュール114にバイオメトリックスキャンをサブミットし得る再エンロールメント手順を通じて実行され得る。
【0052】
図6に示されているように、登録ユーザの時間ドリフトモデルは、粗い大域的バイオメトリック特徴のセットおよび細かい局所的バイオメトリック特性のセットに基づき生成されてもよく、これらは、ディープニューラルネットワーク、たとえば、粗密ディープ畳み込みニューラルネットワーク、回帰ネットワーク、および同様のものに供給され得る。大域的粗特徴は、登録ユーザと類似性を共有する異なるユーザから収集されてもよく、たとえば、人種/民族、身長、性別、および他のハードおよびソフトバイオメトリック特性である。局所的な細かいバイオメトリック特性は、異なる時点で取得されるユーザのバイオメトリックスキャンから取得され得る。大域的な粗い特性と同様に、細かい局所的な特性は、ハードおよび/またはソフトバイオメトリック特性の1つまたは複数を含み得る。これは、ユーザの顔または他の特性が時間の経過とともにどのように「ドリフト」するかを予測するのに役立つ。
【0053】
時間ドリフトモデルに基づき、登録ユーザ130に対して時間ドリフトプロファイルが生成され得る。バイオメトリック管理システムは、
図7に示されているように、時間ドリフトプロファイルに基づき、ユーザの登録済みバイオメトリックIDを更新するように構成された補償モジュールを含み得る。そのようなものとして、ユーザ130のバイオメトリックIDは、ユーザのバイオメトリック特性の漸進的変化を反映するように更新されてよく、それに応じて、対応するバイオメトリックスコアが改善され得る。時間の経過とともに、バイオメトリック特性の変化がより正確に反映され得るようにユーザ130の新しいバイオメトリックスキャンを取得することが必要となり得る。
【0054】
一実施形態によれば、ユーザの認証、検証、および識別は、バイオメトリック管理システム110によって実行され得る。バイオメトリック認証タッチポイントにおいて取得されたバイオメトリックスキャンは、バイオメトリック処理モジュール113を使用して登録済みバイオメトリックIDと比較され、マッチを決定し得る。バイオメトリックIDプロファイルは、バイオメトリック認証タッチポイントにおいて取得されたリアルタイムバイオメトリックスキャンとのバイオメトリック精度を改善するために時間ドリフトプロファイルに基づき更新され得る。同様に、時間ドリフトモデルを使用することで、ユーザの現在のバイオメトリックIDプロファイルと、対応する時間ドリフトプロファイルとの比較が行われ、現在のバイオメトリックIDプロファイルの認証強度レベルを決定し得る。そのようなものとして、ユーザのバイオメトリックIDプロファイルは、バイオメトリックスコア、認証強度、認証手順の重大度、および同様のものなどの、多数のパラメータについて定期的に評価され得る。
【0055】
データベース管理システム110は、
図8に示されているように、リワードプログラムに関連付けられている旅行者プロファイルに通信可能に結合され得る。たとえば、バイオメトリック管理システム110は、対応するバイオメトリックIDのパフォーマンスに基づきリワードポイントを登録ユーザに割り当てるように構成され得る。たとえば、バイオメトリック管理システム110は、
図1のタッチポイント120に類似する、バイオメトリックタッチポイント810において旅行者バイオメトリックIDプロファイル811の認証成功率に関する情報を受け取るものとしてよい。バイオメトリック管理システム110は、バイオメトリックマッチングスコアおよび/または認証強度などの多くの基準に基づき、旅行者に対するリワードポイントを決定し得る。リワードポイントは、旅行者のバイオメトリックIDプロファイルに追加され得、たとえばフライト、ホテル、および同様のものの、商品ならびにサービスと交換され得る。
【0056】
図9は、本発明の実施形態によるバイオメトリック処理モジュール113の例示の実装形態を示している。図示されているように、バイオメトリック処理モジュール113は、期限切れ予測モジュール115と、前に説明されているようにバイオメトリックIDプロファイルの認証強度を決定するように構成されている、バイオメトリック認証強度モジュール150と、前に説明されているように画像キャプチャデバイスによって持ち込まれる歪みを補正するように構成されている、歪み補正モジュール160と、前に説明されているようにユーザのバイオメトリック特性を抽出するためのバイオメトリック抽出モジュール170とを備え得る。たとえば、歪み補正モジュール160は、画像キャプチャデバイスのカメラレンズにおいて持ち込まれる半径方向歪みおよび接線方向歪みを補正するように構成され得る。
【0057】
図10から
