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特表2024-536300レーザ照射位置が調節されるレーザソルダリング装置及びこれを含むソルダリング方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】レーザ照射位置が調節されるレーザソルダリング装置及びこれを含むソルダリング方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 1/005 20060101AFI20240927BHJP
   B23K 3/06 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
B23K1/005 A
B23K3/06 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519935
(86)(22)【出願日】2022-09-20
(85)【翻訳文提出日】2024-03-29
(86)【国際出願番号】 KR2022014055
(87)【国際公開番号】W WO2023054966
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0128641
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524121269
【氏名又は名称】レーザーヴァル・テクノロジー・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LASERVALL TECHNOLOGY CO., LTD
【住所又は居所原語表記】86‐10 BANWOLLAM‐GIL, HWASEONG‐SI GYEONGGI‐DO 16648, REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ビョン・チャン
(72)【発明者】
【氏名】チョン,ヨン・ウ
(57)【要約】
本発明は、レーザビームによってソルダリングを行って接合面を形成し、レーザビームが照射されるソルダボールが収容される少なくとも一つ以上のノズル部が形成されるソルダ部と、ソルダ部の一側に配置され、レーザビームが照射される位置をモニタリングするモニタリング部と、を備え、ソルダ部から照射されるレーザビームの照射位置は、モニタリング部のモニタリング結果に応じてノズル部またはソルダボールの中心点に照射されるように調節されるレーザ照射位置が整列されるレーザソルダリング装置、及びソルダリング方法が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザビームによってソルダリングを行って接合面を形成し、前記レーザビームが照射されるソルダボールが収容される少なくとも一つ以上のノズル部が形成されるソルダ部と、
前記ソルダ部の一側に配置され、前記レーザビームが照射される位置をモニタリングするモニタリング部と、を備え、
前記ソルダ部から照射される前記レーザビームの照射位置は、前記モニタリング部のモニタリング結果に応じて前記ノズル部、または前記ソルダボールの中心点に照射されるように調節される、レーザ照射位置が整列されるレーザソルダリング装置。
【請求項2】
前記ソルダ部の一側に配置されて前記レーザビームの焦点位置を調節するビーム調節部をさらに含む、請求項1に記載のレーザソルダリング装置。
【請求項3】
前記ビーム調節部は、
前記レーザビームの焦点位置を調節するビームフォーカシング部と、
前記ビームフォーカシング部から調節された前記レーザが照射する位置及び整列状態情報を獲得し、加工対象物に前記レーザビームを照射する請求項1に記載のレーザ照射部と、
前記加工対象物の加工点に対する表面温度、または溶融温度を測定する熱分布測定部と、を含む、
請求項1に記載のレーザ照射位置が整列されるレーザソルダリング装置。
【請求項4】
前記熱分布測定部と、モニタリング部とのうち少なくとも一つは、前記ソルダ部と独立して分離された構成で提供される、請求項3に記載のレーザ照射位置が整列されるレーザソルダリング装置。
【請求項5】
前記熱分布測定部と、モニタリング部とのうち少なくとも一つは、光ファイバを通じて前記ソルダ部と連結される構造を含む、請求項3に記載のレーザ照射位置が整列されるレーザソルダリング装置。
【請求項6】
前記ソルダ部は、前記レーザビームの出力面積を調節する少なくとも一つ以上のビーム変換装置をさらに含む、請求項1に記載のレーザ照射位置が整列されるレーザソルダリング装置。
【請求項7】
前記ソルダ部から放出されるレーザビームは、複数の波長を含むレーザビームであり、それぞれの波長は、異種または同種間の加工対象物に伝達され、溶接、ボンディング、接合、ソルダリングのうちの一つ以上の加工を行う、請求項1に記載のレーザ照射位置が整列されるレーザソルダリング装置。
【請求項8】
前記ソルダ部は、加工対象物をイメージ処理する撮像部をさらに含む、請求項1に記載のレーザ照射位置が整列されるレーザソルダリング装置。
【請求項9】
レーザの伝達は、光ファイバのヘッド部を介して伝達されるダイオードレーザ、ファイバレーザのうちの一つ以上を含む、請求項1に記載のレーザソルダリング装置。
【請求項10】
前記光ファイバのコアは、円形又は多角形に形成される構造を含む、レーザ照射位置が整列される、請求項9に記載のレーザソルダリング装置。
【請求項11】
加工対象物は、既に接合されて移送部により移送される、請求項1に記載のレーザ照射位置が整列される、レーザソルダリング装置。
【請求項12】
前記レーザは、フラットトップ形態の出力で照射する、請求項1に記載のレーザソルダリング装置。
【請求項13】
前記移送部の移送対象は、基材をさらに含み、前記基材は、前記基材上に加工対象物が積層され得るように配置される、請求項1に記載のレーザソルダリング装置。
【請求項14】
制御部と、
複数の加工対象物を移送する移送部と、
ソルダ部であって、前記移送部上に位置した前記加工対象物をソルダリングするために前記制御部の制御により動作し、レーザビームによって前記ソルダリングを行って接合面を形成するソルダ部と、
前記レーザビームが照射されるソルダボールが収容される少なくとも一つ以上のノズル部と、を含み、
前記ソルダ部から照射される前記レーザビームは、前記ノズル部または前記ソルダボールの中心線を基準に偏心して照射可能なように調節される、レーザ照射位置が調節されるレーザソルダリング装置。
【請求項15】
移送部上に加工対象物を配置する移送ことと、
ノズル部またはソルダボールの中心点の位置を認識するモニタリングすることと、
ソルダ部から照射されるレーザビームの照射位置を前記ノズル部、またはソルダボールの中心点に照射されるように定位置することと、
ソルダ部のレーザ発生部から前記レーザビームを前記ソルダボールに照射するソルダリングすることと、
前記ノズル部またはソルダボールの中心点の位置変化に応じて前記ノズル部またはソルダボールの中心点の変位を確認して、前記レーザビームの照射位置を調節する照射位置補正することと、
を含む、レーザザソルダリング方法。
【請求項16】
前記照射位置補正することは、前記ノズル部の中心点を通過する仮想の中心線から離隔された照射地点が、前記ノズル部の中心点に整列されるように補正される、請求項15に記載のレーザソルダリング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ照射位置が調節されるレーザソルダリング装置及びこれを含むソルダリング方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の小型化及び薄型化が急速に進んでいる。また、このような電子機器に実装される半導体装置等のような電子部品にも小型化及び薄型化が要求されている。そして、電子部品は高密度化が進み、接続端子数が増加している。
【0003】
このような要求を満たすための電子部品実装方法として、近年、フリップチップ(Flip Chip)搭載等により、プリント回路等といった実装基板上に外部接続端子としてソルダボールを表面搭載する方法が適用されている。このような搭載方法は、電子部品の基板に設けられた電極上にソルダボールを搭載した後、ソルダボールを実装基板の電極に直接接合させる方法である。
【0004】
したがって、ソルダボールを活用した表面搭載方法が適用される場合、電子部品の基板上にソルダボールが搭載される基板の電極上にソルダボールを位置させた後、ソルダボールを加熱溶融して電極に接合させる方法が一般的に用いられる。
【0005】
このようなソルダリング方法の中で、高精度高品質ソルダリングのために、ソルダボール表面上のレーザビームを照射して、ソルダボールを加熱溶融する方法が最近適用されている。しかし、外部衝撃または外部振動によって予め設定されたレーザ照射位置が変わるか、作業者のレーザ照射位置設定エラーによってソルダボールの溶融状態が変わって、ソルダリングの位置及びソルダリングの品質低下が発生し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、ソルダボールの加熱溶融のためのレーザ照射位置の正確度を向上させることができるレーザ照射位置が調節されるレーザソルダリング装置、およびソルダリング方法を提供することである。
【0007】
また、本発明は、ノズル部を含むソルダ部(ソルダリング部)に光学モジュールと映像装置が共に構成されるようにすることで、上記光学モジュールと映像装置と上記ソルダ部のノズル部が最短距離で配置されることができるため、より速いソルダリング及びレーザ照射位置の調節が可能なレーザソルダリング装置、及びソルダリング方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
課題を達成するために、本発明によるレーザ照射位置が調節されるレーザソルダリング装置は、レーザビームによってソルダリングを行って接合面を形成するが、レーザビームが照射されるソルダボールが収容される少なくとも一つ以上のノズル部が形成されるソルダ部と、ソルダ部の一側に配置され、レーザビームが照射される位置をモニタリングするモニタリング部とを備え、ソルダ部から照射されるレーザビームの照射位置は、モニタリング部のモニタリング結果に応じて、ノズル部又はソルダボールの中心点に照射されるように調節されることができる。
【0009】
本発明の一実施例において、ソルダ部の一側に配置され、レーザビームの焦点位置を調節するビーム調節部をさらに含んでもよい。
【0010】
本発明の一実施形態において、ビーム調節部は、レーザビームの焦点位置を調節するビームフォーカシング部と、ビームフォーカシング部から調節されたレーザが照射される位置、及び整列状態情報を獲得して加工対象物にレーザビームを照射するレーザ照射部と、加工対象物の加工点に対する表面温度または溶融温度を測定する熱分布測定部(Pyrometer)を含むことができる。
【0011】
本発明の一実施形態において、上記熱分布測定部(Pyrometer)、及びモニタリング部のうち少なくとも一つは、上記ソルダ部と独立的に分離された構成で提供されることができる。
【0012】
本発明の一実施例において、上記熱分布測定部(Pyrometer)、及びモニタリング部のうち少なくとも一つは、光ファイバを通じて上記ソルダ部と連結される構造を含むことができる。
【0013】
本発明の一実施例において、ソルダ部は、レーザビームの出力面積を調節する少なくとも一つ以上のビーム変換装置をさらに含んでもよい。
【0014】
本発明の一実施形態において、ソルダ部から放出されるレーザビームは、複数の波長を含むレーザビームであり、それぞれの波長は、異種または同種間の加工対象物に伝達されて溶接、ボンディング、接合、ソルダリングのうちの一つ以上の加工を行うことができる。
【0015】
本発明の一実施形態において、ソルダ部は、加工対象物をイメージ処理する撮像部をさらに含むことで、レーザ照射位置が整列されることができる。
【0016】
本発明の一実施例において、レーザの伝達は、ヘッド部に光ファイバを介して伝達されるダイオードレーザ、半導体レーザ、光ファイバレーザ(Fiber laser)のうち一つ以上を含むことができる。
【0017】
本発明の一実施例において、光ファイバのコアは、円形または多角形に形成される構造を含んで、レーザ照射位置が整列される。
【0018】
本発明の一実施形態において、加工対象物は、既に接合されて移送部により移送されて、レーザ照射位置が整列されてもよい。
【0019】
本発明の一実施形態において、レーザはフラットトップ(Flat-Top)形態の出力で照射されて、レーザ照射位置が整列され得る。
【0020】