図14は、本発明の実施形態によるユーザの顔スキャンを処理するための歪み補正モジュールの動作の一例を示している。図示されているように、異なる画像キャプチャデバイス190によって取得されるユーザの1つまたは複数の画像が処理され、対応する画像キャプチャデバイス190によって持ち込まれる歪みを決定する。画像キャプチャデバイス190は、画像をキャプチャすることができる任意のデバイス、たとえば、ユーザ電子デバイス140、タッチポイント120のカメラ、および同様のものであってよい。歪み補正モジュール160は、各画像を受信して処理し、持ち込まれる歪みを補償するように構成される。たとえば、各画像キャプチャデバイス190によって持ち込まれる歪みを補償するために、補正フィルタが選択され、画像に適用され得る。補正フィルタは、ユーザの画像をキャプチャするために使用される画像キャプチャデバイス190に応じて選択され得る。補正フィルタは、画像キャプチャデバイス190からの歪み情報で連続的に更新される汎用補正フィルタであってもよい。画像内の歪みが補正された後、画像は、バイオメトリック抽出モジュール170によって処理され、ユーザのバイオメトリックIDプロファイルに記憶され得るユーザのバイオメトリック特性を抽出し得る。
【0058】
歪み補正モジュール160は、画像キャプチャデバイス190によって持ち込まれる相対的歪みを決定するように構成される。相対的歪みは、好ましい画像キャプチャデバイス190から取得されたユーザの画像、たとえばユーザの電話で撮影された自撮り画像を、歪みなし参照画像と比較することによって決定され得る。相対的歪み分析器が用意され、これにより2つの画像間の差異を分析し、画像キャプチャデバイス190によって持ち込まれる相対的歪みを推定し得、これは、その後、電子デバイス、たとえば電話を使用してユーザによって撮影された画像の補正されたバージョンを生成するために画像ワーピング中に補償される。
【0059】
歪み補正モジュール160は、キャプチャされた画像を分析してユーザの顔表情を決定するように構成されている表情分析器161をさらに含み得る。顔表情は、バイオメトリック特徴にさらなる歪みを持ち込むことが知られている。表情分析器161は、ユーザの顔表情によって画像に持ち込まれる歪みを、たとえば、
図11に示されている例に従ってキャプチャされた顔表情を参照補償済み顔表情と比較することによって、検出する。バイオメトリック認証タッチポイントに属するか、または属さない異なる画像キャプチャデバイス190から取得された複数の画像の場合、顔表情によって持ち込まれる歪みを決定した後に、
図11に示されているのと同様に、相対的歪み推定器162によって2つの画像キャプチャデバイス190の間の相対的歪みが計算される。歪み不変推定器163は、すべての画像キャプチャデバイス190からの画像に持ち込まれる相対的歪みを計算するために設けられ、取得される相対的歪み情報は、データベース164に供給される。相対的歪み情報は、画像内の検出された歪みを補償するための補正フィルタを更新するものとしてよい。異なる画像キャプチャデバイス190によって持ち込まれる歪みが補償されると、その結果得られるバイオメトリック特性は、歪み不変であると考えられ得る。
図13は、画像間の相対的歪みを計算するために使用されるパラメータを示している。そのようなものとして、認証手順中に、バイオメトリックタッチポイント120から取得された画像は、ユーザの抽出されたバイオメトリック特性が処理され、ユーザの参照歪みなしバイオメトリックプロファイルと比較される前に、歪みを除去するために処理され得る。同様に、ユーザのバイオメトリックプロファイルは、ユーザの補正されたバイオメトリック特性で更新され得る。このようにして、認証手順の精度は、改善される。
【0060】
光学的歪みは、
図14に示されているように、異なる画像キャプチャデバイス190によってキャプチャされた異なるユーザの画像から取得された情報に基づきさらに補償され得る。一般に、各画像キャプチャデバイス190に対する歪み情報は、キャプチャされた画像内の検出された光学的歪みの補償にさらに使用するために、収集され、データベース164に記憶され得る。たとえば、光学的歪み情報は、たとえば、新しい光学的歪み情報が異なる画像キャプチャデバイスから収集されるたびに、補正フィルタのパラメータを更新するために使用され得る。一般に、処理される画像が増えてゆくにつれ、光学的歪みに関して生成される情報も増え、それによって、異なるタイプの画像キャプチャデバイスによって持ち込まれる光学的歪みの正確な検出および補償を可能にする。
【0061】
一般に、前に説明されているように、本発明の実施形態によるユーザプロファイルのバイオメトリックスコアを計算するために、異なるパラメータが考慮され得る。
図15は、バイオメトリック管理システム110のバイオメトリックスコア計算エンジン360においてユーザプロファイルのバイオメトリックスコアを生成するための例示のシステム300を示している。バイオメトリックスコア計算エンジン360は、先に説明された実施形態を参照すると、少なくとも以下の情報源のいずれか1つ、またはそれらの組合せから収集された情報に基づき、バイオメトリックスコアの計算を実行し得る。