本発明の一実施形態において、移送部の移送対象は、基材をさらに含み、基材は、基材上に加工対象物が積層され得るように配置されてもよい。
【0021】
また、本発明によるレーザ照射位置が調節されるレーザソルダリング装置は、
制御部と、
複数の加工対象物を移送する移送部と、
ソルダ部であって、移送部上に位置した加工対象物をソルダリングするために制御部の制御により動作され、レーザビームによってソルダリングを行って接合面を形成するソルダ部と、
レーザビームが照射されるソルダボールが収容される少なくとも一つ以上のノズル部と
を含み、ソルダ部から照射されるレーザビームは、ソルダボールの中心線を基準に、偏心されて照射可能なように調節される。
【0022】
一方、前述したレーザ照射位置が調節されるレーザソルダリング装置を用いたソルダリング方法は、
移送部上に対象体を配置する移送することと、
ノズル部またはソルダボールの中心点の位置を認識するモニタリングすることと、
ソルダ部から照射されるレーザビームをノズル部またはソルダボールの中心点に照射されるように定位置させることと、
ソルダ部のレーザ発生部からレーザビームをソルダボールに照射するソルダリングすることと、
ノズル部またはソルダボールの中心点の位置変化に応じて、ノズル部またはソルダボールの中心点の変位を確認して、レーザビームの照射位置を調節する照射位置補正することとを含む。
【0023】
本発明の一実施形態において、照射位置補正することは、ノズル部の中心点を通過する仮想の中心線から離隔されたレーザビームの照射点が、ノズル部の中心点に整列されるように補正されてもよい。
【0024】
その他の実施例の具体的な事項は、本発明の実施例の詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0025】
本発明によるレーザ照射位置が調節されるレーザソルダリング装置及びそれを含むソルダリング方法によれば、ソルダリングに対するレーザ照射位置の中心点に整列(Align)して定位置させるようにすることで、レーザ照射による照射位置の正確度及びこれによる加工効率を向上させることができる効果がある。
【0026】
本発明によるレーザ照射位置が調節されるレーザソルダリング装置及びこれを含むソルダリング方法によれば、ノズル部を含むソルダ部に光学モジュールと映像装置とが共に構成されるようにすることで、光学モジュールと映像装置とソルダ部のノズル部とが最短距離で配置され得るので、より速いソルダリング及びレーザ照射位置の調節が可能な効果がある。
【0027】
本発明の効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及されていないさらに他の効果は、請求範囲の記載から当業者に明確に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施例によるレーザ照射位置が調節されるレーザソルダリング装置の概略的な構成図である。
図2】本発明の一実施例によるレーザソルダリング装置のソルダリング装置のノズル部を示す図である。
図3】本発明の一実施例によるレーザビームが照射されるノズル部の加工位置調節の例示を示す例示図である。
図4】本発明の一実施例によるレーザを通じて予熱及び加熱する状態を示した図である。
図5】本発明の一実施例による対象体の配置を示した図である。
図6】本発明の一実施例によるレーザを伝達する光ファイバ(Optical fiber)の構成を示した図である。
図7】本発明の他の実施例によるレーザ照射位置が調節されるレーザソルダリング装置の概略的な構成図である。
図8】本発明の一実施例によるソルダリング装置の動作過程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の一実施形態を添付された図面を参照して詳細に説明する。
【0030】
各図面の構成要素に参照符号を付加するにおいて、同一の構成要素に対しては、たとえ異なる図面上に表示されても、可能な限り同一の符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明の実施例を説明するにあたり、関連する公知の構成または機能についての具体的な説明が本発明の実施例に対する理解を妨げると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0031】
本発明の実施例の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのもののみであり、その用語によって当該構成要素の本質や順番または順序などが限定されない。また、別に定義されない限り、技術的または科学的な用語を含めてここで用いられる全ての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に使われる辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的や過度に形式的な意味に解釈されない。
【0032】
本発明の実施形態によるレーザ照射位置が調節されるソルダリング装置及び方法により、レーザ加工対象にマーキング、ドリリング、接合、溶接、ボンディング、及びソルダリングなどのレーザ加工工程を行うことができる。以下では、ソルダリングを行う例示として発明のレーザソルダリング装置及び方法を説明する。すなわち、レーザ加工装置をソルダリング装置として採用してソルダリングのための工程のみを行うことができる。以下では、このような場合にレーザ加工装置をソルダリング装置として説明することができる。
【0033】
延いては、本発明の実施形態に従うレーザ照射位置が調節されるソルダリング装置は、溶接、ソルダリング、ボンディング、接合など、多様な工程に含まれることができるだけでなく、各工程が遂行される材質もポリマー、金属、デエレクトリック(dielectric)、半導体、ガラスなど、多様な材料上に適用できることは勿論である。
【0034】
前述したように、従来のジェットソルダリングの場合に、光学ヘッドに伝達されるレーザビームとノズルに対する外部衝撃または外部振動によって、予め設定されたレーザ照射位置が変化し、作業者のレーザ照射位置設定エラーによる整列(align)の問題があった。
【0035】
そこで、本発明では、下記で説明するように、レーザソルダリング装置のノズル部の中心点にレーザビームが照射される位置を定位置に調節してレーザ照射が進行されるように補正することができる。すなわち、加熱溶融のためのレーザ照射位置の正確度を大きく向上させることができるように、ノズル部の中心点に対するレーザ照射位置(x、y、z)が調節されて整列(align)されることができる。
【0036】
図1は、本発明の一実施形態によるレーザ照射位置が調節されるレーザソルダリング装置の概略的な構成図であり、図2は、本発明の一実施形態によるレーザソルダリング装置のソルダリング装置のノズル部を示す図面であり、図3は、本発明の一実施例によるレーザビームが照射されるノズル部の加工位置調節の例示を示す例示図である。
【0037】
これらの図面を参照すると、本発明によるレーザソルダリング装置100は、制御部(図7:70)と、対象体400をソルダリングするために制御部(図7の70)の制御により移動可能に動作し、レーザビームによってソルダリングを行って接合面を形成するが、レーザビームが照射されるソルダボールSが収容されるノズル部500が形成されるソルダ部200と、ソルダ部200の一側に配置されてレーザビームが照射される位置をモニタリングするモニタリング部350と、レーザビームの焦点位置を調節するビーム調節部300と、を備え、ソルダ部200から照射されるレーザビームの照射位置は、モニタリング部350のモニタリング結果に応じてノズル部500又はソルダボールSの中心点に照射されるように調節される。
【0038】
ビーム調節部300は、レーザビームの焦点位置を調節するビームフォーカシング部(図7:320)と、ビームフォーカシング部(図7:320)から調節されたレーザが照射される位置と、整列状態情報を獲得して対象体400にレーザビームを照射するレーザ照射部(図7:330)と、対象体400の加工点に対する表面温度又は溶融温度を測定する熱分布測定部(Pyrometer)310と、を含んで構成されることができる。モニタリング部350は、例えば、ダイナミックフォーカシングモジュール(dynamic focusing module)または映像モジュール(camera module)であり得るが、これに限定されるものではない。
【0039】
すなわち、本発明によるソルダリング装置100は、ノズル部500が形成されるソルダ部200とともに光学モジュールであるビーム調節部300が配置され、レーザビームが照射される位置をモニタリングするモニタリング部350と対象体400の加工点に対する表面温度または溶融温度を測定する熱分布測定部310とを、光ファイバ(図6:610)を介して接続する構造でコンパクトに構成されている。したがって、レーザビームとノズル部500の焦点調節及びソルダボールSの投入による感知がより速く制御されることができる効果を提供する。
【0040】
さらに、ビーム調節部300に連結されるモニタリング部350を介して確認される映像信号が光ファイバ(図6:610)に伝達されてイメージ化されて表示される。また、ビーム調節部300に連結される熱分布測定部310を介して対象体400の表面またはソルダボールSの溶融温度信号が光ファイバ(図6:610)に伝達され、温度分布が立体的なグラフで表示され得る。このとき、光ファイバ(図6:610)上には、映像信号または溶融温度などの信号を効果的に伝達するためのレンズ及びフィルタ(図示せず)などが結合される。
【0041】
本発明によるレーザソルダリング装置100は、ソルダボールSにレーザビームが照射されて吐出されるように配設されるノズル部500の中心点を通過する仮想の中心線Cの位置の変化による変位をモニタリング及び計算して、所定の距離及び角度に移動可能なように補正することにより、加工位置の精度を向上させることができる。この時、本発明によれば、レーザビームが照射される照射位置をノズル部500の中心点に補正するために、ソルダ部200とノズル部500とは互いに独立して移動されて調節されることができる。
【0042】
即ち、本発明によるレーザソルダリング装置100は、レーザビームが照射される地点(位置)がノズル部500の中心点に補正されるように調節される構成に特徴がある。例えば、レーザソルダリング装置100は、図3に示すように、レーザビームの照射前、照射中または照射後にもモニタリング部350から取得されるイメージを用いて、レーザビームの照射位置P1からノズル部500の中心点P2に移動するように補正されることができる。
【0043】
このように、レーザビームの照射位置の移動は、制御部70を介して制御されてもよい。制御部70は、モニタリング部350から入力及び測定される感知値を用いて、レーザビームが照射される位置の焦点座標であるx、y、z座標を判断してもよい。このような焦点座標は、ビーム変換装置20を通過したレーザビームがダイナミックフォーカシングモジュール(図示せず)によってz軸焦点位置が調節され、スキャンヘッド(図示せず)によってx軸及びy軸焦点位置がノズル部500の中心点位置に定位置するように調節される。スキャンヘッドのx軸スキャンミラーとy軸スキャンミラーとは、レーザビームを反射させて対象体400の所望の位置にレーザビームを照射させることができる。x軸スキャンミラーとy軸スキャンミラーとは、ガルバノメータ(galvanometer)方式により一対のスキャンミラーで構成され、この一対のスキャンミラーは、それぞれx-y平面を横切る軸のうちの一つの方向にレーザビームを偏向させることができる。本発明では、このようなレーザビームが照射されるノズル部500の中心点の焦点座標(x、y、z)を調節することによって、理想的なソルダリング位置調節及び品質向上を確認することができる。
【0044】
また、このような焦点座標は、少なくとも3軸以上で構成される精密ステージを用いて調節され得、レーザビームが照射される角度を調節するためにチルト(tilt)ステージを含むことができる。ここで、チルト(tilt)ステージは、x theta、y theta、z thetaのうちの1つ以上を含むことができる。
【0045】
一方、本発明によるレーザソルダリング装置100は、ソルダボールSが外部移送手段(未図示)から重力または移送補助ガスによって順次移動されてノズル部500に供給されることができる。この場合、移送補助ガスによってソルダボールSを適切な速度でノズル部500側に供給することもできる。ソルダボールSは、略球状に形成され、金属合金からなって、レーザ照射などで溶融され得る。ソルダボール(S)は、電子部品、電気部品を基材(図5:450)に付着するのに使用することができる。ここで、ソルダボールは、ポリマー、ガラス、金属、混合材などの一つの材質で構成され得る。