- 最近のバイオメトリック情報310。これは、たとえば、指定されたソフトウェアアプリケーションを使用して電子デバイスの画像キャプチャ装置を介して撮影されたユーザの最近の画像から収集され得る。前に説明されているように、ユーザプロファイルに記憶されたバイオメトリック特性は、有効時間枠を割り当てられ、これは、バイオメトリックスコア計算器360によって、他の情報と組み合わせて、ユーザプロファイルのバイオメトリックスコアを生成するために使用され得る。
- 過去のセキュリティレベルトランザクション320。これは、
図1に示されているようにバイオメトリック管理システムに通信可能に結合されているセキュリティタッチポイントによって収集され得る。
- 特徴抽出技術330の情報。これは、バイオメトリックの特徴抽出モジュール116から収集され、少なくとも、ユーザの画像をキャプチャするために画像キャプチャデバイスによって使用される技術、たとえばカメラレンズ、画像処理ソフトウェア、および同様のものに関係し得る。前に説明されているように、画像キャプチャデバイスの画像キャプチャ能力および処理は、画像キャプチャデバイスに持ち込まれる光学的歪みにおいて重要な役割を果たす。バイオメトリックスコア計算器360は、画像キャプチャデバイスのバイオメトリック特徴抽出能力を考慮し、さらにバイオメトリックスコアの生成における補正フィルタ能力を考慮し得る。
- 前に説明されているように、キャプチャ画像および/またはユーザプロファイルに記憶されている他の情報から収集されるハードおよびソフトバイオメトリック情報340。バイオメトリックスコア計算器360は、歪みのパラメータに重み係数を割り当てることができ、これは、バイオメトリックスコアを生成するために、他の情報に加えて使用され得る。
- 標準化順守モジュール350。これはキャプチャされた画像から取得されたバイオメトリック情報の標準化に関係する。前に説明されているように、キャプチャされた画像は、画像キャプチャ技術、ユーザの顔表情、カメラの位置、および同様のものなどの多くの要因に起因して歪みを生じ得る。そのようなものとして、標準化順守モジュール350は、たとえば補正フィルタの使用を介して、所定の標準に従ってキャプチャされた画像を標準化するものとしてよい。
【0062】
一般に、本発明の実施形態を実装するために実行されるルーチンは、オペレーティングシステムの一部として実装されるか、または特定のアプリケーション、コンポーネント、プログラム、オブジェクト、モジュール、もしくは命令のシーケンスとして実装されるかに関わらず、またはそのサブセットですら、本明細書において「コンピュータプログラムコード」、または単に「プログラムコード」と称され得る。プログラムコードは、典型的には、コンピュータ内の様々なメモリおよびストレージデバイスに様々な時刻に常駐し、コンピュータ内の1つまたは複数のプロセッサによって読み出され実行されたときに、本発明の実施形態の様々な態様を具体化する動作および/または要素を実行するのに必要な動作をそのコンピュータに実行させる、コンピュータ可読命令を含む。本発明の実施形態の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、たとえば、アセンブリ言語であり得るか、またはソースコードもしくはオブジェクトコードのいずれかが、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組合せで書かれる。
【0063】
本明細書で説明されているアプリケーション/モジュールのいずれかに具現化されるプログラムコードは、様々な異なる形態のプログラム製品として個別に、またはまとめて配布することができる。特に、プログラムコードは、本発明の実施形態の態様をプロセッサに実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令をその上に有する、コンピュータ可読記憶媒体を使用して配布され得る。コンピュータ可読記憶媒体は、本質的に非一時的であり、コンピュータ可読命令、データ構造体、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報を格納するための任意の方法または技術に実装される揮発性および不揮発性、ならびに取り外し可能および取り外し不可能な、有形の媒体を含むものとしてよい。コンピュータ可読記憶媒体は、RAM、ROM、消去可能プログラム可能リードオンリーメモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能リードオンリーメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリもしくは他のロバストステートメモリ技術(robust state memory technology)、ポータブルコンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、または他の光学式ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ、もしくは他の磁気ストレージデバイス、または所望の情報を格納するために使用することができ、コンピュータによって読み出すことができる任意の他の媒体をさらに含み得る。