【0046】
ノズル部500に供給されたソルダボールSは、ノズル部500の内面に沿って下方に移動し、その結果、ノズルチップ(図示せず)に到達することができる。ノズルチップは、ソルダボール(S)が適用される位置に移動し、ノズルチップに到達したソルダボール(S)は、レーザによって溶融されて基材(図5:450)に適用することができる。上述したように、ソルダボールSをノズル部30のノズルチップから離脱させるために別途にガスなどを供給する必要がなく、レーザでソルダボールSを溶融させるだけで自然にソルダボールSがノズル部500から離脱して基材に適用されるか、半田付け工程の効率及び品質を向上させるために別途の補助ガスを供給してソルダボールSをノズル部500から離脱させることもできる。
【0047】
また、本発明によると、レーザソルダリング装置100は、センシング部をさらに含むことができる。センシング部(図示せず)は、レーザ照射によるソルダボールSの溶融温度または熱分布を感知するセンサー、対象体400の温度分布を感知する熱温度分布センサー、レーザ照射強度をセンシングするレーザパワーセンサー、レーザ照射位置をセンシングするビームポジションセンサー、レーザプロファイルンセンサー、接合品質検査装置などを含むことができる。センシング部は、このようなセンシング結果などを制御部70に送信することができる。ここで、上記接合品質検査装置は、対象体400の接合において、材質の特性、接合方法及び接合品質(接合面積、接合深さ、接合強度、接合部のCrack、Void、冷鉛、未鉛、過鉛、熱影響程度など)などを記録することができる。
【0048】
以下、前述した位置調節が可能なレーザソルダリング装置100を用いたソルダリング工程を図8を参照して説明する。
【0049】
図8は、本発明の一実施形態に係るレーザ加工工程を示すフローチャートである。
【0050】
まず、本発明のレーザビームの照射位置がノズル部500の中心点に調節可能である。このようなレーザソルダリング装置100の移送部300は、対象体400を移送して目標地点に配置させることができる(S100)。移送部300には、対象体400の下部に別の基材450がさらに介在されてもよい。
【0051】
ソルダ部200の一側に形成される映像モジュール350は、仮想の中心線Cからノズル部500の中心点をリアルタイムモニタリングし(S200)、レーザビームの照射位置をノズル部500の中心点に定位置させるように補正することができる(S300)。
【0052】
場合によって、ソルダ部200の一側に形成されるモニタリング部350を介してノズル部500に投入されるソルダボールSの位置がリアルタイムで確認され、もし、ソルダボールSの位置に変化がある場合に、これにより、ソルダ部200から照射されるレーザビームの照射位置を調節することができる。この際、レーザビームの照射位置を調節する過程は、既に測定されたソルダボールSの位置と比較して、変化した変位を測定して、計算された数値に応じて調節することができる。
【0053】
続いて、ソルダ部200を経由するレーザビームは、レーザ発生部から接合が行われる対象体400の部位にレーザを照射して加熱及び溶融させることができる(S400)。この場合、対象体400を含んで加熱される部位は、基材450が含まれてもよい。
【0054】
次いで、レーザビームの照射による接合過程(S400)中または後には、ソルダ部200の一側に形成されるモニタリング部350を用いて、ノズル部500の中心点及びソルダボールSの位置の変化をさらにモニタリングして、レーザビームの照射位置を補正したり移動させたりして再溶融されるように照射されてもよい(S500、S600)。
【0055】
図4は、本発明の一実施例に係るレーザで予熱及び加熱する状態を示す図であり、図5は、本発明の一実施例に係る第1対象体410及び第2対象体420の配置を示す図であって、図5(a)は、第1対象体410及び第2対象体420が予め定められた隔離距離をおいて配置され、ソルダバンプ2が隔離距離に位置して互いに接合されることを示す図であり、図5(b)は、本発明の他の実施例に係る第1対象体410及び第2対象体420が別の基材450上で接合されることを示す図である。
【0056】
図5(a)を参照すると、対象体(400;410、420)は、段差があるか予め定められた隔離距離Dを置いて配置されてもよい。例えば、第1対象体410には、ソルダバンプが位置し得る凹状の接合面411が形成されてもよく、第1対象体410と段差が形成されるように配置される第2対象体420との間に接合面411が形成されてもよい。
【0057】
第1対象体410には、ソルダバンプ2が位置し得る凹んだ接合面411が形成されてもよく、隔離距離Dを置いて互いに対向する第2対象体420に接合面411が形成されてもよい。本例示の場合、2つの接合面411が形成され、段差または隔離距離Dを置いて配置された対象体400は、接合面411にソルダバンプ2が位置しながら接合されてもよい。
【0058】
前述した2次ソルダリング工程ではソルダバンプ2が位置した状態でレーザ照射がされてソルダバンプ2をさらに溶解して液状のソルダが段差または隔離距離Dによって形成された空間に分布されるようにする。分布は、ソルダの硬化後に、第1対象体410と第2対象体420との間の接合面積を増加させることにより、接合力が増進又は改善されることを期待することができる。
【0059】
このような接合力の増加は、溶解されたソルダバンプ2が濡れ性が良くなることで効果が増大することができる。濡れ性の改善は、対象体(400)とソルダバンプとの間の温度差により低下し得る。対象体400の温度が常温であり、レーザによって部分的に溶解して位置した高温のソルダバンプ2は温度差が発生し得る。温度差により第1対象体410の接合面411上で濡れ性が減少すると、ソルダバンプ2と対象体400との間の接触面積が減少し得る。
【0060】
したがって、濡れ性を改善するために、温度差を減らす予熱工程を行うことができる。このような予熱工程は、レーザ発生部20の追加的なレーザ照射による方式以外に、ヘッド部230の高低を調節することにより、レーザ焦点から離隔してレーザ焦点と対象体との間の隔離距離を形成して行われてもよい。図4を参照すると、レーザにより予熱及び加熱が可能な状態を示す図であって、ヘッド部230は、対象体400から焦点距離F(Focusing)と非焦点距離DF(Defocusing)とを選択的に調節することができる。
【0061】
焦点距離Fに対象体400が位置する場合には、レーザの出力が集中するため、金属の対象体400は溶融したり熱による毀損したりすることがある。したがって、焦点距離Fに集中してレーザを照射する場合は、ソルダバンプ2を溶融させるために、ソルダバンプ2に照射する場合になりうる。
【0062】
また、非焦点距離DFに対象体400が位置する場合は、レーザの出力が分散し、レーザの照射面積は増加するため、広い面積に対して加熱するとき、非焦点距離DFに対象体400が位置してもよい。従って、非焦点距離DFに集中してレーザを照射する場合は、ソルダバンプ2と対象体400との温度差を最小化して濡れ性を増大させ、接着面積を増加させる場合となる。
【0063】
一方、図5(b)を参照すると、第1対象体410及び第2対象体420は、さらに提供される基材450上で予め定められた隔離距離Dを置いて配置されてソルダにより接合されてもよい。具体的には、対象体400;410、420は、移送部300上に積載されて移送されるとき、互いに予め定められた距離だけ離隔して配置され、且つ基材450上に配置され得る。即ち、移送部300上に上方に基材450及び対象体400(410、420)が順次積層配置され得る。もちろん、これは垂直方向に積層される例示に限って説明をしたもので水平方向に積層される場合には、ヘッド部230からより隣接した部材が対象体400になることができる。図5(b)の実施例は、対象体400;410、420が基材上で水平方向に離隔している一方、図5(a)の実施形態の場合、垂直方向に対象体400;410、420が離隔している。したがって、離隔した空間にソルダバンプ2が位置して接合面411の場合、図5(b)では、第1対象体410、第2対象体420及び基材450にわたって形成されてもよい。
【0064】
ソルダボールSが吐出されてソルダバンプの状態で予め定められた位置に位置されるように、対象体410、420には接合面411が凹に形成され得るが、これは、第1対象体410及び第2対象体420のうちの1つ以上の部材に選択的に位置することができる。本例示の場合、凹状に形成された接合面411がそれぞれの対象体410、420に形成された場合にもなる。
【0065】
このような接合面411の形成は、濡れ性を改善させて接合力の増加につながり得る。濡れ性の改善は、対象体400とソルダバンプとの間の温度差により低下し得る。具体的には、対象体400の温度が常温であり、レーザによって部分的に溶解して位置した高温のソルダバンプ2は温度差が発生し得る。温度差によって第1対象体410の接合面411上で濡れ性が減少すると、ソルダバンプ2と対象体400との間の接触面積が減少し得る。
【0066】
したがって、濡れ性を改善するために、温度差を減らす上述の予熱工程が行われてもよい。予熱工程は、ヘッド部230の高低またはレーザ出力などの情報を変更することにより、レーザ焦点から離隔してレーザ焦点と対象体との間の隔離距離を形成して行われる。図4を参照すると、レーザにより予熱及び加熱が可能な状態を示す図であって、ヘッド部230は、対象体400から焦点距離F(Focusing)と非焦点距離DF(Defocusing)とを選択的に調節することができる。
【0067】
焦点距離Fに対象体400が位置する場合には、レーザの出力が集中するため、金属の対象体400は溶融したり熱による毀損したりすることがある。したがって、焦点距離Fに集中してレーザを照射する場合は、ソルダバンプ2を溶融させるために、ソルダバンプ2に照射する場合がある。
【0068】
また、非焦点距離DFに対象体400が位置する場合は、レーザの出力が分散し、レーザの照射面積は増加するため、広い面積に対して加熱するとき、非焦点距離DFに対象体400が位置してもよい。従って、非焦点距離DFに集中してレーザを照射する場合は、ソルダバンプ2と対象体400との温度差を最小化して濡れ性を増大させ、接着面積を増加させる場合がある。
【0069】
具体的には、予熱工程と、ソルダバンプ2の配置を示す図5に図示された実施形態とを参照すれば、図4を参照して説明した非焦点距離DFに位置した対象体400;410、420は、予熱される。予熱される部位の面積内にソルダバンプ2が位置してもよい。より正確には、ソルダバンプ、すなわち、接合される地点を含む接合される地点の周辺部が予熱部(図示せず)になることができる。予熱される部位内でソルダバンプ及び対象体410,420間の段差又は隔離距離Dの一部が含まれ得、段差又は離隔距離D側には、予熱工程後に2次ソルダリング過程でソルダバンプ2の溶融によってソルダバンプ2が流入され得る。流入の結果として、ソルダは、流入部(図示せず)が形成されたまま硬化され、そのような流入部により、対象体410,420は、互いに接合面積が増大し、接合力がさらに上昇する。
【0070】
図6は、本発明の一実施例に係るレーザを伝達する光ファイバ(Optical fiber)610の構成を示す図である。
【0071】
図6を参照すると、本発明によるマルチレーザソルダリング装置100のヘッド部230に光ファイバを通じて伝達される光ファイバレーザFLまたはダイオードレーザであり得、このような光ファイバ(Optical fiber)610は、レーザビームが伝達されるコア611及び被覆612,613,614,615,616で構成され得る。具体的に、コア611は、全反射などによってレーザを伝達することができる構成であり、被覆612,613,614,615,616は、コア611を外部に露出させずに衝撃から保護するなどの機能をする構成であって、一つ以上を含むことができる。例えば、複数個の被覆612,613,614,615,616は、衝撃吸収用ポリ塩化ビニル、耐久力増進用アラミドヤーン、ポリイミド、シリコンなどの素材を含むことができる。
【0072】
また、上記被覆612,613,614,615,616の内に位置したコア611の形態は多様に形成できる。様々な形態のコアは、四角形、多角形、円形などの様々な形態であってもよい。このようなコアの大きさ及び形状によって、レーザの大きさ及び品質が変わり得る。
【0073】