コンピュータ可読記憶媒体は、それ自体一時的信号(たとえば、電波または他の伝播する電磁波、導波管などの伝送媒体を通して伝播する電磁波、またはワイヤを介して伝送される電気信号)と解釈されるべきではない。コンピュータ可読プログラム命令は、ネットワークを介してコンピュータ可読記憶媒体または外部コンピュータまたは外部ストレージデバイスから、コンピュータ、別のタイプのプログラム可能データ処理装置、または別のデバイスにダウンロードされ得る。コンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ、他のタイプのプログラム可能なデータ処理装置、または他のデバイスに特定の方式で機能するように指令するために使用され、それによりコンピュータ可読媒体に記憶された命令は、フローチャート、シーケンス図、および/またはブロック図に指定された機能/活動を実装する命令を含む製造品を生産するものとしてよい。コンピュータプログラム命令は、機械を生産するために汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能なデータ処理装置の1つまたは複数のプロセッサに提供され、1つまたは複数のプロセッサを介して実行される命令は、フローチャート、シーケンス図、および/またはブロック図で指定された機能および/または活動を実装するように一連の計算を実行させるものとしてよい。
【0064】
いくつかの代替的実施形態では、フローチャート、シーケンス図、および/またはブロック図で指定された機能および/または活動は、本発明の範囲から逸脱することなく、再順序付けされ、逐次的に処理され、および/または並列処理され得る。さらに、フローチャート、シーケンス図、および/またはブロック図はいずれも、本発明の実施形態と一致して示されているブロックよりも多いまたは少ないブロックを含み得る。
【0065】
本明細書で使用されている専門用語は、特定の実施形態のみを説明することを目的としており、本発明の実施形態を制限することは意図されていない。本明細書で使用されているように、単数形の「1つ(a)」、「1つ(an)」、および「その(the)」は、文脈上そうでないことを示していない限り、複数形も含むことが意図されている。用語「備える、含む(comprise)」および/または「備えること、含むこと(comprising)」は、本明細書内で使用されている場合、記載されている特性、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を意味するが、1つまたは複数の他の特性、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの群の存在もしくは追加を除外しないこともさらに理解されるであろう。さらに、用語「含む(includes)」、「有している(having)」、「有する(has)」、「持つ、備える(with)」、「からなる(comprised of)」、またはこれらの変形が詳細な説明または特許請求の範囲で使用されている範囲において、このような用語は、用語「含む、備える(comprising)」と同様の形で包含的であることが意図されている。様々な実施形態の記述は、本発明のすべてを示しており、これらの実施形態はかなり詳細に記述されているが、付属の特許請求の範囲をそのような詳細に制限するか、またはどのような形であれ限定することは出願人の意図するものではない。追加の利点および変更は、当業者に容易に明らかとなる。したがって、本発明はそのより広い態様において、図示し説明されている特定の詳細、代表的な装置および方法、ならびに示されている例に限定されない。したがって、出願人の一般的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、そのような詳細からの逸脱を行うことができる。
【符号の説明】
【0066】
100 バイオメトリックセキュリティシステム
110 バイオメトリック管理システム
111 プロファイルデータベース
112 監視モジュール
113 バイオメトリック処理モジュール
114 エンロールメントモジュール
115 有効期限予測モジュール
116 特徴抽出モジュール
117 ユーザ認識モジュール
118 バイオメトリック特性ドリフト推定器
119 有効期限予測器モジュール
120 バイオメトリック認証タッチポイント、バイオメトリックタッチポイント
130 登録ユーザ、ユーザ
140 電子デバイス
150 バイオメトリック認証強度モジュール
160 歪み補正モジュール
161 表情分析器
162 相対的歪み推定器
170 バイオメトリック抽出モジュール
190 画像キャプチャデバイス
300 方法、システム
310 バイオメトリック情報
320 過去のセキュリティレベルトランザクション
330 特徴抽出技術
340 ハードおよびソフトバイオメトリック情報
350 標準化順守モジュール
360 バイオメトリックスコア計算エンジン、バイオメトリックスコア計算器
810 バイオメトリックタッチポイント
811 旅行者バイオメトリックIDプロファイル
【国際調査報告】