上述したレーザソルダリング装置及びソルダリング方法によれば、本発明の実施例に係る装置乃至方法は、次のような構成を含むことができる。以下で説明する検査は、検査部によって遂行される第1検査(pre-inspection)及び第2検査(post-inspection)を含むことができる。第1検査(pre-inspection)の場合、ソルダリングが遂行される前に対象体の安着状態、即ち回転及び配置状態を含む整列状態とソルダリングする位置を感知するものであり、第2検査(post-inspection)の場合、ソルダリングが遂行された後にソルダ部の短絡(open)、ショート(short)、クラック及び気孔(void)、過剰鉛、ブリッジとの汚染、焼き付き、冷鉛、濡れ不良、過熱、腐食、侵食、部品位置ずれ、部品間の浮き、未鉛など不良種類のうち一つ以上を感知する検査であることができる。以下の説明のように、第2検査結果、品質基準を満足させない対象体は、品質基準を満足させる対象体と分類され得、品質基準を満足させない対象体に対しては再作業(resoldering、rework)が遂行されてもよい。
【0074】
第一、レーザ供給装置から供給されるレーザは、ソルダ材質に応じて、レーザ吸収率の高い波長を有するレーザであり得る。また、ファイバレーザまたはダイオードレーザ(Fiber LaserまたはDiode Laser)など固体レーザであってもよい。レーザ発生装置から発生したレーザビームは、光ファイバを介してレーザソルダリングヘッドまで別途の光学ミラーなしに伝達される。これにより、レーザの安定した供給及びレーザ照射によるソルダリング時に精密な操作が可能である。
【0075】
第二に、レーザ加工装置は、レーザソルダリングノズルを含むピックアンドプレースソルダリングヘッド(Pick and Place Soldering Head)またはジェットソルダリングヘッド(Jet Soldering Head)を含むことができる。レーザソルダリングヘッドは、レーザビーム集束光学ヘッド、ソルダボールS供給装置、及びノズルを含んでもよい。ここで、レーザソルダリングヘッドは、ヘッド部を意味すると、シングルヘッド(single head)で構成されるだけでなく、2個のヘッドを含むデュアルヘッド(dual head)で構成されることができる。また、3個以上のヘッドを含むヘッド体で構成され得ることは言うまでもない。このようにレーザソルダリングヘッドを2個以上含む場合、装置の生産性を高めることができる。
【0076】
第三に、ビジョンインスペクションモジュール(Vision Inspection Module・unit)またはビジョンインスペクション段階を含むことができる。 このようなビジョンインスペクションモジュールまたはステップを含むことにより、ソルダリングするカメラモジュールの位置検査、整列状態検査、ソルダリングする位置検査など(PreInspection)を行うことができ、必要に応じてソルダリング後のソルダリング品質を検査(PostInspection)することができる。したがって、1)低倍率及び高倍率レンズで構成されたビジョン検査モジュールを装着するか、2)モディライズド可変ズームレンズ(Motorized Variable Zoom Lens、x1~x18:最高倍率はZoom Lens設計によってさらに高めることができる)を装着して、低倍率で高倍率、広い領域で狭い領域を自動検査することができる。プレインスペクション(PreInpsection)とポストインスペクション(PostInpsection)を1個のビジョンインスペクションモジュールにすることもできるが、生産性を高めるために別途のビジョンインスペクションモジュールで構成することができる(例えば、プレインスペクション(PreInpsection)機能用の1個、ポストインスペクション(PostInspection)機能用の1個で構成)。
【0077】
プリインスペクション(PreInpsection)とポストインスペクション(PostInspection)とを1個のビジョンインスペクションモジュールで用意する場合、プリインスペクション(PreInpsection)を経た対象体がソルダリングのための位置に移動されてソルダリングされた後、以前の位置に戻ってポストインスペクション(PostInspection)することができる。ビジョン検査モジュールが、2個、すなわち、プリインスペクション(PreInpsection)機能用の1個及びポストインスペクション(PostInspection)機能用の1個によって設けられる場合、プリインスペクション(PreInpsection)モジュール、レーザソルダリングモジュール及びポストインスペクション(PostInspection)モジュールが位置する順に対象体が順に移動され、インスペクション及びソルダリングされる。
【0078】
さらに、ソルダリング品質をリアルタイムでモニタリングしてパラメータを制御したり、ソルダリングされた領域の短絡(open)、ショート(short)、クラック及び気孔(void)、過剰鉛、ブリッジとの汚染、焼き付き、冷鉛、濡れ不良、過熱、腐食、侵食、部品位置ずれ、部品間の浮き、未鉛などのポストインスペクション(PostInspection)のために赤外線(Infra-red)検査装置または3次元検査装置をさらに含むことができる。
【0079】
第四に、上記のポストインスペクション(PostInspection)後に要求されるソルダリング品質基準に適合しない対象体を分類できる分類(Sorting)装置をさらに含むことができる。
【0080】
第五に、ポストインスペクション(PostInspection)後に要求されるソルダリング品質基準に適合しない対象体を修理できる修理装置をさらに含むことができる。このような修理装置は、レーザを再照射してソルダ部を再溶融させてソルダ濡れ性を向上させるか、または既にソルダされたソルダを除去して再作業(Resoldering、rework)することができる。既にソルダリングされたソルダの除去時に、ピン(Pin)のような機械的なツールを用いて自動除去したり、レーザを用いて再溶解(remelting)させて、吸入して自動除去することができる。
【0081】
第六に、ソルダリング(Soldering)後の品質管理のために、塵及び異物を除去するための集塵装置を含んだクリーニングデバイス(Cleaning Device)をさらに含むことができる。クリーニングデバイス(Cleaning Device)としては、乾燥空気ブローイング(Dry Air Blowing)装置、二酸化炭素スノークリーニング(CO2 Snow Cleaning)装置、レーザクリーニング(Laser cleaning)装置、及び不活性ガスブローイング装置のうち一つ以上の装置をさらに含むことができる。
【0082】
第七に、ソルダリングしなければならない基材の種類によってあらかじめ予納するソルダリング予納部をさらに含むことができる。また、レーザソルダリングヘッド(Soldering Head)をさらに含んでソルダリングの品質向上及び生産性向上を極大化することができる。
【0083】
そして、本発明によるマルチレーザソルダリング装置は、ジグ(jig)をさらに含むことができる。ジグは、回転型移動方式で移動するジグ(rotating fixture jig)であってもよい。回転型移動方式を採用したジグを複数個含むジグ部(fixture jig channel)が設けられ得る。例えば、回転型移動方式で移動するジグが三つ以上結合されて設けられるジグ部(three fixture jig channel)が設けられ得る。このようなジグ部(fixture jig channel)には、ソルダリング作業が行われる対象体が多数を含むか安着することができる。ここで、対象体の二つ地点以上にそれぞれソルダリング及び接合(bonding)のうち一つ以上の作業を行うとき、一つの対象体に存在する二つ地点のうち一つの地点にソルダリングまたは接合(bonding)作業を行うと、対象体に存在する二つ地点のうち残りの地点にレーザ加工が行われるように治具を移動させることができる。
【0084】
ここで、ジグの移動は回転されることができ、直線運動による移動となることもでき、回転及び直線運動の組み合わせによる移動となることができる。移動が完了すると、残りの地点にソルダリングまたは接合(bonding)が行われ得る。
【0085】
具体的な例として、第1ヘッド(laser bonding head 1)が第1治具部(fixture jig channel 1)上で接合(bonding)を遂行し、第2ヘッド(laser bonding head 2)は第3治具部(fixture jig channel 3)上で接合(bonding)を遂行することができる。それぞれの位置でヘッド(laser bonding head 1およびlaser bonding head 2)が接合(bonding)を完了すると、第1ヘッドは第2ジグ部上で接合(bonding)作業を遂行することができる。そして、第1ジグ部がレーザ照射位置から外れたアンローディング位置に位置すると、接合作業が完了した対象体は取り出され得る。対象体が取り出された第1ジグ部上には新しい対象体が位置して接合作業を待機することができる。
【0086】
第3ジグ部に位置した対象体に対して接合作業が完了すれば、対象体は取り出され、対象体が取り出された第3ジグ部上には新しい対象体が位置して接合作業を待機することができる。
【0087】
第1ヘッドは、第2ジグ部上に位置した対象体に接合作業が完了すれば、第1ヘッドは、第1ジグ部上に位置した対象体に接合作業を行うことができる。そして、第2ジグ部がアンローディング位置に位置すれば、接合作業の完了した対象体が取り出され、第2ジグ部上には新しい対象体が位置して接合作業を待機することができる。
【0088】
第2ヘッドは第3治具部上の対象体を接合作業が完了すると、第2ヘッドは第2治具部を接合作業することができる。接合作業を繰り返し行い、レーザ加工を施すことができる。
【0089】
作業が完了したジグ部(Fixture jig channel)のそれぞれの対象体は、一つまたは二つのビジョン検査(インスペクション)モジュール・ユニット(vision inspection module・unit)で接合品質検査(PostInspection)を行うことができる。
【0090】
一方、図7は本発明の他の実施例によるレーザ照射位置が調節されるレーザソルダリング装置の概略的な構成図であり、図7を参照すると、本発明の他の実施例によるレーザソルダリング装置100は制御部、移動可能に配置されるソルダ部200及びソルダ部200の一側に形成されてソルダボールSが投入されるノズル部500を含むことができる。ここで、ソルダ部200は、ソルダボールSに熱を加えるレーザビームを発生させるレーザ発生部、レーザビームの出力面積または形状を調節するビーム変換装置、ビーム変換装置20を経由したレーザビームを対象体に照射されるソルダボールSに加えるビーム調節部300及びビーム調節部300の一側に配置され、レーザビームが照射される位置をモニタリングするモニタリング部350を含むことができる。本発明によれば、モニタリング部350は、例えば、ダイナミックフォーカシングモジュール(dynamic focusing module)、または映像モジュール(camera module)であり得るが、これに限定されるものではない。
【0091】
ビーム調節部300は、ビーム変換装置20を経由したレーザビームの焦点位置を調節するビームフォーカシング部320と、ビームフォーカシング部320から調節されたレーザが照射される位置及び整列状態情報を獲得して対象体にレーザビームを照射するレーザ照射部330と、対象体の加工点に対する表面温度又は溶融温度を測定する熱分布測定部310(Pyrometer)とを含んで構成できる。
【0092】
ここで、本発明の他の実施によるレーザソルダリング装置100は、上述の実施例とは異なり、ソルダ部200とノズル部500が互いに隣接して配置または連結される構造に形成されるが、独立的に動作可能なように結合されてもよい。
【0093】
本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態で実施され得ることを理解できるだろう。したがって、以上で記述した実施例は全ての面で例示的なものであり、限定的ではないと理解しなければならない。本発明の範囲は、詳細な説明よりは後述する請求の範囲によって示され、請求の範囲の意味及び範囲、そしてその均等概念から導き出されるすべての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5(a)】
図5(b)】
図6
図7
図8
【国際調査報告】